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特表2024-535727ユーザの取り込まれた画像又はビデオに基づく健康又は疾患の予測
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】ユーザの取り込まれた画像又はビデオに基づく健康又は疾患の予測
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/30 20180101AFI20240925BHJP
【FI】
G16H50/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513529
(86)(22)【出願日】2022-08-31
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 IB2022000496
(87)【国際公開番号】W WO2023031668
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/239,302
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.エアロバイク
(71)【出願人】
【識別番号】523354233
【氏名又は名称】アドバンスト ヘルス インテリジェンス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ボサナック ヴラド
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
方法は、運動デバイスの1つの画像、複数の画像又はビデオ取り込みシステムを使用してユーザの1つの画像、複数の画像又はビデオを取り込むステップと、画像又はビデオに基づいて健康又は疾患の指標を検出するステップと、を含んでもよい。装置は、カメラと、プロセッサと、プログラミング命令を含むコンピュータ可読媒体と、を含み、プログラミング命令が実行されると、プロセッサが、機械学習モデルと、カメラによって取り込まれた被験者の1つ以上の画像又はビデオとを使用して、健康又は疾患の指標を検出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
健康又は疾患リスクの予測方法であって、
両用電子デバイスに統合された画像取り込みシステムを使用してユーザの画像を取り込むステップと、
前記画像に基づいて健康又は疾患の指標を検出するステップと、を含む、健康又は疾患リスクの予測方法。
【請求項2】
機械学習ネットワークを使用して前記健康又は疾患の指標を検出する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記画像取り込みシステムは、前記ユーザが前記両用電子デバイスと対話するときに、前記ユーザの前記画像を取り込むように構成されたカメラを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記画像を取り込むステップは、複数の画像をビデオ形式で取り込むステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記両用電子デバイスは、表示画面を有する表示システムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
検出された前記健康又は疾患の指標に基づいて生活習慣の変化を推奨するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記両用電子デバイスは、前記ユーザの反射画像を表示する反射部を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記健康又は疾患の指標は、心臓健康指標、身体組成、身体寸法、及び生命徴候を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記健康又は疾患の指標は、脳卒中指標を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記健康又は疾患の指標は、整形外科的異常指標、慢性疾患指標、慢性疾患リスクパラメータ、又は併存疾患指標を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
カメラと、
プロセッサと、
プログラミング命令を含むコンピュータ可読媒体と、を含み、前記プログラミング命令が実行されると、前記プロセッサが、
前記カメラによって取り込まれた画像を分析するステップと、
取り込まれた前記画像に基づいてユーザの身体寸法及び身体組成を推定するステップと、前記カメラによって前記ユーザの生命徴候を取り込むステップと、
機械学習モデルを使用し、推定された身体寸法、身体組成、生命徴候を分析して、健康又は疾患の指標を検出するステップと、を実行する、装置。
【請求項12】
前記プログラミング命令が実行されると、更に、前記プロセッサが検出された前記健康又は疾患の指標に基づいて健康又は疾患を予測する、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
表示部を更に含む、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記表示部は、反射部を含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
運動デバイス、電気製品、家庭用娯楽機器、又は自動車のうちの1つを更に含む、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記健康又は疾患の指標は、脳卒中指標、心臓健康指標、又は疾患指標を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
健康又は疾患の指標の検出方法であって、
画像取り込みシステム及びプロセッサを含むデバイスを提供するステップと、
前記デバイスの前記画像取り込みシステムを使用してユーザの画像を取り込むステップと、
コンピュータ可読媒体に含まれるプログラミング命令を実行して、前記プロセッサにより、前記画像に基づいて健康又は疾患の指標を検出するステップと、を含む、健康又は疾患の指標の検出方法。
【請求項18】
前記画像を取り込むステップは、複数の画像をビデオ形式で取り込むステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記デバイスは、表示部を更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記デバイスは、運動デバイス、電気製品、家庭用娯楽機器、又は自動車のうちの1つを含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本願は、2021年8月31日に出願された「ユーザの取り込まれた画像又はビデオによる健康又は疾患の予測」と題する米国仮特許出願第63/239302号の優先権を主張し、その開示全体は、あらゆる目的のために本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
