(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】150℃超の温度での部品検査用超音波プローブおよび関連する検査方法
(51)【国際特許分類】
G01N 29/24 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
G01N29/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521741
(86)(22)【出願日】2022-10-10
(85)【翻訳文提出日】2024-05-28
(86)【国際出願番号】 EP2022078143
(87)【国際公開番号】W WO2023061957
(87)【国際公開日】2023-04-20
(32)【優先日】2021-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593128105
【氏名又は名称】フラマトム
【氏名又は名称原語表記】FRAMATOME
(74)【代理人】
【識別番号】100080447
【氏名又は名称】太田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】サイヤン,ジャン-フランソワ
【テーマコード(参考)】
2G047
【Fターム(参考)】
2G047AA06
2G047BC07
2G047GB27
(57)【要約】
本発明は、150℃超の温度で部品を検査するための超音波プローブ(10)に関する。該プローブ(10)は、部品と接触するシュー(14)と超音波トランスデューサ(16)とを含む。
該超音波トランスデューサは、
- 本体長さ(LC)を有する内部体積(30)を画定し、さらにアパーチャ(32)を画定しているプローブ本体(24);
- アパーチャ内に設置された圧電材料のディスク(26)であって、シューと接触する正面(38)を有し、7MRayl~25MRaylの音響インピーダンスおよび250℃超のキュリー温度を有するディスク;
- ディスクの裏面(40)に締結され、本体長さ(LC)よりも短いダンパ長さ(LA)にわたり裏面から内部体積内へ延在しているダンパ(28);
を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
150℃超の温度で部品(12)を検査するための超音波プローブ(10)において、主軸(X-X’)に沿って延在し、
- 検査すべき部品(12)と接触させるのに適したシュー(14)と、
- シュー(14)に取付けられ、超音波ビームをシュー(14)に向かって発出するように構成された超音波トランスデューサ(16)であって、
+ 主軸(X-X’)に沿って本体長さ(LC)を有する内部体積(30)を画定し、さらに内部体積(30)に向かってアパーチャ(32)を画定しているプローブ本体(24)、
+ アパーチャ(32)内に配設された圧電材料のディスク(26)であって、正面(38)と裏面(40)を有し、正面(38)がシュー(14)と接触するように構成されている、7MRayl~25MRaylの音響インピーダンスおよび250℃超のキュリー温度を有するディスク(26)、
+ ディスク(26)の裏面(40)に取り付けられ、主軸(X-X’)に沿って本体長さ(LC)よりも短いダンパ長さ(LA)にわたり裏面(40)から内部体積(30)内へ延在しているダンパ(28)、
を含む超音波トランスデューサ(16)と、
を含むプローブ(10)。
【請求項2】
ダンパ(28)が、シリコーン(42)およびシリコーン(42)内に分散した粒子(44)を含む、請求項1に記載のプローブ(10)。
【請求項3】
各々の粒子(44)が、10μm~250μmの横断方向寸法を有する、請求項2に記載のプローブ(10)。
【請求項4】
プローブ本体(24)が、アパーチャ(32)内に配設されたリング(34)を含み、リング(34)がディスク(26)およびダンパ(28)に対してシール(36)を介して封止されており、シール(36)が、主軸(X-X’)に沿って1mm~3mmの高さにわたり延在し、ダンパ(28)の一部が、リング(34)から内部体積(30)内へ突出している、請求項1から3のいずれか一つに記載のプローブ(10)。
【請求項5】
シュー(14)が、ポリベンゾイミダゾールでできている、請求項1から4のいずれか一つに記載のプローブ(10)。
【請求項6】
シュー(14)が、超音波トランスデューサ(16)のディスク(26)と接触する入口表面(20)および検査すべき部品(12)と直接接触させるのに適した出口表面(22)を含み、入口表面(20)および出口表面(22)が互いに10°超の角度を成している、請求項1から5のいずれか一つに記載のプローブ(10)。
