(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-01
(54)【発明の名称】低血糖症リスクを特定および予測するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G16H 50/30 20180101AFI20240924BHJP
【FI】
G16H50/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501642
(86)(22)【出願日】2022-03-21
(85)【翻訳文提出日】2023-11-16
(86)【国際出願番号】 US2022021162
(87)【国際公開番号】W WO2022198128
(87)【国際公開日】2022-09-22
(32)【優先日】2021-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523357717
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ バージニア
(71)【出願人】
【識別番号】523356374
【氏名又は名称】ニホン コーデン デジタル ヘルス ソリューションズ
(71)【出願人】
【識別番号】523356385
【氏名又は名称】ムーアマン ジェイ ランダル
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】ホートン ウィリアム ビー
(72)【発明者】
【氏名】ムーアマン ジェイ ランダル
(72)【発明者】
【氏名】クラーク マシュー ティー
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
予測モデルを介して低血糖症リスクを予測するためのシステムおよび方法に関する。この方法は、第1のセットの患者データを受け取ることと、低血糖症に関連付けられた第1のセットの患者データの特徴を特定するために、データ処理を適用することと、将来の低血糖症に関連付けられるリスクスコアを出力する多変数モデルを生成するために、特徴に多変数モデリングを適用することとを含み、多変数モデルは、差し迫った低血糖症の病態生理学的徴候を捉える。この方法は、第2のセットの患者データを受け取ることと、第2のセットの患者データの特徴を特定するためにデータ処理を適用すること、第2のセットの患者データのリスクスコアを生成するために多変数モデルを適用することとを含む。この方法は、適切な臨床判断支援を決定するために、第2のセットの患者データのリスクスコアを分析することと、デバイスによるアクセスのための結果を出力することとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低血糖症リスクを予測するためのシステムであって、
命令を含むプロセッサを備え、前記命令は、前記プロセッサに対して、
第1のセットの患者データを受け取ることと、
低血糖症に関連付けられた前記第1のセットの患者データの特徴を特定するためにデータ処理を適用することと、
将来の低血糖症に関連付けられるリスクスコアを出力する多変数モデルを生成するために、多変数モデリングを前記特徴に適用することであって、前記多変数モデルは、差し迫った低血糖症の病態生理学的徴候を捉える、多変数モデリングを前記特徴に適用することと、
第2のセットの患者データを受け取り、前記第2のセットの患者データの特徴を特定するためにデータ処理を適用し、前記第2のセットの患者データのリスクスコアを生成するために前記多変数モデルを適用することと、
適切な臨床判断支援を決定するために、前記第2のセットの患者データの前記リスクスコアを分析することと、
デバイスによるアクセスのための結果を出力することとを実行させ、
前記第1のセットの患者データおよび/または前記第2のセットの患者データのうちの少なくとも1つまたは複数は、心肺モニタリング(CRM)データソース、電子医療記録(EMR)バイタルサインデータソース、および/または、生化学実験室(LAB)データソースのうちの少なくとも1つまたは複数からの生理学的測定値を表す、システム。
【請求項2】
前記第1のセットの患者データおよび/または前記第2のセットの患者データのうちの少なくとも1つまたは複数は、生化学的測定値を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記生理学的測定値は、心拍数および/または呼吸数に関連する波形データを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記多変数モデリングは、ロジスティック回帰、無作為フォレスト、xgboost、サポートベクターマシン、最近傍法、人工ニューラルネットワーク、および/または、長短期メモリ(LSTM)のうちの少なくとも1つまたは複数を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサは、特徴の低血糖症との関連性を表す特徴重要度尺度を特定するために、前記第1のセットの患者データの前記特徴、および/または、前記第2のセットの患者データの前記特徴のうちの少なくとも1つまたは複数を分析するように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
血糖状態モニタリングデバイス、糖管理システム、および/または、インスリン推奨システムのうちの少なくとも1つまたは複数と組み合わされた前記プロセッサを備え、
前記プロセッサは、前記リスクスコアの分析に基づいて、前記血糖状態モニタリングデバイス、前記糖管理システム、および/または、前記インスリン推奨システムに、低血糖症リスクについて通知するための信号を生成するように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記リスクスコアの前記分析に基づいて、低血糖症のリスク、低血糖症のリスクの変化、患者の糖レベルのチェック、インスリン投与量の変更、基礎インスリンの変更、基礎インスリン速度の変更、インスリン注入速度の変更、および/または、患者の栄養投与の変更のうちの少なくとも1つまたは複数を推奨する通知通信を含む前記信号を生成するように構成された、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記プロセッサは、グルコースクランプとしてインスリン注入速度の変更を推奨する前記通知通信を生成するように構成され、血糖は、血糖を上限レベルおよび/または下限レベルに拘束するような範囲内に維持される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
インスリン送達デバイスと組み合わされた前記プロセッサを備え、
前記プロセッサは、前記リスクスコアの前記分析に基づいて、低血糖症リスクについて前記インスリン送達デバイスに通知するための信号を生成するように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記プロセッサは、リスクの前記分析に基づいて、低血糖症のリスク、低血糖症のリスクの変化、患者の糖レベルのチェック、インスリン投与量の変更、基礎インスリンの変更、基礎インスリン速度の変更、インスリン注入速度の変更、および/または、患者の栄養投与の変更のうちの少なくとも1つまたは複数を要求するコマンド信号を含む前記信号を生成するように構成された、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記プロセッサは、グルコースクランプとしてインスリン注入速度の変更を要求する前記コマンド信号を生成するように構成され、血糖は、血糖を上限レベルおよび/または下限レベルに拘束するような範囲内に維持される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
データストアと組み合わされた前記プロセッサを備え、
前記データストアは、複数の多変数モデルを含むように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記プロセッサは、第1のセットの患者データのタイプおよび/または第2のセットの患者データのタイプのうちの少なくとも1つまたは複数に基づいて、前記複数の多変数モデルから、実施のための前記多変数モデルを選択するように構成された、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記プロセッサは、第1のセットの患者データのタイプおよび/または第2のセットの患者データのタイプのうちの少なくとも1つまたは複数に基づいて、実施のために第1の多変数モデルから第2の多変数モデルに切り替えるように構成された、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数の多変数モデルは、
CRMデータモデル、
EMRバイタルサインデータモデル、
LABデータモデル、
CRM/EMRバイタルサインデータモデル、
CRM/LABデータモデル、
EMRバイタルサイン/LABデータモデル、および/または、
CRM/EMRバイアルサイン/LABデータモデル
のうちの少なくとも1つまたは複数を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記プロセッサは、第1のセットの患者データのタイプおよび/または第2のセットの患者データのタイプのうちの少なくとも1つまたは複数に基づいて、前記多変数モデルを更新するように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
低血糖症リスクを予測するための方法であって、
第1のセットの患者データを受け取ることと、
低血糖症に関連付けられた前記第1のセットの患者データの特徴を特定するためにデータ処理を適用することと、
将来の低血糖症に関連付けられるリスクスコアを出力する多変数モデルを生成するために、前記特徴に多変数モデリングを適用することであって、前記多変数モデルは、差し迫った低血糖症の病態生理学的徴候を捉える、前記特徴に多変数モデリングを適用することと、
第2のセットの患者データを受け取り、前記第2のセットの患者データの特徴を特定するためにデータ処理を適用し、前記第2のセットの患者データのリスクスコアを生成するために、前記多変数モデルを適用することと、
適切な臨床判断支援を決定するために、前記第2のセットの患者データの前記リスクスコアを分析することと、
デバイスによるアクセスのための結果を出力することとを備え、
前記第1のセットの患者データおよび/または前記第2のセットの患者データのうちの少なくとも1つまたは複数は、心肺モニタリング(CRM)データソース、電子医療記録(EMR)バイタルサインデータソース、および/または、生化学実験室(LAB)データソースのうちの少なくとも1つまたは複数からの生理学的測定値を表す、方法。
【請求項18】
前記多変数モデリングは、ロジスティック回帰、無作為フォレスト、xgboost、サポートベクターマシン、最近傍法、人工ニューラルネットワーク、および/または、長短期メモリ(LSTM)のうちの少なくとも1つまたは複数を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
格納された命令を有するコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに対して、
第1のセットの患者データを受け取ることと、
低血糖症に関連付けられた前記第1のセットの患者データの特徴を特定するためにデータ処理を適用することと、
将来の低血糖症に関連付けられるリスクスコアを出力する多変数モデルを生成するために、前記特徴に多変数モデリングを適用することであって、前記多変数モデルは、差し迫った低血糖症の病態生理学的徴候を捉える、前記特徴に多変数モデリングを適用することと、
第2のセットの患者データを受け取り、前記第2のセットの患者データの特徴を特定するためにデータ処理を適用し、前記第2のセットの患者データのリスクスコアを生成するために、前記多変数モデルを適用することと、
適切な臨床判断支援を決定するために、前記第2のセットの患者データの前記リスクスコアを分析することと、
デバイスによるアクセスのための結果を出力することとによって、低血糖症リスクを予測させ、
前記第1のセットの患者データおよび/または前記第2のセットの患者データのうちの少なくとも1つまたは複数は、心肺モニタリング(CRM)データソース、電子医療記録(EMR)バイタルサインデータソース、および/または、生化学実験室(LAB)データソースのうちの少なくとも1つまたは複数からの生理学的測定値を表す、コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記多変数モデリングは、ロジスティック回帰、無作為フォレスト、xgboost、サポートベクターマシン、最近傍法、人工ニューラルネットワーク、および/または、長短期メモリ(LSTM)のうちの少なくとも1つまたは複数を含む、請求項20に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2021年3月19日に出願された米国仮出願第63/163,480号に関連し、その優先権の利益を主張し、その内容全体が参照により組み込まれる。
【0002】
実施形態は、容易に入手可能な生理学的データおよび生化学的データから、多変数分析を介して低血糖症の徴候を記述することによって、低血糖症リスクをリアルタイムで特定および予測するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
低血糖症のリスクを評価する方法およびシステムは存在するが、低血糖症の臨床病態生理の包括的かつ定量的な予測モデルを提供する血行力学および電気生理学的ベッドサイドモニタリングデータを組み込んだものはない。
【発明の概要】
【0004】
例示的な実施形態は、低血糖症リスクを予測するためのシステムに関する。このシステムは、プロセッサに第1のセットの患者データを受け取らせるための命令を備えたプロセッサを有する。この命令により、プロセッサは、低血糖症に関連付けられた第1のセットの患者データの特徴を特定するためにデータ処理を適用する。この命令により、プロセッサは、将来の低血糖症に関連付けられるリスクスコアを出力する多変数モデルを生成するために多変数モデリングを特徴に適用し、多変数モデルは、差し迫った低血糖症の病態生理学的徴候を捉える。この命令により、プロセッサは、第2のセットの患者データを受け取り、第2のセットの患者データの特徴を特定するためにデータ処理を適用し、第2のセットの患者データのリスクスコアを生成するために多変数モデルを適用する。この命令により、プロセッサは、適切な臨床判断支援を決定するために、第2のセットの患者データのリスクスコアを分析する。この命令により、プロセッサは、デバイスによるアクセスのための結果を出力する。第1のセットの患者データおよび/または第2のセットの患者データのうちの少なくとも1つまたは複数は、心肺モニタリング(CRM)データソース、電子医療記録(EMR)バイタルサインデータソース、および/または、生化学実験室(LAB)データソースのうちの少なくとも1つまたは複数からの生理学的測定値を表す。
【0005】
