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特表2024-535740CD33を標的とする抗原認識受容体及びその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】CD33を標的とする抗原認識受容体及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C07K 19/00 20060101AFI20240925BHJP
   C12N 5/16 20060101ALI20240925BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20240925BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20240925BHJP
   C12N 15/867 20060101ALI20240925BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20240925BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20240925BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20240925BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240925BHJP
   C12N 5/0783 20100101ALI20240925BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240925BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240925BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20240925BHJP
   A61K 35/545 20150101ALI20240925BHJP
   A61K 9/51 20060101ALI20240925BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240925BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20240925BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20240925BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20240925BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240925BHJP
   C07K 16/28 20060101ALN20240925BHJP
   C07K 14/705 20060101ALN20240925BHJP
   C12N 5/078 20100101ALN20240925BHJP
   C12N 15/13 20060101ALN20240925BHJP
   A61K 47/18 20170101ALN20240925BHJP
   A61K 47/24 20060101ALN20240925BHJP
【FI】
C07K19/00 ZNA
C12N5/16
C12N15/62 Z
C12N15/63 Z
C12N15/867 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12N5/0783
A61P35/00
A61P11/00
A61K35/17
A61K35/545
A61K9/51
A61P35/02
A61P7/00
A61K31/7088
A61K48/00
A61K39/395 T
A61K39/395 N
C07K16/28
C07K14/705
C12N5/078
C12N15/13
A61K47/18
A61K47/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513936
(86)(22)【出願日】2022-09-02
(85)【翻訳文提出日】2024-04-30
(86)【国際出願番号】 US2022042444
(87)【国際公開番号】W WO2023034560
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/240,196
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/306,395
(32)【優先日】2022-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500213834
【氏名又は名称】メモリアル スローン ケタリング キャンサー センター
(71)【出願人】
【識別番号】399026731
【氏名又は名称】スローン - ケタリング・インスティテュート・フォー・キャンサー・リサーチ
(71)【出願人】
【識別番号】522023761
【氏名又は名称】メモリアル ホスピタル フォー キャンサー アンド アライド ディジージズ
(71)【出願人】
【識別番号】522099135
【氏名又は名称】トライ-インスティテューショナル セラピューティクス ディスカバリー インスティテュート, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ダニヤン, アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ブレントジェンズ, レニアー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ロレンツ, イボ シー.
(72)【発明者】
【氏名】カーン, アブドゥル
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C084
4C085
4C086
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA94X
4B065AA94Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065BC01
4B065CA24
4B065CA44
4C076AA65
4C076AA95
4C076BB11
4C076CC14
4C076CC15
4C076CC27
4C076DD49
4C076DD63
4C076FF70
4C084AA13
4C084MA38
4C084MA66
4C084NA13
4C084NA14
4C084ZA51
4C084ZA59
4C084ZB26
4C084ZB27
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB31
4C085BB41
4C085CC23
4C085EE01
4C085GG01
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA05
4C086MA38
4C086MA66
4C086NA13
4C086NA14
4C086ZA51
4C086ZA59
4C086ZB26
4C086ZB27
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB37
4C087BB61
4C087BB65
4C087MA38
4C087MA66
4C087NA13
4C087NA14
4C087ZA51
4C087ZA59
4C087ZB26
4C087ZB27
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA50
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本明細書に開示される主題は、CD33を特異的に標的とする抗原認識受容体、及びそのようなCD33標的化抗原認識受容体を含む細胞を提供する。本明細書に開示される主題は、治療のためのCD33標的化抗原認識受容体の使用を更に提供する。本明細書に開示される主題は、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含む、抗原認識受容体を提供し、細胞外抗原結合ドメインは、CD33に特異的に結合する。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、単鎖可変断片(scFv)である。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含む、抗原認識受容体であって、前記細胞外抗原結合ドメインが、CD33に特異的に結合し、前記細胞外抗原結合ドメインが、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域が、
(a)配列番号2に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号3に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号4に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(b)配列番号12に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号13に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号14に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(c)配列番号22に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号23に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号24に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(d)配列番号32に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号33に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号34に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(e)配列番号37に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号38に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号39に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(f)配列番号47に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号38に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号48に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(g)配列番号56に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号57に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号58に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(h)配列番号66に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号67に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号68に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(i)配列番号76に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号57に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号77に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、又は
(j)配列番号85に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号86に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号87に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3を含む、抗原認識受容体。
【請求項2】
前記細胞外抗原結合ドメインが、単鎖可変断片(scFv)である、請求項1に記載の抗原認識受容体。
【請求項3】
前記細胞外抗原結合ドメインが、ヒトscFvである、請求項2に記載の抗原認識受容体。
【請求項4】
前記細胞外抗原結合ドメインが、任意選択で架橋されるFabである、請求項1に記載の抗原認識受容体。
【請求項5】
前記細胞外抗原結合ドメインが、F(ab)である、請求項1に記載の抗原認識受容体。
【請求項6】
前記scFv、Fab及びF(ab)のうちの1つ以上が、異種配列を有する融合タンパク質中に含まれて、前記細胞外抗原結合ドメインを形成する、請求項2~5のいずれか一項に記載の抗原認識受容体。
【請求項7】
前記重鎖可変領域が、
(a)配列番号2に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号3に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号4に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(b)配列番号12に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号13に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号14に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、又は
(c)配列番号22に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号23に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号24に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の抗原認識受容体。
【請求項8】
前記軽鎖可変領域が、
(a)配列番号5に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号6に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号7に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(b)配列番号15に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号16に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号17若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(c)配列番号25に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号26に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号27に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(d)配列番号40に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号41若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号42に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(e)配列番号49に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号50に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号51に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(f)配列番号59に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号60に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号61に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(g)配列番号69に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号70に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号71に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(h)配列番号78に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号79に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号80に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、又は
(i)配列番号5に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号41に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号42に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の抗原認識受容体。
【請求項9】
前記軽鎖可変領域が、
(a)配列番号5に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号6に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号7に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(b)配列番号15に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号16に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号17若しくはその保存的修飾を含むCDR3、又は
(c)配列番号25に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号26に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号27に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の抗原認識受容体。
【請求項10】
(a)前記重鎖可変領域が、配列番号2に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号4に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号5に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号7に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(b)前記重鎖可変領域が、配列番号12に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号13に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号14に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号15に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号16に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号17に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(c)前記重鎖可変領域が、配列番号22に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号23に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号24に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号25に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号26に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号27に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(d)前記重鎖可変領域が、配列番号32に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号34に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号25に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号26に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号27に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(e)前記重鎖可変領域が、配列番号37に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号38に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号39に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号40に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号41に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号42に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(f)前記重鎖可変領域が、配列番号47に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号38に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号48に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号49に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号50に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号51に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(g)前記重鎖可変領域が、配列番号56に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号57に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号58に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号59に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号60に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号61に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(h)前記重鎖可変領域が、配列番号66に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号67に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号68に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号69に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号70に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号71に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(i)前記重鎖可変領域が、配列番号76に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号57に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号77に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号79に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号80に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、又は
(j)前記重鎖可変領域が、配列番号85に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号86に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号87に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号5に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号41に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号42に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の抗原認識受容体。
【請求項11】
(a)前記重鎖可変領域が、配列番号2に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号4に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号5に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号7に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(b)前記重鎖可変領域が、配列番号12に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号13に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号14に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号15に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号16に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号17に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、又は
(c)前記重鎖可変領域が、配列番号22に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号23に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号24に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号25に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号26に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号27に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の抗原認識受容体。
【請求項12】
前記重鎖可変領域が、配列番号8、配列番号18、配列番号28、配列番号35、配列番号43、配列番号52、配列番号62、配列番号72、配列番号81、又は配列番号88に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、若しくは約99%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の抗原認識受容体。
【請求項13】
前記重鎖可変領域が、配列番号8、配列番号18、配列番号28、配列番号35、配列番号43、配列番号52、配列番号62、配列番号72、配列番号81、又は配列番号88に記載されるアミノ酸配列を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の抗原認識受容体。
【請求項14】
前記重鎖可変領域が、配列番号8、配列番号18、又は配列番号28に記載されるアミノ酸配列を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の抗原認識受容体。
【請求項15】
前記軽鎖可変領域が、配列番号9、配列番号19、配列番号29、配列番号44、配列番号53、配列番号63、配列番号73、配列番号82、配列番号89、又は配列番号92に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、若しくは約99%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の抗原認識受容体。
【請求項16】
前記軽鎖可変領域が、配列番号9、配列番号19、配列番号29、配列番号44、配列番号53、配列番号63、配列番号73、配列番号82、配列番号89、又は配列番号92に記載されるアミノ酸配列を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の抗原認識受容体。
【請求項17】
前記軽鎖可変領域が、配列番号9、配列番号19、又は配列番号29に記載されるアミノ酸配列を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の抗原認識受容体。
【請求項18】
(a)前記重鎖可変領域が、配列番号8、配列番号18、配列番号28、配列番号35、配列番号43、配列番号52、配列番号62、配列番号72、配列番号81、又は配列番号88に記載される選択されたアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、若しくは約99%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含み、
(b)前記軽鎖可変領域が、配列番号9、配列番号19、配列番号29、配列番号44、配列番号53、配列番号63、配列番号73、配列番号82、配列番号89、又は配列番号92に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、若しくは約99%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の抗原認識受容体。
【請求項19】
(a)前記重鎖可変領域が、配列番号8、配列番号18、配列番号28、配列番号35、配列番号43、配列番号52、配列番号62、配列番号72、配列番号81、又は配列番号88に記載されるアミノ酸配列を含み、
(b)前記軽鎖可変領域が、配列番号9、配列番号19、配列番号29、配列番号44、配列番号53、配列番号63、配列番号73、配列番号82、配列番号89、又は配列番号92に記載されるアミノ酸配列を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の抗原認識受容体。
【請求項20】
(a)前記重鎖可変領域が、配列番号8、配列番号18、又は配列番号28に記載されるアミノ酸配列を含み、
(b)前記軽鎖可変領域が、配列番号9、配列番号19、又は配列番号29に記載されるアミノ酸配列を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の抗原認識受容体。
【請求項21】
(a)前記重鎖可変領域が、配列番号8に記載されるアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号9に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(b)前記重鎖可変領域が、配列番号18に記載されるアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号19に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(c)前記重鎖可変領域が、配列番号28に記載されるアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号29に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(d)前記重鎖可変領域が、配列番号35に記載されるアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号29に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(e)前記重鎖可変領域が、配列番号43に記載されるアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号44に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(f)前記重鎖可変領域が、配列番号52に記載されるアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号53に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(g)前記重鎖可変領域が、配列番号62に記載されるアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号63に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(h)前記重鎖可変領域が、配列番号72に記載されるアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号73に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(i)前記重鎖可変領域が、配列番号81に記載されるアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号82に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(j)前記重鎖可変領域が、配列番号88に記載されるアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号89に記載されるアミノ酸配列を含むか、又は
(k)前記重鎖可変領域が、配列番号8に記載されるアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号93に記載されるアミノ酸配列を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の抗原認識受容体。
【請求項22】
(a)前記重鎖可変領域が、配列番号8に記載されるアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号9に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(b)前記重鎖可変領域が、配列番号18に記載されるアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号19に記載されるアミノ酸配列を含むか、又は
(c)前記重鎖可変領域が、配列番号28に記載されるアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号29に記載されるアミノ酸配列を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の抗原認識受容体。
【請求項23】
前記細胞外抗原結合ドメインが、前記重鎖可変領域と前記軽鎖可変領域との間のリンカーを含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の抗原認識受容体。
【請求項24】
前記リンカーが、配列番号95、配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号99、又は配列番号100に記載されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる、請求項23に記載の抗原認識受容体。
【請求項25】
シグナルペプチドが、前記細胞外抗原結合ドメインの5’末端に共有結合される、請求項1~24のいずれか一項に記載の抗原認識受容体。
【請求項26】
前記膜貫通ドメインが、CD8ポリペプチド、CD28ポリペプチド、CD3ζポリペプチド、CD4ポリペプチド、4-1BBポリペプチド、OX40ポリペプチド、ICOSポリペプチド、CTLA-4ポリペプチド、PD-1ポリペプチド、LAG-3ポリペプチド、2B4ポリペプチド、BTLAポリペプチド、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の抗原認識受容体。
【請求項27】
前記細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3ζポリペプチドを含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の抗原認識受容体。
【請求項28】
前記細胞内シグナル伝達ドメインが、少なくとも1つの共刺激シグナル伝達領域を更に含む、請求項1~27のいずれか一項に記載の抗原認識受容体。
【請求項29】
前記少なくとも1つの共刺激シグナル伝達領域が、CD28ポリペプチド、4-1BBポリペプチド、OX40ポリペプチド、ICOSポリペプチド、DAP-10ポリペプチド、又はそれらの組み合わせを含む、請求項28に記載の抗原認識受容体。
【請求項30】
前記抗原認識受容体が、キメラ抗原受容体(CAR)、又はT細胞様融合タンパク質である、請求項1~29のいずれか一項に記載の抗原認識受容体。
【請求項31】
前記抗原認識受容体が、CARである、請求項1~30のいずれか一項に記載の抗原認識受容体。
【請求項32】
前記抗原認識受容体が、組換え発現される、請求項1~31のいずれか一項に記載の抗原認識受容体。
【請求項33】
前記抗原認識受容体が、ベクターから発現される、請求項1~32のいずれか一項に記載の抗原認識受容体。
【請求項34】
前記ベクターが、γ-レトロウイルスベクターである、請求項33に記載の抗原認識受容体。
【請求項35】
請求項1~34のいずれか一項に記載の抗原認識受容体を含む、細胞。
【請求項36】
前記細胞が、前記抗原認識受容体を形質導入されている、請求項35に記載の細胞。
【請求項37】
前記抗原認識受容体が、前記細胞の表面上に構成的に発現される、請求項35又は36に記載の細胞。
【請求項38】
前記細胞が、免疫応答性細胞である、請求項35~37のいずれか一項に記載の細胞。
【請求項39】
前記細胞が、リンパ系の細胞又は骨髄系の細胞である、請求項35~38のいずれか一項に記載の細胞。
【請求項40】
前記細胞が、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、及びリンパ球細胞が分化し得る幹細胞からなる群から選択される、請求項35~39のいずれか一項に記載の細胞。
【請求項41】
前記細胞が、T細胞である、請求項35~40のいずれか一項に記載の細胞。
【請求項42】
前記T細胞が、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)又は制御性T細胞である、請求項40又は41に記載の細胞。
【請求項43】
前記幹細胞が、多能性幹細胞である、請求項42に記載の細胞。
【請求項44】
前記多能性幹細胞が、胚様幹細胞又は誘導多能性幹細胞である、請求項43に記載の細胞。
【請求項45】
請求項1~34のいずれか一項に記載の抗原認識受容体をコードする、核酸。
【請求項46】
請求項45に記載の核酸を含む、ベクター。
【請求項47】
前記ベクターが、γ-レトロウイルスベクターである、請求項46に記載のベクター。
【請求項48】
請求項45に記載の核酸を発現する、宿主細胞。
【請求項49】
前記宿主細胞が、T細胞である、請求項48に記載の宿主細胞。
【請求項50】
請求項35~44のいずれか一項に記載の細胞を含む、組成物。
【請求項51】
薬学的に許容される担体を更に含む医薬組成物である、請求項50に記載の組成物。
【請求項52】
請求項45に記載の核酸を含む、脂質ナノ粒子。
【請求項53】
請求項52に記載の脂質ナノ粒子を含む、組成物。
【請求項54】
薬学的に許容される担体を更に含む医薬組成物である、請求項53に記載の組成物。
【請求項55】
対象において疾患又は障害を治療又は改善する方法であって、前記対象に、請求項35~44のいずれか一項に記載の細胞、又は請求項50、51、53若しくは54のいずれか一項に記載の組成物を投与することを含む、方法。
【請求項56】
前記疾患又は障害が、腫瘍である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
対象において腫瘍負荷を低減させる方法であって、前記対象に、請求項35~44のいずれか一項に記載の細胞、又は請求項50、51、53若しくは54のいずれか一項に記載の組成物を投与することを含む、方法。
【請求項58】
前記方法が、前記対象において、腫瘍細胞の数を低減させ、腫瘍サイズを低減させ、かつ/又は腫瘍を根絶する、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
対象において腫瘍を治療及び/又は予防する方法であって、前記対象に、請求項35~44のいずれか一項に記載の細胞、又は請求項50、51、53若しくは54のいずれか一項に記載の組成物を投与することを含む、方法。
【請求項60】
腫瘍を有する対象の生存時間を増加又は延長する方法であって、前記対象に、請求項35~44のいずれか一項に記載の細胞、又は請求項50、51、53若しくは54のいずれか一項に記載の組成物を投与することを含む、方法。
【請求項61】
前記方法が、前記対象において腫瘍負荷を低減させるか、又は根絶する、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記腫瘍が、がんである、請求項56~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記腫瘍が、血液がん又は固形組織がんである、請求項56~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記腫瘍が、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、骨髄増殖性腫瘍(MPN)、及び慢性骨髄性腫瘍からなる群から選択される、請求項56~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記腫瘍が、急性骨髄性白血病(AML)である、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記対象が、ヒトである、請求項55~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
対象において疾患若しくは障害を治療若しくは改善するため、対象において腫瘍負荷を低減させるため、対象において腫瘍を治療及び/若しくは予防するため、並びに/又は腫瘍を有する対象の生存時間を増加若しくは延長するための、キットであって、請求項35~44のいずれか一項に記載の細胞、請求項45に記載の核酸、請求項52に記載の脂質ナノ粒子、又は請求項50、51、53若しくは54のいずれか一項に記載の組成物を含む、キット。
【請求項68】
前記キットが、対象において疾患若しくは障害を治療若しくは改善するため、対象において腫瘍負荷を低減させるため、対象において腫瘍を治療及び/若しくは予防するため、並びに/又は腫瘍を有する対象の生存時間を増加若しくは延長するために、前記細胞又は組成物を使用するための、書面による説明書を更に含む、請求項67に記載のキット。
【請求項69】
前記細胞内に、前記抗原認識受容体をコードする核酸を導入することを含む、請求項1~34のいずれか一項に記載のCD33標的化抗原認識受容体を生成するための方法。
【請求項70】
対象において疾患又は障害を治療又は改善することにおける使用のための、請求項35~44のいずれか一項に記載の細胞、又は請求項50、51、53若しくは54のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項71】
前記疾患又は障害が、腫瘍である、請求項70に記載の使用のための細胞又は組成物。
【請求項72】
前記腫瘍が、がんである、請求項71に記載の使用のための細胞又は組成物。
【請求項73】
前記疾患又は障害が、肺の神経内分泌腫瘍、肺外神経内分泌がん、黒色腫、神経内分泌前立腺がん、乳がん、胃腸管の神経内分泌腫瘍、膵がん、甲状腺髄様がん、小細胞膀胱がん、卵巣小細胞がん、低悪性度神経膠腫、膠芽腫、及び神経芽腫からなる群から選択される、請求項70~72のいずれか一項に記載の使用のための細胞又は組成物。
【請求項74】
前記肺の前記神経内分泌腫瘍が、肺神経内分泌がん、大細胞神経内分泌がん、及び小細胞肺がんからなる群から選択される、請求項73に記載の使用のための細胞又は組成物。
【請求項75】
前記腫瘍が、小細胞肺がんである、請求項74に記載の使用のための細胞又は組成物。
【請求項76】
前記対象が、ヒトである、請求項70~75のいずれか一項に記載の使用のための細胞又は組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年2月2日に出願された米国仮特許出願第63/306,395号、及び2021年9月2日に出願された米国仮特許出願第63/240,196号の優先権を主張し、これらの内容は、それらの全体が参照により組み込まれ、それに対する優先権が主張される。
【0002】
配列表
本出願は、EFS-Webを介して提出された配列表を含み、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。2022年8月31日に作成された当該配列表は、0727341387.xmlという名称であり、164,036バイトのサイズである。
【0003】
1.導入
本明細書に開示される主題は、免疫療法のための方法及び組成物を提供する。これは、CD33を特異的に標的とする抗原認識受容体(例えば、キメラ抗原受容体(CAR))、そのような受容体を含む細胞、及び治療のためにそのような細胞を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
2.本発明の背景
急性骨髄性白血病(AML)は、米国において最も一般的かつ最も致死的な形態の急性白血病である。過去40年間、標準治療は化学療法であったが、近年、CD33抗体-薬物コンジュゲート(ADC)及び標的化された低分子がその一式に追加された。これらの新しい追加にもかかわらず、AMLは、5年生存率が30%未満の深刻な疾患であり続けている。したがって、新規のAML介入に対する重要な必要性が存在している。
【0005】
過去10年間で、CAR T細胞は、免疫療法の最も強力な形態の1つとして出現した。多くのグループが、CD33の標的化を介してAMLの治療にこの技術を展開しているが、1つの主要な障害である、患者集団内及び患者集団間のこの抗原の不均一な密度が残っている。これは、CAR T細胞の有効性が抗原密度と相関し、抗原表面発現の完全な喪失ではなく、低減がCAR T細胞の免疫回避の機構であることが示されているため、非常に重要なものである。これを克服するために、膜近位エピトープ標的化が、CAR T細胞の有効性を強化する戦略として浮上し、全体的なCAR T細胞の効力、及び低抗原密度バリアントを認識するエフェクター細胞の能力を増加させることをもたらした。結果として、CD33の膜近位エピトープを標的とするCAR T細胞を開発することは、現在知られている全ての抗体の標的である膜遠位ドメインを欠き得るスプライスバリアントを含む様々なCD33発現を伴う疾患の強化された排除を可能にするであろう。
【発明の概要】
【0006】
3.本発明の概要
本明細書に開示される主題は、CD33を特異的に標的とする抗原認識受容体、及びそのようなCD33標的化抗原認識受容体を含む細胞を提供する。本明細書に開示される主題は、治療のためのCD33標的化抗原認識受容体の使用を更に提供する。
【0007】
本明細書に開示される主題は、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含む、抗原認識受容体を提供し、細胞外抗原結合ドメインは、CD33に特異的に結合する。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、単鎖可変断片(scFv)である。特定の実施形態では、可変領域は、N末端からC末端に配置される:V-V。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、ヒトscFvである。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、任意選択で架橋されるFabである。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、F(ab)である。特定の実施形態では、scFv、Fab及びF(ab)のうちの1つ以上は、異種配列を有する融合タンパク質中に含まれて、細胞外抗原結合ドメインを形成する。
【0008】
特定の実施形態では、重鎖可変領域は、
(a)配列番号2に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号3に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号4に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(b)配列番号12に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号13に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号14に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(c)配列番号22に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号23に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号24に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(d)配列番号32に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号33に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号34に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(e)配列番号37に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号38に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号39に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(f)配列番号47に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号38に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号48に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(g)配列番号56に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号57に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号58に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(h)配列番号66に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号67に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号68に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(i)配列番号76に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号57に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号77に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、又は
(j)配列番号85に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号86に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号87に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3を含む。
【0009】
特定の実施形態では、重鎖可変領域は、
(a)配列番号2に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号3に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号4に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(b)配列番号12に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号13に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号14に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、又は
(c)配列番号22に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号23に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号24に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3を含む。
【0010】
特定の実施形態では、軽鎖可変領域は、
