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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】新規キノリン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 405/12 20060101AFI20240925BHJP
   A61P 33/00 20060101ALI20240925BHJP
   A61P 33/10 20060101ALI20240925BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20240925BHJP
   C07D 409/14 20060101ALI20240925BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20240925BHJP
   C07D 498/08 20060101ALI20240925BHJP
   A61K 31/5386 20060101ALI20240925BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20240925BHJP
   A61K 31/538 20060101ALI20240925BHJP
   A61K 31/495 20060101ALI20240925BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
C07D405/12 CSP
A61P33/00
A61P33/10
A61K31/4709
C07D409/14
C07D405/14
C07D498/08
A61K31/5386
C07D413/14
A61K31/538
A61K31/495
A61K9/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515049
(86)(22)【出願日】2022-09-07
(85)【翻訳文提出日】2024-05-01
(86)【国際出願番号】 EP2022074866
(87)【国際公開番号】W WO2023036821
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】21195853.3
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508270727
【氏名又は名称】エランコ アニマル ヘルス ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Elanco Animal Health GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100216839
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏幸
(74)【代理人】
【識別番号】100228980
【弁理士】
【氏名又は名称】副島 由加里
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ヒュブシュ,ヴァルター
(72)【発明者】
【氏名】グリーベノウ,ニルス
(72)【発明者】
【氏名】ジュアン,ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ハイスラー,イリング
(72)【発明者】
【氏名】クルケ,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ボルンゲン,キルステン
(72)【発明者】
【氏名】タタオウイ,チョウアイブ
(72)【発明者】
【氏名】セルバッハ,クラウディア
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA11
4C076AA12
4C076BB01
4C076BB11
4C076CC34
4C076FF11
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086BC28
4C086BC49
4C086BC74
4C086CB22
4C086GA02
4C086GA04
4C086GA07
4C086GA09
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA16
4C086MA17
4C086NA14
4C086ZB38
4C086ZB39
(57)【要約】
本発明は、一般式(I)の新規キノリン化合物〔式中、A、R、R、R、R、R、R、およびQは、本明細書において定義される〕、前記化合物を調製する方法、前記化合物を調製するのに有用な中間体化合物、前記化合物を含む医薬組成物および組合せ、ならびに単独の薬剤として、または他の活性成分と組合せて、疾患、特に蠕虫感染症の処置、防除および/または予防のための医薬組成物を製造するための前記化合物の使用を包含する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】
〔式中、
Aは、A1またはA2であり、
【化2】
oは、0、1、2、3または4であり、
Rは、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-OH、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、C-C-シクロアルキル、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)、-S-C-C-アルキル、-S(O)-C-C-アルキル、-SO-C-C-アルキル、-S-C-C-ハロゲノアルキル、-S(O)-C-C-ハロゲノアルキルおよび1~5個のハロゲン原子を有する-SO-C-C-ハロゲノアルキルからなる群から選択され、
は、水素、C-C-アルキルからなる群から選択され、
X、Yは、CR、O、S、およびN-Rからなる群から独立して選択され(ここで、XおよびYのうちの少なくとも1つは、CRである)、または
X、Yは、一緒になって、-C(O)-O-、-C(O)-NR-、-S(O)-NR-、-SO-NR-および-SO-O-からなる群から選択される環員を形成し、
は、水素、シアノ、-CHO、-OH、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、C-C-シクロアルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノシクロアルキル、C-C-アルケニル、C-C-アルキニル、C-C-アルコキシ-C-C-アルキル、C-C-シクロアルキル-C-C-アルキル、シアノ-C-C-アルキル、-NH-C-C-アルキル、-N(C-C-アルキル)、NH-C-C-アルキル-、C-C-アルキル-NH-C-C-アルキル-、(C-C-アルキル)N-C-C-アルキル-、C-C-アルキル-C(O)-、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル-C(O)-、C-C-アルコキシ-C(O)-、ベンジルオキシ-C(O)-、C-C-アルコキシ-C-C-アルキル-C(O)-、-SO-C-C-アルキルおよび1~5個のハロゲン原子を有する-SO-C-C-ハロゲノアルキル;
フェニル-C-C-アルキル(これは、ハロゲン、-OH、-NO、シアノ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)、-S-C-C-アルキル、-S(O)-C-C-アルキル、-SO-C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有する-S-C-C-ハロゲノアルキル、1~5個のハロゲン原子を有する-S(O)-C-C-ハロゲノアルキルおよび1~5個のハロゲン原子を有する-SO-C-C-ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換されていてもよい);
ヘテロシクリル-C-C-アルキル(ここで、前記ヘテロシクリル置換基は、4員~10員のヘテロシクロアルキル、5員のヘテロアリールおよび6員のヘテロアリールからなる群から選択され、それらのそれぞれは、ハロゲン、-OH、-NO、シアノ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)、-S-C-C-アルキル、-S(O)-C-C-アルキル、-SO-C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有する-S-C-C-ハロゲノアルキル、1~5個のハロゲン原子を有する-S(O)-C-C-ハロゲノアルキルおよび1~5個のハロゲン原子を有する-SO-C-C-ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい)
からなる群から選択され、
は、2-オキソシクロブチル、3-オキソシクロブチル、2-チオオキソシクロブチル、3-チオオキソシクロブチル、3-チエタニル、2-チエタニル、オキセタン-3-イル、オキセタン-2-イル、1-オキシドチエタン-3-イル、1-オキシドチエタン-2-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-3-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-2-イル、1,1-ジオキシドチエタン-3-イル、1,1-ジオキシドチエタン-2-イル、1,1-ジオキシド-1,2-チアゼチジン-3-イル、1,1-ジオキシド-1,2-チアゼチジン-4-イル、1-オキシド-1,2-チアゼチジン-3-イル、1-オキシド-1,2-チアゼチジン-4-イル、2-オキシド-1,2-オキサチエタン-3-イル、2-オキシド-1,2-オキサチエタン-4-イル、2,2-ジオキシド-1,2-オキサチエタン-3-イル、2,2-ジオキシド-1,2-オキサチエタン-4-イル、4-オキソアゼチジン-2-イル、2-オキソアゼチジン-3-イル、4-チオキソアゼチジン-2-イル、2-チオキソアゼチジン-3-イル、2-ヒドロキシシクロブチル、3-ヒドロキシシクロブチル、2-メルカプトシクロブチル、3-メルカプトシクロブチル、2-フルオロシクロブチル、3-フルオロシクロブチル、2,2-ジフルオロシクロブチル、3,3-ジフルオロシクロブチル、2-クロロシクロブチル、3-クロロシクロブチル、2,2-ジクロロシクロブチル、3,3-ジクロロシクロブチル、2-ブロモシクロブチル、3-ブロモシクロブチル、2,2-ジブロモシクロブチル、3,3-ジブロモシクロブチル、2-ヨードシクロブチル、3-ヨードシクロブチル、2,2-ジヨードシクロブチル、3,3-ジヨードシクロブチル、3-メトキシイミノシクロブチル、2-フルオロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジフルオロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2-クロロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジクロロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2-ブロモ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジブロモ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2-ヨード-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジヨード-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-フルオロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジフルオロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-クロロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジクロロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-ブロモ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジブロモ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-ヨード-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジヨード-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、
5員~10員のヘテロシクロアルキル、5員のヘテロアリールおよび6員のヘテロアリール(これらのそれぞれは、ハロゲン、-OH、-オキソ、-NO、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)、-S-C-C-アルキル、-S(O)-C-C-アルキル、-SO-C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有する-S-C-C-ハロゲノアルキル、1~5個のハロゲン原子を有する-S(O)-C-C-ハロゲノアルキルおよび1~5個のハロゲン原子を有する-SO-C-C-ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい)
からなる群から選択され、
は、水素またはC-C-アルキルであり、
は、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、C-C-シクロアルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ-C-C-アルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、C-C-アルキル-C(O)-、-S-C-C-アルキル、-S(O)-C-C-アルキル、-SO-C-C-アルキル、好ましくは水素、ハロゲンおよびC-C-アルコキシ、より好ましくはフッ素、塩素、メトキシおよびイソプロポキシからなる群から選択され、
は、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、C-C-シクロアルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ-C-C-アルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、C-C-アルキル-C(O)-、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)、-S-C-C-アルキル、-S(O)-C-C-アルキル、-SO-C-C-アルキルからなる群から選択され、
は、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、C-C-シクロアルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ-C-C-アルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、C-C-アルキル-C(O)-、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)、-S-C-C-アルキル、-S(O)-C-C-アルキル、-SO-C-C-アルキルからなる群から選択され、
は、水素、-OH、フッ素、C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシから選択され、
は、水素、-OH、フッ素、C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシから選択され、
または、RおよびRは、一緒になってオキソ基(=O)を形成し、
または、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、C-C-シクロアルキルおよび3員~6員のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される3員~6員環を形成し、
は、水素、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキルおよびC-C-アルコキシからなる群から選択され、
10は、水素、-OH、C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシからなる群から選択され、
11は、水素、C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシからなる群から選択され、
または、R10およびR11は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、C-C-シクロアルキルおよび3員~6員のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される3員~6員環を形成し、
Qは、1~5個のハロゲン原子を有するフェニルを表し、
ここで、Yが、O、SまたはN-Rである場合、R、R、R10およびR11のいずれも、-OHでもC-C-アルコキシでもなく、そしてここで、
Xが、O、SまたはN-Rである場合、RおよびRのいずれも、-OHでもC-C-アルコキシでもない〕
の化合物、または、その立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくはそれらの塩、またはそれらの混合物。
【請求項2】
Aが、A1またはA2であり、
【化3】
oが、0、1、2、3または4であり、
Rが、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-OH、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、C-C-シクロアルキル、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)、-S-C-C-アルキル、-S(O)-C-C-アルキル、-SO-C-C-アルキル、-S-C-C-ハロゲノアルキル、-S(O)-C-C-ハロゲノアルキルおよび1~5個のハロゲン原子を有する-SO-C-C-ハロゲノアルキルからなる群から選択され、
が、水素、C-C-アルキルからなる群から選択され、
X、Yが、CR、O、S、およびN-Rからなる群から独立して選択され(ここで、XおよびYのうちの少なくとも1つは、CRである)、または
X、Yが、一緒になって、-C(O)-O-、-C(O)-NR-、-S(O)-NR-、-SO-NR-および-SO-O-からなる群から選択される環員を形成し、
が、水素、シアノ、-CHO、-OH、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、C-C-シクロアルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノシクロアルキル、C-C-アルケニル、C-C-アルキニル、C-C-アルコキシ-C-C-アルキル、C-C-シクロアルキル-C-C-アルキル、シアノ-C-C-アルキル、-NH-C-C-アルキル、-N(C-C-アルキル)、NH-C-C-アルキル-、C-C-アルキル-NH-C-C-アルキル-、(C-C-アルキル)N-C-C-アルキル-、C-C-アルキル-C(O)-、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル-C(O)-、C-C-アルコキシ-C(O)-、ベンジルオキシ-C(O)-、C-C-アルコキシ-C-C-アルキル-C(O)-、-SO-C-C-アルキル、および1~5個のハロゲン原子を有する-SO-C-C-ハロゲノアルキル;
フェニル-C-C-アルキル(これは、ハロゲン、-OH、-NO、シアノ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)、-S-C-C-アルキル、-S(O)-C-C-アルキル、-SO-C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有する-S-C-C-ハロゲノアルキル、1~5個のハロゲン原子を有する-S(O)-C-C-ハロゲノアルキルおよび1~5個のハロゲン原子を有する-SO-C-C-ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換されていてもよい);
ヘテロシクリル-C-C-アルキル(ここで、前記ヘテロシクリル置換基は、4員~10員のヘテロシクロアルキル、5員のヘテロアリールおよび6員のヘテロアリールからなる群から選択され、それらのそれぞれは、ハロゲン、-OH、-NO、シアノ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)、-S-C-C-アルキル、-S(O)-C-C-アルキル、-SO-C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有する-S-C-C-ハロゲノアルキル、1~5個のハロゲン原子を有する-S(O)-C-C-ハロゲノアルキルおよび1~5個のハロゲン原子を有する-SO-C-C-ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい)
からなる群から選択され、
が、2-オキソシクロブチル、3-オキソシクロブチル、2-チオオキソシクロブチル、3-チオオキソシクロブチル、3-チエタニル、2-チエタニル、オキセタン-3-イル、オキセタン-2-イル、1-オキシドチエタン-3-イル、1-オキシドチエタン-2-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-3-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-2-イル、1,1-ジオキシドチエタン-3-イル、1,1-ジオキシドチエタン-2-イル、1,1-ジオキシド-1,2-チアゼチジン-3-イル、1,1-ジオキシド-1,2-チアゼチジン-4-イル、1-オキシド-1,2-チアゼチジン-3-イル、1-オキシド-1,2-チアゼチジン-4-イル、2-オキシド-1,2-オキサチエタン-3-イル、2-オキシド-1,2-オキサチエタン-4-イル、2,2-ジオキシド-1,2-オキサチエタン-3-イル、2,2-ジオキシド-1,2-オキサチエタン-4-イル、4-オキソアゼチジン-2-イル、2-オキソアゼチジン-3-イル、4-チオキソアゼチジン-2-イル、2-チオキソアゼチジン-3-イル、2-ヒドロキシシクロブチル、3-ヒドロキシシクロブチル、2-メルカプトシクロブチル、3-メルカプトシクロブチル、2-フルオロシクロブチル、3-フルオロシクロブチル、2,2-ジフルオロシクロブチル、3,3-ジフルオロシクロブチル、2-クロロシクロブチル、3-クロロシクロブチル、2,2-ジクロロシクロブチル、3,3-ジクロロシクロブチル、2-ブロモシクロブチル、3-ブロモシクロブチル、2,2-ジブロモシクロブチル、3,3-ジブロモシクロブチル、2-ヨードシクロブチル、3-ヨードシクロブチル、2,2-ジヨードシクロブチル、3,3-ジヨードシクロブチル、3-メトキシイミノシクロブチル、2-フルオロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジフルオロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2-クロロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジクロロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2-ブロモ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジブロモ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2-ヨード-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジヨード-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-フルオロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジフルオロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-クロロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジクロロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-ブロモ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジブロモ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-ヨード-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジヨード-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、2,5-ジヒドロフラン-3-イル、2,3-ジヒドロフラン-3-イル、4,5-ジヒドロフラン-3-イル、4,5-ジヒドロフラン-2-イル、2,5-ジヒドロフラン-2-イル、2,3-ジヒドロフラン-2-イル、フラン-3-イル、フラン-2-イル、テトラヒドロチオフェン-3-イル、テトラヒドロチオフェン-2-イル、2,5-ジヒドロチオフェン-3-イル、2,3-ジヒドロチオフェン-3-イル、4,5-ジヒドロチオフェン-3-イル、4,5-ジヒドロチオフェン-2-イル、2,5-ジヒドロチオフェン-2-イル、2,3-ジヒドロチオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、チオフェン-2-イル、ピロリジン-2-イル、ピロリジン-3-イル、1-メチルピロリジン-2-イル、1-メチルピロリジン-3-イル、4,5-ジヒドロ-1H-ピロール-2-イル、2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-2-イル、2,3-ジヒドロ-1H-ピロール-2-イル、3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-イル、3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-5-イル、4,5-ジヒドロ-1H-ピロール-3-イル、3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-4-イル、3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-3-イル、2,3-ジヒドロ-1H-ピロール-3-イル、2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-3-イル、2H-ピロール-5-イル、3H-ピロール-2-イル、2H-ピロール-4-イル、1H-ピロール-3-イル、5-オキソピロリジン-3-イル、2-オキソピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-2-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、3-オキソピペラジン-1-イル、2-オキソピペラジン-1-イル、4-アルキル-3-オキソピペラジン-1-イルまたは4-アルキル-2-オキソピペラジン-1-イル(ここで、前記アルキルは、C-C-アルキルである)、2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル、3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イルからなる群から選択され、
が、水素またはC-C-アルキルであり、
が、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、好ましくは水素、ハロゲンおよびC-C-アルコキシ、より好ましくはフッ素、塩素、メトキシおよびイソプロポキシからなる群から選択され、
が、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)からなる群から選択され、
が、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)からなる群から選択され、
が、水素、-OH、フッ素、C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシからなる群から選択され、
が、水素、-OH、フッ素、C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシからなる群から選択され、
または、RおよびRは、一緒になってオキソ基(=O)を形成し、
が、水素、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキルおよびC-C-アルコキシからなる群から選択され、
10が、水素、-OH、C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシからなる群から選択され、
11が、水素、C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシからなる群から選択され、
Qが、1~5個のハロゲン原子を有するフェニルを表し、
ここで、Yが、O、SまたはN-Rである場合、R、R、R10およびR11のいずれも、-OHでもC-C-アルコキシでもなく、そしてここで、
Xが、O、SまたはN-Rである場合、RおよびRのいずれも、-OHでもC-C-アルコキシでもない、
請求項1に記載の化合物、または、その立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくはそれらの塩、またはそれらの混合物。
【請求項3】
Aが、A1またはA2であり、
【化4】
oが、0、1または2であり、
Rが、水素、ハロゲン、C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシ、シアノ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキルからなる群から選択され、
が、水素、C-C-アルキルからなる群から選択され、
X、Yが、CR、O、S、およびN-Rからなる群から独立して選択され(ここで、XおよびYの少なくとも1つは、CRである)、
が、水素、C-C-アルキル、C-C-シクロアルキル、C-C-アルケニル、C-C-アルキニル、C-C-アルコキシ-C-C-アルキル、C-C-シクロアルキル-C-C-アルキル、シアノ-C-C-アルキルからなる群から選択され、
が、2-オキソシクロブチル、3-オキソシクロブチル、3-チエタニル、2-チエタニル、1-オキシドチエタン-3-イル、1-オキシドチエタン-2-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-3-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-2-イル、1,1-ジオキシドチエタン-3-イル、1,1-ジオキシドチエタン-2-イル、4-オキソアゼチジン-2-イル、2-オキソアゼチジン-3-イル、2-ヒドロキシシクロブチル、3-ヒドロキシシクロブチル、2-フルオロシクロブチル、3-フルオロシクロブチル、2,2-ジフルオロシクロブチル、3,3-ジフルオロシクロブチル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、1-メチルピロリジン-2-イル、1-メチルピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-3-イル、2-オキソピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-2-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、3-オキソピペラジン-1-イル、2-オキソピペラジン-1-イル、2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル、3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イルからなる群から選択され、
が、水素またはC-C-アルキルであり、
が、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、好ましくは水素、ハロゲンおよびC-C-アルコキシ、より好ましくはフッ素、塩素、メトキシおよびイソプロポキシからなる群から選択され、
が、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)からなる群から選択され、
が、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)からなる群から選択され、
が、水素およびC-C-アルキルからなる群から選択され、
が、水素およびC-C-アルキルからなる群から選択され、
または、RおよびRが、一緒になってオキソ基(=O)を形成し、
が、水素またはC-C-アルキルであり、
10が、水素、-OH、C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシからなる群から選択され、
11が、水素であり、
Qが、フッ素、塩素、または臭素から独立して選択される1~5個の置換基を有するフェニルを表し、
ここで、Yが、O、SまたはN-Rである場合、R10は、-OHでもC-C-アルコキシでもない、
請求項1または2に記載の化合物、または、その立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくはそれらの塩、またはそれらの混合物。
【請求項4】
Aが、A1またはA2であり、
【化5】
oが、0、1または2であり、
Rが、水素、ハロゲン、C-C-アルキル、C-C-アルコキシ、およびシアノからなる群から選択され、
が、水素、C-C-アルキルからなる群から選択され、
Xが、CR、O、S、およびN-Rからなる群から選択され、
Yが、CRまたはOであり、
が、水素またはC-C-アルキルであり、
が、2-オキソシクロブチル、3-オキソシクロブチル、3-チエタニル、2-チエタニル、1-オキシドチエタン-3-イル、1-オキシドチエタン-2-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-3-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-2-イル、1,1-ジオキシドチエタン-3-イル、1,1-ジオキシドチエタン-2-イル、4-オキソアゼチジン-2-イル、2-オキソアゼチジン-3-イル、2-ヒドロキシシクロブチル、3-ヒドロキシシクロブチル、2-フルオロシクロブチル、3-フルオロシクロブチル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、1-メチルピロリジン-2-イル、1-メチルピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-3-イル、2-オキソピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-2-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、3-オキソピペラジン-1-イル、2-オキソピペラジン-1-イル、2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル、3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イルからなる群から選択され、
