(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】上顎及び下顎がインサート受入れポケットを画定する工具ホルダ、並びに切削工具
(51)【国際特許分類】
B23B 27/16 20060101AFI20240925BHJP
B23B 29/04 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
B23B27/16 B
B23B29/04 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506268
(86)(22)【出願日】2022-08-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-26
(86)【国際出願番号】 IL2022050936
(87)【国際公開番号】W WO2023047394
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】514105826
【氏名又は名称】イスカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ヘクト,ギル
【テーマコード(参考)】
3C046
【Fターム(参考)】
3C046EE14
3C046MM03
(57)【要約】
工具ホルダ(20)は、ホルダ本体(22)を有し、ホルダ本体の開口は、下顎(28)に対向する上顎(26)を有し、上顎(26)は、インサート受入れポケット(34)の上ポケット面(30)を画定し、下顎(28)は、インサート受入れポケット(34)の下ポケット面(32)を画定し、弾性スロット(38)は、インサート受入れポケットから離れて延在する。作動部材(42)は、上顎(26)から下方に延在し、弾性スロット(38)を横断する。下顎(28)は、アクセス・ボア(46)を含む。係止部材(48)は、アクセス・ボア(46)を占め、作動部材(42)の係止部分(44)を係合する。切削工具(80)は、工具ホルダ(20)と切削インサート(82)とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する上顎(26)及び下顎(28)を有するホルダ本体(22)であって、前記上顎(26)及び前記下顎(28)は、それぞれがインサート受入れポケット(34)の上ポケット面(30)及び下ポケット面(32)を画定し、前記上顎(26)及び前記下顎(28)の一方は、他方に対して弾性変位可能である、ホルダ本体(22)と、
前記インサート受入れポケット(34)から離れて延在し、前記上顎(26)及び前記下顎(28)を更に隔てる弾性スロット(38)と、
前記上ポケット面(30)及び前記下ポケット面(32)に交差する第1の平面(P1)と、を備え、
作動部材(42)は、第1の軸(A1)に沿って下方向(DD)で前記上顎(26)から延在し、前記弾性スロット(38)に横断し、前記作動部材(42)は、係止部分(44)を有し、
前記下顎(28)内に形成されるアクセス・ボア(46)は、第2の軸(A2)に沿って延在し、
第3の軸(A3)に沿って延在する係止部材(48)は、前記アクセス・ボア(46)を占め、前記作動部材(42)の前記係止部分(44)を係合し、
前記上顎(26)は、前記下方向(DD)とは反対の上方向(DU)を向く上顎面(40)を有し、
前記第1の軸(A1)は、前記上顎面(40)に交差する、
工具ホルダ(20)。
【請求項2】
前記上ポケット面(30)及び前記下ポケット面(32)は、締付け距離(DC)で離間し、
前記締付け距離(DC)は、前記係止部材(48)の第3の軸(A3)回りの回転によって増減する、請求項1に記載の工具ホルダ(20)。
【請求項3】
前記係止部材(48)が前記係止部材(48)の第3の軸(A3)回りに回転する間、前記係止部材(48)の並進移動は、前記アクセス・ボアの第2の軸(A2)に沿って生じない、請求項2に記載の工具ホルダ(20)。
【請求項4】
前記係止部材(48)は、カム部分(68)と、前記係止部材(48)の第3の軸(A3)に沿って配設される少なくとも1つの旋回部分(70a、70b)と、を有し、
前記少なくとも1つの旋回部分(70a、70b)は、前記アクセス・ボア(46)を占める、請求項1~3のいずれか1項に記載の工具ホルダ(20)。
【請求項5】
前記作動部材の前記係止部分(44)は、促進アパーチャ(76)を有し、
前記カム部分(68)は、前記促進アパーチャ(76)を占める、請求項4に記載の工具ホルダ(20)。
【請求項6】
前記カム部分(68)は、断面が円形ではない周辺カム面(78)を有し、
前記周辺カム面(78)の少なくとも1つの円周部分は、第1の回転方向(DR1)において、前記第3の軸(A3)から連続的に低減する径方向カム距離(DRC)に位置する、請求項4又は5に記載の工具ホルダ(20)。
【請求項7】
前記作動部材(42)は、前記下顎(28)内の作動空洞(62)を占め、
前記アクセス・ボア(46)は、前記作動空洞(62)と連通する、請求項1~6のいずれか1項に記載の工具ホルダ(20)。
【請求項8】
前記作動空洞(62)は、互いに向き合う第1の空洞側壁(64a)と第2の空洞側壁(64b)とを含み、
前記アクセス・ボア(46)は、前記第1の空洞側壁(64a)及び前記第2の空洞側壁(64b)の少なくとも一方に交差する、請求項7に記載の工具ホルダ(20)。
【請求項9】
前記上顎(26)及び前記下顎(28)は、一体に形成され、単一の一体構造を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の工具ホルダ(20)。
【請求項10】
前記上顎(26)及び前記作動部材(42)は、一体に形成され、単一の一体構造を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の工具ホルダ(20)。
【請求項11】
前記ホルダ本体(22)は、互いから離れて向く、対向する第1の本体側面(36a)と第2の本体側面(36b)とを有し、
前記アクセス・ボア(46)は、前記第1の本体側面(36a)及び前記第2の本体側面(36b)の少なくとも一方に交差する、請求項1~10のいずれか1項に記載の工具ホルダ(20)。
