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特表2024-535658ソフトウェアアプリケーションのユーザとの最適化された通信のための機械学習技術
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】ソフトウェアアプリケーションのユーザとの最適化された通信のための機械学習技術
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20240925BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571992
(86)(22)【出願日】2022-09-12
(85)【翻訳文提出日】2023-11-20
(86)【国際出願番号】 US2022076315
(87)【国際公開番号】W WO2023044293
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】63/244,069
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ANDROID
3.iOS
(71)【出願人】
【識別番号】504016422
【氏名又は名称】デックスコム・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア・ジェイ・ジャクソン
(72)【発明者】
【氏名】スブライ・パイ
(72)【発明者】
【氏名】マーク・デルジンスキー
(72)【発明者】
【氏名】ヨースト・ファン・デル・リンデン
(72)【発明者】
【氏名】マリッツァ・エス・パウエル
(72)【発明者】
【氏名】ジェシカ・エス・ララビー
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA03
(57)【要約】
本開示のいくつかの態様は、ソフトウェアアプリケーションのユーザへのコンテンツを含む通信の最適化された配信のための方法及びシステムに関する。本方法はまた、顧客エンゲージメントプラットフォーム(CEP)によって、コンテンツを配信するためのユーザコホートを識別するために、コホート選択基準のセットを取得するステップと、データ分析プラットフォーム(DAP)によって、コホート選択基準のセットに従って通信するユーザコホートを識別するステップと、DAPによって、ユーザコホート内の1つ以上のサブグループと通信するための1つ以上の通信構成を識別するステップと、
コンテンツと、対応するユーザを含み得るサブグループのための対応する通信構成とに基づいて、1つ以上の通信を、ユーザコホートの各ユーザに送信するステップと、サブグループの各々と通信している対応する1つ以上の通信構成の使用に関連付けられたエンゲージメント結果を測定するステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソフトウェアアプリケーションのユーザへのコンテンツを含む通信の最適化された配信の方法であって、
顧客エンゲージメントプラットフォーム(CEP)によって、前記コンテンツを配信するためにユーザコホートを識別するためのコホート選択基準のセットを取得するステップと、
前記CEPによって、前記コホート選択基準のセットをデータ分析プラットフォーム(DAP)に通信するステップと、
前記DAPによって、前記コホート選択基準のセットに従って通信すべき前記ユーザコホートを識別するステップと、
前記DAPによって、前記ユーザコホート内の1つ以上のサブグループと通信するための1つ以上の通信構成を識別するステップと、
前記DAPによって、前記1つ以上のサブグループの各々と通信するための前記1つ以上の通信構成の指示を提供するステップと、
前記ユーザコホートの各ユーザに1つ以上の通信を送信するステップであって、前記ユーザコホートの対応するユーザに送信される前記1つ以上の通信が、前記コンテンツと、前記対応するユーザを含むサブグループのための対応する通信構成とに基づいて判定される、ステップと、
前記サブグループの各々と通信している前記対応する1つ以上の通信構成の使用に関連付けられたエンゲージメント結果を測定するステップと、
を備える、方法。
【請求項2】
前記ユーザコホートの各ユーザが、特徴値のセットに関連付けられ、
各サブグループが、1つ以上の特徴値範囲によって定義され、特徴値のセットが前記サブグループの1つ以上の特徴値範囲に対応する、前記ユーザコホートの各ユーザを備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ以上の通信構成を識別する通信構成を識別するステップが、
前記1つ以上のサブグループの各々について、
通信構成のセットに関する前記サブグループ内のユーザのための報酬スコアのセットを判定するステップであって、対応する通信構成に関する前記サブグループのための前記報酬スコアのセットの各々が、前記対応する通信構成に従って前記サブグループ内の前記ユーザに送信された履歴通信に関連付けられた履歴エンゲージメントスコアに基づいて判定される、ステップと、
前記報酬スコアのセットに基づいて、前記サブグループのための前記通信構成のセットから最適な通信構成を識別するステップであって、前記識別された1つ以上の通信構成が、前記最適な通信構成を含む、ステップと、
を備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザコホートを識別するステップが、
前記ソフトウェアアプリケーションの各ユーザについて、
前記コホート選択基準のセットに関して、前記ユーザについての基準満足度指標のセットを生成するステップと、
前記ユーザコホート内の各々が、前記コホート選択基準のセットを満たす基準満足度指標の対応するセットを有することを判定するステップと、
を備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記コホート選択基準のセットに関連する各ユーザのための前記基準満足度指標のセットを生成するステップが、
前記ユーザに関連付けられた動作入力データを識別するステップであって、前記動作入力データが、前記ソフトウェアアプリケーションに関する前記ユーザのアプリケーション使用パターンデータを含む、ステップと、
前記動作入力データに基づいて、基準満足度判定機械学習モデルを使用して、前記基準満足度指標のセットのうちの少なくとも1つを生成するステップと、
を備える、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記DAPによって、前記ユーザコホートの1つ以上のサブグループを識別するステップを更に備え、前記ユーザコホートの前記1つ以上のサブグループを識別するステップが、
前記DAPによって定義される探索比に基づいて、(i)前記ユーザコホートの探索サブセット、及び、(ii)前記ユーザコホートの活用サブセットを生成するステップと、
前記1つ以上の通信構成に関する報酬関数に基づいて、前記1つ以上の通信構成から最適な通信構成を識別し、かつ前記1つ以上の通信構成から1つ以上の非最適な通信構成を識別するステップと、
各通信構成について前記ユーザコホートの割り当てられたユーザサブセットを識別するステップであって、(i)前記最適な通信構成についての前記割り当てられたユーザサブセットが、前記活用サブセット内の各ユーザを含み、(ii)前記1つ以上の非最適な通信構成の各々についての前記割り当てられたユーザサブセットが、ランダムユーザ割り当て機構を使用して前記非最適な通信構成にランダムに割り当てられた前記探索サブセット内の各ユーザを含み、(iii)前記識別された1つ以上のサブグループが、前記1つ以上の通信構成について識別された、前記割り当てられたユーザサブセットを含む、ステップと、
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記エンゲージメント結果を測定するステップに続いて、前記エンゲージメント結果に基づいて、前記報酬関数を更新するステップを更に備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記探索比が、前記報酬関数の履歴更新数に基づいて判定される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記履歴更新数が閾値数を満たす場合、前記探索比が0に設定される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記DAPによって、前記ユーザコホートの1つ以上のサブグループを識別するステップを更に備え、前記ユーザコホートの前記1つ以上のサブグループを識別するステップが、
サブグループ割当ポリシーを識別するするステップであって、(i)前記サブグループ割当ポリシーが、報酬関数によって定義される予想報酬尺度に従って生成される機械学習モデルであり、(ii)前記報酬関数が、所与のユーザに関する入力コンテキストデータを、前記1つ以上の対応する通信構成にわたる前記所与のユーザに関する前記予想報酬尺度に関連付ける、ステップと、
前記ユーザコホート内の各ユーザについて、前記DAPによって、前記ユーザについての前記入力コンテキストデータに基づいて、前記サブグループ割当ポリシーを使用して、前記1つ以上の通信構成のうちの割り当てられた通信構成を生成するステップであって、前記1つ以上の識別されたサブグループの各々は、前記1つ以上の通信構成のうちの1つに対応し、かつ割り当てられた通信構成が前記対応する通信構成である前記ユーザコホート内のユーザのサブセットを含む、ステップと、
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記エンゲージメント結果を測定するステップに続いて、前記エンゲージメント結果に基づいて前記報酬関数を更新するステップを、更に備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記DAPによって、前記ユーザコホートの1つ以上のサブグループを識別するステップを、更に備え、前記ユーザコホートの前記1つ以上のサブグループを識別するステップは、
サブグループ割当ポリシーを識別するステップであって、(i)前記サブグループ割当ポリシーが、報酬関数によって定義される予想報酬尺度に従って生成される機械学習モデルであり、(ii)前記報酬関数が、所与のユーザについての入力コンテキスト状態を、1つ以上のアクションにわたって前記所与のユーザについての前記予想報酬尺度に関連付け、前記1つ以上のアクションの各々が、前記1つ以上の対応する通信構成のうちの1つに対応する、ステップと、
前記ユーザコホート内の各ユーザについて、前記DAPによって、前記ユーザについての前記入力コンテキスト状態に基づいて、前記ユーザについての割り当てられたアクション、及び前記サブグループ割当ポリシーを使用して前記1つ以上のアクションの割り当てられたアクション、を生成するステップであって、前記1つ以上の識別されたサブグループの各々は、前記1つ以上のアクションのうちの1つに対応し、かつ割り当てられたアクションが前記対応するアクションである前記ユーザコホート内のユーザのサブセットを含む、ステップと、
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記エンゲージメント結果を測定するステップに続いて、前記エンゲージメント結果に基づいて前記報酬関数を更新するステップ、を更に備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ以上の対応する通信構成の各々が、1つ以上の通信設定のそれぞれ1つによって定義され、
前記1つ以上の通信設定の各々が、それぞれの通信頻度によって定義される、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ以上の対応する通信構成の各々が、1つ以上の通信設定のそれぞれ1つによって定義され、
前記1つ以上の通信設定の各々が、別個の通信媒体のためのそれぞれの通信フォーマットによって定義される、
請求項1に記載の方法。
【請求項16】
ソフトウェアアプリケーションのユーザへのコンテンツを含む通信の最適化された配信のためのコンピューティングシステムであって、
実行可能命令を含むメモリと、
プロセッサであって、前記メモリとデータ通信しており、かつ、
顧客エンゲージメントプラットフォーム(CEP)によって、前記コンテンツを配信するためのユーザコホートを識別するためのコホート選択基準のセットを取得することと、
前記CEPによって、前記コホート選択基準のセットをデータ分析プラットフォーム(DAP)に通信することと、
前記DAPによって、前記コホート選択基準のセットに従って通信する前記ユーザコホートを識別することと、
前記DAPによって、前記ユーザコホート内の1つ以上のサブグループと通信するための1つ以上の通信構成を識別することと、
前記DAPによって、前記1つ以上のサブグループの各々と通信するための前記1つ以上の通信構成の指示を提供することと、
前記ユーザコホートの各ユーザに1つ以上の通信を送信することであって、前記ユーザコホートの対応するユーザに送信される前記1つ以上の通信が、前記コンテンツと、前記対応するユーザを含むサブグループのための対応する通信構成とに基づいて判定される、送信することと、
前記サブグループの各々と通信する前記対応する1つ以上の通信構成の使用に関連付けられたエンゲージメント結果を測定することと、
を前記コンピューティングシステムに引き起こす、前記命令を実行するように構成された、
プロセッサと、
を備える、コンピューティングシステム。
【請求項17】
前記ユーザコホートの各ユーザが、特徴値のセットに関連付けられ、
各サブグループが、1つ以上の特徴値範囲によって定義され、特徴値のセットが前記サブグループの前記1つ以上の特徴値範囲に対応する前記ユーザコホートの各ユーザを備える、
請求項16に記載のコンピューティングシステム。
【請求項18】
前記1つ以上の通信構成を識別するステップが、
前記1つ以上のサブグループの各々について、
通信構成のセットに関する前記サブグループ内のユーザのための報酬スコアのセットを判定するステップであって、対応する通信構成に関する前記サブグループのための前記報酬スコアのセットの各々が、前記対応する通信構成に従って前記サブグループ内の前記ユーザに送信された履歴通信に関連付けられた履歴エンゲージメントスコアに基づいて判定される、ステップと、
前記報酬スコアのセットに基づいて、前記サブグループのための前記通信構成のセットから最適な通信構成を識別するステップであって、前記識別された1つ以上の通信構成が、前記最適な通信構成を含む、ステップと、
を備える、請求項16に記載のコンピューティングシステム。
【請求項19】
前記ユーザコホートを識別するステップが、
前記ソフトウェアアプリケーションの各ユーザについて、前記コホート選択基準のセットに関して、前記ユーザについての基準満足度指標のセットを生成するステップと、
前記ユーザコホート内の各々が、前記コホート選択基準のセットを満たす基準満足度指標の対応するセットを有することを判定するステップと、
を備える、請求項16に記載のコンピューティングシステム。
【請求項20】
非一時的コンピュータ可読媒体であって、ソフトウェアアプリケーションのユーザへのコンテンツを含む通信の最適化された配信のための1つ以上のコンピュータ実行可能命令を備え、
前記1つ以上のコンピュータ実行可能命令が、コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、
顧客エンゲージメントプラットフォーム(CEP)によって、前記コンテンツを配信するためのユーザコホートを識別するためのコホート選択基準のセットを取得することと、
前記CEPによって、前記コホート選択基準のセットをデータ分析プラットフォーム(DAP)に通信することと、
前記DAPによって、前記コホート選択基準のセットに従って通信する前記ユーザコホートを識別することと、
前記DAPによって、前記ユーザコホート内の1つ以上のサブグループと通信するための1つ以上の通信構成を識別することと、
前記DAPによって、前記1つ以上のサブグループの各々と通信するための前記1つ以上の通信構成の指示を提供することと、
前記ユーザコホートの各ユーザに1つ以上の通信を送信することであって、前記ユーザコホートの対応するユーザに送信される前記1つ以上の通信が、前記コンテンツと、前記対応するユーザを含むサブグループのための対応する通信構成とに基づいて判定される、送信することと、
前記サブグループの各々と通信する前記対応する1つ以上の通信構成の使用に関連付けられたエンゲージメント結果を測定することと、
を前記コンピューティングデバイスに引き起こすように構成された、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年9月14日に出願された米国仮特許出願第63/244,069号の優先権及び利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、一般に、医療機器(例えば、分析物センサとして)とのユーザ対話を可能にし、患者、介護者、ヘルスケア提供者、又は別のユーザに意思決定サポートガイダンスを提供して患者の健康の改善をサポートするソフトウェアアプリケーションなどのソフトウェアアプリケーションのユーザとの最適化された通信を可能にすることに関する。
【背景技術】
【0003】
多くのソフトウェアアプリケーションは、例えば、ユーザがソフトウェアアプリケーションをアクティブに使用していないときであっても、ユーザに提供される通信を介してユーザとインターフェースし、ソフトウェアアプリケーションとのユーザエンゲージメントを向上させる。結果として、多くのコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォンデバイス、スマートタブレットデバイス、パーソナルコンピュータデバイスなど)のためのオペレーティングシステムは、そのようなコンピューティングデバイス上に展開されるソフトウェアアプリケーションが、言及されたコンピューティングデバイスのユーザに通信を送信することができる。したがって、そのようなコンピューティングデバイスのユーザは、そのようなソフトウェアアプリケーションによって送信される大量の通信で溢れている。そのような大量の通信は、コンピューティングデバイスに対するリソース使用効率の課題を提示する。例えば、コンピューティングデバイスのユーザが大量の通信を受信するとき、ユーザはそのような通信を無視する可能性が高く、多くの環境では、通信をコンピューティングデバイスのランダムアクセスメモリ上に長期にわたり、多くの場合、ユーザが通信を選択するか、通信を手動で消去するか、又はコンピューティングデバイスを再起動するまで、通信を格納する。通信の遅延されたエンゲージメント又は消去の結果として、ソフトウェアアプリケーションから生じる通信がコンピューティングデバイスのユーザに提示される期間中、コンピューティングデバイスは準最適な実行モードで動作している。というのは、通信がランダムアクセスメモリからまだ除去されていないからである。したがって、コンピューティングデバイスの実行速度を向上させるために使用され得たコンピューティングデバイスのランダムアクセスメモリリソースの一部は、通信の待機提示に割り当てられる。
【0004】
したがって、ソフトウェアアプリケーションから生じる通信との準最適なユーザエンゲージメントは、コンピューティングデバイスのランダムアクセスメモリリソースの効率的な使用に対する課題を提示できる。
【0005】
更に、ソフトウェアアプリケーション通信との準最適なユーザエンゲージメントはまた、健康、疾患、及び状態の効果的な管理を容易にするために、医療デバイスと対話するために使用されるソフトウェアアプリケーションを含む多くのソフトウェアアプリケーションに対して、より高いユーザ損耗率をもたらす。一例として、患者が自分の健康状態をより良く管理するのを支援するために、携帯型又はウェアラブル医療機器(例えば、センサ及び他のタイプの監視及び診断機器)並びに様々な健康介入ソフトウェアアプリケーションが、様々な提供者によって開発されている。しかしながら、これらのタイプの医療機器、及び一般に患者のモバイルデバイス上で実行されるアプリケーションは、低いユーザエンゲージメントのために、使用の初期の数日、数週間、又は数ヶ月において非常に高い損耗率に悩まされる可能性がある。健康関連アプリケーションの例は、様々な疾患(例えば、糖尿病)の治療をサポートするための介入アプリケーション、及び減量アプリケーションなど、患者の健康を全体的に改善するのに役立つアプリケーションを含んでもよい。
【0006】
この背景技術は、後に続く発明の概要及び発明を実施するための形態の簡単な文脈を紹介するために提供されている。この背景技術は、特許請求される主題の範囲を決定する助けとなることも、特許請求される主題を、上に提示された欠点又は問題のうちのいずれか又は全てを解決する実装形態に限定するものとしてみなされることも、意図されていない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つ以上のコンピュータのシステムは、動作中にシステムにアクションを実行させるソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせをシステムにインストールすることによって、特定の動作又はアクションを実行するように構成することができる。1つ以上のコンピュータプログラムは、データ処理装置によって実行されると、装置にアクションを実行させる命令を含むことによって、特定の動作又はアクションを実行するように構成することができる。1つの一般的な態様は、ソフトウェアアプリケーションのユーザへのコンテンツを含む通信の最適化された配信の方法を含む。本方法はまた、顧客エンゲージメントプラットフォーム(CEP)によって、コンテンツを配信するためのユーザコホートを識別するために、コホート選択基準のセットを取得するステップと、CEPによって、コホート選択基準のセットをデータ分析プラットフォーム(DAP)に通信するステップとDAPによって、コホート選択基準のセットに従って通信するためのユーザコホートを識別するステップと、DAPによって、ユーザコホート内の1つ以上のサブグループと通信するための1つ以上の通信構成を識別するステップと、DAPによって、1つ以上のサブグループの各々と通信するための1つ以上の通信構成の指示を提供するステップと、を含む。本方法はまた、ユーザコホートの各ユーザに対して、1つ以上の通信を送信するステップであって、対応するユーザに送信される1つ以上の通信が、コンテンツと、対応するユーザを含み得るサブグループのための対応する通信構成とに基づいて判定される、ステップと、サブグループの各々との通信における対応する1つ以上の通信構成の使用に関連付けられたエンゲージメント結果を測定するステップと、を含む。この態様の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータストレージデバイスに記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれが本方法のアクションを実行するように構成される。
【0008】
実施態様は、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。本方法は、ユーザコホートの各ユーザは、特徴値のセットに関連付けられ、各サブグループは、1つ以上の特徴値範囲によって定義され、特徴値のセットがサブグループの1つ以上の特徴値範囲に対応するユーザコホートの各ユーザを含んでもよい。
【0009】
1つ以上の通信構成を識別するステップは、以下を含んでもよい。ユーザコホートを識別するステップは、ソフトウェアアプリケーションの各ユーザについて、コホート選択基準のセットに関してユーザについての基準満足度指標のセットを生成するステップと、ユーザコホート内の各々が、コホート選択基準のセットを満たす基準満足度指標の対応するセットを有することを判定するステップと、を含む。コホート選択基準のセットに関連して各ユーザについて基準満足度指標のセットを生成するステップ。ユーザに関連付けられた動作入力データを識別するステップであって、動作入力データが、ソフトウェアアプリケーションに関連するユーザについてのアプリケーション使用パターンデータを含み得る、ステップと、動作入力データに基づいて、基準満足度判定機械学習モデルを使用して、基準満足度指標のセットのうちの少なくとも1つを生成するステップ。
【0010】
ユーザコホートの1つ以上のサブグループを識別するステップは、DAPによって定義される探索比に基づいて、(i)ユーザコホートの探索サブセット、及び(ii)ユーザコホートの活用サブセット、を生成するステップと、1つ以上の通信構成についての報酬関数に基づいて、1つ以上の通信構成からの最適な通信構成、及び1つ以上の通信構成からの1つ以上の非最適な通信構成を識別するステップと、各通信構成について、ユーザコホートの割り当てられたユーザサブセットを識別するステップであって、(i)最適な通信構成についての割り当てられたユーザサブセットが、活用サブセット内の各ユーザを含むことができ、(ii)1つ以上の非最適な通信構成の各々についての割り当てられたユーザサブセットが、ランダムユーザ割り当て機構を使用して非最適な通信構成にランダムに割り当てられた探索サブセット内の各ユーザを含むことができ、(iii)識別された1つ以上のサブグループが、1つ以上の通信構成について識別された割り当てられたユーザサブセットを含むことができる、ステップと、を含んでもよい。本方法は、エンゲージメント結果を測定するステップに続いて、エンゲージメント結果に基づいて報酬関数を更新するステップを含んでもよい。探索比は、報酬関数の履歴更新数に基づいて判定されてもよい。探索比は、履歴更新数が閾値数を満たす場合、0に設定されてもよい。
【0011】
