(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】ベースアセンブリ及びチャイルドシート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/28 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
B60N2/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521309
(86)(22)【出願日】2022-10-17
(85)【翻訳文提出日】2024-04-09
(86)【国際出願番号】 EP2022078825
(87)【国際公開番号】W WO2023062241
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】202111203538.9
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,クン
(72)【発明者】
【氏名】モォ,シャオロン
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087CE06
(57)【要約】
本開示は、ベースと、スライド要素と、支持脚と、支持脚伸縮構造とを含むベースアセンブリを提供し、前記スライド要素は、前記ベースに伸縮可能に配置され、前記支持脚は、前記スライド要素に回動可能に接続され、前記スライド要素とともに伸縮し、前記支持脚は、使用時に展開位置を有し、使用されない時に折り畳み位置を有し、支持脚伸縮構造は、前記支持脚を前記展開位置から前記折り畳み位置への回動に応じて、前記スライド要素と前記支持脚を前記ベースの内側に移動させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、スライド要素と、支持脚と、支持脚伸縮構造とを含むベースアセンブリであって、
前記スライド要素は、前記ベースに伸縮可能に配置され、
前記支持脚は、前記スライド要素に回動可能に接続され、前記スライド要素とともに伸縮し、前記支持脚は、使用時に展開位置を有し、使用されない時に折り畳み位置を有し、
支持脚伸縮構造は、前記支持脚を前記展開位置から前記折り畳み位置への回動に応じて、前記スライド要素と前記支持脚を前記ベースの内側に移動させる
ことを特徴とするベースアセンブリ。
【請求項2】
前記ベースは、ベースブラケットを含み、前記スライド要素は、スライドブラケットを含み、前記スライドブラケットは、前記ベースブラケットにスリーブされ、前記ベースブラケットに対してスライド可能であり、前記スライド要素は、前記ベースから延び出し、少なくとも一部が前記ベースに引き込めることができる
ことを特徴とする請求項1に記載のベースアセンブリ。
【請求項3】
前記支持脚伸縮構造は、駆動要素とガイドアセンブリを含み、前記駆動要素は、前記スライド要素内に配置され、前記支持脚とともに回動し、前記ガイドアセンブリは、前記駆動要素の回動を、前記スライド要素と前記支持脚とを一緒に前記ベースの内側に移動させる作動力に変換可能である
ことを特徴とする請求項2に記載のベースアセンブリ。
【請求項4】
前記ガイドアセンブリは、牽引要素と回転リンケージとを含み、前記牽引要素は、前記牽引要素の一端の運動を前記牽引要素の他端に伝達し、前記回転リンケージは、前記ベースに回動可能に接続され、前記回転リンケージの一端は、前記牽引要素の他端に接続され、前記回転リンケージの他端は、前記スライドブラケットに接続されている
ことを特徴とする請求項3に記載のベースアセンブリ。
【請求項5】
前記牽引要素は、ワイヤーとジャケットとを含み、前記ジャケットは、前記ベースに固定され且つ可撓性を有し、前記ワイヤーは、前記ジャケットの内側に配置され、前記ワイヤーの両端は、前記ジャケットからそれぞれ延び出して前記回転リンケージの一端と前記支持脚にそれぞれ接続されている
ことを特徴とする請求項4に記載のベースアセンブリ。
【請求項6】
前記ガイドアセンブリは、互いに噛み合う牽引ラックとトランスミッションギアとを含み、前記牽引ラックは、前記ベースブラケットに対して前記スライドブラケットのスライド方向に沿って前記ベースに配置され、前記トランスミッションギアは、前記駆動要素の外周面に形成されている
ことを特徴とする請求項3~5のいずれか1項に記載のベースアセンブリ。
【請求項7】
前記ガイドアセンブリは、牽引ロッドを含み、前記牽引ロッドの一端は、前記ベースブラケットに回動可能に接続され、前記牽引ロッドの他端は、前記駆動要素回動可能に接続されている
ことを特徴とする請求項3~6のいずれか1項に記載のベースアセンブリ。
【請求項8】
前記駆動要素の外周面に溝が形成されており、前記牽引ロッドの他端は、前記溝内に位置する
