(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】水栓制御装置及びその方法、並びに水栓
(51)【国際特許分類】
E03C 1/044 20060101AFI20240925BHJP
E03C 1/05 20060101ALI20240925BHJP
F24H 15/219 20220101ALI20240925BHJP
F24H 15/215 20220101ALI20240925BHJP
F24H 1/20 20220101ALI20240925BHJP
F24H 15/223 20220101ALI20240925BHJP
F24H 15/174 20220101ALI20240925BHJP
F24H 15/37 20220101ALI20240925BHJP
F24H 15/315 20220101ALI20240925BHJP
F24H 15/32 20220101ALI20240925BHJP
F24H 15/414 20220101ALI20240925BHJP
F24H 15/457 20220101ALI20240925BHJP
F24H 15/281 20220101ALI20240925BHJP
F24D 17/00 20220101ALI20240925BHJP
F16K 11/074 20060101ALI20240925BHJP
G05D 11/16 20060101ALI20240925BHJP
F24H 9/00 20220101ALI20240925BHJP
【FI】
E03C1/044
E03C1/05
F24H15/219
F24H15/215
F24H1/20 F
F24H15/223
F24H15/174
F24H15/37
F24H15/315
F24H15/32
F24H15/414
F24H15/457
F24H15/281
F24D17/00 M
F16K11/074 B
G05D11/16
F24H9/00 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512082
(86)(22)【出願日】2022-08-18
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 KR2022012331
(87)【国際公開番号】W WO2023027415
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0111137
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520383452
【氏名又は名称】ザ エスエル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ソン,キョングン
(72)【発明者】
【氏名】イム,ジョングン
【テーマコード(参考)】
2D060
3H067
3L036
3L073
3L122
5H309
【Fターム(参考)】
2D060BB02
2D060BC02
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3H067AA13
3H067CC01
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3L122FA13
5H309AA15
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5H309DD08
5H309EE03
5H309FF01
(57)【要約】
水栓制御装置は、温水及び冷水の温度をそれぞれ測定する第1温度センサ及び第2温度センサと、温水管から供給される温水を、ヒータによって加熱して保管する加熱水槽と、加熱水槽内の水の温度を測定する第3温度センサと、加熱水槽から供給される加熱温水、温水直水管から供給される温水、及び冷水管から供給される冷水のうち2つを混合対象の供給水として選択し、選択された混合対象の供給水の混合比を調節して、ユーザから入力された所望の温度の排出水を排出する電子弁と、電子弁から排出される排出水の温度を測定する第4温度センサと、排出水の流量を測定する流量センサと、ヒータ及び電子弁の動作を制御する制御器と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにより排出水の所望の温度が設定される入力手段と、
温水管及び冷水管から供給される温水及び冷水の温度をそれぞれ測定する第1温度センサ及び第2温度センサと、
前記温水管から供給される温水を、内部に備えられているヒータによって加熱して保管し、ユーザが水栓を使用する時に、加熱された加熱温水を供給する加熱水槽と、
前記加熱水槽内の水の温度を測定する第3温度センサと、
前記温水管から供給される温水を前記水栓側に供給する温水直水管と、
前記加熱水槽から供給される加熱温水、前記温水直水管から供給される温水、及び前記冷水管から供給される冷水のうち2つを、混合対象の供給水として選択し、選択された混合対象の供給水の混合比を調節して、ユーザから入力された所望の温度の排出水を、排出管を通じて排出する電子弁と、
前記電子弁から排出される排出水の温度を測定する第4温度センサと、
前記電子弁の排出管に設けられて、前記排出水の流量を測定する流量センサと、
前記加熱水槽内の水の温度に基づいて、前記加熱水槽内に備えられているヒータの駆動如何を制御し、前記第4温度センサによって測定された排出水の温度と、ユーザにより設定された排出水の所望の温度とに基づいて、前記選択された混合対象の供給水の混合比を再調節するか、前記混合対象の供給水を再選択した後、再選択された混合対象の供給水の混合比を調節するように、前記電子弁を制御する動作を繰り返して行って、前記排出水の温度と、ユーザにより設定された排出水の所望の温度との差が既定の基準温度以下になるように制御する制御器と、を備える水栓制御装置。
【請求項2】
前記電子弁の排出管と連結されて、排出水が入力される入力管と、
少なくとも2つの排出管と、を含み、
前記制御器の制御によって、前記少なくとも2つの排出管から選択された排出管に、前記入力管から入力された排出水を出力する第2電子弁をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の水栓制御装置。
【請求項3】
前記電子弁は、
前記制御器から入力される制御信号によって回転するモータと、
カートリッジと、を含み、
前記カートリッジは、
前記モータの駆動軸に連結されて回転する回転軸と、
前記温水直水管と連結されて温水が入力される第1流入管と、
前記加熱水槽と連結されて加熱温水が入力される第2流入管と、
前記冷水管と連結されて冷水が入力される第3流入管と、
前記回転軸に連結されて回転し、通孔が形成されている回転板と、
前記排出水を排出する排出管と、を含み、
前記カートリッジは、前記回転板の回転量によって、前記第1流入管、前記第2流入管及び前記第3流入管から選択された2個の流入管から供給される混合対象の供給水を混合して、前記排出管を通じて排出することを特徴とする、請求項1または2に記載の水栓制御装置。
【請求項4】
前記制御器は、前記第4温度センサによって測定された排出水の温度と、前記ユーザの所望の温度との差が、第1基準温度より高いか同一であれば、前記電子弁を、第1角度ほど回転するように制御し、前記第4温度センサによって測定された排出水の温度と、前記ユーザの所望の温度との差が、第1基準温度より低く、かつ第2基準温度より高いか同一であれば、前記電子弁を、第2角度ほど回転するように制御し、前記第4温度センサによって測定された排出水の温度と、前記ユーザの所望の温度との差が、第2基準温度より低く、かつ第3基準温度より高いか同一であれば、前記電子弁を、第3角度ほど回転するように制御し、
前記第1角度は、前記第2角度より大きく設定され、前記第2角度は、前記第3角度より大きく設定され、
前記排出水の温度が前記ユーザの所望の温度より高ければ、前記制御器は、前記電子弁を、低温水の水量を増大させる方向に回転するように制御し、前記排出水の温度が前記ユーザの所望の温度より低ければ、前記制御器は、前記電子弁を、高温水の水量を増大させる方向に回転するように制御することを特徴とする、請求項3に記載の水栓制御装置。
【請求項5】
前記カートリッジは、前記回転板の回転量によって、前記第1流入管及び前記第2流入管から供給される混合対象の供給水を混合して、前記排出管を通じて排出するか、前記第2流入管及び前記第3流入管から供給される混合対象の供給水を混合して、前記排出管を通じて排出することを特徴とする、請求項4に記載の水栓制御装置。
【請求項6】
前記カートリッジは、前記回転板の回転量によって、前記第1流入管及び前記第2流入管から供給される混合対象の供給水を混合して、前記排出管を通じて排出するか、前記第1流入管及び前記第3流入管から供給される混合対象の供給水を混合して、前記排出管を通じて排出することを特徴とする、請求項4に記載の水栓制御装置。
【請求項7】
前記制御器は、前記第1温度センサの測定値及び前記第3温度センサの測定値に基づいて、前記加熱水槽内の温水の目標加熱温度を定め、前記加熱水槽内の温水が前記目標加熱温度に到逹するまで、前記ヒータを駆動することを特徴とする、請求項1または2に記載の水栓制御装置。
【請求項8】
前記目標加熱温度は、前記加熱水槽内の温水に設定されている最大加熱温度より低いか同一であることを特徴とする、請求項7に記載の水栓制御装置。
【請求項9】
前記制御器は、一定の時間間隔で、前記第1温度センサの測定値及び前記第3温度センサの測定値に基づいて、温水の目標加熱温度の決定動作及び前記ヒータの駆動動作を行うことを特徴とする、請求項7に記載の水栓制御装置。
【請求項10】
前記入力手段は、通信網を通じて、ユーザのポータブル端末装置から前記排出水の所望の温度が入力される通信モジュールであることを特徴とする、請求項1に記載の水栓制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動温度調節の可能な水栓制御装置及びその方法、並びに水栓に関する。
【背景技術】
【0002】
シンク台や洗面台などに設けられる水栓は、冷温水管から冷温水がそれぞれ供給されるように形成されている本体と、本体に設けられて水の断続及び冷温水の選択を行うレバーと、で構成される。ユーザが、レバーを取って回転または昇降させれば、水を遮断または供給することができ、また供給される水の温度を調節することができる。レバーを開閉させつつ水量を調節すると共に、一つの水栓金具から温水及び冷水が一緒に出る場合、レバーの回転角度を調節することで水の温度を調節する。
【0003】
水栓を通じて供給される温水の温度は、個別供給システムの場合にはボイラーの状態に影響される。例えば、もうボイラーを十分に駆動して温水が確保された状態では、水栓を動作させると共に温水が供給されるが、ボイラーを駆動したばかりの時点では、最初には冷水が供給され、段々温水の量が多くなりつつ所定温度に到逹する。一方、中央供給システムの場合には、温水供給源から温水の消費場所までの距離、外部気温、水圧、隣の温水使用如何などに影響される。
【0004】
また、温水給水栓の内部の温度が均一ではない場合、急に高温の水が水栓を通じて供給されるか、または温水供給の途中で水の温度が変わる場合もよく生じる。このような温水の温度の急激な変化で、やや高温のお湯で肌にやけどをすることもあり、供給される水の温度が瞬間的に冷えることでユーザに不快感を与えることもある。さらには、温水の供給水圧が変わる場合にも水の温度が変わるという問題がある。
