(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】ウェアラブルデバイスの装着のモニタリング
(51)【国際特許分類】
G01L 5/10 20200101AFI20240925BHJP
A61B 5/0245 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
G01L5/10 Z
A61B5/0245 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514618
(86)(22)【出願日】2022-09-07
(85)【翻訳文提出日】2024-04-05
(86)【国際出願番号】 US2022042774
(87)【国際公開番号】W WO2023038983
(87)【国際公開日】2023-03-16
(32)【優先日】2021-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524084333
【氏名又は名称】フープ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Whoop,Inc.
【住所又は居所原語表記】One Kenmore Square,Suite 601,Boston,MA 02215,USA
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】ガンナッド-レザイエ,モスタファ
(72)【発明者】
【氏名】タヴァコリ,ベノーシュ
【テーマコード(参考)】
2F051
4C017
【Fターム(参考)】
2F051AA18
2F051AB06
2F051CA00
4C017AA10
4C017AB02
4C017EE15
4C017FF15
4C017FF17
(57)【要約】
ウェアラブルデバイスのきつさは、当該デバイスが如何にして物理的刺激に反応するかに関する直接的な観測を通じて評価され得る。例えば、触覚出力素子などを用いてチャープ信号のような変化する振動パターンを、手首または他の身体部分にストラップで固定されたデバイスに印加することにより、当該デバイスの機械的及び/又は光学的応答が測定されて、身体に対して当該デバイスを保持する張力の量を推測する、又はより一般的には、当該デバイスがユーザに適切にフィットされているかどうかを評価することができる。次いで、結果は、ニュートン又は何らかの他の測定基準を用いて客観的に、又はフィットの定性的評価を主観的に提供することにより、ユーザに提示され得る。また又はその代わりに、調整の推奨が、ウェアラブルデバイスの最適な性能に関して、ユーザに提供され得る。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数のコンピューティング装置で実行する際に、以下のステップを実行する、持続性コンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータ実行可能コードを含むコンピュータプログラム製品であって、前記ステップは、
弾性ストラップでユーザの身体に結合されたウェアラブル心拍数モニタの触覚出力素子を付勢することにより、前記ウェアラブル心拍数モニタの振動を生じさせ、
前記ウェアラブル心拍数モニタの、前記振動に対する応答を測定し、
前記振動に対する応答に対して、物理的モデルを前記ウェアラブル心拍数モニタ及び前記弾性ストラップに適用することにより、前記身体の回りの前記ウェアラブル心拍数モニタのストラップの張力を計算し、
前記張力が許容可能な範囲内にあるかどうかを示す前記張力に基づいて、ユーザに調整情報を提供すること、からなる、コンピュータプログラム製品。
【請求項2】
前記物理的モデルが、共鳴モデルである、請求項1に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項3】
方法であって、
ユーザの身体に結合されたウェアラブルモニタの振動を生じさせ、
前記ウェアラブルモニタの、前記振動に対する応答を測定し、
前記応答に基づいて、前記身体に対する前記ウェアラブルモニタのフィットを評価し、
前記フィットを所定の目標まで調整するために、ユーザに調整情報を提供すること、を含む、方法。
【請求項4】
前記所定の目標は、前記ウェアラブルモニタをユーザに固定するバンドの張力を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記所定の目標は、ユーザの皮膚に対する前記ウェアラブルモニタの垂直抗力を含む、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記応答は、1つ又は複数の光センサからの光学的応答、1つ又は複数の運動センサからの機械的応答を含み、前記方法は、
前記1つ又は複数の光センサからの第1の信号でもって、前記ウェアラブルモニタの、ユーザに対する光学的結合のレベルを計算し、
前記1つ又は複数の運動センサからの第2の信号でもって、前記ウェアラブルモニタの、ユーザに対する機械的結合のレベルを計算し、
前記光学的結合のレベルと前記機械的結合のレベルの組み合わせに基づいて、前記フィットを評価すること、を更に含む、請求項3~5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記振動を生じさせることは、前記ウェアラブルモニタに結合された触覚出力素子を付勢することを含む、請求項3~6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記フィットを評価することは、前記ウェアラブルモニタ上のプロセッサでもって、機械的結合のレベルを計算することを含む、請求項3~7の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記ユーザに調整情報を提供することは、ユーザと関連したコンピューティング装置のユーザインターフェースに前記調整情報を提示することを含む、請求項3~8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記調整情報は、前記ウェアラブルモニタのきつさのレベルを示す、請求項3~9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記調整情報は、前記身体の回りの前記ウェアラブルモニタを調整するための命令を含む、請求項3~10の何れか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記応答を測定することは、1つ又は複数の加速度計から、前記振動中の動作データを受け取ることを含む、請求項3~11の何れか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記応答を測定することは、1つ又は複数のジャイロスコープから、前記振動中の動作データを受け取ることを含む、請求項3~12の何れか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記応答を測定することは、1つ又は複数の光検出器から、前記振動中の光学データを受け取ることを含む、請求項3~13の何れか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記振動を生じさせることは、線形触覚出力素子を付勢することを含む、請求項3~14の何れか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記ウェアラブルモニタは、リストバンドでもって、ユーザの手首に結合される、請求項3~15の何れか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記ウェアラブルモニタは、弾性的衣類でもって身体に結合される、請求項3~15の何れか1項に記載の方法。
【請求項18】
システムであって、
プロセッサ、少なくとも1つのセンサ、及び触覚出力素子を含むウェアラブルモニタと、
前記ウェアラブルモニタのメモリに格納され、前記触覚出力素子の震動を生じさせ且つ前記少なくとも1つのセンサから前記震動に対する応答を受け取るように前記プロセッサを構成するコンピュータ実行可能コードと、
前記ウェアラブルモニタと通信する関係で結合された遠隔処理資源とを含み、
前記遠隔処理資源は、前記ウェアラブルモニタの物理的モデルを格納する第2のメモリ、及び第2のプロセッサを含み、前記第2のプロセッサは、前記ウェアラブルモニタから前記震動に対する応答を受け取り、前記応答に基づいてユーザの身体の回りの前記ウェアラブルモニタの機械的結合のレベルを計算し、前記応答に基づいて、前記機械的結合のレベルから独立して、前記身体の回りの前記ウェアラブルモニタの光学的結合のレベルを計算し、前記光学的結合のレベル及び前記機械的結合のレベルに基づいて、ユーザに対する前記ウェアラブルモニタのフィットを評価し、前記フィットと前記ウェアラブルモニタ用の所定の目標フィットとの間の差異に基づいて、ユーザに調整情報を伝えるように構成されている、システム。
【請求項19】
前記所定の目標フィットは、最小張力、最大張力、及び或る範囲の張力の少なくとも1つを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記所定の目標フィットは、最小閾値、最大閾値、及びレンジの少なくとも1つを含む、請求項18又は19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2021年9月7日に出願された米国仮特許出願第63/241438号の優先権を主張しており、その全内容は参照により本明細書に援用される。
【0002】
背景
不適切な装着は、光学的検出、容量性検出、又は他の接触ベースの検出技術を使用するウェアラブル生理学的モニタからのデータ収集の不一致の主な原因である可能性がある。例えば、光電式容積脈波記録モニタ、又は血液酸素化モニタのような、光学的モニタリング(監視)システムが、ゆる過ぎる(グラグラし過ぎる)場合、当該信号は、センサと皮膚との間の不十分な光学的結合に起因して悪化(劣化、低下)する可能性がある。反対に、モニタがきつ過ぎる場合、当該モニタは、センサの下の血行(血液循環)を抑制し、光信号の品質または強度を低下させる場合がある。幸いにも、激しい活動および運動の期間中でさえも、信号収集またはデータ精度を損なわずにセンサを皮膚との接触状態にしっかりと維持することができる、係るセンサの最適な垂直抗力の範囲が存在する場合がある。しかしながら、ユーザは一般に、最適なデバイス性能というよりはむしろ、快適さ又はファッションの主観的感覚に基づいて、きつさを調整する。
【0003】
例えば、良好なデバイス性能のための適切な張力(応力)で客観的なユーザフィードバックを提供するために、ウェアラブル生理学的モニタの装着(フィット、フィット感)をモニタリング(監視)するための技術の必要性が残っている。
【0004】
概要
ウェアラブルデバイスのきつさ(締め付け)は、当該デバイスが如何にして物理的刺激に反応するかに関する直接的な観測を通じて評価され得る。例えば、触覚出力素子または同類のものを用いてチャープ(CHIRP)信号のような変化する振動パターンを、手首または他の身体部分にストラップで固定されたデバイスに印加することにより、当該デバイスの機械的応答および/または光学的応答(反応)が測定されて、身体に対して当該デバイスを保持する張力の量を推測する、又はより一般的には、当該デバイスがユーザに適切にフィットされているかどうかを評価することができる。次いで、結果は、ニュートン又は何らかの他の測定基準を用いて客観的に、又はフィット(装着)の定性的評価を主観的に提供することにより、ユーザに提示され得る。また又はその代わりに、調整の推奨が、ウェアラブルデバイスの最適な性能に関して、ユーザに提供され得る。
【0005】
一態様において、本明細書で開示されるコンピュータプログラム製品は、1つ又は複数のコンピューティング装置で実行する際に、以下のステップを実行する、持続性コンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータ実行可能コードを含む場合があり、当該ステップは、弾性ストラップでユーザの身体に結合されたウェアラブル心拍数モニタの触覚出力素子を付勢することにより、前記ウェアラブル心拍数モニタの振動を生じさせ;前記ウェアラブル心拍数モニタの、前記振動に対する応答を測定し;前記振動に対する応答に対して、物理的モデルを前記ウェアラブル心拍数モニタ及び前記弾性ストラップに適用することにより、前記身体の回りの前記ウェアラブル心拍数モニタのストラップの張力を計算し;前記張力が許容可能な範囲内にあるかどうかを示す前記張力に基づいて、ユーザに調整情報を提供することである。物理的モデルは、共鳴モデルである場合がある。
