(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】内燃エンジン用マフラー
(51)【国際特許分類】
F01N 1/08 20060101AFI20240920BHJP
F01N 13/08 20100101ALI20240920BHJP
F01N 3/24 20060101ALI20240920BHJP
B62M 7/02 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
F01N1/08 H
F01N13/08 B
F01N13/08 A
F01N3/24 J
F01N1/08 B
F01N3/24 N
F01N13/08 G
B62M7/02 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519328
(86)(22)【出願日】2022-09-26
(85)【翻訳文提出日】2024-05-27
(86)【国際出願番号】 IB2022059116
(87)【国際公開番号】W WO2023052963
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】102021000024923
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514151524
【氏名又は名称】ピアッジオ・アンド・シー.・エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】PIAGGIO & C. S.P.A.
【住所又は居所原語表記】Viale Rinaldo Piaggio, 25, 56025 Pontedera, PISA, Italy
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マゲリーニ,アドリアーノ
【テーマコード(参考)】
3G004
3G091
【Fターム(参考)】
3G004AA02
3G004BA01
3G004BA06
3G004CA06
3G004DA07
3G004DA09
3G004DA14
3G091AA03
3G091CA27
3G091HA46
3G091HB02
(57)【要約】
マフラー(7)は、主パイプ(27)と副パイプ(29)とに分離する排気ガス用吸気パイプ(21)を備える。さらに、マフラー(7)は、マフラー本体(31)を備える。マフラー本体(31)は、膨張容積(33)を区画し、主パイプ(27)および副パイプ(29)を少なくとも部分的に収容する。主パイプ(27)内には、絞り弁(41)が設けられる。排気ガス用吸気パイプ(21)内には、触媒装置(45)が設けられる。主パイプ(27)は、触媒装置(45)と絞り弁(41)との間に壁部(27A)を備え、壁部(27A)には、壁部の軸周りに配置された複数の入口孔(51)が設けられている。壁部(27A)は、外側スリーブ(53)によって取り囲まれており、外側スリーブ(53)および壁部(27)は、壁部(27A)を取り囲む環状チャンバ(57)を画定し、環状チャンバ(57)は、入口孔(51)を介して主パイプ(27)と流体連通し、外側スリーブ(53)に設けられた少なくとも1つの経路を介して副パイプ(29)と流体連通する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃エンジン用のマフラー(7)であって、
内燃エンジン(5)と流体連通するように適合された排気ガス用吸気ポート(23)を有する排気ガス用吸気パイプ(21)であって、分岐部(25)において、主パイプ(27)と副パイプ(29)とに分離する排気ガス用吸気パイプ(21)と、
膨張容積(33)を区画し、前記主パイプ(27)および前記副パイプ(29)を少なくとも部分的に収容するマフラー本体(31)であって、
・ 前記副パイプ(29)は、前記分岐部(25)の反対側に配置され、且つ前記膨張容積(33)内で終了する遠位端(29.2)を有し、
・ 前記主パイプ(27)は、前記分岐部(25)の反対側に配置され、且つ排気ガスを排出するために前記膨張容積(33)の外側で終了する排気ガス用出口(27.3)を形成する遠位端(27.2)を有する、
マフラー本体(31)と、
前記主パイプ(27)内に設けられ、前記排気ガスが前記主パイプ(27)に入るのを許容あるいは阻止するように選択的に適合された絞り弁(41)と、
前記吸気ポート(23)と前記分岐部(25)との間の前記排気ガス用吸気パイプ(21)内に設けられた触媒装置(45)と、
を備え、
