(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】太陽電池モジュールの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 31/048 20140101AFI20240920BHJP
【FI】
H01L31/04 560
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522408
(86)(22)【出願日】2023-03-29
(85)【翻訳文提出日】2024-04-12
(86)【国際出願番号】 CN2023084852
(87)【国際公開番号】W WO2023207494
(87)【国際公開日】2023-11-02
(31)【優先権主張番号】202210484042.1
(32)【優先日】2022-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524004179
【氏名又は名称】安徽▲華▼晟新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】ANHUI HUASUN ENERGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 99 Qingliu Road, Xuancheng Economic And Technological Development Zone, Xuancheng, Anhui, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林▲長▼江
(72)【発明者】
【氏名】曹▲開▼▲銀▼
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251BA18
5F251CB24
5F251JA02
5F251JA03
5F251JA04
5F251JA05
5F251JA09
(57)【要約】
太陽電池モジュールの製造方法であって、第1基板を提供するステップと、第1基板の第1領域の一方側に太陽電池グループを設置するステップと、第1基板の第1領域の一方側に太陽電池グループを設置した後、太陽電池グループの第1基板とは反対側の面に第1封止材層を設置するステップと、シーラント塗布装置を使用してシーラント材料を加熱するステップであって、シーラント塗布装置を使用してシーラント材料を加熱する過程で、第1基板のエッジ領域の一方側の面の一部にシーラント層を同時に塗布するステップと、シーラント層と太陽電池グループの第1基板とは反対側に第2基板を設置し、ラミネート構造を完成するステップと、ラミネート構造を積層するステップと、を含む。太陽電池モジュールの製造方法は、プロセスが簡単であり、太陽電池グループのシール性と絶縁性を向上させ、水蒸気が太陽電池モジュールに侵入して太陽電池の電力減衰を引き起こす確率を低下させ、太陽電池の寿命を延ばす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池モジュールの製造方法であって、
第1領域と前記第1領域を取り囲むエッジ領域とを含む第1基板を提供するステップと、
前記第1基板の第1領域の一方側に太陽電池グループを設置するステップと、
前記第1基板の第1領域の一方側に太陽電池グループを設置した後、前記太陽電池グループの前記第1基板とは反対側の面に第1封止材層を設置するステップと、
シーラント塗布装置を使用してシーラント材料を加熱するステップであって、シーラント塗布装置を使用してシーラント材料を加熱する過程で、前記第1基板のエッジ領域の一方側の面の一部にシーラント層を同時に塗布し、前記シーラント層は前記太陽電池グループを取り囲み、前記シーラント層はシーラント層の幅方向において中央領域と、中央領域の両側に位置するエッジ領域とを含み、前記中央領域の上面は当該エッジ領域の上面よりも高くないステップと、
前記シーラント層と前記太陽電池グループの前記第1基板とは反対側に第2基板を設置して、ラミネート構造を完成するステップと、
前記ラミネート構造を積層するステップと、を含むことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項2】
前記中央領域は前記エッジ領域に対して前記第1基板に向かって窪んでおり、
選択可能に、前記シーラント層の前記第1基板に接触する幅は前記シーラント層の最大幅の80%~100%であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項3】
前記シーラント塗布装置はシーラント供給タンク、シーラント供給管及びシーラント吐出部を含み、前記シーラント供給管は対向する第1端及び第2端を有し、前記第1端は前記シーラント供給タンクの出口に連通し、前記第2端は前記シーラント吐出部の入口に連通し、前記シーラント吐出部はシーラント吐出口を有し、
前記シーラント供給管は流通管層と、前記流通管層を取り囲む加熱管層とを含み、前記流通管層はシーラント材料を搬送し、前記加熱管層は流通管層内のシーラント材料を加熱し、
選択可能に、前記シーラント吐出口の横断面形状は長方形を含み、シーラント層を塗布する過程で、前記シーラント吐出口の長辺は塗布移動方向に垂直であり、
選択可能に、前記シーラント供給管は、前記加熱管層を取り囲む断熱管層、及び前記断熱管層を取り囲む防護管層をさらに含み、
選択可能に、前記シーラント吐出部に計量ポンプが設置され、前記シーラント層を塗布する前記過程で、前記計量ポンプが加圧する圧力は6MPa~25MPaであり、
選択可能に、前記シーラント吐出口のシーラント吐出の線速度は100mm/s~500mm/sであり、
選択可能に、前記シーラント層を塗布する過程で、前記シーラント吐出口から前記第1基板までの距離は0.3mm~2.2mmであることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項4】
前記シーラント塗布装置は第1加熱ユニット及び第2加熱ユニットをさらに含み、
シーラント塗布装置を使用してシーラント材料を加熱するステップは、前記第1加熱ユニットを使用して前記シーラント供給タンクを加熱するステップと、前記第2加熱ユニットを使用して前記加熱管層を加熱するステップと、を含み、
選択可能に、前記第1加熱ユニットが前記シーラント供給タンクを加熱する温度は100℃~230℃であり、
選択可能に、前記第2加熱ユニットが前記加熱管層を加熱する温度は100℃~230℃であり、
選択可能に、前記シーラント塗布装置は第1ブースターポンプをさらに含み、シーラント塗布装置を使用してシーラント材料を加熱する過程で、前記第1ブースターポンプを使用して前記シーラント供給タンク内のシーラント材料を加圧し、前記第1ブースターポンプが加圧する圧力は6MPa~25MPaであり、
選択可能に、前記シーラント塗布装置は第1端と第2端との間のシーラント供給管の管路に設置される第2中継ブースターポンプをさらに含み、シーラント塗布装置を使用してシーラント材料を加熱する過程で、前記第2中継ブースターポンプを使用して加圧する圧力は6MPa~25MPaであり、
選択可能に、前記シーラント塗布装置は第3加熱ユニットをさらに含み、シーラント塗布装置を使用してシーラント材料を加熱する過程で、前記第3加熱ユニットは前記シーラント吐出部内に注入されるシーラント材料を加熱し、前記第3加熱ユニットが前記シーラント吐出部内のシーラント材料を加熱する温度は100℃~230℃であり、
選択可能に、前記シーラント塗布装置は第4加熱ユニットをさらに含み、前記第4加熱ユニットは前記第2中継ブースターポンプ内に注入されるシーラント材料を加熱し、前記第4加熱ユニットが前記第2中継ブースターポンプ内に注入されるシーラント材料を加熱する温度は100℃~230℃であることを特徴とする請求項3に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項5】