説明される実施形態は、一般的に、機械学習システムに関し、具体的には、個人の健康リスク及び推奨事項(recommendations)を予測するためのデバイスによる生命徴候(バイタルサイン、vital signs)及び個人の健康データの取り込みを含む複数の予測技術を組み合わせることによって機械学習システムの精度を高めることに関する。
【背景技術】
【0003】
健康管理及び現代医学が進んでいるにもかかわらず、脳卒中、心血管の健康又は疾患、肥満、2型糖尿病などの健康状態及び/又は疾患を正確に予測し検出することは、依然として課題である。早期検出及び予防によって、何百万もの命が救われ、生活の質が向上する。しかしながら、大型で高価なスキャナー及び血圧モニタなどの、従来から高価で入手困難である医療機器が必要であり、多くの従来の技術が不正確であるため、これらの状態及び疾患の予測及び検出には、依然として困難である。
【0004】
更に、多くの人は、定期的に医師による検査を受ける必要がある多くの健康状態、健康マーカー、疾患指標の初期の兆候に気づいていない。それでも、生体検査、及び肥満度指数(body mass index、BMI)を含む他のデータの計算などの従来の技術は、不正確である可能性がある。従来の機械学習システムであっても、固有の設計の不正確さ、統計的外れ値(outliers)、及び/又は比較的小規模なデータセット及び経験に基づいて制限される可能性がある。したがって、慢性疾患リスクの潜在的な指標を含む人の健康状態を、安価で安全かつ正確な方法で評価することが望ましいと考えられる。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一態様は、健康マーカー及び/又は慢性疾患マーカーを予測する方法に関する。この方法は、運動デバイス、自動車、家庭器具などの、普通に出会う電気製品、デバイス、車両、又はシステムに統合された画像又はビデオ取り込みシステムを使用して、ユーザの画像又はビデオを取り込むステップと、画像又はビデオに基づいて健康又は疾患の指標を検出するステップと、を含む。一実施形態では、画像又はビデオ取り込みシステムを含むデバイスは、通常、電気製品又はデバイスの用途などの専用の目的を果たすだけでなく、更なる分析と健康及び疾患の予測のためにユーザを監視し、ユーザの画像を取り込む役割を果たす両用(dual use)電子デバイスを含んでもよい。
【0006】
一実施例では、機械学習ネットワークを使用して健康又は疾患の指標を検出する。一実施例では、画像又はビデオ取り込みシステムは、ユーザが画像又はビデオ取り込みシステムを含むデバイスを使用するか、又は該デバイスの近くで運動し、運転し、又は他の活動を行うときに、ユーザの画像又はビデオを取り込むように構成されたカメラを含む。一実施例では、画像又はビデオを取り込むステップは、複数の画像又はビデオを統合されたビデオ形式で取り込むステップを含む。一実施例では、画像又はビデオ取り込みシステムを含むデバイスは、表示画面を有する表示システムを含む。一実施例では、画像又はビデオ取り込みデバイスは、インターネット又は別のネットワークに通信可能に接続されたウェブカメラ又は別のカメラを含む。代替的に、画像又はビデオ取り込みデバイスは、画像又はビデオ取り込みデバイスがインターネット、クラウド、又は別の望ましいネットワークに接続されるまで画像又はビデオを記憶するように構成されたメモリ及びプロセッサを含んでもよい。一実施例では、デバイスは、反射画像のビデオ又はユーザのビデオを表示する反射部(reflective portion)を含む。一実施例では、健康又は疾患の指標は、心臓の健康又は疾患の指標を含む。一実施例では、健康又は疾患の指標は、脳卒中指標を含む。一実施例では、健康又は疾患の指標は、整形外科的異常指標を含む。
【0007】
本開示の一態様は、カメラと、プロセッサと、プログラミング命令を含むコンピュータ可読媒体と、を含む装置に関し、プログラミング命令が実行されると、プロセッサが、機械学習モデルと、カメラによって取り込まれた被験者の1つ以上の画像又はビデオとを使用して、健康又は疾患の指標を検出する。
【0008】
一実施例では、プログラミング命令が実行されると、更に、プロセッサが、検出された健康又は疾患の指標に基づいて健康又は疾患を予測する。一実施例では、装置も表示部を含む。一実施例では、表示部は、反射部を含む。一実施例では、装置は、運動又は個人の健康機構(feature)を含む。一実施例では、健康又は疾患の指標は、脳卒中指標又は心臓の健康又は疾患の指標を含む。
【0009】
本開示の一態様は、健康又は疾患の指標の検出方法に関する。この方法は、デバイスを提供するステップと、デバイスの画像又はビデオ取り込みシステムを使用してユーザの画像又はビデオを取り込むステップと、コンピュータ可読媒体に含まれるプログラミング命令を実行して、プロセッサにより、画像又はビデオに基づいて健康又は疾患の指標を検出するステップと、を含んでもよい。デバイスは、画像又はビデオ取り込みシステム及びプロセッサを含んでもよい。
【0010】
一実施例では、画像又はビデオを取り込むステップは、複数の画像又はビデオを統合されたビデオ形式で取り込むステップを含む。一実施例では、デバイスは、表示部を更に含む。一実施例では、デバイスは、運動デバイスである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明によって容易に理解されるであろう。図面では、同様の参照番号は、同様の構造要素を示す。
【0012】
図1】本開示に記載のいくつかの実施例に係るデバイス及びユーザの例を示す。
図2】本開示に記載のいくつかの実施例に係る、運動デバイスと対話するユーザの例を示す。
図3】本開示に記載のいくつかの実施例に係る、人の健康又は疾患リスクを評価するシステムのブロック図である。
図4】本開示に記載のいくつかの実施例に係る、機械学習ネットワークを使用して人の健康又は疾患リスクを評価する例示的なプロセスである。
図5】本開示に記載のいくつかの実施例に係る、様々なシステムとともに実装するために使用するか、又はシステムの1つ以上のコンポーネントに統合するために使用することができるコンピューティングデバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の様々な実施形態の実施例を十分に理解できるように、特定の詳細を説明する。しかしながら、本明細書に記載される実施例は、これらの特定の詳細がなくても実施できることが理解される。更に、本明細書に記載される本開示の特定の実施例は、本開示の範囲をこれらの特定の実施例に限定するものと解釈されるべきではない。他の場合には、本開示の実施形態を不必要に曖昧にすることを避けるために、周知の回路、制御信号、タイミングプロトコル及びソフトウェア動作を詳細に示していない。追加的に、「結合」及び「結合され」などの用語は、2つのコンポーネントが直接的又は間接的に電気的に結合され得ることを意味する。間接的に結合されるとは、2つのコンポーネントが1つ以上の中間コンポーネントを介して結合されることを意味する場合がある。
【0014】
