(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】時計表示機構
(51)【国際特許分類】
G04B 19/20 20060101AFI20240920BHJP
G04B 19/25 20060101ALI20240920BHJP
G04B 19/253 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G04B19/20 L
G04B19/25 C
G04B19/253 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521841
(86)(22)【出願日】2022-10-19
(85)【翻訳文提出日】2024-04-10
(86)【国際出願番号】 EP2022079018
(87)【国際公開番号】W WO2023066956
(87)【国際公開日】2023-04-27
(32)【優先日】2021-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504341564
【氏名又は名称】モントレー ブレゲ・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ツァウク,アラン
(72)【発明者】
【氏名】リエド,クリストフ
(57)【要約】
本発明の1つの態様は、第1の大きさを表示するために第1の表示歯車セット(10)を第1のピッチ数に従って回転させる第1の駆動手段(1)と、第2の大きさを表示するために第2の表示歯車セット(20)を第2のピッチ数に従って回転させる第2の駆動手段(2)とを有する時計表示機構(100)に関し、この表示機構(100)は、第1の駆動手段(1)と第2の駆動手段(2)とは別の連結手段(3)を有し、第1の表示歯車セット(10)および第2の表示歯車セット(20)を互いに対して割り出しするように、かつ表示領域(30)に両表示歯車セットが整列方向(A)に確実に整列するように構成される。本発明はさらに、このような表示機構(100)、特にカレンダー機構を有する計時器(1000)、特に腕時計に関する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の大きさを表示するために第1の表示歯車セット(10)を第1のピッチ数に従って回転させるように構成された第1の駆動手段(1)と、第2の大きさを表示するために第2の表示歯車セット(20)を第2のピッチ数に従って回転させるように構成された第2の駆動手段(2)とを少なくとも有する時計表示機構(100)であって、前記表示機構(100)は、前記第1の駆動手段(1)および前記第2の駆動手段(2)とは別の連結手段(3)を有し、前記第1の表示歯車セット(10)および前記第2の表示歯車セット(20)を互いに対して割り出しするように、かつ前記表示機構(100)に含まれている表示領域(30)に両表示歯車セットが整列方向(A)に確実に整列するように構成されることを特徴とする、時計表示機構(100)。
【請求項2】
前記第1のピッチ数と前記第2のピッチ数との比は、整数であることを特徴とする、請求項1に記載の表示機構(100)。
【請求項3】
整数のピッチを得るために、前記第1の表示歯車セット(10)で複数の同一の指標を繰り返し、かつ/または前記第2の表示歯車セット(20)で複数の同一の指標を繰り返すことを特徴とする、請求項2に記載の表示機構(100)。
【請求項4】
前記連結手段(3)は、磁気的かつ/または機械的に整列させる連結を生み出すように構成されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の表示機構(100)。
【請求項5】
前記第1の表示歯車セット(10)と前記第2の表示歯車セット(20)とは、同軸で回転することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の表示機構(100)。
【請求項6】
前記連結手段(3)は、互いに同軸である前記第1の表示歯車セット(10)と前記第2の表示歯車セット(20)との割り出しを確実にするために、磁気的かつ/または機械的に整列させた連結を生み出すように構成され、表示のピッチに従って分布している少なくとも2つの連結器を含むことを特徴とする、請求項2または5に記載の表示機構(100)。
【請求項7】
前記第1の表示歯車セット(10)は、第1の指針(11)または第1の窓(19)または空きスペースで占有されている第1の数の位置を有することと、前記第2の表示歯車セット(20)は、第2の指針(21)または第2の窓(28)または空きスペースで占有されている第2の数の位置を有することと、前記表示領域(30)は、前記第1の表示歯車セット(10)に、前記第1の表示歯車セット(10)に前記第1の大きさの現在値を表示するための前記第1の指針(11)または前記第1の窓(19)のいずれかと、前記第2の表示歯車セット(20)に前記第2の大きさの現在値を表示するための前記第2の指針(21)または前記第2の窓(28)のいずれかとを整列させて並置したものを、ある特定の瞬間にユーザに提示するように構成されることとを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の表示機構(100)。
【請求項8】
前記第1の表示歯車セット(10)および/または前記第2の表示歯車セット(20)とは、互いに同一である複数の前記第1の指針(11)および第2の指針(21)をそれぞれ有することを特徴とする、請求項7に記載の表示機構(100)。
【請求項9】
前記第1の表示歯車セット(10)および前記第2の表示歯車セット(20)とは、同軸のディスクまたはリングであり、前記第1の表示歯車セット(10)は、前記第1の指針(11)を第1の直径上に保有し、前記第2の表示歯車セット(20)は、前記第2の指針(21)を前記第1の直径とは異なる第2の直径上に保有していることと、前記第1の指針(11)と前記第2の指針(21)とは、常に互いに離れていることとを特徴とする、請求項5または7または8に記載の表示機構(100)。