(a)配列番号5に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号6に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号7に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(b)配列番号15に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号16に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号17若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(c)配列番号25に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号26に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号27に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(d)配列番号40に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号41若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号42に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(e)配列番号49に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号50に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号51に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(f)配列番号59に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号60に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号61に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(g)配列番号69に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号70に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号71に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(h)配列番号78に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号79に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号80に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、又は
(i)配列番号5に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号41に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号42に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3を含む。
【0011】
特定の実施形態では、軽鎖可変領域は、
(a)配列番号5に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号6に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号7に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3、
(b)配列番号15に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号16に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号17又はその保存的修飾を含むCDR3、
(c)配列番号25に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号26に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号27に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含む。
【0012】
特定の実施形態では、
(a)重鎖可変領域が、配列番号2に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号4に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号5に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号7に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(b)重鎖可変領域が、配列番号12に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号13に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号14に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号15に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号16に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号17に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(c)重鎖可変領域が、配列番号22に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号23に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号24に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号25に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号26に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号27に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(d)重鎖可変領域が、配列番号32に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号34に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号25に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号26に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号27に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(e)重鎖可変領域が、配列番号37に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号38に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号39に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号40に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号41に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号42に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(f)重鎖可変領域が、配列番号47に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号38に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号48に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号49に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号50に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号51に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(g)重鎖可変領域が、配列番号56に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号57に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号58に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号59に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号60に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号61に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(h)重鎖可変領域が、配列番号66に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号67に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号68に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号69に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号70に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号71に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(i)重鎖可変領域が、配列番号76に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号57に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号77に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号78に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号79に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号80に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、又は
(j)重鎖可変領域が、配列番号85に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号86に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号87に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号5に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号41に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号42に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0013】
特定の実施形態では、
(a)重鎖可変領域が、配列番号2に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号4に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号5に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号7に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(b)重鎖可変領域が、配列番号12に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号13に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号14に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号15に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号16に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号17に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、又は
(c)重鎖可変領域が、配列番号22に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号23に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号24に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号25に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号26に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号27に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0014】
特定の実施形態では、重鎖可変領域は、配列番号8、配列番号18、配列番号28、配列番号35、配列番号43、配列番号52、配列番号62、配列番号72、配列番号81、又は配列番号88に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、若しくは約99%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、重鎖可変領域は、配列番号8、配列番号18、配列番号28、配列番号35、配列番号43、配列番号52、配列番号62、配列番号72、配列番号81、又は配列番号88に記載されるアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、重鎖可変領域は、配列番号8、配列番号18、又は配列番号28に記載されるアミノ酸配列を含む。
【0015】
特定の実施形態では、軽鎖可変領域は、配列番号9、配列番号19、配列番号29、配列番号44、配列番号53、配列番号63、配列番号73、配列番号82、配列番号89、又は配列番号92に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、若しくは約99%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、軽鎖可変領域は、配列番号9、配列番号19、配列番号29、配列番号44、配列番号53、配列番号63、配列番号73、配列番号82、配列番号89、又は配列番号92に記載されるアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、軽鎖可変領域は、配列番号9、配列番号19、又は配列番号29に記載されるアミノ酸配列を含む。
【0016】
特定の実施形態では、(a)重鎖可変領域は、配列番号8、配列番号18、配列番号28、配列番号35、配列番号43、配列番号52、配列番号62、配列番号72、配列番号81、又は配列番号88に記載される選択されたアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、若しくは約99%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含み、(b)軽鎖可変領域は、配列番号9、配列番号19、配列番号29、配列番号44、配列番号53、配列番号63、配列番号73、配列番号82、配列番号89、又は配列番号92に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、若しくは約99%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む。
【0017】
特定の実施形態では、(a)重鎖可変領域は、配列番号8、配列番号18、配列番号28、配列番号35、配列番号43、配列番号52、配列番号62、配列番号72、配列番号81、又は配列番号88に記載されるアミノ酸配列を含み、(b)軽鎖可変領域は、配列番号9、配列番号19、配列番号29、配列番号44、配列番号53、配列番号63、配列番号73、配列番号82、配列番号89、又は配列番号92に記載されるアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、(a)重鎖可変領域は、配列番号8、配列番号18、又は配列番号28に記載されるアミノ酸配列を含み、(b)軽鎖可変領域は、配列番号9、配列番号19、又は配列番号29に記載されるアミノ酸配列を含む。
【0018】
特定の実施形態では、
(a)重鎖可変領域が、配列番号8に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号9に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(b)重鎖可変領域が、配列番号18に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号19に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(c)重鎖可変領域が、配列番号28に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号29に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(d)重鎖可変領域が、配列番号35に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号29に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(e)重鎖可変領域が、配列番号43に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号44に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(f)重鎖可変領域が、配列番号52に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号53に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(g)重鎖可変領域が、配列番号62に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号63に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(h)重鎖可変領域が、配列番号72に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号73に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(i)重鎖可変領域が、配列番号81に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号82に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(j)重鎖可変領域が、配列番号88に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号89に記載されるアミノ酸配列を含むか、又は
(k)重鎖可変領域が、配列番号8に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号93に記載されるアミノ酸配列を含む。
【0019】
特定の実施形態では、
(a)重鎖可変領域が、配列番号8に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号9に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(b)重鎖可変領域が、配列番号18に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号19に記載されるアミノ酸配列を含むか、又は
(c)重鎖可変領域が、配列番号28に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号29に記載されるアミノ酸配列を含む。
【0020】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、重鎖可変領域と軽鎖可変領域との間のリンカーを含む。特定の実施形態では、リンカーは、配列番号95、配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号99、又は配列番号100に記載されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる。特定の実施形態では、シグナルペプチドは、細胞外抗原結合ドメインの5’末端に共有結合される。
【0021】
特定の実施形態では、膜貫通ドメインは、CD8ポリペプチド、CD28ポリペプチド、CD3ζポリペプチド、CD4ポリペプチド、4-1BBポリペプチド、OX40ポリペプチド、ICOSポリペプチド、CTLA-4ポリペプチド、PD-1ポリペプチド、LAG-3ポリペプチド、2B4ポリペプチド、BTLAポリペプチド、又はそれらの組み合わせを含む。
【0022】
特定の実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζポリペプチドを含む。特定の実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、少なくとも1つの共刺激シグナル伝達領域を更に含む。特定の実施形態では、少なくとも1つの共刺激シグナル伝達領域は、CD28ポリペプチド、4-1BBポリペプチド、OX40ポリペプチド、ICOSポリペプチド、DAP-10ポリペプチド、又はそれらの組み合わせを含む。
【0023】
特定の実施形態では、抗原認識受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)、又はT細胞様融合タンパク質である。特定の実施形態では、抗原認識受容体は、CARである。
【0024】
特定の実施形態では、抗原認識受容体は、組換え発現される。特定の実施形態では、抗原認識受容体は、ベクターから発現される。特定の実施形態では、ベクターは、γ-レトロウイルスベクターである。
【0025】
本明細書に開示される主題は、細胞が本明細書に開示される抗原認識受容体を含むことを提供する。特定の実施形態では、細胞は、抗原認識受容体を形質導入されている。特定の実施形態では、抗原認識受容体は、細胞の表面上に構成的に発現される。
【0026】
特定の実施形態では、細胞は、免疫応答性細胞である。特定の実施形態では、細胞は、リンパ系の細胞又は骨髄系の細胞である。特定の実施形態では、細胞は、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、及びリンパ球細胞が分化し得る幹細胞からなる群から選択される。特定の実施形態では、細胞は、T細胞である。特定の実施形態では、T細胞は、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)又は制御性T細胞である。特定の実施形態では、幹細胞は、多能性幹細胞である。特定の実施形態では、多能性幹細胞は、胚様幹細胞又は誘導多能性幹細胞である。
【0027】
本明細書に開示される主題は、本明細書に開示される抗原認識受容体をコードする核酸を更に提供する。本明細書に開示される主題は、本明細書に開示される核酸分子を含むベクターを更に提供する。特定の実施形態では、ベクターは、ウイルスベクターである。特定の実施形態では、ベクターは、γ-レトロウイルスベクターである。
【0028】
加えて、本明細書に開示される主題は、本明細書に開示される核酸分子を発現する宿主細胞を提供する。特定の実施形態では、宿主細胞は、T細胞である。
【0029】
本明細書に開示される主題は、本明細書に開示される細胞を含む組成物を更に提供する。特定の実施形態では、組成物は、薬学的に許容される担体を更に含む医薬組成物である。
【0030】
本明細書に開示される主題はまた、本明細書に開示される核酸を含む脂質ナノ粒子を提供する。また、本明細書に開示される主題は、本明細書に開示される脂質ナノ粒子を含む組成物を提供する。特定の実施形態では、組成物は、薬学的に許容される担体を更に含む医薬組成物である。
【0031】
本明細書に開示される主題は、対象において疾患又は障害を治療又は改善する方法を更に提供する。特定の実施形態では、方法は、本明細書に開示される細胞、又は組成物を対象に投与することを含む。
【0032】
本明細書に開示される主題はまた、対象において腫瘍負荷を低減させる方法を提供する。特定の実施形態では、方法は、本明細書に開示される細胞、又は組成物を対象に投与することを含む。特定の実施形態では、方法は、対象において腫瘍細胞の数を低減させ、腫瘍サイズを低減させ、かつ/又は腫瘍を根絶する。
【0033】
本明細書に開示される主題は、対象において腫瘍を治療及び/又は予防する方法を提供する。特定の実施形態では、方法は、本明細書に開示される細胞、又は組成物を対象に投与することを含む。本明細書に開示される主題は、腫瘍を有する対象の生存時間を増加又は延長する方法を提供する。特定の実施形態では、方法は、本明細書に開示される細胞、又は組成物を対象に投与することを含む。特定の実施形態では、方法は、対象において腫瘍負荷を低減させるか、又は根絶する。
【0034】
特定の実施形態では、疾患又は障害は、腫瘍である。特定の実施形態では、腫瘍は、血液がん又は固形組織がんである。特定の実施形態では、腫瘍は、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、骨髄増殖性腫瘍(MPN)、及び慢性骨髄性腫瘍からなる群から選択される。特定の実施形態では、腫瘍は、急性骨髄性白血病(AML)である。特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0035】
本明細書に開示される主題は、対象において疾患若しくは障害を治療若しくは改善するため、対象において腫瘍負荷を低減させるため、対象において腫瘍を治療及び/若しくは予防するため、並びに/又は腫瘍を有する対象の生存時間を増加若しくは延長するための、キットであって、本明細書に開示される細胞、核酸、又は組成物を含む、キットを更に提供する。特定の実施形態では、キットは、対象において疾患若しくは障害を治療若しくは改善するため、対象において腫瘍負荷を低減させるため、対象において腫瘍を治療及び/若しくは予防するため、並びに/又は腫瘍を有する対象の生存時間を増加若しくは延長するために、本明細書に開示される細胞若しくは組成物を使用するための、書面による説明書を更に含む。
【0036】
加えて、本明細書に開示される主題は、細胞内に、抗原認識受容体をコードする核酸を導入することを含む、CD33標的化抗原認識受容体を産生する方法を提供する。
【0037】
最後に、本明細書に開示される主題は、対象において疾患又は障害を治療又は改善することにおける使用のための、本明細書に開示される細胞又は組成物を提供する。特定の実施形態では、疾患又は障害は、腫瘍である。特定の実施形態では、腫瘍は、がんである。特定の実施形態では、疾患又は障害は、肺の神経内分泌腫瘍、肺外神経内分泌がん、黒色腫、神経内分泌前立腺がん、乳がん、胃腸管の神経内分泌腫瘍、膵がん、甲状腺髄様がん、小細胞膀胱がん、卵巣小細胞がん、低悪性度神経膠腫、膠芽腫、及び神経芽腫からなる群から選択される。特定の実施形態では、肺の神経内分泌腫瘍は、肺神経内分泌がん、大細胞神経内分泌がん、及び小細胞肺がんからなる群から選択される。特定の実施形態では、腫瘍は、小細胞肺がんである。特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0038】
4.図面の簡単な説明
以下の詳細な説明は、例として与えられるが、本発明を記載される特定の実施形態に限定することを意図するものではなく、添付の図面と併せて理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1A】CD33ドメイン構造を示す。細胞外領域における2つのIg様ドメイン(IgV及びIgC2)、単一の膜貫通セグメント、細胞質領域における免疫受容体チロシンベースの抑制性モチーフ(ITIM)及びITIM様モチーフを有する全長CD33(CD33M)を示す。一般的なCD33バリアント(CD33m)では、IgVドメインは、選択的スプライシングのために欠損している。
図1B】CD33ドメイン構造を示す。選択的スプライシングを有する及び有しない、CD33遺伝子構造を示す。エクソン2の除去は、IgVドメインの喪失をもたらす。様々なフォーマット(CAR、BiTE、放射線療法)で臨床に進行したいくつかの抗体は、IgVドメインを標的とする。「GO」は、ゲムツズマブオゾガマイシンを表す。
図2】本明細書に開示される主題による、例示的なCD33標的化CARの構造を示す。CD33標的化CARは、切断EGFR(EGFRt)、抗CD33 scFv、Mycタグ、CD28ポリペプチドを含む膜貫通ドメイン、並びにCD3ζポリペプチド、及びCD28ポリペプチドを含む共刺激シグナル伝達領域を含む細胞内シグナル伝達ドメインを含む。T2Aは、切断部位である。
図3-1】抗Mycタグ抗体によって検出された各構築物の形質導入効率及びCAR表面発現を示す形質導入PBMCの表面発現レベル及びフローサイトメトリー分析を示す。
図3-2】抗Mycタグ抗体によって検出された各構築物の形質導入効率及びCAR表面発現を示す形質導入PBMCの表面発現レベル及びフローサイトメトリー分析を示す。
図4A】膜近位CARの細胞傷害性を示す。H195参照CARとともに3P14及び4B2を、U937細胞株上でV-V(HL)又はV-V(LH)配向で各抗体の重鎖及び軽鎖可変領域を用いて試験したことを示す。
図4B】膜近位CARの細胞傷害性を示す。H195参照CARとともに3P14及び4B2を、OCi-AML3細胞株上で試験したことを示す。
図5A】膜遠位CARの細胞傷害性を示す。ドナー2からの細胞を使用して、CD33 IgVドメイン内の膜遠位エピトープを標的とする5つの抗体から生成されたCAR T細胞によるU937細胞のインビトロ殺傷を示す。
図5B】膜遠位CARの細胞傷害性を示す。ドナー3からの細胞を使用して、CD33 IgVドメイン内の膜遠位エピトープを標的とする5つの抗体から生成されたCAR T細胞によるU937細胞のインビトロ殺傷を示す。
図6A】TDI-Y-006及びTDI-Y-007 CARのインビトロ細胞傷害性を示す。A~Cは、示されるように、エフェクター対標的比を増加させた、ドナー1による、GFP-ホタルルシフェラーゼレポーター(gL)を含有する3つのAML標的株の細胞傷害性を示す。殺傷は、ルシフェラーゼアッセイを使用して評価した。異なるドナーからの様々なCD33+標的細胞及びPBMCにおいて、TDI-Y-006及びTDI-Y-007による強力な殺傷が観察された。
図6B】TDI-Y-006及びTDI-Y-007 CARのインビトロ細胞傷害性を示す。A~Cは、示されるように、エフェクター対標的比を増加させた、ドナー1による、GFP-ホタルルシフェラーゼレポーター(gL)を含有する3つのAML標的株の細胞傷害性を示す。殺傷は、ルシフェラーゼアッセイを使用して評価した。異なるドナーからの様々なCD33+標的細胞及びPBMCにおいて、TDI-Y-006及びTDI-Y-007による強力な殺傷が観察された。
図6C】TDI-Y-006及びTDI-Y-007 CARのインビトロ細胞傷害性を示す。A~Cは、示されるように、エフェクター対標的比を増加させた、ドナー1による、GFP-ホタルルシフェラーゼレポーター(gL)を含有する3つのAML標的株の細胞傷害性を示す。殺傷は、ルシフェラーゼアッセイを使用して評価した。異なるドナーからの様々なCD33+標的細胞及びPBMCにおいて、TDI-Y-006及びTDI-Y-007による強力な殺傷が観察された。
図6D】TDI-Y-006及びTDI-Y-007 CARのインビトロ細胞傷害性を示す。D~Fは、示されるように、エフェクター対標的比を増加させた、ドナー2による、GFP-ホタルルシフェラーゼレポーター(gL)を含有する3つのAML標的株の細胞傷害性を示す。殺傷は、ルシフェラーゼアッセイを使用して評価した。異なるドナーからの様々なCD33+標的細胞及びPBMCにおいて、TDI-Y-006及びTDI-Y-007による強力な殺傷が観察された。
図6E】TDI-Y-006及びTDI-Y-007 CARのインビトロ細胞傷害性を示す。D~Fは、示されるように、エフェクター対標的比を増加させた、ドナー2による、GFP-ホタルルシフェラーゼレポーター(gL)を含有する3つのAML標的株の細胞傷害性を示す。殺傷は、ルシフェラーゼアッセイを使用して評価した。異なるドナーからの様々なCD33+標的細胞及びPBMCにおいて、TDI-Y-006及びTDI-Y-007による強力な殺傷が観察された。
図6F】TDI-Y-006及びTDI-Y-007 CARのインビトロ細胞傷害性を示す。D~Fは、示されるように、エフェクター対標的比を増加させた、ドナー2による、GFP-ホタルルシフェラーゼレポーター(gL)を含有する3つのAML標的株の細胞傷害性を示す。殺傷は、ルシフェラーゼアッセイを使用して評価した。異なるドナーからの様々なCD33+標的細胞及びPBMCにおいて、TDI-Y-006及びTDI-Y-007による強力な殺傷が観察された。
図7A】1J19 CARの細胞傷害性を示す。Aは、示されるように、エフェクター対標的比を増加させた、ドナー2による、GFP-ホタルルシフェラーゼレポーター(gL)を含有するHL60細胞株の殺傷パーセントとしての細胞傷害性を示す。殺傷は、ルシフェラーゼアッセイを使用して評価した。全体的に、H195参照CARと比較して、1J19による強力な殺傷が観察された。
図7B】1J19 CARの細胞傷害性を示す。Bは、示されるように、エフェクター対標的比を増加させた、ドナー3による、GFP-ホタルルシフェラーゼレポーター(gL)を含有するHL60細胞株の殺傷パーセントとしての細胞傷害性を示す。殺傷は、ルシフェラーゼアッセイを使用して評価した。全体的に、H195参照CARと比較して、1J19による強力な殺傷が観察された。
図7C】1J19 CARの細胞傷害性を示す。Cは、示されるように、エフェクター対標的比を増加させた、ドナー2による、GFP-ホタルルシフェラーゼレポーター(gL)を含有するU937細胞株の殺傷パーセントとしての細胞傷害性を示す。殺傷は、ルシフェラーゼアッセイを使用して評価した。全体的に、H195参照CARと比較して、1J19による強力な殺傷が観察された。
図7D】1J19 CARの細胞傷害性を示す。Dは、示されるように、エフェクター対標的比を増加させた、ドナー1による、GFP-ホタルルシフェラーゼレポーター(gL)を含有するOCI-AML3細胞株の殺傷パーセントとしての細胞傷害性を示す。殺傷は、ルシフェラーゼアッセイを使用して評価した。全体的に、H195参照CARと比較して、1J19による強力な殺傷が観察された。
図8A】標的細胞への結合時のCD33 CAR T細胞増殖を示す。A及びBは、リードCARを形質導入した2人のドナー由来のヒトT細胞をU937細胞(CD33high)と共培養したことを示す。共培養後7、14及び21日で、フローサイトメトリーを使用して、残存する標的及びT細胞の総数を検出した。1mL当たりの残存ヒトT細胞の合計は、経時的に日数で示される。
図8B】標的細胞への結合時のCD33 CAR T細胞増殖を示す。A及びBは、リードCARを形質導入した2人のドナー由来のヒトT細胞をU937細胞(CD33high)と共培養したことを示す。共培養後7、14及び21日で、フローサイトメトリーを使用して、残存する標的及びT細胞の総数を検出した。1mL当たりの残存ヒトT細胞の合計は、経時的に日数で示される。
図8C】標的細胞への結合時のCD33 CAR T細胞増殖を示す。C及びDは、リードCARを形質導入した2人のドナー由来のヒトT細胞を、OCi-AML3(CD33low)細胞と共培養したことを示す。共培養後7、14及び21日で、フローサイトメトリーを使用して、残存する標的及びT細胞の総数を検出した。1mL当たりの残存ヒトT細胞の合計は、経時的に日数で示される。
図8D】標的細胞への結合時のCD33 CAR T細胞増殖を示す。C及びDは、リードCARを形質導入した2人のドナー由来のヒトT細胞を、OCi-AML3(CD33low)細胞と共培養したことを示す。共培養後7、14及び21日で、フローサイトメトリーを使用して、残存する標的及びT細胞の総数を検出した。1mL当たりの残存ヒトT細胞の合計は、経時的に日数で示される。
図9A】リードCD33 CAR T細胞のサイトカイン分泌プロファイルを示す。3人の異なるドナーを用いて、4つのサイトカインのパネルを分析した。24時間での標的及びエフェクター細胞の共培養後に収集した上清中のGMCSFのレベルを、ヒト12-plex Luminexパネルキットを使用して測定したことを示す。代表的なドナー1からのデータを示す。
図9B】リードCD33 CAR T細胞のサイトカイン分泌プロファイルを示す。3人の異なるドナーを用いて、4つのサイトカインのパネルを分析した。INF-γのレベルを示す。代表的なドナー1からのデータを示す。
図9C】リードCD33 CAR T細胞のサイトカイン分泌プロファイルを示す。3人の異なるドナーを用いて、4つのサイトカインのパネルを分析した。TNF-αのレベルを示す。代表的なドナー1からのデータを示す。
図9D】リードCD33 CAR T細胞のサイトカイン分泌プロファイルを示す。3人の異なるドナーを用いて、4つのサイトカインのパネルを分析した。IL-2のレベルを示す。代表的なドナー1からのデータを示す。
図10A】U937 AML異種移植片マウスモデルにおけるリードCAR Tのインビボ有効性を示す。リードCAR T細胞でIV処置したNCGマウスにおけるGFP-ホタルルシフェラーゼでタグ付けしたU937細胞(CD33high)の経時的なイメージング及び定量化を示す。
図10B】U937 AML異種移植片マウスモデルにおけるリードCAR Tのインビボ有効性を示す。生存曲線を示す。
図11A】滴定投与によるリードCAR Tのインビボ有効性を示す。5・10個のCAR T細胞を注射し、腫瘍成長及び生存についてモニタリングした動物のデータを示す。
図11B】滴定投与によるリードCAR Tのインビボ有効性を示す。2.5・10個のCAR T細胞を注射した動物のデータを示す。
図12A】OCi-AML3異種移植片マウスモデルにおけるリードCAR Tのインビボ有効性を示す。リードCAR T細胞でIV処置したNCGマウスにおけるホタルルシフェラーゼでタグ付けしたOCi-AML3細胞(CD33low)の経時的なイメージング及び定量化。1群当たり5匹の動物についての平均生存時間を示す。
図12B】OCi-AML3異種移植片マウスモデルにおけるリードCAR Tのインビボ有効性を示す。リードCAR T細胞でIV処置したNCGマウスにおけるホタルルシフェラーゼでタグ付けしたOCi-AML3細胞(CD33low)の経時的なイメージング及び定量化。各動物についての個々の生存曲線を示す。
図13】U937 AML異種移植片マウスモデルにおける2つのリード及び1つのバックアップCARのインビボ有効性の直接比較を示す。リード及びバックアップ1J19 CAR T細胞でIV処置したNCGマウスにおけるホタルルシフェラーゼでタグ付けしたU937細胞(CD33high)の経時的なイメージング及び定量化。
図14】患者由来AML異種移植片を有するTDI-Y-006 CAR Tのインビボ有効性を示す。患者由来腫瘍細胞を静脈内に注入し、10日間増殖させた。TDI-Y-006 CAR Tを14日目に注射した。7日後、CD2-CD33+細胞の数をフローサイトメトリーによって決定した。0.05未満のp値*で示される、H195_Delについての5匹のマウス及びTDI-Y-006 CAR Tについての4匹のマウスからの平均データ。
図15A】PDXモデルにおける炎症促進性サイトカインレベルを示す。患者由来異種移植片移植後にTDI-Y-006 CAR Tで処置したマウスからヒト12-plex Luminexパネルキットを使用して測定したIFN-ガンマのレベルを示す。*p値<0.05。
図15B】PDXモデルにおける炎症促進性サイトカインレベルを示す。TNF-アルファのレベルを示す。*p値<0.05。
図16A】CD33 CAR Tの毒性のインビトロ評価を示す。CD33リードCAR Tを有する、及び有しないコロニー形成単位によって試験された臍帯から単離された造血幹細胞を示す。ゲムツズマブオゾガマイシン(GO、抗CD33 ADC)及びDel CARを対照として使用した。
図16B】CD33 CAR Tの毒性のインビトロ評価を示す。実験薬剤の毒性を評価するためのコロニーの総数を示す。ゲムツズマブオゾガマイシン(GO、抗CD33 ADC)及びDel CARを対照として使用した。
図17】ヒト完全長CD33、CD33-IgC、及びU937 CD33発現腫瘍株に対する選択された抗体の相対的な結合を示すヒートマップを示す。
図18A】scFvを標的とする膜近位CD33-IgCの選択を示す。His-タグ結合によって測定した場合のハイブリドーマ由来モノクローナル抗体の交差反応性の定量化を示す。
図18B】scFvを標的とする膜近位CD33-IgCの選択を示す。溶液中のCD33に対するハイブリドーマ由来モノクローナル抗体の結合動態の定量化を示す。
図18C】scFvを標的とする膜近位CD33-IgCの選択を示す。過剰発現(3T3)及びAML細胞株(U937)上でのリードハイブリドーマ由来モノクローナル抗体のEC50の定量化を示す。
図18D】scFvを標的とする膜近位CD33-IgCの選択を示す。選択されたハイブリドーマ由来モノクローナル抗体のエピトープビニングの定量化を示す。
図19】フローサイトメトリーによって決定した場合の同等のレトロウイルス形質導入効率を実証する代表的なフローサイトメトリープロットを示す。反復測定一元配置分散分析によって決定したp値。データは、3つの独立した実験の平均±SEMである。ns、有意ではない。
図20A】インビトロで機能性及び増殖能力を増強するCAR T細胞を標的とする膜近位を示す。蛍光標識抗CD33抗体で検出された野生型又はCD33ノックアウト(CD33KO)AML細胞上でのCD33の発現を示すフローサイトメトリーヒストグラム及び定量的幾何平均蛍光(MFI)を示す。
図20B】インビトロで機能性及び増殖能力を増強するCAR T細胞を標的とする膜近位を示す。U937-CD33highgfpLuc腫瘍細胞の溶解を実証する24時間のD-ルシフェリンアッセイを示す(n=4、****、P<0.0001、***、P<0.001、*、P<0.05、二元配置分散分析による)。データは、4つの独立した実験の平均±SEMである。
図20C】インビトロで機能性及び増殖能力を増強するCAR T細胞を標的とする膜近位を示す。OCiAML3-CD33lowgfpLuc腫瘍細胞の溶解を実証する24時間のD-ルシフェリンアッセイを示す(n=4、*、P<0.05、二元配置分散分析による)。データは、4つの独立した実験の平均±SEMである。
図20D】インビトロで機能性及び増殖能力を増強するCAR T細胞を標的とする膜近位を示す。低いエフェクター対標的比でのU937-CD33highgfpLuc腫瘍細胞の溶解を実証する138時間(6日)のアッセイを示す(n=2、**、P<0.01、*、P<0.05、二元配置分散分析による)。データは、4つの独立した実験の代表である。
図20E】インビトロで機能性及び増殖能力を増強するCAR T細胞を標的とする膜近位を示す。低いエフェクター対標的比でのOCiAML3-CD33lowgfpLuc腫瘍細胞の溶解を実証する138時間のアッセイを示す(n=2、**、P<0.01、*、P<0.05、二元配置分散分析による)。データは、4つの独立した実験の代表である。
図20F】インビトロで機能性及び増殖能力を増強するCAR T細胞を標的とする膜近位を示す。U937-CD33high腫瘍細胞の存在下において、CAR T細胞を標的とする膜近位CD33によって増強された増殖を実証するフローサイトメトリー分析の定量化を示す(n=9、****、P<0.0001、二元配置分散分析による)。データは、3つの独立した実験の平均±SEMである。
図20G】インビトロで機能性及び増殖能力を増強するCAR T細胞を標的とする膜近位を示す。OCiAML3-CD33lowgfpLuc腫瘍細胞の存在下において、CAR T細胞を標的とする膜近位CD33によって増強された増殖を実証するフローサイトメトリー分析の定量化を示す(n=9、****、P<0.0001、二元配置分散分析による)。データは、3つの独立した実験の平均±SEMである。ns、有意ではない。
図21A】CAR T細胞を標的とする膜近位の特異性を示す。形質導入U937-CD33IgCgfpLuc腫瘍細胞上でのFLAG発現を示すフローサイトメトリーヒストグラムを示す。
図21B】CAR T細胞を標的とする膜近位の特異性を示す。U937-CD33IgCgfpLuc腫瘍細胞の溶解を実証する24時間のD-ルシフェリンアッセイを示す。データは、2つの独立した実験の代表である。
図21C】CAR T細胞を標的とする膜近位の特異性を示す。U937-CD33KOgfpLuc腫瘍細胞の溶解を実証する24時間のD-ルシフェリンアッセイを示す。データは、2つの独立した実験の代表である。
図21D】CAR T細胞を標的とする膜近位の特異性を示す。造血殺傷を測定するためのコロニー形成単位(CFU)アッセイを使用して産生された総コロニーの定量化を示しており、総コロニー数は、BFU-E、GEMM-CFU、及びGM-CFUの複合体である(n=9、****、P<0.0001、***、P<0.001、通常の一元配置分散分析による、ns、有意ではない)。示されるデータは、3つの独立した実験の平均±SEMの複合体である。
図22A】インビトロでの独自の活性化プロファイルによって特徴付けられる、膜近位標的化CAR T細胞を示す。ヒト12-plex Luminexパネルによって検出された、U937-CD33highgfpLuc、OCiAML3-CD33lowgfpLuc、U937-CD33IgCgfpLuc腫瘍、及びU937-CD33KOgfpLucと共培養したときのTc1/Th1サイトカインの24時間のサイトカイン分泌プロファイルを示す(n=3、****、P<0.0001、*、P<0.05、H195DEL対照に対するダネットの多重比較検定による)。データは、3つの独立した実験の代表である。
図22B】インビトロでの独自の活性化プロファイルによって特徴付けられる、膜近位標的化CAR T細胞を示す。Tc1/Th1活性化サイトカインのCAR T細胞の細胞内産生を示すフローサイトメトリー分析の定量化を示す(n=4、****、P<0.0001、**、P<0.01、*、P<0.05、二元配置分散分析による、ns、有意ではない)。データは、4つの独立した実験の平均±SEMである。
図22C】インビトロでの独自の活性化プロファイルによって特徴付けられる、膜近位標的化CAR T細胞を示す。CD4CAR及びCD8CARTc1/Th1活性化サイトカイン分泌の定性的表現を示す。
図22D】インビトロでの独自の活性化プロファイルによって特徴付けられる、膜近位標的化CAR T細胞を示す。Tc1/Th1活性化サイトカインのCD4 CAR T細胞の細胞内産生を示すフローサイトメトリー分析の定量化を示す(n=4、****、P<0.0001、*、P<0.05、二元配置分散分析による)。データは、4つの独立した実験の平均±SEMである。
図22E】インビトロでの独自の活性化プロファイルによって特徴付けられる、膜近位標的化CAR T細胞を示す。Tc1/Th1活性化サイトカインのCD8 CAR T細胞の細胞内産生を示すフローサイトメトリー分析の定量化を示す(n=4、***、P<0.001、**、P<0.01、*、P<0.05、二元配置分散分析による)。データは、4つの独立した実験の平均±SEMである。
図22F】インビトロでの独自の活性化プロファイルによって特徴付けられる、膜近位標的化CAR T細胞を示す。抗原刺激の7日後のCAR T細胞活性化状態を実証するフローサイトメトリー分析の定量化を示す(n=4、****、P<0.0001、二元配置分散分析による)。データは、3つの独立した実験の平均±SEMである。
図22G】インビトロでの独自の活性化プロファイルによって特徴付けられる、膜近位標的化CAR T細胞を示す。CAR T細胞活性化プロファイルを比較したフローサイトメトリー分析の定性的表現を示す。データは、3つの独立した実験からプールされる。
図23A】異種移植片マウスモデルにおける生存時間を増強する膜近位CD33標的化CAR T細胞を示す。インビボ実験設定の概略図を示す。NCGマウスに、U937-CD33highgfpLuc腫瘍を接種し、続いてCAR T細胞で処置した。
図23B】異種移植片マウスモデルにおける生存時間を増強する膜近位CD33標的化CAR T細胞を示す。U937-CD33highgfpLuc腫瘍を有し、5.0×10個のCAR T細胞で処置したNCGマウスの生存時間を示す(n=5、**、P<0.01)。95%信頼区間で、ログランクMantel-Cox検定によって決定した生存時間についてのp値。示したインビボデータは、5匹のマウスからプールされる。
図23C】異種移植片マウスモデルにおける生存時間を増強する膜近位CD33標的化CAR T細胞を示す。U937-CD33highgfpLuc+腫瘍を有し、2.5×10個のCAR T細胞で処置したNCGマウスの生存時間を示す(n=5、**、P<0.01、*、P<0.05)。95%信頼区間で、ログランクMantel-Cox検定によって決定した生存時間についてのp値。示したインビボデータは、5匹のマウスからプールされる。
図23D】異種移植片マウスモデルにおける生存時間を増強する膜近位CD33標的化CAR T細胞を示す。U937-CD33highgfpLuc+腫瘍を有し、1.0×10個のCAR T細胞で処置したNCGマウスの生存時間を示す(n=5、**、P<0.01、ns、有意ではない)。95%信頼区間で、ログランクMantel-Cox検定によって決定した生存時間についてのp値。
図23E】異種移植片マウスモデルにおける生存時間を増強する膜近位CD33標的化CAR T細胞を示す。U937-CD33highgfpLuc腫瘍を有し、5.0×10個のCAR T細胞で処置したNCGマウスの生存時間を示す(n=5、*、P<0.05)。95%信頼区間で、ログランクMantel-Cox検定によって決定した生存時間についてのp値。
図23F】異種移植片マウスモデルにおける生存時間を増強する膜近位CD33標的化CAR T細胞を示す。5.0×10個のCAR T細胞で処置した腫瘍保有NCGマウスにおけるU937-CD33highgfpLucの経時的なイメージングを示す。
図23G】異種移植片マウスモデルにおける生存時間を増強する膜近位CD33標的化CAR T細胞を示す。U937-CD33highgfpLuc腫瘍を接種し、続いて5.0×10個のCAR T細胞で処置したNCGマウスの腫瘍退縮を示す。
図23H】異種移植片マウスモデルにおける生存時間を増強する膜近位CD33標的化CAR T細胞を示す。インビボ実験設定の概略図を示す。NCGマウスに、OCiAML3-CD33lowgfpLuc腫瘍を接種し、続いてCAR T細胞で処置した。
図23I】異種移植片マウスモデルにおける生存時間を増強する膜近位CD33標的化CAR T細胞を示す。OCiAML3-CD33lowgfpLuc腫瘍を接種し、5.0×10個のCAR T細胞で処置したNCGマウスの生存時間を示す(n=5、*、P<0.05)。95%信頼区間で、ログランクMantel-Cox検定によって決定した生存時間についてのp値。
図23J】異種移植片マウスモデルにおける生存時間を増強する膜近位CD33標的化CAR T細胞を示す。5.0×10個のCAR T細胞で処置した腫瘍保有NCGマウスにおけるOCiAML3-CD33lowgfpLucの経時的なイメージングを示す。
図23K】異種移植片マウスモデルにおける生存時間を増強する膜近位CD33標的化CAR T細胞を示す。OCiAML3-CD33lowgfpLuc+腫瘍を有し、5.0×10個のCAR T細胞で処置したNCGマウスの腫瘍退縮を示す。
図24A】患者由来AML異種移植片モデルにおいて腫瘍負荷を減少させる膜近位CD33標的化CAR T細胞を示す。蛍光標識されたCD33特異的抗体及びアイソタイプ対照で検出されたAML60B患者試料上でのCD33発現のフローサイトメトリーヒストグラム及び幾何学的中央蛍光強度(MFI)を示す。
図24B】患者由来AML異種移植片モデルにおいて腫瘍負荷を減少させる膜近位CD33標的化CAR T細胞を示す。患者由来異種移植片モデルの実験設定の概略図を示す。NCGマウスに患者由来のAML芽球を接種し、同種異系のCAR T細胞で処置した。腫瘍接種の28日後に、骨髄穿刺液を分析した。
図24C】患者由来AML異種移植片モデルにおいて腫瘍負荷を減少させる膜近位CD33標的化CAR T細胞を示す。膜近位CD33標的化CAR T細胞で処置したマウスにおける腫瘍負荷の減少を実証するフローサイトメトリー分析の定量化を示す(n=6、*、P<0.05、通常の一元配置分散分析による、ns、有意ではない)。
図24D】患者由来AML異種移植片モデルにおいて腫瘍負荷を減少させる膜近位CD33標的化CAR T細胞を示す。AML60B患者由来の腫瘍を有し、膜遠位又は膜近位CAR T細胞で処置したNCGマウスの生存時間を示す(n=6、**、P<0.01、*、P<0.05)。95%信頼区間で、ログランクMantel-Cox検定によって決定した生存時間についてのp値。示したデータは、2つの異なる健康なドナーを使用した2つの独立した実験からプールされる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
5.本発明の詳細な説明
本明細書に開示される主題は、CD33を特異的に標的とする抗原認識受容体(例えば、キメラ抗原受容体(CAR))を提供する。本明細書に開示される主題は、そのような受容体を含む細胞を更に提供する。細胞は、免疫応答性細胞、例えば、遺伝子修飾免疫応答性細胞(例えば、T細胞又はナチュラルキラー(NK)細胞)であり得る。本明細書に開示される主題はまた、治療、例えば、CD33に関連する疾患又は障害(例えば、AML)を治療及び又は改善するためにそのような細胞を使用する方法を提供する。
【0041】
本開示の非限定的な実施形態は、本明細書及び実施例によって説明される。
【0042】
制限のためではなく、開示を明確にするために、この詳細な説明は、以下のセクションに分けられる。
5.1.定義、
5.2.CD33、
5.3.抗原認識受容体、
5.4.細胞、
5.5.組成物及びベクター、
5.6.ポリペプチド、
5.7.製剤及び投与、
5.8.治療方法、
5.9.キット、並びに
5.10.例示的な実施形態。
【0043】
5.1.定義
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。以下の参考文献は、本発明で使用される用語の多くの一般的な定義を当業者に提供する。Singleton et al.,Dictionary of Microbiology and Molecular Biology(2nd ed.1994)、The Cambridge Dictionary of Science and Technology(Walker ed.,1988)、The Glossary of Genetics,5th Ed.,R.Rieger et al.(eds.),Springer Verlag(1991)、及びHale&Marham,The Harper Collins Dictionary of Biology(1991)。本明細書で使用される場合、以下の用語は、別段の指定がない限り、以下にそれらに帰属する意味を有する。
【0044】
本明細書で使用される場合、「約」又は「およそ」という用語は、当業者によって決定される特定の値に対する許容誤差範囲内であることを意味し、それは、部分的には、その値がどのように測定又は決定されるか、すなわち、測定システムの限界に依存する。例えば、「約」は、当該技術分野における慣例に従って、3以内又は3を超える標準偏差を意味し得る。代替的に、「約」は、所与の値の20%まで、好ましくは10%まで、より好ましくは5%まで、及びより好ましくは更に1%までの範囲を意味し得る。代替的に、特に生体系又はプロセスに関して、この用語は、値の1桁以内、好ましくは5倍以内、より好ましくは2倍以内であることを意味し得る。
