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特表2024-535431シェーグレン症候群の治療及び予防におけるCD40L特異的TN3由来足場
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  • 特表-シェーグレン症候群の治療及び予防におけるCD40L特異的TN3由来足場 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】シェーグレン症候群の治療及び予防におけるCD40L特異的TN3由来足場
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/16 20060101AFI20240920BHJP
   A61K 47/60 20170101ALI20240920BHJP
   A61K 47/65 20170101ALI20240920BHJP
   A61K 47/64 20170101ALI20240920BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240920BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20240920BHJP
   C07K 16/28 20060101ALN20240920BHJP
   C07K 14/435 20060101ALN20240920BHJP
【FI】
A61K38/16
A61K47/60
A61K47/65
A61K47/64
A61P43/00 105
C07K19/00 ZNA
C07K16/28
C07K14/435
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519055
(86)(22)【出願日】2022-09-28
(85)【翻訳文提出日】2024-05-07
(86)【国際出願番号】 US2022077182
(87)【国際公開番号】W WO2023056297
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】63/249,553
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/375,282
(32)【優先日】2022-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520304402
【氏名又は名称】ビエラ バイオ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100163784
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 健志
(72)【発明者】
【氏名】アレビゾス,イリアス
(72)【発明者】
【氏名】イレイ,ガボール
(72)【発明者】
【氏名】リース,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ドラッパ,ヨルン
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,リアンウェイ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C076BB01
4C076BB13
4C076BB15
4C076BB16
4C076BB21
4C076BB22
4C076BB29
4C076BB30
4C076BB31
4C076EE23
4C076EE41
4C076EE59
4C084AA02
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA22
4C084BA23
4C084DC50
4C084MA13
4C084MA52
4C084MA56
4C084MA57
4C084MA60
4C084MA63
4C084MA66
4C084NA14
4C084ZC541
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045BA57
4H045CA40
4H045DA70
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
CD40L特異的Tn3足場を含む組成物及び方法が提供される。また、シェーグレン症候群の予防及び治療のためにそれを利用する方法も提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シェーグレン症候群(SS)の治療を、必要とする対象において治療するための方法であって:
CD40L特異的モノマーサブユニットを含むTn3足場を前記対象に投与することであって:
ここで、前記Tn3足場はCD40Lに特異的に結合し;
ここで、前記モノマーサブユニットは、A、B、C、D、E、F、及びGと称される7つのベータ鎖と、AB、BC、CD、DE、EF、及びFGと称される6つのループ領域とを含み、ここで前記ABループは配列番号11を含み、前記BCループは配列番号12を含み、前記CDループは配列番号13を含み、前記DEループは配列番号14を含み、前記EFループは配列番号15を含み、前記FGループは配列番号16を含み、
ここで、前記CD40L特異的モノマーサブユニットを含む前記Tn3足場は、約1500mg、約2500mg、または約3000mgの用量で投与されることと、を含む、前記方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、少なくとも1つのCD40L特異的モノマーサブユニットが、A、B、C、D、E、F、及びGで示される7つのベータ鎖を含み、前記ベータ鎖Aは配列番号5を含み、前記ベータ鎖Bは配列番号6を含み、前記ベータ鎖Cは配列番号17を含み、前記ベータ鎖Dは配列番号18を含み、前記ベータ鎖Eは配列番号19を含み、前記ベータ鎖Fは配列番号20を含み、前記ベータ鎖Gは配列番号21を含む、前記方法。
【請求項3】
請求項1~2のいずれか1項に記載の方法であって、前記対象が欧州リウマチ連盟(EULAR)シェーグレン症候群疾患活動性指数(ESSDAI)スコア≧5を有する、前記方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、前記ESSDAIスコアが、皮膚、腎臓、関節、筋肉、血液、腺性、体質性、リンパ節性、及び生物学的ドメインからなるESSDAIドメインに基づいて評価される、前記方法。
【請求項5】
請求項1~2のいずれか1項に記載の方法であって、前記対象が以下、
(a)ESSDAIスコア<5、
(b)EULARシェーグレン症候群患者報告指数(ESSPRI)スコア≧5、及び
(c)全刺激唾液流量>0.1mL/分、を有する、前記方法。
【請求項6】
前記Tn3足場が導入用量として、及びその後の維持用量として投与される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記導入用量が、前記Tn3足場を約2週間ごとに1回、少なくとも3回投与することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記維持用量が、前記Tn3足場を約4週間ごとに1回、少なくとも4回投与することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記最後の導入用量と前記最初の維持用量との間の時間が約4週間である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記Tn3足場が、約4週間ごとに1回、約2か月ごとに1回、約3か月ごとに1回、約4か月ごとに1回、または約6か月ごとに1回投与される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記Tn3足場が少なくとも4回投与される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記Tn3足場が少なくとも5回投与される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記Tn3足場が、静脈内、皮下、経口、筋肉内、くも膜下腔内、舌下、直腸、膣、皮膚、全身、局所、経皮、または吸入によって投与される、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記Tn3足場が静脈内投与される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記Tn3足場が、直列に接続された2つのCD40L特異的モノマーサブユニットを含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記2つのCD40L特異的モノマーサブユニットがそれぞれ配列番号3を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記CD40L特異的モノマーサブユニットがリンカーによって接続されている、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つのCD40L特異的モノマーサブユニットが、ポリエチレングリコール(PEG)に直接融合またはコンジュゲートされる、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つのCD40L特異的モノマーサブユニットが、ポリエチレングリコール(PEG)にリンカーを介して融合またはコンジュゲートされる、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記リンカーが、ペプチドリンカーを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記リンカーが配列番号7、配列番号8、配列番号9、または配列番号10を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1つのCD40L特異的モノマーサブユニットがアルブミンに融合またはコンジュゲートされる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記アルブミンがヒト血清アルブミン(HSA)である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記HSAが配列番号4を含むバリアントHSAである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
シェーグレン症候群(SS)の治療を、必要とする対象において治療するための方法であって:
約1500mg、約2500mg、または約3000mgの用量で対象にTn3足場を投与することであって、前記Tn3足場は配列番号1を含む、前記投与することを含む、前記方法。
【請求項26】
前記Tn3足場が導入用量として投与され、その後1回以上の維持用量として投与される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記導入用量と前記維持用量が同じ量である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記導入用量と前記維持用量が異なる量である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
少なくとも1回の用量が3000mgである、請求項25~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記導入用量及び少なくとも1回の維持用量が、約1か月間隔、約2か月間隔、約3か月間隔、約4か月間隔、または約6か月間隔を置いて投与される、請求項25~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記導入用量が、前記Tn3足場を約2週間ごとに少なくとも3回投与することを含み、前記維持用量が前記Tn3足場を約4週間ごとに1回、少なくとも4回投与することを含む、請求項25~30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記Tn3足場が配列番号1を含む、請求項1~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記投与が、プラセボ対照の投与を受ける、他の点では同等の対象と比較して、ESSDAIスコアを低下させるのに有効である、請求項1~32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記低下が少なくとも約1ポイント、2ポイント、3ポイント、4ポイント、または5ポイントである、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記低下が少なくとも約6ポイントである、請求項33に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年9月12日に出願された米国仮出願第63/375,282号、及び2021年9月28日に出願された米国仮特許出願第63/249,553号に対する優先権を主張するものであり、それらの開示は、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
電子配列表に対する参照
電子配列表(HOPA_038_01WO_SeqList_ST26.xml、サイズ:24,514バイト;及び作成日:2022年9月6日)の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
(技術分野)
本開示は、Tn3足場を含む組成物、ならびにシェーグレン症候群の治療及び予防においてそれを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
シェーグレン症候群(SS)は、外分泌腺、主に唾液腺及び涙腺の慢性リンパ球性炎症を特徴とする全身性自己免疫疾患であり、過度の乾燥として現れる機能喪失につながる。さらに、腺外症状は、筋骨格系、肺系、腎臓系、神経系、皮膚系、胃腸系、血液系、肝胆管系、または血管系に影響を与える多臓器障害として説明されており、疲労は最も顕著な併存疾患の1つである。関節、肺、皮膚、及び末梢神経が最も頻繁に関与する臓器系であるが、診断時の血球減少症、低補体血症、及びクリオグロブリン血症は、全身活動性の増大と強く関連している。
【0005】
乾燥、筋骨格系の疼痛、及び疲労という患者の認識を含むSSの主観的側面は衰弱させる可能性があり、生活の質(QoL)に実質的な悪影響を与えることが示されている。QoL低下の主な原因は乾燥及び疲労である。また、QoLは、心理的及び感情的な問題、ならびに日常生活における親族への依存、及び仕事の困難性、同様に他の課題を伴う社会生活の障害によっても影響を受ける。外分泌機能不全を有し、欧州リウマチ連盟(EULAR)シェーグレン症候群患者報告指数(ESSPRI)スコアが5以上と定義する重篤な自覚症状を有するSS患者は、「症状が不十分な状態」のカットオフポイントとみなされるが、全身疾患活性は少ない(EULARを使用)シェーグレン症候群疾患活動性指数(ESSDAI)スコア<5]SS患者は、相当な疾患負担及び全体的に許容できない健康状態にもかかわらず、最近の治験から除外されているSS患者の大きいサブセットに相当する。
【0006】
SS患者の約15~20%は、一般的に影響を受ける外分泌腺(唾液腺及び眼)を超えた全身症状を示す。SS患者の中等度から高度の全身活動性は、ESSDAI≧5によって定義できる。これらの症状として最も一般的なものには、関節炎、肺疾患、腎疾患、血管炎、神経障害、及び腺の関与を伴う自律神経系機能不全が挙げられる。中等度から高度の疾患活動性は衰弱させるだけでなく、罹患した臓器の機能不全、または死亡リスクの増大と関連する血小板減少症及びリンパ腫などの血液病変を引き起こす可能性がある。生物学的製剤または疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)は、SSの全身性疾患活動性を大幅に低下させる効果があることは示されていない。現在、SSの腺外症状の治療に利用できる、承認された免疫調節剤または証拠に基づいた治療ガイドラインはない。したがって、腺外症状に対する標準治療は大きく異なり、地域の慣行、専門家の意見、及び治療医師の個人的な経験に基づいている。
【0007】
実質的な疾患の負担及び全体的な受け入れがたい健康状態を軽減することを目的とした新しい治療法が必要である。
【発明の概要】
【0008】
本明細書では、CD40L特異的モノマーサブユニットを含むTn3足場を対象に投与することを含む、シェーグレン症候群(SS)の治療を必要とする対象におけるシェーグレン症候群(SS)を治療するための方法が提供される。態様によっては、Tn3足場は、CD40Lに特異的に結合する。態様によっては、モノマーサブユニットは、A、B、C、D、E、F、及びGと称される7つのベータ鎖と、AB、BC、CD、DE、EF、及びFGと称される6つのループ領域とを含み、ここでABループは配列番号11を含み、BCループは配列番号12を含み、CDループは配列番号13を含み、DEループは配列番号14を含み、EFループは配列番号15を含み、FGループは配列番号16を含む。態様によっては、CD40L特異的モノマーサブユニットを含むTn3足場は、約1500mg、約2500mg、または約3000mgの用量で投与される。
【0009】
本明細書では、その必要な対象においてシェーグレン症候群(SS)を治療する方法であって、対象に約1500mg、約2500mg、または約3000mgの用量でTn3足場を投与することを含み、このTn3足場が配列番号1を含む方法が提供される。
【0010】
シェーグレン症候群(SS)を、シェーグレン症候群(SS)の治療を必要とする対象において治療するための方法が提供され、この方法は、CD40L特異的モノマーサブユニットを含むTn3足場をこの対象に投与することを含み;ここで、このTn3足場はCD40Lに特異的に結合し;ここでこのモノマーサブユニットは、A、B、C、D、E、F、及びGと称される7つのベータ鎖、ならびにAB、BC、CD、DE、EF、及びFGと称される6つのループ領域を含み、このABループは、配列番号11を含み、BCループは配列番号12を含み、CDループは配列番号13を含み、DEループは配列番号14を含み、EFループは配列番号15を含み、FGループは配列番号16を含み、ここでCD40L特異的モノマーサブユニットを含むTn3足場は、約1500mg、約2500mg、または約3000mgの用量で投与される。態様によっては、少なくとも1つのCD40L特異的モノマーサブユニットは、A、B、C、D、E、F、及びGで示される7つのベータ鎖を含み、ベータ鎖Aは配列番号5を含み、ベータ鎖Bは配列番号6を含み、ベータ鎖Cは配列番号17を含み、ベータ鎖Dは配列番号18を含み、ベータ鎖Eは配列番号19を含み、ベータ鎖Fは配列番号20を含み、ベータ鎖Gは配列番号21を含む。態様によっては、対象は、欧州リウマチ連盟(EULAR)シェーグレン症候群疾患活動性指数(ESSDAI)スコア≧5を有する。態様によっては、ESSDAIスコアは、皮膚、腎臓、関節、筋肉、血液学、腺性、体質性、リンパ節性、及び生物学的ドメインからなるESSDAIドメインに基づいて評価される。態様によっては、対象は、(a)前記ESSDAIスコア<5、(b)EULARシェーグレン症候群患者報告指数(ESSPRI)スコア≧5、及び(c)全刺激唾液流量>0.1ml/分を有する。
【0011】
態様によっては、Tn3足場は、導入用量として、及びその後の維持用量として投与される。態様によっては、導入用量は、少なくとも3回の投与にわたって、Tn3足場を、約2週間ごとに1回投与することを含む。態様によっては、維持用量は、少なくとも4回の投与にわたって、Tn3足場を、約4週間ごとに1回投与することを含む。態様によっては、導入用量と維持用量の間の時間は、約4週間である。態様によっては、Tn3足場は、約4週間ごとに1回、約2か月ごとに1回、約3か月ごとに1回、約4か月ごとに1回、または約6か月ごとに1回投与される。態様によっては、Tn3足場は少なくとも4回投与される。態様によっては、Tn3足場は少なくとも5回投与される。態様によっては、Tn3足場は、静脈内、皮下、経口、筋肉内、くも膜下腔内、舌下、直腸、膣、皮膚、全身、局所、経皮、または吸入によって投与される。態様によっては、Tn3足場は静脈内に投与される。態様によっては、Tn3足場は、直列に接続された2つのCD40L特異的モノマーサブユニットを含む。態様によっては、2つのCD40L特異的モノマーサブユニットはそれぞれ配列番号3を含む。態様によっては、CD40L特異的モノマーサブユニットはリンカーによって接続される。態様によっては、少なくとも1つのCD40L特異的モノマーサブユニットは、ポリエチレングリコール(PEG)に直接融合またはコンジュゲートされる。態様によっては、少なくとも1つのCD40L特異的モノマーサブユニットは、リンカーを介してポリエチレングリコール(PEG)に融合またはコンジュゲートされる。態様によっては、リンカーはペプチドリンカーを含む。態様によっては、リンカーは、配列番号7、配列番号8、配列番号9、または配列番号10を含む。態様によっては、少なくとも1つのCD40L特異的モノマーサブユニットは、アルブミンに融合またはコンジュゲートされる。態様によっては、アルブミンはヒト血清アルブミン(HSA)である。態様によっては、HSAは、配列番号4を含むバリアントHSAである。
【0012】
