(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】空気を濾過するためのフィルタ要素、及びエアフィルタ
(51)【国際特許分類】
B01D 46/52 20060101AFI20240920BHJP
F24F 8/108 20210101ALI20240920BHJP
【FI】
B01D46/52 A
F24F8/108 210
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521154
(86)(22)【出願日】2022-08-29
(85)【翻訳文提出日】2024-04-08
(86)【国際出願番号】 EP2022073957
(87)【国際公開番号】W WO2023061652
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】102021126246.1
(32)【優先日】2021-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505229863
【氏名又は名称】マン ウント フンメル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー、ティロ
(72)【発明者】
【氏名】メイスナル、ピーター
【テーマコード(参考)】
4D058
【Fターム(参考)】
4D058JA14
4D058KA01
4D058KA23
4D058KA27
4D058KB06
4D058KC62
4D058KC64
4D058KC66
4D058KC81
(57)【要約】
本発明は、a)折り畳まれた濾材(36)を含むフィルタ本体(26)と、b)繊維状材料からなる第1のサイドストリップ(38a)であって、濾材(36)の折り端(44a、44b)に対して交差する方向に延びる端面でフィルタ本体(26)をシールするシール部(40a)、及び、シール部(40a)から突出し、好ましくは折り端(44a)の方向に延びる第1のタブ(54a)を含む第1のサイドストリップ(38a)と、c)第1のタブ(54a)の周りに係合する周方向のシール(24)と、を備えるフィルタ要素(12a、12b、12c)に関する。本発明は、フィルタ要素(12a、12b、12c)と、フィルタポット及びフィルタカバーを含むフィルタハウジングと、を備え、シール(24)は、フィルタポットとフィルタカバーとの間にクランプすることで保持されるエアフィルタに更に関する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を濾過するためのフィルタ要素(12a、12b、12c)であって、
a)折り畳まれた濾材(36)を含むフィルタ本体(26)と、
b)繊維状材料からなる第1のサイドストリップ(38a)であって、
前記濾材(36)の折り端(44a、44b)に対して交差する方向に延びる第1の端面(42a)で前記フィルタ本体(26)をシールするシール部(40a)、及び
前記シール部(40a)から突出し、好ましくは前記折り端(44a)の方向に延びる第1のタブ(54a)を含む第1のサイドストリップ(38a)と、
c)前記第1のタブ(54a)の周りに係合する周方向のシール(24)と、を備えるフィルタ要素。
【請求項2】
前記第1のタブ(54a)は、前記シール部(40a)の端部に配置される請求項1に記載のフィルタ要素。
【請求項3】
前記シール部(40a)は、前記第1のタブ(54a)の両側に延在する請求項1に記載のフィルタ要素。
【請求項4】
前記 第1のタブ(54a)は、単層として構成される請求項1~3のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項5】
前記第1のタブ(54a)は、多層、特に二層で 構成される請求項1~4のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項6】
前記 第1のタブ(54a)の2つの層(64a、64b)は、互いに接着される請求項5に記載のフィルタ要素。
【請求項7】
前記第1のタブ(54a)は、前記第1のサイドストリップ(38a)の前記シール部(40a)に接着される請求項1~6のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項8】
前記第1のサイドストリップ(38a)の前記第1のタブ(54a)及び前記シール部(40a)は、一体に構成される請求項1~6のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項9】
前記 第1のサイドストリップ(38a)は、不織布材料又は厚紙で構成される請求項1~8のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項10】
