(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備を監視するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
B65B 57/00 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
B65B57/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024542233
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(85)【翻訳文提出日】2024-03-27
(86)【国際出願番号】 EP2022076378
(87)【国際公開番号】W WO2023046834
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】102021210749.4
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524118144
【氏名又は名称】オプティマ ファーマ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】マティーアス ホフマン
(72)【発明者】
【氏名】バルデマール マイヤー
(72)【発明者】
【氏名】マティーアス ポスロブスキ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ポスピッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン ロートバウアー
(72)【発明者】
【氏名】ユリアン シュバイゲルト
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン バイペルト
(57)【要約】
本発明は、特に製薬産業のための、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備を監視するための方法及び装置に関する。該方法及び装置では、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備の輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)の画像が、カメラシステム(10)を用いて撮影され、かつ、その画像に基づいて、人工知能モデル(AIモデル)(120)であって、輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)内の一次包装手段を検出するように、かつ検出された一次包装手段をクラス分類するように学習させられたAIモデル(120)を用いて、どの画像位置に一次包装手段が存在しているかが決定され、かつ検出された一次包装手段がクラスに割り当てられる。本発明はさらに、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備と、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備を監視するためのコンピュータプログラムと、に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に製薬産業のための、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備を監視するための方法であって、前記充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備の輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)の画像が、カメラシステム(10)を用いて撮影され、かつ、前記画像に基づいて、人工知能モデル(AIモデル)(120)であって、前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)内の一次包装手段を検出するように、かつ検出された一次包装手段をクラス分類するように学習させられたAIモデル(120)を用いて、どの画像位置に一次包装手段が存在しているかが決定され、かつ検出された一次包装手段がクラスに割り当てられる、方法。
【請求項2】
一次包装手段(4)が、そのタイプに基づいてクラス分類され、かつ/又は、あるタイプの一次包装手段(4)は、その向きに基づいてクラス分類される、ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記AIモデル(120)の出力は、乱れを決定する目的のためのルールベースのアルゴリズム(122)を用いて評価され、かつ、好ましくは、決定された乱れは、クラス分類及び/又は優先順位付けされ、特に、前記決定された乱れがどのように処理されるかが、前記クラス分類に基づいて指定され、かつ/又は優先順位付けに基づいて、前記決定された乱れが処理されるか否かが、-処理されるという場合にはさらに-いつ処理されるかが、指定される、ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)内の決定された乱れの位置が特定される、ことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
輸送、送入及び/又は送出領域(2)が輸送手段及び/又はソート手段を有しており、かつ/又は一次包装手段(4)がマトリックス内で整然としていない形か又は整然とした形で提供又は堆積される、輸送、送入及び/又は送出領域(2)が、監視される、ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記カメラシステム(10)は、前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)の上方で、前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)に対する一次供給空気が前記カメラシステム(10)によって乱されることがないように、前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)からずらされて配置されており、前記カメラシステム(10)の光学軸(100)が、垂直軸(I)に対して傾いている、ことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
決定された乱れは、マニピュレータ(14)を用いて処理され、前記マニピュレータ(14)は、前記決定された乱れを処理する目的のために、機械コントローラ(140)によって、分散型マニピュレータコントローラによって、かつ/又は手動操作可能なコントローラによって、運動させられることができる、ことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
特に製薬産業のための、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備を監視するための装置であって、前記装置は、前記充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備の輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)の画像を撮影するように構成されたカメラシステム(10)と、前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)内の一次包装手段を検出するように、かつ検出された一次包装手段(4、40、41、44、45)をクラス分類するように学習させられた人工知能モデル(AIモデル)(120)を備える演算ユニット(12)と、を備え、前記演算ユニット(12)は、前記画像に基づいて、前記AIモデル(120)を用いて、どの画像位置に一次包装手段(4、40、41、44、45)が存在しているかを決定し、かつ検出された一次包装手段(4、40、41、44、45)をクラスに割り当てるように構成されている、装置。
【請求項9】
前記AIモデル(120)は、一次包装手段(4、40、41、44、45)をそのタイプに基づいてクラス分類し、かつ/又は、あるタイプの一次包装手段(4)をその向きに基づいてクラス分類するように学習させられていることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記演算ユニット(12)は、乱れを決定する目的のためのルールベースのアルゴリズム(122)を用いて前記AIモデル(120)の出力を評価するように、かつ、好ましくは、決定された乱れを前記ルールベースのアルゴリズム(122)を用いてクラス分類及び/又は優先順位付けするように構成され、特に、前記演算ユニット(12)は、クラス分類に基づいて、前記決定された乱れがどのように処理されるかを指定し、かつ/又は、優先順位付けに基づいて、前記決定された乱れが処理されるか否かを、処理されるという場合にはさらに、いつ処理されるかを指定する、ように構成されている、ことを特徴とする、請求項8又は9に記載の装置。
【請求項11】
