(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
D06F 37/04 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
D06F37/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522628
(86)(22)【出願日】2022-10-26
(85)【翻訳文提出日】2024-04-16
(86)【国際出願番号】 KR2022016394
(87)【国際公開番号】W WO2023080523
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】10-2021-0148578
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0077300
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】チョ ホンチュン
(72)【発明者】
【氏名】イ チョンミン
(72)【発明者】
【氏名】アン インクン
(72)【発明者】
【氏名】ユン チュハン
【テーマコード(参考)】
3B165
【Fターム(参考)】
3B165AA05
3B165AB23
3B165AB30
3B165AB32
3B165AE01
3B165AE02
3B165BA82
3B165CA01
3B165CA04
3B165CB01
3B165CB31
3B165CB55
3B165CB59
3B165EW02
3B165EW03
3B165EW05
3B165GA02
3B165GA12
3B165GA26
3B165GH03
3B165GH04
(57)【要約】
本発明は、対向する両面が開放された円筒状のドラム体、ドラム体の開放された一面を閉鎖するように備えられ、ドラム体の前方面を形成する前方カバー、ドラム体の開放された他面を閉鎖するように備えられ、ドラム体の後方面を形成する後方カバー、及び前方カバーを貫通して、ドラム体の内部に連通するドラム投入口が備えられるドラムと、後方カバーと離隔した位置に備えられる固定パネルと、固定パネルに固定されるハウジング、一端はハウジングの外部に位置し、他端はハウジングの内部に位置する入力軸、固定パネルを貫通して、一端は後方カバーに固定され、他端はハウジングの内部に位置する出力軸、ハウジングの内部に位置し、入力軸の回転運動を出力軸に伝達する歯車部が備えられる動力伝達部と、及び固定パネル又はハウジングに固定され、回転磁界を形成するステーター、及び入力軸の一端が固定され、回転磁界によって回転するローターが備えられるモーターとを含み、ドラム体、後方カバー、及び前方カバーは同じ材質で備えられ、ドラム体の厚さは、後方カバーの厚さ及び前方カバーの厚さより薄く設定される衣類処理装置に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類が受容されるドラム体、前記ドラム体の前方面を形成する前方カバー、前記ドラム体の後方面を形成する後方カバー、及び前記前方カバーを貫通して、前記ドラム体の内部に連通するドラム投入口が備えられるドラムと、
前記後方カバーと離隔した位置に備えられる固定パネルと、
前記固定パネルに固定されるハウジング、一端は前記ハウジングの外部に位置し、他端は前記ハウジングの内部に位置する入力軸、前記固定パネルを貫通して、一端は前記後方カバーに固定され、他端は前記ハウジングの内部に位置する出力軸、前記ハウジングの内部に位置し、前記入力軸の回転運動を前記出力軸に伝達する歯車部が備えられる動力伝達部と、
前記固定パネル又は前記ハウジングに固定され、回転磁界を形成するステーター、及び前記入力軸の一端が固定され、前記回転磁界によって回転するローターが備えられるモーターと、
前記歯車部に供給される潤滑油が前記ハウジングから排出されることを防止する漏油防止部とを含むことを特徴とする衣類処理装置。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記入力軸が貫通する入力軸貫通穴が備えられるハウジング基部と、前記ハウジング基部に備えられ、前記入力軸貫通穴を囲む入力軸支持部と、前記ハウジング基部の縁部から前記固定パネルに向かって延長され、前記歯車部が取り付けられる受容空間を形成するハウジング円周面と、前記ハウジング円周面に固定され、前記受容空間を閉鎖するカバー体と、前記カバー体を貫通するように備えられ、前記出力軸が挿入される出力軸貫通穴と、及び前記カバー体から前記固定パネルに向かって突出し、前記出力軸貫通穴を囲む出力軸支持部とを含み、
前記漏油防止部は、前記入力軸支持部と前記入力軸との間の空間を密閉する第1封止部;前記出力軸支持部と前記出力軸との間の空間を密閉する第2封止部と、及び前記ハウジング円周面と前記カバー体との間の空間を密閉する第3封止部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項3】
前記ハウジング円周面に備えられ、前記入力軸貫通穴の径方向に沿って前記ハウジング円周面から離れる方向に延長され、前記カバー体が固定されるカバー固定板と、をさらに含み、
前記第3封止部は、前記カバー体と前記カバー固定板との間に位置するリング状のガスケットとして備えられることを特徴とする請求項2に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
前記ハウジング円周面に備えられ、前記入力軸貫通穴の径方向に沿って前記ハウジング円周面から離れる方向に延長され、前記カバー体が固定されるカバー固定板をさらに含み、
前記第3封止部は、前記カバー体から前記カバー固定板に向かって突出するリング状の封止突起;及び前記カバー固定板に備えられ、前記封止突起が受容されるリング状の封止溝;を含むように備えられることを特徴とする請求項2に記載の衣類処理装置。
【請求項5】
前記封止突起は、前記出力軸貫通穴を中心とするリング状の第1突起、及び前記出力軸貫通穴を中心とするが、前記第1突起の直径より長い直径を有するリング状の第2突起を含み、
