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特表2024-535439染料および無機アルカリ化剤を含む組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】染料および無機アルカリ化剤を含む組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/24 20060101AFI20240920BHJP
   A61Q 5/10 20060101ALI20240920BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 8/58 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 8/42 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
A61K8/24
A61Q5/10
A61Q5/00
A61K8/41
A61K8/49
A61K8/46
A61K8/58
A61K8/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519132
(86)(22)【出願日】2022-09-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-27
(86)【国際出願番号】 JP2022036369
(87)【国際公開番号】W WO2023054558
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】21200134.1
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 隆仁
(72)【発明者】
【氏名】比留間 大祐
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB281
4C083AB282
4C083AB371
4C083AB372
4C083AB431
4C083AB441
4C083AB442
4C083AC472
4C083AC511
4C083AC521
4C083AC522
4C083AC551
4C083AC691
4C083AC731
4C083AC732
4C083AC781
4C083AC782
4C083AC791
4C083AC811
4C083AC841
4C083AC851
4C083AC931
4C083AD071
4C083AD241
4C083AD242
4C083BB21
4C083CC35
4C083CC36
4C083DD11
4C083DD14
4C083DD15
4C083DD17
4C083DD21
4C083EE01
4C083EE03
4C083EE26
(57)【要約】
本発明は、ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、より好ましくはヒト毛髪の染色用組成物Aであって、a)1種以上の酸化染料カプラーおよび/または酸化染料前駆体、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物、b)以下の構造の1種以上の塩:XPO[式中、Xは金属である]を含み、水の全濃度が、組成物Aの全質量に対して10質量%以下である、組成物を対象とするものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、より好ましくはヒト毛髪の染色用組成物Aであって、
a)1種以上の毛髪染料、好ましくは1種以上の酸化染料カプラーおよび/または酸化染料前駆体、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物、ならびに/あるいは1種以上の直接染料、および/またはそれらの塩、および/またはそれらの混合物、
b)下記の構造の1種以上の塩
PO
[式中、Xは金属である]
を含み、水の全濃度が、組成物Aの全質量に対して10質量%以下である、組成物。
【請求項2】
a)群の1種以上の化合物が、p-フェニレンジアミン、1,4-ジアミノ-2-メトキシメチル-ベンゼン、p-アミノフェノール、2,5-ジアミノ-トルエン、2-N-プロピル-p-フェニレンジアミン、2-N-エチル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-p-フェニレン-ジアミン、2-(2,5-ジアミノフェニル)-エタノール、1-アミノ-4-ビス-(2’-ヒドロキシエチル)-アミノ-ベンゼン、2-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-5-アミノトルエン、4,4’-ジアミノジフェニルアミン、4-アミノジフェニルアミン、2-アミノ-5-N,N-ジエチルアミノトルエン、4-アミノ-N-エチル-N-イソプロピルアニリン、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、1-β-ヒドロキシエチル-2,5-ジアミノ-4-クロロベンゼン、1-β-ヒドロキシエチル-2,5-ジアミノ-4-メチルベンゼン、2-メトキシ-p-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-p-フェニレンジアミン、1-アミノ-4-β-メトキシエチルアミノベンゼン、1-ジメチル-アミノ-4-アミノベンゼン、1-ヒドロキシ-2,5-ジアミノ-4-メチルベンゼン、1-ヒドロキシメチル-2,5-ジアミノベンゼン、1,3-ジメチル-2,5-ジアミノベンゼン、1,4-ジアミノイソプロピルベンゼンおよび/または1-アミノ-4-β-ヒドロキシプロピルアミノベンゼン、1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾール、3,4-ジアミノ-5-ヒドロキシピラゾール、3,5-ジアミノピラゾール、3,5-ジアミノピラゾール-1-カルボキサミド、3-アミノ-5-ヒドロキシピラゾール、1-フェニル-2-メチルピラゾール、1-フェニル-3-メチルピラゾール-5-オン、3,5-ジメチルピラゾール、3,5-ジメチルピラゾール-1-メタノール、3,5-ジアミノ-1,2,4-トリアゾール、4-アミノフェノールおよびそれらの誘導体、例えば4-アミノ-3-メチルフェノール、2-クロロ-4-アミノフェノール、2,6-ジクロロ-4-アミノフェノール、2,4-ジアミノ-フェノール、2,6-ジブロモ-4-アミノフェノール、テトラアミノピリミジン、トリアミノヒドロキシピリミジン、ジアミノモノおよびジヒドロキシピリミジン、アミノトリアジン、5-アミノサリチル酸および/もしくは1,2,4-トリアミノベンゼン、2,5-ジアミノピリジン、2,3-ジアミノピリジン、2,6-ジアミノピリジン、3-アミノ-2-メチルアミノ-6-メトキシピリジン、2-ジメチル-5-アミノピリジン、2-ジメチルアミノエチル-3-ヒドロキシピリジン、2-アミノ-4,6-ジメチルピリジン、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、3-アミノ-2-(β-ヒドロキシエチルアミノ)-6-メトキシピリジン、2,6-ジメチルアミノ-5-アミノピリジン、2-ジ(ヒドロキシエチル)アミノ-5-アミノピリジン、2-ヒドロキシエチルアミノ-5-アミノピリジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、ならびに/あるいはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物であり、好ましくはa)群の1種以上の化合物が、1,4-ジアミノ-2-メトキシメチル-ベンゼンおよび/またはその塩である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
a)群の1種以上の化合物が、酸性黒1、酸性青1、酸性青3、食用青5、酸性青7、酸性青9、酸性青74、酸性橙3、酸性橙6、酸性橙7、酸性橙10、酸性赤1、酸性赤14、酸性赤18、酸性赤27、酸性赤50、酸性赤52、酸性赤73、酸性赤87、酸性赤88、酸性赤92、酸性赤155、酸性赤180、酸性紫9、酸性紫43、酸性紫49、酸性黄1、酸性黄23、酸性黄3、食用黄8号、D&Cブラウン1号、D&C緑5号、D&C緑8号、D&C橙4号、D&C橙10号、D&C橙11号、D&C赤21号、D&C赤27号、D&C赤33号、D&C紫2、D&C黄7号、D&C黄8号、D&C黄10号、FD&C赤2、FD&C赤40、FD&C赤4号、FD&C黄6号、FD&C青1、食用黒1、食用黒2、分散黒9、分散紫1、塩基性青6、塩基性青7、塩基性青9、塩基性青26、塩基性青41、塩基性青99、塩基性ブラウン4、塩基性ブラウン16、塩基性ブラウン17、ナチュラルブラウン7、塩基性緑1、塩基性赤2、塩基性赤12、塩基性赤22、塩基性赤76、塩基性紫1、塩基性紫2、塩基性紫3、塩基性紫10、塩基性紫14、塩基性黄57、塩基性赤51、塩基性黄87、HC青17および塩基性橙31、塩基性黄87、塩基性橙31、HC青17、塩基性青124、HC青2号、HC青4号、HC青5号、HC青6号、HC青7号、HC青8号、HC青9号、HC青10号、HC青11号、HC青12号、HC青13号、HC青18、HCブラウン1号、HCブラウン2号、HC緑1号、HC橙1号、HC橙2号、HC橙3号、HC橙5号、HC赤BN、HC赤1号、HC赤3号、HC赤7号、HC赤8号、HC赤9号、HC赤10号、HC赤11号、HC赤13号、HC赤54号、HC赤14号、HC赤18、HC紫BS、HC紫1号、HC紫2号、HC黄2号、HC黄4号、HC黄5号、HC黄6号、HC黄7号、HC黄8号、HC黄9号、HC黄10号、HC黄11号、HC黄12号、HC黄13号、HC黄14号、HC黄15号、HC黄16、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、ピクラミン酸、1,2-ジアミノ-4-ニトロベンゾール、1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゾール、3-ニトロ-4-アミノフェノール、1-ヒドロキシ-2-アミノ-3-ニトロベンゾール、2-ヒドロキシエチルピクラミン酸、および/またはそれらの塩、および/またはそれらの混合物であり、好ましくはa)群の1種以上の化合物が、HC青18、HC赤18、HC黄16、分散黒9、酸性黄1、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