【0006】
一態様において、本明細書で開示される方法は、ユーザの身体に結合されたウェアラブルモニタの振動を生じさせ;前記ウェアラブルモニタの、前記振動に対する応答を測定し;前記応答に基づいて、前記身体に対する前記ウェアラブルモニタのフィットを評価し;前記フィットを所定の目標まで調整するために、ユーザに調整情報を提供することを含む場合がある。
【0007】
具現化形態は、以下の特徴の1つ又は複数を含む場合がある。前記所定の目標は、前記ウェアラブルモニタをユーザに固定するバンドの張力を含む場合がある。前記所定の目標は、ユーザの皮膚に対する前記ウェアラブルモニタの垂直抗力を含む場合がある。前記応答は、1つ又は複数の光センサからの光学的応答、1つ又は複数の運動センサからの機械的応答を含む場合があり、前記方法は、前記1つ又は複数の光センサからの第1の信号でもって、前記ウェアラブルモニタの、ユーザに対する光学的結合のレベルを計算し;前記1つ又は複数の運動センサからの第2の信号でもって、前記ウェアラブルモニタの、ユーザに対する機械的結合のレベルを計算し;前記光学的結合のレベルと前記機械的結合のレベルの組み合わせに基づいて、前記フィットを評価することを更に含む場合がある。前記振動を生じさせることは、前記ウェアラブルモニタに結合された触覚出力素子を付勢することを含む場合がある。前記フィットを評価することは、前記ウェアラブルモニタ上のプロセッサでもって、機械的結合のレベルを計算することを含む場合がある。前記ユーザに調整情報を提供することは、ユーザと関連したコンピューティング装置のユーザインターフェースに前記調整情報を提示することを含む場合がある。前記調整情報は、前記ウェアラブルモニタのきつさのレベルを示す場合がある。前記調整情報は、前記身体の回りの前記ウェアラブルモニタを調整するための命令を含む場合がある。前記応答を測定することは、1つ又は複数の加速度計から、前記振動中の動作データを受け取ることを含む場合がある。前記応答を測定することは、1つ又は複数のジャイロスコープから、前記振動中の動作データを受け取ることを含む場合がある。前記応答を測定することは、1つ又は複数の光検出器から、前記振動中の光学データを受け取ることを含む場合がある。振動を生じさせることは、線形触覚出力素子を付勢することを含む場合がある。前記ウェアラブルモニタは、リストバンドでもって、ユーザの手首に結合され得る。前記ウェアラブルモニタは、弾性的衣類でもって身体に結合される得る。
【0008】
一態様において、本明細書で開示されるシステムは、プロセッサ、少なくとも1つのセンサ、及び触覚出力素子を含むウェアラブルモニタと;前記ウェアラブルモニタのメモリに格納され、前記触覚出力素子の震動を生じさせ且つ前記少なくとも1つのセンサから前記震動に対する応答を受け取るように前記プロセッサを構成するコンピュータ実行可能コードと;前記ウェアラブルモニタと通信する関係で結合された遠隔処理資源とを含み、前記遠隔処理資源は、前記ウェアラブルモニタの物理的モデルを格納する第2のメモリ、及び第2のプロセッサを含み、前記第2のプロセッサは、前記ウェアラブルモニタから前記震動に対する応答を受け取り;前記応答に基づいてユーザの身体の回りの前記ウェアラブルモニタの機械的結合のレベルを計算し;前記応答に基づいて、前記機械的結合のレベルとは独立して(関係無く)、前記身体の回りの前記ウェアラブルモニタの光学的結合のレベルを計算し;前記光学的結合のレベル及び前記機械的結合のレベルに基づいて、ユーザに対する前記ウェアラブルモニタのフィットを評価し;前記フィットと前記ウェアラブルモニタ用の所定の目標フィットとの間の差異に基づいて、ユーザに調整情報を伝えるように構成されている。前記所定の目標フィットは、最小張力、最大張力、及び或る範囲の張力の少なくとも1つを含む場合がある。前記所定の目標フィットは、最小閾値、最大閾値、及びレンジの少なくとも1つを含む場合がある。
【0009】
本明細書で説明されるデバイス、システム及び方法の上記および他の目的、特徴および利点は、添付図面に示されるように、それらの特定の実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。当該図面は、必ずしも一律の縮尺に従っておらず、それよりむしろ本明細書で説明されるデバイス、システム及び方法の原理を示すことに重点が置かれている。当該図面において、同様の参照符号は概して、対応する要素を特定する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】ウェアラブル生理学的モニタリング用のデバイスを示す図である。
【0011】
【
図2】本明細書で使用され得るコンピューティングデバイスのブロック図である。
【0012】
【
図3】生理学的モニタリングシステムを示す図である。
【0013】
【
図4】ウェアラブルモニタの装着を測定して、ユーザにすぐに実施可能なフィードバックを提供するための方法を示す流れ図である。
【0014】
【
図5】ウェアラブルモニタの装着を測定して、ユーザにすぐに実施可能なフィードバックを提供するための方法を示す流れ図である。
【0015】
【
図6】デバイスの動きを測定するための座標系を示す図である。
【0016】
【
図7】デバイスの装着(フィット)に対する機械的結合および光学的結合のマッピングを示す図である。
【0017】
【
図8】ユーザのデバイスフィット・プロトコルとの相互作用のためのユーザインターフェースを示す図である。
【0018】
【
図9】ウェアラブルモニタからの動作データを示す図である。
【0019】
【
図10】ウェアラブルモニタに対する身体部位のデータ駆動型予測に関する混同行列を示す図である。
【0020】
【
図11】多数の身体部位上のウェアラブルモニタの場所予測における95%信頼水準を達成するための時間を示す図である。
【0021】
詳細な説明
さて、好適な実施形態が示されている添付図面に関連して、実施形態が下記に更に十分に説明される。しかしながら、当該実施形態は、多くの異なる形態で具現化される場合があり、本明細書で説明される図示された実施形態に制限されると解釈されるべきでない。むしろ、これら図示された実施形態は、本開示が当該範囲を当業者に伝えるように、提供される。
【0022】
本明細書で言及される全文献は、参照により全体として本明細書に援用される。単数形の要素に対する言及は、特に明確に明記しない限り又は本文から明らかにならない限り、複数形の要素を含むと理解されるべきである。文法的接続詞は、特に明記しない限り又は文脈から明らかにならない限り、等位接続節、等位接続文、等位接続語などのありとあらゆる離接的および接続的組み合わせを表わすことが意図されている。かくして、用語「又は」は一般に、「及び/又は」などを意味すると理解されるべきである。
【0023】
本明細書において、値の範囲に関する記述は、別段の指示がない限り、制限することが意図されておらず、それよりむしろ当該範囲内に入るありとあらゆる値を個々に指しており、係る範囲内のそれぞれの別個の値は、それが本明細書で個々に列挙されているかのように、本明細書へ取入れられる。単語「約」、「おおよそ」又は同様のものは、数値を伴う場合、意図された目的にとって満足に動作すると当業者が認めるような偏差を示すと解釈されるべきである。同様に、「おおよそ」又は「実質的に」のような近似の単語は、物理的特性に言及する際に使用される場合、対応する用途、機能、目的、又は同様のものにとって満足に動作すると当業者が認める偏差の範囲を意図すると理解されるべきである。値および/または数値の範囲は、本明細書において単なる例として提供されており、説明される実施形態の範囲の制限を構成しない。値の範囲が提供される場合、それらはまた、明示的に特段の記載がない限り、まるで個々に記載されているかのように、範囲内の各値を含むことも意図されている。本明細書で提供されるありとあらゆる例または例示的な言葉(「例えば」、「のような」又は同様のもの)の使用は、実施形態を単にいっそう良く説明することが意図されており、実施形態の範囲に制限を課さない。明細書に言葉がないことは、実施形態の実施に欠かせない、請求項に記載されていない何らかの要素を示すものと解釈されるべきである。
【0024】
以下の説明において、「第1」、「第2」、「上部」、「底部」、「上へ」、「下へ」、「上に」、「下に」などのような用語は、利便性ための単語であり、特に特段の記載がない限り、制限する用語として解釈されるべきでない。
【0025】
例示的な実施形態は、連続した健康と体の調子の良さ(フィットネス)のモニタリングのための生理学的測定システム、生理学的測定デバイス、及び生理学的測定方法を提供し、従来の心拍数モニタの欠点を克服するための改良を行う。本開示の一態様は、装着者から様々な生理学的データ又は生理学的信号を収集する、ストラップ付きの軽量ウェアラブルシステムを提供することに向けられる。当該ストラップは、ユーザの付属器官または四肢(例えば、手首、足首、など)に当該システムを位置決めするために使用され得る。例示的なシステムは、ウェアラブル(身体に装着できる)であり、不快感を生じ且つ連続的な装着と使用を妨げる可能性がある胸郭バンド又は他のかさばる備品を必要とせずに、心拍数のリアルタイムの連続的なモニタリングを可能にする。当該システムは、心電図記録法を使用せずに且つ胸郭バンドを必要とせずに、ユーザの心拍数を求める場合がある。それにより、例示的なシステムは、全般的に健康で安心なことを評価することにだけでなく、体の調子の良さに関する連続的なモニタリングにも使用され得る。また、例示的なシステムは、心拍数に加えて、以下に限定されないが、体温、心拍変動、動作(動き、運動)、睡眠、ストレス、健康レベル、回復レベル、健康とフィットネスに関してトレーニングを習慣的に行うことの効果、カロリーの消費量などを含む、1つ又は複数の生理学的パラメータのモニタリングも可能にする。
【0026】
かさばる部品を含む健康モニタ又はフィットネスモニタは、連続した着用を妨げる場合がある。既存のフィットネスモニタは、腕時計の機能を含む場合が多く、それにより健康モニタ又はフィットネスモニタを極めてかさばらせて、連続した着用に不便にする。従って、一態様は、かさばる部品を含まないウェアラブル健康システム又はウェアラブルフィットネスシステムを提供することに向けられ、それにより、ブレスレットをより薄くし、目立たないものにし、且つ連続した着用にふさわしくする。当該ブレスレットを連続して着用する能力は更に、生理学的データの連続的な収集、並びに連続的でより信頼できる健康またはフィットネスのモニタリングを可能にする。例えば、本明細書で開示されたブレスレットの実施形態により、ユーザが、フィットネスのセッション中だけでなく、常にデータを監視することが可能になる。幾つかの実施形態において、ウェアラブルシステムは、心拍数および他の情報を表示するためのディスプレイ画面を含む場合がある又は含まない場合がある。他の実施形態において、ウェアラブルシステムは、選択的にユーザにフィードバックを提供する及び心拍数を表示するための1つ又は複数の発光ダイオード(LED)を含む場合がある。幾つかの実施形態において、ウェアラブルシステムは、追加の機能を提供する場合がある及び追加の情報を表示する場合がある着脱可能な又は取り外し可能なモジュール型ヘッドを含む場合がある。係るモジュール型ヘッドは、追加の情報表示が所望される場合にウェアラブルシステムに取り外し可能に取り付けられ、ウェアラブルシステムの快適さと外観を改善するために取り外され得る。他の実施形態において、当該ヘッドは、ウェアラブルシステムに一体的に形成され得る。
【0027】
また、例示的な実施形態は、ウェアラブルモニタのきつさを測定して、すぐに実施可能なフィードバックをユーザに提供するための方法も含む。ウェアラブルモニタのきつさは、その性能に影響を及ぼす場合がある。良好な装着(フィット、フィット感)を得られるように、スプリング(ばね)モデル又は共鳴モデルのような物理的モデルが作成されて、身体部分の回りに張力で弾性的に保持される際のウェアラブルモニタの動きを特徴付ける場合がある。次いで、ウェアラブルモニタは、振動させられる場合があり、これら振動に対する応答が、張力を推測するために当該モデルに適用され得る。当該推測された張力は、ユーザに調整情報を提供するために使用され得る。
【0028】