【0005】
これについて、特許文献1には、自動温度調節の可能な水栓、その制御装置及び方法を提示されている。しかし、該特許に記載されている水栓は、電力が十分に供給される環境下で目標とする動作が可能であるという点で限界がある。すなわち、韓国のように、家庭用電気製品に許容された最大電力が約3Kwである場合、50mlの水を1秒間ヒータで暖めれば、約12℃上昇させることができる。このような状況で、温水管内の温水の温度が20℃に低くなっていれば、温水管から秒当たり50mlの温水が出水されるように弁を制御するとしても、1秒の間に温水の温度を32℃まで上昇させることしかできない。この温度は、ユーザの所望の温度より過度に低いため、水栓から得ようとする目標を果たし難くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1986942号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、自動温度調節の可能な水栓制御装置及びその方法を提供する。
【0008】
また、本発明は、温水管内の温水が冷えている場合にも、ユーザが水栓を使用するとすぐに、ユーザの所望の温度の温水を供給することができる水栓制御装置及びその方法を提供する。
【0009】
また、本発明は、温水または冷水の供給水圧が変わっても、排出される温度を一定に維持するように自動調節できる水栓制御装置及びその方法を提供する。
【0010】
また、本発明は、温水または冷水の供給水圧が変わっても、排出される温度を一定に維持するように自動調節できる水栓を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、自動温度調節の可能な水栓制御装置が提供される。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、ユーザにより排出水の所望の温度が設定される入力手段と、前記温水管及び前記冷水管から供給される温水及び冷水の温度をそれぞれ測定する第1温度センサ及び第2温度センサと、前記温水管から供給される温水を、内部に備えられているヒータによって加熱して保管し、ユーザが水栓を使用する時に、加熱された加熱温水を供給する加熱水槽と、前記加熱水槽内の水の温度を測定する第3温度センサと、前記温水管から供給される温水を前記水栓側に供給する温水直水管と、前記加熱水槽から供給される加熱温水、前記温水直水管から供給される温水、及び前記冷水管から供給される冷水のうち2つを、混合対象の供給水として選択し、選択された混合対象の供給水の混合比を調節して、ユーザから入力された所望の温度の排出水を、排出管を通じて排出する電子弁と、前記電子弁から排出される排出水の温度を測定する第4温度センサと、前記電子弁の排出管に設けられて、前記排出水の流量を測定する流量センサと、前記加熱水槽内の水の温度に基づいて、前記加熱水槽内に備えられているヒータの駆動如何を制御し、前記第4温度センサによって測定された排出水の温度と、ユーザにより設定された排出水の所望の温度とに基づいて、前記選択された混合対象の供給水の混合比を再調節するか、前記混合対象の供給水を再選択した後、再選択された混合対象の供給水の混合比を調節するように、前記電子弁を制御する動作を繰り返して行って、前記排出水の温度と、ユーザにより設定された排出水の所望の温度との差が既定の基準温度以下になるように制御する制御器と、を備える。
【0013】
望ましくは、前記電子弁の排出管と連結されて、排出水が入力される入力管と、少なくとも2つの排出管と、を含み、前記制御器の制御によって、前記少なくとも2つの排出管から選択された排出管に、前記入力管から入力された排出水を出力する第2電子弁をさらに備える。
【0014】
望ましくは、前記電子弁は、前記制御器から入力される制御信号によって回転するモータと、カートリッジと、を含み、前記カートリッジは、前記モータの駆動軸に連結されて回転する回転軸と、前記温水直水管と連結されて温水が入力される第1流入管と、前記加熱水槽と連結されて加熱温水が入力される第2流入管と、前記冷水管と連結されて冷水が入力される第3流入管と、前記回転軸に連結されて回転し、通孔が形成されている回転板と、前記排出水を排出する排出管と、を含み、前記カートリッジは、前記回転板の回転量によって、前記第1流入管、前記第2流入管及び前記第3流入管から選択された2個の流入管から供給される混合対象の供給水を混合して、前記排出管を通じて排出する。
【0015】
望ましくは、前記制御器は、前記第4温度センサによって測定された排出水の温度と、前記ユーザの所望の温度との差が、第1基準温度より高いか同一であれば、前記電子弁を、第1角度ほど回転するように制御し、前記第4温度センサによって測定された排出水の温度と、前記ユーザの所望の温度との差が、第1基準温度より低く、かつ第2基準温度より高いか同一であれば、前記電子弁を、第2角度ほど回転するように制御し、前記第4温度センサによって測定された排出水の温度と、前記ユーザの所望の温度との差が、第2基準温度より低く、かつ第3基準温度より高いか同一であれば、前記電子弁を、第3角度ほど回転するように制御し、前記第1角度は、前記第2角度より大きく設定され、前記第2角度は、前記第3角度より大きく設定され、前記排出水の温度が前記ユーザの所望の温度より高ければ、前記制御器は、前記電子弁を、低温水の水量を増大させる方向に回転するように制御し、前記排出水の温度が前記ユーザの所望の温度より低ければ、前記制御器は、前記電子弁を、高温水の水量を増大させる方向に回転するように制御する。
【0016】
望ましくは、前記カートリッジは、前記回転板の回転量によって、前記第1流入管及び前記第2流入管から供給される混合対象の供給水を混合して、前記排出管を通じて排出するか、前記第2流入管及び前記第3流入管から供給される混合対象の供給水を混合して、前記排出管を通じて排出する。
【0017】
望ましくは、前記カートリッジは、前記回転板の回転量によって、前記第1流入管及び前記第2流入管から供給される混合対象の供給水を混合して、前記排出管を通じて排出するか、前記第1流入管及び前記第3流入管から供給される混合対象の供給水を混合して、前記排出管を通じて排出する。
【0018】
望ましくは、前記制御器は、前記第1温度センサの測定値及び前記第3温度センサの測定値に基づいて、前記加熱水槽内の温水の目標加熱温度を定め、前記加熱水槽内の温水が前記目標加熱温度に到逹するまで、前記ヒータを駆動する。
【0019】
望ましくは、前記目標加熱温度は、前記加熱水槽内の温水に設定されている最大加熱温度より低いか同一である。
【0020】
望ましくは、前記制御器は、一定の時間間隔で、前記第1温度センサの測定値及び前記第3温度センサの測定値に基づいて、温水の目標加熱温度の決定動作及び前記ヒータの駆動動作を行う。
【0021】
望ましくは、前記入力手段は、通信網を通じて、ユーザのポータブル端末装置から前記排出水の所望の温度が入力される通信モジュールである。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一実施形態による自動温度調節の可能な水栓制御装置及びその方法、並びに水栓を提供することで、温水または冷水の供給水圧が変わっても、排出される温度を一定に維持するように自動調節することができる。また、温水管内の温水が冷えている場合にも、ユーザが水栓を使用するとすぐに、ユーザの所望の温度の温水を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態による水栓制御装置の構成を示す図面である。
【
図3】電子弁140に適用されたカートリッジの詳細な構成を示す図面である。
【
図4】サーボモータの回転角によるカートリッジ142の動作状態を示す図面である。
【
図5】0.7ms及び1.0msの幅を有するパルスがそれぞれサーボモータに入力される場合の、カートリッジ142の動作状態を示す図面である。
【
図6】2.0ms及び2.3msの幅を有するパルスがそれぞれサーボモータに入力される場合の、カートリッジ142の動作状態を示す図面である。
【
図7】電子弁140の制御方法を示すフローチャートである。
【
図8】
図1に示されている電子弁140と水栓との間に設けられている別途の電子弁によって排出水の排出量を調節して、排出水を目標水量ほど水栓に提供する実施形態を示す図面である。
【
図9】本発明の一実施形態による水栓制御装置から排出される排出水の排出方向を転換させることができるカートリッジの実施形態を示す図面である。
【
図10】本発明の一実施形態による水栓制御装置から排出される排出水の排出方向を転換させることができるカートリッジの実施形態を示す図面である。
【
図11】水栓3が使われない時、第1温度センサ220a及び第3温度センサ120cの測定値に基づいて、制御器170によるヒータ155の駆動方法の一例を示す図面である。
【
図12】制御器170で行われるヒータ155の駆動方法の具体的な例を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書で使用される単数の表現は、文脈上明らかに別の方法で示さない限り、複数の表現を含んでいる。本明細書で、「構成される」または「含む」などの用語は、明細書上に記載の多くの構成要素、または多くの段階を必ずいずれも含むと解釈されるものではなく、そのうち一部の構成要素または一部の段階は含まれないこともあり、またはさらなる構成要素または段階をさらに含むことができると解釈されねばならない。また、明細書に記載の「・・・部(ユニット)」、「モジュール」などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアまたはソフトウェアで具現化されるか、またはハードウェアとソフトウェアとの結合で具現化される。以下、添付した図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態による水栓制御装置の構成を示す図面である。
【0026】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態による水栓制御装置100は、温水連結管1a、冷水連結管2a、温度設定手段110、複数の温度センサ120aないし120d、温水直水管130、電子弁140、加熱水槽150、流量センサ160、及び制御器170を備える。
【0027】
温度設定手段110は、ユーザにより排出水の所望の温度が設定される構成要素である。1に示されている温度設定手段110は、押しボタンで具現化される。この場合、押しボタンは、温度を上げるためのボタンと、温度を下げるためのボタンで構成される。水栓制御装置100に既に設定されている所望の温度、及びユーザがボタンを押すことによって増減される所望の温度は、別途のディスプレイ装置(図示せず)に出力されるか、スピーカ(図示せず)を介して出力される。一方、温度増減のためのボタン以外に、装置の状態を把握するためのメニューボタンがさらに備えられることもある。この場合、ユーザは、メニューボタン及び温度増減ボタンを用いて、使用水量を把握する機能、ユーザ毎の好み温度を設定する機能などを選択することができる。さらに、メニューボタンの作動によって、ディスプレイ装置に、対応する水栓制御装置100の状態が表示される。また、水栓制御装置100の誤作動または故障の時、対応するエラーコードがディスプレイ装置に表示される。
【0028】