前記カメラシステム(10)の光学軸(100)は、垂直軸(I)に対して傾いており、前記カメラシステム(10)は、前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3)に対する一次供給空気が乱されることがないように、前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3)の上方で、監視されている前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3)からずらされて配置されている、ことを特徴とする、請求項8、9、又は10に記載の装置。
【請求項12】
マニピュレータ(14)が提供され、前記マニピュレータ(14)は、決定された乱れを、中央機械コントローラ(140)、分散型マニピュレータコントローラ、及び/又は手動操作可能なコントローラ(142)によって処理するように構成されている、ことを特徴とする、請求項8から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
輸送、送入及び/又は送出領域と、請求項8から12に記載の装置と、を備える、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備であって、前記充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備は、特に、その内部に前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)が配置されるアイソレータハウジングを備える、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備。
【請求項14】
命令を備えたコンピュータプログラムであって、前記命令は、前記プログラムが演算ユニット(12)によって実行されたときに、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備の輸送、送入及び/又は送出領域(2、3)の画像に基づいて、前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)内の一次包装手段を検出するように、かつ検出された一次包装手段をクラス分類するように学習させられた人工知能モデル(AIモデル)(120)を用いて、どの画像位置に一次包装手段(4、40、41、44、45)が存在しているかの決定を行い、かつ検出された一次包装手段(4、40、41、44、45)のクラスへの割り当てを行う、命令である、コンピュータプログラム。
【請求項15】
前記コンピュータプログラムは、命令であって、前記プログラムが前記演算ユニット(12)によって実行されたときに、前記AIモデルの出力に基づき、ルールベースのアルゴリズム(122)を用いて、乱れが存在しているか否かの決定を行う、命令を備える、請求項14に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に製薬産業のための、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備を監視するための方法及び装置に関する。本発明はさらに、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備と、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備を監視するためのコンピュータプログラムと、に関する。
【0002】
製薬産業のための充填及び/又は閉鎖設備は、液体状または粉末状の医薬品及びバイオ医薬品を、小瓶(バイアル)、輸液用ボトル、カルプーレ、ディスポーザブルシリンジ、又はそれらに類する容器内に充填するために用いられる。該容器は、充填及び後続する検査の後、可及的速やかに、例えばストッパー及び/又はキャップ等の閉鎖具によって閉鎖される。本出願の文脈では、容器及び閉鎖具は、一次包装手段と呼称される。後処理設備は、充填されており通常は既に閉鎖されている一次包装手段の、検査、ラベリング、再包装、又は他の処理のために使用される。
【0003】
この場合、敏感又は危険な製品の充填は、通常アイソレータ内で行われる。加えて、医薬品及び/又は他の製品の充填又は後処理のためのアイソレータを有さない設備も知られている。
【0004】
充填及び閉鎖の処理フローならびに/又は後処理の処理フローにおける乱れ又は不具合は、設備の停止をもたらし得る。しかしながら、特に、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備において小バッチが処理される場合には、停止時間を可能な限り回避することが非常に望ましい。さらに、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備の予期せぬ停止は、製品がもはや使用できないという結果をもたらす場合もある。このことは、特に-もっとも、それだけには限らないが-敏感な医薬品に当てはまる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、特に製薬産業のための、充填及び/又は閉鎖設備、ならびに後処理設備を自動監視するための方法及び装置を提供することである。さらなる目的は、自動監視システムを有する充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備と、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備を自動監視するためのコンピュータプログラムと、を提供することである。
【0006】
これらの目的は、請求項1、8、13、及び14の特徴を有する主題によって達成される。さらなる有利な実施形態は、従属請求項から生じる。
【0007】
第1の態様によれば、特に製薬産業のための、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備を監視するための方法が、提供される。該方法では、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備の輸送、送入及び/又は送出領域の画像が、カメラシステムを用いて撮影され、かつ、その画像に基づいて、人工知能モデル(AIモデル)であって、一次包装手段を検出するように、かつ検出された一次包装手段をクラス分類するように学習させられたAIモデルを用いて、どの画像位置に一次包装手段が存在しているかが決定され、かつ検出された一次包装手段がクラスに割り当てられる。
【0008】
本出願の文脈においては、「ある」「1つの」(a、an)という用語は、不定冠詞として使用され、計数用語としては使用されない。特に、実施形態では、輸送、送入及び/又は送出領域の連続的な監視のために、単一の画像ではなく一連の画像が撮影及び評価されることが、提供される。
【0009】
用途に応じて、単一のカメラシステム又は複数のカメラシステムが、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備に備えられている。
【0010】
AIモデルを用いた、単一の画像又は一連の画像のうちの複数の画像の評価により、監視領域における一次包装手段の発生位置及び/又は発生時間に関する事前の知識がなくても、輸送、送入及び/又は送出領域を自動監視することが可能になる。
【0011】
さらに、この場合、AIモデルは、検出された一次包装手段をクラスに割り当てるためにも用いられる。
【0012】
ある実施形態では、一次包装手段のクラス分類のために、特定の適用先に応じて、専門家によって前もってクラスが定義されている。ある実施形態では、この点に関して、異なるタイプの一次包装手段を検出できることが提供される。ここで、1つのクラスが各タイプに割り当てられている。ある実施形態では、クラスに割り当てることができない検出された物体が、マークされる。
【0013】
代替的又は追加的には、ある実施形態では、あるタイプの一次包装手段は、その向きに基づいてクラス分類される。ある実施形態では、この点に関して、正しい向きで提供された一次包装手段、輸送方向に倒れた一次包装手段、輸送方向に対して横向きに倒れた一次包装手段、ねじれた一次包装手段、及び/又は上下さかさまになった一次包装手段が、クラス分類のために区別される。
【0014】
ある実施形態では、AIモデルは人工ニューラルネットワークである。特に、複数の実施形態では、AIモデルは、一般的にはディープニューラルネットワークと呼称される、深層学習人工ニューラルネットワークである。
【0015】
AIモデルの学習用データは、典型的な輸送、送入及び/又は送出領域のために、かつ異なる一次包装手段のために、前もって生成され得るのであり、AIモデルはそれに従って学習させられる。有利な実施形態においては、監視の信頼性を高めるために、学習済みAIモデルの少なくとも1つの改良が、特定の輸送、送入及び/又は送出領域ならびに特定の一次包装手段のための学習用データに基づいて、かつ/又は典型的な環境パラメタを考慮して、行われる。
【0016】
ある実施形態では、監視の結果が記録されることが、特に電子的に記録されることが、提供される。この場合、記録されるべきデータは、用途に応じて、当業者によって適切に指定され得る。ある実施形態では、この場合、上記の記録は、AIモデルを用いた監視のチェックにも役に立つ。ある実施形態では、記録された状態は、適切に準備された画像ファイルと共に、AIモデルの学習用データとして機能する。
【0017】
ある実施形態では、AIモデルの出力は、乱れを決定する目的のためのルールベースのアルゴリズムを用いて評価される。
【0018】
