(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】3Dプリント技術を用いて果物用の静菌・鮮度保持包装材料を調製する方法
(51)【国際特許分類】
A23B 7/00 20060101AFI20240925BHJP
A23L 3/00 20060101ALI20240925BHJP
A23L 3/3571 20060101ALI20240925BHJP
B65D 85/50 20060101ALI20240925BHJP
A23B 7/155 20060101ALI20240925BHJP
C12N 1/20 20060101ALN20240925BHJP
【FI】
A23B7/00 101
A23L3/00 101A
A23L3/3571
B65D85/50 120
A23B7/155
C12N1/20 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509070
(86)(22)【出願日】2023-09-14
(85)【翻訳文提出日】2024-02-15
(86)【国際出願番号】 CN2023118762
(87)【国際公開番号】W WO2024046488
(87)【国際公開日】2024-03-07
(31)【優先権主張番号】202211057354.0
(32)【優先日】2022-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517405840
【氏名又は名称】江▲蘇▼大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】黄 暁▲ウェイ▼
(72)【発明者】
【氏名】李 志華
(72)【発明者】
【氏名】▲ゾウ▼ 小波
(72)【発明者】
【氏名】都 柳孜
(72)【発明者】
【氏名】石 吉勇
(72)【発明者】
【氏名】楊 志坤
(72)【発明者】
【氏名】岑 紹怡
(72)【発明者】
【氏名】張 俊俊
(72)【発明者】
【氏名】張 寧
(72)【発明者】
【氏名】孫 偉
【テーマコード(参考)】
3E035
4B021
4B065
4B169
【Fターム(参考)】
3E035AA11
3E035AB01
4B021LA08
4B021LA14
4B021LA15
4B021LW02
4B021MK06
4B021MK28
4B021MP10
4B065AA01X
4B065AA21X
4B065AA30X
4B065AC20
4B065BD50
4B065CA41
4B065CA60
4B169AB05
4B169HA11
4B169KA01
4B169KB07
4B169KC24
4B169KC39
(57)【要約】
本発明は、3Dプリント技術を用いて果物用の静菌・鮮度保持包装材料を調製する方法に関し、新規な食品加工分野に属するものである。ステップは以下の通りである。アラビアゴム、プルランをそれぞれ脱イオン水に溶解させてアラビアゴム溶液とプルラン溶液を得、プロバイオティクスを培養した後、遠心分離と再懸濁を行って菌液を得、最後に菌液、アラビアゴム溶液及びプルラン溶液を混合してコア層溶液を得、ポリ塩化ビニル、変性剤及び可塑剤を混合した後シェル層溶液を得、シェル層溶液とコア層溶液をそれぞれ注射器に注入し、シェル層溶液押し込み速度をコア層溶液押し込み速度よりも大きくし、最後にコアシェル構造の同軸プリント製品を得、次に単軸3Dプリント技術によりシェル層溶液のみを用いて同軸プリント製品の外層にプリントし、内外二層構造を有する静菌・鮮度保持包装材料を得、内層で果物の鮮度を保持し、外層で果物を保護し、顕著な技術効果を得た。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
まず、アラビアゴムを脱イオン水に溶解させて質量濃度が10%~15%のアラビアゴム溶液を得、次に、プルランを脱イオン水に溶解させて質量濃度が10%~15%のプルラン溶液を得、続いて、プロバイオティクスを接種して培養した後、遠心分離と再懸濁を行って濃度が10
9~10
10lg(CFU/g)の菌液を得、最後に、菌液、アラビアゴム溶液及びプルラン溶液を質量比1:3~4:1~3で混合し、密封してから撹拌して溶解させ、コア層溶液を得るコア層溶液調製ステップ(1)と、
ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレンである変性剤及び可塑剤を100:5~10:20~30の質量比で混合してから均一に撹拌し、シェル層溶液を得るシェル層溶液調製ステップ(2)と、
シェル層溶液とコア層溶液を3Dプリント溶液とし、同軸と単軸の3Dプリント技術を用いてプリントする包装材料調製ステップ(3)とを含み、
まず、ステップ(2)で調製されたシェル層溶液とステップ(1)で調製されたコア層溶液をそれぞれ注射器に注入し、シェル層溶液押し込み速度をコア層溶液押し込み速度よりも大きくし、最後に、装置の底板で受け入れ、コアシェル構造の同軸プリント製品を得、