前記第1基板の第1領域の一方側に太陽電池グループを設置する前に、前記第1基板の第1領域の面に第2封止材層を設置するステップをさらに含み、
前記第1基板の第1領域の一方側に太陽電池グループを設置するステップは、第2封止材層の前記第1基板とは反対側に前記太陽電池グループを設置するステップであり、前記ラミネート構造は第2封止材層をさらに含み、
前記ラミネート構造を積層する過程で、前記第2封止材層を積層するステップをさらに含み、
選択可能に、前記ラミネート構造を積層する前に、前記シーラント層の内側壁は前記第1封止材層の側壁、前記太陽電池グループの側壁、前記第2封止材層の側壁のそれぞれと間隔をおいて設置され、
選択可能に、当該間隔は0.1mm~5.0mmであることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項6】
前記ラミネート構造を積層する前に、前記シーラント層の厚さは0.5mm~2.0mm、前記シーラント層の幅は5mm~12mmであり、
選択可能に、前記シーラント層の材料はブチルゴムを含むことを特徴とする請求項5に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項7】
前記ラミネート構造を積層するパラメータとして、温度は130℃~150℃、積層時間は10分~20分、積層する圧力値は-50kPa~0kPaであり、使用されるラミネータのチャンバー内の真空度は30Pa~200Paであることを特徴とする請求項5に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項8】
収容室を有する封止フレームを提供し、前記第1基板、太陽電池グループ、第1封止材層、第2封止材層及び前記第2基板を積層して積層構造を形成し、
前記ラミネート構造を積層して積層構造を形成した後、前記収容室の内壁の表面にシール剤を形成し、前記積層構造のエッジ領域を前記収容室内に嵌め込み、
選択可能に、前記シール剤の材料はブチルゴムを含むことを特徴とする請求項5に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項9】
前記太陽電池グループの前記第1基板とは反対側の面に第1封止材層を設置する前、且つ前記第1基板の第1領域の一方側に太陽電池グループを設置した後に、前記太陽電池グループに対して欠陥検出を行うステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項10】
前記シーラント層と前記太陽電池グループの前記第1基板とは反対側に第2基板を設置する前に、前記第2基板と前記第1封止材層とを貫通するリード線孔を形成し、
前記太陽電池グループはバスバーを介して並列接続される隣接する太陽電池ストリングを含み、前記太陽電池ストリングは相互接続バーを介して順に直列接続される隣接する前記太陽電池を含み、前記バスバーは前記リード線孔を貫通し、
前記太陽電池モジュールの製造方法は、前記シーラント層と前記太陽電池グループの前記第1基板とは反対側に第2基板を設置するステップでは、バスバーを前記リード線孔を通して前記第2基板の前記第1封止材層とは反対側に延伸させるステップと、前記第1基板の第1領域の一方側に前記太陽電池グループを設置した後、且つ前記シーラント層と前記太陽電池グループの前記第1基板とは反対側に前記第2基板を設置する前に、前記リード線孔内にシール充填材を形成するステップと、をさらに含み、
選択可能に、前記シール充填材の材料はブチルゴムを含むことを特徴とする請求項5に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2022年4月28日に中国特許庁に提出された、出願番号が202210484042.1、発明の名称が「太陽電池モジュールの製造方法」の中国特許出願の優先権を主張し、その全内容は引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本願は、太陽電池製造の分野に関し、具体的には、太陽電池モジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、従来のエネルギーの問題がますます深刻化しているため、新エネルギーは急速に発展し、特に太陽エネルギーは主に発展するエネルギーの一つであり、従来技術における太陽電池モジュールの製造方法を使用して形成された太陽電池モジュールには、積層ガラスの変形によって応力が発生し、接着フィルムの接着強度が不足し、シールシリコーンゴムと接着フィルムの水蒸気透過性が大きいという問題があり、また、太陽電池モジュールが屋外で長期間使用される過程で接着フィルムが劣化し、接着力が低下し、湿気が接着フィルムに徐々に侵入して電池に悪影響を与えるため、太陽電池モジュールのシール性と絶縁性が低く、さらに太陽電池モジュールが空気中で長期間使用されると、太陽電池に水蒸気が侵入しやすく、その結果、太陽電池の電力が減衰し、寿命が短くなる。
【0004】
以上からかかるように、従来技術における太陽電池モジュールの製造方法にはまだ改善の余裕がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本願が解決しようとする技術的課題は、従来技術における太陽電池モジュールの製造方法では太陽電池モジュールのシール性と絶縁性が低く、太陽電池に水蒸気が侵入しやすく、その結果、太陽電池の電力が減衰し、寿命が短くなるという欠陥を克服することにより、太陽電池モジュールの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、第1領域と前記第1領域を取り囲むエッジ領域とを含む第1基板を提供するステップと、前記第1基板の第1領域の一方側に太陽電池グループを設置するステップと、前記第1基板の第1領域の一方側に太陽電池グループを設置した後、前記太陽電池グループの前記第1基板とは反対側の面に第1封止材層を設置するステップと、シーラント塗布装置を使用してシーラント材料を加熱するステップであって、シーラント塗布装置を使用してシーラント材料を加熱する過程で、前記第1基板のエッジ領域の一方側の面の一部にシーラント層を同時に塗布し、前記シーラント層は前記太陽電池グループを取り囲み、前記シーラント層はシーラント層の幅方向において中央領域と、中央領域の両側に位置するエッジ領域とを含み、前記中央領域の上面は当該エッジ領域の上面よりも高くないステップと、前記シーラント層と前記太陽電池グループの前記第1基板とは反対側に第2基板を設置し、ラミネート構造を完成するステップと、前記ラミネート構造を積層するステップと、を含む太陽電池モジュールの製造方法を提供する。
【0007】
選択可能に、前記中央領域は前記エッジ領域に対して前記第1基板に向かって窪んでいる。
【0008】
選択可能に、前記シーラント層の前記第1基板に接触する幅は前記シーラント層の最大幅の80%~100%である。
【0009】
選択可能に、前記シーラント塗布装置はシーラント供給タンク、シーラント供給管及びシーラント吐出部を含み、前記シーラント供給管は対向する第1端及び第2端を有し、前記第1端は前記シーラント供給タンクの出口に連通し、前記第2端は前記シーラント吐出部の入口に連通し、前記シーラント吐出部はシーラント吐出口を有し、前記シーラント供給管は流通管層と、前記流通管層を取り囲む加熱管層とを含み、前記流通管層はシーラント材料を搬送し、前記加熱管層は流通管層内のシーラント材料を加熱する。
【0010】
選択可能に、前記シーラント吐出口の横断面形状は長方形を含み、シーラント層を塗布する過程で、前記シーラント吐出口の長辺は塗布移動方向に垂直である。
【0011】
