(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】光学部品に対して断熱性を有するLEDモジュール及びそのようなLEDモジュールを有する車両ヘッドライト
(51)【国際特許分類】
F21S 41/39 20180101AFI20240920BHJP
F21S 45/47 20180101ALI20240920BHJP
F21S 41/148 20180101ALI20240920BHJP
F21V 29/15 20150101ALI20240920BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20240920BHJP
F21V 29/70 20150101ALI20240920BHJP
F21W 102/13 20180101ALN20240920BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240920BHJP
【FI】
F21S41/39
F21S45/47
F21S41/148
F21V29/15 100
F21V29/503
F21V29/70
F21W102:13
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519049
(86)(22)【出願日】2022-09-27
(85)【翻訳文提出日】2024-03-27
(86)【国際出願番号】 US2022044902
(87)【国際公開番号】W WO2023049512
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ドローゲラー,マルク
(72)【発明者】
【氏名】ブーガード,ウィム
(57)【要約】
【要約】
発光素子(LED)モジュールが記載される。LEDモジュールは、ヒートシンクと、ヒートシンクの上面上の少なくとも1つのLEDと、光学部品との位置合わせのためにヒートシンクの上面から突出する取付特徴部とを含む。断熱材は、そうでなければ、取り付けられたときに光学部品と接触することになる取付特徴部の少なくとも一部に隣接する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子(LED)モジュールであって
ヒートシンクと、
前記ヒートシンクの上面上の少なくとも1つのLEDと、
前記ヒートシンクの前記上面から突出し、
光学部品と位置合わせするように構成された複数の取付特徴部と、
前記複数の取付特徴部の少なくとも一部に隣接し、そうでなければ、取り付けられたときに前記光学部品と接触する、断熱材と、を含む、
LEDモジュール。
【請求項2】
前記断熱材は、前記複数の取付特徴部の他の部分とは別個の部分である、請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項3】
前記複数の取付特徴部は、固定特徴部を備え
前記複数の取付特徴部の他の部分とは別個の部分である前記断熱材は、断熱プラスチックで作られ、前記固定特徴部に含まれるワッシャである、請求項2に記載のLEDモジュール。
【請求項4】
前記断熱材は、前記複数の取付特徴部の周りに嵌め込まれたチューブ、又は前記複数の取付特徴部の上面を覆う断熱材のストリップのうちの1つ又は複数である、請求項2に記載のLEDモジュール。
【請求項5】
前記断熱材は、少なくとも1つの断熱プラスチックを含む、請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項6】
前記光学部品をさらに備え、前記断熱材は、前記光学部品上に配置されている、請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項7】
前記断熱材は、前記複数の取付特徴部のうちの少なくとも1つの上に配置される、請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項8】
前記少なくとも1つのLEDは、波長変換材料を活性化する光源から離れた波長変換材料である、請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項9】
前記少なくとも1つのLEDは、少なくとも1つの発光ダイオードである、請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項10】
発光素子(LED)モジュールであって
ヒートシンクモジュールと、
前記ヒートシンクモジュールの上面上にある少なくとも1つのLEDと、
前記ヒートシンクモジュールの前記上面から突出し、光学部品と位置合わせするように構成され、断熱材から形成された複数の取付特徴部と、を含む、LEDモジュール。
【請求項11】
前記ヒートシンクモジュールは、ヒートシンクを備え、前記複数の取付特徴部は、前記ヒートシンクとは別個の部品である、請求項10に記載のLEDモジュール。