が、水素またはC-C-アルキルであり、
が、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、好ましくは水素、ハロゲンおよびC-C-アルコキシ、より好ましくはフッ素、塩素、メトキシおよびイソプロポキシからなる群から選択され、
が、水素、ハロゲン、-OH、-NH、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシからなる群から選択され、
が、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシからなる群から選択され、
が、水素およびC-C-アルキルからなる群から選択され、
が、水素およびC-C-アルキルからなる群から選択され、
または、RおよびRが、一緒になってオキソ基(=O)を形成し、
が、水素またはC-C-アルキルであり、
10が、水素、-OHおよびC-C-アルキルからなる群から選択され、
11が、水素であり、
Qが、フッ素、塩素、または臭素から独立して選択される2または3個の置換基を有するフェニルを表し、
ここで、Yが、Oである場合、R10は、-OHではない、
請求項1、2または3に記載の化合物、または、その立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくはそれらの塩、またはそれらの混合物。
【請求項5】
Aが、
【化6】


好ましくは、
【化7】
からなる群から選択され、
が、水素またはメチルであり、
が、2-オキソシクロブチル、3-オキソシクロブチル、3-チエタニル、2-チエタニル、1-オキシドチエタン-3-イル、1-オキシドチエタン-2-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-3-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-2-イル、1,1-ジオキシドチエタン-3-イル、1,1-ジオキシドチエタン-2-イル、4-オキソアゼチジン-2-イル、2-オキソアゼチジン-3-イル、2-ヒドロキシシクロブチル、3-ヒドロキシシクロブチル、2-フルオロシクロブチル、3-フルオロシクロブチル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、1-メチルピロリジン-2-イル、1-メチルピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-3-イル、2-オキソピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-2-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、3-オキソピペラジン-1-イル、2-オキソピペラジン-1-イル、2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル、3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イルからなる群から選択され、
が、水素またはメチルであり、
が、水素、フッ素、塩素、-OH、シアノ、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、イソプロポキシ、およびトリフルオロメトキシ、好ましくは水素、フッ素、塩素、メトキシおよびイソプロポキシからなる群から選択され、
が、水素、フッ素、塩素、-OH、シアノ、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシおよびNHからなる群から選択され、
が、水素、フッ素、塩素、-OH、シアノ、メチルおよびメトキシからなる群から選択され、
Qが、2,3-ジクロロフェニル、3,5-ジクロロフェニル、および2,3,5-トリフルオロフェニルからなる群から選択される、
請求項1、2、3または4に記載の化合物、または、その立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくはそれらの塩、またはそれらの混合物。
【請求項6】
Aが、
【化8】
好ましくは、
【化9】
からなる群から選択され、
が、水素またはメチルであり、
が、2-オキソシクロブチル、3-オキソシクロブチル、3-チエタニル、2-チエタニル、1-オキシドチエタン-3-イル、1-オキシドチエタン-2-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-3-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-2-イル、1,1-ジオキシドチエタン-3-イル、1,1-ジオキシドチエタン-2-イル、4-オキソアゼチジン-2-イル、2-オキソアゼチジン-3-イル、2-ヒドロキシシクロブチル、3-ヒドロキシシクロブチル、2-フルオロシクロブチル、3-フルオロシクロブチル、3,3-ジフルオロシクロブチル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、1-メチルピロリジン-2-イル、1-メチルピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-3-イル、2-オキソピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-2-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、3-オキソピペラジン-1-イル、2-オキソピペラジン-1-イル、2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル、3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イルからなる群から選択され、
が、水素またはメチルであり、
が、水素、塩素、フッ素、メチル、メトキシ、イソプロポキシおよびトリフルオロメチル、好ましくは水素、塩素、フッ素、メトキシおよびイソプロポキシからなる群から選択され、
が、水素、塩素、フッ素、-OH、シアノ、メチル、トリフルオロメトキシおよびNHからなる群から選択され、
が、水素、フッ素、塩素、-OH、シアノ、メチルおよびメトキシからなる群から選択され、
Qが、2,3-ジクロロフェニル、3,5-ジクロロフェニル、および2,3,5-トリフルオロフェニルの群から選択される、
請求項1、2、3、4または5に記載の化合物、または、その立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくはそれらの塩、またはそれらの混合物。
【請求項7】
が、3-オキソシクロブチル、3-チエタニル、1-オキシドチエタン-3-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-3-イル、1,1-ジオキシドチエタン-3-イル、2-オキソアゼチジン-3-イル、3-ヒドロキシシクロブチル、3-フルオロシクロブチル、3,3-ジフルオロシクロブチル、テトラヒドロフラン-3-イル、1-メチルピロリジン-2-イル、1-メチルピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-3-イル、2-オキソピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-2-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、3-オキソピペラジン-1-イル、2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル、3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イルからなる群から選択され、
Qが、2,3,5-トリフルオロフェニルまたは3,5-ジクロロフェニルである、
請求項1、2、3、4、5、または6に記載の化合物、または、その立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくはそれらの塩、またはそれらの混合物。
【請求項8】
が、3-オキソシクロブチル、3-チエタニル、1-オキシドチエタン-3-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-3-イル、1,1-ジオキシドチエタン-3-イル、2-オキソアゼチジン-3-イル、3-ヒドロキシシクロブチル、3-フルオロシクロブチル、テトラヒドロフラン-3-イル、1-メチルピロリジン-2-イル、1-メチルピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-3-イル、2-オキソピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-2-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル、3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イルからなる群から選択され、
が、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、C-C-シクロアルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ-C-C-アルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、C-C-アルキル-C(O)-、-S-C-C-アルキル、-S(O)-C-C-アルキル、-SO-C-C-アルキル、好ましくは水素、ハロゲンおよびC-C-アルコキシ、より好ましくはフッ素、塩素、メトキシおよびイソプロポキシからなる群から選択され、
Qが、2,3,5-トリフルオロフェニルまたは3,5-ジクロロフェニルである、
請求項1、2、3、4、5、6、または7に記載の化合物、または、その立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくはそれらの塩、またはそれらの混合物。
【請求項9】
が、3-ヒドロキシシクロブチル、3-フルオロシクロブチル、テトラヒドロフラン-3-イルまたは3-オキソシクロブチルであり、
Qが、2,3,5-トリフルオロフェニルまたは3,5-ジクロロフェニルである、
請求項1、2、3、4、5、6、7、または8に記載の化合物、または、その立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくはそれらの塩、またはそれらの混合物。
【請求項10】
化合物が、
【化10】
から選択される、
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、または9に記載の化合物、または、その立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくはそれらの塩、またはそれらの混合物。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物を調製する方法であって、該方法は、一般式1N
【化11】
〔式中、A、R、R、R、R、R、およびQは、請求項1~10のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物について定義されたとおりである〕
の中間体化合物を、一般式1F
【化12】
〔式中、R2#は、2,2-ジメトキシシクロブタン-1-カルボン酸メチル、3,3-ジメトキシシクロブタン-1-カルボン酸メチル、2,2-ビス(メチルチオ)シクロブタン-1-カルボン酸メチル、3,3-ビス(メチルチオ)シクロブタン-1-カルボン酸メチル、チエタン-3-カルボン酸エチル、チエタン-2-カルボン酸エチル、オキセタン-3-カルボン酸エチル、オキセタン-2-カルボン酸エチル、2-フルオロシクロブタン-1-カルボン酸メチル、3-フルオロシクロブタン-1-カルボン酸メチル、2,2-ジフルオロシクロブタン-1-カルボン酸メチル、3,3-ジフルオロシクロブタン-1-カルボン酸メチル、テトラヒドロフラン-2-カルボン酸メチル、テトラヒドロフラン-3-カルボン酸メチル、フラン-3-カルボン酸メチル、フラン-2-カルボン酸メチル、テトラヒドロチオフェン-3-カルボン酸メチル、テトラヒドロチオフェン-2-カルボン酸メチル、チオフェン-3-カルボン酸メチル、チオフェン-2-カルボン酸メチル、1-メチルピロリジン-2-カルボン酸メチル、1-メチルピロリジン-3-カルボン酸メチル、5-オキソピロリジン-3-カルボン酸メチル、2-オキソピロリジン-3-カルボン酸メチル、5-オキソピロリジン-2-カルボン酸メチル、テトラヒドロピラン-4-カルボン酸メチルからなる群から選択される〕
と反応させて、その後、水性アルカリ金属水酸化物の存在下で鹸化反応を行い、任意に酸化工程を行い、それによって一般式(I):
【化13】
〔式中、A、R、R、R、R、R、およびQは、請求項1~10のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物について定義されたとおりであり、Rは、2-オキソシクロブチル、3-オキソシクロブチル、2-チオオキソシクロブチル、3-チオオキソシクロブチル、3-チエタニル、2-チエタニル、オキセタン-3-イル、オキセタン-2-イル、2-ヒドロキシシクロブチル、3-ヒドロキシシクロブチル、2-フルオロシクロブチル、3-フルオロシクロブチル、2,2-ジフルオロシクロブチル、3,3-ジフルオロシクロブチル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、フラン-3-イル、フラン-2-イル、テトラヒドロチオフェン-3-イル、テトラヒドロチオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、チオフェン-2-イル、1-メチルピロリジン-2-イル、1-メチルピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-3-イル、2-オキソピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-2-イル、およびテトラヒドロピラン-4-イルからなる群から選択される〕
の化合物を得る工程、
または、一般式1T
【化14】
〔式中、A、R、R、R、R、RおよびRは、請求項1~10のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物について定義されたとおりであり、Halは、ハロゲン、特に塩素、臭素またはヨウ素である〕
の中間体化合物を、一般式1H
【化15】
〔式中、Qは、2,3,5-トリフルオロフェニルであり、各Rは、個々にHもしくはMeであり得るか、または両方のRは、ピナコレートである〕
の化合物と反応させ、それによって一般式(I):
【化16】
〔式中、A、R、R、R、R、R、R、およびQは、請求項1~10のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物について定義されたとおりである〕
の化合物を得る工程、
または、一般式1W
【化17】
〔式中、Q、R、R、R、RおよびRは、請求項1~10のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物について定義されたとおりである〕
の中間体化合物を、一般式1M
【化18】
〔式中、RおよびAは、請求項1~10のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物について定義されたとおりである〕
の化合物と反応させて、それによって一般式(I):
【化19】
〔式中、A、R、R、R、R、R、R、およびQは、請求項1~10のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物について定義されたとおりである〕
の化合物を得る工程
を含む、方法。
【請求項12】
一般式(II):
【化20】
〔式中、
は、OH、Cl、Brであるか、または請求項1~10のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物について定義されたとおりであり、
、R、R、R、およびQは、請求項1~10のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物について定義されたとおりであり、そして
は、HまたはC-C-アルキルである〕
の化合物、または、その立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくはそれらの塩、またはそれらの混合物。
【請求項13】
請求項1~10のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物および1以上の薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項14】
疾患の防除、処置および/または予防に使用するための、請求項1~10のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物または請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
疾患が、蠕虫感染症である、請求項14に記載の化合物または医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本明細書に記載され、定義される一般式(I)の新規キノリン誘導体、前記化合物を調製する方法、前記化合物を調製するために有用な中間体化合物、前記化合物を含む医薬組成物および組み合わせ、ならびに動物およびヒトにおける、疾患の防除、処置および/または予防のための、特に蠕虫による感染症、より詳細には、胃腸および腸外の線虫による感染症の防除、処置および/または予防のための、医薬組成物の製造のための前記化合物の使用、単剤としてまたは他の活性成分と組み合わせて、動物およびヒトにおいて、蠕虫による感染症、より詳細には胃腸および腸外の線虫による感染症の防除、処置および/または予防のためのそのような化合物を含有する製剤および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
全ての市販駆虫薬に対する耐性の発生は、獣医学の領域で増加している問題であると思われる。線虫の防除を管理するために駆虫薬を広範囲に利用した結果、高度に耐性のある回虫(worm)集団が有意に選択された。したがって、全ての駆虫薬クラスに対する耐性の拡大は、牛、ヤギ、ヒツジおよび馬における効果的な回虫の防除を脅かす。さらに、現在、大環状ラクトンの利用のみに依存しているイヌの犬糸状虫症の予防に成功していることは、米国の一部の地域-特に感染のための犬糸状虫の攻撃が高い地域-について、複数の大環状ラクトンに対する有効性の喪失が報告されていることから危険性がある。最後に、ミシシッピー川下流デルタでの有効性の喪失が疑われる症例からの犬糸状虫(Dirofilaria immitis)の幼虫による実験的感染症研究から、大環状ラクトン耐性の存在がイン・ビボ(in vivo)で確認された。
【0003】
駆虫薬に対するヒトの蠕虫の耐性は現在のところまれであると思われるが、前述したような獣医学領域における駆虫薬耐性の広がりは、ヒトの蠕虫症の処置においても同様に考慮する必要がある。フィラリア症に対する持続的な低用量処置は、高度耐性遺伝子型をもたらす可能性があり、ある種の駆虫薬(例えば、プラジカンテル、ベンゾイミダゾール、ニクロサミド)については既に耐性が報告されている。
【0004】
したがって、新しい分子作用機序を有する耐性を打破する駆虫薬が緊急に必要とされている。
【0005】
本発明の目的は、動物およびヒトにおける蠕虫による感染の防除、処置および/または予防のために、好ましくは処置された生物に対するいかなる有害な毒性作用もなしに、広範囲の蠕虫に対して、特に比較的低い用量で、十分なまたは改善された駆虫活性を有する、医学、特に獣医学分野における駆虫剤として使用され得る化合物を提供することである。
【0006】
特定のキノリンカルボキサミドは、尋常性ざ瘡、皮膚炎などの皮膚疾患の処置および/または予防に適した薬剤として、JP2008-214323Aに記載されている。
【0007】
WO2017/103851A1は、アテローム性動脈硬化症、乾癬、副鼻腔炎、およびデュシェンヌ型筋ジストロフィーを処置するのに有用な、H-PGDS阻害剤としてのキノリン-3-カルボキサミドを開示している。
【0008】
WO2018/087036A1およびWO2019/215182A1は、医療、特に獣医学分野における駆虫剤としてキノリン-3-カルボキサミドを開示している。
【0009】
しかしながら、技術水準では、本明細書に記載され、定義される本発明の一般式(I)の新規なキノリン誘導体を記載していない。
【0010】
ここで、本発明の化合物が驚くべき有利な特性を有することが見出され、これが本発明の基礎を構成する。
【0011】
特に、本発明の化合物は、驚くべきことに線虫のSlo-1カルシウム依存性カリウムチャンネルと効果的に相互作用することが見出された。この相互作用は、特に胃腸線虫、自由生活性線虫、およびフィラリアの麻痺/阻害を達成することによって特徴づけられ、これらのデータは、生物学的実験のセクションで示されている。したがって、本発明の化合物は、胃腸および腸外の蠕虫感染症、特にフィラリアを含む、線虫による胃腸および腸外の感染の防除、処置および/または予防のための駆虫剤として使用することができる。本発明の新規化合物は、好ましくは高い化学安定性を有する。さらに、本発明の化合物は、好適な代謝安定性を有することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2008-214323号公報
【特許文献2】国際公開2017/103851号
【特許文献3】国際公開2018/087036号
【特許文献4】国際公開2019/215182号
【発明の概要】
【0013】
発明の説明
第1の態様によれば、本発明は、一般式(I):
【化1】
〔式中:
Aは、A1またはA2であり、
【化2】
oは、0、1、2、3または4であり、
Rは、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-OH、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、C-C-シクロアルキル、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)、-S-C-C-アルキル、-S(O)-C-C-アルキル、-SO-C-C-アルキル、-S-C-C-ハロゲノアルキル、-S(O)-C-C-ハロゲノアルキルおよび1~5個のハロゲン原子を有する-SO-C-C-ハロゲノアルキルからなる群から選択され、
は、水素、C-C-アルキルからなる群から選択され、
X、Yは、CR、O、S、およびN-Rからなる群から独立して選択され(ここで、XおよびYのうちの少なくとも1つは、CRである)、または
X、Yは、一緒になって、-C(O)-O-、-C(O)-NR-、-S(O)-NR-、-SO-NR-および-SO-O-からなる群から選択される環員を形成し、
は、水素、シアノ、-CHO、-OH、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、C-C-シクロアルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノシクロアルキル、C-C-アルケニル、C-C-アルキニル、C-C-アルコキシ-C-C-アルキル、C-C-シクロアルキル-C-C-アルキル、シアノ-C-C-アルキル、-NH-C-C-アルキル、-N(C-C-アルキル)、NH-C-C-アルキル-、C-C-アルキル-NH-C-C-アルキル-、(C-C-アルキル)N-C-C-アルキル-、C-C-アルキル-C(O)-、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル-C(O)-、C-C-アルコキシ-C(O)-、ベンジルオキシ-C(O)-、C-C-アルコキシ-C-C-アルキル-C(O)-、-SO-C-C-アルキル、および1~5個のハロゲン原子を有する-SO-C-C-ハロゲノアルキル;
フェニル-C-C-アルキル(これは、ハロゲン、-OH、-NO、シアノ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)、-S-C-C-アルキル、-S(O)-C-C-アルキル、-SO-C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有する-S-C-C-ハロゲノアルキル、1~5個のハロゲン原子を有する-S(O)-C-C-ハロゲノアルキルおよび1~5個のハロゲン原子を有する-SO-C-C-ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基で任意に置換されていてもよい);
ヘテロシクリル-C-C-アルキル(ここで、前記ヘテロシクリル置換基は、4員~10員のヘテロシクロアルキル、5員のヘテロアリールおよび6員のヘテロアリールからなる群から選択され、これらのそれぞれは、ハロゲン、-OH、-オキソ、-NO、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)、-S-C-C-アルキル、-S(O)-C-C-アルキル、-SO-C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有する-S-C-C-ハロゲノアルキル、1~5個のハロゲン原子を有する-S(O)-C-C-ハロゲノアルキルおよび1~5個のハロゲン原子を有する-SO-C-C-ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい)
からなる群から選択され、
は、2-オキソシクロブチル、3-オキソシクロブチル、2-チオオキソシクロブチル、3-チオオキソシクロブチル、3-チエタニル、2-チエタニル、オキセタン-3-イル、オキセタン-2-イル、1-オキシドチエタン-3-イル、1-オキシドチエタン-2-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-3-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-2-イル、1,1-ジオキシドチエタン-3-イル、1,1-ジオキシドチエタン-2-イル、1,1-ジオキシド-1,2-チアゼチジン-3-イル、1,1-ジオキシド-1,2-チアゼチジン-4-イル、1-オキシド-1,2-チアゼチジン-3-イル、1-オキシド-1,2-チアゼチジン-4-イル、2-オキシド-1,2-オキサチエタン-3-イル、2-オキシド-1,2-オキサチエタン-4-イル、2,2-ジオキシド-1,2-オキサチエタン-3-イル、2,2-ジオキシド-1,2-オキサチエタン-4-イル、4-オキソアゼチジン-2-イル、2-オキソアゼチジン-3-イル、4-チオキソアゼチジン-2-イル、2-チオキソアゼチジン-3-イル、2-ヒドロキシシクロブチル、3-ヒドロキシシクロブチル、2-メルカプトシクロブチル、3-メルカプトシクロブチル、2-フルオロシクロブチル、3-フルオロシクロブチル、2,2-ジフルオロシクロブチル、3,3-ジフルオロシクロブチル、2-クロロシクロブチル、3-クロロシクロブチル、2,2-ジクロロシクロブチル、3,3-ジクロロシクロブチル、2-ブロモシクロブチル、3-ブロモシクロブチル、2,2-ジブロモシクロブチル、3,3-ジブロモシクロブチル、2-ヨードシクロブチル、3-ヨードシクロブチル、2,2-ジヨードシクロブチル、3,3-ジヨードシクロブチル、3-メトキシイミノシクロブチル、2-フルオロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジフルオロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2-クロロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジクロロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2-ブロモ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジブロモ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2-ヨード-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジヨード-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-フルオロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジフルオロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-クロロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジクロロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-ブロモ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジブロモ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-ヨード-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジヨード-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、
5員~10員のヘテロシクロアルキル、5員のヘテロアリールおよび6員のヘテロアリール(これらのそれぞれは、ハロゲン、-OH、-オキソ、-NO、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)、-S-C-C-アルキル、-S(O)-C-C-アルキル、-SO-C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有する-S-C-C-ハロゲノアルキル、1~5個のハロゲン原子を有する-S(O)-C-C-ハロゲノアルキルおよび1~5個のハロゲン原子を有する-SO-C-C-ハロゲノアルキルからなる群から独立に選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい)
からなる群から選択され、
は、水素またはC-C-アルキルであり、
は、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、C-C-シクロアルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ-C-C-アルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、C-C-アルキル-C(O)-、-S-C-C-アルキル、-S(O)-C-C-アルキル、-SO-C-C-アルキル、好ましくは水素、ハロゲンおよびC-C-アルコキシ、より好ましくはフッ素、塩素、メトキシおよびイソプロポキシからなる群から選択され、
は、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、C-C-シクロアルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ-C-C-アルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、C-C-アルキル-C(O)-、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)、-S-C-C-アルキル、-S(O)-C-C-アルキル、-SO-C-C-アルキルからなる群から選択され、
は、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、C-C-シクロアルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ-C-C-アルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、C-C-アルキル-C(O)-、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)、-S-C-C-アルキル、-S(O)-C-C-アルキル、-SO-C-C-アルキルからなる群から選択され、
は、水素、-OH、フッ素、C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシからなる群から選択され、
は、水素、-OH、フッ素、C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシからなる群から選択され、
または、RおよびRは、一緒になってオキソ基(=O)を形成し、
または、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、C-C-シクロアルキルおよび3員~6員のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される3~6員環を形成し、
は、水素、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキルおよびC-C-アルコキシからなる群から選択され、
10は、水素、-OH、C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシからなる群から選択され、
11は、水素、C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシからなる群から選択され、
または、R10およびR11 は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、C-C-シクロアルキルおよび3員~6員のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される3~6員環を形成し、
Qは、1~5個のハロゲン原子を有するフェニルを表し、
ここで、Yが、O、SまたはN-Rである場合、R、R、R10およびR11のいずれも、-OHでもC-C-アルコキシでもなく、そしてここで、
Xが、O、SまたはN-Rである場合、RおよびRのいずれも、-OHでもC-C-アルコキシでもない〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0014】
定義
用語「置換された(substituted)」は、既存の状況下で指定された原子の通常の原子価を超えない限り、指定された原子または基上の1以上の水素原子が、指定された基からの選択物で置換されることを意味する。置換基および/または変数の組み合わせが許容される。
【0015】
