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特表2024-535665薬剤充填システムの滅菌トンネル内の粒子を計数するための粒子計数器および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】薬剤充填システムの滅菌トンネル内の粒子を計数するための粒子計数器および方法
(51)【国際特許分類】
   G06M 11/00 20060101AFI20240925BHJP
   A61L 2/26 20060101ALI20240925BHJP
   A61L 2/06 20060101ALN20240925BHJP
【FI】
G06M11/00 A
A61L2/26
A61L2/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505029
(86)(22)【出願日】2022-07-26
(85)【翻訳文提出日】2024-02-14
(86)【国際出願番号】 EP2022070899
(87)【国際公開番号】W WO2023006719
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2021/071122
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】501205108
【氏名又は名称】エフ ホフマン-ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゼパート、マリオ
(72)【発明者】
【氏名】ジュエリ、パトリック
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA22
4C058BB04
4C058DD01
4C058EE26
(57)【要約】
薬剤充填システム(112)の滅菌トンネル(110)内の粒子を計数するための粒子計数器(120)が提案される。滅菌トンネル(110)は、少なくとも1つのコンベヤベルト(114)を備える。粒子計数器(120)は、滅菌トンネル(110)内で粒子を受け入れるための、粒子計数器(174)に接続可能な少なくとも1つのプローブ(122)と、プローブ(122)を固定するための少なくとも1つのプローブホルダ(178)を有する少なくとも1つのスキャナ(176)とを備え、スキャナ(176)は、少なくとも1つのリニアガイド(182)を有する少なくとも1つの横方向ランナー(180)であって、リニアガイド(182)が、プローブホルダ(178)を滅菌トンネル(110)のコンベヤベルト(114)の搬送方向(116)に対して横断して、特に実質的に垂直に案内するように構成される、少なくとも1つの横方向ランナー(180)と、少なくとも1つの台車(184)であって、横方向ランナー(180)が台車(184)に固定され、台車(184)が、コンベヤベルト(114)の搬送方向(116)にリニアガイド(182)を移動させるように構成される、少なくとも1つの台車(184)と、少なくとも1つのコントローラ(186)、特に台車(184)に接続されたコントローラ(186)であって、スキャナ(176)の移動を制御するように構成されたコントローラ(186)とを備える。薬剤充填システム(112)の滅菌トンネル(110)、粒子計数器(120)によって薬剤充填システム(112)の滅菌トンネル(110)内の粒子を計数するための方法、ならびにコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラム製品も提案される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤充填システム(112)の滅菌トンネル(110)内の粒子を計数するための粒子計数装置(120)であって、前記滅菌トンネル(110)が少なくとも1つのコンベヤベルト(114)を備え、前記粒子計数装置(120)が、
前記滅菌トンネル(110)内で粒子を受け入れるための、粒子計数器(174)に接続され得る少なくとも1つのプローブ(122)と、
前記プローブ(122)を取り付けるための少なくとも1つのプローブホルダ(178)を有する少なくとも1つのスキャナ(176)と
を備え、前記スキャナ(176)が、
少なくとも1つのリニアガイド(182)を有する少なくとも1つの横方向ランナー(180)であって、前記リニアガイド(182)が、前記プローブホルダ(178)を前記滅菌トンネル(110)の前記コンベヤベルト(114)の搬送方向(116)に対して横断して案内するように構成される、少なくとも1つの横方向ランナー(180)と、
少なくとも1つの台車(184)であって、前記横方向ランナー(180)が前記台車(184)に取り付けられ、前記台車(184)が、前記コンベヤベルト(114)の前記搬送方向(116)に前記リニアガイド(182)を移動させるように構成される、少なくとも1つの台車と(184)、
少なくとも1つのコントローラ(186)であって、前記スキャナ(176)の移動を制御するように構成される、少なくとも1つのコントローラ(186)と
を備える、粒子計数装置(120)。
【請求項2】
前記コントローラ(186)がプログラマブルロジックコントローラを含む、請求項1に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項3】
前記プローブホルダ(178)が前記リニアガイド(182)に取り付けられる、請求項1または2に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項4】
前記粒子計数装置(120)が、前記プローブ(122)に接続され得る少なくとも1つの粒子計数器(174)をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項5】
前記粒子計数器(174)が、定置式の粒子計数器として設計され、前記粒子計数器(174)および前記プローブ(122)が、少なくとも1つのパイプライン(232)によって互いに接続される、請求項4に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項6】
少なくとも1つの定置式のユーザインターフェースをさらに備え、前記ユーザインターフェースが前記スキャナ(176)に接続され、前記スキャナ(176)の移動が、前記ユーザインターフェースによって制御可能である、請求項1から5のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項7】
前記ユーザインターフェースがグラフィカルユーザインターフェースを含む、請求項6に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項8】
粒子計数のための少なくとも1つの移動経路および/または測定位置が、前記ユーザインターフェースによって予め決定可能である、請求項6または7に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項9】
前記移動経路が、前記搬送方向(116)に対して横断方向および平行方向の前記プローブ(122)の交互の移動を伴う蛇行パターンを含む、請求項8に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの移動経路および/または前記測定位置が、手動操作または自動操作において予め決定可能である、請求項8または9に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項11】
少なくとも1つの速度が、前記少なくとも1つの移動経路についてさらに予め決定可能である、請求項10に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項12】
前記ユーザインターフェースが、前記プローブ(122)を少なくとも1つの予め決定可能なプローブ位置に特に移動させ、そこで粒子計数を実行するようにさらに構成されている、請求項6から11のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項13】
前記ユーザインターフェースが、プローブ位置の関数として粒子計数を記録し、特に表示するように構成され、前記ユーザインターフェースが、特に、粒子計数器(174)にさらに接続される、請求項6から12のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項14】
前記ユーザインターフェースが、前記リニアガイド(182)を前記台車(184)によって前記コンベヤベルト(114)の前記搬送方向(116)に段階的に移動させるように構成され、前記ユーザインターフェースが、前記横方向ランナー(180)によって前記搬送方向(116)に対して横断して前記プローブホルダ(178)を案内するようにさらに構成される、請求項6から13のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項15】
前記プローブ(122)がプローブ開口部(124)を備え、前記台車(184)による前記コンベヤベルト(114)の前記搬送方向(116)における前記粒子計数装置(120)の増分が前記プローブ開口部(124)の外径よりも小さくなるように、前記ユーザインターフェースが、前記台車(184)による前記コンベヤベルト(114)の前記搬送方向(116)における前記リニアガイド(182)の段階的な移動を実行するように構成される、請求項14に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項16】
前記粒子計数装置(120)が、前記コンベヤベルト(114)上の前記搬送方向(116)の次元における前記プローブ(122)の位置を決定するための少なくとも1つのy位置センサを有する、請求項1から15のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項17】
前記y位置センサが前記台車(184)に接続されている、請求項16に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項18】
前記台車(184)がステッピングモータを有し、前記y位置センサが前記ステッピングモータのインクリメンタルエンコーダを備える、請求項17に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項19】
前記粒子計数装置(120)が、前記コンベヤベルト(114)上の前記搬送方向(116)を横断する次元における前記プローブ(122)の位置を決定するための少なくとも1つのx位置センサを有する、請求項1から18のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項20】
前記x位置センサが前記リニアガイド(182)に接続されている、請求項19に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項21】
前記リニアガイド(182)がステッピングモータを有し、前記x位置センサが前記ステッピングモータのインクリメンタルエンコーダを備える、請求項20に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項22】
前記横方向ランナー(180)が、前記コンベヤベルト(114)の前記搬送方向(116)を横断する前記プローブ(122)の限界の位置を決定するための少なくとも2つのリミットスイッチを備える、請求項1から21のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項23】
前記台車(184)が、前記搬送方向(116)における前記粒子計数装置(120)の少なくとも1つの限界の少なくとも1つの位置を決定するための少なくとも1つのリミットスイッチを有する、請求項1から22のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項24】
前記粒子計数装置(120)が、少なくとも1つの温度センサをさらに備え、前記温度センサが、前記滅菌トンネル(110)内の温度を記録するように構成される、請求項1から23のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項25】
前記粒子計数装置(120)が、少なくとも1つの温度閾値を超えたときに警報を発するように構成される、請求項24に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項26】
前記粒子計数装置(120)が、前記少なくとも1つの温度閾値を超えたときに、前記台車(184)による前記コンベヤベルト(114)の前記搬送方向(116)における前記リニアガイド(182)の移動を中断するように構成される、請求項25に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項27】
前記リニアガイド(182)がベースプレート(202)に取り付けられ、前記リニアガイド(182)が前記ベースプレート(202)によって前記台車(184)に取り付けられる、請求項1から26のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項28】
前記ベースプレート(202)がアルミニウムから作製される、請求項27に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項29】
前記ベースプレート(202)が、少なくとも1つのねじ接続(224)、少なくとも1つのクリック接続、少なくとも1つのテンションレバー接続からなる群から選択される少なくとも1つの接続によって前記台車(184)に取り付けられる、請求項28に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項30】
前記リニアガイド(182)が滑り軸受を有する、請求項1から29のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項31】
前記リニアガイド(182)が、ガイドレール(194)と、前記ガイドレール(194)に取り付けられたガイドキャリッジ(200)とを有し、前記プローブ(122)が前記ガイドキャリッジ(200)に取り付けられることができる、請求項1から30のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項32】
前記ガイドレール(194)が浮動軸受(204)として構成される、請求項31に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項33】
前記リニアガイド(182)が、スピンドル駆動装置、歯付きベルト駆動装置、ラックアンドピニオン駆動装置(214)からなる群から選択される少なくとも1つの駆動装置を有し、前記リニアガイド(182)が少なくとも1つのラックアンドピニオン駆動装置(214)を有し、前記ラックアンドピニオン駆動装置(214)が少なくとも1つのラック(216)および少なくとも1つの平歯車(218)を有する、請求項1から32のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項34】
前記ラック(216)が円形断面を有する、請求項33に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項35】
前記ラック(216)がオーステナイト系ステンレス鋼から作製される、請求項33または34に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項36】
前記ラック(216)が前記リニアガイド(182)の上方の中央に配置されている、請求項33から35のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項37】
前記平歯車(218)がポリオキシメチレン(POM)から作製される、請求項33から36のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項38】
前記駆動装置が、サーボモータ、ステッピングモータ(215)からなる群から選択される少なくとも第1のモータ(191)を備える、請求項33から37のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項39】
前記駆動装置が、前記ラック(216)および前記平歯車(218)を備える前記ラックアンドピニオン駆動装置(214)を備え、前記平歯車(216)が前記第1のモータ(191)のシャフトに張力をかけられ、前記第1のモータ(191)が取り付けブラケット(222)を用いて前記ガイドキャリッジ(200)に取り付けられる、請求項38に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項40】
前記プローブホルダ(178)が前記ガイドキャリッジ(200)に取り付けられる、請求項31から39のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項41】
前記プローブホルダ(178)がポリオキシメチレン(POM)から作製される、請求項1から40のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項42】
前記プローブホルダ(178)が、前記プローブ(122)を受け入れるための少なくとも1つの溝(228)を有し、前記プローブホルダ(178)が、少なくとも1つのクランププレート(230)をさらに備え、前記クランププレート(230)が、前記プローブ(122)を固定するように構成される、請求項1から41のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項43】
前記横方向ランナー(180)が、前記台車(184)の中央に取り付けられる、請求項1から42のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項44】
前記台車(184)が、少なくとも1種のオーステナイト系ステンレス鋼から作製される、請求項1から43のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項45】
前記台車(184)が少なくとも2つの駆動輪(254)を有する、請求項1から44のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項46】
前記駆動輪(254)がポリオキシメチレン(POM)から作製される、請求項45に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項47】
前記駆動輪(254)が、それぞれ、前記駆動輪(254)の少なくとも1つの周面上に互いに離間して配置されるいくつかのOリング(256)を有する、請求項45または46に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項48】
前記Oリング(256)が、それぞれ、前記駆動輪(254)の前記周面の溝に受け入れられる、請求項47に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項49】
前記駆動輪(254)が、それぞれが、車軸(238)に取り付けられる、請求項45から48のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項50】
前記粒子計数装置(120)が、ステッピングモータ、サーボモータからなる群から選択される少なくとも第2のモータ(192)を備え、前記第2のモータ(192)が、前記駆動輪(254)のうちの少なくとも1つを駆動するように構成される、請求項45から49のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)。
【請求項51】
薬剤充填システム(112)の滅菌トンネル(110)であって、
少なくとも1つのコンベヤベルト(114)であって、前記コンベヤベルト(114)が、前記コンベヤベルト(114)の搬送方向(116)に沿って少なくとも1つの容器を案内するように構成される、少なくとも1つのコンベヤベルトと、
少なくとも1つの微粒子フィルタ(118)と、
前記微粒子フィルタ(118)と前記コンベヤベルト(114)との間に配置された、請求項1から50のいずれか一項に記載の少なくとも1つの粒子計数装置(120)と
を備え、前記粒子計数装置(120)の前記プローブ(122)が、前記微粒子フィルタ(118)に面するプローブ開口部(124)を有する、滅菌トンネル(110)。
【請求項52】
前記滅菌トンネル(110)が、少なくとも1つの給気ダクト(128)をさらに備え、前記給気ダクト(128)が、周囲空気を吸い込む少なくとも1つのファン(130)を備える、請求項51に記載の滅菌トンネル(110)。
【請求項53】
前記滅菌トンネル(110)が、少なくとも1つの吸引装置(132)をさらに備え、前記吸引装置(132)が、前記コンベヤベルト(114)の下方から空気を吸い出すように構成される、請求項51または52に記載の滅菌トンネル(110)。
【請求項54】
薬剤充填システム(112)の滅菌トンネル(110)内の粒子計数のための粒子計数装置(120)に関する、請求項1から50のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)の使用。
【請求項55】
請求項1から50のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)によって薬剤充填システム(112)の滅菌トンネル(110)内の粒子を計数するための方法であって、以下のステップ、即ち、
a)前記台車(184)によって前記コンベヤベルト(114)の前記搬送方向(116)における前記横方向ランナー(180)の移動ステップと、
b)前記リニアガイド(182)によって前記搬送方向(116)に対して横断して前記プローブホルダ(178)を案内するステップと
を含み、
ステップa)およびステップb)が、交互に繰り返し実行される、方法。
【請求項56】
ステップa)を実行する前に、前記プローブホルダ(178)が前記リニアガイド(182)の第1の端部に配置され、ステップb)において、前記プローブホルダ(178)が前記リニアガイド(182)の前記第1の端部から第2の端部に案内される、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記滅菌トンネル(110)内の温度が、少なくとも1つの温度センサによって前記方法の実行中にさらに記録され、前記温度が所定の限界値を超える場合、ステップa)が中止される、請求項55または56に記載の方法。
【請求項58】
ステップa)および/またはステップb)が手動操作で実行される、請求項55から57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
ステップa)および/またはステップb)が自動的に実行される、請求項55から58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記リニアガイド(182)が少なくとも1つの駆動装置(188)を有し、前記駆動装置(188)が少なくとも第1のモータ(191)を有し、前記粒子計数装置(120)が少なくとも1つの第2のモータ(192)をさらに有し、前記第2のモータ(192)が前記台車(184)を駆動するように構成され、前記第1のモータ(191)および前記第2のモータ(192)のための前記コントローラ(186)が、それぞれ、移動方向についての少なくとも1つのデジタル出力と、モータ駆動装置解放についての少なくとも1つのデジタル出力とを有し、ステップa)および/またはステップステップb)が実行されると、以下の一連のステップ、即ち、
i.モータ駆動装置解放についての前記デジタル出力のアクティブ化、および
ii.パルス信号の生成
が実行される、請求項55から59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
ステップi.およびステップii.が異なる時間に実行される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記移動方向についての前記デジタル出力が、ステップi.が実行された後にアクティブ化される、請求項60または61に記載の方法。
【請求項63】
前記第1のモータ(191)の第1のパルスが、少なくとも1つの第1の順方向および逆方向計数器によって計数され、前記第2のモータ(192)の第2のパルスが、少なくとも1つの第2の順方向および逆方向計数器によって計数され、前記リニアガイド(182)上の前記プローブ(122)の位置が、前記第1のモータ(191)の前記第1のパルスによって決定され、前記コンベヤベルト(114)上の前記台車(184)の位置が、前記第2のモータ(192)の前記第2のパルスによって決定される、請求項59から62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記リニアガイド(182)が第1のエンドストップおよび第2のエンドストップを有し、前記第1のモータ(191)の前記第1の順方向および逆方向計数器が、前記プローブ(122)が前記第1のエンドストップにある場合、ステップb)が実行された後にゼロにリセットされる、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記コンベヤベルト(114)上の前記プローブ(122)の位置が、粒子計数が所定の限界値を超えた場合に記録される、請求項55から64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記プローブ(122)が、外径を有するプローブ開口部(124)を備え、ステップa)は、前記台車(184)による前記コンベヤベルト(114)の前記搬送方向(116)における前記粒子計数装置(120)の増分が前記プローブ開口部(124)の前記外径よりも小さくなるように実行される、請求項55から65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
コンピュータプログラムであって、請求項1から50のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)の前記コントローラ(186)上で実行されると、請求項55から66のいずれか一項に記載の方法を実行する、コンピュータプログラム。
【請求項68】
プログラムが、請求項1から50のいずれか一項に記載の粒子計数装置(120)の前記コントローラ(186)上で実行される場合、請求項55から66のいずれか一項に記載の方法を実行するための機械可読キャリア上に記憶されたプログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤充填システムの滅菌トンネル内の粒子計数のための粒子計数装置、薬剤充填システムの滅菌トンネル、粒子計数装置の使用、および薬剤充填システムの滅菌トンネル内の粒子計数のための方法に関する。本発明にかかる装置および方法は、例えば、空気純度に特別な要件が置かれる医療および/または製薬システム、例えば薬剤充填システムが配置され、したがってシステムを清潔に保つために使用されるフィルタシステムをチェックする必要があるクリーンルームにおいて使用され得る。しかしながら、代替的および/または追加的に、半導体製造および/または食品製造のためのクリーンルームなど、他の可能な使用も考えられる。
【背景技術】
【0002】
薬剤の製造および/または充填のための製薬プラントでは、液体薬剤の製造および/または充填は、一般に、無菌に保たれた部屋、特にクリーンルームにおいて行われる。液体薬剤用の充填容器は、例えば、ガラス注射ボトル、バイアルおよび/またはガラスシリンジを含むことができる。薬剤を容器に充填するとき、これらは一般に粒子および微生物を含まない必要がある。洗浄および滅菌プロセスは、異なる容器に対して同一とすることができ、とりわけ、滅菌トンネル内の滅菌を含むことができる。
【0003】
例えば、高温空気滅菌トンネルが使用されて、薬剤を充填する前に容器を発熱除去させることができる。発熱除去は、特に、160から400℃の乾熱による容器の滅菌を含む。一般に、実質的に粒子を含まない層流が必要である。空気流の粒子を含まない性質は、高温空気滅菌トンネルに設置されたフィルタ、例えばHEPAフィルタを使用して達成され得る。設置されたフィルタの品質は、空気流中の過剰な粒子量を記録することができるように、いわゆる漏れ浸透試験を使用して定期的にチェックされ得る。例えば、フィルタ表面は、測定プローブを使用して蛇行して走査され得る。
【0004】
そのような漏れ浸透試験は、例えば、「標準的な操作手順」(SOP)の一部としての滅菌トンネルの定期的なメンテナンスの一部とすることができ、いわゆるDEHS試験を含むことができ、DEHS(セバシン酸ジエチル-ヘキシル)は、試験に使用されるエアロゾルを示す。漏れ浸透試験では、検査されるフィルタの前方にエアロゾルが一般に適用され、フィルタの前方、特に未処理空気の側で粒子濃度が決定される。次いで、フィルタの反対側、特に清浄空気側で、プローブを使用してフィルタ表面が任意の増加した粒子流路について探索され得る。一般に、プローブは、漏れ浸透試験において手動で案内される。漏斗状プローブは、伸長可能なパイプライン上の滅菌トンネルに挿入され得る。パイプラインの助けを借りて、検査員は、所定の経路および所定の速度で、所定の時間内にフィルタの空気出口の下方のコンベヤベルトに沿ってプローブを手動で案内することができる。試験プロセスおよび関連するパラメータは、一般に、SOPにおいて定義される。
【0005】
