(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】グラフェンを生産するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
C01B 32/184 20170101AFI20240920BHJP
【FI】
C01B32/184
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541118
(86)(22)【出願日】2022-09-21
(85)【翻訳文提出日】2024-05-17
(86)【国際出願番号】 CA2022051406
(87)【国際公開番号】W WO2023044569
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522145524
【氏名又は名称】ユニバーサル マター インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ウラジミール・マンセフスキー
(72)【発明者】
【氏名】デュイ・シュアン・ルオン
(72)【発明者】
【氏名】タイラー・クックジー
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ウィリアムズ
(72)【発明者】
【氏名】エイタン・マゾール
(72)【発明者】
【氏名】ジヨン・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ベニー・ジェイ
【テーマコード(参考)】
4G146
【Fターム(参考)】
4G146AA01
4G146BA01
4G146BA11
4G146BA21
4G146BA31
4G146BC02
4G146DA32
(57)【要約】
提供されるのは、原料を、原料よりも高い結晶化度を有する結果としての材料に変換するためのデバイス、方法、および材料である。デバイスは、抵抗電気負荷を形成し、少なくとも0.1kgの質量を備える原料を拘束するように構成された拘束リザーバを含む。デバイスは、原料をジュール加熱するために原料に電流を流すように構成された電極と、原料電気抵抗を調整するために原料を圧縮するように構成された圧縮システムと、電極に電気的に接続された交流(AC)電源とをさらに備える。デバイスは、原料に送達される電流を制御するための電気コントローラをさらに備える。方法は、拘束リザーバに原料を充填することと、原料を圧縮することと、原料をAC電源に電子的に接続することと、限界に達するまで抵抗負荷に電力を印加することとをさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの原料を、前記原料よりも高い結晶化度を有する結果としての材料に変換するためのデバイスであって、
前記原料を拘束するように構成された拘束リザーバであって、
前記原料は、抵抗電気負荷として作用し、
前記原料は、少なくとも0.1kgの質量を備える、拘束リザーバと、
前記原料をジュール加熱するために前記原料に電流を流すように構成された複数の電極と、
原料電気抵抗を調整するために前記原料を圧縮力で圧縮するように構成された圧縮システムと、
前記電極に交流電流を供給するためのAC電源と、
前記原料に送達される前記電流を制御するように構成された少なくとも1つの電気コントローラと、を備えるデバイス。
【請求項2】
前記原料は炭素を含み、結果としての前記材料はグラフェンを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記原料の前記変換は、結果として、グラフェン、1D炭素および2D炭素、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノリボン、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、窒化ホウ素、炭窒化ホウ素、フッ素化ナノダイヤモンド、フッ素化ターボストラティックグラフェン、フッ素化同心円炭素、ヘテロ原子ドープグラフェン、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化モリブデン、炭化タングステン、炭化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ニオブ、ロジウム、パラジウム、銀、金、コバルト、希土類元素、コランダムナノ粒子、黒鉛アノード電池材料、カソード電池材料をもたらす、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記電極はさらに、前記原料を拘束するように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記AC電源は、グリッド電源および産業用発電機のうちの1つまたは複数である、請求項1から4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記AC電源は、純電源および整流電源のうちの1つまたは複数である、請求項1から5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記原料は、メタン、冶金コークス、無煙炭、生石油コークス、か焼石油コークス、再生タイヤカーボンブラック、カーボンブラック、炭、バイオ炭、木炭、植物炭、挽いたコーヒー、コーヒー炭、プラスチック、プラスチック炭、プラスチック灰、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、および発泡スチロール、からのターコイズ水素の生産を含む水素生産プロセス由来の炭素のうちの1つまたは複数を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記原料はさらに、少なくとも1つの二次材料を含み、
前記二次材料は、犠牲物質、触媒、または反応物質のうちの1つまたは複数である、請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記二次材料は、水、挽いたコーヒー、コーンスターチ、松樹皮、ポリエチレンマイクロワックス、蝋、chemplex 690、セルロース、ナフテン油、アスファルテン、ギルソナイト、水、カルボキシメチルセルロース(CMC)、リグナン、リグニン、リグノスルホン酸ナトリウム、リグノスルホン酸カルシウム、発生ナトリウムリグニン、脱糖リグノスルホン酸カルシウム、リグノンスルホン酸アンモニウム、カルシウムリグニン、醸造者濃縮可溶物、脱糖ビート糖蜜、か焼石油コークス、タイヤカーボンブラック、カーボンブラック、冶金コークス、ターボストラティックグラフェン、カーボンナノチューブ、Fe、Cu、Al、遷移族金属、典型金属、TiO
2、Al
2O
3、SiO
2、酸化物、NaCl、KCl、MgCl
2、CaCO
3、CuSO
4、金属塩、KOH、NaOH、塩基、Pt、Pd、Ru、Au、Ir、Rh、Co、Fe、Cu、Ni、Zn、Bi、Pt(acac)
2、AuCl
3、AgNO
3、金属前駆体、TiO
2、Al
2O
3、SiO
2、酢酸鉄、塩化鉄、鉄アセチルアセトナート、金属塩、酸化鉄、酸化コバルト、遷移金属酸化物、水酸化鉄、水酸化ニッケル、遷移金属水酸化物、ケイ素、酸化ケイ素、SiO
xベースのアノード材料、のうちの1つまたは複数を含む、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記拘束リザーバは、管、半管、中空四角柱、中空半四角柱、中空六角柱、歯車のうちの1つまたは複数で構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記原料の形態は、
超細粒または粉末、微細粒または粉末、極細粒、細粒、粗粒、ペレット、中程度の塊、チップ、MetCoke粉コークス、少なくとも1つのピル、のうちの1つまたは複数を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記複数の電極への電流の流れを制御するように構成された少なくとも1つの電気スイッチをさらに備える、請求項1から11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記圧縮力は、前記変換中に作用したままである、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記圧縮アセンブリは、バネ、クランプ、空気圧アクチュエータ、フリーウェイト、圧縮ロールのうちの1つまたは複数を含む、請求項12または13に記載のデバイス。
【請求項15】
圧縮アセンブリは、前記電極を備え、
前記原料に印加される前記圧縮力の少なくとも一部は、前記電極によって印加される、請求項12から14のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項16】
前記圧縮力は、前記電流が印加される方向にもっぱら沿って印加される、請求項12から15のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項17】
前記圧縮力は、前記電流が印加される方向にもっぱら垂直に印加される、請求項12から14のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項18】
前記AC電源は、前記AC電源の電圧を変換するように構成された少なくとも1つの工場変圧器を備える、請求項1から17のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項19】
複数のスイッチおよび抵抗負荷をさらに含み、
電力線は、ワイ構成で動作するように構成される、請求項1から18のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項20】
複数のスイッチおよび抵抗負荷をさらに含み、
電力線は、デルタ構成で動作するように構成される、請求項1から18のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項21】
第1の負荷に対応する第1のスイッチと、第2の負荷に対応する第2のスイッチと、をさらに備え、
前記第1のスイッチおよび第2のスイッチは、電流が一度に1つの負荷にのみ流れるように連続して動作されている、請求項1から20のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項22】
第1の負荷に対応する第1のスイッチと、第2の負荷に対応する第2のスイッチと、をさらに備え、
前記第1のスイッチおよび第2のスイッチは、電流が同時に第1の負荷および第2の負荷に流れるように動作されている、請求項1から21のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項23】
第1の負荷および第2の負荷をさらに含み、
前記スイッチは、前記第1の負荷の処理と前記第2の負荷の処理との間に一時停止するように構成される、請求項1から22のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項24】
インピーダンスおよび位相オフセットのうちの1つまたは複数を付加するように構成されたリアクタンスコンポーネントをさらに含み、
前記リアクタンスコンポーネントは、インダクタおよびコンデンサのうちの1つまたは複数である、請求項1から23のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項25】
前記AC電源は、第1のジュール加熱段階および第2のジュール加熱段階を提供するように構成され、
前記第1のジュール加熱段階で印加される電力は、前記第2のジュール加熱段階で印加される電力とは異なる、請求項1から24のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項26】
前記第1のジュール加熱段階は、原料の第2のバッチを形成するように加熱される原料の第1のバッチを含み、
前記第2のジュール加熱段階は、原料の前記第2のバッチを含む、請求項1から25のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項27】
前記電力は、電流および電圧のうちの1つまたは複数を変化させることによって変化させられる、請求項26に記載のデバイス。
【請求項28】
前記AC電源は、前記AC電源によって印加される電力を調節するために、DCコンバータ駆動部および可変周波数駆動部のうちの1つまたは複数をさらに備える、請求項1から27のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項29】
前記原料に堆積された累積エネルギー、前記原料に電流を流している時間、前記原料に印加される最大電力、原料抵抗、温度、前記拘束リザーバ内の最大圧力、前記拘束リザーバへの最大力、低原料抵抗条件、最高原料温度、前記原料への最大電流、前記原料への最大電力、前記電力線の最大I
2*t(Amp
2*時間)、最高電力線温度、導管の最高導管温度、前記スイッチの最高リレー温度、のうちの1つまたは複数に基づき終了するように構成される、請求項1から28のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項30】
拘束構造は、石英、セラミック、セメント、コンクリート、炭化ケイ素、マグネシウム系耐火物、マグネシア-炭素、死焼マグネサイト-MgO、マグネサイト-クロム、マグネシア-アルミナスピネル、ドロマイト、死焼ドロマイト、樹脂接合ドロマイト、アルミニウム系耐火物、アルミナ-マグネシア-黒鉛、水和ケイ酸アルミニウムを有する耐火粘土耐火物、高アルミナ耐火物、リン酸塩接合高アルミナ、のうちの1つまたは複数を含む、請求項1から29のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項31】
前記電極は、原料の体積変化に基づき前記拘束構造の境界に沿って移動するように構成される、請求項1から30のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項32】
前記拘束リザーバは、前記変換中に生成されたガスが前記拘束リザーバから逃げることを可能にするように構成されたガス逃し部をさらに備え、
前記ガス逃し部は、前記拘束構造内に少なくとも1つのギャップを備え、
前記ギャップは、
収容リザーバの第1の端部におけるギャップと、
前記収容リザーバの第2の端部におけるギャップと、
前記電極の少なくとも1つの溝と、
前記収容リザーバ内の縦方向の分割部であって、前記縦方向の分割部は前記収容リザーバを複数のセクションに分割する、前記収容リザーバ内の縦方向の分割部と、
前記収容リザーバ内の断面分割部であって、前記断面分割部は前記収容リザーバを複数のセクションに分割する、前記収容リザーバ内の断面分割部と、
前記収容リザーバ内の穴と、
前記収容リザーバの第1の層と前記収容リザーバの第2の層との間のギャップと、のうちの1つまたは複数を含む、請求項1から31のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項33】
前記分割部は、蛇行した壁界面を有するように構成される、請求項32に記載のデバイス。
【請求項34】
前記電極は、中実の、溝のある、くびれのある、ドリル穴あけされた黒鉛電極のうちの1つまたは複数である、請求項1から33のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項35】
前記収容リザーバの内面は、耐火セメントでライニングされる、請求項1から34のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項36】
前記拘束リザーバは、原料環境をさらに含み、
前記原料環境は真空、大気より大きい酸素飽和度の雰囲気、不活性ガスのうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項1から35のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項37】
前記拘束リザーバをロードすることおよびアンロードすることのうちの1つまたは複数を行うように構成された少なくとも1つのコンベヤをさらに含む、請求項1から36のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項38】
少なくとも1つの原料を、前記原料よりも高い結晶化度を有する結果としての材料に変換するための方法であって、
少なくとも0.1kgの質量を備える前記原料を拘束リザーバに充填して抵抗負荷を形成するステップと、
原料電気抵抗を調整するために前記原料を圧縮力で圧縮するステップと、
前記拘束リザーバ内の前記原料をAC電源に電子的に接続するステップと、
限界に達するまで前記抵抗負荷に電力を印加するステップであって、
前記限界は、x前記原料を結果としての前記材料に変換するのに十分なエネルギーおよび電力が、印加される電力によって前記原料に印加されていることを示す、ステップと、を含む、方法。
【請求項39】
前記拘束リザーバは、
前記抵抗負荷を拘束するように構成された拘束構造と、
交流電流を前記原料に流すように構成された複数の電極と、をさらに備える、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記原料は炭素を含み、結果としての前記材料はグラフェンを含む、請求項38から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
結果としての生成物は、グラフェン、1D炭素、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノリボン、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、窒化ホウ素、炭窒化ホウ素、フッ素化ナノダイヤモンド、フッ素化ターボストラティックグラフェン、フッ素化同心円炭素、ヘテロ原子ドープグラフェン、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化モリブデン、炭化タングステン、炭化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ニオブ、ロジウム、パラジウム、銀、金、コバルト、希土類元素、コランダムナノ粒子、黒鉛アノード電池材料、カソード電池材料、のうちの1つまたは複数である、請求項38から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記電極は、前記原料を拘束するようにさらに構成されている、請求項38から41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記AC電源は、グリッド電源および産業用発電機のうちの1つまたは複数である、請求項38から42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記AC電源は、純電源および整流電源のうちの1つまたは複数である、請求項38から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記原料は、メタン、冶金コークス、無煙炭、生石油コークス、か焼石油コークス、再生タイヤカーボンブラック、カーボンブラック、炭、バイオ炭、木炭、植物炭、挽いたコーヒー、コーヒー炭、プラスチック、プラスチック炭、プラスチック灰、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、発泡スチロール、からのターコイズ水素の生産を含む水素生産プロセス由来の炭素のうちの1つまたは複数を含む、請求項38から44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記原料は、少なくとも1つの二次材料をさらに含み、
前記二次材料は、犠牲物質、触媒、または反応物質のうちの1つまたは複数である、請求項38から45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記二次材料は、水、挽いたコーヒー、コーンスターチ、松樹皮、ポリエチレンマイクロワックス、蝋、chemplex 690、セルロース、ナフテン油、アスファルテン、ギルソナイト、水、カルボキシメチルセルロース(CMC)、リグナン、リグニン、リグノスルホン酸ナトリウム、リグノスルホン酸カルシウム、発生ナトリウムリグニン、脱糖リグノスルホン酸カルシウム、リグノンスルホン酸アンモニウム、カルシウムリグニン、醸造者濃縮可溶物、脱糖ビート糖蜜、か焼石油コークス、タイヤカーボンブラック、カーボンブラック、冶金コークス、ターボストラティックグラフェン、カーボンナノチューブ、Fe、Cu、Al、遷移族金属、典型金属、TiO
2、Al
2O
3、SiO
2、酸化物、NaCl、KCl、MgCl
2、CaCO
3、CuSO
4、金属塩、KOH、NaOH、塩基、Pt、Pd、Ru、Au、Ir、Rh、Co、Fe、Cu、Ni、Zn、Bi、Pt(acac)
2、AuCl
3、AgNO
3、金属前駆体、TiO
2、Al
2O
3、SiO
2、酢酸鉄、塩化鉄、鉄アセチルアセトナート、金属塩、酸化鉄、酸化コバルト、遷移金属酸化物、水酸化鉄、水酸化ニッケル、遷移金属水酸化物、ケイ素、酸化ケイ素、SiO
xベースのアノード材料、のうちの1つまたは複数を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記拘束リザーバは、管、半管、中空四角柱、中空半四角柱、中空六角柱、歯車のうちの1つまたは複数で構成される、請求項38から47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記原料の形態は、超細粒または粉末、微細粒または粉末、極細粒、細粒、粗粒、ペレット、中程度の塊、チップ、MetCoke粉コークス、少なくとも1つのピル、のうちの1つまたは複数を含む、請求項38から48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
電気スイッチを介して前記電力を印加するステップをさらに含み、
前記電気スイッチは、前記抵抗負荷に印加されるAC電力を調節する、請求項38から49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記圧縮力は、前記変換中に作用したままである、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記圧縮は、バネ、クランプ、空気圧アクチュエータ、フリーウェイト、圧縮ロールのうちの1つまたは複数によって達成される、請求項50または51に記載の方法。
【請求項53】
前記原料に印加される前記圧縮力の少なくとも一部は、前記電極によって印加される、請求項50から52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記圧縮力は、前記電流が印加される方向にもっぱら沿って印加される、請求項50から53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記圧縮力は、前記電流が印加される方向にもっぱら垂直に印加される、請求項50から52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
少なくとも1つの工場変圧器を介して前記AC電源を変圧するステップをさらに含む、請求項38から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
電力線は、ワイ構成で動作するように構成される、請求項38から56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
電力線は、デルタ構成で動作するように構成される、請求項38から56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
電流が一度に1つの負荷にのみ流れるように、第1の負荷に対応する第1のスイッチと第2の負荷に対応する第2のスイッチとを連続して動作させるステップをさらに含む、請求項38から58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
電流が同時に第1の負荷および第2の負荷に流れるように、第1の負荷に対応する第1のスイッチと第2の負荷に対応する第2のスイッチとを連続して動作させるステップをさらに含む、請求項38から59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
第1の負荷を処理することと第2の負荷を処理することとの間に一時停止することによって、前記スイッチを動作させるステップをさらに含む、請求項38から60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記電流を印加するステップは、
第1のジュール加熱段階および第2のジュール加熱段階を提供するステップであって、