このように、温度設定手段110が押しボタンで具現化された場合に、別途のノブを使って水栓を開閉することができる。一例として、電子弁140の出水端に方向転換カートリッジを設け、方向転換カートリッジに連結されているノブが中間位置(6時方向)に位置すれば、排出水の排出が遮られる。そして、ノブを中間位置から時計回り方向に回転させれば、浴槽または洗面台に排出水が排出され、時計回り方向への回転量が増大することによって、排出水の排出量が増大する。また、ノブを中間位置から逆時計回り方向に回転させれば、シャワーヘッドに排出水が排出され、逆時計回り方向への回転量が増大することによって、排出水の排出量が増大する。さらに、水栓の開閉は、別途に電子弁(図示せず)を設けて行われることもある。この場合、別途の電子弁は、方向転換カートリッジに連結されて、排出水の排出方向及び排出水の水量を調節する。
【0029】
一方、温度設定手段110は、通常的な水栓のノブ3に結合された回転センサで構成される。このような回転センサは、水栓ノブ3の水平回転量を検出して、ユーザの所望の排出水の温度を設定してもらう。水栓ノブ3の水平回転量は、水栓ノブ3が最左側に回転した時の角度を0゜に設定し、最右側に回転した時の角度をθHmax゜に設定することを仮定する。この時、水栓ノブ3が中央に位置する場合に、水栓ノブ3の角度は0.5θHmax゜である。すなわち、水栓ノブ3の水平回転角が0゜ないし90゜である時、水栓ノブ3が中央に位置する場合に、角度は45゜になる。この時、水栓ノブのそれぞれの水平回転量に対応する排出水の温度は、必要に応じて適当に設定される。次の表には、水栓ノブ3の水平回転角による排出水の温度の設定例が記載されている。
【0030】
【表1】
このような水栓ノブ3の水平回転角が0゜である場合と90゜である場合の排出水温度を、それぞれ供給される冷水の最低温度と温水の最高温度に設定し、温水の最高温度と冷水の最低温度との差値を、水栓ノブ3の水平回転角の間隔(例えば、2゜、5゜など)の数で割って、水栓ノブ3の水平回転角の間隔による温度の上昇値を対応させて設定することもある。
【0031】
以上のように、水栓ノブ3の水平回転角を用いて排出水の所望の温度を設定する場合に、水栓ノブ3の垂直回転角に基づいて、排出水の所望水量を設定することができる。すなわち、水栓ノブ3の垂直回転量は、水栓ノブ3が最下端に位置する時の角度を0゜に設定し、最上側(上端)に位置する時の角度をθVmax゜に設定する。例えば、水栓ノブ3の垂直回転量は、0゜ないし45゜の範囲で設定される。この時、水栓ノブ3の垂直回転量によって排出水の水量を設定することができる。
【0032】
このような構成で、水栓制御装置100は、水栓ノブ3の以前の停止位置(以前の作動終了時点の水平及び垂直回転量)と現在の移動量(水平及び垂直回転量)に基づいて、水栓ノブ3の停止位置を検出する。但し、水栓ノブ3の以前の停止位置及び現在の移動量に基づいて停止位置を算出すれば、経時的に誤差が益々大きくなるという問題が生じる。よって、水栓制御装置100は、水栓ノブ3の水平回転角は、中間角度(0.5θHmax゜)を水平基準角と設定し、垂直回転角は、水栓ノブ3が最下端に位置している状態である0゜を垂直基準角と設定した後、水栓ノブ3が水平基準角及び垂直基準角に位置すれば、水栓ノブの移動量を初期化する。そして、初期化された水栓ノブ3の移動量に基づいて、水栓ノブ3の垂直及び水平回転量を測定して水栓ノブ3の現在の移動量を算出することで、誤差を最小化する。
【0033】
また、水栓制御装置100は、水栓ノブ3が停止した時点から一定時間(例えば、1秒)の経過時点に検出された停止位置を、最終位置と確定する。
【0034】
前述したように、水栓制御装置100は、水栓ノブ3の水平回転角及び垂直回転角を測定して、ユーザの所望の排出水の温度及び水量を算出する。
【0035】
一方、多様な形態の入力装置が温度設定手段110として使われる。一例として、温水ノブと冷水ノブとが分離されている場合、温水ノブ及び冷水ノブの回転量を測定してユーザの所望の排出水の温度及び水量を把握する。また、タッチパネルを通じてユーザから所望の温度及び水量が入力され、水栓制御装置100に通信モジュールを取り付ければ、スマートフォン、無線制御器などで、ユーザから排出水の所望の温度及び水量を受け入れることもある。
【0036】
スマートフォンが入力装置として使われる場合、スマートフォンには、本発明による水栓制御装置100を制御するためのアプリが設けられることが望ましい。制御パネルの出力装置には、冷水の温度、温水の温度、冷水の水量、温水の水量、排出水の温度、排出水の水量などが、ユーザの選択または設定状態によって選択的に表示される。また、制御パネルの入力装置は、タッチスクリーン、音声認識装置、ボタン入力装置などの形態を有する。この場合、本発明による水栓制御装置100は、入力装置及び出力装置とデータを送受信するための通信部を備え、ブルートゥースモジュール、ワイファイモジュールなどを含む有線または無線通信の可能な装置が、通信部として採択される。
【0037】
温度センサ120aないし120dは、それぞれ温水連結管1a、冷水連結管2a、加熱水槽150、電子弁140と水栓との間に設けられる。
【0038】
第1温度センサ120aは、温水管1に連結されて、温水が流入される温水連結管1aの温水流入地点の辺りに設けられて、温水管1を通じて供給される温水の温度を測定する。また、第2温度センサ120bは、冷水管2に連結されて、冷水が流入される冷水連結管2aの冷水流入地点の辺りに設けられて、冷水管2を通じて供給される冷水の温度を測定する。第1温度センサ120a及び第2温度センサ120bによって測定された温水温度及び冷水温度は、制御器170に出力される。
【0039】
第3温度センサ120cは、加熱水槽150内の水の温度を測定する。加熱水槽150は、その内部にヒータ155を備えて、温水管1から供給された温水を加熱して保存する。すなわち、水栓が動作しないうち(ユーザが水を使わない間)に加熱水槽150内に設けられているヒータ155を駆動して、加熱水槽150内の水を、既定の第1温度(例えば、60℃)に加熱する。もし、加熱水槽150内の水の温度が第1温度に到逹すれば、制御器170は、ヒータ155の動作を中止させる。このような状態で、加熱水槽150内の水の温度が既定の第2温度(例えば、40℃)まで下降すれば、制御器170は、再びヒータ155を駆動して、加熱水槽150内の水を既定の第1温度に加熱する動作を繰り返す。第1温度及び第2温度は、温水の最初の流入地点(地域暖房公社によって温水が供給される場合には、中央配管から各宅内に分岐される地点、個別暖房の場合には、宅内に設けられているボイラーの温水の出水地点)から水栓3までの配管内に残存している温水の水量、温水の供給温度、加熱水槽150の容量、温水及び冷水の水量、ヒータ155の容量などによって定められる。この時、排出水の所望の温度を保証するためには、第1温度をなるべく高く設定することが有利であるが、ユーザがやけどをする可能性、加熱水槽150の耐熱性能などを考慮すれば、なるべく80℃以下に設定することが望ましい。一方、
図1には、加熱水槽150内に一つのヒータのみ取り付けられていると図示されているが、加熱水槽150内に複数のヒータが取り付けられてもよい。
【0040】
このような加熱水槽150内に設けられているヒータ155は、水栓が動作する時も駆動するように制御され、温水の最初の流入地点から水栓3までの配管内に残存している温水の水量、温水の供給温度、冷水の供給温度、加熱水槽150の容量、ユーザの設定した排出水の所望の温度及び水量、温水及び冷水の水量、ヒータ140aの容量などによって、駆動如何が定められる。さらには、ヒータ155の容量は、基本的に加熱水槽150の容量及び温水の供給温度によって定められる。例えば、加熱水槽150の容量が1lである時、20℃の温水を5分間加熱して80℃に上昇させるためには、ヒータ155の容量は、約1KWで済む。このように加熱された加熱温水は、加熱水槽150内に保存され、制御器170は、ユーザによる水栓1の動作に対応して電子弁130aを制御して、温水管1から供給される温水が第1基準温度(例えば、42℃)に到逹するまで、加熱水槽140から出水される加熱温水を、冷水または温水と混合して、水栓3に供給されるようにする。
【0041】
このような電子弁140は、水栓3が使われない時には、加熱水槽150内の加熱された温水の熱が、冷水管2及び温水直水管130へ伝達されることを防止するために、加熱水槽150に連結される管を閉鎖し、冷水管2及び温水直水管130に連結される管のうちいずれか一つ(望ましくは、温水直水管130に連結される管)と連通する位置に駆動する。そして、電子弁140は、水栓3が使われる時点にユーザが設定した排出水の所望の温度、加熱水槽150内の加熱温水の温度、温水管1を通じて供給される温水の温度、及び冷水管2を通じて供給される冷水の温度に基づいて、電子弁140に連結された3つの管から選択された2つの管の開放割合を調節して、排出水の温度が、ユーザの設定した排出水の所望の温度になるように制御する。
【0042】
一方、温水連結管1aから加熱水槽150に分岐される配管の内径と、温水連結管1aから温水直水管130に分岐される配管の内径を適当に定めることで、温水の分配割合を設定することができる。この時、温水管1から流入される温水の、加熱水槽150及び温水直水管130への分配割合は、1:1に設定されることが望ましく、必要に応じて、1:1ないし1:4の範囲内で設定される。この場合、加熱水槽150内の加熱された温水の熱が温水管1の方に伝達されることを防止するために、加熱水槽150の温水流入口側に、温水管1から加熱水槽150の方のみに温水が流れるようにする方向制御弁180を設けることが望ましい。
【0043】
電子弁140は、
図2に示されたように、カートリッジ142及び駆動モータ144で構成される。カートリッジ142は、
図3に示されたように、第1流入管310、第2流入管320、第3流入管330、排出管340、回転板350、回転ノブ360で構成される。回転ノブ360には、駆動モータ144の回転軸が連結され、駆動モータ144が駆動されて回転軸が回転することによって回転する。そして、回転ノブ360の回転に対応して、回転板350が回転する。この時、駆動モータ144は、入力されるパルス幅によって回転量が定められるサーボモータ、入力されるパルス数によって回転量が定められるステップモータなどによって具現化される。
【0044】
サーボモータが駆動モータ144として使われる場合に、制御器170から入力されるパルス幅によって、回転量が定められる。以下では、入力されるパルス幅が0.5ms、1.5ms及び2.5msである時、回転角がそれぞれ0゜、120゜及び240゜であるサーボモータを挙げて説明する。この時、入力されるパルス幅と回転角との関係は、次の数式の通りである。
【0045】
【数1】
ここで、yは、回転角(゜)であり、xは、入力されるパルス幅(ms)である。
【0046】
図3に示されているカートリッジ142の第1流入管310、第2流入管320及び第3流入管330に、加熱水槽150の出水管、温水直水管130及び冷水管2がそれぞれ連結されている場合を挙げて、サーボモータの回転による電子弁140の動作について説明する。
【0047】
図4は、サーボモータの回転角によるカートリッジ142の動作状態を示す図面である。
【0048】
図4を参照すれば、サーボモータに0.5msの幅を有するパルスが入力されれば、サーボモータは、回転角が0゜である状態で駆動する。これによって、カートリッジ142の回転ノブ360及び回転板350は、サーボモータの回転角0゜に対応する状態になる。