漏斗状プローブおよびパイプラインを介して、フィルタから流出する空気は、空気に含まれる粒子の濃度を決定することができる粒子計数器によって供給され得る。粒子濃度がSOPにおいて指定された閾値を上回ることが判明した場合、フィルタは、透過性であるかおよび/または漏れていると仮定され得る。この位置において粒子濃度が再び決定された場合、フィルタは、粒子濃度が増加していなければ機能性として分類され得、フィルタは、粒子濃度が増加している場合には非機能性として分類され得る。非機能フィルタは、一般に、フィルタの複雑な交換を必要とする。
【0006】
しかしながら、漏れ浸透試験を実施するための既知の装置および方法は、多くの技術的課題を有する。特に、現在の手動測定方法は、手動方法の結果が検査を実施する検査員に大きく依存するため、一般に再現性が低い。例えば、指定された試験速度を維持することに関して困難が生じる。さらに、滅菌トンネルの深さに応じて、測定プローブにはより長いチューブ長が必要とされ得る。例えば、いくつかの滅菌トンネルでは、フィルタ表面は、最大5mの距離において検査される必要があり、これは手持ち式プローブによる特定の課題を表す。さらに、特定の点で増加した粒子濃度を決定する場合、正確な位置を決定し、それを再び見つけることは困難である可能性がある。これは、特に、時間消費の増加を伴うことができる。充填システムにおけるフィルタシステムのより時間のかかる検査はまた、一般に、薬剤の実際の充填のための充填システムの利用可能性を少なくする。
【0007】
ダルムシュタットのWilhelm Buechner Universityの経済技術管理学部のPatrick Juellyの学士論文「Concept development for a semi-automatic scanning robot for particle counting in the sterilisation tunnel」には、滅菌トンネル内の粒子計数のための走査ロボットが記載されている。
【0008】
発明の目的
したがって、既知の装置、使用および方法の欠点を少なくとも大幅に回避する、薬剤充填システムの滅菌トンネルにおける粒子計数のための粒子計数装置、薬剤充填システムの滅菌トンネル、粒子計数装置の使用、および薬剤充填システムの滅菌トンネルにおける粒子計数のための方法を提供することが望ましいであろう。特に、滅菌トンネル内のフィルタの再現可能な検査が可能にされるべきであり、これは時間およびコストの点でも経済的である。
【発明の概要】
【0009】
この課題は、独立特許請求の範囲の特徴を有する薬剤充填システムの滅菌トンネルにおける粒子計数のための粒子計数装置、薬剤充填システムの滅菌トンネル、粒子計数装置の使用、および薬剤充填システムの滅菌トンネルにおける粒子計数のための方法によって対処される。個別にまたは任意の組み合わせで実装され得る有利な展開が、従属請求項に提示されている。
【0010】
以下では、「有する」、「からなる」、「備える」もしくは「含む」という用語、またはそれらの任意の文法的変形が非排他的に使用される。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入された特徴に加えて、さらなる特徴が存在しない状況、または1つもしくは複数のさらなる特徴が存在する状況の両方を指すことができる。例えば、「AはBを有する」、「AはBからなる」、「AはBを備える」、または「AはBを含む」という表現は、Bとは別に、A中に他の要素が存在しない状況(すなわち、AがBのみからなる状況に対して)、ならびにBに加えて、A中に1つまたは複数の他の要素、例えば要素C、要素CおよびD、またはさらなる要素が存在する状況を指すことができる。
【0011】
さらにまた、「少なくとも1つ」および「1つまたは複数」という用語、ならびにこれらの用語の文法的変形は、1つまたは複数の要素または特徴に関連して使用され、要素または特徴が単独でまたは複数で提供され得ることを表すことを意図する場合、一般に、例えば特徴または要素が初めて導入されるときに1回のみ使用されることに留意されたい。特徴または要素が後で再び言及される場合、対応する用語「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」は、一般に、もはや使用されず、特徴または要素が単独でまたは複数で提供され得る可能性を限定するものではない。
【0012】
さらにまた、「好ましくは」、「特に」、「例えば」という用語または同様の用語は、この限定的な代替の実施形態なしに、任意の特徴に関連して以下において使用される。したがって、これらの用語によって導入される特徴は任意の特徴であり、これらの特徴は、特許請求の範囲、特に独立請求項の保護範囲を限定することを意図するものではない。したがって、当業者が認識するように、本発明は、他の実施形態を使用して実装されることもできる。同様に、「本発明の実施形態では」または「本発明の例示的な実施形態では」とともに導入される特徴は、任意の特徴であると理解され、これは代替の実施形態または独立請求項の保護範囲を限定することを意図するものではない。さらにまた、これらの導入表現は、それらが任意の特徴であるか非任意の特徴であるかにかかわらず、それらによって導入された特徴を他の特徴と組み合わせる可能性に影響を及ぼすべきではない。
【0013】
本発明の第1の態様では、薬剤充填システムの滅菌トンネル内の粒子を計数するための粒子計数装置が提案される。滅菌トンネルは、少なくとも1つのコンベヤベルトを備える。粒子計数装置は、滅菌トンネル内で粒子を受け取るための、粒子計数器に接続され得る少なくとも1つのプローブを備える。さらにまた、粒子計数装置は、プローブを取り付けるための少なくとも1つのプローブホルダを有する少なくとも1つのスキャナを備える。スキャナは、少なくとも1つのリニアガイドを有する少なくとも1つの横方向ランナーを含む。リニアガイドは、プローブホルダを滅菌トンネルのコンベヤベルトの搬送方向に対して横断して、特に本質的に垂直に案内するように構成される。さらにまた、スキャナは、少なくとも1つの台車を含む。横方向ランナーは、台車に取り付けられる。台車は、コンベヤベルトの搬送方向にリニアガイドを移動させるように構成される。さらにまた、スキャナは、少なくとも1つのコントローラ、特に台車に接続されたコントローラを備え、コントローラは、スキャナの移動を制御するように構成される。
【0014】
台車は、それ自体および横方向ランナー、特にプローブを有する横方向ランナーを2次元空間で移動させるように構成され得る。粒子計数装置は、特に、いずれの場合も、プローブホルダを滅菌トンネルのコンベヤベルトの搬送方向に対して横断して、特に本質的に垂直に案内し、コンベヤベルトの搬送方向に沿って台車を移動させるための駆動装置を備えることができる。以下により詳細に説明するように、両方の駆動装置は、モータの助けを借りてそれぞれ移動され得る。特に、粒子計数装置は、台車の移動がプローブホルダの案内とは無関係であるように設計され得る。
【0015】
本明細書で使用される「薬剤充填システム」という用語は、当業者によって理解されるその通常および現在の意味が与えられるべき広義の用語である。この用語は、特定の意味または適合した意味に限定されるものではない。この用語は、限定されるものではないが、特に、1つまたは複数の薬剤を容器に充填するように構成された任意のシステムを指すことができる。容器は、例えば、バイアル、特に注入ボトル、またはシリンジ、特にガラスシリンジとすることができる。薬剤充填システムは、特に、クリーンルーム内で設定および操作され得る。薬剤充填システムは、特に、以下により詳細に説明する滅菌トンネルを含むことができる。滅菌トンネルは、容器に粒子および/または細菌がないことを確実にするように構成され得る。さらにまた、薬剤充填システムは、少なくとも1つの洗浄機、少なくとも1つの充填システムおよび/または少なくとも1つの検査機を含むことができる。洗浄機は、容器を注射用水(WFI)によって洗浄するように構成され得る。薬剤充填システムは、容器を洗浄機から滅菌トンネルのコンベヤベルトまで搬送するように構成され得る。任意に、薬剤充填システムは、少なくとも1つの凍結乾燥システムを含むことができる。凍結乾燥システムは、特に充填された薬剤の貯蔵寿命を確保するために、充填後に充填された薬剤を凍結乾燥するように構成され得る。
【0016】
本明細書で使用される「滅菌トンネル」という用語は、当業者によって理解されるその通常の一般的な意味が与えられるべき広義の用語である。この用語は、特定の意味または適合した意味に限定されるものではない。この用語は、限定されるものではないが、特に、滅菌トンネルを通過する1つまたは複数のオブジェクト、例えば薬剤容器を微視的汚染から解放するか、またはこのような汚染を少なくとも部分的に除去するように構成された装置を指すことができる。滅菌トンネルは、特に、オブジェクトを滅菌するように構成され得る。滅菌は、特に、オブジェクトが付着した細菌から完全にまたは部分的に除去され、および/またはオブジェクト上および/またはオブジェクト内で細菌減少が起こるプロセスを指すことができる。この細菌減少は、例えば、熱処理によって、および/またはオブジェクトの化学的処理によって、例えば消毒ガスおよび/または過熱蒸気による処理によって起こることができる。滅菌トンネル内での熱処理によって細菌減少が行われることが好ましい。
【0017】
本明細書で使用される「コンベヤベルト」という用語は、当業者によって理解されるその通常の一般的な意味が与えられるべき広義の用語である。この用語は、特定の意味または適合した意味に限定されるものではない。この用語は、限定されるものではないが、特に、少なくとも1つの他の装置または少なくとも1つの他の要素、例えば充填されるべき1つまたは複数の容器を搬送し、および/または他の装置または他の要素の移動を駆動するように構成された装置を指すことができる。コンベヤベルトは、特に、少なくとも1つの駆動要素、例えば滅菌トンネルを通る回路内を走る少なくとも1つの駆動要素を備えることができる。特に、コンベヤベルトは、例えば、コンベヤベルトに供給される給気の少なくとも一部がコンベヤベルトを通過することができるように、空気に対して少なくとも部分的に透過性とすることができる。例えば、コンベヤベルトは、ワイヤメッシュを含む。ワイヤメッシュは、特に、必要な通気性、可撓性および耐熱性を確保することができる。搬送は、例えば、連続的または不連続的に、またはサイクルで行うことができ、その結果、例えば、連続的に動作する滅菌トンネルまたはサイクル滅菌トンネルが使用され得る。搬送方向は、例えば、滅菌トンネル内で充填される容器の主な移動方向とすることができる。搬送方向は、固定され得、または例えば局所的にもしくは経時的に変化することができる。例えば、搬送方向は、滅菌トンネルの入口から出口に向けられることができる。搬送方向は、例えば、滅菌トンネル内の容器の主な移動方向とすることができる。搬送方向は、固定され得、または例えば局所的にもしくは経時的に変化することができる。例えば、搬送方向は、滅菌トンネルの入口から滅菌トンネルの出口に向けられることができる。したがって、搬送方向は、運搬方向と呼ばれることもできる。
【0018】
本明細書で使用される「微粒子フィルタ」という用語は、当業者によって理解されるその通常の一般的な意味が与えられるべき広義の用語である。この用語は、特定の意味または適合した意味に限定されるものではない。この用語は、限定されるものではないが、特に、微粒子フィルタを通って流れる少なくとも1つの媒体、特に空気などの少なくとも1つの気体媒体から、「粒子」とも呼ばれる懸濁物質を少なくとも部分的に分離するように構成された装置を指すことができる。少なくとも部分的な分離は、特に、流動する媒体から懸濁物質を完全に除去すること、あるいは、流動する媒体中の懸濁物質の濃度を、例えば0.1μmから0.3μmの範囲の粒径を有する懸濁物質の濃度の少なくとも85%、好ましくは少なくとも95%、特に好ましくは少なくとも99.95%減少させることを含むことができる。微粒子フィルタは、特に、微粒子フィルタを通って流れる媒体、例えば細菌、ウイルス、花粉、塵埃、エアロゾルおよび/または煙粒子から1つまたは複数の懸濁物質を分離することができる。微粒子フィルタは、EPA(Efficient Particulate Air)フィルタ、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタ、ULPA(Ultra Low Penetration Air)フィルタからなる群から選択される少なくとも1つのフィルタを含むことができる。特に好ましくは、微粒子フィルタは、少なくとも1つのHEPAフィルタを備えることができる。
【0019】
本明細書で使用される「粒子計数装置」という用語は、当業者によって理解されるその通常の一般的な意味が与えられるべき広義の用語である。この用語は、特定の意味または適合した意味に限定されるものではない。この用語は、限定されるものではないが、特に、薬剤充填システムの滅菌トンネル内で粒子計数を可能にする装置を指すことができる。粒子計数装置は、特に、粒子計数プロセスに使用され得る。粒子計数プロセス中、粒子計数装置は、特に、滅菌トンネル内でプローブを案内するタスクを有することができる。粒子計数装置は、滅菌トンネル内でのプローブの自動化された、特に部分的または完全に自動化された案内のために構成され得る。代替的および/または追加的に、粒子計数装置は、その中に計数されるべき粒子が含まれる気体媒体、例えば空気を粒子計数器に供給するように構成され得る。
【0020】
粒子計数装置は、プローブを使用して、所定の経路上の滅菌トンネルの微粒子フィルタの下方の異なるサイズの領域を所定の速度で走査するように構成され得る。プローブは、微粒子フィルタを通って流れる空気を吸収し、それをプローブに接続された粒子計数器に導くように構成され得る。粒子計数器は、以下により詳細に説明するように、濾過された空気中に存在する粒子を計数および/または測定するように構成され得る。
【0021】
粒子計数装置は、プローブに接続され得る少なくとも1つの粒子計数器をさらに含むことができる。本明細書で使用される「粒子計数器」という用語は、当業者によって理解されるその通常の一般的な意味が与えられるべき広義の用語である。この用語は、特定の意味または適合した意味に限定されるものではない。この用語は、限定されるものではないが、特に、気体媒体、特に空気中の粒子を定量的および/または定性的に記録するように構成された装置を指すことができる。粒子計数器は、特に、気体媒体中の粒子を計数するように構成された装置を指すことができる。粒子計数器は、気体媒体中の粒子を光学的に記録するように構成され得る。例えば、粒子計数器は、少なくとも1つの光源と、気体媒体の少なくとも一部を含む少なくとも1つの測定セルと、光源によって放射され、気体媒体に含まれる粒子によって散乱および/または回折された光を検出することができる少なくとも1つの光検出器とを備えることができる。光検出器によって検出された信号に基づいて、気体媒体に含まれる粒子が定性的および/または定量的に記録され得る。気体媒体は、粒子計数器の測定セルを通って連続的に流れることができ、あるいは、測定セルは、検査される気体媒体によって不連続的に充填され得る。したがって、粒子計数器は、気体媒体中の粒子を連続的または不連続的に記録することができる。粒子計数器は、特に、気体媒体中の粒子の数、サイズおよび/または濃度を記録することができる。粒子計数器は、10nmから1000μmの範囲、好ましくは100nmから100μmの範囲、特に好ましくは0.3μmから10μmの範囲のサイズを有する粒子を記録することができる。したがって、「粒子計数」という用語は、あるいは「粒子計数」とも呼ばれ、原則として、気体媒体、特に空気中の粒子の定量的および/または定性的記録のための任意のプロセスを指すことができる。
【0022】
特に、粒子計数器は、定置式の粒子計数器として設計され得、粒子計数器およびプローブは、少なくとも1つのパイプライン、特に可撓性パイプラインによって互いに接続され得る。パイプラインは、粒子計数器の一部および/または粒子計数装置の一部とすることができる。プローブおよびパイプラインは、空気を吸引して粒子計数器に供給するように構成され得る。粒子計数器は、特に、粒子を計数および/または測定するように構成され得る。測定された粒子計数および/または測定された粒子濃度が規定値を超える場合、微粒子フィルタに透過性、特に漏れがあると結論付けることができる。次いで、測定された増加した粒子濃度または粒子計数を用いて、コンベヤベルト上の粒子計数装置の位置においてより正確に測定が実行され得る。新たな測定が粒子濃度または粒子数の増加を示さない場合、微粒子フィルタは、機能性として分類され得る。しかしながら、粒子濃度または粒子数の増加が繰り返し測定される場合、微粒子フィルタは交換されなければならず、これは複雑なプロセスである。
【0023】
本明細書で使用される「プローブ」という用語は、当業者によって理解されるその通常の一般的な意味が与えられるべき広義の用語である。この用語は、特定の意味または適合した意味に限定されるものではない。この用語は、限定されるものではないが、特に、情報および/またはオブジェクトを送信するように構成された装置を指すことができる。特に、プローブは、オブジェクト送信用に構成され得る。例えば、プローブは、第1の位置において粒子を受け取り、それらを第1の位置とは異なる第2の位置に送達するように構成され得る。したがって、特に、プローブは、粒子が第2の位置において記録されている間に、第1の位置において粒子を計数することを可能にすることができる。代替的および/または追加的に、第1の位置における粒子の直接記録および第2の位置への粒子計数結果の情報送信も可能であり得る。プローブは、特に、等速プローブとすることができる。「等速プローブ」という用語は、流れている流体から試料、特に粒子を受け取るように構成された任意のプローブを実質的に指す。特に、等速プローブに流入する流体は、等速プローブのすぐ近くの流体の速度に対応する速度を有することができる。結果として、等速プローブに流入する流体の粒子計数の改ざんが回避され得るか、または粒子取り込み中に少なくとも低減され得る。
【0024】
本明細書で使用される「スキャナ」という用語は、当業者によって理解されるその通常の一般的な意味が与えられるべき広義の用語である。この用語は、特定の意味または適合した意味に限定されるものではない。この用語は、限定されるものではないが、特に、領域、特に2次元領域を体系的および/または規則的に走査するように構成された任意の装置を指すことができる。特に、領域は、滅菌トンネル内の領域、特に滅菌トンネルの少なくとも1つの微粒子フィルタの下方、特に微粒子フィルタの少なくとも1つのフィルタ表面の下方の領域とすることができる。スキャナは、好ましくは、以下により詳細に説明するように、少なくとも部分的に重なり合う経路において少なくとも1つの微粒子フィルタの下方の領域を走査するように構成され得る。さらにまた、スキャナは、以下により詳細に説明するように、搬送方向に対して横断方向および平行方向のプローブの交互の移動によって蛇行パターンを伴う移動経路を走査するように構成され得ることが好ましい。
【0025】
上述したように、スキャナは、少なくとも1つのプローブホルダを含む。プローブホルダは、プローブを取り付けるように構成され得る。本明細書で使用される「プローブホルダ」という用語は、当業者によって理解されるその通常の一般的な意味が与えられるべき広義の用語である。この用語は、特定の意味または適合した意味に限定されるものではない。この用語は、限定されるものではないが、特に、任意の設計のプローブをスキャナの構成要素に取り付けるように構成された任意の装置を指すことができる。特に、プローブホルダは、リニアガイドのガイドキャリッジにプローブを固定するように構成され得る。プローブホルダ自体は、スキャナの構成要素、特にガイドキャリッジに取り付けられることができる。したがって、プローブホルダは、プローブホルダが少なくとも部分的に受け入れられることができる少なくとも1つの凹部を有することができる。さらにまた、凹部は、パイプラインを少なくとも部分的に受け入れるように構成され得る。特に、プローブホルダは、プローブを受け入れるための少なくとも1つの溝を有することができる。さらにまた、プローブホルダは、プローブを固定するように構成された少なくとも1つのクランププレートを有することができる。他の構成も当然考えられる。さらにまた、プローブホルダは、少なくとも部分的にポリオキシメチレン(POM)から作製され得る。これは、粒子計数装置の低減した重量をもたらすことができる。他の材料も当然考えられる。
【0026】
上述したように、スキャナは、少なくとも1つのリニアガイドを有する少なくとも1つの横方向ランナーを含む。本明細書で使用される「横方向ランナー」という用語は、当業者によって理解されるその通常の一般的な意味が与えられるべき広義の用語である。この用語は、特定の意味または適合した意味に限定されるものではない。この用語は、限定されるものではないが、特に、粒子計数装置の少なくとも1つの構成要素をコンベヤベルトの搬送方向に対して横断して、特に本質的に垂直に案内するように構成された粒子計数装置の構成要素を指すことができる。したがって、横方向ランナーは、横軸と呼ばれることもできる。横方向ランナーは、少なくとも1つのリニアガイドを有し、これについては以下により詳細に説明する。
【0027】
本明細書で使用される「リニアガイド」という用語は、当業者によって理解されるその通常の一般的な意味が与えられるべき広義の用語である。この用語は、特定の意味または適合した意味に限定されるものではない。この用語は、限定されるものではないが、特に、ある点から別の点への構成要素の直線的な案内移動を可能にするように構成された任意の装置を指すことができる。リニアガイドは、特に、プローブを滅菌トンネルの搬送方向に対して横断して直線で一定速度で移動させるように構成され得る。リニアガイドは、構成要素の6つの自由度、特に3つの並進自由度および3つの回転自由度を、構成要素の1つ、特に単一の並進自由度に制限するように構成され得る。リニアガイドは、少なくとも1つのガイドレール、特に輪郭付けられたガイドレール、特にT字形ガイドレール、または丸シャフトを備えることができる。さらにまた、リニアガイドは、少なくとも1つのガイドキャリッジ、特にガイドレールまたは丸シャフトに取り付けられた少なくとも1つのガイドキャリッジを備えることができる。プローブは、特にプローブホルダによって、ガイドキャリッジに取り付け可能とすることができるかまたは取り付けられることができる。したがって、リニアガイドは、プローブを案内するように構成され得る。リニアガイドは、特にガイドキャリッジ用の少なくとも1つの滑り軸受を特に有することができる。滑り軸受は、潤滑剤を含まないように設計され得る。しかしながら、玉軸受またはころ軸受などの他の軸受も当然考えられる。
【0028】
T字形ガイドレールは、浮動軸受を有するガイドキャリッジを、コンベヤベルトの搬送方向を横断する方向、特に垂直な方向および/またはコンベヤベルトの搬送方向に設計することを実質的に可能にする。浮動軸受は、ガイドキャリッジが選択された方向にいくらかの遊びを有することを可能にする。これは、設計における製造公差を補償することを可能にする。浮動軸受がない場合、システムは、剛性である可能性があり、これは、例えば、ガイドキャリッジが傾く可能性があることを意味する。特に、ガイドレールは、浮動軸受として、特にコンベヤベルトの搬送方向を横断する方向、特に垂直な方向における浮動軸受として構成され得る。これは、特にシステム全体において、ガイドキャリッジが高さの小さな差を補償することを可能にする。ガイドキャリッジの長さは、モータのフランジ幅に対応することができる。
【0029】
リニアガイドは、特に、硬質陽極酸化アルミニウムから作製されたdrylin(登録商標)T小型リニアガイド(Igus、独国)とすることができる。drylin(登録商標)T小型リニアガイドは、16mmの全高、42mmのガイドキャリッジ長、32mmのガイドキャリッジ幅、および個別に調整され得るレール長を有することができる。したがって、drylin(登録商標)T小型リニアガイドは、低い全高および滑り軸受を有することができる。ガイドキャリッジの長さは、ステッピングモータのフランジサイズ以下であってもよい。drylin(登録商標)T小型リニアガイドは、メンテナンスフリーおよび潤滑剤フリーとすることができる。drylin(登録商標)T小型リニアガイドは、良好な摩耗および摩擦特性を有するポリマー高性能摺動要素を有することができる。さらにまた、drylin(登録商標)T小型リニアガイドは、T字形ガイドレールを有することができる。油や脂肪による汚染は、潤滑剤が不要であるため、厳密に回避される。埃や塵埃粒子は、厳密に付着することはできない。製造業者によれば、このシステムは、水、化学物質、熱および衝撃に反応しない。したがって、潤滑剤が存在しないことおよび洗浄性に関する要件が満たされ得る。ガイドレールの長さは、滅菌トンネルの異なるトンネル幅に個別に適合され得る。
【0030】
リニアガイドは、滅菌トンネルの搬送方向に対して横断してプローブを案内するように構成され得る。リニアガイドのガイドキャリッジは、特に、以下により詳細に説明するように、直線運動を生成して実行するために必要な全ての構成要素、およびプローブホルダを取り付けるように構成され得る。特に、プローブホルダは、ガイドキャリッジに取り付けられることができる。
【0031】
リニアガイド、特にガイドレールは、ベースプレート、特にアルミニウム製のベースプレートに、特に少なくとも1つのねじ接続によって取り付けられることができる。ベースプレートは、交換可能に設計され得る。ガイドレールが摩耗を示す場合、必要に応じていつでも交換され得る。リニアガイドは、ベースプレートを使用して台車に取り付けられることができる。特に、ベースプレートは、少なくとも1つのねじ接続、少なくとも1つのクリック接続、少なくとも1つのテンションレバー接続からなる群から選択される少なくとも1つの接続によって台車に取り付けられることができる。ねじ接続は、特にローレットねじおよび/またはシリンダヘッドねじを含むことができる。特に、ベースプレートは、特に横方向ランナーを台車に取り付けるために、複数のボアホールを備えることができる。毎年6回程度の、毎年変更される必要のある多数の横方向ランナーのために、横方向ランナーをローレットねじによって台車に取り付けることが有利とされ得る。これは、あらゆる手段によってコンパクトな構造を形成することを可能にする。これは、工具不要の変更が確実に可能であり、横方向ランナーが強固に、しかしながら解放可能に台車に接続され得ることを意味する。ベースプレートは、特に重量を節約するために、必要とされない材料を切り欠くことによって調整され得る。クリックシステムまたはテンションレバーなど、横方向ランナーを台車に取り付けるためのさらなる実施形態も当然考えられる。
【0032】
リニアガイドは、少なくとも1つの駆動装置、特にリニア駆動装置を有することができる。駆動装置は、ガイドレール上でガイドキャリッジを移動させるように構成され得る。駆動装置は、滅菌トンネルのコンベヤベルトのコンベヤベルト幅全体を走査するように構成され得る。駆動装置は、スピンドル駆動装置、歯付きベルト駆動装置、ラックアンドピニオン駆動装置からなる群から選択され得る。他の実施形態も当然考えられる。
【0033】
歯付きベルト駆動装置は、特に、少なくとも1つの歯付きベルトと、少なくとも2つの歯付きベルト車輪とを有することができる。歯付きベルト車輪のうちの1つは、モータによって駆動されるように構成され得る。歯付きベルトは、歯付きベルト車輪上を案内するように構成され得る。このようにして、歯付きベルトに取り付けられたオブジェクト、例えばキャリッジが移動され得る。歯付きベルトは、複数の歯を有することができる。さらにまた、歯付きベルト車輪は、それぞれ、複数の歯を有することができる。歯付きベルトの歯の形状は、歯付きベルト車輪の歯の形状に適合され得る。これは、正の動力伝達をもたらす。正しい歯の形状により、バックラッシュのない駆動が実質的に達成され得る。歯付きベルト車輪の回転方向を変えることは、歯付きベルト、したがってキャリッジの両方向への直線運動を達成することができる。歯付きベルト駆動装置の作動は、一般に静かである。滑りなしおよび同期運動は、衝撃を吸収する方法で、且つ低い予圧で実質的に伝達され得る。ガイドキャリッジの走行速度は、モータの回転速度を介して制御され得る。歯付きベルト駆動構造は、高さを非常に小さくすることができ、より小さい負荷の迅速な位置決めに確実に適している。潤滑は全く必要ない。歯付きベルト駆動装置は、完全なユニットとして既に市場で入手可能であることは確かである。これは、確実に構造を簡素化することができる。
【0034】
スピンドル駆動装置は、少なくとも1つのスピンドルを有することができる。さらにまた、ガイドキャリッジおよびガイドレールは、スピンドル駆動装置の構成要素とすることができる。ガイドキャリッジは、特に、スピンドルのねじ山と適合する雌ねじを有することができる。スピンドルは、モータによって駆動されるように構成され得、スピンドルの回転は、ねじ山の連動によってガイドキャリッジの直線運動に変換され得る。ガイドレールは、ガイドキャリッジがスピンドルの軸を中心に回転するのを防止することができる。スピンドルは、特に、ボールねじまたは台形スピンドルとすることができる。ガイドキャリッジの移動方向は、モータの回転方向によって制御され得る。ねじ山のピッチは、スピンドル回転当たりのガイドキャリッジの前進を示すことができる。ピッチが大きくなると、回転当たりのより大きな移動速度をもたらすことができる。スピンドル駆動装置は、歯付きベルト駆動装置よりもかなり大きな走行ノイズを確実に発生させる可能性があり、確実に潤滑を必要とする場合がある。
【0035】
好ましくは、リニアガイドは、少なくとも1つのラックアンドピニオン駆動装置を有することができる。ラックアンドピニオン駆動装置は、少なくとも1つのラックおよび少なくとも1つの平歯車を有することができる。ラックアンドピニオン駆動により、平歯車の回転運動は、直線運動に変換される。原則として、ここには2つの選択肢がある。一方で、平歯車は、モータを駆動ユニットとして固定され、直線的に取り付けられたラックを駆動するように構成されるように設計され得る。直線的に取り付けられたラックは、歯車の回転方向に応じて移動するように構成され得る。一方、ラックは、平歯車および駆動ユニットを直線的に、特にラックに沿って移動させるように固定および構成され得る。特に、平歯車を有する駆動ユニットは、リニアガイドのガイドキャリッジに取り付けられることができる。この柔軟性は、ラックアンドピニオン駆動装置の主な利点であることは確かである。ラックの全長はまた、確実に移動経路として使用されることもできる。記載された機能により、ラックアンドピニオン駆動装置は、確実にコンパクトに構成され得、材料が適切に選択されれば、一般に潤滑なしで動作され得る。ラックアンドピニオン駆動装置は、実質的に明確であり、滑りがなく、精密に製造された場合に高い効率を達成することができる。歯付きベルト駆動装置と同様に、ラックアンドピニオン駆動装置は一般に静かである。