選択可能に、前記シーラント供給管は、前記加熱管層を取り囲む断熱管層、及び前記断熱管層を取り囲む防護管層をさらに含む。
【0012】
選択可能に、前記シーラント吐出部に計量ポンプが設置され、前記シーラント層を塗布する前記過程で、前記計量ポンプが加圧する圧力は6MPa~25MPaである。
【0013】
選択可能に、前記シーラント吐出口のシーラント吐出の線速度は100mm/s~500mm/sである。
【0014】
選択可能に、前記シーラント層を塗布する過程で、前記シーラント吐出口から前記第1基板までの距離は0.3mm~2.2mmである。
【0015】
選択可能に、前記シーラント塗布装置は第1加熱ユニット及び第2加熱ユニットをさらに含み、シーラント塗布装置を使用してシーラント材料を加熱するステップは、前記第1加熱ユニットを使用して前記シーラント供給タンクを加熱するステップと、前記第2加熱ユニットを使用して前記加熱管層を加熱するステップと、を含む。
【0016】
選択可能に、前記第1加熱ユニットが前記シーラント供給タンクを加熱する温度は100℃~230℃である。
【0017】
選択可能に、前記第2加熱ユニットが前記加熱管層を加熱する温度は100℃~230℃である。
【0018】
選択可能に、前記シーラント塗布装置は第1ブースターポンプをさらに含み、シーラント塗布装置を使用してシーラント材料を加熱する過程で、前記第1ブースターポンプを使用して前記シーラント供給タンク内のシーラント材料を加圧し、前記第1ブースターポンプが加圧する圧力は6MPa~25MPaである。
【0019】
選択可能に、前記シーラント塗布装置は第1端と第2端との間のシーラント供給管の管路に設置される第2中継ブースターポンプをさらに含み、シーラント塗布装置を使用してシーラント材料を加熱する過程で、前記第2中継ブースターポンプを使用して加圧する圧力は6MPa~25MPaである。
【0020】
選択可能に、前記シーラント塗布装置は第3加熱ユニットをさらに含み、シーラント塗布装置を使用してシーラント材料を加熱する過程で、前記第3加熱ユニットは前記シーラント吐出部内に注入されるシーラント材料を加熱し、前記第3加熱ユニットが前記シーラント吐出部内のシーラント材料を加熱する温度は100℃~230℃である。
【0021】
選択可能に、前記シーラント塗布装置は第4加熱ユニットをさらに含み、前記第4加熱ユニットは前記第2中継ブースターポンプ内に注入されるシーラント材料を加熱し、前記第4加熱ユニットが前記第2中継ブースターポンプ内に注入されるシーラント材料を加熱する温度は100℃~230℃である。
【0022】
選択可能に、前記第1基板の第1領域の一方側に太陽電池グループを設置する前に、前記第1基板の第1領域の面に第2封止材層を設置するステップをさらに含み、前記第1基板の第1領域の一方側に太陽電池グループを設置するステップは、第2封止材層の前記第1基板とは反対側に前記太陽電池グループを設置するステップであり、前記ラミネート構造は第2封止材層をさらに含み、前記ラミネート構造を積層する過程で、前記第2封止材層を積層するステップをさらに含む。
【0023】
選択可能に、前記ラミネート構造を積層する前に、前記シーラント層の内側壁は前記第1封止材層の側壁、前記太陽電池グループの側壁、前記第2封止材層の側壁のそれぞれと間隔をおいて設置される。
【0024】
選択可能に、当該間隔は0.1mm~5.0mmである。
【0025】
選択可能に、前記ラミネート構造を積層する前に、前記シーラント層の厚さは0.5mm~2.0mm、前記シーラント層の幅は5mm~12mmである。
【0026】
選択可能に、前記シーラント層の材料はブチルゴムを含む。
【0027】
選択可能に、前記ラミネート構造を積層するパラメータとして、温度は130℃~150℃、積層時間は10分~20分、積層する圧力値は-50kPa~0kPaであり、使用されるラミネータのチャンバー内の真空度は30Pa~200Paである。
【0028】
選択可能に、収容室を有する封止フレームを提供し、前記第1基板、太陽電池グループ、第1封止材層、第2封止材層及び前記第2基板を積層して積層構造を形成し、前記ラミネート構造を積層して積層構造を形成した後、前記収容室の内壁の表面にシール剤を形成し、前記積層構造のエッジ領域を前記収容室内に嵌め込む。
【0029】
選択可能に、前記シール剤の材料はブチルゴムを含む。
【0030】
選択可能に、前記太陽電池グループの前記第1基板とは反対側の面に第1封止材層を設置する前、且つ前記第1基板の第1領域の一方側に太陽電池グループを設置した後に、前記太陽電池グループに対して欠陥検出を行うステップをさらに含む。
【0031】
選択可能に、前記シーラント層と前記太陽電池グループの前記第1基板とは反対側に第2基板を設置する前に、前記第2基板と前記第1封止材層とを貫通するリード線孔を形成し、前記太陽電池グループはバスバーを介して並列接続される隣接する太陽電池ストリングを含み、前記太陽電池ストリングは相互接続バーを介して順に直列接続される隣接する前記太陽電池を含み、前記バスバーは前記リード線孔を貫通し、前記太陽電池モジュールの製造方法は、前記シーラント層と前記太陽電池グループの前記第1基板とは反対側に第2基板を設置するステップでは、バスバーを前記リード線孔を通して前記第2基板の前記第1封止材層とは反対側に延伸させるステップと、前記第1基板の第1領域の一方側に前記太陽電池グループを設置した後、且つ前記シーラント層と前記太陽電池グループの前記第1基板とは反対側に前記第2基板を設置する前に、前記リード線孔内にシール充填材を形成するステップと、をさらに含む。
【0032】
選択可能に、前記シール充填材の材料はブチルゴムを含む。
【発明の効果】
【0033】
本願の技術的解決手段は以下の有益な効果を有する。
【0034】
本願に係る太陽電池モジュールの製造方法によれば、シーラント塗布装置を使用してシーラント材料を加熱する過程で、前記第1基板のエッジ領域の一方側の面の一部にシーラント層を塗布し、前記シーラント層は加熱状態のシーラント層であることで、前記シーラント層と前記第1基板との接着性を向上させ、シーラント塗布装置を使用して第1基板のエッジ領域の一方側の面の一部にシーラント層を直接塗布することで、多くの中間工程が不要であり、プロセスを簡素化する。第2基板を設置する前に、前記シーラント層はシーラント層の幅方向において中央領域と、中央領域の両側に位置するエッジ領域とを含み、前記中央領域の上面は当該エッジ領域の上面よりも高くないことで、中央領域の太陽電池グループを向く側のエッジ領域と太陽電池グループの側壁との間に隙間が形成されることを回避する。前記シーラント層と前記第1基板との接着性が向上し、且つ中央領域の太陽電池グループを向く側のエッジ領域と太陽電池グループの側壁との間に隙間が形成されることが回避されるため、シーラント層は第1封止材層の材料オーバーフローをよりよく防止でき、シーラント層のシール性と絶縁性を向上させ、水蒸気や漏れた電気が太陽電池の内部に入ることをよりよく防止し、太陽電池モジュールの安全性を確保させるだけでなく、水蒸気が太陽電池モジュールに侵入して太陽電池の電力減衰を引き起こす確率を低下させ、太陽電池の寿命を延ばすことができる。
【0035】
さらに、前記中央領域は前記エッジ領域に対して前記第1基板に向かって窪んでおり、このように、プロセスの困難さを低下させる。
【0036】
さらに、前記シーラント層の前記第1基板に接触する幅は前記シーラント層の最大幅の80%~100%であるため、シーラント層と第1基板との接触面積は多く、前記シーラント層は前記第1基板に均一に付着しており、前記シーラント層のパターンは安定し、前記シーラント塗布装置はシーラント層を連続的に塗布して前記シーラント層の連続を確保することができ、積層後の前記第1基板、太陽電池グループ、第1封止材層及び前記第2基板の接着性を向上させることができる。
【0037】
