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特表2024-535465風力タービンブレード、ラダー支持アセンブリ、風力タービン、および風力タービンの中空ブレードの内部へアクセスする方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】風力タービンブレード、ラダー支持アセンブリ、風力タービン、および風力タービンの中空ブレードの内部へアクセスする方法
(51)【国際特許分類】
   F03D 1/06 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
F03D1/06 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519530
(86)(22)【出願日】2022-09-27
(85)【翻訳文提出日】2024-05-29
(86)【国際出願番号】 EP2022076781
(87)【国際公開番号】W WO2023052334
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】21199772.1
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519081710
【氏名又は名称】シーメンス ガメサ リニューアブル エナジー エー/エス
【氏名又は名称原語表記】Siemens Gamesa Renewable Energy A/S
【住所又は居所原語表記】Borupvej 16, 7330 Brande, Denmark
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】イェンセン,マーティン ビネロプ
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA22
3H178AA43
3H178BB79
3H178CC02
3H178DD70X
(57)【要約】
ブレード根元部を有する中空ブレードボディと、ブレードの根元端部に配置されたベースプレートと、を含む風力タービンブレードである。ベースプレートは、ブレードの内部にアクセス可能なマンホールを含む。ベースプレートには、マンホールにまたはマンホールの近くに配置され、少なくとも1つのラダーをベースプレートに直接又は間接的に取り付けるように構成された取り付け手段が設けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレード根元部を有する中空ブレードボディと、ブレード(6)の根元端部(8)に配置されたベースプレート(12)と、を含む風力タービンブレード(6,13)であって、
前記ベースプレート(12)は、前記ブレード(6)の内部へ通過可能とするマンホール(14)を含み、
前記ベースプレート(12)に取り付け手段(38)が設けられ、該取り付け手段(38)は、前記マンホール(14)に配置されるかまたは前記マンホール(14)の近傍に配置され、少なくとも1つのラダー(30,34)を前記ベースプレート(12)に直接または間接的に取り付けるように構成される、風力タービンブレード(6,13)。
【請求項2】
前記ベースプレート(12)は、前記マンホール(14)を1つ含み、1つを越えるマンホール(14)は含まない、請求項1に記載の風力タービンブレード(6,13)。
【請求項3】
前記取り付け手段(38)は、
第1のラダー(30)を、前記ブレード(6)の内部とは反対を向いた前記ベースプレート(12)の第1の側に直接または間接的に取り付け、
第2のラダー(34)を、前記ブレード(6)の内部に向いた前記ベースプレート(12)の第2の側に直接または間接的に取り付けるように構成される。請求項1または2に記載の風力タービンブレード(6,13)。
【請求項4】
前記取り付け手段(38)は、前記ベースプレート(12)に外せないように配置されるか、または、 前記取り付け手段(38)は、前記ベースプレート(12)に取り外し可能に配置される、請求項1~3のいずれか1項に記載の風タービンブレード(6,13)。
【請求項5】
前記マンホール(14)は、円形または楕円形である、請求項1~4のいずれか1項に記載の風力タービンブレード(6,13)。
【請求項6】
前記取り付け手段(38)は、前記マンホール(14)を少なくとも部分的に囲む、少なくとも1つのフレーム形またはプレート形の支持セグメント(20)であるか、または、該支持セグメント(20)を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の風力タービンブレード(6,13)。
【請求項7】
前記支持セグメント(20)の形状は、U字状、円形状、楕円形状、または多角形状である、請求項6に記載の風力タービンブレード(6,13)。
【請求項8】
前記取り付け手段(38)は、支持セグメントの異なる位置に割り当てられた2つ以上の異なる取り付け位置を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の風力タービンブレード(6,13)。
【請求項9】
異なる取り付け位置が周方向の異なる位置に割り当てられる、請求項5、6および8のいずれか1項に記載の風力タービンブレード(6,13)。
【請求項10】
前記ベースプレート(12)は、単体のプレートであるか、または、
前記ベースプレート(12)は、第1のマンホール開口(43)を有する第1のプレート(41)と、前記第1のプレート(41)に平行に配置されると共に第2のマンホール開口(44)を有する第2のプレート(42)と、を備え、前記第1及び第2のマンホール開口(43,44)が互いに同じ高さにあって前記マンホール(14)を形成する、請求項1~9のいずれか1項に記載の風力タービンブレード(6,13)。
【請求項11】
風力タービン用のラダー支持アセンブリであって、
該ラダー支持アセンブリ(19)は、少なくとも1つのフレーム形またはプレート形の支持セグメント(20)を含み、前記支持セグメント(20)は、風力タービンブレード(6,13)のベースプレート(12)に取り付け可能であり、前記ベースプレート(12)において少なくとも部分的にマンホール(14)を取り囲み、
該ラダー支持アセンブリ(19)は、ラダー(30,34)を該ラダー支持アセンブリ(19)に取り付けるための少なくとも1つの取り付け部(29,35)を含み、
および/または
該ラダー支持アセンブリ(19)は、請求項1~10のいずれか1項に記載の風力タービンブレード(6,13)に取り付けられるように構成される、ラダー支持アセンブリ。
【請求項12】
該ラダー支持アセンブリ(19)は、2つの取り付け部(29,35)を含み、
該ラダー支持アセンブリ(19)を取り付けた状態において、前記取り付け部(29,35)の各々が前記ベースプレート(12)の反対側にそれぞれに配置される、請求項11に記載のラダー支持アセンブリ。
【請求項13】
該ラダー支持アセンブリ(19)は、少なくとも1つのプラットフォームセグメント(25)を含み、
該ラダー支持アセンブリ(19)は、前記プラットフォームセグメント(25)が前記マンホール(14)を通って延伸するようにして、および/または、前記プラットフォームセグメント(25)が前記マンホール(14)の一方の側に配置されるようにして、前記マンホール(14)に配置可能であり、作業者が前記プラットフォームセグメント(25)の上を通って前記マンホール(14)を抜けられることを可能にする、請求項11または12に記載のラダー支持アセンブリ。