【請求項7】
ディスク(26)およびシュー(14)が、直接接触しており、ディスク(26)とシュー(14)の間に音響整合層が全く配設されていない、請求項1から6のいずれか一つに記載のプローブ(10)。
【請求項8】
超音波プローブ(10)が、超音波トランスデューサ(16)内に配設されかつディスク(26)に電気を供給するように構成されている電気コネクタ(48)を含む、請求項1から7のいずれか一つに記載のプローブ(10)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一つに記載のプローブ(10)を少なくとも1つ使用して150℃超の温度で部品(12)を検査する方法において、少なくとも、
- シュー(14)を、検査すべき部品(12)と接触させるステップと、
- シュー(12)に向かって超音波ビームを超音波トランスデューサ(16)により発出するステップであって、ビームが部品(12)に対してシュー(14)によって少なくとも部分的に送信される、ステップと、
を含む検査方法。
【請求項10】
部品(12)に作製中の溶接ビード(50)が含まれている、請求項1から8のいずれか一つに記載のプローブ(10)を2つ提供するステップおよび、作製中の溶接ビード(50)の両側に超音波プローブ(10)の各々を配設するステップをさらに含む、請求項9に記載の検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、150℃超の温度で部品を検査するための超音波プローブに関する。
【0002】
本発明はさらに、このようなプローブを用いて部品を検査するための方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
本発明は、特に部品の非破壊試験、詳細にはこのような部品上の溶接ビードの検査に適用される。
【0004】
このような部品は例えば、蒸気発生器、容器または一次導管などの原子炉部品である。
【0005】
このような原子炉部品を交換する場合、現場で溶接を実施することが必要である。溶接の作製には、150℃超の温度までの部品の予熱または局所的窒素不活性化などの限定的手段の実行が伴う。
【0006】
慣習的には、ひとたび溶接が行なわれると、構造は冷却され、その後、超音波非破壊検査方法によって検査される。溶接中に欠陥が存在する場合には、溶接を修復する前に部品を暖める必要がある。これには、溶接が適合していると明らかにされるまで、現場に作業チームを動員することが必要とされる。
【0007】
したがって、交換作業中の時間を節約するためにより迅速に溶接を検査でき、こうして原子炉をより急速に再始動できることが必要となる。
【0008】
しかしながら、高温に耐えることのできる公知のプローブは、溶接を正しく検査するのに十分な音響性能を有していない。
【0009】
一方で、優れた音響特性を有する公知のプローブは、150℃超の温度に長時間耐えることができない。実際、シューを形成する材料は、このような温度で劣化するか、または超音波ビームに関するその挙動は、温度が上昇した場合に著しく変更される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このような状況において、本発明は、150℃超の温度で連続的に優れた性能を有し、かつそれによってメンテナンス作業中の大幅な時間の節約につながる部品の検査用の超音波プローブを提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するために、本発明は、150℃超の温度で部品を検査するための超音波プローブにおいて、主軸に沿って延在し:
- 検査すべき部品と接触させるのに好適なシューと、
- シューに取付けられ、超音波ビームをシューに向かって発出するように構成された超音波トランスデューサであって、
+ 主軸に沿って本体長さを有する内部体積を画定し、さらに内部体積に向かってアパーチャを画定しているプローブ本体;
+ アパーチャ内に配設された圧電材料のディスクであって、正面と裏面を有し、正面がシューと接触するように構成されている、7MRayl~25MRaylの音響インピーダンスおよび250℃超のキュリー温度を有するディスク;
+ ディスクの裏面に取り付けられ、主軸に沿って本体長さよりも短いダンパ長さにわたり裏面から内部体積内へ延在しているダンパ;
を含むトランスデューサと、
を含むプローブに関する。
【0012】
