(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】複合人工ニューラルネットワークを利用して不整脈を推定するための方法、システムおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体
(51)【国際特許分類】
A61B 5/363 20210101AFI20240925BHJP
【FI】
A61B5/363
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508976
(86)(22)【出願日】2023-08-14
(85)【翻訳文提出日】2024-02-14
(86)【国際出願番号】 KR2023012021
(87)【国際公開番号】W WO2024049052
(87)【国際公開日】2024-03-07
(31)【優先権主張番号】10-2022-0109500
(32)【優先日】2022-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】524022531
【氏名又は名称】ヒュイノ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チュン,サン フン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジン グク
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ジェ ソン
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127GG16
(57)【要約】
本発明の一態様によると、複合人工ニューラルネットワークを利用して不整脈を推定するための方法であって、第1人工ニューラルネットワークを利用して心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントに対応するクラスを推定する段階、第2人工ニューラルネットワークを利用して前記心電図信号の第1区間に対応するクラスを推定する段階、および前記心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントに対応するものと推定されたクラスと前記心電図信号の第1区間に対応するものと推定されたクラスを相互間で検証する段階を含む方法が提供される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合人工ニューラルネットワークを利用して不整脈を推定するための方法であって、
第1人工ニューラルネットワークを利用して心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントに対応するクラスを推定する段階、
第2人工ニューラルネットワークを利用して前記心電図信号の第1区間に対応するクラスを推定する段階、および
前記心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントに対応するものと推定されたクラスと前記心電図信号の第1区間に対応するものと推定されたクラスを相互間で検証する段階を含む、方法。
【請求項2】
前記第1人工ニューラルネットワークと前記第2人工ニューラルネットワークは並列的に構成され、前記第1人工ニューラルネットワークと前記第2人工ニューラルネットワークには同一の心電図信号が入力される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1人工ニューラルネットワークは前記心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントが第1類型の不整脈を示すクラスのうちどのクラスに対応するかを推定でき、
前記第1類型の不整脈にはビットセグメント単位で推定できる不整脈が含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2人工ニューラルネットワークは前記心電図信号の第1区間が第2類型の不整脈を示すクラスのうちどのクラスに対応するかを推定でき、
前記第2類型の不整脈には連続したビットセグメント間のリズム変化を通じて推定できる不整脈が含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記検証段階で、前記心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントに対応するものと推定されたクラスと前記心電図信号の第1区間に対応するものと推定されたクラスが互いに両立しないことに対応して、前記心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントに対応するものと推定されたクラスと前記心電図信号の第1区間に対応するものと推定されたクラスのうちいずれか一つを基準として他の一つを訂正する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
請求項1に記載された方法を実行するためのコンピュータプログラムを記録する非一過性のコンピュータ読み取り可能記録媒体。
【請求項7】
複合人工ニューラルネットワークを利用して不整脈を推定するためのシステムであって、
第1人工ニューラルネットワークを利用して心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントに対応するクラスを推定する第1推定部、
