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特表2024-535522故障の修復方法、装置、電子機器及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】故障の修復方法、装置、電子機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04L 41/0631 20220101AFI20240920BHJP
【FI】
H04L41/0631
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520806
(86)(22)【出願日】2022-09-14
(85)【翻訳文提出日】2024-04-04
(86)【国際出願番号】 CN2022118846
(87)【国際公開番号】W WO2023056831
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】202111177755.5
(32)【優先日】2021-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼森洋
(72)【発明者】
【氏名】山磊
(72)【発明者】
【氏名】寧東方
(72)【発明者】
【氏名】張作鋒
(57)【要約】
本願の実施例は、通信分野に関し、故障の修復方法、装置、電子機器及び記憶媒体を開示し、方法は、故障の故障特徴を取得するステップと、前記故障特徴に対応する故障原因があるか否かを判断するステップと、対応する故障原因が存在する場合に、前記故障原因に対応する修復ルールがあるか否かを判断するステップと、対応する修復ルールが存在する場合に、前記修復ルールに従って、前記故障を修復するステップと、対応する修復ルールが存在しない場合に、前記故障原因を報告し、修復命令を取得した後、前記修復命令に従って、前記故障を修復し、且つ前記修復ルールベースを更新するステップとを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
故障の修復方法であって、
故障の故障特徴を取得するステップと、
前記故障特徴に対応する故障原因があるか否かを判断するステップと、
対応する故障原因が存在する場合に、前記故障原因に対応する修復ルールがあるか否かを判断するステップと、
対応する修復ルールが存在する場合に、前記修復ルールに従って、前記故障を修復するステップと、
対応する修復ルールが存在しない場合に、前記故障原因を報告し、修復命令を取得した後、前記修復命令に従って、前記故障を修復し、且つ前記修復ルールベースを更新するステップとを含む、故障の修復方法。
【請求項2】
前記故障特徴に対応する故障原因があるか否かを判断する前記ステップは、
前記故障が所在する機器機能モジュールを取得するステップと、
予め設定された診断ルールベース内の前記機器機能モジュールに対応する診断ルールに従って、前記故障特徴に対応する故障原因を取得するステップとを含み、
前記診断ルールは故障特徴と故障原因との対応関係である、請求項1に記載の故障の修復方法。
【請求項3】
対応する故障原因が存在しない場合に、既存の故障特徴と故障原因との対応関係に基づいて、自己学習推論により前記故障原因を得るステップをさらに含む、請求項1又は2に記載の故障の修復方法。
【請求項4】
前記自己学習は、決定木アルゴリズム又はサポートベクターマシンアルゴリズムで実現される、請求項3に記載の故障の修復方法。
【請求項5】
前記故障特徴は、機能故障特徴、及び/又は、性能故障特徴を含み、
前記機能故障特徴は、各機器機能モジュールのハードウェア状態を特徴付けることに用いられ、
前記性能故障特徴は、各前記機器機能モジュールの信号処理性能を特徴付けることに用いられ、
前記機能故障特徴は、各前記機器機能モジュールの報告によって取得され、
前記性能故障特徴は、各前記機器機能モジュールの信号処理性能パラメータに基づいて取得される、請求項1~4のいずれか1項に記載の故障の修復方法。
【請求項6】
前記性能故障特徴は、
前記機器機能モジュールの送受信信号を取得し、
前記送受信信号の構成パラメータを識別し、
前記構成パラメータに基づいて、前記機器機能モジュールの性能指標を計算し、
前記性能指標に基づいて前記性能故障特徴を得ることによって取得される、請求項5に記載の故障の修復方法。
【請求項7】
前記修復ルールベースを更新する前記ステップは、
前記修復命令に従って、自己学習により新たな修復ルールを生成するステップと、
前記故障、前記故障原因及び前記新たな修復ルールに従って、前記新たな修復ルールの正しさを検出するステップと、
前記新たな修復ルールが正しいと、前記新たな修復ルールで前記修復ルールベースを更新するステップと、
前記新たな修復ルールが正しくないと、自己学習アルゴリズムのパラメータを調整し、新たな修復ルールを再生成し、且つ前記再生成された新たな修復ルールの正しさを検出するステップとを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の故障の修復方法。
【請求項8】
故障の修復装置であって、
故障の故障特徴を取得するための特徴モジュールと、
前記故障特徴に基づき、前記故障の故障原因を取得するための診断モジュールと、
修復ルールベース内に前記故障原因に対応する修復ルールが存在するか否かを検索し、
存在すると、前記修復ルールに従って、前記故障を修復し、
存在しないと、前記故障原因を報告し、修復命令を取得した後、前記修復命令に従って、前記故障を修復し、且つ前記修復ルールベースを更新するための修復モジュールとを含む、故障の修復装置。
【請求項9】
電子機器であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信接続されるメモリと、を含み、
前記メモリには前記少なくとも1つのプロセッサに実行可能な命令が記憶されており、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサは請求項1~7のいずれか1項に記載の故障の修復方法を実行することができる電子機器。
【請求項10】
コンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~7のいずれか1項に記載の故障の修復方法を実現するコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願番号が「202111177755.5」であり、出願日が2021年10月9日である中国特許出願に基づいて提案され、該中国特許出願の優先権を主張しており、該中国特許出願の全内容はここで引用により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、通信分野に関し、特に故障の修復方法、装置、電子機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
情報技術の急速な発展に伴って、基地局装置は2Gから5Gに進化し、複雑度はますます高まっており、基地局装置は多数の動作モジュールで構成され、異なるモジュールの間の関連結合は緊密であり、1つのモジュールに故障が生じると、常に連鎖反応を引き起こし、更にシステム全体が正常に動作できないことを招く。基地局装置は、常に鉄塔等の高空建物に建てられ、同時に、極暑、極寒の気候、辺ぴな山間地帯、標高の高い地域等の過酷な環境で動作しており、基地局装置の故障点検には、一般的に専門の計器による補助を必要とするため、基地局装置の故障点検と修復の難易度及びコストが急激に高くなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、外部の計器機器の制限から離脱し、基地局装置の故障を迅速に検出、位置決め、修復する方法は、急に解決する必要がある問題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施例は、故障の故障特徴を取得するステップと、故障特徴に対応する故障原因があるか否かを判断するステップと、対応する故障原因が存在する場合に、故障原因に対応する修復ルールがあるか否かを判断するステップと、対応する修復ルールが存在する場合に、修復ルールに従って、故障を修復するステップと、対応する修復ルールが存在しない場合に、故障原因を報告し、修復命令を取得した後、修復命令に従って、故障を修復し、且つ修復ルールベースを更新するステップとを含む、故障の修復方法を提供する。
【0006】
本願の実施例は、故障の故障特徴を取得するための特徴モジュールと、故障特徴に基づき、故障の故障原因を取得するための診断モジュールと、修復ルールベース内に故障原因に対応する修復ルールが存在するか否かを検索し、存在すると、修復ルールに従って、故障を修復し、存在しないと、故障原因を報告し、修復命令を取得した後、修復命令に従って、故障を修復し、且つ修復されたルールベースを更新するための修復モジュールとを含む、故障の修復装置をさらに提供する。
【0007】
本願の実施例は、電子機器をさらに提供し、少なくとも1つのプロセッサと、前記少なくとも1つのプロセッサと通信接続されるメモリとを含み、前記メモリには前記少なくとも1つのプロセッサに実行可能な命令が記憶されており、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサは上記故障の修復方法を実行することができる。
【0008】
本願の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、上記故障の修復方法を実現するコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本願の一実施例に係る基地局装置の内部構造の概略図である。
図2】本願の一実施例に係るインテリジェントな故障診断システムの内部ブロック図である。
図3】本願の一実施例に係る故障の修復方法のフローチャートである。
図4】本願の一実施例に係るACPRブラインド識別方法のフローチャートである。
図5】本願の一実施例に係るルールベースの構造概略図である。
図6】本願の一実施例に係る故障の修復方法の相互作用フローチャートである。
図7】本願の一実施例に係る故障の修復装置の構造概略図である。
図8】本願の一実施例に係る電子機器の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、図面を参照して本願の各実施形態を詳細に説明する。ただし、当業者であれば、本願の各実施形態では、読者が本願をよりよく理解するために多くの技術詳細が提案されていることを理解できる。しかし、これらの技術詳細及び以下の各実形態に基づく種々の変形や変更がないとしても、本願が主張する技術的解決手段を実現することができる。
【0011】
本願の目的は、上記問題を解決するために、故障の修復方法、装置、電子機器及び記憶媒体を提供し、基地局装置の故障のオンラインのインテリジェントな診断及び修復を実現することである。
【0012】
本願の一実施例は故障の修復方法に関し、故障の故障特徴を取得するステップと、前記故障特徴に対応する故障原因があるか否かを判断するステップと、対応する故障原因が存在する場合に、前記故障原因に対応する修復ルールがあるか否かを判断するステップと、対応する修復ルールが存在する場合に、前記修復ルールに従って、前記故障を修復するステップと、対応する修復ルールが存在しない場合に、前記故障原因を報告し、修復命令を取得した後、前記修復命令に従って、前記故障を修復し、且つ前記修復ルールベースを更新するステップとを含み、本実施例は、基地局装置の故障のオンラインのインテリジェントな診断及び修復を実現する。
【0013】
本願の実施例の故障の修復方法は、基地局に適用され、ここでは、本願の実施例の故障の修復方法は、基地局に1つの診断システムを予めインストールすることによって実現でき、本願の実施例の故障の修復方法は、基地局装置の実験室のデバッグ、生産ラインの生産、フィールド等のシーンに適用できる。
【0014】
本願の実施例では、故障特徴をリアルタイムに取得することによって、対応する故障原因を探し、且つ故障原因に基づいて対応する修復ルールを問い合わせ、問い合わせ結果に基づいて故障を修復し、又は修復ルールを更新する。これにより、基地局装置の故障のオンラインのインテリジェントな診断及び修復を実現して、基地局装置の運用とメンテナンスのインテリジェントレベル及びユーザーエクスペリエンスを大幅に向上させる。
【0015】
以下、本実施例のデータスケジューリング方法の実現の詳細を具体的に説明し、下記の内容は理解を容易にするために提供される実現の詳細に過ぎず、本方案を実施するために必須のものではない。