続いて、単軸3Dプリント技術によりシェル層溶液のみを用いて同軸プリント製品のコアシェル構造の外層にプリントすることで、内外二層構造を有する静菌・鮮度保持包装材料を得、内層が果物に鮮度保持の作用を果たし、外層が保護の作用を果たすことを特徴とする3Dプリント技術を用いて果物用の静菌・鮮度保持包装材料を調製する方法。
【請求項2】
ステップ(1)に記載のプロバイオティクスは、アシドフィルス菌、カセイ菌、ビフィドバクテリウム・サーモフィラム、ラクトバチルス・ブルガリカスのいずれかであり、前記プロバイオティクスの培養の具体的な条件は、1~2g:100mlの接種比率でMRS液体培養基に接種して培養し、培養温度を35~37℃とし、培養時間を10~12hとすることであることを特徴とする請求項1に記載の3Dプリント技術を用いて果物用の静菌・鮮度保持包装材料を調製する方法。
【請求項3】
ステップ(3)に記載の同軸3Dプリント技術の条件パラメータは、ノズル直径として、コア層ノズル直径が0.8~1.4mmで、シェル層ノズル直径が1.7~2.5mmであり、プリント温度として、コア層プリント温度25~40℃、シェル層プリント温度30~60℃を選択し、押し込み速度として、コア層溶液押し込み速度5~8mm/s、シェル層溶液押し込み速度15~40mm/sを選択し、前記コア層溶液押し込み速度とシェル層溶液押し込み速度との比を1:(3~5)とし、プリント速度を全て15~30mm/sとすることを特徴とする請求項1に記載の3Dプリント技術を用いて果物用の静菌・鮮度保持包装材料を調製する方法。
【請求項4】
ステップ(3)に記載の単軸3Dプリント技術の条件パラメータは、ノズル直径を1.7~2.5mmとし、プリント温度を30~60℃とし、プリント速度を15~30mm/sとすることを特徴とする請求項1に記載の3Dプリント技術を用いて果物用の静菌・鮮度保持包装材料を調製する方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の方法で調製された包装材料の食品抗菌及び鮮度保持への用途。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3Dプリント技術を用いて果物用の静菌・鮮度保持包装材料を調製する方法に関し、新規な食品加工分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
果物は人間の食物の重要な構成部分であり、ビタミン、食物繊維及び植物化学物質等の重要な供給源であり、十分な果物摂取量は、体の健康の維持、免疫力の向上、糖尿病や高血圧等の慢性疾患の発生リスクの低下に重要な役割を果たす。しかし、果物は貯蔵や輸送の過程において、衝突により機械的に損傷されたり、環境中の微生物により染汚されて腐敗変質したりして、果物そのものの風味や口当たりを破壊し、それ自体の価値を失うことがある。所定の厚さの材料を用いて多孔質構造を製作することで衝突防止と鮮度保持を行う衝突防止・鮮度保持用の透明果物被覆袋を開示した文献があり、このような包装材料は果物の貯蔵過程での機械的損傷をある程度減少するが、多孔質構造により外部微生物による汚染を受けやすいため、果物の新鮮度を低下させてしまう。特定の材質にガスを充填することで衝突防止の効果を果たすスイミツトウ専用の鮮度保持・衝突防止ガス充填フィルムバッグを開示した文献があり、このような方法は果物の機械的損傷をある程度低減するが、製造された包装袋は構造が複雑で、製造しにくく、経済的コストが高く、企業の長期的発展に不利であると共に、使用される包装材料が分解できない。
【0003】
プロバイオティクスは十分に摂取されるヒトの健康に有益な生きている微生物と定義されている。例えば、プロバイオティクスは、胃腸の不快感を緩和したり、腸管機能を調節したりすることができ、プロバイオティクスを服用することによって人体の代謝を促進し、脂質降下、ダイエットの作用を果たすことができると共に、人体の肌の健康に有利である。しかし、食品包装分野への活用についての報道はほとんどない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、現在果物鮮度保持の面にまだ欠点があり、輸送過程で果物が損傷されやすい等の問題に基づいて、多糖とPVCを材料とし、同軸と単軸の3Dプリント技術を用い、難燃性に優れて硬度範囲が広いPVC材料をシェル層に担持し、静菌効果を有するプロバイオティクスをコア層に封入することで、コアシェル構造の製品をプリントすると共に、単軸プリントによって一層の衝突防止層を製作して外層保護能力をより強くし、結果的に内層で果物の鮮度を保持し外層で保護する3Dプリント包装材料を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以下の技術的手段によって上記技術目的を実現する。