シェーグレン症候群(SS)の治療を必要とする対象において治療する方法が提供される。態様によっては、方法は、必要な対象に約1500mg、約2500mg、または約3000mgの用量でTn3足場を投与することを含み得る。態様によっては、方法は、配列番号1から構成されるTn3足場を投与することを含み得る。態様によっては、Tn3足場は、導入用量として、及びその後の1つ以上の維持用量として投与される。態様によっては、導入用量と維持用量は同じ量である。態様によっては、導入用量と維持用量は異なる量である。態様によっては、少なくとも1回の用量は3000mgである。態様によっては、導入用量及び少なくとも1回の維持用量は、約1か月間隔、約2か月間隔、約3か月間隔、約4か月間隔、または約6か月間隔で投与される。態様によっては、導入用量は、Tn3足場を約2週間ごとに少なくとも3回投与することを含み、維持用量は、Tn3足場を約4週間ごとに1回、少なくとも4回投与することを含む。態様によっては、Tn3足場は配列番号1を含む。態様によっては、この方法は、対象が等価の投与を受ける他の同等の方法と比較して、ESSDAIスコアを低下させるのに有効である。態様によっては、低下とは、少なくとも約1ポイント、2ポイント、3ポイント、4ポイント、または5ポイントである。態様によっては、低下とは少なくとも約6ポイントである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ESSDAI≧5によって定義される中等度から重度(中度から高度)の全身性疾患活動性を有し、抗Ro自己抗体及び/またはリウマチ因子(RF)が存在する成人を含む例示的な研究フロー図を示す。74人の対象を、無作為割り付け(1:1)して、VIB4920の1500mgまたはプラセボを2週間ごとに1回×3回静脈内投与して、その後4週間ごとに1回(Q4W)でさらに4回の追加投与を与えた(ステージI)。169日目から開始し、VIB4920に無作為に割り付けられた対象は、プラセボをQ4Wで5回投与され、プラセボに無作為に割り付けられた対象はVIB4920をQ4Wで5回投与された(ステージII)。無作為割り付けは、スクリーニング時のEULARシェーグレン症候群疾患活動性指数(ESSDAI)スコアによって階層化した(<10ポイントvs≧10ポイント)。Δ=デルタ;D=日数;EoS=研究の終了;EP=エンドポイント;ESSDAI=欧州リウマチ連盟シェーグレン症候群疾患活動性指数;ESSPRI=EULARシェーグレン症候群患者報告指数内。IA=中間分析。mos=月;PE=主要評価項目。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書では、ヒトテネイシンC(Tn3)タンパク質融合タンパク質の抗分化抗原群(CD)40リガンド(CD40L)-第3フィブロネクチンIII型(Fn3)タンパク質ドメインであるTn3足場、及びそれをSSにおいて使用する方法が提供される。態様によっては、提供される組成物及び方法は、中等度から高度の全身性疾患活動性を有するSS患者の腺症状及び腺外症状の治療、ならびに外分泌機能不全を有するSS患者の乾燥、疲労、及び疼痛の自覚的訴えの治療に利用される。分化抗原群(CD40)の活性化は、以前にその全てがSSの病態生理学と関連付けられていた、胚中心形成、免疫グロブリン(Ig)クラススイッチング、ならびにインターフェロンα、腫瘍壊死因子α、及びインターロイキン6などのサイトカインの発現において重要であることが示されている。CD40/CD40Lの調節不全は、SS患者の循環細胞と上皮唾液細胞との両方で観察されている。これらの観察によって、CD40L/CD40経路の阻害がSSに有益であり得ることが示唆される。
【0015】
以下の説明には、本開示を理解するのに有用であり得る情報が含まれている。本明細書で提供される任意の情報が、先行技術であること、もしくは現在特許請求されている本開示に関連していること、または具体的もしくは暗示的に参照されたなんらかの出版物が先行技術であることを認めるものではない。
【0016】
定義
以下の用語は当業者にはよく理解されていると考えられるが、以下の定義は、ここで開示される主題の説明を容易にするために記載される。
【0017】
以下に別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有することを意図している。本明細書で使用される技術への言及は、当該技術分野で一般に理解されている技術を指すことを意図しており、これらの技術の変形及び/または当業者には明らかな等価の技術の代替を含む。
【0018】
本明細書で使用する場合、内容が明らかに別段に示されている場合を除き、「ある、1つの(a:不定冠詞)」、「ある、1つの(an:不定冠詞)」及び「この、その(the:定冠詞)」という単数形には、複数の言及物が含まれる。
【0019】
数値の直前にある場合「約」または「およそ」という用語は、ある範囲(例えば、その値の±10%)を意味する。例えば、開示の文脈で別段指示のない限り、または、そのような解釈と矛盾しない限り、「約50」とは、45~55を意味し得、「約25,000」とは、22,500~27,500などを意味し得る。例えば、数値のリスト、例えば、「約49、約50、約55、…」において、「約50」とは、その前後の値の間隔(複数可)の半分未満に及ぶ範囲、例えば、49.5を超え、52.5未満の範囲を意味する。さらに、「約」ある値「未満」または「約」ある値「超」という表現は、本明細書に提供する「約」という用語の定義を考慮して理解されたい。同様に、一連の数値または値の範囲(例えば、「約10、20、30」または「約10~30」)の前にある場合「約」という用語は、それぞれ、一連の全ての値、または範囲の終末点を指す。
【0020】
本明細書で使用される「対象」という用語は、診断、予後、または治療が望まれる任意の個体、例えばヒトまたは非ヒト哺乳動物を指す。「対象」という用語は、疾患に罹患している、罹患している可能性が高い、または疾患に罹患していると疑われる、ヒトまたは非ヒト哺乳動物を意味する場合がある。「対象」及び「患者」という用語は、本明細書では互換的に使用される。態様によっては、対象は哺乳動物である。哺乳動物には、霊長類、例えば、ヒト、サル、チンパンジー、及び類人猿、ならびに非霊長類、例えば、家畜、例としては、実験動物(例えば、ウサギ及びげっ歯類、例えば、モルモット、ラット、またはマウス)及び家庭用ペット及び家畜(例えば、猫、犬、豚、牛、羊、ヤギ、馬、ウサギ)、及び非家畜動物、例えば、野生動物、鳥類、爬虫類など;魚などが挙げられる。典型的には、対象とはヒト対象である。
【0021】
本明細書で使用される場合、「それを必要とする対象」という用語には、本明細書に記載の方法から利益を得ることができる、または恩恵を受けるであろう対象が含まれる。治療を必要とする対象としては、限定するものではないが、病態もしくは障害を既に有する対象、病態もしくは障害を有する傾向にある対象、病態もしくは障害が疑われる対象、及び病態もしくは障害を予防、緩和もしくは逆転すべき病態もしくは障害がある対象が挙げられる。
【0022】
本明細書で使用される場合、「治療すること」または「治療する」とは、疾患、状態、または障害と闘うことを目的とした対象の管理及びケアを表し、疾患、症状もしくは障害の症状もしくは合併症を軽減するために、またはその疾患、状態、もしくは障害の排除のために、本明細書に記載の方法で使用されるTn3足場の投与を含む。したがって、「治療する」または「治療すること」という用語は、治療手段及び予防的または防止的手段の両方を指し、その目的は、疾患(例えば、SS)の進行を予防、減速(軽減)、または改善することである。有益または所望の臨床結果としては、限定するものではないが、症状の軽減、疾患の程度の縮小、疾患の病態の安定化(すなわち、悪化しない)、疾患進行の遅延または減速、疾患病態の寛解または緩和、及び疾患の逆転(部分的か完全かに関わらず)が挙げられる。「治療する」という用語には、インビトロの細胞または動物モデルの治療も含まれる場合がある。
【0023】
本明細書で使用される場合、「融合された」とは、組換え的に結合された少なくとも2つのポリペプチドを指す。本明細書で使用される場合、「コンジュゲートされる(conjugated)」とは、化学反応による2つの成分間の結合の形成を指す。結合は共有結合であっても非共有結合であってもよい。通常、互いにコンジュゲートされる2つの構成要素は、共有結合を介して化学的に接続される。
【0024】
核酸配列またはタンパク質配列に言及する場合、「同一性」という用語は、2つの配列間の類似性を示すために使用される。特に指定のない限り、本明細書に記載の同一性パーセントは、デフォルトパラメータを使用し、ワールドワイドウェブアドレス:blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgiで利用可能なBLASTアルゴリズムを使用して決定される。
【0025】
CD40L特異的モノマーサブユニットを含むTn3足場を使用してSSを治療する方法が本明細書に記載される。
【0026】
態様によっては、Tn3足場は、SSを治療する方法において使用される。SSは、外分泌腺、主に唾液腺及び涙腺の慢性リンパ球性炎症を特徴とする全身性自己免疫疾患であり、過度の乾燥として顕在化する機能喪失につながる。腺外症状は、筋骨格系、肺系、腎臓系、神経系、皮膚系、胃腸系、血液系、肝胆管系、または血管系に影響を与える多臓器障害として説明されているが、疲労は最も顕著な併存疾患の1つである。SSは、他の自己免疫疾患に関連して発生することもある。態様によっては、本方法は、Tn3足場を投与することによって、中等度から高度の全身性疾患活動性を有するSS患者を治療することを含む。態様によっては、中等度から高度の全身性疾患活動性は、欧州リウマチ連盟(EULAR)シェーグレン症候群疾患活動性指数(ESSDAI)≧5によって定義される。態様によっては、この方法は、Tn3足場を投与することにより、中等度から高度(場合によっては重篤な)自覚症状を有するSS患者を治療することを含む。態様によっては、中等度から高度の自覚症状は、EULARシェーグレン症候群患者報告指数(ESSPRI)スコア≧5及び残留刺激唾液流量によって定義されるが、ESSDAIスコア<5によって定義される軽度の全身性疾患活動性を伴う。
【0027】
態様によっては、本方法は、CD40L特異的モノマーサブユニットを含むTn3足場を投与することによって、それを必要とする対象においてSSを治療することを含む。態様によっては、Tn3足場は、CD40Lに特異的に結合する。態様によっては、Tn3足場のモノマーサブユニットは、A、B、C、D、E、F、及びGと称される7つのベータ鎖と、AB、BC、CD、DE、EF、及びFGと称される6つのループ領域とを含み、ここでABループは配列番号11を含み、BCループは配列番号12を含み、CDループは配列番号13を含み、DEループは配列番号14を含み、EFループは配列番号15を含み、FGループは配列番号16を含む。態様によっては、Tn3足場はVIB4920である。CD40受容体は、抗原刺激されたB細胞、マクロファージ、及び樹状細胞の原形質膜上に発現される受容体のTNFファミリーのメンバーである。CD40受容体は、抗原に結合したB細胞に共刺激シグナルを提供するように機能する。CD40の同族リガンドはCD40L(CD154としても知られる)であり、T細胞及び血小板を含む他の細胞型の原形質膜上に発現される。
【0028】
Tn3足場
本明細書では、CD40Lに結合する組成物が提供される。態様によっては、提供される組成物は、CD40Lアンタゴニストを含む。態様によっては、本明細書では、CD40L特異的モノマーサブユニットを含むTn3足場(例えば、「Tn3足場」)を含む組成物が提供される。態様によっては、本明細書では、2つのCD40L特異的モノマーサブユニットを含むTn3足場を含む組成物が提供される。
【0029】
態様によっては、提供される組成物は、国際出願第PCT/US2012/059477及びPCT/US2019/052997に記載されているアミノ酸配列を含んでもよく、これらは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。態様によっては、提供される組成物は、配列番号1に示されるアミノ酸配列(本明細書ではVIB4920と呼ばれる)を含み得る。VIB4920は、タンパク質に融合した二価のCD40L特異的Tn3タンパク質を含む。
【0030】
態様によっては、Tn3足場のCD40Lモノマーサブユニットは、A、B、C、D、E、F、及びGと称される7つのベータ鎖、ならびにAB、BC、CD、DE、EF、及びFGと称される6つのループ領域を含む。態様によっては、Tn3足場は、単一のCD40L特異的モノマーサブユニットを含む。態様によっては、Tn3足場は、2つのCD40L特異的モノマーサブユニットを含む。態様によっては、2つのCD40L特異的モノマーサブユニットは直列に接続される。態様によっては、2つのCD40L特異的モノマーサブユニットはリンカーによって接続される。態様によっては、リンカーは、可塑性のペプチドリンカーであり得るペプチドリンカーを含む。態様によっては、ペプチドリンカーは、(GX)配列を含み、式中、Xはセリン(S)、アラニン(A)、グリシン(G)、Leu(L)、イソロイシン(I)、またはバリン(V)であり;m及びnは整数値であり;mは1、2、3または4であり;かつnは、1、2、3、4、5、6、または7である。
【0031】
態様によっては、Tn3足場は、機能的部分を含むリンカーを含む。態様によっては、この機能的部分は、免疫グロブリンまたはその断片である。態様によっては、この免疫グロブリンまたはその断片は、Fcドメインを含む。態様によっては、このFcドメインは、少なくとも1つのFcγR媒介エフェクター機能を誘導できない(例えば、Fc欠損)。態様によっては、この少なくとも1つのFcγR媒介エフェクター機能は、抗体依存性細胞傷害性(ADCC)である。
【0032】
態様によっては、Tn3足場は、A、B、C、D、E、F、及びGと称される7つのベータ鎖、ならびにAB、BC、CD、DE、EF、及びFGと称される6つのループ領域を含み、ここでABループは、配列番号11を含むかまたはそれからなり、BCループは、配列番号12を含むか、またはそれからなり、CDループは配列番号13を含むか、またはそれからなり、DEループは配列番号14を含むか、またはそれからなり、EFループは配列番号15を含むか、またはそれからなり、かつFGループは配列番号16を含むか、またはそれからなる。態様によっては、Tn3足場は配列番号1(VIB4920としても公知)を含むか、または配列番号1からなる。態様によっては、β鎖Aは配列番号5を含むか、またはそれからなり、β鎖Bは、配列番号6を含むか、またはそれからなり、β鎖Cは、配列番号17を含むか、またはそれからなり、β鎖Dは、配列番号18を含むか、またはそれからなり、β鎖Eは、配列番号19を含むか、またはそれからなり、β鎖Fは配列番号20を含むかまたはそれからなり、β鎖Gは配列番号21を含むかまたはそれからなる。
【0033】
態様によっては、1つ以上のCD40L特異的Tn3モノマーは、IEV(配列番号5)、RLDAPSQIEV(配列番号23)、またはSQIEV(配列番号24)を含むか、またはそれらからなるベータ鎖Aを有する。態様によっては、Tn3足場は、同じまたは異なるβ鎖A配列を有する1つ以上のCD40L特異的Tn3モノマーを含み得る。例えば、第1のCD40L特異的Tn3モノマーβ鎖Aは、IEV(配列番号5)を含むか、またはIEVからなり、第2のCD40L特異的Tn3モノマーβ鎖Aは、RLDAPSQIEV(配列番号23)またはSQIEV(配列番号24)を含んでもよいし、またはそれからなってもよい。
【0034】
Tn3足場は、配列番号1に示されかつ上記されるアミノ酸配列を有してもよいし、あるいは配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して1つ以上のアミノ酸残基の変化を有してもよい。例えば、足場が、配列番号1に示されるものと比較してアミノ酸配列の変化を有している場合、その変化はリンカーの1つに対するものであり得る。Tn3足場は、2つのCD40L特異的モノマーを分離するGly15リンカー、及びHSA配列からCD40L特異的モノマーを分離するGly10リンカーを含んでもよい。これらのリンカーの両方または一方を変更してもよく、(GX)のアミノ酸配列で置換してもよく、式中、Xは、セリン(S)、アラニン(A)、グリシン(G)、Leu(L)、イソロイシン(I)、またはバリン(V)であり;m及びnは整数値であり;mは、1、2、3、または4であり;かつnは、1、2、3、4、5、6、または7である。例えば、一方または両方のリンカーを、GGGGSGGGGS(配列番号7)、GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号8)、GGGGGGGGGG(配列番号9)またはGGGGGGGGGGGGGGG(配列番号10)のうちの1つを含むアミノ酸配列を有するように改変してもよい。Tn3足場が配列番号1に示されるアミノ酸配列と比較したアミノ酸配列を有する場合、それは、2つのCD40L特異的モノマーに融合されたHSAアミノ酸配列中の変化(複数可)に起因する場合があり得る。2つのCD40L特異的モノマーに融合されたHSAは、少なくとも1つのアミノ酸置換を除いて、全長成熟HSAにおける位置に対して相対的に番号付けされた(407、415、463、500、506、508、509、511、512、515、516、521、523、524、526、535、550、557、573、574、及び580からなる群から選択される位置で)2つのCD40L特異的Tn3モノマーに融合されたHSAと比較して改変されてもよく;ここで、少なくとも1つのアミノ酸置換は、573位のグルタミン酸(E)に対するリジン(K)を含まない。
【0035】
Tn3足場の例示的な配列を表1に示す。態様によっては、Tn3足場は、表1に示される配列番号1~配列番号25のいずれか1つと少なくともまたは最大で約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または最大約100%の同一性を含む。態様によっては、表1の配列のいずれか1つを改変してもよい。態様によっては、修飾は、1つ以上の切断、欠失、挿入、及びそれらの組み合わせを含む。修飾は、表1に示されている残基のいずれか、及び表1の任意の数の残基で発生し得る。態様によっては、修飾は、1~3、1~5、1~10、5~20、1~3、1~5、1~10、1~20、3~8、3~10、3~15、5~8、5~10、または5~20の残基を含み得る。態様によっては、修飾は、最大1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、または450残基で生じ得る。
【0036】
【表1-1】
【0037】
【表1-2】
【0038】
【表1-3】
【0039】
【表1-4】
【0040】
Tn3足場が、配列番号1に示されるものと比べてアミノ酸配列の変化を有する場合、その変化は、CD40L特異的Tn3モノマーの一方または両方のアミノ酸配列に対するものであってもよいが、それは、その足場のインビボ有効性に有害な影響をしない、例えば、CD40L特異的Tn3モノマーの一方または両方が、配列番号2、配列番号3、配列番号22、及び配列番号25に示されるアミノ酸配列を有するようなアミノ酸配列の変化をしない限りである。態様によっては、最初の1つまたは2つのN末端アミノ酸残基(SQ)は、存在しなくてもよく、及び/または代替アミノ酸残基で置換されてもよい。態様によっては、Tn3足場は、配列番号22、配列番号25、または配列番号22と配列番号25の両方を含むモノマーサブユニットを含む。
【0041】
態様によっては、Tn3足場は、異種部分に結合した少なくとも1つのCD40L特異的モノマーサブユニットを含む。態様によっては、この異種部分は、タンパク質、ペプチド、タンパク質ドメイン、リンカー、薬物、毒素、細胞毒性物質、造影剤、放射性核種、放射性化合物、有機ポリマー、無機ポリマー、ポリエチレングリコール(PEG)、ビオチン、アルブミン、HSA FcRn結合部分、抗体またはその断片、一本鎖抗体、ドメイン抗体、アルブミン結合ドメイン、酵素、リガンド、受容体、結合ペプチド、非FnIII足場、エピトープタグ、組換えポリペプチドポリマー、サイトカイン、及び前記部分の2つ以上の組み合わせからなる群から選択される。態様によっては、異種部分はアルブミンであり、アルブミンはヒト血清アルブミンを含む。態様によっては、異種部分は抗体である。態様によっては、抗体は、抗体のFcドメイン、抗体断片、及び単鎖抗体からなる群から選択される。
【0042】
態様によっては、異種部分は抗体である。態様によっては、抗体は、抗体のFcドメイン、抗体断片、及び単鎖抗体からなる群から選択される。
【0043】
態様によっては、異種部分は造影剤;例えば、放射性核種またはビオチンである。態様によっては、異種部分は薬物;例えば、細胞毒性物質または放射性化合物である。
【0044】
態様によっては、異種部分はPEGを含む。態様によっては、Tn3足場は、直接またはリンカーを介してPEGに融合またはコンジュゲートされた少なくとも1つのCD40L特異的モノマーサブユニットを含む。態様によっては、両方のCD40L特異的モノマーサブユニットは、リンカーを介してPEGに融合、コンジュゲート、または接続される。態様によっては、Tn3足場は、直接またはリンカーを介してPEGに融合またはコンジュゲートされた少なくとも1つ(例えば、2つ)のCD40L特異的モノマーサブユニットを含む。
【0045】