心拍数データ収集に関連して本明細書で使用されるような用語「連続した」は、個々の心拍の検出を可能にするための十分な頻度(周波数)での心拍数データの収集を意味し、連日連夜を通して連続的に心拍数データを収集することも意味する。より一般的には、ウェアラブルデバイスにより監視され得る生理学的信号に関して、「連続して」又は「連続的に」は、意図された時間ベースの処理に適切なレート(速度)で連続的であり、且つ物理的信号をデジタルデータへ変換することに関連したサンプリング限界およびサンプリングレートのような通常のデータ取得制限、及び使用中の物理的な破壊(例えば、突然の動きに起因したモニタリングハードウェアの一時的な変位、外部照明の変化、電力の喪失、装着者による物理的操作または調整、外力に起因したモニタリングハードウェアの物理的変位など)に関連した物理的な制限を被る、モニタリングハードウェアにより可能なレートで物理的であることを意味すると理解されるであろう。また、留意される点は、本文脈における心拍数データ又は監視される心拍数は、生のセンサデータ、心拍数データ、信号ピークデータ、心拍変動データ、或いは本明細書で企図されるような心拍数データを復元するのに適切な任意の他の生理学的信号またはデジタル信号をより一般的に意味する場合があり、心拍数データは一般に、睡眠状態、行動認識、安静時心拍数、最大心拍数などのような、様々な測定基準にその後に相関され得る或る履歴期間にわたってキャプチャ(収集)され得る。
【0029】
本明細書で使用されるような、用語「ポインティングデバイス」は、ユーザがコンピューティングシステム又はコンピューティング装置に空間データを入力することを可能にする任意の適切な入力インターフェース、特にヒューマンインターフェース装置を意味する。例示的な実施形態において、ポインティングデバイスにより、ユーザが、物理的ジェスチャ(例えば、ポインタを合わせること、クリックすること、ドラッグすること、及びドロップすること)を用いて、コンピュータに入力を供給することを可能にする場合がある。例示的なポインティングデバイスは、以下に限定されないが、マウス、タッチパッド、タッチスクリーンなどを含む場合がある。
【0030】
本明細書で使用されるような、用語「コンピュータ可読媒体」は、そこにコンピュータ実行可能命令またはソフトウェアプログラムを符号化するために、コントローラ、マイクロコントローラ、計算システム、又は計算システムのモジュールによりアクセスされ得る持続性記憶ハードウェア、持続性記憶デバイス又は持続性コンピュータシステムメモリを意味する。「コンピュータ可読媒体」は、当該媒体に符号化されたコンピュータ実行可能命令またはソフトウェアプログラムを検索して取り出す及び/又は実行するために、計算システム又は計算システムのモジュールによりアクセスされ得る。持続性コンピュータ可読媒体は、以下に限定されないが、1つ又は複数のタイプのハードウェアメモリ、持続性有形媒体(例えば、1つ又は複数の磁気記憶ディスク、1つ又は複数の光ディスク、1つ又は複数のUSBフラッシュドライブ)、コンピュータシステムメモリ又はランダムアクセスメモリ(例えば、DRAM、SRAM、EDO-RAM)などを含む場合がある。
【0031】
本明細書で使用されるような、用語「遠位」は、ユーザにより着用された際にユーザの体から最も遠くにある生理学的測定システムの一部、端部、又は構成要素を意味する。
【0032】
本明細書で使用されるような、用語「近位」は、ユーザにより着用された際にユーザの体に最も近くにある生理学的測定システムの一部、端部、又は構成要素を意味する。
【0033】
本明細書で使用されるような、用語「等しい(同等)」は、広く一般的な意味で、正確に等しい、又は或る許容誤差内でほぼ等しいことを意味する。
【0034】
例示的な実施形態は、心拍数のような生理学的データ、又は血圧、水和状態、血液酸素化状態などのような他の生理学的データの連続的な測定値を提供するように構成されたウェアラブル生理学的測定システムを提供する。例示的なシステムは、付属器官(例えば、手首または足首)に連続的に着用可能であるように構成され、心拍数の検出において心電図記録法または胸郭バンドに依存しない。例示的なシステムは、ユーザの皮膚へ向けて1つ又は複数の所望の周波数で光を放出するための1つ又は複数の光放出器、及びユーザの皮膚から反射された光を受け取るための1つ又は複数の光検出器を含む。光検出器は、フォトレジスター、フォトトランジスタ、フォトダイオードなどを含む場合がある。光放出器からの光(例えば、緑色の光)がユーザの皮膚を貫く際、当該光に対する血液の自然吸光度または透過率は、フォトレジスターの測定値に変動を与える。これらの波動は、血流が心臓の鼓動の後に増加した時だけ、増加した吸光度または透過率が生じるので、ユーザの脈拍と同じ回数(頻度)を有する。システムは、光検出器で受け取られた光学データを処理し且つ当該光学データに基づいて連続的に心拍数を求めるための、ソフトウェア、ハードウェア又はそれらの組み合わせで具現化された処理モジュールを含む。当該光学データは、動作または他のアーチファクトにより(又は別の波長の他の光信号で)生じる、心拍数信号のノイズを最小化する又は取り除くために、1つ又は複数の運動センサ(例えば、加速度計および/またはジャイロスコープ)からのデータと組み合わされ得る。
【0035】
図1は、生理学的モニタリング装置を示す。全体としてのシステム100は、概して生理学的モニタリングのために構成されたデバイス104(ディスプレイ画面または他のユーザインターフェースを含む場合がある又は含まない場合がある)を含む場合がある。システム100は更に、デバイス104を再充電するための着脱可能で交換可能なバッテリ106を含む場合がある。ストラップ102が設けられる場合があり、本明細書で説明されるような生理学的データの収集のために装着者の体の所定位置にデバイス104を保持するのに適切な任意の構成を含む場合がある。例えば、ストラップ102は、任意の適切な弾性材料(例えば、ゴム、織りポリエステルのような織りポリマー繊維、ポリプロピレン、ナイロン、スパンデックスなど)から形成された細い弾性バンドを含む場合がある。ストラップ102は、様々な手首のサイズに適応するように調整可能である場合があり、生理学的信号をモニタリングするための意図された位置にデバイス104を固定するために任意のラッチ、留め金、又は同様のものを含む場合がある。手首に装着されるデバイスが示されているが、理解されるように、デバイス104は、検出モダリティ及び収集されるべき信号の特性に基づいて、ユーザの体の任意の適切な場所に配置するために構成され得る。例えば、デバイス104は、手首、足首、二頭筋、胸郭、又は任意の他の適切な場所(単数または複数)で使用するように構成される場合があり、ストラップ102は、衣類またはアクセサリー類の範囲内で、ウエストバンド、又は他の弾性バンド又は同様のものである場合がある又はそれらを含む場合がある。また又はその代わりに、デバイス104は、ガーメント(下着、衣類)上に又はガーメント内に、例えば取り外せない方法で又は着脱可能および交換可能な方法で配置するように構造的に構成され得る。その目的を達成するために、デバイス104は、ガーメントに結合する又はガーメント内に埋め込まれるポケット、スロット及び/又は他の差し込み穴内に配置するように構造的に構成され得る。係る構成において、ガーメントは、内部に又は表面上にデバイス104を含むガーメントを着用するユーザから、デバイス104が生理学的パラメータ及び/又は生物力学的パラメータを検出することができるように、検出窓または他の経路を含む場合がある。
【0036】
システム100は、データ収集、処理、表示、外部資源との通信のような様々な機能を提供するための任意のハードウェア構成要素、サブシステムなどを含む場合がある。例えば、システム100は、例えば光電式容積脈波記録法、心電図記録法、又は任意の他の技術(単数または複数)を用いる心拍数モニタを含む場合がある。システム100は、手首の回りで使用するように配置された際に、システム100が装着者からの生理学的データの収集を開始するように、構成され得る。幾つかの実施形態において、脈拍または心拍数は、1つ又は複数の発光ダイオード(LED)と結合された光センサ(全てはユーザの手首に直接接触している)を用いて取得され得る。LEDは、ユーザの皮膚へ向けて照明を送るように配置される場合があり、装着者の皮膚により反射および/または透過された、当該LEDからの照明を測定するのに適した1つ又は複数のフォトダイオード又は他の光検出器が付随する場合がある。
【0037】
システム100は、以下に限定されないが、皮膚の温度(体温計を用いて)、電気皮膚反応(電気皮膚反応センサを用いて)、動作(1つ又は複数の多軸加速度計および/またはジャイロスコープを用いて)、血圧など、おまけに周囲光、大気温度、湿度、時刻などのような環境パラメータ又は状況パラメータを含む、他の生理学的パラメータ及び/又は生物力学パラメータを記録するように構成され得る。また、システム100は、動き検出のための加速度計および/またはジャイロスコープのような他のセンサ、及び環境温度検出、皮膚電位(EDA)検出、電気皮膚反応(GSR)検出などのためのセンサも含む場合がある。
【0038】
システム100は、デバイス104内に環境的に封止された第1のバッテリ及びデバイス104内のバッテリを再充電するために着脱可能かつ交換可能であるバッテリ106のような、1つ又は複数のバッテリ寿命源を含む場合がある。システム100は、ユーザが眠っている、起きている、運動しているなどの時を自動的に検出するような、連続的なモニタリングに関連した多くの機能を実行する場合があり、係る検出は、デバイス104において局所的に、又はデバイス104と通信する関係で結合された遠隔サービスで行われ、そこからデータを受け取る場合がある。一般に、システム100は、心拍数のような生理学的信号の連続的な独立したモニタリングをサポートする場合があり、収集されたデータは、計算コストがより高い分析のために、それが遠隔処理資源にアップロードされ得るまで、デバイス104に格納され得る。
【0039】
図2は、例示的な実施形態により提供される方法の何れかを実行するために使用され得る例示的なコンピューティング装置200のブロック図である。当該コンピューティング装置は例えば、連続した生理学的モニタリングに使用される装置である場合がある。また又はその代わりに、当該装置は、デスクトップコンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、スマートフォンのような、本明細書で説明される局所的コンピューティング装置の何れかである場合がある。また又はその代わりに、当該装置は、ウェブサーバ、クラウドデータベース、ファイルサーバ、アプリケーションサーバ、又は任意の他の遠隔資源または同様のもののような、本明細書で説明される遠隔のコンピューティング資源の何れかである場合がある。物理的装置(デバイス)として説明されたが、理解されるように、例示的なコンピューティング装置200は、また又はその代わりに、ウェブサーバ、又はクラウドコンピューティング・プラットフォームにおける他の遠隔資源を実行する仮想計算機のような、仮想計算装置として実現され得る。一般に、装置200は、1つ又は複数のセンサ202、バッテリ204、記憶装置206、プロセッサ208、メモリ210、ネットワークインターフェース214、及びユーザインターフェース216、又は上記の1つ又は複数の仮想インスタンスを含む場合がある。
【0040】
センサ202は、本明細書で企図されたような心拍数モニタリングに適切な任意のセンサ又はセンサの組み合わせ、並びにカロリー消費、位置(例えば、全地球測位システム又は同様のものを通じて)、動作、活動などを検出するためのセンサ202を含む場合がある。一態様において、これは、心拍数の光電式容積脈波記録測定、パルスオキシメトリ測定、及び他の生理学的モニタリングのために組み合わせて使用され得る、フォトダイオード又は他の光センサと一緒にLED又は他の光源を含む光検出システムを含む場合がある。
【0041】
また又はその代わりに、センサ202は、活動測定のための1つ又は複数のセンサを含む場合がある。幾つかの実施形態において、当該システムは、活動の測定を行うための1つ又は複数の多軸加速度計および/またはジャイロスコープを含む場合がある。幾つかの実施形態において、加速度計は更に、心拍数を測定するための光センサからの信号をフィルタリングして、心拍数のより正確な測定値を提供するために使用され得る。幾つかの実施形態において、ウェアラブルシステムは、動きを測定して距離を計算するための多軸加速度計を含む場合がある。例えば、運動センサは、ウオーキング、ランニング、別のスポーツを行うこと、立っていること、座っていること、又は横たわっていることのような、活動を分類する又は類別するために使用され得る。センサ202は例えば、ユーザの体温または皮膚の温度をモニタリングするための体温計を含む場合がある。一実施形態において、センサ202は、温度降下、電気皮膚反応データ、加速度計によって収集されたデータによる動作または活動の無いこと、心拍数モニタにより測定される際の低下した心拍数などに基づいて、寝ていることを認識するために使用され得る。体温は、心拍数モニタリング及び動作と連係して、例えば、ユーザが寝ている又は休憩しているだけかどうか、並びに人が如何に良く寝ているかを解釈するために使用され得る。また、より詳細に後述されるように、体温、動作、及び他の検出データは、ユーザが運動しているかどうかを判断するために、及び活動を分類する及び/又は分析するために使用され得る。別の態様において、センサ202は、ユーザ上で使用するための生理学的モニタの位置を検出するために、容量性タッチセンサ又は抵抗膜式タッチセンサのような、1つ又は複数の接触センサを含む場合がある。より一般的には、センサ202は、本明細書で企図されたように生理学的モニタリングに有用な任意の方法で、地理的な位置、生理学的状態、運動、動きなどをモニタリングするのに適した任意のセンサ又はセンサの組み合わせを含む場合がある。