本開示の態様は、人の健康又は疾患リスクに対する簡単、迅速、安全、安価、かつ完全で非侵襲的な判定を提供する。本明細書に記載のデバイスとシステムのユーザは、個人の健康又は疾患リスクを評価するために医師の診察に高価な費用を払うというより、むしろ静止中、運転中、運動中、又は他の標準的な電子デバイスとの対話(interacting with)中に、自分の画像又はビデオを簡単に取り込むことができ、健康又は様々な疾患リスクを評価し、かつ必要に応じてユーザに伝えることができる。
【0015】
一実施例では、健康又は疾患を予測する方法は、ユーザの1つの画像、1つのビデオ、又は一連の画像又はビデオを取り込むステップと、1つ以上の画像又はビデオに基づいて1つ以上の健康又は疾患の指標を検出するステップとを含んでもよい。一実施例では、画像又はビデオは、ユーザが電子デバイスと対話するときに取り込むことができ、ユーザが動くときに取り込むこともできる。一実施例では、画像又はビデオ取り込みデバイスは、家庭器具、標準的な電子デバイス、自動車、又は運動デバイスの一部としてのカメラ及び表示部を含む。別の実施例では、本開示のデバイスは、カメラと、プロセッサと、プログラミング命令を含むコンピュータ可読媒体と、を含み、プログラミング命令が実行されると、プロセッサが、機械学習モデルと、カメラによって取り込まれた被験者の1つ以上の画像又はビデオとを使用して、健康又は疾患の指標を検出する。
【0016】
ユーザが動いているか又は運動している場合、血流及び心拍数などの特定の生理学的過程(プロセス、processes)が変化し、それにより特定の健康又は疾患の指標が運動中に、より明確に現れる可能性がある。一実施例では、本明細書に記載のシステムは、例えば、血流及び心拍数の変化を示す人の皮膚の特定の領域における顔色の変化を検出することができる。運動中、一般的に、心拍数が増加し、血流も増加する。したがって、ユーザの運動又は他の動き中に、特定の生理学的過程を測定するか又は検出し、健康又は疾患の指標に関連付けることができる。ユーザ集団のトレーニングデータセットから抽出した人工知能アルゴリズムを使用した分析により、検出された生理学的異常又は収集された他の生体測定データが、健康、疾患、又は他の慢性疾患、例えば、心臓の健康又は疾患、糖尿病、脳卒中、又は他の健康、疾患及び状態又は生命徴候を示すかどうかを判断することができる。いくつかの実施例では、身体全体、顔、皮膚、血液、筋骨格モデルなど、身体又はユーザの任意の部分を使用して、健康又は疾患を判定するか又は予測することができる。
【0017】
一実施例では、本明細書に記載のシステムは、取り込まれたビデオによって、人の歩行を含む人の動きを識別し、分析するために使用することができる。いくつかの健康状態、例えば、人の片側の動きに影響を与える脳卒中は、人の歩行に影響を与える可能性がある。トレーニングデータセットによってトレーニングされた人工知能アルゴリズムを使用して、このような動きを分析して、そのような状態を検出し、予測することができる。
【0018】
本明細書に記載のデバイス及びシステムによって取り込み、分析することができる別の予測指標は、ユーザの立位姿勢及び動き姿勢を含む。人の運動中又は動き中に、画像又はビデオ取り込みデバイスは、人の姿勢を取り込むことができ、機械学習アルゴリズムは、そのような姿勢が特定の整形外科的異常、又は慢性的な痛みにつながる可能性のある他の状態、例えば、背中の問題、腰及び膝の問題などを示すかどうかを判断するために使用することができる。
【0019】
運動デバイス又は他の身体トレーニングデバイス、家庭器具、電子デバイス、又は自動車の一部である、本明細書に記載のデバイス及びシステムの例は、視覚的な健康又は疾患の指標に基づいて健康又は疾患を検出し予測するのに有利であり得る。運動デバイスを使用している人は、おそらく通常の運動ルーチンの一部として、運動のために動く動機付けがある。したがって、本明細書に記載のシステム及びデバイスは、医師又は他の医療専門家に個別に相談する必要なく、運動ルーチン中に人を検出し、予測し、更には診断することができる。むしろ、潜在的な健康、疾患又は慢性疾患について考えるか又は心配することなく、人は、定期的な運動ルーチンを実行するだけで、手間をかけずに分析を受けることができる。同様に、一般的な家庭用機器、電子デバイス、及び/又は自動車は、画像又はビデオ取り込みシステムを使用してユーザとユーザの生命徴候を監視し、機械学習モデルに提供して、潜在的な健康又は疾患の状態を予測することができる。
【0020】
更に、本開示のいくつかの実施例では、運動デバイスの一部であるシステム及びデバイス、例えば、運動ルーチンの命令などを伝達する表示画面を備えたエアロバイク(exercise bike)は、特定の健康又は疾患の指標が存在する場合、該指標を強化する特定の方式で動くか又は運動するようにユーザに指示するために利用できる。例えば、ユーザの皮膚の画像又はビデオを介して血流を分析することで得られるいくつかの健康又は疾患の指標は、ユーザが一定の期間にわたって特定の心拍数に達した後にのみ得られるか、又は少なくともより容易に明らかになる。このような場合、本開示のシステム及びデバイスを使用して、デバイス又は運動デバイスの表示部は、ユーザの心拍数又は状態を、対象となる健康又は疾患の指標を検出できるレベルまで高める特定の動き又は運動ルーチンを実行するようにユーザに指示することができる。同様に、一般的な家庭用機器、工具、又は自動車との一般的又は伝統的な対話(ストレス、平静、心拍数の上昇又は低下などを誘発するものなど)により、多くの場合、健康又は疾患の指標を検出するためにユーザの生命徴候の観察が強化される環境が提供される。
【0021】
追加的に、機械学習システムを含む、健康又は疾患リスクを取り込み、決定し、分析するシステムは、一般的な物体からの追加情報、例えば、個人通信デバイスのバック(back)カメラ又は同様の生命徴候収集システムを使用した脈拍数又は呼吸数の検出に由来する追加情報を受信して組み込むことができる。この追加情報を使用して、機械学習モデル及びシステムによって実行される、観察されて取り込まれた画像ベースの検出の精度を補足し強化することができる。身体寸法、身体組成、生命徴候の収集及び/又は推定の任意の組み合わせを機械学習モデル及びシステムへの入力として利用して、潜在的な健康又は疾患の状態を予測することができる。場合によっては、本システムによって推定された特定の健康又は疾患の状態に応じて、運動、睡眠、食事、姿勢、及び/又は投薬などの推奨事項を提供することができる。
【0022】
以下、これらの装置、方法及びシステムの詳細、ならびにそれらの利点をより詳細に開示する。例えば、図1は、画像又はビデオ取り込みシステム104及び表示システム102を含むデバイス又はシステム100を示す。画像又はビデオ取り込みシステム104は、画像又はビデオ取り込みシステム104の視野105内でユーザ10を観察するように構成された1つ以上のカメラ104a又は他のセンサ104bを含んでもよい。図示の例では、画像又はビデオ取り込みシステム104は、カメラ104a及び別のセンサ104bを含む。しかしながら、この例は、限定することを意味するものではなく、他の例は、図1に示されるカメラ及びセンサの数及び配置より多いか又は少ない画像又はビデオ取り込みシステムを含んでもよい。いずれの場合でも、画像又はビデオ取り込みシステム104は、ビデオ形式の一連の画像又はビデオを含む、ユーザ10の1つ以上の画像又はビデオを取り込むように構成されてもよい。本明細書に記載のシステム及びデバイスによって取り込まれた1つの画像又はビデオ、又は複数の画像又はビデオに言及する場合、「1つの画像又はビデオ」及び「複数の画像又はビデオ」という用語は、画像又はビデオ取り込みシステム104によって取り込まれたか又は記録された一連の画像又はビデオを構成するビデオ及びビデオ記録を含むことを意味する。
