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特表2024-535580エネルギー貯蔵システム及びエネルギー貯蔵システムの接地構造制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】エネルギー貯蔵システム及びエネルギー貯蔵システムの接地構造制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02H 7/18 20060101AFI20240920BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20240920BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20240920BHJP
   H02J 7/02 20160101ALN20240920BHJP
【FI】
H02H7/18
H02J3/32
H02J3/38 130
H02J7/02 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521860
(86)(22)【出願日】2023-01-06
(85)【翻訳文提出日】2024-04-10
(86)【国際出願番号】 KR2023000311
(87)【国際公開番号】W WO2023204382
(87)【国際公開日】2023-10-26
(31)【優先権主張番号】10-2022-0047876
(32)【優先日】2022-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジョンチョル・キム
(72)【発明者】
【氏名】ビョンホ・ムン
(72)【発明者】
【氏名】インホ・ジュン
【テーマコード(参考)】
5G053
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5G053AA06
5G053CA01
5G053EA03
5G053EB01
5G053EB09
5G053EC01
5G053FA01
5G066HB06
5G066HB09
5G066JB03
5G503AA01
5G503AA06
5G503BA04
5G503BB01
5G503FA14
5G503GB06
(57)【要約】
本発明の実施例に係るエネルギー貯蔵システムは、太陽光発電(PV)システムを含み、電力系統に接続されるエネルギー貯蔵システムであって、上記電力系統に接続され、上記太陽光発電システムと選択的に接続される電力変換システム(PCS);上記太陽光発電システムと上記電力変換システムの直流側との選択的接続を行う第1のスイッチ;一側端子がグラウンドに接続された第1の地絡検出器;上記第1のスイッチと上記太陽光発電システムとの間に位置し、上記太陽光発電システムと上記第1の地絡検出器の他側端子との選択的接続を行う第2のスイッチ;並びに、上記太陽光発電システムの発電状態に応じて上記第1のスイッチ及び上記第2のスイッチを制御して、上記太陽光発電システム、上記電力変換システム、及び上記エネルギー貯蔵システムに含まれた電池システムのうちの一つ以上の接地構造を変更させるスイッチ制御装置を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電(PV)システムを含み、電力系統に接続されるエネルギー貯蔵システムであって、
前記電力系統に接続され、前記太陽光発電システムと選択的に接続される電力変換システム(PCS);
前記太陽光発電システムと前記電力変換システムの直流側との選択的接続を行う第1のスイッチ;
一側端子がグラウンドに接続された第1の地絡検出器;
前記第1のスイッチと前記太陽光発電システムとの間に位置し、前記太陽光発電システムと前記第1の地絡検出器の他側端子との選択的接続を行う第2のスイッチ;並びに
前記太陽光発電システムの発電状態に応じて前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを制御して、前記太陽光発電システム、前記電力変換システム、及び前記エネルギー貯蔵システムに含まれた電池システムのうちの一つ以上の接地構造を変更させ、前記太陽光発電システムと前記電力変換システムの直流側とを選択的に接続させるスイッチ制御装置を含む、
エネルギー貯蔵システム。
【請求項2】
前記スイッチ制御装置は、
前記太陽光発電システムが発電状態の場合、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチをクローズ状態において動作させることで、前記太陽光発電システム及び前記電力変換システムに対してグラウンディング接地構造を適用し、前記第1の地絡検出器が前記太陽光発電システム及び前記電力変換システムの地絡発生の有無を検出するようにする、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項3】
前記スイッチ制御装置は、
前記太陽光発電システムが非発電状態から発電状態に切り替えられた後、既設定の時間の間、前記第2のスイッチをオープン状態において動作させることで、前記太陽光発電システム及び前記電力変換システムに対してフローティング接地構造を適用し、前記電力変換システムの直流側入力ノードに構成された第2の地絡検出器が前記太陽光発電システム及び前記電力変換システムの地絡発生の有無を検出するようにする、請求項2に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項4】
前記スイッチ制御装置は、
前記太陽光発電システムが非発電状態の場合、前記第1のスイッチをオープン状態において動作させ、前記第2のスイッチをクローズ状態において動作させることで、前記太陽光発電システムに対してグラウンディング接地構造を適用し、前記電力変換システムにフローティング接地構造を適用し、前記第1の地絡検出器が前記太陽光発電システムの地絡発生の有無を検出するようにする、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項5】
前記エネルギー貯蔵システムは、
前記電力変換システムの直流側入力ノードに構成された第2の地絡検出器をさらに含み、
前記第2の地絡検出器が前記電力変換システムの地絡発生の有無を検出する、請求項4に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項6】
前記第1のスイッチは、ノーマルオープンスイッチで構成され、
前記スイッチ制御装置は、前記太陽光発電システムによって生産される電力を供給されて前記第1のスイッチを駆動させるように構成される第1のスイッチ駆動回路を含み、前記太陽光発電システムが発電状態の場合、前記第1のスイッチをクローズ状態において動作させる、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項7】
前記第2のスイッチは、ノーマルクローズスイッチで構成され、
前記スイッチ制御装置は、前記太陽光発電システムによって生産される電力を供給されて前記第2のスイッチを駆動させるように構成される第2のスイッチ駆動回路を含む、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項8】
前記第2のスイッチ駆動回路は、外部制御装置から制御信号が受信されれば前記供給された電力を通じて駆動されるように構成されて、前記太陽光発電システムが発電状態であり前記制御信号が入力される場合、前記第2のスイッチをオープン状態において動作させる、請求項7に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項9】
前記電力変換システムの直流側入力ノードと接続される電池システムをさらに含む、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項10】
前記第1の地絡検出器は、
GFDI(Ground Fault Detection Interrupter)を含む、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項11】
前記第2の地絡検出器は、
IMD(Insulation Monitoring Device)を含む、請求項3又は5に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項12】
太陽光発電(PV)システム、前記太陽光発電システムと選択的に接続される電力変換システム(PCS)を含み、電力系統に接続されるエネルギー貯蔵システム内に位置する接地構造制御装置であって、
前記太陽光発電システムと前記電力変換システムの直流側との選択的接続を行う第1のスイッチ;
一側端子がグラウンドに接続された第1の地絡検出器;
前記第1のスイッチと前記太陽光発電システムとの間に位置し、前記太陽光発電システムと前記第1の地絡検出器の他側端子との選択的接続を行う第2のスイッチ;並びに
前記太陽光発電システムの発電状態に応じて前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを制御して、前記太陽光発電システム、前記電力変換システム、及び前記エネルギー貯蔵システムに含まれた電池システムのうちの一つ以上の接地構造を変更させ、前記太陽光発電システムと前記電力変換システムの直流側とを選択的に接続させるスイッチ制御装置を含む、接地構造制御装置。
【請求項13】
前記スイッチ制御装置は、