ことを特徴とする請求項7に記載のベースアセンブリ。
【請求項9】
前記ベースアセンブリは、さらに、カバーを含み、前記カバーは、前記駆動要素と同軸に配置され、前記支持脚が前記折り畳み位置に回動する時に、前記支持脚と前記スライド要素のハウジングとの間の隙間を遮蔽する
ことを特徴とする請求項3~8のいずれか1項に記載のベースアセンブリ。
【請求項10】
前記駆動要素の外周面は、少なくとも部分的に円弧状に形成されている
ことを特徴とする請求項3~9のいずれか1項に記載のベースアセンブリ。
【請求項11】
前記ベースアセンブリは、さらに、前記スライド要素を前記ベースの外側に向けて移動させるための第1の回復要素と、前記支持脚を前記折り畳み位置から前記展開位置に回動させる第2の回復要素とを含む
ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載のベースアセンブリ。
【請求項12】
ベースアセンブリと、前記ベースアセンブリに配置されたシートと、を含むチャイルドシートであって、
前記ベースアセンブリは、請求項1~11のいずれか1項に記載の前記ベースアセンブリである
ことを特徴とするチャイルドシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、チャイルドシートの技術分野に関し、具体的には、操作が便利なベースアセンブリとチャイルドシートに関する。
【背景技術】
【0002】
チャイルドシートは、子供の外出に不可欠なキャリアとなっている。チャイルドシートの安定性と使用安全性を高めるために、支持脚構造をベースに取り付ける。使用時、支持脚構造は、展開されて接地され、チャイルドシートをよく支持し、チャイルドシートの転倒を防止することができる。使用されない場合、支持脚構造は、チャイルドシートの体積を減らすためにベースの底部に折り畳むことができる。
【0003】
しかしながら、支持脚構造が設けられたチャイルドシートは、そのベースの先端に支持脚構造を取り付けて回動するように構成された突起を有する。支持脚が必要がない場合、突起が邪魔になり、子供の乗車体験に影響を与えるだけでなく、チャイルドシートの体積を増やし、輸送コストを増加させる可能性がある。
【0004】
伸縮可能な支持脚構造を有するチャイルドシートは、上記の問題を解決することができるが、折りたたみと縮みのためには2つのステップが必要であり、支持脚構造を折りたたみ、支持脚構造を押して支持脚構造を縮み、完全に折りたたむ目的を達成する必要がある。この方法では、複雑な操作と悪いユーザー体験がある。
【発明の概要】
【0005】
本願は、ベースアセンブリを提供する。前記ベースアセンブリは、ベースと、スライド要素と、支持脚と、支持脚伸縮構造とを含み、前記スライド要素は、前記ベースに伸縮可能に配置され、前記支持脚は、前記スライド要素に回動可能に接続され、前記スライド要素とともに伸縮し、前記支持脚は、使用時に展開位置を有し、使用されない時に折り畳み位置を有し、支持脚伸縮構造は、前記支持脚を前記展開位置から前記折り畳み位置への回動に応じて、前記スライド要素と前記支持脚を前記ベースの内側に移動させる。
【0006】
他の態様では、チャイルドシートを提供する。前記チャイルドシートは、ベースアセンブリと、前記ベースアセンブリに配置されたシートを含み、ここで、前記ベースアセンブリは、上記のベースアセンブリである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の様々な目的、特徴、及び利点は、添付図面と関連して本開示の好適な実施形態の以下の詳細な説明を考慮することによってより明らかになるであろう。図面は本開示の例示的な図面にすぎず、スケールで描く必要がない。図面において、同一の符号は常に同一又は類似の部品を指す。
【0008】
【
図1】本開示のベースアセンブリの支持脚が展開位置にあるベースアセンブリの側面図である。
【
図2】本開示のベースアセンブリの支持脚が折り畳み位置にあるベースアセンブリの側面図である。
【
図3】本開示の第1の実施形態におけるベースアセンブリの支持脚が展開位置にあるベースアセンブリの部分斜視図である。
【
図4】本開示の第1の実施形態におけるベースアセンブリの支持脚が展開位置にあるベースアセンブリの斜視図である。
【
図5】本開示の第1の実施形態におけるベースアセンブリの支持脚が折り畳み位置にあるベースアセンブリの部分斜視図である。
【
図6】本開示の第1の実施形態におけるベースアセンブリの支持脚が折り畳み位置にあるベースアセンブリの部分斜視図である。
【
図7】本開示の第2の実施形態におけるベースアセンブリの支持脚が展開位置にあるベースアセンブリの部分斜視図である。
【
図8】本開示の第2の実施形態におけるベースアセンブリの支持脚が折り畳み位置にあるベースアセンブリの部分斜視図である。
