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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】携帯型羽根なし扇風機
(51)【国際特許分類】
   F04D 25/08 20060101AFI20240920BHJP
   F04D 23/00 20060101ALI20240920BHJP
   F04D 29/66 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
F04D25/08 301A
F04D23/00 B
F04D29/66 N
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519102
(86)(22)【出願日】2022-09-26
(85)【翻訳文提出日】2024-04-08
(86)【国際出願番号】 CN2022121246
(87)【国際公開番号】W WO2023046145
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】202122350626.3
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122980532.4
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122972162.X
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202123124225.2
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202221164340.4
(32)【優先日】2022-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518367068
【氏名又は名称】深▲せん▼市几素科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shenzhenshi Jisu Keji Youxiangongsi
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鄭 観正
(72)【発明者】
【氏名】謝 佳航
(72)【発明者】
【氏名】李 享福
(72)【発明者】
【氏名】袁 水勇
(72)【発明者】
【氏名】肖 馨
(72)【発明者】
【氏名】蔡 騁睿
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB06
3H130AB26
3H130AB50
3H130AB52
3H130AC25
3H130BA14A
3H130BA97A
3H130CA05
3H130CA27
3H130CB01
3H130CB05
3H130DD02Z
3H130EA07C
3H130EA08A
3H130EB04A
(57)【要約】
携帯型羽根なし扇風機(100)であって、後側に吸気部(11)が設けられ、前側に吹き出し部(12)が設けられたハウジング(1)であって、前記吸気部(11)と前記吹き出し部(12)とが前記ハウジング(1)内において連通するハウジング(1)と、前記ハウジング(1)内に設けられ、前記回転軸(212)の周りを回転して気流を発生させる混流扇風機(2)と、前記ハウジング(1)の前側部分に接続され、且つ前記混流扇風機(2)の前側に位置し、加圧座(31)及び複数の第2の羽根(32)を含む加圧部材(3)とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型羽根なし扇風機であって、
後側に吸気部が設けられ、前側に吹き出し部が設けられたハウジングであって、前記吸気部と前記吹き出し部とが前記ハウジング内において連通するハウジングと、
前記ハウジング内に設けられ、前記回転軸の周りを回転して気流を発生させる混流扇風機と、
前記ハウジングの前側部分に接続され、且つ前記混流扇風機の前側に位置し、加圧座と複数の第2の羽根とを含む加圧部材であって、前記加圧座は、後ろから前へ少なくとも部分的に径方向に増大する加圧面を含み、複数の前記第2の羽根は、間隔を置いて前記加圧面に配置され、複数の前記第2の羽根は、前記ハウジングに接続され、前記混流扇風機によって発生した気流が前記加圧面へ流れてから高圧風を形成し、且つ複数の前記第2の羽根は、気流を整え、騒音低減を実現して、鋭い音を沈んだ音に変換する加圧部材とを含む、携帯型羽根なし扇風機。
【請求項2】
前記混流扇風機は、回転座と複数の第1の羽根とを含み、
前記回転座は、後ろから前へ径方向に増大する導風面を含み、複数の前記第1の羽根は、間隔を置いて前記導風面に配置され、
前記導風面と前記加圧面とは、全体的に径方向に増大してラッパ状を呈することで、外方に拡張する加圧斜面を形成し、前記加圧斜面は、気流の加圧行程を増加させ、前記加圧斜面は、前記ハウジングに合わせて、鋭い騒音を沈んだ音に変換する、請求項1に記載の携帯型羽根なし扇風機。
【請求項3】
前記回転座と前記加圧座とは、軸方向において隣接して間隔を置いて設置され、
前記導風面と前記加圧面とは、軸方向において隣接して間隔を置いて設置され、
前記回転座と前記加圧座との軸方向における間隔と、前記導風面と前記加圧面との軸方向における間隔とは、いずれも1~4mmであり、それにより前記混流扇風機によって形成された風は、スムーズに前記加圧面へ流れ、乱流による騒音を減らす、請求項2に記載の携帯型羽根なし扇風機。
