(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】ドローン管制システムおよびその知能型飛行計画の策定方法
(51)【国際特許分類】
G08G 5/00 20060101AFI20240925BHJP
B64F 1/36 20240101ALI20240925BHJP
B64U 10/14 20230101ALI20240925BHJP
G05D 1/248 20240101ALN20240925BHJP
G05D 1/46 20240101ALN20240925BHJP
G05D 1/648 20240101ALN20240925BHJP
G05D 1/225 20240101ALN20240925BHJP
【FI】
G08G5/00 A
B64F1/36
B64U10/14
G05D1/248
G05D1/46
G05D1/648
G05D1/225
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513817
(86)(22)【出願日】2021-06-01
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 KR2021006811
(87)【国際公開番号】W WO2022255508
(87)【国際公開日】2022-12-08
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523375010
【氏名又は名称】クルロバ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チェ,テ イン
(72)【発明者】
【氏名】ゾ,ソン ウォン
【テーマコード(参考)】
5H181
5H301
【Fターム(参考)】
5H181AA26
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC12
5H181EE02
5H181EE12
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF13
5H301AA06
5H301BB10
5H301BB20
5H301CC04
5H301CC07
5H301DD07
5H301DD17
5H301GG07
5H301GG09
5H301GG17
5H301KK03
5H301KK08
5H301KK19
(57)【要約】
本発明に係るドローン管制システムは、飛行が可能なドローンと、前記ドローンと無線通信で情報を送受信できるクラウドサーバと、前記ドローンおよびクラウドサーバと無線通信で連結され、ドローン飛行計画を策定する地上管制システムと、を含み、前記地上管制システムは、ドローンの飛行経路の設定時、前記ドローンの飛行開始地点および飛行終了地点に応じて、前記クラウドサーバに格納された等高線および建物の高さデータをリアルタイムで反映し、ユーザがドローンの任務遂行のために設定した高さデータを反映して飛行計画を導出する飛行計画導出アルゴリズムと、前記ドローンのシミュレーション飛行、飛行計画、およびドローンの実際の飛行結果を比較分析することで変更されたマップデータまたは飛行計画を確認し、DBに反映するか否かを処理する飛行結果分析処理部と、前記クラウドサーバに格納された飛行計画DBによる飛行シミュレーションを進行し、飛行計画に従ったドローンの実際の飛行時に地面の高度変化に応じて異常なく一定の高度で飛行可能であるか否かを確認する飛行シミュレータと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドローン管制システムであって、
飛行が可能なドローンと、
前記ドローンと無線通信で情報を送受信できるクラウドサーバと、
前記ドローンおよびクラウドサーバと無線通信で連結され、ドローン飛行計画を策定する地上管制システムと、
を含み、
前記地上管制システムは、
ドローンの飛行経路の設定時、前記ドローンの飛行開始地点および飛行終了地点に応じて、前記クラウドサーバに格納された等高線および建物の高さデータをリアルタイムで反映し、ユーザがドローンの任務遂行のために設定した高さデータを反映して飛行計画を導出する飛行計画導出アルゴリズムと、
前記ドローンのシミュレーション飛行、飛行計画、およびドローンの実際の飛行結果を比較分析することで変更されたマップデータまたは飛行計画を確認し、DBに反映するか否かを処理する飛行結果分析処理部と、
前記クラウドサーバに格納された飛行計画DBによる飛行シミュレーションを進行し、飛行計画に従ったドローンの実際の飛行時に地面の高度変化に応じて異常なく一定の高度で飛行可能であるか否かを確認する飛行シミュレータと、
を含むことを特徴とする、ドローン管制システム。
【請求項2】
前記ドローンは、
飛行計画に従った任務遂行中の大気環境変化の影響を把握するためにドローンの実際の飛行座標を収集し、飛行計画または飛行シミュレーション内容と比較するためのデータを収集して、次回の類似環境でドローンの飛行時に飛行計画を補正可能なデータを確保する飛行情報収集部を含むことを特徴とする、請求項1に記載のドローン管制システム。
【請求項3】
前記飛行結果分析処理部は、
ドローンの任務遂行完了後、前記ドローンが飛行計画に従って実際の飛行を行ったか否かを比較分析する飛行結果比較分析アルゴリズムを含み、
前記飛行結果比較分析アルゴリズムは、
飛行計画と飛行結果を比較分析し、前記飛行計画と飛行結果を比較分析した結果が予め設定した正常範囲から外れた場合に飛行計画を修正することを特徴とする、請求項1に記載のドローン管制システム。
【請求項4】
前記飛行結果比較分析アルゴリズムは、
前記クラウドサーバから飛行計画に従ったドローンの飛行座標を収集し、前記ドローンの実際の飛行により取得されたログデータセットを収集し、飛行座標による飛行シミュレーションにより仮想の飛行データセットを抽出し、前記ドローンの実際の飛行ログデータセットと仮想の飛行データセットを比較分析することを特徴とする、請求項3に記載のドローン管制システム。
【請求項5】
前記飛行結果比較分析アルゴリズムは、
前記飛行計画と飛行結果を分析した結果、把握された位置、速度、および高度が予測範囲と一致しない異常状況で、飛行座標を基準に風および障害物の外部要因を反映し、それによる飛行座標、速度、任務タイプ、および制御命令を修正して飛行計画を更新し、当該飛行計画の更新履歴および分析データを生成して前記クラウドサーバに格納することを特徴とする、請求項3に記載のドローン管制システム。
