(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】高繊維焼成製品の製造のための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
A21D 13/06 20170101AFI20240920BHJP
A21D 2/14 20060101ALI20240920BHJP
A21D 2/36 20060101ALI20240920BHJP
A21D 2/18 20060101ALI20240920BHJP
A21D 13/00 20170101ALI20240920BHJP
A21D 13/80 20170101ALI20240920BHJP
A23L 33/21 20160101ALI20240920BHJP
【FI】
A21D13/06
A21D2/14
A21D2/36
A21D2/18
A21D13/00
A21D13/80
A23L33/21
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521156
(86)(22)【出願日】2022-10-31
(85)【翻訳文提出日】2024-04-08
(86)【国際出願番号】 US2022048424
(87)【国際公開番号】W WO2023081096
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508351303
【氏名又は名称】インターコンチネンタル グレート ブランズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ムケルジー, インドラネイル
(72)【発明者】
【氏名】ノートン, クライブ
【テーマコード(参考)】
4B018
4B032
【Fターム(参考)】
4B018LB01
4B018MD14
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4B032DK70
4B032DP08
4B032DP25
4B032DP40
(57)【要約】
低カロリー及び低脂肪の焼成製品、並びにそれらを作製する方法が提供される。焼成製品は、不溶性食物繊維及び低カロリー増量剤を含み、低水分、低水分活性、並びに低脂肪及び低カロリーレベルを有し、消費者に望ましい味覚及び感覚刺激特性を提供する一方で、今日の健康志向の消費者を満足させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼成製品であって、
約7重量%~約41重量%の不溶性食物繊維と、
約5重量%の脂肪~約16重量%の脂肪と、
約0.5~約4.5の前記不溶性食物繊維の前記脂肪に対する比と、
約10重量%~約35重量%の低カロリー増量剤と、
最大10重量%の量の糖と、
最大15重量%の量の水分と、
最大0.7の水分活性と、
前記焼成製品の100g当たり約180~320kcalの総カロリー含有量と、を含む、焼成製品。
【請求項2】
前記焼成製品が、ビスケット又はクッキーである、請求項1に記載の焼成製品。
【請求項3】
前記不溶性食物繊維が、ふすま、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、難消化性デンプン、小麦粉、不溶性チコリ根繊維、単離植物繊維、ココア粉末、ペカンシェル繊維、カエデ繊維、ココアさや殻繊維、及びアガベピナ繊維のうちの少なくとも1つを含む供給源からのものである、請求項1に記載の焼成製品。
【請求項4】
前記糖が、3kcal/g以下のエネルギー含有量を有するサッカライドを含む、請求項1に記載の焼成製品。
【請求項5】
前記低カロリー増量剤が、3kcal/g以下のエネルギー含有量を有するサッカライドを含む、請求項1に記載の焼成製品。
【請求項6】
前記低カロリー増量剤が、糖アルコールである、請求項1に記載の焼成製品。
【請求項7】
前記低カロリー増量剤が、糖アルコールではない、請求項1に記載の焼成製品。
【請求項8】
前記脂肪が、キャノーラ油、パーム油、高オレイン酸キャノーラ油、ダイズ、ベニバナ、ヒマワリ、パーム核油、シアバター、マンゴー核油、イリッペ油、サル油、オリーブ油、乳脂肪、ココアバター又はココアバターの画分若しくは等価物、ポリグリセロールエステル、グリセロリン脂質、モノ及びジグリセリド、スクロースモノエステル、ソルビタンエステル、ポリエトキシル化グリコール、寒天、アルブミン、カゼイン、グリセリルモノステアレート、ゴム、石鹸、アイリッシュモス、卵黄、レシチン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の焼成製品。
【請求項9】
可溶性食物繊維と、約12重量%~約53重量%の総食物繊維と、を更に含む、請求項1に記載の焼成製品。
【請求項10】
前記総食物繊維の前記脂肪に対する比が、約1.0~約5.5である、請求項1に記載の焼成製品。
【請求項11】
前記可溶性食物繊維が、ポリデキストロース、イヌリン、フラクトオリゴ糖、ケストース、ニストース、ラフィノース、ガラクトオリゴ糖、ガラクトトリオース、マンノオリゴ糖、マンノトリオース、マンノテトラオース、ダイズオリゴ糖、アラビノガラクタン、キシロオリゴ糖、キシロトリオース、キシロテトラオース、アラビノキシランオリゴ糖、アラビノトリオース、アラビノテトラオース、人乳オリゴ糖、2’-フコシルラクトース、ラクト-n-ネオテトラオース、グルカン(すなわち、グルコース含有)オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、セロオリゴ糖(又はセロデキストリン)、耐性デキストリン(例えば、可溶性トウモロコシ繊維、可溶性小麦繊維、可溶性タピオカ繊維)、ニゲロオリゴ糖、ニゲロトリオース、ニゲロテトラオース、コージトリオース、コージテトラオース、デキストラン、ベータグルカン、リケナン、及びイソリケナンのうちの少なくとも1つを含む供給源からのものである、請求項9に記載の焼成製品。
【請求項12】
飽和脂肪が、総脂肪含有量の約8.5重量%~約60重量%を構成する、請求項1に記載の焼成製品。
【請求項13】
飽和脂肪が、前記焼成製品の前記総カロリー含有量の約2.9%~約13.8%を占める、請求項12に記載の焼成製品。
【請求項14】
前記糖が、前記焼成製品の前記総カロリー含有量の約0.5%~約8.5%を占める、請求項1に記載の焼成製品。
【請求項15】
前記脂肪が、前記焼成製品の前記総カロリー含有量の約20%~約44%を占める、請求項1に記載の焼成製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概して、焼成製品に関し、より具体的には、不溶性食物繊維及び低カロリー増量剤を含有する低カロリー焼成製品に関する。
【背景技術】
【0002】
概して、過剰なカロリー摂取は、心疾患及び肥満などの不健康な状態と関連している。加えて、飽和脂肪の摂取過剰は、特に、「悪玉コレステロール」の増加、及び心疾患、脳卒中などのより高いリスクと関連しており、調製/加工食品中の飽和脂肪のレベルを減少させることに重点が置かれている。