前記太陽光発電システムが発電状態の場合、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチをクローズ状態において動作させることで、前記太陽光発電システム及び前記電力変換システムに対してグラウンディング接地構造を適用し、前記第1の地絡検出器が前記太陽光発電システム及び前記電力変換システムの地絡発生の有無を検出するようにする、請求項12に記載の接地構造制御装置。
【請求項14】
前記スイッチ制御装置は、
前記太陽光発電システムが非発電状態から発電状態に切り替えられた後、既設定の時間の間、前記第2のスイッチをオープン状態において動作させることで、前記太陽光発電システム及び前記電力変換システムに対してフローティング接地構造を適用し、前記電力変換システムの直流側入力ノードに構成された第2の地絡検出器が前記太陽光発電システム及び前記電力変換システムの地絡発生の有無を検出するようにする、請求項13に記載の接地構造制御装置。
【請求項15】
前記スイッチ制御装置は、
前記太陽光発電システムが非発電状態の場合、前記第1のスイッチをオープン状態において動作させ、前記第2のスイッチをクローズ状態において動作させることで、前記太陽光発電システムに対してグラウンディング接地構造を適用し、前記電力変換システムにフローティング接地構造を適用し、前記第1の地絡検出器が前記太陽光発電システムの地絡発生の有無を検出するようにする、請求項12に記載の接地構造制御装置。
【請求項16】
前記接地構造制御装置は、
前記電力変換システムの直流側入力ノードに構成された第2の地絡検出器をさらに含み、
前記第2の地絡検出器が前記電力変換システムの地絡発生の有無を検出する、請求項15に記載の接地構造制御装置。
【請求項17】
前記第1のスイッチは、ノーマルオープンスイッチで構成され、
前記スイッチ制御装置は、前記太陽光発電システムによって生産される電力を供給されて前記第1のスイッチを駆動させるように構成される第1のスイッチ駆動回路を含み、前記太陽光発電システムが発電状態の場合、前記第1のスイッチをクローズ状態において動作させる、請求項12に記載の接地構造制御装置。
【請求項18】
前記第2のスイッチは、ノーマルクローズスイッチで構成され、
前記スイッチ制御装置は、前記太陽光発電システムによって生産される電力を供給されて前記第2のスイッチを駆動させるように構成される第2のスイッチ駆動回路を含む、請求項12に記載の接地構造制御装置。
【請求項19】
前記第2のスイッチ駆動回路は、外部制御装置から制御信号が受信されれば前記供給された電力を通じて駆動されるように構成されて、前記太陽光発電システムが発電状態であり前記制御信号が入力される場合、前記第2のスイッチをオープン状態において動作させる、請求項18に記載の接地構造制御装置。
【請求項20】
前記電力変換システムの直流側入力ノードと電池システムとを選択的に接続する第3のスイッチをさらに含む、請求項12に記載の接地構造制御装置。
【請求項21】
前記第3のスイッチは、
前記太陽光発電システムの発電状態及び非発電状態でクローズ状態において動作される、 請求項20に記載の接地構造制御装置。
【請求項22】
太陽光発電(PV)システム、前記太陽光発電システムと選択的に接続される電力変換システム(PCS)、前記太陽光発電システムと前記電力変換システムの直流側との選択的接続を行う第1のスイッチ、一側端子がグラウンドに接続された第1の地絡検出器、前記第1のスイッチと前記太陽光発電システムとの間に位置し、前記太陽光発電システムと前記第1の地絡検出器の他側端子との選択的接続を行う第2のスイッチを含み、電力系統に接続されるエネルギー貯蔵システム内に位置するスイッチ制御装置であって、
少なくとも一つのプロセッサ;
前記少なくとも一つのプロセッサを通じて実行される少なくとも一つの命令を格納するメモリを含み、
前記少なくとも一つの命令は、
前記太陽光発電システムの状態を確認する命令;並びに
前記太陽光発電システムの発電状態に応じて前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを制御して、前記太陽光発電システム、前記電力変換システム、及び前記エネルギー貯蔵システムに含まれた電池システムのうちの一つ以上の接地構造を制御する命令を含む、エネルギー貯蔵システムのスイッチ制御装置。
【請求項23】
前記接地構造を制御する命令は、
前記太陽光発電システムが発電状態の場合、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチをクローズ状態において動作させることで、前記太陽光発電システム及び前記電力変換システムに対してグラウンディング接地構造を適用し、前記第1の地絡検出器が前記太陽光発電システム及び前記電力変換システムの地絡発生の有無を検出するようにする命令を含む、請求項22に記載のエネルギー貯蔵システムのスイッチ制御装置。
【請求項24】
前記接地構造を制御する命令は、
前記太陽光発電システムが非発電状態から発電状態に切り替えられた後、既設定の時間の間、前記第2のスイッチをオープン状態において動作させることで、前記太陽光発電システム及び前記電力変換システムに対してフローティング接地構造を適用し、前記電力変換システムの直流側入力ノードに構成された第2の地絡検出器が前記太陽光発電システム及び前記電力変換システムの地絡発生の有無を検出するようにする命令をさらに含む、請求項23に記載のエネルギー貯蔵システムのスイッチ制御装置。
【請求項25】
前記接地構造を制御する命令は、
前記太陽光発電システムが非発電状態の場合、前記第1のスイッチをオープン状態において動作させ、前記第2のスイッチをクローズ状態において動作させることで、前記太陽光発電システムに対してグラウンディング接地構造を適用し、前記第1の地絡検出器が前記太陽光発電システムの地絡発生の有無を検出するようにする命令を含む、請求項22に記載のエネルギー貯蔵システムのスイッチ制御装置。
【請求項26】
前記接地構造を制御する命令は、
前記電力変換システムにフローティング接地構造を適用し、前記電力変換システムの直流側入力ノードに構成された第2の地絡検出器が前記電力変換システムの地絡発生の有無を検出するようにする命令を含む、請求項25に記載のエネルギー貯蔵システムのスイッチ制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年4月19日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2022-0047876号の出願日の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された内容の全ては、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、エネルギー貯蔵システム及びエネルギー貯蔵システムの接地構造制御装置に関し、より具体的には、太陽光発電システムを含むエネルギー貯蔵システム、上記エネルギー貯蔵システムの接地構造制御装置及び上記エネルギー貯蔵システムの接地構造制御のためのスイッチ制御装置に関する。
【背景技術】
【0003】
エネルギー貯蔵システム(Energy Storage System;ESS)は、再生可能エネルギー、電力を貯蔵した電池、そして既存の系統電力を連系させるシステムである。近年、スマートグリッド(smart grid)と再生可能エネルギーの普及が広がっており、電力系統の効率化と安全性が強調されることに伴って、電力供給及び需要の調節、及び電力品質の向上のために、エネルギー貯蔵システムに対する需要がますます増加しつつある。使用の目的によって、エネルギー貯蔵システムは、出力と容量が変わり、大容量エネルギー貯蔵システムを構成するために、複数の電池システムが互いに接続されることができる。
【0004】
ESSシステムのうちPV(Photovoltaic;太陽光発電)システムと連系するESSシステムは、AC-coupledからDC-Coupledシステムへと変化しつつある。DC-Coupled ESSシステムにおいて、PVシステムと電池システムはDC電圧であり、グリッド(Grid;系統)はAC電圧で構成されているため、電力変換システムが必須に要求される。
【0005】
一方、PVシステムと電池システムとは、システム効率又は安全性の問題で互いに異なる接地方式を使用するのが一般的である。ここで、PVシステムと電池システムが連動するエネルギー貯蔵システムで、どのような方式の接地方式を使用するかは、まさにシステム効率と安全性の間の選択の問題となり、よって、システム効率と安全性のうち一つはあきらめるしかないというシステム運用上の困難が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような問題点を解決するための本発明の目的は、太陽光発電システムを含むエネルギー貯蔵システムを提供することにある。
【0007】
上記のような問題点を解決するための本発明の別の目的は、エネルギー貯蔵システムの接地構造制御装置を提供することにある。
【0008】
上記のような問題点を解決するための本発明のまた別の目的は、このようなエネルギー貯蔵システムの接地構造制御のためのスイッチ制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明の一実施例に係るエネルギー貯蔵システムは、太陽光発電(PV)システムを含み、電力系統に接続されるエネルギー貯蔵システムであって、上記電力系統に接続され、上記太陽光発電システムと選択的に接続される電力変換システム(PCS);上記太陽光発電システムと上記電力変換システムの直流側との選択的接続を行う第1のスイッチ;一側端子がグラウンドに接続された第1の地絡検出器;上記第1のスイッチと上記太陽光発電システムとの間に位置し、上記太陽光発電システムと上記第1の地絡検出器の他側端子との選択的接続を行う第2のスイッチ;並びに、上記太陽光発電システムの発電状態に応じて上記第1のスイッチ及び上記第2のスイッチを制御して、上記太陽光発電システム、上記電力変換システム、及び上記エネルギー貯蔵システムに含まれた電池システムのうちの一つ以上の接地構造を変更させ、上記太陽光発電システムと上記電力変換システムの直流側とを選択的に接続させるスイッチ制御装置を含むことができる。