【0036】
ラックは、特に、円形断面を有することができる。ラックは、特に、プローブホルダに追加の案内を提供するように構成され得る。円形断面は、追加の案内のための製造を確実に単純化することができる。ラックは、必要な長さに確実に短くされ得る。ラックは、特に、オーステナイト系ステンレス鋼から作製され得る。特に、ラックは、10mmの直径、1000mmの送達長さ、560gの重量および200,000N/mm2の弾性率E、ならびに1のモジュールmを有するオーステナイト系ステンレス鋼から作製され得、モジュールmは、歯車の歯の寸法に対応する。材料は、EN 10027-2:1992-09による材料番号1.4305を有する。
【0037】
このように、トンネルタイプに応じて、ラックは、必要な長さに短縮され得る。横方向ランナーの最大必要長さから開始して、ラックの撓みfが計算され得る。これは、ラックが自重でどのように撓むかを確認することを可能にする。このようにして得られた知識は、横方向ランナーを設計する際に考慮に入れられることができる。800mmのコンベヤベルト幅を有するトンネルタイプの滅菌トンネルが計算に使用され得る。ラックの可能な限り最大の撓みがここでは確実に予想される。撓みfを計算するために、以下の式が使用され得る。
【数1】
【0038】
したがって、Fは、ラックの重量に対応し、lは、分布負荷の長さに対応し、Iは、断面二次モーメントに対応する。
【0039】
ラックは、それぞれ、幅10mmの2つのラックホルダで両側にクランプされ得る。したがって、以下の分散負荷lの長さが得られる。
【数2】
【0040】
短縮されたラックの重量mは、追加の計算において決定され得る。
【数3】
【0041】
ラックの重量力Fは、以下のように計算され得る。
【数4】
【0042】
断面二次モーメントI(TBB)は、以下のように決定され得る。
【数5】
【0043】
決定された値が式(1)において使用されて、ラックの撓みfを決定することができる。
【数6】
【0044】
撓みfの決定された値は、最長で0.054mmである。コンベヤベルトの搬送方向を横断する方向の浮動軸受を有するガイドキャリッジは、原則として、この差を容易に補償することができる。自重によるラックの撓みは、一般に非常に小さいため、横方向ランナーを設計するときに一般に考慮される必要はない。横方向ランナーの長さが短いと、一般に、ラックの撓みが少なくなると仮定され得る。
【0045】
横方向ランナーはまた、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つのラックマウントを有することができる。ラックマウントは、特に横方向ランナーのベースプレート上にラックを固定するように構成され得る。ラックマウントは、特にアルミニウムから作製され得る。他の実施形態も当然考えられる。ラックマウントは、特に、上部および下部を有することができる。下部は、特に少なくとも1つのねじ接続によってベースプレート上に固定されるように構成され得る。特に、上述したように、横方向ランナーは、2つのラックマウントを有することができ、下部は、それぞれ、ガイドレールの端部に配置され得る。上部は、下部にねじ込まれるように構成され得、特にラックの回転および/または変位が回避されるかまたは少なくとも低減されるように、ラックを固定するようにさらに構成され得る。
【0046】
上述したように、ラックアンドピニオン駆動装置は、特に、平歯車の回転運動によって、特に横方向ランナーのベースプレート上に固定され得るラック上でガイドキャリッジを移動させるように構成され得る。平歯車は、特にポリオキシメチレン(POM)から作製され得る。金属製の平歯車と比較して、一般に走行ノイズが最小限に抑えられることができ、潤滑が確実に省略され得る。さらに、ポリオキシメチレン(POM)から作製された平歯車は、確実に比較的軽量で比較的低い製造コストを有することができる。
【0047】
平歯車は、特に、19個の歯を有することができる。さらにまた、平歯車は、1のモジュールmを有することができ、モジュールmは、歯車の歯の寸法に対応する。これは、歯車の完全な回転のためのピッチ円直径dzおよび移動距離lzについて以下の値をもたらす。
【数7】
【0048】
したがって、ラックアンドピニオン駆動装置に接続されたモータは、5.9cm/sの必要な粒子計数速度を維持するために毎秒1回転を実行することができる。この値は、モータをプログラムするために使用され得る。
【0049】
平歯車は、ラックアンドピニオン駆動装置のモータのモータシャフト上の切断リングを用いて止めねじとの非確実な接続部としてクランプされ得る。モータシャフトは、平坦化を有することができる。モータシャフトの平坦化は、比較的高い接触圧力を生成するために、比較的大きな面積を止めねじに提供することができる。止めねじを締め付けると、モータシャフトの表面にバリが発生することがある。モータシャフトの平坦化は、平歯車を分解することが、原則として、形成されたバリによって妨げられないことを意味する。モータシャフトの滑りも一般に妨げられる。
【0050】
平歯車をラックに対して正確に位置決めすることにより、平歯車の歯は、原則として、可能な限り最良の方法でラックの歯と噛み合うことができる。これは、一般に、少なくとも可能な限り、インターロック歯間のいかなる遊びも減少させる。ラックと歯車の最適な中心距離aは、以下のように計算され、ここで、d0は、部分円線に対応し、dは、ラックの直径に対応する。
【数8】
【0051】
特にアルミニウム製の取り付けブラケットは、ガイドキャリッジのねじ孔に取り付けられ、特にねじ止めされ得る。ステッピングモータはまた、取り付けブラケットに取り付けられることができ、特にねじ止めされ得、平歯車をラックからの中心距離aで位置決めするように構成され得る。これにより、ラックアンドピニオン駆動装置が大いに正確に機能する。モータシャフト、したがって平歯車を回転させることによって、ガイドキャリッジは、ガイドレール上を移動することができる。プローブホルダを取り付けるために、取り付けブラケットにボアホールが設けられることができる。
【0052】
上記の特性を有するラックアンドピニオン駆動装置を使用することにより、構成要素の熟練した選択および配置により、プローブを備えたガイドキャリッジは、原則としてラックのほぼ全長にわたって、したがってコンベヤベルト幅全体にわたって移動され得る。ラックアンドピニオン駆動装置は、大部分の構成要素に関係なくラック長が可変に設定され得るため、ここでは一般に特に適している。僅かな労力で、ラックなどのいくつかの構成要素の長さを調整することにより、一般に、任意のタイプのトンネル用に適切な横方向ランナーが設計され得る。
【0053】
駆動装置は、少なくとも第1のモータを含んでもよく、駆動装置は、サーボモータ、ステッピングモータからなる群から選択される少なくとも第1のモータを含む。他のタイプのモータも当然考えられる。「第1のモータ」および「第2のモータ」という用語は、順序またはランク付けを指定することなく、例えば、複数のタイプの第1のモータまたは第2のモータまたは正確に1つのタイプが提供され得る可能性を排除することなく、純粋な説明として見なされるべきである。さらにまた、追加のモータ、例えば1つまたは複数の第3のモータが存在してもよい。
【0054】
本明細書で使用される「モータ」という用語は、当業者によって理解されるその通常の一般的な意味が与えられるべき広義の用語である。この用語は、特定の意味または適合した意味に限定されるものではない。この用語は、限定されるものではないが、特に、熱、化学、油圧、空気圧または電気エネルギーなどのエネルギーの形態を運動エネルギーに変換することによって、機械的仕事を実行するように構成された任意のエンジンを指すことができる。
【0055】
サーボモータは、特に同期サーボモータとすることができる。サーボモータは、サーボレギュレータとともに、サーボ駆動装置を形成することができる。同期サーボモータは、特に、銅線巻線を有するステータと、永久磁石を有するロータとを含むことができる。永久磁石は、ロータの周りに一定の磁場を形成するように構成され得る。サーボレギュレータは、第2の磁場、特に回転磁場を生成する交流電流をステータに供給するように構成され得る。回転磁場は、回転磁場と同期して回転するロータの磁場に力を及ぼすことができる。電流周波数の変化により、回転磁場、したがってロータの速度が変化することができる。電流の大きさが使用されて、電磁力の大きさ、したがってロータトルクを決定することができる。上位の制御ユニットは、サーボレギュレータを介して、モータの速度および目標位置をサーボモータに渡すことができる。モータは、電流の実際の値、速度、および位置をサーボレギュレータに返すように構成され得る。偏差がある場合、制御ユニットを介して速度および電流が再調整され得る。サーボモータは、一般に、広い速度範囲において、高いダイナミクス、高い位置決め精度、および高い過負荷容量を有する。サーボモータのさらなる特徴は、高速精度、短い加速時間、短いトルク応答時間、高いストールトルクおよび小さい質量慣性モーメントを含む。さらに、それらは、一般にコンパクトな設計を有し、それらの性能に関して確実に軽量である。
【0056】
ステッピングモータは、特に、永久励磁ステッピングモータ、リラクタンスステッピングモータ、ハイブリッドステッピングモータからなる群から選択され得る。ステッピングモータは、好ましくはハイブリッドステッピングモータとすることができる。ハイブリッドステッピングモータは、原則として、永久励磁ステッピングモータおよびリラクタンスステッピングモータの利点を組み合わせることができる。ハイブリッドステッピングモータは、特に、非常に小さいステップ角度を達成するように構成され得る。ステッピングモータ、特にハイブリッドステッピングモータは、少なくとも1つのロータ、特に少なくとも1つの永久磁石、特に軸方向極性位置合わせを有する少なくとも1つの円筒状永久磁石を備えることができる。さらにまた、ステッピングモータ、特にハイブリッドステッピングモータは、複数のステータコイル、例えば8個のステータコイルを有する少なくとも1つのステータ磁場、特に固定ステータ磁場を有することができる。ステッピングモータ、特にハイブリッドステッピングモータは、交互に制御されるステータコイルによって規定の角度または規定のステップだけロータを回転させるように構成され得る。
【0057】
一方の歯幅だけ互いにねじれた多数の歯、例えばそれぞれ50個の歯を有する少なくとも2つのロータシェルが、永久磁石の周りに、前後に配置され、ロータにしっかりと接続され得る。ロータシェルは、永久磁石の磁化を受け入れるように構成され得る。ステータ磁場はまた、多数の歯、例えば48個の歯を有することができる。ステータ磁場のステータコイルは、ステップごとに45度ずらして次々に励磁され得、変化する電磁場を形成する。磁化されたロータシェルは、それらの歯をステータコイルの電磁場と位置合わせすることができる。ステータ磁場とロータシェルとでは歯の数が異なるため、ロータは、例えばステップごとに1.8°回転する。
【0058】
第1のモータは、特に、第1のモータ駆動装置を備えることができる。「第1のモータ駆動装置」および「第2のモータ駆動装置」という用語は、シーケンスまたはランク付けを指定することなく、例えば、複数のタイプの第1のモータ駆動装置もしくは第2のモータ駆動装置、または正確に1つのタイプを提供することができる可能性を排除することなく、純粋な説明として見なされるべきである。さらにまた、追加のモータ駆動装置、例えば1つまたは複数の第3のモータ駆動装置が存在してもよい。第1のモータ駆動装置は、信号、特にコントローラからの信号を第1のモータに送信し、および/または第1のモータに電圧を供給するように構成され得る。この目的のために、第1のモータ駆動装置は、例えば、メインアダプタに接続され得る。メインアダプタは、電圧を第1のモータが必要とする電圧に変換するように構成され得る。
【0059】
特に、リニアガイドの駆動装置は、少なくとも1つのNEMA 17ステッピングモータ(Stepperonline、中国)および関連するステッピングモータ駆動装置を含むことができる。NEMA 17ステッピングモータは、製造業者部品番号17HS24-2104S、0.65Nmの保持トルクM1、1.8°のステップ角度、42mmのフランジ寸法、60mmの長さ、および500gの重量を有することができる。NEMA 17ステッピングモータは、そのサイズのために一般に軽量であり、様々な保持トルクの大きな選択を有する。選択された保持トルクが、プローブホルダおよびプローブとともにガイドキャリッジを移動させるのに十分でない場合、横方向ランナーの設計を変更する必要なく、ステッピングモータをより強力なステッピングモータと交換することが確実に可能である。Nema17ステッピングモータは、そのサイズが小さいにもかかわらず、横方向ランナーのリニアガイドを駆動するのに必要な電力を生成するのにも適することができる。より小さな保持トルクを有するステッピングモータもまた、確実に使用され得る。これは、確実に横方向ランナーの軽量化を意味することができる。42mmのフランジ寸法では、NEMA 17ステッピングモータは、一般に、例えば36mmとすることができるプローブの直径よりも僅かに広いだけである。これは、プローブが、一般に、外部位置に到達したときにモータによって最小限、例えばそれぞれ3mmだけ制限されることを意味する。モータはまた、一般に、そのフランジ寸法に基づいてガイドキャリッジの最大長を指定することもできる。モータの駆動シャフトは、フライス加工による平坦化を有することができる。平坦化は、原則として、圧入シャフト-ハブ接続によって平歯車をモータシャフトに取り付けることを容易にすることができる。さらにまた、第2のモータは、OMC Stepperonline DM556N型のステップ発生器を有するOMC Stepperonline 17HS24-2104S型のステッピングモータとすることができる。
【0060】
ハイブリッドステッピングモータは、一般に、定置時でも過熱することなく高い保持トルクを有し、一般に小型である。ハイブリッドステッピングモータを用いた単純な位置決めタスクの場合、ステップが計数され得るため、距離測定システムは、一般に必要とされない。しかしながら、一般に、ステップの監視はなく、したがって、一般に位置フィードバックはない。この開制御回路は、開ループシステムとしても知られている。これは、例えば外部干渉または過負荷の場合にはステップがスキップされ得るという基本的な欠点がある。プローブの移動経路の場合、これは確実に移動経路の精度が低下することを意味する。位置フィードバックについての1つの可能性は、エンコーダを備えたステッピングモータを使用することである。エンコーダは、ステップ数を計数および監視するように構成され得る。閉ループシステムとしても知られるこのような閉制御回路では、一般に、適切な出力段もまた、コントローラとエンコーダとの間に接続され、エンコーダから到来する情報を処理し、それをコントローラに送信する。これは、コントローラが、必要に応じて現在位置を確実に決定し、保存し、調整することができることを意味する。しかしながら、エンコーダは、一般に、ステッピングモータの全長および重量を増加させる。ハイブリッドステッピングモータは、原則として、特定の速度までのフルトルクのみを生成することができる。速度が増加すると、トルクは、一般に特定の速度を超えて減少する。トルク降下は、モータの特性曲線から得られることができる。トルクを超えると、原則として、モータは停止する。
【0061】
ステッピングモータは、駆動装置、特に直線駆動装置の加速にいくつかの利点を有することができる。ステッピングモータの最高速度は確実にサーボモータの最高速度よりも低く、伝達トルクもステッピングモータの速度の増加とともに確実に減少するが、予想される必要速度は、おそらく毎分100回転よりも低くなることができる。ステッピングモータの全長が短く、重量が小さいことは、横方向ランナー、特に横軸をより小さく、より軽量にする設計に役立つ利点であることは確かである。ステッピングモータのプログラミングおよび制御は、サーボモータのプログラミングおよび制御よりも確実に容易である。
【0062】
1.8°の増分は、モータの完全な1回転について200ステップをもたらすことができる。例えばリミットスイッチまたはエンコーダによる追加の監視を必要とせずに、経路が測定され、したがって非常に良好にプログラムされ得る。ステッピングモータは、確実にコストの点でも良好な条件を有する。これは、ステッピングモータのコストがサーボモータのコストよりも確実にはるかに低いため、粒子計数装置の全体的なコストを低く保つのに役立つ。
【0063】
ステッピングモータの別の明確な利点は、標準化されたフランジサイズである。ステッピングモータの接続寸法は、基本的には、米国電機製造業者協会(NEMA)規格にしたがって規定されており、したがってサイズに応じて同じである。ステッピングモータの名称は、一般に、それらのフランジサイズを決定するために使用され得、例えば、NEMA 17という名称のステッピングモータは42mmのフランジサイズを有し、またはNEMA 23ステッピングモータは57mmのフランジサイズを有する。この標準化は、通常、設計変更なしに異なる製造業者のモータが交換され得るという基本的な利点を有する。同じフランジサイズであるが異なるトルクを有するステッピングモータもまた交換され得る。
【0064】
横方向ランナーの1つのタスクは、粒子測定用のプローブをコンベヤベルトの搬送方向に対して横断して、特に直交して案内することとすることができる。プローブは、ガイドキャリッジまたは取り付けブラケットに取り付けられることができる。プローブホルダは、ラックを通ってさらに案内されるように構成され得る。プローブホルダは、特に、POMから作製され得る。平歯車はまた、上述したようにPOMから作製され得る。これは、ラックとプローブホルダとの摺動摩擦を最小限に抑えることを可能にする。さらにまた、軽量化が達成され得る。プローブホルダおよび取り付けブラケットは、特にねじ接続によって互いに接続され得る。プローブホルダは、プローブが挿入されてクランププレートによってクランプされ得る溝を有することができる。プローブホルダは、特に安全上の理由から、プローブホルダが平歯車を特に完全に囲むように構成され得る。これは、平歯車が動いているときに他の要素が平歯車とラックとの間に閉じ込められることを回避することができる。
【0065】
横方向ランナーの設計のために、トンネルタイプの滅菌トンネルが分析され得、スキャナ、特に横方向ランナーの重要な寸法が組み込まれることができる。最も重要な寸法は、基本的に、滅菌トンネルの最大高さおよびコンベヤベルトの幅である。滅菌トンネルは、特に600mmから800mmのコンベヤベルト幅を有することができる。さらにまた、滅菌トンネルは、160mmから230mmの最大高さを有することができる。さらにまた、滅菌トンネル内に1から5個の微粒子フィルタが存在することができる。微粒子フィルタは、250mmから580mmのフィルタ長および600mmから720mmのフィルタ幅を有することができる。列挙された寸法は、特に、滅菌トンネルの既存の技術的図面から得られることができ、および/または滅菌トンネルは現場で測定され得る。スキャナの横方向ランナーの最大高さおよび最大幅は、これらの寸法から確実に導き出され得る。160mmの最大高さ、特に通路高さは、基本的に全高の限界を設定する。さらに、最大全高は、滅菌トンネル内の異なるゾーン間で隔壁を分離することによって制限され得る。これはまた、粒子計数装置が可能な限り平坦であることを必要とし得る。しかしながら、滅菌トンネル上での取り扱いおよび粒子計数装置のコンベヤベルト上への導入を容易にするために、粒子計数装置の高さを可能な限り低くすることが基本的な目標である。横方向ランナーは、コンベヤベルトの幅に確実に調整され得る。微粒子フィルタの幅が異なるため、スキャナは、モジュール式の設計を有することができる。横方向ランナーは、横方向ランナーが滅菌トンネルのトンネル幅に適合され得るように構成され得る。特に、ラックの長さ、ガイドレールの長さ、およびベースプレートの長さが調整され得る。粒子計数装置の残りの構成要素は、滅菌トンネルのトンネルタイプとは無関係とすることができる。例えば、横方向ランナーの高さは80mmとすることができ、横方向ランナーの総重量は1870gとすることができる。さらに、横方向ランナーの構成要素の接続は、Phoenixプラグイン端子を有することができる。これは、粒子計数装置の全高のさらなる減少、特に最大10cmの減少に寄与することができる。
【0066】
上述したように、スキャナは、台車を備える。本明細書で使用される「台車」という用語は、当業者によって理解されるその通常の一般的な意味が与えられるべき広義の用語である。この用語は、特定の意味または適合した意味に限定されるものではない。この用語は、限定されるものではないが、特に、装置のさらなる構成要素を担持するように構成された装置の任意の部分を指すことができる。したがって、台車は、装置の支持部として構成され得る。台車は、特に、台車の表面上での移動を可能にする要素を有することができる。要素は、特に、1つまたは複数の車輪、1つまたは複数の車輪サスペンション、少なくとも1つの駆動装置および/または少なくとも1つのモータを含むことができる。したがって、台車は、シャーシと呼ばれることもできる。
【0067】
台車は、フレームを有することができる。フレームは、ベースフレームとも呼ばれることができる。フレームは、特に、金属シート、特にオーステナイト系ステンレス鋼から作製された金属シートから作製され得る。金属シートは、特に、1mmから5mm、好ましくは1.5mmから2.5mm、特に好ましくは2mmの厚さを有することができる。その構造により、オーステナイト系ステンレス鋼は、一般に、非常に良好に冷間成形され得、その結果、金属シートは曲げられることができる。>13.5%のクロム含量のおかげで、オーステナイト系ステンレス鋼もまた良好な耐食性を有し、したがって製薬分野における使用によく適している。良好に選択された折り目を介して、高いレベルのシート金属剛性が達成され得る。当接する縁部を溶接することにより、シート金属の剛性がさらに高められることができる。このようにして、耐ねじり性で軽量のフレームが製造され得、その上にさらなる構成要素が取り付けられることができる。代替的または追加的に、フレームは、少なくとも部分的にアルミニウムから作製され得る。これは、粒子計数装置の軽量化に寄与することができる。上述したように、横方向ランナーは、台車に取り付けられる。特に、横方向ランナー、特に横方向ランナーのベースプレートがフレームに取り付けられることができる。特に、横方向ランナーは、台車上、特にフレーム上の中央に取り付けられることができる。さらにまた、横方向ランナーは、台車と、特にフレームと面一になるように取り付けられることができる。特に、横方向ランナーは、台車の後側、特にフレームの後側と面一になるように取り付けられることができる。滅菌トンネルの前後の小さな流出面のために、サイズが最小化され得、流出ゾーンがなくても粒子計数が実行され得る。
【0068】
コントローラは、特に、台車の中央に取り付けられ、特に設置され得る。コントローラは、特に台車の自由領域に取り付けられることができる。自由領域の長さは、特に、コントローラおよび特に配線用のケーブルダクトが取り付けられることができるように選択され得る。
【0069】
上述したように、台車は、コンベヤベルトの搬送方向にリニアガイドを移動させるように構成される。例えば、台車は、リニアガイドをコンベヤベルトの搬送方向に移動させるように構成されたクローラシャーシを有することができる。しかしながら、台車は、好ましくは、コンベヤベルトの搬送方向にリニアガイドを移動させるように構成された少なくとも2つの車輪、特に少なくとも2つの駆動輪を有することができる。駆動輪は、特に、駆動輪が取り付けられた装置の独立した移動のために構成された任意の車輪とすることができる。駆動輪は、以下により詳細に説明するように、特にモータによって駆動され得る。
【0070】
上述したように、滅菌トンネルのコンベヤベルトは、ワイヤメッシュを有することができる。以下により詳細に説明するように、車輪は、特に、車輪とコンベヤベルトのワイヤメッシュとの間の接触面積が増加するように構成され得る。特に、材料および粒子計数装置の自重の適切な選択により、滑りなし運動を達成するために十分な転がり摩擦が適用され得る。
【0071】
ワイヤメッシュは、通常、少なくとも1つの金属から作製されるため、金属と金属との接触は、車輪の設計および材料の選択において根本的に回避され得、そうでなければ、ワイヤメッシュ上の接触面積が一般に小さいため、車輪とコンベヤベルトとの間に十分な転がり摩擦が一般に発生することができず、基本的に滑りのない移動が保証されることはできない。車輪が熱可塑性材料または熱硬化性材料から作製されている場合、同様の挙動が想定される。ここでも、確実な滑りのない移動を保証するために、車輪の材料とコンベヤベルトとの間に十分な転がり摩擦がないことがある。
【0072】
特に、車輪は、少なくとも部分的にエラストマーから作製され得る。エラストマーは、シリコーン、エチレンプロピレンジエン(モノマー)ゴム(EPDM)からなる群から選択され得る。これらの材料は、製薬部門における使用が承認されている。しかしながら、他のエラストマーも当然考えられる。特に、車輪は、それぞれ、エラストマーから作製された1つまたは複数のOリングを有することができる。エラストマーは、車輪とコンベヤベルトとの間に転がり摩擦を発生させるように構成され得る。エラストマーの弾性変形性および高い摩擦係数により、Oリングとコンベヤベルトとの間の接触面積が増加され得る。これは、滑りなし動作が可能であることを意味する。
【0073】
車輪は、特に、エラストマー製のOリングがその上に取り付けられることができるように設計され得る。車輪、特に駆動輪は、特にポリオキシメチレン(POM)から作製され得る。特に、車輪は、Oリングを受け入れるように構成された1つまたは複数の溝を有することができる。車輪の直径は、フレームとコンベヤベルトとの間に低い対地クリアランスが達成されるように選択され得る。これは、後のスキャナの全高が最小限に保たれることができることを意味する。車輪、特に駆動輪は、特に車輪とコンベヤベルトとの間の接触面積を増加させるために、複数のOリング、特に少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、好ましくは少なくとも4つのOリングをそれぞれ有することができる。Oリングは、駆動輪の少なくとも1つの周面上に互いに離間して配置され得る。Oリングは、それぞれ、駆動輪の周面の溝に受け入れられることができる。
【0074】
駆動輪は、それぞれ、車軸に取り付けられることができる。車軸の回転運動は、フェザーキーを使用して駆動輪に積極的に伝達され得る。これは、車輪の空転を防止することができる。さらに、駆動輪は、特にそれらが車軸上で動くのを防止するために、止めねじによって固定され得る。
【0075】
粒子計数装置は、ステッピングモータ、サーボモータからなる群から選択される少なくとも第2のモータをさらに備えることができる。しかしながら、他のタイプのモータも当然考えられる。第2のモータは、駆動輪の少なくとも1つを駆動するように構成され得る。ステッピングモータおよびサーボモータの設計に関するさらなる詳細については、上記の説明を参照することができる。
【0076】
好ましくは、第2のモータは、ステッピングモータとすることができる。特に、第2のモータは、第1のモータのサイズに対応するサイズを有するモータとすることができる。特に、第2のモータは、第1のモータと構造的に同一のモータとすることができる。これは、粒子計数装置の異なる構成要素の数を最小限に抑える。さらにまた、ただ1つのタイプのステッピングモータが予備部品として在庫に保持され得、これは一般に互換性を保証する。
【0077】
第2のモータは、特に、第2のモータ駆動装置を備えることができる。第2のモータ駆動装置は、第2のモータに信号を送信し、および/または第2のモータに電圧を供給するように構成され得る。この目的のために、第2のモータ駆動装置は、例えば、メインアダプタに接続され得る。メインアダプタは、電圧を第2のモータが必要とする電圧に変換するように構成され得、例えば、メインアダプタは、電圧を230Vから24Vに変換するように構成され得る。特に、粒子計数装置は、第1のモータ、第2のモータ、第1のモータ駆動装置および第2のモータ駆動装置に供給するように構成されたメインアダプタを備えることができる。あるいは、それぞれが第1のモータおよび第1のモータ駆動装置または第2のモータおよび第2のモータ駆動装置を供給する2つのメインアダプタが設けられることもできる。
【0078】
特に、第2のモータは、関連するステッピングモータ駆動装置を有するNEMA 17ステッピングモータ(Stepperonline、中国)とすることができる。Nema17ステッピングモータは、その小さいサイズにもかかわらず、台車の移動を駆動するのに必要な動力を生成するのに適することができる。さらなる詳細については、上記の説明を参照されたい。さらにまた、第2のモータは、OMC Stepperonline DM556N型のステップ発生器を有するOMC Stepperonline 17HS24-2104S型のステッピングモータとすることができる。台車は、特に、駆動軸を有することができる。ステッピングモータは、駆動軸から横断して、特に90°でオフセットされるようにベースフレームに取り付けられることができる。台車はまた、いくつかの傘歯車を有することができる。ステッピングモータの回転運動を駆動軸に伝達するために、2:1の伝達比を有する傘歯車が選択され得る。第1の傘歯車は、例えば、15の歯の数zを有することができ、第2の傘歯車は、30の歯の数zを有することができる。第1の傘歯車および第2の傘歯車は、それぞれ、POMから作製され得、1のモジュールmを有することができる。