【請求項10】
前記第1の表示歯車セット(10)と前記第2の表示歯車セット(20)とは、同軸のディスクまたはリングであり、前記第1の表示歯車セット(10)は、前記第1の指針(11)を第1の直径上に保有し、前記第2の表示歯車セット(20)は、前記第2の指針(21)を前記第1の直径と等しい第2の直径上に保有していることと、前記表示歯車セット(10;20)のうち位置の数が最も少ない表示歯車セットは、各々の指針(11;21)に隣接している表示窓(18;28)を有し、前記表示窓を通して他方の前記表示歯車セット(20;10)が見え、前記第1の指針(11)と前記第2の指針(21)とが前記表示領域(30)で組み合わさって整列して見えることとを特徴とする、請求項5または7または8に記載の表示機構(100)。
【請求項11】
前記第1の表示歯車セット(10)と前記第2の表示歯車セット(20)とは、同軸のローラであることと、前記第1の指針(11)と前記第2の指針(21)とは、常に離れていることとを特徴とする、請求項7または8に記載の表示機構(100)。
【請求項12】
前記第1の表示歯車セット(10)と前記第2の表示歯車セット(20)とは、同軸のローラであり、前記表示領域(30)で少なくとも部分的に重なっていることを特徴とする、請求項7または8に記載の表示機構(100)。
【請求項13】
前記表示歯車セット(10;20)のうち位置の数が最も少ない表示歯車セットは、各々の指針(11;21)に隣接している表示窓(18;28)を有し、前記表示窓を通して他方の前記表示歯車セット(20;10)が見え、前記第1の指針(11)と前記第2の指針(21)とが前記表示領域(30)で組み合わさって整列して見えることを特徴とする、請求項12に記載の表示機構(100)。
【請求項14】
前記表示機構(100)は、ディスクまたはリングを備えた日付表示機構であり、前記第1の表示歯車セット(10)は、0~9の数字に対応する位置が10個ある一の位の表示歯車セットであり、前記第2の表示歯車セット(20)は、位置が5つあって0~3の十の位の数字の1つが重複しているか、位置が10個あって、5つの位置からなる数列が2つあり、各数列の0~3の十の位の数字の1つが重複している十の位の表示歯車セットであることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の表示機構(100)。
【請求項15】
前記表示機構(100)は、ロール式日付表示機構であり、前記第1の表示歯車セット(10)は、5つの位置と0~9の数字に対応する回転セクションとを含む一の位の表示歯車セットであり、前記第2の表示歯車セット(20)は、位置が5つあって0~3の十の位の数字の1つが重複している十の位の表示歯車セットであることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の表示機構(100)。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の前記表示機構(100)を少なくとも1つ有する計時器(1000)。
【請求項17】
少なくとも1つの前記表示機構(100)は、カレンダー機構であることを特徴とする、請求項16に記載の計時器(1000)。
【請求項18】
前記計時器(1000)は、腕時計であることを特徴とする、請求項16または17に記載の計時器(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の大きさを表示するために第1の表示歯車セットを第1のピッチ数に従って回転させるように構成された第1の駆動手段と、第2の大きさを表示するために第2の表示歯車セットを第2のピッチ数に従って回転させるように構成された第2の駆動手段とを少なくとも有する計時器表示機構に関する。
【0002】
本発明はさらに、このような表示機構、特にカレンダー機構を有する計時器、特に腕時計に関する。
【0003】
本発明は、時計表示機構の分野に関する。
【背景技術】
【0004】
時計表示機構では、位置のずれは、どれほどわずかであってもユーザには非常に目立つため、相補的な表示部どうしの相対的な位置決めは、常に解決が難しい問題である。
【0005】
例えば、回転式の日付表示、およびよく知られているビッグデイト表示機構は通常、一の位用と十の位用に2つの別個の表示部で構成されている。
【0006】
このようなタイプの表示部で、2つの指針を並べて単一の表示に見せかけることには重大な問題があり、これは克服しなければならないことである。各指針には、回転用と位置決め用の独自の機構があるため、相対的な位置決めの誤差は無視できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、複数の表示歯車セットを組み合わせた新規の表示機構を開発すること、および指針を表示領域に整列させる問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために、本発明は、請求項1に記載の時計表示機構に関する。
【0009】
本発明はさらに、このような表示機構、特にカレンダー機構を少なくとも1つ有する計時器、特に腕時計に関する。
【0010】
本発明の目的、利点および特徴は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むことでさらによく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】先行技術のビッグデイトタイプの2つの表示歯車セット(この場合はディスクまたはリング)を含む表示機構の正面概略図である。表示機構は、10個の一の位を表示する第1の表示歯車セットを有し、これが、十の位を表示する第2の表示歯車セットで部分的に覆われている。この第2の十の位の表示歯車セットは、第1の一の位の表示歯車セットと同心ではない表示部であり、4つの十の位の指針0-1-2-3を有し、各指針には隣接する窓が添えられ、この窓を通して第1の一の位の表示歯車セットの指針が見える。十の位の指針「2」は、表示領域で読むことができ、一の位の指針「9」は、隣接する窓を通して読むことができる。当然ながら、ユーザにとって日付が読みやすくなるように、この2つの指針のみが窓を通して、またはダイアルの透明領域を通して、または両指針を際立てるその他の任意の手段によって見えるようになる。
