(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】モジュール式X線検出器及びシステム
(51)【国際特許分類】
G01T 1/17 20060101AFI20240920BHJP
A61B 6/42 20240101ALI20240920BHJP
【FI】
G01T1/17 Z
A61B6/42 500Q
A61B6/42 500S
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519627
(86)(22)【出願日】2022-09-29
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 US2022045282
(87)【国際公開番号】W WO2023055970
(87)【国際公開日】2023-04-06
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517023736
【氏名又は名称】ヴァレックス イメージング コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイスフィールド、リチャード
(72)【発明者】
【氏名】アレン、マックスウェル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】パターソン、クリスティ
(72)【発明者】
【氏名】フリーストーン、スティーブ
(72)【発明者】
【氏名】トニーナ、カルロ
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン、タイラー
(72)【発明者】
【氏名】プライヤー、ポール
【テーマコード(参考)】
2G188
4C093
【Fターム(参考)】
2G188AA02
2G188BB02
2G188CC22
2G188CC28
2G188DD05
4C093AA21
4C093CA35
4C093CA37
4C093EB12
4C093EB13
4C093EB17
4C093EB20
(57)【要約】
いくつかの実施形態は、X線検出器を含み、X線検出器は、筐体と、筐体内に配置され、入射X線に応じて画像データを生成するように構成されたセンサアレイと、筐体内に配置された制御ロジックと、筐体と一体化されたコネクタインターフェースと、コネクタインターフェースに取り外し可能に接続できるアダプタと、を備え、制御ロジックは、複数の動作モードで動作するように構成可能であり、動作モードのうちの第1の動作モードでは、制御ロジックは、動作モードのうちの第2の動作モードとは異なる方法で画像データを処理し、及び/またはアダプタを介して画像データを送信するように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に配置され、入射X線に応じて画像データを生成するように構成されたセンサアレイと、
前記筐体内に配置された制御ロジックと、
前記筐体と一体化されたコネクタインターフェースと、
前記コネクタインターフェースに取り外し可能に接続できるアダプタと、
を備えたX線検出器であって、
前記制御ロジックは、複数の動作モードで動作するように構成可能であり、
前記動作モードのうちの第1の動作モードでは、前記制御ロジックは、前記動作モードのうちの第2の動作モードとは異なる方法で前記画像データを処理し、及び/または前記アダプタを介して前記画像データを送信するように構成される、
X線検出器。
【請求項2】
複数の構成データ集合を格納するように構成されたメモリ
をさらに備え、
前記動作モードのそれぞれは、前記構成データ集合のうちの対応する1つに関連付けられる、
請求項1に記載のX線検出器。
【請求項3】
前記メモリはさらに、前記動作モードのうちの現行動作モードのインジケーションを格納するように構成され、
前記制御ロジックは、
前記現行動作モードの前記インジケーションに基づいて、構成データ集合を選択することと、
前記選択した構成データ集合を使用して、前記現行動作モードで動作することと、
を実行するように構成される、
請求項2に記載のX線検出器。
【請求項4】
前記制御ロジックは、
前記アダプタに基づいて、前記動作モードのうちの1つの動作モードと、前記関連付けられた構成データ集合と、を選択することと、
前記関連付けられた構成データ集合を使用して、前記動作モードのうちの前記選択した1つの動作モードで動作することと、
を実行するように構成される、
請求項2に記載のX線検出器。
【請求項5】
前記第1の動作モードでは、前記制御ロジックは、第1のプロトコルを使用して前記画像データを送信するように構成され、前記第1のプロトコルは、前記第2の動作モードで前記画像データを送信するのに使用される第2のプロトコルとは異なる、
請求項1に記載のX線検出器。
【請求項6】
前記第1の動作モードは、CoaXPressモードであり、
前記第2の動作モードは、イーサネット(登録商標)モードである、
請求項1に記載のX線検出器。
【請求項7】
前記コネクタインターフェースは、標準化されたコネクタインターフェースである、
請求項1に記載のX線検出器。
【請求項8】
前記制御ロジック及び前記コネクタインターフェースは、前記動作モードの中で最大のデータレート以上のデータレートで、データを送信するように構成される、
請求項1に記載のX線検出器。
【請求項9】
前記制御ロジックはさらに、プロセッサ及びプログラマブルロジックデバイスを備え、
前記制御ロジックはさらに、
前記第1の動作モードに基づいて、前記アダプタを介したデータ送信に関連する前記制御ロジックの前記プロセッサのソフトウェアを変更することと、
前記第1の動作モードに基づいて、前記アダプタを介したデータ送信に関連する前記制御ロジックの前記プログラマブルロジックデバイスの構成を変更することと、
のうちの少なくとも1つを実行するように構成される、
請求項1から8のいずれか1項に記載のX線検出器。
【請求項10】
筐体と、
前記筐体内に配置され、入射X線に応じて画像データを生成するように構成されたセンサアレイと、
前記筐体内に配置された制御ロジックと、
前記筐体と一体化されたコネクタインターフェースと、
を備えたX線検出器を受け取ることと、
前記X線検出器の複数の動作モードの中から第1の動作モードを選択することと、
前記第1の動作モードに従って前記制御ロジックを構成することと、
前記第1の動作モードに関連付けられた第1のアダプタを選択することと、
前記コネクタインターフェースに前記第1のアダプタをインストールすることと、
を含む方法。
【請求項11】