前記第1のタブ(54a)は、前記シール(24)が通る貫通口(58a)を有する請求項1~9のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項11】
前記シール(24)は、発泡材料、特にポリウレタンフォームで構成される請求項1~10のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項12】
第2のタブを含む第2のサイドストリップ(38b)を備え、
前記第2のサイドストリップ(38b)は、前記折り端(44a、44b)に対して交差する方向に延びる第2の端面(42b)において前記フィルタ本体(26)をシールする請求項1~11のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項13】
前記第1のサイドストリップ(38a)と前記第2のサイドストリップ(38b)との間において、前記フィルタ本体(26)に第3及び第4のタブ(54b)が配置され、前記第1、第2、第3及び第4のタブ(54a、54b)は、対をなして互いに隣接し、前記フィルタ本体(26)を囲む請求項12に記載のフィルタ要素。
【請求項14】
少なくとも前記第1のタブ(54a)に補強要素が配置され、前記補強要素は、好ましくは周方向プラスチックリングとして構成される請求項1~13のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項15】
前記シール部(40a、40b)に対して垂直に前記シール部(40a、40b)の側端(46c、46d)に沿って延びる端面(48a、48b)に、少なくとも1つのヘッドストリップ(39a)を備える請求項1~14のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載のフィルタ要素(12a、12b、12c)と、
フィルタポット(20)及びフィルタカバー(16)を含むフィルタハウジング(14)と、を備え、
前記シール(24)は、前記フィルタポット(20)と前記フィルタカバー(16)との間にクランプすることで保持されるエアフィルタ(10)。
【請求項17】
請求項1~15のいずれか一項に記載のフィルタ要素(12a、12b、12c)と、
空気流(78)が流通可能な流路(70)と、を備え、
前記フィルタ要素(12a、12b、12c)は、前記流路(72)を通る前記空気流(78)の方向に対して垂直に延在し、好ましくはプロファイルフレーム(72)における係合によって前記流路(70)内に保持される濾過装置(68)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ本体と折り畳まれた濾材とを備える、空気を濾過するためのフィルタ要素に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなフィルタ要素は、従来技術でよく知られている。
【0003】
独国特許出願公開第102009056511号明細書は、襞折りパックを有するフィルタ要素に関する。襞折りパックにはプラスチックフレームが成形されている。プラスチックフレームには発泡プラスチックシールが発泡成形されている。
【0004】
米国特許第5,795,361号明細書は、折り畳まれた濾材がプラスチックフレームの内部に配置されたエアフィルタ要素を開示している。濾材は、エアフィルタ要素が配置されたフィルタハウジングに対するシールに使用されるシール材によってプラスチックフレームに保持される。
【0005】
特に大型のエアフィルタ要素の場合、自重と堆積した粉塵の重量のため、フィルタハウジングに対する十分な剛性と安定性のある取り付けが必要である。同時に、フィルタ要素とフィルタハウジング又はハウジング部品との間の確実なシール作用も必要である。
【0006】
本発明の目的は、フィルタハウジングに安全に固定できる、安価に製造可能なフィルタ要素を提供することである。
【発明の概要】
【0007】
本目的は、請求項1に開示された特徴を有するフィルタ要素、請求項16のエアフィルタ、及び請求項17の濾過装置によって解決される。好ましい実施形態は、従属請求項及び明細書に開示される。
【0008】
本発明によるフィルタ要素は、
a)折り畳まれた濾材を含むフィルタ本体と、
b)繊維状材料からなる第1のサイドストリップであって、
濾材の折り端に対して交差する方向に延びる第1の端面でフィルタ本体をシールするシール部、及び
シール部から突出し、好ましくは折り端の方向に延びる第1のタブを含む第1のサイドストリップと、
c)第1のタブの周りに係合する周方向のシールと、を備える。
【0009】