ユーザコホートの1つ以上のサブグループを識別するステップは、サブグループ割当ポリシーを識別するステップであって、(i)サブグループ割当ポリシーが、報酬関数によって定義される予想報酬尺度に従って生成される機械学習モデルであることと、(ii)報酬関数が、所与のユーザについての入力コンテキストデータを、1つ以上の対応する通信構成にわたる所与のユーザについての予想報酬尺度に関連付け、ユーザコホート内の各ユーザについて、DAPによって、ユーザについての入力コンテキストデータに基づいて、サブグループ割当ポリシーを使用して、1つ以上の通信構成のうちの割り当てられた通信構成を生成するステップであって、1つ以上の識別されたサブグループの各々が、1つ以上の通信構成のうちの1つに対応し、割り当てられた通信構成が対応する通信構成であるユーザコホート内のユーザのサブセットを含み得る、ステップと、を含んでもよい。本方法は、エンゲージメント結果を測定するステップに続いて、エンゲージメント結果に基づいて報酬関数を更新するステップを含んでもよい。
【0012】
ユーザコホートの1つ以上のサブグループを識別するステップは、サブグループ割当ポリシーを識別するステップであって、(i)サブグループ割当ポリシーが、報酬関数によって定義される予想報酬尺度に従って生成される機械学習モデルであることと、(ii)報酬関数が、所与のユーザの入力コンテキスト状態を、1つ以上のアクションにわたって所与のユーザの予想報酬尺度に関連付け、1つ以上のアクションの各々は、1つ以上の対応する通信構成のうちの1つに対応し、ユーザコホート内の各ユーザについて、DAPによって、ユーザの入力コンテキスト状態に基づいて、サブグループ割当ポリシーを使用して、ユーザの割り当てられたアクション、1つ以上のアクションの割り当てられたアクションを生成するステップであって、1つ以上の識別されたサブグループの各々は、1つ以上のアクションのうちの1つに対応し、割り当てられたアクションが対応するアクションであるユーザコホート内のユーザのサブセットを含む、ステップと、を含んでもよい。本方法は、エンゲージメント結果を測定するステップに続いて、エンゲージメント結果に基づいて報酬関数を更新するステップを含んでもよい。
【0013】
1つ以上の対応する通信構成の各々は、1つ以上の通信設定のそれぞれの1つによって定義されてもよく、1つ以上の通信設定の各々は、別個の通信頻度によって定義される。
【0014】
1つ以上の対応する通信構成の各々は、1つ以上の通信設定のそれぞれ1つによって定義され、1つ以上の通信設定の各々は、別個の通信媒体のための別個の通信フォーマットによって定義される。説明される技法の実装形態は、ハードウェア、方法若しくはプロセス、又はコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含んでもよい。
【0015】
別の一般的な態様は、ソフトウェアアプリケーションのユーザへのコンテンツを含む通信の最適化された配信のためのコンピューティングシステムを含む。コンピューティングシステムはまた、実行可能命令を含み得るメモリを含む。システムはまた、メモリとデータ通信し、顧客エンゲージメントプラットフォーム(CEP)によって、コンテンツを配信するユーザコホートを識別するためのコホート選択基準のセットを取得することと、CEPによって、コホート選択基準のセットをデータ分析プラットフォーム(DAP)に通信することと、DAPによって、コホート選択基準のセットに従って通信するユーザコホートを識別することと、DAPによって、ユーザコホート内の1つ以上のサブグループと通信するための1つ以上の通信構成を識別することと、DAPによって、1つ以上のサブグループの各々と通信するための1つ以上の通信構成の指示を提供することとユーザコホートの各ユーザに対して、1つ以上の通信を送信することであって、対応するユーザに送信される1つ以上の通信が、コンテンツと、対応するユーザを含み得るサブグループのための対応する通信構成とに基づいて判定される、送信することと、サブグループの各々との通信における対応する1つ以上の通信構成の使用に関連付けられたエンゲージメント結果を測定することとを、コンピューティングシステムに、引き起こす命令を実行するように構成されたプロセッサを含む。
【0016】
この態様の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータストレージデバイスに記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれが本方法のアクションを実行するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】本明細書に開示されるいくつかの実施形態による、例示的な健康監視及びサポートシステムを示す。
図1B】本明細書に開示される特定の実施形態による、いくつかのモバイルデバイスとともに、図1Aのグルコース監視システムを示す。
図2】本明細書で開示される特定の実施形態による、図1Aのシステムによる使用のために入力に基づいて生成される例示的な入力及び例示的なメトリックを示す。
図3】本明細書に開示される特定の実施形態による、図1Aの健康監視及びサポートシステムなどのシステムによって行われる動作を示すフロー図である。
図4】本明細書に開示される特定の実施形態による、図1Aの健康監視及びサポートシステムに関連付けられたユーザと通信するための通信構成を識別するために、非コンテキスト・マルチアーム・バンディット・モデルを使用する例を示す。
図5】本明細書に開示される特定の実施形態による、図1Aの健康監視及びサポートシステムに関連付けられたユーザと通信するための通信構成を識別するために、コンテキスト・マルチアーム・バンディット・モデルを使用する例を示す。
図6】本明細書で開示される特定の実施形態による、図1Aの健康監視及びサポートシステムに関連付けられたユーザと通信するための通信構成を識別するために、完全強化学習モデルを使用する例を示す。
図7】本明細書に開示される特定の実施形態による、図3の動作を行うように構成された、コンピューティングシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
携帯型及び/又はウェアラブル健康監視デバイス(本明細書では「健康監視デバイス」とも呼ばれる)並びにモバイル健康アプリケーション(本明細書では「アプリケーション」とも呼ばれる)は、ユーザ中心のケアをサポートするそれらの能力のために急速に有名になっている。これらの健康監視デバイスが広く普及し、モバイル健康アプリケーションの開発及び流通が増加したことにより、健康管理領域における健康管理、より具体的には慢性疾患管理が改善された。特に、これらの健康監視デバイスと併せたモバイル健康アプリケーションの使用は、従来の介入に対するよりスケーラブルで潜在的により費用効果の高い代替手段を表し、ヘルスケアサービスの範囲を拡大し、健康関連の情報及び介入へのユーザのアクセスを改善することによって、健康及び慢性病管理を改善する手段を提供する。
【0019】
モバイル健康アプリケーションは、ユーザの健康情報へのアクセス及び制御をユーザに許可することによって、ユーザがユーザ自身の医療に更に関与できるようになり、その結果、患者満足度が向上し、ケア及び臨床結果が改善する。特に、モバイル健康アプリケーションは、時間及び場所などの物理的制約にかかわらず、ユーザが自分の健康情報にアクセスし、監視し、記録し、更新することができる。市販のモバイル健康アプリケーションは、健康情報の配信、投薬リマインダ、リモート監視、及びモバイル分析などの機能を提供して、ユーザの健康リテラシーを向上させ、ユーザが自分の健康又は病気を管理する際により積極的な役割を果たすように促し、治療へのアドヒアランスを促進し、他のタイプの意思決定サポートガイダンスを行う。
【0020】
特に、分析物管理、運動、及び/又は他の健康要因などの様々な課題を満たすことによって、患者、介護者、ヘルスケア提供者、又は他のユーザがライフスタイル又は臨床/患者結果を改善するのを支援し得るガイダンスを提供するために、様々な介入アプリケーションが様々な提供者によって開発されてきた。本明細書で使用される「分析物」という用語は、身体又は生体試料中の物質又は化学成分を指すが、これらに限定されない。例えば、糖尿病介入アプリケーションは、いくつか例を挙げると、夜間グルコース管理(例えば、低血糖イベント又は高血糖逸脱の発生率を低減する)、食事中及び食事後のグルコース管理(例えば、履歴情報及び傾向を使用し、血糖管理を向上させる)、高血糖補正(例えば、過剰補正による低血糖イベントを回避しながら、ターゲットゾーンにおける時間を増加させる)、及び/又は低血糖治療(例えば、「リバウンド」高血糖を回避しながら、低血糖に対処する)において、患者、介護者、医療提供者、又は他のユーザを支援するために開発されている。
【0021】
多数のモバイル健康アプリケーションは、何らかの形のガイダンスでそのような支援をユーザに提供する。例えば、ガイダンスは、経時的なユーザのデータのグラフィカル概要、又はユーザへのモバイル通知を含んでもよく、通知は、ユーザに何らかのアクションを知らせる、警告する、及び/又は推奨するために提供される。一例として、アプリケーションは、イベント又は傾向を予測することによってユーザが健康状態にリアルタイムでの応答することを助け、発生する又は潜在的なイベント又は傾向にリアルタイムで対処するための治療推奨を提供してもよい。このタイプの計算されたガイダンス及びサポートは、ユーザに対する認知的負担を軽減し得る。いくつかのモバイル健康アプリケーションはまた、データが様々なフォーマットでエクスポートされてサードパーティと共有されること、及び/又は、フィードバックのためにユーザをヘルスケア専門家と直接接続すること、を可能にし、患者・専門家間の対話改善をサポートしてもよい。したがって、利用される場合、モバイル健康アプリケーションは、医療の質を高めることができ、同時にヘルスケアシステムのコストを削減する可能性を提供してもよい。
【0022】
健康監視デバイスは、様々な疾患及び状態の医療監視、非侵襲的医療と様々な治療及び薬剤の投与、並びに、モバイル健康及びウェルネス監視のために、人間の生理学的情報のリアルタイム感知及び分析を可能にする。携帯性は、これらの健康監視デバイスの中心的な特徴である。したがって、継続的に利用される場合、これらのデバイスは、情報アクセスの改善、医療過誤の低減、ケアの質の改善などを含む多くの利益を提供してもよい。
【0023】
効果的なサポートツールであるために、健康監視デバイス及び/又はアプリケーションが、ユーザの注意を継続的に又は頻繁に捕えて、デバイス及び/又はアプリケーションに能動的に関与するように、ユーザの関心を刺激することが望ましい。エンゲージメントは、ユーザが技術、例えば、デバイス及び/又はアプリケーションとともにある対話の程度を示す。健康監視及びモバイル健康アプリケーションを含む健康技術は、自発的使用システムであるため、これらの技術及びアプリケーションとのユーザエンゲージメントの程度は、一般に、ユーザの知覚される体感品質、使用の継続的利益、及び/又は、技術を使用することに対する実行可能な代替案の考慮、によって判定される。
【0024】
上述したように、残念ながら、慢性疾患又は健康状態の管理をサポートするように設計された、健康監視デバイス及び/又はモバイル健康アプリケーションを含む健康監視システムは、低いユーザエンゲージメントに悩まされてきた。場合によっては、健康監視及びサポートシステムに関連付けられたユーザエンゲージメント及び保持は、健康行動を変更するためのユーザによるモチベーション又はコミットメントの欠如などの要因によって悪影響を受ける。いくつかの他の場合には、ユーザがアプリケーション又は健康監視デバイスを使用することによって何らかの知識を得た後、アプリケーション又はデバイスを使用することへのユーザの関心が低減する。更に他の実施例では、ユーザの健康監視デバイスの繰り返される技術的故障に起因して、ユーザは、低いエンゲージメントを経験する場合がある。更に、他の場合には、健康監視及びサポートシステムに関連付けられた低いエンゲージメント/保持率は、アプリケーション又はデバイスの不正確な使用から生じる場合がある。この1つの具体例では、モバイル健康アプリケーションは、ユーザが期待又は必要とする頻度よりもはるかに高い頻度でユーザに通知又はアラートを提供するように構成されている場合があり、その結果、疲労し、アプリケーションに対する関心が失われる。別の例は、健康監視システムが正しく装着されていない場合に、健康監視システムは、繰り返し脱落する。
【0025】
デバイス及び/又はアプリケーションの初期採用は、互換性又は可視性の認識を開発するためにデバイス及び/又はアプリケーションを探索するコストに関連するが、長期エンゲージメントは、デバイス及び/又はアプリケーションによって提供される利益(例えば、相対的利点)、並びにこれらの利益を認識するユーザの能力(例えば、結果実証性)を含む、合理的な考慮事項によって、主に促進される。したがって、ユーザは、新しい技術の利用可能性に魅力を感じるようになる可能性がある。しかしながら、この魅力は、ユーザが、例えば、健康状態の管理に関して、その相対的利益を実現するために、デバイス及び/又はアプリケーションを使用するパターン又は実践を開発しない限り、一時的であり得る。
【0026】
健康監視及びサポートシステムとのエンゲージメントは、複数のステージ、すなわち、エンゲージメントの時点、エンゲージメントの期間、離脱、及び再エンゲージメントを含む、動的プロセスである。したがって、ユーザエンゲージメントは本質的に多面的であり、短期間又は長期間のうちに変化し得る。言い換えれば、今日の最適なクライアントエンゲージメントの解決策と思われるものは、必ずしも明日、1週間後、又は何か月も先まで機能するとは限らない。したがって、場合によっては、静的で、ユーザの特定の目的及び行動(時間とともに変化する)に基づいて調整又は個人化されていないユーザに関与するためのアプローチも、健康監視デバイス及びモバイル健康アプリケーションによって経験される、低いユーザエンゲージメントに寄与し得る。例えば、ユーザは、特定の目的を達成する意図で、ユーザのモバイルデバイス上にアプリケーションをダウンロードしてもよい。しかしながら、数日の使用後に、ユーザの特定の目的のいずれかを満たす際にユーザにとって有用ではないという点で、アプリケーションによって提示された特徴がユーザにあまり関連していないと、ユーザが決定してもよい。その結果、ユーザは、アプリケーションに対する関心を失い、その使用を全てやめてしまう可能性がある。別の例では、ユーザは、最初にアプリケーションを定期的に使用してもよいが、患者の状態、目的、好み、及び/又は行動が経時的に変化するにつれて、アプリケーションは、ユーザにとって無関係かつ無用であると感じ始めてもよく、その結果、ユーザはアプリケーションへの関心を失う。
【0027】
最近の統計によれば、モバイル健康アプリケーションをダウンロードしたユーザの2/3以上が、使用を中止する前にそれを1回だけ使用した。ほとんどのモバイル健康アプリケーションが設計されている慢性疾患の性質を考慮すると、低いエンゲージメント(及び保持)率は重要な問題である。モバイル健康アプリケーション、及び、同様に健康監視デバイスにおいて普及しているエンゲージメントの欠如は、壊滅的な結果をもたらす可能性がある。特に、ユーザの慢性的な状態を安定化させるように構成された健康監視デバイス及び/又はモバイル健康アプリケーションに携わることを取り止めるユーザは、技術の使用以外の状態を管理することができない場合がある。状態があまりにも長く管理されないままにされる場合、ユーザの状態は著しく悪化する可能性があり、追加の健康課題が生じる可能性があり、場合によっては、死亡のリスク増加又は可能性につながることがある。
【0028】
初期採用から持続使用に移行するために、企業及び/又はアプリケーション開発者は、多くの場合、デバイス及び/又はアプリケーションのユーザとのより肯定的な対話を持つことによって、ユーザ満足度を増加させるように、顧客エンゲージメント戦略を開発する。しかしながら、多くのクライアントエンゲージメント戦略は、それらの静的な性質、又は変化するユーザ、並びに/又は技術を使用するユーザの好み、状態、及び特性に、適応することができないことに起因する被害を受ける。したがって、顧客エンゲージメント戦略の継続的な再較正及び個人化は、クライアントエンゲージメントを最大化するために重要である。
【0029】
加えて、上記で説明したように、ソフトウェアアプリケーション(例えば、健康関連アプリケーション)から生じる通信との準最適なユーザエンゲージメントは、アプリケーションが展開されるコンピューティングデバイスのランダムアクセスメモリリソースの効率的な使用に対する課題を提示できる。ソフトウェアアプリケーションが、それらの通信とのユーザエンゲージメントを最適化するように構成された方法で通信を送信する場合、ソフトウェアアプリケーションのユーザは、ユーザが通信に気づいた後、最小限の遅延で通信に関与する可能性が高い。この遅延時間を短縮することは、コンピューティングデバイスのランダムアクセスメモリリソースが通信の待機提示に使用される期間、したがってコンピューティングデバイスの準最適なランダムアクセスメモリ使用期間が短縮されることを意味する。したがって、本明細書で説明される様々な技法など、ソフトウェアアプリケーションから生じる通信とのユーザエンゲージメントを最適化するための技法は、言及されたソフトウェアアプリケーションが展開されるコンピューティングデバイスによるランダムアクセスメモリリソースのより効率的な使用を可能にし、次いで、言及されたコンピューティングデバイスの実行速度を増加させる。
【0030】
ソフトウェアアプリケーションからの通信のより最適化された配信から生じる別の技術的利点は、ユーザによるそれらのソフトウェアアプリケーションの効果的な使用を増加させることを含み、それは、次に、ソフトウェアアプリケーションの目的を達成する際により効果的であるソフトウェアアプリケーションにつながる。例えば、ユーザ健康管理を容易にするためにポータブル及び/又はウェアラブル健康監視デバイスと対話するために使用されるソフトウェアアプリケーションは、以下で更に説明するように、言及されたソフトウェアアプリケーションが、言及された通信とのユーザエンゲージメントを最適化するように構成された方法で通信を送信する場合、より効果的であり、より効果的なユーザ健康管理を可能にする。
【0031】
本明細書に記載される特定の実施形態は、連続分析物センサ、及び/又は例えば連続分析物センサと通信するモバイル健康アプリケーションを含む、健康監視デバイスを使用するユーザの様々なコホート間のユーザエンゲージメントを増加させるように設計された顧客エンゲージメントプラットフォーム(CEP)を導入することによって、上述の技術的問題(ランダムアクセスメモリ使用問題及びユーザ損耗問題を含む)に対する技術的解決策を提供する。
【0032】
CEPは、1人以上のユーザのコホートと通信するための通信プラットフォームを指し、そのようなコホート間のエンゲージメントを最適化することを目標とする。特定の実施形態は、CEPは、通信のための適切なユーザコホートを識別し、次いで、コホートと対話又は通信するために使用される通信構成を判定するための分析(例えば、アプリケーション及び/又はユーザ分析)を提供する、データ分析プラットフォーム(DAP)を含むか、又はそれと通信する。通信構成は、ユーザに送信される通信の「何の」(例えば、コンテンツ)及び「どのように」(例えば、トーン、趣旨、媒体、タイミング、頻度)を含む。DAPは、コホート内のユーザの絶えず変化する特性、好み、行動、状態、及び条件に対応するように、流動的かつ適応可能なままでありながら、異なるユーザコホートのエンゲージメントを最適化する通信構成を判定するように構成される。本明細書で使用される「コホート」という用語は、特定の1つ以上の定義特性を共有するソフトウェアアプリケーションのユーザのセットからの1人以上のユーザのグループを定義する。
【0033】
一例として、CEPは、例えば、モバイル健康アプリケーション又は健康監視デバイスとのユーザのエンゲージメントを増加させるための戦略的な個人化されたコンテンツの使用である、顧客エンゲージメントマーケティングにおいて使用されてもよい。顧客エンゲージメントマーケティングにおけるキャンペーンは、ユーザエンゲージメント、保持、ロイヤルティ、擁護、及び/又は参加を増加させるために、デバイス及び/又はアプリケーションの既存ユーザのために設計されてもよい。一例として、キャンペーンは、全ての1型糖尿病ユーザ、及び/又は1型糖尿病ユーザの介護者、医療専門家などと通信するように定義されてもよく、アプリケーションを使用して、1型糖尿病ユーザに特に有用なアプリケーションの新しい特徴又は新製品について通知する。
【0034】
特定の実施形態では、特定の患者コホート(本明細書では互換的に「ユーザ」と称される)と通信するための顧客エンゲージメントキャンペーンを定義するために、CEPは、例えばマーケティング又は顧客エンゲージメント専門家のためのインターフェースを、直接的に又は通信アプリケーションを介してのいずれかで、提供するように設計される。例示的な例として、専門家は、CEPによって提供されるインターフェースを使用して、あるユーザコホートのためのキャンペーン構成のセットを含むキャンペーン基準を用いてキャンペーンを定義してもよい。キャンペーン構成は、キャンペーンが定義されるユーザコホートを識別するのに役立つ。例えば、キャンペーン構成は、ある健康状態、例えば、1型糖尿病、及び、ある年齢範囲、例えば、50~70歳を含んでもよい。キャンペーンがキャンペーン構成で定義されると、次いで、キャンペーン構成に合致する患者のコホートがDAPを使用して識別される。上記の例では、DAPは、50~70歳の年齢範囲内の全ての1型ユーザを、通信されるべき正しいコホートとして識別できる。
【0035】
DAPは、ルールベースモデル及び機械学習モデルなどのいくつかの異なるモデルを使用して、キャンペーン構成に基づいて、ユーザコホートを識別してもよい。上記の例に戻ると、キャンペーン基準として、キャンペーンが1型かつ50~70歳の年齢範囲で定義されるとき、DAPは、ユーザデータストアにアクセスして、そのプロファイルがキャンペーン基準に一致するユーザを識別してもよい。例えば、DAPは、1型糖尿病を有し、50~70歳の年齢内であるデータストア内の全てのユーザを識別する。異なる例では、顧客エンゲージメント専門家は、アラート疲労を経験しているユーザ又は解約のリスクがあるユーザと通信することへの関心を示すことができる。そのような例では、DAPは、以下でより詳細に説明されるように、そのようなユーザを識別するために、機械学習モデルのような、1つ以上のモデルを利用してもよい。
【0036】
通信が向けられるユーザ又は「誰の」コホートを識別することに加えて、DAPは、識別されたユーザコホートに提供される通信の「何の」(例えば、コンテンツ)及び「どのように」(例えば、トーン、趣旨、媒体、タイミング、頻度)などの通信構成を更に判定してもよい。通信のコンテンツ、トーン、趣旨、媒体、タイミング、頻度などは、本明細書では通信構成と呼ばれることがある。通信に関連付けられたユーザエンゲージメントを最大化するために、DAPは、識別されたコホート内のユーザの異なるサブグループに対して異なる通信構成を選択してもよい。場合によっては、サブグループは、1人のユーザと同程度に粒度が細かくなってもよい。識別されたコホート内の様々なサブグループが各々、通信の異なるコンテンツ、トーン、趣旨、媒体、タイミング、頻度に対して(エンゲージメントに関して)異なって応答し得るので、異なるユーザに対して異なる通信構成を利用することは、有利である。
【0037】
特定の実施形態では、どのタイプの通信がどのユーザのコホートに対するエンゲージメントを増加させるかを判定するために、特定の実施形態では、DAPは、マルチアーム・バンディット(MAB)アプローチと呼ばれる統計モデル又はアプローチを使用する。「マルチアーム・バンディット」という用語は、エージェントが複数のアクション(すなわち、複数のアーム)の間で選択しなければならず、それぞれが未知の支払いを有する仮説的実験に由来する。目標は、利得を最大化するアクションを選択することである。MABアプローチは、探索と活用との間のバランスを見出す。探索は、エージェントが各アクションについてのその現在の知識を改善することを可能にし、一方、活用は、最も多くの報酬を得るために貪欲なアクションを選択する。したがって、本明細書で説明される特定の実施形態では、DAPは、(1)ユーザの各コホートに適用される各通信構成、及びユーザの各コホートのエンゲージメントに関して各通信構成が有する影響、についてのその現在の知識を改善するために探索することと、(2)ユーザの各コホート間でユーザエンゲージメントを最良に促進するように判定されたそのような通信構成を活用することと、の両方のためにMABアプローチを使用する。DAPが探索と活用との間で行使し得るバランスは、DAPが構成されるバンディット戦略又はアルゴリズムに依存する。使用され得る様々な異なるバンディットアルゴリズム(例えば、イプシロングリーディなど)がある。以下で更に詳細に説明されるように、特定の実施形態では、DAPは、非コンテキストMABモデル(例えば、図4に示される)、コンテキストMABモデル(例えば、図5に示される)、又は、コンテキストMABモデルのより複雑な形態とみなされ得る完全強化学習モデル(例えば、図6に示される)を含む、種々のMABモデルのうちの1つで構成されてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、コホート選択基準のセットに従って生成されるユーザコホートのサブグループを識別するために、DAPは、以下の動作を含む探索-活用サブグループ割り当てルーチンを実行する。(i)通信構成のセット(例えば、事前定義された通信構成のセット)を識別するステップ、(ii)ユーザコホート内のユーザを探索サブセット及び活用サブセットに分割するステップ、(iii)識別された通信構成の各々に、探索サブセットからのユーザのセット及び活用サブセットからのユーザのセットを割り当てるステップ、である。例えば、いくつかの実施形態では、(i)所与の通信構成が、報酬関数によって、ユーザコホートにとって最適な通信構成であると記述される場合、所与の通信構成には、活用サブセットの全てが割り当てられ、かつ探索サブセットのいずれも割り当てられず、(ii)所与の通信構成が、報酬関数によって、ユーザコホートにとって最適な通信構成ではないと記述される場合、所与の通信構成には、活用サブセットのいずれも割り当てられず、探索サブセットのランダムに選択されたシェアが割り当てられる。言い換えれば、この例示的な実施形態で使用される探索・活用サブグループ割り当て技法によれば、C通信構成が与えられると、所与のCサブグループが生成され、Cサブグループの各々はC通信構成のうちの1つに対応し、最適な通信構成に対応するサブグループは、コホートユーザの活用サブセットの全てを含み、最適な通信構成以外のC-1通信構成のうちの1つに対応するC-1サブグループの各々は、コホートユーザの探索サブセットのランダムに割り当てられたシェアを含む。