【0045】
「免疫応答性細胞」とは、免疫応答又は前駆体、又はその子孫で機能する細胞を意味する。特定の実施形態では、免疫応答性細胞は、リンパ系の細胞である。リンパ系の細胞の非限定的な例としては、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、B細胞、及びリンパ球細胞が分化し得る幹細胞が挙げられる。特定の実施形態では、免疫応答性細胞は、骨髄系の細胞である。
【0046】
「免疫応答性細胞を活性化する」とは、免疫応答の開始をもたらす、細胞内のシグナル伝達又はタンパク質発現の変化の誘導を意味する。例えば、リガンド結合及び免疫受容体チロシンベースの阻害モチーフ(ITAM)に応答してCD3鎖がクラスター化すると、シグナル伝達カスケードが産生される。特定の実施形態では、内因性TCR又は外因性CARが抗原に結合すると、結合した受容体(例えば、CD4又はCD8、CD3γ/δ/ε/ζなど)の近くに多くの分子のクラスター化を含む免疫学的シナプスの形成が起こる。膜結合シグナル伝達分子のこのクラスター化は、CD3鎖内に含まれるITAMモチーフがリン酸化されることを可能にする。このリン酸化は、次に、T細胞活性化経路を開始し、最終的に、NF-κB及びAP-1などの転写因子を活性化する。これらの転写因子は、T細胞の全体的な遺伝子発現を誘導して、T細胞媒介免疫応答を開始するために、マスターレギュレーターT細胞タンパク質の増殖及び発現のためのIL-2産生を増加させる。
【0047】
「免疫応答性細胞を刺激する」とは、堅牢で持続的な免疫応答をもたらすシグナルを意味する。様々な実施形態では、これは、免疫細胞(例えば、T細胞)の活性化後に、又は限定されないが、CD28、CD137(4-1BB)、OX40、CD40、及びICOSを含む受容体を介して同時に媒介される。複数の刺激シグナルを受信することは、堅牢で長期的なT細胞媒介性免疫応答をマウントするために重要であり得る。T細胞は、すぐに阻害され、抗原に応答しなくなる可能性がある。これらの共刺激シグナルの効果は変化し得るが、それらは一般に、完全かつ持続的な根絶のために抗原に強固に応答する長寿命、増殖性、及び抗アポトーシスT細胞を生成するために、遺伝子発現の増加をもたらす。
【0048】
本明細書で使用される場合、「抗原認識受容体」という用語は、標的抗原(例えば、CD33)を認識することができる受容体を指す。特定の実施形態では、抗原認識受容体は、標的抗原に結合すると、免疫細胞又は免疫応答性細胞(例えば、T細胞)を活性化することができる。
【0049】
本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、無傷の抗体分子だけではなく、免疫原結合能力を保持する抗体分子の断片も意味する。そのような断片も、当該技術分野で周知であり、通常、インビトロ及びインビボの両方で使用される。したがって、本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、無傷の免疫グロブリン分子だけでなく、周知の活性断片F(ab’)、及びFabも意味する。F(ab’)、及び無傷の抗体のFe断片を欠くFab断片は、循環からより迅速に排泄され、無傷の抗体の非特異的組織結合が、より少なくなる場合がある(Wahl et al.,Nucl Med(1983);24:316-325)。本明細書で使用される場合、天然の抗体全体、二重特異性抗体、キメラ抗体、Fab、Fab’、一本鎖V領域断片(scFv)、融合ポリペプチド、及び従来のものではない抗体を含む。特定の実施形態では、抗体は、ジスルフィド結合によって相互に接続された少なくとも2つの重(H)鎖及び2つの軽(L)鎖を含む糖タンパク質である。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではVと略される)及び重鎖定常(C)領域で構成される。重鎖定常領域は、CH1、CH2及びCH3の3つのドメインで構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではVと略される)及び軽鎖定常C領域で構成される。軽鎖定常領域は、1つのドメインCで構成される。V領域及びV領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる、より保存された領域が点在する、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる、超可変性の領域へと更に細分することができる。各V及びVは、アミノ末端からカルボキシ末端まで以下の順序で配置された、3つのCDR及び4つのFRで構成される:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。重鎖及び軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含有する。抗体の定常領域は、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)及び古典的補体系の第1の成分(C1q)を含む、宿主組織又は因子に対する免疫グロブリンの結合を媒介し得る。
【0050】
本明細書で使用される場合、「CDR」は、免疫グロブリン重鎖及び軽鎖の超可変領域である抗体の相補性決定領域アミノ酸配列として定義される。例えば、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,4th U.S.Department of Health and Human Services,National Institutes of Health(1987)、又はIMGT numbering system(Lefranc,The Immunologist(1999);7:132-136、Lefranc et al.,Dev.Comp.Immunol.(2003);27:55-77)を参照されたい。一般に、抗体は、可変領域中に3つの重鎖及び3つの軽鎖のCDR又はCDR領域を含む。CDRは、抗原又はエピトープに対する抗体の結合のための接触残基の大部分を提供する。特定の実施形態では、CDR領域は、IMGT番号付けシステムを使用して描写される。特定の実施形態では、CDR領域は、http://www.imgt.org/IMGT_vquest/inputでアクセス可能なIMGT番号付けシステムを使用して描写される。
【0051】
本明細書で使用される場合、「一本鎖可変断片」又は「scFv」という用語は、V::Vヘテロ二量体を形成するように共有結合される免疫グロブリン(例えば、マウス又はヒト)の重鎖(V)及び軽鎖(V)の可変領域の融合タンパク質である。重鎖(V)及び軽鎖(V)は、直接的に接続されるか、又はペプチドをコードするリンカー(例えば、10、15、20、25個のアミノ酸)によって接続されるかのいずれかであり、VのN末端をVのC末端に接続するか、又はVのC末端をVのN末端に接続する。リンカーは通常、可撓性のためにグリシンが豊富であり、溶解性のためにセリン又はトレオニンが豊富である。リンカーは、細胞外抗原結合ドメインの重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を連結し得る。リンカーの非限定的な例は、Shen et al.,Anal.Chem.80(6):1910-1917(2008)及びWO2014/087010に開示されており、それらの内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。特定の実施形態では、リンカーは、G4Sリンカーである。
【0052】
特定の実施形態では、リンカーは、以下に提供する配列番号95に記載されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる:
GGGGSGGGGSGGGSGGGGS[配列番号95]
【0053】
特定の実施形態では、リンカーは、以下に提供する配列番号96に記載されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる:
GGGGSGGGGSGGGGS[配列番号96]
【0054】
特定の実施形態では、リンカーは、以下に提供する配列番号97に記載されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる:
GGGGSGGGGSGGGGSGGGSGGGGS[配列番号97]
【0055】
特定の実施形態では、リンカーは、以下に提供する配列番号98に記載されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる:
GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGSGGGGS[配列番号98]
【0056】
特定の実施形態では、リンカーは、以下に提供する配列番号99に記載されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる:
GGGGS[配列番号99]
【0057】
特定の実施形態では、リンカーは、以下に提供する配列番号100に記載されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる:
GGGGSGGGGS[配列番号100]
【0058】
定常領域の除去及びリンカーの導入にもかかわらず、scFvタンパク質は、元の免疫グロブリンの特異性を保持する。一本鎖Fvポリペプチド抗体は、Huston,et al.Proc.Nat.Acad.Sci.USA,(1988);85:5879-5883、米国特許第5,091,513号、同第5,132,405号、及び同第4,956,778号、並びに米国特許公開第2005/0196754号及び同第2005/0196754号に記載されているように、Vコード配列及びVコード配列を含む核酸から発現され得る。阻害活性を有する拮抗性scFvが記載されている(例えば、Zhao et al.,Hyrbidoma(Larchmt)(2008);27(6):455-51、Peter et al.,J Cachexia Sarcopenia Muscle(2012);August 12、Shieh et al.,J Imunol(2009);183(4):2277-85、Giomarelli et al.,Thromb Haemost(2007);97(6):955-63、Fife eta.,J Clin Invst(2006);116(8):2252-61、Brocks et al.,Immunotechnology 1997 3(3):173-84、Moosmayer et al.,Ther Immunol 1995 2(10:31-40)を参照されたい。刺激活性を有する作動性scFvが記載されている(Peter et al.,J Biol Chern(2003);25278(38):36740-7、Xie et al.,Nat Biotech 1997 15(8):768-71、Ledbetter et al.,Crit Rev Immunol(1997);17(5-6):427-55、Ho et al.,BioChim Biophys Acta(2003);1638(3):257-66)。
【0059】
本明細書で使用される場合、「キメラ抗原受容体」又は「CAR」という用語は、免疫応答性細胞を活性化又は刺激することができる細胞内シグナル伝達ドメインに融合された細胞外抗原結合ドメイン、及び膜貫通ドメインを含む分子を指す。特定の実施形態では、CARの細胞外抗原結合ドメインは、scFvを含む。scFvは、抗体の可変重鎖及び軽鎖領域を融合することに由来し得る。代替的又は追加的に、scFvは、(例えば、Fabライブラリから得られた抗体由来の代わりに)Fabに由来し得る。特定の実施形態では、scFvは、膜貫通ドメインに、次いで細胞内シグナル伝達ドメインに融合される。「実質的に同一の」又は「実質的に相同な」とは、参照アミノ酸配列(例えば、本明細書に記載のアミノ酸配列のうちのいずれか)又は参照ヌクレオチド配列(例えば、本明細書に記載のヌクレオチド配列のうちのいずれか)に対して少なくとも約50%の相同性又は同一性を示すポリペプチド又は核酸分子を意味する。特定の実施形態では、このような配列は、比較のために使用されるアミノ酸又は核酸の配列と少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、又は少なくとも約100%相同若しくは同一である。
【0060】
配列同一性は、配列分析ソフトウェア(例えば、Sequence Analysis Software Package of the Genetics Computer Group、University of Wisconsin Biotechnology Center、1710 University Avenue,Madison,Wis.53705、BLAST、BESTFIT、GAP、又はPILEUP/PRETTYBOXプログラム)を使用して測定される。そのようなソフトウェアは、様々な置換、欠失、及び/又は他の修飾に対して相同性の程度を割り当てることによって、同一又は類似の配列を一致させる。保存的置換としては、典型的には、以下の群内の置換が含まれる:グリシン、アラニン;バリン、イソロイシン、ロイシン;アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン;セリン、トレオニン;リジン、アルギニン;及びフェニルアラニン、チロシン。同一性の程度を決定するための例示的なアプローチでは、BLASTプログラムが使用されてもよく、e-3~e-100の確率スコアは、密接に関連する配列を示している。
【0061】
本明細書で使用される場合、2つのアミノ酸配列間の相同性パーセントは、2つの配列間の同一性パーセントに等しい。2つの配列間の同一性パーセントは、それらの2つの配列の最適アライメントのために導入される必要のあるギャップの数及び各ギャップの長さを考慮して、それらの配列によって共有された同一の位置の数の関数(すなわち、相同性%=同一の位置の数/位置の総数×100)である。配列の比較及び2つの配列間の同一性パーセントの決定は、数学的アルゴリズムを使用して達成することができる。
【0062】
2つのアミノ酸配列間の相同性パーセントは、PAM120重み残基表、ギャップ長ペナルティ12、及びギャップペナルティ4を使用した、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれた、E.Meyers and W.Miller(Comput.Appl.Biosci.,4:11-17(1988))のアルゴリズムを使用して決定され得る。加えて、2つのアミノ酸配列間の相同性パーセントは、Blossum 62行列又はPAM250行列のいずれか、及びギャップ重み16、14、12、10、8、6、又は4、及び長さ重み1、2、3、4、5、又は6を使用した、GCGソフトウェアパッケージ(www.gcg.comで利用可能)内のGAPプログラムに組み込まれた、Needleman and Wunsch(J.Mol.Biol.48:444-453(1970))のアルゴリズムを使用して決定され得る。
【0063】
追加的又は代替的に、本明細書に開示された主題のアミノ酸配列は、例えば、関連配列を特定するために、公開データベースに対する検索を行うための「問い合わせ配列」として更に使用され得る。かかる検索は、Altschul,et al.(1990)J.Mol.Biol.215:403-10のXBLASTプログラム(バージョン2.0)を使用して行われ得る。本明細書に開示される特定の配列(例えば、scFv m903、m904、m905、m906、及びm900の重鎖及び軽鎖可変領域配列)に相同なアミノ酸配列を得るために、BLASTタンパク質検索が、XBLASTプログラム、スコア=50、文字長=3で行われ得る。比較目的のためにギャップドアライメントを得るために、ギャップドBLASTが、Altschul et al.,(1997)Nucleic Acids Res.25(17):3389-3402に記載されるように利用され得る。BLAST、Gapped BLASTプログラムを利用する場合、それぞれのプログラム(例えば、XBLAST及びNBLAST)のデフォルトパラメータを使用することができる。
【0064】
「有効量」は、治療時に有益又は所望の臨床結果をもたらすのに十分な量である。有効量は、1回以上の用量で対象に投与され得る。特定の実施形態では、有効量は、疾患の進行を緩和するか、改善するか、安定化するか、逆行させるか、又は遅らせる、あるいは疾患の病理学的結果をその他の方法で低減させるのに十分な量であり得る。有効量は、症例ごとに医師によって決定され得、当業者の技能の範囲内である。いくつかの因子は、典型的には、有効量を達成するために適切な投薬量を決定する際に考慮される。これらの因子としては、対象の年齢、性別、及び体重、治療される状態、状態の重症度、並びに投与される細胞の形態及び有効濃度が挙げられる。
【0065】
本明細書で使用される場合、「保存的配列修飾」という用語は、アミノ酸配列を含む本明細書に開示されるCD33標的化CAR(例えば、細胞外抗原結合ドメイン)の結合特徴に有意に影響しないか、又は変化させないアミノ酸修飾を指す。保存的修飾は、アミノ酸置換、付加、及び欠失を含み得る。修飾は、部位特異的変異誘発及びPCRによる変異誘発などの当該技術分野で既知の標準的な技術によって、本明細書に開示されるCARの細胞外抗原結合ドメインに導入することができる。アミノ酸は、電荷及び極性などの物理化学的特性に従って、グループに分類することができる。保存的アミノ酸置換は、アミノ酸残基が同じグループ内のアミノ酸で置き換えられたものである。例えば、アミノ酸は、電荷によって分類することができ、正に帯電したアミノ酸としては、リジン、アルギニン、ヒスチジンが挙げられ、負に帯電したアミノ酸としては、アスパラギン酸、グルタミン酸が挙げられ、中性電荷のアミノ酸としては、アラニン、アスパラギン、システイン、グルタミン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリンが挙げられる。加えて、アミノ酸は、極性によって分類することができ、極性アミノ酸としては、アルギニン(塩基性極性)、アスパラギン、アスパラギン酸(酸性極性)、グルタミン酸(酸性極性)、グルタミン、ヒスチジン(塩基性極性)、リジン(塩基性極性)、セリン、トレオニン、及びチロシンが挙げられ、非極性アミノ酸としては、アラニン、システイン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、トリプトファン、及びバリンが挙げられる。したがって、CDR領域内の1つ以上のアミノ酸残基を、同じグループからの他のアミノ酸残基と置き換えることができ、改変された抗体を、本明細書に記載の機能的アッセイを使用して、保持された機能(すなわち、上の(c)~(l)に示される機能)について試験することができる。特定の実施形態では、指定された配列又はCDR領域内の1つ以下、2つ以下、3つ以下、4つ以下、5つ以下の残基が改変される。
【0066】
本明細書で使用される場合、「内因性」という用語は、細胞又は組織において通常発現される核酸分子又はポリペプチドを指す。
【0067】
本明細書で使用される場合、「外因性」という用語は、細胞内に内因性に存在しない核酸分子又はポリペプチドを指す。したがって、「外因性」という用語は、外来性、異種性、並びに過剰発現核酸分子及びポリペプチドなどの細胞内で発現される任意の組換え核酸分子又はポリペプチドを包含するであろう。「外因性」核酸とは、天然の野生型細胞に存在しない核酸を意味し、例えば、外因性核酸は、配列、位置/場所、又は両方によって内因性の対応物から変化し得る。明確にするために、外因性核酸は、その天然の内因性対応物と比較して同じ又は異なる配列を有してもよく、それは、遺伝子操作によって細胞自体又はその前駆体に導入されてもよく、任意選択で、非天然のプロモーター又は分泌配列などの代替的な制御配列に連結されてもよい。
【0068】
「異種核酸分子又はポリペプチド」とは、細胞、又は細胞から得られた試料中に通常は存在しない、核酸分子(例えば、cDNA、DNA、若しくはRNA分子)、又はポリペプチドを意味する。この核酸は、別の生物由来であってもよく、又は例えば、細胞若しくは試料において通常は発現しないmRNA分子であってもよい。
【0069】
「増加する」とは、少なくとも約5%正に変化することを意味する。変化は、約5%、約10%、約25%、約30%、約50%、約75%、約100%、又はそれ以上であり得る。
【0070】
「減少する」とは、少なくとも約5%負に変化することを意味する。変化は、約5%、約10%、約25%、約30%、約50%、約75%、又は約100%でさえあり得る。
【0071】
「単離された」、「精製された」、又は「生物学的に純粋な」という用語は、その天然状態で見られるように通常それに伴う成分から様々な程度に遊離している材料を指す。「分離する」は、元の供給源又は周囲からの分離の程度を示す。「精製する」は、単離よりも高い分離の程度を示す。「精製された」又は「生物学的に純粋な」タンパク質は、任意の不純物がタンパク質の生物学的特性に実質的に影響を及ぼさないか、又は他の有害な結果を引き起こさない程十分に他の材料を含まない。すなわち、核酸又はペプチドは、組換えDNA技法によって産生されたときに細胞物質、ウイルス物質、若しくは培養培地を実質的に含まないか、又は化学合成されたときに化学前駆体若しくは他の化学物質を実質的に含まない場合に精製されている。純度及び均一性は、典型的には、分析化学技術、例えば、ポリアクリルアミドゲル電気泳動又は高速液体クロマトグラフィーを使用して判定される。「精製された」という用語は、核酸又はタンパク質が電気泳動ゲルにおいて本質的に1つのバンドを生じることを示すことができる。修飾、例えば、リン酸化又はグリコシル化に供され得るタンパク質について、異なる修飾は、別々に精製され得る異なる単離されたタンパク質を生じ得る。
【0072】
「単離された細胞」という用語は、細胞に天然に伴う分子及び/又は細胞成分から分離される細胞を意味する。
【0073】
本明細書で使用される場合、「抗原結合ドメイン」という用語は、細胞上に存在する特定の抗原決定基又は抗原決定基のセットに特異的に結合することができるドメインを指す。
【0074】
「認識する」とは、標的に選択的に結合することを意味する。腫瘍を認識するT細胞は、腫瘍抗原に結合する受容体(例えば、CAR)を発現することができる。
【0075】
「シグナル配列」又は「リーダー配列」とは、新しく合成されたタンパク質のN末端に存在するペプチド配列(例えば、5、10、15、20、25又は30個のアミノ酸)であって、分泌経路へのそれらの侵入を導くペプチド配列を意味する。
【0076】
「特異的に結合する」又は「に特異的に結合する」又は「特異的に標的とする」とは、目的の生体分子(例えば、ポリペプチド、例えば、CD33ポリペプチド)を認識する、かつ/又はそれに結合するが、試料、例えば、生体試料中の他の分子を実質的に認識しない、かつ/又はそれに結合しないポリペプチド又はその断片を意味し、これは、本明細書に開示されるポリペプチド(例えば、CD33ポリペプチド)を自然に含む。特定の実施形態では、本明細書に開示される抗原認識受容体は、約1×10-8M以下、約5×10-9M以下、約1×10-9M以下、約5×10-10M以下、約1×10-10M以下、約5×10-11M以下、又は約1×10-11M以下の解離定数(K)でCD33(例えば、ヒトCD33)に結合する。
【0077】
本明細書で使用される場合、「誘導体」という用語は、いくつかの他の化合物に由来し、その一般的な構造を維持する化合物を指す。例えば、いかなる限定もされないが、トリクロロメタン(クロロホルム)は、メタンの誘導体である。
【0078】
「含む(comprises)」、「含む(comprising)」という用語は、米国特許法においてそれらに起因する広範な意味を有することが意図され、「含む(includes)」、「含む(including)」などを意味し得る。
【0079】
本明細書で使用される場合、「治療」という用語は、治療される個体又は細胞の疾患経過を変更しようとする試みにおける臨床介入を指し、予防のために、又は臨床病理学の経過中のいずれかで実施することができる。治療の治療効果としては、限定されないが、疾患の発生若しくは再発を予防すること、症状の緩和、疾患の任意の直接的若しくは間接的な病理学的結果の軽減、転移を予防すること、疾患進行の速度を低減すること、疾患状態の改善若しくは緩和、並びに寛解又は改善された予後が挙げられる。疾患又は障害の進行を予防することによって、治療は、罹患したか、若しくは診断した対象、又は障害を有する疑いがある対象において、障害に起因する悪化を予防することができるだけではなく、治療は、障害のリスクがある対象、若しくは障害を有する疑いがある対象において、障害の発症又は障害の症状を予防することができる。
【0080】
本明細書における「個体」又は「対象」は、脊椎動物、例えば、ヒト又は非ヒト動物、例えば、哺乳動物である。哺乳動物としては、ヒト、霊長類、家畜、スポーツ動物、げっ歯類、及びペットが挙げられるが、これらに限定されない。非ヒト動物対象の非限定的な例としては、マウス、ラット、ハムスターなどのげっ歯類、及びモルモット、ウサギ、イヌ、ネコ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウシ、ウマ、並びに類人猿及びサルなどの非ヒト霊長類が挙げられる。
【0081】
本明細書に開示される主題の他の態様は、以下の開示に記載され、本明細書に開示される主題の範囲内である。
【0082】
5.2.CD33
CD33は、1回膜貫通分子であり、シアル酸結合免疫グロブリン(Ig)様レクチン(Siglec)ファミリーのメンバーである。CD33は、免疫グロブリン様の折り畳みを有する2つの細胞外ドメイン、IgV及びIgC2からなる(図1Aを参照されたい)。CD33は、選択的スプライシングによって産生される3つのアイソフォームを有し、アイソフォーム3は、IgVドメインを欠く(Ehninger et al.,Blood Cancer J 4,e218(2014)、Sanford et al.,Leuk Lymphoma 57,1965-1968(2016)、及びHaubner et al.,Leukemia 33,64-74(2019))最近の研究により、AML患者の約50%が、IgVドメインの排除をもたらす、エクソン2を欠く選択的スプライシングされたCD33アイソフォームの発現をもたらすCD33一塩基多型(SNP)(rs12459419C>T)を有することが示された(Bakker et al.,Cancer Res 64,8443-8450(2004))。これらの患者において、CD33を標的とする抗体-薬物コンジュゲート(ADC)であるゲムツズマブオゾガマイシン(GO)は、このADCがこのIgV欠損CD33アイソフォームを発現するAML細胞を殺傷することができないことに起因して、おそらく影響を及ぼさず、再発リスクを増加させた。この問題は、IgVドメインにおけるそれらのエピトープを考慮すると、現在臨床的に利用可能な全てのCD33標的化生成物が遭遇することになる(図1Bを参照されたい)(Perna et al.,Cancer Cell 32,506-519 e505(2017)を参照されたい)。
【0083】
特定の実施形態では、抗原認識受容体は、ヒトCD33に結合する。特定の実施形態では、ヒトCD33は、UniProt参照番号:P20138-1(配列番号1)若しくはその断片を有するアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。配列番号1を以下に提供する。特定の実施形態では、CD33は、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞質ドメインを含む。特定の実施形態では、細胞外ドメインは、配列番号1のアミノ酸18~259を含むか又はそれらからなる。特定の実施形態では、膜貫通ドメインは、配列番号1のアミノ酸260~282を含むか又はそれらからなる。特定の実施形態では、細胞質ドメインは、配列番号1のアミノ酸283~364を含むか、又はそれらからなる。
MPLLLLLPLLWAGALAMDPNFWLQVQESVTVQEGLCVLVPCTFFHPIPYYDKNSPVHGYW
FREGAIISRDSPVATNKLDQEVQEETQGRFRLLGDPSRNNCSLSIVDARRRDNGSYFFRM
ERGSTKYSYKSPQLSVHVTDLTHRPKILIPGTLEPGHSKNLTCSVSWACEQGTPPIFSWL
SAAPTSLGPRTTHSSVLIITPRPQDHGTNLTCQVKFAGAGVTTERTIQLNVTYVPQNPTT
GIFPGDGSGKQETRAGVVHGAIGGAGVTALLALCLCLIFFIVKTHRRKAARTAVGRNDTH
PTTGSASPKHQKKSKLHGPTETSSCSGAAPTVEMDEELHYASLNFHGMNPSKDTSTEYSE
VRTQ[配列番号1]
【0084】
特定の実施形態では、CD33は、配列番号1に記載されるアミノ酸配列又はその断片と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、若しくは少なくとも約99%、少なくとも約100%同一であるアミノ酸配列を含むか、又はそれらからなる。
【0085】
特定の実施形態では、抗原認識受容体は、ヒトCD33の一部に結合する。特定の実施形態では、抗原認識受容体は、CD33の細胞外ドメインに結合する。特定の実施形態では、CD33の細胞外ドメインは、Ig様V型ドメイン及びIg様C2型を含む。特定の実施形態では、CD33の細胞外ドメインは、Ig様C2型を含む。特定の実施形態では、Ig様V型ドメインは、配列番号1のアミノ酸19~135を含むか、又はそれからなる。特定の実施形態では、Ig様C2型ドメインは、配列番号1のアミノ酸145~228を含むか、又はそれからなる。
【0086】
5.3.抗原認識受容体
本明細書に開示される抗原認識受容体は、CD33を特異的に標的とするか、又はCD33に結合する。特定の実施形態では、抗原認識受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)である。特定の実施形態では、抗原認識受容体は、TCR様融合分子である。
【0087】
本明細書に開示される主題はまた、本明細書に開示される抗原認識受容体をコードする核酸分子を提供する。特定の実施形態では、核酸分子は、本明細書に開示されるCD33標的化抗原認識受容体のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
【0088】
5.3.1.細胞外抗原結合ドメイン
特定の実施形態では、抗原認識受容体の細胞外抗原結合ドメインは、CD33に結合する。
【0089】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、scFvである。特定の実施形態では、scFvは、ヒトscFvである。特定の実施形態では、scFvは、ヒト化scFvである。特定の実施形態では、scFvは、マウスscFvである。特定の実施形態では、scFvは、scFvファージライブラリを抗原-Fc融合タンパク質でスクリーニングすることによって特定される。
【0090】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、Fabである。特定の実施形態では、Fabは、架橋されている。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、F(ab)である。
【0091】
前述の分子のうちのいずれかは、異種配列を有する融合タンパク質に含まれて、細胞外抗原結合ドメインを形成し得る。特定の非限定的な実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、具現化されたscFv)は、結合親和性で、例えば、1×10-8M以下、例えば、約1×10-8M以下、約5×10-9M以下、約1×10-9M以下、約5×10-10M以下、約1×10-10M以下、又は約1×10-11M以下の解離定数(K)でCD33(例えば、ヒトCD33)に結合する。特定の実施形態では、本明細書に開示される細胞外抗原結合ドメインは、約5×10-9M以下の解離定数(K)でCD33(例えば、ヒトCD33、例えば、可溶性ヒトCD33)に結合する。特定の実施形態では、本明細書に開示される細胞外抗原結合ドメインは、約5×10-9Mの解離定数(K)でCD33(例えば、ヒトCD33、例えば、可溶性ヒトCD33)に結合する。特定の実施形態では、本明細書に開示される細胞外抗原結合ドメインは、約1×10-9Mの解離定数(K)でCD33(例えば、ヒトCD33、例えば、可溶性ヒトCD33)に結合する。特定の実施形態では、本明細書に開示される細胞外抗原結合ドメインは、約1×10-9M~約5×10-9Mの解離定数(K)でCD33(例えば、ヒトCD33、例えば、可溶性ヒトCD33)に結合する。特定の実施形態では、本明細書に開示される細胞外抗原結合ドメインは、約1×10-9M~約2×10-9Mの解離定数(K)でCD33(例えば、ヒトCD33、例えば、可溶性ヒトCD33)に結合する。特定の実施形態では、本明細書に開示される細胞外抗原結合ドメインは、約5×10-9Mの解離定数(K)でCD33(例えば、ヒトCD33、例えば、可溶性ヒトCD33)に結合する。特定の実施形態では、本明細書に開示される細胞外抗原結合ドメインは、約1×10-9Mの解離定数(K)でCD33(例えば、ヒトCD33、例えば、可溶性ヒトCD33)に結合する。
【0092】
特定の実施形態では、本明細書に開示される細胞外抗原結合ドメインは、約1nM~約50nM、約5nM~約50nM、約10nM~約50nM、約20nM~約50nM、約30nM~約50nM、約40nM~約50nM、又は約50nMを超える半最大有効濃度(EC50)値で、CD33を発現する細胞(例えば、CD33を発現するAML細胞)に結合する。特定の実施形態では、本明細書に開示される細胞外抗原結合ドメインは、約1nM~約5nMのEC50値で、CD33を発現する細胞(例えば、CD33を発現するAML細胞)に結合する。特定の実施形態では、本明細書に開示される細胞外抗原結合ドメインは、約2nMのEC50値で、CD33を発現する細胞(例えば、CD33を発現するAML細胞)に結合する。特定の実施形態では、本明細書に開示される細胞外抗原結合ドメインは、約2.16nMのEC50値で、CD33を発現する細胞(例えば、CD33を発現するAML細胞)に結合する。特定の実施形態では、本明細書に開示される細胞外抗原結合ドメインは、約5nM~約10nMのEC50値で、CD33を発現する細胞(例えば、CD33を発現するAML細胞)に結合する。特定の実施形態では、本明細書に開示される細胞外抗原結合ドメインは、約10nMのEC50値で、CD33を発現する細胞(例えば、CD33を発現するAML細胞)に結合する。特定の実施形態では、本明細書に開示される細胞外抗原結合ドメインは、約8.5nMのEC50値で、CD33を発現する細胞(例えば、CD33を発現するAML細胞)に結合する。特定の実施形態では、本明細書に開示される細胞外抗原結合ドメインは、約40nM~約50nMのEC50値で、CD33を発現する細胞(例えば、CD33を発現するAML細胞)に結合する。特定の実施形態では、本明細書に開示される細胞外抗原結合ドメインは、約45nMのEC50値で、CD33を発現する細胞(例えば、CD33を発現するAML細胞)に結合する。特定の実施形態では、本明細書に開示される細胞外抗原結合ドメインは、約45nMのEC50値で、CD33を発現する細胞(例えば、CD33を発現するAML細胞)に結合する。
【0093】
細胞外抗原結合ドメインの結合は、例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、FACS分析、バイオアッセイ(例えば、成長阻害)、又はウエスタンブロットアッセイによって確認することができる。これらのアッセイの各々は、一般に、目的の複合体に特異的な標識された試薬(例えば、抗体、又はscFv)を使用することによって、特定の目的のタンパク質-抗体複合体の存在を検出する。例えば、scFvを放射性標識し、放射免疫アッセイ(RIA)で使用することができる(例えば、Weintraub,B.,Principles of Radioimmunoassays,Seventh Training Course on Radioligand Assay Techniques,The Endocrine Society,March,1986(本明細書に参照として組み込まれる)を参照されたい)。放射性同位体は、γカウンター若しくはシンチレーションカウンターの使用、又は自己放射線検査のような手段によって検出され得る。特定の実施形態では、CD33標的化細胞外抗原結合ドメインは、蛍光マーカーで標識される。蛍光マーカーの非限定的な例としては、緑色蛍光タンパク質(GFP)、青色蛍光タンパク質(例えば、EBFP、EBFP2、アズライト、及びmKalama1)、シアン蛍光タンパク質(例えば、ECFP、セルリアン、及びCyPet)、並びに黄色蛍光タンパク質(例えば、YFP、シトリン、Venus、及びYPet)が挙げられる。特定の実施形態では、CD33標的化ヒトscFvは、GFPで標識される。
【0094】
特定の実施形態では、CDRは、IMGT番号付けシステムに従って特定される。
【0095】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号2に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号3に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号4に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。配列番号2~4を表1に提供する。
【0096】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号5に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号6に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号7に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。配列番号5~7を表1に提供する。
【0097】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号2に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号3に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号4に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むV、並びに配列番号5に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号6に記載されるアミノ酸配列又は保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号7に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。
【0098】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号2に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号4に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むV、並びに配列番号5に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号7に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むVを含む。
【0099】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号8に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%)相同又は同一であるアミノ酸配列を含むVを含む。例えば、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号8と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、若しくは約100%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、Vを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号8に記載されるアミノ酸配列を含む、Vを含む。配列番号8のアミノ酸配列をコードする例示的なヌクレオチド配列は、配列番号10に記載されている。配列番号8及び10を以下の表1に提供する。
【0100】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号9に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%)相同又は同一であるアミノ酸配列を含むVを含む。例えば、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号9と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、若しくは約100%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、Vを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号9に記載されるアミノ酸配列を含む、Vを含む。配列番号9のアミノ酸配列をコードする例示的なヌクレオチド配列は、配列番号11に記載されている。配列番号9及び11を以下の表1に提供する。
【0101】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号8に記載されるアミノ酸配列を含むV、及び配列番号9に記載されるアミノ酸配列を含むVを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、scFvである。特定の実施形態では、scFvは、「3-P14」と指定される。特定の実施形態では、V及びVは、リンカーを介して連結される。特定の実施形態では、リンカーは、配列番号96に記載されるアミノ酸配列を含む。
【0102】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン内の可変領域は、細胞外抗原結合ドメインのN末端に、重鎖可変領域(V)が配置されるように、次々と連結されなければならない。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインがscFvである場合、可変領域は、N末端からC末端に配置される:V-V
【0103】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン内の可変領域は、細胞外抗原結合ドメインのN末端に、軽鎖可変領域(V)が配置されるように、次々と連結されなければならない。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、scFvであり、可変領域は、N末端からC末端に配置される:V-V
【表1】
【0104】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号12に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号13に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号14に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。配列番号12~14を表2に提供する。
【0105】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号15に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号16に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号17に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。配列番号15~17を表2に提供する。
【0106】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号12に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号13に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、配列番号14に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むV、並びに配列番号15に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号16に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号17に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。
【0107】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号12に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号13に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、配列番号14に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むV、並びに配列番号15に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号16に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号17に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むVを含む。
【0108】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号18に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%)相同又は同一であるアミノ酸配列を含むVを含む。例えば、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号18に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、若しくは約100%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、Vを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号18に記載されるアミノ酸配列を含む、Vを含む。配列番号18のアミノ酸配列をコードする例示的なヌクレオチド配列は、配列番号20に記載されている。配列番号18及び20を以下の表2に提供する。
【0109】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号19に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%)相同又は同一であるアミノ酸配列を含むVを含む。例えば、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号19に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、若しくは約100%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、Vを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号19に記載されるアミノ酸配列を含む、Vを含む。配列番号19のアミノ酸配列をコードする例示的なヌクレオチド配列は、配列番号21に記載されている。配列番号19及び21を以下の表2に提供する。
【0110】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号18に記載されるアミノ酸配列を含むV、及び配列番号19に記載されるアミノ酸配列を含むVを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、scFvである。特定の実施形態では、scFvは、「4-B2」と指定される。特定の実施形態では、V及びVは、リンカーを介して連結される。特定の実施形態では、リンカーは、配列番号96に記載されるアミノ酸配列を含む。
【0111】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン内の可変領域は、細胞外抗原結合ドメインのN末端に、重鎖可変領域(V)が配置されるように、次々と連結されなければならない。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインがscFvである場合、可変領域は、N末端からC末端に配置される:V-V
【0112】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン内の可変領域は、細胞外抗原結合ドメインのN末端に、軽鎖可変領域(V)が配置されるように、次々と連結されなければならない。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインがscFvである場合、可変領域は、N末端からC末端に配置される:V-V
【表2】
【0113】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号22に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号23に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号24に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。配列番号22~24を表3に提供する。
【0114】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号25に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号26に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号27に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。配列番号25~27を表3に提供する。
【0115】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号22に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号23に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、配列番号24に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むV、並びに配列番号25に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号26に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号27に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。
【0116】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号22に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号23に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、配列番号24に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むV、並びに配列番号25に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号26に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号27に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むVを含む。
【0117】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号28に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%)相同又は同一であるアミノ酸配列を含むVを含む。例えば、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号28に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、若しくは約100%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、Vを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号28に記載されるアミノ酸配列を含む、Vを含む。配列番号28のアミノ酸配列をコードする例示的なヌクレオチド配列は、配列番号30に記載されている。配列番号28及び30を以下の表3に提供する。
【0118】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号29に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%)相同又は同一であるアミノ酸配列を含むVを含む。例えば、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号29に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、若しくは約100%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、Vを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号29に記載されるアミノ酸配列を含む、Vを含む。配列番号29のアミノ酸配列をコードする例示的なヌクレオチド配列は、配列番号31に記載されている。配列番号29及び31を以下の表3に提供する。
【0119】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号28に記載されるアミノ酸配列を含むV、及び配列番号29に記載されるアミノ酸配列を含むVを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、scFvである。特定の実施形態では、scFvは、「1-J19」と指定される。特定の実施形態では、V及びVは、リンカーを介して連結される。特定の実施形態では、リンカーは、配列番号96に記載されるアミノ酸配列を含む。
【0120】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン内の可変領域は、細胞外抗原結合ドメインのN末端に、重鎖可変領域(V)が配置されるように、次々と連結されなければならない。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインがscFvである場合、可変領域は、N末端からC末端に配置される:V-V
【0121】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン内の可変領域は、細胞外抗原結合ドメインのN末端に、軽鎖可変領域(V)が配置されるように、次々と連結されなければならない。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインがscFvである場合、可変領域は、N末端からC末端に配置される:V-V
【表3】
【0122】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号32に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号33に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号34に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。配列番号32~34を表4に提供する。
