(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】寛骨臼カップコンポーネントを埋め込むためのドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具及び関連する外科的方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/17 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
A61B17/17
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522330
(86)(22)【出願日】2022-09-13
(85)【翻訳文提出日】2024-05-23
(86)【国際出願番号】 IB2022058630
(87)【国際公開番号】W WO2023062455
(87)【国際公開日】2023-04-20
(32)【優先日】2021-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive, Raynham MA 02767-0350 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】グロステフォン・ジャスティン・ディー
(72)【発明者】
【氏名】ネイラー・ジェームズ・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】デベネディクティス・ブレット・エム
(72)【発明者】
【氏名】アルムガム・カーティケヤン
(72)【発明者】
【氏名】ゴピナート・カリヤマプディ
(72)【発明者】
【氏名】ラム・カティレサン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL07
4C160LL26
(57)【要約】
患者の股関節の外科的に準備された寛骨臼内に寛骨臼カップコンポーネントを埋め込むために外科処置中に使用するためのドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具は、その端部にドリルガイドを有する細長いシャフトを含む。器具はまた、ドリルガイドの使用によってあけられた穴の深さを測定するために使用され得る後退可能な深さプローブを含む。このようなシステムの使用方法もまた、開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の股関節の外科的に準備された寛骨臼内に寛骨臼カップコンポーネントを埋め込むために外科処置中に使用するためのドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具であって、
細長い本体であって、(i)その端部に固定されたドリルガイドであって、前記ドリルガイドを通って延在するガイドボアを有する、ドリルガイドと、(ii)前記細長い本体の長手方向軸に平行に延在する細長いチャネルと、を有する、細長い本体と、
前記細長いチャネル内に配置された深さプローブであって、前記細長いチャネルの開口端から延出する遠位先端を有する、深さプローブと、
前記細長い本体に対して移動可能であり、前記深さプローブの遠位先端が前記細長いチャネルの前記開口端に対して伸長及び後退させられるように、前記深さプローブを移動させるように動作可能である、親指アクチュエータと、
を備える、ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
【請求項2】
前記親指アクチュエータは、前記深さプローブに固定されたスライダボタンを備え、
前記スライダボタンは、前記細長い本体の上面に沿って摺動するように動作可能であり、
前記細長いチャネルの前記開口端に向かう方向への前記スライダボタンの移動により、前記深さプローブの遠位先端が前記細長いチャネルの前記開口端から離れて伸長し、
前記細長いチャネルの前記開口端から離れる方向への前記スライダボタンの移動により、前記深さプローブの遠位先端が前記細長いチャネルの前記開口端に向かって後退する、請求項1に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
【請求項3】
前記細長い本体の前記上面は、その上に配置された複数の深さマークを有し、
前記複数の深さマークの各々は、前記深さプローブの遠位先端の深度に対応する前記細長い本体の前記上面上の場所に位置付けられ、
前記スライダボタンは、その上に配置された深さインジケータを有し、前記深さインジケータは、前記スライダボタンの位置に基づいて前記複数の深さマークのうちの1つと位置合わせ可能である、請求項2に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
【請求項4】
前記親指アクチュエータは、前記深さプローブに動作可能に結合されたノブを備え、
前記ノブは、前記細長い本体に対して回転可能であり、
前記細長いチャネルの前記開口端に向かう方向への前記ノブの回転運動により、前記深さプローブの遠位先端が前記細長いチャネルの前記開口端から離れて伸長し、
前記細長いチャネルの前記開口端から離れる方向への前記ノブの回転運動により、前記深さプローブの遠位先端が前記細長いチャネルの前記開口端に向かって後退する、請求項1に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
【請求項5】
前記深さプローブは、その上に配置された複数の深さマークを有し、
前記複数の深さマークの各々は、前記深さプローブの遠位先端の深度に対応する前記深さプローブ上の場所に位置付けられ、
前記細長い本体の前記上面は、その中に形成された観察窓を有し、
前記複数の深さマークのうちの1つは、前記ノブの回転運動の量及び方向に基づいて、前記観察窓を通して視認可能である、請求項4に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
【請求項6】
前記細長いチャネルの前記開口端が、前記ドリルガイドに近接して位置付けられ、
前記細長いチャネルの前記開口端に向かう方向への前記親指アクチュエータの移動により、前記深さプローブの遠位先端は、前記ドリルガイドの前記ガイドボアに入り、その中を通って前進する、請求項1に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
