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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】線維症を検出するための系及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/10 20060101AFI20240925BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20240925BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240925BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240925BHJP
   A61P 27/06 20060101ALI20240925BHJP
   C07K 14/00 20060101ALN20240925BHJP
【FI】
A61B3/10 100
A61P27/02
A61P43/00 105
A61K45/00
A61P27/06
C07K14/00 ZNA
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513776
(86)(22)【出願日】2022-09-01
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 US2022075819
(87)【国際公開番号】W WO2023034903
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/239,919
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】523102302
【氏名又は名称】スリーヘリックス, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】3HELIX, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ベニンク, ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】カークネス, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ウェステンスコウ, ピーター
(72)【発明者】
【氏名】リンダー, マーカス
【テーマコード(参考)】
4C084
4C316
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA17
4C084MA58
4C084NA20
4C084ZA331
4C084ZA332
4C316AA09
4C316AB02
4C316AB07
4C316AB16
4C316FB27
4C316FZ03
4H045AA30
4H045BA70
4H045EA50
4H045FA33
4H045GA21
(57)【要約】
本開示は、標識コラーゲンハイブリダイジングペプチド(LCHP)を対象に投与するステップ、及びLCHPを画像化し、それによって対象における線維症の存在又は進行を検出するステップを含む、方法を提供する。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象における線維症を検出する方法であって、
標識コラーゲンハイブリダイジングペプチド(LCHP)を対象に投与するステップ、及び
LCHPをインビボで画像化し、それによって対象における線維症の存在又は進行を検出するステップ
を含む、方法。
【請求項2】
線維症が網膜下線維症である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
LCHPが対象の眼で画像化される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
LCHPが局所投与、局所注射、又は静脈内注射によって対象に投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
LCHPが対象においてコラーゲンとともに三重らせんを形成する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
線維症の進行を検出し、別のLCHPを別の時点で対象に投与するステップ、前記別のLCHPをインビボで画像化するステップ、及び異なる時点の画像を比較するステップをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
画像化が血管造影を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
画像化が光干渉断層撮影(OCT)を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
画像化が、LCHPを投与するステップから5日以内に行われる、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
画像化が、LCHPを投与するステップから24時間以内に行われる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
画像化が、LCHPを投与するステップから2時間以内に行われる、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
画像化が、LCHPを投与するステップから30分以内に行われる、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
LCHPが、式I:
L-S-(Gly-X-Y)a~b 式I
(式中、Lは1つ又は複数の検出部分であり;Sは0個以上のスペーサー分子であり;Glyはグリシンであり;X及びYの少なくとも一方はプロリン、修飾プロリン、及び/又はヒドロキシプロリンであり;且つaは3であり、bは20である)
によって表される配列を含む、
請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
LCHPが、式II:
L-S-(Gly-X-Y)-(Gly-A-B)-(Gly-X-Y) 式II
(式中、Lは1つ又は複数の検出部分であり;Sは0個以上のスペーサー分子であり;Glyはグリシンであり;X及びYの少なくとも一方はプロリン、修飾プロリン、及び/又はヒドロキシプロリンであり;A及びBのそれぞれは独立的にアミノ酸であり、nは3~20の整数であり、pは1~20の整数であり、且つqは1~20の整数である)
によって表される配列を含む、
請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ又は複数の検出部分が、340nm~800nmの波長で検出されるよう構成された色素を含む、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記1つ又は複数の検出部分が、近赤外(NIR)色素を含む、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記1つ又は複数の検出部分が、ALEXAFLUOR色素、シアニン色素、スルホシアニン色素、インドシアニン色素、TIDE FLUOR色素、TAMRA、FITC、5-FAM、カルボキシフルオレセイン、クマリン色素、及びローダミン色素からなる群から選択される色素を含む、請求項13~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記1つ又は複数の検出部分が、金粒子を含む、請求項13~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記1つ又は複数の検出部分が、酢酸プレドニゾロン、トリアムシノロンアセトニド、及び脂質ベースの人工涙液からなる群から選択される標識を含む、請求項13~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
LCHPの少なくとも1つが、配列番号1~1009のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
LCHPの少なくとも1つが、配列番号55を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
対象がヒトである、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか一項に記載の方法によって検出される、対象における線維症の存在又は進行に基づいて、対象における線維性疾患を診断する方法。
【請求項24】
線維性疾患が線維性眼疾患である、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
線維症が網膜下線維症である、請求項22又は23に記載の方法。
【請求項26】
線維性疾患が、血管新生型加齢黄斑変性(nAMD)、糖尿病性網膜症、緑内障、特に線維柱帯の線維症、血管新生緑内障、角膜瘢痕、結膜、白内障手術後、未熟児網膜症、及び増殖性硝子体網膜症からなる群から選択される、請求項22~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
線維性疾患がnAMDである、請求項22~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
線維性疾患が、線維柱帯の線維症を含む緑内障である、請求項22~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
線維性疾患の対象を処置する方法であって、
請求項23~28のいずれか一項に記載の方法に従って、対象における線維性疾患を診断するステップ、及び
前記対象に抗線維化薬を投与するステップ
を含む、方法。
【請求項30】
血管新生型加齢黄斑変性(nAMD)の対象を処置する方法であって、
