(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】被検体の走査検出の検出装置
(51)【国際特許分類】
G01N 23/046 20180101AFI20240920BHJP
G01N 23/04 20180101ALI20240920BHJP
【FI】
G01N23/046
G01N23/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520608
(86)(22)【出願日】2022-09-29
(85)【翻訳文提出日】2024-04-03
(86)【国際出願番号】 CN2022122491
(87)【国際公開番号】W WO2023056882
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】202111173185.2
(32)【優先日】2021-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503414751
【氏名又は名称】同方威視技術股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 志▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲麗▼
(72)【発明者】
【氏名】黄 清萍
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】常 ▲銘▼
(72)【発明者】
【氏名】洪 明志
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 立国
【テーマコード(参考)】
2G001
【Fターム(参考)】
2G001AA01
2G001BA11
2G001CA01
2G001DA09
2G001HA13
2G001HA14
2G001JA08
2G001PA11
(57)【要約】
被検体2を走査検出するための検出装置であって、被検体2が検出装置に出入りする検出チャネル1と、被検体2を走査検出するための撮像システム6と、検出エリア63に設けられ、検出エリア63に位置する被検体2の姿勢を調整するための姿勢調整構造4と、を含んでおり、撮像システム6は、検出チャネル1の一方側に配置され、少なくとも被検体2の走査検出に適したメインビーム面61を形成する放射線を生成するための放射線源6Sと、検出チャネル1の他方側に配置され、放射線源6Sとの間に検出エリア63を形成する、被検体2を通過した放射線を受光するための検知器6Tと、を含んでおり、ただし、被検体2は、検出面21を有しており、姿勢調整構造4は、検出面21とメインビーム面61とが同一面内となるように被検体2の姿勢を調整可能である、検出装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体を走査検出するための検出装置であって、
検出チャネルであって、前記被検体が前記検出チャネルによって前記検出装置に出入りする検出チャネルと、
被検体を走査検出するための撮像システムと、
検出エリアに設けられ、前記検出エリアに位置する被検体の姿勢を調整するための姿勢調整構造と、を含んでおり、
前記撮像システムは、
前記検出チャネルの一方側に配置され、少なくとも前記被検体に対する走査検出に適したメインビーム面を形成する放射線を生成するための放射線源と、
前記検出チャネルの他方側に配置された検知器であって、前記放射線源と前記検知器との間に前記検出エリアを形成する、前記被検体を通過した放射線を受光するための検知器と、を含んでおり、
前記被検体は、検出面を有しており、
前記姿勢調整構造は、前記検出面と前記メインビーム面とが同一面内となるように前記被検体の姿勢を調整可能である、ことを特徴とする検出装置。
【請求項2】
前記メインビーム面が位置している平面において、前記撮像システムが複数の角度で前記被検体を走査検出可能となるように、前記撮像システムに対する前記被検体の相対位置を変更可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記メインビーム面が位置している平面において、前記撮像システムが前記被検体に対して回転可能である、ことを特徴とする請求項2に記載の検出装置。
【請求項4】
前記撮像システムは、前記放射線源に対向して配置され、且つ前記放射線源との間に、同一平面内にある複数のメインビーム面が形成される複数の検知器を含んでおり、
前記姿勢調整構造は、前記検出面と前記複数のメインビーム面とが同一平面内になるように前記被検体の姿勢を調整可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
【請求項5】
前記姿勢調整構造は、前記被検体が複数の検出面を有するように、前記被検体を、当該被検体の搬送方向と平行な第1方向に移動可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
【請求項6】
検出面ごとに、前記姿勢調整構造は、当該検出面と前記メインビーム面とが同一平面内にあるように被検体を位置決め可能である、ことを特徴とする請求項5に記載の検出装置。
【請求項7】
前記被検体は、前記検出面を有する検出部分を含んでおり、
第1方向における前記検出部分のサイズ値に対する、前記第1方向への前記検出部分の投影の面積値の比は、10以上であり、前記第1方向が前記被検体の搬送方向と平行である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の検出装置。
【請求項8】
前記検出部分の前記第1方向のサイズに対する前記検知器の第1方向のサイズの比は、1~8の範囲内にある、ことを特徴とする請求項7に記載の検出装置。
【請求項9】
前記放射線源のフォーカスサイズは、1mm以下である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の検出装置。
【請求項10】
前記姿勢調整構造は、
前記第1方向に沿って延在して配置され、前記被検体が搭載されるのに適した搭載面を有する基体と、
前記基体上に配置され、前記搭載面上で前記被検体を第2方向の周りに偏向するように駆動し、前記被検体を前記第1方向に移動するように駆動するための第1調整部材と、
前記基体上に設けられ、前記被検体を第3の方向の周りに回転するように駆動するための少なくとも1つの第2調整部材と、を含んでおり、
前記第1方向、前記第2方向および前記第3の方向のうちのいずれか2つは互いに交差する、ことを特徴とする請求項5に記載の検出装置。
【請求項11】
前記第1調整部材は、
前記基体に対して前記第1方向にスライド可能であるフレームと、
前記第2方向に平行な軸を回転軸として、前記フレーム上に回転可能に設けられた回転部材であって、外力によって前記搭載面上で前記被検体を前記第2方向の周りにずらすように駆動し、また前記フレームによって前記被検体を第1方向に移動させるように駆動するための回転部材と、
を含んでいる、ことを特徴とする請求項10に記載の検出装置。
【請求項12】
前記検出エリアは、入口と出口を含んでおり、
前記検出装置は、
前記検出エリアの入口の一方側に配置され、前記検出エリアに前記被検体を搬送するための第1伝達機構をさらに含んでいる、ことを特徴とする請求項5又は請求項10に記載の検出装置。
【請求項13】
前記第1伝達機構は、
駆動装置と、
前記駆動装置に接続され、且つ前記駆動装置によって駆動され得る送りねじと、
延在方向が前記送りねじの延在方向と平行である第1スライドレールと、
前記送りねじに接続されるスライド機構であって、前記スライド機構が被検体をプッシュして前記第1スライドレール上をスライドさせるように前記送りねじに駆動されるスライド機構と、を含んでいる、ことを特徴とする請求項12に記載の検出装置。
【請求項14】
前記撮像システムは、複数の放射線源と複数の検知器とを含み、
前記複数の放射線源はそれぞれ前記複数の検知器に対向して配置されたことで、複数の放射線源検知器セットが形成されており、
前記放射線源検知器セットのそれぞれの間には1つのメインビーム面が形成されており、
前記複数の放射線源検知器セットのメインビーム面は、同一平面上に位置しており、
前記姿勢調整構造は、前記検出面と前記複数の放射線源検知器セットのメインビーム面が同一平面内にあるように前記被検体の姿勢を調整可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、放射線検出技術分野に関しており、より具体的には、被検体を走査検出するための検出装置に関している。
【背景技術】
【0002】
放射線検出技術は、放射線にて被検体の内部を検出する技術である。この技術は、被検体を破壊することなく被検体の内部の構造や密度などの情報を得ることができ、現在、病院での胸部X線撮像や駅や空港の保安検査などに広く使われている。
【0003】
現在の検出装置においては、CT走査技術を使用して被検体を検出できる。たとえば、被検体には薄層構造、特に「サンドイッチ」型の薄層構造が含まれている。薄層は、その厚さが薄く、その隣接する層には撮像干渉があるので、従来のスパイラル走査では隣接する層が中央層(薄層)に干渉し、つまり、放射線が中央層を通過するときに隣接する層も通過するため、画像の解像と認識に影響を与えた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の事情を踏まえて、本開示は、被検体を走査検出するための検出装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、被検体を走査検出するための検出装置であって、
被検体が検出装置に出入りする検出チャネルと、