【請求項6】
前記クラウドサーバは、
前記ドローンが飛行する飛行地域のリアルタイム気象情報を収集する気象情報収集部と、
前記ドローンが飛行する飛行地域の地形の等高線および建物の高さデータを含むマップデータをアップデートして格納するマップデータ格納部と、
前記ドローンが飛行する飛行地域および飛行経路の設定時にリアルタイムマップデータを反映し、ユーザが任務遂行のために設定した高さデータが反映された飛行計画を格納する飛行計画DB格納部と、
前記ドローンのシミュレーション飛行、飛行計画、およびドローンの実際の飛行結果を分析したDBを格納する飛行分析DB格納部と、
前記気象情報収集部、マップデータ格納部、飛行計画DB格納部、および飛行分析DB格納部と連結され、統合的にDBを管理する統合DB処理部と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のドローン管制システム。
【請求項7】
前記飛行シミュレータは、
前記クラウドサーバに格納された飛行計画DBを呼び出して飛行計画を確認し、前記飛行計画に設定された地域に対応する仮想の空間に仮想のドローンイメージを表示し、前記飛行計画に設定されたドローンの高度、速度、時間、および方向などに基づいて仮想のドローンイメージの位置を可変しながらシミュレーションを行うことを特徴とする、請求項1に記載のドローン管制システム。
【請求項8】
ドローンの飛行特性によるドローン種類を設定するステップと、
前記設定されたドローンが飛行する飛行地域を設定する飛行地域の設定ステップと、
前記設定された飛行地域にリアルタイム気象情報を反映してドローンの飛行経路を設定する飛行経路の設定ステップと、
前記ドローンの飛行経路にマップデータから抽出された高さを飛行経路に反映するための飛行計画導出アルゴリズムの適用ステップと、
前記飛行計画導出アルゴリズムにより飛行経路にユーザ設定飛行高さを反映した飛行計画を導出する飛行計画の導出ステップと、
前記飛行計画の導出ステップにより導出された飛行計画をクラウドサーバに格納し、ドローンに伝送する飛行計画の格納およびドローン伝送ステップと、
前記飛行計画に従ったドローン任務遂行を進行し、飛行情報を収集するドローン任務遂行および飛行情報の収集ステップと、
前記飛行計画、実際の飛行結果、およびシミュレーション飛行結果を比較分析し、飛行結果を格納する飛行結果の比較分析ステップと、
を含み、
前記ドローン任務遂行および飛行情報の収集ステップは、
前記ドローン任務遂行中の大気環境変化の影響を把握するためにドローンの実際の飛行座標を収集し、ドローン飛行計画または飛行シミュレーション内容と比較するためのデータを収集して、次回の類似環境でドローンの飛行時に飛行計画を補正可能なデータを確保することを特徴とする、知能型飛行計画の策定方法。
【請求項9】
前記飛行計画の格納およびドローン伝送ステップの進行後、
クラウドサーバに格納された飛行計画による飛行シミュレーションを進行するか否かを選択するステップを含むことを特徴とする、請求項8に記載の知能型飛行計画の策定方法。
【請求項10】
前記ドローン任務遂行および飛行情報の収集ステップの後、
実際の飛行結果をドローン飛行計画またはシミュレーション飛行計画と比較分析するか否かを選択するステップと、
追加的に進行する任務を遂行するか否かを選択する追加任務遂行の選択ステップと、をさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の知能型飛行計画の策定方法。
【請求項11】
前記ドローンの飛行地域の設定ステップは、
前記ドローンが飛行する飛行地域の設定時、前記設定された当該飛行地域の気象情報をクラウドサーバのリアルタイム気象情報から収集反映し、飛行計画に従った実際の飛行と飛行計画との差を減らすことを特徴とする、請求項8に記載の知能型飛行計画の策定方法。
【請求項12】
前記飛行計画導出アルゴリズムの適用ステップは、
前記ドローンが飛行する飛行予定経路の設定時、前記設定された当該飛行経路による高さデータをクラウドサーバのリアルタイムマップデータから抽出し、飛行高さに地面の高さ変化が反映され、ドローンが地面から一定の離隔間隔で飛行できるように飛行計画を策定することを特徴とする、請求項8に記載の知能型飛行計画の策定方法。
【請求項13】
前記飛行シミュレーションを進行するか否かを選択するステップは、
飛行シミュレーションの進行時、地面の高さ変化が反映されて策定された飛行計画に従ってドローンの実際の飛行時に地面の高度変化に応じて異常なく地面から一定の離隔距離を維持しながら飛行可能であるか否かを確認し、
問題がないことが確認される場合、ドローンにアップロードされた飛行計画に従ったドローン任務遂行および飛行情報の収集ステップに進行することを特徴とする、請求項9に記載の知能型飛行計画の策定方法。
【請求項14】
前記ドローン任務遂行および飛行情報の収集ステップは、
前記ドローンが任務遂行中にドローンの位置および飛行経路、ドローンの距離測定センサを介した地面との距離情報などのデータを収集するステップを含むことを特徴とする、請求項8に記載の知能型飛行計画の策定方法。
【請求項15】
前記飛行結果の比較分析および飛行情報の格納ステップは、
ドローンが実際の飛行中に風の影響を含む外部大気環境変化により実際のドローンが計画された飛行計画上の飛行経路またはシミュレーション飛行経路に沿って正常に飛行したか、そして仮に差が生じた場合、どの部分に差があったかを分析して格納するステップを含むことを特徴とする、請求項8に記載の知能型飛行計画の策定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マップデータから飛行経路上の地面の高さ変化を抽出して飛行計画に反映するドローン管制システムおよびその知能型飛行計画の策定方法(DRONE CONTROL SYSTEM AND INTELLIGENT DRONE FLIGHT PLANNING METHOD THEREOF)に関し、より詳細には、ドローンの飛行経路の位置情報による地形の等高線データなどの高度データを反映して知能型飛行計画を策定することで、ドローンの飛行区域内での飛行時、地面の高度変化に関係なく、ドローンが地面から常に一定の離隔距離を維持して飛行しながら任務遂行ができるようにする、ドローン管制システムおよびその知能型飛行計画の策定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ドローン(Drone)とは、機体に人が乗らず、地上から遠隔操作により飛行する無人飛行機を意味する。