【請求項12】
前記ヒートシンクモジュールは
ヒートシンクと、
少なくとも1つの断熱プラスチックから形成され、前記ヒートシンクに固定されたベース部と、を含む、請求項10に記載のLEDモジュール。
【請求項13】
前記ヒートシンクモジュールは、ヒートシンクに成形された前記複数の取付特徴部を備える、請求項10に記載のLEDモジュール。
【請求項14】
前記断熱材は、少なくとも1つの断熱プラスチックを含む、請求項10に記載のLEDモジュール。
【請求項15】
車両ヘッドライトであって、
ヒートシンクモジュールと、
前記ヒートシンクモジュールの上面上にある少なくとも1つのLEDと、
前記ヒートシンクモジュールの前記上面から突出する複数の取付特徴部と、
前記複数の取付特徴部を介して前記ヒートシンクモジュールに取り付けられ、前記複数の取付特徴部から離間されて、それらが接触しないようにされた光学部品と、を含む、車両ヘッドライト。
【請求項16】
前記複数の取付特徴部は、鋭い縁部を有する、請求項15に記載の車両ヘッドライト。
【請求項17】
前記複数の取付特徴部は、三角形の断面を有する、請求項16に記載の車両ヘッドライト。
【請求項18】
前記複数の取付特徴部の接触面は、突起を含む、請求項15に記載の車両ヘッドライト。
【請求項19】
前記複数の取付特徴部は、前記貫通領域における前記ヒートシンクモジュールのヒートシンクと前記反射器ピンとの間の接触を回避するために、前記反射器上のピンの対応する横方向延長部よりも十分に大きい少なくとも1つの貫通孔を含む、請求項15に記載の車両ヘッドライト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年9月27日に出願された米国仮特許出願第63/248,785号の利益を主張し、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
例えばダイオードレーザを含む任意の又は全ての半導体発光デバイスを包含し得る発光ダイオード(LED)は、エネルギー効率及び寿命などの優れた技術的特性により、より古い技術の光源にますます取って代わっている。これは、例えば、車両のヘッドライトのような、輝度、光度、及び/又はビーム成形に関して要求の厳しい用途にも当てはまる。しかしながら、LED、特に高出力LEDは、そのエネルギー効率にもかかわらず、依然としてかなりの熱を発生することがあり、このため、LEDの接合部温度を低く保つために、典型的にはLEDをヒートシンクに接続することによって冷却する必要がある。ヒートシンクLEDのこのような必要性は、多くの他の高出力半導体部品と共有され得る。
【発明の概要】
【0003】
発光デバイス(LED)モジュールが記載される。LEDモジュールは、ヒートシンクと、ヒートシンクの上面上の少なくとも1つのLEDと、光学部品との位置合わせのためにヒートシンクの上面から突出する取付特徴部とを含む。断熱材料は、そうでなければ、取り付けられたときに光学部品と接触することになる取付特徴部の少なくとも一部に隣接する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
添付の図面とともに例として与えられる以下の説明から、より詳細な理解を得ることができる。
【0005】
【
図3】
図2のLEDモジュールに反射器を追加した別の概略斜視図である。
【
図4】
図3の反射器を有するLEDモジュールの概略斜視図であり、反射器の上部が切り取られた状態で、わずかに回転された斜視図である。
【
図5】
図3の反射器を有するLEDモジュールの背面からの概略斜視図である。
【
図6】絶縁特徴部を有するLEDモジュールの概略斜視図である。
【
図7】車両ヘッドライトシステムの一例の図である。
【
図8】車両ヘッドライトシステムの別の例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
異なる光照明システムおよび/または発光ダイオード(「LED」)実装形態の例を、添付の図面を参照して以下でより十分に説明する。これらの例は、相互に排他的ではなく、一例において見出される特徴は、追加の実装形態を達成するために、1つまたは複数の他の例において見出される特徴と組み合わせられ得る。したがって、添付の図面に示される例は、例示の目的のためにのみ提供され、それらは、決して本開示を限定することを意図しないことが理解されるであろう。全体を通して、同様の番号は同様の要素を指す。
【0007】
第1、第2、第3などの用語は、本明細書では様々な要素を説明するために使用され得るが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、1つの要素を別の要素と区別するために使用され得る。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の要素は第2の要素と呼ばれてもよく、第2の要素は第1の要素と呼ばれてもよい。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つまたは複数の任意のおよびすべての組合せを含み得る。
