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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】カメラによる被検体位置検出
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20240925BHJP
【FI】
A61B5/055 370
A61B5/055 390
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513680
(86)(22)【出願日】2022-09-05
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 EP2022074597
(87)【国際公開番号】W WO2023036729
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】21195748.5
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【弁理士】
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】クルーガー サーシャ
(72)【発明者】
【氏名】セネガス ユリアン トーマス
【テーマコード(参考)】
4C096
【Fターム(参考)】
4C096AB46
4C096AD19
4C096EA07
4C096FB01
4C096FB02
4C096FC09
(57)【要約】
本明細書では、機械実行可能命令を記憶するメモリと、解剖学的キーポイントロケータモジュールとを備える医用システムが開示される。解剖学的キーポイントロケータモジュールは、被検体を示すカメラ画像の受信に応答して、被検体の解剖学的キーポイント座標のセットを出力するように構成される。医用システムは、計算システムをさらに備える。機械実行可能命令の実行は計算システムに、カメラ画像を受信することと、カメラ画像を解剖学的キーポイントロケータモジュールに入力することに応答して解剖学的キーポイント座標のセットを受信することと、座標のリストを受信することと、座標のリストを検索することと、解剖学的キーポイント座標のセットとの一致を決定するために座標のリストを検索することと、一致が決定される場合に警告信号を提供することとを行わせる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用システムであって、
機械実行可能命令を記憶するメモリと、解剖学的キーポイントロケータモジュールであって、前記解剖学的キーポイントロケータモジュールは、被検体を示すカメラ画像を受信することに応答して、前記被検体の解剖学的キーポイント座標のセットを出力するように構成される、解剖学的キーポイントロケータモジュールと、
少なくとも部分的に撮像ゾーン内の被検体から医用撮像データを取得するように構成される医用撮像システムであって、前記医用撮像システムは磁気共鳴撮像システムを備える、医用撮像システムと、
少なくとも部分的に前記撮像ゾーン内の被検体を支持するように構成される被検体支持部と、
前記被検体支持部上の被検体を示すカメラ画像を取得するように構成されるカメラシステムと、
計算システムであって、前記機械実行可能命令の実行は前記計算システムに、
前記カメラシステムを制御して前記カメラ画像を取得するステップと、
前記カメラ画像を受信するステップと、
前記カメラ画像を前記解剖学的キーポイントロケータモジュールに入力するステップに応答して、前記解剖学的キーポイント座標のセットを受信するステップと、
座標のリストを受信するステップであって、前記座標のリストは、一つ又はそれより多くの導電性ボディループを規定するように構成される、ステップと、
前記座標のリストを探して、前記解剖学的キーポイント座標のセットとの一致を決定するステップと、
前記一致が決定される場合、警告信号を提供するステップと
を実行させる、計算システムと
を有する、医用システム。
【請求項2】
前記座標のリストは、前記解剖学的キーポイント座標のセットの間の相対的変化として規定される身体姿勢を備え、前記座標のリストを探して前記解剖学的キーポイント座標のセットとの一致を決定するステップは、前記解剖学的キーポイント座標のセットを使用して前記座標のリスト内の複数の身体姿勢から選択される身体姿勢を検出するステップを備え、前記身体姿勢が検出される場合、前記機械実行可能命令の実行はさらに前記計算システムに、前記警告信号を提供させる、請求項1に記載の医用システム。
【請求項3】
前記座標のリストは、前記解剖学的キーポイント座標のセットのメンバの間の相対的変化として規定される身体姿勢を有し、前記解剖学的キーポイント座標のセットを用いて前記座標のリスト内の複数の身体姿勢から選択される身体姿勢を検出するステップは、
前記解剖学的キーポイント座標のセットのメンバの間の相対的変化を決定するステップと、
前記身体姿勢に対して前記解剖学的キーポイント座標のセットのメンバの間の相対的変化を比較するステップと
を有する、請求項2に記載の医用システム。
【請求項4】
前記カメラ画像は3次元の表面画像を有し、前記身体姿勢の検出は、四肢位置を検出するために前記3次元の表面画像を用いて少なくとも部分的に実行され、前記身体姿勢の検出は、異なる身体姿勢を各々描く所定の表面画像のセットに前記3次元の表面画像を一致させることによって、四肢位置を検出するために3次元の表面画像を用いて少なくとも部分的に実行される、請求項1.2、又は3に記載の医用システム。
【請求項5】
前記解剖学的キーポイント座標のセットは、一つ又はそれより多くの付属体キーポイント座標を備え、前記機械実行可能命令の実行は前記計算システムに、前記一つ又はそれより多くの付属体キーポイント座標から付属体座標の範囲を計算させ、前記座標のリスト内の身体姿勢から選択される前記身体姿勢の検出は、前記付属体座標の範囲を使用して実行される、請求項2、3、又は4に記載の医用システム。
【請求項6】
前記一つ又はそれより多くの付属体キーポイント座標は、前記被検体の付属体上に位置されるキーポイント座標であり、及び/又は前記付属体座標の範囲は、前記付属体キーポイント座標のための許容可能な動きの所定の範囲を使用して決定される、請求項5に記載の医用システム。
【請求項7】
前記医用撮像システムは、コンピュータ断層撮影システム、陽電子放出断層撮影システム、単一光子放出断層撮影システム、及び画像誘導放射線治療システムのうちの何れか1つをさらに備える、請求項1乃至6の何れか一項に記載の医用システム。
【請求項8】
前記警告信号が提供される場合、前記機械実行可能命令の実行は前記計算システムに、
前記座標のリストと前記解剖学的キーポイント座標のセットとの間の一致を示すオーバーレイで前記カメラ画像のレンダリングを提供するステップと、
音響警告信号を提供するステップと、
警告メッセージをディスプレイにレンダリングするステップと、
前記医用撮像データの取得を無効にするステップと、
それらの組み合わせと
のうちの何れか1つのステップをさらに実行させる、請求項1乃至7の何れか一項に記載の医用システム。
【請求項9】
前記座標のリストは、挿入衝突、禁止手位置、禁止足位置、医用装置位置、被検体支持ピンチポイント、及びそれらの組み合わせのうちの何れか1つを規定するように構成される、請求項1乃至8の何れか一項に記載の医用システム。
【請求項10】
前記解剖学的キーポイントロケータモジュールは、前記被検体支持部上で前記被検体の画像を受信することに応答して、前記少なくとも1つの解剖学的キーポイント座標の各々に対して別個の解剖学的キーポイント座標確率マップを出力するように構成されるニューラルネットワークを備え、前記機械実行可能命令の実行は前記計算システムに、
前記ニューラルネットワークに前記画像を入力することに応答して、前記別個の解剖学的キーポイント座標確率マップを受信するステップと、
前記解剖学的キーポイント座標のセットの各々に対して前記別個の解剖学的キーポイント座標確率マップから前記解剖学的キーポイント座標のセットを計算するステップと
をさらに実行させる、請求項1乃至9の何れか一項に記載の医用システム。。
【請求項11】
前記座標のリストは、前記メモリに記憶される座標の所定のリストを有する、請求項1乃至10の何れか一項に記載の医用システム。
【請求項12】
前記一つ又はそれより多くの導電性ボディループは、前記被検体のRF加熱をもたらすことができる前記被検体の身体内の導電性ループであり、及び/又は前記座標のリストは、前記解剖学的キーポイント座標のセットの2つ又はそれより多くの間の相対座標を規定する、請求項1乃至11の何れか一項に記載の医用システム。
【請求項13】
医用撮像の方法であって、前記方法は、