態様によっては、異種部分はアルブミンを含む。態様によっては、Tn3足場は、直接またはリンカーを介してアルブミンに融合またはコンジュゲートされた少なくとも1つのCD40L特異的モノマーサブユニットを含む。態様によっては、このアルブミンはHSAである。態様によっては、このHSAはバリアントHSAである。態様によっては、バリアントHSAのアミノ酸配列は配列番号4である。態様によっては、バリアントHSAは、天然HSAまたは天然HSA断片と比較して少なくとも1つの改善された特性を有する。態様によっては、バリアントHSAのアミノ酸配列は、配列番号4、または配列番号4と少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは最大100%の同一性を有する配列である。態様によっては、改善された特性は、天然HSAまたは天然HSA断片の血漿半減期と比較して変化した血漿半減期である。態様によっては、変化した血漿半減期は、天然HSAまたは天然HSA断片の血漿半減期と比較して長い血漿半減期である。態様によっては、変化した血漿半減期は、天然HSAまたは天然HSA断片の血漿半減期と比較して短い血漿半減期である。
【0046】
投薬量
態様によっては、本開示のTn3足場を含む任意の組成物が、任意の形態で投与され得る。態様によっては、Tn3足場は、静脈内、皮下、経口、筋肉内、くも膜下腔内、舌下、直腸、膣、皮膚、全身、局所、経皮、または吸入によって投与される。態様によっては、Tn3足場は静脈内に投与される。態様によっては、Tn3足場は静脈内注入によって投与される。
【0047】
本開示のTn3足場は、任意の用量で投与され得る。態様によっては、Tn3足場は、約800mg、850mg、900mg、950mg、1000mg、1050mg、1100mg、1150mg、1200mg、1250mg、1300mg、1350mg、1400mg、1450mg、1500mg、1550mg、1600mg、1650mg、1700mg、1750mg、1800mg、1850mg、1900mg、1950mg、2000mg、2050mg、2100mg、2150mg、2200mg、2250mg、2300mg、2350mg、2400mg、2450mg、2500mg、2550mg、2600mg、2650mg、2700mg、2750mg、2800mg、2850mg、2900mg、2950mg、3000mg、3050mg、3100mg、3150mg、3200mg、3250mg、3300mg、3350mg、3400mg、3450mg、3500mg、3550mg、3600mg、3650mg、3700mg、3750mg、3800mg、3850mg、3900mg、3950mg、4000mg、4050mg、4100mg、4150mg、4200mg、4250mg、4300mg、4350mg、4400mg、4450mg、4500mg、4550mg、4600mg、4650mg、4700mg、4750mg、4800mg、4850mg、4900mg、4950mg、または約5000mgの用量で投与される。前述の用量のいずれも、治療、軽減、または排出を含む方法にとって有効な用量であり得る。
【0048】
態様によっては、Tn3足場は、約800~5000mg、900~4900mg、1000~4800mg、1100~4700mg、1200~4600mg、または1300~4500mgの間の用量で投与される。態様によっては、Tn3足場は、1300mg、1350mg、1400mg、1450mg、1500mg、1550mg、1600mg、1650mg、1700mg、1750mg、1800mg、1850mg、1900mg、1950mg、2000mg、2050mg、2100mg、2150mg、2200mg、2250mg、2300mg、2350mg、2400mg、2450mg、2500mg、2550mg、2600mg、2650mg、2700mg、2750mg、2800mg、2850mg、2900mg、2950mg、3000mg、3050mg、3100mg、3150mg、3200mg、3250mg、3300mg、3350mg、3400mg、3450mg、3500mg、3550mg、3600mg、3650mg、3700mg、3750mg、3800mg、3850mg、3900mg、3950mg、4000mg、4050mg、4100mg、4150mg、4200mg、4250mg、4300mg、4350mg、4400mg、4450mg、及び4500mgからなる群から選択される用量で投与される。態様によっては、Tn3足場は、1500mg及び3000mgからなる群から選択される用量で投与される。態様によっては、Tn3足場は、約1500mgの用量で投与される。態様によっては、Tn3足場は、約3000mgの用量で投与される。
【0049】
投与頻度
態様によっては、本開示のTn3足場は、最適な結果をもたらすスケジュールで投与される。態様によっては、Tn3足場は、それを必要とする対象に、約1週に1回、約1週に2回、約2週間ごとに、約1か月ごとに1回、約4週間ごとに、約2か月ごとに、約3か月ごとに、約12週間ごとに、約15週間ごとに、約16週間ごとに、約4か月ごとに、約5か月ごとに、約6か月ごとに、または半年ごとに投与される。必要とする対象に任意の回数の投与を提供してもよい。
【0050】
本開示のTn3足場は、約1~10、10~50、50~75、75~100、100~200、200~300の総用量、または最長では対象の生涯にわたって投与され得る。態様によっては、Tn3足場は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9回、または最大約10回投与される。態様によっては、Tn3足場は、少なくとも約または最大で約2、3、4、もしくは5回という合計用量で投与される。
【0051】
態様によっては、対象は、治療開始後、約1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、1年、2年、3年、4年、もしくは5年ごとに、または最長では対象者の生涯にわたって有効用量を投与される。態様によっては、対象は、治療開始後1日目、15日目、29日目、及び57日目に有効用量を投与される。態様によっては、対象は、治療開始後1日目、15日目、29日目、及び57日目に1500mg~3000mgのTn3足場を投与される。態様によっては、対象には、約1500mg~3000mgのTn3足場が2週間ごとに約3回投与され、その後は4週間ごとに投与される。態様によっては、対象には、約1500mgのTn3足場が2週間ごとに約3回投与され、その後は4週間ごとに投与される。態様によっては、対象には、1、4、及び12週目に約3000mgのTn3足場が投与され、その後は12週間ごとに投与される。態様によっては、それを必要とする対象に、治療開始後1日目、15日目、29日目、及び57日目に1500mgのTn3足場を投与する。態様によっては、それを必要とする対象に、治療開始後1日目、及び57日目に1500mgのTn3足場を投与する。態様によっては、それを必要とする対象に、治療開始後1日目、15日目、29日目、及び57日目に3000mgのTn3足場を投与する。態様によっては、それを必要とする対象に、治療開始後1日目及び57日目に3000mgのTn3足場を投与し、その後必要に応じて6か月ごとに投与する。態様によっては、対象に、約1500~3000mgの本開示のTn3足場の初回用量を2週間ごとに少なくとも2回、少なくとも3回、またはそれ以上投与し、その後4週間ごとに投与する。態様によっては、対象に、約1500mgの本開示のTn3足場の初回用量を2週間ごとに少なくとも2回、少なくとも3回、またはそれ以上投与し、その後4週間ごとに投与する。態様によっては、対象に、約3000mgの本開示のTn3足場の初回用量を2週間ごとに少なくとも2回、少なくとも3回、またはそれ以上投与し、その後12週間ごとに投与する。態様によっては、対象に本開示のTn3足場1500mgを4週間ごとに投与し、2週目にTn3足場の1500mgの負荷用量を投与する。態様によっては、対象に、本開示のTn3足場の3000mgを12週間ごとに投与し、4週目にTn3足場の3000mgの負荷用量を投与する。態様によっては、対象に、本開示のTn3足場の1500mgを4週間ごとに投与し、2週目にTn3足場の1500mgの負荷用量を投与する。態様によっては、対象に、配列番号1を含むTn3足場の3000mgを12週間ごとに投与し、4週目にTn3足場の3000mgの負荷用量を投与する。態様によっては、対象に、配列番号22及び/または配列番号25を含むTn3足場の3000mgを12週間ごとに投与し、4週目にTn3足場の3000mgの負荷用量を投与する。態様によっては、対象に、配列番号1を含むTn3足場の3000mgを12週間ごとに投与し、4週目にTn3足場の3000mgの負荷用量を投与する。態様によっては、対象に、配列番号22または配列番号25を含むTn3足場の1500mgを4週間ごとに投与し、2週目にTn3足場の1500mgの負荷用量を投与する。態様によっては、対象に、配列番号22または配列番号25を含むTn3足場の3000mgを12週間ごとに投与し、4週目にTn3足場の3000mgの負荷用量を投与する。
【0052】
本開示の治療または予防の方法は、本開示のTn3足場を、それを必要とする対象に投与することを含む。態様によっては、治療方法は、必要とする対象に有効量のTn3足場を2週間ごとに約3回の投与(±2回投与)を投与し、その後4週間ごとにTn3足場を投与することを含む。態様によっては、治療方法は、必要とする対象に有効量のTn3足場を1週目、4週目、及び12週目に投与し、その後12週間ごとにTn3足場を投与することを含む。態様によっては、治療方法は、必要とする対象に約1400mg~1600mgのTn3足場を2週間ごとに約3回投与(±2回投与)を投与し、その後4週間ごとにTn3足場を投与することを含む。態様によっては、治療方法は、必要とする対象に約2000mg~4000mgのTn3足場を1週目、4週目、及び12週目に投与し、その後12週間ごとにTn3足場を投与することを含む。態様によっては、治療方法は、必要とする対象に約1500mgのTn3足場を2週間ごとに約3回投与(±2回投与)を投与し、その後4週間ごとにTn3足場を投与することを含む。態様によっては、治療方法は、必要とする対象に約3000mgのTn3足場を1週目、4週目、及び12週目に投与し、その後12週間ごとにTn3足場を投与することを含む。態様によっては、投与は、その後最大で約1年、2年、3年、4年、または5年まで4週間ごとに継続される。態様によっては、Tn3足場の投与は、対象が死亡するまで継続される。前述の投与はいずれも、約0~5日、0~4日、0~3日、0~2日、または約1日ずれる可能性がある。
【0053】
態様によっては、対象は、治療開始後1日目、15日目(±1日)、29日目(±3日)、及び57日目(±3日)に有効用量のTn3足場を投与される。態様によっては、それを必要とする対象に、治療開始後1日目、15日目(±1日)、29日目(±3日)、及び57日目(±3日)に1500mgのTn3足場を投与し、次いで、その後は必要に応じて6か月ごとに投与する。態様によっては、それを必要とする対象に、治療開始後1日目、15日目(±1日)、及び29日目(±3日)に1500mgのTn3足場を投与する。態様によっては、それを必要とする対象に、治療開始後1日目、及び57日目(±3日)に1500mgのTn3足場を投与する。態様によっては、それを必要とする対象に、治療開始後1日目、15日目(±1日)、29日目(±3日)、及び57日目(±3日)に3000mgのTn3足場を投与し、次いで、その後は必要に応じて6か月ごとに投与する。態様によっては、それを必要とする対象に、治療開始後1日目、15日目(±1日)、及び29日目(±3日)に3000mgのTn3足場を投与する。態様によっては、それを必要とする対象に、治療開始後1日目及び57日目(±3日)に3000mgのTn3足場を投与し、次いで、その後必要に応じて6か月ごとに投与する。
【0054】
態様によっては、それを必要とする対象は、1日目、15日目(±1日)、29日目(±3日)、57日目(±3日)、85日目(±3日)、113日目(±3日)、及び141日目(±3日)にTn3足場の用量を投与される。態様によっては、それを必要とする対象は、169日目(±3日)、197日目(±3日)、225日目(±3日)、253日目(±3日)、281日目(±3日)に有効用量のTn3足場を投与される。
【0055】
態様によっては、それを必要とする対象に、有効用量のTn3足場が2~4週間ごとに1回投与される。態様によっては、それを必要とする対象に、有効用量のTn3足場が2週、4週、または12週間ごとに1回投与される。態様によっては、それを必要とする対象に、1500mgのTn3足場を2週間ごとに1回少なくとも3回、4週間ごとに1回少なくとも4回、4週間ごとに1回少なくとも5回、またはそれらの組み合わせで投与する。態様によっては、それを必要とする対象に、3000mgのTn3足場を2週間ごとに1回少なくとも3回、4週間ごとに1回少なくとも4回、4週間ごとに1回少なくとも5回、またはそれらの組み合わせで投与する。態様によっては、それを必要とする対象に、有効用量のTn3足場を導入用量として、及びその後の維持用量として投与する。態様によっては、3000mgのTn3足場を3か月ごとに投与する。態様によっては、3000mgのTn3足場を12週間ごとに投与する。
【0056】
態様によっては、Tn3足場は、約2週間ごとに1回、約1500mgの用量で、少なくとも2回投与され、その後は約1か月ごとに1回投与される。態様によっては、Tn3足場は、約2週間ごとに1回、約1500mgの用量で、少なくとも3回投与され、その後は約1か月ごとに1回投与される。態様によっては、Tn3足場は、約1500mgの用量で約2週間に1回、少なくとも3回投与され、その後は4週間ごとに投与される。態様によっては、Tn3足場は、約1500の用量で、約1か月ごとに1回、約2か月ごとに1回、または約3か月ごとに1回、投与される。態様によっては、Tn3足場は、約1か月ごとに1回、約2か月ごとに1回、または約3か月ごとに1回、約3000mgの用量で投与される。態様によっては、Tn3足場は2回以上投与される。態様によっては、対象に本開示のTn3足場1500mgを4週間ごとに投与し、2週目にTn3足場の1500mgの負荷用量を投与する。態様によっては、対象に、本開示のTn3足場の3000mgを12週間ごとに投与し、4週目にTn3足場の3000mgの負荷用量を投与する。態様によっては、対象に、配列番号1を含むTn3足場の1500mgを4週間ごとに投与し、2週目にTn3足場の1500mgの負荷用量を投与する。態様によっては、対象に、配列番号1を含むTn3足場の3000mgを12週間ごとに投与し、4週目に3000mgのTn3足場の負荷用量を投与する。態様によっては、対象に、配列番号22または配列番号25を含むTn3足場の1500mgを4週間ごとに投与し、2週目にTn3足場の1500mgの負荷用量を投与する。態様によっては、対象に、配列番号22または配列番号25を含むTn3足場の3000mgを12週間ごとに投与し、4週目にTn3足場の3000mgの負荷用量を投与する。
【0057】
態様によっては、対象に本開示のTn3足場の1500mgを4週間ごとに投与し、2週目にTn3足場の1500mgの負荷用量を投与する。態様によっては、対象に、配列番号1を含むTn3足場の3000mgを12週間ごとに投与し、4週目にTn3足場の3000mgの負荷用量を投与する。態様によっては、対象に、配列番号22及び/または配列番号25を含むTn3足場の3000mgを12週間ごとに投与し、4週目にTn3足場の3000mgの負荷用量を投与する。態様によっては、対象に、配列番号1を含むTn3足場の3000mgを12週間ごとに投与し、4週目にTn3足場の3000mgの負荷用量を投与する。態様によっては、対象に、配列番号22または配列番号25を含むTn3足場の1500mgを4週間ごとに投与し、2週目にTn3足場の1500mgの負荷用量を投与する。態様によっては、対象に、配列番号22または配列番号25を含むTn3足場の3000mgを12週間ごとに投与し、4週目にTn3足場の3000mgの負荷用量を投与する。
【0058】
治療方法
本明細書の態様によっては、方法はSSを治療することを目的とする。態様によっては、方法は、本開示のTn3足場を投与することを含む。態様によっては、Tn3足場を使用して、SSを治療する。態様によっては、Tn3足場は、本明細書に開示される投薬スケジュールのいずれかを使用して、SSを治療することを、必要とする対象に投与される。態様によっては、Tn3足場は、約2週間ごとに1回、約1500mgの用量で、少なくとも2回投与され、その後は約1か月ごとに1回投与される。態様によっては、Tn3足場は、約2週間ごとに1回、約1500mgの用量で、少なくとも3回投与され、その後は約1か月ごとに1回投与される。態様によっては、Tn3足場は、約1500の用量で、約1か月ごとに1回、約2か月ごとに1回、または約3か月ごとに1回、投与される。態様によっては、Tn3足場は、約1か月ごとに1回、約2か月ごとに1回、または約3か月ごとに1回、約3000mgの用量で投与される。態様によっては、Tn3足場は2回以上投与される。
【0059】
態様によっては、方法は、SS患者を治療することを含む。態様によっては、方法は、欧州リウマチ連盟(EULAR)シェーグレン症候群疾患活動性指数(ESSDAI)で、約1、約2、約3、約5、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約15、約20、約25、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、約100以上のSSを有する患者を治療することを含む。態様によっては、方法は、約1、約2、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約15、約20以上のEULARシェーグレン症候群患者報告指数(ESSPRI)スコアを有するSS患者を治療することを含む。
【0060】
態様によっては、方法は、治療を必要とする患者を治療することを含む。態様によっては、方法は、SS患者を治療することを含む。態様によっては、方法は、中等度の全身性疾患活動性を有するSS患者を治療することを含む。態様によっては、方法は、高い全身疾患活動性を有するSS患者を治療することを含む。態様によっては、方法は、中等度から高度の全身性疾患活動性を有するSS患者を治療することを含む。態様によっては、方法は、本明細書に開示される任意のスケジュールで任意の用量でTn3足場を投与することによって、中等度から高度の全身性疾患活動性を有するSS患者を治療することを含む。態様によっては、中等度から高度の全身性疾患活動性は、ESSDAI≧5によって定義され得る。態様によっては、方法は、Tn3足場を投与することによって、中等度から高度(または重度)の自覚症状を有するSS患者を治療することを含む。態様によっては、中程度から高度(または重度)の自覚症状は、EULARシェーグレン症候群患者報告指数(ESSPRI)スコア≧5及び残存刺激唾液流量によって定義され得るが、軽度の全身性疾患活動性は、ESSDAIスコア<5によって定義される。態様によっては、Tn3足場は1500mgの用量で投与される。態様によっては、Tn3足場は、3000mgの用量で投与される。
【0061】
評価
態様によっては、対象が評価される。態様によっては、評価は、Tn3足場の投与前、投与中、または投与後の任意の時点で行うことができる。評価は、Tn3足場の投与前、投与中、または投与後の任意の時点で行ってもよい。態様によっては、評価は投与前に実行される。態様によっては、評価は投与中に実行される。態様によっては、評価は投与後に実行される。
【0062】
以下で参照する任意の評価は任意の時点で行うことができる。態様によっては、対象は分、時間、日、週、月、または年ごとに評価される。態様によっては、評価は1日2回、隔週、隔月、または半年ごとに完了する。態様によっては、評価は、治療後、-10、-9、-8、-7、-6、-5、-4、-3、-2、-1、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、125、130、135、140、141、145、150、155、160、165、169、170、180、190、197、200、205、210、215、220、225、230、235、240、250、252、253、255、260、265、270、280、281、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、または最大約365±7日目から実行される。
【0063】
態様によっては、SSの治療は、疾患もしくは障害の臨床症状の少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは最大約100%の減少、あるいは炎症の低減、またはTn3足場による治療前のレベルと比較した疾患もしくは障害のバイオマーカーの低減を特徴とする場合がある。これらの症状、炎症、またはバイオマーカーのいずれかの低減は、症状、または炎症もしくはバイオマーカーの、Tn3足場による治療開始前のレベルと比較して少なくとも約10%、15%、20%、25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは最大約100%までの低減である場合がある。低減は、SSが寛解状態にあると特徴付けられるようなものである場合がある。
【0064】