【請求項12】
前記ホルダ本体(22)は、前記第1の軸(A1)に直交する長手方向軸(AL)に沿って後方向(DR)-前方向(DF)で延在し、
前記ホルダ本体(22)は、上本体面(50)と底本体面(53)とを更に備え、
前記第1の本体側面(36a)及び前記第2の本体側面(36b)は、前記上本体面(50)と前記底本体面(53)との間に延在し、
前記インサート受入れポケット(34)は、前記ホルダ本体(22)の前端部(37)に位置し、
前記第1の平面(P1)は、前記本体側面(36a、36b)の間を通過し、前記上本体面(50)及び前記底本体面(53)に交差し、前記長手方向軸(AL)及び前記第1の軸(A1)の両方を含む、請求項11に記載の工具ホルダ(20)。
【請求項13】
前記上ポケット面(30)及び前記下ポケット面(32)は、前記第1の平面(P1)回りに鏡面対称を呈する、請求項1~12のいずれか1項に記載の工具ホルダ(20)。
【請求項14】
前記第2の軸(A2)は、前記第1の平面(P1)に直交する、請求項1~13のいずれか1項に記載の工具ホルダ(20)。
【請求項15】
上冷却剤管(54)は、前記上顎(26)を通じて延在し、
前記第1の軸(A1)は、前記上冷却剤管(54)に交差する、請求項1~14のいずれか1項に記載の工具ホルダ(20)。
【請求項16】
前記上冷却剤管(54)は、前記上ポケット面(30)に隣接する前記上顎面(40)上の上出口オリフィス(56)に開口する、請求項15に記載の工具ホルダ(20)。
【請求項17】
下冷却剤管(58)は、前記下顎(28)を通じて延在し、
前記第1の軸(A1)は、前記下冷却剤管(58)に交差する、請求項1~16のいずれか1項に記載の工具ホルダ(20)。
【請求項18】
前記下顎(28)は、前顎面(52)を有し、
前記下冷却剤管(58)は、前記下ポケット面(32)に隣接する前記前顎面(52)上の下出口オリフィス(60)に開口する、請求項17に記載の工具ホルダ(20)。
【請求項19】
前記上顎(26)及び前記下顎(28)は、前記第1の平面(P1)回りに鏡面対称を呈する、請求項1~18のいずれか1項に記載の工具ホルダ(20)。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか1項に記載の工具ホルダ(20)と、
前記工具ホルダのインサート受入れポケット(34)内に取り外し可能に固着される切削インサート(82)と、
を備える、切削工具(80)。
【請求項21】
前記ホルダ本体(22)は、互いから離れて向く、対向する第1の本体側面(36a)と第2の本体側面(36b)とを有し、
前記第1の本体側面(36a)及び前記第2の本体側面(36b)によって画定される第9の平面(P9)及び第10の平面(P10)は、前記第1の平面(P1)に直交するホルダ幅(WH)で離間し、
前記切削インサート(82)は、少なくとも1つの切れ刃(84)を有し、
前記少なくとも1つの切れ刃(84)は、前記第1の平面(P1)に直交する切削幅(WCT)を画定し、
前記切削幅(WCT)は、前記ホルダ幅(WH)を超える、請求項20に記載の切削工具(80)。
【請求項22】
前記ホルダ本体(22)の部分は、前記第9の平面(P9)及び前記第10の平面(P10)を横断しない、請求項21に記載の切削工具(80)。
【請求項23】
長手方向軸(AL)に沿って後方向(DR)-前方向(DF)で延在するホルダ本体(22)であって、前記ホルダ本体(22)は、
上本体面(50)及び底本体面(53)、並びに前記上本体面(50)と前記底本体面(53)との間に延在する第1の本体側面(36a)及び第2の本体側面(36b)と、
前記ホルダ本体(22)の前端部(37)に位置するインサート受入れポケット(34)であって、前記インサート受入れポケット(34)は、対向する上顎(26)及び下顎(28)によって画定され、前記上顎は、上顎面(40)を有し、前記上顎(26)及び前記下顎(28)の一方は、他方に対して弾性変位可能である、インサート受入れポケット(34)と、
前記後方向(DR)で前記インサート受入れポケット(34)から離れて延在し、前記上顎(26)及び前記下顎(28)を更に隔てる弾性スロット(38)と、
前記上顎(26)及び前記下顎(28)のそれぞれの上に画定される上ポケット面(30)及び下ポケット面(32)と、
前記長手方向軸(AL)を含み、前記第1の本体側面(36a)と前記第2の本体側面(36b)との間を通過し、前記上本体面(50)及び前記底本体面(53)並びに前記上ポケット面(30)及び前記下ポケット面(32)に交差する第1の平面(P1)と、
前記第1の平面(P1)内に含まれ、前記長手方向軸(AL)に直交する第1の軸(A1)であって、上方向(DU)-下方向(DD)で延在し、前記上顎面(40)に交差する第1の軸(A1)と、
前記第1の軸(A1)に沿って前記下方向(DD)で前記上顎(26)から延在し、前記弾性スロット(38)に横断し、係止部分(44)を有する作動部材(42)と、
前記下顎(28)内に形成され、前記第1の平面(P1)に交差する第2の軸(A2)に沿って延在するアクセス・ボア(46)と、
を有する、ホルダ本体(22)と、
前記第1の平面(A1)に交差する第3の軸(A3)に沿って延在する係止部材(48)と、を備え、
前記係止部材(48)は、前記アクセス・ボア(46)を占め、前記作動部材(42)の前記係止部分(44)を係合する、
工具ホルダ(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属切削方法全般、より詳細には、溝削り、突切り及び立削り作業で使用するための、上顎及び下顎がインサート受入れポケットを画定する工具ホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
溝削り、突切り及び立削り作業で使用される切削工具の分野において、上顎及び下顎がインサート受入れポケットを画定する多数の例の工具ホルダがあり、いくつかの例では、上顎及び下顎の一方は、他方に対して弾性的に変位可能である。
【0003】