【0010】
上記スイッチ制御装置は、上記太陽光発電システムが発電状態の場合、上記第1のスイッチ及び上記第2のスイッチをクローズ状態において動作させることで、上記太陽光発電システム及び上記電力変換システムに対してグラウンディング接地構造を適用し、上記第1の地絡検出器が上記太陽光発電システム及び上記電力変換システムの地絡発生の有無を検出するようにする。
【0011】
上記スイッチ制御装置は、上記太陽光発電システムが非発電状態から発電状態に切り替えられた後、既設定の時間の間、上記第2のスイッチをオープン状態において動作させることで、上記太陽光発電システム及び上記電力変換システムに対してフローティング接地構造を適用し、上記電力変換システムの直流側入力ノードに構成された第2の地絡検出器が上記太陽光発電システム及び上記電力変換システムの地絡発生の有無を検出するようにする。
【0012】
上記スイッチ制御装置は、上記太陽光発電システムが非発電状態の場合、上記第1のスイッチをオープン状態において動作させ、上記第2のスイッチをクローズ状態において動作させることで、上記太陽光発電システムに対してグラウンディング接地構造を適用し、 上記電力変換システムにフローティング接地構造を適用し、上記第1の地絡検出器が上記太陽光発電システムの地絡発生の有無を検出するようにする。
【0013】
上記エネルギー貯蔵システムは、上記電力変換システムの直流側入力ノードに構成された第2の地絡検出器をさらに含むことができる。ここで、上記第2の地絡検出器が上記電力変換システムの地絡発生の有無を検出することができる。
【0014】
上記第1のスイッチは、ノーマルオープンスイッチとして動作することができる。ここで、上記スイッチ制御装置は、上記太陽光発電システムによって生産される電力を供給されて上記第1のスイッチを駆動させるように構成される第1のスイッチ駆動回路を含むことができ、上記太陽光発電システムが発電状態の場合、上記第1のスイッチをクローズ状態において動作させることができる。
【0015】
上記第2のスイッチは、ノーマルクローズスイッチで構成されることができる。ここで、上記スイッチ制御装置は、上記太陽光発電システムによって生産される電力を供給されて上記第2のスイッチを駆動させるように構成される第2のスイッチ駆動回路を含むことができる。
【0016】
上記第2のスイッチ駆動回路は、外部制御装置から制御信号が受信されれば上記供給された電力を通じて駆動されるように構成として動作する、上記太陽光発電システムが発電状態であり上記制御信号が入力される場合、上記第2のスイッチをオープン状態において動作させることができる。
【0017】
上記エネルギー貯蔵システムは、上記電力変換システムの直流側入力ノードと接続される電池システムをさらに含むことができる。
【0018】
上記第1の地絡検出器は、GFDI(Ground Fault Detection Interrupter)を含むことができる。
【0019】
上記第2の地絡検出器は、IMD(Insulation Monitoring Device)を含むことができる。
【0020】
上記別の目的を達成するための本発明の一実施例に係るエネルギー貯蔵システムの接地構造制御装置は、太陽光発電(PV)システム、上記太陽光発電システムと選択的に接続される電力変換システム(PCS)を含み、電力系統に接続されるエネルギー貯蔵システム内に位置する接地構造制御装置であって、上記太陽光発電システムと上記電力変換システムの直流側との選択的接続を行う第1のスイッチ;一側端子がグラウンドに接続された第1の地絡検出器;上記第1のスイッチと上記太陽光発電システムとの間に位置し、上記太陽光発電システムと上記第1の地絡検出器の他側端子との選択的接続を行う第2のスイッチ;並びに、上記太陽光発電システムの発電状態に応じて上記第1のスイッチ及び上記第2のスイッチを制御して、上記太陽光発電システム、上記電力変換システム、及び上記エネルギー貯蔵システムに含まれた電池システムのうちの一つ以上の接地構造を変更させ、上記太陽光発電システムと上記電力変換システムの直流側とを選択的に接続させるスイッチ制御装置を含むことができる。
【0021】
上記スイッチ制御装置は、上記太陽光発電システムが発電状態の場合、上記第1のスイッチ及び上記第2のスイッチをクローズ状態において動作させることで、上記太陽光発電システム及び上記電力変換システムに対してグラウンディング接地構造を適用し、上記第1の地絡検出器が上記太陽光発電システム及び上記電力変換システムの地絡発生の有無を検出するようにする。
【0022】
上記スイッチ制御装置は、上記太陽光発電システムが非発電状態から発電状態に切り替えられた後、既設定の時間の間、上記第2のスイッチをオープン状態において動作させることで、上記太陽光発電システム及び上記電力変換システムに対してフローティング接地構造を適用し、上記電力変換システムの直流側入力ノードに構成された第2の地絡検出器が上記太陽光発電システム及び上記電力変換システムの地絡発生の有無を検出するようにする。
【0023】
上記スイッチ制御装置は、上記太陽光発電システムが非発電状態の場合、上記第1のスイッチをオープン状態において動作させ、上記第2のスイッチをクローズ状態において動作させることで、上記太陽光発電システムに対してグラウンディング接地構造を適用し、上記電力変換システムにフローティング接地構造を適用し、上記第1の地絡検出器が上記太陽光発電システムの地絡発生の有無を検出するようにする。
【0024】
上記接地構造制御装置は、上記電力変換システムの直流側入力ノードに構成された第2の地絡検出器をさらに含むことができる。ここで、上記第2の地絡検出器が上記電力変換システムの地絡発生の有無を検出することができる。
【0025】
上記第1のスイッチは、ノーマルオープンスイッチで構成されることができる。ここで、上記スイッチ制御装置は、上記太陽光発電システムによって生産される電力を供給されて上記第1のスイッチを駆動させるように構成される第1のスイッチ駆動回路を含み、上記太陽光発電システムが発電状態の場合、上記第1のスイッチをクローズ状態において動作させることができる。
【0026】
上記第2のスイッチは、ノーマルクローズスイッチで構成されることができる。ここで、上記スイッチ制御装置は、上記太陽光発電システムによって生産される電力を供給されて上記第2のスイッチを駆動させるように構成される第2のスイッチ駆動回路を含むことができる。
【0027】
上記第2のスイッチ駆動回路は、外部制御装置から制御信号が受信されれば上記供給された電力を通じて駆動されるように構成されて、上記太陽光発電システムが発電状態であり上記制御信号が入力される場合、上記第2のスイッチをオープン状態において動作させることができる。
【0028】
上記接地構造制御装置は、上記電力変換システムの直流側入力ノードと電池システムとを選択的に接続する第3のスイッチをさらに含むことができる。
【0029】
上記第3のスイッチは、上記太陽光発電システムの発電状態及び非発電状態でクローズ状態において動作されることができる。
【0030】
上記また別の目的を達成するための本発明の一実施例に係るエネルギー貯蔵システムのスイッチ制御装置は、太陽光発電(PV)システム、上記太陽光発電システムと選択的に接続される電力変換システム(PCS)、上記太陽光発電システムと上記電力変換システムの直流側との選択的接続を行う第1のスイッチ、一側端子がグラウンドに接続された第1の地絡検出器、上記第1のスイッチと上記太陽光発電システムとの間に位置し、上記太陽光発電システムと上記第1の地絡検出器の他側端子との選択的接続を行う第2のスイッチを含み、電力系統に接続されるエネルギー貯蔵システム内に位置するスイッチ制御装置であって、少なくとも一つのプロセッサ;上記少なくとも一つのプロセッサを通じて実行される少なくとも一つの命令を格納するメモリを含む。ここで、上記少なくとも一つの命令は、上記太陽光発電システムの状態を確認する命令;並びに、上記太陽光発電システムの発電状態に応じて上記第1のスイッチ及び上記第2のスイッチを制御して、上記太陽光発電システム、上記電力変換システム、及び上記エネルギー貯蔵システムに含まれた電池システムのうちの一つ以上の接地構造を制御する命令を含むことができる。
【0031】
上記接地構造を制御する命令は、上記太陽光発電システムが発電状態の場合、上記第1のスイッチ及び上記第2のスイッチをクローズ状態において動作させることで、上記太陽光発電システム及び上記電力変換システムに対してグラウンディング接地構造を適用し、 上記第1の地絡検出器が上記太陽光発電システム及び上記電力変換システムの地絡発生の有無を検出するようにする命令を含むことができる。
【0032】
上記接地構造を制御する命令は、上記太陽光発電システムが非発電状態から発電状態に切り替えられた後、既設定の時間の間、上記第2のスイッチをオープン状態において動作させることで、上記太陽光発電システム及び上記電力変換システムに対してフローティング接地構造を適用し、上記電力変換システムの直流側入力ノードに構成された第2の地絡検出器が上記太陽光発電システム及び上記電力変換システムの地絡発生の有無を検出するようにする命令をさらに含むことができる。
【0033】