例示的な実施形態は、低血糖症リスクを予測するための方法に関する。この方法は、第1のセットの患者データを受け取ることを含む。この方法は、低血糖症に関連付けられた第1のセットの患者データの特徴を特定するためにデータ処理を適用することを含む。この方法は、将来の低血糖症に関連付けられるリスクスコアを出力する多変数モデルを生成するために多変数モデリングを特徴に適用する。多変数モデルは、差し迫った低血糖症の病態生理学的徴候を捉える。この方法は、第2のセットの患者データを受け取り、第2のセットの患者データの特徴を特定するためにデータ処理を適用し、第2のセットの患者データのリスクスコアを生成するために多変数モデルを適用することを含む。この方法は、適切な臨床判断支援を決定するために、第2のセットの患者データのリスクスコアを分析することを含む。この方法は、デバイスによるアクセスのための結果を出力することを含む。第1のセットの患者データおよび/または第2のセットの患者データのうちの少なくとも1つまたは複数は、心肺モニタリング(CRM)データソース、電子医療記録(EMR)バイタルサインデータソース、および/または、生化学実験室(LAB)データソースのうちの少なくとも1つまたは複数からの生理学的測定値を表す。
【0006】
例示的な実施形態は、プロセッサによって実行されると、第1のセットの患者データを受け取ることによって、プロセッサに対して、低血糖症リスクを予測させる命令が格納されたコンピュータ可読媒体に関する。プロセッサは、低血糖症に関連付けられた第1のセットの患者データの特徴を特定するためにデータ処理を適用することによって、低血糖症リスクを予測する。プロセッサは、将来の低血糖症に関連付けられるリスクスコアを出力する多変数モデルを生成するために多変数モデリングを特徴に適用することによって、低血糖症リスクを予測し、多変数モデルは、差し迫った低血糖症の病態生理学的徴候を捉える。プロセッサは、第2のセットの患者データを受け取り、第2のセットの患者データの特徴を特定するためにデータ処理を適用し、第2のセットの患者データのリスクスコアを生成するために多変数モデルを適用することによって、低血糖症リスクを予測する。プロセッサは、適切な臨床判断支援を決定するために、第2のセットの患者データのリスクスコアを分析することによって、低血糖症リスクを予測する。プロセッサは、デバイスによるアクセスのための結果を出力することによって、低血糖症リスクを予測する。第1のセットの患者データおよび/または第2のセットの患者データのうちの少なくとも1つまたは複数は、心肺モニタリング(CRM)データソース、電子医療記録(EMR)バイタルサインデータソース、および/または、生化学実験室(LAB)データソースのうちの少なくとも1つまたは複数からの生理学的測定値を表す。
【0007】
本開示の他の特徴および利点は、同様の要素が同様の数字で示されている添付の図面と併せて、以下の詳細な記述を読むことによって、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】方法の実施形態を実施するための例示的なシステムアーキテクチャを示す図である。
【
図2】予測モデルを構築するために使用され得る例示的なフロー図である。
【
図3】予測モデルを構築するために使用され得る例示的なフロー図である。
【
図4】システムの実施形態のための例示的なデータフロー図である。
【
図5】システムの実施形態のための例示的なデータフロー図である。
【
図6】システムの実施形態のための例示的なデータフロー図である。
【
図7】実施のために生成および選択できる例示的な予測モデルのデータテーブルを示す図である。
【
図8】61の測定された生理学的および生化学的変数の関数として、ICU低血糖症の一変数リスクを示すヒートマップ図である。
【
図9A】ICU低血糖症モデルのための交差検証されたAUROCを示す図である。
【
図9B】ICU低血糖症モデルのための交差検証されたAUROCを示す図である。
【
図10A】集約ICU低血糖症モデルについてプロットされた較正曲線を示す図である。
【
図10B】集約ICU低血糖症モデルについてプロットされた較正曲線を示す図である。
【
図11】本発明の実施形態の1つまたは複数の態様を実施できるマシンの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1~
図7を参照すると、実施形態は、低血糖症リスクを予測するためのシステム1000に関する。システム1000は、予測モデルを構築および実施するように構成されたプロセッサ1102を含む。プロセッサ1102は、本明細書に開示されるプロセッサ1102のいずれかであることもできる。プロセッサ1102は、マシン1100(ロジック、1つまたは複数の構成要素、回路(たとえば、モジュール)、または機構)の一部であるか、またはマシン1100と通信することができる。プロセッサ1102は、アルゴリズム、データ処理プログラムロジック、人工知能プログラミング、自動推論プログラミング等に具現化された命令の実行によって演算を実行するように構成された、ハードウェア(たとえば、プロセッサ、集積回路、中央処理装置、マイクロプロセッサ、コアプロセッサ、コンピュータデバイス等)、ファームウェア、ソフトウェア等であり得る。本明細書におけるプロセッサ1102の使用は、グラフィックス処理装置(GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、中央処理装置(CPU)等のいずれか1つまたは組合せを含むことに注目されたい。プロセッサ1102は、1つまたは複数の処理モジュールを含むことができる。処理モジュールは、本明細書に開示される方法ステップのいずれかを実施するように構成されたソフトウェアまたはファームウェアオペレーティングモジュールであり得る。処理モジュールは、ソフトウェアとして具現化でき、メモリに格納でき、メモリは、プロセッサ1102と動作可能に関連付けられる。処理モジュールは、Webアプリケーション、デスクトップアプリケーション、コンソールアプリケーション等として具現化できる。プロセッサ1102およびマシン1100の例示的な実施形態は、後で論じられる。
【0010】
プロセッサ1102は、コンピュータもしくは機械可読媒体1122を含むか、またはコンピュータもしくは機械可読媒体1122に関連付けられ得る。後でより詳細に論じられるように、コンピュータまたは機械可読媒体1122は、メモリを含むことができる。本明細書で論じられるメモリはいずれも、データを格納するように構成されたコンピュータ可読メモリであり得る。メモリは、揮発性または不揮発性、一時的または非一時的メモリを含むことができ、インメモリ、アクティブメモリ、クラウドメモリ等として具現化することができる。メモリの実施形態は、通信システムの他の構成要素を含むことができる、メモリとの間のデータの転送を可能にするプロセッサモジュールおよび他の回路構成を含むことができる。この転送は、ハードワイヤまたはワイヤレス送信を介して行うことができる。通信システムは、スイッチ、受信機、送信機、ルータ、ゲートウェイ、導波管等と組み合わせて使用できるトランシーバを含み、制御および調整された信号送信および処理のための通信アプローチまたはプロトコルを介した、通信システムの他の任意の構成要素または構成要素の組合せへの通信を容易にすることができる。送信は、通信リンクを介して行うことができる。通信リンクは、電子ベース、光学ベース、光電子ベース、量子ベース等とすることができる。
【0011】
コンピュータまたは機械可読媒体1122は、1つまたは複数の命令1124を格納するように構成することができる。命令1124は、プロセッサ1102に予測モデルを構築および実施させるアルゴリズム、プログラムロジック等の形態であり得る。
【0012】
プロセッサ1102は、他のデバイス1004(たとえば、血糖状態モニタリングデバイス、糖管理システム、インスリン推奨システム、インスリン送達デバイス等)の他のプロセッサと通信することができる。それらの他のデバイス1004のいずれも、本明細書に開示される例示的なプロセッサ1102のいずれかを含むことができる。プロセッサのいずれも、ワイヤレス信号の送受信を容易にするトランシーバまたは他の通信デバイス/回路構成を有することができる。どのプロセッサにも、2つのアプリケーションが相互に対話できるようにするソフトウェア仲介手段として、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)を含むことができる。APIの使用により、システム1000のプロセッサ1102のソフトウェアが、他のデバイス1004のプロセッサのソフトウェアとの通信を可能にすることができる。
【0013】
命令1124は、プロセッサ1102に対して、第1のセットの患者データを受け取らせる。第1のセットの患者データは、過去のデータ、現在のデータ、および/または、リアルタイムのデータとすることができる。第1のセットの患者データは、プロセッサ1102によって受け取られる。これは、継続的に、定期的に、または他の所定のスケジュールで行うことができる。第1のセットの患者データは、プロセッサ1102によってデータソース1006からプルでき、および/または、データソース1006からプロセッサ1102にプッシュできる。データソース1006は、第1のセットの患者データを測定するデバイス、または第1のセットの患者データを格納するデータストア(たとえば、データベース)であり得る。データソース1006は、心肺モニタリング(CRM)データソース、電子医療記録(EMR)バイタルサインデータソース、生化学実験室(LAB)データソース等であることができる。第1のセットの患者データは、生理学的測定値、病歴、看護評価、臨床介入、および/または、生化学的測定値を表すデータを含む。生理学的測定値は、たとえば、心拍数、血糖、血圧、呼吸数、体温、血液量、音圧、光電脈波計、脳波、心電図、血中酸素飽和度、皮膚コンダクタンス等を含むことができる。生理学的測定値は、心拍数、呼吸数、心電図検査、呼吸努力、呼吸ガス交換、身体インピーダンス、および/または、血圧に関連する波形データを含むことができる。看護評価は、患者の覚醒度、認知力、疼痛スケール等を含むことができる。病歴は、ベースラインで使用された薬剤、酸素補給の必要量、糖尿病の病歴、血液培養の結果等を含むことができる。臨床介入は、持続インスリン注入の投与量と速度、ライン、ドレン、気道、抗生物質等を含むことができる。生化学的測定値は、たとえば、血清タンパク質、血清微量栄養素レベル、血清脂質、免疫学的パラメータ、アルブミン、プレアルブミン、ヘモグロビン、総鉄結合能、マグネシウム、ビタミンレベル、微量元素、コレステロール、トリグリセリド、空腹時血糖、肝臓酵素レベル等を含むことができる。
【0014】
プロセッサ1102は、後の処理のために第1のセットの患者データを一時的メモリまたは永続メモリに格納することができるか、または、受け取り中に、患者データを処理することができる。たとえば、プロセッサ1102は、第1のセットの患者データを受け取り、第1のセットの患者データをストレージに集約することができる。集約は、データのタイプ、データが表す内容、データを受け取る時間、データが生成された時間等に基づくことができ、これらは、患者データのメタデータで具現化することができる。プロセッサ1102は、低血糖症に関連付けられた第1のセットの患者データの特徴を特定するためにデータ処理を実行することができる。特徴は、平均値、標準偏差、相互相関、エントロピ推定値、傾き、低血糖症状、あるいは、年齢、人種、体温、脈拍数等の符号化された患者特性等、第1のセットの患者データの変数または属性である。これは、高速後方消去、主成分分析、リッジ回帰、特徴集約等の特徴選択または次元削減手法を介して実施できる。分析は、各特徴の低血糖症との関連性を表す特徴重要度尺度(たとえば、相関係数、共分散係数、適合度、精度の平均低下、ジニ指数等)を特定することを含むことができる。プロセッサ1102は、その後、これら特定された特徴をメモリに格納する。
【0015】
プロセッサ1102は、将来の低血糖症に関連付けられるリスクスコアを出力する多変数モデルを生成するために、多変数モデリング技法を特徴に適用することができる。たとえば、多変数モデルは、差し迫った低血糖症の病態生理学的徴候を捉えるように構成されており、すなわち、どの特徴または特徴の組合せが、統計的に低血糖症のリスク増加に寄与しているかを判定し、それら特徴を、差し迫った低血糖症の確率を推定するリスクスコアにマッピングする。特徴の組合せまたは順列ごとに、リスクスコアが存在する可能性がある。リスクスコアは、個々のリスクスコアのいずれか1つ、または複数のリスクスコアの集約(合計、平均、加重平均、二乗平均平方根等)であり得る。リスクスコアは、低血糖症に陥る/低血糖症から抜け出すリスク、または低血糖症に向かう/低血糖症から遠ざかる傾向を示すことができる。リスクスコアは、たとえば0.0から1.0とすることができる。0.0は、低血糖症のリスクがほとんどまたはまったくないこと、または低血糖症に陥るリスクがほとんどまたはまったくないことを示すことができる。1.0は、低血糖症のリスクが高いこと、または低血糖症に陥るリスクが高いことを示すことができる。リスクスコアは、平均リスクに対する相対的なものになることができ、たとえば、1.0は、平均リスクを意味し、2.0は、平均リスクの2倍等を意味する。多変数モデルは、多変数分析のいずれか1つまたは組合せに基づくことができる。これらは、3次スプラインの有無に関係ないロジスティック回帰、無作為フォレスト、xgboost、サポートベクターマシン、最近傍法、人工ニューラルネットワーク、および/または、長短期メモリ(LSTM)、多変数分散分析(MANOVA)、多変数共分散分析(MANCOVA)、主成分分析(PCA)、正準相関分析、冗長性分析(RDA)、対応分析(CA)、正準対応分析(CCA)、多次元尺度法、判別分析、線形判別分析(LDA)、クラスタリングシステム、再帰的適応分割、ベクトル自己回帰、主応答曲線分析(PRC)等を含むことができる。たとえば、心拍数、呼吸数、および血中酸素飽和度の、平均、標準偏差、および相互相関は、3次スプラインを使用したロジスティックリッジ回帰モデルに適合でき、その出力は、次の8時間の低血糖症の確率である。
【0016】
命令1124は、プロセッサ1102に対して、第2のセットの患者データを受け取らせる。第2のセットの患者データは、第1のセットの患者データに類似しているが、後で受け取られる。第1のセットの患者データは、予測モデルを構築するために使用され、第2のセットの患者データは、予測モデルを使用して患者の低血糖症のリスクを評価するために使用される。第2のセットの患者データは、継続的に、定期的に、または他の所定のスケジュールで受け取ることができる。第2のセットの患者データは、プロセッサ1102によってデータソース1006からプルでき、および/または、データソース1006からプロセッサ1102にプッシュできる。データソース1006は、本明細書で論じられるデータソース1006のいずれであることもできる。第2のセットの患者データは、第1のセットの患者データについて上記で論じたようなデータタイプまたは測定値のいずれかを含むことができる。プロセッサ1102は、第1のセットの患者データについて上記で論じた任意の方式で、第2のセットの患者データを、格納、処理、集約等することができる。
【0017】
プロセッサ1102は、第2のセットの患者データの特徴を特定するためにデータ処理を適用することができる。これは、第1のセットの患者データについて本明細書で論じられた技法のいずれかを使用して行うことができる。
【0018】
プロセッサ1102は、第2のセットの患者データのリスクスコアを生成するために、第1のセットの患者データに基づく多変数モデルを、第2のセットの患者データの特徴に適用することができる。
【0019】