US6,139,227は、特にチゼル削り、穴あけのための自由切削機械加工工具インサート又は切削インサートのためのホルダを開示しており、ホルダは、本質的に梁の様な切れ刃支持体を含み、受入れポケットは、切れ刃インサート用に切れ刃支持体の端部に構成される。複数の締付け顎は、受入れポケットの細い幅を画定する。スロットは、切れ刃支持体内に構成され、一方の締付け顎を移動させる可撓性枢動体を形成する。作動部材は、可動締付け顎上でスロットの領域内で締付け力を生成するように設けられる。作動部材は、スロットからある距離でボア内に組み付けられる。締付け力は、切れ刃支持体内で摺動案内される力伝達部材を通じて可動締付け顎に伝達される。
【0004】
US6,814,526は、突削り及び溝削り作業を対象とする切削インサートを受け入れるように設計されているホルダを開示している。インサートは、ホルダの下前部品及び上前部品からそれぞれ延在するブレード舌部と締付け指部との間に形成される座内に締付け可能である。間隙は、これらの前部品を隔てており、ホルダ内に組み付けられた締付け機構によりこれらの部品を互いの方に押し進めることが可能である。締付け機構は、引張棒を備え、引張棒の第1の端部分は、前部品の一方の中に形成されたボア内で移動可能であり、引張棒の第2の端部分は、他方の前部品内に固定されている。引張棒の第1の端部分は、円錐台当接面を有する頭部を含む。締結ねじは、頭部として同じ前部品内に螺入組み付けされ、当接面に接触し、締付け指部及び舌部を一緒に押し進める方向に引張棒を変位させ、切削インサートを所定の場所で締め付けるように構成される。
【0005】
US8,740,511は、前方向においてホルダ・シャンクから離れて延在するホルダ頭部を有する主本体と、ホルダ頭部内に螺入せずに保持される締付け部材と、締付け部材の単一当接面に動作可能に係合する係止部材とを備える工具ホルダを開示している。ホルダ頭部は、その前端部にインサート受入れポケットを有し、ポケット支持面は、実質的に前方向を向き、締付け部材は、ポケット支持面の後方に完全に位置し、当接面は、ほぼ上方を向く。工具ホルダは、ポケット支持面の方に締付け力を誘導し、ポケット支持面に対して切削インサートを締め付けるように構成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方が他方に対して弾性的に変位可能である上顎及び下顎を有する、改善された工具ホルダを提供することは、本発明の一目的である。
【0007】
組立てステップ数を低減し、不注意により部品が脱落する危険性を低減し、製造費を低減する、改善された工具ホルダを提供することも、本発明の一目的である。
【0008】
冷却剤管が上顎及び下顎に通される、改善された工具ホルダを提供することは、本発明の更なる目的である。
【0009】
切削深さが工具ホルダによって制限されない、改善された切削工具を提供することは、本発明のまた更なる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、工具ホルダが提供され、工具ホルダは、対向する上顎及び下顎を有するホルダ本体であって、上顎及び下顎は、それぞれがインサート受入れポケットの上ポケット面及び下ポケット面を画定し、上顎及び下顎の一方は、他方に対して弾性変位可能である、ホルダ本体と、
インサート受入れポケットから離れて延在し、上顎及び下顎を更に隔てる弾性スロットと、
上ポケット面及び下ポケット面に交差する第1の平面と、を備え、
作動部材は、第1の軸に沿って下方向で上顎から延在し、弾性スロットに横断し、作動部材は、係止部分を有し、
下顎内に形成されるアクセス・ボアは、第2の軸に沿って延在し、
第3の軸に沿って延在する係止部材は、アクセス・ボアを占め、作動部材の係止部分を係合し、
上顎は、下方向とは反対の上方向を向く上顎面を有し、
第1の軸は、上顎面に交差する。
【0011】
また、本発明によれば、上述の種類の工具ホルダと、工具ホルダのインサート受入れポケット内に取り外し可能に固着される切削インサートと、を備える切削工具が提供される。
【0012】
より良好に理解するため、次に、添付の図面を参照しながら本発明を単に例として説明する。図面において、鎖線は、部材の部分図の切断境界線を表す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態による工具ホルダの斜視図である。
【
図5】線V-Vに沿って取られた、
図4に示される工具ホルダの断面図である。
【
図6】線VI-VIに沿って取られた、
図3に示される工具ホルダの断面図である。
【
図7】線VII-VIIに沿って取られた、
図3に示される工具ホルダの係止部分を除いた断面図である。
【
図10】本発明のいくつかの実施形態による切削工具の側面図である。
【
図12】本発明のいくつかの実施形態による切削インサートの斜視図である。
【
図14】工具ブロック内に保持される2つのインサート受入れポケットを有する切削工具の斜視図である。
【
図16】本発明の更なる実施形態による切削工具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
まず、本発明による工具ホルダ20を示す
図1~
図4に注意を向けられたい。工具ホルダ20は、対向する上顎26と下顎28とを有するホルダ本体22を備え、対向する上顎26及び下顎28は、それぞれがインサート受入れポケット34の上ポケット面30及び下ポケット面32を画定し、上顎26及び下顎28の一方は、他方に対して弾性変位可能である。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態では、工具ホルダ20は、好ましくは工具鋼から製造し得る。
【0016】
また、本発明のいくつかの実施形態では、上顎26及び下顎28は、一体に形成し、単一の一体構造を有し得る。
【0017】
更に、本発明のいくつかの実施形態では、インサート受入れポケット34は、ホルダ本体22の開口24内に形成し得る。
【0018】
また更に、本発明のいくつかの実施形態では、下顎28は、ホルダ本体22の大部分に対して固定的又は静的であり、上顎26は、下顎28に対して弾性的に交換可能とし得る。
【0019】