【0008】
層、領域、または基板などの要素が別の要素の「上に」ある、または「上に」延在すると言及される場合、それは、他の要素の直接上にある、または直接上に延在してもよく、または介在要素が存在してもよいことが理解されるであろう。対照的に、要素が別の要素の「直接上に」ある、または「直接上に」延在すると言及されるとき、介在要素は存在しなくてもよい。また、ある要素が別の要素に「接続される」または「結合される」と言及される場合、その要素は、その別の要素に直接接続もしくは結合されてもよく、かつ/または1つもしくは複数の介在要素を介してその別の要素に接続もしくは結合されてもよいことも理解されよう。対照的に、要素が別の要素に「直接接続される」または「直接結合される」と言及されるとき、その要素と他の要素との間に介在要素は存在しない。これらの用語は、図に示された任意の向きに加えて、要素の異なる向きを包含することが意図されることが理解されるであろう。
【0009】
「下」、「上」、「上側」、「下側」、「水平」、または「垂直」などの相対的な用語は、別段に明記されていない限り、図に示されているように、ある要素、層、または領域の別の要素、層、または領域に対する関係を説明するために本明細書で使用され得る。これらの用語は、図に示された向きに加えて、デバイスの異なる向きを包含することが意図されていることが理解されるであろう。
【0010】
上述のように、LEDは、依然として、それらの環境に放散される必要があるかなりの廃熱を発生させる可能性がある。このような目的のために、従来は、ヒートシンクがLEDに取り付けられている。LEDに近い一次光学部品、及び/又はLEDに近い一次光学部品などの他の構造も、放熱のために使用され得る。
【0011】
図1は、LEDモジュールの断面図である。参照により本開示に組み込まれる米国特許第9,791,141号に記載されているように、
図1に示すような遠隔蛍光体要素30は、光源として機能することができる。放熱のために、第1の熱経路が、蛍光体要素30から、カバー10の熱伝導部34及び熱伝導ねじ23を介してヒートシンク22まで確立され得る。第2の熱経路は、熱伝導部34を介して、蛍光体要素30から反射器21の基部へと熱を伝達し得る。この例では、ヒートシンク22に加えて、反射器21を使用して、LEDモジュール1の環境に熱を放散することができる。
【0012】
反射器21の一次光学部品は、さらなる放熱手段を提供し得るが、そうすることには欠点がないわけではない。例えば、反射体21が熱発生構成要素(例えば、
図1の燐光体要素30)に近接している場合、そのように使用されるために、反射体21は、高温に耐えることが可能である必要がある。さらに、ヒートシンクとして機能するために、反射器21は、高い熱伝導率を有する材料から製造される必要がある。高温に耐えることができ、かつ/または高い熱伝導率を有することができるそのような材料は、典型的には高価であり、かつ/または設計の自由度を制限する。例えば、反射器21は、金属又は特殊プラスチックから形成される必要がある。金属成形製造プロセスは高価であり、特殊プラスチックは高価であり、および/または特殊成形プロセスを必要とする。
【0013】
残念ながら、LEDに近い光学部品に対するこのような高い要求は、特定の熱伝導部34が使用されない場合にも生じる。このような光学部品の温度上昇は、動作中にかなりの熱を発生するLEDに近いことから、単純に生じる。高出力LED光源の場合、LEDによって放射された光を処理する光学部品におけるそのような高温は、容易に135℃以上に達することがある。
【0014】
図2は、他のLEDモジュールの概略斜視図である。
図2に示す例では、LEDモジュール1は、ヒートシンク22と、リボンボンド12を介してPCB 20に電気的に接続された3つのLED
11と、PCB 20上に取り付けられた電気コネクタ40とを含む。図示された例において、ヒートシンク22は、(図において上方に)突出するピン3、4を有し、ピン3は、PCB 20をヒートシンク22に固定するために機能し、ピン4は、ヒートシンク平面において、ヒートシンク22に取り付けられる反射器21のための位置合わせ要素として機能する(
図3参照)。さらに、ヒートシンク22から突出しているのは、ヒートシンク平面に対して横方向に反射器21を位置合わせするための隆起ストライプ5であってもよい
【0015】
図3は、
図2のLEDモジュールに反射器を追加した別の概略斜視図である。
図3に示される例では、
