(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】グラップルを備える作業機械からのペイロードの移送を正確に判定するシステム、方法、および装置
(51)【国際特許分類】
E02F 9/20 20060101AFI20240920BHJP
E02F 9/22 20060101ALI20240920BHJP
E02F 3/36 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
E02F9/20 Q
E02F9/22 P
E02F3/36 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519355
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(85)【翻訳文提出日】2024-03-28
(86)【国際出願番号】 EP2022025442
(87)【国際公開番号】W WO2023051949
(87)【国際公開日】2023-04-06
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505236469
【氏名又は名称】キャタピラー エス エー アール エル
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中本 洋造
(72)【発明者】
【氏名】青木 路男
(72)【発明者】
【氏名】白仁 啓介
(72)【発明者】
【氏名】村田 康一
(72)【発明者】
【氏名】田中 健介
【テーマコード(参考)】
2D003
2D012
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB04
2D003BA01
2D003BA02
2D003BA06
2D003CA02
2D003DA04
2D003DB04
2D003DB05
2D003DB08
2D003FA02
2D012DA03
(57)【要約】
グラップルを備える作業機械からのペイロードの移送を正確に判定するシステム、方法、および装置
システム、方法、および装置は、作業機械(12)の作業器具(24)からのペイロードの適切な移送を正確に判定することができる。そのようなシステム、方法、および装置は、作業器具(24)に関するペイロード排出イベントの発生を識別し、ペイロード排出イベントの発生を識別した時点における作業器具(24)の位置が、事前設定された作業エリア内にあるか、事前設定された排出エリア内にあるかを判定し、作業器具(24)の位置が作業エリア内にあると判定される第1のケースでは、ペイロード排出イベントを排出資材ペイロードの集計への登録から除外し、作業器具の位置が排出エリア内にあると判定される第2のケースでは、ペイロード排出イベントを集計に登録することができる。排出資材ペイロードの集計は、荷重排出イベントに関連する荷重量だけ増加し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械(12)であって、
シャーシ(13)と、
前記シャーシ(13)によって支持されたオペレータステーション(42)であって、オペレータインターフェース(44)と、前記作業機械(12)を制御するための手動制御デバイスと(46)、を含む、オペレータステーション(42)と、
前記シャーシ(13)によって支持された、グラップル(38)の形の作業器具(24)であって、前記作業器具(24)および前記オペレータステーション(42)は、前記作業機械(12)の俯瞰平面図における軸を中心として回転可能であり、前記グラップル(38)は、最も外側の位置と最も内側の位置との間でそれぞれ半径方向に伸縮可能である、作業器具(24)と、
コントローラ(402)であって、
前記手動制御デバイス(46)を使用するオペレータ入力に応じて前記作業器具(24)の動きを制御することと、
前記作業機械(12)に関する所定の作業エリアおよびダンプエリアに対して、前記作業エリアと前記ダンプエリアとの間の少なくとも1つの事前設定された境界によって画定される前記グラップル(38)の位置を判定することと、
前記グラップル(38)に掛かる荷重の減少に基づいて、前記グラップル(38)に関する候補ダンプイベントを識別することと、
前記候補ダンプイベントの前記識別に応じて、前記グラップル(38)の判定された前記位置が前記作業エリア内にあるか前記ダンプエリア内にあるかを判定することと、
前記候補ダンプイベントの前記識別の時点で、前記グラップル(38)の判定された前記位置が前記作業エリア内にある第1のケースでは、前記候補ダンプイベントを無効ダンプイベントと評価し、ダンプ資材のペイロードのカウントを維持することと、
前記候補ダンプイベントの前記識別の時点で、前記グラップル(38)の判定された前記位置が前記ダンプエリア内にある第2のケースでは、前記候補ダンプイベントを有効ダンプイベントと評価し、前記ダンプ資材のペイロードのカウントを増加させることと、を行うように構成されている、コントローラ(402)と、を備える作業機械(12)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの事前設定された境界は、前記軸を取り囲む円の円周を含み、前記円周の内側が前記作業エリアを構成し、前記円の外側が前記ダンプエリアを構成する、請求項1に記載の作業機械(12)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの事前設定された境界は、前記軸を取り囲む円の第1の半径の第1の部分を含む、請求項1に記載の作業機械(12)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの事前設定された境界は、前記円の前記第1の半径の前記第1の部分から所定の角度だけ離れた前記円の第2の半径の第2の部分を含む、請求項3に記載の作業機械(12)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの事前設定された境界は、前記俯瞰平面図における前記グラップル(38)の所定の開始角度からの角度によって画定される、請求項1に記載の作業機械(12)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの事前設定された境界は、少なくとも2つの事前設定された境界を含み、前記少なくとも2つの事前設定された境界は、前記軸を取り囲む円のセグメントを形成する、請求項1に記載の作業機械(12)。
【請求項7】
前記コントローラ(402)は、前記候補ダンプイベントを識別する前に、前記オペレータインターフェース(44)への入力に応じて、前記少なくとも1つの事前設定された境界を設定するように構成されている、請求項1に記載の作業機械(12)。
【請求項8】
前記コントローラ(402)は、グラップル(38)解放コマンドが、前記オペレータインターフェース(44)または前記手動制御デバイス(46)を介していつ発行されたかを判定するように構成され、
前記グラップル(38)に関する前記候補ダンプイベントの前記識別は、前記グラップル(38)解放コマンドが発行されたかどうかに関する前記判定にさらに基づく、請求項1に記載の作業機械(12)。
【請求項9】
前記コントローラ(402)は、前記候補ダンプイベントが前記無効ダンプイベントと評価された場合、直後の候補ダンプイベントを判定し、前記直後の候補ダンプイベントを前記有効ダンプイベントと評価し、前記ダンプ資材のペイロードのカウントを増加させるように構成されている、請求項1に記載の作業機械(12)。
【請求項10】
作業器具(24)としてグラップル(38)またはクラムシェルを有する作業機械(12)からのペイロードの適切な移送を正確に判定する方法であって、前記方法は、
コントローラ(402)を使用して、前記作業機械(12)のオペレータインターフェース(44)への入力に応じて、前記作業機械(12)の周囲の作業エリアおよび排出エリアを設定することと、
前記コントローラ(402)を使用して、前記グラップル(38)上の荷重が少なくとも所定値だけ減少したことに基づいて、前記作業器具(24)に関する荷重排出イベントの発生を識別することと、