図4に示すように、ホルダ本体22は、互いから離れて向けられる、対向する第1の本体側面36aと第2の本体側面36bとを有し得る。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態では、
図3に示すように、ホルダ本体22は、後方向DR-前方向DF内で延在し得る。
【0021】
また、本発明のいくつかの実施形態では、
図3に示すように、ホルダ本体22は、細長く、長手方向軸ALに沿って後方向DR-前方向DF内に延在し得る。
【0022】
更に、本発明のいくつかの実施形態では、インサート受入れポケット34は、ホルダ本体22の前端部37に位置し得る。
【0023】
本発明の更なる実施形態では、
図16及び
図17に示すように、ホルダ本体22は、円板形状であり、ホルダ本体22の周辺部回りに円周方向に離間する複数のインサート受入れポケット34を有し得る。
【0024】
本発明のそのような実施形態の場合、本明細書及び特許請求の範囲全体にわたり、用語「後方」又は「後方向」は、円板形状ホルダ本体の径方向内方向を示し、用語「前方」又は「前方向」は、円板形状ホルダ本体の径方向外方向を示し得ることを了解されたい。
【0025】
図3に示すように、上ポケット面30及び下ポケット面32は、締付け距離DCで離間する。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態では、工具ホルダ20の側面図において、締付け距離DCは、上ポケット面30の最前部分と、下ポケット面32又は下ポケット面32に正接する第1の仮想直線L1と、の間の最短距離とし得る。
【0027】
また、本発明のいくつかの実施形態では、下ポケット面32は、支持面とし得、上ポケット面30は、締付け面とし得る。
【0028】
図3に示すように、弾性スロット38は、インサート受入れポケット34から離れて延在し、上顎26及び下顎28を更に隔てる。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態では、弾性スロット38は、後方向DRでインサート受入れポケット34から離れて延在し得る。
【0030】
また、本発明のいくつかの実施形態では、
図3に示すように、上顎26は、弾性スロット38から後方にホルダ本体22を通過する弾性回転軸ARを有し得る。
【0031】
図3~
図6に示すように、作動部材42は、第1の軸A1に沿って下方向DDで上顎26から延在し、弾性スロット38に横断する。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態では、下方向DDは、長手方向軸ALに横断し得る。
【0033】
また、
図3~
図6に示すように、上顎26は、下方向DDとは反対の上方向DUを向く上顎面40を有し、第1の軸A1は、上顎面40に交差する。
【0034】
図3~
図6では、上方向DUを下方向DDの正反対であると示すが、本明細書及び特許請求の範囲全体にわたり、上方向DUは、下方向DDのほぼ反対とし得ることを了解されたい。
【0035】
また、本明細書及び特許請求の範囲全体にわたり、第1の軸A1は、上顎面40に交差するだけでなく、第1の軸A1の長さに沿って上方向DU-下方向DDで作動部材42を通過することを了解されたい。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態では、
図6に示すように、作動部材42は、上方向DU-下方向DDで細長とし得る。
【0037】
作動部材42の第1の軸A1が上顎面40に交差するように作動部材42を構成するのは、上述の従来技術の公報US6,814,526及びUS8,740,511の同等要素とは対照的である。US6,814,526は、上面に開口する上顎又は上前部の穴と同軸に延在する引張棒を開示している。US8,740,511は、貫通孔と同軸に延在する締付け部材を開示しており、貫通孔は、上顎又は締付け顎を通過し、ホルダ頭部の上面に開口する。
【0038】
図3及び
図4に示すように、弾性スロット38は、上顎26及び下顎28のそれぞれ上に配設される、対向する上スロット面39及び下スロット面41によって少なくとも部分的に画定し得る。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態では、上スロット面39は、下方向DDを向き、下スロット面41は、上方向DUを向き得る。
【0040】
また、本発明のいくつかの実施形態では、作動部材42は、上スロット面39から下に延在し得る。
【0041】
更に、本発明のいくつかの実施形態では、上顎26及び作動部材42は、一体に形成し、単一の一体構造を有し得る。
【0042】
単一の一体構造を有するように上顎26及び作動部材42を同時に作製する利益は、組立てステップを省き、部品が不注意により脱落しないようにすることを含む。
【0043】
また更に、本発明のいくつかの実施形態では、ホルダ本体22は、付加製造により作製し得、これにより、上顎26及び下顎28並びに作動部材42は、付加製造工程の間に同時に形成し得る。
【0044】
上顎26及び下顎28並びに作動部材42を同時に作製する利益は、組立てステップを省き、製造費を低減することを含む。
【0045】
図3及び
図4に示すように、下顎28は、下方向DDを向く底顎面43を有し得、本発明のそのような実施形態の場合、第1の軸A1は、底顎面43に交差し得る。
【0046】
図5~
図7に示すように、作動部材42は、係止部分44を含む。
【0047】
図2、
図6及び
図7に示すように、下顎28内に形成されるアクセス・ボア46は、第2の軸A2に沿って延在し、第3の軸A3に沿って延在する係止部材48は、アクセス・ボア46を占め、作動部材42の係止部分44を係合する。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態では、締付け距離DCは、係止部材48の第3の軸A3回りの回転によって増減し得る。
【0049】
また、本発明のいくつかの実施形態では、上顎26は、係止部材48の第3の軸A3回りの回転によって弾性回転軸AR回りに弾性的に変位させ得る。
【0050】
図4に示すように、第1の平面P1は、上ポケット面30及び下ポケット面32に交差する。
【0051】
