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特表2024-535452アクチュエータ装置ならびにこのようなアクチュエータ装置を動作させる方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】アクチュエータ装置ならびにこのようなアクチュエータ装置を動作させる方法
(51)【国際特許分類】
   F03C 1/14 20060101AFI20240920BHJP
   F04B 19/22 20060101ALI20240920BHJP
   F03C 2/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
F03C1/14
F04B19/22
F03C2/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519402
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(85)【翻訳文提出日】2024-04-22
(86)【国際出願番号】 EP2021076826
(87)【国際公開番号】W WO2023051906
(87)【国際公開日】2023-04-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519205132
【氏名又は名称】メティスモーション ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】MetisMotion GmbH
【住所又は居所原語表記】Paulsdorfferstr. 36, Eingang C, 81549 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング ツェルス
(72)【発明者】
【氏名】パトリック フレーゼ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー マクラナハン
(72)【発明者】
【氏名】ゲオルク バッハマイアー
【テーマコード(参考)】
3H069
3H084
【Fターム(参考)】
3H069AA01
3H069BB02
3H069DD48
3H069EE11
3H084AA13
3H084AA51
3H084BB16
3H084CC02
3H084CC13
3H084CC41
3H084CC52
(57)【要約】
本発明は、アクチュエータ装置(10)であって、2つの作業チャンバ(12,14)を有しており、これらの作業チャンバは、作業チャンバ(12,14)のうちの第1の作業チャンバの容積拡大が第2の作業チャンバ(14)の容積縮小を伴い、第2の作業チャンバの容積拡大が第1の作業チャンバの容積縮小を伴うように互いに連結されている、アクチュエータ装置(10)に関する。各作業チャンバ(12,14)のその都度の容積拡大により駆動可能な、そしてこれにより可動である被駆動装置(18)が設けられている。流体を圧送するための、固体アクチュエータ(38)を有したポンプ装置(36)が設けられている。ポンプ装置(36)によって圧送された流体によって貫流可能な第1の流路(42)であって、この第1の流路を介して、第1の作業チャンバ(12)の容積拡大を生じさせるために、ポンプ装置(36)によって圧送されて第1の流路(42)を貫流する流体が、第1の作業チャンバ(12)内へと導入可能である第1の流路(42)が設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータ装置(10)であって、
少なくとも2つの作業チャンバ(12,14)であって、前記作業チャンバは、前記作業チャンバ(12,14)のうちの第1の作業チャンバの容積拡大が第2の作業チャンバ(14)の容積縮小を伴い、前記第2の作業チャンバの容積拡大が前記第1の作業チャンバの容積縮小を伴うように互いに連結されている作業チャンバ(12,14)、
各前記作業チャンバ(12,14)のその都度の容積拡大により駆動可能な、そしてこれにより可動である被駆動装置(18)、
流体を圧送するための、少なくとも1つの固体アクチュエータ(38)を有したポンプ装置(36)、
前記ポンプ装置(36)によって圧送される前記流体によって貫流可能な第1の流路(42)であって、前記第1の流路を介して、前記第1の作業チャンバ(12)の容積拡大を生じさせるために、前記ポンプ装置(36)によって圧送されて前記第1の流路(42)を貫流する前記流体が、前記第1の作業チャンバ(12)内へと導入可能である第1の流路(42)、
前記ポンプ装置(36)によって圧送される前記流体によって貫流可能な第2の流路(44)であって、前記第2の流路を介して、前記第2の作業チャンバ(14)の容積拡大を生じさせるために、前記ポンプ装置(36)によって圧送されて前記第2の流路(44)を貫流する前記流体が、前記第2の作業チャンバ(14)内へと導入可能である第2の流路(44)、
前記第1の作業チャンバ(12)に割り当てられた第1の導出路(46)であって、前記第1の導出路を介して、前記第1の作業チャンバ(12)の容積縮小のために、前記流体が前記第1の作業チャンバ(12)から導出可能である第1の導出路(46)、
前記第2の作業チャンバ(14)に割り当てられた第2の導出路(48)であって、前記第2の導出路を介して、前記第2の作業チャンバ(14)の容積縮小のために、前記流体が前記第2の作業チャンバ(14)から導出可能である第2の導出路(48)、
前記第1の導出路(46)を閉鎖する第1の閉鎖位置と、前記第1の導出路(46)を解放する少なくとも1つの第1の開放位置との間で可動である、前記第1の導出路(46)に配置された第1の弁エレメント(50)、
前記第2の導出路(48)を閉鎖する第2の閉鎖位置と、前記第2の導出路(48)を解放する少なくとも1つの第2の開放位置との間で可動である、前記第2の導出路(48)に配置された第2の弁エレメント(52)、
前記ポンプ装置(36)の下流かつ前記第1の作業チャンバ(12)の上流に配置された第1の分岐個所(A1)で前記第1の流路(42)に流体接続されている第1の操作路(54)であって、前記第1の分岐個所では、前記ポンプ装置(36)によって圧送されて前記第1の流路(42)を貫流する前記流体の一部が前記第1の流路(42)から分岐可能であり、前記第1の操作路(54)内に導入可能であって、前記第1の操作路を介して、前記第2の弁エレメント(52)は、前記第1の操作路(54)内に導入されて前記第1の操作路(54)を貫流する前記流体によって操作可能であり、これにより前記第2の閉鎖位置から前記第2の開放位置へと移動可能である、第1の操作路(54)、および
前記ポンプ装置(36)の下流かつ前記第2の作業チャンバ(14)の上流に配置された第2の分岐個所(A2)で前記第2の流路(44)に流体接続されている第2の操作路(56)であって、前記第2の分岐個所では、前記ポンプ装置(36)によって圧送されて前記第2の流路(44)を貫流する前記流体の一部が前記第2の流路(44)から分岐可能であり、前記第2の操作路(56)内に導入可能であって、前記第2の操作路を介して、前記第1の弁エレメント(50)は、前記第2の操作路(56)内に導入されて前記第2の操作路(56)を貫流する前記流体によって操作可能であり、これにより前記第1の閉鎖位置から前記第1の開放位置へと移動可能である、第2の操作路(56)、
を有しているアクチュエータ装置(10)。
【請求項2】
前記第1の弁エレメント(50)には、第1の操作領域(58)と、前記第1の操作領域(58)によって少なくとも部分的に直接画定された第1の操作チャンバ(62)とが配属されていて、前記第1の操作チャンバ内には、前記第2の操作路(56)内に導入されて前記第2の操作路(56)を貫流する前記流体が導入可能であり、これにより前記第1の操作領域(58)が、前記第2の操作路(56)内に導入されて前記第2の操作路(56)を貫流して前記第1の操作チャンバ(62)内に導入される前記流体によって負荷可能であり、これにより前記第1の弁エレメント(50)が、前記第1の閉鎖位置から前記第1の開放位置へと移動可能である、請求項1記載のアクチュエータ装置(10)。
【請求項3】
前記第1の操作領域(58)と前記第1の操作チャンバ(62)とに割り当てられた第1の流れ制限エレメント(82)が設けられており、前記第1の流れ制限エレメントは、前記第2の操作路(56)を貫流して前記第1の操作チャンバ(62)内に流入する前記流体の流れ方向で、前記第1の操作チャンバ(62)と前記第1の操作領域(58)とに対して並列に接続されており、前記第1の流れ制限エレメント(82)を介して、前記第1の操作チャンバ(62)から前記流体が導出可能であり、これにより前記第1の開放位置から前記第1の閉鎖位置への前記第1の弁エレメント(50)の移動を行わせるまたは可能にする、請求項2記載のアクチュエータ装置(10)。
【請求項4】
前記第2の弁エレメント(52)には、第2の操作領域(68)と、前記第2の操作領域(68)によって少なくとも部分的に直接画定された第2の操作チャンバ(72)とが配属されていて、前記第2の操作チャンバ内には、前記第1の操作路(54)内に導入されて前記第1の操作路(54)を貫流する前記流体が導入可能であり、これにより前記第2の操作領域(68)が、前記第1の操作路(54)内に導入されて前記第1の操作路(54)を貫流して前記第2の操作チャンバ(72)内に導入される前記流体によって負荷可能であり、これにより前記第2の弁エレメント(52)が、前記第2の閉鎖位置から前記第2の開放位置へと移動可能である、請求項1から3までのいずれか1項記載のアクチュエータ装置(10)。
【請求項5】
前記第2の操作領域(68)と前記第2の操作チャンバ(72)とに割り当てられた第2の流れ制限エレメント(86)が設けられており、前記第2の流れ制限エレメントは、前記第1の操作路(54)を貫流して前記第2の操作チャンバ(72)内に流入する前記流体の流れ方向で、前記第2の操作チャンバ(72)と前記第2の操作領域(68)とに対して並列に接続されており、前記第2の流れ制限エレメント(86)を介して、前記第2の操作チャンバ(72)から前記流体が導出可能であり、これにより前記第2の開放位置から前記第2の閉鎖位置への前記第2の弁エレメント(52)の移動を行わせるまたは可能にする、請求項4記載のアクチュエータ装置(10)。
【請求項6】
前記第1の流路(42)には、前記第1の分岐個所(A1)の下流かつ前記第1の作業チャンバ(12)の上流に、前記第1の流路(42)を通る前記流体の流れを、前記第1の分岐個所(A1)の方向で阻止し、前記第1の作業チャンバ(12)の方向で許容する第1の逆止弁(90)が配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のアクチュエータ装置(10)。
【請求項7】
前記第2の流路(44)には、前記第2の分岐個所(A2)の下流かつ前記第2の作業チャンバ(14)の上流に、前記第2の流路(44)を通る前記流体の流れを、前記第2の分岐個所(A2)の方向で阻止し、前記第2の作業チャンバ(14)の方向で許容する第2の逆止弁(92)が配置されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のアクチュエータ装置(10)。
【請求項8】
前記ポンプ装置(36)は、
前記流体を前記第1の流路(42)を通して圧送するための第1の固体アクチュエータ(38)としての、前記第1の流路(42)に割り当てられた固体アクチュエータ(38)、および
前記流体を前記第2の流路(44)を通して圧送するための、前記第2の流路(44)に割り当てられた第2の固体アクチュエータ(40)
を有している、請求項1から7までのいずれか1項記載のアクチュエータ装置(10)。
【請求項9】
前記ポンプ装置(36)は、
前記流体を圧送するための、前記第1の流路(42)および前記第2の流路(44)に共通の固体アクチュエータ(38)としての固体アクチュエータ(38)、および
弁装置(94)であって、
前記固体アクチュエータ(38)によって圧送される前記流体が、前記弁装置(94)を介して前記第1の流路(42)に導入可能であり、前記第1の流路(42)を通って圧送される、かつ
前記固体アクチュエータ(38)によって圧送される前記流体の、前記弁装置(94)を介した前記第2の流路(44)への導入が前記弁装置(94)によって遮断される、
第1の切替状態と、