上記接地構造を制御する命令は、上記太陽光発電システムが非発電状態の場合、上記第1のスイッチをオープン状態において動作させ、上記第2のスイッチをクローズ状態において動作させることで、上記太陽光発電システムに対してグラウンディング接地構造を適用し、上記第1の地絡検出器が上記太陽光発電システムの地絡発生の有無を検出するようにする命令を含むことができる。
【0034】
上記接地構造を制御する命令は、上記電力変換システムにフローティング接地構造を適用し、上記電力変換システムの直流側入力ノードに構成された第2の地絡検出器が上記電力変換システムの地絡発生の有無を検出するようにする命令を含むことができる。
【発明の効果】
【0035】
上記のような本発明の実施例によれば、太陽光発電システムで発生するPIDを最小限に抑えて、太陽光発電システムの効率減少を防止することができる。
【0036】
また、全体のPVシステム連系DC-Coupledエネルギー貯蔵システムの地絡事故を監視することができ、既存の技術に比べて効率及び安全性を同時に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明が適用されることができるPVシステム連系DC-Coupledエネルギー貯蔵システムの一例に係るブロック図である。
図2a】一般的なフローティング接地構造を有するPVシステム連系DC-Coupledエネルギー貯蔵システムの構成図である。
図2b】一般的なフローティング接地構造を有するPVシステム連系DC-Coupledエネルギー貯蔵システムの運用方法を示す概念図である。
図3a】一般的なグラウンディング接地構造を有するPVシステム連系DC-Coupledエネルギー貯蔵システムの構成図である。
図3b】一般的なグラウンディング接地構造を有するPVシステム連系DC-Coupledエネルギー貯蔵システムの運用方法を示す概念図である。
図4】本発明の実施例に係る接地構造を有するエネルギー貯蔵システムの構成例である。
図5】本発明の実施例に係る接地構造を有するエネルギー貯蔵システムの運用方法の一例を示す概念図である。
図6】本発明の実施例に係る接地構造を有するエネルギー貯蔵システムの運用方法の他の例を示す概念図である。
図7】本発明の実施例に係るスイッチ制御装置を示す回路図である。
図8】本発明の実施例に係るスイッチ制御装置を含む接地構造制御装置を示す回路図である。
図9】本発明の実施例に係る接地構造制御装置のPVシステム連系端子を示す回路図である。
図10】本発明の実施例に係る接地構造制御装置の電池システム連系端子を示す回路図である。
図11】本発明の他の実施例に係るスイッチ制御装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は、種々の変更を加えることができ、様々な実施例を有することができるので、特定の実施例を図面に例示し、詳細な説明で詳しく説明しようとする。ところが、これは、本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするのではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されたい。各図面を説明しながら類似の参照符号を類似の構成要素に対して使用している。
【0039】
第1、第2、A、Bなどの用語は、多様な構成要素を説明するのに使用されることができるが、上記構成要素は、上記用語によって限定されてはいけない。上記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなく、第1の構成要素は第2の構成要素と命名されることができ、同様に第2の構成要素も第1の構成要素と命名されることができる。「及び/又は」という用語は、複数の関連して記載された項目の組み合わせ又は複数の関連して記載された項目のうちのある項目を含む。
【0040】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるとか「接続されて」いると言及されたときには、当該他の構成要素に直接的に連結されているか又は接続されていることもあるが、中間に別の構成要素が存在することもできると理解されたい。これに対し、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるとか「直接接続されて」いると言及されたときには、中間に別の構成要素が存在しないことと理解されたい。
【0041】
本出願で使用した用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味でない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものなどの存在又は付加可能性をあらかじめ排除しないことと理解されたい。
【0042】
別に定義されない限り、技術的又は科学的な用語を含め、ここで使用されるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有している。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本出願において明白に定義しない限り、理想的であるか過度に形式的な意味としては解釈されない。
【0043】
本明細書において使用される一部の用語を定義すれば、次の通りである。
【0044】
定格容量(Nominal Capacity; Nominal Capa.)は、電池メーカーが開発当初設定した電池の設定容量[Ah]を意味する。
【0045】
SOC(State of Charge;充電率)は、電池の現在充電された状態を割合[%]で表したものであり、SOH(State of Health;電池寿命状態)は、電池の現在の劣化状態を割合[%]で表したものである。
【0046】
電池ラック(Rack)は、電池メーカーで設定したパック単位を直/並列接続して電池管理システム (BMS) を通じてモニタリングと制御が可能な最小単一構造のシステムを意味する。電池ラックは、複数の電池モジュールと1つの電池保護部又は他の任意の保護装置を含んで構成されることができる。
【0047】
電池バンク(Bank)は、複数のラックを並列接続して構成される大きい規模の電池ラックシステムの集合群を意味することができる。電池バンク単位のBMSを通じて、電池ラック単位のラックBMS(RBMS)に対するモニタリングと制御を行うことができる。
【0048】
BSC(Battery Section Controller)は、バンク単位の電池システムを含む電池システムに対する最上位の制御を行う装置であって、複数のバンクレベル(Bank Level)構造の電池システムにおいて制御装置として使用されることもできる。
【0049】
出力限界(Power Limit)は、電池メーカーが電池状態に応じてあらかじめ設定した出力限界を示す。ラック出力限界(Rack Power limit)は、ラック単位(Rack Level)で設定された出力限界([kW]単位)を意味し、電池のSOC、温度に基づいて設定されることができる。
【0050】
出力限界は、充電であるか放電であるかによって充電出力限界と放電出力限界とに区分されることができる。また、電池システムの構造によって、ラック単位のラック出力限界(Rack Power limit)とバンク単位のバンク出力限界(Bank Power limit)を定義することができる。
【0051】
以下、本発明に係る好ましい実施例を添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0052】
図1は、本発明が適用されることができるPVシステム連系DC-Coupledエネルギー貯蔵システムの一例に係るブロック図である。
【0053】
DC-Coupledエネルギー貯蔵システムでは、各電池システム100に個別的にDC電圧/電流を制御することができるDC/DCコンバータ500が必須に求められる。各電池システムにDC/DCコンバータが設置されるので、既存の電池システムにおけるように各電池システムについてDC/DCコンバータを通じて保護制御を行うことができるだけでなく、各電池ラック間でSOC、SOH及び容量が異なるときであっても、個別の電池システムの特性に基づいて電池電力量の制御が可能となる。
【0054】
図1は、PV(Photovoltaic;太陽光発電システム)700の出力端子がDC/DCコンバータ500の出力端子及びPCS400の入力端子と接続された形態のDC coupledシステムの例を示す。
【0055】
エネルギー貯蔵システム (ESS) で電力を貯蔵する役割を果たす電池は、通常、多数の電池モジュール(Battery Module)が電池ラック(Rack)を構成し、多数個の電池ラックが電池バンク(Battery Bank)を構成する形態で具現化されることができる。ここで、電池が使用される装置又はシステムによって、電池ラックは電池パック(pack)と呼ばれることもできる。図1に示す電池 #1、電池 #2、…、電池 #Nは、電池パック又は電池ラックの形態であってよい。
【0056】
このとき、各電池100には電池管理システム(Battery Management System;BMS)が設けられることができる。BMSは、自分が管掌する各電池ラック(又はパック)の電流、電圧及び温度をモニタリングし、モニタリングの結果に基づいてSOC(Status Of Charge)を算出して充放電を制御する役割を果たすことができる。図1のシステムで、各電池が電池ラックの場合、BMSは、ラックBMS(RBMS)であってよい。
【0057】
多数の電池及び周辺回路、装置などを含んで構成された電池セクションのそれぞれには、電池セクション制御装置(Battery Section Controller;BSC)200が設けられて、電圧、電流、温度、遮断器などのような制御の対象をモニタリングして制御することができる。