【
図9】本開示の第2の実施形態におけるベースアセンブリの支持脚が展開位置にあるベースアセンブリの部分斜視図である。
【
図10】本開示の第3の実施形態におけるベースアセンブリの支持脚が展開位置にあるベースアセンブリの部分斜視図である。
【
図11】本開示の第3の実施形態におけるベースアセンブリの支持脚が展開位置にあるベースアセンブリの概略部分断面図である。
【
図12】本開示の第3の実施形態におけるベースアセンブリの牽引ロッドの斜視図である。
【
図13】本開示の第3の実施形態におけるベースアセンブリの支持脚が折り畳み位置にあるベースアセンブリの部分斜視図である。
【
図14】本開示の第3の実施形態におけるベースアセンブリの支持脚が折り畳み位置にあるベースアセンブリの概略部分断面図である。
【符号の説明】
【0009】
ベースアセンブリ1
ベース10
固定フレーム120
ベースブラケット160
スライドロッド161
受け溝170
ロック要素180
支持脚20
コネクタ240
保護カバー250
スライド要素30
スライドブラケット340
スライド溝341
ハウジング350
牽引要素40
ワイヤー410
ジャケット420
制限ボス430
駆動要素500
牽引要素制限溝501
牽引要素接続部502
回転リンケージアセンブリ510
ピボットシャフト511
接続コラム512
回転リンケージ513
接続ラグ514
ギアアセンブリ520
牽引ラック521
トランスミッションギア522
牽引ロッドアセンブリ530
牽引ロッド531
第1の回転シャフト5311
第2の回転シャフト5312
取付ラグ532
回避溝533
第1の回転孔534
第2の回転孔535
第1の回復要素540
第2の回復要素550
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の概念全体をより明確に説明するために、以下の詳細な説明は、参照明細書の図面を例として説明する。
【0011】
なお、以下の説明では、本開示を十分に理解するために、多くの具体的な詳細が提案されている。しかしながら、本開示は、本明細書に記載された方法とは異なる他の方法で実施することができる。したがって、本開示の保護範囲は、以下に開示される具体的な実施形態によって制限されるものではない。
【0012】
また、本開示の説明において、用語「中央」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「内側」、「外側」、「軸方向」、「半径方向」、「円周方向」などは、図面に示された向き又は位置関係に基づいて向き又は位置関係を示すものであり、本開示を説明し、説明を簡略化するための便宜的なものに過ぎず、示された装置又は構成要素が特定の向きを有していなければならない、又は特定の向きで構成され、動作しなければならないことを示す又は暗示するものではなく、したがって、本開示を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0013】
本開示では、特に規定及び制限がない限り、用語「取り付けられている」、「接続されている」、「結合されている」及び「固定されている」は広く理解されるべきであり、例えば、固定されていてもよく、取り外し可能であってもよく、又は統合されていてもよく、あるいは、直接接続してもよく、中間媒体を介して間接的に接続してもよく、2つのコンポーネントの内部通信又は2つのコンポーネント間の相互作用の中にあってもよい。しかし、直接接続とは、2つの接続体が過剰な構造によって接続関係を確立するのではなく、接続構造によって全体を形成することを意味する。当業者にとって、本開示における上記用語の具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0014】
本開示では、特に規定及び制限がない限り、第1の特徴と第2の特徴との間で「上」又は「下」の第1の特徴を直接接触させたり、中間媒体を介して第1の特徴と第2の特徴との間で間接的に接触させたりすることができる。本明細書の説明において、「実施形態」、「いくつかの実施形態」という用語が言及され、「例」、「特定の例」、又は「いくつかの例」という記述は、実施形態又は例に関連して説明された特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上述の用語の概略的な表現は、必ずしも同じ実施形態又は例を指すものではない。さらに、記載された特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の1つ又は複数の実施形態又は実施形態において適切な方法で組み合わせることができる。
【0015】
本開示は、車両シートに取り付けられて赤ちゃんや子供が乗ることができ、乗員の安全を確保することができるチャイルドシートを提供する。