【請求項14】
請求項1~10のいずれか1項に記載の風力タービンブレード(6,13)を少なくとも1つおよび/または請求項11~13のいずれか1項に記載のラダー支持アセンブリ(19)を少なくとも1つ備えた風力タービン。
【請求項15】
風力タービン(1)の中空ブレード(6,13)の内部へ通過することを可能にする方法であって、
前記ブレード(6,13)は、前記風力タービン(1)の回転可能なハブ(5)に取り付けられ、前記ブレード(6)の内部(10)は、前記ブレード(6,13)の根元端部(8)にあるベースプレート(12)のマンホール(14)を通って前記ハブ(5)から入ることが可能であり、
該方法は、
前記ブレード(6,13)を第1の位置に配置すること、
前記第1の位置において、前記ハブ(5)の内部にある足場面(18)から作業者が前記マンホール(14)にアクセス可能であり、前記足場面(18)は、前記ハブ(5)の回転時に静止しており、
前記マンホール(14)の少なくとも1つの縁部でまたは該縁部の近傍で前記ベースプレート(12)にラダー支持アセンブリ(19)を取り付けること、
前記ハブ(5)を回転させることにより第2の位置に前記ブレード(6,13)を配置すること、
前記第2の位置において、前記マンホール(14)と前記足場面(18)との距離が前記第1の位置のときよりも大きく、
前記ブレード(6,13)の内部へ入るために少なくとも1つのラダー(30,34)を前記ラダー支持アセンブリ(19)に取り付けること、を含む、方法。
【請求項16】
前記ブレード(6,13)は、前記第1の位置において、前記ブレード(6,13)の垂直上向き位置に対して90°から120°の角度に向けられ、
および/または
前記ブレード(6,13)は、前記第2の位置において、垂直上向きとされるか、または、255°から285°の角度に向けられる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ラダー支持アセンブリ(19)は、前記ブレード(6,13)が前記第1の位置にあるときに、少なくとも前記マンホール(14)の上縁部または該上縁部の近傍に取り付けられる、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記ラダー支持アセンブリ(19)は、少なくとも1つのフレーム形またはプレート形の支持セグメント(20)を含み、前記支持セグメント(20)は、少なくとも部分的に前記マンホール(14)を囲むようにして前記ベースプレート(12)に取り付けられる、請求項15~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記ラダー支持アセンブリ(19)は、少なくとも1つのプラットフォームセグメント(25)を含み、
前記ラダー支持アセンブリ(19)は、前記プラットフォームセグメント(25)が前記マンホール(14)を通って延伸するようにして、および/または、前記ブレード(6,13)が前記第2の位置にあるときに前記プラットフォームセグメント(25)が前記マンホール(14)の下側に配置されるようにして、前記マンホール(14)に配置される、請求項15~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのラダー(30,34)は、前記ラダー支持アセンブリ(19)に掛けられる、請求項15~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
2つのラダー(30,34)が前記ラダー支持アセンブリ(19)に取り付けられ、
前記2つのラダー(30,34)のうちの第1のラダー(30)は、前記ハブ(5)の内部に向いた前記ベースプレート(12)の側に配置され、
前記2つのラダー(30,34)のうちの第2のラダー(34)は、前記ブレード(6,13)の内部に向いた前記ベースプレート(12)の側に配置される、請求項15~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記第2のラダー(34)は、前記マンホール(14)を通し前記前記ブレード(6,13)の内部に向けて前記ラダー支持アセンブリ(19)の上を滑らせ、そして前記ラダー支持アセンブリ(19)に装着することにより、前記ラダー支持アセンブリ(19)に取り付けられる、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力タービンの中空ブレードの内部へアクセスする方法に関する。ブレードは、風力タービンの回転可能ハブに取り付けられる。ブレードの内部は、ブレードの根元端部のベースプレートのマンホールを通ってハブ領域からアクセス可能である。さらに言えば、本発明は、ラダー支持アセンブリおよび風力タービンに関する。
【背景技術】
【0002】
最大エネルギー出力を増加させるために、風力タービンは大型化して建設されている。特に、オフショア風力タービンは、今日では、3m~8m、ときにはそれ以上の根元直径を有するロータブレードを有する。したがって、ブレードの根元端部もまた、作業者の大きさを超える内径を有し、そのため、中空ブレードの内部に立った作業者の手が届く領域の外にある部分をもつ。
【0003】
ブレードの種類によっては、例えばブレードの内部でメンテナンスルーチンや修理処置を実施するために、時々ブレードに入る必要がある。そこで、中空ブレードの内部に作業者が入り込むことのできるマンホールをブレードのベースプレートに設けることが知られている。しかしながら、特に大型ブレードでは、ブレードまたはロータのそれぞれの方向によっては、作業者が到達できない高さにマンホールがあることがあり、そのため、ベースプレートの背後に存在するブレードのセクションに入ることができない場合がある。
【0004】
一般的に、ハブ内部への進入ポイントに対するマンホールの位置は、風力タービンのロータを回転させることによって変えることができるので、マンホールはアクセス可能な位置とすることが可能である。しかしながら、このような位置にロータブレードを配置することは、作業者からアクセス可能なブレード内部の領域が制限される可能性がある。例えば、ブレードの直径が3m以上の場合、マンホールを通ってブレードの内部にアクセスできるその位置で作業者がブレード内面のすべてのセクションに到達可能にはならない。
【0005】
このことは、ブレードの位置によって次のような問題を招く。マンホールが作業者の届かない位置にあって、マンホールからブレードに入ることができないか、あるいは、マンホールからブレードに入れたとしても、内面のすべてのセクションがブレード内部に立った作業者から届く方向に合っているわけではない。ブレードの内面のすべてのセクションはメンテナンス処置を実施するためにアクセス可能であることが望ましいので、様々なロータ位置でブレードにアクセスできるようにする必要がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、風力タービンの中空ブレードの内部へアクセスするための改良された方法を提供するという目的に基づいている。
【0007】
本発明によれば、この課題は、まず最初に説明する方法によって解決される。この方法は、
第1の位置にブレードを配置すること、
この第1の位置では、ハブの内部の足場面から作業者がマンホールにアクセス可能であり、足場面はハブの回転中に静止したままであり、
マンホールの少なくとも1つの縁部でまたは縁部の近傍でベースプレートにラダー支持アセンブリを取り付けること、
ハブを回転させることによってブレードを第2の位置に配置すること、
この第2の位置では、マンホールと足場面との間の距離が第1の位置よりも大きく、
