(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】刃をコーティングするためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B26B 21/60 20060101AFI20240925BHJP
B05D 7/24 20060101ALI20240925BHJP
B05D 7/00 20060101ALI20240925BHJP
B05D 3/04 20060101ALI20240925BHJP
B05D 1/02 20060101ALI20240925BHJP
B05B 7/22 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
B26B21/60
B05D7/24 302L
B05D7/00 P
B05D3/04 C
B05D1/02 Z
B05B7/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510456
(86)(22)【出願日】2022-08-11
(85)【翻訳文提出日】2024-02-20
(86)【国際出願番号】 US2022074806
(87)【国際公開番号】W WO2023028420
(87)【国際公開日】2023-03-02
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315017030
【氏名又は名称】エッジウェル パーソナル ケア ブランズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Edgewell Personal Care Brands, LLC
【住所又は居所原語表記】1350 Timberlake Manor Parkway, Chesterfield, MO 63017 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】テーネ ヨッヘン
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー サンドラ
【テーマコード(参考)】
4D075
4F033
【Fターム(参考)】
4D075AA01
4D075AA09
4D075AA22
4D075AA78
4D075AA82
4D075AA90
4D075BB28Z
4D075BB29Z
4D075BB49X
4D075BB49Y
4D075BB92Z
4D075DA06
4D075DA34
4D075DA35
4D075DA36
4D075DB02
4D075DB04
4D075DB14
4D075DC38
4D075DC50
4D075EA06
4D075EA10
4D075EB16
4D075EB56
4F033QA01
4F033QB02Y
4F033QB05
4F033QC08
4F033QD03
4F033QE09
4F033QG07
(57)【要約】
フルオロポリマーなどの材料の潤滑性コーティングを刃の刃先に施工する方法は、先端端部、第1の小平面、及び第1の小平面及び先端端部に隣接する第2の小平面を含む刃先を有する刃を提供するステップを含む。本方法は更に、プラズマストリームを発生させ、プラズマストリームを刃先に向けるステップを含む。本方法は更に、フルオロポリマーを含む分散体を含有する流体ストリームをプラズマストリームに導入することにより、刃先をプラズマ処理すると同時に分散体の固体物を刃先上に堆積させるステップを含む。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
刃の刃先にフルオロポリマーのコーティングを施工する方法であって、
先端端部、第1の小平面、及び第2の小平面を含み、前記第1の小平面及び前記第2の小平面が前記先端端部に隣接する、前記刃先を有する前記刃を提供するステップと、
プラズマストリームを生成し、前記プラズマストリームを前記刃先に向けるステップと、
前記フルオロポリマーを含む分散体を含有する流体ストリームを前記プラズマストリームに導入することで、前記刃先をプラズマ処理すると同時に前記刃先の上に前記分散体の固体物を堆積させるステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記刃を焼結して、前記堆積された固体物に前記刃先上で前記フルオロポリマーのコーティングを形成させるステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記刃先が中心面を定め、
前記方法は更に、プラズマノズルをほぼ前記中心面に位置決めし、前記プラズマストリームが前記中心面に沿って向けられるように、前記プラズマノズルを用いて前記プラズマストリームを発生させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記刃先が中心平面を定め、