【請求項4】
前記回転座に、前向きに開口する第1のキャビティが設けられ、
前記加圧座に、後ろ向きに開口する第2のキャビティが設けられ、
前記第1のキャビティと前記第2のキャビティとは、径方向において少なくとも部分的に重なり合い、
前記混流扇風機は、モータを含み、前記モータは、前記第1のキャビティと前記第2のキャビティ内に収容され、前記第1のキャビティの開口と前記第2のキャビティの開口とが互いに遮蔽することで、前記モータの騒音に対する遮断処理を実現して、鋭い騒音を沈んだ音に変換する、請求項2に記載の携帯型羽根なし扇風機。
【請求項5】
前記加圧座のその前端での径方向断面の半径は、21.3~22mmであり、又は、
前記加圧座の前端での径方向断面の半径は、28~35mmであり、十分な風量と風圧を確保する状況下で、送風面積を拡大し、
前記加圧座の前後方向における厚さは、9.5~14.5mmである、請求項1に記載の携帯型羽根なし扇風機。
【請求項6】
前記加圧部材の前端は、後ろへ凹み、
前記加圧部材の前端にフロントカバーがさらに設けられ、前記フロントカバーは、後ろへ凹んで負圧領域を形成し、それにより局所気流は、前記吹き出し部から吹き出された後に前記フロントカバーの前面に密着されて流れ、それによって前記負圧領域に対して風の補充を行い、乱流を減らす、請求項1に記載の携帯型羽根なし扇風機。
【請求項7】
携帯型羽根なし扇風機であって、
後側に吸気部が設けられ、前側に吹き出し部が設けられたハウジングであって、前記吸気部と前記吹き出し部とが前記ハウジング内において連通するハウジングと、
前記ハウジングの前側部分に接続される加圧部材と、
前記ハウジング内に設けられ、且つ前記加圧部材の後側に接続され、回転軸の周りを回転して気流を発生させる混流扇風機と、
前記ハウジング内に接続され、且つ前記混流扇風機の周囲を取り囲んで設けられる増圧器とを含み、
ここで、前記混流扇風機と前記増圧器との間に第1の通路が形成され、前記加圧部材と前記ハウジングとの間に第2の通路が形成され、前記第1の通路と前記第2の通路とは、共同で加圧導流通路を形成し、風は、前記吸気部から前記加圧導流通路を通過してから、前記吹き出し部から導出される、携帯型羽根なし扇風機。
【請求項8】
前記ハウジングは、前後に嵌合する第1のハウジングと第2のハウジングとを含み、
前記第1のハウジングは、前記吸気部の径方向の外側から、先ず後ろへ径方向に増大しながら延伸し、続いて逆方向に前へ径方向に増大しながら延伸し、
前記第2のハウジングは、後ろから前へ径方向に減少しながら延伸し、
前記増圧器の前端は、前記加圧部材の前記第2のハウジングに近い部分に接続され、前記増圧器の後端は、前記第1のハウジングの前記吸気部に近い部分に接続され、
前記増圧器と前記第1のハウジングとの間に間隔が形成されて、前記混流扇風機の回動により発生した騒音を吸収する、請求項7に記載の携帯型羽根なし扇風機。
【請求項9】
前記混流扇風機は、回転座を含み、前記回転座は、後ろから前へ少なくとも部分的に径方向に増大する導風面と、前記導風面に接続され且つ間隔を置いて配置される複数の第1の羽根とを含み、
前記加圧部材は、加圧座を含み、前記加圧座は、後ろから前へ少なくとも部分的に径方向に増大する加圧面と、前記加圧面に接続され且つ等距離に配置される複数の第2の羽根とを含み、複数の前記第2の羽根は、前記ハウジングに接続され、
前記増圧器は、前記混流扇風機に向き且つ後ろから前へ少なくとも部分的に径方向に増大する増圧面を含む、請求項7に記載の携帯型羽根なし扇風機。
【請求項10】
前記導風面と前記加圧面の少なくとも一部は、径方向に凹んで凹面を形成し、前記増圧面の少なくとも一部は、径方向に突出して凸面を形成し、それにより前記加圧導流通路内の容積を増大し、風を集める、請求項9に記載の携帯型羽根なし扇風機。
【請求項11】
前記第1の羽根と前記増圧面との間の最小径方向隙間の距離を等価遮断距離の誤差範囲内に維持することで、前記混流扇風機のその前端で発生した気流が前記最小径方向隙間を迂回してその後端に還流することを遮断し、それによって気圧を増加させ、乱流干渉による騒音を減らす、請求項9に記載の携帯型羽根なし扇風機。
【請求項12】
前記増圧器の前端は、前記混流扇風機の前端と面一であり、又は、
前記増圧器の前端は、前記混流扇風機の前端よりも前へはみ出して、十分に増圧させる、請求項7に記載の携帯型羽根なし扇風機。
【請求項13】
前記増圧器の前端の高さは、1.4~3.7mmであり、前記増圧器の前端と前記ハウジングは、階段状を呈して、前記混流扇風機により形成された高圧風が迅速に前記加圧部材に流れるようにする、請求項7に記載の携帯型羽根なし扇風機。
【請求項14】
携帯型羽根なし扇風機であって、
後側に吸気部が設けられ、前側に吹き出し部が設けられたハウジングであって、前記吸気部と前記吹き出し部とが前記ハウジング内において連通し、前記ハウジングの下側にハンドルが形成されているハウジングと、
加圧座と、前記加圧座の径方向の外側に間隔を置いて配置される複数の第2の羽根とを含む加圧部材であって、前記加圧座に、後ろ向きに開口する第1のキャビティが設けられ、複数の前記第2の羽根が前記ハウジングの前側部分に接続され、そのうちの一つの前記第2の羽根に線通過溝が設けられ、前記線通過溝が前記第1のキャビティと連通する加圧部材と、