被検体を走査検出するための撮像システムと、
前記検出エリアに設けられ、前記検出エリアに位置する被検体の姿勢を調整するための姿勢調整構造と、を含んでおり、
前記撮像システムは、
前記検出チャネルの一方側に配置され、少なくとも前記被検体の走査検出に適したメインビーム面を形成する放射線を生成するための放射線源と、
前記検出チャネルの他方側に配置され、前記放射線源と前記検知器との間に検出エリアを形成する、前記被検体を通過した放射線を受光するように構成された検知器と、を含んでおり、
前記被検体は、検出面を有しており、
前記姿勢調整構造は、前記検出面と前記メインビーム面とが同一面内となるように前記被検体の姿勢を調整することが可能である、検出装置を提供する。
【0006】
いくつかの例示的な実施形態によれば、前記メインビーム面が位置している平面において、前記撮像システムが複数の角度で前記被検体を走査検出可能となるように、前記撮像システムに対する前記被検体の相対位置を変更することは可能となる。
【0007】
いくつかの例示的な実施形態によれば、前記メインビーム面が位置している平面において、前記撮像システムが前記被検体に対して回転することは可能となる。
【0008】
いくつかの例示的な実施形態によれば、前記撮像システムは、前記放射線源に対向して配置され、且つ前記放射線源との間に同一平面内にある複数のメインビーム面が形成される複数の検知器を含んでおり、
前記姿勢調整構造は、前記検出面と前記複数のメインビーム面とが同一平面内になるように被検体の姿勢を調整することができる。
【0009】
いくつかの例示的な実施形態によれば、前記姿勢調整構造は、前記被検体が複数の検出面を有するように前記被検体を当該被検体の搬送方向と平行である第1方向に移動させることができる。
【0010】
いくつかの例示的な実施形態によれば、各検出面について、姿勢調整構造は、当該検出面と前記メインビーム面とが同一平面内にあるように被検体を位置決めすることができる。
【0011】
いくつかの例示的な実施形態によれば、前記被検体は前記検出面を有する検出部分を含んでおり、前記検出部分は、第1方向に沿った投影の面積値と第1方向におけるサイズ値との比が10以上であり、前記第1方向は、前記被検体の搬送方向と平行である。
【0012】
いくつかの例示的な実施形態によれば、前記検知器の第1方向におけるサイズと前記検出部分の第1方向におけるサイズとの比は1~8の範囲である。
【0013】
いくつかの例示的な実施形態によれば、前記放射線源のフォーカスサイズは1mm以下である。
【0014】
いくつかの例示的な実施形態によれば、前記姿勢調整構造は、
前記第1方向に沿って延在して配置され、前記被検体が搭載されるのに適した搭載面を有する基体と、
前記基体上に配置され、前記搭載面上で前記被検体を第2方向の周りに偏向するように駆動し、前記被検体を前記第1方向に移動するように駆動するための第1調整部材と、
前記基体上に設けられ、前記被検体を第3の方向の周りに回転するように駆動するための少なくとも1つの第2調整部材と、を含んでおり、
ここで、前記第1方向、前記第2方向および前記第3の方向のうちのいずれか2つは互いに交差する。
【0015】
いくつかの例示的な実施形態によれば、前記第1調整部材は、
前記基体に対して前記第1方向にスライド可能であるフレームと、
前記第2方向に平行な軸を回転軸として、前記フレーム上に回転可能に設けられた回転部材であって、外力によって前記搭載面上で前記被検体を前記第2方向の周りにずれるように駆動し、また前記フレームによって前記被検体を第1方向に移動させるように駆動するための回転部材と、を含んでいる。
【0016】
いくつかの例示的な実施形態によれば、
前記検出エリアは、入口と出口を含んでおり、
前記検出装置は、前記検出エリアの入口の一方側に配置され、前記検出エリアに前記被検体を搬送するための第1伝達機構をさらに含んでいる。
【0017】
いくつかの例示的な実施形態によれば、第1伝達機構は、
駆動装置と、
前記駆動装置に接続され、且つ前記駆動装置によって駆動され得る送りねじと、
延在方向が前記送りねじの延在方向と平行である第1スライドレールと、
送りねじに接続されるスライド機構であって、前記スライド機構が被検体をプッシュして前記第1スライドレール上をスライドさせるように前記送りねじに駆動されるスライド機構と、を含んでいる。
【0018】
いくつかの例示的な実施形態によれば、
前記撮像システムは複数の放射線源と複数の検知器とを含み、
前記複数の放射線源はそれぞれ前記複数の検知器に対向して配置されたことで、複数の放射線源検知器セットが形成されており、
前記放射線源検知器セットのそれぞれの間には1つのメインビーム面が形成されており、
前記複数の放射線源検知器セットのメインビーム面は、同一平面上に位置しており、
前記姿勢調整構造は、前記検出面と前記複数の放射線源検知器セットのメインビーム面とが同一平面内にあるように、前記被検体の姿勢を調整することができる。
【0019】
以下の図面を参照しながら、本開示の実施例に対する記載によって、本開示の上記したもの及び他の目的、特徴や利点は、明らかになるようであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る検出装置の全体構成図を概略的に示す。
【
図2】
図2は、本開示の実施形態に係る第1伝達機構の上面模式図を概略的に示す。
【
図3】
図3は、
図2のA-A面に沿った断面図を概略的に示す。
【
図4】
図4は、本開示の実施形態に係る第2調整部材の調整方法概要図を概略的に示す。
【
図5】
図5は、本開示の実施形態に係る第1調整部材の調整方法概要図を概略的に示す。
【
図6】
図6は、本開示の実施形態に係る第1調整部材の正面図を概略的に示す。
【
図7】
図7は、本開示の実施形態に係る第1調整部材の上面図を概略的に示す。
【
図8】
図8は、
図7のA-A線における断面図を概略的に示す。
【
図9】
図9は、
図7のB-B線における断面図を概略的に示す。
【
図10】
図10は、本開示の実施形態に係るダイヤルヘッドの構造模式図を概略的に示す。
【
図12】
図12は、本開示の実施形態に係る第1伝達機構の側面図を概略的に示す。
【
図13】
図13は、本開示の実施形態に係る放射線撮像の原理図を概略的に示す。
【
図14】
図14は、本開示の実施形態に係る第2調整部材の上面図を概略的に示す。
【
図15】
図15は、本開示の実施形態に係る第2調整部材の正面図を概略的に示す。
【
図17】
図17は、本開示の実施形態に係る第2調整部材の別の実施例の上面図を概略的に示す。
【
図18】
図18は、本開示の実施形態に係る姿勢調整構造の正面図を概略的に示す。
【
図19】
図19は、本開示の実施形態に係る姿勢調整構造の上面図を概略的に示す。
【
図20】
図20は、本開示のいくつかの例示的な実施形態に係る被検体の斜視図を概略的に示す。
【
図21】
図21は、本開示の実施形態に係る検出装置の模式図である。
【
図22】
図22は、本開示のいくつかの例示的な実施形態に係る検出装置により生成された放射線撮像画像を概略的に示す図である。
【
図23】
図23は、本発明の実施形態に係る被検体の特徴情報を取得する方法のフローチャートである。
【
図24】
図24は、本発明の実施形態に係る被検体の特徴情報を取得する装置の構造ブロック図を概略的に示す。
【
図25】
図25は、本発明の一実施形態に係る被検体の特徴情報を取得する方法を実施するのに適した電子機器のブロック図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本開示の例示的な実施例を説明し、ここで、それらの記載は例示的なものに過ぎず、本開示の範囲が限定されないと考えるべきである。以下の詳細な記載においては、解釈の便宜上、具体的な詳細を説明して本開示の実施形態に対する理解をすべて提供した。しかしながら、1つまたは複数の実施形態はこれらの詳細を省略しても実施できる。また、以下の説明において、本開示の概念を必要なく誤ることを避けるために、公知的構成及び公知技術を省略する。
【0022】
ここで使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本開示を限定することを意図したものではない。本明細書で使用される「含む」、「備える」などの用語は、記載された特徴、ステップ、動作、および/または構成要素の存在を示すが、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、動作、および/または部材の存在または追加を排除するものではない。
【0023】
「A、B、またはCなどのうちの少なくとも1つ」と同様の表現が使用される場合、それらは一般に、当業者によってその表現を通常理解される意味に従って解釈されるべきである(例えば、「A、B、またはCなどのうちの少なくとも1つを備えたシステム」には、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとB、AとC、BとC、および/またはA、BまたはCを有するシステムが含まれるが、これらに限定されていない。)。「第1」および「第2」という用語は、説明の目的でのみ使用されており、相対的な重要性を指定したり示唆したりして、または記載された技術特徴の数を暗黙的に指定したりするものとして理解されないものとする。したがって、「第1」および「第2」として定義される特徴には、記載された特徴の1つまたは複数が、明示的または暗黙的に含まれる場合がある。
【0024】
本発明の実施形態において、特に断りのない限り、X方向、Y方向、及びZ方向は相対的な位置関係を説明するために使用されるものであり、これらの方向は本開示の実施形態を限定するものではないことを理解されるべきである。一般的に、X方向は第1方向とも呼ばれ、Y方向は第2方向とも呼ばれ、Z方向は第3方向とも呼ばれる。