【0003】
概して、世界保健機関(World Health Organization、WHO)は、単糖類の摂取を1日2,000kcalの食事の10%以下に保つことを推奨しており、これは約50g/日に相当する。研究者らは、可消化糖の摂取過剰とII型糖尿病及び/又は肥満との間の直接的な関連について議論し続けているが、規制機関(及びより多くの消費者)は、この成分の否定的な認識を発展させ、食品製品の糖含有量を減少させるための食品産業全体にわたる努力をもたらしている。加えて、世界中の政府は、消費者が、エネルギー及び/又は糖などの特定の栄養素について推奨される閾値を超える食品を購入することを思いとどまらせるために、様々な戦略を使用し始めている。これは特に甘い焼成製品及び菓子に影響を及ぼし、糖は甘味を提供するだけでなく、食品の独特の食感に寄与する「増量剤」としても作用する。
【0004】
特に、食品の「栄養成分」の「総糖」又は「糖類」行において報告される「糖」の定義は、地域の規制に基づいて変化し得る。本明細書で使用される場合、「糖」という用語は、3kcal/gを超える栄養エネルギー含有量を有する単糖類又は二糖類を指す。好適な糖類の例としては、とりわけ、グルコース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、ラクトース、マルトース、及び糖水和物(例えば、デキストロース一水和物など)が挙げられる。これは、WHO推奨の背後にある理論的根拠が、食事の全体的なエネルギーに寄与する「遊離」糖の摂取を制限することであるためである。このような「遊離」糖はまた、「高カロリー(caloric)」又は「容易に代謝可能な(readily metabolizable)」糖として記載され得る。
【0005】
規制機関及び消費者の両方からの圧力のために、食品製造業者は、自社製品の脂肪及びカロリー含有量を低下させることを絶えず試みている。脂肪は、典型的には食品中で最も高いカロリー寄与因子である(すなわち、脂肪が豊富な食物は、典型的には高いエネルギー又はカロリー値を有する)。本明細書で使用される場合、「脂肪」という用語は、完全なカロリー脂肪、すなわち9kcal/gを指す。
【0006】
低カロリー脂肪は存在するが(例えば、Salatrim(商標)、Olestra(商標)など)、それらはまた、非常に望ましくない消化作用を有することが知られている。一部の食品製造業者は、非消化性(又は部分的若しくは非消化性)の単糖類及び二糖類のみである糖、例えば、キシロース、アラビノース、アルロース、アロース、アルトロース、タガトース、ソルボース、マンノース、セロビオース、キシロビオース、アロース、アルトロース、タガトース、ソルボース、マンノース、セロビオース、キシロビオース、ロイクロース、ラクツロース、ニゲロース、コージビオースなど(これらのうちのいくつかは、「希少糖」、「ノンカロリー糖」又は「低カロリー糖」と称される)を使用することによって、食品のカロリー含有量を低減しようと試みている。これらの糖類は、<3kcal/gの栄養素エネルギーを有する。
【0007】
特に、一部の製造業者はまた、糖類を、無糖/無カロリー甘味料(その一部はアスパルテーム、スクラロースなどの人工甘味料であってもよく、その一部はソルビトール、エリスリトールなどの糖アルコール(ポリオール)であってもよい)などの糖代替物で置き換えることを試みている。概して、「糖代替物」という用語は、増量剤、高効能甘味料、及びタンパク質系糖代替物を指す。例えば、増量剤としては、≦3kcal/gのエネルギー含有量を有する材料、例えば、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、多糖類、糖アルコール(任意の単糖類、二糖類、及び3つ以上の単糖類単位を含有するオリゴ糖類/多糖類の水素添加物を含む)、及び可溶性食物繊維が挙げられるが、これらに限定されない。
【0008】
加えて、糖アルコール(例えば、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトールなど)、希少糖(例えば、アルロース、ソルボース、タガトース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、タロース)及び可溶性繊維(例えば、トウモロコシ(可溶性トウモロコシ繊維)、小麦、タピオカなどの供給源由来の難消化性デキストリン、フルクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ヒト乳オリゴ糖などのオリゴ糖、アカシアガム、イヌリン、アラビノキシラン、β-グルカンなどの高分子量可溶性繊維)などの非消化性及び/又は難消化性炭水化物は、焼成製品中の糖に代わる増量剤として使用することができる。しかしながら、それらの使用は、典型的には、様々な問題のために地域の規制によって制限される。例えば、糖アルコールは製品の栄養成分列の別個の行として宣言される必要があり、高い使用レベルで便通警告を必要とする場合がある。一方、可溶性繊維は、高い使用レベルで消化耐性の懸念を有し得る。希少糖は新規食品であるため、認可されている地域であってもカテゴリの許容限界が制限されている可能性がある。
【0009】
近年、消費者は、そのような甘味料の否定的な認識を発達させており、このことは、規制機関が、食品製造業者に対し、「栄養成分表」の別の行に製品の糖アルコール含有量を列挙することを要求することにつながっている。加えて、消費者の認識は、時間の経過とともに、「非天然」成分に対する嫌悪にシフトしており、このことが、人工甘味料の使用を商業的に魅力のないものにしている。上記の成分とは異なり、最近の研究は、消費者の思考における食物繊維のますます肯定的な認識の発展に寄与してきた。腸の規則性への寄与のために重要な食事成分であると常に考えられているが、いくつかの望ましい健康転帰をもたらす健康な腸内微生物叢の維持における食物繊維の重要性が最近発見されている。
【0010】
特に、食物繊維という用語は、概して、植物由来食物の難消化性部分を指し、2つの成分、すなわち可溶性食物繊維及び不溶性食物繊維を有する。可溶性食物繊維は水に溶解し、結腸内で容易に発酵して、ガス及び生理活性副産物になる場合がある。一方、不溶性食物繊維は、水に溶解せず、不溶性食物繊維が消化器系を通って移動するときに水を吸収することによる増量効果を提供することが知られている。カロリー寄与の観点から、ほとんどの地域規制によれば、不溶性繊維は食品にカロリーを全く寄与せず(すなわち、ゼロカロリー)、一方、可溶性繊維(ほとんどの地域規制によれば)は食品に2kcal/g寄与する。特に、適用される欧州連合規則によれば、可溶性及び不溶性の全ての繊維は、食品に2kcal/gを寄与すると考えられる。
【0011】