図1のLEDモジュールは、ヒートシンク面に垂直な軸の周りに約90°回転され、ヒートシンク22に取り付けられた光学部品21(図示された例では反射器)と共にヒートシンク面に対して中心に置かれる。反射器21は、PCB
20及びヒートシンク22の貫通孔6を貫通する締結具(
図4参照)によって取り付けられてもよい(
図4参照)。
図1)。反射器21の切抜き部25は、形状嵌合式に、ピン4の側面に接触し、それによって、反射器21を3つのLED 11に対して位置合わせすることができる。
【0016】
図4は、
図3の反射器を有するLEDモジュールの概略斜視図であり、わずかに回転された斜視図であり、反射器の上部が切り取られている。
図5は、
図3の反射板付きLEDモジュールを裏面側から見た概略斜視図である。
図4及び
図5は、反射器がどのようにヒートシンク22に固定されるかを示す。このために、
図4は、
図3のLEDモジュールを概略的な斜視図で示しているが、しかしながら、幾分回転されており、特に、反射器21の上部が除去されて、反射器21の固定機構が見えるようになっている。反射器21は、その内側に、(PCB 20及びヒートシンク22の)貫通孔6を貫通する反射器ピン7を有してもよい。このようなピン7は、ヒートシンク22の下側から突出する部分に、ナット8がねじ込まれるねじ山を有し、隆起ストライプ5上にしっかりと載置されるまで、ヒートシンク22の上面に向かって反射器を引き寄せる。ナット8と、ナット8とヒートシンク22の下側との間のワッシャ9(ハッチング領域を参照)とは、LEDモジュールをその背面からの概略斜視図で示す
図5から見ることができる。
【0017】
図2~
図5から、反射器21は、反射器のためのLEDモジュールの取付特徴部を介して、例えば、反射器21が、(i)ヒートシンク22の上面に平行に位置合わせするために(例えば、ヒートシンク平面内で位置合わせするために)突出ピン4の側面に当接し、(ii)隆起ストライプ5上に載置され(例えば、ヒートシンク平面に対して横方向に位置合わせするために)、(iii)貫通孔8を貫通する反射器ピン8に(ワッシャ9上の)ナット8がねじ込まれることを介して、LEDモジュール1に接触し得ることが認識できる。
図2~
図5は、特定の実施形態のみを示しているが、一般に、LEDモジュールのLEDの光を処理する一次光学部品は、LEDに近接してLEDモジュールに取り付けられる必要がある。そのような取り付けは、LEDモジュールの取付特徴部を利用してもよく、そのうちのいくつかは、光学部品の位置合わせのために役立ち(位置合わせ特徴部)、他のものは、光学部品の固定のために役立つ(固定又は締結特徴部)。
【0018】
LED 11は、LEDモジュール1の動作時に、かなりの熱を発生し、この熱は、ヒートシンク22にわたって分散される。従って、ヒートシンク22の全ての部分は、非常に高い温度を帯びる。取付特徴部4、5(位置合わせ特徴部)および6、8、9(固定特徴部)においてヒートシンクに接触し得る光学部品21は、これらの高温に耐えることができる必要がある。したがって、光学部品21は、従来、温度安定材料から作られ、米国特許第9,791,141号(上記で参照により組み込まれている)で説明されているように、ヒートシンク22に加えてさらなる放熱手段として光学部品21を使用することによって、そのような温度安定材料から利益を得る。
【0019】
しかしながら、温度安定材料は高価であり、ヒートシンク22の適切な設計、ヒートシンク22に対するLED
11の適切な配置、及びファンを使用するような潜在的に更なる手段を用いると、追加の放熱部品として光学部品21を使用する利点は、温度安定材料の追加コストを犠牲にしない場合がある。本明細書に記載される実施形態は、LEDモジュール1の少なくとも一部と光学部品21の少なくとも一部との間のLEDモジュール1に対して断熱を提供する。例えば、従来のLEDモジュールでは、熱はLEDモジュールから光学部品へ妨げられずに流れることができるが、本明細書に記載される実施形態では、断熱はそのような熱流を低減する。
【0020】
LEDモジュールと光学部品との間に少なくとも部分的に断熱材を追加することは、光学部品に結合される熱を低減し、光学部品は、周囲空気への熱伝導及び熱対流、並びにその環境への放射熱伝達などによって、その環境によって冷却され続ける。したがって、光学部品の温度を低下させることができ、光学部品を温度安定性の低い、したがってより安価な材料で作製することができる。このような断熱は、様々な方法で実現することができる。
【0021】
図6は、LEDモジュール100の概略斜視図である。LEDモジュール100は、特定の絶縁部品が挿入されていることを除いて、
図2のLEDモジュール1と同一である。例えば、単に絶縁材料から形成された管であってもよい中空シリンダ104は、位置合わせピン4上を摺動してもよく、これは、反射器21(
図6には示されていない)がピン4の側面に直接接触することを回避し得る。代替的に、または追加的に、