さらに、前記太陽電池グループの前記第1基板とは反対側の面に第2封止材層を設置する前、且つ前記第1基板の第1領域の一方側に太陽電池グループを設置した後に、前記太陽電池グループに対して欠陥検出を行い、第2基板を設置する前に欠陥検出を行うことで、事前に前記太陽電池グループに対して欠陥検出を行うことができ、このようにして、大量の繰り返し手直しの作業量を低減させ、手直し効率を大幅に向上させ、人件費の削減に有利であり、生産ラインの利用率と生産効率の向上に有利であり、手直しコストの低下にも有利である。
【0038】
さらに、収容室を有する封止フレームを提供し、前記第1基板、太陽電池グループ及び前記第2基板を積層して積層構造を形成し、前記太陽電池モジュールの製造方法は、前記収容室の内壁の表面にシール剤を形成するステップと、前記積層構造のエッジ領域を前記収容室内に嵌め込むステップと、をさらに含み、前記シール剤の材料はブチルゴムを含む。ブチルゴムは良好な化学的安定性、熱安定性及び電気絶縁性を有し、且つ高い気密性と水密性を有するため、太陽電池モジュールの製造過程で太陽電池モジュールの周辺に所定厚さのブチルゴムを塗布することで、前記太陽電池モジュールの水密性を向上させ、再び保護を形成し、太陽電池モジュールに良好なシール性と絶縁性を付与することができる。
【0039】
さらに、前記シーラント層と前記太陽電池グループの前記第1基板とは反対側に第2基板を設置する前に、前記第2基板と前記第1封止材層とを貫通するリード線孔を形成し、前記シーラント層と前記太陽電池グループの前記第1基板とは反対側に第2基板を設置するステップでは、バスバーを前記リード線孔を通して前記第2基板の前記第1封止材層とは反対側に延伸させ、前記第1基板の第1領域の一方側に前記太陽電池グループを設置した後、且つ前記シーラント層と前記太陽電池グループの前記第1基板とは反対側に前記第2基板を設置する前に、前記リード線孔内にシール充填材を形成し、前記シール充填材の材料はブチルゴムを含み、ブチルゴムは良好な化学的安定性、熱安定性及び電気絶縁性を有し、且つ高い気密性と水密性を有するため、水蒸気が前記リード線孔を経由して太陽電池の内部に入ることを効果的に防止でき、前記太陽電池モジュールのシール性と絶縁性の向上に有利である。
【0040】
本願の具体的な実施形態又は従来技術の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、具体的な実施形態又は従来技術の説明に使用される必要がある図面を簡単に説明し、明らかなように、以下説明される図面は本願のいくつかの実施形態であり、当業者であれば、創造的な労働をせずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本願の一実施例に係る太陽電池モジュールの製造方法のフローチャートである。
【
図2】本願の一実施例に係る太陽電池モジュールの積層前の構造模式図である。
【
図3】本願の一実施例に係る第2基板の下面図である。
【
図4】本願の一実施例に係る第2基板の部分縦断面模式図である。
【
図5】本願の一実施例に係る封止後の積層構造の縦断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、図面を参照して本願の技術的解決手段を明確かつ完全に説明し、明らかなように、説明される実施例は本願の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をせずに得るすべての他の実施例は本願の保護範囲に属する。
【0043】
本願の説明では、なお、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」等の用語で指示される方位又は位置関係は図示に基づく方位又は位置関係であり、本願を説明して説明を簡素化するためのものに過ぎず、係る装置又は素子が必ず特定の方位を有したり、特定の方位で構成及び操作されたりすることを指示又は暗示するわけではないため、本願を限定するものではないと理解すべきである。また、「第1」、「第2」、「第3」という用語は説明の目的でのみ使用され、相対的な重要性を指示又は暗示するものではないと理解すべきである。
【0044】
本願の説明では、なお、特に明確な規定及び限定がない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」という用語は広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、取り外し可能な接続、又は一体的接続であってもよく、機械的接続、電気的接続であってもよく、直接連結、中間媒体を介する間接連結、2つの素子の内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0045】
また、以下説明される本願の異なる実施形態に係る技術的特徴は互いに矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。
【0046】
本願に係る太陽電池モジュールの製造方法は、
図1及び
図2を参照すると、
第1領域と前記第1領域を取り囲むエッジ領域とを含む第1基板101を提供するステップS1と、
前記第1基板101の第1領域の一方側に太陽電池グループ102を設置するステップS2と、
前記第1基板101の第1領域の一方側に太陽電池グループ102を設置した後、前記太陽電池グループ102の前記第1基板101とは反対側の面に第1封止材層104を設置するステップS3と、
シーラント塗布装置を使用してシーラント材料を加熱するステップS4であって、シーラント塗布装置を使用してシーラント材料を加熱する過程で、前記第1基板101のエッジ領域の一方側の面の一部にシーラント層200を同時に塗布し、前記シーラント層200は前記太陽電池グループ102を取り囲み、前記シーラント層はシーラント層の幅方向において中央領域と、中央領域の両側に位置するエッジ領域とを含み、前記中央領域の上面は当該エッジ領域の上面よりも高くないステップS4と、
前記シーラント層200と前記太陽電池グループ102の前記第1基板101とは反対側に第2基板103を設置し、ラミネート構造を完成するステップS5と、
前記ラミネート構造を積層するステップS6と、を含む。
【0047】
本実施例に係る太陽電池モジュールの製造方法は、シーラント塗布装置を使用してシーラント材料を加熱する過程で、前記第1基板101のエッジ領域の一方側の面の一部にシーラント層を塗布し、前記シーラント層200は加熱状態のシーラント層であることで、前記シーラント層200と前記第1基板101との接着性を向上させ、シーラント塗布装置を使用して第1基板101のエッジ領域の一方側の面の一部にシーラント層を直接塗布することで、多くの中間工程が不要であり、コストを削減するとともにプロセスを簡素化する。前記第2基板103を設置する前に、前記シーラント層200はシーラント層の幅方向において中央領域と、中央領域の両側に位置するエッジ領域とを含み、前記中央領域の上面は当該エッジ領域の上面よりも高くないことで、中央領域の太陽電池グループ102を向く側のエッジ領域と太陽電池グループ102の側壁との間に隙間が形成されることを回避する。前記シーラント層200と前記第1基板101との接着性が向上し、且つ中央領域の太陽電池グループ102を向く側のエッジ領域と太陽電池グループ102の側壁との間に隙間が形成されることが回避されるため、シーラント層200は第1封止材層104の材料オーバーフローをよりよく防止でき、シーラント層200のシール性と絶縁性を向上させ、水蒸気や漏れた電気が太陽電池の内部に入ることをよりよく防止し、太陽電池モジュールの安全性を確保させるだけでなく、水蒸気が太陽電池モジュールに侵入して太陽電池の電力減衰を引き起こす確率を低下させ、太陽電池の寿命を延ばすことができる。
【0048】
前記第1領域は、前記太陽電池グループ102を配置することに適する。