【0016】
図1に示すように、本願では、オンライン診断を容易にするために、基地局装置は、ベースバンドモジュール、中間周波数モジュール、DA/ADモジュール、無線周波数リンク、電力増幅器、及びアンテナアレイ等の部分に簡素化される。診断システムの入力は2つの部分で構成され、1つは基地局装置の各モジュールの動作状態であり、もう1つはチャンネル電力増幅器ポート又はアンテナポートのフィードバック信号であり、診断システムの出力は故障の修復命令及びマンマシンインターフェースである。診断システムは、特徴抽出、ルールベース、診断推論、故障修復、インタープリター、及びヒューマンマシンインタラクション等のモジュールを含み、ここでは、システムモジュールの入力はRRU(Remote Radio Unit、リモート無線ユニット)又はAAU(Active Antenna Unit、アクティブアンテナユニット)の各モジュールの故障特徴、キーポイントデータ等であり、システムの出力は故障の根本原因及び修復命令である。
【0017】
インテリジェントな故障診断システムの内部の実現は図2に示されており、診断システムは図2における特徴抽出、ルールベース、診断推論、故障の修復、ヒューマンマシンインタラクション、及びインタープリターの各モジュールで構成されてもよい。
【0018】
ここでは、診断システムの動作原理は以下の通りである。特徴抽出モジュールを利用して故障特徴セットを生成し、次に、ルールベースと組み合わせて診断推論を行い、故障の根本原因を特定して報告し、それと同時に、オンライン修復ルールベースを利用して、故障の修復命令を発し、最終的に故障が修復されたか否かを再検出し、新たな診断を行い、ルールによる診断推論を行う過程では、現在の故障に対応するルールが存在しないことを発見すると、機械学習による診断推論を行い、故障の根本原因を一般化して推論して、故障特徴セット及び診断結果をエンジニアに報告して判断し、エンジニアは、診断システムによって収集された情報に基づいて、新たな診断結果を発して診断システムに記憶し、修復命令を形成する。最終的に、故障が修復されたか否かを再検出し、新たな診断を行う。故障が解決されたと、診断システムは、該故障特徴セット及び診断結果を機械学習トレーニングサンプルに追加して、新たな故障ルールを生成し、最終的に、故障の根本原因が知られている故障サンプルを用いて自己検出を行い、新たなルールが追加された後に自己検出に合格すると、ルールベース内に追加される。ここでは、故障の根本原因及び過程の解釈は、マンマシンインタフェースを介してユーザーインターフェースに伝達して表示される。
【0019】
各モジュールが実現する具体的な機能は以下の通りである。
【0020】
(1)特徴抽出:基地局装置の各モジュールの故障特徴フラグを抽出し、機能類故障特徴及び性能類故障特徴に分類される。機能類故障特徴は各モジュールのキーノードフラグを用い、性能類故障特徴は各モジュールの反復データのブラインド識別を用いて計算する必要がある。診断システムは基地局装置の各チャネルデータを収集する必要がなく、各チャンネルの各モジュールによって報告された故障特徴を収集すればよい。
【0021】
(2)ルールベース:基地局装置の動作原理、モジュールの分割に基づいて、各モジュールの故障特徴フラグの間の相互影響の関係、すなわちルールベースを作成する。診断推論の効率を更に向上させるために、ルールベースの作成は、各モジュールのルールが分離され、モジュール内部のルールが階層化して作成され、最上位モジュールの間のルールが連携するという方法を用いる。新たに追加されたオンライン修復ルールベースは故障の根本原因のオンライン修復を実現する。
【0022】
(3)診断推論:ルールによる診断推論及び機械学習による診断推論を含む。ルールによる推論は、順方向又は逆方向の推論アルゴリズムを用い、診断システムの故障特徴、モジュールレベルのルールベース及びモジュール内部のルールベースに基づいて故障の根本原因を推論し、機械学習による推論は、決定木等の複雑性の低い学習アルゴリズムを用いて、明確なルールのない複雑な故障サンプルに対してルールトレーニングを行い、且つ故障の根本原因が知られているサンプルライブラリを利用してルールの自己検出を完了し、ルールベース内に新たなルールを追加することである。
【0023】
(4)故障の修復:故障の根本原因及びオンライン修復ルールベースに基づいて、現在の故障の根本原因をオンラインで修復できるか否かを判断し、サポートすると、故障をオンラインで修復する。
【0024】
(5)ヒューマンマシンインタラクション及びインタープリター:故障特徴セット、故障の根本原因、推論過程を必要に応じて解釈し、マンマシンインタフェースを介してユーザーインターフェースにグラフィカルに表示し、エンジニアと便利に相互作用できるとともに、ユーザーエクスペリエンスを向上させる。
【0025】
本願の故障の修復方法の具体的なプロセスは図3に示されており、下記のステップ301~ステップ304を含んでもよい。
【0026】
ステップ301では、故障の故障特徴を取得する。
【0027】
具体的に、基地局は基地局装置の各モジュールの故障特徴フラグを抽出し、ここでは、故障特徴は機能類及び性能類に分類され、機能類故障特徴は基地局装置の各モジュールのキーノードフラグを用い、性能類故障特徴は各モジュールの反復データのブラインド識別を用いて計算され、機能故障特徴は、各機器機能モジュールのハードウェア状態を特徴付けることに用いられ、性能故障特徴は、各前記機器機能モジュールの信号処理性能を特徴付けることに用いられ、機能類故障特徴は、各機器機能モジュールによって診断システムにリアルタイムに報告されてもよく、ここでは、性能故障特徴は、基地局の1つの検出モジュールによって各前記機器機能モジュールの信号処理性能パラメータに基づいて取得されてもよい。
【0028】
一例では、基地局はまず故障特徴を抽出し、次に、故障特徴セットを生成し、すなわち、診断システムで故障特徴を取得するステップは、各モジュールを介して基本特徴をアップロードし、診断システムは基本特徴を更に抽出し、最終的に診断システムが利用可能な故障特徴を得ることを含んでもよい。
【0029】
一例では、基地局は、基地局が機器機能モジュールの送受信信号を取得し、基地局が前記送受信信号の構成パラメータを識別し、基地局が前記構成パラメータに基づいて、前記機器機能モジュールの性能指標を計算し、基地局が前記性能指標に基づいて前記性能故障特徴を得ることによって、性能故障特徴を取得する。