【0039】
したがって、いくつかの実施形態では、ユーザコホートのサブグループを生成するステップは、(i)通信構成のセットを識別するステップと、(ii)1つ以上の通信構成についての報酬関数に基づいて、1つ以上の通信構成から最適な通信構成を識別し、1つ以上の通信構成から1つ以上の非最適な通信構成を識別するステップと、(iii)各通信構成について、ユーザコホートのユーザの割り当てられたユーザサブセットを識別するステップと、を含む。いくつかの実施形態では、識別された1つ以上のサブグループは、1つ以上の通信構成について識別された割り当てられたユーザサブセットを含む。いくつかの実施形態では、最適な通信構成のための割り当てられたユーザサブセットは、活用サブセット内の各ユーザを含み、一方、1つ以上の非最適な通信構成の各々のための割り当てられたユーザサブセットは、ランダムユーザ割り当て機構を使用して非最適な通信構成にランダムに割り当てられた探索サブセット内の各ユーザを含む。いくつかの実施形態では、最適な通信構成は、他の通信構成に対して最大のユーザエンゲージメントを生成する可能性が高いものとして報酬関数によって記述される通信構成である。
【0040】
いくつかの実施形態では、ユーザコホートの探索サブセットのサイズ及びユーザコホートの活用サブセットのサイズは、ユーザコホートのどの比率が探索サブセットに割り当てられ、したがって報酬関数を更新するために通信構成空間を探索するために使用されるべきか、を記述する探索比率に基づいて判定される。例えば、いくつかの実施形態では、探索比は50パーセントであってもよく、これは、探索比が、ユーザコホートのユーザの半分が探索サブセットに割り当てられ、ユーザコホートのユーザの半分が活用サブセットに割り当てられることを必要とすることを意味する。いくつかの実施形態では、報酬関数がより多く更新されるにつれて探索比が減少するように、報酬関数の履歴更新数に基づいて、探索比が判定される。いくつかの実施形態では、報酬関数の閾値数(例えば、10)の更新の後、探索比は0に設定され、その結果、ユーザコホートのユーザの全てが、更新された報酬関数によって記述される最適な通信構成に割り当てられる。
【0041】
識別されたコホートの異なるサブグループに対する通信構成が、DAPによって選択されると、DAPは、識別された通信構成をCEPに示す。次いで、CEPは、直接的に、又は何らかの通信システム若しくはアプリケーション(例えば、アプリケーション114a、アプリケーション106、又は他のアプリケーション114)を介して、のいずれかで、サブグループのために選択された対応する通信構成を使用して、コホート内の各サブグループに通信を送信する。例えば、通信アプリケーション114aは、様々な方法(例えば、テキスト、電子メール、電話など)を介して、異なるユーザへの通信を送信又は管理してもよい。
【0042】
次いで、DAPは、コホート内の様々なサブグループに関して、選択された通信構成の使用を探索することから生じるエンゲージメント結果を測定する。その後、コホートに送信される通信の将来のラウンドのために、DAPは、ユーザコホートについて探索及び学習を継続しながら、前のラウンドにおいて測定されたエンゲージメント結果から得られた知識を活用することによって、異なるサブグループのための通信構成の選択を最適化する。探索/活用のこのサイクルは、経時的に繰り返され、DAPが、継続的にエンゲージメントを最大化するために、ユーザコホートのための最適通信構成を識別できるようにする。
【0043】
本明細書で説明される実施形態によれば、CEPの使用は、マーケティング又は顧客エンゲージメントの専門家によって作成されるキャンペーンに限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、CEPは、ユーザコホートとのエンゲージメントを増加させ、及び/又は、通信を個人化するために、様々なシステム及びソフトウェアアプリケーションのためのインターフェース(例えば、アプリケーションプログラミングインターフェース(API))を提供してもよい。そのような例では、CEPは、同様に、ユーザのどのサブグループのためにどの通信構成が使用されるべきかに関して、DAPから支援を得て、それによって、ソフトウェアアプリケーション又はデバイスとのユーザの各サブグループのユーザエンゲージメントの可能性を増加させてもよい。そのようなシステム及びソフトウェアアプリケーションは、メッセージングアプリケーション、意思決定サポートエンジン、広告アプリケーション、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)アプリケーション、ウェブサイト設計アプリケーションなどを含んでもよい。例えば、GUIアプリケーションは、DAPと併せてCEPを使用してもよく、50歳から60歳の範囲のユーザの別のコホートと比較して、5歳から10歳の範囲のユーザのコホートに使用する最適なGUIを判定して、各コホート間でアプリケーションとの最大のエンゲージメントを達成できる。
【0044】
以下の説明及び実施例は、ホスト内のグルコース濃度を測定することができるグルコース監視センサに対して描かれているが、本明細書に記載される実施形態のシステム及び方法は、任意の測定可能な分析物のための任意のタイプの分析物センサと併せて使用することができることに留意されたい。本明細書で説明される実施形態のシステム及び方法は、ユーザの健康を改善するためにユーザに提供される任意の健康関連アプリケーションと併せて使用されてもよい。例えば、健康関連アプリケーションは、ユーザがある特定の疾患を治療するのを助けるか、又は必ずしも疾患と診断されていないユーザの健康を改善するのを助けることができる。
【0045】
ユーザエンゲージメントを増大させるための顧客エンゲージメントプラットフォーム(CEP)及びデータ分析プラットフォーム(DAP)を有する例示的なシステム。
図1Aは、ユーザの健康を監視し、意思決定サポートを提供し、ユーザ102を含むシステム100に関連付けられたユーザ間の顧客エンゲージメントを最大化するための例示的な健康監視及びサポートシステム100を示す。ユーザ102などのシステム100の各ユーザは、モバイル健康アプリケーション(「アプリケーション」)106(例えば、意思決定サポートガイダンスを提供する糖尿病介入アプリケーション)などのモバイル健康アプリケーション、及び/又は分析物監視システム104などの健康監視デバイスと対話する。ユーザ102(以下、「ユーザ」)は、特定の実施形態では、患者であってもよく、場合によっては、患者の介護者であってもよい。本明細書に記載される実施形態では、ユーザは、単に簡略化のために患者であると仮定されるが、そのように限定されるものではない。示されるように、システム100は、分析物監視システム104、アプリケーション106を実行するモバイルデバイス107、意思決定サポートエンジン112、ユーザデータベース110、CEP116、DAP117、及びCEP116と通信する1つ以上の他のアプリケーション114を含む。
【0046】
分析物監視システム104は、例えば、連続的に、ユーザ102のための分析物測定値を生成し、アプリケーション106で使用するために分析物測定値をモバイルデバイス107に送信するように構成される。いくつかの実施形態では、分析物監視システム104は、無線接続(例えば、Bluetooth接続)を介して分析物測定値をモバイルデバイス107に送信する。ある特定の実施形態では、モバイルデバイス107はスマートフォンである。しかしながら、ある特定の実施形態では、モバイルデバイス107は、代わりに、ラップトップコンピュータ、スマートウォッチ、タブレット、又はアプリケーション106を実行することが可能な任意の他のコンピューティングデバイスなど、任意の他のタイプのコンピューティングデバイスであり得る。
【0047】
特定の例では、分析物監視システム104はグルコース監視システムであると想定されるが、分析物監視システム104は、1つ以上の追加の又は代替の分析物を監視するように動作してもよいことに留意されたい。論じられるように、本明細書で使用される「分析物」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってのその通常の、かつ通例の意味が与えられるものであり(かつ、特別な意味又はカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、体内の物質又は化学成分又は生物学的試料(例えば、血液、血清、血漿、間質液、脳脊髄液、リンパ液、眼液、唾液、口腔液、尿、排泄物、又は滲出物を含む体液)を指すが、これらに限定されない。分析物には、自然発生物質、人工物質、代謝物、及び/又は反応生成物が含まれ得る。いくつかの実施形態では、感知領域、デバイス、及び方法による測定のための分析物は、アルブミン、アルカリホスファターゼ、アラニントランスアミナーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、ビリルビン、血中尿素窒素、カルシウム、CO2、塩化物、クレアチニン、グルコース、ガンマ-グルタミルトランスペプチダーゼ、ヘマトクリット、乳酸塩、乳酸デヒドロゲナーゼ、マグネシウム、酸素、pH、リン、カリウム、ナトリウム、総タンパク質、尿酸、代謝マーカー、及び薬物である。
【0048】
アセトアミノフェン、ドーパミン、エフェドリン、テルブタリン、アスコルベート、尿酸、酸素、d-アミノ酸オキシダーゼ、血漿アミンオキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ、NADPHオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ、ジオール、Ros、NO、ビリルビン、コレステロール、トリグリセリド、ゲンチシン酸、イブプロフェン、L-ドパ、メチルドパ、サリチレート、テトラサイクリン、トラザミド、トルブタミド、アカルボキシプロトロンビンを含む、他の分析物も同様に企図されるが、これらに限定されないアシルカルニチン;アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ;アデノシンデアミナーゼ;アルブミン;α-フェトプロテイン;アミノ酸プロファイル(アルギニン(クレブス回路)、ヒスチジン/ウロカニン酸、ホモシステイン、フェニルアラニン/チロシン、トリプトファン);アンドレノステンジオン;アンチピリン;アラビニトールエナンチオマー;アルギナーゼ;ベンゾイルエクゴニン(コカイン);ビオチニダーゼ;ビオプテリン;c-反応性タンパク質;カルニチン;カルノシナーゼ;CD4;セルロプラスミン;ケノデオキシコール酸;クロロキン;コレステロール;コリンエステラーゼ;コンジュゲートされた1-βヒドロキシ-コール酸;コルチゾール;クレアチンキナーゼ;クレアチンキナーゼMMイソ酵素;シクロスポリンA;d-ペニシラミン;脱エチルクロロキン;硫酸デヒドロエピアンドロステロン;DNA(アセチル化多型、アルコールデヒドロゲナーゼ、α1-アンチトリプシン、嚢胞性繊維症、デュシェンヌ/ベッカー型筋ジストロフィー、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘモグロビンA、ヘモグロビンS、ヘモグロビンC、ヘモグロビンD、ヘモグロビンE、ヘモグロビンF、D-パンジャブ、β-サラセミア、B型肝炎ウイルス、HCMV、HIV-1、HTLV-1、レーベル遺伝性視神経症、MCAD、RNA、PKU、三日熱マラリア原虫、性分化、21-デオキシコルチゾール);デスブチルハロファントリン;ジヒドロプテリジンレダクターゼ;ジフテリア/破傷風抗毒素;赤血球アルギナーゼ;赤血球プロトポルフィリン;エステラーゼD;脂肪酸/アシルグリシン;遊離β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン;遊離赤血球ポルフィリン;遊離サイロキシン(free thyroxine、FT4);遊離トリヨードサイロニン(free tri-iodothyronine、FT3);フマリルアセトアセターゼ;ガラクトース/gal-1-リン酸塩;ガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼ;ゲンタミシン;グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ;グルタチオン;グルタチオンペリオキシダーゼ;グリココール酸;グリコシル化ヘモグロビン;ハロファントリン;ヘモグロビン変異体;ヘキソサミニダーゼA;ヒト赤血球カルボニックアンヒドラーゼI;17-α-ヒドロキシプロゲステロン;ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ;免疫反応性トリプシン;ラクテート;鉛;リポタンパク質((a)、B/A-1、β);リゾチーム;メフロキン;ネチルマイシン;フェノバルビトン;フェニトイン; フィタン酸/プリスタン酸;プロゲステロン;プロラクチン;プロリダーゼ;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ;キニーネ;リバーストリヨードサイロニン(reverse tri-iodothyronine、rT3);セレン;血清膵臓リパーゼ;シソマイシン;ソマトメジンC;特異抗体(アデノウイルス、抗核抗体、反ゼータ抗体、アルボウイルス、仮性狂犬病ウイルス、デング熱ウイルス、メジナ虫、単包条虫、赤痢アメーバ、エンテロウイルス、ジアルジア症、ヘリコバクターピロリ、B型肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、HIV-1、IgE(アトピー性疾患)、インフルエンザウイルス、ドノバンリーシュマニア、レプトスピラ菌、はしか/流行性耳下腺炎/風疹、らい菌、肺炎マイコプラズマ、ミオグロビン、回旋糸状虫、パラインフルエンザウイルス、マラリア原虫、ポリオウイルス、緑膿菌、呼吸器合胞体ウイルス、リケッチア(恙虫病)、マンソン住血吸虫、トキソプラズマ、梅毒トレポネーマ、クルーズトリパノソーマ/ランジェリ、水疱性口内炎ウイルス、バンクロフト糸状虫、黄熱ウイルス);特異性抗原(B型肝炎ウイルス、HIV-1);スクシニルアセトン;スルファドキシン;テオフィリン;チロトロピン(TSH);チロキシン(T4);チロキシン結合グロブリン;微量元素;トランスフェリン;UDP-ガラクトース-4-エピメラーゼ;尿素;ウロポルフィリノーゲンIシンターゼ;ビタミンA;白血球;及び亜鉛プロトポルフィリンが挙げられるが、これらに限定されない。血液又は間質液中に天然に存在する塩、糖、タンパク質、脂肪、ビタミン、及びホルモンもまた、特定の実施形態は分析物を構成できる。
【0049】
分析物は、生物学的流体、例えば、代謝産物、ホルモン、抗原、抗体などの中に天然に存在し得る。あるいは、分析物は、体内に導入することができ、例えば、画像化のための造影剤、放射性同位体、化学薬剤、フッ化炭素ベースの合成血液、又は薬物若しくは医学的組成物であり、以下のものを含むが、これらに限定されない。インスリン;エタノール;大麻(マリファナ、テトラヒドロカンナビノール、ハシシ);吸入剤(亜酸化窒素、亜硝酸アミル、亜硝酸ブチル、クロロ炭化水素、炭化水素);コカイン(クラックコカイン);刺激薬(アンフェタミン、メタンフェタミン、リタリン、シルルト、プレルジン、ディドレックス、プレステート、ボラニル、サンドレックス、プレギン);抗うつ剤(バルビツール剤、メタカロン、ヴァリウム、リブリウム、ミルタウン、セラックス、エクワニル、トランキシーンなどの精神安定剤);幻覚剤(フェンシクリジン、リゼルギン酸、メスカリン、ペヨーテ、プシロシビン);麻薬(ヘロイン、コデイン、モルヒネ、アヘン、メペリジン、パーコセット、ペルコダン、タシオネックス、フェンタニル、ダルボン、タルウィン、ロモティル);合成麻薬(フェンタニル、メペリジン、アンフェタミン、メタンフェタミン、及びフェンシクリジンの類似体、例えば、エクスタシー);アナボリックステロイド;並びにニコチンが挙げられるが、これらに限定されない。薬物及び薬学的組成物の代謝産物もまた、企図される分析物である。例えば、アスコルビン酸、尿酸、ドーパミン、ノルアドレナリン、3-メトキシチラミン(3-methoxytyramine、3MT)、3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸(3,4-dihydroxyphenylaceticAcid、DOPAC)、ホモバニリン酸(homovanillic acid、HVA)、5-ヒドロキシトリプタミン(5-hydroxytryptamine、5HT)、ヒスタミン、終末糖化生成物(Advanced Glycation End Products、AGEs)、及び5-ヒドロキシインドール酢酸(5-hydroxyindoleacetic acid、FHIAA)などの、体内で生成された神経化学物質及び他の化学物質などの分析物も分析することができる。
【0050】
アプリケーション106は、分析物監視システム104から分析物測定値を受信して分析するように構成されたモバイル健康アプリケーションである。特に、アプリケーション106は、処理及び分析のため、並びに意思決定サポート推奨又はガイダンスをユーザ102に提供するための意思決定サポートエンジン112による使用のために、分析物測定値をユーザ102のユーザプロファイル118に格納する。アプリケーション106は、特徴1-Nのセットを含んでもよく、ここで、Nは、1より大きい整数であり、アプリケーション106が任意の数の特徴を有してもよいことを示すことを意味する。特徴1~Nのうちの1つ以上は、ユーザ102がより多くの情報に基づき意思決定(例えば、ユーザの健康状態の管理に関する決定)することをサポートするために、ユーザ102へのガイダンスの形態を提供するように構成される。
【0051】
特徴は、テキスト、電子メール、通知(例えば、プッシュ通知)、電話、及び/又はアプリケーション106のユーザインターフェース上にコンテンツ(例えば、グラフ、傾向、チャートなど)を表示することなどの他の形態の通信などの様々な方法を介してユーザ102と対話してしてもよい。特定の実施形態では、各特徴は、特徴の動作を定義する設定を含む。ある特定の実施形態では、特徴の設定を変更することは、特徴がガイダンスを提供し、ユーザと対話する方法など、特徴が動作する方法を変更することをもたらし得る。例えば、特徴の設定を変更することは、とりわけ、通信の媒体(例えば、テキスト、通知、通話など)、並びに頻度、コンテンツ、タイミング、特徴によって提供されるガイダンスの形式、及びガイダンスの時間枠(例えば、ガイダンスは、リアルタイム又は遡及的/反映的であり得る)などのうちの1つ以上を変更することをもたらしてもよい。
【0052】
例示的な例として、アプリケーション106の特徴1~Nは、いくつかの異なる運動管理特徴を含んでもよい。例えば、アプリケーション106の特徴1、2、3、及び4は、運動管理特徴1(例えば、特定の時間に運動することについてユーザにリマインドするためのリマインダ特徴)、運動管理特徴2(例えば、ユーザに関する情報に基づいて異なるタイプの運動を推奨する運動推奨特徴)、運動管理特徴3(例えば、特定の血糖値に達するためにユーザがどのくらいの時間運動すべきかを計算する特徴)、及び運動管理特徴4(例えば、歩行ルート/ハイキングトレイルなどを推奨する特徴)に、それぞれ対応してもよい。更に、特定の実施形態では、運動管理特徴は、いくつかの設定で構成することができる。一例として、運動管理特徴1は、5つの設定(例えば、設定A、B、C、D、及びE)のうちの1つで構成されてもよく、各設定は、頻度、コンテンツ、タイミング、形式、時間枠などのうちの異なる1つ以上でユーザにガイダンスを提供するように運動管理特徴1を構成する。例えば、設定Aは、最も積極的でないか、又は対話的であり(例えば、リマインダが少なく、コンテンツが異なるなど)、設定Eは、最も対話的であってもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、各異なる通信設定は、別個の通信頻度に関連付けられる。例えば、第1の通信設定は、1日に2回通信を送信することができ、第2の通信設定は、1日に3回通信を送信してもよい。いくつかの実施形態では、各異なる通信設定は、別個の通信デバイスに関連付けられ、通信設定に関連付けられるそれぞれの通信デバイスの適切なデータフォーマットを使用してコンテンツデータを送信するために必要とされる動作を含む。例えば、第1の通信設定は、電話媒体を介してコンテンツデータを送信するのに必要な動作を含んでもよく、一方、第2の通信設定は、インターネット媒体などのコンピュータネットワーク媒体を介してコンテンツデータを送信するのに必要な動作を含んでもよい。
【0054】
特定の実施形態では、意思決定サポートエンジン112は、データ分析モジュール(DAM)111を含む、1つ以上のソフトウェアモジュールを有するソフトウェア命令のセットを参照する。いくつかの実施形態では、意思決定サポートエンジン112は、プライベート又はパブリッククラウド内の1つ以上のコンピューティングデバイス上で完全に実行される。いくつかの他の実施形態では、意思決定サポートエンジン112は、モバイルデバイス107などの1つ以上のローカルデバイス上で部分的に実行され、プライベート又はパブリッククラウド内の1つ以上のコンピューティングデバイス上で部分的に実行される。いくつかの他の実施形態では、意思決定サポートエンジン112は、モバイルデバイス107などの1つ以上のローカルデバイス上で完全に実行される。
【0055】
本明細書でより詳細に説明するように、意思決定サポートエンジン112は、CEP116及び/又はアプリケーション106を介してユーザ102に意思決定サポート推奨を提供してもよい。意思決定サポートエンジン112は、ユーザデータベース110に格納されているユーザプロファイル118に含まれる情報に基づいて、意思決定サポート推奨を判定する。ユーザプロファイル118は、以下で更に説明するように、アプリケーション106からユーザについて収集された情報を含んでもよい。
【0056】
特定の実施形態では、意思決定サポートエンジン112のDAM111は、入力127のセット(以下でより詳細に説明される)を処理して、1つ以上のメトリック130を判定するように構成され、その後、1つ以上のメトリックは、意思決定サポート推奨をユーザ102に提供するために意思決定サポートエンジン112によって使用されてもよい。入力127は、ユーザデータベース110内のユーザプロファイル118に格納されてもよい。DAM111は、ユーザデータベース110から入力127をフェッチし、複数のメトリック130を計算することができ、これらのメトリックは、アプリケーションデータ126としてユーザプロファイル118に格納することができる。
【0057】
そのようなメトリック130は、行動メトリック及び/又は健康関連メトリックを含んでもよい。図2に関して以下でより詳細に説明されるメトリック130は、少なくとも場合によっては、ユーザ102の生理学的又は心理学的状態(例えば、ストレスレベル、幸福など)、ユーザ102の健康又は状態に関連付けられた傾向などのうちの1つ以上の、ユーザ102の健康又は状態を示してもよい。更に、場合によっては、メトリック130は、アプリケーション106に対するユーザ102の行動又は対話、疾患の治療に関するユーザ102の行動、健康関連行動などのうちの1つ以上などの、ユーザ102の行動及び習慣を示してもよい。
【0058】
特定の実施形態では、アプリケーション106は、ユーザ102に関する情報を入力として受け取り、その情報をユーザデータベース110内のユーザ102のユーザプロファイル118に格納するように構成される。例えば、アプリケーション106は、ユーザ102の人口統計情報119、疾患進行情報121、及び/又は薬剤情報122を取得し、ユーザプロファイル118に記録してもよい。特定の実施形態では、人口統計情報119は、ユーザの年齢、体格指数(BMI)、民族性、性別などのうちの1つ以上含んでもよい。特定の実施形態では、疾患進行情報121は、ユーザ102の疾患に関する情報、例えば、糖尿病について、ユーザが1型、2型、糖尿病前症であるかどうか、又はユーザが妊娠糖尿病を有するかどうかなどを含んでもよい。ある特定の実施形態では、疾患進行情報121はまた、診断からの時間の長さ、疾病管理のレベル、疾病管理治療の遵守のレベル、予測される膵機能、及び/又は他のタイプの診断(例えば、心疾患、肥満)、若しくは健康の尺度(例えば、心拍数、運動、ストレス、睡眠など)などを含む。特定の実施形態では、投薬療養情報122は、ユーザ102が服用したインスリン又は非インスリン糖尿病薬及び/又は非糖尿病薬などの、ユーザ102が服用した投薬の量及び種類に関する情報を含んでもよい。
【0059】
ある特定の実施形態では、アプリケーション106は、人口統計情報119、疾患進行情報121、及び/又は薬剤情報122を、ユーザ入力の形態でユーザ102から取得してもよい。特定の実施形態では、この情報の一部が変更されると、アプリケーション106は、ユーザ102又は他のソースから更新を受信してもよい。特定の実施形態では、ユーザ102に関連付けられたユーザプロファイル118、及び他のユーザに関連付けられた他のユーザプロファイルは、ユーザデータベース110に格納され、これは、1つ以上のネットワーク(図示せず)を介して、アプリケーション106、並びに意思決定サポートエンジン112及びDAP117にアクセス可能である。ある特定の実施形態では、アプリケーション106は、ユーザ102の入力、並びに/又は、分析物監視システム104、モバイルデバイス107上で実行される他のアプリケーション、及び/若しくは1つ以上の他のセンサ及びデバイスを含む複数の他のソースを通じて、入力127を受信する。ある特定の実施形態では、そのようなセンサ及びデバイスは、インスリンポンプ、他のタイプの分析物センサ、モバイルデバイス107によって提供されるセンサ若しくはデバイス(例えば、加速度計、カメラ、全地球測位システム(GPS)、心拍数モニタなど)、又は他のユーザアクセサリ(例えば、スマートウォッチ)、あるいはユーザ102についての関連情報を提供する任意の他のセンサ若しくはデバイスのうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。特定の実施形態では、ユーザプロファイル118はまた、その特徴及び設定を含む、アプリケーション106の現在の構成を示すアプリケーション構成情報を格納する。