第2人工ニューラルネットワークを利用して前記心電図信号の第1区間に対応するクラスを推定する第2推定部、および
前記心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントに対応するものと推定されたクラスと前記心電図信号の第1区間に対応するものと推定されたクラスを相互間で検証する検証部を含む、システム。
【請求項8】
前記第1人工ニューラルネットワークと前記第2人工ニューラルネットワークは並列的に構成され、前記第1人工ニューラルネットワークと前記第2人工ニューラルネットワークには同一の心電図信号が入力される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1人工ニューラルネットワークは前記心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントが第1類型の不整脈を示すクラスのうちどのクラスに対応するかを推定でき、
前記第1類型の不整脈にはビットセグメント単位で推定できる不整脈が含まれる、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記第2人工ニューラルネットワークは前記心電図信号の第1区間が第2類型の不整脈を示すクラスのうちどのクラスに対応するかを推定でき、
前記第2類型の不整脈には連続したビットセグメント間のリズム変化を通じて推定できる不整脈が含まれる、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記検証部は、前記心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントに対応するものと推定されたクラスと前記心電図信号の第1区間に対応するものと推定されたクラスが互いに両立しないことに対応して、前記心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントに対応するものと推定されたクラスと前記心電図信号の第1区間に対応するものと推定されたクラスのうちいずれか一つを基準として他の一つを訂正する、請求項7に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複合人工ニューラルネットワークを利用して不整脈を推定するための方法、システムおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
最近科学技術の飛躍的な発展によって人類全体の生活の質が向上しており、医療環境においても多くの変化が発生している。特に、最近、病院に行かずに日常生活中に心電図信号を分析して不整脈を推定できるウェアラブルモニタリングデバイスが大衆に広く普及している。
【0003】
通常的にこのようなウェアラブルモニタリングデバイスは心電図信号で不整脈を推定するために人工知能モデルを搭載することになるが、従来にはこのような人工知能モデルが与えられた心電図信号の区間がどのような類型の不整脈に対応するかを推定するために学習された人工ニューラルネットワークに基づいて具現されるのが一般的であった。
【0004】
ただし、与えられた心電図信号の区間がどのような不整脈に対応するかを推定するために学習された人工ニューラルネットワークはビットセグメント単位で推定できる不整脈(例えば、心房早期収縮(Atrial Premature Contraction、APC)、心室早期収縮(Ventricular Premature Contraction、VPC)、左脚ブロック(Left Bundle Branch Block、LBBB)、右脚ブロック(Right Bundle Branch Block、RBBB)等)を正確に推定できないという限界点が存在するため、従来のウェアラブルモニタリングデバイスでは与えられた心電図信号の区間内でビットセグメント単位で推定できる不整脈が現れた個数乃至比重を正確に把握できないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前述した従来技術の問題点をすべて解決することをその目的とする。
【0006】
また、本発明は、与えられた心電図信号の区間に含まれたビットセグメントがどのような不整脈に対応するかを推定するために学習された人工ニューラルネットワークと与えられた心電図信号の区間がどのような不整脈に対応するかを推定するために学習された人工ニューラルネットワークを複合的に利用して不整脈推定の正確度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するための本発明の代表的な構成は次の通りである。
【0008】
本発明の一態様によると、複合人工ニューラルネットワークを利用して不整脈を推定するための方法であって、第1人工ニューラルネットワークを利用して心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントに対応するクラスを推定する段階、第2人工ニューラルネットワークを利用して前記心電図信号の第1区間に対応するクラスを推定する段階、および前記心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントに対応するものと推定されたクラスと前記心電図信号の第1区間に対応するものと推定されたクラスを相互間で検証する段階を含む方法が提供される。
【0009】