【0023】
少なくとも1つの実施例では、画像又はビデオ取り込みシステム104のカメラ104a及びセンサ104bは、システム100の他のコンポーネントとリンクすることができ、他のコンポーネントは、取り込まれた画像又はビデオ及びビデオを1つ以上の他のデバイス及びシステム、例えばインターネットサーバ又は他のリモートシステム及びデバイスに送信する。このような実施例では、画像又はビデオ取り込みシステムは、コンピューティングデバイス、又はインターネット又は他のネットワークを介して取り込まれたビデオ又は画像又はビデオを送信する他の送信デバイスに接続されたウェブカメラを含んでもよい。いくつかの実施例では、画像又はビデオ取り込みシステムは、インターネット又は他のネットワークへのアクセスが利用可能になった場合、取り込まれた画像又はビデオをローカルに記憶及び/又は処理した後、取り込まれた画像又はビデオを送信することができる。
【0024】
少なくとも一実施例では、画像又はビデオ取り込みシステム104は、ユーザが視野105内にいる場合、ユーザ10の画像又はビデオを視覚化して取り込むように構成される。画像又はビデオ取り込みシステム104は、ユーザ10が静止しているとき、又はユーザ10が例えば運動ルーチン中に動いているとき、画像又はビデオを視覚化して取り込むことができる。血流の変動による皮膚の艶(complexion)などを含むがこれに限定されない、本明細書に記載の特定の健康又は疾患の指標は、ユーザが動いているか又は静止しているとき、画像又はビデオ取り込みシステム104によって画像化されるか又はビデオ化されて取り込むことができる。説明を容易にするために、本例示的なシステム及び方法は、本明細書では、運動システムに含まれる画像又はビデオ取り込みシステム104の文脈内で記載されるが、このシステム及び方法は、家庭器具、バスルームのミラーなどの一般的な家庭用コンポーネント、家庭娯楽システム又は他の電子デバイス、自動車又は交通システム(transportation systems)などを含むがこれらに限定されない、機械学習モデルを使用して健康又は疾患の指標を分析し検出し得るために画像又はビデオを取り込む任意の数のシステムに組み込まれてもよい。
【0025】
一実施例では、図1のシステム100は、また、表示システム102を含んでもよい。表示システム102は、ユーザに情報を伝達する表示画面又は他の視覚表示コンポーネントを含んでもよい。表示システム102は、オーディオコンテンツをユーザ10に送信する1つ以上のスピーカを含んでもよい。一実施例では、表示システム102は、トレッドミル又はエアロバイクの表示画面などの運動デバイスの表示画面を含んでもよく、ユーザ10は、ライブフィードインストラクター(live-feed instructor)又は事前記録されたインストラクター(pre-recorded instructor)から命令を受け取る。いくつかの実施例では、表示システム102がその一部となり得る運動デバイスは、運動ルーチンの一部として、書面命令、又は他の視覚的若しくは音声命令をユーザ10、又はユーザに関連付けられた電子デバイスに伝達することができる。同様に、表示システム102が電気製品又はバスルームのミラーなどの一般的な家庭用品に統合される場合、家庭用品は、ユーザに関連付けられた個人用電子機器と通信できる送信機を含んでもよい。
【0026】
画像又はビデオ取り込みシステム104は、表示システム102が特定の方式で動くか又は運動するようにユーザ10に指示するとき、本明細書に説明される特定の健康又は疾患の指標の画像又はビデオを含む画像又はビデオを取り込むことができる。このような動き及び運動は、特定の対象の健康又は疾患の指標が現れる可能性を高めるために特別に調整することができる。代替的に又は追加的に、ユーザは、オンライン練習ビデオ及びインストラクター、又はライブストリーミング運動クラスに参加する他の人々のネットワークへの参加を含む、表示システム102によって出力される任意の数の運動ルーチン又は命令を自分で選択することができる。いずれの場合でも、ユーザが画像又はビデオ取り込みシステム104の視野105内で運動しているか又は動いているとき、画像又はビデオ取り込みシステム104は、特定の健康又は疾患の指標がユーザ10によって現れているかどうかを分析するために、他のシステムに送信するように画像又はビデオを取り込み、記録することができる。
【0027】
これらの考え方に従って、図1に示されるシステム100の一例は、画像又はビデオ取り込みシステム104及び/又は表示システム102に電気的に接続された追加のコンポーネントを含んでもよい。例えば、システム100は、システム100に本明細書に記載の機能を実行させることができる、1つ以上のプロセッサ107、1つ以上のメモリコンポーネント109、1つ以上のアンテナ又は他の送信機/受信機コンポーネント111、及び1つ以上の他のコンポーネント113又は回路基板などを含む電気回路を含んでもよい。
【0028】
少なくとも一実施例では、図1に示されるシステム100は、トレッドミル、エアロバイク、重量挙げマシン、又は任意の他の運動デバイス若しくは個人用デバイスを含むがこれらに限定されない運動デバイスの一部であり得、それによりユーザ10の少なくとも一部が視野105内に入り、動き中及び運動中にシステム100と対話する。一実施例では、システム100は、トレッドミル又はエアロバイクの制御パネル又はダッシュボードに統合することができる。別の実施例では、システム100は、それに取り付けられた1つ以上の重量挙げ機構、例えば、1つ以上の加重ケーブル、滑車システム、抵抗アーム、引上げバー、又はジム若しくは家庭で一般的に見られる他の運動機構若しくはデバイス及び機械を含んでもよい。
【0029】
前述したように、家庭器具、バスルームのミラーなどの一般的な家庭用コンポーネント、家庭娯楽システム及び他の電子デバイス、自動車又は交通システムなどに統合される場合、システム100は、家庭器具、機構、娯楽システム、個人電子デバイス、又は自動車の任意のディスプレイ又は制御パネルに統合することができる。
【0030】
一実施例では、図2に示すように、システム又はデバイス200は、表示画面202を有する運動表示デバイスなどの運動デバイスを含んでもよい。いくつかの実施例では、運動表示画面は、運動中のユーザの画像又はビデオ12を反射するミラー又は部分反射部をオーバーレイ(overlay)することができる。このようなデバイス200は、運動ミラー又はフィットネスミラーと呼ばれてもよい。いくつかの実施例では、デバイスに反射されるユーザ10の画像又はビデオ12は、表示画面202から投影される他の視覚表示とオーバーレイするか又は組み合わせることができる。フィットネスインストラクター、ビデオ、視覚的な運動命令などを含むオーバーレイ画像又はビデオは、そのようなデバイス200から生成されてもよい。更に、デバイス200の一例は、図1のシステム100を参照して記載したものと同様の画像又はビデオ取り込みシステム204を含んでもよい。
