(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】平面状圧延用材料における平坦度の効率的な特定
(51)【国際特許分類】
B21B 37/28 20060101AFI20240925BHJP
B21B 38/00 20060101ALI20240925BHJP
B21B 38/02 20060101ALI20240925BHJP
B21C 51/00 20060101ALI20240925BHJP
G01B 11/30 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
B21B37/28
B21B38/00
B21B38/02
B21C51/00 L
G01B11/30 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510705
(86)(22)【出願日】2022-08-09
(85)【翻訳文提出日】2024-04-22
(86)【国際出願番号】 EP2022072288
(87)【国際公開番号】W WO2023041253
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516128728
【氏名又は名称】プライメタルズ・テクノロジーズ・ジャーマニー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・ケルシェンシュタイナー
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・テカーレ
【テーマコード(参考)】
2F065
4E124
【Fターム(参考)】
2F065AA47
2F065BB13
2F065BB15
2F065DD13
2F065DD14
2F065FF04
2F065FF44
2F065JJ19
2F065JJ26
2F065MM03
2F065QQ16
2F065QQ23
2F065QQ24
2F065QQ42
4E124AA09
(57)【要約】
ロールスタンド(1)では、金属から作られた平面状圧延用材料(2)が圧延される。圧延用材料(2)は輸送方向(x)においてロールスタンド(1)を出る。機械的な影響なしに、平面状圧延用材料(2)において接触することなく作動する取得デバイス(8)によって、平面状圧延用材料(2)の表面に関与する少なくとも1つの二次元データセット(D)が、ロールスタンド(1)の出口側において繰り返して一貫して取得される。データセット(D)におけるデータ値(DW)は、局所的な外面平坦度に少なくとも依存する。輸送方向(x)に延びる平面状圧延用材料(2)の帯片(13)について、前記帯片(13)に対応する特定のデータセット(D)における帯片(12)を使用して、評価デバイス(9)が、特定の帯片(13、12)に関する、平坦度誤差に依存する誤差値(PF)を決定する。評価デバイス(9)は、決定された誤差値(PF)を制御デバイス(14)に供給し、制御デバイス(14)は、ロールスタンド(1)の平坦度制御要素(5、6)についての調整変数(S)を決定するときに誤差値(PF)を考慮する。そのため、取得デバイス(8)、評価デバイス(9)、制御デバイス(14)、およびロールスタンド(1)の相互作用は、リアルタイムでの閉制御ループの作動を結果的にもたらす。帯片(13)の特定の誤差値(PF)を決定するために、評価デバイス(9)は、特定の二次元データセット(D)における対応する帯片(12)の局所的な周波数分析を実施し、局所的な周波数分析に基づいて、特定の誤差値(PF)を決定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラ組立体のための動作方法であって、
圧延用材料幅(b)にわたって幅方向(y)に延びる金属の平面状圧延用材料(2)が、前記ローラ組立体のロールスタンド(1)を用いて圧延され、前記平面状圧延用材料(2)は、圧延された後に前記ロールスタンドを輸送方向(x)において離れ、
前記平面状圧延用材料(2)の表面の少なくとも1つの二次元データセット(D)が、前記平面状圧延用材料(2)への機械的作用なしで非接触に作動する取得デバイス(8)を用いて、前記ロールスタンド(1)の出力側において反復して繰り返し取得され、前記データセットの値(DW)は、前記平面状圧延用材料(2)のそれぞれの対応する場所において局所的に広がる外面平坦度に少なくとも依存し、
それぞれの前記二次元データセット(D)は、前記ローラ組立体の評価デバイス(9)によって受信され、前記評価デバイスは、前記輸送方向(x)に延びる前記平面状圧延用材料(2)の帯片(13)について、前記帯片(13)に対応するそれぞれの前記二次元データセット(D)の帯片(12)を使用して、それぞれの前記帯片(13、12)に関する、平坦度誤差に依存する誤差値(PF)を決定し、
前記評価デバイス(9)は、前記決定された誤差値(PF)を前記ローラ組立体の制御デバイス(14)に供給し、前記制御デバイス(14)は次いで、前記ロールスタンド(1)の平坦度制御要素(5、6)についての制御変数(S)の決定において、前記決定された誤差値(PF)を考慮し、
それによって、前記取得デバイス(8)、前記評価デバイス(9)、前記制御デバイス(14)、および前記ロールスタンド(1)の協働の結果として、リアルタイムで作動する閉フィードバック制御ループが得られる、動作方法において、
前記帯片(13)のそれぞれの前記誤差値(PF)を決定するための前記評価デバイス(9)は、それぞれの前記帯片(13)に対応するそれぞれの前記二次元データセット(D)の前記帯片(12)のデータ値の局所振動の強度および空間周波数を決定し、前記強度および/または前記空間周波数に基づいて、それぞれの前記誤差値(PF)を決定することを特徴とする動作方法。
【請求項2】
前記取得デバイス(8)は、カメラデバイスの形態であり、前記カメラデバイスを用いて、前記平面状圧延用材料(2)の前記表面のそれぞれの二次元画像が、それぞれの前記二次元データセット(D)として取得され、または、取得された画像データに基づいて決定されることを特徴とする、請求項1に記載の動作方法。
【請求項3】
前記二次元データセット(D)を用いて、前記平面状圧延用材料(2)の前記表面が、前記平面状圧延用材料(2)の前記幅(b)全体にわたって取得されることを特徴とする、請求項1または2に記載の動作方法。
【請求項4】
前記取得デバイス(8)は、前記幅方向(y)および前記輸送方向(x)によって定められる平面において見たときに、前記平面状圧延用材料(2)の上方で中央に配置されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項5】
前記ロールスタンドの前記平坦度制御要素(5、6)は、局所的に作用する制御要素(6)を備え、前記制御要素(6)を用いて、各々の場合において、上部作動ローラ(3)および/または下部作動ローラ(3)の一部分のみが影響を受けることと、前記平面状圧延用材料(2)の前記帯片(13)は各々、前記上部作動ローラ(3)および/または前記下部作動ローラ(3)の一部分に対応することと、を特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項6】
前記帯片(13)のそれぞれの前記誤差値(PF)を決定するための前記評価デバイス(9)は、それぞれの前記帯片(12)の区域(16)を選択することと、前記区域(16)は、前記平面状圧延用材料(2)の前記輸送方向(x)において見たときに、それぞれの前記帯片(13)の全長にわたって延び、前記平面状圧延用材料(2)の前記幅方向(y)において見たときに、それぞれの前記帯片(13)の幅の一部のみにわたって延びることと、前記評価デバイス(9)は、それぞれの前記帯片(13)の前記区域(16)に関してのみ、前記強度および前記空間周波数を決定することと、を特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項7】
前記評価デバイス(9)は、前記強度および前記空間周波数の前記決定の前に、それぞれの前記二次元データセット(D)の前処理を行うことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項8】