請求項27に記載の方法に従って、対象におけるnAMDを診断するステップ、及び
前記対象に抗線維化薬を投与するステップ
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線維症を検出するための系及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0001]線維症は、コラーゲン及び他のECMタンパク質の過剰産生をもたらす、恒常性からの逸脱であると考えられている。線維症は、コラーゲンの産生及び切断/リモデリングの両方を伴う、複雑且つ動的な系である。線維症が進行するとコラーゲン代謝回転の増大があることが示されている。抗VEGF処置は、血管新生型加齢黄斑変性(nAMD)と関連する血管新生を遅くし、患者の多くの視力の改善をもたらし得る。しかしながら、患者の40%もが、nAMDのための抗VEGFでの10年間の処置の後に網膜下線維症を発症する。網膜下線維症は、視力喪失と直接関連する。現在の診断ツールは、特に初期において、線維症の進行をモニタリングする能力を欠いている。3つの最も広範に使用されているツールは、アムスラーグリッド法、蛍光眼底血管造影、及び光干渉断層撮影(OCT)である。
【0003】
[0002]アムスラーグリッド法は、視野の変化に焦点を合わせており、波線/曲線の存在を探す、単一のドットのあるグラフ用紙を介して行われる。アムスラーグリッド法を通して達成される分子検出はないが、アムスラーグリッド法を使用して疾患の進行をモニタリングできる。
【0004】
[0003]蛍光眼底血管造影(FA)は、フルオレセインの全身注射を伴って、眼底撮像を介して、血管新生、漏出、及び脈絡膜の血管構造の変化をモニタリングする。FAによって、医師が2Dで血管新生を可視化することが可能になるが、FAは、線維症を含む、網膜に関するいかなる構造情報も提供しない。
【0005】
[0004]OCTは、網膜肥厚、網膜下液、及び網膜色素上皮(RPE)損傷を含む網膜の断面積の可視化を可能にする、非侵襲性の方法である。OCTは、ドルーゼン物質、RPE変化、出血、網膜組織、又はブルッフ膜からの線維症の検出及び分化に課題を有することに留意されるべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0005]nAMD患者において網膜下線維症をモニタリングする技術はなく、線維症の有効な処置を開発すること、及び現在の治療法の成功をモニタリングすることが、課題であろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0006]一態様では、線維症を検出する問題を解決するために、本開示は、標識コラーゲンハイブリダイジングペプチド(labeled collagen hybridizing peptide)(LCHP)を対象に投与するステップ、及びLCHPを画像化し、それによって対象における線維症の存在又は進行を検出するステップを含む、方法を提供する。
【0008】
[0007]一態様では、線維症の進行を検出する問題を解決するために、本開示は、標識コラーゲンハイブリダイジングペプチド(LCHP)を対象に投与するステップ、及びLCHPを画像化するステップ、並びに別のLCHPを別の時点で対象に投与するステップ、及び該別のLCHPを画像化するステップ、及び異なる時点の画像を比較し、それによって対象における線維症の進行を検出するステップをさらに含む、方法を提供する。
【0009】
[0008]別の態様では、本開示は、本明細書に記載される方法によって検出される、対象における線維症の存在、又は対象における線維症の進行に基づいて、対象における線維性疾患を診断する方法をさらに提供する。
【0010】
[0009]別の態様では、本開示は、線維性疾患の対象を処置する方法であって、本明細書に提供される方法に従って、対象における線維性疾患を診断するステップ、及び該対象に抗線維化薬を投与するステップを含む、方法をさらに提供する。
【0011】
[0010]別の態様では、本開示はまた、血管新生型加齢黄斑変性(nAMD)の対象を処置する方法であって、本明細書に記載される方法に従って、対象におけるnAMDを診断するステップ、及び該対象に抗線維化薬を投与するステップを含む、方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】nAMD及び線維症の概観を図解する図である。
図2A図2A~2Cは、nAMD診断のための現在の方法を図解する図である。
図2B図2A~2Cは、nAMD診断のための現在の方法を図解する図である。
図2C図2A~2Cは、nAMD診断のための現在の方法を図解する図である。
図3】折り畳まれていないコラーゲン分子に結合したLCHPを図解する図である。
図4A図4A及び4Bは、レーザー誘起脈絡膜新生血管(CNV)及び特発性CNVの可視化を図解する図である。
図4B図4A及び4Bは、レーザー誘起脈絡膜新生血管(CNV)及び特発性CNVの可視化を図解する図である。
図5A図5A及び5Bは、線維症及び上皮間葉転換(EMT)の関連タンパク質を図解する図である。
図5B図5A及び5Bは、線維症及び上皮間葉転換(EMT)の関連タンパク質を図解する図である。
図5C】JR5558マウスモデルにおける、4週間から10週間まで時間が経つにつれて増大するコラーゲンリモデリングを示す図である。
図6A図6A~6Bは、血管造影(FA及びIDCGA)とともにCHPを使用した、インビボ画像化を図解する図である。
図6B図6A~6Bは、血管造影(FA及びIDCGA)とともにCHPを使用した、インビボ画像化を図解する図である。
図6C】レーザーパワーが増大して眼の病変を引き起こすので、sCy7.5-CHPが、損傷/変性コラーゲンの量の変化を検出するのに十分高い感受性を有することを図解する図である。レーザーパワーが増大すると、より高いCHPからのシグナル強度によって証明されるように、損傷コラーゲンの量が増大する。このシグナルが定量され、150mW及び300mWパワーレベルと比較して、500mWレベルから有意差があった。使用されるパワーレベルで、レーザーを100ミリ秒曝露した。
図6D】150、300、及び500mWパワーレベルでの、LCNVの眼から採取された病変からの組織学的解析を示す図である。左の画像は、フィブロネクチン(紫色)及びLCHP(赤色)の染色を示す。フィブロネクチンは一般的なECMタンパク質染料であり、LCHPは損傷コラーゲンを示す。右のグラフは、組織診で見られるシグナルが図6Cで見られるインビボシグナルとどのように相関があるかを示す。示されるように、インビボLCHPシグナルとフィブロネクチンとの間には良い一致があり(r=0.69)、インビボシグナル及び組織学的CHPシグナルではさらに良い一致がある(r=0.76)。まとめると、これにより、インビボシグナルが、nAMDによる新血管新生についての、信頼性の高い標識であり得ることが確かめられる。
図7】レーザー傷害の1週間後及び8週間後のLCNVマウスモデルに対する、線維化反応及び解決を示す図である。上の概略図は、レーザー傷害、CHP注射、及び画像化の時系列表を示す。インビボ画像は、レーザー傷害の1週間後及びレーザー傷害の8週間後のCHPシグナルを示す。定量化すると、右側のグラフは、インビボ及びエクスビボで試験した場合の、1週目対8週目のコラーゲンリモデリングの間で有意差を示す。
図8A】JR5558マウスにおける、一般的なIgG抗体と比較した、nAMDに対する二重特異性抗VEGF/ANG-2抗体処置(抗VA2)の治療効果を図解する図である。概略図Aは、研究のための注射及びCHP画像化のタイミングを強調する。パネルBは、各処置のインビボ画像化結果を示し、パネルCはCHPを使用したシグナル定量化を示す。パネルDは、フィブロネクチン(線維症の一般的なマーカー)に対する、各処置群におけるCHPシグナル強度を比較する。
図8B】IgG処置と比較した、抗VA2での処置の後に採取された病変からのエクスビボの組織学的解析を示す図である。CHPシグナル(赤色)を、フィブロネクチン染色(紫色)と比較した。フィブロネクチンは一般的なECMタンパク質染料であり、LCHPは損傷コラーゲンを示す。下のグラフは、組織診で見られるシグナルが図8Aで見られるインビボシグナルとどのように相関があるかを示す。示されるように、インビボLCHPシグナルとフィブロネクチンとの間には良い一致があり(r=0.54)、インビボシグナル及び組織学的CHPシグナルではさらに良い一致がある(r=0.63)。まとめると、これにより、インビボシグナルが、nAMDによる新血管新生及び線維症のための新たな薬物処置に関する治療有効性についての、信頼性の高い標識であり得ることが確かめられる。
図9】CNVを有する、レーザー誘起された後の非ヒト霊長動物におけるCHP組織診を図解する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0023]以下、本開示の例示的な実施形態を詳細に記載する。しかしながら、本開示は下記に開示される実施形態に限定されず、種々の形態で実施され得る。以下の実施形態は、当業者が本開示の実施形態を具体化及び実施することを可能にするために、記載される。
【0014】