a)群の化合物の全濃度、好ましくは1,4-ジアミノ-2-メトキシメチル-ベンゼンおよび/またはその塩の全濃度が、組成物Aの全質量に対して0.01~65質量%、好ましくは0.02~50質量%、より好ましくは0.03~30質量%、より好ましくは0.03~20質量%である、請求項1~3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
b)群の化合物のXが、アルカリまたはアルカリ土類金属であり、好ましくはXが、ナトリウムまたはカリウムであり、より好ましくはナトリウムである、請求項1~4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
b)群の化合物が無水化合物である、請求項1~5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
b)群の化合物の全濃度、好ましくはリン酸三ナトリウムおよび/またはリン酸三カリウム(trispotassium phosphate)の全濃度が、組成物Aの全質量に対して1~80質量%、好ましくは2~70質量%、より好ましくは5~65質量%である、請求項1~6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
組成物A中の水の全濃度が、組成物Aの全質量に対して5質量%以下、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下であり、さらにより好ましくは組成物Aが無水組成物である、請求項1~7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
組成物Aが、1種以上の粉末添加物、好ましくは1種以上の有機または無機粉末添加物、より好ましくは珪藻土、カオリン、ベントナイト、シリケート、デンプン、例えばトウモロコシデンプン、タピオカデンプン、コメデンプン、コムギデンプンおよびジャガイモデンプン、ナイロン粉末、モンモリロナイト、セッコウ、おがくずおよびパーライト、ならびに/あるいはそれらの混合物から選択される1種以上の粉末添加物を含む、請求項1~8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
組成物が、25℃および大気圧で固体組成物、好ましくは粉末組成物またはペレット組成物または錠剤組成物またはカプセル組成物、より好ましくは染毛用粉末組成物または染毛用ペレット組成物または染毛用錠剤組成物であり、さらにより好ましくは染毛用粉末組成物である、請求項1~9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
組成物が、ペースト様組成物であり、好ましくは25℃および大気圧でコーンプレート粘度測定法により測定して10,000~500,000mPas、より好ましくは20,000~400,000mPas、さらにより好ましくは30,000~250,000mPasの粘度を有する、請求項1~10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
25℃および大気圧で固体である1種以上の酸化剤、好ましくはパーカーボネート、ボレート、パーボレート、過酸化メラミン、過酸化尿素、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物を含む、請求項1~11のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、より好ましくはヒト毛髪の染色のための製品であって、
- 請求項1~12のいずれかに記載の組成物A、
- 組成物B、好ましくは1種以上の酸化剤を含む組成物B
を含む製品。
【請求項14】
組成物Bが、pH1~6、好ましくは1.5~5、より好ましくは2~4.5を有する水性組成物であり、好ましくは1種以上の酸化剤、より好ましくは過酸化水素を含み、さらにより好ましくは過酸化水素を組成物Bの全質量に対して0.25~30質量%、より好ましくは0.5~25質量%、さらにより好ましくは1~25質量%の濃度で含む、請求項13に記載の製品。
【請求項15】
組成物Bが、1種以上のアルキルアミン塩またはアルカノールアミン塩、好ましくは下記の一般構造のアルキルアミン塩またはアルカノールアミン塩
【化1】
[式中、R、R、およびRは、H、1個のヒドロキシル基で置換されていてよい直鎖状C~Cアルキル、または分枝状C~C12アルキルもしくはアルカノールから独立的に選択され、R、R、またはRの少なくとも1つはHとは異なり、Y-はアニオンである]を含む、請求項13または14に記載の製品。
【請求項16】
ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、より好ましくはヒト毛髪を染色する方法であって、
i)請求項1~12のいずれかに記載の組成物Aを水性組成物、好ましくは請求項13~15のいずれかに記載の組成物Bと混合して、pH7~12を有する用時調製組成物を得るステップ、
ii)前記用時調製組成物をケラチン繊維に塗布し、それを1~60分間放置するステップ、
iii)ケラチン繊維を任意にすすぎ流し、ケラチン繊維を任意に乾燥するステップ
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケラチン繊維を酸化染料および無機アルカリ化剤で染色するための組成物に関する。さらに、染色用製品および染色方法が開示される。
【背景技術】
【0002】
酸化染料は、優れた染色能力および白髪被覆度を有するが、最適でない貯蔵条件の場合、その染色性能が低下する。特に水を低量添加したまたは添加していない酸化染色用組成物は、貯蔵時間にわたって化学分解を起こしやすい。
【0003】
化粧品産業は、貯蔵中の組成物から空気酸素を排除することでこれらの問題に取り組んできた。例えば、多くの染色用組成物は個別包装され、または多目的デバイスとして提供される場合、窒素や二酸化炭素などの保護ガスとともに供給される。さらに、酸化染毛料の製剤パラメータが入念に評価される。
【0004】
特定の課題は、少量の水を含む染色用製品の安定な製剤化である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
先行技術は上記の課題を満足のいくように解決しなかったので、長期にわたって安定な染色用組成物を開発することが真に求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の目的は、ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、より好ましくはヒト毛髪の染色用組成物Aであって、
a)1種以上の毛髪染料、好ましくは1種以上の酸化染料カプラーおよび/または酸化染料前駆体、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物、ならびに/あるいは1種以上の直接染料、および/またはそれらの塩、および/またはそれらの混合物、
b)以下の構造の1種以上の塩
PO
[式中、Xは金属である]
を含み、水の全濃度が、組成物Aの全質量に対して10質量%以下である、組成物である。
【0007】
本発明の第2の目的は、ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、より好ましくはヒト毛髪の染色用製品であって、
- 以上のいずれかに定義された組成物A、
- 組成物B、好ましくは1種以上の酸化剤を含む組成物B
を含む製品である。
【0008】
本発明の第3の目的は、ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、より好ましくはヒト毛髪を染色する方法であって、
i)以上に定義された組成物Aを水性組成物、好ましくは以上に定義された組成物Bと混合して、pH7~12を有する用時調製組成物を得るステップ、
ii)用時調製組成物をケラチン繊維に塗布し、それを1~60分間放置するステップ、
iii)ケラチン繊維を任意にすすぎ流し、ケラチン繊維を任意に乾燥するステップ
を含む方法である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の発明者らは、予想外なことに、請求項1に記載の組成物Aがその貯蔵条件とは関わりなく優れた貯蔵安定性および染色強度を有することを見出した。さらに、用時調製混合物の調製後でさえ、染色性能は、ある特定の貯蔵時間にわたって維持されうる。組成物は、より高い染色強度も示した。
【0010】
染色用組成物
本発明は、ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、より好ましくはヒト毛髪の染色用組成物Aであって、
a)1種以上の毛髪染料、好ましくは1種以上の酸化染料カプラーおよび/または酸化染料前駆体、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物、ならびに/あるいは1種以上の直接染料、および/またはそれらの塩、および/またはそれらの混合物、
b)以下の構造の1種以上の塩
PO
[式中、Xは金属である]
を含み、水の全濃度が、組成物Aの全質量に対して10質量%以下である、組成物を対象とするものである。
【0011】