ドローンを運営するためには、オープンソースの飛行コントローラに基づく飛行経路の設定およびそれを用いたドローンが運営されている。ドローンを運営するためには、運営のために飛行区域に応じてそれに適したドローンを選定し、ドローンの飛行経路および飛行高さなどを含む飛行計画を確定し、関連データをドローンに伝送すると、定められた高さで定められた飛行経路に沿ってドローンが飛行することになる。
【0003】
飛行計画は、ドローンの運営目的に応じてドローンの飛行高さおよび飛行経路に基づいて策定され、飛行経路を含む飛行計画の策定時にドローンの飛行高さに地形地物の高さ変化を反映することが難しいため、衝突を防止するために、一般的に建物または地上構造物、そして山などの最大高さよりも高い高さで飛行するように飛行計画を策定するのが一般的である。
【0004】
ところが、仮に山の斜面または丘陵などを含む渡り鳥飛来地の防疫/防除のために飛行地域に設定される場合、防疫の効率を高めるために地面と近接した高さ、例えば、1mを維持しながら薬剤を噴射しなければならない状況で、ドローンの飛行高さの調整が非常に重要となる。従来のドローンの飛行経路の設定時には離陸地点の高さを基点として飛行高さが決められるため、斜面の防疫が行われる際、地面の高さ変化に応じてドローンの飛行高さを調節できない場合、地面から一定の高さを維持することができなくなる。飛行計画の策定時に地面の高さ変化を反映することが難しかったため、地面の高さが変化しても、地形または地形地物との衝突を防止するために地形地物の高さよりも高い高度でドローンが飛行するようにするのが一般的であった。ドローンを用いて防除を行う場合、地面からの高さを一定に維持することができず、防疫作業が不十分になるか、または薬剤の損失率が高くなるという問題があった。
【0005】
これを改善するために、ドローン運営者がドローンから伝送される画面またはドローン運営状況を見ながら高度を状況に合わせていちいち修正することもできるが、ドローン飛行計画を予め設定して自律的に飛行するモードで進行する場合、高度の修正が難しく、また、ドローンが遠距離で飛行する状況では、高度を状況に合わせていちいち変更して設定することが容易ではないという問題があった。
【0006】
従来のドローン運営システムにおいて、ドローンの高度を反映するために飛行経路上の地面の高さ変化を入力することを考慮してみることができるが、飛行ポイントごとに地面の高さ情報を別途入力することは、ドローン運営者がドローンの位置による高さ条件を知ることができないため、関連データをいちいち入力することは難しい。したがって、高さデータをマップデータベースから確保し、ドローン運行計画上のドローンの飛行経路に応じて高さデータを反映して飛行計画を策定する場合、従来の問題を解決することができる。
【0007】
本発明に関する先行文献としては韓国公開特許第10-2016-0074895号(2016年06月29日)があり、前記先行文献にはドローンの飛行経路をアップデートする方法および装置が開示されているが、航路上の運行限定情報などを収集して航路を修正またはアップデートする方法に関し、本特許の飛行経路上の高度をマップデータから確保し、飛行計画に反映して地面から一定の高度でドローンが飛行するようにする内容とは異なるといえる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、ドローンの飛行経路を設定するにあたり、地面の高低を反映したドローンの飛行経路が簡単に設定されるようにすることで、丘陵だけでなく、傾斜のある山岳地域でドローンが運営されても、地面から常に一定の離隔距離を維持しながらドローンが安定的に運営され、任務遂行ができるようにし、このために、ドローンの飛行経路の設定時、飛行経路上のGPS情報と地理情報システムの等高線情報を組み合わせてドローンの飛行経路を設定する独自のアルゴリズムを適用して地面の高さ変化をドローンの飛行高さに反映させることで、山または丘陵の斜面から一定の距離を維持しながらドローンが飛行できるようにする、ドローン管制システムおよびその知能型飛行計画の策定方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るドローン管制システムは、飛行が可能なドローンと、前記ドローンと無線通信で情報を送受信できるクラウドサーバと、前記ドローンおよびクラウドサーバと無線通信で連結され、ドローン飛行計画を策定する地上管制システムと、を含み、前記地上管制システムは、ドローンの飛行経路の設定時、前記ドローンの飛行開始地点および飛行終了地点に応じて、前記クラウドサーバに格納された等高線および建物の高さデータをリアルタイムで反映し、ユーザがドローンの任務遂行のために設定した高さデータを反映して飛行計画を導出する飛行計画導出アルゴリズムと、前記ドローンのシミュレーション飛行、飛行計画、およびドローンの実際の飛行結果を比較分析することで変更されたマップデータまたは飛行計画を確認し、DBに反映するか否かを処理する飛行結果分析処理部と、前記クラウドサーバに格納された飛行計画DBによる飛行シミュレーションを進行し、飛行計画に従ったドローンの実際の飛行時に地面の高度変化に応じて異常なく一定の高度で飛行可能であるか否かを確認する飛行シミュレータと、を含むことを特徴とする。
【0010】
好ましくは、前記ドローンは、飛行計画に従った任務遂行中の大気環境変化の影響を把握するためにドローンの実際の飛行座標を収集し、飛行計画または飛行シミュレーション内容と比較するためのデータを収集して、次回の類似環境でドローンの飛行時に飛行計画を補正可能なデータを確保することを特徴とする。
【0011】
また、好ましくは、前記飛行結果分析処理部は、任務遂行完了後、ドローンが飛行計画に従って実際の飛行を行ったか否かを比較分析する飛行結果比較分析アルゴリズムを含み、前記飛行結果比較分析アルゴリズムは、飛行計画と飛行結果を比較分析し、前記飛行計画と飛行結果を比較分析した結果が予め設定した正常範囲から外れた場合に飛行計画を修正することを特徴とする。
【0012】
また、好ましくは、前記飛行結果比較分析アルゴリズムは、前記クラウドサーバから飛行計画に従ったドローンの飛行座標を収集し、前記ドローンの実際の飛行により取得されたログデータセットを収集し、飛行座標による飛行シミュレーションにより仮想の飛行データセットを抽出し、前記ドローンの実際の飛行ログデータセットと仮想の飛行データセットを比較分析することを特徴とする。
【0013】