【0006】
まず、アラビアゴムを脱イオン水に溶解させ、アラビアゴム溶液を得、次に、プルランを脱イオン水に溶解させ、プルラン溶液を得、続いて、プロバイオティクスを培養した後、遠心分離と再懸濁を行い、菌液を得、最後に、菌液、アラビアゴム溶液及びプルラン溶液を所定の比率で混合し、密封してから撹拌して溶解させ、コア層溶液を得るコア層溶液調製ステップ(1)と、
ポリ塩化ビニル(PVC)、変性剤及び可塑剤を混合してから均一に撹拌し、シェル層溶液を得るシェル層溶液調製ステップ(2)と、
シェル層溶液とコア層溶液を3Dプリント溶液とし、同軸と単軸の3Dプリント技術を用いてプリントする包装材料調製ステップ(3)とを含み、
まず、ステップ(1)で調製されたシェル層溶液とコア層溶液をそれぞれ注射器に注入し、シェル層溶液押し込み速度をコア層溶液押し込み速度よりも大きくし、最後に、装置の底板で受け入れ、コアシェル構造の同軸プリント製品を得、
続いて、単軸3Dプリント技術によりシェル層溶液のみを用いて同軸プリント製品のコアシェル構造の外層にプリントすることで、内外二層構造を有する静菌・鮮度保持包装材料を得、内層が果物に鮮度保持の作用を果たし、外層が保護の作用を果たす、PVC材料と多糖を用いてプロバイオティクス含有3Dプリント包装材料を開発する方法である。
【0007】
好ましくは、ステップ(1)に記載のアラビアゴム溶液の質量濃度は10%~15%であり、プルラン溶液の質量濃度は10%~15%である。
【0008】
好ましくは、ステップ(1)に記載のプロバイオティクスは、アシドフィルス菌、カセイ菌、ビフィドバクテリウム・サーモフィラム、ラクトバチルス・ブルガリカスのいずれかであり、前記プロバイオティクスの培養の具体的な条件は、1~2g:100mlの接種比率でMRS液体培養基に接種して培養し、培養温度を35~37℃とし、培養時間を10~12hとすることであり、前記菌液の濃度は109~1010lg(CFU/g)である。
【0009】
好ましくは、ステップ(1)に記載のアラビアゴム溶液、プルラン溶液及び菌液を1:3~4:1~3の質量比で混合する。
【0010】
好ましくは、ステップ(2)に記載の変性剤は、塩素化ポリエチレン(CPE)、アクリル酸エステル共重合体(ACR)、ニトリルゴム(NBR)又は二酸化ケイ素(SiO2)のいずれかであり、前記可塑剤は、エチレン-酢酸ビニルゴム(EVM)、アジピン酸ジイソデシル(DIDA)、アゼライン酸ジオクチル(DOZ)、セバシン酸ジブチル(DBS)、セバシン酸ジオクチル(DOS)又はフタル酸ジオクチル(DOP)のいずれかである。
【0011】
好ましくは、ステップ(2)に記載のポリ塩化ビニル(PVC)、変性剤及び可塑剤は100:5~10:20~30の質量比で混合する。
【0012】
好ましくは、ステップ(3)に記載の同軸3Dプリント技術の条件パラメータは、コア層ノズル直径が0.8~1.4mmで、シェル層ノズル直径が1.7~2.5mmであり、プリント温度として、コア層プリント温度25~40℃、シェル層プリント温度30~60℃を選択し、押し込み速度として、コア層溶液押し込み速度5~8mm/s、シェル層溶液押し込み速度15~40mm/sを選択し、前記コア層溶液押し込み速度とシェル層溶液速度との比を1:(3~5)とし、プリント速度を全て15~30mm/sとする。
【0013】
好ましくは、ステップ(3)に記載の単軸3Dプリント技術の条件パラメータは、ノズル直径を1.7~2.5mmとし、プリント温度を30~60℃とし、プリント速度を15~30mm/sとする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の設計によるPVC材料と多糖で開発されたプロバイオティクス含有3Dプリント包装材料においては、同軸技術によってプロバイオティクスを内層にプリントすることで、プロバイオティクスにより細胞外多糖等の静菌成分を生成して果物の鮮度をより好適に保持することができ、一方、プロバイオティクスにより宿主の健康に積極的な影響を与え、便秘や下痢等の様々な疾患を予防する。従って、このような静菌成分を直接鮮度保持製品と接触させることができ、静菌作用を大きく向上させるだけでなく、人体に無害となる。
【0015】
いわゆる鮮度保持はコア層溶液中のプロバイオティクスで具現化し、プロバイオティクスに多種のバクテリオシンを含んで静菌作用を果たすことができるため、果物の賞味期限が長くなる。また、シェル層変性PVC材料はその硬度調節可能性によって外層で外部による果物の機械的損傷を好適に抑えることができ、2種の材料を用いて同軸3Dプリント技術によって果物形状に類似したシェルをプリントし、続いて、同軸を基に単軸によって更に一層の衝突防止層をプリントすることで、果物を保護し、このようにして、果物により好適な鮮度保持作用を果たす。
【0016】
