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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】車両用の一体型構成要素
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/20 20060101AFI20240920BHJP
   H02K 9/19 20060101ALI20240920BHJP
   H02K 15/12 20060101ALI20240920BHJP
   H02K 15/085 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H02K1/20 C
H02K9/19 A
H02K15/12 E
H02K15/085
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522233
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 US2022046432
(87)【国際公開番号】W WO2023064379
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】63/262,548
(32)【優先日】2021-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シルバ,ディエゴ
(72)【発明者】
【氏名】グレイブス,スコット マイケル
【テーマコード(参考)】
5H601
5H609
5H615
【Fターム(参考)】
5H601AA16
5H601BB20
5H601CC01
5H601CC11
5H601DD01
5H601DD09
5H601DD11
5H601DD30
5H601EE03
5H601GA02
5H601GB05
5H601GB12
5H601GB33
5H601GE02
5H601GE12
5H601JJ06
5H601KK26
5H609BB03
5H609PP06
5H609QQ05
5H609RR37
5H609RR42
5H609RR50
5H615AA01
5H615BB01
5H615BB05
5H615BB14
5H615PP13
5H615QQ12
5H615SS44
(57)【要約】
本出願の1つ又は複数の態様は、電気モータの一部として実装される冷却管理システムに関する。例示的には、冷却管理システムは、一般に電気モータと呼ばれるAC誘導モータの動作中に冷却流体が熱緩和機能を提供することができるように、モータステータ磁気コアを囲む密封システム/構成要素に対応する。より具体的には、例示的に、冷却管理システムは、冷却流体を保持するように構成されたリザーバと、冷却流体を送り出すように構成されたポンプと、冷却流体と相互作用するように構成された熱交換器と、密封ステータ流体ジャケットとを含む。密封ステータ流体ジャケットは、複数のステータバーのための空間を特徴付ける内部チャネルを画定し、冷却流体の流れのための複数の流路を画定するオーバーモールド内層を更に含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車用の冷却システムであって、
冷却流体を保持するように構成されたリザーバと、
前記冷却流体を送り出すように構成されたポンプと、
前記冷却流体と相互作用するように構成された熱交換器と、
密封ステータ流体ジャケットと、を備え、
前記密封ステータ流体ジャケットは、
複数のステータバーと、
複数のチャネルと、を備え、
前記複数のチャネルが、外層及びオーバーモールド内層を含み、
前記オーバーモールド内層が、前記複数のステータバー及び複数の流路のための空間を画定する内部チャネルを画定し、
前記熱交換器が、前記密封ステータジャケットの前記複数の流路を介して熱を除去するように構成される、電気自動車用の冷却システム。
【請求項2】
前記オーバーモールド外層が、前記複数のステータバーを保持するように構成された一連のスロットを含む、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項3】
前記一連のスロットが、圧入インターフェースを介して前記複数のステータバーを保持するように構成される、請求項2に記載の冷却システム。
【請求項4】
前記複数の流路のうちの個々の流路が、前記一連のスロットと前記一連のスロット内の前記複数のステータバーとの間の前記内部チャネルの壁によって画定される、請求項2に記載の冷却システム。
【請求項5】
前記一連のスロットが、ブローチ加工によって形成される、請求項2に記載の冷却システム。
【請求項6】
前記密封ステータ流体が、前記ステータバーの端部を受け入れるように構成されたステータ端部部品を更に含む、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項7】
