(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】ヒト免疫不全ウイルス複製の阻害薬
(51)【国際特許分類】
A61K 31/506 20060101AFI20240920BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240920BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20240920BHJP
A61K 47/24 20060101ALI20240920BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20240920BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20240920BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20240920BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240920BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240920BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20240920BHJP
A61P 31/18 20060101ALI20240920BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
A61K31/506
A61K47/10
A61K31/519
A61K47/24
A61K47/44
A61K9/08
A61K47/12
A61K47/26
A61K47/02
A61K9/10
A61P31/18
A61K45/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522260
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 IB2022059780
(87)【国際公開番号】W WO2023062559
(87)【国際公開日】2023-04-20
(32)【優先日】2021-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520218040
【氏名又は名称】ビーブ、ヘルスケア、ユーケー、(ナンバー5)、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】VIIV HEALTHCARE UK (NO.5) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【氏名又は名称】反町 洋
(72)【発明者】
【氏名】ゴータム、ダルワディ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076AA22
4C076BB15
4C076BB16
4C076CC35
4C076DD37
4C076DD38
4C076DD38D
4C076DD41Z
4C076DD63
4C076EE23F
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4C076FF11
4C084AA19
4C084MA02
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4C084MA66
4C084NA12
4C084ZB33
4C086AA01
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4C086CB10
4C086GA07
4C086GA08
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA17
4C086MA23
4C086MA66
4C086NA05
4C086NA12
4C086ZB33
(57)【要約】
式Iaもしくは式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物が記述されている。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、
【化1】
ポリエチレングリコールおよびエタノールを含む、医薬組成物。
【請求項2】
式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、
【化2】
ポリエチレングリコールおよびエタノールを含む、医薬組成物。
【請求項3】
水、レシチン、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、またはゴマ油の1または2以上をさらに含む、請求項1または請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
レシチンを含む、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
レシチンが、卵ベースまたはダイズベースであり、約80重量%のホスファチジルコリンである、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
レシチンが、卵ベースまたはダイズベースであり、約100重量%のホスファチジルコリンである、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項7】
プロピレングリコール、ベンジルアルコール、またはゴマ油をさらに含む、請求項4から6のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項8】
ポリエチレングリコールの平均分子量が約200である(PEG 200)、請求項1から7のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項9】
ポリエチレングリコールの平均分子量が約300である(PEG 300)、請求項1から7のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項10】
ポリエチレングリコールの平均分子量が約400である(PEG 400)、請求項1から7のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項11】
エタノールの量が約5~25重量%である、請求項1から10のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項12】
エタノールの量が約20重量%である、請求項1から10のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項13】
ポリエチレングリコールの量が約40~50重量%である、請求項1から10のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項14】
均質溶液である、請求項1から13のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項15】
約20重量%の式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩、約45重量%のPEG200、約20重量%のエタノール、および約15重量%のレシチンを含む、請求項1および請求項3から14のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項16】
約20重量%の式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩、約45重量%のPEG200、約20重量%のエタノール、および約15重量%のレシチンで構成された、請求項2から14のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項17】
式Iaの化合物を含む医薬組成物であって、
【化3】
ポリエチレングリコールおよびエタノールを含む、医薬組成物。
【請求項18】
式Ibの化合物を含む医薬組成物であって、
【化4】
ポリエチレングリコールおよびエタノールを含む、医薬組成物。
【請求項19】
水、レシチン、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、またはゴマ油の1または2以上をさらに含む、請求項17または請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
レシチンを含む、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
レシチンが、卵ベースまたはダイズベースであり、約80重量%のホスファチジルコリンである、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
レシチンが、卵ベースまたはダイズベースであり、約100重量%のホスファチジルコリンである、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項23】
プロピレングリコール、ベンジルアルコール、またはゴマ油をさらに含む、請求項20から22のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項24】
ポリエチレングリコールの平均分子量が約200である(PEG 200)、請求項17から23のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項25】
ポリエチレングリコールの平均分子量が約300である(PEG 300)、請求項17から23のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項26】
ポリエチレングリコールの平均分子量が約400である(PEG 400)、請求項17から23のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項27】
エタノールの量が約5~25重量%である、請求項17から26のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項28】
エタノールの量が約20重量%である、請求項17から26のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項29】
ポリエチレングリコールの量が約40~50重量%である、請求項17から26のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項30】
均質溶液である、請求項17から29のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項31】
約20重量%の式Iaの化合物、約45重量%のPEG200、約20重量%のエタノール、および約15重量%のレシチンで構成された、請求項17および19から30のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項32】
約20重量%の式Ibの化合物、約45重量%のPEG200、約20重量%のエタノール、および約15重量%のレシチンからなる、請求項18から30のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項33】
式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、
【化5】
水を含み、1重量%未満のポリエチレングリコールを含有する、医薬組成物。
【請求項34】
式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、
【化6】
水を含み、1重量%未満のポリエチレングリコールを含有する、医薬組成物。
【請求項35】
酢酸ナトリウム、酢酸、マンニトール、塩化ナトリウム、ポロキサマー338、またはポロキサマー188の1または2以上をさらに含む、請求項33または請求項34に記載の医薬組成物。
【請求項36】
ポロキサマー338またはポロキサマー188を含む、請求項35に記載の医薬組成物。
【請求項37】
酢酸ナトリウムおよび酢酸をさらに含む、請求項36に記載の医薬組成物。
【請求項38】
マンニトールまたは塩化ナトリウムをさらに含む、請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項39】
式Iaの化合物の平均粒子直径が0.2μm~0.5μmである、請求項33および35から38のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項40】
式Iaの化合物の平均粒子直径が≦0.2μmである、請求項33および35から38のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項41】