好ましくは、カラーバリエーションの観点から、a)群の1種以上の化合物は、酸化染料カプラーおよび/または酸化染料前駆体、例えばp-フェニレンジアミン、1,4-ジアミノ-2-メトキシメチル-ベンゼン、p-アミノフェノール、2,5-ジアミノ-トルエン、2-N-プロピル-p-フェニレンジアミン、2-N-エチル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-p-フェニレン-ジアミン、2-(2,5-ジアミノフェニル)-エタノール、1-アミノ-4-ビス-(2’-ヒドロキシエチル)-アミノ-ベンゼン、2-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-5-アミノトルエン、4,4’-ジアミノジフェニルアミン、4-アミノジフェニルアミン、2-アミノ-5-N,N-ジエチルアミノトルエン、4-アミノ-N-エチル-N-イソプロピルアニリン、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、1-β-ヒドロキシエチル-2,5-ジアミノ-4-クロロベンゼン、1-β-ヒドロキシエチル-2,5-ジアミノ-4-メチルベンゼン、2-メトキシ-p-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-p-フェニレンジアミン、1-アミノ-4-β-メトキシエチルアミノベンゼン、1-ジメチル-アミノ-4-アミノベンゼン、1-ヒドロキシ-2,5-ジアミノ-4-メチルベンゼン、1-ヒドロキシメチル-2,5-ジアミノベンゼン、1,3-ジメチル-2,5-ジアミノベンゼン、1,4-ジアミノイソプロピルベンゼンおよび/または1-アミノ-4-β-ヒドロキシプロピルアミノベンゼン、1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾール、3,4-ジアミノ-5-ヒドロキシピラゾール、3,5-ジアミノピラゾール、3,5-ジアミノピラゾール-1-カルボキサミド、3-アミノ-5-ヒドロキシピラゾール、1-フェニル-2-メチルピラゾール、1-フェニル-3-メチルピラゾール-5-オン、3,5-ジメチルピラゾール、3,5-ジメチルピラゾール-1-メタノール、3,5-ジアミノ-1,2,4-トリアゾール、4-アミノフェノールおよびそれらの誘導体、例えば4-アミノ-3-メチルフェノール、2-クロロ-4-アミノフェノール、2,6-ジクロロ-4-アミノフェノール、2,4-ジアミノ-フェノール、2,6-ジブロモ-4-アミノフェノール、テトラアミノピリミジン、トリアミノヒドロキシピリミジン、ジアミノモノおよびジヒドロキシピリミジン、アミノトリアジン、5-アミノサリチル酸および/または1,2,4-トリアミノベンゼン、2,5-ジアミノピリジン、2,3-ジアミノピリジン、2,6-ジアミノピリジン、3-アミノ-2-メチルアミノ-6-メトキシピリジン、2-ジメチル-5-アミノピリジン、2-ジメチルアミノエチル-3-ヒドロキシピリジン、2-アミノ-4,6-ジメチルピリジン、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、3-アミノ-2-(β-ヒドロキシエチルアミノ)-6-メトキシピリジン、2,6-ジメチルアミノ-5-アミノピリジン、2-ジ(ヒドロキシエチル)アミノ-5-アミノピリジン、2-ヒドロキシエチルアミノ-5-アミノピリジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物であり、より好ましくはa)群の1種以上の化合物は、1,4-ジアミノ-2-メトキシメチル-ベンゼンおよび/またはその塩である。
【0012】
安定性の観点から、a)群の1種以上の化合物は、1,4-ジアミノ-2-メトキシメチル-ベンゼンおよび/またはその塩であることが好ましい。
【0013】
1,4-ジアミノ-2-メトキシメチル-ベンゼンおよび/またはその塩の全濃度は、a)群の全質量に対して好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上である。
【0014】
a)群の化合物の好適な塩は、硫酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、メト硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、酢酸塩、および/またはそれらの混合物であり、好ましくは硫酸塩および/または塩酸塩、ならびに/あるいはそれらの混合物であり、より好ましくは溶解速度の観点から、硫酸塩である。
【0015】
カラーブリリアンスおよび組成物の安定性の観点から、a)群の1種以上の化合物は、直接染料、例えば酸性黒1、酸性青1、酸性青3、食用青5、酸性青7、酸性青9、酸性青74、酸性橙3、酸性橙6、酸性橙7、酸性橙10、酸性赤1、酸性赤14、酸性赤18、酸性赤27、酸性赤50、酸性赤52、酸性赤73、酸性赤87、酸性赤88、酸性赤92、酸性赤155、酸性赤180、酸性紫9、酸性紫43、酸性紫49、酸性黄1、酸性黄23、酸性黄3、食用黄8号、D&Cブラウン1号、D&C緑5号、D&C緑8号、D&C橙4号、D&C橙10号、D&C橙11号、D&C赤21号、D&C赤27号、D&C赤33号、D&C紫2、D&C黄7号、D&C黄8号、D&C黄10号、FD&C赤2、FD&C赤40、FD&C赤4号、FD&C黄6号、FD&C青1、食用黒1、食用黒2、分散黒9、分散紫1、塩基性青6、塩基性青7、塩基性青9、塩基性青26、塩基性青41、塩基性青99、塩基性ブラウン4、塩基性ブラウン16、塩基性ブラウン17、ナチュラルブラウン7、塩基性緑1、塩基性赤2、塩基性赤12、塩基性赤22、塩基性赤76、塩基性紫1、塩基性紫2、塩基性紫3、塩基性紫10、塩基性紫14、塩基性黄57、塩基性赤51、塩基性黄87、HC青17および塩基性橙31、塩基性黄87、塩基性橙31、HC青17、塩基性青124、HC青2号、HC青4号、HC青5号、HC青6号、HC青7号、HC青8号、HC青9号、HC青10号、HC青11号、HC青12号、HC青13号、HC青18、HCブラウン1号、HCブラウン2号、HC緑1号、HC橙1号、HC橙2号、HC橙3号、HC橙5号、HC赤BN、HC赤1号、HC赤3号、HC赤7号、HC赤8号、HC赤9号、HC赤10号、HC赤11号、HC赤13号、HC赤54号、HC赤14号、HC赤18、HC紫BS、HC紫1号、HC紫2号、HC黄2号、HC黄4号、HC黄5号、HC黄6号、HC黄7号、HC黄8号、HC黄9号、HC黄10号、HC黄11号、HC黄12号、HC黄13号、HC黄14号、HC黄15号、HC黄16、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、ピクラミン酸、1,2-ジアミノ-4-ニトロベンゾール、1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゾール、3-ニトロ-4-アミノフェノール、1-ヒドロキシ-2-アミノ-3-ニトロベンゾール、2-ヒドロキシエチルピクラミン酸、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物であることが好ましく、好ましくはa)群の1種以上の化合物は、HC青18、HC赤18、HC黄16、分散黒9、酸性黄1、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、および/またはそれらの塩、および/またはそれらの混合物である。
【0016】
好ましくは、1種以上の直接染料は、HC青18、HC赤18、HC黄16、分散黒9、酸性黄1、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物であってよい。
【0017】
HC青18、HC赤18およびHC黄16の全濃度は、a)群の全質量に対して好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上である。
【0018】
染色強度の観点から、a)群の化合物の全濃度、より好ましくは1,4-ジアミノ-2-メトキシメチル-ベンゼンおよび/またはその塩の全濃度は、組成物Aの全質量に対して0.01質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.02質量%以上、さらにより好ましくは0.03質量%以上である。
【0019】
化粧品の安全性の観点から、a)群の化合物の全濃度、より好ましくは1,4-ジアミノ-2-メトキシメチル-ベンゼンおよび/またはその塩の全濃度は、組成物Aの全質量に対して65質量%以下が好ましく、好ましくは50質量%以下、さらにより好ましくは30質量%以下、さらにより好ましくは20質量%以下である。
【0020】
上述の効果を達成するために、a)群の1種以上の化合物の全濃度、より好ましくは1,4-ジアミノ-2-メトキシメチル-ベンゼンおよび/またはその塩の全濃度は、組成物Aの全質量に対して0.01~65質量%が好ましく、好ましくは0.02~50質量%、より好ましくは0.03~30質量%、より好ましくは0.03~20質量%である。
【0021】
安定性の観点から、水の全濃度は、組成物Aの全質量に対して5質量%以下であることが好ましく、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以下であり、さらにより好ましくは組成物Aは無水である。
【0022】
用語「無水」は、添加された水を含まない組成物を表す。しかし、これは、残留水分または結晶水などの結合水を除外しない。
【0023】
溶解度の観点から、b)群の化合物のXは、アルカリまたはアルカリ土類金属であることが好ましく、好ましくはXは、ナトリウムまたはカリウムであり、より好ましくはナトリウムである。
【0024】
貯蔵安定性の観点から、b)群の化合物は無水化合物であることがさらに好ましい。
【0025】
b)群の最も好ましい化合物は、リン酸三ナトリウムおよびリン酸三カリウム、特に無水リン酸三ナトリウムおよび無水リン酸三カリウムである。
【0026】
安定性および染色強度の観点から、b)群の化合物の全濃度、好ましくはリン酸三ナトリウムの全濃度は、組成物Aの全質量に対して1質量%以上が好ましく、より好ましくは2質量%以上、さらにより好ましくは5質量%以上である。
【0027】
化粧品の安全性の観点から、b)群の化合物の全濃度、好ましくはリン酸三ナトリウムの全濃度は、組成物Aの全質量に対して80質量%以下が好ましく、より好ましくは70質量%以下、さらにより好ましくは65質量%以下である。
【0028】
上述の効果を達成するために、b)群の化合物の全濃度、好ましくはリン酸三ナトリウムおよび/またはリン酸三カリウムの全濃度は、組成物Aの全質量に対して1~80質量%が好ましく、好ましくは2~70質量%、より好ましくは5~65質量%である。
【0029】
c)群の化合物
組成物の安定性および使用利便性の観点から、組成物Aは、c)群の化合物として1種以上の粉末添加物を含むことが好ましい。
【0030】
用語「添加物」は、組成物Aの充填材料として、かつ他の化合物の分散剤として作用することができるが、染料ともアルカリ化剤とも反応せず、したがって粉末に高い貯蔵安定度を長期間にわたって付与する化合物を表す。
【0031】
本発明の組成物Aは、染料が分散されている有機および/または無機粉末添加物を含むことができる。