【0049】
このとき、前記ラミネート構造は前記第1基板101、太陽電池グループ102、第1封止材層104、前記第2基板103及びシーラント層200を含む。
【0050】
前記シーラント層200の幅方向は前記第1基板101と前記第2基板103の方向に平行である。
【0051】
一実施例では、前記中央領域は前記エッジ領域に対して前記第1基板101に向かって窪んでおり、このように、プロセスの困難さを低下させる。
【0052】
他の実施例では、前記シーラント層200の中央領域は前記シーラント層200のエッジ領域と面一である。
【0053】
前記シーラント層200は、中央領域と、前記太陽電池グループ102に面する第1サブエッジ領域と、前記太陽電池グループ102とは反対側にある第2サブエッジ領域と、を含む。前記第2サブエッジ領域は前記シーラント層200の中央領域を取り囲み、シーラント層200の中央領域はシーラント層200の第2サブエッジ領域を取り囲む。
【0054】
一実施例では、前記シーラント層200の前記第1基板101に接触する幅は前記シーラント層200の最大幅の80%~100%であり、例えば、82%であり、従ってシーラント層200と第1基板101との接触面積は多く、前記シーラント層は前記第1基板に均一に付着しており、前記シーラント層のパターンは安定し、前記シーラント塗布装置はシーラント層を連続的に塗布して前記シーラント層の連続を確保することができ、積層後の前記第1基板101、太陽電池グループ102、第1封止材層104及び前記第2基板103の接着性を向上させることができる。
【0055】
一実施例では、前記シーラント塗布装置はシーラント供給タンク、シーラント供給管及びシーラント吐出部を含み、前記シーラント供給管は対向する第1端及び第2端を有し、前記第1端は前記シーラント供給タンクの出口に連通し、前記第2端は前記シーラント吐出部の入口に連通し、前記シーラント吐出部はシーラント吐出口を有する。
【0056】
一実施例では、前記第1基板101のエッジ領域の一方側の面の一部にシーラント層200を塗布する前に、前記シーラント塗布装置に対して排気を行うステップをさらに含み、その目的は、前記シーラント塗布装置内の気泡や空隙を排出することであり、シーラント吐出時にシーラントが連続しないという現象を防止する。
【0057】
本実施例では、2つのシーラント供給タンクを使用し、2つのシーラント供給タンクはシーラント連続供給の実現に有利である。
【0058】
一実施例では、前記シーラント吐出口の横断面形状は長方形であり、シーラント層を塗布する過程で、前記シーラント吐出口の長辺は塗布移動方向に垂直であり、前記シーラント吐出口の横断面形状は長方形であり、このようにして、シーラント層のパターン、例えばシーラント層のパターンの真直度を効果的に制御でき、前記シーラント吐出口の横断面形状が長方形であることにより形成されたシーラント層は第1封止材層と第2封止材層との相互接合により有利であるだけでなく、形成されたシーラント層の外観は美しく、シーラント塗布の高さを柔軟に調整でき、シーラント吐出量の制御により有利であり、シーラント塗布の平坦性の制御にも有利である。他の実施例では、前記シーラント吐出口の横断面形状は扁平な楕円形をさらに含んでもよい。一実施例では、前記シーラント供給管は流通管層と、前記流通管層を取り囲む加熱管層とを含み、前記流通管層はシーラント材料を搬送し、前記加熱管層は流通管層内のシーラント材料を加熱する。
【0059】
一実施例では、前記シーラント供給管は、前記加熱管層を取り囲む断熱管層、及び前記断熱管層を取り囲む防護管層をさらに含む。前記断熱管層は多層断熱構造であり、前記断熱管層の材料は耐高温断熱材料であり、このように、加熱効率を向上させ、熱損失を低減させることができる。
【0060】
前記シーラント供給管内に温度センサがさらに配置されており、それによって前記シーラント供給管内のシーラント材料に対して正確な温度制御を実現する。
【0061】
一実施例では、前記シーラント吐出部に計量ポンプが設置され、前記計量ポンプはシーラント供給とシーラント吐出の圧力を監視可能な圧力センサを含み、前記計量ポンプはさらにシーラント吐出量を正確に制御でき、シーラント吐出量の精度を0.5%~1.5%、例えば1%に制御する。
【0062】
他の実施例では、前記シーラント吐出部は、気圧を変更することによって流量を制御及び監視する機能を具備する他の装置をさらに含んでもよい。
【0063】
一実施例では、前記シーラント層を塗布する前記過程では、前記計量ポンプが加圧する圧力は6MPa~25MPa、例えば15MPaであり、前記計量ポンプの加圧する圧力が6MPa未満であると、シーラントに提供する動力は小さ過ぎ、シーラント連続供給を実現する程度は小さ過ぎ、前記計量ポンプの加圧する圧力が25MPaよりも大きいと、シーラントに提供する動力は大き過ぎ、シーラントの流動性は高過ぎる可能性があり、その結果、前記シーラントの形成速度の制御もシーラントの形成形状の制御も困難である。
【0064】
一実施例では、前記シーラント吐出口のシーラント吐出の線速度は100mm/s~500mm/s、例えば200mm/sであり、前記シーラント吐出口のシーラント吐出の線速度が100mm/s未満であると、前記シーラント吐出口のシーラント吐出速度は遅すぎ、形成されたシーラント層の厚さは大き過ぎ、積層過程でシーラントオーバーフローが発生しやすく、資源浪費を引き起こし、前記シーラント吐出口のシーラント吐出の線速度が500mm/sよりも大きいと、前記シーラント吐出口のシーラント吐出速度は速すぎ、形成されたシーラント層の厚さは小さ過ぎ、シーラント層の厚さが小さ過ぎると、最終的に形成された太陽電池グループを完全に密閉された環境にする程度が小さい可能性があり、水蒸気を阻止する作用が小さい。
【0065】
一実施例では、前記シーラント層を塗布する過程で、前記シーラント吐出口から前記第1基板までの距離は0.3mm~2.2mm、例えば2.0mmであり、前記シーラント吐出口から前記第1基板までの距離が0.3mm未満であると、前記シーラント層の中央領域の上面が当該エッジ領域の上面よりも高くない程度は小さく、前記シーラント吐出口から前記第1基板までの距離が2.2mmよりも大きいと、重力の影響によって、形成された前記シーラント層の形状の制御が困難である。
【0066】
一実施例では、前記シーラント塗布装置は第1加熱ユニット及び第2加熱ユニットをさらに含み、シーラント塗布装置を使用してシーラント材料を加熱するステップは、前記第1加熱ユニットを使用して前記シーラント供給タンクを加熱するステップと、前記第2加熱ユニットを使用して前記加熱管層を加熱するステップと、を含む。
【0067】
一実施例では、前記第1加熱ユニットが前記シーラント供給タンクを加熱する温度は100℃~230℃、例えば160℃であり、前記第1加熱ユニットが前記シーラント供給タンクを加熱する温度が100℃未満であると、前記シーラント供給タンク内のシーラントを加熱する温度は小さ過ぎ、前記シーラントの流動性の向上程度は小さく、前記第1加熱ユニットが前記シーラント供給タンクを加熱する温度が230℃よりも大きいと、前記シーラントの流動性は高過ぎ、前記シーラントの形成速度への制御は困難であり、温度が大き過ぎると、前記シーラント層の形成形状への制御は困難であり、シーラントの使用温度を超えると、前記シーラントは分解し、その結果、シーラントは無効になり、封止保護の役割を果たすことができない。
【0068】
一実施例では、前記第2加熱ユニットが前記加熱管層を加熱する温度は100℃~230℃、例えば160℃であり、前記第2加熱ユニットが前記加熱管層を加熱する温度が100℃未満であると、前記シーラント供給管内のシーラントを加熱する温度は小さ過ぎ、前記シーラントの流動性の向上程度は小さく、前記第2加熱ユニットが前記加熱管層を加熱する温度が230℃よりも大きいと、前記シーラントの流動性は高過ぎ、前記シーラントの形成速度への制御は困難であり、温度が大き過ぎると、前記シーラント層の形成形状への制御は困難であり、シーラントの使用温度を超えると、前記シーラントは分解し、その結果、シーラントは無効になり、封止保護の役割を果たすことができない。