【0016】
図1及び
図2に示すように、チャイルドシートは、ベースアセンブリ1及びシート(図示せず)を含む。ベースアセンブリ1は、ベース10と支持脚20とを含む。シートは、ベース10上に回転可能に配置され、少なくとも前方位置と後方位置とを有する。前方位置は、シートが車両前方を向く位置であってもよく、後方位置は、シートが車両後方を向く位置であってもよい。例えば、前方位置は、年齢の高い子供に適し、後方位置は年齢の小さい子供に適しているが、この応用はこれに限定されない。
【0017】
支持脚20は、ベース10に回転可能かつ伸縮可能に接続されている。支持脚20を使用する場合、支持脚20は、ベース10から延び出し回転して接地することができ(
図1に示すように)、これにより、チャイルドシートが衝突中に転倒するのを防止することができる。支持脚20が必要がない場合、支持脚20は同期に回転してベース10に引き込めることができ(
図2に示すように)、これにより、チャイルドシートの全体的なサイズを小さくすることができ、収納と使用を容易にすることができる。
【0018】
以下、本開示の第1の実施形態について、主に
図3~6を参照して説明する。
【0019】
ベースアセンブリ1は、ベース10と、ベース10上に伸縮可能に配置されたスライド要素30と、支持脚20と、支持脚伸縮構造とを含み、支持脚20は、スライド要素30に回動可能に接続され、スライド要素30と一緒に伸縮し、支持脚20は、使用時に展開位置(
図1に示すように)を有し、使用されない時に折り畳み位置(
図2に示すように)を有し、支持脚伸縮構造は、支持脚20が展開位置から折り畳み位置への回動に応じて、ベース10の内部に向かって移動するようにスライド要素30及び支持脚20を一緒に作動させる。
【0020】
この実施形態では、支持脚伸縮構造は、駆動要素500と、ガイドアセンブリ(以下で詳細に説明する)とを含む。
【0021】
ベース10は、ベースブラケット160を含む。ベース10には、固定フレーム120が設けられていてもよい。固定フレーム120及びベースブラケット160は、支持体として使用することができる。ベース160は、フレーム構造を有することができ、ベース10の前後方向に延びる2つの平行で対称な管状要素として形成することができる。固定フレーム120は、ベースブラケット160の2つの管状要素に接続することができる。
【0022】
スライド要素30は、スライドブラケット340を含む。スライドブラケット340は、ベースブラケット160にスリーブされ、ベースブラケット160に対して一定の距離をスライドすることができる。言い換えれば、スライドブラケット340は、ベースブラケット160の平行部分に対応する2つの平行部分を形成してもよい。
図11に明確に示されているように(
図11を参照して説明したが、
図11に示された構造は他の実施形態に適用可能であることが理解される)、ベースブラケット160は、スライドロッド161を含み、スライドブラケット340は、スライド溝341を含み得る。スライド溝341は、スライドロッド161が一定の距離移動できるように細長い形状に形成されている。
【0023】
図4を参照すると、ベース10は、受け溝170をさらに含む。支持脚20が折り畳まれると、折り畳み位置にある支持脚20がベース10の底面から突出しく、又はベース10の底面からわずかに突出しないように、受け溝170内に収容することができる。ベース10は、また、ロック要素180を含むことができる。ロック要素180は、押下ボタンとして形成されてもよく、ベース10の底面に移動可能に設けられ、受け溝170に折り畳まれた支持脚20の一端に係合してロックすることができる。ロック要素180は、支持脚20が予想外に回転して展開位置から離れることを防止することができる。
【0024】
スライド要素30は、スライドブラケット340に接続されたハウジング350をさらに含む。ハウジング350は、例えばリベットを介してスライドブラケット340に接続されて固定されてもよい。
【0025】
保護カバー250は、ハウジング350内に設けられてもよい(
図8及び
図9を参照)。ピボットシャフトは、スライドブラケット340、保護カバー250、駆動要素500及び支持脚20を貫通することができる。すなわち、保護カバー250は、駆動要素500と同軸に設けられていてもよい。支持脚20が折り畳み位置に回動すると、保護カバー250は、支持脚20と共に回動して支持脚20とスライド要素30のハウジング350との隙間を遮蔽し、怪我を防止することができる。
【0026】
ベースアセンブリ1は、第1の回復要素540及び第2の回復要素550をさらに含む。第1の回復要素540は、引張バネとして形成することができ、第2の回復要素550は、ねじりバネとして形成することができるが、この応用はこれに限定されない。第1の回復要素540は、スライド要素30をベース10の外部に向けて移動するために使用することができる。