プロセッサ1102は、適切な臨床判断支援を決定するために、第2のセットの患者データのリスクスコアを分析することができる。プロセッサ1102は、結果をデバイス1002に出力することができる。たとえば、変化が必要ないという信号を生成するために、リスクスコア0.0を使用できる。リスクスコア0.5は、追加のデータの取得を要求する信号を生成する(たとえば、追加の患者データ、特定のタイプの患者データ等を要求する信号が生成される)ためにプロセッサ1102が使用することができ、予防措置または緩和措置が講じられるべき(たとえば、インスリン速度を変更する、振舞いを変更する等のための信号が生成される)であり、強化されたモニタリングが実行されるべき(たとえば、低血糖症のリスクが高まっており、追加のモニタリングを行う必要があることをユーザに通知するための信号が生成される)等である。1.0のリスクスコアは、警告信号や、インスリン速度または投与量を変更するためのインスリンデバイスへのコマンド信号等を生成するために、プロセッサ1102が使用することができる。他のしきい値を使用することもでき、0.0,0.5および1.0のしきい値は、単なる例示であると理解される。他のスケールを使用することもでき(たとえば、リスクスコアは、0から10,0から100等の範囲とすることができる)、代わりに、そのしきい値を、スコアの変化(たとえば、50%の増加)に適用できることも理解される。また、プロセッサ1102が、リスクスコアを経時的に格納し、リスクスコアの変化のプロットまたはトレンドラインを生成できることも理解される。これは、ユーザへの表示、適切な臨床判断支援の決定、および/または、介入の有効性の評価のために使用できる。
【0020】
システム1000は、プロセッサ1102を単独で(
図1において1000として示される)、またはプロセッサ1102を1つまたは複数のデバイス1002または他の構成要素と組み合わせて(
図1において1000’として示される)含むことができる。デバイス1002と組み合わされたプロセッサ1102は、デバイス1002の一部であるプロセッサ1102、プロセッサ1102の一部であるデバイス1002、デバイス1002と通信するプロセッサ1102等を含むことができる。「の一部である」とは、同じ基板または集積回路上にあることを含むことができる。デバイス1002は、血糖状態モニタリングデバイス、糖管理システム、インスリン推奨システム等であり得る。デバイス1002は、コンピュータデバイス、ラップトップ、セル電話、スマートフォン等として具現化することができる。プロセッサ1102は、リスクスコアの分析に基づいて、低血糖症リスクについてデバイス1002に通知するための信号を生成するように構成することができる。たとえば、プロセッサ1102は、リスクスコアの分析に基づいて、低血糖症のリスク、低血糖症のリスクの変化、患者の糖レベルのチェック、インスリン投与量の変更、基礎インスリンの変更、基礎インスリン速度の変更、インスリン注入速度の変更、および/または、患者の栄養投与の変更のうちの少なくとも1つまたは複数を推奨する、通知通信を含む信号を生成することができる。信号のタイプ、頻度(生成される頻度)、信号の数等は、設定されたしきい値、(リスクスコアに基づく)低血糖症のリスク、低血糖症のリスクの変化(一定期間にわたるリスクスコアの変化率)等に依存することができる。通知信号は、電子メール、ショートメッセージサービス(SMS)、テキストまたはグラフィック表示、ポケットベル等とすることができる。
【0021】
それに加えて、またはその代わりに、システム1000は、インスリン送達デバイスであるデバイス1002と組み合わされたプロセッサ1102であり得る。プロセッサ1102は、リスクスコアの分析に基づいて、低血糖症リスクについて、インスリン送達デバイスに通知するための信号を生成するように構成することができる。たとえば、プロセッサ1102は、リスクスコアの分析に基づいて、低血糖症のリスク、低血糖症のリスクの変化、患者の糖レベルのチェック、インスリン投与量の変更、基礎インスリンの変更、基礎インスリン速度の変更、インスリン注入速度の変更、および/または、患者の栄養投与の変更のうちの少なくとも1つまたは複数を要求するコマンド信号を含む信号を生成することができる。信号のタイプ、頻度(生成される頻度)、信号の数等は、設定されたしきい値および(リスクスコアに基づく)低血糖症のリスク、低血糖症のリスクの変化(一定期間にわたるリスクスコアの変化率)等に依存することができる。
【0022】
例示的な例として、プロセッサ1102のリスクスコア出力は、インスリンのような薬剤の注入速度を調整することによって、閉ループシステムにおいて有用であり得る。インスリン送達デバイス1002への入力として、血液または皮下糖レベルを使用することに加えて、低血糖症のリスクモデルの出力も、単独で、または糖レベルと組み合わせて使用することもできる。リスクモデルの追加情報(たとえば、心拍数および呼吸数や、心肺動態や、薬剤および投与量、最後の供給からの時間のような他の要因)は、糖レベルのみに大きさを加える。本開示によって認識できるように、リスクモデルは、差し迫った事象の発見のためにトレーニングされる。リスクモデルのこの予測特性は、糖レベルの、一瞬の、そして指刺し測定の場合には、稀なスナップショットに、情報を追加する。
【0023】
予測モデルは、将来の低血糖症のリスクを予測することに限定される必要はないことに注目されたい。たとえば、患者データ、データ処理、および多変数モデルは、他の生理学的状況(たとえば、差し迫った重度の低血圧)に関連するリスクスコアを出力する、予測モデルを生成するように構成することができる。したがって、プロセッサ1102は、この出力を使用して、高血圧緊急症の治療における血管拡張薬、低血圧性ショック症候群の治療における血管収縮薬の注入速度等を調整することができる。これによって、投薬率を調整するために血圧だけを使用することを補完することができ、リスクモデルが、心拍数と呼吸数、心肺動態等の他の要因を統合して、差し迫った悪化の予測を与えるため、場合によっては好ましくなる。
【0024】
プロセッサ1102は、血糖を上限レベルおよび/または下限レベルに拘束するような範囲内に血糖が維持される、グルコースクランプとして、インスリン注入速度の変更を推奨する通知通信信号を生成するように構成することができる。同様に、プロセッサ1102は、血糖を上限レベルおよび/または下限レベルに拘束するような範囲内に血糖が維持される、グルコースクランプとして、インスリン注入速度の変更を要求するコマンド信号を生成するように構成することができる。血糖の維持は、インスリン投与速度、食物摂取のタイプ、食物摂取の頻度、身体活動等によって行うことができる。通知通信信号またはコマンド信号は、これらアクションのいずれか1つまたは組合せを推奨または要求するように構成できる。クランプ設計を用いて、プロセッサ1102は、他のデバイス1002と閉ループシステム内にあり得、閉ループは、他のデバイス1002に、患者の生理学的状態を通知することができる。患者の生理学的状態に関する情報は、たとえば血糖を制御する閉ループシステムから入手できる。グルコースクランプシステムの場合、血糖を指定範囲内に保つためにインスリン注入速度を自動的に調整できる。必要なインスリン量の読み取りには、有用な臨床情報が含まれているため、これは実現可能である。病気やストレスに対する体の反応であるカテコールアミンおよびコルチコステロイドには、抗インスリン特性があるため、この読み取りは、病気のレベルの指標として使用できる。したがって、正常な糖レベルを維持するために必要なインスリンのレベルの上昇は、臨床的悪化を通知することができる。
【0025】
特に
図7を参照すると、システム1000は、データストア1004と組み合わされたプロセッサ1102を含むことができる。データストア1004は、複数の多変数モデルを含むように構成することができる。たとえば、システム1000は、複数の多変数モデルを生成するように構成することができる。プロセッサ1102は、複数の多変数モデルのいずれか1つまたは組合せを実施するように構成することができる。各多変数モデルは、利用可能な患者データ、患者データの予想される利用可能性、患者データの品質(データの信頼性)、患者データの頻度(生成される、または利用可能な頻度)、患者データの次元(データに含まれる属性や変数の数)等に基づいて生成することができる。たとえば、第1の多変数モデルは、特定のタイプの患者データがまばらであるが、他のタイプの患者データが豊富である、患者データセットに対して生成でき、第2の予測モデルは、特定のデータの信頼性は低いが、他のタイプの患者データについては高い患者セットに対して生成できる等である。患者データのタイプは、どのデータソース1006からデータが受け取られるか、または受け取りが試みられる(または望まれる)か、データにどの属性が含まれるか、データがいくつの属性を有しているか等を含むことができる。多変数モデルは、予想される患者データフローに対して生成することができ、それによって複数の多変数モデルを生成する。複数の多変数モデルは、データストア1004に格納することができる。プロセッサ1102は、複数の多変数モデルのいずれか1つまたは組合せにアクセスするために、データストア1004と通信することができる。
【0026】
プロセッサ1102は、第1のセットの患者データのタイプおよび/または第2のセットの患者データのタイプのうちの少なくとも1つまたは複数に基づいて、複数の多変数モデルから、実施のための多変数モデルを選択するように構成される。たとえば、多変数モデル1は、CRMデータが豊富であるがEMRバイタルサインデータに関する情報が必要な患者データを、より適切に取り扱うように設計され得、多変数モデル2は、LABデータが豊富であるがCRMデータに関する情報が必要な患者データを、より適切に取り扱うように設計され得る等である。複数の多変数モデルは、CRMデータモデル、EMRバイタルサインデータモデル、LABデータモデル、CRM/EMRバイタルサインデータモデル、CRM/LABデータモデル、EMRバイタルサイン/LABデータモデル、CRM/EMRバイアルサイン/LABddataモデル等のうちの少なくとも1つまたは複数を含むことができる。プロセッサ1102は、受け取られる患者データに最も適した多変数モデルを選択することができる。繰り返すが、生成され選択される多変数モデルは、どのデータソース1006でデータが受け取られるか、または受け取りが試みられるか、データにどの属性が含まれるか、データがいくつの属性を有しているか等に基づくことができる。したがって、データソース1006に基づく予測モデルの選択に関する本明細書の議論は、例示的である。
【0027】
プロセッサ1102は、第1のセットの患者データのタイプおよび/または第2のセットの患者データのタイプのうちの少なくとも1つまたは複数に基づいて、実施のために第1の多変数モデルから第2の多変数モデルに切り替えるように構成することができる。したがって、特許データが変化する、患者データの利用可能性が変化する、患者データの信頼性が変化する等の場合、プロセッサ1102は、(たとえば、メタデータに基づいて)その変化を発見し、多変数モデルを切り替えることができる。
【0028】
特に
図6を参照すると、プロセッサ1102は、患者データに基づいて多変数モデルを更新するように構成できる。上記で注目されたように、患者データは、過去のデータ、現在のデータ、および/または、リアルタイムのデータであり、継続的に、定期的に、または他の所定のスケジュールで受け取ることができ、低血糖症状およびその治療に関する情報を含むことができる。システム1000は、更新された患者データに基づいて、多変数モデルの任意の1つまたは組合せを更新することができる。更新された多変数モデルは、データストア内の既存の多変数モデルを置き換えることができる。あるいは、更新された多変数モデルが、任意の他の既存の多変数モデルと十分に異なる、または任意の他の既存の多変数モデルよりも患者データシナリオにより適している場合、更新された多変数モデルを、複数の多変数モデルの中に追加することができる。
【0029】
低血糖症リスクを予測するための例示的な方法は、第1のセットの患者データを受け取ることを含むことができる。この方法は、
図8にあるように、心臓エントロピ、血圧、呼吸数、呼吸変動、およびアニオンギャップを含む、低血糖症に関連付けられた第1のセットの患者データの特徴を特定するためにデータ処理を適用することを含むことができる。この方法は、将来の低血糖症に関連付けられるリスクスコアを出力する多変数モデルを生成するために、多変数モデリングを特徴に適用することを含むことができ、多変数モデルは、差し迫った低血糖症の病態生理学的徴候を捉える。たとえば、この方法は、多変数ロジスティック回帰モデルをこれらの特徴に当てはめて、低血糖症の8時間以内の患者データと、低血糖症からほど遠い、または低血糖症のない患者の患者データとを区別することを含むことができる。この方法は、第2のセットの患者データを受け取ることと、第2のセットの患者データの特徴を特定するためにデータ処理を適用することと、第2のセットの患者データのリスクスコアを生成するために多変数モデルを適用することとを含むことができる。たとえば、この方法は、将来の低血糖症に関連付けられたリスクスコアを生成するために、新たな患者からの特徴に多変数モデルを積極的に適用することを含むことができ、多変数モデルは、低血糖症の病態生理学的徴候を捉える。この方法は、適切な臨床判断支援を決定するために、第2のセットの患者データのリスクスコアを分析することを含むことができる。この方法は、デバイス1002によるアクセスのための結果を出力することを含むことができる。たとえば、この方法は、リスクスコアを電子医療記録に送って患者の病歴に含めることと、リスクスコアが、差し迫った低血糖症の可能性が急激に上昇したことを示す場合に、医師のページングシステムに通知を送ることとを含むことができる。第1のセットの患者データおよび/または第2のセットの患者データのうちの少なくとも1つまたは複数は、心肺モニタリング(CRM)データソース、電子医療記録(EMR)バイタルサインデータソース、および/または、生化学実験室(LAB)データソースのうちの少なくとも1つまたは複数からの生理学的測定値を表す。
【0030】
多変数モデリングは、ロジスティック回帰、無作為フォレスト、xgboost、サポートベクターマシン、最近傍法、人工ニューラルネットワーク、および/または、長短期メモリ(LSTM)のうちの少なくとも1つまたは複数を含むことができる。
【0031】
いくつかの実施形態は、プロセッサ1002によって実行されると、プロセッサ1102に対して低血糖症を予測させる命令1124が格納されたコンピュータ可読媒体1122に関することができる。命令1124は、プロセッサ1002に対して、第1のセットの患者データを受け取らせる。命令1124は、プロセッサ1002に対して、低血糖症に関連付けられた第1のセットの患者データの特徴を特定するためにデータ処理を適用させる。命令1124は、プロセッサ1002に対して、将来の低血糖症に関連付けられたリスクスコアを出力する多変数モデルを生成するために多変数モデリングを特徴に適用させる。多変数モデルは、差し迫った低血糖症の病態生理学的徴候を捉える。命令1124は、プロセッサ1002に対して、第2のセットの患者データを受け取らせ、第2のセットの患者データの特徴を特定するためにデータ処理を適用させ、第2のセットの患者データのリスクスコアを生成するために多変数モデルを適用させる。命令1124は、適切な臨床判断支援を決定するために、プロセッサ1002に対して、第2のセットの患者データのリスクスコアを分析させる。命令1124は、プロセッサ1002に対して、デバイス1002によるアクセスのための結果を出力させる。第1のセットの患者データ、および/または、第2のセットの患者データのうちの少なくとも1つまたは複数は、心肺モニタリング(CRM)データソース、電子医療記録(EMR)バイタルサインデータソース、および/または、生化学実験室(LAB)データソースのうちの少なくとも1つまたは複数からの生理学的測定値を表す。
