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特表2024-535466パワーエレクトロニクス機器を冷却するための冷却器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】パワーエレクトロニクス機器を冷却するための冷却器
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/473 20060101AFI20240920BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
H05K7/20 N
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519559
(86)(22)【出願日】2022-08-11
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 EP2022072565
(87)【国際公開番号】W WO2023051990
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】102021211059.2
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ペーリッシュ,マイク
(72)【発明者】
【氏名】ベック,マックス・フロリアン
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AA05
5E322AA10
5E322DA00
5F136CB06
5F136CB07
5F136DA27
5F136EA13
(57)【要約】
本発明は、パワーエレクトロニクス機器(101)を載せるためのハウジング(2)と、ハウジング(2)の冷却路(6)内の、多数のリブ(9)を備えた冷却リブアセンブリ(7)であって、冷却リブアセンブリ(7)は、長手軸(30)に沿って流体を貫流可能であり、冷却リブアセンブリ(7)は、流体に対する第1の流れ抵抗を有する少なくとも1つの強冷却領域(20)および流体に対する第2の流れ抵抗を有する少なくとも1つの弱冷却領域(21)を含み、第1の流れ抵抗は第2の流れ抵抗より高い、ハウジング(2)と、冷却リブアセンブリ(7)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワーエレクトロニクス機器(101)を冷却するための冷却器(1)であって、
・前記パワーエレクトロニクス機器(101)を載せるためのハウジング(2)と、
・前記ハウジング(2)の冷却路(6)内の、多数のリブ(9)を備えた冷却リブアセンブリ(7)とを含み、
・前記冷却リブアセンブリ(7)が、長手軸(30)に沿って流体を貫流可能であり、
・前記冷却リブアセンブリ(7)が、前記流体に対する第1の流れ抵抗を有する少なくとも1つの強冷却領域(20)および前記流体に対する第2の流れ抵抗を有する少なくとも1つの弱冷却領域(21)を含み、前記第1の流れ抵抗が前記第2の流れ抵抗より高い、
冷却器(1)。
【請求項2】
前記冷却リブアセンブリ(7)が、少なくとも2つの、好ましくは少なくとも3つの、特に好ましくは少なくとも4つの弱冷却領域(21)を有し、前記弱冷却領域(21)が、前記長手軸に沿って分散および離隔している、請求項1に記載の冷却器。
【請求項3】
少なくとも1つの強冷却領域(20)内では、前記冷却リブアセンブリ(7)の前記リブ(9)が、前記長手軸(30)を横切って測定して、少なくとも1つの隣接する弱冷却領域(21)内の前記リブ(9)より密に立っている、請求項1または2に記載の冷却器。
【請求項4】
少なくとも1つの弱冷却領域(21)内で前記リブ(9)が形成されていない、請求項1~3のいずれか一項に記載の冷却器。
【請求項5】
前記冷却リブアセンブリ(7)が、板金を乱流板金へと変形することによって作製されており、かつ少なくとも1つの弱冷却領域(21)が、前記乱流板金内の切り抜かれた、とりわけ抜き加工された空所である、請求項1~4のいずれか一項に記載の冷却器。