【0060】
ユーザデータベース110は、いくつかの実施形態では、パブリック又はプライベートクラウドで動作し得る記憶サーバを指す。データベース110は、リレーショナルデータベース、非リレーショナルデータベース、キーバリュー型データストア、階層ファイルシステムを含むファイルシステムなどの任意のタイプのデータストアとして実装されてもよい。いくつかの例示的な実装形態では、データベース110は分散される。例えば、データベース110は、分散された複数の永続ストレージデバイスを含んでもよい。更に、データベース110は、ストレージデバイスが地理的に分散されるように複製されてもよい。
【0061】
ユーザデータベース110は、健康監視及び意思決定サポートシステム100によってサービスされる複数の他のユーザに関連付けられた他のユーザプロファイル118を含む。より具体的には、ユーザ102に関して実行される動作と同様に、これらの他のユーザに関して実行される動作は、分析物監視システム104などの分析物監視システムを利用してもよく、同じアプリケーション106と対話してもよく、そのコピーは、他のユーザ102のそれぞれのモバイルデバイス上で実行される。そのようなユーザについては、ユーザプロファイル118が同様に作成され、ユーザデータベース110に格納される。上述したように、これらのユーザ間のエンゲージメントを増加させるために、健康監視及び意思決定サポートシステム100は、CEP116及びDAP117を含む。
【0062】
CEP116は、健康監視及び意思決定サポートシステム100のユーザ間のエンゲージメントを増加させ得る通信及び顧客エンゲージメントプラットフォームである。特定の実施形態において、CEPは、顧客エンゲージメントキャンペーンを定義するためのプラットフォームを提供する。そのようなキャンペーンは、マーケティングキャンペーン、広告キャンペーン、特徴教育キャンペーン、及びより高いユーザエンゲージメントから利益を得ることができるユーザとの通信のための他のキャンペーンを含んでもよい。これらのキャンペーンは、図3に関して以下でより詳細に説明され得る。
【0063】
一例として、特定の実施形態では、マーケティング又は顧客エンゲージメント専門家120は、CEP116をプラットフォームとして使用して、キャンペーン基準のセットを用いてキャンペーンを定義し、特定のユーザコホート間のエンゲージメントを増加させる。キャンペーン基準は、キャンペーンが対象とされるユーザコホートを示してもよい。例示的な例として、専門家120は、アプリケーション106の男性糖尿病ユーザにアプリケーション106の新しい特徴について通知することによって、そのようなユーザ間のエンゲージメントを増加させるための特徴教育キャンペーンを作成することを望む場合がある。そのような例では、専門家120は、CEP116と対話し、キャンペーンを作成するために、例えば、通信アプリケーション114aによって提供されるユーザインターフェースを使用してもよい。ユーザインターフェースは、ユーザをフィルタリングするための様々なオプションを提供してもよい。例えば、キャンペーンを作成するために、専門家は、例えば、ユーザインターフェース上でキャンペーン基準として「男性」かつ「糖尿病」を選択してもよい。以下で更に説明するように、キャンペーン基準は、次いで、CEP116によってDAP117に通信され、DAP117は、そのプロファイルがキャンペーン基準を満たすユーザ(すなわち、専門家120によって定義されたコホートに入るユーザ)を識別する。一例として、DAP117は、データベース110へのクエリを使用して、男性及び糖尿病であると記録された全てのユーザのユーザIDを検索してもよい。
【0064】
キャンペーン基準に加えて、いくつかの実施形態では、専門家120はまた、ユーザコホートに提供されるべき通信に関する通信構成のセットを定義してもよい。例えば、専門家120は、CEP116によって提供されるユーザインターフェースを使用してもよく、メッセージング(例えば、インフォーマルメッセージング、フォーマルメッセージング、写真を使用したメッセージングなど)のトーン、趣旨、及びコンテンツ、通信のタイミング及び頻度、通信の手段(例えば、テキスト、電子メール、電話、アプリケーション106を介した通知など)などに関する多くのオプションのうちの1つを更に選択することができる。通信構成のセットが専門家120によって識別されると、CEP116は、通信構成の識別された1つ以上のセットを有する通信を、識別されたコホートに送信する。
【0065】
しかしながら、特定の実施形態では、専門家120は通信構成を定義しない。例えば、専門家120は、どの通信構成(例えば、どの「トーン」)が定義されたユーザコホートの大部分と共鳴するかを知らない場合がある。別の例では、ユーザコホート内の様々なユーザ又はユーザサブグループが、異なる通信構成に共鳴又は応答することがある。したがって、通信構成の1つのセットは、例えば男性糖尿病ユーザの1つのグループ間のエンゲージメントを増加させることができ、通信構成の第2のセットは、男性糖尿病ユーザの第2のグループ間のエンゲージメントを増加させることができる。
【0066】
通信構成が専門家120によって定義又は選択されない実施形態では、キャンペーン基準を満たすユーザを識別するためにキャンペーン基準をDAP117に示すことに加えて、CEP116はまた、識別されたユーザコホート又はそのいくつかのサブグループと通信するために使用される通信構成を選択するための要求をDAP117に送信する。以下で更に説明されるように、通信構成は、次いで、DAP117によって選択され、識別されたユーザコホート又はその中のサブグループの間で予想されるユーザエンゲージメントの尺度を最大化する。通信構成のセットが識別されると、CEP116は、通信構成の識別された1つ以上のセットを有する通信を、識別されたコホートに送信する。
【0067】
次にDAP117に移ると、DAP117は、大量で複雑で動的なデータ、より具体的には、このコンテキストでは、ユーザデータベース110及び/又は1つ以上の他のデータストアに格納されたユーザプロファイル118に対して分析を実行するための様々な能力を提供する分析プラットフォームである。より具体的には、DAP117は少なくとも2つの主要な機能を実行する。第1に、DAP117は、データベース110からのデータを分析して、CEP116によってDAP117に通信されたキャンペーン基準に基づいて、通信のためのユーザ102のコホートを識別するように構成される。上記の例では、DAP117は、データベース110にアクセスして、CEP116に入力されたキャンペーン基準に従って、「男性」かつ「糖尿病」であるユーザを識別する。第2に、DAP117は、データベース110からのデータを分析して、識別されたコホートと通信するための1つ以上の通信構成を判定するように構成され、その目的は、コホート又はその様々なサブグループの間のエンゲージメントを最大化することである。
【0068】
第1の機能を実行するために、特定の実施形態では、DAP117は、あるキャンペーン基準を満たす1人以上のユーザを識別するための論理を用いて構成されてもよい。例えば、上記の例では、DAP117は、ユーザデータベース110からのユーザプロファイル118を並び替えて、男性でありかつ糖尿病状態を有するユーザを識別してもよい。いくつかの実施形態では、DAP117は、どのユーザ102が男性であるかを判定するために、ユーザデータベース110内の各ユーザプロファイルの人口統計情報119を調査するクエリをデータベース110に送信してもよい。更に、クエリは、男性と糖尿病の両方であるユーザを識別するために、識別された男性ユーザのユーザプロファイルの疾患進行情報121を調査してもよい。各ユーザプロファイルについて、人口統計情報119が、ユーザが男性であることを示し、疾患進行情報121が、ユーザが糖尿病であることを示す場合、ユーザは、キャンペーン基準を満たすものとして、したがって、所望のコホートのメンバーとして識別される。
【0069】
特定の実施形態では、ユーザ102があるキャンペーン基準を満たすかどうかを判定することは、DAP117によるより複雑な分析を必要とし得る。例えば、場合によっては、キャンペーンは、アラート疲労、解約、センサ故障などの技術的又はエンゲージメント問題を経験しているユーザに対処するために定義されてもよい。そのような場合、アラート疲労又は解約などであるユーザを識別することは、(以前の分析が行われ、ユーザプロファイルによって反映されていない限り)データベースクエリをデータベース110に送信するほど単純ではない場合がある。例えば、解約を経験している、又は解約のリスクがあるアプリケーション106のユーザ102に対処するためにキャンペーンが定義される場合、ユーザのユーザプロファイル118は、解約のレベルを事前に識別しなくてもよい。そのような情報は、ユーザのプロファイル内の情報を分析することによって、DAP117によって判定又は予測される必要があり得る。
【0070】
したがって、特定の実施形態では、DAP117は、ユーザが、アラート疲労、解約、及びセンサ故障などに関するキャンペーンなどのいくつかのキャンペーン基準を満たすかどうかを判定又は予測するように訓練される、1つ以上の機械学習モデルを用いて構成されてもよい。例えば、解約の場合、DAPは、入力のセット(例えば、各ユーザのユーザプロファイルからのアプリケーション使用パターン、デバイス使用パターン、エンゲージメントパターンの欠如など)を取得し、各ユーザの解約のレベル又は危険性を予測するように構成された機械学習モデルを利用することができる。キャンペーンのためにユーザ及び/又はユーザ102のコホートを識別するための機械学習モデルの使用は、図3に関して更に詳細に説明される。
【0071】
通信のためのユーザコホートを識別することに加えて、特定の実施形態では、DAP117は、コホート間のエンゲージメントを最大化する目的で、識別されたコホートと通信するための1つ以上の通信構成を識別する機能を実行するように更に構成される。以下でより詳細に説明されるように、いくつかの実施形態では、DAP117は、エンゲージメントを最大化する通信構成を識別するために、MABモデルなどの統計モデルを使用するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、DAP117は、非コンテキストMABモデル例えば、図4に示される、コンテキストMABモデル(例えば、図5に示される)、又は完全強化学習モデル(例えば、図6に示される)を使用する。例えば、DAP117は、非コンテキストMABモデルを使用してもよく、どの通信構成がコホートの中で最高レベルのユーザエンゲージメントをもたらすかを最初に探索し、将来の通信に関して識別されたコホートの大部分との通信のためにそれらの構成を使用又は活用できる。より詳細には、特定の実施形態では、キャンペーン通信の最初のラウンドにおいて、DAP117は、非コンテキストMABモデルを使用して、キャンペーンのための通信の1つ以上のラウンドの結果として収集されたエンゲージメントデータに基づいて、どの通信構成が全ての通信構成から最高のユーザエンゲージメントをもたらすかを判定してもよい。説明したように、異なる通信構成の例は、3つの異なる通信媒体(例えば、テキスト、通話、及び通知)、又は4つの異なる通信トーン(例えば、「動機付け」、「中立」など)などであり得る。
【0072】
最も高いエンゲージメントをもたらす通信構成を識別すると、DAP117は、次いで、ユーザコホートの大部分(例えば、コホートの90%を構成するサブグループ)のための次のキャンペーン通信において、その通信構成を利用し続けてもよい。ユーザコホートの残りに対して、DAP117は、他の構成を用いて実験を続けるために、他の通信構成のうちのいくつかを使用してもよい。一例として、DAP117は、コホート内の残りのユーザの半分(例えば、コホートの5%)に対して2番目に良い通信構成を使用し、コホート内の残りのユーザの残りの半分(例えば、コホートの最後の5%)に対して3番目に良い通信構成を使用してもよい。
【0073】
非コンテキストMABモデルは、異なる通信構成に関連付けられたユーザエンゲージメントの可能性を予測するときに、ユーザに関連付けられたコンテキスト又はいかなる観測も考慮に入れない。一方、教師あり学習モデルなどの機械学習モデルを使用して実装され得るコンテキストMABモデルは、コホートの1つ以上のサブグループの中でユーザエンゲージメントの最も高い可能性を有する通信構成を判定するために、コホートのユーザに関連付けられたコンテキスト情報を考慮に入れる。例えば、コホートのユーザを、各々が1つ以上のコンテキストの異なるセットに対応する別個のサブグループに分類するために、様々なコンテキスト特徴を定義してもよい。一例として、年齢、性別、グルコース状態(例えば、不良、平均、良好など)、疾患進行情報などの1つ以上のコンテキスト特徴が定義されてもよい。これらのコンテキスト特徴を使用して、コホート内のユーザは、それぞれがコンテキストの異なるセットに対応する、異なるサブグループに分類されてもよい(例えば、60歳を上回る1型の男性ユーザ)。サブグループは、より多くのコンテキスト特徴が使用されるにつれて、より粒度の細かいものになってもよい。したがって、各サブグループに対するモデルへの入力は、コホートのユーザに関連付けられたコンテキストを示すコンテキスト情報である。
【0074】
コンテキストMABモデルを実装するために機械学習が使用されるとき、エージェントは、サブグループに関連付けられた対応するコンテキストに基づいて、各サブグループについて最高のユーザエンゲージメントをもたらす通信構成を予測するように経時的に訓練される。コンテキストMABモデルの代わりに、特定の実施形態では、完全強化学習モデルが使用されてもよい。強化学習モデルは、コンテキスト・バンディット・モデルのより複雑な拡張であり、強化学習モデルは、ユーザと通信するための最適な通信構成を判定するときに、ある環境におけるユーザの状態(例えば、現在の健康状態、エンゲージメントの現在の状態など)を考慮する。異なるMABモデルを以下に更に詳細に記載する。
【0075】
専門家120が通信アプリケーション114aを介してキャンペーンを作成するためのユーザインターフェースを提供することに加えて、CEP116はまた、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)115を提供し、これは、様々なソフトウェアアプリケーション及びシステムが、エンゲージメントを増加させる目的で様々なユーザとの通信をカスタマイズすることを可能にする。例えば、コホートの大部分又はユーザ若しくは特定のコホートのサブグループのために、どの通信構成が使用されるべきかを判定するために、広告アプリケーション114b、GUIアプリケーション114c、ウェブサイトアプリケーション114d、及び意思決定サポートエンジン112は、CEP116に可能な通信構成の特定のセットを提供してもよい。特定の実施形態では、API115を介して、アプリケーション114b~114dは、異なるキャンペーン及び通信基準を使用して専門家120がキャンペーンを手動で定義することができる方法と同様に、キャンペーンを自動的に定義することによって、CEP116とインターフェースしてもよい。
【0076】
一例として、広告アプリケーション114bは、特定のユーザコホートとの通信のために3つの異なる通信構成(すなわち、異なるタイプの広告)をCEP116に提供することによってキャンペーンを定義してもよい。次いで、CEP116は、これらの異なる通信構成をDAP117に通信することができ、DAP117は、どの通信構成がコホートの大部分に関与する可能性が最も高いか、又はどの通信構成がユーザコホートのどのサブグループに使用されるべきかを判定してもよい。そのような例では、CEP116を使用することによって、及び拡張DAP117によって、広告アプリケーション114bは、正しいタイプの広告を正しい受け取り手(すなわち、サブグループ)に通信することができ、それによって、各サブグループ内でのエンゲージメントの増加を達成する。GUIアプリケーション114c及びウェブサイトアプリケーション114dは、同様の方法でCEP116を利用してもよい。
【0077】
アプリケーション114b、114c、及び114d、又は通信のための特定のユーザコホートを定義する同様のアプリケーションの各々について、最適な通信構成を判定するために、DAP117は、上記で説明されたMABモデルのうちの1つを使用してもよい。アプリケーション114b~114d又は同様のアプリケーションに加えて、意思決定サポートエンジン112は、同様に、CEP116を使用して、通信をカスタマイズし、意思決定サポートが提供される各ユーザとのエンゲージメントを増加させ得る。例えば、アプリケーション106の各特徴は、複数の設定を有してもよく、各設定は、ユーザに意思決定サポートを提供するための異なる通信構成に対応する。上述したように、通信構成の一例は、トーン、趣旨、タイミング、媒体などである。例えば、運動管理特徴は、タイミングについて異なる設定を有してもよい(例えば、(1)ユーザに運動を促す通知を午前8時に送信する、(2)ユーザに運動を促す通知を午後6時に送信する)。これらの異なる設定は、CEP116と通信されてもよく、CEP116は、それらをDAP117に通信する。どの通信設定が最大のエンゲージメントをもたらすかを判定するために、DAP117は、ユーザに関するコンテキスト情報を入力として考慮に入れるコンテキストMAB又は完全強化学習モデルを利用してもよい。例えば、異なるコンテキスト特徴が、任意の時間におけるユーザのコンテキスト又はコンテキスト状態を表すために定義されてもよい。図2に示されるメトリック130の多くは、図7に関連して更に説明されるように、ユーザがいるコンテキスト又はコンテキスト状態を判定し、最高量のエンゲージメントをもたらすであろう通信構成を予測するために、コンテキスト特徴として使用されてもよい。
【0078】
図1Bは、分析物監視システム104の一例を示す。図1Bの例では、分析物監視システム104はグルコース監視システムである。しかしながら、上述したように、分析物監視システム104は、任意の他の分析物又は複数の分析物の組み合わせを測定するように構成されてもよい。図1Bは、いくつかのモバイルデバイス107a、107b、107c、及び107dを示す(個々にモバイルデバイス107と呼ばれ、集合的にモバイルデバイス107と呼ばれる)。図1Aのモバイルデバイス107は、モバイルデバイス107a、107b、107c、又は107dのうちのいずれか1つであり得ることに留意されたい。言い換えれば、モバイルデバイス107a、107b、107c、又は107dのうちのいずれか1つは、アプリケーション106を実行するように構成され得る。グルコース監視システム104は、モバイルデバイス107a、107b、107c、及び/又は107dに通信可能に結合され得る。
【0079】
概要及び例として、グルコース監視システム104は、カプセル化マイクロコントローラとして実装されてもよく、カプセル化マイクロコントローラは、センサ測定を行い、分析物データを生成し(例えば、連続的血糖監視システムデータの値を計算することによって)、無線通信に関与して(例えば、Bluetooth及び/又は他の無線プロトコルを介して)、そのようなデータをモバイルデバイス107などのリモートデバイスに送信する。米国特許出願公開第2019/0336053号の段落[0137]~[0140]及び図3A図3B、並びに図4は、特定の実施形態では、グルコース監視システム104に関連して使用され得る、皮膚上センサアセンブリを更に説明する。米国特許出願公開第2019/0336053号の段落[0137]~[0140]及び図3A図3B並びに図4は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0080】
ある特定の実施形態では、グルコース監視システム104は、分析物センサ電子機器モジュール138と、分析物センサ電子機器モジュール138に関連付けられたグルコースセンサ140と、を含む。ある特定の実施形態では、分析物センサ電子機器モジュール138は、分析物センサデータ/情報の処理及び/又は較正に関連するアルゴリズムを含む、分析物センサデータ又は情報の測定及び処理に関連する電子回路を含む。分析物センサ電子機器モジュール138は、グルコースセンサ140に物理的/機械的に接続され得、グルコースセンサ140と一体化され得る(すなわち、着脱不可能に取り付けられる)か、又は着脱可能に取り付けることができる。
【0081】
分析物センサ電子機器モジュール138はまた、構成要素が互いに電気機械的に結合され得るように、グルコースセンサ140に電気的に結合されてもよい。分析物センサ電子機器モジュール138は、グルコースセンサ140(例えば、グルコースセンサであり得る/グルコースセンサを含み得る)を介して、ユーザ内の分析物のレベルの測定及び/又は推定を有効にする、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含み得る。例えば、分析物センサ電子機器モジュール138は、1つ以上の定電位器と、グルコースセンサ140に電力を提供するための電源と、信号処理及びデータストレージに有用な他の構成要素と、センサ電子機器モジュールから1つ以上の表示デバイスにデータを送信するための遠隔測定モジュールと、を含むことができる。電子機器は、グルコース監視システム104内のプリント回路基板(PCB)又はプラットフォームなどに取り付けることができ、様々な形態を採ることができる。例えば、電子機器は、特定用途向け集積回路(Application-Specific Integrated Circuit、ASIC)などの集積回路(integrated circuit、IC)、マイクロコントローラ、プロセッサ、及び/又はステートマシンの形態を採ることができる。
【0082】
分析物センサ電子機器モジュール138は、センサデータなどのセンサ情報を処理し、変換されたセンサデータ及び表示可能なセンサ情報を生成するように構成されたセンサ電子機器を含み得る。センサ分析物データを処理するためのシステム及び方法の例は、本明細書、並びに米国特許第7,310,544号及び第6,931,327号、並びに米国特許出願公開第2005/0043598号、同第2007/0032706号、同第2007/0016381号、同第2008/0033254号、同第2005/0203360号、同第2005/0154271号、同第2005/0192557号、同第2006/0222566号、同第2007/0203966号及び同第2007/0208245号に更に詳細に記載されており、これらの全ては参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0083】
グルコースセンサ140は、ユーザ102内の分析物の濃度又はレベルを測定するように構成されている。分析物という用語は、米国特許出願公開第2019/0336053号の段落[0117]で更に定義されている。米国特許出願公開第2019/0336053号の段落[0117]は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、グルコースセンサ140は、皮下、経皮(例えば、経皮性)、又は血管内デバイスなどの連続グルコースセンサを含む。いくつかの実施形態では、グルコースセンサ140は、複数の断続的な血液サンプルを分析できる。グルコースセンサ140は、酵素法、化学法、物理法、電気化学法、分光光度法、偏光測定法、熱量測定法、イオン導入法、放射測定法、免疫化学法など、任意のグルコース測定法を使用できる。連続グルコースセンサに関する更なる詳細は、米国特許第9,445,445号の段落[0072]~[0076]に提供されている。米国特許第9,445,445号の段落[0072]~[0076]は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0084】
図1Bを更に参照すると、モバイルデバイス107は、センサ電子機器モジュール138によって送信され得る表示可能なセンサ情報を(例えば、それぞれの好みに基づいて表示デバイスに送信されるカスタマイズされたデータパッケージにおいて)表示する(及び/又は警告する)ように構成されてもよい。モバイルデバイス107a、107b、107c、及び/又は107dの各々は、例えば、センサ情報及び/若しくは分析物データをユーザ102に提示し、かつ/又は、ユーザ102から入力を受信する、ためにグラフィカルユーザインターフェース(例えば、アプリケーション106)を表示するためのディスプレイ、例えば、タッチスクリーンディスプレイ109a、109b、109c、及び/又は109d、をそれぞれ含んでもよい。ある特定の実施形態では、モバイルデバイスは、センサ情報をモバイルデバイスのユーザ102に通信するための、及び/又はユーザ入力を受信するためのタッチスクリーンディスプレイの代わりに、又はそれに加えて、音声ユーザインターフェースなどの他のタイプのユーザインターフェースを含み得る。ある特定の実施形態では、モバイルデバイス107のうちの1つ、いくつか、又は全ては、センサデータの較正及び/又はリアルタイム表示のために要求される任意の追加の予期される処理を伴わずに、センサ電子機器モジュール138から通信される際に(例えば、それぞれの表示デバイスに送信されるデータパッケージ内で)、センサ情報を表示又は別様に通信するように構成されてもよい。
【0085】
モバイルデバイス107は、カスタム又は独自の表示デバイス、例えば、センサ電子機器モジュール138から受信された分析物データに関連付けられたある特定のタイプの表示可能なセンサ情報(例えば、特定の実施形態では、数値及び/又は矢印)を表示するために特に設計された分析物表示デバイス107bを含んでもよい。特定の実施形態では、モバイルデバイス107の1つは、Android、iOS、又は連続的なセンサデータのグラフィカル表現(例えば、現在及び/又は履歴データを含む)を表示するように構成された別のオペレーティングシステムを使用するスマートフォンなどの携帯電話を含む。