式Ibの化合物の平均粒子直径が0.2μm~0.5μmである、請求項34から38のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項42】
式Ibの化合物の平均粒子直径が≦0.2μmである、請求項34から38のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項43】
約300mg/mLの式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩、約5.4重量%のP338、約3.5重量%のマンニトール、および組成物の残部の水または水性酢酸緩衝液を含む、請求項33または請求項35から40のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項44】
約300mg/mLの式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩、約5.4重量%のP338、約3.5重量%のマンニトール、および組成物の残部の水または水性酢酸緩衝液を含む、請求項34、請求項35から38、または請求項41から42のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項45】
不均質懸濁液である、請求項33から44のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項46】
式Iaの化合物を含む医薬組成物であって、
【化7】
水を含み、1重量%未満のポリエチレングリコールを含有する、医薬組成物。
【請求項47】
式Ibの化合物を含む医薬組成物であって、
【化8】
水を含み、1重量%未満のポリエチレングリコールを含有する、医薬組成物。
【請求項48】
酢酸ナトリウム、酢酸、マンニトール、塩化ナトリウム、ポロキサマー338、またはポロキサマー188の1または2以上をさらに含む、請求項46または請求項47に記載の医薬組成物。
【請求項49】
ポロキサマー338またはポロキサマー188を含む、請求項48に記載の医薬組成物。
【請求項50】
酢酸ナトリウムおよび酢酸をさらに含む、請求項49に記載の医薬組成物。
【請求項51】
マンニトールまたは塩化ナトリウムをさらに含む、請求項50に記載の医薬組成物。
【請求項52】
式Iaの化合物の平均粒子直径が0.2μm~0.5μmである、請求項46および48から51のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項53】
式Iaの化合物の平均粒子直径が≦0.2μmである、請求項46および48から51のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項54】
式Ibの化合物の平均粒子直径が0.2μm~0.5μmである、請求項47から51のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項55】
式Ibの化合物の平均粒子直径が≦0.2μmである、請求項47から51のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項56】
約300mg/mLの式Iaの化合物、約5.4重量%のP338、約3.5重量%のマンニトール、および組成物の残部の水または水性酢酸緩衝液を含む、請求項46または請求項48から53のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項57】
約300mg/mLの式Ibの化合物、約5.4重量%のP338、約3.5重量%のマンニトール、および組成物の残部の水または水性酢酸緩衝液を含む、請求項47、請求項48から51、または請求項54から55のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項58】
不均質懸濁液である、請求項46から57のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項59】
ヒトにおけるHIV感染症を処置する方法であって、治療有効量の請求項1から58のいずれかに記載の医薬組成物の投与を含む方法。
【請求項60】
前記投与が筋肉内注射による投与である、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記投与が皮下注射による投与である、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
ヒトにおけるHIV感染症を処置するのに使用される少なくとも1つの他の作用剤の投与をさらに含む、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
少なくとも1つの他の作用剤が、アバカビル、アタザナビル、ビクテグラビル、カボテグラビル、ドルテグラビル、ホステムサビル、ラミブジン、マラビロク、リルピベリン(rilpiverine)、テノホビルジソプロキシル、テノホビル、テノホビルアフェナミド(tenofovir afenamide)、イスラトラビル、ドラビリン、プレジアタ(preziata)、S-648414、GSK3640254、N6LS、GSK3739937/VH3739937、GSK4000422/VH4000422、GSK4023991/VH4023991、およびS-365598からなる群から選択される、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
少なくとも1つの他の作用剤が、ドルテグラビル、ラミブジン、ホステムサビル、カボテグラビル、N6LS、GSK3739937/VH3739937、GSK4000422/VH4000422、GSK4023991/VH4023991、およびS-365598からなる群から選択される、請求項62に記載の方法。
【請求項65】
少なくとも1つの他の作用剤が、ドルテグラビル、ビクテグラビル、イスラトラビル、ラミブジン、ホステムサビル、およびカボテグラビルからなる群から選択される、請求項62に記載の方法。
【請求項66】
治療における使用のための請求項1から58のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項67】
ヒトにおけるHIV感染症を処置する際における使用のための請求項1から58のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項68】
ヒトにおけるHIV感染症の処置薬の製造における使用のための請求項1から58のいずれかに記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の処置のための化合物、医薬組成物、および方法に関する。さらに詳細には、本発明は、HIVの阻害薬を含有する医薬組成物、およびこれらの組成物をHIV感染症の処置において使用する方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
後天性免疫不全症候群(AIDS)は、HIVによる感染の結果である。HIVは、主要な世界的規模の公衆衛生問題であり続けている。2015年には、推定3670万人が(180万人の小児を含めて)HIVと共に生きている-全世界のHIV有病率0.8%である。この人数の大多数は、低中所得国に住んでいる。同年には、110万人がAIDS関連の疾病で死亡した。
【0003】
HIV感染者の現行の治療は、承認済み抗レトロウイルス剤の組合せからなる。現在、48に近い薬物が、HIV感染症に対して単剤、用量固定配合剤または1日1回1錠レジメンとして承認されている。後者の2つは、2~4の承認済み作用剤を含有する。これらの作用剤は、ウイルス酵素を標的とし、またはウイルス複製サイクル中におけるウイルスタンパク質の機能を標的とする異なるいくつかのクラスに属する。したがって、作用剤は、ヌクレオチド系逆転写酵素阻害薬(NRTI)、非ヌクレオチド系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)、プロテアーゼ阻害薬(PI)、インテグラーゼ鎖転移阻害薬(INSTI)、または侵入阻害薬(一方のマラビロクは、宿主CCR5タンパク質を標的にし、他方のエンフビルチドは、ウイルスgp160タンパク質のgp41領域を標的にするペプチドである)と分類される。さらに、薬物動態学的エンハンサー(コビシスタットまたはリトナビル)は、ブーストを必要とする抗レトロウイルス剤(ARV)と組み合わせて使用されてもよい。
【0004】
HIVウイルスカプシドの正常機能を妨害することによって作用するように見えるいくつかの潜在的治療化合物は、当技術分野において記載されてきた。現在承認済み薬物は、この機序によっては作用せず、したがってこの機序によって作用する化合物であれば、HIV感染症の処置に利用可能な選択肢に追加される有用な化合物である。
【0005】
国際公開第2020/084492号および同第2020/254985号は、本出願において式Iaおよび式Ibの化合物と呼ばれる以下に示す2の化合物を含めていくつかのカプシド阻害薬化合物を開示する。
【0006】
【発明の概要】
【0007】
これらの化合物は、医薬用途に、例えばこれらの作用機序、結合、阻害有効性、標的選択性、溶解性、安全性プロファイル、バイオアベイラビリティおよび/または投与頻度の減少の1または2以上に関して利点を提供する。本開示は、医薬組成物、投与方法およびこれらの化合物を利用する処置方法を教示する。
【0008】
一態様において、本発明は、式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、
【0009】
【0010】
ポリエチレングリコール(PEG)およびエタノールを含む、医薬組成物を提供する。
【0011】
別の態様において、本発明は、式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、
【0012】
【0013】
水を含み、1重量%未満のポリエチレングリコールを含有する、医薬組成物を提供する。
【0014】
さらに別の態様において、本発明は、式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、
【0015】
【0016】
ポリエチレングリコール(PEG)およびエタノールを含む、医薬組成物を提供する。
【0017】
別の態様において、本発明は、式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、
【0018】
【0019】
水を含み、1重量%未満のポリエチレングリコールを含有する、医薬組成物を提供する。
【0020】
別の態様において、本発明は、患者においてHIV感染症を処置する方法であって、治療有効量の以下に記載される本発明の医薬組成物を前記患者に投与するステップを含む方法を提供する。
【0021】
別の態様において、本発明は、治療における使用のための以下に記載される本発明の医薬組成物を提供する。
【0022】
別の態様において、本発明は、患者におけるHIV感染症を処置する際における使用のための以下に記載される本発明の医薬組成物を提供する。
【0023】
別の態様において、本発明は、患者におけるHIV感染症の処置薬の製造における以下に記載される本発明の医薬組成物の使用を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1~
図3は、以下に記載され、表1~3にまとめられたPK実験の結果をまとめる図である。
【
図2】
図1~
図3は、以下に記載され、表1~3にまとめられたPK実験の結果をまとめる図である。
【
図3】
図1~
図3は、以下に記載され、表1~3にまとめられたPK実験の結果をまとめる図である。
【
図4】
図4~
図6は、以下に記載され、表4~6にまとめられたPK実験の結果をまとめる図である。
【
図5】
図4~
図6は、以下に記載され、表4~6にまとめられたPK実験の結果をまとめる図である。
【
図6】
図4~
図6は、以下に記載され、表4~6にまとめられたPK実験の結果をまとめる図である。
【
図7】
図7~
図9は、以下に記載され、表7~9にまとめられたPK実験の結果をまとめる図である。
【
図8】
図7~
図9は、以下に記載され、表7~9にまとめられたPK実験の結果をまとめる図である。
【
図9】
図7~
図9は、以下に記載され、表7~9にまとめられたPK実験の結果をまとめる図である。
【
図10】
図10~
図12は、以下に記載され、表10~12にまとめられたPK実験の結果をまとめる図である。
【
図11】
図10~
図12は、以下に記載され、表10~12にまとめられたPK実験の結果をまとめる図である。
【
図12】
図10~
図12は、以下に記載され、表10~12にまとめられたPK実験の結果をまとめる図である。
【
図13】
図13~
図14は、以下に記載され、表13~14にまとめられたPK実験の結果をまとめる図である。
【
図14】
図13~
図14は、以下に記載され、表13~14にまとめられたPK実験の結果をまとめる図である。