態様によっては、治療の有効性は、欧州リウマチ連盟(EULAR)シェーグレン症候群疾患活動性指数(ESSDAI)、EULARシェーグレン症候群患者報告指数(ESSPRI)、36アイテムショートフォームサーベイバージョン2(36-Item Short Form Survey version 2)(SF-36v2)、慢性疾患治療の機能評価-疲労(FACIT-Fatigue)、視覚アナログスケール(VAS)口腔/眼、患者報告アウトカム測定情報システム(Patient-Reported Outcomes Measurement Information System)(登録商標)(PROMIS-29プロファイルv2.1)、眼表面疾患指数(Ocular Surface Disease Index)(OSDI)、変化に対する患者の全体的印象(Patient’s Global Impression of Change)(PGIC)、重症度に対する患者の全体的印象(Patient’s Global Impression of Severity)(PGIS)、刺激唾液流量測定、シルマーテスト、28関節評価、重症度に対する医師の全体的印象、臨床EULARシェーグレン症候群疾患活動性指数(ClinESSDAI)、及びそれらの組み合わせを使用して判定され得る。態様によっては、治療の有効性は、患者報告アウトカム(patient-reported outcomes)(PRO)手段である評価を使用して測定され得る。
【0065】
全身性疾患活動性及び患者報告アウトカム
ESSDAI
態様によっては、評価はESSDAIを含む。ESSDAIは、臓器ごとの疾患活動性の定義を含む全身性疾患活動性指数である(Seror R、Ravaud P、Bowman SJ、Baron G、Tzioufas A、Theander E,et al;EULAR Sjogren’s Task Force.EULAR Sjogren’s syndrome disease activity index:development of a consensus systemic disease activity index for primary Sjogren’s syndrome.Ann Rheum Dis.2010;69(6):1103-9(これは参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。ESSDAIは、12のドメイン(皮膚、呼吸器(肺)、腎臓、関節、筋肉、末梢神経系、中枢神経系、血液、腺性、体質性、リンパ節性、生物学的)で疾患活動性を等級分けする。各ドメインの重みは、活動性に対する医師の全体的評価(Physician’s Global Assessment of Activity)をゴールドスタンダードとして使用し、重回帰モデリングによって取得した。
【0066】
各ドメインは、1(生物学的ドメイン)から6(筋肉ドメイン)まで重み付けされており、ドメインごとに0(活性なし)から3(高活性)までにまたがる3または4レベルの活性がある。
【0067】
態様によっては、以下のドメイン(末梢神経系、中枢神経系、及び肺)がスコア付けされるが、それらは、本開示の研究に含めるために必要な最低ESSDAIスコア5には寄与しない場合がある。
【0068】
ESSDAIの理論的な値の範囲は、0~123であり、最終スコアは次のように計算される:
最終スコア=12個のドメインスコアすべての合計
ドメインスコア=活動性レベル×ドメインの重み
低疾患活動性状態は、ESSDAI<5、中等度の疾患活動性は、5≦ESSDAI≦13、及び高疾患活動性は、ESSDAI≧14と定義される。
【0069】
態様において、ESSDAIにおけるベースラインからの変化が決定される。態様によっては、ベースラインESSDAIスコアは、本明細書で提供される組成物での治療後に少なくとも約1、2、3、4、または5ポイント低下する。態様によっては、ベースラインESSDAIスコアは、本明細書で提供される組成物での治療後に3ポイント低下する。態様によっては、ベースラインESSDAIスコアは、本明細書で提供される組成物での治療後に4ポイント低下する。態様によっては、治療後のESSDAIスコアは、≦2、≦5、または≦13である。本開示のTn3足場の投与は、投与前のESSDAIベースラインスコアと比較して、ESSDAIスコアを少なくとも約または最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、18、または20ポイント低下させるのに有効であり得る。本開示のTn3足場の投与は、投与前のESSDAIベースラインスコアと比較して、ESSDAIスコアを少なくとも約または最大で約1~5、3~5、5~8、5~10、または10~15ポイント低下させるのに有効であり得る。態様によっては、本開示のTn3足場の投与は、ESSDAIスコアを少なくとも約6ポイント低下させるのに有効である。態様によっては、本開示のTn3足場の投与は、ESSDAIスコアを少なくとも約6.3ポイント低下させるのに有効である。
【0070】
ESSDAIスコアは、絶対値または相対値を参照できる。例えば、相対値は、本開示のTn3足場で治療された対象とプラセボ対照で治療された対象との間の相違を包含し得る。態様によっては、ESSDAIスコアとは、絶対値、例えば、ベースラインレベルまたは治療前に決定されたレベルと比較したESSDAIの減少を指す。態様によっては、ESSDAIスコアは相対値を指す。相対値は、Tn3足場で治療された対象と対照で治療された対象との間のESSDAIスコア間の相違を指すことができる。態様によっては、相対値は、Tn3足場で治療された対象と対照で治療された対象との間の最小二乗平均差である。
【0071】
態様によっては、本開示のTn3足場を投与された対象は、投与前のESSDAI(例えば、ベースラインレベル)と比較して、それらのESSDAIの3、4、5、6、7、8、9、または10ポイントの低下を達成する。態様によっては、本開示のTn3足場を投与された対象は、投与前のESSDAI(例えば、ベースラインレベル)と比較して、それらのESSDAIの6.4ポイントの低下を達成する。
【0072】
態様によっては、Tn3足場に対するESSDAI評価は、治療開始後、約0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、37週、38週、39週、40週、41週、42週、43週、44週、45週、46週、47週、48週、49週、50週、51週、52週、または少なくとも約53週で評価され得る。態様によっては、Tn3足場に対するESSDAI評価は、治療開始後、約1日目、29±3日目、57±3日目、85±3日目、113±3日目、141±3日目、169±3日目、197±3日目、225±3日目、253±3日目、281±3日目、309±7日目、及び365±7日目に評価され得る。
【0073】
ClinESSDAI
態様によっては、評価は、臨床EULARシェーグレン症候群疾患活動性指数(ClinESSDAI)を含む。ClinESSDAIは、生物学的ドメインを除外し、各ドメインに異なる重み付けを割り当てる、ESSDAIに基づく検証済みのSS疾患活動性指数である。ClinESSDAIは、ESSDAI生物学的ドメインによって測定されるB細胞バイオマーカーと臨床活動測定値との間の可能性のある関連性を軽減しようと努力して開発された。ClinESSDAIの理論的な値の範囲は0~135で、ESSDAIと同様に、低活動状態は<5、中程度の活動状態は5≦ClinESSDAI≦13、高活動状態は≧14と定義される。ClinESSDAIは検証され、ESSDAIとよく相関することが示されており、薬物の生物学的効果とは無関係に変化を検出するための有用なツールと考えられている。態様において、ClinESSDAIにおけるベースラインからの変化が決定される。態様によっては、ベースラインClinESSDAIスコアは、本明細書で提供される組成物での治療後に少なくとも約1、2、3、4、または5ポイント低下する。態様によっては、治療後のClinESSDAIスコアは、≦2、≦5、または≦13である。
【0074】
態様によっては、Tn3足場に対するClinESSDAI評価は、治療開始後、約0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、37週、38週、39週、40週、41週、42週、43週、44週、45週、46週、47週、48週、49週、50週、51週、52週、または少なくとも約53週で評価され得る。態様によっては、Tn3足場に対するClinESSDAI評価は、治療開始後約85±3日目、169±3日目、及び309±7日目に評価され得る。
【0075】
ESSPRI
態様によっては、評価はESSPRIを含む(Seror R、Ravaud P、Mariette X、Bootsma H、Theander E、Hansen A、et al.EULAR Sjogren’s Task Force.EUULARシェーグレン症候群患者報告指数(ESSPRI):原発性シェーグレン症候群のコンセンサス患者指数の開発。Ann Rheum Dis.2011;70(6):968-72(これは参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。ESSPRIは、230人の患者からなる多施設国際コホートで開発された自己評価ツールである。ESSPRIは、0~10の数値アナログスケール(0[症状なし]~10[考えられる最大の重症度])を使用し、1つが、乾燥、疲労、疼痛(関節及び/または筋肉)の3つのドメインのそれぞれを評価する。ドメインの重みは同一であり、3つのドメインのスコアの平均が最終スコアを表す。リコール期間は各質問に「過去2週間」と記載されている。態様によっては、集団#2の対象は、Tn3足場の早期中止もなく、レスキュー療法も受けずに、ESSPRIスコアのベースラインからの1ポイント以上または15%低下として定義されるESSPRI応答を達成する。態様によっては、ベースラインESSPRIスコアは、約3%、5%、8%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または最大約100%低下する。態様によっては、治療後ESSPRIスコアは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、または9である。態様によっては、治療後ESSPRIスコアは、治療前のESSPRIスコアと比較して少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、または9ポイントだけ減少する。
【0076】
態様によっては、Tn3足場に対するESSPRI評価は、治療開始後、約0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、37週、38週、39週、40週、41週、42週、43週、44週、45週、46週、47週、48週、49週、50週、51週、52週、または少なくとも約53週で評価され得る。態様によっては、Tn3足場に対するESSPRI評価は、治療開始後、約1日目、29±3日目、57±3日目、85±3日目、113±3日目、141±3日目、169±3日目、197±3日目、225±3日目、253±3日目、281±3日目、309±7日目、及び365±7日目に評価され得る。
【0077】
慢性疾患治療(FACIT)の機能評価-疲労(Functional Assessment of Chronic Illness Therapy (FACIT)-Fatigue)
態様によっては、評価は、(FACIT)-疲労スケールを含む。(FACIT)-疲労スケールは、疲労の影響を評価するために使用される、対象が記入する13項目のアンケートである。(FACIT)-疲労スケールのリコール期間は約7日間である。(FACIT)-疲労スケールに対する応答の範囲は、0(まったくない)から4(非常に高い)である。合計スコアを計算するには、否定的に記載された項目を「4」から回答を減算することで反転する。最終スコアは回答の合計であり、範囲は0~52である。スコアが高いほど、生活の質(QoL)が優れていることを示す。態様によっては、(FACIT)-疲労におけるベースラインからの変化が決定され得る。態様によっては、対象にTn3足場を投与する方法は、対象にTn3足場を投与しない同等の方法と比較して、より高い(FACIT)疲労スケールを有する。
【0078】
態様によっては、Tn3足場に対するFACIT-疲労スケール(FACIT-Fatigue Scale)評価は、治療開始後、約0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、37週、38週、39週、40週、41週、42週、43週、44週、45週、46週、47週、48週、49週、50週、51週、52週、または少なくとも約53週で評価され得る。態様によっては、Tn3足場に対するFACIT-疲労スケール(FACIT-Fatigue Scale)評価は、治療開始後、約1日目、29±3日目、57±3日目、85±3日目、113±3日目、141±3日目、169±3日目、197±3日目、225±3日目、253±3日目、281±3日目、309±7日目、及び365±7日目に評価され得る。
【0079】
眼表面疾患指数(OSDI(c)
態様によっては、評価はOSDIを含み得る。OSDIは、視覚関連機能及びドライアイ疾患の重症度(正常、軽度、中程度、及び重度)に対する影響を評価するための有効かつ信頼できる手段である。OSDIリコール期間は1週間である。OSDI評価は、医師が対象に尋ねる12の質問で構成され得、各質問を最もよく表す番号を丸で囲む。各質問に対する回答の範囲は0(常になし)から4(常に)である。OSDIスコアは、(回答された質問のスコアの合計)/(回答された質問の数)×25として算出され、範囲は0~100であり、スコアが高いほど障害が重度であることを示す。態様によっては、OSDIにおけるベースラインからの変化が決定される。
【0080】
態様によっては、Tn3足場に対するOSDI評価は、治療開始後、約0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、37週、38週、39週、40週、41週、42週、43週、44週、45週、46週、47週、48週、49週、50週、51週、52週、または少なくとも約53週で評価され得る。態様によっては、Tn3足場に対するOSDI評価は、治療開始後、約1日目、29±3日目、57±3日目、85±3日目、113±3日目、141±3日目、169±3日目、197±3日目、225±3日目、253±3日目、281±3日目、309±7日目、及び365±7日目に評価され得る。
【0081】
重症度に対する患者の全体的印象(PGIS)
態様によっては、評価は、PGISを完了することを含む。PGISは、過去1週間にわたる全体的な症状の重症度に対する対象の認識を5段階のカテゴリ反応スケール(なし、軽度、中等度、重度、または非常に重度)で把握するように設計された単一項目である。態様によっては、PGISスコアは、本開示のTn3足場の投与後に低下する。低下は、約1、2、3、4、または最大約5ポイントであり得る。
【0082】
態様によっては、Tn3足場に対するPGIS評価は、治療開始後、約0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、37週、38週、39週、40週、41週、42週、43週、44週、45週、46週、47週、48週、49週、50週、51週、52週、または少なくとも約53週で評価され得る。態様によっては、Tn3足場に対するPGIS評価は、治療開始後、約1日目、29±3日目、57±3日目、85±3日目、113±3日目、141±3日目、169±3日目、197±3日目、225±3日目、253±3日目、281±3日目、309±7日目、及び365±7日目に評価され得る。
【0083】
Physician’s Global Impression of Severity(重症度に対する医師の全体的印象)
態様によっては、評価は、重症度に対する医師の全体的印象を含み得る。重症度に対する医師の全体的印象には、SS疾患の重症度の全体的な評価が含まれる場合がある。PGISは、5段階のカテゴリー応答スケール(なし、軽度、中等度、重度、または非常に重度)でスコア付けされ得る。態様によっては、重症度に対する医師の全体的印象におけるベースラインからの変化が決定される。態様によっては、Physician’s Global Impression of Severity score(重症度スコアに対する医師の全体的印象)は、本開示のTn3足場の投与後に低下する。低下は、約1、2、3、4、または最大約5ポイントであり得る。
【0084】
態様によっては、Tn3足場に対するPhysician’s Global Impression of Severity(重症度に対する医師の全体的印象)評価は、治療開始後、約0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、37週、38週、39週、40週、41週、42週、43週、44週、45週、46週、47週、48週、49週、50週、51週、52週、または少なくとも約53週で評価され得る。態様によっては、Tn3足場に対する、Physician’s Global Impression of Severity(重症度に対する医師の全体的印象)評価は、治療開始後、約1日目、15±1日目、29±3日目、57±3日目、85±3日目、113±3日目、141±3日目、169±3日目、197±3日目、225±3日目、253±3日目、281±3日目、309±7日目、及び365±7日目に評価され得る。
【0085】
複合指数
態様によっては、評価は複合指数を決定することを含む。複合指数は、ESSDAI-3の改善(すなわち、3ポイントの減少)またはESSPRI-1の改善(すなわち、ESSPRIスコアのベースラインから1ポイント以上または15%の減少)のいずれかに加えて、ベースラインからのPhysician Global Impression of Severity(重症度に対する医師の全体的印象)の悪化がない、として定義され得る。
【0086】
態様によっては、Tn3足場に対する複合指数評価は、治療開始後、約0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、37週、38週、39週、40週、41週、42週、43週、44週、45週、46週、47週、48週、49週、50週、51週、52週、または少なくとも約53週で評価され得る。態様によっては、Tn3足場に対する複合指数評価は、治療開始後約85±3日目、169±3日目、及び309±7日目に評価され得る。
【0087】
28-関節評価(Joint Assessment)
態様によっては、評価は28-関節カウント(Joint Count)を含んでもよい。28-関節カウントでは、以下の関節の圧痛及び腫脹を評価し得る:左右の肩、肘、手首、中手指節関節(MCP)1、MCP2、MCP3、MCP4、MCP5、上肢の近位指節間(PIP)1、PIP2、PIP3、PIP4、PIP5関節、及び下肢の左右の膝。28個の関節のそれぞれについて、滑膜炎の存在について評価できる。28-関節カウントの開始時(圧痛及び腫れの評価前)に、対象者に28関節のいずれかで疼痛を経験したか、または経験しているか否かを尋ねてもよい。
【0088】
態様によっては、Tn3足場に対する28-関節カウント(Joint Count)評価は、治療開始後、約0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、37週、38週、39週、40週、41週、42週、43週、44週、45週、46週、47週、48週、49週、50週、51週、52週、または少なくとも約53週で評価され得る。態様によっては、Tn3足場に対する28-関節カウント(Joint Count)評価は、治療開始後、約1日目、29±3日目、57±3日目、85±3日目、113±3日目、141±3日目、169±3日目、197±3日目、225±3日目、253±3日目、281±3日目、309±7日目、及び365±7日目に評価され得る。
【0089】
唾液と涙の機能
総刺激唾液流量
態様によっては、評価は、総刺激唾液流量を決定することを含む。全刺激唾液流量を測定して、唾液腺の機能変化を客観的に評価し得る。スクリーニング時に口腔乾燥症の標準治療を受けている対象は、唾液採取前にピロカルピンまたはセビメリンの使用を少なくとも12時間、人工唾液の使用を少なくとも3時間中止しなければならない。対象は、唾液を採取する前に少なくとも90分間飲食を禁止されるべきである。日内変動を最小限に抑えるために、その後のすべての評価において、1日の同じ時間に唾液を採取するようあらゆる試みを行う必要がある。
【0090】
例示的な全刺激唾液流量測定では、約5×5cmの正方形のパラフィルムを丸めて対象に与え、ガムのように毎分約60ストロークの速度で噛ませる。対象は目を開けて直立して座り、頭をわずかに前に傾けて60秒間パラフィルムを咀嚼し始めなければならず、この時点で、採取した唾液はすべて、パラフィルムを口に入れたまま、余分な(事前に計量していない)ファルコンチューブに吐き出す必要がある。この最初の採取では、手順の主題に慣れている。それぞれ20秒咀嚼した後、事前に秤量したファルコンチューブ内に、唾液を3回採取する。これらのラウンドは連続的であるが、唾液の収集中に計時を停止し、事前に重量を量ったファルコンチューブに唾液が堆積した直後に再開し、総刺激時間は60秒である。対象の能力不足に起因して60秒間の採取が不可能な場合は、合計採取時間を記録する必要がある。採取された刺激された総唾液は、採取前の重量からチューブの最終重量を差し引くことによって評価される。態様によっては、総刺激唾液流量のベースラインからの変化が決定される。態様によっては、治療後の刺激されていない全唾液流量は、集団#1の対象において>0.1ml/分である。
