(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】カプラン型タービン
(51)【国際特許分類】
F03B 3/06 20060101AFI20240925BHJP
F03G 7/00 20060101ALI20240925BHJP
F03B 15/04 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
F03B3/06
F03G7/00 B
F03B15/04 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571461
(86)(22)【出願日】2022-11-10
(85)【翻訳文提出日】2024-01-05
(86)【国際出願番号】 IB2022060836
(87)【国際公開番号】W WO2023084443
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】102021000028808
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523432416
【氏名又は名称】ゼコ ディ ゼルバロ イー コスタ イー シー.エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】トゥルカト,ダヴィデ
(72)【発明者】
【氏名】ミリオリーニ,ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】ド プレト,フランチェスコ
【テーマコード(参考)】
3H072
3H073
【Fターム(参考)】
3H072AA10
3H072BB09
3H072BB31
3H072CC54
3H073AA10
3H073CC19
3H073CD02
3H073CD18
3H073CE01
3H073CE27
(57)【要約】
本発明は、ステーター部分(11)及びローター部分(12)を含むカプラン型タービン(10)に関し、ステーター部分(11)は、回転軸(X1)を有するインペラ(14)に向かうように水流を搬送するように構成された導管(13)と、発電機のステーター(15)と、を備える一方、ローター部分(12)は、-インペラ(14)を備え、インペラ(14)は、さらには、-回転軸(X1)に実質的に直角な傾斜軸(X2)に対する可変角度の配置を有する少なくとも3つのブレード(17)を伴う、オジーブ(16)と、-インペラ(14)を支える回転シャフト(18)と、-オジーブ(16)及び回転シャフト(18)の内側に画定されたブレード(17)の配置を調整するための調整手段(19)と、
-回転シャフト(18)に固定された発電機のローター(20)と、を備える。ブレード(17)の配置を調整するための調整手段(19)は、ブレード(17)ごとに、-ブレード(17)の1つが伸びている耐荷重ディスク(21)であって、耐荷重ディスク(21)が傾斜軸(X2)の周りでオジーブ(16)上で回転するように拘束される、耐荷重ディスク(21)と、-耐荷重ディスク(21)に固定され、オジーブ(16)の内側で、傾斜軸(X2)に対して半径方向に伸びるレバー(23)と、-レバー(23)に対して及び駆動スライダー(25)に対して旋回する操縦ロッド(24)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステーター部分(11)及びローター部分(12)を含むカプラン型タービン(10)であって、
前記ステーター部分(11)は、
-回転軸(X1)を有するインペラ(14)に向かうように水流を搬送するように構成された導管(13)と、
-発電機のステーター(15)と、を備え、
前記ローター部分(12)は、
-インペラ(14)を備え、前記インペラ(14)は、さらには、
-前記回転軸(X1)に実質的に直角な傾斜軸(X2)に対する可変角度の配置を有する少なくとも3つのブレード(17)を伴う、オジーブ(16)と、
-前記インペラ(14)を支える回転シャフト(18)と、
-前記オジーブ(16)及び前記回転シャフト(18)の内部に画定された前記ブレード(17)の前記配置を調整するための調整手段(19)と、
-前記ステーター(15)において前記回転シャフト(18)に固定された前記発電機のローター(20)と、を備え、
前記ブレード(17)の前記配置を調整するための前記手段(19)は、前記ブレード(17)ごとに、
-前記ブレード(17)の1つが伸びている耐荷重ディスク(21)であって、前記耐荷重ディスク(21)が前記傾斜軸(X2)の周りで前記オジーブ(16)上で回転するように拘束される、耐荷重ディスク(21)と、
-前記耐荷重ディスク(21)に固定され、前記オジーブ(16)の内側で伸びるレバー(23)と、
-前記レバー(23)に対して第1の端(24a)で、及び駆動スライダー(25)に対して第2の反対端(24b)で旋回する操縦ロッド(24)と、を備え、
-前記ブレード(17)の前記配置を調整するための前記手段(19)は、また、前記オジーブ(16)の内部で、
-前記操縦ロッド(24)の前記第2の端(24b)が旋回する駆動スライダー(25)と、
-前記駆動スライダー(25)のための軸方向並進システム(26)であって、前記ナット(27)及びウォームねじ(28)のタイプであり、前記ナット(27)は前記駆動スライダー(25)に固定され、前記ウォームねじ(28)は、前記回転シャフト(18)の内部で動作するように位置付けられた駆動軸(29)と同軸上に固定される、軸方向並進システム(26)と、を備え、
前記ブレード(17)の前記配置を調整するための前記手段(19)は、また、前記駆動軸(29)のための空気式回転アクチュエーター(30)を備えることを特徴とする、カプラン型タービン(10)。
【請求項2】
前記空気式回転アクチュエーター(30)は、
-前記回転シャフト(18)に乗るように搭載され、前記駆動軸(29)を前記回転シャフト(18)に対して回転させるように構成された空気モーター(31)と、
