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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】ダンネージ製造システム
(51)【国際特許分類】
   B31D 5/00 20170101AFI20240920BHJP
   B65B 57/02 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B31D5/00
B65B57/02 C
B65B57/02 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520075
(86)(22)【出願日】2022-09-30
(85)【翻訳文提出日】2024-05-14
(86)【国際出願番号】 US2022045452
(87)【国際公開番号】W WO2023056062
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】63/251,257
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524122462
【氏名又は名称】クーパー,クレイトン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】クーパー,クレイトン
【テーマコード(参考)】
3E075
【Fターム(参考)】
3E075AA03
3E075AA04
3E075AA10
3E075AA22
3E075AA23
3E075BA92
3E075BA95
3E075BB12
3E075CA01
3E075CA02
3E075CA10
3E075DA03
3E075DA05
3E075DA15
3E075DA33
3E075DB20
3E075DC13
3E075DC16
3E075DD02
3E075DD32
3E075DD33
3E075DD46
3E075FA03
3E075FA23
3E075GA01
3E075GA02
3E075GA03
(57)【要約】
ダンネージ製造システムが開示される。システムは、材料供給セクションであって、シートストック材料をシステムに供給してそれをダンネージ製品に変換するように構成された材料供給セクションを含む。システムは、シートストック又はロールストック材料における1つ又は複数のダイカット開口に係合するように構成された駆動ベルトに固定された複数のラグを有する駆動ベルトをさらに含む。システムは、1つ又は複数の折り畳みマンドレルと糊供給セクションとをさらに含む。折り畳みマンドレルは、駆動ベルトと折り畳みマンドレルとの間で、係合されたシートストック又はロールストック材料を捕捉し、糊供給セクションは、予め溶解された接着剤が装填されたタンク、溶解後の接着剤を移動させるためのホース、及び溶解した接着剤をシートストック材料へ圧送するための分注用ノズルを含む。コントローラが、次いで、測定情報を受信するとともにシステムの機能を制御してダンネージ製品を製造する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダンネージ製造システムであって、
シートストック材料又はロールストック材料を前記システムに供給してそれをダンネージ製品に変換するように構成された前記システムの送込みセクションの材料供給セクションと、
前記シートストック材料を積極的に駆動するとともに摩擦又は破壊的スパイクを使用する必要性を無くすために前記シートストック材料における1つ又は複数のダイカット開口に係合するように構成された前記駆動ベルトに固定された複数のラグを有する駆動ベルトと、
前記駆動ベルトと折り畳みマンドレルとの間で、前記係合されたシートストック又はロールストック材料を捕捉するように構成された1つ又は複数の折り畳みマンドレルと、
予め溶解された接着剤を装填するように構成されたタンクと、前記溶解後の接着剤を移動させるように構成されたホースと、前記溶解した接着剤を前記シートストック材料へ圧送するように構成された分注用ノズルと、を有する糊供給セクションと、
測定情報を受信するとともに前記システムの機能を制御するように構成されたコントローラと、
を含み、それにより、前記平らな状態で供給されたシート又はロールストックのダンネージ片への前記変換を最大化するために固有の及び特定のダイカットパターンを用いる、ダンネージ製造システム。
【請求項2】
前記駆動ベルトが、前記シートストック材料を積極的に駆動するために、前記シートストック材料における前記ダイカット開口に係合するように構成された複数の駆動ラグを含み、それにより摩擦又は破壊的スパイクを使用する前記必要性を無くす、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ダイカット動作を実施するために、シートクラフト紙における非ダイカット材料を受け取るように構成されたダイカットセクションをさらに含み、前記システムが、未加工非ダイカット材料を利用することを可能にする、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