【0032】
好適な有機および/または無機粉末添加物は、例えば、珪藻土、カオリン、ベントナイト、デンプン、特にトウモロコシデンプン、タピオカデンプン、コメデンプン、コムギデンプンおよびジャガイモデンプン、ナイロン粉末、モンモリロナイト、セッコウ、おがくずおよびパーライトであり、より好ましくは安定性の観点から、トウモロコシデンプンである。
【0033】
好ましくは、c)群の化合物の全濃度、より好ましくは有機および/または無機粉末添加物の全濃度は、直接染料の粉末中における良好な分散性および粉末の急速な溶解を達成するという観点から、組成物Aの全質量に対して10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらにより好ましくは20質量%以上、さらにより好ましくは25質量%以上、またさらにより好ましくは30質量%以上、よりさらに好ましくは55質量%以上である。
【0034】
好ましくは、c)群の化合物の全濃度、より好ましくは有機および/または無機粉末添加物の全濃度は、染料の粉末中における良好な分散性および配合処方の自由を達成するという観点から、組成物Aの全質量に対して98質量%以下、より好ましくは95質量%以下、さらにより好ましくは90質量%以下である。
【0035】
上述の効果を達成するために、c)群の化合物の全濃度、より好ましくは有機および/または無機粉末添加物の全濃度は、組成物Aの全質量に対して10~98質量%が好ましく、より好ましくは15~95質量%、さらにより好ましくは20~90質量%、さらにより好ましくは25~90質量%、さらにより好ましくは30~90質量%、またさらにより好ましくは55~90質量%である。
【0036】
粉末組成物
本発明の一態様において、組成物Aは、25℃および大気圧で固体組成物、好ましくは粉末組成物またはペレット組成物または錠剤組成物またはカプセル組成物、より好ましくは染毛用粉末組成物または染毛用ペレット組成物または染毛用錠剤組成物であってよく、さらにより好ましくは染毛用粉末組成物である。
【0037】
用語「粉末」は、25℃および大気圧で固体である組成物を表す。好ましくは、組成物Aは、安定性の観点から、無水粉末組成物である。
【0038】
好適には、組成物Aは、無水粉末組成物、好ましくは染毛用無水粉末組成物である。
【0039】
d)群の化合物としての親油性化合物
組成物Aおよび/またはBは、d)群の化合物としての1種以上の親油性化合物を含むことができる。
【0040】
好ましくは、d)群の化合物は、化粧品の相溶性の観点からC12~C22脂肪族アルコール、C~C22アルコールとC12~C22脂肪酸のエステル、C~C22脂肪酸、植物油、および/またはシリコーン、および/または炭化水素系製品、ならびに/あるいはそれらの混合物から選択される。
【0041】
好適なC12~C22脂肪族アルコールは、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、およびセテアリルアルコールである。
【0042】
~C22アルコールとC12~C22脂肪酸の好適なエステルは、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、およびミリスチン酸ミリスチルである。
【0043】
好適なC~C22脂肪酸は、オレイン酸、リノール酸、およびパルミチン酸である。
【0044】
好適な植物油は、オリーブ油、アーモンド油、ヒマワリ油、およびアルガン油である。
【0045】
好適なシリコーンは、非アミノ化および/またはアミノ化シリコーンである。後者は、アモジメチコンとして一般に呼ばれている。
【0046】
安定な組成物を形成し、使用者にとって使い易いという観点から、d)群の化合物の全濃度は、組成物Aおよび/またはBのそれぞれの全質量に対して1質量%以上が好ましく、より好ましくは2質量%以上、さらにより好ましくは3質量%以上である。
【0047】
安定な組成物を形成するという観点から、d)群の化合物の全濃度は、組成物Aおよび/またはBのそれぞれの全質量に対して20質量%以下が好ましく、より好ましくは15質量%以下、さらにより好ましくは12質量%以下である。
【0048】
上述の効果を達成するために、d)群の化合物の全濃度は、組成物Aおよび/またはBのそれぞれの全質量に対して1~20質量%が好ましく、好ましくは2~15質量%、より好ましくは3~12質量%である。
【0049】
液体組成物
本発明の別の態様では、本発明の組成物Aは、e)群の化合物として1種以上の有機溶媒を組成物Aの全質量に対して含む、25℃および大気圧で液体組成物である。好ましくは、組成物Aは、染料安定性の観点から、無水である。
【0050】
用語「液体」は、25℃および大気圧における物理的状態を表し、すなわち、組成物Aは室温で液体である。
【0051】
用語「無水」は、添加された水を含まない組成物Aを表す。これは、空気由来の残留水分または諸成分に結合している結晶水の存在を除外しない。
【0052】
本発明のこの態様では、組成物Aは、1種以上の有機溶媒を含むことができる。
【0053】
有機溶媒は、染料を溶解するように選択されうる。好ましい溶媒は、1価、2価、および3価のアルコールならびに/またはそれらの混合物である。
【0054】
化粧品の安全性および溶解能力の観点から好ましい1価、2価、および3価のアルコールは、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、およびグリセロール、ならびに/あるいはそれらの混合物である。
【0055】
溶液安定性の観点から、有機溶媒の全濃度は、組成物Aの全質量に対して75質量%以上であることが好ましく、より好ましくは80質量%以上であり、さらにより好ましくは85質量%以上である。
【0056】
染色強度の観点から、有機溶媒の全濃度は、組成物Aの全質量に対して98質量%以下であることが好ましく、より好ましくは95質量%以下、さらにより好ましくは92質量%以下である。
【0057】
上述の効果を達成するために、有機溶媒の全濃度は、組成物Aの全質量に対して75~98質量%が好ましく、より好ましくは80~95質量%、さらにより好ましくは85~92質量%である。
【0058】
ペースト様組成物
任意選択により、組成物Aは、ペースト様組成物であり、スピンドル#4を用いたブルックフィールド粘度計、10rpmで1分間の測定など25℃および大気圧でコーンプレート粘度測定法により測定して、好ましくは10,000~500,000mPas、より好ましくは20,000~400,000mPas、さらにより好ましくは30,000~250,000mPasの粘度を有するペースト様組成物である。
【0059】
このために、組成物Aは、d)群の親油性化合物を全濃度90質量%まで含むことができる。
【0060】
好ましくは、ペースト様組成物Aは、染料安定性の観点から、無水である。
【0061】
f)による化合物としての界面活性剤
組成物Aおよび/またはBは、組成物を安定化し、湿潤性および混合性を改善するという観点から、好ましくは非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン性界面活性剤、および/または両性/双性イオン界面活性剤、ならびに/あるいはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物から選択され、より好ましくはアニオン界面活性剤および/またはそれらの塩から選択される、f)群の化合物として1種以上の界面活性剤をさらに含むことができる。
【0062】
好ましくは、アニオン界面活性剤は、エトキシ化もしくは非エトキシ化アルキルエーテルスルフェート界面活性剤、アルキルスルフェート、エトキシ化および/または非エトキシ化アルキルカルボキシレート、エトキシ化もしくは非エトキシ化アミノ酸界面活性剤、ならびに/あるいはそれらの混合物、ならびに/あるいはそれらの塩から選択されうる。
【0063】
好適な例として、C10~C22のアルキル鎖長および1~50のエトキシ化度を有する、アルキルスルフェートもしくは好ましくはエトキシ化アルキルエーテルスルフェート界面活性剤またはそれらの混合物、および/またはそれらの塩がある。
【0064】
好適な非イオン界面活性剤は、アルキルポリグリコシド、エトキシ化トリグリセリド、エトキシ化脂肪アルコール、エトキシ化脂肪酸エステル、および/またはそれらの混合物から選択されうる。
【0065】
好適なカチオン性界面活性剤は、C12~C22の炭素鎖長を有する第四級アンモニウム界面活性剤、もしくは第三級アミン基およびC12~C22の炭素鎖長を有する少なくとも1本のアルキル鎖を有する界面活性剤、例えばアルキルアミドアルキルアミン界面活性剤、ならびに/あるいはそれらの塩である。好適な例として、セトリモニウムクロリドおよびベヘントリモニウムクロリドがある。
【0066】
好適な両性/双性イオン界面活性剤はベタイン型である。好適な化合物は、アルキルベタインおよび/またはアルキルアミドベタインから選択されうる。アルキルベタインから選択される好ましい化合物はラウリルベタインである。アルキルアミドベタインから選択される好ましい化合物はコカミドプロピルベタインである。本開示は、化合物の塩にも関する。
【0067】
界面活性剤に適した濃度範囲は、ケラチン繊維の湿潤性、物理的安定性、および他の組成物との混合性を向上させるという観点から、組成物Aおよび/またはBのそれぞれの全質量に対して0.1~10質量%である。
【0068】
増粘ポリマー
化粧品の安全性の観点から、組成物Aおよび/またはBは、1種以上の増粘ポリマーを含むことがさらに好ましい。
【0069】
組成物Aおよび/またはBは、非イオン性増粘ポリマーおよび/またはアニオン性増粘ポリマー、ならびに/あるいはそれらの混合物から選択される1種以上の増粘ポリマーを含むことができる。
【0070】
好ましくは、増粘ポリマーは、25℃の水中で1質量%のポリマー濃度で測定して、25℃、大気条件下でコーンプレート粘度測定法により決定して、組成物の全質量に対して、コーンプレート粘度計、例えばブルックフィールド粘度計により決定して、好ましくはスピンドル#4を用いて10rpmで1分間測定して少なくとも1,000mPa・sの粘度を有する、pH7~12の水性溶液および/または水性分散液を生じるポリマーから選択される。
【0071】