【請求項7】
前記細長いチャネルの前記開口端から離れる方向への前記親指アクチュエータの移動により、前記深さプローブの遠位先端は前記ドリルガイドの前記ガイドボアから外へ前進する、請求項6に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
【請求項8】
前記細長い本体は、ポリマー材料から形成され、
前記深さプローブは、可撓性ポリマー材料から形成されている、請求項1に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
【請求項9】
前記細長い本体は、ポリマー材料から形成され、
前記ドリルガイドの前記ガイドボア内に配置された金属ドリルブッシングをさらに備える、請求項1に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
【請求項10】
前記細長いチャネルの前記開口端は、前記ドリルガイドとは反対側の前記細長い本体の端部に位置付けられ、
前記細長いチャネルの前記開口端に向かう方向への前記親指アクチュエータの移動により、前記深さプローブの遠位先端が前記ドリルガイドと反対の方向に前進する、請求項1に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
【請求項11】
患者の股関節の外科的に準備された寛骨臼内に寛骨臼カップコンポーネントを埋め込むために外科処置中に使用するためのドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具であって、
細長い本体であって、(i)その端部に固定されたドリルガイドであって、前記ドリルガイドを通って延在するガイドボアを有する、ドリルガイドと、(ii)前記細長い本体の長手方向軸に平行に延在する細長いチャネルと、を有する、細長い本体と、
前記細長いチャネル内に配置された深さプローブであって、前記細長いチャネルの開口端から延出する遠位先端を有し、前記細長いチャネルの前記開口端が前記ドリルガイドに近接して位置付けられている、深さプローブと、
前記細長い本体に対して移動可能であり、前記深さプローブの遠位先端が前記ドリルガイドの前記ガイドボア内に延びてこれを貫通するように、前記深さプローブを移動させるように動作可能である、親指アクチュエータと、
を備える、ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
【請求項12】
前記親指アクチュエータは、前記深さプローブに固定されたスライダボタンを備え、
前記スライダボタンは、前記細長い本体の上面に沿って摺動するように動作可能であり、
前記ドリルガイドの前記ガイドボアに向かう方向への前記スライダボタンの移動により、前記深さプローブの遠位先端が前記ドリルガイドの前記ガイドボア内に延びてこれを貫通し、
前記ドリルガイドの前記ガイドボアから離れる方向への前記スライダボタンの移動により、前記深さプローブの遠位先端が前記ドリルガイドの前記ガイドボアを通って後退し外へ出る、請求項11に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
【請求項13】
前記細長い本体の前記上面は、その上に配置された複数の深さマークを有し、
前記複数の深さマークの各々は、前記深さプローブの遠位先端の深度に対応する、前記細長い本体の前記上面上の場所に位置付けられ、
前記スライダボタンは、その上に配置された深さインジケータを有し、前記深さインジケータは、前記スライダボタンの位置に基づいて前記複数の深さマークのうちの1つと位置合わせ可能である、請求項12に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
【請求項14】
前記親指アクチュエータは、前記深さプローブに動作可能に結合されたノブを備え、
前記ノブは、前記細長い本体に対して回転可能であり、
前記ドリルガイドの前記ガイドボアに向かう方向への前記ノブの回転運動により、前記深さプローブの遠位先端が前記ドリルガイドの前記ガイドボア内に延びてこれを貫通し、
前記ドリルガイドの前記ガイドボアから離れる方向への前記ノブの回転運動により、前記深さプローブの遠位先端が前記ドリルガイドの前記ガイドボアを通って後退し外へ出る、請求項11に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
【請求項15】
前記深さプローブは、その上に配置された複数の深さマークを有し、
前記複数の深さマークの各々は、前記深さプローブの遠位先端の深度に対応する前記深さプローブ上の場所に位置付けられ、
前記細長い本体の前記上面は、その中に形成された観察窓を有し、
前記複数の深さマークのうちの1つは、前記ノブの回転運動の量及び方向に基づいて、前記観察窓を通して視認可能である、請求項14に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
【請求項16】
前記細長い本体は、ポリマー材料から形成され、
前記深さプローブは、可撓性ポリマー材料から形成されている、請求項11に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
【請求項17】
前記細長い本体は、ポリマー材料から形成され、
前記ドリルガイドの前記ガイドボア内に配置された金属ドリルブッシングをさらに備える、請求項11に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、整形外科用の手術器具に関し、より具体的には、寛骨臼カップコンポーネントの設置に使用される手術器具に関する。
【背景技術】
【0002】
関節形成術は、病変した生体関節及び/又は損傷した生体関節が人工関節によって置換される、周知の外科手術である。例えば、股関節形成外科処置では、患者の自然の股関節の臼状関節を部分的又は全体的に人工股関節で置換する。典型的な人工股関節は、寛骨臼カップコンポーネント及び大腿骨頭コンポーネントを含んでいる。寛骨臼カップコンポーネントは、概して、患者の寛骨臼に係合するように構成された外殻と、この殻に結合され、大腿骨頭と係合するように構成された内側ベアリング又はライナーと、を含んでいる。大腿骨頭コンポーネントと、寛骨臼コンポーネントの内側ライナーとは、天然の股関節に近い臼状関節を形成する。