前記方法は更に、前記プラズマノズルが前記中心平面から角度方向でオフセットするようにプラズマノズルを位置決めし、前記プラズマストリームが前記第1の小平面に向けられるように前記プラズマノズルを用いて前記プラズマストリームを発生させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第2のプラズマノズルが前記中心面から角度方向でオフセットして且つ前記プラズマノズルから上記中心面の反対側になるように前記第2のプラズマノズルを位置決めし、前記第2のプラズマノズルを用いて第2のプラズマストリームを発生させて、前記第2のプラズマノズルの前記第2のプラズマストリームが前記第2の小平面に向けられるようにするステップを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記フルオロポリマーがポリテトラフルオロエチレンである、請求項1~5の何れかに記載の方法。
【請求項7】
前記分散体が水性分散体であり、前記ポリテトラフルオロエチレンの固体物が前記分散体の1%~2%を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記プラズマが大気プラズマである、請求項1~7の何れかに記載の方法。
【請求項9】
前記刃が剃刀刃である、請求項1~8の何れかに記載の方法。
【請求項10】
フルオロポリマーのコーティングを刃の刃先に施工するための刃コーティングシステムであって、
プラズマノズルを含み、プラズマストリームを前記プラズマノズルから外側にプラズマストリーム軸に沿って前記刃の刃先に向けるように構成された少なくとも1つのプラズマノズルと、
前記少なくとも1つのプラズマノズルに装着され、フルオロポリマーを含む分散体を含有する流体ストリームを流体ストリーム軸に沿って前記プラズマストリームに排出するように構成された少なくとも1つのスプレーノズルと、
を備える、刃コーティングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全体的に刃に関し、詳細には、剃刀刃の刃先に潤滑性コーティングを施工する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一部の刃、特に剃刀刃は、典型的にはステンレス鋼などの適切な基材材料で作られており、刃先は、先端端部及び隣接する小平面を備えたくさび形構成で形成されている。ダイヤモンド、非晶質ダイヤモンド、ダイヤモンド状炭素(DLC)材料、金属、窒化物、炭化物、酸化物又はセラミックなどの硬質コーティングは、強度、耐腐食性及び髭剃り能力を向上させ、また、必要な強度を維持しながらより薄い先端を可能にするのに頻繁に使用されており、これにより髭剃り中に使用される切削力を軽減することができる。
【0003】
剃刀刃の剃り特性は、潤滑性のポリマー外面コーティング(例えば、ポリテトラフルオロエチレン-「PTFE」のようなフルオロポリマー)を施工することによって改善できることが、当該技術分野において、例えば、米国特許第3,743,551号及び米国特許第3,838,512号からよく知られている。典型的には、このタイプのポリマーコーティングは、少なくとも刃の先端に、好ましくは小平面上に延びる比較的薄い層(例えば、厚さ500nm以下)を作成するように施工される。この層は、様々な異なる技術、例えば、スプレー施工、溶液槽ディッピング法などを使用して施工することができる。PTFEコーティング材料のスプレー施工は、PTFE材料の全てが剃刀刃に接合されるわけではないので、高価なPTFE材料を比較的大量に必要とする可能性がある。更に、施工プロセスは、所望の表面全体にわたって完全に均一な層厚さを施工することはないので、最初に施工された層の厚さは、典型的には、厚さのばらつきが予想されることを前提として、十分な層厚さを確保するように選択されることが開示されている。
【0004】
この「比較的」薄い層は、十分な層厚さが確保されているが、髭剃りには最適ではなく、すなわち、厚過ぎる。新しくコーティングされた刃の最初の数ストロークの使用の間に、ユーザによる刃の髭剃りプロセスの結果として、ポリマーコーティングの一部(初期の厚さが残されていた場合)が先端から除去されることになる。この表面コーティングを移動させるプロセスは、コーティングの「プッシュバック」又は「ピールバック」と呼ばれることがある。ユーザが髭剃り中に刃を当てることで過剰なポリマーコーティングが「プッシュバックされた」後、ポリマーコーティングのはるかに薄い層(ポリマー分子1個の厚さとすることができる層)が、典型的には、刃の耐用年数全体にわたって刃先に残ったままである。しかしながら、ポリマーコーティングの最初の厚さが「プッシュバック」されるまでは、ユーザは、ファーストシェーブ効果として知られる、ある程度の不快感を経験する可能性がある。
【0005】
ユーザのプッシュバックを予め阻止して、この初期不快感を回避するために、より薄いコーティングを提供する試みが開示されている。米国特許第5,985,459号、米国特許第7,247,249号並びに米国特許第10,766,157号には、最初に厚いコーティングの一部を部分的に除去して、過剰な厚さのコーティングに関連する上述の不快感を潜在的に回避するように見える、溶剤で付着したポリフルオロカーボン(フルオロポリマー)コーティングを有する剃刀刃の刃先を処理する方法が開示されている。溶剤を使用すると、刃の製造コストが大幅に増加し、場合によっては、追加の製造ステップが加わる可能性がある。米国特許出願公開第2020/0353054号及び国際特許出願公開WO2020/043476号には、最初に厚い付着コーティングに物理的に接触して、その一部を機械的に除去する方法が開示されている。この場合も同様に、これは、望ましくない製造ステップの追加であり、刃先への物理的接触は、製造(コーティングの除去)プロセス中に刃先に対する損傷の確率を高める可能性がある。更なる追加の部分的な物理的除去製造ステップは、米国特許第9,943,879号並びに米国特許第9,969,094号で開示されている。同時係属の国際特許出願WO2020/081763には、施工後の薄肉化作業を有益に回避する試みとして、より薄いフルオロポリマーコーティングを最初に刃先に施工する方法を開示している。しかしながら、この方法によるコーティングの厚さは、真に望ましい厚さ、すなわち、単一ポリマー分子の厚さにほぼ等しい厚さとはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第3,743,551号