本出願の文脈では、ルールベースのアルゴリズムは、当業者によって前もって適切に指定され得るルール及び情報に基づいて、決定された乱れの評価を実行するアルゴリズムである。この点に関して、上記の方法は、特定の輸送、送入及び/又は送出領域、ならびに/又は特定の一次包装手段、ならびに/又は他の境界条件、に関する専門知識を用いている。
【0019】
本出願の文脈では、「乱れ(disturbance)」という用語は、一般的に、処理フロー内の不規則要素を表すために用いられる。実施形態によっては、この乱れが既に設備の停止又は処理フローの乱れにつながっている。この乱れは、設備の停止又は処理フローの乱れが生じる前に、かつ/又は乱れが直後の処理フローに影響を与える前に、検出及び処理され、特に修正される。ある実施形態では、乱れは、一次包装手段の輸送又は送入又は送出における不規則要素であり得るのであって、例えば、間違った向きの一次包装手段、一次包装手段の欠落、又は過多な一次包装手段であり得る。ある実施形態では、一次包装手段の存在のチェックが実施される。これは、例えば、一次包装手段が送入領域に十分な量存在するか否かを、かつ/又は送出領域に一次包装手段が存在していないか否かを決定するために実施され、その結果、この領域に一次包装手段を堆積させることができる。一次包装手段の予期せぬ存在又は不在が、乱れと呼称される。
【0020】
乱れが決定されたときには、用途に応じて、適切な措置が講じられ得る。単純な実施形態では、任意の決定された乱れによって、乱れが手動又は自動で処理されるまでの設備のシャットダウンがもたらされる。
【0021】
有利な実施形態では、決定された乱れは、クラス分類される、即ち、クラスに割り当てられ、かつ/又は優先順位付けされる。即ち、優先順位値が、ルールベースのアルゴリズムを用いて、決定された乱れに割り当てられる。ある実施形態では、乱れの決定と同じルールベースのアルゴリズムが、クラス分類及び優先順位付けに用いられ、そのような場合、実施形態では、乱れの決定、クラス分類、及び優先順位付けが、単一のプログラム実行で行われる。他の実施形態では、少なくとも部分的に順に実行される別個のアルゴリズムが提供される。乱れのクラス分類のため、特定の適用先に対応したクラスが、特に専門家によって前もって、定義される。ある実施形態では、その後、クラス分類に基づいて、決定された乱れがどのように処理されるかが指定される。優先順位付けのための、決定された乱れのための優先順位値は、特に、特定の適用先に応じて、専門家によって前もって定義される。ある実施形態では、その後、優先順位値に基づいて、決定された乱れが処理されるか否かが、-処理されるという場合にはさらに、いつ処理されるかが-指定される。クラス分類及び/又は優先順位付けにより、決定された乱れに、加えて特に時間的に重なって発生した複数の乱れに、状況に応じて対応することができる。
【0022】
ある実施形態では、乱れが発生したという事実のみが検出され、乱れが実環境における位置を特定されることはない。有利な実施形態では、輸送、送入及び/又は送出領域内の決定された乱れの位置が特定されることが提供される。ある実施形態では、この場合、当の位置は、検出された乱れが監視領域内で位置を特定されることができる座標によって定義される。換言すれば、乱れの位置は、乱れをその後オペレータによってか又は自動的に処理できるように、検出される。
【0023】
ある実施形態では、監視されている輸送、送入及び/又は送出領域は、一次包装手段のための輸送及び/又はソート手段を有しており、特に、輸送、送入及び/又は送出領域は、ソートビンを有し、かつ/又はストッパー又は容器のための単一の経路又は複数の経路を有し、監視されていることが、提供される。ある実施形態では、検出された一次包装手段は、その向きに従って、AIモデルによってクラス分類される。この場合、輸送、送入及び/又は送出領域における詰まり、一次包装手段の欠落、間違った向きの一次包装手段、及び/又は間違った位置の一次包装手段が、乱れとして検出される。この場合、間違った向きの一次包装手段とは、倒れているか、ねじれているか、又は上下さかさまに供給された一次包装手段であり、それらはさらなる処理においてエラー及び/又は停止を引き起こす場合がある。「間違った位置の一次包装手段」という用語は、意図された位置以外の位置にある一次包装手段のために用いられる。ある実施形態では、送入領域における詰まりは間接的に検出されるのであり、詰まりによって生じる間隔が、即ちある位置における一次包装手段の不在が、特定される。代替的又は追加的には、ある実施形態では、充填されている一次包装手段と充填されていない一次包装手段が、かつ/又は異なるタイプの一次包装手段が、AIモデルのクラス分類によって区別される。
【0024】
代替的又は追加的には、ある実施形態では、一次包装手段は、監視されている輸送、送入及び/又は送出領域内で、マトリックス(ネスト)内で整然としていない形か又は整然とした形で、提供又は堆積されている。特に、一次包装手段がそこから取り出されるか、又は一次包装手段がそこへと配置される、一次包装手段のための空間的に区切られたトレイ、又はネストが、監視される。ある実施形態では、この場合、一次包装手段は、その向きに従って、AIモデルによってクラス分類される。代替的又は追加的には、ある実施形態では、充填されている一次包装手段と充填されていない一次包装手段が、かつ/又は異なるタイプの一次包装手段が、AIモデルのクラス分類によって区別される。この場合、一次包装手段の欠落、上に重なった一次包装手段、間違った向きの一次包装手段、及び/又は間違った位置の一次包装手段が、乱れとして検出される。他の一次包装手段又はネスト又はそれらに類するものの上に着座した一次包装手段が、上に重なった一次包装手段と呼称される。
【0025】
有利な実施形態では、輸送、送入及び/又は送出領域を監視するためのカメラシステムが、輸送、送入及び/又は送出領域の上方で、輸送、送入及び/又は送出領域に対する一次供給空気が該カメラシステムによって乱されることがないように、輸送、送入及び/又は送出領域からずらされて配置されており、カメラシステムの光学軸は、垂直軸に対して傾いている。本出願の文脈では、一次供給空気は、少なくとも実質的に粒子のない一方向の空気流における、供給源又はフィルタからの、特にHEPAフィルタからの供給空気を意味している。用途によっては、一次供給空気へのわずかな影響は許容され、又は、公知の測定方法によって決定できる影響であれば、一次供給空気における乱れとして分類される。特に、アイソレータ内又はヒュームフード下にある敏感な製品の処理のためには、一次包装手段及び一次包装手段と接触する設備の構成要素への、少なくとも他をほぼ除外する一次供給空気により、汚染が防止されるべきである。従って、カメラシステムは、少なくともそのような適用先では、輸送、送入及び/又は送出領域への一次供給空気が乱されることがないように、取り付けられる。
【0026】
ある実施形態では、送入及び/又は送出領域内で、乱れが、場合によっては対応する乱れのクラス分類又は優先順位付けを伴って、決定された場合、オペレータに対して信号が発せられ、それによって乱れが処理されるようになっている。ある実施形態では、オペレータは手動で乱れを処理する。ある実施形態では、アイソレータの場合の手動での処理は、グローブを介在させて行われる。
【0027】
有利な実施形態では、決定された乱れは、マニピュレータを用いて処理され、マニピュレータは、決定された乱れを処理する目的のために、中央機械コントローラによって、分散型マニピュレータコントローラによって、かつ/又は手動操作可能なコントローラによって、運動させられることができる。ある実施形態では、マニピュレータは、アイソレータハウジング内に配置されている。ある実施形態では、マニピュレータが設備の構成要素又は一次包装手段と衝突することを防止するために、環境の干渉輪郭(interference contour)が定義されている。この場合、マニピュレータの自律的運動のための経路計画が、計画された経路が干渉輪郭と交差しないように行われる。手動操作可能なコントローラの場合は、干渉輪郭と交差する経路に沿った位置への接近、又は干渉輪郭内の位置への接近は、阻止される。ある実施形態では、この場合、処理の安全性に影響を及ぼす位置への接近又は交差を防止するために、仮想干渉輪郭も定義される。
【0028】
ある実施形態では、マニピュレータは、特にサーボグリッパ、真空グリッパ、空気圧グリッパ及び/又は磁気駆動グリッパである、グリッパを備える。ある実施形態では、グリッパを用いて異なるサイズの物体を把持することができ、物体が、特に一次包装手段が、把持されているか否かを、消費電流及び/又は位置によって検出することが可能である。他の実施形態では、触覚センサがグリッパ上に設けられており、それを用いて、物体が把持されているか否かが検出される。さらなる他の実施形態では、監視はカメラシステムを用いて行われる。
【0029】
用途に応じて、マニピュレータは、グリッパに代わる他の処理手段を、例えば、フック等の受動的な処理手段を、有する。
【0030】