図4の(a)には、サーボモータの回転角0゜に対応するカートリッジ142の回転板350と、第1流入管310、第2流入管320、第3流入管330との対応状態(関係)が示されている。
図4の(a)に示されたように、サーボモータの回転角が0゜である時、カートリッジ142は、第1流入管310を通じて加熱水槽150から供給される加熱温水のみが排出管340に排出される状態になり、第2流入管320及び第3流入管330は遮られて、温水直水管130から供給される温水と、冷水管2を通じて供給される冷水は排出されない。また、サーボモータに1.5msの幅を有するパルスが入力されれば、サーボモータは、回転角が120゜である状態で駆動する。これによって、カートリッジ142の回転ノブ360及び回転板350は、サーボモータの回転角120゜に対応する状態になる。
図4の(b)には、サーボモータの回転角120゜に対応するカートリッジ142の回転板350と、第1流入管310、第2流入管320、第3流入管330との対応状態が示されている。
図4の(b)に示されたように、サーボモータの回転角が120゜である時、カートリッジ142は、第2流入管320を通じて温水直水管130から供給される温水のみが排出管340に排出される状態になり、第1流入管310及び第3流入管330は遮られて、加熱水槽150から供給される加熱温水と、冷水管2から供給される冷水は排出されない。また、サーボモータに2.5msの幅を有するパルスが入力されれば、サーボモータは、回転角が240゜である状態で駆動する。これによって、カートリッジ142の回転ノブ360及び回転板350は、サーボモータの回転角240゜に対応する状態になる。
図4の(c)には、サーボモータの回転角240゜に対応するカートリッジ142の回転板350と、第1流入管310、第2流入管320、第3流入管330との対応状態が示されている。
図4の(c)に示されたように、サーボモータの回転角が240゜である時、カートリッジ142は、第3流入管330を通じて冷水管2から供給される冷水のみ排出管340に排出される状態になり、第1流入管310及び第2流入管320は遮られて、加熱水槽150から供給される加熱温水と、第2流入管320を通じて温水直水管130から供給される温水は、排出されない。
【0049】
一方、0.5msないし1.5msの幅を有するパルスがサーボモータに入力されれば、サーボモータの回転角は0゜ないし120゜になり、これによって、カートリッジ142は、第1流入管310を通じて加熱水槽150から供給される加熱温水と、第2流入管320を通じて温水直水管130から供給される温水とが、パルス幅による体積比で混合されて、排出管340に排出される状態になる。この時、回転板350に形成された通孔の位置及び形態によって、加熱温水と温水及び温水と冷水とが混合される角度及び混合比が変わる。
【0050】
図5は、0.5ms、0.7ms及び1.0msの幅を有するパルスが、それぞれサーボモータに入力される場合の、カートリッジ142の動作状態を示す。
図5の(a)を参照すれば、0.5msの幅を有するパルスがサーボモータに入力されれば、サーボモータの回転角は0゜になり、この時から、カートリッジ142は、第1流入管310を通じて加熱水槽150から供給される加熱温水のみを排出管340に排出する。また、
図5の(b)を参照すれば、0.7msの幅を有するパルスがサーボモータに入力されれば、サーボモータの回転角は36゜になり、この時、カートリッジ142は、第1流入管310を通じて加熱水槽150から供給される加熱温水と、第2流入管320を通じて温水直水管130から供給される温水とが、約5:1の体積比で混合される状態になる。また、
図5の(c)を参照すれば、1.0msの幅を有するパルスがサーボモータに入力されれば、サーボモータの回転角は60゜になり、この時、カートリッジ142は、第1流入管310を通じて加熱水槽150から供給される加熱温水と、第2流入管320を通じて温水直水管130から供給される温水とが、約1:1の体積比で混合される状態になる。
【0051】
また、1.5msないし2.5msの幅を有するパルスがサーボモータに入力されれば、サーボモータの回転角は120゜ないし240゜になり、これによって、カートリッジ142は、第2流入管320を通じて温水直水管130から供給される温水と、第3流入管330を通じて冷水管2から供給される冷水とが、パルス幅による体積比で混合されて、排出管340に排出される状態になる。
図6は、1.5ms、2.0msと2.3msの幅を有するパルスが、それぞれサーボモータに入力される場合の、カートリッジ142の動作状態を示す。
図6の(a)を参照すれば、1.5msの幅を有するパルスがサーボモータに入力されれば、サーボモータの回転角は0゜になり、この時から、カートリッジ142は、第2流入管320を通じて温水直水管130から供給される温水のみを、排出管340に排出する。また、
図6の(b)を参照すれば、2.0msの幅を有するパルスがサーボモータに入力されれば、サーボモータの回転角は180゜になり、この時、カートリッジ142は、第2流入管320を通じて温水直水管130から供給される温水と、第3流入管330を通じて冷水管2から供給される冷水とが、約1:1の体積比で混合される状態になる。また、
図6の(c)を参照すれば、2.2msの幅を有するパルスがサーボモータに入力されれば、サーボモータの回転角は204゜になり、この時、カートリッジ142は、第2流入管320を通じて温水直水管130から供給される温水と、第3流入管330を通じて冷水管2から供給される冷水とが、約1:5の体積比で混合される状態になる。
【0052】
これとは異なって、ステップモータが駆動モータ144として使われる場合に、ステップモータの回転角度及び回転速度は、それぞれ制御器170から入力されるパルス信号の数及びパルス信号の周波数に比例し、これによって、サーボモータの回転量が定められる。例えば、ステップ値が1.8であるステップモータに600個のパルスを印加すれば、ステップモータが360゜回転し、これによって、回転ノブ360が360゜時計回り方向に回転する場合を仮定する。
図3に示されているカートリッジ142の第1流入管310、第2流入管320及び第3流入管330に、加熱水槽150の出水管、温水直水管130及び冷水管2がそれぞれ連結されている場合を挙げて、ステップモータの回転による電子弁140の動作について説明する。
【0053】
もし、ステップモータのステップ数が0である時、カートリッジ142の回転板350に形成された開口部352は、加熱温水が流入される第1流入管310のみ開放される位置に位置するようになって、加熱温水のみ排出管340に全量出水される。また、ステップモータのステップ数が200である時、カートリッジ142の回転板350に形成された開口部352は、残存温水が流入される第2流入管320のみ開放される位置に位置するようになって、残存温水のみ排出管340に全量出水される。また、ステップモータのステップ数が400である時、カートリッジ142の回転板350に形成された開口部352は、冷水が流入される第3流入管330のみ開放される位置に位置するようになって、冷水のみ排出管340に全量出水される。よって、ステップモータのステップ数が0ないし200の間で変われば、加熱温水と残存温水とが1:0ないし0:1の体積比で混合され、ステップモータのステップ数が200ないし400の間で変われば、残存温水と冷水とが1:0ないし0:1の体積比で混合され、ステップモータのステップ数が400ないし600の間で変われば、冷水と加熱温水とが1:0ないし0:1の体積比で混合される。このような方法によって
図3に示されているカートリッジ142が採用された電子弁140を使って、加熱温水が入力される第1流入管310、残存温水が入力される第2流入管320、及び冷水が入力される第3流入管330のうち二つの流入管を選択した後、選択された二つの流入管の開放割合を調節することによって、ユーザの所望の温度の排出水を、水栓を通じて提供することができる。
【0054】
流量センサ160は、電子弁140の排出管340の後端に設けられて、排出管240から排出される排出水の水量を測定する。流量センサ160によって測定された排出水の水量は、制御器170に提供され、これにより、制御器170は、水栓の使用如何が分かる。すなわち、制御器170は、排出水の水量が0より大きくなる時点に、水栓3の使用が開始されたと判断し、排出水の水量が0になる時点に、水栓3の使用が終わったと判断する。さらに、制御器170は、排出水の水量及び電子弁140の回転角に基づいて、加熱温水、温水及び冷水の使用量を算出することができる。2つの管から、相異なる水量及び温度の水がそれぞれ供給される時、混合された水の水量及び温度は、次の数式によって算出することができる。
【0055】
【数2】
ここで、Tは、排出水の温度を示し、T
Hは、第1管から供給される水の温度を示し、T
Lは、第2管から供給される水の温度を示し、Q
Hは、第1管から供給される水の供給水量を示し、Q
Lは、第2管から供給される水の水量を示す。
【0056】
もし、電子弁140が、加熱水槽120及び温水直水管130から供給される加熱温水と温水とが、1:1の体積比で混合される状態にある時(すなわち、
図5の(b)に示されたように、1.0msの幅を有するパルスがサーボモータに入力されて、サーボモータの回転角が60゜になる状態)、第1温度センサ120aによって測定された温水の温度が20℃、第3温度センサ120cによって測定された加熱温水の温度が60℃、第4温度センサ120dによって測定された排出水の温度が38℃、そして流量センサ160によって測定された排出水の水量が100mlであれば、数式2によって、電子弁140に供給された加熱温水及び温水の水量は、それぞれ45ml及び55mlになる。これにより、加熱温水より温水の供給水量がさらに大きいということが分かる。勿論、電子弁140が、加熱温水と温水とが1:1の体積比で混合される状態にあるため、加熱温水及び温水の供給水量が相等しい場合には、電子弁140に供給された加熱温水及び温水の水量は、50mlと相等しい。
【0057】
本発明による水栓制御装置100は、ディスプレイ装置(例えば、LCDパネル、電子種が、タッチパネルなど)をさらに備える。ディスプレイ装置には、既に設定されている所望の温度、及びユーザがボタンを押すことによって増減する所望の温度などが出力される。一方、温度増減のためのボタン以外に、装置の状態を把握するためのメニューボタンがさらに備えられる場合に、ユーザによるメニューボタンの作動によって、使った水の量、ユーザ毎の好み温度などがディスプレイ装置に表示される。また、水栓制御装置100の誤作動または故障の時、対応するエラーコードがディスプレイ装置に表示される。
【0058】
一方、本発明による水栓制御装置100にディスプレイ装置が取り付けられる場合に、水栓3が使われない時には、ディスプレイ装置の電源を遮断する必要がある。このために、本発明による水栓制御装置100に動き感知センサ(図示せず)がさらに取り付けられる必要がある。動き感知センサは、ディスプレイ装置辺りに設けられることが望ましい。動き感知センサによって人が感知されれば、制御器170は、ディスプレイ装置をオン(ON)し、動き感知センサによって人が感知されなければ、制御器170は、ディスプレイ装置をオフ(OFF)する。これとは異なって、制御器170は、一定時間(例えば、5秒)の間に動き感知センサによって人が感知されない場合に、ディスプレイ装置をオフすることもある。さらに、制御器170は、流量センサ160によって測定された排出水の水量が0ではない場合には、動き感知センサによって人が感知されないとしても、ディスプレイ装置をオフしないように制御する。
