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特表2024-535561第1の骨と第2の骨との癒合を補助するための癒合プレート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】第1の骨と第2の骨との癒合を補助するための癒合プレート
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/80 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
A61B17/80
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521330
(86)(22)【出願日】2022-10-05
(85)【翻訳文提出日】2024-05-30
(86)【国際出願番号】 US2022077606
(87)【国際公開番号】W WO2023060122
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】2114235.1
(32)【優先日】2021-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524131947
【氏名又は名称】エーエー エンタープライジズ,エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】523214513
【氏名又は名称】オドネル,トゥーロッホ
(71)【出願人】
【識別番号】524131958
【氏名又は名称】レイン,アラン
(71)【出願人】
【識別番号】524131969
【氏名又は名称】アメンドーラ,アヌンツィアート
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オドネル,トゥーロッホ
(72)【発明者】
【氏名】レイン,アラン
(72)【発明者】
【氏名】アメンドーラ,アヌンツィアート
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL33
(57)【要約】
第1の骨(2)と第2の骨(3)との癒合を補助するための癒合プレート(1、20)であって、第1の骨と第2の骨との間の関節にまたがるように構成された剛な細長いプレートを備え、プレートは、その長さに沿ったC字の外形と、0.5~1.5mmの厚さと、第1および第2の骨にプレートを固定するための骨固定スクリュー(12)を受け入れるための複数の孔(11)とを有し、複数の孔は、直交固定スクリュー構成で近位骨固定スクリュー(12)を受け入れるように構成された、プレートの近位端(7)の各側(9、10)に配置された少なくとも1つの近位孔と、直交固定スクリュー構成で遠位骨固定スクリューを受け入れるように構成された、プレートの遠位端(8)の各側(9、10)に配置された少なくとも1つの孔とを含む、癒合プレート。プレートは、背内側での取り付けならびに母趾の中足趾節関節(MTPJ)および足根中足関節(TMTJ)から選択される中足骨関節の癒合のために構成されていてもよい。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の骨(2)と第2の骨(3)との癒合を補助するための癒合プレート(1、20、30)であって、前記第1の骨と前記第2の骨との間の関節にまたがるように構成された剛な細長いプレートを備え、前記プレートは、C字の外形と、0.5~1.5mmの厚さと、前記第1および第2の骨に前記プレートを固定するための骨固定スクリュー(12)を受け入れるための複数の孔(11)とを有し、前記複数の孔は、直交固定スクリュー構成で近位骨固定スクリュー(12)を受け入れるように構成された、前記プレートの近位端(7)の各側(9、10)に配置された少なくとも1つの近位孔と、直交固定スクリュー構成で遠位骨固定スクリューを受け入れるように構成された、前記プレートの遠位端(8)の各側(9、10)に配置された少なくとも1つの孔とを含む、癒合プレート。
【請求項2】
前記癒合プレート(1、20、30)が、前記細長いプレートによって画定される背側および内側(9、10)においてC字の外形を有する、請求項1に記載の癒合プレート。
【請求項3】
前記癒合プレート(1、20、30)が、その長さに沿ってC字の外形を有する、請求項1または請求項2に記載の癒合プレート。
【請求項4】
前記癒合プレート(1、20、30)が、その全長に沿ってC字の外形を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の癒合プレート。
【請求項5】
前記第1および第2の骨(2、3)が、足の中足骨関節(4)を画定する、請求項1~4のいずれか一項に記載の癒合プレート。
【請求項6】
母趾の中足趾節関節(MTPJ)および足根中足関節(TMTJ)から選択される中足骨関節(4)の癒合のために構成されている、請求項5に記載の癒合プレート。
【請求項7】
前記プレート(1、20、30)の前記近位端(7)に配置された少なくとも3つの近位孔(11)と、前記プレート(1、20、30)の遠位端(8)に配置された少なくとも3つの遠位孔(11)とを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の癒合プレート。
【請求項8】
前記近位孔(11)は、前記プレート(1、20、30)の前記近位端(7)に沿って長手方向にずらして配置され、前記遠位孔(11)は、前記プレート(1、20、30)の前記遠位端(8)に沿って長手方向にずらして配置されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の癒合プレート。
【請求項9】
前記プレート(1、20、30)が、半球状の円弧形状の外形を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の癒合プレート。
【請求項10】