ブレードの内部にアクセスするために、少なくとも1つのラダーをラダー支持アセンブリに取り付けること、を含む。
【0008】
第1のステップにおいて、ブレードを第1の位置に配置することにより、ハブの内部で足場面に立った作業者がマンホールにアクセスできるようにする。入ろうとしているブレードが第1の位置にくるようにロータを能動的に回転させることでも、第1の位置にブレードを配置することができる。あるいは、例えば、入ろうとしているブレードが第1の位置になるようにロータを停止させるべく回転ロータを制動することも可能である。
【0009】
入ろうとしているブレードは、ブレードの根元端部にベースプレートを備えており、このベースプレートが、中空ブレードの内部と中空ハブの内部とを隔てている。ブレードの内部へ入るために、ベースプレートにマンホールが設けられている。マンホールは、例えば円形や矩形であり、作業者がブレードに入ることを可能にする大きさをもつ。円形のマンホールは、例えば50cmから1mの直径とすることができ、長方形や方形のマンホールは、例えば40cmから1mの縁の長さとすることができる。
【0010】
第1の位置において、マンホールは、ハブ内部の足場面から作業者がアクセス可能である。この場合のアクセス可能とは、作業者が足場面に立って手がマンホールに届く、特に、マンホールの全周に手が届くことを意味する。したがって、マンホールの上端または頂点と足場面との間の距離は、それぞれで1.5m以下とする。これにより、作業者は足場面に立ったときに支障なくマンホールに到達することができる。足場面は、例えば、風力タービンのロータが回転するとき、または、ブレードがハブの中心軸の周りを回転するとき、のそれぞれで回転しないように、風力タービンのナセルまたはその他の静止支持構造に固定することができる。
【0011】
ブレードが第1の位置にあるとき、ラダー支持アセンブリは、ベースプレートに取り付けられる。ラダー支持アセンブリは、少なくとも、マンホールの縁部にまたはマンホールの縁部の直近に、取り付けられる。ラダー支持アセンブリは、例えば、ラダー支持アセンブリをベースプレートの各開口にボルト締めすることによって、ベースプレートに取り付けることができる。マンホールは初めは蓋で覆っておくことができ、この蓋は、ラダー支持アセンブリをマンホールに取り付ける前に取り外される。この蓋の固定に使用されていたボルト穴を、ラダー支持アセンブリをベースプレートに固定するためにも使用することができる。
【0012】
ラダー支持アセンブリは、ブレードの第1の位置で取り付けられるが、ブレードに入るためにはまだ使用されない。ブレードが第1の位置に配置されるとベースプレートにラダー支持アセンブリを支障なく取り付けることが可能になり、つまり、作業者から容易に手の届く位置にラダー支持アセンブリを取り付けることができる。当然ながら、ロータブレードが第1の位置から第2の位置へ回転すると、ラダー支持アセンブリもその位置を変える。したがって、ラダー支持アセンブリは、後に来る第2のブレード位置に対して既に取り付けられていることになり、ラダー支持アセンブリは、ロータブレードが第2の位置に回転したときにラダーを正しく固定できるようにする。
【0013】
ラダー支持アセンブリをベースプレートに取り付けた後、入ろうとしているブレードを、ハブ、または風力タービンブレードのロータのいずれかを回転させることによって、第2の位置に配置する。第2の位置では、第1の位置よりもマンホールと足場面とが離れている。具体的に、マンホールと足場面との間の距離は、足場面に立っている作業者がマンホールに届かないほどに離れる場合がある。具体例をあげると、第2の位置におけるマンホールの下縁部と足場面との間の距離は、1.5m以上、特に2m以上になることがある。第2の位置では、少なくとも1つのラダーが、ブレードの内部にアクセスするために、ラダー支持アセンブリに取り付けられる。ラダー支持アセンブリにラダーを取り付けた後、作業者は、そのラダーを使ってマンホールからブレードに入ることができる。
【0014】
本発明による解決策は、作業者がラダーを使用せずに入ることができないほど足場面から離れてマンホールが位置していても、第2の位置でラダーを使用して中空ブレードの内部に入ることができる、という利点をもつ。
【0015】
ブレードを第1の位置に配置することにより、ブレードのマンホールに支障なくラダー支持アセンブリを取り付けることができる。例えば、ブレード内面の全周にメンテナンス処置を実施しなければならない場合、作業者は、第1の位置でブレードに入ることも可能であり、第1の位置においてアクセス可能な領域で各メンテナンスまたは修理処置を実施できる。
【0016】
ブレードを第2の位置に回した後、そのブレードの回転により、静止の足場面に対するブレードの向きは変化しているので、作業者がアクセスできるブレード内面の領域は変わっている。具体的に、例えばブレードを180°程度回転させると、第1の位置でブレードの下側にあった部分は、第2の位置においてブレードの上側となる。この逆も同様である。
【0017】
本発明に係る方法は、第1のブレード位置でラダー支持アセンブリを取り付けることによって、第2のブレード位置でそのラダー支持アセンブリにラダーを取り付け、ブレードへの安全な進入が可能になる、という利点をもつ。さらに、マンホールに入るための正しい向きに既になっている第2のブレード位置でラダーを取り付けることができるので、ラダーの取り付けが容易である。手間と困難を招く第1のブレード位置におけるラダーの逆さまの取り付けを避けることができる点でも、有益である。
【0018】
特に、本方法は、根元の直径が2m以上、特に3m以上または5m以上のブレードで実施することができる。例えば、風力タービンブレードの根元の直径は、2mから15m、特に3mから8mになることもある。
【0019】
本発明に係る方法は、ハブの内部にある足場面に対しマンホールの位置を変えるためにブレードをピッチ制御する必要がないという、さらなる利点をもつ。通常、タービンブレードを90°程度ピッチ制御すると、静止の足場面に対するブレードのベースプレートのマンホールの位置を変えることができる。しかしながら、メンテナンス処置の間ロータは停止されるので、通常、ブレードはパーキング位置、この位置においてはロータの前側に作用する風からロータにかかる力がまったくないかまたは少なくとも大きくはない、にピッチ制御されることから、ブレードのピッチ変更は好ましくない。発明に係る方法により、ブレードのピッチ制御、従って風力タービンの構成要素、特に主軸受、シャフト、ロータの固定に使用されるブレーキ等における望ましくない負荷の発生、を回避することができるように、ブレードを別の位置へもっていくことができる、という利点もある。
【0020】
風力タービンブレードの内面の様々なセクションへのアクセスが、例えばブレードのシェルの状態をチェックするために、および/または、例えばブレードの内部を通って延びるウェブの上側および下側の修理処置を行うために、必要とされ得る。また、ある種のセンサ、例えばLOPCセンサは、メンテナンス処置の過程で頻繁にアクセスすることが必要な場合がある。このようなセンサは、例えば、風力タービンブレードの基本的に円形の根元部分の周りに3時、6時、9時、および12時の位置に配置され得る。より大きなブレードでは、12時の位置に配置されたセンサに、ブレードの下面つまり6時の位置に立っている作業者が届かないこともある。本発明に係る方法によれば、12時の位置にあるセンサには、ブレードが第2の位置に配置されたときにラダーおよびラダー支持アセンブリを使用して到達することができる。
【0021】