【0123】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号25に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号26に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号27に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。配列番号25~27を表4に提供する。
【0124】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号32に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号33に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、配列番号34に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むV、並びに配列番号25に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号26に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号27に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。
【0125】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号32に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、配列番号34に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むV、並びに配列番号25に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号26に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号27に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むVを含む。
【0126】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号35に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%)相同又は同一であるアミノ酸配列を含むVを含む。例えば、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号35に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、若しくは約100%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、Vを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号35に記載されるアミノ酸配列を含む、Vを含む。配列番号35のアミノ酸配列をコードする例示的なヌクレオチド配列は、配列番号36に記載されている。配列番号35及び36を以下の表4に提供する。
【0127】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号29に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%)相同又は同一であるアミノ酸配列を含むVを含む。例えば、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号29に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、若しくは約100%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、Vを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号29に記載されるアミノ酸配列を含む、Vを含む。配列番号29のアミノ酸配列をコードする例示的なヌクレオチド配列は、配列番号31に記載されている。配列番号29及び31を以下の表4に提供する。
【0128】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号35に記載されるアミノ酸配列を含むV、及び配列番号29に記載されるアミノ酸配列を含むVを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、scFvである。特定の実施形態では、scFvは、「1-J19-2」と指定される。特定の実施形態では、V及びVは、リンカーを介して連結される。特定の実施形態では、リンカーは、配列番号96に記載されるアミノ酸配列を含む。
【0129】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン内の可変領域は、細胞外抗原結合ドメインのN末端に、重鎖可変領域(V)が配置されるように、次々と連結されなければならない。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインがscFvである場合、可変領域は、N末端からC末端に配置される:V-V
【0130】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン内の可変領域は、細胞外抗原結合ドメインのN末端に、軽鎖可変領域(V)が配置されるように、次々と連結されなければならない。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインがscFvである場合、可変領域は、N末端からC末端に配置される:V-V
【表4】
【0131】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号37に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号38に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号39に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。配列番号37~39を表5に提供する。
【0132】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号40に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号41に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号42に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。配列番号40~42を表5に提供する。
【0133】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号37に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号38に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、配列番号39に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むV、並びに配列番号40に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号41に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号42に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。
【0134】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号37に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号38に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、配列番号39に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むV、並びに配列番号40に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号41に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号42に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むVを含む。
【0135】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号43に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%)相同又は同一であるアミノ酸配列を含むVを含む。例えば、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号43に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、若しくは約100%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、Vを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号43に記載されるアミノ酸配列を含む、Vを含む。配列番号43のアミノ酸配列をコードする例示的なヌクレオチド配列は、配列番号45に記載されている。配列番号43及び45を以下の表5に提供する。
【0136】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号44に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%)相同又は同一であるアミノ酸配列を含むVを含む。例えば、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号44に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、若しくは約100%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、Vを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号44に記載されるアミノ酸配列を含む、Vを含む。配列番号44のアミノ酸配列をコードする例示的なヌクレオチド配列は、配列番号46に記載されている。配列番号44及び46を以下の表5に提供する。
【0137】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号43に記載されるアミノ酸配列を含むV、及び配列番号44に記載されるアミノ酸配列を含むVを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、scFvである。特定の実施形態では、scFvは、「1-P13」と指定される。特定の実施形態では、V及びVは、リンカーを介して連結される。特定の実施形態では、リンカーは、配列番号96に記載されるアミノ酸配列を含む。
【0138】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン内の可変領域は、細胞外抗原結合ドメインのN末端に、重鎖可変領域(V)が配置されるように、次々と連結されなければならない。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインがscFvである場合、可変領域は、N末端からC末端に配置される:V-V
【0139】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン内の可変領域は、細胞外抗原結合ドメインのN末端に、軽鎖可変領域(V)が配置されるように、次々と連結されなければならない。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインがscFvである場合、可変領域は、N末端からC末端に配置される:V-V
【表5】
【0140】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号47に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号38に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号48に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。配列番号38、47及び48を表6に提供する。
【0141】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号49に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号50に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号51に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。配列番号49~51を表6に提供する。
【0142】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号47に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号38に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、配列番号48に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むV、並びに配列番号49に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号50に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号51に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。
【0143】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号47に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号38に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、配列番号48に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むV、並びに配列番号49に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号50に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号51に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むVを含む。
【0144】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号52に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%)相同又は同一であるアミノ酸配列を含むVを含む。例えば、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号52に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、若しくは約100%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、Vを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号52に記載されるアミノ酸配列を含む、Vを含む。配列番号52のアミノ酸配列をコードする例示的なヌクレオチド配列は、配列番号54に記載されている。配列番号52及び54を以下の表6に提供する。
【0145】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号53に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%)相同又は同一であるアミノ酸配列を含むVを含む。例えば、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号53に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、若しくは約100%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、Vを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号53に記載されるアミノ酸配列を含む、Vを含む。配列番号53のアミノ酸配列をコードする例示的なヌクレオチド配列は、配列番号55に記載されている。配列番号53及び55を以下の表6に提供する。
【0146】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号52に記載されるアミノ酸配列を含むV、及び配列番号53に記載されるアミノ酸配列を含むVを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、scFvである。特定の実施形態では、scFvは、「1-P23」と指定される。特定の実施形態では、リンカーは、配列番号96に記載されるアミノ酸配列を含む。
【0147】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン内の可変領域は、細胞外抗原結合ドメインのN末端に、重鎖可変領域(V)が配置されるように、次々と連結されなければならない。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインがscFvである場合、可変領域は、N末端からC末端に配置される:V-V
【0148】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン内の可変領域は、細胞外抗原結合ドメインのN末端に、軽鎖可変領域(V)が配置されるように、次々と連結されなければならない。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインがscFvである場合、可変領域は、N末端からC末端に配置される:V-V
【表6】
【0149】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号56に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号57に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号58に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。配列番号56~58を表7に提供する。
【0150】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号59に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号60に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号61に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。配列番号59~61を表7に提供する。
【0151】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号56に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号57に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、配列番号58に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むV、並びに配列番号59に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号60に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号61に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。
【0152】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号56に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号57に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、配列番号58に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むV、並びに配列番号59に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号60に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号61に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むVを含む。
【0153】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号62に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%)相同又は同一であるアミノ酸配列を含むVを含む。例えば、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号62に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、若しくは約100%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、Vを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号62に記載されるアミノ酸配列を含む、Vを含む。配列番号62のアミノ酸配列をコードする例示的なヌクレオチド配列は、配列番号64に記載されている。配列番号62及び64を以下の表7に提供する。
【0154】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号63に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%)相同又は同一であるアミノ酸配列を含むVを含む。例えば、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号63に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、若しくは約100%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、Vを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号63に記載されるアミノ酸配列を含む、Vを含む。配列番号63のアミノ酸配列をコードする例示的なヌクレオチド配列は、配列番号65に記載されている。配列番号63及び65を以下の表7に提供する。
【0155】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号62に記載されるアミノ酸配列を含むV、及び配列番号63に記載されるアミノ酸配列を含むVを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、scFvである。特定の実施形態では、scFvは、「1-A20」と指定される。特定の実施形態では、V及びVは、リンカーを介して連結される。特定の実施形態では、リンカーは、配列番号96に記載されるアミノ酸配列を含む。
【0156】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン内の可変領域は、細胞外抗原結合ドメインのN末端に、重鎖可変領域(V)が配置されるように、次々と連結されなければならない。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインがscFvである場合、可変領域は、N末端からC末端に配置される:V-V
【0157】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン内の可変領域は、細胞外抗原結合ドメインのN末端に、軽鎖可変領域(V)が配置されるように、次々と連結されなければならない。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインがscFvである場合、可変領域は、N末端からC末端に配置される:V-V
【表7】
【0158】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号66に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号67に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号68に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。配列番号66~68を表8に提供する。
【0159】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号69に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号70に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号71に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。配列番号69~71を表8に提供する。
【0160】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号66に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号67に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、配列番号68に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むV、並びに配列番号69に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号70に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号71に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。
【0161】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号66に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号67に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、配列番号68に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むV、並びに配列番号69に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号70に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号71に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むVを含む。
【0162】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号72に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%)相同又は同一であるアミノ酸配列を含むVを含む。例えば、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号72に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、若しくは約100%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、Vを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号72に記載されるアミノ酸配列を含む、Vを含む。配列番号72のアミノ酸配列をコードする例示的なヌクレオチド配列は、配列番号74に記載されている。配列番号72及び74を以下の表8に提供する。
【0163】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号73に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%)相同又は同一であるアミノ酸配列を含むVを含む。例えば、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号73に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、若しくは約100%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、Vを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号73に記載されるアミノ酸配列を含む、Vを含む。配列番号73のアミノ酸配列をコードする例示的なヌクレオチド配列は、配列番号75に記載されている。配列番号73及び75を以下の表8に提供する。
【0164】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号72に記載されるアミノ酸配列を含むV、及び配列番号73に記載されるアミノ酸配列を含むVを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、scFvである。特定の実施形態では、scFvは、「1-N3」と指定される。特定の実施形態では、V及びVは、リンカーを介して連結される。特定の実施形態では、リンカーは、配列番号96に記載されるアミノ酸配列を含む。
【0165】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン内の可変領域は、細胞外抗原結合ドメインのN末端に、重鎖可変領域(V)が配置されるように、次々と連結されなければならない。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインがscFvである場合、可変領域は、N末端からC末端に配置される:V-V
【0166】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン内の可変領域は、細胞外抗原結合ドメインのN末端に、軽鎖可変領域(V)が配置されるように、次々と連結されなければならない。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインがscFvである場合、可変領域は、N末端からC末端に配置される:V-V
【表8】
【0167】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号76に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号57に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号77に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。配列番号57、76及び77を表9に提供する。
【0168】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号78に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号79に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号80に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。配列番号78~80を表9に提供する。
【0169】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号76に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号57に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、配列番号77に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むV、並びに配列番号78に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号79に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号80に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。
【0170】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号76に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号57に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、配列番号77に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むV、並びに配列番号78に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号79に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号80に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むVを含む。
【0171】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号81に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%)相同又は同一であるアミノ酸配列を含むVを含む。例えば、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号81に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、若しくは約100%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、Vを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号81に記載されるアミノ酸配列を含む、Vを含む。配列番号81のアミノ酸配列をコードする例示的なヌクレオチド配列は、配列番号83に記載されている。配列番号81及び83を以下の表9に提供する。
【0172】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号82に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%)相同又は同一であるアミノ酸配列を含むVを含む。例えば、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号82に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、若しくは約100%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、Vを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号82に記載されるアミノ酸配列を含む、Vを含む。配列番号82のアミノ酸配列をコードする例示的なヌクレオチド配列は、配列番号84に記載されている。配列番号82及び84を以下の表9に提供する。
【0173】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号81に記載されるアミノ酸配列を含むV、及び配列番号82に記載されるアミノ酸配列を含むVを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、scFvである。特定の実施形態では、scFvは、「1-H19」と指定される。特定の実施形態では、V及びVは、リンカーを介して連結される。特定の実施形態では、リンカーは、配列番号96に記載されるアミノ酸配列を含む。
【0174】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン内の可変領域は、細胞外抗原結合ドメインのN末端に、重鎖可変領域(V)が配置されるように、次々と連結されなければならない。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインがscFvである場合、可変領域は、N末端からC末端に配置される:V-V
【0175】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン内の可変領域は、細胞外抗原結合ドメインのN末端に、軽鎖可変領域(V)が配置されるように、次々と連結されなければならない。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインがscFvである場合、可変領域は、N末端からC末端に配置される:V-V
【表9】
【0176】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号85に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号86に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号87に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。配列番号85~87を表10に提供する。
【0177】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号5に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号41に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号42に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。配列番号5、41及び42を表10に提供する。
【0178】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号85に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1を含むV、配列番号86に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2を含むV、配列番号87に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むV、並びに配列番号5に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号41に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号42に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。
【0179】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号85に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号86に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、配列番号87に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むV、並びに配列番号5に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号41に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号42に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むVを含む。
【0180】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号88に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%)相同又は同一であるアミノ酸配列を含むVを含む。例えば、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号88に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、若しくは約100%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、Vを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号88に記載されるアミノ酸配列を含む、Vを含む。配列番号88のアミノ酸配列をコードする例示的なヌクレオチド配列は、配列番号90に記載されている。配列番号88及び90を以下の表10に提供する。
【0181】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号89に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%)相同又は同一であるアミノ酸配列を含むVを含む。例えば、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号89に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、若しくは約100%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、Vを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号89に記載されるアミノ酸配列を含む、Vを含む。配列番号89のアミノ酸配列をコードする例示的なヌクレオチド配列は、配列番号91に記載されている。配列番号89及び91を以下の表10に提供する。
【0182】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号88に記載されるアミノ酸配列を含むV、及び配列番号89に記載されるアミノ酸配列を含むVを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、scFvである。特定の実施形態では、scFvは、「2-F18」と指定される。特定の実施形態では、V及びVは、リンカーを介して連結される。特定の実施形態では、リンカーは、配列番号96に記載されるアミノ酸配列を含む。
【0183】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン内の可変領域は、細胞外抗原結合ドメインのN末端に、重鎖可変領域(V)が配置されるように、次々と連結されなければならない。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインがscFvである場合、可変領域は、N末端からC末端に配置される:V-V
【0184】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン内の可変領域は、細胞外抗原結合ドメインのN末端に、軽鎖可変領域(V)が配置されるように、次々と連結されなければならない。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインがscFvである場合、可変領域は、N末端からC末端に配置される:V-V
【表10】
【0185】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号2に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号3に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号4に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。配列番号2~4を表11に提供する。
【0186】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号5に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号6に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号7に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。配列番号5~7を表11に提供する。
【0187】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号2に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号3に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、配列番号4に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むV、並びに配列番号5に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR1、配列番号6に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号7に記載されるアミノ酸配列又はその保存的修飾を含むCDR3を含むVを含む。
【0188】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号2に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、配列番号4に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むV、並びに配列番号5に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号7に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むVを含む。
【0189】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号8に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%)相同又は同一であるアミノ酸配列を含むVを含む。例えば、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号8に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、若しくは約100%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、Vを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号8に記載されるアミノ酸配列を含む、Vを含む。配列番号8のアミノ酸配列をコードする例示的なヌクレオチド配列は、配列番号93に記載されている。配列番号8及び93を以下の表11に提供する。
【0190】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号92に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%)相同又は同一であるアミノ酸配列を含むVを含む。例えば、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号92に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、若しくは約100%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、Vを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号92に記載されるアミノ酸配列を含む、Vを含む。配列番号92のアミノ酸配列をコードする例示的なヌクレオチド配列は、配列番号94に記載されている。配列番号92及び94を以下の表11に提供する。
【0191】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)は、配列番号8に記載されるアミノ酸配列を含むV、及び配列番号92に記載されるアミノ酸配列を含むVを含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、scFvである。特定の実施形態では、scFvは、「4-P3」と指定される。特定の実施形態では、V及びVは、リンカーを介して連結される。特定の実施形態では、リンカーは、配列番号96に記載されるアミノ酸配列を含む。
【0192】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン内の可変領域は、細胞外抗原結合ドメインのN末端に、重鎖可変領域(V)が配置されるように、次々と連結されなければならない。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインがscFvである場合、可変領域は、N末端からC末端に配置される:V-V
【0193】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン内の可変領域は、細胞外抗原結合ドメインのN末端に、軽鎖可変領域(V)が配置されるように、次々と連結されなければならない。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインがscFvである場合、可変領域は、N末端からC末端に配置される:V-V
【表11】
【0194】
特定の配列(例えば、配列番号8、配列番号9、配列番号18、配列番号19、配列番号28、配列番号29、配列番号35、配列番号43、配列番号44、配列番号52、配列番号53、配列番号62、配列番号63、配列番号72、配列番号73、配列番号81、配列番号82、配列番号88、配列番号89、又は配列番号92)と少なくとも約80%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%(例えば、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%)の相同性又は同一性を有するVアミノ酸配列及び/又はVアミノ酸配列は、特定の配列(複数可)に対して、置換(例えば、保存的置換)、挿入、又は欠失を含み得るが、CD33に結合する能力を保持する。
【0195】
特定の実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、特定の配列(例えば、配列番号8、配列番号9、配列番号18、配列番号19、配列番号28、配列番号29、配列番号35、配列番号43、配列番号44、配列番号52、配列番号53、配列番号62、配列番号63、配列番号72、配列番号73、配列番号81、配列番号82、配列番号88、配列番号89、又は配列番号92)において置換、挿入、及び/又は欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、又は欠失は、細胞外抗原結合ドメインのCDR(例えば、FR内)の外側の領域で生じる。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号8、9、18、19、28、29、35、43、44、52、53、62、63、72、73、81、82、88、89、又は92から選択されるV配列及び/又はV配列を含む(その配列(配列番号8、9、18、19、28、29、35、43、44、52、53、62、63、72、73、81、82、88、89、又は92)の翻訳後修飾を含む)。
【0196】
特定の実施形態では、本明細書に開示される抗原認識受容体(例えば、CAR)の細胞外抗原結合ドメインは、CD33(例えば、ヒトCD33)への結合について、例えば、本明細書に開示されるscFv(例えば、3-P14、4-B2、1-J19、1-J19-2、1-P13、1-P23、1-A20、2-N3、1-H19、2-F18、及び4-P3)のうちのいずれか1つのV CDR1配列、V CDR2配列、及びV CDR3配列、並びにV CDR1配列、V CDR2配列、及びV CDR3配列を含む、参照抗体又はその抗原結合断片と交差競合する。特定の実施形態では、本明細書に開示されるCARの細胞外抗原結合ドメインは、CD33(例えば、ヒトCD33)への結合について、例えば、本明細書に開示されるscFv(例えば、3-P14、4-B2、1-J19、1-J19-2、1-P13、1-P23、1-A20、2-N3、1-H19、2-F18、及び4-P3)のうちのいずれか1つのV配列及びV配列を含む、参照抗体又はその抗原結合部分と交差競合する。
【0197】
特定の実施形態では、本明細書に開示される抗原認識受容体(例えば、CAR)の細胞外抗原結合ドメインは、CD33(例えば、ヒトCD33)への結合について、scFv 3-P14のV CDR1配列、V CDR2配列、及びV CDR3配列、並びにV CDR1配列、V CDR2配列、及びV CDR3配列を含む、参照抗体又はその抗原結合部分と交差競合する。例えば、本明細書に開示される抗原認識受容体(例えば、CAR)の細胞外抗原結合ドメインは、CD33(例えば、ヒトCD33)への結合について、配列番号2に記載されるアミノ酸配列を含むV CDR1、配列番号3に記載されるアミノ酸配列を含むV CDR2、配列番号4に記載されるアミノ酸配列を含むV CDR3、配列番号5に記載されるアミノ酸配列を含むV CDR1、配列番号6に記載される配列を有するアミノ酸を含むV CDR2、及び配列番号7に記載される配列を有するアミノ酸を含むV CDR3を含む、参照抗体又はその抗原結合部分と交差競合する。特定の実施形態では、本明細書に開示される抗原認識受容体(例えば、CAR)の細胞外抗原結合ドメインは、CD33(例えば、ヒトCD33)への結合について、scFv 3-P14のV配列及びV配列を含む参照抗体又はその抗原結合部分と交差競合する。例えば、本明細書に開示される抗原認識受容体(例えば、CAR)の細胞外抗原結合ドメインは、CD33(例えば、ヒトCD33)への結合について、配列番号8に記載される配列を有するアミノ酸を含むV、及び配列番号9に記載される配列を有するアミノ酸を含むVを含む参照抗体又はその抗原結合部分と交差競合する。
【0198】