第1のサイドストリップの繊維状材料は、比較的高い曲げ剛性と最小限の製造コストとによって有利に特徴付けられる。繊維状材料は、好ましくはセルロース又はプラスチック材料、例えばプラスチック繊維、特にPETやCoPETなどのポリエステルを含む。セルロース、特にセルロース繊維は、サイドストリップの高い曲げ剛性と引張強度を達成すると同時に、生分解性であるため高い環境適合性を達成することができる。プラスチック繊維も、高い引張強度と剛性を提供し、生態学的に有利であるように、少なくとも部分的に再生プラスチックで構成することができる。フィルタ要素の幾つかの構成では、繊維状材料がコーティングされていてもよい。繊維状材料の代わりとして、又は繊維状材料に加えて、第1のサイドストリップは、好ましくは様々な厚さのプラスチックフィルム、発泡材料、及び/又は厚紙を含んでもよい。
【0010】
特に、折り端の方向は、折り端に沿って延びる直線の方向として定義される。折り端は、好ましくは互いに平行に設けられる。第1のタブは、基本的に、フィルタ本体から離れる方向に設けられる。好ましくは、第1のタブは、フィルタベローズと反対側に位置するサイドストリップの側面でサイドストリップに固定される。好ましくは、折り端の向きは、第1のタブの向きと一致する。シールは、好ましくは、第1のタブの表面全体に配置される。タブが端部に配置されている場合、シールは、特にそれが固定されるフィルタ本体の折り部に係合する。シールは、未処理空気空間と清浄空気空間を分離することに加えて、フィルタ要素をフィルタハウジングに固定する目的も果たす。サイドストリップのシール部は、折り部の開口側でフィルタ要素をシールする機能を果たす。第1のサイドストリップの第1のタブは、シールをサイドストリップにより安定的に接合する効果を奏する。このより安定した接合は、一方では、タブによるシールの接合面の拡大により達成される。他方では、シールはタブによって機械的に強化される。タブは、例えば剥脱によるシールの剥離を防止する。これは、例えば、特に厚さ25mm及び20mmのシールを保持する、DIN EN15805に準拠する典型的なフレームを備えるフィルタユニットの構築時、フィルタ要素がそのシールにハウジング側の更なる支持なしに固定される場合に特に有利である。特に、シールの剛性及び残りのフィルタ要素の界面に対する引き剥がし力は、静荷重及び/又は動荷重が、部品の耐用年数にわたって、残りのフィルタ要素からのシールの著しい変形、漏れ、又は剥離を引き起こさないように設計する必要がある。
【0011】
好ましい実施形態では、フィルタ本体は、折り部の折り端に対して垂直方向に、互いに隣接するように配置された個々のベローズを組み合わせたプロファイルを有する。言い換えれば、フィルタ要素は、Vバンクフィルタ又はWバンクフィルタであり得、好ましくは複数のフィルタベローズを含む。個々のベローズは、特にV字形状又はW字形状に配置される。フィルタ本体の折り部は、好ましくは、これらのプロファイルの脚部に沿ってジグザグ状に延びる。特に、個々のベローズの端部に位置する折り部末端は、シールの接合面を提供するために、互いに隣接するように配置される。
【0012】
フィルタ本体は、好ましくはサイドストリップに接着される。
【0013】
ここで、周方向という用語は、特に、シールがフィルタ本体の周りを囲むことを意味する。フィルタ要素の端面は、特に、折り端の方向においてフィルタ要素を画定するフィルタ要素の側面に関連する。折り端という用語は、特に、折り部の曲げ端、及び/又は、折り部が湾曲状に構成される場合の折り部の頂点線を指す。シール部は、好ましくは、壁状の部品として構成される。
【0014】
第1のサイドストリップのシール部は、典型的には、フィルタ本体の長さ方向及び鉛直軸方向に延びる。長さ方向は、一般に、折り端の方向に対して交差する方向に延びる。特に、フィルタ本体のプロファイルは、フィルタ本体の長さ方向に延びる。フィルタ本体の鉛直軸方向は、折り端の方向に対して垂直且つフィルタ本体の長さ方向に対して垂直に延び得る。本発明を説明する際、「上」及び「下」という用語は、特に鉛直軸方向を指す。
【0015】
フィルタ要素の一実施形態では、第1のタブは、シール部の端部に配置される。これにより、サイドストリップの製造が簡素化される。さらに、本実施形態では、特にシール部の外側において、シールのための材料消費を削減することができる。本発明では、特に、シール部の上端部又は下端部の位置が端部と定義される。シール部の鉛直軸方向の上端部及び下端部は、互いに離間しており、フィルタ本体の長さ方向又は周方向に延びる。
【0016】