好ましくは、ブレードは、第1の位置において、ブレードの垂直上向き位置に対し、90°~120°の角度、特に105°の角度に向けられ、および/または、ブレードは、第2の位置において、垂直上向きに向けられるか、または、255°~285°の角度、特に270°の角度に向けられる。
【0022】
ブレードの垂直上向き位置は、例えば0°の位置に対応する。垂直上向きとブレードの位置との間の角度は、例えば、ベースプレートの中心点に対するマンホールの位置かまたはマンホールの偏心オフセットに応じて、時計回り方向または反時計回り方向のいずれかで測定することができる。
【0023】
本発明の好ましい態様において、ラダー支持アセンブリは、ブレードの第1の位置において、少なくともマンホールの上縁部かその近くに取り付けられる。そしてブレードをハブの別の側へ回転させたときに、ラダー支持アセンブリはマンホールの下端部に配置され、ラダー支持アセンブリに取り付けられたラダーを使用してブレードへ容易にアクセスできるようにする。これは特に、入ろうとしているブレードが約180°回転したときである。
【0024】
好ましくは、ラダー支持アセンブリは、少なくとも1つのフレーム形またはプレート形、特にリング形または分割リング形の支持セグメントを含み、支持セグメントは、少なくとも部分的にマンホールを囲むようにしてベースプレートに取り付けられる。支持セグメントは、ラダー支持アセンブリの別の構成要素をマンホールに、特に開口部と直交するように、取り付けることを可能にする。ブレードが第2の位置に回転したときにラダー支持アセンブリに取り付けられるラダーは、支持セグメントに直接取り付けられるか、または、ブレードが第1の位置にあるときに支持セグメントに取り付けられたラダー支持アセンブリの別の構成要素に取り付けることができる。
【0025】
好ましくは、ラダー支持アセンブリは、少なくとも1つのプラットフォームセグメントを含む。この場合のラダー支持アセンブリは、プラットフォームセグメントがマンホールを通って延びるようにして、および/または、ブレードが第2の位置にあるときにマンホールの下側にプラットフォームセグメントが配置されるようにして、マンホールのところに配置される。特に、プラットフォームセグメントは、回転ブレードの垂直の向きとは異なる第2の位置にブレードを回転させるときに使用することができる。プラットフォームセグメントは、作業者がプラットフォームセグメントの上を例えば歩いてまたは腹ばいで通りマンホールを抜けるようなときに、作業者のマンホール通過を容易にする。
【0026】
ラダー支持アセンブリの別の(さらなる)構成要素をプラットフォームセグメントに取り付けることが可能である。別の構成要素として、例えば、1つ以上の手すりおよび/または1つ以上の支持支柱が取り付けられる。これらは、例えば、プラットフォームセグメントを支持セグメントに対しておよび/またはベースプレートに対して支持する。プラットフォームセグメントが1つ以上のラダーを固定するための1つ以上の取り付け部を含むことも可能であるし、または、1つ以上の取り付け部がプラットフォームセグメントに取り付けられるようにすることも可能である。これらの構成要素は、第1のブレード位置において取り付けられ、その向きは、入ろうとしているブレードが第2の位置に回転したときに適切に使用されるように調節される。
【0027】
好ましい態様において、少なくとも1つのラダーがラダー支持アセンブリに掛けられる。ロータブレードが第2の位置まで回転したとき、1つのラダーが、ラダー支持アセンブリに掛けることによって、特に、ラダー支持アセンブリの取り付け部に掛けることによって、ラダー支持アセンブリに取り付けられ得る。取り付け部は、例えば、ラダーの一番上の部分を取り付けることができる1つ以上のフックを含み得る。あるいは、ラダーがその一番上に1つ以上のフックを含んでいてもよく、このフックがラダー支持アセンブリの取り付け部にある相応の対応部分に係合する。ラダーは、ラダー支持アセンブリに取り付けた後に、少なくとも1つの固定機構によっておよび/またはボルトのような1つ以上の締結手段を使用することによって、固定することが可能である。
【0028】
ラダーは、1つ以上の支持セグメントを含むことができ、この支持セグメントは、特にラダー支持アセンブリのプラットフォームが使用される場合、風力タービンブレードのベースプレートに対してラダーを支持することを可能にする。この場合、ラダーは、ラダーとブレードのベースプレートとの間にも隙間が残るように、マンホールに対し間隔を空けて配置されたプラットフォームセグメントの縁部に吊り下げられる。この間隙は、例えば支持フィード等の1つ以上の支持構造体によって橋渡しすることができる。支持構造体は、ラダー支持アセンブリにラダーを取り付ける前または取り付けた後にラダーに取り付けることができ、ラダーをベースプレートに対して支持し、マンホールへのアクセスを容易にする。
【0029】
好ましくは、2つのラダーがラダー支持アセンブリに取り付けられる。この場合、第1のラダーが、ベースプレートのハブ内部に面する側に配置され、第2のラダーが、ベースプレートのブレード内部に面する側に配置される。これにより、ハブ内の足場面から登ってマンホールを通り、マンホールからベースプレートの反対側のブレード内部に第2のラダーを使って降下することができる。
【0030】
好ましい態様において、第2のラダーは、マンホールを通してラダー支持アセンブリのあるブレードの内部へ向け滑らせ、そして特にラダー支持アセンブリに吊るすことによってラダー支持アセンブリに係止させることによって、ラダー支持アセンブリに取り付けられる。第2のラダーは、例えば、ラダー支持アセンブリのプラットホームセグメントまたは別の案内構造体の上を滑らせることができる。第2のラダーは、ラダー支持アセンブリに吊るすことによってラダー支持アセンブリに取り付けることができ、このラダーは、ラダー支持アセンブリから、入ろうとしているブレードの内部の下部に向かって延伸する。
【0031】
第1のラダーと同様に、第2のラダーも、マンホールに対し間隔を空けて配置されたプラットフォームセグメントの縁部に掛けて、ラダーとブレードのベースプレートとの間にも隙間が残るようにしてもよい。この間隙は、例えば支持フィード等の1つ以上の支持構造体によって橋渡しすることができる。支持構造体は、ラダー支持アセンブリに第2のラダーを取り付ける前または取り付けた後に第2のラダーに取り付けることができ、第2のラダーをベースプレートに対して支持し、マンホールへのアクセスを容易にする。
【0032】
本発明に係る風力タービン用ラダー支持アセンブリは、少なくとも1つの、フレーム形またはプレート形、特にリング形または分割リング形の、支持セグメントを含み、この支持セグメントは、風力タービンブレードのベースプレートに、少なくとも部分的にベースプレートのマンホールを取り囲むようにして取り付け可能である。このラダー支持アセンブリは、ラダーをラダー支持アセンブリに取り付けるための少なくとも1つの取り付け部を含む。フレーム形またはプレート形の支持セグメントは、マンホールのところまたはその近傍でベースプレートに取り付けられ、そして、特にラダーの一方の側をラダー支持アセンブリに掛けることによってラダーをラダー支持アセンブリに取り付けるための少なくとも1つの取り付け部を提供する。
【0033】
好ましくは、ラダー支持アセンブリは、2つの取り付け部を含み、ラダー支持アセンブリを取り付けた状態において、取り付け部の各々がベースプレートの反対側にそれぞれ配置される。すなわち、取り付け部の一方は、第1のラダーを取り付けるために使用可能で、ハブ内の足場面からマンホールに向かって登ることを可能にし、取り付け部の他方は、第2のラダーを取り付けるために使用可能で、マンホールからブレードの内部に降りることを可能にする。