前記第1の動作モードに従って前記制御ロジックを構成した後、前記X線検出器の前記動作モードの中から、前記第1の動作モードとは異なる第2の動作モードを選択することと、
前記第2の動作モードに従って前記制御ロジックを構成することと、
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の動作モードに関連付けられた、前記第1のアダプタとは異なる第2のアダプタを選択することと、
前記コネクタインターフェースに前記第2のアダプタをインストールすることと、
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の動作モードに従って前記制御ロジックを構成することは、
前記第1の動作モードに基づいて、前記第1のアダプタを介したデータ送信に関連する前記制御ロジックのプロセッサのソフトウェアを変更すること、
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の動作モードに従って前記制御ロジックを構成することは、
前記第1の動作モードに基づいて、前記第1のアダプタを介したデータ送信に関連する前記制御ロジックのプログラマブルロジックデバイスの構成を変更すること、
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の動作モードに従って前記制御ロジックを構成することは、
前記X線検出器の前記筐体内のメモリに格納された複数の構成データ集合の中から、前記第1の動作モードに関連付けられた構成データ集合を選択することと、
前記選択した構成データ集合を使用して、前記制御ロジックを構成することと、
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の動作モードに従って前記制御ロジックを構成することは、
前記X線検出器の外部にあるメモリに格納された複数の構成データ集合の中から、前記第1の動作モードに関連付けられた構成データ集合を選択することと、
前記選択した構成データ集合を前記X線検出器に送信することと、
前記選択した構成データ集合を使用して、前記制御ロジックを構成することと、
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記動作モードは、第2の動作モードを含み、
前記第1の動作モードは、前記第2の動作モードよりも高遅延を伴い、
前記第1の動作モードは、前記第2の動作モードよりも高信頼性を伴う、
請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の動作モードに従って前記制御ロジックを構成することは、前記制御ロジックを使用して、前記第1のアダプタから構成データを読み出すことを含み、
前記X線検出器の前記動作モードの中から前記第1の動作モードを選択することは、前記構成データに基づいて前記第1の動作モードを選択することを含む、
請求項10から17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
入射X線を画像データに変換する手段と、
第1のコネクタインターフェースを第2のコネクタインターフェースに変換する手段と、
前記第1のコネクタインターフェースを前記第2のコネクタインターフェースに変換する前記手段を介した前記画像データの送信を制御する手段と、
X線検出器の複数の動作モードの中から第1の動作モードを選択する手段と、
前記第1のコネクタインターフェースを前記第2のコネクタインターフェースに変換する前記手段を介した前記画像データの前記送信を制御する前記手段を、前記第1の動作モードに従って構成する手段と、
を備えた、X線検出器。
【請求項20】
前記動作モードに関連付けられた複数の構成データ集合を格納する手段
をさらに備えた、請求項19に記載のX線検出器。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
X線検出器を使用して、入射X線に応じて二次元画像またはビデオが生成され得る。X線検出器は、顧客の仕様などの特定の仕様に従って設計され得る。異なる顧客など、異なる設計では、仕様が異なり得る。その結果、同一のX線検出器は、異なる顧客のシステムといった異なるシステムで動作するように、再設計される必要があり得る。
【図面の簡単な説明】
【0002】
【
図1】いくつかの実施形態による、アダプタを有するX線検出器のブロック図である。
【
図2】いくつかの実施形態による、複数の構成データ集合を格納するように構成されたメモリを備えたX線検出器のブロック図である。
【
図3A】いくつかの実施形態による、異なるアダプタを有するX線検出器のブロック図である。
【
図3B】いくつかの実施形態による、異なるアダプタを有するX線検出器のブロック図である。
【
図4】いくつかの実施形態による、X線検出器を構成するフローチャートである。
【
図5】いくつかの実施形態による、プロセッサ及び/またはプログラマブルロジックデバイスを備えたX線検出器のブロック図である。
【
図6】いくつかの実施形態による、複数の構成データ集合を格納するように構成されたメモリを備えたX線検出器を構成するフローチャートである。
【
図7】いくつかの実施形態による、
図1のX線検出器を構成するフローチャートである。
【
図8】いくつかの実施形態による、アダプタに基づいた構成データによりX線検出器を構成するフローチャートである。
【
図9】いくつかの実施形態による、X線撮像システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0003】
いくつかの実施形態は、モジュール式X線検出器及びシステムに関し、具体的には、アダプタを有するモジュール式X線検出器及びシステムに関する。X線検出器は、様々な用途で使用され得る。コーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)システムなどのいくつかのシステムでは、各画像がホストコンピュータに確実に届くように、高信頼性の通信技術が使用され得る。外科的処置システムなどの他のタイプのシステムでは、外科医の手と目の連携を向上させるために、低遅延通信技術を使用して、画像取得と画像表示の間の遅延が最小限に抑えられ、または最大遅延が保証される。
【0004】