ある実施形態では、マニピュレータの、特にマニピュレータのグリッパの遠位端の処理領域内には、環境の干渉輪郭が設けられていないか、又は最小限の環境の干渉輪郭のみが設けられていることが、提供される。ある実施形態では、グリッパの遠位端と環境の衝突を避けるために、この場合、該遠位端に仮想距離センサが設けられ、該仮想距離センサは、運動中のマニピュレータ及び環境のデジタル画像において、環境に対する遠位端の距離を感知するように構成されている。ある実施形態では、この場合、特に運動を制御するためのモニタ上での視覚化のために、及び/又は手動操作可能なコントローラによるマニピュレータの運動のために、マニピュレータの速度が距離が小さくなるにつれて低下することが、提供される。速度が低下すると、マニピュレータの運動に関する感度は上昇する。環境のデジタル画像を実環境に近似させるために、ある実施形態では、マニピュレータは、適したセンサを用いて、特にレーザセンサを用いて、実環境の各ポイントを感知し、デジタル環境を実環境に同期させる。環境のデジタル画像を生成するために、ある実施形態では、マニピュレータが、適したセンサを用いて、特にレーザセンサを用いて、実環境を感知することが、提供される。
【0031】
第2の態様によれば、特に製薬産業のための、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備を監視するための装置が提供される。該装置は、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備の輸送、送入及び/又は送出領域の画像を撮影するように構成されたカメラシステムと、輸送、送入及び/又は送出領域内の一次包装手段を検出するように、かつ検出された一次包装手段をクラス分類するように学習させられた人工知能モデル(AI)モデルを備える演算ユニットと、を備え、演算ユニットは、上記の画像に基づいて、AIモデルを用いて、どの画像位置に一次包装手段が存在しているかを決定し、かつ検出された一次包装手段をクラスに割り当てるように構成されている。
【0032】
ある実施形態では、AIモデルは、一次包装手段をそのタイプに基づいてクラスに割り当てるように、かつ/又は、あるタイプの一次包装手段をその向きに基づいてクラスに割り当てるように学習させられている。
【0033】
ある実施形態では、演算ユニットは、並列に動作する複数のサブユニットを備えており、それらサブユニットは、中央集権型で配置されるか又は分散型で配置され、特に、異なる処理を並列に実行することができる。
【0034】
上記の装置は、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備に取り付けられ得る。ある実施形態では、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備は、アイソレータハウジングを備えており、ある実施形態では、少なくとも装置のカメラは、アイソレータハウジング内に配置されている。他の実施形態では、カメラはアイソレータハウジングの外側に取り付けられている。ある実施形態では、演算ユニットは、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備の制御手段の一部である。他の実施形態では、別個の演算ユニットが提供され、この別個の演算ユニットは、有利な実施形態では、データの交換のため、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備の制御手段と通信する。
【0035】
ある実施形態では、演算ユニットは、乱れを決定する目的のために、ルールベースのアルゴリズムを用いてAIモデルの出力を評価するように構成されている。
【0036】
ある実施形態では、乱れが決定されたとき、演算ユニットはオペレータに信号を送り、オペレータはそれに従って対応することができる。代替的又は追加的には、演算ユニットは充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備の制御手段に信号を送り、制御手段は、完全又は部分的に充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備を停止させ、かつ/又は処理を低速化することができる。
【0037】
有利な実施形態では、演算ユニットは、決定された乱れをルールベースのアルゴリズムを用いてクラス分類及び/又は優先順位付けするように構成されており、演算ユニットは、特に、乱れのクラス分類に基づいて、決定された乱れがどのように処理されるかを指定し、かつ/又は、優先順位付けに基づいて、決定された乱れが処理されるか否かを、処理されるという場合にはさらに、いつ処理されるかを、指定するように構成されている。
【0038】
有利な実施形態では、カメラシステムの光学軸は、垂直軸に対して傾いており、カメラシステムは、輸送、送入及び/又は送出領域に対する一次供給空気が乱されることがないように、監視されている輸送、送入及び/又は送出領域の上方で、監視されている輸送、送入及び/又は送出領域からずらされて配置されている。従って、本装置は、特にアイソレータ内で敏感な医薬品を充填するための、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備の輸送、送入及び/又は送出領域を監視することに適してもいる。
【0039】
ある実施形態では、当該の装置は、マニピュレータを備え、該マニピュレータは、決定された乱れを、中央機械コントローラ、分散型マニピュレータコントローラ、又は手動操作可能なコントローラによって処理するように構成されている。ある実施形態では、手動操作可能なコントローラは、制御パッドを有する、ゲームパッドとして知られる入力装置であり、コンピュータゲームを制御するためとしても知られているものである。他の実施形態では、手動操作可能なコントローラは、マニピュレータを制御するためのアプリケーションを備えている、スマートフォン又はタブレットコンピュータ等のモバイル通信端末である。さらに他の実施形態では、矢印キーを有する、機械コントローラのための従来の制御装置が、マニピュレータの運動のために提供される。ある実施形態では、制御は、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備から遠隔で行われ、それにより、カメラシステムを用いて得られた充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備の実際の画像、ならびに/又は、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備の仮想画像が、モニタ上でオペレータに表示され得る。代替的又は追加的には、ある実施形態では、決定された乱れが機械コントローラによるマニピュレータによって自動的に処理され得ることが、提供される。ある実施形態では、この点に関して、決定及び修正がオペレータによる介入なしに行われることが、提供される。他の実施形態では、自動的な修正が、オペレータによる有効化の後に行われる。
【0040】
第3の態様によれば、輸送、送入及び/又は送出領域と、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備を監視するための装置と、を備える、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備が、提供される。ある実施形態では、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備は、その内部に輸送、送入及び/又は送出領域が配置されるアイソレータハウジングを備える。ある実施形態では、少なくとも監視するための装置のカメラシステムも、アイソレータハウジング内に配置されている。有利な実施形態では、この場合、カメラシステムは、輸送、送入及び/又は送出領域に対する一次供給空気が乱されることがないように、輸送、送入及び/又は送出領域の上方で、輸送、送入及び/又は送出領域からずらされて配置されている。
【0041】
第4の態様によれば、以下の命令を備えたコンピュータプログラムが提供される。その命令は、当のプログラムがコンピュータユニットによって実行されたときに、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備の輸送、送入及び/又は送出領域の画像に基づいて、輸送、送入及び/又は送出領域内の一次包装手段を検出するように、かつ検出された一次包装手段をクラス分類するように学習させられた人工知能モデル(AIモデル)を用いて、どの画像位置に一次包装手段が存在しているかの決定を行い、かつ検出された一次包装手段のクラスへの割り当てを行う、命令である。
【0042】
ある実施形態では、この場合、該コンピュータプログラムは、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備の制御手段にインストールされている。他の実施形態では、該コンピュータプログラムは、別個のデスクトップ型コンピュータ、ノートブック型コンピュータ、又はタブレット型コンピュータ、又はクラウドサーバにインストールされており、その際、監視は、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備のすぐ近傍で、かつ/又はそれから離れた場所で、実施され得る。
【0043】
ある実施形態では、上記のコンピュータプログラムは、命令であって、当のプログラムが演算ユニットによって実行されたときに、AIモデルの出力に基づき、ルールベースのアルゴリズムを用いて、乱れが存在しているか否かの決定を行う、命令を備える。
【0044】
本発明のさらなる有利な点及び態様が、請求項から、かつ、以下で図を参照しつつ説明される本発明の例示的な実施形態から、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】