【0034】
好ましくは、ラダー支持アセンブリは、少なくとも1つのプラットフォームセグメントを含む。このラダー支持アセンブリは、プラットフォームセグメントがマンホールを通って延伸して、および/または、プラットフォームセグメントがマンホールの一方の側に配置されて、作業者がプラットフォームセグメントの上を通ってマンホールを抜けることができるように、マンホールに対し配置可能である。特に、プラットフォームセグメントは、マンホールの縁に取り付けられた支持セグメントに対して直交するまたは本質的に直交するように取り付けるかまたは取り付け可能にすることが可能である。
【0035】
本発明に係る風力タービンは、本発明に係る少なくとも1つのラダー支持アセンブリを備える。この風力タービンは、ラダー支持アセンブリの取り付けに対応したベースプレートを有する少なくとも1つのブレードを含む。好ましくは、風力タービンのすべてのブレードが、ラダー支持アセンブリの取り付けに対応している。風力タービンは、風力タービンのハブに取り付けられた特に3つのブレードを含み得る。ラダー支持アセンブリは、風力タービンの内部、例えば、ハブ内またはハブに隣接するナセル内に、格納することができる。ラダー支持アセンブリの他に、ラダー支持アセンブリに取り付けることのできる1つ以上のラダーも、風力タービンに格納することができる。
【0036】
本発明は、さらに、ブレード根元部を有する中空ブレードボディと、このブレードの根元端部に配置されたベースプレートと、を含む風力タービンブレードに関する。本発明に係るブレードは、マンホールを含み、このマンホールを通ってブレードの内部にアクセス可能である。ベースプレートには、マンホールにまたはマンホールの近くに配置され、少なくとも1つのラダーをベースプレートに直接または間接的に取り付けるように構成された取り付け手段が設けられる。
【0037】
一態様によれば、ベースプレートに設けられるマンホールは1つより多くはない。これにより、構造的荷重に対するベースプレートの最適構成が得られる。ブレードはマンホールを1つだけ含み、人が通り抜けることのできる同程度の大きさの開口部は他にない。ベースプレートの中心的な目的は、根元端部でブレードの剛性を高めることである。この機能は、様々な位置で内部へアクセスできるように多数のマンホールが設けられる場合、弱められてしまう。複数のマンホールを有するベースプレートは、そのため、その補剛機能を果たすのに十分な剛性を得るために匹敵する重さを有する必要がある。本発明に係るブレードはマンホールを1つしか含まないので、ベースプレートの剛性が高く、剛性を高めるための措置を講じる必要はない。さらに、ベースプレートには、単一のマンホールに配置されるかまたは隣接して配置され、少なくとも1つのラダーをベースプレートに直接または間接的に取り付けるように構成された取り付け手段が設けられる。この取り付け手段によりラダーを取り付けることができ、このラダーは、マンホールが足場面から離れすぎた位置にある場合に、メンテナンス担当者がマンホールに届くように使用することができる。マンホールが足場面に十分に近い場合、メンテナンス担当者は足場面から直接マンホールにアクセスすることができる。一方、足場面から直接届かない位置にマンホールを回転させたときには、担当者は、取り付け手段に容易にラダーを取り付けることができ、このラダーを利用してマンホールまで登ることができる。取り付け手段は、他の固定または取り付け用器具または道具を使用せずに、ラダーを取り付け手段に直接取り付けるようにも構成される。この場合、取り付け手段は、例えば、ラダーを直接取り付けることができる取り付けインターフェース状のフックなどを既に備えている。これに代わる例として、取り付け手段は、何らかの追加取り付けまたは固定器具または道具を使用してラダーを間接的に固定するように構成され、その器具または道具は、必要な場合に取り付け手段に取り付けられ、最終的にラダーが取り付けられる。取り付け手段は、マンホールに直接配置されてもよく、このことはマンホールにできるだけ近づけて配置されることを意味する。あるいは、取り付け手段は、取り付けられたラダーを利用して担当者が容易にマンホールに到達できるのであれば、マンホールから多少離れた位置にあってもよい。
【0038】
本発明に係るブレードは、以上のとおり、その剛性に関して、それぞれのセットアップに関して、また、たとえ足場面から離れた位置にあっても1つのマンホールで容易にアクセスできる点に関して、改善される。
【0039】
取り付け手段は、好ましくは、ブレードの内部とは反対を向いているベースプレートの第1の側に第1のラダーを、ブレードの内部に向いているベースプレートの第2の側に第2のラダーを、直接または間接的に取り付けるように構成される。これにより、ベースプレートの外側に直接または間接的に第1のラダーを配置して、足場面に立っている作業者がマンホールまで登ることができるようにし、また、ベースプレートの内側に第2のラダーを配置して、マンホールを通り抜けた後に作業者が降りることができるようにする。両方のラダーの取り付け用のベースは、共通の取り付け手段である。
【0040】
取り付け手段は、ベースプレートに外せないように配置することができ、このことは、取り付け手段が例えば溶接によってベースプレートに取り外せないように堅固に取り付けられることを意味する。あるいは、取り付け手段は、ベースプレートに取り外し可能に配置されてもよい。取り付け手段は、例えば、タービンが建造される際にブレードが組み付けられるときにまたはブレードがハブに取り付けられた後に、ねじまたはクランプなどによって固定してもよい。この場合、必要に応じて常に取り外すことができる。
【0041】
前述のように、ベースプレートはマンホールを1つだけ含む。マンホールは好ましくは円形または楕円形とする。この幾何学形状は通常の金属ベースプレートで切断して容易にでき、安定性に大きく影響しない。大きさはそれほど大きくなく、人が容易に通り抜けることができる程度が適している。
【0042】
取り付け手段は、ブレードの中心項目と言える。少なくとも部分的にマンホールを囲むようにした少なくとも1つのフレーム形またはプレート形の支持セグメントであるかこれを含むことが好ましい。このようなフレーム形またはプレート形の支持セグメントは、ラダーまたは追加の取り付け器具のいずれかを取り付けるための十分に安定した取り付けインターフェースを提供する。このことは、取り付け手段がベースプレートに取り外し可能に配置される場合に特に当てはまり、例えばフレームまたはプレート状の設計によって、ベースプレートにしっかりと取り付けるための十分な固定要素、好ましくは、マンホールの周囲に延びるベースプレート縁部に固定されたクランプ等の形態の固定要素、を設けることが可能になる。
【0043】
好ましくは、取り付け手段の各支持要素の幾何学形状は、マンホールの形状に何らかの形で合わせてある。マンホールが好ましくは円形または楕円形であれば、支持要素は好ましくはU字状、円形状、楕円形状、または多角形状である。これらの幾何学形状は、支持要素がマンホールをある程度まで囲むことを可能にする。ただし、マンホールが例えば矩形を呈していても、U字形または多角形の支持要素は、少なくとも部分的にマンホールを囲むことができる。
【0044】