前記第1のジュール加熱段階で印加される電力は、前記第2のジュール加熱段階で印加される電力とは異なる、ステップ、をさらに含む、請求項38から61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記第1のジュール加熱段階を提供するステップは、原料の第2のバッチを形成するように加熱される原料の第1のバッチのものであり、
前記第2のジュール加熱段階は、原料の前記第2のバッチのものである、請求項38から62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記スイッチの電流および電圧のうちの1つまたは複数を変化させることによって、印加される電力を変化させるステップをさらに含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記AC電源によって印加される電力を調節するために、DCコンバータ駆動部および可変周波数駆動部のうちの1つまたは複数によって、印加される電力を調節するステップをさらに含む、請求項38から64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記限界は、前記原料に堆積された累積エネルギー、前記原料に電流を流している時間、前記原料に印加される最大電力、原料抵抗、温度、前記拘束リザーバ内の最大圧力、前記拘束リザーバへの最大力、低原料抵抗条件、最高原料温度、前記原料への最大電流、前記原料への最大電力、前記電力線の最大I
2*t(Amp
2*時間)、最高電力線温度、導管の最高導管温度、前記スイッチの最高リレー温度、のうちの1つまたは複数に基づく、請求項38から65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記拘束構造は、石英、セラミック、セメント、コンクリート、炭化ケイ素、マグネシウム系耐火物、マグネシア-炭素、死焼マグネサイト-MgO、マグネサイト-クロム、マグネシア-アルミナスピネル、ドロマイト、死焼ドロマイト、樹脂接合ドロマイト、アルミニウム系耐火物、アルミナ-マグネシア-黒鉛、水和ケイ酸アルミニウムを有する耐火粘土耐火物、高アルミナ耐火物、リン酸塩結合高アルミナ、のうちの1つまたは複数を含む、請求項38から66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記電極は、原料体積に基づき前記拘束構造の境界に沿って移動するように構成される、請求項38から67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記拘束リザーバは、前記変換中に生成されたガスが前記拘束リザーバから逃げることを可能にするように構成されたガス逃し部をさらに備え、
前記ガス逃し部は、前記拘束構造内に少なくとも1つのギャップを備え、
前記ギャップは、
収容リザーバの第1の端部におけるギャップと、
前記収容リザーバの第2の端部におけるギャップと、
前記電極の少なくとも1つの溝と、
前記収容リザーバ内の縦方向の分割部であって、前記縦方向の分割部は前記収容リザーバを複数のセクションに分割する、前記収容リザーバ内の縦方向の分割部と、
前記収容リザーバ内の断面分割部であって、前記断面分割部は前記収容リザーバを複数のセクションに分割する、前記収容リザーバ内の断面分割部と、
前記収容リザーバ内の穴と、
前記収容リザーバの第1の層と前記収容リザーバの第2の層との間のギャップと、のうちの1つまたは複数を含む、請求項38から68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記分割部は、蛇行した壁界面を有するように構成される、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記電極は、中実の、溝のある、くびれのある、ドリル穴あけされた黒鉛電極のうちの1つまたは複数である、請求項38から70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
前記収容リザーバの内面は、耐火セメントでライニングされる、請求項38から71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記拘束リザーバ内に、真空、大気より大きい酸素飽和度の雰囲気、不活性ガス、のうちの1つまたは複数をさらに供給することによって前記拘束リザーバの原料環境を提供するステップをさらに含む、請求項38から72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
少なくとも1つのコンベヤによって前記拘束リザーバをロードするステップおよびアンロードするステップをさらに含む、請求項38から73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
結果としての前記生成物を、セメント、コンクリート、ポリウレタンフォーム、プラスチック、ナイロン、ゴム、タイヤ製品、アスファルト、エポキシ、潤滑剤、のうちの1つまたは複数に添加するステップをさらに含む、請求項38から74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
少なくとも1つの原料を、前記原料よりも高い結晶化度を有する結果としての材料に変換することによって生産される材料であって、
前記変換は、
少なくとも0.1kgの質量を備える前記原料を拘束リザーバに充填して抵抗負荷を形成することと、
原料電気抵抗を調整するために前記原料を圧縮力を介して圧縮することと、
前記拘束リザーバ内の前記原料をAC電源に電子的に接続することと、
限界に達するまで前記抵抗負荷に電力を印加することであって、
前記限界は、前記原料を結果としての前記材料に変換するのに十分なエネルギーおよび電力が、印加される電力によって前記原料に印加されていることを示す、印加することと、を含む、材料。
【請求項77】
前記拘束リザーバは、
前記抵抗負荷を拘束するように構成された拘束構造と、
交流電流を前記原料に流すように構成された複数の電極と、をさらに備える、請求項76に記載の材料。
【請求項78】
前記原料は炭素を含む、請求項76または77に記載の材料。
【請求項79】
結果としての生成物は、グラフェン、1D炭素、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノリボン、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、窒化ホウ素、炭窒化ホウ素、フッ素化ナノダイヤモンド、フッ素化ターボストラティックグラフェン、フッ素化同心円炭素、ヘテロ原子ドープグラフェン、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化モリブデン、炭化タングステン、炭化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ニオブ、ロジウム、パラジウム、銀、金、コバルト、希土類元素、コランダムナノ粒子、黒鉛アノード電池材料、カソード電池材料、のうちの1つまたは複数である、請求項76から78のいずれか一項に記載の材料。
【請求項80】
前記電極はさらに、前記原料を拘束するように構成されている、請求項76から79のいずれか一項に記載の材料。
【請求項81】
前記AC電源は、グリッド電源および産業用発電機のうちの1つまたは複数である、請求項76から80のいずれか一項に記載の材料。
【請求項82】
前記AC電源は、純電源および整流電源のうちの1つまたは複数である、請求項76から81のいずれか一項に記載の材料。
【請求項83】
前記原料は、メタン、冶金コークス、無煙炭、生石油コークス、か焼石油コークス、再生タイヤカーボンブラック、カーボンブラック、炭、バイオ炭、木炭、植物炭、挽いたコーヒー、コーヒー炭、プラスチック、プラスチック炭、プラスチック灰、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、発泡スチロール、からのターコイズ水素の生産を含む水素生産プロセス由来の炭素のうちの1つまたは複数を含む、請求項76から82のいずれか一項に記載の材料。
【請求項84】
前記原料は、少なくとも1つの二次材料をさらに含み、
前記二次材料は、犠牲物質、触媒、または反応物質のうちの1つまたは複数である、請求項76から83のいずれか一項に記載の材料。
【請求項85】
前記二次材料は、水、挽いたコーヒー、コーンスターチ、松樹皮、ポリエチレンマイクロワックス、蝋、chemplex 690、セルロース、ナフテン油、アスファルテン、ギルソナイト、水、カルボキシメチルセルロース(CMC)、リグナン、リグニン、リグノスルホン酸ナトリウム、リグノスルホン酸カルシウム、発生ナトリウムリグニン、脱糖リグノスルホン酸カルシウム、リグノンスルホン酸アンモニウム、カルシウムリグニン、醸造者濃縮可溶物、脱糖ビート糖蜜、か焼石油コークス、タイヤカーボンブラック、カーボンブラック、冶金コークス、ターボストラティックグラフェン、カーボンナノチューブ、Fe、Cu、Al、遷移族金属、典型金属、TiO
2、Al
2O
3、SiO
2、酸化物、NaCl、KCl、MgCl
2、CaCO
3、CuSO
4、金属塩、KOH、NaOH、塩基、Pt、Pd、Ru、Au、Ir、Rh、Co、Fe、Cu、Ni、Zn、Bi、Pt(acac)
2、AuCl
3、AgNO
3、金属前駆体、TiO
2、Al
2O
3、SiO
2、酢酸鉄、塩化鉄、鉄アセチルアセトナート、金属塩、酸化鉄、酸化コバルト、遷移金属酸化物、水酸化鉄、水酸化ニッケル、遷移金属水酸化物、ケイ素、酸化ケイ素、SiO
xベースのアノード材料、のうちの1つまたは複数を含む、請求項84に記載の材料。
【請求項86】
前記拘束リザーバは、管、半管、中空四角柱、中空半四角柱、中空六角柱、歯車のうちの1つまたは複数で構成される、請求項76から85のいずれか一項に記載の材料。
【請求項87】
前記原料の形態は、超細粒または粉末、微細粒または粉末、極細粒、細粒、粗粒、ペレット、中程度の塊、チップ、MetCoke粉コークス、少なくとも1つのピル、のうちの1つまたは複数を含む、請求項76から86のいずれか一項に記載の材料。
【請求項88】
前記変換はさらに、電気スイッチを介して前記電力を印加することを含み、
前記電気スイッチは、前記抵抗負荷に印加されるAC電力を調節する、請求項76から87のいずれか一項に記載の材料。
【請求項89】
前記圧縮力は、前記変換中に作用したままである、請求項88に記載の材料。
【請求項90】
前記圧縮は、バネ、クランプ、空気圧アクチュエータ、フリーウェイト、圧縮ロールのうちの1つまたは複数によって達成される、請求項88または89に記載の材料。
【請求項91】
前記圧縮力の少なくとも一部は、前記電極によって前記原料に印加される、請求項88から90のいずれか一項に記載の材料。
【請求項92】
前記圧縮力は、前記電流が印加される方向にもっぱら沿って印加される、請求項88から91のいずれか一項に記載の材料。
【請求項93】
前記圧縮力は、前記電流が印加される方向にもっぱら垂直に印加される、請求項88から90のいずれか一項に記載の材料。
【請求項94】
前記変換はさらに、少なくとも1つの工場変圧器を介して前記AC電源を変圧することを含む、請求項76から93のいずれか一項に記載の材料。
【請求項95】
電力線は、ワイ構成で動作するように構成される、請求項76から94のいずれか一項に記載の材料。
【請求項96】
電力線は、デルタ構成で動作するように構成される、請求項76から94のいずれか一項に記載の材料。
【請求項97】
前記変換はさらに、電流が一度に1つの負荷にのみ流れるように、第1の負荷に対応する第1のスイッチと第2の負荷に対応する第2のスイッチとを連続して動作させることを含む、請求項76から96のいずれか一項に記載の材料。
【請求項98】
前記変換はさらに、電流が同時に第1の負荷および第2の負荷に流れるように、第1の負荷に対応する第1のスイッチと第2の負荷に対応する第2のスイッチとを連続して動作させることを含む、請求項76から97のいずれか一項に記載の材料。
【請求項99】
前記変換はさらに、第1の負荷を処理することと第2の負荷を処理することとの間に一時停止することによって前記スイッチを動作させることを含む、請求項76から98のいずれか一項に記載の材料。
【請求項100】
前記電流を印加することは、
第1のジュール加熱段階および第2のジュール加熱段階を提供することであって、
前記第1のジュール加熱段階で印加される電力は、前記第2のジュール加熱段階で印加される電力とは異なる、提供すること、をさらに含む、請求項76から99のいずれか一項に記載の材料。
【請求項101】
前記第1のジュール加熱段階を提供することは、原料の第2のバッチを形成するように加熱される原料の第1のバッチのものであり、
前記第2のジュール加熱段階は、原料の前記第2のバッチのものである、請求項76から100のいずれか一項に記載の材料。
【請求項102】
前記変換はさらに、前記スイッチの抵抗および電流のうちの1つまたは複数を変化させることによって、印加される電力を変化させることを含む、請求項101に記載の材料。
【請求項103】
前記変換はさらに、前記AC電源によって印加される電力を調節するために、DCコンバータ駆動部および可変周波数駆動部のうちの1つまたは複数によって印加される電力を調節することを含む、請求項76から102のいずれか一項に記載の材料。
【請求項104】
前記限界は、前記原料に堆積された累積エネルギー、前記原料に電流を流している時間、前記原料に印加される最大電力、原料抵抗、温度、前記拘束リザーバ内の最大圧力、前記拘束リザーバへの最大力、低原料抵抗条件、最高原料温度、前記原料への最大電流、前記原料への最大電力、前記電力線の最大I
2*t(Amp
2*時間)、最高電力線温度、導管の最高導管温度、前記スイッチの最高リレー温度、のうちの1つまたは複数に基づく、請求項76から103のいずれか一項に記載の材料。
【請求項105】
前記拘束構造は、石英、セラミック、セメント、コンクリート、炭化ケイ素、マグネシウム系耐火物、マグネシア-炭素、死焼マグネサイト-MgO、マグネサイト-クロム、マグネシア-アルミナスピネル、ドロマイト、死焼ドロマイト、樹脂接合ドロマイト、アルミニウム系耐火物、アルミナ-マグネシア-黒鉛、水和ケイ酸アルミニウムを有する耐火粘土耐火物、高アルミナ耐火物、リン酸塩結合高アルミナ、のうちの1つまたは複数を含む、請求項76から104のいずれか一項に記載の材料。
【請求項106】
前記電極は、原料体積に基づき前記拘束構造の境界に沿って移動するように構成される、請求項76から105のいずれか一項に記載の材料。
【請求項107】
前記拘束リザーバは、前記変換中に生成されたガスが前記拘束リザーバから逃げることを可能にするように構成されたガス逃し部をさらに備え、
前記ガス逃し部は、前記拘束構造内に少なくとも1つのギャップを備え、
前記ギャップは、
収容リザーバの第1の端部におけるギャップと、
前記収容リザーバの第2の端部におけるギャップと、
前記電極の少なくとも1つの溝と、
前記収容リザーバ内の縦方向の分割部であって、前記縦方向の分割部は前記収容リザーバを複数のセクションに分割する、前記収容リザーバ内の縦方向の分割部と、
前記収容リザーバ内の断面分割部であって、前記断面分割部は前記収容リザーバを複数のセクションに分割する、前記収容リザーバ内の断面分割部と、
前記収容リザーバ内の穴と、
前記収容リザーバの第1の層と前記収容リザーバの第2の層との間のギャップと、のうちの1つまたは複数を含む、請求項76から106のいずれか一項に記載の材料。
【請求項108】
前記分割部は、蛇行した壁界面を有するように構成される、請求項107に記載の材料。
【請求項109】
前記電極は、中実の、溝のある、くびれのある、ドリル穴あけされた黒鉛電極のうちの1つまたは複数である、請求項76から108のいずれか一項に記載の材料。
【請求項110】
前記収容リザーバの内面は、耐火セメントでライニングされる、請求項76から109のいずれか一項に記載の材料。
【請求項111】
前記変換は、前記拘束リザーバ内に、真空、大気より大きい酸素飽和度の雰囲気、不活性ガス、のうちの1つまたは複数をさらに供給することによって、前記拘束リザーバの原料環境を提供することをさらに含む、請求項76から110のいずれか一項に記載の材料。
【請求項112】
前記変換はさらに、少なくとも1つのコンベヤによって前記拘束リザーバをロードすることおよびアンロードすることを含む、請求項76から111のいずれか一項に記載の材料。
【請求項113】
前記変換はさらに、結果としての前記生成物を、セメント、コンクリート、ポリウレタンフォーム、プラスチック、ナイロン、ゴム、タイヤ製品、アスファルト、エポキシ、潤滑剤、のうちの1つまたは複数に添加することを含む、請求項76から112のいずれか一項に記載の材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書において開示される実施形態は、グラフェンの生産に関し、特に、工業規模のグラフェン生産のためのシステムおよび方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フラッシュジュール加熱(flash joule heating)によるグラフェン生産の詳細は、Nature誌(Luong、D.X.、Bets、K.V.、Algozeeb、W.A.、Stanford、M.G.、Kittrell、C.、Chen、W.、Salvatierra、R.V.、Ren、M.、McHugh、E.A.、Advincula、P.A.およびWang、Z.、2020年「Gram-scale bottom-up flash graphene synthesis.」Nature、577(7792)、647~651頁)において開示され、プラスチック系原料(Wala A. Algozeeb、Paul E. Savas、Duy Xuan Luong、Weiyin Chen、Carter Kittrell、Mahesh Bhat、Rouzbeh Shahsavari、および James M. Tour、「Flash Graphene from Plastic Waste」、ACS Nano 2020、14、11、15595~15604頁、出版日:2020年10月29日、https://doi.org/10.1021/acsnano.0c06328)およびゴム系原料(Paul A. Advincula、Duy Xuan Luong、Weiyin Chen、Shivaranjan Raghuraman、Rouzbeh Shahsavari、James M. Tour、「Flash graphene from rubber waste」、Carbon、第178巻、2021年、649~656頁、ISSN 0008-6223、https://doi.org/10.1016/j.carbon.2021.03.020)に焦点を当てた追加の開示でフォローアップされている。これらの参考文献において開示されている装置およびプロセスは、数ミリ秒から5秒しか持続しない短持続時間電圧パルス(したがって、プロセスのフラッシュの態様)を用いた電気誘導フラッシュジュール加熱の助けを借りて、ターボストラティックグラフェン(turbostratic graphene)(TG)に変換される炭素ベースの原料1gをフラッシュすることに限定される(James Tourらの、2019年8月23日に出願したWO2020/051000A1、名称「FLASH JOULE HEATING SYNTHESIS METHOD AND COMPOSITIONS THEREOF」、優先日は2018年9月5日)。
【0003】
これらの方法におけるジュール加熱に必要な電力は、キャパシタバンクによって供給される直流(DC)電力であり、いくつかの場合では、AC電力がサンプルを予熱するのに使用され、次いでDC電力が炭素原料をTGに変換するために使用される。最大1グラムまでの炭素ベースの原料の予熱にこれらの方法で使用されるAC電圧は、120ボルトAC(VAC)であった。
【0004】
他の関連する紹介資料は、参照として本明細書に組み込まれる、デバイス、方法、および炭素ベースピルジュールフラッシュフラッシング(carbon-based pill joule flash flashing)を説明する開示(Vladimir Mancevskiの2020年10月13日に出願したPCT/CA2020/051368、名称「DEVICE, METHOD, AND CARBON PILL FOR SYNTHESIZING GRAPHENE」、優先日2019年10月11日)、および参照として本明細書に組み込まれる、フラッシュジュール加熱によるグラフェンの連続合成のためのデバイスおよび方法を説明する開示(Vladimir Mancevskiの2020年11月17日に出願したPCT/CA2020/051565、名称「DEVICE AND METHOD FOR CONTINUOUS SYNTHESIS OF GRAPHENE」、優先日:2019年11月17日)を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2020/051000A1
【特許文献2】PCT/CA2020/051368
【特許文献3】PCT/CA2020/051565
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Luong、D.X.、Bets、K.V.、Algozeeb、W.A.、Stanford、M.G.、Kittrell、C.、Chen、W.、Salvatierra、R.V.、Ren、M.、McHugh、E.A.、Advincula、P.A.およびWang、Z.、2020年「Gram-scale bottom-up flash graphene synthesis.」Nature、577(7792)、647~651頁
【非特許文献2】Wala A. Algozeeb、Paul E. Savas、Duy Xuan Luong、Weiyin Chen、Carter Kittrell、Mahesh Bhat、Rouzbeh Shahsavari、および James M. Tour、「Flash Graphene from Plastic Waste」、ACS Nano 2020、14、11、15595~15604頁、出版日:2020年10月29日、https://doi.org/10.1021/acsnano.0c06328
【非特許文献3】Paul A. Advincula、Duy Xuan Luong、Weiyin Chen、Shivaranjan Raghuraman、Rouzbeh Shahsavari、James M. Tour、「Flash graphene from rubber waste」、Carbon、第178巻、2021年、649~656頁、ISSN 0008-6223、https://doi.org/10.1016/j.carbon.2021.03.020
【非特許文献4】CSA A23.1:19/A23.2:19
【非特許文献5】ASTM C192
【非特許文献6】ASTM C 1231
【非特許文献7】ASTM C 39
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、工業規模でジュール加熱を使用する改善された黒鉛生産のシステムおよび方法が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
提供されるのは、少なくとも1つの原料を結果としての材料に変換するためのデバイスである。結果としての材料は、原料よりも高い結晶化度を有する。このデバイスは、原料を拘束するように構成された拘束リザーバ(constraining reservoir)を備える。原料は、抵抗電気負荷として作用し、少なくとも0.1kgの質量を備える。このデバイスは、原料をジュール加熱するために原料に電流を流すように構成された複数の電極をさらに備える。このデバイスは、原料電気抵抗を調整するために原料を圧縮力で圧縮するように構成された圧縮システムをさらに備える。このデバイスは、電極に交流(AC)電流を供給するためのAC電源をさらに備える。このデバイスは、原料に送達される電流を制御するように構成された少なくとも1つの電気コントローラをさらに備える。
【0009】
原料は、炭素を含み、結果としての材料は、グラフェンを含み得る。
【0010】
原料の変換は、結果として、グラフェン、1D炭素および2D炭素、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノリボン、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、窒化ホウ素、炭窒化ホウ素(borocarbonitride)、フッ素化ナノダイヤモンド、フッ素化ターボストラティックグラフェン、フッ素化同心円炭素(fluorinated concentric carbon)、ヘテロ原子ドープグラフェン(heteroatom-doped graphene)、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化モリブデン、炭化タングステン、炭化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ニオブ、ロジウム、パラジウム、銀、金、コバルト、希土類元素、コランダムナノ粒子(corundum nanoparticles)、黒鉛アノード電池材料、およびカソード電池材料のうちの1つまたは複数をもたらし得る。