前記固体アクチュエータ(38)によって圧送される前記流体が、前記弁装置(94)を介して前記第2の流路(44)に導入可能であり、前記第2の流路(44)を通って圧送される、かつ
前記固体アクチュエータ(38)によって圧送される前記流体の、前記弁装置(94)を介した前記第1の流路(42)への導入が前記弁装置(94)によって遮断される、
第2の切替状態との間で切り替え可能な弁装置(94)
を有している、請求項1から7までのいずれか1項記載のアクチュエータ装置(10)。
【請求項10】
前記固体アクチュエータ(38)は、前記弁装置(94)の上流に配置された第3の流路(98)内に配置されていて、前記第3の流路を介して、前記固体アクチュエータ(38)によって前記第3の流路(98)を通して圧送される前記流体が前記弁装置(94)へと到る、請求項9記載のアクチュエータ装置(10)。
【請求項11】
前記被駆動装置(18)は、前記作業チャンバ(12,14)をそれぞれ部分的にかつ直接画定する被駆動エレメント(20)を有していて、前記被駆動エレメントは、
前記作業チャンバ(12,14)をそれぞれ部分的に画定するケーシング(26)内に可動に収容されていて、
前記第1の作業チャンバ(12)内への前記流体の導入により、前記第1の作業チャンバ(12)内に導入された前記流体によって、直接負荷可能であり、これにより第1の運動方向(28)で、前記ケーシング(26)に対して相対的に可動であり、かつ
前記第2の作業チャンバ(14)内への前記流体の導入により、前記第2の作業チャンバ(14)内に導入された前記流体によって、直接負荷可能であり、これにより前記第1の運動方向(28)とは逆の第2の方向(30)で、前記ケーシング(26)に対して相対的に可動である、
請求項1から10までのいずれか1項記載のアクチュエータ装置(10)。
【請求項12】
前記被駆動エレメント(20)は、各前記運動方向(28,30)で、前記ケーシング(26)に対して相対的に並進運動可能かつ/または回転運動可能かつ/または振動運動可能である、請求項11記載のアクチュエータ装置(10)。
【請求項13】
前記作業チャンバ(12,14)のうちの一方の作業チャンバに、自由流れ弁(100)が割り当てられていて、前記自由流れ弁を介して、前記ポンプ装置(36)を迂回して、リザーバ(16)からの前記流体が前記一方の作業チャンバ(14)内に導入可能であり、前記自由流れ弁(100)は、前記一方の作業チャンバ(14)の方向で開放され、前記リザーバ(16)の方向で閉鎖される、請求項1から12までのいずれか1項記載のアクチュエータ装置(10)。
【請求項14】
アクチュエータ装置(10)を動作させる方法であって、前記アクチュエータ装置(10)は、
少なくとも2つの作業チャンバ(12,14)であって、前記作業チャンバは、前記作業チャンバ(12,14)のうちの第1の作業チャンバの容積拡大が第2の作業チャンバ(14)の容積縮小を伴い、前記第2の作業チャンバの容積拡大が前記第1の作業チャンバの容積縮小を伴うように互いに連結されている作業チャンバ(12,14)、
各前記作業チャンバ(12,14)のその都度の容積拡大により駆動され、そしてこれにより動かされる被駆動装置(18)、
流体を圧送する、少なくとも1つの固体アクチュエータ(38)を有したポンプ装置(36)、
前記ポンプ装置(36)によって圧送される前記流体によって貫流可能な第1の流路(42)であって、前記第1の流路を介して、前記第1の作業チャンバ(12)の容積拡大を生じさせるために、前記ポンプ装置(36)によって圧送されて前記第1の流路(42)を貫流する前記流体を、前記第1の作業チャンバ(12)内へと導入する第1の流路(42)、
前記ポンプ装置(36)によって圧送される前記流体によって貫流可能な第2の流路(44)であって、前記第2の流路を介して、前記第2の作業チャンバ(14)の容積拡大を生じさせるために、前記ポンプ装置(36)によって圧送されて前記第2の流路(44)を貫流する前記流体を、前記第2の作業チャンバ(14)内へと導入する第2の流路(44)、
前記第1の作業チャンバ(12)に割り当てられた第1の導出路(46)であって、前記第1の導出路を介して、前記第1の作業チャンバ(12)の容積縮小のために、前記流体が前記第1の作業チャンバ(12)から導出される第1の導出路(46)、
前記第2の作業チャンバ(14)に割り当てられた第2の導出路(48)であって、前記第2の導出路を介して、前記第2の作業チャンバ(14)の容積縮小のために、前記流体が前記第2の作業チャンバ(14)から導出される第2の導出路(48)、
前記第1の導出路(46)を閉鎖する第1の閉鎖位置と、前記第1の導出路(46)を解放する少なくとも1つの第1の開放位置との間で移動させられる、前記第1の導出路(46)に配置された第1の弁エレメント(50)、
前記第2の導出路(48)を閉鎖する第2の閉鎖位置と、前記第2の導出路(48)を解放する少なくとも1つの第2の開放位置との間で移動させられる、前記第2の導出路(48)に配置された第2の弁エレメント(52)、
前記ポンプ装置(36)の下流かつ前記第1の作業チャンバ(12)の上流に配置された第1の分岐個所(A1)で前記第1の流路(42)に流体接続されている第1の操作路(54)であって、前記第1の分岐個所では、前記ポンプ装置(36)によって圧送されて前記第1の流路(42)を貫流する前記流体の一部が前記第1の流路(42)から分岐されて、前記第1の操作路(54)内に導入され、前記第1の操作路を介して、前記第2の弁エレメント(52)は、前記第1の操作路(54)内に導入されて前記第1の操作路(54)を貫流する前記流体によって操作されて、これにより前記第2の閉鎖位置から前記第2の開放位置へと移動させられる、第1の操作路(54)、および
前記ポンプ装置(36)の下流かつ前記第2の作業チャンバ(14)の上流に配置された第2の分岐個所(A2)で前記第2の流路(44)に流体接続されている第2の操作路(56)であって、前記第2の分岐個所では、前記ポンプ装置(36)によって圧送されて前記第2の流路(44)を貫流する前記流体の一部が前記第2の流路(44)から分岐可されて、前記第2の操作路(56)内に導入され、前記第2の操作路を介して、前記第1の弁エレメント(50)は、前記第2の操作路(56)内に導入されて前記第2の操作路(56)を貫流する前記流体によって操作されて、これにより前記第1の閉鎖位置から前記第1の開放位置へと移動させられる、第2の操作路(56)、
を有している、
アクチュエータ装置(10)を動作させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータ装置ならびにこのようなアクチュエータ装置を動作させる方法に関する。
【0002】
アクチュエータ装置およびこのようなアクチュエータ装置を動作させる方法は、一般的な従来技術により既に十分に公知である。アクチュエータ装置は、通常、対象物を動かす、かつ/または緊張させる、かつ/または変形させる、かつ/または圧縮するために使用される。このために例えばポンプにより、流体、特に液体を圧送し、これにより少なくとも1つの被駆動エレメントを動かし、被駆動エレメントを介して対象物を動かし、かつ/または緊張させ、かつ/または変形させ、かつ/または圧縮し、かつ/または改変することができる。通常、ポンプと被駆動エレメントとの間には、特に流体による、極めて特に液圧による変換装置が設けられている。この変換装置によって、例えば、ポンプを作動させるために第1の力が加えられ、その結果、被駆動エレメントには、第1の力よりも大きなまたは小さな第2の力が作用し、もしくは被駆動エレメントが、第1の力よりも大きなまたは小さな第2の力を提供し、これにより対象物を動かす、かつ/または緊張させる、かつ/または変形させる、かつ/または圧縮する、かつ/または改変することができる。概して、アクチュエータ装置によって対象物に力を、特に第2の力を加えることができ、これにより例えば、対象物を動かすことができ、かつ/または緊張させる、すなわち運動に抗して固定することができる。
【0003】
本発明の課題は、アクチュエータ装置の特に有利な動作を実現させることができるようなアクチュエータ装置およびこのようなアクチュエータ装置を動作させる方法を提供することである。
【0004】
この課題は、請求項1の特徴を備えたアクチュエータ装置により、ならびに請求項14の特徴を備えた方法により解決される。本発明の好適な発展形態を含む有利な構成が、その他の請求項に記載されている。
【0005】
本発明の第1の態様は、アクチュエータ装置に関し、このアクチュエータ装置は、被駆動チャンバとも呼ばれる少なくとも2つの作業チャンバを有している。これらの作業チャンバは、作業チャンバのうちの第1の作業チャンバの容積拡大が、特に同時に、第2の作業チャンバの容積縮小を伴い、逆もまた同じであるように互いに連結されている。逆もまた同じとは、第2の作業チャンバの容積拡大が、特に同時に、第1の作業チャンバの容積縮小を伴うことを意味する。容積拡大は、必ずしも容積縮小に相当している必要はない。換言すると、容積縮小は、容積拡大よりも大きいまたは小さいことが考えられる。換言すると、容積縮小は、容積拡大よりも大きい程度または小さい程度で行うことができ、その逆も可能である。特にこのようなことは、例えば特に気体の、しかしながらまたは液体の、極めて好ましくは非圧縮性の媒体が第1の作業チャンバから流出する場合に考えられる。なぜならば、第2の作業チャンバの容積拡大は、第1の作業チャンバの容積縮小を伴うので、第1の作業チャンバの容積縮小が生じ、媒体、またはその他の好ましくは気体または液体の、特に非圧縮性の媒体が、第2のチャンバに流入するからである。特に、第1の作業チャンバから第1の量の媒体が流出し、第2の量の媒体または第2の量の別の媒体が第2の作業チャンバに流入し、この場合、第1の量は第2の量に相当し得ること、または2つの量は異なっていることが考えられる。媒体または量は、同じ媒体または同一の媒体であってよい。
【0006】
アクチュエータ装置は、さらに、各作業チャンバのその都度の容積拡大により駆動可能な、そしてこれにより可動である被駆動装置を有している。このことは特に、各作業チャンバのその都度の容積拡大は、被駆動装置の並進運動および/または回転運動および/または振動運動を生じさせることができる、もしくは生じさせることであると理解されたい。被駆動装置は、例えば、少なくとも1つのまたはちょうど1つの被駆動エレメントを有していてよく、被駆動エレメントは、例えば、第1の作業チャンバの容積拡大により第1の運動方向で、かつ第2の作業チャンバの容積拡大により第2の運動方向で、特に並進運動可能かつ/または回転運動可能かつ/または振動運動可能であり、この場合例えば、第2の運動方向は第1の運動方向とは逆である。さらに例えば、被駆動装置は、少なくとも2つのまたはちょうど2つの被駆動エレメントを有していることが考えられる。第1の作業チャンバの容積拡大により、例えば、被駆動エレメントのうちの第1の被駆動エレメントが第1のエレメント方向で、特に並進運動可能かつ/または回転運動可能かつ/または振動運動可能である。第2の作業チャンバの容積拡大により、例えば、被駆動エレメントのうちの第2の被駆動エレメントが第2のエレメント方向で、特に並進運動可能かつ/または回転運動可能かつ/または振動運動可能である。この場合、エレメント方向は、互いに平行に、互いに傾斜して、または互いに垂直に延在していることが考えられる。エレメント方向は、同じ方向に向けられていてよく、またはエレメント方向は互いに逆向きである。この場合、例えば、第1の作業チャンバの容積縮小は、例えば第1のエレメント方向とは逆向きの第3のエレメント方向での第1の被駆動エレメントの運動を伴う。さらに、第2の作業チャンバの容積縮小が、例えば第2のエレメント方向とは逆向きの第4のエレメント方向での第2の被駆動エレメントの運動を伴うことが考えられる。
【0007】
アクチュエータ装置はさらに、例えば上述した媒体、特に別の媒体である流体を圧送するためのポンプ装置を有している。流体は、ガスであってよい。しかしながら極めて好ましくは、流体は、特に非圧縮性の液体である。換言すると、流体は、好ましくは、その密度が圧力に依存しない非圧縮性の流体、特に非圧縮性の液体である。
【0008】