本発明の他の態様によると、複合人工ニューラルネットワークを利用して不整脈を推定するためのシステムであって、第1人工ニューラルネットワークを利用して心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントに対応するクラスを推定する第1推定部、第2人工ニューラルネットワークを利用して前記心電図信号の第1区間に対応するクラスを推定する第2推定部、および前記心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントに対応するものと推定されたクラスと前記心電図信号の第1区間に対応するものと推定されたクラスを相互間で検証する検証部を含むシステムが提供される。
【0010】
この他にも、本発明を具現するための他の方法、他のシステムおよび前記方法を実行するためのコンピュータプログラムを記録する非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体がさらに提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、与えられた心電図信号の区間に含まれたビットセグメントがどのような不整脈に対応するかを推定するために学習された人工ニューラルネットワークと与えられた心電図信号の区間がどのような不整脈に対応するかを推定するために学習された人工ニューラルネットワークを複合的に利用して不整脈推定の正確度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施例により複合人工ニューラルネットワークを利用して不整脈を推定するための全体システムの概略的な構成を示す図面である。
【
図2】本発明の一実施例に係る不整脈推定システムの内部構成を詳細に図示する図面である。
【
図3】本発明の一実施例に係る相互検証過程を概略的に図示した図面である。
【符号の説明】
【0013】
100:通信網
200:不整脈推定システム
210:第1推定部
220:第2推定部
230:検証部
240:通信部
250:制御部
300:デバイス
【発明を実施するための形態】
【0014】
後述する本発明に対する詳細な説明は、本発明が実施され得る特定実施例を例示として図示する添付図面を参照する。このような実施例は当業者が本発明を充分に実施できるように詳細に説明される。本発明の多様な実施例は互いに異なるが相互排他的である必要はないことが理解されるべきである。例えば、本明細書に記載されている特定形状、構造および特性は本発明の精神と範囲を逸脱することなく一実施例から他の実施例に変更されて具現され得る。また、それぞれの実施例内の個別構成要素の位置または配置も本発明の精神と範囲を逸脱することなく変更され得ることが理解されるべきである。したがって、後述する詳細な説明は限定的な意味で行われるものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲の請求項が請求する範囲およびそれと均等なすべての範囲を包括するものと理解されるべきである。図面で類似する参照符号は多様な側面に亘って同一または類似する構成要素を示す。
【0015】
以下では、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるようにするために、本発明の種々の好ましい実施例に関して添付された図面を参照して詳細に説明することにする。
【0016】
全体システムの構成
【0017】
図1は、本発明の一実施例により複合人工ニューラルネットワークを利用して不整脈を推定するための全体システムの概略的な構成を示す図面である。
【0018】
図1に図示された通り、本発明の一実施例に係る全体システムは通信網100、不整脈推定システム200およびデバイス300を含むことができる。
【0019】
まず、本発明の一実施例に係る通信網100は有線通信や無線通信のような通信の様態にかかわらず構成され得、近距離通信網(LAN;Local Area Network)、都市圏通信網(MAN;Metropolitan Area Network)、広域通信網(WAN;Wide Area Network)などの多様な通信網で構成され得る。好ましくは、本明細書でいう通信網100は公知のインターネットまたはワールドワイドウェブ(WWW;World Wide Web)であり得る。しかし、通信網100は、あえてこれに限定される必要なく、公知の有線/無線データ通信網、公知の電話網または公知の有線/無線テレビ通信網をその少なくとも一部において含んでもよい。
【0020】
例えば、通信網100は無線データ通信網であって、ワイファイ(WiFi)通信、ワイファイダイレクト(WiFi-Direct)通信、ロングタームエボリューション(LTE;Long Term Evolution)通信、5G通信、ブルートゥース通信(低電力ブルートゥース(BLE;Bluetooth Low Energy)通信を含む)、赤外線通信、超音波通信などのような従来の通信方法を少なくともその一部分において具現するものであり得る。他の例として、通信網100は光通信網であって、ライファイ(LiFi;Light Fidelity)などのような従来の通信方法を少なくともその一部分において具現するものであり得る。
【0021】