データ値(D)は、強度値であることと、前記前処理は、前記二次元データセット(D)の値の最大可能値範囲に関する前記強度値の正規化と、それぞれの前記帯片(13)またはそれぞれの前記帯片(13)の区域(16)に基づいた、それぞれの前記帯片(13)または前記区域(16)のデータ値(DW)の平均(M)による調整と、を含むことと、を特徴とする、請求項7に記載の動作方法。
【請求項9】
前記評価デバイス(9)は、最も大きい前記局所振動の前記強度(I0)および/または前記空間周波数(f0)を少なくとも使用して、それぞれの前記誤差値(PF)を決定することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項10】
前記平面状圧延用材料(2)は、前記ロールスタンド(1)において熱間圧延または冷間圧延されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項11】
前記ローラ組立体の前記ロールスタンド(1)と前記取得デバイス(8)との間に他のロールスタンドがないことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項12】
前記ローラ組立体の前記ロールスタンド(1)は、圧延機の唯一のロールスタンド、複数スタンドの圧延機列の最後のロールスタンド、または、複数スタンドの圧延機列の前記最後のロールスタンド以外のロールスタンド、であることを特徴とする、請求項11に記載の動作方法。
【請求項13】
コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、ローラ組立体の評価デバイス(9)によって直接的に処理され得る機械コード(11)を含み、前記評価デバイス(9)による前記機械コード(11)の前記処理は、前記評価デバイス(9)が、金属の平面状圧延用材料(2)が圧延され、前記平面状圧延用材料(2)が圧延された後に輸送方向(x)に出て行くロールスタンド(1)の動作の間、前記ロールスタンド(1)の制御デバイス(14)、および、前記平面状圧延用材料(2)への機械作用なしで非接触に作動する取得デバイス(8)と、反復して繰り返して、
前記取得デバイス(8)から、前記ロールスタンド(1)の出力側における前記平面状圧延用材料(2)の表面の、前記取得デバイス(8)によって取得された少なくとも1つの二次元データセット(D)を受信し、それぞれの前記二次元データセット(D)の値(DW)は、前記平面状圧延用材料(2)のそれぞれの対応する場所において局所的に広がる外面平坦度に少なくとも依存し、
前記輸送方向(x)に延びる前記平面状圧延用材料(2)の帯片(13)について、前記帯片(13)に対応するそれぞれの前記二次元データセット(D)の帯片(12)を使用して、それぞれの前記帯片(13、12)に関する、平坦度誤差に依存する誤差値(PF)を決定し、
前記ロールスタンド(1)の平坦度制御要素(5、6)のための制御変数(S)の決定における考慮のために、前記決定された誤差値(PF)を前記制御デバイス(14)に供給する、
ように、協働する効果を有し、
それによって、前記取得デバイス(8)、前記評価デバイス(9)、および前記制御デバイス(14)の協働の結果として、リアルタイムで作動する閉フィードバック制御ループが得られる、コンピュータプログラムにおいて、
前記帯片(13)のそれぞれの前記誤差値(PF)を決定するための前記評価デバイス(9)は、それぞれの前記帯片(13)に対応するそれぞれの前記二次元データセット(D)の前記帯片(12)のデータ値の局所振動の強度および空間周波数を決定し、前記強度および/または前記空間周波数に基づいて、それぞれの前記誤差値(PF)を決定することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記評価デバイス(9)による前記機械コード(11)の前記処理は、前記評価デバイス(9)が、ロールスタンド(1)の動作の間に、請求項6から9のうちの少なくとも一項の特徴を行う効果を有することを特徴とする、請求項13に記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
ローラ組立体の評価デバイスであって、前記評価デバイスは、請求項13または14に記載のコンピュータプログラム(10)でプログラムされ、それによって、請求項1から12のいずれか一項に記載の動作方法に従って、前記ローラ組立体の前記ロールスタンド(1)の前記取得デバイス(8)および前記制御デバイス(14)と協働する、ローラ組立体の評価デバイス。
【請求項16】
ローラ組立体であって、
前記ローラ組立体は、ロールスタンド(1)を有し、前記ロールスタンド(1)は、平坦度制御要素(5、6)を備え、前記ロールスタンド(1)によって、圧延用材料幅(b)にわたって幅方向(y)に延びる金属の平面状圧延用材料(2)が、圧延され、圧延された後に輸送方向(x)において前記ロールスタンド(1)から外へ案内され、
前記ローラ組立体は、取得デバイス(8)を有し、前記取得デバイス(8)は、前記平面状圧延用材料(2)への機械作用なしで非接触に作動し、前記取得デバイス(8)によって、前記平面状圧延用材料(2)の表面の少なくとも1つの二次元データセット(D)が、前記ロールスタンド(1)の出力側において反復して繰り返し取得され、前記データセットのデータ値(DW)は、前記平面状圧延用材料(2)のそれぞれの対応する場所において局所的に広がる外面平坦度に少なくとも依存し、
前記ローラ組立体は、請求項15に記載の評価デバイス(9)を有し、前記評価デバイス(9)は、前記取得デバイス(8)を用いて取得された、前記平面状圧延用材料(2)の前記表面の前記二次元データセット(D)の繰り返しの受信のために、データ転送のために前記取得デバイス(8)に接続され、前記輸送方向(x)に延びる前記平面状圧延用材料の帯片(13)について、前記帯片(13)に対応するそれぞれの前記二次元データセット(D)の帯片(12)を使用して、それぞれの前記帯片(13)に関する、平坦度誤差に依存する誤差値(PF)を決定し、前記決定された誤差値(PF)を前記ローラ組立体の制御デバイス(14)に供給し、
前記制御デバイス(14)は、前記ロールスタンド(1)の前記平坦度制御要素(5、6)のための制御変数(S)の決定において、前記決定された誤差値(PF)を考慮する、ローラ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローラ組立体のための動作方法であって、
- 圧延用材料幅にわたって幅方向に延びる金属の平面状圧延用材料が、ローラ組立体のロールスタンドを用いて圧延され、平面状圧延用材料は、圧延された後にロールスタンドを輸送方向において離れ、
- 平面状圧延用材料の表面の少なくとも1つの二次元データセットが、平面状圧延用材料への機械的作用なしで非接触に作動する取得デバイスを用いて、ロールスタンドの出力側において反復して繰り返し取得され、データセットの値は、平面状圧延用材料のそれぞれの対応する場所において局所的に広がる外面平坦度に少なくとも依存し、
- それぞれの二次元データセットはローラ組立体の評価デバイスによって受信され、
- 評価デバイスは、輸送方向に延びる平面状圧延用材料の帯片について、帯片に対応するそれぞれの二次元データセットの帯片を使用して、それぞれの帯片に関する、平坦度誤差に依存する誤差値を決定し、
- 評価デバイスは、決定された誤差値をローラ組立体の制御デバイスに供給し、制御デバイスは次いで、ロールスタンドの平坦度制御要素についての制御変数の決定において、決定された誤差値を考慮し、
- それによって、取得デバイス、評価デバイス、制御デバイス、およびロールスタンドの協働の結果として、リアルタイムで作動する閉フィードバック制御ループが得られる、ローラ組立体のための動作方法から生じる。
【0002】
フィードバック制御ループがリアルタイムで作動することができるようにするために、ローラ組立体の前述した構成要素は、それらの機能を固定の作動周期で繰り返し実施しなければならない。作動周期は、概してミリ秒の範囲であり、ほとんどは二桁のミリ秒の範囲であり、例外的な場合には、下位三桁のミリ秒の範囲である。これは、先行技術と本発明の範囲内との両方において当てはまる。
【0003】