【0069】
一実施例では、前記シーラント塗布装置は第1ブースターポンプをさらに含む。
【0070】
太陽電池モジュールの製造方法は、シーラント塗布装置を使用してシーラント材料を加熱する過程で、前記第1ブースターポンプを使用して前記シーラント供給タンク内のシーラント材料を加圧するステップをさらに含み、前記第1ブースターポンプが加圧する圧力は6MPa~25MPa、例えば15MPaであり、前記第1ブースターポンプが加圧する圧力が6MPa未満であると、シーラントに提供する動力は小さ過ぎ、シーラント連続供給を実現する程度は小さ過ぎ、前記第1ブースターポンプが加圧する圧力が25MPaよりも大きいと、シーラントに提供する動力は大き過ぎ、シーラントの流動性は高過ぎる可能性があり、その結果、前記シーラントの形成速度への制御は困難である。
【0071】
一実施例では、前記シーラント塗布装置は、第1端と第2端との間のシーラント供給管の管路に設置される第2中継ブースターポンプをさらに含む。
【0072】
太陽電池モジュールの製造方法は、シーラント塗布装置を使用してシーラント材料を加熱する過程で、前記第2中継ブースターポンプを使用して加圧する圧力を6MPa~25MPa、例えば15MPaとするステップをさらに含み、前記第2中継ブースターポンプが加圧する圧力が6MPa未満であると、シーラントに提供する動力は小さ過ぎ、シーラント連続供給を実現する程度は小さ過ぎ、前記第2中継ブースターポンプが加圧する圧力が25MPaよりも大きいと、シーラントに提供する動力は大き過ぎ、シーラントの流動性は高過ぎる可能性があり、その結果、前記シーラントの形成速度への制御は困難である。
【0073】
一実施例では、前記流通管層が耐えられる圧力は前記加熱管が耐えられる圧力よりも大きく、前記流通層が耐えられる圧力は30MPa~35MPa、例えば32MPaであり、前記加熱管が耐えられる圧力は6MPa~20MPa、例えば10MPaである。
【0074】
一実施例では、前記シーラント塗布装置は第3加熱ユニットをさらに含む。
【0075】
太陽電池モジュールの製造方法は、シーラント塗布装置を使用してシーラント材料を加熱する過程で、前記第3加熱ユニットは前記シーラント吐出部内に注入されるシーラント材料を加熱するステップをさらに含み、前記第3加熱ユニットが前記シーラント吐出部内のシーラント材料を加熱する温度は100℃~230℃、例えば160℃であり、前記第3加熱ユニットが前記シーラント吐出部内のシーラント材料を加熱する温度が100℃未満であると、前記シーラント吐出部内のシーラント材料を加熱する温度は小さ過ぎ、前記シーラントの流動性の向上程度は小さ過ぎ、前記第3加熱ユニットが前記シーラント吐出部内のシーラント材料を加熱する温度が230℃よりも大きいと、前記シーラントの流動性は高過ぎ、前記シーラントの形成速度への制御は困難であり、温度が大き過ぎると、前記シーラント層の形成形状への制御は困難であり、シーラントの使用温度を超えると、前記シーラントは分解し、その結果、シーラントは無効になり、封止保護の役割を果たすことができない。
【0076】
一実施例では、前記シーラント塗布装置は第4加熱ユニットをさらに含み、前記第4加熱ユニットは前記第2中継ブースターポンプ内に注入されるシーラント材料を加熱し、前記第4加熱ユニットが前記第2中継ブースターポンプ内に注入されるシーラント材料を加熱する温度は100℃~230℃、例えば160℃であり、前記第4加熱ユニットが前記第2中継ブースターポンプ内に注入されるシーラント材料を加熱する温度が100℃未満であると、前記第2中継ブースターポンプ内に注入されるシーラント材料を加熱する温度は小さ過ぎ、前記シーラントの流動性の向上程度は小さ過ぎ、前記第4加熱ユニットが前記第2中継ブースターポンプ内に注入されるシーラント材料を加熱する温度が230℃よりも大きいと、前記シーラントの流動性は高過ぎ、前記シーラントの形成速度への制御は困難であり、温度が大き過ぎると、前記シーラント層の形成形状への制御は困難であり、シーラントの使用温度を超えると、前記シーラントは分解し、その結果、シーラントは無効になり、封止保護の役割を果たすことができない。
【0077】
一実施例では、引き続き
図2を参照すると、前記第1基板101の第1領域の一方側に太陽電池グループ102を設置する前に、前記第1基板101の第1領域の面に第2封止材層105を設置するステップをさらに含み、前記第1基板101の第1領域の一方側に太陽電池グループ102を設置するステップは、第2封止材層105の前記第1基板101とは反対側に前記太陽電池グループ102を設置するステップであり、前記ラミネート構造は第2封止材層105をさらに含む。
【0078】
一実施例では、前記ラミネート構造を積層する過程で、前記第2封止材層105を積層するステップをさらに含む。
【0079】
一実施例では、前記第1封止材層104の幅と前記第2封止材層105の幅との差の範囲は2.0mm未満であり、前記第1封止材層104の幅と前記第2封止材層105の幅との差の範囲は1.0mm未満であり、前記第1封止材層104の幅と前記太陽電池グループ102の幅との差の範囲は2.0mm未満であり、前記第2封止材層105の幅と前記太陽電池グループ102の幅との差の範囲は2.0mm未満である。このように、前記敷設精度の向上に有利であり、前記シーラント層の位置安定性に有利であり、前記太陽電池モジュールのシール性を向上させる。
【0080】
一実施例では、前記ラミネート構造を積層する前に、前記シーラント層200の内側壁は前記第1封止材層104の側壁、前記太陽電池グループ102の側壁、前記第2封止材層105の側壁のぞれぞれと間隔をおいて設置される。
【0081】
一実施例では、引き続き
図2を参照すると、具体的には、前記ラミネート構造を積層する前に、前記シーラント層200の内側壁と前記第1封止材層104の側壁との距離L1は0.1mm~5.0mm、例えば2.5mm、3.5mm、4.5mmであり、前記シーラント層200の内側壁と前記第1封止材層104の側壁との距離L1が2.0mm未満であると、積層過程で、前記シーラント層は前記第1封止材層にオーバーフローする可能性があり、前記シーラント層200の内側壁と前記第1封止材層104の側壁との距離L1が5.0mmよりも大きいと、最終的に形成された太陽電池モジュールでは、前記シーラント層と前記第1封止材層との間に空隙があって気泡が形成されやすく、太陽電池モジュールの外観と耐候性に悪影響を与える可能性がある。
【0082】
一実施例では、引き続き
図2を参照すると、具体的には、前記ラミネート構造を積層する前に、前記シーラント層200の内側壁と前記太陽電池グループの側壁との距離L1は0.1mm~5.0mm、例えば2.5mm、3.5mm、4.5mmであり、前記シーラント層200の内側壁と前記太陽電池グループの側壁との距離L1が5.0mmよりも大きいと、最終的に形成された太陽電池モジュールでは、前記シーラント層と前記太陽電池グループとの間に空隙があって気泡が形成されやすく、太陽電池モジュールの外観と耐候性に悪影響を与える可能性がある。
【0083】
一実施例では、引き続き
図2を参照すると、具体的には、前記ラミネート構造を積層する前に、前記シーラント層200の内側壁と前記第2封止材層105の側壁との距離L1は0.1mm~5.0mm、例えば2.5mm、3.5mm、4.5mmであり、前記シーラント層200の内側壁と前記第2封止材層105の側壁との距離L1が5.0mmよりも大きいと、最終的に形成された太陽電池モジュールでは、前記シーラント層と前記第2封止材層との間に空隙があって気泡が形成されやすく、太陽電池モジュールの外観と耐候性に悪影響を与える可能性がある。