用語「置換されていてもよい(optionally substituted)」は、置換基の数がゼロに等しいか、またはゼロとは異なることができることを意味する。別段の指示がない限り、置換されていてもよい基は、任意の利用可能な炭素または窒素原子上の水素原子を非水素置換基で置換することによって、収容することができる限り多くの任意の置換基で置換されることが可能である。一般に、存在する場合、任意の置換基の数は、1、2、3、4または5、特に1、2または3であることが可能である。
【0016】
本明細書中で使用される場合、用語「1以上(one or more)」は、例えば、本発明の一般式(I)の化合物の置換基の定義において、「1、2、3、4または5、特に1、2、3または4、より特に1、2または3、さらにより特に1または2」を意味する。
【0017】
本明細書中で使用される場合、オキソ置換基は、二重結合を介して炭素原子または硫黄原子に結合される酸素原子を表す。
【0018】
用語「環置換基(ring substituent)」は、環上の利用可能な水素原子を置換する、芳香族または非芳香族環に結合した置換基を意味する。
【0019】
複合置換基が複数の部分で構成される場合、例えば、(C-C-アルコキシ)-(C-C-アルキル)-では、与えられた部分の位置は前記複合置換基の任意の適当な位置にあることができ、すなわち、C-C-アルコキシ部分は、前記(C-C-アルコキシ)-(C-C-アルキル)基のC-C-アルキル部分の任意の原子に結合することができる。そのような複合置換基の始めまたは終わりのハイフンは、分子の残りの部分への前記複合置換基の結合点を示す。炭素原子および任意に窒素、酸素または硫黄原子などの1以上のヘテロ原子を含む環が、例えば置換基で置換されている場合、前記置換基は、前記環の任意の適切な位置に結合し、適切な炭素原子および/または適切なヘテロ原子に結合することが可能である。
【0020】
本明細書中で使用される場合、それぞれのサブ成分が分子の残りの部分に連結される位置は、描かれた構造において、前記置換基中のハッシュ記号(#)または破線によって示され得る。
【0021】
本明細書で使用される場合、用語「含む(comprising)」は、「からなる(consisting of)」を含む。
【0022】
本明細書内で、任意の項目が「本明細書で言及されるように」と呼ばれる場合、それは、本明細書内の任意の場所で言及され得ることを意味する。
【0023】
本文中で言及される用語は、以下の意味を有する:
用語「ハロゲン原子」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子、特にフッ素、塩素または臭素原子を意味する。
【0024】
用語「C-C-アルキル」は、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の、飽和の、一価の炭化水素基を意味する。用語「C-C-アルキル」は、1、2、3または4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の、飽和の、一価炭化水素基、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチルまたはtert-ブチル基、またはそれらのさらなる構造異性体を意味する。特に、前記基は、1、2または3個の炭素原子を有する(「C-C-アルキル」)、例えば、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピル基である。
【0025】
用語「C-C-ヒドロキシアルキル」は、用語「C-C-アルキル」が上記で定義されるとおりであり、1個の水素原子がヒドロキシ基で置き換えられている直鎖状または分枝鎖状の、飽和の一価の炭化水素基を意味し、例えば、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシエチル、1,2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシプロピル、1-ヒドロキシプロピル、1-ヒドロキシプロパン-2-イル、2-ヒドロキシプロパン-2-イル、2,3-ジヒドロキシプロピル、1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル、3-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル、2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル、1-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル基を意味する。
【0026】
用語「-NH(C-C-アルキル)」または「-N(C-C-アルキル)」は、用語「C-C-アルキル」が上記で定義されるとおりであり、直鎖状または分枝鎖状の、飽和の一価の基を意味し、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、n-プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、N,N-ジメチルアミノ、N-メチル-N-エチルアミノまたはN,N-ジエチルアミノを意味する。
【0027】
用語「-S-C-C-アルキル」、「-S(O)-C-C-アルキル」または「-SO-C-C-アルキル」は、用語「C-C-アルキル」が上に定義されるとおりであり、直鎖または分枝鎖の飽和基を意味し、例えば、メチルスルファニル、エチルスルファニル、n-プロピルスルファニル、イソプロピルスルファニル、n-ブチルスルファニル、sec-ブチルスルファニル、イソブチルスルファニルもしくはtert-ブチルスルファニル基、またはメチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n-プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、n-ブチルスルフィニル、sec-ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニルもしくはtert-ブチルスルフィニル基、またはメチルスルホニル、エチルスルホニル、n-プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n-ブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル、イソブチルスルホニルもしくはtert-ブチルスルホニル基を意味する。
【0028】
用語「C-C-ハロゲノアルキル」は、用語「C-C-アルキル」が上に定義されるとおりであり、1個以上の水素原子が、同一にまたは異なるように、ハロゲン原子と置き換えられる直鎖または分岐鎖の、飽和の一価の炭化水素基を意味する。特に、前記ハロゲン原子はフッ素原子である。より詳細には、全ての前記ハロゲン原子はフッ素原子(「C-C-フルオロアルキル」)である。前記C-C-ハロゲノアルキル基は、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピルまたは1,3-ジフルオロプロパン-2-イルである。
【0029】
用語「C-C-アルコキシ」は、用語「C-C-アルキル」が上記で定義されるとおりであり、直鎖状または分枝鎖状の、飽和の、式(C-C-アルキル)-O-の一価の基を意味し、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、イソブトキシまたはtert-ブトキシ基、またはそれらのさらなる構造異体を意味する。
【0030】
用語「C-C-ハロゲノアルコキシ」は、上記で定義されているように、1個以上の水素原子が、同一にまたは異なるように、ハロゲン原子と置き換えられている、直鎖または分岐鎖の、飽和の一価のC-C-アルコキシ基を意味する。特に、前記ハロゲン原子はフッ素原子である。前記C-C-ハロゲノアルコキシ基は、例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシまたはペンタフルオロエトキシである。
【0031】
用語「C-C-アルケニル」は、1個の二重結合を含み、2、3または4個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の一価炭化水素基を意味する。前記C-C-アルケニル基は、例えば、エテニル(または「ビニル」)、プロパ-2-エン-1-イル(または「アリル」)、プロパ-1-エン-1-イル、ブタ-3-エニル、ブタ-2-エニル、ブタ-1-エニル、プロパ-1-エン-2-イル(または「イソプロペニル」)、2-メチルプロパ-2-エニル、1-メチルプロパ-2-エニル、2-メチルプロパ-1-エニル、または1-メチルプロパ-1-エニル基である。特に、前記基はアリルである。
【0032】
用語「C-C-アルキニル」は、1個の三重結合を含み、2、3または4個の炭素原子を含む直鎖の一価の炭化水素基を意味する。前記C-C-アルキニル基は、例えば、エチニル、プロパ-1-イニル、プロパ-2-イニル(または「プロパルギル」)、ブタ-1-イニル、ブタ-2-イニル、ブタ-3-イニルまたは1-メチルプロパ-2-イニル基である。特に、前記アルキニル基は、プロパ-1-イニルまたはプロパ-2-イニルである。
【0033】
用語「C-C-シクロアルキル」は、3、4、5、または6個の炭素原子を含む、飽和の、一価の単環式炭化水素環(「C-C-シクロアルキル」)を意味する。前記C-C-シクロアルキル基は、例えば、単環式炭化水素環、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル基である。
【0034】
用語「C-C-ハロゲノシクロアルキル」は、用語「C-C-シクロアルキル」が上記で定義されるとおりであり、1個以上の水素原子が、同一にまたは異なるように、ハロゲン原子と置き換えられている、飽和の、一価の単環式炭化水素環を意味する。特に、前記ハロゲン原子は、フッ素原子または塩素原子である。前記C-C-ハロゲノシクロアルキル基は、例えば、1個または2個のフッ素原子または塩素原子で置換された単環式炭化水素環、例えば、1-フルオロ-シクロプロピル、2-フルオロシクロプロピル、2,2-ジフルオロシクロプロピル、2,3-ジフルオロシクロプロピル、1-クロロシクロプロピル、2-クロロシクロプロピル、2,2-ジクロロシクロプロピル、2,3-ジクロロシクロプロピル、2-フルオロ-2-クロロシクロプロピルおよび2-フルオロ-3-クロロシクロプロピル基である。
【0035】
用語「ベンゾ-C-C-シクロアルキル」は、5または6個の炭素原子を含有する飽和の、一価の、単環式炭化水素環(「C-C-シクロアルキル」)がフェニル環に縮環している一価の、二環式炭化水素環を意味する。前記ベンゾ-C-C-シクロアルキル基は、例えば、二環式炭化水素環、例えば、インダン(すなわち、2,3-ジヒドロ-1H-インデン)またはテトラリン(すなわち、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン)基である。
【0036】
用語「スピロシクロアルキル」は、2つの環が1つの共通環炭素原子を共有し、前記二環炭化水素基が5、6、7、8、9、10または11個の炭素原子を含有する、飽和の一価の二環式炭化水素基を意味し、前記スピロシクロアルキル基は、スピロ炭素原子を除く炭素原子のいずれか1つを介して分子の残りに結合することが可能である。前記スピロシクロアルキル基は、例えば、スピロ[2.2]ペンチル、スピロ[2.3]ヘキシル、スピロ[2.4]ヘプチル、スピロ[2.5]オクチル、スピロ[2.6]ノニル、スピロ[3.3]ヘプチル、スピロ[3.4]オクチル、スピロ[3.5]ノニル、スピロ[3.6]デシル、スピロ[4.4]ノニル、スピロ[4.5]デシル、スピロ[4.6]ウンデシルまたはスピロ[5.5]ウンデシルである。
【0037】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、合計で4、5、6、7、8、9または10個の環原子(「4~10員のヘテロシクロアルキル」基)、特に4、5または6個の環原子(「4~6員のヘテロシクロアルキル」基)を有する単環式または二環式の、飽和または部分的に飽和の複素環を意味し、これは、N、OおよびS系列からの1または2個の同一または異なる環ヘテロ原子を含み、前記ヘテロシクロアルキル基が炭素原子のいずれか1つ、または存在する場合には窒素原子を介して分子の残りに結合することが可能である。
【0038】
前記ヘテロシクロアルキル基は、それに限定されるものではないが、4員環、例えば、アゼチジニル、オキセタニルもしくはチエタニル、例えば;または5員環、例えばテトラヒドロフラニル、オキソラニル、1,3-ジオキソラニル、チオラニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、1,1-ジオキシドチオラニル、1,2-ジオキサゾリジニル、1,3-オキサゾリジニル、1,3-チアゾリジニルもしくは1,2,4-トリアゾリジニル、例えば;または6員環、例えばテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、ジチアニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、オキサニル、1,3-ジオキサニル、1,4-ジオキサニルもしくは1,2-オキサジニル、例えば;または7員環、例えば、1,4-ジアゼパニルまたは1,4-オキサゼパニル、例えば;または二環式7員環、例えば、2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イルまたは6-オキサ-3-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン、例えば;二環式8員環、例えば5,6-ジヒドロ-4H-フロ[2,3-c]ピロールまたは8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン、例えば;または二環式9員環、例えばオクタヒドロ-1H-ピロロ[3,4-b]ピリジン、1,3-ジヒドロ-イソインドール、2,3-ジヒドロ-インドール、3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナンまたは3,9-ジオキサ-7-アザビシクロ[3.3.1]ノナン、例えば;または二環式10員環、例えばデカヒドロキノリンまたは3,4-ジヒドロイソキノリンなどであることができる。
【0039】
用語「ヘテロスピロシクロアルキル」は、合計で6、7、8、9、10または11個の環原子を有し、2つの環が1つの共通環炭素原子を共有する、二環式の、飽和の複素環を意味し、「ヘテロスピロシクロアルキル」は、一連のN、O、Sからの1または2個の同一または異なる環ヘテロ原子を含有し;前記ヘテロスピロシクロアルキル基は、スピロ炭素原子を除く、炭素原子のいずれか1つ、または、存在する場合には窒素原子を介して分子の残りに結合することが可能である。
【0040】
前記ヘテロスピロアルキル基は、例えば、アザスピロ[2.3]ヘキシル、アザスピロ[3.3]ヘプチル、オキサアザスピロ[3.3]ヘプチル、チアザスピロ[3.3]ヘプチル、オキサスピロ[3.3]ヘプチル、オキサザアスピロ[5.3]ノニル、オキサザスピロ[4.3]オクチル、オキサアザスピロ[2.5]オクチル、アザアスピロ[4.5]デシル、オキサザスピロ[5.5]ウンデシル、ジアザスピロ[3.3]ヘプチル、チアザスピロ[3.3]ヘプチル、チアザスピロ[4.3]オクチル、アザスピロ[5.5]ウンデシル、またはさらなる相同の骨格の1つ、例えばスピロ[3.4]-、スピロ[4.4]-、スピロ[2.4]-、スピロ[2.5]-、スピロ[2.6]-、スピロ[3.5]-、スピロ[3.6]-、スピロ[4.5]-およびスピロ[4.6]-などである。
【0041】
用語「6員または10員のアリール」は、6個または10個の炭素環原子を有する一価の、単環式または二環式芳香族環、例えばフェニルまたはナフチル基を意味する。
【0042】
用語「ヘテロアリール」は、5、6、9または10個の環原子(「5~10員のヘテロアリール」基)、特に5または6個の環原子(「5~6員のヘテロアリール」基)を有する一価の、単環式、二環式または三環式芳香族環を意味し、これは、少なくとも1個の環ヘテロ原子を含み、および任意に、系列:N、Oおよび/またはSからの1個、2個または3個のさらなる環ヘテロ原子を含んでいてもよく、環炭素原子を介して結合し、または任意に環窒素原子を介して結合してもよい(原子価によって許容される場合)。
【0043】
前記ヘテロアリール基は、5員のヘテロアリール基、例えば、チエニル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリルまたはテトラゾリルなど;または6員のヘテロアリール基、例えば、ピリジニル、ジヒドロピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、テトラヒドロピリミジニル、ピラジニルまたはトリアジニルなどであり得る。
【0044】
用語「ヘテロシクリル」は、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロアリールからなる群から選択される複素環を意味する。特に、用語「4~6員のヘテロシクリル」は、4~6員のヘテロシクロアルキルおよび5~6員のヘテロアリールからなる群から選択される複素環を意味する。
【0045】
一般に、特に言及しない限り、ヘテロアリールまたはヘテロアリーレン基は、その全ての可能な構造異性体形態、例えば:互変異性体および分子の残りの部分への結合点に関する位置異性体を含む。したがって、いくつかの例示的な非限定的な例では、用語ピリジニルはピリジン-2-イル、ピリジン-3-イルおよびピリジン-4-イルを含み、または用語チエニルはチエン-2-イルおよびチエン-3-イルを含む。
【0046】
用語「C-C」は、本明細書で使用されているように、例えば、「C-C-アルキル」、「C-C-ハロゲノアルキル」、「C-C-ヒドロキシアルキル」、「C-C-アルコキシ」または「C-C-ハロゲノアルコキシ」の定義中で、1~4の有限個の炭素原子、すなわち1、2、3または4個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。
【0047】
さらに、本明細書で使用されているように、用語「C-C」は、本明細書で使用されているように、例えば、「C-C-シクロアルキル」または「C-C-ハロゲノシクロアルキル」の定義中で、3~6の有限個の炭素原子、すなわち3、4、5または6個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味する。
【0048】
値の範囲が与えられる場合、前記範囲は、前記範囲内の各値および部分的な範囲を包含する。
【0049】
例えば:
「C-C」は、C、C、C、C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、およびC-Cを包含する;
「C-C」は、C、C、C、C、C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、およびC-Cを包含する;
「C-C」は、C、C、およびC-Cを包含する;
「C-C10」は、C、C、C、C、C、C、C、C10、C-C10、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C10、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C10、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C10、C-C、C-C、C-C、C-C10、C-C、C-C、C-C10、C-CおよびC-C10を包含する;
「C-C」は、C、C、C、C、C、C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-CおよびC-Cを包含する;
「C-C」は、C、C、C、C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、およびC-Cを包含する;
「C-C」は、C、C、C、C、C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-CとC-Cを包含する;
「C-C」は、C、C、C、C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-CおよびC-Cを包含する;
「C-C」は、C、C、C、C-C、C-CおよびC-Cを包含する;
「C-C10」は、C、C、C、C、C、C10、C-C10、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C10、C-C、C-C、C-C、C-C10、C-C、C-C、C-C10、C-CとC-C10を包含する;
「C-C10」は、C、C、C、C、C10、C-C10、C-C、C-C、C-C、C-C10、C-C、C-C、C-C10、C-CおよびC-C10を包含する。
【0050】
本明細書中で使用されているように、用語「脱離基」は、結合電子と一緒になって安定な種として化学反応において置換される原子または原子の基を意味する。特に、このような脱離基は:ハロゲン化物、特にフッ化物、塩化物、臭化物またはヨウ化物、(メチルスルホニル)オキシ、[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-メチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチルフェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシを含む群から選択される。
【0051】
本明細書で使用されているように、「鹸化」という用語は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムまたはこれらの混合物などのアルカリ金属水酸化物の水溶液の存在下で行われるエステルの加水分解を意味する。鹸化の後に脱炭酸反応を行ってもよいし、行わなくてもよい。
【0052】
一般式(I)の化合物は、同位体変異体として存在してもよい。したがって、本発明は、一般式(I)の化合物の1以上の同位体変異体、特に一般式(I)の重水素含有化合物を含む。
【0053】
化合物または試薬の用語「同位体変異体」は、そのような化合物を構成する1以上の同位体の不自然な割合を示す化合物として定義される。
【0054】
用語「一般式(I)の化合物の同位体変異体」は、そのような化合物を構成する1以上の同位体の不自然な割合を示す一般式(I)の化合物として定義される。
【0055】
「不自然な割合」という表現は、そのような同位体の割合が自然な存在量よりも高いことを意味すると理解されるべきである。この文脈において適用される同位体の自然な存在量は、「Isotopic Compositions of Elements 1997」、Pure Appl.Chem.、70(1)、217-235、1998に記載されている。
【0056】
このような同位体としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の安定および放射性同位体が挙げられ、例えばそれぞれ、H(重水素)、H(トリチウム)、11C、13C、14C、15N、17O、18O、32P、33P、33S、34S、35S、36S、18F、36Cl、82Br、123I、124I、125I、129Iおよび131Iである。
【0057】
本明細書で特定される障害の処置および/または予防に関して、一般式(I)の化合物の同位体変異体は、好ましくは重水素(「一般式(I)の重水素含有化合物」)を含有する。Hまたは14Cのような1以上の放射性同位体が組み込まれている一般式(I)の化合物の同位体変異体は、例えば、薬物および/または基質の組織分布の研究において有効である。これらの同位体は、それらの組み込みおよび検出可能性の容易さのために特に好ましい。18Fまたは11Cなどの陽電子放出同位体は、一般式(I)の化合物に組み込まれてもよい。一般式(I)の化合物のこれらの同位体変異体は、インビボ(in vivo)イメージング用途に有用である。一般式(I)の重水素含有および13C含有化合物は、前臨床試験または臨床試験の文脈において質量分析の分析に使用することができる。
【0058】
一般式(I)の化合物の同位体変異体は、一般に、当業者に公知の方法(例えば、本明細書のスキームおよび/または実施例に記載されるもの)によって、試薬を前記試薬の同位体変異体、好ましくは重水素含有試薬に置き換えることによって調製され得る。重水素化の所望の部位に応じて、場合によっては、DOからの重水素を化合物に直接的に、またはそのような化合物を合成するのに有効な試薬に組み込むことができる。重水素ガスは、重水素を分子に組み込むための有用な試薬でもある。オレフィン結合の接触重水素化およびアセチレン結合の接触重水素化は、重水素の取り込みのための迅速な経路である。重水素ガスの存在下での金属触媒(すなわち、Pd、Pt、およびRh)は、炭化水素を含有する官能基中の水素を重水素に直接交換することに使用することができる。種々の重水素化試薬および合成ビルディングブロックは、例えばC/D/N Isotopes、Quebec、Canada;Cambridge Isotope Laboratories Inc.、Andover、MA、USA;およびCombiPhos Catalysts、Inc.、Princeton、NJ、USAなどの会社から市販されている。
【0059】
用語「一般式(I)の重水素含有化合物」は一般式(I)の化合物として定義され、ここで、1以上の水素原子が1以上の重水素原子で置き換えられ、一般式(I)の化合物の各重水素化位置における重水素の存在量は重水素の自然存在量(約0.015%)よりも高い。特に、一般式(I)の重水素含有化合物において、一般式(I)の化合物の各重水素化位置における重水素の存在量は、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%または80%より高く、好ましくは90%、95%、96%または97%より高く、さらに好ましくは、その位置において98%または99%より高い。各重水素化位置における重水素の存在量は、他の重水素化位置における重水素の存在量とは無関係であることが理解される。
【0060】
一般式(I)の化合物への1以上の重水素原子の選択的な組み込みは、物理化学的特性(例えば、酸性度[C.L.Perrinら、J.Am.Chem.Soc.、2007、129、4490]、塩基性[C.L.Perrinら、J.Am.Chem.Soc.、2005、127、9641]、親油性[B.Testaら、Int.J.Pharm.、1984、19(3)、271])および/または分子の代謝プロファイルを変化さることができ、そして親化合物の代謝産物に対する比率または形成される代謝産物の量を変化させることができる。このような変化は、特定の治療上の利点をもたらすことができ、したがって、いくつかの状況において好ましい場合がある。代謝および代謝スイッチングの速度の低下(代謝産物の比率が変化する)が報告されている(A.E.Mutlibら、Toxicol.Appl.Pharmacol.、2000、169、102)。親薬物および代謝産物への曝露におけるこれらの変化は、一般式(I)の重水素含有化合物の薬力学、忍容性および効力に関して重要な結果を有することができる。いくつかの場合において、重水素置換は望ましくないまたは有毒な代謝産物の形成を減少または排除し、そして所望の代謝産物の形成を増強する(例えば、Nevirapine:A.M.Sharmaら、Chem.Res.Toxicol.、2013、26、410;Efavirenz:A.E.Mutlibら、Toxicol.Appl.Pharmacol.、2000、169、102)。その他の場合には、重水素化の主要な影響は全身クリアランスの速度を低下させることである。その結果、化合物の生物学的半減期が増加する。潜在的な臨床的利益には、ピークレベルの低下とトラフレベルの上昇を伴う同様の全身曝露を維持する能力が含まれるのであろう。これは、特定の化合物の薬物動態学的/薬力学的関係に依存して、より低い副作用および増強された効力をもたらし得る。インディプロン(A.J.Moralesら、Abstract 285、The 15th North American Meeting of International Society of Xenobiotics、San Diego、CA、October 12-16、2008)、ML-337(C.J.Wenthurら、J.Med.Chem.、2013、56、5208)、およびオダナカチブ(K.Kassahunら、WO2012/112363)は、この重水素化効果の例である。代謝速度の低下が全身クリアランスの速度を変化させることなく薬物の曝露の増加をもたらすさらに他の症例が報告されている(例えば、ロフェコキシブ:F.Schneiderら、Arzneim.Forsch./Drug.Res.、2006、56、295;テラプレビル:F.Maltaisら、J.Med.Chem.、2009、52、7993)。この効果を示す重水素化された薬物は減少した投与必要量(例えば、所望の効果を達成するためのより少ない投与の回数またはより少ない用量)を有することができ、そして/またはより低い代謝物負荷を生じることができる。
【0061】
一般式(I)の化合物は、代謝のための複数の潜在的攻撃部位を有し得る。物理化学的特性および代謝プロファイルに対する上記の効果を最適化するために、1以上の重水素-水素交換の特定のパターンを有する一般式(I)の重水素含有化合物を選択することができる。特に、一般式(I)の重水素含有化合物の重水素原子は炭素原子に結合しており、および/または一般式(I)の化合物の、例えばチトクロームP450などの代謝酵素に対する攻撃部位である位置に位置している。
【0062】
本明細書において、化合物、塩、多形体、水和物、溶媒和物などの単語の複数の形態が使用される場合、これはまた、単一の化合物、塩、多形体、立体異性体、水和物、溶媒和物などをも意味するものと解される。
【0063】
「安定な化合物」または「安定な構造」とは、反応混合物からの有用な程度の純度までの単離、および有効な治療剤への製剤化に耐えるのに十分に頑強な化合物を意味する。
【0064】
本発明の化合物は、所望される種々の置換基の位置および性質に依存して、1以上の不斉中心を含み得る。不斉炭素原子は、(R)または(S)配置で存在してもよく、単一の不斉中心の場合にはラセミ混合物、複数の不斉中心の場合にはジアステレオマー混合物を生じる。特定の例において、不斉はまた、所定の結合、例えば、特定の化合物の2つの置換芳香族環に隣接する中心結合、の周りの制限された回転に起因して存在し得る。特定の例では、二重結合の周りの制限された回転に起因して、または結合の回転が制限または防止される環構造に起因して、不斉が存在する可能性もある。これらの幾何異性体は、シス-もしくはトランス-異性体として、または(E)-および(Z)-異性体として示され得る。
【0065】
好ましい化合物は、より望ましい生物学的活性を生じるものである。本発明の化合物の分離された、純粋なまたは部分的に精製された構造異性体および立体異性体またはラセミ体またはジアステレオマー混合物もまた、本発明の範囲内に含まれる。このような物質の精製および分離は、当該分野で公知の標準的な技術によって達成され得る。
【0066】
好ましい立体異性体は、より望ましい生物学的活性を生じるものである。このような物質の精製および分離は、当該分野で公知の標準的な技術によって達成され得る。
【0067】
光学異性体は、従来のプロセスに従って、例えば、光学活性な酸または塩基を使用するジアステレオ異性体塩の形成または共有結合ジアステレオマーの形成によって、ラセミ混合物を分割することによって得ることができる。適切な酸の例は、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジトルオイル酒石酸およびカンファースルホン酸である。ジアステレオマーの混合物は、当技術分野で公知の方法、例えばクロマトグラフィーまたは分別結晶化によって、それらの物理的および/または化学的差異に基づいて、それらの個々のジアステレオマーに分離することができる。次いで、光学活性塩基または酸を、分離されたジアステレオマー塩から遊離させる。光学異性体の分離のための異なる方法は、エナンチオマーの分離を最大にするために最適に選択された、従来の誘導体化を伴うかまたは伴わない、キラルクロマトグラフィー(例えば、キラルHPLCカラム)の使用を含む。キラル相を用いる適切なキラルHPLCカラムはDaicel(例えば、他の多くの中からのChiracel ODおよびChiracel OJ)によって製造され、全て日常的に選択可能である。酵素分離も、誘導体化の有無にかかわらず、有用である。本発明の光学活性化合物は同様に、光学活性な出発物質を利用するキラル合成によって得ることができる。
【0068】
互いに異なるタイプの立体異性体を制限するために、IUPAC Rules Section E(Pure Appl Chem 45、11-30、1976)を参照されたい。
【0069】
本発明は、本発明の化合物の全ての可能な立体異性体を、単一の立体異性体としてまたは前記立体異性体の任意の混合物として、例えば、(R)-もしくは(S)-立体異性体、(E)-または(Z)-異性体、シス-もしくはトランス-異性体を任意の比率で含む。本発明の化合物の単一の立体異性体、例えば、単一のエナンチオマーまたは単一のジアステレオマーの単離は、例えば、クロマトグラフィー、特にキラルクロマトグラフィーなどの任意の適切な技術水準の方法によって達成され得る。
【0070】
本発明は、単一互変異性体として、または前記互変異性体の任意の混合物として、任意の比率で本発明の化合物の全ての可能な互変異性体を含む。
【0071】
さらに、本発明の化合物はN-オキシドとして存在することができ、これは、本発明の化合物の少なくとも1つの窒素が酸化されるという点で定義される。本発明は、全てのこのような可能なN-オキシドを包含する。
【0072】
本発明はまた、本発明の化合物の有用な形態、例えば、代謝産物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、塩、特に薬学的に許容される塩、および/または共沈物などに関する。
【0073】
本発明の化合物は、水和物としてまたは溶媒和物として存在することができ、ここで、本発明の化合物は、極性溶媒、特に水、メタノールまたはエタノールを、例えば化合物の結晶格子の構造要素として含有する。極性溶媒、特に水の量は、化学量論比または非化学量論比で存在し得る。化学量論的溶媒和物の場合、例えば、水和物、半-(hemi-)、(半)(semi-)、モノ-、セスキ-、ジ-、トリ-、テトラ-、ペンタ-などである。それぞれ溶媒和物または水和物が可能である。本発明は、全てのそのような水和物または溶媒和物を含む。
【0074】
さらに、本発明の化合物は、遊離形態で、例えば遊離塩基としてまたは遊離酸として、または両性イオンとして存在することができ、または塩の形態で存在することができる。前記塩は、いずれかの塩、有機または無機付加塩、特に、任意の薬学的に許容される有機または無機付加塩であることができ、これは、薬学において慣用的に使用され、または、これは、例えば、本発明の化合物を単離または精製するために使用される。
【0075】
用語「薬学的に許容される塩」は、本発明の化合物の無機または有機酸付加塩を指す。例えば、S.M.Bergeら、「Pharmaceutical Salts、」J.Pharm.Sci.1977,66,1-19を参照されたい。
【0076】