不溶性食物繊維は、可溶性繊維に対して更に少ないカロリーを提供するため、他のタイプの炭水化物に対して特に有益であると考えられる(総食物繊維の不溶性食物繊維部分は、0kcal/gであるが、可溶性食物繊維は、2kcal/gとして計算される)。加えて、不溶性食物繊維は、おそらく結腸における微生物発酵からのガス発生の低い率に起因して、消化に対して良好な耐性があることが知られている。更に、不溶性食物繊維は糖アルコールではないため、それらは、高使用レベルでの便通警告を必要としない。
【0012】
典型的な現代の食事における食物繊維の摂取が少ないため、一部の政府規制は、食品製造業者に対し、食品の食物繊維含有量を増加させることを奨励し得る。しかしながら、人工甘味料及び増量剤を含有する焼成製品において、食物繊維含有量を最大にすると同時に、カロリー、脂肪、及び糖含有量を特定の閾値を下回るように維持することは、製造の観点から依然として難題である。
【発明の概要】
【0013】
前述の背景を考慮して、本発明者らの目的は、他の(あまり望ましくない)成分、特に脂肪及びカロリー糖を犠牲にして、焼成製品プロダクトの食物繊維含有量を最大化することであった。しかしながら、上述したように、焼成製品の脂肪、糖、カロリー含有量を最小限に抑えながら、不溶性食物繊維含有量を最大化することは、少なくとも、不溶繊維がかなりの量の水分を吸収し、したがって配合水を求めて小麦粉と競合し、より柔らかい食感、より高い水分含有量、及びより高い水活性をもたらし、これらは全て、オーブンでそれを焼く目的で作製される生地にとって望ましくない特性であるという事実のために、依然として技術的課題である。
【0014】
例えば、焼成ビスケット中に高い水分が存在すると、食感に望ましくない影響が生じ、典型的にはビスケットの望ましくない柔らかい食感をもたらす。更に、多くの場合、高い水分レベルは高い水分活性とも関連しており、これは望ましくない微生物増殖をもたらし得る。本発明者らは、有意な量の食物繊維(例えば、12~53%)を含有する一方で、10%以下の糖を使用し、同時に水分含有量を15%を下回るように維持し、総製品カロリーを100グラム(g)当たり180~320kcalの範囲に維持する、焼成製品を作製するための組成物及び方法を発見した。
【0015】
いくつかの実施形態では、焼成製品は、約7重量%~約41重量%の不溶性食物繊維と、約5重量%の脂肪~約16重量%の脂肪と、約0.5~約4.5の不溶性食物繊維の脂肪に対する比と、約10重量%~約35重量%の低カロリー増量剤と、最大10重量%の量の糖と、最大15重量%の量の水分と、最大0.7の水分活性と、焼成製品の100g当たり約180~320kcalの総カロリー含有量と、を含む。焼成製品は、ビスケット又はクッキーなどであり得る。
【0016】
不溶性食物繊維は、ふすま、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、難消化性デンプン、小麦粉、不溶性チコリ根繊維、単離植物繊維、ココア粉末、ペカンシェル(pecan shell)繊維、カエデ繊維、ココアさや殻(pod husk)繊維、アガベピナ(agave pina)繊維などのうちの少なくとも1つを含む、これらに限定されない供給源からのものであり得る。糖としては、グルコース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、ラクトース、マルトース、イソマルトース、イソマルツロース(パラチノース)、トレハルロース、トレハロース、糖水和物などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0017】
低カロリー増量剤としては、キシロース、アラビノース、アルロース、ソルボース、タガトース、アロース、アルトロース、マンノース、セロビオース、タガトース、ソルボース、ニゲロース、コージビオース、イヌロビオース、-、及びキシロビオースが挙げられ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、低カロリー増量剤は、例えば、マルチトール、イソマルト、エリスリトール、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、及びキシリトールであり得る糖アルコールである。他の実施形態では、低カロリー増量剤は、糖アルコールを含まない。
【0018】
脂肪としては、キャノーラ油、パーム油、高オレイン酸キャノーラ油、ダイズ、ベニバナ、ヒマワリ、パーム核油、シアバター、マンゴー核油、イリッペ油、サル油、オリーブ油、落花生(ピーナツ)油、アーモンド油、アボカド油、コーヒー油、乳脂肪、ココアバター又はココアバターの画分若しくは等価物、ポリグリセロールエステル、グリセロリン脂質、モノ及びジグリセリド、スクロースモノエステル、ソルビタンエステル、ポリエトキシル化グリコール、寒天、アルブミン、カゼイン、グリセリルモノステアレート、ゴム、石鹸、アイリッシュモス、卵黄、レシチン、並びにこれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、微粉砕されたナッツ及び種子からの脂肪は、ナッツ及び種子のバター又はペースト、例えば、ヘーゼルナッツペースト、ピーナツバター、カシューナッツバター、アーモンドバター、ヒマワリ種子バター、ゴマ種子ペースト(タヒニ)、カボチャの種バターなどの形態で使用され得る。いくつかの実施形態では、脂肪は、生物工学的アプローチを使用して産生される油である。
【0019】
特定の態様では、焼成製品は、不溶性食物繊維だけでなく、可溶性食物繊維も含み、約12重量%~約53重量%の総食物繊維を含む。いくつかの実施態様では、総食物繊維の脂肪に対する比は、約1.0~約5.5である。可溶性食物繊維は、ポリデキストロース、イヌリン、フラクトオリゴ糖、ケストース、ニストース、ラフィノース、ガラクトオリゴ糖、ゲンチオトリオース、マンノオリゴ糖、マンノトリオース、マンノテトラオース、ダイズオリゴ糖、アラビノガラクタン、キシロオリゴ糖、キシロトリオース、キシロテトラオース、アラビノキシランオリゴ糖、アラビノトリオース、アラビノテトラオース、人乳オリゴ糖、2’-フコシルラクトース、ラクト-n-ネオテトラオース、グルカン(すなわち、グルコース含有)オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖(可溶性繊維画分)、セロオリゴ糖(又はセロデキストリン)、耐性デキストリン(例えば、可溶性トウモロコシ繊維、可溶性小麦繊維、可溶性タピオカ繊維)、ニゲロオリゴ糖、ニゲロトリオース、ニゲロテトラオース、コージトリオース、コージテトラオース、デキストラン、ベータグルカン、リケナン、及びイソリケナンを含む、これらに限定されない供給源からのものであり得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、焼成製品は、約7重量%~約41重量%の不溶性食物繊維と、可溶性食物繊維と、約12重量%~約53重量%の総食物繊維と、約5重量%の脂肪~約16重量%の脂肪と、約0.5~約4.5の不溶性食物繊維の脂肪に対する比と、約10重量%~約35重量%の低カロリー増量剤と、最大10重量%の量の糖と、最大15重量%の量の水分と、最大0.7の水分活性と、焼成製品の100g当たり約180~320kcalの総カロリー含有量と、を含む。