【0031】
デバイス200は、プロセッサ、アンテナ、メモリコンポーネント、スピーカ、ディスプレイコンポーネント、又は当技術分野で一般に知られ、本明細書に記載のデバイス200の機能に必要な他の任意のコンポーネントを含む、図1のシステム100を参照して記載した任意の機構又はコンポーネントを単独で又は任意の組み合わせで含んでもよい。
【0032】
図2に示されるデバイス200を使用して、ユーザは、反射された画像又はビデオ12を通じて自分の動きを分析し、運動ルーチン及び命令が適切に守られることを確認することができる。これは、デバイス200を介して伝達され得る特定の動き及び運動を適切に実行するようにユーザに指示するのに有利であり、特定の動き及び運動は、本明細書に記載されるように、関心のある特定の健康又は疾患の指標の発現を促進するか又は引き起こす。
【0033】
血流などの一部の指標は、マイクロピクセルレベルでの画像又はビデオ処理に基づいて、1つ以上のカメラ画像又はビデオから抽出されてもよい。図1及び図2に示される例と同様に、画像又はビデオ取り込みシステム304は、ユーザの顔の画像又はビデオを取り込み、取り込まれた顔の画像又はビデオから血流を検出するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、ユーザ対話及び表示システム302は、図1及び2の例で記載したものと同様に、血流の取り込み/検出中にユーザをガイドするように構成されてもよい。いくつかの実施例では、血流及び/又は他の生理学的特徴、並びに健康又は疾患の指標は、顔の画像又はビデオ、部分的な顔の画像又はビデオ、又は人体の他の部分の画像又はビデオから検出されてもよい。抽出された生理学的指標及び特徴は、図1及び図2に示される例で同様に記載されるように、心臓の健康又は疾患関連指標を生成するために、健康又は疾患リスクモデル310に提供されてもよい。
【0034】
個人通信デバイスのバックカメラ又は同様の生命徴候収集システムを使用した脈拍数又は呼吸数の検出などに由来する追加情報は、任意の数の組み合わせで健康又は疾患リスクモデル310に提供されてもよい。この追加情報は、観察されて取り込まれた画像ベースの検出の精度を補足し強化するために使用することができ、健康又は疾患リスクモデル310の精度を向上させることができる。身体寸法、身体組成、生命徴候の収集及び/又は推定の任意の組み合わせを健康又は疾患リスクモデル310への入力として利用して、潜在的な健康又は疾患の状態を予測することができる。場合によっては、本システムによって推定された特定の健康又は疾患の状態に応じて、運動、睡眠、食事、姿勢、及び/又は投薬などの推奨事項を提供することができる。
【0035】
図3は、本明細書に記載のデバイスによって収集されて送信されたデータ及び画像/ビデオを使用して、人の健康又は疾患リスクを評価するシステムのブロック図である。本明細書に記載されるように、健康又は疾患リスクを評価するステップは、健康又は疾患の指標を検出するステップと、初期の健康又は疾患の指標又はリスク因子に基づいて健康又は疾患を予測するステップと、を含んでもよい。健康又は疾患リスク評価システム300は、それぞれ図1図2のシステム100とシステム200のコンポーネントと同様の1つ以上のコンポーネントを含んでもよい。例えば、ユーザ対話及び表示システム302と画像又はビデオ取り込みシステム304は、ユーザ対話及び表示システム102と画像又はビデオ取り込みシステム104と同様であってもよく、その説明を繰り返さない。いくつかの実施例では、システム300は、画像又はビデオ取り込みシステム304から取り込まれた画像又はビデオから生体測定データ及び健康又は疾患の指標を抽出するように構成された指標抽出システム306を含んでもよい。健康又は疾患の指標の例としては、血流、3D体型及び体型指標、身体寸法(仮想的又は物理的に検出される)、動き及び歩行分析、生命徴候(心拍数、体温、血圧、呼吸数又は呼吸速度など)、並びに図1の例を参照して前述した他の指標が挙げられてもよい。健康又は疾患の指標は、また、心臓の健康又は疾患に関連付けられたバイオマーカーを含んでもよい。少なくとも一実施例では、単一の健康又は疾患リスクモデル310を使用して、複数の健康又は疾患の指標を個別に又は組み合わせて評価することができる。
【0036】
健康又は疾患リスクモデル310は、機械学習ネットワークによってユーザの画像又はビデオからトレーニングされてもよい。例えば、健康又は疾患リスクモデルは、健康又は疾患リスクモデルトレーニングシステム及びその関連データセットによってトレーニングされてもよい。いくつかの実施例では、健康又は疾患リスクモデルは、ユーザの画像又はビデオ(及び/又はユーザデータ)と様々な健康又は疾患の指標との間の関係を表す重量及び/又はパラメータを含んでもよい。これらの指標/パラメータは、トレーニングデータセットの集合から学習される。健康又は疾患リスクモデルのトレーニングについては、図4を参照して更に詳細に説明する。
【0037】
追加的に及び/又は代替的に、指標抽出システム306は、上述したように、一連の画像又はビデオを含む、ユーザの取り込まれた画像又はビデオから生理学的特徴及び健康又は疾患の指標を直接的に抽出することもできる。例えば、血流などの一部の指標は、マイクロピクセルレベルでの画像又はビデオ処理に基づいて、1つ以上のカメラ画像又はビデオから抽出されてもよい。図1の実施形態と同様に、画像又はビデオ取り込みシステム304は、ユーザの顔の画像又はビデオを取り込み、取り込まれた顔の画像又はビデオから血流を検出するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、ユーザ対話及び表示システム302は、図1の例で記載したものと同様に、血流の取り込み/検出中にユーザをガイドするように構成されてもよい。いくつかの実施例では、血流及び/又は他の生理学的特徴、並びに健康又は疾患の指標は、顔の画像又はビデオ、部分的な顔の画像又はビデオ、又は人体の他の部分の画像又はビデオから検出されてもよい。抽出された生理学的特徴及び健康又は疾患の指標は、図1の実施形態で同様に記載されるように、心臓の健康又は疾患に関連付けられた指標を生成するために、健康又は疾患リスクモデル310に提供されてもよい。指標抽出システム306は、また、実際の脈拍数又は呼吸数、身体寸法及び身体組成などの、ユーザに関する感知されたか又は検出された情報を収集することができ、それらの任意の組み合わせを使用して、前述した指標を補足するのに役立つことができる。
【0038】
いくつかの実施例では、システム300は、指標抽出システム306から、3D体型、体型指標、身体寸法(仮想的又は物理的に検出される)、動き及び歩行の分析、生命徴候(心拍数、体温、血圧、呼吸数又は呼吸速度など)、身体組成指標、及び他の疾患関連のバイオマーカーなどの指標を受信するように構成された健康又は疾患リスク評価システム314を含んでもよい。健康又は疾患リスク評価システム314は、抽出された健康又は疾患の指標を使用して、1つ以上の健康又は疾患リスク値を生成することができる。例えば、健康又は疾患リスク値は、2型糖尿病リスクなどの糖尿病リスク、肥満リスク、中心性肥満リスク、心血管疾患リスク、心臓発作リスク、及び脳卒中リスクを表す複数の値を含んでもよい。いくつかの実施例では、次に、リスク値を使用して、食事の変化、推奨される運動、修正される睡眠習慣、可能な薬物療法などの推奨される行動方針を提供することができる。