【0011】
電極は、原料を拘束するようにさらに構成され得る。
【0012】
AC電源は、グリッド電源、および産業用発電機のうちの1つまたは複数であってよい。
【0013】
AC電源は、純電源および整流電源のうちの1つまたは複数であってよい。
【0014】
原料は、メタン、冶金コークス、無煙炭、生石油コークス(green petroleum coke)、か焼石油コークス(calcinated petroleum coke)、再生タイヤカーボンブラック(recycled-tire carbon black)、カーボンブラック、炭(char)、バイオ炭(bio char)、木炭、植物炭(plant char)、挽いたコーヒー(ground coffee)、コーヒー炭(coffee char)、プラスチック、プラスチック炭(plastic char)、プラスチック灰(plastic ash)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、および発泡スチロールからのターコイズ水素の生産を含む水素生産プロセス由来の炭素のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0015】
原料は、少なくとも1つの二次材料をさらに含むものとしてよく、二次材料は、犠牲物質(sacrificial)、触媒(catalyst)、または反応物質(reactant)のうちの1つまたは複数である。
【0016】
二次材料は、水、挽いたコーヒー、コーンスターチ、松樹皮、ポリエチレンマイクロワックス、蝋(wax)、chemplex 690、セルロース、ナフテン油(naptenic oil)、アスファルテン(asphaltenes)、ギルソナイト、水、カルボキシメチルセルロース(CMC)、リグナン、リグニン、リグノスルホン酸ナトリウム、リグノスルホン酸カルシウム、発生ナトリウムリグニン(developmental sodium lignin)、脱糖リグノスルホン酸カルシウム(desugared calcium lignosulfonate)、リグノンスルホン酸アンモニウム、カルシウムリグニン、醸造者濃縮可溶物(brewers condensed solubles)、脱糖ビート糖蜜(de-sugarized beet molasses)、か焼石油コークス、タイヤカーボンブラック、カーボンブラック、冶金コークス、ターボストラティックグラフェン、カーボンナノチューブ、Fe、Cu、Al、遷移族金属(transition group metals)、典型金属(main group metals)、TiO2、Al2O3、SiO2、酸化物、NaCl、KCl、MgCl2、CaCO3、CuSO4、金属塩、KOH、NaOH、塩基、Pt、Pd、Ru、Au、Ir、Rh、Co、Fe、Cu、Ni、Zn、Bi、Pt(acac)2、AuCl3、AgNO3、金属前駆体(metal precursor)、TiO2、Al2O3、SiO2、酢酸鉄、塩化鉄、鉄アセチルアセトナート、金属塩、酸化鉄、酸化コバルト、遷移金属酸化物、水酸化鉄、水酸化ニッケル、遷移金属水酸化物、ケイ素、酸化ケイ素、およびSiOxベースのアノード材料のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0017】
拘束リザーバは、管、半管、中空四角柱、中空半四角柱(hollow half rectangular prism)、中空六角柱、および歯車のうちの1つまたは複数で構成され得る。
【0018】
原料の形態は、超細粒または粉末、微細粒または粉末、極細粒、細粒、粗粒、ペレット、中程度の塊(medium chunks)、チップ、およびMetCoke粉コークス(MetCoke breeze)、少なくとも1つのピル、のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0019】
デバイスは、複数の電極への電流の流れを制御するように構成された少なくとも1つの電気スイッチを含み得る。
【0020】
圧縮力は、変換中に作用したままである。
【0021】
圧縮アセンブリは、バネ、クランプ、空気圧アクチュエータ、フリーウェイト、および圧縮ロールのうちの1つまたは複数を含み得る。
【0022】
圧縮アセンブリは、電極を含み得る。圧縮力の少なくとも一部は、電極によって原料に印加され得る。
【0023】
圧縮力は、電流が印加される方向に沿って印加され得る。
【0024】
圧縮力は、電流が印加される方向に垂直な方向に印加され得る。
【0025】
AC電源は、AC電源の電圧を変換するように構成された少なくとも1つの工場変圧器(factory transformer)を含み得る。
【0026】
デバイスは、複数のスイッチおよび抵抗負荷を含み、電力線は、ワイ構成(Wye configuration)で動作するように構成され得る。
【0027】
デバイスは、複数のスイッチおよび抵抗負荷を含み、電力線は、デルタ構成(Delta configuration)で動作するように構成され得る。
【0028】
デバイスは、第1の負荷に対応する第1のスイッチと、第2の負荷に対応する第2のスイッチとを備え、第1のスイッチおよび第2のスイッチは、電流が一度に1つの負荷にのみ流れる(engage)ように連続して動作されている。
【0029】
デバイスは、第1の負荷に対応する第1のスイッチと、第2の負荷に対応する第2のスイッチとを備え、第1のスイッチおよび第2のスイッチは、電流が第1の負荷および第2の負荷に同時に流れるように動作させられ得る。
【0030】
デバイスは、第1の負荷と第2の負荷とを備えてよく、スイッチは、第1の負荷の処理と第2の負荷の処理との間に一時停止するように構成される。
【0031】
デバイスは、インピーダンスおよび位相オフセットのうちの1つまたは複数を付加するように構成されたリアクタンスコンポーネントを含み、リアクタンスコンポーネントは、インダクタおよびコンデンサのうちの1つまたは複数であってよい。
【0032】
AC電源は、第1のジュール加熱段階および第2のジュール加熱段階を提供し、第1のジュール加熱段階で印加される電力は、第2のジュール加熱段階で印加される電力とは異なる。
【0033】
第1のジュール加熱段階は、原料の第2のバッチを形成するように加熱される原料の第1のバッチを含み、第2のジュール加熱段階は、原料の第2のバッチを含み得る。
【0034】
電力は、電流および電圧のうちの1つまたは複数を変化させることによって変化させられ得る。
【0035】
AC電源は、AC電源によって印加される電力を調節するためにDCコンバータ駆動部および可変周波数駆動部のうちの1つまたは複数をさらに備え得る。
【0036】
デバイスは、原料に堆積された累積エネルギー、原料に電流を流している時間、原料に印加される最大電力、原料の抵抗、温度、拘束リザーバ内の最大圧力、拘束リザーバへの最大力、低原料抵抗条件(a low feedstock resistance condition)、最高原料温度、原料への最大電流、原料への最大電力、電力線の最大I2*t(Amp2*時間)、最高電力線温度、導管の最高導管温度、およびスイッチの最高リレー温度のうちの1つまたは複数に基づき終了するように構成され得る。
【0037】
拘束構造は、石英、セラミック、セメント、コンクリート、炭化ケイ素、マグネシウム系耐火物(magnesium-based refractories)、マグネシア-炭素(magnesia-carbon)、死焼マグネサイト-MgO(dead-burned magnesite - MgO)、マグネサイト-クロム、マグネシア-アルミナスピネル(magnesia-alumina spinel)、ドロマイト、死焼ドロマイト、樹脂接合ドロマイト(resin bonded dolomite)、アルミニウム系耐火物、アルミナ-マグネシア-黒鉛、水和ケイ酸アルミニウムを有する耐火粘土耐火物、高アルミナ耐火物、およびリン酸塩接合高アルミナ(phosphate bonded high alumina)のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0038】
電極は、原料の体積変化に基づき拘束構造の境界(confine)に沿って移動するように構成され得る。
【0039】
拘束リザーバは、変換中に生成されたガスが拘束リザーバから逃げることを可能にするように構成されたガス逃し部をさらに備えるものとしてよく、ガス逃し部は、拘束構造内に少なくとも1つのギャップを備えるものとしてよく、ギャップは収容リザーバの第1の端部におけるギャップ、収容リザーバの第2の端部におけるギャップ、電極の少なくとも1つの溝、収容リザーバ内の縦方向の分割部(split)であって、縦方向の分割部は収容リザーバを複数のセクションに分割する、収容リザーバ内の縦方向の分割部、収容リザーバ内の断面分割部であって、断面分割部は収容リザーバを複数のセクションに分割する、収容リザーバの断面分割部、収容リザーバ内の穴、収容リザーバの第1の層と収容リザーバの第2の層との間のギャップのうちの1つまたは複数を含む。
【0040】
分割部は、蛇行した壁界面を有するように構成され得る。
【0041】
電極は、中実の、溝のある、くびれのある、およびドリル穴あけされた黒鉛電極のうちの1つまたは複数であってよい。
【0042】
収容リザーバの内面は、耐火セメントでライニングされ(lined)得る。
【0043】
拘束リザーバは、原料環境(feedstock environment)をさらに含んでもよく、原料環境は真空、大気より大きい酸素飽和度の雰囲気、および不活性ガスのうちの1つまたは複数をさらに含む。
【0044】
デバイスは、拘束リザーバをロードすることおよびアンロードすることのうちの1つまたは複数を行うように構成された少なくとも1つのコンベヤを含み得る。
【0045】
提供されるのは、少なくとも1つの原料を結果としての材料に変換するための方法である。結果としての材料は、原料よりも高い結晶化度を有する。この方法は、少なくとも0.1kgの質量を備える原料を拘束リザーバに充填して抵抗負荷を形成することを含む。この方法は、原料電気抵抗を調整するために原料を圧縮力で圧縮することをさらに含む。この方法は、拘束リザーバ内の原料を交流(AC)電源に電子的に接続することをさらに含む。この方法は、限界に達するまで抵抗負荷に電力を印加することをさらに含む。この限界は、原料を結果としての材料に変換するのに十分なエネルギーと電力が、印加される電力によって原料に印加されていることを示す。
【0046】
拘束リザーバは、抵抗負荷を拘束するように構成された拘束構造を備え得る。
【0047】
この方法は、電気スイッチを介して電力を印加することを含むものとしてよく、電気スイッチは、抵抗負荷に印加されるAC電力を調節する。
【0048】
この方法は、少なくとも1つの工場変圧器を介してAC電源を変圧することを含み得る。
【0049】
この方法は、電流が一度に1つの負荷にのみ流れるように第1の負荷に対応する第1のスイッチおよび第2の負荷に対応する第2のスイッチを連続して動作させることを含み得る。
【0050】
この方法は、電流が第1の負荷および第2の負荷に同時に流れるように第1の負荷に対応する第1のスイッチおよび第2の負荷に対応する第2のスイッチを連続して動作させることを含み得る。
【0051】
この方法は、第1の負荷を処理することと第2の負荷を処理することとの間に一時停止することによってスイッチを動作させることを含み得る。
【0052】
この方法は、AC電源によって印加される電力を調節するためにDCコンバータ駆動部および可変周波数駆動部のうちの1つまたは複数によって印加される電力を調節することを含み得る。
【0053】
この方法は、さらに拘束リザーバ内に、真空、大気より大きい酸素飽和度の雰囲気、および不活性ガスのうちの1つまたは複数を供給することによって拘束リザーバの原料環境を提供することをさらに含み得る。
【0054】
この方法は、少なくとも1つのコンベヤによって拘束リザーバをロードすることおよびアンロードすることをさらに含み得る。
【0055】
この方法は、結果としての生成物を、セメント、コンクリート、ポリウレタンフォーム、プラスチック、ナイロン、ゴム、タイヤ製品、アスファルト、エポキシおよび潤滑剤のうちの1つまたは複数に添加することをさらに含み得る。
【0056】
提供されるのは、少なくとも1つの原料を結果としての材料に変換することによって生産される材料である。結果としての材料は、原料よりも高い結晶化度を有する。変換は、少なくとも0.1kgの質量を備える原料を拘束リザーバに充填して抵抗負荷を形成することを含む。変換は、原料電気抵抗を調整するために原料を圧縮力を介して圧縮することをさらに含む。変換は、拘束リザーバ内の原料を交流(AC)電源に電子的に接続することをさらに含む。変換は、限界に達するまで抵抗負荷に電力を印加することをさらに含み、この限界は、原料を結果としての材料に変換するのに十分なエネルギーと電力が、印加される電力によって原料に印加されていることを示す。
【0057】
変換は、電気スイッチを介して電力を印加することをさらに含むものとしてよく、電気スイッチは、抵抗負荷に印加されるAC電力を調節する。
【0058】
変換は、少なくとも1つの工場変圧器を介してAC電源を変圧することをさらに含み得る。
【0059】
変換は、電流が一度に1つの負荷にのみ流れるように第1の負荷に対応する第1のスイッチおよび第2の負荷に対応する第2のスイッチを連続して動作させることをさらに含み得る。
【0060】
変換は、電流が第1の負荷および第2の負荷に同時に流れるように第1の負荷に対応する第1のスイッチおよび第2の負荷に対応する第2のスイッチを連続して動作させることをさらに含み得る。
【0061】
変換は、第1の負荷を処理することと第2の負荷を処理することとの間に一時停止することによってスイッチを動作させることをさらに含み得る。
【0062】
変換は、スイッチの抵抗および電流のうちの1つまたは複数を変化させることによって印加される電力を変化させることをさらに含み得る。
【0063】
変換は、AC電源によって印加される電力を調節するためにDCコンバータ駆動部および可変周波数駆動部のうちの1つまたは複数によって印加される電力を調節することをさらに含み得る。
【0064】
変換は、さらに拘束リザーバ内に、真空、大気より大きい酸素飽和度の雰囲気、および不活性ガスのうちの1つまたは複数を供給することによって拘束リザーバの原料環境を提供することをさらに含み得る。
【0065】
変換は、少なくとも1つのコンベヤによって拘束リザーバをロードすることおよびアンロードすることをさらに含み得る。
【0066】
変換は、結果としての生成物を、セメント、コンクリート、ポリウレタンフォーム、プラスチック、ナイロン、ゴム、タイヤ製品、アスファルト、エポキシおよび潤滑剤のうちの1つまたは複数に添加することをさらに含み得る。
【0067】
次の説明は、次に述べる詳細な説明を読者に紹介することを意図されており、請求される主題を定義することも限定することも意図されていない。
【0068】
他の態様および特徴は、いくつかの例示的な実施形態の次の説明を検討すれば、当業者に明らかになるであろう。
【0069】
本明細書に含まれる図面は、本明細書の物品、方法、および装置の様々な例を例示するためのものである。図面の説明を以下に示す。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【
図1】一実施形態による、炭素からグラフェンへの大規模ジュール熱変換のためのシステムのブロック図である。
【
図2】一実施形態による、
図1のシステムを使用する炭素からグラフェンへの大規模ジュール熱変換のための方法の流れ図である。
【
図3】一実施形態による、
図1の大規模ジュール加熱のための原料の縦方向圧縮のためのシステムのブロック図である。
【
図4】一実施形態による、大規模ジュール加熱のための炭素ベースの原料の垂直方向圧縮のためのシステムのブロック図である。
【
図5】一実施形態による、
図1の大規模ジュール加熱のための三相ワイグリッド電源電気構成のためのシステムのブロック図である。
【
図6】一実施形態による、
図1の大規模ジュール加熱のための三相デルタグリッド電源電気構成のためのシステムのブロック図である。
【
図7】一実施形態による、
図1の大規模ジュール加熱のための直接発電所接続による電気構成のブロック図である。
【
図8】一実施形態による、
図1の大規模ジュール加熱のためのピーク電流制限を伴う三相ワイグリッド電源電気構成のためのシステムのブロック図である。
【
図9A】一実施形態による、少なくとも2つの電圧を有する
図1のジュール加熱システムのブロック図である。
【
図9B】一実施形態による、少なくとも2つの電圧を有し、低電力変圧器および高電力変圧器を備える
図1のジュール加熱システムのブロック図である。
【
図10A】様々な実施形態による、例1からのTGのラマンシグネチャのグラフである。
【
図10B】様々な実施形態による、例1からのTGのTGAプロファイルのグラフである。
【
図11A】様々な実施形態による、例2からのTGのラマンシグネチャのグラフである。
【
図11B】様々な実施形態による、例2からのTGのTGAプロファイルのグラフである。
【
図12】様々な実施形態による、
図1の拘束リザーバの図である。
【
図13】様々な実施形態による、
図1の拘束リザーバの図である。
【
図14】一実施形態による、プロセスガス逃し能力を提供するための
図1の拘束リザーバの電極の図である。
【
図15】様々な実施形態による、
図1のコンクリート拘束リザーバの断面図である。
【
図16A】一実施形態による、コンクリート拘束リザーバ、ならびに
図1の溝付き黒鉛電極およびクランプのアセンブリの概略図である。
【
図16B】一実施形態による、
図1の鋼管クランプ拘束リザーバを備えるコンクリート管の概略図である。
【
図17】一実施形態による、バネおよびリニアステージを備える
図1のジュール加熱アセンブリの斜視図である。
【
図18】一実施形態による、空気圧アクチュエータを備える
図1のジュール加熱アセンブリの斜視図である。
【
図19A】様々な実施形態による、固定圧力圧縮空気を用いた
図1のジュール加熱アセンブリからの空気圧アクチュエータの動作図である。
【
図19B】様々な実施形態による、可変圧力圧縮空気を用いた
図1のジュール加熱アセンブリからの空気圧アクチュエータの動作図である。
【
図20】一実施形態による、垂直の電気的および圧縮方向を用いた
図1のジュール加熱アセンブリの図である。
【
図21】一実施形態による、ジュール加熱中の原料圧縮のない、
図1の炭素からグラフェンへの大規模ジュール熱変換のためのシステムのブロック図である。
【
図22】一実施形態による、重量を減らした、原料圧縮のない、
図1の炭素からグラフェンへの大規模ジュール熱変換のためのシステムのブロック図である。
【
図23】一実施形態による、原料圧縮のない、
図1の炭素からグラフェンへの大規模ジュール熱変換のための半管ベースのシステムのブロック図である。
【
図24】一実施形態による、原料圧縮のない、
図6の炭素からグラフェンへの大規模ジュール熱変換のための三相デルタ電力システムのブロック図である。
【
図25】一実施形態による、原料圧縮のない、
図5の炭素からグラフェンへの大規模ジュール熱変換のための三相ワイおよびデルタ電力システムのブロック図である。
【
図26】一実施形態による、原料圧縮のない、
図1の炭素からグラフェンへの大規模ジュール熱変換のための同軸電極形状システムのブロック図である。
【
図27】一実施形態による、
図2の連続ジュール加熱プロセスのための歯車形状システムのブロック図である。
【
図28】一実施形態による、
図1の連続ジュール加熱プロセスのためのコンベヤベルトシステムのブロック図である。
【
図29】一実施形態による、0.1%のTGを用いたコンクリート複合材料の圧縮強度改善のグラフである。
【
図30】一実施形態による、0.1%のTGを用いたコンクリート複合材料の圧縮強度改善のグラフである。
【
図31】一実施形態による、三相電力による
図1のジュール加熱のための連続生産ラインの方法のブロック図である。
【
図32】一実施形態による、様々な分解能のフレーク状グラフェン(TG)の透過型電子顕微鏡法(TEM)画像である。
【
図33】一実施形態による、様々な分解能の多面体グラフェン(PG)ナノ粒子のTEM画像である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
各請求される実施形態の一例を提供するために以下で様々な装置またはプロセスが説明される。以下に説明される実施形態は、いっさい、請求される実施形態を限定せず、請求される実施形態は、どれも、以下で説明されるものと異なるプロセスまたは装置を対象とし得る。請求される実施形態は、以下で説明されるいずれか1つの装置またはプロセスの特徴のすべてを有する装置またはプロセスに、または以下で説明される装置の複数またはすべてに共通する特徴に限定されない。
【0072】
さらに、プロセスステップ、方法ステップ、アルゴリズム、または同様のものは、逐次的順序で(本開示および/または請求項において)説明され得るが、そのようなプロセス、方法、およびアルゴリズムは、代替の順序で動作するように構成され得る。言い換えれば、説明され得るステップの任意のシーケンスまたは順序は、必ずしもステップがその順序で実行されることの要件であることを示すものではない。本明細書において説明されているプロセスのステップは、実用される任意の順序で実行され得る。さらに、いくつかのステップは、同時に実行され得る。
【0073】
単一のデバイスまたは物品が本明細書において説明されているときに、複数のデバイス/物品(それらが連携するか否かにかかわらない)が単一のデバイス/物品の代わりに使用されてもよいことは容易に明らかになる。同様に、本明細書において複数のデバイスまたは物品(それらが連携するか否かにかかわらない)が説明されている場合、単一のデバイス/物品が複数のデバイスまたは物品の代わりに使用されてもよいことは容易に明らかになる。
【0074】
「グラフェン」という用語は、ハニカム結晶格子内に高密度に充填されたsp2結合炭素原子の1原子厚の平面シートであり、さらに、内部シートの少なくとも大部分にわたって炭素原子および芳香族結合の無傷の環状構造を含み、炭素原子の著しい酸化修飾を欠く材料を指す。グラフェンは、もっぱら、結晶構造を有し、その品質は結晶化度によって測定される。グラフェンは、OH、COOH、エポキシドなどの酸素含有基が少ない点で酸化グラフェンから区別可能である。「グラフェン単分子層」という用語は、グラフェンの単層であるグラフェンを指す。「極少層グラフェン(a very few layer graphene)」という用語は、グラフェンの1から3層のグラフェンを指す。「少層グラフェン(a few layer graphene)」という用語は、グラフェンの2から5層のグラフェンを指す。「多層グラフェン」という用語は、グラフェンの2から10層のグラフェンを指す。
【0075】
「ターボストラティックグラフェン(TG)」という用語は、グラフェン層の間にほとんど秩序を有しないグラフェンを指す。ターボストラティックグラフェン構造の各グラフェン層は、主に本質的に結晶性を有する。使用され得る他の用語は、間違った方向に配向される、ねじられる、回転され、回転断層、および弱結合を含む。ターボストラティックグラフェンの回転積層は、層間結合を緩和し、格子面間隔を広げるのに役立ち、これによって、類似の重量ベースで比較されたときに競合するグラフェン構造に比べて優れた物理的特性をもたらす。隣接する層の積層配向の微妙な違いは、製品の性能属性に重要な違いをもたらす。ターボストラティックグラフェンで明らかになる重要な性能上の利点は、多層グラフェン構造が少数の個別のグラフェン層により容易に分離し、グラフェン層が再結合する傾向がないことである。グラフェンのターボストラティック性は、ラマン分光法、透過型電子顕微鏡法(TEM)、選択領域電子回折法(SAED)、走査型透過電子顕微鏡法(STEM)、原子間力顕微鏡法(AFM)、およびX線回折法(XRD)分析によって観察され、確認され得る。
【0076】
本発明のジュール加熱プロセスの結果として生産されるターボストラティックグラフェン(TG)は、フレーク状ターボストラティックグラフェン構造(FTG)、および多面体状ターボストラティックグラフェン構造(PG)の2つの優勢な形態、ならびに両者の組合せを有する。典型的なFTGグラフェンは、横方向のサイズについては100nmから2μmの範囲を有し、厚さについては2グラフェン層から10層超までである。多面体グラフェンは、多面体ケージを形成するグラフェンの閉じた形態であり、複数のケージは、互いに入れ子になっている。球状のケージも可能である。典型的なPGグラフェンは、20nmから200nmの範囲の(直径)サイズを有し、2から50超の層の壁厚を有する。多面体グラフェンナノ粒子は、数nmから数ミクロンの範囲の長さの、複数のPGナノ粒子から作られる分岐構造で自己組織化することができる。