【0030】
一例では、基地局は、ACPR(Adjacent Channel Power Ratio、隣接チャネル電力比)指標を計算することにより、性能故障特徴を抽出する。ACPRブラインド識別の方法は図4に示されており、具体的なプロセスは以下の通りである。
【0031】
まず、ACPR計算モジュールは、まず分析対象の信号の構成パラメータ(キャリア数、周波数点及び帯域幅等)をブラインド識別する必要があり、すなわち、ブラインド識別方法は以下の通りである。分析対象の信号を収集し、分析対象の信号データにウィンドウを追加し、次にPSD(Power Spectral Density、パワースペクトル密度)でパワースペクトルを計算し、パワー閾値を設定することにより、分析対象の信号のキャリア数、帯域幅の大きさ、キャリア周波数点等の情報を判断する。
【0032】
ここでは、マルチキャリアの不等パワー信号のブラインド識別の正しさを向上させるために、分析対象の信号は、時間遅延調整後の順方向信号及びフィードバック信号であり、順方向信号は、基地局装置内の送信チャンネルDPD(digitalpre-distortion、デジタルプレディストーション)モジュールの前の非線形歪みのない信号であり、信号の構成パラメータのブラインド識別に用いられ、フィードバック信号は、電力増幅器の出力から結合された電力増幅器の非線形歪みを含む信号であり、ACPR指標を計算し、単一チャンネルの非線形の程度を判断することに用いられ、順方向信号及びフィードバック信号の時間遅延調整の後に、順方向信号によって識別された信号の構成パラメータはフィードバック信号に提供されてACPR計算に使用されてもよい。
【0033】
また、ACPRブラインド識別の計算は、基地局装置のDPDモジュール等の反復過程で実現でき、単独でサンプルを収集し、時間遅延調整を行う等のステップが不要であり、基地局装置の正常の動作プロセスに影響を与えることなく、ACPR性能指標を報告することができる。
【0034】
一例では、基地局装置の性能指標はEVM指標、チャンネル間の振幅差等であってもよく、上記指標を基地局装置の性能レベルを判断するための指標として使用してもよい。
【0035】
本実施例では、機能類故障特徴をリアルタイムに報告し、性能類故障特徴をブラインド識別する方法を利用することにより、一方では、外部の計器等の制限から離脱し、故障特徴のオンラインのリアルタイムな抽出を実現でき、他方では、機器の多数の故障データを故障特徴に予めに変換し、診断システムと診断対象機器との間は、故障特徴を用いて伝送し、診断システムの入力データ量を削減することができる。故障特徴の抽出に対して、外部制限から離脱し、データの伝送量を削減することは、基地局装置の故障のオンラインのインテリジェントな診断を実現するための重要な前提である。
【0036】
ステップ302では、基地局は、前記故障特徴に対応する故障原因があるか否かを判断する。
【0037】
具体的に、基地局は故障が所在する機器機能モジュールを判断し、予め設定された診断ルールベース内の機器機能モジュールに対応する診断ルールに従って、故障特徴に対応する故障原因を取得し、ここでは、診断ルールは故障特徴と故障原因との対応関係である。
【0038】
一例では、本願の実施例の故障原因は、ルールによる診断推論を行うことで得ることができるため、ルールベースを作成する必要があり、ルールベースは、「各モジュールのルールが分離され、モジュール内部のルールの階層が明瞭にされる」という要旨で作成され、最上位モジュールレベルのルールによって各モジュールの間の関係を作成する。具体的なモジュールの分割及び相互な関係は基地局装置の動作原理に基づいて作成される。故障の診断推論の過程で、まずモジュールレベルのルールベースを利用して故障の根本原因が存在するモジュールを特定し、次に、故障モジュールの内部に対して診断推論を行い、これにより、無関係なモジュールルールが故障の推論に参加するのを回避し、診断効率を向上させることができる。ルールベースの構造概略図は図5に示されている。
【0039】
また、同じプラットフォームの基地局装置のルールベースを共有することができ、異なるプラットフォームの各基地局装置にいくつかの差異が存在すると、動作原理に基づいて、モジュール及びモジュール内の対応するルールを変更するだけでよい。
【0040】
一例では、ルールベース内に故障特徴に対応するルールがあると、基地局は、故障特徴に対応する故障原因があると見なされ、ステップ303を実行し、ルールベース内に故障特徴に対応するルールがないと、基地局は故障特徴に対応する故障原因がないと見なされ、基地局は機械学習による診断推論を開始し、一般化された故障の根本原因を推論して、故障特徴セット及び診断結果をエンジニアに報告して判断し、エンジニアは、診断システムによって収集された情報に基づいて、新たな診断結果を発して診断システムに記憶し、修復命令を形成する。エンジニアが故障を正常に修復した後、診断システムは、新たな故障特徴セット及び診断パラメータを、最終的に、故障の根本原因が知られている故障サンプルを用いて新たなルール及び診断パラメータに対して自己検出を行い、自己検出に合格すると、新たなルールをルールベースに追加し、機械学習の診断パラメータを更新し、自己検出が失敗すると、機械学習パラメータを最適化して再トレーニングする。ここでは、故障の根本原因及び過程の解釈は、マンマシンインタフェースを介してユーザーインターフェースに伝達して表示される。ここでは、ルールベースを更新した後自己検出を行うことで、ルールの修復の正しさを確保できる。
【0041】
一例では、機械学習アルゴリズムは、複雑性が低く、解釈可能性が高い決定木アルゴリズムを選択する(実際の応用では、決定木アルゴリズムに限定されず、ベクトルマシンアルゴリズム等の、複雑性が低く、解釈可能性が高い他の機械学習アルゴリズムを選択してもよい)。
【0042】
決定木は、機械学習理論に基づいたインテリジェントな方法の1つであり、決定ノード、枝及びリーフノードを含む。本質的には、一層ずつif/else問題から学習し、結論を得ることである。決定木の枝は故障ルールに相当し、ルートノードからリーフノードに沿った属性及びその値はルール条件に相当し、リーフノードはルール結論である。決定木の複雑性が低く、自己学習及び一定の一般化された推論能力を有する。
【0043】