特定のハードウェアインターフェースは、高信頼性通信などのシステムビヘイビアをサポートし得、一方で他のハードウェアインターフェースは、低遅延通信をサポートする。X線デバイスは、1つの動作モードをサポートするハードウェアで構成されている場合、他の動作または様々な動作をサポートできない場合がある。その結果、両方または複数の動作をサポートするために、異なるタイプのX線検出器が必要となり得る。複数のタイプのX線検出器を使用する場合、消費者のコストが増加し、製造業者のコストが増加し、メンテナンスのコストが増加し得る。複数の動作モードをサポートするには複数の異なるX線検出器が必要となるが、本明細書で説明される実施形態により、アダプタを有する単一のモジュール式X線検出器で複数の動作モードをサポートすることが可能となる。
【0005】
図1は、いくつかの実施形態による、アダプタを含むX線検出器のブロック図である。いくつかの実施形態は、モジュール式X線検出器102'を含む。モジュール式X線検出器102'は、X線検出器102及びアダプタ104を含む。X線検出器102及びアダプタ104は、一体化されてモジュール式X線検出器102'を形成する。
【0006】
X線検出器102は、入射X線116に応じてデータを取得するように構成されたデバイスである。いくつかの実施形態では、データは、画像データ、またはビデオデータなどを含み得る。X線検出器102は、筐体110、センサアレイ112、制御ロジック114、及び第1のコネクタインターフェース108‐1を含む。筐体110は、センサアレイ112及び制御ロジック114をカプセル化するように構成される。
【0007】
センサアレイ112は、入射X線放射116に応じて画像を生成するように構成され、筐体内に配置される。センサアレイ112は、入射X線に基づいてデータを生成するように構成された様々なセンサを含み得る。センサアレイ112は、直接変換センサ、間接変換センサ、及びX線変換材料(例えばシンチレータ材料)などを含み得る。
【0008】
制御ロジック114は、筐体110内に配置され、センサアレイ112に接続される。制御ロジック114は、センサアレイ112、センサアレイ112からの画像データの処理、X線検出器102からそのデータの送信、及びX線検出器102の他の動作を制御するように構成される。制御ロジック114は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロ制御ロジック、プログラマブルロジックデバイス(例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))、ディスクリート回路、またはこのようなデバイスの組み合わせなどを含み得る。さらに、回路チップセット、ハブ、メモリ制御ロジック、または通信インターフェースなどの他のインターフェースデバイスが制御ロジック114の部分を成して、制御ロジック114をX線検出器102の内部コンポーネント及び外部コンポーネントに接続し得る。
【0009】
第1のコネクタインターフェース108‐1は、筐体110の外側に少なくとも部分的に統合される。第1のコネクタインターフェース108‐1は、制御ロジック114に電気的に接続される。
【0010】
アダプタ104は、第1のコネクタインターフェース108‐1にてX線検出器102に取り外し可能に接続可能なデバイスである。アダプタ104は、少なくとも2つのコネクタインターフェースを含む。ここで、アダプタ104は、第2のコネクタインターフェース108‐2と第3のコネクタインターフェース108‐3とを含む。第2のコネクタインターフェース108‐2は、第1のコネクタインターフェース108‐1と物理的及び電気的に嵌合するように構成される。例えば、第1のコネクタインターフェース108‐1及び第2のコネクタインターフェース108‐2は、スモールフォームファクタプラガブル(SFP)インターフェース、SFP+、クワッドスモールフォームファクタプラガブル(QSFP)、QSFP+、QSFP28、XFP、Cフォームファクタプラガブル(CFP)、ユニバーサルシリアルバス(USB)、イーサネット(登録商標)、または光ファイバなど、標準化されたコネクタインターフェースの仕様に従って構成され得る。しかし、他の実施形態では、第1のコネクタインターフェース108‐1及び第2のコネクタインターフェース108‐2は、プロプライエタリコネクタインターフェースであり得る。
【0011】
第3のコネクタインターフェース108‐3は、第1のコネクタインターフェース108‐1及び第2のコネクタインターフェース108‐2と同じであってもよく、または異なっていてもよい。例えば、第3のコネクタインターフェース108‐3は、RJ‐45インターフェース、光ファイバインターフェース、イーサネット(登録商標)インターフェース、省電力イーサネット(登録商標)(EEE)インターフェース、同期光通信網(SONET)インターフェース、SDHインターフェース、プレシオクロナスデジタルハイアラーキ(PDH)インターフェース、フィールドバスインターフェース、トークンリングインターフェース、光伝送網(OTN)インターフェース、シングルモードファイバ(SMF)インターフェース、またはマルチモードファイバインターフェース(MMF)などを含み得る。
【0012】
制御ロジック114は、複数の動作モードで動作するように構成可能である。動作モードは、システムの動作方法または手段であり、ハードウェアと、高性能検出器、高信頼性検出器、またはシステムが要する他のアプリケーションとしての検出器の所望の使用により、特徴付けられる。異なる動作モードでは、制御ロジック114は、センサアレイ112からのデータを異なる方法で処理及び/または送信し得る。例えば、ある動作モードでは、制御ロジック114は、センサアレイ112からの画像データをより高い信頼性または保証された信頼性で送信するように構成され得、別の動作モードでは、制御ロジック114は、より低遅延で画像データを送信するように構成され得る。複数の動作モードにおいて、動作モードのうちの第1の動作モードと、動作モードのうちの別の動作モードとでは、アダプタ104を介した画像データの処理及び/または画像データの送信は異なる。制御ロジック114は、第2の動作モードではなく第1の動作モードで動作するように現行では構成され得る。しかし、制御ロジック114は、第2の動作モードで動作するように再構成されてもよい。他の実施形態では、制御ロジック114は、アダプタ104に応じて、いずれかのモードで動作するように構成され得る。
【0013】
制御ロジック114及びコネクタインターフェース108‐1は、動作モードの中で最大のデータレート以上のデータレートで、データを送信するように構成される。現行のアダプタ104が最大データレートでそのような送信を行うことができない場合でも、異なるアダプタ104に関連付けられた別の動作モードがより高いデータレートで動作し得るため、制御ロジック114及びコネクタインターフェース108‐1は、最大レートで送信するように構成される。
【0014】