前記封止溝は、前記第1突起が受容される第1溝、及び前記第2突起が受容される第2溝を含むことを特徴とする請求項4に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
前記封止突起と前記封止溝は熱融着によって接合されることを特徴とする請求項4に記載の衣類処理装置。
【請求項7】
前記第3封止部は、前記封止突起を囲むリング状で備えられ、前記カバー体と前記カバー固定板との間に位置するガスケットとをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の衣類処理装置。
【請求項8】
前記入力軸支持部の内部に固定され、前記入力軸を前記入力軸支持部に回転自在に固定させる入力軸軸受をさらに含み、
前記第1封止部は、前記入力軸軸受と前記入力軸支持部の自由端との間に位置するように備えられることを特徴とする請求項2から請求項7のうちのいずれか1項に記載の衣類処理装置。
【請求項9】
前記入力軸支持部に備えられ、前記第1封止部が前記入力軸貫通穴から引き出されることを防止する第1固定部をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の衣類処理装置。
【請求項10】
前記出力軸支持部の内部に固定され、前記出力軸を前記出力軸支持部に回転自在に固定させる出力軸軸受をさらに含み、
前記第2封止部は、前記出力軸軸受と前記出力軸支持部の自由端との間に位置するように備えられることを特徴とする請求項8に記載の衣類処理装置。
【請求項11】
前記出力軸支持部に備えられ、前記第2封止部が前記出力軸貫通穴から引き出されることを防止する第2固定部をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の衣類処理装置。
【請求項12】
前記入力軸支持部の内部に固定され、前記入力軸を前記入力軸支持部に回転自在に固定させる入力軸第1軸受と、
前記入力軸支持部の内部に固定され、前記入力軸を前記入力軸支持部に回転自在に固定させ、前記入力軸第1軸受と前記入力軸支持部の自由端との間に位置する入力軸第2軸受とをさらに含み、
前記第1封止部は、前記入力軸第1軸受と前記入力軸第2軸受との間に位置するか、前記入力軸第2軸受と前記入力軸支持部の自由端との間に位置するように備えられることを特徴とする請求項2から請求項7のうちのいずれか1項に記載の衣類処理装置。
【請求項13】
前記出力軸支持部の内部に固定され、前記出力軸を前記出力軸支持部に回転自在に固定させる出力軸第1軸受と、
前記出力軸支持部の内部に固定され、前記出力軸を前記出力軸支持部に回転自在に固定させ、前記出力軸第1軸受と前記出力軸支持部の自由端との間に位置する出力軸第2軸受とをさらに含み、
前記第2封止部は、前記出力軸第1軸受と前記出力軸第2軸受との間に位置するか、前記出力軸第2軸受と前記出力軸支持部の自由端との間に位置するように備えられることを特徴とする請求項10に記載の衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
衣類処理装置は、衣類(洗濯対象物、又は乾燥対象物)を洗濯する洗濯機、乾燥する乾燥機、及び衣類の洗濯及び乾燥が両方実行可能な装置の総称である。
【0003】
洗濯機は、水が貯留されるタブ、タブの内部に備えられ、衣類が受容される洗濯ドラム、洗濯ドラムを回転させる駆動部(洗濯駆動部)を含むように備えられ、乾燥機は、衣類が受容される乾燥ドラム、乾燥ドラムを回転させる駆動部(乾燥駆動部)、及び乾燥ドラムに空気を供給して衣類から水分を除去する熱交換部を含むように備えられることが一般である。
【0004】
洗濯駆動部は、タブに固定され、回転磁界を形成するステーター、回転磁界によって回転するローター、タブを貫通し、洗濯ドラムとローターを連結する回転軸を含むように備えられるが、乾燥駆動部は、モーター、モーターの回転軸に固定されたプーリ、プーリの回転運動を乾燥ドラムに連結するベルト(動力伝達部)を含むように備えられることが一般である。
【0005】
洗濯駆動部は、モーターの回転軸が洗濯ドラムとローターを連結するように備えられる。衣類の洗濯や脱水のためには、洗濯駆動部が洗濯ドラムの回転数を高く制御するか、洗濯ドラムの回転方向を変更する必要があるが、モーターの回転軸が洗濯ドラムとローターを直接に連結するように備えられる場合、洗濯ドラムの回転数及び回転方向が容易に制御できるという効果がある。
【0006】
一方、従来の乾燥駆動部は、ベルトなどの動力伝達部が乾燥ドラムとモーターの回転軸を連結する構造が一般である。乾燥機は、乾燥ドラムの回転数を高く維持する必要性や乾燥ドラムの回転方向を変更する必要性が低いため、ベルトなどの動力伝達部によって乾燥ドラムを回転させてもよいからである。但し、乾燥ドラムの回転数及び回転方向が変更できる場合、乾燥ドラムの内部において衣類の動きが制御できるため、乾燥機においても乾燥時間の短縮及び乾燥性能の向上が期待できる。
【0007】
従来の乾燥機の中でローターと乾燥ドラムを減速機(動力伝達部)に連結した乾燥駆動部が備えられたものがある(韓国公開特許公報 第10-2020-0065931号)。この乾燥駆動部は、ローターに連結された入力軸と乾燥ドラムに連結された出力軸とが同軸を形成するように備えられ、乾燥時間の短縮及び乾燥性能の向上が期待できる。
【0008】
前述した乾燥機は、乾燥ドラムの回転数を様々に制御可能であるだけではなく、回転方向の変更が可能であるため、回転軸が固定される乾燥ドラムの耐久性、乾燥ドラムを支持するパネルの耐久性が低下する恐れがある。
【0009】
また、前述した構造の乾燥機は、ドラムの振動が減速機、及び減速機が固定される固定パネルに伝達される構造であるため、ドラムの振動時に減速機の耐久性及び固定パネルの耐久性が低下する恐れがある。
【0010】
また、前述した乾燥機に備えられる減速機の内部には潤滑油が貯留されるが、乾燥ドラムが地面に水平な回転軸を中心として回転する構造の場合、減速機のハウジング円周面にハウジングの接合面が位置し、この接合面を介して潤滑油が外部に漏れる恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、減速機の耐久性の低下及び減速機が固定される固定パネルの耐久性の低下が最小化できる衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0012】