【0025】
関連技術では、通常、被検体は全体として走査され、走査のオーバー範囲長は比較的長くなる。検知器の利用の面で、多列検知器が主に使用され、サンプリング角度に関しては、角度数が1,000未満であることがよくある。このように、現在の検出装置では、使用されている検知器の画素サイズが大きすぎ、ほとんどの画素サイズがミリメートルレベルであり、ミクロンレベルの検出要件を満たすことができず、つまりさらに高い解像度を達成することができない。また、検出角度が足りないため、円周方向のサンプリングレートが不足し、エッジ画像を鮮明に再構成することができない。また、コストが高かったり、高解像度のCT検査の要求に適さない光学機器や検知器を選択したり、などの欠点もあった。
【0026】
本開示の一実施形態は、被検体を走査検出するための検出装置であって、被検体が検出装置に出入りする検出チャネルと、被検体を走査検出するための撮像システムと、前記検出エリアに設けられ、前記検出エリアに位置する被検体の姿勢を調整するための姿勢調整構造と、を含んでおり、前記撮像システムは、前記検出チャネルの一方側に配置され、少なくとも前記被検体の走査検出に適したメインビーム面を形成する放射線を生成するための放射線源と、前記検出チャネルの他方側に配置され、前記放射線源と前記検知器との間に検出エリアを形成する、前記被検体を通過した放射線を受光するように構成された検知器と、を含んでおり、ただし、前記被検体は、検出面を有しており、前記姿勢調整構造は、前記検出面と前記メインビーム面とが同一面内となるように前記被検体の姿勢を調整することが可能である、検出装置を提供する。本開示の実施形態では、姿勢調整構造を配置することにより、検出面とメインビーム面とを同一平面上に配置することができ、関心のあるスライスの高分解能検査を達成しつつ、検出効率を確保することも可能となる。さらに、撮像システムの部材は、被検体の特定の条件に応じて適応的に調整できるため、より高い柔軟性とオプションが提供されている。つまり、本開示の実施形態では、検知器の選択や走査方法などの複数の側面から協調して最適化して、被検体の検出を達成することができる。検出範囲に関しては、パッケージ全体を検出するという目標を放棄し、被検体の特定の切断面のみで位置決め、走査とシステムの再構築が実行されるため、関心のあるスライスの高解像度検査を実現しながら、検出効率を確保できる。
【0027】
図1は、本開示の一実施形態に係る検出装置の概略構成図である。
図21は、本開示の一実施形態に係る検出装置の模式図である。
図1、
図13および
図21を参照すると、検出装置は、被検体2を走査して検出するために使用される。本開示の実施形態に提供される検出装置は、検出チャネル1、第1伝達機構3、姿勢調整構造4、および撮像システム6を含む。例えば、前記被検体は、前記検出チャンネル1を介して当該検出装置に出入りする。前記第1伝達機構3は、前記検出エリア63の入口側に配置され、前記被検体を前記検出エリアに搬送するために用いられる。前記姿勢調整構造4は、前記検出エリア内に設けられ、前記検出エリア内に位置する被検体2の姿勢を調整するために用いられる。前記撮像システム6は、前記被検体を走査して検出するためのものであり、前記検出チャンネル1の一方側に配置された、前記被検体を走査検出するのに適したメインビーム面61が形成される放射線を発生する放射線源6Sと、前記検出チャネル1の他方側に配置され、前記被検体を通過した放射線を受光するための検知器6Tと、を含み、前記放射線源と前記検知器との間に入口と出口を含む検出エリア63が形成される。前記被検体は検出面21を有しており、前記姿勢調整構造4は、前記検出面21と前記メインビーム面61とが同一面となるように前記被検体2の姿勢を調整することができる。
【0028】
具体的には、撮像システム6は被検体を走査して検出するために用いられ、第1伝達機構3は撮像システムの入口側に設けられ、被検体を撮像システムまで搬送するために用いられ、支持構造体43は撮像システム6、の走査エリア62を通過し、X方向に沿って延在して配置され、支持構造体43には搭載面411を有し、搭載面411においては被検体2を配置するのに適しており、また、第1伝達機構3の駆動によって、被検体2をX方向に沿ってスライドさせて撮像システム6を通過することはできる。ただし、第1伝達機構3は、伝達フレームと、伝達フレームに固定されている駆動装置31と、駆動装置に接続され、当該駆動装置によって駆動可能な送りねじと、伝達フレームに固定され、その延在方向が送りねじの延在方向と平行である第1スライドレール33と、送りねじ32に接続されるスライド機構と、を含んでおり、スライド機構が被検体2をプッシュことで第1スライドレール33および支持構造体43上をスライドさせるように送りねじがスライド機構の動きに協働されることは可能となる。上記の構成設計によれば、送りねじで伝達を行うことで、被検体を検出装置の撮像システムの走査エリア62内に正確に位置決めすることができ、検出装置の伝達システムの位置決め精度が不十分であるという問題を効果的に解決することができ、一部の製品の画像検出の品質要件を満たしている。
【0029】
本開示の実施形態では、第1伝達機構および支持構造体を介して指定場所まで被検体が搬送された後、撮像システムによって走査および検出が実行される。具体的には、第1伝達機構は、駆動装置、送りねじ、スライド機構及び第1スライドレールなどの構成を含み、駆動装置によって送りねじを回転駆動し、送りねじの回転によりスライド機構を移動させる。被検体は第1スライドレール上に載置され、送りねじによってスライド機構が駆動されると、スライド機構によって被検体が第1スライドレール上を押させて移動することができる。スライドレールの末端は支持構造体に接続され、支持構造体の一端はスライドレールの末端と協働し、支持構造体の他端は撮像システムの走査エリアを通過する。駆動装置の駆動で、スライド機構は、第1スライドレールから伸びることができ、それによって被検体をプッシュして支持構造体上をスライドさせ、撮像システムの走査エリア内で被検体を正確に位置決めすることによって、検出装置の伝送系の位置決め精度を向上する。
【0030】
なお、上記の「特定の場所」とは、この「特定の場所」において、被検体の検出すべき部分が撮像システムの走査エリア(すなわち撮像システムの放射線メインビーム面)内にちょうど位置することを意味し、走査と検査とが容易になる。本明細書における「特定の場所」の意味は、ここでの内容に従って理解できるので、改めて説明しない。
【0031】
また、本開示の実施形態では、第1伝達機構と支持構造体とが被検体の搬送方向に沿って順に配置されていることに留意されたい。このとき、第1伝達機構と支持構造体との間には、ある程度の幅の隙間が存在していてもよい。なお、隙間は、第1伝達機構から支持構造体まで搬送する際に被検体がスムーズに通過できる限り存在してもよい。
【0032】
本開示の別の実施形態では、第1伝達機構および支持構造体は、一体構造であってもよい。すなわち、第1伝達機構および支持構造体は、同じ伝達装置の異なるセクションに属してもよい。例えば、上記「同じ伝達装置」が伝達ベルトである場合、第1伝達機構は伝達ベルトの前半部を含み、支持構造体は伝達ベルトの後半部を含み、その場合には、被検体を撮像システムの走査エリア内に正確に配置することもできる。本開示の実施形態において「伝達ベルト」は、本発明を容易に理解するために一例として使用されているだけであり、第1伝達機構および支持構造体の伝達形態を限定するものではないことを理解されたい。
【0033】
例えば、本開示の実施形態では、撮像システム6は、被検体2を走査して検出するためのCT撮像システムおよびDR撮像システムのうちの少なくとも1つを含み得る。たとえば、CT撮像システムには、放射線源、検知器などの構造が含まれる。CT撮像では、X線ビームで被検体上の一定厚さを有する層面を走査し、検知器により当該層面を通過したX線が受光されて可視光に変換され、その後、光電変換器により電気信号に変換され、アナログ/デジタルコンバーターによりデジタル信号に変換され、コンピューター処理を経てCT画像が得られる。CT撮像はその解像度が高く、空間分解能に優れるため、鮮明な3次元画像が得られる。例えば、DR撮像システムは、電子カセッテ、走査コントローラ、画像モニタ等の構成を備える。DR撮像では、電子カセッテを介してX線光子が直接的にデジタル画像に変換され、DR画像を取得する。DR撮像は、高速で、放射線量が少なく、空間解像度が高く、ノイズ率が低い。
【0034】
撮像の完全性と精度とを確保するには、検出面とメインビーム面とが同一平面上にあることを確認する必要があり、メインビーム面に平行な軸をZ軸と定義し、被検体の前進方向に平行な軸をX軸と定義する。Y軸をX軸とZ軸との両方に垂直になるように定義する。放射線源から放射された放射線によって形成される走査エリアは、ほぼ円錐形である。
【0035】
本発明の実施形態では、姿勢調整構造は、被検体2を予め設定された検出位置までに調整するために用いられる。
【0036】
メインビーム面が位置する平面内では、撮像システムは複数の角度で被検体を走査して検出可能になるように、撮像システムに対する被検体の相対位置を変更できる。
【0037】
例えば、撮像システムの放射線源と検知器とが固定されており、被検体がX軸の周りを回転する場合、または撮像システムの放射線源と検知器とが検出チャネルの軸の周りを回転し、被検体が静止する場合、または撮像システムの放射線源と検知器とが検出チャネルの軸の周りを回転し、被検体がX軸の周りを回転する場合がある。
【0038】