【0032】
多変数モデリングは、ロジスティック回帰、無作為フォレスト、xgboost、サポートベクターマシン、最近傍法、人工ニューラルネットワーク、および/または、長短期メモリ(LSTM)のうちの少なくとも1つまたは複数を含むことができる。
【0033】
本明細書で注目されるように、予測モデルは、将来の低血糖症のリスクを予測することに限定される必要はない。本明細書で論じられる患者データ、データ処理、および多変数モデルは、予測モデルを生成するように構成でき、出力は、コロナウイルス、敗血症、患者のリスク層別化等に関連する予測分析モニタリングのために使用される。
【0034】
たとえば、a)John P. Davis, MD, Dustin A. Wessells, and J. Randall Moorman, MD: Coronavirus Disease 2019 Calls for Predictive Analytics Monitoring-A New Kind of Illness Scoring System, Critical Care Explorations,2020年、およびb)Oliver Monfredi, Jessica Keim-Malpass, and J Randall Moorman: Continuous cardiorespiratory monitoring is a dominant source of predictive signal in machine learning for risk stratification and clinical decision support, Physiological Measurement,2021年(これらの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)において論じられる方法を、開示された予測モデルと連携して使用することができる。
【0035】
別の例は、新生児敗血症の心拍数特性のモニタリングである。2011年に、バージニア大学を中心とする多施設共同グループは、我々が現在、人工知能、ビッグデータ、および機械学習と呼ぶものを使用して、新生児ICUでのリアルタイムの継続的な心肺モニタリングから、死亡率の減少を実証した。大規模で無作為な心拍数特性試験により、病気の早期発見が、より早期でより効果的な介入を可能とし、患者の転帰を改善するという期待が、我々の知る限り初めて現実となった。
【0036】
しかし現在、我々は、その後急速に成長している予測分析モニタリングの分野において、成功と同じくらい失敗の話を聞く。この観点は、新生児敗血症に対する心拍数特性モニタリングをどのように開発し、それを成人のICUや病院医療全体にどのように適用したかの原則を記述することを目的としている。これは主に、バージニア大学グループの1990年代以降の研究を反映しており、そのテーマは、突然の壊滅的な悪化の前に、継続的な心肺モニタリングおよび電子健康記録において、明らかな、無症状ではあるが測定可能な生理学的変化が起こる可能性があるということである。
【0037】
予期医学の夢は魅力的であるが、ほとんど実現されていない。我々には、患者の数が増えているだけでなく、病気も増えており、10~20年前であれば通常のケアを受けていれば死亡していたであろう人口に相当しているという差し迫ったニーズがある。また、最近の臨床データははるかに膨大になり、ますます多様で、ますます高速化を呈しており、我々には、拡大の機会もある。しかし、日々の患者管理の本質は変わらない。我々はこれまで以上に、その瞬間の壊滅的な臨床的悪化への対応に時間を費やしている。経験豊富な臨床医は、微妙な予兆の変化が、右目で明らかになる可能性があることに同意しているが、すでに利用可能なデータの高度な分析による悪化の自動発見は、医療の日々の診療を変革するまでには至っていない。我々が予測分析モニタリングと呼ぶこの概念は、最近批判されており、IBMのWatsonとEpicの敗血症モデルのパフォーマンスの低さを目の当たりにし、電子健康記録(EHR)の「予測」力は、主に患者からの結果ではなく、医師の指示にあることを知った。
【0038】
学術製品や商業製品の作成を急ぐあまり、焦点が、せいぜいベッドサイドのぼやけた画像のような電子健康記録(EHR)にそらされ、医師、看護師、患者、および継続的な心肺モニタリングから離れてしまっているのではないかと我々は懸念している。さらに、ベッドサイドからの臨床的見解は、臨床的定義の解決が失われるほど大きく、ビッグデータに対する認識されたニーズに操られていると我々は信じている。病院全体の予測分析モニタリングの潜在的な利点を十分に実現するために、我々は、臨床経験と推論、包括的でよく分解されたデータ、健全な数学、および実際の診療の微妙な厳密さを強調する、本来の原則への回帰を主張する。
【0039】
心拍数特性モニタリング試験
2011年に、我々は、未熟児を対象として、これまでに実施された最大規模の個別無作為臨床試験の1つの結果を発表した。以前、我々は、敗血症の早期の段階にある未熟児が、心拍数変動の低下や一時的な減速といった異常な心拍数特性を示すことが多いことを発見した。我々は、これらの異常が存在する程度を反映する数学的時系列分析を開発または適応し、それらを次の24時間の敗血症の確率にマッピングした。我々は、反復測定に合わせて調整されたロジスティクス回帰モデルを開発し、ウェイクフォレスト大学で外部検証した。この試験では、我々は、ベッドサイドモニタからの継続的な心肺モニタリングストリーミングのみに基づいてリスク推定値を表示することによって、死亡率の20%を超える減少をもたらすことを発見した。唯一の介入は、敗血症のリスクの変化の表示であり、警告、アラーム、しきい値、または強制されたアクションはなかった。命が救われ、入院期間が短縮され、神経発達上の問題が軽減されるという臨床上の利点は、永続的であった。このメカニズムは、意図した通りであり、敗血症の乳児は救われた。
【0040】
予測分析モニタリングの開発の基礎となる原則
心拍数特性モニタリング試験は、一般原則の非常に初期の、かつ最も強調される証拠の1つであり、予測分析モニタリングは、亜急性の潜在的に壊滅的な病気を発見することによって、命を救う。表(表I参照)は、我々が新生児敗血症の予測分析モニタリングを開発したときに我々が求めた特性と、我々が尋ねた質問とを再現している。
【0041】
【0042】
1.臨床適合
敗血症は、一般的であり、潜在的に壊滅的な病気であり、特に未熟児において、罹患率および死亡率を大幅に増加させる。特有ではない知見を示すため診断は困難であるが、抗生物質の投与が遅れると死亡率が増加する。早期発見のニーズは、NICHDの新生児研究ネットワークのような権威あるグループによって、長い間求められてきた。
【0043】
実際、病院全体では、亜急性の潜在的に壊滅的な病気が一般的であり、有害な転帰を伴う。たとえば、我々は、外科および外傷のICUにいる10%を超える患者が、そのような事象を少なくとも1回経験しており、転帰への影響が非常に大きく、入院期間は数倍に増加し、死亡率はさらに何倍にも増加することが分かった。さらに、臨床症状が悪化してICUに移送された病棟患者の死亡率は40倍に増加した。
【0044】
観点:予測分析モニタリングは、臨床によく適合する。早期発見が早期治療につながり、ひいては転帰の改善が合理的に期待される可能性がある状況において、改善されたケアのニーズを満たすことができる。
【0045】
2.顔の妥当性
乳児(および小児および成人)の敗血症は突然発症する可能性があるが、突然の病気ではないため、我々は、前兆的な変化を予想する。臨床医が、我々の診断が遅れた敗血症患者を振り返る場合、我々は、心拍数の上昇、血圧の低下、体温の変化、および白血球数の微妙だが一貫した知見を確認できる。
【0046】
敗血症は主な例であるが、我々が無症状の前駆症状を予想する、他の亜急性の潜在的に破滅的な病気もある。これらは、緊急挿管につながる呼吸悪化、大量輸血につながる出血、低血糖症、および、病棟患者の状態が悪化してICUへの移送が必要となる複数の理由を含む。それらの共通の特性は、(1)微妙に始まる生理学的錯乱の自然な進行、(2)診断検査への論理的なアプローチ、および(3)病気の経過の早期に最も効果的な療法である。我々の上記の例は、胸部X線写真、気管支拡張薬、利尿薬、抗生物質や、または、血管造影、血球計算、手術、輸血や、または、フィンガスティック、摂食、糖や、または、臨床的悪化の多様で特異なモードに対する多くの検査や治療のいずれかを含む。いずれの場合も、診断および治療を早期に開始することで、一部の患者を助ける可能性が高いと考えられる。これらの治療可能な状況は、たとえば、臨床的緊急性がない翌年以内の全死因死亡や、予防療法がない冠状動脈治療室での心室細動よりも、早期発見のためのより良い目標となる。ただし、我々は、すべての臨床的悪化がこの種のものである訳ではないことに注目する。病院での急性病気の中には、急性心筋梗塞、脳血管障害、および肺塞栓症のような血管障害や、または心室細動のような不整脈といった、本当に突然発症するものがある。これらのために、我々は、前駆症状を期待することも、警告の機会を期待することもない。実際、継続的な心肺モニタリングにおいて前兆的な変化が存在しないことは、突然の臨床的悪化の鑑別診断の限界を定めることになる。
【0047】
観点:我々は、一部の亜急性の潜在的に壊滅的な病気では、無症状の前駆症状が発生するので、予測分析モニタリングは、早期発見の手段として表面的には有効であると予想している。
【0048】
3.病気の徴候
我々は、呼吸困難を伴う乳児における心拍数変動の減少に関する以前の観察を頼りにした。バージニア大学における遅発性敗血症の未熟児で、我々は、新たな発見をした。一時的な減速は、その多くが徐脈アラームを生成するには小さすぎるため、それ以外は変化しない拍数の記録を中断した。これは、苦しんでいる胎児が示すのと同じ異常であり、未熟児が同じように病気を報告する可能性があることは、結局のところ、おそらく驚くべきことではない。急性新生児病気のこの徴候は、敗血症だけでなく、壊死性腸炎、呼吸困難、および出血にも当てはまる。この病気の徴候を発見するには、継続的な心肺モニタリングが必要であることに注目されたい。これはベッドサイドのモニタを一見しただけでは分からず、EHRにも捉えられない。Beaulieu-Jonesおよび共同研究者は、EHRの予測的性質の多くは、入院当日の医師の指示にあるという独創的な観察を行った。彼らは、そのような臨床医が開始したアクションは、患者からの知見ではなく医師の考えを反映しているため、EHRのみに基づいた統計モデルは、先行指標ではなく遅行指標である可能性があると指摘した。バイタルサイン35の記録や、実験結果の報告が遅れると、さらに遅れが大きくなる。
【0049】
我々は、遠隔測定によるリアルタイムの生理学的モニタリングが、患者の状態を反映する可能性がより高い、臨床医が開始したのではない情報源であるという彼らの見解を支持する。この概念は、臨床的にも共感を呼ぶ。なぜ我々は、患者の生理学的状態についての決定を下すために患者の生理学的データを使用しないのであろうか?我々は、自律神経系が体全体からどのように情報を収集し、それに応じて心臓と肺を微調整するかをよく知っており、新たな知識体系は、固有のメカニズムによる洞結節および心拍の調節の高度化を指摘している。あらゆる臨床現場において考慮することが賢明であるが、継続的な心肺モニタリングデータは、それ自体によって、またはEHRに追加することによって、情報を追加するにも関わらず、病気スコアリングシステムにおいて使用されることはほとんどない。我々は、NICUでは実験検査と臨床的な知見とが、独立した情報を追加していることを知ったが、病院内のどこで見つけた場合でも、継続的な心肺モニタリングデータを常に使用するという診療を支持している。
【0050】
観点:病気の徴候は、我々が、臨床医よりも患者について多くを伝える正しい信号を記録した場合に、より適切に発見される。このタスクでは、継続的な心肺モニタリングを使用するモデルの方が、使用しないモデルよりも常に優れているであろう。
【0051】
4.健全な数学的時系列分析と統計モデリング
心拍数変動分析の既存のツールは、減速によって標準偏差が増大するため、異常な心拍数特性を有する記録を発見する機能を果たさなかった。我々は、時間領域、周波数およびウェーブレット領域、位相領域、非線形力学領域、および他の数学的ツールを使用して、ベッドサイドでの継続的な心肺モニタリングから、心臓および肺の動態を特徴付けた。我々の最終的な戦略は、低減された心拍数変動や、サンプル非対称性、減速度および加速度の新たな測定値や、サンプルエントロピのみで、長い記録を発見するための標準偏差で構成されており、これは、本明細書では、スパイクのある平坦なベースラインの表現タイプを捉えるのに役立つ。
【0052】
これらのアプローチは、見解の変化に左右されない論破不能な数学的基礎を有する。我々は、Fulcherと共同研究者らが、高度な比較時系列分析と名付けた包括的な戦略の有望性に注目する。我々の最近の研究は、未熟児の心肺生理学の多くの側面を捉える、心拍数および酸素飽和度の時系列に関する低減された計算セットを指摘している。
【0053】
これらの種類の定量的方法は、生理学的動態を転帰に関連付ける特徴の最適な開発を、確実かつ再現可能に導くことができる。そのような数学的アプローチは、アプガースコア、新生児急性生理学スコア(SNAP)、または逐次臓器不全評価(SOFA)、およびその新生児バージョンであるAPACHE等、専門家によって選択されたしきい値を使用したポイントスコアとは異なり、すべてが、しきい値および二分化のニーズにより、問題となっている。
【0054】
予測因子の組合せを最適化するために、我々の研究では主にロジスティック回帰を使用した。我々は、他の機械学習や、深層学習の新しいリカレントニューラルネットワークアプローチが普及していることを知っている。(実際、我々は1994年に、新生児心拍数分析に関する最初の研究で、ニューラルネットワークを使用した。)より新しいアプローチは、画像分析により放射線医学に革命をもたらしたが、我々は、臨床データから患者のリスクを分類するこの分野では、ある方法が別の方法よりも明確で一貫した優位性を有していないことを知った。我々は、より新しい機械学習および深層学習のアプローチは、従来の統計パターン認識方法を置き換えるのではなく、補完するものであると主張する。
【0055】
観点:正しい信号を入手すると、我々は、患者の生理学的動態を評価する正しい分析方法を実行して、信号が我々に伝えている内容を定量化する必要がある。
【0056】
5.トレーニングセットにおけるグラウンドトゥルース症例
臨床医によるチャートレビューは、統計モデルをトレーニングする症例を特定するためのゴールドスタンダードである。この観察は臨床的に合理的であり、複数の研究が、感染の自動発見戦略の欠点を定量化している。トレーニングセットに症例を含めないことと、症例以外による希釈との2つがある。この影響は、感度および正の予測精度を、事象の発生率とどのように比較するのかによって異なる。たとえば、医療記録から事象を特定するための優れたコンピュータ戦略は、70%の感度と、70%の正の予測精度とを有しているが、事象発生率はわずか1%である。この場合、10,000人の患者の研究は、100の事象のうち70を特定し、トレーニングセットの豊富さが減り、事象のない30人の患者を含み、無関係な症例で、トレーニングセットをほぼ半分に薄める。不純なデータセットに対してトレーニングされたモデルの堅牢性および精度に関する懸念に加えて、説明可能性への新たな焦点が危険に曝される。目標とされた状況を患っていなかった患者の属性を理解しようとして、対象の病気を患っていた患者の属性を特定できなかった場合、混乱が生じるであろう。
【0057】