前記ハウジング内に設けられ、且つ前記加圧部材の後側に接続され、回転軸の周りを回転して気流を発生させ、モータと、回転座と、複数の第1の羽根とを含む混流扇風機であって、複数の前記第1の羽根は、前記回転座の径方向の外側に間隔を置いて配置され、前記モータは、前記回転座と複数の前記第1の羽根を駆動して回動させ、前記回転座に、前向きに開口する第2のキャビティが設けられ、前記モータは、前記第1のキャビティと前記第2のキャビティに収容される混流扇風機と、
少なくとも部分的に前記ハンドル内に設けられるメインボードであって、導線が前記モータ及び前記メインボードに接続され、前記導線が前記モータから前記線通過溝を通過して前記メインボードに接続されるメインボードとを含む、携帯型羽根なし扇風機。
【請求項15】
前記メインボードは、互いに平行な第1の面と第2の面とを有し、前記第1の面は、後ろ向きに設置され、前記第2の面は、前向きに設置され、前記導線の一端は、前記モータに接続され、前記導線の他端は、前記メインボードに接続され且つ前記第1の面に位置する、請求項14に記載の携帯型羽根なし扇風機。
【請求項16】
前記線通過溝の後側に線押さえ板がさらに設けられ、前記線押さえ板は、前記導線の移動を制限し、前記線通過溝の両端は、後ろ向きに延伸してストッパブロックが設けられ、前記ストッパブロックは、前記線押さえ板に当接されて、前記線押さえ板の装着平面上での移動を制限する、請求項15に記載の携帯型羽根なし扇風機。
【請求項17】
前記線押さえ板の前記モータに近い端には、前記線通過溝向きにバックルが延設され、前記バックルは、前記線通過溝を通過して前記ストッパブロックに係着されて、前記線押さえ板の後ろ向きの移動を制限し、
前記線押さえ板の前記駆動アセンブリから離れた端には、線通過溝向きに挿着ブロックが延設され、前記挿着ブロックは、線通過溝に挿着される、請求項16に記載の携帯型羽根なし扇風機。
【請求項18】
前記第2の面に発光部材が設けられ、
前記ハンドルに、前記発光部材に対応する開孔が開設され、
前記線通過溝の前記モータから離れた側に導光柱が設けられ、前記導光柱の一端は、前記第2の面に当接され、前記導光柱の他端は、前記ハンドルの内側に接続され、前記発光部材により発する光は、前記導光柱に沿って、前記開孔から射出される、請求項15に記載の携帯型羽根なし扇風機。
【請求項19】
前記ハウジング内に位置し、且つ前記混流扇風機の周囲を取り囲んで設けられ、前向きに前記第2の羽根の後側に取り付けられる増圧器をさらに含み、
前記増圧器と前記導光柱との間に間隔があり、前記導線は、前記線通過溝を通過し、前記増圧器と前記導光柱との間の間隔を通過してから、前記増圧器の外壁を迂回して前記第1の面に電気的に接続される、請求項18に記載の携帯型羽根なし扇風機。
【請求項20】
前記携帯型羽根なし扇風機は、ハンドルが設置されている手持ち型の羽根なし扇風機であり、又はクランプが設置されているクランプ扇風機であり、又は巻き付け用の曲げ定形部材が設置されている、フレキシブル扇風機であり、又はスタンドが設置されているデスク扇風機であり、又は伸縮スタンドが設置されている床置き扇風機である、請求項14に記載の携帯型羽根なし扇風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、扇風機技術分野に関し、具体的に風量が大きく、且つ風圧が大きい携帯型羽根なし扇風機に関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活によく見られる扇風機は軸流扇風機であり、軸流扇風機は、吸気から吹き出しまでの経路が径方向にずれることなく、ほぼ直進直出と等価であることを特徴とし、風は、吸気端より軸方向に軸流扇風機に入って、また軸方向に吹き出し端から離れ、このような方式は、風抵抗が小さいため風量損失が少ない。つまり、当業者は、デフォルトの状況下で、風量損失を小さく確保するために、軸流羽根を用いて軸流扇風機を製造し、時が久しくなるにつれて、これは、コンセンサスを形成し、さらに変えにくい技術的偏見になってしまう。そのため、当業者は、この技術的課題を解決する発想がなく、軸流扇風機を使用することは間違いないこととして黙認し、そして研究開発への投入が少なく、コストが低く、扇風機製品の販売が早く行われれば資本市場から利益を得ることができる。
【0003】
しかしながら、低開発コストを追求し、急速に製品を出して市場を占めて収益を図るという当分野における他社の商業思想とは異なり、本出願の発明者らは、扇風機技術分野において鋭意研究を重ねてきており、流体の理論、扇風機製品の市場、ユーザの使用時の痛点及びユーザの需要を徹底的に調査して究明し、さらに当業界に関する研究を通じて、手持ち扇風機又は一般的なデスク扇風機を例にとると、従来の軸流扇風機は風抵抗が小さく、風量損失が小さいが、軸流扇風機の風圧が低く送風距離が短いという他の技術的課題が全く考慮されていないことを見出した。つまり、風量損失はないが、補充するための増量も一切なく、送風距離も保証しにくいため、一般的な携帯型扇風機の通常の使用距離は1~1.5m程度であり、少しだけ遠くになると、風に当たって涼しさを味わうという爽快感を体験できなくなる。また、軸流扇風機の羽根が見えるため、乳幼児が使用する時に指を切って怪我をしやすく、又は玩具や箸などの異物を羽根に入れると、割れたり破片が飛んだりして人の体を傷つけやすく、従来の軸流扇風機は、ユーザの安全使用への需要を完全に満たすことができない。
【0004】
そして本出願の発明者らは、一部の携帯型扇風機が遠心式羽根を採用して低風圧の難点を克服したが、風が吸気端より軸方向に遠心扇風機に入って、また径方向に吹き出し端から離れ、その風向の変化が大きく、風量損失が大きく、送風効果がユーザの需要を満たしにくいことを見出した。