【0091】
態様によっては、Tn3足場に対する刺激唾液流量評価は、治療開始後、約0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、37週、38週、39週、40週、41週、42週、43週、44週、45週、46週、47週、48週、49週、50週、51週、52週、または少なくとも約53週で評価され得る。態様によっては、Tn3足場への刺激唾液流量の評価は、治療開始後約1日目、85±3日目、169±3日目、253±3日目、309±7日目、及び365±7日目に評価され得る。
【0092】
口腔/眼(oral/Ocular)のビジュアルアナログスケール(VAS)
態様によっては、評価は、(VAS)口腔/眼を決定することを含む。これら2つの手段は、0m(最良)から100mm(最悪)までの連続100mmのVASを使用して、口腔及び眼の乾燥の重症度の変化を評価する。回答者は、症状の強さを表すポイントにVAS線に垂直な線を引くように求められる。口腔(Oral)VASは、「ほとんどの時間、口の渇きをどれくらい感じるか」という質問を評価し得る(まったく乾いていない0mm、非常に乾いている100mm)。眼(Ocular)VASは、「ほとんどの時間、眼の渇きをどれくらい感じるか」という質問を評価し得る(まったく乾いていない0mm、非常に乾いている100mm)。態様によっては、ベースライン(VAS)口腔/眼球スコアは、Tn3足場の投与前の対象のVASスコアと比較して、約3%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または最大で約100%減少する。
【0093】
態様によっては、Tn3足場に対するVAS評価は、治療開始後、約0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、37週、38週、39週、40週、41週、42週、43週、44週、45週、46週、47週、48週、49週、50週、51週、52週、または少なくとも約53週で評価され得る。態様によっては、Tn3足場に対するVAS評価は、治療開始後、約1日目、29±3日目、57±3日目、85±3日目、113±3日目、141±3日目、169±3日目、197±3日目、225±3日目、253±3日目、281±3日目、309±7日目、及び365±7日目に評価され得る。
【0094】
シルマーテスト
態様によっては、局所麻酔なしでシルマーテストを実施し得る。シルマーテストでは涙腺の機能を測定する。シルマーテストでは、涙の流れを測定するために、非毒性濾紙の目盛り付きストリップを使用し得る。ストリップの一端を下まぶたの中に置く。両目を同時に測定する必要がある。配置後、対象は5分間目を静かに閉じたままにしてもらい、その時点でストリップをまぶたから外し、各ストリップの濡れの程度を記録する。態様によっては、シルマーテストにおけるベースラインからの変化が決定され得る。態様によっては、治療後スコアは、少なくとも1つの眼において>5mm/5分である。
【0095】
態様によっては、Tn3足場に対するシルマーテスト評価は、治療開始後、約0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、37週、38週、39週、40週、41週、42週、43週、44週、45週、46週、47週、48週、49週、50週、51週、52週、または少なくとも約53週で評価され得る。態様によっては、Tn3足場へのシルマーテスト評価は、治療開始後約1日目、85±3日目、169±3日目、253±3日目、309±7日目、及び365±7日目に評価され得る。
【0096】
主観的な愁訴
変化に対する患者の全体的印象(PGIC)
態様によっては、評価はPGICを含む。PGICは、治験薬物治療の投与開始による全体的な症状の重症度の変化に対する対象の認識を把握するために設計された単一の項目である。重症度の変化は、5段階のスケール(かなり良くなった、少し良くなった、変化なし、少し悪くなった、またはかなり悪くなった)を使用して把握される。態様において、PGICにおけるベースラインからの変化が決定される。
【0097】
態様によっては、Tn3足場に対するPGIC評価は、治療開始後、約0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、37週、38週、39週、40週、41週、42週、43週、44週、45週、46週、47週、48週、49週、50週、51週、52週、または少なくとも約53週で評価され得る。態様によっては、Tn3足場に対するPGIS評価は、治療開始後、約15±1日目、29±3日目、57±3日目、85±3日目、113±3日目、141±3日目、169±3日目、197±3日目、225±3日目、253±3日目、281±3日目、309±7日目、及び365±7日目に評価され得る。
【0098】
36-Item Short Form Survey Version 2(36アイテムショートフォームサーベイバージョン2)(SF36v2)Physical Component Score and Mental Component Score(身体的側面のスコア及び精神的側面のスコア)
態様によっては、評価はSF-36v2プロファイルを含む。SF-36v2(急性リコール)は、以下:身体機能、身体的役割、体の疼痛、全体的な健康状態、活力、社会的機能、感情的役割、及び精神的健康という8つの健康ドメインに関する情報を収集する36項目の一般的な健康状態評価である。SF-36v2は、各ドメインのスコアと、心理測定に基づく2つの要約スコア(身体的側面のスコアと精神的側面のスコア)とを提供する。急性バージョンのリコール期間は、1週間(すなわち、「先週」)である。態様によっては、SF36v2の身体的側面のスコア及び精神的側面のスコアのベースラインからの変化が決定される。
【0099】
態様によっては、Tn3足場に対する36v2プロファイル評価は、治療開始後、約0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、37週、38週、39週、40週、41週、42週、43週、44週、45週、46週、47週、48週、49週、50週、51週、52週、または少なくとも約53週で評価され得る。態様によっては、Tn3足場に対する36v2プロファイル評価は、治療開始後、約1日目、29±3日目、57±3日目、85±3日目、113±3日目、141±3日目、169±3日目、197±3日目、225±3日目、253±3日目、281±3日目、309±7日目、及び365±7日目に評価され得る。
【0100】
患者報告アウトカム測定情報システム(登録商標)(PROMIS-29プロファイル)
態様によっては、評価はPROMIS-29プロファイルを含む。PROMIS-29では、7つのドメイン(うつ病、不安、身体機能、疼痛干渉、疲労、睡眠障害、ならびに社会的役割及び活動への参加能力)を各ドメインの4つの質問で評価する。ドメインの評価は、期間が指定されていない身体機能を除き、過去7日間のものである。態様によっては、治療対象は、他の点では同等の方法であって、他の点では同等のこの方法の対象がTn3足場を投与されない方法と比較して、PROMIS-29に関してスコアが改善されている。
【0101】
態様によっては、Tn3足場に対するPROMIS-29プロファイル評価は、治療開始後、約0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、37週、38週、39週、40週、41週、42週、43週、44週、45週、46週、47週、48週、49週、50週、51週、52週、または少なくとも約53週で評価され得る。態様によっては、Tn3足場に対するPROMIS-29プロファイル評価は、治療開始後、約1日目、29±3日目、57±3日目、85±3日目、113±3日目、141±3日目、169±3日目、197±3日目、225±3日目、253±3日目、281±3日目、309±7日目、及び365±7日目に評価され得る。
【0102】
薬物動態(PK)分析
態様によっては、本明細書で提供される方法は、投与後にそれを必要とする対象におけるTn3足場の濃度を決定することを含み得る。態様によっては、方法は薬物動態評価を含む。態様によっては、試料とは、血液試料もしくは血漿試料、または両方の組み合わせである。態様によっては、薬物動態を測定するための適切なアッセイは、電気化学発光(ECL)アッセイ、ビーズベースのアッセイ、細胞ベースのアッセイ、及びそれらの組み合わせを含み得る。態様によっては、試料は血漿を含んでもよく、血漿は、最大観察濃度(Cmax)、濃度時間曲線下面積(AUC)、CL、及び最終排出半減期(t1/2)を測定することによってTn3足場濃度について評価される。
【0103】
態様によっては、Tn3足場に対するPK評価は、治療開始後、約0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、37週、38週、39週、40週、41週、42週、43週、44週、45週、46週、47週、48週、49週、50週、51週、52週、または少なくとも約53週で評価され得る。態様によっては、Tn3足場に対するPK評価は、治療開始後、約1日目、15±1日目、29±3日目、57±3日目、85±3日目、113±3日目、141±3日目、169±3日目、197±3日目、225±3日目、253±3日目、281±3日目、309±7日目、及び365±7日目に評価され得る。
【0104】
免疫原性
態様によっては、評価は、Tn3足場の免疫原性のレベル(存在する場合)を決定することを含む。免疫原性には、Tn3足場に対する抗薬物抗体(ADA)の存在を決定することを含む。ADAの存在は、Tn3足場を投与された対象由来の血漿試料を使用して評価され得る。態様によっては、ADAは、Tn3足場の投与後に検出されない。態様によっては、ADAレベルは、他の点では同等の方法であって、他の点では同等のこの方法の対象にはTn3足場が投与されない方法と比較して低下している;例えば、この低下は、他の点では同等の方法であって、他の点では同等のこの方法の対象にはTn3足場が投与されていない方法におけるADAレベルと比較して、約10%、15%、20%、25%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または、最大100%であってもよい。
【0105】
態様によっては、Tn3足場に対する免疫原性評価は、治療開始後、約0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、37週、38週、39週、40週、41週、42週、43週、44週、45週、46週、47週、48週、49週、50週、51週、52週、または少なくとも約53週で評価され得る。態様によっては、Tn3足場に対する免疫原性評価は、治療開始後、約1日目、29±3日目、85±3日目、169±3日目、197±3日目、253±3日目、309±7日目、及び365±7日目に評価され得る。
【0106】
薬力学及びバイオマーカー分析
態様によっては、方法は薬力学的評価を含む。態様によっては、評価は、以下のバイオマーカーの結果、ならびにベースラインからのそれらの変化を決定することを含む:SS-A、SS-B、及びIgG及びIgM RF自己抗体及び/または炎症マーカー(免疫グロブリン、β-2ミクログロブリン、CRP、C3、C4、及び無血清軽鎖)。態様によっては、血清及び血漿は、炎症誘発性サイトカイン及びCXCL13レベルなどの疾患活動性の探索的バイオマーカーの変化を測定するために収集され得る。態様によっては、バイオマーカーとしては、血流、T細胞サブセット及びB細胞サブセットの変化に関するサイトメトリー、ならびに唾液タンパク質、ならびに糞便微生物叢の変化が挙げられ得る。
【0107】
態様によっては、フローサイトメトリーを使用して、B及びTリンパ球を含む主要な白血球集団の数、活性化状態、及び頻度の変化を評価するために、全血試料を収集してもよい。
【0108】
態様によっては、本開示のTn3足場の投与は、特定のB細胞集団及び形質芽細胞/形質細胞集団のレベルを低下させる。態様によっては、Tn3足場の投与は、T細胞及び/または他の免疫細胞集団のレベルを低下させる。
【0109】
態様によっては、Tn3足場は、他の点では同等の方法であって、他の点では同等のこの方法の対象にはTn3足場が投与されない方法と比較して、バイオマーカーレベルの少なくとも約10%、15%、20%、25%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または最大100%の減少を達成し得る。
【0110】
態様によっては、Tn3足場に対する薬物動態学的評価は、治療開始後、約0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、37週、38週、39週、40週、41週、42週、43週、44週、45週、46週、47週、48週、49週、50週、51週、52週、または少なくとも約53週で評価され得る。態様によっては、Tn3足場に対する薬物動態学的評価は、治療開始後、約1日目、15±1日目、29±3日目、57±3日目、85±3日目、113±3日目、141±3日目、169±3日目、197±3日目、225±3日目、253±3日目、281±3日目、309±7日目、及び365±7日目に評価され得る。
【0111】
糞便微生物叢試料
態様によっては、評価は、糞便微生物叢の変化を含み得る。態様によっては、全便由来の便検体を収集して、16Sマイクロアレイ及び/またはディープシークエンシング法による腸内微生物叢の組成の経時的変化の評価を支援してもよい。態様によっては、糞便からの自己収集微生物DNA収集キットは、糞便試料を収集して検査するために、来診前または来診中に提供される。態様によっては、糞便微生物叢のベースラインからの変化が決定される。
【0112】
態様によっては、Tn3足場に対する糞便微生物叢評価は、治療開始後、約0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、37週、38週、39週、40週、41週、42週、43週、44週、45週、46週、47週、48週、49週、50週、51週、52週、または少なくとも約53週で評価され得る。態様によっては、Tn3足場に対する糞便微生物叢評価は、治療開始後約1日目、169±3日目、及び309±7日目に評価され得る。
【0113】
自己抗体
態様によっては、評価は、対象における自己抗体のレベルを決定することを含む。自己抗体には、自己抗原と反応するものが含まれる。例示的な自己抗体には、SS-A、SS-B、ならびにIgG及び/またはIgMリウマチ因子(RF)自己抗体、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。態様によっては、血清を収集して、抗SSA(Ro)、抗SSB(La)、抗核抗体、及びRFの存在を評価する。自己抗体のレベルを評価する例示的な方法には、EliAイムノアッセイ、マイクロアレイ、ELISA、またはそれらの組み合わせが含まれる。態様によっては、自己抗体は、Tn3足場の投与後に検出されない。態様によっては、治療は、対象における自己抗体を、他の点では同等の方法であって、他の点では同等のこの方法の対象にはTn3足場が投与されない方法における自己抗体のレベルと比較して、約:20%、30%、40%、45%、50%、60%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または最大100%減少させることを含む。態様によっては、SS-A、SS-B、及びIgG及び/またはIgMリウマチ因子(RF)自己抗体のベースラインからの変化が決定される。態様によっては、自己抗体は、他の点では同等の方法であって、他の点では同等のこの方法の対象にはTn3足場が投与されない方法と比較して、最大約1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、または50倍のレベルで検出される。態様によっては、本開示のTn3足場の投与は、投与前のベースラインレベルと比較して、対象における自己抗体のレベルを少なくとも約または最大で約3%~5%、5%~10%、10%~20%、または5%~25%減少させるのに有効である。態様によっては、Tn3足場の投与は、必要とする対象における自己抗体の排除に有効である。
【0114】
態様によっては、Tn3足場に対する自己抗体評価は、治療開始後、約0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、37週、38週、39週、40週、41週、42週、43週、44週、45週、46週、47週、48週、49週、50週、51週、52週、または少なくとも約53週で評価され得る。態様によっては、Tn3足場に対する自己抗体の評価は、治療開始後約1日目、85±3日目、169±3日目、及び253±3日目に評価され得る。
【0115】
炎症のマーカー
態様によっては、評価は、炎症マーカーのレベルを決定することを含む。炎症の例示的なマーカーとしては、限定するものではないが、免疫グロブリン(IgM、IgG、IgA)、ベータ2ミクログロブリン、C反応性タンパク質(CRP)、CXCL13、C3、C4及び無血清軽鎖、クリオグロブリン、ならびに血清及び尿免疫固定及びその組み合わせが挙げられる。態様によっては、炎症のマーカーを評価するために、全血、血漿、血清、及び尿を収集する。態様によっては、ベースラインと比較した変化が決定される。態様によっては、炎症のマーカー(免疫グロブリン、ベータ2ミクログロブリン、C反応性タンパク質[CRP]、CXCL13、C3、C4及び無血清軽鎖)のレベルのベースラインからの変化を決定する。態様によっては、炎症のレベルを評価するための適切なアッセイには、ELISA、hs-CRP検査、CRP検査、Luminex、及びそれらの組み合わせが含まれる。態様によっては、本開示のTn3足場の投与は、他の点では同等の方法であって、他の点では同等のこの方法の対象にはTn3足場が投与されない方法での自己抗体のレベルと比較して、対象における炎症のバイオマーカーのレベルを少なくとも約または最大で約:20%、30%、40%、45%、50%、60%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または最大100%低下させるのに有効である。態様によっては、本開示のTn3足場の投与は、対象における炎症のバイオマーカーのレベルを、投与前のベースラインレベルと比較して、少なくとも約または最大で約:3%~5%、5%~10%、10%~20%、または5%~25%低下させるのに有効である。
【0116】
態様によっては、Tn3足場に対する炎症のマーカーの評価は、治療開始後、約0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、37週、38週、39週、40週、41週、42週、43週、44週、45週、46週、47週、48週、49週、50週、51週、52週、または少なくとも約53週で評価され得る。態様によっては、Tn3足場に対する炎症のマーカーの評価は、治療開始後、約1日目、15±1日目、29±3日目、57±3日目、85±3日目、113±3日目、141±3日目、169±3日目、197±3日目、225±3日目、253±3日目、281±3日目、309±7日目、及び365±7日目に評価され得る。
【0117】
RNA及びDNAの分析
態様によっては、評価は、RNA及び/またはDNA分析によって疾患活動性に関連する遺伝子の発現レベルを定量化することを含む。態様によっては、RNA検査を行う。態様によっては、RNA検査を行って、疾患活動性、形質細胞遺伝子サイン、T濾胞ヘルパー遺伝子サインを含む特定の細胞型、及びCD40L/CD40経路を含むシグナル伝達に関連する遺伝子の発現レベルを測定する。
【0118】
態様によっては、血液のRNAを用いて、疾患活動性、形質細胞遺伝子サイン、T濾胞ヘルパー遺伝子サインを含む特定の細胞型、及びCD40L/CD40経路を含むシグナル伝達に関連する遺伝子の発現レベルを測定する。態様によっては、血液試料は、血液の収集、輸送、及び保存、ならびに密閉管内での細胞内RNAの安定化、及びその後のマイクロアレイ分析及び定量的ポリメラーゼ連鎖反応のための全血からの細胞内RNAの単離及び精製のために、PAXgene Blood RNA Systemを使用して収集される。
【0119】
態様によっては、DNA検査を実行してもよい。特定のCD40SNPが、SLEまたはグレーブス病の特定の疾患サブセットにおける感受性遺伝子座として同定されているので、CD40及びCD40/CD40L軸に関与するその他の遺伝子の薬理ゲノミクス(一塩基多型[SNP])プロファイリングのために血液からベースラインでDNAを単離し得る。態様によっては、血液DNAを、免疫関連遺伝子におけるDNAメチル化などのエピジェネティクス分析のために収集する。態様によっては、エピゲノムプロファイリングは、限定するものではないが、ATACseq及びDNAメチル化配列決定を含む方法によって評価される。
【0120】
態様によっては、RNA及び/またはDNA分析による疾患活動性に関連する遺伝子の発現レベルは、他の点では同等の方法であって、ここで、他の点では同等のこの方法の対象にはTn3足場が投与されない方法と比較して、少なくとも約10%、15%、20%、25%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または最大100%低下され得る。
【0121】