【特許文献2】米国特許第3,838,512号
【特許文献3】米国特許第5,985,459号
【特許文献4】米国特許第7,247,249号
【特許文献5】米国特許第10,766,157号
【特許文献6】米国特許出願公開第2020/0353054号
【特許文献7】国際特許出願公開第2020/043476号
【特許文献8】米国特許第9、943、879号
【特許文献9】米国特許第9、969、094号
【特許文献10】国際特許出願第2020/081763号
【発明の概要】
【0007】
本開示は、刃をコーティングするための従来技術のシステム及び方法の限界を実質的に緩和することを目的としている。本開示は、フルオロポリマーなどの潤滑性材料のコーティングを刃の刃先に施工する方法、及びこれを提供するコーティングシステムに関する。先端端部、先端端部に隣接している第1の小平面及び第2の小平面を含む刃先を有する刃が提供される。プラズマストリームが発生し、刃先に向けられる。フルオロポリマーを含む分散体を含有する流体ストリームが、プラズマストリームに導入されることにより、刃先をプラズマ処理すると同時に刃先の上に分散体の固体物を堆積させる。
【0008】
幾つかの態様では、本方法は更に、刃を焼結し、堆積した固体物に刃先上でフルオロポリマーのコーティングを形成させる。
【0009】
幾つかの態様では、刃先は中心平面を定め、システム及び方法は更に、プラズマノズルをほぼ中心平面で位置決めし、プラズマストリームが中心平面に沿って向けられるようにプラズマノズルを用いてプラズマストリームを発生させるステップを含む。他の態様では、刃先は中心平面を定め、システム及び方法は更に、プラズマノズルが中心平面から角度方向でオフセットするようにプラズマノズルを位置決めし、プラズマストリームが第1の小平面に向けられるようにプラズマノズルを用いてプラズマストリームを発生させるステップを含む。先行する態様の更なる態様では、第2のプラズマノズルは、第2のプラズマノズルが中心平面から角度方向でオフセットして且つプラズマノズルから中心平面の反対側にあるように位置決めされ、第2のプラズマノズルを用いて第2のプラズマストリームを発生させて、第2のプラズマノズルの第2のプラズマストリームが第2の小平面に向けられるようにする。
【0010】
幾つかの態様では、フルオロポリマーは、ポリテトラフルオロエチレンである。
【0011】
幾つかの態様では、分散体は水性分散体であり、ポリテトラフルオロエチレンの固体物は、分散体の1%~2%を含む。
【0012】
幾つかの態様では、プラズマは大気プラズマである。
【0013】
幾つかの態様では、刃は剃刀刃である。
【0014】
更に説明される上記の特徴及び利点は、添付図面と併用すると、以下の詳細な説明を参照してより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】剃刀カートリッジ及びハンドルを含む剃刀組立体の平面正面図である。
【0016】
【
図2】
図1の剃刀カートリッジの平面上面図である。
【0017】
【
図3】
図1の剃刀カートリッジ用の例示的な剃刀刃の平面上面図である。
【0018】
【0019】
【
図5】コーティングを含む剃刀刃の刃先の概略図である。
【0020】
【
図6】例示的な刃コーティングシステムの概略平面側面図である。
【0021】
【
図7】別の例示的な刃コーティングシステムの概略平面側面図である。
【0022】
【
図8】フルオロポリマーのコーティングを刃の刃先に施工する方法のフローチャートである。
【0023】
【
図9】複数の剃刀刃を保持する固定具の平面上面図である。
【0024】
【0025】
【
図11】コイル状剃刀刃リボンの平面上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の態様は、フルオロポリマーなどの材料の潤滑性コーティングを刃の刃先に施工するためのシステム及び方法を含む。刃の非限定的な例としては、剃刀刃(例えば、髭剃り用の剃刀刃)を含むことができ、これらは、個々に使用されるか、又は剃刀カートリッジなどのより大きなシステムの一部として使用することができる。
図1及び
図2を参照すると、本明細書で提供される説明を容易にするために、髭剃りプロセスで使用するための例示的な剃刀カートリッジ20が示されているが、本開示は、この特定の剃刀カートリッジの実施形態に限定されない。剃刀カートリッジ20は、ハンドル22に剛体又は枢動可能に装着される。幾つかの実施形態では、剃刀カートリッジ20は、再使用可能なハンドル22から分離可能な剃刀組立体24の使い捨て部分とすることができる。幾つかの他の実施形態では、剃刀カートリッジ20及びハンドル22は、組み合わされて単体構造の使い捨て剃刀組立体24にすることができる。