前記癒合プレート(1、20、30)は、前記第1および第2の骨に背内側で取り付けるための輪郭および寸法を有している、請求項1~9のいずれか一項に記載の癒合プレート。
【請求項11】
前記プレート(1、20、30)の長手方向軸が直線状である、請求項1~10のいずれか一項に記載の癒合プレート。
【請求項12】
前記プレートの長手方向軸が、その前記遠位端(8)に向かって背側にクランクされている、請求項1~11のいずれか一項に記載の癒合プレート。
【請求項13】
前記近位孔(11)および/または遠位孔(11)のうちの少なくとも2つが、90°-90°の固定スクリュー構成で固定スクリュー(12、12A、12B)を受け入れるように構成されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の癒合プレート。
【請求項14】
前記近位端と前記遠位端(7、8)との間を橋渡しする中間部分(40)をさらに備える、請求項1~13のいずれか一項に記載の癒合プレート。
【請求項15】
前記中間部分(40)が関節動作可能なジョイント(50)を備え、前記癒合プレート(1、20、30)は、前記関節動作可能なジョイント(50)を中心に屈曲することができる、請求項1~14のいずれか一項に記載の癒合プレート。
【請求項16】
移植用アクセス窓(60)をさらに備える、請求項1~15のいずれか一項に記載の癒合プレート。
【請求項17】
前記移植用アクセス窓(60)が、前記近位端(7)と前記遠位端(8)との間で前記癒合プレート(1、20、30)の内側(10)に画定されている、請求項16に記載の癒合プレート。
【請求項18】
前記移植用アクセス窓(60)が略逆U字形状を有する、請求項17に記載の癒合プレート。
【請求項19】
第1および第2の骨(2、3)を長手方向に圧迫するための圧迫機構(80)をさらに備える、請求項1~17のいずれか一項に記載の癒合プレート。
【請求項20】
前記圧迫機構(80)が、前記プレート(1、20、30)の前記近位端(7)の前記背側(9)にスクリューを受け入れるための細長い圧迫スロット(90)を備える、請求項19に記載の癒合プレート。
【請求項21】
前記圧迫機構(80)が、前記プレート(1、20、30)の前記遠位端(8)に断片間スクリューを受け入れるための断片間スクリュー孔(100)をさらに備える、請求項20に記載の癒合プレート。
【請求項22】
前記断片間スクリュー孔(100)が、前記近位端(8)の背側(9)に画定されたガイドチャネル(110)内に配置されている、請求項21に記載の癒合プレート。
【請求項23】
前記ガイドチャネル(110)が、前記背側(9)に形成された傾斜した開口穴状の押出部(120)によって形成されている、請求項1~22のいずれか一項に記載の癒合プレート。
【請求項24】
それを必要とする被験者において、終端間配置で第1の骨と第2の骨とを互いに癒合させる方法であって、
請求項1から23のいずれか一項に記載の癒合プレート(1、20、30)を提供するステップと、
前記骨(2、3)の一方または両方を所望の癒合配向に調整するステップと、
前記癒合プレート(1、20、30)の近位端(7)を、少なくとも2つの近位固定スクリュー(12、12A、12B)で前記第1の骨(2)に固定するステップと、
前記癒合プレート(1、20、30)の遠位端(8)を、少なくとも2つの遠位固定スクリュー(12、12A、12B)で前記第2の骨(3)に固定するステップと、を含み、
前記近位固定スクリュー(12、12A、12B)は、前記第1の骨(2)と直交構成で係合し、前記遠位固定スクリュー(12、12A、12B)は、前記第2の骨(3)と直交構成で係合する、方法。
【請求項25】
前記第1および第2の骨(2、3)が足の骨である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1および第2の骨(2、3)が、母趾の中足趾節関節(MTPJ)および足根中足関節(TMTJ)から選択される関節を画定する、請求項24または請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記癒合プレート(1、20、30)が、背内側配向で前記骨(2、3)に固定され、前記プレート(1、20、30)の前記近位端(7)は、少なくとも1つの近位固定スクリュー(12、12A、12B)によって前記第1の骨(2)の背側面(9)に固定され、少なくとも1つの近位固定スクリュー(12、12A、12B)によって前記第1の骨(2)の内側面(10)に固定され、前記プレート(1、20、30)の前記遠位端(8)は、少なくとも1つの遠位固定スクリュー(12、12A、12B)によって前記第2の骨(3)の背側面(9)に固定され、少なくとも1つの遠位固定スクリュー(12、12A、12B)によって前記第2の骨(3)の内側面(10)に固定される、請求項24から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記癒合プレート(1、20、30)を前記骨(2、3)に固定する前に、一方または両方の骨(2、3)の端部を切除するステップを含む、請求項24から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