本発明の設計によるPVC材料と多糖で開発されたプロバイオティクス含有3Dプリント包装材料においては、シェル層溶液におけるPVC、変性剤及び可塑剤の間の比率を調節することによって、シェル層のプリント可能性と硬度調節可能性を大きく向上させ、更に果物の貯蔵や輸送の過程での不可避な衝突による損傷をより好適に低減させることができ、そのようにして果物の鮮度保持時間を長くすることができる。ポリ塩化ビニル(PVC)、変性剤及び可塑剤の比率によっては、包装材料の引張強度が小さくなり、伸び率が高くなり、これはポリ塩化ビニル(PVC)、変性剤及び可塑剤の比率が包装材料の機械的強度に一定の影響を及ぼすことを表し、特に可塑剤の部数が20~30にあり、変性剤部数が5~10にある場合は効果が一番明らかであった。
【0017】
本発明の設計によるPVC材料と多糖で開発されたプロバイオティクス含有3Dプリント包装材料においては、果物に対する鮮度保持は主に、内層のプロバイオティクスが静菌活性成分を生成して果物の腐敗変質を遅らせることができる点、外層変性PVC材料が果物の輸送過程での不必要な機械的損傷を低減させることができる点で具現化し、両方を組み合わせることで果物鮮度保持能力を大きく向上させる。
【0018】
本発明の設計による包装材料においては、同軸と単軸の3Dプリント技術を用いることで、内層による鮮度保持作用を実現し、一方、外層の多種厚さの衝突防止層が果物の機械的損傷の低減に非常に重要な作用を果たし、また、設計された包装材料は安全で無毒で、食品と直接接触し得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】単軸(A)と同軸(B)の3Dプリント装置の模式図である。
【
図2】3種の溶液の異なる比率の混合条件でのプロバイオティクスの生存率である。
【
図3】異なる比率のポリ塩化ビニル(PVC)、変性剤及び可塑剤を加えて、異なる方式で調製された包装材料の引張強度(A)と破断伸び率(B)を試験した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の目的、技術手順及びメリットをより明らかにするために、以下の具体的な実施形態に基づき、一定の図面を参照して本発明を更に詳細に説明する。
【0021】
プロバイオティクス菌液の培養は具体的には以下の通りである。培養全過程を無菌条件で行い、1gのプロバイオティクス粉末を50mlのMRS液体培養基に入れて37℃で12h培養し、続いて、この菌液を5000rで5min遠心分離し、生理食塩水で再懸濁させ、最後に濃度が109lg(CFU/g)のプロバイオティクス再懸濁液を得た。
【実施例1】
【0022】
PVC材料と多糖を用いてプロバイオティクス含有3Dプリント包装材料を開発する方法であり、同軸と単軸の3Dプリント技術を用い、以下のステップを含む。
(1)コア層溶液の調製:まず、アラビアゴムを脱イオン水に溶解させて質量分率が20%のアラビアゴム溶液を得、プルランを脱イオン水に溶解させて質量分率が20%のプルラン溶液を得、続いて、ラクトバチルス・ブルガリカスの再懸濁液を上記混合液に加え、均一に撹拌してコア層溶液とし、ただし、アラビアゴム溶液、プルラン溶液及び菌液の質量比を1:4:1、1:4:1.5、1:4:2、1:4:2.5に設定する。
(2)シェル層溶液の調製:重合度が1800のPVC、可塑剤であるエチレン-酢酸ビニルゴム(EVM)、変性剤である塩素化ポリエチレン(CPE)を選択し、PVC、変性剤及び可塑剤の三者を所定の比率で混合した後170℃の高温で均一に撹拌して3種の材料の混合物を得、続いて60℃まで冷却させてシェル層溶液とし、ただし、ポリ塩化ビニル(PVC)、変性剤及び可塑剤の比率を100:5:20、100:6:22、100:7:24、100:8:25、100:9:30、100:10:32に設定する。
(3)包装材料の調製:同軸と単軸の3Dプリント技術を用い、前記のシェル層とコア層溶液をそれぞれ注射器に注入する。
まず、同軸3Dプリントを行い、条件パラメータは、コア層ノズル直径が1.4mm、シェル層ノズル直径が2.5mmであり、プリント温度として、コア層プリント温度37℃、シェル層プリント温度60℃を選択し、プリント速度を全て25mm/sにする。
続いて、シェル層溶液のみを用いて単軸3Dプリントを行い、単軸パラメータは、ノズル直径が2.5mmで、プリント温度が60℃で、プリント速度が25mm/sである。
【0023】
上記包装材料の静菌能力をより好適に表現するために、コア層溶液中のプロバイオティクスの生存率を試験することで、それを一方面で表現することができる。
【0024】
図2はアラビアゴム溶液、プルラン溶液及び菌液の異なる混合比率条件でのプロバイオティクスの生存率であり、ただし、GA-PUL-LB(a)、GA-PUL-LB(b)、GA-PUL-LB(c)、GA-PUL-LB(d)はアラビアゴム溶液、プルラン溶液及び菌液の質量比1:4:1、1:4:1.5、1:4:2、1:4:2.5に対応し、