【0003】
自然関節の人工股関節による置換を容易にするため、整形外科医は、例えばドリルガイド、ドリル、深さゲージ及び/又は他の手術器具などの様々な整形外科用の手術器具を使用することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様によれば、患者の股関節の外科的に準備された寛骨臼内に寛骨臼カップコンポーネントを埋め込むために外科処置中に使用するためのドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具は、その端部に固定されたドリルガイドを有する細長い本体を含む。ドリルガイドは、ドリルガイドを通って延在するガイドボアを有する。細長い本体はまた、細長い本体の長手方向軸に平行に延在する細長いチャネルを含む。器具は、細長いチャネル内に配置された深さプローブも含む。深さプローブは、細長いチャネルの開口端から延出する遠位先端を有する。器具はまた、細長い本体に対して移動可能であり、深さプローブの遠位先端が細長いチャネルの開口端に対して伸長及び後退させられるように、深さプローブを移動させるように動作可能である、親指アクチュエータを含む。
【0005】
一実施形態では、親指アクチュエータは、深さプローブに固定され、細長い本体の上面に沿って摺動するように動作可能なスライダボタンを含む。細長いチャネルの開口端に向かう方向へのスライダボタンの移動により、深さプローブの遠位先端が細長いチャネルの開口端から離れて伸長する。反対に、細長いチャネルの開口端から離れる方向へのスライダボタンの移動により、深さプローブの遠位先端が細長いチャネルの開口端に向かって後退する。
【0006】
細長い本体の上面は、その上に配置された複数の深さマークを有してもよく、複数の深さマークの各々は、深さプローブの遠位先端の深度に対応する細長い本体の上面上の場所に位置付けられている。そのような構成では、スライダボタンは、その上に配置された深さインジケータを有し、深さインジケータは、スライダボタンの位置に基づいて複数の深さマークのうちの1つと位置合わせ可能である。
【0007】
別の実施形態では、親指アクチュエータは、深さプローブに動作可能に結合されたノブを含んでもよく、ノブは、細長い本体に対して回転可能である。このような構成では、細長いチャネルの開口端に向かう方向へのノブの回転運動により、深さプローブの遠位先端が細長いチャネルの開口端から離れて伸長する。反対に、細長いチャネルの開口端から離れる方向へのノブの回転運動により、深さプローブの遠位先端が細長いチャネルの開口端に向かって後退する。
【0008】
一実施形態では、深さプローブは、その上に配置された複数の深さマークを有し、複数の深さマークの各々は、深さプローブの遠位先端の深度に対応する深さプローブ上の場所に位置付けられる。そのような構成では、細長い本体の上面は、その中に形成された観察窓を有し、複数の深さマークのうちの1つは、ノブの回転運動の量及び方向に基づいて観察窓を通して視認可能である。
【0009】
例示的な実施形態では、細長いチャネルの開口端は、ドリルガイドに近接して位置付けられる。このような構成では、細長いチャネルの開口端に向かう方向への親指アクチュエータの移動により、深さプローブの遠位先端はドリルガイドのガイドボアに入り、その中を通って前進する。
【0010】
そのような例示的な実施形態では、細長いチャネルの開口端から離れる方向への親指アクチュエータの移動により、深さプローブの遠位先端はドリルガイドのガイドボアから外へ前進する。
【0011】
一実施形態では、細長い本体はポリマー材料から形成され、深さプローブは可撓性ポリマー材料から形成されている。
【0012】
別の実施形態では、細長い本体はポリマー材料から形成され、金属ドリルブッシングがドリルガイドのガイドボア内に配置される。
【0013】
例示的な実施形態では、細長いチャネルの開口端部は、ドリルガイドとは反対側の細長い本体の端部に位置付けられ、細長いチャネルの開口端部に向かう方向への親指アクチュエータの移動により、深さプローブの遠位先端がドリルガイドとは反対の方向に前進する。
【0014】
別の態様によれば、患者の股関節の外科的に準備された寛骨臼内に寛骨臼カップコンポーネントを埋め込むために外科処置中に使用するためのドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具は、その端部に固定されたドリルガイドを有する細長い本体を含む。ドリルガイドは、ドリルガイドを通って延在するガイドボアを有する。細長い本体はまた、細長い本体の長手方向軸に平行に延在する細長いチャネルを含む。深さプローブは、細長いチャネル内に配置され、深さプローブは、細長いチャネルの開口端から延出する遠位先端を有する。細長いチャネルの開口端は、ドリルガイドに近接して位置付けられる。親指アクチュエータは、細長い本体に対して移動可能であり、深さプローブの遠位先端がドリルガイドのガイドボア内に延びてこれを貫通するように、深さプローブを移動させるように動作可能である。
【0015】
親指アクチュエータは、深さプローブに固定されたスライダボタンを含んでもよく、スライダボタンは、細長い本体の上面に沿って摺動するように動作可能である。このような構成では、ドリルガイドのガイドボアに向かう方向へのスライダボタンの移動により、深さプローブの遠位先端がドリルガイドのガイドボア内に延びてこれを貫通する。反対に、ドリルガイドのガイドボアから離れる方向へのスライダボタンの移動により、深さプローブの遠位先端がドリルガイドのガイドボアを通って後退し外へ出る。
【0016】
そのような実施形態では、細長い本体の上面は、その上に配置された複数の深さマークを有し、複数の深さマークの各々は、深さプローブの遠位先端の深度に対応する細長い本体の上面上の位置に位置付けられる。スライダボタンは、その上に配置された深さインジケータを有してもよく、深さインジケータは、スライダボタンの位置に基づいて複数の深さマークのうちの1つと位置合わせ可能である。
【0017】