【
図15】
図15~
図16は、以下に記載され、表15~16にまとめられたPK実験の結果をまとめる図である。
【
図16】
図15~
図16は、以下に記載され、表15~16にまとめられたPK実験の結果をまとめる図である。
【
図17】
図17~
図18は、以下に記載され、表17~18にまとめられたPK実験の結果をまとめる図である。
【
図18】
図17~
図18は、以下に記載され、表17~18にまとめられたPK実験の結果をまとめる図である。
【
図19】
図19~
図20は、以下に記載され、表19~20にまとめられたPK実験の結果をまとめる図である。
【
図20】
図19~
図20は、以下に記載され、表19~20にまとめられたPK実験の結果をまとめる図である。
【
図21】
図21~
図22は、以下に記載され、表21~22にまとめられたPK実験の結果をまとめる図である。
【
図22】
図21~
図22は、以下に記載され、表21~22にまとめられたPK実験の結果をまとめる図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
式Iaの化合物は、化学名N-((S)-1-((3P)-3-(4-クロロ-1-メチル-3-(メチルスルホンアミド)-1H-インダゾール-7-イル)-4-オキソ-7-(6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-2-((3bS,4aR)-3-(ジフルオロメチル)-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセトアミドで知られている。式Iaの化合物を作製する方法は、国際公開第2020/084492号に見られる。
【0026】
式Ibの化合物は、化学名N-((S)-1-(3-(4-クロロ-1-メチル-3-(メチルスルホンアミド)-1H-インダゾール-7-イル)-4-オキソ-7-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-2-((3bS,4aR)-3-(ジフルオロメチル)-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセトアミドで知られている。式Ibの化合物を作製する方法は、国際公開第2020/254985号に見られる。
【0027】
好適には、本発明の組成物は、治療有効量の式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。一実施形態において、本発明の組成物は、治療有効量の式Iaの化合物を遊離塩基として含む。
【0028】
一実施形態において、本発明の組成物は、治療有効量の非晶質である式Iaの化合物を含む。
【0029】
好適には、本発明の組成物は、治療有効量の式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。一実施形態において、本発明の組成物は、治療有効量の式Ibの化合物を遊離塩基として含む。
【0030】
一実施形態において、本発明の組成物は、治療有効量の非晶質である式Ibの化合物を含む。
【0031】
本明細書では本発明の化合物、その塩、あるいは前記化合物もしくはその塩、または他の薬学的活性剤もしくは組成物を含む医薬組成物に関して「治療有効量」は、本発明の化合物、その塩、または前記化合物もしくはその塩を含む医薬組成物の、妥当な医学的判断の範囲内で、患者の状態を処置するのに十分ではあるが、重篤な副作用を回避するのに十分に低い(合理的なベネフィット/リスク比の)量を意味する。したがって、例えば、治療有効量の式Iaもしくは式Ibの化合物、またはその薬学的に許容される塩、あるいは式Iaの化合物もしくは式Ibの化合物、またはその塩を含む医薬組成物は、それを必要とする患者に投与されると、HIVカプシドの活性を、その活性によって媒介される疾患状態が、低減、軽減または予防を含めて処置されるようにモジュレートするのに十分な量である。治療有効量の化合物、その塩、または化合物もしくはその塩を含む医薬組成物は、選択された特定の化合物(例えば、化合物の効力、有効性、および半減期を考慮する);選択された投与経路;処置されている状態;処置されている状態の重症度;処置されている患者の年齢、背格好、体重、および健康状態;処置される患者の病歴;処置期間;併用治療の性質;所望の治療効果;ならびに同様の因子で異なるが、それにもかかわらず当業者によってルーチン的に決定されてもよい。
【0032】
一態様において、本発明の組成物は、ポリエチレングリコールおよびエタノールを含む。ポリエチレングリコール(PEG)の化学式が一般にH-(O-CH2-CH2)n-OHと記述されうることは当業者によって理解される。一実施形態において、本発明の組成物は均質溶液である。
【0033】
一実施形態において、本発明は、水をさらに含む組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、レシチンをさらに含む組成物を提供する。さらに別の実施形態において、本発明は、プロピレングリコールをさらに含む組成物を提供する。さらに別の実施形態において、本発明は、ベンジルアルコールをさらに含む組成物を提供する。さらにもう一つの実施形態において、本発明は、安息香酸ベンジルをさらに含む組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、スクロースアセテートイソブチレート(SAIB)をさらに含む組成物を提供する。さらに別の実施形態において、本発明は、ゴマ油をさらに含む組成物を提供する。
【0034】
さらにもう一つの実施形態において、本発明は、水、レシチン、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、SAIB、またはゴマ油である1または2以上の成分をさらに含む組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、水、レシチン、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、またはゴマ油である1または2以上の成分をさらに含む組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、水、レシチン、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、またはゴマ油である1または2以上の成分をさらに含む組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、またはゴマ油である1または2以上の成分をさらに含む組成物を提供する。
【0035】
一実施形態において、レシチンは卵ベースである。別の実施形態において、レシチンはダイズベースであり、約80重量%のホスファチジルコリンであり、または約100重量%のホスファチジルコリンである。
【0036】
本発明の一態様において、ポリエチレングリコールの平均分子量は約200である(PEG 200)。
【0037】
本発明の別の態様において、ポリエチレングリコールの平均分子量は約300である(PEG 300)。
【0038】
本発明の別の態様において、ポリエチレングリコールの平均分子量は約400である(PEG 400)。
【0039】
好適には、組成物中に存在する成分の量は、製剤の全質量に対する重量%として表される。
【0040】
本発明の一態様において、組成物中に存在する式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩の量は重量%として表して、約5~50%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在する式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩の量は約5~30%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在する式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩の量は約5~35%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在する式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩の量は約10~25%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在する式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩の量は約10~30%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在する式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩の量は約15~30%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在する式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩の量は約20~30%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在する式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩の量は約25~35%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在する式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩の量は約30~40%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在する式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩の量は約35~45%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在する式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩の量は約40~50%である。
【0041】
本発明の一態様において、組成物中に存在する式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩の量は重量%として表して、約5~50%である。
【0042】
本発明の一実施形態において、組成物中に存在する式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩の量は約5~30%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在する式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩の量は約5~35%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在する式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩の量は約10~25%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在する式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩の量は約10~30%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在する式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩の量は約15~30%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在する式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩の量は約20~30%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在する式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩の量は約25~35%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在する式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩の量は約30~40%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在する式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩の量は約35~45%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在する式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩の量は約40~50%である。