[0024]開示される方法の産物及び組成物に使用され得るか、開示される方法及び組成物と合わせて使用され得るか、開示される方法及び組成物の調製において使用され得るか、又は開示される方法及び組成物の産物である、材料、組成物、及び構成要素が、開示される。これら及び他の材料が本明細書に開示され、それらの材料の組合せ、部分集合、相互作用、群等が開示される場合、これらの化合物の各種々の個々の、並びに集合的な組合せ及び入れ替えの特定の参照が明らかに開示されていないかもしれないが、それぞれが本明細書に特に意図及び記載されることが理解される。例えば、ペプチドコンジュゲートが開示及び議論され、該ペプチドコンジュゲートを含む多数の分子に対してなされ得る多数の変更が議論される場合、特に反対に示されない限りは、該ペプチドコンジュゲートのありとあらゆる組合せ及び入れ替え並びに可能な変更が、特に意図される。よって、分子A、B、及びCのクラスが開示される場合、並びに分子D、E、及びFのクラス及び組合せ分子A-Dの例が開示される場合、この時それぞれが個々に列挙されていないとしても、それぞれは個々に及び集合的に意図される。よって、この例において、組合せA-E、A-F、B-D、B-E、B-F、C-D、C-E、及びC-Fのそれぞれが特に意図され、A、B、及びC;D、E、及びF;並びに例の組合せA-Dの開示から開示されていると考えられるべきである。同様に、これらのあらゆる部分集合又は組合せもまた、特に意図及び開示される。よって、例えば、A-E、B-F、及びC-Eのサブグループが特に意図され、A、B、及びC;D、E、及びF;並びに例の組合せA-Dの開示から開示されていると考えられるべきである。この概念は、開示される組成物を製造及び使用する方法におけるステップを含むがこれらに限定されない、この出願の全ての態様に適用される。よって、行われ得る様々なさらなるステップがある場合、これらのさらなるステップのそれぞれは、開示される方法のあらゆる特定の実施形態又は実施形態の組合せとともに行われ得ること、及びそれぞれのかかる組合せが特に意図され、開示されていると考えられるべきであることが、理解される。
【0015】
定義
[0025]第1、第2等の用語を使用して、種々の要素を記載し得るが、これらの要素はこれらの用語によって限定されない。これらの用語は、1つの要素を別のものと区別するために使用されるのみである。例えば、例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の要素は第2の要素と名付けられ得、同様に、第2の要素は第1の要素と名付けられ得る。用語「及び/又は」は、関連する、記載された項目のうちの1つ又は複数のあらゆる全ての組合せを含む。
【0016】
[0026]本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈によって明らかに他に指示されない限りは、複数の言及を含むことに留意しなければならない。よって、例えば、「ペプチド」への言及は、かかるペプチドの複数を含み、「ペプチド」への言及は、1つ又は複数のペプチド、及び当業者に公知のその同等物等への言及である。同様に、単語「又は」は、文脈によって明らかに他に示されない限りは、「及び」を含むよう意図される。
【0017】
[0027]本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、語句「少なくとも1つ」は、1つ又は複数の要素の一覧を参照して、要素の一覧の要素のうちの任意の1つ又は複数から選択される少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであるが、必ずしも要素の一覧内に特に記載されたありとあらゆる要素のうちの少なくとも1つを含まず、要素の一覧の要素のいずれの組合せも排除しない。この定義はまた、語句「少なくとも1つ」が言及する要素の一覧内に特に同定された要素以外に、特に同定されたそれらの要素と関連があってもなくても、要素が任意選択で存在し得ることを可能にする。よって、非限定的な例として、「A及びBの少なくとも一方」(又は同等に「A又はBの少なくとも一方」、又は同等に「A及び/又はBの少なくとも一方」)は、一実施形態では、任意選択で1つより多くのAを含み、Bが存在しない(及び任意選択でB以外の要素を含む)少なくとも一方をいい得;別の実施形態では、任意選択で1つより多いBを含み、Aが存在しない(及び任意選択でA以外の要素を含む)少なくとも一方をいい得;さらに別の実施形態では、少なくとも1つ、任意選択で1つより多いAを含み、少なくとも1つ、任意選択で1つより多いB(及び任意選択で他の要素)を含む少なくとも一方等をいい得る。
【0018】
[0028]用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する」等は互換可能に使用され、同じ意味を有する。同様に、「含む(comprises)」、「含む(includes)」、「有する」等は互換可能に使用され、同じ意味を有する。特に、用語のそれぞれは、一般的な米国特許法の「含む」の定義と一致して定義され、そのため「少なくとも以下の」を意味するオープンタームであると解釈され、さらなる特徴、限定、態様等を排除しないとも解釈される。よって、例えば、「構成要素a、b、及びcを有する装置」は、装置が少なくとも構成要素a、b及びcを含むことを意味する。同様に、語句:「ステップa、b、及びcを伴う方法」は、方法が少なくともステップa、b、及びcを含むことを意味する。さらに、ステップ及びプロセスは、特定の順序で本明細書で概説され得るが、当業者は秩序化ステップ及びプロセスは、特定の順序が文脈によって明らかに示されない限りは、変化し得る。
【0019】
[0029]本明細書で使用される場合、用語「約」は、明らかに示されていてもいなくても、例えば、整数、分数、及びパーセンテージを含む数値をいう。用語「約」は、一般に、当業者が列挙された値と同等であると考える(例えば、同じ機能又は結果を有する)数値の範囲(例えば、列挙された数値の+/-5、6、7、8、9又は10%)をいう。一部の例では、用語「約」は、最も近い有効数字に四捨五入される数値を含み得る。
【0020】
[0030]本明細書で使用される場合、「コラーゲン」は、あらゆる組織のタイプ(例えば、骨、真皮、腱、靭帯等)由来であり得る。コラーゲンは、ポリプロリンII様構造の3つのα鎖が一緒に折り畳まれて三重らせんになる分子をいい得る。さらに、これは、I~XXVIII型コラーゲン及び細菌コラーゲンを含む三重らせん領域を含むあらゆるタンパク質に適用され得る。用語「コラーゲン」は、本明細書で使用される場合、人工コラーゲン及び加工又は他の修飾をされたコラーゲンを含む、全ての形態のコラーゲンをいい得る。一部の実施形態では、コラーゲンは、I型コラーゲン、II型コラーゲン、III型コラーゲン、IV型コラーゲン、V型コラーゲン、VI型コラーゲン、VII型コラーゲン、VIII型コラーゲン、IX型コラーゲン、X型コラーゲン、XI型コラーゲン、XII型コラーゲン、XIII型コラーゲン、XIV型コラーゲン、XV型コラーゲン、XVI型コラーゲン、XVII型コラーゲン、XVIII型コラーゲン、XIX型コラーゲン、XX型コラーゲン、XXI型コラーゲン、XXII型コラーゲン、XXIII型コラーゲン、XXIV型コラーゲン、XXV型コラーゲン、XXVI型コラーゲン、XXVII型コラーゲン、XXVIII型コラーゲン、及びそれらの組合せから選択される。
【0021】
[0031]本明細書で使用される場合、用語「プロリン又は修飾プロリン」は、天然及び非天然の異性体を含む、アミノ酸プロリン及びその種々の異性体、アナログ及びバリアントを意味する。修飾プロリンの例としては、限定されないが、ヒドロキシプロリン、4-フルオロプロリン、及び4-クロロプロリンが挙げられる。
【0022】
[0032]一部の実施形態では、方法は、対象から試料を収集するステップを排除する。一部の実施形態では、本明細書の「対象」は、ヒト又は動物若しくは細菌若しくは前述の群のいずれか由来の細胞培養物をいい得る。動物の非限定な例としては、霊長動物、齧歯動物、家畜、又は狩猟動物等の脊椎動物が挙げられる。霊長動物としては、チンパンジー、カニクイザル、クモザル、及びマカク(例えば、アカゲザル)が挙げられる。齧歯動物としては、マウス、ラット、ウッドチャック、フェレット、ウサギ、及びハムスターが挙げられる。家畜及び狩猟動物としては、ウシ、ウマ、ブタ、シカ、バイソン、バッファロー、ヘラジカ、ネコ科の種(例えば、イエネコ)、及びイヌ科の種(例えば、イヌ、キツネ、オオカミ)が挙げられる。魚類としては、軟骨魚類(軟骨魚)及び硬骨魚類(硬骨魚)が挙げられる。対象は哺乳動物であってもよい。哺乳動物は、ヒト、非ヒト霊長動物、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、又はウシであり得るが、これらの例に限定されない。また、本明細書に記載される方法を使用して、飼育動物又は愛玩動物を診断及び/又は処置し得る。この用語は、特定の年齢又は性別を示さない。よって、雄又は雌のいずれであっても、成体及び新生の対象、並びに胎児が、この用語の範囲内に含まれるよう意図される。
【0023】
[0033]用語「処置する」は、部分的又は完全に、特定の疾患、障害、及び/又は状態のうちの1つ又は複数の症状又は特徴を、緩和するか、改善するか、軽減するか、発生を遅らせるか、進行を阻害するか、重症度を低下させるか、及び/又は発生率を低下させることをいう。例えば、コラーゲン損傷を含む疾患又は傷害を「処置する」ことは、損傷/変性コラーゲンの量を減少させるか、又は排除することをいい得る。処置はまた、疾患、障害、及び/又は状態に関連した病態を発症するリスクを減少させる目的で、疾患、障害、及び/若しくは状態の徴候を示さない対象、並びに/又は疾患、障害、及び/若しくは状態の初期の徴候のみを示す対象に投与され得る。
【0024】
I.導入
[0034]添付の図面を参照して、本開示の例示的な実施形態を下記で詳細に記載する。本開示の理解を助けるために、図面の記載全体を通じて同様な数は同様な要素をいい、同じ要素の記載は繰り返さない。
【0025】
II.線維症
[0035]線維症は、コラーゲン及び他のECMタンパク質の過剰産生をもたらす、恒常性からの逸脱であると考えられている。線維症は、コラーゲンの産生及び切断/リモデリングの両方を伴う、複雑且つ動的な系である。線維症が進行するとコラーゲン代謝回転の増大があることが示されている。
【0026】
III.線維症の検出
[0036]一態様では、本開示は、対象における線維症を検出する方法であって、標識コラーゲンハイブリダイジングペプチド(LCHP)を対象に投与するステップ、及びLCHPをインビボで画像化し、それによって対象における線維症の存在又は進行を検出するステップを含む、方法を提供する。例示的な実施形態では、線維症は網膜下線維症である。例示的な実施形態では、対象はヒトである。
【0027】
IIIa.標識コラーゲンハイブリダイジングペプチド(LCHP)