観点:モデルが、実際のすべての症例についてトレーニングされ、他のモデルが、そうでないモデルよりも常に優れている訳ではないことは、我々にとって議論の余地がないようである。
【0058】
6.病気の経過に一致するモデルの動態
心拍数特性指数のパフォーマンスの統計的検査は必須であったが、感度や特異度、あるいは複数のしきい値を評価する曲線下面積のようなしきい値ベースの評価よりも上のものがあるべきである。(患者が、気分が悪いと言ったら、その予測パフォーマンスについて尋ねるだろうか?)事象までの時間の関数としてモデル予測の時間経過を検査することが、臨床医がベッドサイドで何を見るかについて、多くのことを伝えていると我々は知った。軌跡の表現型は、患者の予後について多くのことを語ることができる。たとえば、我々は、敗血症患者を高リスクカテゴリと低リスクカテゴリとに区別する心拍数特性モニタリングの軌跡を特定したが、結果は、2003年という昔に予見されていた。実際、臨床医がアクションするきっかけとなることは、リスクの大きさよりも、経時的な傾向であることがよくある。統計的には非常に問題があるが、しきい値超過に基づく警告に価値がない訳ではない。
【0059】
実際、予測分析モニタリングの分野は、最近、19の病院で死亡率を低減するために、警告と情報仲介者による非常に成功したシステムアプローチを広く採用したKaiser-PermanenteのEscobarと共同研究者によって進歩した。しかし、警告疲れの問題はよく知られており、リスクが増加するものの、ブレークポイントのどちらの側でも一定である真のしきい値を有するリスク推定値はほとんどない。
【0060】
観点:病気は動的であり、徴候がより明確になるにつれてリスク推定値は上昇するはずである。
【0061】
7.大規模無作為臨床試験
RCTは、費用がかかること、範囲が不足していること、および臨床診療への適用が限られていることで批判されているが、この設計には、議論の余地のない説得力がある。新しい設計は歓迎されているが、個別無作為試験は、多くの臨床医にとって診療を変えるために必要なゴールドスタンダードであり続けている。試験結果は、感度や特異度のような判定基準に関する疑問を克服し、逸話的な報告に対する矯正策となる。
【0062】
たとえば、心拍数特性試験において、敗血症精密検査の増加の可能性について重要な再確認が得られた。確かに、この事象は稀であるため、肯定のほとんどは誤りであり、あるセンタからの心拍数特性スコアの小さなサブセットのレビューでは、否定的な結論が得られた。しかし、我々は、血液培養または抗生物質における有意な増加を見つけることはできなかった。我々は、リスクスコアが低い場合は、リスクスコアが高い場合と同じくらい多くの敗血症の精密検査や除外診断が回避されたに違いないと推測でき、この研究の専門家によって意見が表明された。低リスクの患者について臨床医を安心させるのみならず、高リスクの患者に対しては警告する、予測分析モニタリングのこの特性は、当初は考慮されていなかったが、統計分析では強調的に存在する追加の有用性である。
【0063】
観点:現実世界での予測分析モニタリングの無作為臨床試験は、プレミアムな価値を残している。反復されない限り、結果を否定することはできない。
【0064】
現在および将来の方向性
新たな研究の領域は、予測分析モニタリングを実施し、臨床ケアの複雑な分野に統合することである。我々は、新生児ICUにおける必要最低限の教育と、主に口コミによって、その利用が有機的に広がっていることに注目する。2つの病院の成人ICUと病棟、およびeICUでの我々の現在の導入の取組みは、体系的かつ原則に基づいたアプローチを採用しており、我々は、モニタリングの、学習型医療システムのアプローチへの適用性に注目している。別の新たな領域は、アルゴリズムの公平性である。我々は、継続的な心肺モニタリングは、データソースとしてのEHRよりも、偏りが少ない可能性があると提案するが、このアイデアを検査する作業がまだ残っている。モデルの解釈可能性は、別の望ましい特徴である。我々は、医師や他の臨床医が、コンピュータによって推定されるリスク上昇の原因を知りたいと思っていることを知った。最後に、我々は、継続的な心肺モニタリングの時系列データに対する深層学習の有用性の研究を期待しており、ここでは、分野の専門家によって発見されていない新しいパターンが、まだ知られていない可能性がある。
【0065】
予測分析モニタリングの限界
統計モデルは、診断を行ったり、次に何をすべきかを我々に指示したりすることはなく、統計モデルができることは、データを確率に関連付けることだけである。特にベッドサイドの心肺モニタリングのようにサンプリングが継続的である場合、より多くの次元で、より多くのデータが、リスク推定値を改善するのは当然である。入院患者の普遍的なモニタリングに対する障壁は、デバイスのコストと、扱い難さとを含む。いくつかの傾向が、この状況を変化させ得る。パンデミックにより、患者を注意深くモニタリングするのに役立つベッドサイドの臨床医の数が脅かされており、技術の進歩により、心肺モニタとして機能する、非常に高性能なウェアラブルデバイスが登場した。いつか、腕時計にアプリを入れるだけで、病院内で、予測分析や、他の形態の継続的モニタリングの恩恵を受けることができるようになり得る。
【0066】
ここで、収集されたデータは、患者の臨床像を正確に描写していない可能性があるという、より危機的な制限がある。点描画と同様に、データポイントの数がより多く、より戦略的に配置されているほど、病気の特定を、より正確に捉えることができる。特定の患者に対して、鑑別診断が異なる場合、異なる臨床医が、異なる検査を指示する可能性がある。結果として得られるデータセットの各々は、患者の競合する見解を部分的に捉えており、将来の患者の分類のための統計モデルを作成する問題をさらに複雑化する。最悪のシナリオでは、患者が敗血症を患っているにも関わらず、カルテに、バイタルサイン、実験、または他の関連データが記録されていない場合、どのスコアリングシステムも評価を行うことができない。Beamと共同研究者らは最近、予測モデルがこの問題に関して何も言えない場合のシナリオに取り組んだ。
【0067】
予測分析モニタリングの潜在的な限界は、空白のEHR記録では、将来はおろか、現在の患者も評価できないことである。
【0068】
我々は、20年よりも前に、無症状前駆症状と、継続的な心肺モニタリングにおける病気の徴候とを伴う、一般的かつ致命的な病気である新生児敗血症に焦点を当てることによって、我々の予測分析モニタリング研究を開始した。我々は数学を使用して、臨床医が開始したものではないグラウンドトゥルース症例のデータを分析した。集団および病気特有の予測因子は、差し迫った病気のリスクに応じて動的に変化し、その使用は、大規模無作為試験の転帰を改善した。我々は、新生児敗血症の心拍数特性モニタリングが、亜急性の潜在的に壊滅的な病気の予測分析モニタリングの最も初期の成功であると信じている。
【0069】
我々は、この観点を、病院全体にわたる我々の進行中の予測分析モニタリング調査、開発、および実施のためのテンプレートとして提供する。この指導原則は、継続的な心肺モニタリング、病院全体の単一モデルではなく、状況および集団に合わせた予測モデル、臨床医が特定した症例に基づいてトレーニングされたモデル、健全な数学的基礎、アラームや警告を鳴らすのではなく、変化するリスクを表示すること、および予測モニタリングを病院のベッドサイドの複雑な世界に融合させる、実施と統合のための詳細なスキームを求めている。
【0070】
以下の議論は、開示された方法の例示的な実施、および開示された方法の有効性を実証する結果である。
【0071】
我々は、日常的なモニタリングデータが、成人集中治療室患者における差し迫った低血糖症の詳細かつ明確な病態生理学的表現タイプを記述できるという仮説を試した。
【0072】
設計:
モデルの開発および検証につながる遡及的分析。
【0073】
設定/患者:
すべての集中治療室入院者であって、患者は、バージニア大学医療センタで、4年間、インスリン療法を受けていた。各集中治療室には、継続的な生理学的モニタリングシステムが装備されており、その信号は、医療記録全体とともに電子データウェアハウスにアーカイブされた。
【0074】
介入:
主要転帰は、ブドウ糖(すなわち、D50)が1時間以内に投与された場合に、血糖<70mg/dLの任意の症状として定義される低血糖症であった。モデルに通知するために、我々は、(バイタルサイン、実験値、人口統計、継続的な心肺モニタリング変数を含む)61の生理学的マーカを使用した。
【0075】
測定と主な結果:
我々のデータセットは、11,847人の集中治療室入院患者から構成され、そのうち721人(6.1%)が、1つまたは複数の低血糖症状を有していた。多変数ロジスティック回帰分析により、集中治療室の低血糖症を最もよく特徴付ける41の独立変数の病態生理学的徴候が明らかになった。最終モデルでは、差し迫った集中治療室の低血糖症の予測に関して、交差検証されたAUROCが0.83(95%CI:0.78~0.87)であった。我々は、MIMIC-III救命救急診療データセットでモデルを外部的に検証し、0.79(95%CI:0.77~0.81)のAUROCという良好なパフォーマンスも実証した。
【0076】
結論:
我々は、多数の重症入院患者からのデータを使用して、差し迫った集中治療室低血糖症の予測モデルを開発し、外部的に検証した。
【0077】
導入
血糖レベル<70mg/dL(3.9mmol/L)として定義される低血糖症は、病院環境におけるあらゆるタイプの糖尿病および高血糖の治療の最も一般的な副作用である(1,2)。入院患者の低血糖症は、患者の苦痛、不整脈、心虚血、発作、脳損傷、入院期間の延長、短期および長期の死亡率の増加を含む、多くの有害事象に関連付けられる(1,3~7)。入院患者の低血糖症は、臨床転帰が悪いだけでなく、経済的な影響も及ぼす。
【0078】
フロリダ病院システム内の43,659人の入院者を対象とした最近の研究では、たとえ1回の低血糖症の症状でも、血糖が正常範囲内に留まっている患者よりも総治療費が10,405ドル高くなることが判明した(8)。これらの要因を念頭に置いて、メディケアおよびメディケイドサービスセンタ(CMS)は、入院患者の低血糖症を優先度の高い測定領域として特定し、現在、将来のCMSの使用に備えて低血糖症予防策(NQF#2363:血糖コントロール-低血糖症)を適用している。実際には、この予防策は、病院が低血糖症事象の可能性を低減するために、証拠に基づいた血糖管理戦略を促進する臨床ワークフローを実施するように奨励することになろう。
【0079】
集中治療室(ICU)では、入院患者の低血糖症の有病率が、非ICU環境に比べて3倍近く高く(9,10)、ICU低血糖症が、罹患率および死亡率の増加に関連していることを、複数の研究が確認している(6,11~13)。ICU低血糖症と不十分な転帰との強い関連性を考慮すると、目標とされた予測分析を使用した積極的なアプローチが必要とされる(14)。そのような1つのアプローチは、過去の臨床データを遡及的に分析し、ICU低血糖症の個別化されたリスクを判定する予測ツールを開発することである。そのような予測ツールを開発できる可能性は、病院の電子健康記録(EHR)システムに格納されている豊富な臨床データセットの利用可能性が高まっていることにある(15)。低血糖症中に生じる生化学的、血行力学的、および電気生理学的な変化が、十分に確立されているため(16)、EHRは、予測ツール開発のために貴重なリソースを提供する。EHRおよび機械学習の最近の進歩にも関わらず、ICU低血糖症のみを対象としたモデル開発に焦点を当てた研究はほとんどない(17)。
【0080】
この研究では、我々は、機械学習を使用して、日常的なモニタリングデータが、成人集中治療室(ICU)患者における差し迫った低血糖症の詳細かつ明確な病態生理学的表現タイプを記述できるという仮説を試した。我々の研究は、差し迫った低血糖症の認識を改善し、ICU患者における予防療法の早期投与を指示する、将来のリアルタイム予測モデリングの基礎を提供する可能性がある、ICU低血糖症の予測モデルの開発および検証に至った。
【0081】
材料と方法
研究設計
我々は、バージニア大学(UVa)医療センタにおいて、2013年10月から2017年8月まで、すべてのICU入院者を遡及的に分析し、ここでは、患者は、18歳以上であり、インスリン療法を受けていた。この医療センタは、医療(28床)、外科外傷(15床)、胸部心臓血管術後(19床)、冠状動脈治療(10床)、および神経科学(12床)のICUを含んでいた。各ICUには、継続的な生理学的モニタリングシステムが装備されており、その信号は、医療記録全体とともに電子データウェアハウスにアーカイブされた。生体医工学インフラストラクチャの変化により、2015年7月に、冠状動脈ケアおよび胸部心臓血管の術後ICUにおけるモニタリングデータのアーカイブが中断された。我々は、個別の予後または診断のための多変数予測モデルのトランスペアレントレポート(TRIPOD)のガイドライン(18)を使用し、Leismanらによって示された推奨事項(19)にしたがい、この研究を分析し報告した(20)。UVa治験審査委員会は、インフォームドコンセントを放棄してこの研究を承認した。
【0082】
転帰定義
主要転帰は、ブドウ糖(すなわち、D50)が1時間以内に投与された場合に、血糖<70mg/dLの任意の症状として定義される低血糖症であった。この特有の定義が選択されたのは、血糖<70mg/dLが記録されるたびに、我々のEHR低血糖症指示セットが、D50の投与を含むからであった。二次的転帰は、死亡率および入院期間を含んでいた。我々は、低血糖症状前12時間から始まる生理学的データに焦点を当てた。照合として、我々は、低血糖症状前12時間よりも前からのデータと、インスリン治療を受け、入院中に低血糖症を経験しなかったICU患者からのデータとを含めた。我々は、各低血糖症状にしたがうデータを検証した。
【0083】
モデルの開発と検証
我々は、「rms」パッケージを使用して、R4.0.2(Rコアチーム2020;ウィーン、オーストリア)でモデリングを実行した(21)。単変量分析のために、我々は、61のバイタルサインと、実験値と、人口統計と、低血糖症のない場合と比較して低血糖症の症状を有する継続的な心肺モニタリング変数との個別の関連性を示す予測曲線をプロットした。我々は、各症状の24時間前から15時間後以内に、1つの測定値を無作為にサンプリングした。我々は、サンプリングされた変数の各十分位における低血糖症の相対リスクを計算し、その後、そのリスクを、変数の範囲内で等間隔に配置された20点に内挿した。我々は、このサンプリング、相対リスクの計算、補間というプロセスを30回反復した。最後に、30のリスク推定曲線を平均して、20の等間隔の点での予測曲線を取得し、結果をヒートマップとして表示した。
【0084】
多変数モデリング(集約ICUモデルおよび個別ICUモデルの両方)のために、我々は、少なくとも70%が利用可能で、低血糖症に臨床的に関連する41の生理学的変数を評価した。我々は、生理学的データをコホート全体の低血糖症転帰に関連付けるために、反復測定のために調整された多変数ロジスティック回帰を使用した(21)。我々は、(1)転帰を無視して、他の特徴とR2が0.9を超える相関関係を有する最も予測可能な特徴を削除すること、(2)研究母集団の中央値を欠損値に代入すること、(3)残りのすべての特徴と、十分な固有値を有する各特徴上の制限された3次スプライン(3ノット)とを有するモデルを構築し(21,22)、Huber-White法(21)を使用して、反復測定を調整すること、および(4)リッジ回帰(23)を使用して、モデル係数にペナルティを課し、有効自由度を縮小して、補正されたAICを最大化すること(24,25)とによって、モデルを体系的に構築した。我々は、その後、10分割交差検証(TRIPODタイプ1bモデル研究)を使用して、内部検証を実行した(20,26)。我々は、入院患者を無作為に10グループに分割し、1つのグループのデータを検査セットとして除外し、上記と同じ特徴およびペナルティを使用して、残りのデータでモデルをトレーニングし、そのモデルを使用して、検査セットの低血糖症のリスクを推定し、その後、検査セット内のレシーバ動作特性曲線下面積(AUROC)を計算した。我々は、10グループの各々が検査セットとして機能するまでこの手順を反復し、結果として得られた10のAUROC測定値を使用して、平均値と95%信頼区間とを推定した。この方法では、同じ特徴を用いてサンプル外の予測を計算したが、我々は、検査セットごとに1つずつ、わずかに異なるモデルを用いて予測を行った。