【
図2】連結手段(この場合は一連の強磁性部材と一連の磁石で構成されているがこれに限定されない)を組み入れることで改良した機構を、
図1の表示機構を基に同様に示した図である。第1の一の位の表示歯車セットは、文字「F」で識別される等間隔の強磁性部材である第1の連結部材を10個有し、第2の十の位の表示歯車セットは、文字「U」で識別される等間隔の磁石である第2の連結部材を4つ有する。この機構は、強磁性部材である第1の連結部材10個のうちの1つのみを、磁石である第2の連結部材4つのうちの1つのみと組み合わせることで、表示部どうしを整列させる問題を解決し、表示部の位置を安定させる。一般的に言えば、本発明の範囲内で説明した磁気連結器は、(ランダムな磁化方向の)磁石に対面するように配置した強磁性部材の組み合わせか、互いに引き付け合うように極性が同調している必要がある他の磁石に対面するように配置した磁石の組み合わせのいずれかとしてよい。
【
図3】先行技術のビッグデイトタイプの表示を基に同じように改良した機構を
図2と同様に示している図であり、一の位が10個の表示部と、この上に、十の位が4つあってこれと同数の窓が設けられ、この窓を通して第1の一の位の表示歯車セットの指針が見えている(この場合は一の位と同心である)表示部とを有する。一の位の強磁性部材で形成された第1の連結部材10個は、十の位の磁石で形成された第2の連結部材4つに対して位置決めされる。前回のように、十の位の磁石で形成された2つの第2の連結部材が、一の位の強磁性部材で形成された2つの第1の連結部材に対向していれば、残りの2つは半ピッチだけずれて最初の2つと正反対になり、これは、図の9時の位置にある窓を通してはっきりと見えていることがわかる。したがって、2つの表示歯車セットをこのように相対的に誘導することは、十の位の磁石が2つよりも多ければ不可能である。なぜなら、第1の一の位の強磁性部材の数は、第2の十の位の磁石の数の整数倍ではないからである。
【
図4】同様の磁気連結手段を備えている
図2および
図3と同様に、さらに改良した機構を示す図であり、この機構は、本発明によるビッグデイト表示であり、一の位が10個ある表示部と、この上に、十の位が5つあってこれと同数の窓または開口が設けられ、この窓を通して一の位を表示させる同心の表示部とを有する。強磁性部材で形成された第1の連結部材10個を、十の位の磁石で形成された第2の連結部材5つに対して磁気的に位置決めすることを提案して、最適な整列を確保する。指針を重複して使用することで(この場合は第2の十の位の表示歯車セットで重複させた「0」)、第1の一の位の表示歯車セットの各々の第1の指針が、第2の十の位の表示歯車セットにある窓を通して見えている状態で、どの位置でもこの2つの歯車セットが安定した状態であらゆる表示を作り出すことができる。
【
図5】
図4の2つの表示歯車セットに対する駆動手段を示す図であり、駆動手段は、2つの偏心軸の歯車を有し、各歯車は、日付を表示できるように切頭され、歯車セットと同軸のピニオンと協働し、ジャンパーによって安定位置に保持されている。本発明は、切頭歯車によるこの種の駆動に対して新規の用途を創出するものであることに注意されたく、表示部を駆動するためのこの新規の使用では、特に本明細書に示した十の位が5つある日付表示の非限定的な例では、十の位のうちの1つが重複していて、十の位を駆動する機能を有する歯車は、他の機構の公知の先行技術よりも歯が1つ多い。「0」の指標を重複して提示するこのような表示のこの非限定的な事例では、駆動歯は、31-01の歯と09-10の歯との間のセクターに位置している。
【
図6】本発明による2つの表示歯車セットを有する表示機構を有する計時器(この場合は腕時計)の概略正面図である。この2つの表示歯車セットは、この場合は横に並んだ2つの同軸のローラである。
【
図7】本発明による2つの表示歯車セットを有する表示機構を含む計時器、特に腕時計を示すブロック図である。
【
図8】
図4の第2の表示歯車セットの可視部分の概略正面図であり、窓は図示されていない。
【
図9】本発明による別の第2の表示歯車セットの可視部分を
図8と同様に示している図であり、窓は図示されず、この場合の用途は、ディスクに十の位が10個と一の位が10個ある表示に関するものである。
【
図10】異なる直径上に指針を有する、同心で重なっている2つの表示歯車セットの可視部分を
図8と同様に示している図である。
【
図11】互いに外側にある2つの表示歯車セットの可視部分を
図10と同様に示している図であり、第1の一の位の歯車セットの上のみに一の位の指針を表示し、第2の十の位の歯車セットの上のみに十の位の指針を表示する表示領域がある。
【
図12】互いに外側にあり一部が重なっている2つの表示歯車セットの可視部分を
図10と同様に示している図であり、重なっている領域の上に一の位の指針を表示し、第2の十の位の歯車セットの上のみに十の位の指針を表示する表示領域がある。
【
図13】
図12に示したものと逆の構成を示す図であり、第1の一の位の歯車セットの上のみに一の位の指針を表示し、重なっている領域に十の位の指針を表示する表示領域がある。
【
図14】互いに外側にあり一部が重なっている2つの表示歯車セットの可視部分を
図10と同様に示している図であり、重複領域の上に一の位の指針と十の位の指針を表示する表示領域があり、一の位の指針は、第2の十の位の歯車セットにある窓を通して見えている。
【
図15】既に
図5の平面図に示した
図4の2つの表示歯車セットの駆動手段の概略部分斜視図であり、駆動手段は、この特定の用途では、一の位が10個の10本歯のピニオンを31回中30回駆動させる切頭歯と、十の位が5つの5本歯のピニオンを31回中5回駆動させる切頭歯とを有する。
【