本発明は、コンピュータプログラムであって、コンピュータプログラムは、ローラ組立体の評価デバイスによって直接的に処理され得る機械コードを含み、評価デバイスによる機械コードの処理は、評価デバイスが、金属の平面状圧延用材料が圧延され、平面状圧延用材料が圧延された後に輸送方向に出て行くロールスタンドの動作の間、ロールスタンドの制御デバイス、および、平面状圧延用材料への機械作用なしで非接触に作動する取得デバイスと、反復して繰り返して、
- 取得デバイスから、ロールスタンドの出力側における平面状圧延用材料の表面の、取得デバイスによって取得された少なくとも1つの二次元データセットを受信し、ここで、それぞれの二次元データセットの値は、平面状圧延用材料のそれぞれの対応する場所において局所的に広がる外面平坦度に少なくとも依存し、
- 輸送方向に延びる平面状圧延用材料の帯片について、帯片に対応するそれぞれの二次元データセットの帯片を使用して、それぞれの帯片に関する、平坦度誤差に依存する誤差値を決定し、
- ロールスタンドの平坦度制御要素のための制御変数の決定における考慮のために、決定された誤差値を制御デバイスに供給する、
ように、協働する効果を有し、
それによって、取得デバイス、評価デバイス、および制御デバイスの協働の結果として、リアルタイムで作動する閉フィードバック制御ループが得られる、コンピュータプログラムからさらに生じる。
【0004】
本発明は、ローラ組立体の評価デバイスであって、評価デバイスは、上記のようなコンピュータプログラムでプログラムされ、それによって、評価デバイスは、上記のような動作方法に従って、ローラ組立体のロールスタンドの取得デバイスおよび制御デバイスと協働する、ローラ組立体の評価デバイスからさらに生じる。
【0005】
本発明は、ローラ組立体であって、
- ローラ組立体は、ロールスタンドを有し、ロールスタンドは、平坦度制御要素を備え、ロールスタンドによって、圧延用材料幅にわたって幅方向に延びる金属の平面状圧延用材料が、圧延され、平面状圧延用材料は、圧延された後にロールスタンドを輸送方向において離れ、
- ローラ組立体は、取得デバイスを有し、取得デバイスは、平面状圧延用材料への機械作用なしで非接触に作動し、取得デバイスによって、平面状圧延用材料の表面の少なくとも1つの二次元データセットがロールスタンドの出力側において反復して繰り返し取得され、データセットの値は、平面状圧延用材料のそれぞれの対応する場所において局所的に広がる外面平坦度に少なくとも依存し、
- ローラ組立体は、評価デバイスを有し、評価デバイスは、取得デバイスを用いて取得された、平面状圧延用材料の表面の二次元データセットの繰り返しの受信のために、データ転送のために取得デバイスに接続され、輸送方向に延びる平面状圧延用材料の帯片について、帯片に対応するそれぞれの二次元データセットの帯片を使用して、それぞれの帯片に関する、平坦度誤差に依存する誤差値を決定し、決定された誤差値をローラ組立体の制御デバイスに供給し、
- 制御デバイスは、ロールスタンドの平坦度制御要素のための制御変数の決定において、決定された誤差値を考慮する、ローラ組立体からさらに生じる。
【背景技術】
【0006】
このような動作方法および関連付けられた対応する物品は、特許文献1から知られている。具体的には、1つ以上のカメラを用いて、ラインごとに金属帯のそれぞれの一部分の画像を取得することが、特許文献1から知られている。各々のラインの取得の間、金属帯の対応する領域が一定の強度で照らされる。ラインの繰り返しの取得によって、金属帯の表面の二次元画像が生成される。画像は個々の帯片へと分割される。帯片は圧延用材料の長手方向に延びることができる。帯片は、中空の隆起がそこに特定されるかどうかの観点で評価される。このような中空の隆起が特定される場合、これは局所的な平坦度誤差として記録される。決定された平坦度誤差は、その平坦度制御要素の作動を決定するための修正値として上流のロールスタンドに供給され得る。
【0007】
区域化された測定ローラを用いて、ロールスタンドの出力側における金属帯の平坦度を金属帯の幅にわたって空間的に分解された様態で取得することが、特許文献2から知られている。ロールスタンドの制御要素が、平坦度を所望の平坦度にできるだけ近くするために、取得された平坦度に依存して作動させられる。
【0008】
カメラを用いて金属帯の表面の画像を取得することと、画像を評価することで局所的な表面状態を決定することとが、特許文献3から知られている。表面の表面粗さ、中空の隆起、色、明るさ、化学的組成、および他の性質が、局所的な表面状態の例として前述されている。決定された局所的な表面状態に基づいて、上流デバイスの制御に影響が与えられる。デバイスは冷間圧延機であり得る。
【0009】
特許文献4は、ローラ組立体のための動作方法を開示しており、圧延用材料幅にわたって延びる金属の平面状圧延用材料がロールスタンドを用いて圧延され、平面状圧延用材料は、圧延された後にロールスタンドを輸送方向において離れる。カメラを用いて、平面状圧延用材料の表面の画像がロールスタンドの出力側において反復して繰り返し取得され、その値は、平面状圧延用材料のそれぞれの対応する場所において局所的に広がる外面平坦度に依存する。画像は評価デバイスへと供給され、評価デバイスは、その画像から、輸送方向において延びる平面状圧延用材料の帯片の平坦度についての誤差値を決定する。評価デバイスは、決定された誤差値を制御デバイスに供給し、制御デバイスは、ロールスタンドの平坦度制御要素についての制御変数の決定において、誤差値を考慮する。したがって、取得デバイス、評価デバイス、制御デバイス、およびロールスタンドの協働の結果として、リアルタイムで作動する閉フィードバック制御ループが得られる。誤差値を決定するために、評価デバイスは、それぞれの二次元データセットの局所的な周波数分析を実施し、局所的な周波数分析に基づいてそれぞれの誤差値を決定する。
【0010】
特許文献5は、ローラ組立体のための動作方法を開示しており、圧延用材料幅にわたって幅方向に延びる金属の平面状圧延用材料がロールスタンドを用いて圧延され、平面状圧延用材料は、圧延された後にロールスタンドを輸送方向において離れる。平面状圧延用材料への機械作用なしで非接触に作動する取得デバイスを用いて、平面状圧延用材料の表面の少なくとも1つの二次元データセットが、ロールスタンドの出力側において反復して繰り返し取得され、そのデータセットの値は、平面状圧延用材料のそれぞれの対応する場所において局所的に広がる外面平坦度に依存する、および/または、平面状圧延用材料のそれぞれの対応する場所において局所的に広がる内部応力に依存する。それぞれの二次元データセットはローラ組立体の評価デバイスによって受信される。輸送方向に延びる平面状圧延用材料の帯片について、評価デバイスは、それぞれの帯片に関する、平坦度誤差に依存する誤差値を決定する。評価デバイスは、決定された誤差値をローラ組立体の制御デバイスに供給し、制御デバイスは次いで、ロールスタンドの平坦度制御要素についての制御変数の決定において、決定された誤差値を考慮する。したがって、検出デバイス、評価デバイス、制御デバイス、およびロールスタンドの協働の結果として、リアルタイムで作動する閉フィードバック制御ループが得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願公開第2015/0116727号明細書
【特許文献2】国際公開第2019/068376号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2021/105364号パンフレット
【特許文献4】特開平4-279208号公報
【特許文献5】欧州特許出願公開第2 258 492明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
例えば金属帯といった金属の平面状圧延用材料を圧延するとき、それ自体において応力がなく、外側において歪みがなく、したがって平坦である平面状圧延用材料を作り出すことが、絶え間なく試みられていた。平面状圧延用材料が、幅方向において見たときに完全に均一に圧延される場合、つまり、幅方向において見たときに1回の通過ごとに一貫した相対的な低減で圧延される場合に、これが当てはまる。圧延が幅方向において均一でない場合、平面状圧延用材料のいくつかの長手方向の帯片(幅方向に見たとき)が、平面状圧延用材料の他の長手方向の帯片よりも集中的に圧延されなくなる。そのため、平面状圧延用材料は、より集中的に圧延された長手方向の帯片において波を形成する。平面状圧延用材料は平坦にならず、外面(=視認可能)平坦度は0以外である。小さい長さの差の場合に、または、平面状圧延用材料が引っ張りを受けるときに、外面平坦度が0に等しいにも拘らず、圧延用材料が引っ張りを受けるとき、長さの差は内部引張応力の差をもたらすことになる。したがって、この場合、平面状圧延用材料の内部応力は0以外である。