もちろん、撮像システムには複数の放射線源と複数の検知器とが含まれる場合がある。複数の放射線源はそれぞれ複数の検知器に対向して配置されている。放射線源と検知器とは放射線源検知器セットが形成され、各放射線源検知器セットの間には1つのメインビーム面が形成され、複数の放射線源検知器セットのメインビーム面は同一平面内に位置する。
【0039】
放射線源検知器セットには、少なくとも、1つの放射線源と1つの検知器とが含まれることに注意すべきである。つまり、放射線源検知器セットには、1つの放射線源と1つの検知器とから構成されてもよいし、1つの放射線源と複数の検知器とから構成されてもよい。
【0040】
この姿勢調整構造は、複数の放射線源検知器セットの検出面とメインビーム面とが同一平面上にあるように被検体の姿勢を調整することができる。
【0041】
本開示のいくつかの例示的な実施形態では、メインビーム面が位置している平面において、撮像システムが複数の角度で被検体を走査して検出可能になるように、撮像システムに対する被検体の相対位置を変更することができる。
【0042】
本開示のいくつかの例示的な実施形態では、主ビーム表面が位置する平面において、撮像システムは、被検体に対して回転することが可能である。
【0043】
本開示のいくつかの例示的な実施形態では、撮像システムは複数の放射線源と複数の検知器とを含み、複数の放射線源はそれぞれ複数の検知器に対向して配置されることで複数の放射線源検知器セットを形成し、各放射線源検出部分材間にメインビーム面が形成され、複数の放射線源検知器セットのメインビーム面が同一平面上に位置し、姿勢調整構造は、検出面と複数の放射線源検知器セットのメインビーム面とが同じ面内にあるように被検体の姿勢を調整できる。
【0044】
本開示のいくつかの例示的な実施形態では、姿勢調整構造は、被検体が複数の検出面を有するように、被検体を第1方向に移動させることができ、第1方向は、被検体の搬送方向と平行である。
【0045】
本開示のいくつかの例示的な実施形態では、姿勢調整構造は、検出面ごとに、検出面とメインビーム面が同一平面内にあるように被検体を位置決めすることができる。
【0046】
本開示のいくつかの実施形態では、被検体は検出部分を含み、検出部分は検出面を有し、第1方向に沿った検出部分の投影の面積値と第1方向の検出部分のサイズ値との比は10以上である。
【0047】
本開示のいくつかの実施形態では、前記検出部分の第1方向のサイズに対する前記検知器の第1方向のサイズの比は、1~8の範囲内である。つまり、検知器は、被検体の検出部分をカバーしていればよい。このようにして、本開示の実施形態では、狭い幅および高解像度の検知器を選択することができる。例えば、前記検知器の幅(すなわち、第1方向のサイズ)は100mm未満であってもよく、前記検知器のピクセルサイズは500μm未満であってもよい。本開示の実施形態では、幅が狭く、解像度が高い検知器を選択することができ、コスト削減に有利である。
【0048】
本開示のいくつかの例示的な実施形態では、放射線源のフォーカスサイズは1mm以下である。換言すれば、空間分解能を確保するために、より小さいフォーカスサイズの放射線源を選択することができる。
【0049】
放射線検出の分野では、放射線撮像技術により被検体の内部の損傷を画像化することができ、検査員の検出が容易になることがわかられる。検出被検体のうち、検出対象エリアの検出サイズは小さく、例えば、本開示の実施形態では、前記被検体には、リチウム電池などが含まれる。リチウム電池の検出工程では、リチウム電池のフィルムまたは接着層を試験する必要があるが、リチウム電池のフィルムまたは接着層の厚さは薄い。
図20及び
図21を併せて参照すると、リチウム電池などの被検体2は、第1部分2A、検出部分2B、及び第2部分2Cを含むことができる。例えば、検出部分2Bは、薄層構造に属するフィルムまたは接着層とすることができる。すなわち、被検体2は、検出部分2Bが中央に位置する薄層構造であり、その前後の層に第1部分2Aと第2部分2Cがわずかに位置する「サンドイッチ」薄層構造を有する。
【0050】
本開示の実施形態において、薄層構造は、構造の厚さと構造の断面積とが同程度ではないものとして理解でき、例えば、薄層構造の厚さ方向に沿った投影の面積値と前記薄層構造の厚さ方向における寸法値との比が10以上である。
【0051】
本開示の実施形態は、第1方向に沿って延在して配置され、被検体を載置するのに適した搭載面を有する基体と、前記基体の下方に設置される第1調整部材と、を含む姿勢調整構造であって、前記第1調整部材は、基体に対して前記第1方向にスライド可能なフレームと、前記フレームにY軸を回転軸として回動可能に設けられたレバーと、レバー上に配置され、レバーによって駆動されて被検体に当接することで、被検体を搭載面上で第2方向の周りにずれる、および/または被検体が搭載面上で第1方向に移動させるダイヤルヘッドと、を備える。
【0052】
本開示の実施形態に記載された姿勢調整構造は、生産ラインで搬送される被検体の移動姿勢を調整するために利用することができ、その他、放射線検出の分野において、被検体を予め設定された検出位置に調整するために利用することもできる。放射線検出の分野に適用される場合、本開示における姿勢調整構造の使用を必要とする少なくとも以下のシナリオが存在する。
【0053】
放射線検出の分野では、放射線撮像技術により被検体の内部の損傷を画像化することができ、検査員の検出が容易になることがわかる。被検体のうち、検査する範囲が狭く、例えばリチウム電池の検査工程では、リチウム電池のフィルムや接着層を検査する必要があるが、フィルムや接着層の厚さは相対的に小さい。
図4、
図5、
図20、
図21に示すように、図中の2Bで示されるエリアは上記のフィルムまたは接着層であり、メインビーム面61に平行な軸をZ軸、被検体2の前進方向に平行な軸をX軸として定義される。Y軸をX軸とZ軸の両方に垂直になるように定義する。放射線源6Sに放射された放射線から形成される走査エリア62は、ほぼ円錐形である。実際の検出中に、発明者は、フィルムまたは接着層の被測定層(メインビーム面に平行な検出面)が第3の方向または第2方向にシフトすると、走査エリアの形状の影響を受けるため、測定層が走査範囲から外れることがある。測定層が走査範囲から外れると、測定層の一部が検出できなくなり、検出精度が低下する問題が発生する。
【0054】
本開示の実施形態では、薄層構造を有する被検体について、被検体の薄層がメインビーム面内に位置するように被検体の薄層が正確に位置決めされ、特定の薄層を、例えば円レール走査などの走査検出を行うことはでき、撮像プロセスにおいて、放射線が中央層(つまり、薄層構造2B)のみを通過するか、前層と後層の通過を最小限に抑えることを確保でき、画像の精度が向上する。
【0055】
例えば、
図6~
図19に示すように、姿勢調整構造4は、第1伝達機構3に設けられた第1調整部材42を備えている。このうち、第1調整部材42は、フレーム421上にY軸を回転軸として回転可能に設けられたレバー4221と、レバー4221上に設けられ、ダイヤルヘッド4222によって駆動され、被検体2を搭載面411上でY方向周りにずれる、および/または、被検体2を搭載面411上でX方向に沿って移動させるように被検体2に当接するダイヤルヘッド4222と、を備えている。
【0056】
本開示の実施形態では、支持構造体41はX方向に沿って延在して配置されており、支持構造体41の搭載面411上に複数の被検体2を、間隔をあけて載置することができる。支持構造体41は、生産作業台、物流ラインなどの一般的な生産搬送ラインとすることができる。
【0057】
支持構造体41は、対向して配置された2つのフレーム本体を含む流線形の支持フレームとして設計されており、第1調整部材は2つのフレーム本体の間に配置されている。2つのフレームの断面形状はL字型であるため、水平支持アームと垂直支持アームとがあり、水平支持アームには支持レールが設置され、支持レールの上面が前記搭載面として構成されている。被検体2が2つの支持レールにまたがって支持レールの搭載面411によって支持されるため、被検体2を載置する機能を実現する。
【0058】
本開示の実施形態における被検体2は、リチウム電池であってもよいが、リチウム電池を搭載面411に載置する際には、基本的に接着層やフィルム層の厚みが位置する面が撮像システム6の放射線源に確実に面するようにする必要がある。
【0059】
本開示の実施形態では、第1調整部材42は、回転部材422をさらに含む。回転部材422は、Y軸を回転軸としてフレーム421上に回転可能に配置され、外力により搭載面上で被検体2をY方向周りにずらすように駆動され、または回転部材422は、フレーム421の駆動により、被検体2をX方向に沿って移動させることができる。
【0060】
回転部材422は、様々な構造形態をとり得ることが理解されるが、本開示の実施形態では、回転部材422は、レバー4221とダイヤルヘッド4222とを組み合わせた形態を採用する。
【0061】
具体的に、フレーム421には、レバー4221が設置されている。レバー4221は、Y軸を回転軸としてフレーム421上に回転可能に配置されている。フレーム421には、Y方向に沿って回転軸4223が設けられており、回転軸4223はフレーム421に固定されている。また、フレーム421は、フレーム本体間に横方向に枠を有しており、回転軸4223は、上記枠の上端面の中央に配置されており、その中央に設定することにより、回転軸4223上に配置されたレバー4221の回転アームの長さを一貫した状態に保つことができ。その後のずれ角の調整を容易にさせる。
【0062】