前記作業機械(12)の位置センサを使用して、前記荷重排出イベントの前記発生の前記識別の時点における前記作業器具(24)の位置を検出することと、
前記コントローラ(402)を使用して、前記荷重排出イベントの前記発生の前記識別の前記時点における前記作業器具(24)の検出された前記位置が、前記作業エリア内にあるか前記排出エリア内にあるかを判定することと、
前記コントローラ(402)を使用して、前記荷重排出イベントの前記発生の前記識別の前記時点において検出された前記位置が前記作業エリア内にあると判定される第1のケースでは、総排出資材ペイロードを維持することと、
前記コントローラ(402)を使用して、前記荷重排出イベントの前記発生の前記識別の前記時点において検出された前記位置が前記排出エリア内にあると判定される第2のケースでは、前記総排出資材ペイロードを増加させ、メモリ(408)に保存することであって、前記総排出資材ペイロードは前記荷重排出イベントの荷重量だけ増加される、ことと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業機械の作業器具からの適切なペイロードの移送を正確に判定または識別することに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2001-91345号公報(「JP’345公報」)は、積込み作業中の運搬物の荷重計測を自動的に高精度に行うことができる油圧ショベルの作業量モニタ装置について記載している。より具体的には、JP’345公報は、運搬物をすくい取り、運搬するために使用する旋回操作中にバケット内部の荷重を計測し、運搬物が排出された後の旋回操作中にバケット内部の荷重を計算する、荷重計測手段が設置されることについて記載している。JP’345公報はまた、2つの旋回操作中の荷重間の荷重差が所定値以上のとき、およびバケットダンプ操作が旋回方向の規定された角度範囲で実行されたとき、荷重計測指令を出力するバケットダンプ操作検出手段が設置されることについて記載している。JP’345公報はさらに、荷重計測指令が出力されたとき、バケットダンプ操作直前の荷重を移送される物体の荷重として計測する荷重計測手段が設置されることについて記載している。
【0003】
しかしながら、バケットがそのペイロードをダンプするために関節運動をいつ行ったかを感知するための回転センサ(例えば、異方性磁気抵抗(AMR)センサ)が関連付けられている従来のバケットを有する油圧ショベルにおける、ペイロードを扱うための方法論(例えば、荷重容量、荷重計算、荷重測定など)の適用が、グラップルまたはクラムシェルのいずれかの形の作業器具を有するショベル、またはバケットがそのペイロードをダンプするために関節運動をいつ行ったかを感知するための回転センサを有しないショベルには適用可能ではない場合がある。例えば、資材が所望のダンプまたは排出ポイントまたはエリアに到達する前に作業器具から落下した場合に、オペレータが資材を再度把持する場合に、誤カウントが発生する場合がある。すなわち、たとえ同じ資材が、最初に意図された位置に最終的に排出されたとしても、従来のシステムは、資材の落下と再把持を異なる資材の2回の堆積としてカウントする場合がある。
【発明の概要】
【0004】
開示される主題の1つ以上の実施形態の態様によれば、1つ以上のプロセッサによって実行されると1つ以上のプロセッサに方法を実行させる命令が記憶された非一時的コンピュータ可読記憶媒体が開示される、または実現される。本方法は、作業機械の作業器具に関するペイロード排出イベントの発生を識別することと、ペイロード排出イベントの発生を識別した時点における作業器具の位置が事前設定された作業エリア内にあるか、事前設定された排出エリア内にあるかを判定することと、ペイロード排出イベントの発生を識別した時点における作業器具の位置が作業エリア内にあると判定される第1のケースでは、ペイロード排出イベントを排出資材ペイロードの集計への登録から除外することと、ペイロード排出イベントの発生を識別した時点における作業器具の位置が排出エリア内にあると判定される第2のケースでは、ペイロード排出イベントを排出資材ペイロードの集計に登録することであって、排出資材ペイロードの集計は、荷重排出イベントに関連付けられた荷重量の分だけ増加される、ことと、を含むことができる。
【0005】
開示される主題の1つ以上の実施形態の他の態様では、作業器具としてグラップルまたはクラムシェルを有する作業機械からの適切なペイロードの移送を正確に判定する方法が開示または実現される。本方法は、コントローラを使用して、作業機械のオペレータインターフェースへの入力に応じて作業機械の周囲に作業エリアおよび排出エリアを設定することと、コントローラを使用して、グラップル上の荷重が少なくとも所定値だけ減少したことに基づいて作業器具に関する荷重排出イベントの発生を識別することと、作業機械の位置センサを使用して、荷重排出イベントの発生を識別した時点における作業器具の位置を検出することと、コントローラを使用して、荷重排出イベントの発生を識別した時点における作業器具の検出された位置が作業エリア内にあるか排出エリア内にあるかを判定することと、コントローラを使用して、荷重排出イベントの発生を識別した時点における検出された位置が作業エリア内にあると判定される第1のケースでは、総排出資材ペイロードを維持することと、コントローラを使用して、荷重排出イベントの発生を識別した時点における検出された位置が排出エリア内にあると判定される第2のケースでは、総排出資材ペイロードを増加させ、メモリに保存することであって、総排出資材ペイロードは、荷重排出イベントの荷重量の分だけ増加される、ことと、を含むことができる。
【0006】
そして、開示される主題の1つ以上の実施形態の他の態様では、作業機械が開示され得る、または提供され得る。作業機械は、シャーシと、シャーシによって支持されたオペレータステーションであって、オペレータインターフェースと、作業機械を制御するための手動制御デバイスとを含む、オペレータステーションと、シャーシによって支持された、グラップルの形の作業器具であって、作業器具およびオペレータステーションは、作業機械の俯瞰平面図における軸を中心として回転可能であり、グラップルは、最も外側の位置と最も内側の位置との間で半径方向に伸縮可能である、作業器具と、コントローラと、を備えることができる。コントローラは、手動制御デバイスを使用するオペレータ入力に応じて作業器具の動きを制御することと、作業機械に関する所定の作業エリアおよびダンプエリアに対して、作業エリアとダンプエリアとの間の少なくとも1つの事前設定された境界によって画定されるグラップルの位置を判定することと、グラップルに掛かる荷重の減少に基づいて、グラップルに関する候補ダンプイベントを識別することと、候補ダンプイベントを識別したことに応じて、グラップルの判定された位置が作業エリア内にあるかダンプエリア内にあるかを判定することと、候補ダンプイベントを識別した時点におけるグラップルの判定された位置が作業エリア内にある第1のケースでは、候補ダンプイベントを無効ダンプイベントと評価し、ダンプ資材のペイロードのカウントを維持することと、候補ダンプイベントを識別した時点におけるグラップルの判定された位置がダンプエリア内にある第2のケースでは、候補ダンプイベントを有効ダンプイベントと評価し、ダンプ資材のペイロードのカウントを増加させることと、を行うように構成することができる。
【0007】
本開示の他の特徴および態様が、以下の説明および添付図面から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】開示される主題の1つ以上の実施形態によるシステムの図である。
【
図2】開示される主題の1つ以上の実施形態による制御システムのブロック図である。
【
図3】開示される主題の1つ以上の実施形態による例示的なオペレータインターフェースを示す。
【
図4】開示される主題の1つ以上の実施形態による例示的なオペレータインターフェースを示す。
【
図5】開示される主題の1つ以上の実施形態による例示的なオペレータインターフェースを示す。
【
図6】開示される主題の1つ以上の実施形態による例示的なオペレータインターフェースを示す。
【
図7】開示される主題の1つ以上の実施形態による例示的なオペレータインターフェースを示す。
【