カメラ画像を取得するためのカメラシステムを制御するステップであって、前記カメラ画像は被検体支持部上の被検体を示し、前記被検体支持部は少なくとも部分的に医用撮像システムの撮像ゾーン内の前記被検体を支持するように構成され、前記医用撮像システムは少なくとも部分的に前記撮像ゾーン内の前記被検体から医用撮像データを取得するように構成され、前記医用撮像システムは磁気共鳴撮像システムを備える、ステップと、
前記カメラ画像を受信するステップと、
解剖学的キーポイントロケータモジュールに前記カメラ画像を入力するステップに応答して解剖学的キーポイント座標のセットを受信するステップであって、前記解剖学的キーポイントロケータモジュールは、前記被検体を示すカメラ画像を受信するステップに応答して前記被検体の解剖学的キーポイント座標のセットを出力するように構成される、ステップと、
座標のリストを受信するステップであって、前記座標のリストは、一つ又はそれより多くの導電性ボディループを規定するように構成される、ステップと、
前記座標のリストを探して前記解剖学的キーポイント座標のセットとの一致を決定するステップと、
前記一致が決定される場合、警告信号を提供するステップと
を有する、方法。
【請求項14】
機械実行可能命令と、計算システムによる実行のための解剖学的キーポイントロケータモジュールとを有するコンピュータプログラムであって、前記解剖学的キーポイントロケータモジュールは、被検体を示すカメラ画像を受信するステップに応答して、前記被検体の解剖学的キーポイント座標のセットを出力するように構成され、前記計算システムは医用システムを制御するように構成され、前記医用システムは、
少なくとも部分的に撮像ゾーン内の前記被検体から医用撮像データを取得するように構成される医用撮像システムであって、前記医用撮像システムは磁気共鳴撮像システムを備える、医用撮像システムと、
少なくとも部分的に前記撮像ゾーン内の前記被検体を支持するように構成される被検体支持部と、
前記被検体支持部上の被検体を示すカメラ画像を取得するように構成されるカメラシステムと
を有し、前記機械実行可能命令の実行は前記計算システムに、
前記カメラシステムを制御して前記カメラ画像を取得するステップと、
前記カメラ画像を受信するステップと、
前記カメラ画像を前記解剖学的キーポイントロケータモジュールに入力するステップに応答して、前記解剖学的キーポイント座標のセットを受信するステップと、
座標のリストを受信するステップであって、前記座標のリストは、一つ又はそれより多くの導電性ボディループを規定するように構成される、ステップと、
前記座標のリストを探して、前記解剖学的キーポイント座標のセットとの一致を決定するステップと、
前記一致が決定される場合、警告信号を提供するステップと
を実行させる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医用撮像に関し、特に、撮像前の被検体の位置又は姿勢の自動検出に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴撮像法(MRI)、コンピュータ断層撮影法、陽電子放出断層撮影法、及び単一光子放出断層撮影法などの様々な医用撮像技術は、対象の解剖学的構造の詳細な視覚化を可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらのような医用撮像モダリティでは、処置の前に被検体を適切に配置することが重要である。そうしないと、被検体が不適切に撮像される可能性がある。
【0004】
「Collision prediction software for radiotherapy treatments」( The journal publication Padillaら, " Med. 博士号、42(11), 2015年11月、6448乃至6456頁、http://dx.doi.org/10.1118/1.4932628)は、患者をスキャンするための三次元カメラの使用、及びシミュレーターでの治療位置における固定化装置を開示している。被検体の表面を再構成した。治療アイソセンタは、表面スキャン上に投影されたシミュレートされた直交レーザを使用してマークされた。次に、この表面の点群をアイソセンタにシフトし、デカルト座標から円筒座標に変換する。スラブを用いて治療台をモデル化した。アイソセンタからコリメータプレートまでの法線距離に等しい半径、及びコリメータ直径によって定義される高さを有するシリンダを使用して、衝突を推定した。シリンダ内の点は治療台を0°にした状態で、ガントリーを完全に回し、その外の点は衝突する。衝突角度を報告した。この方法論は、両腕を上にしたアルファクレードルに配置されたマネキンを用いて実験的に検証された。2つの治療アイソセンタについて衝突計算を行い、結果を室内で検出された衝突と比較した。3次元表面の精度は、それを計画CTスキャンの外部表面と比較することによって評価した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、独立請求項における医用システム、方法及びコンピュータプログラムを提供する。実施形態は、従属請求項において与えられる。
【0006】
身体位置の正確な検出は、対象の医用撮像スキャンを実行するときに有用であり得る。現在、被検体の表面を撮像するために3次元カメラを使用するシステムが存在する。これらのシステムの欠点は、被検体の姿勢を予測するのに不十分な仕事をする可能性があることである。実施形態は医用撮像スキャンが実行される以前に、被検体が不適切に位置付けられたとき、又は場合によっては危険な姿勢に置かれたときを認識する改善された手段を提供することができる。実施形態は、被検体のカメラ画像の受信に応答して解剖学的キーポイント座標のセットを提供する解剖学的キーポイントロケータモジュールを使用することによってこれを達成することができる。解剖学的キーポイント座標のセットは例えば、個々の解剖学的キーポイントの絶対位置又は相対位置が不正確であるかどうかを決定するために、座標のリストと比較され得る。
【0007】
一態様では、本発明が機械実行可能命令を記憶するメモリと、解剖学的キーポイントロケータモジュールとを備える医用システムを提供する。いくつかの例では、解剖学的キーポイントロケータモジュールが機械実行可能命令に組み込まれ得る。解剖学的キーポイントロケータモジュールは、被検体を示すカメラ画像の受信に応答して、被検体の解剖学的キーポイント座標のセットを出力するように構成される。
【0008】
本明細書で使用される解剖学的キーポイントは、対象内に位置する解剖学的ランドマーク又は位置を包含する。解剖学的キーポイントは、対象の様々な関節又は表面ランドマーク(目、耳、鼻)の位置を組み込むことができる。カメラ画像は被検体を示すものであり、被検体の外側又は表面(テクスチャ及び/又は説明)の記述を提供する。例えば、カメラ画像は、光学画像、赤外線画像、熱画像、又はカラー画像であってもよい。他の例では、カメラ画像が3次元表面画像である。別の例では、カメラ画像が複数のカメラ画像から形成された合成画像である。例えば、2つの2次元画像を使用して、3次元又は空間情報を提供するステレオ画像を提供することができる。他の例では、カメラ画像が複数のタイプの画像から形成された合成画像である。赤外線又は熱画像は、3次元画像と組み合わせることができる。
【0009】
単一又は複合画像の両方において、ランドマークは、各画像において検出され得る。これは、解剖学的キーポイント座標を座標のリストにマッチングするときに、追加の情報及びオプションを提供するために使用され得る。複数の画像におけるランドマークの識別は、ランドマークの3次元位置を可能にすることもできる。
【0010】
医用システムは、計算システムをさらに備える。本明細書で使用される計算システムは、一つ又はそれより多くの場所におそらく位置する計算システム又はプロセッサを包含し得る。機械実行可能命令の実行は、計算システムにカメラ画像を受信させる。機械実行可能命令の実行はさらに、カメラ画像を解剖学的キーポイントロケータモジュールに入力することに応答して、コンピュータシステムに解剖学的キーポイント座標のセットを受信させる。機械実行可能命令の実行はさらに、計算システムに座標のリストを受信させる。
【0011】
座標のリストは、異なる例において異なる形態とることができる。座標のリストは例えば、被検体の様々な解剖学的キーポイントの絶対的又は相対的位置を含むことができる。座標のリストはまた、解剖学的キーポイント間の関係を定義することができる。例えば、それが絶対位置である場合、座標のリスト内の解剖学的キーポイントは、対象の潜在的な損傷に関するデータを提供することができる位置を指定することができる。例えば、被検体が手、肘、又は足などの付属器を間違った位置に配置した場合、被検体が医用撮像システム内に移動したときに、衝突又は挟まれて巻き付く可能性がある。本明細書で使用されるとき、付属器は、対象の手又は足を指す。
【0012】