態様によっては、Tn3足場に対するRNA及び/またはDNA分析は、治療開始後、約0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、37週、38週、39週、40週、41週、42週、43週、44週、45週、46週、47週、48週、49週、50週、51週、52週、または少なくとも約53週で評価され得る。態様によっては、Tn3足場に対するRNA及び/またはDNA分析は、治療開始後、約1日目、15±1日目、29±3日目、57±3日目、85±3日目、141±3日目、169±3日目、197±3日目、225±3日目、253±3日目、281±3日目、309±7日目、及び365±7日目に評価され得る。
【0122】
アクティグラフィー
態様によっては、評価は、全体的な活動及び/または睡眠パターンの測定を含み得る。態様によっては、評価はアクティグラフィーを含んでもよい。態様によっては、睡眠の持続時間及び/または断片化を含むがこれらに限定されない、全体的な活動及び睡眠パターンを測定するために、研究全体を通してアクティグラフィーを収集する。態様によっては、活動性モニターデバイスは、ウェアラブルウォッチデバイスであるActiGraphである。態様によっては、研究中の全体的な活動性及び睡眠パターンの変化が決定され得る。
【0123】
態様によっては、Tn3足場に対するアクティグラフィー分析は、治療開始後、約0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、37週、38週、39週、40週、41週、42週、43週、44週、45週、46週、47週、48週、49週、50週、51週、52週、または少なくとも約53週で評価され得る。態様によっては、Tn3足場に対するアクティグラフィー分析は、治療開始後約365±7日目に評価され得る。
【0124】
反応期間(臨床反応の持続期間)
態様によっては、評価は、Tn3足場に対する応答の持続時間を決定することを含む。態様によっては、評価は、レスキュー療法の開始までの時間を定量化することによって、Tn3足場に対する反応の持続時間を決定することを含む。態様によっては、Tn3足場の投与は、Tn3足場を投与されなかった対象と比較して、治療対象におけるレスキュー療法の開始を軽減または排除するのに有効である。態様によっては、Tn3足場の投与は、救済療法の開始までの時間を投与後少なくとも約:1日、6日、11日、16日、21日、26日、30日、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、9か月、11か月、1年、2年、または最長約5年まで伸ばすのに有効である。
【0125】
医薬組成物
態様によっては、医薬組成物が提供される。医薬組成物は、本開示のTn3足場を含んでもよい。態様によっては、医薬組成物は、本開示のTn3足場、及び本明細書で提供される1つ以上の追加の治療薬を含む治療計画の一部である。
【0126】
多くの薬物は、液体、カプセル、錠剤、またはチュアブル錠として経口投与され得る。経口経路は最も便利で、かつ通常は最も安全で安価であるので、最も高頻度に使用される。しかし、薬物が消化管を通って移動する一般的な方法のせいで、それには限界がある。経口投与された薬物の場合、吸収は口及び胃で始まる場合がある。しかし、ほとんどの薬物は通常、小腸から吸収される。薬物は腸壁を通過して肝臓に到達し、その後血流を介してその標的部位に輸送される。腸壁及び肝臓は多くの薬物を化学的に変化(代謝)させ、血流に到達する薬物の量を減少させる。結果として、これらの薬物は、同じ効果を得るために静脈内に注射する場合、より少ない用量で投与される場合が多い。
【0127】
皮下ルートの場合、針は皮膚のすぐ下の脂肪組織に挿入される。薬物が注射された後、その薬物は小さな血管(毛細血管)に移動し、血流によって運ばれる。あるいは、薬物はリンパ管を通って血流に到達する。より大量の医薬品が必要な場合は、皮下経路よりも筋肉内経路が優先される。筋肉は皮膚や脂肪組織の下にあるので、より長い針が使用される。薬物は通常、上腕、太もも、または臀部の筋肉に注射される。薬物が血流にどれだけ早く吸収されるかは、部分的には筋肉への血液供給に依存する。血液供給がまばらであればあるほど、薬物が吸収されるのに時間がかかる。静脈内経路の場合、針は静脈に直接挿入される。薬物を含む溶液は、単回投与または持続注入によって投与され得る。注入の場合、溶液は重力によって(折りたたみ可能なビニール袋から)移動するか、より一般的には、注入ポンプによって細い柔軟なチューブを通って、静脈(通常は前腕)に挿入されたチューブ(カテーテル)に移動する。
【0128】
態様によっては、本明細書で提供される医薬組成物は、注入によって投与される。注入は一定期間にわたって行ってもよい。例えば、注入は、約5分から約10時間という期間にわたる薬剤の投与であり得る。注入は、約5分、10分、20分、30分、40分、50分、1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、3.5時間、4時間、4.5時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、または最大で約10時間という期間にわたって行ってもよい。態様によっては、静脈内投与を使用して、正確な用量を迅速かつよく制御された方法で全身に送達する。また、皮下注射または筋肉内注射で投与すると疼痛を生じ、組織を損傷する刺激性の溶液にも使用される。静脈内に投与すると、薬物はすぐに血流に送達され、他の経路で投与した場合よりも早く効果が現れる傾向である。したがって、医療従事者は、薬が効いている兆候、または望ましくない副作用を引き起こしている兆候について、静脈内注射を受ける人々を注意深く監視している。また、この経路で投与された薬の効果は、持続時間が短くなる傾向がある。したがって、一部の薬は、効果を一定に保つために持続注入で投与しなければならない。態様によっては、注入反応が起こる場合があり、これには、頭痛、悪心、傾眠、呼吸困難、発熱、筋肉痛、発疹、または他の症状が挙げられる。Tn3足場の投与に関連する潜在的なリスクは、投与部位の感染、発赤、腫脹、疼痛、及び硬結である。各IV注入の前に、潜在的な反応のリスクまたは重症度を軽減するために、対象は、IVメチルプレドニゾロン、経口ジフェンヒドラミン、及び経口アセトアミノフェン、または等価物(複数可)による予防を受けてもよい。
【0129】
態様によっては、医薬品は、くも膜下腔内に投与される。くも膜下腔内の経路の場合、脊椎下部の2つの椎骨の間でかつ脊髄周囲の空間に針が挿入される。次に、薬物を脊柱管に注入する。注射部位を麻痺させるために、少量の局所麻酔薬が使用される場合が多い。この経路は、脳、脊髄、またはそれらを覆う組織層(髄膜)に迅速または局所的な効果をもたらす薬物が必要な場合、例えばこれらの構造の感染症を治療する場合に使用される。
【0130】
口からの吸入によって投与される薬物は、経鼻経路から投与されるものよりも小さな液滴に霧化できるので、その薬物は気管(windpipe)((気管)(trachea))を通過して肺に入ることができる。肺にどれだけ深く到達するかは、飛沫の大きさに依存する。液滴が小さいほど深く到達し、薬物の吸収量が増大する。肺の内部では、それらは血流に吸収される。皮膚に塗布される薬物は通常、局所的な効果を得るために使用されるため、乾癬、湿疹、皮膚感染症(ウイルス、細菌、及び真菌)、かゆみ、乾燥肌などの表在性皮膚障害の治療に最も一般的に使用される。この薬物には不活性物質が混合されている。不活性物質の稠度に応じて、製剤は軟膏、クリーム、ローション、溶液、粉末、またはジェルであってもよい。
【0131】
態様によっては、医薬組成物を含む治療計画は、対象の体重に従って投薬されてもよい。肥満(BMI>35)と判定された対象では、実際の体重を使用する必要がある場合がある。BMIは、BMI=体重(kg)/[身長(m)]2で算出される。理想的な体重は、男性の場合は50kg+2.3*(60インチを超えるインチ数)、または女性の場合は45.5kg+2.3(60インチを超えるインチ数)として算出される。調整された体重は、彼らの理想体重の20%を超える対象について算出され得る。調整された体重は、理想体重+(0.4×(実際の体重-理想体重))の合計であってもよい。態様によっては、体表面積を利用して投与量を算出してもよい。体表面積(BSA)は、BSA(m2)=V身長(cm)*体重(kg)/3600によって算出され得る。
【0132】
態様によっては、医薬組成物は、単独で、または薬学的に許容される担体もしくは賦形剤と一緒に、任意の経路で投与してもよく、そのような投与は、単回投与及び複数回投与の両方で行ってもよい。より具体的には、医薬組成物は、錠剤、カプセル、ロゼンジ、トローチ、ハンドキャンディー、粉末、スプレー、水性懸濁液、注射用溶液、エリキシル剤、シロップなどの形態の様々な薬学的に許容される不活性担体と組み合わせてもよい。このような担体としては、固体の希釈剤または充填剤、滅菌水性媒体及び様々な非毒性有機溶媒などが挙げられる。さらに、医薬製剤は、そのような目的に一般的に使用される種類の様々な薬剤によって、適切に甘味付けしても、及び/または風味付けしてもよい。例示的な担体及び賦形剤としては、デキストロース、塩化ナトリウム(NaCl)、スクロース、ラクトース、セルロース、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ゼラチン、PEG、PVP、ヒスチジン/ヒスチジン塩酸塩、トレハロース二水和物、ポリソルベート80、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられる。態様によっては、賦形剤は、ヒスチジン/塩酸ヒスチジン、NaCl、トレハロース二水和物、及びポリソルベート80を含む。
【0133】
番号付けされた実施形態
添付の特許請求の範囲にかかわらず、以下の番号付けされた実施形態はまた、本開示の一部を形成する。
【0134】
実施形態1.シェーグレン症候群(SS)の治療を、それを必要とする対象において治療するための方法であって:CD40L特異的モノマーサブユニットを含むTn3足場をこの対象に投与することを含み;ここで、このTn3足場はCD40Lに特異的に結合し;ここでこのモノマーサブユニットは、A、B、C、D、E、F、及びGと称される7つのベータ鎖、ならびにAB、BC、CD、DE、EF、及びFGと称される6つのループ領域を含み、このABループは、配列番号11を含み、BCループは配列番号12を含み、CDループは配列番号13を含み、DEループは配列番号14を含み、EFループは配列番号15を含み、かつFGループは配列番号16を含み、ここでCD40L特異的モノマーサブユニットを含むTn3足場は、約1500mg、約2500mg、または約3000mg、約75~1500mg、または約300~3000mgの用量で投与される、前記方法。
【0135】
実施形態2.実施形態1に記載の方法であって、少なくとも1つのCD40L特異的モノマーサブユニットが、A、B、C、D、E、F、及びGで示される7つのベータ鎖を含み、このベータ鎖Aは配列番号5を含み、ベータ鎖Bは配列番号6を含み、ベータ鎖Cは配列番号17を含み、ベータ鎖Dは配列番号18を含み、ベータ鎖Eは配列番号19を含み、ベータ鎖Fは配列番号20を含み、ベータ鎖Gは配列番号21を含む、前記方法。
【0136】
実施形態3.実施形態1~2のいずれか1項に記載の方法であって、前記対象が欧州リウマチ連盟(EULAR)シェーグレン症候群疾患活動性指数(ESSDAI)スコア≧5を有する、前記方法。
【0137】
実施形態4.実施形態3に記載の方法であって、前記ESSDAIスコアが、皮膚、腎臓、関節、筋肉、血液、腺性、体質性、リンパ節性、及び生物学的ドメインからなるESSDAIドメインに基づいて評価される、前記方法。
【0138】
実施形態5.実施形態1~2のいずれか1項に記載の方法であって、前記対象が、(a)前記ESSDAIスコア<5、(b)EULARシェーグレン症候群患者報告指数(ESSPRI)スコア≧5、及び(c)全刺激唾液流量>0.1mL/分を有する、前記方法。
【0139】
実施形態6.前記Tn3足場が導入用量として、及びその後の維持用量として投与される、実施形態1~5のいずれか1項に記載の方法。
【0140】
実施形態7.前記導入用量が、Tn3足場を約2週間ごとに1回、少なくとも3回投与することを含む、実施形態6に記載の方法。
【0141】
実施形態8.前記維持用量が、前記Tn3足場を約2週間ごとに1回、少なくとも4回投与することを含む、実施形態6に記載の方法。
【0142】
実施形態9.前記最後の導入用量と前記最初の維持用量との間の時間が約4週間である、実施形態8に記載の方法。
【0143】
実施形態10.前記Tn3足場が、約4週間ごとに1回、約2か月ごとに1回、約3か月ごとに1回、約4か月ごとに1回、または約6か月ごとに1回投与される、実施形態1~5のいずれか1項に記載の方法。
【0144】
実施形態11.前記Tn3足場が少なくとも4回投与される、実施形態10に記載の方法。
【0145】
実施形態12.前記Tn3足場が少なくとも5回投与される、実施形態11に記載の方法。
【0146】
実施形態13.前記Tn3足場が、静脈内、皮下、経口、筋肉内、くも膜下腔内、舌下、直腸、膣、皮膚、全身、局所、経皮、または吸入によって投与される、実施形態1~12のいずれか1項に記載の方法。
【0147】
実施形態14.前記Tn3足場が静脈内投与される、請求項13に記載の方法。
【0148】
実施形態15.前記Tn3足場が、直列に接続された2つのCD40L特異的モノマーサブユニットを含む、実施形態1~13のいずれか1項に記載の方法。
【0149】
実施形態16.2つのCD40L特異的モノマーサブユニットがそれぞれ配列番号3を含む、実施形態15に記載の方法。
【0150】
実施形態17.前記CD40L特異的モノマーサブユニットがリンカーによって接続されている、実施形態1~16のいずれか1項に記載の方法。
【0151】
実施形態18.少なくとも1つのCD40L特異的モノマーサブユニットが、ポリエチレングリコール(PEG)に直接融合またはコンジュゲートされる、実施形態1~17のいずれか1項に記載の方法。
【0152】
実施形態19.少なくとも1つのCD40L特異的モノマーサブユニットが、ポリエチレングリコール(PEG)に直接融合またはリンカーを介してコンジュゲートされる、実施形態1~17のいずれか1項に記載の方法。
【0153】
実施形態20.前記リンカーがペプチドリンカーを含む、実施形態17に記載の方法。
【0154】
実施形態21.前記リンカーが配列番号7、配列番号8、配列番号9、または配列番号10を含む、実施形態20に記載の方法。
【0155】
実施形態22.少なくとも1つのCD40L特異的モノマーサブユニットがアルブミンに融合またはコンジュゲートされる、実施形態21に記載の方法。
【0156】
実施形態23.前記アルブミンがヒト血清アルブミン(HSA)である、実施形態22に記載の方法。
【0157】
実施形態24.前記HSAが配列番号4を含むバリアントHSAである、実施形態23に記載の方法。
【0158】
実施形態25.シェーグレン症候群(SS)の治療が必要な対象においてシェーグレン症候群(SS)を治療する方法であって、前記対象に約1500mg、約2500mg、または約3000mgの用量でTn3足場を投与することを含み、前記Tn3足場は配列番号1を含む、前記方法。
【0159】
実施形態26.前記Tn3足場が導入用量として投与され、その後1回以上の維持用量として投与される、実施形態25に記載の方法。
【0160】
実施形態27.前記導入用量と維持用量が同じ量である、実施形態26に記載の方法。
【0161】
実施形態28.前記導入用量と前記維持用量が異なる量である、実施形態27に記載の方法。
【0162】
実施形態29.少なくとも1回の用量が3000mgである、実施形態25~28のいずれか1項に記載の方法。
【0163】
実施形態30.前記導入用量及び少なくとも1回の維持用量が、約1か月間隔、約2か月間隔、約3か月間隔、約4か月間隔、または約6か月間隔で投与される、実施形態25~29のいずれか1項に記載の方法。
【0164】
実施形態31.前記導入用量が、Tn3足場を約2週間ごとに少なくとも3回投与することを含み、前記維持用量がTn3足場を約4週間ごとに1回、少なくとも4回投与することを含む、実施形態25~30のいずれか1項に記載の方法。
【0165】
実施形態32.前記Tn3足場が配列番号1を含む、実施形態1~31のいずれか1項に記載の方法。
【0166】
実施形態33.前記投与が、プラセボ対照の投与を受けている、他の点では同等の対象と比較して、ESSDAIスコアを低下させるのに有効である、実施形態1~32のいずれか1項に記載の方法。
【0167】
実施形態34.前記低下が少なくとも約1ポイント、2ポイント、3ポイント、4ポイント、または5ポイントである、実施形態33に記載の方法。
【0168】
実施形態35.前記低下が少なくとも約6ポイントである、実施形態33に記載の方法。
【実施例
【0169】
実施例1-シェーグレン症候群(SS)対象におけるVIB4920の有効性及び安全性を評価するための第2相無作為化二重盲検プラセボ対照概念実証研究
研究設計
この研究は、2016年の米国リウマチ学会(ACR)/欧州リウマチ連盟(EULAR)の基準に従ってSSと診断された成人対象における抗CD40L-Tn3融合タンパク質であるVIB4920の有効性、安全性、及び忍容性を評価するための無作為化二重盲検プラセボ対照並行群研究であった。この研究には2つのSS集団が登録された。集団#1は、ESSDAI≧5で定義される中等度から重度(中等度から高度)の全身性疾患活動性を有する対象で構成された。集団#2は、ESSDAIスコア<5で定義される軽度の全身性疾患活動性を有するが、ESSPRIスコア5以上及び残存の刺激唾液流量によって定義される、中等度から高度(または重度)の自覚症状を有する対象で構成されていた。
【0170】
各集団内で、適格な対象は、VIB4920の1500mgのIVまたはプラセボを2週間に1回(Q2W)x3回投与し、その後4週間ごとに1回(Q4W)でさらに4回投与するように無作為に割り付けられた(ステージI)。169日目から開始し、VIB4920に無作為に割り付けられた対象は、プラセボをQ4Wで5回投与され、プラセボに無作為に割り付けられた対象はVIB4920をQ4Wで5回投与された(ステージII)。VIB4920を中止した対象は、ステージIIの間は、治療適格性がなかった。すべての対象は、IP投与の最後の投与後少なくとも12週間追跡された。
【0171】
例示的な研究概略図を図1に示す。
母集団
【0172】
2つのSS集団は、主に腺機能不全を有する患者と、腺機能不全及び全身症状の両方を有する患者とを区別する。2つのSS集団は、有効性を評価するために異なるエンドポイントを必要とする、満たされていない重要なニーズを有するサブセットを表す。ESSDAIは、全身性疾患活動性を評価するための検証済みの手段である。ESSPRIは、SS症状の3つのドメイン(乾燥、疲労、及び疼痛(関節及び/または筋肉))のそれぞれを評価する0~10の数値アナログスケールを使用する。
【0173】
母集団#1は、ESSDAI≧5で定義される中等度から高度の全身活動性を持つSS患者で構成されていた。以下のドメインをスコアリングしたが、以下の包含に必要な最小ESSDAIスコア5には寄与しなかった:末梢神経系、中枢神経系、及び肺。母集団#2は、外分泌機能不全、及び「不十分な症状状態」のカットオフポイントとみなされるESSPRIスコア5以上で定義される自覚症状を有し、ただし、全身性疾患活動性は低いが、全身性疾患活動性は低い(ESSDAIスコア<5)SS患者で構成された。
【0174】
体重、身長、28-関節評価を含む完全な身体検査を実施した。2016 ACR/EULAR基準は、医学的資格を持つ個人によって確認されたように、母集団#1と母集団#2の両方のSSの分類に使用された。SSの分類は、包含基準を満たし、除外基準としてリストされている状態を持たず、かつ表2に示す以下の項目の重みを合計したときにスコアが4以上である任意の個人に適用される。
【0175】
【表2】
【0176】
1.包含基準:これらの基準は、眼または口腔の乾燥のうち少なくとも1つの症状がある任意の対象に適用される(以下の質問の少なくとも1つに対する陽性反応として定義される:1)毎日、3か月超、持続的で厄介なドライアイを経験したか?2)目に砂や砂利のような感覚が繰り返しあるか?3)涙液代替品を1日3回以上使用しますか?4)3か月超毎日口渇を感じていましたか?5)ドライフードを飲み込みやすくするために液体を頻繁に飲みますか?);またはESSDAIアンケートによるSSの疑い(肯定的な項目を持つ少なくとも1つのドメイン)
2.除外基準:以下の症状のいずれかの以前の診断では、重複する臨床的特徴または基準検査との干渉のせいで、SSの診断及びSS研究または治療治験への参加を除外する。
●頭頸部の放射線治療の履歴
●活動性C型肝炎感染症(PCR陽性)
●後天性免疫不全症候群
●サルコイドーシス
●アミロイドーシス
●移植片対宿主病
●IgG4関連疾患
注:通常、抗コリン薬を服用している患者は、これらの成分が口腔及び眼の乾燥の有効な尺度となるために、これらの薬物治療の投与を十分に間隔をあけた後、唾液分泌機能低下及び眼の乾燥の客観的な兆候について評価される必要がある。
3.病理組織学的検査は、以下に従って、限局性リンパ球性唾液腺炎の診断及び焦点スコア数(4mmあたりの病巣数に基づく)の専門知識を持つ病理学者によって実行される必要がある:Daniels et al Arthritis Rheum.2011 Jul;63(7):2021-30に記載されているプロトコール、
4.Whitcher et al.,Am J Ophthalmol.2009;149(3):405-15に記載の眼の染色スコア;van Bijsterfeldスコア(van Bijsterfeld Arch Ophthalmol.1969 Jul;82(1):10-4に記載)