例えば、決定木C4.5アルゴリズムは情報利得率を選択基準として用い、C4.5で決定木を構築するための具体的なステップは以下の通りである。
【0044】
(1)取得された故障特徴セットについて、各特徴の情報利得及び情報利得率を計算し、情報利得率が最大の特徴を現在の故障特徴ノードとして選択し、決定木のルートノードを得る。
【0045】
(2)ノード属性のそれぞれの可能な値に基づき、サブセットに対応して、サンプルサブセットを再帰的に操作し、各サブセット内のデータが分類属性で同じ値を有するまでステップ(1)の過程を実行し、それにより決定木を生成する。
【0046】
(3)構築された決定木に基づいて故障ルールを抽出し、新たな故障特徴セットに対して診断及び自己検出を行う。診断システムは、既存のルールベース又は根本原因が知られている予め記憶された故障サンプルセットに基づいて自己検出を行う。
【0047】
(4)正しさを確保する前提下で、生成された決定木に対して適切な枝刈り処理を行い、決定木構造を簡素化する。
【0048】
【0049】
【0050】
ステップ303では、対応する故障原因が存在する場合に、基地局は故障原因に対応する修復ルールがあるか否かを判断する。
【0051】
一例では、基地局が故障原因に対応する修復ルールが存在するか否かを判断する前に、基地局はルールによる診断推論を行って故障の根本原因を決定し、ここでは、ルールによる診断推論で使用される推論アルゴリズムは、従来の順方向推論アルゴリズムを用い、基地局装置は、故障特徴セットをルールベースにマッチングし、マッチング対象のルールベース内のすべてのルールがマッチングしたまで、マッチングに成功したルールを保持し、最終的に保持されたルールは故障の根本原因を診断することができる。
【0052】
具体的に、基地局はルールによる診断推論を行って故障の根本原因を特定した後、オンライン修復ルールベースに基づいて故障の根本原因をオンラインで修復できるか否かを決定し、すなわち前記故障原因に対応する修復ルールがあるか否かを判断する。
【0053】
ステップ304では、対応する修復ルールが存在する場合に、基地局は修復ルールに従って、故障を修復し、すなわちステップ304-1を実行し、対応する修復ルールが存在しない場合に、基地局は故障原因を報告し、修復命令を取得した後、修復命令に従って、故障を修復し、且つ修復ルールベースを更新し、すなわちステップ304-2を実行する。
【0054】
一例では、故障原因に対応する修復ルールがないと、故障の根本原因をマンマシンインタフェースに報告し、ユーザーインターフェースによってエンジニアに指示し、エンジニアは、故障の根本原因に基づき修復し、修復に成功した後、該故障の根本原因の修復ルールをオンライン修復ルールベースに更新する。
【0055】
本願の実施例はヒューマンマシンインタラクションインタフェースを用い、RRU又はAAUの全体的な故障状況をインターフェースに表示し、基地局装置の各モジュールの故障又は潜在的な故障を明らかにする。ユーザーエクスペリエンスを大幅に向上させることができる。
【0056】
本願の実施例は、主に故障診断と人工知能の技術を組み合わせることで、基地局装置のインテリジェントな故障診断方法を提案し、外部環境と計器等の制限から離脱し、基地局装置の故障のオンライン診断、予測及び修復等の機能を実現することができ、且つオンライン自己学習及び自己検出の機能を有し、基地局装置の運用とメンテナンスのインテリジェントレベルを大幅に高め、基地局装置のインテリジェントな故障診断の適用範囲を大幅に広げることができる。本願の実施例は、基地局装置の故障のオンラインのインテリジェントな診断及び修復を実現できると同時に、オンライン自己学習及び自修復等の機能を有するため、ネットワーク環境等に対する要件が低い。
【0057】
本願の実施例における故障の修復方法の過程をより明瞭にするために、本実施例は、故障の修復方法をさらに提供し、図6に示すように、具体的なステップは以下の通りである。
【0058】
ステップ601では、基地局は故障の故障特徴を取得する。
【0059】
ステップ602では、基地局は前記故障特徴に対応する故障原因があるか否かを判断する。
【0060】
一例では、ルールベース内に故障特徴に対応するルールがないと、故障特徴に対応する故障原因がないと見なされ、ステップ604~608の対応する操作を実行し、ルールベース内に障特徴に対応するルールがあると、故障特徴に対応する故障原因があると見なされ、ステップ603及び以降のステップを実行する。
【0061】
ステップ604では、機械学習による診断推論を行って一般化された故障の根本原因を提供し、故障特徴セット及び故障の根本原因を報告する。
【0062】
具体的に、ルールベース内に故障特徴に対応するルールがないと、基地局は故障特徴に対応する故障原因がないと見なされ、基地局は機械学習による診断推論を開始し、一般化された故障の根本原因を推論し、且つ故障特徴セット及び診断結果をエンジニアに報告して判断する。
【0063】
ステップ605では、エンジニアは故障を診断して修復し、修復命令を基地局に送信し、基地局は修復命令を取得した後、修復命令に従って、故障を修復し、且つ修復ルールベースを更新する。
【0064】
具体的に、基地局は機械学習により修復ルールを新たに追加することができ、修復命令を取得した後、修復命令を機械学習トレーニングの新たなサンプルとして、新たなルール及び診断パラメータを生成し、修復ルールベースを更新する。ここでは、機械学習による推論は、決定木等の複雑性の低い学習アルゴリズムを用いて、明確なルールのない複雑な故障サンプルに対してルールトレーニングを行い、且つ故障の根本原因が知られているサンプルライブラリを利用してルールの自己検出を完了し、ルールベース内に新たなルールを追加することである。
【0065】
一例では、エンジニアは、診断システムによって収集された情報に基づいて、新たな診断結果を発して診断システムに記憶し、修復命令を形成する。エンジニアが故障を正常に修復した後、診断システムは、新たな故障特徴セット及び診断結果を機械学習トレーニングサンプルに追加し、機械学習トレーニングによって新たな故障ルール及び診断パラメータを生成する。
【0066】
ステップ606では、新たなルールベース及び診断パラメータの正しさの自己検出を行う。
【0067】