次に、本発明の一実施例に係る不整脈推定システム200は通信網100を通じて後述するデバイス300との通信を遂行できる。また、本発明の一実施例に係る不整脈推定システム200は、第1人工ニューラルネットワークを利用して心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントに対応するクラスを推定し、第2人工ニューラルネットワークを利用して心電図信号の第1区間に対応するクラスを推定し、心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントに対応するものと推定されたクラスと心電図信号の第1区間に対応するものと推定されたクラスを相互間で検証する機能を遂行することができる。一方、このような不整脈推定システム200はメモリ手段を具備しマイクロプロセッサを搭載して演算能力を備えたデジタル機器であり得、例えば通信網100上で運営されるサーバーシステムであってもよい。
【0022】
本発明の一実施例に係る不整脈推定システム200の構成と機能に関しては、以下の詳細な説明を通じて詳察することにする。
【0023】
次に、本発明の一実施例に係るデバイス300は、不整脈推定システム200に接続した後に通信できる機能を含むデジタル機器であって、スマートパッチ、スマートウォッチ、スマートバンド、スマートグラスなどのように、メモリ手段を具備しマイクロプロセッサを搭載して演算能力を備えたデジタル機器であって、人体から所定の生体信号(例えば、心電図信号)を測定するためのセンシング手段(例えば、接触電極など)および生体信号の測定に関する多様な情報を使用者に提供する表示手段を含むウェアラブルモニタリングデバイスであり得る。
【0024】
また、本発明の一実施例によると、デバイス300には本発明に係る機能を遂行するためのアプリケーションプログラムがさらに含まれていてもよい。このようなアプリケーションは該当デバイス300内でプログラムモジュールの形態で存在することができる。このようなプログラムモジュールの性格は後述するような不整脈推定システム200の第1推定部210、第2推定部220、検証部230、通信部240および制御部250と全般的に類似し得る。ここで、アプリケーションはその少なくとも一部が必要に応じてそれと実質的に同一または均等な機能を遂行できるハードウェア装置やファームウェア装置で置換されてもよい。
【0025】
不整脈推定システムの構成
【0026】
以下では、本発明の具現のために重要な機能を遂行する不整脈推定システム200の内部構成と各構成要素の機能について詳察することにする。
【0027】
図2は、本発明の一実施例に係る不整脈推定システム200の内部構成を詳細に図示する図面である。
【0028】
図2に図示された通り、本発明の一実施例に係る不整脈推定システム200は第1推定部210、第2推定部220、検証部230、通信部240および制御部250を含むことができる。本発明の一実施例によると、不整脈推定システム200の第1推定部210、第2推定部220、検証部230、通信部240および制御部250は、そのうち少なくとも一部が外部のシステム(図示されず)と通信するプログラムモジュールであり得る。このようなプログラムモジュールは運営システム、応用プログラムモジュールまたはその他プログラムモジュールの形態で不整脈推定システム200に含まれ得、物理的には多様な公知の記憶装置に保存され得る。また、このようなプログラムモジュールは不整脈推定システム200と通信可能な遠隔記憶装置に保存され得る。一方、このようなプログラムモジュールは本発明により後述する特定業務を遂行したり特定抽象データ類型を実行するルーチン、サブルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを包括するが、これに制限されはしない。
【0029】
一方、不整脈推定システム200について前記のように説明されたが、このような説明は例示的なものであり、不整脈推定システム200の構成要素または機能のうち少なくとも一部が必要に応じてデバイス300またはサーバー(図示されず)内で具現されたり外部システム(図示されず)内に含まれてもよいことは当業者に自明である。
【0030】
まず、本発明の一実施例に係る第1推定部210は第1人工ニューラルネットワークを利用して心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントに対応するクラスを推定する機能を遂行することができる。
【0031】
ここで、本発明の一実施例に係る第1人工ニューラルネットワークは心電図信号の所定区間に含まれたビットセグメント(ここで、ビットセグメントは心電図信号に示されるQRS波形(QRS complex)を意味し得る;心電図信号でビットセグメントを検出することは第1人工ニューラルネットワークによってなされてもよく、第1人工ニューラルネットワークでない他の手段乃至方法によってなされてもよい)が第1類型の不整脈を示すクラスのうちどのクラスに対応するかを推定するように学習された人工ニューラルネットワークであり得る。本発明の一実施例によると、第1類型の不整脈にはビットセグメント単位で推定できる不整脈が含まれ得るが、例えば、第1類型の不整脈には心房早期収縮(Atrial Premature Contraction、APC)、心室早期収縮(Ventricular Premature Contraction、VPC)、左脚ブロック(Left Bundle Branch Block、LBBB)、右脚ブロック(Right Bundle Branch Block、RBBB)等が含まれ得る。
【0032】
具体的には、本発明の一実施例に係る第1推定部210は、第1人工ニューラルネットワークを利用して、心電図信号の第1区間に含まれた少なくとも一つのビットセグメントが第1類型の不整脈を示すクラスのうちどのクラスに対応するかを推定でき、ひいてはビットセグメントが第1類型の不整脈を示すクラスのうちいずれのクラスにも対応しない場合には該当ビットセグメントに対応するクラスが正常心電図を示すクラスであると推定することができる。