いくつかの例では、座標のリストは2次元座標を含む。これは、例えば、カメラ画像が2次元画像である場合(例えば、カラー画像又は赤外線画像が使用される場合)に使用され得る。他の例では、座標のリストは3次元座標を含む。これは、複数の2次元カメラ画像が使用されるとき、及び/又はカメラ画像が3次元画像を含むときに当てはまり得る。
【0013】
さらに他の例では、座標のリストはn次元座標を含み、nは3より大きい。これは、座標が3次元で与えられ、追加の座標が時間の変化を測定するために使用される場合であり得る。例えば、3つの空間次元及び時間座標である。
【0014】
他の例では、磁気共鳴撮像がある場合、指の接触又は指の特定の身体部分への接触、又はさらには腕又は脚を横切ることによって、身体内に導電性ループが生じ、これが対象のRF加熱をもたらす可能性がある。次いで、解剖学的キーポイントの位置間の関係を定義することによって、対象の位置及び姿勢を決定することができる。例えば、被検体が自分の脚を横切る場合、座標に特定の関係が存在する。例えば、股関節は、互いに隣り合って配置され、次いで、脚の座標の交差が存在する。したがって、座標のリストは、被検体の様々な位置及び向きを定義することができる。
【0015】
機械実行可能命令の実行はさらに、計算システムに、座標のリストを検索させて、解剖学的キーポイント座標のセットとの一致を決定させる。一致の決定は、異なる例において異なる形態をとることができる。例では、決定が一致の検出である。例えば、座標のリストを検索して、間違った位置にある付属肢があるかどうかを調べることができる。他の場合には、付属器(手又は足など)が重なり合うか、又は他の身体部分が重なり合って導電性ループを形成するかどうかを調べるために検索することができる。機械実行可能命令の実行はさらに、一致が検出された場合、計算システムに警告信号を提供させる。
【0016】
マッチの決定はまた、一致が解剖学的キーポイント座標のセットにどれくらい正確に適合するかの精度測定を含むことができる。解剖学的キーポイント座標のセットが、座標のリスト内の座標のある距離又は近傍内にある場合、一致が検出され得る。しかしながら、この近傍内では、より良い又はより悪い一致が存在し得る。測定される精度は例えば、解剖学的キーポイント座標のセットと座標のリストとの間の距離を記述する尺度であってもよい。この尺度は例えば、各座標間の差のRMS値とすることができる。
【0017】
別の実施形態では、一つ又はそれより多くの導電性ボディループが対象のRF加熱をもたらし得る、対象の体内の導電性ループである。磁気共鳴撮像システムの使用中、大きな変化する電磁場が存在する。ファラデーの法則から、変化する電磁場は、導電性ループ内に電流を誘導することが知られている。被検体が股関節又は他の身体部分に指を置くとき、この接触がこれらの2つの身体領域間に電気的接続を形成し、それによって導電性ループを形成する可能性があり、この導電性ループは、本明細書では導電性ボディループと呼ばれる。この導電体ループに誘導される電流は被検体の身体に抵抗加熱を引き起こし、火傷を引き起こす可能性がある。
【0018】
別の実施形態では、座標のリストが解剖学的キーポイント座標のセットのうちの2つ以上の間の相対座標を定義する。座標のリストは、解剖学的キーポイントが比較される座標のセットを含むことができる。例えば、座標のリストは、異なる解剖学的キーポイント座標間の相対的変化を含むことができる。座標のリストはまた、相対的な変化の比率を含むことができる。
【0019】
座標のリストは、異なるソースを有することができる。それらは、ユーザインタフェースから受信することができ、すなわち、ユーザによって入力することができる。別の例では、それらは事前定義され得、ネットワークインターフェースを介して受信され得るか、又はコンピュータメモリもしくは記憶装置から取り出され得る。
【0020】
別の実施形態では、座標のリストが解剖学的キーポイント座標のセット間の相対的変化として定義される身体姿勢を含む。次いで、座標のリストを検索して、解剖学的キーポイント座標のセット内の一致を決定することは、解剖学的キーポイント座標のセットを使用して、座標のリスト内の身体姿勢から選択された身体姿勢を検出することを含む。この実施形態では、解剖学的キーポイントの相対位置を使用して、特定の身体姿勢を定義する。機械実行可能命令の実行はさらに、不規則な身体姿勢が検出された場合、計算システムに警告信号を提供させる。これは被検体の特定の位置決めが、不良な医用撮像手順につながる可能性がある、又は被検体を危険にさらす可能性がある状況において特に有用であり得る。
【0021】
別の実施形態では、座標のリストが解剖学的キーポイント座標のセットのメンバ間の相対的変化として定義される身体姿勢を含む。
【0022】
別の実施形態では、解剖学的キーポイント座標のセットを使用して座標のリスト内の身体姿勢から選択された身体姿勢を検出することは解剖学的キーポイント座標のセットのメンバー間の相対的変化を決定することと、解剖学的キーポイント座標のセットのメンバー間の身体姿勢に対する相対的変化を比較することとを含む。
【0023】
別の実施形態では、カメラ画像が3次元表面画像を含む。例えば、カメラ画像は、いわゆる三次元カメラによって取得されていてもよい。身体姿勢の検出は、肢の位置を検出するために3次元表面画像を使用して少なくとも部分的に実行される。例えば、解剖学的キーポイント座標のセットは、被検体の姿勢ならびに特定の身体部分の位置を定義するのに有用であり得る。しかしながら、この情報は、被検体の安全性を高めるために使用することができる詳細な情報を常に提供するとは限らない。例えば、被検体が医用撮像システムに挿入される場合、関節の位置は、被検体が挿入されたときに医用撮像システムとの衝突が生じるかどうかを検出するのに十分でない場合がある。3次元表面画像はまた、被検体の身体姿勢及び外形寸法に関する追加情報を提供してもよい。
【0024】
別の実施形態では、身体姿勢の検出が3次元表面画像を使用して少なくとも部分的に実行され、3次元表面画像を、各々が異なる身体姿勢を描写する一組の所定の表面画像にマッチングさせることによって、肢の位置を検出する。
【0025】
別の実施形態では、解剖学的キーポイント座標のセットが一つ又はそれより多くの付属キーポイント座標を含む。例えば、付属肢を定義する解剖学的キーポイントは、異なるレベルで提供することができる。いくつかのモデルでは、手首の位置は単独で提供されてもよい。他の例では、様々な指のための様々な関節の位置についての詳細が提供されてもよい。機械実行可能命令の実行はさらに、計算システムに、一つ又はそれより多くの付属キーポイント座標のための付属座標の範囲を計算させる。解剖学的キーポイント座標のセットは、様々な部分の位置又は手首関節の位置に関する詳細を提供するだけでなく、被検体の肘及び肩などの他の関節に関する情報を提供してもよい。これは、被検体の付属肢が医療処置中にとり得る運動範囲の推定値を提供するために使用することができる。次いで、これを用いて、被検体が危険な位置に付属肢を配置することが可能であるか、又は可能性があるかどうかを予測することができる。身体姿勢の検出は、座標のリスト上の身体姿勢を定義することによって決定することができる。これは、画像が撮影されるときに生じる特定の身体姿勢の検出を可能にするだけでなく、被検体が将来の時点でこの身体姿勢に動くかどうかを予測するためにも使用され得るので、有益であり得る。これは、医用画像の質を改善するだけでなく、患者の安全性を改善するのにも有用であり得る。
【0026】
別の実施形態では、一つ又はそれより多くの付属器キーポイント座標が対象の付属器上の位置を定義するキーポイント座標である。
【0027】
別の実施形態では、付属体座標の範囲が付属体キーポイント座標のための許容可能な運動の所定の範囲を使用して決定される。例えば、身体の様々な関節によって許容される動きが知られている。これらの既知の可能な又は許容可能なムービーは、付加キーポイント座標のための許容可能な動きの範囲として押すことができる。
【0028】
別の実施形態では、医用システムが少なくとも部分的に撮像ゾーン内の被検体から医用撮像データを取得するように構成された医用撮像システムをさらに備える。いくつかの例における医用撮像は、MRI、CT、又はPETシステムなどの断層撮影医用撮像であり得る。他の例では、医用撮像システムがX線又は蛍光透視システムのようなものを含むことができる。医用撮像システムは、撮像ゾーン内の少なくとも部分的に被検体を支持するように構成された被検体支持部をさらに備える。医用撮像システムは、被検体支持部上の被検体を示すカメラ画像を取得するように構成されたカメラシステムをさらに備える。すなわち、カメラ画像は、被検体が被検体支持部によって支持されている間、被検体を撮像することができる。例えば、被検体支持体は、被検体が横たわるベッド又は治療台であってもよい。機械実行可能命令の実行はさらに、計算システムに、カメラ画像を取得するようにカメラシステムを制御させる。
【0029】