【0039】
図4は、本開示に記載のいくつかの実施例に係る、機械学習ネットワークを使用して人の健康又は疾患リスクを評価する例示的なプロセスである。いくつかの実施例では、例示的なプロセス400は、図3の健康又は疾患リスク評価システム300で実装されてもよい。図4に示すように、プロセス400は、予測プロセス410を含んでもよい。予測プロセス410は、動作402においてユーザの画像又はビデオを取り込むステップ、動作404において健康又は疾患の指標を抽出するステップ、及び/又は動作406においてユーザデータを受信するステップ、を含んでもよい。動作402は、運動中に、又は電気製品若しくは他の物品と対話しながら動いているユーザの複数の画像又はビデオを含む静止画像又はビデオなどのユーザの1つ以上の画像又はビデオを取得するために、図1に示される画像又はビデオ取り込みシステム104で実行されてもよい。ユーザの画像又はビデオは、顔の画像又はビデオ、上半身の画像又はビデオ、及び/又は全身の画像又はビデオであってもよい。取り込まれると、予測プロセス410は、画像及び/又はビデオを使用して、実際の指標を検出し、及び/又はユーザの身体寸法、身体組成、及び生命徴候値(脈拍数又は呼吸数など)を決定することができる。追加的に、ユーザデータを受信することができる(動作406)。ユーザデータには、ユーザの年齢、体重、国籍、性別などの、ユーザによって確認し提供できる定量化可能な値、及び/又は検出された脈拍数、呼吸数、血圧、体温などの検査で収集可能な情報を含んでもよい。これらの要素(要因、factors)を任意に組み合わせて使用し、ユーザデータとしてシステムに提供することができる。
【0040】
プロセス400は、機械学習モデル408をトレーニングするトレーニングプロセス420を更に含んでもよい。いくつかの実施例では、プロセス420は、動作402’においてユーザの画像又はビデオを取得するステップと、動作404’において健康又は疾患の指標を抽出するステップと、動作406’においてユーザデータを取得するステップと、を含んでもよい。プロセス420は、動作422において、動作402’、404’、及び/又は406’における画像又はビデオ/指標/データを使用して、機械学習モデルをトレーニングすることができる。動作402’において取得されたユーザの画像又はビデオが動作402において取り込まれたユーザの画像又はビデオとは異なり、動作406’において取得されたユーザデータが動作406において取得されたユーザデータとは異なることを除いて、プロセス402’、404’及び406’は、それぞれプロセス402、404及び406と同じ方法で実行されてもよい。
【0041】
非限定的な実施例では、動作402’において、トレーニングデータセットからユーザの画像又はビデオを検索することができる。例えば、トレーニングデータセットは、トレーニングデータセットに関連付けられたグラウンドトゥルースデータ(ground truth data)とともに、以前に取り込まれたか又は収集されたユーザのトレーニング画像又はビデオの集合及び/又はユーザのトレーニングデータの集合を含んでもよい。グラウンドトゥルースデータは、グラウンドトゥルース健康又は疾患の指標、又は他の生体測定特徴(biometric features)及びデータを含んでもよい。
【0042】
いくつかの実施例では、トレーニングデータは、それぞれが被験者(subject)のグループ中の被験者から収集された複数のセットを含んでもよく、各セットは、対応するグラウンドトゥルースデータを含有する。いくつかの実施例では、動作422において、機械学習ネットワークをトレーニングして、収集されたトレーニングデータに基づいて機械学習モデル408を生成してもよい。いくつかの実施例では、トレーニングプロセス422は、被験者のグループから収集されたトレーニングデータに基づいて単一の機械学習モデル408を生成してもよい。収集されたデータは、機械学習モデルの重みとパラメータを変更するために使用されてもよい。
【0043】
いくつかの他の実施例では、トレーニングプロセス422は、複数の機械学習モデル408を生成してもよく、それぞれの機械学習モデル408は、被験者のサブグループ又は単一の被験者からのトレーニングデータに基づくものである。例えば、トレーニングプロセスは、民族集団、性別、年齢、身長、又は職業、教育などの他の人口統計的尺度により分割されたトレーニング被験者のサブグループに対して機械学習モデルを生成してもよい。したがって、機械学習モデル408は、典型的な身体特徴のセットを有する1つ以上のモデルを含んでもよい。したがって、機械学習モデル408は、1つ以上の健康又は疾患リスクモデル(例えば、図3の310)を含んでもよい。プロセス410に戻ると、健康又は疾患リスクを評価する動作は、プロセス420により学習して得られた機械学習モデル408を使用して実行されてもよい。
【0044】
プロセス410は、動作412において、動作404、406において抽出された指標の任意の組み合わせに基づいて、機械学習モデル408を使用して健康又は疾患の指標を予測するステップを更に含んでもよい。いくつかの実施例では、動作412は、図3の指標抽出システム306で実装されてもよい。図3に示される例に関して説明したように、予測される健康又は疾患の指標は、2D及び/又は3Dの体型、身体寸法、体型、身体組成の特徴(例えば、体積、体脂肪、骨密度、又は他の指標)、生命徴候(体温、血圧、脈拍数又は心拍数、呼吸数など)、脳卒中指標、心臓の健康又は疾患の指標、並びに本明細書で説明された任意の他の健康又は疾患の指標、又は他の生体測定データ及びバイオマーカーを含んでもよい。したがって、機械学習モデル408は、ユーザのトレーニング画像又はビデオ/ユーザのトレーニングデータと、様々な健康又は疾患の指標との間の関係を含んでもよい。
【0045】
いくつかの他の実施例では、トレーニングプロセス422は、複数の機械学習モデル408を生成してもよく、それぞれの機械学習モデル408は、被験者のサブグループ又は単一の被験者からのトレーニングデータに基づくものである。例えば、トレーニングプロセスは、民族集団、性別、年齢、身長、又は職業、教育などの他の人口統計的尺度により分割されたトレーニング被験者のサブグループに対して機械学習モデルを生成してもよい。
【0046】
それぞれ図1のシステム100と図3のシステム300に戻ると、システムは、トレーニングデータに基づいて1つ以上の機械学習モデルをトレーニングし最適化するトレーニングシステムを含んでもよい。トレーニングデータは、ユーザの画像又はビデオデータベース、ボディスキャンデータベース、及び/又は医用画像又はビデオデータベースから取得されてもよい。いくつかの実施例では、システムは、人体の代表的な3D体型モデルをトレーニングするように構成されてもよい。非限定的な実施例では、3D体型モデルは、複数の2D画像又はビデオから直接的に生成するか又は外挿することができる複数の3D体型パラメータを含んでもよい。3D体型パラメータの例としては、身長、体重、胸囲、寸法、身体組成など、又は人の体型に関連付けられた追加パラメータが挙げられてもよい。非限定的な実施例では、3D体型パラメータは、15個のパラメータを含んでもよい。皮膚の色、瞳孔及び目の測定値、色、姿勢、歩行情報、呼吸数、脈拍数、他の生命徴候などを含む、他の適切な数のパラメータを含む可能性もある。