[0037]コラーゲンは、人体で最も豊富なタンパク質であり、ほとんど全ての臓器及び組織の必須の構成要素であり、細胞接着及び成長のための枠組みを提供する。全て種由来の全てのタイプのコラーゲンは、ほぼ排他的にコラーゲンに見られる、三重らせんタンパク質構造を共有している。コラゲナーゼによって切断された後、コラーゲン分子は体温で熱に対して不安定になり、三重らせんは自然に変性する。コラーゲン三重らせんのアンフォールディングは、機械的傷害、熱傷(化学熱傷又は温度熱傷)、又は擦過傷の間に起こる。本明細書に記載されるCHPは、PCRの間に溶解したDNA鎖に結合するプライマーと類似した様式で、コラーゲンの変性α鎖とともに三重らせんを形成することによって、折り畳まれていないコラーゲン分子に特異的に結合し得る。検出部分とコンジュゲートして、CHPは、活発なコラーゲンリモデリングを受けている、線維症における折り畳まれていないコラーゲン分子の直接検出を可能にし得る。図3は、折り畳まれていないコラーゲン分子に結合したLCHPを図解している。
【0028】
[0038]本明細書で使用される場合、「標識コラーゲンハイブリダイジングペプチド」又はLCHPは、式I:
L-S-(Gly-X-Y)-T 式I
(式中、Lは1つ又は複数の検出部分であり、Sはスペーサー部分であり、mは0~25の整数であり、Glyはグリシンであり、Xはアミノ酸であり、Yはアミノ酸であり、nは3~20の整数であり、Tは末端部分であり、jは0~1の整数であり、式中X及びYの少なくとも一方がプロリン又は修飾プロリンである)
によって表される分子をいい得る。修飾プロリンの例としては、ヒドロキシプロリン、4-フルオロプロリン、及び4-クロロプロリンが挙げられる。一部の実施形態では、修飾プロリンはヒドロキシプロリンである。一部の実施形態では、X及びYのそれぞれは独立的にプロリン又は修飾プロリン、例えば、プロリン又はヒドロキシプロリンである。一部の実施形態では、X及びYは、それぞれプロリン及びヒドロキシプロリンである。一部の実施形態では、X及びYは、それぞれ2S,4S-4-フルオロプロリン及びヒドロキシプロリンである。一部の実施形態では、X及びYは、それぞれ2S,4S-4-クロロプロリン及びヒドロキシプロリンである。
【0029】
[0039]蛍光検出部分は、1つの波長(例えば、青色又は緑色)の光によって励起されて可視スペクトルで異なる波長の光を発する、免疫蛍光法のために選択される色素を含み得る。例示的な検出部分は、緑色光を発するフルオレセイン、赤色光を発するテキサスレッド及びペリジニンクロロフィルタンパク質(PerCP)、並びに橙色/赤色光を発するローダミン及びフィコエリトリン(PE)である。選択的フィルターを使用することによって、使用される検出部分から来る光のみが、蛍光顕微鏡で検出される。
【0030】
[0040]一部の実施形態では、検出部分は、340nm~800nmの波長で検出される。一部の実施形態では、検出部分は近赤外(NIR)色素である。
【0031】
[0041]例示的な実施形態では、検出部分は、ALEXA FLUOR色素、シアニン色素、スルホシアニン色素、インドシアニン色素、TIDE FLUOR色素、TAMRA、FITC、5-FAM、カルボキシフルオレセイン、クマリン色素、及びローダミン色素からなる群から選択される。これらの検出部分は、Sigma Aldrich、ThermoFisher、AbCam等から購入できる。特に、スルホシアニン色素は、Lumiprobeから購入でき、TIDE FLUOR色素はAAT Bioquest又はBaChemから購入できる。一部の実施形態では、検出部分は、金ナノ粒子である。金ナノ粒子は、Nanopartz、Sigma Aldrich、Particle-Works等から購入できる。一部の実施形態では、金粒子サイズは約1nm~約15.2ミクロンである。一部の実施形態では、金粒子の形状は球形である。一部の実施形態では、金粒子の形状はナノロッド形状である。一部の実施形態では、検出部分は、酸化鉄ナノ粒子である。一部の実施形態では、検出部分は放射標識である。一部の実施形態では、放射標識は、テクネチウム、インジウム111、銅64、イットリウム86、フッ素18、及びジルコニウム89からなる群から選択される。
【0032】
[0042]一部の実施形態では、検出部分は、酢酸プレドニゾロンである。一部の実施形態では、検出部分は、トリアムシノロンアセトニドである。一部の実施形態では、検出部分は、脂質ベースの人工涙液である。
【0033】
[0043]一部の実施形態では、検出部分は、ALEXA FLUOR色素である。さらなる実施形態では、AlexaFluor色素は:Alexa Fluor 350、Alexa Fluor 405、Alexa Fluor 430、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 532、Alexa Fluor 546、Alexa Fluor 555、Alexa Fluor 568、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 610、Alexa Fluor 633、Alexa Fluor 635、Alexa Fluor 647、Alexa Fluor 660、Alexa Fluor 680、Alexa Fluor 700、Alexa Fluor 750、及びAlexa Fluor 790からなる群から選択される。
【0034】
[0044]一部の実施形態では、検出部分は、シアニン色素である。さらなる実施形態では、シアニン色素は:Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7、及びCy7.5からなる群から選択される。
【0035】
[0045]一部の実施形態では、検出部分は、スルホン化シアニン色素(スルホシアニン)である。さらなる実施形態では、スルホシアニン色素は:sCy3、sCy3.5、sCy5、sCy5.5、sCy7、及びsCy7.5からなる群から選択される。
【0036】
[0046]一部の実施形態では、検出部分は、TIDE FLUOR色素である。さらなる実施形態では、TIDE FLUOR色素は:TF1、TF2、TF3WS、TF3、TF4、TF5WS、TF6WS、TF7WS、及びTF8WSからなる群から選択される。
【0037】
[0047]一部の実施形態では、本明細書に記載される色素は:NHSエステル、マレイミド-チオール、アジド、ヒドラジド、アルキン、カルボン酸、及びアミン/アミノからなる群から選択される共役化学を介して、CHPに結合し得る。色素コンジュゲーションの方法は、Bioconjugate Techniques、第3版、Greg T.Hermanson、Academic Press(2013)に記載されている。
【0038】
[0048]一実施形態では、Sはアミノ酸である。例示的な実施形態では、mは0又は1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9又は10である。一実施形態では、Sはグリシンである。例示的な実施形態では、mは0又は1又は2又は3又は4又は5である。例示的な実施形態では、mは3である。例示的な実施形態では、SはGlyGlyGlyである。一実施形態では、SはAhx(或いは、アミノカプロン酸、又は6-アミノヘキサン酸として公知)である。例示的な実施形態では、mは1である。例示的な実施形態では、SはAhxである。一実施形態では、Sはエチレングリコールである。一実施形態では、Sは(OCHCH1~4である。
【0039】
[0049]例示的な実施形態では、nは3である。例示的な実施形態では、nは4である。例示的な実施形態では、nは5である。例示的な実施形態では、nは6である。例示的な実施形態では、nは7である。例示的な実施形態では、nは8である。例示的な実施形態では、nは9である。例示的な実施形態では、nは10である。例示的な実施形態では、nは11である。例示的な実施形態では、nは12である。例示的な実施形態では、nは13である。例示的な実施形態では、nは14である。例示的な実施形態では、nは15である。例示的な実施形態では、nは16である。例示的な実施形態では、nは17である。例示的な実施形態では、nは18である。例示的な実施形態では、nは19である。例示的な実施形態では、nは20である。
【0040】
[0050]例示的な実施形態では、修飾プロリンは、フルオロプロリンである。例示的な実施形態では、修飾プロリンは、2S,4R-4-フルオロプロリン(trans-フルオロプロリン)である。例示的な実施形態では、修飾プロリンは、2S,4S-4-フルオロプロリン(cis-フルオロプロリン)である。例示的な実施形態では、修飾プロリンは、クロロプロリンである。例示的な実施形態では、修飾プロリンは、2S,4S-4-クロロプロリン(cis-クロロプロリン)である。例示的な実施形態では、修飾プロリンは、メチルプロリンである。例示的な実施形態では、修飾プロリンは、2S,4S-4-メチルプロリン(cis-メチルプロリン)である。
【0041】
[0051]例示的な実施形態では、修飾プロリンは、ヒドロキシプロリンである。例示的な実施形態では、修飾プロリンは、2S,4R-transヒドロキシプロリンである。例示的な実施形態では、修飾プロリンは、t-ブトキシプロリンである。例示的な実施形態では、修飾プロリンは、N-α-Fmoc-O-t.-ブチル-L-trans-4-ヒドロキシプロリン、又はFmoc-Hyp(tBu)-OHである。
【0042】
[0052]例示的な実施形態では、Tはメチルである。例示的な実施形態では、TはHである。例示的な実施形態では、TはCOOHである。例示的な実施形態では、TはNHである。Tのさらなる選択肢は、ここで見ることができる:pepscan.com/custom-peptide-synthesis/peptide-modifications/c-terminal-modifications/。
【0043】