図2から分かるように、初期において、GA-PUL-LB(a)中のプロバイオティクス数が8.03±0.12[lg(CFU/g)]であり、GA-PUL-LB(b)中のプロバイオティクス数が8.54±0.13[lg(CFU/g)]であり、GA-PUL-LB(c)中のプロバイオティクス数が9.72±0.15[lg(CFU/g)]であり、GA-PUL-LB(d)のプロバイオティクス数が10.15±0.17[lg(CFU/g)]であり、室温で28日貯蔵した後、GA-PUL-LB(a)のプロバイオティクス数が4.82±0.16[lg(CFU/g)]であり、GA-PUL-LB(b)のプロバイオティクス数が5.15±0.14[lg(CFU/g)]であり、GA-PUL-LB(c)のプロバイオティクス数が6.28±0.18[lg(CFU/g)]であり、GA-PUL-LB(d)のプロバイオティクス数が6.75±0.14[lg(CFU/g)]であった。初期のプロバイオティクス数に比べると、GA-PUL-LB(a)の生存率が60.02%であり、GA-PUL-LB(b)の生存率が60.30%であり、GA-PUL-LB(c)の生存率が64.61%であり、GA-PUL-LB(d)の生存率が66.50%であった。以上のように、本発明で限定された比率条件のいずれにおいても良好な鮮度保持効果を果たすことができ、また、初期のプロバイオティクス含有量が多いほど、28日後に生きているプロバイオティクスの含有量も多い。これは初期濃度が高いプロバイオティクスがより優れた鮮度保持効果を有することを表す。
【0025】
図3は異なる比率のポリ塩化ビニル(PVC)、変性剤及び可塑剤を加えて、異なる方式で調製された包装材料の引張強度(A)及び破断伸び率(B)に及ぼす影響であり、ただし、横座標の1、2、3、4、5、6はそれぞれシェル層溶液中のポリ塩化ビニル(PVC)、変性剤及び可塑剤の比率である100:5:20、100:6:22、100:7:24、100:8:25、100:9:30、100:10:32を表し、ただし、Uniaxial、Coaxial、Uniaxial-Coaxialはそれぞれ単軸、同軸、同軸と単軸のプリント方式を表す。
【0026】
図3から分かるように、変性剤及び可塑剤の増加に伴い、包装材料は引張強度が低下する傾向にあり、伸び率が上昇する傾向にあり、これはポリ塩化ビニル(PVC)、変性剤及び可塑剤の含有量の変化が包装材料の機械的強度に重要な影響を及ぼすことを表し、ただし、ポリ塩化ビニル(PVC)、変性剤及び可塑剤の比率が100:25:8及び100:30:9であった時に、その引張強度と破断伸び率がいずれもプリントしやすくて成型しやすい比率にあり、この比率条件で、材料はより好適にその衝突防止機能を発揮し、これはこの比率条件で果物鮮度保持により有利となることを示す。
【0027】
また、
図3から分かるように、ポリ塩化ビニル(PVC)、変性剤及び可塑剤の比率が変わらない場合に、異なるプリント方式(単軸、同軸、単軸と同軸)が包装材料の機械的強度に対しても非常に重要な影響を及ぼし、異なるプリント方式は直接材料の性能に影響を及ぼし、特に、同軸と単軸のプリント方式が包装材料の機械的強度に及ぼす影響が一番大きい。
【0028】
以上の実施例は本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明に記載の技術手段を限定するものではないため、本明細書において上記の各実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、本発明に対して修正や同等な置き換えを行うことができ、本発明の主旨と範囲から逸脱しない技術手段及びその改良はいずれも本発明の特許請求の範囲に含まれるべきであることが当業者に理解される。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3Dプリント技術を用いて果物用の静菌・鮮度保持包装材料を調製する方法に関し、新規な食品加工分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
果物は人間の食物の重要な構成部分であり、ビタミン、食物繊維及び植物化学物質等の重要な供給源であり、十分な果物摂取量は、体の健康の維持、免疫力の向上、糖尿病や高血圧等の慢性疾患の発生リスクの低下に重要な役割を果たす。しかし、果物は貯蔵や輸送の過程において、衝突により機械的に損傷されたり、環境中の微生物により染汚されて腐敗変質したりして、果物そのものの風味や口当たりを破壊し、それ自体の価値を失うことがある。所定の厚さの材料を用いて多孔質構造を製作することで衝突防止と鮮度保持を行う衝突防止・鮮度保持用の透明果物被覆袋を開示した文献があり、このような包装材料は果物の貯蔵過程での機械的損傷をある程度減少するが、多孔質構造により外部微生物による汚染を受けやすいため、果物の新鮮度を低下させてしまう。特定の材質にガスを充填することで衝突防止の効果を果たすスイミツトウ専用の鮮度保持・衝突防止ガス充填フィルムバッグを開示した文献があり、このような方法は果物の機械的損傷をある程度低減するが、製造された包装袋は構造が複雑で、製造しにくく、経済的コストが高く、企業の長期的発展に不利であると共に、使用される包装材料が分解できない。