【請求項6】
前記弱冷却領域(21)が、流れ誘導のために先細りするように形成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の冷却器。
【請求項7】
少なくとも1つの強冷却領域(20)内では前記リブ(9)が前記長手軸に対して迎角をつけて傾けて設置されており、かつ少なくとも1つの隣接する弱冷却領域(21)内では前記リブ(9)がより少なく傾けて設置されており、好ましくは前記長手軸(30)に平行に立っている、請求項1~6のいずれか一項に記載の冷却器。
【請求項8】
少なくとも1つの強冷却領域(20)が、それぞれ前記長手軸(30)を横切って延びている複数のリブ列(8)を含み、かつ前記リブ列(8)が、前記長手軸(30)に沿って直接隣り合っており、これに関し、それぞれの1つのリブ列(8)内の前記リブ(9)が前記長手軸(30)に対して同じ傾き方向で傾けて設置されており、かつ2つの隣接するリブ列(8)の前記リブ(9)が正反対に傾けて設置されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の冷却器。
【請求項9】
少なくとも1つの強冷却領域(20)内で前記リブ(9)が、前記長手軸(30)に平行に測定して第1の長さ(12)を有し、かつ少なくとも1つの隣接する弱冷却領域(21)内の前記リブ(9)が、前記長手軸(30)に平行に測定して第2の長さ(13)を有し、前記第2の長さ(13)が前記第1の長さ(12)より大きい、請求項1~8のいずれか一項に記載の冷却器。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の冷却器(1)と、前記ハウジング(2)上に配置された複数のパワー半導体(102)を備えたパワーエレクトロニクス機器(101)とを含むアセンブリ(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーエレクトロニクス機器を冷却するための冷却器に関する。さらに本発明は、冷却器およびパワーエレクトロニクス機器を共に含むアセンブリを示している。
【背景技術】
【0002】
パワーエレクトロニクス機器内のパワー半導体は高電流を通す。スイッチング損失と共にその結果として生じる導通損失が、高い損失熱出力の原因となり、この損失熱出力は、相対的に小さな面で排出されなければならない。これに関し、最大限許容される半導体温度は機能不全に関わることなので、半導体と冷却材の間の熱抵抗を最小限に抑えることが中心的意義をもっている。効率的な冷却のため、ここで考察されるパワーエレクトロニクス機器は、流体に貫流される冷却器に取り付けられる。この冷却器内には通常、流体が貫流する冷却リブアセンブリがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明による冷却器は、とりわけパワーエレクトロニクス機器を冷却するために形成されている。このパワーエレクトロニクス機器は、通常は基板内に配置される1つまたは複数のパワー半導体を有する。冷却器は、パワーエレクトロニクス機器を載せるために形成されたハウジングを含む。ハウジングは、例えば冷却路をその間で画定する2つの板により、板状に形成されることが好ましく、この冷却路が冷却流体によって貫流され得る。冷却路は中空空間になっている。この中空空間内に、多数のリブを備えた冷却リブアセンブリがある。冷却路および冷却リブアセンブリは、冷却流体を通すために形成されている。とりわけ、液体の凝集状態における流体によって冷却される。冷却リブアセンブリは、長手軸に沿って流体を貫流可能に形成されている。長手軸に垂直に、したがって流動方向にも垂直に、短手軸が定義されている。短手軸に垂直で長手軸に垂直に、高度軸が定義されている。冷却リブアセンブリはとりわけ長手軸の方向および短手軸の方向に、高度軸の方向よりはるかに長く延びている。パワーエレクトロニクス機器は、高度軸に沿って、冷却リブアセンブリの上または下に位置決めされている。