[0053]例示的な実施形態では、LCHPは、L-S-(Gly-X-Hyp)-H(式中L、S、m、X、及びnは本明細書に記載される通りであり、Glyはグリシンであり、Hypはtrans-ヒドロキシプロリンである)である。例示的な実施形態では、LCHPは、L-S-(Gly-Pro-Hyp)-H(式中L、S、m、及びnは本明細書に記載される通りであり、Glyはグリシンであり、Proはプロリンであり、Hypはtrans-ヒドロキシプロリンである)である。例示的な実施形態では、LCHPは、L-S-(Gly-X-Hyp)-H(式中L、S、m、及びnは本明細書に記載される通りであり、Glyはグリシンであり、Xはフルオロプロリンであり、Hypはtrans-ヒドロキシプロリンである)である。例示的な実施形態では、LCHPは、L-S-(Gly-X-Hyp)-H(式中L、S、m、及びnは本明細書に記載される通りであり、Glyはグリシンであり、Xはcis-フルオロプロリンであり、Hypはtrans-ヒドロキシプロリンである)である。例示的な実施形態では、LCHPは、L-S-(Gly-X-Hyp)-H(式中L、S、m、及びnは本明細書に記載される通りであり、Glyはグリシンであり、Xはtrans-フルオロプロリンであり、Hypはtrans-ヒドロキシプロリンである)である。例示的な実施形態では、LCHPは、L-GGG-(Gly-X-Hyp)-H(式中L、S、m、X、及びnは本明細書に記載される通りであり、Glyはグリシンであり、Xはtrans-フルオロプロリンであり、Hypはtrans-ヒドロキシプロリンである)である。例示的な実施形態では、LCHPは、L-S-(Gly-X-Hyp)(式中L、S、及びXは本明細書に記載される通りであり、Xはプロリン又は修飾プロリンであり、Glyはグリシンであり、Hypはtrans-ヒドロキシプロリンである)であり得る。
【0044】
[0054]一部の実施形態では、本明細書に記載されるLCHPは、式II:
L-S-(Gly-X-Y)-T 式II
(式中L、S、n、X、Y、及びTは、本明細書に記載される通りである)によって表される配列を含む。
【0045】
[0055]一部の実施形態では、本明細書に記載されるLCHPは、式III:
L-S-(Gly-X-Y)-(Gly-A-B)-(Gly-X-Y) 式III
(式中L、S、n、X、及びYは、本明細書に記載される通りであり、A及びBは、独立的に、あらゆるアミノ酸であり、pは1~20の整数であり、qは1~20の整数であり得る)によって表される配列を含む。例示的な実施形態では、pは2である。例示的な実施形態では、pは3である。例示的な実施形態では、pは4である。例示的な実施形態では、pは5である。例示的な実施形態では、pは6である。例示的な実施形態では、pは7である。例示的な実施形態では、pは8である。例示的な実施形態では、pは9である。例示的な実施形態では、pは10である。例示的な実施形態では、pは11である。例示的な実施形態では、pは12である。例示的な実施形態では、pは13である。例示的な実施形態では、pは14である。例示的な実施形態では、pは15である。例示的な実施形態では、pは16である。例示的な実施形態では、pは17である。例示的な実施形態では、pは18である。例示的な実施形態では、pは19である。例示的な実施形態では、pは20である。例示的な実施形態では、qは2である。例示的な実施形態では、qは3である。例示的な実施形態では、qは4である。例示的な実施形態では、qは5である。例示的な実施形態では、qは6である。例示的な実施形態では、qは7である。例示的な実施形態では、qは8である。例示的な実施形態では、qは9である。例示的な実施形態では、qは10である。例示的な実施形態では、qは11である。例示的な実施形態では、qは12である。例示的な実施形態では、qは13である。例示的な実施形態では、qは14である。例示的な実施形態では、qは15である。例示的な実施形態では、qは16である。例示的な実施形態では、qは17である。例示的な実施形態では、qは18である。例示的な実施形態では、qは19である。例示的な実施形態では、qは20である。
【0046】
[0056]一部の実施形態では、本明細書に記載されるLCHPは、L-S-(Gly-X-Y)によって表される配列、L-S-(Gly-X-Y)によって表される配列、L-S-(Gly-X-Y)によって表される配列、L-S-(Gly-X-Y)によって表される配列、L-S-(Gly-X-Y)によって表される配列、L-S-(Gly-X-Y)によって表される配列、L-S-(Gly-X-Y)によって表される配列、L-S-(Gly-X-Y)10によって表される配列、L-S-(Gly-X-Y)11によって表される配列、L-S-(Gly-X-Y)12によって表される配列、L-S-(Gly-X-Y)13によって表される配列、L-S-(Gly-X-Y)14によって表される配列、L-S-(Gly-X-Y)15によって表される配列、L-S-(Gly-X-Y)16によって表される配列、L-S-(Gly-X-Y)17によって表される配列、L-S-(Gly-X-Y)18によって表される配列、L-S-(Gly-X-Y)19によって表される配列、又はL-S-(Gly-X-Y)20によって表される配列(式中L、S、X及びYは、本明細書に記載される通りであり、Glyはグリシンである)を含む。
【0047】
[0057]一部の実施形態では、本明細書に記載されるLCHPは、下記の表1に示される配列識別子又は標識配列のアミノ酸配列のいずれか1つを含む。
【表1】










































【0048】
[0058]上記の表1に提供されるある特定の配列において、「GGG」又は「G3」は、三重グリシンスペーサーを表す。上記の表1に提供されるある特定の配列において、「NH」はアミド化C末端を表す。上記の表1に提供されるある特定の配列において、「GfO」配列中の「f」は、2S,4S-4-フルオロプロリン(cisコンホメーション)を表す。上記の表1に提供されるある特定の配列において、「AhX」は6-アミノヘキサン酸スペーサーを表す。
【0049】
[0059]一部の実施形態では、表1の各ペプチドの検出部分は、本明細書に記載される別の1つ又は複数の検出部分と置換され得る。一部の実施形態では、表1の各ペプチドのスペーサー部分は、本明細書に記載される別のスペーサー部分と置換され得る。一部の実施形態では、本明細書に記載されるLCHPの末端部分は、表1の末端部分のいずれか1つを含み得る。
【0050】
[0060]一部の実施形態では、CHP(Gly-X-Y)反復部分は、下記の表2から選択される配列を有する。
【表2】
【0051】
[0061]一部の実施形態では、本明細書に記載されるLCHPは、2つの(Gly-X-Y)n反復部分を含み得る。一部の実施形態では、本明細書に記載されるLCHPは、1つ又は複数の(Gly-X-Y)n反復部分及び1つ又は複数の(Gly-X-Y)q反復部分を含み得、式中qは0~25のあらゆる整数である。一部の実施形態では、nは3であり得る。一部の実施形態では、qは2であり得る。一部の実施形態では、qは3であり得る。
【0052】
[0062]一部の実施形態では、LCHPは配列番号55を含む。
【0053】
[0063]他の実施形態及び同等物は、限定されないが、表1及び2に記載された各配列の二量体型を含む。ある特定の実施形態では、二量体配列は、表1及び2のいずれかに提供されるアミノ酸配列と、1つのアミノ酸、2つのアミノ酸、3つのアミノ酸、4つのアミノ酸、5つのアミノ酸、6つのアミノ酸、7つのアミノ酸、8つのアミノ酸、9つのアミノ酸、10個のアミノ酸又は10個より多いアミノ酸が異なり得る。ある特定の実施形態では、二量体配列は、グリシン側枝及び/又はリシンの枝分かれ部位を含み得る。
【0054】
[0064]LCHPは、独特な熱力学駆動型の結合メカニズムを介して、分解中のコラーゲン(degrading collagen)に結合し、ここでCHPは折り畳まれて、利用可能な変性コラーゲンα鎖とともにコラーゲン三重らせんになる。これにより、組織中に位置する変性した/リモデリングされたコラーゲン鎖の検出が可能になる。
【0055】
[0065]一部の実施形態では、LCHPは、局所投与によって対象に投与される。一部の実施形態では、LCHPは、局所注射によって対象に投与される。一部の実施形態では、LCHPは、静脈内注射によって対象に投与される。
【0056】
[0066]例示的な実施形態では、LCHPは対象において未変性のコラーゲンα鎖とともに三重らせんを形成する。
【0057】
[0067]一部の実施形態では、CHP配列中のある特定のアミノ酸が、高い三重らせん傾向を維持しながら、血清タンパク質の切断部位になり得る。一部の実施形態では、CHPは、高い三重らせん傾向を維持しながら、血清及び細胞外マトリックスにおいてMMPの切断部位となり得るMMP切断可能配列を有し得る。一部の実施形態では、本明細書に記載されるCHPは、酵素によって認識される荷電残基を含み得る。例えば、本明細書に記載されるCHPは、トリプシン及び他の酵素によって認識されるリシンを含み得る。一部の実施形態では、生成されるCHPは、高い三重らせん傾向を維持しながら、短い。
【0058】
IIIb.インビボの画像化
[0068]例示的な実施形態では、LCHPは、インビボで画像化される。例示的な実施形態では、インビボの画像化は血管造影を含む。例示的な実施形態では、インビボの画像化は血管造影である。例示的な実施形態では、インビボの画像化は、光干渉断層撮影(OCT)を含む。例示的な実施形態では、インビボの画像化は、光干渉断層撮影(OCT)である。
【0059】
[0069]一部の実施形態では、LCHPは、対象の眼で画像化される。一部の実施形態では、画像化は、LCHPを投与するステップから2、2.5、3、3.5、4、4.5、5又は5.5時間以内に行われる。一部の実施形態では、画像化は、LCHPを投与するステップから約0.2、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、7、8、9、又は10時間以内に行われる。一部の実施形態では、画像化は、LCHPを投与するステップから約24、23、22、21、20、19、18、17、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、又は2時間以内に行われる。一部の実施形態では、画像化は、LCHPを投与するステップから約5、4、3、2、又は1日(複数可)以内に行われる。