一連の折り畳み及び形成部材であって、前記シートストック材料を連続的で切断されていないフォーマットで予め決められた形状になるように徐々に及び積極的に折り畳むとともに形成するように構成された一連の折り畳み及び形成部材を有する下流形成セクションをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記シートストック又はロールストック材料の張力を監視及び制御する複数の検知デバイスをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ダイカット材料が前記システムの前記様々なセクションを通って流れる際に、前記ダイカット材料のフロー及び制御を制御するように構成された1つ又は複数のウェブ供給デバイスをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記シートストック材料が、前記ダイカット材料の分離を無くすために前記シートストック材料の前記巻き戻されたロールの前記張力をほぼゼロまで低減させるように構成された巻き戻しセクション内に装填される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記巻き戻しセクションが、ダイカット動作を実施するためにシート又はロールフォーマットの非ダイカット材料を受け取るように構成されたダイカットセクションを含み、それにより前記システムが前記未加工非ダイカット材料を用いることを可能にする、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記巻き戻しセクションが、巻き戻されるとともに前記駆動ベルトに螺合されたロールストックを受け取るように構成された張力制御セクションをさらに含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記ダンネージを前記システムの出口に解放する前に前記接着剤が定まることを可能にするために、前記形成され折り畳まれたシートストック材料に圧縮/力を施すように構成された圧縮セクションをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記糊付けされたシートストック材料を受け取るように構成された前記出口に設定可能な分離セクションをさらに含むとともに、分離ローラを介してダンネージ材料の特定の数又は長さのところでミシン目を引き離す、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記システム全体にわたって前記シートストック又はロールストック材料の供給速度を制御する、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
高容量ダンネージ製品を作り出す平らなストック材料から3次元の形への前記変換を最大化するために、固有の折り畳まれた及び形成された形状が用いられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記コントローラがプログラマブルロジックコントローラ(PLC)である、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、“Dunnage Production System”と題された、2021年10月1日に出願された米国仮特許出願第63/251,257号の利益を主張し、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の背景
A.技術分野
[0001] 本発明は概して、包装システムの分野に関する。より具体的には、本発明は、シートストック又はロールストック材料を保護包装材料として使用されるダンネージ製品に変換することによるダンネージ製造システムに関する。
【背景技術】
【0003】
B.関連技術の説明
[0002] 概して、幅広い種類の製品の輸送及び発送は、容器内に詰められることが多い。多くの場合において、製品は容器内に適合しないとともに、それらを損傷を生じずに安全に輸送又は保管することが重要である。そのようなコンテナは、空隙空間であって、その中に典型的には、製品に対する保護床として機能する保護用包装材料で充填される空隙空間を有する。充填材を備えた多くのタイプの保護包装が使用されてきた。これらには例えば、紙、ダンネージ、気泡緩衝材、充填材、発泡製品、及びピローが含まれる。
【0004】
[0003] 典型的な保護包装又はダンネージは、紙の連続的なストリップを機械内へ動かすことにより作られる。紙はしわくちゃにされて幾度も折り畳まれたダンネージの長いストリップを形成する。これらのしわくちゃにされた紙は容器の空隙内部に充填される。これは、輸送及び/又は保管中の製品に対する損傷を効果的に防止し得る。しかしながら、これは、製品を長い距離輸送又は配送する場合又は製品が重い場合の永続的な解決策ではない。