図1は、送入領域を有する充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備を監視するための装置を、概略的に示している。
【
図2】
図2は、複数の乱れを有する充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備を、概略的に示している。
【
図3】
図3は、2つの乱れを有する充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備の輸送、送入及び/又は送出領域内のネストを、概略的に示している。
【
図4】
図4は、複数の乱れを有する充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備の輸送、送入及び/又は送出領域内のトレイを、概略的に示している。
【
図5】
図5は、送出領域を有する充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備内の乱れを決定しかつ処理するための装置を、概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、特に製薬産業のための、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備を監視するための装置1を概略的に示しており、装置1は、輸送、送入及び/又は送出領域2を備えている。
図1に示された輸送、送入及び/又は送出領域2は、複数の直線的に走る軌道20、21、22、23を有しており、それらに沿って、
図1には示されていない一次包装手段が、特に、ストッパー、又は充填されているか又は充填されていない容器が、搬送される。他の実施形態では、軌道20、21、22、23の代わりに、追加の要素又は他の要素が備えられており、それによって、又はそれに沿って、一次包装手段が搬送、供給、又は集積される。
【0047】
図示されている、監視のための装置1は、カメラシステム10及び演算ユニット12を備えている。
【0048】
カメラシステム10は、輸送、送入及び/又は送出領域2の単一の画像又は一連の画像を撮影するように構成されている。図示されている例示的な実施形態では、カメラシステム10の光学軸100は、垂直軸Iに対して傾いており、カメラシステム10は、矢印で概略的に示されているように上方から輸送、送入及び/又は送出領域2に向かう一次供給空気5が、カメラシステム10によって乱されることがないように、輸送、送入及び/又は送出領域2の上方で、輸送、送入及び/又は送出領域2からずらされて配置されている。
【0049】
演算ユニット12は、輸送、送入及び/又は送出領域2内の一次包装手段を検出するように、かつ検出された一次包装手段をクラス分類するように学習させられた、AIモデル120を備えている。
【0050】
カメラシステム10によって撮影された画像は、演算ユニット12によって分析され、その画像に基づいて、AIモデル120を用いて、どの画像位置に一次包装手段が存在しているかを決定し、かつ検出された一次包装手段をクラスに割り当てることができる。
【0051】
一次包装手段のクラス分類のために、ある実施形態では、異なるタイプの一次包装手段を検出できることが提供される。ここで、1つのクラスが各タイプに割り当てられている。代替的又は追加的には、ある実施形態では、あるタイプの一次包装手段は、その向きに基づいてクラス分類される。ある実施形態では、この点に関して、正しい向きで供給された一次包装手段、輸送方向に倒れた一次包装手段、輸送方向に対して横向きに倒れた一次包装手段、ねじれた一次包装手段、及び/又は上下さかさまになった一次包装手段、がクラス分類のために区別される。
【0052】
図示されている演算ユニット12は、ルールベースのアルゴリズム122をさらに備えている。ルールベースのアルゴリズム122は、AIモデル120の出力に基づき、乱れが存在するか否かを決定するように用いられる。
【0053】
ある実施形態では、決定された乱れはクラス分類もされる、即ち、クラスに割り当てられる。ここで、クラスは、用途に応じて、専門家によって前もって定義されている。ある実施形態では、その後、そのクラス分類に基づいて、決定された乱れがどのように処理されるかが決定される。
【0054】
代替的又は追加的には、ある実施形態では、ルールベースのアルゴリズム122は、決定された乱れを優先順位付けするように用いられる、即ち、検出された乱れに優先順位値が割り当てられる。ここで、検出された乱れのための優先順位値は、用途に応じて、専門家によって前もって定義されている。ある実施形態では、その際、この優先順位付けに基づいて、決定された乱れが処理されるか否かが、処理される場合はさらに、いつ処理されるかが、決定される。この場合、優先順位付けの目的は、機械の停止を回避することである。
【0055】
その際、特定の適用先、検出された乱れのクラス及び/又は優先順位値、に応じて、適切な措置を講じることができる。図示されている例示的な実施形態では、メモリユニット13へのデータの伝達が行われ、かつ、検出された乱れに関する情報が、メモリユニット13内に電子的に記録され得る。
【0056】
ある実施形態では、オペレータに対して信号が発せられ、その信号によって、乱れが視覚的に、音響的に、かつ/又は他の手段で、オペレータに対して伝達される。そしてオペレータは、乱れを処理するために適切な措置を講じることができる。ある実施形態では、乱れは、オペレータによって手動で処理される。ある実施形態では、手動処理は、アイソレータ内で、グローブを介在させて行われる。
【0057】
さらに、ある実施形態では、破線の矢印で概略的に示されているように、検出された乱れに関するデータは、機械コントローラ140に伝達される。ある実施形態では、機械コントローラ140は、この場合、
図1には示されていないマニピュレータ用のインターフェースとして機能する。該マニピュレータは、決定された乱れを処理する目的のために、機械コントローラ140によって、追加的なマニピュレータコントローラによって、又は手動操作可能なコントローラによって、運動させられることができる。
【0058】
図2は、ストッパーの形態である一次包装手段4のための、複数の直線的に走る軌道20、21、22、23、24を有する送出領域2を概略的に示している。軌道20、21、22、23、24は、各々、側方を区切られている。軌道20、21、22、23、24の寸法は、各一次包装手段4が軌道20、21、22、23、24に沿って連続して移動させられ得るように、選択されている。この場合、送出領域2内の複数の乱れが、
図2に概略的に示されている。
【0059】
図示されている乱れは、間違った向きの一次包装手段40及び間隔42であり、間隔42は、例えば、一次包装手段43が軌道20の動きを詰まらせることによって生じさせられる。詳細には、(図面の平面上で見て)最も上の軌道20に示されているのは、180度回転しているか又は上下さかさまに供給された一次包装手段40、及び経路方向に傾いている一次包装手段41である。間隔42は、上から2番目の軌道21に示されている。中央の軌道22に示されているのは、経路方向に倒れた一次包装手段41、及び経路方向に対して横方向を向いた一次包装手段44である。経路方向に対して横方向を向いた一次包装手段40は、下から2番目の軌道23においても同様に示されている。最も下の軌道24は、完全に正しく充填されている。
【0060】
存在している一次包装手段4、40は、AIモデル120を用いて演算ユニット12(
図1を参照)によって検出され、クラスに割り当てられる。その結果は、さらなる処理に適した形式で出力され得る。
【0061】
ある実施形態では、上記AIモデルの出力は、続いてルールベースのアルゴリズム122を用いて評価され、乱れが決定される、即ち、間違った向きの一次包装手段40、41、44が決定され、かつ/又は間隔42が決定される。
【0062】
ある実施形態では、決定された乱れは、ルールベースのアルゴリズム122を用いて、さらにクラス分類及び優先順位付けされる。ある実施形態では、ルールベースのアルゴリズム122は、乱れが詰まりによって生じさせられた間隔42であるか又は間違った向きの一次包装手段40、41、44であるか、を決定するように用いられ得る。さらに、一次包装手段が図面の平面における右方向に搬送されるとき、ある例示的な実施形態では、
図2中の丸でマークされた乱れは、他の乱れよりも高い優先順位値を割り当てられる。というのも、間違った向きの一次包装手段41は、他の間違った向きの一次包装手段40、41、44よりも早く後続の処理ステップに供給されるので、修正が優先されるからである。もっとも、他の優先順位付けもまた考えられる。例えば、ある実施形態では、一次包装手段43が詰まっているという理由により、間隔42が、欠陥のある向きの一次包装手段40よりも高い優先順位値を割り当てられる。
【0063】
図3は、ネスト30を備える、輸送、送入及び/又は送出領域3を概略的に示しており、一次包装手段4がネスト30から取り出され、かつ一次包装手段4がネスト30へと配置される。一次包装手段4は、マトリックス内で整然とした形で提供又は堆積される。
図3に示された一次包装手段4はシリンジであり、他の実施形態においては、他の一次包装手段4がネストの形態で提供されるか、又は堆積される。
図3に示された状況の場合、2つの乱れが存在し、それら乱れの各々は、上に重なった一次包装手段45である。
【0064】
上に重なった一次包装手段45による乱れは、各場合で、演算ユニット12(