【0059】
制御器170は、温度センサ120aないし120dから入力される信号に基づいて、温水管1を通じて供給される温水の温度、加熱水槽150内の加熱温水の温度、冷水管2を通じて供給される冷水の温度、電子弁140から出水される排出水の温度を把握する。また、制御器170は、把握された温水の温度、加熱温水の温度、冷水の温度、排出水の温度、ユーザの所望の温度に基づいて、排出水の温度がユーザの所望の温度になるように、電子弁140を制御する。
【0060】
先ず、制御器170は、ユーザの所望の温度と温水温度とを比べて、電子弁140のカートリッジ142に連結された3つの連結管310、320、330から2つの連結管を選択する。この時、ユーザの所望の温度が温水温度より高いか同一であれば、加熱温水が供給される第1連結管310及び温水が供給される第2連結管320が選択され、ユーザの所望の温度が温水温度より低ければ、温水が供給される第2連結管320及び冷水が供給される第3連結管330が選択される。そして、制御器170は、数式2を用いて選択された2つの連結管を通じて供給される、相異なる温度の水の混合割合を定め、これに基づいて電子弁140を制御する。この時、本発明による水栓制御装置100が設けられた場所の動作データに基づいて、電子弁140の初期位置を制御することができる。次いで、制御器170は、排出水の温度とユーザの所望の温度とを比べて、電子弁140を微細制御する。以下では、電子弁140にサーボモータが適用された場合を挙げて説明する。
【0061】
図7は、電子弁140の制御方法を示すフローチャートである。
【0062】
図7を参照すれば、制御器170は、排出水の温度T
Oとユーザの所望の温度T
Tとの差T
Dを算出する(S700)。そして、排出水の温度とユーザの所望の温度との差の絶対値が、第1基準温度(T
1、例えば、5℃)より高いか同一であれば(S705)、制御器170は、排出水の温度がユーザの所望の温度より高いかどうかを確認する(S710)。排出水の温度がユーザの所望の温度より高ければ、制御器170は、低温水の水量を増大させるように、電子弁140を、第1角度(例えば、10゜)ほど時計回り方向に回転させる(S715)。これとは異なって、排出水の温度がユーザの所望の温度より低ければ、制御器170は、高温水の水量を増大させるように、電子弁140を第1角度ほど逆時計回り方向に回転させる(S720)。
【0063】
これとは異なって、排出水の温度とユーザの所望の温度との差の絶対値が、第1基準温度より低く、かつ第2基準温度(T2、例えば、2℃)より高いか同一であれば(S725)、制御器170は、排出水の温度がユーザの所望の温度より高いかどうかを確認する(S730)。排出水の温度がユーザの所望の温度より高ければ、制御器170は、低温水の水量を増大させるように、電子弁140を第2角度(例えば、5゜)ほど時計回り方向に回転させる(S735)。これとは異なって、排出水の温度がユーザの所望の温度より低ければ、制御器170は、高温水の水量を増大させるように、電子弁140を第2角度ほど逆時計回り方向に回転させる(S740)。
【0064】
また、排出水の温度とユーザの所望の温度との差の絶対値が、第2基準温度より低く、かつ第3基準温度(T3、例えば、1℃)より高いか同一であれば(S745)、制御器170は、排出水の温度がユーザの所望の温度より高いかどうかを確認する(S750)。排出水の温度がユーザの所望の温度より高ければ、制御器170は、低温水の水量を増大させるように、電子弁140を第3角度(例えば、1゜)ほど回転させる(S755)。これとは異なって、排出水の温度がユーザの所望の温度より低ければ、制御器170は、高温水の水量を増大させるように、電子弁140を第3角度ほど回転させる(S760)。このような動作は、排出水の温度とユーザの所望の温度との差の絶対値が第3基準温度より低くなるまで繰り返される。そして、制御器170は、水栓の使用が終わるまで、一定の周期で排出水の温度とユーザの所望の温度との差値を算出して、電子弁140の制御如何を定める。
【0065】
以下で、電子弁に適用されたサーボモータの許容回転角が0゜ないし240゜であり、入力されるパルス幅が0.5ms、1.5ms及び2.5msである時、サーボモータの回転角がそれぞれ0゜、120゜及び240゜である場合を挙げて、制御器170による電子弁140の制御動作について説明する。
【0066】
例えば、温水の供給温度、加熱温水の温度及びユーザの所望の温度が、それぞれ20℃、60℃及び40℃であれば、ユーザの所望の温度より温水温度が低いため、制御器170は、第1連結管310及び第2連結管320から供給される加熱温水と温水とを混合するが、数式2によって計算された結果によって、加熱温水と温水とが1:1の体積比で混合されるように、電子弁140を制御する。この時、電子弁140の回転角が60゜である時、加熱温水と温水とが1:1の体積比で混合される。よって、制御器170は、1.0msの幅を有するパルスを電子弁140に出力する。次いで、制御器170は、第4温度センサ110dによって測定された排出水の温度に基づいて、電子弁140の微細調整如何を定める。もし排出水の温度が38℃であれば、ユーザの所望の温度より2℃低いため、制御器170は、電子弁140を時計回り方向に第2角度(例えば、5゜)ほどさらに回転させて、回転角が65゜になるように制御する。よって、制御器170は、電子弁140に1.042msの幅を有するパルスを提供して加熱温水の量を増大させ、温水の量を低減させる。次いで、制御器170は、第4温度センサ110dによって測定された排出水の温度に基づいて、電子弁140の追加微細調整如何を定める。もし排出水の温度が41℃であれば、ユーザの所望の温度より1℃高いため、制御器170は、電子弁140を逆時計回り方向に第3角度(例えば、1゜)ほどさらに回転させて、回転角が64゜になるように制御する。よって、制御器170は、電子弁140に1.033msの幅を有するパルスを提供して、加熱温水の量を低減させ、温水の量を増大させる。このように、制御器170は、排出水の温度とユーザの所望の温度とを比べ続き、排出水の温度とユーザの所望の温度との差が第3基準温度(例えば、1℃)未満になるまで、繰り返して電子弁140を制御する。この時、第1基準温度ないし第3基準温度、及びそれぞれの基準温度に対応する回転角度(第1角度ないし第3角度)は、実験的に定められる。
【0067】
一方、電子弁140にステップモータが適用された場合には、サーボモータが適用された場合と類似して、ステップモータのステップ値を変化させて、排出水の温度とユーザの所望の温度との差が第3基準温度未満になるように、電子弁140を制御する。
【0068】
以上で説明したように、排出水の温度とユーザの所望の温度との差値に基づいて、電子弁140を制御すれば、温水の供給量及び冷水の供給量を測定するための流量センサを使わずに、4つの温度センサ120aないし120dのみで、排出水の温度をユーザの所望の温度と一致させるか、少なくとも既定の温度差(例えば、第3基準温度である1℃)未満にすることができる。さらに、他の消費先(他の浴室、キッチンなど)での温水または冷水の使用によって、水栓3に供給される温水または冷水の水量が減少する場合、または、他の消費先での温水または冷水の使用中断によって、水栓3に供給される温水または冷水の水量が増大する場合に、別途の制御ルーチンなしに速かに、排出水の温度をユーザの所望の温度と一致させるか、少なくとも既定の温度差(例えば、第3基準温度である1℃)未満にすることができる。温水及び冷水の水量は、二つの場合に増加する。第一に、特定の使用先で温水及び冷水が最大供給水量に供給されている時、他の使用先で温水または冷水を使うことで該使用先への温水または冷水の供給量が減少した状態で、他の使用先で温水または冷水の使用を終了すれば、該使用先への温水または冷水の供給量が増加する。第二に、他の使用先で温水または冷水を使っているため、特定の使用先で温水または冷水を使えば、最大供給水量に及ばない水量で温水または冷水が供給される。このような状態で、他の使用先で温水または冷水の使用を終了すれば、該使用先への温水または冷水の供給量が増大する。
【0069】
一方、
図3に示されているカートリッジ142の第1流入管310、第2流入管320及び第3流入管330に加熱水槽150の出水管、温水直水管130及び冷水管2がそれぞれ連結されている実施形態の場合、温水管1を通じて供給される温水の温度がユーザの所望の温度(例えば、40℃)に到逹した後、電子弁140は、温水直水管130から第2流入管320を通じて供給された温水と、冷水管2から第3流入管330を通じて供給された冷水とを混合して、ユーザの所望の温度の排出水を排出する。この時、加熱水槽150内には、ユーザの所望の温度より低い温度の残存温水が大部分を占める。すなわち、残存温水の温度が20℃であり、水栓3の使用時点で加熱水槽150内の加熱温水の温度が65℃であれば、温水管1を通じて供給される温水の温度が排出水の最低目標温度に到逹した時点に、加熱水槽150の水の温度は、一般的に20℃ないし30℃である。これは、水栓3の使用が終わった後で、加熱水槽150内に存在する水の目標加熱温度が65℃に設定された場合、加熱水槽150内に備えられているヒータ155が昇温させるべき温度が35℃から45℃になるということを意味する。よって、水栓3の使用が終わった時点に、加熱水槽150内に最大供給温度(例えば、50℃)の温水で満たされている場合に比べて、ヒータ155による電気消費量が増大する。
【0070】
以下、
図3に示されたカートリッジ142の第1流入管310、第2流入管320及び第3流入管330に、温水直水管130、加熱水槽150の出水管及び冷水管2がそれぞれ連結されている場合を挙げて、サーボモータの回転による電子弁140の動作について、
図4ないし
図6を参照して説明する。
【0071】
図4の(a)に示されたように、サーボモータの回転角が0゜である時、カートリッジ142は、第1流入管310を通じて温水直水管130から供給される温水のみが排出管340に排出される状態になり、第2流入管320及び第3流入管330は遮られて、加熱水槽150から供給される加熱温水と、冷水管2を通じて供給される冷水は排出されない。また、サーボモータに1.5msの幅を有するパルスが入力されれば、サーボモータは、回転角が120゜である状態で駆動する。これによって、カートリッジ142の回転ノブ360及び回転板350は、サーボモータの回転角120゜に対応する状態になる。
図4の(b)には、サーボモータの回転角120゜に対応するカートリッジ142の回転板350と、第1流入管310、第2流入管320、第3流入管330との対応状態が示されている。
図4の(a)に示されたように、サーボモータの回転角が120゜である時、カートリッジ142は、第2流入管320を通じて加熱水槽150から供給される加熱温水のみが排出管340に排出され、第1流入管310及び第3流入管330は遮られて、温水直水管130から供給される温水と、冷水管2から供給される冷水は排出されない。また、サーボモータに2.5msの幅を有するパルスが入力されれば、サーボモータは、回転角が240゜である状態で駆動する。これによって、カートリッジ142の回転ノブ360及び回転板350は、サーボモータの回転角240゜に対応する状態になる。
図4の(c)には、サーボモータの回転角240゜に対応するカートリッジ142の回転板350と、第1流入管310、第2流入管320、第3流入管330との対応状態が示されている。