【0005】
[0004] 本明細書において開示された主題に関して、先行技術として背景技術に挙げられた問題を対処しようとする既存の特許参考文献はあまりないが、いくつかの文献について以下のとおり説明される。
【0006】
[0005] “Shaped loose-fill packaging particle and method for making the same”と題された、Gunter G. Fussらに譲渡された、先行技術米国特許第5468556号は、衝撃エネルギーを吸収するためのいくつかの渦巻き状領域を有する固いが可撓性のある材料のストリップを含む容器内の物品の衝撃を和らげるばら詰め材料として使用するための形成された粒子を開示する。渦巻き状領域は、例えば衝撃中に遭遇するであろう機械的な力に応じて機械的エネルギーを吸収するように一緒に圧縮されるとともに物品を保護するためにレジリエントばね又はバンパーとして機能するよう適合される。形成された粒子は、ネスティングを防止する特徴を有するとともに、相互係止を容易にして移動を防止する。本発明はまた、本発明による形成された粒子の実施形態を作るための方法を提供する。
【0007】
[0006] 別の先行技術、“Lightweight particle filer material”と題されたNorman G.Schabelらに譲渡された米国特許出願公開第20210009797号は、バッグ又はコンテナ充填材、空隙充填材、及び関連システムなど様々な用途のための充填材として使用される軽量材料を開示する。軽量粒子組成物は、包まれた又はばらの複数の軽量粒子を含む。複数の軽量粒子は、約0.001g/cc~約1.5g/ccの範囲内のかさ密度、約0.01マイクロメートル~約90ミリメートル(mm)の範囲内の粒子サイズを含む、無機又は有機組成物のうちの1つを含む。複数の軽量粒子間の間隙空間は、合計で、複数の軽量粒子の体積の約70%未満を含む。
【0008】
[0007] しかしながら、ダンネージを製造するための既存のシステムは、ダンネージ片を製造するためにインラインダイカッターを用いる。さらに、これらのシステムは、平らな材料を濡らすこと及び糊付けすること及び個々のストリップを作り出すためにトリミングすることという拡張されたプロセスを含む。さらに、システムは、ダンネージの端にホットメルトを設定するために保持力を用いる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
[0008] したがって、平らなシート又はロールストックの3次元ダンネージ片への変換を最大化するために改良されたシステムが必要とされている。また、材料の品質に影響を及ぼさないと同時に製造にかかるプロセスを簡単化するシステムが必要とされている。また、物品又は製品を効果的に支持、輸送、及び配送するための高容積ダンネージ製品を製造するためのシステムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の概要
[0009] 本発明は概して、シートストック又はロールストック材料を保護包装材料として使用されるダンネージ製品に変換することによるダンネージ製造システムを開示する。また、本発明は、物品又は製品を効果的に支持、輸送及び配送するための平らなシート又はロールストックの3次元ダンネージ片への変換を最大化するための改良されたシステムを開示する。
【0011】
[0010] 本発明によると、システムは、容器における物体を包装するためにシートストック又はロールストック材料から空隙充填ダンネージ製品を製造するように設計された革新的で知的なダンネージ製造機械である。システムは、シートストック材料をダンネージ製品又はばら詰め包装材料に変換するために変換機を用いる改良された解決策である。
【0012】
[0011] 一実施形態において、システムは、システムの送込みセクションの材料供給セクションを含む。一実施形態において、材料供給セクションは、シートストック材料をシステムに供給してそれをダンネージ製品に変換するように構成される。材料供給セクションにはベース材料が装填される。一実施形態において、ベース材料は再生紙ベースの材料、例えばボール紙又は板紙である。一実施形態において、ベース材料はロールフォーマットからシステム内へ供給される。別の実施形態において、ベース材料はまた、シートフォーマットからシステム内へ供給されてもよい。一実施形態において、ロールフォーマットにおけるベース材料は、平らな形の巻き戻されたロールストックを受け取り得る。
【0013】
[0012] 一実施形態において、供給セクション内に装填されたベース材料は下流形成セクションに供給される。ベース材料はオペレータによりシステムの巻き戻しセクション内に装填される。一実施形態において、巻き戻しセクションは、第1セクション又はダイカットセクションと第2セクション又は張力制御セクションとを含む少なくとも2つの後続のセクションを有する。システムは、ダイカット材料が1つ又は複数の後続のセクションを通って駆動される際に、ダイカット材料の分離を無くすために、シートストック材料の巻き戻されたロールの張力をほぼゼロまで低減させるために巻き戻し機能を用いる。一実施形態において、ベース材料はシステムでダイカットされる。一実施形態において、材料は、システムでのダイカットの必要性を無くす、予めダイカットされた材料であってもよい。