図8A】開示される主題の1つ以上の実施形態による作業機械の例示的な動作の図である。
【
図8B】開示される主題の1つ以上の実施形態による作業機械の例示的な動作の図である。
【
図9】開示される主題の1つ以上の実施形態による方法のブロック図である。
【
図10】開示される主題の1つ以上の実施形態による別の方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
開示される主題の実施形態が、作業機械の作業器具からの適切なペイロードの移送を正確に判定または識別することを伴い得る。加えて、または代わりに、開示される主題の実施形態が、作業器具からのペイロードの不適切な移送を正確に判定または識別することを伴い得る。
【0010】
図1は、開示される主題の1つ以上の実施形態によるシステム10の図である。システム10は、作業用機械または作業機械12、および任意選択のバックオフィスシステム50を含むことができる。
【0011】
森林用グラップルであってもよい作業機械12は、可動式であっても非可動式であってもよい。一実施形態では、作業機械12は、鉱業、建設、農業、運輸、林業などの特定の産業に関連するいくつかの種類の作業を実施する機械(例えば、車両)を含んでもよいが、これらに限定されず、例えば、建設現場、鉱区、森林、発電所、高速道路上での用途、海洋用途、解体用途(車両の把持、および投棄または解体など)などの作業環境の間で、またはこれら作業環境内で動作する。
【0012】
作業機械12は、フレームまたはシャーシ13、作業器具システム14、駆動システム16、ならびに作業器具システム14および駆動システム16に電力を供給する電力システム18を含むことができる。作業機械12はまた、制御システム40を含むことができる。
【0013】
電力システム18は、エンジン20、例えば内燃エンジンを含むことができる。代替的実施形態では、電力システム18は、電気モータ、燃料電池、バッテリ、ウルトラキャパシタ、発電機などの追加のまたは他の電源を含んでもよい。
【0014】
駆動システム16は、トランスミッションおよび地上推進デバイスを含んでもよい(作業機械12が可動式の場合)。トランスミッションは、電力システム18と地上推進デバイスとの間で力を伝達できる任意のデバイスまたはデバイスのグループを含んでもよい。トランスミッションは、機械式トランスミッション、ギア、ベルト、プーリー、ディスク、チェーン、ポンプ、モータ、クラッチ、ブレーキ、トルクコンバータ、流体カップリングなどのうちの1つ以上を含んでもよい。1つ以上の実施形態によれば、推進デバイスはトラック22を含むことができる。代替的実施形態では、推進デバイスは加えてまたは代わりに車輪を含んでもよい。
【0015】
任意選択で、オペレータステーション42がシャーシ13上に設けられてもよく、またはシャーシ13によって支持されてもよい。オペレータステーション42には、オペレータインターフェース44と、作業機械12を制御するための手動制御デバイス46とを設けることができる。オペレータインターフェース44および手動制御デバイス46は、制御システム40に動作可能に結合され得る。任意選択で、オペレータインターフェース44および手動制御デバイス46の一方または両方を制御システム40の一部と見なすことができる。
【0016】
オペレータインターフェース44は、例えばオペレータインターフェース44の一部または全部を提供するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を表示するように動作する、例えば表示デバイス上に実現された、または表示デバイスとして実現された、制御パネルであってもよい。開示される主題の実施形態によれば、このようなオペレータインターフェース44は、複数の表示デバイスを使用して実現されてもよい。手動制御デバイス46の非限定的な例が、1つ以上のジョイスティックであるか、またはそれを含むが、開示される主題の実施形態はそれに限定されない。代わりに、オペレータステーション42(したがって、オペレータインターフェース44および手動制御デバイス46)は、作業機械12の外部に、例えばバックオフィスシステム50に設けられてもよい。
【0017】
手動制御デバイス46は、例えば駆動システム16に対する、シャーシ13、オペレータステーション42、および作業器具システム14の回転を制御することができる。以下でより詳細に説明するように、そのような回転は、作業機械12の俯瞰平面図における軸を中心とする回転であってもよい。さらに、そのような回転は、スイング、具体的には作業器具システム14のスイングと称することができる、または作業器具システム14のスイングとして特徴付けることができる。
【0018】
手動制御デバイス46はまた、シャーシ13(および駆動システム16)に対する作業器具システム14の動きを制御してもよい。例えば、手動制御デバイス46を操作して、作業器具システム14を、最も外側の位置または最も伸びた位置に、すなわちシャーシ13および/またはオペレータステーション42からできるだけ離れた位置に移動させてもよい。同様に、手動制御デバイス46を操作して、作業器具システム14を、最も内側の位置または最も伸びていない位置に、すなわち制限が許容する限りシャーシ13および/またはオペレータステーション42に近づけるように移動させることができる。作業器具システム14のそのような移動は、半径方向であると特徴付けることができる、または半径方向であると考えることができる。したがって、作業器具システム14は、最も外側の位置と最も内側の位置との間で半径方向に伸縮可能であり得る。
【0019】
作業器具システム14は、作業現場で作業を実施できる作業器具24を含むことができる。作業器具システム14は、任意の部材およびリンク機構、ならびにオペレータ、自律システム、または他の入力の関数として部材およびリンク機構を作動させる任意のシステムおよび制御装置を含んで、作業器具24を操作し、作業現場で作業を実施することができる。1つ以上の実施形態では、作業器具システム14は、ブーム26、スティック28、コネクタ継手30、少なくとも1つのブームシリンダアセンブリ32、油圧シリンダペアアセンブリ34、リンケージペア36、およびそれぞれの枢動点で枢動可能な一対のグラップルトング38を含むことができる、またはそれらに動作可能に結合できる。したがって、作業器具システム14は、シャーシ13によって直接的または間接的に支持され得る(ブーム26、スティック28などが作業器具システム14の一部と見なされない場合)。
【0020】
作業器具24は、
図1に示すように、クラムシェルまたはグラップルであってもよく、またはそれらを含んでもよい。作業器具24としてのグラップルまたはクラムシェルの場合、任意選択で、作業器具システム14は、そのペイロードをダンプまたは排出するためのグラップルトング38(またはシェル)の開きを感知する位置センサを有しない場合がある。代わりに、開示される主題の実施形態によれば、作業器具24はバケットであってもよく、これは、作業器具システム14または作業機械12が、例えばスティック28とバケットとの間に、バケットがその荷重をダンプまたは排出するために、いつ傾いたかまたは回転したかを判定するための位置センサ(例えば、異方性磁気抵抗(AMR)センサなどの角回転センサ)等を含まない、またはそのような位置センサを有しない限りにおいて当てはまる。そのような位置センサ(例えば、AMRセンサ)が設けられている場合であっても、オペレータは、オペレータインターフェース44を使用して設定にアクセスして、そのような位置センサからのいかなる信号をも無効にすることができる。1つ以上の実施形態によれば、この設定は、AMRセンサなどからのいかなる信号伝達も無効にすることができる、いわゆる「フリー」状態設定であってもよい。
【0021】
付随して、開示される主題の1つ以上の実施形態による作業器具24のペイロードは、例として、木材、解体予定の車両、または既に解体された車両であり得る。任意選択で、開示される主題の実施形態によれば、土砂または土壌など(例えば、他の微細物質または粒状物質)は、作業器具24のペイロードを構成しない場合がある。
【0022】