-固定支持構造に固定された外部ステーター本体(33)と、前記空気モーター(31)を往復して圧縮空気を伝送するように構成された内部回転体(34)とを備える空気式回転ジョイント(32)と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のタービン(10)。
【請求項3】
前記回転シャフト(18)の内部は中空であり、前記駆動軸(29)は前記回転シャフト(18)と同軸であることを特徴とする、請求項1~2のうちの1つ以上に記載のタービン(10)。
【請求項4】
前記ウォームねじ(28)は再循環ボールねじであることを特徴とする、請求項1~3のうちの1つ以上に記載のタービン(10)。
【請求項5】
前記オジーブ(16)は、前記回転シャフト(18)と同軸の中央カラー(38)を支える内部中空球状体(37)を備え、前記オジーブ(16)は前記球状体(37)に固定される底部(39)を含み、前記オジーブ(16)は、ハブ(40)を用いて前記回転シャフト(18)に堅く接続されることを特徴とする、請求項1~4のうちの1つ以上に記載のタービン(10)。
【請求項6】
前記駆動軸(29)は、第1の端で、前記空気モーター(31)に接続され、反対側の第2の端で、前記ウォームねじ(28)に接続され、前記駆動軸(29)はジョイント(42)を用いて前記ウォームねじ(28)に接続されることを特徴とする、請求項1~5のうちの1つ以上に記載のタービン(10)。
【請求項7】
前記ウォームねじ(28)は前記中央カラー(38)を通過し、摩擦低減構成要素、例えばブッシング(45)によって、前記底部(39)に拘束されることを特徴とする、請求項5に記載のタービン(10)。
【請求項8】
前記中央カラー(38)は前記球状体(37)の内側でカンチレバーのように伸び、前記中央カラー(38)の自由端(38a)と前記底部(39)との間に、前記スライダー(25)、及び前記スライダー(25)に固定された前記ナット(27)のための運動空間が画定され、前記スライダー(25)は、ストローク上端の配置とストローク下端の配置との間で自由に並進し、前記オジーブ(16)の内側に、前記ストローク上端の配置を規定するストローク要素の上端(46)、及び前記ストローク下端の配置を規定するストローク要素の下端(47)が画定されることを特徴とする、請求項5または7に記載のタービン(10)。
【請求項9】
前記空気式回転アクチュエーター(30)は、前記回転シャフト(18)と一体になり、前記回転シャフト(18)と同軸であるチューブ状支持体(60)を備え、前記空気モーター(31)は前記チューブ状支持体(60)の内側に固定され、前記空気式回転ジョイント(32)の前記内部回転体(34)は、前記回転シャフト(18)と同軸上で回転するように、前記チューブ状支持体(60)のカバー(61)に固定されることを特徴とする、請求項1~8のうちの1つ以上に記載のタービン(10)。
【請求項10】
前記タービン(10)は、前記ブレード(17)の角度位置を検出するための検出手段(70)を備えることを特徴とする、請求項1~9のうちの1つ以上に記載のタービン(10)。
【請求項11】
前記検出手段(70)は、
-移動体(80)と、
-前記ブレード(17)の回転角に比例して、前記移動体(80)を変位させるように構成された変位手段(81)と、
-前記移動体(80)の前記変位を検出するように構成されたセンサー(82)と、
を備えることを特徴とする、請求項10に記載のタービン(10)。
【請求項12】
前記移動体(80)は前記チューブ状支持体(60)を囲むように設置された環状本体(80a)を備え、前記環状本体(80a)は1つ以上の回転可能ねじ式ステム(83)に拘束され、前記回転可能ねじ式ステム(83)の回転により、第1の方向に、または前記回転軸(X1)の方向の第2の反対方向に、前記同じ環状本体(80a)の変位を生じさせ、前記回転可能ねじ式ステム(83)のそれぞれは、前記環状本体(80a)に固定されたねじ式ブッシング(84)上で回転するように設置され、前記ねじ式ステム(83)のそれぞれは、前記ねじ式ステム(83)の主軸が前記回転軸(X1)に平行な状態で回転するように設置され、前記ねじ式ステム(83)のそれぞれは駆動歯状ホイール(85)を有し、駆動歯状ホイール(85)のそれぞれは前記駆動軸(29)と一体になる駆動歯状ホイール(86)と噛合することを特徴とする、請求項11に記載のタービン(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカプラン型タービンに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、すべての分野では、生態学に細心の注意を払う生産及び製造の選択を追求する必要性が高まっており、その結果、環境に対して最大の関心が高まっている。
【0003】
カプラン型タービンでは、油圧動作状態が変化するにつれて、より優れた性能で動作するために、ブレードの傾斜角度を変えることが可能であることが望ましい。
【0004】
ブレード運動構造は、概して、ブレードごとに、タービンの回転軸に沿って並進可能なスパイダーを備える「接続ロッド-クランク」タイプの運動含み、スパイダーに対して、ブレードの接続ロッドの全てを蝶着する。
【0005】
タービンの回転軸に沿ったスパイダーの並進運動は、各々の「接続ロッド-クランク」運動によって、ブレード自体の角運動を生じさせる。
【0006】
そのような機構は、ブレード間の回転の同期を確実にする。
【0007】
現在の解決策では、スパイダーは、機械における油力学的サーボモーターによって動かされ、油は回転ジョイントを通って供給され、システム全体がタービン自体によって回転する。
【0008】
したがって、これらのカプラン型タービンは、広範囲に認識されているが、油力学的サーボまたは回転ジョイントから油漏れがある場合には、環境汚染のリスクに関連するこの欠点がある。
【0009】
実際に、往復可動部分の駆動で及びその潤滑のために使用される鉱油は、かなり汚染する可能性があり、タービン自体を通って流れる水の集水槽にタービンから漏出する汚染のリスクを回避する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、前述の欠点及び先行技術の限界を克服することが可能であるカプラン型タービンを開発することである。