また、本発明は、地面に平行な出力軸、又は地面に対して90度未満の角度で傾斜した出力軸を有する減速機から潤滑油が漏れる恐れが最小化できる衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0013】
また、本発明は、ローターの回転速度を減速してドラムに伝達するが、ローターの回転中心とドラムの回転中心との同心(concentricity)の維持に有利な衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、対向する両面が開放された円筒状のドラム体、ドラム体の開放された一面を閉鎖するように備えられ、ドラム体の前方面を形成する前方カバー、ドラム体の開放された他面を閉鎖するように備えられ、ドラム体の後方面を形成する後方カバー、及び前方カバーを貫通して、ドラム体の内部に連通するドラム投入口が備えられるドラムと、後方カバーと離隔した位置に備えられる固定パネルと、固定パネルに固定されるハウジング、一端はハウジングの外部に位置し、他端はハウジングの内部に位置する入力軸、固定パネルを貫通して、一端は後方カバーに固定され、他端はハウジングの内部に位置する出力軸、ハウジングの内部に位置し、入力軸の回転運動を出力軸に伝達する歯車部が備えられる動力伝達部と、及び固定パネル又はハウジングに固定され、回転磁界を形成するステーター、及び入力軸の一端が固定され、回転磁界によって回転するローターが備えられるモーターとを含む衣類処理装置を提供する。
【0015】
ドラム体、後方カバー、及び前方カバーは、同じ材質で備えられ、ドラム体の厚さは、後方カバーの厚さ及び前方カバーの厚さより薄く設定される。
【0016】
固定パネルの厚さは、後方カバーの厚さより厚く設定される。
【0017】
衣類処理装置は、固定パネルが後方カバーの位置する方向に向かって又は後方カバーから離れる方向に向かって折曲され、出力軸を囲むリング状のパネル折曲部とをさらに含む。
【0018】
パネル折曲部は、固定パネルが後方カバーの位置する方向に向かって折曲するように備えられ、ハウジングは、パネル折曲部の内部に位置するように備えられる。
【0019】
衣類処理装置は、後方カバーが前方カバーの位置する方向又は固定パネルの位置する方向に向かって折曲され、出力軸が固定されるドラム折曲部とをさらに含む。
【0020】
ドラム体の厚さ、後方カバーの厚さ、及び前方カバーの厚さのうち、前方カバーの厚さが最も厚く設定される。
【0021】
ドラム体の厚さ、後方カバーの厚さ、及び前方カバーの厚さのうち、後方カバーの厚さが最も厚く設定される。
【0022】
衣類処理装置は、前方カバーの円周面又はドラム体の円周面を回転自在に支持するドラム支持部;をさらに含む。
【0023】
入力軸と出力軸は同心軸を形成し、入力軸と出力軸は地面(ground)に平行に備えられる。
【0024】
入力軸と出力軸は同心軸を形成し、入力軸と出力軸は地面(ground)に対して90度未満の角度で傾斜して備えられる。
【0025】
ハウジングは、入力軸が貫通する入力軸貫通穴が備えられるハウジング基部と、ハウジング基部に備えられ、入力軸貫通穴を囲む入力軸支持部と、ハウジング基部の縁部から固定パネルに向かって延長され、歯車部が取り付けられる受容空間を形成するハウジング円周面と、ハウジング円周面に固定され、受容空間を閉鎖するカバー体と、カバー体を貫通するように備えられ、出力軸が挿入される出力軸貫通穴と、カバー体から固定パネルに向かって突出し、出力軸貫通穴を囲む出力軸支持部;及び歯車部に供給された潤滑油が受容空間から排出されることを防止する漏油防止部とをさらに含む。
【0026】
漏油防止部は、入力軸支持部と入力軸との間の空間を密閉する第1封止部と、出力軸支持部と出力軸との間の空間を密閉する第2封止部と、ハウジング円周面とカバー体との間の空間を密閉する第3封止部;を含む。
【0027】
衣類処理装置は、ハウジング円周面に備えられ、入力軸貫通穴の径方向に沿ってハウジング円周面から離れる方向に延長され、カバー体が固定されるカバー固定板とをさらに含み、第3封止部は、カバー体からカバー固定板に向かって突出するリング状の封止突起と、カバー固定板に備えられ、封止突起が受容されるリング状の受容溝;を含む。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、減速機の耐久性の低下及び減速機が固定される固定パネルの耐久性の低下が最小化できる衣類処理装置を提供する。
【0029】
また、本発明は、地面に平行な出力軸、又は地面に対して90度未満の角度で傾斜した出力軸を有する減速機から潤滑油が漏れる恐れが最小化できる衣類処理装置を提供する。
【0030】
また、本発明は、ローターの回転速度を減速してドラムに伝達するが、ローターの回転中心とドラムの回転中心との同心(concentricity)の維持に有利な衣類処理装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【0032】
【
図2】キャビネットの構造及び支持パネルの一例を示す。
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【
図8】動力伝達部、固定パネル、及びドラムの結合構造の一例を示す。
【0038】
【0039】
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、添付図面を参考しながら衣類処理装置の実施例について詳細に説明する。
【0041】
図1は衣類処理装置100の一例を示し、衣類処理装置100は、キャビネット1、及びキャビネットの内部に回転自在に備えられ、衣類(洗濯対象物又は乾燥対象物)が受容される空間を提供するドラム2を含むように備えられる。
図2に示すように、キャビネット1の内部にはドラム2に高温の乾燥空気(常温より高い温度の空気、室内空気の乾燥度より高い乾燥度の空気)を供給して、衣類から水分を除去する乾燥部3が備えられる。