別の実施形態では、親指アクチュエータは、深さプローブに動作可能に結合され、細長い本体に対して回転可能なノブを含んでもよい。このような構成では、ドリルガイドのガイドボアに向かう方向へのノブの回転運動により、深さプローブの遠位先端がドリルガイドのガイドボア内に延びてこれを貫通する。反対に、ドリルガイドのガイドボアから離れる方向へのノブの回転運動により、深さプローブの遠位先端がドリルガイドのガイドボアを通って後退し外へ出る。
【0018】
そのような実施形態では、深さプローブは、その上に配置された複数の深さマークを有してもよく、複数の深さマークの各々は、深さプローブの遠位先端の深度に対応する深さプローブ上の場所に位置付けられる。このような構成では、細長い本体の上面は、その中に形成された観察窓を有してもよく、複数の深さマークのうちの1つは、ノブの回転運動の量及び方向に基づいて、観察窓を通して視認可能である。
【0019】
一実施形態では、細長い本体はポリマー材料から形成され、深さプローブは可撓性ポリマー材料から形成されている。
【0020】
別の実施形態では、細長い本体はポリマー材料から形成され、金属ドリルブッシングがドリルガイドのガイドボア内に配置される。
【0021】
別の態様によれば、患者の股関節の外科的に準備された寛骨臼内に寛骨臼カップコンポーネントを埋め込む方法は、患者の股関節の外科的に準備された寛骨臼内の所望の位置に、ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具のドリルガイドを位置決めすることと、その後、骨ドリルをドリルガイドに通して前進させ、患者の股関節の骨組織に穴をあけることを含む。その後、骨ドリルがドリルガイドから取り外され、ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具の深さプローブがドリルガイドを通って前進させられて、あけられた穴の深さが決定され得る。
【0022】
あけられた穴の深さが決定された後、骨ねじがあけられた穴に設置される。
【0023】
ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具は、使い捨て器具として具現化されてもよい。そのような場合、ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具は、骨ねじの設置後に処分される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
詳細な説明は、具体的には、以下の図面を参照する。
【
図1】ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具の斜視図である。
【
図2】
図1と同様の図であるが、ドリルガイドを通って延在するドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具の深さプローブを示す図である。
【
図3】
図1のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具の平面図である。
【
図4】
図3と同様の図であるが、ドリルガイドを通って延在するドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具の深さプローブを示す図である。
【
図5】患者の外科的に準備された寛骨臼内に配置された寛骨臼カップコンポーネントを示す斜視図である。
【
図6】
図1のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具の使用によって穴をあけられた、患者の寛骨臼の下にある骨組織を示す斜視図である。
【
図7】
図1のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具の使用によって決定されるあけられた穴の深さを示す斜視図である。
【
図8】寛骨臼カップコンポーネントを患者の外科的に準備された寛骨臼に固定するために設置された骨ねじを示す斜視図である。
【
図9】
図1と同様の図であるが、ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具の別の実施形態を示す図である。
【
図10】ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具のさらに別の実施形態を示す斜視図である。
【
図11】ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具のさらに別の実施形態を示す斜視図である。
【
図12】
図1と同様の図であるが、ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具の別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示の概念は、様々な修正及び代替形態を受け入れる余地があるが、その特定の例示的な実施形態を例として図面に示し、本明細書において詳細に説明する。ただし、本開示の概念を、開示される特定の形態に限定することは意図するところではなく、その逆に、本発明の趣旨及び範囲に含まれるすべての改変物、均等物、及び代替物を網羅することがその意図するところである点が理解されるべきである。
【0026】
前側、後側、内側、外側、上側、下側等々などの、解剖学的構造の参照を表す用語は、本開示の全体を通じて、本明細書に述べられる整形外科用インプラント及び患者の自然の解剖学的構造の両方について使用される場合がある。このような用語は、解剖学の研究及び整形外科学の分野のいずれにおいても十分に理解された意味を有する。本明細書及び特許請求の範囲におけるかかる解剖学的基準用語の使用は、特に断らないかぎり、それらの広く理解された意味と一致するものとする。
【0027】
ここで
図1~
図4を参照すると、整形外科手術中に患者の股関節の外科的に準備された寛骨臼内に寛骨臼カップコンポーネントを埋め込むために外科処置中に使用するためのドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具10が示されている。以下でより詳細に説明されるように、ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具10は、(滅菌されてその後の処置で再使用されるのとは対照的に)1回の整形外科的処置におけるその使用後に処分される使い捨て外科用器具として具現化されてもよい。本開示の概念は、整形外科股関節処置で使用するための器具に関して本明細書で説明されるが、本開示の概念は、限定ではないが、膝、肩、又は足首処置を含む他のタイプの整形外科的処置で使用される器具等の他のタイプの整形外科器具の設計で利用されてもよいことを理解されたい。