【0011】
具体的には、本発明の目的は、タービン自体からの油漏れが原因である環境汚染のリスクをなくすカプラン型タービンを開発することである。
【0012】
本発明の別の目的は、既知のタイプの同様のカプラン型タービンよりも劣っていない強度及び効率があるカプラン型タービンを開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
その課題及び前述の目的は、請求項1に記載のカプラン型タービンによって実現される。
【0014】
請求項1に記載のカプラン型タービンのさらなる特性は従属請求項に説明される。
【0015】
課題及び前述の目的は、以下に言及される利点と一緒に、添付図を参照して、非限定的な例によって与えられる発明の実施形態の説明によって示される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図2の切断線H-Hによる、本発明に従ったカプラン型タービンの側断面図を表す。
【
図3】
図4に示される切断線III-IIIによる側断面図を表す。
【
図6】本発明に従ったタービンが第1の使用の動作配置の状態である、
図3の切断線VI-VIによる断面図を表す。
【
図7】本発明に従ったタービンが第2の使用の動作配置の状態である、
図6と同様の図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
前述の図を参照すると、本発明に従ったカプラン型タービンは全体として番号10で示される。
【0018】
このタービン10は、ステーター部分11及びローター部分12を備える。
【0019】
ステーター部分11は、
図1に概略的に点線で示されるように、
-回転軸X1を有するインペラ14に向かうように水流を搬送するように構成された導管13であって、該回転軸X1は実質的に垂直であり得る、または別の傾斜角を有し得る、導管13と、
-発電機のステーター15と、を備える。
【0020】
ステーター部分12は、
-インペラ14を備え、インペラ14は、さらには、
-少なくとも3つのブレード、例えば、限定ではないが、3つのブレード17を伴うオジーブ16であって、ブレード17のそれぞれは傾斜軸X2に対する可変角度の配置を有するタイプであり、
図3に明確に見える該傾斜軸X2は該回転軸X1に実質的に直角である、オジーブ16と、
-インペラ14を支える回転シャフト18と、
-該オジーブ16及び該回転シャフト18の内部に画定されたブレード17の配置を調整するための調整手段19と、
-
図1に概略的に示されるように、該ステーター15において、回転シャフト18に固定された発電機のローター20と、を備える。
【0021】
本発明に従ったカプラン型タービン10の特性について、ブレード17の配置を調整するための調整手段19は、ブレード17ごとに、
-
図3に明確に見えるように、ブレード17が伸びている耐荷重ディスク21であって、耐荷重ディスク21が該傾斜軸X2の周りでオジーブ16上で回転するように拘束される、耐荷重ディスク21と、
-該耐荷重ディスク21に固定され、オジーブ16の内側に伸びるレバー23であって、具体的には、レバー23は傾斜軸X2に対して半径方向に伸びる、レバー23と、
-該レバー23に対して第1の端24aで、及び駆動スライダー25に対して第2の反対端24bで旋回する操縦ロッド24と、
を備えるという事実がある。
【0022】
該ブレード17の配置を調整するための手段19は、また、該オジーブ16の内部で、
-該操縦ロッド24の第2の端24bが旋回する、既に上述した駆動スライダー25と、
-該駆動スライダー25のための軸方向並進システム26であって、ナット27及びウォームねじ28のタイプであり、ナット27は駆動スライダー25に固定され、ウォームねじ28は、該回転シャフト18の内側で動作するように位置付けられた駆動軸29と同軸上に固定される、該軸方向並進システム26と、を備える。
【0023】
該ブレード17の配置を調整するための手段19は、また、駆動軸29のための空気式回転アクチュエーター30を備える。
【0024】
空気式回転アクチュエーター30は、
-回転シャフト18に乗るように搭載され、駆動軸29を該回転シャフト18に対して回転させるように構成された空気モーター31と、
-固定支持構造に固定された、
図9に明確に見える外部ステーター本体33と、該空気モーター31を往復して圧縮空気を伝送するように構成された内部回転体34とを備える空気式回転ジョイント32と、を備える。
【0025】
回転シャフト18の内部は中空である。
【0026】
駆動軸29は回転シャフト18と同軸である。
【0027】
駆動軸29は、それと同軸上にある回転シャフト18を通過する。
【0028】
ウォームねじ28は、例えば、限定ではないが、再循環ボールねじである。
【0029】
オジーブ16は、回転シャフト18と同軸の中央カラー38を支える内部中空球状体37を備える。
【0030】
オジーブ16は、球状体37に固定される底部39を含む。
【0031】
オジーブ16は、ハブ40によって回転シャフト18に堅く接続される。
【0032】
駆動軸29は、第1の端で空気モーター31に接続され、反対の第2の端でウォームねじ28に接続される。
【0033】
駆動軸29は、ジョイント42を用いて、ウォームねじ28に接続される。
【0034】
ウォームねじ28へのジョイント42のロックは、好ましくは、「スーパーボルト」タイプのクランプ及び引張システムで実行される。
【0035】
ジョイント42において、ウォームねじ28用のベアリング43を伴う支持体も存在する。
【0036】
ウォームねじ28は中央カラー38を通過する。
【0037】
ウォームねじ28は、中央カラー38と接触しないで、中央カラー38を通過する。
【0038】
ウォームねじ28は、摩擦低減構成要素、例えばブッシング45によって、底部39に回転可能に拘束される。
【0039】