任意選択で、作業機械12は通信システム48を有することができる。通信システム48は、例えば無線で、バックオフィスシステム50、および/または作業現場の他の機械もしくは車両、例えば作業現場の1つ以上の運搬トラックなどと通信することができる。通信システム48は、回路内で、または回路を使用して実現することができる。他の情報またはデータの中でも、荷重またはペイロードデータは、通信システム48を介して、作業機械12から、例えばバックオフィスシステム50に送信され得る。
【0023】
ここで、
図2を参照すると、
図2は、開示される主題の1つ以上の実施形態による制御システム40のブロック図である。制御システム40は、制御回路内で実現され得るまたは制御回路を使用して実現され得るコントローラ402、1つ以上のオペレータ入力404、通信ユニット406、メモリ408、1つ以上のディスプレイ410、および1つ以上のセンサ412を含むことができる。制御システム40はまた、オーディオシステムまたはユニット414を含んでもよい。
【0024】
メモリ408は、コントローラ402に動作可能に結合されてもよく、
図2に示すようにコントローラ402の外部に存在してもよく、および/またはコントローラ402の内部に、すなわちコントローラ402の一部として存在してもよい。一般に、メモリ408は、作業機械12の動作に関するデータまたは情報を受信し、その中に保存することができる。一例として、メモリ408は、1つ以上の適切な排出場所またはダンプ場所において、作業器具24から排出またはダンプされた資材ペイロードの合計または集計を受信し、その中に保存することができる。
【0025】
通信ユニット406は、通信システム48であってもよい(または通信システム48の一部であってもよい)。これに関して、通信ユニット406は、荷重またはペイロードデータなどの情報またはデータをバックオフィスシステム50に送信するための送信回路を含むことができる。任意選択で、通信ユニット406は、情報またはデータを、例えばバックオフィスシステム50から受信するための受信回路を有することができる。通信ユニット406は、例えば無線で、バックオフィスシステム50、および/または作業現場の他の機械もしくは車両、例えば作業現場の1つ以上の運搬トラックなどと通信することができる。任意選択で、1つ以上の実施形態によれば、例えばメモリ408から取得された、1つ以上の適切な排出またはダンプ場所において作業器具24から排出またはダンプされた資材ペイロードの合計または集計が、通信ユニット406を介してバックオフィスシステム50に送信されてもよく、バックオフィスシステム50において保存されてもよい。通信ユニット406はまた、例えばバックオフィスシステム50および/または作業現場における他の機械もしくは車両から、データまたは情報(命令を含む)を受信してもよい。
【0026】
オーディオユニット414は、例えばオペレータステーション42に設けられた1つ以上のオーディオスピーカから構成されて、作業機械12のオペレータに警報などの可聴情報を出力してもよい。一例として、オーディオユニット414は、作業機械12によって積載されている運搬トラックが満杯になったことを知らせる可聴警報を出力することができる。
【0027】
1つ以上のセンサ412は、軸を中心とする作業器具システム14(およびシャーシ13)の回転またはスイングに関連する位置センサと、特に、例えばシャーシ13に対する作業器具24の位置を識別するための、作業器具システム14の関節動作、すなわち作業器具システム14の伸縮に関連する位置センサと、作業器具24上のペイロードまたは追加された荷重を感知するための荷重感知センサとを含むことができる。荷重感知センサは、ペイロードが、例えば初期荷重値に至るまで減少したことを感知して、排出またはダンプイベントが発生したことを示すため使用することもできる。任意選択で、排出またはダンプイベントは、例えば手動制御デバイス46またはオペレータインターフェース44を使用して、オペレータによって開始されるグラップル解放コマンドの同時発生によって検証されてもよい。上述したように、1つ以上のセンサ412は、作業器具24が、そのペイロードをダンプまたは排出するために、いつ傾いたかまたは回転したかを判定するための、スティック28の縁部と作業器具24との間の位置センサ(例えば、角回転センサ)等を、事実上または実際に、含まない場合がある。1つ以上のセンサ412からの出力が、コントローラ402にフィードバックされてもよい。任意選択で、1つ以上のセンサ412のうちの少なくとも1つからの情報がディスプレイ410上に表示されてもよい。
【0028】
オペレータ入力404は、オペレータインターフェース44および/または手動制御デバイス46であり得る(またはその一部であり得る)。オペレータインターフェース44へのオペレータ入力は、作業エリア、および作業機械12に隣接するダンプまたは排出エリアを設定または定義するものであり得る。これは、オペレータインターフェース44を使用して作業エリアと排出エリアとの間に1つ以上の境界を設定することを伴ってもよい。オペレータインターフェース44へのオペレータ入力は、開示される主題の実施形態による、作業機械12の正確なペイロード移送制御動作を有効化または起動するためのものであり得る。手動制御デバイス46へのオペレータ入力は、作業機械12の動作を制御するためのものであり得る。例えば、手動制御デバイス46へのオペレータ入力は、軸を中心とする作業器具システム14(およびシャーシ13)の回転またはスイング、作業器具システム14の関節運動、すなわち、シャーシ13に対する作業器具システム14の伸縮、ならびに作業器具24による把持および解放、を制御することができる。コントローラ402は、手動制御デバイス46へのオペレータ入力に応答して、様々なシステム構成要素(例えば、油圧システム、電気システム等)に制御信号を出力して、作業機械12の動きを制御することができる。
【0029】
1つ以上の実施形態によれば、ディスプレイ410デバイスのうちの1つ以上の少なくとも1つが、オペレータインターフェース44を構成するか、またはオペレータインターフェース44の一部であり得る。これに関して、そのような少なくとも1つのディスプレイ410は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を表示するように動作する表示デバイス上で実現されてもよい。任意選択で、1つ以上のディスプレイ410は、警報、例えば、作業機械12によって積載されている運搬トラックが満杯であることを示す警報を出力してもよい。
【0030】
図3~
図7は、開示される主題の1つ以上の実施形態による、少なくとも1つのディスプレイ410上に提供されてもよい、またはグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を表示するように動作可能な表示デバイス上に実現されてもよい、例示的なオペレータインターフェース44を示す。
【0031】
図3に示すように、ディスプレイ410はメニュー420を表示してもよい。一般に、メニュー420は、機能メニューもしくはリストと称されてもよい、または機能メニューもしくはリストとして特徴付けられてもよい。他の機能の中でも、メニュー420は、開示される主題の実施形態による、ダンプまたは排出境界スイング角度機能を有効化または起動するためのオプション422を表示することができる。オプション422は、特定のタイプの作業器具24が使用される場合にメニュー420上に表示されてもよい。上述したように、そのような特定のタイプの作業器具24は、グラップル、クラムシェル、またはバケットであってもよく、そのような場合では、バケットがその荷重をダンプまたは排出するために、いつ傾いたかまたは回転したかを判定するための、スティック28の縁部とバケットとの間の位置センサ(例えば、角回転センサ)等を有しない。この例では、オプション422は、ダンプまたは排出境界スイング角度機能のステータスを示す。オペレータは、メニュー420に入力を提供して、ダンプまたは排出境界スイング角度機能のステータスを変更すること、例えばオンからオフにまたはその逆に切り替えることができる。
【0032】
オペレータはまた、オプション422に入力を提供して、ダンプまたは排出境界スイング角度機能に関するさらなる情報にアクセスし、さらには作業器具24の1つ以上のスイング角度を設定(または再設定)して、作業エリアから、排出またはダンプエリア(およびデフォルトで作業エリア)、または少なくとも排出またはダンプエリア間の移行部または境界(スイング角度が1つだけ設定されている場合)を画定してもよい。例えば、