フィルタ要素の好ましい実施形態では、シール部は、第1のタブの両側に延在する。第1のタブは、鉛直軸方向において、シール部の上端部と下端部との間に配置される。このような構成では、フィルタ本体から離れる方向を向いているシール部の外面にもシールが延在するため、シールの接合面が拡大する。したがって、シールがより安定的に実施される。本実施形態では、好ましくは、フィルタ要素の縁部、特に上縁部から離れたフィルタ要素の高さに沿ってシールを配置することができるため、一方では、全体の高さを有利に抑えることができる。また、鉛直方向に設置されるフィルタ要素の重量配分が改善され、シールに作用するモーメントを最小にすることができる。「鉛直」という用語は、特に重力の方向に関する。鉛直方向に設置されるフィルタ要素は、特に、その流入面が鉛直方向に延びるように設けられる。また、このような水平方向に平行に延びるシールの接合は、立方体形状から逸脱した任意の形状、例えばくさび形状を有するフィルタ要素にも可能である。本実施形態は、特に大きく、重いフィルタ要素の場合に有利である。
【0017】
フィルタ要素の幾つかの実施形態では、第1のタブは、単層として構成される。本実施形態では、サイドストリップは、特に、互いに離れる方向に延びる2つの脚部を含むL字断面を有する。シール部とタブとがL字断面を形成するように、タブがシール部から突出していてもよい。これは特に、タブとシール部が一体に構成された実施形態に関連する。単層構成のタブでは、比較的材料を削減した方法で、特に接合面を拡大によりシールを強固に接合することができる。
【0018】
フィルタ要素の代替的な実施形態では、第1のタブは、多層、特に二層で構成される。これにより、タブは特に高い曲げ剛性を有する。タブの2つの層は、好ましくは、タブの曲げ部又は折り端によって互いに接続される。このような実施形態では、サイドストリップは特に断面がT字形状に設計される。このT字形状は、好ましくは、2つのL字形状が互いに当接するように組み合わされて形成される。一方のL字形状の一方の脚部は、他方のL字形状の一方の脚部に対して当接する。互いに接していないL字形状の脚部は、好ましくはシール部に沿って、特に鉛直軸方向に延びるか、又はシール部を形成する。
【0019】
上述の実施形態の更なる発展形として、第1のタブの2つの層は、互いに接着される。これにより、タブの層が互いに対してズレることが防止され、タブの安定性がさらに向上する。
【0020】
フィルタ要素の好ましい実施形態では、第1のタブは、第1のサイドストリップのシール部に接着される。接着により、時間を節約してシール部にタブを取り付けることができる。
【0021】
フィルタ要素の有利な実施形態では、第1のサイドストリップの第1のタブ及びシール部が一体に構成される。これにより、タブはシール部に特に安定的に接続される。
【0022】
有利には、第1のサイドストリップは、不織布材料又は厚紙で構成される。このような繊維状材料は製造コストが低い。さらに、これらは容易に再利用することができる。特に厚紙は、曲げ剛性が高く、製造コストが比較的低いという特徴がある。
【0023】
好ましくは、第1のタブは、シールが通る貫通口を有する。シールは、互いに反対側に位置するタブの両側面を覆い、貫通口を通過する。これにより、タブとシールは、シールをタブに特に安定的に保持するために、貫通口の領域でフォームフィット接続を提供する。
【0024】
有利な実施形態では、シールは、発泡材料、特にポリウレタンフォームで構成される。発泡体を材料として使用することにより、タブの形状に合わせて簡単にシールをタブに直接設けることができる。発泡ポリウレタンは、様々な硬度と密度で製造することができ、エアフィルタに使用するのに有利な特性を有している。
【0025】
フィルタ要素の好ましい実施形態は、第2のタブを含む第2のサイドストリップを備え、第2のサイドストリップは、折り端に対して交差する方向に延びる第2の端面でフィルタ本体をシールする。フィルタ本体は、第1のサイドストリップと第2のサイドストリップとの間に配置される。第2のサイドストリップは、フィルタ本体の第2の端面を覆う、フィルタ要素のシール作用を奏する。第2のタブは、シールと第2のサイドストリップ、ひいてはフィルタ要素との接合をより強固にする。第2のサイドストリップは、好ましくは第1のサイドストリップと同様に設計される。第2のタブは、特に第1のタブと同様に設計される。
【0026】
上述の実施形態の更なる発展形として、第1のサイドストリップと第2のサイドストリップとの間において、フィルタ本体に第3のタブ及び第4のタブが配置され、第1、第2、第3、及び第4のタブは、対をなして互いに隣接し、フィルタ本体を囲む。第3のタブ及び第4のタブは、それぞれ第1のサイドストリップから第2のサイドストリップまで延びる。第3のタブ及び第4のタブは、フィルタ本体から離れる方向、特に外側に向けられる。4つのタブにより、シールをその全周に沿ってより強固に接合し、補強することができる。
【0027】