中央カラー38は、球状体37により、レバー23が操縦ロッド24の各々とともに収容される隙間を画定する。
【0040】
本発明の非限定例として、本明細書に説明される実施形態では、レバー23のそれぞれは、ディスク21に固定されるピン22によって支持される。さらなる例として、ピン22のそれぞれは、ディスク21の各々を伴う単体を形成する。
【0041】
中央カラー38は、球状体37の内側でカンチレバーのように伸びる。
【0042】
中央カラー38の自由端38aと、底部39との間で、スライダー25と、スライダー25に固定されたナット27とののための運動空間が画定される。
【0043】
ディスク21のそれぞれは、ブッシング44の介在、または別の同様でかつ技術的に同等の摩擦低減構成要素の介在によって、球状体37で画定された対応する座部で回転する。
【0044】
上述したように、そして
図3に見えるように、ディスク21のそれぞれは、ディスク21自体から伸びるラジアルピン22を備え、ラジアルピン22が中央カラー38で画定されたカウンター型穴51で静止するまで、ラジアルピン22は伸びる。
【0045】
ラジアルピン22はレバー23を支持する。
【0046】
レバー23は、ディスク21に固定するための固定基部23aと、操縦ロッド24に蝶着されたヘッド23bとを備える。
【0047】
操縦ロッド24は、例えば対称的な2つのバーを備え、2つのバーは、レバー23に対して一方の側に、そしてスライダー25に対して反対側に蝶着されたフォークを画定する。
【0048】
例えば、スライダー25はディスク形本体から成る。
【0049】
図6及び
図7に見えるように、スライダー25は、操縦ロッド24の対応する端24bにそれぞれ蝶着されるように構成された小穴55を含む。
【0050】
ナット27は再循環ボールタイプである。
【0051】
図3、
図4、及び
図7によく分かるように例示されたストローク上端の配置と、
図6に例示されたストローク下端の配置との間で、スライダー25は自由に並進する。
【0052】
したがって、ストローク上端の配置を規定するストローク要素の上端46、及びストローク下端の配置を規定するストローク要素の下端47は、オジーブ16の内部で画定される。
【0053】
好ましくは、ストローク要素の上端46及びストローク要素の下端47は、スライダー25に触れるように構成され及び位置付けられる。
【0054】
本発明の非限定的な実施形態では、ストローク要素の上端46は、スライダー25に固定された環状体から成り、中央カラー38の自由端38aの下縁に触れるように構成される。
【0055】
同様に、例として、ストローク要素の下端47は、スライダー25に触れ、ナット27に触れないように構成された1つ以上の静止突起47aを伴うディスクから成る。
【0056】
ストローク要素の下端47は、ウォームねじ28の下端に固定される。
【0057】
具体的には、また例として、ストローク要素の下端47は、「スーパーボルト」タイプクランプ及び引張システムを用いて、ウォームねじ28に固定される。
【0058】
空気式回転アクチュエーター30は、また、回転シャフト18と一体になり、回転シャフト18と同軸上にあるチューブ状支持体60を備える。
【0059】
空気モーター31は、このチューブ状支持体60の内側で固定される。
【0060】
図9に明確に見えるように、空気式回転ジョイント32の内部回転体34は、回転シャフト18と同軸上で回転するように、チューブ状支持体60のカバー61に固定される。
【0061】
内部回転体34は、チューブ状支持体60の外側に固定される。
【0062】
カバー61は、圧縮空気のための2つの貫通チャネル62及び63、すなわち、第1のチャネル62及び第2のチャネル63を有する。
【0063】
これらの第1のチャネル62及び第2のチャネル63は、空気式回転ジョイント32の内部回転体34で画定された入口導管62a及び出口導管63aの各々と接続される。
【0064】
これらの第1のチャネル62及び第2のチャネル63は、空気モーター31の対応する入口継手64及び対応する出口継手65と接続される。
【0065】
第1のチャネル62及び第2のチャネル63は、交互に動作し、一方が外側チャネルとして、他方が戻りチャネルとして動作し、その逆の場合も同様に動作する。
【0066】
空気式回転ジョイント32の外部ステーター本体33は、簡略化するために図示されない固定構造要素、すなわち静止構造要素によって支持される。
【0067】
空気式回転ジョイント32は、さらには、明らかに既知のタイプであることが意図されるエアコンプレッサに接続される。
【0068】
このエアコンプレッサは、例えば、6barの圧力で、空気式回転ジョイント32を通って空気を循環するように構成される。
【0069】
タービン10は、また、ブレード17の角度位置を検出するための検出手段70も備える。
【0070】
本発明自体の例示的で非限定である本発明の本明細書に説明される実施形態では、検出手段70は、
-移動体80と、
-該ブレード17の回転角に比例して、該移動体80を変位させるように構成された変位手段81と、
-該移動体80の変位を検出するように構成されたセンサー82と、
を備える。
【0071】
例えば、移動体80は、チューブ状支持体60を囲むように設置された環状体80aを備える。
【0072】
環状体80aは、1つ以上の回転可能ねじ式ステム83に拘束され、ステム83の回転により、回転軸X1の方向において第1の方向または第2の反対方向に、同じ環状体80aを変位させる。
【0073】
該回転可能ねじ式ステム83のそれぞれは、環状体80aに固定されたねじ式ブッシング84で回転するように設置される。
【0074】
ねじ式ステム83のそれぞれは、その主軸が回転軸X1に平行な状態になるように回転するように設置される。
【0075】
ねじ式ステム83のそれぞれは駆動歯状ホイール85を有する。
【0076】
駆動歯状ホイール85のそれぞれは、駆動軸29と一体になり、すなわち、駆動軸29に固定された駆動歯状ホイール86と噛合する。
【0077】
ねじ式ステム83は、回転シャフト18に固定された支持構造87によって支持される。