図6に示すように、絶縁材料の平坦なストリップ102を、隆起ストライプ5と反射器21(
図6には図示せず)との間に配置することができる。代替的に又は追加的に、
図6には示されていないが、LEDモジュール100は、例えば、熱伝導性の低いプラスチックで作られることによって、少なくとも部分的に、低い熱伝導率を有する取付特徴部を使用してもよい。いくつかの実施形態では、そのような低熱伝導性部分は、光学部品を取り付ける際にLEDモジュールに追加される別個の部分であってもよい。追加的に又は代替的に、
図5に示されるようなワッシャ9がナット8と下側ヒートシンク22との間に使用される場合、そのようなワッシャ9は、低い熱伝導率を有するプラスチック材料で作られてもよく、従って、良好な熱伝導性金属から構成され得るナット8と、ヒートシンク22から反射器ピン7へ熱を伝導し得るヒートシンクとの直接接触を回避する。
【0022】
別個の部品を使用する代わりに、取付特徴部自体を、部分的に又は完全に、低熱伝導率材料で作製することができる。これは、位置合わせ機構を部分的にまたは完全に絶縁プラスチックから作製することによって特に有利であり得る。そうするために、絶縁プラスチックからの位置合わせ機構は、例えば、ヒートシンクに成形されてもよい。本明細書に記載される実施形態は、追加的に又は代替的に、絶縁プラスチックで作られ、ヒートシンクに固定される(例えば、ねじ留め、リベット留め、又は接着によって)別個の部品上に位置合わせ特徴部を実現することも包含し得る。
【0023】
LEDモジュールの少なくとも一部と光学部品との間の断熱材として、熱伝導性の悪い材料を使用することに加えて、そのような断熱材は、LEDモジュールと光学部品との間の接触面積を最小化することによっても達成され得る。例えば、適合する反射器の切り欠き25を有する円筒形ピン4、および反射器21の平坦な当接対応部分を有する平坦な隆起ストライプ5を使用する代わりに、位置合わせ特徴部は、三角形などの鋭い縁部を有するように作製することができる。あるいは、取付特徴部と反射器との間の接触面積は、取付特徴部の接触面上の小さな突起を見越して、突起のピークのみへの接触を低減することによって低減されてもよい。さらに、反射ピン7の横方向の延長よりも十分に大きい貫通孔6の直径を選択することは、貫通領域におけるヒートシンク22と反射ピン7との間のいかなる接触も回避し得る。
【0024】
代替的に又は追加的に、断熱材は、光学部品自体に追加されてもよい。例えば、取付特徴部に接触する反射器21の少なくともいくつかの部分は、熱伝導性の低い材料で作られてもよく、及び/又は接触面積を最小限にするように成形されてもよい。
【0025】
図7は、本明細書に記載された実施形態および実施例のうちの1つまたは複数を組み込むことができる例示的な車両ヘッドランプシステム700の図である。
図7に示す例示的な車両ヘッドランプシステム700は、電力線702、データバス704、入力フィルタおよび保護モジュール706、バストランシーバ708、センサモジュール710、LED直流-直流(DC/DC)モジュール712、論理低ドロップアウト(LDO)モジュール714、マイクロコントローラ716、およびアクティブヘッドランプ718を含む。
【0026】
電力線702は、車両から電力を受け取る入力を有してもよく、データバス704は、車両と車両ヘッドランプシステム700との間でデータが交換され得る入力/出力を有してもよい。例えば、車両ヘッドランプシステム700は、車両内の他の位置から、方向指示信号をオンにするか、またはヘッドランプをオンにする命令などの命令を受信してもよく、必要に応じて、車両内の他の位置にフィードバックを送信してもよい。センサモジュール710は、データバス704に通信可能に結合されてもよく、例えば、環境条件(例えば、時刻、雨、霧、または周囲光レベル)、車両状態(例えば、駐車中、移動中、移動速度、または移動方向)、および他の物体(例えば、車両または歩行者)の存在/位置に関連する追加のデータを車両ヘッドランプシステム700または車両内の他の位置に提供してもよい。車両データバスに通信可能に結合された任意の車両コントローラとは別個のヘッドランプコントローラも、車両ヘッドランプシステム700に含まれ得る。
図7において、ヘッドランプコントローラは、マイクロコントローラ(μc)716などのマイクロコントローラであってもよい。マイクロコントローラ716は、データバス704に通信可能に結合されてもよい。
【0027】
入力フィルタおよび保護モジュール706は、電力線702に電気的に結合されてもよく、例えば、伝導放出を低減し、電力耐性を提供するために、種々のフィルタをサポートしてもよい。さらに、入力フィルタおよび保護モジュール706は、静電放電(ESD)保護、ロードダンプ保護、オルタネータ電界減衰保護、および/または逆極性保護を提供し得る。
【0028】