【0027】
剃刀カートリッジ20は、前方部分28、後方部分30、第1の側面部分32、及び第2の側面部分34を有する本体26を含む。第1の側面部分32及び第2の側面部分34の各々は、前方部分28と後方部分30との間に延在する。剃刀カートリッジ20は更に、本体26内に装着された少なくとも1つの剃刀刃36を含む。剃刀刃36は、前方部分28の後方で後方部分30の前方に配置される。剃刀刃36は、第1の側面部分32と第2の側面部分34との間に横方向に配置される。本明細書で使用される「前方」及び「後方」という用語は、剃刀カートリッジ20を従来の方法で使用するときに剃刀刃36がユーザの皮膚に当たる向きの観点で定められ、例えば、剃刀刃36は、ユーザの皮膚上の点に対して前方から後方への方向に移動することになる。
【0028】
図3~
図5を参照すると、本開示による剃刀刃36は、様々な構成を想定することができ、各々は、先端端部42と後方端部44との間に延びる幅40と第1の側面端部48と第2の側面端部50との間に延びる長さ46とを有する本体38を含む。本体38は更に、上側本体表面52及び下側本体表面54を含み、これら本体表面52、54は、先端端部42と後方端部44との間で幅方向に延び、第1の側面端部48と第2の側面端部50との間で長さ方向に延びる。
図5に示すように、剃刀刃36は、先端端部42、第1の小平面58、及び第2の小平面60を含む長さ方向に延びる刃先56を含み、ここで、第1の小平面58及び第2の小平面60は先端端部42に隣接している。第1の小平面58及び第2の小平面60は、先端端部42で一点に収束し、それぞれの上側本体表面52及び下側本体表面54まで後方に延びる。剃刀刃36は、剃刀刃36の本体38を通って幅方向に延びる中心面64を含む。刃先56は、例えば、
図4及び
図5に示すように、中心面64に沿って配向することができる。しかしながら、本開示は、刃先56のこの特定の配向に限定されず、様々な実施形態では、刃先56は、剃刀刃36の中心平面64の外側(例えば、片側)に位置決めすることができる。更に詳細に述べるように、剃刀刃36は、例えば、カートリッジ内に、製造中に複数の剃刀刃36を共に装着することを可能にする働きをするように構成された1又は2以上のアパーチャ62を含むことができる。これに加えて又は代替として、1又は2以上のアパーチャは、髭剃りデブリの除去を容易にするウォッシュスルーポートを構成することができる。本明細書で提供される剃刀刃36の説明は、本開示の理解を容易にするために含まれるが、本開示は、この特定の剃刀刃の実施形態に限定されない。
【0029】
剃刀刃36は、一般に、ステンレス鋼材料から作ることができる。様々な実施形態では、剃刀刃36は、剃刀刃36の強度、耐腐食性、及び髭剃り能力のうちの1又は2以上を向上させるために、ダイヤモンド、非晶質ダイヤモンド、ダイヤモンド状カーボン(DLC)材料、金属、窒化物、炭化物、酸化物、セラミックなどの1又は2以上の材料を含むコーティングを含むことができる。本開示は、剃刀刃36用の何れかの特定の材料又は材料の組み合わせに限定されない。
【0030】
剃刀刃36は、剃刀刃36の刃先56上に配置された潤滑性の外側コーティング66を含む。例えば、コーティング66は、刃先56の先端端部42、第1の小平面58、及び第2の小平面60の全て又は一部に配置することができ、加えて、上側本体表面52及び下側本体表面54の一部にも同様に配置することができる。コーティング66は、厚さTを有する。様々な実施形態では、コーティング66の厚さTは、刃先56に沿って実質的に一定とすることができるが、他の実施形態では、コーティング66の厚さTは、刃先56に沿った異なる位置で変化してもよい。
【0031】
本開示によるコーティング66は、限定ではないが、フルオロポリマー材料を含むことができる。コーティング66材料として特に有効なフルオロポリマー材料は、ポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)である。コーティング66材料の他の非限定的な例としては、オルガノシロキサンゲル、ポリエーテル、その他などのシリコンを含む。本開示は、以下に記載される方法で処理できる材料を提供する、何れかの特定のタイプのコーティング66材料を使用することに限定されない。本開示のシステム及び方法の説明を容易にするために、コーティング66材料は、PTFEとして説明する。しかしながら、上記に示したように、本開示は、PTFEタイプのコーティング66材料の使用に限定されない。
【0032】
図5~
図7を参照すると、本開示は、剃刀刃36の刃先56にコーティング66を施工するように構成された刃コーティングシステム68を含む。刃コーティングシステム68は、少なくとも1つのプラズマ発生器70を含む。プラズマ発生器70は、プラズマストリーム74をプラズマストリーム軸76に沿ってそこから外方へ向けるように構成されたプラズマノズル72を含む。概略図では、プラズマ発生器70は、プラズマノズル72と統合されているように描かれている。しかしながら、本開示の幾つかの実施では、これらは、分離することができ、すなわち、プラズマ発生器70は、プラズマがプラズマノズル72まで移動することを可能にする適切な導管によってプラズマノズル72に接続することができる。プラズマ発生器70は、大気圧プラズマを発生するように構成することができる。本明細書で使用する、「大気圧プラズマ」という用語は、周囲空気から発生し、周囲の大気の圧力とほぼ同じ圧力を有するプラズマを指し、周囲の大気の圧力を上回るプラズマ圧力を維持するために圧力容器(例えば、「反応容器」)の使用を必要とする可能性のある「低圧」又は「高圧」プラズマと対比することができる。例えば、プラズマストリーム74は、約4~6バールの圧力でプラズマノズル72から流出することができる。大気圧プラズマは、例えば、アーク放電又はコロナ放電構成などの様々なプラズマノズル構成によって発生させることができ、本開示は、何れか特定のプラズマノズル構成にも限定されない。