また、好ましくは、前記飛行結果比較分析アルゴリズムは、前記飛行計画と飛行結果を分析した結果、把握された位置、速度、および高度が予測範囲と一致しない異常状況で、飛行座標を基準に風および障害物の外部要因を反映し、それによる飛行座標、速度、任務タイプ、および制御命令を修正して飛行計画を更新し、当該飛行計画の更新履歴および分析データを生成して前記クラウドサーバに格納することを特徴とする。
【0014】
また、好ましくは、前記クラウドサーバは、前記ドローンが飛行する飛行地域のリアルタイム気象情報を収集する気象情報収集部と、前記ドローンが飛行する飛行地域の地形の等高線および建物の高さデータを含むマップデータをアップデートして格納するマップデータ格納部と、前記ドローンが飛行する飛行地域および飛行経路の設定時にリアルタイムマップデータを反映し、ユーザが任務遂行のために設定した高さデータが反映された飛行計画を格納する飛行計画DB格納部と、前記ドローンのシミュレーション飛行、飛行計画、およびドローンの実際の飛行結果を分析したDBを格納する飛行分析DB格納部と、前記気象情報収集部、マップデータ格納部、飛行計画DB格納部、および飛行分析DB格納部と連結され、統合的にDBを管理する統合DB処理部と、を含むことを特徴とする。
【0015】
前記飛行シミュレータは、前記クラウドサーバに格納された飛行計画DBを呼び出して飛行計画を確認し、前記飛行計画に設定された地域に対応する仮想の空間に仮想のドローンイメージを表示し、前記飛行計画に設定されたドローンの高度、速度、時間、および方向などに基づいて仮想のドローンイメージの位置を可変しながらシミュレーションを行うことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る知能型飛行計画の策定方法は、ドローンの飛行特性によるドローン種類を設定するステップと、前記設定されたドローンが飛行する飛行地域を設定する飛行地域の設定ステップと、前記設定された飛行地域にリアルタイム気象情報を反映してドローンの飛行経路を設定する飛行経路の設定ステップと、前記ドローンの飛行経路にマップデータから抽出された高さを飛行経路に反映するためのアルゴリズムの適用ステップと、前記飛行計画導出アルゴリズムにより飛行経路にユーザ設定飛行高さを反映した飛行計画を導出する飛行計画の導出ステップと、前記飛行計画の導出ステップにより導出された飛行計画をクラウドサーバに格納し、ドローンに伝送する飛行計画の格納およびドローン伝送ステップと、前記飛行計画に従ったドローン任務遂行を進行し、飛行情報を収集するドローン任務遂行および飛行情報の収集ステップと、前記飛行計画、実際の飛行結果、およびシミュレーション飛行結果を比較分析する飛行結果の比較分析ステップと、を含むことを特徴とする。
【0017】
好ましくは、前記飛行計画の格納およびドローン伝送ステップの進行後、クラウドサーバに格納された飛行計画による飛行シミュレーションを進行するか否かを選択するステップを含むことを特徴とする。
【0018】
より好ましくは、前記ドローン任務遂行および飛行情報の収集ステップの後、飛行結果を比較分析するか否かを選択するステップと、追加的に進行する任務を遂行するか否かを選択する追加任務遂行の選択ステップと、をさらに含むことを特徴とする。
【0019】
また、好ましくは、前記ドローンの飛行地域の設定ステップは、前記ドローンが飛行する飛行地域の設定時、前記設定された当該飛行地域の気象情報をクラウドサーバのリアルタイム気象情報から収集して飛行地域情報が反映されることを特徴とする。
【0020】
また、好ましくは、前記飛行計画導出アルゴリズムの適用ステップは、前記ドローンが飛行する飛行予定経路の設定時、前記設定された当該飛行経路によるマップデータをクラウドサーバのリアルタイムマップデータから収集し、飛行経路上の地面の高さ変化が飛行計画に反映されることを特徴とする。
【0021】
また、好ましくは、前記飛行シミュレーションを進行するか否かを選択するステップは、飛行シミュレーションの進行時、地面の高さ変化が反映されて策定された飛行計画に従ってドローンの実際の飛行時に地面の高度変化に応じて異常なく地面から一定の離隔距離を維持しながら飛行可能であるか否かを確認し、問題がないことが確認される場合、ドローンにアップロードされた飛行計画に従ったドローン任務遂行および飛行情報の収集ステップに進行することを特徴とする。
【0022】
また、好ましくは、前記ドローン任務遂行および飛行情報の収集ステップは、前記ドローン任務遂行中の大気環境変化の影響を把握するためにドローンの実際の飛行座標を収集し、ドローン飛行計画または飛行シミュレーション内容と比較するためのデータを収集して、次回の類似環境でドローンの飛行時に飛行計画を補正可能なデータを確保することを特徴とする。
【0023】
また、好ましくは、前記ドローン任務遂行および飛行情報の収集ステップは、前記ドローンが任務遂行中にドローンの位置および飛行経路、ドローンの距離測定センサを介した地面との距離情報などのデータを収集するステップを含むことを特徴とする。
【0024】
また、好ましくは、前記飛行結果の比較分析および飛行情報の格納ステップは、ドローンが実際の飛行中に風の影響を含む外部大気環境変化により実際のドローンが計画された飛行計画上の飛行経路またはシミュレーション飛行経路に沿って正常に飛行したか、そして仮に差が生じた場合、どの部分に差があったかを分析するステップを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、以上で説明したような本発明によると、ドローンの飛行経路を設定するにあたり、地理情報システムの等高線の高さデータを反映して飛行計画を策定することで、地面の高さが変化しても、ドローンが地面から常に一定の離隔距離を維持しながらドローンの飛行が可能であり、これにより、ドローンを用いて傾斜地が含まれた渡り鳥飛来地の防災または地面の高さ変化がある山林などの防災のために薬剤を散布する場合、地面または山林上で常に一定の距離を維持しながら薬剤を散布することができるため、薬剤散布効果を高めることができ、これにより、薬剤の使用量を削減できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】地形の高さ変化を反映していない一般的なドローンの飛行経路として、ドローンが最初に離陸した地点を基点として一定の高さでドローンが飛行することを示す図である。
【
図2】
図1におけるドローンが山のような地形(等高線で表示)上を飛行するドローンの飛行経路を示す図である。
【