一例では、機械学習トレーニングによって新たな故障ルール及び診断パラメータを生成した後、基地局は、故障の根本原因が知られている故障サンプルを用いて新たなルール及び診断パラメータに対して自己検出を行い、自己検出に合格すると、ステップ607を行い、すなわち新たなルールをルールベースに追加し、且つ機械学習診断パラメータを更新し、自己検出に合格しないと、ステップ608を行い、すなわち機械学習パラメータを最適化して再トレーニングする。ここでは、機械学習による推論は、決定木等の複雑性の低い学習アルゴリズムを用いて、明確なルールのない複雑な故障サンプルに対してルールトレーニングを行い、且つ故障の根本原因が知られているサンプルライブラリを利用してルールの自己検出を完了し、ルールベース内に新たなルールを追加することである。
【0068】
ステップ603では、ルールによる診断推論を行って故障の根本原因を決定し、ここでは、ルールによる診断推論で使用される推論アルゴリズムは、従来の順方向推論アルゴリズムを用い、基地局装置は、故障特徴セットをルールベースにマッチングし、マッチング対象のルールベース内のすべてのルールがマッチングしたまで、マッチングに成功したルールを保持し、最終的に保持されたルールは故障の根本原因を診断することができる。
【0069】
ステップ609では、前記故障原因に対応する修復ルールがあるか否かを判断する。
【0070】
一例では、基地局は、ステップ603で決定された故障の根本原因に基づいて、前記故障原因に対応する修復ルールがあるか否かを判断し、故障原因に対応する修復ルールがないと判定すると、上記ステップ605~608の対応する操作を実行し、具体的に、対応する修復ルールがないと、故障の根本原因をマンマシンインタフェースに報告し、ユーザーインターフェースによってエンジニアに指示し、エンジニアは、故障の根本原因に基づき修復し、修復に成功した後、該故障の根本原因の修復ルールをオンライン修復ルールベースに更新し、前記故障原因に対応する修復ルールがあると判定すると、ステップ610及び以降のステップを実行する。
【0071】
ステップ610では、前記修復ルールに従って、前記故障を修復する。
【0072】
具体的に、基地局は、オンライン修復ルールベースと組み合わせて故障の根本原因を修復できると判断した後、故障の修復命令を発して故障を修復する。
【0073】
ステップ611では、故障の修復に成功したか否かを判断する。
【0074】
ここでは、故障が修復されたと、ステップ612を行い、故障の修復に成功しないと、ステップ601を再実行する。
【0075】
ステップ612では、診断又は修復結果を解釈して説明し、ここでは、解釈説明はマンマシンインタフェースによってユーザーインターフェースに伝達して表示される。
【0076】
一例では、上記ステップ607の後、すなわちルールベース及び診断パラメータを更新した後、同様に、診断結果を解釈して説明する必要がある。
【0077】
また、本願は基地局装置の故障のインテリジェントなオンライン診断に限定されず、例えば、
【0078】
(1)無線周波数アルゴリズムの故障診断分野。例えば、CFRモジュール、DPDモジュール等の無線周波数アルゴリズムの故障診断分野。本特許出願を利用して、CFR、DPD等のモジュールに適切な機能及び性能類特徴フラグを追加し、動作原理に従って対応するルールベースを作成するだけで、無線周波数アルゴリズムの故障のオンラインのインテリジェントな診断を実現することができる。
【0079】
(2)ベースバンド処理の故障診断分野。例えば BBU(Building Base band Unit、室内ベースバンド処理ユニット)システム等の各モジュールのインテリジェントな故障診断。本特許出願を利用して、対応するモジュールに適切な機能及び性能特徴フラグを追加し、動作原理に従って対応するルールベースを作成するだけで、ベースバンド処理の故障のオンラインのインテリジェントな診断を実現することができる。
【0080】
(3)ハードウェア機器故障の診断分野。例えば、送受信ユニット及び無線周波数等のモジュール。本特許出願を利用して、対応するモジュールに適切な機能及び性能特徴フラグを追加し、動作原理に従って対応するルールベースを作成するだけで、ハードウェア機器の故障処理の事前のインテリジェントな診断を実現することができる。
【0081】
本願の実施例は、主に故障診断と人工知能の技術を組み合わせることで、基地局装置のインテリジェントな故障診断方法を提案し、外部環境と計器等の制限から離脱し、基地局装置の故障のオンライン診断、予測及び修復等の機能を実現することができ、且つオンライン自己学習及び自己検出の機能を有し、基地局装置の運用とメンテナンスのインテリジェントレベルを大幅に高め、基地局装置のインテリジェントな故障診断の適用範囲を大幅に広げることができる。
【0082】
上記の様々な方法のステップは、説明を明確にするためのみに分割されており、実現する際に、1つのステップに合併したり、いくつかのステップを複数のステップに分割したりすることができ、同じ論理関係を含む限り、本特許の保護範囲内に属し、アルゴリズムやプロセスのコアとなる設計を変更せずに、アルゴリズムやプロセスに重要でない修正を追加したり、重要でない設計を導入したりすることは、該特許の保護範囲内に属する。
【0083】
本願の実施例は、故障の修復装置をさらに提供し、図7に示すように、特徴モジュール701、診断モジュール702、及び修復モジュール703を含む。
【0084】
具体的に、特徴モジュール701は、故障の故障特徴を取得することに用いられ、診断モジュール702は、前記故障特徴に基づき、前記故障の故障原因を取得することに用いられ、修復モジュール703は、修復ルールベース内に前記故障原因に対応する修復ルールが存在するか否かを検索し、存在すると、前記修復ルールに従って、前記故障を修復し、存在しないと、前記故障原因を報告し、修復命令を取得した後、前記修復命令に従って、前記故障を修復し、且つ前記修復ルールベースを更新することに用いられる。
【0085】
一例では、故障特徴は機能類及び性能類に分けられ、機能故障特徴は、各機器機能モジュールのハードウェア状態を特徴付けることに用いられ、性能故障特徴は、各前記機器機能モジュールの信号処理性能を特徴付けることに用いられ、ここでは、機能類故障特徴はリアルタイムに報告され、性能故障特徴は、各前記機器機能モジュールの信号処理性能パラメータに基づいて取得される。
【0086】