【0028】
ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具10は、その遠位端16にドリルガイド14を有する細長い本体12を含む。ドリルガイド14は円筒形であり、その全長にわたって延在するガイドボア18を有する。以下でより詳細に説明するように、ドリルガイド14は、患者の寛骨臼に骨ねじを埋め込むための穴をあける処置中に骨ドリルを案内するために使用される。
【0029】
以下でより詳細に説明するように、本明細書に記載の例示的な実施形態では、細長い本体12はポリマーである。そのような実施形態では、ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具10はまた、金属ブッシング20を含んでもよい。金属ブッシング20は、ブッシング20がドリルガイド14のガイドボア18を裏打ちするように、ドリルガイド14にオーバーモールドされ、ねじ込まれ、圧入され、又は他の方法で固定される。具体的には、金属ブッシング20は、その全長にわたって延在するボア22を有する。したがって、ブッシング20は、骨ドリルを受容するための金属ガイド表面を提供し、それによって、ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具10のポリマー表面にドリルが係合することを防止する。ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具10及び骨ドリルの設計において利用される材料のタイプに応じて、金属ブッシング20が使用されなくてもよいことを理解されたい。
【0030】
図1に見られるように、金属ブッシング20は、その遠位端26に画定された環状フランジ24を有する。以下でより詳細に説明するように、環状フランジ24は、患者の股関節に設置される寛骨臼カップコンポーネントのねじ穴へのドリルガイド14の位置決めを容易にする。
【0031】
図1~
図4に示されるように、細長い本体12は、その中に形成された細長いチャネル30を有する。チャネル30は、細長い本体12の長手方向軸に平行に配置される。チャネル30の近位端32は、行き止まりの端部(
図2参照)を画定し、チャネル30の遠位端34は、開口端である。特に、
図1に見られるように、チャネル30の遠位端34を画定する端壁は、その中に画定された開口部36を有する。
【0032】
図1~
図4に見られるように、深さプローブ40は、細長い本体12のチャネル30内に配置される。深さプローブ40は、チャネル30の開放遠位端から延在する遠位先端42を有する細長い可撓性プローブとして具現化される。特に、深さプローブ40の遠位先端42は、チャネル30の遠位端34に画定された開口36を通って延在する。深さプローブ40の近位端44は、親指アクチュエータ50に固定される。
図1~
図4の例示的な実施形態では、親指アクチュエータ50は、チャネル30内で前後に並進するようにチャネル30内に捕捉されたスライダボタン52として具現化される。
図1に示されるように、深さプローブ40の近位端44は、スライダボタン52の遠位端54に固定されている。
【0033】
チャネル30に沿ったスライダボタン52の前後の動きにより、深さプローブ40が対応して動く。具体的には、細長いチャネル30の開放遠位端34に向かう方向へのスライダボタン52の移動により、深さプローブの遠位先端42が細長いチャネル30の開放遠位端34から離れて伸長する。反対に、細長いチャネル30の開放遠位端34から離れる方向へのスライダボタン52の移動により、深さプローブの遠位先端42が細長いチャネル30の開放遠位端34に向かって後退する。
【0034】
そのような移動は、ドリルガイド14の使用後に患者の股関節にあけられた穴の深さを決定するために深さプローブ40が使用されることを可能にする。特に、
図2及び
図4に示すように、深さプローブ40の遠位先端42は、スライダボタン52を使用することによって細長いチャネル30の開放遠位端34からさらに延出する際に、ドリルガイド14のガイドボア18に入り、その中を通って前進する。以下により詳細に説明するように、深さプローブ40は、その遠位先端42が、ドリルガイド14を使用することによって骨組織に予めあけられた穴の底部に到達するまで、そのように前進されてもよく、その時点で、外科医はあけられた穴の深さを決定してもよい。そうするために、細長い本体12の上面38は、その上に配置された複数の深さマーク60を有する。本明細書で説明する例示的な実施形態では、深さマーク60は細長い本体12内に成形される。しかしながら、それらはまた、エッチング、表面印刷等の他の様式で細長い本体12上に置かれてもよく、又は付加製造プロセス(例えば、3D印刷)の一部として細長い本体12内に形成されてもよい。
【0035】
深さマーク60の各々は、深さプローブの遠位先端42の、異なる所定の深さに対応する場所で、細長い本体12上に位置付けられている。
図1に見られるように、スライダボタン52は、その上に配置された、一対の外向きに延びる尖ったタブ58の形態の深さインジケータ56を有する。スライダボタン52が細長いチャネル30に沿って移動すると、尖ったタブ58は、チャネル30の各側に1つずつ配置された一対の深さマーク60と選択的に整列する。深さマーク60の各対は、あけられた穴の異なる深さに対応し、ドリルガイド14の最も近くに位置する深さマーク60は、最も深いあけられた穴に対応する。換言すれば、深さマーク60は、スライダボタン52がドリルガイド14に接近するにつれて徐々に深くなるあけられた穴を表す。
【0036】