特定の実施形態では、本明細書に開示される抗原認識受容体(例えば、CAR)の細胞外抗原結合ドメインは、参照抗体又はその抗原結合部分と同じCD33(例えば、ヒトCD33)上のエピトープ領域に結合する。例えば、本明細書に開示されるCARの細胞外抗原結合ドメインは、例えば、本明細書に開示されるscFv(例えば、3-P14、4-B2、1-J19、1-J19-2、1-P13、1-P23、1-A20、2-N3、1-H19、2-F18、及び4-P3)のうちのいずれか1つのV CDR1配列、V CDR2配列、及びV CDR3配列、並びにV CDR1配列、V CDR2配列、及びV CDR3配列を含む参照抗体又はその抗原結合部分と同じCD33(例えば、ヒトCD33)上のエピトープ領域に結合する。特定の実施形態では、本明細書に開示される抗原認識受容体(例えば、CAR)の細胞外抗原結合ドメインは、例えば、本明細書に開示されるscFv(例えば、3-P14、4-B2、1-J19、1-J19-2、1-P13、1-P23、1-A20、2-N3、1-H19、2-F18、及び4-P3)のうちのいずれか1つのV配列及びV配列を含む参照抗体又はその抗原結合部分と同じCD33(例えば、ヒトCD33)上のエピトープ領域に結合する。
【0199】
特定の実施形態では、本明細書に開示される抗原認識受容体(例えば、CAR)の細胞外抗原結合ドメインは、CD33(例えば、ヒトCD33)への結合について、参照抗体又はその抗原結合部分と交差競合する。例えば、本明細書に開示される抗原認識受容体(例えば、CAR)の細胞外抗原結合ドメインは、CD33(例えば、ヒトCD33)への結合について、例えば、本明細書に開示されるscFv(例えば、3-P14、4-B2、1-J19、1-J19-2、1-P13、1-P23、1-A20、2-N3、1-H19、2-F18、及び4-P3)のうちのいずれか1つのV CDR1配列、V CDR2配列、及びV CDR3配列、並びにV CDR1配列、V CDR2配列、及びV CDR3配列を含む参照抗体又はその抗原結合部分と交差競合する。特定の実施形態では、本明細書に開示される抗原認識受容体(例えば、CAR)の細胞外抗原結合ドメインは、例えば、本明細書に開示されるscFv(例えば、3-P14、4-B2、1-J19、1-J19-2、1-P13、1-P23、1-A20、2-N3、1-H19、2-F18、及び4-P3)のうちのいずれか1つのV配列及びV配列を含む参照抗体又はその抗原結合部分と同じCD33(例えば、ヒトCD33)上のエピトープ領域に結合する。
【0200】
CD33(例えば、ヒトCD33)への結合について参照抗体又はその抗原結合部分と交差競合するか、又は競合する細胞外抗原結合ドメインは、限定されないが、ELISA、ラジオイムノアッセイ(RIA)、Biacore、フローサイトメトリー、ウエスタンブロッティング、及び任意の他の好適な定量的又は定性的抗体結合アッセイを含む、当該技術分野で既知の日常的な方法を使用することによって特定することができる。競合ELISAは、J.Walkerによって編集された、Morris,“Epitope Mapping of Protein Antigens by Competition ELISA”,The Protein Protocols Handbook(1996),pp595-600(その全体が参照により組み込まれる)に記載されている。特定の実施形態では、抗体結合アッセイは、CD33ポリペプチドに対する参照抗体の初期結合を測定することと、参照抗体を試験細胞外抗原結合ドメインと混合することと、試験細胞外抗原結合ドメインの存在下で、参照抗体のCD33ポリペプチドに対する第2の結合を測定することと、初期結合を参照抗体の第2の結合と比較することとを含み、初期結合と比較して、CD33ポリペプチドに対する参照抗体の第2の結合の減少は、試験細胞外抗原結合ドメインが、CD33への結合について、参照抗体、例えば、同じ又は実質的に同じエピトープ、重複エピトープ、又は隣接するエピトープを認識する抗体と交差競合することを示す。特定の実施形態では、参照抗体は、例えば、蛍光色素、ビオチン、又はペルオキシダーゼで標識される。特定の実施形態では、CD33ポリペプチドは、細胞内、例えば、フローサイトメトリー試験で発現される。特定の実施形態では、CD33ポリペプチドは、Biacoreシップ(例えば、Biacore試験において)、又は表面プラズモン共鳴分析に好適な他の培地を含む表面上に固定化される。(CD33に結合しない)完全に無関係な抗体の存在下における参照抗体の結合は、対照の高い値として機能し得る。対照の低い値は、標識された参照抗体を標識されていない参照抗体とインキュベートすることによって得ることができ、標識された参照抗体の競合及び低減した結合が生じるであろう。特定の実施形態では、参照抗体のCD33ポリペプチドへの結合を少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%低減させる試験細胞外抗原結合ドメインは、CD33への結合について参照抗体と交差競合する細胞外抗原結合ドメインであると考えられる。特定の実施形態では、アッセイは、室温で実施される。
【0201】
特定の実施形態では、抗体結合アッセイは、CD33ポリペプチドへの試験細胞外抗原結合ドメインの初期結合を測定することと、試験細胞外抗原結合ドメインを参照抗体と混合することと、参照抗体の存在下で、試験細胞外抗原結合ドメインのCD33ポリペプチドへの第2の結合を測定することと、試験細胞外抗原結合ドメインの初期結合を、試験細胞外抗原結合ドメインの第2の結合と比較することとを含み、初期結合と比較して、試験細胞外抗原結合ドメインのCD33ポリペプチドへの第2の結合の減少は、試験細胞外抗原結合ドメインが、CD33への結合について、参照抗体、例えば、同じ又は実質的に同じエピトープ、重複エピトープ、又は隣接するエピトープを認識する抗体と交差競合することを示す。特定の実施形態では、試験細胞外抗原結合ドメインは、例えば、蛍光色素、ビオチン、又はペルオキシダーゼで標識される。特定の実施形態では、CD33ポリペプチドは、細胞内、例えば、フローサイトメトリー試験で発現される。特定の実施形態では、CD33ポリペプチドは、Biacoreシップ(例えば、Biacore試験において)、又は表面プラズモン共鳴分析に好適な他の培地を含む表面上に固定化される。(CD33に結合しない)完全に無関係な抗体の存在下における試験細胞外抗原結合ドメインの結合は、対照の高い値として機能し得る。対照の低い値は、標識された試験細胞外抗原結合ドメインを、標識されていない試験細胞外抗原結合ドメインとインキュベートすることによって得ることができ、標識された試験細胞外抗原結合ドメインの競合及び低減した結合が生じるであろう。特定の実施形態では、CD33ポリペプチドへの結合が、参照抗体の存在下で少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%減少する試験細胞外抗原結合ドメインは、CD33への結合について参照抗体と交差競合する細胞外抗原結合ドメインであると考えられる。特定の実施形態では、アッセイは、室温で実施される。
【0202】
特定の実施形態では、本明細書に開示される抗原認識受容体(例えば、CAR)の細胞外抗原結合ドメインは、細胞外抗原結合ドメインの重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を接続するリンカーを含む。特定の実施形態では、リンカーは、配列番号95に記載されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる。特定の実施形態では、リンカーは、配列番号96に記載されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる。特定の実施形態では、リンカーは、配列番号97に記載されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる。特定の実施形態では、リンカーは、配列番号98に記載されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる。特定の実施形態では、リンカーは、配列番号99に記載されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる。特定の実施形態では、リンカーは、配列番号100に記載されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる。
【0203】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン内の可変領域は、細胞外抗原結合ドメインのN末端に、重鎖可変領域(V)が配置されるように、次々と連結されなければならない。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインがscFvである場合、可変領域は、N末端からC末端に配置される:V-V
【0204】
特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメイン内の可変領域は、細胞外抗原結合ドメインのN末端に、軽鎖可変領域(V)が配置されるように、次々と連結されなければならない。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインがscFvである場合、可変領域は、N末端からC末端に配置される:V-V
【0205】
5.3.2.キメラ抗原受容体(CAR)
特定の実施形態では、抗原認識受容体は、CARである。CARは、免疫エフェクター細胞に目的の特異性を移植又は与える操作された受容体である。CARはモノクローナル抗体の特異性をT細胞に移植するために使用され得、それらのコード配列の移入はレトロウイルスベクターによって促進される。
【0206】
3世代のCARが存在する。「第一世代」のCARは、典型的には、細胞質/細胞内シグナル伝達ドメインに融合される膜貫通ドメインに融合される細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)から構成される。「第一世代」のCARは、新規抗原認識を提供し、HLA媒介抗原提示とは無関係に、単一の融合分子中のCD3ζ鎖シグナル伝達ドメインを介してCD4及びCD8T細胞の両方の活性化を引き起こすことができる。「第二世代」のCARは、様々な共刺激分子(例えば、CD28、4-1BB、ICOS、OX40)からの細胞内シグナル伝達ドメインをCARの細胞質尾部に付加し、T細胞に追加のシグナルを提供する。「第二世代」のCARは、共刺激(例えば、CD28又は4-1BB)及び活性化(CD3ζ)の両方を提供するものを含む。「第三世代」のCARは、複数の共刺激(例えば、CD28及び4-1BB)及び活性化(CD3ζ)を提供するものを含む。特定の実施形態では、抗原認識受容体は、第一世代のCARである。特定の実施形態では、抗原認識受容体は、共刺激分子又はその断片の細胞内シグナル伝達ドメインを含まないCARである。特定の実施形態では、抗原認識受容体は、第二世代のCARである。
【0207】
特定の実施形態では、CARは、CD33に特異的に結合する細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含む。
【0208】
5.3.2.1.CARの細胞外抗原結合ドメイン
CARの細胞外抗原結合ドメインは、本明細書、例えば、セクション5.3.1に開示される任意の細胞外抗原結合ドメインであり得る。
【0209】
特定の実施形態では、CARは、セクション5.3.1に開示される細胞外抗原結合ドメインを含む。
【0210】
加えて、細胞外抗原結合ドメインは、新生タンパク質を内皮小胞体内に導くリーダー又はシグナルペプチドを含むことができる。CARがグリコシル化され、細胞膜内に固定される場合、シグナルペプチド又はリーダーは、必須であり得る。シグナル配列又はリーダーは、新しく合成されたタンパク質のN末端に存在するペプチド配列(約5個、約10個、約15個、約20個、約25個、又は約30個のアミノ酸長)であってもよく、これは分泌経路へのそれらの侵入を導く。特定の実施形態では、シグナルペプチドは、細胞外抗原結合ドメインの5’末端に共有結合される。特定の実施形態では、シグナルペプチドは、CD8ポリペプチドを含み、例えば、CARは、切断型CD8シグナルペプチドを含む。特定の実施形態では、CD8シグナルペプチドは、配列番号101のアミノ酸1~18を含むか、又はそれからなる。配列番号101のアミノ酸1~18をコードする例示的なヌクレオチド配列は、以下に提供される配列番号122に記載されている。
ATGGCTCTCCCAGTGACTGCCCTACTGCTTCCCCTAGCGCTTCTCCTGCATGCA[配列番号122]
【0211】
5.3.2.2.CARの膜貫通ドメイン
特定の実施形態では、CARの膜貫通ドメインは、膜の少なくとも一部分にまたがる疎水性アルファヘリックスを含む。異なる膜貫通ドメインは、異なる受容体安定性をもたらす。抗原認識後、受容体がクラスター化し、シグナルが細胞に伝達される。本明細書に開示される主題によれば、CARの膜貫通ドメインは、CD8の天然若しくは修飾膜貫通ドメイン又はその断片、CD28の天然若しくは修飾膜貫通ドメイン又はその断片、CD3ζの天然若しくは修飾膜貫通ドメイン又はその断片、CD4の天然若しくは修飾膜貫通ドメイン又はその断片、4-1BBの天然若しくは修飾膜貫通ドメイン又はその断片、OX40の天然若しくは修飾膜貫通ドメイン又はその断片、ICOSの天然若しくは修飾膜貫通ドメイン又はその断片、CD84の天然若しくは修飾膜貫通ドメイン又はその断片、CD166の天然若しくは修飾膜貫通ドメイン又はその断片、CD8aの天然若しくは修飾膜貫通ドメイン又はその断片、CD8bの天然若しくは修飾膜貫通ドメイン又はその断片、ICAM-1の天然若しくは修飾膜貫通ドメイン又はその断片、CTLA-4の天然若しくは修飾膜貫通ドメイン又はその断片、CD27の天然若しくは修飾膜貫通ドメイン又はその断片、CD40の天然若しくは修飾膜貫通ドメイン又はその断片、NKGD2又はその断片、あるいはそれらの組み合わせを含み得る。
【0212】
特定の実施形態では、CARの膜貫通ドメインは、CD8ポリペプチド(例えば、CD8の膜貫通ドメイン又はその断片)を含む。特定の実施形態では、CARの膜貫通ドメインは、ヒトCD8又はその断片の膜貫通ドメインを含む。特定の実施形態では、CD8ポリペプチドは、NCBI参照番号NP_001139345.1(配列番号101)又はその断片を有するアミノ酸配列と少なくとも約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%若しくは約100%相同若しくは同一であるアミノ酸配列を含むか、若しくはそれからなり、かつ/又は任意選択で、最大1つ、若しくは最大2つ、若しくは最大3つの保存的アミノ酸置換を含み得る。特定の実施形態では、CD8ポリペプチドは、少なくとも20個、若しくは少なくとも30個、若しくは少なくとも40個、若しくは少なくとも50個、及び最大で235個のアミノ酸長である配列番号101の連続部分であるアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。特定の実施形態では、CD8ポリペプチドは、配列番号101のアミノ酸1~235、1~50、50~100、100~150、150~200、137~209、若しくは200~235のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。特定の実施形態では、CARの膜貫通ドメインは、配列番号101のアミノ酸137~209を含むか、又はそれからなるCD8ポリペプチドを含む。配列番号101を以下に提供する。
MALPVTALLLPLALLLHAARPSQFRVSPLDRTWNLGETVELKCQVLLSNPTSGCSWLFQPRGAAASPTFLLYLSQNKPKAAEGLDTQRFSGKRLGDTFVLTLSDFRRENEGYYFCSALSNSIMYFSHFVPVFLPAKPTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCNHRNRRRVCKCPRPVVKSGDKPSLSARYV[配列番号101]
【0213】
特定の実施形態では、CARの膜貫通ドメインは、マウスCD8又はその断片の膜貫通ドメインを含む。特定の実施形態では、CD8ポリペプチドは、NCBI参照番号AAA92533.1(配列番号102)又はその断片を有するアミノ酸配列と少なくとも約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%若しくは約100%相同若しくは同一であるアミノ酸配列を含むか、若しくはそれからなり、かつ/又は任意選択で、最大1つ、若しくは最大2つ、若しくは最大3つの保存的アミノ酸置換を含み得る。特定の実施形態では、CD8ポリペプチドは、配列番号102の連続部分であるアミノ酸配列を含むか、又はそれからなり、これは、少なくとも約20個、又は少なくとも約30個、又は少なくとも約40個、又は少なくとも約50個、又は少なくとも約60個、又は少なくとも約70個、又は少なくとも約100個、又は少なくとも約200個、かつ最大247個のアミノ酸長である。特定の実施形態では、CD8ポリペプチドは、配列番号102のアミノ酸1~247、1~50、50~100、100~150、150~200、151~219、若しくは200~247のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。特定の実施形態では、CARの膜貫通ドメインは、配列番号102のアミノ酸151~219を含むか、又はそれからなるCD8ポリペプチドを含む。配列番号102を以下に提供する。
【化1】
【0214】
特定の実施形態では、本明細書に開示されるCARの膜貫通ドメインは、CD28ポリペプチド(例えば、CD28の膜貫通ドメイン又はその断片)を含む。
【0215】
特定の実施形態では、CARの膜貫通ドメインは、ヒトCD28又はその断片の膜貫通ドメインを含む。特定の実施形態では、CD28ポリペプチドは、NCBI参照番号NP_006130(配列番号103)又はその断片を有するアミノ酸配列と少なくとも約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%若しくは100%相同若しくは同一であるアミノ酸配列を含むか、若しくはそれからなり、かつ/又は任意選択で、最大1つ、若しくは最大2つ、若しくは最大3つの保存的アミノ酸置換を含み得る。非限定的な特定の実施形態では、CD28ポリペプチドは、少なくとも20個、若しくは少なくとも30個、若しくは少なくとも40個、若しくは少なくとも50個、及び最大で220個のアミノ酸長である配列番号103の連続部分であるアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。特定の実施形態では、CD28ポリペプチドは、配列番号103のアミノ酸1~220、1~50、50~100、100~150、150~200、153~179、若しくは200~220のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。特定の実施形態では、CARの膜貫通ドメインは、配列番号103のアミノ酸153~179を含むか、又はそれからなるCD28ポリペプチドを含む。配列番号103を以下に提供する:
【化2】
【0216】
配列番号103のアミノ酸153~179をコードする例示的なヌクレオチド配列は、以下に提供される配列番号104に記載されている。
TTTTGGGTGCTGGTGGTGGTTGGTGGAGTCCTGGCTTGCTATAGCTTGCTAGTAACAGTGGCCTTTATTATTTTCTGGGTG[配列番号104]
【0217】
特定の実施形態では、CARの膜貫通ドメインは、CD28ポリペプチド(例えば、マウスCD28の膜貫通ドメイン又はその断片)を含む。特定の実施形態では、CD28ポリペプチドは、NCBI参照番号NP_031668.3(配列番号105)又はその断片を有するアミノ酸配列と少なくとも約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%若しくは100%相同若しくは同一であるアミノ酸配列を含むか、若しくはそれからなり、かつ/又は任意選択で、最大1つ、若しくは最大2つ、若しくは最大3つの保存的アミノ酸置換を含み得る。特定の実施形態では、CD28ポリペプチドは、少なくとも20個、若しくは少なくとも30個、若しくは少なくとも40個、若しくは少なくとも50個、及び最大で218個のアミノ酸長である配列番号105の連続部分であるアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。特定の実施形態では、CD28ポリペプチドは、配列番号105のアミノ酸1~220、1~50、50~100、100~150、150~200、151~177、若しくは200~218のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。特定の実施形態では、CARの膜貫通ドメインは、配列番号105のアミノ酸151~177を含むか、又はそれからなるCD28ポリペプチドを含む。配列番号105を以下に提供する:
【化3】
【0218】
特定の非限定的な実施形態では、CARは、細胞外抗原結合ドメインを膜貫通ドメインに連結するスペーサー領域を更に含む。スペーサー領域は、抗原結合ドメインが異なる方向に配向して、CARの活性化している活性を維持しながら抗原認識を促進することを可能にするのに十分な柔軟性であり得る。
【0219】
特定の実施形態では、CARのヒンジ/スペーサー領域は、CD8の天然若しくは修飾ヒンジ領域又はその断片、CD28の天然若しくは修飾ヒンジ領域又はその断片、CD3ζの天然若しくは修飾ヒンジ領域又はその断片、CD40の天然若しくは修飾ヒンジ領域又はその断片、4-1BBの天然若しくは修飾ヒンジ領域又はその断片、OX40の天然若しくは修飾ヒンジ領域又はその断片、CD84の天然若しくは修飾ヒンジ領域又はその断片、CD166の天然若しくは修飾ヒンジ領域又はその断片、CD8aの天然若しくは修飾ヒンジ領域又はその断片、CD8bの天然若しくは修飾ヒンジ領域又はその断片、ICOSの天然若しくは修飾ヒンジ領域又はその断片、ICAM-1の天然若しくは修飾ヒンジ領域又はその断片、CTLA-4の天然若しくは修飾ヒンジ領域又はその断片、CD27の天然若しくは修飾ヒンジ領域又はその断片、CD40の天然若しくは修飾ヒンジ領域又はその断片、NKGD2の天然若しくは修飾ヒンジ領域又はその断片、合成ポリペプチド(免疫応答に関連するタンパク質に基づかない)、あるいはそれらの組み合わせを含む。ヒンジ/スペーサー領域は、IgG1からのヒンジ領域、若しくは免疫グロブリンのCHCH領域及びCD3の一部分、CD8ポリペプチドの一部分(例えば、配列番号101若しくは102の一部分)、CD28ポリペプチドの一部分(例えば、配列番号103若しくは105の一部分)、それらと少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、若しくは少なくとも約100%相同若しくは同一である前述のうちのいずれかの変形、又は合成スペーサー配列であり得る。
【0220】
5.3.2.3.CARの細胞内シグナル伝達ドメイン
特定の実施形態では、CARは、細胞内シグナル伝達ドメインを含む。特定の非限定的な実施形態では、CARの細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζポリペプチドを含む。CD3ζは、細胞(例えば、リンパ系の細胞、例えば、T細胞)を活性化又は刺激することができる。野生型(「天然」)CD3ζは、3つの機能的免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフ(ITAM)、3つの機能的塩基性リッチ伸長(BRS)領域(BRS1、BRS2及びBRS3)を含む。抗原が結合した後、CD3ζは、活性化シグナルを細胞(例えば、リンパ系の細胞、例えば、T細胞)に伝達する。CD3ζ鎖の細胞内シグナル伝達ドメインは、内因性TCRからのシグナルの主要伝達物質である。
【0221】
特定の実施形態では、CARの細胞内シグナル伝達ドメインは、天然CD3ζを含む。特定の実施形態では、CD3ζポリペプチドは、NCBI参照番号NP_932170(配列番号106)又はその断片を有するアミノ酸配列と少なくとも約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%若しくは約100%相同若しくは同一であるアミノ酸配列を含むか、若しくはそれからなり、かつ/又は任意選択で、最大1つ、若しくは最大2つ、若しくは最大3つの保存的アミノ酸置換を含み得る。特定の非限定的な実施形態では、CD3ζポリペプチドは、少なくとも20個、若しくは少なくとも30個、若しくは少なくとも40個、若しくは少なくとも50個、及び最大で164個のアミノ酸長である配列番号106の連続部分であるアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。特定の実施形態では、CD3ζポリペプチドは、配列番号106のアミノ酸1~164、1~50、50~100、52~164、100~150、若しくは150~164のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。特定の実施形態では、CARの細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号106のアミノ酸52~164を含むか、又はそれからなるCD3ζポリペプチドを含む。配列番号106を以下に提供する:
【化4】
【0222】
特定の実施形態では、CARの細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号107に記載されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなるCD3ポリペプチドを含む。配列番号107を以下に提供する。
RVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR[配列番号107]
【0223】
配列番号107のアミノ酸配列をコードする例示的なヌクレオチド配列は、以下に提供する配列番号108に記載されている。
AGAGTGAAGTTCAGCAGGAGCGCAGACGCCCCCGCGTACCAGCAGGGCCAGAACCAGCTCTATAACGAGCTCAATCTAGGACGAAGAGAGGAGTACGATGTTTTGGACAAGAGACGTGGCCGGGACCCTGAGATGGGGGGAAAGCCGAGAAGGAAGAACCCTCAGGAAGGCCTGTACAATGAACTGCAGAAAGATAAGATGGCGGAGGCCTACAGTGAGATTGGGATGAAAGGCGAGCGCCGGAGGGGCAAGGGGCACGATGGCCTTTACCAGGGTCTCAGTACAGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTTCACATGCAGGCCCTGCCCCCTCGC[配列番号108]
【0224】
特定の実施形態では、CARの細胞内シグナル伝達ドメインは、少なくとも共刺激シグナル伝達領域を更に含む。特定の実施形態では、共刺激シグナル伝達領域は、少なくとも1つの共刺激分子又はその断片を含む。特定の実施形態では、共刺激シグナル伝達領域は、少なくとも1つの共刺激分子又はその断片の細胞内ドメインを含む。
【0225】
本明細書で使用される場合、「共刺激分子」とは、抗原にリンパ球の効率的な応答を提供することができる抗原受容体又はそのリガンド以外の細胞表面分子を指す。特定の実施形態では、共刺激分子は、最適なリンパ球活性化を提供することができる。共刺激分子の非限定的な例としては、CD28、4-1BB、OX40、ICOS、DAP-10、CD27、CD40、NKGD2、CD2、FN14、HVEM、LTBR、CD28H、TNFR1、TNFR2、BAFF-R、BCMA、TACI、TROY、RANK、CD40、CD27、CD30、EDAR、XEDAR、GITR、DR6、及びNGFR、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。共刺激分子は、共刺激リガンドに結合することができ、これは、その受容体に結合すると、共刺激応答、すなわち、抗原認識受容体(例えば、キメラ抗原受容体(CAR))がその標的抗原に結合するときに提供される刺激に影響を与える細胞内応答を生成する、細胞表面上に発現されるタンパク質である。一例として、4-1BBリガンド(すなわち、4-1BBL)は、CARシグナルと組み合わせてCART細胞のエフェクター細胞機能を誘導する細胞内シグナルを提供するために、4-1BBに結合し得る。
【0226】
特定の実施形態では、CARの細胞内シグナル伝達ドメインは、CD28ポリペプチド、例えば、CD28の細胞内ドメイン又はその断片を含む共刺激シグナル伝達領域を含む。特定の実施形態では、CARの細胞内シグナル伝達ドメインは、CD28ポリペプチド、例えば、ヒトCD28の細胞内ドメイン又はその断片を含む共刺激シグナル伝達領域を含む。特定の実施形態では、CD28ポリペプチドは、配列番号103に記載のアミノ酸配列若しくはその断片と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、若しくは少なくとも約99%、少なくとも約100%相同若しくは同一であるアミノ酸配列を含むか、若しくはそれからなり、かつ/又は任意選択で、最大1つ、若しくは最大2つ、若しくは最大3つの保存的アミノ酸置換を含み得る。特定の実施形態では、CD28ポリペプチドは、少なくとも20個、若しくは少なくとも30個、若しくは少なくとも40個、若しくは少なくとも50個、及び最大で220個のアミノ酸長である配列番号103の連続部分であるアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。特定の実施形態では、CD28ポリペプチドは、配列番号103のアミノ酸1~220、1~50、50~100、100~150、114~220、150~200、180~220、若しくは200~220のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。特定の実施形態では、CARの細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号103のアミノ酸180~220のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなるCD28ポリペプチドを含む共刺激シグナル伝達領域を含む。
【0227】
配列番号103のアミノ酸180~220をコードする例示的なヌクレオチド配列は、以下に提供される配列番号109に記載されている。
AGGAGTAAGAGGAGCAGGCTCCTGCACAGTGACTACATGAACATGACTCCCCGCCGCCCCGGGCCCACCCGCAAGCATTACCAGCCCTATGCCCCACCACGCGACTTCGCAGCCTATCGCTCC[配列番号109]
【0228】
特定の実施形態では、CARの細胞内シグナル伝達ドメインは、CD28ポリペプチド、例えば、マウスCD28の細胞内ドメイン又はその断片を含む共刺激シグナル伝達領域を含む。特定の実施形態では、CD28ポリペプチドは、配列番号104に記載のアミノ酸配列若しくはその断片と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、若しくは少なくとも約99%、少なくとも約100%相同若しくは同一であるアミノ酸配列を含むか、若しくはそれからなり、かつ/又は任意選択で、最大1つ、若しくは最大2つ、若しくは最大3つの保存的アミノ酸置換を含み得る。非限定的な特定の実施形態では、CD28ポリペプチドは、少なくとも約20個、若しくは少なくとも約30個、若しくは少なくとも約40個、若しくは少なくとも約50個、及び最大で218個のアミノ酸長である配列番号104の連続部分であるアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。特定の実施形態では、CD28ポリペプチドは、配列番号105のアミノ酸1~218、1~50、50~100、100~150、150~218、178~218、若しくは200~218のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。特定の実施形態では、本明細書に開示されるCARの共刺激シグナル伝達領域は、配列番号105のアミノ酸178~218を含むか、又はそれからなるCD28ポリペプチドを含む。
【0229】
特定の実施形態では、本明細書に開示されるCARの共刺激シグナル伝達領域は、変異したYMNMモチーフを含むCD28ポリペプチドを含む。CD28は、共刺激分子としての機能を通じて、T細胞活性化において重要な役割を果たす膜貫通タンパク質である。CD28は、CD28の有効なシグナル伝達に重要な細胞内モチーフを含む細胞内ドメインを有する。特定の実施形態では、CD28細胞内ドメインは、TCR刺激後のシグナル伝達経路を調節する細胞内サブドメイン(「細胞内モチーフ」としても知られている)を含む。CD28は、3つの細胞内モチーフ:YMNMモチーフ、及び2つのプロリンリックモチーフ:PRRPモチーフ、及びPYAPモチーフを含む。CD28細胞内モチーフは、それらのSH2又はSH3ドメインを介してこれらのモチーフと相互作用する多数のアダプター分子についてのドッキング部位として機能することができる。そのような相互作用は、遺伝子発現を調節する転写因子上で終結する下流シグナルを伝達する。例えば、天然YMNMモチーフは、ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)のp85サブユニットに結合する。天然YMNMモチーフはまた、成長因子受容体結合タンパク質2(Grb2)及び/又はGrb2関連アダプタータンパク質2(GADS)に結合する。Grb2はGab1及びGab2に結合し、これは次にPI3Kのp85サブユニットを動員することができる。
【0230】
特定の実施形態では、天然YMNMモチーフは、YMNM(配列番号123)に記載されるアミノ酸配列からなる。特定の実施形態では、天然YMNMモチーフは、コンセンサス配列YMxM(配列番号124)を介して、PI3Kのp85サブユニットに結合し、ここで、xは、アスパラギン酸(N)ではない。特定の実施形態では、天然YMNMモチーフは、コンセンサス配列YxNx(配列番号125)を介して、Grb2及び/又はGADに結合し、ここで、xは、メチオニン(M)ではない。
【0231】
特定の実施形態では、本明細書に開示される変異したYMNMモチーフを含むCD28ポリペプチドは、天然YMNMモチーフを含むCD28分子と比較して、PI3Kのp85サブユニットの動員が低減している。特定の実施形態では、PI3Kのp85サブユニットは、変異したYMNMモチーフに結合せず、それによって、CD28ポリペプチドへのPI3Kのp85サブユニットの動員を低減する。PI3Kのp85サブユニットの結合をブロックする変異したYMNMモチーフは、Grb2及び/又はGADSへの結合を保持する。したがって、Grb2/GADSの下流シグナル伝達は無傷のままであり、例えば、IL-2分泌につながる下流シグナル伝達は無傷のままである。そのような変異したYMNMモチーフは、「GADS/Grb2許容変異体」と称される。
【0232】
特定の実施形態では、変異したYMNMは、PI3Kのp85サブユニットに結合するが、Grb2及び/又はGADSに結合しない。PI3K p85の結合が保持されるため、PI3Kの下流シグナル伝達は無傷のままである。Grb2/GADSの結合がブロックされるため、Grb2のGab1及びGab2への結合によって誘発されるPI3K p85サブユニットの動員は、低減又はブロックされる。加えて、Grb2/GADSの下流シグナル伝達はブロックされる。そのような変異したYMNMモチーフは、「PI3K許容変異体」と称される。
【0233】
特定の実施形態では、変異したYMNMは、PI3Kのp85サブユニットに結合せず、Grb2及び/又はGADSに結合しない。そのような変異したYMNMモチーフは、「非機能性変異体」と称される。非機能性変異体は、YMNMモチーフでのCD28へのPI3K、Grb2、又はGADSの結合を提供しないが、これらのシグナル伝達分子がCD28分子内の他の場所で結合することを妨げない。
【0234】
特定の実施形態では、変異したYMNMは、YMNMモチーフに存在する2つのメチオニン残基、すなわち、YMxx又はYxxMのうちの1つのメチオニン残基のみを保持する。これらのモチーフは、PI3Kのp85サブユニットに結合することができるメチオニン残基の数を制限することによって、PI3Kを介したシグナル伝達を潜在的に調節する。そのような変異したYMNMモチーフは、「ハイブリッド「HEMI」変異体」と称される。
【0235】
特定の実施形態では、変異したYMNMモチーフは、GADS/Grb-2許容変異体である。特定の実施形態では、変異したYMNMモチーフは、YxNx(配列番号125)に記載されるアミノ酸配列からなり、ここで、xは、メチオニン(M)ではない。特定の実施形態では、xは、アミノ酸A、R、N、D、C、E、Q、G、H、I、K、F、P、S、T、W、Y、V、及びLからなる群から選択される。特定の実施形態では、変異したYMNMモチーフは、YENV(配列番号126)、YSNV(配列番号127)、YKNL(配列番号128)、YENQ(配列番号129)、YKNI(配列番号130)、YINQ(配列番号131)、YHNK(配列番号132)、YVNQ(配列番号133)、YLNP(配列番号134)、YLNT(配列番号135)、YDND(配列番号136)、YENI(配列番号137)、YENL(配列番号138)、YKNQ(配列番号139)、YKNV(配列番号140)、又はYANG(配列番号141)に記載されるアミノ酸配列からなる。特定の実施形態では、変異したYMNMモチーフは、YSNV(配列番号127)に記載されるアミノ酸配列からなる。特定の実施形態では、変異したYMNMモチーフは、YKNI(配列番号130)に記載されるアミノ酸配列からなる。特定の実施形態では、変異したYMNMモチーフは、YENV(配列番号126)に記載されるアミノ酸配列からなる。特定の実施形態では、変異したYMNMモチーフは、YKNL(配列番号128)に記載されるアミノ酸配列からなる。
【0236】
特定の実施形態では、変異したYMNMモチーフは、PI3K許容変異体である。特定の実施形態では、変異したYMNMモチーフは、YMxM(配列番号124)に記載されるアミノ酸配列からなり、ここで、xは、アスパラギン酸(N)ではない。特定の実施形態では、xは、アミノ酸A、R、D、C、E、Q、G、H、I、K、M、F、P、S、T、W、Y、V、及びLからなる群から選択される。特定の実施形態では、変異したYMNMモチーフは、YMDM(配列番号142)、YMPM(配列番号143)、YMRM(配列番号144)、又はYMSM(配列番号145)に記載されるアミノ酸配列からなる。特定の実施形態では、変異したYMNMモチーフは、YMDM(配列番号142)に記載されるアミノ酸配列からなる。
【0237】
特定の実施形態では、変異したYMNMモチーフは、YbxM(配列番号146)に記載されるアミノ酸配列からなり、ここで、xは、アスパラギン酸(N)ではなく、bは、メチオニン(M)ではない。特定の実施形態では、xは、アミノ酸A、R、D、C、E、Q、G、H、I、K、M、F、P、S、T、W、Y、V、及びLからなる群から選択される。特定の実施形態では、bは、アミノ酸A、R、N、C、E、Q、G、H、I、K、N、F、P、S、T、W、Y、V、及びLからなる群から選択される。特定の実施形態では、変異したYMNMモチーフは、YTHM(配列番号147)、YVLM(配列番号148)、YIAM(配列番号149)、YVEM(配列番号150)、YVKM(配列番号151)、又はYVPM(配列番号152)に記載されるアミノ酸配列からなる。
【0238】
特定の実施形態では、変異したYMNMモチーフは、YMxb(配列番号153)に記載されるアミノ酸配列からなり、ここで、xは、アスパラギン酸(N)ではなく、bは、メチオニン(M)ではない。特定の実施形態では、xは、アミノ酸A、R、D、C、E、Q、G、H、I、K、M、F、P、S、T、W、Y、V、及びLからなる群から選択される。特定の実施形態では、bは、アミノ酸A、R、N、C、E、Q、G、H、I、K、N、F、P、S、T、W、Y、V、及びLからなる群から選択される。特定の実施形態では、変異したYMNMモチーフは、YMAP(配列番号154)に記載されるアミノ酸配列からなる。
【0239】
特定の変異YMNMモチーフは、Mol Cell Proteomics.2010 Nov;9(11):2391-404、Virology.2015 May;0:568-577(これらの両方は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0240】
特定の実施形態では、変異したYMNMモチーフは、ハイブリッド「HEMI」変異体である。特定の実施形態では、変異したYMNMモチーフは、YMNx(配列番号155)又はYxNM(配列番号156)に記載されるアミノ酸配列からなり、ここで、xは、メチオニン(M)ではない。特定の実施形態では、xは、アミノ酸A、R、N、C、E、Q、G、H、I、K、N、F、P、S、T、W、Y、V、及びLからなる群から選択される。特定の実施形態では、変異したYMNMモチーフは、YMNV(配列番号157)、YENM(配列番号158)、YMNQ(配列番号159)、YMNL(配列番号160)、又はYSNM(配列番号161)に記載されるアミノ酸配列からなる。
【0241】
特定の実施形態では、変異したYMNMモチーフは、非機能性変異体である。特定の実施形態では、変異したYMNMモチーフは、アミノ酸配列Ybxb(配列番号162)からなり、ここで、xは、アスパラギン酸(N)ではなく、bは、メチオニン(M)ではない。特定の実施形態では、xは、A、R、D、C、E、Q、G、H、I、K、M、F、P、S、T、W、Y、V、及びLからなる群から選択される。特定の実施形態では、bは、A、R、N、D、C、E、Q、G、H、I、K、F、P、S、T、W、Y、V、及びLからなる群から選択される。特定の実施形態では、変異したYMNMモチーフは、YGGG(配列番号163)、YAAA(配列番号164)、YFFF(配列番号165)、YETV(配列番号166)、YQQQ(配列番号167)、YHAE(配列番号168)、YLDL(配列番号169)、YLIP(配列番号170)、YLRV(配列番号171)、YTAV(配列番号172)、又はYVHV(配列番号173)に記載されるアミノ酸配列からなる。特定の実施形態では、変異したYMNMモチーフは、YGGG(配列番号163)に記載されるアミノ酸配列からなる。
【0242】
特定の実施形態では、本明細書に開示されるキメラ受容体の細胞内シグナル伝達ドメインは、YENV(配列番号126)に記載されるアミノ酸配列からなる変異したYMNMモチーフを含むCD28ポリペプチドを含む共刺激シグナル伝達ドメインを含み、CD28ポリペプチドは、配列番号174に記載されるアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。配列番号174を以下に提供する。
RSKRSRLLHSDYENVTPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRS[配列番号174]
【0243】
特定の実施形態では、本明細書に開示されるキメラ受容体の細胞内シグナル伝達ドメインは、YKNI(配列番号130)に記載されるアミノ酸配列からなる変異したYMNMモチーフを含むCD28ポリペプチドを含む共刺激シグナル伝達ドメインを含み、CD28ポリペプチドは、配列番号175に記載されるアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。配列番号175を以下に提供する。
RSKRSRLLHSDYKNITPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRS[配列番号175]
【0244】
特定の実施形態では、本明細書に開示されるキメラ受容体の細胞内シグナル伝達ドメインは、YMDM(配列番号142)に記載されるアミノ酸配列からなる変異したYMNMモチーフを含むCD28ポリペプチドを含む共刺激シグナル伝達ドメインを含み、CD28ポリペプチドは、配列番号176に記載されるアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。配列番号176を以下に提供する。
RSKRSRLLHSDYMDMTPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRS[配列番号176]
【0245】
特定の実施形態では、本明細書に開示されるキメラ受容体の細胞内シグナル伝達ドメインは、YGGG(配列番号163)に記載されるアミノ酸配列からなる変異したYMNMモチーフを含むCD28ポリペプチドを含む共刺激シグナル伝達ドメインを含み、CD28ポリペプチドは、配列番号177に記載されるアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。配列番号177を以下に提供する。
RSKRSRLLHSDYGGGTPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRS[配列番号177]
【0246】
特定の実施形態では、本明細書に開示されるキメラ受容体の細胞内シグナル伝達ドメインは、YSNV(配列番号127)に記載されるアミノ酸配列からなる変異したYMNMモチーフを含むCD28ポリペプチドを含む共刺激シグナル伝達ドメインを含み、CD28ポリペプチドは、配列番号178に記載されるアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。配列番号178を以下に提供する。
RSKRSRLLHSDYSNVTPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRS[配列番号178]
【0247】
特定の実施形態では、本明細書に開示されるCARの細胞内シグナル伝達ドメインは、変異したYMNMモチーフ(本明細書に開示される)を含むCD28ポリペプチドを含む第1の共刺激シグナル伝達ドメイン、及び共刺激分子の細胞内ドメインを含む第2の共刺激シグナル伝達ドメインを含む。変異したYMNMモチーフを含むCD28ポリペプチドを含むCARに関する追加情報は、国際特許公開第2021/158850号(その全体が参照により組み込まれる)に見出すことができる。
【0248】
特定の実施形態では、CARの細胞内シグナル伝達ドメインは、4-1BBポリペプチド、例えば、4-1BBの細胞内ドメイン又はその断片を含む共刺激シグナル伝達領域を含む。特定の実施形態では、CARの細胞内シグナル伝達ドメインは、4-1BBポリペプチド、例えば、ヒト4-1BBの細胞内ドメイン又はその断片を含む共刺激シグナル伝達領域を含む。特定の実施形態では、4-1BBポリペプチドは、NCBI参照番号NP_001552(配列番号110)を有するアミノ酸配列若しくはその断片と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、若しくは少なくとも約99%、少なくとも約100%相同若しくは同一であるアミノ酸配列を含むか、若しくはそれからなり、かつ/又は任意選択で、最大1つ、若しくは最大2つ、若しくは最大3つの保存的アミノ酸置換を含み得る。非限定的な特定の実施形態では、4-1BBポリペプチドは、少なくとも20個、若しくは少なくとも30個、若しくは少なくとも40個、若しくは少なくとも50個、若しくは少なくとも100個、若しくは少なくとも150個、若しくは少なくとも150個、及び最大で255個のアミノ酸長である、配列番号106の連続部分であるアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。特定の実施形態では、4-1BBポリペプチドは、配列番号110のアミノ酸1~255、1~50、50~100、100~150、150~200、若しくは200~255のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。特定の実施形態では、CARの細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号110のアミノ酸214~255のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる4-1BBポリペプチドを含む共刺激シグナル伝達領域を含む。配列番号110を以下に提供する。
【化5】
【0249】
配列番号110のアミノ酸214~255をコードする例示的なヌクレオチド配列は、以下に提供される配列番号111に記載されている。
AAACGGGGCAGAAAGAAACTCCTGTATATATTCAAACAACCATTTATGAGACCAGTACAAACTACTCAAGAGGAAGATGGCTGTAGCTGCCGATTTCCAGAAGAAGAAGAAGGAGGATGTGAACTG[配列番号111]
【0250】
特定の実施形態では、CARの細胞内シグナル伝達ドメインは、2つ以上の共刺激分子又はその部分の細胞内ドメイン、例えば、CD28の細胞内ドメイン若しくはその断片、4-1BBの細胞内ドメイン若しくはその断片、又はCD28の細胞内ドメイン若しくはその断片、及びOX40の細胞内ドメイン若しくはその断片を含む共刺激シグナル伝達領域を含む。
【0251】
特定の実施形態では、本明細書に開示されるCARは、ヒト細胞において核酸配列を発現させるための誘導性プロモーターを更に含む。CAR遺伝子の発現に使用するためのプロモーターは、ユビキチンC(UbiC)プロモーターなどの構成的プロモーターであってもよい。
【0252】
5.3.2.4.例示的なCAR
特定の実施形態では、CARは、CD33標的化CARである。特定の実施形態では、CARは、(a)(i)配列番号2に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号4に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むV、並びに(ii)配列番号5に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号7に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むVを含む、細胞外抗原結合ドメイン、(b)CD28ポリペプチド(例えば、ヒトCD28の膜貫通ドメイン又はその断片)を含む、膜貫通ドメイン、並びに(c)(i)CD3ζポリペプチド、及び(ii)CD28ポリペプチド(例えば、ヒトCD28の細胞内ドメイン又はその断片)を含む共刺激シグナル伝達領域を含む、細胞内シグナル伝達ドメインを含む。特定の実施形態では、膜貫通ドメインは、配列番号103のアミノ酸153~179を含むCD28ポリペプチドを含む。特定の実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、(i)配列番号107に記載されるアミノ酸配列を含むCD3ζポリペプチド、及び(ii)配列番号103のアミノ酸配列セットアミノ酸180~220を含むCD28ポリペプチドを含む共刺激シグナル伝達領域を含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、「3-P14」として指定されるscFvである。特定の実施形態では、V及びVは、配列番号96に記載されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなるリンカーを介して連結される。特定の実施形態では、V及びVは、N末端からC末端に配置される:V-V。特定の実施形態では、CARは、「TDI-Y-006_h28z」として設計される。特定の実施形態では、CARは、以下に提供される配列番号112に記載されるアミノ酸配列を含む。
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSTYAMSWVRQAPGKGLEWVSAISGRGGSTYYTDSVKGRFTISRDNSKNTVSLQMNSLRAEDTAVYYCAGRGDYYYYYGMDVWGQGTTVTVSAGGGGSGGGGSGGGGSDIVMTQSPLSSPVTLGQPASFSCRSSQSLVYSDGNTYLSWLQQRPGQPPRLLIYKISNRFSGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQSTQFPHTFGQGTKLEIKEQKLISEEDLAAAIEVMYPPPYLDNEKSNGTIIHVKGKHLCPSPLFPGPSKPFWVLVVVGGVLACYSLLVTVAFIIFWVRSKRSRLLHSDYMNMTPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRSRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR[配列番号112]
【0253】
配列番号112のアミノ酸配列をコードする例示的なヌクレオチド配列は、以下に提供する配列番号113に記載されている。
GAGGTGCAGCTGTTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTCCAGCCTGGGGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTTAGCACCTATGCCATGAGCTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGGGGCTGGAGTGGGTCTCAGCTATTAGTGGTCGTGGTGGTAGCACATACTACACAGACTCCGTGAAGGGCCGGTTCACCATCTCCAGAGACAATTCCAAGAACACGGTGTCTCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACGGCCGTATATTACTGTGCGGGCCGGGGAGATTACTACTACTACTACGGTATGGACGTCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCGCAGGTGGAGGTGGATCAGGTGGAGGTGGATCTGGTGGAGGTGGATCTGATATTGTGATGACCCAGAGTCCACTCTCCTCACCTGTCACCCTTGGACAGCCGGCCTCCTTCTCCTGCAGGTCTAGTCAAAGCCTCGTATACAGTGATGGAAACACCTACTTGAGTTGGCTTCAGCAGAGGCCAGGCCAGCCTCCAAGACTCCTAATTTATAAGATTTCTAACCGGTTCTCTGGGGTCCCAGACAGATTCAGTGGCAGTGGGGCAGGGACAGATTTCACACTGAAAATCAGCAGGGTGGAAGCTGAGGATGTCGGGGTTTATTACTGCATGCAATCTACACAATTTCCTCACACTTTTGGCCAGGGGACCAAGCTGGAGATCAAAGAACAGAAACTGATCTCTGAAGAAGACCTGGCGGCCGCAATTGAAGTTATGTATCCTCCTCCTTACCTAGACAATGAGAAGAGCAATGGAACCATTATCCATGTGAAAGGGAAACACCTTTGTCCAAGTCCCCTATTTCCCGGACCTTCTAAGCCCTTTTGGGTGCTGGTGGTGGTTGGTGGAGTCCTGGCTTGCTATAGCTTGCTAGTAACAGTGGCCTTTATTATTTTCTGGGTGAGGAGTAAGAGGAGCAGGCTCCTGCACAGTGACTACATGAACATGACTCCCCGCCGCCCCGGGCCCACCCGCAAGCATTACCAGCCCTATGCCCCACCACGCGACTTCGCAGCCTATCGCTCCAGAGTGAAGTTCAGCAGGAGCGCAGACGCCCCCGCGTACCAGCAGGGCCAGAACCAGCTCTATAACGAGCTCAATCTAGGACGAAGAGAGGAGTACGATGTTTTGGACAAGAGACGTGGCCGGGACCCTGAGATGGGGGGAAAGCCGAGAAGGAAGAACCCTCAGGAAGGCCTGTACAATGAACTGCAGAAAGATAAGATGGCGGAGGCCTACAGTGAGATTGGGATGAAAGGCGAGCGCCGGAGGGGCAAGGGGCACGATGGCCTTTACCAGGGTCTCAGTACAGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTTCACATGCAGGCCCTGCCCCCTCGCTAG[配列番号113]
【0254】