5.Navazesh及びKumar(J Am Dent Assoc.2008 May;139 Suppl:35S-40S)に記載の未刺激全唾液。
【0177】
母集団#1のESSDAIスコアに関連する適格性は、医学的資格のある個人によっても確認された。研究の適格性を決定するために、スクリーニング時に全刺激唾液流量、ESSDAI、及びESSPRIを実施した。ESSDAIで必要な血液検査も完了した。さらに、RFを含む自己抗体パネルを収集した。
【0178】
母集団#1の包含基準
この研究の母集団#1に含まれるには、各個人が以下の基準をすべて満たしている必要がある。
1.インフォームドコンセントの時点で18歳以上の成人(規制が異なる国では、成人参加者の最低年齢が18歳を超える場合がある)。
2.2016ACR/EULAR分類基準を満たすことでSSと診断された。
3.スクリーニング時にESSDAIスコアが5以上であること;以下のドメインをスコア付けしたが、それらは、末梢神経系、中枢神経系、及び肺のドメインに含めるのに必要な最小ESSDAIスコア5には寄与しなかった。
4.標準的な中央臨床検査の定義に従って、スクリーニング時に抗Ro自己抗体またはRF、あるいはその両方が陽性である。
5.スクリーニング評価を含む任意のプロトコル関連の手順を実行する前に、対象者/法定代理人から取得した、書面によるインフォームドコンセント及び任意の現地で必要な許可(例えば、米国の医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(Health Insurance Portability and Accountability Act)及びEUの欧州連合データプライバシー指令(European Union Data Privacy Directive))。
6.不妊手術を受けていない男性パートナーと性行為を行う妊娠の可能性のある女性は、インフォームドコンセントフォーム(ICF)への署名から非常に効果的な避妊方法を使用しなければならず、かつ研究の追跡調査が終了するまでそのような予防策を継続することに同意しなければならない。この時点以降の避妊の中止については、責任医師と相談する必要がある。非常に効果的な避妊方法として以下が挙げられる:
●排卵の阻害に関連する併用(エストロゲン及びプロゲストゲンを含む)ホルモン避妊法:
-経口
-膣内
-経皮
●排卵の阻害に関連するプロゲストゲンのみのホルモン避妊法:
-経口
-注射可能
-移植可能
●子宮内器具(IUD)
●子宮内ホルモン放出システム(IUS)
●両側卵管閉塞
●精管切除されたパートナー
●性的禁欲
性的禁欲は、それが対象の好みかつ通常のライフスタイルであり、対象がICF署名から研究追跡終了まで異性性交を控えることに同意する場合にのみ、非常に効果的な方法とみなされる。定期的な禁欲、リズム法、及び離脱法は、許容される避妊方法ではない。男性研究参加者の(妊娠の可能性のある)女性パートナーは、バリア法以外の非常に効果的な避妊法を使用することが推奨されている。
-妊娠可能な女性とは、外科的に不妊でない女性(不妊手術には、両側卵管結紮術、両側卵巣摘出術、または子宮摘出術が含まれる)、または閉経後ではない女性(別の医学的原因がないのに月経が12か月ないことと定義される)として定義される。
-精管切除されたパートナーは、妊娠する可能性のある治験参加者の女性の唯一の性的パートナーであり、かつ精管切除されたパートナーが外科的成功という医学的評価を受けている場合に限り、非常に効果的な避妊法である。
7.妊娠の可能性のある女性パートナーと性行為を行っている非不妊の男性対象は、研究1日目から研究終了まで殺精子剤を配合したコンドームを使用しなければならない。
8.以下の結核(TB)基準をすべて満たしている。
a.適切な治療の完了が証明された潜在性TB(結核)を除き、スクリーニング前に潜在性または活動性結核の病歴がない。
b.病歴または身体検査から活動性結核を示唆する兆候も症状もない。
c.最近(12週間以内のスクリーニング)活動性結核患者との濃厚接触がない(濃厚接触とは、1週に4時間以上、または同じ世帯に住んでいる、または活動性結核の人が頻繁に訪れる家に住んでいると定義される)。
d.無作為割り付け前12週間以内に得られた結核のインターフェロンガンマ放出アッセイ(IGRA)検査結果が陰性であること。検査結果が不確定な対象は検査を繰り返してもよいが、再検査も不確定な場合は除外される。
e.胸部X線写真(スクリーニング期間中、またはICF署名前12週間以内の任意の時点で撮影)で、現在の活動性結核もしくはその他の感染症も、または古い活動性結核も、悪性腫瘍も、または活動性プロセスを示唆する臨床的に重大な異常の証拠もない(SSに起因する以外)。
【0179】
母集団#1の個人が次の基準のいずれかを満たしている場合、その人は資格がない。
1.ICF署名後2年以内に深部静脈血栓症または動脈血栓塞栓症が確認された病歴のある患者。
2.静脈血栓塞栓症または動脈血栓症の危険因子(例えば、スクリーニング前12週間以内の固定または大手術)、血栓促進状態(アンチトロンビンIII、プロテインC、プロテインSの先天性もしくは遺伝性欠損症、または確認された劇症型抗リン脂質症候群の診断を含むがこれらに限定されない)を有する患者。
3.抗凝固薬(クロピドグレル、プラスグレル、ワルファリン、低分子量ヘパリンなど)による治療が必要な患者。低用量アスピリン治療(1日あたり最大325mg)が許可されている。
4.多発性筋炎、皮膚筋炎、または全身性硬化症の合併。
5.以下を除く、活動性悪性腫瘍または過去5年以内の悪性腫瘍の病歴:
a.スクリーニングの12か月より前に治癒療法により明らかな成功を収めた子宮頸部上皮内癌;または
b.明らかに治癒的な治療後の皮膚基底細胞癌。
6.妊娠中、授乳中、または研究期間中に妊娠を計画している対象。
7.B型肝炎、C型肝炎、またはHIV感染症の検査結果が陽性であるか、治療を受けている対象。
B型肝炎に関しては、スクリーニング時の慢性B型肝炎感染の検査陽性、(1)B型肝炎表面抗原(HBsAg)陽性、または(2)B型肝炎コア抗体(抗HBc)陽性のいずれかとして定義される。
8.以下を有する対象:
a.-口腔カンジダ症、膣カンジダ症、及び皮膚真菌感染症を除く、過去12か月間に帯状疱疹及び/または日和見感染症の複数のエピソードの病歴。
b.-スクリーニング時もしくは無作為割り付けを通して全身治療を必要とする活動性のウイルス、細菌、もしくはその他の感染症、またはICF署名前の12か月以内にIV抗生物質を必要とする2つを超える感染症の病歴。
c.個々の対象の参加リスクに関する決定を下す際の、重篤な疾患に関するリスク因子の現在の理解に基づく、COVID-19の疫学リスク(最近の曝露、高リスク居住)、及びCOVID-19の重症度の健康関連リスク。活動性のCOVID-19感染症または疾患、あるいはその他の重大な感染症を患っている対象者、あるいは治験責任医師の判断で、COVID-19またはその合併症の許容できないリスクにさらされている可能性がある対象者は、無作為割り付けすべきではない。
d.無作為割り付け前の2週間以内にSARS-CoV-2検査で陽性反応が証明されたこと。SARS-CoV-2で陽性の検査が出た対象は、無症状の場合は検査陽性後少なくとも2週間、及び症候性のCOVID-19感染症発症後は少なくとも3週間後に再スクリーニングを受ける場合がある。
9.VIB4920製剤の任意の成分または任意の他の生物学的療法に対する重度のアレルギーまたは反応の既知の病歴を有する対象。
10.-重度の心血管疾患、呼吸器疾患、内分泌疾患、胃腸疾患、血液疾患、神経疾患、精神疾患、もしくは全身性疾患、または治験責任医師の意見において、対象を許容できない合併症のリスクにさらす任意の他の症状を有し、VIB4920の評価を妨げるか、または対象の安全性もしくは研究結果の解釈を混乱させる対象。
11.プロトコール要件に従うことができない、または従う気がない対象(例えば、薬物乱用またはアルコール乱用)。
12.ICF署名前の4週間以内に生(弱毒)ワクチンを受けた対象。
13.実験用生物学的製剤(ポイント14に列挙されているものを除く)または経口薬剤の最終投与が、無作為割り付け前3か月または5半減期未満である。
14.-無作為割り付け前12か月以内に生物学的B細胞枯渇療法(例えば、リツキシマブ、オクレリズマブ、またはオファツムマブ)、または3か月以内に他のB細胞標的療法(例えば、ベリムマブ)による以前の治療がある対象。
15.-無作為割り付け前6週間以内のコルチコステロイド注射(関節内を含む)、または10mg/日を超える用量の経口プレドニゾンもしくは等価の治療。経口コルチコステロイド≦10mg/日のプレドニゾンまたは等価物による併用治療は、無作為割り付け(1日目)を通して、スクリーニングの前2週間以上、用量が安定しており、かつ治療期間中安定のままであると予想される場合に限り許可される。喘息、慢性閉塞性肺疾患、または皮膚科学的症状に対して投与される吸入または局所コルチコステロイドは、研究中に用量が安定していると予想される場合に許可される。
16.SS、RA、及びSLE以外の適応症に対して、スクリーニング来診前の24週間以内に合計2週間を超えて全身性コルチコステロイドで治療された対象。
17.以下の薬物治療の使用:
a.抗マラリア薬(例えば、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、キナクリン)を開始した場合、またはICFに署名する前の8週間以内もしくはスクリーニング期間中に用量が変更された場合。
b.MTX、用量が20mg/週を超える場合;または、無作為割り付け(1日目)を通してICF署名の前の4週間以内に新たな用量の変更もしくは開始があった場合、または投与経路に何らかの変更があった場合。
c.アザチオプリン(AZA)、用量が150mg/日を超える場合、及び無作為割り付け(1日目)を通してICF署名の前の4週間以内に新しい用量の変更または開始がある場合、及び投与経路の変更がある場合。
d.レフルノミド、用量が20mg/日を超える場合;または、無作為割り付け(1日目)を通してICF署名の前の4週間以内に何らかの変更または新しい用量の開始があった場合。
e.ミコフェノール酸モフェチル(MMF)、用量が2mg/日を超える場合;または、無作為割り付け(1日目)を通してICF署名の前の4週間以内に何らかの変更または新しい投与の開始があった場合。
f.なんらかの他のDMARD、免疫抑制剤、または抗増殖剤(最後の投与が以下の期間内に行われた場合)
-ICFに署名する4週間前、または
-薬物固有の5半減期排出期間(4週間を超える場合)。
g.治験責任医師の意見では、VIB4920の評価、または対象の安全性もしくは研究結果の解釈を妨げるなんらかの薬物治療。
h.-無作為割り付け(1日目)を通してICF署名の前の2週間以内に、セビメリンまたはピロカルピン及びシクロスポリン点眼薬(Restasis)の新規用量の増加または開始。
18.スクリーニング前のいずれかの時点で、抗CD40L化合物による以前の治療を受けた対象。
19.スクリーニング時に以下のいずれかの血液検査を受けた対象:
●アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)>2×正常値の上限(ULN)
●アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)>2×ULN
●総ビリルビン(TBL)>2×ULN
●ヘモグロビン<75g/L
●好中球<1.0×109/L
●血小板<100×109/L
●プロトロンビンまたは部分トロンボプラスチン時間(PTT)>ULN
【0180】
母集団#2の包含基準
この研究の母集団#2に含まれるよう、各個人が以下の基準をすべて満たした。
1.インフォームドコンセントの時点で18歳以上の成人(規制が異なる国では、成人参加者の最低年齢が18歳を超える場合がある)。
2.2016ACR/EULAR分類基準を満たすことでSSと診断された。
3.スクリーニング時にESSPRIスコアが5以上である。
4.スクリーニング時にESSDAIスコアが5未満である。
5.入手可能な標準的な中央臨床検査の定義に従って、スクリーニング時に抗Ro自己抗体もしくはRF、またはその両方が陽性である。
6.全刺激唾液流量>0.1mL/分によって定義される残存唾液腺機能。
7.スクリーニング評価を含む任意のプロトコル関連の手順を実行する前に、対象者/法定代理人から取得した、書面によるインフォームドコンセント及び任意の現地で必要な許可(例えば、米国の医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(Health Insurance Portability and Accountability Act)及びEUのEUデータプライバシー指令(European Union Data Privacy Directive))。
8.不妊手術を受けていない男性パートナーと性行為を行う妊娠の可能性のある女性は、ICFへの署名から非常に効果的な避妊方法を使用しなければならず、かつ研究の追跡調査が終了するまでそのような予防策を継続することに同意しなければならない。この時点以降の避妊の中止については、責任ある医師と相談する必要がある。非常に効果的な避妊方法として以下が挙げられる:
●排卵の阻害に関連する併用(エストロゲン及びプロゲストゲンを含む)ホルモン避妊法:
-経口
-膣内
-経皮
●排卵の阻害に関連するプロゲストゲンのみのホルモン避妊法:
-経口
-注射可能
-移植可能
●子宮内器具(IUD)
●子宮内ホルモン放出システム(IUS)
●両側卵管閉塞
●精管切除されたパートナー
●性的禁欲
性的禁欲は、それが対象の好みかつ通常のライフスタイルであり、対象がICF署名から研究追跡終了まで異性性交を控えることに同意する場合にのみ、非常に効果的な方法とみなされる。定期的な禁欲、リズム法、及び離脱法は、許容される避妊方法ではない。男性研究参加者の(妊娠の可能性のある)女性パートナーは、バリア法以外の非常に効果的な避妊法を使用することが推奨されている。
-妊娠可能な女性とは、外科的に不妊でない女性(不妊手術には、両側卵管結紮術、両側卵巣摘出術、または子宮摘出術が含まれる)、または閉経後ではない女性(別の医学的原因がないのに月経が12か月ないことと定義される)として定義される。
-精管切除されたパートナーは、妊娠する可能性のある治験参加者の女性の唯一の性的パートナーであり、かつ精管切除されたパートナーが外科的成功という医学的評価を受けている場合に限り、非常に効果的な避妊法である。
9.妊娠の可能性のある女性パートナーと性行為を行っている非不妊の男性対象は、研究1日目から研究終了まで殺精子剤を配合したコンドームを使用しなければならない。
10.以下の結核基準をすべて満たしている:
i.適切な治療の完了が証明された潜在性TB(結核)を除き、スクリーニング前に潜在性または活動性結核の病歴がない。
j.病歴または身体検査から活動性結核を示唆する兆候も症状もない。
k.最近(12週間以内のスクリーニング)活動性結核患者との濃厚接触がない(濃厚接触とは、1週に4時間以上、または同じ世帯に住んでいる、または活動性結核の人が頻繁に訪れる家に住んでいると定義される)。
l.無作為割り付け前12週間以内に得られた結核のIGRA検査結果が陰性。検査結果が不確定な対象は検査を繰り返してもよいが、再検査も不確定な場合は除外される。
m.胸部X線写真(スクリーニング期間中、またはICF署名前12週間以内の任意の時点で撮影)で、現在の活動性結核もしくはその他の感染症も、または古い活動性結核も、悪性腫瘍も、または活動性プロセスを示唆する臨床的に重大な異常の証拠もない(SSに起因する以外)。
【0181】
母集団#2の除外基準
母集団#2の個人が次の基準のいずれかを満たしている場合、その人は資格がない。
1.ICF署名後2年以内に深部静脈血栓症または動脈血栓塞栓症が確認された病歴のある患者。
2.静脈血栓塞栓症または動脈血栓症の危険因子(例えば、スクリーニング前12週間以内の固定または大手術)、血栓促進状態(アンチトロンビンIII、プロテインC、プロテインSの先天性もしくは遺伝性欠損症、または確認された劇症型抗リン脂質症候群の診断を含むがこれらに限定されない)を有する患者。
3.抗凝固薬(クロピドグレル、プラスグレル、ワルファリン、低分子量ヘパリンなど)による治療が必要な患者。低用量アスピリン治療(最大で325mg/日)が許可されている。
4.多発性筋炎、皮膚筋炎、または全身性硬化症の合併。
5.以下を除く、活動性悪性腫瘍または悪性腫瘍の病歴:
n.スクリーニングの12か月より前に治癒療法により明らかな成功を収めた子宮頸部上皮内癌;または
o.根治療法で明らかな成功を収めた皮膚基底細胞癌
6.妊娠中、授乳中、または研究期間中に妊娠することを計画している対象。
7.B型肝炎、C型肝炎、またはHIV感染症の検査結果が陽性であるか、治療を受けている対象。
B型肝炎に関しては、スクリーニング時の慢性B型肝炎感染の検査陽性は、(1)B型肝炎表面抗原(HBsAg)陽性、または(2)B型肝炎コア抗体(抗HBc)陽性のいずれかの検出として定義される。
8.以下を有する対象:
a.-口腔カンジダ症、膣カンジダ症、及び皮膚真菌感染症を除く、過去12か月間に帯状疱疹及び/または日和見感染症の複数のエピソードの病歴。
b.-スクリーニング時もしくは無作為割り付けを通して全身治療を必要とする活動性のウイルス、細菌、もしくはその他の感染症、またはICF署名前の12か月以内にIV抗生物質を必要とする2つを超える感染症の病歴。
c.個々の対象の参加リスクに関する決定を下す際の、重篤な疾患に関するリスク因子の現在の理解に基づく、COVID-19の疫学リスク(最近の曝露、高リスク居住)、及びCOVID-19の重症度の健康関連リスク。活動性のCOVID-19感染症または疾患、あるいはその他の重大な感染症を患っている対象者、あるいは治験責任医師の判断で、COVID-19またはその合併症の許容できないリスクにさらされている可能性がある対象者は、無作為割り付けすべきではない。
d.無作為割り付け前の2週間以内にSARS-CoV-2検査で陽性反応が証明されたこと。SARS-CoV-2で陽性の検査が出た対象は、無症状の場合は検査陽性後少なくとも2週間、及び症候性のCOVID-19感染症発症後は少なくとも3週間後に再スクリーニングを受ける場合がある。
9.VIB4920製剤の任意の成分または任意の他の生物学的療法に対する重度のアレルギーまたは反応の既知の病歴を有する対象。
10.-重度の心血管疾患、呼吸器疾患、内分泌疾患、胃腸疾患、血液疾患、神経疾患、精神疾患、もしくは全身性疾患、または治験責任医師の意見において、VIB4920の評価、または対象の安全性もしくは研究結果の解釈を妨げる、任意の他の症状を有する対象。
11.プロトコール要件に従うことができない、または従う気がない対象(例えば、薬物乱用またはアルコール乱用)。
12.ICF署名前の4週間以内に生(弱毒)ワクチンを受けた対象。
13.実験用生物学的製剤(ポイント14に列挙されているものを除く)または経口薬剤の最終投与が、無作為割り付け前3か月または5半減期未満である。
14.-無作為割り付け前12か月以内に生物学的B細胞枯渇療法(例えば、リツキシマブ、オクレリズマブ、またはオファツムマブ)、または3か月以内に他のB細胞標的療法(例えば、ベリムマブ)による治療歴がある対象。
15.以下の薬物治療の使用:
a.抗マラリア薬(例えば、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、キナクリン)を開始した場合、またはICFに署名する前の8週間以内もしくはスクリーニング期間中に用量が変更された場合。
b.無作為割り付け(1日目)を通してICF署名の前の4週間以内の経口、筋肉内、IV、または関節内コルチコステロイド。
c.MTX、AZA、レフルノミド、その他のcDMARD、または免疫抑制薬または抗増殖薬物治療(最後の投与が以下の期間内に行われた場合):
-ICFに署名する4週間前、または
-薬物固有の5半減期排出期間(4週間を超える場合)。
d.治験責任医師の意見で、VIB4920の評価、または対象の安全性または研究結果の解釈を妨げる可能性がある薬物治療。
e.-無作為割り付け(1日目)を通してICF署名の前の2週間以内に、定期的にスケジュールされた非炎症性薬物の新規用量の増大または開始。
f.-無作為割り付け(1日目)を通してICF署名の前の2週間以内に、セビメリンまたはピロカルピン及びシクロスポリン点眼薬(Restasis)の新規用量の増加または開始。
16.スクリーニング前のいずれかの時点で、抗CD40L化合物による以前の治療を受けた対象。
17.スクリーニング時に以下のいずれかの血液検査を受けた対象:
●AST>2×ULN
●ALT>2×ULN
●TBL>2×ULN
●ヘモグロビン<75g/L
●好中球<1.0×109/L
●血小板<100×109/L
●プロトロンビンまたはPTT>ULN
【0182】
安全性関連のスクリーニング評価には、有害事象(AE)、安全性臨床検査(血清化学、血液学、及び尿検査)、凝固パラメータ、胸部X線検査、甲状腺機能検査、及び妊娠する可能性のある女性の血清β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン(β-hCG)妊娠検査が含まれた。
【0183】
安全性評価
安全性評価は、表5に示す評価に従って積極的治療期間中に実施され、以下の内容で構成されている:
-すべての有害事象(AE)(特に重要な有害事象を含む)及び重篤な有害事象のモニタリング及び記録
-安全性臨床検査(血清化学、血液学、及び尿検査)
-併用薬物治療
-バイタルサイン、身体検査(来診に応じてフルの検査または症状に応じた検査)、及び体重
-ECG