【0079】
第1の傘歯車は、第2のモータによって駆動され、第2の傘歯車を介して駆動軸に回転運動を伝達するように構成され得る。変速比は、駆動軸上の第2モータの速度n1が半分にされることを可能にし、伝達トルクM1が2倍にされることを可能にする。その結果、一般に、保持トルクの小さいステッピングモータが使用され得る。z1は、第1の傘歯車の歯の数に対応し、z2は、第2の傘歯車の歯の数に対応する。
【数9】
【0080】
トルクおよび速度を第2のモータから第1の傘歯車のシャフトに伝達するために、ねじり剛性であるが角度方向および横断方向に可撓性の補償カップリングが使用され得る。これは、原則として、設計の公差または不整合を補償することができる。使用される補償カップリングは、一般に、バックラッシュがなく、ねじれ剛性とすることができ、半径方向および軸方向の角度の不整合の両方を補償することができる。歯車シャフトは、ホルダによって適切な位置に保持され得る。溝付き玉軸受はホルダに押し込まれることができ、ホルダは、第1の傘歯車のシャフトおよび車軸を支持し、滑らかな走行を保証する。溝付き玉軸受は、暖機時に摩擦トルクが増加しないという基本的な利点を有する。それらはまた、低速では一般にほとんど摩耗を示さず、メンテナンスフリーである。第1の傘歯車は、止めねじを使用してシャフトに摩擦係止され得る。第2の傘歯車はまた、止めねじによって軸に取り付けられることができ、シャフト上の偶発的な変位を防止するために調整リングによって固定されることもできる。
【0081】
さらにまた、車輪は、1つまたは複数、特に2つの後輪を含むことができる。後輪は、ドライブフリーになるように設計され得る。後輪は、特に、円滑に走行することができる。後輪の設計のさらなる詳細については、上記の説明を参照されたい。後輪は、POMから作製され得る。さらにまた、後輪は、Oリングを受け入れるように構成された溝を有することができる。Oリングは、少なくとも1つのエラストマーから作製され得る。後輪の直径は、後輪が横方向ランナーの移動の障害とならないように選択され得る。特に円滑な走行のために、玉軸受が後輪に押し込まれることができる。後輪は、意図しない緩みに対して玉軸受を固定するように構成されたロックリングを有することができる。後輪は、それぞれ、シャフト上で押され、セルフロックナットによって取り付けられることができる。セルフロックナットは、後輪が回転するときにセルフロックナットが緩むのを防止するように構成され得る。後輪のシャフトはまた、セルフロックナットを用いて台車に取り付けられることができ、特にねじ止めされ得る。
【0082】
台車は、あらゆるタイプの滅菌トンネルにおいて使用されるように設計され得る。そのコンパクトなサイズのおかげで、台車の取り扱いが容易である。フレームは、溶接スタッド、特に後端に配置された溶接スタッドを有することができ、これは特に横方向ランナーを取り付けるために構成され得る。横方向ランナーは、ローレットナットを使用して台車に着脱可能に接続され得る。横方向ランナーを容易に交換することが可能であり得る。台車の高さは、特に、160mmの粒子計数装置の全高を超えないように選択され得る。さらにまた、台車の全高は極力低く抑えられることができる。上記の構成要素を有する台車は、例えば、79mmの全高および3000gの全重量を有することができる。台車は、例えば、300mmの幅を有することができる。これは、粒子計数装置の取り扱いおよび滅菌トンネルへの導入をより容易にすることができる。
【0083】
上述したように、スキャナは、スキャナの移動を制御するように構成された少なくとも1つのコントローラをさらに備える。移動は、特に、コンベヤベルトの搬送方向における台車の移動とすることができる。さらにまた、移動は、プローブホルダをコンベヤベルトの搬送方向に対して横断して案内することを含むことができる。本明細書で使用される「コントローラ」という用語は、当業者によって理解されるその通常の一般的な意味が与えられるべき広義の用語である。この用語は、特定の意味または適合した意味に限定されるものではない。この用語は、限定されるものではないが、特に、粒子計数装置の動作を完全にまたは部分的に制御および/または調節するように構成された、粒子計数装置の1部または複数部装置を指すことができる。特に、コントローラは、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)を含むことができる。本発明の文脈において、「プログラマブルロジックコントローラ(PLC)」は、基本的に、機械またはシステムを制御または調整するために使用され、デジタルベースでプログラムされる任意の装置を意味する。特に、コントローラは、プローブホルダをコンベヤベルトの搬送方向に対して横断して、特に本質的に垂直に案内するための駆動装置のモータおよび/またはコンベヤベルトの搬送方向に沿って台車を移動させるための駆動装置のモータを制御および/または調整するように構成され得る。コントローラは、特に、少なくとも1つのデータ処理装置、例えば少なくとも1つのプロセッサを備えることができる。したがって、コントローラは、部分的にハードウェアによって、および/または代替的もしくは追加的に、完全にもしくは部分的にソフトウェアによって実装され得る。さらにまた、コントローラは、少なくとも1つの揮発性および/または不揮発性データメモリを含むことができる。コントローラは、特に、駆動装置の少なくとも1つを制御するように構成され得る。本発明の文脈において、「駆動装置を制御する」は、基本的に、駆動装置の動作のタイプ、特に1つまたは複数の移動またはステップの開始および/または停止、特に移動の速度の変化として理解されるべきである。コントローラは、特に、粒子計数装置の動作中に駆動装置を制御するように構成され得、それにより、台車またはプローブホルダのガイドの繰り返しの所定の移動がリニアガイドを用いて実行される。コントローラは、特に、第1のモータの第1のモータ駆動装置に信号を送信するか、または第2のモータの第2のモータ駆動装置に信号を送信するように構成され得る。コントローラは、特に、例えば粒子計数方法を制御するようにプログラミングすることによって構成され得、これについては以下により詳細に説明する。コントローラは、ドライブからのデータを記録するように構成されることもできる。ロギングは、特に、データの保存または記録を含むことができる。特に、コントローラは、TIA PLC S7-1200を含むことができる。TIA PLC S7-1200は、サイズが小さく、チャネル数が限られているにもかかわらず、コントローラに十分に高い性能を提供することができる。さらにまた、コントローラは、シーメンスPLC S7-1211C DC/DC/DC、特に操作用の8”タッチパネルを含むことができる。シーメンスPLC S7-1211C DC/DC/DCは、特にコンパクトな設計を有することができる。さらにまた、コントローラは、特にインターフェースを介して、特にUSBインターフェースを介してコンピュータに接続され得るマイクロコントローラ(Arduino)を有する基板を含むことができる。台車の移動を制御するおよび/またはプローブホルダを案内するためのプログラムが基板にロードされてもよい。プログラムは、特に、モータ、特にステッピングモータのステップ、速度および/または回転方向を指定することができる。
【0084】
さらにまた、粒子計数装置は、コンベヤベルト上の搬送方向の1次元におけるプローブの位置を決定するための少なくとも1つのy位置センサを有することができる。さらにまた、粒子計数装置は、コンベヤベルト上の搬送方向を横断する次元、特に搬送方向に本質的に垂直な次元におけるプローブの位置を決定するための少なくとも1つのx位置センサを有することができる。「位置センサ」という用語は、一般に、オブジェクトと基準点との間の距離および/または長さの変化を測定するように構成された任意のセンサを指す。位置センサは、特に、経路の変化を標準信号に変換するか、またはそれを制御装置に送信するように構成され得る。y位置センサは、台車、特に台車の駆動装置に接続され得る。上述したように、台車は、ステッピングモータを有することができ、y位置センサは、ステッピングモータのインクリメンタルエンコーダを含むことができる。x位置センサは、リニアガイド、特にリニアガイドの駆動装置に接続され得る。上述したように、リニアガイドは、ステッピングモータを有することができ、x位置センサは、ステッピングモータのインクリメンタルエンコーダを含むことができる。粒子計数装置、特にコントローラは、特に順方向および逆方向計数器によって、ステッピングモータ、特にステッピングモータ駆動装置のパルスを計数するように構成され得る。順方向および逆方向計数器は、特に、コントローラの一部とすることができる。これは、測定値において顕著であり得る任意の位置が、測定中にデカルト方式でキャッシュされ得、以下により詳細に説明するように、その後のより正確なチェックにおいて手動モードでアプローチされ得ることを意味する。
【0085】
特に、粒子計数装置、特にコントローラは、少なくとも1つの第1の順方向および逆方向計数器によって、第1のモータ、特に第1のステッピングモータ駆動装置の第1のパルスを計数するように構成され得る。さらにまた、粒子計数装置、特にコントローラは、少なくとも1つの第2の順方向および逆方向計数器によって、第2のモータ、特に第2のステッピングモータ駆動装置の第2のパルスを計数するように構成され得る。特に、粒子計数装置、特にコントローラは、第1のモータの第1のパルスを使用してリニアガイド上のプローブの位置を決定し、第2のモータの第2のパルスを使用してコンベヤベルト上の台車の位置を決定するように構成され得る。さらに、粒子計数装置、特にコントローラは、第2のモータ、特に第2のステッピングモータ駆動装置のパルスを計数するように構成された少なくとも1つのさらなる順方向および逆方向計数器を備えることができる。したがって、さらなる順方向および逆方向計数器は、特に、搬送方向の移動中の経路距離を決定するように構成され得る。粒子計数装置、特にコントローラは、台車の段階的な移動の後、特に次の測定経路に到達した後に、さらなる順方向および逆方向計数器をゼロにリセットするように構成され得る。さらにまた、リニアガイドは、第1のエンドストップおよび第2のエンドストップを有することができ、コントローラは、プローブが第1のエンドストップにあるときに第1の順方向および逆方向計数器をゼロにリセットするように構成され得る。特に、第1のエンドストップは、左エンドストップとすることができる。
【0086】
特に、第1の順方向および逆方向計数器、第2のさらなる順方向および逆方向計数器、ならびにさらなる順方向および逆方向計数器は、それぞれ、第1のステッピングモータ駆動装置および第2のステッピングモータ駆動装置のパルスをそれぞれ計数するように構成されているため、コントローラは、第1のステッピングモータ駆動装置または第2のステッピングモータ駆動装置のパルスを使用して、座標の表現のためのメトリックデータを計算するように構成され得る。
【0087】
搬送方向を横断するプローブホルダの位置を決定するために、以下が基本的に適用される。
【数10】
【0088】
したがって、パルスとデカルト位置との間の比が指定され得る。
【数11】
【0089】
ここで、デカルト位置は、以下を再配置することによって決定され得る。
【数12】
【0090】
1回転当たりのパルスは、速度ならびにパルスプログラミングにおける可能な最小の調整可能な時間遅延に依存することができる。1msの最小時間遅延および5cm/sの速度を使用する場合、駆動歯車の幾何学的形状は、以下をもたらす。
【数13】
【0091】
デカルト位置について、以下の結果が得られる。
【数14】
【0092】
上記で説明したように、傘歯車変速機、特に単段の傘歯車変速機が推進のために設置され得るため、変速比が考慮に入れられることができる。
【数15】
【0093】
11.96mmのピニオン直径では、これは以下をもたらし得る。
【数16】
【0094】
搬送方向におけるスキャナの位置を決定するために、以下の結果が得られる。
【数17】
【0095】
さらにまた、スキャナは、1つまたはいくつかのリミットスイッチを有することができる。「リミットスイッチ」という用語は、一般に、移動オブジェクトが規定の位置に到達したときを記録するように構成された任意の装置を指す。特に、横方向ランナーは、コンベヤベルトの搬送方向を横断するプローブの限界の位置を決定するように構成された少なくとも2つのリミットスイッチ、特に少なくとも2つのローラリミットスイッチを有することができる。特に、横方向ランナーは、少なくとも2つのスナップスイッチ、例えば少なくとも2つのMarquardt 1006.1501スナップスイッチを有することができる。さらにまた、台車は、搬送方向における粒子計数装置の少なくとも1つの限界の少なくとも1つの位置を決定するための少なくとも1つのリミットスイッチ、特に少なくとも1つのばねロッドリミットスイッチを有することができる。
【0096】
さらにまた、粒子計数装置は、少なくとも1つの定置式のユーザインターフェースを備えることができる。ユーザインターフェースは、スキャナに接続され得る。スキャナの移動は、ユーザインターフェースを使用して制御可能とすることができる。本明細書で使用される「インターフェース」という用語は、当業者によって理解されるその通常の一般的な意味が与えられるべき広義の用語である。この用語は、特定の意味または適合した意味に限定されるものではない。この用語は、限定されるものではないが、特に、少なくとも1つの情報を受信し、次いで、任意に、それを完全にまたは部分的に、例えば少なくとも1つのコントローラに処理および/または転送するように構成された、基本的に任意の設計の装置を指すことができる。本明細書で使用される「ユーザインターフェース」という用語は、当業者によって理解されるその通常の一般的な意味が与えられるべき広義の用語である。この用語は、特定の意味または適合した意味に限定されるものではない。この用語は、限定されるものではないが、特に、コマンドを入力および/または情報を出力するための任意のインターフェース、および/または装置と装置の少なくとも1人のオペレータとの間のデータおよび/またはコマンドの一方向または双方向の交換のための無線インターフェースまたは有線インターフェースを指すことがある。ユーザインターフェースは、別の装置からおよび/またはユーザからデータを受信し、および/またはユーザインターフェースから外部装置にデータを送信するように構成された通信インターフェース、特にデータインターフェースとすることができる。ユーザインターフェースは、ディスプレイ、特にタッチディスプレイ、特に8”タッチディスプレイ、および/またはキーボードなどの入出力装置などの少なくとも1つの電子インターフェースおよび/またはヒューマンマシンインターフェースを有することができる。インターフェースは、少なくとも1つのデータ接続、例えばブルートゥース接続、NFC接続、または別の接続を有することができる。ユーザインターフェースは、少なくとも1つのネットワークを有するか、またはネットワークの一部とすることができる。ユーザインターフェースは、少なくとも1つのインターネットポート、少なくとも1つのUSBポート、少なくとも1つのドライブ、またはウェブインターフェースを有し得る。
【0097】
特に、ユーザインターフェースは、グラフィカルユーザインターフェース、特に少なくとも1つのタッチスクリーンを有するグラフィカルユーザインターフェースを有することができる。本明細書で使用される「グラフィカルユーザインターフェース」という用語は、当業者によって理解されるその通常の一般的な意味が与えられるべき広義の用語である。この用語は、特定の意味または適合した意味に限定されるものではない。この用語は、限定されるものではないが、特に、グラフィックシンボルまたは制御要素を使用してコンピュータ上のアプリケーションソフトウェアを動作可能にするタスクを有するコンピュータユーザインターフェースの形態を指すことができる。これは、例えば、グラフィック要素を操作または選択する制御装置としてマウスを使用して行われ得る。代替的または追加的に、操作は、センサ画面、特にタッチスクリーンに触れることによって実行され得る。
【0098】
特に、粒子計数のための少なくとも1つの移動経路および/または少なくとも1つの測定位置は、ユーザインターフェースを使用して予め決定可能とすることができる。さらにまた、少なくとも1つの移動経路および/または少なくとも1つの測定位置は、手動操作または自動操作において予め決定可能とすることができる。さらにまた、少なくとも1つの速度は、以下により詳細に説明するように、特に手動モードにおいて、少なくとも1つの移動経路に対して予め決定可能とすることができる。さらにまた、ユーザインターフェースは、粒子計数器に接続され得る。
【0099】
グラフィカルユーザインターフェースは、特に、少なくとも3つのオペレータインターフェース、特に少なくとも3つの個々のオペレータインターフェースを備えることができる。オペレータインターフェースは、それぞれ、メインメニューを介してアクセスされ得る。メインメニューは、基本画面と呼ばれることもできる。グラフィカルユーザインターフェースは、下位メニュー項目とも呼ばれることができる3つのオペレータインターフェースが、メインメニューから、特に「ActivateScreen」と呼ばれることができるTIA内部機能を介して到達され得るように構成され得る。第1のオペレータインターフェースは、自動、特に部分的または完全に自動の操作に対応することができる。第1のオペレータインターフェースは、特に、台車および/またはプローブの規定された自動走行を開始および停止することを含むことができる。さらにまた、第1のオペレータインターフェースは、座標表示および/または座標記憶装置を含むことができる。部分的または完全に自動の動作は、部分測定動作とも呼ばれることができる。第2のオペレータインターフェースは、手動操作、特に手操作に対応することができる。第2のオペレータインターフェースは、特に、移動方向、特に台車および/またはプローブホルダの移動方向についての別個の制御オプションを提供することができる。さらにまた、第2のユーザインターフェースは、開始位置において実行を提供することができる。さらに、第2のオペレータインターフェースは、例えば、増分のリセットまたはデジタル出力の表示を含むことができる1つまたは複数のサービス機能を提供することができる。第3のオペレータインターフェースは、システム設定のためのインターフェースに対応し得る。少なくとも3つのオペレータインターフェースは、それぞれ、日付および時刻の表示を含むことができ、これは特に制御内部システム時刻から取得され得る。さらにまた、少なくとも3つのオペレータインターフェースは、それぞれ、発生している障害をメッセージテキストラインを介して表示するように構成され得る。特に、第3のオペレータインターフェースは、ランタイムを終了し、特に、次にユーザインターフェースの設定領域に移動するように構成され得る。さらにまた、第3のオペレータインターフェースは、ユーザ管理、特にユーザアカウント管理を含むことができる。ユーザインターフェースは、特に粒子計数の前に、特にTIA内部関数を介して、特にそれぞれのユーザおよびその初期パスワードを有するオペレータおよび管理者のためのグループを作成するように特に構成され得る。限定されたユーザグループによってのみ制御またはアクティブ化され得る1つまたは複数の機能は、安全機能、特にセキュリティ機能を備えることができ、予め設定されたグループに対する認可の対応する制限を伴う。
【0100】
上述したように、第2のオペレータインターフェースは、特に、移動方向、特に台車および/またはプローブホルダの移動方向についての別個の制御オプションを提供することができる。第2のオペレータインターフェースは、スキャナの手動駆動のために、特にコンベヤベルトの搬送方向に対して横断してプローブホルダを手動で案内するために、および/またはコンベヤベルトの搬送方向に台車を手動で駆動するために構成され得る。第2のオペレータインターフェースは、特に、リニアガイドの第1のモータおよび/または台車の第2のモータを特に移動方向に制御するように構成されたいくつかのボタン、特にいくつかの個別のボタンを有することができる。特に、ボタンは、台車の搬送方向への前進を制御するための少なくとも第1のボタンを含むことができる。さらにまた、ボタンは、運搬方向とは反対の台車の後方への移動を制御するための少なくとも第2のボタンを含むことができる。さらにまた、ボタンは、特にガイドレールの第1の端部からガイドレールの第2の端部まで、搬送方向に対して横断してプローブホルダを制御するための少なくとも第3のボタンを含むことができる。さらにまた、ボタンは、特にガイドレールの第2の端部からガイドレールの第1の端部まで、搬送方向に対して横断してプローブホルダを制御するための少なくとも第4のボタンを含むことができる。プローブホルダをガイドレールの第1の端部からガイドレールの第2の端部に案内することは、プローブホルダを左に移動または案内することとも呼ばれることができる。さらにまた、プローブホルダをガイドレールの第2の端部からガイドレールの第1の端部に案内することは、プローブホルダを右に移動または案内すること、またはその逆を指すこともできる。第1のボタン、第2のボタン、および第4のボタンは、特にDパッドとして配置され得る。さらにまた、第2のオペレータインターフェースは、特にDパッドの中心に配置され得るホームボタンを含むことができる。ホームボタンは、プローブホルダをガイドレールの第1の端部またはガイドレールの第2の端部に案内するために使用され得る。
【0101】
特に、第2のオペレータインターフェースは、粒子計数方法が実行された後にスキャナを開始位置まで戻し、特に台車を開始位置まで戻すように構成され得る。特に、台車を開始位置まで戻すことは、台車を開始位置に後退させることを含むことができる。このため、特に、第2のオペレータインターフェースは、速度のための少なくとも1つ、特に少なくとも2つの入力フィールドを含むことができる。特に、第2のオペレータインターフェースは、搬送方向における台車の速度のための第1の入力フィールドと、搬送方向を横断するプローブホルダの速度のための第2の入力フィールドとを含むことができる。これは、必要に応じて、スキャナが粒子計数方法を実行した場合よりも迅速に開始位置まで戻され得ることを意味する。入力速度値は、オンスイッチ遅延またはオフスイッチ遅延の保持時間を操作するように構成され得、これはパルス発生器に使用され得、後でより詳細に説明する。さらにまた、第2のオペレータインターフェースは、少なくとも1つの「戻る」ボタンを有することができ、それによって第2のオペレータインターフェース、特に手動モードは、画面変更を伴ってメインメニューに切り替わり、特に手動モードを終了する。さらにまた、第2のオペレータインターフェースは、特に例えばトラブルシューティングのための1つまたは複数の試験実行が第2のオペレータインターフェースを介して実行され得るときに、1つまたは複数の情報ウィンドウを有することができる。情報ウィンドウは、特に、1つまたは複数のテキスト、ディスプレイ、およびボタンを有することができる。第2のオペレータインターフェースは、特に、それによって情報ウィンドウがアクティブ化されるサービスボタンを有することができる。アクティブ化は、プログラミングにおいて、特に画面要素の視認性機能によって実現され得る。特に、サービスボタンは、要素の可視性クエリに使用されるビットをアクティブ化するように構成され得る。情報ウィンドウは、特に、ビットを非アクティブ化するように特に構成され得る閉じるボタンを有することができ、それによって要素はそれらの視認性を失う。情報ウィンドウはまた、台車の移動のための増分をリセットするため、および/またはプローブホルダを案内するための1つまたは複数のボタンを含むことができる。さらに、情報ウィンドウは、エンドストップをシミュレートするための1つまたは複数のボタンを有することができる。さらに、情報ウィンドウは、ステップ発生器コントローラのバイナリ出力のための1つまたは複数のディスプレイを有することができる。他の構成も当然考えられる。
【0102】
上述したように、第1のオペレータインターフェースは、特に、台車および/またはプローブの規定された自動走行を開始および停止することを含むことができる。特に、第1のオペレータインターフェースは、スキャナの所定の蛇行経路のための方法を含むことができる。特に、移動経路は、搬送方向を横断して平行にプローブを交互に移動させる蛇行パターンを含むことができる。特に、ユーザインターフェースは、リニアガイドを台車によってコンベヤベルトの搬送方向に段階的に移動させるように構成され得る。さらにまた、ユーザインターフェースは、横方向ランナーによって搬送方向に対して横断して、特に本質的に垂直にプローブホルダを案内するように構成され得る。特にガイドレールの第1の端部からガイドレールの第2の端部まで、またはガイドレールの第2の端部からガイドレールの第1の端部まで、搬送方向におけるリニアガイドの段階的な移動と、搬送方向に対して横断方向のプローブホルダの案内とは、交互に行われて、蛇行パターンが形成される。第1のオペレータインターフェースは、特に、プログラムされた一連のステップを開始するために使用される開始ボタンを含むことができる。さらにまた、第1のオペレータインターフェースは、特に開始ボタンの位置に対応する第1のオペレータインターフェースの位置に現れる停止ボタンを視認可能にするように構成され得る。さらにまた、第1のオペレータインターフェースは、停止ボタンを介してプログラムされた一連のステップを停止し、特に停止ボタンの視認性を非アクティブ化するように構成され得る。さらにまた、第1のオペレータインターフェースは、プローブの現在のデカルト位置を表示する2つの出力フィールドを有することができる。さらにまた、第1のオペレータインターフェースは、「位置を保存する」ボタンを有することができる。第1のオペレータインターフェースは、「位置を保存する」ボタンを押すことによって記録された座標、特に押した時点に記録された座標を、特にデータブロックに一時的に記憶するように構成され得る。これは、計数器、特に漏れ計数器が、起こり得る漏れの数を増加させることを可能にする。起こり得る漏れの位置の表現は、搬送方向の位置および搬送方向を横断する位置のそれぞれについて、いくつか、特に5つの変数を有することができる。この位置は、xおよびy位置と呼ばれることもできる。これらの変数の値は、特に漏れ計数器がゼロの値を有する場合、デフォルトでゼロとすることができる。漏れ計数器が1の値に増加するとすぐに、現在の位置値が第1の対の変数、特に第1の対のx-y変数に表示される。しかしながら、これは確実に、第1の漏れの位置値が、位置のスナップショットをとるのではなく、現在の測定位置まで同時に進み続けるという課題につながる。この課題は、側面を使用することによって解決され得る。ここで、漏れ計数器が値1に増加するとすぐに、パルス、特に100msの時間スパンを有するパルスが開始され得、これは、現在の位置値がパルスの時間スパンの間にのみ書き込まれるように構成される。起こり得る漏れの位置の表現は、特に漏れ計数器をリセットすることによって変数を値ゼロにリセットするように構成された「クリア」ボタンを特に有することができる。既に述べたように、この異常の数は、チェックされているフィルタ要素の臨界状態を示すため、特に最大5つの漏れの保存が提供され得る。ユーザインターフェースは、プローブを少なくとも1つの予め決定可能なプローブ位置、特に格納位置に特に移動させ、そこで粒子計数を実行するように特に構成され得る。このようにして、起こり得る漏れの保存された位置が再びチェックされ得る。
【0103】
上述したように、プローブは、プローブ開口部、特にプローブ漏斗を含むことができる。台車によるコンベヤベルトの搬送方向における粒子計数装置の増分がプローブ開口部の外径よりも小さくなるように、ユーザインターフェースは、特に第1のオペレータインターフェースを介して、台車によるコンベヤベルトの搬送方向におけるリニアガイドの段階的な移動を実行するように構成され得る。さらなる詳細は、図16および以下に与えられる関連する説明に見出すことができる。さらにまた、ユーザインターフェースは、プローブ位置に応じて粒子計数を記録し、特に表示するように構成され得る。
【0104】
さらにまた、粒子計数装置は、少なくとも1つの温度センサを備えることができる。温度センサは、滅菌トンネル内の温度を記録するように構成され得る。特に、温度センサは、滅菌トンネル内の空気の温度を記録するように構成され得る。温度センサは、特に、温度の測定値として電気信号を提供するように構成され得る電気または電子部品とすることができる。
【0105】
温度センサは、特に、台車に取り付けられることができる。粒子計数装置、特にユーザインターフェースは、特に第1のオペレータインターフェースおよび/または第2のオペレータインターフェースにおいて、少なくとも1つの温度閾値、特に定義された温度閾値を超えたときに警報を発するように構成され得る。さらにまた、粒子計数装置、特にユーザインターフェースは、少なくとも1つの温度閾値を超えたときに、台車によるコンベヤベルトの搬送方向におけるリニアガイドの移動を中断するように構成され得る。
【0106】
本発明のさらなる態様では、薬剤充填システムの滅菌トンネルが提案される。滅菌トンネルは、少なくとも1つのコンベヤベルトを備える。コンベヤベルトは、コンベヤベルトの搬送方向に沿って少なくとも1つの容器を案内するように構成される。さらにまた、滅菌トンネルは、少なくとも1つの微粒子フィルタを含む。さらにまた、滅菌トンネルは、既に説明したように、または以下に説明するように、微粒子フィルタとコンベヤベルトとの間に配置された少なくとも1つの粒子計数装置を備える。特に、粒子計数装置は、コンベヤベルト上に少なくとも部分的に配置され得る。粒子計数装置のプローブは、微粒子フィルタに面するプローブ開口部、特にプローブ漏斗を有する。
【0107】
滅菌トンネルはまた、少なくとも1つの給気ダクトを含むことができる。本明細書で使用される「給気ダクト」という用語は、当業者によって理解されるその通常の一般的な意味が与えられるべき広義の用語である。この用語は、特定の意味または適合した意味に限定されるものではない。この用語は、限定されるものではないが、特に、気体媒体、特に空気を含む給気が、別の装置に供給され得るような方向に導くように構成された装置を指すことができる。給気ダクトは、給気を滅菌トンネル、特に微粒子フィルタに供給するように構成され得る。給気ダクトは、特に、薬剤充填システムを囲む空気を滅菌トンネルに供給することができる。給気ダクトは、給気を他の装置に層流で供給するように構成され得る。