前記主パイプ(27)は、前記触媒装置(45)と前記絞り弁(41)との間に壁部(27A)を備え、前記壁部(27A)には、前記壁部の軸周りに配置された複数の入口孔(51)が設けられており、前記壁部(27A)は、外側スリーブ(53)によって取り囲まれており、前記外側スリーブ(53)および前記壁部(27A)は、前記壁部(27A)を取り囲む環状チャンバ(57)を画定し、前記環状チャンバ(57)は、前記入口孔(51)を介して前記主パイプ(27)と流体連通し、前記外側スリーブ(53)に設けられた少なくとも1つの経路を介して前記副パイプ(29)と流体連通する、
マフラー(7)。
【請求項2】
前記マフラー本体(31)内に、前記副パイプ(29)と前記主パイプ(27)との間の接続路を備え、前記接続路は、前記排気ガスが前記副パイプ(29)から前記主パイプ(27)に流入するように適合される、請求項1に記載のマフラー(7)。
【請求項3】
前記入口孔(51)は、前記壁部(27A)の軸周りに、一定の距離または一定の角度ピッチで互いに間隔をあけて設けられる、請求項1または2に記載のマフラー(7)。
【請求項4】
前記壁部(27A)は、前記触媒装置(45)に対向する吸気端から前記絞り弁(41)に対向する出口端に向けてテーパ形状を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のマフラー(7)。
【請求項5】
前記触媒装置(45)は、前記排気ガス用の吸気開口部(45.1)および排気開口部(45.2)を有し、前記触媒装置の前記排気開口部(45.2)は、前記絞り弁(41)から、前記触媒装置の断面の最大寸法(D2)の4倍よりも短い距離、好ましくは前記触媒装置の断面の最大寸法(D2)の3倍よりも短い距離をおいて設けられる、請求項1~4のいずれか1項に記載のマフラー(7)。
【請求項6】
前記触媒装置(45)は、前記排気ガス用の吸気開口部(45.1)および排気開口部(45.2)を有し、前記触媒装置の前記排気開口部(45.2)は、前記分岐部(25)から、前記触媒装置の断面の最大寸法(D2)の3倍よりも短い距離、好ましくは前記触媒装置の断面の最大寸法(D2)の2倍よりも短い距離、より好ましくは前記触媒装置の断面の最大寸法(D2)に等しいかそれよりも短い距離をおいて設けられる、請求項1~4のいずれか1項に記載のマフラー(7)。
【請求項7】
前記入口孔(51)は、使用中に前記絞り弁(41)が少なくとも部分的に閉じられたときに、前記排気ガスが前記触媒装置(45)の断面全体を通って流れるように、好ましくは前記排気ガスが前記触媒装置の断面の各点でほぼ一定である容積流量で流れるように、構成および配置される、請求項1~6のいずれか1項に記載のマフラー(7)。
【請求項8】
前記入口孔(51)は、使用中に前記絞り弁(41)が閉じられたときに、前記排気ガスの流れが前記触媒装置の有用な断面全体でほぼ一定になるように構成および配置される
請求項1~7のいずれか1項に記載のマフラー(7)。
【請求項9】
前記入口孔(51)は、その各々が前記触媒装置(45)の前記排気開口部(45.2)と前記副パイプ(29)との間のそれぞれの経路を画定するように構成され、使用中に、前記排気ガスは、各前記経路でほぼ等しい圧力降下を受ける、請求項1~8のいずれか1項に記載のマフラー(7)。
【請求項10】
前記入口孔(51)の各々は、前記入口孔(51)とそれに近い前記外側スリーブに設けられた前記少なくとも1つの経路との間の距離の関数として変化する断面積を有し、前記断面積は、前記距離が大きくなるにつれて大きくなる、請求項1~9のいずれか1項に記載のマフラー(7)。
【請求項11】
少なくとも4つ、好ましくは少なくとも6つ、より好ましくは少なくとも8つの入口孔(51)を有する、請求項1~10のいずれか1項に記載のマフラー(7)。
【請求項12】
内燃エンジン(5)と、前記内燃エンジン(5)の排気部と流体連通する、請求項1~11のいずれか1項に記載のマフラー(7)とを備える原動機付車両(1)。
【請求項13】
鞍乗型の車両である請求項12に記載の原動機付車両(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃エンジン用マフラー、特に原動機付車両で使用されるマフラーの改良に関する。より詳細には、本明細書で開示される実施形態は、触媒装置を備えるマフラーに関する。
【背景技術】
【0002】
音の放出、すなわち内燃エンジンおよびそれが生成する排気ガスの排出によって引き起こされる騒音を低減するために、マフラー(サイレンサ)の使用が知られている。ここで、排気ガスは、大気中に排出される前に、反射、すなわち排気ガスが通る経路を適切に長くすることによって、および/または吸収、すなわちマフラー内を流れる排気ガスをグラスウールなどの吸音材に接触させることによって、パイプを通過する。
【0003】
周知のように、原動機付車両の分野では、音の放出、すなわち車両によって引き起こされる騒音に関する規制が定められている。これらの規制は、特に都市部での騒音公害を減らすことを目的としており、通常、エンジンは低速且つ限られた出力で運転される。規制によって規定された値は、内燃エンジンが最大出力で使用されない場合の日常的な使用状況をシミュレートしたものである。