【0013】
様々な手順が、平坦度誤差を一様化および補正するために、先行技術において知られている。すでに前述した特許文献1と、同じくすでに前述した特許文献2と、が参照できる。
【0014】
金属の平面状圧延用材料を圧延するときの環境条件は、例えば、高い温度、振動、水または水蒸気、油の蒸気、埃粒子、および錆粒子の結果、非常に厳しい。これは、誤差値を取得するための測定デバイスの動作を妨げ、高い空間要件をしばしばもたらす。
【0015】
本発明の目的は、平面状圧延用材料の平坦度誤差を単純で信頼できる様態で特定および修正することができる可能性を提供することにある。
【0016】
目的は、請求項1の特徴を有する動作方法によって達成される。動作方法の有利な実施形態は、従属請求項2から12の主題である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明によれば、初めに言及された種類の動作方法は、帯片のそれぞれの誤差値を決定するための評価デバイスが、それぞれの帯片に対応するそれぞれの二次元データセットの帯片のデータ値の局所振動の強度および空間周波数を決定し、強度および/または空間周波数に基づいて、それぞれの誤差値を決定するように構成される。
【0018】
強度および空間周波数は、例えばデータ値のフーリエ変換を用いて決定され得る。
【0019】
最も単純な場合、取得デバイスは、カメラデバイスの形態であり、カメラデバイスによって、平面状圧延用材料の表面のそれぞれの二次元画像が、それぞれの二次元データセットとして取得され、または、取得された画像データに基づいて決定される。カメラデバイスは、具体的には、二次元画像が直接的に取得されるのに用いられる「通常の」カメラの形態であり得る。代替として、複数のこのようなカメラが使用されてもよく、そのため、複数の二次元データセットもそれに応じて取得され得る。カメラデバイスはラインスキャンカメラとすることもできる。代替として、複数のこのようなラインスキャンカメラを使用することもできる。圧延機で使用され得るカメラは、概して当業者に知られている。カメラは、可視スペクトルおよび/または赤外線範囲における光を検出するために、カメラの形態に依存して使用できる。構造的な視点から、カメラは、例えばCCDカメラの形態であり得る。
【0020】
取得された画像は通常の強度画像であり得る。代替として、取得された画像はいわゆる深度画像であってよく、深度画像では、深さ情報が二次元画像またはデータセットにおけるそれぞれの場所とも関連付けられ、そのため三次元画像が最終的に得られる。任意選択で、複数の「通常の」二次元画像が複数のカメラによって取得でき、そこから、深度画像が、取得された画像の融合などによって決定され、評価デバイスへと送信される。
【0021】
カメラデバイスは、関連付けられた照明デバイスを有し、照明デバイスを用いて、カメラデバイスを用いて取得された画像領域が所定の様態で照らされることが可能である。任意選択で、照明デバイスは、取得された画像領域の照明を変調することができる。結果として、信号対雑音比をいくつかの状況において向上させることができる。
【0022】
好ましくは、二次元データセットを用いて、平面状圧延用材料の表面が、平面状圧延用材料の幅全体にわたって取得される。結果として、それぞれの二次元データセットの評価が向上させられ得る。
【0023】
「幅全体にわたって」という表現は、二次元データセットが平面状圧延用材料の側方の縁も含むことを意味する。したがって、二次元データセットの評価の範囲内で、具体的には、側方の縁の位置も考慮され得る。
【0024】
好ましくは、取得デバイスは、幅方向および輸送方向によって定められる平面において見たときに、平面状圧延用材料の上方で中央に配置される。したがって、取得デバイスの配置は、取得デバイスから平面状圧延用材料へと延び、平面状圧延用材料の表面に対して直交した向きにされるラインが、平面状圧延用材料と中心でぶつかるようにされ得る。この場合、取得デバイスは、平面状圧延用材料の、または平面状圧延用材料の取得された領域の真上またはほぼ真上に配置される。
【0025】
多くの場合、ロールスタンドの平坦度制御要素は、局所的に作用する制御要素を備え、制御要素によって、各々の場合において、ロールスタンドの上部作動ローラおよび/または下部作動ローラの一部分のみが影響を受ける。局所的にのみ作用するこのような制御要素は、具体的には、冷却剤が対応する作動ローラのそれぞれの一部分にのみ適用され得るように用いられる冷却デバイスであり得る。局所的に作用する制御要素が存在するとき、平面状圧延用材料の帯片は各々、好ましくは、上部作動ローラおよび/または下部作動ローラの一部分に対応する。結果として、一方における決定された誤差値と、局所的に作用する制御要素についての関連付けられた制御変数との間の1:1の関係が、確立され得る。
【0026】
好ましくは、帯片のそれぞれの誤差値を決定するための評価デバイスは、それぞれの帯片の区域を選択し、区域は、平面状圧延用材料の輸送方向において見たときに、それぞれの帯片の全長にわたって延び、平面状圧延用材料の幅方向において見たときに、それぞれの帯片の幅の一部のみにわたって延びる。この場合、評価デバイスは、それぞれの帯片の区域に関する限り、強度および空間周波数を決定する。これは、それぞれの誤差値の決定を単純化する。
【0027】
評価デバイスが、強度および空間周波数の決定の前に、それぞれの二次元データセットの前処理を行うことは、可能である。
【0028】
前処理は、例えば平滑化(周波数フィルタリング)であり得る。代替または追加で、前処理はアーチファクトの排除であり得る。アーチファクトは、例えば、取得の構成自体によって引き起こされる誤差であり得る。代替として、アーチファクトは、表面における物質(例えば、スケール)によって引き起こされる可能性がある。平面状圧延用材料の側方の縁の特定を実施することと、二次元データセットの評価においてその側方の縁の位置を考慮することとが、同じく可能である。具体的には、平面状圧延用材料の側方の縁の中に全体で位置付けられる帯片のみが形成および/または評価されることが可能である。代替として、誤差値を決定するために使用されるそれぞれの帯片の区域が平面状圧延用材料の側方の縁の中に全体で位置付けられるときのみ評価を実施することも可能である。
【0029】
データ値は、しばしば強度値である。このような場合、前処理は、二次元データセットの値の最大可能値範囲に関する強度値の正規化と、それぞれの帯片、またはそれぞれの帯片の区域に基づいた、それぞれの帯片または区域のデータ値の平均による調整と、を含み得る。結果として、評価が標準化される。
【0030】
評価デバイスが、強度および空間周波数の決定とそれぞれの誤差値の決定との間で誤差値の妥当性の確認を実施することが、同様に可能である。例えば、帯片が比較的小さい幅のみを有する場合、隣接する帯片の誤差値が互いと比較され得る。具体的な帯片について決定された誤差値が隣接する帯片の決定された誤差値から相当に異なる場合、これは不正確な評価を指示する可能性がある。同様に、隣接する帯片についての決定された空間周波数が互いから相当に異なる場合、不正確な評価を指示する可能性がある。このような異なりについての理由は、例えば、スケールパッチであり得る。また、誤差値は、複数の帯片にわたって見たときに、鐘状の形の曲線と同様である値の分布を呈し、具体的には、ガウス分布を呈するべきである。
【0031】
好ましくは、評価デバイスは、最も大きい局所振動の強度および/または空間周波数を少なくとも使用して、それぞれの誤差値を決定する。例えば、最も単純な場合、最も大きい局所振動の強度のみが使用され得る。代替として、最も大きい局所振動の空間周波数のみが使用されることが可能である。しかしながら、好ましくは、それぞれの誤差値は、最も大きい局所振動の強度および空間周波数に組み合わせで基づかれて決定される。いずれの場合でも、対応する特性曲線を評価デバイスに保管することが可能である。
【0032】
平面状圧延用材料は、必要に応じて、ロールスタンドにおいて熱間圧延または冷間圧延され得る。