【0077】
「炭素源」という用語は、一般的に、典型的にはアモルファス(本質的に非結晶性)のまたはある程度の結晶性を有し、もっぱら結晶性のグラフェン材料、好ましくはターボストラティックグラフェンに変換され得る任意の炭素ベースの材料を指す。炭素源は、粉末形態、粒形態、ペレット形態、圧縮ピル形態を含む、任意の形態であってよい。炭素源は、限定はしないが、石油コークス、タイヤカーボンブラック、カーボンブラック、冶金コークス、プラスチック灰、プラスチック粉末、挽いたコーヒー、無煙炭、石炭、コーンスターチ、松樹皮、ポリエチレンマイクロワックス、蝋、chemplex 690、セルロース、ナフテン油、アスファルテン、ギルソナイト、およびカーボンナノチューブを含むものとしてよい。
【0078】
フラッシュジュール加熱合成方法およびその組成物は、2020年3月12日の国際公開日を有する、Tourらに対する国際公開第WO2020/051000A1号を有する特許協力条約出願において説明されており、参照により全体が本明細書に組み込まれている。
【0079】
炭素ピルをジュール加熱することによってグラフェンを合成する方法およびその組成物は、2020年10月13日の国際出願日を有する、Mancevskiに対する国際出願第PCT/CA2020/051368号を有する特許協力条約出願において説明されており、参照により全体が本明細書に組み込まれている。
【0080】
次に
図1を参照すると、そこに示されているのは、一実施形態による、大規模ジュール熱変換のためのシステム100のブロック図である。システム100は、原料101から結果としての生成物を生産する。システム100は、ジュール加熱を介して炭素をグラフェンに変換する従来の方法に開示されているよりも3から4桁高い質量のグラフェンを生産する。
【0081】
システム100は、AC電源104をさらに備える。システムのAC電源は、電気グリッドまたは産業用発電機に由来する任意のAC電源104であってよい。AC電源104は、産業工程に適したものであればよい。好ましいAC電源104は、100から1500VAC二乗平均平方根(RMS)の定格を有する。好ましいAC電源104は、100から20000アンペア(A)のピークRMS電流定格を有する。AC電源104は、60ヘルツ(Hz)または50HzのAC電源であってよい。システムの別の構成では、AC電源104は、60から1000Hzの範囲内の信号を有し得る。システムの別の構成では、AC電源104は半波整流であってもよい。半波整流AC電源104では、AC信号の片側のみが原料101のジュール加熱に使用される。システムの別の構成では、AC電源104は全波整流であってよい。AC電源104は、まず一次電圧から二次電圧に変換され得る。この変換は変圧器を介して行われ得る。一次電圧は13kVACであってよい。二次電圧は、100VACから1500VACまでの任意の電圧であってよい。好ましい構成において、二次電圧は、480VACおよび600VACのうちの1つまたは複数であってよい。二次電圧は、炭素原料負荷102をジュール加熱してグラフェンに変換するために使用される。二次電圧は単相または三相電力であってよい。二次電圧の電力線は、デルタ構成で動作するように構成され得る。二次電圧の電力線は、ワイ構成で動作するように構成され得る。
【0082】
システム100は、コントローラ105をさらに備える。コントローラ105は、電気スイッチなどの、電流の流れを停止することができる任意のデバイスであってよい。電流を停止することは、コントローラ105がサンプルの挿入および除去を可能にし、エネルギー投与量を制御し、安全遮断機能を提供することを可能にする。コントローラ105は、論理決定で制御され得るリレーであってもよい。リレー機構105は、機械的原理、電気的原理、電気機械的原理、静電気的原理、空気圧的原理、または油圧的原理のうちの1つまたは複数の原理を介して制御されてもよい。
【0083】
コントローラ105は、複数のリレーを含み得る。複数のリレーは、安全対策および動作のために、各投与量に対して1つまたは複数のリレーを含み得る。大電流動作については、コントローラ105は、並列に動作する複数のリレーからなるものとしてよい。並列に動作するリレーは、リレーあたりの最大電流を制限し、大電流を複数のリレーに均等に分配する。リレーまたはリレーアセンブリは、100から1500VACの電圧および100から20000アンペアの電流で動作するのに適している。電気的および電気機械的リレーの例は、ソリッドステートリレー(SSR)およびガス放電管を含む。機械式リレーの例は、コンタクタおよび水銀蒸気スイッチを含む。大電力ソリッドステートリレーの例は、サイリスタ、SCR、トライアック、およびIGBTを含む。いくつかの場合において、SCRのダイオード動作に対応し、双方向の電流の流れを可能にするために、少なくとも2つのSCRが逆並列に接続されなければならない。
【0084】
このシステムは、グラフェン変換のためのAC電力をうまく制御し、計量するために必要なソフトウェアコントローラを備え得る。
【0085】
システムは、拘束リザーバ106をさらに含む。拘束リザーバは、加熱中に原料101を拘束する。拘束リザーバは、本明細書において以下でさらに説明される、それぞれ
図12、
図13、
図16、
図20、
図21、および
図23~
図26のリザーバ1200、1300、1600、2006、2104、2302、2402、2502、2602、および2702のうちの1つまたは複数であってよい。1つの拘束リザーバ106の幾何学的形状は、管であってもよい。管は、円筒形であるか、または中空の矩形の外形であり得る。管は、(縦方向に分割された)2つの半管から組み立てられるかまたは矩形/レンガ形状の管であってもよい。閉じ込められた粒原料の円管の直径に対する長さのアスペクト比(L/D)は0.1より大きく、矩形管の斜辺に対する長さのアスペクト比(L/H)も0.1より大きいことが望ましい。一実施形態において、L/DまたはL/H比は、0.1から50の間であり、好ましいL/DまたはL/H比は、2から6の間である。
【0086】
拘束リザーバ106は、拘束構造108を備える。拘束構造は、抵抗負荷102を拘束するように構成される。拘束構造108は、また、圧縮時に抵抗負荷を拘束し得る。拘束リザーバの材料および粗さに依存する、拘束リザーバの摩擦、ならびに原料への押圧は、知られている直径を有する管内の原料の圧縮長(L)を決定する。
【0087】
高温がジュール加熱プロセスにおいて発生することに起因して、拘束構造108は、高温の電気絶縁材料を含み、これは石英、セラミック、セメント、コンクリート、炭化ケイ素、マグネシウム系耐火物(マグネシア-炭素、死焼マグネサイト-MgO、マグネサイト-クロム、マグネシア-アルミナスピネル)、ドロマイト(死焼ドロマイト、および樹脂接合ドロマイト)、アルミニウム系耐火物(アルミナ-マグネシア-黒鉛、水和ケイ酸アルミニウムを有する耐火粘土耐火物、高アルミナ耐火物、およびリン酸塩結合高アルミナ)からなる群の中の少なくとも1つを含む電気絶縁材料などである。他の好適な材料は、BN、Al3N4、Si3N4を含む。代替的に、拘束構造108は、性能の低い材料で作られ得るが、高温キャスタブル材料でコーティングされてもよい。
【0088】
拘束リザーバ106は、少なくとも2つの電極110をさらに備える。電極110は、電流を抵抗負荷102に流し、原料101をジュール加熱する。電極110は、抵抗負荷102に電気的に接触する。抵抗負荷102の一部と接触するだけでもよい。原料101は、1つまたは複数の電極110を使用して圧縮され得る。電極110は、拘束構造108にきつくはめ込まれ得る。電極110は、原料101が拘束リザーバから出るのを阻止し得る。拘束リザーバ106は、拘束構造108の各側部に対して電極110を備え得る。
【0089】
電極110は、拘束リザーバ106の対向端部上に付けられ得る。電極110は、また、原料101の体積部に電流が通され得る限りそれらの間に何らかの定義された角度に位置決めされ得る。
【0090】
電極110は、円筒形黒鉛電極であってもよい。高温がジュール加熱プロセスにおいて発生することに起因して、拘束リザーバの電極110は、黒鉛、黄銅、銅、銅ウール、ステンレス鋼、またはタングステンなどの高温導電性材料を含む。
【0091】
抵抗負荷102は、電源104から電流を引き出す。電流は、印加された電圧に基づくオームの法則に従って引き出される。抵抗負荷は、引き出された電流により熱くなる。加熱はジュールの法則(ジュール加熱)に従う。加熱電力Pは、
【0092】
【0093】
であり、I(アンペア)は原料負荷を通る電流であり、VR(ボルト)はサンプル間の電圧であり、Vは印加電圧であり、Xはインダクタまたはコンデンサ(もしあれば)のリアクタンスであり、R(オーム)は原料負荷抵抗である。加熱電力の範囲は0.01から30MW RMS出力である。抵抗負荷の加熱は、原料を結果としての生成物に変換する。生成物は、グラフェンであるものとしてよい。
【0094】
抵抗負荷102は、原料101を含む。粒原料の嵩密度は、原料の種類および粒径に依存する。原料101は、炭素ベースであるという点で炭素源であり得る。炭素ベースの原料101は、粉末、粒、ペレット、および塊の形態のうちの1つまたは複数であってよい。炭素原料の形態は、リザーバ容積内に拘束された1つの大きなピルまたはリザーバ容積内に拘束された複数のより小さいピルであり得、炭素ベースのピルのフラッシングは、参照として本明細書に組み込まれているPCT/CA2020/051368において説明されている。炭素原料の形態は、超細粒または粉末(<10μm)、微細粒(10μmから45μm)または粉末、極細粒(45μmから125μm)、細粒(125μmから355μm)、粗粒(355μmから1700μm)、ペレット(0.5から3mm)、中程度の塊(0.8から3mm)、チップ(3から25mm)、およびMetCoke粉コークス(3から15mm)であり得る。炭素ベースの原料101は、0.1から300kgの間の質量、0.5から5000オームの間のバルク抵抗、および5nm(カーボンブラックの場合)から15mm(MetCoke粉コークス)の粒径を有し得る。
【0095】
原料101は、炭素ベースであるという点で炭素源であり得る。炭素ベースの原料材料101は、冶金コークス、無煙炭、生石油コークス、か焼石油コークス、再生タイヤカーボンブラック、カーボンブラック、炭、バイオ炭、木炭、植物炭、挽いたコーヒー、コーヒー炭、ポリマー、プラスチック、プラスチック炭、プラスチック灰、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、および発泡スチロールのうちの1つまたは複数を含み得る。炭素ベースの原料材料は、重量ベースで10%から99.9%の炭素含有量を有し得る。炭素ベースの原料101の別の供給源は、水素抽出のための炭化水素分解のプロセスからの残留炭素を含み得る。この分解プロセスの一例は、メタンからのターコイズ水素の生産である。
【0096】
原料101は、第2の材料を含んでいてもよい。第2の材料は、原料材料101を粒または粉末の形態からペレットまたはピルの形態に結合し得る。第2の材料101は、水、挽いたコーヒー、コーンスターチ、松樹皮、ポリエチレンマイクロワックス、蝋、chemplex 690、セルロース、ナフテン油、アスファルテン、ギルソナイト、水、カルボキシメチルセルロース(CMC)、リグナン、リグニン、リグノスルホン酸ナトリウム、リグノスルホン酸カルシウム、発生ナトリウムリグニン、脱糖リグノスルホン酸カルシウム、リグノンスルホン酸アンモニウム、カルシウムリグニン、醸造者濃縮可溶物、脱糖ビート糖蜜のうちの1つまたは複数を含み得る。一実施形態において、原料に関する第2の結合材料102のパーセントは、重量ベースで1から10%の間である。第2の結合材料の好ましいパーセントは1から5%である。
【0097】
第2の材料は、原料材料102の導電性を改善し得る。第2の導電性材料は、か焼石油コークス、タイヤカーボンブラック、カーボンブラック、冶金コークス、ターボストラティックグラフェン、およびカーボンナノチューブのうちの少なくとも1つを含む。一例において、原料に関する第2の導電性材料のパーセントは、重量ベースで1から15%の間である。第2の導電性材料の好ましいパーセントは1から5%である。
【0098】
第2の材料は、充填剤として働き得る。充填剤は、原料101の充填密度、電気伝導率、および熱伝導率を調整するために使用することができる。第2の犠牲材料は、ジュール加熱プロセスにおいてガス放出を促進するために使用することもできる。いくつかの例では、充填剤は、グラフェンの形態を制御するためのテンプレートとしても働き得る。充填剤は、Fe、Cu、Al、もしくは他の遷移金属もしくは典型金属、TiO2、Al2O3、SiO2、もしくは他の酸化物、NaCl、KCl、MgCl2、CaCO3、CuSO4、もしくは他の金属塩、KOH、NaOH、もしくは他の塩基、または上記の任意の組合せのうちのいずれか1つとすることができる。充填剤は、原料を乾燥したナノ粒子またはマイクロ粒子と、または充填剤材料を含む液体溶液と混合することによって原料に添加され得る。たとえば、FeCl2またはFeCl3を水に溶かし、次いで原料と混合し、設定した時間の間待ち、溶液の液相を乾燥させ、第2の供給材料でドープされた原料を残す。他の例は、NiCl2を介してNi充填剤を添加することを含む。充填剤は、ジュール加熱中に燃え尽きるか、または部分的に燃えるか、不活性のままであり得る。充填剤は、フラッシュジュール加熱時にその場で取り除かれ得るか、または溶媒、酸、もしくは塩基洗浄を使用して後で取り除かれ得る。
【0099】
原料材料101は、ジュール加熱プロセスにおいて反応に加わる充填剤を含み得る。ジュール加熱後、フラッシングされた充填剤は、ナノ粒子、クラスタとしてグラフェン表面に残るか、またはグラフェンネットワーク中に原子レベルで分散され得る。いくつかの例において、フラッシングされた充填剤は、グラフェンの内側に包埋され得る。これらの材料は、Heck反応、フィッシャー-トロプシュ反応、脱水素化、鈴木反応、ハーバー-ボッシュ反応、水の酸化、水素放出反応、酸素還元反応、CO2還元、または他の反応などの、他の反応に対する触媒として働き得る。これらの材料は、光起電材料、磁性材料、熱電材料などの機能性材料、および他の機能性材料としても使用され得る。充填剤は、Pt、Pd、Ru、Au、Ir、Rh、Co、Fe、Cu、Ni、Zn、Bi、もしくは他の遷移金属もしくは典型金属、Pt(acac)2、AuCl3、AgNO3、もしくは他の金属前駆体、TiO2、Al2O3、SiO2、もしくは他の酸化物、または上記のうちの任意のものの組合せとすることができる。触媒は、原料101を乾燥したナノ粒子またはマイクロ粒子と、または触媒材料を含む液体溶液と混合することによって原料に添加され得る。
【0100】
原料材料101は、金属ベースの触媒を含み得る。触媒は、ジュール加熱プロセスにおいてグラフェンまたはカーボンナノチューブまたはカーボンオニオンの成長を促進する。触媒は、Fe、Co、Ni、Cu、もしくは他の遷移金属、酢酸鉄、塩化鉄、鉄アセチルアセトナート、もしくは他の金属塩、酸化鉄、酸化コバルト、もしくは他の遷移金属酸化物、水酸化鉄、水酸化ニッケル、もしくは他の遷移金属水酸化物、TiO2、Al2O3、SiO2、もしくは他の酸化物、または上記の任意の組合せとすることができる。充填剤または触媒は、単一または複数金属成分のものとすることができる。触媒は、原料を乾燥したナノ粒子またはマイクロ粒子と、または触媒材料を含む液体溶液と混合することによって原料に添加され得る。
【0101】
一実施形態において、第2のプロセス材料は、ケイ素、酸化ケイ素(SiOx)、SiOxベースのアノード材料、およびSi-O-Cベースのアノード材料を含む群の中の1つを含むリチウムイオン電池のアノード材料である。リチウムイオンアノード材料は、粒子、スフェア、ナノスフェア、マイクロスフェア、ロッド、ナノワイヤ、およびマイクロワイヤからなる群の中の少なくとも1つを含む形態を有し得る。リチウムイオンアノード材料は、非多孔質、多孔質、ナノ多孔質、マイクロ多孔質の構造、および層状構造を有し得る。リチウムイオンアノード材料は、新しい材料であるか、または再利用リチウムイオンアノード材料であってもよい。ジュール加熱後、シリコンベースの材料は、グラフェンネットワーク中に分散され得るか、グラフェンによって部分的にまたは完全にコーティングされ得るか、シリコンベースの材料とグラフェンとのクラスタを形成することができるか、またはシリコンベースの材料は、グラフェンの層内に移動するかもしくは拡散し得るか、またはこれらの任意の組合せであってもよい。一実施形態において、アノード材料とグラフェンの結果複合材料は、シリコンに起因する劣化を防止することによってシリコンベースのアノードの出力密度およびサイクル寿命を改善する。アノード材料は、また、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化タングステンなどの他の遷移金属酸化物、または炭化チタン、炭化バナジウム、炭化ニオブ、炭化モリブデン、炭化タングステンなどの遷移金属炭化物、またはアルミニウム、ビスマス、カドミウム、マグネシウム、スズ、アンチモンなどのLiと合金化する金属とすることもできる。
【0102】
本発明の一例において、第2のプロセス材料は、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)-LCO、リチウムマンガン酸化物(LiMn2O4)-LMO、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物(LiNiMnCoO2)-NMC、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)-LFP、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(LiNiCoAlO2)-NCA、およびチタン酸リチウム(Li2TiO3)-LTOからなる群を含むが、この群に限定されない、リチウムイオン電池のカソード材料である。本発明からのリチウムイオンカソード材料は、新しい材料であるか、または再利用リチウムイオンカソード材料であってもよい。この発明の一例において、カソード材料とグラフェンとの結果複合材料は、カソードの出力密度およびサイクル寿命を改善する。
【0103】
一実施形態において、原料材料101の嵩密度は、0.1から1.4g/ccの間であり、好ましい原料嵩密度は1g/cc未満である。
【0104】
一実施形態において、#12-20メッシュ(1.52~0.86mm)のフラクションサイズを有する冶金コークス(MC)原料粒は、0.64g/ccの嵩密度を有し、別の例では、#45-60メッシュ(0.355~0.23mm)のフラクションサイズを有するMC粒は、0.90g/ccの嵩密度を有し、さらに別の例では、粉コークス(3~15mm)のフラクションサイズを有するMCは、0.55g/ccの嵩密度を有する。
【0105】
さらなる実施形態では、#12-20メッシュ(1.52~0.86mm)のフラクションサイズを有するか焼石油コークス(CPC)原料粒は、0.80g/ccの嵩密度を有する。
【0106】
さらなる実施形態では、1~3mmのフラクションサイズを有する再生タイヤカーボンブラック(TCB)の原料ペレットは、0.52g/ccの嵩密度を有する。
【0107】
さらなる実施形態では、中程度の塊(0.8~3mm)のフラクションサイズを有するバイオ由来炭(BC)原料は、0.21g/ccの嵩密度を有する。さらなる実施形態では、0.5から3mmのフラクションサイズを有するBC原料ペレットは、0.47g/ccの嵩密度を有する。
【0108】
さらなる実施形態では、#16~18メッシュ(1.13~0.98mm)のフラクションサイズを有する生石油コークス(GPC)原料粒は、0.7g/ccの嵩密度を有する。
【0109】
一実施形態では、管内径(ID)、およびしたがって拘束原料直径は、1.6から50cmまでの範囲内にあり、拘束原料長さは、1から310cmの範囲内にある。
【0110】
一実施形態(K2-4)において、拘束管の直径は7.5cmである。#12-20メッシュ(1.52~0.86mm)のフラクションサイズを有するMetCoke(MC)原料粒1kgは、36cmの閉じ込められた粒原料長を有し、4.8のアスペクト比L/Dを有する。
【0111】
一実施形態(K3-9)において、拘束管の直径は7.5cmである。#12-20メッシュ(1.52~0.86mm)のフラクションサイズを有するMetCoke(MC)原料粒2kgは、73cmの閉じ込められた粒原料長を有し、9.7のアスペクト比L/Dを有する。
【0112】
一実施形態(K3-16)において、拘束管の直径は11.3cmである。#12-20メッシュ(1.52~0.86mm)のフラクションサイズを有するMetCoke(MC)原料粒5kgは、82cmの閉じ込められた粒原料長を有し、7.3のアスペクト比L/Dを有する。
【0113】
一実施形態(K3-18)において、拘束管の直径は11.3cmである。#10-20メッシュ(1.91~0.86mm)のフラクションサイズを有するCPC粒7kgは、72cmの閉じ込められた粒原料長を有し、6.4のアスペクト比L/Dを有する。
【0114】
一実施形態(K3-22)において、拘束管の直径は15cmである。#10-20メッシュ(1.91~0.86mm)のフラクションサイズを有するCPC粒13kgは、78cmの閉じ込められた粒原料長を有し、5.2のアスペクト比L/Dを有する。
【0115】
一実施形態(KX-1)において、拘束管の直径は40cmである。#10-20メッシュ(1.91~0.86mm)のフラクションサイズを有するCPC粒300kgは、250cmの閉じ込められた粒原料長を有し、6.3のアスペクト比L/Dを有する。
【0116】
一実施形態(K4-2)において、拘束管の直径は7.5cmである。1~3mmのフラクションサイズを有する再生タイヤカーボンブラック(TCB)原料ペレット1kgは、46cmの閉じ込められた粒原料長を有し、6.1のアスペクト比L/Dを有する。
【0117】
一実施形態(KX-2)において、拘束管の直径は50cmである。1~3mmのフラクションサイズを有する再生タイヤカーボンブラック(TCB)原料ペレット300kgは、290cmの閉じ込められた粒原料長を有し、5.8のアスペクト比L/Dを有する。
【0118】
一実施形態(K4-10)において、拘束管の直径は7.5cmである。中程度の塊(0.8~3mm)のフラクションサイズを有するバイオ由来炭(BC)原料0.65kgは、70cmの閉じ込められた粒原料長を有し、9.3のアスペクト比L/Dを有する。
【0119】
次に
図2を参照すると、そこに示されているのは、一実施形態による、原料を結果としての生成物に大規模ジュール熱変換するための方法200の流れ図である。方法200を達成するために使用されるシステムは、
図1のシステム100であってもよい。方法200は、約0.1kg以上の質量を有する結果としての生成物を生産するという点で大規模である。0.1から300kgの原料をジュール加熱するプロセスは、原料の質量の大きさ(10g以上)とともに著しく変化する電力要件、機械的制約、ならびにガスおよび放熱要件の著しい増大に起因して1から10gの質量をフラッシュジュール加熱することについて当業者には明らかではない。
【0120】
202で、原料材料は、拘束リザーバ内に充填されおよび/または詰め込まれる。拘束リザーバは、本明細書において以下でさらに説明される、それぞれ
図12、
図13、
図16、
図20、
図21、および
図23~
図26のリザーバ1200、1300、1600、2006、2104、2302、2402、2502、2602、および2702のうちの1つまたは複数であってよい。原料材料は、
図1の原料102であってもよい。一実施形態において、原料は、0.1から300kgの間の質量を有する。
【0121】
204で、粒原料は圧縮され得る。圧縮は、原料粒の抵抗がバルク抵抗の0.5から5000オームの間になるまで続けられる。圧縮力は、ジュール加熱中も適所に維持される。いくつかの例では、原料に対する圧縮力は、原料をリザーバ内に充填し詰め込んでいる間、またはジュール加熱プロセスの開始時間セグメントにおいてのみ存在し得る。圧縮は、原料粒またはペレットがリザーバ内および電極間のスペースの中に均等に充填されるか、または平らにされる場合に省かれ得る。
【0122】
より高いバルク抵抗(>5000オーム)が、ジュール加熱プロセスに適しているが、より高い電圧およびより長いプロセス時間を必要とする。より低いバルク抵抗(<0.5オーム)もジュール加熱プロセスに適しているが、ジュール加熱を達成するためにはより高い電流を必要とする。圧縮された粒原料の抵抗は、原料材料(化学組成、および酸素、窒素、硫黄などの非炭素分子のレベル)、原料炭化水素含有量、原料材料灰分、原料材料揮発性有機化合物(VOC)、原料水分含有量、原料粒径、拘束された原料の断面積、拘束された原料の長さ、拘束リザーバ壁の摩擦、および粒を圧縮する力に依存する。
【0123】