図16】完全に機械式の連結手段を含む2つの表示歯車セット(この場合はディスクまたはリング)を有する表示機構の例示的な実施形態の概略部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、複数の表示歯車セットを組み合わせ、指針を表示領域に整列させる問題を解決するように構成された表示機構に関する。
【0013】
したがって、本発明は、時計表示機構100に関し、この時計表示機構は、第1の大きさを表示するために第1の表示歯車セット10を第1のピッチ数に従って回転させるように構成された第1の駆動手段1と、第2の大きさを表示するために第2の表示歯車セット20を第2のピッチ数に従って回転させるように構成された第2の駆動手段2とを少なくとも有する。
【0014】
本発明によれば、この表示機構100は、第1の駆動手段1および第2の駆動手段2とは別の連結手段3、3’を有する。連結手段3、3’は、第1の表示歯車セット10と第2の表示歯車セット20の位置を互いに対して割り出しするため、かつ、表示機構100に含まれる表示領域30に両者が整列方向Aに確実に整列するためだけに構成される。
【0015】
しがたって、連結手段3、3’は、第1の表示歯車セット10の第1の駆動手段1および第2の表示歯車セット20の第2の駆動手段2とは独立して、第1の表示歯車セット10および第2の表示歯車セット20を次のピッチに進ませないようにする。
【0016】
さらに詳細には、連結手段3、3’は、このように整列させる連結を磁気的かつ/または機械的行うように構成される。
【0017】
特定の代替実施形態では、連結手段3は、このように整列させる連結を磁気によってのみ行うように構成される。別の特定の代替実施形態では、連結手段3は、このように整列させる連結を磁気と機械によって行うように構成される。
【0018】
さらに詳細には、第1の表示歯車セット10のピッチは一定であり、第2の表示歯車セット20のピッチは一定である。
【0019】
本発明の第1の代替実施形態では、第1の表示歯車セット10と第2の表示歯車セット20とは、同軸に回転可能である。
図3~
図5および
図10は、ディスクまたはリングである表示歯車セットを示している。
図6は、ローラである表示歯車セットを示している。
【0020】
さらに詳細には、第1のピッチ数と第2のピッチ数との比は、整数である。
【0021】
さらに詳細には、整数のピッチを得るために、第1の表示歯車セット10で複数の同一の指標を繰り返し、かつ/または第2の表示歯車セット20で複数の同一の指標を繰り返す。
【0022】
さらに詳細には、連結手段3は、第1の表示歯車セット10と第2の表示歯車セット20とを互いに同軸に割り出しするための連結器を少なくとも2つ有し、この連結器は、磁気的かつ/または機械的に整列させて連結するように構成され、表示のピッチに従って分布している。したがって、
図2~
図4は、第1の表示歯車セット10に強固に接続されて一緒に回転する強磁性部材15で形成された第1の連結部材と、第2の表示歯車セット20に強固に接続されて一緒に回転する磁石25で形成された第2の連結部材とを示している。強磁性部材15で形成された第1の連結部材の数と、磁石25で形成された第2の連結部材の数との比は、整数であり、さらに詳細には、第1のピッチ数と第2のピッチ数との比に等しい。
【0023】
特定の実施形態では、第1の表示歯車セット10は、第1の指針11または第1の窓19または空きスペースで占有されている第1の数の位置を有し、同じように、第2の表示歯車セット20は、第2の指針21または第2の窓28または空きスペースで占有されている第2の数の位置を有する。表示領域30は、一つは第1の表示歯車セット10に、第1の表示歯車セット10の第1の大きさの現在値を表示するための第1の指針11または第1の窓19のいずれかを、もう一つは第2の表示歯車セット20に、第2の大きさの現在値を表示するための第2の指針21または第2の窓28のいずれかを、整列方向Aに沿って整列して並置したものをある特定の瞬間にユーザに提示するように構成される。当然ながら、第1の指針11または第2の指針21は、空きスペースを含むことができる。
【0024】
さらに詳細には、第1の表示歯車セット10および/または第2の表示歯車セット20は、複数の第1の指針11および第2の指針21をそれぞれ有し、両指針は、互いに同じものである。
【0025】
さらに詳細には、互いに同じである複数の第1の指針11、同じく複数の第2の指針21はそれぞれ、第1の表示歯車セット10上、同じく第2の表示歯車セット20上で連続しているか、連続している一続きの同じ指針にグループ化される。
【0026】
さらに詳細には、互いに同じである第1の指針11、同じく第2の指針21は、何もない場所か、値がゼロの指針である。
【0027】
さらに詳細には、
図10を見るとわかるように、第1の表示歯車セット10および第2の表示歯車セット20は、同軸のディスクまたはリングであり、第1の表示歯車セット10は、第1の指針11を第1の直径上に保有し、第2の表示歯車セット20は、第2の指針21を第1の直径とは異なる第2の直径上に保有し、第1の指針11と第2の指針21とは常に離れている。
【0028】
さらに詳細には、
図3~
図5を見るとわかるように、第1の表示歯車セット10と第2の表示歯車セット20とは、同軸のディスクまたはリングであり、第1の表示歯車セット10は、第1の指針11を第1の直径上に保有し、第2の表示歯車セット20は、第2の指針21を第1の直径に等しい第2の直径上に保有し、表示歯車セット10、20のうち位置の数が最も少ない表示歯車セットは、表示窓18、28を有し、表示窓は、各々の指針11、21に隣接し、表示窓を通して他方の表示歯車セット20、10が見え、第1の指針11と第2の指針21とが表示領域30で組み合わされて並んで見える。これらの図は、第2の窓28しか示していないが、第1の表示歯車セット10にある第1の窓18にどのように置き換えるかは理解できる。
【0029】