【0033】
概して、ローラ組立体のロールスタンドと取得デバイスとの間に他のロールスタンドはない。これは、ローラ組立体のロールスタンドが、圧延機の唯一のロールスタンド、複数スタンドの圧延機列の最後のロールスタンド、または、複数スタンドの圧延機列の最後のロールスタンド以外のロールスタンドのいずれであるかに拘わらず、当てはまる。
【0034】
目的は、請求項13の特徴を有するコンピュータプログラムによってさらに達成される。本発明によれば、コンピュータプログラムの処理は、帯片のそれぞれの誤差値を決定するための評価デバイスが、それぞれの帯片に対応するそれぞれの二次元データセットの帯片のデータ値の局所振動の強度および空間周波数を決定し、強度および/または空間周波数に基づいて、それぞれの誤差値を決定する効果を有する。
【0035】
コンピュータプログラムの処理は、評価デバイスが、動作方法の上記の有利な実施形態のうちのいくつかを行うという効果もさらに有し得る。
【0036】
目的は、請求項15の特徴を有する評価デバイスによってさらに達成される。本発明によれば、評価デバイスは、本発明によるコンピュータプログラムでプログラムされ、それによって、評価デバイスは、本発明による動作方法に従って、ローラ組立体のロールスタンドの取得デバイスおよび制御デバイスと協働する。
【0037】
目的は、請求項16の特徴を有するローラ組立体によってさらに達成される。本発明によれば、ローラ組立体の評価デバイスは、本発明による評価デバイスの形態である。
【0038】
この発明の上記の特性、特徴、および利点と、それらが達成される様態とは、概略的な形態で示す図面と併せてより詳細に説明される例示の実施形態の以下の記載と併せて、よりはっきりと明確に理解可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図11】平坦でない領域を伴う圧延用材料の図である。
【
図12】流れ図のうちの単独のステップの図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1および
図2によれば、ローラ組立体は、ロールスタンド1を有する。ロールスタンド1を用いて、圧延用材料2が圧延される。ロールスタンド1で圧延された後、圧延用材料2は、輸送方向xにおいてロールスタンド1を離れる。
【0041】
圧延用材料2は、金属から成り、しばしば鋼鉄から成る。代替として、圧延用材料2は、例えばアルミニウムまたは銅から成り得る。圧延用材料2は、ロールスタンド1で冷間圧延されることが可能である。しかしながら、概して、圧延用材料2は熱間圧延される。
【0042】
図2における図示によれば、圧延用材料2は、平面状圧延用材料であり、つまり、帯または厚板である。これは、
図1におけるロールスタンド1の図示から、その作動ローラ3に加えて、さらなるローラ4、具体的には支持ローラを有するロールスタンドとして、暗に続いている。圧延用材料2は、圧延用材料幅bにわたり、幅方向yに延びている。
【0043】
ロールスタンド1は、全体に作用する平坦度制御要素5および/または局所的に作用する平坦度制御要素6を備える。ロールスタンド1を離れる圧延用材料2の平坦度は、全体に作用する平坦度制御要素5と、局所的に作用する平坦度制御要素6と、の両方を用いて調整され得る。全体に作用する平坦度制御要素5は、その作動が圧延用材料幅bの全体にわたって圧延用材料2の平坦度に必ず影響する制御要素である。このような制御要素の例には、作動ローラ3を曲げるための曲げデバイス、作動ローラ3および/またはさらなるローラ4を軸方向に変位させるための押しデバイス、ならびに、例えばいわゆる対の交差のための制御要素といった他の制御要素がある。局所的に作用する平坦度制御要素6は、全体に作用する平坦度制御要素5の代替または追加として存在することができる。局所的に作用する平坦度制御要素6を用いれば、上部作動ローラ3および/または下部作動ローラ3の個々の一部分が個別に影響され得る。これは、上部作動ローラ3について
図2に示されている。局所的にのみ作用するこのような制御要素は、具体的には、冷却剤7が対応する作動ローラ3のそれぞれの一部分にのみ適用され得るように用いられる冷却デバイスであり得る。
【0044】
ローラ組立体は、取得デバイス8をさらに有する。
図2における図示によれば、取得デバイス8は、幅方向yおよび輸送方向xによって定められる平面において見たときに、好ましくは圧延用材料2の上方で中央に配置される。概して、ロールスタンド1と取得デバイス8との間に他のロールスタンドはない。
【0045】
取得デバイス8を用いることで、圧延用材料2の表面の少なくとも1つの二次元データセットDが、ほとんどが固定の周期時間Tで(
図4参照)、反復して繰り返し取得される。周期時間Tは、例えば24画像/秒、30画像/秒、または60画像/秒といった、いくつかの画像/秒の画像速さに対応することができる。他の値も可能である。ロールスタンド1の出力側における取得デバイス8の配置の結果として、データセットDはロールスタンド1の出力側における圧延用材料2にも関する。
【0046】
取得デバイス8は、圧延用材料2への機械的作用なしに、接触することなく作動する。例えば、取得デバイス8は、カメラデバイスの形態とすることができ、カメラデバイスを用いて、圧延用材料2の表面のそれぞれの二次元画像が、それぞれの二次元データセットDとして取得される。カメラが複数の場合、取得デバイス8は、それ自体がカメラによって供給される二次元データセットDを使用するか、または、複数のカメラの取得された画像データに基づいて、圧延用材料2の表面の結果的にできた二次元画像を、結果的にできた二次元データセットDとして決定するかのいずれかが可能である。本記載への導入部における対応するコメントが参照される。必要な場合、変調した様態において任意選択で作動する照明デバイスが、カメラデバイスとさらに関連付けられ得る。
【0047】
データセットDは個別にかまたは連続して生じ得る。取得デバイス8がカメラデバイスの形態である場合、送信されたデータセットDまたは画像は、例えば、JPEG形式または他の適切な形式での個々の画像、または、例えば、MPEG形式もしくはmp4形式といった連続的に生じるビデオ画像であり得る。
【0048】
図3によれば、データセットDは多数のデータ値DWを備える。
図3を不必要に過度にさせないように、データ値DWのうちの一部のみが
図3に示されている。しかしながら、取得デバイス8の具体的な形態に拘わらず、個々のデータ値DWは、
図3における描写に応じて、すなわち、それらが関わる二次元データセットDの中の場所に依存して、圧延用材料2の対応する場所に対応する。したがって、圧延用材料2の表面がデータセットDの場所にマッピングされる。それぞれのデータ値DW自体が、具体的には、圧延用材料2のそれぞれの対応する場所において局所的に広がる圧延用材料2の外面平坦度に依存する。任意選択で、それぞれのデータ値DW自体は、圧延用材料2のそれぞれの対応する場所において局所的に広がる圧延用材料2の内部応力に追加的に依存する。
【0049】
ローラ組立体は、評価デバイス9をさらに有する。評価デバイス9は、データ転送のために取得デバイス8に接続される。データ転送のための接続の結果として、評価デバイス9は取得デバイス8からデータセットDを受信することができる。評価デバイス9の構造および動作の原理は、本発明の中核となる主題である。
【0050】
評価デバイス9は、概して、ソフトウェアでプラグラム可能なデバイスの形態である。これは、評価デバイス9の中の「μP」によって
図1で指示されている。評価デバイス9はコンピュータプログラム10でプログラムされる。コンピュータプログラム10は、評価デバイス9によって直接的に処理され得る機械コード11を含む。コンピュータプログラム10によるプログラムの結果として、または、機械コード11の処理の結果として、評価デバイス9は、
図4と併せて以下において説明されている一連のステップを実施する。
【0051】
ステップS1では、評価デバイス9は、取得デバイス8からそれぞれのデータセットD(または、任意選択で複数のデータセットDも)を受信する。
【0052】
ステップS2では、評価デバイス9は、データセットDの前処理を実施する。ステップS2は任意選択にすぎない。したがって、ステップS2は省略されてもよい。この理由のため、ステップS2は、
図3では単に破線によって示されている。