レバー4221が回転軸4223に回転可能に取り付けられるようにするために、本開示の実施形態では、レバー4221がアダプタブロック4224に設けられ、2つのレバー4221がそれぞれ対向して配置されることが理解され得る。アダプタブロック4224の中央には取付穴が加工され、この取付穴には軸受4225、及び軸受4225の取付穴からの抜け出しを規制する止め輪4226が埋め込まれて設けられている。回転軸4223は軸受4225に協働して取り付けられ、これにより回転軸4223を中心とするアダプタブロック4224の回転が実現され、レバー4221がY方向を中心に回転駆動される。
【0063】
また、本開示の実施形態における第1調整部材42は、レバー4221に設けられたダイヤル4222を備え、レバー4221の駆動により、ダイヤル4222を被検体2に当接させることで、被検体2が搭載面411上でY方向周りに偏向させられたり、被検体2が搭載面411上でX方向に沿って移動させたりする。
【0064】
本開示の実施形態では、2つのレバー4221の端部にはそれぞれダイヤルヘッド4222が設置され、ダイヤルヘッド4222は搭載面411から突出しており、フレーム421が移動及び後退する際に被検体2の移動方向から背離する端面に当接することができ、被検体2の偏向を実現するために、ダイヤルヘッド4222の当接位置が前記端面の中心位置からずれる。
【0065】
ダイヤルヘッド4222が被検体2を搭載面411上でY方向周りにずれるように駆動する過程は、外力によりフレーム421が駆動されて被検体2までに移動して、被検体2がY方向にずれを生じると、アダプタブロック4224が回転し、その結果レバー4221が回転し、レバー4221上のダイヤルヘッド4222が被検体2に作用し、ダイヤルヘッド4222は、被検体2をプッシュして回転させることにより、被検体2のずれを補正する。このうち、被検体2がY方向にずれるか否かの検出手法は、位置センサを用いて現在の被検体2の空間位置座標を検出し、ずれたかどうかを判定してもよいし、前回の被検体2の検出結果によって判定してもよく、ずれが発生した場合には、現在の被検体2のずれを調整する必要がある。
【0066】
被検体2のずれ補正が完了した後、フレーム421がX方向に移動し続けると、ダイヤルヘッド4222が被検体2をプッシュしてX方向に移動し、次の検出ステップに入ることができることが分かる。
【0067】
いくつかの実施形態では、レバー4221によって駆動されるダイヤルヘッド4222は、被検体2に当接して、支持面411上でY方向の周りにずれるように被検体2を駆動することのみができることが理解され得る。X方向における被検体2の動きは、他の構造によって駆動することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、回転部材422はターンテーブルと昇降構造の組み合わせであってもよいことが理解され得る。具体的には、ターンテーブルは昇降機構上に配置され、昇降機構の駆動によりターンテーブルがY方向に昇降可能であり、上昇する際に支持構造体41上の被検体2を受け取ることができる。同時に、ターンテーブルは昇降機構上に回転可能に設けられ、外力により駆動されて、Y方向を中心に回転するように被検体2を受け取ることができる。また、昇降機構はフレーム421に固定され、フレーム421の駆動によりターンテーブルがX方向にも移動可能となり、被検体2のY方向のずれを調整することができる。
【0069】
図6から
図12を参照すると、本開示の実施形態では、第1調整部材42は、アダプタブロック4224の回転を促進するための第1駆動ユニット4227も含む。具体的に、第1駆動ユニット4227は、アダプタブロック4224に向かってまたはアダプタブロック4224から遠ざかるように移動可能なプッシュロッド42271と、第1モータ42272と、を有する。プッシュロッド42271の一端はアダプタブロック4224に可動に接続され、他端は第1モータ42272に接続される。そのうち、プッシュロッド42271がアダプタブロック4224を回転軸4223の周りに回転するようにプッシュ可能になるためには、プッシュロッド42271がアダプタブロック4224の回転軸4223から離れた一端部に接続される必要があり、プッシュするときに回転モーメントを形成する。
【0070】
第1モータ42272はフレーム421上に配置され、第1モータ42272の回転によりプッシュロッド42271が回転する。アダプタブロック4224のプッシュロッド42271側の端面には、ナットスリーブ42241が取り付けられ、プッシュロッド42271には、ナットスリーブ42241へとねじ込む送りねじ部が設けられている。プッシュロッド42271が回転すると、ねじ部がナットスリーブ2241内に回転し、プッシュロッド42271の回転を駆動する。
【0071】
本開示の実施形態では、2組の第1駆動ユニット4227を有し、回転軸4223に関して対称に配置されていることが理解できる。2組の第1駆動ユニット4227は、レバー4221を回転駆動すると、一方の第1駆動ユニット4227のプッシュロッド42271は、レバー4221に向かって移動し、他方の第1駆動ユニット4227のプッシュロッド42271は、レバー4221から遠ざかる。
【0072】
他の実施形態において、第1駆動ユニット4227の数は1組であってもよいことは言うまでもなく、第1駆動ユニット4227が1組の場合には、プッシュロッド42271とアダプタブロック4224とは、ユニバーサルジョイントと伸縮ロッドとの嵌合という調整形態により、レバー4221のY方向周りの往復揺動が実現される。
【0073】
いくつかの実施形態では、ダイヤル位置の調整に適するように、レバー4221に取り付けられるダイヤルヘッド4222の数が複数であってもよいことが理解されうる。
【0074】
上述したように、本開示の実施形態では、フレーム421が移動する際に、ダイヤルヘッド4222を介して被検体2をX方向に沿って移動するプッシュ機能を有し、被検体2は間隔をあけて支持構造体41上に載置される。フレーム421が前の被検体2を駆動して次の工程まで移動させる際に、クレーム421を後退させ、ダイヤルヘッド4222を被検体2の移動方向から背離する端面に再度当接させることで、被検体2をX方向にプッシュして移動させる。第1調整部材42が支持構造体41上で被検体2の連続的な搬送を実現するためには、本開示の実施形態において、ダイヤルヘッド4222がレバー4221に回転可能に設置され、レバー4221の軸方向を中心に回転可能である必要がある。しかも、偏心構造として構成され、ダイヤルヘッド4222は、偏心力の作用下で搭載面411の外に伸びる第1位置と、外力の作用下で搭載面411の下で反転する第2位置と、を有する。ダイヤルヘッド4222がX方向に移動するとき、被検体2が第1位置にあるとき、被検体2をプッシュしてX方向に移動させるために使用される。
【0075】
ダイヤルヘッド4222は、被検体2との当接に適した押圧面42222と、押圧面42222に対して斜めに配置され、外力を受けるのに適したガイド面42223と、を有する。本実施形態におけるダイヤルヘッド4222は直角三角形状であり、その直角の辺が位置する面が上記押圧面42222に相当し、その斜角辺が位置する面が上記ガイド面42223に相当する。制限構造42224は、ダイヤルヘッド4222が第1位置に移動する際の回転を制限するものであり、ただし、フレーム421がX軸の負方向に移動する際に、ガイド面42223が被検体2に衝突して、第2位置までに移動するようにダイヤルヘッド4222を駆動する。制限構造42224は、ガイド面42223に設けられ、ガイド面42223から突出する制限ブロックである。
【0076】
ダイヤルヘッド4222の中心が回転中心と重なり合わないように、ダイヤルヘッド4222にはカウンタウェイトブロック42221が設けられ、第1位置で押圧面42222とYZ平面とを平行に配置させるようにダイヤルヘッド4222の偏心を調整している。押圧面42222とYZ平面とが平行に配置されることにより、押圧面42222が被検体2を押圧する際に、押圧面42222が被検体2にフィットすることができ、さらに、搭載面411上での被検体2のスムーズな移動を確保する。
【0077】
本開示の実施形態において、被検体2の搬入方法は、一定の時間ごとに、支持構造体41の搬入点から1つの被検体2を搬送するものである。しかしながら、被検体2の搬入点と走査エリアとの間の距離は比較的大きいため、フレーム421の搬入点と走査エリアとの間で前進や後退、の行程が大きく、その結果、被検体2の搬送時間が増加する。上記問題を解決するために、本開示の実施形態では、フレーム421の第1調整部材42から離れる側の端部にダイヤルヘッド4222が回転可能に設けられ、ダイヤルヘッド4222は、X方向に第1調整部材42と一定間隔で設置され、上記間隔距離は搬入点と走査エリアとの距離の半分とすることができ、フレーム421が一定間隔後退して再び前進すると、2つの被検体2を同時に前進させることができ、被検体2の搬送効率を向上する。
【0078】
複数の被検体2が一度に供給される場合、複数のダイヤルヘッド4222をX方向に適応的に設けて、被検体2の搬送効率を向上させることができることが理解されうる。
【0079】
上述したように、フィルムまたは接着層の被測定層において、メインビーム面61と平行な検出面21が存在する。Z方向にずれが生じると、走査エリアの形状の影響を受け、被測定層が同様に走査エリアから離脱されたケースがあるため、それに基づいて、本開示の実施形態には、第2調整部材43も含む。被検体2は、第1調整部部材42上でY方向のずれを補正した後、ダイヤルヘッド4222の駆動で、第2調整部材43に進入する。
【0080】
