IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヴィアサット,インコーポレイテッドの特許一覧

特表2024-535689電子的に操縦可能なアンテナの初期位置決めのためのシステム及び方法
<>
  • 特表-電子的に操縦可能なアンテナの初期位置決めのためのシステム及び方法 図1
  • 特表-電子的に操縦可能なアンテナの初期位置決めのためのシステム及び方法 図2
  • 特表-電子的に操縦可能なアンテナの初期位置決めのためのシステム及び方法 図3
  • 特表-電子的に操縦可能なアンテナの初期位置決めのためのシステム及び方法 図4
  • 特表-電子的に操縦可能なアンテナの初期位置決めのためのシステム及び方法 図5
  • 特表-電子的に操縦可能なアンテナの初期位置決めのためのシステム及び方法 図6
  • 特表-電子的に操縦可能なアンテナの初期位置決めのためのシステム及び方法 図7
  • 特表-電子的に操縦可能なアンテナの初期位置決めのためのシステム及び方法 図8
  • 特表-電子的に操縦可能なアンテナの初期位置決めのためのシステム及び方法 図9
  • 特表-電子的に操縦可能なアンテナの初期位置決めのためのシステム及び方法 図10
  • 特表-電子的に操縦可能なアンテナの初期位置決めのためのシステム及び方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】電子的に操縦可能なアンテナの初期位置決めのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01Q 3/34 20060101AFI20240925BHJP
   H01Q 3/04 20060101ALI20240925BHJP
   B64G 3/00 20060101ALN20240925BHJP
【FI】
H01Q3/34
H01Q3/04
B64G3/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024509344
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(85)【翻訳文提出日】2024-04-05
(86)【国際出願番号】 US2022036583
(87)【国際公開番号】W WO2023022809
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】63/235,538
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
(71)【出願人】
【識別番号】513180451
【氏名又は名称】ヴィアサット,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ViaSat,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】メンデルゾーン,アーロン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ダンベルグ,マーク ディー.
【テーマコード(参考)】
5J021
【Fターム(参考)】
5J021AA09
5J021DA02
5J021DA06
5J021DB00
5J021EA02
5J021FA05
5J021FA13
5J021FA26
5J021HA07
(57)【要約】
天頂方向に対するオフセット角での電子的に操縦可能な衛星アンテナを有するユーザ端末を備える衛星通信システムが提供される。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星通信システムのユーザ端末であって、
操縦可能なビームを有する電子的に操縦可能な衛星アンテナであって、前記操縦可能なビームは、前記電子的に操縦可能な衛星アンテナのボアサイト方向に対する走査角にわたって電子的に操縦可能である、電子的に操縦可能な衛星アンテナと、
前記電子的に操縦可能な衛星アンテナを地球に対して静的な物理的な向きで固定するための物理的なアンテナマウントであって、前記電子的に操縦可能な衛星アンテナの前記静的な物理的な向きは、前記電子的に操縦可能な衛星アンテナの前記ボアサイト方向を前記ユーザ端末における天頂方向に対するオフセット角で配置する、物理的なアンテナマウントとを含み、
前記オフセット角は、地球上の前記ユーザ端末の位置、及び前記衛星通信システムの複数の非静止地球軌道(非GEO)通信衛星の1つ以上の軌道パラメータに少なくとも部分的に基づき、前記電子的に操縦可能な衛星アンテナは前記複数の非GEO通信衛星と通信するように構成され、前記オフセット角は少なくとも1つの静止地球軌道(GEO)通信衛星に向かう方向にある、衛星通信システムのユーザ端末。
【請求項2】
前記オフセット角は経度方向のオフセットコンポーネントを含み、前記経度方向のオフセットコンポーネントは前記複数の非GEO通信衛星の軌道傾斜角に少なくとも部分的に基づく、請求項1に記載のユーザ端末。
【請求項3】
前記経度方向のオフセットコンポーネントは、前記ユーザ端末と前記複数の非GEO通信衛星との間の通信カバレッジを最大化するように決定される、請求項2に記載のユーザ端末。
【請求項4】
前記経度方向のオフセットコンポーネントは、地球上の前記ユーザ端末の前記位置の緯度の関数として決定される、請求項2に記載のユーザ端末。
【請求項5】
前記オフセット角は緯度方向のオフセットコンポーネントを含み、前記緯度方向のオフセットコンポーネントは、前記複数の非GEO通信衛星と通信するように構成される1つ以上の他のユーザ端末に対する負荷分散ポリシーに基づいて決定される、請求項2に記載のユーザ端末。
【請求項6】
前記オフセット角は、前記ユーザ端末と前記複数の非GEO通信衛星のうちの少なくとも1つとの間の連続通信、及び前記少なくとも1つのGEO通信衛星との連続通信を提供するように選択される、請求項1に記載のユーザ端末。
【請求項7】
複数の非GEO通信衛星の前記1つ以上の軌道パラメータは、前記ユーザ端末に対する前記GEO通信衛星に向かう方向において前記複数の非GEO通信衛星をプーリング領域にプールする前記複数の非GEO通信衛星の軌道傾斜角を含む、請求項6に記載のユーザ端末。
【請求項8】
前記オフセット角は、前記複数の非GEO通信衛星の第1のリンク性能、及び前記少なくとも1つのGEO通信衛星の第2のリンク性能に少なくとも部分的に基づく、請求項6に記載のユーザ端末。
【請求項9】
前記オフセット角は、前記ユーザ端末と前記複数の非GEO通信衛星との間で通信される第1のデータ量、及び前記ユーザ端末と前記少なくとも1つのGEO通信衛星との間で通信される第2のデータ量に少なくとも部分的に基づく、請求項6に記載のユーザ端末。
【請求項10】
前記走査角は約45度以下である、請求項1に記載のユーザ端末。
【請求項11】
前記操縦可能なビームの最小仰角は約25度以上である、請求項10に記載のユーザ端末。
【請求項12】
前記走査角は、前記ボアサイト方向に対して非対称である、請求項1に記載のユーザ端末。
【請求項13】
前記複数の非GEO通信衛星は地球低軌道(LEO)衛星を含む、請求項1に記載のユーザ端末。
【請求項14】
電子的に操縦可能な衛星アンテナをユーザ端末に配置するための方法であって、
地球上の電子的に操縦可能な衛星アンテナの位置を決定することと、
前記電子的に操縦可能な衛星アンテナのボアサイト方向を、前記ユーザ端末における天頂方向に対するオフセット角でオフセットすることであって、前記オフセット角は、地球上の前記ユーザ端末の前記位置、及び衛星通信システムの複数の非静止地球軌道(非GEO)通信衛星の1つ以上の軌道パラメータに少なくとも部分的に基づき、前記電子的に操縦可能な衛星アンテナは前記複数の非GEO通信衛星と通信するように構成され、前記オフセット角は少なくとも1つの静止地球軌道(GEO)通信衛星に向かう方向にある、ことと、
前記電子的に操縦可能な衛星アンテナを物理的なアンテナマウントで地球に対して静的な物理的な向きにおいてオフセット角で物理的に固定することと、
前記複数の非GEO通信衛星のうちの少なくとも1つ及び前記少なくとも1つのGEO通信衛星との通信を確立するために、前記ボアサイト方向に対する走査角にわたって前記電子的に操縦可能な衛星アンテナの操縦可能なビームを電子的に操縦することとを含む、電子的に操縦可能な衛星アンテナをユーザ端末に配置するための方法。
【請求項15】
前記オフセット角は経度方向のオフセットコンポーネントを含み、前記方法は、
前記複数の非GEO通信衛星の軌道傾斜角に少なくとも部分的に基づいて前記経度方向のオフセットコンポーネントを決定することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記経度方向のオフセットコンポーネントは、前記ユーザ端末と前記複数の非GEO通信衛星との間の通信カバレッジを最大化するように決定される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記経度方向のオフセットコンポーネントは、地球上の前記ユーザ端末の前記位置の緯度の関数として決定される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記オフセット角は緯度方向のオフセットコンポーネントを含み、前記方法は、
前記複数の非GEO通信衛星と通信するように構成される1つ以上の他のユーザ端末に対する負荷分散ポリシーに基づいて前記緯度方向のオフセットコンポーネントを決定することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記オフセット角は、前記ユーザ端末と前記複数の非GEO通信衛星のうちの少なくとも1つとの間の連続通信、及び前記少なくとも1つのGEO通信衛星との連続通信を提供するように選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