【0042】
キャビネット1は、衣類処理装置の前方面を形成する前方パネル11、及び衣類処理装置の底面を形成する基部パネル17を含む。前方パネル11にはドラム2に連通する投入口111が備えられるが、投入口111は、ドア113によって閉鎖されるように備えられる。
【0043】
前方パネル11には制御パネル115が備えられるが、制御パネル115には、ユーザから制御命令が入力される入力部、ユーザが選択可能な制御命令などの情報が出力される表示部が備えられる。入力部は、衣類処理装置に電力供給を要請する電力供給要請部、複数のコースのうち、ユーザが希望するコースを選択可能にするコース入力部、ユーザが選択したコースの開始を要請する実行要請部を含むように備えられる。
【0044】
ドラム2はその内部が中空の円筒状で備えられる。
図3に示すように、ドラム2は前方面及び後方面が開放された円筒状のドラム体21、ドラム体21に固定され、前方面を閉鎖する前方カバー22(ドラムの前方面を形成)、及びドラム体21に固定され、後方面を閉鎖する後方カバー23(ドラムの後方面を形成)を含むように備えられる。
【0045】
前方カバー22には、ドラム体21の内部を外部と連通させるドラム投入口221が備えられ、後方カバー23には外気をドラム体21に流入させる空気流入口233が備えられる。
【0046】
ドラム体21にはリフター24がさらに備えられる。リフター24は、衣類がドラムの内部において上昇と落下を繰り返すようにする手段である。リフター24は、前方カバー22から後方カバー23に向かって延長された板(board)が、ドラム体21からドラム2の回転中心に向かって突出(ドラムの円周面からドラムの回転中心に向かって突出)されることで備えられる。
【0047】
衣類処理装置100が衣類の乾燥のみのための装置として備えられる場合、ドラム2にはドラムの内部をドラムの外部と連通させるために、ドラム体21を貫通するドラム貫通穴が備えられなくてもよい。
【0048】
一方、衣類処理装置100が衣類の乾燥及び洗濯のための装置として備えられる場合、キャビネットの内部には水が貯留されるタブが備えられ、ドラムは、タブの内部に回転自在に備えられる。この場合、ドラム体にはタブとドラムの内部を連通させるドラム貫通穴が備えられる必要がある。
【0049】
図4に示すように、前述したドラム2は、本体第1支持部12と本体第2支持部15の少なくともいずれか1つに回転自在に固定される。
図4は、後方カバー23は、後述する動力伝達部6を介して本体第2支持部15に回転自在に固定され、前方カバー22は、本体第1支持部12に回転自在に連結される一例を示す。
【0050】
本体第1支持部12は、キャビネット1に固定され、前方パネル11と前方カバー22との間に位置する支持パネル121として備えられる。支持パネル121は、基部パネル17に固定されることで、前方パネル11と前方カバー22との間に位置するように備えられる。
【0051】
支持パネル121は、支持パネル貫通穴122、支持パネル貫通穴122とドラム投入口221を連結するドラム連結体123、支持パネル貫通穴122と投入口111を連結するパネル連結体125を含むように備えられる。支持パネル貫通穴122は、支持パネル121を貫通するように備えられ、投入口111とドラム投入口221を連通させる手段である。
【0052】
ドラム連結体123は、支持パネル121の後方面(支持パネルが提供する空間のうち、ドラム投入口に向かう面)に固定されるパイプとして備えられる。ドラム連結体123の一端は支持パネル貫通穴122を囲むように備えられ、ドラム連結体123の自由端は前方カバー22を支持するように備えられる。即ち、ドラム連結体123の自由端はドラム投入口221に挿入されてもよく、ドラム投入口221を形成する前方カバー22の自由端(ドラム投入口の縁部)に接触するように備えられてもよい。
図4は、ドラム連結体123の自由端が前方カバー22の自由端に接触する一例を示す。
【0053】
パネル連結体125は、支持パネル121の前方面(支持パネルが提供する空間のうち、前方パネルに向かう面)に固定されるパイプとして備えられる。パネル連結体125の一端は支持パネル貫通穴122を囲むように備えられ、パネル連結体125の他端は投入口111に連結されるように備えられる。よって、投入口111に供給される衣類は、パネル連結体125、支持パネル貫通穴122、ドラム連結体123、及びドラム投入口221を介してドラム体21に移動する。
【0054】
支持パネル121には、ドラム2の内部の空気をドラムの外部に排出する排気口126が備えられ、排気口126にはフィルタ127が着脱自在に固定される。フィルタ127は、ドラム2から排気口126に移動する空気から異物をろ過可能なものであればどのような構造でもよい。
【0055】
支持パネル121には、ドラム2の下垂を防止するドラム支持部128がさらに備えられる。ドラム支持部は、支持パネル121に固定され、ドラム2を回転自在に支持するローラーとして備えられる。ドラム支持部128は、ドラムのうち、ドラム投入口の中心を通過する水平線の下部に位置する領域を支持するように備えられる。
【0056】
図4はドラム支持部128が前方カバー22を支持するように備えられることを示すが、ドラム支持部128はドラム体21の円周面を支持するように備えられてもよい。
【0057】
本体第2支持部15は、後方カバー23と離隔した地点に位置するようにキャビネット1に固定される固定パネル151として備えられる。
図5は、固定パネル151が基部パネル17に固定され、衣類処理装置100の後方面(キャビネットの後方面)を形成する一例を示す。
【0058】
固定パネル151には、モーター5が取り付けられる空間を提供するパネル折曲部152が備えられる。パネル折曲部152は、固定パネル151がドラムの後方カバー23が位置する方向に向かって凹んで折曲した溝として備えられる。固定パネル151には、ドラム2を回転させる軸(出力軸)が貫通する固定パネル貫通穴153が備えられるが、固定パネル貫通穴153は、パネル折曲部152の内部に位置する。
【0059】