【0004】
このため、ガスを大気中に排出する前に、適切な断面積のパイプを通過させるために、エンジンの回転速度に基づいて動作する絞り弁を備えたマフラーが知られている。
【0005】
国際公開第2018/083650号には、排気ガス用吸気パイプを有するマフラーが記載されている。吸気パイプは、分岐部において、主パイプ(main pipe)と副パイプ(secondary pipe)とに分離する。主パイプは、エンジンの回転数の関数として、開閉弁によって完全にまたは部分的に閉じられ、低速では、排気ガスが副パイプを通過するように強制される。主パイプおよび副パイプは、膨張容積を区画するマフラー本体内に少なくとも部分的に収容される。主パイプは、排気ガスを大気中に排出するための出口を画定する遠位端を有する。高速では、弁は開いており、排気ガスは主に主パイプ内を流れ、副パイプ内にはわずかしか流れない。
【0006】
副パイプは、その中を流れる排気ガスが、副パイプから前方に向けて大気中に直接出ることができず、主パイプと副パイプとを収容するマフラー本体によって区画された膨張容積内の副パイプと主パイプとを接続する曲がりくねった経路を通らざるを得ないように構成されている。
【0007】
この配置の目的は、エンジンが低速で運転されるとき、排気ガスの低流量が副パイプ内とその下流の主パイプ内を流れ、騒音の放出がより低減されることである。このようにして、マフラーは、エンジンの低速状態において、すなわち騒音の放出に関する規制がより厳しく制限される条件下で、騒音をより効率的に低減することができる。逆に、エンジンの高速状態および高出力状態において、弁が開き、排気ガスはり低い抵抗と低い圧力損失で、主に主パイプを通って流出する。この場合、騒音低減の効果は小さくなるが、高速状態および高出力状態において規制によってより高いレベルの騒音の放出が認められているので、これは欠点ではない。
【0008】
国際公開第2018/083650号に記載されているマフラーは非常に効率的であるが、さらに改善できる点もある。
【0009】
特に、吸気パイプを主パイプと副パイプとに分割する分岐部は、空間的な理由から触媒装置に近接して配置されているので、絞り弁が閉じられて排気ガスが主パイプ内を流れなくなったときに、触媒装置内では排気ガスの流量が不均一になる状態が生じる。特に、排気ガスは、ガス流の圧力損失がより低い、副パイプの口部に対向して配置されたその内側の容積において、触媒装置内を主に流れる。
【0010】
これは、触媒装置の不均一で非効率的な使用を伴う。
【0011】
特に、マフラーが取り付けられた原動機付車両が低速で長時間走行する場合(典型的には都市部での長距離走行)、触媒装置内の材料は、本質的に不均一に摩耗する。したがって、その内部材料の容積が部分的にしか利用されていなくても、触媒装置を交換する必要がある。
【0012】
周知のように、触媒装置の機能は、排気ガスの完全な酸化および減少を促進することで、排気ガスの有害な放出を減少させることである。そのため、触媒装置は本体を有し、その内部には数百の小さなチャネルが設けられ、その壁にはパラジウム、白金およびロジウムなどの貴金属が適用され、酸化および減少を触媒する。これらの金属は非常に高価であるため、触媒装置の早期交換を避けるためには、触媒装置の内部容積を効率的且つ均一に利用することが重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、先行技術のマフラーの欠点を少なくとも部分的に克服することによって、マフラーを改善する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
一態様によれば、内燃エンジン用のマフラーが提供される。マフラーは、分岐部において、主パイプと副パイプとに分離する排気ガス用吸気パイプを備える。また、マフラーは、膨張容積を区画し、主パイプおよび副パイプを少なくとも部分的に収容するマフラー本体を含む。副パイプは、分岐部の反対側に配置され、膨張容積内で終了する遠位端を有し、主パイプは、分岐部の反対側に配置され、排気ガスを排出するために膨張容積の外側で終了する排気ガス用出口を形成する遠位端を有する。主パイプ内には絞り弁が設けられる。絞り弁は、排気ガスの流れ方向に対して好ましくは分岐部の下流側に配置される。絞り弁は、エンジンの回転数に基づいて、排気ガスが主パイプに入るのを許容あるいは阻止するように選択的に適合される。また、マフラーは、吸気ポートと分岐部との間の排気ガス用吸気パイプ内に設けられた触媒装置を備える。
【0015】
先行技術のマフラーの欠点を低減するために、主パイプは、触媒装置と絞り弁との間に配置された壁部を備える。壁部には、壁部の軸周りに配置された複数の入口孔が設けられる。また、壁部は、外側スリーブによって取り囲まれている。壁部と外側スリーブは、壁部を取り囲む環状チャンバを画定する。環状チャンバは、入口孔を介して主パイプと流体連通し、外側スリーブに設けられた少なくとも1つの経路を介して副パイプと流体連通する。一部の実施形態において、環状チャンバは、外側スリーブに設けられた複数の経路を介して副パイプと流体連通する。