【0021】
特定の実施形態において、焼成製品は、焼成製品の総脂肪含有量の約8.5重量%~約60重量%の量の飽和脂肪を含む。飽和脂肪は、焼成製品の総カロリー量の約2.9%~約13.8%を占め得る。
【0022】
いくつかの実施態様では、焼成製品の総カロリー量の約0.5%~約8.5%が糖に由来し、焼成製品の総カロリー量の約20%~約44%が脂肪に由来する。
【0023】
理論によって制限されることを望むものではないが、本発明者らは、食物繊維、より具体的には不溶性食物繊維、及び低カロリー増量剤を使用することによって、脂肪及び糖を、焼成製品(ビスケット、クッキーなど)においてかなりの程度まで置き換えることができることを発見し、実証した。本発明者らはまた、焼成製品中の大部分を置き換えることができることに加えて、不溶性食物繊維及び低カロリー増量剤も同様に脂肪の一部分を置き換えるために有利に使用することができ、その結果、非常に低脂肪(例えば5重量%程度)を有する焼成製品が得られることを発見した。
【0024】
以下の実施例セクションに示されるように、本発明者らは、例示的な本発明の焼成製品として、カロリー低減及び糖低減焼成ビスケットを成功裏に調製することができた。もちろん、実施例は焼成ビスケットを対象とするが、焼成製品は、任意の焼成製品(例えば、クッキー、ウエハース、ビスコッティ、ショートブレッド、マフィン、バークなど)を含み得ることが理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本出願は、有利には、低減された脂肪及びカロリー含有量を有する一方で、高不溶性食物繊維含有量及び低カロリー含有量を有し、消費されたときに心地よい感覚刺激特性を示す焼成製品、並びにその調製方法及び焼成方法を記載する。概して、本明細書に記載の低カロリー及び低脂肪焼成製品(例えば、ビスケット、クッキーなど)は、約0.5~約4.5の不溶性食物繊維の脂肪に対する比を有する、約7重量%~約41重量%の不溶性食物繊維と、約5重量%の脂肪~約16重量%の脂肪と、約10重量%~約35重量%の低カロリー増量剤と、最大10重量%の糖と、を含む。
【0026】
概して言えば、本明細書に記載の焼成製品は、低水分、低水分活性、及び低カロリー含有量、例えば、最大15重量%の水分、最大0.7の水分活性(Aw)を有する。上述のように、焼成ビスケット中に高水分含有量が存在すると、食感に望ましくない影響を与え、典型的にはビスケット中の望ましくない柔らかい食感をもたらし、高水分/高水分活性は、望ましくない微生物増殖をもたらし得る。加えて、今日の健康志向の消費者の多くが低カロリー製品を好む一方で、同時に天然ではないと認識され得る成分を回避することを考慮すると、本明細書に記載の焼成製品は、有意な量の食物繊維及び不溶性食物繊維を含有し、同時に低い糖及び脂肪含有量、並びに多くの基準によって低いと考えられる100グラム(g)当たり180~320kcalの範囲の総カロリーを有する。
【0027】
上記のように、焼成製品中の脂肪及び糖を不溶性食物繊維を多く含む増量剤で置き換えることは、特に有益であり、顕著なカロリー及び糖の低減につながる。本明細書に記載の焼成製品において使用され得る市販の不溶性食物繊維に富む増量剤の例としては、ふすま(例えば、オート麦、トウモロコシ、大麦、小麦、米など)、様々な食品等級のセルロース(例えば、微結晶セルロース、超臨界結晶セルロース、非晶質セルロースなど)、不溶性チコリ根繊維、単離植物繊維(エンドウ繊維、小麦繊維、オート麦繊維、ジャガイモ繊維、バニラ繊維、サトウキビ繊維、不溶性チコリ根繊維、シトラス繊維など)、難消化性デンプン(例えば、高アミロース-RS2、化学変性-RS4)、ココア粉末(例えば、脱脂ココア粉末)、石、ピット、及び殻などの植物廃棄物の粉砕物(例えば、麦稈、コーンストーバー、サトウキビバガス、ペカンシェル繊維、ココアシェル繊維、ココアさや殻繊維、アガベピナ繊維、ピスタチオシェル粉末など)などのうちの少なくとも1つを含むものから供給される不溶性繊維が挙げられるが、これらに限定されない。上述したように、本明細書に記載の様々な実施形態による焼成製品は、約7重量%~約41重量%の不溶性食物繊維を含むことができ、これは、糖及び脂肪を犠牲にして焼成製品の不溶性食物繊維含有量の大幅かつ有利に増加させることを意味し、消費者にとって望ましい低い脂肪、糖、及びカロリー含有量を有する焼成製品をもたらす。
【0028】
本明細書に記載の様々な実施形態による焼成製品は、約5重量%~約16重量%の脂肪を含み、これは、それらの総カロリー含有量の約20%~約44%を占め得る。実施形態の一部において、飽和脂肪は、総脂肪含有量の約8.5重量%~約60重量%に相当し、焼成製品の総カロリー含有量の約2.9%~約13.8%を占める。本明細書に記載の実施形態による焼成製品に使用され得る脂肪成分の例としては、キャノーラ油、パーム油、高オレイン酸キャノーラ油、ダイズ、ベニバナ、ヒマワリ、パーム核油、シアバター、マンゴー核油、イリッペ油、サル油、オリーブ油、乳脂肪、ココアバター又はココアバターの画分若しくは等価物、ポリグリセロールエステル、グリセロリン脂質、モノ及びジグリセリド、スクロースモノエステル、ソルビタンエステル、ポリエトキシル化グリコール、寒天、アルブミン、カゼイン、グリセリルモノステアレート、ゴム、石鹸、アイリッシュモス、卵黄、レシチン、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの態様では、微粉砕されたナッツ及び種子からの脂肪は、ナッツ及び種子のバター又はペースト、例えば、ヘーゼルナッツペースト、ピーナツバター、カシューナッツバター、アーモンドバター、ヒマワリ種子バター、ゴマ種子ペースト(タヒニ)、カボチャの種バターなどの形態で使用され得る。いくつかの態様では、脂肪は、生物工学的アプローチを使用して産生される油である。
【0029】
以下の実施例に示されるように、本明細書に記載の実施形態による焼成製品は、約0.5~約4.5の不溶性食物繊維の脂肪に対する比を有する。注目すべきことに、実施例セクションで考察された、4.5を超える(0.1であっても、実施例4を参照されたい)不溶性食物繊維の脂肪に対する比を有する生地配合物の一部は、ビスケットを作ることができず、焼成製品における不溶性食物繊維対脂肪の比の重要性を示している。
【0030】
上述したように、本明細書に記載の様々な実施形態による焼成製品は、約10重量%~約35重量%の低カロリー甘味料(本明細書では増量剤とも称される)を含む。いくつかの実施形態では、焼成製品に使用される低カロリー甘味料/増量剤は、糖アルコール、例えば、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトールなどであり得る。糖アルコールに対する消費者の感受性及びラベル上の別個の警告の必要性に起因して、本明細書に記載の焼成製品の実施形態の一部は、糖アルコール甘味料/増量剤を含まない。