異なるアダプタ104及び異なる動作モードは、同じX線検出器102を使用する。しかし、モジュール式X線検出器102'は、異なる動作モードを有する。単一のX線検出器102は、単一の部品番号で追跡され、単一のテスト手順及び単一のテスト機器集合などを使用してテストされ得る。X線検出器102は、アダプタ104または動作モードに関係なく、同一のX線検出器102と置き換えられ得る。
【0015】
異なるアダプタ104は、別個に追跡及びテストされる必要があり得るが、センサアレイ112などのより複雑及び/またはより高価なコンポーネントは、複数の異なる動作モードで複数回テストされることが不要であり得る。アダプタ104により提供されるインターフェースは、センサアレイ112のテストに影響を及ぼし得ない。アダプタ104が故障した場合、X線検出器102を再テストする必要なく、X線検出器102を別のアダプタ104とともに使用してもよい。さらに、アダプタ104が変更された場合でも、X線検出器102を再テストする必要はない。
【0016】
いくつかの実施形態では、モジュール式X線検出器102'は、コンピュータ106に接続され得る。コンピュータ106には、モジュール式X線検出器102'が設置され得るシステム、モジュール式X線検出器を構成する相手先商標製造業者(OEM)システム、または技術者もしくは他のユーザのコンピュータなどが含まれ得る。コンピュータ106は、複数の動作モードに関する複数の構成データ集合を格納するように構成され得る。動作モードのそれぞれは、異なる構成データ集合に関連付けられ得る。構成データ集合のそれぞれは、制御ロジック114のファームウェアまたはソフトウェアなどを含み得る。さらに、構成データは、アダプタ104の構成データを含み得る。制御ロジック114が特定の構成データ集合で構成される場合、制御ロジック114は、関連付けられた動作モードで動作するように構成される。構成データは、あらゆる所与の動作に関する機能を実行するように制御ロジック114をセットアップするのに使用される情報を含む。例えば、1つの構成データ集合は、制御ロジック114のソフトウェア及びファームウェアを含み得、これらは制御ロジック114により実行されると、より高い信頼性または保証された信頼性の動作モードで動作することを、制御ロジック114に実行させる。別の構成データ集合の場合、構成データ集合は、制御ロジック114のソフトウェア及びファームウェアを含み得、これらは制御ロジック114により実行されると、より低遅延の動作モードで動作することを、制御ロジック114に実行させる。
【0017】
いくつかの実施形態では、制御ロジック114は、コンピュータ106と通信して、現在設置されているアダプタ104に関連付けられた構成データ集合を受信するように構成され得る。コンピュータ106が、関連付けられた構成データ集合を送信できるように、制御ロジック114は、コンピュータ106に対して制御ロジック114及びアダプタ104を識別するように構成され得る。他の実施形態では、コンピュータ106は、アダプタ104の識別及び/またはモジュール式X線検出器102'の選択された動作モードに基づいて、構成データ集合を送信し得る。
【0018】
構成データはアダプタ104を介して制御ロジック114に送信され得るが、他の実施形態では、構成データは異なる方法で送信され得る。例えば、X線検出器102は、WiFiまたはBluetooth(登録商標)などの無線通信インターフェースといった代替インターフェース(AI)109を含み得る。構成データ集合は、無線通信インターフェースを介して送信され得る。他の実施形態では、代替インターフェース109には、USB、外部SATA(eSATA)、Firewire(登録商標)、またはメモリカードスロットなどの代替物理インターフェースが含まれ得る。構成データ集合を含むコンピュータ106及び/またはコンピュータ可読媒体は、代替物理インターフェースに接続され、制御ロジック114に送信され得る。
【0019】
異なるアダプタ104及び異なる関連付けられた構成データ集合は、モジュール式X線検出器102'を異なるデバイスに変換し得る。例えば、第1のアダプタ104と第1の構成データ集合との一式により、モジュール式X線検出器102'は高い信頼性で動作するように構成され得る。例えば、第1の構成データ集合は、伝送制御プロトコル(TCP)、または潜在的に信頼性の低いネットワーク上ですべてのデータが順番に送信されることを保証し得る別のプロトコルなどの通信プロトコルを実施し得る。モジュール式X線検出器102'からのデータの取得が比較的遅れたとしても、データが失われないことを保証するために、さらなるバッファリング、または画像損失を防ぐためのフィードバックなどが、制御ロジック114により実行され得る。具体的な例では、患者を一回スキャンする間に複数の撮像及び複数の露光が行われるコンピュータ断層撮影(CT)システムに、高信頼性の動作モードが使用され得る。画像のうちの1つが破損または損失した場合、手順全体を再度実行する必要があり得、患者が受ける線量が増加する。
【0020】
第2のアダプタ104及び関連付けられた第2の構成データ集合は、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、CoaXPress、またはストリーミングビデオプロトコルなどのより低遅延のプロトコルを使用して動作するように、モジュール式X線検出器102'を構成し得る。したがって、同じX線検出器102は、高信頼性デバイスまたは低遅延デバイスとして動作するように、異なるアダプタ104及び/または異なる構成データ集合を用いて使用され得る。具体的な例では、外科医がリアルタイム画像を見ながらステント設置などの処置を行う侵襲的処置で、低遅延であるように構成されたモジュール式X線検出器102'が使用され得る。画像の取得と、モジュール式X線検出器102'からの画像の送信との間の処理における遅延は、構成データ集合及び特定のアダプタ104により、最小限に抑えられ得る。構成データ集合とアダプタ104との異なる組み合わせの特性の例として、高信頼性及び低遅延が使用されたが、他の実施形態では、異なる組み合わせは様々な特性を有し得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、新たなアダプタ104が利用可能になると、X線検出器102のモジュール性及び再構成可能性により、さらなる構成が可能となる。例えば、SFP+フォームファクタを備えた新たなアダプタ104が開発される場合がある。その新たなアダプタ104は、既存のX線検出器102にインストールされ得、新たな構成データ集合が制御ロジック114にインストールされ得る。その結果、同じX線検出器102で、新たな動作モードが利用可能となり得る。いくつかの実施形態では、モジュール式X線検出器102'をOEMに返却することなく、新たな動作モードが利用可能となり得る。