幾何学的形状に関して正規化された原料粒の抵抗は、抵抗率(オーム*cm)の単位で表され得る。原料粒の抵抗率は、0.3から700オーム*cmの範囲内である。高い嵩密度(0.5から1g/cc)を有する原料に対する好ましい原料抵抗率は0.3から5オーム*cmの範囲内にあり、中程度の嵩密度(0.3から0.7g/cc)を有する原料に対する抵抗率は20から100オーム*cmの範囲内にあり、低い嵩密度(<0.5g/cc)を有する原料に対する抵抗率は100から700オーム*cmの範囲内にある。より高い抵抗率(>700オーム*cm)が、ジュール加熱プロセスに適しているが、より高い電圧およびより長いプロセス時間を必要とする。より低いバルク抵抗率(<0.3オーム*cm)もジュール加熱プロセスに適しているが、ジュール加熱を達成するためにはより高い電流を必要とする。
【0124】
原料は、拘束リザーバの縦方向に圧縮され得る。この圧縮は、電極を通る印加電力の方向に沿って、2つの対向電極の間で行われ得る。電極は、原料を圧縮する圧縮力を印加するために使用され得る。
【0125】
原料は、2つの対向電極の間の線に垂直な方向に沿って圧縮され得る。この実施形態では、圧縮は、印加電力の方向に対して垂直である。
【0126】
電極は、原料と電気的に接触している。電極は、炭素ベースの原料をグラフェンに変換するジュールフラッシュ加熱プロセスを達成するために必要な電力を原料に印加するための導管として機能する。
【0127】
リザーバの少なくとも一方の側部は、対向側部に関して移動されなければならない。しかしながら、残りの側部は静止したままでよい。一実施形態において、圧縮力は10から500kgの間であり、面圧は20から1200kPaであり、0.3から700オーム*cmの原料抵抗率を達成する。
【0128】
一実施形態(K2-4)では、MetCoke(MC)原料粒1kgは、94kgの力で36cmの長さになるまで圧縮され、0.6オームの原料粒抵抗(抵抗率0.73オーム*cm)を得た。
【0129】
一実施形態(K3-18)では、か焼石油コークス(CPC)原料粒7kgは、76kgの力で72cmの長さになるまで圧縮され、0.5オームの原料粒抵抗(抵抗率0.66オーム*cm)を得た。
【0130】
一実施形態(K4-2)では、再生タイヤカーボンブラック(TCB)原料ペレット1kgは、140kgの力で46cmの長さになるまで圧縮され、44オームの原料粒抵抗(抵抗率43オーム*cm)を得た。
【0131】
一実施形態(K4-10)では、バイオ由来炭(BC)原料塊0.65kgは、184kgの力で70cmの長さになるまで圧縮され、372オームの原料粒抵抗(抵抗率235オーム*cm)を得た。
【0132】
206で、電源出力は、拘束リザーバ容積(負荷)内の原料と接続される。電源は、
図1の電源104であってよい。負荷は、
図1の抵抗負荷102であってもよい。接続は直列であってもよい。原料は導電性を有する。原料は炭素ベースの原料であってもよい。一実施形態において、原料は圧縮され、圧縮力は、電源が接続されている間、原料に作用したままになり得る。リレースイッチは負荷と直列である。スイッチは、
図1のスイッチ105であってもよい。
【0133】
208で、リレースイッチを操作することによって原料に電力が印加される。電力が印加されるとき、206の圧縮力はまだ適所にあるものとしてよい。原料に電力を印加する際に、抵抗負荷は電流を引き出す。電流は、印加された電圧に基づくオームの法則に従って引き出される。抵抗負荷は、引き出された電流により熱くなる。加熱はジュールの法則(ジュール加熱)に従う。加熱電力Pは、
【0134】
【0135】
であり、I(アンペア)は原料負荷を通る電流であり、VR(ボルト)はサンプル間の電圧であり、Vは印加電圧であり、Xはインダクタまたはコンデンサ(もしあれば)のリアクタンスであり、R(オーム)は原料負荷抵抗である。加熱電力の範囲は0.01から30MW RMS出力である。一実施形態において、電源は、100から20000AのピークRMS電流制限、および100から1500VAC RMSの電圧を有するように構成されている。抵抗負荷の加熱は、原料を結果としての生成物に変換する。一実施形態において、より硬い形態のコークス原料材料は、炭素原料をグラフェンに変換するために0.1から5MW/kgのピーク電力を必要とし、別の実施形態では、より柔らかい形態のカーボンブラックおよび炭原料材料は、炭素原料をグラフェンに変換するために0.05から1MW/kgのピーク電力を必要とする。
【0136】
複数の抵抗負荷およびそれに対応するスイッチを含む実施形態では、システムは、スイッチの動作を調整し、いつでも電力の1つの相のみが関わることを可能にすることによって、一度に1つずつ連続して動作するように構成され得る(一度に1つの原料負荷を処理する)。スイッチ制御電子回路に関する理由から、相を切り替える間に短い遅延が生じ得る。この連続動作の1つの構成において、相の切り替えは、有意な一時停止なしで連続しており、相の最後がオフにされた後、相の最初で第1の相が再びオンにされる。この実施形態では、ジュール加熱システム内の変換された原料負荷は、次のジュール加熱プロセスが関わる前に未変換原料負荷と交換される。この連続動作例の別の構成において、各相切り替えサイクルの後に意図的な一時停止がある。この一時停止で、原料負荷サンプルが冷却しおよび/または交換される時間に余裕を持たせる。
【0137】
別の実施形態では、ジュール加熱システム(1つの前段階)は、同時に動作するように構成される。この動作は、スイッチの動作を調整し、電力のすべての相が同時に関わる(3つのすべての原料負荷を同時に処理する)ことを可能にすることによって達成される。相の各々が前の相から120度オフセットされているので、各相上の電源負荷はもっぱら平衡する。
【0138】
炭素ベースの原料からグラフェンへの変換のために、原料は、1800℃から3000℃の範囲内の温度まで急速に加熱され、3から20MJ/kgの範囲内の堆積エネルギーE(ジュール)の線量を有していなければならない。カーボンブラックのような、いくつかの原料は、8から40MJ/kgの範囲内のエネルギー堆積を必要とし得る。エネルギーの一部は、大量の原料を室温からプロセス温度まで加熱するために消費され、エネルギーの一部は、Nature誌において説明されているように、炭素からグラフェンへの変換エネルギーである。変換エネルギーは、原料の材料に依存する。熱損失は、輻射損失、伝導損失、水分蒸発熱、および望ましくない残留材料の昇華熱に由来する。一実施形態において、ジュール加熱プロセス時間は、1秒から20分であり得る。さらなる実施形態において、ジュール加熱プロセス時間は、30秒から5分であり得る。
【0139】
一般に、粒を互いに接触させたままにする(自由継続ではない)ある程度の圧縮の下での粒状原料材料は、各粒の抵抗と粒間の接触抵抗との合計からなる合成バルク抵抗を有することになる。ジュール加熱プロセスの下で、バルク原料抵抗は、粒が加熱されて熱伝導率を変化させ、原料中の遊離水が蒸発し、炭化水素の一部が異なる温度で燃焼し、非炭素材料の一部が異なる温度で昇華し、炭素は炭素からグラフェンへの変換を受けるときに、非線形に変化する。原料バルク抵抗の非線形挙動は、非線形の電流の流れを引き起こし、その結果、非線形熱および電力堆積をもたらす。一般に、原料バルク抵抗は、原料が加熱されるにつれ低下するが、常にそうであるというわけではない。いくつかの場合において、バルク抵抗は、最小値に達した後、再び上昇することもある。エネルギーは時間に関する電力の積分であるので、原料に堆積するエネルギーも非線形に堆積する。
【0140】
一構成において、ジュール加熱プロセスは、15秒から10分のレートで繰り返される。繰り返されるジュール加熱プロセスは、単相から、三相から(連続して、もしくは同時に)のものであり得る、ワイ変圧器構成から、もしくはデルタ変圧器構成からのものであり得る、プロセス間の一時停止を最小限にして繰り返され得る、またはプロセス間に意図的な一時停止を入れて繰り返され得る、単一のジュール加熱システム、3つのジュール加熱システム、および複数のジュール加熱システムで行われ得る。典型的な8時間(480分)の製造シフトについては、加熱プロセスに応じて、1シフトあたり50から2000回の、グリッド電源が利用されるレートで繰り返され、各ジュール加熱プロセスは、0.01から30MWのRMS電力および100から20000AのピークRMS電流負荷を必要とする。したがって、高負荷電力サイクルは、グリッド電源のバランスおよび安定性に影響を及ぼし得る。
【0141】
一実施形態において、ジュール加熱プロセスは、原料に堆積された累積エネルギーを使用して終了する。さらなる実施形態では、ジュール加熱プロセスは、原料に電流を流している時間を使用して終了する。さらなる実施形態では、ジュール加熱プロセスは、原料に印加される最大電力を使用して終了する。さらなる実施形態では、ジュール加熱プロセスは、原料抵抗測定値を用いて終了する。さらなる実施形態では、ジュール加熱プロセスは、原料の温度(1つのスポット、複数のスポット、プロファイル)を使用して終了する。
【0142】
一構成において、ジュール加熱プロセスは、拘束リザーバ内の最大圧力、拘束リザーバへの最大力、低原料抵抗条件、最高原料温度、原料への最大電流または電力、電気回路の最大I2*t(Amp2*時間)、電線または導管の最高温度、および最高リレー温度からなる(限定はしないが)群の中の少なくとも1つを含む測定値を使用して安全上の理由から終了される。安全遮断は、最大もしくは最小測定値、または計算された傾向によるものであってもよい。プロセス終了および安全遮断の測定値は、電子回路、パイロメータ測定、熱電対またはサーミスタ測定、サーマルカメラ、ビデオフィードバック、力センサー、および圧力センサーを使用して収集され得る。一構成において、ジュール加熱プロセスは、制御ロジックと組み合わせてプロセス終了および安全遮断の測定値を使用して制御される。
【0143】
次に
図3を参照すると、そこに示されているのは、一実施形態による、大規模ジュール加熱のための原料の縦方向圧縮のためのシステム300のブロック図である。システム300は、
図1のシステム100であってもよい。原料302は、拘束リザーバ306の縦方向304に圧縮される。この圧縮は、電極308を通る印加電力の方向に沿って、2つの対向電極308aおよび308bの間で行われる。電極308aおよび308bは、原料302を圧縮する圧縮力を印加するために使用され得る。
【0144】
圧縮システムは、少なくとも1つのバネ312をさらに備える。バネ312は、所望のプロセスバルク原料抵抗またはプロセス原料抵抗率が達成されるまである固定点に関して電極308aまたは308bを押す。別の例では、バネ312は、バネの代わりに作用する空気圧ピストン(図示せず)に置き換えられ得る。この構成における電極308は、リザーバ306の境界に沿って移動する。この移動は、原料302がプロセスの高温の影響下で膨張するかまたは収縮する際の原料302の体積の変化を説明する。電極308は、また、原料302に電力を印加するための導管としても機能する。炭素ベースの原料をグラフェンに変換するジュール加熱プロセスを達成するためには、電力の印加が必要である。
【0145】
次に
図4を参照すると、そこに示されているのは、一実施形態による、大規模ジュール加熱のための原料の垂直方向圧縮のためのシステム400のブロック図である。システム400は、
図1のシステム100であってもよい。原料402は、2つの対向電極408aおよび408bの間の線404に垂直な方向に沿って圧縮される。この実施形態では、圧縮410は、印加電力408の方向に対して垂直である。
【0146】
圧縮システムは、少なくとも1つのバネ412をさらに備える。バネ412は、所望のプロセスバルク原料抵抗またはプロセス原料抵抗率が達成されるまで第1のリザーバ側部414を第2のリザーバ側部416の方へ押す。第1のリザーバ側部414および第2のリザーバ側部416は、対向する側部である。別の例では、バネ412は、バネの代わりに作用する空気圧ピストン(図示せず)に置き換えられ得る。リザーバ側部414および416は、リザーバ406の境界に沿って移動する。この移動は、原料402がプロセスの高温の影響下で膨張するかまたは収縮する際の原料402の体積の変化を説明する。電極408は、また、原料402に電力を印加するための導管としても機能する。炭素ベースの原料をグラフェンに変換するジュール加熱プロセスを達成するためには、電力の印加が必要である。一実施形態において、圧縮力は10から500kgの間であり、面圧は20から1200kPaであり、0.3から700オーム*cmの原料抵抗率を達成する。
【0147】
次に
図5を参照すると、そこに示されているのは、三相ワイグリッド電源電気構成を有する大規模ジュール加熱のためのシステム500のブロック図である。システム500は、一実施形態による、
図1のシステム100であってもよい。システム500のプロセス電力は、ACグリッドから受けられる。グリッド電源が発電プラントからのものであることは、送電の技術分野において理解されるであろう。発電所からの電力は、変電所変圧器502に送電されることはさらに理解されるであろう。変電所変圧器502は、電力を一次電圧から二次電圧に変換する。一次電圧および二次電圧は、送電の地理的配置に基づき得る。一実施形態において、一次電圧は138kVであり、二次電圧は13.8kVである。
【0148】
システム500は、工場変圧器504をさらに含む。工場変圧器504は、変電所変圧器502に電気的に接続される。工場変圧器504は、変電所変圧器502から電力を受ける。工場変圧器504は、電力の電圧をライン中性線間から100から1500VAC RMSの電圧に変換する。
【0149】
システムは、各々抵抗負荷508をジュール加熱するための第1のジュール加熱システム、第2のジュール加熱システム、および第3のジュール加熱システム(506a、506b、506c)をさらに含む。各ジュール加熱システムは、抵抗負荷(508a、508b、508c)、スイッチ(510a、510b、510c)、および抵抗負荷の第1の端部を電源に電気的に接続するための電力線(512a、512b、512c)を含む。電線出力は、中性線514をさらに含み得る。中性線は、抵抗負荷508の第2の端部を電源に電気的に接続する。電力線は、ワイ構成で構成される。
【0150】
電力線によって供給される電圧は、それぞれ三相を含む。各相は、ジュール加熱システムと対になっている。一実施形態において、各ジュール加熱システム506は、電力の1つの相のみがいつでも関わる(一度に1つの原料負荷を処理する)ように各スイッチ510の動作を調整することによって、一度に1つずつ連続して動作するように構成される。スイッチ制御電子回路に関する理由から、相を切り替える間に短い遅延が生じ得る。切り替えは、また、第1の相がオフにされた後に第1の相がオンにされるような連続的なものであってもよい。ジュール加熱システムの変換された原料負荷508は、次のジュール加熱プロセスが関わる前に未変換原料負荷508と交換され得る。原料負荷サンプル508が冷却しおよび/または交換される余裕を持たせるために各三相切り替えサイクルの後に意図的な一時停止があってもよい。代替的に、一時停止は、主にゼロであってもよく、迅速な最大交換時間が交換される抵抗負荷508以外の抵抗負荷508を処理する時間であり得ることを必要とする。
【0151】
別の例では、ジュール加熱システム506(1つの前段階)は、同時に動作するように構成される。ジュール加熱は、スイッチ510の動作を調整し、電力の3つの相すべてが同時に関わる(3つすべての原料負荷508を同時に処理する)ことを可能にすることによって調整される。3つの相の各々が前の相から120度オフセットされているので、各相上の電源負荷はもっぱら平衡する。
【0152】
一構成において、工場変圧器504は、500万ボルトアンペア(MVA)を定格とし、1から10kgの原料質量を処理するのが好ましく、別の構成では、変圧器は、10MVAを定格とし、10から100kgの原料質量を処理するのが好ましく、さらに別の構成では、変圧器は、30MVAを定格とし、60から300kgの原料質量を処理するのが好ましい。
【0153】
一構成において、ジュール加熱プロセスは、15秒から10分のレートで繰り返される。繰り返されるジュール加熱プロセスは、単相から、三相から(連続して、もしくは同時に)のものであり得る、ワイ変圧器構成から、もしくはデルタ変圧器構成からのものであり得る、プロセス間の一時停止を最小限にして繰り返され得る、またはプロセス間に意図的な一時停止を入れて繰り返され得る、単一のジュール加熱システム、3つのジュール加熱システム、および複数のジュール加熱システムで行われ得る。典型的な8時間(480分)の製造シフトについては、加熱プロセスに応じて、1シフトあたり50から2000回の、グリッド電源が利用されるレートで繰り返され、各ジュール加熱プロセスは、0.01から30MWのRMS電力および100から20000AのピークRMS電流負荷を必要とする。したがって、高負荷電力サイクルは、グリッド電源のバランスおよび安定性に影響を及ぼし得る。
【0154】
次に
図6を参照すると、そこに示されているのは、三相デルタグリッド電源電気構成を有する大規模ジュール加熱のためのシステム600のブロック図である。システム600は、
図1のシステム100であってもよい。システム600は、
図5のシステム500に類似する動作をする。しかしながら、
図6のデルタ構成では、各電力線612a、612b、612cは、工場変圧器604を2つのジュール加熱システム(606a、606b)、(606a、606c)、および(606b、606c)にそれぞれ電子的に接続する。
【0155】
次に
図7を参照すると、そこに示されているのは、一実施形態による、直接発電所接続による大規模ジュール加熱のためのシステム700のブロック図である。システム700は、
図1のシステム100であってもよい。システム600は、プロセス電源がグリッド電源から独立していることを除き、システム500または600に類似している。システム700は、産業用発電機702を含む。産業用発電機702は、システム700のプロセス電力を供給する。グリッドから独立した電源を使用する利点は、AC電力グリッドの不安定性に左右されないこと、およびピーク負荷電力に依存し得る変動するAC電力コストの排除を含む。産業用発電機702は、天然ガスまたはディーゼルを動力とし得る。一構成において、発電機は、0.1から5MVAを定格とし、別の構成では5から10MVAを定格とし、さらに別の構成では10から30MVAを定格とする。
【0156】
次に
図8を参照すると、そこに示されているのは、三相ワイグリッド電源電気構成およびリアクタンスコンポーネントを有する大規模ジュール加熱のためのシステム800のブロック図である。システム800は、
図1のシステム100であってもよい。システム800は、
図5のシステム500に類似している。システム800の各ジュール加熱システム806a、806b、806cは、それぞれ、リアクタンスコンポーネント807a、807b、807cをさらに含む。リアクタンスコンポーネントは、ジュール加熱システムの電流スパイクを制限し得る。
【0157】
炭素原料負荷804がジュール加熱されたときに、原料は、その抵抗特性を変化させ、非線形抵抗器になる。それに加えて、原料804がその特性を変化させ、密度が変化すると、印加される圧縮力は、原料804の抵抗をさらに変化させる。その結果、一定の電源電圧において原料804中を流れる電流も非線形になり、電源定格を超えてスパイクを生じ得る。電流スパイクは、原料804に熱的ホットスポットを生じさせることができ、その結果原料からグラフェンへのプロセスが不均一になる。したがって、ジュール加熱システムの電流スパイクを制限することが望ましい。
【0158】
一構成において、リアクタンスコンポーネント807が、主に抵抗原料負荷804と直列に挿入される。リアクタンスコンポーネント807は、好ましくは、リレースイッチ810の後、および抵抗原料負荷804の前に位置決めされる。この位置では、リアクタンスコンポーネント807は、ジュール加熱AC回路内の電流制限要素として働く。別の構成では、リアクタンスコンポーネント807は、電流制限要素として動作することができる電気ループ内の他の場所に挿入され得る。
【0159】
電気回路では、リアクタンスが複素インピーダンスの虚部を形成するが、抵抗は実部を形成する。リアクタンスは、誘導性または容量性とすることができる。誘導性リアクタンスXL=2πfL、fはAC周波数、50または60Hzであり、Lはヘンリー単位のインダクタンスである。容量性リアクタンス
【0160】
【0161】
fはAC周波数、50または60Hzであり、Cはファラド単位のキャパシタンスである。リアクタンス要素は、インピーダンスを追加し(電流を制限)、位相オフセットを追加する(電力を制限)ために回路に追加される。原料804のジュール加熱時のAC回路内のピーク電流を制限することによって、過剰なジュール加熱が制限され、より均一な炭素グラフェン変換が達成される。
【0162】
ジュール加熱システムの一構成では、リアクタンスコンポーネント807はインダクタである。一実施形態において、ジュール加熱システムは、600VACのプロセスRMS開ループ電圧を有し、ピークRMS電流制限は10kAに設定される。電流制限リアクタンスXは、X=600V/10000A=0.06オームである必要がある。誘導性リアクタンスでは、X/(2πf)=0.06/2π60=0.2mHのインダクタLを必要とする。容量性リアクタンスでは、1/(2πfX)=1/2π60 0.06=44mFのコンデンサCを必要とする。負荷の下で、600Vは、負荷を通る電流によって低下し、負荷を通る電流が10kAに達すると、負荷にかかる電圧はゼロに近づくので、負荷を通る最大電流を制限する。たとえば、回路を流れる電流が10kAである場合、原料にかかる電圧は、そのすべてがリアクターを横切って現れるのでゼロになる。回路を流れる電流が5kAの場合、原料にかかる電圧は、300V(ソース電圧の半分)になる。回路を流れる電流が1kAの場合、原料にかかる電圧は、540Vになる。
【0163】
無効電流制限要素(コンデンサおよびインダクタ)を含む電気回路では、原料の加熱電力は、システムの真の電力であり、真の電力=皮相電力-無効電力である。皮相電力は、RMS電圧とRMS電流との積である複素電力である。無効電力損失は、電圧と電流を互いに関してシフトするリアクタンス要素に起因するものである。無効電力は、仕事をしないが、有効電力は仕事をする。
【0164】
ジュール加熱システムの一構成において、ジュール加熱プロセスの電力は、DCコンバータ駆動部または可変周波数駆動部(VFD)を使用して能動的に制御される。コンバータは、電流設定点または機能を通じて印加(出力)電力を調節する能力を有する。コンバータは、所望の出力電力を達成するために負荷に印加される出力電圧を変化させることによって定電流を維持し、別の構成では、システムは、電圧設定点または機能で動作し、所望の出力電力を達成するために対応する出力電流を変化させることができる。拘束出力パラメータを調節するために使用される制御関数は、定数値、階段関数、傾斜、または正確な出力プロファイルが原料に適用されることを可能にする任意の波形として構成され得る。
【0165】
一例において、フラッシュジュール加熱の電源は、12パルスサイリスタブリッジベースのDCコンバータ駆動部から構成され、これは上流の3巻線駆動絶縁変圧器から給電される。この電源ユニットは、駆動部のアーマチュア出力を利用して、調整可能、制御可能な直流(DC)出力を調節された電圧でジュール加熱システムの電極に供給する。様々な出力電圧で全電流動作を可能にするために、コンバータは、サイリスタが制御される発射角度を調整しなければならない。コンバータそれ自体は調整可能な動作に対して入力無効電力に依存するが、出力力率は、処理される材料によって確立される負荷インピーダンスの関数に留まる。ジュール加熱時に材料の物理的特性が変化すると、負荷インピーダンスは低下し、コンバータはそれに応じて(電流制御の場合)電流設定点の周りで電圧を調整し、負荷インピーダンスがゼロに近づく(すなわち短絡する)と、システムは出力電力を低下させる。
【0166】
次に
図9Aを参照すると、そこに示されているのは、少なくとも2つの電圧を有するジュール加熱システム900のブロック図である。システム900は、一実施形態による、
図1のシステム100であってもよい。システム900は、2つの電圧を備える。これら2つの電圧は、システムが少なくとも2つのジュール加熱段階を有することを可能にする。2つの加熱段階を有することは、原料902が高い抵抗/抵抗率(>10オームまたは>20オーム*cm)を有する高抵抗材料であるときに特に有益である。2電圧システム900において、原料902が高い抵抗を有することは必要でないことは理解されるであろう。
【0167】
これら2つの段階は、低電力原料加熱904および高電力原料加熱906である。低電力ジュール加熱904は、予熱904とも呼ばれることがある。低電力ジュール加熱904は、主にサンプル902の高抵抗/低電流条件に起因し、高電力ジュール加熱は、主にサンプル902の低抵抗/高電流条件に起因する。低電力ジュール加熱段階904におけるエネルギー堆積は、原料を加熱し、遊離水を蒸発させ、炭化水素を燃焼させ、いくつかの非炭素材料を昇華させる方向に向かう。一実施形態において、低電力ジュール加熱段階904の時間は1秒から30分であり、別の例では、低電力ジュール加熱段階904の時間は30秒から5分である。