前述のように、ドラム2が、ドラム体21、ドラム体に固定される前方カバー22、及びドラム体に固定される後方カバー23からなる場合、ドラム体21の開放された前方面及び後方面が支持パネル121及び固定パネル151のそれぞれに回転自在に連結される構造に比べて、ドラムの剛性が高くなる。ドラムの剛性が高くなる場合、ドラムの回転時においてドラム体21の変形を最小化することができ、これはドラム体21の変形時にドラム体と支持パネルとの間の空間、ドラム体と固定パネルとの間の空間に衣類が挟まれる問題を最小化することができる(モーターの負荷を最小化することができる)。
【0060】
図4に示すように、乾燥部3は、排気口126に連結される排気流路31、排気流路31から供給される空気をドラム体21に導く供給流路32、及び排気流路31の内部に備えられ、空気の除湿と加熱を順次に行う熱交換部34を含むように備えられる。
【0061】
排気流路31は、排気口126に連結される第1ダクト311、供給流路32に連結される第2ダクト312、第1ダクト311と第2ダクト312を連結する第3ダクト313を含むように備えられる。第3ダクト313は基部パネル17に固定される。
【0062】
熱交換部34は、排気流路31に流入された空気の除湿と加熱を順次に進行可能であれば様々な装置として備えられるが、
図4は熱交換部34がヒートポンプ(heat pump)として備えられる一例を示す。即ち、熱交換部34は、排気流路31に流入された空気から水分を除去する第1熱交換機(吸熱部)341、排気流路31の内部に備えられ、吸熱部341を通過した空気を加熱する第2熱交換機(発熱部)343、及びドラム2から排出された空気が吸熱部と発熱部を順次に経た後、その空気を供給ダクト32に移動させるファン349を含む。
【0063】
吸熱部341と発熱部343は空気の移動方向に沿って順次に配置され、冷媒の循環流路を形成する冷媒管348を介して互いに連結される。冷媒は、排気流路31の外部に位置する圧縮機345によって冷媒管348に沿って移動し、冷媒管348には冷媒の圧力を調節する圧力調節器347が備えられる。
【0064】
図5に示すように、ドラムの後方カバー23に備えられる空気流入口233は複数の穴が後方カバー23の中心(ドラムの回転中心)を囲むように配置されることで備えられる。この場合、供給流路32は、固定パネル151に備えられ、第2ダクト312から排出される空気の移動経路を形成する供給ダクト321、供給ダクト321の内部の空気を空気流入口233に導く第1流路形成部323及び第2流路形成部324を含むように備えられる。
【0065】
供給ダクト321は、固定パネル151が後方カバー23から離れる方向に折曲されることで流路(空気の移動経路)を形成するように備えられる。また、供給ダクト321は、パネル折曲部152を囲むリング状で備えられ、第2ダクト312の排出口は供給ダクト321の円周面に連結されるように備えられる。
【0066】
第1流路形成部323は、空気流入口233が形成するリング(ring)の外側円周面(リングの2つの円周面のうち、長い直径を有する円周面)を囲むように備えられ、第2流路形成部324は、空気流入口233が形成するリングの内側円周面(リングの2つの円周面のうち、短い直径を有する円周面)を囲むように備えられる。
【0067】
第1流路形成部323と第2流路形成部324は後方カバー23に固定されてもよく、供給ダクト321に固定されてもよいが、
図5は流路形成部323、324が後方カバー23に固定される一例を示す。
【0068】
図5の場合、第1流路形成部323の自由端は供給ダクト321が形成する流路(リング状の流路)の外側円周面を囲み、第2流路形成部324の自由端は供給ダクト321が形成する流路の内側円周面を囲むように備えられる。第1流路形成部323と第2流路形成部324は、ゴムやフェルト(felt)などで備えられる。
【0069】
ドラム2の回転に必要な動力を発生させるモーター5は、パネル折曲部152に位置して回転磁界(rotating field)を形成するステーター51、及び回転磁界によって回転するローター52を含むように備えられる。ローター52の回転運動は、固定パネル151に固定される動力伝達部6を介してドラム2に伝達され、ステーター51は、固定パネル151又は動力伝達部6のうちの少なくとも1つに固定される。
【0070】
パネル折曲部152に位置するモーター5が外部に露出されることを防止するために(外部環境にモーターが露出されることを防止することで、モーターの耐久性向上及び安全事故防止のために)、固定パネル151にはモーター5が外部へ露出されることを防止するカバーパネル19がさらに備えられる。また、カバーパネル19は、供給ダクト321が外部に露出されることも防止可能な形状(供給ダクトを囲む形状)で備えられる。供給ダクト321の外部に熱が抜け出すことを最小化するだけではなく、供給ダクト321に身体が接触されるときに発生可能な安全事故を防止するためである。
【0071】
ステーター51は、中心に貫通穴(コア貫通穴)が備えられるリング状のコア511、コア511の外側円周面から放射状に突出する複数の支持棒513、コア及び支持棒を絶縁するインシュレーター512、及び支持棒513を囲むように備えられるコイル514を含むように備えられる。
【0072】
ローター52は、ディスク状のローター体521、ローター体521の縁部から固定パネル515に向かって延長され、ステーター51が受容される空間を形成するローター円周面522、及びN極とS極が交番に露出されるようにローター円周面522に固定される複数の永久磁石523を含むように備えられる。
【0073】
図6は、ローター52とドラムの後方カバー23を連結する動力伝達部6の一例を示す。
【0074】
動力伝達部6は、固定パネル151に固定されるハウジングH、ハウジングHの底面(ローターが位置する方向に向かう面)に回転自在に固定される入力軸64、ハウジングHの上部面(固定パネルが位置する方向に向かう面)に回転自在に固定される出力軸65、及びハウジングの内部に備えられ、入力軸64の回転運動を出力軸65に伝達する歯車部Gを含むように備えられる。
【0075】