【0022】
X線検出器102をモジュール式X線検出器102'の一部として使用することにより、製造業者は、コスト、遅延、または保守負担などを削減することができる。製造業者は、様々なアダプタ104及び様々な構成データ集合と統合することができる単一のX線検出器102を設計及びサポートし、相互排他的な可能性のある異なる動作モードを提供し得る。さらに、ユーザのコストも削減され得る。エンドユーザは、2つ以上の異なる用途のために別個に構成されたX線検出器を購入する必要がなくなり得る。単一のX線検出器102は、本明細書に説明されるように再構成され、異なる用途に使用することができる。
【0023】
図2は、いくつかの実施形態による、複数の構成データ集合を格納するように構成されたメモリを備えたX線検出器のブロック図である。モジュール式X線検出器102'は、前述の
図1のモジュール式X線検出器102'と同様であり得る。しかしながら、X線検出器102は、メモリ120を含む。
【0024】
メモリ120は、DDR‐DDR5、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、不揮発性メモリ、例えばフラッシュ、スピントランスファトルク磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(STT‐MRAM)、もしくは相変化RAMなど、または磁気媒体もしくは光学媒体といった、様々な規格によるダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)モジュールを含み得る。メモリ120は、このようなストレージデバイスの組み合わせを含んでもよい。
【0025】
メモリ120は、複数の構成データ集合を格納するように構成され得る。動作モードのそれぞれは、異なる構成データ集合に関連付けられ得る。構成データ集合のそれぞれは、制御ロジック114のファームウェアまたはソフトウェアなどを含み得る。さらに、構成データは、アダプタ104の構成データを含み得る。
【0026】
メモリ120は、モジュール式X線検出器102'の現行動作モードのインジケーションを格納し得る。現行動作モードは、現行の動作モードを示す情報とともに、フラグ、レジスタ、メモリ120の格納場所などを含み得る。制御ロジック114は、現行動作モードのインジケーションに基づいて、構成データ集合を選択するように構成され得る。制御ロジック114は、選択した構成データ集合を使用して、現行動作モードで動作するように構成され得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、制御ロジック114は、アダプタ104に基づいて動作モードのうちの1つを選択するように構成される。例えば、制御ロジック114は、例えばコネクタインターフェース108‐1及び108‐2の集積回路間(I2C)インターフェースを介して、アダプタ104と通信するように構成され得る。I2Cインターフェースを介して、制御ロジック114は、アダプタ104のインジケーション、または前述の現行動作モードのインジケーションと同様であるアダプタ104に格納された動作モードのインジケーションなどを、受信し得る。この情報に基づいて、制御ロジック114は、動作モードのうちの1つを選択し得る。いくつかの実施形態では、受信された情報は、動作モード自体のインジケーションであり得る。他の実施形態では、制御ロジック114は、情報を動作モードのインジケーションに変換し得る。例えば、制御ロジック114は、アダプタ104を識別し得る。アダプタ104は、単一の動作モードに関連付けられ得る。その単一の動作モードを選択及び使用して、関連付けられた構成データ集合が選択され得る。制御ロジック114は、関連付けられた構成データ集合を使用して、動作モードのうちの選択された1つの動作モードで動作するように構成され得る。
【0028】
図3A及び
図3Bは、いくつかの実施形態による、異なるアダプタを有するX線検出器のブロック図である。
図3Aを参照すると、モジュール式X線検出器102'は、前述のモジュール式X線検出器102'と同様であり得る。しかし、第1のコネクタインターフェース108‐1は、SFP+インターフェース208‐1である。アダプタ104は、SFP+とRJ45との間のトランシーバ104‐1である。第3のコネクタインターフェース108‐3は、RJ45インターフェース208‐3である。制御ロジック114は、例えばイーサネット(登録商標)210‐1構成で表されるイーサネット(登録商標)経由TCPを使用することにより、RJ45インターフェースを介して通信するように構成される。
【0029】
図3Bを参照すると、モジュール式X線検出器102'は、アダプタ104及び制御ロジック114の構成を除いて、
図3Aのモジュール式X線検出器102'と同一である。具体的には、X線検出器102のハードウェアは同じである。アダプタ104は、SFP+とファイバ経由CoaXPressとの間のトランシーバ104‐2である。第3のコネクタインターフェース108‐3は、ファイバインターフェース208‐4である。制御ロジック114は、CoaXPress210‐2構成で表されるCoaXPress規格に従って、ファイバインターフェース208‐4を介して通信するように構成され得る。
【0030】
したがって、X線検出器102は、少なくとも2つの動作モードで動作するように構成または再構成され得る。第1の動作モードは、イーサネット(登録商標)経由TCPであり、第2の動作モードは、ファイバ経由CoaXPressである。その結果、第1の動作モードは、第2の動作モードよりも高遅延であり得るが、第1の動作モードは、第2の動作モードよりも高信頼性を有する。
【0031】
図4は、いくつかの実施形態による、X線検出器を構成するフローチャートである。
図1、
図2、及び
図4を参照すると、モジュール式X線検出器102'が実施例として使用される。400にて、X線検出器102が受け取られる。
【0032】
402にて、X線検出器の複数の動作モードの中から第1の動作モードが選択される。例えば、動作モードのインジケーションは、制御ロジック114で設定され得る。別の実施例では、動作モードは、コンピュータ106上で選択され得る。
【0033】
408にて、制御ロジック114は、第1の動作モードに従って構成される。例えば、ソフトウェア、またはファームウェアなどは、代替インターフェース109を介して制御ロジック114にロードされ得る。別の実施例では、構成データ集合がメモリ120から選択され、制御ロジック114にロードされ得る。