【0014】
[0013] 一実施形態において、ダイカットセクションは、ダイカット動作を実施するためにシート又はロールフォーマットの非ダイカット材料を受け取ることができ、それにより、システムが未加工非ダイカット材料を用いることを可能にする。一実施形態において、システムは、形成セクション、接着セクション、及び分離セクションをさらに含む。一実施形態において、システムは、シート又はロールストック材料をホッパー又はロールスタンドから、それぞれ下流形成セクション、形成セクション、接着セクション、及び分離セクションに供給するように構成された複数のモータをさらに用いる。一実施形態において、システムは、駆動ベルト又はチェーンをさらに含む。駆動ベルトは、ベース材料を積極的に駆動するとともに摩擦又は破壊的スパイクを使用する必要性を無くすために、供給されたベース材料におけるダイカット開口に係合するために、駆動ベルトに固定された複数の駆動ラグを含む。
【0015】
[0014] 一実施形態において、システムは、1つ又は複数の形成マンドレルをさらに含む。形成マンドレルは、上ラグ被駆動ベルトと下形成マンドレルとの間で、係合された被駆動材料を捕捉するために用いられる。別の実施形態において、形成マンドレルは、下ラグ被駆動ベルトと上形成マンドレルとの間で、係合された被駆動材料を捕捉するために用いられる。一実施形態において、システムは、一連の折り畳み及び形成部材を有する下流形成セクションをさらに含む。一連の折り畳み及び形成部材は、連続的で切断されていないフォーマットで平らな状態で供給された材料を予め決められた形状になるように、徐々に及び積極的に折り畳むとともに形成する。一実施形態において、システムは、1つ又は複数の検知デバイスをさらに含む。一実施形態において、検知デバイスは、材料の供給を検知するように構成される。材料の供給が停止すると、分注用ノズル又は糊ヘッドは、供給された材料への接着剤の塗布を止める。
【0016】
[0015] 一実施形態において、システムは、糊供給セクション又は接着剤塗布セクションをさらに含む。一実施形態において、糊供給セクションは、ベースホッパー又はタンク、ホースコンポーネント、及び分注用ノズルを含む。一実施形態において、ベースホッパーは、予め溶解された接着剤を装填するように構成される。一実施形態において、ホースコンポーネントは、溶解後の接着剤の移動を可能にするように構成される。一実施形態において、分注用ノズルは、設定された速度及び量の接着剤を、システムを通じて供給されているベース材料の両端に圧送又は分注するように構成される。
【0017】
[0016]本発明によると、排出されるダンネージ片のサイズなどの値を予め設定し選択すると、システムは製造プロセスを開始する。最初に、ロールストック又はシートストックは、駆動ベルトにより材料供給セクションフォーマーセクションの送込みに供給される。ロールストックが形成セクションを通って移動する際、これは徐々に折り畳まれるとともに形成されて3次元形状になる。形成された形が完成した後及び圧縮セクションの前に、接着剤のビードがベース材料の2つの対向する端の内部に分注用ノズルを介して施される。分注用ノズルは、予め設定された量の接着剤を一緒に糊付けされている2つの対向する面に分注する。形成された紙ダンネージはここで一緒に圧縮されて閉鎖ループダンネージチューブを形成する。圧縮セクションは、ダンネージをシステムの出口に解放する前に接着剤を設定することを可能にするために、接着剤が施された後に、形成されるとともに折り畳まれた材料に力をかける。一実施形態において、圧縮は、形成された材料のフローがシステムの分離セクションに向かって移動する際に維持され、糊が定まる及び冷えるのを可能にする。糊付けされた材料のフローは、分離ローラがダンネージ材料の特定の数又は長さのところでミシン目を引き離す分離セクションに至る。分離されたダンネージ片は、設定数又は長さで、収集のためのホッパー内に排出される。
【0018】
[0017] 動作中、限定するものではないが、ロールストックサイズ、シートストックカウント、接着剤タンクレベル、排出ホッパーレベル、及び標準的な検知デバイスを使用して検知された任意の停止を含む、様々なレベルが監視される。一実施形態において、検知デバイスは、ダイカット片が、必要な場合に分離され得るように、供給された材料の張力を監視及び制御するために用いられる。一実施形態において、システムは、被駆動ベルトが、システム内に供給されている材料への損傷無しに、供給された材料に係合することを可能にするように、全ての必要とされるインターフェイスを含む。
【0019】