【0053】
ステップS3では、評価デバイス9はデータセットDを帯片12へと分割する(帯片12のうちの1つが示されている
図3を参照されたい)。明らかなように、帯片12(または帯片12に対応する圧延用材料2の領域)は輸送方向xにおいて延びる。帯片12は互いと同じ幅を有し得る。これはほとんどの場合に当てはまる。しかしながら、これは絶対に必須というわけではない。
【0054】
ステップS4では、評価デバイス9は、それぞれの帯片12について個別に、輸送方向xにおいて、対応する帯片12の局所的な周波数分析を実施する。例えば、評価デバイス9は、「FOU」によって
図4で指示されている、ステップS4においてフーリエ変換を実施することができる。しかしながら、いずれの場合でも、評価デバイス9は、周波数分析を用いて、局所振動の強度と、局所振動のそれぞれの空間周波数とを決定し、それによって最終的に局所スペクトルも決定する。
【0055】
局所周波数分析に基づいて、延いては局所周波数分析を用いて、評価デバイス9は、ステップS5において、ここでもそれぞれの帯片12について個別に、それぞれの誤差値PFを決定する。したがって、評価デバイス9は、それぞれの帯片12について決定された局所スペクトルを評価する。
【0056】
データセットDの取得におけるマッピングの規則の結果として、データセットDの帯片12は、圧延用材料2の対応する帯片13に対応する。帯片13のうちの1つが
図2に示されている。帯片12と帯片13との間の所与の対応の結果として、誤差値PFも圧延用材料2の対応する帯片13に直接的に割り当てることができる。
【0057】
すでに前述したように、全体に作用する平坦度制御要素5および/または局所的にのみ作用する平坦度制御要素6が存在する。全体に作用する平坦度制御要素5が存在する場合、帯片12の数は必要とされるように決定され得る。これは単に、またはとりわけ、作動ローラ3のそれぞれの一部分にのみ作用する局所的に作用する平坦度制御要素6のみが存在する場合、原則として同様に可能である。しかしながら、この場合、帯片12は、圧延用材料2の対応する帯片13が
図2における図示に応じて上部作動ローラ3および/または下部作動ローラ3のこのような一部分にそれぞれ対応するように、好ましくは決定される。「対応する」という用語は、これに関しては必ずしも1:1の対応の意味では理解されない。むしろ、この用語は、個々の帯片12/13が正確に1つの一部分と関連付けることができるように意味され、したがって、対応する個々の帯片12/13は、複数の一部分のうちの一部に同時にはならない。しかしながら、逆に、複数の帯片12/13が個々の一部分の中にあることは完全に可能である。
【0058】
圧延用材料2の平坦度誤差はδL/Lとして定められ、ここで、Lは、応力なしの状態における圧延用材料2のそれぞれの対応する帯片13の最小長さであり、δLは、圧延用材料2のそれぞれの帯片13が最小長さより長い分の差である。誤差値PFは、概して平坦度誤差と同一ではないが、平坦度誤差に依存する。
【0059】
そのため、ステップS6では、評価デバイス9は、決定された誤差値PFを制御デバイス14に供給する。この目的のために、評価デバイス9は、
図1も参照すると、データ転送のために制御デバイス14に接続される。
【0060】
制御デバイス14は、同様にローラ組立体の一部である。制御デバイス14は、ロールスタンド1の平坦度制御要素5、6のための制御変数Sの決定において、制御デバイス14へ送信された誤差値PFを考慮する。誤差値は、誤差値PFができる限り修正されるような様態で考慮され、つまり、圧延用材料2の結果的に生じる平坦度ができるだけ所望の平坦度に近くなるようにさせられる。制御デバイス14は制御変数Sを平坦度制御要素5、6に出力する。
【0061】
ステップS6から、評価デバイス9は再びステップS1へ戻る。したがって、評価デバイス9は、ステップS1~S6を反復して繰り返して実施する。概して、ステップは固定の周期時間Tで実施される。この周期時間Tは、好ましくは制御デバイス14の制御周波数を越えるべきではない。
【0062】
最終的に、取得デバイス8、評価デバイス9、制御デバイス14、およびロールスタンド1(または、その平坦度制御要素5、6)の協働は、リアルタイムで作動し、誤差値PFができるだけ修正および排除され得るように用いられる閉フィードバック制御ループをもたらす。
【0063】
取得デバイス8の取得範囲は、
図5における図示によれば、圧延用材料2の表面が、二次元データセットDを用いて圧延用材料2の幅b全体にわたって取得されるように、好ましくは決定される。したがって、それぞれの二次元データセットDは圧延用材料2の側方の縁15(またはその画像)も含む。
【0064】
誤差値PFの周波数分析とそれに基づく決定とが行われるのに用いられる可能な手順が、
図6と併せて以下で説明される。
図6は、
図4のステップS4およびS5の可能な実施を示している。
【0065】
図6によれば、ステップS11では、評価デバイス9は帯片12のうちの1つを選択する。ステップS12では、評価デバイス9は、ステップS11で選択された帯片12の区域16を選択する。
図7によれば、区域16は、輸送方向xにおいて見たときに、ステップS11で選択された帯片12の全長にわたって延びる。対照的に、幅方向yにおいて見たときに、区域16は、ステップS11において選択された帯片12の幅の一部にわたってのみ延びる。ステップS13では、評価デバイス9は、その区域16のみのデータ値DWで周波数分析を行い(ステップS4参照)、それに基づいて、ステップS11で選択された帯片12について誤差値PFを決定する(ステップS5参照)。
【0066】
概して、
図6の手順は、ステップS12で選択された幅方向yにおける区域がより狭くなるにつれて、より良好な結果を生む。極端な場合、区域16が二次元データセットDの単一のラインにわたってのみ幅方向yにおいて延びることが可能である。
【0067】
ステップS14では、評価デバイス9は、すべての帯片12について、ステップS11~S13をすでに行ったかどうかを確認する。そうでない場合、評価デバイス9はステップS11に戻る。この場合、評価デバイス9は、ステップS11を再び実施するとき、ステップS11~S13をまだ実施していない異なる帯片12を選択する。そうでない場合、
図6の手順が完了する。
【0068】
図6および
図7の実施形態の範囲内において、評価デバイス9が個々の帯片12について複数の区域16を選択することすら可能である。この場合、評価デバイス9は区域16を個々に評価し、次に、個々の区域16の評価の結果に基づいて、対応する帯片12について誤差値PFを決定する。例えば、評価デバイス9は、区域16の各々について予備の誤差値を決定することができ、次に、予備の誤差値に基づいて、結果的に生じた誤差値PFを決定することができる。具体的には、評価デバイス9は、結果的に生じた誤差値PFとして、最大の予備の誤差値を使用することができるか、または、決定された予備の誤差値の加重平均または非加重平均を使用することができる。
【0069】
ステップS2において言及された前処理は、必要な場合に行うことができる。可能な手順はすでに説明されている。さらなる可能な前処理が、
図8と併せて以下でより詳細に説明される。この前処理は、前処理についての他の可能性の代替または追加として、必要に応じて実施され得る。
【0070】
それぞれのデータセットDが圧延用材料2の「通常の」強度画像(グレースケール画像)であることが、
図8の範囲内で仮定されている。したがって、データ値DWは強度値である。この場合、
図8における図示によれば、例えば、ステップS21において、0と1との間での値範囲へとマッピングする二次元データセットDの値の最大可能値範囲に関する強度値の正規化が初めに行うことができ、つまり、ほとんど線形である。あくまで例として、データ値DWが8ビットのデータ深度を伴うグレー値である場合、つまり、データ値DWが0(=黒)から255(=白)の間に位置し得る場合、0のデータ値DWが値0で変化せずに割り当てられるが、1のデータ値DWが値1/255で割り当てられ、2のデータ値DWが値2/255で割り当てられるなどである。ステップS21は、データセットDの中のデータ値DWの位置決めとは無関係であるため、すべての帯片12にわたって同時に実施され得る。新たに決定されたデータ値DW、つまり、0から1の間の範囲での値が、続いて、元のデータ値DW、つまり、例えば0から255の間の値の代わりに現れる。