図6に示したこの第1の代替実施形態の特定の実施形態では、第1の表示歯車セット10と第2の表示歯車セット20とは、同軸のローラである。さらに詳細には、第1の指針11と第2の指針21とは、常に離れている。
【0030】
さらに詳細には、第1の表示歯車セット10と第2の表示歯車セット20とは、同軸のローラであり、表示領域30で少なくとも部分的に重なっている。
【0031】
さらに詳細には、ロール式表示歯車セット10、20のうち、位置の数が最も少ないロール式表示歯車セットは、各々の指針11、21に隣接している表示窓18、28を有し、表示窓を通して他方の表示歯車セット20、10が見え、第1の指針11と第2の指針21とが表示領域30で組み合わさって整列して表示される。
【0032】
本発明の第2の代替実施形態では、第1の表示歯車セット10と第2の表示歯車セット20とは、軸が別個の歯車セットであり、第1の指針11と第2の指針21とは、常に離れている。
図1、
図2および
図11~
図14は、ディスクまたはリングである表示歯車セットを示している。
【0033】
さらに詳細には、連結手段3は、第1の表示歯車セット10および第2の表示歯車セット20を割り出しする連結器を少なくとも2つ有し、この連結器は、磁気的かつ/または機械的に整列させて連結するように構成され、表示のピッチに従って分布している。これらの連結手段は、歯車セットの周の特に縁等に配置できる。
【0034】
さらに詳細には、第1の表示歯車セット10および第2の表示歯車セット20は、軸が別個のディスクまたはリングであり、表示領域30で少なくとも部分的に重なっている。
【0035】
さらに詳細には、表示歯車セット10、20のうち、位置の数が最も少ない表示歯車セットは、各々の指針11、21に隣接している表示窓18、28を有し、表示窓を通して他方の表示歯車セット20、10が見え、第1の指針11と第2の指針21とが表示領域30で組み合わさって整列して表示される。
【0036】
歯車セットが同軸である第1の代替実施形態と、歯車セットが同軸ではない第2の代替実施形態のどちらにも、様々な表示レイアウトが可能である。
【0037】
したがって、さらに詳細には、表示機構100は、ディスクまたはリングを備えた日付表示機構であり、第1の表示歯車セット10は、0~9の数字に対応する位置が10個ある一の位の表示歯車セットであり、第2の表示歯車セット20は、
図4、
図5および
図8に示したように、位置が5つあって0~3の十の位の数字の1つが重複している十の位の表示歯車セットか、
図9に示したように、位置が10個あって5つの位置からなる数列が2つあり、各数列の0~3の十の位の数字の1つが重複している十の位の表示歯車セットである。
【0038】
さらに詳細には、表示機構100は、ローラを備えた日付表示機構であり、第1の表示歯車セット10は、数字の0~9に対応する回転区画を有する位置が5つある一の位の表示歯車セットであり、第2の表示歯車セット20は、位置が5つあって十の位の数字の0~3の1つが重複している十の位の表示歯車セットである。
【0039】
さらに詳細には、表示機構100は、ディスクまたはローラを備えた24時間表示機構であり、第1の表示歯車セット10は、0~9の数字に対応する位置が10個ある一の位の表示歯車セットであり、第2の表示歯車セット20は、
図5に示したように、位置が5つあって0~3の十の位の数字の1つが重複している十の位の表示歯車セットか、
図9に示したように、位置が10個あって5つの位置からなる数列が2つあり、各数列の0~3の十の位の数字の1つが重複している十の位の表示歯車セットである。
【0040】
さらに詳細には、表示機構100は、ディスクまたはローラを備えた週番号表示機構であり、第1の表示歯車セット10は、0~9の数字に対応する位置が10個ある一の位の表示歯車セットであり、第2の表示歯車セット20は、位置が10個あって連続する数列を4つ含み、各数列は0~5の十の位の数字の1つが重複している十の位の表示歯車セットである。
【0041】
さらに詳細には、
図15を見るとわかるように、第1の駆動手段1は、切頭歯を有する第1の歯車17を備え、切頭歯は、第1の表示歯車セット10を回転させるように構成され、第1の歯車17の欠けた歯は、第2の表示歯車セット20がさらに数ピッチ進む必要があるときに第1の表示歯車セット10の回転のない部分に該当し、第2の駆動手段2は、切頭歯を有する第2の歯車27を備え、切頭歯は、第2の表示歯車セット20を回転させるように構成され、第2の歯車27の欠けた歯は、第1の表示歯車セット10がさらに数ピッチ進む必要があるときに第2の表示歯車セット20の回転のない部分に該当する。
【0042】
本発明はさらに、このような表示機構100を少なくとも1つ含む計時器1000に関する。
【0043】
さらに詳細には、少なくとも1つのこのような表示機構100は、カレンダー機構である。
【0044】
さらに詳細には、この計時器1000は、腕時計である。
【0045】
非限定的な例となる本発明の有利な用途は、一の位の位置が10個ある第1の一の位の表示歯車セットと、十の位の指針が5つある第2の十の位の表示歯車セットとを備えた日付表示機構に関するものである。この機構は、10個の一の位を、この例では特に磁気的に、第2の表示に対して割り出しすることを含むが、これは機械的に行うこともでき、一の位の位置10個に対して十の位5つの位置を同相に配置することができる。
【0046】
図1は、先行技術のビッグデイトタイプの表示部を示しており、この表示部は、一の位が10個ある表示部と、その上に、十の位が4つあってこれと同数の窓または開口が設けられている非同心の表示部とを含み、この窓を通して第1の一の位の表示歯車セットの指針が見えている。
【0047】
図2は、
図1の表示機構を基に改良した機構を示している。第1の一の位の表示歯車セット10は、等間隔の強磁性部材15で形成された第1の連結部材を10個有し、第2の十の位の表示歯車セット20は、等間隔の磁石25で形成された第2の連結部材を4つ有する。この機構は、表示部を整列させる問題を解決し、安定した表示位置を実現するが、2つの表示部の相対的な割り出しは、磁石を強磁性部材に一箇所で連結するだけで行われ、これは必ずしも有利ではなく、まだ改善の余地がある。