上記で示唆したように、本明細書で説明する例示的な実施形態では、ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具10は、1回の整形外科的処置で使用した後に処分される使い捨て外科用器具として具現化され得る。本明細書で使用される場合、「処分される」という用語は、特定の患者のための整形外科的処置におけるその使用後の器具の処分に関して使用される場合、器具が廃棄又は別の方法により、その後の患者に関して再び使用されないことである。したがって、1回の処置で使用した後に処分される使い捨て器具は、滅菌されず、その後の処置で再使用されない。この点に関して、ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具10の構成要素の大部分は、市販の比較的安価なポリマーで作られている。例えば、細長い本体12、深さプローブ40、及びスライダボタン52は、ポリカーボネートで製造することができる。
【0037】
使用時には、
図5~
図8に示すように、ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具10は、寛骨臼カップコンポーネント70を患者の外科的に準備された寛骨臼72内に埋め込むために外科医によって利用され得る。
図5に示すように、外科医は、最初に、寛骨臼カップコンポーネント70を、患者の寛骨臼72内にリーマ加工された、又は他の方法で外科的に形成された半球形の骨空洞内に衝突させる、又は他の方法で設置する。
【0038】
その後、
図6に示されるように、外科医は、ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具10のドリルガイド14を、外科手術部位の所望の位置に配置する。本明細書で説明する例示的な実施形態では、外科医は、ブッシングの遠位端26に画定された環状フランジ24を、寛骨臼カップコンポーネント70に形成されたねじ穴76のうちの1つに配置する。次いで、外科医は、骨ドリル78を、ドリルガイド14のガイドボア18を裏打ちする金属ブッシング20のボア22を通して、患者の寛骨臼72の下にある骨組織内に前進させる。次に、骨ドリル78をドリルガイド14から取り外す。
【0039】
図7に示すように、次に、外科医は、ドリルガイド14に向かう方向にスライダボタン52を摺動させて、深さプローブ40の遠位先端42が、ドリルガイド14のガイドボア18を裏打ちする金属ブッシング20のボア22に入り、その中を通って前進し、患者の寛骨臼72の下にある骨組織内のあけられた穴に進入するようにする。外科医は、深さプローブの遠位先端42があけられた穴の底に達するまで、スライダボタン52を前進させ続ける。次に、外科医は、細長い本体12上の深さマーク60に対する深さインジケータ56(例えば、尖ったタブ58)の位置を観察することによって、あけられた穴の深さを決定する。スライダボタン52の深さインジケータ56が所望の深さマーク60と位置合わせされている場合、外科医は、スライダボタン52をドリルガイド14から離れる方向に移動させることによって深さプローブ40を後退させ、その後、ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具10を手術部位から取り外す(すなわち、寛骨臼カップコンポーネント70との接触から取り外す)。スライダボタン52の深さインジケータが所望の深さマーク60と位置合わせされていない場合、外科医は、スライダボタン52をドリルガイド14から離れる方向に移動させることによって深さプローブ40をドリルガイド14から後退させ、その後、あけられた穴をより深い深さに再び穴をあける。深さプローブ40は、再びあけられた穴の深さをチェックするために再び使用され得る。次に、穴が所望の深さになったら、ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具10を取り外すことができる。
【0040】
図8に示すように、骨ねじ80は、寛骨臼カップコンポーネント70に形成されたねじ穴76に挿入され、その後、寛骨臼カップコンポーネント70を患者の寛骨臼72の下にある骨組織にねじ留めするように、あけられた穴にねじ込まれてもよい。外科医が、寛骨臼カップコンポーネント70に形成された残りのねじ穴76のいずれかに骨ねじ80を設置することを望む場合、このプロセスを繰り返し得る。
【0041】
ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具10が使い捨て器具として具現化される場合、器具10は、最後の骨ねじ80が設置された後に処分される。
【0042】
図9に示されるように、深さプローブ40を伸長及び後退させるための他の機構が、ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具10の設計で使用するために企図される。例えば、スライダボタン52の代わりに、親指アクチュエータ50は、深さプローブ40に摩擦係合するか、又は他の方法で動作可能に結合されるノブ82として具現化されてもよい。このような実施形態では、ノブ82は、細長いチャネル30の開放遠位端34に向かう方向へのノブ82の回転運動により、深さプローブの遠位先端42が細長いチャネル30の開放遠位端34から離れて伸長するように、細長い本体12に対して回転可能である。反対に、細長いチャネル30の開放遠位端34から離れる方向へのスライダボタン52の回転移動により、深さプローブの遠位先端42が細長いチャネル30の開放遠位端34に向かって後退する。このような移動により、深さプローブ40を使用して、
図1~
図8に関して上述したのと同様の方法で、ドリルガイド14の使用後に患者の股関節にあけられた穴の深さを決定することができる。
【0043】
図9の例示的な実施形態では、深さマーク60は、細長い本体12に対向して深さプローブ40上に置かれる。そのような場合、深さマーク60は、細長い本体12の中に形成された観察窓84を通して個々に見ることができ、したがって、
図5~
図8に関して上述したのと同様の方法で、患者の寛骨臼72の下にある骨組織にあけられた穴の深さを決定するために外科医によって使用可能である。
【0044】
ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具10のさらなる実施形態が、
図10及び
図11に示されている。このような実施形態では、深さプローブ40は、細長い本体12のドリルガイド14とは反対側の端部から外へ前進させられる。したがって、ドリルガイド14と反対の方向への親指アクチュエータ50(例えば、スライダボタン52)の移動により、深さプローブ40が伸長する。