別の実施形態では、カメラシステムが医用撮像システム及び/又は被検体支持体に位置合わせされる座標を有する可能性がある。これに代わるものとして、解剖学的キーポイントロケータモジュールは、被検体支持体上の位置に対する座標を決定するように構成されてもよい。例えば、被検体支持体又は医用撮像システムの位置に対する被検体の位置を認識し、医用撮像システム、被検体支持体及び/又はカメラシステムの座標システム間の位置合わせを提供することができる人工知能モジュールがあってもよい。
【0030】
別の実施形態では、機械実行可能命令の実行がさらに、計算システムに、医用撮像システムを制御させて、医用撮像データを取得させる。
【0031】
別の実施形態では、機械実行可能命令の実行がさらに、計算システムに、医用撮像データから医用画像を再構成させる。
【0032】
別の実施形態では、カメラシステムは赤外線カメラを含む。
【0033】
別の実施形態では、カメラシステムが光学カメラをさらに備える。
【0034】
別の実施形態では、光学カメラはカラーカメラである。
【0035】
別の実施形態では、医用撮像システムが熱カメラである。
【0036】
別の実施形態では、医用撮像システムがコンピュータ断層撮影システムを備える。
【0037】
別の実施形態では、医用撮像システムが陽電子放出断層撮影システムを備える。
【0038】
別の実施形態では、医用撮像システムが単一光子放出断層撮影システムを備える。
【0039】
別の実施形態では、医用撮像システムがMRI又はCTによって誘導されるガンマナイフ又はLINACなどの画像誘導治療システムを備える。
【0040】
別の実施形態では、医用撮像システムがデジタルX線システムを備える。
【0041】
別の実施形態では、医用撮像システムがデジタル透視鏡を備える。
【0042】
別の実施形態では、医用撮像システムが磁気共鳴撮像システムを備える。磁気共鳴撮像システムのための様々な姿勢の識別は、被検体が不適切な位置にいるか、又は安全でない位置にあるかをオペレータが決定することが難しいか、又は困難であり得るので、有益であり得る。
【0043】
別の実施形態では、座標のリストが一つ又はそれより多くの導電性ボディループを画定するように構成される。この実施形態は身体の位置決めが、導電性ループを身体によって画定させることができるので、有益であり得る。磁気共鳴撮像システムが実行されると、電流がこれらの導電性ボディループのうちの1つに誘導され得、これは、被検体において加熱又はRF熱傷を引き起こし得る。したがって、座標のリストに導電性ボディループを定義することは、磁気共鳴撮像システムの安全性を向上させることができる。
【0044】
別の実施形態では、機械実行可能命令の実行がさらに、警告信号が提供される場合、座標のリストと解剖学的キーポイント座標のセットとの間の一致を示すオーバレイのカメラ画像のレンダリングを計算システムに提供させる。これは、医用撮像システムのオペレータに視覚的ガイドを提供し、被検体を適切な位置に置くことをより容易にすることができるので、有益であり得る。
【0045】
別の実施形態では、機械実行可能命令の実行がさらに、警告信号が提供される場合、コンピュータシステムに可聴警告システムを提供させる。これは、問題がある場合に医用装置のオペレータに警告する効果的な手段であり得る。
【0046】
別の実施形態では、機械実行可能命令の実行がさらに、警告信号が提供される場合、計算システムに、ディスプレイ上に警告メッセージをレンダリングさせる。
【0047】
別の実施形態では、機械実行可能命令の実行がさらに、警告信号が提供される場合、計算システムに医用撮像データの取得を無効化させる。これは、例えば、被検体の危険な状況を防止するのに特に有用であり得る。いくつかの例では、対象の位置が変化すると、システムは次いで、対象が適切又は安全な位置にあるとき、医用撮像データの取得を可能にし得る。
【0048】
別の実施形態では、座標のリストが挿入衝突を定義するように構成される。例えば、被検体が被検体支持部上に配置され、被検体支持部が磁石又はCTリングなどの医用撮像システム内に挿入される場合、被検体が挿入されるときに、被検体が医用撮像システムの部分と衝突する可能性があり得る。
【0049】
別の実施形態では、座標のリストが禁止された手の位置を定義するように構成される。例えば、被検体が手を、手が挟まれる可能性がある場所に置く場合。これはまた、手が、対象者が触れてはならない装置又はデバイスに触れている位置であってもよい。
【0050】
別の実施形態では、座標のリストが禁止足位置を定義するように構成される。手と同様に、足は挟まれるか、又は不適切な場所に配置される(例えば、導電性ボディループを形成する)可能性がある位置に配置され得る。
【0051】
別の実施形態では、座標のリストが医用装置の位置を定義するように構成される。例えば、被検体の近傍には、様々なコイル又は他の固定具又は装置が存在し得る。次いで、システムを使用して、被検体が医用装置に触れたり修正したりする可能性を防止することができる。
【0052】
別の実施形態では、座標のリストが被検体支持ピンチポイントを定義するように構成される。これは、例えば、被検体の一部が接触している場合、被検体を挟むことができる場所であってもよい。
【0053】
別の実施形態では、座標のリストが磁気共鳴撮像のための高い局所SAR露光を生成することに関与し得る高い電場又は磁場の位置を定義するように構成される。
【0054】
別の実施形態では、医用システムがX線システム、デジタル透視鏡、又はコンピュータ断層撮影システムと共に使用される。座標のリストは、不要なX線を受信する位置を定義するように構成される。例えば、頭部CTスキャンのために眼がX線平面内にあるとき。又は、腹部スキャンのために手を腹部に置く。次いで、座標のリストを使用して、これらの身体領域が受ける放射線の量を回避又は最小化することができる。
【0055】
別の実施形態では、解剖学的キーポイントロケータモジュールが被検体支持体上の被検体の画像を受信することに応答して、少なくとも1つの解剖学的キーポイント座標の各々について別個の解剖学的キーポイント座標確率マップを出力するように構成されたニューラルネットワークを備える。例えば、被検体内の様々な関節及び位置が、解剖学的キーポイント座標に含まれてもよい。セットの各々について、出力される別個の画像又はマップが存在してもよく、関節又は解剖学的位置が特定の位置にある確率がこのマップ上に出力される。最も可能性の高い位置は例えば、最大確率をとることによって得ることができる。このシステムは関節又は他の解剖学的位置が不明瞭であるか、又は部分的に不明瞭であるとき、関節又は他の解剖学的位置を識別するのに特に優れている。例えば、被検体が被検体の上に衣服又は毛布を置いている場合である。
【0056】
機械実行可能命令の実行はさらに、ニューラルネットワークへの画像の入力に応答して、別個の解剖学的キーポイント座標確率マップを計算システムに受信させる。機械実行可能命令の実行はさらに、計算システムに、関節座標のセットの各々について別個の関節座標確率マップから解剖学的キーポイント座標のセットを計算させる。
【0057】
ニューラルネットワークのトレーニングは対象の画像を有し、次いで、ラベル付けされた少なくとも1つの解剖学的キーポイント座標の各々についてキーポイント座標確率マップをトレーニングすることによって達成され得る。例えば、異なる衣服を着用するか、又はブランケットで覆われているか、又は身体が部分的に不明瞭にされている、わずかに異なる位置にある、異なる被検体の一連の画像を有することができる。次いで、オペレータは解剖学的キーポイント座標の位置が示されるように、様々なポイントを移動し、マークアップすることができる。次いで、これは、例えば、ニューラルネットワークをトレーニングするためのディープラーニングアルゴリズムにおいて使用され得る。
【0058】
別の実施形態では、座標のリストがメモリに記憶された座標の所定のリストを含む。
【0059】
別の態様では、本発明が医用撮像の方法を提供する。この方法は、カメラ画像を受信することを含む。上述したように、カメラ画像は、複数の画像並びに場合によっては複数のタイプの画像を含む合成画像とすることができる。方法は、解剖学的キーポイントロケータモジュールへのカメラ画像の入力に応答して、解剖学的キーポイント座標のセットを受信することをさらに含む。解剖学的キーポイントロケータモジュールは、被検体を示すカメラ画像の受信に応答して、被検体の解剖学的キーポイント座標のセットを出力するように構成される。本方法は、座標のリストを受信することをさらに含む。方法は、座標のリストを検索して、解剖学的キーポイント座標のセットとの一致を決定することをさらに含む。この方法は、一致が決定された場合に警告信号を提供することをさらに含む。
【0060】