【0042】
バッテリ204は、ウェアラブルシステムの連続した着用と使用を可能にするように構成された1つ又は複数のバッテリを含む場合がある。一実施形態において、ウェアラブルシステムは、主バッテリが充電されている間に装置200の動作を維持する一体型バッテリと共に、取り外されて充電器を用いて再充電され得る着脱可能なバッテリのような、2つ以上のバッテリを含む場合がある。別の態様において、バッテリ204は、短距離または長距離の無線再充電システムを用いて再充電され得る無線再充電可能なバッテリを含む場合がある。
【0043】
プロセッサ208は、本明細書で説明された処理ステップを実行するのに適した、任意のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、信号プロセッサ又は他のプロセッサ又はプロセッサの組み合わせ及び他の処理回路を含む場合がある。一般に、プロセッサ208は、本明細書で説明された、活動認識および他の生理学的モニタリング機能を行うために、メモリ210に格納されたコンピュータ実行可能コードにより構成され得る。
【0044】
一般に、メモリ210は、例示的な実施形態を具現化するための1つ又は複数のコンピュータ実行可能命令またはソフトウェアを格納するための1つ又は複数の持続性コンピュータ可読媒体を含む場合がある。持続性コンピュータ可読媒体は、以下に限定されないが、1つ又は複数のタイプのハードウェアメモリ、持続性有形媒体(例えば、1つ又は複数の磁気記憶ディスク、光ディスク、1つ又は複数のUSBフラッシュドライブ)などを含む場合がある。一態様において、メモリ210は、DRAM、SRAM、EDO-RAMなどのような、コンピュータシステムメモリ又はランダムアクセスメモリを含む場合がある。メモリ210は、同様に他のタイプのメモリ、又はそれらの組み合わせ、並びに例えば、当該装置が仮想装置である場合にメモリの仮想インスタンスを含む場合がある。一般に、メモリ210は、本明細書で説明された方法およびシステムを具現化するためのコンピュータ可読命令およびコンピュータ実行可能命令またはソフトウェアを格納する場合がある。また又はその代わりに、メモリ210は、装置200の動作中にセンサ202により収集されたデータのような、生理学的データ、ユーザデータ、又は本明細書で説明された生理学的モニタ又は他のデバイスの動作に有用な他のデータを格納する場合がある。
【0045】
ネットワークインターフェース214は、例えば任意の公共ネットワーク、私的ネットワーク、又は本明細書で説明される他のデータネットワーク、又は例えば、ローカルエリアネットワーク、インターネット、セルラーデータネットワークなどを含む上記の任意の組み合わせのような、外部ネットワーク218を介して、サーバ220にデータを無線で伝えるように構成され得る。当該装置が生理学的モニタリングデバイスである場合、ネットワークインターフェース214は、例えば、装置200に格納された生のセンサデータ又は処理されたセンサデータをサーバ220に伝達するために、並びにアップデートを受け取るために、構成情報を受け取るために、及びそうでなければ当該装置の動作をサポートするために遠隔資源およびユーザと通信するために使用され得る。より一般的には、ネットワークインターフェース214は、以下に限定されないが、標準電話線、ローカエリアネットワーク(LAN)又は広域ネットワーク(WAN)のリンク(例えば、202.11、T1、T3、56kb、X.25)、ブロードバンド接続(例えば、ISDN、フレームリレー、ATM)、無線接続、又は上記の何れか又は全ての幾つかの組み合わせを含む、様々な接続を介して、1つ又は複数のネットワーク(例えば、LAN、WAN、インターネット又はセルラーデータネットワーク)と接続するように構成された何らかのインターフェースを含む場合がある。ネットワークインターフェース214は、通信する及び本明細書で説明された動作を実行することができる任意のタイプのネットワークにコンピューティング装置200を接続して動作させるのに適した、内蔵式ネットワークアダプター、ネットワークインターフェースカード、PCMCIAネットワークカード、カードバスネットワークアダプター、無線ネットワークアダプター、USBネットワークアダプター、モデム、又は任意の他のデバイスを含む場合がある。
【0046】
ユーザインターフェース216は、ユーザとの相互作用をサポートするのに適した任意の構成要素を含む場合がある。これは例えば、ユーザからの入力を受け取る、又はユーザに出力を提供するための、キーパッド、ディスプレイ、ブザー、スピーカ、発光ダイオード、及び任意の他の構成要素を含む場合がある。一態様において、当該装置200は、例えば、動作状態、表示情報などを変更するために当該装置の表面上での一連のタップに応答することにより、触覚入力を受け取るように構成され得る。また又はその代わりに、ユーザインターフェース216は、プロセッサ208で実行しているプログラムとのグラフィカル的なユーザ相互作用のためにディスプレイ上にレンダリングされたグラフィカルユーザインターフェース、及び装置200の物理的ディスプレイによりレンダリングされている他のコンテンツを含む場合がある。
【0047】
図3は、生理学的モニタリングシステムを示す。より具体的には、
図3は、本明細書で説明される方法または装置の何れかと使用され得る生理学的モニタリングを容易にするシステム300を示す。一般に、システム300は、生理学的モニタ306、ユーザ装置320、遠隔データ処理資源(本明細書で説明されるプロセッサ又は処理資源の何れかのような)を有する遠隔サーバ330、及び1つ又は複数の他の資源350を含む場合があり、それらの全ては、データネットワーク302を介して相互接続され得る。
【0048】
データネットワーク302は、本明細書で説明されるデータネットワークの何れかである場合がある。例えば、データネットワーク302は、システム300内の参加装置間でデータと情報を伝えるのに適した任意のネットワーク(単数または複数)又はインターネットワーク(単数または複数)である場合がある。これは、インターネットのような公共ネットワーク、私的ネットワーク、公衆交換電話網または第三世代(例えば、3G又はIMT-2000)、第四世代(例えば、LTE(E-UTRA)又はWiMAX-Advanced(IEEE802.16m))、第五世代(例えば、5G)、及び/又は他の技術を用いるセルラーネットワークのような電気通信網、並びにシステム300内の参加装置間でデータを伝送するために使用され得る様々な企業ネットワーク又はローカルエリアネットワーク及び他の切り替え装置(交換器)、ルータ、ハブ、ゲートウェイなどの何れかを含む場合がある。また、これは、例えば生理学的モニタ306をユーザ装置320に結合するのに、又はそうでなければ局所的資源と通信するのに適した局所範囲通信ネットワーク又は短距離通信ネットワークも含む場合がある。
【0049】
生理学的モニタ306は一般に、
図1のブレスレット100のような、本明細書で説明されたウェアラブルモニタ又は他のモニタリング装置の何れかのような、任意の生理学的モニタリング装置である場合がある。かくして、生理学的モニタ306は一般に、ユーザの手首または他の付属器官に着用され且つ付属器官に対してストラップ310又は他の取り付け機構でもって所望の位置関係で保持される形状と大きさになっている場合がある。生理学的モニタ306は、ウェアラブルハウジング311、ネットワークインターフェース312、1つ又は複数のセンサ314、1つ又は複数の光源315、プロセッサ316、メモリ318、及びユーザ上の所望の場所に生理学的モニタ306を保持するためのウェアラブルストラップ310を含む場合がある。
【0050】
一般に、生理学的モニタ306は、装着者から心拍数データ及び/又は他の生理学的データを収集するように構成されたウェアラブル生理学的モニタを含む場合がある。より具体的には、生理学的モニタ306のウェアラブルハウジング311は、実質的に連続的にユーザから心拍数データ及び/又は他の生理学的データを収集するために、ユーザがウェアラブル生理学的モニタ306を着用することができるように構成され得る。ウェアラブルハウジング311は、例えばユーザの付属器官と係合するために、ストラップ310又は同様のものと協働するように構成され得る。
【0051】
ネットワークインターフェース312は、システム300の1つ又は複数の参加装置を、例えば遠隔サーバ330と通信する関係において結合するように構成され得る。ネットワークインターフェース312は、ブルートゥース(登録商標)、Wi-Fi(ワイヤレス・フィディリティー)、モバイルネットワーク(3G、4G、5G、・・)又は近距離無線通信(NFC)のような技術を用いて、システム300の1つ又は複数の参加装置を、例えば遠隔資源と通信する関係において結合するように構成され得る。
【0052】
1つ又は複数のセンサ314は、本明細書で説明されるセンサの何れか、又は生理学的モニタリングに適した任意の他のセンサを含む場合がある。一例および制限しないものとして、1つ又は複数のセンサ314は、1つ又は複数の光源および光センサ、加速度計、ジャイロスコープ、温度センサ、電気皮膚反応センサ、環境センサ(例えば、大気温度、湿度、照明などを測定するため)、ジオロケーションセンサ、時間に関するセンサ、皮膚電位センサなどを含む場合がある。1つ又は複数のセンサ314は、ウェアラブルハウジング311に配置され、又はそうでなければ、ユーザの生理学的モニタリングのためにデータを取り込むように配置されて構成され得る。一態様において、1つ又は複数のセンサ314は、心拍変動を計算するためにデータをプロセッサ316に供給するように構成された光検出器を含む場合がある。また又はその代わりに、1つ又は複数のセンサ314は、例えば睡眠状態、ウオーキング事象、運動、及び/又は他のユーザ活動を検出するために、データをプロセッサ316に供給するように構成された加速度計を含む場合がある。一具現化形態において、1つ又は複数のセンサ314は、ユーザの電気皮膚反応を測定する場合がある。
【0053】
プロセッサ316及びメモリ318は、本明細書で説明されるプロセッサ及びメモリの何れかである場合があり、生理学的モニタリング装置内に配置するのに適している場合がある。一態様において、メモリ318は、1つ又は複数のセンサ314でもってユーザをモニタリングすることにより得られた生理学的データを格納する場合がある。プロセッサ316は、センサ314からのデータに基づいて、ユーザから心拍数データを得るように構成され得る。プロセッサ316は更に、本明細書で説明されるようにユーザが感染症または興味のある他の病気にかかっているかどうかのような、ユーザの健康状態の判定を支援するように構成され得る。
【0054】
1つ又は複数の光源315は、ウェアラブルハウジング311に結合されて、プロセッサ316により制御され得る。光源315の少なくとも1つは、ユーザの付属器官の皮膚に向けられ得る。光源315からの光は、1つ又は複数のセンサ314により検出され得る。
【0055】
システム300は更に、遠隔サーバ330で実行している遠隔データ処理資源を含む場合がある。遠隔データ処理資源は、本明細書で説明されるプロセッサの何れかである場合があり、生理学的モニタ306のメモリ318から伝達されたデータを受け取り、本明細書で説明されるようにユーザが感染症または興味のある他の病気にかかっているかどうかのような、ユーザの健康状態を評価するように構成され得る。
【0056】