図1を参照)によって、AIモデル120及びルールベースのアルゴリズム122を用いて検出され、さらに、ある実施形態では、ルールベースのアルゴリズム122を用いてクラス分類及び優先順位付けされる。AIモデルによって一次包装手段に割り当てられたクラスに基づき、ある実施形態では、この場合、ルールベースのアルゴリズム122を用いて、例えば一次包装手段の欠落による乱れ、又は上に重なった一次包装手段による乱れが発生しているか否かを検出することができる。ある実施形態では、この場合、動作状態を考慮に入れることができる、即ち、アルゴリズム122は、ネスト30内の処理ワークフローに関連した空所と乱れに関連した空所を区別することができる。
【0065】
図4は、空間的に区切られたトレイ60を備えた、輸送、送入及び/又は送出領域6を概略的に示している。図示されている例示的な実施形態では、一次包装手段4が、トレイ60上に整然としていない形で提供又は堆積されている。
図4に示された一次包装手段4は、バイアルの形態の容器であり、他の実施形態では、他の一次包装手段4がトレイ60上に提供されるか、又は堆積される。
図4に示された状況の場合、3つの乱れが存在し、そのうち2つは、倒れた、即ち間違った方向を向いた一次包装手段41であり、さらなる1つは上に重なった一次包装手段45である。
【0066】
乱れは演算ユニット12(
図1を参照)によって、AIモデル120及びルールベースのアルゴリズム122を用いて検出される。加えて、ある実施形態では、さらに、ルールベースのアルゴリズム122を用いて、クラス分類及び優先順位付けされる。
【0067】
図2~4に示された乱れは、ただ例示目的のためのみである。当業者にとっては明らかなように、輸送、送入及び/又は送出領域2、3、6の実施形態に応じて、さらなる乱れ及び/又は他の乱れが発生し得るのであり、かつ/又はそれらに図視されたよりも少ない乱れ又はより多くの乱れが、一度に起こる場合もある。
【0068】
図5は、充填/及び又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備を監視するための装置1を概略的に示しており、装置1は、輸送、送入及び/又は送出領域2を備え、カメラシステム10及び演算ユニット12を用い、さらに、決定された乱れの自動処理のためにマニピュレータ14を用いる。
【0069】
カメラシステム10は、輸送、送入及び/又は送出領域2の単一の画像又は一連の画像を撮影するように構成されている。図示されている例示的な実施形態では、カメラシステム10の光学軸100は、垂直軸Iに対して傾いており、カメラシステム10は、矢印で概略的に示されているように上方から輸送、送入及び/又は送出領域2に対する一次供給空気5が、カメラシステム10によって乱されることがないように、輸送、送入及び/又は送出領域2の上方で、輸送、送入及び/又は送出領域2からずらされて配置されている。
【0070】
演算ユニット12は、カメラシステムによって撮影された画像に基づき、AIモデル120を用いて、さらにルールベースのアルゴリズム122を用いて、乱れを検出するように構成されている。ある実施形態では、検出された乱れをルールベースのアルゴリズム122を用いてクラス分類することが、即ち、検出された乱れをクラスに割り当て、優先順位付けすることが、即ち、決定された乱れに優先順位値を割り当てることが、さらに提供される。
【0071】
また、演算ユニット12は、乱れの位置を決定するように、即ち、輸送、送入及び/又は送出領域2内の決定された乱れの位置を特定するように、構成されてもいる。この目的のため、図示されている例示的な実施形態では、座標変換124に基づき、カメラシステム10の画像平面上で検出される乱れの位置、及び、乱れを処理するために操作されるべき物体の、特に一次包装手段の、寸法及び向きが、適切な計算モデル126を用いて、マニピュレータ14及び/又はオペレータの座標系に変換される。
【0072】
ある実施形態では、乱れの位置の変換されたデータ、ならびに、当の一次包装手段に関連した、その寸法及び/又は向き等のデータ、さらに、-利用可能であれば-検出された乱れのクラス分類及び/又は優先順位付けが、機械コントローラ140に伝達される。図示されている例示的な実施形態では、機械コントローラ140は、演算ユニット16と通信しており、該演算ユニット16は、乱れを処理するマニピュレータ14の運動のための経路を、演算ユニット12によって決定されたデータに基づき、かつ干渉輪郭160を考慮して、計画する。図示されている例示的な実施形態では、演算ユニット16は、監視システムの演算ユニット12とは別個に形成されている。他の実施形態では、演算ユニット12、16は一緒に形成されている。
【0073】
ある実施形態では、決定された乱れを衝突なく処理するためにマニピュレータ14が運動させられる経路は、一次包装手段に対する一次供給空気5、ならびに/又は、当該一次包装手段に接触している充填/閉鎖設備ならびに/又は後処理設備の構成要素に影響を与えるマニピュレータ14の運動経路が最小化されるように、計画される。
【0074】
ある実施形態では、上記の経路は、製薬業界のコンプライアンスに最適化されたアルゴリズムを用いて計画される。その際、製薬業界のコンプライアンスのための判断基準は、特に以下を含む群から選択される。即ち、該群は、マニピュレータが一次包装手段の上方に配置されている時間を最小化することと、マニピュレータが一次包装手段と接触している充填/閉鎖設備ならびに/又は後処理設備の構成要素の上方に配置されている時間を最小化することと、運動及び/又は速度プロファイルの流れを最適化すること、マニピュレータの軸の回転を最小化することと、一次包装手段ならびに/又は一次包装手段と接触している充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理施設の構成要素の上方におけるマニピュレータの処理システムの運動を最小化することであり、特に一次包装手段の上方でのグリッパの運動を最小化することと、一次供給空気の衝突面を最小化することと、を含む。
【0075】
この場合、個々の判断基準は、用途に応じて重み付けされるか、又はさらなる判断基準が追加される。
【0076】
図示されている例示的な実施形態では、モニタ18も存在する。図示されている例示的な実施形態では、設けられたモニタ18は、装置1の一部であるか、又は、データ交換のために装置1と通信している。ある実施形態では、シミュレーション環境において計画された経路がモニタ18上に視覚化され得ることが提供される。換言すれば、モニタ18は、マニピュレータ14及びその実環境のデジタルツインを表示する。ある実施形態では、インタラクティブな修正及び/又は承認のために、計画された経路が、マニピュレータ14の運動が実行される前にここでモニタ18上に視覚化される。計画された経路の修正のために、ある実施形態では、オペレータが個々の経路ポイントを変更できることが提供され、この目的のために、ある実施形態では、タッチ反応モニタ18が設けられている。代替的又は追加的には、ある実施形態では、修正のために、演算ユニット16を用いて経路計画を再度行うことが、判断基準又はその重み付けを変更することなく、オペレータによって引き起こされ得る。他の実施形態では、オペレータが、任意で、判断基準及び/又は重み付けの変更によって経路計画を再度行うことが可能である。さらなる他の実施形態では、計画された経路の承認のためにオペレータとの相互作用は不要である。ある実施形態では、計画された経路の品質の評価が実施され、評価において、定義された閾値を超えた場合には、オペレータとの相互作用は不要である。ある実施形態では、値が閾値を下回った場合には、経路計画は最初から自動的に再度行われ、値が再び閾値を下回った場合にのみ、オペレータとの相互作用が必要となる。代替的又は追加的には、マニピュレータの実際の運動はモニタ上のシミュレーション環境内で視覚化される。
【0077】
図示されている例示的な実施形態では、手動操作可能な制御ユニット142もまた提供される。ここで、マニピュレータ14は、乱れを処理するために、オペレータによってコントローラ142によって運動させられることができる。
【0078】
ある実施形態では、マニピュレータ14が自律的又はコントローラ142を用いて運動させられた経路は、電子的に、特にメモリユニット13内に、記録される。マニピュレータ14、該マニピュレータを用いて移動させられた一次包装手段、又はそれに類するものの移動経路、移動原因に関連して記録されるデータは、この場合、用途に応じて、当業者によって適切に指定され得る。ある実施形態では、マニピュレータが一次供給空気5中で運動させされた時間及び/又は覆った範囲が記録される。ある実施形態では、記録されたデータは、モニタ18上で視覚化された運動のビデオファイルを、即ち、デジタルツインのビデオファイルを含む。このビデオファイルにより、オペレータは、実行された運動を容易に評価できる。
【0079】
図示されている例示的な実施形態は、単なる例であり、輸送、送入及び/又は送出領域2、3、6の画像に基づき、輸送、送入及び/又は送出領域2、3、6内の乱れを検出するように学習させられたAIモデル120を用いて、輸送、送入及び/又は送出領域2、3、6内に乱れが存在するか否かが決定される、多くの変形例が考えられる。
【0080】
充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備がアイソレータハウジングを有する場合には、ある実施形態では、この場合、画像は、アイソレータハウジング内に配置されたカメラシステムを用いて撮影される。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