【0108】
給気ダクトは、周囲空気を吸い込むための少なくとも1つのファンを含むことができる。本明細書で使用される「ファン」という用語は、当業者によって理解されるその通常の一般的な意味が与えられるべき広義の用語である。この用語は、特定の意味または適合した意味に限定されるものではない。この用語は、限定されるものではないが、特に、気体媒体内の圧力を増加させることによって気体媒体を搬送するように構成された装置を指すことができる。ファンは、例えば、軸方向または半径方向に回転するプロペラを備えることができ、これは、このまさに回転によって気体媒体の圧力を増加させる。ファンは、負圧側面および正圧側面を有することができ、正圧側面の気体媒体内の圧力は、負圧側面よりも大きくすることができる。気体媒体は、特にファンの負圧側面から正圧側面に搬送され得る。ファンによって搬送される気体媒体は、空気、特に薬剤充填システムを囲む空気を含むことができる。ファンは、軸流ファン、斜めファン、ラジアルファン、遠心ファン、接線方向ファン、クロスフローファンから構成される群から選択され得る。
【0109】
滅菌トンネルは、少なくとも1つの吸引装置をさらに備えることができる。吸引装置は、コンベヤベルトの下方の空気を吸引するように構成され得る。本明細書で使用される「吸引装置」という用語は、当業者によって理解されるその通常の一般的な意味が与えられるべき広義の用語である。この用語は、特定の意味または適合した意味に限定されるものではない。この用語は、限定されるものではないが、特に、除去領域から気体媒体、特に空気を部分的に除去し、それを出力領域に供給するように構成された装置を指すことができる。部分的な除去は、特に、除去領域内の気体媒体の部分体積のみの除去を含むことができ、除去される部分体積は、吸引装置の抽出速度に依存する。除去領域は、別の装置によって少なくとも部分的に囲まれることができ、またはこの別の装置と少なくとも部分的に一致することができる。したがって、吸引装置は、特に除去領域から気体媒体を除去し、それを出力領域に供給することによって、この他の装置から気体媒体、例えば空気を輸送することができる。例えば、吸引装置の除去領域は、滅菌トンネルと少なくとも部分的に一致することができ、出力領域は、吸引装置が滅菌トンネルから空気を搬送することができるように、滅菌トンネルの外側に位置することができる。
【0110】
滅菌トンネルは、特に、少なくとも3つのゾーンを備えることができる。第1のゾーンは、暖機ゾーンとすることができる。暖機ゾーンは、入口と呼ばれることもできる。第2のゾーンは、滅菌ゾーンとすることができる。滅菌ゾーンは、高温部分と呼ばれることもできる。第3のゾーンは、冷却ゾーンとすることができる。第3のゾーンは、冷却ゾーンと呼ばれることもできる。コンベヤベルトは、滅菌トンネルを通って、特に一定の速度で移動するように構成され得る。
【0111】
暖機ゾーンは、容器を滅菌ゾーンの温度までゆっくりと上昇させるように構成され得る。特に、暖機ゾーンは、容器のガラスを加熱する、特にゆっくりと加熱するように、特にガラス内で生じる張力を低減し、ガラス破損の可能性を回避するように構成され得る。滅菌ゾーンは、容器の上および中の水を気化させるように構成され得る。さらにまた、滅菌ゾーンは、特に300℃を超える温度、好ましくは330℃で容器を滅菌するように構成され得る。冷却ゾーンは、特に制御された方法でガラス内の構築張力を低減するために、容器を特に60℃以下の温度に冷却する、特にゆっくりと冷却するように構成され得る。薬剤システムは、容器を冷却ゾーンから充填システムに輸送するように構成され得る。充填システムは、1つまたは複数の薬剤によって容器を充填するように構成され得る。さらにまた、充填システムは、充填後に容器を密封するように構成され得る。検査機は、充填された薬剤、特に粒子の汚染を検査するように構成され得る。検査機は、特に、薬剤の目視検査のために構成され得る。汚染が見出されない場合、薬剤は、包装のために放出される。
【0112】
暖機ゾーンは、少なくとも第1の給気ダクトと、少なくとも第1のファンと、第1の微粒子フィルタとを有することができる。第1ファンおよび第1の微粒子フィルタは、給気ダクトに配置され得る。第1の微粒子フィルタは、プレフィルタと呼ばれることもできる。第1のファンは、第1の微粒子フィルタを介して周囲空気、特にクリーンルームからの周囲空気を吸い込むように構成され得る。第1のファンはまた、吸い込まれた周囲空気を第1の微粒子フィルタに供給するように構成され得る。給気ダクトは、濾過された周囲空気を層流として供給するように構成され得る。濾過された空気は、滅菌トンネルのコンベヤベルトエリアを通って流れることができる。
【0113】
吸引装置は、少なくとも1つのさらなるファンを含むことができる。さらなるファンは、特に、コンベヤベルトの下方に配置され得る。さらなるファンは、コンベヤベルトの下方の空気、特に湿った空気を吸い出すように構成され得る。
【0114】
滅菌ゾーンは、循環手順で機能することができる。滅菌ゾーンは、少なくとも1つの第2のファンおよび少なくとも1つの第2の微粒子フィルタを有することができる。第2のファンは、コンベヤベルトの下方から空気を吸い出し、それをコンベヤベルトの上方の領域に導くように構成され得る。滅菌ゾーンはまた、空気を加熱するように構成された少なくとも1つの加熱ユニットを有することができる。第2のファンはまた、加熱された空気、特に高温の空気を第2の微粒子フィルタに供給するように構成され得る。高温空気は、コンベヤベルトエリアの上方に、特に層状に出現することができる。
【0115】
さらなるファンは、滅菌ゾーン内の空気、特に水蒸気で飽和した空気を吸い出すように、特に水蒸気で飽和した空気が滅菌ゾーン内に蓄積するのを防止するように構成され得る。滅菌ゾーンはまた、少なくとも第3の微粒子フィルタを有することができる。必要に応じて、周囲空気が第3の微粒子フィルタを介して流入することができる。
【0116】
冷却ゾーンは、少なくとも第3のファンおよび少なくとも第4の微粒子フィルタを有することができる。第3のファンは、周囲空気、特に冷たい周囲空気、特に冷たいクリーンルーム空気を吸い込み、それを第4の微粒子フィルタに押し通すように構成され得る。出現する層流は、容器を冷却するように構成され得る。
【0117】
滅菌トンネルはまた、少なくとも第4のファンおよび少なくとも1つのドレインチャネルを有することができる。第4のファンは、特に冷却ゾーンのファンとすることができる。第4のファンは、コンベヤベルトの下方の空気、特に加熱された空気、特に冷却ゾーン内の空気を吸い出し、それを排気ダクトに供給するように構成され得る。
【0118】
個々のゾーン、特に暖機ゾーン、滅菌ゾーンおよび冷却ゾーンにおける層流空気流は、上から下に流れることができる。これにより、滅菌トンネル内に存在する任意の粒子が下方に押し下げられ、粒子が容器に入らないことを確実に保証する。滅菌トンネル、特に滅菌トンネル全体では、特に粒子が滅菌トンネルに入ることができないように、過圧、特に僅かな過圧が存在する可能性もある。
【0119】
本発明のさらなる態様では、薬剤充填システムの滅菌トンネル内での粒子計数のために、既に説明したまたは以下に説明する粒子計数装置の使用が提案される。
【0120】
本発明のさらなる態様では、既に説明したまたは以下に説明するように、粒子計数装置を使用する薬剤充填システムの滅菌トンネル内での粒子計数のための方法が提案される。粒子計数方法は、漏れ試験とも呼ばれることができる。
【0121】
滅菌トンネルの2つの異なる動作状態の間には基本的な違いがある。第1の動作状態は、「静止している」と説明することができる。「静止している」場合、粒子計数方法を実行している間、滅菌トンネル全体が低温状態にされ得る。特に、ファンは、滅菌トンネルに空気を供給するように動作することができる。しかしながら、ヒータはオフにされ得、特に、コンベヤベルト上に容器を存在させることができない。第2の動作状態は、「動作中」と説明することができる。「動作中」の場合、クリーンルームのクラス判定が製造条件で行われ得る。滅菌トンネルは、高温状態にされ得る。滅菌トンネルに空気を供給するためのファンが作動され得、ヒータがオンにされ得、コンベヤベルト上に容器を存在させることもできない。
【0122】
粒子計数方法は、厳密にはシステムの「静止」状態で実行される。微粒子フィルタ、特にHEPAフィルタは、未処理空気側の公称体積流量で作用され得る。公称体積流量は、基本的に、微粒子フィルタが動作条件下で滅菌トンネル内で使用され得る空気の量を意味する。微粒子フィルタの前方の給気ダクト内の空気は、未処理空気と定義され得る。微粒子フィルタを通って流れた後の空気は、清浄空気として定義され得る。
【0123】
粒子計数方法を実行する場合、エアロゾル発生器は、定義された特性を有する一定の試験エアロゾルを発生させることができる。粒子濃度は、ニードル弁を備えた調整可能な流量計を使用して調整され得る。粒子材料としては、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHS)が使用され得る。微粒子フィルタの前で、未処理空気側で、この試験エアロゾルは、試験ソケットを介して導入され得る。未処理空気側の粒子濃度は、その上流に接続された希釈段を有する粒子計数器によって監視され得る。希釈段は、1:1000の希釈係数で吸引された粒子を減少させることができる。粒子計数器は、粒子とともに空気を吸い込み、それらのサイズおよび量を測定し、それらを評価することができる。粒子計数器のセンサは、0.3μmから10μmのサイズの粒子を測定して計数することができる。希釈段は、粒子計数器が厳密に粒子の最大濃度を測定することができ、希釈段なしではこの濃度を超えることがあるために必要であり得る。
【0124】
清浄空気側では、粒子の数は、規定の等速プローブを用いて測定され得、そのチューブは、適切なホースを用いて別の粒子計数器に接続される。測定中、以下により詳細に説明するように、フィルタ表面全体が段階的に移動され得る。さらなる粒子計数器は、プローブを介して出現する清浄空気を吸い込み、測定された粒子数を評価することができる。
【0125】
粒子計数方法の一部として、測定プロセスごとの清浄空気側の粒子の定義された数は、未処理空気側の粒子の数に依存することができる。未処理空気側の粒子数と清浄空気側の許容粒子数の正確な比率は、社内で説明および決定され得る。微粒子フィルタの機能をチェックすることにより、未処理空気側で粒子の数が規定されて増加しても、滅菌トンネル内のクリーンルーム領域が汚染されないこと、特に特定の点で汚染されないことが保証され得る。粒子計数方法の一部として、スキャナは、粒子計数の開始と同時に、特に微粒子フィルタの下方の領域を独立して走査しながら、以下に列挙するステップを実行することができる。
【0126】
本方法は、以下に列挙するステップを含む。本方法は、言及されていないさらなるステップを含んでもよい。
【0127】
粒子計数方法は、以下のステップを含む:
a)台車によるコンベヤベルトの搬送方向への横方向ランナーの移動、特に段階的な移動、および
b)リニアガイドによって、好ましくは一定の速度で、搬送方向に対して横断して、特に本質的に垂直に、プローブホルダを案内すること。
【0128】
ステップa)およびステップb)は、次々に繰り返し実行される。
【0129】
ステップa)の間、台車は、コンベヤベルトの搬送方向に規定の距離だけ移動され得る。この距離は、増分と呼ばれることができる。ステップa)を実行する前に、プローブホルダは、リニアガイドの第1の端部に配置され得る。ステップb)の間、プローブホルダは、リニアガイドの第1の端部から第2の端部に案内され得る。これは、プローブホルダの蛇行トラックをもたらすことができる。さらにまた、プローブは、外径を有するプローブ開口部、特にプローブ漏斗を備えることができ、ステップa)は、台車によるコンベヤベルトの搬送方向における粒子計数装置の増分がプローブ開口部の外径よりも小さくなるように実行される。これは、微粒子フィルタの下方の領域が重なり合う経路で走査され得ることを意味する。さらなる詳細は、図16および以下に与えられる関連する説明に見出すことができる。ステップa)および/またはステップb)は、特に、手動または自動で実行され得る。さらなる詳細については、上記の説明を参照されたい。特に、本方法は、粒子計数器による粒子計数を含むことができる。特に、粒子計数は、ステップb)の間またはステップa)およびステップb)の間に行うことができる。
【0130】
本方法は、特に、コンピュータ実装方法とすることができる。本明細書で使用される「コンピュータ実装」という用語は、当業者によって理解されるその通常の一般的な意味が与えられるべき広義の用語である。この用語は、特定の意味または適合した意味に限定されるものではない。この用語は、限定されるものではないが、特に、データ処理手段を使用して、特に少なくとも1つのプロセッサを使用して、完全にまたは部分的に実装されるプロセスを指すことができる。プログラムされた移動速度および移動経路により、最も後方のフィルタ表面であっても粒子計数の再現性が保証され得る。
【0131】
上述したように、粒子計数装置は、少なくとも1つの温度センサを備えることができる。本方法が実行されている間、少なくとも1つの温度センサを使用して滅菌トンネル内の温度が記録され得、温度が所定の限界値を超える場合、ステップa)は中止され得る。
【0132】
上述したように、リニアガイドは、少なくとも1つの駆動装置を有することができる。駆動装置は、少なくとも1つの第1のモータを有することができる。さらにまた、粒子計数装置は、台車を駆動するように構成された少なくとも1つの第2のモータを有することができる。
【0133】
コントローラは、それぞれ、モータ駆動装置を解放についての少なくとも1つのデジタル出力と、第1のモータおよび第2のモータの移動方向についての少なくとも1つのデジタル出力とを有することができる。ステップa)および/またはステップb)を実行するとき、以下の一連のステップが実行され得る。
i.モータ駆動装置解放についてのデジタル出力のアクティブ化、および
ii.パルス信号の生成。
【0134】
特に、ステップa)を実行するとき、第2のモータの第2のモータ駆動装置のモータ駆動装置解放についてのデジタル出力がアクティブ化され得る。特に、ステップb)を実行するとき、第1のモータの第1のモータ駆動装置のモータ駆動装置解放についてのデジタル出力がアクティブ化され得る。
【0135】
ステップi.およびステップii.は、互いに異なる時間に実行され得る。特に、ステップi.およびステップii.は、100msまたは200msの時間間隔で実行され得る。他の時間間隔も当然考えられる。
【0136】
特に、ステップi.を実行した後、移動方向についてのデジタル出力がアクティブ化される。特に、移動方向についてのデジタル出力は、台車が搬送方向に、特に前進して移動するときに、ステップa)においてアクティブ化され得る。台車が搬送方向に対して、特に後方への移動で移動する場合、移動方向についてのデジタル出力が非アクティブ化され得る。特に、ステップb)における移動方向についてのデジタル出力は、プローブホルダがガイドレールの第1の端部からガイドレールの第2の端部に案内されるときにアクティブ化され得、プローブホルダをガイドレールの第2の端部からガイドレールの第1の端部に案内するときに、移動方向についてのデジタル出力が非アクティブ化され得、またはその逆も可能である。
【0137】
上述したように、粒子計数装置、特にコントローラは、少なくとも1つの第1の順方向および逆方向計数器と、少なくとも1つの第2の順方向および逆方向計数器と、少なくとも1つのさらなる順方向および逆方向計数器とを備えることができる。第1のモータの第1のパルスは、少なくとも1つの第1の順方向および逆方向計数器を使用して計数され得、第2のモータの第2のパルスは、少なくとも1つの第2の順方向および逆方向計数器を使用して計数され得る。リニアガイド上のプローブの位置は、第1のモータの第1のパルスによって決定され得、コンベヤベルト上の台車の位置は、第2のモータの第2のパルスによって決定され得る。ステップa)を実行した後、第2のモータのさらなる順方向および逆方向計数器は、ゼロにリセットされ得る。ステップb)を実行した後、プローブが第1のエンドストップにあるときに、第1のモータの第1の順方向および逆方向計数器は、ゼロにリセットされ得る。粒子計数が所定の限界値を超える場合、上記でより詳細に説明したように、コンベヤベルト上のプローブの位置が記録、特に記憶され得る。
【0138】
本発明のさらなる態様では、コンピュータプログラムが提案される。既に説明したように、または以下に説明するように、粒子計数装置のコントローラ上で実行されると、コンピュータプログラムは、既に説明したように、または以下に説明するように方法を実行する。
【0139】
本発明のさらなる態様では、コンピュータプログラム製品であって、機械可読媒体に記憶されたプログラムコード手段を備え、プログラムが既に説明したまたは以下に説明する粒子計数装置のコントローラ上で実行される場合に、既に説明したまたは以下に説明する方法を実行するためのコンピュータプログラム製品が提案される。
【0140】
コンピュータプログラム製品は、取引可能な製品としてのプログラムを意味すると理解される。それは、本質的に任意の形態で、例えば紙またはコンピュータ可読データキャリア上に存在することができ、特にデータ伝送ネットワークを介して配信され得る。特に、プログラムコード手段は、コンピュータ可読データキャリアおよび/またはコンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。本明細書で使用される「コンピュータ可読データキャリア」および「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、特に非一時的データ記憶、例えばコンピュータ実行可能命令が記憶されるハードウェアデータ記憶媒体を指し得る。コンピュータ可読データキャリアまたはコンピュータ可読記憶媒体は、特に、ランダムアクセスメモリ(RAM)および/または読み出し専用メモリ(ROM)などの記憶媒体とすることができるか、またはそれを含むことができる。
【0141】
さらに、本発明の範囲内で、コンピュータまたはコンピュータネットワークのワーキングメモリおよび/またはメインメモリにロードされた後に、既に説明したまたは以下に説明するように、本方法を実行することができるデータ構造が記憶されるデータキャリアが提案される。
【0142】
最後に、本発明の範囲内で、既に説明したまたは以下に説明する方法を実行するためのコンピュータシステムまたはコンピュータネットワークによって実行され得る命令を含む変調データ信号が提案される。
【0143】
本発明のコンピュータ実装態様に関して、本明細書で提案される実施形態の1つまたは複数にかかる方法の1つ、いくつか、またはさらには全ての方法ステップは、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用して実行され得る。したがって、一般に、データの提供および/または操作を含む方法ステップのいずれも、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用して実行され得る。一般に、これらのステップは、サンプルおよび/または実際の測定を実行する特定の態様を提供するなど、手動作業を必要とするステップを除く方法ステップのいずれかを含み得る。
【0144】
提案された装置および方法は、既知の装置および方法よりも多くの利点を有する。
【0145】
滅菌トンネル内の粒子測定は、一般に、滅菌トンネル内で使用される微粒子フィルタが適切に機能していることを保証する。従来技術から知られているプローブの手動案内により、検査員は、微粒子フィルタのフィルタ表面全体を記録することができる。
【0146】
しかしながら、プローブ移動の速度および移動経路は、各試験でより大きいかまたはより小さい変動を受ける。検査員によるプローブの現在の手動案内により、エラーが発生する可能性があり、これは起こり得る漏れが記録されないことを意味する。特定の点で増加した粒子濃度を測定する場合、検査員はまた、偏差が最初に測定された正確な位置を見つけることが困難である。これは、時間消費の増加を伴う可能性がある。
【0147】
提案された装置および方法は、部分的に自動化された粒子測定を達成するために使用され得る。特に、スキャナは、特に様々な滅菌トンネル内の微粒子フィルタの粒子測定の一部として異なるサイズのフィルタ表面を走査するために、プローブを半自動的に案内するために使用され得る。粒子計数装置は、異なる次元の滅菌トンネル内で柔軟に使用され得る。
【0148】
微粒子フィルタの漏れ試験の部分的な自動化は、時間およびコストを節約することができる。プロセスの部分的な自動化は、基本的に、粒子測定用のプローブがフィルタ表面、特にフィルタ表面全体にわたって、少なくともほぼ一貫して、最適な経路で一定の速度で移動することができることを保証する。一方では、これは高品質の充填薬剤をもたらすことができる。さらに、微粒子フィルタのいかなる漏れも発見されて局所化され得るため、排出物が実質的に低減され得る。一方では、検査員は、もはや長く面倒なロッド、特にパイプラインを使用する必要がないため、検査員の負担が軽減され得る。
【0149】
プロセス自動化は、測定プロセスがより短い時間および再現可能な条件下で実行され得るため、測定プロセスの改善をさらにもたらすことができる。これはまた、薬剤充填システムの利用可能性を高めることができる。
【0150】
プローブは、滑ることなく、規定の経路および規定の速度で測定される微粒子フィルタのフィルタ表面上を案内され得る。指定された経路の軌跡は、特定の値だけ重なり合うことができるが、この値を超えない。プローブの半自動案内は、依然として、社内で運用される様々なタイプの滅菌トンネルに柔軟に適合され得る。これは、プローブが全領域にわたって案内されることを可能にする。移動経路は、滅菌トンネル内の微粒子フィルタのフィルタ表面全体を再現可能に覆うことができるように、且つ一方で試験時間を最小限に抑え、したがってシステムの利用可能性を高めるために、最適に調整され得る。
【0151】
粒子計数装置は取り扱いが容易であり、異なる滅菌トンネルタイプの異なる次元に柔軟に適合され得る。粒子計数装置のサイズおよび重量は、可能な限り低く保たれることができる。粒子計数装置の全高は、滅菌トンネル内の最小の通路高さよりも小さくすることができるが、構造的に実現可能な限り低くすることができる。プローブは、粒子計数装置の最高点を表すことができる。構成要素は、移動経路のプログラミングおよび視覚化が可能であるように選択され得る。さらに、適切な使用によって怪我を避けるために、オペレータの安全性が尊重され得る。
【0152】
粒子計数装置の取り扱いを検査員にとってより容易にするために、粒子計数装置の総重量は可能な限り低くすることができる。重量を減らすために、アルミニウムまたはプラスチック、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはポリオキシメチレン(POM)などの軽量材料が好ましく使用され得る。ステンレス、オーステナイト鋼も使用され得、これらはそれらのより高い重量のために限られた範囲でしか使用されない。粒子計数装置は、製薬部門の製造プラントにおいて使用され得るため、使用される材料は、例えばイソプロパノールを含むことができる表面消毒剤によって洗浄され得る。規則(EC)No.1935/2004に記載の要件が満たされ得る。粒子計数方法は、室温で実行され得る。したがって、材料の耐熱性は、本質的にあまり重要ではない。必要に応じて必要な部品を迅速且つ容易に調達および交換することを可能にするために、標準的な構成要素は、少なくとも大部分使用され得る。これはまた、製造コストを最小限に抑えることを可能にする。
【0153】
滅菌トンネルのコンベヤベルトは、ステンレス鋼から作製されたワイヤメッシュから作製され得る。ワイヤメッシュは、高温などの一般的な条件下で確実に機能するために、コンベヤベルトに必要な通気性、可撓性、および耐熱性を提供することができる。しかしながら、コンベヤベルトの粗いメッシュ構造に起因して、スキャナとワイヤメッシュとの間の結果として生じる接触面積は非常に小さくなることができる。したがって、ここでは少量の摩擦が生じる可能性がある。摩擦は、Oリングを車輪、特に駆動輪および/または後輪に取り付けることによって増加され得る。
【0154】
さらにまた、スキャナは、滑りのない方法で移動することができ、その結果、2つの測定間の移動経路には偏差がないか、僅かしかない。さらに、スキャナの構成要素および滅菌トンネルとスキャナとの間の研磨摩耗が回避されるかまたは少なくとも低減される。これは、粒子が滅菌トンネルに導入されるのを防ぐことができる。油または脂肪による潤滑を必要としない構成要素も使用され得る。このようにして、滅菌トンネル内の汚染が厳密に回避され得る。
【0155】
スキャナは、横方向ランナーおよび台車の少なくとも2つのモジュールを有することができる。粒子計数装置は、160mmの最大高さおよび600mmの最大幅を有することができる。特に、粒子計数装置は、116mmの高さを有することができる。これは、検査員が測定プロセスの前に粒子計数装置を滅菌トンネルに挿入して配置するときの取り扱いを容易にする。
【0156】
横方向ランナーは、交換可能とすることができる。これは、滅菌トンネルの異なるトンネル幅に粒子計数装置を柔軟に適合させて使用することを可能にする。横方向ランナーは、工具なしで台車に取り付けられることができる。横方向ランナーの長さは、コンベヤベルト幅よりも小さくすることができる。プローブとコンベヤベルトの側方境界との間の距離は、可能な限り小さくすることができる。コンベヤベルトの搬送方向に対して横断して案内されるときの5.9cm/sのプローブの移動速度が達成され得る。滑りなし運動が達成され得る。粒子計数装置は、非常に高い反復精度を有することができる。
【0157】
5090gの粒子計数装置の総重量が達成され得る。これは、検査員が取り扱いやすい小型の粒子計数装置を実現することを可能にする。横方向ランナーは、追加の工具なしで検査員によって容易に交換され得、したがって、粒子計数装置は、異なる滅菌トンネルタイプのそれぞれのトンネル幅に適合され得る。
【0158】
粒子計数装置の助けを借りて、粒子計数方法は、所定の経路上で所定の時間に所定の速度で正確に実行され得る。測定値の実質的に完全な再現性も可能である。
【0159】
さらに、粒子計数装置、特にスキャナのプログラミングおよび視覚化によって、コンベヤベルト上のプローブの位置が本質的にいつでも決定および監視され得る。
【0160】
要約すると、さらなる可能な構成を限定することなく、以下の実施形態が提案される:
実施形態1:薬剤充填システムの滅菌トンネル内の粒子を計数するための粒子計数装置であって、滅菌トンネルが少なくとも1つのコンベヤベルトを備え、粒子計数装置が、
滅菌トンネル内で粒子を受け取るための、粒子計数器に接続され得る少なくとも1つのプローブと、
プローブを取り付けるための少なくとも1つのプローブホルダを有する少なくとも1つのスキャナと
を備え、スキャナが、
少なくとも1つのリニアガイドを有する少なくとも1つの横方向ランナーであって、リニアガイドが、プローブホルダを滅菌トンネルのコンベヤベルトの搬送方向に対して横断して、特に本質的に垂直に案内するように構成される、少なくとも1つの横方向ランナーと、
少なくとも1つの台車であって、横方向ランナーが台車に取り付けられ、台車が、コンベヤベルトの搬送方向にリニアガイドを移動させるように構成される、少なくとも1つの台車と、
少なくとも1つのコントローラ、特に台車に接続されたコントローラであって、スキャナの移動を制御するように構成されたコントローラと
を備える、粒子計数装置。
【0161】
実施形態2:コントローラがプログラマブルロジックコントローラを含む、先行する実施形態に記載の粒子計数装置。
【0162】
実施形態3:プローブホルダがリニアガイドに取り付けられる、先行する実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0163】
実施形態4:粒子計数装置が、プローブに接続され得る少なくとも1つの粒子計数器をさらに含む、先行する実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0164】
実施形態5:粒子計数器が、定置式の粒子計数器として設計され、粒子計数器およびプローブが、少なくとも1つのパイプライン、特に可撓性パイプラインによって互いに接続される、先行する実施形態に記載の粒子計数装置。
【0165】
実施形態6:少なくとも1つの定置式のユーザインターフェースをさらに備え、ユーザインターフェースがスキャナに接続され、スキャナの移動が、ユーザインターフェースによって制御可能である、先行する実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0166】
実施形態7:ユーザインターフェースが、グラフィカルユーザインターフェース、特に少なくとも1つのタッチスクリーンを有するグラフィカルユーザインターフェースを有する、先行する実施形態に記載の粒子計数装置。
【0167】
実施形態8:粒子計数のための少なくとも1つの移動経路および/または測定位置が、ユーザインターフェースによって予め決定可能である、先行する2つの実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0168】
実施形態9:移動経路が、搬送方向に対して横断方向および平行方向のプローブの交互の移動を伴う蛇行パターンを含む、先行する実施形態に記載の粒子計数装置。
【0169】
実施形態10:少なくとも1つの移動経路および/または測定位置が、手動操作または自動操作において予め決定可能である、先行する2つの実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0170】
実施形態11:さらにまた、少なくとも1つの速度が、特に手動操作において、少なくとも1つの移動経路に対して予め決定され得る、先行する実施形態に記載の粒子計数装置。