更なる実施形態では、少なくとも第1のタブに補強要素が配置され、補強要素は、特に周方向プラスチックリングとして構成される。補強要素により、タブの曲げ剛性がさらに向上する。幾つかの実施形態では、補強要素はタブ上に配置される。特に、補強要素は、材料融着及び/又はフォームフィットによってタブに接続され、好ましくは、タブに挿入及び/又は接着される。後者は、好ましくは、タブが二層構成に設計された実施形態に関連する。特に好ましくは、補強要素は、フィルタ要素の第1、第2、第3及び第4のタブに配置される。
【0028】
フィルタ要素の更なる実施形態は、1つの端面に少なくとも1つのヘッドストリップ、特に複数のヘッドストリップがあることを特徴とする。この端面又はヘッドストリップは、シール部に対して垂直に、シール部の側端部に沿って延びる。好ましくは、ヘッドストリップとサイドストリップは、フィルタ要素を側面で完全にシールする全周ストリップを共に形成する。
【0029】
本発明によるエアフィルタは、上述した本発明によるフィルタ要素と、フィルタポット及びフィルタカバーを含むフィルタハウジングとを備え、シールは、フィルタポットとフィルタカバーとの間にクランプすることで保持される。フィルタハウジングは一般に、汚染された空気の流入口と、フィルタ要素によって浄化された空気の流出口とを有する。シールは、フィルタ要素をフィルタハウジングに対して密閉し、汚染された空気がフィルタハウジングを通ってフィルタ要素を通過できないようにする。シールは、エアフィルタの未処理側と清浄側を互いに分離する。
【0030】
本発明による濾過装置は、上述の実施形態のいずれかによるフィルタ要素と、空気流が流通可能な流路と、を備え、フィルタ要素は、流路を通る空気流の方向に対して垂直に延在する。フィルタ要素は、流路を未処理空気側と清浄空気側とに分離する。汚染された空気は、フィルタ要素を通って、未処理空気側から清浄空気側へ空気流を流れる。好ましくは、フィルタ要素は、特に摩擦適合及び/又はフォームフィットによってプロファイルフレームに係合することによって流路内に固定される。フィルタ要素は、特にフィルタ要素のシールに対するクランプ力によってプロファイルフレームに保持される。プロファイルフレームは、好ましくは16mm~21mmの高さと20mm~25mmの深さを有する。好ましくは、プロファイルフレームはDIN EN15805規格に準じて設計される。流路には、点検口を設けることができる。好ましくは、濾過装置は建物の空気供給システムに使用される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本発明の更なる特徴及び利点は、本発明の実施形態に関する以下の詳細な説明、特許請求の範囲、及び本発明による詳細を示す図面から得られる。上述した特徴及び以下に説明する特徴は、それ自体で個々に実現することもできるし、本発明の変形例において任意の適切な組み合わせで複数組み合わせることもできる。図面に示された特徴は、本発明の特徴を明確に視覚化できるように図示されている。
【0032】
【
図1】本発明によるフィルタ要素を備える本発明によるエアフィルタの概略横断面図である。
【
図2】本発明によるフィルタ要素のフィルタ本体の概略縦断面図である。
【
図3】本発明によるフィルタ要素の概略透視図である。
【
図4】
図3のフィルタ要素を詳細に示す概略横断面図である。
【
図5】
図3のフィルタ要素を詳細に示す概略縦断面図である。
【
図6】本発明によるフィルタ要素の更なる実施形態を詳細に示す概略横断面図である。
【
図7】フィルタ要素の更なる実施形態を詳細に示す概略縦断面図である。
【
図8】フィルタ要素の第3の実施形態の概略透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、本発明によるフィルタ要素12aを備えるエアフィルタ10の横断面を概略的に示している。フィルタ要素12aは、フィルタハウジング14内に保持される。フィルタハウジング14は、汚染された空気の流入口18を有するフィルタカバー16と、フィルタ要素12aによって浄化された空気の流出口22を有するフィルタポット20と、を含む。汚染された空気は、流入口18からフィルタ要素12aを流れ、浄化され、その後、流出口22を通ってフィルタハウジング14から排出される。フィルタ要素12aの周方向シール24は、フィルタポット20とフィルタカバー16との間にクランプされることによって保持される。シール24は、汚染された空気がフィルタハウジング14内のフィルタ要素12aを通過して流れるのを防止する。さらに、シール24は、フィルタ要素12aをフィルタハウジング14内に固定する。
【0034】
図2は、フィルタ要素12a(