LED DC/DCモジュール712は、入力フィルタ及び保護モジュール106とアクティブヘッドランプ718との間に結合されて、フィルタリングされた電力を受け取り、アクティブヘッドランプ718内のLEDアレイ内のLEDに電力供給するための駆動電流を供給することができる。LED DC/DCモジュール712は、約13.2ボルトの公称電圧を有する7~18ボルトの入力電圧と、(例えば、負荷、温度、又は他の要因による要因又は局所的な較正及び動作条件調整によって決定されるような)LEDアレイの最大電圧よりもわずかに高い(例えば、0.3ボルト)出力電圧とを有することができる。
【0029】
論理LDOモジュール714は、フィルタリングされた電力を受け取るために入力フィルタおよび保護モジュール706に結合され得る。論理LDOモジュール714は、マイクロコントローラ716及びアクティブヘッドランプ718に結合されて、マイクロコントローラ716及び/又はCMOS論理回路などのアクティブヘッドランプ718内の電子機器に電力を供給することもできる。
【0030】
バストランシーバ708は、例えば、汎用非同期送受信機(UART)またはシリアル周辺インターフェース(SPI)インターフェースを有してもよく、マイクロコントローラ716に結合されてもよい。マイクロコントローラ716は、センサモジュール710からのデータに基づいて、またはそれを含む車両入力を変換してもよい。変換された車両入力は、アクティブヘッドライト718内の画像バッファに転送可能なビデオ信号を含んでもよい。さらに、マイクロコントローラ716は、デフォルト画像フレームをロードし、起動中にオープン/ショートピクセルをテストすることができる。実施形態において、SPIインターフェースは、CMOS内の画像バッファをロードしてよい。画像フレームは、フルフレーム、差分フレーム、または部分フレームであり得る。マイクロコントローラ716の他の特徴部は、ダイ温度を含むCMOS状態の制御インターフェース監視、ならびに論理LDO出力を含み得る。実施形態において、LED DC/DC出力は、ヘッドルームを最小化するように動的に制御され得る。画像フレームデータを提供することに加えて、サイドマーカまたは方向指示ライトと併せた補完的使用、および/または日中走行ライトの起動等の他のヘッドランプ機能もまた、制御されてもよい。
【0031】
図8は、別の例示的な車両ヘッドランプシステム800の図である。
図8に示される例示的な車両ヘッドランプシステム800は、アプリケーションプラットフォーム802、2つのLED照明システム806及び808、並びに二次光学系810及び812を含む。
【0032】
LED照明システム808は、光ビーム814(
図8の矢印814aと814bとの間に示される)を放射し得る。LED照明システム806は、光ビーム816(
図8の矢印816aと816bとの間に示される)を放射し得る。
図8に示される実施形態では、二次光学部品810は、LED照明システム808に隣接し、LED照明システム808から放射された光は、二次光学部品810を通過する。同様に、第2の光学部品812は、LED照明システム806に隣接し、LED照明システム806から放射された光は、第2の光学部品812を通過する。代替的な実施形態では、車両ヘッドランプシステムに二次光学系810/812は設けられない。
【0033】
含まれる場合、二次光学素子810/812は、1つ以上の光ガイドであってもよく、またはそれを含んでもよい。1つ以上の光ガイドは、エッジライト式であってもよく、又は光ガイドの内側エッジを画定する内側開口部を有してもよい。LED照明システム808及び806は、1つ以上の光ガイドの内側開口部に挿入されて、1つ以上の光ガイドの内側縁部(内側開口部光ガイド)又は外側縁部(縁部照明光ガイド)に光を注入することができる。実施形態において、1つ以上の光ガイドは、LED照明システム808及び806によって放射される光を、例えば、勾配、面取り分布、狭い分布、広い分布、又は角度分布などの所望の方法で成形することができる。
【0034】
アプリケーションプラットフォーム802は、
図7の電力線702及びデータバス704のうちの1つ以上又は一部を含み得る線804を介して、LED照明システム806及び/又は808に電力及び/又はデータを供給し得る。1つ以上のセンサ(車両ヘッドランプシステム800内のセンサまたは他の追加のセンサであってもよい)は、アプリケーションプラットフォーム802のハウジングの内部または外部にあってもよい。代替的に、又は追加的に、
図7の例示的な車両ヘッドランプシステム700に示されるように、各LED照明システム808及び806は、それ自体のセンサモジュール、接続及び制御モジュール、電力モジュール、及び/又はLEDアレイを含み得る。
【0035】