【0016】
この配置により、使用中に絞り弁が閉じられたときに、排気ガスは、触媒装置から環状チャンバを介して副パイプ内に流れる。環状チャンバと主パイプの壁に設けられた複数の入口孔の存在により、主パイプが閉じられているか、部分的に閉じられていても、触媒装置内の排気ガスの流れを最適化することができる。主パイプの軸周りに配置された複数の入口孔により、主パイプが閉じられているか部分的に閉じられていても、排気ガスは、その一部のみを通過するのではなく、触媒装置の断面全体をながれることができる。
【0017】
本質的には、複数の入口孔と、入口孔からの排気ガスを受容して副パイプに向けて搬送する環状チャンバは、触媒装置が分岐部の近くに配置されている場合であっても、低速での触媒装置内の排気ガスの流れを最適化する。典型的には、入口孔と、入口孔と副パイプとを接続する環状チャンバとが存在することにより、触媒装置の排気開口部が、触媒装置の有用な通路の断面の横方向の最大寸法の4倍よりも短い距離だけ分岐部から離間している場合であっても、低速時における触媒装置内の排気ガスの十分に均一な流れ分布が可能になる。特に、排気ガスの流れは、触媒装置から出る排気ガスの出口が分岐部から非常に短い距離、典型的には触媒装置の経路部分の横方向の最大寸法の2倍に等しいかそれより短い距離にある場合であっても触媒装置の断面全体に十分に均一に流れることが見出された。触媒装置の排気開口部の下流側で主パイプの軸周りに入口孔を円形に配置することで、出口が副パイプに向かう経路から、例えば触媒装置の断面、特に触媒装置の排気開口部の最大寸法に等しいか、それよりも短い距離だけ離間していても、触媒装置の断面全体において排気ガスの流れを十分に均一にすることができる。
【0018】
このようにして、サイレンサと触媒装置とを具備するマフラーを提供することができる。ここで、触媒装置の排気開口部は、絞り弁から、触媒装置の断面の最大寸法の3倍よりも短い距離、好ましくは触媒装置の断面の最大寸法の2倍よりも短い距離、より好ましくは触媒装置の断面の最大寸法に等しいかそれよりも短い距離をおいて配置される。
【0019】
また、本明細書に記載の実施形態において、触媒装置の排気開口部と分岐部、すなわち副パイプの吸気口との間の距離は、触媒装置の断面の最大寸法の3倍に等しいかそれよりも短く、好ましくは2倍に等しいかそれよりも短く、より好ましくは1倍に等しいかそれよりも短い。
【0020】
触媒装置が円形断面を有する場合、上述した断面の最大寸法は、直径に相当する。しかしながら、この断面は、非円形であり得、例えば楕円形であり得る。この場合、横方向の最大寸法は、その楕円の長軸に対応する。
【0021】
本明細書に記載の実施形態において、副パイプと主パイプとを接続するための接続路がマフラー本体内に設けられる。接続路によって、排気ガスが副パイプから主パイプに流入することができる。
【0022】
有利な実施形態において、触媒装置の断面全体における排気ガスの流れの特に効果的な分布を達成するために、入口孔は、ほぼ一定の距離だけ、またはほぼ一定の角度ピッチだけ互いに間隔をあけて壁部の軸周りに配置される。
【0023】
排気ガスの流れの均一な分布、すなわち触媒装置内の材料の均一な利用を高い効率で達成するために、入口孔は、例えば、使用中に絞り弁が少なくとも部分的に閉じられたときに、排気ガスが触媒装置の断面全体を通って流れるように、好ましくは排気ガスが触媒装置の断面の各点でほぼ一定である容積流量で流れるように、構成および配置される。入口孔は、例えば、使用中に絞り弁が閉じられたときに、排気ガスの流れが触媒装置の有用な断面全体でほぼ一定になるように構成および配置される。
【0024】
一部の実施形態において、入口孔は、その各々が触媒装置の排気開口部と副パイプとの間のそれぞれの経路を画定するように構成される。ここで、使用中に、排気ガスは、各経路において、ほぼ等しい圧力降下を有する。
【0025】
一部の実施形態において、各入口孔は、有利には、入口孔と、環状チャンバと副パイプとの間の接続部を形成する外側スリーブに設けられた経路との間の距離に応じて変化する断面積を有する。より詳細には、入口孔の断面積は、入口孔と経路との間の距離が大きくなるにつれて大きくなる。このようにして、例えば、環状チャンバと副パイプとを接続する経路に近い方の入口孔は、隣接する入口孔の断面積よりも小さい断面積を有する。経路から遠い副パイプ寄りの入口孔は、最大の断面積を有する。
【0026】
このようにして、距離の増加によって特定の入口孔と環状チャンバから副パイプへの経路との間に生じる圧力降下の増加は、入口孔の断面に集中する圧力降下の低下によってバランスが保たれる。
【0027】