[0018] 一実施形態において、システムは、ダイカット材料のフロー及び制御を、それらダイカット材料がシステムの様々なセクションを通って流れる際に制御するために1つ又は複数のウェブ供給デバイスをさらに用いる。一実施形態において、システムは、システム全体にわたってロールストック又はシートストック材料の供給速度を制御し得る。一実施形態において、システムは、巻き戻しでロールストック材料レベルを監視し得るとともに、ロールがそのレベルの終わりに近づいているときにオペレータに警告して動作時間を改良する。一実施形態において、システムは、シート供給装置でのシートストック材料ホッパーレベルを監視し得るとともに量が低レベルに近づいているときにオペレータに警告し、それにより、システムの停止を回避するようにオペレータがシートストックを再装填することを可能にする。
【0020】
[0019] 一実施形態において、システムは、システム全体の全ての機能を監視及び制御するように構成されたコントローラをさらに用いる。一実施形態において、コントローラは、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)である。一実施形態において、システムは、平らな状態で供給されたシート又はロールストックのダンネージ片への変換を最大化するために、極めて固有の及び特定のダイカットパターンをさらに用いる。一実施形態において、システムは、高容量ダンネージ製品を作り出す平らなストックから3次元の形への変換を最大化するために、極めて固有の折り畳まれた及び形成された形状をさらに用いる。一実施形態において、システムは、そのフットプリントを低減させる水平又は垂直フォーマット非重力依存で動作し得る。一実施形態においてシステムはまた、排出ホッパーレベルを検知し得るとともに、ホッパー充填レベルに基づきダンネージ製品の創造を開始及び停止し得る。
【0021】
[0020] 本発明の他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明から明らかとなる。しかしながら、本発明の趣旨及び範囲内の様々な変更及び修正が当業者にはこの詳細な説明から明らかとなるため、詳細な説明及び特定の例は、本発明の特定の実施形態を示していると同時に、例証のためだけに与えられていることが理解されなければならない。
【0022】
図面の簡単な説明
[0021] 前述の概要及び以下の、本発明の詳細な説明は、添付図面とあわせて読まれるとより良好に理解される。本発明を例証する目的のために、本発明の例示的な構造が図面に示されている。しかしながら、本発明は、本明細書において開示された特定の方法及び構造に限定されるものではない。図面において数字で示された方法ステップ又は構造の説明は、本明細書における任意の後続の図面において当該同じ数字により示された当該方法ステップ又は構造の説明に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】[0022]本発明の実施形態におけるダンネージ製造システムの側面図を示す。
図2】[0023]本発明の一実施形態におけるダンネージ製造システムの上面図を示す。
図3】[0024]本発明の一実施形態における排出端でのダンネージ製造システムの端面図を示す。
図4】[0025]本発明の一実施形態におけるダンネージ製造システムの斜視図を示す。
図5】[0026]本発明の一実施形態におけるダンネージばら詰め(lose fill)製品を製造するためのダンネージ製造システムを通じた材料供給の典型的なダイカットパターンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
実施形態の詳細な説明
[0027]本発明の実施形態の説明がここで図を参照して与えられる。本発明がその趣旨又は本質的な特徴から逸脱すること無しに他の特定の形で実現され得ることが予期される。説明された実施形態は全ての点で単に説明のためのもの及び非限定的なものであるとみなされる。
【0025】
[0028] 図1~2を参照すると、本発明の一実施形態による、それぞれ典型的な使用事例における、ダンネージ製造システム(以降、システムと呼ばれる)100の側面図及び上面図が示される。システム100は、容器における物体を包装するためにシートストック又はロールストック材料から空隙充填ダンネージ製品を製造するように設計された革新的で知的なダンネージ製造機械である。システム100は、シートストック又はロールストック材料をダンネージ製品又はばら詰め包装材料に変換するために変換機を用いる改良された解決策である。
【0026】
[0029] 一実施形態において、システム100は、システム100の送込みセクションに材料供給セクション102を含む。一実施形態において、第1シャフト104上に回転可能に取り付けられた材料供給セクション102。一実施形態において、材料供給セクション102は、シートストック又はロールストック材料をシステム100に供給してそれをダンネージ製品に変換するように構成される。材料供給セクション102にはベース材料136(図5に示されている)が装填される。一実施形態において、ベース材料136は再生紙ベースの材料、例えばボール紙又は板紙である。一実施形態において、ベース材料136はロールフォーマットからシステム100内へ供給される。別の実施形態において、ベース材料136はシートフォーマットからシステム100内へ供給され得る。一実施形態において、ロールフォーマットにおけるベース材料136は、平らな形の巻き戻されたロールストックを受け取り得る。