図4は、オプション422にアクセスした時点での1つのスイング角度の設定を表示するディスプレイ410を示す一方で、
図5は、オプション422にアクセスした時点での2つのスイング角度の設定を表示するディスプレイ410を示す。スイング角度は、作業器具24の回転角度または旋回角度と呼ばれることもある。
【0033】
スイング角度(単数または複数)は、ディスプレイ410への入力を介して設定されてもよい。例えば、オペレータは、作業器具24のスイング位置を制御して、所望のダンプまたは排出エリア、例えば運搬トラックが作業器具24からペイロードを受け取ることになるエリアまたは受け取る予定のエリアの縁部に対して位置決めされるようにしてもよい。いったん作業器具24がその位置に配置されると、設定された角度に到達するためにいったん排出エリア内に入ったら、所望の境界を左または右のどちらにスイングさせる必要があるかに応じて、オペレータは、スイング左角度アイコン423またはスイング右角度アイコン424のいずれかを選択して、特定のスイング角度を設定することができる。任意選択で、
図4に示すように、左スイング角度または右スイング角度のうちの一方だけが設定されてもよい。代わりに、
図5に示すように、オペレータは、左スイング角度または右スイング角度の一方を設定した後に、作業器具24を制御して別の角度にスイングさせて、左スイング角度または右スイング角度の他方を設定してもよい。
【0034】
図4および
図5に示すように、設定されたスイング角度は、ディスプレイ410上の作業機械アイコン425上に見えてもよい。単一スイング角度を設定する場合、円または点の形であってもよい単一スイング角度マーキングSAが、作業機械アイコン425上で、設定されたスイング角度において見えてもよい。スイング左角度アイコン423またはスイング右角度アイコン424に関連してディスプレイ410上に示される角度の数値は、作業機械12の作業器具24のベース角度または開始角度に対する相対的な値であってもよい。ベース角度または開始角度はゼロ角度に正規化されてもよい。もちろん、40度の設定は単なる一例にすぎない。設定されたスイング角度は、左または右に関係なく、(作業エリアまたは把持エリアから)排出エリアへの進入を定義することができる。
【0035】
ここで、
図4に示す例では、角度ゼロは12時の位置にあるが、開示される主題の実施形態はそれに限定されない。したがって、この例では、左スイング角度は12時の位置から(時計回りに)40度に設定される。
【0036】
図5に示すように2つのスイング角度を設定する場合、円弧の形であってもよいスイング角度範囲マーキングSARが、作業機械アイコン425上の、2つの設定されたスイング角度の間の設定されたスイング角度範囲に表示されてもよい。スイング角度範囲マーキングSARは、排出またはダンプエリアのスイング角度範囲を示すことができる(作業エリアは、円弧の外側にある残りの角度として定義できる)。
【0037】
図5に示す例では、左スイング角度は12時の位置から(時計回りに)40度に設定されており、右スイング角度は12時の位置から(時計回りに)100度に設定されている。したがって、排出エリアは40度から100度の間のスイング角度に設定できる。
【0038】
ある意味、スイング左角度は、作業器具24が作業エリアから時計回りに移動する場合に到達することになる第1のスイング角度として参照されるか特徴付けられてもよく、スイング右角度は、作業器具24が時計回りに移動する場合に到達することになる第2のスイング角度として参照されるか特徴付けられてもよい。作業器具24が反対方向にスイングする場合は、その逆が当てはまり得る。
【0039】
ここで、
図7および
図8を参照すると、ディスプレイ410のメニュー420はまた、開示される主題の実施形態による、ダンプまたは排出境界前方距離機能を有効化または起動するためのオプション426を表示してもよい。前方距離は、作業器具24がダンプまたは排出エリアに到達するために半径方向に関節運動するかまたは伸長される必要がある量を指すことができる。そのようなオプション426は、特定のタイプの作業器具24が使用される場合にメニュー420上に表示されてもよい。上述したように、特定のタイプの作業器具24は、グラップル、クラムシェル、またはバケットであってもよく、そのような場合では、バケットがその荷重をダンプまたは排出するために、いつ傾いたかまたは回転したかを判定するための、スティック28の縁部とバケットとの間の位置センサ(例えば、角回転センサ)等を有しない。この例では、オプション426はダンプまたは排出境界前方距離機能のステータスを示すことができる。オペレータは、メニュー420に入力を提供して、ダンプまたは排出境界前方距離機能のステータスを変更すること、例えばオンからオフにまたはその逆に切り替えることができる。
【0040】
オペレータはまた、メニュー420のオプション426に入力を提供して、ダンプまたは排出境界前方距離機能に関するもっと多くの情報にアクセスすることができ、さらに作業機械12の周囲に排出またはダンプエリア(および、デフォルトで作業エリア)を定義するためにダンプまたは排出境界を設定(または再設定)することさえできる。オプション426にアクセスすると、少なくとも初期的には、ダンプまたは排出境界前方距離の現在の設定が示され得る。
図7に示す例では、作業器具システム14の回転軸Aからの距離を2.0mに設定している。この例では、軸Aは作業機械アイコン425上に示されている。
【0041】
ダンプまたは排出境界前方距離は、ディスプレイ410への入力を介して設定されてもよい。例えば、オペレータは、所望のダンプまたは排出エリア、例えば、運搬トラックが作業器具24からペイロードを受け取ることになるエリアまたは受け取る予定のエリアの縁部に対して作業器具24が半径方向に延びる量を制御してもよい。いったん作業器具24がその位置に配置されると、オペレータは、ダンプエリア境界アイコン427を選択して、ダンプまたは排出境界前方距離値を設定することができる。この距離は、作業機械12の周囲全体に対して設定されてもよい。したがって、ダンプまたは排出境界前方距離値の半径を有する円を作業機械12の周囲に画定して、円の円周の内側の作業エリアと円の円周の外側のダンプエリアとを描画することができる。
【0042】
さらに
図7に示されるように、設定されたダンプまたは排出境界前方距離値は、ディスプレイ410上の作業機械アイコン425上に表示されてもよい。
図7に示す例では、作業機械アイコン425の周囲全体に対して設定された前方距離マーキングFDをディスプレイ410に表示することができる。
【0043】
図5および
図6、ならびに対応する説明が、スイング角度を設定する実施形態について論じており、
図7および対応する説明が、前方距離を設定する実施形態について論じているが、開示される主題の実施形態はいずれか一方に限定されない。むしろ、2つの方法論を組み合わせてもよい。具体的には、オペレータは、ダンプまたは排出境界前方距離を、スイング角度のうちの1つまたは両方と組み合わせて、両方を設定できる。したがって、ユーザによって設定されたダンプまたは排出エリアの境界は、スイング角度と半径/円周とに基づいて定義されてもよい。一例では、ダンプまたは排出エリアは、選択されたスイング角度に応じて虹の形となる場合がある。
【産業上の利用可能性】
【0044】
上述したように、開示される主題の実施形態が、作業機械の作業器具からのペイロードの適切な移送を正確に判定または識別することを伴い得る。加えて、または代わりに、開示される主題の実施形態が、作業器具からのペイロードの不適切な移送を正確に判定または識別することを伴い得る。開示される主題の実施形態は、作業機械12などの作業機械がペイロードを拾い上げることができる作業または把持エリアを、作業機械12がペイロードをダンプできる排出またはダンプエリアから分離することができる。作業機械12の作業器具24が排出エリア内にあると判定された場合にのみペイロードの排出をカウントすることにより、排出、特に排出エリア外で行われた排出の誤カウントを防止することができる。しかしながら、作業機械12が排出エリアにあると判定された場合であっても、作業機械12が排出エリア内でペイロードを掴んで持ち上げた場合には、ペイロードをカウントしない場合がある。これは、ダンプされた(例えば、トラック等に積載された)ペイロードが排出エリアにおいて再配置または積み直された場合に、既にカウントされているペイロードが二重にカウントされることを防止するためである。この場合、ダンプ資材のペイロードのカウントは、排出エリアを出て再び排出エリアに入ることにより、増加する場合がある。