触媒装置の経路の断面における排気ガスの速度および流量を均一にする効果は、入口孔の数が大きくなるにつれて増大する。したがって、少なくとも4つ、好ましくは6つ、より好ましくは8つの入口孔が設けられ得る。ただし、触媒装置における排気ガスの流れをさらに均一にするために、より多くの数の入口孔を設けることも可能である。入口孔の数は、入口孔の断面積に基づいて変化され得る。特に、入口孔が小さいほど、その数は大きくなる。入口孔の面積全体が同じである場合、入口孔の数が大きいほど(すなわちその寸法が小さいほど)圧力降下が高くなることを考慮すると、触媒装置の断面における排気ガスの流れをより均一にするために、一部の実施形態では、非円形であるが接線方向の寸法が大きい断面を有する、限られた数の入口孔が使用されてもよい。
【0028】
さらなる態様によれば、内燃エンジンと上述したようなマフラーとを有するユニットが提供される。該ユニットは、特に、原動機付車両の推進ユニットであり得る。
【0029】
本発明のさらなる目的は、例えば、特に上述したような内燃エンジンおよびマフラーを備える、2つ、3つ、または4つの車輪を有するスクータまたはモータサイクルのような傾斜する鞍乗型の原動機付車両を提供することであるが、これに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明は、本発明の非限定的な実施形態に関する以下の詳細な説明および図面により明確になるであろう。
【
図1】本発明のマフラーを有するエンジンを設置することができる、傾斜する車両、特にモータサイクルを示している。
【
図2】一実施形態による本発明のマフラーの側面図および部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1には、本発明によるマフラーを使用することができる原動機付車両の例示的な実施形態として、モータサイクル1が模式的に示されている。モータサイクル1は、フレーム3を有し、その上に内燃エンジン5が搭載される。その排気ポートは、マニホールド9を介してマフラー7に結合される。モータサイクルのシート(saddle)は参照符号11、ハンドルバーは参照符号13、前輪は参照符号15、および後輪は参照符号16によって示されている。なお、ここに図示された原動機付車両は、本発明のマフラー7が接続され得る内燃エンジンを有する原動機付車両のうちの1つに過ぎないことに留意されたい。
【0032】
図2は、一実施形態によるマフラー7の側面図および部分断面図である。マフラー7は、内燃エンジン5と流体連通するように適合された排気ガス用吸気ポート23を有する排気ガス用吸気パイプ21を備える。図に示す実施形態において、排気ガス用吸気ポート23は、マニホールド9に接続される。排気ガス用吸気パイプ21は、分岐部25において、主パイプ27と副パイプ29とに分離する。
【0033】
主パイプ27および副パイプ29は、マフラー本体31内で延在する。マフラー本体31は、排気ガス用膨張容積33を区画し、主パイプ27および副パイプ29を少なくとも部分的に収容する。
【0034】
図2に示す実施形態において、副パイプ29は、分岐部25に設けられた近位端29.1と、分岐部25の反対側に配置され、マフラー本体31内に形成された膨張容積33で終了する遠位端29.2と、を有する。実用的な実施形態において、副パイプ29の遠位端29.1は、膨張容積33内、すなわちマフラー本体31内に設けられる。そのため、副パイプ29は、マフラー本体31外の環境と直接流体連通していない。これにより、副パイプ29を通過させられ、主パイプ27の通過が阻止されたときの、マフラーが適用されるエンジンの騒音の放出を低減させる効果を増大させることができる。
【0035】
そのため、図に示す実施形態では、遠位端29.2において、副パイプ29が前部29.3で閉じられている。排気ガスが副パイプ29から膨張容積33に流入することができるように、副パイプ29を画定する管状壁の少なくとも一部は、排気ガス用出口ポート29.4を有する。出口ポート29.4は、副パイプ29の内部と膨張容積33とを流体連通する。図に示す実施形態において、出口ポート29.4は、副パイプ29の遠位端29.2に近い部分に設けられる。
【0036】
主パイプ27は、分岐部25に設けられた近位端27.1と、分岐部の反対側にある遠位端27.2、とを有する。遠位端27.2は、膨張容積33およびマフラー本体31の外側で終了する排気ガス用出口27.3を形成し、排気ガスを大気に排出する。
【0037】
主パイプ27は、マフラー本体31内に延在するその少なくとも一部において、複数のポート27.4および27.5を有する。これらのポートは、主パイプ27の内部と膨張容積33とを流体連通する。
【0038】
図に示す実施形態において、膨張容積33は、中間仕切り部35によって2つのサブ容積に分割される。ポート27.4は、主パイプ27の内部とさらに上流側にあるサブ容積とを流体連通し、ポート27.5は、主パイプ27の内部と矢印F、Fl、およびF2で示される排気ガスの流れ方向に対してさらに下流側にあるサブ容積とを流体連通する。