【0086】
図2は、本明細書で説明される特定の実施形態による、例示的な入力、及び入力に基づいて判定される例示的なメトリックのより詳細な図を提供する。図2は、例示的な入力127を左側に、アプリケーション106及びDAM111を中央に、メトリック130を右側に示す。アプリケーション106は、1つ以上のチャネル(例えば、手動ユーザ入力、センサ、モバイルデバイス107上で実行される他のアプリケーションなど)を介して入力127を取得する。入力127は、ユーザにガイダンスを提供するためにアプリケーション106の特徴1~Nによって同様に使用され得る、メトリック130などの複数のメトリックを出力するために、DAM111によって更に処理されてもよい。特定の実施形態では、入力127及びメトリック130はまた、(1)コホートを識別し、及び/若しくはユーザコホート内の様々なサブグループを定義するために、並びに/又は、(2)エンゲージメントを増加させるために、識別されたコホート若しくはその中のサブグループと通信するための1つ以上の通信構成を識別するために、DAP117によってコンテキスト情報として使用され得る。
【0087】
入力127のいずれかは、メトリック130のいずれかを計算するために使用されてもよい。特定の実施形態では、メトリック130の各々は、1つ以上の値、例えば、離散数値、範囲、又は定性的値(高/中/低、又は安定/不安定)に対応してもよい。
【0088】
特定の実施形態において、入力127は、食物消費情報を含む。食物消費情報は、サイズ、コンテンツ(炭水化物、脂肪、タンパク質など)、消費の順序、及び消費の時間のうちの1つ以上など、食事、軽食、及び/又は飲料のうちの1つ以上についての情報を含んでもよい。特定の実施形態では、食物消費は、手動入力を通じて、食物のタイプ及び量を認識するように構成されたアプリケーションを通じて写真を提供することによって、並びに/又はバーコード若しくはメニューをスキャンすることによって、ユーザによって提供されてもよい。様々な例では、食事量は、カロリー、量(「3つのクッキー」)、メニュー項目(「チーズ伴うロワイヤル」)、及び/又は食品交換(1つの果物、1つの乳製品)のうちの1つ以上として手動で入力されてもよい。いくつかの例では、食事はまた、この時間又はコンテキスト(例えば、自宅での平日の朝食、レストランでの週末のブランチ)に対するユーザの典型的なアイテム又は組み合わせとともに入力されてもよい。いくつかの例では、食事情報は、アプリケーション106によって提供される便利なユーザインターフェースを介して受信されてもよい。
【0089】
特定の実施形態において、入力127は、活動情報を含む。活動情報は、例えば、時計、フィットネストラッカー、及び/又はパッチなどのウェアラブルデバイス上の加速度計センサによって提供されてもよい。特定の実施形態では、活動情報はまた、ユーザ102による手動入力を通して提供されてもよい。
【0090】
特定の実施形態は、入力127は、年齢、身長、体重、体格指数、身体組成(例えば、体脂肪率)、体格、体型、又は他の情報のうちの1つ以上などの患者統計を含む。患者統計は、ユーザインターフェースを通して、電子医療記録などの電子ソースとインターフェース接続することによって、及び/又は測定デバイスから提供されてもよい。測定デバイスは、例えば、モバイルデバイス107と通信して、患者データを提供し得る、無線、例えば、Bluetooth対応、体重計、及び/又はカメラのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0091】
特定の実施形態では、入力127は、ユーザのインスリン投与に関する情報を含む。そのような情報は、スマートペン上の無線接続を介して、ユーザ入力を介して、及び/又は、インスリンポンプから受信されてもよい。インスリン投与情報は、インスリン量、投与時間などのうちの1つ以上を含んでもよい。インスリン作用時間又はインスリン作用の持続時間などの他の構成もまた、入力として受信されてもよい。
【0092】
特定の実施形態は、入力127は、心拍数、呼吸、酸素飽和度、体温などのうちの1つ以上を検出し得る、生理学的センサなどのセンサから受信される情報を含む(例えば、疾病を検出するために)。
【0093】
特定の実施形態では、入力127はグルコース情報を含む。そのような情報は、例えば、グルコース監視システム104を通して、入力として提供されてもよい。特定の実施形態では、血糖情報は、ユーザが薬を服用するときを追跡するスマートピルディスペンサ、血中ケトン計、分析室で測定された、若しくは推定されたAlC、長期管理の他の尺度、又は、スマートフォン若しくは特殊デバイスの触覚特徴を使用することによるなど、触覚応答を使用して末梢神経障害を測定するセンサのうちの1つ以上から受信されてもよい。
【0094】
特定の実施形態において、入力127は、時間、例えば、時刻、又はリアルタイムクロックからの時刻を含む。
【0095】
上述したように、特定の実施形態では、DAM111は、ユーザ102に関連付けられた入力127に基づいてメトリック130を判定又は計算する。メトリック130の例示的なリストが図2に示される。特定の実施形態では、DAM111によって判定又は計算されるメトリック130は、代謝率を含む。代謝率は、基礎代謝率(例えば、安静時に消費されるエネルギー)及び/又は活動的な代謝、例えば、運動若しくは労作などの活動によって消費されるエネルギーを示す又は含むことができるメトリックである。いくつかの例では、基礎代謝率及び活発な代謝は、別個のメトリックとして追跡されてもよい。特定の実施形態は、代謝率は、活動情報、センサ入力、時間、ユーザ入力などのうちの1つ以上などの入力127のうちの1つ以上に基づいて、DAM111によって計算されてもよい。
【0096】
特定の実施形態では、DAM111によって判定又は計算されるメトリック130は、活動レベルメトリックを含む。活動レベルメトリックは、ユーザの活動のレベルを示してもよい。特定の実施形態では、活動レベルメトリックは、例えば、活動センサ又は他の生理学的センサからの入力に基づいて判定される。特定の実施形態では、活動レベルメトリックは、活動情報、センサ入力、時間、ユーザ入力などのうちの1つ以上など、入力210のうちの1つ以上に基づいてDAM111によって計算されてもよい。
【0097】
特定の実施形態では、DAM111によって判定又は計算されるメトリック130は、インスリン感受性メトリックを含む。インスリン感受性メトリックは、履歴データ、リアルタイムデータ、又はそれらの組み合わせを使用して判定されてもよく、例えば、食物消費情報、血糖情報、インスリン投与情報、結果として生じるグルコースレベルなどのうちの1つ以上などの1つ以上の入力127に基づいてもよい。特定の実施形態では、インスリンオンボード測定基準は、インスリン投与情報、及び/又は、基礎代謝率(例えば、身体の動作を維持するためのインスリンの更新)と、活動若しくは食物消費によって促進されるインスリン使用との両方を説明し得る、既知若しくは学習された(例えば、患者データからの)インスリン時間作用プロファイルで判定されてもよい。
【0098】
特定の実施形態では、DAM111によって判定又は計算されるメトリック130は、食事状態メトリックを含む。食事状態メトリックは、食物消費に関するユーザの状態を示してもよい。例えば、食事状態は、ユーザが絶食状態、食前状態、摂食状態、食後反応状態、又は安定状態のうちの1つにあるかどうかを示してもよい。特定の実施形態では、食事状態はまた、摂取された栄養、例えば、食事、軽食、又は消費された飲料を示してもよく、食物消費情報、食事時間情報、及び/又は消化率情報から判定されてもよく、これらは、例えば、食物の種類、量、及び/又は順序(例えば、どの食物/飲料が最初に食べられたか)に相関され得る。
【0099】
特定の実施形態では、DAM111によって判定又は計算されるメトリック130は、健康及び病気のメトリックを含む。健康及び病気のメトリックは、例えば、生理学的センサ(例えば、体温)、活動センサ、又はそれらの組み合わせからのユーザ入力(例えば、妊娠情報又は既知の病気情報)のうちの1つ以上に基づいて判定されてもよい。特定の実施形態では、健康及び病気のメトリックの値に基づいて、例えば、ユーザの状態は、健康、病気、休息、又は疲労のうちの1つ以上であると定義されてもよい。
【0100】
特定の実施形態では、DAM111によって判定又は計算されるメトリック130は、グルコースレベルメトリックを含む。グルコースレベルメトリックは、センサ情報(例えば、グルコース監視システム104から取得される血糖情報)から判定されてもよい。いくつかの例では、グルコースレベルメトリックはまた、例えば、特定の状況におけるグルコースレベルに関する履歴情報に基づいて、例えば、食物消費、インスリン、及び/又は活動の所与の組み合わせを考慮して、判定されてもよい。特定の実施形態では、血糖傾向は、特定の期間にわたるグルコースレベルに基づいて判定されてもよい。
【0101】
特定の実施形態では、DAM111によって判定又は計算されるメトリック130は、疾患ステージを含む。例えば、2型糖尿病の疾患ステージは、前糖尿病ステージ、経口治療ステージ、及び基礎インスリン治療ステージを含んでもよい。特定の実施形態では、血糖管理の程度(図示せず)もまた、結果のメトリックとして判定されてもよく、例えば、グルコースレベル、グルコースレベルの変動、又はインスリン投薬パターンのうちの1つ以上に基づいてもよい。
【0102】
特定の実施形態では、DAM111によって判定又は計算されたメトリック130は、臨床メトリックを含む。臨床メトリックは、一般に、糖尿病などのユーザの1つ以上の状態に関してユーザがいる臨床状態を示す。例えば、糖尿病の場合、臨床メトリックは、A1c、A1cの傾向、範囲内時間、閾値レベル未満で費やされた時間、閾値レベルを超えて費やされた時間、及び/又は血糖値から導出された他のメトリック、のうちの1つ以上を含む血糖測定に基づいて判定されてもよい。特定の実施形態では、臨床メトリックはまた、推定A1c、血糖変動、低血糖、及び/又は健康指標(標的ゾーンからの時間の大きさ)のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0103】
特定の実施形態では、DAM111によって判定又は計算されるメトリック130は、行動エンゲージメントメトリック(BEM)、並びに/又は、食事習慣、疾患処置アドヒアランス、薬剤タイプ及びアドヒアランス、ヘルスケア利用、運動療法、行動状態などのうちの1つ以上に関するメトリックを含む。
【0104】
特定の実施形態では、ユーザ入力又はその欠如は、アプリケーション106の特定の特徴、メッセージ、設定などに対するユーザの関心レベルを示してもよい。関心レベルは、アプリケーション106の特徴、メッセージ、設定などが、ユーザが彼らの目的を達成するのを助ける際に、ユーザがどれだけ有用であると考えるかを示してもよい。そのような関心は、アプリケーション106の異なる特徴、メッセージ、設定などが使用されるときのユーザエンゲージメントに関する洞察を提供できる。例えば、低いユーザ関心は、ユーザがメッセージのあるリマインダを無視し、メッセージによって要求される情報を入力せず、メッセージによって提供されるある形態のガイダンス又は対話をユーザが特に好まないことを示すなど、あるメッセージに対して記録されてもよい。DAP117は、この情報を使用して、このメッセージがユーザに関与するために最適でないことを判定してもよい。
【0105】
特定の実施形態では、行動エンゲージメントメトリック(BEM)は、アプリケーション106の特徴、メッセージ、設定などとのユーザの対話に関するエンゲージメントのレベルを示す。BEMは、アプリケーション106において、各特徴、設定又は通信構成に対して、あるいは、通常、特定の通信構成などで提供される各通信に対して計算されてもよい。特定の実施形態では、1つ以上の通信構成の特定のセット、例えば、メッセージコンテンツ、トーン、趣旨、媒体、及び/又はタイミングに関連付けられたBEMは、ユーザとアプリケーション106との対話に基づいて計算されてもよい。例えば、ある通信構成についてのBEMは、意思決定サポート通信がある通信構成でユーザに提供された後にユーザがアプリケーション106と対話する頻度、ユーザがある通信構成で提供された意思決定サポート通信を無視する頻度、意思決定サポート通信がある通信構成でユーザに提供された後にユーザがアプリケーション106と対話するのに費やす平均時間量などのうちの1つ以上などの情報に基づいて計算されてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザがアプリケーション106と対話する頻度又は他の時間関連データポイントは、例えば、ユーザがアプリケーション106と対話する1回以上の記録を保持する対話ログ、ユーザがアプリケーション106と対話するのに費やす時間量などに基づいて計算されてもよい。特定の実施形態では、アプリケーション106について計算されたBEMは、アプリケーション106に対するユーザの行動の一貫性も考慮に入れてもよい。
【0106】
特定の実施形態では、BEMはまた、食事習慣、服薬アドヒアランス、血糖データなどに基づいていてもよい。なぜなら、これらの他の測定メトリックは、ユーザがアプリケーション106にどのように関与しているかを示し得るからである。一例として、アプリケーション106によって提供される食事管理コンテンツに対するユーザのBEMを判定するために、ユーザの食習慣に関するメトリックが考慮されてもよい。例えば、ユーザが、食事管理の目的でユーザ102に送信された意思決定サポートメッセージによって推奨される食事のタイプを消費していない場合(これは、食物消費情報に基づいて判定され得る)、食事管理コンテンツに対するユーザ102のBEMは、下げられ得る。
【0107】
説明したように、ユーザプロファイル118に含まれ、ユーザデータベース110に格納されたBEMは、(1)ユーザのコホートを識別し、及び/又はコホート内の様々なサブグループを定義するために、並びに/あるいは、(2)エンゲージメントを増加させるために、識別されたコホート又はその中のサブグループと通信するための1つ以上の通信構成を識別するために、DAP117によって使用されてもよい。一例では、DAP117は、アプリケーション106との各ユーザ102の対話に関するエンゲージメントのレベルを示すBEMに基づいて、ユーザのコホートを識別してもよい。例えば、コンテキストは、「特徴1に関する高い行動エンゲージメント」、「特徴1に関する平均行動エンゲージメント」、及び「特徴1に関する低い行動エンゲージメント」として定義されてもよい。別の例では、DAP117は、同様の方法で単一のユーザについてのコンテキストを判定するためにBEMを使用してもよい。ユーザ又はユーザのサブグループがいるコンテキストに基づいて、DAP117は、次いで、それらの行動エンゲージメントを増加するために、ユーザ又はユーザサブグループと通信するための最適通信構成を判定し予測してもよい。
【0108】
モバイル健康アプリケーションのためのユーザエンゲージメントのための例示的な動作
図3は、本明細書に開示される特定の実施形態による、ユーザエンゲージメントを最適化するためのシステム例えば、健康監視及びサポートシステム100によって実行される例示的な動作300を示すフロー図である。例えば、動作300は、分析物監視システム104、アプリケーション106、ソフトウェアアプリケーション114、及び/又は図1Aに示される健康監視及びサポートシステム100の他の構成要素とのユーザエンゲージメントを最適化するために実行されてもよい。動作300は、図1A~1B及び図2、並びにそれらの構成要素を参照して以下で説明される。
【0109】
ブロック302において、動作300は、図1Aのシステム100などの健康監視及びサポートシステムに関連付けられた1人以上のユーザと通信するためのキャンペーンの基準のセットを取得することによって開始する。システム100に関連付けられたユーザは、いくつかの例では、アプリケーション106、分析物監視システム104などのシステム100の特定の構成要素のユーザを指す。ブロック302は、いくつかの実施形態では、CEP116によって実行されてもよい。いくつかの実施形態では、ブロック302は、CEP116と通信するためのユーザインターフェースを提供する通信アプリケーション114aによって実行されてもよい。
【0110】
システム100の1人以上のユーザと通信するためのキャンペーンは、様々な形態をとってもよい。例えば、1つのキャンペーンは、取引キャンペーンであってもよい。取引キャンペーンは、ユーザ102が、例えば、アプリケーション106と対話している間に受信することを予期する、自動化された時間依存通信を伴う。そのような通信は、通常、特定のマイルストーン又はシナリオが発生したときにトリガされる。取引キャンペーンは、特定のアクション指向の目的及び通信に焦点を当てている。例えば、取引キャンペーンは、範囲内時間(TIR)目標を満たすことなど、ユーザによる特定の対話を確認応答する通信、又はステップ/運動目標リマインダ、毎週のグルコース要約など、文脈的に個人化された情報を伝達するメッセージを含んでもよい。
【0111】
別の例として、キャンペーンはマーケティングキャンペーンであってもよい。マーケティングキャンペーンは、製品又はサービスを販売促進するための組織化され戦略化された努力である。アプリケーション(例えば、アプリケーション106)のコンテキストにおいて、いくつかの例では、アプリケーションの1つ以上の特徴についてユーザ102を促進又は教育するために、マーケティングキャンペーンが使用されてもよい。前述したように、ユーザ102は、アプリケーションを使用することの利益を見るか又は得ることができる場合、アプリケーションに関与し続ける可能性がより高い。したがって、ユーザが自分のアプリケーションを最大限に利用していることを保証するためには、アプリケーションが提供しなければならない全ての特徴について知っていることが重要である。アプリケーションのために構成された特徴についてユーザに通知するために、マーケティング通信、例えば広告が使用されてもよい。そのようなマーケティング通信は、ユーザが事前知識を有していなかった設定又は特徴、あるいは、ユーザがその潜在能力全体に使用していない可能性がある設定又は特徴についてユーザに知らせることができる。ユーザがアプリケーションの特徴について学習することは重要であるが、大量の情報を一度にユーザに供給することは最良のアプローチではない場合がある。したがって、いくつかのマーケティングキャンペーンは、各ユーザとアプリケーションとの間の最大限のエンゲージメントを確実にするために各ユーザの行動及び/又は好みも考慮に入れながら、アプリケーションの特徴についてユーザを教育するように設計されてもよい。
【0112】
本明細書で説明されるほとんどのキャンペーンは、取引キャンペーン又はマーケティングキャンペーンのいずれかとして分類され得るが、他のキャンペーン及び/又はメッセージング/通信が考慮されてもよい。
【0113】
特定の実施形態では、専門家120がキャンペーン基準のセットを手動で定義する。例えば、専門家120は、キャンペーン基準のセットを定義するために、CEP116によって提供されるインターフェース、又はCEP116と通信している通信アプリケーション114aを使用する。本明細書で説明する実施形態では、例示的なキャンペーンの例は、(1)アラート疲労に対処するためのキャンペーン、(2)解約に対処するためのキャンペーン、及び(3)簡略化のための特徴教育のためのキャンペーン、を含んでもよい。しかしながら、上述したように、キャンペーンは、本明細書で提供される例に限定されない。
【0114】
特定の実施形態では、キャンペーン基準は、キャンペーンによって対処されるユーザコホートを識別するためのパラメータを定義する。例えば、キャンペーン基準は、キャンペーンが1型男性ユーザに対処するように構成されていることを示してもよい。別の例では、キャンペーン基準は、キャンペーンが、アラート疲労しているユーザ、解約のリスクがあるユーザ、アプリケーションのある特徴について教育を必要とするユーザなどに対処するように構成されることを示してもよい。
【0115】
いくつかの例では、CEP116又は通信アプリケーション114aは、コホートの一部としてユーザを識別するために、専門家120が選択するための異なるユーザカテゴリのリストを提供してもよい。例えば、専門家120は、複数のオプション(場合によっては、チェックボックスとして、又はドロップダウンメニューで提示される)、「状態:2型糖尿病」、「年齢:70+」及び「性別:女性」から選択してもよい。この選択は、キャンペーン基準を定義し、キャンペーンに関連付けられた任意の通信が、70歳を超える女性ユーザである2型糖尿病のみに向けられるべきであることをCEP116に示す。そのような場合、基準はCEP116によってDAP117に通信される。
【0116】
特定の実施形態では、キャンペーン基準の一部として、通信が「誰に」向けられるべきかを示すことに加えて、専門家120は、ユーザコホートと通信するために使用される複数の通信構成を更に定義してもよい。通信構成は、ユーザコホートに送信されるべき通信の「何」及び「どのように」を示してもよい。通信構成は、通信のコンテンツ、通信のトーン、通信の趣旨、通信の媒体、通信のタイミング、通信の頻度、通信に使用されるべき特定のUI設計(例えば、アプリケーション又はウェブサイトUI)などを含んでもよく、これらに限定されない。したがって、通信構成は、複数のコンテンツ、トーン、趣旨、媒体、タイミング、頻度、及び/又はデザインを定義できる。
【0117】
特定の実施形態において、専門家120は、通信構成のセットがユーザコホートとの通信のために使用されることを特に指示しなくてもよい。そのような実施形態において、CEP116は、専門家120又はアプリケーション(例えば、アプリケーション114若しくは106)から、APIを通じて、異なる構成オプションのプールを取得してもよい。ブロック308に関連して更に説明されるように、DAP117は、次いで、ユーザエンゲージメントを最大化するために、構成オプションのうちのどれがユーザコホート内のどのユーザのために使用されるべきかを識別してもよい。
【0118】
例示的な例として、複数の構成オプション(すなわち、通信構成)が、ユーザコホートに通信されるべきメッセージのコンテンツのために提供されてもよい。例えば、「調子どう(What’s up)」などのコンテンツを含むフォーマル性の低いメッセージ、「ハロー(Hello)」や「おはよう(Good morning)」などのコンテンツを含むフォーマル性の中間のメッセージ、「ハロー、[ここにユーザ名を入力]さん。良い朝を迎えていることを願っています(Hello Mr. [Enter User’s Name Here]. Hope you are having a good morning)」などのコンテンツを含むフォーマル性の高いメッセージなどが選択肢に含まれてもよい。同様に、キャンペーンは、これらの異なるメッセージの各々を通信するための異なるトーン、趣旨、媒体、タイミング、及び/又は頻度を定義してもよい。ブロック308に関して説明したように、これらの通信構成のうちのどれがユーザコホートとより多く共鳴するかを判定するために、DAP117は、キャンペーン通信の複数のラウンドにわたって、これらの異なる通信構成の各々がユーザエンゲージメントに及ぼす影響を探索し、どの構成又は構成のセットがユーザコホート又はその中の各サブグループにとって最適であるかを判定してもよい。少なくとも特定の実施形態では、各キャンペーンは、対応するユーザコホートへの複数ラウンドの通信の伝送を伴うことに留意されたい。
【0119】
ブロック304において、動作300は、CEP116がキャンペーンのための基準のセットをDAP117に提供することによって継続する。図1Aに関して説明したように、CEP116は、DAP117と通信していてもよく、より具体的には、DAP117と、1つ以上のソフトウェアアプリケーション(例えば、アプリケーション114、アプリケーション106)、専門家120、1つ以上のシステム(例えば、意思決定サポートエンジン112)などとの間のインターフェースを提供してもよい。
【0120】
ブロック306において、動作300は、DAP117が、キャンペーンのために定義された基準のセットに従って通信するために、ユーザデータベース(例えば、データベース110)内のユーザのプールからユーザコホートを識別することによって継続する。ユーザコホートを識別するために、DAP117は、キャンペーンのために定義された基準のセットを満たす任意のユーザを識別する。言い換えれば、ユーザコホートは、キャンペーンのために定義された基準のセットを満たしたものとしてDAP117によって識別される全てのユーザを指す。ユーザコホートは、単一のユーザ又は多くのユーザを含んでもよい。加えて、本明細書におけるサブグループへのいかなる言及も、1人以上のユーザのグループを説明するものではない。言い換えれば、コホートのサブグループがどれだけ大きいか、又はコホートがどれだけ多くのサブグループを変動させ得るか、の粒度である。
【0121】
いくつかの実施形態では、コホートは、その特徴値がキャンペーン選択基準(本明細書では「コホート選択基準」又は「基準」とも呼ばれる)のセットによって定義されるコンテキスト特徴範囲に対応するソフトウェアアプリケーションのユーザのサブセットである。例えば、例示的な実施形態では、キャンペーン選択基準のセットは、男性であり、50~70歳であるユーザがコホートに含まれることを要求してもよい。この例では、キャンペーン選択基準は、ブーリアン型の糖尿病存在特徴について{TRUE}のコンテキスト特徴範囲を定義し、年齢特徴について[50,70]のコンテキスト特徴範囲を定義してもよい。この例を続けると、第1のユーザが、ブーリアン型の糖尿病存在特徴についてTRUEの特徴値を有し、年齢特徴について65の特徴値を有するように記録される場合、第1のユーザの特徴値はキャンペーン選択基準によって定義される特徴値範囲に対応するので、第1のユーザは、キャンペーン選択基準に従って生成されるコホートに含まれる。しかしながら、第2のユーザが、ブーリアン型の糖尿病存在特徴についてFALSEの特徴値を有すると記録され、かつ/又は年齢特徴について45の特徴値を有すると記録される場合、第2のユーザの特徴値がキャンペーン選択基準によって定義された特徴値範囲に対応しないので、第2のユーザは、キャンペーン選択基準に従って生成されるコホートに含まれない。