また、
図4に示すように、第1の平面P1は、第1の本体側面36aと第2の本体側面36bとの間を通過する。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の平面P1は、長手方向軸ALに平行であるか又は長手方向軸ALを含み得る。
【0053】
また、本発明のいくつかの実施形態では、弾性回転軸ARは、第1の平面P1に直交し得る。
【0054】
更に、本発明のいくつかの実施形態では、第1の軸A1は、第1の平面P1に平行であるか又は第1の平面P1内に含まれ得る。
【0055】
また更に、本発明のいくつかの実施形態では、上ポケット面30及び下ポケット面32は、第1の平面P1回りに鏡面対称を呈し得る。
【0056】
図5は、第1の平面P1内で取った工具ホルダ20の断面図とし得ることを了解されたい。
【0057】
図5に示すように、第1の軸A1及び第2の軸A2は、第2の平面P2内に含まれ得る。
【0058】
本発明のいくつかの実施形態では、第2の平面P2は、第1の平面P1に直交し得る。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の平面P1は、長手方向軸AL及び第1の軸A1の両方を含み得る一方で、第2の軸A2及び第3の軸A3は、第1の平面P1に交差し得る。また、第1の軸A1は、長手方向軸ALに直交し得、長手方向軸ALは、後方向DR-前方向DFを確立し、第1の軸A1は、上方向DU-下方向DDを確立する。
【0060】
また、本発明のいくつかの実施形態では、第2の軸A2は、第1の平面P1に直交し得る。
【0061】
図6は、第2の平面P2内で取った工具ホルダ20の断面図とし得ることを了解されたい。
【0062】
図6及び
図7に示すように、第1の軸A1を含み、第2の軸A2に直交する第3の平面P3は、係止部分44に交差する。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態では、係止部分44は、第3の平面P3回りに鏡面対称を呈し得る。
【0064】
また、本発明のいくつかの実施形態では、作動部材42は、第3の平面P3回りに鏡面対称を呈し得る。
【0065】
図3及び
図4に示すように、ホルダ本体22は、上方向DUを向く上本体面50を有し得る。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の本体側面36a及び第2の本体側面36bは、上本体面50によって離間し得、第1の本体側面36a及び第2の本体側面36bは、上方向DU及び下方向DDにそれぞれ横断する第1の横方向DL1及び第2の横方向DL2を向き得る。
【0067】
また、本発明のいくつかの実施形態では、上本体面50は、上顎26の後方に位置し得る。
【0068】
更に、本発明のいくつかの実施形態では、上本体面50は、細長く、長手方向軸ALに平行に延在し得る。
【0069】
図3及び
図4に示すように、上本体面50は、第1の平面P1に直交する第4の平面P4を画定し得る。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態では、ホルダ本体22の部分は、第4の平面P4を横断することはない。言い換えれば、ホルダ本体22の部分は、第4の平面P4の上方に延在することはない。
【0071】
図3に示すように、下顎28は、前方向DFを向く前顎面52を有し得る。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の本体側面36a及び第2の本体側面36bは、前顎面52によって離間し得る。
【0073】
図3に示すように、前顎面52は、長手方向軸ALに直交する第5の平面P5を画定し得る。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態では、ホルダ本体22の部分は、第5の平面P5を横断することはない。言い換えれば、ホルダ本体22の部分は、第5の平面P5の前方に延在することはない。
【0075】
図3及び
図4に示すように、ホルダ本体22は、下方向DDを向く底本体面53を有し得る。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の本体側面36a及び第2の本体側面36bは、底本体面53によって離間し得る。したがって、いくつかの実施形態では、第1の本体側面36a及び第2の本体側面36bは、上本体面50と底本体面53との間に延在し得る。
【0077】
また、本発明のいくつかの実施形態では、底本体面53は、細長く、長手方向軸ALに平行に延在し得る。
【0078】
更に、本発明のいくつかの実施形態では、底顎面43は、底本体面53上に配設され得、底本体面53は、前顎面52に交差し得る。
【0079】
図3及び
図4に示すように、底本体面53は、第1の平面P1に直交する第6の平面P6を画定し得る。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態では、ホルダ本体22の部分は、第6の平面P6を横断することはない。言い換えれば、ホルダ本体22の部分は、第6の平面P6の下方に延在することはない。
【0081】
図5及び
図6に示すように、上冷却剤管54は、上顎26を通じて延在し得、第1の軸A1は、上冷却剤管54に交差し得る。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態では、上冷却剤管54は、上ポケット面30に隣接する上顎面40上の上出口オリフィス56に開口し得る。
【0083】
第1の軸A1が上冷却剤管54に交差する本発明の実施形態の場合、作動部材42は、有利には、作動部材42の中への配置及び/又は組立てに関連する空間制限を伴わずに、上冷却剤管54が上顎26を通じて上出口オリフィス56に直接通されるように構成されることを了解されたい。
【0084】
図5及び
図6に示すように、下冷却剤管58は、下顎28を通じて延在し得、第1の軸A1は、下冷却剤管58に交差し得る。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態では、下冷却剤管58は、下ポケット面32に隣接する前顎面52上の下出口オリフィス60に開口し得る。