【0171】
実施形態12:ユーザインターフェースが、プローブを少なくとも1つの予め決定可能なプローブ位置に特に移動させ、そこで粒子計数を実行するようにさらに構成されている、先行する6つの実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0172】
実施形態13:ユーザインターフェースが、プローブ位置に応じて粒子計数を記録し、特に表示するように構成され、特に、ユーザインターフェースが、粒子計数器にさらに接続される、先行する7つの実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0173】
実施形態14:ユーザインターフェースが、リニアガイドを台車によってコンベヤベルトの搬送方向に段階的に移動させるように構成され、ユーザインターフェースが、横方向ランナーによってプローブホルダを搬送方向に対して横断して、特に本質的に垂直に移動させるようにさらに構成される、先行する8つの実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0174】
実施形態15:プローブがプローブ開口部、特にプローブ漏斗を備え、台車によるコンベヤベルトの搬送方向における粒子計数装置の増分がプローブ開口部の外径よりも小さくなるように、ユーザインターフェースが、台車によるコンベヤベルトの搬送方向におけるリニアガイドの段階的な移動を実行するように構成される、先行する実施形態に記載の粒子計数装置。
【0175】
実施形態16:粒子計数装置が、コンベヤベルト上の搬送方向の次元におけるプローブの位置を決定するための少なくとも1つのy位置センサを有する、先行する実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0176】
実施形態17:y位置センサが、台車、特に台車の駆動装置に接続されている、先行する実施形態に記載の粒子計数装置。
【0177】
実施形態18:台車がステッピングモータを有し、y位置センサがステッピングモータのインクリメンタルエンコーダを備える、先行する実施形態に記載の粒子計数装置。
【0178】
実施形態19:粒子計数装置が、コンベヤベルト上の搬送方向を横断する次元、特に搬送方向に本質的に垂直な次元におけるプローブの位置を決定するための少なくとも1つのx位置センサを有する、先行する実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0179】
実施形態20:x位置センサが、リニアガイド、特にリニアガイドの駆動装置に接続されている、先行する実施形態に記載の粒子計数装置。
【0180】
実施形態21:リニアガイドがステッピングモータを有し、x位置センサがステッピングモータのインクリメンタルエンコーダを備える、先行する実施形態に記載の粒子計数装置。
【0181】
実施形態22:横方向ランナーが、コンベヤベルトの搬送方向を横断するプローブの限界の位置を決定するための少なくとも2つのリミットスイッチ、特に少なくとも2つのローラリミットスイッチを備える、先行する実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0182】
実施形態23:台車が、搬送方向における粒子計数装置の少なくとも1つの限界の少なくとも1つの位置を決定するための少なくとも1つのリミットスイッチ、特に少なくとも1つのばねロッドリミットスイッチを有する、先行する実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0183】
実施形態24:粒子計数装置が、少なくとも1つの温度センサをさらに備え、温度センサが、滅菌トンネル内の温度を記録するように構成される、先行する実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0184】
実施形態25:粒子計数装置が、少なくとも1つの温度閾値を超えたときに警報を発するように構成される、先行する実施形態に記載の粒子計数装置。
【0185】
実施形態26:粒子計数装置が、少なくとも1つの温度閾値を超えたときに、台車によるコンベヤベルトの搬送方向におけるリニアガイドの移動を中断するように構成される、先行する実施形態に記載の粒子計数装置。
【0186】
実施形態27:リニアガイドがベースプレートに取り付けられ、リニアガイドがベースプレートによって台車に取り付けられる、先行する実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0187】
実施形態28:ベースプレートがアルミニウムから作製される、先行する実施形態に記載の粒子計数装置。
【0188】
実施形態29:ベースプレートが、少なくとも1つのねじ接続、少なくとも1つのクリック接続、少なくとも1つのテンションレバー接続からなる群から選択される少なくとも1つの接続によって台車に取り付けられる、先行する実施形態に記載の粒子計数装置。
【0189】
実施形態30:リニアガイドがすべり軸受を有する、先行する実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0190】
実施形態31:リニアガイドが、ガイドレール、特にT字形ガイドレールと、ガイドレールに取り付けられたガイドキャリッジとを有し、プローブがガイドキャリッジに取り付けられることができる、先行する実施形態の1つに記載の粒子計数装置。
【0191】
実施形態32:ガイドレールが、浮動軸受、特にコンベヤベルトの搬送方向を横断する方向の浮動軸受として構成される、先行する実施形態に記載の粒子計数装置。
【0192】
実施形態33:リニアガイドが、スピンドル駆動装置、歯付きベルト駆動装置、ラックアンドピニオン駆動装置からなる群から選択される少なくとも1つの駆動装置を有し、リニアガイドが少なくとも1つのラックアンドピニオン駆動装置を有し、ラックアンドピニオン駆動装置が少なくとも1つのラックおよび少なくとも1つの平歯車を有する、先行する実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0193】
実施形態34:ラックが円形断面を有する、先行する実施形態に記載の粒子計数装置。
【0194】
実施形態35:ラックがオーステナイト系ステンレス鋼から作製される、先行する2つの実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0195】
実施形態36:ラックがリニアガイドの上方の中央に配置されている、先行する3つの実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0196】
実施形態37:平歯車がポリオキシメチレン(POM)から作製される、先行する4つの実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0197】
実施形態38:駆動装置が、サーボモータ、ステッピングモータからなる群から選択される少なくとも第1のモータを備える、先行する5つの実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0198】
実施形態39:駆動装置が、ラックおよび平歯車を備えるラックアンドピニオン駆動装置を備え、平歯車が第1のモータのシャフトにクランプされ、第1のモータが取り付けブラケットを用いてガイドキャリッジに取り付けられる、先行する実施形態に記載の粒子計数装置。
【0199】
実施形態40:プローブホルダがガイドキャリッジに取り付けられる、先行する9つの実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0200】
実施形態41:プローブホルダがポリオキシメチレン(POM)から作製される、先行する実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0201】
実施形態42:プローブホルダが、プローブを受け入れるための少なくとも1つの溝を有し、プローブホルダが、少なくとも1つのクランププレートをさらに有し、クランププレートが、プローブを固定するように構成される、先行する実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0202】
実施形態43:横方向ランナーが、台車の中央に取り付けられる、先行する実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0203】
実施形態44:台車が少なくとも1種のオーステナイト系ステンレス鋼から作製される、先行する実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0204】
実施形態45:台車が少なくとも2つの駆動輪を有する、先行する実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0205】
実施形態46:駆動輪がポリオキシメチレン(POM)から作製される、先行する実施形態に記載の粒子計数装置。
【0206】
実施形態47:駆動輪が、それぞれ、駆動輪の少なくとも1つの周面上に互いに離間して配置されるいくつかのOリングを有する、先行する2つの実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0207】
実施形態48:Oリングが、それぞれ、駆動輪の周面の溝に受け入れられる、先行する実施形態に記載の粒子計数装置。
【0208】
実施形態49:駆動輪がそれぞれ車軸に取り付けられる、先行する4つの実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0209】
実施形態50:粒子計数装置が、ステッピングモータ、サーボモータからなる群から選択される少なくとも第2のモータを備え、第2のモータが、駆動輪のうちの少なくとも1つを駆動するように構成される、先行する5つの実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置。
【0210】
実施形態51:薬剤充填システムの滅菌トンネルであって、
少なくとも1つのコンベヤベルトであって、コンベヤベルトが、コンベヤベルトの搬送方向に沿って少なくとも1つの容器を案内するように構成される、少なくとも1つのコンベヤベルトと、
少なくとも1つの微粒子フィルタと、
粒子フィルタとコンベヤベルトとの間に配置された、先行する実施形態のうちの1つに記載の少なくとも1つの粒子計数装置と
を備え、粒子計数装置のプローブが、微粒子フィルタに面するプローブ開口部、特にプローブ漏斗を有する、滅菌トンネル。
【0211】
実施形態52:滅菌トンネルが、少なくとも1つの給気ダクトをさらに備え、給気ダクトが、周囲空気を吸い込む少なくとも1つのファンを備える、先行する実施形態に記載の滅菌トンネル。
【0212】
実施形態53:滅菌トンネルが、少なくとも1つの吸引装置をさらに備え、吸引装置が、コンベヤベルトの下方から空気を吸い出すように構成される、先行する2つの実施形態のうちの1つに記載の滅菌トンネル。
【0213】
実施形態54:薬剤充填システムの滅菌トンネル内の粒子計数のための、先行する実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置の使用。
【0214】
実施形態55:先行する実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置を使用して薬剤充填システムの滅菌トンネル内の粒子を計数するための方法であって、以下のステップ、即ち、
a)台車によるコンベヤベルトの搬送方向におけるリニアガイドの移動ステップ、特に段階的な移動ステップと、
b)リニアガイドによって搬送方向に対して横断して、特に本質的に垂直にプローブホルダを案内するステップと
を含み、
ステップa)およびステップb)が、交互に繰り返し実行される、方法。
【0215】
実施形態56:ステップa)を実行する前に、プローブホルダがリニアガイドの第1の端部に配置され、ステップb)において、プローブホルダがリニアガイドの第1の端部から第2の端部に案内される、先行する実施形態に記載の方法。
【0216】
実施形態57:滅菌トンネル内の温度が、少なくとも1つの温度センサによって方法の実行中にさらに記録され、温度が所定の限界値を超える場合、ステップa)が中止される、先行する2つの実施形態のうちの1つに記載の方法。
【0217】
実施形態58:ステップa)および/またはステップb)が手動操作で実行される、先行する3つの実施形態のうちの1つに記載の方法。
【0218】
実施形態59:ステップa)および/またはステップb)が自動的に実行される、先行する4つの実施形態のうちの1つに記載の方法。
【0219】
実施形態60:リニアガイドが少なくとも1つの駆動装置を有し、駆動装置が少なくとも1つの第1のモータを有し、粒子計数装置が少なくとも1つの第2のモータをさらに有し、第2のモータが台車を駆動するように構成され、第1のモータおよび第2のモータのためのコントローラが、それぞれ、移動方向についての少なくとも1つのデジタル出力と、モータ駆動装置解放についての少なくとも1つのデジタル出力とを有し、ステップa)および/またはステップb)が実行されると、以下の一連のステップ、即ち、
i.モータ駆動装置解放についてのデジタル出力のアクティブ化、および
ii.パルス信号の生成
が実行される、先行する5つの実施形態のうちの1つに記載の方法。
【0220】
実施形態61:ステップi.およびステップii.が互いに異なる時間に実行される、先行する実施形態に記載の方法。
【0221】
実施形態62: ステップi.を実行した後、移動方向についてのデジタル出力がアクティブ化される、先行する2つの実施形態のうちの1つに記載の方法。
【0222】
実施形態63:第1のモータの第1のパルスが、少なくとも第1の順方向および逆方向計数器によって計数され、第2のモータの第2のパルスが、少なくとも第2の順方向および逆方向計数器によって計数され、リニアガイド上のプローブの位置が、第1のモータの第1のパルスによって決定され、コンベヤベルト上の台車の位置が、第2のモータの第2のパルスによって決定される、先行する4つの実施形態のうちの1つに記載の方法。
【0223】
実施形態64:リニアガイドが第1のエンドストップおよび第2のエンドストップを有し、ステップb)を実行した後、プローブが第1のエンドストップにあるときに第1のモータの第1の順方向および逆方向計数器がゼロにリセットされる、先行する実施形態に記載の方法。
【0224】
実施形態65:粒子計数が所定の限界値を超える場合、コンベヤベルト上のプローブの位置が記録される、先行する10個の実施形態のうちの1つに記載の方法。
【0225】
実施形態66:プローブが、外径を有するプローブ開口部、特にプローブ漏斗を備え、ステップa)は、台車によるコンベヤベルトの搬送方向における粒子計数装置の増分がプローブ開口部の外径よりも小さくなるように実行される、先行する11個の実施形態のうちの1つに記載の方法。
【0226】
実施形態67:コンピュータプログラムであって、粒子計数装置に関する先行する実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置のコントローラ上で実行されると、方法に関する先行する実施形態のうちの1つに記載の方法を実行するコンピュータプログラム。
【0227】
実施形態68:プログラムが、粒子計数装置に関する先行する実施形態のうちの1つに記載の粒子計数装置のコントローラ上で実行される場合、方法に関する先行する実施形態のうちの1つに記載の方法を実行するために機械可読キャリア上に記憶されたプログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品。
【図面の簡単な説明】
【0228】
さらなる詳細および特徴は、特に従属請求項に関連して、例示的な実施形態の以下の説明から生じる。それぞれの特徴は、個別にまたは互いに組み合わせて実装され得る。本発明は、例示的な実施形態に限定されるものではない。例示的な実施形態は、図面に概略的に示されている。個々の図における同じ参照符号は、それらの機能に関して対応する同じまたは機能的に同一の要素または要素を示す。
【0229】
詳細には、図は以下を示す。
【0230】
図1】薬剤充填システムの滅菌トンネルの実施形態の側面図を示している。
図2】滅菌トンネルにおける漏れ試験の概略構造を示している。
図3】粒子計数装置またはその一部の実施形態の異なる図を示している。
図4】粒子計数装置またはその一部の実施形態の異なる図を示している。
図5】粒子計数装置またはその一部の実施形態の異なる図を示している。
図6】粒子計数装置またはその一部の実施形態の異なる図を示している。
図7】粒子計数装置またはその一部の実施形態の異なる図を示している。
図8】粒子計数装置またはその一部の実施形態の異なる図を示している。
図9】粒子計数装置またはその一部の実施形態の異なる図を示している。
図10】粒子計数装置またはその一部の実施形態の異なる図を示している。
図11】粒子計数装置またはその一部の実施形態の異なる図を示している。
図12】粒子計数装置またはその一部の実施形態の異なる図を示している。
図13】粒子計数装置またはその一部の実施形態の異なる図を示している。
図14】粒子計数装置またはその一部の実施形態の異なる図を示している。
図15】滅菌トンネル内の粒子計数装置の概略平面図を示している。
図16】滅菌トンネル内の粒子計数装置の幾何学的次元を示している。
図17A】本発明にかかる粒子計数方法についての例示的な一連のステップを示している。
図17B】制御信号の例示的な時間図を示している。
図17C】本発明にかかる粒子計数方法についての例示的な一連のステップを示している。
図18A】ユーザインターフェースオペレータインターフェースを示している。
図18B】ユーザインターフェースオペレータインターフェースを示している。
図18C】パルス表現を示している。
図18D】ユーザインターフェースオペレータインターフェースを示している。
図18E】ユーザインターフェースオペレータインターフェースを示している。
図18F】ユーザインターフェースオペレータインターフェースを示している。
図19】コントローラのプログラミングの例示的な実施形態を示している。
図20】コントローラのプログラミングの例示的な実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0231】
例示的な実施形態の説明
図1は、薬剤充填システム112の滅菌トンネル110の実施形態の側面図を示している。滅菌トンネル110は、少なくとも1つのコンベヤベルト114を含む。コンベヤベルト114は、コンベヤベルト114の搬送方向116に沿って少なくとも1つの容器(図1には図示せず)を案内するように構成される。コンベヤベルト114の搬送方向116は、図1の矢印116によって示されている。
【0232】
さらにまた、滅菌トンネル110は、以下により詳細に説明するように、少なくとも1つの微粒子フィルタ118と、微粒子フィルタ118とコンベヤベルト114との間に配置された少なくとも1つの粒子計数装置120とを含む。図1では、粒子計数装置120は、概略的にのみ示されている。粒子計数装置120の詳細な説明については、図3から図14の説明を参照されたい。図1に示すように、粒子計数装置120は、特に、少なくとも部分的にコンベヤベルト114上に配置され得る。粒子計数装置120のプローブ122は、微粒子フィルタ118に面するプローブ開口部124、特にプローブ漏斗126を有する。
【0233】
滅菌トンネル110はまた、少なくとも1つの給気ダクト128を含むことができる。給気ダクト128は、周囲空気を吸い込むための少なくとも1つのファン130を含むことができる。滅菌トンネル110は、少なくとも1つの吸引装置132をさらに含むことができる。吸引装置132は、コンベヤベルト114の下方の空気を吸引するように構成され得る。
【0234】
図1に示すように、滅菌トンネル110は、特に少なくとも3つのゾーンを備えることができる。第1のゾーンは、暖機ゾーン134とすることができる。暖機ゾーン134は、入口と呼ばれることもできる。第2のゾーンは、滅菌ゾーン136であり得る。滅菌ゾーン136は、高温部分と呼ばれることもできる。第3のゾーンは、冷却ゾーン138とすることができる。第3のゾーンは、冷却ゾーン138と呼ばれることもできる。コンベヤベルト114は、滅菌トンネル110を通って、特に滅菌トンネル110の1つまたは複数のゾーンを通って、特に一定速度で移動するように構成され得る。
【0235】
暖機ゾーン134は、容器を滅菌ゾーン136の温度までゆっくりと上昇させるように構成され得る。特に、暖機ゾーン134は、容器のガラスを加熱する、特にゆっくりと加熱するように、特にガラス内で生じる張力を低減し、ガラス破損の可能性を回避するように構成され得る。滅菌ゾーン136は、容器の上および中の水を気化させるように構成され得る。さらにまた、滅菌ゾーン136は、特に300℃を超える温度、好ましくは330℃で容器を滅菌するように構成され得る。冷却ゾーン138は、特に制御された方法でガラス内の構築張力を低減するために、容器を特に60℃以下の温度に冷却する、特にゆっくりと冷却するように構成され得る。薬剤充填システム112は、容器を冷却ゾーン138から充填システムに輸送するように構成され得るが、図1には示されていない。
【0236】
暖機ゾーン134は、少なくとも第1の給気ダクト140と、少なくとも第1のファン142と、第1の微粒子フィルタ144とを有することができる。第1のファン142および第1の微粒子フィルタ144は、給気ダクト128、140に配置され得る。第1の微粒子フィルタ144は、プレフィルタと呼ばれることもできる。第1のファン142は、第1の微粒子フィルタ144を介して周囲空気、特にクリーンルームからの周囲空気を吸い込むように構成され得る。第1のファン142はまた、吸い込まれた周囲空気を第1の微粒子フィルタ144に供給するように構成され得る。給気ダクト128、140は、濾過された周囲空気を層流として供給するように構成され得る。濾過された空気は、滅菌トンネル110のコンベヤベルトエリアを通って流れることができる。
【0237】
吸引装置132は、少なくとも1つのさらなるファン146を含むことができる。さらなるファン146は、特に、コンベヤベルト114の下方に配置され得る。さらなるファン146は、コンベヤベルト114の下方の空気、特に湿った空気を吸い出すように構成され得る。
【0238】
滅菌ゾーン136は、循環手順で機能することができる。滅菌ゾーン136は、少なくとも1つの第2のファン148および少なくとも1つの第2の微粒子フィルタ150を有することができる。第2のファン148は、コンベヤベルト114の下方から空気を吸い出し、それをコンベヤベルト114の上方の領域に導くように構成され得る。滅菌ゾーン136はまた、空気を加熱するように構成された少なくとも1つの加熱ユニット(図1には示されていない)を有することができる。第2のファン148はまた、加熱された空気、特に高温の空気を第2の微粒子フィルタ150に供給するように構成され得る。高温空気は、コンベヤベルトエリアの上方で、特に層流で出現することができる。
【0239】
さらなるファン146は、滅菌ゾーン136内の空気、特に水蒸気で飽和した空気を吸い出すように、特に水蒸気で飽和した空気が滅菌ゾーン136内に蓄積するのを防止するように構成され得る。滅菌ゾーン136はまた、少なくとも第3の微粒子フィルタを有することができ、第3の微粒子フィルタは、図1には示されていない。必要に応じて、周囲空気が第3の微粒子フィルタを介して流入することができる。
【0240】
冷却ゾーン138は、少なくとも第3のファン152および少なくとも第4の微粒子フィルタ154を有することができる。第3のファン152は、周囲空気、特に冷たい周囲空気、特に冷たいクリーンルーム空気を吸い込み、それを第4の微粒子フィルタ154に押し通すように構成され得る。出現する層流は、容器を冷却するように構成され得る。
【0241】
滅菌トンネル110は、さらに、少なくとも第4のファン156および少なくとも1つのドレインチャネル158を有し得る。第4のファン156は、特に、冷却ゾーン138のファンとすることができる。第4のファン156は、コンベヤベルト114の下方の空気、特に加熱された空気、特に冷却ゾーン138の空気を吸い出し、それを排気ダクト158に供給するように構成され得る。
【0242】
個々のゾーン、特に暖機ゾーン134、滅菌ゾーン136および冷却ゾーン138における層流空気流は、上から下に流れることができる。これにより、滅菌トンネル110内に存在する任意の粒子が下方に押し下げられ、粒子が容器に入らないことを確実に保証する。滅菌トンネル110内、特に滅菌トンネル110全体には、特に粒子が滅菌トンネル110内に入ることができないように、過圧、特に僅かな過圧が存在する可能性もある。
【0243】
図2は、滅菌トンネル110内の漏れ試験の概略構造を示している。設定は、例えば図17Aから図17Cにおいて以下により詳細に説明するように、特に滅菌トンネル110内の粒子計数のための方法において実行され得る。漏れ試験は、滅菌トンネル110の第1および/または第2の動作状態で実行され得る。第1の動作状態は、特に「静止している」と説明することができる。「静止している」場合、粒子計数方法を実行している間、滅菌トンネル110全体が低温状態にされ得る。特に、ファン130は、滅菌トンネル110に空気を供給するように動作することができる。しかしながら、ヒータはオフにされ得、特に、コンベヤベルト114上に容器を存在させることができない。第2の動作状態は、「動作中」と説明することができる。「動作中」の場合、クリーンルームのクラス判定が製造条件で行われ得る。滅菌トンネル110は、高温状態にされ得る。滅菌トンネル110に空気を供給するためのファン130が作動され得、ヒータがオンにされ得、コンベヤベルト114上に容器を存在させることもできない。
【0244】
粒子計数方法は、厳密にはシステムの「静止」状態で実行される。微粒子フィルタ118、特にHEPAフィルタは、未処理空気側160の公称体積流量で作用され得る。公称体積流量は、基本的に、微粒子フィルタ118が動作条件下で滅菌トンネル110内で使用され得る空気の量を意味する。微粒子フィルタ118の前方の給気ダクト128内の空気は、未処理空気と定義され得る。微粒子フィルタ118を通って流れた後の空気は、清浄空気として定義され得る。
【0245】
粒子計数方法を実行する場合、エアロゾル発生器162は、定義された特性を有する一定の試験エアロゾルを発生させることができる。粒子濃度は、ニードル弁を備えた調整可能な流量計を使用して調整され得る。粒子材料としては、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHS)が使用され得る。微粒子フィルタ118の前で、未処理空気側160で、この試験エアロゾルは、試験ソケット164を介して導入され得る。未処理空気側160の粒子濃度は、その上流に接続された希釈段168を有する粒子計数器166によって監視され得る。希釈段168は、1:1000の希釈係数で吸引された粒子を減少させることができる。粒子計数器166は、粒子とともに空気を吸い込み、それらのサイズおよび量を測定し、それらを評価することができる。粒子計数器166のセンサは、0.3μmから10μmのサイズの粒子を測定して計数することができる。希釈段168は、粒子計数器166が厳密に粒子の最大濃度を測定することができ、希釈段なしではこの濃度を超える可能性があるために必要であり得る。
【0246】
清浄空気側170では、粒子の数は、規定の等速プローブ172を用いて測定され得、この等速プローブは、例えば、粒子計数装置120のプローブ122とすることができ、そのチューブは、適切なホースを用いてさらなる粒子計数器174に接続される。測定中、以下により詳細に説明するように、フィルタ表面全体が段階的に移動され得る。さらなる粒子計数器174は、プローブを介して出現する清浄空気を吸い込み、測定された粒子数を評価することができる。
【0247】
粒子計数方法の一部として、測定プロセスごとの清浄空気側の粒子の定義された数は、未処理空気側160の粒子の数に依存することができる。未処理空気側160の粒子数と清浄空気側170の許容粒子数の正確な比率は、社内で説明および決定され得る。微粒子フィルタ118の機能をチェックすることにより、未処理空気側160で粒子の数が規定されて増加しても、滅菌トンネル110内のクリーンルーム領域が汚染されないこと、特に特定の点で汚染されないことが保証され得る。
【0248】
図3から図14は、粒子計数装置120またはその一部の実施形態の異なる図を示している。図3は、粒子計数装置120の斜視図を示している。薬剤充填システム112の滅菌トンネル110内の粒子を計数するための粒子計数装置120であって、図1に例示されるように、滅菌トンネル110は、少なくとも1つのコンベヤベルト114を備え、滅菌トンネル110内で粒子を受け入れるための、粒子計数器174に接続され得る少なくとも1つのプローブ122を備える。さらにまた、粒子計数装置120は、プローブ122を取り付けるための少なくとも1つのプローブホルダ178を有する少なくとも1つのスキャナ176を備える。スキャナ176は、少なくとも1つのリニアガイド182を有する少なくとも1つの横方向ランナー180を含む。リニアガイド182は、プローブホルダ178を滅菌トンネル110のコンベヤベルト114の搬送方向116に対して横断して、特に本質的に垂直に案内するように構成される。さらにまた、スキャナ176は、少なくとも1つの台車184を含む。横方向ランナー180は、台車184に取り付けられる。台車184は、コンベヤベルト114の搬送方向116にリニアガイド182を移動させるように構成される。さらにまた、スキャナ176は、少なくとも1つのコントローラ186、特に台車184に接続されたコントローラ186を含み、コントローラ186は、スキャナ176の移動を制御するように構成される。
【0249】