【0085】
派生モデルの外部検証は、集中治療用医療情報マート(MIMIC-III)データベース(バージョン1.4)で実行され、このデータベースは、2001年6月から2012年10月までベスイスラエルディーコネスメディカルセンタ(マサチューセッツ州ボストン)における40,000件を超えるICU入院者(内科、外科、冠状動脈ケア、新生児)からなる、研究者向けに自由に利用できる救命救急診療データセットである(27)。MIMIC-IIIデータベースは、マサチューセッツ工科大学(マサチューセッツ州ケンブリッジ)およびベスイスラエルディーコネスメディカルセンタ(マサチューセッツ州ボストン)の治験審査委員会によって承認された。我々の分析で使用されたMIMIC-IIIコホートは、すべての成人ICU入院者で構成されていた。
【0086】
結果
ベースラインの特性および転帰
我々は、11,847人のUVa ICUの入院患者から得られたデータを分析し、そのうち721人(6.1%)が1回または複数回の低血糖症状を有していた。表IIは、我々の研究母集団のベースラインの人口統計、入院者特性、死亡率、および入院期間を実証している。注目すべきことに、低血糖症を経験した人では死亡率が約3倍高く(28.3%対9.8%、p値<0.001)、入院期間が2倍(15日対7日、p値<0.001)であった(表II)。
【0087】
【0088】
低血糖症は、年齢、併存病気、病気の重症度、および臨床症状を考慮した後でも、死亡率の増加と関連していた(p<0.0001)。MIMIC-IIIにおける外部検証のために、我々は、9,878人のICU入院患者から取得したデータを分析した。これらICU入院患者のうち493人(5.0%)が1回または複数回の低血糖症状を経験していた。UVAデータセットと同様に、低血糖症を経験した人は、低血糖症を経験していない人に比べて死亡率が高く(27.6%対10.7%、p値<0.001)、入院期間が長かった(13.5日対7.1日、p値<0.001)。
【0089】
差し迫った低血糖症の病態生理学的徴候
61の生理学的および生化学的変数の一変数分析が、低血糖症に関連付けられた各々の傾向を特定した(
図8)。
図8は、61の測定された生理学的および生化学的変数の関数としてICU低血糖症の一変数リスクを示すヒートマップである。ヒートマップはカラーで生成されたが、ここでは、グレースケールで表現されていることに注目されたい。当業者であれば、ヒートプロットを解釈する方法を理解し、同様に、グレースケールを使用することによって結果が何を表すのかを理解するであろう。各タイルは、y軸におけるICU低血糖症の相対リスクに対して、変数の値をx軸にプロットしている。y軸における変数は、モデル出力を表し、実験値、血行動態モニタリング変数、および電気生理学的変数を示している。相対リスクバーは、0.50から2.0の範囲をとり、低血糖症の相対リスクが高いこと、および相対リスクが低いことを表している。(Lact=乳酸塩、PT/INR=プロトロンブリン時間/国際正規化比、AGAP=アニオンギャップ、AST=アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、ALT=アラニンアミノトランスフェラーゼ、Cr=クレアチニン、Bili=ビリルビン、PTT=部分トロンボプラスチン時間、ALP=アルカリホスファターゼ、Trop I=トロポニンI、LDd=心拍数の局所ダイナミクス密度、PO4=リン、K=カリウム、脈拍=パルスオキシメトリによって測定された心拍数(心拍数/分)、HR=心臓テレメトリによって測定された心拍数(心拍数/分)、BUN=血中尿素窒素、EDR=心電図派生呼吸数(呼吸数/分)、SO2=パルスオキシメトリによって測定された酸素飽和度(%)、O2=動脈血液ガスからの酸素飽和度、SpO2=臨床医が文書化した酸素飽和度(%)、PO2=動脈血液ガスからの酸素分圧、O2V=パルスオキシメトリによる酸素飽和度の標準偏差、AF=心房細動の確率、Resp=パルスオキシメトリによって測定された呼吸数、RRxSO2=胸部インピーダンスによって測定された呼吸数と、パルスオキシメトリによって測定された酸素飽和度との相互相関係数、COSEn=R-R間隔のサンプルエントロピ係数、Neut%=好中球パーセンテージ(%)、RR=胸部インピーダンスによって測定された呼吸数、HRxEDR=心拍数と心電図派生呼吸数との相互相関係数、Mg=マグネシウム、<RRI>=平均R-R間隔、WBC=白血球数、Na=ナトリウム、Hct=ヘマトクリット、Cl=塩化物、HRxSO2=心拍数と酸素飽和度との相互相関係数、Alb=アルブミン、PCO2=動脈血液ガスからの二酸化炭素の分圧、sRRI=R-R間隔の標準偏差、HRxRR=心臓テレメトリによって測定された心拍数と、胸部インピーダンスによって測定された呼吸数との相互相関係数、Ca=カルシウム、HRV=心臓テレメトリによる心拍数の標準偏差(心拍数/分)、DFA=R-R間隔に適用されたトレンド除去変動分析、TP=総タンパク質、BUN/Cr=BUN/クレアチニン、Plt=血小板数、Temp=温度(°C)、RRV=胸部インピーダンスによる呼吸数の標準偏差(呼吸/分)、SBP=侵襲性収縮期血圧(mmHg)、MBP=侵襲性平均血圧(mmHg)、SBP(cuff)=カフ測定による収縮期血圧、HCO3=重炭酸塩、DBP(cuff)=カフ測定による拡張期血圧、DBP=侵襲性拡張期血圧(mmHg)、CO2=二酸化炭素、MAP=カフ測定による平均動脈圧、Gluc=糖、BE=動脈血液ガスからの過剰塩基、pH=動脈血液ガスからのpH)。
【0090】
これらの変数のいくつかは、ICU低血糖症(たとえば、白血球数、血清カリウム等)と非線形関係を有し、これらの変数の最低百分位数と最高百分位数との両方で低血糖症リスクが増加したことを示す。もう1つの注目すべき知見は、血清アニオンギャップが、ICU低血糖症との強い正の関連性を実証したことであった。我々は当初、これを糖尿病性ケトアシドーシスによるものと考えたが、乳酸も、低血糖症リスクとの強い正の関係を実証していることに注目した。これらの結果は、ICU低血糖症リスクと、より高いアニオンギャップとの間に正の関係があることは、糖尿病性ケトアシドーシスのみを超えた要因(たとえば、乳酸アシドーシス、尿毒症等)による重篤な、または悪化する病気を示す可能性が高いことを示唆している。
【0091】
多変数ロジスティック回帰モデリングは、差し迫ったICU低血糖症を特徴付ける41の独立した予測因子の徴候を特定した。これらの特徴は、関連性の強さが減少する場合、血清糖、血清アニオンギャップ、体温、血清カリウム、血清クレアチニン、プロトロンビン時間、BUN/クレアチニン、血清二酸化炭素、パルスオキシメトリによる酸素飽和度の標準偏差(すなわち、O2V)、血清カルシウム、胸部インピーダンスによる呼吸数の標準偏差(すなわち、RRV)、年齢、R-R間隔に適用される傾向除去変動分析(すなわち、DFA)、R-R間隔の標準偏差(すなわち、sRRI)、血清血小板数、血清ヘマトクリット、臨床医が文書化した酸素飽和度(すなわち、SpO2)、平均R-R間隔(すなわち、<RRI>)、血清リン、拡張期血圧(カフ測定)、血清ナトリウム、血清マグネシウム、白血球数、心房細動の確率(すなわち、AF)、胸部インピーダンスによって測定された呼吸数(すなわち、RR)、血清血中尿素窒素、男性の性別、心臓テレメトリによって測定された心拍数と胸部インピーダンスによって測定された呼吸数との相互相関係数(すなわち、HRxRR)、カルマンフィルタリングを使用した心電図派生呼吸数(すなわち、EDR(K))、パルスオキシメトリによって測定された脈拍数、R-R間隔のサンプルエントロピ係数(すなわち、COSEn)、パルスオキシメトリによって測定された酸素飽和度(すなわち、SO2)、心拍数の局所動的密度(すなわち、LDd)、心拍数と酸素飽和度との相互相関係数(すなわち、HRxSO2)、(動脈ラインによって測定された)侵襲性拡張期血圧、心拍数と心電図派生呼吸数との相互相関係数(すなわち、HRxEDR)、心臓テレメトリによる心拍数の標準偏差(すなわち、HRV)、パルスオキシメトリによって測定された呼吸数(すなわち、Resp)、収縮期血圧(カフ測定)、(動脈ラインによって測定された)侵襲性収縮期血圧、胸部インピーダンスによって測定された呼吸数とパルスオキシメトリによって測定された酸素飽和度との相互相関係数(すなわち、RRxSO2)であった。
【0092】
モデルの検証とパフォーマンス
図9A~
図9Bは、ICU低血糖症モデルについて交差検証されたAUROCを示す。
図9A~
図9Bは、カラーで生成されているが、ここではグレースケールで示されている。当業者であれば、プロットを解釈する方法を理解し、同様に、グレースケールを使用することによって結果が何を表すかを理解するであろう。
図9Aは、集約ICU低血糖症モデルおよびICU特有モデルのレシーバ動作特性曲線下面積(AUROC)値を示す。対角線上の値は相互検証される。
図9Bは、ICU敗血症、挿管、および出血を予測するために開発された従来のモデルのパフォーマンスを示す。(ICU=集中治療室集約モデル、MICU=医療集中治療室、NNICU=神経科学集中治療室、STICU=外科-外傷集中治療室、TCVPO=胸部-心血管術後集中治療室、CCU=冠状動脈治療集中治療室、sep.s=STICU敗血症モデル、sep.m=MICU敗血症モデル、int.s=STICU挿管モデル、int.m=MICU挿管モデル、hem.s=STICU出血モデル、hem.m=MICU出血モデル)。
【0093】
我々のICU低血糖症モデルについて交差検証されたAUROCは、0.83(95%CI:0.79~0.88)であり(
図9Aを参照)、適合率-再現率曲線下面積(AUPRC)は、0.094(事象率=0.0045、および比=20.7)であった。我々はまた、ICU敗血症、挿管、および出血を予測するために開発された以前のモデルのパフォーマンスを調査し、ICU低血糖症の予測能力を判定した。これらのモデルはすべて、ICU低血糖症の予測能力が低いことを実証した(
図9B)。たとえば、医療用ICUの敗血症のためのモデルでは、ICU低血糖症の発見に関するAUROCが0.62であった。これは、我々のICU低血糖症モデルが、単に臨床状態を悪化させるだけではなく、低血糖症に特有であることを示唆している。我々は、次に、モデル開発に使用されていない独立したデータセットで、モデルのパフォーマンスの検証を試みた。我々のモデルは、MIMIC-IIIにおいて、AUROCが0.79(95%CI:0.77~0.81)、およびAUPRCが0.09(事象率=0.0082、および比=11.0)で良好なパフォーマンスを実証した。しかしながら、MIMIC-IIIデータセットには、(1)一部のMIMIC ICUでは、ベッドサイドモニタリングの血圧が著しく低い、(2)MIMIC-IIIのベッドサイドモニタリングバイタルサインは、1秒ごとではなく1分ごとにサンプリングされることが多いため、標準偏差は、我々のUVAデータセットとは異なる、(3)MIMIC-IIIにおける実験のタイムスタンプは、採血時間であり、結果時間ではない、(4)インスリン治療を受けた入院者のみに分析を限定するための投薬は利用できなかった、といういくつかの制限があることに注目する必要がある。
【0094】
モデルの較正および時間的リスクの関連付け
図10Aおよび
図10Bは、集約ICU低血糖症モデルについてプロットされた較正曲線を示す。
図10Aは、UVAデータセットおよびMIMIC-IIIデータセットの両方における差し迫ったICU低血糖症のリスク判定基準および分類子としてのICU低血糖症モデルの適合度を実証する較正プロットを示す。実線は、平均リスク0.62%で正規化され、最低から最高までプロットされた低血糖症指数値を表す。黒丸は、次の24時間で低血糖症が証明されたICU患者の十分位当たりの割合を表す。エラーバーは、観察されたリスク(割合)の標準誤差に基づいている。(ICU=集中治療室、UVA=バージニア大学)。
図10Bは、UVaデータセットおよびMIMIC IIIデータセットの両方において、ICU低血糖症モデルによって決定された、低血糖症事象に対する平均リスクを示す。(UVa=バージニア大学)。
【0095】
集約ICU低血糖症モデルについてプロットされた較正曲線が、
図10Aに示される。このモデルは、UVAデータセットとMIMIC-IIIデータセットの両方内で合理的な較正を実証しており、相対リスクが増加するにつれて予測リスクも増加した。注目すべきことに、両方のデータセットにおいて、最低80%の予測リスクを有する患者は、平均観察リスクよりも低かった。
図10Bは、低血糖症事象のタイミングに関する平均リスクを実証している。このモデルは、UVAデータセットとMIMIC-IIIデータセットとの両方で、低血糖症事象の約4~6時間前に低血糖症リスクが上昇していることを特定し、低血糖症が臨床的に認識される前の数時間における生理学的および生化学的異常の程度の上昇を反映している。
【0096】
議論
大規模な大学病院のEHRから収集された豊富なICUデータセットを用いて、我々は、「ビッグデータ」分析アプローチを利用し、多変数ロジスティック回帰を適用して、容易に入手可能な生理学的および生化学的データから、ICU低血糖症の徴候を記述した。包括的徴候は41の異なる変数で構成されており、優れた識別能力と合理的な較正とを実証した(28)。我々の知る限り、これは、ICU低血糖症の臨床病態生理の包括的かつ定量的な予測モデルを提供するために、血行力学および電気生理学的ベッドサイドモニタリングデータを組み込んだ最初の研究である。
【0097】
我々の集約モデルの特徴は、異なる成人ICUにわたって一貫した、差し迫ったICU低血糖症の病態生理学的徴候を記述した。この徴候は、最近の血糖傾向とは無関係であり、他の病気と一般的に類似していた(たとえば、低血糖症、低体温、アニオンギャップの増加、低カルシウム血症等は、重症状態で頻繁に見られる代謝および血行動態の障害である(11,29~32))が、独自のモデルを保証するための十分な違いがあった。このモデルは、UVAデータセットとMIMIC-IIIデータセットとの両方で、低血糖症事象の約4~6時間前に低血糖症リスクが上昇していることを特定し、低血糖症事象の発生前に早期介入を行う合理的な時間枠があることを示唆している。
【0098】