入力軸64は、一端はローター52に固定され、他端はハウジングHの内部に位置するシャフトとして備えられ、出力軸65は、一端は後方カバー23に固定され、他端はハウジングHの内部に位置するシャフトとして備えられる。歯車部Gは、ハウジングHの内部に位置する入力軸64の一端とハウジングの内部に位置する出力軸65の一端を連結するように備えられる。
【0076】
ハウジングHは、固定パネル151に固定され、ドラム2が位置する空間(キャビネットの内部空間)と分離された空間(キャビネットの外部空間)に位置するように備えられることが好ましい。キャビネットの内部の熱(ドラムや乾燥部から放出される熱)がハウジングHの内部に伝達されることを最小化することで、動力伝達部6の耐久性を向上させるためである。
【0077】
入力軸64は、軸固定部54を介してローター体521に結合される。軸固定部54には入力軸64の一端が固定される軸固定穴543を含むように備えられる。
【0078】
出力軸65は、固定パネル貫通穴153に挿入され、後方カバー23に連結されるが、後方カバー23には出力軸65が固定される軸締結部25が備えられる。出力軸65の回転時に後方カバー23の中心に作用する応力を分散するためである。
【0079】
軸締結部25は、後方カバー23に備えられるドラム折曲部235に備えられる。ドラム折曲部235は、後方カバー23が前方カバー22に向かって折曲された溝として備えられるが、出力軸65を囲むリングを形成するように備えられることが好ましい。前述したドラム折曲部235は、後方カバー23の振動が出力軸65に伝達されることを減殺することができる。
【0080】
固定パネル151に備えられるパネル折曲部152は、ハウジングHの振動が固定パネル151の他の領域に伝達されることを最小化することができるため、ドラム折曲部235やパネル折曲部152が備えられる衣類処理装置100は、ドラムの振動が動力伝達部6に伝達されることを最小化することができる(ドラム、固定パネル及び動力伝達部の耐久性の向上)。
【0081】
固定パネル151の変形を最小化するために、ハウジングHは、伝達部ブラケット61及びハウジング締結部612を介して固定パネル151に固定される。
【0082】
図5に示すように、伝達部ブラケット61には、出力軸65が貫通するブラケット貫通穴611が備えられ、ハウジング締結部612は、ハウジングHと伝達部ブラケット61を連結するボルトとして備えられる。伝達部ブラケット61は、固定パネル151と同じ材質で備えられてもよく、固定パネル151の強度より高い強度を有する材質で備えられてもよい。
【0083】
図6に示すように、ハウジングHは、内部が中空の円筒状で備えられるが、固定体151に向かう面に開放穴が備えられるハウジング体62、及びハウジング体62に固定され、開放穴を閉鎖するハウジングカバー63を含むように備えられる。
【0084】
ハウジング体62は、歯車部Gが取り付けられる受容空間621を形成するように備えられる。受容空間621は、入力軸64が固定されるハウジング基部62a、及びハウジング基部62aの縁部からハウジングカバー63に向かって延長されるハウジング円周面62bを介して形成されるように備えられる。
【0085】
図7に示すように、ハウジング体62には、ハウジング基部62aからローター52に向かって延長される入力軸支持部625が備えられるが、入力軸支持部625は、ハウジング体62を貫通する入力軸貫通穴626を囲むパイプとして備えられる。
【0086】
入力軸貫通穴626に挿入される入力軸64は、入力軸軸受628、629を介して入力軸支持部625に回転自在に固定される。入力軸軸受は、入力軸支持部625に固定される入力軸第1軸受628、及び入力軸貫通穴626の内部に固定され、入力軸第1軸受628とローター52との間に位置する入力軸第2軸受629を含むように備えられる。
【0087】
ハウジングカバー63は、ハウジング体62に備えられる開放穴を開閉可能であればどのような形状でもよいが、
図7はハウジングカバー63がディスク状のカバー体631として備えられる一例を示す。ハウジングカバー63は、ハウジング円周面62bに備えられるカバー固定板623を介してハウジング体62に固定されるように備えられる。
【0088】
ハウジングカバー63は、カバー体631を貫通するように備えられる出力軸貫通穴632、カバー体631から固定パネル151に向かって延長されるが、出力軸貫通穴632を囲むパイプ状の出力軸支持部635を含むように備えられる。
【0089】
出力軸支持部635には出力軸65を出力軸貫通穴632に回転自在に固定する出力軸軸受638、639が備えられる。
【0090】
出力軸軸受は、出力軸支持部635に固定され、出力軸貫通穴631の内部に位置する出力軸第1軸受638及び出力軸第2軸受639を含むように備えられる。
【0091】
カバー体631の縁部には、ステーター51が固定される取付部637が備えられる。この場合、ステーター51は、インシュレーター512と取付部637を結合するボルトによってハウジングHに固定される。
【0092】
歯車部Gは、ハウジング円周面62bに固定され、受容空間621に位置するリング歯車66、入力軸64に固定され、受容空間621の内部に位置する主動歯車69、受容空間622の内部に位置し、出力軸65の他端が固定されるケージ67、ケージ67に回転自在に固定され、主動歯車69とリング歯車66を連結する従動歯車68を含むように備えられる。
【0093】
リング歯車(ring gear)66は、ハウジング円周面62bに固定される歯車体661、歯車体を貫通するように備えられる歯車体貫通穴663、及び歯車体の内側円周面に沿って備えられる歯車の歯(gear teeth)665を含むように備えられる。
【0094】
ケージ67は、歯車体貫通穴663の内部に位置し、出力軸65の一端が固定される第1基部671、歯車体貫通穴663の内部に位置し、中央に基部貫通穴673が備えられる第2基部672、及び第1基部と第2基部を連結し、従動歯車68の回転軸を形成する連結軸675を含むように備えられる。出力軸65は、第1基部671に固定されるため、出力軸65が回転するか否かはケージ67が回転するか否かに応じて決定される。
【0095】