【0058】
また、電池セクション毎に設けられた電力変換/調整装置(Power Conversion/Conditioning System;PCS)400は、外部から供給される電力と電池セクションから外部へ供給する電力を制御し、DC/ACインバータを含むことができる。また、DC-DCコンバータ500の出力はPCS400に接続されることができ、PCS400はグリッド600と接続されることができる。PCS400は、通常、定電力(Constant Power)モードで動作する。PCSと接続された電力管理システム(Power Management System;PMS)/EMS(Energy Management System)300は、BMS又はBSCのモニタリング及び制御結果に基づいてPCSの出力を制御することができる。
【0059】
図1のエネルギー貯蔵システムにおいて、電池 #1はDC-DCコンバータ #1と接続され、電池 #2はDC-DCコンバータ #2と接続され、電池 #NはDC-DC #Nと接続される。各電池に対応するDC-DCコンバータの出力は、DCリンクを介してPCS400と接続される。
【0060】
DC-DCコンバータは双方向コンバータであってよく、電池から負荷の方向に変換が行われるとき、DC-DCコンバータの入力は電池(電池ユニット、電池ラック又は電池パック)と接続され、DC-DCコンバータの出力は負荷と接続されることができる。DC-DCコンバータの例としては、フルブリッジコンバータ、ハーフブリッジ(half-bridge)コンバータ、フライバックコンバータなど多様な種類のコンバータが使用されることができる。
【0061】
一方、BMS、BSC200、PMS300、PCS400の間では、CAN(Controller Area Network)又はイーサネットを用いた通信(図1で点線で示される)が行われることができる。
【0062】
図1に示す本発明の一実施例によれば、電池領域の全体の制御を管掌するBSC200は、各電池の状態をPMS300に報告することができる。ここで、各電池の状態は、各電池のSOC(Status Of Charge)、SOH(Status Of Health)、電圧、温度などの情報を含むことができる。BSC200は、各電池の限界電力(P_battery_limit)、実際電力(P_battery_real)などの情報をPMS300に提供することができる。全体のESSシステムに対する制御を主管するPMS300は、実際のシステム運転時にPCS400に充電又は放電命令(P_pcs_referenceを通じて)を下す。
【0063】
ここで、BSC200は、各電池の状態を考慮して、個別のDC/DCコンバータのための出力リファレンスを決定する。本発明に係る実施例において、個別のDC/DCコンバータの出力リファレンスは、ドループ(droop)モード又はCP(Constant Power)モードに応じて、異なる方式で設定されることができる。
【0064】
DC/DCコンバータの出力がドループモードによって制御される場合、BSCは、システム動作の前に各電池の状態を考慮して個別のDC/DCコンバータに対するドループ曲線を設定して、該当コンバータに提供することができる。一方、DC/DCコンバータがCPモードで動作する場合には、システムの動作中に各DC/DCコンバータのパワーリファレンスを決定して、該当コンバータに提供することができる。
【0065】
エネルギー貯蔵システムの実際の運転時には、PMSが充放電指令をPCS及び BSCに伝達する。このとき、PMSは、リアルタイムで太陽光発電システム(PV)、グリッド及び電池の状態をモニタリングして、上位システム、例えばエネルギー管理システム(EMS(Energy Management System))から受信した動作命令に基づいて、システム内の構成要素の動作モード及び出力リファレンスを決定することができる。
【0066】
一方、図1では、電池ラック毎に別途のDC/DCコンバータが適用された形態のシステムを例に挙げたが、複数の電池ラックに共通に接続された中央(central)DC/DCコンバータが適用された形態のシステムも本発明が適用されることができる。
【0067】
図1を通じて説明したようなDC Coupledエネルギー貯蔵システムでは、PVシステムの負極電力線の接地有無によって接地構造が決定される。地絡事故(接地欠陥;Ground Fault)監視方法は、接地構造によって変わり、接地構造によって事故の影響も異なる形態で現われる。
【0068】
接地関連システムの構造は、大きく接地(Grounding)システムと非接地(Floating)システムとに区分することができる。接地(Grounding)システムは、一線地絡事故の発生時に事故電流が流れて装備に損傷が発生し得る。逆に、非接地システムは、一線地絡事項の発生時に事故電流が発生せず、再度地絡事故が発生したときに電流が流れる。
【0069】
図2aは、一般的なフローティング接地構造を有するPVシステム連系DC-Coupledエネルギー貯蔵システムの構成図である。
【0070】
図2aのエネルギー貯蔵システムは、電池システム10とDC/DCコンバータ50、PVシステム70及びこれらと相互に接続される電力変換システム40を含み、フローティング接地構造を有する。通常、電池システムでは、地絡事項の発生時に安全性を確保するために、フローティング接地(非接地)構造が勧奨される。
【0071】
PVシステム70と電力変換システム40との間の接続は、スイッチ1(SW1)を通じて制御されることができるが、PVシステム70は、通常、夜間にはDC系統から分離される。DC/DCコンバータ50を含む電池システム10と電力変換システム40との間の接続は、スイッチ2(SW2)を通じて行われ、当該接続は、システムが正常動作する場合、通常、オン状態に保持される。
【0072】
図2aのシステム構造において、PVシステム及び電池システムの正極端子及び負極端子はいずれも接地と接続されていない状態である。このように電力ラインの正極端子及び負極端子が接地と接続されていない接地構造をフローティング(floating)(又は非接地(ungrounding))接地と呼ぶ。このようなシステム構造で、地絡事故を監視するために、IMD(Insulation Monitoring Device)のような絶縁監視装置を用いて絶縁抵抗及び地絡事故を監視することができる。IMDは、正極端子と接地との間、負極端子と接地との間の絶縁抵抗値を測定及び監視する装置であって、図2aに示すように、電力変換システム40のDC電力ライン上に位置することができる。
【0073】
地絡監視装置であるIMDは、スイッチ1のオープン/クローズ(Open/Close)状態に応じて、絶縁抵抗及び地絡事故を検出するが、このような構造では、以下で説明するような限界が発生する。
【0074】
図2bは、一般的なフローティング接地構造を有するPVシステム連系DC-Coupledエネルギー貯蔵システムの運用方法を示す概念図である。
【0075】
図2bでは、フローティング接地構造を有するエネルギー貯蔵システムの動作状態による各構成要素(電力変換システム、PVシステム、電池システム)の状態を示す。システムが充電中のとき、スイッチ1はクローズ状態で、PVシステムは電池システム及び電力系統と接続される。このとき、電力変換システム40、PVシステム70、電池システム10は、いずれもフローティング状態であり、IMDによる絶縁抵抗の測定が可能であって、地絡事故を監視することができる。
【0076】
ところで、夜間にPVシステムをDC系統から分離するためにスイッチ1がオープンされる場合、当該システム内で発生する地絡事故を検出することができない。また、フローティング状態のPVシステム内の太陽電池でPID(Potential Induced Degradation)が発生して、漸進的なシステム劣化が進む。劣化が進むと、太陽電池で生成するエネルギー量が減少することになり、結局、システム効率が減少することになる。
【0077】
このような理由で、PVシステムで発電効率に悪影響を及ぼすPID(Potential Induced Degradation)が発生することを防止するために、ネガティブ接地(negative grounding)が主に使用される。
【0078】
図3aは、一般的なグラウンディング接地構造を有するPVシステム連系DC-Coupledエネルギー貯蔵システムの構成図である。
【0079】
図3aのエネルギー貯蔵システムは、電池システム10とDC/DCコンバータ50、PVシステム70及びこれらと互いに接続される電力変換システム40を含み、1極グラウンディング(1 pole grounding)接地構造のうちネガティブ接地構造を有する。ネガティブ接地構造は、電力ラインの負極(-)端子が接地と接続された構造を示す。図3aにおいて、PVシステムの負極端子及び電池システムの負極端子がスイッチを介して接地と接続できる構造であることを確認することができる。
【0080】
PVシステム70と電力変換システム40との間の接続は、スイッチ1(SW1)を通じて制御されることができるが、PVシステム70は、通常、夜間にはDC系統から分離される。DC/DCコンバータ50を含む電池システム10と電力変換システム40との間の接続は、スイッチ2(SW2)を介して行われ、当該接続は、システムが正常動作する場合、通常、オン状態に保持される。図3aのシステムではさらに、スイッチ3(SW3)を介して電池システム及びPVシステムの負極端子をグラウンドと選択的に接続させる。
【0081】