複数の非GEO通信衛星の前記1つ以上の軌道パラメータは、前記ユーザ端末に対する前記GEO通信衛星に向かう方向において前記複数の非GEO通信衛星のうちの1つをプールする前記複数の非GEO通信衛星の軌道傾斜角を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記オフセット角は、前記複数の非GEO通信衛星の第1のリンク性能、及び前記少なくとも1つのGEO通信衛星の第2のリンク性能に少なくとも部分的に基づく、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記オフセット角は、前記ユーザ端末と前記複数の非GEO通信衛星との間で通信される第1のデータ量、及び前記ユーザ端末と前記少なくとも1つのGEO通信衛星との間で通信される第2のデータ量に少なくとも部分的に基づく、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記走査角は約45度以下である、請求項14に記載の方法。
【請求項24】
前記操縦可能なビームの最小仰角は約25度以上である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記走査角は、前記ボアサイト方向に対して非対称である、請求項14に記載の方法。
【請求項26】
前記複数の非GEO通信衛星は地球低軌道(LEO)衛星を含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
衛星通信システムは従来、静止地球軌道(GEO)における衛星を利用して地球上のユーザ端末と上記GEO衛星との間の通信を容易にしている。GEO衛星は、地球の自転周期と等しい軌道周期を有する。したがって、GEO衛星は一般に静止又は準静止状態であり、つまりユーザ端末に対して空に静止しているか、若しくは非常に限られた範囲の動きで循環している。
【0002】
しかし、GEO衛星は約42,164kmという比較的高い高度で地球の周りを回る。地球の表面とGEO衛星との間の距離のため、地球上のユーザ端末とGEO衛星との間で通信される信号は、地球とGEO衛星との間で送信される信号の通過時間により、長い遅延が発生しやすい。そのような長い遅延は特に時間的制約のあるデータコンテキストに不利である。加えて、静止軌道におけるGEO衛星は赤道の上に位置しているため、静止軌道における利用可能な「スロット」、つまり利用できる空間は限られている。したがって、衛星通信システムの可用性を拡大し続けるために、代替の軌道構成が必要である。前述の考慮事項を考慮すると、通信システムは、ユーザ端末との通信を容易にするために、追加的又は代替的に、地球低軌道(LEO)衛星又は地球中軌道(MEO)衛星を使用することができる。LEO及びMEO衛星及び/又は軌道は、本明細書において、個別的に又は集合的に非静止(非GEO)と称される場合がある。
【0003】
非GEO衛星は、地球の自転周期と等しくない軌道周期を有するため、非GEO衛星は、ユーザ端末に対して空中で静止していない。非GEO衛星と通信するためのユーザ端末は、典型的には、非GEO衛星がユーザ端末に対して空を通過するときにユーザ端末における衛星アンテナがこの非GEO衛星を標的とすることを許可するいくつかの形態の追跡を採用する。そのような追跡は、衛星アンテナ及び/又は衛星アンテナのビームの移動を含む場合がある。追跡能力はユーザ局の複雑さを増大させるが、ユーザ端末との通信に非GEO衛星を使用する能力は、ユーザ端末の複雑さの増大という欠点を相殺できるほど大きなメリットがある。しかし、特定の非GEO衛星コンスタレーションの衛星可用性及び使用率を向上させるためには、非GEO衛星システムにはまだ改善の余地がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、衛星システムの性能向上を促進するために、ユーザ局において操縦可能な衛星アンテナの向きを定めるための特定の技術に関する。具体的には本開示は、1つ以上のGEO衛星が、1つ以上の非GEO衛星と組み合わせてユーザ端末と通信するために使用され得る、衛星通信システムの潜在的な使用を企図する。これに関して、地球上のユーザ端末の位置に基づいて、GEO衛星に対してユーザ端末における衛星アンテナを傾けることにより、GEO衛星と非GEO衛星両方の衛星可用性の利点を促進できる可能性があることが判明している。
【0005】
したがって、本開示は、衛星通信システムにおけるユーザ端末及び関連方法に関する。ユーザ端末は、操縦可能なビームを有する電子的に操縦可能な衛星アンテナを含む。操縦可能なビームは、電子的に操縦可能な衛星アンテナのボアサイト方向に対して、走査角にわたって電子的に操縦可能である。ユーザ端末はまた、電子的に操縦可能な衛星アンテナを地球に対して静的な物理的な向きに固定するための物理的なアンテナマウントを含む。電子的に操縦可能な衛星アンテナの静的な物理的な向きにより、電子的に操縦可能な衛星アンテナのボアサイト方向は、ユーザ端末から見て天頂方向に対するオフセット角で配置される。このオフセット角は、地球上のユーザ端末の位置、及び衛星通信システムの複数の非静止地球軌道(非GEO)通信衛星の1つ以上の軌道パラメータに少なくとも部分的に基づいており、電子的に操縦可能な衛星アンテナは上記複数の非GEO通信衛星と通信するように構成される。また、オフセット角は、少なくとも1つの静止地球軌道(GEO)通信衛星を向いた方向に設定される。
【0006】
本概要は、後述の「発明の詳細な説明」にて記載する一連の概念を簡略化された形態で紹介するものである。本概要は、特許請求される主題の重要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図するものでも、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることを意図されたものでもない。
【0007】
他の実装態様も本明細書に記載及び列挙される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、衛星通信システムの一例を示す。
図2図2は、本開示による電子的に操縦可能な衛星アンテナの一例を、ローカル座標系に関連付けて示す。
図3図3は、異なる走査角能力及び傾斜機能を備える電子的に操縦可能な衛星アンテナのいくつかの例を示す。
図4図4は、操縦可能な衛星アンテナが傾斜なしで構成される例示的なユーザ端末を示す。
図5図5は、比較的制限された走査角能力での衛星可用性向上の促進のために操縦可能な衛星アンテナが傾斜する例示的なユーザ端末を示す。
図6図6は、傾斜なしで向けられた例示的なユーザ端末に対するGEO衛星の可用性を示す。
図7図7は、傾いて向けられた例示的なユーザ端末に対するGEO衛星の可用性を示す。
図8図8は、衛星可用性向上を促進し、ユーザ端末への帯域幅の分配を支援する分散型衛星通信を提供するために、それぞれの操縦可能なアンテナが傾けられる例示的なユーザ端末を示す。
図9図9は、例示的なユーザ端末の概略図を示す。
図10図10は、ユーザ端末の例示的な動作を示す。
図11図11は、本開示による技術態様を実施するのに好適なコンピューティングデバイスの例示的な概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明には様々な修正及び代替的な形態を適用し得るが、その具体的な実施形態は、図面において例として示されており、本明細書で詳細に記載する。しかしながら、本発明を開示された特定の形態に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にある全ての改変品、相当品、及び代替品を網羅するものであることを理解されたい。
【0010】
本開示は、少なくとも1つの非GEO衛星を含み得る衛星システムの改善アプローチに関する。具体的には、本開示は、電子的に操縦可能な衛星アンテナを利用して、1つ以上の非GEO衛星がユーザ端末に対して空を通過するときに非GEO衛星を追跡する利点を認識している。例えば、電子的に操縦可能な衛星アンテナの使用により、衛星アンテナを物理的に移動させるために複雑で高価かつ故障しやすい機械的追跡機構の使用を回避、若しくはそのような機構への依存を減じることができる。むしろ、操縦可能な衛星アンテナは、設定された物理的な向きに設置され得、電子的に操縦可能な衛星アンテナは、信号の受信及び/又は送信のためにビームの指向性を定めるように制御され得る。したがって、電子的に操縦可能な衛星アンテナは、信号の送信及び/又は受信のための指向性ビームを提供し得る。このようにして、電子的に操縦可能な衛星アンテナの使用により、ユーザ端末が非GEO衛星と通信することを可能にし、そのような通信の利点(例えば、衛星可用性の向上や低遅延通信など)をユーザ端末に提供することができる。
【0011】
本明細書では、アンテナのビーム又は放射パターンが操作可能であると言及しているが、そのような使用は、一般に、アンテナのボアサイト方向に対する所与の走査角にわたって、アンテナにおいて、信号の送信の指向性を定めるか、又は信号の受信感度の指向性を定めるためのアンテナのビームに関することが意図される。すなわち、操縦ビーム又は指向性ビーム又は放射パターンについての記載は、アンテナからの信号の送信に限定されることを意図するものではなく、むしろ信号の受信のためにアンテナの感度の方向を制御することについても指す場合がある。
【0012】