【0060】
[0070]免疫蛍光顕微鏡法を使用して、組織の(ALEXA FLUOR色素、シアニン色素、スルホシアニン色素、インドシアニン色素、TIDE FLUOR色素、TAMRA、FITC、5-FAM、カルボキシフルオレセイン、クマリン色素、及びローダミン色素等の)検出部分を画像化し得る(正しいライトキューブを有するEVOS M5000)。インビボの作業のために、これらの検出部分を、三次元(3D)蛍光分子断層撮影(FMT撮影)又は近赤外蛍光撮像(例えば、Perkin Elmer IVIS Spectrum)によって画像化し得る。
【0061】
[0071]磁気共鳴画像法(MRI)、光学イメージング、OCT、又はコンピュータ断層撮影法(CT)は、金ナノ粒子が検出部分である場合に、画像化に使用され得る。磁気共鳴画像法(MRI)は、酸化鉄ナノ粒子が検出部分である場合に、画像化に使用され得る。ポジトロン放射断層撮影(PET)は、放射標識が検出部分である場合に、画像化に使用され得る。
【0062】
IV.線維症の進行
[0072]一態様では、本開示は、対象における線維症の進行を検出する方法であって、標識コラーゲンハイブリダイジングペプチド(LCHP)を対象に投与するステップ、及びLCHPをインビボで画像化するステップ、並びに別のLCHPを別の時点で対象に投与するステップ、及び該別のLCHPをインビボで画像化するステップ、及び異なる時点の画像を比較し、それによって対象における線維症の進行を検出するステップをさらに含む、方法を提供する。例示的な実施形態では、線維症は網膜下線維症である。
【0063】
V.線維性疾患の診断及び処置
[0073]例示的な実施形態では、本発明は、本明細書に記載された方法によって検出される、対象における線維症の存在又は進行に基づいて、対象における線維性疾患を診断する方法を提供する。例示的な実施形態では、線維性疾患は線維性眼疾患(fibrotic eye disease)である。例示的な実施形態では、線維性疾患は、血管新生型加齢黄斑変性(nAMD)、糖尿病性網膜症、緑内障、特に線維柱帯の線維症、血管新生緑内障、角膜瘢痕、結膜、白内障手術後、未熟児網膜症、及び増殖性硝子体網膜症からなる群から選択される。例示的な実施形態では、線維性疾患はnAMDである。例示的な実施形態では、線維性疾患は、線維柱帯の線維症を含む緑内障である。
【0064】
[0074]例示的な実施形態では、本発明は、線維性疾患の対象を処置する方法であって、本明細書に記載された方法に従って、対象における線維性疾患を診断するステップ、及び該対象に抗線維化薬を投与するステップを含む、方法を提供する。
【0065】
[0075]例示的な実施形態では、本発明は、血管新生型加齢黄斑変性(nAMDの対象を処置する方法であって、本明細書に記載された方法に従って、対象におけるnAMDを診断するステップ、及び該対象に抗線維化薬を投与するステップを含む、方法を提供する。
【0066】
[0076]一部の実施形態では、抗線維化薬は、ニンテダニブ及び/又はピルフェニドンを含み得る。一部の実施形態では、抗線維化薬は、抗血管内皮増殖因子(VEGF)剤を含み得る。
【0067】
[0077]例示的な実施形態では、線維性疾患は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、ケロイド、慢性腎臓病(CKD)、骨髄線維症、特発性肺線維症(IPF)、及び血管新生型加齢黄斑変性(nAMD)等の加齢黄斑変性(AMD)である。
【0068】
[0078]2つのタイプのAMDがある。萎縮型AMDは、最も一般的な形態であり、AMDを有する人々の約80%が経験する。萎縮型AMDは、網膜黄斑の一部が年齢とともに薄くなり、タンパク質の塊(すなわち、ドルーゼン)が成長する(図解せず)場合に生じる。滲出型AMDはあまり一般的ではないが、より重篤になりやすく、異常な血管が網膜の下で成長する(図1に図解されている)。網膜の下の血管が、血液又は他の体液(blood of other fluids)を漏出して、それが網膜黄斑の瘢痕化を引き起こし得る。特に、脈絡膜からブルッフ膜を超えてRPE細胞まで血管が成長する。血管の血管新生の増大はまた、出血及び滲出性の変化をもたらし得る。線維芽細胞及びマイクロ線維芽細胞(micro fibroblast)の増殖並びに/又は浸潤を含む創傷治癒の過程は、網膜下線維症をもたらす。
【0069】
[0079]抗VEGF処置は、nAMDと関連する血管新生を遅くし、患者の多くの視力の改善をもたらし得る。しかしながら、患者の40%もが、nAMDのための抗VEGF処置での10年間の処置の後に網膜下線維症を発症する。網膜下線維症は、視力喪失と直接関連する。現在の診断ツールは、特に初期において、線維症の進行をモニタリングする能力を欠いている。
【0070】
[0080]一部の実施形態では、対象は、予め線維症と診断されていなくてもよい。一部の実施形態では、対象は、予めnAMDと診断されていなくてもよい。
【0071】
[0081]一部の実施形態では、対象は、予め線維症と診断されていてもよい。対象は、任意選択で、すでに線維症又は線維症に関する1つ若しくは複数の合併症のための処置を受けていてもよい。
【0072】
[0082]一部の実施形態では、対象は、予めnAMDと診断されていてもよい。対象は、任意選択で、すでにnAMD又はnAMDに関する1つ若しくは複数の合併症のための処置を受けていてもよい。
【0073】
[0083]一部の実施形態では、血管新生型加齢黄斑変性(nAMD)の対象を処置する方法は、本明細書に記載されるように、対象におけるnAMDを診断するステップを含む。一部の実施形態では、血管新生型加齢黄斑変性(nAMD)の対象を処置する方法は、対象に抗線維化薬を投与するステップを含む。
VI.さらなる解析
[0084]一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、三重らせん安定性及び傾向、架橋ゼラチンを使用することによる変性コラーゲンへの親和性、機械的に損傷した腱、組織切片(心臓、肺、筋肉、骨、腎臓、肝臓等)、血清安定性(例えば、HPLC、MS)、円二色性(CD)、並びに全体的なサイズ(例えば、動的光散乱)のいずれか1つを解析するステップをさらに含み得る。
【0074】
[0085]一部の実施形態では、本明細書に記載される方法において、CHPの生物的適合性を、線維化組織リモデリングプロセス及び全身毒性に関して、並びに細胞活性によって結合CHPを除去する手段に関して、解析する。解析は、nAMDモデルマウスを使用することによって行ってもよく、組織診を使用してnAMD治癒反応に対するCHP結合の効果を調べてもよい。一部の実施形態では、解析は、複数回のCHP投与の後に対象において全血球計算を行うことを含んでもよい。
【実施例
【0075】
実施例1:網膜色素上皮(RPE)/脈絡膜フラットマウント染色-図4及び5
[0086]例えば参照によって全体が本明細書に組み込まれている米国特許出願第2017/0112940号に記載されているように、固相ペプチド合成を使用して、スルホ-Cy3-G-(GPO)(配列番号23)(sCyコンジュゲートCHP)を合成した。
【0076】
[0087]nAMDにおいて損傷及び変性コラーゲンを評価するために、2つのマウスモデルを実施した。自然発生の脈絡膜新生血管(CNV)モデルは、4~5週齢でCharles River(ドイツ)から購入した、C57BL/6J親株由来のJR5558マウスモデルを利用した(Nagaiら、Investig.Ophthalmol.Vis.Sci.2014、55(6)、3709~3719)。自然発生のCNVモデルにおいて、血管新生が初期に開始し、生後10~15日の間に脈絡膜で生じた。新血管新生は、数と重症度が増大して、網膜色素上皮(RPE)の破壊及び機能障害を引き起こした。これを、蛍光眼底血管造影及び眼底血管造影イメージングを使用して確かめた。新血管新生を誘導してnAMDを模倣するための他のモデルは、レーザー誘起新血管新生マウスモデルであった。10~12週齢でCharles River(フランス)から購入したC57BL/6Jマウスを麻酔し、瞳孔を散大させ、Meridian Merilas 532αグリーンレーザー(スイス、トゥーン)と結合したPhoenix Micron IV網膜像顕微鏡(Phoenix Research Labs)を使用して、各眼の視神経の周りの4つの病変を、150、300、400又は500mWの強度で配置した(100ミリ秒)。
【0077】
[0088]イソフルラン麻酔下での頸椎脱臼によって、マウスを屠殺した。眼を採取し、直ちに4%のPFAで、室温で2時間固定した。RPE/脈絡膜を網膜から分離させ、PBS中の3%のTriton X-100溶液中で2時間透過化処理した。透過化処理の後、RPE/脈絡膜を48ウェルプレートで染色した(200ulの体積で、1ウェルあたり1×RPE/脈絡膜フラットマウント)
[0089]1×PBS中のsCy3コンジュゲートCHP(濃度:2uM、RED300、3Helix)を80℃で5分間加熱し、その後氷水を使用して30~60秒間冷却した。RPE/脈絡膜フラットマウントあたり100ulのCHP溶液を加えた。ab共染色のために、フィブロネクチン(1:100、ab23750、abcam)及びイソレクチンB4(1:100、L2140、Sigma)抗体(RPE/脈絡膜FMあたり100ul 1×PBS中)をRPE/脈絡膜フラットマウントに加え、4℃で一晩インキュベートした。翌日、フラットマウントを1×PBSで5×5分間洗浄し、その後室温で2時間、1×PBS中のDyLight-488コンジュゲート(1:100、#SA-5488、Vector Laboratories)及びロバ抗ウサギIgG(1:200、Alexa Fluor 647、#A31573、Life Technologies)二次抗体とともにインキュベートした。その後、RPE/脈絡膜組織を1×PBS中、室温で5×5洗浄し、その後Dako蛍光封入剤(#S3032、Dako)を使用して、RPEとともにSuperfrostスライドガラスにマウントした。XM10カメラを備えたOlympus VS-ASWスキャナーで画像を取得した(Olympus Soft ImagingSolutionソフトウェア)。