このようなシステム構造では、地絡事故を監視するために、IMD、RCM(Residential Current Monitoring)装置、GFDI(Ground Fault Detection Interrupter)などの絶縁及び地絡監視装置を使用して、絶縁抵抗及び地絡事項を監視することができる。
【0082】
IMDは、正極端子と接地との間、負極端子と接地との間の絶縁抵抗値を測定及び監視する装置であって、図3aに示すように、電力変換システム40のDC電力ライン上に、又は電池ラックとDC/DCコンバータとの間に位置することができる。RCMは、正の電力ライン及び負の電力ラインのそれぞれに流れる電流の和が0であるかをモニタリングして、漏洩電流が発生するかを検出する装置であって、図3aでは、電池ラックとDC/DCコンバータとの間に位置している。また、GFDIは、電力ラインと接地との間に接続される装置であって、電力ラインから接地へ流れる電流が基準値以上の場合、電流を遮断する装置である。
【0083】
一方、このようなネガティブグラウンディング構造でも、以下で説明するような限界が発生する。
【0084】
図3bは、一般的なグラウンディング接地構造を有するPVシステム連系DC-Coupledエネルギー貯蔵システムの運用方法を示す概念図である。
【0085】
図3bでは、グラウンディング接地構造を有するエネルギー貯蔵システムの動作状態による各構成要素(電力変換システム、PVシステム、電池システム)の状態を示す。ここで、電池が充電されるとき、または充電後の待機状態であるとき、スイッチ1はクローズ状態であり、PVシステムは電池システム及び電力系統と接続される。スイッチ3もクローズ状態であって、電力変換システム40、PVシステム70、電池システム10の負極は、グラウンディング接地された状態である。この状態で地絡事故が発生すれば、事故電流が発生する。
【0086】
その後、PVシステムの発電が終わった後、スイッチ1及びスイッチ3はオープンされて、電力変換システム40、PVシステム70、電池システム10は、いずれもフローティング接地状態となる。このとき、PVシステム70がフローティング接地状態となるので、PIDが発生し、結局、PV発電効率が減少するようになる。また、スイッチ1のオープンにより、絶縁減少及び地絡事故を検出できなくなる。
【0087】
したがって、PVシステムと電池システムとを含むエネルギー貯蔵システムにおいて、どのような方式の接地方式を使用するかは、まさにシステム効率と安全性の間の選択問題となる。結局、システム効率と安全性はトレードオフ関係であって、システム設計者の選択によって決定され、いずれを選択しても問題が発生する状況に置かれることになる。
【0088】
このような状況を解決するために、本発明においては、太陽光発電システムの発電状態に応じて接地モードを変更してエネルギー貯蔵システムを運用することにより、PVシステムと連系するDC-Coupledエネルギー貯蔵システムの安全性と効率をいずれも確保しようとする。
【0089】
図4は、本発明の実施例に係る接地構造を有するエネルギー貯蔵システムの構成例である。
【0090】
本発明の実施例に係るエネルギー貯蔵システムは、PVシステム700及びこれらと連動する電力変換システム400を含むことができ、追加で電池システム100と DC/DCコンバータ500とをさらに含むことができる。
【0091】
PVシステム700と電力変換システム400との間の接続は、第1のスイッチS1を通じて制御される。第1のスイッチとPVシステム(複数のPVパネルを含む) との間には、地絡事故を検出するための装置として第1の地絡検出器が構成されることができる。ここで、第1の地絡検出器は、GFDI(Ground Fault Detection Interrupter)を含むことができる。
【0092】
第1の地絡検出器(GFDI)の一側端子はグラウンドと接続され、他側端子は負極電力線上のPVシステムと第1のスイッチとの間のノードと接続されることができる。ここで、第1の地絡検出器(GFDI)と負極電力線との接続は、第2のスイッチS2を通じて制御されることができる。
【0093】
電力変換システム400の直流側入力ノードには、地絡事故を監視又は検出するための装置として第2の地絡検出器が構成されることができる。ここで、第2の地絡検出器は、IMD(Insulation Monitoring Device)を含むことができる。
【0094】
DC/DCコンバータ500を含む電池システム100は、電力変換システム400の直流側入力ノードと接続されることができる。ここで、DC/DCコンバータ500を含む電池システム100と電力変換システム400との間の接続は、第3のスイッチS3を通じて制御されることができ、システムが正常作動する場合、通常、クローズ状態に維持される。
【0095】
本発明において、DC/DCコンバータ500は、図4に示すようにラックDC/DCコンバータの形態であり、複数の電池ラックに共通に接続された中央(central) DC/DCコンバータの形態であってもよい。
【0096】
本発明の実施例に係るエネルギー貯蔵システムは、第1~3のスイッチのうちの一つ以上を制御するスイッチ制御装置を含む。ここで、スイッチ制御装置は、第1のスイッチ~第3のスイッチのうちの一つ以上を制御して、PVシステム700、電池システム100及び電力変換システム400のうちの一つ以上の接地構造を変更させ、PV システム700と電力変換システム400の直流側とを選択的に接続させることができる。
【0097】
以下では、図5及び6を参照して、本発明の実施例に係るエネルギー貯蔵システムの運用方法について詳しく説明する。
【0098】
図5は、本発明の実施例に係る接地構造を有するエネルギー貯蔵システムの運用方法の一例を示す概念図である。
【0099】
スイッチ制御装置は、図5に示すように、PVシステム700の発電状態に応じて第1のスイッチ及び第2のスイッチを制御して、PVシステム700、電池システム100及び電力変換システム (PCS) 400のうちの一つ以上の接地構造を変更する。ここで、第3のスイッチは、PVシステムの発電状態に関わらずクローズ状態に維持される。
【0100】
図5に示すエネルギー貯蔵システムの運用方法によれば、PVシステム700は、発電状態に切り替えられた直後一定時間(td)以外には、グラウンディング接地構造で運用され、電池システム100及び電力変換システム400は、PVシステム700の発電状態以外には、フローティング接地構造で運用される。
【0101】
具体的に、PVシステム700が非発電状態(例:夜間時間)の場合、第1のスイッチはオープン状態において動作され、第2のスイッチはクローズ状態において動作されて、PV システム700はグラウンディング接地構造で運用され、電池システム100及び電力変換システム400はフローティング接地構造で運用される。この場合、PVシステム700は、第1のスイッチとPVシステム700との間に位置した第1の地絡検出器(GFDI)を用いて地絡発生の有無を検出することができる。また、電池システム100及び電力変換システム400は、電力変換システム400の直流側入力ノードに構成された第2の地絡検出器(IMD)を用いて地絡発生の有無を検出することができる。
【0102】
PVシステム700が発電状態(例:昼間時間)の場合、第1のスイッチ及び第2のスイッチはクローズ状態において動作されて、PVシステム700、電池システム100 及び電力変換システム400はいずれもグラウンディング接地構造で運用される。この場合、第1の地絡検出器(GFDI)が、PVシステム700、電池システム100及び電力変換システム400の地絡発生の有無を検出することができる。
【0103】
ここで、PVシステム700が非発電状態から発電状態に切り替えられた後、既設定の時間の間(td)は、第2のスイッチがオープン状態において動作(第1のスイッチはクローズ状態において動作)されることができる。これによって、該当時間(td)の間、PVシステム700、電池システム100及び電力変換システム400はいずれもフローティング接地構造で運用されることができる。この場合、第2の地絡検出器(IMD)が、PVシステム700、電池システム100及び電力変換システム400の地絡発生の有無を検出することができる。すなわち、エネルギー貯蔵システムは、PVシステム700が非発電状態から発電状態に切り替えられた直後、一時的にフローティング接地構造に切り替えられ、IMDを通じてすべての構成100、400、700の絶縁状態をモニタリングすることができる。このとき、絶縁状態に異常が発生してシステムがシャットダウンされれば、現場点検など異常状態を確認及び解消するための追加措置が進行されることができ、異常がなければ、エネルギー貯蔵システムはグラウンディング接地構造に切り替えられて運用されることができる。
【0104】
本実施例によれば、PVシステム700は、発電状態に切り替えられた直後一定時間(td)以外には、グラウンディング接地構造で運用されることによって、PVシステム700のPIDの発生が最小限に抑えられ、効率減少を防止することができる。
【0105】
また、電池システム100は、PVシステム700の発電状態以外には、フローティング接地構造で運用されることによって、地絡事故の発生時に事故電流が流れる可能性が最小限に抑えられ、そのためシステム安全性が確保されることができる。
【0106】
図6は、本発明の実施例に係る接地構造を有するエネルギー貯蔵システムの運用方法の他の例を示す概念図である。ここで、図6に示す運用方法は、PVシステム700の一時的な非発電状態が発生した場合の運用方法を示す。
【0107】