図1を参照して、本開示による、衛星通信システム100の一例を示す。システム100は、地球に対する設定された物理的な向きに衛星アンテナ120を配置するために、取り付けブラケット122によって支持される衛星アンテナ120を含む。設定された物理的な向きにより、取り付けブラケット122は、アンテナ120を、例えば、天候事象、地質的沈下、地震、アンテナ120との偶発的な物理的接触などを含む、アンテナが曝露され得る通常の動作条件下で変化する静的な物理的な向きに配置するように設計されることを意味する。以下でより詳細に記載するように、取り付けブラケット122は、方位角、仰角、及び回転角でのアンテナ120の設定された物理的配向を確立し得る。方位角、仰角、及び回転角は、アンテナ120のローカル座標系又はグローバル座標系に対して測定され得る。更に、アンテナ120の配向は、必要に応じて、ローカル座標系とグローバル座標系との間で容易に変換され得るという点を理解されたい。
【0013】
一例では、アンテナ120の配向は、アンテナ120のボアサイト方向に対して測定される。例えば、アンテナ120は、電子的に操縦可能な衛星アンテナを含み得る。この点で、アンテナ120は、アンテナ120の利得が最大となるボアサイト方向を含み得る。平面フェーズドアレイアンテナの場合、ボアサイト方向は、平面フェーズドアレイ面に対して垂直なベクトルであり得る。電子的に操縦可能な衛星アンテナ120は、ボアサイト方向に対する走査角にわたってボアサイト方向に対して送信方向及び/又は受信感度を制御することによってビームを操縦するように動作可能であるが、アンテナ120の設定された物理的な向きは、ボアサイト方向をアンテナ120向けの固定された基準データとして使用して測定され得る。
【0014】
アンテナ120は、地球の周りの軌道上にある衛星110と双方向通信し得る。衛星110はまた、地上のゲートウェイ端末130と双方向通信し得る。ゲートウェイ端末130は、ネットワーク140と通信し得る。ゲートウェイ端末130は、ハブ又は地上局と称されることもある。ゲートウェイ端末130は、順方向アップリンク信号132を衛星110に送信し、また衛星110から戻りダウンリンク信号134を受信するアンテナを含む。ゲートウェイ端末130はまた、アンテナ120へのトラフィックをスケジューリングすることができる。代替的に、スケジューリングは、衛星通信システム100の他の部分(例えば、コアノード、衛星アクセスノード、又は他の構成要素(図示せず))で実行してもよい。ゲートウェイ端末130と衛星110との間で通信される通信信号132、134は、衛星110とアンテナ120との間で通信される通信信号136、138と同じ周波数、あるいは部分的に重複する周波数、若しくは全く異なる周波数のいずれも使用することができる。
【0015】
ネットワーク140は、ゲートウェイ端末130とインターフェースされる。ネットワーク140は、任意のタイプのネットワークであってよく、例えば、インターネット、IPネットワーク、イントラネット、広域ネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)、仮想LAN(VLAN)、光ファイバネットワーク、ケーブルネットワーク、公衆交換電話網(PSTN)、公衆交換データネットワーク(PSDN)、公衆陸上モバイルネットワーク、及び/又は本明細書に記載されるようなデバイス間の任意の他のタイプのネットワークサポート通信を含むことができる。ネットワーク140は、有線接続と無線接続の両方、並びに光リンクを含むことができる。ネットワーク140は、衛星110及び/又は他の衛星と通信できる複数のゲートウェイ端末130を接続することができる。
【0016】
ゲートウェイ端末130は、ネットワーク140と衛星110との間のインターフェースとして提供され得る。ゲートウェイ端末130は、ネットワーク140を介してアクセス可能なソースからアンテナ120に送信されるデータ及び情報を受信するように構成され得る。ゲートウェイ端末130は、データ及び情報をフォーマットして、順方向アップリンク信号132を衛星110に送信し、アンテナ120に配信させることができる。同様に、ゲートウェイ端末130は、ネットワーク140を介してアクセス可能な宛先向けの衛星110からの(例えば、アンテナ120から発信されたデータ及び情報を含む)戻りダウンリンク信号134を受信するように構成され得る。ゲートウェイ端末130はまた、ネットワーク140上の送信のために、受信した戻りダウンリンク信号134をフォーマットすることができる。
【0017】
衛星110は、ゲートウェイ端末130から順方向アップリンク信号132を受信し、対応する順方向ダウンリンク信号136をアンテナ120に送信することができる。同様に、衛星110は、アンテナ120から戻りアップリンク信号138を受信し、対応する戻りダウンリンク信号134をゲートウェイ端末130に送信することができる。衛星110は、マルチスポットビームモードで動作し、地球上の異なる領域に向けられた多くの狭域ビームを送信及び受信することができる。代替的に、衛星110は、広域カバレッジビームモードで動作し、1つ以上の広域カバレッジビームを送信することもできる。
【0018】
衛星110は、信号をそれぞれの宛先に再送信する前に、受信された信号の周波数及び偏波変換を実行する「ベントパイプ」衛星として構成され得る。別の例として、衛星110は、再送信の前に受信された信号を復調及び再変調する再生衛星として構成され得る。
【0019】
図1は、ゲートウェイ130及びアンテナ120と通信する単一の衛星110を示しているが、衛星システム100は複数の衛星110を含み得ることが理解され得る。例えば、ゲートウェイ130又はアンテナ120からは複数の衛星が同時に可視である可能性がある。衛星通信システム100の衛星110は、1つ以上のGEO衛星及び/又は1つ以上の非GEO衛星(例えば、LEO衛星及び/又はMEO衛星)を無制限に含むことができる。以下でより詳細に説明するように、地球の表面上のアンテナ120の位置に基づいてアンテナ120を傾斜させることにより、衛星の可用性及び利用率の面で多くのメリットがある。
【0020】
引き続き図2を参照して、アンテナ200の例をより詳細に示す。アンテナ200は、フェーズドアレイアンテナなどの電子的に操縦可能な衛星アンテナを含み得る。他の例では、位相アレイアンテナ以外にも、他の電子的に操縦可能な衛星アンテナを無制限に提供し得る。例えば、電子的に操縦可能な衛星アンテナは、液晶ポリマーベースの開口を有するアンテナ、スロットプレートを結合したカウンタ回転開口を有するアンテナ、バリウムストロンチウムチタナイト又は他の同様の電圧依存誘電体材料を利用したアンテナ、又はメタマテリアルベースのアンテナを含み得る。一例では、アンテナ200は、複数のアンテナ素子224を含み得る。複数のアンテナ素子224は、操縦可能なビームを提供するために統合制御され得る、アンテナアレイ及びビーム形成回路(例えば、位相シフタ、増幅器など)を含み得る。操縦可能なビームは、操縦されたビームの方向における信号の指向性受信及び/又は信号の指向性送信を無制限に可能にし得る。
【0021】
矩形アンテナ素子224で構成される矩形アレイを図2に示すが、アンテナ素子224は無制限に任意の構成、形状、及び/又はアレイ(例えば、三角形、六角形、八角形、又は他の多角形状などの異なる形状のアンテナ素子224を、無制限に、任意の適切なアレイレイアウトに含む)で提供され得ることを理解されたい。次に、様々な種類のビームは、衛星アンテナ120によって、様々な拡散及び/又は電力特性で生成され得る。したがって、本明細書においては、ビームを制御できる円錐形フィールドとして言及又は図示する場合があるが、本開示はそのような例に限定されない。例えば、走査角をボアサイト方向に対して非対称に設定することにより、矩形又はその他の多角形のフィールドを提供してその中でビームを制御することもできる。
【0022】
アンテナ220は、取り付けブラケット222によって支持され得る。次に、取り付けブラケット222は、基部226に固定され得る。基部226は、地球に対して永久的又は静的な構造であり得る。例えば、基部226は、設置パッド、建物、又は任意の他の静的構造を含み得る。取り付けブラケット222は、アンテナ220に1つ以上の自由度を提供してアンテナ220の物理的配向を設定し得る。一例では、取り付けブラケット222は、アンテナ220の方位角、仰角、及び回転角が調整され得る少なくとも3つの自由度を提供し得る。取り付けブラケット222の調整可能性にかかわらず、取り付けブラケット222は、設定された物理的な向きでアンテナ220を配置するように固定され得る。上述するように、設定された物理的な向きは、アンテナ220がさらされる動作条件によりアンテナ220が移動しないように静的であり得る。
【0023】
図2は、アンテナ220の設定された物理的配向が記載され得る例示的な座標系230を例解する。座標系230は、アンテナ220に対してローカル三次元座標系を画定するx軸、y軸、及びz軸を含み得る。アンテナ220のボアサイト方向240は、座標系230内に配置され得る。上で記載されるように、アンテナ220のボアサイト方向240は、アンテナ220の最大利得の軸を記述する。電子的に操縦可能な衛星アンテナの場合、ビームは、ボアサイト方向240に対する走査角にわたってアンテナ220の物理的移動を伴わずに操縦可能であり得る。
【0024】
ボアサイト方向240は、図2に示されるように、方位角234、仰角232、及び回転角236によって座標系230内で記述され得る。座標系230が地球に対する基準フレーム内で静的であり得るため、方位角234、仰角232、及び回転角236により、アンテナ220の地球に対する設定された物理的な向きを完全に記述し得る。すなわち、方位角234、仰角232、及び回転角236は、ローカル座標系(例えば、座標系230)と地球に対するグローバル座標系との間で変換され得る。
【0025】
図3は、300a、300b、及び300cとして示される電子的に操縦可能な衛星アンテナの3つの例を示す。第1の例300aは、ボアサイト方向312aが局所水平基準302に対して垂直に配向される、電子的に操縦可能な衛星アンテナ310aを含む。すなわち、ボアサイト方向312aは、アンテナ310aの配置位置から見た天頂の方向を指す。したがって、衛星アンテナ310aは、天頂指向構成として特徴付けることができる。水平基準302は、アンテナ310aの位置で地球の表面に接する平面を含むことができる。