【0031】
いくつかの実施態様では、焼成製品は、最大10重量%の量で、グルコース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、ラクトース、マルトース、イソマルトース、イソマルツロース、トレハロース、トレハルロース、及び糖水和物を含み得るが、これらに限定されない糖を含み得る。特に、本明細書に記載の例示的な焼成製品中に存在する糖は、焼成製品の総カロリー量の約0.5%~約8.5%を占め得る。
【0032】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載の焼成製品の低カロリー甘味料/増量剤は、非糖アルコールである。使用され得る例示的な非糖アルコールとしては、アルロース、アラビノース、キシロース、ソルボース、タガトース、リボース、ラムノース、アロース、マンノース、セロビオース、コージビオース、ニゲロース、キシロビオース、マンノビオース、イヌロビオース、ロイクロース、ツラノース、マルツロース、トレハルロース、ステビア、モンクフルーツ、モンクフルーツ果汁固形分、スクラロース、アスパルテーム、Ace-K、ネオテーム、及びサッカリン。ステビオール配糖体、レバウジオシド(例えば、A、B、C、D、E、F、M、N、O)、ズルコシドA、ルブソシド、ステビオールビオシド、モグロシドIV、モグロシドV、Luo Han Guo甘味料、果実又は果汁、シアメノシド(siamenoside)、モナチン及びその塩(モナチンSS、RR、RS、SR)、クルクリン、グリチルリチン酸及びその塩、タウマチン、モネリン、マビンリン、ブラゼイン、ヘルナンズルシン(hernandulcin)、フィロズルシン(phyllodulcin)、グリシフィリン(glycyphyllin)、フロリジン、トリロバチン(trilobatin)、バイユノシド(baiyunoside)、オスラジン、ポリポドシド(polypodoside)A、プテロカリオシド(pterocaryoside)A、プテロカリオシドB、ムクロジオシド(mukurozioside)、フロミソシド(phlomisoside)I、ペリアンドリン(periandrin)I、アブルソシド(abrusoside)A、及びシクロカリオシド(cyclocarioside)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
いくつかの実施形態では、焼成製品中の唯一の食物繊維の大部分(又は実質的に全て)は、不溶性食物繊維である。したがって、いくつかの実施形態では、焼成製品は、約7重量%~約41重量%の総食物繊維を含む。注目すべきことに、いくつかの実施態様では、焼成製品は、上述のようにヒトの酵素によって消化され得ない可溶性食物繊維を含有する。そのような可溶性食物繊維は、増量剤に内在し得るか、又は添加され得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、焼成製品は、約5重量%~約12重量%の可溶性食物繊維及び約12重量%~約53重量%の総食物繊維を含み得、特定の実施態様では、総食物繊維の脂肪に対する比は、約1.0~約5.5である。
【0035】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態による焼成製品において使用され得る市販の可溶性繊維に富む増量剤としては、ポリデキストロース、イヌリン、フラクトオリゴ糖、ケストース、ニストース、ラフィノース、ガラクトオリゴ糖、ガラクトトリオース、マンノオリゴ糖、マンノトリオース、マンノテトラオース、ダイズオリゴ糖、アラビノガラクタン、キシロオリゴ糖、キシロトリオース、キシロテトラオース、アラビノキシランオリゴ糖、アラビノトリオース、アラビノテトラオース、人乳オリゴ糖、2’-フコシルラクトース、ラクト-n-ネオテトラオース、グルカン(すなわち、グルコース含有)オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、セロオリゴ糖(又はセロデキストリン)、耐性デキストリン(例えば、可溶性トウモロコシ繊維、可溶性小麦繊維、可溶性タピオカ繊維)、ニゲロ(nigero)オリゴ糖、ニゲロトリオース、ニゲロテトラオース、コージトリオース、コージテトラオース、デキストラン、ベータグルカン、リケナン、及びイソリケナンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
様々な実施形態において、焼成製品は、所望であれば、追加の成分を含んでもよい。例えば、着色成分、乳化剤及び香味料、例えば、天然及び人工着色料、スクロースモノエステル、ソルビタンエステル、ポリエトキシ化グリコール、寒天、アルブミン、カゼイン、グリセリルモノステアレート、ゴム、石鹸、アイリッシュモス、重炭酸ナトリウム、ホスフェートなどの膨張剤、生地の加工及び発酵のための酵素、ポリグリセロールポリリシノレート(polyglycerol polyricinoleate、PGPR)、卵黄、レシチン、及びそれらの混合物、無脂肪乳粉末、ココア、タンパク質粉末、ドライフルーツ粉末、栄養素、例えば、ビタミン、ミネラル、生理活性物質、例えば、アダプトゲン、栄養補助食品、含有物、例えば、チョコレートチップ、コーティングされたチョコレートチップ、コーヒー豆、果物、野菜、種子又はナッツの小片、全粒粉(例えば、オートミール)、菓子類の小片(例えば、スプリンクル)などの目に見えるトッピング。
【0037】
本明細書に記載される焼成製品の利点及び実施形態は、以下の実施例によって更に例示され、しかしながら、これらの実施例に列挙される特定の条件、加工スキーム、材料、及びそれらの量は、企図される組成物の全体的な範囲を過度に限定するように解釈されるべきではない。
【0038】
特に指示しない限り、本明細書で引用された全てのパーセントは重量による。
【実施例】
【0039】
以下の実施例は、一部の例示的な比較及び本発明の焼成製品を提供する。上述したように、本発明者らは、驚くべきことに、また予期せぬことに、ビスケット、クッキーなどの低カロリー及び低脂肪の焼成製品を、脂肪及び糖含有量を不溶性食物繊維及び低カロリー増量剤で置き換えながら、焼成製品の水分レベルを15%を下回るように維持し、総製品カロリーを100g当たり180~320kcalの範囲に維持しながら、首尾よく調製することができることを発見した。
【0040】
実施例1(本発明)
【0041】
目標のビスケット組成物を開発し、以下の表1に示す。典型的な薄力小麦粉の繊維含有量は一般に低いので、特定の高繊維成分をビスケット配合に組み込んだ。これらには、高アミロース小麦粉(軟質コムギ由来の本質的に高繊維の精製小麦粉であり、高繊維は高アミロース含有量のために難消化性デンプンから得られる)及び低脂肪カカオパウダーが含まれ、これらは両方とも不溶性食物繊維(insoluble dietary fiber(IDF))及び可溶性トウモロコシ繊維(難消化性デキストリン)の供給源である。高アミロース小麦粉のIDF含有量は、TDFの75%であると仮定され、これは、高アミロース小麦中の食物繊維が難消化性デンプン(RS2型)の存在に起因することを考慮すると、合理的な仮定である。焼成製品のカロリー含有量を更に減少させるために、アルロース、非消化性単糖類(実質的にゼロカロリー)を高い使用レベルで含めた。各成分の栄養プロファイルを考慮し、焼成製品の栄養価に対するその寄与を、使用レベル(製品中で使用される重量%)に基づいて計算した。計算を可能にするために、目標の水分ベイクオフを12.94重量%と仮定した。