前記複数のステータバーが、ヘアピン形成で曲げられる、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項8】
前記チャネルの前記外層が、前記密封ステータ流体ジャケットの本体を含む、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項9】
前記オーバーモールド外層が、プラスチックを含む、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項10】
前記ステータバーが、前記流路内に前記流体との追加の接触領域を形成するように溝が付けられている、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項11】
電気モータ用の密封ステータ流体ジャケットであって、
複数のステータバーと、
複数のチャネルを含む本体と、を備え、前記複数のチャネルがオーバーモールド層を含み、
前記オーバーモールド層が、前記複数のステータバーのための空間及び複数の流路を画定する内部チャネルを形成する、電気モータ用の密封ステータ流体ジャケット。
【請求項12】
前記オーバーモールド層が一連のスロットを含み、前記複数のステータバーが、前記一連のスロット内に配置される、請求項11に記載の密封ステータ流体ジャケット。
【請求項13】
前記複数のステータのうちの個々のステータが、第1のステータ側及び第2のステータ側を含み、前記複数の流路が、前記第1ステータ側及び前記第2のステータ側に配置される、請求項11に記載の密封ステータ流体ジャケット。
【請求項14】
前記密封ステータ流体が、前記ステータバーの端部を受け入れるように構成されたステータ端部部品を更に備える、請求項11に記載の密封ステータ流体ジャケット。
【請求項15】
前記ステータバーが、前記流路内に追加の接触領域を形成するように溝が付けられている、請求項11に記載の密封ステータ流体ジャケット。
【請求項16】
前記オーバーモールド層が、前記密封ステータ流体ジャケット内に前記複数のステータバーを保持する、請求項11に記載の密封ステータ流体ジャケット。
【請求項17】
密封ステータ流体ジャケットを形成する方法であって、
前記密封ステータ流体ジャケットの本体に複数のキャビティを形成する工程と、
前記複数のキャビティを媒体でオーバーモールドすることであって、前記媒体の厚さが、形成される最終のチャネルの厚さよりも大きい、オーバーモールドする工程と、
前記最終のチャネルを生成するために媒体内の一連のスロットをブローチ加工する工程と、
前記一連のスロット内に複数のステータバーを挿入する工程と、
を含む方法。
【請求項18】
前記複数のステータバーを前記一連のスロット内に挿入する工程が、前記複数のステータバーを前記一連のスロットに圧入することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記密封ステータ流体ジャケット内に前記複数のキャビティを形成する工程が、前記密封ステータ流体ジャケットに前記複数のキャビティをスタンピングすることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記最終のチャネルが、前記複数のステータバーを保持するように構成された一連のスロットを含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年10月14日に出願された「INTEGRATED COMPONENTS FOR VEHICLES」と題する米国仮出願第63/262,548号の利益を主張する。米国仮出願第63/262,548号は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
一般的に説明すると、電気自動車、内燃機関車両、ハイブリッド車などの様々な車両は、車両の動作を容易にするために様々な構成要素で構成することができる。従来、多くの構成要素は、指定された機能を実装するために必要な仕様に従って具体的に構成されている。例えば、車両内の構造的構成要素の属性(例えば、材料、寸法、取り付けなど)は、構造的構成要素にかかる負荷を満たすか又は超える方法で指定及び選択される。
【0003】
電気モータは、様々な産業及び住宅用途で広く使用されている。一般に、このタイプのモータには、ドライブシャフトに取り付けられた積層磁気コアが含まれています。積層磁気コアは、複数の積層磁気ディスクから製造されてもよいし、複数の円弧状コアセグメントから製造されてもよい。積層磁気コアは、導電性金属のバーが嵌合される複数の長手方向スロットを含む。バーの端部は、積層磁気コアの両端を越えて延在している。積層磁気コアの両端のエンドリング又はエンドキャップを使用して、ロータバーの端部を機械的及び電気的に接合する。電気モータの一部として、ステータは、回転磁場を電流に変換する回転システムの静止部分である。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本発明は、添付の図面を参照して説明され、図面において、同様の参照符号は同様の要素を参照する。