【0078】
具体的には、本発明の実施形態では、支持構造87は、回転シャフト18の上端に固定された基部ディスク88と、ねじ式ステム83が回転可能に拘束される環状カバー89とを備える。
【0079】
ねじ式ステム83のそれぞれは、
図8に明確に見える対応するブッシング90によって、環状カバー89に回転可能に拘束される。
【0080】
チューブ状支持体60は環状カバー89に固定される。
【0081】
また、空気モーター31も環状カバー89に固定される。
【0082】
図8に明確に見えるように、空気モーター31の回転シャフト31aは、伝送スリーブ91を用いて駆動軸29に固定される。
【0083】
駆動歯状ホイール86は、明らかに同軸上で、伝送スリーブ91に固定される。
【0084】
センサー82は、例えば赤外線センサーである。
【0085】
このセンサー82は、タービン10の固定構造部分95、またはタービン10を収容する区画の固定構造部分95に固定される。
【0086】
センサー82は環状体80aに面する。
【0087】
具体的には、センサー82は、回転軸X1に実質的に平行な方向において環状体80aに面する。
【0088】
回転シャフト18に対する駆動軸29の回転により、ねじ式ステム83の同期回転を生じさせる。ねじ式ステム83の回転により、さらには、センサー82に向かう、またはセンサー82から離れる、のいずれかの状態で、環状体80aの回転軸X1の方向に変位を生じさせる。
【0089】
環状体80aのこの変位は、センサー82によって検出され、電子制御ユニットによって、ブレード17の傾きの値に変換される。
【0090】
したがって、センサー82に対する環状体80aの位置は、既定の角度基準に対するブレード17の傾斜角度に比例する。
【0091】
したがって、ブレード17の角度配置を調整するための調整手段19の動作は下記に説明される。
【0092】
ブレード17の配置を変化させることを望む場合、外部圧縮機が活発になることにより、加圧エアフローが、例えば6barで、空気分配器32を通って空気モーター31に入る。
【0093】
空気モーター31は、チューブ状支持体60に固定され、さらにはインペラ14を支える回転シャフト18に固定されたステーター部と、駆動軸29に固定された回転シャフト31aとを有する。
【0094】
次に、空気モーター31は、一方の回転方向または反対方向で、駆動軸29の回転を誘起する。
【0095】
駆動軸29の回転により、回転方向に応じて、ナット27の並進、ひいては、ナット27に固定されたスライダー25の並進を生じさせ、または、下降、すなわちオジーブ16の底部39に向かう、もしくは上昇、すなわち反対方向に向かう。
【0096】
さらには、スライダー25の並進により、ロッド24の各々によって、ブレード17のレバー23に対する作用を生じさせる。
【0097】
例えば、
図6では、スライダー25が下降すると、ロッド24を通って下向きにレバー23に対する牽引が生じ、結果として、ブレード17が固定されるディスク21の第1の回転方向に、例えば反時計回りに回転が生じることが例示されている。
【0098】
図7では、スライダー25が上昇すると、ロッド24を通って上向きにレバー23に対する推力が生じ、結果として、ブレード17が固定されるディスク21の第2の回転方向に、例えば時計回りに回転が生じることが例示されている。
【0099】
上述したように、スライダー25の並進は、ストロークの2つの端の配置、1つの上端と1つの下端との間で行われ、上端及び下端のそれぞれにより、ブレード17のそれぞれの角度制限位置が規定され、ブレード17は、その傾斜軸X2に対して、角度制限位置を越えて回転できない。
【0100】
回転シャフト18は、その端で少なくとも2つのベアリング96a及び96bによって支持され、それらのベアリングは、さらには、対応する固定ラジアル支持体97及び98に拘束される。
【0101】
実際には、本発明は、意図された課題及び目的を達成していることが実証されている。
【0102】
具体的には、本発明を用いて、油または他の液体のいずれかを使用しないで機能するブレードの角度配置を調整するための手段により、タービン自体からの油漏れが原因である環境汚染のリスクをなくすことを可能にするカプラン型タービンが開発されている。
【0103】
さらに、本発明を用いて、既知のタイプの同様のカプランタービンと同じ程度のロバスト性及び効率を備えたカプラン型タービンが開発されている。
【0104】
このように着想された発明は、多くの修正及び変形が可能であり、全てが同じ発明概念の範囲内に含まれる。さらに、全ての詳細は、他の等価技術要素に置き換えることができる。
【0105】
実際には、使用される構成要素ならびに材料だけでなく、及び寸法ならびに付随する形状は、それらが特定用途と適合する限り、当技術分野の要件及び最先端技術に従ったいずれかのものであり得る。
【0106】
いずれかの請求項に言及される特性及び技術が参照記号に従う場合、そのような参照記号は、請求項の理解度を高める目的のためだけに付けられることが意図され、その結果、そのような参照記号は、そのような参照記号によって、例として識別される各要素の解釈に対する影響を限定しない。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカプラン型タービンに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、すべての分野では、生態学に細心の注意を払う生産及び製造の選択を追求する必要性が高まっており、その結果、環境に対して最大の関心が高まっている。
【0003】
カプラン型タービンでは、油圧動作状態が変化するにつれて、より優れた性能で動作するために、ブレードの傾斜角度を変えることが可能であることが望ましい。
【0004】
ブレード運動構造は、概して、ブレードごとに、タービンの回転軸に沿って並進可能なスパイダーを備える「接続ロッド-クランク」タイプの運動含み、スパイダーに対して、ブレードの接続ロッドの全てを蝶着する。
【0005】