従動歯車68は、連結軸675に回転自在に固定される複数の歯車で備えられるが、図面では従動歯車が第1従動歯車681、第2従動歯車682、及び第3従動歯車683で備えられる一例を示す。
【0096】
入力軸64は、基部貫通穴673に挿入され、出力軸65と同軸を形成し、主動歯車69に備えられる歯車の歯は、従動歯車間に形成される空間に位置し、従動歯車682、682、683の歯に噛み合う。
【0097】
出力軸65が回転するとき、後方カバー23の中心に作用する応力を分散するために(後方カバーの耐久性の低下を最小化するために)、出力軸65は軸締結部25を介してドラムの後方カバー23に連結される。
【0098】
図8に示すように、後方カバー23には後方カバー貫通穴231が備えられ、軸締結部25は後方カバー23のドラム折曲部235に位置し、後方カバー貫通穴231を閉鎖するように備えられる。
【0099】
軸締結部25には出力軸65が挿入される締結部貫通穴251が備えられる。締結部貫通穴251に挿入される出力軸65は、ナット252によって軸締結部25に固定される。このために、出力軸の円周面にはねじ山651が備えられる。
【0100】
前述した軸締結部25がドラム2の内部に露出されることを防止するために、衣類処理装置100には締結部カバー27がさらに備えられる。締結部カバー27は、後方カバー貫通穴231を閉鎖し、軸締結部25の露出が防止できるものであれば、どのような形状でもよい。
【0101】
締結部カバー27はボルト273によって出力軸65に固定される。このために、締結部カバー27にはボルト273が挿入されるカバー貫通穴271が備えられ、出力軸65の一端にはボルトが締結される締結溝652が備えられる。
【0102】
出力軸65と軸締結部25の結合を容易にするために、出力軸65にはワッシャー(washer)653がさらに備えられる。ワッシャー653は、出力軸65の自由端(ねじ山が形成される出力軸の一端)の直径より長い直径を有するように備えられ、中心に出力軸65の自由端が挿入されるワッシャー貫通穴654が備えられる。
【0103】
ワッシャー653は、ドラムの後方カバー23と出力軸65が直角の状態で組み立てられるようにし(組立て性の向上)、またナット252が振動によってねじ山651から分離される恐れを減らす手段である。
【0104】
前述した動力伝達部6の作動過程は、以下のようである。ローター52の回転時に入力軸64が回転する。入力軸64によって主動歯車69が回転すると、主動歯車69に噛み合わされている従動歯車681、682、683も回転する。従動歯車681、682、683は、ハウジング体62に固定されるリング歯車66に噛み合わされた状態であるため、従動歯車68の回転時にケージ67及び出力軸65が回転し、出力軸65に固定されるドラム2も回転する。
【0105】
前述した構造を有する衣類処理装置100は、ドラム2の回転時に動力伝達部6及び固定パネル151に振動が伝達される。ドラムの回転時に衣類は、ドラムの内部において上昇と落下を繰り返し、ドラムに発生した振動は、出力軸65を介して歯車部G及びハウジングHに伝達され、ハウジングHの振動は固定パネル151に伝達されるからである。
【0106】
歯車部Gを含む動力伝達部6の耐久性、及び固定パネル151の耐久性の低下を最小化するために、ドラム2は、衣類がドラムの内部において落下するときに発生する振動のうちの一部を吸収可能な構造として備えられる。
【0107】
前述のように、ドラム2は、ドラム体21、前方カバー22及び後方カバー23の結合で構成される。この場合、ドラムの回転によって落下する衣類のほとんどはドラム体21に衝突する。よって、ドラム体21の剛性が前方カバー22の剛性及び後方カバー23の剛性より弱く設定される場合、衣類がドラム体に衝突するときに発生する力の一部をドラム体21が吸収する。
【0108】
図9はドラム体21、前方カバー22、及び後方カバー23が同じ材質で備えられる場合、ドラム体21の剛性を低下できる一例を示す。
【0109】
この場合、ドラム体21の厚さt1は、後方カバー23の厚さt3及び前方カバー22の厚さt2より薄く設定される。ドラム体21の厚さt1が他の2つのカバーの厚さt2、t3より薄く設定される場合、衣類が落下するとき、ドラム2に入力される力のうちの一部はドラム体21が吸収可能である。よって、
図9の構造を有するドラム2は、ハウジングH及び固定パネル151に外力が伝達されることを最小化することができる。
【0110】
一方、前方カバー22にはドラム投入口221が備えられるため、ドラム体21や後方カバー23に比べて剛性が低い。これを補完するために、ドラム2のうち、前方カバー22の厚さt3を最も厚く設定する。これは前方カバー22が前述したドラム支持部128によって支持される構造の場合にも同様である。
【0111】
但し、前方カバー22の円周面がドラム支持部128によって支持される構造である場合は、前方カバー22に変形が発生する可能性が低いため、ドラム2のうち、後方カバー23の厚さt3を最も厚く設定することが好ましい。後方カバー23は出力軸65から供給される力をドラム体21に伝達する必要があるからである。後方カバーの厚さt3を最も厚く設定する場合、ドラム体21の振動が出力軸65に伝達されることを最小化する効果まで期待できる。
【0112】
図10を参照しながらより詳細に説明すれば、ドラム2の内部から発生した振動は、厚さの最も薄いドラム体21によって先に低減される。ドラム体21が吸収できなかった振動は、ドラム体21より厚い後方カバー23が吸収し、後方カバー23が吸収できなかった振動は、出力軸65を介して動力伝達部6のハウジングHに伝達される。
【0113】
ハウジングHは固定パネル151に固定され、ハウジングHに伝達される振動の一部は固定パネル151が吸収するため、前述した構造の衣類処理装置は、ドラム2の内部の振動がハウジングHの内部に備えられる歯車部Gに伝達されることを最小化することができる。
【0114】
一方、動力伝達部6のハウジングHはパネル折曲部152に固定されるため、前述した構造の衣類処理装置は、出力軸65を介してハウジングHに伝達される振動が固定パネル15の他の領域に伝達されることを最小化することもできる。
【0115】