【0047】
いくつかの実施例では、システムは、ユーザの画像又はビデオ、例えば画像又はビデオ取り込みシステム104から取り込まれた画像又はビデオから人体の2D関節モデルをトレーニングするように構成されてもよい。2D関節モデルは、2D領域の人体の複数の関節を含んでもよく、機械学習モデルのトレーニングに使用されてもよい。例えば、システムは、2D関節モデルからの情報を使用して、人体の3D体型モデルを取得してもよい。システムは、また、ユーザがユーザ対話及び表示システム(例えば、図1の102及び図3の302)を介して入力し得る、ユーザの年齢、体重、性別、民族集団などの他の情報を使用してもよい。いくつかの実施例では、関節モデルは、骨格関節の位置を表す複数のパラメータを含んでもよい。したがって、2D関節モデルのトレーニングは、米国特許第9949697号に教示されているように、2D関節モデルのパラメータのトレーニングを含み、その開示内容は、すべて参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0048】
いくつかの実施例では、システムは、(例えば、図1の画像又はビデオ取り込みシステム104から)取り込まれたユーザの画像又はビデオを受信し、受信された画像又はビデオを使用して、機械学習ネットワークを介して(2D領域において)身体の関節を推定してもよい。システムは、2D関節モデル内の関節を接続し、続いて画像又はビデオを拡張することにより、トレーニングされた2D関節モデルから人体の輪郭を取得してもよい。輪郭は、ユーザの2D表現の外部境界を規定する。
【0049】
図1及び図3に戻ると、システムは、ユーザの身体ヒートマップ閾値をトレーニングするように構成されてもよい。ユーザの身体ヒートマップは、ボディスキャンパラメータの視覚的表現を含んでもよい。例えば、ユーザの身体ヒートマップは、人体の体脂肪及び/又は骨密度(bone mineral density)の表現を含んでもよい。
【0050】
いくつかの実施例では、身体ヒートマップは、ボディスキャンデータベース内のボディスキャンパラメータに基づいて生成されてもよい。システムは、ヒートマップを生成し、閾値に応じて1つ以上の色でボディスキャンパラメータ(体脂肪、骨密度など)を表示することができる。いくつかの実施例では、システムは、機械学習モデルをトレーニングしてヒートマップの閾値を学習し、トレーニングされた機械学習モデルを使用して、取り込まれたユーザの画像又はビデオから将来の人体のヒートマップを予測することができる。いくつかの実施例では、ヒートマップ閾値のトレーニングは、個人ベースで実行されてもよく、これにより、システムが個人の経時的な身体パラメータを監視/推定することができる。
【0051】
図1図4に記載のシステム及びプロセスで使用される機械学習モデルの例としては、U-net、V-net、又は他の機械学習モデルが挙げられてもよい。追加的に及び/又は代替的に、機械学習モデルは、VGG-16又は他のCNNなどの適切な畳み込み(convolution)ニューラルネットワーク(CNN)を含んでもよい。いくつかの実施例では、機械学習モデルは、ユーザの画像又はビデオと医用画像又はビデオから、これらの2種類の画像又はビデオのコレジストレーション(co-registration)を介して学習することがでる。
【0052】
図5は、システム100(図1)とともに使用され得るか又はこのシステムの1つ以上のコンポーネントに統合され得るコンピューティングデバイスの簡略化されたブロック構造を示す。例えば、画像又はビデオ取り込みシステム104、304、ユーザ対話及び表示システム102、302、バイオマーカー抽出システム106、108、特徴抽出システム308、及び/又はシステム100、300内の他のコンポーネント(図1及び図3)は、図5に示す1つ以上のコンポーネントを含んでもよく、1つ以上のブロックを実装するか、又は図1図4に開示される1つ以上のコンポーネント又は動作を実行するために使用されてもよい。図5において、コンピューティングデバイス1100は、1つ以上の処理要素1102、入出力インタフェース1104、ディスプレイ1106、1つ以上のメモリコンポーネント1108、ネットワークインタフェース1110及び1つ以上の外部デバイス1112を含んでもよい。様々なコンポーネントのそれぞれは、1つ以上のバス、無線手段などを介して相互に通信することができる。
【0053】
処理要素1102は、命令を処理、受信及び/又は送信できる任意のタイプの電子デバイスであってもよい。例えば、処理要素1102は、中央処理装置、マイクロプロセッサ、プロセッサ又はマイクロコントローラであってもよい。追加的に、コンピュータ1100の一部のコンポーネントは、第1プロセッサにより制御されてもよく、他のコンポーネントは、第2プロセッサにより制御されてもよく、第1プロセッサと第2プロセッサが相互に通信しても、通信しなくてもよいことに留意されたい。
【0054】
メモリコンポーネント1108は、処理要素1102に対する命令を記憶するだけでなく、機械学習モデル及び/又はトレーニング画像又はビデオ又はトレーニングデータなどのデータを記憶するためにコンピュータ1100によって使用される。メモリコンポーネント1108は、例えば、光磁気記憶装置、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、消去可能プログラマブルメモリ、フラッシュメモリ、又は1つ以上のタイプのメモリコンポーネントの組み合わせであってもよい。
【0055】
ディスプレイ1106は、ユーザにオーディオ及び/又は視覚的ガイダンスを提供し、例えば、ユーザの1つ以上の画像又はビデオを取り込むときにユーザをガイドするために骨格又は他の視覚的表現を表示するか、ユーザ対話及び表示システム102、302(図1及び図3)で実装できる他の視覚的表現を表示する。任意選択で、ディスプレイ1106は、ユーザがコンピューティングデバイス1100の様々なコンポーネントを制御、操作及び校正できるようにする入力要素として機能してもよい。ディスプレイ1106は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、及び/又は他の適切なディスプレイであってもよい。ディスプレイ1106が入力部として使用される実施形態では、ディスプレイは、1つ以上のタッチセンサ又は入力センサ、例えば容量性タッチセンサ、抵抗グリッドなどを含んでもよい。
【0056】
I/Oインタフェース1104は、ユーザがコンピュータ1100にデータを入力することを可能にし、コンピュータ1100が他のデバイス又はサービスと通信するための入出力を提供する。I/Oインタフェース1104は、1つ以上の入力ボタン、タッチパッドなどを含んでもよい。
【0057】