【0086】
第1の軸A1が下冷却剤管58に交差する本発明の実施形態の場合、作動部材42は、有利には、作動部材42の中への配置及び/又は組立てに関連する空間制限を伴わずに、下冷却剤管58が下顎26を通じて下出口オリフィス60に直接通されるように構成されることを了解されたい。
【0087】
図6及び
図7に示すように、作動部材42は、下顎28内の作動空洞62を占め得、アクセス・ボア46は、作動空洞62と連通し得る。
【0088】
本発明のいくつかの実施形態では、作動空洞62は、下スロット面41から下に延在し得る。
【0089】
また、本発明のいくつかの実施形態では、作動空洞62は、互いに向き合う第1の空洞側壁64aと第2の空洞側壁64bとを含み得る。
【0090】
図6及び
図7に示すように、第1の空洞側壁64a及び第2の空洞側壁64bは、第3の平面P3の両側に位置し得る。
【0091】
本発明のいくつかの実施形態では、アクセス・ボア46は、第1の空洞側壁64a及び第2の空洞側壁64bの少なくとも一方に交差し得る。
【0092】
図6及び
図7に示すように、アクセス・ボア46は、断面が円形であり、アクセス・ボア直径DBを画定するアクセス・ボア面66を有し得る。
【0093】
本発明のいくつかの実施形態では、アクセス・ボア46は、第1の空洞側壁64a及び第2の空洞側壁64bの両方に交差し得る。
【0094】
アクセス・ボア46が第1の空洞側壁64a及び第2の空洞側壁64bの両方に交差する本発明の実施形態の場合、アクセス・ボア46は、作動空洞62によって中断し得る。
【0095】
本発明のいくつかの実施形態では、第3の平面P3は、第1の平面P1に平行であるか又は第1の平面P1と一致し得る。
【0096】
また、本発明のいくつかの実施形態では、アクセス・ボア46は、第1の本体側面36a及び第2の本体側面36bの少なくとも一方に交差し得る。
【0097】
更に、本発明のいくつかの実施形態では、アクセス・ボア46は、第1の本体側面36a及び第2の本体側面36bの両方に交差し得る。
【0098】
図4、
図6及び
図7に示すように、上顎26及び下顎28は、第1の平面P1回りに鏡面対称を呈し得る。
【0099】
上顎26及び下顎28が第1の平面P1回りに鏡面対称を呈する本発明の実施形態の場合、第3の平面P3は、第1の平面P1と一致し得る。
【0100】
また、上顎26及び下顎28が第1の平面P1回りに鏡面対称を呈する本発明の実施形態の場合、第1の平面P1は、長手方向軸ALを含み得る。
【0101】
更に、上顎26及び下顎28が第1の平面P1回りに鏡面対称を呈する本発明の実施形態の場合、第1の軸A1は、第1の平面P1内に含まれ得る。
【0102】
また更に、上顎26及び下顎28が第1の平面P1回りに鏡面対称を呈する本発明の実施形態の場合、第1の本体側面36a及び第2の本体側面36bは、前顎面52によって離間し得、ホルダ本体22は、ブレード形状とし得る。
【0103】
図6及び
図7に示すように、作動部材42は、第1の空洞側壁64a及び第2の空洞側壁64bから離間し得る。
【0104】
係止部材48がその第3の軸A3回りに回転する間、作動部材42は、第1の空洞側壁64a及び第2の空洞側壁64bから離間し得ることを了解されたい。
【0105】
係止部材48がその第3の軸A3回りに回転する間、作動部材42は、下顎28から完全に離間するため、下顎28と接触することがないことも了解されたい。
【0106】
図6に示すように、係止部材48は、アクセス・ボア46内に螺入保持されることはない。
【0107】
本発明のいくつかの実施形態では、係止部材48がその第3の軸A3回りに回転する間、係止部材48の並進移動は、アクセス・ボアの第2の軸A2に沿って生じることはない。
【0108】
図6に示すように、第2の軸A2は第3の軸A3と一致し得、係止部材48がその第3の軸A3回りに回転する間、第2の軸A2及び第3の軸A3は、一致したままであり得ることを了解されたい。
【0109】
図5、
図6、
図8及び
図9に示すように、係止部材48は、カム部分68と、その第3の軸A3に沿って配設される少なくとも1つの旋回部分70a、70bと、を有し得る。
【0110】
図6に示すように、少なくとも1つの旋回部分70a、70bは、アクセス・ボア46を占め得る。
【0111】
本発明のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの旋回部分70a、70bのそれぞれは、断面が円形であり、第3の軸A3と一致する中心と、旋回直径DSを画定する周辺旋回面72a、72bと、を有し得る。
【0112】
また、本発明のいくつかの実施形態では、旋回直径DSは、アクセス・ボアDB未満とし得る。
【0113】
更に、本発明のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの旋回部分70a、70bのそれぞれは、トルクス又は六角ソケット等の旋回ソケット74を有し、ソケット・レンチ(図示せず)を受け入れる手段をもたらし得る。
【0114】
また更に、本発明のいくつかの実施形態では、係止部材48は、第3の軸A3に沿ってカム部分68によって離間する2つの旋回部分70a、70bを有し得る。
【0115】
アクセス・ボア46が第1の空洞側壁64a及び第2の空洞側壁64bの両方に交差し、係止部材48が2つの旋回部分70a、70bを有する本発明の実施形態の場合、トルク・レンチは、有利には、第1の横方向DL1及び第2の横方向DL2のいずれか1つから、2つの旋回ソケット74のいずれか1つを係合し得ることを了解されたい。
【0116】
図5及び
図6に示すように、作動部材の係止部分44は、促進(activation)アパーチャ76を含み得、カム部分68は、促進アパーチャ76を占め得る。
【0117】
本発明のいくつかの実施形態では、カム部分68は、断面が円形ではない周辺カム面78を有し得る。
【0118】
また、本発明のいくつかの実施形態では、促進アパーチャ76は、内側アパーチャ面79を有し得る。
【0119】
更に、本発明のいくつかの実施形態では、促進アパーチャ76は、断面を非円形とし得る。