【0003】
プロバイオティクスは十分に摂取されるヒトの健康に有益な生きている微生物と定義されている。例えば、プロバイオティクスは、胃腸の不快感を緩和したり、腸管機能を調節したりすることができ、プロバイオティクスを服用することによって人体の代謝を促進し、脂質降下、ダイエットの作用を果たすことができると共に、人体の肌の健康に有利である。しかし、食品包装分野への活用についての報道はほとんどない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、現在果物鮮度保持の面にまだ欠点があり、輸送過程で果物が損傷されやすい等の問題に基づいて、多糖とPVCを材料とし、同軸と単軸の3Dプリント技術を用い、難燃性に優れて硬度範囲が広いPVC材料をシェル層に担持し、静菌効果を有するプロバイオティクスをコア層に封入することで、コアシェル構造の製品をプリントすると共に、単軸プリントによって一層の衝突防止層を製作して外層保護能力をより強くし、結果的に内層で果物の鮮度を保持し外層で保護する3Dプリント包装材料を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以下の技術的手段によって上記技術目的を実現する。
【0006】
まず、アラビアゴムを脱イオン水に溶解させ、質量濃度が10%~15%のアラビアゴム溶液を得、次に、プルランを脱イオン水に溶解させ、質量濃度が10%~15%のプルラン溶液を得、続いて、プロバイオティクスを接種して培養した後、遠心分離と再懸濁を行い、濃度が10
9
~10
10
lg(CFU/g)の菌液を得、最後に、菌液、アラビアゴム溶液及びプルラン溶液を質量比1:3~4:1~3で混合し、密封してから撹拌して溶解させ、コア層溶液を得るコア層溶液調製ステップ(1)と、
ポリ塩化ビニル(PVC)、塩素化ポリエチレン(CPE)である変性剤及び可塑剤を100:5~10:20~30の質量比で混合してから均一に撹拌し、シェル層溶液を得るシェル層溶液調製ステップ(2)と、
シェル層溶液とコア層溶液を3Dプリント溶液とし、同軸と単軸の3Dプリント技術を用いてプリントする包装材料調製ステップ(3)とを含み、
まず、ステップ(2)で調製されたシェル層溶液とステップ(1)で調製されたコア層溶液をそれぞれ注射器に注入し、シェル層溶液押し込み速度をコア層溶液押し込み速度よりも大きくし、最後に、装置の底板で受け入れ、コアシェル構造の同軸プリント製品を得、
続いて、単軸3Dプリント技術によりシェル層溶液のみを用いて同軸プリント製品のコアシェル構造の外層にプリントすることで、内外二層構造を有する静菌・鮮度保持包装材料を得、内層が果物に鮮度保持の作用を果たし、外層が保護の作用を果たす、PVC材料と多糖を用いてプロバイオティクス含有3Dプリント包装材料を開発する方法である。
【0007】
好ましくは、ステップ(1)に記載のプロバイオティクスは、アシドフィルス菌、カセイ菌、ビフィドバクテリウム・サーモフィラム、ラクトバチルス・ブルガリカスのいずれかであり、前記プロバイオティクスの培養の具体的な条件は、1~2g:100mlの接種比率でMRS液体培養基に接種して培養し、培養温度を35~37℃とし、培養時間を10~12hとすることである。
【0008】
好ましくは、ステップ(3)に記載の同軸3Dプリント技術の条件パラメータは、ノズル直径として、コア層ノズル直径が0.8~1.4mmで、シェル層ノズル直径が1.7~2.5mmであり、プリント温度として、コア層プリント温度25~40℃、シェル層プリント温度30~60℃を選択し、押し込み速度として、コア層溶液押し込み速度5~8mm/s、シェル層溶液押し込み速度15~40mm/sを選択し、前記コア層溶液押し込み速度とシェル層溶液押し込み速度との比を1:(3~5)とし、プリント速度を全て15~30mm/sとする。
【0009】
好ましくは、ステップ(3)に記載の単軸3Dプリント技術の条件パラメータは、ノズル直径を1.7~2.5mmとし、プリント温度を30~60℃とし、プリント速度を15~30mm/sとする。
【0010】