-尿妊娠検査(妊娠可能な女性向け)
-凝固検査
【0184】
有害事象(AE)
AEは、介入に関係するとみなされるか否かにかかわらず、ヒトにおける介入の使用に関連するあらゆる不都合な医学的な出来事である。
【0185】
重篤な有害事象(SAE)
SAEは、以下のいずれかの転帰(アウトカム)を生じる場合、「重篤」であるとみなされる:
-死亡
-生命を脅かすAE(治験責任医師または治験依頼者のいずれかの観点から、その発生によって患者または対象が即死の危険にさらされる場合、その事象は「生命を脅かす」と見なされる。これには、より重篤な形態で発生した場合に死亡を引き起こした可能性のあるAEまたは疑わしい副作用(SAR)は含まれない。)
-入院患者の入院または現在の入院の延長
-普通の生活機能を行う能力の持続性または顕著な不能または実質的な崩壊。
-先天性異常/出生異常
-死をもたらしたり、生命を脅かしたり、入院を必要とし得ない重大な医学的事象は、適切な医学的判断を基にして、患者または対象を危険にさらす可能性があり、この定義に記載されている転帰(アウトカム)のうちの1つを防ぐために医学的または外科的介入が必要な場合がある場合、重篤であるとみなされ得る。そのような医学的事象の例には、緊急治療室もしくは自宅での集中治療を要するアレルギー性気管支痙攣、入院患者の入院治療には至らない血液疾患もしくは痙攣、または薬物依存症もしくは薬物乱用の発生が挙げられる。
【0186】
因果関係または関連性
VIB4920に対するAE及びSAEの関係の評価が決定された。次の試験のいずれかが満たされた場合、事象はVIB4920の使用に「無関係」であると見なされた。
a.VIB4920の投与と事象の発症との間の不合理な時間的関係(例えば、事象がVIB4920関連とみなすにはVIB4920の投与前、または投与後あまりにも長く発生した事象)
b.VIB4920とその事象との間の因果関係が、生物学的にあり得ない(例えば、自動車事故による乗客としての死亡)
c.その事象に対して明らかにより可能性の高い別の説明が存在する(例えば、併用薬に対する典型的な有害反応[AR]及び/または典型的な疾患関連事象)
【0187】
「無関係」の基準が満たされない場合、個々のAE/SAE報告は、VIB4920の使用に「関連」しているとみなされた。「関連」とは、その事象が「薬物の使用に関連している」とみなされたことを意味し、その事象がその製品によって引き起こされた可能性がある「合理的な可能性」がある(すなわち、考えられる因果関係を示唆するのに、事実、証拠、または根拠がある)ことを意味する。
【0188】
重症度/強度
重症度は以下のスケールに従って評価された:グレード1:通常は一過性であり、最小限の治療または治療的介入しか必要とし得ない軽度の強度の事象。この事象は通常、日常生活の通常の活動に支障をきたすことはない。グレード2:中程度の強度の事象で、通常は追加の特別な治療介入によって軽減される。この事象は日常生活の通常の活動を妨げ、不快感を引き起こすが、対象に重大なまたは永続的な危害を及ぼす危険はない。グレード3:集中的な治療介入を必要とする重篤な事象。この事象は通常の日常生活活動を中断するか、または対象の臨床状態に重大な影響を与える。グレード4:差し迫った死の危険性、または対象の日常生活活動(食事、歩行、トイレなど)を実行する能力に影響を与えるかもしくは制限する身体的もしくは精神的障害に関連する、事象及び/またはその直接の後遺症。グレード5:事象の結果としての死亡(生命の喪失)。
【0189】
特に注目すべき有害事象(AESI)
特に注目すべき有害事象(AESI)を評価した。AESIは、VIB4920の理解に特有の科学的及び医学的関心の1つであり、綿密なモニタリング及び追加情報の収集が必要な場合がある。AESIは深刻な場合もあれば、深刻でない場合もある。
【0190】
以下のAESIをモニターした:
●血栓性事象及び塞栓性事象
●肝機能異常(ハイの法則(HL)の定義を満たす)
●アナフィラキシー及び臨床的に重大な(グレード3以上)過敏反応
●重度の輸液関連反応(有害事象の共通用語基準(CTCAE)グレード3以上)。
重症度はCTCAE v5に従って評価した
-グレード1:軽度の一時的な反応;注入の中断は指示されない;介入は指示されない。
-グレード2:治療または注入の中断が必要だが、対症療法(例えば、抗ヒスタミン薬、NSAIDS、麻薬、IV液)に即座に反応する;指示される予防薬物治療の投与は24時間以内
-グレード3:長期にわたる(例えば、対症療法的な薬物治療及び/または注入の短期間の中断に対して迅速に反応しない);最初の改善後の症状の再発;臨床的後遺症のため入院が必要
-グレード4:致命的結果;緊急介入の適応
●悪性新生物
●免疫複合体疾患
●感染症:
-臨床的に重大な症状(グレード3以上)
-日和見感染症としては、限定するものではないが、潜伏ウイルス感染の再活性化、侵入性真菌感染症、及び結核が挙げられる。
【0191】
表3.研究のスクリーニング手順をまとめたものである。スクリーニングを完了するには複数回の来診が必要な場合がある。
【0192】
【表3-1】
【0193】
【表3-2】
【0194】
投与の製剤(投与の処方)
VIB4920の処方を表4に示す。
【0195】
【表4】
【0196】
VIB4920は、10mMのリン酸ナトリウム緩衝液、250mMのスクロース、0.02%(重量/体積[w/v])ポロキサマー188、pH7.4中で100mg/mLのVIB4920で製剤化される。各バイアルの公称容量は5.0mLである。VIB4920は、生理食塩水で希釈した後のIV注入を目的とした滅菌液体医薬品(バイアルあたり500mgのVIB4920(公称))である。VIB4920は振ってはならず、特別なバイオハザードの取り扱いは必要ない。温度を適切にモニターしながら、2℃~8℃(36°F~46°F)の冷蔵庫で保管する必要がある。VIB4920は凍結してはならない。
【0197】
プラセボは、250mLのプレフィルドIVバッグとしてサイトから提供された0.9%(w/v)生理食塩水であった。
【0198】
治療
母集団#1と#2とは両方とも、以下の治療計画を受けた:
●治療グループ1には、1500mgのVIB4920をIV注入としてQ2W×3回、その後Q4Wでさらに4回投与した(ステージI)。169日目に開始して、対象はプラセボをQ4Wで5回投与された(ステージII)。
●治療グループ2にはプラセボをQ2W×3回IV注入として与え、その後Q4Wでさらに4回投与した(ステージI)。169日目から、対象はVIB4910の1500mgをQ4Wで5回投与された(ステージII)。
【0199】
VIB4920は、IV注入ポンプを使用して注入された。ステージIの間、各対象は少なくとも90分間かけて、IVバッグ内のVIB4920溶液の全量を投与された(約2.8mL/分)。VIB4920は、低タンパク質結合の0.2-ラインまたは0.22ラインのフィルターを通して注入された。各IP注入の開始前にバイタルサインを取得した。ステージIIでは、少なくとも60分間かけて注入を行った(約4.2mL/分)。
【0200】
ステージI(1日目及び15日目)及びステージII(169日目及び197日目)の両方の最初の2回の投与日では、バイタルサインを、注入開始前の30分以内に、注入中30分ごと(±5分)に、注入終了時(+5分)、次に注入終了1時間後及び2時間後(±10分)に測定した。その後の投与日では、注入開始前30分以内、30分ごと(±5分)、注入終了時(+5分)、及び注入終了後30分(±5分)にバイタルサインを測定した。これらの観察期間の終了時に、対象の状態が安定していれば退院した。
【0201】
治療後評価
治療後、母集団#1の対象は、次の1つ以上を決定するために評価した。
●ESSDAIの85、169、及び309日目のベースラインからの変化
●ESSPRIの85、169、及び309日目のベースラインからの変化
●研究を早期に中止せず、レスキュー療法も受けずに85日目、169日目、及び309日目にESSDAIのベースラインから少なくとも3[4]ポイントの低下として定義した、ESSDAI(すなわち、少なくとも3ポイントの減少)及びESSDAI[4](すなわち、少なくとも4ポイントの減少)反応を達成した対象の割合。
●85日目、169日目、及び309日目の慢性疾患治療の機能評価(FACIT)-疲労スコアにおけるベースラインからの変化
●85、169、及び309日目の眼表面疾患指数(OSDI(c))のベースラインからの変化
●85、169、及び309日目の重症度に対する患者の全体的印象(PGIS)
●治療中に発生した有害事象(TEAE)、治療中に発生した重篤な有害事象(TESAE)、特に注目すべき有害事象(AESI)の発生率、ならびに臨床検査、バイタルサイン、及び心電図(ECG)の異常によって測定した、VIB4920の複数回IV投与の安全性及び忍容性
●研究中のPK
●研究完了までに抗VIB4920抗体によって測定された免疫原性反応が陽性となった対象の割合
●総刺激唾液流量のベースラインからの変化
●シルマーテストのベースラインからの変化
●SS-A、SS-B、ならびにIgG及びIgMリウマチ因子(RF)自己抗体のベースラインからの変化
●169日目における変化に対する患者の全体的印象(PGIC)
●重症度に対する医師の全体的印象のベースラインからの変化
●炎症マーカー(免疫グロブリン、ベータ2ミクログロブリン、C反応性タンパク質[CRP]、CXCL13、C3、C4及び無血清軽鎖)のレベルのベースラインからの変化
●85日目、169日目、及び309日目におけるESSDAI-3の改善またはESSPRI-1の改善のいずれかに加え、ベースラインからの重症度に対する医師の全体的印象の悪化なしとして定義される、複合指数で奏効を達成した対象の割合
●SF36身体的側面のスコア及び精神的側面のスコアのベースラインからの変化
●ビジュアルアナログスケール(VAS)口腔乾燥症
●VAS眼球乾燥症
●患者報告アウトカム測定情報システム(登録商標)(PROMIS-29プロファイルv2.1)
●血流、T細胞及びB細胞サブセットの変化に関するサイトメトリー、ならびに唾液タンパク質などのバイオマーカー
●血液の遺伝子発現
●糞便微生物叢の変化(オプション)
●ベースライン及び治療後のDNAエピジェネティクス(オプション)
●アクティグラフィー:研究中の全体的な活動性及び睡眠パターンの変化(オプション)
●85、169、及び309日目の臨床EULARシェーグレン症候群疾患活動性指数(ClinESSDAI)のベースラインからの変化
●研究を早期に中止せず、レスキュー療法も受けずに、85日目、169日目、及び309日目のClinESSDAIのベースラインから少なくとも3[4]ポイントの減少として定義される、ClinESSDAI及びClinESSDAI反応を達成した対象の割合。
これは以下をするためにである:
1.中等度から高度の全身性疾患活動性を有するSS患者の腺兆症状及び腺外症状におけるVIB4920の複数回投与の臨床効果を評価する
2.SSの対象における全身活動性及び患者報告の転帰(患者報告アウトカム)に対するVIB4920の効果を評価する
3.SSの対象におけるVIB4920の複数回投与の安全性及び忍容性を評価する
4.SSの対象におけるVIB4920の薬物動態(PK)を特徴付ける
5.SSの対象におけるVIB4920の免疫原性を評価する
6.SSの対象におけるCD40/CD40L経路及び疾患バイオマーカーに対するVIB4920の薬力学を評価する
7.VIB4920による治療の際のSSの対象におけるT細胞及びB細胞集団、ならびに炎症のバイオマーカー及び自己抗体の変化を評価する
8.SSの対象の全身性疾患活動性ならびに唾液及び涙腺機能に対するVIB4920の効果を評価する
9.SSに関連する主な主観的訴えの変化を評価する
【0202】
治療後、母集団#2の対象を、以下のうちの1つ以上を決定するために評価した:
●ESSPRIの85、169、及び309日目のベースラインからの変化
●研究を早期に中止せず、レスキュー療法も受けずに、85日目、169日目、及び309日目のESSPRIスコアがベースラインから1ポイント以上または15%低下したと定義した、ESSPRI反応を達成した対象の割合。
●85、169、及び309日目のFACIT-疲労(FACIT-Fatigue)のベースラインからの変化
●OSDIの85、169、及び309日目のベースラインからの変化
●85、169、309日目のPGIS
●TEAE、TESAE、AESIの発生率、ならびに臨床検査値、バイタルサイン、及びECGの異常によって測定した、VIB4920の複数回IV投与の安全性及び忍容性
●研究中のPK
●研究完了までに抗VIB4920抗体によって測定された免疫原性反応が陽性となった対象の割合
●ESSDAIのベースラインからの変化
●総刺激唾液流量のベースラインからの変化
●シルマーテストのベースラインからの変化
●SS-A、SS-B、ならびにIgG及びIgMのRF自己抗体のベースラインからの変化
●169日目のPGIC
●重症度に対する医師の全体的印象のベースラインからの変化
●ベースラインからの炎症マーカー(免疫グロブリン、ベータ2ミクログロブリン、CRP、CXCL13、C3、C4及び無血清軽鎖)のレベルの変化
●85日目、169日目、及び309日目におけるESSDAI-3の改善またはESSPRI-1の改善のいずれかに加え、ベースラインからの重症度に対する医師の全体的印象の悪化なしとして定義される、複合指数で奏効を達成した対象の割合
●SF36身体的側面のスコア及び精神的側面のスコアのベースラインからの変化
●VAS口腔乾燥症
●VAS眼球乾燥症
●PROMIS-29プロファイルv2.1
●血流、T細胞及びB細胞サブセットの変化に関するサイトメトリー、ならびに唾液タンパク質などのバイオマーカー
●血液の遺伝子発現
●糞便微生物叢の変化(オプション)
●ベースライン及び治療後のDNAエピジェネティクス(オプション)
●アクティグラフィー:研究中の全体的な活動性及び睡眠パターンの変化(オプション)
●ClinESSDAIの85、169、及び309日目のベースラインからの変化
これは以下をするためにである:
1.SSの主要な主観的訴え(乾燥、疲労、及び疼痛)に対するVIB4920の複数回投与の臨床効果を評価する
2.SSの対象における患者報告の転帰(患者報告アウトカム)に対するVIB4920の効果を評価する
3.SSの対象におけるVIB4920の複数回投与の安全性及び忍容性を評価する
4.SSの対象におけるVIB4920のPKを特徴付ける
5.SSの対象におけるVIB4920の免疫原性を評価する
6.SSの対象におけるCD40/CD40L経路及び疾患バイオマーカーに対するVIB4920の薬力学を評価する
7.VIB4920による治療の際のSSの対象におけるT細胞及びB細胞集団、ならびに炎症のバイオマーカー及び自己抗体の変化を評価する
8.SSの対象の全身性疾患活動性ならびに唾液及び涙腺機能に対するVIB4920の効果を評価する
9.SSに関連する主な主観的訴えの変化を評価する
【0203】
臨床検査室
治療後、実験室での安全性検査のために血液及び尿の試料を収集した。血液学パネルには、分別(好塩基球、好酸球、リンパ球、単球、及び好中球を含む)、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血小板、及び白血球数を含む全血球数が含まれていた。
【0204】
血清化学は以下について分析された:
●クレアチニン、血中尿素窒素、空腹時血糖、総タンパク質、クレアチンキナーゼ及び電解質(ナトリウム、カリウム、塩化物、カルシウム、重炭酸塩、及びリンを含む)
●肝臓プロファイル:アルブミン、TBL、間接ビリルビン、AST、ALT、アルカリホスファターゼ(ALP)、及びガンマ-グルタミルトランスフェラーゼ
【0205】
凝固パラメータを評価した。対象は、スクリーニング中、ならびに治療期間中及び治療停止期間のすべての研究来診時に、プロトロンビン時間及びPTTについて評価した(それぞれ表2及び表3)。
【0206】
尿検査には、タンパク質、グルコース、血液、ケトン、白血球、及びディップスティック分析によるpHを含んだ。異常が観察された場合は、顕微鏡検査(結晶、円柱、白血球、赤血球)を実施した。
【0207】
SARS-COV-2の検査を実施した。
【0208】
収縮期血圧と拡張期血圧(mmHg)、脈拍数(心拍数/分)、呼吸数(呼吸数/分)、体温(℃)、及び体重(kg)などのバイタルサインを測定した。
【0209】
12誘導ECGは、スクリーニング期間、治療期間、及び治療停止期間中に実行した。各ECGには、心室心拍数及び間隔(PR、QRS、QT、QTc)が含まれていた。
【0210】
血清β-hCG妊娠検査は、スクリーニング期間中(0日目前)に妊娠の可能性のあるすべての女性に対して、治療期間中及び治療停止期間中の来診時の尿妊娠検査によって、完了した。
【0211】
安全性評価
有害事象(AE)及び重篤な有害事象(SAE)
【0212】
積極的治療期間及び治療停止期間の研究評価のスケジュールを、それぞれ表5及び表6に示す。表6には、研究中のスケジュール外の来診時に実施できるすべての評価もまとめている。
【0213】
【表5-1】
【0214】
【表5-2】
【0215】
【表5-3】
【0216】
【表5-4】
【0217】
【表6-1】
【0218】
【表6-2】
【0219】
中程度から高度の全身性疾患活動性(ESSDAIの定義)を持つ対象の結果、「母集団1」
169日目のESSDAIのベースラインからの変化の結果及びレスポンダー分析をそれぞれ表7及び表8に示す。表7のデータは、24週目に、ダゾダリベプで治療された対象は、ESSDAIスコアの6.3±0.6ポイントの低下を達成し、プラセボで治療された対象は4.1±0.6ポイントの低下を達成し、その結果、統計的に有意な最小二乗平均差が2.2ポイントとなったことを示している(p=0.017)。ダゾダリベプは、ESSDAIが定義する中程度から高度の全身性疾患活動性を有する対象において、統計的に有意な主要評価項目を達成し、これは、FDAが承認した治療法のない疾患であるシェーグレン症候群の治療法の開発における有意な成果を意味する。
【0220】
【表7】
【0221】
上記の一次エンドポイント分析に加えて、主要な二次分析、探索的分析、及び事後分析でも数値的な改善が見られた。これらとしては、咀嚼、嚥下、及び歯列に影響を与えるので、シェーグレン症候群を患う対象にとって重要な症状である乾燥の指標も含まれた。慢性疾患治療の機能評価-疲労(FACIT-F)によって測定された疲労と、36アイテムショートフォームヘルスサーベイ(36-Item Short Form Health Survey)(SF-36)を使用して測定された身体機能は、圧痛関節及び腫れの関節の数と同様に、数値的な改善を示した。さらに、ESSDAIで高レベルの改善を達成した対象の事後レスポンダー分析では、プラセボよりもダゾダリベプが有利であった。さらに、ダゾダリベプは治験で忍容性が良好であった。
【0222】
さらに、プラセボ群と比較して、ダゾダリベプ群では、以下によって、数値的により大きい改善が観察された:EULARシェーグレン症候群患者報告指数スコア、慢性疾患治療の機能評価-疲労スコア、36アイテムショートフォームヘルスサーベイフィジカルコンポーネントスコア(36-Item Short Form Health Survey Physical Component Score)(身体的側面のスコア)、及び刺激唾液流量。さらに、ESSDAIで高レベル(5及び6ポイント)の改善を達成した対象の事後レスポンダー分析では、プラセボよりもダゾダリベプが有利であった。
【0223】
【表8】
【0224】
実施例2-シェーグレン症候群(SS)の対象におけるVIB4920の有効性及び安全性を評価するための予測的な第III相研究
シェーグレン症候群(SS)の対象にVIB4920を投与した場合の有効性及び安全性を評価する研究が実施される。この研究では、2つの異なる投与計画を使用して、中等度から高度の全身性疾患活動性を有するSS患者の全身症状におけるプラセボに対するVIB4920の効果を評価する。
【0225】
研究設計
この研究には2つの母集団のシェーグレン病患者が登録される。母集団#1は、ESSDAI≧5で定義される、中程度から高度の全身活動性を持つSS患者を含む。以下のドメインがスコア付けされるが、それらは、登録に必要な最小ESSDAIスコア5に寄与しない場合がある:末梢神経系、中枢神経系、及び肺。母集団#2は、外分泌機能不全、及び「不十分な症状状態」のカットオフポイントとみなされるESSPRIスコア5以上で定義される自覚症状を有し、ただし、全身性疾患活動性は低いが、全身性疾患活動性は低い(ESSDAIスコア<5)SS患者を含む。
【0226】
体重、身長、及び28-関節評価を含む完全な身体検査を実施する。
【0227】
投薬スケジュール
対象は3つの用量に分割される:用量1、1500mgのVIB4920を2週間ごとに3回投与し、その後は4週間ごとに投与する;用量2、3000mgのVIB4920を1週目、4週目、及び12週目に投与し、その後は12週間ごとに投与;ならびにプラセボ。この研究への各対象の参加の予想される全期間は392±7日である。例示的な投与スケジュールを表9に示す。
【0228】
【表9】
【0229】
参照による組み込み
本明細書に引用されるすべての参考文献、記事、刊行物、特許、特許公報、及び特許出願は、参照によりそれらの全体があらゆる目的で本明細書に組み込まれる。しかし、本明細書で引用されるいずれの参考文献、論文、刊行物、特許、特許公報、及び特許出願の言及も、それらが有効な先行技術を構成するか、または世界のいずれかの国で共通の一般知識の一部を形成するという承認または何らかの示唆ではなく、そのようにみなされるべきではない。
図1
【配列表】
2024535431000001.xml
【国際調査報告】