【0033】
例えば、第1人工ニューラルネットワークに心電図信号が入力されたと仮定してみた時、第1推定部210は第1人工ニューラルネットワークを利用して、心電図信号の第1区間に含まれた5つのビットセグメントのうち4番目のビットセグメントが心房早期収縮(APC)を示すクラスに対応すると推定することができ、心電図信号の第1区間に含まれた5つのビットセグメントのうち最初のビットセグメント、2番目のビットセグメント、3番目のビットセグメントおよび5番目のビットセグメントが正常心電図を示すクラスに対応すると推定することができる。
【0034】
一方、本発明の一実施例によると、第1人工ニューラルネットワークは入力層(input layer)、隠れ層(hidden layer)および出力層(output layer)を含んで構成されるものであって、畳み込みニューラルネットワーク (Convolutional Neural Network、CNN)、循環ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network、RNN)等で具現され得るが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0035】
次に、本発明の一実施例に係る第2推定部220は第2人工ニューラルネットワークを利用して心電図信号の第1区間に対応するクラスを推定する機能を遂行することができる。
【0036】
ここで、本発明の一実施例に係る第2人工ニューラルネットワークは心電図信号の所定区間が第2類型の不整脈を示すクラスのうちどのクラスに対応するかを推定するように学習された人工ニューラルネットワークであり得る。本発明の一実施例によると、第2類型の不整脈には連続したビットセグメント間のリズム変化を通じて推定できる不整脈が含まれ得るが、例えば、第2類型の不整脈には心房細動(Atrial Fibrillation、AFib)、発作性上室性頻脈(Paroxysmal Supraventricular Tachycardia、SVT)、房室ブロック(AV Block)等が含まれ得る。
【0037】
具体的には、本発明の一実施例に係る第2推定部220は、第2人工ニューラルネットワークを利用して、心電図信号の第1区間が第2類型の不整脈を示すクラスのうちどのクラスに対応するかを推定でき、ひいては第1区間が第2類型の不整脈を示すクラスのうちいずれのクラスにも対応しない場合には第1区間に対応するクラスが正常心電図を示すクラスであると推定することができる。
【0038】
例えば、第2人工ニューラルネットワークに心電図信号が入力されたと仮定してみた時、第2推定部220は第2人工ニューラルネットワークを利用して、心電図信号の第1区間が心房細動(AFib)を示すクラスに対応すると推定したり、正常心電図を示すクラスに対応すると推定することができる。
【0039】
一方、本発明の一実施例によると、第2人工ニューラルネットワークは第1人工ニューラルネットワークと並列的に構成され得、このように並列的に構成された第1人工ニューラルネットワークと第2人工ニューラルネットワークには同一の心電図信号が入力され得る。すなわち、同一の心電図信号に対して、第1人工ニューラルネットワークは該当心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントが第1類型の不整脈を示すクラスのうちどのクラスに対応するかを推定でき、第2人工ニューラルネットワークは該当心電図信号の第1区間が第2類型の不整脈を示すクラスのうちどのクラスに対応するかを推定することができる。本発明の一実施例によると、第2人工ニューラルネットワークは第1人工ニューラルネットワークと同様に、入力層、隠れ層および出力層を含んで構成されるものであって、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、循環ニューラルネットワーク(RNN)等で具現され得るが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0040】
次に、本発明の一実施例に係る検証部230は心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントに対応するものと推定されたクラスと心電図信号の第1区間に対応するものと推定されたクラスを相互間で検証する機能を遂行することができる。
【0041】
本発明の一実施例によると、心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントに対応するものと推定されたクラスと心電図信号の第1区間に対応するものと推定されたクラスが互いに両立しない場合が発生し得る。例えば、心電図信号では心房細動(AFib)が発生した区間で心房早期収縮(APC)が現れることができないにも関わらず、心電図信号の第1区間に対応するクラスが心房細動(AFib)を示すクラスと推定され、心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントに対応するクラスが心房早期収縮(APC)を示すクラスと推定される場合が発生し得る。前記の場合のように、心電図信号の第1区間または心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントに対するクラス推定が誤ってなされ得るが、本発明は相互検証過程を通じてこのようなエラーを解決することができる。