本発明の別の態様によれば、取り付け手段は、支持要素の異なる位置に割り当てられた2つ以上の別々の取り付け位置を含み得る。記述したように、ブレードは、ブレードの内部のどの領域をメンテナンスする必要があるかに応じて、異なる回転位置に配置され得る。したがって、マンホールは、足場面に近い位置か、足場面から離れた位置に配置され得る。ラダーのために設定した取り付け位置が1つだけ支持要素に設けられる場合には、ブレードは、足場面に近い第1の位置に、そして、第1の位置に対して例えば180°回転し、マンホールが足場面の上の高いところにある第2の位置に、配置可能である。これに対し、支持要素に2つ以上設定された取り付け位置のインターフェースが設けられる場合には、支持要素に容易にラダーを固定することができる設定された中間位置にもブレードを回転させることが可能である。このことは、可能なメンテナンス位置に関してより柔軟性を与え、別のブレード領域を次のメンテナンスのための良好な位置にもっていくことを可能にする。各取り付け位置または取り付けインターフェースは、ラダーを直接受けるように構成されるかまたはラダーを固定するための別の取り付け器具を受けるように構成される固定手段または固定要素によって実現される。
【0045】
好ましくは、取り付け位置を画定する各取り付け位置固定手段または固定要素は、別々の円周方向位置に割り当てられ、これは、支持要素が円形形態、楕円形形態、または多角形形態のような閉じた形態を有する場合に特に好ましいものである。特に、幾何学形状を作る一定数の直線支持要素部材を含む例えば矩形形態または六角形または八角形の多角形形態では、支持要素部材の各々に取り付け要素またはインターフェースを設けることが容易に可能であり、その結果、ブレードは、矩形形態の支持要素の場合には4つの異なる位置に、六角形形態の場合には6つの位置に、八角形形態の場合には8つの位置に、配置することができる。なお、他の多角形形態も実現可能である。
【0046】
最後に、ベースプレートは、マンホールおよび取り付け手段が設けられた1枚のプレートであってもよい。代替的には、ベースプレートは、第1のマンホール開口を有する第1のプレートと、第1のプレートに平行に配置され、第2のマンホール開口を有する第2のプレートと、を含んだ構成とすることができ、これらマンホール開口は、互いに同じ高さでマンホールを形成する。このベースプレートは、平行に配置された互いに近接する2つの平行プレートを有する二重プレート構造である。どちらのプレートもマンホール開口を含んでおり、どちらのマンホール開口も同じ高さにあって1つののマンホールを形成する。この場合の取り付け手段は、外側の第1のプレートにのみ取り付ける態様が可能であり、必要に応じて、少なくとも第2の内側ラダーまたは両方のラダーを配置することを可能にする追加の取り付け器具を固定してもよい。
【0047】
本発明に係る方法に関連して説明するすべての詳細および利点は、本発明に係るラダー支持アセンブリおよび風力タービンに同様に適用される。したがって、本発明に係るラダー支持アセンブリに関連して説明する詳細および利点も、本発明に係る方法および本発明に係る風力タービンに同様に適用され、またその逆も同様である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
本発明の他の目的および特徴は、添付図面と併せて検討される以下の詳細な説明から明らかになる。ただし、図面は、単に例示を目的としてデザインされた原理的スケッチに過ぎず、本発明を限定するものではない。
図1】本発明に係る風力タービンの実施形態。
図2】入ろうとしているブレードが第1の位置にある風力タービンのロータ。
図3】入ろうとしているブレードが第2の位置にある風力タービンのロータ。
図4】入ろうとしている風力タービンブレードのベースプレートの詳細図。
図5】本発明に係るラダー支持アセンブリの実施形態の取り付けられた支持セグメントを備えたベースプレートにおけるマンホールの詳細図。
図6】ラダー支持アセンブリが取り付けられたマンホール。
図7】入ろうとしているブレードが第2の位置にある、取り付けられたラダー支持アセンブリを示す断面図。
図8】入ろうとしているブレードの内部にあるラダー支持アセンブリに取り付けられた第2のラダー。
図9】ブレード根元部に面した風力タービンのブレードの主要部分図で、ラダー用に複数の取り付け位置を含む取り付け手段を設けてある。
図10】第1および第2のプレートを有するベースプレートを含むブレードの主要断面図で、第1および第2のラダーを取り付けた取り付け手段を設けてある。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1に、風力タービン1の実施例が示されている。風力タービン1はタワー2を含み、このタワー2が風力タービン1のナセル3を支持する。ナセル3の前側にロータ4が取り付けられ、ロータ4は、ハブ5および複数のロータブレード6を含む。風力タービン1の運転中、ロータ4が回転し、主に電気エネルギーを生成するべく風力タービン1の発電機(図示せず)を駆動する。
【0050】
図2に、ロータ4の詳細が示されている。ロータ4は3つのロータブレード6を備えている。ロータブレード6は、ブレード6の先端部9の反対側となるブレード6の根元端部8においてハブ5に装着されている。ブレード6の内部10は、少なくとも部分的に中空であり、ブレード6のシェル11によってそれぞれ囲まれている。ブレード6は、それぞれの根元端部8にベースプレート12を備えている。
【0051】
風力タービンブレード6のうちの1つの内部10でメンテナンスルーチンまたは修理処置を実施するために、入るべき風力タービンブレード13の内部10に作業者がアクセスすることが必要な場合がある。しかしながら、特にロータブレード6がその根元端部で大きな直径を有する場合、シェル11の内面のすべての領域に、ブレードの内部に立った作業者が到達できるわけではない。具体的には、風力タービンブレード6が根元端部8において2mから15mの直径、特に3mから8mの直径をもち得るので、下側に立っている作業者は、ブレード13の上部に位置する要素またはシェル11のセクションに手が届かない。
【0052】
修理すべきブレード13の向きの理解を容易にするために、図2に矢印7が示されている。図中、入ろうとしているブレード13は第1の位置に配置されている。この第1の位置において、矢印7は、ブレード13の下側から上側を指している。第1の位置にあるブレードは、角度α=105°で配置されている。この角度は、ロータ4を前方から見たときの反時計回りに、または、ナセル内に立ってハブの方を見たときの時計回りに、破線15によって示される垂直方向に対して測定される。
【0053】
図3に、回転後のロータ4が示されており、このときの入ろうとしているロータブレード13は、第2の位置に配置されている。第2の位置においてブレードは、角度α=270°の向きにある。ブレード13に対する矢印7の相対的な方向は、ブレード13の向きの回転の作用を図示するために変更されていない。
【0054】
矢印7から分かるように、ブレード13およびそのシェル11のセクションの向きは、第1の位置から第2の位置で変化し、その結果、第1の位置でブレード13の上部であったブレード13の領域または構成要素は下部にある。この逆も同様である。具体的に、直径が3m以上の大きいブレードを修理する際、メンテナンス処置中にブレードを回転させることにより、作業者は、ブレード10の内部からシェル11の関連するすべての構成要素またはセクションに手が届く。
【0055】
図4に、風力タービンブレード6のベースプレート12の詳細を示す。ハブ5からブレード6の内部10に入ることを可能にするために、ベースプレート12はマンホール14を備える。ブレード13の内部10に入るには、作業者は、ベースプレート12に開口として形成されたマンホール14を通らなければならない。
【0056】