アクチュエータ装置はさらに、ポンプ装置によって圧送される流体によって貫流可能な第1の流路を有しており、この流路は好ましくは、ポンプ装置によって圧送されて、特にその結果、第1の流路を貫流する流体の流れ方向で、第1の作業チャンバの上流かつポンプ装置の下流に配置されている、もしくは延在している。第1の流路を介して、第1の作業チャンバの容積拡大を生じさせるために、ポンプ装置によって圧送されて特にこれにより第1の流路を貫流する流体が、第1の作業チャンバ内へと導入可能である。アクチュエータ装置はさらに、ポンプ装置によって圧送される流体によって貫流可能な第2の流路を有しており、この流路は好ましくは、ポンプ装置によって圧送されて特にこれにより第2の流路を貫流する流体の流れ方向で、第2の作業チャンバの上流かつポンプ装置の下流に配置されている、もしくは延在している。第2の流路を介して、ポンプ装置によって圧送されて特にこれにより第2の流路を貫流する流体が、第2の作業チャンバ内へと導入可能である。換言すると、各流路によって、ポンプ装置によって圧送される流体をポンプ装置から各作業チャンバへと、かつ各作業チャンバ内へとガイドするまたは導くことができる。流路は例えば、少なくとも部分的に、特に流体的に互いに分離されていてよい。
【0009】
ポンプ装置は、少なくとも1つの固体アクチュエータを有している。本開示の範囲では、固体アクチュエータとは、例えば、ピエゾアクチュエータであると理解されてよく、ピエゾアクチュエータは、少なくとも1つまたは複数の、特に積層された、ピエゾ素子を有し、ピエゾアクチュエータに電圧を印加することにより、機械的な運動を実施し、もしくは変形させられて、特に長くまたは短くなり、これにより少なくとも部分領域で運動を実施する。さらに固体アクチュエータとは、例えば磁歪アクチュエータであると理解されてよく、磁歪アクチュエータは、磁界の印加により、すなわち、固体が磁界にさらされる場合に、変形可能であるもしくは変形される少なくとも1つの固体を有する。さらに、固体アクチュエータとは、電歪アクチュエータであると理解されてよく、電歪アクチュエータは、特に固体として形成された、特に誘導性の媒体を特に有していて、この媒体は電界を印加することにより変形可能であり、少なくとも部分領域において可動である。さらに、固体アクチュエータとは、単にソレノイドとも呼ばれるソレノイドアクチュエータであると理解されてよい。ソレノイドアクチュエータは、電流を貫流させることができる少なくとも1つのまたはちょうど1つのコイルを含み、これにより、コイルによって磁界を提供することができ、これにより、特に固体として形成された、ランナとも呼ばれる少なくとも1つの運動素子が、特にコイルに対して相対的にかつ/または並進的に運動可能であり、この場合、コイルも固体である。ソレノイドアクチュエータは、リニア磁石駆動装置とも呼ばれる。さらに、固体アクチュエータは、ポリマーアクチュエータであってよく、ポリマーアクチュエータは、少なくとも1つの電気活性ポリマー(EAP)を有していて、電気活性ポリマーは、電圧を印加することにより変形可能であり、ひいては少なくとも部分領域内で可動である。
【0010】
アクチュエータ装置はさらに、第1の作業チャンバに割り当てられた第1の導出路を有していて、この第1の導出路を介して、第1の作業チャンバの容積縮小のために、流体が第1の作業チャンバから導出可能である。アクチュエータ装置はさらに、第2の作業チャンバに割り当てられた第2の導出路を有していて、この第2の導出路を介して、第2の作業チャンバの容積縮小のために、流体が第2の作業チャンバから導出可能である。
【0011】
第1の導出路には、第1の導出路を閉鎖する第1の閉鎖位置と、第1の導出路を解放する少なくとも1つの第1の開放位置との間で可動である第1の弁エレメントが配置されている。第1の閉鎖位置では、第1の弁エレメントが、第1の作業チャンバから第1の導出路を通る流体の流れのための第1の導出路を解放するので、第1の開放位置では流体が第1の作業チャンバから導出可能でありまたは導出される。しかしながら第1の閉鎖位置では、第1の弁エレメントが第1の導出路を閉鎖するので、第1の閉鎖位置では、流体は第1の導出路を貫流することはできず、したがって第1の導出路を介して第1の作業チャンバから流出することはできない。
【0012】
第2の導出路には、第2の導出路を閉鎖する第2の閉鎖位置と、第2の導出路を解放する少なくとも1つの第2の開放位置との間で可動である第2の弁エレメントが配置されている。第1の弁エレメントに関する上記のおよび後述の説明は、第2の弁エレメントに対しても転用可能であり、逆もまた同じである。したがって、第2の弁エレメントは第2の開放位置では、第2の作業チャンバから第2の導出路を通る流体の流れのための第2の導出路を解放するので、第2の開放位置では流体が第2の作業チャンバから第2の導出路を介して導出可能でありまたは導出される。しかしながら、第2の閉鎖位置では、第2の弁エレメントは第2の導出路を閉鎖するので、流体は第2の導出路を貫流することができず、特にこれにより流体を第2の作業チャンバから第2の導出路を介して導出することができない。
【0013】
アクチュエータ装置はさらに、ポンプ装置の下流、かつ第1の作業チャンバの上流に配置された第1の分岐個所で第1の流路に流体接続されている第1の操作路を有している。第1の分岐個所では、ポンプ装置によって圧送されて特にこれにより第1の流路を貫流する流体の一部が第1の流路から分岐可能であり、第1の操作路内に導入可能であって、第1の操作路を介して、第2の弁エレメントは、第1の操作路内に導入されて第1の操作路を貫流する流体によって操作可能であり、これにより第2の閉鎖位置から第2の開放位置へと移動可能である。
【0014】
アクチュエータ装置はさらに、ポンプ装置の下流、かつ第2の作業チャンバの上流に配置された第2の分岐個所で第2の流路に流体接続されている第2の操作路を有している。第2の分岐個所では、ポンプ装置によって圧送されて特にこれにより第2の流路を貫流する流体の一部が第2の流路から分岐可能であり、第2の操作路内に導入可能である。第2の操作路を介して、第1の弁エレメントが、第2の操作路内に導入されて第2の操作路を貫流する流体によって操作可能であり、これにより第1の閉鎖位置から第1の開放位置へと移動可能である。特に、第1の閉鎖位置から第1の開放位置への第1の弁エレメントの移動により、流体が、第1の作業チャンバから第1の導出路を介して導出可能であり、したがって第1の作業チャンバから第1の導出路を介した流体の導出が実現可能であることが想定されている。さらに、第2の閉鎖位置から第2の開放位置への第2の弁エレメントの移動により、流体が、第2の作業チャンバから第2の導出路を介して導出可能であり、したがって第2の作業チャンバから第2の導出路を介した流体の導出が実現可能であることが考えられる。
【0015】
本発明により、アクチュエータ装置のいわゆる4象限動作が、特に簡単に、この場合、特に、ポンプ装置を例外として能動的な構成エレメントを使用せずに、特に、ポンプ装置によって行われる流体の圧送のみによって可能となる。4象限動作とは、例えば、上述した被駆動エレメントを能動的に、すなわち、ポンプ装置によって行われる流体の圧送によって、第1の運動方向で、および第2の運動方向で動かすことができ、この場合、いわゆる、第1の運動方向での被駆動エレメントの能動的な運動が、第1象限であり、第2の運動方向での被駆動エレメントの能動的な運動が、第2象限であり、第1の運動方向および第2の運動方向での被駆動エレメントの受動的な運動を許容することができることであると理解されたい。被駆動エレメントの受動的な運動とは、被駆動エレメントに外力が作用することであると理解されたい。例えば第1の運動方向で外力が加えられると、これにより例えば、この力は引っ張り力であり、したがって、被駆動エレメントは第1の運動方向で引っ張られ、これによりこの場合、特に制御された、被駆動エレメントの運動が第1の運動方向で可能とされる。例えば第2の運動方向で被駆動エレメントに外力が加えられると、これにより例えば、この外力は押圧力であり、これにより、特に制御された、被駆動エレメントの運動が第2の運動方向で可能とされる。第1の運動方向での被駆動エレメントの受動的な運動は、例えば第3象限であり、第2の運動方向での被駆動エレメントの受動的な運動は、例えば第4象限である。特に、各受動的な運動は、制御されたかつ/または能動的な被駆動エレメントの制動であってよい。特に能動的な制動では、特に制御された絞りを行うことができ、ここでは、例えば制動エネルギが、流体の加熱につながり、もしくは運動エネルギが熱エネルギに変換され、これによって流体が加熱される。再び換言すると、第1の運動方向での被駆動エレメントの能動的な運動によりまたは能動的な運動では、例えば、被駆動エレメントは、第1の運動方向で作用する第1の力を、特に第1の押圧力を提供する。第2の運動方向での被駆動エレメントの能動的な運動ではまたは能動的な運動により、例えば、被駆動エレメントは、第2の運動方向で作用する第2の力を、特に引っ張り力を提供する。例えば、第1の運動方向で作用する第3の力が、特に引っ張り力が、被駆動エレメントに加えられると、アクチュエータ装置は、これにより生じる、第1の運動方向で行われる特に受動的な、特に制御された被駆動エレメントの運動を可能とすることができ、これにより例えば、被駆動エレメントは第1の運動方向で動かされ、特に引っ張られる。例えば、第2の運動方向で作用する第4の力が、特に押圧力が、被駆動エレメントに加えられると、アクチュエータ装置は、これにより生じる、第2の運動方向で行われる被駆動エレメントの運動を可能とすることができ、これにより、被駆動エレメントは第2の運動方向で押され、特に引っ張られる。被駆動エレメントのこのような様々な運動または運動可能性は、特に簡単に、特に、ポンプ装置によって流体を、特に選択的に第1の作業チャンバまたは第2の作業チャンバへと圧送することのみにより実現可能である。特に、被駆動エレメントの記載した運動可能は、ポンプ装置を除いて、能動的な、特に能動的に切り替え可能なエレメントなしに実現することができ、これによりアクチュエータ装置の部品数、所要の構成スペース、重量およびコストを、特に僅かな範囲内に抑えることができる。この場合、ポンプ装置は、好ましくは、特に、流体を各作業チャンバへと圧送することができるように、すなわち吐出することができるように形成されていて、特にこのように形成されているだけであり、これにより好ましくは、ポンプ装置は、流体を能動的に各作業チャンバから圧送することはできない。ポンプ装置のこのような構成にもかかわらず、上述した4象限動作は、特に、作業チャンバが上述した形式で互いに連結されていることによって実現され得る。
【0016】
各弁エレメントは、好ましくは、ノーマルクローズ弁(常閉弁)として形成されている。ノーマルクローズ弁とは、各弁エレメントが、流体によって操作されない場合には、特に常にそれぞれ閉鎖位置をとっており、この場合、特に流体による各弁エレメントの操作が終了される場合には、特に常に各弁エレメントは特に自動的にまたは独立的に各閉鎖位置に戻るものであると理解されたい。したがって好ましくは、各弁エレメントが流体によって操作されると、各弁エレメントがこれにより、極めて好ましくはこれによってのみ、各閉鎖位置から各開放位置へと可動であり、各開放位置で保持されることが想定されている。
【0017】
4象限動作を、ひいては特に有利には被駆動エレメントもしくは被駆動装置の特に有利な可動性または運動可能性を、特に簡単に実現することができるように、本発明の構成では、第1の弁エレメントに、第1の操作領域と、第1の操作領域によって少なくとも部分的に直接画定された第1の操作チャンバとが配属されていて、第1の操作チャンバ内には、第2の操作路内に導入されて第2の操作路を貫流する流体が導入可能であり、これにより第1の操作領域が、第2の操作路内に導入されて第2の操作路を貫流して第1の操作チャンバ内に導入される流体によって、特に直接、負荷可能であり、これにより第1の弁エレメントが、第1の閉鎖位置から第1の開放位置へと移動可能である。
【0018】