【0122】
いくつかの実施形態では、所与のNコホート選択基準のセットが与えられると、特定のユーザがNコホート選択基準にしたがって生成されるべきであるユーザコホートに特定のユーザが含まれるべきかどうかを判定するために、DAPは、(i)N特定のユーザについての基準満足度指標を生成し、ここで、Nコホート満足度指標の各々が、Nコホート選択基準のうちの1つに対応し、特定のユーザの特徴値が、対応するコホート選択基準によって定義される特徴値範囲に対応する場合に肯定的な値を有し、かつ、そうでない場合に負の値を有し、(ii)ユーザコホート内の特定のユーザに対するN基準満足度指標の全てが肯定的な基準満足度指標である場合に、ユーザ内の特定のユーザを含む。
【0123】
例えば、N=2コホート選択基準のセットを考える。ここで、ユーザが糖尿病存在特徴についてTRUE値を有する場合に第1のコホート選択基準がユーザによって満たされ、ユーザが範囲[50,70]内に入る年齢特徴についての値を有する場合に第2のコホート選択基準がユーザによって満たされる。この例では、ユーザが糖尿病存在特徴に対してTRUE値を有し、年齢特徴に対して45の値を有する場合、ユーザは、第1のコホート選択基準に対して肯定的な基準満足度指標を有するが、第2のコホート選択基準に対して否定的な基準満足度指標を有する。この例を続けると、ユーザに関連付けられた2つの基準満足度指標のうちの1つが否定的な基準満足度指標であるので、ユーザは、N=2コホート選択基準のセットに従って生成されたユーザコホートに含まれない。
【0124】
別の例として、N=2コホート選択基準のセットを考える。ここで、第1のコホート選択基準は、ユーザが糖尿病存在特徴についてTRUE値を有する場合にユーザによって満たされ、第2のコホート選択基準は、ユーザに関連付けられた入力データ(例えば、アプリケーション使用パターン、デバイス使用パターン、エンゲージメントパターンの欠如などのうちの少なくとも1つを記述する入力データ)が、ユーザが疲労を経験していることを記述する場合に、ユーザによって満たされる。いくつかの実施形態では、N=2コホート選択基準の説明されたセットが与えられると、(i)特定のユーザについての糖尿病存在特徴値がTRUE値を記述し、(ii)特定のユーザに関連付けられた入力データが、特定のユーザが疲労していることを示す場合に、特定のユーザが、対応するユーザコホートに含まれる。この例が示すように、いくつかの実施形態では、特定の基準に関して特定のユーザについての基準満足度指標を生成するステップは、(i)特定のユーザに関連付けられた動作入力データを識別するステップであって、動作入力データが、特定のユーザ及びソフトウェアシステムについてのアプリケーション使用パターンデータを含む、ステップと、(ii)動作入力データに基づいて、特定の基準に関して特定のユーザについての基準満足度指標を生成するステップと、を含む。特定の実施形態において、基準満足度指標は、基準満足度判定機械学習モデルを使用して生成される。いくつかの実施形態では、満足度判定機械学習モデルは、対応するコホート選択基準に関連付けられ、ユーザに関連付けられた入力データ(例えば、アプリケーション使用パターン、デバイス使用パターン、エンゲージメントパターンの欠如などのうちの少なくとも1つを記述する入力データ)に基づいて、入力データがコホート選択基準を満たす予測された可能性を記述する出力を生成するように訓練される。
【0125】
いくつかの実施形態では、CEP116から取得されたキャンペーン基準を使用して、DAP117は、ユーザコホートに分類されるユーザを識別してもよい。上記の例を続けると、DAP117は、ユーザデータベース110に格納されたユーザプロファイル118の各々をフィルタリングして、ユーザプロファイルが70歳を超える2型糖尿病の女性ユーザを示すかどうかを判定してもよい。キャンペーン基準を満たすユーザプロファイルのユーザは、次いで、ユーザコホートの一部として選択される。
【0126】
いくつかの実施形態では、ユーザがキャンペーン基準を満たすかどうかを識別することは、DAP117によるより複雑な分析を必要とする場合がある。例えば、キャンペーンは、アラート疲労を経験している、又はアプリケーション106によって提供されるアラートの結果としてアラート疲労するリスクがある、全てのユーザに対処するように定義されてもよい。そのような例では、分析は、リアルタイムで実行されてもよく、又はキャンペーンが定義される前にDAP117によって以前に実行されてもよく、各ユーザがアラート疲労を経験しているか、又はアラート疲労されるリスクがあるかどうかを判定する。そのような分析は、各ユーザに対するアラート疲労のリスク若しくはレベルを予測又は判定するために、経時的に種々のデータ点を調査することを伴ってもよい。したがって、いくつかのタイプの情報(例えば、ユーザの性別、年齢など)は、それらのユーザプロファイル118によって単純に示され得るが、ユーザがアラート疲労、解約などに気づいているかどうかを判定するために、進行中に、又は例えばCEP116からの何らかの要求に応答して、DAP117によって実行され得る分析が必要とされる場合がある。
【0127】
アラート疲労キャンペーンに加えて、解約した、又は解約のリスクがあるユーザに通信を向けるためのキャンペーン、並びにアプリケーション106などのアプリケーションの特定の特徴についてユーザを教育するように定義されたキャンペーンなど、同様のキャンペーンのためのユーザコホートを識別するときに、DAP117による更なる分析が必要であってもよい。モデル及びアルゴリズムDAP117に関する実施形態が、(1)ユーザがアラート疲労しているか、又はアラート疲労のリスクがあるか、(2)ユーザが解約しているか、又は解約するリスクがあるか、及び(3)ユーザが、あるアプリケーション特徴について教育される必要があるコホートに属するか、を判定するために利用してもよいことを、以下の段落で説明する。
【0128】
アラート疲労は、ユーザ102が多数の頻繁なアラートにさらされ、その結果、アラートに鈍感になったときに発生する。感度低下は、より長い応答時間、又はアプリケーション106などのアプリケーションによって提供される重要なアラートの欠落につながる可能性がある。アラート疲労は、ユーザエンゲージメントの減少に直接相関する。DAP117は、ユーザについて収集され、ユーザプロファイル118に記録された情報に基づいて、ユーザが現在アラート疲労しているか否か、ユーザが経験したアラート疲労のレベル、及び/又はユーザが経験したアラート疲労の以前の履歴、を判定してもよい。そのような情報は、例えば、(1)アラートがユーザにとって有用であったことを確認する指示、(2)アラートがユーザにとって有用でなかったことを確認する指示、及び(3)アラート疲労を引き起こすと想定される特定の疲労しやすい状況をユーザが経験している、又は経験したことの指示(例えば、ユーザがそれらの対話にどのように反応したかに関する任意の情報若しくは指示にかかわらず)、を含んでもよい。
【0129】
例えば、(例えば、ユーザがそれらの対話に対してどのように反応し得るかについての任意の情報又は指示にかかわらず)アラート疲労を引き起こすものとしてフラグを立てられ得る1つ以上のタイプの疲労を引き起こす状況は、ホバリング状況、及び重複アラートが種々のデバイスからユーザに通信されている状況を含む。ホバリング状況は、例えば、ユーザのグルコースレベルが特定のアラート閾値付近でホバリングし、あまりにも多くのアラートがユーザに送信される状況を指してもよい。例えば、ユーザは、ユーザのグルコースレベルが90mg/dlに達したときにユーザにアラートするために、アプリケーション106を介してアラート設定を作成してもよい。しかしながら、ユーザは、ユーザのグルコースレベルが88mg/dlから92mg/dl付近で非常に頻繁に変動し得る多くの状況に遭遇する場合があり、それによって、アプリケーション106に、ユーザのグルコースレベルが90mg/dlに達するたびにユーザにアラートを送信させる。したがって、アラート閾値付近のユーザのグルコース変動の結果としてあまりにも多くのアラートを受信することは、アラート疲労を引き起こし得る。これらの状況において、アラートの数を減らすための1つの可能な解決策は、アラート閾値を例えば93mg/dlに変更することである。しかしながら、ユーザは、そのような解決策に気づいていない場合があり、又はそのような解決策を実施することを躊躇する場合があり、したがって、ユーザが、例えばキャンペーンを通して、この解決策について通知される必要がある。
【0130】
ホバリングに加えて、重複アラートも同様にアラート疲労を引き起こす可能性がある。例えば、ユーザは、分析物監視システム104からグルコース値を受信するアプリケーション106だけでなく、直接的又は間接的のいずれかで、分析物監視システム104からグルコース値を同様に受信するユーザのモバイルデバイス107上で実行する別のソフトウェアアプリケーション(例えば、インスリンポンプに関連付けられたアプリケーション)と対話してもよい。そのような実施例では、アプリケーション106及び他のアプリケーションの両方は、ユーザのグルコースレベルがある閾値に達すると、アラートを生成するように構成されてもよい。したがって、そのような例では、ユーザは、同じアラートの重複バージョンを受信し、これは、経時的にアラート疲労を引き起こす可能性がある。
【0131】
いくつかの実施形態では、(1)アラートがユーザにとって有用であったことを確認する指示、及び/又は(2)アラートがユーザにとって有用でなかったことを確認する指示は、アラートを受信した後にユーザがグルコース状態を緩和するために何らかのアクションをとったかどうかに基づく。例えば、ユーザがアラートに応答していかなるアクションもとらない場合、DAP117は、そのような非アクションを、ユーザがアラートを有用であると見出さなかったこと、及びユーザが疲労に悩まされているか、又は疲労のリスクがある可能性があること、の指示とみなしてもよい。しかしながら、ユーザがアクションを取る場合、DAP117は、そのようなアクションを、ユーザがアラートを有用であると見出したこと、及びユーザがそのようなアラートによって疲労している可能性がない(又は少なくとも少ない)こと、の指示とみなしてもよい。
【0132】
例えば、DAP117は、ユーザが、アラートに応答して適切な用量のボーラスを投与し、アラートに応答して散歩し、及び/又はアラートに応答してユーザのグルコースレベルが安定する(例えば、グルコースレベルが所望の範囲に戻る、又は正の傾向を示す)とき、アラートが有用であり、アラート疲労に寄与しない(又は寄与する可能性が低い)と判定してもよい。ユーザがアラートに応答して適切な用量のボーラスを投与せず、アラートに応答して散歩せず、かつユーザのグルコースレベルがアラート後に安定しない場合、アラートが有用ではなく、アラート疲労に寄与する(又は寄与する可能性が高い)とDAP117が判定し得る場合、逆も真であり得る。
【0133】
いくつかの実施形態では、(1)アラートがユーザにとって有用であったことを確認する指示、及び/又は(2)アラートがユーザにとって有用でなかったことを確認する指示は、アプリケーション106とのユーザの対話に基づく。ユーザに通信されるアラートごとに、DAP117は、ユーザがアラートを確認応答したかどうか(例えば、アプリケーション106とのユーザの対話(例えば、入力など)に基づいて)、ユーザがアラートに応答してアプリケーションを停止したかどうか、ユーザがアプリケーションを実行していたモバイルデバイスの電源をオフにしたかどうか、及び/又は、ある数のアラートがユーザに通信された後、ユーザがアラート通知の設定を変更して、ユーザに通信されるアラートの数を減らしたかどうか、を評価してもよい。ユーザがアラートの確認応答に失敗した場合、アプリケーションを停止する場合、アプリケーションを実行するモバイルデバイスの電源を切る場合、又はアラートの数を減らすためにそれらの設定を変更する場合、DAP117は、ユーザがアラート疲労していることと、及びユーザに関連付けられたアラート疲労のレベル、を判定してもよい。
【0134】
いくつかの実施形態では、ユーザが疲労しているかどうか、又はユーザのアラート疲労のレベルを識別するために、アプリケーション106によってユーザに通信される各アラートは、疲労スコアを割り当てられてもよい。更に、疲労バジェットは、いくつかの疲労カテゴリの各々に割り当てられてもよい。疲労スコアは、ユーザに伝達される各アラートについて測定された疲労の重症度を示す。各アラートについての疲労スコアは、少なくとも部分的に、各アラートに対するユーザの反応に基づいてもよく、これには、上記で説明したように、ユーザが、アラートの根底にある原因、及びアラートに応答したアプリケーション106とのユーザの対話、を軽減するために何らかのアクションを取ったかどうかが含まれる。更に、疲労バジェットは、各疲労カテゴリに割り当てられた疲労の閾値量を指す。疲労カテゴリは、ユーザがアラート疲労を経験することに寄与し得る状況又は原因の異なるカテゴリを指す。例えば、異なる疲労カテゴリは、ホバリングカテゴリ、重複アラートカテゴリなどを含んでもよい。アラートがユーザに送信されると、DAP117は、疲労スコアを計算し、次いで、疲労スコアをカテゴリ内のランニングスコアに加算する。例えば、ユーザが特定のグルコース閾値付近でホバリングしている間にアラートがユーザに送信されると、疲労スコアが計算され、ホバリングカテゴリの総ランニング疲労スコアに追加されてもよい。総ランニング疲労スコアは、ある期間(例えば、過去の時間数、日数など)にわたるカテゴリの全ての疲労スコアの合計である。
【0135】
指定された期間のユーザの総疲労スコアが、カテゴリの疲労バジェット(すなわち、ある閾値スコア)以上である場合、DAP117は、そのカテゴリで送信されているアラートが多すぎる結果としてユーザが疲労していると判定する。したがって、各カテゴリにおける総疲労スコアに基づいて、DAP117は、カテゴリに関連付けられたアラート疲労のレベルを判定(又は仮定)してもよい。
【0136】
特定の実施形態では、各疲労カテゴリに割り当てられた疲労バジェットに加えて、グローバル疲労バジェットは、各疲労カテゴリにおける総疲労スコアが対応する疲労バジェットよりも小さいが、疲労カテゴリの全てに関連付けられた総疲労スコアの合計が構成されたグローバル疲労バジェットを超える、疲労したユーザを識別するように構成される。言い換えれば、DAP117は、特定のカテゴリに関連付けられたアラートの結果としてアラート疲労していないが、ユーザに通信されているアラートの全ての異なるカテゴリの組み合わせに少なくとも部分的に基づいて、アラート疲労していると依然としてみなされるユーザを識別するように構成されてもよい。
【0137】
特定の実施形態では、上述の技法を使用して、DAP117は、継続的に、周期的に、又は要求に応答して、ユーザデータベース110内の対応するプロファイルを伴う各ユーザが、対応するユーザプロファイル内に格納される情報に基づいて、アラート疲労のリスクがあるかどうか、アラート疲労しているかどうかを判定し、及び/又はユーザのアラート疲労のレベルを判定するように構成される。
【0138】
上記で説明したように、アラート疲労と同様に、ユーザが解約したか、又は解約のリスクがあるかどうかを判定することは、経時的にユーザについて収集され、対応するユーザプロファイル118に格納された情報に対して、DAP117によって実行される分析を伴ってもよい。ユーザ解約は、一般に、ユーザがアプリケーションとの全ての対話を停止し、アプリケーションを再び使用する意図がない状況を指す。次に、解約は、減少したユーザエンゲージメントに直接相関する。
【0139】
ユーザ解約に関して言えば、DAP117は、異なる実施形態において様々な予測を行うように構成されてもよい。例えば、特定の実施形態では、DAP117は、現在アクティブなユーザが将来解約する可能性を予測するように構成されてもよい。特定の実施形態では、アクティブユーザは、解約分析がDAP117によって実行されているときより前の特定の時間フレーム中に、アクティブであった、又はアプリケーション106に関与した(例えば、情報をアップロードした、又は何らかの入力を提供した)ユーザとして定義されてもよい。ある他の実施形態では、DAP117は、すでに解約したユーザ(例えば、非アクティブユーザ)が決して戻らない可能性を予測するように構成されてもよい。特定の実施形態では、「非アクティブ」ユーザは、解約分析がDAP117によって行われているときより前のある時間フレーム中に、アプリケーション106に関与していないユーザとして定義されてもよい。ある場合には、非アクティブユーザは、ある期間、例えば、数日又は1週間後に、アプリケーション106を使用することに戻り得るが、他の場合には、非アクティブユーザは、決して戻らない場合がある。
【0140】
現在アクティブなユーザが将来解約する可能性を予測するために、DAP117は、ユーザに関する様々な情報と将来解約する可能性との間のパターンを認識するように訓練された機械学習モデルを使用してもよい。多くの機械学習技法又はアルゴリズム(例えば、教師あり学習アルゴリズム、ニューラルネットワークなど)のうちの1つが、多くの履歴ユーザの履歴ユーザデータを使用して、そのようなモデルを訓練するために使用されてもよい。より具体的には、履歴ユーザデータは特徴化され、現在アクティブなユーザが将来解約する可能性を予測するモデルを訓練するためのラベル付きデータセットとして使用される。そのようなモデルの訓練は、DAP117、又はDAP117及びユーザデータベース110と通信するコンピューティングシステム(例えば、サーバ)によって行われてもよい。
【0141】
履歴ユーザデータは、アプリケーション使用パターン、デバイス使用パターン、エンゲージメントパターンの欠如、オートテクサポートの対話についての情報、解約関連情報を含んでもよい。アプリケーション使用パターンは、アプリケーション106との対話の頻度、アプリケーション106によって提供される特徴を使用する頻度、アプリケーション106を通してあるアクションを行う(例えば、アプリケーション106を通して製品を購入する)頻度、アプリケーションが履歴ユーザのモバイルデバイス上で実行していた日数、ログされたイベントの数、1日当たりにログされたイベントの平均数などを含んでもよい。デバイス使用パターンは、センサ故障を経験する頻度、センサ再較正の頻度などを含んでもよい。エンゲージメントパターンの欠如は、顧客サポートを呼び出すことに失敗する頻度、顧客アラートカレンダーをセットアップすることに失敗する頻度、アプリケーション106と対話すること又はアプリケーション106にデータをアップロードすることに失敗する頻度などを含んでもよい。各履歴ユーザのオートテクサポート対話に関する情報は、ユーザがオートテクサポートと行った異なる対話(例えば、センサ故障などの技術的問題を解決するため)に関連付けられたタイムスタンプ付きデータ、オートテクサポートとのユーザの対話の頻度などを含む。解約関連情報は、履歴ユーザが解約したかどうかの情報、ユーザが解約したときに何が起こっていたかの情報(ユーザがセンサ故障を経験したかどうかなど)を含む。
【0142】
上述で説明した履歴ユーザデータを使用してモデルが訓練されると、DAP117は、各アクティブユーザ(データベース110内のユーザプロファイル118を有する)が将来解約する可能性を、継続的又は周期的に予測できる。モデルが、(例えば、事前定義された/定義された)閾値よりも大きい解約の可能性を有するものとしてユーザを分類する場合、DAP117は、解約を低減又は回避するために(例えば、アプリケーション106によって)通信される必要があるコホートの一部として、ユーザを識別してもよい。加えて、ユーザが、(例えば、事前定義された/定義された)閾値を上回る解約の可能性を有するものとして識別されると、DAP117は、ルールベースモデルを使用して、解約の根本原因を識別してもよい。例えば、ルールベースモデルは、様々な根本原因に関連付けられた様々なルールを有してもよく、ユーザの最近のデータがルールのうちの1つに一致する場合(例えば、過去3日間に5つを超えるセンサ故障)、実際の根本原因を識別することができ、CEP116を介してユーザに送信される通信を、それに基づいて調整することができる。
【0143】
現在非アクティブであるか、又は解約されたユーザが決して戻ってこない可能性を予測するために、DAP117は、アクティブユーザのための将来の解約の可能性を推定するための上記で説明されたモデルに類似するモデルを使用してもよい。しかしながら、現在非アクティブなユーザが決して戻らない可能性を予測するためのモデルは、更に、ユーザが決して戻らない可能性を推定するのを助けるために、ユーザのアップロード履歴に関するデータを、入力として捉えることもできる。アップロード履歴は、モデルへの入力として異なる特徴の形態で提供されてもよい。そのような特徴の一例は、ユーザが非アクティブである日数を含む。現在非アクティブなユーザが決して戻らない可能性を予測するためのモデルは、上述のように、上述の特徴並びに各履歴ユーザのアップロード履歴に関連付けられた特徴を含む訓練データセットを使用して、同様の機械学習アルゴリズム及び技法を用いて訓練できる。
【0144】
特定の実施形態では、DAP117は、更に別のモデルを使用して、非アクティブユーザ102が、指定された期間内にアプリケーションを使用することに戻る可能性を予測してもよい。期間は事前判定されてもよく、場合によっては、90日のウィンドウを表してもよい。したがって、モデルは、現在非アクティブなユーザ102が90日以内にアプリケーションの使用に戻る可能性を予測してもよい。モデルは、決して戻らないように解約した非アクティブユーザの可能性を推定するために使用されるモデルと同様であってもよい。しかしながら、このモデルは、履歴ユーザが非アクティブであった後、特定の期間、例えば、90日以内に戻ったかどうかを示す特徴を含む、追加の又はより特定の解約関連特徴を含むデータセットを使用して訓練されてもよい。
【0145】
アラート疲労及びユーザ解約と同様に、DAP117は、アプリケーション106のある特徴に関する特徴教育に好適であり得る、又はそれから利益を享受し得る、1人以上のユーザを識別するために、付加的分析を行ってもよい。本明細書で説明する実施形態によれば、イベント、時間若しくはユーザベースのアプローチ、又はそれらの任意の組み合わせを使用して、アプリケーションの特徴を推奨する1人以上のユーザを識別すること、ユーザが現在使用している既存の特徴の設定について教育することなどができる。特徴教育は、場合によっては、アプリケーションの特徴及び/又は設定についてユーザに更に通知するための新人研修の拡張であってもよい。
【0146】
いくつかの実施形態では、時間ベースのアプローチを使用して、1人以上のユーザを識別し、アプリケーション106の1つ以上の特徴及び/又は設定について教育してもよい。例えば、DAP117は、アプリケーション106を1ヶ月以内しか使用しておらず、指定された特徴を使用していない任意のユーザを識別するためのルールで構成されてもよい。そのようなユーザは、特定の特徴について教育されるコホートの一部として識別されてもよい。これらのユーザの各々との通信は、例えば、指定された特徴がアプリケーション106上で利用可能であることをユーザに通知し、同時に、そのような特徴を使用する利点に関する説明も提供してもよい。別の例では、DAP117は、新しい特徴及び/又は設定がアプリケーション106に追加されるたびに、全てのユーザに通知するためのルールを用いて構成されてもよい。
【0147】
いくつかの実施形態では、イベントベースのアプローチは、アプリケーション106の1つ以上の特徴及び/又は設定について教育するために、コホートの一部として1人以上のユーザを識別するために使用されてもよい。例えば、DAP117は、あるイベントの発生に基づいて、(例えば、特徴教育の目的で、使用される特徴を推奨するために、又は既存の特徴の再構成を推奨するために)通信する1人以上のユーザを識別するように構成されてもよい。例えば、イベントは、ユーザが現在アラート疲労を経験していると識別することを含んでもよい。そのようなイベントは、ユーザによって経験されるアラート疲労を低減するのを助けるために、アプリケーション106のために構成され得る異なるアラート設定について教育するようにユーザを識別するようにDAP117をトリガしてもよい。別の例では、イベントは、ユーザによる食事及び/又はカロリー情報のログを取ることを含んでもよい。ユーザが、そうでなければ、それから利益を得なかったか、又は以前に使用する資格があったはずである、アプリケーション106のある運動特徴の使用を推奨するための良好な候補としてユーザを識別するために、食事及び/又はカロリー情報のそのようなログを取ることで、DAP117をトリガしてもよい。
【0148】
別の例では、DAP117は、経時的にユーザのグルコース測定値を調査し、ユーザのグルコース状態がアプリケーション106のある特徴の使用を必要とすることを識別してもよい。例えば、ユーザのグルコース測定値は、ユーザが特定の糖尿病状態に悩んでいることを示してもよく、その場合、アプリケーション106の特定の特徴をその状態を監視するために使用する必要があってもよい。そのような場合、ユーザは、特徴について教育されるべきコホートの一部として識別される。加えて、DAP117は、この特定の特徴を使用するために、ユーザがその分析物監視システムを変更する必要があり得ることを識別してもよい。特定の実施形態は、DAP117は、異なる特徴と異なる分析物監視システムとの間のマッピングに基づいて、そのような識別を行ってもよい。そのような実施例では、特徴についてユーザを教育するための任意のコンテンツはまた、異なる分析物監視システムを使用する必要性についてユーザに通知してもよい。
【0149】