【0043】
好適には、本発明の組成物は皮下投与される。
【0044】
一実施形態において、本発明は、皮下投与用均質溶液を提供する。一実施形態において、本発明は、式Iaの化合物の非晶形を含む皮下投与用均質溶液を提供する。一実施形態において、本発明は、式Ibの化合物の非晶形を含む皮下投与用均質溶液を提供する。
【0045】
一実施形態において、本発明は、皮下投与用不均質懸濁液を提供する。一実施形態において、本発明は、式Iaの化合物の非晶形を含む皮下投与用不均質懸濁液を提供する。一実施形態において、本発明は、式Ibの化合物の非晶形を含む皮下投与用不均質懸濁液を提供する。
【0046】
好適には、本発明の組成物は筋肉内投与される。
【0047】
好適には、本発明の組成物は静脈内投与される。
【0048】
本発明の組成物は、活性剤である式Iaまたは式Ibが製剤化または投与される溶媒または希釈剤として使用される不活性媒体であるビヒクルまたは担体を含む。本発明の組成物に適したビヒクルとしては、エタノール(最大で約35重量%)、ポリエチレングリコール(最大で約85重量%)、変性ポリエチレングリコール(最大で約85重量%)、プロピレングリコール(最大で約60重量%)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)(最大で約重量%)、ジメチルアセトアミド(DMA)(最大で約50%)、ジメチルスルホキシド(DMSO)(最大で約5重量%)、水、乳酸エチル、ジメチルイソソルビドなどが挙げられるが、これらに限定されない。1または2以上の溶媒は、特定の医薬組成物用ビヒクルを含んでもよいことが理解されるであろう。
【0049】
本発明の組成物は、油を任意選択で含む。本発明の組成物に適した油としては、ゴマ油、ダイズ油、ヒマシ油、中鎖トリグリセリド、ベニバナ油などが挙げられるが、これらに限定されない。好適には、乳濁液では、油は約0~約50重量%の量で存在する。好適には、油性溶液では、油は最大で約100重量%の量で存在する。一実施形態において、本発明は油を含む均質溶液を提供する。
【0050】
本発明の組成物は、界面活性剤を任意選択で含む。好適な界面活性剤としては、リン脂質(最大で約25重量%)、ポロキサマー(最大で約7重量%)、ポリソルベート(最大で約7重量%)、ソルビタンエステル(別名span)(最大で約7重量%)などが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、本発明は、リン脂質界面活性剤を含む組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、レシチンであるリン脂質界面活性剤を含む組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、ポロキサマー338を含む組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、ポロキサマー188を含む組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、ポロキサマー338またはポロキサマー188を含む組成物を提供する。
【0051】
一実施形態において、本発明は、界面活性剤を含む不均質懸濁液を提供する。一実施形態において、本発明は、界面活性剤を含む不均質懸濁液を提供する。一実施形態において、本発明は、レシチンを含む不均質懸濁液を提供する。一実施形態において、本発明は、ポロキサマー338を含む不均質懸濁液を提供する。一実施形態において、本発明は、ポロキサマー188を含む不均質懸濁液を提供する。一実施形態において、本発明は、ポロキサマー338またはポロキサマー188を含む不均質懸濁液を提供する。
【0052】
本発明の組成物が不均質懸濁液である場合、等浸透圧/張度剤を任意選択で含む。好適な等浸透圧/張度剤としては、マンニトール(約1~約5重量%)、トレハロース(約7~約10重量%)、スクロース(約7~約10重量%)、グルコース(約3~約5重量%)、デキストロース(約3~約5重量%)、塩化ナトリウム(約0.45~約0.9重量%)、塩化カリウム(約0.45~約0.9重量%)などが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、本発明は、マンニトールを含む不均質懸濁液を提供する。
【0053】
本発明の組成物は、緩衝剤を任意選択で含む。本発明の組成物に適した緩衝剤としては、アセテート、シトレート、タルトレート、リンゴ酸およびその塩、NaOHおよびHCl、ギ酸塩(format)、ヒスチジン、ホスフェート、TRIS、ボーレートなどが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、本発明は、緩衝剤を約1mM~約20mMの量で含む組成物を提供する。
【0054】
一態様において、本発明は、ミクロ懸濁液である組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、粘性改質剤を含むミクロ懸濁液組成物を提供する。本発明の組成物に適した粘性改質剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒアルロン酸、PVP-K-12、K-19、ヒドロキシエチルデンプンなどが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、本発明は、0~約1重量%のレベルの粘度調整剤を含む組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、増量剤を含むミクロ懸濁液組成物を提供する。本発明の組成物に適した増量剤としては、マンニトール(約3~約5重量%)、トレハロース(約7~約10重量%)、スクロース(約7~約10重量%)、グルコース(約3~約5重量%)、デキストロース(約3~約5重量%)などが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、本発明は、凍結乾燥ミクロ懸濁液である組成物を提供する。
【0055】
別の態様において、本発明は、医薬組成物中に存在するポリエチレングリコールの量が、重量%として表して、約10~55%である、医薬組成物を提供する。本発明の一実施形態において、組成物中に存在するポリエチレングリコールの量は約15~50%である。本発明の第2の実施形態において、組成物中に存在するポリエチレングリコールの量は約20~50%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在するポリエチレングリコールの量は約20~40%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在するポリエチレングリコールの量は約30~50%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在するポリエチレングリコールの量は約40~50%である。
【0056】
別の態様において、本発明は、医薬組成物中に存在するエタノールの量が、重量%として表して、約1~35%である、医薬組成物を提供する。本発明の一実施形態において、組成物中に存在するエタノールの量は約5~30%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在するエタノールの量は約5~25%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在するエタノールの量は約10~30%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在するエタノールの量は約10~25%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在するエタノールの量は約15~30%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在するエタノールの量は約15~20%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在するエタノールの量は約15~25%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在するエタノールの量は約20~25%である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在するエタノールの量は約25~35%である。
【0057】
好適には、医薬組成物はマンニトールを含む。別の態様において、本発明は、医薬組成物中に存在するマンニトールの量が、重量%として表して、1~5%である、医薬組成物を提供する。本発明の一実施形態において、組成物中に存在するマンニトールの量は約2~4%である。
【0058】
好適には、医薬組成物はレシチンを含む。別の態様において、本発明は、医薬組成物中に存在するレシチンの量が、重量%として表して、約1~25%である、医薬組成物を提供する。本発明の一実施形態において、組成物中のレシチンの量は約5~25%である。本発明の一実施形態において、組成物中のレシチンの量は約10~20%である。本発明の一実施形態において、組成物中のレシチンの量は約1~5%である。本発明の別の実施形態において、組成物中に存在するレシチンの量は、約1%、2%、3%、4%、または5%である。
【0059】
本発明の一実施形態において、レシチンは卵ベースである。本発明の別の実施形態において、レシチンはダイズベースである。一実施形態において、ダイズベースである場合、レシチンは、約80重量%のホスファチジルコリンである。一実施形態において、ダイズベースである場合、レシチンは、100重量%のホスファチジルコリンである。
【0060】
別の態様において、本発明は、均質溶液である組成物を提供する。
【0061】
さらに別の態様において、本発明は、不均質懸濁液である組成物を提供する。
【0062】
一態様において、本発明は、医薬組成物中に存在する水の量がカールフィッシャー滴定によって測定して、約1%、2%、3%、4%、または5%である、医薬組成物を提供する。本発明の一実施形態において、組成物中に存在する水の量は約3%未満である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在する水の量は約2.5%未満である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在する水の量は約2%未満である。本発明の一実施形態において、組成物中に存在する水の量は約1.5%未満である。本発明の一実施形態において、組成物中の水の量は約1%未満である。
【0063】
上記の実施形態すべては、式Iaまたはその薬学的に許容される塩を含む本発明の組成物に当てはまることが理解される。上記の実施形態すべては、式Ibまたはその薬学的に許容される塩を含む本発明の組成物に当てはまることが理解される。上記の実施形態は、式Iaの化合物を遊離塩基として含む本発明の組成物に当てはまることが理解される。上記の実施形態は、式Iaの化合物を遊離塩基として含む本発明の組成物に当てはまることが理解される。上記の実施形態は、非晶質化合物である式Iaの化合物をその薬学的に許容される塩または遊離塩基として含む本発明の組成物に当てはまることが理解される。上記の実施形態は、非晶質化合物である式Ibの化合物をその薬学的に許容される塩または遊離塩基として含む本発明の組成物に当てはまることが理解される。
【0064】
別の態様において、本発明は、約20重量%の式Iaの化合物または式Ibの化合物、約45重量%のPEG200、約20重量%のエタノール、および約15重量%のレシチンを含む医薬組成物を提供する。別の態様において、本発明は、約30重量%の式Iaの化合物または式Ibの化合物、約45重量%のPEG200、および約25重量%のエタノールを含む医薬組成物を提供する。別の態様において、本発明は、約30重量%の式Iaの化合物または式Ibの化合物、約50重量%のPEG200、および約20重量%のエタノールを含む組成物を提供する。別の態様において、本発明は、約20重量%の式Iaの化合物または式Ibの化合物、約55重量%のPEG200、および約20重量%のエタノールを含む組成物を提供する。さらに別の態様において、本発明は、約19重量%の式Iaの化合物、約61重量%のPEG200および約20重量%のエタノールを含む組成物を提供する。
【0065】
不均質懸濁液
一態様において、本発明の組成物は、水を含み、1重量%未満のポリエチレングリコールを含有する。別の態様において、本発明の組成物は不均質懸濁液である。
【0066】