【0026】
アンテナ310aは、アンテナ310のビームを制御できる走査角314aを備える。この例300aでは、走査角314aはボアサイト方向312aに対する65度の角度を含む。このように、理解され得るように、合計ビーム掃引角度は135度となる。したがって、アンテナ310aについては、水平基準302に対して35度の最小仰角316aが確立される。
【0027】
例300aは、図3に示されるアンテナ310の構成性能比較に使用される最小仰角316aを確立する基準例と考えることができる。他の例では、約5度、約10度、約15度、約20度、約30度、又は約35度以上の最小仰角など、他の最小仰角を制限なく提供し得る。
【0028】
例300bに目を向けると、電子的に操縦可能な衛星アンテナ310bが提供される。例300aと同様に、例300bでは、アンテナ310bは、ボアサイト方向312bが局所水平基準302に対して垂直に配向されるように配向される。すなわち、ボアサイト方向312bは、アンテナ310bが配置されている位置の天頂の方向を指す。したがって、衛星アンテナ310bは、天頂指向構成として特徴付けることができる。
【0029】
しかしながら、例300aとは異なり、例300bのアンテナ310bは、より制限された走査角314bを有し得る。アンテナ310の走査角314bは、様々な理由で制限される可能性がある。しかしながら、1つの重要な要素は、アンテナ310の経済的実現可能性である。図3の例に示されているような電子的に操縦可能なアンテナの場合、アンテナを製造するコストは、利用可能な走査角314に応じて指数関数的に増大する。つまり、第2のアンテナの2倍の走査角を持つ第1のアンテナは、通常、第2のアンテナの2倍超のコストがかかる。したがって、限られた走査角314を有するアンテナ310を提供することが望ましく、経済的な実現可能性を達成するために潜在的に必要とされる。例えば、アンテナ310bは45度の走査角314bを含み、これはアンテナ310aに比べて大きな経済的利点を提供する可能性がある。しかしながら、他の例では、衛星アンテナは、例えば、約15度、約20度、約25度、約30度、約35度、約40度、約45度、約50度、約55度、約60度、又は約60度より大きい走査角を含む他の利用可能な走査角を有し得る。しかしながら、例300bの走査角314bは走査角314aよりも制限されているため、その結果、例300bの最小仰角316bは、例300aの最小仰角316bよりも大きくなる。したがって、衛星がアンテナ310bにおいてローカル地平線に向かって通過するとき、アンテナ310bでは衛星と通信する能力がより制限されることになる。次に、例300bで構成されたアンテナ310bを含む衛星通信システムは、例300bで図示説明したように、配向されたアンテナ310bとの連続通信を維持するために衛星コンステレーションの軌道上にあるより多くの衛星を必要とする可能性がある。理解できるように、コンステレーション内で追加の衛星を使用すると、衛星システムのコストと複雑さが大幅に増加する可能性がある。
【0030】
しかしながら、更に図3の例300cを参照すると、より制限された走査角314bを有する電子的に操縦可能な衛星アンテナ310cは、天頂方向320に対して傾斜することができる。例えば、衛星アンテナ310cのボアサイト方向312cが天頂方向320に対してオフセット角318となるように、アンテナ310cを傾けることができる。図示の例では、オフセット角318は、天頂方向320に対して20度であってもよい。したがって、アンテナ310cのボアサイト方向312cは、アンテナ310cの位置の天頂方向からオフセットすることができる。同様に、走査角314aと比較してより制限された走査角314bであっても、例300aで達成される最小仰角316aは、より制限された走査角314bを有するより費用効果の高いアンテナ310cを有する例300cでも達成され得る。改善された最小仰角316aは、アンテナ310aの限られた方位角範囲を通じて達成され得るが、図4及び図5の議論は、地球上のアンテナの位置に少なくとも部分的に基づいてどのようにアンテナ傾斜角を構成するかにより、アンテナに対する方位角の全範囲にわたる最小仰角の制限を緩和し得ることを示す。
【0031】
図4に目を向けると、例400は、図3の例300a及び例300bに従って、操縦可能なアンテナが天頂指向構成で構成される場合に、比較的限られた走査角を有する操縦可能なアンテナに対する制限を示すマップを示す。表示400は、衛星アンテナのボアサイト方向を所与の位置402での天頂に直接向ける天頂指向構成における、該位置402における電子的に操縦可能な衛星アンテナのそれぞれの例に応じて変化する可視範囲404/406を示す。図示の表現400では、衛星アンテナは米国本土のワシントン州シアトルに位置している。第1の可視範囲406は、第1の走査角(例えば、図3の例300aに示す65度の走査角)での衛星アンテナの可視範囲の投影を表す。すなわち、第1の可視範囲404内の地上トラック上の衛星は、位置402で第1の走査角を有する衛星アンテナから可視できるであろう。対照的に、第2の可視範囲404は、第1の走査角よりも小さい第2の走査角(例えば、図3の例300bに示すような45度の走査角)を有する衛星アンテナの可視範囲の投影を表す。すなわち、第2の可視範囲406内の地上トラック上の衛星は、位置402で第2の走査角を有する衛星アンテナから可視できる。理解され得るように、これらの各例示的な衛星アンテナは天頂指向構成で提供されるように構成されているため、第1の可視範囲406及び第2の可視範囲404は、第2の可視範囲404が、第1の可視範囲406よりも小さいように、同心円状に配置された形状を含む。
【0032】
図4は、衛星軌道地上トラックの一部も示す。具体的には、第1の地上トラック410、第2の地上トラック420、及び第3の地上トラック430を示す。理解され得るように、第1の地上トラック410、第2の地上トラック420、及び第3の地上トラック430の表示は、図4における可視範囲404/406に関連するこれらの地上トラックの部分のみを示すために簡略化されている。第1の地上トラック410は、衛星412a、412b、412c、412d、及び412eを含む。理解され得るように、第1の地上トラック410は、衛星412a、412b、412c、412d、及び412eが地球の周りを回る第1の軌道に対応し得る。衛星412a、412b、412c、412d、及び412eは、共通の軌道パラメータを有することができるが、複数の衛星を共通の地上経路に沿って間隔をあけて配置できる(例えば、等間隔に配置する)ように、衛星エポックに対してオフセットされ得る。第2の地上トラック420は、衛星422a、422b、422c、及び422dを含む。理解され得るように、第2の地上トラック420は、衛星422a、422b、422c、及び422dが地球の周りを回る第2の軌道に対応し得る。衛星422a、422b、422c、及び422dは、共通の軌道パラメータを有することができるが、複数の衛星が共通の地上経路に沿って間隔をあけて配置できる(例えば、等間隔に配置する)ように、衛星エポックに対してオフセットされ得る。第3の地上トラック430は、衛星432a、432b、及び432cを含む。理解され得るように、第3の地上トラック430は、衛星432a、432b、及び432cが地球の周りを回る第3の軌道に対応し得る。衛星432a、432b、及び432cは、共通の軌道パラメータを有することができるが、複数の衛星を共通の地上経路に間隔をあけて配置できる(例えば、等間隔に配置する)ように、衛星エポックに対してオフセットされ得る。
【0033】
理解され得るように、第1の可視範囲406については、図4に示される時点で可視である可視衛星には、第1の地上トラック410における衛星412b、412c、412d、及び412eと、第2の地上トラック420における衛星422a、422b、及び422cと、第3の地上トラックにおける衛星432bと、が含まれる。対照的に、第2の可視範囲404については、図4に示される時点で見える可視衛星には、第1の地上トラックにおける衛星412c及び412dと、第2の地上トラック420における衛星422b及び422cと、が含まれるが、第3の地上トラック430における衛星は含まれない。したがって、第2の可視範囲404によって提供される限定された可視範囲は、より経済的な衛星アンテナを提供することができるが、利用可能な衛星の数は、第1の可視範囲406と比較して大幅に減少することが理解され得る。次に、衛星の可用性が低下するため、衛星コンステレーション内の少なくとも1つの衛星に一定の可視性を提供する能力が損なわれる可能性がある。次に、コンステレーション内の少なくとも1つの衛星に一定の可視性を提供する能力を確保するには、コンステレーション内により多くの衛星が必要になる可能性があり、これにより、より小さな走査角を持つ多くの衛星アンテナに集約される場合でも、衛星アンテナのより制限された走査角によって提供される経済的利点が相殺される可能性がある。
【0034】
対照的に、図5は、図4に示した同じ衛星軌道構成の表現500を示す。図5は、第1の走査角を有する天頂指向構成の衛星アンテナに関連付けられた第1の可視範囲406も示す。図3の例300cに従って一般に提供される衛星アンテナを示す、傾斜した可視範囲504も示す。図3では、より制限された走査角を有する衛星アンテナは、衛星アンテナのボアサイト方向が衛星アンテナの位置402における天頂方向に対してオフセットされるように、オフセット角にて傾け得る。次に、図5では、傾斜した可視範囲504を有する衛星アンテナのオフセット角は、一般に、傾斜した可視範囲504が位置402に対して北よりも更に南に延びるように、南向きであり得る。次に、傾斜した可視範囲504内で利用可能な可視衛星の数には、第1の地上トラック410における衛星412c及び412dと、第2の地上トラックの衛星422b及び422cと、第3の地上トラック430における衛星432bとが含まれる。すなわち、傾斜した可視範囲504が、第2の可視範囲404によって表されるアンテナの同じ走査角能力を有する衛星アンテナを用いて生成されたとしても、傾斜した可視範囲504で可視である利用可能な衛星の数は、図4の第2の可視範囲404よりも大きい。