一例では、特徴モジュール701は、基地局が機器機能モジュールの送受信信号を取得し、基地局が前記送受信信号の構成パラメータを識別し、基地局が前記構成パラメータに基づいて、前記機器機能モジュールの性能指標を計算し、基地局が前記性能指標に基づいて前記性能故障特徴を得ることによって、性能故障特徴を取得する。
【0087】
具体的に、診断モジュール702は、故障が所在する機器機能モジュールを判断し、予め設定された診断ルールベース内の機器機能モジュールに対応する診断ルールに従って、故障特徴に対応する故障原因を取得し、ここでは、診断ルールは故障特徴と故障原因との対応関係である。
【0088】
また、対応する故障原因が存在しない場合に、既存の故障特徴と故障原因との対応関係に基づいて、自己学習推論により前記故障原因を得て、前記自己学習は、決定木アルゴリズム又はサポートベクターマシンアルゴリズムを選択し、複雑性が低く、解釈可能性が高い他の機械学習アルゴリズムを選択してもよい。
【0089】
一例では、故障の故障原因を取得した後、ルールによる診断推論を行って故障の根本原因を特定し、故障の根本原因を特定した後、オンライン修復ルールベースに基づいて故障の根本原因をオンラインで修復できるか否かを決定し、修復ルールが存在すると、故障の修復命令を発し、最終的に、故障が正常に修復されたか否かを検出し、且つ新たな検出診断を行う。修復ルールが存在しないと、故障の根本原因をマンマシンインタフェースに報告し、ユーザーインターフェースによってエンジニアに指示し、エンジニアは、故障の根本原因に基づき修復して、修復命令をアップロードし、診断システムは、修復命令に従って自己学習により新たな修復ルールを生成し、故障、故障原因及び新たな修復ルールに基づいて、新たな修復ルールの正しさを検出し、新たな修復ルールが正しいと検出すると、該故障の根本原因の修復ルールをオンライン修復ルールベースに更新し、新たな修復ルールが正しくないと検出すると、自己学習アルゴリズムのパラメータを調整し、新たな修復ルールを再生成し、且つ再生成された新たな修復ルールの正しさを検出する。
【0090】
本実施例に係る故障の修復装置は、基地局装置の故障のオンラインのインテリジェントな診断及び修復、複雑な故障のオンライン自己学習及び自己検出等の機能を実現することができ、外部コンピュータ及び計器等の制限から離脱し、実験室、生産製造、フィールド等のシーンに広く適用されており、基地局装置の運用とメンテナンスのインテリジェントレベル及びユーザーエクスペリエンスを大幅に向上させる。
【0091】
明らかに、本実施例は上記故障の修復方法実施例に対応する装置実施例であり、本実施例は上記故障の修復方法実施例と組み合わせて実施することができる。上記故障の修復方法実施例に言及された関連する技術的詳細及び技術的効果は本実施例においても有効であり、重複を減らすために、ここで重複説明を省略する。これに対応して、本実施例で言及された関連する技術的詳細は上記実施例にも適用され得る。
【0092】
なお、本実施例に係る各モジュールはいずれも論理モジュールであり、実際の応用では、1つの論理ユニットは1つの物理ユニットであってもよく、1つの物理ユニットの一部であってもよく、複数の物理ユニットの組み合わせによって実現されてもよい。また、本願の革新的な部分を強調するために、本実施例において本願に言及された技術的問題の解決にあまり密接に関連しないユニットを導入していないが、これは、本実施例にほかのユニットがあることを示すわけではない。
【0093】
本願の別の実施例は、電子機器に関し、図8に示すように、少なくとも1つのプロセッサ801と、前記少なくとも1つのプロセッサ801と通信接続されるメモリ802と、を含み、ここでは、前記メモリ802には前記少なくとも1つのプロセッサ801に実行可能な命令が記憶されており、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサ801によって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサは上記故障の修復方法を実行することができる。
【0094】
ここでは、メモリとプロセッサはバスによって接続され、バスは相互接続される任意数のバス及びブリッジを含んでもよく、バスは1つ又は複数のプロセッサとメモリの様々な回路を接続する。バスは、例えば、ペリフェラル機器、電圧レギュレータ及び電力管理回路などの様々なほかの回路を接続することもでき、これらは本分野において周知であり、従って、本明細書ではこれ以上説明しない。バスインターフェースはバスと送受信機との間でインターフェースを提供する。送受信機は1つの素子であってもよく、例えば複数の受信機及び送信機などの複数の素子であってもよく、伝送媒体上で様々なほかの装置と通信するためのユニットを提供する。プロセッサによって処理されたデータはアンテナを介して無線媒体で伝送され、さらに、アンテナはさらにデータを受信し、データをプロセッサに伝送する。
【0095】
プロセッサは、バス及び通常の処理の管理を担当し、タイミング、ペリフェラルインターフェース、電圧調整、電源管理及びほかの制御機能を含む様々な機能を提供することもできる。メモリはプロセッサが操作を実行する時に使用するデータを記憶することに使用できる。
【0096】
上記製品は本願の実施例に係る方法を実行することができ、実行方法に対応する機能モジュールと有益な効果を有し、本実施例に詳しく説明されない技術的詳細は、本願の実施例に係る方法を参照することができる。
【0097】
本願の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、上記方法実施例を実現する。
【0098】
当業者が理解できるように、上記実施例の方法を実現する全部又は一部のステップはプログラムが関連ハードウェアに命令を出すことによって完了するでき、該プログラムは1つの記憶媒体に記憶され、1つの機器(シングルチップマイクロコンピュータ、チップなど)又はプロセッサ(processor)に本願の各実施例に記載の方法の全部又は一部のステップを実行させるための複数の命令を含む。前述した記憶媒体は、USBメモリ、モバイルハードディスク、読み取り専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク又は光ディスクなどプログラムコードを記憶できる様々な媒体を含む。
【0099】