特定の実施形態では、CARは、CD33標的化CARである。特定の実施形態では、CARは、(a)(i)配列番号12に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号13に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号14に記載されるアミノ酸配列を含むV CDR3を含むV、並びに(ii)配列番号15に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号16に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号17に記載されるアミノ酸配列を含むV CDR3を含むVを含む、細胞外抗原結合ドメイン、(b)CD28ポリペプチド(例えば、ヒトCD28の膜貫通ドメイン又はその部分)を含む、膜貫通ドメイン、並びに(c)(i)CD3ζポリペプチド、及び(ii)CD28ポリペプチド(例えば、ヒトCD28の細胞内ドメイン又はその断片)を含む共刺激シグナル伝達領域を含む、細胞内シグナル伝達ドメインを含む。特定の実施形態では、膜貫通ドメインは、配列番号103のアミノ酸153~179を含むCD28ポリペプチドを含む。特定の実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、(i)配列番号107に記載されるアミノ酸配列を含むCD3ζポリペプチド、及び(ii)配列番号103のアミノ酸配列セットアミノ酸180~220を含むCD28ポリペプチドを含む共刺激シグナル伝達領域を含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、「4-B2」として指定されるscFvである。特定の実施形態では、V及びVは、配列番号96に記載されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなるリンカーを介して連結される。特定の実施形態では、V及びVは、N末端からC末端に配置される:V-V。特定の実施形態では、CARは、「TDI-Y-007_h28z」として設計される。特定の実施形態では、CARは、以下に提供される配列番号114に記載されるアミノ酸配列を含む。
EVHLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFIFSSNAMSWVRQAPGKGLEWVSAISGYGGNTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAKWGTYIVGATGDYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSALTQPPSASGSPGQSVTISCTGTSNDVGGYNYVSWYQQHPGKAPKLLIYEVSKRPSGVPDRFSGSQSGNTASLTVSGLQAEDEADYYCSSYAGSNNWVFGGGTKLTVLEQKLISEEDLAAAIEVMYPPPYLDNEKSNGTIIHVKGKHLCPSPLFPGPSKPFWVLVVVGGVLACYSLLVTVAFIIFWVRSKRSRLLHSDYMNMTPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRSRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR[配列番号114]
【0255】
配列番号114のアミノ酸配列をコードする例示的なヌクレオチド配列は、以下に提供する配列番号115に記載されている。
GAGGTGCACCTGTTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGGGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCATCTTTAGCAGCAATGCCATGAGCTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGGGACTGGAGTGGGTCTCAGCTATTAGTGGTTATGGTGGTAACACATACTACGCAGACTCCGTGAAGGGCCGGTTCACCATCTCCAGAGACAATTCCAAGAACACGCTATATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACGGCCGTATATTACTGTGCGAAATGGGGGACTTATATAGTGGGAGCTACGGGTGACTACTGGGGCCAGGGAACTCTGGTCACCGTCTCCTCAGGTGGAGGTGGATCAGGTGGAGGTGGATCTGGTGGAGGTGGATCTCAGTCTGCCCTGACTCAGCCTCCCTCCGCGTCCGGGTCTCCTGGACAGTCAGTCACCATCTCCTGCACTGGAACCAGCAATGACGTTGGTGGTTATAACTATGTCTCCTGGTACCAACAGCACCCAGGCAAAGCCCCCAAACTCTTGATTTATGAGGTCAGTAAGCGGCCCTCAGGGGTCCCTGATCGCTTCTCTGGCTCCCAGTCTGGCAACACGGCCTCCCTGACCGTCTCTGGGCTCCAGGCTGAGGATGAGGCTGATTATTACTGCAGCTCATATGCAGGCAGCAACAATTGGGTGTTCGGCGGAGGGACCAAGCTGACCGTCCTAGAACAGAAACTGATCTCTGAAGAAGACCTGGCGGCCGCAATTGAAGTTATGTATCCTCCTCCTTACCTAGACAATGAGAAGAGCAATGGAACCATTATCCATGTGAAAGGGAAACACCTTTGTCCAAGTCCCCTATTTCCCGGACCTTCTAAGCCCTTTTGGGTGCTGGTGGTGGTTGGTGGAGTCCTGGCTTGCTATAGCTTGCTAGTAACAGTGGCCTTTATTATTTTCTGGGTGAGGAGTAAGAGGAGCAGGCTCCTGCACAGTGACTACATGAACATGACTCCCCGCCGCCCCGGGCCCACCCGCAAGCATTACCAGCCCTATGCCCCACCACGCGACTTCGCAGCCTATCGCTCCAGAGTGAAGTTCAGCAGGAGCGCAGACGCCCCCGCGTACCAGCAGGGCCAGAACCAGCTCTATAACGAGCTCAATCTAGGACGAAGAGAGGAGTACGATGTTTTGGACAAGAGACGTGGCCGGGACCCTGAGATGGGGGGAAAGCCGAGAAGGAAGAACCCTCAGGAAGGCCTGTACAATGAACTGCAGAAAGATAAGATGGCGGAGGCCTACAGTGAGATTGGGATGAAAGGCGAGCGCCGGAGGGGCAAGGGGCACGATGGCCTTTACCAGGGTCTCAGTACAGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTTCACATGCAGGCCCTGCCCCCTCGCTAG[配列番号115]
【0256】
特定の実施形態では、CARは、CD33標的化CARである。特定の実施形態では、CARは、(a)(i)配列番号22に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号23に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号24に記載されるアミノ酸配列を含むV CDR3を含むV、並びに(ii)配列番号25に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号26に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号27に記載されるアミノ酸配列を含むV CDR3を含むVを含む、細胞外抗原結合ドメイン、(b)CD28ポリペプチド(例えば、ヒトCD28の膜貫通ドメイン又はその部分)を含む、膜貫通ドメイン、並びに(c)(i)CD3ζポリペプチド、及び(ii)CD28ポリペプチド(例えば、ヒトCD28の細胞内ドメイン又はその断片)を含む共刺激シグナル伝達領域を含む、細胞内シグナル伝達ドメインを含む。特定の実施形態では、膜貫通ドメインは、配列番号103のアミノ酸153~179を含むCD28ポリペプチドを含む。特定の実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、(i)配列番号107に記載されるアミノ酸配列を含むCD3ζポリペプチド、及び(ii)配列番号103のアミノ酸配列セットアミノ酸180~220を含むCD28ポリペプチドを含む共刺激シグナル伝達領域を含む。特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、「1-J19」として指定されるscFvである。特定の実施形態では、V及びVは、配列番号96に記載されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなるリンカーを介して連結される。特定の実施形態では、V及びVは、N末端からC末端に配置される:V-V。特定の実施形態では、CARは、「1J19HL_h28z」として設計される。特定の実施形態では、CARは、以下に提供される配列番号116に記載されるアミノ酸配列を含む。
QVQLQQSGPGLVKPSQTLSLTCAISGDSVSSNSAAWNWIRQSPSRGLEWLGRTYFRSKWYNVYAVSVKSRITINPDTSKNQFSLQLNSVTPEDTAVYYCASEGGSYYDHWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSVSASVGDRVTITCRASQGISNWLTWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQADSFPFTFGPGTKVDIKEQKLISEEDLAAAIEVMYPPPYLDNEKSNGTIIHVKGKHLCPSPLFPGPSKPFWVLVVVGGVLACYSLLVTVAFIIFWVRSKRSRLLHSDYMNMTPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRSRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR[配列番号116]
【0257】
配列番号116のアミノ酸配列をコードする例示的なヌクレオチド配列は、以下に提供する配列番号117に記載されている。
CAGGTACAGCTGCAGCAGTCAGGTCCAGGACTGGTGAAGCCCTCGCAGACCCTCTCACTCACCTGTGCCATCTCCGGGGACAGTGTCTCTAGCAACAGTGCTGCTTGGAACTGGATCAGGCAGTCCCCATCGAGAGGCCTTGAGTGGCTGGGAAGGACATACTTCAGGTCCAAGTGGTATAATGTTTATGCAGTGTCTGTGAAGAGTCGAATAACCATCAACCCAGACACATCCAAGAACCAGTTCTCCCTGCAGCTGAACTCTGTGACTCCCGAGGACACGGCTGTGTATTATTGTGCAAGCGAGGGTGGGAGCTATTATGACCACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGGTGGAGGTGGATCAGGTGGAGGTGGATCTGGTGGAGGTGGATCTGACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCTTCCGTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGTCGGGCGAGTCAGGGTATTAGTAATTGGTTAACCTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTATGCTGCATCCAGTTTGCAAAGTGGGGTCCCATCAAGGTTCAGCGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTGCAGCCTGAAGATTTTGCAACTTACTATTGTCAACAGGCTGACAGTTTCCCATTCACTTTCGGCCCTGGGACCAAAGTGGATATCAAAGAACAGAAACTGATCTCTGAAGAAGACCTGGCGGCCGCAATTGAAGTTATGTATCCTCCTCCTTACCTAGACAATGAGAAGAGCAATGGAACCATTATCCATGTGAAAGGGAAACACCTTTGTCCAAGTCCCCTATTTCCCGGACCTTCTAAGCCCTTTTGGGTGCTGGTGGTGGTTGGTGGAGTCCTGGCTTGCTATAGCTTGCTAGTAACAGTGGCCTTTATTATTTTCTGGGTGAGGAGTAAGAGGAGCAGGCTCCTGCACAGTGACTACATGAACATGACTCCCCGCCGCCCCGGGCCCACCCGCAAGCATTACCAGCCCTATGCCCCACCACGCGACTTCGCAGCCTATCGCTCCAGAGTGAAGTTCAGCAGGAGCGCAGACGCCCCCGCGTACCAGCAGGGCCAGAACCAGCTCTATAACGAGCTCAATCTAGGACGAAGAGAGGAGTACGATGTTTTGGACAAGAGACGTGGCCGGGACCCTGAGATGGGGGGAAAGCCGAGAAGGAAGAACCCTCAGGAAGGCCTGTACAATGAACTGCAGAAAGATAAGATGGCGGAGGCCTACAGTGAGATTGGGATGAAAGGCGAGCGCCGGAGGGGCAAGGGGCACGATGGCCTTTACCAGGGTCTCAGTACAGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTTCACATGCAGGCCCTGCCCCCTCGCTAG[配列番号117]
【0258】
特定の実施形態では、本明細書に開示されるCARは、ヒト細胞においてヌクレオチド配列を発現させるための誘導性プロモーターを更に含む。CAR遺伝子の発現に使用するためのプロモーターは、ユビキチンC(UbiC)プロモーターなどの構成的プロモーターであってもよい。
【0259】
5.3.3.TCR様融合分子
特定の実施形態では、抗原認識受容体は、TCR様融合分子である。TCR融合分子の非限定的な例としては、HLA非依存性TCRベースのキメラ抗原受容体(「HIT-CAR」としても知られており、例えば、その全体が参照により組み込まれる、国際特許出願第PCT/US19/017525に開示されているもの)、T細胞受容体融合構築物(TRuC)(例えば、その全体が参照により組み込まれる、Baeuerle et al.,“Synthetic TRuC receptors engaging the complete T cell receptor for potent anti-tumor response,”Nature Communications volume 10,Article number:2087(2019)に開示されているもの)、及びT細胞抗原カプラー(TAC)(内因性TCRを共選択するキメラ受容体である)(例えば、その全体が参照により組み込まれる、Helsen et al.,“The chimeric TAC receptor co-opts the T cell receptor yielding robust anti-tumor activity without toxicity,”Nature Communications(2018);9:3049(2018)に開示されているもの)が挙げられる。
【0260】
特定の実施形態では、TCR様融合分子は、細胞外抗原結合ドメイン及び定常ドメインを含む抗原結合鎖を含み、TCR様融合分子は、HLA非依存的な方法で抗原に結合する。特定の実施形態では、定常ドメインは、天然又は修飾TRACペプチド、天然又は修飾TRBCペプチド、天然又は修飾TRDCペプチド、天然又は修飾TRGCペプチド、及びそれらの任意のバリアント又は機能的断片からなる群から選択されるT細胞受容体定常領域を含む。特定の実施形態では、定常ドメインは、天然又は修飾TRACペプチドを含む。特定の実施形態では、定常ドメインは、天然又は修飾TRBCペプチドを含む。特定の実施形態では、定常ドメインは、別の定常ドメインとホモ二量体又はヘテロ二量体を形成することができる。特定の実施形態では、抗原結合鎖は、CD3ζポリペプチドと会合することができる。特定の実施形態では、抗原結合鎖は、抗原に結合すると、抗原結合鎖に関連するCD3ζポリペプチドを活性化することができる。特定の実施形態では、CD3ζポリペプチドの活性化は、免疫応答性細胞を活性化することができる。特定の実施形態では、TCR様融合分子は、CD3複合体と組み込み、HLA非依存性抗原認識を提供することができる。特定の実施形態では、TCR様融合分子は、CD3/TCR複合体中の内因性TCRを置き換える。特定の実施形態では、TCR様融合分子の細胞外抗原結合ドメインは、別の細胞外抗原結合ドメインと二量体化することができる。特定の実施形態では、TCR様融合分子の細胞外抗原結合ドメインは、細胞表面受容体に対するリガンド、細胞表面リガンドに対する受容体、抗体若しくはその断片の抗原結合部分、又はTCRの抗原結合部分を含む。特定の実施形態では、TCR様融合分子の細胞外抗原結合ドメインは、1つ又は2つの免疫グロブリン可変領域を含む。特定の実施形態では、TCR様融合分子の細胞外抗原結合ドメインは、抗体の重鎖可変領域(V)を含む。特定の実施形態では、TCR様融合分子の細胞外抗原結合ドメインは、抗体の軽鎖可変領域(V)を含む。特定の実施形態では、TCR様融合分子の細胞外抗原結合ドメインは、別の細胞外抗原結合ドメインと二量体化することができる。特定の実施形態では、TCR様融合分子の細胞外抗原結合ドメインは、抗体のVを含み、Vは、抗体のVを含む別の細胞外抗原結合ドメインと二量体化し、断片可変物(Fv)を形成することができる。特定の実施形態では、TCR様融合分子の細胞外抗原結合ドメインは、抗体のVを含み、Vは、抗体のVを含む別の細胞外抗原結合ドメインと二量体化し、断片可変物(Fv)を形成することができる。
【0261】
5.4.細胞
本明細書に開示される主題は、本明細書に開示されるCD33標的化抗原認識受容体(例えば、セクション5.3に開示されるもの)を含む細胞を提供する。特定の実施形態では、細胞は、リンパ系の細胞、骨髄系の細胞、リンパ系の細胞が由来し得る幹細胞、及び骨髄系の細胞が由来し得る幹細胞からなる群から選択される。特定の実施形態では、細胞は、免疫応答性細胞である。特定の実施形態では、免疫応答性細胞は、リンパ系の細胞である。
【0262】
特定の実施形態では、細胞は、リンパ系の細胞である。リンパ系の細胞は、抗体の産生、細胞免疫系の調節、血液中の外来物質の検出、宿主に対して外来の細胞の検出などを提供することができる。リンパ系の細胞の非限定的な例としては、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、B細胞、樹状細胞、リンパ系細胞が分化し得る幹細胞が挙げられる。特定の実施形態では、幹細胞は、多能性幹細胞(例えば、胚性幹細胞)である。
【0263】
特定の実施形態では、細胞は、T細胞である。T細胞は、胸腺内で成熟し、主に細胞媒介性免疫に関与するリンパ球であり得る。T細胞は、適応免疫系に関与している。本明細書に開示される主題のT細胞は、ヘルパーT細胞、細胞傷害性T細胞、メモリーT細胞(セントラルメモリーT細胞、幹細胞様メモリーT細胞(又は幹様メモリーT細胞)、及び2つの種類のエフェクターメモリーT細胞:例えば、TEM細胞及びTEMRA細胞、制御性T細胞(サプレッサーT細胞としても知られている)、腫瘍浸潤性リンパ球(TIL)、ナチュラルキラーT細胞、粘膜関連インバリアントT細胞、及びγδT細胞を含むが、これらに限定されない、任意の種類のT細胞であり得る。細胞傷害性T細胞(CTL又はキラーT細胞)は、感染した体細胞又は腫瘍細胞の死を誘導することができるTリンパ球のサブセットである。患者自身のT細胞は、抗原認識受容体、例えば、CARの導入を通じて、特定の抗原を標的とするように遺伝子修飾されてもよい。特定の実施形態では、免疫応答性細胞は、T細胞である。T細胞は、CD4 T細胞又はCD8 T細胞であり得る。特定の実施形態では、T細胞は、CD4 T細胞である。特定の実施形態では、T細胞は、CD8 T細胞である。
【0264】
特定の実施形態では、細胞は、NK細胞である。ナチュラルキラー(NK)細胞は、細胞媒介性免疫の一部であり、先天性免疫応答中に作用するリンパ球であり得る。NK細胞は、標的細胞に対する細胞傷害性効果を実施するために、事前の活性化を必要としない。
【0265】
本明細書に開示される主題のヒトリンパ球の種類には、限定されないが、末梢ドナーリンパ球が含まれる。例えば、Sadelain et al.,Nat Rev Cancer(2003);3:35-45(CARを発現するように遺伝子修飾された末梢血ドナーリンパ球を開示している)、Morgan,R.A.,et al.2006 Science 314:126-129(α及びβヘテロ二量体を含む完全長腫瘍抗原認識T細胞受容体複合体を発現するように遺伝子修飾された末梢血ドナーリンパ球を開示している)、Panelli et al.,J Immunol(2000);164:495-504、Panelli et al.,J Immunol(2000);164:4382-4392(腫瘍生検中の腫瘍浸潤リンパ球(TIL)に由来するリンパ球培養物を開示している)、及びDupont et al.,Cancer Res(2005);65:5417-5427、Papanicolaou et al.,Blood(2003);102:2498-2505(人工抗原提示細胞(AAPC)又はパルス樹状細胞を利用する、選択的にインビトロで増殖させた抗原特異的末梢血白血球を開示している)に開示されているもの。
【0266】
細胞(例えば、T細胞)は、自己、非自己(例えば、同種異系)、又は操作された前駆細胞若しくは幹細胞にインビトロで由来することができる。
【0267】
本明細書に開示される主題の細胞は、骨髄系の細胞であり得る。骨髄系の細胞の非限定的な例には、単球、マクロファージ、好中球、樹状細胞、好塩基球、好中球、好酸球、巨核球、マスト細胞、赤血球、血小板、及び骨髄細胞が分化し得る幹細胞が含まれる。特定の実施形態では、幹細胞は、多能性幹細胞(例えば、胚性幹細胞又は誘導多能性幹細胞)である。
【0268】
特定の実施形態では、本明細書に開示される細胞は、腫瘍微小環境を調節することができる。腫瘍は、免疫認識及び除去から自己を保護するための悪性細胞による一連のメカニズムを伴う宿主免疫応答に敵対する微小環境を有する。この「敵対する腫瘍微小環境」は、浸潤制御性CD4T細胞(Treg)、骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)、腫瘍関連マクロファージ(TAM)、TGF-βを含む免疫抑制サイトカイン、及び活性化T細胞(CTLA-4及びPD-1)によって発現された免疫抑制受容体を標的とするリガンドの発現を含む、様々な免疫抑制因子を含む。これらの免疫抑制メカニズムは、寛容の維持及び不適切な免疫応答の抑制において役割を果たすが、腫瘍微小環境内では、これらのメカニズムは、効果的な抗腫瘍免疫応答を妨げる。これらの免疫抑制因子をまとめると、標的腫瘍細胞との遭遇時に、養子移植されたCAR修飾T細胞の顕著なアネルギー又はアポトーシスのいずれかを誘導することができる。
【0269】
特定の実施形態では、細胞に、抗原認識受容体を発現させるように、本明細書に開示されるCD33標的化抗原認識受容体を導入することができる。
【0270】
特定の実施形態では、細胞は、免疫抑制活性又は免疫刺激活性を有するポリペプチドに結合する可溶性単鎖可変断片(scFv)を更に含む。特定の実施形態では、免疫抑制活性は、免疫応答の減少をもたらす細胞(例えば、活性化免疫応答性細胞)におけるシグナル伝達の誘導又はタンパク質発現の変化を指す。結合を介して免疫応答を抑制又は減少させることが知られているポリペプチドとしては、CD47、PD-1、CTLA-4、並びにSIRPa、PD-L1、PD-L2、B7-1、及びB7-2を含む、それらの対応するリガンドが挙げられる。そのようなポリペプチドは、腫瘍微小環境に存在し、腫瘍細胞に対する免疫応答を阻害する。様々な実施形態では、免疫抑制ポリペプチド及び/又はそれらのリガンドの相互作用を阻害、遮断、又は拮抗することは、免疫応答性細胞の免疫応答を増強する。
【0271】
特定の実施形態では、免疫刺激活性は、免疫応答の増加をもたらす細胞(例えば、活性化免疫応答性細胞)におけるシグナル伝達の誘導又はタンパク質発現の変化を指す。免疫刺激活性は、炎症促進活性を含み得る。結合を介して免疫応答を刺激又は増加させることが知られているポリペプチドとしては、CD28、OX-40、4-IBB、並びにB7-1、B7-2、OX-40L、及び4-1BBLを含む、それらの対応するリガンドが挙げられる。そのようなポリペプチドは、腫瘍微小環境に存在し、腫瘍細胞に対する免疫応答を活性化する。様々な実施形態では、炎症誘発性ポリペプチド及び/又はそれらのリガンドを促進、刺激、又はアゴナイズすることは、免疫応答性細胞の免疫応答を増強する。
【0272】
抗原認識受容体(例えば、CAR)及び免疫抑制活性又は免疫刺激活性を有するポリペプチドに結合する可溶性scFvを含む細胞は、国際特許公開第2014/134165号(その全体が参照により組み込まれる)に開示されている。
【0273】
特定の実施形態では、細胞は、外因性CD40Lを更に含む。抗原認識受容体(例えば、CAR)及び外因性CD40Lを含む細胞は、国際特許公開第2014/134165号に開示されている。
【0274】
更に、特定の実施形態では、細胞は、IL-18を発現するように操作される。特定の実施形態では、細胞は、外因性IL-18ポリペプチドを更に含む。特定の実施形態では、外因性IL-18ポリペプチドは、以下に提供される配列番号118に記載されるアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。
MGYRMQLLSCIALSLALVTNSGYFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDCRDNAPRTIFIISMYKDSQPRGMAVTISVKCEKISTLSCENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRSVPGHDNKMQFESSSYEGYFLACEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNED[配列番号118]
【0275】
特定の実施形態では、細胞は、IL-18ポリペプチドをコードする核酸分子を更に含む。特定の実施形態では、核酸分子は、以下に提供される配列番号119に記載されるヌクレオチド配列を含む。
ATGGGTTACAGGATGCAACTCCTGTCTTGCATTGCACTAAGTCTTGCACTTGTCACAAACAGTGGCTACTTTGGCAAGCTTGAATCTAAATTATCAGTCATAAGAAATTTGAATGACCAAGTTCTCTTCATTGACCAAGGAAATCGGCCTCTATTTGAAGATATGACTGATTCTGACTGTAGAGATAATGCACCCCGGACCATATTTATTATAAGTATGTATAAAGATAGCCAGCCTAGAGGTATGGCTGTAACTATCTCTGTGAAGTGTGAGAAAATTTCAACTCTCTCCTGTGAGAACAAAATTATTTCCTTTAAGGAAATGAATCCTCCTGATAACATCAAGGATACAAAAAGTGACATCATATTCTTTCAGAGAAGTGTCCCAGGACATGATAATAAGATGCAATTTGAATCTTCATCATACGAAGGATACTTTCTAGCTTGTGAAAAAGAGAGAGACCTTTTTAAACTCATTTTGAAAAAAGAGGATGAATTGGGGGATAGATCTATAATGTTCACTGTTCAAAACGAAGACTAG[配列番号119]
【0276】
代替的に、特定の実施形態では、細胞は、IL-18遺伝子座に、IL-18遺伝子発現を増加させることができる修飾プロモーター/エンハンサーを更に含み、例えば、構成的又は誘導的プロモーターを配置して、IL-18遺伝子発現を駆動する。
【0277】
抗原認識受容体(例えば、CAR)を含み、例えば、IL-18遺伝子座における外因性IL-18ポリペプチド又は修飾プロモーター/エンハンサーを含む、IL-18を発現するように操作された細胞は、国際特許公開第2018/027155号(その全体が参照により組み込まれる)に開示されている。
【0278】
追加的又は代替的に、細胞は、IL-33を発現するように操作される。特定の実施形態では、細胞は、外因性IL-33ポリペプチドを更に含む。特定の実施形態では、外因性IL-33ポリペプチドは、以下に提供される配列番号120に記載されるアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。
MYRMQLLSCIALSLALVTNSSITGISPITEYLASLSTYNDQSITFALEDESYEIYVEDLKKDEKKDKVLLSYYESQHPSNESGDGVDGKMLMVTLSPTKDFWLHANNKEHSVELHKCEKPLPDQAFFVLHNMHSNCVSFECKTDPGVFIGVKDNHLALIKVDSSENLCTENILFKLSET[配列番号120]
【0279】
特定の実施形態では、細胞は、IL-33ポリペプチドをコードする核酸分子を更に含む。特定の実施形態では、核酸分子は、以下に提供される配列番号121に記載されるヌクレオチド配列を含む。
ATGTACAGGATGCAACTCCTGTCTTGCATTGCACTAAGTCTTGCACTTGTCACAAACAGTAGTATCACAGGAATTTCACCTATTACAGAGTATCTTGCTTCTCTAAGCACATACAATGATCAATCCATTACTTTTGCTTTGGAGGATGAAAGTTATGAGATATATGTTGAAGACTTGAAAAAAGATGAAAAGAAAGATAAGGTGTTACTGAGTTACTATGAGTCTCAACACCCCTCAAATGAATCAGGTGACGGTGTTGATGGTAAGATGTTAATGGTAACCCTGAGTCCTACAAAAGACTTCTGGTTGCATGCCAACAACAAGGAACACTCTGTGGAGCTCCATAAGTGTGAAAAACCACTGCCAGACCAGGCCTTCTTTGTCCTTCATAATATGCACTCCAACTGTGTTTCATTTGAATGCAAGACTGATCCTGGAGTGTTTATAGGTGTAAAGGATAATCATCTTGCTCTGATTAAAGTAGACTCTTCTGAGAATTTGTGTACTGAAAATATCTTGTTTAAGCTCTCTGAAACTTAG[配列番号121]
【0280】
代替的に、特定の実施形態では、細胞は、IL-33遺伝子座に、IL-33遺伝子発現を増加させることができる修飾プロモーター/エンハンサーを更に含み、例えば、構成的又は誘導的プロモーターを配置して、IL-33遺伝子発現を駆動する。抗原認識受容体(例えば、CAR)を含み、例えば、IL-33遺伝子座における外因性IL-33ポリペプチド又は修飾プロモーター/エンハンサーを含む、IL-33を発現するように操作された細胞は、国際特許公開第2019/099479号(その全体が参照により組み込まれる)に開示されている。
【0281】
追加的又は代替的に、細胞は、IL-36を発現するように操作される。特定の実施形態では、細胞は、外因性IL-36ポリペプチドを更に含む。特定の実施形態では、細胞は、IL-36遺伝子座に、IL-36遺伝子発現を増加させることができる修飾プロモーター/エンハンサーを更に含み、例えば、構成的又は誘導的プロモーターを配置して、IL-36遺伝子発現を駆動する。抗原認識受容体(例えば、CAR)を含み、例えば、IL-36遺伝子座における外因性IL-36ポリペプチド又は修飾プロモーター/エンハンサーを含む、IL-36を発現するように操作された細胞は、国際特許公開第2019/099483号(その全体が参照により組み込まれる)に開示されている。
【0282】
5.5.核酸組成物及びベクター
本明細書に開示される主題は、本明細書に開示されるCD33標的化抗原認識受容体(例えば、セクション5.3に開示されるもの)をコードする核酸を提供する。本明細書に開示される核酸を含む核酸組成物が更に提供される。また、かかる核酸組成物を含む細胞も提供される。
【0283】
特定の実施形態では、核酸組成物は、本明細書に開示されるCD33標的化抗原認識受容体に作動可能に連結されたプロモーターを更に含む。
【0284】
特定の実施形態では、プロモーターは、内因性又は外因性である。特定の実施形態では、外因性プロモーターは、伸長因子(EF)-1プロモーター、サイトメガロウイルス最初期プロモーター(CMV)プロモーター、シミアンウイルス40早期プロモーター(SV40)プロモーター、ホスホグリセレートキナーゼ(PGK)プロモーター、及びメタロチオネインプロモーターから選択される。特定の実施形態では、プロモーターは、誘導性プロモーターである。特定の実施形態では、誘導性プロモーターは、NFAT転写応答エレメント(TRE)プロモーター、CD69プロモーター、CD25プロモーター、及びIL-2プロモーターから選択される。組成物及び核酸組成物は、当該技術分野で既知の方法によって、又は本明細書に記載されるように、対象に投与され得る、かつ/又は細胞に送達され得る。細胞(例えば、T細胞又はNK細胞)の遺伝子修飾は、組換えDNA構築物を用いて実質的に均質な細胞組成物を形質導入することによって達成することができる。特定の実施形態では、レトロウイルスベクター(例えば、ガンマ-レトロウイルスベクター又はレンチウイルスベクター)は、細胞へのDNA構築物の導入に用いられる。例えば、抗原認識受容体をコードするポリヌクレオチドを、レトロウイルスベクターにクローニングすることができ、発現を、その内因性プロモーター、レトロウイルス長末端反復、又は対象の標的細胞型に特異的なプロモーターから駆動することができる。非ウイルスベクターも同様に使用され得る。
【0285】
本明細書に開示されるCD33標的化抗原認識受容体(例えば、CAR)を含むための細胞の初期遺伝子修飾のために、レトロウイルスベクターを形質導入のために使用することができるが、任意の他の好適なウイルスベクター又は非ウイルス送達系を使用することができる。抗原認識受容体は、単一のマルチシストロン性発現カセット内、単一のベクターの複数の発現カセット内、又は複数のベクター内に構築され得る。ポリシストロン性発現カセットを作製するエレメントの例としては、限定されないが、様々なウイルス及び非ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES、例えば、FGF-1 IRES、FGF-2 IRES、VEGF IRES、IGF-II IRES、NF-κB IRES、RUNX1 IRES、p53 IRES、A型肝炎IRES、C型肝炎IRES、ペスチウイルスIRES、アフトウイルスIRES、ピコルナウイルスIRES、ポリオウイルスIRES及び脳心筋炎ウイルスIRES)、並びに切断可能なリンカー(例えば、2Aペプチド、例えば、P2A、T2A、E2A及びF2Aペプチド)が挙げられる。レトロウイルスベクターと適切なパッケージング株との組み合わせも好適であり、カプシドタンパク質はヒト細胞に感染するために機能するであろう。PA12(Miller et al.,(1985)Mol Cell Biol (1985);5:431-437)、PA317(Miller.,et al.,Mol Cell Biol(1986);6:2895-2902)、及びCRIP(Danos et al.,Proc Natl Acad Sci USA(1988);85:6460-6464)を含む、様々な両種性ウイルス産生細胞株が知られている。非両種性粒子、例えば、VSVG、RD114又はGALVエンベロープ及び当該技術分野で既知の任意の他のもので偽型化された粒子も好適である。
【0286】
形質導入の可能な方法としてはまた、細胞とプロデューサー細胞との直接共培養(Bregni et al.,Blood(1992);80:1418-1422)、あるいはウイルス上清単独又は適切な成長因子及びポリカチオンを有する若しくは有しない濃縮ベクターストックとの培養(Xu et al.,Exp Hemat(1994);22:223-230、及びHughes et al.J Clin Invest(1992);89:1817)が挙げられる。
【0287】
他の形質導入ウイルスベクターを使用して、細胞を修飾することができる。特定の実施形態では、選択されたベクターは、高い感染効率及び安定した組み込み及び発現を示す(例えば、Cayouette et al.,Human Gene Therapy 8:423-430,1997、Kido et al.,Current Eye Research 15:833-844,1996、Bloomer et al.,Journal of Virology 71:6641-6649,1997、Naldini et al.,Science 272:263-267,1996、及びMiyoshi et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.94:10319,1997を参照されたい)。使用することができる他のウイルスベクターとしては、例えば、アデノウイルス、レンチウイルス、及びアデナ関連ウイルスベクター、ワクシニアウイルス、ウシパピローマウイルス、又はエプスタインバーウイルスなどのヘルペスウイルスが挙げられる(例えば、Miller,Human Gene Thera(1990);15-14、Friedman,Science 244:1275-1281,1989、Eglitis et al.,BioTechniques(1988);6:608-614、Tolstoshev et al.,Cur Opin Biotechnol(1990);1:55-61、Sharp,The Lancet(1991);337:1277-78、Cornetta et al.,Nucleic Acid Research and Molecular Biology 36:311-22,1987、Anderson,Science(1984);226:401-409、Moen,Blood Cells 17:407-16,1991、Miller et al.,Biotechnol(1989);7:980-90、LeGal La Salle et al.,Science(1993);259:988-90、及びJohnson,Chest(1995)107:77S-83Sのベクターも参照されたい)。レトロウイルスベクターは、特に十分に開発されており、臨床環境で使用されている(Rosenberg et al.,N Engl J Med(1990);323:370,1990、Anderson et al.、米国特許第5,399,346号)。
【0288】
非ウイルスアプローチはまた、細胞の遺伝子修飾のために用いることができる。例えば、核酸分子は、リポフェクションの存在下で核酸を投与することによって(Feigner et al.,Proc Natl Acad Sci U.S.A.(1987);84:7413、Ono et al.,Neurosci Lett(1990);17:259、Brigham et al.,Am J Med Sci(1989);298:278、Staubinger et al.,Methods in Enzymol(1983);101:512,Wu et al.,J Biol Chem(1988);263:14621、Wu et al.,J Biol Chem(1989);264:16985)、又は外科的条件下での微量注射によって(Wolff et al.,Science(1990);247:1465)、細胞内に導入され得る。遺伝子導入のための他の非ウイルス手段には、リン酸カルシウム、DEAEデキストラン、エレクトロポレーション、及びプロトプラスト融合を使用したインビトロでのトランスフェクションが含まれる。リポソームはまた、DNAの細胞内への送達に潜在的に有益であり得る。正常な遺伝子の対象の罹患組織内への移植は、正常な核酸をエクスビボで培養可能な細胞型(例えば、自己若しくは異種の一次細胞又はその子孫)に移入することによっても達成され得、その後、細胞(又はその子孫)が標的組織内に注射されるか、又は全身的に注射される。組換え受容体は、トランスポザーゼ又は標的化ヌクレアーゼ(例えば、亜鉛フィンガーヌクレアーゼ、メガヌクレアーゼ、又はTALEヌクレアーゼ、CRISPR)を使用して誘導又は取得することもできる。一過性発現は、RNAエレクトロポレーションによって得られ得る。
【0289】
任意の標的ゲノム編集方法を使用して、本明細書に開示される抗原認識受容体を細胞又は対象に送達することもできる。特定の実施形態では、CRISPRシステムは、本明細書に開示される、本明細書に開示される抗原認識受容体を送達するために使用される。特定の実施形態では、亜鉛フィンガーヌクレアーゼは、抗原認識受容体を送達するために使用される。特定の実施形態では、TALENシステムは、本明細書に開示される抗原認識受容体を送達するために使用される。
【0290】
クラスター化して規則的な配置の短い回文配列リピート(CRISPR)システムは、原核細胞において発見されたゲノム編集ツールである。ゲノム編集に利用される場合、このシステムは、Cas9(そのガイドとしてcrRNAを利用してDNAを修飾することができるタンパク質)、CRISPR RNA(crRNAは、Cas9と活性複合体を形成するtracrRNA(一般的に、ヘアピンループ形態である)に結合する領域とともに、それを宿主DNAの正しい部分に誘導するためにCas9によって使用されるRNAを含有する)、トランス活性化crRNA(tracrRNAは、crRNAに結合し、Cas9と活性複合体を形成する)、及びDNA修復鋳型の任意選択の部分(特定のDNA配列の挿入を可能にする細胞修復プロセスを誘導するDNA)を含む。CRISPR/Cas9は、多くの場合、標的細胞をトランスフェクトするためにプラスミドを用いる。crRNAは、Cas9が細胞における標的DNAを特定し、それに直接結合するために使用する配列であるため、各用途のために設計される必要がある。CAR発現カセットを保有する修復鋳型はまた、それが、切断のいずれかの側の配列と重複し、挿入配列をコードしなければならないため、各用途に合わせて設計する必要がある。複数のcrRNA及びtracrRNAを一緒にパッケージ化して、単一ガイドRNA(sgRNA)を形成することができる。このsgRNAは、Cas9遺伝子と一緒に連結され、細胞にトランスフェクトされるためにプラスミドに作製され得る。
【0291】
亜鉛フィンガーヌクレアーゼ(ZFN)は、亜鉛フィンガーDNA結合ドメインをDNA開裂ドメインと組み合わせることによって生成される人工制限酵素である。亜鉛フィンガードメインは、特定のDNA配列を標的とするように操作することができ、これにより、亜鉛フィンガーヌクレアーゼはゲノム内の所望の配列を標的とすることができる。個々のZFNのDNA結合ドメインは、典型的には、複数の個々の亜鉛フィンガー反復を含有し、各々が複数の塩基対を認識することができる。新しい亜鉛フィンガードメインを生成する最も一般的な方法は、既知の特異性のより小さい亜鉛フィンガー「モジュール」を組み合わせることである。ZFNにおける最も一般的な切断ドメインは、II型制限エンドヌクレアーゼFokIからの非特異的切断ドメインである。内因性相同組換え(HR)機構及びCAR発現カセットを保有する相同DNA鋳型を使用して、ZFNを使用して、CAR発現カセットをゲノム内に挿入することができる。標的化配列がZFNによって切断されると、HR機構は、損傷した染色体と相同DNA鋳型との間の相同性を探索し、次いで、染色体の2つの壊れた末端間の鋳型の配列をコピーし、それによって相同DNA鋳型がゲノム内に組み込まれる。
【0292】
転写活性化因子様エフェクタヌクレアーゼ(TALEN)は、DNAの特定の配列を切断するように操作することができる制限酵素である。TALENシステムは、ZFNとほぼ同じ原理で作用する。これらは、転写活性化因子様エフェクターDNA結合ドメインをDNA切断ドメインと組み合わせることによって生成される。転写活性化因子様エフェクター(TALE)は、特定のヌクレオチドに対する強い認識を有する2つの可変位置を有する33~34個のアミノ酸反復モチーフで構成される。これらのTALEのアレイを組み立てることによって、TALE DNA結合ドメインは、所望のDNA配列に結合し、それによってヌクレアーゼをゲノム内の特定の位置で切断するよう誘導するように操作され得る。ポリヌクレオチド療法の方法で使用するためのcDNA発現は、任意の好適なプロモーター(例えば、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)、シミアンウイルス40(SV40)、又はメタロチオネインプロモーター)から誘導され、任意の適切な哺乳動物調節要素又はイントロン(例えば、伸長因子1aエンハンサー/プロモーター/イントロン構造)によって調節され得る。例えば、必要に応じて、特定の細胞型における遺伝子発現を優先的に指示することが知られているエンハンサーを使用して、核酸の発現を指示することができる。使用されるエンハンサーは、限定されないが、組織又は細胞特異的エンハンサーとして特徴付けられるものを含むことができる。代替的に、ゲノムクローンが治療用構築物として使用される場合、調節は、同族の調節配列によって、又は必要に応じて、上述のプロモーター若しくは調節エレメントのうちのいずれかを含む、異種源に由来する調節配列によって媒介され得る。
【0293】
5.5.1 ゲノム編集剤/システムを送達するための送達方法の方法は、必要に応じて変化し得る。特定の実施形態では、選択されたゲノム編集方法の成分は、1つ以上のプラスミド中のDNA構築物として送達される。特定の実施形態では、成分は、ウイルスベクターを介して送達される。一般的な送達方法としては、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、遺伝子銃、インパレフェクション、静水圧、連続注入、超音波処理、磁気結合、アデノ関連ウイルス、ウイルスベクターのエンベロープタンパク質偽型、複製能ベクターシス及びトランス作用エレメント、単純ヘルペスウイルス、及び化学ビヒクル(例えば、オリゴヌクレオチド、リポプレックス、ポリマーソーム、ポリプレックス、デンドリマー、無機ナノ粒子、並びに細胞透過性ペプチド)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0294】
特定の実施形態では、送達方法は、コロイドの使用を含む。本明細書で使用される場合、用語「コロイド」は、1つの相(例えば、分散相)が他の相(例えば、連続相)に分布する、2つ以上の相が存在する系を指す。更に、位相のうちの少なくとも1つは、小さい寸法(約10-9~約10-6mの範囲内)を有する。本明細書に開示される主題に包含されるコロイドの非限定的な例としては、巨大分子複合体、ナノカプセル、微粒子、ビーズ、及び脂質ベースの系(例えば、ミセル、リポソーム、及び脂質ナノ粒子)が挙げられる。
【0295】
特定の実施形態では、送達方法は、リポソームの使用を含む。本明細書で使用される場合、「リポソーム」という用語は、有機溶媒中に溶解され、次いで水性媒体中に分散された脂質から生成された単層又は多層の球状脂質二重層構造を指す。活性薬学的成分(例えば、本明細書に開示される核酸組成物)を細胞に送達するために実験的及び治療的に使用され、リポソームは細胞膜と融合するため、内容物は細胞質に移される。
【0296】
特定の実施形態では、送達方法は、脂質ナノ粒子の使用を含む。本明細書で使用される場合、「脂質ナノ粒子」という用語は、ナノメートルのオーダー(例えば、約1nm~約1,000nm)の少なくとも1つの寸法を有し、少なくとも1つの脂質を含む粒子を指す。特定の実施形態では、脂質ナノ粒子は、細胞に送達するための活性薬学的成分(例えば、本明細書に開示される核酸組成物)を含むことができる。脂質ナノ粒子の形態は、リポソームとは異なり得る。リポソームは、親水性コアを取り囲む脂質二重層によって特徴付けられるが、脂質ナノ粒子は、カチオン性脂質及び/又はイオン化可能な脂質が活性薬学的成分(例えば、本明細書に開示される核酸組成物)の周りの反転ミセルに編成される、電子密度の高いコアを有する。脂質ナノ粒子及びリポソームの形態及び特性に関する更なる情報は、Wilczewska,et al.,Pharmacological reports 64,no.5(2012):1020-1037、Eygeris et al.,Accounts of Chemical Research 55,no.1(2021):2-12、Zhang et al.,Chemical Reviews 121,no.20(2021):12181-12277、及びFan et al.,Journal of pharmaceutical and biomedical analysis 192(2021):113642に見出すことができる。
【0297】
特定の実施形態では、脂質ナノ粒子は、約30nm~約150nm、約40nm~約150nm、約50nm~約150nm、約60nm~約130nm、約70nm~約110nm、約70nm~約100nm、約80nm~約100nm、約90nm~約100nm、約70~約90nm、約80nm~約90nm、約70nm~約80nm、又は約30nm、35nm、40nm、45nm、50nm、55nm、60nm、65nm、70nm、75nm、80nm、85nm、90nm、95nm、100nm、105nm、110nm、115nm、120nm、125nm、130nm、135nm、140nm、145nm、又は150nmの平均直径を有する。
【0298】
特定の実施形態では、脂質ナノ粒子は、カチオン性脂質又はイオン化可能な脂質を含むことができる。「カチオン性脂質」という用語は、恒久的な正電荷を有する頭部基を含む脂質を指す。本明細書に開示される主題に包含されるカチオン性脂質の非限定的な例としては、1,2-ジ-O-オクタデセニル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン(DOTMA)、1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン(DOTAP)、2,3-ジオレイルオキシ-N-[2-(スペルミンカルボキサミド)エチル]-N,N-ジメチル-1-プロパンアミニウムトリフルオロアセテート(DOSPA)、及びエチルホスファチジルコリン(ePC)が挙げられる。
【0299】
本明細書で使用される場合、「イオン化可能脂質」という用語は、低pHでプロトン化され、生理学的pHで中性である脂質を指す。イオン化可能な脂質のpH感受性は、中性脂質が血液細胞のアニオン性膜との相互作用が少なく、したがって、脂質ナノ粒子の生体適合性が改善されるため、インビボでの送達(例えば、本明細書に開示される核酸組成物の送達)に特に有益である。エンドソームに捕捉されると、イオン化可能な脂質はプロトン化され、膜の不安定化を促進して、ナノ粒子のエンドソーム脱出を可能にする。本明細書で開示される主題に包含されるイオン化可能な脂質の非限定的な例としては、テトラキス(8-メチルノニル)3,3’,3’’,3’’’-(((メチルアザンジイル)ビス(プロパン-3,1ジイル))ビス(アザントリイル))テトラプロピオネート、デシル(2-(ジオクチルアンモニオ)エチル)ホスフェート、((4-ヒドロキシブチル)アザンジイル)ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカノエート)、ビス(2-(ドデシルジスルファニル)エチル)3,3’-((3-メチル-9-オキソ-10-オキサ-13,14-ジチア-3,6-ジアザヘキサコシル)アザンジイル)ジプロピオネート、1,1’-((2-(4-(2-((2-(ビス(2-ヒドロキシドデシル)アミノ)エチル)(2-ヒドロキシドデシル)アミノ)エチル)ピペラジン-1-イル)エチル)アザンジイル)ビス(ドデカン-2-オール)、cKK-E12、3,6-ビス(4-(ビス(2-ヒドロキシドデシル)アミノ)ブチル)ピペラジン-2,5-ジオン、(6Z,9Z,28Z,31Z)-ヘプタトリアコンタ-6,9,28,31-テトラエン-19-イル4-(ジメチルアミノ)ブタノアート、ヘキサ(オクタン-3-イル)9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’-((((ベンゼン-1,3,5-トリカルボニル)イリス(アザンジイル))トリス(プロパン-3,1-ジイル))トリス(アザントリイル))ヘキサノナノエート、ヘプタデカン-9-イル8-((2-ヒドロキシエチル)(6-オキソ-6-(ウンデシルオキシ)ヘキシル)アミノ)オクタノエート、及び(((3,6-ジオキソピペラジン-2,5-ジイル)ビス(ブタン-4,1-ジイル)ビス(アザントリイル))テトラキス(エタン-2,1-ジイル)(9Z,9’Z,9’’Z,9’’’Z,12Z,12’Z,12’’Z,12’’’Z)-テトラキス(オクタデカ-9,12-ジエノエート)が挙げられる。
【0300】
追加的に、特定の実施形態では、脂質ナノ粒子は、他の脂質を含むことができる。例えば、限定されないが、本明細書に開示される主題の脂質ナノ粒子は、リン脂質、コレステロール、ポリエチレングリコール(PEG)官能性脂質(PEG-脂質)を含むことができる。これらの脂質は、脂質ナノ粒子の特定の特性(例えば、安定性、生体内分布など)を改善することができる。例えば、コレステロールは、完全性及び剛性を調節することによって、脂質ナノ粒子の安定性を増強する。脂質ナノ粒子中に存在する他の脂質の非限定的な例としては、コレステロール、DC-コレステロール、β-シトステロール、BHEM-コレステロール、ALC-0159、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、パルミトイルオレオイル-ホスファチジルエタノールアミン(POPE)、及びジオレオイル-ホスファチジルエタノールアミン4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボキシレート(DOPE-mal)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジミリストイルホスホエタノールアミン(DMPE)、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)、16-O-モノメチルPE、16-O-ジメチルPE、18-1-トランスPE、1-ステアリオイル-2-オレオイル-ホスファチジエタノールアミン(SOPE)、並びにl,2-ジエライドイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(transDOPE)が挙げられる。
【0301】
特定の実施形態では、脂質ナノ粒子は、リガンドに結合する標的化部分を含むことができる。標的化部分の使用は、活性薬学的成分(例えば、本明細書に開示される核酸組成物)の、リガンドを発現する標的細胞(例えば、T細胞)への選択的送達を可能にする。特定の実施形態では、標的化部分は、細胞表面受容体に結合する抗体又はその抗原結合断片であり得る。例えば、限定されないが、標的化ドメインは、T細胞(例えば、CD3、CD4、CD8、CD16、CD40L、CD95、FasL、CTLA-4、OX40、GITR、LAG3、ICOS、及びPD-1)の表面上に発現される受容体に結合する抗体又はその抗原結合断片である。
【0302】
特定の実施形態では、送達方法は、インビボ送達方法である。特定の実施形態では、送達方法は、エクスビボ送達方法である。
【0303】
5.6.ポリペプチド
本明細書に開示される主題は、配列における変化を産生することによって、アミノ酸配列又はヌクレオチド配列を最適化するための方法を提供する。そのような変化は、特定の変異、欠失、挿入、又は翻訳後修飾を含み得る。本明細書に開示される主題は、本明細書に開示される任意の天然に存在するポリペプチド(限定されないが、CD33、CD8、CD28、4-1BB、及びCD3ζを含む)の類似体を更に含む。類似体は、アミノ酸配列の違い、翻訳後修飾、又は両方によって、本明細書に開示される天然に存在するポリペプチドとは異なり得る。類似体は、本明細書に開示される主題の天然に存在するアミノ酸配列の全部又は一部と少なくとも約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又はそれ以上の相同性又は同一性を示すことができる。配列比較の長さは、少なくとも5個、10個、15個、若しくは20個のアミノ酸残基、例えば、少なくとも25個、50個、若しくは75個のアミノ酸残基、又は100個を超えるアミノ酸残基である。再度、同一性の程度を決定するための例示的なアプローチでは、BLASTプログラムが使用されてもよく、e-3~e-100の確率スコアは、密接に関連する配列を示している。修飾は、ポリペプチドのインビボ及びインビトロの化学的誘導体化、例えば、アセチル化、カルボキシル化、リン酸化、又はグリコシル化を含み、このような修飾は、ポリペプチドの合成中、処理中、又は単離された修飾酵素による処理の後に生じ得る。類似体はまた、一次配列の変化によって、天然に存在するポリペプチドとは異なり得る。これらには、天然及び誘導の両方の遺伝子バリアントが含まれる(例えば、Sambrook,Fritsch and Maniatis,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2d ed.),CSH Press,1989、又はAusubel et al.、上記に記載されているように、放射線照射若しくはエタンメチルスルファートへの曝露によるランダム変異誘発、又は部位特異的変異誘発によって生じる)。L-アミノ酸以外の残基、例えば、D-アミノ酸、又は天然に存在しない若しくは合成アミノ酸、例えば、β又はγアミノ酸を含有する環化ペプチド、分子、及び類似体も含まれる。