機械学習は、入院患者の低血糖症の予測モデルを開発するためにますます利用されている(15,17,33~36)。これまでのところ、ICU低血糖症の予測のみに焦点を当てた報告は1つだけであり、この研究は、モデル開発のために分類ツリー学習を利用した(17)。他のいくつかのモデルは、入院患者の低血糖症を予測するためにロジスティック回帰技法または多変数回帰技法を利用していたが、これらの研究では、糖尿病と診断された入院患者のみ(15,35)、重度の低血糖症を経験した入院患者のみ(33,34)、および非重症入院患者のみ(36,37)を検査した。Ruanらは、最近、(入院終了後に入手可能なデータに基づいて)入院者全体からの平均値を使用して、糖尿病の入院患者における低血糖症のリスクを遡及的に推定する高度な機械学習モデルおよびロジスティック回帰モデルの能力を比較した(15)。対照的に、我々が提示するモデルは、その時点で入手可能なデータのみに基づいて、ICU滞在中の任意の時点でのリスク予測に適している。本研究と同様に、Mathioudakisらは、最近、入院患者における医原性低血糖症の短期リスクを予測するための機械学習モデルを開発および検証した(37)。しかしながら、彼らのモデルは特に、ICU以外の入院者を対象としてトレーニングされ、開発されたものであり、予測因子として血糖を除外しなかった。我々の結果は、集約ICU低血糖症モデル(血糖、生化学、電気生理学的モニタリングデータを含む)は、血糖のみや血行力学/電気生理学的モニタリングデータのみに基づくモデルと比較して、すべての発見ウィンドウで、有意に高いAUROC値を実証したことを示している。
【0099】
本研究の知見は、他のグループの研究を前進させ、血行力学的データおよび電気生理学的データが、生化学的データを増強して、ICU低血糖症の予測モデルを改善することを実証している。
【0100】
適切な血糖管理は、質重視の入院患者医療の必要な要素である。重症入院患者では、集中的な血糖コントロールにより高血糖は減少するが、その後、低血糖症を引き起こすことがよくある(11)。NICE-SUGAR試験では、集中インスリン療法が、ICU患者において、従来の治療と比較して90日死亡率を増加させることが判明した(38)。その試験では、従来の治療と比較して、強力なインスリン療法の方が重度の低血糖症の発生率が有意に高かった。
【0101】
他の研究は、軽度の低血糖症であっても、ICU入院期間の延長と強く関連付けられていることを示している(13)。我々の研究は、ICU低血糖症、死亡率、および入院期間との間に同様の関連性があることを判明させた。我々は、これらの関連性の因果関係を証明することはできず、低血糖症自体が、病気の悪化または重度の臨床徴候である可能性がある。しかしながら、ある最近の研究により、入院患者の低血糖症の発生率を減らすと、入院患者の死亡率と30日死亡率も同時に低下することが判った(39)。ICU低血糖症の直接的な低減が、臨床転帰を改善するか否かを判定するには、さらなる試験が必要である。このモデルは、リアルタイムのICU入院者の「バックグラウンド」で利用され、低血糖症を前向きに予測するか否かが判定され、早期介入によってどのような臨床事象を予防できるかが判定される。このモデルは、臨床判断支援システムに組み込むことができる。
【0102】
我々の研究は、モデル開発のために使用される大規模なデータセットを含む、注目すべきいくつかの長所がある。別の長所は、生理学的変数の小さな変化から、低血糖症リスクの変化を即座に定量化し、特定の患者におけるICU低血糖症リスクの、新しく継続的に更新される推定値を生成できるモデルの能力である。EHRおよびベッドサイドモニタリングデータから容易にアクセスできる変数を使用することで、個人のリスクレベルに基づいて、適切な介入を示唆する臨床判断支援システムへの統合が可能となり、最終的にはICU低血糖症に対する個別化されたアプローチを提供する。
【0103】
この研究には議論を保証する限界もある。第1に、我々のモデルは、単一施設の遡及的な観察データを使用して生成された。第2に、我々のEHRデータセットは、低血糖症の認識状態、継続的な血糖モニタリング値、または入院前の血糖自己モニタリング値を定量化しない。これらのデータは、入院患者の低血糖症発症の重要な要因である可能性があるが、そのようなデータは重症患者には直接適用できない可能性があると指摘する人もいる(15)。
【0104】
最後に、経口または経腸栄養摂取状態に関してEHRで容易に入手できる情報はなかった。そのようなデータがなくても、ICU低血糖症を予測するモデルの能力は変わらないが、データを含めることはおそらく有益であろう。
【0105】
結論
要約すると、我々は、多数の重症成人患者からのデータを使用して、日常的なモニタリング変数が、ICU低血糖症の詳細かつ明確な病態生理学的表現タイプを記述できるという仮説を検証した。この生理学的徴候は、差し迫ったICU低血糖症の認識を改善し、早期介入の設計を通知し、その有効性を測定し、斬新な治療法の開発の機会を特定することによって、将来の予測モデリングの基礎を提供することができた。
【0106】
本発明の実施形態の態様は、とりわけ、a)差し迫った集中治療室の低血糖症の予測モデルを提供すること、b)差し迫った低血糖症の認識を改善し、ICU患者における予防療法の早期投与を指示する、将来のリアルタイム予測モデリングの基礎を提供し得る、ICU低血糖症の予測モデルを提供すること、c)ICU低血糖症の臨床病態生理の包括的かつ定量的な予測モデルを提供するために、血行力学および電気生理学的ベッドサイドモニタリングデータを組み込む能力、d)低血糖症事象の発生前の特定の期間(たとえば、約4~6時間)における低血糖症リスクの上昇を特定する予測モデルを提供し、低血糖症事象の発生前に早期介入のための合理的な時間枠があることを示唆すること、e)臨床効果をもたらす予測モデルを提供すること、f)低血糖症を前向きに予測し、早期介入によってどの臨床事象を予防できるかを判定するモデルを提供すること、または、g)ICU低血糖症の詳細かつ明確な病態生理学的表現タイプを記述できるが、これに限定されない、日常的なモニタリング変数を生成する予測モデルを提供することのうちの1つまたは複数のためのシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体を提供する。
【0107】
本発明の実施形態の態様は、とりわけ、ベッドサイドモニタリングおよび電子健康記録データにおいて、差し迫ったICU低血糖症の病態生理学的徴候を提供するためのシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体を提供する。
【0108】
本発明の実施形態の態様は、とりわけ、低血糖症の病態生理学的徴候を判定するための予測モデルを提供するためのシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体を提供する。
【0109】
本開示の例示的な実施形態は、場合によっては本明細書で詳細に説明されるが、他の実施形態も考慮されることを理解されたい。
【0110】
したがって、本開示は、その範囲が、以下の記述に記載される、または図面に例示される構成要素の構造および配置の詳細に限定されることを意図するものではない。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な手法で実践または実行することができる。
【0111】
本明細書で議論される本発明の実施形態のいずれかに関して参照される構成要素またはモジュールのいずれも、互いに一体的にまたは別個に形成され得ることが認識されるであろう。さらに、構成要素またはモジュールの冗長な機能または構造が実施され得る。さらに、様々な構成要素は、任意のユーザ/オペレータ/顧客/クライアントまたはマシン/システム/コンピュータ/プロセッサと、ローカルに、および/または、リモートで通信され得る。さらに、様々な構成要素は、ワイヤレス、および/または、ハードワイヤ、または他の望ましい利用可能な通信手段、システム、およびハードウェアを介して通信され得る。さらに、様々な構成要素およびモジュールは、同様の機能を提供する他のモジュールまたは構成要素で置き換えられ得る。
【0112】
本明細書で論じられるデバイスおよび関連する構成要素は、環境的、解剖学的、構造的要求および動作要件を提供し満たすために、x、y、およびz平面の操作の連続的な幾何学的スペクトル全体に沿った、あらゆる形状を採り得ることが認識されるであろう。さらに、様々な構成要素の位置および配置は、所望または必要に応じて変化し得る。
【0113】
全体を通して論じられた様々な実施形態における任意の構成要素または構成要素の一部の様々なサイズ、寸法、輪郭、剛性、形状、可撓性および材料は、所望または必要に応じて変えられ、利用され得ることが認識されるであろう。
【0114】
前述の図にはいくつかの寸法が与えられているが、デバイスは、デバイスの構成要素または構成要素の一部に関連するため、様々なサイズ、寸法、輪郭、剛性、形状、可撓性および材料を構成し得、したがって、所望または必要に応じて変えられ、利用され得ることが認識されるであろう。
【0115】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、文脈上明らかに別段の指示がない限り、単数形「a」、「an」、および「the」は、複数の指示対象を含むことにも注目されるべきである。本明細書では、範囲は、「約」または「ほぼ」ある特定の値から、および/または、「約」または「ほぼ」別の特定の値までとして表現され得る。そのような範囲が表現される場合、他の例示的な実施形態は、ある特定の値から、および/または、他の特定の値までを含む。
【0116】
「備える」または「含有する」または「含む」とは、少なくとも指定された化合物、元素、粒子、または方法ステップが、組成物または物品または方法に存在することを意味するが、他のそのような化合物、材料、粒子、または方法ステップが、名前と同じ機能を有している場合でも、他の化合物、材料、粒子、または方法ステップの存在を排除するものではない。
【0117】
例示的な実施形態を記述する際、明確化のために専門用語が使用される。各用語は、当業者によって理解される最も広い意味を意図しており、同様の目的を達成するために同様の方式で動作するすべての技術的等価物を含むことが意図される。また、方法の1つまたは複数のステップの言及は、明示的に特定されたステップ間の、追加の方法ステップまたは介在する方法ステップの存在を排除するものではないことも理解されるべきである。方法のステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書に記述されたものとは異なる順序で実行され得る。同様に、デバイスまたはシステム内の1つまたは複数の構成要素の言及は、明示的に特定された構成要素間の追加の構成要素または介在構成要素の存在を排除するものではないことも理解されるべきである。
【0118】
様々な特許、特許出願、および刊行物を含み得るいくつかの参考文献は、参考文献リストにおいて引用され、本明細書に提供される開示において議論される。そのような参考文献の引用および/または議論は、単に本開示の記述を明確にするために提供されており、そのような参考文献が、本明細書に記述される本開示の任意の態様に対する「先行技術」であることを認めるものではない。表記上、「[n]」は、リストにおけるn番目の参考文献に対応する。本明細書で引用および論じられたすべての参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、あたかも各参考文献が個別に参照により組み込まれたのと同じ程度に本明細書に組み込まれる。
【0119】
本明細書で議論されるように、対象は、ヒトまたは任意の動物であり得ることが認識されるであろう。動物は、哺乳類、獣医用動物、家畜動物、またはペットタイプの動物等を含むがこれらに限定されない、様々な任意の適用可能なタイプであり得ることが認識されるであろう。例として、動物は、ヒトに類似した特定の特性を有するように特に選択された実験動物(たとえば、ラット、イヌ、ブタ、サル)等であり得る。対象は、たとえば、任意の適用可能なヒトの患者であり得ることが認識されるであろう。
【0120】
本明細書で議論されるように、「対象」は、適用可能な任意のヒト、動物、または他の生物、生死、または他の生物学的もしくは分子構造もしくは化学的環境であり得、対象の特定の構成要素、たとえば対象の特有の組織または体液(たとえば、生きている対象の身体の特定の領域におけるヒト組織)に関連し得、本明細書では「対象エリア」または「対象領域」と呼ばれる、対象の特定の位置であり得る。
【0121】
用語「約」は、本明細書で使用される場合、およそ、その領域で、おおよそ、または周囲を意味する。用語「約」が数値範囲と併せて使用される場合、記載された数値の上下の境界を拡張することによってその範囲を変更する。一般に、用語「約」は、本明細書では、記載された値を、上下10%の変動によって変更するために使用される。1つの態様では、用語「約」は、それが使用される数値のプラスまたはマイナス10%を意味する。したがって、約50%とは45%~55%の範囲を意味する。本明細書においてエンドポイントによって列挙される数値範囲は、その範囲内に包含されるすべての数値および分数を含む(たとえば、1から5は、1,1.5,2,2.75,3,3.90,4,4.24および5を含む)。同様に、エンドポイントによって本明細書に記載される数値範囲は、その範囲内に包含される部分範囲を含む(たとえば、1から5は、1~1.5,1.5~2,2~2.75,2.75~3,3~3.90,3.90~4,4~4.24,4.24~5,2~5,3~5,1~4および2~4を含む)。また、そのすべての数および分数は、用語「約」によって変更されると推定されることも理解されるべきである。
【0122】
本開示の態様の追加の記述が、添付の図面を参照して提供される。図面は本明細書の一部を形成し、例示として特定の実施形態または例を示す。
【0123】
図11は、本発明の実施形態の1つまたは複数の態様を実施できるマシンの例を示すブロック図である。
【0124】
図11を参照すると、本発明の実施形態の態様は、1つまたは複数の実施形態(たとえば、議論された方法論)を実施(たとえば、実行)することができる例示的なマシン1100のブロック図を示す、低血糖症リスクを特定および予測するためのモデルを提供するシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体を含むが、これらに限定されない。
【0125】
マシン1100の例は、ロジック、1つまたは複数の構成要素、回路(たとえば、モジュール)、または機構を含むことができる。回路は、特定の演算を実行するように構成された有形の実体である。例では、回路は、指定された方式で(たとえば、内部的に、または他の回路等の外部エンティティに対して)配置できる。例では、1つまたは複数のコンピュータシステム(たとえば、スタンドアロン、クライアント、またはサーバコンピュータシステム)または、1つまたは複数のハードウェアプロセッサ(プロセッサ)は、ソフトウェア(たとえば、命令、アプリケーション部分、またはアプリケーション)によって、本明細書に記述される特定の演算を実行するように動作する回路として構成できる。例では、ソフトウェアは、(1)非一時的な機械可読媒体(たとえば、非一時的な不揮発性メモリ)上に、または(2)送信信号内に常駐することができる。例では、ソフトウェアは、回路の基礎となるハードウェアによって実行されると、回路に特定の演算を実行させる。
【0126】
例では、回路は、機械的または電子的に実施することができる。たとえば、回路は、専用プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または特定用途向け集積回路(ASIC)を含むような、上記で論じられたような1つまたは複数の技法を実行するように特に構成された専用回路構成またはロジックを備えることができる。例では、回路は、特定の演算を実行するために(たとえば、ソフトウェアによって)一時的に構成することができるプログラマブルロジック(たとえば、汎用プロセッサまたは他のプログラマブルプロセッサ内に包含されるような回路構成)を備えることができる。回路を機械的に(たとえば、専用の永続的に構成された回路構成で)実施するか、または(たとえば、ソフトウェアによって構成された)一時的に構成された回路構成で実施するかの決定は、コストおよび時間を考慮してなされ得ることが認識されよう。