別の態様では、本発明が計算システムによる実行のための機械実行可能命令を含むコンピュータプログラムを提供する。例えば、コンピュータプログラムは、非一時的な記憶媒体に記憶されてもよい。機械実行可能命令の実行は、計算システムにカメラ画像を受信させる。機械実行可能命令の実行はさらに、カメラ画像を解剖学的キーポイントロケータモジュールに入力することに応答して、コンピュータシステムに解剖学的キーポイント座標のセットを受信させる。機械実行可能命令の実行はさらに、計算システムに座標のリストを受信させる。機械実行可能命令の実行はさらに、計算システムに、座標のリストを検索させて、解剖学的キーポイント座標のセットとの一致を決定させる。機械実行可能命令の実行はさらに、一致が決定された場合、計算システムに警告信号を提供させる。
【0061】
別の実施形態では、メモリがオブジェクト検出モジュールをさらに記憶する。オブジェクト検出モジュールは、画像内のオブジェクト及び/又は重要なオブジェクト位置を識別することができるソフトウェアモジュールであってもよい。例えば、オブジェクト検出モジュールは、機器、トロリー、インジェクタ、ドッキング点、又は他のピンチ点位置などの物体を識別するために使用される畳み込みニューラルネットワークであってもよい。いくつかの例では被検体が例えば、場合によっては指をつまむことができる場所である。オブジェクト検出モジュールは、座標のリストに付加することができるオブジェクト座標のリストを提供することができる。
【0062】
オブジェクト決定モジュールは画像を分類し、画像内に境界ボックスを配置するために使用される標準的な畳み込みニューラルネットワークであってもよい。オブジェクト決定モジュールは、オブジェクト及び/又はピンチポイント位置の何れかでラベル付けされたトレーニング画像を用いたディープラーニングを使用してトレーニングすることができる。
【0063】
本発明の前述の実施形態のうちの1つ又は複数は組み合わされた実施形態が相互に排他的でない限り、組み合わされ得ることが理解される。
【0064】
当業者によって理解されるように、本発明の態様は、装置、方法、又はコンピュータプログラム製品として具現化され得る。したがって、本発明の態様は完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、又は本明細書ではすべて一般に「回路」、「モジュール」、又は「システム」と呼ばれ得るソフトウェア態様とハードウェア態様とを組み合わせた実施形態の形態をとることができ、さらに、本発明の態様は、その上に具現化されたコンピュータ実行可能コードを有する一つ又はそれより多くのコンピュータ可読媒体内に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。
【0065】
一つ又はそれより多くのコンピュータ可読媒体の任意の組合せが利用され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であり得る。本明細書で使用される「コンピュータ可読記憶媒体」は、コンピューティングデバイスのプロセッサ又は計算システムによって実行可能な命令を記憶することができる任意の有形記憶媒体を包含する。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読非一時的記憶媒体と呼ばれることがある。コンピュータ可読記憶媒体は、有形のコンピュータ可読媒体と呼ばれることもある。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体はまた、コンピューティングデバイスの計算システムによってアクセスされることが可能であるデータを記憶することが可能であり得る。コンピュータ可読記憶媒体の例としてはフロッピーディスク(登録商標)ディスク、磁気ハードディスクドライブ、ソリッドステートハードディスク、フラッシュメモリ、USBサムドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、光ディスク、光磁気ディスク、及び計算システムのレジスタファイルが挙げられるが、これらに限定されない。光ディスクの例としては、コンパクトディスク(CD)及びデジタル多用途ディスク(DVD)、例えば、CDROM、CDRW、CDR、DVDROM、DVDRW、又はDVDRディスクが挙げられる。コンピュータ可読記憶媒体という用語はまた、ネットワーク又は通信リンクを介してコンピュータ装置によってアクセスされることが可能な様々なタイプの記録媒体を指す。たとえば、データは、モデムを介して、インターネットを介して、又はローカルエリアネットワークを介して取り出され得る。コンピュータ可読媒体上に具現化されたコンピュータ実行可能コードはワイヤレス、ワイヤライン、光ファイバケーブル、RFなど、又は前述の任意の適切な組合せを含むが、これらに限定されない、任意の適切な媒体を使用して送信され得る。
【0066】
コンピュータ可読信号媒体は例えば、ベースバンドにおいて、又は搬送波の一部として、その中に具現化されたコンピュータ実行可能コードを有する伝搬データ信号を含み得る。そのような伝搬信号は電磁気、光学、又はそれらの任意の適切な組合せを含むが、それらに限定されない、様々な形態の何れかをとり得る。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、又はデバイスによって、又はそれに関連して使用するためのプログラムを通信、伝播、又は移送することができる任意のコンピュータ可読媒体であり得る。
【0067】
「コンピュータメモリ」又は「メモリ」は、コンピュータ可読記憶媒体の一例である。コンピュータメモリは、計算システムに直接アクセス可能な任意のメモリである。「コンピュータ記憶装置」又は「ストレージ」は、コンピュータ可読記憶媒体のさらなる例である。コンピュータ記憶装置は、任意の不揮発性メモリコンピュータ可読記憶媒体である。いくつかの実施形態では、コンピュータ記憶装置がコンピュータメモリであってもよく、逆もまた同様である。
【0068】
本明細書で使用される「計算システム」は、プログラム、機械実行可能命令、又はコンピュータ実行可能コードを実行することができる電子コンポーネントを包含する。「計算システム」の例を含む計算システムへの言及は、場合によっては2つ以上の計算システム又は処理コアを含むものとして解釈されるべきである。計算システムは例えば、マルチコアプロセッサであってもよい。計算システムはまた、単一のコンピュータシステム内の、又は複数のコンピュータシステム間で分散された計算システムの集合を指し得る。計算システムという用語はまた、おそらく、各々がプロセッサ又は計算システムを備えるコンピューティングデバイスの集合又はネットワークを指すと解釈されるべきである。機械実行可能コード又は命令は、同じコンピューティングデバイス内にあってもよく、又は複数のコンピューティングデバイスにわたって分散されてもよい複数の計算システム又はプロセッサによって実行されてもよい。
【0069】
機械実行可能命令又はコンピュータ実行可能コードは、プロセッサ又は他の計算システムに本発明の態様を実行させる命令又はプログラムを備え得る。本発明の態様のための動作を実行するためのコンピュータ実行可能コードは、Java(登録商標)、Python(登録商標)、Smalltalk(登録商標)、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、一つ又はそれより多くのプログラミング言語の任意の組合せで書かれ、機械実行可能命令にコンパイルされ得る。いくつかの事例では、コンピュータ実行可能コードが高水準言語の形態又は事前コンパイルされた形態であり得、オンザフライで機械実行可能命令を生成するインタプリタと併せて使用され得る。他の事例では、機械実行可能命令又はコンピュータ実行可能コードがプログラマブル論理ゲートアレイのためのプログラムの形成であり得る。
【0070】
コンピュータ実行可能コードは、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上で、部分的にリモートコンピュータ上で、又は完全にリモートコンピュータもしくはサーバ上で実行することができる。後者のシナリオでは、リモートコンピュータがローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、又は接続は外部コンピュータに(たとえば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)行われてもよい。
【0071】