被験者における中足趾節関節(MTPJ)の癒合の方法である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記被験者は、前記MPTJにおいて外反偏位を有し、前記方法は、前記癒合プレート(1、20、30)を前記骨に固定する前に、前記突出した内側隆起を切除することと、任意選択的に基節骨を側方へ動かすこととを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記被験者が母趾の変形性関節症を有する、請求項24から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記第1および第2の骨を背屈配向に調整し、前記プレートを前記骨に固定するステップを含み、前記プレート(1、20、30)の長手方向軸が、その遠位端(8)に向かって背側にクランクされている、請求項24から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記プレートが、5°~10°背側にクランクされている、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記癒合プレート(1、20、30)を前記骨(2、3)に固定した後、前記骨(2、3)の間に骨移植片を配置するステップを含む、請求項24から33のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の骨と第2の骨との癒合を補助するための癒合プレートに関する。特に、本発明は、足の骨、とりわけ母趾の中足趾節関節(MTPJ)および足根中足関節(TMTJ)の癒合のための癒合プレートに関する。
【背景技術】
【0002】
第1(母趾)MTPJ固定術は、母趾の変形性関節症(強直母趾)または腱膜瘤変形(外反母趾)に対処するために足および足関節の外科医によって行われる最も一般的な処置の1つである。満足のいく位置において強固に癒合することは最終的な目標であり、ほとんど制限なく、疼痛緩和ならびに優れた機能的および審美的結果を提供することができる。骨癒合の成功を達成するためには、良質な骨を露出させるための関節面の外科的準備、対向する表面間が十分に接触した状態での関連する個々の骨の適切な位置合わせ、および骨の治癒/統合を可能にする重要な期間にわたる安定した固定が必要である。骨治癒が成功すると、安定化させる構造(ハードウェア)はもはや必要ないが、多くの場合、軟組織の炎症を引き起こさない限りは生体内原位置(in situ)にとどまる。
【0003】
安定した固定を試み、確保するために、ワイヤからスクリュー(頭付きおよび頭なし/ねじ山付き)、プレート(ロッキングまたは非ロッキング)、またはプレートとスクリューとを組み合わせた構成まで、多数の技術が使用されてきた。固定術は、依然として末期の母趾関節炎に対するゴールドスタンダードである。固定術はまた、重度の腱膜瘤変形(外反母趾)に対処するために、または腱膜瘤および関節炎が併発している場合に広く使用される。
【0004】
重度の外反変形を矯正するために、特に中足骨間角が大きい場合には、基節骨の移動が必要となる場合がある。これは、基節骨を側方へ動かすこと、および内側隆起を切除することを含む。この状況では、対向する表面間の接触が制限され得る。これにより、ラグスクリューもしくは圧迫スクリューの位置決めが困難または不可能になる可能性があり、背側プレートを用いた単一平面の安定化に頼ることになり得る。これにより欠損が横方向に広がる可能性があり、安定性が悪くなることにより、抜けや故障のリスクが高くなる。
【0005】
関節に生じる大きな梃子の力またはトルク、そして多くの場合は骨質不良(骨減少症/骨粗鬆症)のために、全ての固定装置には依然として問題および欠点が存在する。応力の増加および制限下の準最適安定性により、癒合部位で過剰な動きが生じ、偽関節(治癒が起こらない)、ハードウェアの故障、および再置換術につながる可能性がある。より大きく、よりかさばる(より厚い)インプラントは、関節線における剛性を高めるために常に背側に配置され、骨治癒が起こるのに必要な安定性を提供する。これらのインプラントは、残念ながら、依然として治癒を保証するものではない。これらは突出し、皮膚および長い伸筋腱への刺激、ならびに爪先が閉じた靴における炎症を引き起こす可能性がある。これらの問題に対処するために、多くの場合、二次的な摘出手術が必要である。
【0006】
本発明の目的は、上記の問題のうちの少なくとも1つを克服することである。
【発明の概要】
【0007】
本目的は、薄型の外形を有し(例えば、厚さ0.5~1.5mm)、プレートが癒合中の骨の端部を包み込んで各骨に多平面で取り付けられることを可能にするC字の外形を有し、直交構成で固定スクリューを受け入れるために十分に横方向に離隔された1つ以上の孔をプレートの各端部の各側部に組み込んだ癒合プレートを提供することによって達成される。プレートのC字の外形は、薄型の外形を維持しながら、構造的な剛性およびねじり曲げ剛性を提供する。加えて、プレートは予め輪郭付けられているので、外科医が取り付けの前にプレートの形状を修正しなければならないという要件を不要にする。C字の外形はまた、直交する(またはほぼ直交する)横方向に対向する表面を提供し、固定スクリューを90°-90°の構成またはそれに近い構成で適用することができるため、関節の両側で安定した骨結合をもたらす。
【0008】
第1の態様において、本発明は、第1の骨と第2の骨との癒合を補助するための癒合プレートを提供し、癒合プレートは、前記第1の骨と前記第2の骨との間の関節にまたがるように構成された剛な細長いプレートを備え、前記プレートは、(典型的にはその全長に沿った)C字の外形と、0.5~1.5mmの厚さと、前記第1および第2の骨に前記プレートを固定するための骨固定スクリューを受け入れるための複数の孔とを有し、前記複数の孔は、直交固定スクリュー構成で近位骨固定スクリューを受け入れるように構成された、前記プレートの近位端の各側に配置された少なくとも1つの近位孔と、直交固定スクリュー構成で遠位骨固定スクリューを受け入れるように構成された、前記プレートの遠位端の各側に配置された少なくとも1つの孔とを含む。
【0009】
任意の実施形態では、前記癒合プレートが、前記細長いプレートの背側および内側においてC字の外形を有する。
【0010】
任意の実施形態では、前記癒合プレートが、その長さに沿ってC字の外形を有する。
【0011】
任意の実施形態では、前記癒合プレートが、その全長に沿ってC字の外形を有する。
【0012】
任意の実施形態では、前記第1および第2の骨が、被験者の足の中足骨関節を画定する。別の実施形態では、第1および第2の骨が、被験者の足関節を画定する。
【0013】
任意の実施形態では、癒合プレートは、母趾の中足趾節関節(MTPJ)および足根中足関節(TMTJ)から選択される中足骨関節の癒合のために構成されている。