この場合、第1の操作領域と第1の操作チャンバとには第1の流れ制限エレメントが割り当てられていて、この流れ制限エレメントは、第2の操作路を貫流して第1の操作チャンバに流入する流体の流れ方向で、第1の操作チャンバおよび第1の操作領域に対して、特に流れ技術的に並列に接続されているもしくは配置されていると特に有利であることが示されている。この場合、第1の流れ制限エレメントを介して、第1の操作チャンバから流体が導出可能であり、これにより第1の開放位置から第1の閉鎖位置への第1の弁エレメントの移動を行わせるまたは可能にする。例えば、ポンプ装置が流体を第2の流路を通して圧送し、ひいては第2の流路を介して第2の作業チャンバ内へと圧送するならば、第1の操作領域は、ポンプ装置によって圧送された流体によって負荷されて、したがって、第1の弁エレメントが操作される。なぜならば、第2の分岐個所で、ポンプ装置によって圧送されて第2の流路を貫流する流体の一部が第2の流路から分岐して、第1の弁エレメントを操作するために利用され、これによりこの流体を第1の操作チャンバ内に導入することができるからである。今や、流体のこの圧送が終了すると、流体は、第1の操作チャンバから、特にポンプ装置を迂回して、第1の流れ制限エレメントを介して流出することができ、これにより、その前の操作により第1の開放位置に動かされて、したがって最初は第1の開放位置にある第1の弁エレメントが、第1の開放位置から第1の閉鎖位置へと戻ることができるもしくは戻る。例えば、第1の流れ制限エレメントは、第1の排出路に配置されていて、この第1の排出路を介して流体は第1の操作チャンバから導出可能である。第1の流れ制限エレメントは、特に、第1の操作チャンバから出て第1の排出路を通る流体の流れに関して、物理的な特性を有しており、もしくは第1の排出路に物理的な特性を付与している。特に、第1の流れ制限エレメントは、第1の操作チャンバと、例えば、流体を、第1の操作チャンバから第1の排出路を介して導入することができる収容領域との間の圧力補償を可能にする機能エレメントである。
【0019】
例えば、各流れ制限エレメントは、非線形の流れ制限エレメントまたは比例する流れ制限エレメントであり、この場合、この流れ制限エレメントを通る流れまたは流体の流れは、つまり、この流れ制限エレメントを通る流体の体積流量および/または質量流量は、圧力依存性であり、すなわち、流れ制限エレメントを貫流する流体の圧力に関連している。
【0020】
4象限動作を特に簡単に実現することができるように、本発明のさらなる構成では、第2の弁エレメントに、第2の操作領域と、第2の操作領域によって少なくとも部分的に直接画定された第2の操作チャンバとが配属されており、第2の操作チャンバは、第1の操作チャンバに対して付加的に設けられていて、特に第1の操作チャンバの外側に配置されており、好ましくは、第1の操作チャンバは、第2の操作チャンバに対して付加的に設けられていて、第2の操作チャンバの外側に配置されている。第2の操作チャンバ内には、第1の操作路内に導入されて第1の操作路を貫流する流体が導入可能であり、これにより第2の操作領域が、第1の操作路内に導入されて第1の操作路を貫流して第2の操作チャンバ内に導入される流体によって、特に直接、負荷可能である。これにより第2の弁エレメントが、第2の閉鎖位置から第2の開放位置へと移動可能である。第1の操作領域および第1の操作チャンバに関する上記説明および以下の説明は、簡単に、第2の操作領域および第2の操作チャンバにも転用可能であり、逆もまた同じである。
【0021】
この場合、第2の操作領域と第2の操作チャンバとに第2の流れ制限エレメントが割り当てられており、第2の流れ制限エレメントは、第1の操作路を貫流して第2の操作チャンバ内に流入する流体の流れ方向で、第2の操作チャンバと第2の操作領域とに対して並列に接続されており、第2の流れ制限エレメントを介して、第2の操作チャンバから流体が導出可能であり、これにより第2の開放位置から第2の閉鎖位置への第2の弁エレメントの移動を行わせるまたは可能にするならば特に有利であることが示されている。
【0022】
例えば、ポンプ装置が流体を第1の流路を通して圧送し、ひいては第1の流路を介して第1の作業チャンバ内へと圧送するならば、第2の操作領域は、ポンプ装置によって圧送された流体によって負荷されて、したがって、第2の弁エレメントが操作される。なぜならば、第1の分岐個所で、ポンプ装置によって圧送されて第1の流路を貫流する流体の一部が第1の流路から分岐して、第2の弁エレメントを操作するために利用され、これによりこの流体を第2の操作チャンバ内に導入することができるからである。今や、流体のこの圧送が終了すると、流体は、第2の操作チャンバから、特にポンプ装置を迂回して、第2の流れ制限エレメントを介して流出することができ、これにより、その前の操作により第2の開放位置に動かされてしたがって最初は第2の開放位置にある第2の弁エレメントが、第2の開放位置から第2の閉鎖位置へと戻ることができるもしくは戻る。例えば、第2の流れ制限エレメントは、第2の排出路に配置されていて、この第2の排出路を介して流体は第2の操作チャンバから導出可能である。第2の流れ制限エレメントは、特に、第2の操作チャンバから出て第2の排出路を通る流体の流れに関して、物理的な特性を有しており、もしくは第2の排出路に物理的な特性を付与している。特に、第2の流れ制限エレメントは、第2の操作チャンバと、例えば、流体を、第2の操作チャンバから第2の排出路を介して導入することができる収容領域との間の圧力補償を可能にする機能エレメントである。
【0023】
余剰な個数の能動的なエレメント、すなわち特に能動的に切り替え可能なエレメントを用いずに、ひいては特に簡単かつ安価に、4象限動作を実現することができるように、本発明のさらなる構成では、第1の流路において、第1の分岐個所の下流かつ第1の作業チャンバの上流に、第1の流路を通る流体の流れを第1の分岐個所の方向で阻止し、したがって第1の分岐個所の方向では閉じ、第1の流路を通る流体の流れを第1の作業チャンバの方向では可能にする、したがって第1の作業チャンバの方向では開く第1の逆止弁が配置されていることが想定されている。
【0024】
第2の流路において、第2の分岐個所の下流かつ第2の作業チャンバの上流に、第2の流路を通る流体の流れを第2の分岐個所の方向で阻止し、したがって第2の分岐個所の方向では閉じ、第2の流路を通る流体の流れを第2の作業チャンバの方向では可能にする、したがって第2の作業チャンバの方向では開く第2の逆止弁が配置されているならば、さらに特に有利であることが示されている。これにより、余剰な個数の能動的なエレメント、特に能動的に切り替え可能なエレメントを回避することができるので、4象限動作を、特に簡単かつ安価に実現することができる。
【0025】
特に安価な方法で、被駆動装置の、特に被駆動エレメントの特に有利な可動性を実現することができるように、本発明の実施形態では、ポンプ装置が、第1の流路に割り当てられている第1の固体アクチュエータとしての固体アクチュエータを有しており、この第1の固体アクチュエータによって、流体が第1の流路を貫流可能である。さらに、ポンプ装置は、第2の流路に割り当てられた第2の固体アクチュエータを有していて、この第2の固体アクチュエータによって、流体が第2の流路を貫流することができる。
【0026】
アクチュエータ装置の部品数、ひいてはコスト、重量、および所要構成スペースを特に僅かであるように維持することができるように、本発明のさらなる構成では、ポンプ装置が、第1の流路および第2の流路に共通の1つの固体アクチュエータとしての固体アクチュエータを有していて、この固体アクチュエータによって流体を圧送することができる。この場合、ポンプ装置は、第1の切替状態と第2の切替状態との間で切り替え可能な1つの弁装置を有している。例えば、この弁装置は、各流路を貫流する流体の流れ方向で、流路の上流かつ固体アクチュエータの下流に配置されている。特に、流路は、流れ技術的に互いに並列に接続されている、すなわち配置されていることが考えられる。
【0027】
第1の切替状態では、固体アクチュエータによって圧送される流体が、弁装置を介して第1の流路に導入可能であり、第1の流路を通って圧送可能である。さらに、第1の切替状態では、固体アクチュエータによって圧送される流体の、弁装置を介した第2の流路への導入が弁装置によって遮断されている。換言すると、固体アクチュエータは、単に、流体を、特にちょうど1つの圧送方向に圧送するように形成されている。今や、弁装置が第1の切替状態にある間に、流体が、固体アクチュエータによって、特に圧送方向で圧送されると、弁装置は、固体アクチュエータによって圧送された流体を第1の流路に導入し、弁装置は、固体アクチュエータによって圧送された流体が第2の流路に流れることは阻止する。
【0028】
第2の切替状態では、固体アクチュエータによって、特に圧送方向で圧送される流体が、弁装置を介して第2の流路に導入可能であり、第2の流路を通って圧送可能であり、第2の切替状態では、固体アクチュエータによって圧送される流体の、弁装置を介した第1の流路への導入が弁装置によって遮断されている。換言すると、弁装置が第2の切替状態にある間に、流体が、固体アクチュエータによって、特に圧送方向で圧送されると、固体アクチュエータによって、特に圧送方向で圧送された流体は、弁装置によって第2の流路に導入され、弁装置は、固体アクチュエータによって、特に圧送方向で圧送された流体が第1の流路に流れることは阻止する。
【0029】
この場合、アクチュエータ装置の重量、コスト、および所要構成スペースを特に僅かであるように維持することができるように、本発明のさらなる構成では、固体アクチュエータが、弁装置の上流に配置された第3の流路に配置されていて、この第3の流路を介して、固体アクチュエータによって第3の流路を通るように圧送された、特に圧送方向で圧送された流体を弁装置へと案内することが想定されている。
【0030】
本発明の特に有利なさらなる構成では、操作装置が、作業チャンバをそれぞれ部分的に直接画定する上述した被駆動エレメントを有している。被駆動エレメントが作業チャンバを、すなわち両作業チャンバを直接画定するという特徴は、各作業チャンバに導入される、ひいては各作業チャンバに収容される流体が、被駆動エレメントに直接接触することであると理解されてよい。
【0031】
この場合、被駆動エレメントは、好ましくは特に、並進運動可能かつ/または回転運動可能かつ/または振動運動可能に、作業チャンバをそれぞれ部分的に画定するケーシング内に収容されている。被駆動エレメントは、第1の作業チャンバ内への流体の導入により、第1の作業チャンバ内に導入された流体によって、直接負荷可能であり、これにより第1の運動方向で、ケーシングに対して相対的に、特に並進運動可能かつ/または回転運動可能かつ/または振動運動可能である。被駆動エレメントは、第2の作業チャンバ内への流体の導入により、第2の作業チャンバ内に導入された流体によって、直接負荷可能であり、これにより第1の運動方向とは逆の第2の運動方向で、ケーシングに対して相対的に、特に並進運動可能かつ/または回転運動可能かつ/または振動運動可能である。
【0032】
したがって、被駆動エレメントが、各運動方向で、ケーシングに対して相対的に並進運動可能かつ/または回転運動可能かつ/または振動運動可能であるならば特に有利であることが示されている。したがって、被駆動エレメントは、例えば上述した力を提供可能もしくは被駆動エレメントに加えることができる、例えばピストンと、特にピストンに結合されてピストンと共に可動なピストンロッドとを有している。
【0033】
さらに、被駆動装置が、第1の被駆動チャンバを、特に直接画定する第1の蛇腹、特に第1のベローズを有していることが考えられる。さらに、被駆動装置が、第2の被駆動チャンバを、特に直接画定する第2の蛇腹、特に第2のベローズを有していることが考えられる。この場合、各ベローズは、それぞれ折り畳み領域と、特に各底面とを有していて、この底面は、例えば各折り畳み領域の長さを変化させながら、そしてこれに伴い各作業チャンバの容積を変化させながら、各運動方向で、特に並進的に運動可能であることが考えられる。したがって、例えば第1の底面は第1の被駆動エレメントであり、第2の底面は例えば第2の被駆動エレメントである。
【0034】
被駆動装置、特に被駆動エレメントの特に有利な可動性または運動可能性を実現することができるようにするために、本発明のさらなる構成では、被駆動チャンバのうちの一方に、特に被駆動チャンバのうちのちょうど1つに、自由流れ弁が割り当てられており、自由流れ弁を介して、ポンプ装置を迂回し、好ましくは他方の作業チャンバも迂回して、ならびに好ましくは逆止弁を迂回して、極めて好ましくは導出路を迂回して、とりわけ好ましくは弁エレメントを迂回して、流体をリザーバから一方の作業チャンバ内に導入可能であり、この場合、自由流れ弁が、一方の作業チャンバの方向で開き、リザーバの方向で閉じることが想定されている。例えば、リザーバは、上述した収容領域である。自由流れ弁が、一方の作業チャンバの方向で開き、リザーバの方向で閉じるという特徴は、自由流れ弁が、リザーバから一方の作業チャンバへの、および一方の作業チャンバ内への流体の流れを可能にし、一方の作業チャンバからのリザーバへの流体の流れを阻止することであると理解されたい。したがって、自由流れ弁は、一種の逆止弁として機能し、この逆止弁によって、被駆動装置の、特に被駆動エレメントの、特に運動方向のうちの一方の運動方向での特に迅速な運動を可能とすることができる。