したがって、本発明に係るプローブは、音響インピーダンスが低く、上のキュリー温度が高い圧電材料のディスクを用いて150℃超の温度で機器の検査を行なうのに好適である。このようなプローブは、窒素雰囲気中において、構造がなおも予熱されている一方で、溶接ビードが充填されるにつれて漸進的に溶接ビードの超音波検査を実施するのに役立つ。これにより、できるだけ早く溶接欠陥を修復し、こうして交換現場において大幅に時間を節約しかつ不確実性を大きく削減することが可能である。
【0013】
該プローブは、個別にまたはいずれかの技術的に可能な組合せにしたがって、以下の特徴のうちの単数または複数のものを含むことができる:
- ダンパは、シリコーンおよびシリコーン内に分散した粒子を含む;
- 各々の粒子は、10μm~250μmの横断方向寸法を有する;
- プローブ本体は、アパーチャ内に配設されたリングを含み、このリングはディスクおよびダンパに対して封止されており、このリングは、主軸に沿って1mm~3mmの高さにわたり延在し、ダンパの一部はリングから内部体積内へ突出している;
- シューは、ポリベンゾイミダゾールでできている;
- シューは、トランスデューサのディスクと接触する入口表面および検査すべき部品と直接接触させるのに好適である出口表面を含み、入口表面および出口表面は互いに10°超の角度を成している;
- ディスクおよびシューは直接接触しており、プローブには、ディスクとシューの間に音響整合層が全く配設されていない;
- プローブは、トランスデューサ内に配設されかつディスクに電気を供給するように構成されている電気コネクタを含む。
【0014】
本発明はさらに、以上で定義した少なくとも1つのプローブを用いて150℃超の温度で部品を検査する方法において、少なくとも、
- シューを、検査すべき部品と接触させるステップと、
- シューに向かって超音波ビームをトランスデューサにより発出するステップであって、ビームが部品に向かってシューによって少なくとも部分的に送信されるステップと、
を含む方法にも関する。
【0015】
有利には、作製中の溶接ビードが部品に含まれており、該方法は、先行するいずれか一つに記載の2つのプローブを提供するステップおよび、作製中の溶接ビードの両側にプローブの各々を配設するステップをさらに含む。
【0016】
本発明は、単に一例として示され、添付図面を参照する以下の説明を読んだ時点でより良く理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】検査すべき部品上に配設され超音波トランスデューサおよびシューを含む、本発明に係る超音波プローブの概略的側面図である。
【
図2】
図1に示された超音波トランスデューサの断面図である。
【
図3】検査すべき溶接ビードの両側の本発明に係る2つのプローブの概略的側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
【0019】
プローブ10は、部品12、詳細には金属部品、例えば原子炉部品などの超音波検査用に意図されている。プローブ10は、部品内、詳細には溶接ビード内の欠陥を検出するのに役立つ。欠陥は、例えば空洞、亀裂、または濡れ欠陥である。検査対象の部品は、例えばステンレス鋼、フェライト鋼、インコネルなどである。
【0020】
図を見れば分かるように、プローブ10は、主軸X-X’に沿って延在している。
【0021】
プローブ10は、シュー14および超音波トランスデューサ16を含む。
【0022】
シュー14とトランスデューサ16は有利には、共にねじ留めされている。
【0023】
シュー14とトランスデューサ16は、高温に対する耐性を有する液体またはゲルの薄層を用いて互いに音響的に結合されている。
【0024】
一変形形態において、シュー14とトランスデューサ16は、高温エポキシ樹脂の薄層を用いて共に固着されている。
【0025】
シュー14は、検査すべき部品12と接触させるのに好適である。
【0026】
シュー14は、有利にはポリベンゾイミダゾールで作られている。
【0027】
このようなクラスのポリマは、シュー14を製造するために特に好適である。実際、このような材料は、最高150℃、さらには最高427℃の高温に対する耐性が著しく高い。これは、150℃において、さらには最高427℃でさえ劣化しない。その上、前記クラスの材料では、超音波ビームの減衰は温度と共にわずかしか増大しない。
【0028】
図1を見れば分かるように、シュー14は、入口表面20および出口表面22を含む。
【0029】
出口表面22は、部品12と直接接触するのに好適である。
【0030】
シューの出口表面22および部品12は、高温に対する耐性を有する結合用の液体またはゲルの薄層23を用いて互いに接触させられる。