【0045】
開示される主題の実施形態による作業機械12などの作業機械は、オペレータステーション42を有することができる。オペレータステーション42には、オペレータインターフェース44と、作業機械12を制御するため手動制御デバイス46とを設けることができる。オペレータインターフェース44および手動制御デバイス46は、制御システム40に動作可能に結合され得る。オペレータインターフェース44は、例えばオペレータインターフェース44の一部または全部を提供するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を表示するように動作する表示デバイス上に実現された、または表示デバイスとして実現された、制御パネルであってもよい。このようなオペレータインターフェースは、複数の表示デバイスを使用して実現されてもよい。代わりに、オペレータステーション42(したがって、オペレータインターフェース44および手動制御デバイス46)は、作業機械12の外部に、例えばバックオフィスシステム50に設けられてもよい。
【0046】
手動制御デバイス46は、例えば駆動システム16に対する、シャーシ13、オペレータステーション42、および作業器具システム14の回転を制御することができる。そのような回転は、作業機械12の俯瞰平面図における軸を中心とする回転であってもよい。手動制御デバイス46はまた、シャーシ13に対する作業器具システム14の動きを制御してもよい。例えば、手動制御デバイス46を操作して、作業器具システム14を、最も外側の位置または最も伸びた位置に(すなわちシャーシ13および/またはオペレータステーション42からできるだけ離れた位置に)移動させてもよく、作業器具システム14を、最も内側の位置または最も伸びていない位置に(すなわち制限が許容する限りシャーシ13および/またはオペレータステーション42に近づけるように)移動させてもよい。そのような移動は、半径方向であると特徴付けることができる、または半径方向であると考えることができる。したがって、作業器具システム14は、最も外側の位置と最も内側の位置との間で半径方向に伸縮可能であり得る。
【0047】
作業器具24は、
図1に示すように、クラムシェルまたはグラップルであってもよく、またはそれらを含んでもよい。作業器具24としてのグラップルまたはクラムシェルの場合、任意選択で、作業器具システム14は、そのペイロードをダンプまたは排出するためのグラップルトング38(またはシェル)の開きを感知する位置センサを有しない場合がある。代わりに、開示される主題の実施形態によれば、作業器具24はバケットであってもよく、これは、作業器具システム14または作業機械12が、例えばスティック28とバケットとの間に、バケットがその荷重をダンプまたは排出するために、いつ傾いたかまたは回転したかを判定するための位置センサ(例えば、異方性磁気抵抗(AMR)センサなどの角回転センサ)等を含まない、またはそのような位置センサを有しない限りにおいて当てはまる。そのような位置センサ(例えば、AMRセンサ)が設けられている場合であっても、オペレータは、オペレータインターフェース44を使用して設定にアクセスして、そのような位置センサからのいかなる信号をも無効にすることができる。1つ以上の実施形態によれば、この設定は、AMRセンサなどからのいかなる信号伝達も無効にすることができる、いわゆる「フリー」状態設定であってもよい。
【0048】
上述したように、作業機械12の周囲の作業エリア、および排出またはダンプエリアは、例えば、オペレータインターフェース44を使用して設定することができる。作業エリアは、把持エリアと呼ばれてもよく、または把持エリアとして特徴付けられてもよく、そこでは作業機械12が木材などのペイロードを拾い上げるかまたは再び把持して、別のエリアに、例えば運搬トラックに排出またはダンプする。ペイロードが排出またはダンプされると想定されるエリアは、排出またはダンプエリアと呼ばれることがある。さらに、オペレータが排出またはダンプエリアの境界を具体的に設定できるという点で、そのようなエリアは、適切な排出またはダンプエリアと呼ばれることがある。一般に、把持エリアおよびダンプエリアは、1つ以上のスイング角度によっておよび/または半径方向距離によって、作業機械12から分離することができる。排出またはダンプエリアは、少なくとも一部のペイロード輸送に関しては事前に設定できるという点で、作業エリア、および排出またはダンプエリアは、事前設定された境界によって画定される現在エリアと呼ぶことができる、またはそのように特徴付けることができる。
【0049】
図9は、開示される主題の1つ以上の実施形態による方法900のブロック図である。一般に、方法900は、上述したように、作業機械12の排出またはダンプエリア、したがって作業または把持エリアを設定することを表すことができる。902において、本方法は、オペレータインターフェース44などのオペレータインターフェースへの入力を受信して、スイング角度および/またはダンプまたは排出境界前方距離を設定することができる。904において、オペレータインターフェースへの入力に応じて、排出またはダンプエリアと作業または把持エリアとの間の境界が設定され得る。排出/ダンプエリアは、ディスプレイ410などのディスプレイ上に表示されてもよい。方法900の一部または全てを、命令を記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体を介して実施することができ、命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに方法900を実行させる。
【0050】
図10は、開示される主題の1つ以上の実施形態による方法1000のブロック図である。動作に関して、方法1000は、1002において、作業エリア、および排出またはダンプエリアを判定することを伴ってもよい。一例として、コントローラ402は、そのような情報をメモリ408から参照してもよく、読み出してもよい。
【0051】
作業器具24が事前設定された作業エリア内にある場合、作業機械12は、作業器具24が作業エリア内の資材を排出またはダンプエリアに輸送するために把持する、把持または拾い上げイベントを識別することができる。一例として、コントローラ402は、作業器具がペイロードを拾い上げる、または把持するにつれて、作業器具24に掛かる荷重の増加を示す荷重信号を受信することができる。荷重(または重量)信号は、作業器具システム14の対応するセンサから提供されてもよい。
【0052】
ペイロードがある場合、作業器具24は、上記で設定された所定の排出またはダンプエリアに向かって移動することができる。作業器具24のそのような移動は、作業機械12の軸Aを中心とする、作業器具24をスイングまたは回転によるもの、および/または作業器具を作業機械12の軸Aから離れる方向に半径方向に伸長させることによるものであり得る。
【0053】
ペイロードを有する作業器具24が排出エリアに向かって移動している際に、荷重排出イベントが発生する場合がある。このような荷重排出イベントは、候補ダンプイベントと呼ばれる場合もある。荷重排出イベントは、コントローラ40により、作業器具システム14の荷重(または重量)センサからの信号に基づいて検出されてもよい。1つ以上の実施形態によれば、作業器具システム14上の荷重が所定量だけ減少したこと、または荷重が製品モデルに基づいて事前設定され得る最小ペイロード値未満であるというイベントが、コントローラ402により判定されて、荷重排出イベント(または候補ダンプイベント)を構成する。例えば、荷重排出イベントは、荷重の測定目標重量が変化して事前設定された閾値を下回ったとき(すなわち、荷重が軽くなったとき)、および任意選択でサムホイールの開閉を観察することにより検出されてもよい。任意選択で、例えばオペレータインターフェース44または手動制御デバイス46を介して発行されるグラップル解放コマンドの存在が、コントローラ402によって考慮されて、荷重排出イベントが判定または確認されてもよい。付随して、グラップル解放コマンドは、解放イベントが検出されたかどうかを表すことができる。