【0035】
傾斜した可視範囲504を考慮した利用可能な衛星の増加は、少なくとも部分的には、衛星の軌道の傾斜角の近くで衛星がプールされ、その傾斜角の近くでより多くの衛星が一般に利用可能になることによるものである。例えば、傾きの上限510及び傾きの下限520が図4及び図5に示されている。したがって、傾きの上限510及び傾きの下限520との間の領域は、プーリング領域512と呼ばれる場合がある。プールとは、衛星が軌道傾斜方向近くの軌道部分を通過するときに、衛星が傾きの上限510と傾きの下限520との間に延びるプーリング領域512内に留まり得ることを意味する。傾きの上限510は、非GEO衛星コンステレーションの軌道の傾斜角によって定義され得る。傾きの上限510は、傾斜角に対応するか、又は傾斜角よりも大きい何らかのマージンであってもよい。傾きの下限520は、上昇する衛星軌道の重なり合う地上トラックに対して、及び下降する衛星軌道として定義され得る(例えば、地上トラック410の下降する部分と地上トラック430の上昇する部分との間の交点514)。傾きの下限520は、交点514を通過してもよいし、交点514の下方の何らかのマージンに設けられてもよい。
【0036】
いずれにしても、衛星アンテナは、傾斜した可視範囲504が、傾きの上限510と傾きの下限520との間のプーリング領域512まで概ね広がることができるように、オフセット角で配向され得る。対照的に、図4に示すように、第2の可視範囲404は、傾きの上限510を超えて衛星が通過しない緯度まで延びるときに、衛星が通過しない広い可視範囲を含む。したがって、傾きの上限510の外側の可視範囲404の部分は、衛星がこの部分を通過しないため無駄になる。
【0037】
衛星がプーリング領域512内にプールする軌道の傾斜角に近い軌道の一部を標的とした、傾斜した可視範囲を提供するために衛星アンテナを傾斜させることは、衛星アンテナがGEO衛星とも通信する場合にも利点を提供し得る。例えば、図6は、所与の走査角での位置602における衛星アンテナの可視範囲604の表現600を示す。可視範囲604は、衛星アンテナのボアサイト方向が天頂に向けられた天頂指向構成の衛星アンテナを示す。
【0038】
図6は、複数のGEO衛星612a~612iを示す。理解され得るように、天頂指向衛星アンテナの可視範囲604は、GEO衛星612c~612gに限定される。対照的に、図7は、同じ位置602にあり、同じ所与の走査角を有するが、GEO衛星が設けられるGEOアーチ方向に対して衛星アンテナをオフセット角で設ける、衛星アンテナの別の表現700を示す。このようにして、GEO衛星が周回するGEOアーチに向かって傾斜させた、傾斜可視範囲704が提供される。傾斜した可視範囲704の面積は、可視範囲604と同じであるが、衛星アンテナがGEOアーチに向かって傾斜しているため、GEO衛星612a~612hを含むより多くのGEO衛星が、傾斜した可視範囲704内で可視である場合がある。
【0039】
第1の地上トラック410、第2の地上トラック420、及び第3の地上トラック430によって表される非GEO衛星軌道に対する、図5に示す傾斜した可視範囲504は、また、GEO衛星に対して図7に示す傾斜した可視範囲704を容易にすることができる。したがって、理解され得るように、衛星アンテナのボアサイト方向をGEOアーチに向かってオフセット角で提供することにより、非GEO衛星とGEO衛星の両方に対する可視性の可用性を向上させることができる。
【0040】
これに関して、衛星アンテナのオフセット角318がGEOアーチに向かって(例えば、衛星アンテナ位置から見た赤道方向に向かって)設定されており、図3の例300cに示すようにオフセット角318で傾斜されている所与の衛星アンテナは、それと通信するための非GEO衛星群及び/又は1つ以上のGEO衛星を標的とすることができる。これにより、オフセット角で衛星アンテナを有する所与のユーザ端末の通信能力に関して向上した柔軟性を提供することができる。データは、ユーザ端末からである非GEO衛星、又はユーザ端末からであるGEO衛星のうちの所与の1つと選択的に通信され得る。例えば、音声通信、ライブビデオストリームなどの遅延の影響を受けるデータの通信は、比較的に低い遅延の通信を提供するために、ユーザ端末からである非GEO衛星を選択的に標的とすることができる。対照的に、遅延の影響を受けない他のデータは、ユーザ端末から可視であるGEO衛星を標的とすることができる。これにより、GEO衛星通信の帯域幅の増加、衛星の連続的な利用可能性、又は他の利点を促進することができる。衛星アンテナをGEOアーチに向かって傾けると、GEO軌道上の衛星と非GEO軌道上の衛星の両方の衛星可視性の向上を促進する可能性があるため、このような柔軟性は、潜在的に、ユーザ端末に一定の可視性を依然として提供しながら、潜在的により少数の非GEO衛星及び/又はGEO衛星を維持することを可能にすることによって更に強化される。
【0041】
したがって、理解され得るように、衛星アンテナ位置から見た局所天頂に対する衛星アンテナのボアサイト方向のオフセット角の方向及び/又は量は、地球上の衛星アンテナの位置(例えば、衛星位置の緯度)に基づくことができる。より具体的には、衛星アンテナの傾斜は、衛星アンテナと通信する衛星の非GEO衛星コンステレーションの傾斜角に対する衛星アンテナの位置に基づくことができる。加えて、上述したように、GEOアーチに向かって傾斜を与えることが有利な場合がある。この点に関して、非GEO衛星コンステレーションは、非GEO衛星軌道に対して定義されたプーリング領域に良好なカバレッジを提供しながら、対象とする地理的地域(例えば、米国本土、ヨーロッパ大陸、東アジアの海岸沿いなど)における衛星アンテナをGEOアーチに向かって傾けることができる傾斜角を持つように設計することができる。つまり、非GEO衛星軌道の傾斜角は、関心対象となる地理的領域内の一部、大部分、又は全ての位置においてGEOアーチに向かって傾けることで非GEO軌道のプーリング領域における可視範囲のカバレッジも拡大するように、対象となる地理的領域の緯度の範囲に対して決定することができる。
【0042】
更に他の例では、所与の衛星アンテナの傾斜角は、予想される使用に少なくとも部分的に基づくことができる。例えば、衛星アンテナが主にGEO衛星と通信するように、遅延の影響を受けないデータの通信に主に使用されることが予想される、所与の位置における第1の衛星アンテナは、第1の衛星よりも遅延の影響を受けやすいデータを通信することが予想される所与の位置における第2の衛星に比較して、GEOアーチに向かってより大きな角度で傾斜させることができる。すなわち、衛星アンテナの物理的な傾斜は、データ通信の予想される性質及び/又はGEO衛星と非GEO衛星との間の通信の予想されるバランスに少なくとも部分的に基づくことができる。
【0043】
オフセット角は、追加的又は代替的に、非GEO衛星及びGEO衛星に対するそれぞれのリンクのリンク性能に少なくとも部分的に基づくことができる。例えば、第1のリンク状態を、非GEO衛星を対象として、第2のリンク状態を、GEO衛星を対象として決定できるであろう。衛星アンテナのオフセット角は、第1のリンク状態及び第2のリンク状態に少なくとも部分的に基づくことができる。例えば、リンク状態を改善するために、他のリンクよりも悪いリンク状態を有する衛星リンクに衛星アンテナを優先させるために、オフセット角を提供してもよい。代替例では、改善されたリンク状態の衛星アンテナをより効率的に利用するために、より良好なリンク状態を有する衛星リンクを対象としてオフセット角を提供してもよい。
【0044】
更に、上述の傾斜は一般に、経度方向のオフセットコンポーネントのみを有するオフセット角を有するように衛星アンテナを傾斜させることを意図しているが、緯度方向のオフセットコンポーネントを有するオフセット角の提供にも利点があり得る。経度方向のオフセットコンポーネントとは、アンテナの位置における経度方向(例えば、北向き又は南向きに)に衛星アンテナのオフセット角を提供することを意味する。それに対応して、緯度方向のオフセットコンポーネントとは、アンテナの位置における緯度方向(例えば、東向き又は西向き)に衛星アンテナのオフセット角を提供することを意味する。具体的には、緯度方向のオフセットコンポーネントの使用の一例は、以下に説明するような負荷分散ポリシーに基づくことができる。
【0045】
このような負荷分散ポリシーに従って緯度方向のオフセットコンポーネントを提供する例を図8に示す。図8では、2つの衛星アンテナが配置されている位置402の表現800を示す。非GEO衛星コンステレーションは、一般に、それぞれの衛星が通過する第1の地上トラック410、第2の地上トラック420、及び第3の地上トラック430を含む、図4及び図5に関連して上空で提供されるように配置される。
【0046】
図8は、第1の衛星アンテナに関連付けられた第1の可視範囲802、及び第2の衛星アンテナに関連付けられた第2の可視範囲804を示す。第1の可視範囲802は、位置402に対して南東に延びる。この点に関して、第1の衛星アンテナのボアサイト方向のオフセット角は、ボアサイト方向をGEOアーチに向かって設定し、衛星コンステレーションのプーリング領域512を標的とするために、経度方向のオフセットコンポーネントを含み得る。加えて、第1の衛星アンテナのボアサイト方向のオフセット角は、位置402からの可視範囲802を概ね東に向かってオフセットする緯度方向のコンポーネントを含むことができる。第2の可視範囲804は、位置402に対して南西に延びる。この点に関して、第2の衛星アンテナのボアサイト方向のオフセット角は、ボアサイト方向をGEOアーチに配向し、第1の衛星アンテナと同様に衛星コンステレーションのプーリング領域512を標的とするために、経度方向のオフセットコンポーネントを有することができる。