一態様において、本発明は、懸濁固形物が式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、組成物を提供する。別の態様において、本発明は、懸濁固形物が式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、組成物を提供する。一態様において、本発明は、懸濁固形物が式Iaの化合物を遊離塩基として含む、組成物を提供する。一態様において、本発明は、懸濁固形物が式Ibの化合物を遊離塩基として含む、組成物を提供する。上記の実施形態は、懸濁固形物が式Iaの化合物を非晶質化合物として、その薬学的に許容される塩または遊離塩基として含む、本発明の組成物に当てはまることが理解される。上記の実施形態は、懸濁固形物が式Ibの化合物を非晶質化合物として、その薬学的に許容される塩または遊離塩基として含む、本発明の組成物に当てはまることが理解される。
【0067】
本発明の一実施形態において、懸濁された固形物の組成は、約20重量%の式Iaの化合物である。本発明の別の実施形態において、懸濁された固形物の組成は、約25重量%の式Iaの化合物である。本発明の別の実施形態において、懸濁された固形物の組成は、約30重量%の式Iaの化合物である。本発明の別の実施形態において、懸濁された固形物の組成は、約35重量%の式Iaの化合物である。本発明の別の実施形態において、懸濁された固形物の組成は、約40重量%の式Iaの化合物である。本発明の別の実施形態において、懸濁された固形物の組成は、約45重量%の式Iaの化合物である。本発明の別の実施形態において、懸濁された固形物の組成は、約50重量%の式Iaの化合物である。これらの実施形態は、懸濁固形物が式Iaの化合物を薬学的に許容される塩もしくは遊離塩基として、または非晶質化合物として、その薬学的に許容される塩もしくは遊離塩基として含む、本発明の組成物に当てはまることが理解される。
【0068】
本発明の一実施形態において、懸濁された固形物の組成は、約20重量%の式Ibの化合物である。本発明の別の実施形態において、懸濁された固形物の組成は、約25重量%の式Ibの化合物である。本発明の別の実施形態において、懸濁された固形物の組成は、約30重量%の式Ibの化合物である。本発明の別の実施形態において、懸濁された固形物の組成は、約35重量%の式Ibの化合物である。本発明の別の実施形態において、懸濁された固形物の組成は、約40重量%の式Ibの化合物である。本発明の別の実施形態において、懸濁された固形物の組成は、約45重量%の式Ibの化合物である。本発明の別の実施形態において、懸濁された固形物の組成は、約50重量%の式Ibの化合物である。これらの実施形態は、懸濁固形物が式Ibの化合物を薬学的に許容される塩もしくは遊離塩基として、または非晶質化合物として、その薬学的に許容される塩もしくは遊離塩基として含む、本発明の組成物に当てはまることが理解される。
【0069】
一態様において、本発明は、以下の添加物、酢酸ナトリウム、酢酸、マンニトール、塩化ナトリウム、ポロキサマー338、またはポロキサマー188の1または2以上をさらに含む組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、ポロキサマー338またはポロキサマー188を含む医薬組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、ポロキサマー338およびポロキサマー188を含む医薬組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、マンニトールまたは塩化ナトリウムを含む医薬組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、マンニトールおよび塩化ナトリウムを含む医薬組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、酢酸ナトリウムまたは酢酸を含む医薬組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、酢酸ナトリウムおよび酢酸を含む医薬組成物を提供する。
【0070】
好適には、式Iaの化合物または式Ibの化合物の質量は、製剤の総体積に対して表される。一実施形態において、組成物は、式Iaの化合物または式Ibの化合物を約50~500mg/mLの濃度で含む。別の実施形態において、組成物は、式Iaの化合物または式Ibの化合物を約150~300mg/mLの濃度で含む。さらに別の実施形態において、組成物は、式Iaの化合物または式Ibの化合物を約200~300mg/mLの濃度で含む。さらに別の実施形態において、組成物は、式Iaの化合物または式Ibの化合物を約250~350mg/mLの濃度で含む。さらにもう一つの実施形態、組成物は、式Iaの化合物または式Ibの化合物を約300~400mg/mLの濃度で含む。別の実施形態において、組成物は、式Iaの化合物または式Ibの化合物を約350~450mg/mLの濃度で含む。別の実施形態において、組成物は、式Iaの化合物または式Ibの化合物を約400~500mg/mLの濃度で含む。一態様において、組成物は、式Iaの化合物または式Ibの化合物を約200mg/mL、約225mg/mL、約250mg/mL、約275mg/mL、約300mg/mL、約325mg/mL、約350mg/mL、約375mg/mL、約400mg/mL、約450mg/mLまたは約500mg/mLの濃度で含む。一実施形態において、本発明は、式Iaの化合物または式Ibの化合物を約の濃度で含む医薬組成物を提供する。
【0071】
一態様において、本発明は、約300mg/mLの式Iaの化合物または式Ibの化合物、約5.4重量%のP338、約3.5重量%のマンニトール、および製剤の残部の水または水性酢酸緩衝液を含む組成物を提供する。
【0072】
一態様において、本発明の組成物は、グリセロール、ポリビニルピロリドンK19、ポリビニルピロリドンK12、Span、尿素、NMP、乳酸エチル、ポリソルベート80、またはポリソルベート20の1または2以上をさらに含む。
【0073】
一態様において、本発明の医薬組成物は、治療有効量の式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0074】
一態様において、本発明の医薬組成物は、治療有効量の式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0075】
一実施形態において、本発明の医薬組成物は、約20%~30重量%の式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。一実施形態において、本発明の医薬組成物は、約20%~30重量%の式Iaの化合物を遊離塩基として含む。別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、約20%~30重量%の式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。一実施形態において、本発明の医薬組成物は、約20%~30重量%の式Ibの化合物を遊離塩基として含む。
【0076】
一実施形態において、本発明の医薬組成物は、約20重量%の式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。一実施形態において、本発明の医薬組成物は、約20重量%の式Iaの化合物を遊離塩基として含む。別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、約20重量%の式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。一実施形態において、本発明の医薬組成物は、約20重量%の式Ibの化合物を遊離塩基として含む。
【0077】
一実施形態において、本発明の医薬組成物は、約30重量%の式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。一実施形態において、本発明の医薬組成物は、約30重量%の式Iaの化合物を遊離塩基として含む。別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、約30重量%の式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。一実施形態において、本発明の医薬組成物は、約30重量%の式Ibの化合物を遊離塩基として含む。
【0078】
上記の実施形態は、式Iaの化合物を非晶質化合物として、その薬学的に許容される塩または遊離塩基として含む本発明の組成物に当てはまることが理解される。上記の実施形態は、式Ibの化合物を非晶質化合物として、その薬学的に許容される塩または遊離塩基として含む本発明の組成物に当てはまることが理解される。
【0079】
好適には、一態様において、式Iaの化合物または式Ibの化合物の粒子直径は、レーザー回折技法で測定される。このタイプの分析は、粒子径の評価の一般慣行において使用される。この分析を行うことができる機器の例には、Malvern Mastersizer MS3000装置がある。粒子径は、分布の百分位数として報告される。百分位数(例えばX50)は、報告値未満の球換算直径を有する試験物質の総体積の中での体積%を指す。用語「平均粒子直径」はX50を指し、D50または第50百分位数分布と同義である。
【0080】
一実施形態において、式Iaの化合物または式Ibの化合物の平均粒子直径は、≦約0.2μmである。別の実施形態において、式Iaの化合物または式Ibの化合物の平均粒子直径は、約0.2μm~約0.5μmに及ぶ。別の実施形態において、式Iaの化合物または式Ibの化合物の平均粒子直径は、約0.5μm~約3μmに及ぶ。別の実施形態において、式Iaの化合物または式Ibの化合物の平均粒子直径は、約3μm~約5μmに及ぶ。別の実施形態において、式Iaの化合物または式Ibの化合物の平均粒子直径は、約5μm~約10μmに及ぶ。
【0081】
本発明の一実施形態において、式Iaの化合物では、D10は<0.9μMであり、D50は<2μMであり、D90は<4μMである。本発明の一実施形態において、式Ibの化合物では、D10は<0.9μMであり、D50は<2μMであり、D90は<4μMである。
【0082】
一態様において、式Iaおよび式Ibで以上に描かれている特定の立体異性体ではなく、本発明の組成物は、式Iaの化合物または式Ibの化合物の異性体のいずれをも含み、それらは本発明の範囲に含められる。
【0083】
一態様において、式IaおよびIbで描かれた立体異性体は、同じ化学式のすべての立体異性体の≧95%である。
【0084】
本発明の塩は、薬学的に許容される塩である。そのような塩は、酸付加塩でも、塩基付加塩でもよい。好適な薬学的に許容される塩の概説については、例えば、Bergeら、J. Pharm, Sci.、66、1-19、1977を参照のこと。
【0085】
代表的な薬学的に許容される酸付加塩としては、4-アセトアミド安息香酸塩、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、安息香酸塩、硫酸水素塩、酒石酸水素塩、酪酸塩、カルシウムエデト酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩(カムシル酸塩)、カプリン酸塩(デカン酸塩)、カプロン酸塩(ヘキサン酸塩)、カプリル酸塩(オクタン酸塩)、ケイ皮酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、ジグルコン酸塩、2,5-ジヒドロキシ安息香酸塩、ジコハク酸塩、ドデシル硫酸塩(エストール酸塩)、エデト酸塩(エチレンジアミン四酢酸塩)、エストール酸塩(ラウリル硫酸塩)、エタン-1,2-ジスルホン酸塩(エディシル酸塩)、エタンスルホン酸塩(エシル酸塩)、ギ酸塩、フマル酸塩、ガラクタル酸塩(ムチン酸塩)、ゲンチシン酸塩(2,5-ジヒドロキシ安息香酸塩)、グルコヘプトン酸塩(グルセプト酸塩)、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、グルタミン酸塩、グルタール酸塩、グリセロホスホレート(glycerophosphorate)、グリコール酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩(hexylresorcinate)、馬尿酸塩、ヒドラバミン(N,N’-ジ(デヒドロアビエチル)-エチレンジアミン)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、メチル硫酸塩、ムチン酸塩、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸塩(ナパジシル酸塩)、ナフタレン-2-スルホン酸塩(ナプシル酸塩)、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、p-アミノベンゼンスルホン酸塩、p-アミノサリチル酸(p-aminosalicyclate)、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パントテン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルエチルバルビツル酸塩、リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩(トシル酸塩)、ピログルタミン酸塩、ピルビン酸塩、サリチル酸塩、セバシン酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、スルファミン酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩(8-クロロテオフィリネート)、チオシアン酸塩、トリエチオジド、ウンデカン酸塩、ウンデシレン酸、および吉草酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0086】