図示されている乱れは、間違った向きの一次包装手段40、41、44及び間隔42であり、間隔42は、例えば、一次包装手段43が軌道20の動きを詰まらせることによって生じさせられる。詳細には、(図面の平面上で見て)最も上の軌道20に示されているのは、180度回転しているか又は上下さかさまに供給された一次包装手段40、及び経路方向に傾いている一次包装手段41である。間隔42は、上から2番目の軌道21に示されている。中央の軌道22に示されているのは、経路方向に倒れた一次包装手段41、及び経路方向に対して横方向を向いた一次包装手段44である。経路方向に対して横方向を向いた一次包装手段44は、下から2番目の軌道23においても同様に示されている。最も下の軌道24は、完全に正しく充填されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
存在している一次包装手段4、40
、41、43、44は、AIモデル120を用いて演算ユニット12(
図1を参照)によって検出され、クラスに割り当てられる。その結果は、さらなる処理に適した形式で出力され得る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備がアイソレータハウジングを有する場合には、ある実施形態では、この場合、画像は、アイソレータハウジング内に配置されたカメラシステムを用いて撮影される。
また、本開示は、以下の態様を含む。
〔態様1〕
特に製薬産業のための、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備を監視するための方法であって、前記充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備の輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)の画像が、カメラシステム(10)を用いて撮影され、かつ、前記画像に基づいて、人工知能モデル(AIモデル)(120)であって、前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)内の一次包装手段を検出するように、かつ検出された一次包装手段をクラス分類するように学習させられたAIモデル(120)を用いて、どの画像位置に一次包装手段が存在しているかが決定され、かつ検出された一次包装手段がクラスに割り当てられる、方法。
〔態様2〕
一次包装手段(4)が、そのタイプに基づいてクラス分類され、かつ/又は、あるタイプの一次包装手段(4)は、その向きに基づいてクラス分類される、ことを特徴とする、態様1に記載の方法。
〔態様3〕
前記AIモデル(120)の出力は、乱れを決定する目的のためのルールベースのアルゴリズム(122)を用いて評価され、かつ、好ましくは、決定された乱れは、クラス分類及び/又は優先順位付けされ、特に、前記決定された乱れがどのように処理されるかが、前記クラス分類に基づいて指定され、かつ/又は優先順位付けに基づいて、前記決定された乱れが処理されるか否かが、-処理されるという場合にはさらに-いつ処理されるかが、指定される、ことを特徴とする、態様1又は2に記載の方法。
〔態様4〕
前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)内の決定された乱れの位置が特定される、ことを特徴とする、態様3に記載の方法。
〔態様5〕
輸送、送入及び/又は送出領域(2)が輸送手段及び/又はソート手段を有しており、かつ/又は一次包装手段(4)がマトリックス内で整然としていない形か又は整然とした形で提供又は堆積される、輸送、送入及び/又は送出領域(2)が、監視される、ことを特徴とする、態様1から4のいずれか1つに記載の方法。
〔態様6〕
前記カメラシステム(10)は、前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)の上方で、前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)に対する一次供給空気が前記カメラシステム(10)によって乱されることがないように、前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)からずらされて配置されており、前記カメラシステム(10)の光学軸(100)が、垂直軸(I)に対して傾いている、ことを特徴とする、態様1から5のいずれか1つに記載の方法。
〔態様7〕
決定された乱れは、マニピュレータ(14)を用いて処理され、前記マニピュレータ(14)は、前記決定された乱れを処理する目的のために、機械コントローラ(140)によって、分散型マニピュレータコントローラによって、かつ/又は手動操作可能なコントローラによって、運動させられることができる、ことを特徴とする、態様1から6のいずれか1つに記載の方法。
〔態様8〕
特に製薬産業のための、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備を監視するための装置であって、前記装置は、前記充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備の輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)の画像を撮影するように構成されたカメラシステム(10)と、前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)内の一次包装手段を検出するように、かつ検出された一次包装手段(4、40、41、44、45)をクラス分類するように学習させられた人工知能モデル(AIモデル)(120)を備える演算ユニット(12)と、を備え、前記演算ユニット(12)は、前記画像に基づいて、前記AIモデル(120)を用いて、どの画像位置に一次包装手段(4、40、41、44、45)が存在しているかを決定し、かつ検出された一次包装手段(4、40、41、44、45)をクラスに割り当てるように構成されている、装置。
〔態様9〕
前記AIモデル(120)は、一次包装手段(4、40、41、44、45)をそのタイプに基づいてクラス分類し、かつ/又は、あるタイプの一次包装手段(4)をその向きに基づいてクラス分類するように学習させられていることを特徴とする、態様8に記載の装置。
〔態様10〕
前記演算ユニット(12)は、乱れを決定する目的のためのルールベースのアルゴリズム(122)を用いて前記AIモデル(120)の出力を評価するように、かつ、好ましくは、決定された乱れを前記ルールベースのアルゴリズム(122)を用いてクラス分類及び/又は優先順位付けするように構成され、特に、前記演算ユニット(12)は、クラス分類に基づいて、前記決定された乱れがどのように処理されるかを指定し、かつ/又は、優先順位付けに基づいて、前記決定された乱れが処理されるか否かを、処理されるという場合にはさらに、いつ処理されるかを指定する、ように構成されている、ことを特徴とする、態様8又は9に記載の装置。
〔態様11〕
前記カメラシステム(10)の光学軸(100)は、垂直軸(I)に対して傾いており、前記カメラシステム(10)は、前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3)に対する一次供給空気が乱されることがないように、前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3)の上方で、監視されている前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3)からずらされて配置されている、ことを特徴とする、態様8、9、又は10に記載の装置。
〔態様12〕
マニピュレータ(14)が提供され、前記マニピュレータ(14)は、決定された乱れを、中央機械コントローラ(140)、分散型マニピュレータコントローラ、及び/又は手動操作可能なコントローラ(142)によって処理するように構成されている、ことを特徴とする、態様8から11のいずれか1つに記載の装置。
〔態様13〕
輸送、送入及び/又は送出領域と、態様8から12に記載の装置と、を備える、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備であって、前記充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備は、特に、その内部に前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)が配置されるアイソレータハウジングを備える、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備。
〔態様14〕
命令を備えたコンピュータプログラムであって、前記命令は、前記プログラムが演算ユニット(12)によって実行されたときに、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備の輸送、送入及び/又は送出領域(2、3)の画像に基づいて、前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)内の一次包装手段を検出するように、かつ検出された一次包装手段をクラス分類するように学習させられた人工知能モデル(AIモデル)(120)を用いて、どの画像位置に一次包装手段(4、40、41、44、45)が存在しているかの決定を行い、かつ検出された一次包装手段(4、40、41、44、45)のクラスへの割り当てを行う、命令である、コンピュータプログラム。