【0047】
図示の例では、第1の可視範囲802と第2の可視範囲804のオフセット角の経度方向のオフセットコンポーネントは同じであってよい。すなわち、第1の衛星アンテナと第2の衛星アンテナは、位置402に対して南方向に同じ量のオフセット角を有することができる。加えて、第2の衛星アンテナのボアサイト方向のオフセット角は、位置402に対して可視範囲804を概ね西に向かってオフセットするために、緯度方向のコンポーネントを有することができる。
【0048】
このように緯度方向に散開する複数のオフセットコンポーネントにより、第1の衛星アンテナ及び第2の衛星アンテナでそれぞれ異なる衛星セットを捕捉することができる。例えば、第1の可視範囲804においては、第1の衛星アンテナから、第1の地上トラック410における衛星412d及び衛星412eと、第2の地上トラックにおける衛星422c及び衛星422dと、第3の地上トラック430における衛星432cと、を視認することができる。第2の可視範囲804においては、第2の衛星アンテナから、第1の地上トラック410における衛星412b及び衛星412cと、第2の地上トラック420における衛星422a及び422bとを視認することができ、第3の地上トラック430には衛星は視認することができない。
【0049】
第1の衛星アンテナと第2の衛星アンテナから視認できる衛星のセットが異なる場合があるため、非GEO衛星群における衛星との通信の負荷分散を支援するために緯度方向のコンポーネントを使用できることを理解されたい。すなわち、所定の位置又は指定された領域における衛星アンテナの緯度方向のオフセットコンポーネントを変化させることにより、コンスタレーション内の異なる衛星を標的とすることができ、したがって、より多様な衛星と通信を確立することができる。また、2本の衛星アンテナ両方の帯域幅が同じ衛星によって共有されるのではなく、各衛星アンテナをそれぞれ異なる衛星セットと通信可能とすることで、2本の衛星アンテナによって利用可能な合計帯域幅が増加する。いくつかの例では、第1の衛星アンテナ及び第2の衛星アンテナのそれぞれから視認できる衛星のセットは、共通の衛星を含むことができる。ただし、それらの各衛星セットは、それぞれ他方のセットにはない固有の衛星を含む場合もある。
【0050】
所与の衛星アンテナの緯度方向のオフセットコンポーネントは、負荷分散ポリシーに基づいて決定され得る。緯度方向のオフセットコンポーネントは、衛星アンテナの所与の位置又は領域における他のユーザ端末に関連して決定され得る。例えば、衛星アンテナ1本おきに所定の緯度方向のオフセットコンポーネントを割り当てることができる。したがって、取り付けられた第1の衛星アンテナは東にオフセットすることができ、取り付けられた第2の衛星アンテナは西にオフセットすることができ、取り付けられた第3の衛星アンテナは東にオフセットすることができるであろう。あるいは、緯度方向のオフセットコンポーネントをランダムに割り当てることもできる。
【0051】
図9は、例示的なアンテナシステム900の概略な表現を示す。アンテナ920は、アンテナ素子924と共に、取り付けブラケット922によって支持されているように概略的に例解されている。この点で、アンテナ920は、上で記載されたアンテナ220の前述の記載に対応し得る。
【0052】
アンテナ920は、アンテナコントローラ950と通信し得る。アンテナコントローラ950は、トランシーバ910と動作可能に通信し得る。トランシーバ910は、アンテナコントローラ950と連携することができ、アンテナコントローラ950は、(図3に示されていない)衛星との通信を容易にするためにアンテナ920の動作を制御する制御回路又は他の手段を含み得る。例えば、トランシーバ910は、アンテナコントローラ950に、アンテナ素子924を制御して、アンテナ920に対する方位角及び仰角に対する走査角にわたってアンテナ920のビームを操縦するように指示し得る。アンテナ素子924のそのような制御は、アンテナのビームを、アンテナのボアサイト方向に対する走査角にわたって方向付けすることを可能にする。
【0053】
トランシーバ910は、標的衛星からの(図1に示されるように)順方向ダウンリンク信号を増幅した後ダウンコンバートして、モデム940に配信する中間周波数(IF)受信信号を生成し得る。同様に、トランシーバ910は、モデム940から受信したIF送信信号をアップコンバートした後増幅して、標的衛星に配信するための戻りアップリンク信号(図1に示されるように)を生成し得る。標的衛星がマルチスポットビームモードで動作するいくつかの実施形態では、戻りアップリンク信号及び順方向ダウンリンク信号の周波数範囲及び/又は偏波は、様々なスポットビームに対して異なる場合がある。したがって、トランシーバ910は、1つ以上のスポットビームのカバレッジエリア内にあり得、特定のスポットビームの偏光及び周波数範囲に一致するように構成可能であり得る。モデム940は、例えば、アンテナ920が取り付けられている構造の内部に配置され得る。別の例として、モデム940は、トランシーバ910内に組み込まれるなど、アンテナ920上に配置され得る。いずれにせよ、トランシーバ910は、アンテナ920を介して信号を受信及び送信して、モデム940の通信能力を提供し得る(例えば、モデム940とネットワークとの間のアクセスを容易にし得る)。すなわち、モデム940はそれぞれ、IF受信及び送信信号を変調及び復調して、ルータ(図示せず)とデータを通信する。ルータは、例えば、ラップトップコンピュータ、タブレット、携帯電話などの1つ以上の接続デバイス942間でデータをルーティングして、双方向インターネット及び/又は電話サービスなどの双方向データ通信を提供し得る。
【0054】
システム900はまた、位置モジュール914を含むか、又は位置モジュール914と通信してもよい。位置モジュール914は、(例えば、緯度、経度、及び標高によって記述される)アンテナ920の位置を判定するように動作し得る。また、位置モジュール914は、オフセット角に関する前述の考慮事項のいずれかに従ってアンテナ920のオフセット角を決定する際に使用するために、アンテナ920の位置をオフセット計算モジュール912に提供することができる。更に、オフセット計算モジュール912は、衛星アンテナ920の取り付けブラケット922を操縦してオフセット計算モジュール912によって決定されるオフセット角に調整するための出力も提供し得る。そのような操作は、ユーザが手動で行うこともできるし、取り付けブラケット922の位置決めシステムを自動的に制御することもできる。
【0055】
位置モジュール914は、例えば、地球上のアンテナ920の(例えば、緯度、経度、及び高度を使用するなどのユニバーサル座標系に対する)位置を解析することができる全地球測位システム(GPS)受信機を備え得る。この他にも、任意の他の適切な位置決定技術を、制限なしに位置モジュール914に使用することができる。
【0056】
いくつかの例では、図9では分かりやすいようそれぞれ別のモジュールとして示されているが、アンテナコントローラ950、トランシーバ910、モデム940、オフセット計算モジュール912、及び/又は位置モジュール914のうちの1つ以上は、アンテナ820と一体化して提供され得る。更に、上記に列挙されたモジュールのうちのいくつかは、アンテナ920及び/又はアンテナと関連付けられたユーザ端末から遠隔に配置され得、その結果、モジュールの機能は、(例えば、衛星との通信を使用する通信を含む)ネットワーク通信を通じて容易化され得る。
【0057】
図10は、衛星システムの例示的な動作1000を示す。動作1000は、地球に対して衛星アンテナの位置を決定する位置決め動作1002を含むことができる。位置決め動作1002は、上述したように、GPSモジュールなどの位置モジュールにより実行することができる。あるいは、衛星アンテナの位置は、アンテナの座標の取得、アンテナのアドレスの取得、アンテナシステムの外部の位置モジュールを使用したアンテナの位置決めなど、他の任意の方法で決定することもできる。
【0058】
いずれにしても、決定動作1004により、当該衛星向けのオフセット角を決定する。決定動作1004は、位置決め動作1002により決められるアンテナの位置に少なくとも部分的に基づくことができる。加えて、上述のように、決定動作1004は、アンテナから見たGEOアーチの方向に少なくとも部分的に基づくこともできる。更に、決定動作1004は、オフセット角に影響する可能性がある上述のパラメータのいずれか又は全てを要因とし得る。具体的には、決定動作1004は、図8に関連して上述したように、同様に配置されたアンテナ間の負荷分散を支援するために、衛星アンテナ領域内で他のどんな衛星アンテナが利用可能であるかに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0059】
決定動作1004によりオフセット角が決定されると、次に測位動作1006により、決定動作1004で決定されたオフセット角に応じてアンテナを物理的に位置決めする。決定動作1004及び/又は測位動作1006は、ユーザ端末におけるアンテナの初期の取付け及びセットアップに実行され得る。更に、決定動作1004及び/又は測位動作1006は、取り付け後のある時点(例えば、アンテナシステムのサービス時、通信障害の決定時など)にも実行することができる。
【0060】