【0035】
自由流れ弁を介して、流体が、ポンプ装置を迂回し、ならびに好ましくは他方の作業チャンバ、逆止弁、導出路および/または弁エレメントを迂回して、リザーバから作業チャンバ内に導入可能であるという特徴は、リザーバから自由流れ弁を介して一方の作業チャンバ内に流れる流体が、ポンプ装置、ならびに好ましくは他方の作業チャンバ、逆止弁、導出路および/または弁エレメントを迂回して、したがって、ポンプ装置を、他方の作業チャンバを、逆止弁を、導出路を、弁エレメントを通流しないことであると理解されてよい。
【0036】
本発明の第2の態様は、特に本発明の第1の態様によるアクチュエータ装置を動作させる方法に関する。本発明の第2の態様による方法では、アクチュエータ装置は、被駆動チャンバとも呼ばれる少なくとも2つの作業チャンバを有している。これらの作業チャンバは、作業チャンバのうちの第1の作業チャンバの容積拡大が、特に同時に、第2の作業チャンバの容積縮小を伴い、逆もまた同じであるように互いに連結されている。アクチュエータ装置は、各作業チャンバのその都度の容積拡大により駆動される、そしてこれにより動かされる被駆動装置を有している。アクチュエータ装置は、流体を、特にちょうど1つの圧送方向で圧送する、少なくとも1つの固体アクチュエータを有したポンプ装置を有している。アクチュエータ装置は、ポンプ装置によって圧送される流体によって、特に圧送方向で貫流可能な第1の流路を有していて、この第1の流路を介して、第1の作業チャンバの容積拡大を生じさせるために、ポンプ装置によって圧送されて第1の流路を貫流する流体が、第1の作業チャンバ内へと導入される。さらにアクチュエータ装置は、ポンプ装置によって圧送される流体によって、特に圧送方向で貫流可能な第2の流路を有していて、この第2の流路を介して、第2の作業チャンバの容積拡大を生じさせるために、ポンプ装置によって圧送されて第2の流路を貫流する流体が、第2の作業チャンバ内へと導入される。アクチュエータ装置は、第1の作業チャンバに割り当てられた第1の導出路を有していて、この第1の導出路を介して、第1の作業チャンバの容積縮小のために、流体が第1の作業チャンバから導出される。さらにアクチュエータ装置は、第2の作業チャンバに割り当てられた第2の導出路を有していて、この第2の導出路を介して、第2の作業チャンバの容積縮小のために、流体が第2の作業チャンバから導出される。
【0037】
アクチュエータ装置はさらに、第1の導出路を閉鎖する第1の閉鎖位置と、第1の導出路を解放する少なくとも1つの第1の開放位置との間で移動させられる、第1の導出路に配置された第1の弁エレメントを有している。アクチュエータ装置はさらに、第2の導出路を閉鎖する第2の閉鎖位置と、第2の導出路を解放する少なくとも1つの第2の開放位置との間で移動させられる、第2の導出路に配置された第2の弁エレメントを有している。
【0038】
アクチュエータ装置はさらに、第2の導出路を閉鎖する第2の閉鎖位置と、第2の導出路を解放する少なくとも1つの第2の開放位置との間で移動させられる、第2の導出路に配置された第2の弁エレメントを有している。さらに、ポンプ装置の下流、かつ第1の作業チャンバの上流に配置された第1の分岐個所で第1の流路に流体接続されている第1の操作路が設けられている。第1の分岐個所では、ポンプ装置によって圧送されて第1の流路を貫流する流体の一部が、第1の流路から分岐されて、第1の操作路内へと導入される。第1の操作路を介して、第2の弁エレメントが、第1の操作路内に導入されて第1の操作路を貫流する流体によって操作されて、これにより第2の閉鎖位置から第2の開放位置へと移動する。
【0039】
さらにアクチュエータ装置は、ポンプ装置の下流、かつ第2の作業チャンバの上流に配置された第2の分岐個所で第2の流路に流体接続されている第2の操作路を有している。第2の分岐個所では、ポンプ装置によって圧送されて第2の流路を貫流する流体の一部が第2の流路から分岐されて、第2の操作路内に導入される。第2の操作路を介して、第1の弁エレメントが、第2の操作路内に導入されて第2の操作路を貫流する流体によって操作されて、これにより第1の閉鎖位置から第1の開放位置へと移動させられる。本発明の第1の態様の利点および有利な構成は、本発明の第2の態様の利点および有利な構成とみなされ、逆もまた同じである。
【0040】
本発明のさらなる利点、特徴および詳細は、以下の好適な実施例の説明および図面により明らかである。上述した説明で挙げた特徴および特徴の組み合わせ、ならびに以下の図面の説明で挙げる、かつ/または図面にのみ示された特徴および特徴の組み合わせは、記載した各組み合わせにおいてだけでなく、本発明の範囲を逸脱することなく、別の組み合わせでもまたは単独でも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】アクチュエータ装置の第1の実施形態を示す概略図である。
図2】アクチュエータ装置の第2の実施形態を部分的に示す概略図である。
図3】アクチュエータ装置の第3の実施形態を示す概略図である。
図4】アクチュエータ装置の第4の実施形態を部分的に示す概略図である。
【0042】
図中、同じエレメントまたは機能が同じエレメントには同じ参照符号が付されている。
【0043】
図1は、アクチュエータ装置10の第1の実施形態を概略図で示しており、このアクチュエータ装置によって、例えば少なくとも1つ以上の力を対象物に加えることができる。これにより、例えば、対象物を動かすことができ、またはこれにより例えば対象物を、特に能動的にかつ/または制御して、制動するまたは緊張させることができ、ひいては例えば、運動しないように能動的に固定することができる。代替的にまたは付加的に、対象物を例えば、動かすかつ/または変形させるかつ/または圧縮することができる。アクチュエータ装置10は、第1の実施形態では、被駆動チャンバとも呼ばれるちょうど2つの作業チャンバ12および14を有している。作業チャンバ12と14とは、作業チャンバ12の容積拡大が特に同時に、作業チャンバ14の容積縮小を伴うように、かつ作業チャンバ14の容積拡大が作業チャンバ12の容積縮小を特に同時に伴うように、互いに連結されている。特に概略的に示されたように、図1には、好ましくは液体として形成された流体を収容可能なまたは収容しているリザーバ16が示されている。リザーバ16は、アースとも称される。
【0044】
アクチュエータ装置10は、各作業チャンバ12,14のその都度の容積拡大により駆動可能な、そしてこれにより可動である被駆動装置18を有している。第1の実施形態では、被駆動装置18は、少なくとも1つのまたはこの場合ちょうど1つの被駆動エレメント20を有しており、被駆動エレメントは、ピストン22を、特に正確にはピストンロッド24を含む。この場合、アクチュエータ装置10は、被駆動エレメント20を、特にピストン22を可動に収容しているケーシング26を含む。第1の実施形態では、被駆動エレメント20は、ひいては被駆動装置18は、ケーシング26に対して相対的に、第1の運動方向および第2の運動方向へ、並進的に移動させられる。第1の運動方向は、矢印28によって示されており、第2の運動方向は、矢印30によって示されている。矢印28および30により、運動方向が互いに平行に延在しており、第2の運動方向は第1の運動方向の逆であることがわかる。被駆動エレメント20、特にピストン22は、作業チャンバ12と作業チャンバ14との両方をそれぞれ直接部分的に画定しており、作業チャンバ12と作業チャンバ14とは、それぞれ部分的に直接、ケーシング26によって画定されている。作業チャンバ12は特に、各運動方向に沿って、ピストン22もしくは被駆動エレメント20の第1の面32に配置されていて、作業チャンバ14は、ピストン22もしくは被駆動エレメント20の第2の面34に配置されており、第2の面34は各運動方向に沿って第1の面32とは反対側にある、もしくはその逆であることが見て取れる。これは、第1の実施形態では、作業チャンバ12および14が、被駆動エレメント20、特にピストン22の、運動方向に沿って互いに反対の面32および34に配置されていることを意味している。この場合、面32は作業チャンバ12を部分的かつ直接に画定していて、面34は作業チャンバ14を部分的かつ直接に画定している。図1からわかるように、ピストンロッド24は少なくとも部分的に作業チャンバ14内に配置されているので、作業チャンバ12の容積拡大は、作業チャンバ14の容積縮小と同程度には行われず、作業チャンバ14の容積拡大は、作業チャンバ12の容積縮小と同程度には行われない。したがって、例えば、被駆動エレメント20が、ケーシング26に対して相対的に第2の運動方向で第1の距離を並進運動させられると、例えば、作業チャンバ12からは第1の量の流体が排出させられ、特に同時に、第1の量よりも少ない第2の量の流体が、作業チャンバ14内に進入させられる。換言すると、例えば、第1の容積単位分だけ作業チャンバ12の容積縮小が行われ、これに伴い、第1の容積単位より少ない第2の容積単位分だけ作業チャンバ14の容積拡大が行われる。この場合、特に、各作業チャンバ12もしくは14は、流体を収容することができる、ケーシング26と被駆動エレメント20とによって取り囲まれるもしくはそれぞれ直接画定される非実体の空間であると理解されたい。
【0045】
アクチュエータ装置10は、さらに、図1に示した第1の実施形態では、第1の固体アクチュエータとしての固体アクチュエータ38と、第2の固体アクチュエータ40とを有するポンプ装置36を有しており、固体アクチュエータ38と40とは、特に互いに離隔された別個の構成要素である。ポンプ装置36によって、流体をリザーバ16から、特にちょうど1つの圧送方向で圧送することができる。換言すると、好ましくは、各固体アクチュエータ38,40は、流体をリザーバ16からそれぞれちょうど1つの、すなわちそれぞれ唯1つの圧送方向で圧送するように形成されている。
【0046】
例えば各固体アクチュエータ38,40によって、各ポンプチャンバの各容積が、特に各ポンプチャンバの各容積が交互に増大可能かつ縮小可能であるように可変であることがわかる。各ポンプチャンバの各容積の増大により、特に各逆止弁43もしくは47を介して、流体がリザーバ16から各ポンプチャンバ内へと圧送される、特に吸い込まれる。各逆止弁43,47により、リザーバ16から各ポンプチャンバ内へと流体はそれぞれ流れることができるが、各ポンプチャンバの各容積が縮小した場合に特に、各ポンプチャンバから各逆止弁43,47を介してリザーバ16内へと流れが戻ることは阻止される。各ポンプチャンバの各容積が縮小されると、これにより、流体は各ポンプチャンバから、特に各逆止弁45もしくは49を介して圧送される。
【0047】
アクチュエータ装置10は、ポンプ装置36によって、特に固体アクチュエータ38によって圧送された流体が貫流することができる第1の流路42を有しており、この場合、固体アクチュエータ38は第1の流路42に割り当てられており、第1の流路42は固体アクチュエータ38に割り当てられている。第1の流路42は、第1の作業チャンバ12の上流かつポンプ装置36の下流に、したがって割り当てられた固体アクチュエータ38の下流に配置されている。第1の流路42を介して、第1の作業チャンバ12の容積拡大を生じさせるために、ポンプ装置36によって、特に固体アクチュエータ38によって圧送され、第1の流路42を貫流する流体を、第1の作業チャンバ12内へと導入することができる。アクチュエータ装置10は、さらに、ポンプ装置36によって、特に固体アクチュエータ40によって圧送された流体が貫流することができる第2の流路44を有している。この場合、固体アクチュエータ40は流路44に割り当てられていて、流路44は固体アクチュエータ40に割り当てられている。第2の流路44は、第2の作業チャンバ14の上流かつポンプ装置36の下流に、特に固体アクチュエータ40の下流に配置されている。第2の流路44を介して、第2の作業チャンバ14の容積拡大を生じさせるために、ポンプ装置36によって、特に第2の固体アクチュエータ40によって圧送され、第2の流路44を貫流する流体を、第2の作業チャンバ14内へと導入することができる。
【0048】