パワーエレクトロニクス機器の複数の熱源、とりわけ複数のパワー半導体は、長手軸に沿って、部分的には短手軸にも沿って位置決めされ得る。ハウジングの冷却路内では、または冷却リブアセンブリ内では、貫流する流体の冷却リブアセンブリにおける抵抗により、流動方向に沿って圧力低下が生じる。一般的には、冷却リブアセンブリによる熱伝達率が高ければ高いほど、圧力低下も大きい。冷却系統では、最大限許容される圧力低下は、流体用ポンプに基づいて制限されている。したがって冷却器全体での圧力低下も制限する必要があり、それにより、事情によっては最大限可能な熱伝達率が活用され得ない。本発明による冷却器は、冷却器内の圧力低下を低減させ得るという利点を有する。これは、冷却リブアセンブリが、流体に対する第1の流れ抵抗を有する少なくとも1つの強冷却領域および流体に対する第2の流れ抵抗を有する少なくとも1つの弱冷却領域を含むことによって達成される。強冷却領域内および弱冷却領域内の冷却リブアセンブリは、第1の流れ抵抗が第2の流れ抵抗より高いように形成されている。第1の流れ抵抗が第2の流れ抵抗より少なくとも10%高いことが特に好ましい。第2の流れ抵抗を有する少なくとも1つの弱冷却領域は、冷却器内で、まったくまたは少ししか冷却が必要ない箇所に意識的に位置決めされ得る。とりわけ、強冷却領域はパワー半導体のできるだけ近くに位置決めされ、これに対して弱冷却領域はむしろ冷却リブアセンブリの縁および/または2つのパワー半導体の間に位置決めされる。これにより、意識的に選択された、冷却に必要な強冷却領域内でのみ、貫流する流体に相応に高い流れ抵抗が掛かることが達成され、この高い流れ抵抗は、相応に高い熱伝達率ももたらす。より少なくしかまたはまったく冷却が必要ない領域では、つまり弱冷却領域内では、流れ抵抗ができるだけ減らされ、これにより、冷却リブアセンブリ全体で考えると、可能な限り低い流れ抵抗が、または熱的要求に適合された流れ抵抗が生じる。
【0004】
引用形式請求項は本発明の好ましい変形形態を示している。
前述のように、ハウジングが2つの板から形成されており、これらの板がその間で冷却路を画定していることが好ましい。両方の板は、相互にとりわけ硬質はんだ層を介して結合されており、冷却リブアセンブリを収容するための冷却路を形作っている。この冷却路内に、流体の流入口および流出口が通じていることが好ましい。
【0005】
冷却リブアセンブリは、前述の弱冷却領域を好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも3つ、特に好ましくは少なくとも4つ有する。これらの弱冷却領域は、同一にまたは異なって形成され得る。弱冷却領域は、長手軸に沿って分散および離隔しており、したがって弱冷却領域の間に好ましくは1つの強冷却領域がある。長手軸に沿って相前後して配置されたこれらの弱冷却領域に加えて、短手軸に沿っても1つまたは複数の弱冷却領域が相並んで配置され得る。
【0006】
弱冷却領域が全体で冷却リブアセンブリの第1の面積を占めており、かつ強冷却領域が全体で第2の面積を占めており、これらの面積がそれぞれ、長手軸および短手軸によって規定される平面内で定義されることが好ましい。第1の面積が冷却リブアセンブリの総面積の少なくとも10%、とりわけ少なくとも20%を占めており、同時に第2の面積が冷却リブアセンブリの総面積の少なくとも10%、とりわけ少なくとも20%を占めていることが好ましい。
【0007】
少なくとも1つの強冷却領域内では、冷却リブアセンブリのリブが、長手軸を横切って測定して、少なくとも1つの隣接する弱冷却領域内のリブより密に立っていることが好ましい。つまり、短手軸に平行に測定した2つのリブの間隔が、強冷却領域内では弱冷却領域内より小さく、これにより強冷却領域内では弱冷却領域内より大きな流れ抵抗が生じる。それに加えてまたはその代わりに、少なくとも1つの弱冷却領域内でリブが形成されないことが可能である。
【0008】