台車184は、それ自体および横方向ランナー180、特にプローブ122を有する横方向ランナー180を2次元空間内で移動させるように構成され得る。粒子計数装置120は、特に、いずれの場合も、プローブホルダ178を滅菌トンネル110のコンベヤベルト114の搬送方向116に対して横断して(参照符号188によって示す)、特に本質的に垂直に案内し、コンベヤベルト114の搬送方向116に沿って台車184を移動させる(参照符号190によって示す)ための駆動装置を備えることができる。両方の駆動装置188、190は、以下により詳細に説明するように、モータを用いて、例えば第1のモータ191および第2のモータ192を用いてそれぞれ移動され得る。特に、粒子計数装置120は、台車184の移動がプローブホルダ178のいかなる案内とも無関係であるように設計され得る。
【0250】
図4は、横方向ランナー180の斜視詳細図を示している。図4に見られるように、横方向ランナー180のリニアガイド182は、少なくとも1つのガイドレール194、特に輪郭付けられたガイドレール196、特にT字形ガイドレール198を備えることができる。代替的および/または追加的に、リニアガイド182はまた、丸シャフトを含むことができる。さらにまた、リニアガイド182は、少なくとも1つのガイドキャリッジ200、特にガイドレール194または丸シャフトに取り付けられた少なくとも1つのガイドキャリッジ200を備えることができる。プローブ122は、特にプローブホルダ178によって、ガイドキャリッジ200に取り付け可能とすることができるかまたは取り付けられることができる。したがって、リニアガイド182は、プローブ122を案内するように構成され得る。リニアガイド182、特にガイドレール194は、特にねじ接続によって、ベースプレート202、特にアルミニウム製のベースプレート202に取り付けられることができる。ベースプレート202は、交換可能に設計され得る。ガイドレール194が摩耗を示す場合、必要に応じていつでも交換され得る。リニアガイド182は、ベースプレート202を使用して台車184に取り付けられることができる。
【0251】
リニアガイド182は、特にガイドキャリッジ200用の少なくとも1つの滑り軸受を有することができる。滑り軸受は、潤滑剤を含まないように設計され得る。しかしながら、玉軸受またはころ軸受などの他の軸受も当然考えられる。T字形ガイドレール198は、浮動軸受204を有するガイドキャリッジ200が、コンベヤベルト114の搬送方向116を横断する方向、特に垂直な方向および/またはコンベヤベルト114の搬送方向116に設計されることを完全に可能にする。浮動軸受204の可能な実施形態が図5に示されている。浮動軸受206、z方向の浮動軸受208、y方向の浮動軸受210、およびyz方向の浮動軸受212は示されていない。
【0252】
この例示的な実施形態では、リニアガイド182は、y方向に浮動軸受210を備える。しかしながら、図示されている他の浮動軸受204も可能である。浮動軸受204は、ガイドキャリッジ200が選択された方向にいくらかの遊びを有することを可能にする。これは、設計における製造公差を補償することを可能にする。浮動軸受204がない場合、システムは、剛性である可能性があり、これは、例えば、ガイドキャリッジ200が傾く可能性があることを意味する。特に、ガイドレール194は、(参照符号210によって示す)コンベヤベルト114の搬送方向116を横断する方向、特に垂直な方向の浮動軸受204、特に浮動軸受204として構成され得る。これは、ガイドキャリッジ200が、特にシステム全体において、高さの小さな差を補償することを可能にする。ガイドキャリッジ200の長さは、モータ192のフランジ幅に対応することができる。
【0253】
図6は、横方向ランナー180のさらなる斜視詳細図を示している。上述したように、粒子計数装置120は、プローブホルダ178を案内するための駆動装置188を含み得る。例えば、リニアガイド182は、少なくとも1つの駆動装置188、特にリニア駆動装置を有することができる。駆動装置188は、ガイドレール194上でガイドキャリッジ200を移動させるように構成され得る。駆動装置188は、滅菌トンネル110のコンベヤベルト114のコンベヤベルト幅全体を走査するように構成され得る。図6に見られるように、駆動装置188は、ラックアンドピニオン駆動装置214を含むことができる。しかしながら、スピンドル駆動装置および/または歯付きベルト駆動装置などの他の実施形態も当然考えられる。駆動装置188は、特に、ステッピングモータ215を備えることができる。
【0254】
ラックアンドピニオン駆動装置214は、少なくとも1つのラック216と、少なくとも1つの平歯車218とを有することができる。横方向ランナー180はまた、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つのラックマウント220を有することができる。ラックマウント220は、特に横方向ランナー180のベースプレート202上にラック216を固定するように構成され得る。ラックマウント220は、特にアルミニウムから作製され得る。ラックアンドピニオン駆動装置214は、特に、平歯車218の回転運動によって、特に横方向ランナー180のベースプレート202上に固定され得るラック216上でガイドキャリッジ200を移動させるように構成され得る。平歯車218は、特にポリオキシメチレン(POM)から作製され得る。特にアルミニウム製の取り付けブラケット222は、ガイドキャリッジ200のねじ孔に取り付けられ、特にねじ止めされ得る。ステッピングモータ215はまた、取り付けブラケット222に取り付けられることができ、特にねじ止めされ得る。
【0255】
横方向ランナー180の別の斜視詳細図が図7に示されている。図7に見られるように、ベースプレート202は、少なくとも1つのねじ接続224によって台車184に取り付けられることができる。しかしながら、クリック接続および/またはテンションレバー接続などの他のタイプの接続も可能である。
【0256】
ねじ接続224は、特にローレットねじおよび/またはシリンダヘッドねじを含むことができる。特に、ベースプレート202は、特に横方向ランナー180を台車184に取り付けるために、複数のボアホール226を備えることができる。毎年6回程度の、毎年変更される必要のある多数の横方向ランナー180のために、横方向ランナー180をローレットねじによって台車184に取り付けることが有利とされ得る。これは、コンパクトな構造を形成することを可能にする。これは、工具不要の変更が確実に可能であり、横方向ランナー180が強固に、しかしながら解放可能に台車184に接続され得ることを意味する。図7に示すように、ベースプレート202は、特に重量を節約するために、必要ではない材料を切り欠くことによって調整され得る。クリックシステムまたはテンションレバーなど、横方向ランナー180を台車184に取り付けるための他の実施形態も当然考えられる。
【0257】
図8には、横方向ランナー180が側面断面図で示されている。この図から分かるように、プローブホルダ178は、プローブ122を受け入れるための少なくとも1つの溝228を有することができる。さらにまた、プローブホルダ178は、プローブ122を固定するように構成された少なくとも1つのクランププレート230を有することができる。代替的および/または追加的に、プローブホルダ178は、ガイドキャリッジ200に取り付けられることができる。
【0258】
さらにまた、図8では、ラック216が、特に円形断面を有することができることが分かる。ラック216は、リニアガイド182の上方の中央に配置され得る。
【0259】
図8に概略的に示すように、粒子計数装置120は、プローブ122に接続され得る少なくとも1つの粒子計数器174をさらに備えることができる。特に、粒子計数器174は、定置式の粒子計数器として設計され得、粒子計数器174およびプローブ122は、少なくとも1つのパイプライン232、特に可撓性パイプラインによって互いに接続され得る。パイプライン232は、粒子計数器174の一部および/または粒子計数装置120の一部とすることができる。
【0260】
図9には、粒子計数装置120の台車184が斜視図で示されている。台車184は、特に、フレーム234を有することができる。フレーム234は、ベースフレームとも呼ばれることができる。フレーム234は、特に、金属シート、特にオーステナイト系ステンレス鋼から作製された金属シートから作製され得る。金属シートは、特に、1mmから5mm、好ましくは1.5mmから2.5mm、特に好ましくは2mmの厚さを有することができる。上述したように、横方向ランナー180は、台車184に取り付けられる。特に、横方向ランナー180、特に横方向ランナー180のベースプレート202は、フレーム234に取り付けられることができる。特に、横方向ランナー180は、台車184、特にフレーム134の中央に取り付けられることができる。さらにまた、横方向ランナー180は、台車と、特にフレーム234と面一になるように取り付けられることができる。特に、横方向ランナー180は、台車184、特にフレーム234の後側236と面一になるように取り付けられることができる。滅菌トンネル110の前後の小さな流出面のために、サイズが最小化され得、流出ゾーンがなくても粒子計数が実行され得る。
【0261】
図10は、台車184の別の斜視図を示している。粒子計数装置120の第2のモータ192は、例えば、少なくとも1つのステッピングモータを備えることができる。しかしながら、例えばサーボモータなどの他のタイプのモータも当然考えられる。特に、第2のモータ192は、関連するステッピングモータ駆動装置を有するNEMA 17ステッピングモータ(Stepperonline、中国)とすることができる。Nema17ステッピングモータは、その小さいサイズにもかかわらず、台車184の移動を駆動するのに必要な動力を生成するのに適することができる。さらなる詳細については、上記の説明を参照されたい。
【0262】
台車184は、特に、車軸238とも呼ばれる駆動車軸を有することができる。ステッピングモータは、駆動軸から横断して、特に90°でオフセットされるようにベースフレームに取り付けられることができる。台車184はまた、いくつかの傘歯車を有することができる。ステッピングモータの回転運動を駆動軸に伝達するために、2:1の伝達比を有する傘歯車が選択され得る。第1の傘歯車240は、例えば、15の歯の数zを有することができ、第2の傘歯車242は、30の歯の数zを有することができる。第1の傘歯車240および第2の傘歯車242は、それぞれ、POMから作製され得、1のモジュールmを有することができる。
【0263】
第1の傘歯車240は、第2のモータ192によって駆動され、第2の傘歯車242を介して駆動軸に回転運動を伝達するように構成され得る。変速比は、駆動軸上の第2モータ192の速度n1が半分にされることを可能にし、伝達トルクM1が2倍にされることを可能にする。その結果、一般に、保持トルクの小さいステッピングモータが使用され得る。
【0264】
トルクおよび速度を第2のモータ192から第1の傘歯車240のシャフト244に伝達するために、ねじり剛性であるが角度方向および横断方向に可撓性の補償カップリング246が使用され得る。これは、原則として、設計の公差または不整合を補償することができる。使用される補償カップリング246は、一般に、バックラッシュがなく、ねじれ剛性とすることができ、半径方向および軸方向の角度の不整合の両方を補償することができる。歯車シャフトは、ホルダ248によって適切な位置に保持され得る。溝付き玉軸受はホルダ248に押し込まれることができ、ホルダは、第1の傘歯車240のシャフト244および車軸238を支持し、滑らかな走行を保証する。溝付き玉軸受は、暖機時に摩擦トルクが増加しないという基本的な利点を有する。それらはまた、低速では一般にほとんど摩耗を示さず、メンテナンスフリーである。第1の傘歯車240は、止めねじを使用してシャフト244に摩擦係止され得る。第2の傘歯車242はまた、止めねじによって車軸238に取り付けられることができ、車軸238上の偶発的な変位を防止するために調整リング250によって固定されることもできる。
【0265】
上述したように、台車184は、コンベヤベルト114の搬送方向116にリニアガイド182を移動させるように構成される。図11の斜視図に見られるように、台車184は、コンベヤベルト114の搬送方向116にリニアガイド182を移動させるように構成された少なくとも2つの車輪252、特に少なくとも2つの駆動輪254を有することができる。この例示的な実施形態では、第2のモータ192は、特に車軸238を介して駆動輪254のうちの少なくとも1つを駆動するように構成され得る。
【0266】
特に、車輪252は、少なくとも部分的にエラストマーから作製され得る。エラストマーは、シリコーン、エチレンプロピレンジエン(モノマー)ゴム(EPDM)からなる群から選択され得る。しかしながら、他のエラストマーも当然考えられる。特に、車輪252は、それぞれ、エラストマーから作製された1つまたは複数のOリング256を有することができる。エラストマーは、車輪252とコンベヤベルト114との間に転がり摩擦を発生させるように構成され得る。エラストマーの弾性変形性および高い摩擦係数により、Oリング256とコンベヤベルト114との間の接触面積が増加され得る。これは、滑りなし動作が可能であることを意味する。
【0267】
車輪252は、特に、エラストマー製のOリング256がその上に取り付けられることができるように設計され得る。車輪252、特に駆動輪254は、特にポリオキシメチレン(POM)から作製され得る。特に、車輪252は、Oリングを受け入れるように構成された1つまたは複数の溝を有することができる。車輪252の直径は、フレーム234とコンベヤベルト114との間に低い対地クリアランスが達成されるように選択され得る。これは、後のスキャナ176の全高が最小限に保たれることができることを意味する。車輪252、特に駆動輪254は、それぞれ、いくつかのOリング256を有することができる。この例示的な実施形態では、特に車輪252とコンベヤベルト114との間の接触面積を増加させるために、車輪252は、少なくとも4つのOリング256を有することが好ましい。Oリング256は、駆動輪254のうちの少なくとも1つの周面上に互いに離間して配置され得る。Oリング256は、それぞれ、駆動輪254の周面の溝に受け入れられることができる。
【0268】
駆動輪254は、それぞれ、車軸238に取り付けられることができる。車軸238の回転運動は、フェザーキーを使用して駆動輪254に積極的に伝達され得る。これは、車輪252の空転を防止することができる。さらに、駆動輪254は、特に車軸238上での移動を防止するために、止めねじによって固定され得る。
【0269】
車輪252は、1つまたは複数、特に2つの後輪258をさらに含むことができる。後輪258のうちの1つの断面図が図12に示されている。後輪258の斜視図が図13に示されている。特に駆動輪254および後輪258を含む車輪252を含む台車184は、図14の斜視図において見ることができる。
【0270】
後輪258は、ドライブフリーになるように設計され得る。後輪258は、特に、円滑に走行することができる。後輪258の設計のさらなる詳細については、上記の説明、特に駆動輪254の説明を参照されたい。後輪258は、POMから作製され得る。さらにまた、後輪258は、Oリング256を受け入れるように構成され得る溝を有することができる。Oリング256は、少なくとも1つのエラストマーから作製され得る。後輪258の直径は、後輪258が横方向ランナー180の移動の障害とならないように選択され得る。玉軸受260、特に溝付き玉軸受262は、特に円滑な走行のために後輪258に押し込まれることができる。後輪258は、意図しない緩みに対して玉軸受260、特に溝付き玉軸受262を固定するように構成されたロックリング264を有することができる。後輪258は、それぞれ、シャフト266上で押され、セルフロックナット268によって取り付けられることができる。セルフロックナット268は、後輪258が回転するときにセルフロックナット268が緩むのを防止するように構成され得る。後輪258のシャフト266はまた、セルフロックナット268を用いて台車184に取り付けられることができ、特にねじ止めされ得る。
【0271】
図15は、滅菌トンネル110内の粒子計数装置120の概略平面図を示している。漏れ試験の基本的な要件は、微粒子フィルタ118のフィルタ表面が部分的に重なり合う経路で走査されるべきであることである。プローブ122の必要な移動経路を達成するために、少なくとも2つの移動方向が必要であり得る。粒子計数装置120は、好ましくは一定の速度で、コンベヤベルト114のコンベヤベルト幅(矢印270によって示す)に沿ってプローブ122を移動させるように構成され得る。さらに、粒子計数装置120は、コンベヤベルト114の搬送方向116に段階的な移動を実行するように構成され得る。これらのステップは、特に、必要な重なり合いが維持されるように調整され得る。粒子計数が終了した後、粒子計数装置120は、開始点に戻ることができる。
【0272】
台車184の駆動装置190は、粒子計数装置120全体のコンベヤベルト114の搬送方向116への移動を駆動することができる。台車184は、その長さに沿って、コンベヤベルト114、したがってその上方に位置する微粒子フィルタ118を走査することができ、したがって、任意のタイプおよびサイズの滅菌トンネル110に使用され得る。特に台車184および横方向ランナー180を備える粒子計数装置120を適切に位置合わせすることができるようにするために、例えば600mmまでのより小さいコンベヤベルト幅を有する滅菌トンネル110であっても、台車184の幅は、この幅を超えることができない。
【0273】
微粒子フィルタ118の幅は、プローブ122をコンベヤベルト114の搬送方向116に対して横断して、特に直交して移動させることによって、コンベヤベルト幅に沿って走査され得る。これは、特に横方向ランナー180によって可能にされ得る。微粒子フィルタ118の幅は、本質的にコンベヤベルト114の幅以下に対応する。コンベヤベルト114の幅、したがって微粒子フィルタ118の寸法もまた、滅菌トンネル110のタイプに応じて変化することができる。したがって、横方向ランナー180の長さは、コンベヤベルト114の幅よりも小さくすることができ、これは、特に、コンベヤベルト114の側方境界から滅菌トンネル110の側壁までの距離が僅か数ミリメートルであるときがあるためである。異なる滅菌トンネル110の異なる幅は、各滅菌トンネル110内の全幅を走査することができるように、交換可能な横方向ランナー180によって対処され得る。したがって、粒子計数装置120は、微粒子フィルタ118の異なる幅に柔軟に適合され得る。横方向ランナー180は、工具を使用せずに変更され得る。横方向ランナー180の構成要素は、特に、プローブ122が5.9cm/sの所定の移動速度に達することができ、一定に保たれることができるように選択され得る。プローブ122はまた、可能な限り最大の領域を確実に走査することができるように、コンベヤベルト114の両側の外側境界に構造上可能な限り接近して移動され得る。滅菌トンネル110内の最大通路高さも変化することができる。粒子計数装置120の最大全高は、160mmの最小の最大通路高さを超えないため、粒子計数装置120は、全ての滅菌トンネル110における使用に適することができる。
【0274】
図16は、滅菌トンネル110内の粒子計数装置120、特に粒子計数装置120の蛇行移動経路272の幾何学的次元を示している。
【0275】
したがって、微粒子フィルタ118のフィルタ表面は、部分的に重なり合う経路において36mmの直径Dを有する円形の等速プローブ122で走査され得る。経路の重なり合いは、標準的なガイドラインでは一般に6mmに設定され、プローブ122を次の経路に移動させるときの経路距離として考慮されるべきである。計算を簡単にするために、エッジ長さWpおよびDpを有する架空の矩形プローブを考える。微粒子フィルタ118ごとに走査される経路の数を計算し、測定期間を計算するために、エッジ長さWpおよびDpが必要である。エッジ長さWpは、粒子計数装置120が段階的に前進すべき経路距離に対応することができる。エッジ長さDpは、6mm重なり合うプローブ経路の交点からの距離である。
【0276】
エッジ長さWpは、以下において決定され得る。
【数18】
【0277】
エッジ長さDpは、以下において決定され得る。
【数19】
【0278】
さらにまた、微粒子フィルタ118ごと、特にフィルタ要素ごとの測定期間tが計算され得る。コンベヤベルト114の外縁からのプローブ122の最大許容側面距離aは、両側でそれぞれ20mmと定義され得る。この値は、横方向ランナー180の適切な設計によって維持され得る。フィルタ要素ごとの測定期間tを計算するために、フィルタ要素のフィルタ幅Bおよびフィルタ長Lが使用されることもできる。上述したように、微粒子フィルタ118は、250mmから580mmのフィルタ長Lおよび600mmから720mmのフィルタ幅Bを有することができる。59mm/sの固定された、特に規定された走査速度vは、以下の式をもたらす。
【数20】
【0279】
これは、幅700mmおよび長さ570mmの微粒子フィルタ118の測定時間tをもたらす。
【数21】
【0280】
フィルタ要素当たりの総測定時間の計算値が以下に列挙される。プローブの総横方向運動のみが考慮に入れられた。700mmの幅を有する微粒子フィルタ118の場合、これは、450mmの長さについてのt=167sおよび570mmの長さについてのt=212sをもたらす。600mmの幅を有する微粒子フィルタ118の場合、これは、400mmの長さについてのt=126sおよび580mmの長さについてのt=183sをもたらす。720mmの幅を有する微粒子フィルタ118の場合、これは、長さ260mmについてのt=100s、長さ400mmについてのt=153sおよび長さ560mmについてのt=215sをもたらす。さらに、コンベヤベルト114の搬送方向116に前進するステップの粒子計数装置120の持続時間が考慮に入れられることができる。
【0281】
Oリング256を有する駆動輪254の直径を考慮して、スキャナ176の移動、特に前進移動のためにステッピングモータがとる必要なステップが本質的に決定され得る。例えば、Oリング256を有する駆動輪254は、79mmの外径を有することができる。したがって、駆動輪は、248.2mmの円周Uを有することができる。1.8°のステップ角度では、モータ、特にステッピングモータは、1回転に200ステップを必要とする場合がある。
【数22】
【0282】
したがって、ステッピングモータは、30mmの必要な経路距離だけ台車184を移動させるために24ステップ移動しなければならない。
【0283】
粒子計数装置120、特にスキャナ176は、特にバージョン13において、TIA Portalソフトウェアを介してプログラムされ、ユーザインターフェースが構成され得る。ここでは、主にプログラミング言語SCL(構造化制御言語)が使用され得る。個々の場合において、ファンクションブロックは、FBD(STEP-7内のファンクションブロック図、グラフィックプログラミング言語)にプログラムされ得る。
【0284】
プログラムは、特に動作に必要な個々の機能を含む少なくとも1つの動作部分と、システムメッセージを含む少なくとも1つの文書部分とを含むことができる。この細分化は、明確さを高めることができ、これはトラブルシューティング時に特に有用とすることができる。特にスキャナ176の制御を担うことができる操作ブロックOB1は、以下でFBまたはFCと呼ばれるさらなるファンクションブロックに分割され得る。スキャナ176のコントローラは、モジュール式とすることができる。左、右、前および後と呼ばれることができる4つの可能な移動タイプは、OB1の別個の機能としてプログラムされ得る。要件に応じて、例えば、手動操作または自動測定モードでの推進において、横方向移動とも呼ばれることができる搬送方向116に対して横断してプローブホルダ178を案内する場合、これらの機能は、アクティブ化され得、または非アクティブ化されたままにすることができる。モータ駆動装置の動作方法はまた、技術的な理由から、反対の移動方向のアクティブ化を確実に防止することもできる。さらに、ステップ計数器、変換および温度監視のための二次関数がOB1に記憶され得る。
【0285】
移動方向のプログラミングは、特に、一連のステップを使用して実装され得る。
【0286】
コントローラ186は、いずれの場合も、モータ駆動装置を解放するための少なくとも1つのデジタル出力と、第1のモータ191および第2のモータ192の移動方向のための少なくとも1つのデジタル出力とを有することができる。モータ駆動装置解放についてのデジタル出力は、ENAと呼ばれることができる。移動方向についてのデジタル出力は、特に、移動方向についてのデジタル出力とすることができ、DIRと呼ばれることができる。さらに、第1のモータ191用および第2のモータ192用のコントローラ186は、それぞれ、パルス信号の生成についての少なくとも1つのデジタル出力を有することができ、これはPULとも呼ばれることができる。
【0287】
図17Aは、本発明にかかる粒子計数方法の例示的な一連のステップを示している。矢印510によって概略的に示されている移動方向を制御した後、モータ駆動装置を解放するためのデジタル出力ENAがアクティブ化され得る。これは、一連のステップのフィールド512に対応する。次に、移動方向DIRのデジタル出力がアクティブ化され得る。これは、一連のステップのフィールド512に対応する。このステップは任意とすることができる。反対の移動方向を選択するために、DIRは、非アクティブ化されたままとすることができる。次いで、パルス信号が生成され得る。パルス信号は、実際の動きに必要とされ得る。これは、一連のステップのフィールド514に対応する。一連のステップは、タイムラグを伴って行うことができる。例えば、モータ駆動装置解放のためのデジタル出力ENAのアクティブ化、および移動方向DIRのためのデジタル出力のアクティブ化は、100ms間隔で行われ得る。さらにまた、移動方向DIRのためのデジタル出力のアクティブ化、およびパルス信号の生成は、100ms間隔で行われることができる。
【0288】
移動方向のプログラミングは、特に図17Bに示す制御信号の時間図にしたがって、図17Aに示す一連のステップを使用して実装され得る。したがって、t1は、ENAおよびDIRについてのバイナリ信号間の所要時間遅延に対応し、t2は、DIRおよびPULについてのバイナリ信号間の所要時間遅延に対応し、t3は、バイナリPUL信号が存在する期間に対応し、t4は、バイナリPUL信号が存在しない期間に対応する。「高レベル」は、これが(バイナリ)1信号として確定的に識別されるように3.5V DCよりも大きい電圧に対応し、「低レベル」は、これが(バイナリ)0信号として確定的に識別されるように0.5V DC未満の電圧に対応する。
【0289】
表1および表2に示されている以下のバイナリ状態が、移動関数について生じる。
【表1】
【表2】
【0290】
得られた移動方向関数は、移動を制御するために使用され得る。手動モードでは、対応する記憶された機能の移動方向選択をアクティブ化することが可能である。特に、「左」移動関数は、左方向を指す矢印を示すボタンとともに示され得る。特に、「右」移動関数は、右方向を指す矢印を示すボタンとともに示され得る。特に、「前」移動関数は、上向きの矢印を示すボタンとともに示され得る。特に、「後」移動関数は、下向きの矢印を示すボタンとともに示され得る。
【0291】
「部分測定モード」とも呼ばれることができる測定モードでは、交互に必要とされる移動方向関数は、蛇行移動経路272とも呼ばれる蛇行トラックのプログラムされたループ関数によってアクティブ化され得る。
【0292】
図17Cは、自動操作で粒子を計数するための本発明にかかる方法のさらなる例示的な一連のステップを示す。特に、矢印518によって示されている測定を開始した後、移動関数がトリガされ得る。特に、プローブホルダ178は、最初に左端位置を有することができ、移動関数は、最初に右に開始することができ、これはフィールド520によって概略的に示されている。プローブホルダ178が右端位置にある場合、移動関数は、フィールド522によって概略的に示されている前方方向に開始され得る。プローブホルダ178が右端位置にあり、特に30の一時計数器を考慮すると、左への移動関数が開始され得、これはフィールド524によって概略的に示されている。その後、プローブホルダ178が左端位置にあるとき、移動関数は、矢印526によって概略的に示されている前方方向に再び開始され得る。プローブホルダ178を左端位置にして、特に30の一時計数器を考慮して、前進方向の移動関数を開始した後、移動関数は、矢印528によって概略的に示されている右に開始され得る。
【0293】
モータ駆動装置からのパルスは、デカルト位置表現および搬送方向116を横断する測定経路からの距離に使用され得る。原則として、位置決定は、インクリメンタルエンコーダをさらに使用することなく実行され得る。パルスは、搬送方向116および搬送方向116を横断する方向の順方向および逆方向計数器を使用して計数され得る。
【0294】
搬送方向116に移動するときの経路距離を決定するために、さらなる、特に追加の順方向および逆方向計数器が使用され得、これは、次の測定経路に到達した後、コントローラ186によって値ゼロにリセットされる。長期的に増分のキャリーオーバを防止するために、搬送方向116を横断する方向の順方向および逆方向計数器は左端停止においてゼロにされ、その時点で、順方向および逆方向計数器は、いずれにせよ値ゼロを有するべきである。
【0295】
順方向および逆方向計数器は、基本的に、モータ駆動装置からのパルスを計数するように構成されているため、パルスは、座標を表示するために別個のファンクションブロックに変換され得る。
【0296】
図18Aから図18Fは、ユーザインターフェース530、特にグラフィカルユーザインターフェース532の様々なオペレータインターフェース(図18A図18B図18D図18Eおよび図18F)およびパルス表現(図18C)を示している。
【0297】