【0033】
刃コーティングシステム68は、流体ストリーム軸82に沿ってそこから外向きに流体ストリーム80を吐出すように構成された少なくとも1つのスプレーノズル78を含む。スプレーノズル78は、流体ストリーム軸82が角度A1で、例えば鋭角、好ましくはプラズマストリーム軸76に対して、プラズマノズル72から軸方向下流の位置で30~50度の範囲で交差するように、プラズマノズル72に対して位置決めされる。流体ストリーム80は、プラズマストリーム74よりも幅を広くするべきではない。スプレーノズル78は、流体ストリーム軸82に沿ってプラズマストリーム軸76から距離D1に位置決めされる。様々な実施形態では、スプレーノズル78は、例えば、
図7に示すように、プラズマ発生器70に装着することができる。しかしながら、本開示は、プラズマ発生器70に対してスプレーノズル78を位置決めするための何れかの特定の手段に限定されない。
【0034】
様々な実施形態では、刃コーティングシステム68は、第1のプラズマ発生器70A及び第2のプラズマ発生器70Bなどの複数のプラズマノズル70を含むことができる。刃コーティングシステム68はまた、第1のスプレーノズル78A及び第2のスプレーノズル78Bなどのそれぞれ複数のスプレーノズル78を含むことができる。各スプレーノズル78、78A、78Bは、上記及び、
図8に示すように、それぞれのプラズマ発生器70、70A、70Bに対して装着され、又は別な方法で位置決めすることができる。
【0035】
図3~
図11を参照すると、本開示は、
図8で説明されるフローチャートに示すように、フルオロポリマーのコーティングを刃の刃先に施工するための方法800を含む。説明を容易にするために、方法800を、
図6及び7の刃コーティングシステム68及び
図3~
図5の剃刀刃36を参照して以下に説明する。しかしながら、方法800は、これとは別に、他の刃に対して、他の刃コーティングシステムを使用して実行することができる。
【0036】
ステップ802では、それぞれの剃刀刃36の刃先56にコーティング66を施工する準備として、剃刀刃36が提供される。様々な実施形態では、コーティングされる剃刀刃36は、各々が個々の剃刀刃とすることができる。様々な他の実施形態では、コーティングされる剃刀刃36は、まだ個々の形態ではない可能性がある。
図9及び
図10に示すように、様々な実施形態では、ステップ802は、複数の剃刀刃36を固定具86内にスタック84として装着するステップを含むことができる。固定具86内に剃刀刃36を装着するステップは、剃刀刃36を同じ向きで、剃刀刃36の刃先56が露出した状態でスタックすることができる。固定具86は、剃刀刃36を固定具86内に保持するが、剃刀刃36をスタック軸90に沿ってお互いに対して移動することを可能にするために、剃刀刃36のアパーチャ(例えば、アパーチャ62)を通って延びる1又は2以上の刃の保持部材88を含むことができる。
図11に示すように、様々な実施形態では、複数の剃刀刃36は、一体的な剃刀刃リボン92として配置することができ、ここでリボン92は、コイル状にされる。リボン92は、その後、複数の剃刀刃36を形成するために切断又は他の方法で処理することができる。本開示は、コーティング66を施工する今後に備えて剃刀刃36の何れか特定の配置に限定されない。剃刀刃36は、周囲条件でコーティングされる、すなわち、刃36は、必ずしも、何れか(低、中、高)の真空チャンバ又は他の圧力容器内でコーティングされない。
【0037】
ステップ804では、刃コーティングシステム68は、剃刀刃36に対して位置決めされる。例えば、刃コーティングシステム68は、個々の剃刀刃に対して、又は例えばコイル状リボン92として構成された複数の剃刀刃36に対して位置決めすることができる。刃コーティングシステム68は、プラズマノズル72が、剃刀刃36のうちの刃先56の先端端部42から距離D2に位置決めするように位置決めすることができる。流体ストリーム軸82は、交差点65においてプラズマストリーム軸76と交差する。次に、スプレーノズル78は、交差点65がプラズマノズル72から距離D3となるように、プラズマノズル72に対して位置決めされる。
図6に示すように、様々な実施形態では、刃コーティングシステム68は、プラズマノズル72が、剃刀刃36の中心面64にほぼ沿って位置決めされるように位置付けることができ、プラズマストリーム74は、中心面64に沿って刃先56に向けることができるようになる。例えば、プラズマノズル72のプラズマストリーム軸76は、剃刀刃36の中心面64と整列し、実質的に平行とすることができる。
【0038】