さらに、冷却リブアセンブリが、板金を乱流板金へと変形することによって作製されることが好ましい。この乱流板金はとりわけ多数のリブ列を有する。単一のリブ列は、長手軸に垂直に短手軸に沿って延びている。単一のリブ列は多数のリブを有する。とりわけ、リブ列は波形を有する。この波形により、それぞれ2つの隣接するリブは、波形の山区間または谷区間を介して相互に結合されている。とりわけ、波形またはリブ列の山区間または谷区間は、実質的に、長手軸および短手軸によって規定される平面内で延びている。
【0009】
乱流板金内では、弱冷却領域の少なくとも1つが、切り抜かれた空所によって形成されることが好ましい。この空所は、とりわけ抜き加工されており、または他のやり方で切り抜かれている。とりわけ、乱流板金が最初に空所なしで作製されて、乱流板金の作製後に所望の箇所で空所が切り抜かれる。これにより空所ではリブのない領域が生じ、この領域は、弱冷却領域内の可能な限り低い流れ抵抗を生み出す。
【0010】
少なくとも1つの弱冷却領域は、流れを誘導するために、例えば短手軸に平行な方向成分をもつ流れを誘導するために、および/または流体の流れをより強く冷却すべき領域に集束させるために使用され得る。このような流れ誘導を達成するため、とりわけ、乱流板金内の上述の空所が先細りするように形成されている。とりわけ空所は流動方向に向かって先細りし、これにより流体が意識的に誘導および方向づけされ得る。
【0011】
冷却リブアセンブリの個々のリブは、少なくとも強冷却領域内では、長手軸に対して第1の迎角をつけて傾けて設置されることが好ましい。とりわけリブは、傾けていない状態に比べて流れ抵抗を上昇させるように、その結果として熱伝達率も上昇させるように傾けて設置される。
【0012】
好ましいのは、強冷却領域内ではリブが長手軸に対して迎角をつけて傾けて設置され、かつ少なくとも1つの隣接する弱冷却領域内ではリブがより少なく傾けて設置されるか、またはまったく傾けられずに設置され、つまり長手軸に平行に立っていることである。
【0013】
単一の強冷却領域が複数の相前後して配置されたリブ列を有することが好ましい。乱流板金の範囲で述べたように、リブ列は、短手軸に沿って延びており、かつ長手軸に沿って直接接し合っている。隣接するリブ列内のリブが、長手軸に対して異なる傾き方向で傾けて設置されることが好ましく、したがって例えば、1つの列のリブは長手軸に対して10°で、次の列のリブは-10°で傾けて設置されている。リブのこの交互の傾きにより、流れ抵抗が意識的に上昇させられ、これにより、強冷却領域内で可能な限り高い熱伝達率が達成される。
【0014】
少なくとも1つの強冷却領域内でリブが第1の長さを有し、かつ少なくとも1つの隣接する弱冷却領域内のリブが第2の長さを有することが好ましい。これに関し、単一のリブの長さは長手軸に平行に測定される。第2の長さが第1の長さより大きいことが好ましい。これにより弱冷却領域内のリブは、強冷却領域内のリブより長く形成されており、かつ好ましくは迎角をつけずに形成されている。これは、弱冷却領域内の相対的に長いリブが、迎角が変化しない相対的に長い区間を生み出し、これにより低下した流れ抵抗を提供するので、とりわけ上述の単一のリブ列の互い違いの傾き方向との組合せで注目に値する。
【0015】
弱冷却領域内と強冷却領域内の流れ抵抗を意識的に変えるためのここで述べた異なる形態が、1つの冷却リブアセンブリ内で相互に組み合わされてもよい。つまり、例えば冷却リブアセンブリ内の1つの弱冷却領域は切り抜かれた空所によって形成され、かつ同じ冷却リブアセンブリ内の別の弱冷却領域はリブの長さまたは迎角を変えることで達成され得る。
【0016】
本発明はさらにアセンブリを含む。このアセンブリもまた、前述の冷却器と、少なくとも1つのパワー半導体を備えた帰属のパワーエレクトロニクス機器とを併せ持っている。これに関し、前述のようにパワーエレクトロニクス機器は冷却器上に配置されている。パワー半導体を高度軸に沿って冷却リブアセンブリの平面に観念的に射影すると、パワー半導体に対する弱冷却領域および強冷却領域の位置決めが考察され得る。とりわけ、パワー半導体の真下には専ら強冷却領域が形成されており、かつ弱冷却領域はパワー半導体の間にある。