【0027】
第1の回復要素540は、引張力を付与するためにスライドブラケット340とベースブラケット160とを接続する2つの引張ばねとして形成することができる。スライド要素30がベース10の前部に突出した位置からベース10の内部に引き込めると(スライド要素30がベース10の少なくとも部分的に内側に位置する)、第1の回復要素540は、エネルギーを蓄積し、ロック要素180が折り畳み位置で支持脚20を解放すると、第1の回復要素540は、蓄積したエネルギーを解放して張力を提供し、スライド要素30をベース10の前部に突出した位置に移動する。
【0028】
第2の回復要素550の両端は、支持脚20及びスライド要素30にそれぞれ作用することができる。支持脚20が展開位置から折り畳み位置に回動すると、第2の回復要素550は、エネルギーを蓄積し、ロック要素180が折り畳み位置で支持脚20を解放すると、第2の回復要素550は、蓄積されたエネルギーを解放してねじれ力を提供し、支持脚20を展開位置に回動させる。
【0029】
駆動要素500は、スライド要素30の内部に配置され、支持脚20とともに回動可能である。
図3に示すように、ガイドアセンブリは、駆動要素500の回動を駆動力に変換して、スライド要素30と支持脚20とをベース10の内部に向かって移動させるようにするための牽引要素40と回転リンケージアセンブリ510とを含むことができる。
【0030】
図3~
図4Aに示すように、牽引要素40は、ワイヤー410、ジャケット420、及び制限ボス430を含むことができる。牽引要素40は、牽引要素40の一端の動きを牽引要素40の他端に伝達することができる。2つの制限ボス430は、それぞれベース10とスライド要素30に設けられて、ジャケット420の両端を固定することができる。ジャケット420は、ベース10に対してスライド要素30の移動に伴ってその形状を変化させるために可撓性であってもよい。ワイヤー410は、例えば、ジャケット420内に配置され、ジャケット420の両端から延び出すスチールワイヤーであってもよい。ワイヤー410の一端(
図4Aに示すように)は、駆動要素500の牽引要素接続部502(例えば、駆動要素500の前端)に接続することができる。
【0031】
駆動要素500の外周面は、少なくとも一部が円弧状に形成することができる。駆動要素500は、牽引要素制限溝501を形成することができる。ワイヤー410の一部は、移動時にワイヤー410が左右に揺動するのを防止するために、牽引要素制限溝501内に位置決めすることができる。
【0032】
回転リンケージアセンブリ510は、ピボットシャフト511、接続コラム512、回転リンケージ513、及び接続ラグ514を含むことができる。回転リンケージ513は、ピボットシャフト511を介してベース10に回動可能に接続されている。ワイヤー410の他端(
図3に示すように)は、回転リンケージ513の一端、すなわち接続コラム512に接続することができる。接続ラグ514は、スライドブラケット340に固定することができる。回転リンケージ513の他端は、接続ラグ514に接続することができる。接続ラグ514は、細長い孔を形成することができ、回転リンケージ513の他端は、回転リンケージ513の他端の円弧運動がベースブラケット160に沿ったスライドブラケット340の線形運動に変換されるように細長い孔に接続することができる。回転リンケージ513の存在により、ピボットシャフト511のいずれか一方の側に設けられた回転リンケージ513の長さを設定することにより、ワイヤー410の移動距離を増大又は短縮し、その移動距離をスライドブラケット340に伝達する効果を実現することができる。
【0033】
他の実施形態では、支持脚20がより小さな角度で回動することにより、スライド要素30と支持脚20が共により大きな距離を移動するようにする他の方法で実現することもできる。例えば、回転リンケージアセンブリ510は、滑車群又は他の機構に置き換えられてもよい。
【0034】
支持脚20が展開位置から折り畳み位置に回動する過程で、支持脚20の回動により、ワイヤー410の一端が駆動要素500の周りを移動するように駆動し(駆動要素500は支持脚20と共に回動し)、この運動は、ワイヤー410の他端に伝達され、それにより、回転リンケージアセンブリ510の接続コラム512を牽引し、その後回転リンケージアセンブリ510をピボットシャフト511の周りに回動させ、最後に、回転リンケージアセンブリ510の他端は、接続ラグ514を介してスライドブラケット340を牽引し、スライド要素30と支持脚20が共にベース10の内部に向かって移動するようにする。
【0035】