【0014】
任意の実施形態では、癒合プレートは、前記プレートの前記近位端に配置された少なくとも3つの近位孔と、前記プレートの遠位端に配置された少なくとも3つの遠位孔とを備える(例えば、プレートの各端部の片側に2つの孔、反対側に1つの孔)。
【0015】
任意の実施形態では、前記近位孔は、前記プレートの前記近位端に沿って長手方向にずらして配置され、前記遠位孔は、前記プレートの前記遠位端に沿って長手方向にずらして配置されている。
【0016】
任意の実施形態では、前記プレートが、半球状の円弧形状の外形を有する。
【0017】
任意の実施形態では、プレートは、湾曲した中央部分と平坦な側方部分とを備える。任意の実施形態では、スクリュー受け孔の一部または全部は、湾曲した中央部分の周縁部に配置される。任意の実施形態において、スクリュー受け孔の一部または全部は、平坦な側方部分に配置される。
【0018】
任意の実施形態では、前記癒合プレートは、前記第1および第2の骨に背内側で取り付けるための輪郭および寸法になっている。
【0019】
任意の実施形態では、前記プレートの長手方向軸が直線状である。
【0020】
任意の実施形態では、前記プレートの長手方向軸が、例えば最大15°、好ましくは4°~11°、その遠位端に向かって背側にクランクされている。
【0021】
任意の実施形態では、前記近位孔および/または遠位孔のうちの少なくとも2つが、90°-90°の固定スクリュー構成で固定スクリューを受け入れるように構成されている。
【0022】
任意の実施形態では、癒合プレートは、前記近位端と前記遠位端との間に橋渡しする中間部分をさらに備える。
【0023】
任意の実施形態では、前記中間部分が関節動作可能なジョイントを備え、前記癒合プレートは、前記関節動作可能なジョイントを中心に屈曲可能である。
【0024】
任意の実施形態では、癒合プレートは、移植用アクセス窓をさらに備える。
【0025】
任意の実施形態では、前記移植用アクセス窓が、前記近位端と前記遠位端との間で前記癒合プレートの内側に画定されている。
【0026】
任意の実施形態では、前記移植用アクセス窓が略逆U字形状を有する。
【0027】
任意の実施形態では、癒合プレートは、第1および第2の骨を長手方向に圧迫するための圧迫機構をさらに備える。
【0028】
任意の実施形態では、前記圧迫機構が、前記プレートの前記近位端の前記背側にスクリューを受け入れるための細長い圧迫スロットを備える。
【0029】
任意の実施形態では、前記圧迫機構が、前記プレートの前記遠位端に断片間スクリューを受け入れるための断片間スクリュー孔をさらに備える。
【0030】
任意の実施形態では、前記断片間スクリュー孔が、前記近位端の背側に画定されたガイドチャネル内に配置されている。
【0031】
任意の実施形態では、前記ガイドチャネルが、前記背側に形成された傾斜した開口穴状の押出部によって形成されている。
【0032】
任意の実施形態では、プレートが3~6cmまたは3~5cmの長さを有する。
【0033】
任意の実施形態では、プレートが0.5~1.5mmまたは0.75~1.24mmの厚さを有する。
【0034】
任意の実施形態では、プレートの孔は皿穴である。
【0035】
任意の実施形態では、癒合プレートはモノブロックである。
【0036】
別の態様では、本発明は、本発明のプレートおよび複数の骨固定スクリューを備えるキットを提供する。
【0037】
任意の実施形態では、キットは、異なるサイズまたは異なる背屈の癒合プレートを含む、本発明の複数の癒合プレートを備える。
【0038】
任意の実施形態では、スクリュー受け孔およびスクリューは、スクリューがねじ係合で孔に係合することができるようにねじ山が切られている。
【0039】
スクリューは、概して、標的骨の少なくとも50%、60%、70%、または80%まで、標的骨を横切って延びるように寸法決めされる。
【0040】
スクリューは、1つ以上の圧迫スクリューであってもよい。
【0041】
別の態様では、本発明は、それを必要とする被験者において、終端間配置で第1の骨と第2の骨とを互いに癒合させる方法を提供し、前記方法は、
本発明の癒合プレートを提供するステップと、
前記骨の一方または両方を所望の癒合配向に調整するステップと、
前記癒合プレートの近位端を、少なくとも2つの近位固定スクリューで前記第1の骨に固定するステップと、
前記癒合プレートの遠位端を、少なくとも2つの遠位固定スクリューで前記第2の骨に固定するステップと、を含み、
前記近位固定スクリューは、前記第1の骨と直交構成で係合し、前記遠位固定スクリューは、前記第2の骨と直交構成で係合する。
【0042】
任意の実施形態では、前記第1および第2の骨が足の骨である。
【0043】
任意の実施形態では、前記第1および第2の骨が、母趾の中足趾節関節(MTPJ)および足根中足関節(TMTJ)から選択される関節を画定する。
【0044】
任意の実施形態では、前記方法は、前記癒合プレートを背内側配向で前記骨に固定することを含み、前記プレートの前記近位端は、少なくとも1つの近位固定スクリューによって前記第1の骨の背側面に固定され、少なくとも1つの近位固定スクリューによって前記第1の骨の内側面に固定され、前記プレートの前記遠位端は、少なくとも1つの遠位固定スクリューによって前記第2の骨の背側面に固定され、少なくとも1つの遠位固定スクリューによって前記第2の骨の内側面に固定される。
【0045】
任意の実施形態では、前記方法は、前記癒合プレートを前記骨に固定する前に、一方または両方の骨の端部を切除するステップを含む。
【0046】
任意の実施形態では、前記方法は、被験者における中足趾節関節(MTPJ)または足根中足関節(TMTJ)の癒合の方法である。
【0047】
任意の実施形態では、前記被験者は、前記MPTJにおいて外反偏位を有する。
【0048】
任意の実施形態では、前記方法は、前記癒合プレートを前記骨に固定する前に、前記突出した内側隆起を切除することおよび基節骨を側方へ動かすことの一方または両方を含む。
【0049】