【0078】
[0090]図4Aは、レーザー誘起脈絡膜新生血管(LCNV)モデルのフラットマウント染色結果を示す。CHP(赤色)によって、レーザー損傷又は酵素による代謝回転から引き起こされた、活動性線維化病変を、健康でコラーゲンに富んだ組織と区別することができる。健康でインタクトなI型コラーゲンは画像中紫色に染色されるが、緑色のチャンネルはフィブロネクチンを表す。2つのマウスモデルであるレーザー誘起脈絡膜新生血管(CNV)及び自然発生のCNV(JR5558)由来のコラーゲン代謝回転nAMD組織の領域に結合したCHPの最初の組織学的評価から、CHPが組織切片の線維化物質に効果的に結合し、それを可視化し得ることが示された。
【0079】
[0091]図4Bは、自然発生のCNV(JR5558)マウスモデル(雌マウス、52日齢)由来のRPE/脈絡膜フラットマウントを図解する。CHP(赤色)によって、レーザー損傷又は酵素による代謝回転から引き起こされた、活動性線維化病変を、健康でコラーゲンに富んだ組織と区別することができる。健康でインタクトなI型コラーゲンは画像中紫色に染色されるが、緑色のチャンネルは、図4Aではフィブロネクチンを表し、図4BではイソレクチンB4を表す。この図は、中央のフラットマウント画像の二次ROI(secondary ROI)を含み、右側の四角の中で、新たに形成された血管の周りの画像を示す。このことから、CHPは、イソレクチンB4(血管の一般的な染料)及びI型コラーゲンとは異なり血管に結合しないが、CHPはリモデリングする線維化組織を染色することが示される。
【0080】
[0092]結果から、CHPはCol I ABと異なる領域に結合するが、コラーゲンに富んだ領域であることが示され、これが健康な組織でないことが示される。CHPの赤色染色は、コラーゲン代謝回転の高い領域を示す。かかる領域は、LCNVモデルにおいてレーザーで損傷を受けることによって引き起こされ(図4A)、図4Bでは酵素による自然発生のリモデリングによって引き起こされる。
【0081】
[0093]2つのマウスモデルであるレーザー誘起脈絡膜新生血管(CNV)及び自然発生のCNV(JR5558)由来のコラーゲン代謝回転nAMD組織の領域に結合したCHPの最初の組織学的評価から、CHPが組織切片の線維化物質に効果的に結合し、それを可視化し得ることが示された。
【0082】
[0094]図5A及び5Bは、CHPがI型コラーゲンプロペプチド、Col I及びIII、フィブロネクチン並びに上皮間葉転換(endothelial mesenchymal transition)(EMT)関連タンパク質、ビメンチン及びLoxl2等の線維化産物と共存することを図解する。自然発生で線維化脈絡膜新生血管(CNV)を発症したJR5558マウス、及びレーザー誘起CNV(LCNV)病変を有する雄C57BL/6J野生型マウスでCHPインビボ画像化を行った。9~10週齢でJR5558マウスを解析し、レーザー傷害の2~4週間後にLCNVマウスを解析した。
【0083】
[0095]図5Aの一番左の列(「統合」)は、単一の画像にまとめられた、その行のチャンネルの全てを示す。各行を左から右に横切ると、緑色のチャンネルは、新しい脈管構造の指標であるイソレクチンB4の染色を示す。nAMDは、網膜黄斑に押し入る異常な脈管構造を有し、圧力、及び視力の喪失を引き起こす。列3(紫色のチャンネル)は、線維症関連タンパク質を染色するのに使用される種々のマーカーを示す。I型プロコラーゲンペプチド(一番上の行)は、コラーゲンが輸送される前にN末端から切断されたプロペプチドを同定することによって、新たに合成されたコラーゲンを示す。これは、コラーゲン合成の公知のマーカーである。I型コラーゲン(行2)及びIII型コラーゲン(行3)の抗体は、これらのコラーゲンは線維化状態で生成されるようになる線維性コラーゲン型であるため、使用した。フィブロネクチン染色(行4)は、別の公知の線維症染色の領域で増大したフィブロネクチンの染色を示す。列4(赤色のチャンネル)は、線維症によって引き起こされるリモデリングによる、領域での損傷、変性、又はリモデリングコラーゲンのLCHP染色を示す。この画像は、CHP染色を、染色された一般的な線維症タンパク質とどのようにして比較するか、及びLCHPがどのようにして異なる情報を与えるかを示す。
【0084】
[0096]図5Bの一番左の列(「統合」)は、単一の画像にまとめられた、その行のチャンネルの全てを示す。各行を左から右に横切ると、列2(緑色のチャンネル)は、新しい脈管構造の指標であるイソレクチンB4の染色を示す。列3(紫色のチャンネル)は、上皮間葉転換(EMT)を可視化するために染色される一般的なタンパク質を強調する。EMTは、上皮細胞が間葉表現型への転換を経るプロセスであり、炎症誘導性の反応であり、線維化の進行に関与する。ビメンチンは、間葉系細胞に見られる中間径フィラメントを染色するので、間葉系細胞のマーカーとして一般に染色される。Loxl2(リシル(lysl)酸化酵素様タンパク質2)は、疾患におけるEMTの別の染料である。列4(赤色のチャンネル)において、CHPSは、ここでも、損傷及び変性コラーゲンを染色する。
【0085】
[0097]図5Cの記号は、JR5558マウスにおいて経時的にnAMDが進行すると、線維化病変がより重篤になることを示す。このCHPシグナルを、疾患の開始から4、8、及び10週間後に採取されたRPE/脈絡膜フラットマウント切片の平均CHP陽性面積から定量化した。時間が増加すると、CHPシグナルもまた増加した。
【0086】
実施例2:LCHPインビボ画像化
[0098]固相ペプチド合成を使用して、sCy7.5コンジュゲートCHP(配列番号55)を合成した。
【0087】
[0099]自然発生で線維化脈絡膜新生血管(CNV)を発症するJR5558マウス、Nagaiら、Investig.Ophthalmol.Vis.Sci.2014、55(6)、3709~3719;及びレーザー誘起CNV(LCNV)病変を有するC57BL/6J野生型マウス、Lambert,V.ら、Nat Protoc 8、2197~2211、(2013)で、sCy7.5コンジュゲートCHPインビボ画像化を行った。図6A、6B、及び7に示されるように、9~10週齢でJR5558マウスを解析し、レーザー傷害の2~4週間後にLCNVマウスを解析した。
【0088】
[00100]sCy7.5コンジュゲートCHPを、動物あたり1nmolの終濃度で(200ulの、1×PBS中の5uM CHP)、麻酔なしで尾静脈を介して注射した。注射の5日後、フェンタニル(0.05mg/kg)、メデトミジン(0.5mg/kg)、及びミダゾラム(5mg/kg)を含む麻酔混合物の皮下注射でマウスを麻酔した。1%のトロピカミドで眼を散大させて、Heidelberg Spectralis顕微鏡(Heidelberg Engineering)で眼底及びICG血管造影画像を得た。
【0089】
[00101]インビボ画像化プローブの可能性を示すために、JR5558及びレーザー誘起CNVモデルの両方に、動物あたり1nmolの終濃度で(200ulの、1×PBS中の5uM CHP)、麻酔なしで、sCy7.5CHPプローブ及び対照の組み換えられたCHPプローブ(スルホ-Cy7.5-GGG-OfGGOfGfGfOfOGOfGOOfGGOOff)を注射した(尾静脈注射)。
【0090】
[00102]CHPの注射の5日後、フェンタニル(0.05mg/kg)、メデトミジン(0.5mg/kg)、及びミダゾラム(5mg/kg)を含む麻酔混合物の皮下注射で麻酔した。1%のトロピカミドで眼を散大させて、Heidelberg Spectralis顕微鏡(Heidelberg Engineering)で眼底及びインドシアニングリーン(ICG)血管造影画像を得た。ICGAを介して動物を画像化したが(図6A~6B、7、及び8A~8B)、これらの図は、自然発生のCNV及びレーザー誘起CNVについて、OCTとともにCHPを使用したインビボ画像化を図解する。
【0091】
[00103]結果から、線維化領域への標的sCy7.5-CHPの結合が、組み換えられた対照配列と比較して増大したことが示された。さらに、レーザー誘起CNVの間にレーザー強度を変化させた場合、レーザーパワーがより高いとsCy7.5-CHPシグナルの増大があり、CHPが線維症の重症度を区別できることが示唆された。
【0092】
[00104]図6A~6B、7、8A~8Bに示されるインビボ画像化実験において、CHP注射と線維症瘢痕の画像化との間の時間は3~5日であった。
【0093】
[00105]図6Aの一番上の行は、組み換えられたsCy7.5-CHP対照群を使用した結果を示す。結果から、赤外(IR)チャンネルにおいて、対照から有意なシグナルが検出されず、眼底血管造影(FA)の行及びICGAの列についても有意なシグナルが検出されなかったことが示される。標的sCy7.5-CHP(最下行)と比較した場合、これらの画像化技術から、より高いシグナル強度が検出された。明るい点は、自然発生のCNVによって引き起こされた病変であり、sCy7.5-CHPはこれらの活動性病変に局在していた。活動性病変は、正常より高いコラーゲン代謝回転を有する領域であった。これにより、CHPが、目的の領域の色素に局在していること、並びにそれが、使用された色素及び/又はペプチド配列の非特異的結合によらないことが確認された。パネルBは、対照シグナルに対して正規化された平均蛍光強度(MFI)を示し、組み換えられた対照にまさって、sCy7.5-CHPからのシグナル強度の増大があったことが定量的に確認された。
【0094】
[00106]線維化組織からのシグナルは、1週間より長く続いた。1週間より長く続いたシグナルによって、臨床状態で使用不可能なCHP分子の現在の設計を作る。遅れた画像化の主な理由は、標的シグナルに干渉する、体循環からのCHPの低いクリアランス速度である。体循環時間は、以前に示されたように(Molecular Pharmaceutics、2017)、CHPの構造を変化させることによって劇的に減少し得る。新しいCHP構造はまた、結合後に線維化組織からのCHP除去を助けるであろう。したがって、臨床状態でnAMDと関連した線維症を検出するために使用し得る生体適合性の蛍光CHPの開発が必須である。