図4の(c)に示されたように、サーボモータの回転角が240゜である時、カートリッジ142は、第3流入管330を通じて冷水管2から供給される冷水のみ排出管340に排出され、第1流入管310及び第2流入管320は遮られて、第1流入管310を通じて温水直水管130から供給される温水と、第2流入管320を通じて加熱水槽150から供給される加熱温水は、排出されない。
【0072】
一方、0.5msないし1.5msの幅を有するパルスがサーボモータに入力されれば、サーボモータの回転角は0゜ないし120゜になり、これによって、カートリッジ142は、第1流入管310を通じて加熱水槽150から供給される加熱温水と、第2流入管320を通じて温水直水管130から供給される温水とが、パルス幅による体積比で混合されて、排出管340に排出される状態になる。この時、回転板350に形成された通孔の位置及び形態によって、加熱温水と温水及び温水と冷水とが混合される角度及び混合比が変わる。
【0073】
図5は、0.5ms、0.7ms及び1.0msの幅を有するパルスが、それぞれサーボモータに入力される場合の、カートリッジ142の動作状態を示す。
図5の(a)を参照すれば、0.5msの幅を有するパルスがサーボモータに入力されれば、サーボモータの回転角は0゜になり、この時から、カートリッジ142は、第1流入管310を通じて温水直水管130から供給される温水のみを排出管340に排出する。また、
図5の(b)を参照すれば、0.7msの幅を有するパルスがサーボモータに入力されれば、サーボモータの回転角は36゜になり、この時、カートリッジ142は、第1流入管310を通じて温水直水管130から供給される温水と、第2流入管320を通じて加熱水槽150から供給される加熱温水とが、約5:1の体積比で混合される状態になる。また、
図5の(c)を参照すれば、1.0msの幅を有するパルスがサーボモータに入力されれば、サーボモータの回転角は60゜になり、この時、カートリッジ142は、第1流入管310を通じて温水直水管130から供給される温水と、第2流入管320を通じて加熱水槽150から供給される加熱温水とが、約1:1の体積比で混合される状態になる。
【0074】
また、1.5msないし2.5msの幅を有するパルスがサーボモータに入力されれば、サーボモータの回転角は120゜ないし240゜になり、これによって、カートリッジ142は、第2流入管320を通じて加熱水槽150から供給される加熱温水と、第3流入管330を通じて冷水管2から供給される冷水とが、パルス幅による体積比で混合されて、排出管340に排出される状態になる。
図6は、1.5ms、2.0msと2.3msの幅を有するパルスが、それぞれサーボモータに入力される場合の、カートリッジ142の動作状態を示す。
図6の(a)を参照すれば、1.5msの幅を有するパルスがサーボモータに入力されれば、サーボモータの回転角は120゜になり、この時から、カートリッジ142は、第2流入管320を通じて加熱水槽150から供給される加熱温水のみを、排出管340に排出する。また、
図6の(b)を参照すれば、2.0msの幅を有するパルスがサーボモータに入力されれば、サーボモータの回転角は180゜になり、この時、カートリッジ142は、第2流入管320を通じて加熱水槽150から供給される加熱温水と、第3流入管330を通じて冷水管2から供給される冷水とが、約1:1の体積比で混合される状態になる。また、
図6の(c)を参照すれば、2.2msの幅を有するパルスがサーボモータに入力されれば、サーボモータの回転角は204゜になり、この時、カートリッジ142は、第2流入管320を通じて加熱水槽150から供給される加熱温水と、第3流入管330を通じて冷水管2から供給される冷水とが、約1:5の体積比で混合される状態になる。
【0075】
一方、
図3に示されているカートリッジ142の第1流入管310、第2流入管320及び第3流入管330に、加熱水槽150の出水管、温水直水管130及び冷水管2がそれぞれ連結されている場合には、水栓3の使用時点から、温水直水管130を通じて供給される温水の温度が、ユーザの所望の温度(例えば、40℃)に到逹するまで、電子弁140は、加熱水槽150から第1流入管310に供給される加熱温水と、温水直水管130を通じて第2流入管320に供給される温水とを混合する状態の角度範囲内で制御され、温水直水管130を通じて供給される温水の温度がユーザの所望の温度に到逹した時点から、電子弁140は、温水直水管130を通じて第2流入管320に供給される温水と、冷水管2を通じて第3流入管330に供給される冷水とを混合する状態の角度範囲内で制御される。すなわち、
図3に示されているカートリッジ142の第1流入管310、第2流入管320及び第3流入管330に、加熱水槽150の出水管、温水直水管130及び冷水管2がそれぞれ連結されている場合に、水栓3の使用時点から、温水直水管130を通じて供給される温水の温度がユーザの所望の温度に到逹するまで、電子弁140は、第1流入管310に供給される加熱温水と、第2流入管320に供給される温水とが混合される0゜ないし120゜の範囲で制御される第1区間内で動作し、温水直水管130を通じて供給される温水の温度がユーザの所望の温度に到逹した後、電子弁140は、第2流入管320に供給される温水と、第3流入管330に供給される冷水とが混合される120゜ないし240゜の範囲で制御される第2区間内で動作する。
【0076】
これとは異なって、
図3に示されているカートリッジ142の第1流入管310、第2流入管320及び第3流入管330に、温水直水管130、加熱水槽150の出水管及び冷水管2がそれぞれ連結されている場合に、水栓3の使用時点から、温水直水管130を通じて供給される温水の温度がユーザの所望の温度(例えば、40℃)に到逹する時点t
1まで、電子弁140は、第1流入管310に供給される温水と、第2流入管320に供給される加熱温水とが混合される0℃ないし120℃の範囲で制御される第1区間で動作する。そして、温水直水管130を通じて供給される温水の温度がユーザの所望の温度に到逹した時点t
1に、加熱水槽150から電子弁140の第2流入管320に供給される加熱温水の温度は、ユーザの所望の温度より高いかまたは同一に維持されねばならない。この時、加熱水槽150から電子弁140の第2流入管320に供給される加熱温水の温度が、ユーザの所望の温度より高い場合に、第1流入管210に供給される温水と、第2流入管210に供給される加熱温水とを混合すれば、排出水の温度は、ユーザの所望の温度より高くなるという問題がある。よって、温水直水管130を通じて供給される温水の温度がユーザの所望の温度に到逹した時点t
1から、加熱水槽150から電子弁140の第2流入管320に供給される加熱温水の温度がユーザの所望の温度に到逹する時点t
2まで、電子弁140は、第2流入管320に供給される加熱温水と、第3流入管330に供給される冷水とが混合される120゜ないし240゜の範囲で制御される第2区間内で動作する。次いで、加熱水槽150から電子弁140の第2流入管320に供給される加熱温水の温度がユーザの所望の温度に到逹する時点t
2から、加熱水槽150から供給される加熱温水の温度は、水栓3の使用時点に温水管1から供給される温水の温度(例えば、20℃)まで急激に下降した後、該温度が一定時間維持された後、徐々にユーザの所望の温度まで上昇する。この時、加熱水槽150から電子弁140の第2流入管320に供給される加熱温水の温度が、ユーザの所望の温度に到逹する時点t
2以後に、第2流入管320に供給される加熱温水と、第3流入管330に供給される冷水とを混合すれば、排出水の温度がユーザの所望の温度より低くなるという問題がある。よって、加熱水槽150から電子弁140の第2流入管320に供給される加熱温水の温度が、ユーザの所望の温度に到逹した時点t
2から、加熱水槽150から電子弁140の第2流入管320に供給される加熱温水の温度が再びユーザの所望の温度に到逹する時点t
3まで、電子弁140は、第1流入管310に供給される温水と、第2流入管320に供給される加熱温水とが混合される0゜ないし120゜の範囲で制御される第1区間で動作する。そして、電子弁140の第2流入管320に供給される加熱温水の温度が再びユーザの所望の温度に到逹する時点t
3以後に、電子弁140は、第2流入管320に供給される加熱温水と、第3流入管330に供給される冷水とが混合される120゜ないし240゜の範囲で制御される第2区間内で動作する。このように電子弁140を制御すれば、水栓3の使用が終わった時点に、加熱水槽150内には、最大供給温度(例えば、50℃)の温水で満たされるようになる。よって、水栓3の使用が終わった後、加熱水槽150内にある水の目標加熱温度が65℃に設定された場合、加熱水槽150内に備えられているヒータ155が昇温させるべき温度が15℃になるため、ヒータ155による電気消費量を低減させることができる。
【0077】
一方、
図1ないし
図7を参照して説明した実施形態で、排出水の水栓への排出は電子的に制御される。例えば、
図1に示されている電子弁140と水栓3との間に設けられている別途の電子弁によって、排出水の排出量を調節して、排出水を目標水量ほど水栓3に提供することができる。
【0078】
図8は、
図1に示されている電子弁140と水栓3との間に設けられている別途の電子弁によって排出水の排出量を調節して、排出水を目標水量ほど水栓に提供する実施形態を示す図面である。
【0079】
図8を参照すれば、
図1に示されている実施形態と比べる時、
図1の電子弁140に当たる第1電子弁260aと水栓3との間に、第2電子弁240bが加えられる。第1電子弁240aは、
図1に示されている電子弁140と等しく動作し、第2電子弁240bは、第1電子弁240aの出力配管から排出水を受け入れて出力し、制御器270の制御信号によって、第1電子弁240aの出力配管から入力された混合温水の排出量を調節して、水栓またはシャワーヘッドに出力する。
図8に示されている実施形態800で、温度及び水量設定手段3aは、前述したように、多様な形態に具現化されうる。
【0080】
この場合、第2電子弁240bとしては、入力された水の出水量を調節するカートリッジが採用された電子弁が使われる。この時、制御器270は、排出水の目標水量に対応して、第2電子弁240bに備えられているモータ(サーボモータ、ステップモータなど)を制御して、カートリッジの開閉量を調節することで、水栓またはシャワーヘッドに排出される排出水の水量を、目標水量とする。
図8に示されている第1電子弁240aと水栓3との間に設けられる第2電子弁240bには、
図9または
図10に示されているカートリッジが採用される。もし
図9に示されている電子弁が採用されれば、排出配管940に、
図8に示されている第1電子弁240aの出水管が連結され、第1流入管910には、水栓3が連結され、第2流入管920には、移動式シャワーヘッドが連結される。この時、第3流入管930は遮断される。よって、
図9に示されているカートリッジが採用された第2電子弁240bを使う場合に、制御器270によって第2電子弁240bに備えられているモータの回転状態によって、排出水は、水栓3と移動式シャワーヘッドのうちいずれか一つに排出されるか、またはどちらにも排出されない。この時、電子弁240bの回転量によって、第1流入管910または第2流入管920に排出される排出水の流量が変わる。これとは異なって、
図10に示されている電子弁が採用されれば、排出配管1050に、