【0031】
各入口表面20は、超音波トランスデューサ16と接触している。
【0032】
図1を見れば分かるように、入口表面20および出口表面22は、互いに10°超、有利には20°超の角度を成している。
【0033】
入口表面20および出口表面22は、超音波トランスデューサ16によって発出される超音波ビームが、入口表面20を介してシュー14に進入し、出口表面22を介してシュー14から出るような形で配設されている。
【0034】
トランスデューサ16は、シュー14に向かって超音波ビームを発出するように構成されている。
【0035】
図2を参照すると、トランスデューサ16は、プローブ本体24、ディスク26およびダンパ28を含む。
【0036】
プローブ本体24は、外部壁、詳細には金属壁を含む。プローブ本体24は、実質的に平行六面体の形状を有する。変形形態において、プローブ本体24は、例えば円筒形といった形状を有する。
【0037】
プローブ本体24は、主軸X-X’に沿って本体長さLCを有する内部体積30を画定している。プローブ本体24は、内部体積30に向かってアパーチャ32を画定する。
【0038】
プローブ本体24は、有利には、アパーチャ32内に配設されシュー14と接触するようになっているリング34を含む。
【0039】
リング34は、シール36を介してディスク26およびダンパ28に封止されている。シール36は有利には、3mm~30mmのディスク26の直径について、主軸X-X’に沿って1mm~3mmの高さにわたって延在している。
【0040】
ディスク26は、アパーチャ32内に配設されている。
【0041】
ディスク26は、圧電材料でできている。ディスク26は、超音波エミッタとして作用し、シュー14に向かって超音波を送信するように構成されている。ディスク26は、超音波を発生させピックアップすることのできるトランスデューサである。こうして、これを超音波の送信機または受信機として使用することが可能である。
【0042】
ディスク26は、7MRayl~25MRayl、優先的には10MRayl~25MRaylの音響インピーダンスを有する。
【0043】
ディスク26の音響インピーダンスは、ディスクを形成する圧電材料の密度にその音響伝播速度を乗じることによって得られる。圧電セラミックのインピーダンスは、温度によってわずかに変動する。しかしながら、インピーダンスは150℃で低くとどまり、詳細には25MRayl未満である。
【0044】
音響波に対する媒質の音響インピーダンスは、波の通過に対する媒質の抵抗を特徴付ける。1Raylが1Pa×s/mに等しいことに留意されたい。
【0045】
ディスク26は、250℃超のキュリー温度を有する。
【0046】
強誘電体材料のキュリー温度は、材料がその残留分極を喪失する温度である。
【0047】
ディスク26は、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)と空気の複合材料で構成されている。
【0048】
ディスク26は、正面38と裏面40を有する。
【0049】
正面38は、シュー14と接触するように構成されている。より詳細には、ディスク26およびシュー14は直接接触している。
【0050】
したがって、従来のトランスデューサとは異なり、プローブ10には、ディスク26とシュー14の間に音響整合層が全く配設されていない。整合層によって発生させられる応力は、それが圧電ディスク26を膨らませ、正面38におけるシュー14との平面接触を妨げることになるようなものである。本発明においては、低い音響インピーダンスを有する圧電材料でできたディスク26は、正面38におけるこのような音響整合を防止するのに役立つ。
【0051】
図2を見れば分かるように、ディスク26の裏面40にダンパ28が取付けられている。
【0052】
ダンパ28は、裏面40から、本体長さLCよりも短いダンパ長さLAにわたり主軸X-X’に沿って内部体積30内へと延在している。
【0053】
ダンパ28は、リング34を介して部分的に封止されている。したがって、ダンパ28の一部がリング34から内部体積30内へと自由に突出する。ダンパ28は大幅に膨張することから、プローブ本体24とのダンパ28の部分的封止によって、ダンパ28の膨れが圧電ディスク26の破裂を導くリスクが防止される。
【0054】
ダンパ28は、シリコーン42およびシリコーン42内に分散した粒子44を含む。粒子44は、ディスク26によりプローブ10の後方に向かって送られる波を拡散させるのに役立つ。
【0055】
各粒子44は、詳細にはタングステンまたはアルミナで構成されている。