本発明の化合物の好適な薬学的に許容される塩は、例えば、鎖または環中に、例えば、十分に塩基性の窒素原子を有する本発明の化合物の酸付加塩であることができ、例えば、無機酸または「鉱酸」、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、重硫酸、リン酸または硝酸との酸付加塩、例えば、有機酸、例えば、ギ酸、酢酸、アセト酢酸、ピルビン酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、安息香酸、サリチル酸、2-(4-ヒドロキシベンゾイル)-安息香酸、カンファー酸、桂皮酸、シクロペンタンプロピオン酸、ジグルコン酸、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、パモ酸、ペクチン酸、3-フェニルプロピオン酸、ピバル酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、イタコン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、ナフタリンジスルホン酸、カンファースルホン酸、クエン酸、酒石酸、ステアリン酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、アジピン酸、アルギン酸、マレイン酸、フマル酸、D-グルコン酸、マンデル酸、アスコルビン酸、グルコヘプタン酸、グリセロリン酸、アスパラギン酸、スルホサリチル酸、またはチオシアン酸などとの酸付加塩である。
【0077】
さらに、十分に酸性である本発明の化合物の別の適切に薬学的に許容される塩は、アルカリ金属塩、例えばナトリウムまたはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム、マグネシウムまたはストロンチウム塩、またはアルミニウムもしくは亜鉛塩、またはアンモニアまたは1~20個の炭素原子を有する有機第1級、第2級または第3級アミン、例えば、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、プロカイン、ジベンジルエチルアミン、N-メチルモルホリン、アルギニン、リジン、1,2-エチレンジアミン、N-メチルピペリジン、N-メチル-グルカミン、N,N-ジメチル-グルカミン、N-エチル-グルカミン、1,6-ヘキサンジアミン、グルコサミン、サルコシン、セリノール、2-アミノ-1,3-プロパンジオール、3-アミノ-1,2-プロパンジオール、4-アミノ-1,2,3-ブタントリオールに由来するアンモニウム塩、または1~20個の炭素原子を有する第4級アンモニウムイオン、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウ、テトラ(n-プロピル)アンモニウム、テトラ(n-ブチル)アンモニウム、N-ベンジル-N,N,N-トリメチルアンモニウム、コリンまたはベンザルコニウムとの塩である。
【0078】
当業者はさらに、特許請求される化合物の酸付加塩は、多くの公知の方法のいずれかを介して、化合物と好適な無機酸または有機酸との反応によって調製され得ることを認識する。あるいは、本発明の酸性化合物のアルカリおよびアルカリ土類金属塩は、種々の公知の方法を介して、本発明の化合物を好適な塩基と反応させることによって調製される。
【0079】
本発明は、本発明の化合物の全ての可能な塩を、単一の塩として、または前記塩の任意の混合物として、任意の比率で含む。
【0080】
本明細書において、特に実験の部において、中間体および本発明の実施例の合成のために、化合物が対応する塩基または酸との塩形態として言及される場合、それぞれの調製および/または精製プロセスによって得られる前記塩形態の正確な化学量論組成は、ほとんどの場合、未知である。
【0081】
特に明記しない限り、「塩酸塩」、「トリフルオロ酢酸塩」、「ナトリウム塩」、または「xHCl」、「xCFCOOH」、「xNa」などの塩に関連する化学名または構造式の接尾辞は、例えば、塩形態、その塩の形態が指定されていない化学量論を示す。
【0082】
これは、記載されている調製および/または精製プロセスによって、合成中間体またはその実施例化合物またはそれらの塩が、(定義されている場合には)未知の化学量論組成を有する水和物などの溶媒和物として得られた場合にも同様に当てはまる。
【0083】
さらに、本発明は、本発明の化合物の全ての可能な結晶形態または多形を、単一の多形として、または2つ以上の多形の混合物として、任意の比率で含む。
【0084】
さらに、本発明はまた、本発明による化合物のプロドラッグを含む。用語「プロドラッグ」は、それ自体が生物学的に活性であるか、または、不活性であり得るが、体内でのそれらの滞留時間中に本発明による化合物に(例えば、代謝的にまたは加水分解的に)変換される化合物を指す。
【0085】
第1の態様の第2の実施形態によれば、本発明は、上記の一般式(I):〔式中、
Aは、A1またはA2であり、
【化3】
oは、0、1、2、3または4であり、
Rは、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-OH、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、C-C-シクロアルキル、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)、-S-C-C-アルキル、-S(O)-C-C-アルキル、-SO-C-C-アルキル、-S-C-C-ハロゲノアルキル、-S(O)-C-C-ハロゲノアルキルおよび1~5個のハロゲン原子を有する-SO-C-C-ハロゲノアルキルからなる群から選択され、
は、水素、C-C-アルキルからなる群から選択され、
X、Yは、CR、O、S、およびN-Rからなる群から独立して選択され(ここで、XおよびYのうちの少なくとも1つは、CRである)、または
X、Yは、一緒になって、-C(O)-O-、-C(O)-NR-、-S(O)-NR-、-SO-NR-および-SO-O-からなる群から選択される環員を形成し、
は、水素、シアノ、-CHO、-OH、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、C-C-シクロアルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノシクロアルキル、C-C-アルケニル、C-C-アルキニル、C-C-アルコキシ-C-C-アルキル、C-C-シクロアルキル-C-C-アルキル、シアノ-C-C-アルキル、-NH-C-C-アルキル、-N(C-C-アルキル)、NH-C-C-アルキル-、C-C-アルキル-NH-C-C-アルキル-、(C-C-アルキル)N-C-C-アルキル-、C-C-アルキル-C(O)-、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル-C(O)-、C-C-アルコキシ-C(O)-、ベンジルオキシ-C(O)-、C-C-アルコキシ-C-C-アルキル-C(O)-、-SO-C-C-アルキル、および1~5個のハロゲン原子を有する-SO-C-C-ハロゲノアルキル;
フェニル-C-C-アルキル(これは、ハロゲン、-OH、-NO、シアノ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)、-S-C-C-アルキル、-S(O)-C-C-アルキル、-SO-C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有する-S-C-C-ハロゲノアルキル、1~5個のハロゲン原子を有する-S(O)-C-C-ハロゲノアルキルおよび1~5個のハロゲン原子を有する-SO-C-C-ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換されていてもよい);
ヘテロシクリル-C-C-アルキル(ここで、前記ヘテロシクリル置換基は、4員~10員のヘテロシクロアルキル、5員のヘテロアリールおよび6員のヘテロアリールからなる群より選択され、それらのそれぞれは、ハロゲン、-OH、-NO、シアノ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)、-S-C-C-アルキル、-S(O)-C-C-アルキル、-SO-C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有する-S-C-C-ハロゲノアルキル、1~5個のハロゲン原子を有する-S(O)-C-C-ハロゲノアルキルおよび1~5個のハロゲン原子を有する-SO-C-C-ハロゲノアルキルからなる群より独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい)
からなる群より選択され、
は、2-オキソシクロブチル、3-オキソシクロブチル、2-チオオキソシクロブチル、3-チオオキソシクロブチル、3-チエタニル、2-チエタニル、オキセタン-3-イル、オキセタン-2-イル、1-オキシドチエタン-3-イル、1-オキシドチエタン-2-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-3-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-2-イル、1,1-ジオキシドチエタン-3-イル、1,1-ジオキシドチエタン-2-イル、1,1-ジオキシド-1,2-チアゼチジン-3-イル、1,1-ジオキシド-1,2-チアゼチジン-4-イル、1-オキシド-1,2-チアゼチジン-3-イル、1-オキシド-1,2-チアゼチジン-4-イル、2-オキシド-1,2-オキサチエタン-3-イル、2-オキシド-1,2-オキサチエタン-4-イル、2,2-ジオキシド-1,2-オキサチエタン-3-イル、2,2-ジオキシド-1,2-オキサチエタン-4-イル、4-オキソアゼチジン-2-イル、2-オキソアゼチジン-3-イル、4-チオキソアゼチジン-2-イル、2-チオキソアゼチジン-3-イル、2-ヒドロキシシクロブチル、3-ヒドロキシシクロブチル、2-メルカプトシクロブチル、3-メルカプトシクロブチル、2-フルオロシクロブチル、3-フルオロシクロブチル、2,2-ジフルオロシクロブチル、3,3-ジフルオロシクロブチル、2-クロロシクロブチル、3-クロロシクロブチル、2,2-ジクロロシクロブチル、3,3-ジクロロシクロブチル、2-ブロモシクロブチル、3-ブロモシクロブチル、2,2-ジブロモシクロブチル、3,3-ジブロモシクロブチル、2-ヨードシクロブチル、3-ヨードシクロブチル、2,2-ジヨードシクロブチル、3,3-ジヨードシクロブチル、3-メトキシイミノシクロブチル、2-フルオロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジフルオロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2-クロロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジクロロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2-ブロモ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジブロモ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2-ヨード-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジヨード-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-フルオロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジフルオロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-クロロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジクロロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-ブロモ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジブロモ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-ヨード-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジヨード-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、2,5-ジヒドロフラン-3-イル、2,3-ジヒドロフラン-3-イル、4,5-ジヒドロフラン-3-イル、4,5-ジヒドロフラン-2-イル、2,5-ジヒドロフラン-2-イル、2,3-ジヒドロフラン-2-イル、フラン-3-イル、フラン-2-イル、テトラヒドロチオフェン-3-イル、テトラヒドロチオフェン-2-イル、2,5-ジヒドロチオフェン-3-イル、2,3-ジヒドロチオフェン-3-イル、4,5-ジヒドロチオフェン-3-イル、4,5-ジヒドロチオフェン-2-イル、2,5-ジヒドロチオフェン-2-イル、2,3-ジヒドロチオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、チオフェン-2-イル、ピロリジン-2-イル、ピロリジン-3-イル、1-メチルピロリジン-2-イル、1-メチルピロリジン-3-イル、4,5-ジヒドロ-1H-ピロール-2-イル、2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-2-イル、2,3-ジヒドロ-1H-ピロール-2-イル、3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-イル、3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-5-イル、4,5-ジヒドロ-1H-ピロール-3-イル、3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-4-イル、3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-3-イル、2,3-ジヒドロ-1H-ピロール-3-イル、2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-3-イル、2H-ピロール-5-イル、3H-ピロール-2-イル、2H-ピロール-4-イル、1H-ピロール-3-イル、5-オキソピロリジン-3-イル、2-オキソピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-2-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、3-オキソピペラジン-1-イル、2-オキソピペラジン-1-イル、4-アルキル-3-オキソピペラジン-1-イル、4-アルキル-2-オキソピペラジン-1-イル(ここで、前記アルキルは、C-C-アルキルである)、2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル、3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イルから選択され、
は、水素、またはC-C-アルキルであり、
は、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、好ましくは水素、ハロゲンおよびC-C-アルコキシ、より好ましくはフッ素、塩素、メトキシおよびイソプロポキシからなる群から選択され、
は、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)からなる群から選択され、
は、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)からなる群から選択され、
は、水素、-OH、フッ素、C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシからなる群から選択され、
は、水素、-OH、フッ素、C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシからなる群から選択され、
または、RおよびRは、一緒になってオキソ基(=O)を形成し、
は、水素、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキルおよびC-C-アルコキシからなる群から選択され、
10は、水素、-OH、C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシからなる群から選択され、
11は、水素、C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシからなる群から選択され、
Qは、1~5個のハロゲン原子を有するフェニルを表し、
ここで、Yが、O、SまたはN-Rである場合、R、R、R10およびR11のいずれも、-OHでもC-C-アルコキシでもなく、そしてここで、
Xが、O、SまたはN-Rである場合、RおよびRのいずれも、-OHでもC-C-アルコキシでもない〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0086】
第1の態様の第3の実施形態によれば、本発明は、上記の一般式(I):〔式中、
Aは、A1またはA2であり、
【化4】
oは、0、1または2であり、
Rは、水素、ハロゲン、C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシ、シアノ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキルからなる群から選択され、
は、水素、C-C-アルキルからなる群から選択され、
X、Yは、CR、O、S、およびN-Rからなる群から独立して選択され(ここで、XおよびYのうちの少なくとも1つは、CRである)、
は、水素、C-C-アルキル、C-C-シクロアルキル、C-C-アルケニル、C-C-アルキニル、C-C-アルコキシ-C-C-アルキル、C-C-シクロアルキル-C-C-アルキル、シアノ-C-C-アルキルからなる群から選択され、
は、2-オキソシクロブチル、3-オキソシクロブチル、3-チエタニル、2-チエタニル、1-オキシドチエタン-3-イル、1-オキシドチエタン-2-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-3-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-2-イル、1,1-ジオキシドチエタン-3-イル、1,1-ジオキシドチエタン-2-イル、4-オキソアゼチジン-2-イル、2-オキソアゼチジン-3-イル、2-ヒドロキシシクロブチル、3-ヒドロキシシクロブチル、2-フルオロシクロブチル、3-フルオロシクロブチル、2,2-ジフルオロシクロブチル、3,3-ジフルオロシクロブチル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、1-メチルピロリジン-2-イル、1-メチルピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-3-イル、2-オキソピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-2-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、3-オキソピペラジン-1-イル、2-オキソピペラジン-1-イル、2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル、3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イルからなる群から選択され、
は、水素またはC-C-アルキルであり、
は、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、好ましくは水素、ハロゲンおよびC-C-アルコキシ、より好ましくはフッ素、塩素、メトキシおよびイソプロポキシからなる群から選択され、
は、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)からなる群から選択され、
は、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)からなる群から選択され、
は、水素およびC-C-アルキルからなる群から選択され、
は、水素およびC-C-アルキルからなる群から選択され、
または、RおよびRは、一緒になってオキソ基(=O)を形成し、
は、水素またはC-C-アルキルであり、
10は、水素、-OH、C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシからなる群から選択され、
11は、水素であり、
Qは、フッ素、塩素、または臭素から独立して選択される1~5個の置換基を有するフェニルを表し、
ここで、Yが、O、SまたはN-Rである場合、R10は、-OHでもC-C-アルコキシでもない]
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0087】
第1の態様の第4の実施形態によれば、本発明は、上記の一般式(I):〔式中、
Aは、A1またはA2であり、
【化5】
oは、0、1または2であり、
Rは、水素、ハロゲン、C-C-アルキル、C-C-アルコキシ、およびシアノからなる群から選択され、
は、水素、C-C-アルキルからなる群から選択され、
Xは、CR、O、S、およびN-Rからなる群から選択され、
Yは、CRまたはOであり、
は、水素またはC-C-アルキルであり、
は、2-オキソシクロブチル、3-オキソシクロブチル、3-チエタニル、2-チエタニル、1-オキシドチエタン-3-イル、1-オキシドチエタン-2-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-3-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-2-イル、1,1-ジオキシドチエタン-3-イル、1,1-ジオキシドチエタン-2-イル、4-オキソアゼチジン-2-イル、2-オキソアゼチジン-3-イル、2-ヒドロキシシクロブチル、3-ヒドロキシシクロブチル、2-フルオロシクロブチル、3-フルオロシクロブチル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、1-メチルピロリジン-2-イル、1-メチルピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-3-イル、2-オキソピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-2-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、3-オキソピペラジン-1-イル、2-オキソピペラジン-1-イル、2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル、3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イルからなる群から選択され、
は、水素またはC-C-アルキルであり、
は、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、好ましくは水素、ハロゲンおよびC-C-アルコキシ、より好ましくはフッ素、塩素、メトキシおよびイソプロポキシからなる群から選択され、
は、水素、ハロゲン、-OH、-NH、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシからなる群から選択され、
は、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシからなる群から選択され、
は、水素およびC-C-アルキルからなる群から選択され、
は、水素およびC-C-アルキルからなる群から選択され、
またはRおよびRは、一緒になってオキソ基(=O)を形成し、
は、水素またはC-C-アルキルであり、
10は、水素、-OHおよびC-C-アルキルからなる群から選択され、
11は、水素であり、
Qは、フッ素、塩素、または臭素から独立して選択される2または3個の置換基を有するフェニルを表し、
ここで、Yが、Oである場合、R10は、-OHではない〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0088】
第1の態様の第5の実施形態によれば、本発明は、上記の一般式(I):〔式中、
Aは、
【化6】
【0089】


からなる群から選択され、
は、水素またはメチルであり、
は、2-オキソシクロブチル、3-オキソシクロブチル、3-チエタニル、2-チエタニル、1-オキシドチエタン-3-イル、1-オキシドチエタン-2-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-3-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-2-イル、1,1-ジオキシドチエタン-3-イル、1,1-ジオキシドチエタン-2-イル、4-オキソアゼチジン-2-イル、2-オキソアゼチジン-3-イル、2-ヒドロキシシクロブチル、3-ヒドロキシシクロブチル、2-フルオロシクロブチル、3-フルオロシクロブチル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、1-メチルピロリジン-2-イル、1-メチルピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-3-イル、2-オキソピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-2-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、3-オキソピペラジン-1-イル、2-オキソピペラジン-1-イル、2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル、3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イルからなる群から選択され、
は、水素またはメチルであり、
は、水素、フッ素、塩素、-OH、シアノ、メチル、メトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシ、好ましくは水素、フッ素、塩素およびC-C-アルコキシ、より好ましくは水素、フッ素、塩素、メトキシおよびイソプロポキシからなる群から選択され、
は、水素、フッ素、塩素、-OH、-NH、シアノ、メチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、およびトリフルオロメチルからなる群から選択され、
は、水素、フッ素、塩素、-OH、シアノ、メチルおよびメトキシからなる群から選択され、
Qは、2,3-ジクロロフェニル、3,5-ジクロロフェニル、および2,3,5-トリフルオロフェニルからなる群から選択される〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0090】
第1の態様の第6の実施形態によれば、本発明は、上記の一般式(I):〔式中、
Aは、
【化7】
からなる群から選択され、
は、水素またはメチルであり、
は、2-オキソシクロブチル、3-オキソシクロブチル、3-チエタニル、2-チエタニル、1-オキシドチエタン-3-イル、1-オキシドチエタン-2-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-3-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-2-イル、1,1-ジオキシドチエタン-3-イル、1,1-ジオキシドチエタン-2-イル、4-オキソアゼチジン-2-イル、2-オキソアゼチジン-3-イル、2-ヒドロキシシクロブチル、3-ヒドロキシシクロブチル、2-フルオロシクロブチル、3-フルオロシクロブチル、3,3-ジフルオロシクロブチル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、1-メチルピロリジン-2-イル、1-メチルピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-3-イル、2-オキソピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-2-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、3-オキソピペラジン-1-イル、2-オキソピペラジン-1-イル、2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル、3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イルからなる群から選択され、
は、水素またはメチルであり、
は、水素、塩素、フッ素、メチル、メトキシ、イソプロポキシおよびトリフルオロメチル、好ましくは水素、フッ素、塩素、メトキシおよびイソプロポキシからなる群から選択され、
は、水素、塩素、フッ素、-OH、シアノ、メチル、トリフルオロメトキシおよびNHからなる群から選択され、
は、水素、フッ素、塩素、-OH、シアノ、メチルおよびメトキシからなる群から選択され、
Qは、2,3-ジクロロフェニル、3,5-ジクロロフェニル、および2,3,5-トリフルオロフェニルの群から選択される〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0091】
第1の態様のさらなる実施形態によれば、本発明は、上記の一般式(I):〔式中、
Aは、
【化8】
からなる群から選択され、
は、水素またはメチルであり、
は、2-オキソシクロブチル、2-チエタニル、1-オキシドチエタン-2-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-2-イル、1,1-ジオキシドチエタン-2-イル、4-オキソアゼチジン-2-イル、2-ヒドロキシシクロブチル、2-フルオロシクロブチル、テトラヒドロフラン-2-イル、1-メチルピロリジン-2-イル、1-メチルピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-3-イル、2-オキソピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-2-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、2-オキソピペラジン-1-イル、2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル、3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イルからなる群から選択され、
は、水素またはメチルであり、
は、水素、塩素、フッ素、-OH、シアノ、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、イソプロポキシ、およびトリフルオロメトキシ、好ましくは水素、フッ素、塩素、メトキシ、およびイソプロポキシからなる群から選択され、
は、水素、塩素、フッ素、-OH、-NH、シアノ、メチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、およびトリフルオロメチルからなる群から選択され、
は、水素、フッ素、塩素、-OH、シアノ、メチルおよびメトキシからなる群から選択され、
Qは、2,3-ジクロロフェニル、3,5-ジクロロフェニル、および2,3,5-トリフルオロフェニルの群から選択される〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0092】
第1の態様のさらなる実施形態によれば、本発明は、上記の一般式(I):〔式中、
Aは、A3またはA4であり、
【化9】
oは、0、1または2であり、
Rは、水素、ハロゲン、C-C-アルキル、C-C-アルコキシおよびシアノからなる群から選択され、
は、水素、C-C-アルキルからなる群から選択され、
Xは、CR、O、S、およびN-Rからなる群から選択され、
Yは、CRまたはOであり、
は、水素またはC-C-アルキルであり、
は、2-オキソシクロブチル、3-オキソシクロブチル、3-チエタニル、2-チエタニル、1-オキシドチエタン-3-イル、1-オキシドチエタン-2-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-3-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-2-イル、1,1-ジオキシドチエタン-3-イル、1,1-ジオキシドチエタン-2-イル、4-オキソアゼチジン-2-イル、2-オキソアゼチジン-3-イル、2-ヒドロキシシクロブチル、3-ヒドロキシシクロブチル、2-フルオロシクロブチル、3-フルオロシクロブチル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、1-メチルピロリジン-2-イル、1-メチルピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-3-イル、2-オキソピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-2-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、3-オキソピペラジン-1-イル、2-オキソピペラジン-1-イル、2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル、3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イルからなる群から選択され、
は、水素またはC-C-アルキルであり、
は、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、好ましくは水素、ハロゲンおよびC-C-アルコキシ、より好ましくはフッ素、塩素、メトキシおよびイソプロポキシからなる群から選択され、
は、水素、ハロゲン、-OH、-NH、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシからなる群から選択され、
は、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲンアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲンアルコキシからなる群から選択され、
は、水素およびC-C-アルキルからなる群から選択され、
は、水素およびC-C-アルキルからなる群から選択され、
または、RおよびRは、一緒になってオキソ基(=O)を形成し、
は、水素またはC-C-アルキルであり、
10は、水素、-OHおよびC-C-アルキルからなる群から選択され、
11は、水素であり、
Qは、フッ素、塩素または臭素から独立して選択される2または3個の置換基を有するフェニルを表し、
ここで、Yが、Oである場合、R10は、-OHではない〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0093】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
Aは、A1またはA2であり、
【化10】
oは、0、1または2であり、
Rは、水素、ハロゲン、C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシ、シアノ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキルからなる群から選択され、