【0127】
したがって、用語「回路」は、指定された方式で演算する、または指定された動作を実行するように、物理的に構築された、永続的に構成された(たとえば、ハードワイヤされた)、または一時的に(たとえば過渡的に)構成された(たとえば、プログラムされた)有形の実体を包含すると理解される。例では、複数の一時的に構成された回路が与えられた場合、回路の各々は、任意の瞬間に構成またはインスタンス化される必要はない。
【0128】
たとえば、回路がソフトウェアを介して構成された汎用プロセッサを備える場合、汎用プロセッサは、異なる時点でそれぞれ異なる回路として構成することができる。したがって、ソフトウェアは、たとえば、ある時点では特定の回路を構成し、別の時点では別の回路を構成するようにプロセッサを構成することができる。
【0129】
例では、回路は、他の回路に情報を提供したり、他の回路から情報を受け取ったりすることができる。この例では、回路は、1つまたは複数の他の回路に通信可能に結合されているとみなすことができる。そのような回路が、複数同時に存在する場合、回路を接続する信号送信を通じて(たとえば、適切な回路およびバスを介して)通信を達成することができる。複数の回路が、異なる時点で構成されるか、またはインスタンス化される実施形態では、そのような回路間の通信は、たとえば、複数の回路がアクセスできるメモリ構造における情報の記憶および取得を通じて達成することができる。たとえば、ある回路が、演算を実行し、通信可能に結合されているメモリデバイスに、その演算の出力を格納できる。その後、さらなる回路が、メモリデバイスにアクセスして、格納された出力を取得して処理することができる。例では、回路は、入力デバイスまたは出力デバイスとの通信を開始または受け取るように構成することができ、リソース(たとえば、情報の集合)上で動作することができる。
【0130】
本明細書で記述される方法の例の様々な動作は、関連する動作を実行するように一時的に(たとえば、ソフトウェアによって)構成されるか、または永続的に構成される、1つまたは複数のプロセッサによって、少なくとも部分的に実行することができる。一時的に構成されるか、または永続的に構成されるかに関わらず、そのようなプロセッサは、1つまたは複数の演算または機能を実行するように動作するプロセッサ実施回路を構成できる。例では、本明細書で言及される回路は、プロセッサ実施回路を備えることができる。
【0131】
同様に、本明細書で記述される方法は、少なくとも部分的にプロセッサで実施することができる。たとえば、方法の動作の少なくとも一部は、1つまたは複数のプロセッサまたはプロセッサ実施回路によって実行することができる。特定の動作のパフォーマンスは、単一のマシン内に存在するだけでなく、複数のマシンに展開された1つまたは複数のプロセッサ間で分散できる。例では、1つまたは複数のプロセッサを、単一の場所(たとえば、家庭環境内、オフィス環境内、またはサーバファームとして)に配置することができるが、他の例では、プロセッサを、複数の場所に分散させることができる。
【0132】
1つまたは複数のプロセッサは、「クラウドコンピューティング」環境において、または「サービスとしてのソフトウェア」(SaaS)として、関連する動作のパフォーマンスをサポートするように動作することもできる。たとえば、動作の少なくとも一部は、コンピュータのグループによって(プロセッサを含むマシンの例として)実行することができ、これらの動作は、ネットワーク(たとえば、インターネット)を介して、および1つまたは複数の適切なインターフェース(たとえば、アプリケーションプログラムインターフェース(API))を介してアクセス可能である。
【0133】
例示的な実施形態(たとえば、装置、システム、または方法)は、デジタル電子回路構成、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組合せで実施することができる。例示的な実施形態は、コンピュータプログラム製品(たとえば、プログラマブルプロセッサ、1つのコンピュータ、または複数のコンピュータのような、データ処理装置による実行のために、またはその動作の制御のために、情報キャリアまたは機械可読媒体に有形的に具現化されるコンピュータプログラム)を使用して実施することができる。
【0134】
コンピュータプログラムは、コンパイル言語またはインタープリタ言語を含む任意の形態のプログラミング言語で記述することができ、スタンドアロンプログラムとして、またはソフトウェアモジュール、サブルーチン、またはコンピューティング環境での使用に適した他のユニットとして含む、任意の形態で展開することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、または1つのサイトにおける複数のコンピュータ上で、または、複数のサイトに分散され、通信ネットワークによって相互接続されて実行されるように展開することもできる。
【0135】
例では、入力データを演算して、出力を生成することによって機能を実行するために、コンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプログラマブルプロセッサによって動作を実行することができる。方法動作の例は、専用論理回路構成(たとえば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または特定用途向け集積回路(ASIC))によって実行することもでき、例示的な装置は、専用論理回路構成として実施することもできる。
【0136】
コンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは通常、互いに遠隔にあり、通常は通信ネットワークを通じて対話する。クライアントとサーバとの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行し、相互にクライアント-サーバ関係を有する、コンピュータプログラムによって発生する。プログラマブルコンピューティングシステムを展開する実施形態では、ハードウェアアーキテクチャとソフトウェアアーキテクチャとの両方を考慮する必要があることが認識される。具体的には、特定の機能を永続的に構成されたハードウェア(たとえば、ASIC)で実施するか、一時的に構成されたハードウェア(たとえば、ソフトウェアとプログラマブルプロセッサとの組合せ)、または永続的および一時的の組合せで構成されたハードウェアで実施するかの選択は、設計上の選択とすることができると認識されるであろう。以下に、例示的な実施形態で展開できるハードウェア(たとえば、マシン1100)およびソフトウェアのアーキテクチャを示す。
【0137】
例では、マシン1100は、スタンドアロンデバイスとして動作することができるか、またはマシン1100は、他のマシンに接続(たとえば、ネットワーク接続)することができる。
【0138】
ネットワーク化された展開では、マシン1100は、サーバ-クライアントネットワーク環境において、サーバまたはクライアントマシンのいずれかの能力で動作することができる。例では、マシン1100は、ピアツーピア(または、他の分散)ネットワーク環境において、ピアマシンとして機能することができる。マシン1100は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、モバイル電話、ウェブアプライアンス、ネットワークルータ、スイッチまたはブリッジ、またはマシン1100によって講じられる(たとえば、実行される)アクションを指定する命令(シーケンシャルまたはその他)を実行できる任意のマシンであり得る。さらに、単一のマシン1100のみが例示されているが、用語「マシン」は、本明細書で議論された方法論のいずれか1つまたは複数を実行するために命令のセット(または複数のセット)を個別にまたは共同で実行するマシンの任意の集合を含むものと解釈されるものとする。
【0139】
例示的なマシン(たとえば、コンピュータシステム)1100は、そのいくつかまたはすべてが、バス1108を介して相互に通信することができる、プロセッサ1102(たとえば、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)、またはその両方)、メインメモリ1104、およびスタティックメモリ1106を含むことができる。
【0140】
マシン1100はさらに、表示ユニット1110、英数字入力デバイス1112(たとえば、キーボード)、およびユーザインターフェース(UI)ナビゲーションデバイス1114(たとえば、マウス)を含むことができる。例では、表示ユニット1110、入力デバイス1117、およびUIナビゲーションデバイス1114は、タッチスクリーンディスプレイであり得る。マシン1100は、それに加えて、記憶デバイス(たとえば、ドライブユニット)1116、信号生成デバイス1118(たとえば、スピーカ)、ネットワークインターフェースデバイス1120、および全地球測位システム(GPS)センサ、コンパス、加速度計、または他のセンサのような1つまたは複数のセンサ1121を含むことができる。
【0141】
記憶デバイス1116は、本明細書に記述される方法論または機能のうちの任意の1つまたは複数によって具現化または利用される、データ構造または命令1124(たとえば、ソフトウェア)の1つまたは複数のセットが格納される機械可読媒体1122を含むことができる。命令1124は、マシン1100によるその実行中に、完全にまたは少なくとも部分的に、メインメモリ1104内、スタティックメモリ1106内、またはプロセッサ1102内に常駐することもできる。例では、プロセッサ1102、メインメモリ1104、スタティックメモリ1106、または記憶デバイス1116のうちの1つまたは任意の組合せは、機械可読媒体を構成することができる。機械可読媒体1122は、単一の媒体として例示されているが、用語「機械可読媒体」は、1つまたは複数の命令1124を格納するように構成された単一の媒体または複数の媒体(たとえば、集中データベースまたは分散データベース、および/または、関連付けられたキャッシュおよびサーバ)を含むことができる。用語「機械可読媒体」は、機械による実行のための命令を格納、符号化、または搬送することができ、機械に対して本開示の方法論のいずれか1つまたは複数を実行させる、または、そのような命令によって利用される、またはそのような命令に関連付けられたデータ構造を格納、符号化、または搬送できる、任意の有形媒体を含むものと解釈することもできる。したがって、用語「機械可読媒体」は、ソリッドステートメモリ、光媒体、および磁気媒体を含むと解釈することができるが、これらに限定されない。機械可読媒体の特定の例は、一例として、半導体メモリデバイス(たとえば、電気的にプログラム可能な読取専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読取専用メモリ(EEPROM))、およびフラッシュメモリデバイスを含む不揮発性メモリ、内蔵ハードディスクやリムーバブルディスクのような磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROMおよびDVD-ROMディスクを含むことができる。
【0142】
命令1124はさらに、多数の転送プロトコル(たとえば、フレームリレー、IP、TCP、UDP、HTTP等)のうちのいずれかを利用して、ネットワークインターフェースデバイス1120を介して、伝送媒体を使用して、通信ネットワーク1126を介して送信または受信することができる。
【0143】
例示的な通信ネットワークは、とりわけ、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、パケットデータネットワーク(たとえば、インターネット)、モバイル電話ネットワーク(たとえば、セルラネットワーク)、プレインオールド電話(POTS)ネットワーク、およびワイヤレスデータネットワーク(たとえば、Wi-Fi(R)として知られるIEEE802.11規格体系、WiMax(R)として知られるIEEE802.16規格体系)、ピアツーピア(P2P)ネットワーク等を含むことができる。用語「伝送媒体」は、マシンによる実行のための命令を格納、符号化、または搬送でき、デジタルまたはアナログ通信信号、またはそのようなソフトウェアの通信を容易にする他の無形媒体を含む、任意の無形媒体を含むと解釈されるものとする。
【0144】
要約すると、本発明は、特有の実施形態に関して記述されてきたが、当業者には多くの変更、バリエーション、変形、置換、および等価物が明らかになるであろう。本発明は、本明細書で記述された特有の実施形態によって範囲が限定されるものではない。実際、本明細書で記述されたものに加えて、本発明の様々な変更は、前述の記述および添付の図面から当業者に明らかになるであろう。したがって、本発明は、すべての変更および等価物を含む開示(および、請求項)の精神および範囲によってのみ限定されるものとみなされるべきである。
【0145】
さらに他の実施形態は、特定の例示的な実施形態の上記の詳細な記述および図面を読めば、当業者に容易に明らかになるであろう。多くのバリエーション、変更、および追加の実施形態が可能であり、したがって、そのようなバリエーション、変更、および実施形態はすべて、本出願の精神および範囲内にあるとみなされることが理解されるであろう。たとえば、本出願の任意の部分(たとえば、発明の名称、分野、背景技術、概要、要約、図面等)の内容に関わらず、別途明確に指定されていない限り、記述または例示されたあらゆる特定のアクティビティまたは要素、そのようなアクティビティのあらゆる特定の順序、または、そのような要素のあらゆる特定の相互関係を、本明細書、または本明細書の優先権を主張するどの出願のどの請求項にも含める必要はない。さらに、任意のアクティビティを反復すること、任意のアクティビティを複数のエンティティによって実行すること、および/または、任意の要素を複製することが可能である。さらに、任意のアクティビティまたは要素を除外すること、アクティビティの順序が変化すること、および/または、要素の相互関係が変化することができる。別途明確に指定されていない限り、あらゆる特定の記述または例示されたアクティビティまたは要素、あらゆる特定の順序またはそのようなアクティビティ、特定のサイズ、速度、材料、寸法または周波数、またはそのような要素のあらゆる特定の相互関係に対する要件はない。したがって、記述および図面は本質的に例示的であるとみなされるべきであり、限定的であるとみなされるべきではない。さらに、本明細書に任意の数値または範囲が記述されている場合、別途明記されていない限り、その数値または範囲は近似値である。本明細書に何らかの範囲が記述されている場合、別途明記されていない限り、その範囲は、その中のすべての値およびその中のすべての部分範囲を含む。参照により本明細書に組み込まれたあらゆる資料(たとえば、米国/外国特許、米国/外国特許出願、書籍、記事等)におけるあらゆる情報は、そのような情報と、本明細書に記載されている他の記述および図面との間に矛盾が存在しない範囲で、単に参照により組み込まれる。本明細書のいずれかの請求項を無効にする、または本明細書の優先権を求める矛盾を含む、そのような矛盾が生じた場合、参照資料によってそのように組み込まれたいずれの矛盾する情報も、特に参照により本明細書に組み込まれない。
【0146】
以下の参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
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【国際調査報告】