【0168】
プロセスの一実施形態において、予熱ステップ904は、バッチのサイズおよびプロセス時間に基づきグラフェンの生産を最適化するように別個のバッチまたは別個のリザーバで行われ得る。たとえば、予熱バッチは、5から300kgであり、10分から30分かかる場合があり、高電力ジュール加熱プロセスは、5から10kgのバッチを有し、1から5分を要することがある。それに加えて、予熱プロセス904のためのプロセスリザーバは、高電力ジュール加熱プロセス906に使用されるリザーバよりも低い温度の材料から製作され得る。一例では、予熱リザーバは、ポルトランドセメントベースのコンクリート、SiC、または耐火セメントベースの材料を使用して製作され得る。
【0169】
高電力ジュール加熱段階906におけるエネルギー堆積は、原料902を加熱し、非炭素材料を昇華させ、炭素をグラフェンに変換することに向かって進む。一実施形態において、高電力ジュール加熱段階906のプロファイル時間は1秒から5分であり、別の例では、高電力ジュール加熱段階906のプロファイル時間は30秒から2分である。
【0170】
一構成において、電源は、ジュール加熱プロセスにおいて原料902の抵抗が低下するので低電力ジュール加熱段階および高電力ジュール加熱段階において単一の電圧出力で動作する。別の構成では、電源は、高電圧と低電圧の少なくとも2つの電圧出力を使用して動作することができる。高電圧は、加熱の低電力段階904において印加され、低電圧は、加熱の高電力段階906において印加される。高電圧は、高電圧スイッチ908で印加される。低電圧は、低電圧スイッチ910で印加される。
【0171】
2つの電圧を切り替えるときの最大タイムラグは、10ACサイクル(60Hz動作で163ms)未満であることが好ましい。より高い電圧では、ジュール加熱プロセスの低電力段階904の持続時間が短くなり、生産スループットが向上する。一実施形態において、高電圧は600Vであり、低電圧は300Vである。2電圧構成は、ジュール加熱システムの単相または三相動作に合わせて実装され得る。
【0172】
次に
図9Aを参照すると、そこに示されているのは、少なくとも2つの電圧および低電力変圧器および高電力変圧器を有するジュール加熱システム950のブロック図である。システム950は、一実施形態による、
図1のシステム100であってもよい。システム950は、2つの電圧を備える。これら2つの電圧は、システムが少なくとも2つのジュール加熱段階を有することを可能にする。システム950は、システム900に類似する動作をする。システム950は、第1の変圧器952を備える。第1の変圧器952は高電力変圧器である。第1の変圧器は、低電圧スイッチ958に電気的に接続される。原料抵抗が低下し、プロセスが高電力原料加熱プロセスに入ると、300Vから600Vの低電圧および1から20kAの高電流で動作する主ジュール加熱変圧器952は、炭素グラフェン変換を完了するために短い加熱期間にわたって関わる。ジュール加熱プロセスのサイクル時間が短いので、高い製造率を達成することができる。
【0173】
システム950は、第2の変圧器954をさらに備える。第2の変圧器954は予熱変圧器である。第2の変圧器954は、高電圧スイッチ960に電気的に接続される。予熱変圧器954は、高電圧定格および低電流定格を有するものであり、サンプルを高速で予熱することができる。たとえば、原料が300Vで15分間加熱される場合、かなり低い電流(原料抵抗によって決定される)で同じエネルギー投与量(ジュール)を用いて1800Vで2.5分かけて加熱される。
【0174】
2つの変圧器を利用することは、次の問題点を解決する上で有益である。プロセスに対する電源は、1から5MVAまたは1から20MVAの高電力変圧器によるものであってよい。変圧器が1つしか使用されていない場合、これは、原料抵抗が低下し、プロセスが1から3分のみ持続し得る高電力原料加熱プロセスに入るまで、<1000Aの低電流(主に原料抵抗によって決定される)でサンプルを予熱するために長い時間(3から15分)をかけて使用され得、原料を流れる電流は1000から20000Aと高い。高電力変圧器は、製造プロセスに対して十分に利用されていない。
【0175】
ラマン測定:一実施形態において、堆積エネルギーは、グラフェンの品質と構造を制御するために使用され得る。たとえば、MCおよびCPC原料では、エネルギー投与量を3から8MJ/kgで制御することによって、特定の用途の必要性に応じてグラフェン結晶化度対グラフェン欠陥レベルがトレードオフの関係にある制御された様々な品質のグラフェンを作製することができる。グラフェンの品質と構造を測定するための1つのフィギュアオブメリットは、グラフェンのラマンスペクトルプロファイルを分析することによるものである。本開示を使用して作製されたグラフェンに対する典型的なフィギュアオブメリットは、2D/Gラマン測定ピークに対して0.25から1の範囲内であり、2D/G比は、グラフェン層が少ない高結晶化度グラフェンを示す。いくつかの場合において、高結晶度グラフェンがグラフェン補助複合材料の補強に役立ち得る。単一のローレンツピークを有する2次元ピーク適合は、単層グラフェンまたはターボストラティックグラフェンのいずれかの形成の指標である。教示を使用して作製されたグラフェンに対する典型的な質番は、D/Gラマン測定ピークに対して0.2から1の範囲内でありD/G比はグラフェン構造中の欠陥を示す。いくつかの場合において、グラフェン構造中の欠陥は、液体中のグラフェンの分散に役立ち得る。
【0176】
一実施形態において、低線量(3MJ/kg)の堆積エネルギーが、高D/Gと低2D/Gのラマン測定ピークを有するターボストラティックグラフェンを作製するために使用され得る。一実施形態において、高線量(8MJ/kg)の堆積エネルギーが、高2D/Gと低D/Gのラマン測定ピークを有するターボストラティックグラフェンを作製するために使用され得る。一実施形態において、中程度の線量(5MJ/kg)の堆積エネルギーが、類似のD/Gおよび2D/Gのラマン測定ピークを有するターボストラティックグラフェンを作製するために使用され得る。
【0177】
グラフェンの品質を測定するための別のフィギュアオブメリットは、グラフェンの熱重量分析(TGA)プロファイルを分析することによるものである。TGAプロファイルのピーク温度CT(℃)および温度の広がりdT(℃)は、グラフェンの結晶化度、横方向サイズ、および層の数を示すものであり、単一ピークは単一グラフェン種を示す。
【0178】
次に
図10Aおよび
図10Bを参照すると、そこに示されているのは、例1からのTGのラマンシグネチャ、および例1からのTGのTGAプロファイルのグラフである。一実施形態(K2-3)において、内径7.5cmのコンクリート管は、1kgのMetCoke(MC)原料を充填された。圧縮後の原料抵抗率は1.1オーム*cmであった。480VACが3.2秒間印加され、3MJ/kgのエネルギー(低線量)を堆積した。ピーク電流は5.1kAであり、ピーク電力は3.3MWであった。その結果得られるターボストラティックグラフェンは、
図10Aに示されているように、0.38のラマン2D/G比および0.78の2D/G比を有しており、高品質グラフェンであることを示していた。その結果得られるターボストラティックグラフェンは、
図10Bに示されているように、742℃のCT、192℃のdT、11%の灰分を有するTGAプロファイルを有し、高品質のグラフェンであることを示した。
【0179】
次に
図11Aおよび
図11Bを参照すると、これは、例2からのTGのラマンシグネチャ、および例2からのTGのTGAプロファイルのグラフである。一実施形態(K3-18)において、内径11.3cmの石英管は、7kgのか焼石油コークス(CPC)原料を充填された。圧縮後の原料抵抗率は0.3オーム*cmであった。600VACが73秒間印加され、3.8MJ/kgのエネルギー(低線量)を堆積した。ピーク電流は3.2kAであり、ピーク電力は1.9MWであった。その結果得られるターボストラティックグラフェンは、
図11Aに示されているように、0.43のラマン2D/G比および0.70の2D/G比を有しており、高品質グラフェンであることを示していた。その結果得られるターボストラティックグラフェンは、
図11Bに示されているように、643℃のCT、133℃のdT、0.7%の灰分を有するTGAプロファイルを有し、高品質のグラフェンであることを示した。
【0180】
次に
図12を参照すると、そこに示されているのは、様々な実施形態による、拘束リザーバ1200の側面図および様々な断面図である。拘束リザーバ1200は、
図1の拘束リザーバ106であってもよい。
【0181】
拘束リザーバ1200は、円管拘束リザーバ1202として構成されてもよい。円管1202は、楕円形の断面1204を有していてもよい。円管1202は、円形の断面1206をさらに有し得る。
【0182】
拘束リザーバ1200は、矩形管拘束リザーバ1250として構成されてもよい。矩形管1250は、矩形の断面1252を有していてもよい。矩形管1250は、正方形の断面1254をさらに有し得る。
【0183】
拘束リザーバ1200は、内部空洞1214を備え、内部空洞1214は、原料1204を充填される。内部空洞は、拘束リザーバ1200の第1の端部1220および第2の端部1222の開口部を通して充填され得る。
【0184】
拘束リザーバ1200は、第1の電極1216および第2の電極1218をさらに備える。電極1216および1218は、拘束リザーバ1200の第1の端部1220および第2の端部1222に位置決めされる。第1の端部1220および第2の端部1222は、拘束リザーバ1200の縦方向軸に沿って対向している。電極1216および1218は、それぞれ、拘束リザーバ1200の第1の端部1220および第2の端部1222における開口部を塞ぐものとしてよい。開口部を塞ぐことは、原料1204をさらに拘束し得る。電極は、原料1204の体積の変化を考慮して拘束リザーバ1200の境界に沿って移動する。原料1204は、
図2の方法200の高温の影響下で膨張するかまたは収縮する。電極1216および1218の形状は、拘束リザーバ1200の断面と一致する。
【0185】
拘束リザーバ1200は、原料1204の変換中にガス放出を許容するように構成される。ジュール加熱プロセスの下で、原料は、数秒から数分の期間にわたって、1800℃から3000℃の範囲内の温度まで急速に加熱され、原料粒は、原料の熱膨張、原料中の遊離水の蒸発、炭化水素の燃焼、非炭素材料の昇華、および炭素グラフェン変換などの変化を受ける。これらの変化の結果、10から300Psiの、高い圧力を有し得るプロセスガスが発生し、制御されないと、高圧によって押し出されるときに収容リザーバの損傷または原料粒の損失を引き起こし得る。したがって、収容リザーバは、高圧プロセスガスの効果を低減する手段を有する必要がある。
【0186】
ガスは、拘束リザーバ1200の境界と電極1216および1218との間のギャップを通って逃げ得る。収容リザーバ1200は、縦方向の分割部1226をさらに含み得る。縦方向の分割部1226は、拘束リザーバを少なくとも2つのセグメントに分割する。縦方向の分割部1226は、拘束リザーバ1200および原料1204の長さに沿って延びている。縦方向の分割部1226は、ガスが逃れるのを許すギャップである。ギャップが原料1204の長さに沿って延びているので、ギャップは、原料1204中のどこかで発生したガスが拘束リザーバ1200から出るために可能な最短の距離(管の半径)を移動することを可能にする。
【0187】
次に
図13を参照すると、そこに示されているのは、一実施形態による、中間長のガス逃し部を有する拘束リザーバ1300である。拘束リザーバ1300は、
図1の拘束リザーバ106であってもよい。拘束リザーバ1300は、
図12の拘束リザーバ1200に類似している。拘束リザーバ1300は、高圧プロセスガスを逃がせるように拘束リザーバ1300上に穿孔された少なくとも1つの穴(図示せず)を有し得る。拘束リザーバ1300は、管またはプロファイルの第1のセグメント1302および第2のセグメント1304を備える。第1のセグメント1302および第2のセグメント1304は、電極1306で接続される。電極1306と第1のセグメント1032および第2のセグメント1304との間にギャップ1308がある。ギャップ1308は、高圧ガスが拘束リザーバ1300から逃れることを可能にする。ギャップ1308は、ガスが拘束リザーバ1300から出るために拘束リザーバ1300の全長よりも短い長さだけ移動することを可能にする。
【0188】
次に
図14を参照すると、そこに示されているのは、拘束リザーバのための様々な電極1400、1430、および1460の図である。電極は、
図1の電極110、
図3の308、
図4の408、
図12の1216および1218、ならびに
図13の1306であってよい。
【0189】
電極は、拘束リザーバの内径(ID)よりも小さい外径(OD)を有する中実円筒形黒鉛であってもよい。電極のODと拘束リザーバのIDとの差は、
図12と
図13のガス逃し部のギャップを形成する。電極1400、1430および1460は、さらに、特に閉じた形態の収容リザーバおよび縦方向に分割されたリザーバに対してプロセスガスの逃げ道を提供する溝付き電極であってもよい。一実施形態において、電極1400は、円筒形黒鉛電極であり、電極1400に対して縦方向に切り込まれた複数の放射状溝1402を有する。一実施形態において、電極は、7.5cmのODを有し、4cm超の長さを有し、原料粒径に類似する溝幅を有する16本の溝を有する。
【0190】
さらなる実施形態では、くびれ電極1430は電極1400に類似しているが、少なくとも1つのくびれ1432も有し、くびれODは電極に切り込まれた主ODよりも小さい。くびれは、高圧ガスがリザーバを逃れて、くびれと拘束リザーバとの間のスペース内に膨張することを可能にする。くびれ電極1430の改善は、中実円筒形電極または溝付き円筒形電極1400上で行うことができる。一実施形態において、溝付き電極は、7.5cmのODおよび主ODから5から15パーセントの間のくびれ径を有する。
【0191】
さらなる実施形態では、穴1462(ドリル穴あけ電極)を有する電極1460は、通過穴1462を介してプロセスガスを逃がす。穴1462は、電極の長さにわたっている。電極1460の端部電極面1464は、黒鉛電極1460と、黒鉛電極1460と接しおよび/または押す黄銅電極(図示せず)との間の界面でのガス逃しを可能にするための通気溝1465を備える。電極1400、1430、および1460は、卵形、正方形、もしくは矩形、またはリザーバの断面に一致する任意の他の形状であってもよい。
【0192】
一実施形態において、閉じた円管は石英管であり、電極は中実の、溝のある、くびれのある、またはドリル穴あけされた黒鉛電極である。一実施形態において、石英管は、7.5cmの内径を有し、別の実施形態では内径は11.5cmであり、別の実施形態では内径は15cmであり、別の実施形態では内径は40cmであり、さらに別の実施形態では内径は50cmである。一実施形態において、石英管は、2から5mmの肉厚を有する。
【0193】
一実施形態において、円管はコンクリート管である。電極は、中実の、溝のある、くびれのある、およびドリル穴あけされた黒鉛電極であってよい。コンクリート管は、閉じた形態または縦方向に分割された管であってよい。コンクリート管は、2500から5000Psiの範囲内の圧縮強度で通常の強度または高強度のコンクリートミックスから作られ得る。コンクリート管用のコンクリートミックスは、ポルトランドセメント、骨材、高温添加剤、高強度添加剤、および高熱伝導率添加剤を組み込み得る。一実施形態において、コンクリート管は、コンクリート管の耐久性を改善するために鉄筋、メッシュ、またはワイヤ補強コンポーネントを組み込み得る。一実施形態において、コンクリート管は、圧縮強度および高熱伝導率を高める添加剤としてグラフェン、TGグラフェン、またはカーボンナノチューブ(CNT)を組み込むものとしてよい。一実施形態において、コンクリート管は、7.5cmから50cmの内径、および3から15cmの肉厚を有する。
【0194】
次に
図15を参照すると、そこに示されているのは、コンクリート拘束リザーバ1500および1550の断面図である。拘束リザーバ1500および1550は、縦方向に分割された管である。
【0195】
拘束リザーバ1500は、第1のセグメント1506の第1の壁1504が第2のセグメント1510の第2の壁1508と接する平坦な界面1502を備える。全管1550が組み立てられると、半管1506および1510は平坦な表面1502と接続する。この組み立てにより、高圧ガスは界面1502のところで平坦なギャップから逃げることができる。この組み立ては、また、原料粒の一部が逃れることを可能にし得る。
【0196】
拘束リザーバ1550は、第1のセグメント1556の第1の壁1554が第2のセグメント1560の第2の壁1558と接する蛇行した界面1552を備える。全管1550が組み立てられると、半管1556および1560は蛇行した表面1552と接続する。この組み立てにより、高圧ガスは界面1552のところで平坦なギャップから逃げることができる。この蛇行した界面は、原料粒が平坦な界面を越えて逃れるのを防止し得る。
【0197】
次に
図16Aを参照すると、一実施形態による、溝付き黒鉛電極およびクランプを備えたコンクリート拘束リザーバ1600の組立図が示されている。拘束リザーバ1600は、縦方向に分割された管である。第1のセグメント1604および第2のセグメント1605の界面1602は蛇行した界面1602である。電極1606は、くびれのある溝付きの黒鉛電極である。アセンブリ1600は、複数の金属ホースクランプ1608によって保持されている。代替的に、アセンブリ1600は、単一の動きでクランプから外され、自動化され得るバネ仕掛けの機構を使用してクランプされ得る。
【0198】
次に
図16Bを参照すると、そこに示されているのは、鋼管クランプ1652を備えるコンクリート管1654の拘束リザーバ1650の図である。拘束リザーバ1650は、コンクリート管1654の外径に再利用可能な金属、鋼鉄、またはステンレス鋼の管ライナー1652を備える。肉厚が3から15cmと薄く、質量が大きいコンクリート管1654は、冷却に長時間を要することがある。熱交換器による能動冷却は、特に薄壁コンクリート厚が望ましいときにコンクリート管1654またはリザーバ1650の冷却を加速し得る。薄壁のコンクリート管1654は、能動冷却の有無にかかわらず速く冷却することができる。薄壁コンクリート管1654の別の利点は、管を作るのに必要なコンクリートの量であり、したがって、使用毎のコンクリート管のコストが低いことである。どこであってもコンクリート管を2から100回使用することが望ましい。ジュール加熱プロセスに使用される薄壁コンクリート管1654は、高プロセスガスによって生成される応力に関してより脆弱である。したがって、壁1654は、コンクリート管1654の外径に再利用可能な金属、鋼鉄、またはステンレス鋼の管ライナー1652によって強化され得る。
【0199】
一実施形態において、コンクリート管1654は、肉厚が0.3から2mmの縦方向に分割された薄い鋼管1652でライニングされ、管アセンブリとして一緒にクランプされた、肉厚が1.5から4cmである、薄壁の、縦方向に分割されたコンクリート管である。一構成において、スペーサ1656が、コンクリート管1654と鋼管ライナー1652との間に加えられている。スペーサ1656は、ギャップ1658をアセンブリ内に形成し、そこで高圧高温が逃れることができる。コンクリート管分割部1660と鋼管分割部1662の配向は、プロセスガスがコンクリート管から環境(図示せず)に直接出るように0度にアライメントされ得る。コンクリート管分割部1660および鋼管分割部1662は、プロセスガスがコンクリート管1654と鋼ライナー管1652との間のギャップ1658内を移動する際に方向転換して拡散しなければならないように互いに関して90度回転することができる。
【0200】
一実施形態において、円管1654は、キャスタブル耐火セメント材料から作られる。別の例では、円管1654は、コンクリートから作られ、管の内壁は耐火セメントの層でコーティングされる。一実施形態において、円管1654は耐火セメントレンガから作られ、耐火セメント材料を使用して強化される。
【0201】
コンクリートおよび耐火セメント管の上記の例は、円管を説明しているが、本開示の教示はすべて、正方形または矩形プロファイルのリザーバに適用できる。
【0202】
グラフェンを作るためのジュール加熱システムの一構成において、炭素ベースの原料を充填された拘束リザーバは、大気に曝され、空気は原料粉末、粒、ペレット、または塊に浸透することができる。空気からの酸素および窒素は、炭素からグラフェンに変換される際に炭素と反応し得る。たとえば、空気環境内の原料は、原料内に浸透した残留酸素に起因してジュール加熱プロセス中に発火する可能性がある。
【0203】
グラフェンを作るシステムの別の構成では、炭素ベースの原料を充填された拘束リザーバは、原料環境が制御され得るエンクロージャで囲まれている。一実施形態において、エンクロージャ内の空気は排出され、それにより原料環境から酸素を除去する。別の例では、エンクロージャは、ジュール加熱プロセスにおいて原料炭素が酸素と反応し、グラフェン格子内により多くの酸素欠陥を導入するように多量の酸素で満たされ得る。別の例では、エンクロージャは、ジュール加熱プロセスにおいて原料炭素が不活性環境内にあり、グラフェン格子内により少ない欠陥を導入するように多量のアルゴンまたは窒素で満たされ得る。ジュール加熱システムのエンクロージャ内に導入され得る他のガスは、ヘリウム、CO、CO2、F2、またはNH3であるが、これらのガスに限定されない。
【0204】
ジュール加熱システムの例:
次に
図17を参照すると、そこに示されているのは、一実施形態による、バネおよびリニアステージを備えるジュール加熱アセンブリ1700の斜視図である。システム1700は、
図1のシステム100であってもよい。このシステムは、たとえば、炭素ベースの原料からグラフェン2kgを生産する。アセンブリは、各ジュール加熱プロセスで取り外される(交換される)サブアセンブリと、ジュール加熱プロセスから次のジュール加熱プロセスまで常駐するサブアセンブリとを含む。取外し可能なサブアセンブリは、石英管収容リザーバ1702、石英管内に詰め込まれる原料、および石英管内に原料を収容するくびれのある溝付き円筒形黒鉛電極1704のセットを含む。
【0205】
電極1704は、ジュール加熱プロセスの前の原料の圧縮中、および圧縮力が原料に作用するジュール加熱プロセス中も、原料との電気的および機械的な接触を維持するように石英管内を摺動して出入りすることができる。常駐サブアセンブリの機能は、力を印加し、常駐サブアセンブリから取外し可能サブアセンブリに電気を流すことである。
【0206】
このサブアセンブリでは、黄銅電極カップ1706は、黄銅電極1706が電気を伝達する間に軸方向に移動することができるので黒鉛電極を適所に保持する。黄銅電極カップ1706は、電力ケーブル1709に接続された黄銅シャフト1708に接続されている。電力は、黄銅シャフト1708から黄銅ディスク1706へ、そして黒鉛電極1704へと伝達される。黄銅ディスク1706は、ディスク電極1706と電気的に絶縁されたL型ブラケットアセンブリ1714との間で圧縮されるバネ1710によって張力を保たれる。バネ1710は、バネ定数およびバネ変位に比例する直線力を提供する。L型ブラケットアセンブリ1714は、黄銅シャフト1708が摺動して出入りすることを可能にするような軸受1716を備える。
【0207】
任意選択のロードリングセンサーが、バネおよびL型ブラケットアセンブリと直列に挿入され、それによりバネの圧縮を測定し、そこから原料にかかる力が動的に監視され得る。L型ブラケットアセンブリ1714は、手動またはステッピングモーター駆動され得るリニアステージに接続されている。リニアステージは、固定フレーム1716に接続される。リニアステージは、圧縮空気スライダであってもよい。ステージが前進すると、L型ブラケットアセンブリ1714は前進し、原料材料を押す円筒形電極1704を押すバネ1710を圧縮する。バネ1710が強く圧縮するほど、黄銅シャフト1708および黄銅ディスク1706は、L型ブラケットアセンブリ1714に関して摺動することができる。したがって、固定されたリニアステージ位置において、原料の圧縮または伸長の変化は、原料への接触を維持するために黄銅ディスク1706および黄銅シャフト1708を出し入れするバネ力によって釣り合いが取れる。最大300kgまでの、他の質量に対してアセンブリを構成するには、本開示の教示において説明されているような異なるIDおよび長さを有する管が必要である。電極1704および黄銅カップ1706などの、支持要素は、しかるべく変化しなければならない。
【0208】