は、水素、C-C-アルキルからなる群から選択され、
X、Yは、CR、O、S、およびN-Rからなる群から独立して選択され(ここで、XおよびYのうちの少なくとも1つは、CRである)、
は、水素およびC-C-アルキルからなる群から選択され、
は、水素およびC-C-アルキルからなる群から選択され、
または、RおよびRは、一緒になってオキソ基(=O)を形成し、
は、水素またはC-C-アルキルであり、
10は、水素、-OH、C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシからなる群から選択され、そして
11は、水素であり、
ここで、Yが、O、SまたはN-Rである場合、R10は、-OHでもC-C-アルコキシでもない〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0094】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
Aは、A1またはA2であり、
【化11】
oは、0、1または2であり、
Rは、水素、ハロゲン、C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシ、シアノ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキルからなる群から選択され、
は、水素またはC-C-アルキルであり、
X、Yは、CR、O、およびSからなる群から独立して選択され(ここで、XおよびYの少なくとも1つは、CRである)、
は、水素およびC-C-アルキルからなる群から選択され、
は、水素およびC-C-アルキルからなる群から選択され、
または、RおよびRは、一緒になってオキソ基(=O)を形成し、
10は、水素、-OH、C-C-アルキルおよびC-C-アルコキシからなる群から選択され、そして
11は、水素であり、
ここで、Yが、O、SまたはN-Rである場合、R10は、-OHでもC-C-アルコキシでもない〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0095】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
Aは、A1またはA2であり、
【化12】
oは、0または1であり、
Rは、水素、ハロゲン、C-C-アルキル、C-C-アルコキシ、シアノ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキルからなる群より選択され、
は、水素、C-C-アルキルからなる群から選択され、
Xは、CR、O、S、およびN-Rからなる群から選択され、
Yは、CRであり、
は、水素およびC-C-アルキルからなる群から選択され、
は、水素およびC-C-アルキルからなる群から選択され、
または、RおよびRは、一緒になってオキソ基(=O)を形成し、
は、水素またはC-C-アルキルであり、
10は、水素、-OH、C-C-アルキル、およびC-C-アルコキシからなる群から選択され、そして
11は、水素であり、
ここで、Yが、Oである場合、R10は、-OHでもC-C-アルコキシでもない〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0096】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
Aは、A1またはA2であり、
【化13】
oは、0または1であり、
Rは、水素、およびハロゲンからなる群から選択され、
は、水素であり、
Xは、CR、OおよびSからなる群から選択され、
Yは、CRであり、
は、水素およびC-C-アルキルからなる群から選択され、
は、水素およびC-C-アルキルからなる群から選択され、
またはRおよびRは、一緒になってオキソ基(=O)を形成し、
10は、水素からなる群から選択され、そして
11は、水素である〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0097】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
Aは、
【化14】

からなる群から選択される〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0098】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
Aは、
【化15】
【0099】


からなる群から選択される〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0100】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
Aは、
【化16】
【0101】
好ましくは、
【化17】
からなる群から選択される〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0102】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
Aは、上記の本明細書のいずれかで定義されるような基A1から選択され;
好ましくは、Aは、
【化18】
である〕
の化合物を包含する。
【0103】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、2-オキソシクロブチル、3-オキソシクロブチル、2-チオオキソシクロブチル、3-チオオキソシクロブチル、3-チエタニル、2-チエタニル、オキセタン-3-イル、オキセタン-2-イル、1-オキシドチエタン-3-イル、1-オキシドチエタン-2-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-3-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-2-イル、1,1-ジオキシドチエタン-3-イル、1,1-ジオキシドチエタン-2-イル、1,1-ジオキシド-1,2-チアゼチジン-3-イル、1,1-ジオキシド-1,2-チアゼチジン-4-イル、1-オキシド-1,2-チアゼチジン-3-イル、1-オキシド-1,2-チアゼチジン-4-イル、2-オキシド-1,2-オキサチエタン-3-イル、2-オキシド-1,2-オキサチエタン-4-イル、2,2-ジオキシド-1,2-オキサチエタン-3-イル、2,2-ジオキシド-1,2-オキサチエタン-4-イル、4-オキソアゼチジン-2-イル、2-オキソアゼチジン-3-イル、4-チオキソアゼチジン-2-イル、2-チオキソアゼチジン-3-イル、2-ヒドロキシシクロブチル、3-ヒドロキシシクロブチル、2-メルカプトシクロブチル、3-メルカプトシクロブチル、2-フルオロシクロブチル、3-フルオロシクロブチル、2,2-ジフルオロシクロブチル、3,3-ジフルオロシクロブチル、2-クロロシクロブチル、3-クロロシクロブチル、2,2-ジクロロシクロブチル、3,3-ジクロロシクロブチル、2-ブロモシクロブチル、3-ブロモシクロブチル、2,2-ジブロモシクロブチル、3,3-ジブロモシクロブチル、2-ヨードシクロブチル、3-ヨードシクロブチル、2,2-ジヨードシクロブチル、3,3-ジヨードシクロブチル、3-メトキシイミノシクロブチル、2-フルオロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジフルオロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2-クロロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジクロロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2-ブロモ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジブロモ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2-ヨード-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジヨード-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-フルオロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジフルオロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-クロロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジクロロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-ブロモ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジブロモ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-ヨード-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジヨード-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、2,5-ジヒドロフラン-3-イル、2,3-ジヒドロフラン-3-イル、4,5-ジヒドロフラン-3-イル、4,5-ジヒドロフラン-2-イル、2,5-ジヒドロフラン-2-イル、2,3-ジヒドロフラン-2-イル、フラン-3-イル、フラン-2-イル、テトラヒドロチオフェン-3-イル、テトラヒドロチオフェン-2-イル、2,5-ジヒドロチオフェン-3-イル、2,3-ジヒドロチオフェン-3-イル、4,5-ジヒドロチオフェン-3-イル、4,5-ジヒドロチオフェン-2-イル、2,5-ジヒドロチオフェン-2-イル、2,3-ジヒドロチオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、チオフェン-2-イル、ピロリジン-2-イル、ピロリジン-3-イル、1-メチルピロリジン-2-イル、1-メチルピロリジン-3-イル、4,5-ジヒドロ-1H-ピロール-2-イル、2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-2-イル、2,3-ジヒドロ-1H-ピロール-2-イル、3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-イル、3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-5-イル、4,5-ジヒドロ-1H-ピロール-3-イル、3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-4-イル、3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-3-イル、2,3-ジヒドロ-1H-ピロール-3-イル、2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-3-イル、2H-ピロール-5-イル、3H-ピロール-2-イル、2H-ピロール-4-イル、1H-ピロール-3-イル、5-オキソピロリジン-3-イル、2-オキソピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-2-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、3-オキソピペラジン-1-イル、2-オキソピペラジン-1-イル、4-アルキル-3-オキソピペラジン-1-イル及び4-アルキル-2-オキソピペラジン-1-イル(ここで、前記アルキルは、C-C-アルキルである)、2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル、3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イルからなる群から選択される〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0104】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、水素またはC-C-アルキルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0105】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、水素またはメチルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0106】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、水素またはC-C-アルキルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0107】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、水素またはメチルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0108】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、および1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、好ましくは水素、ハロゲンおよびC-C-アルコキシ、より好ましくはフッ素、塩素、メトキシおよびイソプロポキシからなる群から選択される〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0109】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、水素、塩素、フッ素、-OH、シアノ、メチル、メトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、およびトリフルオロメトキシ、好ましくは水素、フッ素、塩素、メトキシおよびイソプロポキシからなる群から選択される〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0110】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシからなる群から選択される〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0111】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、水素、塩素、フッ素、-OH、シアノ、メチル、メトキシおよびトリフルオロメチルからなる群から選択される〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0112】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシからなる群から選択される〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0113】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、水素、フッ素、塩素、-OH、シアノ、メチルおよびメトキシからなる群から選択される〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0114】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、3-オキソシクロブチル、3-チエタニル、1-オキシドチエタン-3-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-3-イル、1,1-ジオキシドチエタン-3-イル、2-オキソアゼチジン-3-イル、3-ヒドロキシシクロブチル、3-フルオロシクロブチル、3,3-ジフルオロシクロブチル、テトラヒドロフラン-3-イル、1-メチルピロリジン-2-イル、1-メチルピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-3-イル、2-オキソピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-2-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、3-オキソピペラジン-1-イル、2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル、3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イルであり、
Qは、2,3,5-トリフルオロフェニルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0115】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、3-オキソシクロブチル、3-チエタニル、1-オキシドチエタン-3-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-3-イル、1,1-ジオキシドチエタン-3-イル、2-オキソアゼチジン-3-イル、3-ヒドロキシシクロブチル、3-フルオロシクロブチル、3,3-ジフルオロシクロブチル、テトラヒドロフラン-3-イル、1-メチルピロリジン-2-イル、1-メチルピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-3-イル、2-オキソピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-2-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、3-オキソピペラジン-1-イル、2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル、3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イルであり、
Qは、3,5-ジクロロフェニルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0116】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、3-オキソシクロブチルであり、
Qは、2,3,5-トリフルオロフェニルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0117】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、3-オキソシクロブチルであり、
Qは、3,5-ジクロロフェニルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0118】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、3-チエタニルであり、
Qは、3,5-ジクロロフェニルまたは2,3,5-トリフルオロフェニルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0119】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、1-オキシドチエタン-3-イルであり、
Qは、3,5-ジクロロフェニルまたは2,3,5-トリフルオロフェニルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0120】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-3-イルであり、
Qは、3,5-ジクロロフェニルまたは2,3,5-トリフルオロフェニルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0121】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、1,1-ジオキシドチエタン-3-イルであり、
Qは、3,5-ジクロロフェニルまたは2,3,5-トリフルオロフェニルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0122】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、2-オキソアゼチジン-3-イルであり、
Qは、3,5-ジクロロフェニルまたは2,3,5-トリフルオロフェニルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0123】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、3-ヒドロキシシクロブチルであり、
Qは、3,5-ジクロロフェニルまたは2,3,5-トリフルオロフェニルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0124】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、3-フルオロシクロブチルであり、
Qは、3,5-ジクロロフェニルまたは2,3,5-トリフルオロフェニルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0125】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、3,3-ジフルオロシクロブチルであり、
Qは、3,5-ジクロロフェニルまたは2,3,5-トリフルオロフェニルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0126】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、テトラヒドロフラン-3-イルであり、
Qは、2,3,5-トリフルオロフェニルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0127】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、テトラヒドロフラン-3-イルであり、
Qは、3,5-ジクロロフェニルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0128】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、1-メチルピロリジン-2-イルであり、
Qは、3,5-ジクロロフェニルまたは2,3,5-トリフルオロフェニルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0129】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、1-メチルピロリジン-3-イルであり、
Qは、3,5-ジクロロフェニルまたは2,3,5-トリフルオロフェニルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0130】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、5-オキソピロリジン-3-イルであり、
Qは、3,5-ジクロロフェニルまたは2,3,5-トリフルオロフェニルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0131】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、2-オキソピロリジン-3-イルであり、
Qは、3,5-ジクロロフェニルまたは2,3,5-トリフルオロフェニルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0132】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、5-オキソピロリジン-2-イルであり、
Qは、3,5-ジクロロフェニルまたは2,3,5-トリフルオロフェニルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0133】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、テトラヒドロピラン-4-イルであり、
Qは、3,5-ジクロロフェニルまたは2,3,5-トリフルオロフェニルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0134】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、3-オキソピペラジン-1-イルであり、
Qは、3,5-ジクロロフェニルまたは2,3,5-トリフルオロフェニルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0135】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イルであり、
Qは、3,5-ジクロロフェニルまたは2,3,5-トリフルオロフェニルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0136】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イルであり、
Qは、3,5-ジクロロフェニルまたは2,3,5-トリフルオロフェニルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0137】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、2-オキソシクロブチル、3-オキソシクロブチル、3-チエタニル、2-チエタニル、1-オキシドチエタン-3-イル、1-オキシドチエタン-2-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-3-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-2-イル、1,1-ジオキシドチエタン-3-イル、1,1-ジオキシドチエタン-2-イル、4-オキソアゼチジン-2-イル、2-オキソアゼチジン-3-イル、2-ヒドロキシシクロブチル、3-ヒドロキシシクロブチル、2-フルオロシクロブチル、3-フルオロシクロブチル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、1-メチルピロリジン-2-イル、1-メチルピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-3-イル、2-オキソピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-2-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、3-オキソピペラジン-1-イル、2-オキソピペラジン-1-イル、2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル、3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イルであり、
は、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、C-C-シクロアルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ-C-C-アルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、C-C-アルキル-C(O)-、-S-C-C-アルキル、-S(O)-C-C-アルキル、-SO-C-C-アルキル、好ましくは水素、ハロゲンおよびC-C-アルコキシ、より好ましくはフッ素、塩素、メトキシおよびイソプロポキシからなる群より選択され、
Qは、3,5-ジクロロフェニルまたは2,3,5-トリフルオロフェニルである〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0138】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I):〔式中、
は、3-オキソシクロブチル、3-チエタニル、1-オキシドチエタン-3-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-3-イル、1,1-ジオキシドチエタン-3-イル、2-オキソアゼチジン-3-イル、3-ヒドロキシシクロブチル、3-フルオロシクロブチル、テトラヒドロフラン-3-イル、1-メチルピロリジン-2-イル、1-メチルピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-3-イル、2-オキソピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-2-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル、3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イルからなる群から選択され、
は、水素、ハロゲン、-OH、シアノ、C-C-アルキル、C-C-シクロアルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ-C-C-アルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、C-C-アルキル-C(O)-、-S-C-C-アルキル、-S(O)-C-C-アルキル、-SO-C-C-アルキル、好ましくは水素、ハロゲンおよびC-C-アルコキシ、より好ましくはフッ素、塩素、メトキシおよびイソプロポキシからなる群から選択され、
Qは、2,3,5-トリフルオロフェニルまたは3,5-ジクロロフェニルである〕
の化合物、または、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくはそれらの塩、またはそれらの混合物を包含する。
【0139】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I)〔式中、
Aは、A3またはA4であり、
【化19】
ここで、
は、水素、C-C-アルキルからなる群から選択され;好ましくは水素である〕
の化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0140】
本発明のさらなる態様では、本明細書のいずれかに記載される実施形態のいずれかまたは全てにおいて、Xおよび/またはYの定義において、上記で定義された「NR」は除外される。
【0141】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I)〔式中、
Aは、
【化20】
であり、
は、水素であり、
は、2-オキソシクロブチル、3-オキソシクロブチル、2-チオオキソシクロブチル、3-チオオキソシクロブチル、3-チエタニル、2-チエタニル、オキセタン-3-イル、オキセタン-2-イル、1-オキシドチエタン-3-イル、1-オキシドチエタン-2-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-3-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-2-イル、1,1-ジオキシドチエタン-3-イル、1,1-ジオキシドチエタン-2-イル、1,1-ジオキシド-1,2-チアゼチジン-3-イル、1,1-ジオキシド-1,2-チアゼチジン-4-イル、1-オキシド-1,2-チアゼチジン-3-イル、1-オキシド-1,2-チアゼチジン-4-イル、2-オキシド-1,2-オキサチエタン-3-イル、2-オキシド-1,2-オキサチエタン-4-イル、2,2-ジオキシド-1,2-オキサチエタン-3-イル、2,2-ジオキシド-1,2-オキサチエタン-4-イル、4-オキソアゼチジン-2-イル、2-オキソアゼチジン-3-イル、4-チオキソアゼチジン-2-イル、2-チオキソアゼチジン-3-イル、2-ヒドロキシシクロブチル、3-ヒドロキシシクロブチル、2-メルカプトシクロブチル、3-メルカプトシクロブチル、2-ヒドロキシシクロブチル、3-ヒドロキシシクロブチル、2-フルオロシクロブチル、3-フルオロシクロブチル、2,2-ジフルオロシクロブチル、3,3-ジフルオロシクロブチル、2-クロロシクロブチル、3-クロロシクロブチル、2,2-ジクロロシクロブチル、3,3-ジクロロシクロブチル、2-ブロモシクロブチル、3-ブロモシクロブチル、2,2-ジブロモシクロブチル、3,3-ジブロモシクロブチル、2-ヨードシクロブチル、3-ヨードシクロブチル、2,2-ジヨードシクロブチル、3,3-ジヨードシクロブチル、3-メトキシイミノシクロブチル、2-フルオロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジフルオロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2-クロロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジクロロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2-ブロモ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジブロモ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2-ヨード-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジヨード-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-フルオロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジフルオロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-クロロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジクロロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-ブロモ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジブロモ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-ヨード-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジヨード-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、