図1参照)のフィルタ本体26の縦断面を概略的に示している。フィルタ本体26は、フィルタ本体26の長さ方向32において互いに隣接し、同じ形状を有する個々のベローズ30a、30bが組み合わされたプロファイル28を有する。特に、プロファイル28は、互いに隣接する個々のベローズ30a、30bを繰り返し組み合わせたものである。個々のベローズ30a、30bは、長さ方向32に垂直な鉛直軸方向34において上方に開口するように設計される。長さ方向32は、
図1の平面に対して垂直に延びる。
【0035】
図3は、フィルタ要素12aの第1の実施形態の等角図である。フィルタ要素12aのフィルタ本体26は、汚染された空気を浄化するための折り畳まれた濾材36を含む。フィルタ要素12aの第1のサイドストリップ38a及び第2のサイドストリップ38bは、繊維状材料で構成される。第1のサイドストリップ38aは、フィルタ本体26をシールするための第1のシール部40aを含み、第2のサイドストリップ38bは、第2のシール部40bを含む。これらは、互いに反対側に位置する第1及び第2の端面42a、42bにおいて、濾材36の折り端44a、44bに交差する方向に配置される。
【0036】
フィルタ本体26は、それぞれのシール部40a、40bの上端部46a(
図4参照)からそれぞれのシール部40a、40bの下端部46bまで、長さ方向32に対して垂直且つ折り端44a、44bの方向に対して垂直な鉛直軸方向34に延びる。それぞれのシール部40a、40bの上端部46a及び下端部46bは、長さ方向32に延びる。それぞれのシール部40a、40bの側端部46c、46dは、上端部46aから下端部46bまで、ここでは長さ方向32及び鉛直軸方向34に対して傾斜して延びている。端部46a~46dは、第1のシール部40aに例示的に図示されている。フィルタ本体26の第1及び第2の端面48a、48bは、シール部40a、40bに対して垂直にシール部40a、40bの側端部46c、46dに沿って延び、長さ方向32におけるフィルタ要素12aの外面を形成する。
【0037】
シール部40a、40bの上端部46a及び端面48a、48bの折り部末端50(
図5参照)において、シール24は、フィルタ要素12aをフィルタハウジング14(
図1参照)に対してシールするために、フィルタ本体26を連続的に取り囲む。
【0038】
図4は、第1のサイドストリップ38aの領域におけるフィルタ要素12aの第1の実施形態の縦断面を示している。特に、フィルタ本体26の折り部52の端が位置する第1のサイドストリップ38aのシール部40aが図示されている。シール部40aは、シール部40aの上端部46aに配置され、折り部52の折り端44a、44bの方向にシール部40aから離れるように突出する端部タブ54aに繋がっている。第1のサイドストリップ38aは、ここでは一体に構成されており、同じ繊維状材料がシール部40a及び第1のタブ54aを形成している。
【0039】
第1のタブ54aは、フィルタ本体26から離れる方向に設けられる。第1のタブ54aは、シール24が第1のタブ54aの周りに係合するように、シール24に埋没している。図示されたフィルタ要素の第1の実施形態12aにおいて、第1のタブ54aは、単層構成であり、シール部40aと共にL字断面を形成する。シール24は、第1のタブ54aにシール24がより安定的に固定されるように、第1のタブ54aの貫通口58aを通過している。シール24は、第1のタブ54aから、シールが固定的に接続、係合するフィルタ本体26の折り部52の少なくとも一部まで延びる。これにより、シール24は、フィルタ要素12aをフィルタハウジング14(
図1参照)に対してシールすることに加えて、フィルタ本体26を第1のサイドストリップ38aにより良好に固定することができる。第2のサイドストリップ38bは、詳細には図示されていないが、第1のタブ54aに対応する第2のタブを含む。
【0040】
図5は、第1の端面48aの領域におけるフィルタ要素12aの第1の実施形態の縦断面を示している。フィルタ本体26の折り部52は、第1のシール部40a(
図3参照)の側端部46dに平行な折り方向60に、V字形状の脚部(
図2参照)で順次折り畳まれている。フィルタ本体26の折り部末端50では、第3のタブ54bが固定、特に接着され、第3のタブ54bがシール24によって囲まれている。また、第3のタブ54bは、シール24を第3のタブ54bにより良好に固定するために、シール24が通る貫通口58bを有する。これに関連して、第3のタブ54bは、フィルタ本体26の折り部52の折り方向60に対して傾斜して配置される。第2の端面48bには、詳細には図示されていないが、第3のタブ54bに対応する第4のタブが配置される。
【0041】
図6は、第1のシール部40aの領域におけるフィルタ要素の第2の実施形態12bの横断面を示している。フィルタ要素の第1の実施形態12a(