【0095】
[00107]図6A~6Bに関する上記のこれらの結果はまた、図6C~6Dの組織学的切片においても確認された。
【0096】
[00108]図7のインビボ画像化結果は、安定した創傷対新鮮創における減少したコラーゲンリモデリングを示すLCNVマウスモデルから得られた。一番上に見られる概略図は、誘導するレーザー傷害、CHP注射、及び画像化の時系列表を示す(図7A)。見た目には、レーザー傷害の1週間後のマウス対傷害の8週間後のマウスに見られる標的sCy7.5-CHPシグナルには明確な違いがある(図7B)。このシグナルを、週1に対してCHPシグナルを正規化することによって定量化した場合(図7C及び7D)、CHP結合のレベルの有意な減少があり、病変がもはや活発なリモデリングを受けておらず、安定した状態に達していたことが示される。この結果は、エクスビボのCHP染色によっても確証された。
【0097】
[00109]実施例3:二重特異性抗体試験-インビボ画像化
[00110]図8A~8Bに示される3回のVA2注射(21、28、及び35日目に10mg/kg;37日目にsCy7.5-CHP注射)の後の42日齢のJR5558マウスにおけるCHP結合を評価することによって、二重特異的アンジオポエチン2(ANg-2)/VEGF抗体(VA2)の抗線維化効果をインビボで調べた。
【0098】
[00111]確認試験により、CHPとEMTマーカーとの間、レーザー強度とインビボのCHP結合との間、並びに活性コラーゲンのインビボ及びエクスビボCHP定量との間の相関性を評価した。
【0099】
[00112]図8Aは、CHPがJR5558マウスにおいて二重特異性抗VEGF/抗ANg-2(VA2)抗体での処置後の線維症の減少のモニタリングをどのようにして可能にしたかを図解する。一番上の概略図は、VA2注射、CHP注射、及び画像化の実験時系列表を示す。代表的なインビボ画像により、一般的なIgG抗体で処置したマウス対VA2で処置したマウスの網膜を比較する。sCy7.5-CHPを使用して、走査型レーザー検眼鏡(cSLO)を使用して損傷を可視化した。VA2で処置したマウスはCHPシグナルがより少なく、そのためIgGで処置したマウスよりも線維症が少なかった。この結果を、sCy7.5-CHPシグナルをIgGに対して正規化した右側のグラフで定量化し、VA2処置マウスにおいて、CHPシグナルの統計的に有意な減少が示された。これらの結果を、一番下のグラフに示されるR-CHP及びフィブロネクチン染色を使用したエクスビボ染色によって確認した。ここでも、VA2処置マウスは、IgG処置マウスと比較してより低いCHPシグナルによって証明される、より少ない線維化代謝回転を示した。この結果は、VA2処置マウスにおいてフィブロネクチンの有意な減少を示すフィブロネクチン染色によって確証された。
【0100】
[00113]図8Bは、図8Aに示される一番下のグラフで定量化されたR-CHP(赤色)及びフィブロネクチン染色(紫色)を利用した代表的なエクスビボ染色を強調する。さらに、インビボCHPシグナル定量化とエクスビボCHPシグナル定量化との間の相関性はr=0.54であり、インビボCHPシグナルはエクスビボフィブロネクチン染色と比較してr=0.63の相関性を有した。
【0101】
[00114]図6A~6B、7、8A~8Bに見られる結果に応じて、線維化状態に結合してインビボで短い半減期を有し得る、新しいCHPを開発した。3つの異なるCHP設計を使用した。
【0102】
実施例4:非ヒト霊長類を伴うCHP組織診
[00115]図9は、CNVを有する、レーザー誘起された後の非ヒト霊長動物におけるCHP組織診を図解する。特に、CHPを使用して非ヒト霊長動物nAMDモデル(カニクイザル)の組織学的切片を染色する場合、線維化領域に陽性CHPシグナルがあった。
【0103】
[00116]眼科と視覚に関する研究会議によって承認された眼科及び視覚研究における実験動物使用に対する宣言に従って、非ヒト霊長動物(カニクイザル(Macaca fascicularis))に関する実験を行った。Singhealthシンガポール実験動物ケア評価認証協会の動物実験に関する倫理委員会のガイドラインもまた満たしていた。体重3~5kgの雌カニクイザルを使用した。細隙送達系に取り付けた532nmレーザー(PurePoint 532nmグリーンレーザー;Alcon)及び手持ちのコンタクトレンズ(hand-held contact lens)を使用して、両目で、0日目にレーザー光凝固によってCNVを誘導した。遮蔽された網膜の専門家によって、9つの病変が各眼の網膜黄斑に対称的に配置された。使用されたパラメータは、斑点のサイズ(50μm)、持続時間(0.1秒)、及び500mW~1Wであった。各レーザースポットから中心窩までの距離を0.5~1ディスク直径サイズに維持した。LCNVの後30日目に、動物を屠殺し、上半身を、半分に薄めたカルノフスキー固定液で灌流した。眼を除去し、半分に薄めたカルノフスキー固定液中で2~3日間、後で固定した。1つ又は2つの病変部位を含む組織の条片をプラスチックに包埋した。各病変の中央を通って、厚さ2μmの切片を30μm目盛りで採取した。
【0104】
[00117]上述の試験の実施において、循環からのCHPシグナルの減少によって、より早い時点での線維化状態の画像化が可能になることが決定された。さらに、血清プロテアーゼによるCHPの分解によって、CHPのインビボ循環時間が減少するであろう。
【0105】
[00118]他に示されない限りは、明細書及び特許請求の範囲で使用される、成分の量、分子量、反応条件等の特性を表す全ての数は、全ての例において、用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。したがって、逆に示されない限りは、明細書及び添付の特許請求の範囲に示される数値パラメータは、本開示によって得られることが求められる所望の特性に依存して異なり得る近似値である。最低でも、且つ特許請求の範囲の同等物の方針の適用を限定することを意図せず、各数値パラメータは、少なくとも報告される有意な桁の数に照らして、且つ通常の四捨五入技術を適用することによって、解釈されるべきである。
【0106】
[00119]本開示の広い範囲を示す数値範囲及びパラメータが近似値であるにもかかわらず、特定の実施例に示される数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、あらゆる数値は、本質的に、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる、ある特定の誤差を含む。
【0107】
[00120]本明細書に開示される本開示の代替的な要素又は実施形態の分類は、限定として解釈されるべきではない。各群の要素は、それぞれに、又は群の他の要素若しくは本明細書に見られる他の要素とのあらゆる組合せで、言及及び特許請求され得る。簡便性及び/又は特許性の理由で、群の1つ又は複数の要素が、群に含まれても、群から削除されてもよいことが見込まれる。あらゆる、かかる包含又は削除が起こる場合、明細書は、添付の特許請求の範囲で使用される全てのマーカッシュ群の書面による明細を満たすように変更された群を含むと考えられる。
【0108】
[00121]本開示のある特定の実施形態は、本開示を行うための、本発明者らの知る最良の形態を含んで、本明細書に記載される。勿論、これらの記載される実施形態に関する変化は、前述の記載を読む際に当業者に明らかになるであろう。本発明者らは、当業者が必要に応じてかかる変化を採用することを期待しており、本発明者らは、本明細書に特に記載されている以外で本開示が実施されることを意図している。したがって、本開示は、適用可能な法律によって許されるように、本明細書に添付される特許請求の範囲に列挙される主題の、全ての変更及び同等物を含む。さらに、本明細書で他に示されるか、又は他に文脈によって明らかに矛盾しない限りは、上述の要素の、全ての可能な変化のあらゆる組合せが本開示に包含される。
【0109】
[00122]本明細書に開示される特定の実施形態は、「からなる」又は「から本質的になる」という言葉を使用する特許請求の範囲においては、さらに限定され得る。特許請求の範囲で使用される場合、出願時の通りであるか、補正によって追加されたかのいずれでも、移行部の用語「からなる」は、特許請求の範囲で規定されないあらゆる要素、ステップ、又は成分を排除する。移行部の用語「から本質的になる」は、特許請求の範囲を、特定の物質又はステップ、並びに基本的特徴及び新しい特徴(複数可)に実質的に影響を及ぼさないものに限定する。このように特許請求される本開示の実施形態は、本質的に、又は明白に、本明細書に記載されており、本明細書で使用可能である。
【0110】
[00123]本明細書に開示される本開示の実施形態は本開示の原理の説明であることが理解されるべきである。採用され得る他の変更は、本開示の範囲内である。よって、例として、限定されないが、本明細書の教示に従って、本開示の代替的な構成が利用され得る。したがって、本開示は、示され、記載されているものに、正確に限定はされない。
【0111】
[00124]本開示は種々の特定の物質、手順及び実施例を参照して本明細書に記載及び図解されてきたが、本開示はその目的のために選択された物質及び手順の特定の組合せに制限されないことが理解される。当業者に認識されるように、かかる詳細の多数の変化が伴われ得る。明細書及び実施例は、以下の特許請求の範囲に示される本開示の真の範囲及び精神を有して、例示のためのみであると考えられることが意図される。本明細書で参照された全ての参考文献、特許、及び特許出願は、参照によって全体が本明細書に組み込まれる。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8A
図8B
図9
【配列表】
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【国際調査報告】