具体的に、PVシステム700が非発電状態(例:夜間時間)の場合、第1のスイッチはオープン状態において動作され、第2のスイッチはクローズ状態において動作されて、PV システム700はグラウンディング接地構造で運用され、電池システム100及び電力変換システム400はフローティング接地構造で運用される。この場合、PVシステム700は、第1の地絡検出器(GFDI)を用いて地絡発生の有無を検出し、電池システム100及び電力変換システム400は、第2の地絡検出器(IMD)を用いて地絡発生の有無を検出することができる。
【0108】
PVシステム700が非発電状態から発電状態(例:昼間時間)に切り替えられた後、既設定の時間の間(td)は、第1のスイッチはクローズ状態において動作され、第2のスイッチはオープン状態において動作されて、該当時間(td)の間、PVシステム700、電池システム100及び電力変換システム400はいずれもフローティング接地構造で運用されることができる。この場合、第2の地絡検出器(IMD)が、PVシステム700、電池システム100及び電力変換システム400の地絡発生の有無を検出することができる。
【0109】
すべての構成100、400、700の絶縁状態に異常がなければ、第1のスイッチ及び第2のスイッチはクローズ状態において動作されて、PVシステム700、電池システム100及び電力変換システム400はいずれもグラウンディング接地構造で運用される。この場合、第1の地絡検出器(GFDI)が、PVシステム700、電池システム100及び電力変換システム400の地絡発生の有無を検出することができる。
【0110】
ここで、PVシステム700が発電状態から一時的非発電状態(例:雲、雨天など気象状況による非発電状態)に切り替えられる場合、第1のスイッチはオープン状態において動作され、第2のスイッチはクローズ状態において動作されて、PVシステム700はグラウンディング接地構造で運用され、電池システム100及び電力変換システム400はフローティング接地構造で運用される。この場合、PVシステム700は、第1の 地絡検出器(GFDI)を用いて地絡発生の有無を検出し、電池システム100及び電力変換システム400は、第2の地絡検出器(IMD)を用いて地絡発生の有無を検出することができる。
【0111】
その後、PV システム700が一時的非発電状態から発電状態に切り替えられる場合、第1のスイッチ及び第2のスイッチはクローズ状態において動作されて、PVシステム700、電池システム100及び電力変換システム400はいずれもグラウンディング接地構造で運用される。すなわち、一時的非発電状態が解除される場合、非発電状態から発電状態に切り替えられる時に行う第2の地絡検出器(IMD)を通じた事前モニタリング過程が省略されることができる。
【0112】
本実施例によれば、図5に示す運用方法と同様に、PVシステム700は、発電状態に切り替えられた直後一定時間(td)以外には、グラウンディング接地構造で運用され、電池システム100は、PVシステム700の発電状態以外には、フローティング接地構造で運用されることによって、PVシステム700のPIDの発生を最小限に抑え、システム安全性を確保することができる。
【0113】
また、第2の地絡検出器(IMD)を通じた事前モニタリング過程が、非発電状態から発電状態に切り替えられるときに行われ、一時的非発電状態から発電状態に切り替えられるときは省略されて、エネルギー貯蔵システムの運用効率が向上することができる。
【0114】
以下では、図7~10を参照して、回路として具現化されるスイッチ制御装置及びこれを含む接地構造制御装置について説明する。
【0115】
図7は、本発明の実施例に係るスイッチ制御装置を示す回路図である。
【0116】
スイッチ制御装置は、PVシステム700の発電状態に応じて第1のスイッチ及び第2のスイッチを制御して、PVシステム700、電池システム100及び電力変換システム400のうちの一つ以上の接地構造を変更させ、PVシステム700と電力変換システム400の直流側とを選択的に接続させる。
【0117】
スイッチ制御装置は、第1のスイッチを駆動させるように構成される第1のスイッチ駆動回路と、第2のスイッチを駆動させるように構成される第2のスイッチ駆動回路とを含んで構成されることができる。ここで、第1及び第2のスイッチ駆動回路は、各スイッチのオープン/クローズ状態を相互切り替えるための装置を含むことができ、電源供給装置、スイッチ駆動装置及び論理回路のうちの一つ以上を含んで構成されることができる。
【0118】
第1のスイッチ駆動回路は、PVシステム700によって生産される電力を供給されて第1のスイッチを駆動させるように構成されることができる。図7に示すように、第1のスイッチ駆動回路は、PVシステム700の出力側と接続された電源供給装置(例:SMPS;Switched Mode Power Supply)と、電源供給装置(SMPS)によって供給される電力を通じて第1のスイッチの状態を切り替えるスイッチ駆動装置を含んで構成されることができる。
【0119】
ここで、第1のスイッチは、ノーマルオープンスイッチで構成されることができる。この場合、第1のスイッチ駆動回路は、PVシステム700が非発電状態であれば、電力が供給されなくて第1のスイッチをオープン状態において動作させ、PVシステム700が発電状態であれば、電力が供給されて第1のスイッチをクローズ状態に切り替えることができる。
【0120】
第2のスイッチ駆動回路は、PVシステム700によって生産される電力を供給されて第2のスイッチを駆動させ、外部制御装置から制御信号が受信されれば、供給された電力を通じて第2のスイッチを駆動させるように構成されることができる。図7に示すように、第2のスイッチ駆動回路は、PVシステム700の出力側と接続された電源供給装置(SMPS)と、外部制御装置から制御信号(S2 control signal from external)が受信されれば、電源供給装置(SMPS)によって供給される電力を外部に出力するAND回路と、AND回路の出力側から供給される電力を通じて第2のスイッチの状態を切り替えるスイッチ駆動装置とを含んで構成されることができる。
【0121】
ここで、第2のスイッチは、ノーマルクローズスイッチで構成されることができる。この場合、第2のスイッチ駆動回路は、PVシステム700が非発電状態であれば、電力が供給されなくて第2のスイッチをクローズ状態において動作させ、PVシステム700が発電状態であれば、外部制御信号を入力される場合にのみ電力が供給されて第2のスイッチをオープン状態に切り替えることができる。
【0122】
図8は、本発明の実施例に係るスイッチ制御装置を含む接地構造制御装置を示す回路図である。
【0123】
本発明の実施例に係る接地構造制御装置は、PVシステム700、電池システム100及び電力変換システム400と電気的に接続されて、PVシステム700の発電状態に応じてPVシステム700、電池システム100及び電力変換システム400のうちの一つ以上の接地構造を変更させる。ここで、接地構造制御装置(図8で点線ボックスで示される)は、第1~3のスイッチ、第1及び第2の地絡検出器、及びスイッチ制御装置を含むPV-ESSカップリングボックスとして具現化されることができる。
【0124】
図8において、第1のスイッチS1は、ノーマルオープンスイッチで構成され、第2のスイッチS2は、ノーマルクローズスイッチで構成され、第3のスイッチS3は、手動で開閉されるスイッチ(例:disconnector)で構成されることができる。
【0125】
スイッチ制御装置は、第1のスイッチを駆動させるように構成される第1のスイッチ駆動回路と、第2のスイッチを駆動させるように構成される第2のスイッチ駆動回路とを含んで構成されることができる。ここで、第1のスイッチ駆動回路は、PVシステム700によって生産される電力を供給されて第1のスイッチを駆動させるように構成され、第2のスイッチ駆動回路は、PVシステム700によって生産される電力を供給されて第2のスイッチを駆動させ、外部制御装置から制御信号が受信されれば、供給された電力を通じて第2のスイッチを駆動させるように構成されることができる。
【0126】
図8に示す接地構造制御装置によるエネルギー貯蔵システムの運用方法は、以下の通りである。
【0127】
PVシステム700が非発電状態(例:夜間時間)の場合、第1及び第2のスイッチ駆動回路に電力が供給されなくて第1のスイッチはオープン状態において動作され、第2のスイッチはクローズ状態において動作される。これによって、PVシステム700はグラウンディング接地構造で運用され、電池システム100及び電力変換システム400はフローティング接地構造で運用される。
【0128】
PVシステム700が非発電状態から発電状態(例:昼間時間)に切り替えられれば、既設定の時間の間(td)、第2のスイッチをオープン状態に切り替えるための制御信号(S2 control signal from external)が入力される。ここで、制御信号は、管理者によって入力されるか、発電状態が検出される場合に入力されるように設定されることができる。この場合、第1及び第2のスイッチ駆動回路に電力が供給され、外部制御信号が入力されて、第1のスイッチはクローズ状態に切り替えられ、第2のスイッチはオープン状態に切り替えられる。これによって、該当時間(td)の間、PVシステム700、電池システム100及び電力変換システム400はいずれもフローティング接地構造で運用されることができる。この場合、第2の地絡検出器(IMD)が、PVシステム700、電池システム100及び電力変換システム400の地絡発生の有無を検出することができる。
【0129】
該当時間(td)が経過した後、第2のスイッチはクローズ状態に切り替えられて、PVシステム700、電池システム100及び電力変換システム400はいずれもグラウンディング接地構造で運用される。
【0130】