【0056】
各粒子44は、10μm~250μmの横断方向寸法を有する。
【0057】
ダンパ28は、ディスク26の膨張係数よりもおおよそ100倍高い膨張係数を有する。
【0058】
図2を参照すると、トランスデューサ16はさらに、リヤカバー46および電気コネクタ48を含む。
【0059】
リヤカバー46は、アパーチャ32の反対側のプローブ本体24の面に取付けられている。
【0060】
電気コネクタ48は、リヤカバー46内に配設されている。電気コネクタ48は、超音波非破壊試験(NDT)用の電子制御ステーション(図示せず)に対して電気ケーブル49を介して接続され、したがって、送信ライン51を介してディスク26において送信され受信される電気信号を送信するように構成されている。送信ラインは、250℃超の温度に耐えることのできる同軸ケーブルである。
【0061】
ディスク26は、各面38、40上に1つの電極53を含む。電極53の一方はアースに接続され、他方は同軸ケーブルのコアに接続される。正面38の側の電極53は、電極53の戻りおよびディスク26の裏面40からのワイヤのろう付けを可能にするため、ディスク26の側方縁部上に立ち上がっている。
【0062】
ディスク26および同軸ケーブルの2つの電極53間の電気接続は、250℃よりも高い融点を有する単数または複数の点におけるろう付けによって行なわれる。このような反復は、1つの接続における破断が発生した場合にプローブの信頼性を高めるのに役立つ。
【0063】
このようなプローブ10を用いた本発明に係る部品12の検査方法について、
図3を参照しながら以下で説明する。
【0064】
部品12は、例えば原子炉部品である。
【0065】
溶接を行なう前に、部品12は、150℃超の温度まで加熱される。
【0066】
本明細書中に示されている実施例においては、作製中の溶接ビード50の無欠性をチェックするために、2つのプローブ10が使用される。溶接ビード50は、検査すべき部品12の2つの部分12A、12Bを堅固に付着させるのに役立つ。溶接ビード50は、2つの部分12A、12Bの間に設けられた溝を充填する。溶接ビードは、複数のパスで作製され、溶加材の層52が各パスにおいて溝の中に被着される。層52は、重ねて配設される。
【0067】
図3を見れば分かるように、2つのプローブ10は、溶接ビード50の両側に配設されている。したがって、第1のプローブ10は、部品12の第1の部分12A上に配設され、第2のプローブ10は、部品12の第2の部分12B上に配設される。
【0068】
溶接ビード50の検査を実施するためには、検査すべき溶接ビード50から一定の距離のところで、部品12の外部表面に接して各プローブ10のシュー14を設置する。この距離は、送信される超音波ビームが、検査すべきゾーンに向かって誘導されるような形で選択される。送信される超音波ビームと表面に対する法線の間の角度は比較的恒常であり、試験時における部品12の温度とは無関係であるため、送信されたビームの検査対象の溶接ビード50上への誘導を可能にする距離を決定するのは容易である。
【0069】
その後、トランスデューサ16を起動して、シュー14に向かって超音波ビームを発出する。入射超音波ビームは、入口表面20を介してシュー14に進入し、シュー14の内部を伝搬し、出口表面22を介して退出する。ビームはその後、送信ビームと反射ビームに分割される。送信ビームは部品12内に進入する。
【0070】
溶接ビード50に衝突した後、
図3に例示されているように、超音波ビームは反射され、そのエコーはプローブ10に戻る。エコーは記録され、解釈される。
【0071】
したがって、本発明に係るプローブ10は、好適な材料の選択ならびに異なる界面における熱機械的応力の削減を導くアーキテクチャに基づくその設計により、150℃超の温度での部品の検査に役立つ。
【0072】
このとき、窒素雰囲気中で、部品12が予熱されている一方で、溶接ビード50が充填されるにつれて漸進的に溶接ビード50の超音波検査を実施することが可能である。
【0073】
したがって、できるかぎり早急に溶接欠陥を修復し、こうして交換現場において大幅に時間を節約することならびに不確実性を大きく減することが可能である。
【符号の説明】
【0074】
10 プローブ
12 部品
14 シュー
16 トランスデューサ
20 入口表面
22 出口表面
24 プローブ本体
26 ディスク
28 ダンパ
30 内部体積
32 アパーチャ
34 リング
36 シール
38 正面
40 裏面
42 シリコーン
44 粒子
48 電気コネクタ
50 溶接ビード
【国際調査報告】