図3】本発明に係る高度マップデータが反映された飛行計画に従ってドローンが地面から一定の高さを維持しながら飛行することを示す図である。
【
図4】本発明に係るドローン管制システムを示す概念図である。
【
図5】本発明に係るドローン管制システムを示す概念図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るドローンマップデータを反映した飛行計画の策定およびドローン運用に関する詳細な手順を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るドローン任務遂行および飛行情報の収集ステップの詳細な手順を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る飛行結果の比較分析および飛行情報の格納ステップの詳細な手順を示す図である。
【
図9】本発明に係る高度情報が反映された飛行計画に従って、一例として棚田のような地形で地面の高さ変化がドローン飛行計画に反映され、ドローンが地面から一定の高さで飛行できることを示すための一実施形態を示す図である。
【
図10】本発明に係る等高線の高さデータが飛行経路に反映され、地面の高さ変化が修正された飛行計画が実現された実際のドローン管制プラットフォーム(GCS)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について詳しく説明する。
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付図面とともに詳細に後述している実施形態を参照すれば明らかになるであろう。
【0028】
ただし、本発明は、以下に開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態で実現できるものであり、本実施形態は、単に本発明の開示が完全なものになるようにし、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範囲により定義されるだけである。
【0029】
また、本発明を説明するにあたり、関連した公知技術などが本発明の要旨を曖昧にする恐れがあると判断される場合、それに関する詳しい説明は省略する。
【0030】
図1は、地形の高さ変化を反映していない一般的なドローンの飛行経路として、ドローンが最初に離陸した地点を基点として一定の高さでドローンが飛行することを示す図であり、
図2は、等高線が示された地形を飛行するドローンの飛行経路をより詳細に示すために上方から見た図であり、
図3は、本発明の一実施形態に係るドローンが、等高線データが反映され、地面の高さが変化するにもかかわらず、地面から一定の距離を置いて運航されるドローンの飛行経路を示す図であり、
図4および
図5は、本発明に係るドローン管制システムを示す概念図であり、
図6は、本発明に係る地形の等高線を反映した飛行計画の策定方法を示すフローチャートであり、
図7は、本発明の一実施形態に係るドローン任務遂行および飛行情報の収集ステップの詳細な手順を示す図であり、
図8は、本発明の一実施形態に係る飛行結果の比較分析および飛行情報の格納ステップの詳細な手順を示す図であり、
図9は、本発明に係る階段式地域で高度情報が反映された飛行計画に従って、ドローンが階段式地面から一定の高度を維持しながら飛行する実施形態を示す図であり、
図10は、本発明に係る等高線の高さデータが反映された飛行計画が実現された実際のドローン管制プラットフォーム(GCS)を示す図である。
【0031】
図1~
図3を参照すると、地形が高さ変化を反映していない一般的なドローン10の飛行経路100が
図1のように示され、これは、地面200の地形地物に対する高さを考慮して飛行経路を設定するにあたり、建物または地上構造物、そして山などの最大高さよりも高い高さで運行されるように高さを高く設定して運行することを示す。
【0032】
図1に示されたドローン10の飛行経路100に、地面200の高低を確認できるように、
図2に示すように、等高線210データを反映して飛行経路100を設定することができ、
図3に示すように、地面200の高低を反映した最適化された飛行経路102が示される。
【0033】
図3では、高度マップデータをドローンの飛行経路に反映するために、先ず、設定された飛行経路100に対する飛行開始地点110、飛行終了地点120、および中間ポイント(d1~d5)に対するGPS座標を求める。
【0034】
そして、マップデータからGPS座標地点のポイントに対する等高線の高度情報を取得し、飛行経路ポイントと等高線から得られた高度情報を反映してドローンの飛行ターゲットの飛行高さを計算して反映する。
【0035】
したがって、本発明に係るドローンが、実際の飛行経路上の高度情報が反映され、地面の高さが変化するにもかかわらず、地面から一定の離隔距離(d)を置いて運航されるドローン10の最適化された飛行経路102を示す。
【0036】
ポイントは、例示的にd1~d5として5個のポイントを設定したが、飛行開始地点110から飛行終了地点120まで細分化し、ユーザの設定に応じて複数のポイントを設定できることはもちろんである。
【0037】
図4および
図5を参照すると、本発明に係るドローン管制システムの概念図を示し、ドローン10は、3軸加速度計、3軸ジャイロスコープ、磁力計、GPSセンサ、距離測定センサ、およびビジョンセンサなどの各種センサを備えることができ、無線通信のための通信部(図示せず)を含むことができる。また、ドローン10は、飛行情報収集部17をさらに含むことができる。
前述したセンサは、公知のものであるため、詳しい説明は省略する。
【0038】
ドローン10は、地上管制システム30と無線通信で連結されて情報を送受信することができ、地上管制システム30の命令を受信してドローンの飛行が制御されることができる。
【0039】
クラウドサーバ20は、地上管制システム30と無線通信で連結されることができるが、これに限定されず、ドローン10とも無線通信で連結できることはもちろんである。
【0040】
したがって、ドローン10は、クラウドサーバ20と無線通信で連結されることができ、クラウドサーバ20に情報のアップロードおよびダウンロードを進行することができる。
【0041】
ドローン10は、飛行情報収集部17により、飛行計画に従った任務遂行中の大気環境変化の影響を把握するためにドローンの実際の飛行座標を収集し、飛行計画または飛行シミュレーション内容と比較するためのデータを収集して、クラウドサーバ20にアップロードすることができる。そこで、次回の類似環境でドローンの飛行時に飛行計画を補正可能なデータを確保することができる。