〔態様15〕
前記コンピュータプログラムは、命令であって、前記プログラムが前記演算ユニット(12)によって実行されたときに、前記AIモデルの出力に基づき、ルールベースのアルゴリズム(122)を用いて、乱れが存在しているか否かの決定を行う、命令を備える、態様14に記載のコンピュータプログラム。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に製薬産業のための、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備を監視するための方法であって、前記充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備の輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)の画像が、カメラシステム(10)を用いて撮影され、かつ、前記画像に基づいて、人工知能モデル(AIモデル)(120)であって、前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)内の一次包装手段を検出するように、かつ検出された一次包装手段をクラス分類するように学習させられたAIモデル(120)を用いて、どの画像位置に一次包装手段が存在しているかが決定され、かつ検出された一次包装手段がクラスに割り当てられる、方法。
【請求項2】
一次包装手段(4)が、そのタイプに基づいてクラス分類され、かつ/又は、あるタイプの一次包装手段(4)は、その向きに基づいてクラス分類される、ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記AIモデル(120)の出力は、乱れを決定する目的のためのルールベースのアルゴリズム(122)を用いて評価され、かつ、好ましくは、決定された乱れは、クラス分類及び/又は優先順位付けされ、特に、前記決定された乱れがどのように処理されるかが、前記クラス分類に基づいて指定され、かつ/又は優先順位付けに基づいて、前記決定された乱れが処理されるか否かが、-処理されるという場合にはさらに-いつ処理されるかが、指定される、ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)内の
前記決定された乱れの位置が特定される、ことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
監視されている前記輸送、送入及び/又は送出領域(2)が輸送手段及び/又はソート手段を有しており、かつ/又は
監視されている前記輸送、送入及び/又は送出領域(2)にある一次包装手段(4)がマトリックス内で整然としていない形か又は整然とした形で提供又は堆積される、ことを特徴とする、請求項
1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記カメラシステム(10)は、前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)の上方で、前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)に対する一次供給空気が前記カメラシステム(10)によって乱されることがないように、前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)からずらされて配置されており、前記カメラシステム(10)の光学軸(100)が、垂直軸(I)に対して傾いている、ことを特徴とする、請求項
1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記決定された乱れは、マニピュレータ(14)を用いて処理され、前記マニピュレータ(14)は、前記決定された乱れを処理する目的のために、機械コントローラ(140)によって、分散型マニピュレータコントローラによって、かつ/又は手動操作可能なコントローラによって、運動させられることができる、ことを特徴とする、請求項
3に記載の方法。
【請求項8】
特に製薬産業のための、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備を監視するための装置であって、前記装置は、前記充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備の輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)の画像を撮影するように構成されたカメラシステム(10)と、前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)内の一次包装手段を検出するように、かつ検出された一次包装手段(4、40、41、44、45)をクラス分類するように学習させられた人工知能モデル(AIモデル)(120)を備える演算ユニット(12)と、を備え、前記演算ユニット(12)は、前記画像に基づいて、前記AIモデル(120)を用いて、どの画像位置に一次包装手段(4、40、41、44、45)が存在しているかを決定し、かつ検出された一次包装手段(4、40、41、44、45)をクラスに割り当てるように構成されている、装置。
【請求項9】
前記AIモデル(120)は、一次包装手段(4、40、41、44、45)をそのタイプに基づいてクラス分類し、かつ/又は、あるタイプの一次包装手段(4)をその向きに基づいてクラス分類するように学習させられていることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記演算ユニット(12)は、乱れを決定する目的のためのルールベースのアルゴリズム(122)を用いて前記AIモデル(120)の出力を評価するように、かつ、好ましくは、決定された乱れを前記ルールベースのアルゴリズム(122)を用いてクラス分類及び/又は優先順位付けするように構成され、特に、前記演算ユニット(12)は、クラス分類に基づいて、前記決定された乱れがどのように処理されるかを指定し、かつ/又は、優先順位付けに基づいて、前記決定された乱れが処理されるか否かを、処理されるという場合にはさらに、いつ処理されるかを指定する、ように構成されている、ことを特徴とする、請求項
8に記載の装置。
【請求項11】
前記カメラシステム(10)の光学軸(100)は、垂直軸(I)に対して傾いており、前記カメラシステム(10)は、前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3)に対する一次供給空気が乱されることがないように、前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3)の上方で、監視されている前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3)からずらされて配置されている、ことを特徴とする、請求項
8に記載の装置。
【請求項12】
マニピュレータ(14)が提供され、前記マニピュレータ(14)は、
前記決定された乱れを、中央機械コントローラ(140)、分散型マニピュレータコントローラ、及び/又は手動操作可能なコントローラ(142)によって処理するように構成されている、ことを特徴とする、請求項
10に記載の装置。
【請求項13】
輸送、送入及び/又は送出領域と、請求項8から12
のいずれか一項に記載の装置と、を備える、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備であって、前記充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備は、特に、その内部に前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)が配置されるアイソレータハウジングを備える、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備。
【請求項14】
命令を備えたコンピュータプログラムであって、前記命令は、前記
コンピュータプログラムが演算ユニット(12)によって実行されたときに、充填及び/又は閉鎖設備ならびに/又は後処理設備の輸送、送入及び/又は送出領域(2、3)の画像に基づいて、前記輸送、送入及び/又は送出領域(2、3、6)内の一次包装手段を検出するように、かつ検出された一次包装手段をクラス分類するように学習させられた人工知能モデル(AIモデル)(120)を用いて、どの画像位置に一次包装手段(4、40、41、44、45)が存在しているかの決定を行い、かつ検出された一次包装手段(4、40、41、44、45)のクラスへの割り当てを行う、命令である、コンピュータプログラム。
【請求項15】
前記コンピュータプログラムは、命令であって、前記
コンピュータプログラムが前記演算ユニット(12)によって実行されたときに、前記AIモデルの出力に基づき、ルールベースのアルゴリズム(122)を用いて、乱れが存在しているか否かの決定を行う、命令を備える、請求項14に記載のコンピュータプログラム。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】