各ポンプチャンバの容積が縮小されると、これにより、流体は各ポンプチャンバから、特に各逆止弁45もしくは49を介して圧送されて、各流路42,44内へと圧送され、その結果各流路42,44を通して圧送される。各逆止弁45,49により、この場合、各ポンプチャンバから各流路42,44内へと流体はそれぞれ流れることができるが、各ポンプチャンバの容積が縮小した場合に特に、各流路42,44から各逆止弁45,49を介して各ポンプチャンバ内へと流体が戻るように流れることは阻止される。
【0049】
図1により明らかであるように、この場合、各ポンプチャンバは、各ポンプチャンバを部分的に、好ましくは直接画定する各ポンプケーシングに対して相対的に、特に各固体アクチュエータ38,40によって並進的に可動な各ポンプピストン39もしくは41によって、特に直接かつ/または部分的に画定されている。各固体アクチュエータ38,40による各ポンプピストン39,41の運動、特に往復運動により、各ポンプチャンバの各容積は交互に縮小および拡大することができる。
【0050】
第1の作業チャンバ12には、第1の導出路46が割り当てられており、この導出路を介して、第1の作業チャンバ12の容積縮小のために、流体が第1の作業チャンバ12から導出可能であり、特にリザーバ16内に導入可能である。第2の作業チャンバ14には、第2の導出路48が割り当てられており、この導出路を介して、第2の作業チャンバ14の容積縮小のために、流体が第2の作業チャンバ14から導出可能であり、特にリザーバ16内に導入可能である。各固体アクチュエータ38,40は、流体をリザーバ16から圧送し、この場合、それぞれ割り当てられた流路42,44を通して圧送することができ、それぞれ割り当てられた流路42,44を介してそれぞれ割り当てられた作業チャンバ12,14内に圧送することができ、この場合、作業チャンバ12は流路42に割り当てられていてかつその逆であり、作業チャンバ14は流路44に割り当てられていてかつその逆であることが見て取れる。導出路46を介して、流体を作業チャンバ12から導出することができ、特にリザーバ16へと戻すように案内することができ、導出路48を介して流体を作業チャンバ14から導出することができ、特にリザーバ16へと戻すように案内することができる。
【0051】
第1の導出路46には、第1の導出路46を閉鎖する第1の閉鎖位置と、第1の導出路46を解放する少なくとも1つの第1の開放位置との間で可動である第1の弁エレメント50が配置されている。第2の導出路48には、第2の導出路48を閉鎖する第2の閉鎖位置と、第2の導出路48を解放する少なくとも1つの第2の開放位置との間で可動である第2の弁エレメント52が配置されている。例えば、各弁エレメント50,52は、各閉鎖位置と各開放位置との間で特に単に並進的に、特に、図1には詳しく示されていない弁ケーシングに対して相対的に可動である。
【0052】
アクチュエータ装置10は、ポンプ装置36の下流、特に固体アクチュエータ38の下流、かつ第1の作業チャンバ12の上流に配置された第1の分岐個所A1で第1の流路42に流体接続されている第1の操作路54を有している。第1の分岐個所A1では、ポンプ装置36によって、特に固体アクチュエータ38によって圧送され、第1の流路42を貫流する流体の一部が、第1の流路42から分岐可能であり、第1の操作路54内へと導入可能である。第1の操作路54を介して、第2の弁エレメント52が、第1の操作路54内に導入され第1の操作路54を貫流する流体によって操作可能であり、これにより第2の閉鎖位置から第2の開放位置へと移動可能であり、特に例えば第2の開放位置で保持されることができる。さらに、アクチュエータ装置10は、ポンプ装置36の下流、特に固体アクチュエータ40の下流、かつ第2の作業チャンバ14の上流に配置された第2の分岐個所A2で第2の流路44に流体接続されている第2の操作路56を有している。第2の分岐個所A2では、ポンプ装置36によって、特に固体アクチュエータ40によって圧送され、第2の流路44を貫流する流体の一部が、第2の流路44から分岐可能であり、第2の操作路56内へと導入可能である。第2の操作路56を介して、第1の弁エレメント50が、第2の操作路56内に導入され第2の操作路56を貫流する流体によって操作可能であり、これにより第1の閉鎖位置から第1の開放位置へと移動可能であり、特に第1の開放位置で保持されることができる。
【0053】
第1の実施形態では、第1の弁エレメント50に、固体として形成された第1の操作ピストン60、特に操作ピストン60の表面によって形成されている第1の操作領域58が配属されている。さらに、弁エレメント50には、操作領域58によって、ひいては操作ピストン60によって直接画定された第1の操作チャンバ62が配属されており、この操作チャンバは、部分的には、操作領域58、ひいては操作ピストン60によって直接画定されていて、部分的には、第1の操作ケーシング64によって直接画定されている。第1の操作ピストン60は、特に並進的に可動に、第1の操作ケーシング64内に収容されていて、特に第1の操作ピストンロッド66を介して第1の弁エレメント50に接続されている。したがって、操作ピストン60と、弁エレメント50と、特に操作ピストンロッド66とは共にもしくは同時に、好ましくは並進的に、第1の操作ケーシング64に対して相対的に、特に第1の開放位置と第1の閉鎖位置との間で可動である。操作チャンバ62内には、第2の操作路56内に導入されて第2の操作路56を貫流する流体が第2の操作路56を介して導入可能であり、これにより第1の操作領域58ひいては第1の操作ピストン60が、第2の操作路56内に導入されて第2の操作路56を貫流し第2の操作路56を介して第1の操作チャンバ62内に導入される流体によって直接負荷可能であり、これにより第1の弁エレメント50が、第1の閉鎖位置から第1の開放位置へと特に並進的に、操作ケーシング64に対して相対的に移動可能である。
【0054】
第2の弁エレメント52には、固体として形成された第2の操作ピストン70、特に第2の操作ピストン70の表面によって形成されている第2の操作領域68が配属されている。さらに、弁エレメント52には、第2の操作領域68によって、ひいては第2の操作ピストン70によって少なくとも部分的に直接画定された第2の操作チャンバ72が配属されている。さらに、第2の操作チャンバ72は、第2の操作ピストン70が特に並進的に可動に収容されている第2の操作ケーシング74によって部分的に直接画定されている。第2の操作ピストン70は、特に第2の操作ピストンロッド76を介して、第2の弁エレメント52に接続されていて、これにより第2の弁エレメント52と、第2の操作ピストン70と、特に第2の操作ピストンロッド76とは、特に共にもしくは同時に、第2の操作ケーシング74に対して相対的に、特に並進的に、特に第2の閉鎖位置と第2の開放位置との間で可動である。第2の操作チャンバ72内には、第1の操作路54内に導入されて第1の操作路54を貫流する流体が第1の操作路54を介して導入可能であり、これにより第2の操作領域68がひいては第2の操作ピストン70が、第1の操作路54内に導入されて第1の操作路54を貫流し第1の操作路54を介して第2の操作チャンバ72内に導入される流体によって直接負荷可能であり、これにより第2の弁エレメント52が、例えばこれと共に第2の操作ピストン70と特に第2の操作ピストンロッド76とが、特に操作ケーシング74に対して相対的にかつ/または並進的に、第2の閉鎖位置から第2の開放位置へと移動可能である。
【0055】
各操作ピストン60もしくは70に対して代替的に、蛇腹、特にベローズを使用することもできる。本明細書で開示されたすべての他のピストンについても同様である。
【0056】
操作領域58、ひいては操作ピストン60、操作チャンバ62、操作ケーシング64、および操作ピストンロッド66は、操作ユニット78の構成部分であり、または操作ユニット78を形成しており、この操作ユニットを介して、弁エレメント50は、操作路56を貫流する流体によって操作可能であり、これにより第1の閉鎖位置から第1の開放位置へと移動可能である。したがって、操作領域68、操作ピストン70、操作チャンバ72、操作ケーシング74、および操作ピストンロッド76は、第2の操作ユニット80であり、または第2の操作ユニット80を形成しており、この操作ユニットを介して、弁エレメント52は、第1の操作路54を貫流する流体によって操作可能であり、ひいては第2の閉鎖位置から第2の開放位置へと移動可能である。各弁エレメント50,52は、この弁が操作されない場合には、自動的にそのそれぞれの閉鎖位置に戻るか、もしくはそのそれぞれの閉鎖位置をとるノーマルクローズ弁(常閉弁)である。
【0057】
操作ユニット78、ひいては第1の操作領域58、および第1の操作チャンバ62には、第1の流れ制限エレメント82が割り当てられていて、この流れ制限エレメントは、第1の排出路84に配置されている。第1の流れ制限エレメント82と第1の排出路84とは、第2の操作路56を貫流し第1の操作チャンバ62内に流入する流体の流れ方向で、操作ユニット78に対して並列に接続されている。第1の排出路84を介して、ひいては第1の流れ制限エレメント82を介して、第1の操作チャンバ62から流体が導出可能であり、特にリザーバ16内へと導入可能であり、これにより第1の開放位置から第1の閉鎖位置への第1の弁エレメント50の移動を行わせるまたは可能にする。したがって、操作ユニット80、ひいては第2の操作領域68、および第2の操作チャンバ72には、第2の流れ制限エレメント86が配属されていて、この流れ制限エレメントは、第2の排出路88に配置されている。排出路88と流れ制限エレメント86とは、第1の操作路54を貫流し第2の操作チャンバ72内に流入する流体の流れ方向で、操作ユニット80に対して並列に接続されている。排出路88を介して、ひいては第2の流れ制限エレメント86を介して、第2の操作チャンバ72から流体が導出可能であり、リザーバ16内へと導入可能であり、これにより第2の開放位置から第2の閉鎖位置への第2の弁エレメント52の移動を行わせるまたは可能にする。
【0058】
各流れ制限エレメント82,86は、絞り、例えば剛性的な、したがって調節不能な絞り、または調節可能な、特に制御可能な絞りであってよい。流れ制限エレメント82,86は、各操作チャンバ62,72から特にリザーバ16内への、例えば特に制御可能な、制御された、または調節可能な流体の流れを生じさせるまたは可能にするための能動的なまたは受動的なエレメントであってよい。特に、各流れ制限エレメント82,86は、各操作チャンバ62,72とリザーバ16との間の圧力補償を、かつ/または特にその結果、作業チャンバ12と14との間の圧力補償を可能にする機能エレメントである。
【0059】
流れ制限エレメント82,86は、線形のエレメントであってよく、すなわち、線形の特性を有していてよく、特に、特に各排出路84,88内に形成される圧力が高いほど、各流れ制限エレメント82,86を通る流体のより高い通流を生じさせるように設計されているか、または流れ制限エレメント82,86は、特に各排出路84,88内に形成される流体圧力とは無関係に、各流れ制限エレメント82,86を通る流体の通流が一定に保たれるようにまたは一定であるように設計されている一定流エレメントおよび/または流れコントローラである。特に例えば、流れ制限エレメント82,86が絞りである場合には、流れ制限エレメント82,86は線形のエレメントであり、したがって、比例的または漸減的な特性、すなわち特に一定に比例する特性または一定に漸減的な特性を有する。
【0060】
さらに、図1により、第1の流路42には、第1の分岐個所A1の下流かつ作業チャンバ12の上流に、第1の流路42を通る流体の流れを、第1の分岐個所A1の方向で阻止し、第1の作業チャンバ12の方向で許容する第1の逆止弁90が配置されていることがわかる。第2の流路44には、第2の分岐個所A2の下流かつ第2の作業チャンバ14の上流に、第2の流路44を通る流体の流れを、第2の分岐個所A2の方向で阻止し、第2の作業チャンバ14の方向で許容する第2の逆止弁92が配置されている。
【0061】
アクチュエータ装置10は、4象限動作で動作可能である。換言すると、アクチュエータ装置10は、以下で説明する4象限動作を可能にする。
【0062】