任意の実施形態では、前記被験者が母趾の変形性関節症を有する。
【0050】
任意の実施形態では、前記方法は、前記第1および第2の骨を背屈配向に調整し、前記プレートを前記骨に固定するステップを含み、前記プレートの長手方向軸が、その遠位端に向かって背側にクランクされている。
【0051】
任意の実施形態では、前記プレートが、5°~10°背側にクランクされている。
【0052】
本発明のプレートは、母趾/第1MTPJ固定術の安定化のために特別に設計された、概してプレートとスクリューとの構造を備える整形外科用インプラントである。
【0053】
任意の実施形態では、前記方法は、前記癒合プレートを前記骨に固定した後、前記骨の間に骨移植片を配置するステップをさらに含む。
【0054】
C断面および包み込み構成は、プレートが中心軸に沿って補強され、従来の単一平面プレートよりも大きな曲げモーメントに抵抗できることを意味する。
【0055】
プレートは、第1MTPJにおける曲げ梃子/トルクに抵抗するために背内側に適用されるように構成されてもよい。プレートの矢状方向の要素は、曲げ耐性を著しく増加させ、安定性を付与する。
【0056】
本発明のプレートは、多平面固定を提供する。
【0057】
プレート上のスクリュー孔の配向は、90-90度の止めねじ構成を可能にする。
【0058】
ラグスクリューは構造を補完し得るが、良好な骨接触が確保される場合は必要ではない。
【0059】
本発明のプレートは、直線になるように、または最大10度の背屈を提供するように、予め輪郭付けられている。
【0060】
本発明のプレートは、薄型の外形(0.5~1.5mm)であり、軟組織および伸筋腱の炎症を軽減し、除去の必要性をなくす。
【0061】
本発明の他の態様および好ましい実施形態は、以下に提示する他の特許請求の範囲において定義され、記載される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1】被験者の右足の母趾の中足趾節関節(MTPJ)に取り付けられた、本発明の中足骨関節癒合プレートの第1実施形態の背面図である。
図2図1のII-II線に沿った断面図であり、わずかに長手方向にずらして配置され、安定性を向上させるために90°-90°構成で設けられた、プレートの近位端の両側に取り付けられた固定スクリューを示す。
図3図1のIII-III線に沿った断面図である。
図4】被験者の左足の母趾の中足趾節関節(MTPJ)に取り付けられた、本発明の癒合プレートの内側図である。
図5】本発明の実施形態による癒合プレートの斜視図である。
図6】被験者の左足の母趾の中足趾節関節(MTPJ)に取り付けられた、10°の背屈を有する本発明の癒合プレートの内側図である。
図7】中足骨の内側隆起の一部が切除された被験者の左足の母趾の中足趾節関節(MTPJ)に取り付けられた、本発明の癒合プレートの背面図である。
図8】中足骨の内側隆起の一部が切除された被験者の左足の母趾の中足趾節関節(MTPJ)に取り付けられた、本発明の癒合プレートの背面図である。
図9】本発明の中足骨関節癒合プレートの第2実施形態の上方および片側からの斜視図であり、癒合プレートは、近位端と遠位端との間に、癒合プレートのクランクまたは屈曲を容易にするために橋渡しする中間部分を有し、癒合プレートは、癒合プレート取り付け後の骨移植を容易にするための移植用の凹部またはアクセス窓、圧迫スロット、および関連する断片間スクリュー孔を画定するように構成されている。
図10】癒合プレートの内側図である。
図11】癒合プレートの上面図である。
図12】癒合プレートの端面図である。
図13】癒合プレートが中足骨および基節骨に取り付けられ、MTPJ関節にまたがっている状態の、癒合プレートの圧迫スロットの拡大上面図である。
図14】スロットの寸法およびスロットが続く爪先形状の方向を示す、圧迫スロットのさらなる拡大図である。
図15】断片間スクリュー孔における癒合プレートの縦断面図である。
図16】断片間スクリュー孔に隣接する癒合プレートのさらなる縦断面図である。
図17】癒合プレートの骨移植用アクセス窓の拡大内側図である。
図18】母趾の中足趾節関節(MTPJ)に取り付けられた癒合プレートの上方およびアクセス窓側からの斜視図である。
図19図18の癒合プレートおよび関節の内側斜視図である。
図20】中足趾節関節(MTPJ)の癒合プレートおよび骨の断面図であり、断片間スクリュー孔押出チャネルを収容するために骨の一部が除去されていることを示す。
図21】中足趾節関節(MTPJ)上の癒合プレートの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
本明細書で言及する全ての刊行物、特許、特許出願、および他の参考文献は、個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示され、その内容が完全に記載されているかのように、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0064】
本明細書で使用するとき、特に明記しない限り、以下の用語は、当該技術分野においてその用語が享受し得る任意のより広い(または、より狭い)意味に加えて、以下の意味を有することが意図される。
【0065】
文脈によって特に必要としない限り、本明細書における単数形の使用は、複数形を含むものと解釈されるべきであり、その逆もまた同様である。実体(entity)に関して使用される「1つの("a" or "an")」という用語は、その実体の1つ以上を指すものと解釈されるべきである。したがって、「1つの("a" or "an")」、「1つ以上(one or more)」、および「少なくとも1つの(at least one)」という用語は、本明細書において交換可能に使用される。
【0066】