【0054】
1004において、方法1000は、例えば作業機械12(例えば、作業器具システム14)の1つ以上の位置センサを使用して、荷重排出イベント(または候補ダンプイベント)を検出した時点における作業器具24の位置を検出または判定することを含むことができる。一例として、コントローラ402は、荷重排出イベント(または候補ダンプイベント)を検出した時点における作業器具24の位置に関する位置信号を、作業機械12(例えば、作業器具システム14)の1つ以上の位置センサから受信することができる。
【0055】
1006において、方法1000は、荷重排出イベント(または候補ダンプイベント)を検出した時点において検出された作業器具24の位置が、作業エリア内にあるか排出エリア内にあるかを判定することを含むことができる。一例として、コントローラ402は、作業器具の位置情報を排出エリアの事前設定された境界と比較してもよい。
【0056】
荷重排出イベントが作業エリアで発生した、すなわち排出エリアでは発生していないと判定された場合、荷重排出イベント(または候補ダンプイベント)は適切な排出としては無効化されてもよい。すなわち、荷重排出イベントが、発生すると想定されていた場所で発生しなかったこと、例えば運搬トラックの外側で発生したことが識別されてもよい。したがって、ダンプ資材のペイロードのカウントまたは集計が、コントローラ402によって増加されない場合がある。むしろ、ダンプ資材のペイロードのカウントまたは集計を維持すること、または登録から省略することができる。ダンプ資材のペイロードのカウントまたは集計は、メモリ408に格納されてもよく、更新されなくてもよい。
【0057】
荷重排出イベントが排出エリアで発生したと判定された場合、荷重排出イベント(または候補ダンプイベント)は適切な排出として有効化されてもよい。すなわち、荷重排出イベントが、発生すると想定された場所、例えば運搬トラックの内側で発生したことが識別され得る。したがって、方法1000の1010において、ダンプ資材のペイロードのカウントまたは集計は、コントローラ402によって増加されてもよい。ダンプ資材のペイロードのカウントまたは集計は、作業器具システム14の荷重/重量センサから測定されるような、特定のペイロードの特定の量だけ増加されてもよい。更新されたダンプ資材のペイロードのカウントまたは集計は、メモリ408に保存されてもよい。任意選択で、ダンプ資材のペイロードのカウントまたは集計は、更新されるごとに、作業機械12のオフボードに、例えばバックオフィスシステム50に送信されてもよい。任意選択で、1つ以上の実施形態によれば、そのような増加、すなわち有効な排出のカウントは、作業器具24が依然として排出エリア内にあるときに実施され得る。すなわち、ダンプ資材のペイロードは、作業器具24が作業エリアに戻る必要なしに判定されてもよい。ダンプ資材のペイロードのそのようなカウントは、自動的に実施されてもよい。付随して、例えば、作業器具24が排出エリア内に荷重を排出するときに、ダンプ資材のペイロードが増加する可能性があることをオペレータに示すために、オペレータインターフェース44上のアイコンまたは警報が起動してもよい。
【0058】
任意選択で、コントローラ402は、ダンプ資材のペイロードのカウントの現在の集計に基づいて、どれだけの量の資材が排出エリアに排出されたかを追跡することができる。それゆえ、コントローラ402は、作業器具24からのペイロードが適切に排出されたこと起因して、運搬トラックなどの特定の車両が満杯になったことを知り、識別することができる。
【0059】
ここで、
図8Aおよび
図8Bを参照すると、これらの図は、開示される主題の1つ以上の実施形態による作業機械12の例示的な動作の図である。
【0060】
図8Aは、設定されたスイング角度SAに関する一例を示す。とりわけ、作業器具24は、運搬トラックに排出される資材をスイングする目的で資材を把持することができる。資材は、運搬トラックに到達する前に作業器具24からが落ちる場合があり、拾い上げる必要があり得る。オペレータは、資材が運搬トラックに到達しなかったことを認識しているかも知れない。しかしながら、作業器具24に掛かる荷重が低減されたことに起因して、システムは、あるいは、ダンプ資材のペイロードのカウントの集計にペイロードの量を追加する場合がある。代わりに、候補排出イベントがスイング角度SA境界によって画定される排出エリアの外側で発生するので、システムはダンプ資材のペイロードのカウントの集計にペイロードを追加しないことを認識することができる。むしろ、排出イベントが排出エリア内で発生したと判定された後にのみ、ペイロードがダンプ資材のペイロードのカウントの集計に追加されることになる。
【0061】
図8Bに示す動作は
図8Aに示す動作と同様であるが、
図8Bにおける動作は、作業機械12の周囲の前方距離マーキングFDによって示される設定された前方距離に関する。とりわけ、前方距離マーキングFDによって示される前方距離内で発生する排出イベントが、ダンプ資材のペイロードのカウントの集計に追加されなくてもよい一方で、前方距離マーキングFDによって示される前方距離の外側、すなわち排出エリアで発生する排出イベントが、ダンプ資材のペイロードのカウントの集計に追加されてもよい。
【0062】
当業者によって理解されるように、本開示の態様は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具現化されてもよい。したがって、本開示の態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態をとってもよく、本明細書では、これら全てが一般に「回路」、「回路構成」、または「システム」と呼ばれる場合がある。さらに、本開示の態様は、コンピュータ可読プログラムコードが組み込まれた1つ以上のコンピュータ可読媒体において具現化されたコンピュータプログラム製品の形態をとってもよい。
【0063】
1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが利用されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、または半導体のシステム、装置、またはデバイス、または前述の任意の適切な組み合わせであり得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(網羅的ではないリスト)としては、1つ以上のワイヤを有する電気的接続、ポータブルコンピュータのディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、またはこれらの任意の適切な組み合わせが挙げられる。この書類の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって使用される、またはそれらと関連して使用されるためのプログラムを含むまたは記憶することができる任意の有形媒体であり得る。
【0064】
コンピュータ可読信号媒体は、例えばベースバンドで、または搬送波の一部として、コンピュータ可読プログラムコードが組み込まれた伝播データ信号を含み得る。このような伝播信号は、電磁、光学、またはそれらの任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない、様々な形態のいずれかを取り得る。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、かつ命令実行システム、装置、もしくはデバイスによって、またはそれらと関連して使用するための、プログラムを通信、伝搬、または伝送することができる、任意のコンピュータ可読媒体であり得る。
【0065】