図4参照)とは対照的に、第1のタブ54aは、二層構成であり、同様に、第2のシール部40bの第2のタブ(不図示)も二層構成である。第1のサイドストリップ38a又は第1のタブ54aは、第1のシール部40aと共にT字断面を形成する。第1シール部40aは、第1のタブ54aの両側に延在し、第1シール部40aは、二層の第1のタブ54aの層64a、64bの1つと共に、それぞれL字断面を形成する。第1のタブ54aの2つの層64a、64bは、第1のタブ54aの湾曲部を介して互いに繋がっている。シール24は、第1のタブ54aの両方の層64a、64bを囲み、両方の層64a、64bを貫通する貫通口58aを通る。
【0042】
図7は、第1の端面48aの領域におけるフィルタ要素12bの第2の実施形態の縦断面を示している。フィルタ要素の第1の実施形態12aとは対照的に、第3のタブ54bも、二層構成であり、同様に、第2の端面48bの第4のタブ(不図示)も二層構成である。第3のタブ54bの2つの層64c、64dは、それぞれL字断面の脚部を形成する。互いに当接し、タブ54bの湾曲部によって接続された層64c、64dは、フィルタ本体26の長さ延長線32(
図3参照)と平行になるように、シール部40a(
図3参照)の側端部46dと平行に延びる第1の端面48aに対して角度をなして設けられる。第3のタブ54bは、フィルタ本体26の隣接する折り部末端50に固定、特に接着され、第1の端面48aの折り端44aで支持され得る。
【0043】
図8は、フィルタ要素12cの第3の実施形態の概略斜視図であり、このフィルタ要素は、サイドストリップ38a、38b(
図3参照、図では一例としてサイドストリップ38bが見える)に加えて、端面48a、48b(
図3参照)に設けられたヘッドストリップ(
図8では一例としてヘッドストリップ39aが見える)を含む。ヘッドストリップは、特に端面48a、48bをシールする機能を有する。ヘッドストリップ及びサイドストリップ38a、38bは共に、シール24を有するフィルタ要素12aを側面でシールする全周ストリップ66を形成する。ヘッドストリップ及び/又はサイドストリップ38a、38bは、材料として、特に厚紙を含む。鉛直軸方向34において、フィルタ本体26は、鉛直軸方向34に対して傾斜した表面がシール24を越えて突出する。フィルタ本体26は、例えば端面48aから端面48bに向かってフィルタ要素12cの高さが増加するように、異なる高さの折り部を有することができる。これに関連して、シールを接続するためのタブは、有利には、それぞれのサイドストリップ38a、38b、並びにヘッドストリップ39a、39bを折り曲げることによって形成することができ、したがって、二層構成とすることができる。あるいは、サイドストリップ及び/又はヘッドストリップの二分割構成が可能であり、すなわち、被覆するフィルタ本体のそれぞれの側面に2つのシール部を重ねて設け、他方のシール部上に置かれたシール部の自由端部を折り曲げることによってタブを形成することもできる。これにより、流入側又は流出側から離間していても、単層タブの構成が可能となる。好ましくは、シールはタブ上に発泡成形される。
【0044】
図9は、流路70を有する濾過装置68を概略的に示しており、流路70内にはフィルタ要素、ここでは例示的な第1の実施形態12aがプロファイルフレーム72によって保持されている。フィルタ要素12aは、流路70の断面を通して延在する。これにより、フィルタ要素12aは、流路70を未処理空気側74と清浄空気側76とに分離する。汚染された空気は、フィルタ要素12aを通って、未処理空気側74から清浄空気側76へ空気流78を流れる。フィルタ要素12aは、例えばシール24のクランプ力によって、特に摩擦適合及び/又はフォームフィットでプロファイルフレーム72に保持される。流路70には、点検口(不図示)を設けることができる。
【符号の説明】
【0045】
10 エアフィルタ
12a、12b フィルタ要素
14 フィルタハウジング
16 フィルタカバー
18 流入口
20 フィルタポット
22 流出口
24 シール
26 フィルタ本体
28 フィルタ本体のプロファイル
30a、b 個々のベローズ
32 長さ方向
34 鉛直軸方向
36 濾材
38a、b サイドストリップ
39a ヘッドストリップ
40a、b シール部
42a、b 端面
44a、b 折り端
46a、b シール部の上端、下端
46c、d シール部の側端
48a、b 端面
50 折り部末端
52 折り部
54a 第1のタブ
54b 第3のタブ
58a、b 貫通口
60 折り方向
64a~d タブの層
66 全周ストリップ
68 濾過装置
70 流路
72 プロファイルフレーム
74 未処理空気側
76 清浄空気側
78 空気流
【国際調査報告】