【0005】
図1】冷却管理システムの図である。
【0006】
図2図1の電気モータの図である。
【0007】
図3】密封ステータ流体ジャケットのエンドキャップの図である。
【0008】
図4A】密封ステータ流体ジャケットの一実施形態を示す図である。
【0009】
図4B】密封ステータ流体ジャケットの一実施形態を示す図である。
【0010】
図5A】密封ステータ流体ジャケットのチャネルの図である。
【0011】
図5B図5Aの密封ステータ流体ジャケットのチャネルの代替図である。
【0012】
図6】製造の様々な段階におけるチャネルの図である。
【0013】
図7A】製造の第1の段階におけるチャネルの図である。
【0014】
図7B】製造の第2の段階におけるチャネルの図である。
【0015】
図7C】製造の第3の段階におけるチャネルの図である。
【0016】
図7D】製造の第4の段階におけるチャネルの図である。
【0017】
図8】密封ステータ流体ジャケットを形成する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
一般的に説明すると、本開示の1つ又は複数の態様は、車両に実装された冷却管理システムに関する。より具体的には、本出願の1つ又は複数の態様は、電気モータの一部として実装される冷却管理システムに関する。例示的には、冷却管理システムは、一般に電気モータと呼ばれるAC誘導モータの動作中に冷却流体が熱緩和機能を提供することができるように、モータステータ磁気コアを囲む密封システム/構成要素に対応する。より具体的には、例示的に、冷却管理システムは、冷却流体を保持するように構成されたリザーバと、冷却流体を送り出すように構成されたポンプと、冷却流体と相互作用するように構成された熱交換器と、密封ステータ流体ジャケットとを含む。密封ステータ流体ジャケットは、複数のステータバーのための空間を特徴付ける内部チャネルを画定し、冷却流体の流れのための複数の流路を画定するオーバーモールド内層を更に含む。
【0019】
本出願の態様は、多部品プロセスを利用して形成される冷却システムで使用するためのステータ部品の構造及び製造方法に対応する。すなわち、本明細書に記載され図示されるように、ステータは、スタンピング、オーバーモールド、及びブローチ加工の組み合わせを利用して形成され、磁気コアのバーを挿入するための精密チャネルのセットを形成し、更にステータ巻線の冷却チャネルを形成することができる。スロット導体を正確に配置して分離することにより、導体の周囲に流体の通路が形成される。これにより、濡れた表面積が増加し、熱抵抗が減少し、他の手法と比較してより高い全体的な熱伝達を提供する。更に、結果として生じる直接的な流体接触に部分的に基づいて、冷却管理システムは、低減された絶縁量で実装することができる。例えば、いくつかの用途では、冷却管理システムは、冷却流体誘電特性を利用して絶縁機能を提供し、追加の絶縁材料の必要性を軽減することができる。
【0020】
冷却管理システムに対するいくつかの従来の手法は、紙、銅、エナメル、ワニスなどを含む特定の材料を利用することによって絶縁を提供しようと試みる。そのような手法では、冷却管理システム内の絶縁されていない領域、又は他の部品に比べて絶縁が不十分であると考えられる領域があると、冷却管理システムに非効率性をもたらす。更に、絶縁機能に利用される材料は、モータの全体的な熱性能に悪影響を及ぼす可能性がある。これは、電気エンジンをより高い温度で動作させることに基づく運転コストの増加をもたらす可能性がある。他の手法では、上述したように、そのような欠陥に対処するために増加した量の絶縁材料を追加すると、製造コスト及び複雑さが増加する。
【0021】
図1は、本出願の例示的な実施形態による電気エンジンに組み込まれた冷却管理システムの断面図の簡略化されたブロック図を示す。図1に示すように、例示的な冷却管理システム100は、電気エンジン102のロータ部品110を包含する密封部品、例えば密封ステータ流体ジャケット200を含む。密封ステータオイルジャケット200は、密封ステータ流体ジャケット200としても知られてもよい。冷却管理システム100は、ポンプ104、リザーバ/膨張タンク106、及び熱交換器108を更に含む。
【0022】