好適な非イオン性増粘ポリマーは、セルロース系ポリマーである。セルロース系ポリマーの好適な例には、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチル-メチルセルロース、およびアルキル化ヒドロキシルセルロース、例えば(C~C)-アルキルセルロースまたはセチルヒドロキシエチルセルロースがある。
【0072】
好適なアニオン性増粘ポリマーは、天然系アニオン性ポリマーおよび/または合成アニオン性ポリマーから選択される。
【0073】
好適には、天然アニオン性ポリマーは、キサンタンガム、デヒドロキサンタンガム、ヒドロキシプロピルキサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、およびデンプン系ポリマー、例えば植物デンプン、および/またはそれらの合成修飾誘導体、例えばヒドロキシプロピルデンプンホスフェートから選択されうる。同様に好適なものは、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アラビアゴム、およびグアーガムである。
【0074】
好適な合成アニオン性ポリマーは、会合性増粘ポリマー、例えばアクリレート/ステアレス-30メタクリレートコポリマーである。
【0075】
本発明の組成物に好ましい増粘ポリマーは、それらの生分解性および低環境影響の観点から天然アニオン性ポリマー、より好ましくはキサンタンガムおよび/またはデヒドロキサンタンガムである。
【0076】
好ましくは、組成物Aおよび/またはB中の増粘ポリマーの全濃度は、十分な粘度を組成物にもたらすという観点から、組成物Aおよび/またはBのそれぞれの全質量に対して0.1質量%以上であり、より好ましくは0.25質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上である。
【0077】
好ましくは、組成物Aおよび/またはB中の増粘ポリマーの全濃度は、十分な粘度を組成物にもたらすことおよび商品原価の観点から、組成物Aおよび/またはBのそれぞれの全質量に対して15質量%以下であり、より好ましくは12質量%以上であり、さらにより好ましくは10質量%以下である。
【0078】
上述の効果を達成するために、組成物Aおよび/またはB中の増粘ポリマーの全濃度は、組成物Aおよび/またはBのそれぞれの全質量に対して0.1~15質量%が好ましく、好ましくは0.25~12質量%であり、より好ましくは0.5~10質量%である。
【0079】
化粧品の安全性の観点から、本発明の組成物は水性の場合、25℃、大気条件下でコーンプレート粘度測定法によって決定して、例えばスピンドル#4を用いたブルックフィールド粘度計を用いて10rpmで1分間測定して1,000~25,000mPasの粘度を有することが好ましく、好ましくは2,000~20,000mPasであり、より好ましくは2,500~17,500mPasである。
【0080】
酸化剤
組成物Aおよび/またはBは、1種以上の酸化剤を含むことができる。
【0081】
好ましくは、組成物Aは、25℃および大気圧で固体である1種以上の酸化剤、より好ましくはパーカーボネート、ボレート、パーボレート、過酸化メラミン、過酸化尿素、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物を含む。
【0082】
組成物A中の酸化剤に適した濃度は、組成物Aの全質量に対して1~50質量%であり、好ましくは5~45質量%である。
【0083】
組成物Bに好ましい酸化剤は、染色性能および毛髪損傷の観点から過酸化水素である。
【0084】
染色性能の観点から、組成物B中の酸化剤の濃度は、組成物Bの全質量に対して0.25質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以上であり、さらにより好ましくは1質量%以上である。
【0085】
製品性能および使用者の安全性の観点から、組成物B中の酸化剤の濃度は、組成物Bの全質量に対して30質量%以下であることが好ましく、より好ましくは25質量%以下である。
【0086】
上述の効果を達成するために、組成物B中の酸化剤の濃度は、組成物Bの全質量に対して0.25~30質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5~25質量%であり、さらにより好ましくは1~25質量%である。
【0087】
染色用製品
本発明は、ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、より好ましくはヒト毛髪の染色用製品であって、
- 以上に定義された組成物A、
- 組成物B
を含む製品も対象とする。
【0088】
好ましくは、組成物Bは水性組成物である。用語「水性」は、組成物の全質量に対して50質量%以上の水を含む組成物を表す。
【0089】
好ましくは、安定性の観点から、組成物Bは、pH1~7、好ましくは1.5~5、さらにより好ましくは2~4.5を有する。
【0090】
化粧品の安全性の観点から、組成物Bの1種以上の酸化剤は過酸化水素であることがさらに好ましい。
【0091】
好適には、pHは、ガラス電極を用いて25℃、大気条件下で測定される。
【0092】
染色性能の観点から、組成物B中の酸化剤の濃度、好ましくは過酸化水素の濃度は、組成物Bの全質量に対して0.25質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以上、さらにより好ましくは1質量%以上である。
【0093】
製品性能および使用者の安全性の観点から、組成物B中の酸化剤の濃度、好ましくは過酸化水素の濃度は、組成物Bの全質量に対して30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。
【0094】
上述の効果を達成するために、組成物B中の酸化剤の濃度、好ましくは過酸化水素の濃度は、組成物Bの全質量に対して0.25~30質量%であり、より好ましくは0.5~25質量%、さらにより好ましくは1~25質量%である。
【0095】
組成物Bは、染色強度の観点から好ましくは1種以上のアルキルアミン塩またはアルカノールアミン塩、好ましくは下記の一般構造のアルキルアミン塩またはアルカノールアミン塩を含む
【0096】
【化1】
[式中、R1、R2、およびR3は、H、1個のヒドロキシル基で置換されていてよい直鎖状C1~C6アルキル、または分枝状C3~C12アルキルまたはアルカノールから独立的に選択され、R1、R2、またはR3の少なくとも1つはHとは異なり、Y-はアニオンである]。
【0097】
好ましくは、溶解度の観点から、アニオンY-は、スルフェート、ヒドロクロリド、クロリド、ヒドロブロミド、ブロミド、ニトレート、ホスフェート、ヒドロゲンホスフェート、ジヒドロゲンホスフェート、メトスルフェート、シトレート、スクシネート、タートレート、ラクテート、トシレート、ベンゾエート、ベンゼンスルホネート、アセテート、および/またはそれらの混合物である。
【0098】
商業的入手性の観点から、1種以上のアルキルアミン塩またはアルカノールアミン塩は、モノおよび/またはジエタノールアミン、ブチルエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、メチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-ラウリルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、イソブタノールアミン、トリス-(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、ならびに/あるいはそれらの混合物の塩であり、より好ましくはモノおよび/またはジエタノールアミン塩、ならびに/あるいはそれらの混合物であることがさらに好ましい。
【0099】
洗髪堅牢度の観点から、アルキルアミン塩またはアルカノールアミン塩の全濃度が、組成物Bの全質量に対して0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.2質量%以上、さらにより好ましくは0.5質量%以上である。
【0100】
化粧品の安全性の観点から、アルキルアミン塩またはアルカノールアミン塩の全濃度は、組成物Bの全質量に対して15質量%以下が好ましく、より好ましくは12質量%以下、さらにより好ましくは10質量%以下、さらにより好ましくは8質量%以下である。
【0101】
上述の効果を達成するために、アルキルアミン塩またはアルカノールアミン塩の全濃度が、組成物Bの全質量に対して0.1~15質量%が好ましく、好ましくは0.2~12質量%、より好ましくは0.5~10質量%、より好ましくは0.5~8質量%である。
【0102】
組成物Bは好ましくは、化粧品の安全性および使用者にとっての使い易さの観点から、乳濁液、増粘ゲル、またはそれらの組合せである。それは、d)群の親油性化合物および/またはf)群の界面活性剤および/または上記に定義された1種以上の増粘ポリマーを含むことができる。
【0103】
安定な組成物を形成し、使用者にとって使い易いという観点から、d)群の化合物の全濃度は、組成物Bの全質量に対して1質量%以上が好ましく、より好ましくは2質量%以上、さらにより好ましくは3質量%以上である。
【0104】
安定な組成物を形成するという観点から、d)群の化合物の全濃度は、組成物Bの全質量に対して20質量%以下が好ましく、より好ましくは15質量%以下、さらにより好ましくは12質量%以下である。
【0105】
上述の効果を達成するために、d)群の化合物の全濃度は、組成物Bの全質量に対して1~20質量%が好ましく、好ましくは2~15質量%、より好ましくは3~12質量%である。
【0106】
組成物Bは、上記の本発明の組成物Aについて上記に定義されたように、f)群の化合物として1種以上の界面活性剤をさらに含むことができる。
【0107】
界面活性剤に適した濃度範囲は、ケラチン繊維の湿潤性、物理的安定性、および他の組成物との混合性を向上させるという観点から、組成物Bの全質量に対して0.1~10質量%である。
【0108】
化粧品の安全性の観点から、組成物Bは、上記の本発明の組成物について定義されたように、1種以上の増粘ポリマーを含むことがさらに好ましい。
【0109】
組成物B中の増粘ポリマーの全濃度は、十分な粘度を組成物Bにもたらすという観点から、組成物Bの全質量に対して0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.25質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上である。