【0042】
【0043】
表1からの計算に対応する生地配合を表2に従って調製した。
【0044】
【0045】
生地を調製するために、磁気撹拌子を使用して、可溶性トウモロコシ繊維を最初に250mLガラスビーカー内の配合水に溶解した。完全に溶解すると、可溶性トウモロコシ繊維溶液は淡黄色の透明なシロップを形成した。
【0046】
次に、グループ1(表2)からの全ての他の成分を、混合のためのパドルアタッチメントを備えたスタンドミキサー(Hobart)のボウルに入れた。次いで、可溶性トウモロコシ繊維シロップをボウルに注いだ。追加の2.5gの水を使用してガラスビーカーの側面をすすいで、内容物を確実にボウルに完全に移した。ボウルの内容物を「1」の設定で3分間混合した。次に、電子レンジで1分間予熱したグループ2の成分キャノーラ油をボウルに注ぎ、続いて「1」の設定で1分間混合した。
【0047】
次いで、グループ3の2つの粉をボウルに入れ、続いて「2」の設定で2.5分間混合し、その後、パドル表面をこすり落とし(完全な混合を確実にするため)、続いて同じ設定で更に2.5分間混合した。0.576の水分活性(Aw)を有する得られた粘土様生地を塊にしっかりと統合させ、ラップフィルム(サランラップ(登録商標))でしっかりと包み、周囲環境で30分間(放置時間)保管した。放置時間後、水分活性Aw)は0.573でほとんど変化しないままであった。この時点で、生地の包みを解き、2枚のワックスペーパーシートの間に置いた。これを電子生地シーター(Rondo Burgdorf AG,Switzerland)で最終設定を「2」にしてシート状にして、シート状の生地を得た。次に、シート状生地を、クッキーカッターを用いて生地パックに概ね似た円形に切断し、ステンレス鋼製ベーキングメッシュ上に移した。16個の未焼成生地パックの重量は80.1gであった。加えて、目標水分損失を達成するのに必要な焼成時間を決定するためのパイロットとして役立つように、4つの生地パックをより小さいメッシュ上に置いた。
【0048】
生地パックを、温度を340°F(171℃)に設定した対流(Combi)オーブン中で焼成した。パイロットメッシュ上のパックは、4分間の焼成後に除去され、9.3%の焼成水分損失をもたらし、12.94%の水分ベイクオフの目標を達成するために追加の焼成時間が必要であったことを示唆した。したがって、16個の生地パックを含むメッシュを6分間焼成すると、12.8%の水分ベイクオフをもたらし、これは目標に近かった。
【0049】
焼成ビスケットの様々なパラメータを測定/計算し、それらを以下の表3A及び3Bに列挙する。
【0050】
【0051】
実施例2(本発明)
【0052】
目標のビスケット配合を実施例1と同様の様式で調製したが、いくつかの変更を加え、例えば、低カロリー増量剤としてアルロースの代わりにマルチトールを使用し、この配合中に糖を使用しなかった。薄力小麦粉は使用しなかったので、高アミロースコムギが小麦粉の唯一の供給源であった。また、この配合はココア粉末を含有しないが、オート麦繊維、並びに小麦及びジャガイモからの難消化性デンプン(RS4)の添加により、かなり高レベルの不溶性繊維を含有した。生地配合を表4に従って調製した。
【0053】
【0054】
生地を調製するために、実施例1と同様に、可溶性トウモロコシ繊維を最初に水に溶解し、キャノーラ油を電子レンジで予熱した。次に、上記グループ1からの全ての他の成分を、混合のためのフレックスエッジパドルアタッチメントを備えたスタンドミキサー(KitchenAid)のボウルに入れた。KitchenAid上で2」の速度設定で3分間混合した。これにより、油中の不溶性オート麦繊維のコーティングを確実にした。次に、グループ2の成分、すなわち、可溶性トウモロコシ繊維(配合水中に予め溶解されている)及びマルチトールを添加し、続いて「2」で1分間混合した。これにより、「クリーム状」の粘稠度を有する柔らかいバッターが得られた。最後に、グループ3の成分をKitchenAidボウルに入れ、混合を「4」で5分間行った。得られた生地は非常に乾燥しており、粉っぽい質感を有していたが、驚くべきことに0.81という高い水分活性(Aw)を有していた。次いで、それを塊に統合し、ラップフィルムでしっかりと包み、周囲環境で30分間(放置時間)保管した。放置時間は、水分活性に有意な影響を与えなかった。
【0055】
生地塊は、手動で圧力を加えると粘着性の材料に統合することができる砕けやすい質感を達成した。次いで、生地をシリコーン製ベーキングマット上に置き、ラップフィルムで覆った。1/8インチのスペーサーバンドを備えた麺棒を使用して、生地を平らにしてシート状にした。次に、シート状生地を、実施例1のようにクッキーカッターを用いて円形(すなわち、生地パック)に切断し、ステンレス鋼製ベーキングメッシュ上に移した。生地パックを、温度を325°F(162.7℃)に設定した対流(Combi)オーブン中で焼成した。5分間焼成した後、16.7%の水分損失が達成され、これは目標水分損失であった。最終製品は、明るい色の(非常に少ない褐変)、しっかりとした質感のビスケットであり、0.20の水分活性(Aw)及び3.3%の水分を有していた。焼成ビスケットの様々なパラメータを測定/計算し、それらを以下の表5に列挙した。
【0056】
【0057】
実施例3(本発明)
【0058】
目標のビスケット配合を上記と同様の様式で調製したが、いくつかの変更を加え、例えば、脂肪源としてアーモンドバターを使用し、低カロリー甘味料としてアルロースを使用し、不溶性食物繊維源として高アミロース小麦粉、オート麦繊維、及び加工小麦デンプン(RS4)を使用した。生地配合を表6に従って調製した。
【0059】
【0060】
生地を調製するために、上記表からのグループ1の成分を「2」の設定でKitchenAidスタンドミキサーで最初に3分間混合し、スラリーを作製した。スラリーを、「撹拌」のより遅い速度設定で1分間更に混合した。次に、グループ2の乾燥成分をボウルに添加し、続いて「2」で2分間混合した。得られた生地は非常に粉末状であり、水分活性(Aw)は0.82であった。次いで、実施例2と同様に、それを塊に統合し、ラップフィルムでしっかりと包み、周囲環境で30分間(放置時間)保管した。
【0061】
30分間の放置時間後も水分活性に変化はなく、粉末状生地をシリコーン製ベーキングマット上に置き、ラップフィルムで覆った。1/8インチのスペーサーバンドを備えた麺棒を使用して、生地を平らにしてシート状にした。粉末状生地がばらばらになるのを防ぐために、かなりの量の圧力及び圧延が必要であった。また、クッキーカッターを使用して生地を円形(生地パック)に切断し、ステンレス鋼製ベーキングメッシュ上に移す際には、細心の注意を払う必要があった。