ネットワークインタフェース1110は、コンピュータ1100と他のデバイスとの間の通信を提供する。例えば、ネットワークインタフェース1110は、システム100(図1)が通信ネットワークを介してシステム内の様々なコンポーネントと通信することを可能にする。ネットワークインタフェース1110は、1つ以上の通信プロトコル、例えば、Wi-Fi(登録商標)、イーサネット(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)などを含むが、これらに限定されない。ネットワークインタフェース1110はまた、1つ以上の配線コンポーネント、例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルなどを含んでもよい。ネットワークインタフェース1110の構成は、所望の通信のタイプに依存し、Wi-Fi、ブルートゥースなどを介して通信するように変更されてもよい。
【0058】
外部デバイス1112は、コンピューティングデバイス1100に様々な入力を提供するために使用できる1つ以上のデバイス、例えばマウス、マイク、キーボード、トラックパッドなどである。外部デバイス1112は、ローカルであってもよく、リモートであってもよく、要望に応じて変化することができる。いくつかの実施例では、外部デバイス1112は、健康又は疾患リスク評価を取得するために使用できる1つ以上の追加のセンサを含んでもよい。
【0059】
前述の説明は、広範な適用を有する。例えば、本明細書に開示された実施例が中央通信システムに重点を置くが、本明細書に開示された概念は、分布型(distributed)システム、中央型(central)システム若しくは分散型(decentralized)システム、又はクラウドシステムなどの他のシステムにも同様に適用できることを理解されたい。例えば、機械学習モデル(例えば、図1の110、図3の310)又は他のコンポーネントは、クライアント/サーバシステムにおけるサーバに存在することができる。機械学習モデルはまた、ネットワーク上の任意のデバイス、例えば携帯電話に存在し、分散型方式で動作することができる。機械学習モデル又はその一部はまた、仮想マシン(VM)コンピューティング環境内のコントローラVM又はハイパーバイザに存在することができる。したがって、システム100、300(図1及び図3)における1つ以上のコンポーネントは、精度及び処理速度の点で最適な性能を達成するために様々な構成で実装することができる。したがって、本開示は、様々なシステム及び方法の実施例を提供するためのものに過ぎず、特許請求の範囲を含む本開示の範囲がこれらの実施例に限定されることを示唆するものではない。
【0060】
図1図5に記載の様々な実施形態は、所定の場所に高価な機器を必要とせずに、携帯電話又は他の画像又はビデオ取り込みデバイスから取り込まれたユーザの画像又はビデオに基づいてユーザの健康又は疾患リスクを評価する上で、利点を提供する。評価システムにおける様々な機械学習モデルのトレーニング及び使用は、高精度を達成する上で、利点を提供する。追加的に、健康又は疾患リスクが決定されると、運動、食事の変化、睡眠若しくは休息の推奨事項、及び/又は医療及び薬学的治療を含む、推奨される動作は、システムによって決定されて、ユーザに推奨される。
【0061】
以上から理解されるように、本開示の特定の実施形態が説明のために本明細書に記載されているが、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく様々な修正を行うことができる。したがって、本開示の範囲は、本明細書に記載される特定の実施形態のいずれにも限定されるべきではない。
【0062】
上記詳細の説明に記載される実施形態、実施例又は構成のそれぞれは、他の独立した実施例に基づくものを含む、本開示に説明された特徴、オプション及び可能性のいずれかを含んでもよく、本開示及び図面に説明された特徴、オプション及び可能性のいずれかの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0063】
冠詞「a」、「an」及び「the」は、前述の説明に1つ以上の要素があることを意味することを意図している。「含む(comprising)」、「含み(including)」及び「有する(having)」という用語は、包括的であることを意図しており、挙げられた要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。追加的に、本開示の「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、記載された特徴を組み込んだ追加の実施形態の存在を排除すると解釈されることを意図していないことを理解されたい。本明細書に記載される数値、パーセンテージ、比率又は他の値は、本開示の実施形態に包含される技術分野における通常のスキルを有する当業者によって理解されるように、その値を含み、「約」又は「およそ」記載される値である他の値も含むことを意図している。したがって、記載される値は、所望の機能を実行するか又は所望の結果を達成するために記載される値に少なくとも十分に近い値を包含するように、十分に広く解釈されるべきである。記載される値は、適切な製造又は生産プロセスで予想される変動を少なくとも含み、記載される値の5%以内、1%以内、0.1%以内又は0.01%以内の値を含んでもよい。
【0064】
当業者は、同等の構造物が本開示の精神及び範囲から逸脱しないことと、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に開示された実施形態に対して様々な変更、置換及び改変を行うことができることとを、本開示を考慮して理解すべきである。機能的な「ミーンズ・プラス・ファンクション」(means-plus-function)項目を含む同等の構造物は、同じ方法で動作する構造的同等物と、同じ機能を提供する同等の構造との両方を含む、記載される機能を実行するものとして本明細書に記載される構造を網羅することを意図している。請求項が関連する機能とともに「手段」という言葉を使用している場合を除き、請求項のいずれかについてもミーンズ・プラス・ファンクション又は他の機能的なクレームを行わないことが、出願人の明示的な意図である。特許請求の範囲の意味及び範囲にある実施形態に対する全ての追加、削除及び修正は、特許請求の範囲に包含されるものとする。
【0065】
本明細書に使用される場合、「およそ」、「約」及び「実質的に」という用語は、依然として所望の機能を実行するか又は所望の結果を達成するために記載される量に近い量を表す。例えば、「およそ」、「約」及び「実質的に」という用語は、記載される量の5%以下、1%以下、0.1%以下、0.01%以下の範囲の量を意味し得る。更に、前述の説明における方向又は基準系は、相対的な方向又は動きに過ぎないことを理解されたい。例えば、「上(up)」及び「下(down)」、又は、「上方(above)」又は「下方(below)」への言及は、関連する要素の相対的な位置又は動きを説明するためのものに過ぎない。
【0066】
以上から理解されるように、本開示の特定の実施形態が説明のために本明細書に記載されているが、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく様々な修正を行うことができる。したがって、本開示の範囲は、本明細書に記載される特定の実施形態のいずれにも限定されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】