ここで、PVシステム700が発電状態から一時的非発電状態(例:雲、雨天など気象状況に起因する非発電状態)に切り替えられる場合、第1及び第2のスイッチ駆動回路に電力が供給されなくて第1のスイッチはオープン状態に切り替えられ、第2のスイッチはクローズ状態を維持する。これによって、PVシステム700はグラウンディング接地構造で運用され、電池システム100及び電力変換システム400はフローティング接地構造で運用される。
【0131】
その後、PVシステム700が一時的非発電状態から発電状態に切り替えられる場合、第1及び第2のスイッチ駆動回路に電力が供給されるが、外部制御信号は入力されなくて、第1のスイッチはクローズ状態に切り替えられ、第2のスイッチはクローズ状態を維持する。これによって、PVシステム700、電池システム100及び電力変換システム400はいずれもグラウンディング接地構造で運用される。
【0132】
図9は、本発明の実施例に係る接地構造制御装置のPVシステム連系端子を示す回路図である。
【0133】
本発明の実施例に係る接地構造制御装置は、PV-ESSカップリングボックスとして具現化されることができ、カップリングボックスの外部にPVシステム700と電気的に接続されるためのDC入力ポートが備えられることができる。
【0134】
DC入力ポートは、複数のPVモジュール(PV1、PV2、...)の正極端子のそれぞれと接続される正極入力ポートと、複数のPVモジュール(PV1、PV2、...)の負極端子のそれぞれと接続される負極入力ポートとを含むことができる。ここで、正極入力ポートと負極入力ポートのそれぞれは、PV-ESSカップリングボックスの内部で電気的に結合されることができる。
【0135】
接地構造制御装置とPVシステム700とが電気的に接続される経路上に、保護のためのヒューズが備えられることができる。
【0136】
図10は、本発明の実施例に係る接地構造制御装置の電池システム連系端子を示す回路図である。
【0137】
本発明の実施例に係る接地構造制御装置は、PV-ESSカップリングボックスとして具現化されることができ、カップリングボックスの外部にDC/DCコンバータ500を含む電池システム100と電気的に接続されるためのDC入力ポートが備えられることができる。
【0138】
DC入力ポートは、複数のDC/DCコンバータ500(DC/DC #1、DC/DC #2、...)の正極端子のそれぞれと接続される正極入力ポートと、複数のDC/DCコンバータ500(DC/DC #1、DC/DC #2、...)の負極端子のそれぞれと接続される負極入力ポートとを含むことができる。ここで、正極入力ポートと負極入力ポートのそれぞれは、PV-ESSカップリングボックスの内部で電気的に結合され、第3のスイッチと接続されることができる。
【0139】
接地構造制御装置とDC/DCコンバータ500とを含む電池システム100が電気的に接続される経路上に、保護のためのヒューズ及びサージ保護装置が備えられることができる。
【0140】
図11は、本発明の他の実施例に係るスイッチ制御装置のブロック図である。
【0141】
図11を参照すれば、スイッチ制御装置は、図7に示す回路として具現化されるスイッチ制御装置と違って、コンピュータ装置として具現化されることができる。
【0142】
本発明の実施例に係るスイッチ制御装置300は、エネルギー貯蔵システム内に含まれたPMS又はEMSであってよいが、エネルギー貯蔵システム内に位置するかこれと連動するいずれの形態の制御装置であってもよい。ここで、エネルギー貯蔵システムは、太陽光発電(PV)システム、電池システム、並びに、上記太陽光発電システム及び上記電池システムのうちの少なくとも一つと選択的に接続される電力変換システム(PCS)を含み、電力系統と互いに接続される。
【0143】
スイッチ制御装置300は、少なくとも一つのプロセッサ310、上記プロセッサを通じて実行される少なくとも一つの命令を格納するメモリ320、及びネットワークと接続されて通信を行う送受信装置330を含むことができる。
【0144】
上記少なくとも一つの命令は、太陽光発電システムの状態を確認する命令;並びに、上記太陽光発電システムの発電状態に応じて上記第1のスイッチ及び上記第2のスイッチを制御して、上記太陽光発電システム、上記電力変換システム、及び上記エネルギー貯蔵システムに含まれた電池システムのうちの一つ以上の接地構造を制御する命令を含むことができる。
【0145】
上記接地構造を制御する命令は、上記太陽光発電システムが発電状態の場合、上記第1のスイッチ及び上記第2のスイッチをクローズ状態において動作させることで、上記太陽光発電システム及び上記電力変換システムに対してグラウンディング接地構造を適用し、上記第1の地絡検出器が上記太陽光発電システム及び上記電力変換システムの地絡発生の有無を検出するようにする命令を含むことができる。
【0146】
上記接地構造を制御する命令は、上記太陽光発電システムが非発電状態から発電状態に切り替えられた後、既設定の時間の間、上記第2のスイッチをオープン状態において動作させることで、上記太陽光発電システム及び上記電力変換システムに対してフローティング接地構造を適用し、上記電力変換システムの直流側入力ノードに構成された第2の地絡検出器が上記太陽光発電システム及び上記電力変換システムの地絡発生の有無を検出するようにする命令をさらに含むことができる。
【0147】
上記接地構造を制御する命令は、上記太陽光発電システムが非発電状態の場合、上記第1のスイッチをオープン状態において動作させ、上記第2のスイッチをクローズ状態において動作させることで、上記太陽光発電システムに対してグラウンディング接地構造を適用し、上記第1の地絡検出器が上記太陽光発電システムの地絡発生の有無を検出するようにする命令を含むことができる。
【0148】
上記接地構造を制御する命令は、上記電力変換システムにフローティング接地構造を適用して、上記電力変換システムの直流側入力ノードに構成された第2の地絡検出器が上記電力変換システムの地絡発生の有無を検出するようにする命令を含むことができる。
【0149】
エネルギー貯蔵システムのスイッチ制御装置300はまた、入力インターフェース装置340、出力インターフェース装置350、記憶装置360などをさらに含むことができる。スイッチ制御装置300に含まれたそれぞれの構成要素は、バス(bus)370によって接続されて互いに通信を行うことができる。
【0150】
プロセッサ310は、メモリ320及び記憶装置360のうちの少なくとも一つに格納されたプログラム命令(program command)を実行することができる。ここで、プロセッサは、中央処理装置(central processing unit, CPU)、グラフィックス・プロセッシング・ユニット(graphics processing unit, GPU)、又は本発明の実施例に係る方法が行われる専用のプロセッサを意味することができる。メモリ(又は記憶装置)は、揮発性記憶媒体及び非揮発性記憶媒体のうちの少なくとも一つで構成されることができる。例えば、メモリは、読み出し専用メモリ(read only memory, ROM)及びランダムアクセスメモリ(random access memory, RAM)のうちの少なくとも一つで構成されることができる。
【0151】
本発明の実施例に係る方法の動作は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体にコンピュータで読み取り可能なプログラム又はコードとして具現化することが可能である。コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み込まれることができるデータが保存されるすべての種類の記録装置を含む。また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、ネットワークで接続されたコンピュータシステムに分散して、分散方式でコンピュータで読み取り可能なプログラム又はコードが保存されて実行されることができる。
【0152】
本発明の一部の側面は、装置の文脈で説明されたが、それは、対応する方法による説明も示すことができ、ここで、ブロック又は装置は、方法ステップ又は方法ステップの特徴に対応する。同様に、方法の文脈で説明された側面は、対応するブロック又はアイテム又は対応する装置の特徴で示すことができる。方法ステップのいくつか又は全部は、例えばマイクロプロセッサ、プログラム可能なコンピュータ又は電子回路のようなハードウェア装置によって(又は用いて)行われることができる。いくつかの実施例において、最も重要な方法ステップの一つ以上は、このような装置によって行われることができる。
【0153】
以上、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更できることを理解するであろう。
【符号の説明】
【0154】
SW1 スイッチ
SW2 スイッチ
SW3 スイッチ
10 電池システム
40 電力変換システム
50 DC/DCコンバータ
70 PVシステム
100、400、700 構成
100 電池システム
200 電池セクション制御装置(Battery Section Controller;BSC)
300 スイッチ制御装置
310 プロセッサ
320 メモリ
330 送受信装置
340 入力インターフェース装置
350 出力インターフェース装置
360 記憶装置
370 バス(bus)
400 調整装置(Power Conversion/Conditioning System;PCS)
400 電力変換システム
400 構成
500 DC/DCコンバータ
600 グリッド
700 PVシステム
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】