図7に示すように、様々な実施形態では、刃コーティングシステム68は、プラズマノズル72が剃刀刃36の中心面64から角度方向でオフセットして位置決めされるように位置決めすることができる。例えば、プラズマノズル72のプラズマストリーム軸76は、剃刀刃36の中心面64に対して角度A2を形成することができる。プラズマノズル72は、プラズマストリーム74を第1の小平面58又は第2の小平面60の一方に向けるように位置決めすることができる。例えば、プラズマノズル72は、プラズマストリーム軸76が第1の小平面58又は第2の小平面60のうちの一方の表面に対して実質的に垂直になるように位置決めすることができる。第1のプラズマノズル72A及び第2のプラズマノズル72Bを有する刃コーティングシステム68の実施形態では、
図7に示すように、第1のプラズマ発生器72Aは、
図7に示すように、第1の小平面58に向けることができるが、第2のプラズマ発生器72Bは、第2の小平面60に向けることができ、第1のプラズマ発生器72Aとは中心面64の反対側に位置決めすることができる。本明細書で使用される、角度関係に関する用語「実質的に」は、記載された角度関係±10度を指す。
【0039】
ステップ806では、プラズマノズル72は、プラズマの流れ74を発生させ、プラズマストリーム74は、プラズマストリーム74が刃先56に接触するように、剃刀刃36の刃先56に向けられる。圧縮空気などの作動ガス又は、水素、窒素、及び/又は酸素など、他の一般的な工業用ガスがプラズマ発生器70に供給される。高電圧放電の印加により、プラズマ発生器70は、作動ガスから高反応性の大気プラズマを生成し、プラズマをプラズマストリーム74としてプラズマノズル72から放電する。
【0040】
様々な実施形態では、各剃刀刃36の刃先56は、コーティング66材料と刃先56との間の結合を向上させるために前処理することができる。刃先56がどのように前処理され得るかの実施例は、刃先56上にコーティング66材料を堆積させる準備として、刃先56にプラズマストリーム74を施工するステップを含む。刃先56における剃刀刃36の材料とのプラズマストリーム74の化学的及び物理的相互作用は、刃先56における剃刀刃36の材料の表面エネルギーを増大させる可能性がある。これに加えて、プラズマストリーム74は、別な方法でコーティング66材料と刃先56との間の結合を妨げる可能性のある刃先56からの酸化被膜、ダスト堆積物、グリース、油、及び/又は他の汚染物質の全て又は一部を除去することができる。本開示は、刃先56のプラズマ前処理に限定されず、化学的前処理などの他の前処理方法を使用することができる。
【0041】
ステップ808では、流体ストリーム80は、コーティング材料66を剃刀刃36の刃先56に堆積させるために、プラズマストリーム74に導入される。流体ストリーム80は、プラズマノズル72と刃先56との間でプラズマストリーム軸76と交差する流体ストリーム軸82に沿って、スプレーノズル78によってプラズマストリーム74に導入される。スプレーノズル78とプラズマストリーム軸76との間の距離D1は、流体ストリーム80の全て又は実質的に全てがプラズマストリーム74に導入され、且つプラズマストリーム74によって運ばれるように選択することができる。
【0042】
様々な実施形態では、流体ストリーム80は、コーティング66を形成する剃刀刃36の刃先56上に堆積するフルオロポリマー材料を含有する分散体を含む。様々な実施形態では、分散体は、PTFEなどの、フルオロポリマー材料の固体物を含む水性分散体とすることができる。様々な実施形態では、PTFEの固体物は、分散体の5%未満、またより好ましくは、分散体の約1%と2%との間を含めたものとすることができる。適切なフルオロポリマー分散体の非限定的な一例は、3M社製のDYNEON PTFE分散体TF 5070GZであり、これは水中でのPTFEの分散体であり、50%の固形分を有する。適切なフルオロポリマー分散体の別の非限定的な例としては、CHEMOURS社製のDRYFILM LW-2120があり、これは水中でのPTFEの分散体であり、20%の固形分を有する。前述の例示的なフルオロポリマー分散体などのフルオロポリマー分散体は、PTFEの所望の固形分を得るために(例えば、水で)更に希釈することができる。様々な実施形態では、分散体は、界面活性剤又は「湿潤剤」を更に含むことができる。適切な湿潤剤の非限定的な一例としては、PIGMENTSOLUTION GmbH製のTIONOX 465である。コーティングが前述のようなシロキサンなどの非フッ素化材料である場合の更なる実施形態では、シロキサンは、分散体よりはむしろ溶液の形となり得る。
【0043】
流体ストリーム80によってプラズマストリーム74に導入されると、PTFE分散体は、プラズマストリーム74によって刃先56の方に運ばれる。プラズマストリーム74が刃先56の方に向けられ、流体ストリーム80をプラズマストリーム74に導入することにより、刃のコーティングシステム68は、コーティング66を形成するために、分散体のPTFE固体物を刃先56の上に堆積させながら刃先56を同時にプラズマ処理することができる。本開示の文脈では、「同時に」という用語は、急速に連続して発生するステップを含み、例えばプラズマプロセスの直後に固体物の堆積が行なわれる。しかしながら、様々な実施形態では、ステップ806での刃先56へのプラズマストリーム74の施工は、刃先56を前処理するために、流体ストリーム80の導入なしで最初に施工することができる。刃先56の前処理後、流体ストリーム80は、刃先56の上にPTFE固体物を堆積させるために、続いてプラズマストリーム74に導入することができる。