本発明は、上記方法により調製される包装材料の食品静菌・鮮度保持への用途を更に提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の設計によるPVC材料と多糖で開発されたプロバイオティクス含有3Dプリント包装材料においては、同軸技術によってプロバイオティクスを内層にプリントすることで、プロバイオティクスにより細胞外多糖等の静菌成分を生成して果物の鮮度をより好適に保持することができ、一方、プロバイオティクスにより宿主の健康に積極的な影響を与え、便秘や下痢等の様々な疾患を予防する。従って、このような静菌成分を直接鮮度保持製品と接触させることができ、静菌作用を大きく向上させるだけでなく、人体に無害となる。
【0012】
いわゆる鮮度保持はコア層溶液中のプロバイオティクスで具現化し、プロバイオティクスに多種のバクテリオシンを含んで静菌作用を果たすことができるため、果物の賞味期限が長くなる。また、シェル層変性PVC材料はその硬度調節可能性によって外層で外部による果物の機械的損傷を好適に抑えることができ、2種の材料を用いて同軸3Dプリント技術によって果物形状に類似したシェルをプリントし、続いて、同軸を基に単軸によって更に一層の衝突防止層をプリントすることで、果物を保護し、このようにして、果物により好適な鮮度保持作用を果たす。
【0013】
本発明の設計によるPVC材料と多糖で開発されたプロバイオティクス含有3Dプリント包装材料においては、シェル層溶液におけるPVC、変性剤及び可塑剤の間の比率を調節することによって、シェル層のプリント可能性と硬度調節可能性を大きく向上させ、更に果物の貯蔵や輸送の過程での不可避な衝突による損傷をより好適に低減させることができ、そのようにして果物の鮮度保持時間を長くすることができる。ポリ塩化ビニル(PVC)、変性剤及び可塑剤の比率によっては、包装材料の引張強度が小さくなり、伸び率が高くなり、これはポリ塩化ビニル(PVC)、変性剤及び可塑剤の比率が包装材料の機械的強度に一定の影響を及ぼすことを表し、特に可塑剤の部数が20~30にあり、変性剤部数が5~10にある場合は効果が一番明らかであった。
【0014】
本発明の設計によるPVC材料と多糖で開発されたプロバイオティクス含有3Dプリント包装材料においては、果物に対する鮮度保持は主に、内層のプロバイオティクスが静菌活性成分を生成して果物の腐敗変質を遅らせることができる点、外層変性PVC材料が果物の輸送過程での不必要な機械的損傷を低減させることができる点で具現化し、両方を組み合わせることで果物鮮度保持能力を大きく向上させる。
【0015】
本発明の設計による包装材料においては、同軸と単軸の3Dプリント技術を用いることで、内層による鮮度保持作用を実現し、一方、外層の多種厚さの衝突防止層が果物の機械的損傷の低減に非常に重要な作用を果たし、また、設計された包装材料は安全で無毒で、食品と直接接触し得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】単軸(A)と同軸(B)の3Dプリント装置の模式図である。
【
図2】3種の溶液の異なる比率の混合条件でのプロバイオティクスの生存率である。
【
図3】異なる比率のポリ塩化ビニル(PVC)、変性剤及び可塑剤を加えて、異なる方式で調製された包装材料の引張強度(A)と破断伸び率(B)を試験した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の目的、技術手順及びメリットをより明らかにするために、以下の具体的な実施形態に基づき、一定の図面を参照して本発明を更に詳細に説明する。
【0018】
プロバイオティクス菌液の培養は具体的には以下の通りである。培養全過程を無菌条件で行い、1gのプロバイオティクス粉末を50mlのMRS液体培養基に入れて37℃で12h培養し、続いて、この菌液を5000rで5min遠心分離し、生理食塩水で再懸濁させ、最後に濃度が109lg(CFU/g)のプロバイオティクス再懸濁液を得た。
【実施例1】
【0019】
PVC材料と多糖を用いてプロバイオティクス含有3Dプリント包装材料を開発する方法であり、同軸と単軸の3Dプリント技術を用い、以下のステップを含む。
(1)コア層溶液の調製:まず、アラビアゴムを脱イオン水に溶解させて質量分率が20%のアラビアゴム溶液を得、プルランを脱イオン水に溶解させて質量分率が20%のプルラン溶液を得、続いて、ラクトバチルス・ブルガリカスの再懸濁液を上記混合液に加え、均一に撹拌してコア層溶液とし、ただし、アラビアゴム溶液、プルラン溶液及び菌液の質量比を1:4:1、1:4:1.5、1:4:2、1:4:2.5に設定する。
(2)シェル層溶液の調製:重合度が1800のPVC、可塑剤であるエチレン-酢酸ビニルゴム(EVM)、変性剤である塩素化ポリエチレン(CPE)を選択し、PVC、変性剤及び可塑剤の三者を所定の比率で混合した後170℃の高温で均一に撹拌して3種の材料の混合物を得、続いて60℃まで冷却させてシェル層溶液とし、ただし、ポリ塩化ビニル(PVC)、変性剤及び可塑剤の比率を100:5:20、100:6:22、100:7:24、100:8:25、100:9:30、100:10:32に設定する。