図10及び
図11に示されるドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具10の実施形態において、外科医は、ドリルガイド14の使用と深さプローブ40の使用とを切り替えるために、器具10の端と端とをひっくり返す。
【0045】
ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具10のさらに別の実施形態が
図12に示されている。そのような実施形態では、深さプローブ40の遠位先端42は、先端がフック状構造を形成するように、その中に形成された比較的小さい屈曲部を有する。このようなフック形状の遠位先端42は、外科医が患者の寛骨臼72の骨組織を完全に貫通して穴をあけることを選択する処置において有用である。そのような場合、フック形状の遠位先端42は、深さ測定/決定を行うために骨の裏側を引っ掛けるために使用され得る。フック形状の遠位先端42は、先端42がドリルガイド14を容易に通過することができるような大きさであることを理解されたい。フック形状の遠位先端42はまた、外科医が患者の寛骨臼72の骨組織を完全には貫通して穴をあけないことを選択する手順においても使用され得ることを理解されたい。なぜなら、フック形状の遠位先端42は、円錐形状の遠位先端42を用いて具現化されるプローブ40と同じように、深さプローブ40があけられた穴の底に達するときを決定するために効果的に使用され得るからである。
【0046】
本明細書に記載される様々な実施形態は、ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具10の所与の設計の必要性に適合するように組み合わされてもよいことを理解されたい。例えば、ドリルガイド14及び深さプローブ40が細長い本体12の両端に配置され、
図10及び
図11の設計は、スライダボタン52の代わりにノブ82と共に使用されてもよい。さらに、
図12の設計のフック形状の遠位先端42は、
図1~
図11のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具10の任意の実施形態と共に使用され得る。
【0047】
図面及び上記の説明において本開示を詳細に例証及び説明してきたが、このような例証及び説明は、その性質上、あくまで例示的なものであって限定的なものとはみなすべきではなく、あくまで例示的な実施形態を示して説明してきたにすぎず、本開示の趣旨に含まれるすべての変更及び改変は保護されることが望ましいことが理解される。
【0048】
本明細書に述べられる装置、システム、及び方法の様々な特徴に由来する本開示の複数の利点が存在する。本開示の装置、システム、及び方法の代替的実施形態は、記載される特徴のすべてを含まないことがあるが、そのような特徴の利点の少なくとも一部によって利するものである点に留意されたい。当業者であれば、本発明の特徴の1つ又は2つ以上を組み込んだ、本開示の趣旨及び範囲内にある装置、システム、及び方法について、独自の実現例を容易に考案し得る。
【0049】
〔実施の態様〕
(1) 患者の股関節の外科的に準備された寛骨臼内に寛骨臼カップコンポーネントを埋め込むために外科処置中に使用するためのドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具であって、
細長い本体であって、(i)その端部に固定されたドリルガイドであって、前記ドリルガイドを通って延在するガイドボアを有する、ドリルガイドと、(ii)前記細長い本体の長手方向軸に平行に延在する細長いチャネルと、を有する、細長い本体と、
前記細長いチャネル内に配置された深さプローブであって、前記細長いチャネルの開口端から延出する遠位先端を有する、深さプローブと、
前記細長い本体に対して移動可能であり、前記深さプローブの遠位先端が前記細長いチャネルの前記開口端に対して伸長及び後退させられるように、前記深さプローブを移動させるように動作可能である、親指アクチュエータと、
を備える、ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
(2) 前記親指アクチュエータは、前記深さプローブに固定されたスライダボタンを備え、
前記スライダボタンは、前記細長い本体の上面に沿って摺動するように動作可能であり、
前記細長いチャネルの前記開口端に向かう方向への前記スライダボタンの移動により、前記深さプローブの遠位先端が前記細長いチャネルの前記開口端から離れて伸長し、
前記細長いチャネルの前記開口端から離れる方向への前記スライダボタンの移動により、前記深さプローブの遠位先端が前記細長いチャネルの前記開口端に向かって後退する、実施態様1に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
(3) 前記細長い本体の前記上面は、その上に配置された複数の深さマークを有し、
前記複数の深さマークの各々は、前記深さプローブの遠位先端の深度に対応する前記細長い本体の前記上面上の場所に位置付けられ、
前記スライダボタンは、その上に配置された深さインジケータを有し、前記深さインジケータは、前記スライダボタンの位置に基づいて前記複数の深さマークのうちの1つと位置合わせ可能である、実施態様2に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
(4) 前記親指アクチュエータは、前記深さプローブに動作可能に結合されたノブを備え、
前記ノブは、前記細長い本体に対して回転可能であり、
前記細長いチャネルの前記開口端に向かう方向への前記ノブの回転運動により、前記深さプローブの遠位先端が前記細長いチャネルの前記開口端から離れて伸長し、
前記細長いチャネルの前記開口端から離れる方向への前記ノブの回転運動により、前記深さプローブの遠位先端が前記細長いチャネルの前記開口端に向かって後退する、実施態様1に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
(5) 前記深さプローブは、その上に配置された複数の深さマークを有し、
前記複数の深さマークの各々は、前記深さプローブの遠位先端の深度に対応する前記深さプローブ上の場所に位置付けられ、