いくつかの実施形態では、ユーザベースのアプローチが、アプリケーション106の1つ以上の特徴及び/又は設定について教育するユーザを識別するために使用されてもよい。例えば、DAP117は、各ユーザプロファイル118に含まれる情報を評価して、対応するユーザが、特徴について教育する、使用のために特徴を推奨する、又は既存の特徴の再構成を推奨する、のに適した候補であるかどうかを判定するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、DAP117は、ユーザのプロファイル118によって示されるように、各ユーザの健康状態、年齢、性別、関心、能力などを調査してもよい。例えば、DAP117は、ユーザのプロファイル118を調べ、ユーザが身体障害を有することを判定してもよい。この情報に基づいて、DAP117は、ユーザが肢体不自由であることを前提として、ユーザがアプリケーション106の心臓/運動特徴に関して通信するのに理想的なユーザではない可能性があると判定してもよい。
【0150】
いくつかの実施形態では、時間ベース、イベントベース、及び/又はユーザベースのアプローチの組み合わせが、特徴教育のためにユーザを識別するために使用されてもよい。例えば、DAP117が、(例えば、時間ベースのアプローチを使用して)アプリケーション106を1ヶ月以下使用しており、心臓/運動特徴を使用していないユーザを識別する場合、DAP117は更に、ユーザのプロファイル118を調べることによって(例えば、ユーザベースのアプローチを使用して)、ユーザが心臓/運動特徴について教育する良い候補であるかどうかを識別してもよい。DAP117が、ユーザが肢体不自由であると判定すると仮定すると、ユーザが新しく、この特徴を使用していない場合であっても、DAP117は、このユーザを、心臓/運動特徴について教育されるコホートから除外してもよい。
【0151】
特定の実施形態では、ユーザがアプリケーション106によって提供される特徴を使用したか否かを判定するために、DAP117は、ユーザのプロファイル118を自動的に調べて、ユーザによって使用される現在のアプリケーション構成を調査してもよい。ユーザプロファイル118において識別されるアプリケーション構成は、どの特徴が以前にオンにされたか否かに関する情報を提供してもよい。特定の実施形態では、DAP117はまた、各特徴ための正しい設定が使用されているかどうかを判定するために、ユーザによって使用される各特徴の設定にアクセスしてもよい。例えば、ユーザがアラート疲労を経験している場合、DAP117は、ユーザのプロファイル118を調べることによって、ユーザによって現在使用されているアラート設定を判定してもよい。ユーザのプロファイル118は、ユーザがアラート通知の設定を変更したことがないことを示してもよい。したがって、DAP117は、ユーザがアラート設定を変更する能力に気づいていないと仮定してもよい。したがって、DAP117は、アラート設定の変更を推奨するために、ユーザをコホートに割り当ててもよい。いくつかの実施形態では、DAP117はまた、ユーザの活動ログ、システム状態変化に関する情報、イベント作成などへのアクセスを有してもよい。
【0152】
ブロック308において、キャンペーンのために定義された基準のセットに従って、通信すべきユーザコホートを識別した後、動作300は、DAP117が、コホート内のユーザの各々と通信するための1つ以上の通信構成を識別することによって継続する。言い換えれば、通信が「誰に」向けられるべきかを識別することに加えて、DAP117は、通信がコホート内のユーザの各々に「何」及び「どのように」通信されるべきかを更に判定する。上述したように、通信構成は、通信のコンテンツ、トーン、趣旨、媒体、タイミング、及び/又は頻度を含んでもよいが、これらに限定されない。通信は、キャンペーン(例えば、マーケティング、広告、技術サポート、アラート疲労、特徴教育、ユーザ解約)、異なるGUI構成を使用してアプリケーションによって提供される通信、異なるウェブサイト設計を使用してウェブサイトによって提供される通信の一部として提供されてもよい。意思決定サポートエンジン112によって提供される任意の通信の場合、ユーザの身元が知られているので、動作300のステップ302~306は適用可能でないことに留意されたい。そのような場合、意思決定サポートエンジン112は、経時的にユーザのエンゲージメントを増加させる通信構成を判定するために、CEP116及びDAP117を利用する。
【0153】
いくつかの実施形態では、1つ以上の通信構成を識別することは、(i)通信構成のセットを識別するステップと、(ii)1つ以上の識別されたサブグループの各サブグループについて、(a)通信構成のセットに関してサブグループ内のユーザのための報酬スコアのセットを判定するステップであって、対応する通信構成に関するサブグループのための報酬スコアのセットの各々が、対応する定義された通信構成に従ってサブグループ内のユーザに送信された履歴通信に関連付けられた履歴エンゲージメントスコアに基づいて判定される、ステップと、(b)報酬スコアのセットに基づいて、サブグループのための通信構成のセットから最適な通信構成を識別するステップと、を含む。いくつかの実施形態では、識別された1つ以上の通信構成は、1つ以上のサブグループについて識別された最適な通信構成を含む。いくつかの実施形態では、通信構成に対する履歴エンゲージメントスコアは、言及された通信構成に従って生成された通信に対するユーザエンゲージメントの記録された尺度を記述する。いくつかの実施形態では、1つ以上の通信構成の各々に対する報酬スコアを記述する報酬関数が使用され、特定の通信構成に対する報酬スコアは、対応する定義された通信構成に従ってサブグループ内のユーザに送信された履歴通信に関連付けられた履歴エンゲージメントスコアに基づいて判定される。
【0154】
キャンペーンが専門家120によって定義される場合、専門家は、ユーザコホート又はその中のサブグループのための通信構成を手動で定義してもよい。例えば、専門家120は、CEP116又は通信アプリケーション114aによって提供されるユーザインターフェースを使用して、コホート又はコホート内の様々なサブグループのための通信構成を定義してもよい。ユーザインターフェースは、専門家120が様々なサブグループを定義するための異なるオプションを提供してもよく、それによって、専門家120が各サブグループについて多くの通信構成のうちの1つを(例えば、複数のオプションを提供するドロップダウンから)手動で選択することを可能にする。例えば、ユーザインターフェースは、コホートを、10~20歳の年齢を有する第1のサブグループ、21~50歳の年齢を有する第2のサブグループ、及び51~80歳の年齢を有する第3のサブグループを含む、年齢によって異なるサブグループに分割することを可能にしてもよい。
【0155】
そのような例では、専門家120は、第1のサブグループ、第2のサブグループ、及び第3のサブグループの各々と通信するための複数の通信構成のうちの1つ以上を選択してもよい。一例として、通信構成が、「調子どう(What’s up)などのコンテンツを含むフォーマル性が低いメッセージ、「ハロー(Hello)」又は「おはよう(Good morning)」などのコンテンツを含むフォーマル性が中間のメッセージ、及び「ハロー、Xさん。良い朝を迎えていることを願っています(Hello Mr. X. Hope you are having a good morning)」などのコンテンツを含むフォーマル性が高いメッセージなど、メッセージコンテンツに関する異なるオプションを含む場合、専門家120は、フォーマル性が低いメッセージを使用して第1のサブグループと通信し、フォーマル性が中間のメッセージを使用して第2のサブグループと通信し、フォーマル性が高いメッセージを使用して第3のサブグループと通信することを判定してもよい。異なるサブグループに対してメッセージコンテンツをカスタマイズすることは、エンゲージメントの可能性を増加させる。メッセージがユーザにアピールする場合、ユーザがアプリケーションに関与する可能性がより高く、したがって、適切な通信構成の識別は、ユーザのエンゲージメント及び保持を増加させるために重要であり得る。専門家が異なるサブグループのための異なる通信構成を識別する実施形態では、CEP116は、各サブグループのために選択された対応する通信構成を使用して、異なるサブグループと通信してもよい。
【0156】
残念ながら、異なるサブグループに対する異なる通信構成の手動選択は、困難なタスクである。更に、ユーザコホートの絶えず変化する好み及び特性を考慮すると、通信構成及びサブグループの継続的な再較正は、各サブグループ内の顧客エンゲージメントを最大化するために有益である。専門家120は、数千人のユーザに関連した情報量を処理し、異なるサブグループ内のエンゲージメントを最大化する通信構成を選択し、選択された通信構成の使用から生じる顧客エンゲージメントに関するデータを収集及び処理し、顧客エンゲージメント与データに基づいて通信構成及び/又はサブグループを再較正又は修正し、このサイクルを継続的に繰り返す、ということができない。
【0157】
したがって、本明細書の実施形態は、上述の技術的問題に対する技術的解決策を提供する。より具体的には、健康監視及びサポートシステム100は、既存の健康監視及びサポートシステムに対する技術的な改善を反映する。健康監視及びサポートシステム100は、機械学習モデルなどの1つ以上の複雑なモデルで構成されたDAP117を提供し、ユーザ又はコホート内の様々なサブグループと通信するための最適な通信構成を(例えば、自動的に)識別し、ユーザエンゲージメントを最大化する。
【0158】
例えば、DAP117は、コホート内の異なるサブグループと通信するための1つ以上の最適な通信構成を識別し、エンゲージメントを最大化するために、MABモデルなどの統計モデルを使用して、いくつかの通信ラウンドにわたって様々なユーザと通信する際に様々な通信構成を探索するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、DAP117は、非コンテキスト(すなわち、標準)MABモデル(例えば、図4に示される)を使用し、他の実施形態では、コンテキストMABモデル図5に示される又は完全強化学習モデル(図6に示される)を使用する。コホート内の異なるユーザと通信するための1つ以上の通信構成を識別するために様々なMABモデルがDAP117によってどのように使用され得るかに関する詳細は、図4図6に関連して更に説明され、簡潔にするためにここでは省略される。
【0159】
ブロック310において、動作300は、識別されたコホートのユーザと通信するための識別された通信構成の指示をDAP117が提供することによって継続する。
【0160】
ブロック312において、通信は、識別された1つ以上のユーザ又はユーザグループの各々と通信するための示された1つ以上の通信構成を使用して、識別された1つ以上のユーザ又はユーザグループに送信される。特定の実施形態では、通信はCEP116自体によって実行される。特定の実施形態において、通信は、CEP116又はDAP117とインターフェースしているアプリケーション例えば、図1Aに示されるアプリケーション106又はソフトウェアアプリケーション114によって実行される。いくつかの実施形態では、1つ以上の通信が、ユーザコホートの各ユーザに送信され、コンテンツ、及び対応するユーザを含むサブグループのための対応する通信構成に基づいて、対応するユーザに送信される通信が判定される。
【0161】
ブロック314において、動作300は、サブグループの各々と通信している1つ以上の通信構成の使用に関連付けられたエンゲージメント結果をDAP117が測定することによって継続する。エンゲージメント結果は、一般に、特定の1つ以上の通信構成の選択及び使用が、対応するサブグループに関してどの程度成功したかを示す。
【0162】
結果は、一般に、ユーザエンゲージメントに関して肯定的又は否定的のいずれかであってもよい。結果の例は、例えばアプリケーション106とのユーザ対話の増加/減少、サブグループ内のユーザのグルコース状態(複数可)の平均的な改善又は後退、1つ以上の命令に従うこと、などを含んでもよい。以下で更に説明するように、報酬関数は、異なるサブグループについて異なる通信構成を使用することに関連付けられたエンゲージメント結果を測定し、異なる通信構成について計算された異なる報酬のマッピングを保持するように構成されてもよい。多くの異なるメトリック(例えば、メトリック130)又はパラメータが、エンゲージメント結果を測定するために使用されてもよい。例えば、ユーザ又はユーザグループの対話の増加/減少は、サブグループ内のユーザがメッセージに確認応答する(例えば、クリックする)か、UI特徴の使用を開始するか、毎日アプリケーションが開かれる回数を増加させるかなどによって証明されてもよい。報酬関数は、単一のメトリック(例えば、クリック率)又は複数のメトリック(例えば、クリック率、アプリケーション106との対話の頻度、範囲内グルコース時間の改善)を考慮してもよい。
【0163】
報酬がどのように計算されるかを示すために、単純な例では、第1のサブグループと通知を通信する際に第1の通信構成が使用されている場合があり、第2のサブグループと通知を通信する際に第2の通信構成が使用されている場合がある。一例として、第1の通信構成が午後6時に第1のサブグループへの通知の送信を必要とし得る一方で、第2の通信構成が午前10時に第2のサブグループへの通知の送信を必要とし得るように、第1及び第2の通信構成は、時間に関連してもよい。更に、この例では、第1のサブグループはユーザコホートの半分に対応することができ、第2のサブグループは他の半分に対応してもよい。
【0164】
異なる時間に異なるサブグループに同じ通知を送信することは、異なるエンゲージメント結果をもたらす可能性がある。例えば、一般的に、仕事中の午前10時よりも仕事を終える可能性が高い午後6時に通知に反応する(例えば、クリックする、データをアップロードする、特徴と対話する)ことがより便利であると、ユーザは思う場合がある。結果として、この例における第1のサブグループに関連付けられたエンゲージメント結果に基づいて計算された報酬は、はるかに高いか又はより望ましいものであってもよい。例えば、ユーザの70%は、第2のグループの50%の代わりに、第1のグループの通知をクリックしてもよい。したがって、一例として、第1のサブグループに対して第1の通信構成を使用することに関連付けられたエンゲージメント結果に対して0.7又は70%の報酬が計算されてもよく、第2のサブグループに対して第2の通信構成を使用することに関連付けられたエンゲージメント結果に対して0.5又は50%の報酬が計算されてもよい。
【0165】
異なる通信構成に対する報酬を計算した後、通信の後続のラウンドに対して、最高の報酬をもたらした通信構成(複数可)を活用することと、他の通信構成及びユーザエンゲージメントに対するそれらの影響について探索又は学習することとの間のバランスを維持するために、DAP117は、様々なバンディット戦略のうちの1つを用いて構成されてもよい。図4図6に関して以下で更に説明されるように、異なるバンディット戦略の例は、イプシロングリーディ、イプシロンファースト、及び異なるアルゴリズムを用いて実装され得る他の戦略を含んでもよい。一般に、通信構成の選択、サブグループの数、通信の後続のラウンドのためのサブグループのサイズなどを変更することを通して、活用及び探索が、DAP117によって実行されてもよい。図3中のループ矢印で示されるように、通信の後続のラウンドについて、DAP117は、活用及び探索を継続し、ユーザエンゲージメントを最適化するためにサイクルを繰り返す。場合によっては、非最適な通信構成であり得るものが最適通信構成に、一度に変わり得るので、DAP117が採用するバンディット戦略に応じて、DAP117は、常に、非最適な通信構成を用いて探索及び実験を継続してもよいことに留意されたい。
【0166】
ユーザエンゲージメントのために非コンテキストMABモデルを使用する例示的なシステム
図4は、本明細書で開示される特定の実施形態による、エンゲージメントを最大化するためにユーザと通信するための最適な通信構成を識別するために、非コンテキストMABモデルを使用する例示的なシステム400を示す。図4に示されるものなどのDAP417に再びサインインするエージェントは、報酬関数408並びに割当エンジン406及びランダム化エンジン404を含むエージェント402を使用して、非コンテキストMABモデルを実装してもよい。これらの要素の各々の機能の理解を助けるために、エージェント402の動作は、DAP417がユーザコホートとの通信のための最適なメッセージングコンテンツを判定するように構成される例を参照して説明される。メッセージングコンテンツは、4つの構成、すなわち、(A)「調子どう(What’s up)」というフォーマル性の低いメッセージング構成、(B)「やあ(Hi)」というフォーマル性が中間のメッセージング構成、(C)「やあ、[ここにユーザ名を入力]さん(Hi [Enter User’s Name])」というフォーマル性が中間のメッセージング構成、及び(D)「ハロー、[ここにユーザ名を入力]さん。(Hello Mr. [Enter User’s Name]」という、よりフォーマルなメッセージング構成から選択されてもよい。この例では分析のために4つのメッセージング構成のみが考慮されるが、図4に示されるように、任意の数のメッセージング構成A~Nが考慮されてもよく、ここでNは1より大きい整数である。図4の例では、Nは4である。
【0167】
図4に示されているように、第1のステップ例えば、図4のブロック402として、エージェント402は、CEP116を介してアプリケーション(例えば、図1Aに示されているアプリケーション114又はアプリケーション106のうちの1つなど)から4つの通信構成(例えば、構成A~D)を取得する。エージェント402は、割当エンジン406及びランダム化エンジン404を含む。割当エンジン406は、ユーザコホート(例えば、1000人のユーザ)を、各々が250人のユーザを含む4つのサブグループなど、いくつかの異なるサブグループに分割することを担当する。コホートを4つのサブグループ又は追加の詳細のいくつかに分割することは、単に例として提供されることに留意されたい。サブグループ割当エンジン406がユーザコホートを分割する数、各サブグループのサイズなどは、割当エンジン406が構成されるバンディット戦略又はアルゴリズムに依存する。
【0168】
この時点で、エージェント402は、どの通信構成が最適であるか、又は最大のエンゲージメントをもたらすかについての知識を有していないので、ランダム化エンジン404は、異なる通信構成A~Dを4つのサブグループにランダムに割り当てる。通信構成が各サブグループに割り当てられると、エージェント402は、どの通信構成がどのサブグループに使用されるべきかをCEP116に示してもよい。例えば、エージェント402は、各々が異なるサブグループに対応する4つの構成値をCEP116に示してもよい。例えば、サブグループAには通信設定Aが割り当てられ、サブグループBには通信設定Bが割り当てられ、サブグループCには通信設定Cが割り当てられ、サブグループDには通信設定Dが割り当てられる。次いで、CEP116は、構成値とサブグループとの間のマッピングをアプリケーション114/106に通信してもよい。その後、アプリケーション114/106は、それらの対応する通信構成(例えば、この場合、4つの異なるメッセージングコンテンツ)を使用して、4つのサブグループの各々に通信(例えば、通知)を送信する。
【0169】
対応する通信構成を使用してユーザグループA~Dの各々と通信した後、DAP417は、報酬関数407を使用してもよく、ユーザグループA~Dに送信された通信の第1のラウンドに関連付けられたエンゲージメント結果図4において「結果1」として示されているに対する報酬を調査することができる。例えば、第1ラウンドのエンゲージメント結果は、サブグループAのユーザの80%、サブグループBのユーザの70%、サブグループCのユーザの30%、及びサブグループDのユーザの50%が、サブグループに送信された通知をクリックしたことを示してもよい。結果として、報酬関数407は、サブグループAとともに構成Aを使用することに対して80%の報酬、サブグループBとともに構成Bを使用することに対して70%の報酬、サブグループCとともに構成Cを使用することに対して30%の報酬、及びサブグループDとともに構成Dを使用することに対して50%の報酬を計算してもよい。クリック率を使用して報酬を計算することは単なる例であり、報酬関数は、エンゲージメントを測定するための多くの異なる変数(例えば、前述のメトリック130及び他のパラメータ)を有してもよいことに留意されたい。
【0170】
上述の報酬を取得すると、エージェント402は、通信構成Aが最良のエンゲージメント結果を達成したことを判定できる。しかしながら、第2ラウンドの通信では、割当エンジン406が通信構成Aを使用するユーザの割合は、バンディット戦略にも依存する。当業者に知られているように、様々なバンディット戦略があり、したがって、そのような戦略を実装するための様々な対応する活用/探索アルゴリズムがある。
【0171】
例えば、いくつかの実施形態では、割当エンジン406は、最初に閾値時間量の間探索し、次いで残りの時間量の間活用する(例えば、当該技術分野でイプシロンファーストとも呼ばれる)探索/活用アルゴリズムを用いて構成されてもよい。いくつかの実施形態では、探索/活用アルゴリズムは、活用(例えば、90%)よりも著しく短い時間量にわたって探索(例えば、10%)が実行されるように構成されてもよい(例えば、当該技術分野でイプシロングリーディとも呼ばれる)。図4の例では、割当エンジン406のために構成された探索/活用論理に基づいて、DAP417は、初期探索段階の後であっても探索を継続してもよい。いくつかの例では、エージェント402がユーザコホート及び異なる通信構成についての既知の知識を継続的に取得することを可能にしながら、最適な通信構成を使用することによってユーザの大部分に関するエンゲージメントを最大化するために、任意の継続した探索は、ユーザのわずかな割合によるものであってもよい。前述のように、各サブグループ内のユーザの好み及び特性は、絶えず変化している可能性がある。そのような変化を説明するために、エージェント402は、より多くの報酬を生成する別の以前の準光学構成に基づいて、以前の最適構成がもはや最適ではないかどうかを判定するために、探索を継続してもよい。言い換えれば、探索を継続することによって、エージェント402は、時間の経過とともに最適な通信構成を見つけて使用できる。
【0172】
一例として、通信の第2ラウンドでは、割当エンジン402は、ユーザコホート(例えば、900人のユーザ)の90%に対して通信構成Aを使用する一方で、ユーザの他の10%で実験することによって、通信構成Aを活用してもよい。例えば、ユーザの10%について、ランダム化エンジン404は、構成Dなどの他の構成のうちの1つをランダムに選択してもよい。報酬は、次いで、通信の第2のラウンドに関連付けられたエンゲージメント結果に基づいて報酬関数408によって計算される図4において「結果2」として示される。
【0173】
上記で説明した非コンテキストMABモデルを使用して、エージェント402は、最も最適な通信構成を活用し続け、ユーザコホート及び追加の通信構成について探索又は学習し、それによって、ユーザコホート間の報酬、すなわちエンゲージメントを最大化する。
【0174】
ユーザエンゲージメントのためにコンテキストMABモデルを使用する例示的なシステム
図5は、本明細書で開示する特定の実施形態による、コンテキストMABモデルを使用して、ユーザコホート内の異なるサブグループと通信するための最適な通信構成を識別する例示的なシステム500を示す。図5に示されるように、DAP517のエージェント506は、ポリシーを訓練及び更新するために、(1)ポリシー504及び(2)MLアルゴリズム502の両方を含む。ポリシー504は、コホートのユーザに関するコンテキスト情報520を入力として取得し、サブグループ内のユーザエンゲージメントを最大化する目的で、コホート内の各異なるサブグループと通信するために使用する最適な通信構成を判定するように訓練される。特定の実施形態では、ポリシー504は、ニューラルネットワーク、ディープニューラルネットワークモデル、教師あり学習モデル、簡易強化学習アルゴリズムなどの機械学習モデルである。いくつかの実施形態では、アルゴリズム502は教師あり学習アルゴリズムであり、これは一般に、複雑な環境において適切なアクションを取り、フィードバックを使用して経時的に報酬を最大化するようにポリシー504をどのように訓練することができるかに関する。機械学習ベースのコンテキスト・バンディット・モデルは、一般に、以下の要因に基づいて動作し得る:(1)コンテキスト(モデルへの入力)、(2)出力、(3)結果、及び(4)報酬。
【0175】
いくつかの実施形態において、ポリシー504は、ユーザコホートのユーザをユーザコホートのセットに割り当てるように構成されたサブグループ割当ポリシーである。いくつかの実施形態では、サブグループ割当ポリシー報酬関数によって定義される予想報酬尺度に従って訓練される機械学習モデルであり、報酬関数は、所与のユーザについての入力コンテキストデータを、1つ以上の対応する通信構成にわたる所与のユーザについての予想報酬尺度に関連付けるように構成される。いくつかの実施形態では、ユーザコホート内の各ユーザについて、DAPは、サブグループ割当ポリシーを使用してユーザに関連付けられた入力コンテキストデータを処理して、1つ以上の通信構成のうちの割り当てられた通信構成を生成する。いくつかの実施形態では、特定のユーザのために割り当てられた通信構成は、報酬関数によって記述される関係に基づいて、ソフトウェアアプリケーションとの特定のユーザの予想されるエンゲージメントを最大化することが予想される通信構成である。いくつかの実施形態では、1つ以上の識別されたサブグループの各々は、1つ以上の通信構成のうちの1つに対応し、割り当てられた通信構成が対応する通信構成であるユーザコホート内のユーザのサブセットを含む。
【0176】
コンテキスト