本開示の実施形態では、検出装置は、フレーム421に固定され、スライド機構34を支持するための第2スライドレール35をさらに備える。スライド機構34には、第2スライドレール35と協働するスライド溝36が設けられ、スライド機構34は、スライド溝36を介して第2スライドレール35上をスライドすることができる。同時に、スライド溝36と第2スライドレール35との協働によりスライド機構34が支持され、スライド機構34の移動時の安定性が高まる。また、第2スライドレール35の延在方向は、送りねじ32の延在方向と平行であり、送りねじ32がスライド機構34を駆動して移動するとき、第2スライドレール35は送りねじ32と協働してスライド機構34の移動方向をガイドすることで、スライド機構34の被検体2を移動させる方向がずれないことを確保できる。例えば、第2スライドレール35は、送りねじ32の延在方向と平行なリニアガイドレールであってもよい。
【0081】
図3に示すように、ラック421は方形の枠構造であり、その2つの対向する枠縁にスライド溝36が設置され、支持構造体41の垂直壁の内側面に第2スライドレール35が設置され、スライド溝36が第2スライドレール35上にスライド可能に設けられ、外力により駆動されて支持構造体41に対するフレーム421のX方向の移動を実現する。
【0082】
外力は、人力駆動であってもよいし、電気駆動、油圧駆動、空圧駆動という形態であってもよいと理解できる。
【0083】
なお、本開示の実施形態では、
図2及び
図3に示すように、第1スライドレール33及び第2スライドレール35は2本ずつ設けられ、それぞれスライド機構34の両側に設けられる。複数点支持により、スライド機構34や被検体2の動作の安定性を高めることができる。しかしながら、本開示の実施形態における第1スライドレール33及び第2スライドレール35の数はこれに限定されず、複数の第1スライドレール33及び/又は第2スライドレール35が設けられる場合も含まれることは言うまでもない。
【0084】
いくつかの例示的な実施形態では、駆動装置31はサーボモータを含む。サーボモータは電圧信号をトルクおよび速度に変換して制御対象を駆動する。サーボモータのロータ速度は入力信号によって制御され、高速応答が可能である。自動制御システムでは、受信された電気信号をモーターシャフト上の角変位または角速度信号に変換して出力でき、その制御位置の精度は非常に正確である。送りねじ32の一端はサーボモータの出力端に接続され、送りねじ32の他端はフレーム421に接続され、送りねじ32の中心軸を回転軸4223としてフレーム421に対して回転可能である。
【0085】
サーボモータの正逆回転により、送りねじ32を駆動してスライド機構34を第2スライドレール35に沿って往復駆動させ、被検体のバッチ搬送を実現する。
【0086】
本開示の実施形態では、スライド機構34には、少なくとも1つの第1調整部材42が設けられている。スライド機構34が送りねじ32の延在方向に沿って移動すると、第1調整部材42はスライド機構34とともに移動すると同時に、被検体2を第1スライドレール33上でプッシュして移動することができる。
【0087】
さらに、スライド機構34と送りねじ32の接続点から第1調整部材42までの距離は、支持構造体41の長さ以上であるべきであり、被検体2が第1スライドレール33から移送された後、スライド機構34に設けられた押圧部材の一端が第2スライドレール35から延出して、被検体2をプッシュし続けて支持構造体41上をスライドさせることができる。
図13に示すように、被検体2が撮像システム6の走査エリア62を通過してから、最終的に撮像システム6の出口側から移送される。
【0088】
図14、18および19を参照すると、第2調整部材43が支持構造体41上に設けられている。第2調整部材43は、Z軸を回転軸として支持構造体41上に回転可能に配置された、被検体2を受け入れるのに適した支持板431を含む。本開示の実施形態では、支持板431は支持ビーム構造であり、被検体2の安定した支持を達成するために、支持板431の数は2つであり、それぞれヒンジ式で支持構造体41上に配置され、支持構造体41の2つのフレームの水平支持アームにはそれぞれ、支持板431との接続を実現するためにヒンジ座433が対応して設けられている。
【0089】
支持板431の第1調整部材42に近い一端は、支持構造体41にヒンジ接続される。被検体2が第1調整部42から第2調整部43にスムーズに移動することを確保するために、搭載面411のY方向の高さは支持板431の上面よりも高くなるように制御することができる。
【0090】
支持板431の回転を駆動するために、第2調整部材43は、支持構造体41上に設けられ、支持板431のヒンジ端から離れた下方に配置され、支持板431を回転させるように駆動するための第2駆動ユニット432も含む。
【0091】
図15および
図16に示すように、第2駆動ユニット432は、支持構造体41上に配置された第2モータ4321と、第2モータ4321のモータ軸上に配置され、一端支持板431に接続された昇降ロッド4322と、含む。第2モータ4321は、カップリングを介して昇降ロッド4322を回転駆動し、昇降ロッド4322の一端は支持板431の下端面に設けられたジョイント434に接続されている。昇降ロッド4322は、ジョイント434にねじ止めすることができる。第2モータ4321の正逆回転により、リフティングロッド4322の正逆回転を実現することができ、それによって支持板431を駆動して、ヒンジ軸の周りを時計回りまたは反時計回りに回転させることができる。
【0092】
第2駆動部432の駆動方法としては、一般的なプッシュロッド42271のモータ駆動、シリンダ伸縮駆動などが挙げられるが、実施形態によっては多様な駆動方法が考えられる。
【0093】
搭載面411上に載置された被検体2は、第1調整部材42のレバー4221の作用により、ダイヤルヘッド4222に駆動されてY方向のずれ調整を完了し、その後、フレーム421により駆動され、ダイヤルヘッド4222のプッシュを経てX方向の移動を完了し、第2調整部材43に入る。第2調整部材43における支持板431の駆動により、Z方向のずれ調整を完了し、その結果被検体2の姿勢調整を完了して、次の放射線撮像処理に移行する。
【0094】
ここで、放射線撮像における放射線は金属の物体を通過する際に減衰しやすいため、本実施形態における第2調整部材43の支持板431およびその他の構造は、炭素繊維材料で作製されることが好ましいことに留意されたい。
【0095】
なお、本発明者が実際に製造したところ、炭素繊維製の支持体の剛性は平均的であり、複数回の使用により支持板431がたわみ、変形しやすくなることが判明した。異なる被検体2が支持板431に搭載された場合に、支持板431は、被検体2の重量変化の影響を受け、その曲げ変形の度合いが異なり、その都度支持板431の回転角度を調整する必要があり、操作プロセスを増やす。これに基づいて、本開示では、第2調整部材43の別の実施形態が提供される。
【0096】
第2調整部材43は、X方向に間隔をあけて2組配置され、放射線撮像時において、放射線撮像の走査エリア62が当該間隔エリア内に全く収まるように配置され、このような設置は支持板431が剛性のよりよい金属を利用することを確保しつつ、放射線を減衰させない。
【0097】
本開示の実施形態では、検出装置用の搬送システムは、第2伝達機構5を含んでもよい。第2伝達機構5は、撮像システム6の出口側に配置され、支持構造体41と協働して接続されており、支持構造体41からの被検体2を搬送するために使用される。被検体2は、撮像システム6の検出を行った後、第2伝達機構5を介して待機エリアに搬送され、次の処理を待つ。同時に、第2伝達機構5を設けることにより、被検体2を撮像システム6から離れた位置に搬送することができ、被検体2を取り出す際の放射線の影響を回避することができる。
【0098】
なお、支持構造体41と第2伝達機構5との接続関係は、第1伝達機構3と支持構造体41との接続関係と同様である。第1伝達機構3と支持構造体41との接続関係については既に詳しく説明したので、ここでは繰り返さない。
【0099】
好ましく、本開示の実施形態では、第2伝達機構5の搬送モードは、無動力搬送を含む。すなわち、支持構造体41によって被検体2が第2伝達機構5に搬送された後、被検体2は、自身の重力の作用により第2伝達機構5に沿ってスライドすることができ、これにより被検体2の搬送が実現される。この無動力搬送方法は、搬送コストが低く、被検体2を正常に搬送することができる。
【0100】
例えば、第2伝達機構5は、傾斜に配置され、自由に回転可能な複数のローラを有する無動力のローラコンベヤテーブルであってもよい。被検体2が支持構造体41からローラ伝達テーブルに移送された後、被検体2はローラコンベヤテーブル上のローラを利用してローラコンベヤテーブルの下端まで滑り、これにより被検体2の搬送工程を完了する。
【0101】
必要に応じて、本開示の実施形態において、第2伝達機構5の伝達モードには、動力搬送モードが含まれていてもよい。動力搬送モードを採用した場合、搬送距離が長くなり、搬送プロセスがより安定し、搬送効率が高くなる。例えば、第2伝達機構5の搬送モードは、ベルト搬送、パワーローラ搬送、同期ベルト搬送、送りねじ32搬送等の種々の形態が可能である。
【0102】
本開示の実施形態では、撮像システム6の入口側および出口側の両方に保護カバー11が設けられており、保護カバー11は撮像システム6の放射線を遮蔽するために用いられる。さらに、保護カバー11は、第1伝達機構3、支持構造体41および第2伝達機構5の外側に設けられており、走査および検出の放射線の放射を大幅に隔離することができ、より優れた放射線防護効果を有する。
【0103】
さらに、本発明の実施形態では、保護カバー11は、折り曲げられた板金からなり、保護カバー11の外面には、放射線遮蔽効果を高めることができる鉛スキン層が設けられている。
【0104】