【0042】
クラウドサーバ20は、気象情報収集部21、マップデータ格納部22、飛行計画DB格納部23、飛行分析DB格納部24、および統合DB処理部25を含むことができる。
【0043】
気象情報収集部21は、ドローンの飛行地域を設定すると、当該地域の風向、風量、気温、および湿度などの気象情報をリアルタイムで収集する。
マップデータ格納部22は、地形の等高線および建物の高さデータのようなマップデータをアップデートして格納する。
【0044】
飛行計画DB格納部23は、ドローンの飛行地域および飛行経路を設定し、リアルタイムマップデータを反映し、ユーザが任務遂行のために設定した高さデータが反映された飛行計画を格納する。
【0045】
飛行分析DB格納部24は、ドローンのシミュレーション飛行、飛行計画、およびドローンの実際の飛行結果を分析したDBを格納する。
統合DB処理部25は、気相情報収集部21、マップデータ格納部22、飛行計画DB格納部23、および飛行分析DB格納部24と連結され、統合的にDBを管理する。
【0046】
地上管制システム30は、飛行計画導出アルゴリズム31、飛行結果分析処理部32、および飛行シミュレータ33を含むことができる。
地上管制システム30の飛行計画導出アルゴリズム31は、ドローンの飛行経路100の設定時、ドローンの飛行開始地点110と飛行終了地点120に応じて、クラウドサーバ20のマップデータ格納部22に格納された等高線および建物の高さデータが反映できるようにマップデータをリアルタイムで反映することができ、ユーザがドローンの任務遂行のために設定した高さデータを反映して飛行計画を導出することができる。
【0047】
飛行結果分析処理部32は、ドローンのシミュレーション飛行、飛行計画、およびドローンの実際の飛行結果を比較分析することで変更されたマップデータまたは飛行計画を確認し、DBに反映するか否かを処理することができる。
【0048】
したがって、変更事項がある場合、クラウドサーバ20のマップデータ格納部22に格納されたマップデータに変更事項を反映するか、飛行計画DB格納部23に格納された飛行計画DBに変更事項を反映するか、またはマップデータ格納部22および飛行計画DB格納部23の両方に変更事項を反映することができる。
【0049】
これにより、今後の同一の飛行地域または飛行経路の設定時、クラウドサーバ20のDBを介して格納されたデータを呼び出して任務遂行を進行することができる。
【0050】
飛行シミュレータ33は、クラウドサーバ20に格納された飛行計画DBによる飛行シミュレーションを進行し、飛行計画に従ったドローンの実際の飛行時に地面の高度変化に応じて異常なく一定の高度で飛行可能であるか否かを確認する。
【0051】
一例として、飛行シミュレータ33は、クラウドサーバ20に格納された飛行計画DBを呼び出して飛行計画を確認し、飛行計画に設定された地域に対応する仮想の空間に仮想のドローンイメージを表示し、飛行計画に設定されたドローンの高度、速度、時間、および方向などに基づいて仮想のドローンイメージの位置を可変しながらシミュレーションを行うことができる。
【0052】
一方、飛行結果分析処理部32は、飛行結果比較分析アルゴリズム321を含むことができる。
飛行結果分析処理部32は、ドローン10の任務遂行完了後、飛行結果比較分析アルゴリズム321により、ドローン10が飛行計画に従って実際の飛行を行ったか否かを比較分析することができる。
【0053】
ここで、飛行結果比較分析アルゴリズム321は、飛行計画と飛行結果を比較分析し、飛行計画と飛行結果を比較分析した結果が予め設定した正常範囲から外れた場合に飛行計画を修正することができる。
【0054】
一例として、飛行結果比較分析アルゴリズム321は、クラウドサーバ20の飛行計画DB格納部23から飛行計画に従ったドローン10の飛行座標を収集し、ドローン10の実際の飛行により取得されたログデータセットを収集し、飛行座標による飛行シミュレーションにより仮想の飛行データセットを抽出し、ドローン10の実際の飛行ログデータセットと仮想の飛行データセットを比較分析することができる。
【0055】
また、飛行結果比較分析アルゴリズム321は、飛行計画と飛行結果を分析した結果、把握された位置、速度、および高度が予測範囲と一致しない異常状況で、飛行座標を基準に風および障害物の外部要因を反映し、それによる飛行座標、速度、任務タイプ、および制御命令を修正して飛行計画を更新し、当該飛行計画の更新履歴および分析データを生成してクラウドサーバ20の飛行分析DB格納部24に格納する。
【0056】
図6、
図7、および
図8を参照すると、本発明に係る地形の等高線を反映した飛行計画の策定方法を示す。ドローンの飛行特性によるドローン種類の設定ステップ(S100)では、山林防除または山林監視など、ドローンの飛行特性に合うドローン種類を設定することができ、次に、ドローンの飛行地域の設定ステップ(S110)では、前記ステップ(S100)で設定されたドローンが飛行する飛行地域を設定することができる。
【0057】
次に、ドローンの飛行地域の設定ステップ(S110)で飛行地域が設定されると、設定された飛行地域による気象情報をクラウドサーバ20のリアルタイム気象情報から収集するリアルタイム気象情報の収集ステップ(S111)では、リアルタイムで風向、風量、気温、および湿度などの気象情報を収集することができる。
【0058】
次に、ドローンの飛行経路の設定ステップ(S120)では、設定された飛行地域に飛行するドローンの飛行経路を設定するように、飛行開始地点110および飛行終了地点120を選択して飛行経路を設定することができる。
【0059】
次に、マップ飛行計画導出アルゴリズムの適用ステップ(S130)は、ドローンの飛行経路の設定ステップ(S120)でドローンが飛行する飛行予定経路が設定されると、マップデータの反映ステップ(S121)で設定された飛行経路による等高線および建物の高さデータにリアルタイムでクラウドサーバ20に格納されたマップデータ格納部のDBを自動的に反映し、地面の高度変化によるマップデータを生成する。
【0060】
次に、飛行計画の導出ステップ(S140)では、飛行計画導出アルゴリズムの適用後、ユーザ設定による高さデータが反映された飛行計画を導出する。
すなわち、ユーザが所望する地面との離隔距離(例えば、0.5m~2m)を設定すると、当該離隔距離だけ高さデータが自動的に飛行経路に反映され、最適化された飛行経路による飛行計画を導出する。
【0061】