【0027】
[0030] 一実施形態において、供給セクション102内に装填されたベース材料136は、下流形成セクション124へ供給される。ベース材料136はオペレータによりシステム100の巻き戻しセクション内に装填される。一実施形態において、巻き戻しセクションは、第1セクション又はダイカットセクション106と第2セクション又は張力制御セクション108とを含む少なくとも2つの後続のセクションを有する。一実施形態において、ダイカットセクション106は、第2シャフト110上に回転可能に取り付けられる。システム100は、ダイカット材料が1つ又は複数の後続のセクション(124及び133)を通じて駆動される際のダイカット材料の分離を無くすために、シートストック材料の巻き戻されたロールの張力をほぼゼロまで低減させるために巻き戻し機能を用いる。一実施形態において、シートストック材料は、それが後続のセクション(124及び133)を通じて駆動される際に、ダイカット材料の分離無しにホッパーから供給される。一実施形態において、ベース材料136はシステム100上でダイカットされる。一実施形態において、材料は、システムでのダイカットの必要性を無くす、予めダイカットされた材料であってもよい。
【0028】
[0031] 一実施形態において、ダイカットセクション106は、ダイカット動作を実施するためにシート又はロールフォーマットの非ダイカット材料を受け取ることができ、それにより、システム100が未加工非ダイカット材料を用いることを可能にする。一実施形態において、システム100は、下流形成セクション124、接着セクション133、及び分離セクション118をさらに含む。一実施形態において、システム100は、シート又はロールストック材料をホッパー又はロールスタンドから、それぞれ下流形成セクション124、接着セクション133、及び分離セクション118内へ供給するように構成された複数のモータをさらに用いる。一実施形態において、システム100は駆動ベルト又はチェーン114をさらに含む。駆動ベルト114は、供給されたベース材料136におけるダイカット開口138に係合するために、ベース材料136を積極的に駆動するとともに摩擦又は破壊的スパイクを使用する必要性を無くすために、駆動ベルト114に固定された複数の駆動ラグ116を含む。
【0029】
[0032] 一実施形態において、システム100は、1つ又は複数の形成マンドレル122をさらに含む。形成マンドレル122は、上ラグ被駆動ベルト114と下形成マンドレルとの間で、係合された被駆動材料を捕捉するために用いられる。別の実施形態において、形成マンドレル122は、下ラグ被駆動ベルトと上形成マンドレルとの間で、係合された被駆動材料を捕捉するために用いられる。一実施形態において、システム100は、一連の折り畳み及び形成部材を有する下流形成セクション124をさらに含む。一連の折り畳み及び形成部材は、連続的で切断されていないフォーマットで平らな状態で供給された材料を予め決められた形状になるように、徐々に及び積極的に折り畳むとともに形成する。一実施形態において、システム100は、その先端に第3シャフト112と第4シャフト120とをさらに含む。一実施形態において、システム100は1つ又は複数の検知デバイス126をさらに含む。一実施形態において、検知デバイス126は、材料の供給を検知するように構成される。材料の供給が停止すると、分注用ノズル又は糊ヘッド132は、供給された材料への接着剤の塗布を止める。
【0030】
[0033] 一実施形態において、システム100は、糊供給セクション又は接着剤塗布セクションをさらに含む。一実施形態において、糊供給セクションは、ベースホッパー又はタンク128、ホースコンポーネント130、及び分注用ノズル132を含む。一実施形態において、ベースホッパー128は、予め溶解された接着剤を装填するように構成される。一実施形態において、ホースコンポーネント130は、溶解後の接着剤の移動を可能にするように構成される。一実施形態において、分注用ノズル132は、システム100を通じて供給されているベース材料136の両端に、設定された速度及び量の接着剤を圧送又は分注するように構成される。
【0031】
[0034]図3を参照すると、本発明の一実施形態による、ダンネージ製造システム100の背面図が示される。一実施形態において、シート又はロールストック材料は、ホッパー又はロールスタンドから、それぞれ下流形成セクション124、接着セクション133、及び分離セクション118内に供給され、それによりダンネージ製品を製造する。一実施形態において、システム100は、駆動ベルト114であって、鋼又はロールストック材料を駆動するとともに摩擦又は破壊的スパイクを使用する必要性を無くすように構成された駆動ベルト114をさらに含む。一実施形態において、システム100は、第1シャフト104、第2シャフト110、第3シャフト112、及び第4シャフト120を含む1つ又は複数のシャフトをさらに含む。