【0044】
PTFE分散体をプラズマストリーム74中に噴霧することにより、剃刀刃の刃先の上にPTFEコーティング材料を直接噴霧する従来の方法と比較して、刃先56に向けられるPTFE分散体の粒径を小さくすることができる。更に、プラズマストリーム74は、PTFE分散体と刃先56の両方を加熱し、PTFE固体物と刃先56との間の初期結合を改善し、PTFE固体物が刃先56の先端端部42により近接して、より容易に集中することができる光焼結効果を提供し、分散体のキャリア流体の蒸発の助けとなることができる。従って、本開示の態様は、PTFE固体物と刃先56との間の改善された結合をもたらし、従って、実質的に空隙のない極めて薄いPTFEコーティング66層(例えば、「単分子層」)をもたらすことができる。空隙のないコーティングを有する刃先が望ましい(例えば、空隙のないコーティングは、より良好な剃り心地を提供すると理解される)。PTFE固体物と刃先56との間の結合を改善するためには、剃刀刃の刃先にPTFEコーティング材料を直接噴霧する従来の方法と比較して、更に、噴霧ノズル78からのPTFE分散体の流量を大幅に減少させる必要がある可能性がある。結果として、それぞれの剃刀刃36上に許容可能なコーティング66を生成するのに必要な費用のかかるPTFE分散体の量を著しく減少することができる。
【0045】
ステップ810では、刃コーティングシステム68は、コーティング66材料の前処理又は堆積が、剃刀刃36の第1の側面端部48から第2の側面端部50までの刃先56の全て又は実質的に全てに沿って施すことができるように、剃刀刃36の刃先56に対して移動することができる(
図3~
図5を参照)。様々な実施形態では、刃コーティングシステム68は、プラズマ発生器70及びスプレーノズル78を、刃先56に対してx方向、y方向、又はz方向のうちの1又は2以上に移動するように構成された作動部材(図示せず)を含むことができる。様々な他の実施形態では、剃刀刃36は、刃先56がプラズマストリーム74を通って移動するように代わりに移動することができる。本開示は、刃コーティングシステム68を剃刀刃36の刃先56に対して移動させるための何れか特定のプロセス又は手段に限定されない。
【0046】
様々な実施形態では、ステップ808でのプラズマストリーム74からの熱は、PTFE固体物を焼結し、刃先56上にコーティング66を形成するのに十分とすることができる。従って、コーティング66を形成するために、別の焼結ステップは、必要でない可能性がある。しかしながら、他の様々な実施形態では、コーティング66を形成するために独立した焼結ステップを使用することができる。ステップ812では、刃先56上に堆積されたPTFE固体物を含む剃刀刃36は、熱焼結プロセスに晒すことができる。剃刀36を焼結するステップは、剃刀刃36及びPTFE固体物が融合し、刃先56に付着するのに十分な期間にわたって、所定の温度に剃刀刃36及びPTFE固体物を加熱するステップを含むことができる。
【実施例】
【0047】
例示的なプロセスでは、PLASMATREAT GmbHが提供するプラズマ機器を利用した。この機器には、モデルPFW-10プラズマノズル72にリモートから接続したモデルFG5001プラズマ発生器70を含むものであった。プラズマストリーム74を、1.2 barに圧縮した周囲空気から生成した。プラズマ発生器を周波数21kHz、260V、負荷サイクル100%に設定した。流体ストリーム80を、Reiter GmbHが提供するノズル0,3を有するモデルOFT-AGR 09のスプレーノズル78から供給した。噴霧パラメータは、ホーン空気圧0.1bar、噴霧空気圧1.0barであった。流体ストリームの流体は、前述のように固体物2%を更に希釈したDYNEON PTFEであり、流量は、100ml/時間であった。プラズマノズル72を、刃先56の先端42から12mmの距離D2に位置決めし、プラズマノズル72を、プラズマノズル72のプラズマストリーム軸76が、処理する剃刀刃36の中心面64と整列し、実質的に平行になるように配置した。次いで、スプレーノズル78を、交差点65がプラズマノズル72から11.4mmの距離D3にあり、且つ約18mmの距離D1にあり、40度の角度A1になるように、プラズマノズル72に対して位置決めした。流体ストリーム80を含むプラズマストリーム74は、幅4mmを有した。プラズマノズル72は、剃刀刃36の刃先56に対して、且つ刃先56に沿って、125mm/秒の実効線速度で移動した。従って、PTFEでコーティングした剃刀刃36を、次に焼結してPTFEコーティングプロセスを完了した。コーティングした剃刀刃36を、剃刀カートリッジ20に組み立てた。国際公開第2020/081763号のプロセスによりプロセスした刃を有する以外は、同一のカートリッジの対照を有する逐次単数剃毛試験では、例示的なプロセスに従ってプロセスされた剃刀36を有する剃刀カートリッジ20は、引っ張り及び引きつれが少なく、滑りが良く、快適であり、ファーストシェーブ効果がなく、有意に好ましい(95%LOCにおいて)ことが見出された。
【0048】