【0017】
以下に、添付の図面を参照しながら本発明の例示的実施形態を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】例示的実施形態に基づく本発明による冷却器を備えた本発明によるアセンブリの概略的な断面図である。
図2】例示的実施形態に基づく本発明による冷却器の概略的な平面図である。
図3】例示的実施形態に基づく本発明による冷却器の冷却リブアセンブリの平面図である。
図4図3からの冷却リブアセンブリの第1の詳細図である。
図5図3からの冷却リブアセンブリの第2の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、冷却器1を備えたアセンブリ100を図1図5に基づいて詳しく説明する。アセンブリ100は図1での概略的な断面図に基づき、冷却器1に載っているパワーエレクトロニクス機器101を含んでいる。パワーエレクトロニクス機器101は、ここでは主要な熱源と見なされる1つまたは複数のパワー半導体102を含んでいる。
【0020】
さらに図1は、冷却器1が、2つの相互に結合されて平行に配置された冷却板3、4(これらがハウジング2を構成している)によって板状に形成されており、冷却板3、4の間に冷却路6があることを示している。両方の冷却板3、4は、はんだ層5を介して相互に結合されている。
【0021】
冷却路6内には、同様にはんだ層5を介してハウジング2と結合され得る冷却リブアセンブリ7がある。
図2は、冷却器1の平面図を示している。上側の冷却板3は見易くするために消されているので、下側の冷却板4を、その中に収容された冷却リブアセンブリ7と一緒に見ることができる。
【0022】
図1図5に基づき、冷却器1の傍で、長手軸30、短手軸31、および高度軸32が定義されている。3つの軸30、31、および32はそれぞれ互いに垂直に立っている。
ハウジング2は、冷却流体を流動方向34に沿って通すために形成されている。長手軸30に平行に延びている流動方向34は、流体の、ハウジング側入口からハウジング側出口に向かう主流動方向である。冷却リブアセンブリ7内では、流体は、短手軸31に平行な方向成分でも流れ得る。
【0023】
示した例示的実施形態では、冷却リブアセンブリ7は、変形させた板金によって形作られており、かつ乱流板金とも呼ばれ得る。冷却リブアセンブリ7は多数のリブ列8から構成されている。各リブ列8は短手軸31に沿って延びている。多数のリブ列8が長手軸30に沿って相前後して直接隣り合って配置されている。図4は、これらのリブ列8を詳細図3で示している。これに関し、単一のリブ列8は波形であり、それぞれ2つの隣接するリブ9が、波形の山区間または谷区間10によって相互に結合されている。短手軸31に平行に、2つの隣接するリブ9の間隔11が生じている。単一のリブ9は、長手軸30に平行に第1の長さ12にわたって延びている。
【0024】
図5での詳細図は、リブ9が、長手軸30に対して迎角14をつけて斜めにされ得ることを示している。
図2は、弱冷却領域21の位置決めおよび形態を純粋に概略的に明らかにしている。冷却リブアセンブリ7のこれらの弱冷却領域21は、冷却リブアセンブリ7の強冷却領域20に取り囲まれている。長手軸3に沿って、つまり流動方向34に沿って、様々な形状および大きさでの複数の弱冷却領域31が冷却リブアセンブリ7に組み込まれている。弱冷却領域31内では、貫流する流体に強冷却領域20内より低い流れ抵抗が掛けられる。これにより、強冷却領域20内ではより高い熱伝達率が可能であることが分かる。それに応じて、パワー半導体102の下には好ましくは強冷却領域20があり、これに対して弱冷却領域21はパワー半導体102の間に配置されている。
【0025】
図2は、流体を相応に誘導または方向づけするために流動方向35に沿って先細りするように形成された2つの三角形の弱冷却領域21を概略的に明らかにしている。