上で説明されているグラフェンを生産するためのジュール加熱アセンブリ1700の一実施形態において、2.1から2.5kgのCPC原料が管1702(石英または縦方向分割コンクリートであってもよい)内にロードされた。いくつかの例(K3-7、8、10、11)では、CPC原料がターボストラティックグラフェンに変換されるのに56から85秒かかり、収率は87から94%であった。平均すると、2.3kgのCPCから2.1kgのTG(収率91%)が得られ、平均プロセス時間は71秒であった。手作業によるサンプル交換の場合、プロセスサイクルは5分にも及ぶが、何らかの自動化によりサンプル交換は60秒以内に完了し得る。したがって、この例におけるシステムの総サイクル時間は71秒+60秒=131秒である。システムが1シフト(8時間労働)あたり480分稼動し、サイクル時間が2.2分である場合、8時間シフトあたり218バッチが生産され得る。2.1kgの218バッチによる総TG生産量は、1つのジュール加熱システムだけで、1シフトあたりの458kgのTGまたは1日あたり1.374tのTGとなる。並行稼動する10台のジュールフラッシュシステムの実装は、10台のステーションで1シフトあたり4.58tのTGまたは1日あたり13.74tのTGを生産する。
【0209】
次に
図18を参照すると、そこに示されているのは、一実施形態による、空気圧アクチュエータを備えるジュール加熱アセンブリ1800の斜視図である。アセンブリ1800は、
図1のシステム100であってもよい。アセンブリは、炭素ベースの原料からグラフェン1kgを生産し得る。アセンブリは、各ジュール加熱プロセスで取り外される(交換される)サブアセンブリと、ジュール加熱プロセスから次のジュール加熱プロセスまで常駐するサブアセンブリとを含む。取外し可能なサブアセンブリは、石英管収容リザーバ、石英管内に詰め込まれる原料サンプル、石英管内に嵌る円筒形黒鉛電極のセットを含む。常駐サブアセンブリは、矩形黒鉛電極1802のセットを含む。矩形黒鉛電極1802は、常駐サブアセンブリから取外し可能サブアセンブリに電力を伝える。
【0210】
常駐サブアセンブリは、電極1802および原料を一定の圧力で押す空気圧アクチュエータ1804をさらに備える。常駐サブアセンブリは、また、石英管がフレーム1806に熱を伝えないように空気圧アクチュエータ1804および耐火レンガ支持体1808を保持するアルミニウムフレーム1806を備える。空気圧アクチュエータ1804は、変位に無関係に一定の力を印加することができる。空気圧アクチュエータ1804は、空気圧ヘッドが移動し、空気圧ピストン容積が変化してもほぼ一定の空気圧を保持することができる。一定の力は、原料が低い密度を有し、ジュール加熱プロセスにおいてその体積を劇的に変化させるときに、より有利である。
【0211】
次に
図19を参照すると、そこに示されているのは、一実施形態による固定圧力圧縮空気1902を用いたジュール加熱アセンブリからの空気圧アクチュエータ1900の動作図である。アクチュエータ1900は、
図18のアクチュエータ1804であってもよい。圧縮空気1902は、コンプレッサからのものであってもよい。コンプレッサは、空気圧システム(ピストン、ライン、およびスイッチ)よりも10倍大きい容積を有することが望ましい。この例では、空気圧システムが押し出し管路1904を加圧するように設定されている。ピストンの内側チャンバ1906内の圧力は、ピストン1908を動かして開く。押し込み管路1910は、大気へ開き、圧縮されたガスを排出する。空気圧システムが押し込み管路1910を加圧するように設定されたときに、ピストンの外側チャンバ1912内の圧力は、ピストンを動かして閉じ、押し出し管路1904は、大気へ開いて圧縮ガスを排出する。ピストンは押し込んでいる間に、外側チャンバ内の圧力がコンプレッサ圧力に等しくなるまで原料の抵抗を受ける。原料が収縮または膨張する場合、チャンバ1906および1912内の圧力はわずかに変化するが、事実上いかなる変位でも一定の力を提供する。
【0212】
次に
図19Bを参照すると、そこに示されているのは、一実施形態による可変圧力圧縮空気を用いたジュール加熱アセンブリからの空気圧アクチュエータ1950の動作図である。システム1950は、
図19Aのシステム1900に類似している。システム1950は、逆止弁1952をさらに備え、サンプルが膨張する場合にはサンプルに追加の力を与える一方、サンプルが収縮する場合にはサンプルに一定の力を与える。この追加的な力は、有利には、アーク抑制に有益な高い体積膨張または体積収縮を有するサンプルに閉じ込めをもたらす。
【0213】
次に
図20を参照すると、そこに示されているのは、一実施形態による、垂直の電気的および圧縮方向を用いたジュール加熱アセンブリ2000の図である。アセンブリ2000は、
図1のシステム100であってもよい。アセンブリ2000は、バネまたはリニアステージなしで原料2002を圧縮する。
【0214】
アセンブリ2000は、拘束リザーバ2006をさらに含む。拘束リザーバ2006は、U字型トラフ2008を備える。U字型トラフ2008は、各端部において開いている。矩形電極2010がトラフ2008の両端にボルト締めされる。拘束リザーバ2006は、圧縮力を与えるためのトップウェイト部分2004をさらに含む。トップウェイト2004は固定されていない。拘束リザーバ2006の容積は、トラフ2008に関するトップウェイト2004の高さに依存する。一実施形態において、電極2010は、矩形リザーバの空洞に入らない。むしろ、電極2010は、原料2002がトラフ2008から出るのを阻止する。代替的に、電極2010は、トラフ2008の空洞の内側に嵌るが、原料2002の圧縮時に動かない(図示せず)。
【0215】
ガス逃し部2012は、トップウェイト2004とトラフ2008との間の横方向ギャップに沿っている。ガスは、また、トップウェイト2004の側部と矩形電極2010との間のギャップを通って逃れ得る。
【0216】
この設計の一実施形態において、トップウェイト2004およびU字型のトラフ2008は、コンクリートから作られ、矩形電極は、黒鉛から作られる。代替的に、トップウェイト2004およびU字型のトラフ2008は、耐火セメントから作られる。
【0217】
炭素ベースの原料粒2002の圧縮は、電力が印加されるリザーバの対向端部上の電極のセットの方向に対して垂直である。これは
図4の圧縮に類似している。一実施形態において、トラフ2008の幅および長さは固定されており、閉じ込めリザーバ2006の高さは原料の質量およびその密度に依存する。トップウェイト2004は、ジュール加熱プロセスの前およびその間に原料を圧縮する。トップウェイト部2004は、断面切断方向にスライスされ、複数の部品から作ることができる(図示せず)。それに加えて、トップウェイト2004は、ホースクランプ、トップウェイトを押すバネシステム、トップウェイトを押す空気圧ピストン、または原料の所望のバルク抵抗が達成されるまでトップウェイトを押す油圧プレスの助けを借りてトラフ2008内に圧縮され得る。トップウェイト2004の圧縮力は、ジュール加熱プロセス中も適所に保たれ得る。
【0218】
電力を印加する電極が炭素原料圧縮方向に対して垂直構成となっているジュール加熱アセンブリの連続バージョンは、PCT/CA2020/051565、
図4、
図5、
図8、および
図10において開示されており、これは参照として本明細書に組み込まれる。閉じ込めリザーバ内の材料は、押出機スクリューによって連続的に移動される。
図20の開示は、コンクリートおよび耐火セメント材料を使用することによってPCT/CA2020/051565からの閉じ込めリザーバに対する材料の問題を解決する。
【0219】
図21を参照すると、そこに示されているのは、炭素ベースの原料がグラフェンに変換されるジュール加熱プロセス中の原料圧縮のない炭素からグラフェンへの大規模ジュール熱変換のためのシステムのブロック図である。原料2102は、拘束リザーバ2104内にロードされる。拘束リザーバ2104は、1つの底部ベース2106、2つの対向するリザーバ壁2108および2110、ならびに2つの黒鉛電極2112および2114によって拘束された矩形スペースを画成する。
【0220】
原料2102それ自体の質量は、原料2102を、外部からの圧縮力を必要とすることなく、互いに電気的に接続された状態に保つ。原料2102は、比較的均一な断面を有するように平らにされ、および/または圧縮され得る。AC電力2116は、黒鉛電極2112および2114に接続される。電力が電極2112および2114間に印加されたときに、電極2112と2114と間の炭素ベースの原料2102は、ジュール加熱され、グラフェンに変換される。このシステムの利点の1つは、ジュール加熱プロセスにおいて発生する強烈な輻射熱およびガス圧が、原料2102から容易に逃れ得ることである。リザーバ底部2106と壁2108および2110との間の底部コーナーは、原料2202断面形状にわたってより均一な電束を可能にするように丸みのある、または面取りされたものとしてよい。
【0221】
いくつかの場合において、電極に印加される電力は、DC出力を発生する整流されたAC電力2116である。整流は、単相または三相であってよく、半波整流または全波整流であり得る。
【0222】
一実施形態において、ジュールフラッシングリザーバの底部2106ならびに壁2108および2110は、70%から90%のアルミナ含有量を有する標準的な高アルミナレンガから作られ、典型的なレンガのサイズは9×4.5×2.5インチである。レンガリザーバは、レンガリザーバのサイズを拡張するために複数のレンガを接合することによって作られ得る。レンガリザーバは、レンガをクランプ力で保持することによって組み立てられ得るか、またはレンガ材料に適合するキャスタブル耐火セメントを使用してセメントで固められ得る。一実施形態において、壁および底部は、長さが1から10個分のレンガ、高さが1から5個のレンガ、幅が1から5個のレンガで作られる。
【0223】
別の例では、レンガリザーバは、耐火粘土レンガ、高アルミナレンガ、アルミナ気泡レンガ、アルミナスピネルレンガ、AZSレンガ、ZrO2レンガ、コランダムレンガ、絶縁耐火レンガ、マグネサイトレンガ、ムライトレンガ、シリカレンガ、炭化ケイ素レンガ、窒化ケイ素/炭化ケイ素レンガ、およびジルコンレンガからなる群の中の少なくとも1つから作製され得る。レンガリザーバは、レンガリザーバ内のレンガを接合するために上記リストからのキャスタブル耐火材料も含み得る。いくつかの場合において、キャスタブル耐火材料は、原料2102のジュール加熱のための耐火物ベースのリザーバの様々な形状(半管、矩形、台形、桶形など)に成形され得る。
【0224】
次に
図22を参照すると、そこに示されているのは、一実施形態による、重量を減らした、原料圧縮のない、炭素からグラフェンへの大規模ジュール熱変換のためのシステム2200である。システム2200は、
図1のシステム100であってもよい。システム2200は、
図21のシステム2100に類似している。バイオ由来炭(BC)原料塊などの密度の低い炭素ベースの原料2202については、原料2202の質量は、塊間の良好な電気的接触を維持するために低くてもよいが、その結果、アーク放電または不均一なジュール加熱が生じ得る。
【0225】
システムは、加重材料2204をさらに含む。原料2202の頂部は、加重材料2204で覆われている。原料2202を押し下げることで、原料2202の粒子/塊の間の電気的接触が良好になる。加重材料2204は、高温耐熱材料である。一実施形態において、加重材料2204は、石英、セラミック、炭化ケイ素、マグネシアベースの耐火物、ドロマイト、アルミナベースの耐火物、BN、Al3N4、Si3N4、およびそれらの任意の組合せから作製され得る。
【0226】
加重材料2204は、ガスと熱が多孔質媒体から逃れるのに十分な多孔率を有する。さらに別の例では、加重材料2204の形状は不規則である。この不規則性は、有利には、加重材料に追加の多孔率を与え得る。
【0227】
加重材料は、大きな(少なくとも原料粒子サイズより一桁大きい)小石を含み得る。この小石は、ジュール加熱プロセスにおいて低密度原料2202を押し下げる。加重材料は、原料2202を押し下げるために原料2202の頂面を覆う円筒を含み得る。
【0228】
次に
図23を参照すると、そこに示されているのは、一実施形態による、原料圧縮のない炭素からグラフェンへの大規模ジュール熱変換のための半管ベースのシステム2300のブロック図である。システム2300は、
図22のシステム2200に類似している。拘束リザーバ2302は、半管形状である。2つの黒鉛電極2304および2306(図示せず)が、半管2308の開放端部に位置決めされる。半管2308は、石英製またはコンクリート製であってよい。半管2308は、また、上で説明されている他の耐火材料から作られてもよい。1つの利点は、原料断面における電束が非常に均一であり、より均一なジュール加熱を可能にすることである。
【0229】
次に
図24を参照すると、そこに示されているのは、一実施形態による、原料圧縮のない炭素からグラフェンへの大規模ジュール熱変換のための三相デルタ電力システム2400のブロック図である。システム2400は、
図6のシステム600であってもよい。システム2400は、拘束リザーバ2402を含む。拘束リザーバ2402は、上から見たときに六角形の形状をしている。拘束リザーバの各側部は、3つの黒鉛電極2404、2406、および2408ならびに3つのリザーバ壁2414、2416、および2418のうちの1つである。側部は電極と壁との間で交互している。拘束リザーバは、ベース2420をさらに備える。
【0230】
3電極システムは、電源の各相が互いに120度オフセットされている3線デルタ電源で作動するように構成されている。この三相電源構成では、各相が異なる電極2404、2406、および2408に接続される。各相電圧は、ライン間から100から1500VAC RMSを供給するように構成され得る。三相ジュール加熱では、各電極2404、2406、2408から各残りの電極へ正弦波の電流が流れる。電流は、流れる電流が通る電極によって閉じ込められた原料のセクションを通過する。任意の所与の瞬間において、三相動作では電流がゼロになる瞬間がないので電極セットの各々から電流が流れる。三相ジュール加熱システムの1つの利点は、一度に1つの相で動作するシステムに比べて3つの相の各々でバランスのよいグリッド電力をベストな状態で利用できることである。別の利点は、原料を均一にジュール加熱できることである。原料リザーバ2402は、また、3つの湾曲した黒鉛電極セグメント、3つの湾曲したリザーバ壁セグメント、および1つのベースからなる6つのセグメントを有するシリンダであってもよく、その際に各要素の曲率半径は同じである必要がある(図示せず)。
【0231】
次に
図25を参照すると、そこに示されているのは、一実施形態による、原料圧縮のない炭素からグラフェンへの大規模ジュール熱変換のための三相ワイおよびデルタ電力システム2500のブロック図である。システム2500は、
図5のシステム500であってもよい。システム2500は、拘束リザーバ2502を含む。拘束リザーバ2502は、上から見たときに六角形の形状をしている。拘束リザーバの各側部は、3つの黒鉛負荷電極2504、2506、および2508、中心中性電極2510、および3つのリザーバ壁2514、2516、および2518のうちの1つである。側部は電極と壁との間で交互している。
【0232】
拘束リザーバは、ベース2420をさらに備える。ベース2420は、中心電極2510のための開口部を有する。
【0233】
電極2504、2506、2508、および2510は、4線ワイ電源で動作するように構成され、各相は互いに120度オフセットされている。各相電圧は、ライン中性線間から100から1500VAC RMSを供給するように構成され得る。この構成では、各相の電流は、負荷電極2504、2506、および2508の各相から中性電極2510(中心電極)へ流れる。
【0234】
この三相ワイジュール加熱システムの1つの利点は、一度に1つの相で動作するシステムに比べて3つの相の各々でバランスのよいグリッド電力をベストな状態で利用できることである。別の利点は、原料を均一にジュール加熱できることである。
【0235】
拘束リザーバ2502は、また、3つの湾曲した黒鉛電極セグメント、管の中心にある1つの円筒形電極、3つの湾曲したリザーバ壁セグメント、および1つのベースからなる6つのセグメントを有する円筒形管であってもよく、その際に各要素の曲率半径は同じである必要がある(図示せず)。
【0236】
システム2500では、デルタ電気構成とワイ電気構成の両方を直列シーケンスで利用したジュール加熱を提供するように構成され得る。ジュール加熱プロセスの予熱シーケンスにおいて、システム2500は、原料が十分に予熱されるまでデルタ構成で動作し、次いで、構成がワイに変更されるか、またはその逆に変更されるように構成され得る。ワイからデルタへの切り替えは、中性線にスイッチ(図示せず)を設けることによって行われ得る。
【0237】
次に
図26を参照すると、そこに示されているのは、一実施形態による、原料圧縮のない炭素からグラフェンへの大規模ジュール熱変換のための同軸電極形状システム2600のブロック図である。システムは、
図1のシステム100であってもよい。システムは、拘束リザーバ2602を含む。拘束リザーバ2602は、円筒形管リザーバである。拘束リザーバは、外側電極2604も備える。外側電極は、拘束リザーバの外壁を形成する。
【0238】
システム2600は、内側電極2606をさらに備える。内側電極2606は、拘束リザーバ2602の真ん中にあるシリンダである。一実施形態において、電極材料は黒鉛である。電極2604および2606は、同軸構成で位置決めされる。
【0239】
システム2600は、ベース2608をさらに備える。ベース2608は、中心電極2606が通過するための開口部を備える。
【0240】
原料2610は、リザーバ2602の底部2608より上で外側電極2604と内側電極2606との間のスペースを充填する。原料2610の頂部は、環境に対して開いており、外部からの圧縮力を伴わない。
【0241】
このシステム2600の電気接続は、外側電極2604が三相グリッド電力の単一の相に接続され得、内側電極2606が三相グリッド電力の中性もしくは別の相に接続されるか、またはその逆に接続されるようにものである。
【0242】
このシステムの利点は、黒鉛電極がリザーバの壁コンポーネントとしても働き、追加の壁材料の必要性を減じる点である。別の利点は、リザーバ内の電界が均一であり、その結果均一なジュール加熱プロセスが得られる点である。
【0243】
次に
図27を参照すると、そこに示されているのは、一実施形態による、連続ジュール加熱プロセスのための歯車形状システム2700のブロック図である。システム2700は、
図1のシステム100であってもよい。システム2700は、歯車形状リザーバ2702を含む。歯車リザーバ2702は、キャスタブル耐火材料(上に列挙されているような)から作製され得る。歯車リザーバ2702は、入ってくる原料2710を受け取り、変換された原料2712を分注するために回転可能である。
【0244】
歯車リザーバ2702は、2つの電極2704および2706の間に挟装される。電極2704および2706は、電極の直径が歯車リザーバ2702の外径より大きいという点でオーバーサイズであってもよい。電極2704および2706は、丸く平坦な形状をしている。電極2704および2706は、ジュール加熱プロセスに電力を供給する。
【0245】
歯車リザーバ2702は、複数の個別のリザーバ2708を含む。原料2710は、任意の所与の時点において、歯車リザーバ2702の個別のリザーバ2708の1つに均等に分配される。
【0246】
このプロセスの後に、TG生成物は、歯車2702が新しい位置に回転する際に回収される。このシステムの利点は、歯車2702が回転しているときの連続処理にある。歯車における各リザーバのアイドル時間で、新しいバッチが処理される前に冷却することを可能にする。
【0247】
次に
図28を参照すると、そこに示されているのは、一実施形態による、連続ジュール加熱プロセスのためのコンベヤベルトシステム2800のブロック図である。システム2800は、
図1のシステム100であってもよい。システム2800は、コンベヤ2802を含む。コンベヤ2802は、本開示の他の場所に列挙されている高温安定材料のうちの1つから作製されてもよい。コンベヤは、材料の流れを閉じ込めるための静止壁2804をさらに含む。静止壁2804は、高温耐性材料から作られる。
【0248】
システムは、圧縮ロール2806をさらに備える。圧縮ロール2806は、静止壁2804の間に挟装される。圧縮ロール2806は、コンベヤベルト2802上の原料2810を平らにして、原料2810を均一にするものとしてよい。より均一な原料2810は、結果として、より均一なジュール加熱プロセスをもたらし、さらにより均質なTG加工を行い得る。
【0249】
システムは、黒鉛電極2812をさらに備える。黒鉛電極2812は、静止壁2804のセクションを置き換える。
【0250】
任意のプロセスステップにおいて、原料2810が電極に近づくと、低電流が低加熱率で原料2810を加熱し、原料2810から揮発物を除去する。
【0251】
原料2810が電極を通過すると、これはジュール加熱プロセスの最高温度に到達し、炭素をグラフェンに変換する。このプロセスの後に、原料2810は、コンベヤベルト2802上で収集配置2814まで移動する間に冷却され得る。この設計の利点は、構造が簡単であること、さらには連続処理により生産スループットが向上することである。
【0252】
応用例
本明細書において開示されているような、質量が大きく、加工速度が速いターボストラティックグラフェン(TG)の加工は、複合材料中のTGの割合が小さいことで複合材料の静的および動的強度、その熱特性、その耐久性、その循環性、その耐劣化性、その電気特性、およびその音響特性を改善し得る多数の用途に適している。一実施形態において、0.05から2%のTGグラフェンが、複合材料の性能を改善するために添加され得る。一実施形態において、TGは、セメント、コンクリート、ポリウレタンフォーム、プラスチック、ナイロン、ゴム、タイヤ製品、アスファルト、エポキシ、および潤滑剤に添加され、複合材料の特性を改善する。
【0253】
一実施形態において、セメント複合材に対するその利点を評価するために、TGがコンクリートシリンダに添加された。この例では、一般用途のセメント、飲料水、TG、砂、および石灰石19mmが、寸法4”×8”のコンクリート円筒試験片を調製するために使用された。1m3のコンクリート試験片をバッチ処理するために選択された配合設計は、セメント250kg/m3、砂864kg/m3、石1130kg/m3、水167.5kg/m3、セメント分100kgあたり混和剤250mlであった。TGは、高速混合され、セメント0.1wt%で分散剤安定化水性分散液として組み込まれた。均一なTG分散液を得るために高剪断混合を採用された。この分散液は、バッチ処理中にドラム型ミキサーで材料の残り部分と混合された。コンクリート試験片を作製し、養生させることについては、CSA A23.1:19/A23.2:19およびASTM C192の両方に概説されている標準的技法に従った。コンクリートは、プラスチック用金型に3層に分けて流し込まれ、各層は突き棒で固められた。試験片は、24時間後に離型され、養生のため石灰飽和水に移された。7日間養生した試験片は、Forney自動圧縮試験機を使用して圧縮強度について試験された。コンクリートシリンダをキャッピングするために、ASTM C 1231に概説されているように、ネオプレンパッド緩衝材を用いたスチールキャップが使用された。圧縮強度試験中の荷重率は、ASTM C 39に概説されているように0.15MPa/sから0.35MPa/sの範囲内であった。3個の試験片の平均値が、代表圧縮強度として取られた。
【0254】
次に
図29を参照すると、そこに示されているのは、一実施形態による、0.1%のTGを用いたコンクリート複合材料の圧縮強度改善のグラフである。0.1wt%のTG(CPCからの)改質コンクリートシリンダは、対照(TGなし)に対して41.5%の圧縮強度の相対的改善を示し、別の例では、0.1wt%のTG(MCからの)改質コンクリートシリンダは、対照(TGなし)に対して67%の圧縮強度の相対的改善を示した。
【0255】
次に
図30を参照すると、そこに示されているのは、一実施形態による、0.1%のTGを用いたコンクリート複合材料の圧縮強度改善のグラフである。さらに別の例では、0.1wt%のTG(再生タイヤカーボンブラックからの)改質コンクリートシリンダは、対照(TGなし)に対して圧縮強度で28%の相対的改善を示した。
【0256】
生産ライン設計
次に
図31を参照すると、そこに示されているのは、一実施形態による、三相電力を用いるジュール加熱のための連続生産ラインのためのシステム3100のブロック図である。システム3100は、複数の基本ジュール加熱セル3102を含む。基本ジュール加熱セル3102は、3つの拘束リザーバ3104(管または矩形、石英またはセメントまたは耐火材料)からなる。基本ジュール加熱セル3102は、キャリア3106(図示せず)にロードされる。基本ジュール加熱セル3102を保持したキャリア3106は、ローディングリニアコンベヤ3108により回転コンベヤ3110に向かって移動される。システムは、4つの回転コンベヤ3110を備える。各回転コンベヤ3110は、8つの別個のキャリア3106(3つの拘束リザーバ3104を有する)を保持することができる。