5員~10員のヘテロシクロアルキル、5員のヘテロアリールおよび6員のヘテロアリール(これらのそれぞれは、ハロゲン、-OH、-オキソ、-NO、シアノ、C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルキル、C-C-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC-C-ハロゲノアルコキシ、-NH、-NH(C-C-アルキル)、-N(C-C-アルキル)、-S-C-C-アルキル、-S(O)-C-C-アルキル、-SO-C-C-アルキル、1~5個のハロゲン原子を有する-S-C-C-ハロゲノアルキル、1~5個のハロゲン原子を有する-S(O)-C-C-ハロゲノアルキルおよび1~5個のハロゲン原子を有する-SO-C-C-ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよく、好ましくは前記5~10員のヘテロシクロアルキルは、テトラヒドロフラン-3-イル、2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル、または3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イルである)
からなる群から選択され、
は、水素であり、
は、ハロゲンであり、
は、水素であり、
は、水素であり、
Qは、3,5-ジクロロフェニルまたは2,3,5-トリフルオロフェニルである〕
の化合物、または、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくはそれらの塩、またはそれらの混合物を包含する。
【0142】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I)〔式中、
Aは、
【化21】
であり、
は、水素であり、
は、2-オキソシクロブチル、3-オキソシクロブチル、2-チオオキソシクロブチル、3-チオオキソシクロブチル、3-チエタニル、2-チエタニル、オキセタン-3-イル、オキセタン-2-イル、1-オキシドチエタン-3-イル、1-オキシドチエタン-2-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-3-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-2-イル、1,1-ジオキシドチエタン-3-イル、1,1-ジオキシドチエタン-2-イル、1,1-ジオキシド-1,2-チアゼチジン-3-イル、1,1-ジオキシド-1,2-チアゼチジン-4-イル、1-オキシド-1,2-チアゼチジン-3-イル、1-オキシド-1,2-チアゼチジン-4-イル、2-オキシド-1,2-オキサチエタン-3-イル、2-オキシド-1,2-オキサチエタン-4-イル、2,2-ジオキシド-1,2-オキサチエタン-3-イル、2,2-ジオキシド-1,2-オキサチエタン-4-イル、4-オキソアゼチジン-2-イル、2-オキソアゼチジン-3-イル、4-チオキソアゼチジン-2-イル、2-チオキソアゼチジン-3-イル、2-ヒドロキシシクロブチル、3-ヒドロキシシクロブチル、2-メルカプトシクロブチル、3-メルカプトシクロブチル、2-フルオロシクロブチル、3-フルオロシクロブチル、2,2-ジフルオロシクロブチル、3,3-ジフルオロシクロブチル、2-クロロシクロブチル、3-クロロシクロブチル、2,2-ジクロロシクロブチル、3,3-ジクロロシクロブチル、2-ブロモシクロブチル、3-ブロモシクロブチル、2,2-ジブロモシクロブチル、3,3-ジブロモシクロブチル、2-ヨードシクロブチル、3-ヨードシクロブチル、2,2-ジヨードシクロブチル、3,3-ジヨードシクロブチル、3-メトキシイミノシクロブチル、2-フルオロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジフルオロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2-クロロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジクロロ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2-ブロモ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジブロモ-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2-ヨード-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジヨード-3-(メトキシイミノ)シクロブチル、3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-フルオロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジフルオロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-クロロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジクロロ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-ブロモ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジブロモ-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2-ヨード-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、2,2-ジヨード-3-(ヒドロキシイミノ)シクロブチル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、2,5-ジヒドロフラン-3-イル、2,3-ジヒドロフラン-3-イル、4,5-ジヒドロフラン-3-イル、4,5-ジヒドロフラン-2-イル、2,5-ジヒドロフラン-2-イル、2,3-ジヒドロフラン-2-イル、フラン-3-イル、フラン-2-イル、テトラヒドロチオフェン-3-イル、テトラヒドロチオフェン-2-イル、2,5-ジヒドロチオフェン-3-イル、2,3-ジヒドロチオフェン-3-イル、4,5-ジヒドロチオフェン-3-イル、4,5-ジヒドロチオフェン-2-イル、2,5-ジヒドロチオフェン-2-イル、2,3-ジヒドロチオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、チオフェン-2-イル、ピロリジン-2-イル、ピロリジン-3-イル、1-メチルピロリジン-2-イル、1-メチルピロリジン-3-イル、4,5-ジヒドロ-1H-ピロール-2-イル、2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-2-イル、2,3-ジヒドロ-1H-ピロール-2-イル、3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-イル、3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-5-イル、4,5-ジヒドロ-1H-ピロール-3-イル、3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-4-イル、3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-3-イル、2,3-ジヒドロ-1H-ピロール-3-イル、2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-3-イル、2H-ピロール-5-イル、3H-ピロール-2-イル、2H-ピロール-4-イル、1H-ピロール-3-イル、5-オキソピロリジン-3-イル、2-オキソピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-2-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、3-オキソピペラジン-1-イル、2-オキソピペラジン-1-イル、4-メチル-3-オキソピペラジン-1-イル、4-エチル-3-オキソピペラジン-1-イル、4-プロピル-3-オキソピペラジン-1-イル、2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル、3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イルからなる群から選択され、
は、水素であり、
は、フッ素あり、
は、水素であり、
は、水素であり、
Qは、3,5-ジクロロフェニルまたは2,3,5-トリフルオロフェニルである〕
の化合物、または、その立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくはそれらの塩、またはそれらの混合物を包含する。
【0143】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、上記の式(I)〔式中、
Aは、
【化22】
であり、
は、水素であり、
は、3-オキソシクロブチル、3-チエタニル、1-オキシドチエタン-3-イル、1,1-ジオキシドチエタン-3-イル、1-イミノ-1-オキシド-1-チエタン-3-イル、3-ヒドロキシシクロブチル、3-フルオロシクロブチル、3,3-ジフルオロシクロブチル、テトラヒドロフラン-3-イル、1-メチルピロリジン-3-イル、ピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-3-イル、2-オキソピロリジン-3-イル、テトラヒドロチオフェン-3-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、3-オキソピペラジン-1-イル、4-メチル-3-オキソピペラジン-1-イル、4-エチル-3-オキソピペラジン-1-イル、4-プロピル-3-オキソピペラジン-1-イル、2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル、3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イルからなる群から選択され、
は、水素であり、
は、フッ素であり、
は、水素であり、
は、水素であり、
Qは、3,5-ジクロロフェニルまたは2,3,5-トリフルオロフェニルである〕
の化合物、または、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくはそれらの塩、またはそれらの混合物を包含する。
【0144】
第1の態様の特定のさらなる実施形態において、本発明は、「本発明の第1の態様のさらなる実施形態」と題する上記の実施形態のうちの2つ以上の組合せを包含する。
【0145】
本発明は、上記の一般式(I)の化合物の本発明の任意の実施形態または態様内の任意のサブコンビネーションを包含する。
【0146】
本発明は、以下の本文の実施例の項に開示される一般式(I)の化合物を包含する。
【0147】
一般式(I)の本発明による化合物は、本発明の実験の節(一般手順)に示される手順に従って調製することができる。記載される手順は、本発明の一般式(I)の化合物への合成経路を例示するものであり、限定することを意図するものではない。例示されるような変換の順序は様々な方法で変更され得ることが、当業者には明らかである。したがって、これらの手順において例示される変換の順序は、限定することを意図するものではない。さらに、置換基、Q、A、R、R、R、R、RまたはRのいずれかの相互変換は、例示された変換の前後に達成することができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元または酸化、ハロゲン化、金属化、鹸化、置換または当業者に公知の他の反応などであり得る。これらの変換は、置換基のさらなる相互変換を可能にする官能基を導入するものを含む。適切な保護基およびそれらの導入および開裂は当業者に周知である(例えば、T.W.Greene and P.G.M.Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、Wiley 1999を参照されたい)。具体的な例は、以下の段落に記載されている。
【0148】
鹸化は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムまたはそれらの混合物などのアルカリ金属水酸化物の水溶液の存在下で行うことができる。鹸化の後に脱炭酸反応を行ってもよいし、行わなくてもよい。好ましくは、鹸化の後に脱炭酸反応が続く。
【0149】
第2の態様によれば、本発明は、上記で定義された一般式(I)の化合物を調製する方法を包含し、該方法は、一般式1N
【化23】
〔式中、A、R、R、R、R、R、およびQは、上記で定義した一般式(I)の化合物について定義したとおりであり、Halは、ハロゲン、特に塩素および臭素である〕
の中間化合物を、一般式1F
【化24】
〔式中、R2#は、2,2-ジメトキシシクロブタン-1-カルボン酸メチル、3,3-ジメトキシシクロブタン-1-カルボン酸メチル、2,2-ビス(メチルチオ)シクロブタン-1-カルボン酸メチル、3,3-ビス(メチルチオ)シクロブタン-1-カルボン酸メチル、チエタン-3-カルボン酸エチル、チエタン-2-カルボン酸エチル、オキセタン-3-カルボン酸エチル、オキセタン-2-カルボン酸エチル、2-フルオロシクロブタン-1-カルボン酸メチル、3-フルオロシクロブタン-1-カルボン酸メチル、2,2-ジフルオロシクロブタン-1-カルボン酸メチル、3,3-ジフルオロシクロブタン-1-カルボン酸メチル、テトラヒドロフラン-2-カルボン酸メチル、テトラヒドロフラン-3-カルボン酸メチル、フラン-3-カルボン酸メチル、フラン-2-カルボン酸メチル、テトラヒドロチオフェン-3-カルボン酸メチル、テトラヒドロチオフェン-2-カルボン酸メチル、チオフェン-3-カルボン酸メチル、チオフェン-2-カルボン酸メチル、1-メチルピロリジン-2-カルボン酸メチル、1-メチルピロリジン-3-カルボン酸メチル、5-オキソピロリジン-3-カルボン酸メチル、2-オキソピロリジン-3-カルボン酸メチル、5-オキソピロリジン-2-カルボン酸メチル、テトラヒドロピラン-4-カルボン酸メチルからなる群から選択される〕
と反応させて、その後、水性アルカリ金属水酸化物の存在下で鹸化反応を行い、任意に酸化工程を行い、それによって一般式(I):
【化25】
〔式中、A、R、R、R、R、R、およびQは、上記に定義されたとおりであり、Rは、2-オキソシクロブチル、3-オキソシクロブチル、2-チオオキソシクロブチル、3-チオオキソシクロブチル、3-チエタニル、2-チエタニル、オキセタン-3-イル、オキセタン-2-イル、2-ヒドロキシシクロブチル、3-ヒドロキシシクロブチル、2-フルオロシクロブチル、3-フルオロシクロブチル、2,2-ジフルオロシクロブチル、3,3-ジフルオロシクロブチル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、フラン-3-イル、フラン-2-イル、テトラヒドロチオフェン-3-イル、テトラヒドロチオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、チオフェン-2-イル、1-メチルピロリジン-2-イル、1-メチルピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-3-イル、2-オキソピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-2-イル、およびテトラヒドロピラン-4-イルからなる群から選択される〕
の化合物を得る工程、
次いで、任意に、前記化合物を、対応する(i)溶媒および/または(ii)塩基または酸を用いて、溶媒和物、塩および/またはそのような塩の溶媒和物に変換する工程を含む。
【0150】
第2の態様の代替の実施形態によれば、本発明は上記で定義された一般式(I)の化合物を調製する方法を包含し、該方法は、一般式1T
【化26】
〔式中、A、R、R、R、R、RおよびRは、上記の一般式(I)の化合物について定義されたとおりであり、Halは、ハロゲン、特に塩素、臭素またはヨウ素である〕
の中間化合物を、一般式1H
【化27】
【0151】
〔式中、Qは、2,3,5-トリフルオロフェニルであり、各Rは、個々にHもしくはMeであり得るか、または両方のRは、ピナコレートである〕
の化合物と反応させ、それによって一般式(I):
【化28】
〔式中、A、R、R、R、R、RおよびRは、上記で定義したとおりであり、Qは、2,3,5-トリフルオロフェニルである〕
の化合物を得る工程、
次いで、任意に、前記化合物を、対応する(i)溶媒および/または(ii)塩基または酸を用いて、溶媒和物、塩および/またはそのような塩の溶媒和物に変換する工程を含む。
【0152】
第2の態様の代替の実施形態によれば、本発明は上記で定義された一般式(I)の化合物を調製する方法を包含し、該方法は、一般式1W
【化29】
〔式中、Q、R、R、R、RおよびRは、上記で定義されたように、一般式(I)の化合物について定義されたとおりである〕
の中間化合物を、一般式1M
【化30】
〔式中、RおよびAは、上記で定義されたような一般式(I)の化合物について定義されたとおりである〕
の化合物と反応させて、それによって一般式(I):
【化31】
【0153】
〔式中、A、R、R、R、R、R、R、およびQは、上記で定義されたとおりである〕
の化合物を得る工程、
次いで、任意に、前記化合物を、対応する(i)溶媒および/または(ii)塩基または酸を用いて、溶媒和物、塩および/またはそのような塩の溶媒和物に変換する工程を含む。
【0154】
第3の態様によれば、本発明は、上記の一般式(I)の化合物の調製に有用である中間体化合物を包含する。
【0155】
特に、本発明は、一般式(II):
【化32】
〔式中、
は、-OH、Cl、Brであるか、または上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりであり、
、R、R、R、およびQは、上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりであり、そして
は、HまたはC-C-アルキルである〕
の中間体化合物、および、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0156】
さらなる実施形態によれば、本発明は、式(1T):
【化33】
〔式中、A、R、R、R、R、RおよびRは、上記で定義された一般式(I)の化合物について定義されたとおりであり、Halは、ハロゲン、特に、塩素、臭素またはヨウ素、より特に、臭素である〕
の化合物を包含する。
【0157】
第4の態様によれば、本発明は、上記で定義された一般式(I)の化合物の調製のための前記中間体化合物の使用を包含する。
【0158】
特に、本発明は、上記で定義した一般式(I)の化合物の調製のための、一般式(II):
【化34】
〔式中、
は、-OH、Cl、Brであるか、または上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりであり、
、R、R、R、およびQは、上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりであり、そして
は、HまたはC-C-アルキルである〕
の中間化合物の使用を包含する。
【0159】
さらなる実施形態によれば、本発明は、上記で定義された一般式(I)の化合物の調製のための、上記で定義された式(1T)の化合物の使用を包含する。
【0160】
本発明は、以下の本文の実施例の項に開示される中間体化合物を包含する。
【0161】
本発明は、以下の本文の実施例のセクションに開示される中間体化合物を包含する。
【0162】
本発明の一般式(I)の化合物は、本明細書に記載されるように、当業者に公知の任意の方法によって、任意の塩、好ましくは薬学的に許容される塩に変換することができる。同様に、本発明の一般式(I)の化合物の任意の塩は、当業者に公知の任意の方法によって遊離化合物に変換することができる。
【0163】
本発明の化合物は、高度の化学的安定性を有することが見いだされている。
【0164】
本発明の一般式(I)の化合物は、価値のある薬理学的作用スペクトルを示し、これは、予測できなかったものである。本発明の化合物は、驚くべきことに、Slo-1と効果的に相互作用することが見出されており、したがって、前記化合物を、疾患、好ましくは蠕虫感染症、特に胃腸および腸外蠕虫感染症、より詳細にはヒトおよび動物における線虫による胃腸および腸外感染症の処置または予防に使用することが可能である。
【0165】
本発明の化合物は、蠕虫感染、特に胃腸および腸外蠕虫感染症を防除、処置および/または予防するために利用することができる。この方法は、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、異性体、多形体、代謝産物、水和物、溶媒和物もしくはエステルのある量を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含み;これは障害を処置するために有効である。
【0166】
別の態様では、この方法は、鳥類、すなわち、それを必要とするケージ鳥類、特に家禽に、ある量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、異性体、多形体、代謝産物、水和物、溶媒和物もしくはエステルを投与することを含み、これは障害を処置するのに有効である。
【0167】
特に、獣医学の分野において、本発明の化合物は、温血動物において、好ましい毒性により、家畜、繁殖、動物園、実験室、実験および家庭内動物(domestic animals)における動物繁殖および動物畜産において生じる寄生虫、特に蠕虫を防除するために、好適である。これらは、寄生虫、特に蠕虫の全てまたは特定の発育段階に対して活性である。
【0168】
農業用の家畜としては、例えば、以下のものを挙げることができる:哺乳動物、例えば、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ロバ、ラクダ、スイギュウ、ウサギ、トナカイ、ダマジカ、ならびに、特に、ウシおよびブタ;または、家禽類、例えば、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、および、特に、ニワトリ;または、魚類もしくは甲殻類の動物、例えば、水産養殖におけるもの。
【0169】
家庭内動物としては、例えば、以下のものを挙げることができる:哺乳動物、例えば、ハムスター、モルモット、ラット、マウス、チンチラ、フェレット、および、特に、イヌ、ネコ;籠の鳥;爬虫類、両生類、または、水槽の魚。
【0170】
本発明はまた、蠕虫感染、特に胃腸および腸外蠕虫感染、より詳細には線虫による胃腸および腸外感染を処置する方法を提供する。
【0171】
これらの障害は、動物において十分に特徴づけられており、そして本発明の医薬組成物を投与することによって処置され得る。
【0172】
本文中で使用される用語「処置する(treating)」または「処置(treatment)」は従来、例えば、線虫感染症のような疾患または障害の状態と闘う、緩和する(alleviating)、低減する、緩和する(relieving)、改善する目的で、被験体(subject)の管理またはケアのために使用される。特に、特に動物衛生または獣医学の分野において、用語「処置する」または「処置」は、予防的(prophylactic)、メタ予防的(metaphylactic)または治療的(therapeutical)処置を含む。
【0173】
ヒトまたは動物に対して病原性を示す蠕虫類としては、例えば、鉤頭動物門(acanthocephala)、線虫類(nematodes)、舌形動物門(pentastoma)および扁形動物門(platyhelminths)〔例えば、単生類(monogenea)、条虫類(cestodes)および吸虫類(trematodes)〕などがある。
【0174】
例示的な蠕虫類としては、限定するものではないが、以下のものを挙げることができる:
単生綱(Monogenea):例えば:ダクチロギルス属種(Dactylogyrus spp.)、ギロダクチルス属種(Gyrodactylus spp.)、ミクロボトリウム属種(Microbothrium spp.)、ポリストマ属種(Polystoma spp.)、トログレセファルス属種(Troglocephalus spp.);
条虫類(Cestodes):ギョウジョウチュウ目(Pseudophyllidea)の、例えば:ボトリジウム属種(Bothridium spp.)、ジフィロボトリウム属種(Diphyllobothrium spp.)、ジフロゴノポルス属種(Diplogonoporus spp.)、イクチオボトリウム属種(Ichthyobothrium spp.)、リグラ属種(Ligula spp.)、シストセファルス属種(Schistocephalus spp.)、スピロメトラ属種(Spirometra spp.);
エンヨウジョウチュウ目(Cyclophyllida)の、例えば:アンジラ属種(Andyra spp.)、アノプロセファラ属種(Anoplocephala spp.)、アビテリナ属種(Avitellina spp.)、ベルチエラ属種(Bertiella spp.)、シトタエニア属種(Cittotaenia spp.)、ダバイネア属種(Davainea spp.)、ジオルキス属種(Diorchis spp.)、ジプロピリジウム属種(Diplopylidium spp.)、ジピリジウム属種(Dipylidium spp.)、エキノコックス属種(Echinococcus spp.)、エキノコチレ属種(Echinocotyle spp.)、エキノレピス属種(Echinolepis spp.)、ヒダチゲラ属種(Hydatigera spp.)、ヒメノレピス属種(Hymenolepis spp.)、ジョイエウキシエラ属種(Joyeuxiella spp.)、メソセストイデス属種(Mesocestoides spp.)、モニエジア属種(Moniezia spp.)、パラノプロセファラ属種(Paranoplocephala spp.)、ライリエチナ属種(Raillietina spp.)、スチレシア属種(Stilesia spp.)、タエニア属種(Taenia spp.)、チサニエジア属種(Thysaniezia spp.)、チサノソマ属種(Thysanosoma spp.);
吸虫類(Trematodes):二生亜綱(Digenea)の、例えば:アウストロビルハルジア属種(Austrobilharzia spp.)、ブラキライマ属種(Brachylaima spp.)、カリコホロン属種(Calicophoron spp.)、カタトロピス属種(Catatropis spp.)、クロノルキス属種(Clonorchis spp.)、コリリクルム属種(Collyriclum spp.)、コチロホロン属種(Cotylophoron spp.)、シクロコエルム属種(Cyclocoelum spp.)、ジクロコエリウム属種(Dicrocoelium spp.)、ジプロストムム属種(Diplostomum spp.)、エキノカスムス属種(Echinochasmus spp.)、エキノパリフィウム属種(Echinoparyphium spp.)、エキノストマ属種(Echinostoma spp.)、エウリトレマ属種(Eurytrema spp.)、ファシオラ属種(Fasciola spp.)、ファシオロイデス属種(Fasciolides spp.)、ファシオロプシス属種(Fasciolopsis spp.)、フィスコエデリウス属種(Fischoederius spp.)、ガストロチラクス属種(Gastrothylacus spp.)、ギガントビルハルジア属種(Gigantobilharzia spp.)、ギガントコチレ属種(Gigantocotyle spp.)、ヘテロフィエス属種(Heterophyes spp.)、ヒポデラエウム属種(Hypoderaeum spp.)、レウコクロリジウム属種(Leucochloridium spp.)、メタゴニムス属種(Metagonimus spp.)、メトルキス属種(Metorchis spp.)、ナノフィエツス属種(Nanophyetus spp.)、ノトコチルス属種(Notocotylus spp.)、オピストルキス属種(Opisthorchis spp.)、オルニトビルハルジア属種(Ornithobilharzia spp.)、パラゴニムス属種(Paragonimus spp.)、パラムフィストムム属種(Paramphistomum spp.)、プラギオルキス属種(Plagiorchis spp.)、ポストジプロストムム属種(Posthodiplostomum spp.)、プロストゴニムス属種(Prosthogonimus spp.)、シストソマ属種(Schistosoma spp.)、トリコビルハルジア属種(Trichobilharzia spp.)、トログロトレマ属種(Troglotrema spp.)、チフロコエルム属種(Typhlocoelum spp.);
線虫類(Nematodes):ベンチュウ目(Trichinellida)の、例えば:カピラリア属種(Capillaria spp.)、エウコレウス属種(Eucoleus spp.)、パラカピラリア属種(Paracapillaria spp.)、トリキネラ属種(Trichinella spp.)、トリコモソイデス属種(Trichomosoides spp.)、トリクリス属種(Trichuris spp.);
クキセンチュウ目(Tylenchida)の、例えば:ミクロネマ属種(Micronema spp.)、パラストランギロイデス属種(Parastrangyloides spp.)、ストロンギロイデス属種(Strongyloides spp.);
カンセンチュウ目(Rhabditina)の、例えば:アエルロストロンギルス属種(Aelurostrongylus spp.)、アミドストムム属種(Amidostomum spp.)、アンシロストマ属種(Ancylostoma spp.)、アンギオストロンギルス属種(Angiostrongylus spp.)、ブロンコネマ属種(Bronchonema spp.)、ブノストムム属種(Bunostomum spp.)、カベルチア属種(Chabertia spp.)、コオペリア属種(Cooperia spp.)、コオペリオイデス属種(Cooperioides spp.)、クレノソマ属種(Crenosoma spp.)、シアトストムム属種(Cyathostomum spp.)、シクロコセルクス属種(Cyclococercus spp.)、シクロドントストムム属種(Cyclodontostomum spp.)、シクロコセルクス属種(Cylicocyclus spp.)、シリコステファヌス属種(Cylicostephanus spp.)、シリンドロファリンキス属種(Cylindropharynx spp.)、シストカウルス属種(Cystocaulus spp.)、ジクチオカウルス属種(Dictyocaulus spp.)、エラホストロンギルス属種(Elaphostrongylus spp.)、フィラロイデス属種(Filaroides spp.)、グロボセファルス属種(Globocephalus spp.)、グラフィジウム属種(Graphidium spp.)、ギアロセファルス属種(Gyalocephalus spp.)、ハエモンクス属種(Haemonchus spp.)、ヘリグモソモイデス属種(Heligmosomoides spp.)、ヒオストロンギルス属種(Hyostrongylus spp.)、マルシャラギア属種(Marshallagia spp.)、メタストロンギルス属種(Metastrongylus spp.)、ムエレリウス属種(Muellerius spp.)、ネカトル属種(Necator spp.)、ネマトジルス属種(Nematodirus spp.)、ネオストロンギルス属種(Neostrongylus spp.)、ニッポストロンギルス属種(Nippostrongylus spp.)、オベリスコイデス属種(Obeliscoides spp.)、オエソファゴドンツス属種(Oesophagodontus spp.)、オエソファゴストムム属種(Oesophagostomum spp.)、オルラヌス属種(Ollulanus spp.);オルニトストロンギルス属種(Ornithostrongylus spp.)、オスレルス属種(Oslerus spp.)、オステルタギア属種(Ostertagia spp.)、パラコオペリア属種(Paracooperia spp.)、パラクレノソマ属種(Paracrenosoma spp.)、パラフィラロイデス属種(Parafilaroides spp.)、パレラホストロンギルス属種(Parelaphostrongylus spp.)、プネウモカウルス属種(Pneumocaulus spp.)、プネウモストロンギルス属種(Pneumostrongylus spp.)、ポテリオストムム属種(Poteriostomum spp.)、プロトストロンギルス属種(Protostrongylus spp.)、スピコカウルス属種(Spicocaulus spp.)、ステファヌルス属種(Stephanurus spp.)、ストロンギルス属種(Strongylus spp.)、シンガムス属種(Syngamus spp.)、テラドルサギア属種(Teladorsagia spp.)、トリコネマ属種(Trichonema spp.)、トリコストロンギルス属種(Trichostrongylus spp.)、トリオドントホルス属種(Triodontophorus spp.)、トログロストロンギルス属種(Troglostrongylus spp.)、ウンシナリア属種(Uncinaria spp.);
センビセンチュウ目(Spirurida)の、例えば:アカントケイロネマ属種(Acanthocheilonema spp.)、アニサキス属種(Anisakis spp.)、アスカリジア属種(Ascaridia spp.);アスカリス属種(Ascaris spp.)、アスカロプス属種(Ascarops spp.)、アスピクルリス属種(Aspiculuris spp.)、バイリサスカリス属種(Baylisascaris spp.)、ブルギア属種(Brugia spp.)、セルコピチフィラリア属種(Cercopithifilaria spp.)、クラシカウダ属種(Crassicauda spp.)、ジペタロネマ属種(Dipetalonema spp.)、ジロフィラリア属種(Dirofilaria spp.)、ドラクンクルス属種(Dracunculus spp.);ドラスキア属種(Draschia spp.)、エンテロビウス属種(Enterobius spp.)、フィラリア属種(Filaria spp.)、グナトストマ属種(Gnathostoma spp.)、ゴンギロネマ属種(Gongylonema spp.)、ハブロネマ属種(Habronema spp.)、ヘテラキス属種(Heterakis spp.);リトモソイデス属種(Litomosoides spp.)、ロア属種(Loa spp.)、オンコセルカ属種(Onchocerca spp.)、オキシウリス属種(Oxyuris spp.)、パラブロネマ属種(Parabronema spp.)、パラフィラリア属種(Parafilaria spp.)、パラスカリス属種(Parascaris spp.)、パサルルス属種(Passalurus spp.)、フィサロプテラ属種(Physaloptera spp.)、プロブストマイリア属種(Probstmayria spp.)、プセウドフィラリア属種(Pseudofilaria spp.)、セタリア属種(Setaria spp.)、スクジュラビネマ属種(Skjrabinema spp.)、スピロセルカ属種(Spirocerca spp.)、ステファノフィラリア属種(Stephanofilaria spp.)、ストロンギルリス(Strongyluris spp.)、シファシア属種(Syphacia spp.)、テラジア属種(Thelazia spp.)、トキサスカリス属種(Toxascaris spp.)、トキソカラ属種(Toxocara spp.)、ウケレリア属種(Wuchereria spp.);