図8に示されている第1電子弁240aの出水管が連結され、第1流入管1010には、水栓3が連結され、第2流入管1020には、移動式シャワーヘッドが連結され、第3流入管1030には、固定式シャワーヘッドが連結される。この時、第4流入管1040は遮断される。よって、
図10に示されているカートリッジが採用された第2電子弁240bを使う場合に、制御器270によって第2電子弁240bに備えられているモータの回転状態によって、排出水は、水栓、移動式シャワーヘッド及び固定式シャワーヘッドのうちいずれか一つに排出されるか、またはどちらにも排出されない。この時、電子弁240bの回転量によって、第4流入管1040に隣接する2つの流入管に排出される排出水の流量が変わる。よって、水栓、固定式シャワーヘッド及び移動式シャワーヘッドのうち、水栓と移動式シャワーヘッドについて流量調節を適用しようとすれば、これらは、第4流入管1040に隣接する流入管に連結されねばならない。
【0081】
以上の説明で、
図9及び
図10に示されているカートリッジが採用された電子弁を、
図8に示されている実施形態の第2電子弁240bとして使う場合に、各カートリッジの排出管は、第2電子弁240bの入水管として機能し、各カートリッジの流入管は、第2電子弁240bの排出管として機能する。このように
図8に示されている実施形態は、排出水の出水方向、排出水の水量などが、いずれも電子弁240a及び240bによって自動に制御される。よって、制御器170に、ワイファイ(WiFi)、ジグビー(ZigBee)、ブルートゥース(Bluetooth)、エックスウェーブ(X-Wave)などの通信機能が備えられるか、ホームネットワーク機能が備えられている場合に、ホームネットワーク制御装置またはユーザのスマートフォンを用いて、遠隔で本発明による水栓制御装置200を制御することができる。これによって、ユーザは、遠隔で水栓制御装置200を制御して、浴槽に自分の所望の温度の水を所望の時間に満たすことができる。この時、浴槽の排水口には、本発明による水栓制御装置200によって駆動される排水遮断装置が設けられて、浴槽に水を満たす機能が行われる時、浴槽の排水口は、排水遮断装置によって塞がれる。
【0082】
一方、制御器170は、第1温度センサ120aによって測定された温水管1内の温水温度、第3温度センサ120cによって測定された加熱水槽150内の加熱温水の温度、温水の供給地点から水栓までの温水管1内に残存する残存温水の容量、ヒータの容量などに基づいて、ヒータ155の駆動如何を定める。この時、加熱水槽150の容量を増大させることによって、ヒータ155による水の加熱時間も延びるということに鑑みれば、加熱水槽150の容量は、1lないし3lの間で適当に定められることが望ましい。また、加熱水槽150の容量を過度に増大させずにヒータ155の駆動時間を最小化するためには、温水の供給地点と加熱水槽150との間の配管に残存する残存温水が消尽する(使い切る)までは、排出水の目標温度及び目標水量を、ユーザの設定した所望の温度及び所望水量とは異なって設定する方法を採用することもできる。例えば、ユーザの設定した所望の温度及び所望水量がそれぞれ45℃及び80ml/秒であるとしても、温水の供給地点と加熱水槽150との間の配管に残存する残存温水が消尽するまでは、排出水の目標温度及び目標水量を、最大40℃及び60ml/秒に制限することができる。このような制限値は、加熱水槽150の容量、ヒータ155の容量、残存温水の水量などに基づいて定められる。
【0083】
加熱水槽150は、一定量(例えば、2l)の水を保存可能な容量に製作され、その内部に、ヒータ155及び第3温度センサ120cが設けられる。水栓が動作しないうちに(ユーザが水を使わない間に)、加熱水槽150内に設けられているヒータ155を駆動して、加熱水槽150内の水を既定の第1温度(例えば、65℃)に加熱する。もし加熱水槽250内の水の温度が第1温度に到逹すれば、制御器170は、ヒータ155の動作を中止させる。このような状態で、加熱水槽150内の水の温度が既定の第2温度(例えば、40℃)まで下降すれば、制御器170は、再びヒータ155を駆動して、加熱水槽150内の水を既定の第1温度に加熱する動作を繰り返す。この時、第1温度センサ120aによって測定された温水の温度が第1温度より高いかまたは同一であれば、ヒータ155を駆動せず、第1温度センサ120aによって測定された温水の温度が第1温度に到逹すれば、ヒータ155を駆動することが望ましい。
【0084】
一方、前述したように、第3温度センサ120cによって測定された温度のみでヒータ155の駆動如何を定めれば、安定的な温水の供給は可能であるが、電力消費量が増加するという問題がある。このような問題に鑑みて、水栓3が使われない時、制御器170は、第1温度センサ120a及び第3温度センサ120cの測定値に基づいて、ヒータ155の駆動如何を定めれば、電力消費量を最適化することができる。
図11は、水栓3が使われない時、第1温度センサ120a及び第3温度センサ120cの測定値に基づいて、制御器170によるヒータ155の駆動方法を示す図面である。
【0085】
図11を参照すれば、本発明による水栓制御装置100に電源が供給されれば、制御器170は、周期的に第1温度センサ120a及び第3温度センサ120cによって測定された温水管1内の温水温度と、加熱水槽150内の加熱温水温度を把握する(S1100)。先ず、制御器170は、第1温度センサ120aの測定値T1が第1基準温度V1より低いかどうかを確認する(S1105)。もし第1温度センサ120aの測定値T1が第1基準温度V1以上であれば、制御器170は、ヒータ155をターンオフする(S1125)。これとは異なって、第1温度センサ120aの測定値T1が第1基準温度V1より低ければ、制御器170は、第1温度センサ120aの測定値T1が、第2基準温度V2より低いかどうかを確認する(S1110)。もし第1温度センサ120aの測定値T1が第2基準温度V2以上であれば、制御器170は、第3温度センサ120aの測定値T3が第7基準温度V7より低いかどうかを確認する(S1130)。S1030ステップで、第3温度センサ120cの測定値T3が第7基準温度V7以上であれば、制御器170は、ヒータ155をターンオフする(S1125)。これとは異なって、第3温度センサ120cの測定値T3が第7基準温度V7より低ければ、制御器170は、ヒータをターンオンする(S1150)。そして制御器170は、ヒータ155がターンオンされた状態で、第3温度センサ120cの測定値T3が第8基準温度V8以上になれば、ヒータ155をターンオフする(S1125)。これとは異なって、第3温度センサ120cの測定値T3が第8基準温度V8より低ければ、ヒータ155をターンオンした状態に維持した後(S1150)、第3温度センサ120cの測定値T3が第8基準温度V8以上になれば、ヒータ155をターンオフする(S1125)。
【0086】
S1110ステップで、第1温度センサ120aの測定値T1が第2基準温度V2より低いと確認されれば、制御器170は、第1温度センサ120aの測定値T1が第3基準温度V3より低いかどうかを確認する(S1115)。もし第1温度センサ120aの測定値T1が第3基準温度V3以上であれば、制御器170は、第3温度センサ120aの測定値T3が第8基準温度V8より低いかどうかを確認する(S1135)。S1135ステップで、第3温度センサ120cの測定値T3が第8基準温度V8以上であれば、制御器170は、ヒータ155をターンオフする(S1125)。これとは異なって、第3温度センサ120cの測定値T3が第8基準温度V8より低ければ、制御器170は、ヒータをターンオンする(S1160)。そして制御器170は、ヒータ155がターンオンされた状態で、第3温度センサ120cの測定値T3が第9基準温度V9以上になれば、ヒータ155をターンオフする(S1125)。これとは異なって、第3温度センサ120cの測定値T3が第9基準温度V9より低ければ、ヒータ155をターンオンした状態に維持した後(S1160)、第3温度センサ120cの測定値T3が第9基準温度V9に到達すれば、ヒータ155をターンオフする(S1125)。
【0087】
S1115ステップで、第1温度センサ120aの測定値T1が第3基準温度V3より低いと確認されれば、制御器170は、第1温度センサ120aの測定値T1が第4基準温度V4より低いかどうかを確認する(S1120)。もし第1温度センサ120aの測定値T1が第4基準温度V4以上であれば、制御器170は、第3温度センサ120aの測定値T3が、第9基準温度V9より低いかどうかを確認する(S1140)。S1135ステップで、第3温度センサ120cの測定値T3が第9基準温度V9以上であれば、制御器170は、ヒータ155をターンオフする(S1125)。これとは異なって、第3温度センサ220cの測定値T3が第9基準温度V9より低ければ、制御器170は、ヒータをターンオンする(S1170)。そして制御器170は、ヒータ155がターンオンされた状態で、第3温度センサ120cの測定値T3が第10基準温度V10以上になれば、ヒータ155をターンオフする(S1125)。これとは異なって、第3温度センサ120cの測定値T3が第10基準温度V10より低ければ、ヒータ155をターンオンした状態に維持した後(S1170)、第3温度センサ120cの測定値T3が第10基準温度V10に到達すれば、ヒータ155をターンオフする(S1125)。
【0088】
S1120ステップで、第1温度センサ120aの測定値T1が第4基準温度V4より低いと確認されれば、制御器170は、第3温度センサ120cの測定値T3が第10基準温度V10より低いかどうかを確認する(S1145)。S1045ステップで、第3温度センサ120cの測定値T3が第10基準温度V10以上であれば、制御器170は、ヒータ155をターンオフする(S1125)。これとは異なって、第3温度センサ120cの測定値T3が第10基準温度V10より低ければ、制御器170は、ヒータをターンオンする(S1180)。そして制御器170は、ヒータ155がターンオンされた状態で、第3温度センサ120cの測定値T3が第10基準温度V10以上になれば、ヒータ155をターンオフする(S1125)。これとは異なって、第3温度センサ120cの測定値T3が第10基準温度V10より低ければ、ヒータ155をターンオンした状態に維持した後(S1180)、第3温度センサ120cの測定値T3が第10基準温度V10に到達すれば、ヒータ155をターンオフする(S1125)。
【0089】
以上の説明でそれぞれの基準温度は、次の表に記載したように設定される。このような基準温度は、加熱水槽150の容量、温水管1内の残存温水の容量、ヒータ155の容量、加熱水槽150に設定された温水の最大加熱温度、温水管1内の残存温水の温度、冷水管2内の冷水の温度などによって変わる。
【0090】
【表2】
以上で説明したように、温水管1内の残存温水及び加熱水槽150内の加熱された温水の冷却程度によって、能動的にヒータ155のオン・オプを制御すれば、次のユーザが水栓3を使用するとすぐに、ユーザの所望の温度の排出水を提供することができると同時に、ヒータ155を駆動するためにかかる電力を低減させることができる。
【0091】
図11を参照して説明したように、本発明による水栓制御装置100が使われない時、第1温度センサ120a及び第3温度センサ120cの値について予め設定された基準温度に基づいて、ヒータ255のオン・オプを制御することができる。これとは異なって、温水直水管130を通じて供給される残存温水の最低供給温度、加熱水槽150内の加熱された加熱温水の最高温度などに基づいて、ヒータ155の駆動如何を制御してもよい。