【0062】
対流(Combi)オーブン中で、325°F(162.7)で2分間だけ焼成すると、13.3%の目標水分損失がもたらされ、パリパリした、エアリーな、ウエハース様の質感を有する淡い色のクッキーがもたらされた。4.5の非常に高いIDF/脂肪比は、この配合からビスケットを成功裏に作製することは極めて困難であった。実施例3で使用される4.5のIDF/脂肪比は、標準的なローリング及びスコアリングプロセスを使用してビスケットを依然として作製することができる臨界上限にあると考えられ得る。焼成ビスケットの様々なパラメータを測定/計算し、それらを以下の表7に列挙した。
【0063】
【0064】
実施例4(比較)
【0065】
実施例3と同様の様式であるが、アーモンドバターをわずかに減少させ、それに対応してオート麦繊維含有量をわずかに増加させただけで、他の変化はない、目標のビスケット配合を調製した。これは、臨界上限IDF/脂肪閾値を超えるIDF/脂肪比を4.6に増加させるために行った。生地配合を表6に従って調製した。
【0066】
【0067】
グループ1の成分の混合は、実施例3のものと同一であった。また、実施例3と同様に、グループ2の乾燥成分をボウルに添加し、2分間混合した。
【0068】
しかしながら、混合後の塊は全く一緒にまとまらず、生地を作製するために使用することができない粉末をもたらした。
【0069】
粉末をラップフィルムでしっかりと包んでも、丸めて切り込みを入れて生地パックを得ることができる凝集塊を得ることはできなかった。
【0070】
むしろ、塊は粉末としてばらばらになった。
【0071】
特に、比較例4におけるIDF/脂肪比は4.6であり、成功したビスケットをもたらさなかったが、本発明の実施例3では、IDF/脂肪比は4.5であり、成功したビスケットをもたらした。
【0072】
したがって、従来のローリング及びスコアリングプロセスを使用してビスケットを作製する場合、4.5のIDF/脂肪比が、ビスケットを焼成するのに好適な生地を達成するための重要な上限であると思われる。
【0073】
いくつかの顕著な例外は、粉末を凝集塊に焼結するために過剰な圧力が適用され得る、押出成形及び/又は圧縮成形などの非従来的なプロセスの使用に関連し得る。
【0074】
しかしながら、そのような技術は、ビスケット製造において従来利用されていない。
【0075】
表8の配合から得られた焼成製品の様々なパラメータを測定/計算し、それらを以下の表9に列挙した。
【0076】
【0077】
実施例5(比較)
【0078】
比較例3を再現するために配合を調製したが、5.8の非常に高いIDF/脂肪比を有していた。
【0079】
比較例4の結果から予想され得るように、比較例5の配合は、粘着性の生地をもたらすことができず、したがって、成功したビスケットを作製することはできなかった。
【0080】
これは、4.5を上回るIDF/脂肪比を有する生地配合が許容可能なビスケットをもたらさないことを再度証明した。
【0081】
生地配合を表10に従って調製した。
【0082】
【0083】
表10の配合から得られた焼成製品の様々なパラメータを測定/計算し、それらを以下の表11に列挙した。
【0084】
【0085】
実施例6(本発明)
【0086】
目標のビスケット配合を、修正された(Cereals&Grains Association)AACC 10.53レシピ形式のスタイルで調製した。この配合は、本明細書で使用される他の実施例とは著しく異なる。主な差別化要因には、製品の飽和脂肪含有量を増加させるための無水乳脂肪及びキャノーラ油のブレンド、並びに脱脂粉乳が含まれる。この配合は、本明細書に記載される本発明の概念が、キャノーラ油を全体的に使用するビスケットよりも高い飽和脂肪含有量を有するバタービスケット又は茶菓子ビスケット配合に適用可能であることを示した。この非チョコレートビスケットの主な繊維供給源は、加工小麦デンプン(RS4)である。生地配合を表12に従って調製した。
【0087】
【0088】
生地を調製するために、グループ1を混合して、空気を含ませたクリームを作製した。次いで、グループ2を添加し、設定4で1分間混合した。この段階での混合物の外観は、最初の混合段階後と非常に類似していた。次いで、グループ3を添加し、2速混合プロセスに組み込んだ。最初に速度「2」で1分間組み込み、次いで速度「4」で3分間組み込んだ。得られた生地は、典型的なシュガークッキー生地に類似しており、水分活性(Aw)は0.70であった。本明細書で説明される他の本発明の実施例とは異なり、本実施例で従ったAACC 10.53様式は放置時間を使用しない。したがって、生地混合工程の直後に成形及び焼成を行った。混合後の水分活性は0.70であった。
【0089】
生地形成工程も他の実施例とは異なっていた。生地を6つの等しい小片に分割し、縁を有する固体アルミニウム製ベーキングトレイ上に均一に広げた。その上にピンソック(pin-sock)を有するステンレス鋼製麺棒を使用して、生地をトレイの縁の厚さまで延ばした。次いで、生地を丸型カッターで円形に切断し(すなわち、生地パック)、過剰な生地をトレイから除去した。次いで、除去した生地を再度組み込み、更にビスケットを作製した。生地パックを対流(Combi)オーブンで325°F(162.7℃)で7分間焼成したところ、プロセス中に11.82%の水分損失に達した。得られたビスケットは、黄金色の縁及び平坦な連続表面を有していた。それらは、乳成分に由来する明確な「バターのような」風味を有するパリパリした食感を有していた。Awは0.31であり、水分含有量は3.09%であった。
【0090】
焼成ビスケットの様々なパラメータを測定/計算し、それらを以下の表13に列挙した。
【0091】
【0092】
実施例7(本発明)
【0093】
目標のビスケット配合を、低カロリー増量剤としてのアルロース又はマルチトールなしで調製した。代わりに、2つの可溶性食物繊維、短鎖フラクトオリゴ糖(short chain fructo-oligosaccharide、scFOS)及び可溶性トウモロコシ繊維を低カロリー増量剤として使用した。実施例3と同様に、高アミロース小麦粉を唯一の小麦粉供給源として使用し、加工小麦デンプン(RS4)をIDF供給源として使用した。しかし、実施例3とは異なり、追加のIDF供給源としてオート麦繊維を使用する代わりに、低脂肪ココア粉末を使用した。生地配合を表14に従って調製した。
【0094】
【0095】
表14の配合に従って生地を調製するために、最初に可溶性トウモロコシ繊維をKitchenAidスタンドミキサーボウル中で配合水中に予め溶解し、続いてグループ1の残りの成分を添加し、次いでこれを「2」の設定で3分間混合した。
【0096】
次に、油(グループ2)を添加し、続いて同じ設定で更に1分間混合し、暗い褐色のスラリーの形成をもたらした。