【0005】
また、業界周知のように、Dyson社は、羽根なし扇風機を出したが、風量の使用を図るために超高速送風機を用いて製造しており、その体積が一般的には30*30*150CM3(立方センチメートル)にも達し、占有空間が非常に大きく、使い勝手が悪く携帯しにくく、また、Dyson社の扇風機製品は、一般的には3000~8000元で、一般家庭や個人にとって非常に高価であり、ひいては贅沢品ともいえるため、一般ユーザにとっては何の使用価値もない。
【0006】
近年、Dyson社の羽根なし扇風機を真似した製品や特許が現れてきて、手持ちなどのポータブル場面で使用されるものもあるが、その製品は薄型化を実現できないか、又は薄型化を追求し過ぎて風量や風力を犠牲にしたため、ユーザの使用需要を満たすことができず、特に斜流扇風機を採用する製品において、モータ及び風切音が鋭くて聞きづらい騒音を形成し、ユーザに受け入れられないため、優れた性能を有する扇風機製品になれない。
【0007】
上記技術的課題及び技術的偏見が存在するため、従来の携帯型扇風機は、ユーザの使用需要を満たすことができなくなり、それとともに、生活レベルが向上し、扇風機の応用場面が豊富になるにつれて、持ち歩き可能な携帯型扇風機に対して人々の要求も高くなってきている。上記技術的課題、技術的偏見、ユーザ需要、使用上の安全問題及び市場製品について鋭意研究した結果、本出願の発明者らは、数年にわたる研究と実験を経て、体積が小さい携帯型扇風機において風量が大きく、風圧が大きく且つ騒音が低い構造を設計して、当分野における上記諸問題を解決する携帯型羽根なし扇風機を提出した。
【発明の概要】
【0008】
本出願の主な目的は、ハウジング内に混流扇風機を設置してそれを回転させて斜流風を発生させると同時に、加圧部材で斜流風を加圧し、複数の第2の羽根で斜流風を整えることで、風圧と風力が大きく且つ騒音が低い風を吹き出す携帯型羽根なし扇風機を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本出願について、図面と結び付けながら実施形態を説明する。本出願の図面は、例示を目的として、実施例を記述するためにのみ使用される。本出願の原理から逸脱することなく、当業者は、以下の記述に記載されたステップに従って他の実施例を容易に作成することができる。
【0010】
図1】本出願による携帯型羽根なし扇風機の第1の実施例の斜視図である。
図2】本出願による携帯型羽根なし扇風機の第1の実施例の一つの角度からの分解概略図である。
図3】本出願による携帯型羽根なし扇風機の第1の実施例の別の角度からの分解概略図である。
図4】本出願による携帯型羽根なし扇風機の第1の実施例の一つの方向の断面図である。
図5】本出願による携帯型羽根なし扇風機の第1の実施例の別の方向の断面図である。
図6】本出願による携帯型羽根なし扇風機における第2のハウジング、加圧部材、ハンドルの前半部、及び線押さえ板の概略図である。
図7】本出願による携帯型羽根なし扇風機の第1のハウジングを取り除いた斜視概略図である。
図8】本出願による携帯型羽根なし扇風機の第2の実施例の斜視図である。
図9】本出願による携帯型羽根なし扇風機の第2の実施例の一つの角度からの分解概略図である。
図10】本出願による携帯型羽根なし扇風機の第2の実施例の別の角度からの分解概略図である。
図11】本出願による携帯型羽根なし扇風機の第2の実施例の一つの方向の断面図である。
図12】本出願による携帯型羽根なし扇風機の第2の実施例の別の方向の断面図である。
図13】本出願による携帯型羽根なし扇風機における第2のハウジング、加圧部材、ハンドルの前半部、及び線押さえ板の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本出願の実施例における図面を結び付けながら、本出願の実施例における技術案を明確且つ完全に説明する。理解できるように、ここで記述された具体的な実施例は、本出願を解釈するためのものに過ぎず、本出願を限定するものではない。さらに説明すべきこととして、記述を容易にするために、図中には、すべての構造ではなく、本出願に関連する部分のみが示されている。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0012】
本出願における用語である「第1」、「第2」などは、異なる対象を区別するためのものであり、特定の順序を記述するためのものではない。また、「含む」と「有する」という用語及びそれらのいかなる変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図する。例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は機器は、列挙されたステップ又はユニットに限定されないが、列挙されていないステップ又はユニットをさらに含み、又は任意選択的に、これらのプロセス、方法、製品又は機器に固有の他のステップ又はユニットをさらに含む。
【0013】
本明細書において「実施例」と言及する場合、実施例と合わせて記述された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも一つの実施例に含まれ得ることを意味する。明細書の各位置でのこのフレーズの出現は、必ずしもすべてが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。当業者が明確且つ暗黙的に理解するように、本明細書に記述された実施例は、他の実施例と組み合わせることができる。