前記細長い本体の前記上面は、その中に形成された観察窓を有し、
前記複数の深さマークのうちの1つは、前記ノブの回転運動の量及び方向に基づいて、前記観察窓を通して視認可能である、実施態様4に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
【0050】
(6) 前記細長いチャネルの前記開口端が、前記ドリルガイドに近接して位置付けられ、
前記細長いチャネルの前記開口端に向かう方向への前記親指アクチュエータの移動により、前記深さプローブの遠位先端は、前記ドリルガイドの前記ガイドボアに入り、その中を通って前進する、実施態様1に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
(7) 前記細長いチャネルの前記開口端から離れる方向への前記親指アクチュエータの移動により、前記深さプローブの遠位先端は前記ドリルガイドの前記ガイドボアから外へ前進する、実施態様6に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
(8) 前記細長い本体は、ポリマー材料から形成され、
前記深さプローブは、可撓性ポリマー材料から形成されている、実施態様1に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
(9) 前記細長い本体は、ポリマー材料から形成され、
前記ドリルガイドの前記ガイドボア内に配置された金属ドリルブッシングをさらに備える、実施態様1に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
(10) 前記細長いチャネルの前記開口端は、前記ドリルガイドとは反対側の前記細長い本体の端部に位置付けられ、
前記細長いチャネルの前記開口端に向かう方向への前記親指アクチュエータの移動により、前記深さプローブの遠位先端が前記ドリルガイドと反対の方向に前進する、実施態様1に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
【0051】
(11) 患者の股関節の外科的に準備された寛骨臼内に寛骨臼カップコンポーネントを埋め込むために外科処置中に使用するためのドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具であって、
細長い本体であって、(i)その端部に固定されたドリルガイドであって、前記ドリルガイドを通って延在するガイドボアを有する、ドリルガイドと、(ii)前記細長い本体の長手方向軸に平行に延在する細長いチャネルと、を有する、細長い本体と、
前記細長いチャネル内に配置された深さプローブであって、前記細長いチャネルの開口端から延出する遠位先端を有し、前記細長いチャネルの前記開口端が前記ドリルガイドに近接して位置付けられている、深さプローブと、
前記細長い本体に対して移動可能であり、前記深さプローブの遠位先端が前記ドリルガイドの前記ガイドボア内に延びてこれを貫通するように、前記深さプローブを移動させるように動作可能である、親指アクチュエータと、
を備える、ドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
(12) 前記親指アクチュエータは、前記深さプローブに固定されたスライダボタンを備え、
前記スライダボタンは、前記細長い本体の上面に沿って摺動するように動作可能であり、
前記ドリルガイドの前記ガイドボアに向かう方向への前記スライダボタンの移動により、前記深さプローブの遠位先端が前記ドリルガイドの前記ガイドボア内に延びてこれを貫通し、
前記ドリルガイドの前記ガイドボアから離れる方向への前記スライダボタンの移動により、前記深さプローブの遠位先端が前記ドリルガイドの前記ガイドボアを通って後退し外へ出る、実施態様11に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
(13) 前記細長い本体の前記上面は、その上に配置された複数の深さマークを有し、
前記複数の深さマークの各々は、前記深さプローブの遠位先端の深度に対応する、前記細長い本体の前記上面上の場所に位置付けられ、
前記スライダボタンは、その上に配置された深さインジケータを有し、前記深さインジケータは、前記スライダボタンの位置に基づいて前記複数の深さマークのうちの1つと位置合わせ可能である、実施態様12に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
(14) 前記親指アクチュエータは、前記深さプローブに動作可能に結合されたノブを備え、
前記ノブは、前記細長い本体に対して回転可能であり、
前記ドリルガイドの前記ガイドボアに向かう方向への前記ノブの回転運動により、前記深さプローブの遠位先端が前記ドリルガイドの前記ガイドボア内に延びてこれを貫通し、
前記ドリルガイドの前記ガイドボアから離れる方向への前記ノブの回転運動により、前記深さプローブの遠位先端が前記ドリルガイドの前記ガイドボアを通って後退し外へ出る、実施態様11に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
(15) 前記深さプローブは、その上に配置された複数の深さマークを有し、
前記複数の深さマークの各々は、前記深さプローブの遠位先端の深度に対応する前記深さプローブ上の場所に位置付けられ、
前記細長い本体の前記上面は、その中に形成された観察窓を有し、
前記複数の深さマークのうちの1つは、前記ノブの回転運動の量及び方向に基づいて、前記観察窓を通して視認可能である、実施態様14に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
【0052】
(16) 前記細長い本体は、ポリマー材料から形成され、
前記深さプローブは、可撓性ポリマー材料から形成されている、実施態様11に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
(17) 前記細長い本体は、ポリマー材料から形成され、
前記ドリルガイドの前記ガイドボア内に配置された金属ドリルブッシングをさらに備える、実施態様11に記載のドリルガイドと深さゲージとを組み合わせた外科用器具。
【国際調査報告】