【0032】
[0035]一実施形態において、システム100はその出口に、設定可能な分離セクション118をさらに含む。設定可能な分離セクション118は、予め設定された長さ及び量のダイカットダンネージ片をダンネージ材料の流れから分離するように構成される。一実施形態において、システム100は1つ又は複数の形成マンドレル122をさらに含む。形成マンドレル122は、上ラグ被駆動ベルト114と下形成マンドレルとの間で、係合された被駆動材料を捕捉するために用いられる。一実施形態において、システム100は、予め溶解された接着剤を保管するベースホッパー128を有する接着剤塗布システムをさらに含む。接着剤は、次いで、ホースコンポーネント130を通じて圧送されるとともにベース材料136の両端で分注用ノズル132を使用して分注される。
【0033】
[0036] 図4を参照すると、本発明の一実施形態によるダンネージ製造システム100の斜視図が示される。一実施形態において、システム100は、システム100の送込みセクションに材料供給セクション102を含む。一実施形態において、材料供給セクション102は、シートストック材料をシステム100に供給してそれをダンネージ製品に変換するように構成される。材料供給セクション102にはベース材料136又はシートストック材料が装填される。一実施形態において、ベース材料136は再生紙ベースの材料、例えばボール紙又は板紙である。
【0034】
[0037] 一実施形態において、ベース材料136はロールストックフォーマットからシステム100内へ供給される。別の実施形態において、ベース材料136はシートストックフォーマットからシステム100内へ供給される。一実施形態において、ロールストックは、オペレータによりシステム100の巻き戻しセクション内に装填される。ロールストックは、巻き戻されるとともに、張力制御セクション108を介して駆動ベルト114に螺合される。一実施形態において、平らなロールストックは、ラグ116がダイカット材料における孔と整列するように駆動ベルト114と係合される。一実施形態において、システム100は、糊供給セクション又は接着剤塗布セクションをさらに含む。一実施形態において、糊供給セクションは、ベースホッパー又はタンク128、ホースコンポーネント130、及び分注用ノズル132を含む。ベースホッパー128には接着剤が装填され、システム100は固形接着剤を液体の形に変えている。一実施形態において、ベースホッパー128には、予め溶解された接着剤が装填される。
【0035】
[0038] 本発明によると、排出されることになるダンネージ片のサイズなどの値を予め設定し選択すると、システム100は製造プロセスを開始する。最初に、ロールストック又はシートストックは、材料供給セクション102の送込み内へ、及び続いて形成セクション124へ駆動ベルト114により供給される。ロールストックが形成セクション124を通って移動する際、これは徐々に折り畳まれるとともに3次元形状になるように形成される。形成された形が完成した後及び圧縮セクションの前に、接着剤のビードがベース材料136の2つの対向する端の内部に分注用ノズル132を介して施される。分注用ノズル132は、予め設定された量の接着剤を一緒に糊付けされている2つの対向する面に分注する。形成された紙ダンネージはここで一緒に圧縮されて、閉鎖ループダンネージチューブを形成する。圧縮セクションは、ダンネージをシステム100の出口に解放する前に接着剤を設定することを可能にするために、接着剤が施された後に、形成されるとともに折り畳まれた材料に力をかける。一実施形態において、圧縮は、形成された材料のフローがシステム100の分離セクション118に向かって移動する際に維持され、糊が定まる及び冷えるのを可能にする。糊付けされた材料のフローは、分離ローラがダンネージ材料の特定の数又は長さのところでミシン目を引き離す分離セクション118に至る。分離されたダンネージ片は設定数又は長さで取集のためのホッパー内に排出される。
【0036】
[0039] 動作中、限定するものではないが、ロールストックサイズ、シートストックカウント、接着剤タンクレベル、排出ホッパーレベル、及び標準的な検知デバイス126を使用して検知された任意の停止を含む様々なレベルが監視される。一実施形態において、検知デバイス126は、ダイカット片が、必要な場合に分離され得るように、供給された材料の張力を監視及び制御するために用いられる。一実施形態において、システム100は、被駆動ベルト114が、システム100内に供給されている材料への損傷無しに、供給された材料に係合することを可能にするために、全ての必要とされるインターフェイスを含む。
【0037】