実施形態では、車両ヘッドランプシステム800は、操向可能な光を提供するためにLEDが選択的に作動され得る操向可能な光ビームを有する自動車を表し得る。例えば、LEDまたはエミッタのアレイを使用して、形状またはパターンを画定または投影するか、または道路の選択された部分のみを照明することができる。例示的な実施形態では、LED照明システム806及び808内の赤外線カメラ又は検出器ピクセルは、照明を必要とするシーンの部分(例えば、車道又は横断歩道)を識別するセンサ(例えば、
図7のセンサモジュール710内のセンサと同様の)であってもよい。
【0036】
当業者には明らかなように、本明細書の説明に基づいて、本発明の実施形態は、例えばVerilogまたはVHDLなどのハードウェア記述言語(HDL)を使用してソフトウェアで設計することができる。HDL設計は、電子システムの挙動をモデル化することができ、設計は、合成され、最終的にハードウェアデバイスに加工されることができる。さらに、HDL設計は、コンピュータ製品に格納され、ハードウェア製造前にコンピュータシステムにロードされ得る。
【0037】
実施形態を詳細に説明したが、当業者は、本説明を考慮して、本発明の概念の精神から逸脱することなく、本明細書に記載された実施形態に対して変更がなされ得ることを理解するであろう。したがって、本発明の範囲は、例示され、説明された特定の実施形態に限定されることを意図していない。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子(LED)モジュールであって
上面と、前記上面から突出する複数の取付特徴部とを備えるヒートシンクであって、前記ヒートシンク及び前記複数の取付特徴部は、同じ熱伝導性材料から形成され、前記複数の取付特徴部は、光学部品と位置合わせするように構成される、ヒートシンクと、
前記ヒートシンクの
前記上面上の少なくとも1つのLEDと
、
前記
光学部品と前記複数の取付特徴部の少なくとも一部
の間に、そうでなければ、取り付けられたときに前記光学部品と接触する、断熱材と、を含む、LEDモジュール。
【請求項2】
前記断熱材は、前記複数の取付特徴部の他の部分とは別個の部分である、請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項3】
前記複数の取付特徴部は、固定特徴部を備え
前記複数の取付特徴部の他の部分とは別個の部分である前記断熱材は、断熱プラスチックで作られ、前記固定特徴部に含まれるワッシャである、請求項2に記載のLEDモジュール。
【請求項4】
前記断熱材は、前記複数の取付特徴部の周りに嵌め込まれたチューブ
である、請求項2に記載のLEDモジュール。
【請求項5】
前記断熱材は、少なくとも1つの断熱プラスチックを含む、請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項6】
前記光学部品をさらに備え、前記断熱材は、前記光学部品上に配置されている、請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項7】
前記断熱材は、前記複数の取付特徴部のうちの少なくとも1つの上に配置される、請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項8】
前記少なくとも1つのLEDは、波長変換材料を活性化する光源から離れた波長変換材料である、請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項9】
前記少なくとも1つのLEDは、少なくとも1つの発光ダイオードである、請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項10】
車両ヘッドライトであって、
ヒートシンクモジュールと、
前記ヒートシンクモジュールの上面上にある少なくとも1つのLEDと、
前記ヒートシンクモジュールの前記上面から突出する複数の取付特徴部と、
前記複数の取付特徴部を介して前記ヒートシンクモジュールに取り付けられ、前記複数の取付特徴部から離間されて、それらが接触しないようにされた光学部品と、を含む、車両ヘッドライト。
【請求項11】
前記複数の取付特徴部は、鋭い縁部を有する、請求項
10に記載の車両ヘッドライト。
【請求項12】
前記複数の取付特徴部は、三角形の断面を有する、請求項
11に記載の車両ヘッドライト。
【請求項13】
前記複数の取付特徴部の接触面は、突起を含む、請求項
10に記載の車両ヘッドライト。
【請求項14】
前記複数の取付特徴部は、
前記ヒートシンクモジュールのヒートシンクと反射器ピンが貫通
孔を貫通する領域における
と反射器ピンとの間の接触を回避するために、前記反射
器ピンの対応する横方向延長部よりも十分に大きい少なくとも1つの
前記貫通孔を含む、請求項
10に記載の車両ヘッドライト。
【請求項15】
前記断熱材は、前記複数の取付特徴部の上面を覆う断熱材のストリップである、請求項1に記載のLEDモジュール。
【国際調査報告】