タービンの回転軸に沿ったスパイダーの並進運動は、各々の「接続ロッド-クランク」運動によって、ブレード自体の角運動を生じさせる。
【0006】
そのような機構は、ブレード間の回転の同期を確実にする。
【0007】
現在の解決策では、スパイダーは、機械における油力学的サーボモーターによって動かされ、油は回転ジョイントを通って供給され、システム全体がタービン自体によって回転する。
【0008】
したがって、これらのカプラン型タービンは、広範囲に認識されているが、油力学的サーボまたは回転ジョイントから油漏れがある場合には、環境汚染のリスクに関連するこの欠点がある。
【0009】
実際に、往復可動部分の駆動で及びその潤滑のために使用される鉱油は、かなり汚染する可能性があり、タービン自体を通って流れる水の集水槽にタービンから漏出する汚染のリスクを回避する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、前述の欠点及び先行技術の限界を克服することが可能であるカプラン型タービンを開発することである。
【0011】
具体的には、本発明の目的は、タービン自体からの油漏れが原因である環境汚染のリスクをなくすカプラン型タービンを開発することである。
【0012】
本発明の別の目的は、既知のタイプの同様のカプラン型タービンよりも劣っていない強度及び効率があるカプラン型タービンを開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
その課題及び前述の目的は、請求項1に記載のカプラン型タービンによって実現される。
【0014】
請求項1に記載のカプラン型タービンのさらなる特性は従属請求項に説明される。
【0015】
課題及び前述の目的は、以下に言及される利点と一緒に、添付図を参照して、非限定的な例によって与えられる発明の実施形態の説明によって示される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図2の切断線H-Hによる、本発明に従ったカプラン型タービンの側断面図を表す。
【
図3】
図4に示される切断線III-IIIによる側断面図を表す。
【
図6】本発明に従ったタービンが第1の使用の動作配置の状態である、
図3の切断線VI-VIによる断面図を表す。
【
図7】本発明に従ったタービンが第2の使用の動作配置の状態である、
図6と同様の図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
前述の図を参照すると、本発明に従ったカプラン型タービンは全体として番号10で示される。
【0018】
このタービン10は、ステーター部分11及びローター部分12を備える。
【0019】
ステーター部分11は、
図1に概略的に点線で示されるように、
-回転軸X1を有するインペラ14に向かうように水流を搬送するように構成された導管13であって、該回転軸X1は実質的に垂直であり得る、または別の傾斜角を有し得る、導管13と、
-発電機のステーター15と、を備える。
【0020】
ステーター部分12は、
-インペラ14を備え、インペラ14は、さらには、
-少なくとも3つのブレード、例えば、限定ではないが、3つのブレード17を伴うオジーブ16であって、ブレード17のそれぞれは傾斜軸X2に対する可変角度の配置を有するタイプであり、
図3に明確に見える該傾斜軸X2は該回転軸X1に実質的に直角である、オジーブ16と、
-インペラ14を支える回転シャフト18と、
-該オジーブ16及び該回転シャフト18の内部に画定されたブレード17の配置を調整するための調整手段19と、
-
図1に概略的に示されるように、該ステーター15において、回転シャフト18に固定された発電機のローター20と、を備える。
【0021】
本発明に従ったカプラン型タービン10の特性について、ブレード17の配置を調整するための調整手段19は、ブレード17ごとに、
-
図3に明確に見えるように、ブレード17が伸びている耐荷重ディスク21であって、耐荷重ディスク21が該傾斜軸X2の周りでオジーブ16上で回転するように拘束される、耐荷重ディスク21と、
-該耐荷重ディスク21に固定され、オジーブ16の内側に伸びるレバー23であって、具体的には、レバー23は傾斜軸X2に対して半径方向に伸びる、レバー23と、
-該レバー23に対して第1の端24aで、及び駆動スライダー25に対して第2の反対端24bで旋回する操縦ロッド24と、
を備えるという事実がある。
【0022】
該ブレード17の配置を調整するための手段19は、また、該オジーブ16の内部で、
-該操縦ロッド24の第2の端24bが旋回する、既に上述した駆動スライダー25と、
-該駆動スライダー25のための軸方向並進システム26であって、ナット27及びウォームねじ28のタイプであり、ナット27は駆動スライダー25に固定され、ウォームねじ28は、該回転シャフト18の内側で動作するように位置付けられた駆動軸29と同軸上に固定される、該軸方向並進システム26と、を備える。
【0023】
該ブレード17の配置を調整するための手段19は、また、駆動軸29のための空気式回転アクチュエーター30を備える。
【0024】
空気式回転アクチュエーター30は、
-回転シャフト18に乗るように搭載され、駆動軸29を該回転シャフト18に対して回転させるように構成された空気モーター31と、
-固定支持構造に固定された、
図9に明確に見える外部ステーター本体33と、該空気モーター31を往復して圧縮空気を伝送するように構成された内部回転体34とを備える空気式回転ジョイント32と、を備える。
【0025】
回転シャフト18の内部は中空である。
【0026】
駆動軸29は回転シャフト18と同軸である。
【0027】
駆動軸29は、それと同軸上にある回転シャフト18を通過する。
【0028】
ウォームねじ28は、例えば、限定ではないが、再循環ボールねじである。
【0029】
オジーブ16は、回転シャフト18と同軸の中央カラー38を支える内部中空球状体37を備える。
【0030】
オジーブ16は、球状体37に固定される底部39を含む。
【0031】
オジーブ16は、ハブ40によって回転シャフト18に堅く接続される。