[0040] 一実施形態において、システム100は、ダイカット材料のフロー及び制御を、それらダイカット材料がシステム100の様々なセクションを通って流れる際に制御するために1つ又は複数のウェブ供給デバイスをさらに用いる。一実施形態において、システム100は、システム100全体にわたってロールストック又はシートストック材料の供給速度を制御し得る。一実施形態において、システム100は、ロールストック材料レベルを巻き戻しで監視し得るとともに、ロールがそのレベルの終わりに近づいているときにオペレータに警告して動作時間を改良する。一実施形態において、システム100は、シート供給装置でのシートストック材料ホッパーレベルを監視し得るとともに量が低レベルに近づいているときにオペレータに警告し、それにより、システム100の停止を回避するようにオペレータがシートストックを再装填することを可能にする。
【0038】
[0041] 一実施形態において、システム100は、システム100全体の全ての機能を監視及び制御するように構成されたコントローラをさらに用いる。一実施形態において、コントローラは、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)である。一実施形態において、システム100は、平らな状態で供給されたシート又はロールストックのダンネージ片への変換を最大化するために、極めて固有の及び特定のダイカットパターンをさらに用いる。一実施形態において、システム100は、高容量ダンネージ製品を作り出す平らなストックから3次元の形への変換を最大化するために極めて固有の折り畳まれた及び形成された形状をさらに用いる。一実施形態において、システム100は、そのフットプリントを低減させる水平又は垂直フォーマット非重力依存で動作し得る。一実施形態において、システム100はまた、排出ホッパーレベルを検知し得るとともにホッパー充填レベルに基づきダンネージ製品の創造を開始及び停止し得る。
【0039】
[0042] 図5を参照すると、本発明の一実施形態による、システム100を通じて供給されているときにダンネージばら詰め(lose fill)製品をもたらす、ベース材料136の典型的なダイカットパターンが示される。一実施形態において、ベース材料136は、予め画定された幅134及び長さ146を有する。ベース材料136は、ダイカットパターン144がベース材料136を複数の位置(140及び142)において完全に切り開かないためダンネージが部分的に接続された態様で残ることを可能にする態様で予めダイカットされている。一実施形態において、シートフォームにおけるベース材料136は平らな形のシートストックを受け取り、材料は、ダイカットパターンが材料を複数の位置(140及び142)において完全に切り開いていないためダンネージが部分的に接続された態様で残ることを可能にするような態様で予めダイカットされている。
【0040】
[0043] 有利なことには、本発明のダンネージ製造システムは、シートストック材料を、保護包装材料として使用されたダンネージ製品に変換する。システムは、平らなシート又はロールストックの3次元ダンネージ片への変換を最大化するために極めて固有の及び特定のダイカットパターンを用いる。ダンネージ製品は、物品又は製品の効果的な支持、輸送、及び配送のために使用される。さらに、システムは、材料の品質に影響を及ぼさないと同時に製造にかかるプロセスを簡単化する。
【0041】
[0044] さらに、本発明のダンネージ製造システムは、適用において有効となるように設計される。シートストック又はロールストック材料からの、形成されたダンネージ粒子でのばら詰め包装材料を調製するための有効なシステムは、製造者にとって良好な市場性を提供する。ユーザは、製品に対するかなりの市場の関心をもたらし得る、改良されたダンネージ製造システムから利益を得る。
【0042】
[0045] 本発明を実施するための発明者に既知の最良の形態を含む、この発明の好ましい実施形態が本明細書において説明されている。図示の実施形態は単に例示的なものであるとともに本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではないことが理解される。
【0043】
[0046] 前述の説明は本発明の例示的な実施形態を含む。本発明の例示的な実施形態はこのように説明されたが、開示においては例示のみであること及び様々な他の代替、適応、及び修正が本発明の範囲内でなされ得るということが当業者により指摘される。特定の順序で方法のステップを挙げること又は番号を付けることだけでは、当該方法のステップの順序への限定を構成しない。本発明の多くの修正形態及びの実施形態が、前述の説明における教示の利益を有するこの発明が関連する当業者には思い浮かぶ。特定の用語が本明細書において用いられ得るが、それらは一般的及び説明的な意味でのみ使用され、限定を目的とするものではない。相応して、本発明は本明細書において示された特定の実施形態に限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】