【0042】
具体的には、本発明の一実施例に係る検証部230は心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントに対応するものと推定されたクラスと心電図信号の第1区間に対応するものと推定されたクラスを相互間で検証でき、その検証結果により心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントおよび心電図信号の第1区間のうちいずれか一つに対するクラス推定が誤ってなされたと判定される場合には(すなわち、心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントに対応するものと推定されたクラスと心電図信号の第1区間に対応するものと推定されたクラスが互いに両立しない場合には)、心電図信号の第1区間に含まれたビットセグメントに対応するものと推定されたクラスと心電図信号の第1区間に対応するものと推定されたクラスのうちいずれか一つを基準として他の一つを訂正することができる。
【0043】
例えば、
図3に図示された通り、第2人工ニューラルネットワークによって心電図信号の第1区間に対応するクラスが心房細動(AFib)を示すクラスと推定され(S100)、第1人工ニューラルネットワークによって心電図信号の第1区間に含まれた19個のビットセグメントのうち11個のビットセグメントに対応するクラスが心房早期収縮(APC)を示すクラス(「S」で表示される)とそれぞれ推定され、8個のビットセグメントに対応するクラスがそれぞれ正常心電図を示すクラス(「N」で表示される)と推定(S200)されたと仮定してみた時、検証部230は心電図信号の第1区間に対応するものと推定されたクラス(すなわち、心房細動(AFib)を示すクラス)を基準として心電図信号の第1区間に含まれた19個のビットセグメントのうち11個のビットセグメントに対応するものと推定されたクラス、すなわち心房早期収縮(APC)を示すクラスを正常心電図を示すクラスに訂正(S→N)することができる(S300)。
【0044】
次に、本発明の一実施例に係る通信部240は第1推定部210、第2推定部220および検証部230からの/へのデータ送受信を可能にする機能を遂行することができる。
【0045】
最後に、本発明の一実施例に係る制御部250は第1推定部210、第2推定部220、検証部230および通信部240間のデータの流れを制御する機能を遂行することができる。すなわち、本発明に係る制御部250は不整脈推定システム200の外部からの/へのデータの流れまたは不整脈推定システム200の各構成要素間のデータの流れを制御することによって、第1推定部210、第2推定部220、検証部230および通信部240でそれぞれ固有機能を遂行するように制御することができる。
【0046】
以上で説明された本発明に係る実施例は、多様なコンピュータ構成要素を通じて遂行され得るプログラム命令語の形態で具現されてコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録され得る。前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体はプログラム命令語、データファイル、データ構造などを単独でまたは組み合わせて含むことができる。前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されるプログラム命令語は本発明のために特別に設計されて構成されたものであるか、コンピュータソフトウェア分野の当業者に公知になっている使用可能なものであり得る。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例には、ハードディスク、フロッピーディスクおよび磁気テープのような磁気媒体、CD-ROMおよびDVDのような光記録媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気-光媒体(magneto-optical medium)、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどのような、プログラム命令語を保存し実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令語の例には、コンパイラによって作られるような機械語コードだけでなくインタープリタなどを使ってコンピュータによって実行され得る高級言語コードも含まれる。ハードウェア装置は本発明に係る処理を遂行するために一つ以上のソフトウェアモジュールに変更され得、その逆も同様である。
【0047】
以上で本発明が具体的な構成要素などのような特定事項と限定された実施例および図面によって説明されたが、これは本発明のより全般的な理解を助けるために提供されたものに過ぎず、本発明が前記実施例に限定されるものではなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であればこのような記載から多様な修正と変更を試みることができる。
【0048】
したがって、本発明の思想は前記説明された実施例に限定されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなくこの特許請求の範囲と均等なまたはこれから等価的に変更されたすべての範囲は本発明の思想の範疇に属すると言える。
【国際調査報告】