【0032】
駆動軸29は、第1の端で空気モーター31に接続され、反対の第2の端でウォームねじ28に接続される。
【0033】
駆動軸29は、ジョイント42を用いて、ウォームねじ28に接続される。
【0034】
ウォームねじ28へのジョイント42のロックは、好ましくは、「スーパーボルト」タイプのクランプ及び引張システムで実行される。
【0035】
ジョイント42において、ウォームねじ28用のベアリング43を伴う支持体も存在する。
【0036】
ウォームねじ28は中央カラー38を通過する。
【0037】
ウォームねじ28は、中央カラー38と接触しないで、中央カラー38を通過する。
【0038】
ウォームねじ28は、摩擦低減構成要素、例えばブッシング45によって、底部39に回転可能に拘束される。
【0039】
中央カラー38は、球状体37により、レバー23が操縦ロッド24の各々とともに収容される隙間を画定する。
【0040】
本発明の非限定例として、本明細書に説明される実施形態では、レバー23のそれぞれは、ディスク21に固定されるピン22によって支持される。さらなる例として、ピン22のそれぞれは、ディスク21の各々を伴う単体を形成する。
【0041】
中央カラー38は、球状体37の内側でカンチレバーのように伸びる。
【0042】
中央カラー38の自由端38aと、底部39との間で、スライダー25と、スライダー25に固定されたナット27とののための運動空間が画定される。
【0043】
ディスク21のそれぞれは、ブッシング44の介在、または別の同様でかつ技術的に同等の摩擦低減構成要素の介在によって、球状体37で画定された対応する座部で回転する。
【0044】
上述したように、そして
図3に見えるように、ディスク21のそれぞれは、ディスク21自体から伸びるラジアルピン22を備え、ラジアルピン22が中央カラー38で画定されたカウンター型穴51で静止するまで、ラジアルピン22は伸びる。
【0045】
ラジアルピン22はレバー23を支持する。
【0046】
レバー23は、ディスク21に固定するための固定基部23aと、操縦ロッド24に蝶着されたヘッド23bとを備える。
【0047】
操縦ロッド24は、例えば対称的な2つのバーを備え、2つのバーは、レバー23に対して一方の側に、そしてスライダー25に対して反対側に蝶着されたフォークを画定する。
【0048】
例えば、スライダー25はディスク形本体から成る。
【0049】
図6及び
図7に見えるように、スライダー25は、操縦ロッド24の対応する端24bにそれぞれ蝶着されるように構成された小穴55を含む。
【0050】
ナット27は再循環ボールタイプである。
【0051】
図3、
図4、及び
図7によく分かるように例示されたストローク上端の配置と、
図6に例示されたストローク下端の配置との間で、スライダー25は自由に並進する。
【0052】
したがって、ストローク上端の配置を規定するストローク要素の上端46、及びストローク下端の配置を規定するストローク要素の下端47は、オジーブ16の内部で画定される。
【0053】
好ましくは、ストローク要素の上端46及びストローク要素の下端47は、スライダー25に触れるように構成され及び位置付けられる。
【0054】
本発明の非限定的な実施形態では、ストローク要素の上端46は、スライダー25に固定された環状体から成り、中央カラー38の自由端38aの下縁に触れるように構成される。
【0055】
同様に、例として、ストローク要素の下端47は、スライダー25に触れ、ナット27に触れないように構成された1つ以上の静止突起47aを伴うディスクから成る。
【0056】
ストローク要素の下端47は、ウォームねじ28の下端に固定される。
【0057】
具体的には、また例として、ストローク要素の下端47は、「スーパーボルト」タイプクランプ及び引張システムを用いて、ウォームねじ28に固定される。
【0058】
空気式回転アクチュエーター30は、また、回転シャフト18と一体になり、回転シャフト18と同軸上にあるチューブ状支持体60を備える。
【0059】
空気モーター31は、このチューブ状支持体60の内側で固定される。
【0060】
図9に明確に見えるように、空気式回転ジョイント32の内部回転体34は、回転シャフト18と同軸上で回転するように、チューブ状支持体60のカバー61に固定される。
【0061】
内部回転体34は、チューブ状支持体60の外側に固定される。
【0062】
カバー61は、圧縮空気のための2つの貫通チャネル62及び63、すなわち、第1のチャネル62及び第2のチャネル63を有する。
【0063】
これらの第1のチャネル62及び第2のチャネル63は、空気式回転ジョイント32の内部回転体34で画定された入口導管62a及び出口導管63aの各々と接続される。
【0064】
これらの第1のチャネル62及び第2のチャネル63は、空気モーター31の対応する入口継手64及び対応する出口継手65と接続される。
【0065】
第1のチャネル62及び第2のチャネル63は、交互に動作し、一方が外側チャネルとして、他方が戻りチャネルとして動作し、その逆の場合も同様に動作する。
【0066】
空気式回転ジョイント32の外部ステーター本体33は、簡略化するために図示されない固定構造要素、すなわち静止構造要素によって支持される。
【0067】
空気式回転ジョイント32は、さらには、明らかに既知のタイプであることが意図されるエアコンプレッサに接続される。
【0068】
このエアコンプレッサは、例えば、6barの圧力で、空気式回転ジョイント32を通って空気を循環するように構成される。
【0069】
タービン(10)は、また、ブレード17の角度位置を検出するための検出手段70も備える。
【0070】
本発明自体の例示的で非限定である本発明の本明細書に説明される実施形態では、検出手段70は、
-移動体80と、
-該ブレード17の回転角に比例して、該移動体80を変位させるように構成された変位手段81と、
-該移動体80の変位を検出するように構成されたセンサー82と、
を備える。
【0071】