【0048】
図3は、先行技術のビッグデイトタイプの表示を基に同じように改良した機構を
図2と同様に示しており、この機構は、一の位が10個ある表示と、その上に、今回は一の位の表示と同心で、十の位が4つあってこれと同数の窓または開口が設けられている表示とを含み、この窓を通して第1の一の位の表示歯車セットの指針が見えている。一の位の強磁性部材15で形成された10個の第1の連結部材は、十の位の磁石25で形成された4つの第2の連結部材に対して磁気によって位置決めされる。前回のように、十の位の磁石25で形成された2つの第2の連結部材が一の位の強磁性部材15で形成された2つの第1の連結部材に対面していれば、残りの2つは半ピッチだけずれて最初の2つと正反対になるため、2つの表示歯車セットをこのように相対的に誘導することは、十の位の磁石が1つより多ければ不可能であり、一の位の強磁性部材で形成された第1の連結部材の数は、十の位の磁石で形成された第2の連結部材の数の整数倍ではないことがわかる。
【0049】
運動を最も単純にするために、表示位置で整列させる連結器を使用するほか、連結手段の互換性を確保して直接かつ迅速な位置決めを確実に行う必要がある。このような理由から、特に一の位の強磁性部材で形成された第1の連結部材の数は、特に十の位の磁石で形成された第2の連結部材の数の整数倍であることが好ましい。
【0050】
図4は、本発明によるビッグデイト表示を示しており、一の位が10個ある表示と、その上に、十の位が5つあってこれと同数の窓または開口が設けられ、この窓を通して一の位を表示できる同心の表示とを含んでいる。強磁性部材15で形成された10個の第1の連結部材を、十の位の磁石25で形成された5つの第2の連結部材に対して磁気によって位置決めすることを提案する。十の位と一の位の各々の位置に関して、十の位の磁石25で形成された5つの第2の連結部材は、一の位の強磁性部材15で形成された10個の第1の連結部材のうちの5つと同相であることがわかり、一の位の強磁性部材15で形成された第1の連結部材の数は、十の位の磁石25で形成された第2の連結部材の数の整数倍であることから、2つの指針のこの相対的な誘導が実際に最適であり、最大数の磁石が有効になっていることがわかる。
【0051】
したがって、本発明は、
図4に示した構成のように十の位と一の位とが同心である構成に適応できるか、あるいはスイス国特許第713873号に記載されているようなロール式日付表示の典型となり得る、いわゆる“十の位が5つ”の構成を提供する。同文献では、表示機構は、2つの表示、例えば一の位と十の位を有し、両者は整列している必要があり、各表示部は、その周部に少なくとも1つの磁石を有し、この磁石が、少なくとも1つの対抗する強磁性部材と協働するか、第2の表示の周部に分布している磁石のうちの少なくとも1つの他の対抗する磁石と協働して、2つの表示を整列位置に向かわせる直接の引力を生成する。
【0052】
本発明は、磁石のリングを含み、このリングが別の磁石または強磁性部材(例えば鋼)のリングに引き付けられ、磁石の数の比が整数になる構成に実装することが容易である。
【0053】
いくつかの非限定的な例を以下に挙げる。
【0054】
ディスクに十の位を5つと一の位を10個表示するための1つの解決策は、十の位の1つ、例えば「0」を2回印刷し(0-0-1-2-3)、一の位が9から0に変わる前、例えば一の位が4から5に変わるときに、この十の位を変えるよう制御することである(比10/5=2は整数)。
【0055】
ディスクに十の位が10個と一の位が10個ある表示を創出するための1つの解決策は、一の位の数列を2回印刷し、十の位の1つ、例えば「0」を2回繰り返し(0-0-1-2-3-0-0-1-2-3)、一の位が9から0に変わる前、例えば一の位が4から5に変わるときに、繰り返したこの2つの十の位を変えるように制御することである(比10/10=1は整数)。
【0056】
同じ規則をロール式表示に適用できる:
2×十の位5つを含む十の位のローラ、および一の位10個を含む一の位のローラ;比10/10=1は整数;
1×十の位5つを含む十の位のローラ、および一の位10個を含む一の位のローラ;比10/5=2は整数;
十の位5つを含む十の位のローラ、一の位10個に対して回転区画を含む位置が5つある一の位のローラ、比5/5=1は整数。
【0057】
磁気連結、特に磁石のペアを含むロール式日付の一連の動作を以下のようにできる:
月の1日から2日:第2の十の位のローラ20は動かず「0」を示し、第1の一の位のローラ10は「1」から「2」へ動き、第1の5つの磁石15および第2の5つの磁石25は、2つ指標の相対位置を確実にする。
月の4日から5日:第2の十の位のローラ20は、第1の「0」の指針からこれに続く第2の「0」の指針へ動き、第1の一の位のローラ10は、「4」から「5」へ動き、第1の5つの磁石15および第2の5つの磁石25は、2つ指標の相対位置を確実にする。
月の9日から10日:第2の十の位のローラ20は、第2の「0」の指針から「1」へ動き、第1の一の位のローラ10は、「9」から「0」へ動き、第1の5つの磁石15および第2の5つの磁石25は、2つの指針の相対位置を確実にする。
月の10日から11日:第2の十の位のローラ20は動かず「1」を示し、第1の一の位のローラ10は、「0」から「1」へ動き、第1の5つの磁石15および第2の5つの磁石25は、2つ指標の相対位置を確実にする。
月の19日から20日:第2の十の位のローラ20は「1」から「2」へ動き、第1の一の位のローラ10は「9」から「0」へ動き、第1の5つの磁石15および第2の5つの磁石25は、2つ指標の相対位置を確実にする。
31日から翌月の1日:第2の十の位のローラ20は「3」から第1の「0」の指針へ動き、第1の一の位のローラ10は動かず「1」を示し、第1の5つの磁石15および第2の5つの磁石25は、2つ指標の相対位置を確実にする。
【0058】
ローラは、月に一回転する歯車によって回転し、歯車の歯は、