【0092】
図12は、このような方法によって制御器170で行われるヒータ155の駆動方法を示す図面である。
【0093】
図12を参照すれば、制御器170は、流量センサ160から入力される流量値に基づいて、水栓3の使用如何を把握する(S1200)。この時、制御器170は、流量センサ160から入力された測定値が0より大きければ、水栓3が使用中であると判断する。次いで、水栓3が使用中ではないと判断されれば、制御器170は、次の数式によって、加熱水槽150内の温水の目標加熱温度を算出する(S1210)。
【0094】
【数3】
ここで、T
Tは、排出水の目標温度、T
H(t)は、水栓3の使用開始時点から時間の経過による加熱温水の温度、T
W(t)は、水栓3の使用開始時点から時間の経過による残存温水の温度、Qは、温水の供給地点と水栓3との間の温水管に残存する残存温水の総量(l)、そしてQ
H(t)は、水栓3の使用開始時点から時間の経過による加熱温水の流量(l/sec)である。
【0095】
数式3で、排出水の目標温度TTは、基本的に残存温水の総量及び加熱水槽150の容量に基づいて定められ、人間の体温より高い温度(例えば、38℃ないし42℃の範囲)に定められることが望ましい。一方、水栓3の使用開始時点で、加熱温水の温度TH(0)は、温水の目標加熱温度と等しく、残存温水の温度が排出水の目標温度と等しくなる時点taに、加熱温水の温度TH(ta)は、少なくとも排出水の目標温度と等しいか高くすべきである。水栓3の使用開始時点から時間の経過による残存温水の温度TW(t)は、水栓の使用開始時点(t=0)から一定時間(例えば、水栓の使用開始時点から排出水の目標温度に到逹するまでかかる時間TNの1/3ないし3/4)の間に大きい差なしに(例えば、±3℃)維持され、以後には、温水の最大供給温度まで上昇する。この時、残存温水の温度が速く上昇する場合(例えば、1/3TN)、残存温水の温度は、急激に上昇した後、徐々に最大供給温度まで上昇する傾向を示す。これとは異なって、残存温水の温度が遅く上昇する場合(例えば、3/4TN)、残存温水の温度は、最大供給温度まで線形的に上昇する傾向を示す。
【0096】
また、数式3で、水栓3の使用開始時点から時間の経過による加熱温水の流量QH(t)は、数式2を変形した後の数式から求められる。
【0097】
【数4】
ここで、Q
H(t)は、水栓3の使用開始時点から時間の経過による加熱温水の供給水量を示し、T
O(t)は、水栓3の使用開始時点から時間の経過による排出水の温度を示し、T
H(t)は、水栓3の使用開始時点から時間の経過による加熱温水の温度を示し、T
W(t)は、水栓3の使用開始時点から時間の経過による残存温水の温度を示し、Q
O(t)は、水栓3の使用開始時点から時間の経過による排出水の水量を示す。
【0098】
数式4で、排出水の温度TO(t)は、時間の経過に関係なく固定されている値である、排出水の目標温度TTと等しい。また、水栓3の使用開始時点から時間の経過による排出水の水量QO(t)は、流量センサ160によって測定された値である。そして、水栓3の使用開始時点から時間の経過による加熱温水の温度TH(t)、残存温水の温度TW(t)及び排出水の温度TO(t)は、それぞれ第3温度センサ120c、第1温度センサ120a及び第4温度センサ120dによって測定された値である。
【0099】
よって、制御器170は、数式4を用いて、水栓3の使用開始時点から時間の経過による加熱温水の供給水量を把握することができ、これに基づいて、水栓3の使用開始時点から、残存温水の温度TW(t)が排出水の目標温度TTと等しくなる時点taまで、使われた加熱温水の総量を計算することができる。
【0100】
次いで、制御器170は、加熱水槽150内の温水の目標加熱温度(TH,target)と、第3温度センサ120cによって測定された加熱水槽150内の温水の現在温度(TH,cur)とを比べる(S1220)。もし、加熱水槽150内の温水の現在温度(TH,cur)が加熱水槽150内の温水の目標加熱温度(TH,target)より低ければ、制御器170は、ヒータ155をターンオンする(S1230)。これとは異なって、加熱水槽150内の温水の現在温度(TH,cur)が加熱水槽150内の温水の目標加熱温度(TH,target)より高いか同一であれば、ヒータ155をターンオフする(S1240)。ヒータ155を駆動した後で、制御器170は、第3温度センサ120cによって測定された加熱水槽150内の温水の現在温度(TH,cur)と、温水の最大加熱温度(TH,max)とを比べる(S1250)。もし、加熱水槽150内の温水の現在温度(TH,cur)が温水の最大加熱温度(TH,max)より低ければ、ヒータ155をターンオンした状態を維持した後、S1250ステップを繰り返して行う。これとは異なって、加熱水槽150内の温水の現在温度(TH,cur)が、温水の最大加熱温度(TH,max)に到達すれば、ヒータ155をターンオフする(S1240)。一方、S1200ステップで、制御器170は、流量センサ160から入力された測定値が0より大きければ、水栓3が使用中であると判断して、電子弁140の制御を開始する。
【0101】
以上で説明した方法によって、制御器170は、水栓3が使われない間に、加熱水槽150に設けられているヒータ155の駆動如何を適当に制御することで、電力消費を最小化しながら、以後のユーザによる水栓3の使用時に安定的に温水を供給することができる。
【0102】
一方、
図11及び
図12を参照して説明したように、本発明による水栓制御装置100が使われない時、一定の時間間隔で測定された第1温度センサ120a及び第3温度センサ120cの測定値に基づいて、ヒータ155を適当にオン・オプさせて加熱水槽150内の温水の温度を調節することで、ユーザが水栓3を使う時に、即刻でユーザの所望の温度の排出水を提供することができる。しかし、温水管1内の残存温水の温度が過度に低くなる状況、本発明による水栓制御装置100が設けられている場所で、温水管1内の残存温水の水量が加熱水槽150の容量に比べて多くなる状況などでは、温水管1内の残存温水が完全に消尽する前に、本発明による水栓制御装置100で提供できる温水の温度がユーさの所望の排出水の温度より低くなる恐れがある。この場合、制御器170は、水栓3が使用中である場合にも、ヒータ155を駆動して加熱水槽150内の温水を加熱することで、ユーザの所望の排出水の温度を保証することができる。
【0103】
加熱水槽150の容量が2l、残存温水の総量が4l、ヒータ155の容量が1kW、ユーザが設定した排出水の流量が100ml/s、温水管1を通じて供給される温水の温度が20℃、ユーザの所望の排出水の温度が40℃である時、加熱水槽150内の温水温度が50℃である場合を挙げて説明する。この時、残存温水の温度が、ユーザの所望の排出水の温度に到逹するまでかかる時間が35秒であれば、水栓3の使用開始時点から35秒が経過するまで使われた残存温水の総量は、3.5lになる。そして、残存温水は、水栓3の使用開始時点から25秒が経過するまで20℃を維持し、次いで10秒間40℃まで線形的に温度が上昇し、加熱温水は、水栓3の使用開始時点から35秒が経過するまで50℃を維持する場合を仮定する。この場合、ユーザの所望の温度に排出水を提供するために、電子弁140は、持続的に加熱温水と残存温水との混合比を変え、これに基づいて、数式4によって計算された水栓3の使用開始時点から35秒が経過するまで必要な加熱温水の総量は、約2.1lである。よって、電子弁140を制御して冷水を遮断し、加熱温水と残存温水とが混合された温水を100%水栓3に供給するとしても、ユーザの所望の排出水の温度である40℃より低い温水が供給されるという問題がある。この場合、水栓の使用中に1kW容量のヒータ155を駆動すれば、加熱水槽150内の温水を約4℃昇温させることができ、よって、ユーザの所望の38℃の温水を継続的に供給することができる。
【0104】
以上で説明したような、本発明による水栓制御装置100が使用中である状況で、ヒータ155を駆動するかどうかは、温水管1内の残存温水の容量(すなわち、地域暖房公社によって温水が供給される場合には、中央配管から各宅内に分岐される地点、個別暖房の場合には、宅内に設けられているボイラーの温水出水地点から供給温度の温水が供給されるまで、温水管1内に残っている冷却した温水の容量)、残存温水の温度、加熱水槽150の容量、ヒータ155の容量、ユーザの所望の排出水の流量、ユーザの所望の排出水の温度などにより定められる。もし本発明による水栓制御装置100が使用中である状況で、ヒータ155を駆動させても、ユーザの所望の排出水の温度を保証することができないと判断されれば、制御器170は、ヒータ155を駆動させると同時に、残存温水の温度及び水量、加熱水槽150の容量及び加熱水槽150内の温水温度、ユーザの所望の排出水の流量、ヒータ155の容量などに基づいて、排出水の温度をユーザの所望の排出水の温度より低く設定して水栓3に供給することが望ましい。
【0105】
一方、
図1を参照して説明した実施形態で、加熱水槽150が温水管1及び電子弁140に対して密閉されているため、加熱水槽150内の水が加熱されることによって体積が膨脹して、加熱水槽150に過度に大きい圧力が加えられる。これは、装置の破損を引き起こすことができるため、圧力を適正レベル(例えば、温水供給水圧の1.5倍)以下に低める必要がある。このため、制御器170は、加熱水槽150に設けられている第3温度センサ120cによって測定された値に基づいて、圧力緩和動作を行うこともある。この場合、制御器170は、加熱水槽150に設けられた第3温度センサ120cによって測定された加熱水槽150内の水の温度が、既定の基準温度(例えば、10℃)ほど上昇する度に、瞬間的に加熱水槽150の加熱温水と冷水管2の冷水とが混合される位置に電子弁140を制御した後、加熱水槽150の加熱温水が排出されない位置に制御する。これにより、加熱温水は冷水管の方に流れるようになって、加熱水槽150内の圧力が解除される。このような動作は、加熱水槽150に設けられた第3温度センサ120cによって測定された、加熱水槽150内の水の温度上昇量に対応する圧力増加量(例えば、加熱水槽150内の圧力)が第1基準圧力(例えば、5bar)以上であれば、行われるようにしてもよい。このような制御器170による圧力緩和動作は、ユーザの水栓3の使用如何と関係なく、本発明による水栓制御装置100が設けられた以後に持続的に行われる。
これとは異なって、加熱水槽150についての圧力解除動作は、加熱水槽150に取り付けられた圧力センサ(図示せず)によって測定された圧力値に基づいて行われてもよい。この場合、制御器170は、圧力センサによって測定された加熱水槽150内の圧力が第1基準圧力(例えば、5bar)以上であれば、電子弁140を制御して、加熱温水が冷水管2の方に流れるようにする。そして、加熱水槽150内の圧力が第2基準圧力(例えば、2bar)に到逹すれば、制御器170は、電子弁140を制御して、加熱温水の冷水管2への排出を遮断する。
【0106】
以上の説明で、温水管1内の残存温水の温度は、温水連結管1aに設けられた第1温度センサ120aによって測定された残存温度の温度と等しい。さらに、以上で実施形態を参照して説明したが、当業者ならば、下記の特許請求の範囲に記載の本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更できるということを理解できるであろう。
【国際調査報告】