【0034】
410にて、第1の動作モードに関連付けられた第1のアダプタ104が選択される。第1のアダプタ104は、他の動作モードに関連付けられ得るが、構成データ集合とアダプタ104は、特定の組み合わせを作成する。412にて、コネクタインターフェース108‐1に第1のアダプタ104がインストールされる。
【0035】
動作408、410、及び412は、特定の順序で説明されたが、他の実施形態では順序が異なっていてもよい。例えば、408にて制御ロジック114を構成する前に、410にてアダプタが選択され、412にてアダプタがインストールされてもよい。408にて制御ロジックを構成することは、インストールされた第1のアダプタ104を介した通信により行われてもよい。
【0036】
例えば、コンピュータ106は、動作モードを選択し得る。コンピュータ106に第1の動作モードが入力されてもよい。他の実施形態では、メモリ120が第1の動作モードのインジケーションを含み得る。第1の動作モードは、コンピュータ106に伝達され得る。コンピュータ106は、モジュール式X線検出器102'の複数の動作モードに関する構成データ集合を格納し得る。コンピュータ106は、第1の動作モードの構成データ集合を選択し得る。選択された構成データ集合は、制御ロジック114に送信され、408にて制御ロジックを構成するのに使用され得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、モジュール式X線検出器102'は、第2の動作モード用に再構成され得る。408にて第1の動作モードに従って制御ロジック114を構成した後、414にて、X線検出器の動作モードの中から、第1の動作モードとは異なる第2の動作モードが選択される。第2の動作モードは、402における第1の動作モードの選択と同様に、選択され得る。416にて、制御ロジック114は、第2の動作モードに従って構成される。制御ロジック114は、408における構成と同様の方法で構成され得るが、第2の動作モードに関連付けられた構成データで構成され得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、414にて第2の動作モードを選択した後も、アダプタ104は同じ状態が維持され得る。416にて第2の動作モードに従って制御ロジック114を構成するのに使用される構成データ集合は、第1の動作モードの構成データ集合とは異なり得るが、同じ第1のアダプタ104に関連付けられ得る。他の実施形態では、第2の動作モードは、第1のアダプタ104とは異なる第2のアダプタ104に関連付けられ得る。418にて、第2の動作モードに関連付けられた、第1のアダプタ104とは異なる第2のアダプタが選択される。420にて、コネクタインターフェース108‐1に第2のアダプタ104がインストールされる。
【0039】
いくつかの実施形態では、アダプタ104の変更は、制御ロジック114の再構成を作動させ得る。例えば、414にて第2の動作モードが選択される。次に、418にて第2のアダプタが選択され、420にてインストールされる。制御ロジック114は、第2のアダプタ104を検出し、前述のように第2のアダプタ104に基づいて、第2の動作モード及び関連付けられた構成データ集合を特定するように構成され得る。次に、制御ロジック114は、第2の動作モードに従って自身を再構成し得る。結果として、アダプタ104をあるタイプから別のタイプに変更するだけで、モジュール式X線検出器102'を異なるデバイスに変換することができる。
【0040】
図5は、いくつかの実施形態による、プロセッサ及び/またはプログラマブルロジックデバイスを備えたX線検出器のブロック図である。モジュール式X線検出器102'は、前述のモジュール式X線検出器102'と同様であり得る。いくつかの実施形態では、制御ロジック114は、特定用途向け集積回路(ASIC)114‐1、プロセッサ114‐2、及びプログラマブルロジックデバイス114‐3を含む。ASIC114‐1、プロセッサ114‐2、及びプログラマブルロジックデバイス114‐3は、メモリ120に接続される。
【0041】
ASIC114‐1は、センサアレイ112から画像データを読み出すように構成された特定用途向け集積回路である。ASIC114‐1は、画像データをメモリに格納し得る。プロセッサ114‐2は、アドバンストRISCマシン(ARM)プロセッサ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)プロセッサ、またはX64プロセッサなどの中央処理装置(CPU)を含み得る。プログラマブルロジックデバイス114‐3の例としては、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)、またはプログラマブルアレイロジック(PAL)などが挙げられる。
【0042】
プロセッサ114‐2及びプログラマブルロジックデバイス114‐3は、メモリ120を共有し得る。メモリ120は、動作モードに従って配分され得る。前述のように、制御ロジック114が動作モードに従って構成されるとき、その構成の一部は、プロセッサ114‐2とプログラマブルロジックデバイス114‐3との間でメモリを配分することを含み得る。メモリ120のいくつかの部分は、プロセッサ114‐2とプログラマブルロジックデバイス114‐3との間で共有され得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、制御ロジック114を構成することは、動作モードに基づいて、制御ロジック114のプロセッサ114‐2のソフトウェアを変更することを含み得る。具体的には、変更されるソフトウェアには、アダプタ104を介したデータ送信に関連する部分が含まれ得る。同様に、制御ロジック114を構成することは、動作モードに基づいて、制御ロジック114のプログラマブルロジックデバイス114‐3の構成を変更することを含み得る。例えば、プログラマブルロジックデバイス114‐3の様々なコア、ブロック、または接続などは、動作モードに基づいて変更され得る。構成の変更には、アダプタ104を介したデータ送信に関連する変更が含まれ得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、制御ロジック114の再構成には、プロセッサ114‐2及びプログラマブルロジックデバイス114‐3の両方におけるソフトウェア、ファームウェア、または他の構成の変更が含まれ得る。しかし、他の実施形態では、プロセッサ114‐2及びプログラマブルロジックデバイス114‐3のうちの1つのみに関連するソフトウェア、ファームウェア、または他の構成は、新たな動作モードに変わるときに変更され得る。