(3)包装材料の調製:同軸と単軸の3Dプリント技術を用い、前記のシェル層とコア層溶液をそれぞれ注射器に注入する。
まず、同軸3Dプリントを行い、条件パラメータは、コア層ノズル直径が1.4mm、シェル層ノズル直径が2.5mmであり、プリント温度として、コア層プリント温度37℃、シェル層プリント温度60℃を選択し、プリント速度を全て25mm/sにする。
続いて、シェル層溶液のみを用いて単軸3Dプリントを行い、単軸パラメータは、ノズル直径が2.5mmで、プリント温度が60℃で、プリント速度が25mm/sである。
【0020】
上記包装材料の静菌能力をより好適に表現するために、コア層溶液中のプロバイオティクスの生存率を試験することで、それを一方面で表現することができる。
【0021】
図2はアラビアゴム溶液、プルラン溶液及び菌液の異なる混合比率条件でのプロバイオティクスの生存率であり、ただし、GA-PUL-LB(a)、GA-PUL-LB(b)、GA-PUL-LB(c)、GA-PUL-LB(d)はアラビアゴム溶液、プルラン溶液及び菌液の質量比1:4:1、1:4:1.5、1:4:2、1:4:2.5に対応し、
図2から分かるように、初期において、GA-PUL-LB(a)中のプロバイオティクス数が8.03±0.12[lg(CFU/g)]であり、GA-PUL-LB(b)中のプロバイオティクス数が8.54±0.13[lg(CFU/g)]であり、GA-PUL-LB(c)中のプロバイオティクス数が9.72±0.15[lg(CFU/g)]であり、GA-PUL-LB(d)のプロバイオティクス数が10.15±0.17[lg(CFU/g)]であり、室温で28日貯蔵した後、GA-PUL-LB(a)のプロバイオティクス数が4.82±0.16[lg(CFU/g)]であり、GA-PUL-LB(b)のプロバイオティクス数が5.15±0.14[lg(CFU/g)]であり、GA-PUL-LB(c)のプロバイオティクス数が6.28±0.18[lg(CFU/g)]であり、GA-PUL-LB(d)のプロバイオティクス数が6.75±0.14[lg(CFU/g)]であった。初期のプロバイオティクス数に比べると、GA-PUL-LB(a)の生存率が60.02%であり、GA-PUL-LB(b)の生存率が60.30%であり、GA-PUL-LB(c)の生存率が64.61%であり、GA-PUL-LB(d)の生存率が66.50%であった。以上のように、本発明で限定された比率条件のいずれにおいても良好な鮮度保持効果を果たすことができ、また、初期のプロバイオティクス含有量が多いほど、28日後に生きているプロバイオティクスの含有量も多い。これは初期濃度が高いプロバイオティクスがより優れた鮮度保持効果を有することを表す。
【0022】
図3は異なる比率のポリ塩化ビニル(PVC)、変性剤及び可塑剤を加えて、異なる方式で調製された包装材料の引張強度(A)及び破断伸び率(B)に及ぼす影響であり、ただし、横座標の1、2、3、4、5、6はそれぞれシェル層溶液中のポリ塩化ビニル(PVC)、変性剤及び可塑剤の比率である100:5:20、100:6:22、100:7:24、100:8:25、100:9:30、100:10:32を表し、ただし、Uniaxial、Coaxial、Uniaxial-Coaxialはそれぞれ単軸、同軸、同軸と単軸のプリント方式を表す。
【0023】
図3から分かるように、変性剤及び可塑剤の増加に伴い、包装材料は引張強度が低下する傾向にあり、伸び率が上昇する傾向にあり、これはポリ塩化ビニル(PVC)、変性剤及び可塑剤の含有量の変化が包装材料の機械的強度に重要な影響を及ぼすことを表し、ただし、ポリ塩化ビニル(PVC)、変性剤及び可塑剤の比率が100:25:8及び100:30:9であった時に、その引張強度と破断伸び率がいずれもプリントしやすくて成型しやすい比率にあり、この比率条件で、材料はより好適にその衝突防止機能を発揮し、これはこの比率条件で果物鮮度保持により有利となることを示す。
【0024】
また、
図3から分かるように、ポリ塩化ビニル(PVC)、変性剤及び可塑剤の比率が変わらない場合に、異なるプリント方式(単軸、同軸、単軸と同軸)が包装材料の機械的強度に対しても非常に重要な影響を及ぼし、異なるプリント方式は直接材料の性能に影響を及ぼし、特に、同軸と単軸のプリント方式が包装材料の機械的強度に及ぼす影響が一番大きい。
【0025】
以上の実施例は本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明に記載の技術手段を限定するものではないため、本明細書において上記の各実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、本発明に対して修正や同等な置き換えを行うことができ、本発明の主旨と範囲から逸脱しない技術手段及びその改良はいずれも本発明の特許請求の範囲に含まれるべきであることが当業者に理解される。
【国際調査報告】