上記実施例は、当業者が本願を実現及び使用することに提供されるものであり、当業者は本願の発明思想を逸脱することなく、上記実施例に対して種々の修正又は変更を行うことができ、したがって本願の保護範囲は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に言及された新規性特徴の最大範囲に合致すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
故障の修復方法であって、
故障の故障特徴を取得するステップと、
前記故障特徴に対応する故障原因があるか否かを判断するステップと、
対応する故障原因が存在する場合に、前記故障原因に対応する修復ルールがあるか否かを判断するステップと、
対応する修復ルールが存在する場合に、前記修復ルールに従って、前記故障を修復するステップと、
対応する修復ルールが存在しない場合に、前記故障原因を報告し、修復命令を取得した後、前記修復命令に従って、前記故障を修復し、且つ前記修復ルールベースを更新するステップとを含む、故障の修復方法。
【請求項2】
前記故障特徴に対応する故障原因があるか否かを判断する前記ステップは、
前記故障が所在する機器機能モジュールを取得するステップと、
予め設定された診断ルールベース内の前記機器機能モジュールに対応する診断ルールに従って、前記故障特徴に対応する故障原因を取得するステップとを含み、
前記診断ルールは故障特徴と故障原因との対応関係である、請求項1に記載の故障の修復方法。
【請求項3】
対応する故障原因が存在しない場合に、既存の故障特徴と故障原因との対応関係に基づいて、自己学習推論により前記故障原因を得るステップをさらに含む、請求項1又は2に記載の故障の修復方法。
【請求項4】
前記自己学習は、決定木アルゴリズム又はサポートベクターマシンアルゴリズムで実現される、請求項3に記載の故障の修復方法。
【請求項5】
前記故障特徴は、機能故障特徴、及び/又は、性能故障特徴を含み、
前記機能故障特徴は、各機器機能モジュールのハードウェア状態を特徴付けることに用いられ、
前記性能故障特徴は、各前記機器機能モジュールの信号処理性能を特徴付けることに用いられ、
前記機能故障特徴は、各前記機器機能モジュールの報告によって取得され、
前記性能故障特徴は、各前記機器機能モジュールの信号処理性能パラメータに基づいて取得される、請求項に記載の故障の修復方法。
【請求項6】
前記性能故障特徴は、
前記機器機能モジュールの送受信信号を取得し、
前記送受信信号の構成パラメータを識別し、
前記構成パラメータに基づいて、前記機器機能モジュールの性能指標を計算し、
前記性能指標に基づいて前記性能故障特徴を得ることによって取得される、請求項5に記載の故障の修復方法。
【請求項7】
前記修復ルールベースを更新する前記ステップは、
前記修復命令に従って、自己学習により新たな修復ルールを生成するステップと、
前記故障、前記故障原因及び前記新たな修復ルールに従って、前記新たな修復ルールの正しさを検出するステップと、
前記新たな修復ルールが正しいと、前記新たな修復ルールで前記修復ルールベースを更新するステップと、
前記新たな修復ルールが正しくないと、自己学習アルゴリズムのパラメータを調整し、新たな修復ルールを再生成し、且つ前記再生成された新たな修復ルールの正しさを検出するステップとを含む、請求項に記載の故障の修復方法。
【請求項8】
故障の修復装置であって、
故障の故障特徴を取得するための特徴モジュールと、
前記故障特徴に基づき、前記故障の故障原因を取得するための診断モジュールと、
修復ルールベース内に前記故障原因に対応する修復ルールが存在するか否かを検索し、
存在すると、前記修復ルールに従って、前記故障を修復し、
存在しないと、前記故障原因を報告し、修復命令を取得した後、前記修復命令に従って、前記故障を修復し、且つ前記修復ルールベースを更新するための修復モジュールとを含む、故障の修復装置。
【請求項9】
電子機器であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信接続されるメモリと、を含み、
前記メモリには前記少なくとも1つのプロセッサに実行可能な命令が記憶されており、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサは請求項1~7のいずれか1項に記載の故障の修復方法を実行することができる電子機器。
【請求項10】
コンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~7のいずれか1項に記載の故障の修復方法を実現するコンピュータ可読記憶媒体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
一例では、ルールベース内に故障特徴に対応するルールがあると、基地局は、故障特徴に対応する故障原因があると見なされ、ステップ303を実行し、ルールベース内に故障特徴に対応するルールがないと、基地局は故障特徴に対応する故障原因がないと見なされ、基地局は機械学習による診断推論を開始し、一般化された故障の根本原因を推論して、故障特徴セット及び診断結果をエンジニアに報告して判断し、エンジニアは、診断システムによって収集された情報に基づいて、新たな診断結果を発して診断システムに記憶し、修復命令を形成する。エンジニアが故障を正常に修復した後、診断システムは、新たな故障特徴セット及び診断パラメータを追加し、最終的に、故障の根本原因が知られている故障サンプルを用いて新たなルール及び診断パラメータに対して自己検出を行い、自己検出に合格すると、新たなルールをルールベースに追加し、機械学習の診断パラメータを更新し、自己検出が失敗すると、機械学習パラメータを最適化して再トレーニングする。ここでは、故障の根本原因及び過程の解釈は、マンマシンインタフェースを介してユーザーインターフェースに伝達して表示される。ここでは、ルールベースを更新した後自己検出を行うことで、ルールの修復の正しさを確保できる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
(3)ハードウェア機器故障の診断分野。例えば、送受信ユニット及び無線周波数等のモジュール。本特許出願を利用して、対応するモジュールに適切な機能及び性能特徴フラグを追加し、動作原理に従って対応するルールベースを作成するだけで、ハードウェア機器の故障処理のオンラインのインテリジェントな診断を実現することができる。
【国際調査報告】