【0014】
図1から図7に示すように、本出願の携帯型羽根なし扇風機100第1の実施例の概略図であり、本実施例では、前記携帯型羽根なし扇風機100は、手持ち型の羽根なし扇風機であり、前記携帯型羽根なし扇風機100は、ユーザが手で持つためのハンドル5を有する。無論、前記携帯型羽根なし扇風機100は、クランプが設置されているクランプ扇風機、又は巻き付け用の曲げ定形部材が設置されている、フレキシブル扇風機、又はスタンドが設置されているデスク扇風機、又は伸縮スタンドが設置されている床置き扇風機、又はハンドル5、クランプ、曲げ定形部材、スタンド、伸縮スタンドなどが設置されていないミニ扇風機であってもよく、これに対して限定しない。
【0015】
他の実施例では、前記ハンドル5に半導体冷却部材(図示せず、以下同様)をさらに設けてもよく、ユーザは、ハンドル5によって前記携帯型羽根なし扇風機100を持ち歩くことができ、それとともに、前記半導体冷却部材は、ユーザと前記ハンドル5との接触部分の温度に基づいて対応して冷却温度を自動的に調節することができ、ユーザの携帯時の快適感を向上させる。理解すべきこととして、前記携帯型羽根なし扇風機100は、送風放熱降温に用いられ、それに対応して前記半導体冷却部材は、冷却に用いられ、前記携帯型羽根なし扇風機100に加熱素子を追加して、保温と暖房に用いる時に、それに対応して前記半導体冷却部材は、ヒーティングと保温に用いられてもよい。
【0016】
図1から図3に示すように、前記携帯型羽根なし扇風機100は、ハウジング1と、加圧部材3と、混流扇風機2とを含み、前記ハウジング1、前記加圧部材3及び前記混流扇風機2の径方向の断面の輪郭は、いずれもほぼ円形を呈する。前記加圧部材3は、前記ハウジング1の前側部分に接続され、前記加圧部材3と前記ハウジング1とは、一体に成形され、無論、前記加圧部材3と前記ハウジング1を別体に成形してから、前記加圧部材3を前記ハウジング1に取り付けてもよい。前記混流扇風機2は、前記ハウジング1内に設けられ、且つ前記加圧部材3の後側に接続され、前記混流扇風機2は、回転軸212の周りを回転して気流を発生させる。前記回転軸212に垂直で且つ前記回転軸212を貫通する延伸方向は、径方向であり、前記回転軸212に平行な方向は、軸方向である。
【0017】
図2から図4に示すように、前記ハウジング1の後側に吸気部11が設けられ、前側に吹き出し部12が設けられ、前記吸気部11と前記吹き出し部12とは、前記ハウジング1内において連通する。前記吸気部11は、吸気板13上に設けられ、前記吹き出し部12は、前記加圧部材3の前端と前記ハウジング1の前端との間に位置する。前記ハウジング1の下端に、ユーザが手で持って使用するための前記ハンドル5が形成される。前記ハウジング1は、前後に嵌合する第1のハウジング1aと第2のハウジング1bとを含み、前記第1のハウジング1aは、前記吸気部11の径方向の外側から、先ず後ろへ径方向に増大しながら延伸し、続いて逆方向に前へ径方向に増大しながら延伸し、前記第2のハウジング1bは、後ろから前へ径方向に減少しながら延伸する。ここで、前記第1のハウジング1aが先ず後ろへ径方向に増大しながら延伸することは、わずかに延伸しており、前記第1のハウジング1a全体は、依然として前へ径方向に増大しながら延伸しており、それによって全体的に弧状を呈し、外形が美しい。前記第1のハウジング1aが先ず後ろへ径方向に増大しながら延伸する分によって、前記吸気板13の一部を前記第1のハウジング1a内に収容して、前記吸気板13が目立ち過ぎないようにすることができる。前記第1のハウジング1aの前後両端の長さと、前記第2のハウジング1bの前後両端の長さとの比は、0.9~1又は1~1.2であり、小型化を実現すると同時に風量と風圧との関係のバランスが合理的に取れ、そして1:1に近い比率によって、前記第1のハウジング1aと前記第2のハウジング1bの外観は、さらに美しい。
【0018】
図2から図4に示すように、前記混流扇風機2は、回転座21と複数の第1の羽根22とを含み、前記回転座21は、後ろから前へ径方向に増大する導風面211を含み、複数の前記第1の羽根22は、前記導風面211に接続され且つ間隔を置いて配置され、且つ複数の前記第1の羽根22は、前記導風面211に等距離に配置される。前記第1の羽根22は、後ろから前へ前記導風面211の周方向に沿って所定の角度で螺旋延伸する。後ろから見ると、隣接する任意二つの前記第1の羽根22は、その前端での間隔がその後端の間隔よりも大きく、吸気量の増大に有利である。前記回転座21は、ほぼ錐台状であり、前記回転座21のその後端の径方向の断面積は、その前端での径方向の断面積よりも小さく、前記回転座21は、前端において比較的大きな径方向断面を有する。前記回転座21は、前記回転座21の内壁に接続され且つ前へ延伸する延伸壁213をさらに含み、前記延伸壁213と前記回転座21とは、共同で取り囲んで設けられて、前向きに開口する第1のキャビティ214を形成する。
【0019】
図4図5に示すように、前記導風面211の少なくとも一部は、前記回転軸212向きに凹み、理解すべきこととして、前記導風面211の少なくとも一部は、前記回転軸212向きに凹んで、前記混流扇風機2が風を集めて拡大し高風圧を形成するようにしてもよい。無論、前記導風面211は、傾斜平面であってもよく、又は少なくとも部分的に前記回転軸212から離れて突出してもよく、これに対して限定しない。
【0020】