この方法の利点は次の通りである。PTFE分散体をプラズマストリーム74中に噴霧することにより、分散体中のPTFEの粒径は、供給されたままの分散体と比べて更に小さくなり、すなわち粒径が細かくなる。プラズマストリーム74は、刃先56を洗浄し、前処理し、且つ活性化する。プラズマストリーム74は、PTFE粒子の部分溶融を引き起こし、PTFEの刃先56への付着を改善し、PTFEを効果的に部分的に予備焼結する。PTFE分散体は、刃先56の近くでプラズマストリーム74に入るため、過度の熱劣化を受けない。結果として得られるPTFEコーティングは、例えば、化学的又は機械的にコーティングを薄くする、いかなる後プロセス作業を必要とせず、既知のコーティングよりも薄くなる。ファーストシェーブ効果は、取り除かれる。施工されたコーティングは、既知のコーティング(施工されたままの)よりも薄いので、PTFE分散体(例えば、先に説明したDYNEON又はDRYFILM材料)の単位消費量は、先行技術プロセスのそれよりも1/20以下である。本方法は、いかなる真空チャンバ又は圧力容器内で施す必要はない。
【0049】
前述の説明及び図面では、要素間に様々な接続が記載されていることに留意されたい。これらの接続は一般的なものであり、別段の指定がない限り、直接的であっても間接的であってもよく、本明細書はこの点で限定することを意図していないことに留意されたい。2又は3以上の実体間の連結は、直接接続又は間接接続を指す場合がある。間接的な接続は、1又は2以上の介在する実体を組み込むことができる。本開示の実施形態のための様々な方法又はプロセスステップが、以下の説明及び図面に記載されていることに更に留意されたい。本明細書は、方法及び/又はプロセスステップを特定のシーケンスとして提示する場合がある。しかしながら、方法又はプロセスが本明細書に記載されたステップの特定の順序に依存しない範囲で、方法又はプロセスが、記載されたステップの特定のシーケンスに限定されるべきではない。当業者の一人として理解できるように、他の一連のステップも可能である。従って、本明細書に記載されたステップの特定の順序は、限定として解釈されるべきではない。
【0050】
更に、本開示の要素、構成要素、又は方法ステップは、その要素、構成要素、又は方法ステップが特許請求の範囲に明白に記載されているかに関わらず、一般公衆に開放されることを意図していない。本明細書におけるクレーム要素は、その要素が表現「means for」を用いて明示的に記載されていない限り、米国特許法第112条(f)の規定に基づいて解釈されない。本明細書で使用される、用語「comprises」、「comprising」又は何らかのその他の変更は、要素のリストを構成するプロセス、方法、物品、又は装置が、それらの要素のみを含むのではなく、そのようなプロセス、方法、物品、又は装置に明白に記載されていないか、又は固有の他の要素を含み得るように、非排他的な包含を保護することを意図している。
【0051】
本開示の様々な態様を開示したが、本開示の範囲内で更に多くの実施形態及び実施が可能であることは、当業者には明らかであろう。例えば、本明細書に記載の本開示は、特定の特徴を含む幾つかの態様及び実施形態を含む。これらの特定の特徴は、個々に記載することができるが、これらの特徴の一部又は全部が、態様の何れか1つと組み合わせることができ、本開示の範囲内に留まることは、本開示の範囲内である。様々な実施形態」、「一実施形態」、「実施形態」、「例示的な実施形態」などへの言及は、記載される実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含む可能性があることを示すが、全ての実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、又は特性を含むとは限らない。更に、このような表現は、必ずしも同じ実施形態を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性が実施形態に関連して記載されている場合、明示的に記載されているか否かにかかわらず、そのような特徴、構造、又は特性を他の実施形態に関連して実行することは、当業者の知識の範囲内であることが提出される。従って、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその均等物に照らすことを除いて限定されるものではない。
【符号の説明】
【0052】
20 剃刀カートリッジ
22 ハンドル
24 剃刀アッセンブリ
26 本体
28 前方部分
30 後方部分
32 第1の側面部分
34 第2の側面部分
36 剃刀刃
38 本体
40 幅
42 先端端部
44 後方端部
46 長さ
48 第1の側面端部
50 第2の側面端部
52 上側本体表面
54 下側本体表面
56 刃先
58 第1の小平面
60 第2の小平面
62 アパーチャ
64 中心面
66 コーティング
68 刃コーティングシステム
70 プラズマ発生器
70A 第1のプラズマ発生器
70B 第2のプラズマ発生器
72 プラズマノズル
74 プラズマノズル流
76 プラズマノズル流軸
78 スプレーノズル
78A 第1のスプレーノズル
78B 第2のスプレーノズル
80 流体ストリーム
82 流体ストリーム軸
84 スタック
86 固定具
88 保持部材
90 スタック軸
92 リボン
T 厚さ
A1 角度
D1 スプレーノズルの先端から交差点65までの距離
D2 プラズマノズルの先端から剃刀刃の先端までの距離
D3 プラズマノズルの先端から交差点65までの距離
【国際調査報告】