例えば、移動体80は、チューブ状支持体60を囲むように設置された環状体80aを備える。
【0072】
環状体80aは、1つ以上の回転可能ねじ式ステム83に拘束され、ステム83の回転により、回転軸X1の方向において第1の方向または第2の反対方向に、同じ環状体80aを変位させる。
【0073】
該回転可能ねじ式ステム83のそれぞれは、環状体80aに固定されたねじ式ブッシング84で回転するように設置される。
【0074】
ねじ式ステム83のそれぞれは、その主軸が回転軸X1に平行な状態になるように回転するように設置される。
【0075】
ねじ式ステム83のそれぞれは駆動歯状ホイール85を有する。
【0076】
駆動歯状ホイール85のそれぞれは、駆動軸29と一体になり、すなわち、駆動軸29に固定された駆動歯状ホイール86と噛合する。
【0077】
ねじ式ステム83は、回転シャフト18に固定された支持構造87によって支持される。
【0078】
具体的には、本発明の実施形態では、支持構造87は、回転シャフト18の上端に固定された基部ディスク88と、ねじ式ステム83が回転可能に拘束される環状カバー89とを備える。
【0079】
ねじ式ステム83のそれぞれは、
図8に明確に見える対応するブッシング90によって、環状カバー89に回転可能に拘束される。
【0080】
チューブ状支持体60は環状カバー89に固定される。
【0081】
また、空気モーター31も環状カバー89に固定される。
【0082】
図8に明確に見えるように、空気モーター31の回転シャフト31aは、伝送スリーブ91を用いて駆動軸29に固定される。
【0083】
駆動歯状ホイール86は、明らかに同軸上で、伝送スリーブ91に固定される。
【0084】
センサー82は、例えば赤外線センサーである。
【0085】
このセンサー82は、タービン10の固定構造部分95、またはタービン10を収容する区画の固定構造部分95に固定される。
【0086】
センサー82は環状体80aに面する。
【0087】
具体的には、センサー82は、回転軸X1に実質的に平行な方向において環状体80aに面する。
【0088】
回転シャフト18に対する駆動軸29の回転により、ねじ式ステム83の同期回転を生じさせる。ねじ式ステム83の回転により、さらには、センサー82に向かう、またはセンサー82から離れる、のいずれかの状態で、環状体80aの回転軸X1の方向に変位を生じさせる。
【0089】
環状体80aのこの変位は、センサー82によって検出され、電子制御ユニットによって、ブレード17の傾きの値に変換される。
【0090】
したがって、センサー82に対する環状体80aの位置は、既定の角度基準に対するブレード17の傾斜角度に比例する。
【0091】
したがって、ブレード17の角度配置を調整するための調整手段19の動作は下記に説明される。
【0092】
ブレード17の配置を変化させることを望む場合、外部圧縮機が活発になることにより、加圧エアフローが、例えば6barで、空気式回転ジョイント32を通って空気モーター31に入る。
【0093】
空気モーター31は、チューブ状支持体60に固定され、さらにはインペラ14を支える回転シャフト18に固定されたステーター部と、駆動軸29に固定された回転シャフト31aとを有する。
【0094】
次に、空気モーター31は、一方の回転方向または反対方向で、駆動軸29の回転を誘起する。
【0095】
駆動軸29の回転により、回転方向に応じて、ナット27の並進、ひいては、ナット27に固定されたスライダー25の並進を生じさせ、または、下降、すなわちオジーブ16の底部39に向かう、もしくは上昇、すなわち反対方向に向かう。
【0096】
さらには、スライダー25の並進により、ロッド24の各々によって、ブレード17のレバー23に対する作用を生じさせる。
【0097】
例えば、
図6では、スライダー25が下降すると、ロッド24を通って下向きにレバー23に対する牽引が生じ、結果として、ブレード17が固定されるディスク21の第1の回転方向に、例えば反時計回りに回転が生じることが例示されている。
【0098】
図7では、スライダー25が上昇すると、ロッド24を通って上向きにレバー23に対する推力が生じ、結果として、ブレード17が固定されるディスク21の第2の回転方向に、例えば時計回りに回転が生じることが例示されている。
【0099】
上述したように、スライダー25の並進は、ストロークの2つの端の配置、1つの上端と1つの下端との間で行われ、上端及び下端のそれぞれにより、ブレード17のそれぞれの角度制限位置が規定され、ブレード17は、その傾斜軸X2に対して、角度制限位置を越えて回転できない。
【0100】
回転シャフト18は、その端で少なくとも2つのベアリング96a及び96bによって支持され、それらのベアリングは、さらには、対応する固定ラジアル支持体97及び98に拘束される。
【0101】
実際には、本発明は、意図された課題及び目的を達成していることが実証されている。
【0102】
具体的には、本発明を用いて、油または他の液体のいずれかを使用しないで機能するブレードの角度配置を調整するための手段により、タービン自体からの油漏れが原因である環境汚染のリスクをなくすことを可能にするカプラン型タービンが開発されている。
【0103】
さらに、本発明を用いて、既知のタイプの同様のカプランタービンと同じ程度のロバスト性及び効率を備えたカプラン型タービンが開発されている。
【0104】
このように着想された発明は、多くの修正及び変形が可能であり、全てが同じ発明概念の範囲内に含まれる。さらに、全ての詳細は、他の等価技術要素に置き換えることができる。
【0105】
実際には、使用される構成要素ならびに材料だけでなく、及び寸法ならびに付随する形状は、それらが特定用途と適合する限り、当技術分野の要件及び最先端技術に従ったいずれかのものであり得る。
【0106】
いずれかの請求項に言及される特性及び技術が参照記号に従う場合、そのような参照記号は、請求項の理解度を高める目的のためだけに付けられることが意図され、その結果、そのような参照記号は、そのような参照記号によって、例として識別される各要素の解釈に対する影響を限定しない。
【国際調査報告】