よって、衣類処理装置100は、ドラムの回転時に発生する振動によって動力伝達部6の耐久性が低下する問題、及び固定パネル151の耐久性が低下する問題を最小化することができる。
【0116】
動力伝達部6に備えられる出力軸65と入力軸64は同心軸を形成し、出力軸65と入力軸64は地面(ground、キャビネットが設けられる空間の底面)に平行A1に備えられる。これはハウジング体62とハウジングカバー63の接合面が地面に直交することを意味し、このような構造的な特徴のため、歯車部Gに供給された潤滑油がハウジング体62とハウジングカバー63の接合面を介して漏れる可能性がある。
【0117】
受容空間621の内部の潤滑油がハウジングHの外部に漏れることを防止するために、動力伝達部6には漏油防止部7がさらに備えられる。
【0118】
図11は漏油防止部7の実施例を示す。漏油防止部7は、入力軸支持部625と入力軸64の間の空間を密閉する第1封止部71、出力軸支持部635と出力軸65の間の空間を密閉する第2封止部72、及びハウジング円周面62bとカバー体631の接合面を密閉する第3封止部73を含むように備えられる。
【0119】
第1封止部71は、入力軸支持部625の内部に固定されるリング状のガスケット(gasket)として備えられる。この場合、第1封止部71は、入力軸第1軸受628と入力軸第2軸受629の間に位置するように備えられてもよく、入力軸第2軸受629と入力軸支持部625の自由端F1の間に位置するように備えられてもよい。
【0120】
第2封止部72は、出力軸支持部635の内部に固定されるリング状のガスケット(gasket)として備えられる。この場合、第2封止部72は、出力軸第1軸受638と出力軸第2軸受639の間に位置するように備えられてもよく、出力軸第2軸受639と出力軸支持部635の自由端F2の間に位置するように備えられてもよい。
【0121】
図面とは異なり、入力軸軸受及び出力軸軸受のそれぞれが1つの軸受のみで備えられる場合、第1封止部71は、入力軸軸受と入力軸支持部の自由端F1の間に位置するように備えられ、第2封止部72は、出力軸軸受と出力軸支持部の自由端F2の間に位置するように備えられることが好ましい。
【0122】
第3封止部73は、ハウジング円周面62bとカバー体631の接合面を密閉可能であれば、様々な構造で備えることができる。
図11のハウジングHは、カバー体631がカバー固定板623によってハウジング体62に連結される。よって、第3封止部73は、カバー固定板623とカバー体631の縁部(カバー固定板に接触する領域)を封止するように備えられることが好ましい。
【0123】
図面に示すように、第3封止部73は、カバー体631とカバー固定板623の間に位置するリング状のガスケット(gasket)733として備えられる。
【0124】
これとは異なり、第3封止部73は、カバー体631とカバー固定板623のいずれか1つからその他の1つに向かって突出するリング状の封止突起731、及びカバー体631とカバー固定板623のうちの残りの1つに備えられ、封止突起731が受容される封止溝732を含むように備えられる。図面においては、封止突起731はカバー体631に備えられ、封止溝732はカバー固定板623に備えられることを示す。封止突起731と封止溝732は熱融着によって接合するように備えられる。
【0125】
図示していないが、封止突起731及び封止溝732の数は2つ以上に備えられる。即ち、封止突起731は出力軸貫通穴632を中心とするリング状の第1突起、及び出力軸貫通穴632を中心とするが、第1突起の直径より長い直径のリング状の第2突起を含み、封止溝732は第1突起が受容される第1溝、及び第2突起が受容される第2溝を含むように備えられる。
【0126】
さらに、第3封止部73は、封止突起731、封止溝732、及びガスケット733をいずれも含むように備えられる。この場合、ガスケット733が封止突起731を囲むように備えられてもよく、封止突起731がガスケット733を囲むように備えられてもよい。
【0127】
第1封止部71、及び第2封止部72は、ハウジングHとは異なる材質で備えられてもよい。この場合、封止部71、72の熱変形率は、ハウジングHの熱変形率とは異なるため、場合によって封止部71、72がハウジングHから分離される可能性が排除できない。
【0128】
第1封止部71及び第2封止部72がハウジングHから分離されることを防止するために、衣類処理装置100にはシーラー固定部74、75がさらに備えられる。
【0129】
シーラー固定部は、第1封止部71が入力軸支持部625から分離されることを防止する第1固定部74、及び第2封止部72が出力軸支持部635から分離されることを防止する第2固定部75を含むように備えられる。
【0130】
第1固定部74は、入力軸支持部625から入力軸貫通穴626の中心(入力軸の円周面)に向かって突出する突起又はリング状のリブとして備えられる。この場合、入力軸支持部625の円周面から第1固定部74の自由端までの距離L1は、入力軸支持部625の円周面から第1封止部71の円周面までの距離より長く、入力軸支持部625の円周面から入力軸64の円周面までの距離よりは短く設定される。
【0131】
同様に、第2固定部75は、出力軸支持部635から出力軸貫通穴632の中心(出力軸の円周面)に向かって突出する突起又はリング状のリブとして備えられる。この場合、出力軸支持部635の円周面から第2固定部75の自由端までの距離L2は、出力軸支持部635の円周面から第2封止部72の円周面までの距離より長く、出力軸支持部635の円周面から出力軸65の円周面までの距離よりは短く設定される。
【0132】
前述した実施例は、ドラム2が地面に平行な軸を中心として回転する衣類処理装置100を基準として説明したが、前述したドラム2の構造及び漏油防止部7は、ドラムの軸が地面に対して傾斜している場合にも適用できる。即ち、
図9に示すように、前述したドラム2及び漏油防止部7は、入力軸と出力軸を連結する直線が地面に対して90度未満の角度A2で傾斜している場合にも適用できる。
【0133】
前述した衣類処理装置は、様々な形態に変更して実施されることができ、本発明の権利範囲は前述した実施例に限られない。
【国際調査報告】