【0304】
完全長ポリペプチドに加えて、本明細書に開示される主題はまた、本明細書に開示されるポリペプチドのうちのいずれかの断片を提供する。本明細書で使用される場合、「断片」という用語は、少なくとも5、10、13、又は15個のアミノ酸を意味する。特定の実施形態では、断片は、少なくとも20個の連続アミノ酸、少なくとも30個の連続アミノ酸、又は少なくとも50個の連続アミノ酸を含む。特定の実施形態では、断片は、少なくとも60~80個、100個、200個、300個、又はそれ以上の連続アミノ酸を含む。断片は、当業者に既知の方法によって生成され得るか、又は通常のタンパク質処理(例えば、生物学的活性に必要とされない新生ポリペプチドからのアミノ酸の除去、又は代替のmRNAスプライシング若しくは代替のタンパク質処理事象によるアミノ酸の除去)から生じ得る。
【0305】
5.7.製剤及び投与
本明細書に開示される主題は、本明細書に開示される細胞を含む組成物を提供する。特定の実施形態では、組成物は、薬学的に許容される担体を更に含む医薬組成物である。本明細書に開示される細胞を含む組成物は、滅菌液体調製物、例えば、等張水溶液、懸濁液、エマルション、分散液、又は粘性組成物として便利に提供することができ、これらは、選択されたpHに緩衝化されてもよい。液体調製物は、通常、ゲル、他の粘性組成物、及び固体組成物よりも調製が容易である。追加的に、液体組成物は、特に注射によって投与することがいくらかより便利である。一方、粘性組成物は、特定の組織とのより長い接触期間を提供するために、適切な粘度範囲内で製剤化することができる。液体又は粘性組成物は、担体を含むことができ、担体は、例えば、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、及びそれらの好適な混合物を含む、溶媒又は分散媒体であり得る。
【0306】
滅菌注射可能溶液は、必要な量の適切な溶媒に、必要に応じて様々な量の他の成分とともに遺伝子修飾された細胞を組み込むことによって調製することができる。そのような組成物は、滅菌水、生理食塩水、グルコース、デキストロースなどの好適な担体、希釈剤、又は賦形剤との混合物中にあってもよい。組成物を凍結乾燥することもできる。組成物は、投与経路及び所望の調製物に応じて、湿潤剤、分散剤、又は乳化剤(例えば、メチルセルロース)、pH緩衝剤、ゲル化剤若しくは粘度増強添加剤、防腐剤、香料剤、色素などの補助物質を含有することができる。“REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCE”,17th edition,1985(参照により本明細書に組み込まれる)などの標準的なテキストを、過度の実験なしに好適な調製物を調製するために参照してもよい。
【0307】
抗菌防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、及び緩衝剤を含む、組成物の安定性及び無菌性を向上させる様々な添加剤を添加することができる。微生物の活動の予防は、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などの様々な抗菌剤及び抗真菌剤によって確実にすることができる。注射可能な薬学的形態の吸収の延長は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンの使用によってもたらされ得る。しかしながら、本明細書に開示される主題によれば、使用される任意のビヒクル、希釈剤、又は添加剤は、遺伝子修飾細胞と適合性でなければならない。
【0308】
組成物は、等張であることができ、すなわち、それらは、血液及び涙液と同じ浸透圧を有することができる。組成物の所望の等張性は、塩化ナトリウム、あるいはデキストロース、ホウ酸、酒石酸ナトリウム、プロピレングリコール、又は他の無機若しくは有機溶質などの他の薬学的に許容される薬剤を使用して達成され得る。塩化ナトリウムは、特にナトリウムイオンを含有する緩衝液のためであり得る。
【0309】
組成物の粘度は、所望の場合、薬学的に許容される増粘剤を使用して、選択されたレベルで維持することができる。例えば、メチルセルロースは、容易かつ経済的に入手可能であり、取り扱いが容易である。他の好適な増粘剤としては、例えば、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボマーなどが挙げられる。増粘剤の濃度は、選択された薬剤に依存し得る。重要な点は、選択した粘度を達成する量を使用することである。明らかに、好適な担体及び他の添加剤の選択は、正確な投与経路及び特定の剤形、例えば、液体剤形の性質(例えば、組成物が溶液、懸濁液、ゲル又は時間放出形態若しくは液体充填形態などの別の液体形態に製剤化されるかどうか)に依存する。
【0310】
本明細書に開示される細胞を含む組成物は、疾患又は障害を治療又は改善するために、対象に全身的に又は直接的に提供することができる。特定の実施形態では、本明細書に開示される細胞又はそれを含む組成物は、目的の臓器(例えば、腫瘍に罹患した臓器)に直接注射される。代替的に、本明細書に開示される細胞又はそれを含む組成物は、例えば、循環系(例えば、腫瘍血管系)への投与によって、目的の臓器に間接的に提供される。増殖剤及び分化剤は、インビトロ又はインビボで細胞(例えば、T細胞又はNK細胞)の産生を増加させるために、細胞又は組成物の投与前、投与中又は投与後に提供することができる。
【0311】
本明細書に開示される細胞は、任意の生理学的に許容されるビヒクルにおいて、通常は血管内に投与され得るが、それらはまた、骨又は他の好都合な部位に導入され得、そこで細胞は、再生及び分化のための適切な部位(例えば、胸腺)を見出すことができる。
【0312】
投与される細胞の量は、治療されている対象によって異なり得る。特定の実施形態では、約10~約1010、約10~約10、約10~約10、約10~約10、又は約10~約10の本明細書に開示される細胞が対象に投与される。より効果的な細胞は、更に少ない数で投与され得る。通常、少なくとも約l×l0個の細胞が投与され、最終的に約l×l010個又はそれ以上に達する。特定の実施形態では、少なくとも約1×10、5×10、1×10、約5×10、約1×10、約5×10、約1×10、又は約5×10個の本明細書に開示される細胞が対象に投与される。特定の実施形態では、約1×10個の本明細書に開示される細胞が対象に投与される。有効用量とみなされるものの正確な決定は、特定の対象の大きさ、年齢、性別、体重、及び状態を含む、各対象に対する個々の要因に基づいてもよい。投薬量は、本開示及び当該技術分野の知識から当業者によって容易に確認され得る。
【0313】
本明細書に開示される細胞は、精製された細胞集団を含み得る。当業者は、蛍光活性化細胞選別(FACS)などの様々な周知の方法を使用して、集団における本明細書に開示された細胞のパーセンテージを容易に決定することができる。本明細書に開示される免疫応答性細胞を含む集団における純度の好適な範囲は、約50%~約55%、約5%~約60%、及び約65%~約70%である。特定の実施形態では、純度は、約70%~約75%、約75%~約80%、又は約80%~約85%である。特定の実施形態では、純度は、約85%~約90%、約90%~約95%、及び約95%~約100%である。投与量は、当業者によって容易に調整することができる(例えば、純度を減少させるには、投薬量を増加させることが必要であり得る)。細胞は、注射、カテーテルなどによって導入され得る。
【0314】
当業者は、組成物中の細胞及び任意選択の添加剤、ビヒクル、及び/又は担体の量を容易に決定し、方法で投与されることができる。典型的には、任意の添加剤(活性細胞(複数可)及び/又は薬剤(複数可)に加えて)は、リン酸緩衝生理食塩水溶液中に0.001~50%(重量)溶液の量で存在し、有効成分は、約0.0001~約5重量%、約0.0001~約1重量%、約0.0001~約0.05重量%、又は約0.001~約20重量%、約0.01~約10重量%、又は約0.05~約5重量%などのマイクログラムからミリグラムのオーダーで存在する。動物又はヒトに投与される任意の組成物について、以下を決定することができる:好適な動物モデル、例えば、マウスなどのげっ歯類における致死量(LD)及びLD50を決定することによるような毒性、好適な応答を誘発する組成物(複数可)の投与量、その中の成分の濃度、及び組成物(複数可)の投与のタイミング。そのような決定は、当業者の知識、本開示、及び本明細書で引用される文書からの過度の実験を必要としない。また、連続投与の時間は、過度の実験をすることなく確認することができる。
【0315】
特定の実施形態では、組成物は、本明細書に開示される細胞と、薬学的に許容可能な担体と、を含む、医薬組成物である。
【0316】
組成物の投与は、自己又は異種であり得る。例えば、細胞は、1つの対象から得て、同じ対象又は異なる適合性の対象に投与することができる。末梢血由来細胞又はそれらの子孫(例えば、インビボ、エクスビボ、又はインビトロ由来)を投与することができる。本明細書に開示される組成物(例えば、本明細書に開示される細胞を含む医薬組成物)を投与する場合、それは、単位投薬量の注射可能な形態(溶液、懸濁液、エマルション)で製剤化され得る。
【0317】
本明細書に開示される細胞及び組成物は、経口投与、静脈内投与、皮下投与、結節内投与、腫瘍内投与、髄腔内投与、硝子体内投与、胸膜内投与、骨内投与、腹腔内投与、胸膜投与、及び対象への直接投与を含むが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の方法によって投与され得る。
【0318】
追加的又は代替的に、本明細書に開示される主題はまた、本明細書に開示される核酸又は核酸組成物を含む(例えば、セクション5.5.1に記載される)脂質ナノ粒子を含む組成物を提供する。本明細書に開示される脂質ナノ粒子を含む組成物は、滅菌及び/又は発熱物質フリーとして便利に提供することができる。組成物は、米国薬局方(USP)、欧州薬局方(EP)、英国薬局方、及び/又は国際薬局方の基準を満たすように調製することができる。
【0319】
本明細書に開示される脂質ナノ粒子を含む組成物は、薬学的に許容される賦形剤を含むことができる。薬学的に許容される賦形剤の非限定的な例としては、不活性希釈剤、分散剤、造粒剤、表面活性剤、乳化剤、崩壊剤、結合剤、防腐剤、緩衝剤、潤滑剤、及び/又は油が挙げられる。更に、カカオバター及び坐剤ワックス、着色剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤、及び/又は香料剤などの賦形剤が、組成物中に存在し得る。
【0320】
特定の実施形態では、本明細書に開示される脂質ナノ粒子を含む組成物は、注射可能な調製物として調製することができる。これらの注射可能な調製物には、水、リンゲル溶液、U.S.P.、等張性塩化ナトリウム溶液、及び/又は油(例えば、オレイン酸)を含むが、これらに限定されない、薬学的に許容されるビヒクル及び溶媒を含むことができる。特定の実施形態では、本明細書に開示される脂質ナノ粒子を含む注射用調製物は、水溶性が低い結晶性又は非晶質材料の液体懸濁液を含むことができる。これらの低い水溶性材料の使用は、皮下又は筋肉内注射からの吸収を遅らせることを可能にする。代替的又は追加的に、本明細書に開示される脂質ナノ粒子を含む組成物は、直腸又は膣投与、経口投与、局所投与及び/又は経皮投与、皮内投与、肺投与、鼻腔投与、口腔投与、又は眼科投与のために調製することができる。本明細書に開示される脂質ナノ粒子を含む医薬組成物を製剤化及び調製するための様々な方法に関する追加的な情報は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,22nd Edition,A.R.Gennaro,Lippincott,Williams&Wilkins,Baltimore,Md.,2012に見出すことができる。
【0321】
特定の実施形態では、本明細書に開示される脂質ナノ粒子を含む組成物は、制御放出又は持続放出のために製剤化され得る。本明細書で使用される場合、「制御放出」という用語は、治療転帰をもたらすための特定の放出パターンに適合する医薬組成物又は化合物放出プロファイルを指す。本明細書で使用される場合、「持続放出」という用語は、特定の期間にわたる放出速度に適合する医薬組成物又は化合物を指す。期間は、時間、日、週、月、及び年を含み得るが、これらに限定されない。
【0322】
本明細書に開示される脂質ナノ粒子を含む組成物は、抗原に対する免疫応答を誘導及び/若しくは増強するため、並びに/又は腫瘍、例えば、CD33に関連する腫瘍を治療及び/若しくは予防するために、全身的に又は直接的に対象に提供することができる。特定の実施形態では、本明細書に開示される脂質ナノ粒子又はそれを含む組成物は、インビボで免疫応答性細胞に提供される。特定の実施形態では、本明細書に開示される脂質ナノ粒子又はそれを含む組成物は、目的の臓器(例えば、腫瘍に罹患した臓器)に直接注射される。代替的に、本開示の脂質ナノ粒子又はそれを含む組成物は、例えば、循環系(例えば、腫瘍血管系)への投与によって、目的の臓器に間接的に提供される。特定の実施形態では、本明細書に開示される脂質ナノ粒子又はそれを含む組成物は、エクスビボで免疫応答性細胞に提供される。増殖剤及び分化剤は、エクスビボ又はインビボで細胞(例えば、T細胞又はNK細胞)の産生を増加させるために、脂質ナノ粒子又は組成物の投与前、投与中又は投与後に提供することができる。
【0323】
本明細書に開示される脂質ナノ粒子は、任意の生理学的に許容されるビヒクルにおいて、通常は血管内に投与され得るが、それらはまた、骨又は他の好都合な部位に導入され得、そこで細胞は、再生及び分化のための適切な部位(例えば、胸腺)を見出すことができる。
【0324】
投与される細胞の量は、治療されている対象によって異なり得る。特定の実施形態では、約0.001mg/kg~約10mg/kg、約0.005mg/kg~約10mg/kg、約0.01mg/kg~約10mg/kg、約0.05mg/kg~約10mg/kg、約0.1mg/kg~約10mg/kg、約1mg/kg~約10mg/kg、約2mg/kg~約10mg/kg、約5mg/kg~約10mg/kg、約0.0001mg/kg~約5mg/kg、約0.001mg/kg~約5mg/kg、約0.005mg/kg~約5mg/kg、約0.01mg/kg~約5mg/kg、約0.05mg/kg~約5mg/kg、約0.1mg/kg~約5mg/kg、約1mg/kg~約5mg/kg、約2mg/kg~約5mg/kg、約0.0001mg/kg~約2.5mg/kg、約0.001mg/kg~約2.5mg/kg、約0.005mg/kg~約2.5mg/kg、約0.01mg/kg~約2.5mg/kg、約0.05mg/kg~約2.5mg/kg、約0.1mg/kg~約2.5mg/kg、約1mg/kg~約2.5mg/kg、約2mg/kg~約2.5mg/kg、約0.0001mg/kg~約1mg/kg、約0.001mg/kg~約1mg/kg、約0.005mg/kg~約1mg/kg、約0.01mg/kg~約1mg/kg、約0.05mg/kg~約1mg/kg、約0.1mg/kg~約1mg/kg、約0.0001mg/kg~約0.25mg/kg、約0.001mg/kg~約0.25mg/kg、約0.005mg/kg~約0.25mg/kg、約0.01mg/kg~約0.25mg/kg、約0.05mg/kg~約0.25mg/kg、又は約0.1mg/kg~約0.25mg/kgの本明細書に開示される脂質ナノ粒子が対象に投与される。特定の実施形態では、約0.005mg/kg~約2.5mg/kg、約0.1mg/kg~約1mg/kg、又は約0.05mg/kg~約1mg/kgの本明細書に開示される細胞が対象に投与される。有効用量とみなされるものの正確な決定は、特定の対象の大きさ、年齢、性別、体重、及び状態を含む、各対象に対する個々の要因に基づいてもよい。投薬量は、本開示及び当該技術分野の知識から当業者によって容易に確認され得る。投与量は、当業者によって容易に調整することができる(例えば、純度を減少させるには、投薬量を増加させることが必要であり得る)。
【0325】
5.8.治療方法
本明細書に開示される主題は、免疫応答を誘導及び/又は増加させるための方法を、それを必要とする対象において提供する。本開示の細胞及びそれを含む組成物は、治療又は医薬において使用され得る。本明細書に開示される主題は、細胞(例えば、T細胞)又はそれを含む組成物を使用する様々な方法を提供する。例えば、本明細書に開示される細胞及びそれを含む組成物は、対象において腫瘍負荷を低減させるために使用することができる。本明細書に開示される細胞は、対象において腫瘍細胞の数を低減させ、腫瘍サイズを低減させ、かつ/又は腫瘍を根絶することができる。本明細書に開示される細胞及びそれを含む組成物は、対象において腫瘍を治療及び/又は予防するために使用することができる。本明細書に開示される細胞及びそれを含む組成物は、対象において疾患又は障害を治療又は改善するために使用することができる。特定の実施形態では、疾患又は障害は、CD33に関連する。特定の実施形態では、疾患又は障害は、CD33の過剰発現に関連する。特定の実施形態では、疾患又は障害は、腫瘍である。本明細書に開示される細胞及びそれを含む組成物は、腫瘍に罹患している対象の生存時間を延長するために使用することができる。
【0326】
そのような方法は、所望の効果、例えば、既存の状態の緩和又は再発の防止を達成するために、本明細書に開示される細胞又はそれを含む組成物(例えば、医薬組成物)を投与することを含む。治療のために、投与量は、所望の効果を生み出すのに有効な量である。有効量は、1回の投与又は一連の投与で提供され得る。有効量は、ボーラスで、又は連続灌流によって提供され得る。
【0327】
本明細書に開示される主題は、細胞(例えば、T細胞)又はそれを含む組成物を使用する様々な方法を提供する。例えば、本明細書に開示される主題は、対象において腫瘍負荷を低減させる方法を提供する。特定の実施形態では、腫瘍負荷を低減させる方法は、本明細書に開示される細胞又はそれを含む組成物を対象に投与することを含む。本明細書に開示される細胞は、対象において腫瘍細胞の数を低減させ、腫瘍サイズを低減させ、かつ/又は腫瘍を根絶することができる。
【0328】
本明細書に開示される主題はまた、腫瘍を有する対象の生存時間を増加又は延長する方法を提供する。特定の実施形態では、腫瘍又は新生物を有する対象の生存時間を増加又は延長する方法は、本明細書に開示される免疫応答性細胞又はそれを含む組成物を対象に投与することを含む。この方法は、対象において腫瘍負荷を低減させるか、又は根絶することができる。
【0329】
追加的に、本明細書に開示される主題は、対象において免疫応答を増加させるための方法であって、本明細書に開示される細胞又はそれを含む組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0330】
本明細書に開示される主題は、対象において腫瘍を治療及び/又は予防するための方法であって、本明細書に開示される細胞又はそれを含む組成物を対象に投与することを含む、方法を更に提供する。
【0331】
特定の実施形態では、方法は、本明細書に開示される細胞又はそれを含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。特定の実施形態では、細胞は、T細胞である。T細胞は、CD4 T細胞又はCD8 T細胞であり得る。特定の実施形態では、T細胞は、CD4 T細胞である。
【0332】
特定の実施形態では、腫瘍は、がんである。特定の実施形態では、がんは、血液がん又は固形組織がんである。血液がんの非限定的な例としては、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、骨髄増殖性腫瘍(MPN)、及び慢性骨髄性腫瘍が挙げられる。特定の実施形態では、血液がんは、AMLである。
【0333】
対象は、進行した形態の疾患を有する可能性があり、その場合、治療目的は、疾患進行の緩和若しくは逆転、及び/又は副作用の改善を含み得る。対象は、既に治療されている状態の病歴を有する場合があり、その場合、治療目的は、典型的には、再発のリスクの低下又は遅延を含む。
【0334】
本明細書に開示されるCD33標的抗原認識受容体の表面発現の結果として、養子移された細胞(例えば、免疫応答性細胞、例えば、T細胞又はNK細胞)は、腫瘍部位で増強された選択的細胞溶解活性を与えられる。更に、腫瘍又はウイルス感染症への局在化及びそれらの増殖に続いて、細胞は、腫瘍又はウイルス感染部位を、生理学的抗腫瘍又は抗ウイルス応答に関与する広範囲の免疫細胞(腫瘍浸潤リンパ球、NK細胞、NKT細胞、樹状細胞、及びマクロファージ)のための高伝導性環境に変換する。
【0335】
更なる修飾を、CD33特異的CD33を発現する操作された免疫細胞(例えば、T細胞)に導入して、免疫学的合併症(「悪性T細胞形質転換」として知られている)、例えば、移植片対宿主病(GvHD)のリスクを回避又は最小化することができる。操作された免疫細胞の修飾は、自殺遺伝子をCD33特異的CAR発現T細胞内に操作することを含み得る。好適な自殺遺伝子としては、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(hsv-tk)、誘導性カスパーゼ9自殺遺伝子(iCasp-9)、及び切断型ヒト上皮成長因子受容体(EGFRt)ポリペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、自殺遺伝子は、EGFRtポリペプチドである。EGFRtポリペプチドは、抗EGFRモノクローナル抗体(例えば、セツキシマブ)を投与することによって、T細胞排除を可能にすることができる。EGFRtは、CD33特異的CARの細胞内ドメインのC末端に共有結合することができる。自殺遺伝子は、本明細書に開示されるCD33特異的CARをコードする核酸を含むベクター内に含むことができる。本明細書に開示されるCD33特異的CARに自殺遺伝子を組み込むことにより、非常に短い期間内に大部分のCAR T細胞を排除する能力を伴う更なる安全性レベルが得られる。自殺遺伝子を組み込まれた本明細書に開示される操作された免疫細胞(例えば、T細胞)は、CAR T細胞注入後の所与の時点で先制的に排除されるか、又は最も初期の毒性徴候で根絶され得る。
【0336】
5.9.キット
本明細書に開示される主題は、対象において疾患若しくは障害を改善するため、対象において免疫応答を誘導及び/若しくは増強するため、対象において腫瘍を治療及び/若しくは予防するため、対象において腫瘍負荷を低減させるため、並びに/又は対象において腫瘍を有する対象の生存時間を増加若しくは延長するためのキットを提供する。特定の実施形態では、キットは、本明細書に開示される細胞又はそれを含む組成物を含む。特定の実施形態では、キットは、滅菌容器を含み、そのような容器は、箱、アンプル、ボトル、バイアル、チューブ、バッグ、パウチ、ブリスターパック、又は当該技術分野で既知の他の好適な容器形態であり得る。そのような容器は、プラスチック、ガラス、積層紙、金属ホイル、又は医薬品を保持するのに好適な他の材料で作製することができる。特定の非限定的な実施形態では、キットは、本明細書に開示されるCD33標的化抗原認識受容体(例えば、CAR)をコードする核酸分子を含む。
【0337】
必要に応じて、細胞及び/又は核酸分子は、疾患又は障害(例えば、腫瘍)を有するか、又は発症する危険性がある対象に、細胞又は核酸分子を投与するための説明書とともに提供される。説明書は、概して、腫瘍を治療及び/又は予防するための組成物の使用に関する情報を含む。特定の実施形態では、説明書は、以下のうちの少なくとも1つを含む:治療剤の説明、腫瘍若しくは新生物の治療又は予防のための投薬スケジュール及び投与、予防措置、警告、適応症、対抗適応症、過剰投薬情報、有害反応、動物薬理学、臨床研究、並びに/又は参考事項。説明書は、容器に直接(存在する場合)、又は容器に適用されるラベルとして、又は容器内若しくは容器とともに供給される別個のシート、パンフレット、カード、若しくはフォルダとして印刷され得る。
【0338】
5.10.例示的な実施形態
A1.特定の非限定的な実施形態では、本明細書に開示される主題は、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含む、抗原認識受容体を提供し、細胞外抗原結合ドメインは、CD33に特異的に結合し、細胞外抗原結合ドメインは、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、
(a)配列番号2に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号3に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号4に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(b)配列番号12に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号13に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号14に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(c)配列番号22に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号23に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号24に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(d)配列番号32に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号33に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号34に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(e)配列番号37に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号38に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号39に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(f)配列番号47に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号38に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号48に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(g)配列番号56に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号57に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号58に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(h)配列番号66に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号67に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号68に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(i)配列番号76に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号57に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号77に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、又は
(j)配列番号85に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号86に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号87に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3を含む。
【0339】
A2.細胞外抗原結合ドメインが、単鎖可変断片(scFv)である、A1に記載の抗原認識受容体。
【0340】
A3.細胞外抗原結合ドメインが、ヒトscFvである、A2に記載の抗原認識受容体。
【0341】
A4.細胞外抗原結合ドメインが、任意選択で架橋されるFabである、A1に記載の抗原認識受容体。
【0342】
A5.細胞外抗原結合ドメインが、F(ab)である、A1に記載の抗原認識受容体。
【0343】
A6.scFv、Fab及びF(ab)のうちの1つ以上が、異種配列を有する融合タンパク質中に含まれて、細胞外抗原結合ドメインを形成する、A2~A5のいずれか1つに記載の抗原認識受容体。
【0344】
A7.重鎖可変領域が、
(a)配列番号2に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号3に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号4に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(b)配列番号12に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号13に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号14に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、又は
(c)配列番号22に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号23に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号24に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3を含む、A1~A6のいずれか1つに記載の抗原認識受容体。
【0345】
A8.軽鎖可変領域が、
(a)配列番号5に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号6に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号7に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(b)配列番号15に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号16に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号17若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(c)配列番号25に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号26に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号27に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(d)配列番号40に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号41若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号42に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(e)配列番号49に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号50に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号51に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(f)配列番号59に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号60に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号61に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(g)配列番号69に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号70に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号71に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(h)配列番号78に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号79に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号80に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、又は
(i)配列番号5に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号41に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号42に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3を含む、A1~A7のいずれか1つに記載の抗原認識受容体。
【0346】
A9.軽鎖可変領域が、
(a)配列番号5に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号6に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号7に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3、
(b)配列番号15に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号16に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号17若しくはその保存的修飾を含むCDR3、又は
(c)配列番号25に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR1、配列番号26に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR2、及び配列番号27に記載されるアミノ酸配列若しくはその保存的修飾を含むCDR3を含む、A1~A8のいずれか1つに記載の抗原認識受容体。
【0347】
A10.
(a)重鎖可変領域が、配列番号2に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号4に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号5に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号7に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(b)重鎖可変領域が、配列番号12に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号13に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号14に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号15に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号16に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号17に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(c)重鎖可変領域が、配列番号22に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号23に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号24に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号25に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号26に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号27に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(d)重鎖可変領域が、配列番号32に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号34に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号25に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号26に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号27に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(e)重鎖可変領域が、配列番号37に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号38に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号39に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号40に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号41に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号42に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(f)重鎖可変領域が、配列番号47に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号38に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号48に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号49に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号50に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号51に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(g)重鎖可変領域が、配列番号56に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号57に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号58に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号59に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号60に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号61に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(h)重鎖可変領域が、配列番号66に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号67に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号68に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号69に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号70に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号71に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(i)重鎖可変領域が、配列番号76に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号57に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号77に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号79に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号80に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、又は
(j)重鎖可変領域が、配列番号85に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号86に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号87に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号5に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号41に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号42に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含む、A1~A9のいずれか1つに記載の抗原認識受容体。
【0348】
A11.
(a)重鎖可変領域が、配列番号2に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号4に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号5に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号7に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、
(b)重鎖可変領域が、配列番号12に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号13に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号14に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号15に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号16に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号17に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含むか、又は
(c)重鎖可変領域が、配列番号22に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号23に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号24に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号25に記載されるアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号26に記載されるアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号27に記載されるアミノ酸配列を含むCDR3を含む、A1~A10のいずれか1つに記載の抗原認識受容体。
【0349】
A12.重鎖可変領域が、配列番号8、配列番号18、配列番号28、配列番号35、配列番号43、配列番号52、配列番号62、配列番号72、配列番号81、又は配列番号88に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、若しくは約99%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、A1~A11のいずれか1つに記載の抗原認識受容体。
【0350】
A13.重鎖可変領域が、配列番号8、配列番号18、配列番号28、配列番号35、配列番号43、配列番号52、配列番号62、配列番号72、配列番号81、又は配列番号88に記載されるアミノ酸配列を含む、A1~A12のいずれか1つに記載の抗原認識受容体。
【0351】
A14.重鎖可変領域が、配列番号8、配列番号18、又は配列番号28に記載されるアミノ酸配列を含む、A1~A10のいずれか1つに記載の抗原認識受容体。
【0352】
A15.重鎖可変領域が、配列番号9、配列番号19、配列番号29、配列番号44、配列番号53、配列番号63、配列番号73、配列番号82、配列番号89、又は配列番号92に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、若しくは約99%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、A1~A14のいずれか1つに記載の抗原認識受容体。
【0353】
A16.軽鎖可変領域が、配列番号9、配列番号19、配列番号29、配列番号44、配列番号53、配列番号63、配列番号73、配列番号82、配列番号89、又は配列番号92に記載されるアミノ酸配列を含む、A1~A15のいずれか1つに記載の抗原認識受容体。
【0354】
A17.軽鎖可変領域が、配列番号9、配列番号19、又は配列番号29に記載されるアミノ酸配列を含む、A1~A16のいずれか1つに記載の抗原認識受容体。
【0355】
A18.
(a)重鎖可変領域が、配列番号8、配列番号18、配列番号28、配列番号35、配列番号43、配列番号52、配列番号62、配列番号72、配列番号81、又は配列番号88に記載される選択されたアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、若しくは約99%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含み、
(b)軽鎖可変領域が、配列番号9、配列番号19、配列番号29、配列番号44、配列番号53、配列番号63、配列番号73、配列番号82、配列番号89、又は配列番号92に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、若しくは約99%相同であるか又は同一であるアミノ酸配列を含む、A1~A17のいずれか1つに記載の抗原認識受容体。
【0356】
A19.
(a)重鎖可変領域が、配列番号8、配列番号18、配列番号28、配列番号35、配列番号43、配列番号52、配列番号62、配列番号72、配列番号81、又は配列番号88に記載されるアミノ酸配列を含み、
(b)軽鎖可変領域が、配列番号9、配列番号19、配列番号29、配列番号44、配列番号53、配列番号63、配列番号73、配列番号82、配列番号89、又は配列番号92に記載されるアミノ酸配列を含む、A1~A18のいずれか1つに記載の抗原認識受容体。
【0357】
A20.
(a)重鎖可変領域が、配列番号8、配列番号18、又は配列番号28に記載されるアミノ酸配列を含み、
(b)軽鎖可変領域が、配列番号9、配列番号19、又は配列番号29に記載されるアミノ酸配列を含む、A1~A19のいずれか1つに記載の抗原認識受容体。
【0358】
A21.
(a)重鎖可変領域が、配列番号8に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号9に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(b)重鎖可変領域が、配列番号18に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号19に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(c)重鎖可変領域が、配列番号28に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号29に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(d)重鎖可変領域が、配列番号35に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号29に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(e)重鎖可変領域が、配列番号43に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号44に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(f)重鎖可変領域が、配列番号52に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号53に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(g)重鎖可変領域が、配列番号62に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号63に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(h)重鎖可変領域が、配列番号72に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号73に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(i)重鎖可変領域が、配列番号81に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号82に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(j)重鎖可変領域が、配列番号88に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号89に記載されるアミノ酸配列を含むか、又は
(k)重鎖可変領域が、配列番号8に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号93に記載されるアミノ酸配列を含む、A1~A20のいずれか1つに記載の抗原認識受容体。
【0359】
A22.
(a)重鎖可変領域が、配列番号8に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号9に記載されるアミノ酸配列を含むか、
(b)重鎖可変領域が、配列番号18に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号19に記載されるアミノ酸配列を含むか、又は
(c)重鎖可変領域が、配列番号28に記載されるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号29に記載されるアミノ酸配列を含む、A1~A21のいずれか1つに記載の抗原認識受容体。
【0360】
A23.細胞外抗原結合ドメインが、重鎖可変領域と軽鎖可変領域との間のリンカーを含む、A1~A22のいずれか1つに記載の抗原認識受容体。
【0361】
A24.リンカーが、配列番号95、配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号99、又は配列番号100に記載されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる、A23に記載の抗原認識受容体。
【0362】
A25.シグナルペプチドが、細胞外抗原結合ドメインの5’末端に共有結合される、A1~A24のいずれか1つに記載の抗原認識受容体。
【0363】
A26.膜貫通ドメインが、CD8ポリペプチド、CD28ポリペプチド、CD3ζポリペプチド、CD4ポリペプチド、4-1BBポリペプチド、OX40ポリペプチド、ICOSポリペプチド、CTLA-4ポリペプチド、PD-1ポリペプチド、LAG-3ポリペプチド、2B4ポリペプチド、BTLAポリペプチド、又はそれらの組み合わせを含む、A1~A25のいずれか1つに記載の抗原認識受容体。
【0364】
A27.細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3ζポリペプチドを含む、A1~A26のいずれか1つに記載の抗原認識受容体。
【0365】
A28.細胞内シグナル伝達ドメインが、少なくとも1つの共刺激シグナル伝達領域を更に含む、A1~A27のいずれか1つに記載の抗原認識受容体。
【0366】
A29.少なくとも1つの共刺激シグナル伝達領域が、CD28ポリペプチド、4-1BBポリペプチド、OX40ポリペプチド、ICOSポリペプチド、DAP-10ポリペプチド、又はそれらの組み合わせを含む、A28に記載の抗原認識受容体。
【0367】
A30.抗原認識受容体が、キメラ抗原受容体(CAR)、又はT細胞様融合タンパク質である、A1~A29のいずれか1つに記載の抗原認識受容体。
【0368】
A31.抗原認識受容体が、CARである、A1~A30のいずれか1つに記載の抗原認識受容体。
【0369】
A32.抗原認識受容体が、組換え発現される、A1~A31のいずれか1つに記載の抗原認識受容体。
【0370】
A33.抗原認識受容体が、ベクターから発現される、A1~A32のいずれか1つに記載の抗原認識受容体。
【0371】
A34.ベクターが、γ-レトロウイルスベクターである、A33に記載の抗原認識受容体。
【0372】
B1.特定の非限定的な実施形態では、本明細書に開示される主題は、A1~A34のいずれか1つに記載の抗原認識受容体を含む、細胞を提供する。
【0373】
B2.細胞が、抗原認識受容体を形質導入されている、B1に記載の細胞。
【0374】
B3.抗原認識受容体が、細胞の表面上に構成的に発現される、B1又はB2に記載の細胞。
【0375】
B4.細胞が、免疫応答性細胞である、B1~B3のいずれか1つに記載の細胞。
【0376】
B5.細胞が、リンパ系の細胞又は骨髄系の細胞である、B1~B4のいずれか1つに記載の細胞。
【0377】
B6.細胞が、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、及びリンパ球細胞が分化し得る幹細胞からなる群から選択される、B1~B5のいずれか1つに記載の細胞。
【0378】
B7.細胞が、T細胞である、B1~B6のいずれか1つに記載の細胞。
【0379】
B8.T細胞が、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)又は制御性T細胞である、B6又はB7に記載の細胞。
【0380】
B9.幹細胞が、多能性幹細胞である、B6に記載の細胞。
【0381】
B10.多能性幹細胞が、胚様幹細胞又は誘導多能性幹細胞である、B9に記載の細胞。
【0382】
C.特定の非限定的な実施形態では、本明細書に開示される主題は、A1~A34のいずれか1つに記載の抗原認識受容体をコードする核酸を提供する。
【0383】
D1.特定の非限定的な実施形態では、本明細書に開示される主題は、Cの核酸を含む、ベクターを提供する。
【0384】
D2.ベクターが、γ-レトロウイルスベクターである、D1に記載のベクター。
【0385】
E1.特定の非限定的な実施形態では、本明細書に開示される主題は、Cの核酸を発現する宿主細胞を提供する。
【0386】
E2.宿主細胞が、T細胞である、E1に記載の宿主細胞。
【0387】
F1.特定の非限定的な実施形態では、本明細書に開示される主題は、B1~B10のいずれか1つに記載の細胞を含む、組成物を提供する。
【0388】
F2.薬学的に許容される担体を更に含む医薬組成物である、F1に記載の組成物。
【0389】