支持脚20が折り畳み位置から展開位置に回動する過程で、上記の過程は逆に発生することが理解される。
【0036】
上述したように、この実施形態のベースアセンブリ1は、支持脚20を回動する1つのステップだけで折り畳みプロセスを実現でき、操作が簡単であることがわかる。同時に、必要に応じて、加える力の大きさとスライド要素30の移動距離を変更することができる。
【0037】
以下、本開示の第2の実施形態について、主に
図7~9を参照して説明する。
【0038】
本開示の第2の実施形態は、主にガイドアセンブリが第1の実施形態と異なる。次に、第2の実施形態と第1の実施形態との違いについて主に説明し、第1の実施形態では説明されていない部分を見つけることができる。
【0039】
図7~9に示すように、第2の実施形態のガイドアセンブリは、互いに噛み合う牽引ラック521とトランスミッションギア522とを含むことができる。牽引ラック521は、スライドブラケット340がベースブラケット160に対してスライドする方向に沿ってベース10に設けられていてもよい。具体的には、牽引ラック521は、ベース10の底部に中央に配置され、ベース10の前後方向に配置されてもよい。牽引ラック521は、例えば、ネジによりベース10に固定することができる。駆動要素500の円弧状外周面の少なくとも一部を構成するために、駆動要素500の外周面には、トランスミッションギア522を形成することができる。トランスミッションギア522と牽引ラック521は、噛み合い状態に保持され、互いに対応する長さを有することができる。支持脚20が展開位置から折り畳み位置に移動すると、トランスミッションギア522が牽引ラック521上を走行する距離と等しいか、それ以上の長さにすることができる。
【0040】
支持脚20が展開位置から折り畳み位置に回動すると、支持脚20は折り畳み時に駆動要素500を回転させるように駆動する。トランスミッションギア522が牽引ラック521に噛合し、駆動要素500が回転すると、牽引ラック521上のギアが内向きの反力を発生し、駆動要素500がベース10の内部に移動するように駆動する。駆動要素500が支持脚20に接続されると、支持脚20はベース10の内部に向かって移動するように駆動される。
【0041】
支持脚20が折り畳み位置から展開位置に回動する過程で、上記の過程は逆に発生することが理解される。
【0042】
この実施形態は構造が安定しており、運転感覚が良く、運転抵抗が小さく、使用寿命が長い。
【0043】
以下、本開示の第3の実施形態について、主に
図10~
図14を参照して説明する。
【0044】
本開示の第3の実施形態は、主にガイドアセンブリが第1の実施形態と異なる。以下では、第3の実施形態と第1の実施形態との違いについて主に説明し、第1の実施形態では説明されていない部分を見つけることができる。
【0045】
図10~14に示すように、第3の実施形態のガイドアセンブリは、牽引ロッド531を含むことができる。牽引ロッド531の一端は、ベースブラケット160に回動可能に接続されている。牽引ロッド531の他端は、駆動要素500に回動可能に接続されている。
【0046】
図12に示すように、牽引ロッド531は、牽引ロッド531の両端にそれぞれ配置された第1の回転シャフト5311及び第2の回転シャフト5312を含むことができ、牽引ロッド531は、いずれかの端部を中心に回動することができる。
【0047】
図10に示すように、固定フレーム120には取付ラグ532が設けられていてもよい。回避溝533は、駆動要素500の外周面に形成することができる。第1の回転孔534は、回避溝533の内部に形成することができる。第1の回転孔534は、駆動要素500の外縁に位置し、すなわち、偏心して配置されている。第2の回転孔535は、取付ラグ532に形成することができる。牽引ロッド531の他端は、回避溝533の内部に位置することができる。第1の回転シャフト5311及び第2の回転シャフト5312は、それぞれ第1の回転孔534及び第2の回転孔535に回動可能に接続されている。回避溝533は、支持脚20が展開位置及び折り畳み位置にあるときに駆動要素500が牽引ロッド531と干渉しないように形成することができる。
【0048】
図11及び
図14を参照すると、支持脚20が展開位置から折り畳み位置に回動する間、支持脚20は、駆動要素500と共に回動し、牽引ロッド531の一端が駆動要素500の外周面を中心に円弧状に移動するように駆動する。牽引ロッド531の他端は取付ラグ532を介してベースブラケット160に固定されているため、駆動要素500の回動により、スライド要素30は支持脚20とともにベース10の内部に向かって移動する。スライド要素30は、スライドブラケット340を介してベースブラケット160にスリーブされているので、スライド要素30と支持脚20はベースブラケット160に沿ってしか移動できないことが理解される。