動作1000は、非GEO衛星と通信するために衛星アンテナのビームを電子的に操縦する操縦動作1008を含むことができる。操縦動作1008は、非GEO衛星が衛星アンテナから見て上空を通過する際に非GEO衛星を追跡することを含み得る。操縦動作1008は、アンテナと通信している現在の非GEO衛星との信号損失(LOS)、又は新たに可視の非GEO衛星が衛星アンテナの可視範囲内に入ったとの信号の捕捉(AOS)に応じて、別の非GEO衛星に移行することを含んでもよい。更に、操縦動作1008は、非標的衛星(例えば、別の非GEO衛星又はGEO衛星)との干渉を回避するための干渉回避を含むことができる。
【0061】
動作1000は、衛星アンテナから見たGEOアーチ上のGEO衛星と通信するために衛星アンテナのビームを操縦する操縦動作1010を含むこともできる。操縦動作1008及び1010はそれぞれ、測位動作1006において衛星アンテナが測位される設定された物理的な位置から衛星アンテナを物理的に移動させることなく実行され得る。すなわち、オフセット角は、非GEO衛星とGEO衛星の両方との通信を容易にするのに役立つ可能性があるため、操縦操作1008及び1010はそれぞれ、衛星アンテナの物理的な移動を伴うことなく、非GEO衛星及びGEO衛星との通信を確立するために実行され得る。
【0062】
図11は、上述の各例に対応する、アンテナコントローラ1150及び/又はオフセット測定モジュール1152を含む開示された技術の態様を実施するのに好適なコンピューティングデバイス1100の例示的な概略図を示す。コンピューティングデバイス1100は、1つ以上のプロセッサユニット1102、メモリ1104、ディスプレイ1106、及び他のインターフェース1108(例えば、ボタン)を含む。メモリ1104は、一般に、揮発性メモリ(例えば、RAM)と不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ)の両方を含む。Microsoft Windows(登録商標)オペレーティングシステム、Apple macOSオペレーティングシステム、又はLinuxオペレーティングシステムなどのオペレーティングシステム1110は、メモリ1104に常駐し、プロセッサユニット(複数可)1102によって実行されるが、他のオペレーティングシステムも採用され得ることを理解されたい。
【0063】
1つ以上のアプリケーション1112は、メモリ1104にロードされ、プロセッサユニット(複数可)1102によってオペレーティングシステム1110上で実行される。アプリケーション1112は、マイクロフォン1134、入力アクセサリ1135(例えば、キーパッド、マウス、スタイラス、タッチパッド、ジョイスティック、機器搭載入力など)などの様々な入力ローカルデバイスから入力を受信し得る。更に、アプリケーション1112は、ネットワーク接続(例えば、携帯電話ネットワーク、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標))を提供するために、より多くの通信トランシーバ1130及びアンテナ1138を使用して、有線又は無線ネットワークを介してそのようなデバイスと通信することによって、遠隔に位置するスマートデバイスなどの1つ以上のリモートデバイスから入力を受信し得る。コンピューティングデバイス1100はまた、測位システム(例えば、グローバル測位衛星トランシーバ)、1つ以上の加速度計、1つ以上のカメラ、オーディオインタフェース(例えば、マイクロフォン1134、オーディオアンプ及びスピーカ及び/又はオーディオジャック)、並びに記憶デバイス1128などの様々な他の構成要素を含み得る。他の構成もまた、採用され得る。
【0064】
コンピューティングデバイス1100は、1つ以上のバッテリ又は他の電源によって電力を供給され、コンピューティングデバイス1100の他の構成要素に電力を提供する電源1116を更に含む。電源1116はまた、内蔵バッテリ又は他の電源をオーバーライド又は再充電する外部電源(図示せず)に接続され得る。
【0065】
例示的な実装態様では、コンピューティングデバイス1100は、メモリ1104及び/又は記憶デバイス1128に記憶され、プロセッサユニット(複数可)1102によって処理される命令によって具現化されたハードウェア及び/又はソフトウェアを備える。メモリ1104は、ホストデバイスのメモリであっても、ホストに結合するアクセサリのメモリであってもよい。追加的に又は代替的に、コンピューティングデバイス1100は、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は本明細書に記載される機能を提供することが可能な他のハードウェア/ソフトウェア/ファームウェアを備え得る。
【0066】
コンピューティングデバイス1100は、様々な有形のプロセッサ可読記憶媒体及び無形のプロセッサ可読通信信号を含み得る。有形のプロセッサ可読記憶装置は、コンピューティングデバイス1100によってアクセスすることができる任意の利用可能な媒体によって具現化することができ、揮発性及び不揮発性記憶媒体、取り外し可能及び取り外し不可能な記憶媒体の両方を含む。有形のプロセッサ可読記憶媒体は、無形の通信信号を除き、プロセッサ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータなどの情報の記憶のための任意の方法又は技術で実装された揮発性及び不揮発性の取り外し可能及び取り外し不可能な記憶媒体を含む。有形プロセッサ可読記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)又は他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶又は他の磁気記憶デバイス、又は所望の情報を記憶するために使用することができ、かつコンピューティングデバイス1100によってアクセスすることができる任意の他の有形媒体を含むが、これらに限定されない。有形のプロセッサ可読記憶媒体とは対照的に、無形のプロセッサ可読通信信号は、搬送波又は他の信号輸送機構などの変調されたデータ信号に存在する、プロセッサ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータを具現し得る。「変調されたデータ信号」という用語は、信号内の情報を符号化するような様式で設定又は変更されたその特性のうちの1つ以上を有する無形の通信信号を意味する。限定ではなく、例として、無形の通信信号は、有線ネットワーク又は直接有線接続などの有線媒体、並びに音響、RF、赤外線、及び他の無線媒体などの無線媒体を通過する信号を含む。
【0067】
いくつかの実装態様は、製造物品を含み得る。製造物品は、ロジックを格納する有形の記憶媒体を備え得る。記憶媒体の例としては、揮発性メモリ若しくは不揮発性メモリ、取り外し可能若しくは取り外し不可能メモリ、消去可能若しくは消去不可能メモリ、書き込み可能若しくは再書き込み可能メモリなどを含む、電子データを記憶することができる1つ以上のタイプのプロセッサ可読記憶媒体を挙げることができる。ロジックの例としては、ソフトウェアコンポーネント、プログラム、アプリケーション、コンピュータプログラム、アプリケーションプログラム、システムプログラム、マシンプログラム、オペレーティングシステムソフトウェア、ミドルウェア、ファームウェア、ソフトウェアモジュール、ルーチン、サブルーチン、動作セグメント、方法、手順、ソフトウェアインターフェース、アプリケーションプログラムインターフェース(API)、命令セット、コンピューティングコード、コンピュータコード、コードセグメント、コンピュータコードセグメント、単語、値、記号、又はこれらの任意の組み合わせなどの様々なソフトウェア要素を挙げることができる。一実装態様では、例えば、製造物品は、コンピュータによって実行される場合に、記載される実装態様に従ってコンピュータに方法及び/又は動作を実行させる実行可能なコンピュータプログラム命令を記憶し得る。実行可能コンピュータプログラム命令は、ソースコード、コンパイルされたコード、解釈されたコード、実行可能コード、静的コード、動的コードなどのような任意の好適なタイプのコードを含み得る。実行可能コンピュータプログラム命令は、特定の動作セグメントを実行するようにコンピュータに指示するために、所定のコンピュータ言語、様式、又は構文に従って実装され得る。命令は、任意の好適な高レベル、低レベル、オブジェクト指向、ビジュアル、コンパイル及び/又は解釈されるプログラミング言語を使用して実行され得る。
【0068】
本明細書に記載される実装態様は、1つ以上のコンピュータシステムにおける論理ステップとして実装される。論理演算は、(1)1つ以上のコンピュータシステム内で実行されるプロセッサ実装ステップのシーケンスとして、及び(2)1つ以上のコンピュータシステム内の相互接続されたマシン又は回路モジュールとして実装され得る。実装態様は、利用されているコンピュータシステムの性能要件に依存して、選択の問題である。したがって、本明細書に記載される実装態様を構成する論理演算は、演算、ステップ、オブジェクト、又はモジュールと様々に称される。更に、論理演算は、明示的に別途特許請求されない限り、又は特定の順序が特許請求の範囲の言語によって本質的に必要とされる場合を除き、任意の順序で実行され得ることを理解されたい。
【0069】
本発明は、図面及び前述の記載で詳細に例解及び記載されているが、そのような例解及び記載は、例示的であり、特徴的に限定的ではないとみなされるべきである。例えば、上で記載されたある特定の実施形態は、他の記載された実施形態と組み合わせることができ、及び/又は他の方式で配置され得る(例えば、プロセス要素は、他のシーケンスで実行され得る)。したがって、好ましい実施形態及びその変形例のみが示され、記載されており、本発明の趣旨に含まれる全ての変更及び修正が保護されることが所望されることを理解されたい。
【0070】