図3から図5に示すように、前記加圧部材3は、加圧座31と複数の第2の羽根32とを含み、前記加圧座31は、後ろから前へ少なくとも部分的に径方向に増大する加圧面311を含み、複数の前記第2の羽根32は、前記加圧面311に接続され且つ間隔を置いて配置され、且つ複数の前記第2の羽根32は、前記加圧面311に等距離に配置され、複数の前記第2の羽根32は、前記ハウジング1に接続される。前記混流扇風機2により発生した斜流気流が前記加圧面311へ流れてから、複数の前記第2の羽根32は、気流を整えて転化し、直流風を形成して前記回転軸212に平行に吹き出し、それにより送風距離を増大し、乱流、騒音と振動を減らし、乱流干渉により発生する騒音を減らし、騒音低減を実現して、鋭い音を沈んだ音に変換することによって、前記混流扇風機2により形成された混流風の騒音を低減させ、静圧を大幅に向上させ、エネルギー消費を減らし、前記混流扇風機2の吹き出しの集中性を強化し、前記第2の羽根32は、前記混流扇風機2により形成された風に対して均等化を行い且つ風圧を増加させる。前記加圧座31は、前記第2の羽根32を介して前記ハウジング1に接続され、前記回転座21は、固定嵌合構造を介して前記加圧座31に接続され、前記混流扇風機2は、前記加圧座31によって前記ハウジング1内に相対的に固定される。ここで、前記加圧部材3のその前端での最大半径面の半径は、21.3~22mm(ミリメートル、以下同様)であり、十分な風量と風圧を確保する状況下で、携帯しやすい。
【0021】
図3から図5に示すように、前記加圧面311の少なくとも一部は、後ろから前へ径方向に増大し、それとともに、前記加圧面311の少なくとも一部は、前記回転軸212向きに凹み、前記導風面211と前記加圧面311の少なくとも一部は、径方向に凹んで凹面を形成して、流体の一部の騒音を吸収する。具体的に、前記加圧面311は、後ろから前へ全体として径方向に増大し、無論、他の実施例では、前記加圧面311は、後ろから前へ先ず前記回転軸212に平行に前へ延伸し、さらに径方向に増大し、又は先ず径方向に減少してもよく、これに対して限定しない。
【0022】
図3から図5に示すように、前記加圧座31もほぼ錐台状を呈し、前記加圧座31のその後端の径方向の断面積は、その前端での径方向の断面積よりも小さく、前記加圧座31は、その前端において大きな径方向断面を有する。前記加圧座31のその前端での径方向断面の半径は、21.3~22mmであり、十分な風量と風圧を確保する状況下で、送風面積を拡大する。前記導風面211と前記加圧面311とは、全体的に径方向に増大してラッパ状を呈することで、外方に拡張する加圧斜面を形成し、そして前記加圧座31の前後方向における厚さは、9.5~14.5mmであり、気流の加圧行程を大いに増加させ、前記加圧斜面は、前記ハウジング1に合わせて、鋭い騒音を沈んだ音に変換する。前記加圧座31は、後ろから前へ全体的に径方向に増大し、前記第2のハウジング1bは、後ろから前へ径方向に減少しながら延伸し、つまり、前記第2のハウジング1bと前記加圧座31とは、前へ延伸すると同時に互いに接近して延伸し、風は、前記加圧座31の前端と前記第2のハウジング1bの前端により形成されたスリットから吹き出され、風力、風圧と送風距離の増大に有利である。
【0023】
図4図5に示すように、前記回転座21と前記加圧座31とは、軸方向において隣接して間隔を置いて設置され、前記導風面211と前記加圧面311とは、軸方向において隣接して間隔を置いて設置され、前記回転座21と前記加圧座31との軸方向における間隔と、前記導風面211と前記加圧面311との軸方向における間隔とは、いずれも1~4mmであり、それにより前記混流扇風機2によって形成された風は、スムーズに前記加圧面311へ流れ、乱流による騒音を減らす。前記回転座21のその前端での径方向断面と、前記加圧座31のその後端の径方向断面とは、いずれも円形であり、両者の半径の差が非常に小さく、本実施例では両者の半径の差は、1mm未満であり、それにより前記混流扇風機2によって発生した風は、スムーズに前記加圧面311へ流れる。
【0024】
図3から図5に示すように、前記加圧座31に、後ろ向きに開口する第2のキャビティ313が設けられ、前記延伸壁213は、前へ前記第2のキャビティ313に挿入され、前記第1のキャビティ214と前記第2のキャビティ313とは、径方向において少なくとも部分的に重なり合い、占有空間を減少させる。前記混流扇風機2は、モータ23をさらに含み、前記モータ23は、アウターロータ型ブラシレスモータ23であり、前記モータ23は、前記第1のキャビティ214と前記第2のキャビティ313内に収容され、前記第1のキャビティ214の開口と前記第2のキャビティ313の開口とが互いに遮蔽することで、前記モータ23の騒音と風騒音に対する遮断処理を実現して、鋭い騒音を沈んだ音に変換する。それとともに、前記混流扇風機2と前記加圧部材3との固定嵌合構造も前記第1のキャビティ214に収容され、空間をうまく利用する。前記固定嵌合構造は、具体的に前記第1のキャビティ214内から前へ突出する前記回転軸212と、前記第2のキャビティ313から後ろへ突出して形成された凸柱312とを含み、前記回転軸212は、前記凸柱312内に挿入され、軸受部品を利用して固定される。前記アウターロータ型ブラシレスモータ23の耐用年数は、1万5千時間に達することができ、そしてブラシ付きモータ23の運転時に発生する電気火花がなくなるため、電気火花による無線電気機器の遠隔制御への干渉を大いに低減させることができる。ブラシレスの方式で運転する時、摩擦力が大いに低減し、スムーズに動作でき、騒音低減効果が高い。
【0025】