例示するマンホール14は、円形として図示してあり、作業者がマンホール14を通り抜けられる直径を備えている。マンホール14は、例えば50cm~1mの直径をもち得る。また、マンホール14は他の形状も可能であり、例えば辺の長さが40cm~1mの長方形または方形のマンホール14を設けることもできる。
【0057】
マンホール14はベースプレート12の中心16からずらして配置されているので、図3に示すようにブレード13が第2の位置に回転すると、マンホール14はその位置を変える。第2のブレード位置におけるマンホール14の位置は、破線17で概略的に示されている。
【0058】
第1のブレード位置において、作業者は、ハブ5の内部に設置された足場面18からマンホール14にアクセス可能である。例えば、マンホール14の上端と足場面18の上面との間の距離は、1.5m以下である。
【0059】
これに対し、第2の位置では、マンホール14と足場面18との間の距離が第1の位置よりも大きくなる。足場面18からマンホール14の下端までの距離は、例えば1.5mよりも大きくなり、特に2m以上や2.5m以上になり得る。
【0060】
足場面18は静止しており、風力タービンブレード1のロータ4が回転するとき、または、ブレード13が第1の位置から第2の位置へ動作するとき、位置を変えない。例えば、足場面18は、ナセル3にまたはナセル3の別の構造要素に固定されているプラットホームの上面であってもよい。
【0061】
例えば、風力タービンブレード6の内周に等距離に配置された4つのセンサにアクセスする必要のある修理処置において、すべてのセンサにアクセスするためには、第1の位置と第2の位置の両方でブレード13にアクセスする必要がある。センサは、具体的には、ブレード13の第1のブレード位置で内周に、3時の位置、6時の位置、9時の位置、および12時の位置に配置されている場合がある。特に大きなブレードの場合、ブレードが第1の位置に向いているときに12時の位置にある一番上のセンサにはアクセスできないことがある。しかしながら、このセンサは、ブレードが第2の位置まで回転したときには6時の位置となり、したがって、中空ブレード6の内部の下側に位置し、作業者が容易にアクセスすることができる。
【0062】
風力タービン1の中空ブレード6の内部10へアクセスする方法の実施例では、図2に例示してあるように、まず、入ろうとしているブレード13を第1の位置に配置する。第1の位置において、ベースプレート12のマンホール14は、図4から分かるように、足場面18から作業者がアクセスできるようになっている。第2の位置でもブレード13にアクセスできるようにするため、入ろうとしている回転ブレード13が第1の位置に配置されているときに、マンホール14のところでまたはその近傍でベースプレート12にラダー支持アセンブリ19が取り付けられる。
【0063】
図5には、ベースプレート12のマンホール14を、ブレード13の第1のブレード位置において詳細に示している。マンホール14の縁に、ラダー支持アセンブリ19が取り付けられている。ラダー支持アセンブリ19は、マンホール14の近傍でベースプレート12に取り付けられる少なくとも1つの支持セグメント20を備える。図示の実施例において、ラダー支持アセンブリ19は、環を分けた形のプレートである二分割のプレート21,22を含み、これらのプレートは、マンホール14の周囲のベースプレート12に取り付けられている。支持セグメント20は、マンホール14が第1の位置にある場合に、マンホール14の上縁24に配置される平坦部23を備える。
【0064】
図6に示されているように、ラダー支持アセンブリ19の別の構成要素を、入ろうとしている回転ブレード13が第1の位置にあるときに組み立てることができる。ラダー支持アセンブリ19は、支持セグメント20の平坦部23に配置されるプラットフォームセグメント25を含む。さらに、ラダー支持アセンブリ19は、2つの手すり26,27を含み、この手すり26,27は、プラットフォームセグメント25に取り付けられ、支持セグメント20およびベースプレート12に対しプラットフォームセグメント25を支えるために使用される。手すり26,27は、プラットフォームセグメント25におよび/または支持セグメント20に、例えば複数のボルト接続部28によって取り付けることができる。
【0065】
プラットフォームセグメント25は、マンホール14へ入る前の第2の位置にブレード13が回転させられることから、第1の位置で、支持セグメントの平坦部23に、したがってマンホール14の上縁に、取り付けられる。したがって、プラットフォームセグメント25は、特に、ブレードが第2の位置へ回転した後にはプラットフォームセグメント25がマンホール14の下縁に位置するように、その位置を変える。
【0066】
ラダー支持アセンブリ19をマンホール14にまたはベースプレート12に取り付けた後、ブレード13は第2の位置に回転する。ナセル3の内部からハブ5の中心を向いた視点の方向で、入ろうとしているロータブレード13は、例えば右側から左側へまたはその逆に、回転し得る。ブレード13の回転により、ベースプレート12もロータ4の中心軸の周りに回転(公転)し、ベースプレート12は、第1の位置に対して少なくとも基本的に逆さまとなる第2の位置に配置される。
【0067】
図7に、ベースプレート12の切断図が示されており、図中、入ろうとしているブレード13は、第2の位置に回転している。ロータブレード13はベースプレート12の左側にありかつハブは右側にある。
【0068】
この第2の位置において、マンホール14と静止の足場面18との間の距離は、第1の位置よりも大きくなる。プラットホームセグメント25は、ラダー30をラダー支持アセンブリ19に取り付けけるための取り付けけ部29を備える。この実施例において、例えば、ラダー30の一番上の横木31が、ラダー支持アセンブリ19にラダー30を吊り下げるための2つのフック32を備えた取り付け部29に取り付けられている。なお、図7において手すり26,27は、明確性を考慮して省略してある。ハブ側でラダー支持アセンブリ19に取り付けられたラダー30は、支持部33によってベースプレート12に支持される。
【0069】
図7中左手側に位置している中空ブレードの内部に入ることできるように、ラダー34もラダー支持アセンブリ19に取り付けられている。この別のラダー34は、ラダー支持アセンブリ19のもう一つの取り付け部35に取り付けられる。この取り付け部35は、例えば1つ以上のフック36を備え、このフックにラダー34を掛けることができる。
【0070】
ベースプレート12のブレード側に別のラダー34を配置するため、ラダー支持アセンブリ19に、例えばプラットホームセグメント25に、マンホール14を通して別のラダー34を滑り込ませることができる。ラダー34の挿入は、図7中に破線で概略的に示されている。別のラダー34も、ベースプレート12のブレード側に対してラダーを支持するために支持部33を備え得る。この支持部は、具体的に、別のラダー34をラダー支持アセンブリ19に取り付ける前に取り付けることができる。
【0071】
図8に、ベースプレート12のブレード側の図を示す。別のラダー34は、マンホール14の下側に配置されたラダー支持アセンブリ19に取り付けられている。ブレード6の中空内部に入らなければならない作業者は、プラットフォームセグメント25上のマンホール14を歩くかまたは腹ばいで通ることができる。ラダーは、例えば、ラダー34の最上部の横木37を取り付け部35のフック36に引っ掛けることによって、ラダー支持アセンブリ19に掛けられる。第2のブレード位置において両方のラダーがマンホール14の下縁に向かって上下方向に並んでいるので、作業者は、足場面18からラダー支持アセンブリ19のプラットフォームセグメント25まで上がり、そして、ブレードの中に降りることができる。