【0049】
支持脚20が折り畳み位置から展開位置に回動する過程で、上記の過程は逆に発生することが理解される。
【0050】
一実施形態では、ベースはベースブラケットを含み、スライド要素はスライドブラケットを含み、スライドブラケットはベースブラケットにスリーブされ、ベースブラケットに対してスライド可能である。
【0051】
一実施形態では、支持脚伸縮構造は、駆動要素と、ガイドアセンブリとを含み、駆動要素がスライド要素の内部に配置され、支持脚とともに回動し、ガイドアセンブリは、駆動要素の回動を、スライド要素と支持脚を一緒にベース内部に移動させる動力に変換する。
【0052】
一実施形態では、ガイドアセンブリは、牽引要素と回転リンケージとを含み、牽引要素は、牽引要素の一端の動きを牽引要素の他端に伝達し、回転リンケージは、ベースに回動可能に接続され、回転リンケージの一端は、牽引要素の他端に接続され、回転リンケージの他端は、スライドブラケットに接続される。
【0053】
1つの実施形態では、牽引要素は、ワイヤーとジャケットとを含み、ジャケットは、ベースに固定され、可撓性を有し、ワイヤーは、ジャケット内に配置され、ワイヤーの両端は、それぞれジャケットから延び出し、それぞれ回転リンケージの一端と支持脚に接続されている。
【0054】
1つの実施形態では、ガイドアセンブリは、牽引ラックとトランスミッションギアを含む。牽引ラックとトランスミッションギアは、互いに噛み合っている。牽引ラックは、ベースブラケットに対するスライドブラケットのスライド方向に沿ってベースに設けられ、トランスミッションギアは、駆動要素の外周面に形成されている。
【0055】
一実施形態では、ガイドアセンブリは、牽引ロッドを含み、前記牽引ロッドの一端は、前記ベースブラケットに回動可能に接続され、前記牽引ロッドの他端は、前記駆動要素に回動可能に接続されている。
【0056】
一実施形態では、駆動要素の外周面に回避溝が形成され、牽引ロッドの他端は回避溝内に位置する。
【0057】
一実施形態では、ベースアセンブリは、支持脚が折り畳み位置に回動したときに支持脚とスライド要素のハウジングとの間の隙間を遮蔽するように駆動要素と同軸に配置された保護カバーをさらに含む。
【0058】
一実施形態では、ベースアセンブリは、スライド要素をベース外部に向けて移動させるための第1の回復要素と、支持脚を折り畳み位置から展開位置に回動させるための第2の回復要素とをさらに含む。
【0059】
一実施形態では、駆動要素の外周面は、少なくとも一部が円弧状に形成される。
【0060】
この実施形態は構造が簡単で、部品が少なく、コストが低く、運行品質が良い。
【0061】
上記の技術案により、本開示は、少なくとも以下の利点を有する。
【0062】
1.本願発明では、支持脚は、少なくとも展開位置と折り畳み位置とを有するように設けられているので、チャイルドシートの使用時には、支持脚がチャイルドシートを良好に支持してチャイルドシートの転倒を防止し、使用されない時には、支持脚をベースの下部に折り畳んで便利に収容することができるとともに、チャイルドシートの体積を小さくして輸送コストを低減することができる。さらに、スライド要素がベース上に伸縮自在に配置され、支持脚がスライド要素に回動自在に接続され、スライド要素と共に伸縮することにより、支持脚を便利に取り付けることができるだけでなく、良好な回動を実現することができる。さらに、支持脚は、スライド要素の伸縮に伴って伸縮することもでき、支持脚を使用しないときには、スライド要素をベースの底部に収納することにより、スライド要素がベースの前端から突出する長さを短くしたり、スライド要素がベースから突出しないようにすることができ、これにより、子供が足を離すことに影響を与えず、子供の乗り心地を向上させ、チャイルドシートの体積をさらに小さくし、輸送コストをさらに低減することができる。さらに、支持脚が揺動して折り畳まれるとき、ガイドアセンブリが内向きの反力を提供することができ、支持脚が同期して内側に、すなわちベースに近い方向に引っ込むようにし、支持脚を折り畳んだ後、使用者が支持脚を押して引っ込ませる必要がなく、完全な折り畳みを達成することができ、使用者の操作を簡素化することができ、その結果、簡単な操作と良好な使用体験を有し、さらに満足度が高く、既存製品との差別化を形成し、製品の市場競争力を大幅に向上させることができる。
【0063】
2.スライドブラケットはベースブラケットに対して一定の距離スライドすることができるので、使用しないときは前後方向に沿って小さいサイズに縮小することができ、使用するときは前後方向に沿って所望の長さに延長することができる。スライドブラケットはベースブラケットにスリーブされ、スライドブラケットはベースブラケットに対して安定して直線運動でき、スライド要素に良好な運動感を持たせることができる。