また、システム300は、1つ又は複数のユーザ装置320も含む場合があり、当該ユーザ装置320は、生理学的モニタ306と協力して、例えばユーザデータと分析結果を表示する、及び/又は生理学的モニタ306のネットワークインターフェース312からデータネットワーク302及び遠隔サーバ330への通信ブリッジを提供する場合がある。例えば、生理学的モニタ306は、例えば生理学的モニタ306とユーザ装置320との間でデータ交換するために、短距離通信(例えば、ブルートゥース(登録商標)又は同様のもの)を介して、ユーザのスマートフォンのようなユーザ装置320と局所的に通信する場合があり、ユーザ装置320は、データネットワーク302を介して遠隔サーバ330と通信する場合がある。計算集約的処理は、遠隔サーバ330で実施される場合があり、当該遠隔サーバ330は、データを収集する生理学的モニタ306より大きいメモリ機能と処理能力を有する場合がある。しかしながら、理解されるように、また又はその代わりに、処理は、1つ又は複数の生理学的モニタ306、ユーザ装置320などで実施され得る。即ち、理解されるように、本明細書で説明されるような生理学的モニタリングの技術に関連した1つ又は複数のステップ、又はそれに関連したサブステップ、計算、機能などは、局所的に、遠隔的に、又はこれらの幾つかの組み合わせで実施され得る。例えば、これらステップは、局所的にウェアラブルデバイスで、遠隔的にサーバ又は他の遠隔資源で、遠隔資源にアクセスするためにユーザにより使用される局所的コンピュータのような中間装置で、又はこれらの任意の組み合わせで実施され得る。
【0057】
ユーザ装置320は、本明細書で説明されるような任意のコンピューティング装置を含む場合があり、当該コンピューティング装置は、制限せずに、スマートフォン、デスクトップコンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、ネットワークコンピュータ、タブレット、モバイル機器、携帯情報端末、携帯電話、携帯型メディア装置または携帯型娯楽機器などを含む。ユーザ装置320は、ユーザによりデータ及び分析結果にアクセスするための、及び/又は生理学的モニタ306の動作を制御するためのユーザインターフェース322を提供する場合がある。ユーザインターフェース322は、ユーザ装置320で局所的に実行しているアプリケーションにより維持され得る、又はユーザインターフェース322は、例えば、遠隔サーバ330又は1つ又は複数の他の資源350から、ユーザ装置320で遠隔的に役割を果たされて提示され得る。
【0058】
一般に、遠隔サーバ330は、データ記憶装置、ネットワークインターフェース、及び/又は他の処理回路を含む場合がある。遠隔サーバ330は、生理学的モニタ306からのデータを処理する場合があり、遠隔サーバ330は、本明細書で説明される分析の何れかを実施する場合があり、且つ例えばユーザ装置320からこのデータに遠隔的にアクセスするためのユーザインターフェースを提供する場合がある。遠隔サーバ330は、システム300の遠隔サーバ330又は他の構成要素の能力に対するユーザ装置320及び/又は生理学的モニタ306によるウェブベースのアクセスを容易にするウェブサーバ又は他のプログラム的フロントエンドを含む場合がある。
【0059】
他の資源350は、本明細書で説明されるデバイス(装置)、システム及び方法で有用に利用され得る任意の資源を含む場合がある。例えば、これら他の資源350は、制限せずに、他のデータネットワーク、人間の動作主体(例えば、プログラマー、研究者、注釈者、編集者、分析者など)、センサ(例えば、音声センサ又は視覚センサ)、データマイニングツール、計算ツール、データ監視ツール、アルゴリズムなどを含む場合がある。また又はその代わりに、他の資源350は、本明細書で企図されるように、ネットワーク化されたアプリケーションで役立つように利用され得る任意の他のソフトウェア資源またはハードウェア資源を含む場合がある。例えば、他の資源350は、アクセス、コンテンツ、又はオプション/機能の購入、或いはその他に関する支払いを認証するために使用される支払い処理サーバ又はプラットフォームを含む場合がある。別の態様において、他の資源350は、身元に関するサードパーティ検証、データの暗号化または暗号解読などのための認証サーバ又は他のセキュリティ資源を含む場合がある。別の態様において、他の資源350は、ユーザ装置320、生理学的モニタ306、及び/又は遠隔サーバ330と共同設置(例えば、同じローカルエリアネットワーク上、又はシリアルケーブル又はUSBケーブルを介して直接的に結合)されたデスクトップコンピュータ又は同様のものを含む場合がある。この場合、他の資源350は、システム300の他の構成要素に追加機能を提供する場合がある。
【0060】
また又はその代わりに、他の資源350は、システム300内の他の参加装置(参加者)の何れかへ/からのウェブベースのアクセスを提供する1つ又は複数のウェブサーバを含む場合がある。別個のネットワークエンティティとして示されているが、容易に認識されるように、また又はその代わりに、他の資源350(例えば、ウェブサーバ)は、本明細書で説明される他の装置の1つと論理的に及び/又は物理的に関連付けられる場合があり、例えば生理学的モニタ306及び/又はユーザ装置320から、データネットワーク302を介したユーザ相互作用を可能にするように、遠隔サーバ330又はデータベースにウェブアクセスするためのユーザインターフェース322を含む又は提供する場合がある。
【0061】
図4は、ウェアラブルモニタのきつさを測定して、物理的モデルに基づいてユーザにすぐに実施可能なフィードバックを提供するための方法400を示す流れ図である。ウェアラブルモニタのきつさ(圧迫感)は、性能に影響を及ぼす可能性がある。例えば、光電式容積脈波記録モニタ又は血液酸素化モニタのような、光モニタがグラグラし過ぎる場合、結果としての信号は、センサと皮膚との間の不十分な光学的結合に起因して劣化する可能性がある。きつさの最適なレベルが得られるように、スプリング(ばね)モデル又は共鳴モデルのような物理的モデルが作成されて、体の一部の回りに張力で弾性的に保持される際のウェアラブルモニタの動きを特徴付ける場合がある。次いで、ウェアラブルモニタは振動される場合があり、これら振動に対する測定された応答は、例えば測定された応答に等しい、振動に対する応答を生じる物理的モデルの張力を計算することにより、張力を推測するための物理的モデルと共に使用され得る。次いで、推測された張力を用いて、例えば改善された動作または適切な動作のために当該モニタを締め付ける、緩める、再配置する及び/又はそうでなければ調整するために、ユーザに調整情報を提供する場合がある。
【0062】
ステップ402で示されるように、方法400は、ユーザの体にウェアラブルモニタを結合することを含む場合がある。当該モニタは、生理学的モニタ、光学的モニタ、光電式容積脈波記録システム、パルス酸素モニタ、又は本明細書で説明される他のウェアラブル生理学的モニタの何れか、或いは弾性ストラップ、バンド、生地、伸縮する衣類、又は同様のものでもってユーザの体に結合され得る任意の他のモニタを含む場合がある。例えば、当該モニタは、リストバンドでユーザの手首に結合され得る。その代わりに、当該モニタは、弾性ストラップ、或いはライクラ(登録商標)のような運動競技用ニット、スパンデックス、エラスタン、1つ又は複数の弾性ストラップ、又は幾つかの他の生地またはポリマー、ウレタンゴム又は同様のものから形成された弾性材料から形成された弾性衣類でもって、胸、二頭筋、足首、ふくらはぎ、胴、ウエスト、脚、腕、又は幾つかの他の身体部分に結合され得る。当該モニタは、本明細書で説明されるような装着検出のために刺激と反応を提供するために、触覚出力装置、及び加速度計、ジャイロスコープ及び/又は磁気探知器のような運動センサを有用に含む場合がある。本明細書で説明される技術は概して、ウェアラブル生理学的モニタに関連して説明されるが、当該技術は、より一般的には、装置が意図された位置に弾性的に保持される張力(又は対応する垂直抗力)に、適切な性能が依存する任意のシステムに適用される場合があり、係る全ては、明示的に別段の定めをした場合を除き、本開示の範囲内にあることが意図されている。
【0063】
ステップ404で示されるように、方法400は、動きに対するウェアラブルモニタの物理的挙動のモデル格納することを含む場合がある。これは例えば、ウェアラブルモニタ及び任意の弾性張力部材が印加された力に応答して、例えば1つ又は複数の弾性張力部材の張力の関数(又はそれの集中特性評価)として、如何にして動くかを特徴付ける共鳴モデルのような、物理的モデルを含む場合がある。当該モデルは、弾性張力部材において振動応答を張力に関連付けるのに適した、実験に基づいたモデル、解析モデル又は他のモデルの何れかである場合がある。一態様において、共鳴モデルは、本明細書で企図された目的に適した正確な張力計算結果をもたらすことを明らかにした有用な近似値を提供する。さて、ばね系(システム)に基づいた1つの係る共鳴モデルが、一例としてより詳細に説明される。しかしながら、物理的モデルは、より一般的には、機械的入力および結果としての動き(又は更に後述されるような光学的応答)に基づく任意の適切なタイプのシステムモデルを含む場合がある。また又はその代わりに、物理的挙動のモデルは、身体的緊張、デバイスのフィット、測定精度などのような、適切な学習(訓練)測定基準により分類される機械的/光学的応答の学習データセットに基づいて、張力を識別するために訓練される、実験に基づいたモデル又はデータ駆動型モデルを含む場合がある。
【0064】
一般に、ウェアラブルセンサのきつさは、センサの光学的インターフェースが接触を維持するために皮膚に当てられる圧力として特徴付けられ得る。ストラップを皮膚に押し付ける全体的な垂直抗力(法線力)(F)及びセンサの接触面積(A)と仮定して、圧力が均一に分散すると想定すると、ストラップのきつさは、F/Aとして計算され得る。接触面積にわたる圧力の均一な分散は、特に動きの間の非常に強い仮定である。センサが表を上にしている時と第2に表を下にしている時のセンサと皮膚との間の力Fは、以下のように重力に従って調整され得る。即ち、
F=sin(α)2f+mg
及び
F=cos(α)2f-mg
それぞれ、αはストラップとガーメントとの間の角度であり、fはガーメントのきつさであり、mはセンサの重量であり、及びgは重力係数(重力に起因した加速度)である。ガーメント、ストラップ、又は他の弾性張力部材がkのばね定数を有する弾性である場合:
f=k(dx)。
【0065】
ここで、dxは、ストラップの長さの変化であり、fは弾性張力部材のきつさである。実際には、kは、興味のある弾性範囲にわたるdxの単調関数である。これら式が与えられれば、動かない状態においてストラップと皮膚との間の力ときつさとの間の直接的関係が導出され得る。動いている時の皮膚とセンサとの間の力は、加速度ベクトルとセンサの重量を前提として計算され得る。この構想は一般に、装置の物理的変位がストラップの張力および印加される力の関数であり、且つkが分かっている又は計算される場合、きつさ(及びその結果として、センサと皮膚との間の力)も、加速度ベクトルとデバイスの質量に基づいて計算され得ることを確実にする。しかしながら、これに基づく張力の直接的な計算は、制御信号に応答する刺激(例えば、触覚装置)により印加される機械的力の少なくとも較正を必要とする。かくして、また又はその代わりに、共鳴モデルは、周波数掃引または同様のものに応答する共鳴に基づいて、ばね定数を推測するために有利に利用され得る。
【0066】
材料に力を加える場合、材料は、その力に応答して伸びる又は縮む。単位面積当たりの力は応力(stress)(σ)である。材料が応力に応答する際に生じる伸張/圧縮の程度は、負荷応力(strain)(ε)である。負荷応力は、応力の方向に沿った長さLにおける差分ΔLの元の長さL0に対する比率により測定され、即ち、ε=ΔL/L0である。
【0067】
共鳴(共振)は、印加された力の周波数が、それが作用するシステムの固有振動数に等しい又は近い時に生じる増加した振幅の現象を表わす。振動力が動的システム(力学系)の共振周波数(共鳴周波数)に印加される場合、当該システムは、同じ力が他の非共振周波数で印加された時よりも高い振幅で振動する。Q値は、回路に蓄積された最大エネルギー又はピークエネルギー(リアクタンス)を、振動の各サイクル間で消散されるエネルギー(抵抗)に関連づけ、それは、共振周波数の帯域幅(bandwidth)に対する比率であり、回路Qが高くなるほど、帯域幅は小さくなる、Q=fr/BWであることを意味する。
【0068】