【0071】
ステップS22では、評価デバイス9はデータセットDの領域を選択する。この領域は、帯片12であり得る、または、
図6および
図7による(好ましい)実施形態の場合、帯片12内の区域16であり得る。ステップS23では、評価デバイス9は、ステップS22で選択された領域について、データ値DWの平均Mを決定する。したがって、評価デバイス9は、データ値DWの合計を形成し、この合計を、合計におけるデータ値DWの数nによって除算する。ステップS24では、評価デバイス9は、ステップS22で選択された領域のデータ値DWから平均Mを減算する。
【0072】
ステップS25では、評価デバイス9は、すべての帯片12について、ステップS22~S24をすでに行ったかどうかを確認する。そうでない場合、評価デバイス9はステップS22に戻る。この場合、評価デバイス9は、ステップS22を再び実施するとき、ステップS22~S24をまだ実施していない異なる領域を選択する。そうでない場合、
図8の手順が完了する。
【0073】
したがって、ステップS22~S25の繰り返しの実施は、帯片12、または帯片12の区域16に基づいた、それぞれの帯片12または区域16のデータ値DWの平均Mによる調整をもたらす。
【0074】
図8の手順は
図9における図示からも明らかである。
図9は、ただ例を用いて、幅方向yにおける最小の幅の区域16の輸送方向xにおけるデータ値DWのプロファイルを示している。ステップS21~S25が実施された後のデータ値DWのスケール変換が
図9における左手に示されており、ステップS21~S25が実施される前のデータ値DWのスケール変換が右手に示されている。横座標における数字は、例えば、輸送方向xにおけるセル数であり得る。
【0075】
図10は、ただ例を用いて、例えばステップS4およびS5を実施することによって個々の帯片12について得られるような、局所領域における典型的なスペクトルを示している。1メートルあたりに振動の数が、例えば、横座標にプロットされ得、任意の単位での周波数の関連付けられる強度が縦座標にプロットされ得る。
図10における図示によれば、スペクトルは、(1)有意なピーク、つまり、最も高い強度I0を有する。これは、具体的には、圧延用材料2における関連付けられた波形が、
図11を見ると、平坦度の欠如が起こる場合に非常に規則的であるため、そうなる。
【0076】
最も高い強度I0は、関連付けられた空間周波数f0において起こる。好ましくは、
図12における図示によれば、評価デバイス9は、最も高い強度I0および/または関連付けられた空間周波数f0を用いて、対応する帯片12について誤差値PFを決定する。最も高い強度I0および/または関連付けられた周波数f0のみが誤差値PFの決定において使用されることが可能である。最も単純な場合、例えば、最も高い強度I0のみが使用され得る。代替として、最も大きい局所振動の空間周波数f0のみが使用されてもよい。しかしながら、好ましくは、それぞれの誤差値PFは、最も高い強度I0および関連付けられた空間周波数f0に組み合わせで基づかれて決定される。代替として、他の強度および/またはそれぞれの関連付けられた空間周波数が誤差値PFの決定において使用されることが可能である。いずれの場合でも、対応する(一次元の)特性曲線または特性曲線の(多次元の)セットを評価デバイス9において保管することが可能である。
【0077】
本発明によるローラ組立体のロールスタンド1が圧延機の唯一のロールスタンドであることが可能である。代替として、本発明によるローラ組立体のロールスタンド1は複数スタンドの圧延機列の一部であってもよい。この場合、本発明によるローラ組立体のロールスタンド1は、
図13における(単純化された)図示による、複数スタンドの圧延機列の最後のロールスタンド、または、
図14における(同様に単純化された)図示による、複数スタンドの圧延機列の最後のロールスタンド以外のロールスタンドのいずれか得あり得る。しかしながら、両方の場合において、本発明によるローラ組立体のロールスタンド1と取得デバイス8との間に他のロールスタンドはない。
【0078】
本発明は多くの利点を有する。具体的には、取得デバイス8は、単純であり、堅牢であり、安価である。コンパクトで場所を取らない設置が可能である。埃、水、熱などによる取得デバイス8の負荷が比較的小さくなるように、取得デバイス8を圧延用材料2から十分に大きい距離に配置することが、さらに可能である。構造はモジュール式である。したがって、個々の構成要素、具体的には、取得デバイス8、評価デバイス9、および制御デバイス14は、変更および交換することができる。交換された構成要素のインターフェースのみが互換性のあるようにされる必要がある。
【0079】
本発明は、好ましい例示の実施形態によって詳細に図示および記載されてきたが、本発明は開示されている例によって限定されず、他の変形が、本発明の保護の範囲から逸脱することなく、当業者によって導き出すことができる。
【符号の説明】
【0080】
1 ロールスタンド
2 圧延用材料
3 作動ローラ
4 さらなるローラ
5 平坦度制御要素
6 制御要素
7 冷却剤
8 取得デバイス
9 評価デバイス
10 コンピュータプログラム
11 機械コード
12 帯片
13 帯片
14 制御デバイス
15 側方の縁
16 区域
b 圧延用材料幅
D データセット
DW データ値
f0 最も高い強度の空間周波数
I0 最も高い強度
M 平均
PF 誤差値
S 制御変数
S1~S25 ステップ
T 周期時間
x 輸送方向
y 幅方向
【手続補正書】
【提出日】2024-06-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラ組立体のための動作方法であって、
圧延用材料幅(b)にわたって幅方向(y)に延びる金属の平面状圧延用材料(2)が、前記ローラ組立体のロールスタンド(1)を用いて圧延され、前記平面状圧延用材料(2)は、圧延された後に前記ロールスタンドを輸送方向(x)において離れ、
前記平面状圧延用材料(2)の表面の少なくとも1つの二次元データセット(D)が、前記平面状圧延用材料(2)への機械的作用なしで非接触に作動する取得デバイス(8)を用いて、前記ロールスタンド(1)の出力側において反復して繰り返し取得され、前記
二次元データセットの値(DW)は、前記平面状圧延用材料(2)のそれぞれの対応する場所において局所的に広がる外面平坦度に少なくとも依存し、
それぞれの前記二次元データセット(D)は、前記ローラ組立体の評価デバイス(9)によって受信され、前記評価デバイスは、前記輸送方向(x)に延びる前記平面状圧延用材料(2)の帯片(13)について、前記帯片(13)に対応するそれぞれの前記二次元データセット(D)の帯片(12)を使用して、それぞれの前記帯片(13、12)に関する、平坦度誤差に依存する誤差値(PF)を決定し、
前記評価デバイス(9)は、前記決定された誤差値(PF)を前記ローラ組立体の制御デバイス(14)に供給し、前記制御デバイス(14)は次いで、前記ロールスタンド(1)の平坦度制御要素(5、6)についての制御変数(S)の決定において、前記決定された誤差値(PF)を考慮し、
それによって、前記取得デバイス(8)、前記評価デバイス(9)、前記制御デバイス(14)、および前記ロールスタンド(1)の協働の結果として、リアルタイムで作動する閉フィードバック制御ループが得られる、動作方法において、
前記帯片(13)のそれぞれの前記誤差値(PF)を決定するための前記評価デバイス(9)は、それぞれの前記帯片(13)に対応するそれぞれの前記二次元データセット(D)の前記帯片(12)のデータ値の局所振動の強度および空間周波数を決定し、前記強度および/または前記空間周波数に基づいて、それぞれの前記誤差値(PF)を決定することを特徴とする動作方法。
【請求項2】
前記取得デバイス(8)は、カメラデバイスの形態であり、前記カメラデバイスを用いて、前記平面状圧延用材料(2)の前記表面のそれぞれの二次元画像が、それぞれの前記二次元データセット(D)として取得され、または、取得された画像データに基づいて決定されることを特徴とする、請求項1に記載の動作方法。
【請求項3】
前記二次元データセット(D)を用いて、前記平面状圧延用材料(2)の前記表面が、前記平面状圧延用材料(2)の前記幅(b)全体にわたって取得されることを特徴とする、請求項1または2に記載の動作方法。