本開示の実施形態における検出装置用の搬送系の動作原理としては、第1伝達機構3、支持構造体41、および第2伝達機構5がすべて保護カバー11の内側に配置されており、これにより撮像システム6の放射線量を弱めることができる。第1伝達機構3において、サーボモータの駆動により送りねじ32を駆動し、スライド機構34を第2スライドレール35に沿って移動させ、スライド機構34に取り付けられた第1調整部材42が被検体2をプッシュして、支持構造体41まで、スライドレール33を移動し、支持構造体41に沿って撮像システム6の走査エリア62までスライドしてから、撮像システム6によって検出が行われる。被検体2の検出が完了すると、被検体2は第2伝達機構5に沿って保護カバー11の外へ移送される。
【0105】
なお、本開示の実施形態における検出装置用の搬送系は、セキュリティ検査の分野での用途に適しており、特に高い画像検出品質が要求される特定の商品の検出に適している。たとえば、電池の接着層やフィルムなどの極薄層を正確に位置決めして、高品質の検査画像を取得できる。なお、本開示の実施形態における搬送系の検出対象は電池分野に限定されていない。
【0106】
本開示の実施形態では、被検体2は走査エリア内に位置するように制御され、関心のあるスライスエリアが走査エリアに到達した後、撮像システムは関心のあるスライス上のデータを収集するように制御される。データ収集方法に関しては、被検体を静止させて完全な円軌道データを収集することも、被検体をゆっくり移動させて完全な螺旋軌道データを収集することもできる。関心のあるスライスの取得が完了した後、データの再構成が実行される。姿勢調整構造は、被検体2を次の関心スライスに迅速に調整することができ、次の関心スライスエリアが走査エリアに到達した後、撮像システムは次の関心スライスのデータを収集するように制御される。このようにして、被検体2のすべての関心のあるスライスの走査プロセス全体が完了する。したがって、本開示の実施形態では、検出効率を確保しながら、関心のあるスライスの高解像度検査を達成しつつ、検出効率を保証することができる。さらに、撮像システムの部材は、被検体の具体的な具合に応じて適応的に調整できるため、柔軟性からより多くのオプションが提供されている。
【0107】
本開示の実施形態では、被検体の姿勢を最初に取得し、次に被検体の姿勢を自動的に調整して、薄層の自動位置決め及び走査プロセスを実現することができる。具体的には、撮像システム6を使用して被検体2を走査して被検体2の第1画像を取得し、第1画像を分析することによって被検体2の姿勢を取得することができる。取得した被検体2に基づいて、姿勢調整構造を制御し、被検体2の検出面と撮像システム6のメインビーム面が同一平面上に位置するように被検体2の姿勢を調整することができる。その後、被検体2に放射線を照射して走査するように撮像システム6を制御し、被検体2の第2画像を取得する(例えば、第2画像は被検体2のスライス画像である)。
【0108】
いくつかの実施形態では、追加の撮像システムを使用して被検体2を走査し、被検体2の第1画像を取得することができる。例えば、この追加の撮像システムは、CT撮像システム、DR撮像システム、または可視光撮像システムであってもよい。
【0109】
他の側面によれば、本開示の実施形態は、
図23に示すように、以下のステップを含む、被験体の特徴情報を取得する方法を提供する。
【0110】
ステップS201では、被検体が検出装置を通過するように制御され、検出装置は被検体を走査して検出するために使用され、前記検出装置は、前記被検体が通過するとともに、第1方向に沿って前記検出装置に出入りする検出チャネルと、被検体を走査して検出するための撮像システムと、を含む。
【0111】
ステップS202では、前記被検体に対して放射走査を実行するように前記撮像システムが制御される。
【0112】
ステップS203では、前記被検体の放射走査画像が取得される。
【0113】
ステップS204では、前記放射走査画像によって前記被検体の特徴情報を取得する。
【0114】
例えば、前記被検体2は、第1部分2A、検出部分2B、および第2部分2Cを含み、被検体2に対して放射走査を実行するように撮像システムを制御するには、前記検出部分は前記第1方向において前記第1部分と前記第2部分との間に位置している。
【0115】
例えば、
図22を参照すると、前記放射走査画像によって被検体の特徴情報を取得することは、前記放射走査画像によって、前記検出部分と前記第1部分との間の第1分割線2Lと、前記検出部分と前記第2部分との間の第2分割線2Rと、を取得すること、および前記第1分割線2Lと前記第2分割線2Rとの間の前記第1方向に沿ったサイズを算出し、前記検出部分の前記第1方向に沿ったサイズを取得することを含む。
【0116】
いくつかの例示的な実施形態によれば、この方法は、検出部分の体積を取得することをさらに含む。
【0117】
前記放射走査画像によって前記被検体の特徴情報を取得することは、前記検出部分の体積および前記第1方向に沿った前記検出部分のサイズに基づいて、前記検出部分の前記第1方向への投影の面積を取得することをさらに含む。
【0118】
いくつかの例示的な実施形態によれば、上記方法は、前記検出部分の前記第1方向への投影の形状特徴情報を取得することをさらに含む。
【0119】
前記放射走査画像によって前記被検体の特徴情報を取得することは、前記検出部分の前記第1方向への投影の面積および前記検出部分の前記第1方向への投影の形状特徴情報に基づいて、前記検出部分の前記第1方向に垂直な断面の特徴情報を取得することをさらに含む。
【0120】
いくつかの例示的な実施形態によれば、撮像システムによって放出される放射線に対する前記第1部分および前記第2部分のそれぞれの減衰特性は、撮像システムによって放出される放射線に対する前記検出部分の減衰特性と異なっている。
【0121】
いくつかの例示的な実施形態によれば、放射走査画像において、前記第1部分および前記第2部分のそれぞれのグレーレベルは、前記検出部分のグレーレベルと異なり、前記放射走査画像によって前記検出部分と前記第1部分との間の第1分割線及び前記検出部分と前記第2部分との間の第2分割線を取得することは、具体的には、前記検出部分と前記第1部分の放射走査画像とに示されるグレースケールの違いに基づいて前記第1分割線を特定することと、前記検出部分と前記第2部分の放射走査画像に示されるグレースケールの違いに基づいて、前記第2分割線を特定することと、を含んでいる。
【0122】
例えば、前記第1方向への前記検出部分の投影の形状は円形であり、前記第1方向への前記検出部分の投影の面積及び前記第1方向への前記検出部分の投影の形状特徴情報に基づいて、前記検出部分の第1方向に垂直な断面の特徴情報を取得することは、具体的に、前記第1方向への前記検出部分の投影の面積に応じて円形の面積計算式にて、前記検出部分の前記第1方向に垂直な断面の半径を取得することを含んでいる。
【0123】
例えば、前記第1方向への前記検出部分の投影の形状は正方形であり、前記第1方向への前記検出部分の投影の面積及び前記第1方向への前記検出部分の投影の形状特徴情報に基づいて、前記検出部分の第1方向に垂直な断面の特徴情報を取得することは、具体的に、前記第1方向への前記検出部分の投影の面積に応じて正方形の面積計算式にて、前記検出部分の前記第1方向に垂直な断面の辺長を取得することを含んでいる。
【0124】
いくつかの例示的な実施形態によれば、前記検出装置は、前記検出チャネル内に設けられ、前記検出チャネル内に位置する被検体の姿勢を調整するための姿勢調整構造をさらに備えている。
【0125】
前記被検体に対して放射走査を実行するように撮像システムを制御することは、前記姿勢調整構造の駆動で、前記検出チャネル内で前記第1方向に沿って移動するように前記被検体を制御することと、前記被検体の移動中、前記撮像システムがビームを放出し続くように制御され、前記被検体に対して連続的に放射走査することと、を含んでいる。
【0126】
いくつかの例示的な実施形態によれば、前記撮像システムは、前記検出チャネルの一方側に配置され、少なくとも前記被検体を走査検出するのに適するメインビーム面を形成する放射線を生成するための放射線源を備えている。
【0127】
前記被検体に対して放射走査を実行するように撮像システムを制御することは、放射走査中に前記被検体の被検出面と前記メインビーム面とが同一平面内にあるように前記被検体の姿勢を調整することをさらに含む。
【0128】
例えば、前記第1方向における前記検出部分のサイズ値に対する、前記第1方向への前記検出部分の投影の面積値の比は、10以上である。
【0129】
例えば、前記検出部分の前記第1方向のサイズに対する前記検知器の第1方向のサイズの比は、1~8の範囲内である。
【0130】
図24は、本開示の一実施形態に係る被検体の特徴情報を取得する装置の構造ブロック図を概略的に示す。被検体の特徴情報取得装置800は、動作制御モジュール810、放射走査制御モジュール820、画像取得モジュール830、及び特徴情報取得モジュール840を含む。
【0131】
動作制御モジュール810は、被検体が検出装置を通過するように制御するために使用され、前記検出装置は、被検体を走査して検出するために使用され、前記検出装置は、前記被検体が通過するとともに、第1方向に沿って前記検出装置に出入りする検出チャネルと、被検体を走査して検出するための撮像システムと、を含む。
【0132】
放射走査制御モジュール820は、前記被検体に対して放射走査を実行するように撮像システムを制御するために使用される。
【0133】
画像取得モジュール830は、前記被検体の放射走査画像を取得するために使用される。
【0134】