例えば第1の動作状態では、特にポンプ装置36による、特に固体アクチュエータ40による作業チャンバ14内への流体の圧送が中断されている間に、極めて特に固体アクチュエータ40による流体の圧送が特に完全に中断されている間に、ポンプ装置36、特に固体アクチュエータ38は、流体を、特にリザーバ16から流路42を介して作業チャンバ12内へ圧送する。一方ではこれにより、作業チャンバ12の容積拡大が、およびこれに伴い作業チャンバ14の容積縮小が、特に、分岐個所A1で、ポンプ装置36によって、特に固体アクチュエータ38によって圧送されて、流路42を貫流する流体の一部が分岐して、操作路54内へと導入され、操作路54によって操作チャンバ72内へと導入されることにより行われる。これにより弁エレメント52が操作されて、これにより第2の閉鎖位置から第2の開放位置へ動かされ、これにより、作業チャンバ14の容積縮小を許容するために、流体は作業チャンバ14から導出路48を介して、ひいては弁エレメント52を介して流出することができ、特にリザーバ16内へ流れることができる。これにより、被駆動エレメント20は、矢印28により示された第1の運動方向で、特に並進的にかつ/またはケーシング26に対して相対的に動かされる。特にこれにより、例えば、被駆動エレメント20は、第1の位置から、第1の位置とは異なる第2の位置へと動かされる。作業チャンバ12内への流体の圧送が終了し、作業チャンバ14内への流体の圧送が中断されていると、弁エレメント52は、特に、最初に操作チャンバ72内に収容された流体の少なくとも一部が、排出路88を介して、ひいては流れ制限エレメント86を介して操作チャンバ72から導出され、特にリザーバ16内へ案内されることにより、特に独立的に、すなわち自動的に第2の開放位置から第2の閉鎖位置へ戻される。その結果、被駆動エレメント20は、前述した第2の位置にとどまる。これは特に、流体が作業チャンバ12および14内に圧送されず、弁エレメント50および52がその閉鎖位置に位置している場合には、システムまたは全体システムとも呼ばれるアクチュエータ装置10は、高いインピーダンス、すなわち、高い剛性を有しており、したがって剛性であり、これにより被駆動エレメント20が第2の位置に、すなわち、被駆動エレメント20がその前に移動させられたその位置にとどまることを意味している。
【0063】
例えば、被駆動エレメント20は、第1の動作状態で、ひいては、被駆動エレメントが第1の運動方向で動かされる場合に、図1に力矢印F1によって示されている第1の力を提供する。力F1によって、例えば、被駆動エレメント20に対して特に付加的に設けられた、ひいては、対象物とも呼ばれるエレメントを、第1の力(力矢印F1)が作用する、特に矢印28によって示された第1の運動方向で動かすことができるかつ/または緊張させることができる。特に、第1の力(力矢印F1)を押圧力として、被駆動エレメント20からそのエレメントに加えることができ、これにより例えば、第1の動作状態では、被駆動エレメント20が対象物をもしくは対象物上を押すことができる。第1の動作状態では、または第1の動作状態によって、被駆動エレメント20が能動的に第1の運動方向で動かされ、これにより、ポンプ装置36によって、特に固体アクチュエータ38によって能動的に流体が作業チャンバ12内へと圧送されるので、第1の動作状態は能動的な動作状態である。第1の動作状態、すなわち第1の運動方向での被駆動エレメント20の移動は、第1象限とも、または第1象限における運動とも呼ばれる。
【0064】
第2の動作状態では、特にポンプ装置36による、特に固体アクチュエータ38による作業チャンバ12内への流体の圧送が中断されている間に、特にポンプ装置36による、特に固体アクチュエータ38による流体の圧送が特に全体として中断されている間に、例えばポンプ装置36、特に固体アクチュエータ40は、流体を、特にリザーバ16から流路44を介して作業チャンバ14内へ圧送する。これにより、作業チャンバ14の容積拡大が生じ、この容積拡大は、作業チャンバ12の容積縮小を伴う。作業チャンバ12の容積縮小は、特に、分岐個所A2で、ポンプ装置36によって、特に固体アクチュエータ40によって圧送されて流路44を貫流する流体の少なくとも一部が分岐して、操作路56内へと導入され操作路56によって操作チャンバ62内へと導入されることにより可能となる。これにより弁エレメント50が、第1の閉鎖位置から第1の開放位置へ動かされ、これにより、作業チャンバ12内に収容された流体の少なくとも一部は導出路46を貫流し、ひいては導出路46を介して、ひいては弁エレメント50を介して作業チャンバ12から流出することができ、特にリザーバ16内へ流れることができる。第1の動作状態では、弁エレメント50が閉鎖されており、これにより第1の動作状態では、作業チャンバ12から導出路46を介して流体が流出することはできず、第2の動作状態では、弁エレメント52が閉鎖されており、これにより第2の動作状態では、流体が作業チャンバ14から導出路48を介して流出することができないことがわかる。
【0065】
第2の動作状態ではまたは第2の動作状態により、被駆動エレメント20は、特に並進的にかつ/またはケーシング26に対して相対的に、矢印30により示された第2の運動方向で動かされ、これにより例えば被駆動エレメント20は、第2の位置から第1の位置へ戻され、第2の位置から第1の位置および第2の位置とは異なる第3の位置へ動かされる。作業チャンバ14内への流体の圧送が終了し、特に作業チャンバ12内への流体の圧送が中断されている間、弁エレメント50は、特に自動的にまたは独立的にその第1の開放位置から第1の閉鎖位置へと戻り、これによりシステムは、再び高いインピーダンス、すなわち、高い剛性を有し、被駆動エレメント20は、第1の位置もしくは第3の位置、すなわち、被駆動エレメント20がその前に移動させられた位置にとどまる。各弁エレメント50もしくは52が独立的にまたは自動的に各開放位置から各閉鎖位置に戻るという特徴は、弁エレメント50もしくは52を能動的に制御する必要なく、すなわち操作する必要なく、各弁エレメント50もしくは52が各開放位置から各閉鎖位置へ戻ることと理解される。各弁エレメント50もしくは52は、特に各作業チャンバ14もしくは12内への流体の圧送が終了されるだけで、各開放位置から各閉鎖位置へ戻ることができる。
【0066】
さらに、流体が作業チャンバ12もしくは14内に圧送されない場合は、各弁エレメント50,52が開放されているすなわち開放位置にあると考えることができる。換言すると、作業チャンバ12,14内への流体の圧送が終了されると、弁エレメント50,52が、特に自動的に開放位置に戻る、または開放状態にとどまる、すなわち開放位置にとどまることが考えられる。
【0067】
特に、各弁エレメント50もしくは52は、特に単に、システム内の圧力特性および/または流れ特性に基づいて、独立的にまたは自動的に、すなわち、各弁エレメント50もしくは52を能動的に操作する必要なく、各開放位置から各閉鎖位置へと戻る。
【0068】
第2の動作状態、すなわち第2の運動方向での被駆動エレメント20の移動は、第2象限とも、または第2象限における運動とも呼ばれる。第1の動作状態および第2の動作状態では、それぞれの作業チャンバ12もしくは14の容積拡大を特に能動的に生じさせるために、ポンプ装置36により流体を能動的に各作業チャンバ12もしくは14内に圧送することにより被駆動エレメント20が移動させられるので、第1の動作状態および第2の動作状態は、アクチュエータ装置10のモータの動作状態、すなわちモータの動作である。
【0069】
例えば、被駆動エレメント20は、第2の動作状態ではまたは第2の動作状態により、この場合、矢印30により示された第2の運動方向で作用する、図1で力矢印F2によって示された第2の力を提供し、被駆動エレメント20は、第2の動作状態でまたは第2の動作状態により、第2の運動方向で特に並進的にかつ/またはケーシング26に対して相対的に動かされる。力F1は第1の運動方向で、力F2は第2の運動方向で作用するので、第2の力F2は、第1の力とは反対方向に作用し、第1の力は第2の力とは反対方向に作用する。例えば、第2の力は、例えば、被駆動エレメント20から、上述した対象物に作用する引っ張り力である。したがって、例えば、第2の動作状態によりまたは第2の動作状態で、被駆動エレメント20によって対象物を、特に第2の運動方向で動かすかつ/または緊張させることができ、または、第1の動作状態により対象物が緊張させられる場合には、第2の動作状態によって対象物を弛緩させるもしくは解放すると考えることができる。特に、第2の動作状態では、力矢印F2によって示された第2の力は、被駆動エレメント20から対象物に加えることができるもしくは作用することができる。
【0070】
要するに、例えば、第1の動作状態では、第1の力が被駆動エレメント20によって提供され、特に被駆動エレメント20から対象物に作用し、第2の動作状態では、被駆動エレメント20から第2の力が提供され、もしくは第2の力が被駆動エレメント20から対象物に作用することがわかる。
【0071】
例えば、アクチュエータ装置10の第3の動作状態では、被駆動エレメント20に、第1の運動方向(矢印28)で作用する、力矢印F3によって示された第3の外力が作用する。特に、第3の力は、引っ張り力として被駆動エレメント20に対して作用する。例えば、被駆動エレメント20が、第3の力によって第1の運動方向で、特に並進的にかつ/またはケーシング26に対して相対的に可動であるもしくは動かされることを可能にするために、以下のことが想定されてよい:第3の力が第1の運動方向で被駆動エレメント20に加えられることにより、少なくとも一時的にまたは短時間、作業チャンバ12内に、初期レベルよりも特に僅かに減じられた圧力が生じ、かつ作業チャンバ14内に、初期レベルよりも高い圧力が生じ、これにより逆止弁92が、および特に少なくとも一時的にもしくは短時間、弁エレメント52も閉じられる。いまや第3の力により生ぜしめられる、被駆動エレメント20の運動を可能にするために、特に作業チャンバ14内へ流体の圧送が中断されている間、ポンプ装置36により、特に固体アクチュエータ38により、流体は、特にリザーバ16から、特に作業チャンバ12内へ圧送され、これにより作業チャンバ12内には、これにより操作チャンバ72が分岐個所A1において流路42に流体接続され、弁エレメント52を操作し、ひいては開放させ、すなわちその第2の閉鎖位置から第2の開放位置に移動させられるまで上昇する圧力が形成させられる。その結果、流体は、作業チャンバ14から、今や開かれた導出路48を介して流出することができ、これにより被駆動エレメント20は第1の運動方向で動くことができる。その結果、作業チャンバ12内には、少なくとも一時的にまたは短時間、初期レベルよりも低下した圧力が形成され、これにより分岐個所A1を介して、かつ操作路54を介して、流体が操作チャンバ72から圧送させられて、特に吸い出されて、これにより弁エレメント52は再び閉じられる。その結果、流体は、もはや作業チャンバ14から流出することはできないので、被駆動エレメント20はそれ以上、第1の運動方向で動くことはできない。これにより、被駆動エレメント20は、ちょうど固体アクチュエータ38のポンプ速度で、すなわち、ポンプ装置36によって、特に固体アクチュエータ38によって、流体が流路42を通って圧送される速度で、第1の運動方向で動かされる。操作路54を通り、分岐個所A1を介して作業チャンバ12内へ到る流体の流れは、ポンプ装置36を介した流体の流れよりも低い圧力または低い差圧が作用するので、作業チャンバ12内に少なくとも一時的にまたは短時間生じる低下した圧力に基づき、流体は作業チャンバ12内に分岐個所A1と操作路54とを介して、かつ第1のポンプとも呼ばれる第1の固体アクチュエータ38を介さずに、もしくはポンプ装置36を介さずに圧送される、特に吸い込まれる。換言すると、操作路54および分岐個所A1を介して作業チャンバ12内に到る流体の経路に沿って、ポンプ装置36を介して作業チャンバ12内に到る流体の経路に沿った場合よりも僅かな減圧が生じる。第3の外力により生じる、第1の運動方向での被駆動エレメント20の運動は、第3象限または第3象限における運動とも呼ばれ、この場合、被駆動エレメント20が第3の外力によって動かされることにより、第3の動作状態は、いわばジェネレータの動作またはいわばジェネレータの動作状態である。
【0072】