代表的な薬学的に許容される塩基付加塩としては、アルミニウム、2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール(TRIS、トロメタミン)、アルギニン、ベネタミン(N-ベンジルフェネチルアミン)、ベンザチン(N,N’-ジベンジルエチレンジアミン)、ビス-(2-ヒドロキシエチル)アミン、ビスマス、カルシウム、クロロプロカイン、コリン、クレミゾール(1-p-クロロベンジル-2-ピロリジン(pyrrolildine)-1’-イルメチルベンゾイミダゾール)、シクロヘキシルアミン、ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、ジエチルトリアミン、ジメチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ドーパミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、L-ヒスチジン、鉄、イソキノリン、レピジン、リチウム、リシン、マグネシウム、メグルミン(N-メチルグルカミン)、ピペラジン、ピペリジン、カリウム、プロカイン、キニン、キノリン、ナトリウム、ストロンチウム、t-ブチルアミン、および亜鉛が挙げられるが、これらに限定されない。
【0087】
一実施形態において、式Iaの化合物の塩はナトリウム塩である。別の実施形態において、式Ibの化合物の塩はナトリウム塩である。別の実施形態において、式Iaの化合物の塩はカリウム塩である。別の実施形態において、式Ibの化合物の塩はカリウム塩である。
【0088】
別の態様において、本発明は、患者におけるHIV感染を予防し、感染のリスクを低減する方法であって、本発明の医薬組成物を投与するステップを含む方法を開示する。曝露前予防(またはPrEP)は、HIV感染のリスクがある人がHIV抗レトロウイルス薬を服用して、HIV感染確率を下げる場合である。PrEPは、感染のリスクを低減するのに効果的であることが示された。本明細書では「HIV」または「ヒト免疫不全ウイルス」は、HIV-1および/またはHIV-2を指す。
【0089】
本明細書では「患者」はヒトを指す。
【0090】
本発明の化合物、塩および組成物は、それらの生物学的標的としてHIVカプシドを有すると考えられ、したがってそれらの作用機序は、1または2以上の形でHIVカプシドの機能を改変することである。
【0091】
式Iaおよび式Ibの化合物ならびにその塩は、単独で利用されてもよく、または他の治療剤もしくはそのプロドラッグと組み合わせて利用されてもよい。したがって、本発明による併用療法は、本発明の少なくとも1の化合物またはその薬学的に許容される塩の投与、およびHIV感染症の処置において有用でありうる少なくとも1の他の作用剤の投与を含む。本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩、および他の作用剤は、一緒に単一の医薬組成物に製剤化および投与されてもよく、または別々に製剤化および投与されてもよい。別々に製剤化および投与される場合、投与は、同時に行われてもよく、または連続的にいずれの順序で行われてもよい。
【0092】
好適な他の作用剤は、アバカビル、アタザナビル、ビクテグラビル、カボテグラビル、ダルナビル、デラビルジン、ジダノシン、ジデオキシイノシン、ドルテグラビル、ドラビリン、エファビレンツ、エルビテグラビル、エムトリシタビン、エタビリン(etavirine)、ホスアンプレナビル、ホステムサビル、GSK3640254、GSK3739937/VH3739937、インジナビル、イスラトラビル、ラミブジン、ロピナビル、マラビロク、N6LS、ネルフィナビル、ネビラピン、ラルテグラビル、リルピベリン(rilpiverine)、リトナビル、S-648414、サキナビル、スタブジン、チプラナビル、テノホビル、テノホビルアラフェナミド、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、ザルシタビン、ジドブジン、およびS-365598からなる群から選択される。一実施形態において、本発明は、式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩と、アバカビル、アタザナビル、ビクテグラビル、カボテグラビル、ダルナビル、デラビルジン、ジダノシン、ジデオキシイノシン、ドルテグラビル、ドラビリン、エファビレンツ、エルビテグラビル、エムトリシタビン、エタビリン、ホスアンプレナビル、ホステムサビル、GSK3640254、GSK3739937/VH3739937、インジナビル、イスラトラビル、ラミブジン、ロピナビル、マラビロク、N6LS、ネルフィナビル、ネビラピン、ラルテグラビル、リルピベリン、リトナビル、S-648414、サキナビル、スタブジン、チプラナビル、テノホビル、テノホビルアラフェナミド、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、ザルシタビン、ジドブジン、およびS-365598からなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩と、アバカビル、アタザナビル、ビクテグラビル、カボテグラビル、ダルナビル、デラビルジン、ジダノシン、ジデオキシイノシン、ドルテグラビル、ドラビリン、エファビレンツ、エルビテグラビル、エムトリシタビン、エタビリン、ホスアンプレナビル、ホステムサビル、GSK3640254、GSK3739937/VH3739937、インジナビル、イスラトラビル、ラミブジン、ロピナビル、マラビロク、N6LS、ネルフィナビル、ネビラピン、ラルテグラビル、リルピベリン、リトナビル、S-648414、サキナビル、スタブジン、チプラナビル、テノホビル、テノホビルアラフェナミド、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、ザルシタビン、ジドブジン、およびS-365598からなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0093】
一実施形態において、本発明は、式Iaの化合物と、アバカビル、アタザナビル、ビクテグラビル、カボテグラビル、ダルナビル、デラビルジン、ジダノシン、ジデオキシイノシン、ドルテグラビル、ドラビリン、エファビレンツ、エルビテグラビル、エムトリシタビン、エタビリン、ホスアンプレナビル、ホステムサビル、GSK3640254、GSK3739937/VH3739937、インジナビル、イスラトラビル、ラミブジン、ロピナビル、マラビロク、N6LS、ネルフィナビル、ネビラピン、ラルテグラビル、リルピベリン、リトナビル、S-648414、サキナビル、スタブジン、チプラナビル、テノホビル、テノホビルアラフェナミド、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、ザルシタビン、ジドブジン、およびS-365598からなる群から選択される別の治療剤とを含む治療上有効な医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、式Ibの化合物と、アバカビル、アタザナビル、ビクテグラビル、カボテグラビル、ダルナビル、デラビルジン、ジダノシン、ジデオキシイノシン、ドルテグラビル、ドラビリン、エファビレンツ、エルビテグラビル、エムトリシタビン、エタビリン、ホスアンプレナビル、ホステムサビル、GSK3640254、GSK3739937/VH3739937、インジナビル、イスラトラビル、ラミブジン、ロピナビル、マラビロク、N6LS、ネルフィナビル、ネビラピン、ラルテグラビル、リルピベリン、リトナビル、S-648414、サキナビル、スタブジン、チプラナビル、テノホビル、テノホビルアラフェナミド、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、ザルシタビン、ジドブジン、およびS-365598からなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0094】
一実施形態において、本発明は、非晶質である式Iaの化合物と、アバカビル、アタザナビル、ビクテグラビル、カボテグラビル、ダルナビル、デラビルジン、ジダノシン、ジデオキシイノシン、ドルテグラビル、ドラビリン、エファビレンツ、エルビテグラビル、エムトリシタビン、エタビリン、ホスアンプレナビル、ホステムサビル、GSK3640254、GSK3739937/VH3739937、インジナビル、イスラトラビル、ラミブジン、ロピナビル、マラビロク、N6LS、ネルフィナビル、ネビラピン、ラルテグラビル、リルピベリン、リトナビル、S-648414、サキナビル、スタブジン、チプラナビル、テノホビル、テノホビルアラフェナミド、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、ザルシタビン、ジドブジン、およびS-365598からなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、非晶質である式Ibの化合物と、アバカビル、アタザナビル、ビクテグラビル、カボテグラビル、ダルナビル、デラビルジン、ジダノシン、ジデオキシイノシン、ドルテグラビル、ドラビリン、エファビレンツ、エルビテグラビル、エムトリシタビン、エタビリン、ホスアンプレナビル、ホステムサビル、GSK3640254、GSK3739937/VH3739937、インジナビル、イスラトラビル、ラミブジン、ロピナビル、マラビロク、N6LS、ネルフィナビル、ネビラピン、ラルテグラビル、リルピベリン、リトナビル、S-648414、サキナビル、スタブジン、チプラナビル、テノホビル、テノホビルアラフェナミド、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、ザルシタビン、ジドブジン、およびS-365598からなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0095】
一実施形態において、他の作用剤は、アバカビル、アタザナビル、ビクテグラビル、カボテグラビル、ドルテグラビル、ホステムサビル、ラミブジン、マラビロク、リルピベリン、テノホビルジソプロキシル、テノホビル、テノホビルアフェナミド(tenofovir afenamide)、イスラトラビル、ドラビリン、プレジアタ(preziata)、S-648414、GSK3640254、N6LS、GSK3739937/VH3739937、およびS-365598からなる群から選択される。
【0096】
一実施形態において、本発明は、式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩と、アバカビル、アタザナビル、ビクテグラビル、カボテグラビル、ドルテグラビル、ホステムサビル、ラミブジン、マラビロク、リルピベリン、テノホビルジソプロキシル、テノホビル、テノホビルアフェナミド、イスラトラビル、ドラビリン、プレジアタ、S-648414、GSK3640254、N6LS、GSK3739937/VH3739937、およびS-365598からなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩と、アバカビル、アタザナビル、ビクテグラビル、カボテグラビル、ドルテグラビル、ホステムサビル、ラミブジン、マラビロク、リルピベリン、テノホビルジソプロキシル、テノホビル、テノホビルアフェナミド、イスラトラビル、ドラビリン、プレジアタ、S-648414、GSK3640254、N6LS、GSK3739937/VH3739937、およびS-365598からなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0097】
一実施形態において、本発明は、式Iaの化合物と、アバカビル、アタザナビル、ビクテグラビル、カボテグラビル、ドルテグラビル、ホステムサビル、ラミブジン、マラビロク、リルピベリン、テノホビルジソプロキシル、テノホビル、テノホビルアフェナミド、イスラトラビル、ドラビリン、プレジアタ、S-648414、GSK3640254、N6LS、GSK3739937/VH3739937、およびS-365598からなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、式Ibの化合物と、アバカビル、アタザナビル、ビクテグラビル、カボテグラビル、ドルテグラビル、ホステムサビル、ラミブジン、マラビロク、リルピベリン、テノホビルジソプロキシル、テノホビル、テノホビルアフェナミド、イスラトラビル、ドラビリン、プレジアタ、S-648414、GSK3640254、N6LS、GSK3739937/VH3739937、およびS-365598からなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0098】