【0257】
4線式ワイ出力3112は3つの相を供給する。各相電圧は、ライン中性線間から100から1500VAC RMSである。システム3100は、3つの相を同時に動作させるように構成され、3つのジュール加熱システムが同時に動作させられ得る。電力は、各回転コンベヤ3110ステーションの1つにおいて1つのキャリア3106にのみ印加される。第1の回転ステーション3110が作動しているときに、三相電力は、1つのキャリア内で3つのリザーバを一度にジュール加熱することによってキャリアの1つに印加される。その間に、残りの回転ステーション3110は、ロードされている。第1の回転ステーション3110のキャリア3106が処理された後、電源スイッチ3114が直ちに次の回転ステーション3110に切り替えられる。電源が切り替えられたときに、3つのリザーバを有する別のキャリア3106が処理される。その間、第1の回転ステーション3110で処理されたサンプルは、1つのキャリア3106によって回転される。この回転は、新しいキャリア3106をロードし、処理されたキャリア3106を左(時計回り)に1スポットだけ移動して冷却させる。キャリア3106がアンローディング位置3116に達すると、処理されたキャリア3106は、取り除かれ、さらにアンローディングロボットアーム3118でアンローディングリニアコンベヤ3120まで移動される。アンローディングリニアコンベヤ3120は、処理されたサンプル3122をグラフェンがアンロードされ得る場所まで搬送する。
【0258】
さらなる例において、連続ジュール加熱プロセスのための生産ラインは、各リザーバは2.6kgのCPC原料からなり、各キャリアは3つのリザーバからなり、各キャリアは7.8kgのCPC原料を有する。この例では、各々8つの別個のキャリアを保持することができる2つの回転コンベヤS1およびS2がある。各キャリア(3つのリザーバを有する)が一度にジュール加熱され、CPC原料の収率が90%である三相電力で生産が行われる場合、各ジュール加熱ステップで、ツールは7kgのTGを作製することができる。この例では、この例におけるCPCからTGを生産する時間は45秒である。2つの回転コンベヤS1およびS2を有する
図31の生産ライン3100の戦略を使用することで、容器1(S1-C1)がジュール加熱されて7kgのグラフェンが作製された直後に、回転コンベヤS2からの容器S2-C1が動作し、グラフェンの別の7kgのバッチを作製することができる。この2つの動作の間には機械的な動きがないので、切り替え時間は、短く1秒程度とすることができ、これはステーションS1において電源スイッチを停止し、ステーションS2で電源スイッチに通電する時間である。したがって、この例におけるシステムのサイクル総サイクル時間は45秒+1秒=46秒である。キャリアS2-C1が動作している間、キャリアS1-C2は、適所まで回転され、同時にキャリアS1-C7はステーションS1からリニアコンベヤベルトに取り出され、キャリアS1-C8はステーションS1の空きスロットにロードされる。システムが1シフト(8時間労働)あたり420分間動作する場合、この例のスループット率は、毎分9.2kg、1シフトあたり3.8mtである。3シフト動作では、スループットは1日あたり11.5mtである。347日年間動作では、スループットは1年あたり4,003mtである。並行稼動している10本の生産ラインの実装は、1日あたり115mtのTG、および1年あたり40,000mtを生産する。
【0259】
次に
図32を参照すると、そこに示されているのは、一実施形態による、様々な分解能のフレーク状グラフェン(TG)の透過型電子顕微鏡法(TEM)画像である。図示されているフレーク状グラフェン(TG)は、上でさらに説明されているフレーク状グラフェン(TG)であってもよい。
【0260】
次に
図33を参照すると、そこに示されているのは、一実施形態による、様々な分解能の多面体グラフェン(PG)ナノ粒子のTEM画像である。図示されている多面体グラフェン(PG)ナノ粒子は、上でさらに説明されている多面体グラフェン(PG)ナノ粒子であってもよい。
【0261】
グラフェンの工業生産のための開示されている材料、装置、方法、およびシステムは詳細に開示されたが、開示されている材料、装置、方法、およびシステムは、以下のような、他の2Dおよび1D材料の工業生産または精製に使用され得る。
(i)1D炭素、単層および多層カーボンナノチューブ、カーボンナノリボン、
(ii)非グラフェン2D材料:二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化タングステン(WS2)、窒化ホウ素(BN)、ホウ素-炭素-窒素、別名炭窒化ホウ素(BxCyNz)、
(iii)有機材料:フッ素化ナノダイヤモンド、フッ素化ターボストラティックグラフェン、フッ素化同心円炭素、ヘテロ原子ドープグラフェン(B-ドープ、N-ドープ、O-ドープ、P-ドープ、S-ドープ、B-およびN-ドープ、B-N-S-ドープ)、
(iv)ジュール加熱プロセスによる炭化物合成:炭化チタン(TiC)、炭化ジルコニウム(ZrC)、炭化ハフニウム(HfC)、炭化バナジウム(VC)、炭化タンタル(TaC)、炭化クロム(Cr2C3)、炭化モリブデン(MoC)、炭化タングステン(W2C)、炭化ホウ素(B4C)、炭化ケイ素(SiC)、
(v)ジュール加熱プロセスによって回収される材料:ロジウム、パラジウム、銀、金、コバルト、および様々な希土類元素(Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)、
(v)ジュール加熱プロセスによって取り除かれる材料:クロム、ヒ素、カドミウム、水銀、鉛、
(vi)ジュール加熱プロセスによって露出される他の材料:コランダムナノ粒子への酸化アルミニウム(Al2O3)相変化、黒鉛アノード電池再生、カソード電池再生、アノード、およびカソード電池材料再利用。
【0262】
上記の説明は、1つまたは複数の装置、方法、またはシステムの例を挙げているが、他の装置、方法、またはシステムが、当業者によって解釈されるように請求項の範囲内あり得ることは理解されるであろう。
【符号の説明】
【0263】
100 大規模ジュール熱変換のためのシステム
101 原料
102 炭素原料負荷
104 AC電源
105 コントローラ
105 リレー機構
106 拘束リザーバ
108 拘束構造
110 電極
300 システム
302 原料
304 縦方向
306 拘束リザーバ
308、308a、308b 電極
312 バネ
400 システム
402 原料
404 線
408 印加電力
408 電極
408a、408b 対向電極
410 圧縮
412 バネ
414 第1のリザーバ側部
416 第2のリザーバ側部
500 システム
502 変電所変圧器
504 工場変圧器
506 ジュール加熱システム
506a、506b、506c 第1のジュール加熱システム、第2のジュール加熱システム、第3のジュール加熱システム
508 抵抗負荷
508a、508b、508c 抵抗負荷
510 スイッチ
510a、510b、510c スイッチ
512a、512b、512c 電力線
514 中性線
600 システム
604 工場変圧器
612a、612b、612c 電力線
606a、606b、606c ジュール加熱システム
700 システム
702 産業用発電機
800 システム
804 原料
806a、806b、806c ジュール加熱システム
807 リアクタンスコンポーネント
807a、807b、807c リアクタンスコンポーネント
900 ジュール加熱システム
902 サンプル
904 低電力原料加熱
904 予熱
906 高電力原料加熱
908 高電圧スイッチ
910 低電圧スイッチ
950 ジュール加熱システム
952 第1の変圧器
954 第2の変圧器
958 低電圧スイッチ
960 高電圧スイッチ
1200 リザーバ
1202 円管拘束リザーバ
1204 楕円形の断面
1206 円形の断面
1214 内部空洞
1216 第1の電極
1218 第2の電極
1220 第1の端部
1222 第2の端部
1226 縦方向の分割部
1250 矩形管拘束リザーバ
1252 矩形の断面
1254 正方形の断面
1300 拘束リザーバ
1302 第1のセグメント
1304 第2のセグメント
1306 電極
1308 ギャップ
1400、1430、1460 電極
1402 放射状溝
1430 くびれ電極
1432 くびれ
1460 電極
1462 穴
1464 端部電極面
1465 通気溝
1500、1550 コンクリート拘束リザーバ
1502 界面
1504 第1の壁
1506 第1のセグメント
1508 第2の壁
1510 第2のセグメント
1552 蛇行した界面
1554 第1の壁
1556 第1のセグメント
1558 第2の壁
1560 第2のセグメント
1600 コンクリート製拘束リザーバ
1602 蛇行した界面
1604 第1のセグメント
1605 第2のセグメント
1606 電極
1608 金属ホースクランプ
1650 拘束リザーバ
1652 鋼管クランプ
1654 コンクリート管
1656 スペーサ
1658 ギャップ
1660 コンクリート管分割部
1662 鋼管分割部
1700 ジュール加熱アセンブリ
1702 石英管収容リザーバ
1704 くびれのある溝のある円筒形黒鉛電極
1706 黄銅電極カップ
1708 黄銅シャフト
1709 電力ケーブル
1710 バネ
1714 L型ブラケットアセンブリ
1716 軸受
1800 ジュール加熱アセンブリ
1802 矩形黒鉛電極
1804 空気圧アクチュエータ
1806 アルミニウムフレーム
1808 耐火レンガ支持体
1900 空気圧アクチュエータ
1902 固定圧力圧縮空気
1904 押し出し管路
1906 内側チャンバ
1908 ピストン
1910 押し込み管路
1912 外側チャンバ
1950 空気圧アクチュエータ
1952 逆止弁
2000 ジュール加熱アセンブリ
2002 原料
2004 トップウェイト部分、トップウェイト
2006 拘束リザーバ
2008 U字型トラフ
2010 矩形電極
2012 ガス逃し部
2102 原料
2104 拘束リザーバ
2106 底部ベース
2108、2110 リザーバ壁
2112、2114 黒鉛電極
2116 AC電力
2200 システム
2202 原料
2204 加重材料
2300 半管ベースのシステム
2302 拘束リザーバ
2304、2306 黒鉛電極
2308 半管
2400 三相デルタ電力システム
2402 拘束リザーバ
2404、2406、2408 黒鉛電極
2414、2416、2418 リザーバ壁
2420 ベース
2500 三相ワイおよびデルタ電力システム
2502 拘束リザーバ
2504、2506、2508 黒鉛負荷電極
2510 中央中性電極
2514、2516、2518 リザーバ壁
2600 同軸電極形状システム
2602 拘束リザーバ
2604 外側電極
2606 内側電極
2608 ベース
2610 原料
2700 歯車形状システム
2702 歯車形状リザーバ
2704、2706 電極
2708 リザーバ
2710 原料
2712 変換された原料
2800 コンベヤベルトシステム
2802 コンベヤ
2804 静止壁
2806 圧縮ロール
2810 原料
2812 黒鉛電極
3100 システム
3102 基本ジュール加熱セル
3104 拘束リザーバ
3106 キャリア
3108 ローディングリニアコンベヤ
3110 回転コンベヤ
3114 電源スイッチ
3116 アンローディング位置
3118 アンローディングロボットアーム
3120 アンローディングリニアコンベヤ
3122 処理されたサンプル
【手続補正書】
【提出日】2024-05-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの原料を、前記原料よりも高い結晶化度を有する結果としての材料に変換するためのデバイスであって、
前記原料を拘束するように構成された拘束リザーバであって、
前記原料は、抵抗電気負荷として作用し、
前記原料は、少なくとも0.1kgの質量を備える、拘束リザーバと、
前記原料をジュール加熱するために前記原料に電流を流すように構成された複数の電極と、
原料電気抵抗を調整するために前記原料を圧縮力で圧縮するように構成された圧縮システムと、
前記電極に交流電流を供給するためのAC電源と、
前記原料に送達される前記電流を制御するように構成された少なくとも1つの電気コントローラと、を備えるデバイス。
【請求項2】
前記拘束リザーバは、管、半管、中空四角柱、中空半四角柱、中空六角柱、歯車のうちの1つまたは複数で構成され、
前記拘束リザーバは、石英、セラミック、セメント、コンクリート、炭化ケイ素、マグネシウム系耐火物、マグネシア-炭素、死焼マグネサイト-MgO、マグネサイト-クロム、マグネシア-アルミナスピネル、ドロマイト、死焼ドロマイト、樹脂接合ドロマイト、アルミニウム系耐火物、アルミナ-マグネシア-黒鉛、水和ケイ酸アルミニウムを有する耐火粘土耐火物、高アルミナ耐火物、リン酸塩接合高アルミナ、のうちの1つまたは複数から成り、
前記拘束リザーバは、前記変換中に生成されたガスが前記拘束リザーバから逃げることを可能にするように構成されたガス逃し部を備え、
前記ガス逃し部は、拘束構造内に少なくとも1つのギャップを備え、
前記ギャップは、
収容リザーバの第1の端部におけるギャップと、
前記収容リザーバの第2の端部におけるギャップと、
前記電極の少なくとも1つの溝と、
前記収容リザーバ内の縦方向の分割部であって、前記縦方向の分割部は前記収容リザーバを複数のセクションに分割する、前記収容リザーバ内の縦方向の分割部と、
前記収容リザーバ内の断面分割部であって、前記断面分割部は前記収容リザーバを複数のセクションに分割する、前記収容リザーバ内の断面分割部と、
前記収容リザーバ内の穴と、
前記収容リザーバの第1の層と前記収容リザーバの第2の層との間のギャップと、のうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記複数の電極への電流の流れを制御するように構成された少なくとも1つの電気スイッチと、
ワイ構成およびデルタ構成のうちの1つまたは複数で動作するように構成される電力線を介した負荷と、
インピーダンスおよび位相オフセットのうちの1つまたは複数を付加するように構成されたリアクタンスコンポーネントと、をさらに含み、
前記リアクタンスコンポーネントは、インダクタおよびコンデンサのうちの1つまたは複数を含み、
前記AC電源は、グリッド電源、産業用発電機、純AC電源、整流AC電源のうちの1つまたは複数を含み、
前記電極は、中実の、溝のある、くびれのある、ドリル穴あけされた黒鉛電極のうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
圧縮アセンブリは、バネ、クランプ、空気圧アクチュエータ、フリーウェイト、圧縮ロールのうちの1つまたは複数を含み、
前記電極は、原料の体積変化に基づき拘束構造の境界に沿って移動するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
第1の負荷に対応する第1のスイッチと、第2の負荷に対応する第2のスイッチと、をさらに備え、
前記第1のスイッチおよび第2のスイッチは、各対応する負荷に電流を流すように動作されるように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記AC電源は、前記AC電源によって印加される電力を調節するために、DCコンバータ駆動部および可変周波数駆動部のうちの1つまたは複数をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
少なくとも1つの原料を、前記原料よりも高い結晶化度を有する結果としての材料に変換するための方法であって、
少なくとも0.1kgの質量を備える前記原料を拘束リザーバに充填して抵抗負荷を形成するステップと、
原料電気抵抗を調整するために前記原料を圧縮力で圧縮するステップと、
前記拘束リザーバ内の前記原料をAC電源に導電的に接続するステップと、
限界に達するまで前記抵抗負荷に電力を印加するステップであって、
前記限界は、前記原料を結果としての前記材料に変換するのに十分なエネルギーおよび電力が、印加される電力によって前記原料に印加されていることを示す、ステップと、を含む、方法。
【請求項8】
少なくとも1つの電気スイッチにより、前記抵抗負荷への電流の流れを調節するステップと、
インダクタおよびコンデンサのうちの1つまたは複数を含むリアクタンスコンポーネントにより、インピーダンスおよび位相オフセットのうちの1つまたは複数を付加するステップと、をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記変換中に、前記圧縮力を作用したままにするステップをさらに含み、
前記圧縮は、電流が印加される方向および前記電流が印加される方向に垂直、のうちの1つまたは複数に沿って印加される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
第1のスイッチの動作時に第1の負荷に電流が流れ、第2のスイッチの動作時に第2の負荷に電流が流れるように、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチを同時および/または連続的に動作させるステップと、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとの連続的な動作の間に一時停止するステップと、をさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項11】
電流を印加するステップはさらに、
原料の第2のバッチを形成するように加熱される前記原料の第1のバッチに対して、第1のジュール加熱段階を提供するステップと、
原料の前記第2のバッチに対して、第2のジュール加熱段階を提供するステップと、
スイッチの電流および電圧のうちの1つまたは複数を変化させることによって、印加される電力を変化させるステップと、を含み、
前記第1のジュール加熱段階で印加される電力は、前記第2のジュール加熱段階で印加される電力とは異なる、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記限界は、前記原料に堆積された累積エネルギー、前記原料に電流を流している時間、前記原料に印加される最大電力、原料抵抗、温度、前記拘束リザーバ内の最大圧力、前記拘束リザーバへの最大力、低原料抵抗条件、最高原料温度、前記原料への最大電流、前記原料への最大電力、電力線の最大I
2
*t(Amp
2
*時間)、最高電力線温度、導管の最高導管温度、スイッチの最高リレー温度、のうちの1つまたは複数に基づく、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つのコンベヤによって前記拘束リザーバをロードするステップおよびアンロードするステップと、
結果としての生成物を、セメント、コンクリート、ポリウレタンフォーム、プラスチック、ナイロン、ゴム、タイヤ製品、アスファルト、エポキシ、潤滑剤、のうちの1つまたは複数に添加するステップと、をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つの原料を、前記原料よりも高い結晶化度を有する結果としての材料に変換することによって生産される結果としての材料であって、
前記変換は、
少なくとも0.1kgの質量を備える前記原料を拘束リザーバに充填して抵抗負荷を形成することと、
原料電気抵抗を調整するために前記原料を圧縮力を介して圧縮することと、
前記拘束リザーバ内の前記原料をAC電源に導電的に接続することと、
限界に達するまで前記抵抗負荷に電力を印加することであって、
前記限界は、前記原料を結果としての前記材料に変換するのに十分なエネルギーおよび電力が、印加される電力によって前記原料に印加されていることを示す、印加することと、を含む、材料。
【請求項15】
前記原料は、メタン、冶金コークス、無煙炭、生石油コークス、か焼石油コークス、再生タイヤカーボンブラック、カーボンブラック、炭、バイオ炭、木炭、植物炭、挽いたコーヒー、コーヒー炭、プラスチック、プラスチック炭、プラスチック灰、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、発泡スチロール、からのターコイズ水素の生産を含む水素生産プロセスのうちの1つまたは複数に由来する炭素を含み、
前記原料の形態は、超細粒または粉末、微細粒または粉末、極細粒、細粒、粗粒、ペレット、中程度の塊、チップ、MetCoke粉コークス、少なくとも1つのピル、のうちの1つまたは複数であり、
結果としての前記材料は、グラフェン、1D炭素および2D炭素、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノリボン、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、窒化ホウ素、炭窒化ホウ素、フッ素化ナノダイヤモンド、フッ素化ターボストラティックグラフェン、フッ素化同心円炭素、ヘテロ原子ドープグラフェン、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化モリブデン、炭化タングステン、炭化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ニオブ、ロジウム、パラジウム、銀、金、コバルト、希土類元素、コランダムナノ粒子、黒鉛アノード電池材料、カソード電池材料、のうちの1つまたは複数を含む、請求項14に記載の材料。
【請求項16】
前記原料は、少なくとも1つの二次材料をさらに含み、
前記二次材料は、犠牲物質、触媒、または反応物質のうちの1つまたは複数であり、
前記二次材料は、水、挽いたコーヒー、コーンスターチ、松樹皮、ポリエチレンマイクロワックス、蝋、chemplex 690、セルロース、ナフテン油、アスファルテン、ギルソナイト、水、カルボキシメチルセルロース(CMC)、リグナン、リグニン、リグノスルホン酸ナトリウム、リグノスルホン酸カルシウム、発生ナトリウムリグニン、脱糖リグノスルホン酸カルシウム、リグノンスルホン酸アンモニウム、カルシウムリグニン、醸造者濃縮可溶物、脱糖ビート糖蜜、か焼石油コークス、タイヤカーボンブラック、カーボンブラック、冶金コークス、ターボストラティックグラフェン、カーボンナノチューブ、Fe、Cu、Al、遷移族金属、典型金属、TiO
2
、Al
2
O
3
、SiO
2
、酸化物、NaCl、KCl、MgCl
2
、CaCO
3
、CuSO
4
、金属塩、KOH、NaOH、塩基、Pt、Pd、Ru、Au、Ir、Rh、Co、Fe、Cu、Ni、Zn、Bi、Pt(acac)
2
、AuCl
3
、AgNO
3
、金属前駆体、TiO
2
、Al
2
O
3
、SiO
2
、酢酸鉄、塩化鉄、鉄アセチルアセトナート、金属塩、酸化鉄、酸化コバルト、遷移金属酸化物、水酸化鉄、水酸化ニッケル、遷移金属水酸化物、ケイ素、酸化ケイ素、SiO
x
ベースのアノード材料、のうちの1つまたは複数を含む、請求項14に記載の材料。
【請求項17】
前記変換は、
第1のスイッチの動作時に第1の負荷に電流が流れ、第2のスイッチの動作時に第2の負荷に電流が流れるように、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチを同時および/または連続的に動作させるステップと、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとの連続的な動作の間に一時停止するステップと、をさらに含む請求項14に記載の材料。
【請求項18】
電流を印加するステップはさらに、
原料の第2のバッチを形成するように加熱される前記原料の第1のバッチに対して、第1のジュール加熱段階を提供するステップと、
原料の前記第2のバッチに対して、第2のジュール加熱段階を提供するステップと、
スイッチの電流および電圧のうちの1つまたは複数を変化させることによって、印加される電力を変化させるステップと、
印加される電力を調整するステップと、を含む、請求項14に記載の材料。
【請求項19】
前記限界は、前記原料に堆積された累積エネルギー、前記原料に電流を流している時間、前記原料に印加される最大電力、原料抵抗、温度、前記拘束リザーバ内の最大圧力、前記拘束リザーバへの最大力、低原料抵抗条件、最高原料温度、前記原料への最大電流、前記原料への最大電力、電力線の最大I
2
*t(Amp
2
*時間)、最高電力線温度、導管の最高導管温度、スイッチの最高リレー温度、のうちの1つまたは複数に基づく、請求項14に記載の材料。
【請求項20】
前記拘束リザーバは、前記変換中に生成されたガスが前記拘束リザーバから逃げることを可能にするように構成されたガス逃し部をさらに備える、請求項14に記載の材料。
【国際調査報告】