【0097】
次いで、グループ3の乾燥成分をボウルに入れ、「4」の設定で5分間混合し、これにより、十分に粘着性のある明るい褐色の生地を得た。
【0098】
次いで、0.71の水分活性(Aw)を有する生地をラップフィルムでしっかりと包み、30分間の放置時間で保管した。
【0099】
放置時間は、水分活性に顕著な影響を及ぼさなかった。
【0100】
次に、実施例3と同じ手順に従って、生地を丸め、成形し、円形に切り込みを入れ(すなわち、生地パック)、対流Combiオーブン中で325°F(162.7℃)で4分15秒間焼成し、13.5%の目標水分損失及び0.20の水分活性(Aw)を得た。
【0101】
焼成製品は、独特の褐色及びエアリーな食感を有していたが、実施例7の配合には砂糖、糖アルコール、又は他の「甘味料」が添加されていなかったため、実施例1よりも甘さは低かった。
【0102】
実施例7の甘味は短鎖FOS由来であり、マイルドな甘味を有することが知られている。
【0103】
焼成ビスケットの様々なパラメータを測定/計算し、それらを以下の表15に列挙した。
【0104】
【0105】
実施例8(本発明)
【0106】
目標のビスケット配合を、実施例1と同様であるが、甘味料としてエリスリトールを使用する同一ではない様式で調製した。実施例1との他の小さい違いには、共通の成分の使用レベルの違い、及び膨張剤としての重炭酸アンモニウムの使用が含まれる。生地配合を表16に従って調製した。
【0107】
【0108】
表16の配合に従って生地を調製するために、グループ1の成分をKitchenAidスタンドミキサーボウルに入れ、「2」の設定で3分間混合した。一方、キャノーラ油(グループ2)を電子レンジで1分間予熱した。
【0109】
次に、予熱したキャノーラ油をボウルに添加し、「2」で混合して、暗い褐色のスラリーを形成した。次いで、グループ3の成分をボウルに添加し、ミキサー速度「4」で更に5分間混合し、塊状の生地を得た。
【0110】
次いで、生地をラップフィルムでしっかりと包み、30分間の放置時間を与えた。
【0111】
生地の水分活性(Aw)は、混合直後の0.83から放置時間後には0.87に変化した。
【0112】
次に、実施例3と同じ手順に従って、生地を丸め、成形し、円形に切り込みを入れ(すなわち、生地パック)、対流Combiオーブン中で325°F(162.7℃)で8分間焼成し、15.11%の水分損失が得られ、それは15.3%の目標の水分損失に近かった。
【0113】
0.46の水分活性(Aw)を有する暗い色のビスケットは、外観がかなり膨らみ、より柔らかい質感を有していた。
【0114】
焼成ビスケットの様々なパラメータを測定/計算し、それらを以下の表17に列挙した。
【0115】
【0116】
実施例9(比較)
【0117】
目標ビスケット配合を生地作製プロセスにおける非常に高い水分含有量の影響を調査するために設計した。
【0118】
概して、生地中の水分含有量が高いと、IDF含有量が高い場合であっても、生地がより粘着性になり、したがってビスケットが得られると予想するのが合理的である。生地配合を表18に従って調製した。
【0119】
【0120】
表18の配合に従って生地を調製するために、グループ1の成分を最初にフレックスエッジパドルを有するKitchenAidスタンドミキサーで「4」の速度設定で4分間混合した。
【0121】
次に、グループ2の乾燥成分を添加し、「撹拌」の速度設定で2分間混合した。
【0122】
次いで、水(グループ3)を添加し、「4」の設定で3分間混合し、0.88の水分活性(Awを有する生地を得た。
【0123】
生地をラップフィルムでしっかりと包み、水分活性に影響を及ぼさない30分間の放置時間を与えた。
【0124】
次に、実施例3と同じ手順に従って、生地を圧延し、成形し、円形に切り込みを入れた(すなわち、生地パック)。
【0125】
325°F(162.7℃)の対流(Combi)オーブンで6分間焼成すると、14%の目標の水分損失が得られた。しかしながら、製品は依然として0.75の高い水分活性(Aw)、及び15.3%の非常に高い製品水分含有量を有しており、これは保存期間にわたって製品内で微生物が増殖するリスクがあるため望ましくない。
【0126】
特に、比較例9は、高いIDF含有量による「乾燥」生地によってもたらされる課題を克服するために、追加の配合水を使用するという課題を示している。
【0127】
表18の配合に基づく焼成製品の様々なパラメータを測定/計算し、それらを以下の表19に列挙した。
【0128】
【0129】
実施例10(本発明)
【0130】
目標のビスケット配合を、0.6の低いIDF/脂肪比を目標として調製した。ヒマワリバターを脂肪の供給源として使用した。
【0131】
他の実施例と比較して、これはいかなる既知の難消化性デンプンの供給源も含有せず、すなわち、RS4又は高アミロース小麦粉を含有しなかった。
【0132】
したがって、添加されたオート麦繊維及び薄力小麦粉は、不溶性食物繊維の唯一の供給源であった。
【0133】
生地配合を表20に従って調製した。
【0134】
【0135】
表20の配合に従って生地を調製するために、グループ1の成分を最初にフレックスエッジパドルを有するKitchenAidスタンドミキサーで「2」の速度設定で3分間混合した。
【0136】
次に、グループ2のヒマワリバターを添加し、「2」の速度設定で1分間混合した。次いで、グループ3の成分を添加し、混合を「4」の設定で7分間継続し、0.65の水分活性(Aw)を有する粘着性のある生地を得た。
【0137】
この値は、生地をラップフィルムでしっかりと包み、30分間の放置時間を与えた後も変化しなかった。
【0138】
次いで、生地をロール状にしたシリコーンベーキングマット上に置き、ラップフィルムで覆った。1/8インチのスペーサーバンドを備えた麺棒を使用して、生地を丸めると、これは容易に平らなシート状に形成された。次いで、それを円形に切り込みを入れ(生地パック)、焼成のためにステンレス鋼製網上に移した。
【0139】
325°F(162.7℃)の対流(Combi)オーブンで8分間焼成すると、11.8%の目標の水分損失が得られた。0.29の水分活性(Aw)を有する褐色のクッキーは、「トーストしたナッツのような」風味及び「口の中で心地よく崩れる最初の一口がわずかに硬い」と記載された。
【0140】
焼成ビスケットの様々なパラメータを測定/計算し、それらを以下の表21に列挙した。
【0141】
【0142】
本明細書に記載の焼成製品は、有利なことに、脂肪、糖、及びカロリー含有量が低減され、同時に低水分、低水分活性、及び高不溶性食物繊維含有量を有し、消費時に心地よい感覚刺激特性を示す。
【0143】
当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に対して、幅広い種類の他の修正、変更、及び組み合わせも行われ得ること、並びにそのような修正、変更、及び組み合わせが本発明の概念の範囲内にあるとみなされることを認識するであろう。
【国際調査報告】