鉤頭動物門(Acantocephala):ダイコウトウチュウ目(Oligacanthorhynchida)の、例えば:マクラカントリンクス属種(Macracanthorhynchus spp.)、プロステノルキス属種(Prosthenorchis spp.);サジョウコウトウチュウ目(Moniliformida)の、例えば:モニリホルミス属種(Moniliformis spp.);
ポリモルフス目(Polymorphida)の、例えば:フィリコリス属種(Filicollis spp.);コウトウチュウ目(Echinorhynchida)の、例えば、アカントセファルス属種(Acanthocephalus spp.)、エキノリンクス属種(Echinorhynchus spp.)、レプトリンコイデス属種(Leptorhynchoides spp.);
舌形動物門(Pentastoma):ポロケファルス目(Porocephalida)の、例えば、リングアツラ属種(Linguatula spp.)。
【0175】
本発明の化合物は、蠕虫感染症、特に胃腸および腸外蠕虫感染症、より具体的には線虫による胃腸および腸外感染症の治療および予防(prevention)、すなわち予防(prophylaxis)に特に使用することができる。
【0176】
動物寄生虫、特に蠕虫を防除するために本発明の化合物を使用することにより、疾患、死亡の症例および能力低下(肉、乳、羊毛、皮、卵、蜂蜜などの場合)を低減または予防することが意図され、その結果、より経済的かつより単純な動物飼育が可能になり、より良好な動物の幸福が達成される。
【0177】
動物衛生分野に関して本明細書で使用される「防除(control)」または「防除する(controlling)」という用語は、本発明の化合物がそのような寄生虫に感染した動物におけるそれぞれの寄生虫の発生率を無害なレベルまで低下させるのに有効であることを意味する。より具体的には、「防除する」は、本明細書中で使用されているように、本発明の化合物がそれぞれの寄生虫を死滅させるか、その成長を阻害するか、またはその増殖を阻害するのに有効であることを意味する。
【0178】
さらなる態様によれば、本発明は、疾患、特に蠕虫感染症、特に胃腸および腸外蠕虫感染症、より詳細には線虫による胃腸および腸外感染症の処置または予防に使用するための、上記の一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、および塩、特に薬学的に許容されるそれらの塩、またはそれらの混合物を包含する。
【0179】
本発明による化合物の薬学的活性は、Slo-1イオンチャンネルとのそれらの相互作用によって説明することができる。
【0180】
さらなる態様によれば、本発明は、上記の一般式(I)の化合物、または立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、特に薬学的に許容されるそれらの塩、またはそれらの混合物の、疾患、特に蠕虫感染症、特に胃腸および腸外蠕虫感染症、より詳細には線虫による胃腸および腸外感染症の処置または予防のための使用を包含する。
【0181】
さらなる態様によれば、本発明は、上記の一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、特に薬学的に許容されるそれらの塩、またはそれらの混合物の、疾患、特に蠕虫感染症、特に胃腸および腸外蠕虫感染症、より詳細には線虫による胃腸および腸外感染症の処置または予防方法における使用を包含する。
【0182】
さらなる態様によれば、本発明は、上記の一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、特に薬学的に許容されるそれらの塩、またはそれらの混合物の、疾患、特に蠕虫感染症、特に胃腸および腸外蠕虫感染症、より詳細には線虫による胃腸および腸外感染症の予防または処置のための医薬組成物(pharmaceutical composition)、好ましくは薬剤(medicament)を調製するための使用を包含する。
【0183】
さらなる態様によれば、本発明は、上記の一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、特に薬学的に許容されるそれらの塩、またはそれらの混合物の有効量を使用する、疾患、特に蠕虫感染、特に胃腸および腸外蠕虫感染、より詳細には線虫による胃腸および腸外感染の処置または予防方法を包含する。
【0184】
さらなる態様によれば、本発明は、抗内部寄生虫剤として使用するための、上記の一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、特に薬学的に許容されるそれらの塩、またはそれらの混合物を包含する。
【0185】
さらなる態様によれば、本発明は、駆虫剤としての使用のための、特に殺線虫剤、殺扁形動物剤、殺鉤頭動物剤、または殺舌形動物剤としての使用のための、上記のような一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、特に薬学的に許容されるそれらの塩、またはそれらの混合物を包含する。
【0186】
さらなる態様によれば、本発明は、上記の一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、それらの塩、特に薬学的に許容される塩、またはそれらの混合物、および1以上の賦形剤、特に1以上の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物、特に獣医用製剤を包含する。適切な剤形でのこのような医薬組成物を調製するための従来の手順を利用することができる。
【0187】
さらなる態様によれば、本発明は、上記の一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、それらの塩、特に薬学的に許容される塩、またはそれらの混合物を、1以上の賦形剤、特に1以上の薬学的に許容される賦形剤と混合する工程を含む、医薬組成物、特に獣医用製剤を調製するための方法を包含する。
【0188】
さらなる態様によれば、本発明は、上記の一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、およびそれらの塩、特に薬学的に許容されるそれらの塩、またはそれらの混合物の有効量を含む医薬組成物、特に獣医用製剤を使用する、疾患、特に蠕虫感染症、特に胃腸および腸外蠕虫感染症、より詳細には線虫による胃腸および腸外感染症の処置または予防方法を包含する。
【0189】
本発明はさらに、本発明による少なくとも1つの化合物を、通常、1以上の薬学的に好適な賦形剤と一緒に含む医薬組成物、特に獣医用製剤、および上記の目的のためのそれらの使用を包含する。
【0190】
本発明の化合物は、全身および/または局所活性を有し得る。この目的のために、それらは、例えば、経口、非経口、肺、鼻、舌下、舌、口腔、直腸、膣、皮膚、経皮、結膜、耳の経路を介して、またはインプラントもしくはステントとして、好適な様式で投与され得る。このような投与は、予防的に(prophylactically)、メタ予防的に(methaphylactically)または治療的に(therapeutically)行うことができる。
【0191】
これらの投与経路のために、本発明の化合物を好適な投与形態で投与することが可能である。
【0192】
経口投与のために、本発明の化合物を、本発明の化合物を迅速におよび/または改変された様式で送達する当該分野で公知の投薬形態(例えば、錠剤(コーティングされていない、またはコーティングされた錠剤、例えば、遅延して溶解するか、または不溶性である腸溶性または制御放出コーティングを有する錠剤)、口腔内崩壊錠剤、フィルム/ウエハー、フィルム/凍結乾燥物、カプセル(例えば、硬または軟ゼラチンカプセル)、糖衣錠、顆粒、ペレット、チュアブル(例えば、ソフトチュアブル)、粉末、エマルジョン、懸濁液、エアロゾルまたは溶液)に製剤することが可能である。本発明の化合物を、結晶および/または非晶質および/または溶解形態で前記剤形に組み込むことが可能である。
【0193】
非経口投与は吸収段階を回避して(例えば、静脈内、動脈内、心臓内、脊髄内または腰部内)、または吸収を含めて(例えば、筋肉内、皮下、皮内、経皮または腹腔内)実施することができる。非経口投与に適した投与形態は、とりわけ、溶液、懸濁液、エマルジョン、凍結乾燥物または滅菌粉末の形態での注射および注入のための調製物である。
【0194】
他の投与経路に適した例は、吸入のための医薬形態[とりわけ粉末吸入器、ネブライザー]、点鼻薬、点鼻溶液、鼻スプレー;舌、舌下または口腔投与のための錠剤/フィルム/ウエハー/カプセル;坐剤;点眼剤、眼軟膏、眼浴、眼挿入物、点耳剤、イヤースプレー、イヤーパウダー、イヤーリンス、イヤータンポン;膣カプセル、水性懸濁液(ローション、ミックスツラエ・アギタンダ(mixturae agitandae))、親油性懸濁液、エマルジョン、軟膏、クリーム、経皮治療システム(例えばパッチ)、ミルク、ペースト、泡沫、スポットオン、散布粉末、インプラントまたはステントである。
【0195】
本発明による化合物は、記載された投与形態に組み込むことができる。これは、それ自体公知の様式で、薬学的に好適な賦形剤と混合することによって達成され得る。薬学的に好適な賦形剤には、とりわけ、以下のものが含まれる;
・ 充填剤および担体(例えば、セルロース、微結晶セルロース(例えば、Avicel(登録商標))、ラクトース、マンニトール、デンプン、リン酸カルシウム(例えば、Di-Cafos(登録商標)))、
・ 軟膏基剤(例えば、石油ゼリー、パラフィン、トリグリセリド、ワックス、羊毛ワックス、羊毛ワックスアルコール、ラノリン、親水性軟膏、ポリエチレングリコール)、
・ 坐剤の基剤(例えば、ポリエチレングリコール、カカオバター、硬質脂肪)、
・ 溶媒(例えば、水、エタノール、イソプロパノール、グリセロール、プロピレングリコール、中鎖長トリグリセリド脂肪油、液体ポリエチレングリコール、パラフィン)、
・ 界面活性剤、乳化剤、分散剤または湿潤剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム)、レシチン、リン脂質、脂肪アルコール(例えば、Lanette(登録商標))、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、Span(登録商標))、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、Tween(登録商標))、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリド(例えば、Cremophor(登録商標))、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、グリセロール脂肪酸エステル、ポロキサマー(例えば、Pluronic(登録商標))、
・ 緩衝剤、酸および塩基(例えば、リン酸塩、炭酸塩、クエン酸、酢酸、塩酸、水酸化ナトリウム溶液、炭酸アンモニウム、トロメタモール、トリエタノールアミン)、
・ 等張剤(グルコース、塩化ナトリウムなど)、
・ 吸着剤(高分散シリカなど)、
・ 増粘剤、ゲル形成剤、増粘剤および/または結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプン、カルボマー、ポリアクリル酸(例えば、Carbopol(登録商標));アルギネート、ゼラチン)、
・ 崩壊剤(例えば、変性デンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム(例えば、Explotab(登録商標))、架橋ポリビニルピロリドン、クロスカルメロースナトリウム(例えば、AcDiSol(登録商標)))、
・ 流量調節剤、潤滑剤、流動促進剤および離型剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、高分散シリカ(例えば、Aerosil(登録商標)))、
・ 被覆材料(例えば、砂糖、セラック)および迅速にまたは変性された方法で溶解するフィルムまたは拡散膜のためのフィルム形成剤(例えば、ポリビニルピロリドン(例えば、Kollidon(登録商標))、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、例えば、Eudragit(登録商標))、
・ カプセル材料(例えばゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、
・ 合成ポリマー(例えば、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート(例えば、Eudragit(登録商標))、ポリビニルピロリドン(例えば、Kollidon(登録商標))、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコールおよびそれらのコポリマーおよびブロックコポリマー)、
・ 可塑剤(例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、トリアセチン、クエン酸トリアセチル、フタル酸ジブチル)、
・ 浸透促進剤、
・ 安定剤(例えば、酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル)、
・ 防腐剤(例えば、パラベン、ソルビン酸、チオメルサール、塩化ベンザルコニウム、酢酸クロルヘキシジン、安息香酸ナトリウム)、
・ 着色剤(例えば、無機顔料、例えば、酸化鉄、二酸化チタン)、
・ 香料、甘味料、風味料および/または臭気マスキング剤。
【0196】
本発明はさらに、本発明による少なくとも1つの化合物を、通常は1以上の薬学的に適切な賦形剤と一緒に含む医薬組成物、および本発明によるそれらの使用に関する。
【0197】
別の態様によれば、本発明は、本発明の一般式(I)の少なくとも1つの化合物および少なくとも1以上のさらなる活性成分を含む、特に、内部および/または外部寄生虫感染症の処置および/または予防のための医薬組合せ、特に薬剤を包含する。
【0198】
本発明における「内部寄生虫」という用語は、当業者に知られているように使用され、特に蠕虫を指す。本発明における「外部寄生虫」という用語は、当業者に知られているように使用され、特に節足動物、特に昆虫またはダニを指す。
【0199】
特に、本発明は、以下:
・ 1以上の第1の活性成分、特に上記で定義した一般式(I)の化合物、および
・ 1以上のさらなる活性成分、特に1以上の内部および/または外部寄生虫駆除剤
を含む、医薬組み合わせ、特に獣医用組み合わせを包含する。
【0200】
本発明における用語「組み合わせ」は、当業者に知られているように使用され、前記組み合わせは、固定された組み合わせ、固定されていない組み合わせ、またはキット-オブ-パーツ(kit-of-parts)であることが可能である。
【0201】
本発明における「固定された組み合わせ」は当業者に知られているように使用され、例えば、第1の活性成分、例えば、1以上の本発明の一般式(I)の化合物、およびさらなる活性成分が、1つの単位投与量または1つの単一実体で一緒に存在する組合せとして定義される。「固定された組み合わせ」の一例は、第1の活性成分およびさらなる活性成分が製剤中などの同時投与のために混合物中に存在する医薬組成物である。「固定された組み合わせ」の別の例は、第1の活性成分およびさらなる活性成分が混合物中に存在せずに1つの単位中に存在する医薬組み合わせである。
【0202】
本発明における固定されていない組み合わせまたは「キット-オブ-パーツ」は、当業者に知られているように使用され、第1の活性成分およびさらなる活性成分が2つ以上の単位で存在する組み合わせとして定義される。固定されていない組み合わせまたはキット-オブ-パーツの一例は、第1の活性成分およびさらなる活性成分が別々に存在する組み合わせである。固定されていない組み合わせまたはキット-オブ-パーツの成分を、別々に、連続的に、同時に(simultaneously)、同時に(concurrently)、または時系列的に互い違いに投与することが可能である。
【0203】
本発明の化合物は唯一の医薬剤として、または1以上の他の薬学的活性成分と組み合わせて投与され得、ここで、この組み合わせは許容できない有害作用を引き起こさない。本発明はまた、このような医薬組み合わせを包含する。例えば、本発明の化合物は、公知の外部寄生虫駆除剤および/または内部寄生虫駆除剤と組み合わせることができる。
【0204】
一般名によって本明細書中に特定される他のまたはさらなる活性成分は公知であり、そして例えば、Pesticide Manual(「The Pesticide Manual」第16版、British Crop Protection Council 2012)に記載されるか、またはインターネット(例えば、http://www.alanwood.net/pesticides)において検索され得る。分類は、本特許出願の出願時の現在のIRAC Mode of Action Classification Schemeに基づく。
【0205】
外部寄生虫駆除剤および/または内部寄生虫駆除剤の例は、殺虫剤、殺ダニ剤および殺線虫剤であり、特に以下のものを含む:
(1)アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬、例えば、カーバメート系、例えば、アラニカルブ、アルジカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、ホルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メチオカルブ、メソミル、メトルカルブ、オキサミル、ピリミカーブ、プロポキスル、チオジカルブ、チオファノックス、トリアザメート、トリメタカルブ、XMCおよびキシリルカルブ;または、有機リン酸エステル系、例えば、アセフェート、アザメチホス、アジンホス-エチル、アジンホス-メチル、カズサホス、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス-メチル、クマホス、シアノホス、ジメトン-S-メチル、ダイアジノン、ジクロルボス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ダイスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、ファムフール、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンチオン、ホスチアゼート、ヘプテノホス、イミシアホス、イソフェンホス、O-(メトキシアミノチオホスホリル)サリチル酸イソプロピル、イソキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、オメトエート、オキシジメトン-メチル、パラチオン-メチル、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシム、ピリミホス-メチル、プロフェノホス、プロペタムホス、プロチオホス、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、キナルホス、スルホテップ、テブピリムホス、テメホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホンおよびバミドチオン。
【0206】
(2)GABA制御塩化物チャンネル遮断薬、例えば、シクロジエン-有機塩素系、例えば、クロルダンおよびエンドスルファン;または、フェニルピラゾール系(フィプロール系)、例えば、エチプロールおよびフィプロニル。
【0207】
(3)ナトリウムチャンネルモジュレーター、例えば、ピレスロイド系、例えば、アクリナトリン、アレスリン、d-シス-トランスアレスリン、d-トランスアレスリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、ビオアレスリン s-シクロペンテニル異性体、ビオレスメトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ベータ-シペルメトリン、シータ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シフェノトリン[(1R)-トランス-異性体]、デルタメトリン、エムペントリン[(EZ)-(1R)-異性体]、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルメトリン、タウ-フルバリネート、ハルフェンプロックス、イミプロトリン、カデトリン、モンフルオロトリン、ペルメトリン、フェノトリン[(1R)-トランス-異性体]、プラレトリン、ピレトリン類(除虫菊(pyrethrum))、レスメトリン、シラフルオフェン、テフルトリン、テトラメトリン、テトラメトリン[(1R)-異性体]、トラロメトリンおよびトランスフルトリンまたはDDTまたはメトキシクロル。
【0208】
(4)ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)競合的モジュレーター、ネオニコチノイド系、例えば、アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、チアクロプリドおよびチアメトキサムまたはニコチンまたはスルホキサフロルまたはフルピラジフロン。
【0209】
(5)ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)アロステリックモジュレーター、例えば、スピノシン系、例えば、スピネトラムおよびスピノサド。
【0210】
(6)グルタミン酸開閉型塩化物チャンネル(GluCl)アロステリックモジュレーター、例えば、アベルメクチン系/ミルベマイシン系、例えば、アバメクチン、エマメクチン安息香酸塩、レピメクチンおよびミルベメクチン。
【0211】
(7)幼若ホルモン模倣物質、例えば、幼若ホルモン類似体、例えば、ハイドロプレン、キノプレンおよびメトプレンまたはフェノキシカルブまたはピリプロキシフェン。
【0212】
(9)弦音器官のモジュレーター、例えば、ピメトロジンまたはフロニカミド。
【0213】
(10)ダニ成長阻害薬、例えば、クロフェンテジン、ヘキシチアゾクスおよびジフロビダジンまたはエトキサゾール。
【0214】
(12)ミトコンドリアATPシンターゼの阻害薬、例えば、ATPディスラプター、例えば、ジアフェンチウロンまたは有機スズ化合物、例えば、アゾシクロチン、シヘキサチンおよび酸化フェンブタスズまたは、プロパルギットまたはテトラジホン。
【0215】
(13)プロトン勾配の破壊を介する酸化的リン酸化の脱共役剤、例えば、クロルフェナピル、DNOCおよびスルフルラミド。
【0216】
(14)ニコチン性アセチルコリン受容体チャンネル遮断薬、例えば、ベンスルタップ、カルタップ塩酸塩、チオシラム(thiocylam)およびチオスルタップ-ナトリウムから選択される。
【0217】
(15)キチン生合成の阻害薬、タイプ0、例えば、ビストリフルロン、クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、テフルベンズロンおよびトリフルムロン。
【0218】
(16)キチン生合成の阻害薬、タイプ1、例えば、ブプロフェジン。
【0219】
(17)脱皮ディスラプター(特に、双翅目、すなわちハエ)、例えば、シロマジン。
【0220】
(18)エクジソン受容体作動薬、例えば、クロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジドおよびテブフェノジド。
【0221】
(19)オクトパミン受容体作動薬、例えば、アミトラズ。
【0222】
(20)ミトコンドリア複合体III電子伝達阻害薬、例えば、ヒドラメチルノンまたはアセキノシルまたはフルアクリピリム。
【0223】
(21)ミトコンドリア複合体I電子伝達阻害薬、例えば、METI殺ダニ剤の群からの、例えば、フェナザキン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、ピリダベン、テブフェンピラドおよびトルフェンピラドまたはロテノン(Derris)。
【0224】
(22)電位依存性ナトリウムチャンネル遮断薬、例えば、インドキサカルブまたはメタフルミゾン。
【0225】
(23)アセチルCoAカルボキシラーゼの阻害薬、例えば、テトロン酸誘導体およびテトラミン酸誘導体、例えば、スピロジクロフェン、スピロメシフェンおよびスピロテトラマト。
【0226】
(25)ミトコンドリア複合体II電子伝達阻害薬、例えば、β-ケトニトリル誘導体、例えば、シエノピラフェンおよびシフルメトフェンおよびカルボキシアニリド系、例えば、ピフルブミド。
【0227】
(28)リアノジン受容体モジュレーター、例えば、ジアミド系、例えば、クロラントラニリプロール、シアントラニルプロールおよびフルベンジアミド。
【0228】
以下のさらなる活性化合物、例えば、アフィドピロペン、アフォキソレイナー、アザジラクチン、ベンクロチアズ、ベンゾキシメート、ビフェナゼート、ブロフラニリド、ブロモプロピレート、キノメチオナート、クロロプラレトリン、氷晶石(Cryolite)、シクラニリプロール、シクロキサプリド(Cycloxaprid)、シハロジアミド(Cyhalodiamide)、ジクロロメゾチアズ、ジコホル、ε-メトフルトリン、ε-モムフルオロトリン(epsilon Momfluthrin)、フロメトキン、フルアザインドリジン、フルエンスルホン、フルフェネリム、フルフェノキシストロビン、フルフィプロール、フルヘキサホン、フルオピラム、フルララネル、フルキサメタミド、フフェノジド(Fufenozide)、グアジピル、ヘプタフルトリン、イミダクロチズ、イプロジオン、κ-ビフェントリン、κ-テフルトリン、ロチラネル(Lotilaner)、メペルフルトリン、パイコングジング、ピリダリル、ピリフルキナゾン、ピリミノストロビン、スピロブジクロフェン(Spirobudiclofen)、テトラメチルフルトリン、テトラニリプロール、テトラクロラントラニリプロール(Tetrachlorantraniliprole)、チオキサザフェン、チオフルオキシメート(Thiofluoximate)、トリフルメゾピリムおよびヨードメタン;さらに、バシルス・フィルムス(Bacillus firmus)に基づく調製物(I-1582,BioNeem,Votivo)、および、以下の化合物:1-{2-フルオロ-4-メチル-5-[(2,2,2-トリフルオロエチル)スルフィニル]フェニル}-3-(トリフルオロメチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-アミン(WO2006/043635から既知)(CAS 885026-50-6)、{1’-[(2E)-3-(4-クロロフェニル)プロパ-2-エン-1-イル]-5-フルオロスピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1(2H)-イル}(2-クロロピリジン-4-イル)メタノン(WO2003/106457から既知)(CAS 637360-23-7)、2-クロロ-N-[2-{1-[(2E)-3-(4-クロロフェニル)プロパ-2-エン-1-イル]ピペリジン-4-イル}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]イソニコチンアミド(WO2006/003494から既知)(CAS 872999-66-1)、3-(4-クロロ-2,6-ジメチルフェニル)-4-ヒドロキシ-8-メトキシ-1,8-ジアザスピロ[4.5]デカ-3-エン-2-オン(WO2010052161から既知)(CAS 1225292-17-0)、3-(4-クロロ-2,6-ジメチルフェニル)-8-メトキシ-2-オキソ-1,8-ジアザスピロ[4.5]デカ-3-エン-4-イル エチルカルボネート(EP2647626から既知)(CAS 1440516-42-6)、4-(ブタ-2-イン-1-イルオキシ)-6-(3,5-ジメチルピペリジン-1-イル)-5-フルオロピリミジン(WO2004/099160から既知)(CAS 792914-58-0)、PF1364(JP2010/018586から既知)(CAS 1204776-60-2)、N-[(2E)-1-[(6-クロロピリジン-3-イル)メチル]ピリジン-2(1H)-イルインデン]-2,2,2-トリフルオロアセトアミド(WO2012/029672から既知)(CAS 1363400-41-2)、(3E)-3-[1-[(6-クロロ-3-ピリジル)メチル]-2-ピリジリデン]-1,1,1-トリフルオロ-プロパン-2-オン(WO2013/144213から既知)(CAS 1461743-15-6)、N-[3-(ベンジルカルバモイル)-4-クロロフェニル]-1-メチル-3-(ペンタフルオロエチル)-4-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(WO2010/051926から既知)(CAS 1226889-14-0)、5-ブロモ-4-クロロ-N-[4-クロロ-2-メチル-6-(メチルカルバモイル)フェニル]-2-(3-クロロ-2-ピリジル)ピラゾール-3-カルボキサミド(CN103232431から既知)(CAS 1449220-44-3)、4-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-メチル-N-(シス-1-オキシド-3-チエタニル)ベンズアミド、4-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-メチル-N-(トランス-1-オキシド-3-チエタニル)ベンズアミドおよび4-[(5S)-5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-メチル-N-(シス-1-オキシド-3-チエタニル)ベンズアミド(WO2013/050317A1から既知)(CAS 1332628-83-7)、N-[3-クロロ-1-(3-ピリジニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-N-エチル-3-[(3,3,3-トリフルオロプロピル)スルフィニル]プロパンアミド、(+)-N-[3-クロロ-1-(3-ピリジニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-N-エチル-3-[(3,3,3-トリフルオロプロピル)スルフィニル]プロパンアミドおよび(-)-N-[3-クロロ-1-(3-ピリジニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-N-エチル-3-[(3,3,3-トリフルオロプロピル)スルフィニル]プロパンアミド(WO2013/162715A2、WO2013/162716A2、US2014/0213448A1から既知)(CAS 1477923-37-7)、5-[[(2E)-3-クロロ-2-プロペン-1-イル]アミノ]-1-[2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-[(トリフルオロメチル)スルフィニル]-1H-ピラゾール-3-カルボニトリル(CN101337937Aから既知)(CAS 1105672-77-2)、3-ブロモ-N-[4-クロロ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)チオキソメチル]フェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、(Liudaibenjiaxuanan、CN103109816Aから既知)(CAS 1232543-85-9);N-[4-クロロ-2-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]-6-メチルフェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-3-(フルオロメトキシ)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(WO2012/034403A1から既知)(CAS 1268277-22-0)、N-[2-(5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-4-クロロ-6-メチルフェニル]-3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(WO2011/085575A1から既知)(CAS 1233882-22-8)、4-[3-[2,6-ジクロロ-4-[(3,3-ジクロロ-2-プロペン-1-イル)オキシ]フェノキシ]プロポキシ]-2-メトキシ-6-(トリフルオロメチル)ピリミジン(CN101337940A)(CAS 1108184-52-6);(2E)-および2(Z)-2-[2-(4-シアノフェニル)-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチリデン]-N-[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]ヒドラジンカルボキサミド(CN101715774Aから既知)(CAS 1232543-85-9);シクロプロパンカルボン酸3-(2,2-ジクロロエテニル)-2,2-ジメチル-4-(1H-ベンズイミダゾール-2-イル)フェニルエステル(CN103524422Aから既知)(CAS 1542271-46-4);(4aS)-7-クロロ-2,5-ジヒドロ-2-[[(メトキシカルボニル)[4-[(トリフルオロメチル)チオ]フェニル]アミノ]カルボニル]インデノ[1,2-e][1,3,4]オキサジアジン-4a(3H)-カルボン酸メチルエステル(CN102391261Aから既知)(CAS 1370358-69-2);6-デオキシ-3-O-エチル-2,4-ジ-O-メチル-1-[N-[4-[1-[4-(1,1,2,2,2-ペンタフルオロエトキシ)フェニル]-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]フェニル]カルバメート]-α-L-マンノピラノース(US2014/0275503A1から既知)(CAS 1181213-14-8);8-(2-シクロプロピルメトキシ-4-トリフルオロメチルフェノキシ)-3-(6-トリフルオロメチルピリダジン-3-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン(CAS1253850-56-4)、(8-アンチ)-8-(2-シクロプロピルメトキシ-4-トリフルオロメチルフェノキシ)-3-(6-トリフルオロメチルピリダジン-3-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン(CAS 933798-27-7)、(8-シン)-8-(2-シクロプロピルメトキシ-4-トリフルオロメチルフェノキシ)-3-(6-トリフルオロメチルピリダジン-3-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン(WO2007040280A1、WO2007040282A1から既知)(CAS 934001-66-8)、N-[3-クロロ-1-(3-ピリジニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-N-エチル-3-[(3,3,3-トリフルオロプロピル)チオ]プロパンアミド(WO2015/058021A1、WO2015/058028A1から既知)(CAS 1477919-27-9)、N-[4-(アミノチオキソメチル)-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(CN103265527Aから既知)(CAS 1452877-50-7)、5-(1,3-ジオキサン-2-イル)-4-[[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]ピリミジン(WO2013/115391A1から既知)(CAS 1449021-97-9)、3-(4-クロロ-2,6-ジメチルフェニル)-4-ヒドロキシ-8-メトキシ-1-メチル-1,8-ジアザスピロ[4.5]デカ-3-エン-2-オン(WO2010/066780A1、WO2011/151146A1から既知)(CAS 1229023-34-0)、3-(4-クロロ-2,6-ジメチルフェニル)-8-メトキシ-1-メチル-1,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン(WO2014/187846A1から既知)(CAS 1638765-58-8)、3-(4-クロロ-2,6-ジメチルフェニル)-8-メトキシ-1-メチル-2-オキソ-1,8-ジアザスピロ[4.5]デカ-3-エン-4-イル-カルボン酸エチルエステル(WO2010/066780A1、WO2011151146A1から既知)(CAS 1229023-00-0)、N-[1-[(6-クロロ-3-ピリジニル)メチル]-2(1H)-ピリジニルインデン]-2,2,2-トリフルオロ-アセトアミド(DE3639877A1、WO2012029672A1から既知)(CAS 1363400-41-2)、[N(E)]-N-[1-[(6-クロロ-3-ピリジニル)メチル]-2(1H)-ピリジニルインデン]-2,2,2-トリフルオロ-アセトアミド、(WO2016005276A1から既知)(CAS 1689566-03-7)、[N(Z)]-N-[1-[(6-クロロ-3-ピリジニル)メチル]-2(1H)-ピリジニルインデン]-2,2,2-トリフルオロ-アセトアミド、(CAS 1702305-40-5)、3-endo-3-[2-プロポキシ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-9-[[5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]オキシ]-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン(WO20