図15に示したように、回転しない日は歯が切り取られている。切頭歯を含んでいる第1の一の位の歯車17は、第1の表示歯車セット10を回転させるように構成され、第1の歯車17の欠けた歯は、第2の表示歯車セット20がさらに数ピッチ進む必要があるときに第1の表示歯車セット10の回転がない所に相当する。31日から1日への回転がない場合のために歯が2本欠けている。切頭歯を含んでいる第2の十の位の歯車27は、第2の表示歯車セット20を回転させるように構成され、第2の歯車27の欠けた歯は、第1の表示歯車セット10がさらに数ピッチ進む必要があるときに第2の表示歯車セット20の回転がない所に相当する。4日から5日、9日から10日、19日から20日、29日から30日および31日から1日へ回転する場合のみのために歯が27本欠けている。
【0059】
特定の代替実施形態では、連結手段3’は、機械的な方法のみで整列させて連結するように構成される。
図16に一例を示しているこの代替実施形態では、表示歯車セット10、20のうちの一方、例えば第1の表示歯車セット10は、ノッチ3a’を有し、このノッチは、表示歯車セット20、10のうちのもう一方、例えば第2の表示歯車セット20に備わっている弾性手段3b’と協働し、弾性手段3b’は、ノッチ3a’に入るように意図されて、第1の表示歯車セット10と第2の表示歯車セット20との間で安定して割り出した整列位置を規定する。
【0060】
図16に示した例示的な実施形態では、第1の表示歯車セット10および第2の表示歯車セット20は、
図3~
図5および
図10ですでに説明したように、同軸のディスクまたはリングであり、第1の表示歯車セット10が第2の表示歯車セット20の下に位置している。
【0061】
例として、第1の表示歯車セット10は、第1の指針11を含む上面にノッチ3a’を有することができ、第2の表示歯車セット20は、その下面、すなわち第2の指針21を含む面とは反対の面に弾性手段3b’を有することができる。当然ながら、逆の構成も適用可能である。
【0062】
完全に機械的である連結手段3’を含むこの代替実施形態は、第1の表示歯車セット10と第2の表示歯車セット20とが
図3~
図5および
図10に示したように同軸であっても、
図1および
図2に示したように同軸でなくとも、適用可能である。
【0063】
完全に機械的である連結手段3’を含むこのような代替実施形態は、第1の表示歯車セット10および第2の表示歯車セット20が
図16に示したように重なっているディスクまたはリングであっても、第1の表示歯車セット10および第2の表示歯車セット20が
図6に示したようにローラであっても、適用可能である。この場合、ノッチ3a’および弾性手段3b’は、それぞれの互いに向かい合う面に形成される。
【0064】
ノッチ3a’は、丸いかV字型としてよい。弾性手段3b’は、
図16に示したようなストリップバネ、または一定形状のノッチ3a’と協働するように構成され、バネに取り付けられたスタッドまたはボールとしてよい。
【0065】
完全に機械的である連結手段3’を含むこの代替実施形態は、技術的に可能なかぎり、前述した代替実施形態および例のいずれとも組み合わせることができることは明らかである。
【0066】
機械的な連結手段3’を含むこの代替実施形態は、必要に応じて、前出の例に記載したような磁気的な連結手段3と組み合わせることもできる。
【0067】
本発明は、その他の表示、および特に以下の表示に適用できるが、これに限定されない:
24時間表示:十の位が0-0-1-1-2の5つあるディスク1枚、および一の位が10個のディスク1枚:10/5=1は整数;
52週表示:十の位が0-0-1-1-2-2-3-3-4-5の10個あるディスク1枚、および1一の位が10個あるディスク1枚:10/10=1は整数。
【0068】
したがって本発明は、整列している複数の指針をグループ化して複雑な表示を生み出すように組み合わせた個々の表示歯車セットの位置を整列させるという公知の問題に対して、優れた解決策を提供するものである。
【0069】
本発明は、表示部を良好に割り出しすることを確約するものである。本発明は、2つの表示歯車セットを最も一般的に組み合わせる事例について説明されているが、表示歯車セットの数が多いさらに複雑な表示にも使用可能である。
【0070】
本発明は、表示部の遊びを最小に抑え、ユーザにとって不快となり得る重なり合う現象を排除する。
【0071】
ロール式日付表示機構、またはいわゆる「ビッグデイト」表示は通常、一の位用と十の位用の2つの別個の表示部を有し、本発明の極めて有利な適用例である。その他のあまり知られていないタイプの表示に、週間カレンダーまたはジャンピングアワーなど、十の位と一の位を有する同じタイプの表示を使用できる。当然ながら、本発明は、表示歯車セットの位置がこれ以外の数、例えば7個、12個、またはその他の数のものにも適用できる。
【0072】
要約すると、図示した非限定的な例でのゼロのように、表示歯車セットの指針を数倍にすることは、2つの相補的な表示部の良好な相対位置を実現するのに極めて有利である。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の大きさを表示するために第1の表示歯車セット(10)を第1のピッチ数に従って回転させるように構成された第1の駆動手段(1)と、第2の大きさを表示するために第2の表示歯車セット(20)を第2のピッチ数に従って回転させるように構成された第2の駆動手段(2)とを少なくとも有する時計表示機構(100)であって、前記表示機構(100)は、前記第1の駆動手段(1)および前記第2の駆動手段(2)とは別の連結手段(3)を有し、前記第1の表示歯車セット(10)および前記第2の表示歯車セット(20)を互いに対して割り出しするように、かつ前記表示機構(100)に含まれている表示領域(30)に両表示歯車セットが整列方向(A)に確実に整列するように構成されることを特徴とする、時計表示機構(100)。
【請求項2】
前記第1のピッチ数と前記第2のピッチ数との比は、整数であることを特徴とする、請求項1に記載の表示機構(100)。
【請求項3】