G.特定の非限定的な実施形態では、本明細書に開示される主題は、Cの核酸を含む、脂質ナノ粒子を提供する。
【0390】
H1.特定の非限定的な実施形態では、本明細書に開示される主題は、Gの脂質ナノ粒子を含む、組成物を提供する。
【0391】
H2.薬学的に許容される担体を更に含む医薬組成物である、H1に記載の組成物。
【0392】
I1.特定の非限定的な実施形態では、本明細書に開示される主題は、対象において疾患又は障害を治療又は改善する方法であって、B1~B10のいずれか1つに記載の細胞、又は請求項F1、F2、H1、若しくはH2のいずれか1つに記載の組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0393】
I2.疾患又は障害が、腫瘍である、I1に記載の方法。
【0394】
J1.特定の非限定的な実施形態では、本明細書に開示される主題は、対象において腫瘍負荷を低減させる方法であって、B1~B10のいずれか1つに記載の細胞、又はいずれか1つのF1、F2、H1、若しくはH2の組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0395】
J2.方法が、対象において、腫瘍細胞の数を低減させ、腫瘍サイズを低減させ、かつ/又は腫瘍を根絶する、J1に記載の方法。
【0396】
K.特定の非限定的な実施形態では、本明細書に開示される主題は、対象において腫瘍を治療及び/又は予防する方法であって、B1~B10のいずれか1つに記載の細胞、又はF1、F2、H1、若しくはH2のいずれか1つに記載の組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0397】
L1.特定の非限定的な実施形態では、本明細書に開示される主題は、腫瘍を有する対象の生存時間を増加又は延長する方法であって、請求項B1~B10のいずれか1つに記載の細胞、又は請求項F1、F2、H1、若しくはH2のいずれか1つに記載の組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0398】
L2.方法が、対象において腫瘍負荷を低減させるか、又は根絶する、L1に記載の方法。
【0399】
L3.腫瘍が、がんである、I2~L2のいずれか1つに記載の方法。
【0400】
L4.腫瘍が、血液がん又は固形組織がんである、I2~L3のいずれか1つに記載の方法。
【0401】
L5.腫瘍が、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、骨髄増殖性腫瘍(MPN)、及び慢性骨髄性腫瘍からなる群から選択される、いずれか1つのI2~L4に記載の方法。
【0402】
L6.腫瘍が、急性骨髄性白血病(AML)である、L5に記載の方法。
【0403】
L7.対象が、ヒトである、I2~L6のいずれか1つに記載の方法。
【0404】
M1.特定の非限定的な実施形態では、本明細書に開示される主題は、対象において疾患若しくは障害を治療若しくは改善するため、対象において腫瘍負荷を低減させるため、対象において腫瘍を治療及び/若しくは予防するため、並びに/又は腫瘍を有する対象の生存時間を増加若しくは延長するためのキットであって、いずれか1つのB1~B10に記載の細胞、Cの核酸、Gの脂質ナノ粒子、又は請求項F1、F2、H1、若しくはH2のいずれか1つに記載の組成物を含む、キットを提供する。
【0405】
M2.キットが、対象において疾患若しくは障害を治療若しくは改善するため、対象において腫瘍負荷を低減させるため、対象において腫瘍を治療及び/若しくは予防するため、並びに/又は腫瘍を有する対象の生存時間を増加若しくは延長するために、細胞又は組成物を使用するための、書面による説明書を更に含む、請求項M1に記載のキット。
【0406】
N.特定の非限定的な実施形態では、本明細書に開示される主題は、細胞内に、抗原認識受容体をコードする核酸を導入することを含む、請求項A1~A34のいずれか1つに記載のCD33標的化抗原認識受容体を産生するための方法を提供する。
【0407】
O1.特定の非限定的な実施形態では、本明細書に開示される主題は、疾患を治療又は改善する際における使用のための、B1~B10のいずれか1つに記載の細胞、又はF1、F2、H1、若しくはH2に記載の組成物を提供する。
【0408】
O2.疾患又は障害が腫瘍である、O1に記載の使用のための細胞又は組成物。
【0409】
O3.腫瘍ががんである、O2に記載の使用のための細胞又は組成物。
【0410】
O4.疾患又は障害が、肺の神経内分泌腫瘍、肺外神経内分泌がん、黒色腫、神経内分泌前立腺がん、乳がん、胃腸管の神経内分泌腫瘍、膵がん、甲状腺髄様がん、小細胞膀胱がん、卵巣小細胞がん、低悪性度神経膠腫、膠芽腫、及び神経芽腫からなる群から選択される、いずれか1つのO1~O3に記載の使用のための細胞又は組成物。
【0411】
O5.肺の神経内分泌腫瘍が、肺神経内分泌がん、大細胞神経内分泌がん、及び小細胞肺がんからなる群から選択される、O4に記載の使用のための細胞又は組成物。
【0412】
O6.腫瘍が、小細胞肺がんである、O5に記載の使用のための細胞又は組成物。
【0413】
O7.対象が、ヒトである、O1~O6のいずれか1つに記載の使用のための細胞又は組成物。
【実施例
【0414】
6.実施例
本開示の実施は、特に明記しない限り、当該技術分野の十分に範囲内にある、分子生物学(組換え技法を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学、及び免疫学の従来の技法を用いる。そのような技法は、“Molecular Cloning:A Laboratory Manual”,second edition(Sambrook,1989)、“Oligonucleotide Synthesis”(Gait,1984)、“Animal Cell Culture”(Freshney,1987)、“Methods in Enzymology”“Handbook of Experimental Immunology”(Weir,1996)、”Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells”(Miller and Calos,1987)、“Current Protocols in Molecular Biology”(Ausubel,1987)、“PCR:The Polymerase Chain Reaction”,(Mullis,1994)、“Current Protocols in Immunology”(Coligan,1991)などの文献に十分に説明されている。これらの技法は、本明細書に開示されるポリヌクレオチド及びポリペプチドの産生に適用可能であり、そのため、本明細書に開示される主題を作製及び実施する際に考慮され得る。特定の実施形態のための特に有用な技法は、以下のセクションで論じられるであろう。
【0415】
以下の実施例は、当業者に、本明細書に開示される主題の抗体、多重特異性抗体、それらを含む組成物、スクリーニング、及び治療方法をどのように作製及び使用するかに関する完全な開示及び説明を提供するために提示されており、本発明者らが本明細書に開示される主題とみなすものの範囲を限定することを意図していない。上記に提供される一般的な説明を考慮すると、様々な他の実施形態が実施され得ることが理解される。
【0416】
実施例1-CAR構築物の設計及び細胞表面発現
独自の配列を有する候補mAbについての可変領域をscFvとしてフォーマットした。2つの抗体(3P14及び4B2)は、IgC2特異的であったが、他の5つの抗体(1A20、1J19、1P13、1P23及び2N3)は、IgVドメインを標的とした。これらのscFvを、図2に示すように、形質導入効率マーカーとしてのCD8リーダー配列、切断EGFR(EGFRt)、T2A切断シグナル、候補抗体scFv、CAR検出のためのMycタグ、CD28膜貫通セグメント、並びに5’及び3’長末端反復(LTR)に隣接するCD28/CD3ζT細胞シグナル伝達ドメインを含有する第2世代CARベクターにクローニングした。全てのscFvを、配列番号96に記載される15-アミノ酸グリシンセリンリンカーによって接続されるV-V配向及びV-V配向で試験した。最終構築物を、レトロウイルスベクターSFG14内にクローニングした。抗体H195(リンツズマブ)を参照対照として含めた。リンツズマブの可変領域の配列は、特許文献から導出した。
【0417】
レトロウイルスの産生は、パッケージング細胞を使用して行った。末梢血単核細胞(PBMC)を様々なドナーから単離し、標準的な方法を使用して活性化した。活性化したT細胞に、活性化後3日目及び4日目に、異なるCARを用いて産生されたウイルス上清を形質導入した。細胞を増殖させ、抗EGFR及び抗Myc抗体を使用したフローサイトメトリーによって試験して、形質導入効率及びCAR発現をそれぞれモニタリングした。全体として、CAR構築物を有する様々なドナーにおいて、60%を超える形質導入効率が達成された。CD33の膜近位エピトープを標的とする2つのCARのうち、3P14及び4B2の両方が、V-V配向のみで良好な表面発現を示した(図3を参照されたい)。膜遠位エピトープを標的とする5つのCARの表面発現は、低から中まで変化した(データは示さず)。
【0418】
実施例2-CD33-CAR T細胞のインビトロ細胞傷害性
CAR操作ヒトT細胞の細胞溶解能を、GFP-ホタルルシフェラーゼレポーターを用いて、U937又はOCi-AML3 AML細胞株を使用した殺傷アッセイによって評価した。CAR T細胞を、96ウェルプレート中で3連で、様々なエフェクター対標的比で1×10個の標的細胞と共培養した。標的細胞を、同じ細胞密度で非シグナル伝達対照CAR T細胞でプレーティングして、参照として最大ルシフェラーゼ発現を決定した。生物発光を24時間後に測定し、非機能性CAR T細胞で観察された殺傷のパーセンテージとして、溶解パーセントを決定した。
【0419】
CD33の膜近位IgC2ドメインを標的とする抗体を有するCARを、U937(CD33high)及びOCi-AML3(CD33low)細胞株上で評価した。3P14は、V-V配向でのみ殺傷を示した。これは、vL-vH配向におけるこのscFvの表面発現の欠如と一致する。しかしながら、驚くべきことに、4B2を有するCARは、vL-vHが弱い表面発現を示したにもかかわらず、両方の配向において同等の殺傷を示した。全体的に、両方のCARは、不活性なCARと比較して60%を超える殺傷活性を示した。CD33high(U937)及びCD33low(OCi-AML3)発現細胞の両方における殺傷力は、低E/T比でわずかに異なるが同等であった(図4A及び4Bを参照されたい)。
【0420】
CD33の膜遠位IgVドメインを標的とする5つの抗体を有するCARの細胞傷害性評価を、2つの異なるドナーを有するU937において実施した。1つのクローン(1J19)は、H195(リンツズマブ)抗体を用いて作製した参照CARよりも強い殺傷を示した(図5A及び5Bを参照されたい)。
【0421】
これらの結果に基づいて、更なる評価のために、V-V scFv配向における2つの膜近位クローン3P14及び4B2(それぞれ、「TDI-Y-006」及び「TDI-Y-007」として示される)、並びに1J19を選択した。
【0422】
実施例3-CD33-CAR T細胞の機能的特性評価
細胞傷害性。インビトロでのTDI-Y-006及びTDI-Y-007 CARの細胞傷害性を評価するために、CAR T細胞を、CD33発現ヒトAML標的株と共培養した。3つのAML細胞株(U937、HL60及びSet2)を使用した。実施例2のデータに基づいて、更なる特性評価のために、V-V配向のみを選択した。V-V配向におけるH195を有する参照CARを全ての実験に含めた。TDI-Y-006及びTDI-Y-007 CARは、ドナー1(図6A~6Cを参照されたい)又はドナー2(図6D~6Fを参照されたい)由来のT細胞において操作されたときに、様々な種類のCD33発現AML標的細胞を強力に溶解した。全体として、80%超の殺傷が、最も高いエフェクター対標的比で観察された。これらのデータは、リード選択段階中のこれらのクローンの初期評価と一致している。異なるドナーを用いて試験した場合、1J19 CARは、CD33発現標的細胞を等しく良好に溶解した(図7A~7Dを参照されたい)。3つのCAR T細胞は全て、H195参照CARと比較して優れた殺傷を示し、TDI-Y-006、TDI-Y-007、1J19、及びH195の順序での有効性の明確なランク付けが観察された。
【0423】
増殖及びサイトカインプロファイル。TDI-Y-006及びTDI-Y-007 CAR TのインビトロでのT細胞増殖及びサイトカイン活性化プロファイルを、標的細胞及びエフェクター細胞を共培養し、T細胞の増殖及びサイトカインレベルを測定することによって評価した。簡潔に述べると、2つの異なるドナーからのCAR T細胞を、1:5の腫瘍対CAR T細胞比でU937又はOCi-AML3 AML細胞と共培養した。7日ごとに、フローサイトメトリーを使用して、残りの腫瘍及びCAR T細胞を検出し、次いで、1:5の腫瘍対CAR T細胞比にて腫瘍で更に刺激した。U937細胞(CD33high)では、両方のドナーからのTDI-Y-006 CAR T細胞が非常に強い増殖を示し、続いてTDI-Y-007であり、これは、H195参照CAR Tと比較して中等度であるが、依然として顕著な刺激を有した。同様の結果が、OCi-AML3細胞で観察され、2つのドナー間でわずかな変動があった。これらの全ての設定において、H195参照CAR T細胞は、増殖のバックグラウンドレベルのみを有した(図8A~8Dを参照されたい)。まとめると、これらのデータは、TDI-Y-006 CAR T、及びより少ない程度のTDI-Y-007 CAR Tが、H195参照CAR T細胞よりも強力であり、それらが標的細胞に結合するときに優れた増殖を示すことを示唆する。
【0424】
4つのサイトカインマーカー(IL-2、GMCSF、IFN-ガンマ及びTNF-アルファ)のパネルを評価して、各CARの効力を評価した。3人の健康なドナーに由来するTDI-Y-006 CAR T細胞は、1:1のE:TのCD33発現U937標的細胞の存在下で、高レベルのIL-2、GMCSF、IFN-ガンマ及びTNF-アルファを分泌した(40,000個のCAR T細胞:40,000個のU937細胞)。図9A~9Dは、1つのドナーからの代表的なデータを示しているが、3つのドナー全てにわたって一貫したサイトカインプロファイルが見られた。TDI-Y-007 CAR T細胞によって誘導されたサイトカイン分泌のレベルは、ドナーに応じて、TDI-Y-006 CAR Tよりも30%~60%低かった。H195参照CAR Tによるサイトカイン分泌のレベルは、TDI-Y-007と同様であったか、又はドナーに応じて更に低減した。これらのデータは、TDI-Y-006及びTDI-Y-007 CAR Tが、標的細胞の関与時に強力なサイトカイン産生を誘導することを示す。TDI-Y-007と比較してTDI-Y-006について見られるより強い効果は、その優れた増殖能力と一致しており、細胞上のCD33に対するCARの異なる親和性と相関する可能性がある。
【0425】
これらのサイトカインの産生及び分泌は、低親和性TDI-Y-007 CAR T及びH195参照CAR Tよりも高い程度で高親和性TDI-Y-006 CAR Tのインビトロ増殖を増強する可能性が高い。H195 CAR Tが標的に対して高い親和性を有するにもかかわらず、サイトカイン分泌レベルは、概して、リードCAR、特にTDI-Y-006に対してよりも低い。これは、TDI-Y-006及びTDI-Y-007のエピトープが、膜近位IgC2ドメインに位置するという事実が原因である可能性が高い。標的細胞の膜に近いCD33の領域へのCARの結合は、より強い免疫シナプスの確立を可能にし、したがって、強力なCAR Tをもたらし得る。重要なことに、IL2分泌は、TDI-Y-006において一貫して高く、続いてTDI-Y-007であり、抗原陽性細胞の状況における増殖の可能性を示している。
【0426】
インビボ有効性:AML異種移植片マウスモデル。TDI-Y-006及びTDI-Y-007 CARのインビボ有効性を、NCGマウスにU937腫瘍細胞を静脈内(IV)に注入し、3日後に1×10個のCAR T細胞を注入することによって評価した。マウス生存及び全腫瘍負荷を、GFP-ホタルルシフェラーゼ発現腫瘍細胞の生物発光イメージングによって追跡した。持続的な腫瘍制御を、TDI-Y-006及びTDI-Y-007 CAR T細胞の注入によって観察した(図10Aを参照されたい)が、H195参照抗体を有するCAR Tは、非シグナル伝達H195対照と比較して、腫瘍増殖を最小限に遅延させただけであった。一貫した腫瘍退縮を促進することに加えて、TDI-Y-006及びTDI-Y-007 CAR T細胞は、H195参照CAR Tと比較して、腫瘍保有マウスの生存時間を実質的に向上させた(図10Bを参照されたい)。
【0427】
リードCAR T細胞のインビボ有効性を更に検証するために、NCGマウスにU937細胞を接種し、3日後に低用量のTDI-Y-006及びTDI-Y-007 CAR T細胞で処置した。両方のCAR T細胞は、5×10用量で非シグナル伝達又はシグナル伝達H195 T細胞に対して同等の生存利益を示した(図11A及び11Bを参照されたい)。興味深いことに、TDI-Y-006とTDI-Y-007との間のより微妙な違いは、T細胞を2.5×10で使用したときに見られ、TDI-Y-006は、この低いCAR T細胞用量でマウスに長期生存をもたらした。
【0428】
低レベルのCD33を発現する細胞を有する腫瘍モデルにおいて、これらの結果を要約するために、NCGマウスにOCi-AML3腫瘍細胞をIVで接種し、3日後に5×10個のCAR T細胞を注入した。マウスの生存時間及び全腫瘍負荷を、GFP-ホタルルシフェラーゼを発現するように操作された、OCi-AML3腫瘍細胞の生物発光イメージングによって追跡した。TDI-Y-006及びTDI-Y-007 CAR T細胞は、H195参照CAR T細胞と比較して、腫瘍保有マウスの生存時間を向上させた。以前の実験で見られるように、TDI-Y-006 CAR T細胞は、平均化されたコホート(図12Aを参照されたい)又は個々の動物イメージング(図12Bを参照されたい)によって最も強い腫瘍制御を示した。
【0429】
2つのリード及び1つのバックアップ1J19 CARのインビボ有効性及びランキングを評価するために、U937異種移植片を使用して直接比較を行った。図13に示すように、TDI-Y-006、TDI-Y-007、1J19及びH195の順に明確なランキングが観察された。これは、インビトロ殺傷データ及び複数のドナーにわたって一致した。
【0430】
インビボ有効性:患者由来異種移植片マウスモデル。上述のAML細胞株異種移植片モデルにおいて最も強力な有効性を示したTDI-Y-006 CAR T細胞を、インビボ患者由来異種移植片(PDX)モデルにおいて更に評価した。NSGSマウスを250cGyで亜致死的に照射し、末梢芽球を有するAML患者に由来するPBMCを静脈内に注入した。腫瘍細胞を10日間増殖させ、その時点で、末梢血中のヒトCD45のフローサイトメトリー染色によって腫瘍生着を検証した。腫瘍接種の14日後に、マウスに同種異系CAR T細胞を注入した。T細胞注入の7日後、非シグナル伝達対照CAR T細胞で処置されたマウスと比較して、TDI-Y-006 CAR T細胞処置マウスの骨髄中に有意に少ないhCD45+、CD2-、CD33+AML細胞が存在した(図14を参照されたい)。
【0431】
更に、TDI-Y-006 CAR T細胞で処置したマウスの血清中に、炎症誘発性サイトカインIFN-ガンマ及びTNF-アルファの有意に上昇したレベルが見出され(図15A及び15Bを参照されたい)、このモデルにおいても同様に強いT細胞活性化及び増殖を示した。
【0432】
毒性。インビトロでのCAR T細胞を標的とするCD33の造血幹細胞殺傷能力を、コロニー形成単位(CFU)アッセイを使用して評価した。総コロニー数によって定量化すると、TDI-Y-006及びTDI-Y-007 CAR T細胞は、CD34+HSCを溶解し、陽性対照として使用したゲムツズマブオゾガマイシン(GO)と同等であった(図16A及び16Bを参照されたい)。これらのデータは、他の任意のCD33ベースの療法と同様に、これらのCAR T細胞がCD33を発現するので、これらのCAR T細胞がHSCに影響を及ぼす可能性が最も高いことを示唆する。したがって、それらの臨床使用は、レスキュー同種異系幹細胞移植を必要とするであろう。HSCを除去するTDI-Y-006及びTDI-Y-007のこの能力は、実際には、これらのCAR T細胞が、過酷な細胞傷害性薬剤による骨髄調製を必要とせずに同種異系細胞の生着を可能にするため、化学療法を伴わない移植レジメンを開発するために利用され得る。更に、抗原低集団の標的化を回避するために、異なる投与量のCAR T細胞を用いてもよい。
【0433】
結論。要約すると、TDI-Y-006及びTDI-Y-007は、抗原の膜近位ドメインを標的とする新規の抗CD33抗体である。これらの標的は、CAR Tフォーマットにおいて優れたインビトロ及びインビボでの有効性を示し、既存の参照CAR疾患関連マウスモデルを上回り、実質的な生存利益を伴う完全な腫瘍根絶をもたらした。薬理学的特性の概要を以下の表12に提供する。
【表12】
【0434】
結論として、これらの新規分子は、単一の薬剤として、又は相補的アプローチのための他の抗原と組み合わせて、次世代AML CAR T療法として使用される大きな可能性を有する。
【0435】
実施例4-膜近位CD33標的化CAR T細胞の開発
本実施例は、リンツズマブ-CD28/CD3Z(H195HLh28Z)プラットフォームと、CD33の膜近位IgCドメイン(CD33-IgC)を標的とする本明細書に開示される抗原認識受容体との間の差異を分析する。本実施例は、高親和性CD33-IgC標的化CAR T細胞が、H195HLh28Zと比較してより高い増殖能力及びインビトロで増加した多機能性を有し、高及び低抗原密度並びに高腫瘍負荷の異種移植片モデルにおいて改善された生存時間及び腫瘍制御をもたらすことを実証する。驚くべきことに、低親和性CD33 IgC標的化CAR T細胞は、高親和性の膜遠位標的化H195HLh28Zと比較して優れた機能性を実証した。まとめると、これらのデータは、CD33-IgCを標的にして、AML処置に対するCAR T細胞の有効性を著しく向上させることを支持する。
【0436】
方法
動物モデル。異種研究のために、NOD-Prkdcem26Cd52Il2rgem26CD22/NjuCrl、コアイソジェニック免疫不全(Coisogenic Immunodeficient)(NCG)マウスを、Charles Riverから購入し、続いて、動物施設で特異的病原体フリー(SPF)条件下で飼育した。全ての実験について、6~12週齢のマウスを使用した。CD33-高腫瘍研究について、緑色蛍光タンパク質(GFP)-ホタルルシフェラーゼを発現する5×10個のU937 AML細胞を0日目に接種した。CD33-低腫瘍研究について、GFP-ホタルルシフェラーゼを発現する5×10個のOCiAML3 AML細胞を0日目に接種した。両方のモデルにおいて、マウスを、腫瘍接種の3日後に様々な用量のCAR T細胞で処置した。患者由来AML異種移植動物研究のために、NCGマウスに、1×10個の原発性AML芽球を接種し、14日目に1×10個のCAR T細胞で処置した。
【0437】
細胞株。10%の熱不活化FBS(ウシ胎仔血清)非必須アミノ酸(Atlanta Biological Flowery Branch)、2mMのL-グルタミン(Invitrogen)、及び1%のペニシリン/ストレプトマイシン(Invitrogen)を補充した高グルコースを有するDMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)中に、293個のGlv9-パッケージング細胞を維持した。U937ヒト急性白血病株、OCiAML3ヒト急性骨髄性白血病株、及びHL60ヒト急性骨髄性白血病株を、GFP-ホタルルシフェラーゼを発現するように改変して、発光によってインビトロ及びインビボで腫瘍を検出した。全ての腫瘍細胞株を、10%の熱不活化FBS非必須アミノ酸(Atlanta Biological Flowery Branch)、10mMのHEPES(ヒドロキシエチルピペラジンエタンスルホン酸、Invitrogen)、2mMのL-グルタミン(Invitrogen)、1%のペニシリン/ストレプトマイシン(Invitrogen)、及び11mMのグルコース(Invitrogen)を補充したRPMI-1640培地中に維持した。腫瘍株は、GFPの高発現に基づいて、蛍光活性化細胞選別(FACS)によって選別した。細胞株を、潜在的なマイコプラズマ汚染について定期的に試験した。
【0438】
scFvの選択。抗体生成及び特性評価研究を、市販されているか、又は社内で産生されたCD33組換えタンパク質の細胞外ドメインを有するAlivaMab(登録商標)トランスジェニックマウス(Ablexis)を利用して、Tri-Institutional Therapeutics Discovery Institute(TriI-TDI)によって実施した。組換えヒトCD33タンパク質は、R&D Systems及びAcro Biosystemsから市販されていた。マウス及びカニクイザルCD33タンパク質は、Sino Biologicalから購入した。加えて、末端マウスIgG1 Fc又は6×Hisタグを有するヒトCD33-IgCドメイン(残基140~259)を社内で産生した。免疫化及びスクリーニングは、LakePharma(Belmont,CA)で行った。AlivaMab(登録商標)マウスの複数のコホートを組換えタンパク質で免疫化し、1つのコホートがCD33-IgCを受け取った。血清を17日目、24日目、28日目、及び31日目に収集し、免疫応答を、組換えヒト全長CD33-6xHis及びCD33 IgC2-6xHisタンパク質を使用して、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によって分析した。ハイブリドーマを電気融合によって生成し、上清を組換えタンパク質上でELISAによって、及び完全長CD33又はCD33-IgC単独のいずれかを過剰発現する3T3細胞及び内因性CD33発現を有するAML細胞株上でフローサイトメトリーによってスクリーニングした。限界希釈によりサブクローニングを実施し、Ablexisにより推奨される標準IgGプライマーを使用して、上位10のリード候補の配列決定を実施した。
【0439】
結合選択性及び親和性。リード及び参照抗体を、ヒトIgG1定常領域を用いて組換え的に産生した。選択性を、Hisタグ組換えヒト完全長CD33又はCD33-IgC、マウス完全長CD33、及びカニクイザル完全長CD33タンパク質を使用して試験した。5μg/mLの組換えタンパク質を、予めブロックされたNi-NTAプレートによって捕捉した。候補抗体を10μg/mLで3連で添加し、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲート抗ヒトFc抗体を使用して検出した。細胞表面結合CD33への結合を評価するために、CD33を過剰発現する3T3細胞、及びU937 AML細胞株を使用した。U937 CD33ノックアウト(CD33KO)又はNALM6細胞を陰性対照として含めた。NALM6、U937 CD33、及びCD33KO細胞を、ヒトIgG Fcで、氷上で20分間ブロックした。次いで、組換え抗体を、100μg/mLの濃度で開始して連続的に希釈し、氷上で30分間添加した。Alexa Fluor 647コンジュゲートヤギ抗ヒトF(ab’)を、氷上で30分間細胞に添加し、洗浄し、フローサイトメトリーによって分析し、二次のみの染色(MFI比)に正規化した。EC50値は、非線形回帰によって決定した。結合親和性及びヒトCD33タンパク質へのエピトープビニングを、Octet Red96eを使用して、生体層干渉法(BLI)によって測定した。全ての実験は、動態緩衝液(PBS pH7.4、0.01%BSA、0.002%Tween(登録商標)-20)を使用して行った。親和性測定のために、抗体を抗huFcバイオセンサーによって捕捉し、huCD33-Hisの7点、2倍希釈シリーズを分析物として使用した。データを二重参照減算によって処理し、応答曲線を1:1のLangmuir結合モデルに全体的に適合させた。
【0440】
エピトープビニング。エピトープビニングのために、ヒトCD33-Hisを抗ペンタ-Hisバイオセンサーによって捕捉した。3P14、4B2A、及びH195を有する3×3マトリックスを試験した。各抗体についての全体的な捕捉レベルを決定するために、緩衝液のみの参照バイオセンサーを使用した。抗体を飽和レベルで事前結合した後、バイオセンサーを抗体溶液に浸して競合を評価した。
【0441】
レトロウイルス構築物の生成。構築物を、ヒトシグナル伝達ドメインを有するSFGガンマレトロウイルスベクターにクローニングした。レトロウイルス産生細胞株を、製造業者の指示に従ってCaPO4(Promega)を使用することによって生成して、gpg29線維芽細胞(H29)を、CARをコードするレトロウイルス構築物で一過性にトランスフェクトした。H29細胞からの上清を使用して、293Glv9を形質導入し、安定したレトロウイルス産生細胞株を産生した。
【0442】
T細胞単離及びレトロウイルス形質導入。簡潔に述べると、末梢血単核細胞(PBMC)を、健康なドナーの末梢血又はリューコパック(leukopack)(New York Blood Center)から単離した。ACK(アンモニウム-クロリド-カリウム)溶解緩衝液(Lonza)による赤血球溶解後、ヒトT細胞をPBMC(StemCell Technologies)から単離し、続いて、100IU/mLのIL-2及びDynabeads Human T-Activator CD3/CD28を用いて、1:5のビーズ:細胞比で活性化した(Thermo Fisher Scientific)。最初の増殖の48時間後、T細胞を、2日連続して、レトロネクチンでコーティングしたプレート上の293Glv9パッケージング細胞から収集したウイルス上清でスピノキュレート(spinoculate)した(Takara Clontech)。形質導入効率を、フローサイトメトリー分析によって決定した。全ての実験をCAR+生存細胞について正規化した。
【0443】
フローサイトメトリー。フローサイトメトリー分析は、10色のGallios B43618(Beckman Coulter、Indianapolis,IN)及び14色のAttune NxT(Thermo Fisher Scientific)機器を使用して行った。FlowJo(Tree Star)を使用してデータを分析した。フィコエリスリン(PE)コンジュゲートセツキシマブ抗体及びMyc-タグ(9B11、Alexa Fluor 647、Cell Signaling)で染色した後の形質導入細胞の形質導入効率を決定するためにフローサイトメトリーを使用した。DAPI(0.5mg/mL、Sigma Aldrich)又は7-アミノ-アクチノマイシンD(0.05mg/mL、BioLegend)及びPO-PRO-1ヨウ素(Invitrogen)染色を使用して、全ての実験で死細胞を除外した。以下の抗ヒト抗体をフローサイトメトリーに使用した:抗CD4(RPA-T4)、抗CD8(SK1)、抗62L(DREG-56)、抗CD45RA(HI100)、抗CD2(TS1/8)、抗CD371(50C1)、抗CD45(2D1)、抗CD33(WM53)、及び抗CD123(6H6)。以下の抗マウス抗体を、フローサイトメトリーに使用した:抗CD45(2D1)。全ての抗体は、BioLegend、BD Biosciences、Invitrogen、又はeBioscienceから購入した。
【0444】
インビトロコロニー形成単位アッセイ。PBMCを、健康な臍帯血単位(New York Blood Center)から単離した。ACK溶解緩衝液(Lonza)による赤血球細胞溶解後、CD34幹細胞を単離し、その後、無血清増殖培地(SFEM)II及び1.0μMのUM171(StemCell Technologies)中で増殖させた。増殖したCD34前駆細胞及びCAR T細胞を、約48時間、1:1の細胞比で共培養した。処理したヒトCD34前駆体を、3,333個の細胞/条件の密度で、サイトカイン補充メチルセルロース培地(MethoCult H4435、STEMCELL Technologies)に6ウェルプレート上に播種した。各条件を3連で培養した。コロニーを培養物中で増殖させ、10日目にスコア付けし、カウントを複製にわたって平均化した。
【0445】
細胞傷害性アッセイ。CAR修飾ヒトT細胞の細胞溶解能を、ルシフェラーゼ殺傷アッセイによって評価した。CAR T細胞を、1×10個の標的細胞、U937-gfpLuc又はOCiAML3-gfpLuc腫瘍細胞と、200μLの細胞培地の総体積において、白壁96ウェルプレート(Thermo Scientific)中で4連の様々なエフェクター対標的比で共培養した。標的細胞を、同じ細胞密度で非シグナル伝達対照CAR T細胞でプレーティングして、参照(最大シグナル)として最大ルシフェラーゼ発現を決定した。24時間後、50μLのPBS中に溶解した15μgのD-ルシフェリン(Gold Biotechnology)を各ウェルに加えた。各試料(試料シグナル)の発光を、Sparkプレートリーダー(Tecan)で検出し、SparkControlソフトウェア(Tecan)を使用して測定した。溶解パーセントを、[100-(試料シグナル/平均最大シグナル)]×100として決定した。長期殺傷アッセイについて、CAR T細胞及び腫瘍細胞を、200μLの細胞培地の総体積において、白壁96ウェルプレート(Thermo Scientific)中で2連で1:40のエフェクター対腫瘍比で共培養し、138時間にわたってSartorius IncuCyte S3で撮像した。腫瘍細胞殺傷を、経時的な総緑色カウントとして測定した。
【0446】
増殖アッセイ。CAR T細胞を、U937-gfpLuc腫瘍細胞又はOCiAML3-gfpLuc腫瘍細胞と1:5のCAR T:腫瘍細胞比で共培養した。7日後、フローサイトメトリーを使用して、蛍光標識されたセツキシマブで染色した後、腫瘍及びT細胞を検出した。CAR T細胞を、同じ1:5のCAR T:腫瘍細胞比で新鮮な腫瘍細胞で再刺激した。上記の手順を、最初の刺激後21日間、毎週繰り返した。
【0447】
インビトロサイトカイン分泌分析。インビトロT細胞サイトカイン産生を測定するために、CAR T細胞を、96ウェルの丸底プレート中の抗原陽性腫瘍細胞又は抗原陰性腫瘍細胞と1:1の比で24時間共培養した。24時間後、上清液を回収し、Luminex IS100機器上でサイトカインについて分析した。サイトカインを検出するために、Luminex FlexMap3Dシステム、Luminex xPONENT4.2、及び12-plex ヒトパネル(Millipore)を使用した。
【0448】
多機能性のための細胞内フローサイトメトリー。細胞内T細胞サイトカイン及びグランザイムBの産生を測定するために、CAR T細胞を、U937-gfpLuc腫瘍細胞と1:5で共培養した。約16時間後、500Xタンパク質輸送阻害剤カクテルを細胞培養物(eBiosciences)に添加し、6時間後に細胞を採取し、Fixable Yellow Dead染色(ThermoFisher Scientific)で染色し、製造業者の提案したプロトコルに従って、BD Cytofix/Cytoperm Fixation及びPermeabilization Solution(BD Biosciences)で固定及び透過処理した。細胞をカウントし、以下のヒト抗体で染色した:(フィコエリスリン)PE、抗CD4(RPA-T4)、抗CD8(SK1)、抗IL2(MQ1-17H12)、抗TNF-アルファ(MAb11)、抗IFN-ガンマ(4S.B3)、及び抗グランザイムB(QA16A02)と社内でコンジュゲートしたセツキシマブ。
【0449】
マルチパラメトリックフローサイトメトリー分析。細胞をPBSで洗浄し、3.0×10/mLの濃度でPBS中に再懸濁し、製造業者の仕様書に従って、ヒトTruStain FcX Fc受容体遮断溶液(BioLegend)及びLive/DEAD Fixable Blue Dead Cell Stain(Invitrogen)で、光から保護された状態で、室温で20分間インキュベートした。細胞を次いで、フロー洗浄緩衝液(FWB;RPMI 1640、フェノールレッドなし+4%FBS+0.01%ナトリウム-アジド)中で1回洗浄した。細胞を、Super Bright Staining Buffer(eBiosciences)の存在下で、100μlの染色体積において、暗所で室温で20分間、抗体混合物とインキュベートし、FWBで2回洗浄し、0.5%のパラホルムアルデヒド/PBS中に再懸濁し、Cytek Aurora 5Lフローサイトメーター(Cytek)を使用して直ちに取得した。FlowJo v10.8.0で分析を行った。
【0450】
インビボ実験。CD33高発現腫瘍研究について、NCGマウスに5×10個のU937-gfpLuc腫瘍細胞を0日目に尾静脈を介して接種した。3日目に、マウスを、尾静脈を介して5×10~5×10個のCAR T細胞で処置したCAR T細胞を用いた異なる処置コホートに盲検無作為化した。CD33低発現腫瘍研究について、NCGマウスに5×10個のO CiAML3-gfpLuc腫瘍細胞を0日目に尾静脈を介して接種した。3日目に、マウスを、尾静脈を介して5×10個のCAR T細胞で処置したCAR T細胞を用いた異なる処置コホートに盲検無作為化した。U937-gfpLuc及びOCiAML3-gfpLuc腫瘍細胞の両方が、非常に均一な腫瘍負荷を生じさせ、処置前にマウスを除外しなかった。0日目の生物発光を、1×10に割り当てた。Living Imageソフトウェア(Xenogen)を備えたXenogen IVIS Imagingシステム(Xenogen)を使用した生物発光イメージングを使用して、腫瘍負荷を毎週測定した。AML60B患者由来異種移植片モデルについて、MSKの治験審査委員会が承認した研究プロトコルを介して、生体内で凍結保存された原発性AML検体を得た。NCGマウスに、0日目に1×10個の細胞を接種した。14日目に、マウスを異なる処置コホートに無作為化し、続いて尾静脈を介して1×10個のCAR T細胞で処置した。28日目に、骨髄吸引を行い、フローサイトメトリーによって腫瘍細胞を定量化した。
【0451】
統計解析。GraphPad Prismソフトウェア(GraphPad)を使用して統計解析を行った。データ点は、生物学的複製を表し、図の凡例に示されるように、平均値の平均値±標準偏差(SEM)として示される。統計的有意性は、図の凡例に示されるように、対応のあるt検定、一元配置分散分析、又は二元配置分散分析によって決定した。マウス生存実験における全生存時間の統計学的有意性を決定するために、ログランク(Mantel-Cox)検定を使用した。有意性は、*、P<0.05、**、P<0.01、***、P<0.001、及び****、P<0.0001で示された。
【0452】
結果。
CD33-IgC免疫化は、部位特異的結合剤の発見に必要である。CD33-IgC特異的抗体を生成するために、遠位IgVドメインが免疫認識に必要なIgCコンフォメーションを保持するために重要であるかどうかは不明であったため、マウスを完全長CD33又はCD33-IgC組換えタンパク質のいずれかで免疫化した。組換えヒトCD33を使用して、ハイブリドーマを生成し、53ヒットをELISAによって特定した。細胞上結合は、完全長CD33又はCD33-IgCのいずれかを発現する3T3細胞、及び内因性CD33発現を有するU937(AML細胞株)上でフローサイトメトリーによって評価した(図17)。結合剤の特異性は、CRISPR/Cas9又はNALM6(CD33陰性細胞株)を使用して、CD33をノックアウトしたU937などのCD33陰性株をスクリーニングすることによって試験した。興味深いことに、様々な細胞株への一貫した結合を示す全てのCD33-IgCドメイン特異的抗体は、CD33-IgC免疫化コホートのみに由来した。この群から、3つのハイブリドーマを選択し、配列決定した結果、2つの独自のクローン、3P14及び4B2Aが特定された。
【0453】
次に、3P14、4B2A、及び参照CD33 IgV特異的モノクローナル抗体(mAb)、リンツズマブ(H195)の結合特異性及び親和性を確認した。抗体を、ヒトIgG1サブクラスとして組換え的に発現させた。全てのmAbは、完全長ヒトCD33に結合したが、カニクイザル又はマウスオルソログには結合せず、予想通り、3P14及び4B2AのみがヒトCD33-IgCに結合した(図18A)。生体層干渉法(BLI)を利用すると、全てのmAbは、類似の解離定数(K)及びオンレートを有する組換え完全長CD33に対して類似の結合親和性を有したが、3P14及び4B2Aと比較して、H195については対数より低いオフレートを有する(図18A)。mAbが、細胞結合抗原に対して可溶性について様々な親和性を有し得ることを考慮して、抗原を過剰発現する3T3細胞(3T3-CD33)、及びCD33の内因性発現を有する関連するAML腫瘍細胞株U937を利用して、細胞表面CD33へのそれらの結合を測定した。親和性の階層は、最高から最低まで、H195>3P14>4B2Aであり、U937細胞について最も顕著な差異が認められた(図18B及び18C)。
【0454】
次に、固定化されたCD33でエピトープビニングを使用して、3P14及び4B2Aが同様のエピトープに結合したかどうか、並びにそれらの異なる親和性が別の抗体に対する1つの抗体の結合に影響を与えたかどうかを決定した。3P14が飽和mAbである場合、4B2Aは結合を示すことができず(0%)、4B2Aが飽和mAbである場合、3P14は結合することができ(68%)、H195と3P14又は4B2Aのいずれかとの間に結合競合は観察されず(図18D)、3P14及び4B2Aが重複するエピトープを有し得るが、両方が膜遠位H195とは異なることを示すことが観察された。
【0455】
次に、H195、3P14、及び4B2Aの単鎖可変断片(scFv)を、VH-VL(HL)及びVL-VH(LH)配向の両方で生成し、これらを、ヒトCD28/CD3Z(h28Z)シグナル伝達モチーフに沿った切断型上皮成長因子受容体タグ(EGFRt)及びMyc-タグを含有するバイシストロニックベクターにクローニングした(図2)。一貫性のために、形質導入は、全ての構築物にわたって類似していたEGFR陽性によって評価した(図19)。Myc-タグ染色は、HLフォーマットがより確実に実証された細胞表面CAR発現を確認した(図3)。
【0456】
これらのデータは、CD33-IgC免疫化は、このドメインへの結合剤を上昇させるために重要であり、3P14は、CD33-IgCへのより高い親和性で結合し、エピトープビニング中に後者を置き換える前者の能力を考慮すると、4B2Aと同様のエピトープを認識する可能性が高いことを示す。これらのデータはまた、HL scFv配向が、本発明者らの候補結合剤のCAR表面発現をより一貫して示すため、前臨床試験に好ましいフォーマットであることを示唆している。
【0457】
CD33-IgCを標的とするCAR T細胞は、インビトロで強化された機能性を示す。低い表面抗原密度及び過剰な腫瘍負荷は、耐性及び処置失敗の主要なメカニズムであり、腫瘍制御の障害及びCAR T細胞のエフェクター拡張の減少をもたらす(Majzner et al.,Cancer Discov.10,702-723(2020)、Spiegel et al.,Nat.Med.27,1419-1431(2021)、Locke et al.,Blood Adv 4,4898-4911(2020))。rs12459419C>T SNPのCT又はTT遺伝子型は、AMLを有する患者の約50%に存在し、その結果、悪性細胞上で低CD33表面発現をもたらす。フローサイトメトリーを用いて、CD33発現レベルを、s12459419 C>T SNP遺伝子型が報告されている3つの細胞株:HL60(CC)、U937(CT)、及びOCiAML3(TT)で決定した(Godwin et al.,Leukemia 35,2496-2507(2021))。HL60及びU937細胞株は等価なCD33発現を発現したが、U937を、高発現CD33モデル(U937-CD33high)及びOCiAML3を特徴付けるために選択し、報告された遺伝子型を与えられた低発現CD33モデル(OCiAML3-CD33low)を特徴付けた(図20A)。標的株をGFP-ホタルルシフェラーゼ融合遺伝子(gfpLuc)で形質導入して、インビトロでの追跡のためにU937-CD33highgfpLuc及びOCiAML3-CD33lowgfpLucを生成した(データは示さず)。
【0458】
次に、高及び低CD33抗原密度で腫瘍細胞を殺傷するCD33-IgC特異的CAR T細胞の能力を決定した。様々なエフェクター対標的(E:T)比(1:4~1:128)での24時間の殺傷アッセイにおいて、3P14HLh28Z及び4B2AHLh28Zは、H195HLh28Zと比較して、低いE:T比でU937-CD33highの用量依存的殺傷の増加を示したが、同じ低い比でOCiAML3-CD33low細胞に対する増強された細胞傷害性を示したのは、3P14HLh28Zのみであった(図20B及び20C)。1:40のE:T比を用いた6日間の長期殺傷アッセイにおいて、3P14HLh28Z及び4B2AHLh28Zは、H195HLh28Zと比較してU937-CD33highgfpLucの優れた腫瘍制御を示した(図20D)が、OCiAML3-CD33lowgfpLucの設定において、3P14HLh28Zは、4B2AHLh28Z及びH195HLh28Zの両方と比較して優れた殺傷を示した(図20E)。
【0459】
3P14HLh28Z及び4B2AHLh28ZのCD33-IgC特異性を検証するために、U937-CD33KOgfpLuc細胞を、修飾FLAGタグ化CD33-IgCをコードするレトロウイルスベクターで形質導入し、表面発現をフローサイトメトリーによって確認した(図21A)。H195HLh28Zと比較して、3P14HLh28Z及び4B2AHLh28Zの両方が、用量依存性様式で標的細胞を溶解した(図21B)。重要なことに、陰性対照U937-CD33KOgfpLucを溶解したCAR T細胞はなかった(図21C)。HSC上での低レベルのCD33の発現が報告されていることを考慮して、コロニー形成単位(CFU)アッセイを使用して、3P14HLh28Z及び4B2AHLh28Zがこれらの細胞を検出して除去することができるかどうかを決定した。陽性対照として機能した3P14HLh28Z及び高用量ゲムツズマブオゾガマイシン(GO)のみでコロニーの完全なアブレーションを観察し、4B2AHLh28Z又はH195HLh28Zのいずれかでコロニーの不完全なアブレーションを観察した(図21D)。
【0460】
臨床有効性に対するCAR T細胞拡大の関連性を考慮して、3P14HLh28Z及び4B2AHLh28Zの増殖能を、高い及び低いCD33抗原密度標的による再帰的刺激の状況で試験した。3P14HLh28Zは、U937-CD33highgfpLuc図20F)及びOCiAML3-CD33lowgfpLuc細胞(図20G)と共培養した場合、他のCAR T細胞と比較して、拡大及び持続性が増加したが、後者では、低抗原密度で予想されるように、拡大及び持続性の大きさが低下した。
【0461】
要約すると、これらのデータは、再帰的刺激又は低抗原密度遭遇によって評価されるように、高腫瘍負荷の設定において、高親和性CD33-IgC特異的3P14HLh28Zが、低親和性CD33-IgC特異的4B2AHLh28Z及び高親和性CD33-IgV特異的H195HLh28Zよりも機能的に優れていることを示す。更に、低親和性の膜近位4B2HLh28Zは、高親和性の膜遠位H195HLh28Zと比較して優れたCAR T活性を示し、CD33 CAR T細胞の状況における抗原標的近接性の重要性を強調した。
【0462】
高い親和性を有するCD33-IgCを標的とするCAR T細胞は、多機能性である。3P14HLh28Zの機能強化のメカニズムを特定するために、24時間のインビトロサイトカイン産生を、U937-CD33highgfpLuc又はOCiAML3-CD33lowgfpLucでCAR T細胞を共培養することによって評価した。3P14HLh28Zは、4B2AHLh28Z及びH195HLh28Zの両方と比較して、標的特異的な方法で、Tc1/Th1サイトカインの上昇したレベルを分泌した(図22A)。3P14HLh28Zによる、より高い累積サイトカイン産生を考慮して、増強された臨床応答に関連付けられている多機能性の役割が決定された(Rossi et al.,Blood 132,804-814(2018)を参照されたい)。CAR T細胞及びU937-CD33highgfpLuc共培養の24時間後、1:5のE:T比で、細胞内フローサイトメトリーは、H195HLh28Zと比較して、3P14HLh28ZでのIFN-γ、IL-2、及びグランザイムBのレベルの増加を示した(図22B)。更に、3P14HLh28Zは、H195HLh28Zと比較して、非分泌CD4細胞が少なく、少なくとも2つの因子を分泌するCD4及びCD8細胞が多かった。逆に、4B2AHLh28Zは、3P14HLh28ZとH195HLh28Zとの間の分泌パターンを示した(図22C~22E)。
【0463】
U937-CD33highgfpLuc遭遇(図22F)の7日後のピークCAR T細胞増殖の事前観察を考慮して、これらのCAR T細胞を、この時点で、マルチパラメトリックフローサイトメトリーを利用して更に特徴付けた。CD69及びHLA-DR(DR)陽性に基づいて、活性化と一致する免疫表現型を示す3P14HLh28Z細胞数の増加が観察された(図22F及び22G)。
【0464】
まとめると、これらのデータは、3P14HLh28Z細胞が、抗原遭遇時に多機能性可溶性因子分泌プロファイルを示し、抗原遭遇後に高レベルの活性化を示すことを示唆する。
【0465】
CD33-IgCを標的とするCAR T細胞は、AMLの異種移植片モデルにおいて有効である。CD33指向性CAR T細胞は、低細胞数及び低抗原密度AMLの設定において有効性を示す必要がある。3P14HLh28Z及び4B2AHLh28Zが、これらの設定において疾患を制御することができるかどうかを決定するために、NCGマウスにU937-CD33highgfpLucを接種し、3日後に様々な低用量のCAR T細胞(5×10、2.5×10、1×10、及び5×10)で処置し、生物発光(BLI)及び生存時間を追跡した(図23A)。CD33-IgC指向性CAR T細胞は、H195HLh28Zと比較して、用量依存性の様式で、優れた腫瘍制御及び改善された生存時間を示し、一方、3P14HLh28Zは、迅速な腫瘍制御及び延長された無腫瘍状態を示し、全ての用量レベルでの改善された生存をもたらした(図23B~23G)。OCiAML3-CD33lowgfpLucを生着したNCGマウスを利用して、低抗原密度腫瘍の設定における腫瘍成長を制御するこれらのCAR T細胞の能力を評価した(図23H)。この設定では、3P14HLh28Zは、4B2AHLh28Zと比較して再び優れた腫瘍制御及び改善された生存時間を示し、次にH195HLh28Zよりも改善された生存時間を示した(図23I~23K)。
【0466】
まとめると、これらのデータは、3P14HLh28Z細胞が、高抗原密度及び低抗原密度の異種移植片モデルの両方において強化された機能を有し、長期生存を可能にすることを示唆する。
【0467】
CD33-IgCを標的とするCAR T細胞は、高腫瘍負荷のAML患者由来異種移植片において有効である。翻訳関連性を実証するために、R/R CD33AMLを有する患者からの末梢芽球を利用して、高腫瘍負荷のインビボモデルを確立した(AML60B、図24A)。AML60Bは、条件付け照射なしで生着することができ、経時的な腫瘍負荷の増加及びCAR T細胞処置の遅延を可能にする。NCGマウスに接種してから14日後、それらを無作為化し、同種異系H195h28Z、3P14HLh28Z又は4B2AHLh28Z CAR T細胞で処置した(図24B)。H195HLh28Zと比較して、3P14HLh28Z及び4B2AHLh28Zは、28日目の骨髄吸引で評価したように優れた腫瘍制御を付与し(図24C)、3P14HLh28Z処置マウスのみが、大部分のマウスにおいて長期生存を達成した(図24D)。
【0468】
まとめると、これらのデータは、3P14HLh28Zが優れた腫瘍制御を提供し、R/R原発性AMLから確立された高い腫瘍負荷の設定においてインビボでの長期生存をもたらすことを示す。
【0469】
考察。
AML治療用一式への新規薬剤の導入にもかかわらず、この骨髄性悪性腫瘍は、非常に悪い予後を有し続け、養子T細胞療法などの強力な介入に対する重要な必要性がある。CAR T細胞は、B細胞悪性腫瘍の治療に革命をもたらしたが、骨髄性疾患における有効性はまだ示されていない。
【0470】
最近、R/R AMLを有する成人患者の治療のために、自己CD33指向性4-1BB/CD3Z CAR T細胞を利用する第I相試験(NCT03126864)が説明された(Tambaro et al.,Leukemia 35,3282-3286(2021))。CAR T細胞産物は、部分的にはリンパ球減少及びアフェレーシスステップで得られた開始T細胞の数が不十分であることに起因して、10人の登録された患者のうちの3人のみに正常に製造及び投与された。これら3人の治療された患者のいずれも、最初の用量レベルで観察可能な抗白血病応答を有しなかった。この研究は、AML指向性CAR T細胞は、R/R AMLを有する多くの患者がリンパ球減少症及び循環末梢芽球の高い疾患負荷を有するため、低いエフェクター対腫瘍比で堅牢な増殖及び殺傷が可能でなければならないことを示した。別の研究は、最近、CD28/CD3Z又は4-1BB/CD3Z共刺激ドメインのいずれかを組み込んだ、リンツズマブ及びゲムツズマブに由来するCD33 IgV指向性CAR T細胞の広範な前臨床スクリーニングを説明した(Qin et al.,J Immunother Cancer 9(2021))。この研究は、AMLの治療のためのクラス最高のCARとして、リンツズマブ-CD28/CD3Zプラットフォームを報告した。本明細書に開示される主題は、CD33の膜近位IgCドメインを標的とすることによって、CD33指向性CAR T細胞の有効性を改善することができ、より堅牢なT細胞機能及び改善された腫瘍制御を可能にすると仮定した。CD33 CAR T細胞の効力は、高い親和性でCD33-IgCを標的とするscFvを利用することによって顕著に増加させることができることが実証された。驚くべきことに、膜近位エピトープへのヒト結合剤の上昇は、完全長CD33免疫化が常にIgV特異的抗体の生成をもたらし、IgVが免疫優性エピトープであることを示唆するため、IgC免疫化に依存していた。これらのデータは、ドメイン特異的免疫化を介して高親和性で膜近位エピトープを標的とするscFvを選択することが、標的に対するCAR T細胞の有効性を高めることができることを示唆している。
【0471】
本明細書に開示される主題の実施形態
前述の説明から、様々な使用法及び条件にそれを採用するために、本明細書に開示される主題に変形及び修正が行われ得ることが明らかであろう。かかる実施形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。
【0472】
本明細書における変数の任意の定義における要素のリストの列挙は、列挙された要素の任意の単一の要素又は組み合わせ(又はサブコンビネーション)としてのその変数の定義を含む。本明細書における実施形態の列挙は、任意の単一の実施形態として、又は任意の他の実施形態若しくはその一部と組み合わせて、その実施形態を含む。
【0473】
本明細書に記載されている全ての特許及び刊行物は、各々の独立した特許及び刊行物が参照により組み込まれることが具体的及び個別に示された場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
図1A
図1B
図2
図3-1】
図3-2】
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14
図15A
図15B
図16A
図16B
図17
図18A
図18B
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図18D
図19
図20A
図20B
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図20E
図20F
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図21A
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図22A
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図22C
図22D
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図23A
図23B
図23C
図23D
図23E
図23F
図23G
図23H
図23I
図23J
図23K
図24A
図24B
図24C
図24D
【配列表】
2024535740000001.xml
【国際調査報告】