これら特性は、本明細書で説明されるように、触覚出力素子の振動のような、機械的刺激に対するセンサ/伸縮素材の組み合わせの周波数応答を特徴付けるために使用され得る。これら特性に基づくモデルが、任意の適切な記憶位置に、例えばウェアラブルモニタのメモリに、張力計算を実施するために使用されるパーソナルコンピューティング装置または同様のもののメモリに、又は張力計算を実施し且つ当該パーソナルコンピューティング装置(又はこれらの任意の組み合わせ)を通じてユーザにすぐに実施可能なフィードバックを提供する遠隔サーバに格納され得る。一態様において、共鳴モデルは、例えば手首着用装置のストラップ張力を、ばね系の共振周波数の関数として特徴付ける解析モデルを含む場合がある。所望の範囲および計算の精度に応じて、これは、線形モデル、指数モデル、二次モデル、又はばね系を物理的に表わし且つばね系の実験データに適合することができる任意の他のモデルである場合がある。別の態様において、共鳴モデルは、例えば測定された共振周波数を、測定されたストラップ張力に相関させる経験的モデル又は実験モデルである場合がある。別の態様において、特に観測された応答が単純な計算的モデルに従わない場合、実験データは、ルックアップテーブル又は同様のものとしてモデル化される場合があり、この場合、張力は、測定された共振周波数に基づいて、検索(又は補間(内挿))され得る。実際の共振は、例えば触覚入力に応答する測定される加速度計を最大化する波長に基づいて、推定され得る(例えば、加速度計信号の触覚入力信号に対する比率、それらの各々は、例えば相変化または他のアーチファクトの影響を低減するために、周波数領域において測定され得る)。
【0069】
ステップ406で示されるように、方法400は、ウェアラブルモニタを振動させることを含む場合がある。当該振動は、ユーザ要求時に、又は特定のイベント(事象)又は時間の間に自動的に発生する場合がある。例えば、デバイス(装置)は、装着者がデバイスの適切なフィット(装着)をチェックするために押圧することができる、デバイス上の物理的なボタンのようなボタン、又は別のデバイスのユーザインターフェースのボタンを含む場合がある。別の例において、デバイスは、ユーザがデバイスを付けたことを検出する、又はデバイスが着用されている間にデータ品質の所定の閾値未満の低下を検出することのような、検出された事象に応じてフィットに関して自動的に試験する場合がある。ウェアラブルモニタを振動させることは例えば、触覚出力素子、圧電素子、ブザー、偏心モータ、線形振動モータ又は他の線形触覚アクチュエータ、又はウェアラブルモニタと関連付けられた(ウェアラブルモニタのハウジングに及び/又はハウジング内に機械的に結合された)他の振動器または同様のものを付勢することにより、ウェアラブルモニタの振動を生じさせることを含む場合がある。これは、ロータリー式触覚素子、線形触覚素子、又は任意の他の触覚素子を含む場合がある。振動に関する回転するベクトルは、個々のばね測定を複雑にする場合があるが、共振応答の位置の選定は、触覚出力の直線成分を解明せずに且つ触覚振幅を較正せずに有利に実施され得る。例えば、振動に関する制御信号は、ウェアラブルモニタ及び弾性張力部材(単数または複数)の共振周波数(又は或る範囲の共振周波数)の場所を特定するために、或る範囲の周波数を掃引するために時の流れと共に周波数を増減させるチャープ信号を含む場合がある。しかしながら、理解されるように、また又はその代わりに、共振の位置の選定に関して十分に大きい周波数範囲をカバーする任意の信号のような、他の信号が本明細書で使用するために可能である。一態様において、掃引正弦または掃引余弦のような信号が利用され得る。例えば、
y=sin[2π(at+f)t]
より一般的には、時間にわたって信号周波数を増減する任意の線形周波数チャープ、指数チャープ、双曲線チャープ、又は他の関数が使用され得る。周波数掃引は、(1)共振検出(又は対応する張力計算)の所定の信頼水準を達成する、又は(2)試験のタイムアウトの早いほうまで、継続され得る。かくして、例えば、信頼できる張力測定を、180秒(又はターゲット周波数範囲の1つ又は複数の完全な掃引に適した他の或る時間ウィンドウ)で得ることができない場合、試験は終了される場合があり、エラーメッセージが提供され得る。
【0070】
ステップ408で示されるように、方法400は、1つ又は複数のジャイロスコープ、加速度計、光センサ(例えば、ユーザの皮膚に対する動きを測定することにより)、或いは上記の任意の組み合わせ又は同様のものでもって応答を測定することによってのように、振動に対するウェアラブルモニタの応答を測定することを含む場合がある。このデータは、ウェアラブルモニタにより処理され得る、又はユーザのパーソナルコンピューティング装置、又はウェアラブルモニタを所定位置に保持する弾性張力または円周方向の力を解析して求めるための遠隔サーバのような、遠隔資源に伝達され得る。
【0071】
ステップ410で示されるように、方法400は、ウェアラブルモニタを身体に保持する弾性張力部材(例えば、衣類、ストラップ、バンド、又は同様のもの)の張力を計算することを含む場合がある。一般に、これは、チャープ刺激または他の刺激に応答するストラップ/モニタシステムの共振周波数の場所を特定し、この共振周波数を用いて、システムのばね定数を計算して半径方向の張力を推測することを含む場合がある。一般に、共振周波数は、付随する機械的応答における最大振幅に対応する周波数で特定される。解析モデルが導出されて利用される場合、張力(又は他の適切な測定基準)は、張力を計算するために解析的に導出された方程式へ、測定された共振周波数を入力することにより計算され得る。上述されたように、また又はその代わりに、当該モデルは、実験的観察に基づいて共振を張力に相関させる実験モデル又は経験的モデルである場合がある。実験モデルは、例えば、ルックアップテーブル、線形回帰モデル、又は統計的に有意な方法で、測定された共振データを測定されたストラップ張力データに適合する或る他のモデルで具現化され得る。ルックアップテーブルが使用される場合、補間(例えば、線形補間)も、適切な場合に/必要に応じて、当該ルックアップテーブルに格納された値の間の隙間周波数に対する張力を算出するために使用され得る。後者の場合、きつさを測定することは、周波数掃引で当該デバイスを単に刺激し、共振応答のピークの場所を特定し、次いでこの共振周波数を前提として、ルックアップテーブルにおいて張力を検索する、或いは回帰モデル又は同様のものを用いて張力を計算することにより、実施され得る。
【0072】
ステップ412で示されるように、方法400は、例えば本明細書で説明される技術の何れかを用いて、調整情報をユーザに提供することを含む場合がある。これは例えば、張力の定量的記述、例えばニュートン又は何らかの他の物理単位で表わされる、計算により求められた円周方向の力または垂直抗力(法線力)を含む場合がある。また又はその代わりに、これは、例えば、ゼロが最適な張力である場合の-10から10のスコア、正確なデータ収集のために容認可能である-5から5のスコア、及び正確なデータ又は意味のあるデータをもたらしそうにない-10から10の範囲(レンジ)外の何か、を含む場合がある。別の態様において、調整情報は、「きつ過ぎ」(5より大きい上述されたようなスコアに対応する)、「ゆる過ぎ」(例えば、-5より小さいスコアに対応する)、「OK」(例えば、-5から5のスコアに対応する)、又は「最適」(-1から1のスコアに対応する)のような、現在の張力が許容可能な範囲内にあるかどうかに関する定性的評価、或いは任意の類似した範囲境界の自然言語の記述を用いることを含む場合がある。情報が弾性張力部材(単数または複数)の外周および/または材料に関して利用可能である場合、又はそうでなければモデルが適切な出力または解析を提供する場合、これは、「ストラップを少なくとも1mm締める」のような、すぐに実施可能な命令を含む場合がある。一態様において、すぐに実施可能な命令は、命令をイラストで示す視覚的要素を含む場合がある。また又はその代わりに、ストラップが、特定のフィードバック(例えば、音声フィードバック、視覚的フィードバック又は触覚フィードバック)を提供する内蔵式制御可能張力システムを有する場合、すぐに実施可能な命令は、「ストラップを3クリック締める」又は同様のもののような特定の命令を含む場合がある。別の態様において、ストラップが内蔵式自動張力コントローラを有する場合、方法400は、所定の張力目標に向かってストラップの張力を自動的に調整するための制御信号を生成ことを含む場合がある。
【0073】
調整情報は、ウェアラブルモニタ上に、又は局所的コンピューティング装置上に表示され得る。一態様において、調整情報は、ユーザの現在の生理学的測定値のような情報の1つ又は複数の他の定量的または定性的な部分と同時に表示され得る。ウェアラブルモニタがストラップの張力に対するユーザの調整を検出する場合、当該モニタは、ストラップの張力を自動的に再試験する及び/又は張力の尺度(測定基準)または推奨を更新する場合がある。
【0074】
理解されるように、張力測定は、様々な条件下で有用に繰り返され得る。例えば、張力測定は、ウェアラブルモニタが身体に配置された際に、最初に実施され得る。張力測定は、例えば、メンテナンス機能として、或いは信号強度の悪化、又は心拍数のような生理学的測定基準に関して品質/信頼性の低下のような、張力の変化を示す条件下で、通常のスケジュールで繰り返され得る。一態様において、張力測定は、或る期間にわたって、例えば、当該デバイスが着用されていて、張力が許容可能な範囲外であることを、利用可能な情報が示す場合に、規則的な短い間隔で、連続的に繰り返され得る。この場合、張力測定は、張力が許容可能な範囲内にあると判断されるまで、又はタイムアウト制限に到達するまで、繰り返され得る。後者の場合、正確なデータが現在、収集されていないという警告と共に、エラー通知がユーザに報告され得る。また又はその代わりに、張力測定またはフィットに関する他の評価は、ユーザインターフェース上のボタンにタッチする、当該デバイスをダブルタッピングする、又は同様のもののような、所定のユーザ命令に基づいて、オンデマンドで実施され得る。
【0075】
上記に従って、本明細書で説明されるシステムは、ウェアラブルモニタ、及び遠隔処理資源(遠隔サーバ、又はウェアラブルモニタのユーザのノート型パソコン又はスマートフォンのようなパーソナルコンピューティング装置である場合がある)を含む。ウェアラブルモニタは、プロセッサ、センサ、及び触覚出力素子を含む場合がある。ウェアラブルモニタのメモリに格納されたコンピュータ実行可能命令は、プロセッサが触覚出力素子の振動を生じさせて、センサからの振動に対する応答を受け取るように構成する場合がある。遠隔処理資源は、ウェアラブルモニタと通信する関係で結合される場合があり、ウェアラブルモニタの物理的モデルを格納する第2のメモリ、及びウェアラブルモニタからの振動に対する応答を受け取って、ユーザの体の一部の回りのウェアラブルモニタの張力を計算するために物理的モデルを適用して、当該張力に基づいてユーザに張力情報を伝えるように構成された第2のプロセッサを含む場合がある。本明細書で説明されるように、張力は、物理的な測定値、客観的なフィットスコア、人間が読める評価、調整に関する命令、又はこれらの幾つかの組み合わせとして、報告され得る。
【0076】
図5は、ウェアラブルモニタのフィットを測定するための方法500を示す流れ図である。一般に、ウェアラブルモニタの機械的結合および光学的結合は、低分解能の触覚刺激に基づいて測定され、フィットを評価してすぐに実施可能なフィードバックを提供するために使用され得る。重要な利点として、この手法は、触覚出力を較正する必要性、又は周波数掃引のような時間的に変化する制御信号を生成する必要性を軽減する。その代わりに、方法500は、例えば、「オン」及び「オフ」モードのみで動作可能である及び/又は試験されているデバイスに対して未知の及び/又は変化する機械的位置関係を有するバイナリ触覚装置を用いて、実施され得る。
【0077】
ステップ502で示されるように、方法500は、ユーザの体に結合されたウェアラブルモニタの振動を生じさせることを含む場合がある。当該モニタは、生理学的モニタ、光学モニタ、光電式容積脈波記録システム、パルス酸素モニタ、又は弾性ストラップ、バンド、生地、又は同様のものでユーザの体に結合され得る、本明細書で説明される他のウェアラブル生理学的モニタの何れかを含む場合がある。例えば、当該モニタは、リストバンドでユーザの手首に結合され得る。その代わりに、当該モニタは、弾性ストラップ、或いはライクラ(登録商標)のような運動競技用ニット、スパンデックス、エラスタン、又はポリマー、ウレタンゴム又は同様のものから形成された幾つかの他の生地、又は本明細書で説明される他の弾性ストラップ又は同類のものの何れかでもって、胸、二頭筋、足首、ふくらはぎ、胴、ウエスト、脚、腕、又は幾つかの他の身体部分に結合され得る。本明細書で説明される技術は概して、ウェアラブル生理学的モニタに関連して説明されるが、当該技術はより一般的には、モニタ又はセンサが意図された位置に弾性的に保持される張力に、適切な性能が依存する任意のシステムに適用される場合があり、係る全ての使用は、明示的に別段の定めをした場合を除き、本開示の範囲内に入ることが意図されている。
【0078】