特徴情報取得モジュール840は、放射走査画像によって前記被検体の特徴情報を取得するために使用され、前記被検体は、第1部分、検出部分、および第2部分を含み、前記被検体に対して放射走査を実行するように撮像システムを制御するには、前記検出部分は前記第1方向において前記第1部分と前記第2部分との間に位置しており、前記放射走査画像によって被検体の特徴情報を取得することは、前記放射走査画像によって、前記検出部分と前記第1部分との間の第1分割線2L及び前記検出部分と前記第2部分との間の第2分割線2Rを取得すること、および前記第1分割線2Lと前記第2分割線2Rとの間の前記第1方向に沿ったサイズを算出し、前記検出部分の前記第1方向に沿ったサイズを取得することを含む。
【0135】
本開示の実施形態によれば、動作制御モジュール810、放射走査制御モジュール820、画像取得モジュール830、及び特徴情報取得モジュール840のいずれか複数のモジュールは、併せて1つのモジュールとして実装されてもよいし、いずれか1つのモジュールは複数のモジュールに分割されてもよい。あるいは、これらのモジュールのうちの1つまたは複数の機能は、少なくとも一部を、他のモジュールの機能の少なくとも一部と組み合わせて、1つのモジュールに実装することもできる。本開示の実施形態によれば、動作制御モジュール810、放射走査制御モジュール820、画像取得モジュール830、及び特徴情報取得モジュール840のうちの少なくとも1つは、少なくとも一部がフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、システムオンチップ、システムオンサブストレート、システムオンパッケージ、特定用途向け集積回路(ASIC)というようなハードウェア回路として実装され、または回路を集積やパッケージ化などの何れかの別の合理的な手段にて、ハードウェアまたはファームウェアによって実現され、またはソフトウェア、ハードウェア、およびファームウェアの3つの実装方法のいずれか一方やいずれかの多方の適宜な組み合わせにて実現されて得る。あるいは、動作制御モジュール810、放射走査制御モジュール820、画像取得モジュール830、および特徴情報取得モジュール840のうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的にコンピュータプログラムモジュールとして実現されてもよく、コンピュータプログラムモジュールが実行されるとき、対応する機能を実行できる。
【0136】
図25は、本開示の一実施形態に係る被検体の特徴情報を取得する方法を実施するのに適した電子機器のブロック図を概略的に示す。
【0137】
図25に示すように、本開示の一実施形態に係る電子機器900は、読み取り専用メモリ(ROM)902に格納されたプログラムまたは記憶部908からランダムアクセスメモリ(RAM)903にロードするプログラムに従って様々な適切な動作および処理を実行することができるプロセッサ901を含む。)。プロセッサ901は、例えば、汎用マイクロプロセッサ(例えば、CPU)、命令セットプロセッサおよび/または関連チップセット、および/または専用マイクロプロセッサ(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))などを含み得る。プロセッサ901は、キャッシュの目的でオンボードメモリを含むこともできる。プロセッサ901は、本開示の実施形態に係る方法フローと異なる動作を実行するための単一の処理ユニットまたは複数の処理ユニットを含み得る。
【0138】
RAM903には、電子機器900の動作に必要な各種プログラムやデータが記憶されている。プロセッサ901、ROM902、RAM903は、バス904を介して相互に接続されている。プロセッサ901は、ROM902および/またはRAM903内のプログラムを実行することによって、本開示の実施形態の方法フローに係る様々な動作を実行する。なお、プログラムは、ROM902およびRAM903以外の1つ以上のメモリに格納されてもよい。プロセッサ901は、1つまたは複数のメモリに格納されたプログラムを実行することによって、本開示の実施形態の方法フローに係る様々な動作を実行することもできる。
【0139】
本開示の実施形態によれば、電子機器900は、バス904にも接続される入出力(I/O)インターフェース905をさらに含むことができる。電子機器900はまた、I/Oインターフェース905に接続された、以下の構成要素のうちの1つ以上を含んでもよい。キーボード、マウスなどを含む入力部906、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)及びスピーカ等の出力部907、ハードディスク等からなる記憶部908、LANカードやモデム等のネットワークインターフェースカードからなる通信部909である。通信部909は、インターネット等のネットワークを介して通信処理を行う。ドライバ910は、必要に応じてI/Oインターフェース905にも接続される。ドライブ910には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルメディア911が必要に応じて装着され、そこから読み出されたコンピュータプログラムが必要に応じて記憶部908にインストールされる。
【0140】
本開示は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体も提供し、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、上記実施形態で説明した機器/装置/システムに含まれていてもよく、機器/装置/システムに組み込まれずに独立して存在してもよい。上記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、1つ以上のプログラムが記録されており、上記1つ以上のプログラムが実行されることにより、本開示の実施形態に係る方法が実現される。
【0141】
本開示の実施形態によれば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、不揮発性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であってもよく、これには、携帯型コンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、携帯型コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、またはこれらの適切な組み合わせを含むが、これらに限定されていない。本開示では、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって使用される、またはそれらに関連して使用される、プログラムを含むまたは記憶する任意の有形媒体であってもよい。例えば、本開示の実施形態によれば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、上述のROM902および/またはRAM903、および/またはROM902およびRAM903以外の1つまたは複数のメモリを含み得る。
【0142】
本開示の実施形態は、フローチャートに示される方法を実行するためのプログラムコードを含むコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品も含む。コンピュータプログラム製品がコンピュータシステムで実行されると、プログラムコードは、コンピュータシステムに本開示の実施形態によって提供されるアイテム推薦方法を実行させるために使用される。
【0143】
コンピュータプログラムがプロセッサ901によって実行されると、本開示の実施形態のシステム/装置において限定された上述の機能が実行される。本開示の実施形態によれば、上述のシステム、デバイス、モジュール、ユニットなどは、コンピュータプログラムモジュールによって実現され得る。
【0144】
一実施形態では、コンピュータプログラムは、光学記憶装置や磁気記憶装置などの有形の記憶媒体に依存することができる。別の実施形態において、コンピュータプログラムは、ネットワーク媒体上で信号の形態にて送信や配信され、通信部909を介してダウンロードおよびインストールされ、および/またはリムーバブルメディア911からインストールされ得る。コンピュータプログラムに含まれるプログラムコードは、無線、有線など、または上記の任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の適切なネットワーク媒体を使用して送信することができる。
【0145】
このような実施形態では、コンピュータプログラムは、通信部909を介してネットワークからダウンロードおよびインストールされ得る、および/またはリムーバブルメディア911からインストールされ得る。コンピュータプログラムがプロセッサ901によって実行されると、本開示の実施形態のシステムにおいて限定された上述の機能が実行される。本開示の実施形態によれば、上述のシステム、デバイス、装置、モジュール、ユニットなどは、コンピュータプログラムモジュールによって実現され得る。
【0146】
以上、本開示の実施形態について説明した。しかしながら、これらの実施形態は、説明のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。上記では各実施形態を個別に説明したが、これは、さまざまな実施形態の手段を組み合わせて有利に使用できないことを意味するものではない。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される。本開示の範囲から逸脱することなく、当業者は様々な置換および修正を行うことができ、これらの置換および修正はすべて本開示の範囲内に含まれるものとする。
【国際調査報告】