図4図5に示すように、前記吸気板13と前記回転座21の後端との間は、安全受圧距離を有して、前記吸気板13が材料の許容性能を満たす圧力範囲内で最大限受圧して変形することを許容する。本実施例では、前記吸気板13と前記回転座21の後端との間の距離は、5.5~7.5mmであり、それによって後端は、大風量の進入のための空間を有するとともに、前記吸気板13が大風量を受ける時に最大限受圧して変形するための空間を有する。前記吸気板13の径方向の断面積は、前記回転座21の最大径方向の断面積以上であり、それによって十分な吸気量を保証し、騒音低減を実現して、鋭い騒音を沈んだ音に変換する。前記吸気板13の径方向の断面積は、前記加圧座31のその前端での径方向の断面積以下であり、前記吸気板13上の前記吸気部11は、前方の前記加圧座31に遮蔽される。使用する時に、前から前記吸気部11が見えず、つまり、前記吸気部11の光は、後方から前方へ投射することがなく、それによって前記混流扇風機2の回動による人の目への影響を低減させる。前記回転座21が後ろから前へ径方向に増大するため、前記第1の羽根22は、前記回転座21に比べて前記吸気板13により近く、それによって前記混流扇風機2の捕集能力を強化する。
【0026】
図4図5に示すように、前記加圧部材3の前端は、後ろへ凹み、前記加圧部材3の前端にフロントカバー33がさらに設けられ、前記フロントカバー33は、後ろへ凹んで負圧領域331を形成し、それにより局所気流は、前記吹き出し部12から吹き出された後に前記フロントカバー33の前面すれすれに流れ、それによって前記負圧領域331に対して風補充を行い、乱流を減らす。それとともに、他の実施例では、前記フロントカバー33は、着脱可能にIPキャラクタ物品を設置するために用いられてもよく、前記フロントカバー33は、露出し、又は少なくとも部分的に透明な材料で被覆してもよく、それによりユーザとIPキャラクタ物品とのインタラクションを向上させる。着脱可能な設置によって、異なる連携先のために異なるモールドをカスタマイズすることを避け、1セットのモールドで複数のIP連携先に対応可能であり、IP連携先の生産コストを約40%削減することができ、露出するIPキャラクタ物品は、ユーザが直接IPキャラクタ物品を触ることを増やし、従来の使用体験を変える。前記フロントカバー33は、アロマアセンブリの設置に用いられてもよく、加湿とアロマを結合したアセンブリの設置に用いられてもよく、USBケーブルの収納に用いられてもよく、LEDランプの鏡などに用いられてもよく、これに対して限定しない。
【0027】
図3から図5に示すように、前記携帯型羽根なし扇風機100は、前記ハウジング1内に接続され且つ前記混流扇風機2の周囲を取り囲んで設けられる増圧器4をさらに含む。前記増圧器4は、増圧する作用に加えて、さらに遮音ガラスに類似している作用を有し、騒音低減の効果を果たす。ここで、前記混流扇風機2と前記増圧器4との間に第1の通路T1が形成され、前記加圧部材3と前記ハウジング1との間に第2の通路T2が形成され、前記第1の通路T1と前記第2の通路T2とは、共同で加圧導流通路Tを形成し、風は、前記吸気部11から前記加圧導流通路Tを通過してから、前記吹き出し部12から導出される。前記増圧器4の前端は、前記加圧部材3の前記第2のハウジング1bに近い部分に接続され、即ち前記増圧器4は、前向きに前記第2の羽根32の後側に取り付けられ、前記増圧器4の後端は、前記第1のハウジング1aの前記吸気部11に近い部分に接続され、前記増圧器4と前記第1のハウジング1aとの間に間隔が形成されて、前記混流扇風機2の回動により発生する騒音を吸収する。
【0028】
図3から図5に示すように、前記増圧器4は、前記混流扇風機2に向き且つ後ろから前へ少なくとも部分的に径方向に増大する増圧面41を含む。前記導風面211と前記加圧面311の少なくとも一部は、径方向に凹んで凹面を形成し、前記増圧面41の少なくとも一部は、径方向に突出して凸面を形成し、それにより前記加圧導流通路T内の容積を増大し、風を集める。前記第1の羽根22と前記増圧面41との間の最小径方向隙間の距離を等価遮断距離の誤差範囲内に維持することで、前記混流扇風機2のその前端で発生した気流が前記最小径方向隙間を迂回してその後端に還流することを遮断し、それによって気圧を増加させ、乱流干渉による騒音を減らす。
【0029】
図3から図5に示すように、前記増圧器4の前端は、前記混流扇風機2の前端と面一であり、又は前記増圧器4の前端は、前記混流扇風機2の前端よりも前へはみ出して、十分に増圧させる。前記増圧器4の前端の高さは、1.4~3.7mmであり、前記増圧器4の前端と前記ハウジング1は、階段状を呈して、前記混流扇風機2により形成された高圧風が迅速に前記加圧部材3に流れるようにする。
【0030】