一般部分で既に述べたように、弱冷却領域21を形成するために、冷却リブアセンブリ7内で空所が切り抜かれ得る。それに加えてまたはその代わりに、弱冷却領域21内で、リブ9の長さを強冷却領域20内より長く形成することもできる。図3は例示的に、冷却リブアセンブリ7の幅全体にわたって(短手軸31に沿って)延びている2つの弱冷却領域21を示している。図3に基づくこの両方の弱冷却領域21内では、リブ9が、3つの強冷却領域20内のリブ9の第1の長さ12より長い第2の長さ13で形成されている。
【0026】
迎角14は図4および図5に基づいて既に解説した。弱冷却領域21内で周辺の強冷却領域20内より低い流れ抵抗を生成するために、この迎角14が、弱冷却領域21内ではより小さくなり得るかまたは0であり得ることが好ましい。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワーエレクトロニクス機器(101)を冷却するための冷却器(1)であって、
・前記パワーエレクトロニクス機器(101)を載せるためのハウジング(2)と、
・前記ハウジング(2)の冷却路(6)内の、多数のリブ(9)を備えた冷却リブアセンブリ(7)とを含み、
・前記冷却リブアセンブリ(7)が、長手軸(30)に沿って流体を貫流可能であり、
・前記冷却リブアセンブリ(7)が、前記流体に対する第1の流れ抵抗を有する少なくとも1つの強冷却領域(20)および前記流体に対する第2の流れ抵抗を有する少なくとも1つの弱冷却領域(21)を含み、前記第1の流れ抵抗が前記第2の流れ抵抗より高い、
冷却器(1)。
【請求項2】
前記冷却リブアセンブリ(7)が、少なくとも2つの、好ましくは少なくとも3つの、特に好ましくは少なくとも4つの弱冷却領域(21)を有し、前記弱冷却領域(21)が、前記長手軸に沿って分散および離隔している、請求項1に記載の冷却器。
【請求項3】
少なくとも1つの強冷却領域(20)内では、前記冷却リブアセンブリ(7)の前記リブ(9)が、前記長手軸(30)を横切って測定して、少なくとも1つの隣接する弱冷却領域(21)内の前記リブ(9)より密に立っている、請求項1に記載の冷却器。
【請求項4】
少なくとも1つの弱冷却領域(21)内で前記リブ(9)が形成されていない、請求項1に記載の冷却器。
【請求項5】
前記冷却リブアセンブリ(7)が、板金を乱流板金へと変形することによって作製されており、かつ少なくとも1つの弱冷却領域(21)が、前記乱流板金内の切り抜かれた、とりわけ抜き加工された空所である、請求項1に記載の冷却器。
【請求項6】
前記弱冷却領域(21)が、流れ誘導のために先細りするように形成されている、請求項1に記載の冷却器。
【請求項7】
少なくとも1つの強冷却領域(20)内では前記リブ(9)が前記長手軸に対して迎角をつけて傾けて設置されており、かつ少なくとも1つの隣接する弱冷却領域(21)内では前記リブ(9)がより少なく傾けて設置されており、好ましくは前記長手軸(30)に平行に立っている、請求項1に記載の冷却器。
【請求項8】
少なくとも1つの強冷却領域(20)が、それぞれ前記長手軸(30)を横切って延びている複数のリブ列(8)を含み、かつ前記リブ列(8)が、前記長手軸(30)に沿って直接隣り合っており、これに関し、それぞれの1つのリブ列(8)内の前記リブ(9)が前記長手軸(30)に対して同じ傾き方向で傾けて設置されており、かつ2つの隣接するリブ列(8)の前記リブ(9)が正反対に傾けて設置されている、請求項1に記載の冷却器。
【請求項9】
少なくとも1つの強冷却領域(20)内で前記リブ(9)が、前記長手軸(30)に平行に測定して第1の長さ(12)を有し、かつ少なくとも1つの隣接する弱冷却領域(21)内の前記リブ(9)が、前記長手軸(30)に平行に測定して第2の長さ(13)を有し、前記第2の長さ(13)が前記第1の長さ(12)より大きい、請求項1に記載の冷却器。
【請求項10】
請求項1に記載の冷却器(1)と、前記ハウジング(2)上に配置された複数のパワー半導体(102)を備えたパワーエレクトロニクス機器(101)とを含むアセンブリ(100)。
【国際調査報告】