本明細書で使用するとき、「備える(comprise)」という用語、または「備える(comprises)」もしくは「備えている(comprising)」などのその変形は、任意の記載された完全体(integer)(例えば、特徴、要素、特性、性質、方法/プロセスステップ、または限定)または完全体の群(例えば、特徴、要素、特性、性質、方法/プロセスステップ、または限定)の包含を示すが、任意の他の完全体または完全体の群の除外を示すものではないと解釈されるべきである。したがって、本明細書で使用するとき、「備えている(comprising)」という用語は、包括的またはオープンエンドであり、追加の記載されていない完全体または方法/プロセスステップを除外するものではない。
【0067】
上記で定義されたように、治療および有効量の文脈において、被験者(文脈が許す場合、「個人」、「動物」、「患者」、または「哺乳動物」を含むものと解釈されるべきである)という用語は、治療に適応される任意の被験者、特に哺乳類の被験動物を定義する。哺乳類の被験動物には、ヒト、家畜、農業用動物、動物園の動物、競技用動物、イヌ、ネコ、モルモット、ウサギ、ラット、マウス、ウマ、畜牛(cattle)、乳牛(cows)などのペット動物、類人猿、サル、オランウータン、およびチンパンジーなどの霊長類、イヌおよびオオカミなどのイヌ科動物、ネコ、ライオン、およびトラなどのネコ科動物、ウマ、ロバ、およびシマウマなどのウマ科動物、ウシ、ブタ、およびヒツジなどの食用動物、シカおよびキリンなどの有蹄類、ならびにマウス、ラット、ハムスター、およびモルモットなどのげっ歯類が含まれるが、これらに限定されない。好ましい実施形態では、被験者はヒトである。
【0068】
本明細書で使用するとき、「C字の外形(C-shaped profile)」という用語は、プレートが、骨の少なくとも2つの表面、例えば背側/面および内側/面に沿って曲がるように構成された湾曲した外形を有し、プレートにわたって横方向に十分に離隔されたスクリュー受け孔用の横方向に対向する周面を提供して、固定スクリューが直交構成またはそれに近い構成でプレートを骨に固定できるようにすることを意味する(例えばスクリューは、骨に固定されるとき、互いに対して80°~100°であってもよいが、好ましくは90°-90°の配向で配置される)。C字の外形は、癒合プレートの全長に沿って、特に背側および内側の全長に沿って延びることができる。C字の外形は、骨の周りに80°~120°、90°~100°延びるように構成された円弧形状であってもよい。プレートは、半球状の円弧部分を含んでもよい。プレートは、外形において湾曲していない側方部分を含んでもよい。
【0069】
本明細書で使用するとき、「直交固定スクリュー構成(orthogonal fixing screw configuration)」という用語は、固定スクリューが直交構成またはそれに近い構成で(約80°~約100°で)骨に係合するように、プレートの各端部の少なくとも2つの孔が十分に横方向に離隔されていることを意味する。理想的には、少なくとも2つの孔は、90°-90°の配向の固定スクリューを提供するように配置される。
【0070】
本明細書で使用するとき、プレートに適用される「モノブロック(monoblock)」という用語は、概して鋳造または成形によって、プレートが一体に形成されることを意味する。これは、複数の部品で形成され、形成後に組み立てられたり輪郭付けられたりするプレートとは異なる。
【0071】
例示
ここで、具体的な実施例を参照して本発明を説明する。これらは単なる例示であり、説明のみを目的とするものである。これらは、クレームされた独占権の範囲または記載された本発明をいかなる形でも限定することを意図するものではない。これらの実施例は、本発明を実施するために現在考えられる最良の態様を構成する。
【0072】
図面を参照し、最初に図1~4を参照すると、概して符号1によって示される本発明の癒合プレートが示されており、この場合は母趾の中足趾節関節(MTPJ)用の癒合プレートである。プレート1は、第1の骨(中足骨)2および第2の骨(基節骨)3に取り付けられ、MTPJ4にまたがるように示されている。プレートは、1mmの厚さおよび4cmの長さを有し、近位端7、遠位端8、およびその長さに沿ったC字の断面外形を備え、背側または背側面9および内側または内側面10を提供する。固定スクリュー12用の孔11が、プレートの背側面9(図1)に沿って、およびプレートの内側面10(図4)に沿って設けられている。プレートのC字の外形により、プレート1の背側および内側9、10上の孔を十分に横方向に離隔することができ、固定スクリュー12を適用してプレート1を骨に固定するときに、プレート1の各側9、10上のスクリューが互いに対して約90°で骨に係合する。これは、著しい安定性をもたらす。加えて、背側および内側の孔11は、長手方向にずらして配置されており、これにより、骨の中に入り、骨を横切ってほぼ完全に延びるスクリュー12の使用が可能になる。これは、生体内原位置の癒合プレート、およびプレート1の背側面9を中足骨の背側面に取り付ける固定スクリュー12A(図2)ならびにプレート1の内側面10を中足骨の内側面に取り付ける固定スクリュー12Bの断面図を示す、図2および3の断面図に図示されている。プレート1の背側面および内側面9、10上の孔11は、ずらして配置する必要はないが、ずらして配置した孔11を設けることにより、骨の大部分の中を横切って延びるのに十分な長さのスクリュー12の使用が可能になる。
【0073】
図1~3のプレートは右足の母趾の中足趾節関節(MTPJ)に取り付けられて示されており、図4では、左足の同じ関節に取り付けられて示されている。本実施形態では、癒合プレート1は、その端部の中間が約10°クランクされ、10°の背屈を提供する。プレート1は、クランクされている必要はなく、患者に応じてニュートラルであってもよく、または異なる程度の背屈を提供してもよい。一般に、外科医は、背屈癒合プレート1が必要かどうか、および必要とされる背屈の程度を、手術に先立って知ることになる。
【0074】
図示の実施形態では、癒合プレート1は、7つの背側の孔11および7つの近位の孔11を有するが、治療されている関節および関節の健康状態に応じて、より少ない孔11が必要とされ得ることが理解されよう。一般に、プレート1の各端部は、プレート1の横方向に対向する各表面に少なくとも1つを含む、少なくとも2つまたは3つの孔11を必要とする。