本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して説明される。フローチャート、図、及び/又はブロック図の各ブロック又はブロックの部分は、適用可能な場合、コンピュータ実行可能コードの形態のコンピュータプログラム命令によって実装され得ることを理解されたい。さらに、相互に排他的ではない場合、異なるフローチャート、図、及び/又はブロック図におけるブロックの組合せが組み合わされ得ることに留意されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置の計算システムに提供されて、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置の計算システムを介して実行される命令がフローチャート及び/又はブロックダイアグラムブロック又はブロックで指定された機能/動作を実施するための手段を作成するように、機械を生成することができる。
【0072】
これらの機械実行可能命令又はコンピュータプログラム命令はコンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスに特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読媒体に記憶されてもよく、その結果、コンピュータ可読媒体に記憶された命令はフローチャート及び/又はブロック図のブロック又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実施する命令を含む製造品を生成する。
【0073】
機械実行可能命令又はコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイス上にロードされて、コンピュータ、他のプログラマブル装置、又は他のデバイス上で実行される一連の動作ステップをコンピュータ上で実行させて、コンピュータ又は他のプログラマブル装置上で実行される命令がフローチャート及び/又はブロック図ブロック又はブロック内で指定された関数/動作を実装するためのプロセスを提供するように、コンピュータ実装プロセスを生成することができる。
【0074】
本明細書で使用される「ユーザインターフェース」は、ユーザ又はオペレータがコンピュータ又はコンピュータシステムと対話することを可能にするインターフェースである。「ユーザインターフェース」は「ヒューマンインターフェースデバイス」と呼ばれることもあり、ユーザインターフェースはオペレータに情報又はデータを提供し、かつ/又はオペレータから情報又はデータを受信することができる。ユーザインターフェースはオペレータからの入力がコンピュータによって受信されることを可能にすることができ、コンピュータからユーザに出力を提供することができる。言い換えれば、ユーザインターフェースはオペレータがコンピュータを制御又は操作することを可能にすることができ、インターフェースは、コンピュータがオペレータの制御又は操作の効果を示すことを可能にすることができる。ディスプレイ又はグラフィカルユーザインタフェース上のデータ又は情報の表示は、オペレータに情報を提供する一例である。キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッド、ポインティングスティック、グラフィックスタブレット、ジョイスティック、ゲームパッド、ウェブカメラ、ヘッドセット、ペダル、ワイヤードグローブ、リモートコントロール、及び加速度計を介したデータの受信は、オペレータからの情報又はデータの受信を可能にするユーザインターフェース構成要素のすべての例である。
【0075】
本明細書で使用される「ハードウェアインターフェース」はコンピュータシステムの計算システムが外部コンピューティングデバイス及び/又は装置と対話し、及び/又はそれを制御することを可能にするインターフェースを包含する。ハードウェアインターフェースは、コンピュータシステムが制御信号又は命令を外部コンピューティングデバイス及び/又は装置に送信することを可能にし得る。ハードウェアインターフェースはまた、計算システムが外部コンピューティングデバイス及び/又は装置とデータを交換することを可能にし得る。ハードウェアインターフェースの例としてはユニバーサルシリアルバス、IEEE 1394ポート、パラレルポート、IEEE 1284ポート、シリアルポート、RS232ポート、IEEE488ポート、Bluetooth接続、無線ローカルエリアネットワーク接続、TCP/IP接続、イーサネット接続、制御電圧インターフェース、MIDIインターフェース、アナログ入力インターフェース、及びデジタル入力インターフェースが挙げられるが、これらに限定されない。
【0076】
本明細書で使用される「ディスプレイ」又は「ディスプレイデバイス」は、画像又はデータを表示するように適合された出力デバイス又はユーザインターフェースを包含する。ディスプレイは、視覚的データ、音声データ、及び/又は触覚データを出力することができる。
【0077】
ディスプレイの例としてはコンピュータモニタ、テレビスクリーン、タッチスクリーン、触覚電子ディスプレイ、点字スクリーン、陰極線管(液体)、記憶管、双安定ディスプレイ、電子ペーパー、ベクトルディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、真空蛍光ディスプレイ(VF)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、エレクトロルミネセンスディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、プロジェクタ、及びヘッドマウントディスプレイが挙げられるが、これらに限定されない。
【0078】
医用撮像データは、本明細書では被検体を示す断層医用撮像システムによって行われる記録された測定値として定義される。医用撮像データは、医用画像に再構成されてもよい。本明細書では、医用撮像データは、医用撮像データ内に含まれる解剖学的データの再構成された2次元又は3次元視覚化として定義される。この視覚化は、コンピュータを使用して実行することができる。
【0079】
医用撮像データは、本明細書では医用撮像システムによって行われる測定値として定義される。医用撮像データは、被検体を示す医用画像に再構成することができる。
【0080】
K空間データは、本明細書では磁気共鳴撮像スキャン中に磁気共鳴装置のアンテナを使用して原子スピンによって放出される高周波信号の記録された測定値であると定義される。磁気共鳴データは、医用画像データの一例である。
【0081】
磁気共鳴撮像(MRI)画像又はMR画像は、本明細書では磁気共鳴撮像データ内に含まれる解剖学的データの再構成された2次元又は3次元視覚化として定義され、医用画像の一例である。この視覚化は、コンピュータを使用して実行することができる。
【0082】
以下において、本発明の好ましい実施形態が、単なる例として、図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0083】
図1】医用システムの一例を示す。
図2図1の医用システムを使用する方法を例示するフローチャートを示す。
図3】医用システムのさらなる例を示す。
図4図3の医用システムを使用する方法を例示するフローチャートを示す。
図5】手が触れることを可能にする高い可能性を有する腕姿勢の例を示す。
図6図5に比べて手が近く、指が触れにくい姿勢を示している。
図7図6に示されるような類似の状況を示し、ブランケットは、腕及び手を不明瞭にする。
図8】磁気共鳴撮像プロシージャのためのRFの観点から好ましい可能性がある姿勢の例を示す。
図9】腕及び手のズームされた視野を有する被検体支持体上に横たわる被検体を示す。
【発明を実施するための形態】
【0084】
これらの図における同様の番号を付された要素は、同等の要素であるか、又は同じ機能を実行する。前述の要素は、機能が等価である場合、必ずしも後の図で論じられるとは限らない。
【0085】
図1は、医用システム100の一例を示す。医用システム100は、コンピュータ102からなるものとして示されている。コンピュータ102は、一つ又はそれより多くの位置にある一つ又はそれより多くのコンピュータ又は計算装置を表すことを意図している。例えば、コンピュータ102は、磁気共鳴撮像システムなどの医用撮像システムに統合することができる。他の例では、医用システム100が例えば放射線科のワークステーションとすることができる。さらに他の例では、医用システム100が放射線科のための画像処理タスクを実行するように構成されたサーバとすることができる。さらに別の例では、医用システム100が提供されるウェブベースのサービスとして実装することができる。例えば、コンピュータ102は、仮想コンピューティングシステムとすることができる。
【0086】
コンピュータ102は、一つ又はそれより多くの場所に位置する一つ又はそれより多くの計算システム又はプロセッサを表すことができる計算システム104を備えるものとして示されている。計算システム104は、オプションのハードウェアインターフェース106に接続される。医用撮像システムなどの医用システム100の他の構成要素がある場合、ハードウェアインターフェース106は、計算システム104がこれらの他の構成要素と通信することを可能にし得る。計算システム104は、オプションのユーザインターフェース108に接続されているものとしてさらに示されている。ユーザインターフェース108は例えば、オペレータが医用システム100の動作及び機能を制御することを可能にするディスプレイ又はヒューマンインターフェースデバイスを提供することができる。