ウェアラブルモニタの振動は、ユーザがウェアラブルモニタを身につけている時、又はより一般的には、いつでも及び/又は本明細書で説明される任意のユーザ命令を用いてのような、ユーザの要求時に又は特定のイベント又は時間中に自動的に行われる場合がある。ウェアラブルモニタを振動させることは例えば、圧電素子、ブザー、偏心モータ、又は他の振動器またはウェアラブルモニタと関連した同様のもの(例えば、ウェアラブルモニタのハウジングに及び/又はハウジング内に機械的に結合された)のような、触覚出力素子を付勢することによってウェアラブルモニタの振動を生じさせることを含む場合がある。幾つかの実施形態において、触覚出力素子は、特定の軸に沿って触覚出力を伝えるように構成された線形触覚出力素子である場合がある。幾つかの実施形態において、振動は、1分以上にわたって継続する場合がある。
【0079】
ステップ504で示されるように、方法500は、振動に対するウェアラブルモニタの応答を測定することを含む場合がある。例えば、当該応答を測定することは、1つ又は複数のジャイロスコープ、加速度計または同様のもの、又は上記の組み合わせからのデータのような、振動中に動作データを受け取ることを含む場合がある。また又はその代わりに、当該応答を測定することは、振動中に1つ又は複数の光検出器から光学データを受け取ることを含む場合がある。当該応答は、ウェアラブルモニタを所定位置に保持する弾性張力または円周方向の力の分析のために、ウェアラブルモニタにより処理され得る、又はユーザのパーソナルコンピューティング装置または遠隔サーバのような遠隔資源に伝達され得る。
【0080】
ステップ506で示されるように、方法500は、当該応答に基づいて、体の回りのウェアラブルモニタの機械的結合のレベルを計算することを含む場合がある。一般に、これは、2つ以上の軸に沿った動きの間の結合を含む。例えば、第1の軸と第2の軸との間の機械的結合のレベルは、第1の軸に沿った力と第2の軸に沿った力との間の位相関係として測定され得る。一般に、ウェアラブルモニタを体の回りできつくすればするほど、位相関係が小さくなり(例えば、応答が近くなり)、ひいては機械的結合が大きくなる。多数の軸センサに関して、軸対のそれぞれにおける力と動きとの間の結合は、その軸対の各軸に関する経時的に測定された動きの間の相互相関から推測されることができ、それは本文脈において、各軸における動きの間の相関を経時的に測定する。かくして、例えば、3軸加速度計システムは、XY、XZ及びYZにおける3つの相互相関をもたらす。同様に、ジャイロスコープのデータは、3つの同様の軸対に関する回転における3つの相互相関をもららす場合がある。本文脈において、即時測定は、意味のある結果を提供しない場合があるが、数多くのサンプルに関して各軸対の平均は、軸間に実際の機械的結合が存在するその軸対に関する真の相互相関に収束する傾向がある。そのため、データは、30秒、60秒、90秒または180秒および/または計算値(単数または複数)が所定の閾値を満たす信頼水準までのような、広間隔にわたって取得され得る。本文脈において、所定の閾値は、例えば計算結果のバラツキ又は測定ベンチマークに対する平均平方誤差に基づいた、信頼の統計的尺度である場合がある。
【0081】
上記の相互相関の何れかは、本明細書で企図されたような機械的結合を測定するために使用される場合があり、それぞれは概して、きつさに相関するが、ZYの機械的結合とストラップのきつさとの間の単調な関係が観測された。ここで、(以下の
図6に示されるように)Z軸は、皮膚に垂直であり、Y軸は皮膚に平行であり且つストラップに平行である。この機械的結合は、ZYの機械的結合に排他的に基づいてストラップの張力を推定するために使用され得る。また又はその代わりに、加速度計および/またはジャイロスコープの軸間の他の結合が例えば、ZY結合と組み合わせてそれら自体により、又はZY結合に基づいた推測の補足的チェック又は品質管理チェックとして使用され得る。
【0082】
ステップ508で示されるように、方法500は、当該応答に基づいて、体の回りのウェアラブルモニタの光学的結合のレベルを計算することを含む場合がある。光学的結合のレベルは、動作データ及び光学データに基づいた機械的結合のレベルから別個に計算され得る。しかしながら、この場合、類似した相互相関が加速度に相関した光学データと共に使用されて、光学信号の2つの成分、即ち心拍信号(瞬間的な動きとは無関係であると予想される)及び動作アーチファクト(測定された瞬間的な動きに左右されると予想される)の間の比率が特徴付けられ得る。幾つかの実施形態において、動作データは、少なくとも3つの軸を有する(即ち、3軸IMU、ジャイロスコープ、加速度計、又は同様のものからである)場合があり、この場合、特にX軸データは、ストラップの張力に極めて相関するように実証された。以下の
図6に示されるように、本文脈において、デバイスのX軸は、皮膚に平行であり且つストラップに垂直である。
【0083】
ステップ510で示されるように、方法500は、フィットを評価することを含む場合がある。これは、スケーリング、変換、又はそうでなければ定量的張力(例えば、張力の特定の物理的尺度)又は定性的張力(例えば、カテゴリ又は人間が読める張力の評価)に関する結論を得るために機械的結合および光学的結合を処理することを含む場合がある。
【0084】
一態様において、適切なフィットは、計算された機械的結合および/または光学的結合に対してレンジ(範囲)および/または閾値を適用することにより、判断され得る。幾つかの実施形態において、ウェアラブルモニタは、機械的結合のレベルが閾値を超えており且つ光学的結合のレベルがレンジ内でない場合、きつ過ぎると判断され得る。幾つかの実施形態において、ウェアラブルモニタは、機械的結合のレベルが閾値を超えておらず且つ光学的結合のレベルがレンジ内でない場合、ゆる過ぎると判断され得る。幾つかの実施形態において、ウェアラブルモニタは、機械的結合のレベルが閾値を超えており且つ光学的結合のレベルがレンジ内である場合、許容可能なきつさレベルであり且つ身体の付属器官に結合されていると判断され得る。認識されるように、本文脈において、数値は比較的任意であり、機械的結合および光学的結合の値が計算されて報告される方法に依存する。しかしながら、実験に基づいたレンジ及び閾値は、適切に装着しているデバイスと不適切に装着しているデバイスを区別するために容易に設定され得る。また、理解されるように、リスト(手首)ストラップ又は二頭筋ストラップのようなストラップの適切なフィットに関する条件は、衣類におけるモニタの適切なフィットに関する条件とは異なる場合がある。かくして、例えば、幾つかの実施形態において、ウェアラブルモニタは、機械的結合のレベルが閾値を超えておらず且つ光学的結合のレベルがレンジ内である場合、許容可能なきつさレベルであり且つユーザの衣類に結合されていると判断され得る。閾値およびレンジは、ウェアラブルモニタの物理的特性、デバイスの場所、ウェアラブルモニタの張力部材の物理的特性、データ品質の目標などに基づいた所定の値である場合がある。
【0085】
一態様において、フィットは、張力の定量的記述、例えば計算により求められた円周方向の力または垂直抗力として報告され得る。別の態様において、フィットは、-10から10のレンジであり、ゼロが最適な張力であるスコア、正確なデータ収集に許容可能である-5から5のスコア、及び正確なデータ又は意味のあるデータを生じる可能性が低い-10から10のレンジ外の何かのような、定量的スコアを用いて報告され得る。別の態様において、フィットに関する情報は、現在の張力が許容可能なレンジ内にあるかどうかの定性的評価(例えば、「きつ過ぎ」(上述されたような5より大きいスコアに対応する)、「ゆる過ぎ」(-5より小さいスコアに対応する)、「OK」(例えば、-5から5のスコアに対応する)、又は「最適」(例えば、-1から1のスコアに対応する))、或いは任意の類似した範囲境界の自然言語の記述を用いることを含む場合がある。また又はその代わりに、調整情報は、「ストラップを少なくとも1mm締める」のような、すぐに実施可能な命令を含む場合があり、この場合、物理的な調整の推量は、当該モニタの位置、及び体の外周および/または弾性張力部材(単数または複数)の材料の対応する推定値に基づいて計算される。
【0086】
また、認識されるべきは、触覚振動または他の機械的刺激(特に共振周波数の場所または機械的/光学的結合の測定)に対する応答に基づいてフィットを測定するための様々な特定の技術が本明細書で開示されたが、また又はその代わりに、触覚振動に対する応答に基づいてフィットを測定するための他の技術が使用され得る。一態様において、2つ以上の技術(光学機械結合および共振周波数を用いる数学的モデルのような)が同時に又は逐次的に、例えば品質管理の尺度として、又は1つの技術が有用な結果を生じない場合の代替として、使用され得る。
【0087】
ステップ512で示されるように、方法500は、例えば機械的結合のレベル及び光学的結合のレベルに基づいてユーザに調整情報を表示することにより、調整情報を提供することを含む場合がある。これは、本明細書で説明されたフィット情報の何れかをユーザに伝える又は表示することを含む場合がある。一態様において、これは、例えば調整に関する言葉による命令または視覚的命令を含む、すぐに実施可能な命令を含む場合がある。また又はその代わりに、ストラップが、特定のフィードバック(例えば、音声フィードバック、視覚的フィードバック、又は触覚フィードバック)を提供する内蔵式制御可能張力システムを有する場合、すぐに実施可能な命令は、「ストラップを3クリック締める」又は同様のもののような特定の命令を含む場合がある。別の態様において、ストラップが内蔵式自動張力コントローラを有する場合、調整情報を提供することは、所定の張力目標に向かってストラップの張力を自動的に調整するための制御信号を生成ことを含む場合がある。
【0088】
調整情報は、ウェアラブルモニタ上に、局所的コンピューティング装置上に、又は任意の他の適切な表示装置上に表示され得る。一態様において、調整情報は、ユーザに関する現在の生理学的データのような、情報の1つ又は複数の定量的または定性的部片と共に同時に表示され得る。ウェアラブルモニタがストラップの張力に対するユーザ調整を検出する場合、当該モニタは、ストラップ張力を自動的に再試験する及び/又は張力の尺度(測定基準)または推奨を更新する場合がある。
【0089】
調整情報は、条件付きで提供され得る。例えば、調整情報を提供することは、機械的結合のレベルに関する閾値、及び光学的結合のレベルに関するレンジに基づく場合がある。調整情報は、ユーザに報告され得る及び/又は概して本明細書で説明されるようにフィットを評価するための適切なモデルを選択するために適用され得る、閾値およびレンジに基づいたウェアラブルモニタの場所の決定を含む場合がある。
【0090】
理解されるように、きつさの測定は、様々な条件下で有用に繰り返され得る。例えば、きつさの測定は最初に、ウェアラブルモニタが身体上に配置された際に実施され得る。きつさの測定は、例えば、メンテナンス機能として定期的に、或いは信号強度の劣化または心拍数のような生理学的測定基準の品質/信頼の低下のような、きつさの変化を示す条件下で、繰り返され得る。一態様において、きつさの測定は、きつさが共用可能な範囲外にあることを調整情報が示す際に、連続的に繰り返され得る。きつさの測定は、きつさが許容可能な範囲内にあると判断されるまで、又はタイムアウト制限に到達するまで、繰り返され得る。
【0091】
上記に従って、本明細書で説明されるシステムは、ウェアラブルモニタ、及び遠隔処理資源(遠隔サーバ、又はウェアラブルモニタのユーザのノート型パソコン又はスマートフォンのようなパーソナルコンピューティング装置である場合がある)を含む。ウェアラブルモニタは、プロセッサ、センサ、及び触覚出力素子を含む場合がある。ウェアラブルモニタのメモリに格納されたコンピュータ実行可能コードは、プロセッサが触覚出力素子の振動を生じさせて、センサからの振動に対する応答を受け取るように構成する場合がある。遠隔処理資源は、ウェアラブルモニタと通信する関係で結合される場合があり、ウェアラブルモニタの物理的モデルを格納する第2のメモリ、及びウェアラブルモニタからの振動に対する応答を受け取って、当該応答に基づいてユーザの体の回りのウェアラブルモニタの機械的結合のレベルを計算し、当該応答に基づいて機械的結合のレベルとは独立して、体の回りのウェアラブルモニタの光学的結合のレベルを計算し、当該機械的結合のレベル及び当該光学的結合のレベルに基づいて、ユーザに調整情報を伝えるように構成された第2のプロセッサを含む場合がある。
【0092】
図6は、デバイスの動きを測定するための座標系を示す。一般に、デバイス600は、手首に装着されたデバイス、又は本明細書で説明される他のデバイスの何れかである場合がある。デバイス600の座標系は、使用するために配置された際にデバイス600に接触するユーザの皮膚に実質的に平行であるが、当該デバイスを所定位置に保持するストラップ604に実質的に垂直である平面におけるX軸602を含む場合がある。理解されるように、ストラップは、複雑な起伏のある表面であるが、本文脈において、図示されたように、ストラップに垂直は、ストラップの回りの円周方向の張力の帯(バンド)に追随する経路と交差する平面に実質的に垂直である、又は言い換えれば、デバイスの長軸(例えば、