別の実施形態において、本発明は、非晶質である式Iaの化合物と、アバカビル、アタザナビル、ビクテグラビル、カボテグラビル、ドルテグラビル、ホステムサビル、ラミブジン、マラビロク、リルピベリン、テノホビルジソプロキシル、テノホビル、テノホビルアフェナミド、イスラトラビル、ドラビリン、プレジアタ、S-648414、GSK3640254、N6LS、GSK3739937/VH3739937、およびS-365598からなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、非晶質である式Ibの化合物と、アバカビル、アタザナビル、ビクテグラビル、カボテグラビル、ドルテグラビル、ホステムサビル、ラミブジン、マラビロク、リルピベリン、テノホビルジソプロキシル、テノホビル、テノホビルアフェナミド、イスラトラビル、ドラビリン、プレジアタ、S-648414、GSK3640254、N6LS、GSK3739937/VH3739937、およびS-365598からなる群から選択される別の治療剤を含む医薬組成物を提供する。
【0099】
一実施形態において、他の作用剤は、ドルテグラビル、ラミブジン、ホステムサビル、カボテグラビル、N6LS、GSK3739937/VH3739937、GSK4000422/VH4000422、およびS-365598からなる群から選択される。
【0100】
一実施形態において、本発明は、式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩と、ドルテグラビル、ラミブジン、ホステムサビル、カボテグラビル、N6LS、GSK3739937/VH3739937、GSK4000422/VH4000422、およびS-365598からなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩と、ドルテグラビル、ラミブジン、ホステムサビル、カボテグラビル、N6LS、GSK3739937/VH3739937、GSK4000422/VH4000422、およびS-365598からなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0101】
一実施形態において、本発明は、式Iaの化合物と、ドルテグラビル、ラミブジン、ホステムサビル、カボテグラビル、N6LS、GSK3739937/VH3739937、GSK4000422/VH4000422、およびS-365598からなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、式Ibの化合物と、ドルテグラビル、ラミブジン、ホステムサビル、カボテグラビル、N6LS、GSK3739937/VH3739937、GSK4000422/VH4000422、およびS-365598からなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0102】
別の実施形態において、本発明は、非晶質である式Iaの化合物と、ドルテグラビル、ラミブジン、ホステムサビル、カボテグラビル、N6LS、GSK3739937/VH3739937、GSK4000422/VH4000422、およびS-365598からなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、非晶質である式Ibの化合物と、ドルテグラビル、ラミブジン、ホステムサビル、カボテグラビル、N6LS、GSK3739937/VH3739937、GSK4000422/VH4000422、およびS-365598からなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0103】
別の実施形態において、他の作用剤は、ドルテグラビル、ビクテグラビル、イスラトラビル、ラミブジン、ホステムサビル、S-365598、およびカボテグラビルからなる群から選択される。
【0104】
一実施形態において、本発明は、式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩と、ドルテグラビル、ビクテグラビル、イスラトラビル、ラミブジン、ホステムサビル、S-365598、およびカボテグラビルからなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩と、ドルテグラビル、ビクテグラビル、イスラトラビル、ラミブジン、ホステムサビル、S-365598、およびカボテグラビルからなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0105】
一実施形態において、本発明は、式Iaの化合物と、ドルテグラビル、ビクテグラビル、イスラトラビル、ラミブジン、ホステムサビル、S-365598、およびカボテグラビルからなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、式Ibの化合物と、ドルテグラビル、ビクテグラビル、イスラトラビル、ラミブジン、ホステムサビル、S-365598、およびカボテグラビルからなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0106】
別の実施形態において、本発明は、非晶質である式Iaの化合物と、ドルテグラビル、ビクテグラビル、イスラトラビル、ラミブジン、ホステムサビル、S-365598、およびカボテグラビルからなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、非晶質である式Ibの化合物と、ドルテグラビル、ビクテグラビル、イスラトラビル、ラミブジン、ホステムサビル、S-365598、およびカボテグラビルからなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0107】
別の実施形態において、他の作用剤は、ドルテグラビル、ビクテグラビル、S-365598、およびカボテグラビルからなる群から選択される。
【0108】
一実施形態において、本発明は、式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩と、ドルテグラビル、ビクテグラビル、S-365598、およびカボテグラビルからなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩と、ドルテグラビル、ビクテグラビル、S-365598、およびカボテグラビルからなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0109】
一実施形態において、本発明は、式Iaの化合物と、ドルテグラビル、ビクテグラビル、S-365598、およびカボテグラビルからなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、式Ibの化合物と、ドルテグラビル、ビクテグラビル、S-365598、およびカボテグラビルからなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0110】
別の実施形態において、本発明は、非晶質である式Iaの化合物と、ドルテグラビル、ビクテグラビル、S-365598、およびカボテグラビルからなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、非晶質である式Ibの化合物と、ドルテグラビル、ビクテグラビル、S-365598、およびカボテグラビルからなる群から選択される別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0111】
別の実施形態において、他の作用剤はドルテグラビルである。一実施形態において、本発明は、式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供し、別の治療剤はドルテグラビルである。一実施形態において、本発明は、式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供し、別の治療剤はドルテグラビルである。一実施形態において、本発明は、式Iaの化合物を含む医薬組成物を提供し、別の治療剤はドルテグラビルである。一実施形態において、本発明は、式Ibの化合物を含む医薬組成物を提供し、別の治療剤はドルテグラビルである。別の実施形態において、本発明は、非晶質である式Iaの化合物を含む医薬組成物を提供し、別の治療剤はドルテグラビルである。別の実施形態において、本発明は、非晶質である式Ibの化合物を含む医薬組成物を提供し、別の治療剤はドルテグラビルである。
【0112】
別の実施形態において、他の作用剤はカボテグラビルである。一実施形態において、本発明は、式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供し、別の治療剤はカボテグラビルである。一実施形態において、本発明は、式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供し、別の治療剤はカボテグラビルである。一実施形態において、本発明は、式Iaの化合物を含む医薬組成物を提供し、別の治療剤はカボテグラビルである。一実施形態において、本発明は、式Ibの化合物を含む医薬組成物を提供し、別の治療剤はカボテグラビルである。別の実施形態において、本発明は、非晶質である式Iaの化合物を含む医薬組成物を提供し、別の治療剤はカボテグラビルである。別の実施形態において、本発明は、非晶質である式Ibの化合物を含む医薬組成物を提供し、別の治療剤はカボテグラビルである。
【0113】
さらに別の実施形態において、他の作用剤はS-365598である。一実施形態において、本発明は、式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供し、別の治療剤はS-365598である。一実施形態において、本発明は、式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供し、別の治療剤はS-365598である。一実施形態において、本発明は、式Iaの化合物を含む医薬組成物を提供し、別の治療剤はS-365598である。一実施形態において、本発明は、式Ibの化合物を含む医薬組成物を提供し、別の治療剤はS-365598である。別の実施形態において、本発明は、非晶質である式Iaの化合物を含む医薬組成物を提供し、別の治療剤はS-365598である。別の実施形態において、本発明は、非晶質である式Ibの化合物を含む医薬組成物を提供し、別の治療剤はS-365598である。
【0114】
GSK3640254は、Dicker I、Jeffrey JL、Protack Tら、GSK3640254 Is a Novel HIV-1 Maturation Inhibitor with an Optimized Virology Profile、Antimicrob Agents Chemother. 2022;66(1):e0187621. doi:10.1128/AAC.01876-21に記載されている化合物であり;VH3739937としても知られているGSK3739937は、HIV成熟阻害薬および臨床試験NCT04493684の化合物であり;VRC-HIVMAB091-00-ABとしても知られているN6LSは、ヒトモノクローナル抗体および臨床試験NCT03538626の化合物であり;S-365598は、Shionogi社によって発見された第3世代HIVインテグラーゼ鎖転移阻害薬(INSTI)であり;S-648414は臨床試験NCT04147715の化合物であることが理解される。
【実施例】
【0115】
製剤A(不均質懸濁液)は、表Aで見られる。
【0116】
【0117】
製剤Aの調製:
酢酸ナトリウム(438.36mg)および氷酢酸(104μL)を水(500mL)に溶解して、10mMの酢酸緩衝溶液を得た。酢酸緩衝溶液(440.41g)をポロキサマー338(34.88g)およびマンニトール(24.43g)と組み合わせ、得られた溶液を0.2μmのフィルターで濾過した。溶液のpHをpH 5.04と測定した。溶液(278.25g)を式Iaの化合物(110.25g)と組み合わせた。撹拌懸濁液を1~25℃で維持し、撹拌装置先端速度を5.5m/秒に設定し、0.3mmのYTZ粉砕ビーズ(Nikkato Corp社)を入れた湿式ビーズミル(Netzsch Minicer)によって、所望の平均粒子直径約0.3μmが達成されるまで45~145mL/分で循環させた。製剤の濃度は、約300mg/mLの式Iaの化合物の懸濁非晶形、5.4w/vol%のP338および3.5w/vol%のマンニトールであり、組成物の残部は上記の水性酢酸緩衝液で構成された。