【0087】
計算システム104は、メモリ110に接続されているものとしてさらに示されている。メモリ110は、計算システム104と通信することができるハードドライブ、RAM、又は非一時的記憶媒体などの様々なタイプのメモリを表す。メモリ110は、機械実行可能命令120を含むものとして示されている。機械実行可能命令120は、計算システム104が様々な計算タスク及びデータ処理タスクを実行することを可能にする。機械実行可能命令120はまた、計算システム104が医用システム100の他の構成要素も制御することを可能にし得る。
【0088】
メモリ110は、解剖学的キーポイントロケータモジュール122を含むものとしてさらに示されている。解剖学的キーポイントロケータモジュール122は例えば、カメラ画像124を入力として取り込み、解剖学的キーポイント座標のセットを出力するニューラルネットワークとして実装され得る。メモリ110は、カメラ画像124及び解剖学的キーポイント座標126のセットを記憶するものとしてさらに示されている。メモリ110は、座標128のリストを含むものとしてさらに示されている。座標のリスト128は例えば、絶対座標のリストであってもよいし、相対座標位置のペア又は定義であってもよい。これは、例えば、望ましくない被検体の危険な姿勢又は位置を識別するために使用することができる。メモリ110は、解剖学的キーポイント座標のセット126が座標のリスト128と一致する場合に提供され得る警告信号を含むものとしてさらに示される。
【0089】
図2は、図1の医用システム100を動作させる方法を示すフローチャートを示す。まず、ステップ200において、カメラ画像124が受信される。次に、ステップ202において、一組の解剖学的キーポイント座標126が、入力としてカメラ画像124を受信することに応答して解剖学的キーポイントロケータモジュール122から受信される。次に、ステップ204において、座標のリスト128が受信される。いくつかの例では、座標のリスト128がユーザインターフェース108から受信され得る。他の例では、メモリ110から取り出すことができる。次に、ステップ206において、座標のリスト128が検索されて、解剖学的キーポイント座標のセット126との一致が決定される。最後に、ステップ208において、一致が決定された場合、警告信号130が提供される。
【0090】
図3は、医用システム300のさらなる例を示す。医用システム300は、磁気共鳴撮像システム304及びカメラシステム324をさらに備えることを除いて、図1に示される医用システム100と同様である。
【0091】
磁気共鳴撮像システム302は、磁石304を備える。磁石304は、それをタイプボア306を有する超伝導円筒形磁石である。異なるタイプの磁石の使用も可能であり、例えば、分割円筒形磁石といわゆる開放磁石の両方を使用することも可能である。分割円筒形磁石はクライオスタットが磁石の等平面へのアクセスを可能にするために2つのセクションに分割されていることを除いて、規格円筒形磁石に類似しており、そのような磁石は例えば、荷電粒子ビーム治療と併せて使用され得る。開放磁石は2つの磁石セクションを有し、一方が他方の上に、被検体を受け入れるのに十分な大きさの間の空間、すなわちヘルムホルツコイルの領域と同様の2つのセクション領域の配置を有する。開放磁石は、被検体の閉じ込めがより少ないため、人気がある。円筒形磁石のクライオスタットの内部には、超伝導コイルの集合体がある。
【0092】
円筒形磁石304のボア306内には、磁場が強く、磁気共鳴撮像を実行するのに十分に均一である撮像ゾーン308がある。取得される磁気共鳴データは、通常、視野に対して取得される。被検体318は、カメラ322を考慮して被検体支持体320によって支持されているように示されている。
【0093】
カメラ322は、被検体318が被検体支持部320上に横たわるときに撮像され得るように位置付けられて示される。被検体支持体320は、被検体支持体320及び被検体318を磁石304のボア306内に挿入するように構成されたアクチュエータ322に接続されているものとして示されている。
【0094】
磁石のボア306内には、磁石304の撮像ゾーン308内の磁気スピンを空間的に符号化するための予備的な磁気共鳴データの取得のために使用される一組の磁場傾斜コイル310もある。傾斜磁場コイル310は、傾斜磁場コイル電源312に接続される。磁場傾斜コイル310は、代表的であることが意図される。典型的には、磁場傾斜コイル310が3つの直交する空間方向に空間的に符号化するための3つの別個のコイルセットを含む。傾斜磁場電源は、傾斜磁場コイルに電流を供給する。磁場傾斜コイル310に供給される電流は、時間の関数として制御され、ランプ又はパルス化され得る。
【0095】
撮像ゾーン308に隣接して、撮像ゾーン308内の磁気スピンの向きを操作し、また撮像ゾーン308内のスピンからの無線送信を受信するための無線周波数コイル314がある。無線周波数アンテナは、複数のコイル要素を含むことができる。無線周波数アンテナは、チャネル又はアンテナと呼ばれることもある。高周波コイル314は、無線周波数トランシーバ316に接続される。無線周波数コイル314及び無線周波数トランシーバ316は、別個の送信コイル及び受信コイル、ならびに別個の送信機及び受信機によって置き換えられ得る。無線周波数コイル314及び無線周波数トランシーバ316が代表的であることが理解される。無線周波数コイル314はまた、専用送信アンテナ及び専用受信アンテナを表すことを意図している。同様に、トランシーバ316は、別個の送信機及び受信機を表すこともできる。無線周波数コイル314はまた、複数の受信/送信素子を有することができ、無線周波数トランシーバ316は、複数の受信/送信チャネルを有することができる。例えば、検知などの並列撮像技術が実行される場合、無線周波数314は、複数のコイル要素を有することができる。
【0096】
被検体318及び被検体支持部320は、この図では磁石304のボア306の外側にあるものとして示されている。被検体がこの位置にある間、カメラシステム324は、被検体318の外部表面を撮像するように位置決めされる。これは、カメラ画像124を提供するために使用され得る。カメラシステム324は例えば、光学カメラ、カラーカメラ、赤外線カメラ、及び/又は3Dカメラから構成され得る。カメラシステム324はまた、磁石306のボア内に配置することもできる。
【0097】
ハードウェアインターフェース106は、カメラシステム324、アクチュエータ322、傾斜磁場コイル電源312、及びトランシーバ316に接続されるものとして示される。計算システム104は、ハードウェアインターフェース106を介してこれらの構成要素及び他の構成要素を制御することができる。
【0098】
メモリ110は、パルスシーケンスコマンド330を含むものとしてさらに示されている。パルスシーケンスコマンドは、磁気共鳴データを取得するために磁気共鳴撮像システムを制御するために使用され得るそのようなコマンドに変換され得るコマンド又はデータである。磁気共鳴データは、磁気共鳴画像に再構成され得る。磁気共鳴データは医用撮像データの一例であり、磁気共鳴画像は医用画像の一例である。
【0099】
図4は、図3の医用システム300を動作させる方法を示すフローチャートを示す。図4に示す方法は、図2に示す方法と同様である。図4において、方法はステップ400から始まる。ステップ400において、計算システム104は、カメラ画像124を取得するようにカメラシステム324を制御する。ステップ400が実行された後、図2に示されるようなステップ200、202、及び204が実行される。ステップ204が実行された後、ステップ402が実行される。ステップ402において、1つ以上の付属キーポイント座標から、付属座標の範囲が計算される。本明細書で使用するとき、付属器は手又は足である。したがって、手又は足の座標を示す一つ又はそれより多くのキーポイント座標を決定することによって、手又は足の座標の範囲が計算される。これは、被検体が検査中に手を入れる可能性のある位置の予測を可能にする。
【0100】
ステップ402が実行された後、ステップ206が実行される。この場合、座標のリストは、特定の身体姿勢が検出されるかどうかを決定するために検索される。特定の身体姿勢は、様々なキーポイント座標の相対位置によって定義される。この場合、例えば、指先が接触する可能性があることを示す場合、又は脚が交差する可能性があることを示す場合。これらは2つの特定の例である。ステップ206が実行された後、図2に示すように、ステップ208が実行される。
【0101】