本開示の目的のために、別段の指示がない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される量、サイズ、寸法、割合、形状、配合、パラメータ、パーセンテージ、量、特性、及び他の数値を表す全ての数は、「約」という用語が値、量、又は範囲で明示的に表示されない場合があるにもかかわらず、全ての例で「約」という用語によって修正されるものと理解されるべきである。したがって、それとは反対に示されない限り、本明細書に示される数値パラメータは正確ではなく、正確である必要はなく、所望に応じて、近似し得る及び/又はより大きく若しくはより小さくあり得、本開示の主題によって得ようとする所望の特性に応じて、許容誤差、変換係数、丸め、測定誤差など、及び当業者に既知の他の要因を反映する。例えば、値を指すとき、「約」という用語は、いくつかの例では+/-100%、いくつかの例では+/-50%、いくつかの例では+/-20%、いくつかの例では+/-10%、いくつかの例では+/-5%、いくつかの例では+/-1%、いくつかの例では+/-0.5%、及びいくつかの例では+/-0.1%の指定された量からの変動が、開示される方法を実行するために適切である際、このような変動を包含することを意味することができる。
【0071】
更に、「約」という用語は、1つ以上の数値又は数値範囲に関連して使用されるとき、範囲内の全ての数値を含む全てのそのような数値を指すと理解されるべきであり、記載された数値の上方及び下方の境界を拡張することによって、その範囲を修正する。端点による数値範囲の列挙は、その範囲内に含まれる全ての数、例えば、その分数を含む全整数(例えば、1~5の列挙は、1、2、3、4、及び5、並びにその分数、例えば、1.5、2.25、3.75、4.1などを含む)、及びその範囲内の任意の範囲を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-09-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星通信システム(100)のユーザ端末であって、
複数の非静止地球軌道(非GEO)通信衛星のうちの少なくとも1つ、及び少なくとも1つの静止地球軌道(GEO)通信衛星と通信するための操縦可能なビームを有する電子的に操縦可能な衛星アンテナ(120)であって、前記操縦可能なビームは、前記電子的に操縦可能な衛星アンテナ(120)のボアサイト方向(312)に対する走査角(314)にわたって電子的に操縦可能である、電子的に操縦可能な衛星アンテナ(120)と、
地球上の前記ユーザ端末の位置、及び前記衛星通信システム(100)の前記複数の非GEO通信衛星の傾斜角に基づいて、前記電子的に操縦可能な衛星アンテナ(120)のために前記ユーザ端末における天頂方向に対するオフセット角(318)を決定するオフセット計算モジュール(912)と、
前記電子的に操縦可能な衛星アンテナ(120)の通常の動作条件下で変化しない、地球に対して静的な物理的な向きにおいて前記電子的に操縦可能な衛星アンテナ(120)を固定するための物理的なアンテナマウント(122)であって、前記物理的なアンテナマウント(122)によって固定される前記電子的に操縦可能な衛星アンテナ(120)の前記静的な物理的な向きは、前記電子的に操縦可能な衛星アンテナの前記ボアサイト方向(312)を前記オフセット角(318)で配置する、物理的なアンテナマウント(122)とを含み、
前記オフセット角(318)は、前記少なくとも1つのGEO通信衛星に向かう赤道方向にあり、前記オフセット角(318)は、前記複数の非GEO通信衛星のうちの少なくとも1つと前記少なくとも1つのGEO通信衛星とを含む前記走査角(314)の傾斜した可視範囲(504)を提供する、衛星通信システム(100)のユーザ端末。
【請求項2】
前記オフセット角(318)は経度方向のオフセットコンポーネントを含み、前記経度方向のオフセットコンポーネントは前記複数の非GEO通信衛星の前記傾斜角に少なくとも部分的に基づく、請求項1に記載のユーザ端末。
【請求項3】
前記経度方向のオフセットコンポーネントは、前記傾斜した可視範囲内で前記複数の非GEO通信衛星を最大化するように決定される、請求項2に記載のユーザ端末。
【請求項4】
前記経度方向のオフセットコンポーネントは、地球上の前記ユーザ端末の前記位置の緯度の関数として決定される、請求項2に記載のユーザ端末。
【請求項5】
前記オフセット角(318)は緯度方向のオフセットコンポーネントを含み、前記緯度方向のオフセットコンポーネントは、前記複数の非GEO通信衛星と通信するように構成される1つ以上の他のユーザ端末に対する負荷分散ポリシーに基づいて決定される、請求項2に記載のユーザ端末。
【請求項6】
前記複数の非GEO通信衛星は、前記ユーザ端末に対する前記GEO通信衛星に向かう方向においてプーリング領域(512)にプールする、請求項1に記載のユーザ端末。
【請求項7】
前記オフセット角(318)は、前記複数の非GEO通信衛星の第1のリンク性能、及び前記少なくとも1つのGEO通信衛星の第2のリンク性能に少なくとも部分的に基づく、請求項1に記載のユーザ端末。
【請求項8】
前記オフセット角(318)は、前記ユーザ端末と前記複数の非GEO通信衛星との間で通信される第1のデータ量、及び前記ユーザ端末と前記少なくとも1つのGEO通信衛星との間で通信される第2のデータ量に少なくとも部分的に基づく、請求項1に記載のユーザ端末。
【請求項9】
前記走査角(314)は約45度以下である、請求項1に記載のユーザ端末。
【請求項10】
前記操縦可能なビームの最小仰角は約25度以上である、請求項9に記載のユーザ端末。
【請求項11】
前記走査角(314)は、前記ボアサイト方向に対して非対称である、請求項1に記載のユーザ端末。
【請求項12】
前記複数の非GEO通信衛星は地球低軌道(LEO)衛星を含む、請求項1に記載のユーザ端末。
【請求項13】
電子的に操縦可能な衛星アンテナをユーザ端末に配置するための方法であって、
地球上の電子的に操縦可能な衛星アンテナ(120)の位置を決定することと、
地球上の前記ユーザ端末の前記位置及び衛星通信システム(100)の複数の非静止地球軌道(非GEO)通信衛星の傾斜角に少なくとも部分的に基づいて、前記電子的に操縦可能な衛星アンテナ(120)のためにオフセット角(318)を決定することであって、前記電子的に操縦可能な衛星アンテナ(120)は前記複数の非静止地球軌道(非GEO)通信衛星と通信するように構成され、前記オフセット角(318)は少なくとも1つの静止地球軌道(GEO)通信衛星に向かう赤道方向にある、ことと、
前記電子的に操縦可能な衛星アンテナ(120)のボアサイト方向(312)を前記ユーザ端末における天頂方向に対する前記オフセット角(318)でオフセットし、地球に対して静的な物理的な向きにおいて前記電子的に操縦可能な衛星アンテナ(120)の通常の動作条件下で変化しない前記オフセット角(318)で、前記電子的に操縦可能な衛星アンテナ(120)を物理的なアンテナマウント(122)で物理的に固定することと、
前記複数の非GEO通信衛星のうちの少なくとも1つ及び前記少なくとも1つのGEO通信衛星を含む傾斜した可視範囲を確立するために、前記ボアサイト方向(312)に対する走査角(314)にわたって前記電子的に操縦可能な衛星アンテナ(120)の操縦可能なビームを電子的に操縦することとを含む、電子的に操縦可能な衛星アンテナをユーザ端末に配置するための方法。
【請求項14】
前記オフセット角(318)は経度方向のオフセットコンポーネントを含み、前記方法は、
前記複数の非GEO通信衛星の前記傾斜角に少なくとも部分的に基づいて前記経度方向のオフセットコンポーネントを決定することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記経度方向のオフセットコンポーネントは、前記傾斜した可視範囲内で前記複数の非GEO通信衛星を最大化するように決定される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記経度方向のオフセットコンポーネントは、地球上の前記ユーザ端末の前記位置の緯度の関数として決定される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記オフセット角(318)は緯度方向のオフセットコンポーネントを含み、前記方法は、
前記複数の非GEO通信衛星と通信するように構成される1つ以上の他のユーザ端末に対する負荷分散ポリシーに基づいて前記緯度方向のオフセットコンポーネントを決定することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の非GEO通信衛星は、前記ユーザ端末に対する前記GEO通信衛星に向かう方向においてプールする、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記オフセット角(318)は、前記複数の非GEO通信衛星の第1のリンク性能、及び前記少なくとも1つのGEO通信衛星の第2のリンク性能に少なくとも部分的に基づく、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記オフセット角(318)は、前記ユーザ端末と前記複数の非GEO通信衛星との間で通信される第1のデータ量、及び前記ユーザ端末と前記少なくとも1つのGEO通信衛星との間で通信される第2のデータ量に少なくとも部分的に基づく、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記走査角(314)は約45度以下である、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
前記操縦可能なビームの最小仰角は約25度以上である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記走査角(314)は前記ボアサイト方向に対して非対称である、請求項13に記載の方法。
【請求項24】
前記複数の非GEO通信衛星は地球低軌道(LEO)衛星を含む、請求項13に記載の方法。
【国際調査報告】