【0045】
図6は、いくつかの実施形態による、複数の構成データ集合を格納するように構成されたメモリを備えたX線検出器を構成するフローチャートである。
図2及び
図6を参照すると、いくつかの実施形態では、動作は、
図4の動作と同様であり得る。しかし、403にて、X線検出器102の筐体110内のメモリ120に格納された複数の構成データ集合の中から、第1の動作モードに関連付けられた構成データ集合が選択される。409にて、制御ロジック114は、選択された構成データ集合を使用して構成される。したがって、モジュール式X線検出器102'は、複数の動作モードの複数の構成データ集合を用いて、事前に構成され得る。メモリ120に格納された集合から、1つの構成データ集合が所望に応じて選択され、ロードされ得る。
【0046】
図7は、いくつかの実施形態による、
図1のX線検出器を構成するフローチャートである。
図1及び
図7を参照すると、いくつかの実施形態では、動作は、
図4及び
図6の動作と同様であり得る。しかし、404にて、X線検出器102の外部にあるメモリに格納された複数の構成データ集合の中から、第1の動作モードに関連付けられた構成データ集合が選択される。例えば、構成データ集合は、X線検出器102の外部にあるコンピュータ106に格納され得る。
【0047】
407にて、選択されたデータ集合は、X線検出器102に送信される。いくつかの実施形態では、構成データ集合は、アダプタ104を介して送信される。他の実施形態では、構成データ集合は、代替インターフェース109を介して送信され得る。409にて、制御ロジック114は、選択された構成データ集合を使用して構成される。
【0048】
図8は、いくつかの実施形態による、アダプタに基づいた構成データによりX線検出器を構成するフローチャートである。
図1及び
図8を参照すると、動作は
図4の動作と同様であり得る。いくつかの実施形態では、401にて、制御ロジック114を使用して、アダプタ104から構成データが読み出される。405にて、構成データに基づいて第1の動作モードを選択することにより、X線検出器の動作モードの中から第1の動作モードが選択される。
【0049】
図9は、いくつかの実施形態による、X線撮像システムのブロック図である。X線撮像システム900は、X線源902及び検出器910を含む。検出器910は、前述のモジュール式検出器102'などを含み得る。X線920が生成されて被検物922を通過し、検出器910により検出され得るように、X線源902は、検出器910に対して配置される。いくつかの実施形態では、検出器910は、医療用撮像システムの一部である。他の実施形態では、X線撮像システム900には、貨物走査システムの一部としてポータブル車両走査システムが含まれ得る。システム900は、X線検出器を含み得る任意のシステムであり得る。
【0050】
X線検出器は、筐体110と、筐体110内に配置され、入射X線に応じて画像データを生成するように構成されたセンサアレイ112と、筐体110内に配置された制御ロジック114と、筐体110と一体化されたコネクタインターフェース108と、コネクタインターフェース108に取り外し可能に接続できるアダプタ104と、を備え、制御ロジック114は、複数の動作モードで動作するように構成可能であり、動作モードのうちの第1の動作モードの場合、動作モードのうちの第2の動作モードの場合とは異なり、制御ロジック114は、画像データを処理し、及び/またはアダプタ104を介して画像データを送信するように構成される。
【0051】
いくつかの実施形態では、第1の動作モードの場合、制御ロジック114は、第1のプロトコルを使用して画像データを送信するように構成され、第1のプロトコルは、第2の動作モードで画像データを送信するのに使用される第2のプロトコルとは異なる。
【0052】
いくつかの実施形態では、X線検出器は、複数の構成データ集合を格納するように構成されたメモリ120をさらに備え、動作モードのそれぞれは、構成データ集合のうちの対応する1つに関連付けられる。
【0053】
いくつかの実施形態では、メモリ120はさらに、動作モードのうちの現行動作モードのインジケーションを格納するように構成され、制御ロジック114は、現行動作モードのインジケーションに基づいて、構成データ集合を選択し、選択した構成データ集合を使用して、現行動作モードで動作するように構成される。
【0054】
いくつかの実施形態では、制御ロジック114は、アダプタ104に基づいて、動作モードのうちの1つ及び関連付けられた構成データ集合を選択し、関連付けられた構成データ集合を使用して、動作モードのうちの選択された1つで動作するように構成される。
【0055】
いくつかの実施形態では、第1の動作モードは、CoaXPressモードであり、第2の動作モードは、イーサネット(登録商標)モードである。
【0056】
いくつかの実施形態では、コネクタインターフェース108は、標準化されたコネクタインターフェース108である。
【0057】
いくつかの実施形態では、制御ロジック114及びコネクタインターフェース108は、動作モードの中で最大のデータレート以上のデータレートで、データを送信するように構成される。
【0058】
いくつかの実施形態では、制御ロジック114はさらに、プロセッサ及びプログラマブルロジックデバイスを備え、制御ロジック114はさらに、第1の動作モードに基づいて、アダプタ104を介したデータ送信に関連する制御ロジック114のプロセッサのソフトウェアを変更することと、第1の動作モードに基づいて、アダプタ104を介したデータ送信に関連する制御ロジック114のプログラマブルロジックデバイスの構成を変更することと、のうちの少なくとも1つを実行するように構成される。
【0059】