【0110】
組成物B中の増粘ポリマーの全濃度は、十分な粘度を組成物Bにもたらすことおよび商品原価の観点から、組成物Bの全質量に対して15質量%以下が好ましく、より好ましくは12質量%以上、さらにより好ましくは10質量%以下である。
【0111】
上述の効果を達成するために、組成物B中の増粘ポリマーの全濃度は、組成物Bの全質量に対して0.1~15質量%であることが好ましく、好ましくは0.25~12質量%、より好ましくは0.5~10質量%である。
【0112】
化粧品の安全性の観点から、組成物Bは、25℃、大気条件下でコーンプレート粘度測定法によって決定して1,000~25,000mPasの粘度を有することが好ましく、好ましくは2,000~20,000mPas、より好ましくは2,500~17,500mPasである。好適な粘度計は、スピンドル#4を用いたブルックフィールド粘度計であり、粘度は、10rpmで1分間測定される。
【0113】
用時調製混合物の安定性の観点から、組成物AおよびBの混合質量比は、1:1以上であることが好ましく、好ましくは1:2以上、より好ましくは1:4以上、さらにより好ましくは1:5以上である。
【0114】
用時調製混合物の安定性および化粧品としての外観の観点から、組成物AおよびBの混合質量比は、1:20以下であることが好ましく、好ましくは1:15以下、より好ましくは1:12以下、さらにより好ましくは1:10以下である。
【0115】
上述の効果を達成するために、組成物AおよびBの混合質量比は、1:1~1:20であることが好ましく、好ましくは1:2~1:15、より好ましくは1:4~1:12、さらにより好ましくは1:5~1:10である。
【0116】
染色方法
本発明は、ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、より好ましくはヒト毛髪を染色する方法であって、
i)以上に定義された組成物Aを水性組成物、好ましくは以上に定義された組成物Bと混合して、pH7~12を有する用時調製組成物を得るステップ、
ii)用時調製組成物をケラチン繊維に塗布し、それを1~60分間放置するステップ、
iii)ケラチン繊維を任意にすすぎ流し、ケラチン繊維を任意に乾燥するステップ
を含む方法も対象とする。組成物Aが酸化剤を含む場合、組成物Bは、酸化剤を含まなくてよい。
【0117】
用時調製組成物は、ステップii)において定義されたように、ケラチン繊維に塗布され、好ましくは1~60分間放置される。十分に染色するという観点から、ステップii)にさらに好ましい時間範囲は5~45分であり、より好ましい範囲は10~35分である。
【0118】
任意に、組成物Aまたは用時調製組成物をケラチン繊維上に放置している間に熱を加えてもよい。好適な温度範囲は、30~50℃である。
【0119】
好ましくは、ステップi)中の組成物AおよびBの混合質量比は、1:1~1:20、好ましくは1:2~1:15、より好ましくは1:4~1:12、さらにより好ましくは1:5~1:10である。
【0120】
したがって、本発明の開示は、ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、より好ましくはヒト毛髪を染色する方法であって、
i)以上に定義された組成物Aを過酸化水素を含む水性組成物Bと混合して、pH7~12を有する用時調製組成物を得るステップ、
ii)用時調製組成物をケラチン繊維に塗布し、それを1~60分間放置するステップ、
iii)ケラチン繊維を任意にすすぎ流し、ケラチン繊維を任意に乾燥するステップ
を含み、ステップi)中の組成物AおよびBの混合質量比が、1:1~1:20、好ましくは1:2~1:15、より好ましくは1:4~1:12、さらにより好ましくは1:5~1:10である、方法にも関する。
【0121】
本開示は、下記も対象とする。
<1> ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、より好ましくはヒト毛髪の染色用組成物Aであって、
a)1種以上の毛髪染料、好ましくは1種以上の酸化染料カプラーおよび/または酸化染料前駆体、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物、ならびに/あるいは1種以上の直接染料、および/またはそれらの塩、および/またはそれらの混合物、
b)下記の構造の1種以上の塩
PO
[式中、Xは金属である]
を含み、水の全濃度が、組成物Aの全質量に対して10質量%以下である、組成物。
【0122】
<2> a)群の1種以上の化合物が、p-フェニレンジアミン、1,4-ジアミノ-2-メトキシメチル-ベンゼン、p-アミノフェノール、2,5-ジアミノ-トルエン、2-N-プロピル-p-フェニレンジアミン、2-N-エチル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-p-フェニレン-ジアミン、2-(2,5-ジアミノフェニル)-エタノール、1-アミノ-4-ビス-(2’-ヒドロキシエチル)-アミノ-ベンゼン、2-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-5-アミノトルエン、4,4’-ジアミノジフェニルアミン、4-アミノジフェニルアミン、2-アミノ-5-N,N-ジエチルアミノトルエン、4-アミノ-N-エチル-N-イソプロピルアニリン、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、1-β-ヒドロキシエチル-2,5-ジアミノ-4-クロロベンゼン、1-β-ヒドロキシエチル-2,5-ジアミノ-4-メチルベンゼン、2-メトキシ-p-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-p-フェニレンジアミン、1-アミノ-4-β-メトキシエチルアミノベンゼン、1-ジメチル-アミノ-4-アミノベンゼン、1-ヒドロキシ-2,5-ジアミノ-4-メチルベンゼン、1-ヒドロキシメチル-2,5-ジアミノベンゼン、1,3-ジメチル-2,5-ジアミノベンゼン、1,4-ジアミノイソプロピルベンゼンおよび/または1-アミノ-4-β-ヒドロキシプロピルアミノベンゼン、1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾール、3,4-ジアミノ-5-ヒドロキシピラゾール、3,5-ジアミノピラゾール、3,5-ジアミノピラゾール-1-カルボキサミド、3-アミノ-5-ヒドロキシピラゾール、1-フェニル-2-メチルピラゾール、1-フェニル-3-メチルピラゾール-5-オン、3,5-ジメチルピラゾール、3,5-ジメチルピラゾール-1-メタノール、3,5-ジアミノ-1,2,4-トリアゾール、4-アミノフェノールおよびそれらの誘導体、例えば4-アミノ-3-メチルフェノール、2-クロロ-4-アミノフェノール、2,6-ジクロロ-4-アミノフェノール、2,4-ジアミノ-フェノール、2,6-ジブロモ-4-アミノフェノール、テトラアミノピリミジン、トリアミノヒドロキシピリミジン、ジアミノモノおよびジヒドロキシピリミジン、アミノトリアジン、5-アミノサリチル酸および/または1,2,4-トリアミノベンゼン、2,5-ジアミノピリジン、2,3-ジアミノピリジン、2,6-ジアミノピリジン、3-アミノ-2-メチルアミノ-6-メトキシピリジン、2-ジメチル-5-アミノピリジン、2-ジメチルアミノエチル-3-ヒドロキシピリジン、2-アミノ-4,6-ジメチルピリジン、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、3-アミノ-2-(β-ヒドロキシエチルアミノ)-6-メトキシピリジン、2,6-ジメチルアミノ-5-アミノピリジン、2-ジ(ヒドロキシエチル)アミノ-5-アミノピリジン、2-ヒドロキシエチルアミノ-5-アミノピリジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物であり、好ましくはa)群の1種以上の化合物が、1,4-ジアミノ-2-メトキシメチル-ベンゼンおよび/またはその塩である、<1>に記載の組成物。
【0123】
<3> a)群の化合物の1種以上の塩が、硫酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、メト硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、酢酸塩、および/またはそれらの混合物であり、好ましくは硫酸塩および/または塩酸塩、および/またはそれらの混合物であり、より好ましくは硫酸塩である、<1>または<2>に記載の組成物。
【0124】
<4> a)群の1種以上の化合物が、酸性黒1、酸性青1、酸性青3、食用青5、酸性青7、酸性青9、酸性青74、酸性橙3、酸性橙6、酸性橙7、酸性橙10、酸性赤1、酸性赤14、酸性赤18、酸性赤27、酸性赤50、酸性赤52、酸性赤73、酸性赤87、酸性赤88、酸性赤92、酸性赤155、酸性赤180、酸性紫9、酸性紫43、酸性紫49、酸性黄1、酸性黄23、酸性黄3、食用黄8号、D&Cブラウン1号、D&C緑5号、D&C緑8号、D&C橙4号、D&C橙10号、D&C橙11号、D&C赤21号、D&C赤27号、D&C赤33号、D&C紫2、D&C黄7号、D&C黄8号、D&C黄10号、FD&C赤2、FD&C赤40、FD&C赤4号、FD&C黄6号、FD&C青1、食用黒1、食用黒2、分散黒9、分散紫1、塩基性青6、塩基性青7、塩基性青9、塩基性青26、塩基性青41、塩基性青99、塩基性ブラウン4、塩基性ブラウン16、塩基性ブラウン17、ナチュラルブラウン7、塩基性緑1、塩基性赤2、塩基性赤12、塩基性赤22、塩基性赤76、塩基性紫1、塩基性紫2、塩基性紫3、塩基性紫10、塩基性紫14、塩基性黄57、塩基性赤51、塩基性黄87、HC青17および塩基性橙31、塩基性黄87、塩基性橙31、HC青17、塩基性青124、HC青2号、HC青4号、HC青5号、HC青6号、HC青7号、HC青8号、HC青9号、HC青10号、HC青11号、HC青12号、HC青13号、HC青18、HCブラウン1号、HCブラウン2号、HC緑1号、HC橙1号、HC橙2号、HC橙3号、HC橙5号、HC赤BN、HC赤1号、HC赤3号、HC赤7号、HC赤8号、HC赤9号、HC赤10号、HC赤11号、HC赤13号、HC赤54号、HC赤14号、HC赤18、HC紫BS、HC紫1号、HC紫2号、HC黄2号、HC黄4号、HC黄5号、HC黄6号、HC黄7号、HC黄8号、HC黄9号、HC黄10号、HC黄11号、HC黄12号、HC黄13号、HC黄14号、HC黄15号、HC黄16、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、ピクラミン酸、1,2-ジアミノ-4-ニトロベンゾール、1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゾール、3-ニトロ-4-アミノフェノール、1-ヒドロキシ-2-アミノ-3-ニトロベンゾール、2-ヒドロキシエチルピクラミン酸、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物であり、好ましくはa)群の1種以上の化合物が、HC青18、HC赤18、HC黄16、分散黒9、酸性黄1、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、および/またはそれらの塩、および/またはそれらの混合物である、<1>~<3>のいずれかに記載の組成物。