コンピュータ可読媒体上に具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、ラジオ波など、または前述したものの任意の好適な組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意の適切な媒体を用いて伝送されてもよい。本開示の態様に関する動作を実施するためのコンピュータプログラムコードは、オブジェクト指向プログラミング言語、および従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれ得る。プログラムコードは、スタンドアローンソフトウェアパッケージとして、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で実行されてもよく、部分的にユーザのコンピュータ上で、部分的にリモートコンピュータ上で実行されてもよく、または完全にリモートコンピュータもしくはサーバ上で実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、または接続は、(例えば、インターネットサービスプロバイダを用いてインターネットを介して)外部コンピュータに提供されてもよい。
【0066】
本開示の態様は、本開示の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照して上記にて説明してきた。これに関して、図面中のフローチャートおよびブロック図は、本開示の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の予想される実現形態のアーキテクチャ、機能、および/または動作を表す。例えば、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、指定された論理的機能を実現するための1つ以上の実行可能命令を含むモジュール、セグメント、またはコードの一部を表す場合がある。いくつかの代替実装形態においては、ブロックに記載された機能が、図面に記載された順序とは異なる順序で行われ得るということにも留意すべきである。例えば、連続して示された2つのブロックが、実際には実質的に同時に実行されたり、ブロックが、関与する機能に応じて時として逆の順序で実行されたりし得る。ブロック図および/またはフローチャート図の各ブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャート図内のブロックの組み合わせは、指定された機能を行ったり行為をなしたりする専用ハードウェアベースのシステム、または専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実装できるということにも留意すべきであろう。
【0067】
フローチャート図および/またはブロック図の各ブロック、ならびにフローチャート図および/またはブロック図におけるブロックの組み合わせが、コンピュータプログラム命令により実現できることも理解されるであろう。これらコンピュータプログラム命令は、機械を作製するために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されてもよく、これにより、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令は、フローチャートおよび/またはブロック図のブロック(単数または複数)で指定された機能/行為を実現するための手段を形成する。
【0068】
これらコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読媒体に格納されてもよく、コンピュータプログラム命令は、フローチャートおよび/またはブロック図のブロック(単数または複数)において指定される機能/行為を実現するための命令を含む、コンピュータ可読媒体に格納された命令が、製造物品を生産するように、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他のデバイスに指示して、特定の形で機能させることができる。これらコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他のデバイスに読み込まれて、一連の動作ステップをコンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で実施させて、コンピュータ実装プロセスを形成させてもよく、これにより、コンピュータまたは他のプログラマブル装置上で実行される命令は、フローチャートおよび/またはブロック図のブロック(単数または複数)で指定される機能/行為を実現するためのプロセスを提供する。
【0069】
したがって、本明細書で開示される要素の機能は、開示された機能を実施するように構成またはプログラムされた、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC(「特定用途向け集積回路」)、従来の回路、および/またはそれらの組み合わせを含む回路または処理回路を使用して実現されてもよい。プロセッサは、その内部にトランジスタおよび他の回路を含むことから、処理回路または回路と考えることができる。プロセッサは、メモリに記憶されたプログラムを実行するプログラムされたプロセッサであってもよい。本開示では、回路、ユニット、または手段が、記載された機能を実行するか、行うようにプログラムされたハードウェアである。ハードウェアは、記載された機能を実行するようにプログラムまたは構成された、本明細書に開示されているか別様に知られている任意のハードウェアであり得る。ハードウェアが、回路の一種と見なされ得るプロセッサである場合、回路、手段、またはユニットは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせであり、ソフトウェアは、ハードウェアおよび/またはプロセッサを構成するために使用される。
【0070】
本明細書で使用する場合、用語「回路」は、以下のいずれかまたは全てを指し得る:(a)ハードウェアのみの回路実装形態(アナログおよび/またはデジタル回路のみでの実装形態)、(b)回路とソフトウェア(および/またはファームウェア)の組み合わせであって、例えば、(該当する場合)(i)プロセッサの組み合わせ、または(ii)一緒に動作して携帯電話またはサーバなどの装置に様々な機能を実施させるプロセッサ/ソフトウェア(デジタル信号プロセッサを含む)、ソフトウェア、およびメモリの一部、ならびに(c)ソフトウェアまたはファームウェアが物理的に存在しない場合であっても、動作のためにソフトウェアまたはファームウェアを必要とするマイクロプロセッサまたはマイクロプロセッサの一部分などの回路。本明細書で使用する場合、コントローラは、回路内で実現されてもよく、または回路を使用して実現されてもよい。
【0071】
「回路」に関するこの解釈は、任意の請求項を含む、本出願におけるこの用語の全ての使用に当てはまり得る。さらなる例として、本出願で使用する場合、用語「回路」は、プロセッサ(単数または複数)だけの、またはプロセッサの一部分とその(もしくはそれらの)付随するソフトウェアおよび/またはファームウェアとの、実現形態も網羅することになる。用語「回路」はまた、例えば、特定の特許請求の範囲の要素に該当する場合は、ネットワークデバイス用のベースバンド集積回路またはアプリケーションプロセッサ集積回路を含む。
【0072】
用語「データ」、「コンテンツ」、「情報」、および類似の用語の使用は、本開示のいくつかの例示的実施形態によれば、送信、受信、操作、および/または記憶が可能なデータに言及するために交換可能に使用され得る。用語「ネットワーク」は、一群の相互接続されたコンピュータまたは他のコンピューティングデバイスを指し得る。ネットワーク内では、これらコンピュータまたは他のコンピューティングデバイスが、1つ以上のスイッチ、ルータ、ゲートウェイ、アクセスポイントなどを介することを含む様々な手段によって直接的または間接的に相互接続されてもよい。
【0073】
本開示の態様は、上記の実施形態を参照して具体的に示され、説明されてきたが、当業者は、開示される内容の趣旨および範囲から逸脱することなしに、開示された機械、アセンブリ、システム、および方法の修正によって、様々な追加の実施形態が企図され得ることを理解するであろう。そのような実施形態は、請求項およびその任意の均等物に基づいて判定される本開示の範囲内に入るものとして理解されるべきである。
【国際調査報告】