【0075】
図5は、本発明による癒合プレート20の斜視図を示し、プレートのC字の外形と、中央半球状部分21と、側方平坦部分22とを示す。
【0076】
図6~8は、異なる臨床的要件を有する患者における、母趾の中足趾節関節(MTPJ)を癒合するためのプレートの使用を示している。図6において、プレートは10°の背屈を有する。図7および10では、プレート20はニュートラル(背屈なし)であり、患者が腱膜瘤変形(外反母趾)を呈するために外科的に切除された骨に固定されている。図7の腱膜瘤変形はそれほど重度ではなく、すなわち、中足骨の内側隆起の小さな部分25Aのみを切除しなければならなかったが、図8では内側隆起のより大きな部分25Bを切除しなければならなかった。両方の場合において、切除はプレーティング処置の前に行われ、内側隆起は癒合プレートのC字の外形の近位端の形に合うように切除される。
【0077】
図9~21は、概して符号30によって示される本発明の中足関節癒合プレートの第3実施形態を示し、これは図1~8で説明した実施形態と概ね同様であり、同様の符号は同様の部分を示す。したがって、癒合プレート30は、背側9および内側10を共に画定する近位端7と遠位端8とを有する略C字の断面外形を有する細長いプレート31から構成される。C字の外形は、癒合プレート30が骨2、3の少なくとも2つの面に沿って効果的に湾曲するように、背側面および内側面9、10で顕著であり、特に背側面および内側面9、10の全長に沿って延びている。近位端および遠位端7、8の背側および内側9、10には、スクリューを受け入れるための孔11が設けられており、これらは明確にするために省略されている。
【0078】
しかしながら、本実施形態では、細長いプレート31は、中足骨関節4の位置で近位端7と遠位端8との間を橋渡しする中間部分40を画定するように成形され、輪郭付けられている。中間部分40は、近位端7および遠位端8に隣接し、近位端7と遠位端8との間で関節動作可能なジョイントまたはブリッジ50として機能し、これにより、癒合プレート30は、背屈の要件に従って外科医が所望するように、関節動作可能なジョイント50を中心にクランクまたは屈曲させることができる。
【0079】
細長いプレート31は、さらに、癒合プレート取り付け後の骨移植を容易にするための移植用凹部またはアクセス窓60を画定するように成形および構成されている。本実施形態では、移植用アクセス窓60は、近位端7と遠位端8との間の癒合プレート30の内側10に配置されている。より具体的には、移植用アクセス窓60は、使用時に移植用アクセス窓60が中足骨関節4に配置されるように、近位端7、遠位端8、および中間部分40によって画定される3辺で構成された移植用アクセス窓60である(特に、図13、18、および19を参照)。本実施形態では、関節動作可能なブリッジ50は、移植用アクセス窓が略逆U字形状を有し、関節動作可能なブリッジ50が近位端7および遠位端8と約92°の角度を成すように、符号70で示すように、細長いプレート31に対して隆起または凸状となるように成形される。アクセス窓60はまた、外反母趾癒合処置中の骨2、3へのアクセスしやすさを容易にし、骨2、3への障害を防止する。
【0080】
本発明の癒合プレート30の近位端7には、長手方向に融合される第1および第2の骨2、3を圧迫するための圧迫機構80がさらに設けられている(特に、図15、19および20を参照)。本実施形態では、圧迫機構80は、細長いプレート31の近位端7の背側面9上のスクリューを受け入れるための細長い圧迫スロット90と、細長いプレート31の遠位端8上の断片間スクリューを受け入れるための断片間スクリュー孔100とから構成される。断片間スクリュー孔100は、特に図19に示すように、断片間スクリューがオフセット角で骨内に正確にガイドされるように、近位端の背側9に画定された下向きに傾斜したガイドチャネル110内に配置される。本実施形態では、ガイドチャネル110は、背側10に形成された傾斜した開口穴状の押出部120によって形成される。
【0081】
本実施形態では、癒合プレート30には、中間部分40と、移植用アクセス窓60と、圧迫機構80とが設けられているものとして説明されている。しかしながら、当業者によって理解されるように、本発明の他の実施形態では、癒合プレート30には、これらの特徴を単独で、または必要に応じて任意の組み合わせで設けることができ、例えば、圧迫機構80のみ、中間部分40のみ、または移植用アクセス窓60のみ、または必要に応じて前述の特徴の任意の組み合わせを有する癒合プレート30である。
【0082】
使用時において、癒合プレート30は、図面に示すように中間部分40および移植用アクセス窓60が中足骨関節4に配置された状態で、前述のように中足骨関節4に配置される。必要に応じて、癒合プレート30は、必要とされる背屈の程度に従って、関節動作可能なブリッジ50を中心に、外科医が必要に応じて屈曲させることができる。癒合プレート30を設置する前に、押出部120を受け入れるために第2の骨3から骨材料を除去する必要があり得ることに留意すべきである。
【0083】
近位端および遠位端7、8上の孔11内のスクリューおよび圧迫スロット90を通して挿入された圧迫スクリューを完全に締める前に、断片間スクリューがガイドチャネル110を通して挿入され、第1および第2の骨2、3の間に延びて第1および第2の骨2、3を圧迫し、この間、圧迫スクリューは骨の動きに従って圧迫スロット90内を摺動することができる。次いで、スクリューを締めて、癒合プレート30を適切な位置に保持する。
【0084】
骨移植(ペーストまたはセグメントのいずれでも)が行われている場合、背側および内側9、10が骨2、3を適切な位置に保持し、必要に応じて骨移植片を骨2、3の間に配置することができる。したがって、関節に癒合プレートを配置する前に骨移植片を骨の間に配置しなければならない先行技術とは対照的に、本発明の癒合プレート30のアクセス窓60は、癒合プレート取り付け後の骨移植片の配置を容易にするため、より解剖学的な移植および骨切りを提供する。