【0125】
<5> a)群の化合物の全濃度、好ましくは1,4-ジアミノ-2-メトキシメチル-ベンゼンおよび/またはその塩の全濃度が、組成物Aの全質量に対して0.01~65質量%、好ましくは0.02~50質量%、より好ましくは0.03~30質量%、より好ましくは0.03~20質量%である、<1>~<4>のいずれかに記載の組成物。
【0126】
<6> 1,4-ジアミノ-2-メトキシメチル-ベンゼンおよび/またはその塩の全濃度が、a)群の全質量に対して好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上である、<1>~<5>のいずれかに記載の組成物。
【0127】
<7> HC青18、HC赤18およびHC黄16の全濃度が、a)群の全質量に対して好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上である、<1>~<6>のいずれかに記載の組成物。
【0128】
<8> b)群の化合物のXが、アルカリまたはアルカリ土類金属であり、好ましくはXが、ナトリウムまたはカリウムであり、より好ましくはナトリウムである、<1>~<7>のいずれかに記載の組成物。
【0129】
<9> b)群の化合物が無水化合物である、<1>~<8>のいずれかに記載の組成物。
【0130】
<10> b)群の化合物の全濃度、好ましくはリン酸三ナトリウムおよび/またはリン酸三カリウムの全濃度が、組成物Aの全質量に対して1~80質量%、好ましくは2~70質量%、より好ましくは5~65質量%である、<1>~<9>のいずれかに記載の組成物。
【0131】
<11> 組成物A中の水の全濃度が、組成物Aの全質量に対して5質量%以下、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下であり、さらにより好ましくは組成物Aが無水組成物である、<1>~<10>のいずれかに記載の組成物。
【0132】
<12> 1種以上の直接染料、好ましくはHC青18、HC赤18、HC黄16、分散黒9、酸性黄1、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物を含む、<1>~<11>のいずれかに記載の組成物。
【0133】
<13> 組成物A中の直接染料の全濃度が、組成物Aの全質量に対して0.01~20質量%、好ましくは0.05~15質量%、より好ましくは0.1~10質量%である、<12>に記載の組成物。
【0134】
<14> c)群の化合物として1種以上の粉末添加物を含む、<1>~<13>のいずれかに記載の組成物。
【0135】
<15> c)群の化合物として有機および/または無機粉末添加物を含む、<14>に記載の組成物。
【0136】
<16> c)群の1種以上の化合物が、珪藻土、カオリン、ベントナイト、デンプン、特にトウモロコシデンプン、タピオカデンプン、コメデンプン、コムギデンプンおよびジャガイモデンプン、ナイロン粉末、モンモリロナイト、セッコウ、おがくずならびにパーライトであり、より好ましくはトウモロコシデンプン、および/またはそれらの混合物である、<14>または<15>に記載の組成物。
【0137】
<17> c)群の化合物の全濃度、より好ましくは有機および/または無機粉末添加物の全濃度が、組成物Aの全質量に対して10~98質量%、より好ましくは15~95質量%、さらにより好ましくは20~90質量%、さらにより好ましくは25~90質量%、さらにより好ましくは30~90質量%、またさらに好ましくは55~90質量%である、<14>~<16>のいずれかに記載の組成物。
【0138】
<18> 25℃および大気圧で固体組成物、好ましくは粉末組成物またはペレット組成物または錠剤組成物またはカプセル組成物、より好ましくは染毛用粉末組成物または染毛用ペレット組成物または染毛用錠剤組成物であり、さらにより好ましくは染毛用粉末組成物である、<14>~<17>のいずれかに記載の組成物。
【0139】
<19> 無水粉末組成物、好ましくは染毛用無水粉末組成物である、<18>に記載の組成物。
【0140】
<20> d)群の化合物として1種以上の親油性化合物、好ましくはC12~C22脂肪族アルコール、C~C22アルコールとC12~C22脂肪酸のエステル、C~C22脂肪酸、植物油、および/またはシリコーン、および/または炭化水素系製品、ならびに/あるいはそれらの混合物から選択される親油性化合物を含む、<1>~<19>のいずれかに記載の組成物。
【0141】
<21> d)群の化合物として1種以上のC12~C22脂肪アルコールが、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、およびセテアリルアルコールであり、d)群の化合物としてC~C22アルコールとC12~C22脂肪酸の1種以上のエステルが、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、およびミリスチン酸ミリスチルであり、d)群の化合物として1種以上のC~C22脂肪酸が、オレイン酸、リノール酸、およびパルミチン酸であり、d)群の化合物として1種以上の植物油が、オリーブ油、アーモンド油、ヒマワリ油、およびアルガン油であり、e)による化合物として1種以上のシリコーンが、非アミノ化および/またはアミノ化シリコーン、ならびに/あるいはそれらの混合物である、<20>に記載の組成物。
【0142】
<22> d)群の化合物の全濃度が、組成物Aの全質量に対して1~20質量%、好ましくは2~15質量%、より好ましくは3~12質量%である、<20>または<21>に記載の組成物。
【0143】
<23> 染毛用オイルである、<1>~<17>および/または<20>~<22>のいずれかに記載の組成物。
【0144】
<24> ペースト様粘度を有し、より好ましくは25℃および大気圧でコーンプレート粘度測定法により測定して、10,000~500,000mPas、より好ましくは20,000~400,000mPas、さらにより好ましくは30,000~250,000mPasの粘度を有する、<23>に記載の組成物。
【0145】
<25> d)群の1種以上の化合物の全濃度が、組成物Aの全質量に対して90質量%以下、好ましくは50~90質量%である、<23>または<24>に記載の組成物。
【0146】
<26> 25℃および大気圧で液体組成物であり、e)群の化合物として1種以上の有機溶媒、好ましくはe)による1種以上の化合物として1種以上の1価、2価、および3価のアルコール、ならびに/あるいはそれらの混合物を含む、<1>~<13>のいずれかに記載の組成物。
【0147】
<27> e)群の1種以上の化合物が、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、およびグリセロール、ならびに/あるいはそれらの混合物である、<26>に記載の組成物。
【0148】
<28> e)群の1種以上の化合物の全濃度が、組成物Aの全質量に対して75~98質量%、より好ましくは80~95質量%、さらにより好ましくは85~92質量%である、<26>または<27>に記載の組成物。
【0149】
<29> f)群の化合物として1種以上の界面活性剤、好ましくは非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン性界面活性剤、および/または両性/双性イオン界面活性剤、および/またはそれらの塩、ならびに/あるいはそれらの混合物から選択され、より好ましくはアニオン界面活性剤および/またはそれらの塩から選択される界面活性剤を含む、<1>~<28>のいずれかに記載の組成物。
【0150】
<30> f)群の1種以上の化合物が、1種以上のアニオン界面活性剤、好ましくはエトキシ化もしくは非エトキシ化アルキルエーテルスルフェート界面活性剤、アルキルスルフェート、エトキシ化および/または非エトキシ化アルキルカルボキシレート、エトキシ化もしくは非エトキシ化アミノ酸界面活性剤、ならびに/あるいはそれらの混合物、ならびに/あるいはそれらの塩から選択されるアニオン界面活性剤、C10~C22のアルキル鎖長および1~50のエトキシ化度を有する1種以上のアルキルスルフェート、好ましくはエトキシ化アルキルエーテルスルフェート界面活性剤またはそれらの混合物および/またはそれらの塩、アルキルグリコシド、アルキルポリグリコシド、エトキシ化トリグリセリド、エトキシ化脂肪アルコール、エトキシ化脂肪酸エステル、および/またはそれらの混合物から選択される1種以上の非イオン界面活性剤、C12~C22の炭素鎖長を有する第四級アンモニウム界面活性剤、もしくは第三級アミン基とC12~C22の炭素鎖長を有する少なくとも1本のアルキル鎖を有する界面活性剤、例えばアルキルアミドアルキルアミン界面活性剤、および/またはそれらの塩、および/またはそれらの混合物から選択される1種以上のカチオン性界面活性剤、ならびに1種以上のベタイン型両性/双性イオン界面活性剤、および/またはそれらの塩、および/またはそれらの混合物である、<29>に記載の組成物。
【0151】
<31> 界面活性剤の全濃度が、組成物Aの全質量に対して0.1~10質量%である、<29>または<30>に記載の組成物。
【0152】