【0120】
図9に示すように、周辺カム面78の少なくとも1つの円周部分は、第1の回転方向DR1において、第3の軸A3から連続的に低減する径方向カム距離DRCに位置し得る。
【0121】
本発明のいくつかの実施形態では、周辺カム面78は、第3の軸A3回りに1回回転対称を呈し得る。言い換えれば、周辺カム面78は、360°又はその倍数の回転時にのみ回転対称である。
【0122】
図5に示すように、内側アパーチャ面79のほぼ上向き円周部分に接触する周辺カム面78のために、第1の回転方向DR1における係止部材48のその第3の軸A3回りの回転は、作動部材42に加えられる下向きの力、及び締付け距離DCの低減をもたらし得、第1の回転方向DR1の反対の第2の回転方向DR2での係止部材48のその第3の軸A3回転は、下向き締付け力の解放、及び上顎の弾性による締付け距離DCの増大をもたらし得ることを了解されたい。
【0123】
本発明のそのような実施形態の場合、インサート受入れポケット34は、「常時開放」しており、下向き力は、締付け力であることを了解されたい。
【0124】
本発明の他の実施形態(図示せず)では、周辺カム面78が、内側アパーチャ面79のほぼ下向き円周部分に接触し得、第1の回転方向DR1における係止部材48のその第3の軸A3回りの回転は、作動部材42に加えられる上向きの力、及び締付け距離DCの増大をもたらし得、第2の回転方向DR2での係止部材48の回転は、上向き力の解放、及び上顎の弾性による締付け距離DCの低減をもたらし得る。
【0125】
本発明のそのような実施形態の場合、インサート受入れポケット34は、「常時閉鎖」しており、上向き力は、緩め力であることを了解されたい。
【0126】
図7に示すように、第1の軸A1に直交し、促進アパーチャ76に交差する第7の平面P7で取られた断面図において、係止部分44は、第1の平面P1に直交する横幅WLT、及び長手方向軸ALに平行な長手方向幅WLGを有する。
【0127】
また、
図7に示すように、第7の平面P7で取られた断面図において、係止部分44は、楕円形状とし得る。
【0128】
本発明のいくつかの実施形態では、横幅WLTは、長手方向幅WLGの半分未満とし得る。
【0129】
また、本発明のいくつかの実施形態では、第7の平面P7は、アクセス・ボアの第2の軸A2を含み得る。
【0130】
図6及び
図8に示すように、第3の軸A3に直交する第8の平面P8は、カム部分68に交差する。
【0131】
本発明のいくつかの実施形態では、係止部分48は、第8の平面P8回りに鏡面対称を呈し得る。
【0132】
また、本発明のいくつかの実施形態では、
図6に示すように、第8の平面P8は、第1の平面P1に平行であるか又は第1の平面P1と一致し得る。
【0133】
上顎26及び下顎28が第1の平面P1回りに鏡面対称を呈する本発明の実施形態の場合、第8の平面P8は、第1の平面P1と一致し得る。
【0134】
図9に示すように、第3の軸A3に沿った係止部材48の図において、周辺カム面78の少なくとも円周部分は、周辺旋回面72a、72bの径方向外側に位置し得る。
【0135】
本発明のいくつかの実施形態では、周辺カム面78の少なくとも円周部分は、アクセス・ボア面66の径方向外側に位置し得る。
【0136】
アクセス・ボア46が第1の空洞側壁64a及び第2の空洞側壁64bの両方に交差し、周辺カム面78の少なくとも円周部分がアクセス・ボア面66の径方向外側に位置する本発明の実施形態の場合、カム部分68を促進アパーチャ76内に閉じ込めて保持し得、少なくとも1つの旋回部分70a、70bをアクセス・ボア46内に閉じ込めて保持し得ることを了解されたい。
【0137】
カム部分68を促進アパーチャ76内に閉じ込めて保持し、少なくとも1つの旋回部分70a、70bをアクセス・ボア46内に閉じ込めて保持するように係止部材48を構成する利益は、不注意により部品が脱落しないようにすることを含む。
【0138】
本発明のいくつかの実施形態では、工具ホルダ20は、付加製造により作製し得、これにより、ホルダ本体22及び係止部材48は、付加製造工程の間に同時に形成し得る。
【0139】
ホルダ本体22及び係止部材48を同時に作製する利益は、組立てステップを省き、製造費を低減することを含む。
【0140】
次に、溝削り及び突切り作業の実施に適している、本発明による切削工具80を示す
図10及び
図11に注意を向けられたい。切削工具80は、工具ホルダ20と、工具ホルダのインサート受入れポケット34内に取り外し可能に固着される切削インサート82と、を備える。
【0141】
本発明のいくつかの実施形態では、切削インサート82は、好ましくは超硬合金から製造し得る。
【0142】
上顎26及び下顎28が第1の平面P1回りに鏡面対称を呈さない本発明の実施形態(図示せず)の場合、横幅WLTを長手方向幅WLGの半分未満であるように構成することによって、締付け力が加えられる第3の平面P3及び第8の平面P8は、有利には、第1の平面P1の近くに位置し得、これにより、締付け力を上締付け顎26を通じて効率的に伝達し、切削インサート82をインサート受入れポケット34内に締め付け得ることを了解されたい。
【0143】
図11に示すように、第1の本体側面36a及び第2の本体側面36bによって画定される第9の平面P9及び第10の平面P10は、第1の平面P1に直交するホルダ幅WHで離間し、切削インサート82は、少なくとも1つの切れ刃84を有し、少なくとも1つの切れ刃84は、第1の平面P1に直交する切削幅WCTを画定する。
【0144】
本発明のいくつかの実施形態では、切削幅WCTは、ホルダ幅WHを超え得る。
【0145】
図11に示すように、ホルダ本体22の部分は、第9の平面P9及び第10の平面P10を横断することはない。言い換えれば、ホルダ本体22の部分は、第9の平面P9及び第10の平面P10を越えて横に延在することはない。
【0146】
ホルダ本体22の部分が第9の平面P9及び第10の平面P10を横断しない本発明の実施形態の場合、ホルダ幅WHは、ホルダ本体22の最大ホルダ幅WHMAXを画定することを了解されたい。
【0147】
図6及び
図8に示すように、係止部材48は、その第3の軸A3に沿って測定される係止長さLLを有する。