方法は、筐体110と、筐体110内に配置され、入射X線に応じて画像データを生成するように構成されたセンサアレイ112と、筐体110内に配置された制御ロジック114と、筐体110と一体化されたコネクタインターフェース108と、を備えたX線検出器を受け取ることと、X線検出器の複数の動作モードの中から第1の動作モードを選択することと、第1の動作モードに従って制御ロジック114を構成することと、第1の動作モードに関連付けられた第1のアダプタ104を選択することと、コネクタインターフェース108に第1のアダプタ104をインストールすることと、を含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、第1の動作モードに従って制御ロジック114を構成した後、X線検出器の動作モードの中から、第1の動作モードとは異なる第2の動作モードを選択することと、第2の動作モードに従って制御ロジック114を構成することと、を含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、第2の動作モードに関連付けられた、第1のアダプタ104とは異なる第2のアダプタ104を選択することと、コネクタインターフェース108に第2のアダプタ104をインストールすることと、を含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、第1の動作モードに従って制御ロジック114を構成することは、第1の動作モードに基づいて、第1のアダプタ104を介したデータ送信に関連する制御ロジック114のプロセッサのソフトウェアを変更することを含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、第1の動作モードに従って制御ロジック114を構成することは、第1の動作モードに基づいて、第1のアダプタ104を介したデータ送信に関連する制御ロジック114のプログラマブルロジックデバイスの構成を変更することを含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、第1の動作モードに従って制御ロジック114を構成することは、X線検出器の筐体110内のメモリ120に格納された複数の構成データ集合の中から、第1の動作モードに関連付けられた構成データ集合を選択することと、選択した構成データ集合を使用して、制御ロジック114を構成することと、を含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、第1の動作モードに従って制御ロジック114を構成することは、X線検出器の外部にあるメモリ120に格納された複数の構成データ集合の中から、第1の動作モードに関連付けられた構成データ集合を選択することと、選択した構成データ集合をX線検出器に送信することと、選択した構成データ集合を使用して、制御ロジック114を構成することと、を含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、動作モードは、第2の動作モードを含み、第1の動作モードは、第2の動作モードよりも高遅延を伴い、第1の動作モードは、第2の動作モードよりも高信頼性を伴う。
【0067】
いくつかの実施形態では、第1の動作モードに従って制御ロジック114を構成することは、制御ロジック114を使用して、アダプタ104から構成データを読み出すことを含み、X線検出器の動作モードの中から第1の動作モードを選択することは、構成データに基づいて第1の動作モードを選択することを含む。
【0068】
X線検出器は、入射X線を画像データに変換する手段と、第1のコネクタインターフェースを第2のコネクタインターフェースに変換する手段と、第1のコネクタインターフェースを第2のコネクタインターフェースに変換する手段を介した画像データの送信を制御する手段と、X線検出器の複数の動作モードの中から第1の動作モードを選択する手段と、第1のコネクタインターフェースを第2のコネクタインターフェースに変換する手段を介した画像データの送信を制御する手段を、第1の動作モードに従って構成する手段と、を備える。
【0069】
入射X線を画像データに変換する手段の例としては、センサアレイ112などが挙げられる。第1のコネクタインターフェースを第2のコネクタインターフェースに変換する手段の例としては、アダプタ104などが挙げられる。第1のコネクタインターフェースを第2のコネクタインターフェースに変換する手段を介した画像データの送信を制御する手段の例としては、前述のように構成された制御ロジック114が挙げられる。X線検出器の複数の動作モードの中から第1の動作モードを選択する手段の例としては、前述のように構成された制御ロジック114が挙げられる。第1のコネクタインターフェースを第2のコネクタインターフェースに変換する手段を介した画像データの送信を制御する手段を、第1の動作モードに従って構成する手段の例としては、制御ロジック114、メモリ120、またはコンピュータ106などが挙げられる。
【0070】
いくつかの実施形態では、X線検出器はさらに、動作モードに関連付けられた複数の構成データ集合を格納する手段を備える。動作モードに関連付けられた複数の構成データ集合を格納する手段の例として、メモリ120、またはコンピュータ106などが挙げられる。
【0071】
構造、デバイス、方法、及びシステムが特定の実施形態に従って説明されたが、特定の実施形態の多くの変形形態が可能であり、よって、いずれの変形形態も、本明細書で開示される趣旨及び範囲に入るとみなされるべきであることが、当業者には容易に認識されよう。したがって、添付の特許請求の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者により多くの変更が行われてもよい。
【0072】
記載される本開示に続く特許請求の範囲は、記載される本開示に明示的に組み込まれ、各請求項は、別個の実施形態として独立している。本開示は、独立請求項及びそれらの従属請求項に関するすべての変形を含む。さらに、下記の独立請求項及び従属請求項から派生可能なさらなる実施形態も、記載される本説明に明示的に組み込まれるものとする。これらのさらなる実施形態は、所与の従属請求項の依存関係を、語句「請求項[x]から本請求項の直前の請求項までの請求項のいずれか」に置き換えることにより特定され、括弧付きの用語「[x]」は、直近に記載された独立請求項の番号に置き換えられる。例えば、独立請求項1から始まる第1の請求項集合の場合、請求項4は、請求項1及び3のいずれかに従属し得、これらの別個の従属関係により2つの異なる実施形態が得られ、請求項5は、請求項1、3、または4のうちのいずれか1項に従属し得、これらの別個の従属関係により3つの異なる実施形態が得られ、請求項6は、請求項1、3、4、または5のうちのいずれか1項に従属し得、これらの別個の従属関係により4つの異なる実施形態が得られ、以下同様である。
【0073】
特徴または要素に関して用語「第1」を使用した請求項の記載は、第2または追加のそのような特徴または要素の存在を必ずしも示唆するものではない。ミーンズ・プラス・ファンクション形式で具体的に記載された要素が存在する場合、これらは、米国特許法第112条(f)項に従って、本明細書に記載の対応する構造、材料、または動作、及びこれらの均等物を網羅するように解釈されることが意図される。独占的権利または特権が請求される本発明の実施形態が、下記に定義される。
【国際調査報告】