次に、飛行計画の格納およびドローン伝送ステップ(S150)では、前記ステップ(S140)で導出された飛行計画をクラウドサーバ20に格納し、ドローン10に伝送する。
【0062】
飛行シミュレーションを進行するか否かを選択するステップ(S160)では、クラウドサーバ20の飛行計画DB格納部23に格納された飛行計画による飛行シミュレーションを進行するか否かを選択し、飛行シミュレーションの進行時、飛行計画に従ったドローンの実際の飛行時に地面の高度変化に応じて異常なく一定の高度で飛行可能であるか否かを確認し、異常状態が確認される場合にはドローンの飛行地域の設定ステップ(S110)に進行し、異常状態が確認されない場合には次のステップに進行する。
【0063】
一例として、飛行シミュレーションを進行するか否かを選択するステップ(S160)では、飛行シミュレーションの進行時、クラウドサーバ20の飛行計画DB格納部23に格納された飛行計画DBを呼び出して飛行計画を確認し、飛行計画に設定された地域に対応する仮想の空間に仮想のドローンイメージを表示し、飛行計画に設定されたドローンの高度、速度、時間、および方向などに基づいて仮想のドローンイメージの位置を可変しながらシミュレーションを行うことができる。
【0064】
ドローン任務遂行および飛行情報の収集ステップ(S170)は、ドローンが飛行計画に従って正常に飛行したか否かを確認するための飛行情報を収集するステップであり、ドローンの位置、飛行経路、飛行高さなどのドローンの任務遂行状況に関する情報を収集するステップを含む。ドローン任務遂行および飛行情報の収集ステップ(S170)で収集される飛行情報は、先に設定された飛行計画に従って実際の飛行中に収集されるドローンの位置、飛行経路、飛行高さなどを意味する。
【0065】
そこで、ドローン任務遂行および飛行情報の収集ステップ(S170)では、ドローン任務遂行中の大気環境変化の影響を把握するためにドローンの実際の飛行座標を収集し、飛行計画または飛行シミュレーション内容と比較するためのデータを収集して、次回の類似環境でドローンの飛行時に飛行計画を補正可能なデータを確保することができる。
【0066】
ここで、任務遂行は、山林防災または山林監視を意味し得るが、これに限定されず、ドローンを介した物流配送、交通などの他の用途にも使用できることはもちろんである。
【0067】
ドローン任務遂行および飛行情報の収集ステップ(S170)の進行中、ユーザが設定した設定値から一定基準(例えば、±0.3m)以上外れる場合、非常停止ステップ(S171)に進行し、非常停止と同時に任務遂行の一時停止ステップ(S172)に進行し、設定値への離隔距離の調整ステップ(S173)に進行し、設定値に離隔距離が調整されると、任務遂行の一時停止の解除ステップ(S174)と同時に、調整された離隔距離でドローンの飛行および飛行情報の収集ステップ(S175)に進行することができる。
【0068】
飛行計画に従ったドローン任務遂行および飛行情報の収集ステップ(S170)では、飛行計画に従った任務遂行を進行し、ドローン任務遂行中にドローンの距離測定センサ15を介して地面200との離隔距離(d)を確認し、非常停止の有無を確認する。
【0069】
非常停止ステップ(S171)では、距離測定センサ15を介して、地面200との離隔距離(d)が設定値から一定基準(例えば、±0.3m)以上外れる場合に非常停止を進行し、前記非常停止と同時にドローンがホバリング(hovering)状態に転換され、進行中であった任務遂行を一時停止する任務遂行の一時停止ステップ(S172)に進行する。
【0070】
次に、設定値への離隔距離の調整ステップ(S173)では、ドローン10の距離測定センサ15を介して、地面との距離が設定値に離隔距離(d)を調整する。
【0071】
次に、任務遂行の一時停止の解除ステップ(S174)では、前記設定値に離隔距離が調整されると同時に、任務遂行の一時停止を解除して任務遂行を継続して進行する。
【0072】
調整された離隔距離でドローンの飛行および飛行情報の収集ステップ(S175)では、調整された地面との離隔距離値でドローンが飛行しながら任務を遂行し、変更された内容による飛行情報を収集することができる。
【0073】
これにより、ドローンが地面から常に一定の離隔距離を維持しながらドローンの飛行が可能であり、これにより、ドローンを用いて傾斜地が含まれた渡り鳥飛来地の防災または地面の高さ変化がある山林などの防災のために薬剤を散布する場合、地面または山林上で常に一定の距離を維持しながら薬剤を散布することができるため、薬剤散布効果を高めることができ、離隔距離(d)が設定値から外れる場合に薬剤散布を一時中断し、これにより、薬剤の使用量を削減できるという効果がある。
【0074】
次に、任務遂行および飛行情報の収集完了後、飛行結果を比較分析するか否かを選択するステップ(S180)では、飛行結果の比較分析を選択する場合、飛行結果の比較分析および飛行情報の格納ステップ(S190)を行う。
【0075】
飛行結果の比較分析および飛行情報の格納ステップ(S190)では、飛行シミュレーションを進行した場合、シミュレーション飛行情報と飛行計画情報および実際の飛行時に収集された飛行情報を比較することで変更されたマップデータまたは飛行計画を確認し、クラウドサーバ20のマップデータ格納部22または飛行計画DB格納部23に反映する。ここで、クラウドサーバ20のマップデータ格納部22または飛行計画DB格納部23に反映された情報は、次の飛行計画の策定時に適用することができる。一方、飛行シミュレーションを進行しない場合、飛行計画情報と実際の飛行時に収集された飛行情報を比較することで変更されたマップデータまたは飛行計画を確認し、クラウドサーバ20のマップデータ格納部22または飛行計画DB格納部23に反映する。
【0076】
また、飛行結果の比較分析および飛行情報の格納ステップ(S190)では、飛行計画と飛行結果を比較分析するステップ(S191)と、正常範囲であるか否かを判断するステップ(S192)と、正常範囲でない場合、飛行計画を修正するステップ(S193)と、を行うことができる。
【0077】
飛行計画と飛行結果を比較分析するステップ(S191)では、クラウドサーバ20の飛行計画DB格納部23から飛行計画に従ったドローンの飛行座標を収集し、ドローンの実際の飛行により取得されたログデータセットを収集し、飛行座標による飛行シミュレーションにより仮想の飛行データセットを抽出し、ドローンの実際の飛行ログデータセットと仮想の飛行データセットを比較分析する。
【0078】