【0084】
一実施例では、引き続き
図2を参照すると、具体的には、前記ラミネート構造を積層する前に、前記シーラント層200の外側壁と前記第1基板101の側壁との距離L2は0.1mm~5.0mm、例えば2.5mm、3.5mm、4.5mmであり、前記シーラント層200の外側壁と前記第1基板101の側壁との距離L2が0.1mm未満であると、積層後にシーラントオーバーフローが発生しやすく、資源浪費を引き起こし、形成された太陽電池モジュールが美しくなく、前記シーラント層200の外側壁と前記第1基板101の側壁との距離L2が5.0mmよりも大きいと、積層後に形成された太陽電池モジュールのエッジに空隙があり、その結果、太陽電池グループのシール性と絶縁性の向上程度が小さい。
【0085】
一実施例では、引き続き
図2を参照すると、具体的には、前記ラミネート構造を積層する前に、前記シーラント層200の厚さTは0.5mm~2.0mm、例えば1.0mm、1.2mm、1.5mmであり、前記シーラント層の厚さが0.5mm未満であると、シーラント層の厚さは小さ過ぎて太陽電池グループを完全に密閉された環境にする程度が小さい可能性があり、水蒸気を阻止する作用が小さく、前記シーラント層の厚さが2.0mmよりも大きいと、シーラント層の厚さは大きすぎ、積層過程でシーラントオーバーフローが発生しやすく、資源浪費を引き起こす。
【0086】
一実施例では、引き続き
図2を参照すると、具体的には、前記ラミネート構造を積層する前に、前記シーラント層200の幅Wは5.0mm~12.0mm、例えば6.5mm、7.5mm、8.5mmであり、前記シーラント層の幅が5.0mm未満であると、前記シーラント層で環境中の水蒸気や粉塵が前記シーラント層を通過して前記太陽電池グループに侵入することを防止する作用は小さく、前記シーラント層の幅が12.0mmよりも大きいと、シーラント層の幅は大き過ぎ、積層時、前記シーラント層のオーバーフローが発生し、浪費を引き起こす可能性がある。
【0087】
一実施例では、前記シーラント層200はブチルゴムを含む。前記ブチルゴムの材料はイソブチレン及び少量のイソプレンを含み、前記ブチルゴムは良好な化学的安定性と熱安定性を有し、且つ高い気密性と水密性を有する。前記ブチルゴム中のブチルゴム分子鎖に側鎖メチルが密集して配列され、ポリマー分子の熱活性が制限されるため、前記ブチルゴムの通気性が低く、気密性が高い。前記ブチルゴムの空気透過性は、天然ゴムの1/7、スチレンブタジエンゴムの1/5に過ぎず、前記ブチルゴムの水蒸気透過性は、天然ゴムの1/200、スチレンブタジエンゴムの1/140である。表1は本実施例におけるブチルゴムと従来技術における太陽電池モジュール用封止材料の水蒸気透過性の比較を示し、具体的には、表1に示される。ブチルゴムの水蒸気透過性は従来の太陽電池モジュール用封止材料よりも遥かに低い。
【0088】
【0089】
前記ブチルゴム中のブチルゴム加硫ゴムは優れた耐熱安定性を有し、樹脂加硫されたブチルゴムの使用温度は150℃~200℃に達することができる。従って、前記ブチルゴムは良好な熱安定性を有し、前記ブチルゴム中のブチルゴム分子構造には二重結合が不足し且つ側鎖メチルの分布密度が大きく、ブチルゴム分子鎖の空間構造は螺旋状であり、メチルが多く、弾性が高いため、振動や衝撃エネルギーをよく受けるという特徴を有し、広い温度範囲内でブチルゴムの反発特性は20%以下であり、従って、前記ブチルゴムは機械的力に耐える能力が高く、良好な耐低温性を有し、前記ブチルゴム中のブチルゴム分子鎖の高飽和度によって、非常に高い耐オゾン性と耐候性を付与し、前記ブチルゴムの耐オゾン性と耐候性はスチレンブタジエンゴムの10倍である。前記ブチルゴム中のブチルゴムの高飽和構造によって、ブチルゴムは高い化学的安定性を有し、ブチルゴムは優れた耐食性を有し、前記ブチルゴムの電気絶縁性及び耐コロナ性は高く、体積抵抗率は天然ゴムよりも10倍~100倍高い。前記ブチルゴム中のブチルゴムには、充填材としてシリカが配合され、加硫剤として硫黄又は不溶性硫黄が使用される。物性と耐紫外線性、耐熱老化性と耐湿熱性はいずれも大幅に向上する。前記ブチルゴムの透水性は非常に低く、物性と耐紫外線性、耐熱老化性と耐湿熱性が非常に高い。
【0090】
一実施例では、前記太陽電池グループ102は並列接続される複数の太陽電池ストリングを含み、前記太陽電池ストリングは直列接続される複数の太陽電池を含む。
【0091】
一実施例では、前記太陽電池は様々なタイプであってもよく、TOPCon(トンネル酸化膜パッシベーションコンタクト太陽電池)、PERC(エミッタ及び裏面パッシベーション太陽電池)、ペロブスカイト電池又はHJT(ヘテロ接合太陽電池)を含むが、これらに限定されず、インブリケーションであってもよく、ここでは限定しない。
【0092】
一実施例では、前記第1封止材層104の厚さは0.2mm~1.0mm、例えば0.7mmであり、前記第2封止材層105の厚さは0.2mm~1.0mm、例えば0.7mmであり、前記太陽電池グループ102の厚さは0.10mm~0.20mm、例えば0.15mmである。
【0093】
本実施例では、前記第1基板101は単層構造であり、前記第1基板101の材料はガラスを含み、他の実施例では、前記第1基板は多層構造であり、前記第1基板はラミネートされた保護層、絶縁層及び接着層を含み、前記絶縁層は前記接着層と前記保護層との間に位置し、前記接着層は前記第1封止材層に接着され、前記保護層の材料はポリフッ化ビニリデンを含み、前記絶縁層の材料はポリエチレンテレフタレートを含み、前記接着層の材料はポリオレフィンを含む。前記第1基板は前記太陽電池グループに対して保護及び支持の役割を果たす。
【0094】
一実施例では、前記第2基板103の材料はガラスを含み、他の実施例では、前記第2基板の材料は他の可撓性バックプレーン又は光透過性材料をさらに含んでもよい。
【0095】
一実施例では、前記太陽電池モジュールの製造方法は、前記第1基板101の第1領域の一方側に太陽電池グループ102を設置する前に、前記第1基板101の第1領域の面に第2封止材層105を設置するステップをさらに含み、前記第2封止材層105の材料はエチレン及びEVA接着フィルム等の酢酸ビニル共重合体を含み、他の実施例では、前記第2封止材層の材料は、EPE/POE/PVBなど接着性、光学透過性を有する他の材料をさらに含んでもよい。
【0096】
一実施例では、前記第1基板101の第1領域の一方側に太陽電池グループ102を設置するステップは、第1封止材層104の前記第1基板101とは反対側に太陽電池グループ102を設置するステップであり、前記第1基板101の第1領域の一方側に太陽電池グループ102を設置した後、前記太陽電池グループ102の前記第1基板101とは反対側の面に第1封止材層104を設置し、前記第1封止材層104の材料はエチレン及びEVA接着フィルム等の酢酸ビニル共重合体を含み、他の実施例では、前記第2封止材層の材料はEPE/POE/PVBなど接着性、光学透過性を有する他の材料をさらに含んでもよい。
【0097】
一実施例では、前記第1基板101、太陽電池グループ102、第1封止材層104及び前記第2基板103を積層する過程で、前記第1封止材層104と前記第2封止材層105をさらに積層する。
【0098】
一実施例では、前記ラミネート構造を積層するパラメータとして、積層する温度は130℃~150℃、例えば140℃であり、積層する温度が130℃よりも低いと、前記シーラント層と前記第1基板及び第2基板との架橋度の向上は不足し、積層する温度が150℃よりも高いと、前記シーラント層は流体になり前記太陽電池モジュールから流出しやすく、また、温度が高過ぎると、前記第1基板、太陽電池グループ及び前記第2基板の特性に悪影響を与える可能性がある。
【0099】