例えば、アクチュエータ装置の第4の動作状態では、被駆動エレメント20に、力矢印F4によって示された第4の外力が加えられ、この場合、第4の力は第2の運動方向(矢印30)で作用し、したがって第3の力F3とは逆向きである。したがって、例えば、第4の力(力矢印F4)は、被駆動エレメント20への押圧力として、特に上記の対象物から作用する。第4の動作状態は、基本的に第1のジェネレータの動作に相当する、アクチュエータ装置10の第2のジェネレータの動作または第2のジェネレータの動作状態であるが、第1のジェネレータの動作(第3の動作状態)では、第1の運動方向に作用する第3の力が、第2のジェネレータの動作では、ひいては第4の動作状態では、第2の運動方向に作用する第4の力が、外部から被駆動エレメント20に加えられるという点でのみ相違している。第4の力が第2の運動方向(矢印30)で被駆動エレメント20に外部から加えられることにより、少なくとも一時的にもしくは短時間、作業チャンバ14内に、初期レベルよりも減じられた圧力が生じ、かつ作業チャンバ12内には、初期レベルよりも高いまたは高められた圧力が一時的にまたは短時間生じ、これによりまずは逆止弁90および弁エレメント50が閉じられる。しかしながら今や、ポンプ装置36、特に固体アクチュエータ40は、第4の動作状態で、流体を、特にリザーバ16から特に作業チャンバ14内にまたは作業チャンバ14の方向で圧送し、これにより作業チャンバ14内では、分岐個所A2および操作路56を介して弁エレメント50が流体によって操作されひいては第1の開放位置へと動かされるまで、流体の圧力が上昇する。その結果、流体は、作業チャンバ12から導出路46を介して流出することができ、被駆動エレメント20は、第4の力をいわばかわしてもしくは第4の力に屈して、したがって第2の運動方向で特に並進的にかつ/またはケーシング26に対して相対的に動かされる。その結果、作業チャンバ14内には、少なくとも一時的にまたは短時間、初期レベルよりも低下した、すなわち減じられた圧力が形成され、これにより分岐個所A2を介して、かつ操作路56を介して、流体が操作チャンバ62から吸い出される。これにより弁エレメント50は閉じられ、したがって第1の閉鎖位置へと動かされ、これにより被駆動エレメント20はもはや第2の運動方向で動くことはできない。したがって、被駆動エレメント20は、正確にポンプ装置36の、特に固体アクチュエータ40のポンプ速度で、第2の運動方向に動かされ、これにより正確に、ポンプ装置36、特に固体アクチュエータ40が、特に流路44を通して流体を圧送する速度で動かされる。作業チャンバ14内で形成される減じられた圧力は、分岐個所A2と操作路56とを介して操作チャンバ62から流体を吸い込み、ポンプ装置36、特に固体アクチュエータ40を介しては吸い込まない。なぜならば、操作路56および分岐個所A2を経由する操作チャンバ62からの流体の経路に沿っては、作業チャンバ14の方向または作業チャンバ14内への、ポンプ装置36を介した、特に固体アクチュエータ40を介したリザーバ16からの流体の経路に沿った場合よりも僅かな減圧が行われるからである。したがって、2つのモータ動作および2つのジェネレータ動作は、4象限動作であり、または4象限動作をなし、これにより、被駆動エレメント20のひいては被駆動装置18の特に有利な運動、可動性、または運動可能性が示される。
【0073】
図2は、アクチュエータ装置10の第2の実施形態を概略図で部分的に示している。第2の実施形態では、ポンプ装置36は、流体を圧送するための、第1の流路42および第2の流路44に共通の固体アクチュエータとしての固体アクチュエータ38を有している。さらに、ポンプ装置36は、各流路42もしくは44と、ポンプ装置36、特に固体アクチュエータ38とを貫流する流体の流れ方向で、流路42および44の上流かつポンプ装置36の下流、ひいては固体アクチュエータ38の下流に配置されている弁装置94を有している。弁装置94は、第1の切替状態と第2の切替状態との間で切り替え可能である。固体アクチュエータ38によって、ひいてはポンプ装置36によって、流体を、特にリザーバから、図2に矢印96によって示されたちょうど1つの圧送方向で圧送することができる。弁装置94が第1の切替状態にあるとき、ポンプ装置36によって、すなわち固体アクチュエータ38によって流体が、特に圧送方向で圧送されると、固体アクチュエータ38によって、流体はリザーバ16から弁装置94へとかつ弁装置94内へと圧送され、弁装置94を貫流させられ、弁装置94の第1の切替状態で、固体アクチュエータ38によって圧送されてこれにより弁装置94内に圧送された弁装置94を貫流する流体は、弁装置94を介して、すなわち弁装置94によって、第1の流路42内に導入され、これにより弁装置94の第1の切替状態では、流体は、固体アクチュエータ38によって、弁装置94を介して流路42を通して圧送される。しかしながら、第1の切替状態では、固体アクチュエータ38によって圧送され、弁装置94内に圧送された流体が、流路44内に、かつ流路44を貫流することは、弁装置94によって阻止され、遮断されるので、これにより例えば第1の切替状態で流路42が弁装置94を介して固体アクチュエータ38に流体接続されていて、第1の切替状態では、流路44は弁装置94によって固体アクチュエータ38から流体的に分離されている。
【0074】
弁装置94が第2の切替状態にあるとき、固体アクチュエータ38によって流体が、特にリザーバ16から、特に圧送方向(矢印96)で圧送されると、固体アクチュエータ38によって、流体は弁装置94へとかつ弁装置94内へと圧送されて、弁装置94を貫流して、固体アクチュエータ38によって圧送されて弁装置94内に圧送され、弁装置94を貫流させられた流体は、第2の流路44内に導入され、これにより固体アクチュエータ38によって圧送された流体が固体アクチュエータ38によって流路44を貫流させられるように圧送される。第2の切替状態では、弁装置94が、固体アクチュエータ38によって圧送されて弁装置94内に圧送された流体が流路42内に到り流路42を貫流することを阻止するまたは中断する。したがって例えば第2の切替状態では、流路44が弁装置94を介して固体アクチュエータ38に流体接続されていて、第2の切替状態では、流路42は弁装置94によって固体アクチュエータ38から流体的に分離されている。
【0075】
第2の実施形態では、固体アクチュエータ38、したがってポンプ装置36は、固体アクチュエータ38が流体をリザーバ16から、特に圧送方向で圧送させることができる第3の流路98内に配置されている。固体アクチュエータ38によって圧送され、これにより流路98を貫流する流体の流れ方向で、流路98は弁装置94の上流に配置されている。流路98を介して、固体アクチュエータ38によって圧送される流体は、特にリザーバから弁装置94へと、特に弁装置94内に圧送される。したがって特に、弁装置94の第1の切替状態で流路42が弁装置94を介して流路98に流体接続されていて、一方で、流路44は弁装置94によって流路98から流体的に分離されていることが考えられる。第2の切替状態では、例えば、流路44が弁装置94を介して流路98に流体接続されていて、一方で、流路42が弁装置94によって流路98から流体的に分離されている。
【0076】
図3は、アクチュエータ装置10の第3の実施形態を概略図で示している。第3の実施形態では、自由流路102に配置されている自由流れ弁100が作業チャンバ14に割り当てられている。自由流路102は、作業チャンバ14に流体的に接続可能または接続されている。さらに、自由流路102は、リザーバ16に流体的に接続されているので、以下でさらに詳しく説明するように、自由流路102は、特にリザーバ16から自由流路102を貫流して自由流路102を経由して作業チャンバ14内に到る流体の流れに関して、ポンプ装置36ならびに作業チャンバ12と、逆止弁90および92ならびにこの場合、導出路46および48も、および弁エレメント50および52も迂回する。自由流れ弁100は、逆止弁であってよく、または逆止弁の形態で形成されていてよい。第3の実施形態では、自由流れ弁100は、作業チャンバ14の方向で開放されて、リザーバ16の方向で閉鎖されることが想定されている。これは、自由流れ弁100が、リザーバ16から自由流路102を介して作業チャンバ14内に到る流体の流れを可能にすることであると理解され、この場合、自由流れ弁100は、逆の流れ、すなわち、作業チャンバ14から自由流路102を介してリザーバ16内に到る流体の流れを阻止する、すなわち遮断する。特に自由流れ弁100に関する作業チャンバ14についての上記および下記の構成は、作業チャンバ12にも簡単に転用することができ、逆もまた同様である。
【0077】
自由流れ弁100を介して、ひいては自由流路102を介して、流体は、リザーバ16から、ポンプ装置36を迂回して、作業チャンバ12も迂回して、ならびに逆止弁90および92を迂回して、導出路46および48を迂回して、弁エレメント50および52を迂回して作業チャンバ14内に導入可能である。特に、自由流れ弁100を介して、ひいては自由流路102を介して、弁エレメント50および52に影響を与えることはなく、すなわち、各開放位置から各閉鎖位置へのまたは各閉鎖位置から各開放位置への各弁エレメント50もしくは52の運動を生じさせることなく、流体を、リザーバ16から、自由流れ弁100が割り当てられている作業チャンバ14内に導入することができる。図3に示された第3の実施形態では、自由流れ弁100によって、自由流れ、すなわち、矢印30により示された第2の運動方向での、特に被駆動エレメント20に作用する第4の外力(力矢印F4)に基づく被駆動エレメント20の迅速な運動を保証することができる。例えば、被駆動エレメント20に第4の力が作用することにより、少なくとも一時的にまたは短時間、作業チャンバ14には、初期レベルよりも減じられた、すなわち相対的に低い圧力が形成され、これにより、特に、自由流路102を介して作業チャンバ14とリザーバ16との間に圧力補償が生じるまで、自由流路102を介して、ひいては自由流れ弁100を介して流体がリザーバ16から作業チャンバ14内へと圧送され、特に吸い込まれる。したがって、被駆動エレメント20は、作業チャンバ14とリザーバ16との間の圧力補償が自由流路102を介して生じるまで、第4の力により特に迅速に第2の運動方向で移動することができる。例えば、作業チャンバ14とリザーバ16との間で自由流路102を介して圧力補償が生じた後、第4の力によって被駆動エレメント20をさらに第2の運動方向で動かすために、第4の動作状態に関して上述したように、ポンプ装置36によって流体はリザーバ16から流路44を介して作業チャンバ14内にもしくは作業チャンバ14の方向に圧送され、これにより操作路56を介して弁エレメント50は操作され、ひいては開放され、これにより流体は作業チャンバ12から導出路46を介して外部へと流れ、特にリザーバ16内に流入することができる。
【0078】
減じられた圧力とは、圧力が初期レベルよりも減じられる、すなわち低下させられることを意味する。上昇させられた圧力とは、圧力が初期レベルよりも高くされたことを意味する。
【0079】
例えば第1のもしくは第2の動作状態においてまたは第1のもしくは第2の動作状態後に、ポンプ装置36による流体の圧送が終了して、これにより各弁エレメント50もしくは52の操作が終了すると、各流れ制限エレメント82もしくは86を介して、ひいては各排出路84もしくは88を介して、リザーバ16において各操作チャンバ62もしくは72の間で圧力補償が、特に、流体が操作チャンバ62もしくは72から排出路84もしくは88を介して、ひいては各流れ制限エレメント82もしくは86を介して流出し、リザーバ16内に流入することができるように生じ得る、または行われ得る。その結果、各弁エレメント50もしくは52は再び、各閉鎖位置へと移動する。図1および図3に示されたように、流れ制限エレメント82もしくは86は例えば絞りであってよい。
【0080】
図4には、アクチュエータ装置10の第4の実施形態が概略図で部分的に示されていて、図4では例えば弁エレメント50が示されている。矢印104によって、第1、第2および第3の実施形態の場合と同様に、導出路46は作業チャンバ12に流体的に接続可能であり、または接続されていて、これにより導出路46を介して流体を作業チャンバ12から導出することができ、リザーバ16内へと案内することができることが示されている。さらに、矢印106によって、操作路56が分岐個所A2で流体的に流路44に接続されているまたは接続可能であることが示されている。図4により、流れ制限エレメント82が配置されている排出路84も見ることができる。しかしながら今や流れ制限エレメント82は、もはや単純な絞りではなく、流れを制御し、力を補償する切替弁であり、この切替弁が、場合によっては特にオプションとして単純な、特に線形の絞りを有していてよい。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】