【請求項4】
前記取得デバイス(8)は、前記幅方向(y)および前記輸送方向(x)によって定められる平面において見たときに、前記平面状圧延用材料(2)の上方で中央に配置されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項5】
前記ロールスタンドの前記平坦度制御要素(5、6)は、局所的に作用する制御要素(6)を備え、前記制御要素(6)を用いて、各々の場合において、上部作動ローラ(3)および/または下部作動ローラ(3)の一部分のみが影響を受けることと、前記平面状圧延用材料(2)の前記帯片(13)は各々、前記上部作動ローラ(3)および/または前記下部作動ローラ(3)の一部分に対応することと、を特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項6】
前記帯片(13)のそれぞれの前記誤差値(PF)を決定するための前記評価デバイス(9)は、それぞれの前記帯片(12)の区域(16)を選択することと、前記区域(16)は、前記平面状圧延用材料(2)の前記輸送方向(x)において見たときに、それぞれの前記帯片(13)の全長にわたって延び、前記平面状圧延用材料(2)の前記幅方向(y)において見たときに、それぞれの前記帯片(13)の幅の一部のみにわたって延びることと、前記評価デバイス(9)は、それぞれの前記帯片(13)の前記区域(16)に関してのみ、前記強度および前記空間周波数を決定することと、を特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項7】
前記評価デバイス(9)は、前記強度および前記空間周波数の前記決定の前に、それぞれの前記二次元データセット(D)の前処理を行うことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項8】
データ値(D)は、強度値であることと、前記前処理は、前記二次元データセット(D)の値の最大可能値範囲に関する前記強度値の正規化と、それぞれの前記帯片(13)またはそれぞれの前記帯片(13)の区域(16)に基づいた、それぞれの前記帯片(13)または前記区域(16)のデータ値(DW)の平均(M)による調整と、を含むことと、を特徴とする、請求項7に記載の動作方法。
【請求項9】
前記評価デバイス(9)は、最も大きい前記局所振動の前記強度(I0)および/または前記空間周波数(f0)を少なくとも使用して、それぞれの前記誤差値(PF)を決定することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項10】
前記平面状圧延用材料(2)は、前記ロールスタンド(1)において熱間圧延または冷間圧延されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項11】
前記ローラ組立体の前記ロールスタンド(1)と前記取得デバイス(8)との間に他のロールスタンドがないことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項12】
前記ローラ組立体の前記ロールスタンド(1)は、圧延機の唯一のロールスタンド、複数スタンドの圧延機列の最後のロールスタンド、または、複数スタンドの圧延機列の前記最後のロールスタンド以外のロールスタンド、であることを特徴とする、請求項11に記載の動作方法。
【請求項13】
コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、ローラ組立体の評価デバイス(9)によって直接的に処理され得る機械コード(11)を含み、前記評価デバイス(9)による前記機械コード(11)の前記処理は、前記評価デバイス(9)が、金属の平面状圧延用材料(2)が圧延され、前記平面状圧延用材料(2)が圧延された後に輸送方向(x)に出て行くロールスタンド(1)の動作の間、前記ロールスタンド(1)の制御デバイス(14)、および、前記平面状圧延用材料(2)への機械作用なしで非接触に作動する取得デバイス(8)と、反復して繰り返して、
前記取得デバイス(8)から、前記ロールスタンド(1)の出力側における前記平面状圧延用材料(2)の表面の、前記取得デバイス(8)によって取得された少なくとも1つの二次元データセット(D)を受信し、それぞれの前記二次元データセット(D)の値(DW)は、前記平面状圧延用材料(2)のそれぞれの対応する場所において局所的に広がる外面平坦度に少なくとも依存し、
前記輸送方向(x)に延びる前記平面状圧延用材料(2)の帯片(13)について、前記帯片(13)に対応するそれぞれの前記二次元データセット(D)の帯片(12)を使用して、それぞれの前記帯片(13、12)に関する、平坦度誤差に依存する誤差値(PF)を決定し、
前記ロールスタンド(1)の平坦度制御要素(5、6)のための制御変数(S)の決定における考慮のために、前記決定された誤差値(PF)を前記制御デバイス(14)に供給する、
ように、協働する効果を有し、
それによって、前記取得デバイス(8)、前記評価デバイス(9)、および前記制御デバイス(14)の協働の結果として、リアルタイムで作動する閉フィードバック制御ループが得られる、コンピュータプログラムにおいて、
前記帯片(13)のそれぞれの前記誤差値(PF)を決定するための前記評価デバイス(9)は、それぞれの前記帯片(13)に対応するそれぞれの前記二次元データセット(D)の前記帯片(12)のデータ値の局所振動の強度および空間周波数を決定し、前記強度および/または前記空間周波数に基づいて、それぞれの前記誤差値(PF)を決定することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記評価デバイス(9)による前記機械コード(11)の前記処理は、前記評価デバイス(9)が、ロールスタンド(1)の動作の間に、請求項6から9のうちの少なくとも一項の特徴を行う効果を有することを特徴とする、請求項13に記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
ローラ組立体の評価デバイスであって、前記評価デバイスは、請求項13または14に記載のコンピュータプログラム(10)でプログラムされ、それによって、請求項1から12のいずれか一項に記載の動作方法に従って、前記ローラ組立体の前記ロールスタンド(1)の前記取得デバイス(8)および前記制御デバイス(14)と協働する、ローラ組立体の評価デバイス。
【請求項16】
ローラ組立体であって、
前記ローラ組立体は、ロールスタンド(1)を有し、前記ロールスタンド(1)は、平坦度制御要素(5、6)を備え、前記ロールスタンド(1)によって、圧延用材料幅(b)にわたって幅方向(y)に延びる金属の平面状圧延用材料(2)が、圧延され、圧延された後に輸送方向(x)において前記ロールスタンド(1)から外へ案内され、
前記ローラ組立体は、取得デバイス(8)を有し、前記取得デバイス(8)は、前記平面状圧延用材料(2)への機械作用なしで非接触に作動し、前記取得デバイス(8)によって、前記平面状圧延用材料(2)の表面の少なくとも1つの二次元データセット(D)が、前記ロールスタンド(1)の出力側において反復して繰り返し取得され、前記
二次元データセットのデータ値(DW)は、前記平面状圧延用材料(2)のそれぞれの対応する場所において局所的に広がる外面平坦度に少なくとも依存し、
前記ローラ組立体は、請求項15に記載の評価デバイス(9)を有し、前記評価デバイス(9)は、前記取得デバイス(8)を用いて取得された、前記平面状圧延用材料(2)の前記表面の前記二次元データセット(D)の繰り返しの受信のために、データ転送のために前記取得デバイス(8)に接続され、前記輸送方向(x)に延びる前記平面状圧延用材料の帯片(13)について、前記帯片(13)に対応するそれぞれの前記二次元データセット(D)の帯片(12)を使用して、それぞれの前記帯片(13)に関する、平坦度誤差に依存する誤差値(PF)を決定し、前記決定された誤差値(PF)を前記ローラ組立体の制御デバイス(14)に供給し、
前記制御デバイス(14)は、前記ロールスタンド(1)の前記平坦度制御要素(5、6)のための制御変数(S)の決定において、前記決定された誤差値(PF)を考慮する、ローラ組立体。
【国際調査報告】