整数のピッチを得るために、前記第1の表示歯車セット(10)で複数の同一の指標を繰り返し、かつ/または前記第2の表示歯車セット(20)で複数の同一の指標を繰り返すことを特徴とする、請求項2に記載の表示機構(100)。
【請求項4】
前記連結手段(3)は、磁気的かつ/または機械的に整列させる連結を生み出すように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の表示機構(100)。
【請求項5】
前記第1の表示歯車セット(10)と前記第2の表示歯車セット(20)とは、同軸で回転することを特徴とする、請求項1に記載の表示機構(100)。
【請求項6】
前記第1の表示歯車セット(10)と前記第2の表示歯車セット(20)とは、同軸に回転することと、前記連結手段(3)は、互いに同軸である前記第1の表示歯車セット(10)と前記第2の表示歯車セット(20)とを確実に割り出しするために、磁気的かつ/または機械的に整列させた連結を生み出すように構成され、表示のピッチに従って分布している少なくとも2つの連結器を含むことを特徴とする、請求項2に記載の表示機構(100)。
【請求項7】
前記第1の表示歯車セット(10)は、第1の指針(11)または第1の窓(19)または空きスペースで占有されている第1の数の位置を有することと、前記第2の表示歯車セット(20)は、第2の指針(21)または第2の窓(28)または空きスペースで占有されている第2の数の位置を有することと、前記表示領域(30)は、前記第1の表示歯車セット(10)に、前記第1の表示歯車セット(10)に前記第1の大きさの現在値を表示するための前記第1の指針(11)または前記第1の窓(19)のいずれかと、前記第2の表示歯車セット(20)に前記第2の大きさの現在値を表示するための前記第2の指針(21)または前記第2の窓(28)のいずれかとを整列させて並置したものを、ある特定の瞬間にユーザに提示するように構成されることとを特徴とする、請求項1に記載の表示機構(100)。
【請求項8】
前記第1の表示歯車セット(10)および/または前記第2の表示歯車セット(20)とは、互いに同一である複数の前記第1の指針(11)および第2の指針(21)をそれぞれ有することを特徴とする、請求項7に記載の表示機構(100)。
【請求項9】
前記第1の表示歯車セット(10)と前記第2の表示歯車セット(20)とは、同軸に回転することと、前記第1の表示歯車セット(10)と前記第2の表示歯車セット(20)とは、同軸のディスクまたはリングであり、前記第1の表示歯車セット(10)は、前記第1の指針(11)を第1の直径上に保有し、前記第2の表示歯車セット(20)は、前記第2の指針(21)を前記第1の直径とは異なる第2の直径上に保有していることと、前記第1の指針(11)と前記第2の指針(21)とは、常に互いに離れていることとを特徴とする、請求項7に記載の表示機構(100)。
【請求項10】
前記第1の表示歯車セット(10)と前記第2の表示歯車セット(20)とは、同軸に回転することと、前記第1の表示歯車セット(10)と前記第2の表示歯車セット(20)とは、同軸のディスクまたはリングであり、前記第1の表示歯車セット(10)は、前記第1の指針(11)を第1の直径上に保有し、前記第2の表示歯車セット(20)は、前記第2の指針(21)を前記第1の直径と等しい第2の直径上に保有していることと、前記表示歯車セット(10;20)のうち位置の数が最も少ない表示歯車セットは、各々の指針(11;21)に隣接している表示窓(18;28)を有し、前記表示窓を通して他方の前記表示歯車セット(20;10)が見え、前記第1の指針(11)と前記第2の指針(21)とが前記表示領域(30)で組み合わさって整列して見えることとを特徴とする、請求項7に記載の表示機構(100)。
【請求項11】
前記第1の表示歯車セット(10)と前記第2の表示歯車セット(20)とは、同軸のローラであることと、前記第1の指針(11)と前記第2の指針(21)とは、常に離れていることとを特徴とする、請求項7に記載の表示機構(100)。
【請求項12】
前記第1の表示歯車セット(10)と前記第2の表示歯車セット(20)とは、同軸のローラであり、前記表示領域(30)で少なくとも部分的に重なっていることを特徴とする、請求項7に記載の表示機構(100)。
【請求項13】
前記表示歯車セット(10;20)のうち位置の数が最も少ない表示歯車セットは、各々の指針(11;21)に隣接している表示窓(18;28)を有し、前記表示窓を通して他方の前記表示歯車セット(20;10)が見え、前記第1の指針(11)と前記第2の指針(21)とが前記表示領域(30)で組み合わさって整列して見えることを特徴とする、請求項12に記載の表示機構(100)。
【請求項14】
前記表示機構(100)は、ディスクまたはリングを備えた日付表示機構であり、前記第1の表示歯車セット(10)は、0~9の数字に対応する位置が10個ある一の位の表示歯車セットであり、前記第2の表示歯車セット(20)は、位置が5つあって0~3の十の位の数字の1つが重複しているか、位置が10個あって、5つの位置からなる数列が2つあり、各数列の0~3の十の位の数字の1つが重複している十の位の表示歯車セットであることを特徴とする、請求項1に記載の表示機構(100)。
【請求項15】
前記表示機構(100)は、ロール式日付表示機構であり、前記第1の表示歯車セット(10)は、5つの位置と0~9の数字に対応する回転セクションとを含む一の位の表示歯車セットであり、前記第2の表示歯車セット(20)は、位置が5つあって0~3の十の位の数字の1つが重複している十の位の表示歯車セットであることを特徴とする、請求項1に記載の表示機構(100)。
【請求項16】
請求項1に記載の前記表示機構(100)を少なくとも1つ有する計時器(1000)。
【請求項17】
少なくとも1つの前記表示機構(100)は、カレンダー機構であることを特徴とする、請求項16に記載の計時器(1000)。
【請求項18】
前記計時器(1000)は、腕時計であることを特徴とする、請求項16に記載の計時器(1000)。
【国際調査報告】