一実施形態では、冷却流体又は流体は、ポンプから熱交換器を通って密封ステータ流体ジャケット200に流入する。冷却流体は、(本明細書で説明するように)密封ステータ流体ジャケット200内に形成された流体チャネルを通過する。例示的には、密封ステータ流体ジャケット200内の流体チャネル内を冷却流体が通過することにより、冷却流体は、密封ステータ流体ジャケット200内に取り付けられた又は固定されたステータバーから熱を吸収又は抽出することができる。次いで、加熱された冷却流体は、密封ステータ流体ジャケット200を出てリザーバに入ることができる。他の実施形態では、冷却流体は反対方向に流れてもよく、又はシステムの構成要素は異なる順序で配置されてもよい。例えば、代替的に、冷却流体が密封ステータ流体ジャケット200を出た後に熱交換器を追加的に配置して、密封ステータ流体ジャケット200を出るとすぐに、且つ冷却流体がリザーバに入る前に熱の一部を抽出することができる。更に他の例では、複数の熱交換器をシステム内の異なる位置に配置して、異なる点で(例えば、密封ステータ流体ジャケット200に入る前、及び密封ステータ流体ジャケット200から出た直後に)、冷却流体の熱を除去することができる。密封ステータ流体ジャケット200は、システム入口202及びシステム出口204を含むことができる。例示的には、密封部品は、ステータ冷却機能を電気モータ102の残りの部分から分離する。
【0023】
図2に示すように、密封ステータ流体ジャケットの第1の部分は、ロータ部品110を取り囲み、ほぼ円筒形状である。密封ステータ流体ジャケット200はまた、第1の端部ステータ部品206及び第2の端部ステータ部品208の2つの端部ステータ部品を含む。2つの端部ステータ部品は、図1図2、及び図3に示すように、磁気コアバーの端部を部分的に受け入れることができる。第1の端部ステータ部品206は、ステータ端部入口210、ステータ端部出口212、又はそれらの任意の組み合わせを有するように構成されてもよい。第2の端部ステータ部品208はまた、ステータ端部入口210、ステータ端部出口212、又はそれらの任意の組み合わせを有するように構成されてもよい。流体214は、複数のステータバー218及び流路220が存在する一連のチャネル216を通って流れることができる。電流を生成することに加えて、ステータ部品は、放熱を提供する冷却チャネルを形成する。
【0024】
図3は、第2の端部ステータ部品208の詳細図である。第2の端部ステータ部品208は、密封ステータ流体ジャケット200の端部を密封する。第1の端部ステータ部品206及び第2の端部ステータ部品208は、エンドキャップと呼ぶことができる。第2の端部ステータ部品208は、係合クリップ、ねじ、接着剤、ガスケット、又は高圧接続を含む任意の他の接続タイプを介して、密封ステータ流体ジャケット200の本体222に密封することができる。更に、第2の端部ステータ部品は、回転接続、回転及びロック接続、又はねじ接続を含んでもよい。接続は、本体222に直接行われてもよく、又は電気モータ102の別の構成要素によって行われてもよい。第2の端部ステータ部品208は、密封ステータ流体ジャケット200を密封し、その中の流体を電気エンジン102の残りの部分から隔離する。第1の端部ステータ接続部は、第2の端部ステータ接続部について説明した特性のいずれかを有することができる。
【0025】
図4Aは、密封ステータ流体ジャケット200の斜視図である。密封ステータ流体ジャケット200の本実施形態は、本体222を備える。本体222は、チャネル216の第1の層とも称され得る。本体222は、本実施形態では鋼製であるが、アルミニウム、複合材、炭素、又はプラスチックなどの他の材料であってもよい。チャネル216は、第2の層224としても知られる内層224を更に備える。本実施形態の内層224はオーバーモールドされているが、インサートとして、又は他の何らかの製造方法によって追加することもできることを理解されたい。本実施形態の内層224は、プラスチック製であるが、様々な材料を使用することができる。
【0026】
図4Bは、複数のステータバー218が一連のチャネル216に圧入されている密封ステータ流体ジャケット200の斜視図である。複数のステータバー218は、本実施形態の銅バーであってもよい。複数のステータバー218は、チャネルに形成されたスロットに圧入されてもよい。スロットは、オーバーモールド材料内に形成されてもよく、その後に挿入される材料内に形成されてもよく、又はチャンバ内に直接形成されてもよい。複数のステータバー218がステータのプラスチック絶縁体部品に圧入されると、それらは少なくとも部分的に複数の流路220を確立する。複数のステータバー218は、本実施形態のように曲げられてもよい。複数のステータバーは、半径方向パターンに曲げられてもよく、直線状であってもよく、あるいは代替的に曲げられてもよい。本実施形態に示される複数のステータバーは、ヘアピン配置で曲げられている。ステータバー、流体、及び他の密封ステータ流体ジャケット構成要素の間の関係は、図5A及び図5Bに更に示されている。
【0027】