<32> 1種以上の増粘ポリマー、好ましくは非イオン性増粘ポリマーおよび/またはアニオン性増粘ポリマー、ならびに/あるいはそれらの混合物から選択される1種以上の増粘ポリマーを含む、<1>~<31>のいずれかに記載の組成物。
【0153】
<33> 1種以上の増粘ポリマーが、非イオン性増粘ポリマー、好ましくはセルロース系ポリマー、より好ましくはメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチル-メチルセルロース、およびアルキル化ヒドロキシルセルロース、例えば(C~C)-アルキルセルロースまたはセチルヒドロキシエチルセルロース、アニオン性増粘ポリマー、好ましくは天然系アニオン性ポリマーおよび/または合成アニオン性ポリマー、より好ましくはキサンタンガム、デヒドロキサンタンガム、ヒドロキシプロピルキサンタンガム、カルボキシメチルセルロースおよびデンプン系ポリマー、例えば植物デンプンおよび/またはそれらの合成修飾誘導体、例えばヒドロキシプロピルデンプンホスフェート、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アラビアゴム、およびグアーガム、ならびに/あるいは会合性増粘ポリマー、例えばアクリレート/ステアレス-30メタクリレートコポリマーである、<32>に記載の組成物。
【0154】
<34> 1種以上の増粘ポリマーが、天然アニオン性ポリマー、より好ましくはキサンタンガムおよび/またはデヒドロキサンタンガムである、<32>または<33>に記載の組成物。
【0155】
<35> 増粘ポリマーの全濃度が、組成物Aの全質量に対して0.1~15質量%、好ましくは0.25~12質量%、より好ましくは0.5~10質量%である、<32>~<34>のいずれかに記載の組成物。
【0156】
<36> 25℃および大気圧で固体である1種以上の酸化剤、より好ましくは25℃および大気圧で固体である1種以上の過酸化物を含み、さらにより好ましくは金属過酸化物、例えば過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化メラミン、過酸化尿素、および/またはそれらの混合物を含む、<1>~<35>のいずれかに記載の組成物。
【0157】
<37> 25℃および大気圧で固体である1種以上の酸化剤の全濃度が、組成物Aの全質量に対して0.1~50質量%、より好ましくは0.25~40質量%、さらにより好ましくは1~30質量%である、<36>に記載の組成物。
【0158】
本開示は、下記も対象とする。
<38> ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、より好ましくはヒト毛髪の染色のための製品であって、
-<1>~<37>のいずれかに記載の組成物A、
-組成物B、好ましくは1種以上の酸化剤を含む組成物B
を含む製品。
【0159】
<39> 組成物Bが、pH1~6、好ましくは1.5~5、より好ましくは2~4.5を有する水性組成物であり、好ましくは1種以上の酸化剤、より好ましくは過酸化水素を含み、さらにより好ましくは過酸化水素を組成物Bの全質量に対して10.25~30質量%、より好ましくは0.5~25質量%、さらにより好ましくは1~25質量%の濃度で含む、<38>に記載の製品。
【0160】
<40> 組成物Bが、1種以上のアルキルアミン塩またはアルカノールアミン塩、好ましくは下記の一般構造のアルキルアミン塩またはアルカノールアミン塩を含む、<38>または<39>に記載の製品
【0161】
【化2】
[式中、R、R、およびRは、H、1個のヒドロキシル基で置換されていてよい直鎖状C~Cアルキル、または分枝状C~C12アルキルもしくはアルカノールから独立的に選択され、R、R、またはRの少なくとも1つはHとは異なり、Yはアニオンである]。
【0162】
<41> アニオンYが、スルフェート、ヒドロクロリド、クロリド、ヒドロブロミド、ブロミド、ニトレート、ホスフェート、ヒドロゲンホスフェート、ジヒドロゲンホスフェート、メトスルフェート、シトレート、スクシネート、タートレート、ラクテート、トシレート、ベンゾエート、ベンゼンスルホネート、アセテート、および/またはそれらの混合物である、<40>に記載の製品。
【0163】
<42> 1種以上のアルキルアミン塩またはアルカノールアミン塩が、モノおよび/もしくはジエタノールアミン、ブチルエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、メチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-ラウリルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、イソブタノールアミン、トリス-(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、および/またはそれらの混合物の塩であり、より好ましくはモノおよび/またはジエタノールアミン塩、ならびに/あるいはそれらの混合物である、<40>または<41>に記載の製品。
【0164】
<43> 組成物B中のアルキルアミン塩またはアルカノールアミン塩の全濃度が、組成物Bの全質量に対して0.1~15質量%、好ましくは0.2~12質量%、より好ましくは0.5~10質量%、より好ましくは0.5~8質量%である、<40>~<42>のいずれかに記載の製品。
【0165】
<44> 組成物Bが、乳濁液、増粘ゲル、またはそれらの組合せであり、好ましくはd)群の1種以上の親油性化合物および/またはf)群の化合物として1種以上の界面活性剤および/または1種以上の増粘ポリマーを含む、<40>~<43>のいずれかに記載の製品。
【0166】
<45> 組成物B中のd)群の化合物の全濃度が、組成物Bの全質量に対して1~20質量%、好ましくは2~15質量%、より好ましくは3~12質量%である、<40>~<44>のいずれかに記載の製品。
【0167】
<46> 組成物B中のf)による1種以上の化合物の全濃度が、組成物Bの全質量に対して0.1~10質量%である、<40>~<45>のいずれかに記載の製品。
【0168】
<47> 組成物B中の増粘ポリマーの全濃度が、組成物Bの全質量に対して0.1~15質量%、好ましくは0.25~12質量%、より好ましくは0.5~10質量%である、<40>~<46>のいずれかに記載の製品。
【0169】
<48> 組成物Bが、25℃、大気条件下でコーンプレート粘度測定法によって決定して、好適にはスピンドル#4を用いたブルックフィールド粘度計で1,000~25,000mPas、好ましくは2,000~20,000mPas、より好ましくは2,500~17,500mPasの粘度を有する、<40>~<47>のいずれかに記載の製品。
【0170】
<49> 組成物AおよびBの混合質量比が、1:1~1:20、好ましくは1:2~1:15、より好ましくは1:4~1:12、さらにより好ましくは1:5~1:10である、<40>~<48>のいずれかに記載の製品。
【0171】
本開示は、下記も対象とする。
<50> ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、より好ましくはヒト毛髪を染色する方法であって、
i)<1>~<37>のいずれかに記載の組成物Aを水性組成物、好ましくは<38>~<49>のいずれかに記載の組成物Bと混合して、pH7~12を有する用時調製組成物を得るステップ、
ii)組成物Aまたは用時調製組成物をケラチン繊維に塗布し、1~60分間放置するステップ、
iii)ケラチン繊維を任意にすすぎ流し、ケラチン繊維を任意に乾燥するステップ
を含む方法。
【0172】
<51> 用時調製組成物が、ステップii)において定義されたように、1~60分間、好ましくは5~45分間、より好ましくは10~35分間放置される、<50>に記載の方法。
【0173】
<52> 組成物Aまたは用時調製組成物をケラチン繊維上に放置している間に熱を、好ましくは30~50℃の温度範囲で加えてよい、<50>または<51>に記載の方法。
【0174】
<53> ステップi)の組成物AおよびBが、好ましくは1:1~1:20、好ましくは1:2~1:15、より好ましくは1:4~1:12、さらにより好ましくは1:5~1:10の混合比で混合される、<50>~<52>のいずれかに記載の方法。
【0175】
以下の例は、本発明を例示するものであって、限定するものではない。
【実施例
【0176】
【表1】
【0177】
組成物B
質量%
過酸化水素 4.5
モノエタノールアミンスルフェート 2.0
リン酸 pH 2.0になるまで添加
水 100.0になるまで添加
【0178】
本発明組成物は、貯蔵時全般にわたってそれらの化粧品の外観および扱いやすさを維持したが、一方比較組成物は、変色し、凝集が見られた。
【0179】
次いで、脱色したヒトケラチン繊維に塗布する直前に、組成物AおよびBをA:Bの質量比1:10で混合して、用時調製混合物を調製した。次いで、この用時調製混合物をケラチン繊維に塗布し、40℃で30分間放置した。次いで、毛束をすすぎ流した。その結果、ヒト肉眼による判断で、本発明組成物では色の変化が分からなかったが、比較組成物は色強度の低下が見られた。
【0180】
方法
組成物およびそれらの貯蔵
通常の混合方法によって、表1の組成物をアルミニウムボールミルで調製した。
【0181】
次いで、組成物を相対湿度80%および24℃で7日間貯蔵した。粉末の色をヒト肉眼で判断した。
【0182】
組成物を別の容器に注ぎ込み、それをヒト肉眼で観察することによって、扱いやすさを調査した。
【0183】
以下の例は本発明の範囲内に入る。
【0184】
本発明実施例3
組成物A
質量%
1,4-ジアミノ-2-メトキシメチル-ベンゼンスルフェート 0.097
5-アミノ-6-クロロ-o-クレゾール 0.1
HC青18 0.05
HC赤18 0.08
HC黄16 0.02
リン酸三ナトリウム 50.0
トウモロコシデンプン 100.0になるまで添加
【0185】
組成物Bは、表1に記載の通りである。組成物A:Bの混合質量比は1:10である。
【0186】
本発明実施例4
組成物A
質量%
HC青18 0.05
HC赤18 0.08
HC黄16 0.02
リン酸三ナトリウム 50.0
トウモロコシデンプン 100.0になるまで添加
【0187】
組成物Bは、表1に記載の通りである。組成物A:Bの混合質量比は1:10である。
【国際調査報告】