【0039】
マフラー本体31の内部には、例えば、ほぼ円筒形の主パイプ27および副パイプ29の周りに延在するほぼ円筒形の壁37や、副パイプ29の周りに延在するさらなる円筒形の壁39のような追加の構成要素が設けられてもよい。参照符号37.1および39.1は、円筒形の壁37および39を貫通して設けられた連通ポートをそれぞれ示している。
【0040】
マフラー本体31の内部の様々なポートおよび壁は、副パイプ29の内部から主パイプ27の内部への排気ガス用経路を画定する。なお、マフラー本体31の内部に含まれる特定の構造は、上述したものよりも著しく変化し得ることに留意されたい。図に示す実施形態において、副パイプ29の内部からポート29.4、ポート39.1、およびポート27.5を通る排気ガスのために経路が設けられている。
【0041】
しかしながら、添付の図面に示されているマフラー本体31の内部構造は、単に非限定的な例として示されているものである。すなわち、マフラー本体31およびその内部の構成要素は、以下で詳述する主パイプ27および副パイプ29の機能を常に維持しながら、異なる形状を有することができる。
【0042】
マフラー本体31の特定の内部形状とは無関係に、副パイプ29の内部と主パイプ27の内部に設けられた経路によって、副パイプ29内を流れる排気ガスが遠位端27.2を通って出ることができる。
【0043】
マフラー本体31の内部に画定された膨張容積33の少なくとも一部は、ロックウールまたは他の吸音材で充填されている。これは、使用中のマフラー7の騒音の放出を低減させる。
【0044】
さらに、マフラー7は、主パイプ27内に設けられた絞り弁41を備える。絞り弁41は、排気ガスが主パイプ27に入るのを許容あるいは阻止するように選択的に適合されている。図に示す実施形態において、絞り弁41は、
図2の平面に直交する回転軸41Aを中心に回転するように制御され、双方向矢印f41が示す方向に従った回転運動を行うことで、主パイプ27を開閉する。
【0045】
絞り弁41は、分岐部25またはその下流側にある主パイプ27内に適切に設けられる。
【0046】
例えば国際公開第2018/083650号に記載されているように、絞り弁41は、エンジン5の動作条件に従って既知の方法で制御される。一般に、非限定な一例として、後述するように排気ガスの経路を変更するために、エンジン5が所与の回転数を上回ると絞り弁41は開かれ、エンジン5が所与の回転数を下回ると絞り弁41は閉じられる。
【0047】
マフラー1は、吸気ポート23と分岐部25との間で、排気ガス用吸気パイプ21内に設けられた触媒装置45を備える。一般に、触媒装置は、好ましくは円形断面の円筒形の形状を有してもよく、吸気パイプ21の吸気ポート23に面する吸気開口部45.1と、分岐部25および絞り弁41に面する排気開口部45.2とを有する。
【0048】
マフラー7をコンパクトにするために、触媒装置45は、分岐部25および絞り弁41の近傍に設けられる。好ましくは、触媒装置の排気開口部45.2と分岐部25との間の距離は、有用な触媒装置の断面45の直径の3倍に等しいかそれよりも短い。触媒装置の有用な断面45は、排気ガスが通過することができる断面である。触媒装置の有用な断面45が円形の形状を有さない場合、触媒装置45の排気開口部45.2と分岐部25との間の距離は、断面の最大寸法の3倍に等しいかそれよりも短い。例えば、断面が楕円形の場合、最大寸法は、楕円の長軸に相当する。好ましくは、触媒装置45の排気開口部45.2と分岐部25との間の距離は、断面の最大寸法の2倍に等しいかそれよりも短い。図に示す実施例において、この距離は、触媒装置45の横方向の最大寸法(すなわち直径)よりも短い。
【0049】
触媒装置45と絞り弁41との間の分岐部25の領域において、主パイプ27は、壁部27Aの軸周りに配置された複数の入口孔51が設けられた壁部27Aを備える。図に示す実施形態において、壁部27Aは、触媒装置45に面する吸気端から、絞り弁41に面する出口端に向けてテーパ形状を有する頂部が平面で切断されたほぼ円錐形状を有する。
【0050】
主パイプ27の壁部27Aは、外側スリーブ53に取り囲まれている。主パイプ27の壁部27Aおよび外側スリーブ53は、主パイプ27の壁部27Aを取り囲む環状チャンバ57を形成する。
【0051】
環状チャンバ57は、入口孔51を介して主パイプ27と流体連通し、外側スリーブ53内に設けられた少なくとも1つの経路59を介して副パイプ29と流体連通する。図に示す実施形態において、環状チャンバ57と副パイプ29とを流体連通するために経路59のみが設けられているが、環状チャンバ57と副パイプ29とを流体連通するために、より多くの経路59が設けられ得る。
【0052】