図5A及び図5Bは、チャネル216の代替的な図を示す。チャネルは、外層、本体222、及び内層、オーバーモールド層224を含む。オーバーモールド層224は、まずオーバーモールドされ、次いでブローチ加工される。完了すると、オーバーモールド層224は、複数のスロット230を備え、内部チャネル226を形成する。スロット230は、複数のステータバー218を保持するように設計された任意の形状であってもよい。スロット230は、溝、リブ、ディボット、又は複数のステータバー218を保持することができる任意の形状であってもよい。オーバーモールド後224は、圧入接続を容易にするためにステータバーとの十分な干渉があるようなサイズにすることができる。複数のステータバー218の間の隙間は、流路220を形成する。チャネル216の両端にも流路が形成されている。本実施形態における全ての流路220は、複数のステータバー218に接触しているが、接触していなくてもよい。複数のステータバーは、表面積を増加させるために図示のように溝を有してもよい。ステータバーの表面は、冷却をより容易にするためにいくつかの方法で変更することができる。本実施形態における流路は、複数のステータバー218の間の空間228を接続する。
【0028】
図1に戻ると、冷却管理システムは、密封ステータ流体ジャケットを有する閉鎖システムを形成する熱交換器及び流体リザーバを含む。例示的には、加熱された流体は、密封ステータ流体ジャケットからリザーバに引き込まれ、熱交換器部品を通過する。次いで、得られた流体は、入力ラインを介して密封ステータ流体ジャケット200内に提供される。例示的には、冷却流体のタイプは、電気モータに利用され、電気エンジンのロータ及びステータを含むがこれらに限定されない流体と接触する構成要素の動作を妨げることなく放熱に適した誘電特性を有する様々な冷却流体のうちの1つに対応することができる。更に、例示的な冷却管理システムにおけるポンプ及び熱交換器の性能パラメータは、電気モータが経験する又は電気モータによって生成される予想される環境条件及び冷却管理システムの所望の又は指定された放熱属性に従って選択することができる。従って、冷却流体、ポンプ、及び熱交換器の仕様及び構成は相互に関連し、更に環境要因に依存し得る。
【0029】
本出願の冷却管理システムのステータ部品を製造するために、例示的なプロセス概要が図6に提供される。図6に示すように、(1)(図7Aにも示す)において、個々のチャネルが形成される。個々のチャネル(キャビティ)216は、スタンピングプロセスを使用して形成されたキャビティであってもよい。チャネル216はまた、機械加工、鋳造、曲げ、プレス又は射出成形によって形成されてもよい。この場合、本体222は鋼製であるが、材料はプラスチック、炭素、アルミニウム、金属、又は任意の他の適切な材料であってもよい。キャビティは、例示的に、各個々のチャネルの最大寸法を形成する。
【0030】
(2)(図7Bにも示す)において、当該技術分野で知られているオーバーモールドプロセスを利用するなどして、プラスチック材料がキャビティに添加される。例示的には、オーバーモールドプロセスから生成されたモールドの厚さは、形成されるチャネルの寸法よりも大きい。例示として、キャビティに追加される成形品は、5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0mm及びその間の任意の値にすることができる。例示的には、ステータオーバーモールド材料は、プラスチックなどの非導電性及び非磁性材料からなる。他の実施形態では、ステータのID上の非磁性及び非導電性のプレススリーブも利用することができる。更に、本体は、オーバーモールド層224の材料と同じ材料で作られてもよく、その場合、それらは同じ部品であってもよい。
【0031】
(3)(図7Cにも示す)において、成形ドラフトは、複数のステータバーを受け入れるためのスロットを形成するためにブローチ加工される。前述のように、スロットは、バンプ、ディボット、溝、トレンチなどの複数のステータバーを保持することができる任意の特徴であってもよい。他の実施形態では、材料除去のための代替方法が実施されてもよい。これらは、射出成形、レーザ、ウォータージェット、又は他の適切な方法を含むことができる。例示的には、個々の成形キャビティの各々をブローチ加工して、高い幾何学的精度を得て、最小限の表面仕上げ特性を満たす。これにより、個々のステータバーの各々を所定の位置にしっかりと保持することができる。
【0032】
(4)(図7Dにも示す)において、複数のステータバーが挿入される。挿入されると、ステータバーは、流体214が通過する流路220を形成し、ステータバーを冷却するのに役立つ。例示的には、ステータバーは、本明細書に開示されるように冷却チャネルを提供しながら、密封流体ジャケットとの比較的タイトな闘いを維持する。比較的タイトな嵌合により、ステータバーの位置決め精度と保持力が更に向上する。
【0033】