図6のY軸606)に実質的に垂直であり、デバイスの短軸(例えば、
図6のX軸602)に実質的に平行であることを意味すると理解されるべきである。また、座標系は、ユーザの皮膚に平行であり且つストラップ604に平行である、例えば上述されたストラップを貫く平面に実質的に平行である平面において、実質的にY軸606も含む場合がある。座標系は、使用するために配置された際にデバイス600に接触するユーザの皮膚に実質的に平行である平面に実質的に垂直であるZ軸608を含む場合がある。本明細書で説明される加速度計の何れかのような加速度計は、例えば本明細書で説明されるような機械的結合または光学的結合の測定のために、X軸602、Y軸606、及びZ軸608のそれぞれにおいて、動きを測定するために配置され得る。また又はその代わりに、本明細書で説明されるジャイロスコープの何れかのようなジャイロスコープは、例えば本明細書で説明されるような機械的結合または光学的結合の測定のために、X軸602、Y軸606、及びZ軸608のそれぞれの回りの回転を測定するために配置され得る。
【0093】
図7は、デバイスのフィットに対する機械的結合および光学的結合のマッピングを示す。一般に、本明細書で説明されるような、機械的結合および光学的結合のレンジは、フィットのカテゴリーにマッピングされ得る。理解されるように、カテゴリー及び場所は概念のみであり、任意の特定のカテゴリーの輪郭、及び/又は対応する測定された機械的結合または光学的結合のレンジ(範囲)は、デバイスの特定のタイプ、デバイスの場所、及び拘束システムの特定のタイプに依存する。かくして、例えば、ウェアラブル・ガーメントのポケット内で適切に張力をかけたデバイスに関する機械的結合および/または光学的結合の特性は、装着者の手首にストラップで結び付けた適切に張力をかけたデバイスに関する機械的結合および/または光学的結合の特性と大幅に異なる場合がある。しかしながら、一般に、光学的結合および機械的結合のレンジは、適切な張力または不適切な張力に確実に相関するように明らかにされ、本明細書で企図されるような調整に関するユーザ推奨を生成するために使用され得る。
【0094】
図8は、本明細書で説明されるユーザ操作の何れかのような、デバイスフィット・プロトコルとのユーザ相互作用のためのユーザインターフェース800を示す。一般に、ユーザインターフェース800は、スマートフォンのアプリケーション、ウェブページ、又は本明細書で説明されるコンピューティング装置の何れかを用いる他の環境においてレンダリングされ得る。一般に、ユーザインターフェース800は、例えば、試験のユーザ要求に応答して、ユーザがデバイスの着用を開始したことを検出するようなイベントに応答して、データ品質の閾値未満の降下に応答して、及び/又は或る所定のスケジュール(例えば、一日に一回または一週間に一回、目が覚めた時など)で、起動され得る。ユーザインターフェース800は、現在のきつさを使用する、又は例えばユーザがデバイスフィードバックに基づいて調整を行った後に試験を再び実行するような、ユーザオプションを提示する場合がある。ユーザインターフェース800は、例えば現在のフィットの定量的評価および/または定性的評価、及び/又はユーザ及びデバイスに関するフィットの評価履歴を表示する場合がある。
【0095】
別の態様において、フィットを解析するためのモデル又はパラメータの選択は、デバイスがどこに位置するか及び/又はデバイスのタイプ(例えば、身体にストラップで結び付けたデバイス、ガーメントのポケット内のデバイス、光センサ、電気センサなど)に依存する場合がある。そのため、場所検出アルゴリズムを用いて、例えば、加速度計、ジャイロスコープ、光センサ、及びウェアラブルモニタへ組み込まれた他のセンサからのデータに基づいて、ウェアラブルモニタの身体上の場所が求められ、フィットを評価するための適切なモデルの選択が容易にされ得る。これは特に、例えば、当該モニタがリストバンドで配置され得る、又は例えば、靴下、下着、ズボン(パンツ)又は同様のものような運動競技の衣料ガーメント、或いは幾つかの他の弾性ストラップ又はストラップの組み合わせでもって保持され得る身体の他の場所に配置され得る場合に、有用である場合がある。光電式容積脈波記録法ベースの心拍数モニタのようなモニタの場所は、例えば、適切な心拍数計算アルゴリズムの識別をサポートするために、データを処理する(例えば、異なる動きの取り消しを考慮するために)ためのアルゴリズム又はモデルの選択に関する著しい影響として張力/場所の組み合わせを、異なる場所において必要としている場合に、異なる張力要件を暗示する場合がある。また、場所は、より具体的には、本明細書で説明されるようにフィットを評価するための異なる物理的モデルの選択と使用に影響を及ぼす場合がある。
【0096】
一態様において、データ駆動型アルゴリズムは、ウェアラブルモニタ内の運動センサ及びタッチセンサのようなセンサを用いることにより、ユーザ入力無しでウェアラブルモニタの場所を突きとめるために使用され得る。一般に、加速度計およびジャイロスコープの物理的な位置関係および動きは、身体上のモニタの場所に依存する。例えば、ユーザが前進する際、胴上のモニタは、当該モニタが手首上にある際に二組のセンサ間の位置関係が連続的に変化しながら、この関係を維持する。
図9は、身体の異なる領域に対する加速度計のデータパターンを示す。加速度計データの実験に基づいたこれらのパターンは、例えば、センサからの動作データをこれらのパターンの1つ又は複数の領域にマッピングすることにより、センサの場所を推定するために使用され得る。類似したパターンは、例えば、センサの場所を識別するために、大きさ、相互相関、回転(例えば、ジャイロスコープの測定値)などに基づいて使用される場合があり、次いで当該センサの場所は、本明細書で説明されるようなフィットを評価するために適切なデータモデルを選択するために使用され得る。
【0097】
ユーザのレンジ及びモニタ場所のレンジに関して、データ駆動型モデルは、リセット中に、調和運動による活動中に、及び非調和運動による活動中に場所を検出するために使用され得る。
図10は、データ駆動型モデルを用いて実際の結果を予測結果と比較する混同行列を示す。
図11は、上述された技術を用いて、試験場所のそれぞれに対する場所における95%の信頼を達成するのに必要な時間量(活動の数秒で)を示す。一般に、これらの図は、データ駆動型モデルが、少なくとも手首、二頭筋、わき胴部、臀部、ふくらはぎ、及び足首を含む身体部位の範囲(レンジ)にわたるウェアラブルモニタからのセンサデータに基づいて物体の場所を有用に検出するために導出され得ることを示す。このデータは、ストラップの張力を推定する(例えば、
図4の方法400)際に使用するための物体の場所に対応する共鳴モデルを選択するために、より一般的には、特にウェアラブルモニタが様々な身体部位で使用するように明確に適合されている状況において、ウェアラブルモニタからのデータを処理するために処理モデル、フィルタ、パラメータなどを選択するために使用され得る。例えば、ウェアラブルモニタがユーザの手首に位置すると判断され得る。次いで、手首ベースのモデルがストラップの張力を推定するために又はそうでなければセンサのフィットを評価するために選択され得る。
【0098】
より一般的には、様々なモデルが、ユーザの身体上のデバイスの場所を求めることに関する技術において知られており、任意の係る技術を、単独で又は上述された技術と組み合わせて用いて、デバイスのフィットを評価するために適切なモデルを選択する及び/又はデバイスに対するユーザ調整のためのフィードバックを提供するためにデバイスの場所が推定され得る。
【0099】
上記のシステム、デバイス(装置)、方法、プロセスなどは、本明細書で説明される制御、データ収集、及びデータ処理に適したハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせで実現され得る。これは、内部メモリ及び/又は外部メモリと共に、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、内蔵マイクロコントローラ、プログラム可能デジタルシグナルプロセッサ又は他のプログラム可能デバイス又は処理回路での現実化を含む。また又はその代わりに、これは、電子信号を処理するために構成され得る、1つ又は複数の特定用途向け集積回路、プログラム可能ゲートアレイ、プログラム可能アレー論理コンポーネント又は任意の他のデバイス(単数または複数)を含む場合がある。更に認識されるように、上述されたプロセス又はデバイスの現実化は、上記のデバイス、並びにプロセッサ、プロセッサアーキテクチャの異機種環境の組み合わせ、又は異なるハードウェア及びソフトウェアの組み合わせの1つで実行するために格納され、コンパイルされ又は解釈され得る、Cのような構造化プログラミング言語、C++のようなオブジェクト指向プログラミング言語、又は任意の他の高水準プログラミング言語または低水準プログラミング言語(アセンブリ言語、ハードウェア記述言語、及びデータベースプログラミング言語および技術を含む)を用いて作成されたコンピュータ実行可能コードを含む場合がある。
【0100】
かくして、一態様において、上述された各方法、及びそれらの組み合わせは、1つ又は複数のコンピューティングデバイスで実行する際に、それらのステップを実行するコンピュータ実行可能コードで具現化され得る。別の態様において、当該方法は、それらのステップを実行するシステムにおいて具現化され得る、多数の方法でデバイスにわたって分散され得る、又は機能の全ては、専用のスタンドアロン機器または他のハードウェアへ一体化され得る。当該コードは、コンピュータメモリに持続性の方式で格納される場合があり、当該コンピュータメモリは、プログラムを実行するメモリ(プロセッサと関連したランダムアクセスメモリのような)、又はディスクドライブ、フラッシュメモリ、又は任意の他の光学的デバイス、電磁的デバイス、磁気的デバイス、赤外線デバイス又は他のデバイス又はデバイスの組み合わせのような記憶装置である場合がある。別の態様において、上述されたシステム及び方法の何れかは、コンピュータ実行可能コードを伝える任意の適切な伝送媒体または伝搬媒体および/またはそれらからの任意の入力または出力で具現化され得る。別の態様において、上述されたプロセスと関連したステップを実行するための手段は、上述されたハードウェア及び/又はソフトウェアの何れかを含む場合がある。係る並べ替え及び組み合わせの全ては、本開示の範囲内に入ることが意図されている。
【0101】
本明細書で説明される具現化形態の方法のステップは、異なる意味が明示的に提供されない限り、又はそうでなければ文脈から明らかにならない限り、以下の特許請求の範囲の特許性と一致して、係る方法のステップが実施される任意の適切な方法を含むことが意図されている。そのため、例えば、Xのステップを実行することは、遠隔のユーザのような別のパーティ、遠隔処理資源(例えば、サーバ又はクラウドコンピュータ)又はマシンがXのステップを実行するための任意の適切な方法を含む。同様に、ステップX、Y及びZを実行することは、係るステップの恩恵を受けるためにステップX、Y及びZを実行するための係る他の個人または資源の任意の組み合わせを管理する又は制御する任意の方法を含む場合がある。かくして、本明細書で説明される具現化形態の方法のステップは、異なる意味が明示的に提供されない限り、又はそうでなければ文脈から明らかにならない限り、以下の特許請求の範囲の特許性と一致して、1つ又は複数の他のパーティ又はエンティティが当該ステップを実行する任意の適切な方法を含むことが意図されている。係るパーティ又はエンティティは、任意の他のパーティ又はエンティティの管理下または制御下にある必要は無く、且つ特定の管轄区域内に位置する必要も無い。
【0102】
認識されるように、上述された方法およびシステムは、一例として記述されており、制限のつもりではない。多くの変形、追加、省略、及び他の変更は、当業者に明らかであろう。更に、上記の説明および図面における方法のステップの順序または表示は、特定の順序が明示的に要求されない限り、又はそうでなければ文脈から明らかにならない限り、列挙されたステップを実行するこの順序を必要とすることは意図されていない。かくして、特定の実施形態が図示されて説明されたが、当業者には明らかなように、形態および細部における様々な変更および変形は、本開示の思想および範囲から逸脱せずにそれらに行われる場合があり、以下の特許請求の範囲により定義されるような本発明の一部を形成することが意図されている。
【国際調査報告】