【0064】
3.駆動要素とガイドアセンブリが設けられているため、支持脚の回動はスライド要素の動きと協働し、ガイドアセンブリはストロークを大きくすることによって支持脚の回動をスライド要素に伝達することができ、すなわち支持脚は小さな角度で回転し、スライド要素と支持脚の大きな収縮を実現することができる。
【0065】
4.本開示のチャイルドシートは、スライド要素を備え、支持脚がスライド要素に回動可能に接続され、支持脚がスライド要素の延長及び後退に伴って展開及び折り畳まれ、それにより、安全シートが2つの使用モードで展開される際に良好な安全性を有し、折り畳まれる際に十分に小さいサイズを有するようになる。第1の使用モードでは、シート面を後ろにして支持脚を展開したり、シート面を前にして支持脚を開放したり、そして、第2の使用モード(すなわち、ブースターモード)では、シートが前方を向いており、支持脚が折り畳まれている。第1の使用モードでは、支持脚が展開された場合にシートを後方に使用したり、支持脚が折り畳まれた場合にシートを前方に使用したりすることができる。より具体的には、シート面が後方にあり、支持脚が展開される使用モードは、15ヶ月未満及び/又は身長が0~105cmの子供に適用され、シートが前方を向いており、支持脚が折り畳まれている使用モードは、15ヶ月以上及び/又は身長が76cmから105cmの子供、すなわち「小さな子供」モードに適している。第2の使用モード(すなわち、ブースターモード)では、シートは前面を向く必要があり、支持脚は折り畳まなければ使用できない。このモードは、身長が100センチから150センチの子供、つまり「もっと大きな子供」モードに適している。
【0066】
第1の使用モードでは、支持脚の展開後の接地位置をスライド要素の伸縮によって調節することができ、それによって支持脚の上端がベースに支持されることを保証し、それによって安全シートをよく支持し、安全シートの反転を防止し、安全シート使用時の安全を保証する。同時に、車両シートの後部シートには十分な空間があり、車両が衝突された場合、前後の空間が十分であるため、良好な緩衝効果を形成でき、小さい子供をよく保護することができ、大きなスペースは安全シートを取り付けやすく、小さな子供を入れたり取り出したりするのにも便利である。また、第2の使用モードでは、支持脚が必要がない場合には、支持脚を折り畳んでベースの下に隠すことができ、それから車両のシートに取り付けて、大きな子供のために使用することができる。体の大きい子供は通常体の小さい子供よりも高いため、より多くの空間が必要であり、本開示は体の大きい子供の乗車空間を満たすために車両後部シートの空間を増加するだけでなく、前後の空間が大きいため、車両が衝突された時により良いクッションを形成し、体の大きい子供により良い安全保護を提供し、体の小さい子供に足を置く空間を提供し、安全シートに乗る快適性を高め、体の大きい子供の安全安定を確保した。また、使用されない場合には、支持脚が格納され、隠されることにより、安全シートの全体的な寸法が減少し、安全シートの包装体積が減少し、輸送コストが削減される。また、スライド要素、すなわち支持脚の伸縮と折り畳みにより、安全シートの全体寸法を変更することができる。後部シート空間の大きさは車両タイプによって異なるが、本開示は異なるタイプの車両に応用でき、安全シートの応用範囲を大幅に向上させる。また、安全シートは、小さな子供と大きな子供の使用モード(1つのシートに複数の用途がある)の2つの使用モードに分けることができ、安全シートの使用範囲を大幅に向上させることができる。このように、ユーザーは1つの安全シートを購入するだけで、ユーザーの使用コストを大幅に削減し、ユーザーにより良い吸引力を提供し、製品の差別化を形成し、製品の市場競争力を大幅に強化した。
【0067】
上述したように明細書を考慮し、本開示を実施した後、当業者は、本開示の他の実施形態を容易に思いつくであろう。本開示は、本開示の一般的な原理に従い、本開示に開示されていない技術分野における公知の常識又は一般的な技術手段を含む、本開示のあらゆる変化、使用、又は改変をカバーすることを目的とする。さらに、明細書及びその実施形態は単なる例とみなされ、本開示の範囲及び精神は、本開示の請求項によって示される。
【0068】
本開示は、典型的な実施形態の例を参照して説明されてきたが、使用される用語は例示的であり、限定的ではない。本開示は、本開示の精神及び実質から逸脱することなく様々な形で具現化されることができるので、上述の実施形態は、前述の詳細のうちの任意の詳細に限定されるものではなく、特許請求の範囲に限定された範囲内で最も広い意味で解釈されるべきであり、したがって、特許請求の範囲又はその等価物の範囲内に含まれるすべての変化は、特許請求の範囲によってカバーされるべきであることを理解されたい。
【国際調査報告】