図3図4図6図7に示すように、ここで一つの前記第2の羽根32に線通過溝321が設けられ、本実施例では、前記ハンドル5に連結される前記第2の羽根32に前記線通過溝321が設けられ、前記線通過溝321は、前記第1のキャビティ214に連通する。メインボード6の少なくとも一部は、前記ハンドル5内に設けられ、本実施例では、前記メインボード6の一部は、前記ハンドル5内に設けられ、前記メインボード6の他の部分は、前記ハウジング1内に設けられ、前記メインボード6は、前記線通過溝321の後方に位置し、前記メインボード6と前記線通過溝321とは、前後方向において少なくとも部分的に重なり合う。導線7は、前記モータ23及び前記メインボード6に接続され、前記導線7は、前記モータ23から前記線通過溝321を通過して前記メインボード6に接続される。前記メインボード6は、互いに平行な第1の面61と第2の面62とを有し、前記第1の面61は、後ろ向きに設置され、前記第2の面62は、前向きに設置され、前記導線7の一端は、前記モータ23に接続され、前記導線7の他端は、前記メインボード6に接続され且つ前記第1の面61に位置する。前記導線7を前記メインボード6の前記第2の面62上に装着すると、作業員は、前記導線7が遮蔽される状況下で前記メインボード6を前記ハウジング1及び前記ハンドル5内に装着しなければならず、そうすると作業員は、前記導線7が前記メインボード6に押圧されないことを保証できず、前記導線7が潰れやすく、組み立てしにくく、後戻り作業を引き起こしやすい。そのため、前記導線7を前記メインボード6の前記第1の面61上に装着することは、組み立て品質と組み立て効率の向上に有利である。
【0031】
図3図4図6図7に示すように、前記線通過溝321の後側に線押さえ板8がさらに設けられ、前記線押さえ板8は、前記導線7の移動を制限し、前記線通過溝321の両端は、後ろ向きに延伸してストッパブロック322が設けられ、前記ストッパブロック322は、前記線押さえ板8に当接されて、前記線押さえ板8の装着平面上での移動を制限する。前記線押さえ板8の前記モータ23に近い端には、前記線通過溝321向きにバックル81が延設され、前記バックル81は、前記線通過溝321を通過して前記ストッパブロック322に係着されて、前記線押さえ板8の後ろ向きの移動を制限し、前記線押さえ板8の前記駆動アセンブリから離れた端には、線通過溝321向きに挿着ブロック82が延設され、前記挿着ブロック82は、前記線通過溝321に挿着されて、前記線押さえ板8の後ろ向きの移動を制限する。前記線押さえ板8に、前記線通過溝321に向く突起83がさらに設けられ、前記突起83は、前記導線7を押さえて、使用時に前記導線7の後端が前記線通過溝321内を揺動することを防止し、前記導線7と前記線通過溝321との揺動摩擦により発生する騒音を減らす。
【0032】
図3図4図6図7に示すように、前記第2の面62に発光部材63が設けられ、前記ハンドル5上に、前記発光部材63に対応する開孔51が開設され、前記線通過溝321の前記モータ23から離れた側に導光柱52が設けられ、前記導光柱52の一端は、前記第2の面62に当接され、前記導光柱52の他端は、前記ハンドル5の内側に接続され、前記発光部材63により発する光は、前記導光柱52に沿って、前記開孔51から射出される。前記増圧器4と前記導光柱52との間に間隔があり、前記導線7は、前記線通過溝321を通過し、前記増圧器4と前記導光柱52との間の間隔を通過してから、前記増圧器4の外壁を迂回して前記第1の面61に電気的に接続され、それにより構造全体は、よりコンパクトで、小さくて精巧であり、空間利用率がより高い。
【0033】
図8から図13に示すように、本出願の携帯型羽根なし扇風機100の第2の実施例の概略図であり、第1の実施例に記載の携帯型羽根なし扇風機100に比べて、第2の実施例に記載の携帯型羽根なし扇風機100は、体積がより大きく、且つより扁平である。本実施例では、前記第1のハウジング1aの前後両端の長さと、前記第2のハウジング1bの前後両端の長さとの比は、1~1.5であり、薄型化を実現すると同時に風量と風圧との関係のバランスが合理的に取れる。前記加圧部材3のその前端での最大半径面の半径は、28~35mmであり、即ち前記加圧座31のその前端での径方向断面の半径は、28~35mmであり、十分な風量と風圧を確保する状況下で、送風面積を拡大する。前記延伸壁213は、前記回転座21より前へはみ出しておらず、且つ前記延伸壁213は、前へ前記第2のキャビティ313に挿入されておらず、前記第1のキャビティ214と前記第2のキャビティ313とは、隣接して間隔を置いて設置されているが、前記第1のキャビティ214と前記第2のキャビティ313とは、重なっていない。前記吸気板13と前記回転座21の後端との間の距離は、7.4~9.8mmである。前記増圧面41は、平滑面であり、それにより風は、より平滑でスムーズに前記加圧部材3へ流れる。
【0034】
図11に示すように、本実施例では、前記メインボード6は、完全に前記ハンドル5内に設けられ、前記メインボード6は、前記線通過溝321の下方に位置する。前記メインボード6は、上向きに設置される前記第1の面61と、下向きに設置される前記第2の面62とを有する。前記発光部材63は、前記第1の面61上に設けられ、前記開孔51は、前記第2のハウジング1b上に設けられて、前記導光柱52に対応して前記第2のハウジング1bの内側に接続される。前記増圧器4と前記第1の面61との間に間隔があり、前記導線7は、前記線通過溝321を通過し、前記増圧器4と前記第1の面61との間の間隔を通過してから、前記第1の面61に電気的に接続される。第2の実施例の構成要素は、第1の実施例の構成要素と実質的に同じであり、ここでこれ以上説明しない。
【0035】
以上は、本出願の好ましい実施形態に過ぎず、本出願の請求範囲を限定するものではなく、本出願の明細書及び図面の内容を用いてなされた等価な構造又は等価なフロー変換、又は、他の関連する技術分野への直接又は間接的な応用は、いずれも同様に本出願の特許請求の範囲内に含まれる。
図1
図2
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図8
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図12
図13
【国際調査報告】