磁気共鳴(MR検査)又は他の撮像モダリティのために患者を準備することは、時間のかかる作業であり得、オペレータの訓練された技能を必要とし得る。操作者は撮像される解剖学的構造の上に、又はそれに隣接して表面コイルを配置することができる。患者設定は複雑である傾向があり、ブランケット、クッション、聴覚保護、ナースコールを含む。これら全てのタスクを完了する間、適切な患者姿勢は、安全な磁気共鳴画像(MRI)スキャンのために保証される必要がある。避けるべき最も重要なことの1つは誘導された無線周波数(RF)電流のための電流経路を表し得るボディループであり、これは次に、局所電場及び比吸収率(SAR)の増加をもたらし、RF熱傷の形成で患者に潜在的な危害をもたらす可能性がある。
【0102】
この背景に対して、患者設定監視ワークフロー分析カメラ(カメラシステム324)が提案され、これは、ブランケット又はコイルによって部分的に覆われている場合であっても、患者の四人肢の位置及び向きを分析する。そのようなカメラは安全に関連する身体姿勢、例えば、手に触れること、又は腕もしくは脚をループすることなどに至る可能性が最も高い、身体部分をループするか、又は接触するリスクを推定することができる。カメラは、患者の身体の関節及び四肢の位置及び向きを検出するためのアルゴリズムを実行する。このことから、患者の大きさが分かり、また、部分的に隠れた四肢の方向及び(潜在的に接触する)エンドポイントも推定することができる。
【0103】
図5は、解剖学的キーポイント座標126のセットを重ね合わせたカメラ画像502の例を示す。画像内では、被検体支持部320上に横たわる被検体318が見える。解剖学的キーポイントのセットのいくつかの解剖学的キーポイント502が見える。解剖学的キーポイントのセットはまた、リストキーポイント座標504を含む。リストキーポイント座標は、付属キーポイント座標又は手キーポイント座標の一例である。リストキーポイント座標504は、被検体の手の位置を定義する。これから、手の座標の範囲506が計算され、表示される。これは、被検体318が指を入れることができる可能な位置を示す。この例では、手の座標506の範囲が重なり、指508に触れることが見える。磁気共鳴撮像の場合、これは、被検体の2つの腕と胸部との間にグラウンドループを提供する。これは、508に接触している被検体の指先でのRF加熱につながる可能性がある。図5は、所与の被検体に対して手が触れることを可能にする高い可能性を有する腕姿勢の例を示す。この設定では、ボディループが発生する可能性があり、RF熱傷の危険性が高い。このような状況では、技術者は警報を受けるべきであり、両手間の物理的接触もはや不可能になるように腕姿勢を修正すべきである。
【0104】
図6は、同じ被検体支持部320上に横たわる同じ被検体318の画像を示す。この例では、被検体の手は異なる位置にあり、手座標506の範囲もはや重複していないことが可視である。したがって、被検体318の指は接触していない。この例では、導電性ボディループの可能性が排除されている。図6は手が近づいているが、指が触れても触れなくてもよい閾値状況を示す。この状況は、RF熱傷の危険性が高い可能性があるため、技術者に警告することができる。
【0105】
図7は、画像700上に重ね合わされた解剖学的キーポイント502、504のセットを有するカメラ画像のさらなる例を示す。被検体の一部が毛布で覆われている。リストキーポイント座標504は、手座標506の範囲として再び識別される。この例では、手の座標の範囲は重複していない。図7は、腕を不明瞭にするブランケットを有する同様の状況を示す。3つの画像すべてにおいて、カラーオーバーレイは関節及び四肢について計算された確率マップを表し、黄色の半円は、推定された可能な移動範囲を示す。カメラは、危険な状況の残留リスクを伴うそのような状況を検出する。
【0106】
図8は、カメラ画像800のさらなる例を示す。この例では、解剖学的キーポイント502、504が依然として示されている。手は手の座標の範囲を表示又は表示する必要がないように、十分に離れている。画像800は、磁気共鳴撮像中の被検体318の安全な姿勢の例を示す。図8は、RFの観点から好ましい可能性がある姿勢の例を示す。
【0107】
図9は、被検体支持部320上に横たわる被検体318の画像を示す。この画像は、被検体の腕900及び手902をより詳細に示すようにズームする。リスト解剖学的キーポイント504が見える。加えて、指の関節の位置及び指の先端を示す多数の指の解剖学的キーポイント906が見える。被検体支持体320はそれを移動させる摺動機構を有し、被検体支持体904の側面は、被検体318が指を潜在的に挟持することができる潜在的な挟持点又は位置である。側部領域904全体が、潜在的なピンチ点として識別され得る。
【0108】
指の解剖学的キーポイント906の識別は、指が摺動機構によって潜在的に損傷され得るかどうかの決定を可能にする。これにより、手902がテーブル縁部又は側部領域904の周りをつかむことによって生じる安全リスクの検出が可能になる。このリスクはすぐに見ることができ、座標リストと比較することによって検出される。また、手902の部分的閉塞が生じた場合でも、指の解剖学的キーポイントの位置を予測することが可能であり得る。
【0109】
ここでは、可能な例を説明する。カメラシステム324は、患者設定中に処理ユニット(計算システム104)に画像をストリーミングしている。身体関節の位置は、検出アルゴリズムによって自動的に検出される。このアルゴリズムは、関節存在の空間確率マップを計算する。あるいは、2つの関節を接続するセグメントを直接検出することができる(その後、四肢)。体節のサイズ及び配向に基づいて、存在の尤度を表す領域が計算される。カメラが(例えば、奥行きマップの形成で)3Dデータも提供している場合、これらの追加データを使用して、身体部分存在領域の計算を精緻化することができる。計算された領域が重複するか、又は互いに非常に近い場合、姿勢設定は競合を解決するためにオペレータを案内するために、位置特定情報を含む潜在的に危険なものとしてフラグ付けされる。
【0110】
開示された実施形態に対する他の変形は図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の研究から、特許請求された発明を実施する際に当業者によって理解され、達成され得る。請求項において、単語「有する(comprising)」は他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に列挙されるいくつかのアイテムの機能を満たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用され得ないことを示すものではない。コンピュータプログラムは他のハードウェアとともに、又は他のハードウェアの一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体などの適切な媒体上に記憶/配布され得るが、インターネット又は他の有線もしくはワイヤレス電気通信システムなどの他の形態で配布されてもよい。請求項におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0111】
100 医用システム
102 コンピュータ
104 計算システム
106 ハードウェアインターフェース
108 任意選択のユーザーインターフェース
110 メモリ
120 機械実行可能命令
122 解剖学的キーポイントロケータモジュール
124 カメラ画像
126 解剖学的キーポイント座標のセット
128 座標のリスト
130 警告信号
200 カメラ画像を受信
202 解剖学的キーポイントロケータモジュールへのカメラ画像の入力に応答して解剖学的キーポイント座標のセットを受信
204 座標リストを受領
206 解剖学的キーポイント座標のセットとの一致を検出する座標のリストを検索
208 一致が検出された場合に警告信号を提供
300 医用システム
302 磁気共鳴画像診断装置
304 磁石
306 磁石のボア
308 撮像ゾーン
310 磁場傾斜コイル
312 傾斜磁場コイル電源
314 高周波コイル
316 トランシーバ
318 被検体
320 被検体支持部
322 アクチュエータ
324 カメラシステム
330 パルスシーケンスコマンド
400 カメラシステムを制御してカメラ画像を取得
402 1つ以上の付属キーポイント座標から付属座標の範囲を計算
500 カメラ画像
502 解剖学的キーポイント
504 リスト(付属肢又は手)キーポイント座標
506 手(付属肢)座標の範囲
508 指の接触
600 カメラ画像
700 カメラ画像
800 カメラ画像
900 腕
902 手
904 ピンチ位置又はピンチポイント
906 指キーポイント座標
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】