【0118】
製剤B(不均質懸濁液)は、表Bで見られる。
【0119】
【0120】
製剤Bの調製:
酢酸ナトリウム(435.72mg)および氷酢酸(104μL)を水(500mL)に溶解して、10mMの酢酸緩衝溶液を得た。酢酸緩衝液(440.85g)をポロキサマー338(34.89g)およびマンニトール(24.46g)と組み合わせ、得られた溶液を0.2μmのフィルターで濾過した。ビヒクルのpHをpH 5.02と測定した。溶液(278.25g)を式Ibの化合物(110.25g)と組み合わせた。撹拌懸濁液を1~25℃で維持し、撹拌装置先端速度を5.8m/秒に設定し、0.3mmのYTZ粉砕ビーズ(Nikkato Corp社)を入れた湿式ビーズミル(Netzsch Minicer)によって、所望の平均粒子直径約0.2μmが達成されるまで45~145mL/分で循環させた。製剤の濃度は、約300mg/mLの式Ibの化合物の懸濁非晶形、5.4w/vol%のP338および3.5w/vol%のマンニトールであり、組成物の残部は上記の水性酢酸緩衝液で構成された。
【0121】
製剤Cの調製:
蓋を装備したガラス瓶にPEG200(135g)を投入し、溶液を撹拌しながら45℃に加熱した。撹拌および加熱を維持しながら、溶液に式Iaの化合物(60g)をゆっくりと添加した。添加した後、均質溶液が得られるまで、加熱および撹拌を維持した。溶液を撹拌しながら室温に冷却した。瓶に、レシチン(45g、80重量%のホスファチジルコリンを含有する卵ベースの「Lipoid E80」)のエタノール(60g、無水)溶液を添加した。混合物を15~30分間撹拌して、清澄な均質溶液を得た。溶液の組成は、20w/w%の式Iaの化合物、45w/w%のPEG200、20w/w%のエタノール、および15w/w%のレシチンである。
【0122】
製剤Dの調製:
蓋を装備したガラス瓶にPEG200(67.5g)を投入し、溶液を撹拌しながら45℃に加熱した。加熱および撹拌を維持しながら、溶液に式Ibの化合物(45g)をゆっくりと添加した。添加した後、均質溶液が得られるまで、加熱および撹拌を維持した。溶液を撹拌しながら室温に冷却した。溶液に、エタノール(37.5g、無水)を添加し、混合物を15~30分間撹拌して、清澄な均質溶液を得た。溶液の組成は、30w/w%の式Ibの化合物、45w/w%のPEG200、および25w/w%のエタノールである。
【0123】
製剤Eの調製:
蓋を装備したガラス瓶にPEG200(150g)を投入し、溶液を撹拌しながら45℃に加熱した。加熱および撹拌を維持しながら、溶液に式Iaの化合物(90g)をゆっくりと添加した。添加した後、均質溶液が得られるまで、加熱および撹拌を維持した。溶液を撹拌しながら室温に冷却した。溶液に、エタノール(60g、無水)を添加し、混合物を15~30分間撹拌して、清澄な均質溶液を得た。溶液の組成は、30w/w%の式Iaの化合物、50w/w%のPEG200、および20w/w%のエタノールである。密度=1.11g/mL;粘度=49.9mPa-s。
【0124】
製剤Fの調製:
蓋を装備したガラス瓶に、PEG200(3.99mL)、エタノール(0.52mL)および水(0.67mL)を投入し、次いで、混合物をボルテックスした。溶液に、式Ibの化合物(931mg)をゆっくりと添加し、次いで、混合物をボルテックスした。混合物を音波処理して、清澄な均質溶液を得た。溶液の組成は、PEG200(69%)、エタノール(6.3%)、水(10.3%)、式Ibの化合物(14.3%)である。
【0125】
製剤Gの調製:
蓋を装備したガラス瓶に、PEG200(2.54mL)、エタノール(0.52mL)、プロピレングリコール(0.73mL)、および水(0.52mL)を投入し、次いで、混合物をボルテックスした。溶液に、式Ibの化合物(772g)をゆっくりと添加し、次いで、混合物をボルテックスした。混合物を音波処理して、清澄な均質溶液を得た。溶液の組成は、PEG200(53.7%)、エタノール(7.7%)、プロピレングリコール(14.2%)、水(9.8%)、式Ibの化合物(14.5%)である。
【0126】
製剤Hの調製:
蓋を装備したガラス瓶に、PEG200(1.75mL)、エタノール(0.35mL)、およびゴマ油(1.40mL)を投入し、次いで、混合物をボルテックスした。溶液に、式Ibの化合物(628g)をゆっくりと添加し、次いで、混合物をボルテックスした。溶液を音波処理して、清澄な均質溶液を得た。溶液の組成は、PEG200(47.3%)、エタノール(6.6%)、ゴマ油(31%)、式Ibの化合物(15.1%)である。
【0127】
製剤Iの調製:
水(455.94g)をポロキサマー338(31.26g)およびマンニトール(25.07g)と組み合わせ、得られた溶液を0.2μmのフィルターで濾過して、「ビヒクル」を得た。ビヒクル(247.63g)に、式Ibの化合物(64.09g)を添加した。1~25℃で維持した撹拌懸濁液を、ビヒクル(50.40g)の後に、撹拌装置先端速度を5.8m/秒に設定し、0.3mmのYTZ粉砕ビーズ(Nikkato Corp社)を入れた湿式ビーズミル(Netzsch Minicer)によって、所望の平均粒子直径約0.78μmが達成されるまで50~145mL/分で循環させた。製剤の濃度は、約168.95mg/mLの式Ibの化合物、約6.49wt/vol%のP338および約5.2wt/vol%のマンニトールであり、組成物の残部は水で構成された。
【0128】
製剤Jの調製:
水(455.13g)をポロキサマー338(31.29g)およびマンニトール(25.01g)と組み合わせ、得られた溶液を0.2μmのフィルターで濾過して、「ビヒクル」を得た。ビヒクル(238.34g)に、式Iaの化合物(64.51g)を添加した。1~25℃で維持した撹拌懸濁液を、ビヒクル(50.40g)の後に、撹拌装置先端速度を5.8m/秒に設定し、0.3mmのYTZ粉砕ビーズ(Nikkato Corp社)を入れた湿式ビーズミル(Netzsch Minicer)によって、所望の平均粒子直径約0.40μmが達成されるまで73~145mL/分で循環させた。製剤の濃度は、約177mg/mLの式Iaの化合物、約6.3wt/vol%のP338および約5.03wt/vol%のマンニトールであり、組成物の残部は水で構成された。
【0129】
製剤Kの調製:
混合容器に、1299.8グラムのPEG200および427.2グラムのエタノールを投入した。40.85グラムの式Iaの化合物を徐々に添加しながら、溶液を周囲温度で15分間撹拌した。化合物が完全に溶解して、清澄な均一溶液が得られるまで溶液を約2時間撹拌した。得られた溶液は、25cPの粘度および1.089g/mLの密度を有した。
【0130】
血液試料の分析の一般手順:
一般手順A:
血液試料をK2EDTAチューブに収集し、収集直後に水氷上に置き、血漿を得るためにできるだけ早く遠心した。LC-MS/MSによる分析まで、血漿試料を-70℃以下で貯蔵した。インビトロ試料はすべて、MDS Sciex 5000三連四重極型LC-MS/MSシステムで注入した。使用した分析カラムは、50℃で維持されたWaters Acquity 1.7μm CSH Fluror Phenyl(2.1mm×50mm)であった。移動相Aは、MilliQ精製水中0.1(v/v)%のギ酸からなるものであった。移動相Bは、アセトニトリル中0.1(v/v)%のギ酸からなるものであった。流速は0.80mL/分であった。グラジエントは以下の通りであった:移動相Bは、20%で0.2分間保持し、次いで0.4分かけて20%から75%に直線的に増加し、次にさらに、0.55分かけて75%から95%に直線的に増加した。次いで、95%で0.35分間維持し、20%で0.49分間維持した。
【0131】
一般手順B:
血液試料をK2EDTAチューブに収集し、収集直後に水氷上に置き、血漿を得るためにできるだけ早く遠心した。LC-MS/MSによる分析まで、血漿試料を-70℃以下で貯蔵した。インビトロ試料はすべて、MDS Sciex 6500+三連四重極型LC-MS/MSシステムで注入した。使用した分析カラムは、35℃で維持されたWaters Acquity 1.7μm BEH(C18、2.1mm×50mm、1.7μm)であった。移動相Aは、MilliQ精製水中0.1(v/v)%のギ酸からなるものであった。移動相Bは、アセトニトリル中0.1(v/v)%のギ酸からなるものであった。流速は0.80mL/分であった。グラジエントは以下の通りであった:移動相Bは、2%で0.2分間保持し、次いで0.4分かけて2%から75%に直線的に増加し、次にさらに、0.55分かけて75から95%に直線的に増加した。次いで、95%で0.35分間維持し、2%で0.49分間維持した。
【0132】
インビボ実験で製剤Aの薬物動態パラメータを測定する手順
Wistar Hanラットに、「製剤A」を1回1mL/kgで皮下注射、1回3.33mL/kgで皮下注射として、または1回0.5mL/kgで筋肉内注射として投与した。血液試料を表1~3に示した時間に収集し、一般手順Aに従って分析した。PK実験の結果については、表1~3および
図1~3に記載されている。
【0133】
【0134】
【0135】
【0136】
インビボ実験で製剤Bの薬物動態パラメータを測定する手順
Wistar Hanラットに、「製剤B」を1回1.04mL/kgで皮下注射、1回3.46mL/kgで皮下注射として、または1回0.52mL/kgで筋肉内注射として投与した。血液試料を表4~6に示した時間に収集し、一般手順Bに従って分析した。PK実験の結果については、表4~6および
図4~6に記載されている。
【0137】
【0138】
【0139】
【0140】
インビボ実験で製剤Cの薬物動態パラメータを測定する手順
Wistar Hanラットに、「製剤C」を1回1.5mL/kgで皮下注射、1回5mL/kgで皮下注射として、または1回0.5mL/kgで筋肉内注射として投与した。血液試料を表7~9に示した時間に収集し、一般手順Aに従って分析した。PK実験の結果については、表7~9および
図7~9に記載されている。
【0141】
【0142】
【0143】
【0144】
インビボ実験で製剤Dの薬物動態パラメータを測定する手順
Wistar Hanラットに、「製剤D」を1回0.91mL/kgで皮下注射、1回3.03mL/kgで皮下注射として、または1回0.45mL/kgで筋肉内注射として投与した。血液試料を表10~12に示した時間に収集し、一般手順Bに従って分析した。PK実験の結果については、表10~12および
図10~12に記載されている。
【0145】
【0146】
【0147】
【0148】
インビボ実験で製剤Fの薬物動態パラメータを測定する手順
Wistar Hanラットに、「製剤F」を1回0.33mL/kgで皮下注射として、または1回0.33mL/kgで筋肉内注射として投与した。血液試料を表13~14に示した時間に収集し、一般手順Bに従って分析した。PK実験の結果については、表13~14および
図13~14に記載されている。
【0149】
【0150】
【0151】
インビボ実験で製剤Gの薬物動態パラメータを測定する手順
Wistar Hanラットに、「製剤G」を1回0.33mL/kgで皮下注射として、または1回0.33mL/kgで筋肉内注射として投与した。血液試料を表15~16に示した時間に収集し、一般手順Bに従って分析した。PK実験の結果については、表15~16および
図15~16に記載されている。
【0152】
【0153】
【0154】
インビボ実験で製剤Hの薬物動態パラメータを測定する手順
Wistar Hanラットに、「製剤H」を1回0.33mL/kgで皮下注射として、または1回0.33mL/kgで筋肉内注射として投与した。血液試料を表17~18に示した時間に収集し、一般手順Bに従って分析した。PK実験の結果については、表17~18および
図17~18に記載されている。
【0155】
【0156】
【0157】
インビボ実験で製剤Iの薬物動態パラメータを測定する手順
Wistar Hanラットに、「製剤I」を1回0.25mL/kgで皮下注射として、または1回0.25mL/kgで筋肉内注射として投与した。血液試料を表19~20に示した時間に収集し、一般手順Aに従って分析した。PK実験の結果については、表19~20および
図19~20に記載されている。
【0158】
【0159】
【0160】
インビボ実験で製剤Jの薬物動態パラメータを測定する手順
Wistar Hanラットに、「製剤J」を1回0.28mL/kgで皮下注射として、または1回0.28mL/kgで筋肉内注射として投与した。血液試料を表21~22に示した時間に収集し、一般手順Aに従って分析した。PK実験の結果については、表21~22および
図21~22に記載されている。
【0161】
【0162】
【0163】
以上に作成され、図面に描かれたデータは、本発明の医薬組成物が、式Iaおよび式Ibの化合物の放出プロファイルを広げ、化合物の持効性投与におけるそれらの使用を示唆することを示している。
【国際調査報告】