図2に示すように、経路59は、触媒装置45の排気開口部45.2から最短距離の点を有する。線P-Pは、主パイプ27の軸に直交し、経路59のうち触媒装置45の排気開口部45.2に近い点を通る平面の軌跡を示している。DIは、平面P-Pと触媒装置45の排気開口部45.2の中心との間の距離を示している。実際、距離DIは、触媒装置45の排気開口部45.2と分岐部25との間の距離である。
【0053】
好ましくは、距離DIは、触媒装置の有用な断面45の最大寸法D2の3倍に等しいかそれよりも短く、好ましくは最大寸法D2の2倍に等しいかそれよりも短い。図に示す実施例において、距離DIは、触媒装置の断面45の最大寸法D2よりも短い。
【0054】
触媒装置45が変化する断面を有する場合、上述したサイズ比は、触媒装置の有用な断面を参照する。
【0055】
上述したサイズ比は、実質的に、触媒装置45が分岐部25の近傍にあることを実質的に示している。ここで、触媒装置45は、特定の解決策が採用されない場合には、主パイプ27が閉じられたときに、触媒装置45の内部で特定の流れ状態が生じるように分岐部25から離間している。この流れ状態では、触媒装置の断面全体45においてほぼ均一な速度場を確保するのに十分な長さのパイプが存在しないため、排気ガスは、触媒装置の内部容積の一部においてのみ流れる。
【0056】
先行技術の装置において、触媒装置の内部の材料の不均一で不完全な利用をもたらすこの欠点を回避するために、環状チャンバ57には、環状チャンバ57と主パイプ27および触媒装置45とを流体連通する入口孔51が設けられる。
【0057】
上述したマフラー7の動作は以下の通りである。エンジン5が高速、すなわち高回転数で回転すると、絞り弁41が開く。排気ガスは、主パイプ27に沿ってマフラー本体31に直接流入し、出口27.3から出る。排気ガスの最小部分は、入口孔51および環状チャンバ57を通過して、副パイプ29に流入し、そこから膨張容積33を通って主パイプ27に流入することができる。この経路に沿った圧力降下が主パイプ27に沿った圧力降下よりも著しく大きいため、排気ガスの流れの最小部分のみが入口孔51を通過する。
【0058】
触媒装置45を通る排気ガスの速度場は、その断面全体においてほぼ均一である。
【0059】
エンジン5が低速、すなわち低回転数で回転すると、絞り弁41は閉じられて、排気ガスは主パイプ27に流入することができない。したがって、排気ガスは、入口孔51、環状チャンバ57、経路59、副パイプ29、膨張容積33の内部の副パイプ29と主パイプ27との間の経路を通って流れ、最後に出口27.3から出る。
【0060】
触媒装置45の排気開口部45.2と副パイプ29に向かう経路59との間で、排気ガスは複数の入口孔51を通って流れるように矯正される。その結果、排気ガスの速度場は、触媒装置の有用な断面45全体を通してほぼ均一となり、経路59の前の領域に集中することはない。
【0061】
この結果は、排気ガスが入口孔51を通って流れるときに生じる圧力降下が各入口孔について等しくなるのではなく、経路59からの距離が大きくなるにつれて小さくなるように、入口孔51の寸法を決めることでさらに改善され得る。経路59、すなわち副パイプ29の開口から遠い入口孔51は、経路59に近い入口孔よりも大きい断面を有することができる。これにより、各入口孔51と経路59との間の経路の長さが異なることによって生じる圧力降下のバランスを保つことができる。
【0062】
好ましくは、入口孔51は、一定のピッチ、すなわち壁部27A上で一定の距離だけ互いに間隔をあけて、あるいは主パイプ27の壁部27Aの軸周りで一定の角度ピッチで分布している。
【0063】
わずか3つまたは4つ入口孔51によって、絞り弁41が閉じられているときの、触媒装置45を通る排気ガスの流れの均一性を改善することができる。しかしながら、入口孔51の数を増やすことにより、触媒装置内の排気ガスの流れの速度場をより均一にすることができる。入口孔51の数を6つ以上、好ましくは8つ以上、例えば10以上にすることで、触媒装置内の流れの状態を大幅に改善することができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃エンジン用のマフラー(7)であって、
内燃エンジン(5)と流体連通するように適合された排気ガス用吸気ポート(23)を有する排気ガス用吸気パイプ(21)であって、分岐部(25)において、主パイプ(27)と副パイプ(29)とに分離する排気ガス用吸気パイプ(21)と、
膨張容積(33)を区画し、前記主パイプ(27)および前記副パイプ(29)を少なくとも部分的に収容するマフラー本体(31)であって、
・ 前記副パイプ(29)は、前記分岐部(25)の反対側に配置され、且つ前記膨張容積(33)内で終了する遠位端(29.2)を有し、