一実施例では、前記ラミネート構造を積層するパラメータとして、積層時間は10分~20分、例えば15分であり、積層時間が10分未満であると、積層時間が不足し、その結果、前記シーラント層と前記第1基板及び第2基板との接着力の向上程度が低い可能性があり、積層時間が20分を超えると、積層時間が長過ぎ、前記太陽電池モジュールの製造効率が低下する。
【0100】
一実施例では、前記ラミネート構造を積層するパラメータとして、積層する圧力値は-50kPa~0kPa、例えば-10kPaであり、積層する圧力値が-50kPa未満であると、圧力が大き過ぎ、その結果、前記太陽電池グループ中の太陽電池に破片が発生する可能性があり、積層する圧力値が0kPaよりも大きいと、積層する圧力が不足し、その結果、前記シーラント層と前記第1基板及び第2基板との接着力の向上程度が低い可能性がある。
【0101】
一実施例では、前記ラミネート構造を積層するパラメータとして、積層する真空度は20Pa~200Pa、例えば100Paであり、積層する真空度が20Pa未満であると、前記太陽電池モジュール内のガス排出は不十分であり、前記シーラント層と前記第1基板及び第2基板との間に気泡が生じやすく、太陽電池モジュールの外観及び耐候性に悪影響を与える。
【0102】
一実施例では、前記第1基板101、太陽電池グループ102、第1封止材層104、第2封止材層105及び前記第2基板103を積層して積層構造を形成する機器はラミネータを含む。
【0103】
一実施例では、
図3及び
図4を参照すると、前記シーラント層200と前記太陽電池グループ102の前記第1基板101とは反対側に第2基板103を設置する前に、前記第2基板103と前記第1封止材層104とを貫通するリード線孔Kを形成する。前記太陽電池グループ102はバスバーを介して並列接続される隣接する太陽電池ストリングを含み、前記太陽電池ストリングは相互接続バーを介して順に直列接続される隣接する前記太陽電池を含み、前記バスバーは前記リード線孔Kを貫通する。
【0104】
前記太陽電池モジュールの製造方法は、前記シーラント層200と前記太陽電池グループ102の前記第1基板101とは反対側に第2基板103を設置するステップでは、バスバーを前記リード線孔Kを通して前記第2基板103の前記第1封止材層104とは反対側に延伸させるステップと、前記第1基板101の第1領域の一方側に前記太陽電池グループ102を設置した後、且つ前記シーラント層200と前記太陽電池グループ102の前記第1基板101とは反対側に前記第2基板103を設置する前に、前記リード線孔K内にシール充填材300を形成するステップと、をさらに含む。
【0105】
一実施例では、前記シール充填材300の材料はブチルゴムを含み、他の実施例では、前記シール充填材の材料は、良好な化学的安定性、熱安定性及び電気絶縁性を有し且つ高い気密性と水密性を有する他の材料をさらに含んでもよい。
【0106】
一実施例では、前記太陽電池モジュールの製造方法は、前記太陽電池グループ102の前記第1基板101とは反対側の面に第1封止材層104を設置する前、且つ前記第1基板101の第1領域の一方側に太陽電池グループ102を設置した後に、前記太陽電池グループ102に対して欠陥検出を行うステップをさらに含む。
【0107】
前記太陽電池グループ102の前記第1基板101とは反対側の面に第2封止材層105を設置する前、且つ前記第1基板101の第1領域の一方側に太陽電池グループ102を設置した後に、前記太陽電池グループに対して欠陥検出を行い、第2基板を設置する前に事前に前記太陽電池グループに対して欠陥検出を行うことができ、このようにして、大量の繰り返し手直しの作業量を低減させ、手直し効率を大幅に向上させ、人件費の削減に有利であり、生産ラインの利用率と生産効率の向上に有利であり、手直しコストの低下に有利である。
【0108】
前記太陽電池グループに対して欠陥検出を行うことは、外観形態検出、亀裂検出及び不完全な半田付け検出のうちの1種又は複数種を含み、前記外観形態検出は前記太陽電池グループが損傷しているか否かを検出し、前記亀裂検出は前記太陽電池グループ中の太陽電池に破片があるか否かを検出し、前記不完全な半田付け検出は前記太陽電池グループ中の太陽電池と半田リボンとの間に不完全な半田付けがあるか否かを検出する。
【0109】
一実施例では、前記太陽電池グループに対して前記外観形態検出を行う際に、前記太陽電池グループの外観が損傷し、例えば前記太陽電池グループが損傷していると検出された場合、前記太陽電池グループの検査に合格するまで新しい太陽電池グループを交換する必要がある。
【0110】
別の実施例では、前記太陽電池グループに対して前記亀裂検出を行う際に、前記太陽電池グループ中の太陽電池から破片が検出された場合、前記太陽電池グループの検査に合格するまで破片がある太陽電池グループを手直す必要がある。
【0111】
別の実施例では、前記太陽電池グループに対して前記不完全な半田付け検出を行う際に、前記太陽電池グループ中の太陽電池と半田リボンとの間に不完全な半田付けがあると検出された場合、前記太陽電池グループの検査に合格するまで不完全な半田付けがある太陽電池と半田リボンとの間に不完全な半田付けがある位置を改めて半田付けする必要がある。
【0112】
従来技術では、太陽電池モジュールの手直し率は15%~20%であり、手直し作業を行うには大量の人的資源が必要であり、本実施例に係る前記太陽電池モジュールの製造方法は大量の繰り返し手直しの作業量を低減させ、手直し効率を大幅に向上させ、1~2名の作業員を削減し、人件費を削減することができる。
【0113】
一実施例では、前記太陽電池モジュールの製造方法は、
図5を参照すると、収容室を有する封止フレーム400を提供するステップと、前記第1基板101、太陽電池グループ102、第1封止材層104及び前記第2基板103を積層して積層構造100を形成するステップと、をさらに含む。
【0114】
一実施例では、前記封止フレーム400は合金アルミニウムフレームを含む。他の実施例では、前記封止フレームは封止の役割を果たすことができる他の材料製の封止フレームをさらに含んでもよい。
【0115】
一実施例では、前記ラミネート構造を積層して積層構造を形成した後、前記収容室の内壁の表面にシール剤401を形成し、前記積層構造100のエッジ領域を前記収容室内に嵌め込む。
【0116】
一実施例では、前記シール剤401の材料はブチルゴムを含む。他の実施例では、前記シール剤の材料は、良好な化学的安定性、熱安定性及び電気絶縁性を有し且つ高い気密性と水密性を有する他の材料をさらに含んでもよい。
【0117】
ブチルゴムは良好な化学的安定性、熱安定性及び電気絶縁性を有し、且つ高い気密性と水密性を有するため、水蒸気が前記リード線孔を経由して太陽電池の内部に入ることを効果的に防止でき、前記太陽電池モジュールのシール性と絶縁性の向上に有利であり、太陽電池モジュールの安全性を確保することができるだけでなく、太陽電池モジュールへの水蒸気の侵入による太陽電池の電力減衰を低減させることにも有利であり、前記太陽電池の発電量が減少することを回避し、太陽電池の寿命を延ばすことに有利である。
【0118】
明らかなように、上記実施例は明確に説明するための例に過ぎず、実施形態を限定しない。当業者であれば、上記説明に基づいて他の様々な変化や変更を行うことができる。ここではすべての実施形態を列挙する必要も可能性もない。それによって派生される明らかな変化や変更も本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0119】
101 第1基板
102 太陽電池グループ
103 第2基板
104 第1封止材層
105 第2封止材層
200 シーラント層
W 幅
T 厚さ
L1 距離
L2 距離
K リード線孔
300 シール充填材
100 積層構造
400 封止フレーム
401 シール剤
【国際調査報告】