ユーザに関連付けられたコンテキストは、コンテキスト情報に基づいて導出できる。コンテキスト情報は、コンテキストベクトルの形態で提供されてもよく、人口統計情報、疾患進行情報、薬剤情報、並びに現在のグルコース状態、インスリンオンボード、健康/病気、現在の活動、食物消費などのユーザの現在の状態に関する情報、図2のメトリック130の一部として提供される他の情報、又はコホートのユーザを異なるサブグループに分類するのに役立つ任意の他の情報を含んでもよい。一例として、ユーザの年齢又は性別がコンテキスト情報として使用されてもよく、したがって、ユーザのコンテキスト情報に応じて、ユーザはあるサブグループに分類されてもよい。ユーザが男性である場合(例えば、コンテキストA)、ユーザは第1のサブグループに配置されてもよく、ユーザが女性である場合(例えば、コンテキストB)、ユーザは第2のサブグループに配置されてもよい。上記で説明したコンテキストは単なる例であり、多次元コンテキストベクトルの使用などを用いて、より複雑な又は粒度の細かいコンテキスト(例えば、性別、疾患進行、年齢などの組み合わせを考慮に入れる状態)も定義されてもよいことに留意されたい。エージェント506の目標は、アルゴリズム502を使用してそのポリシー504を修正することであり、その結果、最終的に所与のコンテキストが与えられた場合、エージェント506は常に最も有利なアクション、すなわち最も多くの報酬を生み出すアクションを取ることができる。
【0177】
出力
ポリシー504の出力は、異なるサブグループと通信するためにポリシー504によって推奨される通信構成を指す。例えば、あるコンテキストに対して、ポリシー504は、最大のユーザエンゲージメントを達成する最も高い確率を有する通信構成を選択してもよい。説明したように、出力の例は、例えば、特定のユーザグループについてトーンBよりもトーンAを使用すること、特定のサブグループについてメッセージコンテンツBよりもメッセージコンテンツAを使用すること、特定のサブグループについてメッセージタイミングBよりもメッセージタイミングAを使用すること、などの推奨を含んでもよい。
【0178】
結果
結果は、ポリシー504の出力がユーザエンゲージメントに与える影響に対応する。例えば、ユーザがUI/アプリケーション特徴を使用してクリックしたか若しくは開始したかどうか、又はユーザのグルコース状態が改善したかどうかは、結果の例である。以下で説明するように、報酬関数508は、各結果に値を割り当てることによって各結果を測定するように構成される。
【0179】
報酬
報酬関数(離散的又は連続的)は、環境及び結果に基づいて定義できる。報酬関数508などの報酬関数は、ある環境における結果(複数可)に関連付けられたデータを取得し、そのデータを、最適化されるように構成されるメトリックに変換する。例えば、ポリシー504がクリック率を最適化するように構成される場合、報酬関数508は、ユーザが特定のメッセージをクリックしたか否かの1対1のマッピングであってもよい。他の例では、報酬関数508は、より複雑であってもよい。例えば、ポリシー504が、より長期の結果(例えば、経時的な保持、予測された顧客寿命値)に対して最適化するように構成される場合、より複雑な報酬関数を設計できる。
【0180】
図5の例では、DAP517は、最初に(例えば、第1の通信ラウンド)、どの通信構成がどのコンテキストに対して最適であるかについての知識を有していなくてもよい。言い換えれば、ポリシー504は、通信構成とコンテキストとの間のマッピングを用いて訓練されない。したがって、最初に、各ユーザに関するコンテキスト情報が(コンテキストベクトルの形態で)受信され、それに基づいて、各ユーザを、ユーザのあるサブグループに分類してもよい。例えば、コンテキストベクトルは、各ユーザのエージェントが、(1)1~20歳、(2)21~40歳、(3)41~60歳、及び(4)61~80歳の年齢範囲のうちのどれに該当するかを示すように構成されてもよい。その結果、エージェント506は、コホート内の各ユーザに関するコンテキストベクトルを取得し、ユーザを、それぞれが1人以上のユーザを含む4つのサブグループに分割する。次いで、ポリシー504は、4つの通信構成を4つのサブグループにランダムに割り当て、対応する構成値をCEP116に示してもよい。年齢はコンテキスト情報の一例であり、他のタイプのコンテキスト情報が追加又は代替として使用してもよいこと留意されたい。例えば、年齢に加えて、エージェント506はまた、各ユーザの疾患進行(例えば、1型対2型)、グルコース情報、及び図2における他のメトリック130のいずれか、又はそれらの組み合わせを調査してもよい。言い換えれば、サブグループの粒度及びそれらがどのように分割されるかは、異なる実施形態において変化する場合がある。更に、上記で提供されたサブグループの数及びサイズは、単に説明目的のためであり、例示的であることに留意されたい。
【0181】
図5と同様に、異なる通信構成が異なるサブグループに割り当てられると、CEP116は、構成値とサブグループとの間のマッピングをアプリケーション114/106に通信する。その後、アプリケーション114/106は、対応する通信構成(例えば、4つの異なるメッセージングコンテンツ)を使用して、4つのサブグループの各々に通信(例えば、通知)を送信する。対応する通信構成を使用してユーザグループA~Dの各々と通信した後、DAP117は、報酬関数507を使用してもよく、ユーザグループA~Dに送信された通信の第1のラウンドに関連付けられたエンゲージメント結果に対する報酬を調査することができる図5において「結果1」として示されている。次いで、MLアルゴリズム502は、報酬、コンテキストベクトル、及びコンテキストベクトルに基づく割り当てられた構成通信に基づいて、ポリシー504を訓練する。異なるコンテキスト、通信構成、及び報酬は、ポリシー504に対応する機械学習モデルにおける特徴として使用される。
【0182】
多くの異なる通信ラウンドについてこのプロセスを繰り返すことにより、報酬を最大化するためにどの通信構成がどのコンテキストベクトルに割り当てられるべきか(すなわち、通信構成へのコンテキストの最適なマッピング)を判定するようにポリシー504を訓練することが可能になる。言い換えれば、経時的に、異なるユーザに関して異なる通信構成を活用及び探索することによって、エージェント506は、コンテキスト及び報酬が互いにどのように関係するかに関する十分な情報を収集し、その結果、エージェント506は、通信の全てのラウンドにおいて各コンテキストに割り当てるための最良の通信構成を予測できる。例えば、各通信ラウンドにおいて、エージェント506は、ユーザに関連付けられたコンテキストベクトルと、コンテキストベクトルに関連する以前のラウンドにおいて収集された報酬についての情報とに基づいて、各ユーザに対する通信構成を選択する。
【0183】
モバイル健康アプリケーションのユーザエンゲージメントのための統計的アプローチを使用する例示的なシステム
図6は、本明細書で開示される特定の実施形態による、強化学習モデルを使用し、ユーザに意思決定サポートガイダンスを提供するための最適な通信構成を識別するための例示的なシステム600を示す。図6は、図5に関して説明したアプローチと同様のアプローチを示す。しかしながら、図5に示されるようにアプリケーション(例えば、ソフトウェアアプリケーション114)とのユーザエンゲージメントを増加させるためにユーザ又はユーザグループと通信するための最適な通信構成を判定する代わりに、図6は、ユーザに意思決定サポートを提供するように構成されたアプリケーション(例えば、アプリケーション106)とのユーザエンゲージメントを増加させるために、単一のユーザと通信するための最適な通信構成の判定を示す。
【0184】
上述したように、意思決定サポートエンジン112は、複数のメトリック130を計算するために入力127(例えば、連続グルコースモニタによって測定されたもの、ユーザによって入力されたものなど)のセットを処理するように構成されたDAM111を含む。メトリック130は、意思決定サポートエンジン112によって使用され、アプリケーション106及びその異なる特徴などを通して、リアルタイムガイダンス(例えば、意思決定サポート)をユーザに提供する。いくつかの実施形態では、意思決定サポートエンジン112は、アプリケーション106とのユーザエンゲージメントを増加させるように、ユーザとの通信を調整してもよい。ユーザとの通信を調整することは、ユーザに提供される意思決定サポートメッセージングに異なる通信構成を適用することを指してもよい。特定の実施形態では、異なる通信構成を使用することによる意思決定サポート通信の変更又は調整は、アプリケーション106の異なる特徴の設定を変更することによって達成されてもよい。例えば、ユーザが大量の食事をするたびにユーザに運動する通知を送信する、又は午後6時以降にそのような通知のみを送信する、設定Aを、運動管理特徴は有してもよい。
【0185】
そのような意思決定サポートをアプリケーション106のユーザに通信するための最適な通信構成を判定するために、意思決定サポートエンジンは、DAP617と相談してもよい。システム600内のDAP617は、完全強化学習モデルを使用して、通信するための1つ以上の最適通信構成を識別し、ユーザエンゲージメントを最大化してもよい。システム400及び500とは異なり、図6の例では、DAP617は、複数のユーザ又はユーザグループではなく単一のユーザのための最適な通信構成を判定する。したがって、エージェント602は、ユーザに個人化されたポリシー606を含む。言い換えれば、ポリシー606は、強化学習アルゴリズム604によって訓練されて、特に単一のユーザに対するエンゲージメントを増加させる。結果として、DAP617は、アプリケーション106の各ユーザに対して訓練された異なるポリシー606を有してもよい。ポリシー606は、不確実性なしにコンテキスト状態をアクション(通信構成)にマッピングする決定論的ポリシーであってもよい。ポリシー606はまた、所与の状態におけるアクションにわたる確率分布を出力する確率的ポリシーであってもよい。また、ポリシー606は、ポリシー最適化又は反復法(例えば、ポリシー勾配法、非同期アドバンテージアクタークリティック(Asynchronous Advantage Actor-Critic、A3C)、信頼領域ポリシー最適化(Trust Region Policy Optimization、TRPO)、近接ポリシー最適化(Proximal Policy Optimization、PPO)など))、又はQ学習若しくは値反復法(深層Qニューラルネットワーク、C51など)、並びに他の方法など、様々な方法を使用して訓練されてもよい。
【0186】
いくつかの実施形態において、ポリシー606は、ユーザコホートのユーザをユーザコホートのセットに割り当てるように構成されたサブグループ割当ポリシーである。いくつかの実施形態では、サブグループ割当ポリシーは報酬関数によって定義される予想報酬尺度に従って生成される機械学習モデルであり、報酬関数は、所与のユーザについての入力コンテキスト状態を、1つ以上のアクションにわたる所与のユーザについての予想報酬尺度に関連付けるように構成され、1つ以上のアクションの各々は、1つ以上の対応する通信構成のうちの1つに対応する。いくつかの実施形態では、ユーザコホート内の各ユーザについて、DAPは、サブグループ割当ポリシーを使用して、ユーザに関連付けられた入力コンテキスト状態を処理し、1つ以上の割り当てられたアクションのうちの割り当てられたアクションを生成する。いくつかの実施形態では、特定のユーザに割り当てられたアクションは、報酬関数によって記述される関係に基づいて、ソフトウェアアプリケーションとの特定のユーザの予想されるエンゲージメントを最大化することが予想されるアクションである。いくつかの実施形態では、1つ以上の識別されたサブグループの各々は、1つ以上のアクションのうちの1つに対応し、割り当てられたアクションが対応するアクションであるユーザコホート内のユーザのサブセットを含む。
【0187】
完全強化学習モデルは、(1)コンテキスト状態、(2)環境、(3)出力、(4)結果、及び(5)報酬に基づいて動作する。完全強化学習モデルにおけるコンテキスト状態の概念は、コンテキスト・バンディット・モデルにおけるコンテキストの概念と同様であるが、いくつかの違いがある。例えば、主な違いは、強化学習では、ある状態におけるアクションは、エージェントが達成する報酬に影響を及ぼすだけでなく、エージェントがある次の状態にも影響を及ぼすことであり、一方、コンテキスト・バンディット・モデルでは、ある状態におけるアクションは、エージェントが達成する報酬にのみ影響を及ぼすが、エージェントがある次の状態には影響を及ぼさないことである。図6に示されるように、コンテキスト状態622は、ある環境におけるユーザについて取得されたコンテキスト情報620から導出される。
【0188】
強化学習では、エージェント602などのエージェントは、特定の環境を継続的に探索し、特定の環境と対話し、特定の環境から学習するように訓練される。エージェント602によって考慮され得る異なる環境の例は、グルコース関連環境、マーケティング関連環境、及びアプリケーション関連環境を含んでもよいが、それらに限定されない。グルコース関連環境は、ユーザのグルコース状態に関連するか、又はそれを定義する全てのパラメータを含む。したがって、どの通信構成が通信に最適であるかを判定する際に、エージェント602は、特定の出力(すなわち、通信構成)が過去にユーザのグルコース状態に対して有していた影響から学習してもよい。マーケティング関連環境は、マーケティング/広告アクション(例えば、クリック率など)とのユーザのエンゲージメントに関連する、又はそれを定義する、全てのパラメータを含む。アプリケーション関連環境は、アプリケーション(例えば、アプリケーション106)又はアプリケーション特徴などとのユーザのエンゲージメントに関連する、又はそれを定義する、全てのパラメータを含む。モデルにおける異なるタイプのエンゲージメントを最適化するために、異なる環境が定義されてもよい。例えば、モデルの目標がアプリケーション106とのユーザのエンゲージメントを最適化することである場合、アプリケーション関連環境を構成してもよい。モデルの目標が、付加的なエンゲージメントを通して、ユーザの健康及び/又は糖尿病状態を最適化することである場合、グルコース又は健康関連環境が構成されてもよい。
【0189】
図6の例では、意思決定サポートエンジン112は、様々な推奨をユーザに通信するための最適な通信構成を判定するために、CEP116を通じてDAP617を調べてもよい。DAP617は、最適な通信構成を判定するための推奨をユーザに通信するために、異なる通信構成、例えば、トーン、趣旨、媒体、タイミング、及び/又は頻度を探索してもよい。図5と同様に、図6では、DAP617は、ユーザに関するコンテキスト情報620をユーザのプロファイルから受信し、コンテキスト情報に基づいて、対応する環境におけるユーザのコンテキスト状態を判定する。説明したように、コンテキスト情報は、モデルによってセットアップされる環境に関連する、メトリック130又は他のエンゲージメント関連メトリックなど、ユーザに関する任意の情報を含んでもよい。コンテキスト情報620は、エージェント602がコンテキスト状態622に基づいて最適なアクションを選択できるように、ユーザがどの状態にあるか、すなわちコンテキスト状態622を判定するために使用される。
【0190】
最適なポリシー606を構築するために、エージェント602は、ユーザのコンテキスト状態に基づいてアクションを取り(例えば、通信構成を選択し)、対応する報酬を観察し、報酬に基づいてポリシー606を調整するように構成され、その結果、最終的に、多数回の通信及び活用/探索の後に、ポリシー606は、ユーザが存在する任意のコンテキストを考慮して最適な通信構成を選択することができる。
【0191】
ユーザのコンテキスト状態を考慮に入れることによって、DAP617は、エンゲージメントを最大化するために、どの通信構成がユーザと通信するのに理想的であるかに関して、より多くの情報を得た意思決定を行うことができる。例えば、DAP617が、(例えば、メトリック130に基づいて)ユーザの状態において肯定的な傾向を見る場合、DAP617は、ユーザと通信するために使用されている通信構成が、ユーザに肯定的な影響を与えていると仮定してもよい。ユーザに対する肯定的な影響は、場合によっては、ユーザエンゲージメントの増加に起因してもよい。したがって、DAP617は、ユーザと通信する際に使用するために、ユーザの状態に肯定的な傾向をもたらす通信構成を意思決定サポートエンジン112に推奨し続けることになる。
【0192】
モバイル健康アプリケーションのユーザエンゲージメントのための例示的な装置
図7は、本明細書で開示される特定の実施形態による、ユーザエンゲージメントを最大化するために、1つ以上のユーザ又はユーザサブグループとの通信のための通信構成を選択し、継続的に適応させるように構成された例示的なコンピューティングデバイス700を示すブロック図である。単一の物理デバイスとして示されているが、実施形態では、コンピューティングデバイス700は、仮想デバイス(複数可)を使用して、及び/又はクラウド環境などのいくつかのデバイスにわたって実装されてもよい。図示されるように、コンピューティングデバイス700は、プロセッサ705、メモリ710、ストレージ715、ネットワークインターフェース725、及び1つ以上の入力/出力(I/O)インターフェース720を含む。図示の実施形態では、プロセッサ705は、メモリ710に格納されたプログラミング命令を取り出して実行するとともに、ストレージ715に存在するデータを格納して取り出す。特定の実施形態では、メモリ710は、プロセッサ705によって実行されると、プロセッサ705に、図3に示される動作、又は、本明細書で説明される様々な技法を実行するための他の動作(例えば、図4-6)を実行させる命令(例えば、コンピュータ実行可能コード)を格納するように構成される。特定の実施形態において、メモリ710は、DAP117、CEP116、及び/又は意思決定サポートエンジン112の機能を実行するためのコードを格納する。コンピューティングデバイス700は、DAP117、CEP116、又は意思決定サポートエンジン112のうちの1つのみの機能を実行するように構成されてもよく、その場合、追加のシステムが、他の機能を実行するために使用されてもよいことに留意されたい。
【0193】
プロセッサ705は、一般に、単一の中央処理装置(CPU)及び/又はグラフィックス処理装置(GPU)、複数のCPU及び/又はGPU、複数の処理コアを有する単一のCPU及び/又はGPUなどを表す。メモリ710は、一般に、ランダムアクセスメモリ(RAM)を表すために含まれる。ストレージ715は、ディスクドライブ、フラッシュベースのストレージデバイスなどの任意の組み合わせでもよく、固定ディスクドライブ、リムーバブルメモリカード、キャッシュ、光ストレージ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、又はストレージエリアネットワーク(SAN)などの固定及び/若しくはリムーバブルストレージデバイスを含むことができる。
【0194】
いくつかの実施形態において、I/Oデバイス735(キーボード、モニタなど)は、I/Oインターフェース720を介して接続することができる。更に、ネットワークインターフェース725を介して、コンピューティングデバイス700は、ユーザデータベース110などの1つ以上の他のデバイス及び構成要素と通信可能に結合することができる。特定の実施形態において、コンピューティングデバイス700は、インターネット、ローカルネットワーク(複数可)などを含み得るネットワークを介して他のデバイスと通信可能に結合される。ネットワークは、有線接続、無線接続、又は有線接続と無線接続の組み合わせを含んでもよい。図示のように、プロセッサ705、メモリ710、ストレージ715、ネットワークインターフェース725、及びI/Oインターフェース720は、1つ以上の相互接続730によって通信可能に結合される。特定の実施形態において、コンピューティングデバイス700は、オンプレミスデータセンタ又はクラウド環境において実行されるサーバである。
【0195】
図示の実施形態では、プロセッサ705は、少なくともDAP117を含む。更に、いくつかの実施形態では、プロセッサ705は、それ自体がDAM111を含む意思決定サポートエンジン112を含む。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス700は、CEP116と通信可能に結合されて、それぞれ図3及び図4のシステム300及び400の動作を実行できる。
【0196】
これらの非限定的な例の各々は、それ自体で独立することができるか、又は他の例のうちの1つ以上との様々な順列又は組み合わせにおいて組み合わせることができる。上記の発明を実施するための形態には、発明を実施するための形態の一部を構成する添付の図面への参照が含まれている。図面は、例解として、本発明を実施することができる具体的な実施形態を示している。これらの実施形態は、本明細書では「例」とも称される。このような例は、図示又は記載される要素加えた要素を含み得る。しかしながら、本発明者らは、図示又は記載される要素のみが提供される例も企図している。更に、本発明者らは、特定の例(又はその1つ以上の態様)に関して、又は本明細書に図示又は記載される他の例(又はその1つ以上の態様)に関して、図示又は記載されるそれらの要素(又はその1つ以上の態様)の任意の組み合わせ又は順列を使用する例も企図している。
【0197】
本文書と参照することにより組み込まれるいずれかの文書との間で使用法が一致しない場合、本文書の使用法が優先される。
【0198】
本文書では、「a」又は「an」という用語は、特許文書で一般的であるように、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」の他の事例又は使用法とは無関係に、1つ、又は2つ以上を含むように使用される。本文書では、「又は」という用語は、別途示されていない限り、「A又はB」には「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、「A及びB」が含まれるように、非排他的なものを指すために使用されている。本文書では、「含む(including)」及び「ここで/式中(in which)」という用語は、それぞれの用語の平易な英語の同等語である「含む(comprising)」及び「ここで/式中(wherein)」として使用される。また、以下の請求項において、「含む(including)」及び「含む(comprising)」という用語は、オープンエンドであり、すなわち、ある請求項において、かかる用語の後に記載されたものに加えて要素を含むシステム、デバイス、物品、組成物、配合物、又はプロセスは、依然としてその請求項の範囲に含まれるものとみなされる。更に、以下の請求項において、「第1」、「第2」、及び「第3」などの用語は、単に標識として使用されており、その対象に数値的な要件を課すことを意図するものではない。
【0199】
「平行」、「垂直」、「円形」、「正方形」などの幾何学的用語は、文脈が別途示していない限り、絶対的な数学的精度を要求することを意図したものではない。代わりに、このような幾何学的用語は、製造又は同等の機能に起因する変動を許容する。例えば、ある要素が「円形」又は「概ね円形」と記載されている場合、正確には丸形ではない構成要素(例えば、わずかに楕円形であるか、又は多辺形の多角形であるもの)は、依然としてこの記載に包含される。
【0200】
本明細書に記載されている方法の例は、少なくとも部分的には機械又はコンピュータで実施することができる。いくつかの例は、上記の例において記載される方法を遂行するように電子デバイスを構成するように動作可能な命令でコード化されたコンピュータ可読媒体又は機械可読媒体を含むことができる。このような方法の実装形態は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高級言語コードなどのコードを含むことができる。そのようなコードは、様々な方法を実行するためのコンピュータ可読な命令を含むことができる。このコードは、コンピュータプログラム製品の一部を形成し得る。更に、例では、コードは、実行中又は他の時間などに、1つ以上の揮発性、非一時的、又は不揮発性の有形コンピュータ可読媒体に有形的に記憶することができる。これらの有形コンピュータ可読媒体の例としては、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、リムーバブル光ディスク(例えば、コンパクトディスク及びデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカード又はスティック、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、読み取り専用メモリ(read only memory、ROM)などを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0201】
上記の説明は、例解的であることを意図したものであり、制限的なものではない。例えば、上記の例(又はその1つ以上の態様)は、互いに組み合わせて使用され得る。上記の説明を検討する際の当業者によるものなど、他の実施形態を使用することができる。要約は、米国特許法施行規則第1.72条(b)に準拠し、読者が技術的開示の性質を迅速に把握することを可能にするように提供されている。これは、請求項の範囲若しくは趣旨を解釈又は限定するために使用されるものではないことを理解した上で提出されている。また、上記の「発明を実施するための形態」では、様々な特徴を一緒にグループ化して、本開示を合理化することができる。これは、請求されていない開示された特徴がいずれの請求項にも不可欠であることを意図するものとして解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示された実施形態の全ての特徴よりも少ない特徴にあり得る。したがって、以下の請求項は、例又は実施形態として「発明を実施するための形態」に組み込まれており、各請求項は別個の実施形態として独立しており、そのような実施形態は、様々な組み合わせ又は順列で互いに組み合わせることができることが企図される。本発明の範囲は、添付の請求項を、そのような請求項が権利を有する均等物の全範囲と併せて参照して決定されるべきである。
【符号の説明】
【0202】
110 ユーザデータベース
112 意思決定サポートエンジン
700 コンピューティングデバイス
705 プロセッサ
710 メモリ
715 ストレージ
720 I/Oインターフェース
725 ネットワークインターフェース
730 相互接続(バス)
735 I/Oデバイス
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】