・ 前記主パイプ(27)は、前記分岐部(25)の反対側に配置され、且つ排気ガスを排出するために前記膨張容積(33)の外側で終了する排気ガス用出口(27.3)を形成する遠位端(27.2)を有する、
マフラー本体(31)と、
前記主パイプ(27)内に設けられ、前記排気ガスが前記主パイプ(27)に入るのを許容あるいは阻止するように選択的に適合された絞り弁(41)と、
前記吸気ポート(23)と前記分岐部(25)との間の前記排気ガス用吸気パイプ(21)内に設けられた触媒装置(45)と、
を備え、
前記主パイプ(27)は、前記触媒装置(45)と前記絞り弁(41)との間に壁部(27A)を備え、前記壁部(27A)には、前記壁部の軸周りに配置された複数の入口孔(51)が設けられており、前記壁部(27A)は、外側スリーブ(53)によって取り囲まれており、前記外側スリーブ(53)および前記壁部(27A)は、前記壁部(27A)を取り囲む環状チャンバ(57)を画定し、前記環状チャンバ(57)は、前記入口孔(51)を介して前記主パイプ(27)と流体連通し、前記外側スリーブ(53)に設けられた少なくとも1つの経路を介して前記副パイプ(29)と流体連通する、
マフラー(7)。
【請求項2】
前記マフラー本体(31)内に、前記副パイプ(29)と前記主パイプ(27)との間の接続路を備え、前記接続路は、前記排気ガスが前記副パイプ(29)から前記主パイプ(27)に流入するように適合される、請求項1に記載のマフラー(7)。
【請求項3】
前記入口孔(51)は、前記壁部(27A)の軸周りに、一定の距離または一定の角度ピッチで互いに間隔をあけて設けられる、請求項
1に記載のマフラー(7)。
【請求項4】
前記入口孔(51)は、前記壁部(27A)の軸周りに、一定の距離または一定の角度ピッチで互いに間隔をあけて設けられる、請求項
2に記載のマフラー(7)。
【請求項5】
前記壁部(27A)は、前記触媒装置(45)に対向する吸気端から前記絞り弁(41)に対向する出口端に向けてテーパ形状を有する、請求項
1のいずれか1項に記載のマフラー(7)。
【請求項6】
前記壁部(27A)は、前記触媒装置(45)に対向する吸気端から前記絞り弁(41)に対向する出口端に向けてテーパ形状を有する、請求項
2または3のいずれか1項に記載のマフラー(7)。
【請求項7】
前記触媒装置(45)は、前記排気ガス用の吸気開口部(45.1)および排気開口部(45.2)を有し、前記触媒装置の前記排気開口部(45.2)は、前記絞り弁(41)から、前記触媒装置の断面の最大寸法(D2)の4倍よりも短い距離、好ましくは前記触媒装置の断面の最大寸法(D2)の3倍よりも短い距離をおいて設けられる、請求項1~5のいずれか1項に記載のマフラー(7)。
【請求項8】
前記触媒装置(45)は、前記排気ガス用の吸気開口部(45.1)および排気開口部(45.2)を有し、前記触媒装置の前記排気開口部(45.2)は、前記分岐部(25)から、前記触媒装置の断面の最大寸法(D2)の3倍よりも短い距離、好ましくは前記触媒装置の断面の最大寸法(D2)の2倍よりも短い距離、より好ましくは前記触媒装置の断面の最大寸法(D2)に等しいかそれよりも短い距離をおいて設けられる、請求項1~
5のいずれか1項に記載のマフラー(7)。
【請求項9】
前記入口孔(51)は、使用中に前記絞り弁(41)が少なくとも部分的に閉じられたときに、前記排気ガスが前記触媒装置(45)の断面全体を通って流れるように、好ましくは前記排気ガスが前記触媒装置の断面の各点でほぼ一定である容積流量で流れるように、構成および配置される、請求項
1~5のいずれか1項に記載のマフラー(7)。
【請求項10】
前記入口孔(51)は、使用中に前記絞り弁(41)が閉じられたときに、前記排気ガスの流れが前記触媒装置の有用な断面全体でほぼ一定になるように構成および配置される
請求項
1~5のいずれか1項に記載のマフラー(7)。
【請求項11】
前記入口孔(51)は、その各々が前記触媒装置(45)の前記排気開口部(45.2)と前記副パイプ(29)との間のそれぞれの経路を画定するように構成され、使用中に、前記排気ガスは、各前記経路でほぼ等しい圧力降下を受ける、請求項1~
5のいずれか1項に記載のマフラー(7)。
【請求項12】
前記入口孔(51)の各々は、前記入口孔(51)とそれに近い前記外側スリーブに設けられた前記少なくとも1つの経路との間の距離の関数として変化する断面積を有し、前記断面積は、前記距離が大きくなるにつれて大きくなる、請求項1~
5のいずれか1項に記載のマフラー(7)。
【請求項13】
少なくとも4つ、好ましくは少なくとも6つ、より好ましくは少なくとも8つの入口孔(51)を有する、請求項1~
5のいずれか1項に記載のマフラー(7)。
【請求項14】
内燃エンジン(5)と、前記内燃エンジン(5)の排気部と流体連通する、請求項1~
5のいずれか1項に記載のマフラー(7)とを備える原動機付車両(1)。
【請求項15】
鞍乗型の車両である請求項
14に記載の原動機付車両(1)。
【国際調査報告】