【0148】
本発明のいくつかの実施形態では、係止長さLLは、ホルダ幅WH未満であり、係止部材48の部分は、第9の平面P9及び第10の平面P10を横断することはない。
【0149】
また、係止部材48の並進移動がアクセス・ボアの第2の軸A2に沿って生じることがない本発明の実施形態の場合、係止部材48の部分は、そのあらゆる回転位置で第9の平面P9及び第10の平面P10を横断することはないことを了解されたい。
【0150】
切削幅WCTがホルダ幅WHを超え、係止長さLLがホルダ幅WH未満である本発明の実施形態の場合、ホルダ本体22は、ブレード形状とし得、切削工具80の切削深さは、工具ホルダ20によって制限されることはないことを了解されたい。
【0151】
図12及び
図13に示すように、切削インサート82は、一対の対向する第1のインサート側面90a及び第2のインサート側面90bによって離間する、対向する上インサート面86及び下インサート面88と、一対の対向する第1のインサート端面92及び第2のインサート端面94と、を有し得る。
【0152】
本発明のいくつかの実施形態では、上インサート側面86及び下インサート側面88は、非同一とし得る。
【0153】
また、本発明のいくつかの実施形態では、第1のインサート端面92及び第2のインサート端面94は、非同一とし得る。
【0154】
更に、本発明のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの切れ刃84は、第1のインサート端面92と上インサート面86との交線に形成される単一切れ刃とし得る。
【0155】
図10に示すように、上インサート面86及び下インサート面88は、上ポケット面30及び下ポケット面32のそれぞれと締付け接触し得、第1のインサート端面92は、前方向DFを向き得る。
【0156】
また、
図10に示すように、第2のインサート端面94は、後方向DRを向き、下顎28上に配設される前向きストッパ面96に当接し得る。
【0157】
上冷却剤管54が上顎26を通じて延在し、上ポケット面30に隣接する上顎面40上の上出口オリフィス56に開口する本発明の実施形態の場合、上冷却剤管54を出る冷却流体は、前方向DFで切れ刃84に向かって上インサート面86に沿って誘導されることを了解されたい。
【0158】
下冷却剤管58が下顎28を通じて延在し、下ポケット面32に隣接する前顎面52上の下出口オリフィス60に開口する本発明の実施形態の場合、下冷却剤管58を出る冷却流体は、上方向DUで切れ刃84に向かって(前方向を向く)第1のインサート端面92に沿って誘導されることを了解されたい。
【0159】
図14に示すように、切削工具80は、細長工具ブロック98内に取り外し可能に保持し得、上本体面50及び底本体面53は、工具ブロック98の平行に延在する上保持溝100a及び底保持溝100bと締付け接触し得る。
【0160】
図15に示すように、ホルダ本体22は、第1の平面P1及び長手方向軸ALに直交する第11の平面P11回りに鏡面対称を呈し得る。
【0161】
ホルダ本体22が2つの同一のインサート受入れポケット34を有する本発明の実施形態の場合、切削工具80は、第1の平面P1と第11の平面P11との交線に形成される第4の軸A4回りに刃先交換可能である。
【0162】
また、本発明のそのような実施形態の場合、2つの同一インサート受入れポケット34の一方のみを有効切削インサート82が占め得る。
【0163】
ホルダ本体22が第11の平面P11回りに鏡面対称を呈し、ホルダ本体22の部分が第4の平面P4及び第6の平面P6を横断しない本発明の実施形態の場合、切削工具80は、第11の平面P11の反対側に位置する上顎26から妨害される又はひっかかることなく、有効切削インサート82を収容するインサート受入れポケット34から工具ブロック98に摺動挿入し得ることを了解されたい。
【0164】
本発明の他の実施形態(図示せず)では、ホルダ本体22は、第1の平面P1に直交し、長手方向軸ALを含む平面回りに鏡面対称を呈し得る。
【0165】
本発明のそのような実施形態(図示せず)の場合、ホルダ本体22の前端部37は、2つの同一のインサート受入れポケット34を有し、切削工具80は、長手方向軸AL回りに刃先交換可能であることを了解されたい。
【0166】
また、本発明のそのような実施形態(図示せず)の場合、ホルダ本体22は、底顎面43と共に構成されず、代替的に、互いに離れて向く、2つの対向する上本体面50と共に構成されることを了解されたい。
【0167】
更に、本発明のそのような実施形態(図示せず)の場合、ホルダ本体22の前端部37における2つの同一インサート受入れポケット34の一方のみを切削インサート82が占め得る。
【0168】
ただ1つのインサート受入れポケット34がホルダ本体22の前端部37に占められる切削工具80を構成することによって、切削工具80の切削深さは、ホルダ本体22の前端部37で他のインサート受入れポケット34を占めている非有効切削インサート82によって不必要に制限されないことを了解されたい。
【0169】
ホルダ本体22が、第11の平面P11、及び第1の平面P1に直交し、長手方向軸ALを含む平面回りに鏡面対称を呈する本発明の実施形態(図示せず)の場合、ホルダ本体22は、合計4つの同一のインサート受入れポケット34を有することを了解されたい。
【0170】
本発明のそのような実施形態の場合、切削工具80は、工具ブロック98内に4つの刃先交換位置を有し、各刃先交換位置において、4つの同一のインサート受入れポケット34のただ1つを占め得ることを了解されたい。
【0171】
図16及び
図17に示すように、ホルダ本体22が円板形状である本発明の更なる実施形態の場合、切削工具80は、立削り作業に適しており、ホルダ本体の周辺部回りに円周方向に離間する複数のインサート受入れポケット34に取り外し可能に固着される複数の切削インサート82と共に構成される回転切削工具とし得ることを了解されたい。
【0172】
本発明をある程度詳細に説明してきたが、以下で請求する本発明の範囲から逸脱することなく様々な改変形態及び修正形態を行い得ることを理解されたい。
【国際調査報告】