図8は、密封ステータ流体ジャケット200を製造する方法の一実施形態を示す。本方法は、密封ステータ流体ジャケットの本体内に複数のキャビティ216を形成するブロック300を含む。前述のように、これらのキャビティは、打ち抜き、プレス、機械加工、鋳造、射出成形、ウォーターカット、レーザーカット、又は任意の他の適切なプロセスであってもよい。ブロック302は、複数のキャビティを媒体でオーバーモールドすることを含む。媒体は、プラスチック、炭素、ワックス、又は任意の他の適切な媒体であってもよい。例示的には、いくつかの実施形態では、ブロック302のオーバーモールドプロセスは、媒体の厚さが、形成される最終のチャネルの所望の/指定された厚さよりも大きくなるようにオーバーモールドすることを含むことができる。
【0034】
ブロック304において、プロセスは、最終のチャネルを生成するために媒体内の一連のスロットをブローチ加工することを含む。上述したように、スロットはスロットであってもよく、又はステータバーを保持するのに適した任意の形状であってもよい。更に、スロット及び内部チャネル226の完成した表面のブローチ加工は、レーザ、水切断、射出成形、又は任意の他の高精度方法などの様々なプロセスによって行うことができる。ステップ306は、一連のスロット内に複数のステータバーを挿入することを含む。複数のステータバーの挿入は、圧入によって行われてもよく、又は他の適切な方法によって行われてもよい。
【0035】
例示的には、本出願の1つ又は複数の態様は、スロットを閉じることができ(例えばヘアピン巻線)、導体を画定された冷却チャネル上に容易に配置することができる(ランダム巻線ステータには適さない)ように製造された任意の電気ステータに適用することができる。本出願の態様の1つの利点は、牽引能力や追跡能力などのシナリオに役立つ、長期間にわたって高出力を供給する本発明者らのモータの能力を高めることである可能性がある。更に、本出願の態様は、緩和された絶縁要件のために、より安価な導体バーと共に、より小型のモータを使用する可能性を開くことができる。より具体的には、いくつかの態様では、冷却流体誘電特性は、モータの所望の絶縁機能の少なくとも一部を提供する。いくつかの態様では、追加の絶縁材料の必要性を低減又は軽減することができる。他の態様では、追加の絶縁材料を完全に排除することができる。
【0036】
上記の明細書では、特定の実施形態を参照して本開示を説明した。しかしながら、当業者が理解するように、本明細書に開示される様々な実施形態は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な他の方法で修正又は実施することができる。従って、この説明は例示と見なされるべきであり、開示された換気アセンブリの様々な実施形態を作成及び使用する方法を当業者に教示する目的のためである。本明細書に示され説明される本開示の形態は、代表的な実施形態として解釈されるべきであることを理解されたい。同等の要素、材料、プロセス又はステップは、本明細書に代表的に示され記載されたものに置き換えられてもよい。更に、本開示の特定の特徴は、本開示のこの説明の利益を得た後に当業者に明らかになるように、他の特徴の使用とは無関係に利用することができる。本開示を説明及び特許請求するために使用される「含む」、「備える」、「組み込む」、「からなる」、「有する」、「である」などの表現は、非排他的に解釈されること、すなわち、明示的に説明されていない項目、構成要素又は要素も存在することを可能にすることを意図している。単数形への言及はまた、複数形に関連すると解釈されるべきである。
【0037】
更に、本明細書に開示された様々な実施形態は、例示的且つ説明的な意味で解釈されるべきであり、決して本開示を限定するものと解釈されるべきではない。全ての接合についての言及(例えば、取り付けられる、貼り付けられる、結合される、接続されるなど)は、読者の本開示の理解を助けるためにのみ使用され、特に本明細書に開示されるシステム及び/又は方法の位置、向き、又は使用に関して限定を生じさせるものではない。従って、接合についての言及がある場合、それは広く解釈されるべきである。更に、そのような接合についての言及は、2つの要素が互いに直接接続されていることを必ずしも意味しない。
【0038】
更に、限定するものではないが、「第1の」、「第2の」、「第3の」、「一次」、「二次」、「主」、又はその他の通常の用語及び/又は数値用語などの全ての数値用語も、本開示の様々な要素、実施形態、変形形態及び/もしくは修正形態の読者の理解を助けるために、識別子としてのみ解釈されるべきであり、特に、他の要素、実施形態、変形形態及び/又は修正形態に対する、又は、他の要素、実施形態、変形形態及び/又は修正形態を超える任意の要素、実施形態、変形形態及び/又は修正形態の順序又は優先に関して、いかなる制限も設けることはできない。
【0039】
特定の適用に応じて有用であるように、図面/図に示された要素のうちの1つ又は複数はまた、より分離又は統合された方法で実装されてもよく、又は特定の場合には動作不能として除去又はレンダリングされてもよいことも理解されよう。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
【国際調査報告】