正常範囲であるか否かを判断するステップ(S192)では、飛行計画と飛行結果を分析した結果、把握された位置、速度、および高度が予測範囲と一致しない場合、正常範囲でないと判断する。
【0079】
飛行計画を修正するステップ(S193)では、正常範囲でない状況で、飛行座標を基準に風および障害物の外部要因を反映し、それによる飛行座標、速度、任務タイプ、および制御命令を修正して飛行計画を更新し、当該飛行計画の更新履歴および分析データを生成してクラウドサーバ20の飛行分析DB格納部24に格納する。
【0080】
追加任務遂行の選択ステップ(S195)では、追加的に進行する任務を遂行するか否かを選択し、追加任務遂行を進行する場合にはドローンの飛行特性によるドローン種類の設定ステップに進行し、追加任務遂行を進行しない場合には終了する。
【0081】
図9を参照すると、本発明に係る棚田のように高さ変化が急な地域で、高度情報が反映された飛行計画に従ってドローンが地面から一定の高度を維持しながら飛行する実施形態を示し、ドローンの飛行経路100は、地面の高度変化情報を反映せず、ドローンが初期に設定された飛行高さで飛行するドローンの飛行経路を示したものであり、本発明によると、ドローン10は、マップデータから高さデータを抽出し、地面の高さ変化(h1、h2、h3など)が本発明のアルゴリズムにより飛行計画に反映され、地面の高さが変化しても(h1→h2→h3)、ドローン10が地面から一定の離隔距離(d)を維持しながら飛行する例を示す。
【0082】
これにより、ドローン10を用いた山岳地域の線虫の防除または丘陵地域が含まれた渡り鳥飛来地の防除などのためにドローンを運営する状況で、ドローンを山岳地域の地面200から一定の高さで運行させなければならない状況が発生する場合、すなわち、地面の高さ変化にもかかわらず、地面から一定の離隔距離を置いて運行しなければならない場合、ドローン10が絶対的な高さで飛行するのではなく、地面200との相対的な高さが反映された飛行計画を策定することで効果的な防除が可能となる。
【0083】
また、棚田は尾根に構成された田んぼであり、ドローンを利用して防除する場合、それぞれの棚田ごとにそれぞれの高さデータを用いた個別のドローン飛行計画を策定して防災を行わなければならないため、棚田ごとに高さを設定して飛行計画を新たに策定しなければならないという不便があった。しかし、本発明では、棚田に対する高さ変化データを反映することができるため、複数の棚田を連続して防災するように飛行計画を策定しても、それぞれの棚田から一定の高さを維持しながら効果的な防除が可能となる。
【0084】
図10を参照すると、本発明に係る等高線の高さデータが反映された飛行計画が実現された実際のドローン管制プラットフォーム(GCS)を示す。
ドローンの飛行のための飛行高度基準を示す第1飛行高度150と、等高線の高度データおよびユーザ設定による任務遂行のための高さ設定値が反映された、すなわち、飛行計画が反映された飛行高度を示す第2飛行高度155と、が表示され、飛行計画をオープンソースではなく、別の実際の地図上の3Dで飛行経路が表されるウェブベースのプラットフォームを示す。
【0085】
ウェブベースのプラットフォームは、HTML(Hyper Text Markup Language)およびJavaスクリプトを基本的に使用する方式であり、CPU変更によるアプリケーションプログラム依存性を最小化したJavaベースのSWプラットフォーム方式に類似し、HWに対するアプリケーションプログラム依存性を減らすことができる。
【0086】
ウェブベースのプラットフォームは、HTMLおよびJavaスクリプトを処理できるウェブエンジンを置き、ウェブエンジンでHW依存性を緩和させることができ、ウェブアプリケーションがデバイス上で最適に実行されるようにウェブブラウザとオペレーティングシステムが結合されたプラットフォームを示す。
【0087】
これにより、ドローン10の飛行経路100を設定するにあたり、ユーザが地面200の高低を簡単に反映し、最適化された飛行経路102が設定されるようにすることで、平地だけでなく、山岳地域でドローン10が運営されても、地面200から一定の離隔距離(d)を維持しながらドローンが安定的に運営できるようにし、ドローンの飛行経路を設定し、アルゴリズムを適用して自動化させることで、山または丘陵を通過するドローン経路の設定時に山の地面の勾配を反映し、山の地面から一定の離隔距離を維持しながらドローンが運航できるようにする。
【0088】
前述したように、図面に示された実施形態を参照して本発明を説明したが、これは例示的なものにすぎず、当該技術が属する分野における通常の知識を有する者であれば、このことから様々な適用および他の実施形態が可能であることを理解するであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、後述する特許請求の範囲により定められなければならない。
【0089】
以上、本発明に係る知能型飛行計画の策定方法およびそれを用いたドローン管制システムに関する具体的な実施形態について説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内で様々な実施変形が可能であることは自明である。したがって、本発明の範囲は、説明された実施形態に限定されてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、その特許請求の範囲と均等なものにより定められなければならない。
【0090】
すなわち、前述した実施形態は、全ての面で例示的なものであって、限定的なものではないことを理解しなければならず、本発明の範囲は、詳細な説明よりも後述する特許請求の範囲により示され、その特許請求の範囲の意味および範囲、そしてその等価概念から導き出される全ての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈しなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0091】
地理情報システムの等高線の高さデータを反映して飛行計画を策定することで、地面の高さが変化しても、ドローンが地面から常に一定の離隔距離を維持しながらドローンの飛行が可能であり、傾斜地が含まれた渡り鳥飛来地の防災または地面の高さ変化がある山林などの防災のために薬剤を散布する場合に薬剤散布効果を高めることができ、これにより、薬剤の使用量を削減することができる、ドローン管制システムおよびその知能型飛行計画の策定方法を提供する。
【国際調査報告】