【0072】
必要なメンテナンスルーチンおよび/または修理処置を実施した後、ラダー33,34とラダー支持アセンブリ19を、上述のステップを逆順に実行することによって取り外すことができる。風力タービン1は、ラダー支持アセンブリ19および/またはラダー33,34を備えているが、これらは、例えばハブ4の内部および/またはナセル3の内部に格納しておくことができる。
【0073】
ブレード6のうちの1つの内部へアクセスする方法の代替実施例において、入ろうとしているブレード13は、垂直上向きを指す角度α=0°で第2の位置に配置することができる。この場合、ラダー支持アセンブリ19に掛けられた1つのラダーによってブレードに入ることができる。このときラダーは、少なくとも基本的にベースプレート12に直交して配置され、作業者は、これを登ってマンホール14を通りブレードに入ることができる。
【0074】
この場合、マンホール14の縁に取り付けられたラダー支持アセンブリ19の支持セグメント20は、例えば前述したような2つのフックを備えた取り付け部29を含むことができる。このフックは、ブレード13が第2の垂直位置にあるとき、ラダー支持アセンブリ19にラダーを掛けることができるような向きとされる。この実施例において、プラットフォームセグメント25および/または手すり26,27は、それぞれ、支持セグメント20に取り付けられず、省略することが可能である。
【0075】
本発明を好適な実施例に準拠して詳細に説明したが、本発明は、開示した実施例によって限定されず、当業者は、これら実施例から、本発明の範囲から逸脱することなくその他の変形を導き出すことができる。
【0076】
図9は、外側シェル11と、ベースプレート12が取り付けられる根元端部8のある根元部分と、を通常どおり有する風力タービンブレード6の主要部分を例示する。図は根元部分への視点を示す。ベースプレート12は、前述の実施例と同様に、中心16に対し偏心して配置されたマンホール14を1つだけ備えている。ベースプレート12には、フレーム状支持セグメント20と、オプションでいくつかの追加の取り付け器具または要素を含む取り付け手段38が設けられている。取り付け手段38の支持セグメント20は、この例では、多角形、ここでは矩形である。取り付け手段の支持セグメント20(およびいくつかの追加の固定器具または要素)は、ベースプレートに恒久的に取り付けられている。この場合の恒久的とは、取り付け手段の支持セグメント(およびオプションの固定器具)が、ブレードの製造現場で既にベースプレートに取り付けられており、そして、ブレードがそれぞれハブに取り付けられたときにベースプレートに残り、風力タービンが最終的に組み上げられて作動すると、ブレードの寿命を通して残ることができる、という意味をもつ。取り付けは、外せないものであっても取り外し可能であってもよい。これは、例えば、支持セグメント20を金属ベースプレートに溶接することによるか、または、ねじまたはボルトおよびナットまたはクランプ要素などの締め付け手段を用いることにより、達成することができる。
【0077】
支持セグメント20は、マンホール14に近接して配置され、フレームのように完全にその周囲を囲んでいる。矩形の支持セグメント20は、4つの長手支持要素部材39a,39b,39c,39dを含んで構成される。これらの部材のうちの2つ、すなわち部材39b,39cは固定手段40b,40cを備えている。固定手段40b,40cは、ラダーを直接支持セグメント20に取り付けるための固定インターフェースか、または、ラダーが支持セグメント20に間接的に固定されるように最終的にラダーを取り付けるいくつかの追加の固定器具のいずれかを提供する各種の固定要素とすることができる。そのため、固定手段は、マンホール14の中心または支持セグメント20のフレーム型形状に対して別々の周方向位置に配置される。
【0078】
ブレードが、マンホールが図示のように足場面18の近くにある回転位置にあるとき、作業者は、足場面18からマンホール14に直接アクセスすることができる。これにより、この回転位置で下側にある下方ブレードボディ領域の検査や作業が可能である。ブレードのより右側に位置する表面領域をメンテナンスしなければならないときは、ブレードを時計回りに約90°回転させると、支持セグメント20と共にマンホール14は、破線で示す左上の位置にくる。90°の回転により、このときの支持要素部材39bは、その固定手段40bと一緒に下側位置にあり、ここにラダーを取り付ければ作業者が足場面18から上昇したマンホール14に到達できる。別の内部領域をメンテナンスしなければならないときは、マンホール14が右上の位置になるように、ブレードを時計回りにさらに90°回転させればよい。この位置では、支持要素部材39cがその固定手段40cと共に最も低く、ここにラダーを固定することができる。これで、最初の回転位置で下にあった領域とは反対の領域がメンテナンス可能になっている。最後に、ブレードを時計回りにもう一度90°回転させると、もう1つの内部領域をメンテナンスのための位置に送ることができる。このときのマンホール14は、再び足場面18から直接アクセス可能な下降した位置にあり、ラダーは必要ない。このようにそれぞれの位置を直接もたらすことができる。この実施例では、メンテナンス作業のための良好な位置に各内部領域をもっていくことができ、足場面から直接かまたは取り付けたラダーを介して作業者が常にマンホールへ容易にアクセスできるようになる。ラダーは、マンホール14へ達するためにラダーが必要な指定された回転位置で、支持セグメントにしっかりと安全に取り付けることができる。
【0079】
図示した矩形の設計は単なる例示である。1つ以上の固定手段を備えた支持セグメント20は、様々な形状、例えば、矩形以外にも円形や多角形形であってよい。U字形状であっても実現可能であり、この場合は部分的にマンホール14を囲み、また、それぞれに固定手段を備え得る。
【0080】
図10は、根元端部8におけるブレード6の切断図を示し、2枚の別々のプレートからなる一種のサンドイッチ構造であるベースプレート12を示している。ベースプレート12は、根元端部8の開口端に近い第1のプレート41と、中空ブレードボディの内部に向いた第2のプレート42と、からなる。プレート41,42は同様のサイズであり、平行にかつ互いに接近して配置されている。第1のプレート41には第1のマンホール開口部43が設けられ、第2のプレート42には第2のマンホール開口部44が設けられている。両方のマンホール開口部43,44は同じ高さにあって共通のマンホール14を形成する。
【0081】
支持セグメント20を備える取り付け手段38は、根元端部8の開口端に面している第1のプレート41に恒久的に取り付けられており、この取り付け手段38に第1のラダー30が取り付けられる。取り付け手段は、図9に関連して説明した固定手段を形成し得るフック32を備える。追加の、また、恒久的な固定器具として、別のフック36を備えた取り付け部35が支持セグメント20に取り付けられる。取り付け部35は、マンホール、すなわち両マンホール開口を貫通して延び、フック36が第2のプレート42の内側となるようにしてある。フック36には第2のラダー34が取り付けられる。作業者は、第1のラダー30を利用してマンホール14まで登ることができ、第2のラダー34を利用してメンテナンスエリアに降りることができる。この逆も可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】