【0085】
MTPJ固定術のための整形外科用プレーティングシステムは多数存在するが、本発明の癒合プレートは、他のプレーティング技術と比べて利点をもたらす多くの独特の特徴を提供する。
【0086】
1.より高い曲げ剛性:癒合プレートのC字の外形は、骨接触および骨質が最適以下の場合に、最適な固定および曲げ耐性を提供する。
【0087】
2.薄型の外形:薄型の外形(0.5~1.5mm)であり、軟組織および伸筋腱の炎症を軽減し、除去の必要性を低減する。
【0088】
3.多平面固定:質の悪い骨において、圧迫スクリューまたはラグスクリューの挿入が不可能な場合、ロック式多軸固定が安定性を提供する。
【0089】
4.重度の外反矯正/骨接触が制限されている場合の安定性:外反母趾の矯正において、中足骨間角が大きくなり、基節骨が側方に並進移動される場合、本発明の癒合プレートは、接触が制限された領域を橋渡しして安定した固定を提供することができる。本発明の癒合プレートは、直交面において薄型の外形の安定化を提供し、外反偏位の矯正および突出した内側隆起の切除の間、対向する中足骨および基節骨の背側面および内側面を包み込むように構成された、輪郭付けられたプレートを提供する。簡単に述べると、本発明の癒合プレートは、骨接触が最小限の場合の基節骨の並進移動および安定した固定を可能にする。これはまた、内側隆起に対処するための内側縁の輪郭形成またはスカルプティングを可能にする。
【0090】
5.癒合プレートは、背屈によって、必要に応じて容易に形状を変えることができる。
【0091】
6.骨移植用アクセス窓を介して骨移植を行うことができるため、より解剖学的な移植および骨切りを提供するための癒合プレート取り付け後を提供する。
【0092】
等価物
前述の説明は、本発明の現在好ましい実施形態を詳述する。これらの説明を考慮すれば、当業者であれば、その実施において多数の修正および変形を思い付くことが予想される。これらの修正および変形は、本明細書に添付の特許請求の範囲内に包含されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2024-05-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の骨第2の骨の癒合を補助するための癒合プレートあって、
前記第1の骨と前記第2の骨との間の関節にまたがるように構成された剛な細長いプレートを備え、前記プレートは、C字の外形と、0.5~1.5mmの厚さと、前記第1および第2の骨に前記プレートを固定するための骨固定スクリュー受け入れるための複数の孔を有し、前記複数の孔は、直交固定スクリュー構成で近位骨固定スクリュー受け入れるように構成された、前記プレートの近位端各側配置された少なくとも1つの近位孔と、直交固定スクリュー構成で遠位骨固定スクリューを受け入れるように構成された、前記プレートの遠位端各側配置された少なくとも1つの孔とを含み、
第1および第2の骨を長手方向に圧迫するための圧迫機構をさらに備え、
前記圧迫機構が、前記プレートの前記近位端の背側にスクリューを受け入れるための細長い圧迫スロットを備え、
前記圧迫機構が、前記プレートの前記遠位端に断片間スクリューを受け入れるための断片間スクリュー孔をさらに備え、
前記断片間スクリュー孔が、前記近位端の前記背側に画定されたガイドチャネル内に配置されている、癒合プレート。
癒合プレート。
【請求項2】
前記癒合プレート、前記細長いプレートによって画定される背側および内側おいてC字の外形を有する、請求項1に記載の癒合プレート。
【請求項3】
前記癒合プレート、その長さに沿ってC字の外形を有する、請求項1記載の癒合プレート。
【請求項4】
前記癒合プレート、その全長に沿ってC字の外形を有する、請求項1記載の癒合プレート。
【請求項5】
前記第1および第2の骨、足の中足骨関節画定する、請求項1記載の癒合プレート。
【請求項6】
母趾の中足趾節関節(MTPJ)および足根中足関節(TMTJ)から選択される中足骨関節癒合のために構成されている、請求項5に記載の癒合プレート。
【請求項7】
前記プレート前記近位端配置された少なくとも3つの近位孔、前記プレート遠位端配置された少なくとも3つの遠位孔を含む、請求項1記載の癒合プレート。
【請求項8】
前記近位孔、前記プレート前記近位端沿って長手方向にずらして配置され、前記遠位孔、前記プレート前記遠位端沿って長手方向にずらして配置されている、請求項に記載の癒合プレート。
【請求項9】
前記プレートが、半球状の円弧形状の外形を有する、請求項に記載の癒合プレート。
【請求項10】
前記癒合プレート、前記第1および第2の骨に背内側で取り付けるための輪郭および寸法を有している、請求項1記載の癒合プレート。
【請求項11】
前記プレート長手方向軸が直線状である、請求項1記載の癒合プレート。
【請求項12】
前記プレートの長手方向軸が、その前記遠位端向かって背側にクランクされている、請求項1記載の癒合プレート。
【請求項13】
前記近位孔よび/または遠位孔うちの少なくとも2つが、90°-90°の固定スクリュー構成で固定スクリュー受け入れるように構成されている、請求項1記載の癒合プレート。
【請求項14】
前記近位端と前記遠位端の間を橋渡しする中間部分さらに備える、請求項1記載の癒合プレート。
【請求項15】
前記中間部分関節動作可能なジョイント備え、前記癒合プレート、前記関節動作可能なジョイント中心に屈曲することができる、請求項14に記載の癒合プレート。
【請求項16】
移植用アクセス窓さらに備える、請求項1記載の癒合プレート。
【請求項17】
前記移植用アクセス窓、前記近位端前記遠位端の間で前記癒合プレート内側画定されている、請求項16に記載の癒合プレート。
【請求項18】
前記移植用アクセス窓略逆U字形状を有する、請求項17に記載の癒合プレート。
【請求項19】
前記ガイドチャネル、前記背側形成された傾斜した開口穴状の押出部よって形成されている、請求項1記載の癒合プレート。
【国際調査報告】