図18Aは、基本画面536と呼ばれることもできるメインメニュー534を示している。メインメニュー534から、下位メニュー項目と呼ばれることもできる3つのオペレータインターフェースに、特に「ActivateScreen」と呼ばれることができるTIA内部機能を介してアクセスされ得る。特に、メインメニュー534は、「パラメータ測定操作」という名称を有することができ、自動、特に部分的または完全に自動の操作に対応する第1のオペレータインターフェースにアクセスするために使用され得る第1のボタン538を有することができる。さらにまた、メインメニュー534は、「手動操作」という名称を有することができ、手動操作、特に手動操作に対応する第2のオペレータインターフェースにアクセスするために使用され得る第2のボタン540を有することができる。さらにまた、メインメニュー534は、「サービス」という名称を有することができ、システム設定用のインターフェースに対応する第3のオペレータインターフェースにアクセスするために使用され得る第3のボタン542を有することができる。
【0298】
図18Bは、第2のオペレータインターフェース544の例示的な実施形態を示している。第2のオペレータインターフェース544は、特に、ラベル「手動操作」が表示される位置546を有することができる。第2のオペレータインターフェース544は、特に、移動方向、特に台車184および/またはプローブホルダ178の移動方向に対して別個の制御オプションを提供することができる。第2のオペレータインターフェース544は、スキャナ176を手動で駆動するように、特に、コンベヤベルト114の搬送方向116に対して横断してプローブホルダ178を手動で案内するように、および/またはコンベヤベルト114の搬送方向116に台車184を手動で駆動するように構成され得る。第2のオペレータインターフェース544は、特に、特に移動方向116において、リニアガイド182の第1のモータ191および/または台車184の第2のモータ192を制御するように構成されたいくつかのボタン548を有することができる。特に、ボタン548は、搬送方向116への台車184の前進を制御するための少なくとも第1のボタン550を含むことができる。さらにまた、ボタン548は、運搬方向116に対する台車184の後方への移動を制御するための少なくとも第2のボタン552を含むことができる。さらにまた、ボタン548は、特にガイドレール194の第1の端部からガイドレール194の第2の端部まで、搬送方向116に対して横断してプローブホルダ178を制御するための少なくとも第3のボタン554を含むことができる。さらにまた、ボタン548は、特にガイドレール194の第2の端部からガイドレール194の第1の端部まで、搬送方向116に対して横断してプローブホルダ178を制御するための少なくとも第4のボタン556を含むことができる。プローブホルダ178をガイドレール194の第1の端部からガイドレール194の第2の端部へと案内することは、プローブホルダ178を左方へと移動または案内することとも呼ばれることができる。さらにまた、プローブホルダ178をガイドレール194の第2の端部からガイドレール194の第1の端部に案内することは、プローブホルダ178を右に移動させる、または案内すること、またはその逆を指すこともできる。第1のボタン550、第2のボタン552、第3のボタン554および第4のボタン556は、特にDパッドとして配置され得る。さらにまた、第2のオペレータインターフェース544は、特にDパッドの中心に配置され得るホームボタン558を含むことができる。
【0299】
特に、第2のオペレータインターフェース544は、粒子計数方法が実行された後にスキャナ176を開始位置に戻し、特に台車184を開始位置に戻すように構成され得る。特に、台車184を開始位置まで戻すことは、台車184を開始位置に後退させることを含むことができる。この理由から、特に、第2のオペレータインターフェース544は、速度のための少なくとも1つ、特に少なくとも2つの入力フィールド560を含むことができる。特に、第2のオペレータインターフェース455は、搬送方向116における台車184の速度のための第1の入力フィールド562と、搬送方向116を横断するプローブホルダ178の速度のための第2の入力フィールド564とを含むことができる。第1の入力フィールド560の前に、特に位置566において、第2のオペレータインターフェース544は、「長手方向の速度」というラベルを含むことができる。第2の入力フィールド564の前に、特に位置568において、第2のオペレータインターフェース544は、「横方向の速度」というラベルを含むことができる。入力速度値は、パルス発生器に使用され得るオンスイッチ遅延またはオフスイッチ遅延の保持時間を操作するように構成され得る。
【0300】
入力フィールドは、データ型REALおよびデータ型TIMEの保持時間とすることができるため、入力値は、最初にTIMEデータ型に変換または転換され得る。実速度SpeedRealの場合、以下が厳密に適用される。
【数23】
【0301】
ここで速度計算のために1回転を仮定すると、駆動歯車の円周は、距離について取得され得る。
【数24】
【0302】
パラメータ設定に応じて、1回転は規定数のパルスを含むことができ、そのそれぞれは、同一の遅延時間を有する時間遅延要素としてプログラムされ得る。これは、図18Cのパルス表現に概略的に示されている。矢印570は、完全な回転を示し、矢印572は、個々の時間遅延要素を示す。したがって、速度を計算するための基本式では、個々の時間遅延の積が時間に使用され得る。
【数25】
【0303】
これは、速度を計算するための基本式が、以下とすることができることを意味する。
【数26】
【0304】
パルス長は常に同一であるため、以下のように書かれ得る。
【数27】
【0305】
入力された速度値SpeedRealからのプログラムにはパルス長が必要であるため、以下が適用される。
【数28】
【0306】
変換後、データ型は、特に2つのステップにおいて転換され得る。したがって、値は、以下の文を使用して転換され得る。
【数29】
【0307】
対応するタイマにリンクされ得る。
【0308】
さらにまた、第2のオペレータインターフェース544は、少なくとも1つの「戻る」ボタン574を有することができ、それによって第2のオペレータインターフェース544は、画面変更によってメインメニュー534に切り替わり、特に手動モードを終了する。さらにまた、第2のオペレータインターフェース544は、特に例えばトラブルシューティングのための1つまたは複数の試験実行が第2のオペレータインターフェース544を介して実行され得るときに、1つまたは複数の情報ウィンドウ576を有することができる。例示的な情報ウィンドウが図18Dに示されている。第2のオペレータインターフェース544は、特に、情報ウィンドウ576がアクティブ化されるサービスボタン578を有することができる。アクティブ化は、プログラミングにおいて、特に画面要素の視認性機能によって実現され得る。特に、サービスボタン578は、要素の可視性クエリに使用されるビットをアクティブ化するように構成され得る。情報ウィンドウ576は、特に、ビットを非アクティブ化するように特に構成され得る閉じるボタンを有することができ、それによって要素はそれらの視認性を失う。情報ウィンドウ576は、それぞれがモータ駆動装置のデジタル出力に対応するいくつかのフィールド580を有することができ、それぞれ「x-ENA」、「x-DIR」、「x-PUL」、「y-ENA」、「y-DIR」および「y-PUL」によってラベル付けされ得る。情報ウィンドウ576はまた、台車184の移動の増分をリセットするため、および/またはプローブホルダ178を案内するための1つまたは複数のボタン582を含むことができる。さらに、情報ウィンドウは、エンドストップをシミュレートするための1つまたは複数のボタン584を有することができる。情報ウィンドウ576は、閉じるボタン586を使用して閉じられることができる。
【0309】
図18Eは、第1のオペレータインターフェース588の例示的な実施形態を示している。第1のオペレータインターフェース588は、特に、「パラメータ測定操作」というラベルが表示される位置590を有することができる。第1のオペレータインターフェース588は、特に、台車184および/またはプローブ122の規定された自動走行の開始および停止を含むことができる。第1のオペレータインターフェース588は、特に、プログラムされた一連のステップを開始するために使用される開始ボタン592を含むことができる。さらにまた、第1のオペレータインターフェース592は、特に開始ボタン592の位置に対応する第1のオペレータインターフェース588の位置に現れる停止ボタンを視認可能にする(図18Eには図示せず)ように構成され得る。さらにまた、第1のオペレータインターフェース588は、停止ボタンを介してプログラムされた一連のステップを停止し、特に停止ボタンの視認性を非アクティブ化するように構成され得る。さらにまた、第1のオペレータインターフェース588は、プローブ122の現在のデカルト位置を表示する2つの出力フィールド594を有することができる。ラベル「x方向の位置」は、出力フィールド594のうちの1つの前の位置596に示され得る。ラベル「y方向の位置」は、出力フィールド594のうちの1つの前の別の位置598に示され得る。さらにまた、第1のオペレータインターフェース588は、「位置を保存する」ボタン600を有することができる。第1のオペレータインターフェース588は、「位置を保存する」ボタンを押すことによって記録された座標、特に押した時点に記録された座標を、特にデータブロックに一時的に記憶するように構成され得る。これは、計数器、特に漏れ計数器が、起こり得る漏れの数を増加させることを可能にする。起こり得る漏れ602の位置の表現は、搬送方向116の位置および搬送方向116を横断する位置のそれぞれについて、いくつか、特に5つの変数を有することができる。この位置は、xおよびy位置と呼ばれることもできる。これらの変数の値は、特に漏れ計数器がゼロの値を有する場合、デフォルトでゼロとすることができる。漏れ計数器が1の値に増加するとすぐに、現在の位置値が第1の対の変数、特に第1の対のx-y変数に表示される。起こり得る漏れの位置の表現は、特に漏れ計数器をリセットすることによって変数を値0にリセットするように構成された「クリア」ボタン604を特に有することができる。既に述べたように、この異常の数は、チェックされているフィルタ要素の臨界状態を示すため、特に最大5つの漏れの保存が提供され得る。図18Fは、起こり得る漏れ602の位置の詳細図を示している。
【0310】
図19および図20は、コントローラ186、特にプログラマブルロジックコントローラ(PLC)のプログラミングの様々な例示的な実施形態を示している。これらの例示的な実施形態では、プログラミングは、SCLプログラミング言語を用いたバージョン13のTIA Portalソフトウェアを介して行われる。特に、図19は、少なくとも1つの順方向および逆方向計数器610を備えるコントローラ186のプログラミングの例示的な実施形態を示している。コントローラ186は、第1の順方向および逆方向計数器612と、第2の順方向および逆方向計数器614と、第3の順方向および逆方向計数器616とを含み得る。図19に示すように、第2の順方向および逆方向計数器614は、第1のネットワーク618、第2のネットワーク620内の第1の順方向および逆方向計数器612、ならびにコントローラ186の第3のネットワーク622内の第3の順方向および逆方向計数器616に含まれることができる。
【0311】
粒子計数装置120、特にコントローラ186は、少なくとも1つの第2の順方向および逆方向計数器614によって、第2のモータ192、特に第2のステッピングモータ駆動装置の第2のパルスを計数するように構成され得る。したがって、第2の順方向および逆方向計数器614は、特に、x軸上の計数器とすることができる。計数アップするための第2の計数入力624には、「x-PUL_V」信号が割り当てられることができる。計数ダウンするための第2の計数入力626には、「x-PUL_R」信号が割り当てられることができる。第2のリセット入力628には、「Reset_x軸」信号が割り当てられることができる。第2の充電入力630には、「偽」信号が割り当てられることができる。第2の負荷値632には、0の値が割り当てられることができる。さらにまた、第2の順方向および逆方向計数器614は、計数器読み取りのための第2の出力634と、計数器状態を照会するためのさらなる第2の出力636とを有することができる。特に、「x位置」は、計数器読み取りのための第2の出力634から取得され得る。
【0312】
粒子計数装置120、特にコントローラ186は、少なくとも第1の順方向および逆方向計数器612によって、第1のモータ191、特に第1のステッピングモータ駆動装置の第1のパルスを計数するように構成され得る。したがって、第1の順方向および逆方向計数器614は、特に、y軸上の計数器とすることができる。計数アップするための第1の計数入力638には、「y-PUL_R」信号が割り当てられることができる。計数ダウンするための第1の計数入力640には、「y-PUL_L」信号が割り当てられることができる。第1リセット入力642は、入力信号「Reset_y軸」654および「Limit_Left」656が接触しているOR素子652からの信号が割り当てられることができる。第1の充電入力644には、「偽」信号が割り当てられることができる。第1の負荷値646には、0の値が割り当てられることができる。さらにまた、第1の順方向および逆方向計数器612は、計数器読み取りのための第1の出力648と、計数器状態を照会するためのさらなる第1の出力650とを有することができる。特に、「y位置」は、計数器読み取りのための第1の出力648から取得され得る。
【0313】
したがって、粒子計数装置120、特にコントローラ186は、第1のモータ191の第1のパルスを使用してリニアガイド182上のプローブ122の位置を決定し、第2のモータ192の第2のパルスを使用してコンベヤベルト114上の台車184の位置を決定するように構成され得る。
【0314】
したがって、第3の順方向および逆方向計数器616は、特に、「x軸_temp」計数器とすることができる。計数アップするための第3の計数入力658には、「x-PUL_V」信号が割り当てられることができる。計数ダウンするための第3の計数入力660には、「x-PUL_R」信号が割り当てられることができる。第3のリセット入力662には、上流AND素子666とのOR素子664からの信号が割り当てられることができる。入力信号668「Limit_Left」670および「Limit_Right」670は、AND素子666に接触している。OR素子664には、AND素子666の出力信号672と、入力信号「Reset_x軸」674とが供給される。第3の充電入力676には、「右駆動」信号が割り当てられることができる。第3の負荷値678は、0の値が割り当てられることができる。さらにまた、第3の順方向および逆方向計数器616は、計数器読み取りのための第3の出力680と、計数器状態を照会するためのさらなる第3の出力682とを有することができる。特に、「x-Position_Temp」は、計数器読み取りのための第3の出力680から取得され得る。
【0315】
さらに、粒子計数装置120、特にコントローラ186は、第2のモータ192、特に第2のステッピングモータ駆動装置のパルスを計数するように構成された少なくとも1つのさらなる順方向および逆方向計数器(図示せず)を備えることができる。したがって、さらなる順方向および逆方向計数器は、特に、搬送方向116の移動中の経路距離を決定するように構成され得る。粒子計数装置120、特にコントローラ186は、台車184の段階的な移動の後、特に次の測定経路に到達した後に、さらなる順方向および逆方向計数器をゼロにリセットするように構成され得る。さらにまた、リニアガイド182は、第1のエンドストップおよび第2のエンドストップを有することができ、コントローラ186は、プローブ122が第1のエンドストップにあるときに第1の順方向および逆方向計数器612をゼロにリセットするように構成され得る。特に、第1のエンドストップは、左エンドストップとすることができる。
【0316】
図20は、粒子装置120の移動を制御するための一連のステップを含むコントローラ186のプログラミングの例示的な実施形態を示している。図20に示す一連のステップは、入力信号「Start_L」686または「初期移動」688が接触するOR素子684から始まる。OR素子684の出力信号690は、「Left_ENA」関数を有するファンクションブロック692の開始条件として接触することができる。例えば100msの時間指定694を有するスイッチオン遅延がファンクションブロック692に存在することができる。メモリ要素「y-ENA」696は、「Left_DIR」関数を有するさらなるファンクションブロック702の開始条件のための入力信号700として、ファンクションブロック692の出力信号698を渡すことができる。例えば100msの時間指定704を有するスイッチオン遅延がファンクションブロック702に存在することができる。ファンクションブロック702の出力信号706は、メモリ素子「y-DIR」708を介してAND素子712の入力信号710として渡すことができる。さらなる入力信号「Pulse_Restart」714がAND素子712に存在することができる。AND素子712の出力信号716は、「Left_PUL」関数を有するさらなるファンクションブロック718の開始条件として接触することができる。ファンクションブロック718において、時間仕様720「Time_PUL」によるスイッチオフ遅延が存在することができる。ファンクションブロック718の出力信号722は、「Waiting_time_for_restart_L」関数を有する別のファンクションブロック724の開始条件として機能することができる。時間仕様「Time_PUL」726を有するスイッチオン遅延がファンクションブロック724に存在することができる。ファンクションブロック724の出力信号728は、直列に接続されたメモリ素子「Pulse_Restart」730および「y-PUL」732からの入力信号として存在することができる。
【実施例
【0317】
以下の実施例は、本発明を説明するのに役立つ。それらは保護の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0318】
ステッピングモータを、マイクロコントローラ(Arduino)を備えた基板を使用して制御して、それらの機能をチェックした。基板をUSBインターフェースを介してコンピュータに接続した。関連するソフトウェアを用いて、リニアガイドの移動または台車の移動を制御するプログラムを作成し、基板にロードした。プログラムは、とりわけ、ステッピングモータのステップ、速度および回転方向を指定した。基板は、実験用回路板を介してモータ駆動装置に信号を送信した。モータ駆動装置は、信号をステッピングモータに渡し、必要な電圧をステッピングモータに供給した。モータ駆動装置にも接続されたメインアダプタは、230Vの電圧をモータ駆動装置が必要とする24Vに変換した。メインアダプタは、粒子計数装置120の2つのモータ駆動装置、したがって両方のステッピングモータを供給するように選択された。この設定は、現実的な機能試験を実行することを可能にした。
【0319】
実施例1:リニアガイドのステッピングモータの繰り返し精度確認
リニアガイドのステッピングモータの繰り返し精度を確認するために、プローブホルダまたはラックアンドピニオン駆動装置の移動シーケンスをいくつかの連続経路で試験した。これは、ステッピングモータが回転した際に、ステップがスキップされたかどうかをチェックした。これは、本質的に、移動経路が完全に走査されないことにつながる可能性がある。これは、ラックマウントとの衝突などの後続のエラーをもたらす可能性がある。長さLが570mmのトンネル型の微粒子フィルタ118、特にHEPAフィルタでは、基本的にフィルタ表面全体を走査するために多くの経路が必要となる。台車の前進運動は、搬送方向を横断するプローブホルダの各案内にしたがうことが厳密に保証されるべきである。走査される経路の数nBを決定し、プログラムした。30mmの経路距離WPを使用した。
【数30】
【0320】
ガイドキャリッジは、ラックマウントから5mmの初期距離に配置した。デジタルキャリパーによって開始位置を測定し、プログラムを開始した。ガイドキャリッジは、5.9cm/sの速度で連続して計算された経路数nBを走査し、次いで終了位置において停止した。この場合、終了位置は、開始位置と同じであった。再度、ラックマウントと終了位置との距離をデジタルキャリパーによって測定した。
【0321】
平均繰り返し精度について有意な結果を得るために、また平均値を得ることができるようにするために、このプロセスを連続して5回繰り返し、開始位置と終了位置との差を決定した。これを以下の表3に要約する。
【表3】
【0322】
測定された偏差の算術平均x1を計算した。
【数31】
【0323】
ステップがスキップされなかったことを証明するために、偏差x1は、ステップS1ごとに平歯車が移動した距離よりも厳密に小さくなければならない。
【数32】
【0324】
したがって、lzは、歯車の1回転中に移動した距離に対応する。さらなる詳細については、上記の説明を参照されたい。
【0325】
偏差x1は、ステップS1ごとに平歯車が移動する距離よりも小さいため、ステッピングモータ、したがってリニアガイドのラックアンドピニオン駆動の完全な機能および正確な反復精度を実証することが可能であった。ステッピングモータは、ステップをスキップしないことが示された。開始位置と終了位置との間で決定された偏差は、全ての実行において0.299mm未満であり、平均0.108mmであった。
【0326】
実施例2:台車ステッピングモータの繰り返し精度確認
次いで、台車の機能を試験した。台車を制御するための新たなプログラムを、台車を30mmの経路距離WPずつ順次前進させ、個々の前進の間に休止するマイクロコントローラを用いて基板上にロードした。このプログラムを使用して、滅菌トンネル内の台車の移動をシミュレートした。台車の移動の一時停止中、プローブホルダは、横方向ランナー上で案内され得る。ここでも、走行距離の繰り返し精度を確認した。
【0327】
台車の繰り返し精度は、平坦面で試験した。平坦面で行われた試験中、駆動輪は、30回転/分の速度で移動した。横方向ランナーを取り付けた台車を、走査する経路数nBに応じて、経路距離Wpを30mmずつ段階的に19回前進させた。台車が移動する距離は、19回の繰り返しで570mmでなければならなかった。開始位置から0.50mmピッチの巻尺を使用して台車の終了位置を測定した。このプロセスも連続して5回繰り返した。
【表4】
【0328】
台車の移動経路の偏差x2の算術平均を決定した。
【数33】
【0329】
モータステップがスキップされず、台車がエラーなしに前進することを示すために、偏差x2は、駆動輪、したがってステップS2ごとの台車が移動する距離よりも実質的に小さくなければならない。
【数34】
【0330】
したがって、Uは、駆動輪の円周に対応する。上記の説明を参照されたい。
【0331】
移動経路x2の偏差は、ステップS2ごとに駆動輪が走行する距離よりも小さいため、台車の完全な機能および正確な繰り返し精度が実証された。ここでは、ステッピングモータがステップをスキップしないことも示された。開始位置と終了位置との間で決定された偏差は、全ての実行において1.241mm未満であり、平均0.3mmであった。
【0332】
実施例3:モータ駆動装置のパラメータ設定
スキャナは、関連するモータ駆動装置を有する2つの別個のステッピングモータによって駆動され得る。機能する駆動装置の場合、接続されたモータの電流消費量および1回転当たりのパルス数がモータ駆動装置に設定され得る。
【0333】
最大2.1Aの電流消費を有する17HS24-2104S型ステッピングモータが使用され得る。パルス数の決定は、基本的に、速度ならびにパルスプログラミングのための最低の調整可能な時間遅延に依存する。
【0334】
ここで、1msの最小時間遅延、5cm/sの速度、および駆動歯車の幾何学的形状が使用される場合、これは1回転当たり596.90パルスをもたらす。計算に関しては、上記の式22および式23を参照する。1ms未満の遅延時間については値が選択され得ないため、5cm/sの速度を保証することができるように、計算された1回転当たり596.9パルスが最大値に対応する。
【0335】
ステッパ駆動装置DM556Nのパラメータテーブル(表5および表6を参照)によれば、最大2.3Aの電流消費および回転当たり400パルスの速度が設定され得る。
【表5】
【表6】
【0336】
これは、表7にしたがって2つのモータ駆動装置について以下のパラメータ設定をもたらす。
【表7】
【符号の説明】
【0337】
110 滅菌トンネル
112 薬剤充填システム
114 コンベヤベルト
116 搬送方向
118 微粒子フィルタ
120 粒子計数装置
122 プローブ
124 プローブ開口部
126 プローブ漏斗
128 給気ダクト
130 ファン
132 吸引装置
134 暖気ゾーン
136 滅菌ゾーン
138 冷却ゾーン
140 第1の給気ダクト
142 第1のファン
144 第1の微粒子フィルタ
146 さらなるファン
148 第2のファン
150 第2の微粒子フィルタ
152 第3のファン
154 第4の微粒子フィルタ
156 第4のファン
158 ドレインチャネル
160 未処理空気側
162 エアロゾル発生器
164 試験ソケット
166 粒子計数器
168 希釈段
170 清浄空気側
172 等速プローブ
174 粒子計数器
176 スキャナ
178 プローブホルダ
180 横方向ランナー
182 リニアガイド
184 台車
186 コントローラ
188 プローブホルダを案内するための駆動装置
190 台車を移動させるための駆動装置
191 第1のモータ
192 第2のモータ
194 ガイドレール
196 輪郭付けられたガイドレール
198 T字形ガイドレール
200 ガイドキャリッジ
202 ベースプレート
204 浮動軸受
206 浮動軸受なし
208 z方向における浮動軸受
210 y方向における浮動軸受
212 yz方向における浮動軸受
214 ラックアンドピニオン駆動装置
215 ステッピングモータ
216 ラック
218 平歯車
220 ラックマウント
222 取り付けブラケット
224 ねじ接続
226 ボアホール
228 溝
230 クランププレート
232 パイプライン
234 フレーム
236 台車の後部
238 車軸
240 第1の傘歯車
242 第2の傘歯車
244 第1の傘歯車のシャフト
246 補償カップリング
248 ホルダ
250 調整リング
252 車輪
254 駆動輪
256 Oリング
258 後輪
260 玉軸受
262 溝付き玉軸受
264 ロックリング
266 シャフト
268 セルフロックナット
270 コンベヤベルト幅
272 蛇行移動経路
510 矢印
512 フィールド
514 フィールド
516 フィールド
518 矢印
520 フィールド
522 フィールド
524 フィールド
526 矢印
528 矢印
530 ユーザインターフェース
532 グラフィカルユーザインターフェース
534 メインメニュー
536 基本画面
538 第1のボタン
540 第2のボタン
542 第3のボタン
544 第2のオペレータインターフェース
546 位置
548 ボタン
550 第1のボタン
552 第2のボタン
554 第3のボタン
556 第4のボタン
558 ホームボタン
560 入力フィールド
562 第1の入力フィールド
564 第2の入力フィールド
566 位置
568 位置
570 矢印
572 矢印
574 「戻る」ボタン
576 情報ウィンドウ
578 サービスボタン
580 フィールド
582 ボタン
584 ボタン
586 閉じるボタン
588 第1のオペレータインターフェース
590 位置
592 開始ボタン
594 出力フィールド
596 位置
598 さらなる位置
600 ボタン
602 起こり得る漏れの位置の表現
604 クリアボタン
610 順方向および逆方向計数器
612 第1の順方向および逆方向計数器
614 第2の順方向および逆方向計数器
616 第3の順方向および逆方向計数器
618 第1のネットワーク
620 第2のネットワーク
622 第3のネットワーク
624 計数アップのための第2の計数入力
626 計数ダウンのための第2の計数入力
628 第2のリセット入力
630 第2の充電入力
632 第2の負荷値
634 計数器読み取りに対する第2の出力
636 計数器状態を要求するための第2の出力
638 計数アップのための第1の計数入力
640 計数ダウンのための第1の計数入力
642 第1のリセット入力
644 第1の充電入力
646 第1の負荷値
648 計数器読み取りに対する第1の出力
650 計数器状態を要求するための第1の出力
652 OR素子
654 入力信号
656 入力信号
658 計数アップのための第3の計数入力
660 計数ダウンのための第3の計数入力
662 第3のリセット入力
664 OR素子
666 AND素子
668 入力信号
670 入力信号
672 出力信号
674 入力信号
676 第3の充電入力
678 第3の負荷値
680 計数器読み取りに対する第3の出力
682 計数器状態を要求するための第3の出力
684 OR素子
686 入力信号
688 入力信号
690 出力信号
692 ファンクションブロック
694 タイミング
696 記憶要素
698 出力信号
700 入力信号
702 ファンクションブロック
704 タイミング
706 出力信号
708 記憶要素
710 入力信号
712 AND素子
714 入力信号
716 出力信号
718 ファンクションブロック
720 タイミング
722 出力信号
724 ファンクションブロック
726 タイミング
728 出力信号
730 記憶要素
732 記憶要素
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16
図17A
図17B
図17C
図18A
図18B
図18C
図18D
図18E
図18F
図19
図20
【国際調査報告】