11/105506A1、WO2016/133011A1から既知)(CAS 1332838-17-1)。
【0229】
作用機序が知られていないかまたは特定されていない活性成分、例えば、フェントリファニル、フェノキサクリム、シクロプレン、クロロベンジレート、クロルジメホルム、フルベンジミン、ジシクラニル、アミドフルメト、キノメチオネート、トリアラテン、クロチアゾベン、テトラスル、オレイン酸カリウム、石油、メトキサジアゾン、ゴシプルレ、フルテンジン、ブロモプロピレート、氷晶石;
別のクラスの成分、例えば、ブタカルブ、ジメチラン、クロエトカルブ、ホスホカルブ、ピリミホス(-エチル)、パラチオン(-エチル)、メタクリホス、o-サリチル酸イソプロピル、トリクロルホン、スルプロホス、プロパホス、セブホス、ピリダチオン、プロトエート、ジクロフェンチオン、ジメトン-S-メチルスルホン、イサゾホス、シアノフェンホス、ジアリホス、カルボフェノチオン、アウタチオホス、アロムフェンビンホス(-メチル)、アジンホス(-エチル)、クロルピリホス(-エチル)、ホスメチラン、ヨードフェンホス、ジオキサベンゾホス、ホルモチオン、ホノホス、フルピラゾホス、フェンスルホチオン、エトリムホス;
有機塩素化合物、例えば、カンフェクロル、リンダン、ヘプタクロル;または、フェニルピラゾール系、例えば、アセトプロール、ピラフルプロール、ピリプロール、バニリプロール、シサプロニル;または、イソオキサゾリン系、例えば、サロラネル、アフォキソラネル、ロチラネル、フルララネル;
ピレスロイド系、例えば、(シス-、トランス-)メトフルトリン、プロフルトリン、フルフェンプロックス、フルブロシトリネート、フブフェンプロックス、フェンフルトリン、プロトリフェンブト、ピレスメトリン、RU15525、テラレトリン、シス-レスメトリン、ヘプタフルトリン、ビオエタノメトリン、ビオペルメトリン、フェンピリトリン、シス-シペルメトリン、シス-ペルメトリン、クロシトリン、シハロトリン(ラムダ-)、クロバポルトリン、または、ハロゲン化炭化水素化合物(HCHs);
ネオニコチノイド系、例えば、ニチアジン;
ジクロロメゾチアズ(dicloromezotiaz)、トリフルメゾピリム;
大環状ラクトン系、例えば、ネマデクチン、イベルメクチン、ラチデクチン、モキシデクチン、セラメクチン、エプリノメクチン、ドラメクチン、エマメクチン安息香酸塩;ミルベマイシンオキシム;
トリプレン、エポフェノナン、ジオフェノラン;
生物学的薬剤、ホルモン類、または、フェロモン類、例えば、天然産物類、例えば、ツリンギエンシン(thuringiensin)、コドレモン、または、ニーム成分;
ジニトロフェノール系、例えば、ジノカップ、ジノブトン、ビナパクリル;
ベンゾイルウレア系、例えば、フルアズロン、ペンフルロン;
アミジン誘導体、例えば、クロロメブホルム(chlormebuform)、シミアゾール、デミジトラズ;
蜜蜂巣箱ミツバチヘギイタダニ殺ダニ剤(Bee hive varroa acaricides)、例えば、有機酸、例えば、ギ酸、シュウ酸。
【0230】
動物衛生において使用するために特に興味深い殺虫剤および殺ダニ剤の非限定的な例は特に[すなわち、Mehlhornら Encyclpaedic Reference of Parasitology第4版(ISBN 978-3-662-43978-4)]であり、これらを含む:
節足動物のリガンド開閉型塩化物チャンネルでのエフェクター:クロルダン、ヘプタクロル、エンドクルファン(endoculfan)、ディルドリン、ブロモシクレン、トクサフェン、リンデン、フィプロニル、ピリプロール、シサプロニル、アホクソラナー、フルラナー、サロラナー、ロチラナー(lotilaner)、フルキサメタミド、ブロフラニリド、アベルメクチン、ドラメクチン、エプリノメクチン、イベルメクチン、ミルベマイシン、モキシデクチン、セラメクチン;
節足動物のオクトパミン作動性受容体のモジュレーター:アミトラズ、BTS27271、シミアゾール、デミジトラズ;
節足動物の電位依存性ナトリウムチャンネルでのエフェクター:DDT、メトキシクロル、メタフルミゾン、インドキサカルブ、シネリンI、シネリンII、ジャスモリンI、ジャスモリンII、ピレトリンI、ピレトリンII、アレスリン、アルファシペルメトリン、ビオアレスリン、ベータシフルトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、エトフェンプロックス、フェンバレラート、フルシトリネート、フルメトリン、ハルフェンプロックス、ペルメトリン、フェノトリン、レスメトリン、タウ-フルバリネート、テトラメトリン;
節足動物のニコチン性コリン作動性シナプス(アセチルコリンエステラーゼ、アセチルコリン受容体)でのエフェクター:ブロモプリピレート(bromoprypylate)、ベンジオカルブ、カルバリル、メソミル、プロマシル、プロポキスル、アザメチホス、クロルフェンビンホス、クロルピリホス、クマホス、シチオアート、ダイアジノン、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメトエート、エチオン、ファンファー、フェニトロチオン、フェンチオン、ヘプテノホス(heptenophos)、マラチオン、ナレド、ホスメット、ホキシム、フタロホス(phtalofos)、プロペタンホス、テメホス、テトラクロルビンホス、トリクロルホン、イミダクロプリド、ニテンピラム、ジノテフラン、スピノサド、スピネトラム;
節足動物の発達過程におけるエフェクター:シロマジン、ジシクラニル、ジフルベンズロン、フルアズロン、ルフェヌロン、トリフルムロン、フェノキシカルブ、ヒドロプレン、メトプレン、ピリプロキシフェン、フェノキシカルブ、ヒドロプレン、S-メトプレン、ピリプロキシフェン。
【0231】
本発明におけるさらなるまたは他の活性成分としての、内部寄生虫駆除剤の群からの例示的な活性成分には、これらに限定されないが、駆虫活性化合物および抗原虫活性化合物が含まれる。
【0232】
駆虫活性化合物としては、限定するものではないが、以下の殺線虫性、殺吸虫性(trematicidally)および/または殺条虫性(cestocidally)活性化合物などを挙げることができる:
大環状ラクトン類のクラスの、例えば:エプリノメクチン、アバメクチン、ネマデクチン、モキシデクチン、ドラメクチン、セラメクチン、レピメクチン、ラチデクチン、ミルベメクチン、イベルメクチン、エマメクチン、ミルベマイシン;
ベンゾイミダゾール類およびプロベンゾイミダゾール類のクラスの、例えば:オキシベンダゾール(oxibendazole)、メベンダゾール、トリクラベンダゾール(triclabendazole)、チオファネート(thiophanate)、パルベンダゾール(parbendazole)、オキシフェンダゾール(oxfendazole)、ネトビミン(netobimin)、フェンベンダゾール、フェバンテル、チアベンダゾール(thiabendazole)、シクロベンダゾール、カムベンダゾール、アルベンダゾールスルホキシド、アルベンダゾール、フルベンダゾール;
デプシペプチド類のクラスの、好ましくは、環状デプシペプチド類のクラスの、特に、24員の環状デプシペプチド類のクラスの、例えば:エモデプシド(emodepside)、PF1022A;
テトラヒドロピリミジン類のクラスの、例えば:モランテル、ピランテル、オキサンテル;
イミダゾチアゾール類のクラスの、例えば:ブタミソール、レバミソール、テトラミソール;
アミノフェニルアミジン類のクラスの、例えば:アミダンテル、デアシル化アミダンテル(dAMD)、トリベンジミジン;
アミノアセトニトリル類のクラスの、例えば:モネパンテル(monepantel);
パラヘルクアミド類のクラスの、例えば:パラヘルクアミド、デルクアンテル;
サリチルアニリド類のクラスの、例えば:トリブロムサラン、ブロモキサニド、ブロチアニド、クリオキサニド、クロサンテル、ニクロサミド、オキシクロザニド、ラフォキサニド;
置換フェノール類のクラスの、例えば:ニトロキシニル、ビチオノール、ジソフェノール、ヘキサクロロフェン、ニクロホラン、メニクロホラン(meniclopholan);
有機リン酸エステル類のクラスの、例えば:トリクロルホン、ナフタロホス(naphthalofos)、ジクロルボス/DDVP、クルホメート、クマホス、ハロキソン;
ピペラジノン類/キノリン類のクラスの、例えば:プラジクアンテル(praziquantel)、エプシプランテル;
ピペラジン類のクラスの、例えば:ピペラジン、ヒドロキシジン;
テトラサイクリン類のクラスの、例えば:テトラサイクリン、クロロテトラサイクリン、ドキシサイクリン、オキシテトラサイクリン、ロリテトラサイクリン;
様々な別のクラスの、例えば:ブナミジン、ニリダゾール、レソランテル、オムファロチン、オルチプラズ、ニトロスカネート、ニトロキシニル、オキサムニキン、ミラサン(mirasan)、ミラシル(miracil)、ルカントン、ヒカントン、へトリン(hetolin)、エメチン、ジエチルカルバマジン、ジクロロフェン、ジアンフェネチド、クロナゼパム、ベフェニウム、アモスカネート(amoscanate)、クロルスロン。
【0233】
抗原生動物活性成分としては、限定するものではないが、以下の活性化成分を挙げることができる:
トリアジン類のクラスの、例えば:ジクラズリル、ポナズリル、レトラズリル、トルトラズリル;
ポリエーテルイオノホア類のクラスの、例えば:モネンシン、サリノマイシン、マデュラマイシン、ナラシン;
大環状ラクトン類のクラスの、例えば:ミルベマイシン、エリスロマイシン;
キノロン類のクラスの、例えば:エンロフロキサシン、プラドフロキサシン;
キニーネ類のクラスの、例えば:クロロキン;
ピリミジン類のクラスの、例えば:ピリメタミン;
スルホンアミド類のクラスの、例えば:スルファキノキサリン、トリメトプリム、スルファクロジン;
チアミン類のクラスの、例えば:アンプロリウム;
リンコサミド類のクラスの、例えば:クリンダマイシン;
カルバニリド類のクラスの、例えば:イミドカルブ;
ニトロフラン類のクラスの、例えば:ニフルチモクス;
キナゾリノンアルカロイド類のクラスの、例えば:ハロフギノン;
様々な別のクラスの、例えば:オキサムニキン、パロモマイシン;
ワクチンまたは微生物の抗原のクラスの、例えば:バベシア・カニス・ロッシ(Babesia canis rossi)、エイメリア・テネラ(Eimeria tenella)、エイメリア・プラエコキス(Eimeria praecox)、エイメリア・ネカトリキス(Eimeria necatrix)、エイメリア・ミチス(Eimeria mitis)、エイメリア・マキシマ(Eimeria maxima)、エイメリア・ブルネッチ(Eimeria brunetti)、エイメリア・アセルブリナ(Eimeria acervulina)、バベシア・カニス・ボゲリ(Babesia canis vogeli)、レイシュマニア・インファンツム(Leishmania infantum)、バベシア・カニス・カニス(Babesia canis canis)、ジクチオカウルス・ビビパルス(Dictyocaulus viviparus)。
【0234】
本発明における全ての名前を挙げた他のまたはさらなる活性成分はそれらの官能基がこれを可能にする場合、場合により、好適な塩基または酸と塩を形成することができる。
【0235】
蠕虫感染の処置に有用な化合物を評価するために知られている標準的な実験室技術に基づいて、標準的な毒性試験によって、および動物における上記の状態の処置の決定のための標準的な薬理学的アッセイによって、およびこれらの結果とこれらの状態を処置するために使用される既知の活性成分または薬剤の結果との比較によって、本発明の化合物の有効用量は、各所望の適応症の処置のために容易に決定され得る。これらの状態のうちの1つの処置において投与される活性成分の量は、使用される特定の化合物および投薬単位、投与様式、処置期間、処置される被験体(subject)の年齢および性別、ならびに処置される状態の性質および程度などの考慮事項に従って広範に変動し得る。
【0236】
投与される活性成分の総量は、一般に約0.001mg/kg~約200mg/kg体重/日、好ましくは約0.01mg/kg~約20mg/kg体重/日の範囲であろう。臨床的に有用な投与スケジュールは、1日1~3回の投与から4週間に1回の投与までの範囲であろう。また、被験体に一定期間薬剤を投与しない「休薬日」は、薬理作用と忍容性の全体的なバランスに有益となる可能性がある。さらに、被験体は、4週間を超えて1回処置される長時間作用型処置を受けることが可能である。単位用量は約0.5mg~約1500mgの活性成分を含有することが可能であり、1日に1回以上または1日に1回未満投与することができる。静脈内注射、筋肉内注射、皮下注射および非経口注射を含む注射による投与のための平均1日用量、ならびに注入技術の使用は、好ましくは0.01~200mg/kg総体重である。平均1日直腸投薬レジメンは、好ましくは0.01~200mg/kg総体重である。平均1日膣投薬レジメンは、好ましくは0.01~200mg/kg総体重である。平均的な1日の局所投薬レジメンは、好ましくは1日1~4回の間で投与される0.1~200mgである。経皮濃度は、好ましくは0.01~200mg/kgの1日用量を維持するために必要とされる濃度である。平均1日吸入用量レジメンは、好ましくは0.01~100mg/kg総体重である。
【0237】
もちろん、各被験体についての特定の初期投薬レジメンおよび継続投薬レジメンは、主治診断医によって決定される症状の性質および重篤度、使用される特定の化合物の活性、被験体の年齢および全身状態、投与時間、投与経路、薬物の排泄速度、薬物の組み合わせなどに従って変化する。所望の処置様式および本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルまたは組成物の投与回数は、従来の処置試験を用いて当業者によって確認することができる。
【0238】
実験セクション
略語と頭字語
aq. 水性
atm 標準大気
DAD ダイオードアレイ検出器
DCM ジクロロメタン
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
ELSD 蒸発光散乱検出器
ESI エレクトロスプレーイオン化
h 時間
LC-MS 液体クロマトグラフィー結合質量分析
LiHMDS リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
min 分
MCPBA メタクロロ過安息香酸
MTBE メチル-t.-ブチルエーテル
NMR 核磁気共鳴分光法
p. ページ
保持時間
RT 室温
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
【0239】
本出願に記載される本発明の様々な態様は以下の実施例によって例示されるが、これらは、本発明をいかなる方法においても限定することを意味しない。
【0240】
本明細書に記載された試験実験例は本発明を説明するのに役立ち、本発明は、与えられた実験例に限定されない。
【0241】
一般的な実験の部
合成が実験部分に記載されていない全ての試薬は、商業的に入手可能であるか、または公知の化合物であるか、または当業者によって公知の方法によって公知の化合物から形成され得るかのいずれかである。
【0242】
使用した全ての溶媒は市販されており、さらに精製することなく使用した。反応は、典型的には窒素の不活性雰囲気下で無水溶媒を用いて行った。
【0243】
本発明の方法に従って生成される化合物および中間体は、精製を必要とし得る。有機化合物の精製は当業者に周知であり、同じ化合物を精製するいくつかの方法があり得る。場合によっては、精製は必要でないかもしれない。場合によっては、化合物は結晶化によって精製することができる。場合によっては、不純物が適切な溶媒を使用して粉砕することによって除去することができる。場合によっては、化合物はクロマトグラフィー、特にフラッシュカラムクロマトグラフィーによって、例えば、シリカゲルが予め充填されているカートリッジ、例えば、Biotage自動精製システム(SP4(登録商標)またはIsolera Four(登録商標))および溶離液(例えば、ヘキサン/酢酸エチルまたはジクロロメタン/メタノールのグラージエント)と組み合わされたBiotage SNAPカートリッジKP-Sil(登録商標)またはKP-NH(登録商標)を使用して、精製され得る。場合によっては、化合物は、例えば、ダイオードアレイ検出器および/またはオンラインエレクトロスプレーイオン化質量分析計を備えたWaters自動精製器を好適な予め充填されている逆相カラムおよび水とアセトニトリル(これは、トリフルオロ酢酸、ギ酸、アンモニア水などの添加剤を含む可能性がある)のグラージエントなどの溶離液と組み合わせて使用する分取HPLCによって精製することができる。
【0244】
場合によっては、上記のような精製方法は、塩の形態で十分に塩基性または酸性の官能性を有する本発明の化合物を提供することができ、例えば、十分に塩基性である本発明の化合物の場合、例えばトリフルオロ酢酸塩またはギ酸塩、または十分に酸性である本発明の化合物の場合、例えばアンモニウム塩である。このタイプの塩は、当業者に公知の種々の方法によって、それぞれその遊離塩基または遊離酸形態に変換され得るか、またはその後の生物学的アッセイにおいて塩として使用され得る。単離され、本明細書に記載される本発明の化合物の特定の形態(例えば、塩、遊離塩基など)は必ずしも、特異的生物学的活性を定量するために、前記化合物を生物学的アッセイに適用することができる唯一の形態ではないことを理解されたい。
【0245】
分析法とクロマトグラフィー法
分析および分取液体クロマトグラフィー
分析(UP)LC-MSは、以下に記載されるように、異なる装置を用いて行った。質量(m/z)はネガティブモードが示されない限り、ポジティブモードエレクトロスプレーイオン化から報告される(ESI-)。
【0246】
M+1(またはM+H)は、エレクトロスプレーイオン化(ESI+または-)による質量分析において観察されるように、それぞれ分子イオンピーク±1a.m.u(原子質量単位)を意味する。
【0247】
LC-MS、分析方法A1:
システムMS:Thermo Scientific FT-MS;システムUHPLC+:Thermo Scientific UltiMate 3000;カラム:Waters、HSST3、2.1×75mm、C18 1.8μm;溶離剤A:1l水+0.01%ギ酸;溶離剤B:1lアセトニトリル+0.01%ギ酸;勾配:0.0min10%B→2.5min95%B→3.5分95%B;オーブン:50℃;流量:0.90ml/min;UV検出:210nm/最適積分経路210-300nm。
【0248】
LC-MS、分析方法B1:
機器:SHIMADZU LCMS-UFLC 20-AD-LCMS 2020MS検出器;カラム:Gemini NX-C18 3.0μm、50x3.0mm;溶離液A:水+0.05体積%炭酸水素アンモニウム、溶離液B:アセトニトリル;勾配:各化合物に割り当て;流量1.2mL/min;温度:40℃;PDAスキャン:190-400nm。
【0249】
LC-MS、分析方法C1:
機器:SHIMADZU LCMS-UFLC 20-AD-LCMS 2020MS検出器;カラム:Luna Omega 3.0μm、50x3.0mm;溶離液A:水+0.09体積%ギ酸、溶離液B:アセトニトリル+0.1体積%ギ酸;勾配:各化合物に割り当て;流量1.5mL/min;温度:40℃;PDAスキャン:190-400nm。
【0250】
LC-MS、分析方法A2:
機器:SHIMADZU LCMS-UFLC 20-AD-LCMS 2020MS検出器;カラム:CORTECS C18 2.7μm、50x2.1mm;溶離液A:水+0.1体積%ギ酸、溶離液B:アセトニトリル+0.10体積%ギ酸;勾配:各化合物に割り当て;流量1.2mL/min;温度:40℃;PDAスキャン:190-400nm。
【0251】
LC-MS、分析方法B2:
機器:SHIMADZU LCMS-UFLC 20-AD-LCMS 2020MS検出器;カラム:Infinity Lab Poroshell HPH-C18 2.7μm、50x3.0mm;溶離液A:水+0.04体積%水酸化アンモニウム、溶離液B:アセトニトリル;勾配:各化合物に割り当て;流量1.2mL/min;温度:40℃;PDAスキャン:190-400nm。
【0252】
LC-MS、分析方法A3:
機器:SHIMADZU LCMS-UFLC 20-AD-LCMS 2020MS検出器;カラム:Kinetex EVO C18 2.6μm、50x3.0mm;溶離液A:水+0.05体積%炭酸水素アンモニウム、溶離液B:アセトニトリル;勾配:各化合物に割り当て;流量1.5mL/min;温度:40℃;PDAスキャン:190-400nm。
【0253】
LC-MS、分析方法B3:
機器:SHIMADZU LCMS-UFLC 20-AD-LCMS 2020MS検出器;カラム:Kinetex EVO C18 2.6μm、50x3.0mm;溶離液A:水+0.03体積%水酸化アンモニウム、溶離液B:アセトニトリル;勾配:各化合物に割り当て;流量1.5mL/min;温度:40℃;PDAスキャン:190-400nm。
【0254】
LC-MS、分析方法C3:
機器:SHIMADZU LCMS-UFLC 20-AD-LCMS 2020MS検出器;カラム:Kinetex XB-C18 2.6μm、50x3.0mm;溶離剤A:水+0.1体積%ギ酸、溶離剤B:アセトニトリル+0.1体積%ギ酸;勾配:各化合物に割り当てられ;流量1.2mL/min;温度:40℃;PDAスキャン:190-400nm。
【0255】
分取HPLC
分取逆相HPLCは、Varian HPLCシステムを用いて行った。使用したカラムは、XBridge Prep C18 OBD Column、5um、19x150mmであった。逆相条件(アセトニトリル/水、0.1%炭酸水素アンモニウムまたはギ酸を含む)を用いた装置。
【0256】
1H-NMRデータ
プロトンNMRスペクトルは特に明記しない限り、Bruker plus 400 NMR分光計を用いて記録した。CDCN、CDClまたはD-DMSOなどのすべての重水素化溶媒は、基準シグナル(Hおよび13Cの両方についてd0.00に設定)としてテトラメチルシランを使用した場合、典型的には0.03%~0.05%体積/体積のテトラメチルシランを含有した。
【0257】
化学シフト(δ)は、百万分率[ppm]で表示され、以下の略語が使用される:s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線、br.=幅広線;結合定数は、ヘルツ[Hz]で表示される。
【0258】
NMRピークリスト
NMRピークの形態は、それらがスペクトルに現れるように記載されており、可能な高次効果は考慮されていない。
【0259】
選択された実施例のH-NMRデータは、H-NMRピークリストの形態で示されている。各シグナルピークに対して、ppmでのδ値および丸括弧内にシグナル強度が列挙されている。δ値-シグナル強度対の間は、セミコロンまたはカンマ区切り文字である。
【0260】
したがって、実施例のピークリストは、次の形態を有する:
δ(強度);δ(強度);.....;δ(強度);....;δ(強度)または
δ(強度),δ(強度),.....;δ(強度),....,δ(強度
鋭いシグナルの強度は、NMRスペクトルの印刷された例におけるシグナルの高さ(cm)と相関し、シグナル強度の実際の関係を示す。幅が広いシグナルから、いくつかのピークまたはシグナルの中央、およびスペクトル中の最も強いシグナルと比較したそれらの相対強度を示すことができる。
【0261】
Hスペクトルの化学シフトを校正するために、テトラメチルシランおよび/または、特にDMSOで測定したスペクトルの場合、使用した溶媒の化学シフトを用いた。したがって、NMRピークリストにおいて、テトラメチルシランのピークが生じることがあるが、必ずしもそう必要はない。
【0262】
H-NMRピークリストは、古典的なH-NMRプリントに類似しており、したがって、通常、古典的なNMR解釈で列挙される全てのピークを含む。
【0263】
さらに、それらは、古典的なH-NMRプリントのように、溶媒、標的化合物の立体異性体(これもまた本発明の目的である)、および/または不純物ピークのシグナルも示し得る。
【0264】
溶媒および/または水のデルタ範囲における化合物シグナルを示すために、溶媒の通常のピーク、例えばDMSO-D中のDMSOのピークおよび水のピークが、本発明者らのH-NMRピークリストに示され、通常、平均して高強度を有する。
【0265】
標的化合物の立体異性体のピークおよび/または不純物のピークは通常、平均して標的化合物(例えば、純度>90%を有する)のピークよりも低い強度を有する。
【0266】
そのような立体異性体および/または不純物は、特定の調製プロセスに典型的であり得る。したがって、それらのピークは、「副産物の指紋(side-products-fingerprints)」を介して、本発明者らの調製プロセスの再現性を認識するのに役立ち得る。
【0267】
既知の方法(MestreC、ACDシミュレーション、しかしまた経験的に評価された期待値)を用いて標的化合物のピークを計算する専門家は、必要に応じて任意に追加の強度フィルタを用いて標的化合物のピークを単離することができる。この単離は、古典的なH-NMR解釈における関連するピークピッキングに類似する。
【0268】
ピークリストを使用したNMRデータの記載のさらなる詳細は、Research Disclosure Database Number 564025の「Citation of NMR Peaklist Data within Patent Applications」に記載されている。
【0269】
合成手順
式(I)の化合物の一般的な合成は、WO2018/087036A1およびWO2019/215182A1に記載されているスキームに従って、またはそれに類似して実施することができる。
【実施例
【0270】
中間体
中間体1
8-ブロモ-4-[3,3-ジメトキシ-1-(メトキシカルボニル)シクロブチル]-7-フルオロキノリン-3-カルボン酸エチル
【化35】
【0271】
乾燥THF(60ml)中のメチル-3,3-ジメトキシシクロブタン-カルボキシレート(8.05g、46.2mmol)の溶液に、-78~-68℃で、ビス-(トリメチルシリル)-リチウムアミド(LiHMDS)(50ml、THF中1M溶液、50mmol)を滴下し、この温度で5分間撹拌を続けた。次いで、THF(40ml)中の8-ブロモ-4-クロロ-7-フルオロキノリン-3-カルボン酸エチル(例えば、WO2019/215182A1に中間体8Aとして記載されている、11.0g、33.0mmol)の溶液を、-72~-65℃の温度範囲を維持しながら7分間添加した。形成された沈殿物および懸濁液をTHF(20ml)で希釈して、再び20分間撹拌することができた。混合物を0℃まで温め、次いで氷水(800ml)および酢酸(5.7ml、99mmol)の撹拌混合物にゆっくりと加えた。混合物を50℃に加温し、40分間撹拌した。形成された沈殿物を濾別し、水で洗浄し、真空下で乾燥させた。
【0272】
収量:14.0g(理論値の90%)
LC-MS (分析方法 A1): Rt= 2.09分; MS (ESIpos): m/z = 470 [M+H]+

1H-NMR (600MHz, DMSO-d6): δ [ppm]= 9.10 (s, 1H), 8.10 (dd, 1H), 7.72 (t, 1H), 4.36 (q, 2H), 3.63 (s, 3H), 3.31 - 3.44 (m, 2H), 3.11 (s, 3H), 2.88 (s, 3H), 2.50 - 2.63 (m, 2H, DMSOのシグナルに重なっている), 1.32 (t, 3H).
【0273】
中間体2
8-ブロモ-7-フルオロ-4-(3-オキソシクロブチル)キノリン-3-カルボン酸
【化36】
【0274】
1,2-ジメトキシエタン(100ml)中の8-ブロモ-4-[3,3-ジメトキシ-1-(メトキシカルボニル)シクロブチル]-7-フルオロキノリン-3-カルボン酸エチル(14.0g、29.8mmol)の懸濁液を水酸化ナトリウム(24ml、5.0M水溶液、120mmol)で処理し、60℃で一晩撹拌した。同じ温度で、塩酸(36ml、5.0M、180mmol)を滴下し、撹拌を1.5時間続け、沈殿物を形成させた。水(160ml)を60℃で添加し、より多くの沈殿を生じさせ、撹拌を5分間継続し、加熱を除去した。沈殿物を濾別し、水で洗浄し、真空下で乾燥させた。
【0275】
収量:8.59g(100%、理論値の85%)
LC-MS (分析方法 A1): Rt= 1.25分; MS (ESIneg): m/z = 336 [M-H]-

1H-NMR (600MHz, DMSO-d6): δ [ppm]= 13.93 (b, 1H), 9.10 (s, 1H), 8.29 - 8.39 (m, 1H), 7.71 - 7.82 (m, 1H), 4.62 - 4.75 (m, 1H), 3.59 - 3.72 (m, 2H), 3.39 - 3.50 (m, 2H).
【0276】
中間体3
8-ブロモ-N-[(4S)-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-4-イル]-7-フルオロ-4-(3-オキソシクロブチル)キノリン-3-カルボキサミド
【化37】
【0277】
THF(32ml)中の8-ブロモ-7-フルオロ-4-(3-オキソシクロブチル)キノリン-3-カルボン酸(2.74g、8.10mmol)を、DIPEA(4.2ml、24mmol)および1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-1-イウム-3-オキシド ヘキサフルオロホスフェート(1-)(4.62g、12.2mmol)で処理し、RTで20分間撹拌した。(4S)-クロマン-4-アミン塩酸塩(CAS登録番号:1035093-81-2;1:1;2.11g、11.3mmol)を溶液に加え、室温で一晩撹拌を継続した。撹拌しながら温水(150ml)を加え、減圧下、50℃でTHFの大部分を蒸発させた。混合物を30分間超音波処理し、沈殿物を濾別し、水で洗浄した。固体を沸騰エタノールに取り上げ、撹拌しながら熱いところに水(250ml)を加え、混合物を室温に冷却した。沈殿物を濾別し、水で洗浄し、真空下で乾燥させた。
【0278】
収量:2.75g(理論値の67%、純度92%)
LC-MS (分析方法 A1): Rt= 1.82分; MS (ESIpos): m/z = 469 [M+H]+

1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): δ [ppm]= 9.31 (d, 1H), 8.96 (s, 1H), 8.33 (dd, 1H), 7.76 (dd, 1H), 7.36 (d, 1H), 7.18 (t, 1H), 6.93 (t, 1H), 6.80 (dd, 1H), 5.20 - 5.26 (m, 1H), 4.61 (quin, 1H), 4.19 - 4.32 (m, 2H), 3.49 - 3.68 (m, 4H), 2.17 - 2.25 (m, 1H), 2.01 - 2.09 (m, 1H).
【0279】
中間体4
4-[3-(エトキシカルボニル)チエタン-3-イル]-7-フルオロ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸エチル
【化38】
【0280】
乾燥THF(30ml)中のチエタン-3-カルボン酸エチル(CAS登録番号:1379028-98-4;1.07g、7.30mmol)を、LiHMDS(7.8ml、1.0M、7.8mmol)で、-78℃で処理し、-75~-68℃で4分間撹拌した。THF(10ml)中の4-クロロ-7-フルオロ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸エチル(例えば、WO2019/215182に実施例IR-2として記載されている)の溶液を滴下し、この温度範囲で3分間撹拌した後、冷却浴を除去した。反応混合物を室温まで暖め、酢酸(0.9ml、16mmol)および水(120ml)の撹拌混合物にゆっくりと添加した。水性混合物をDCMで数回抽出し、合わせた有機層を乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣を、シクロヘキサン/酢酸エチル(9~14%)を用いたシリカ(100g)のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。
【0281】
収量:2.22g(理論値の86%)
LC-MS (分析方法 A1): Rt = 2.46分; MS (ESIpos): m/z = 494 [M+H]+

1H NMR (DMSO-d6) δ: 8.98 (s, 1H), 8.18 (m, 1H), 7.66-7.80 (m, 2H), 7.31-7.37 (m, 1H), 4.21-4.36 (m, 4H), 3.92-4.08 (m, 4H), 1.30 (m, 3H), 1.17 (m, 3H).
ピークリスト

1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ [ppm]: 1.153 (7.45), 1.171 (16.00), 1.189 (7.72), 1.287 (7.01), 1.304 (15.16), 1.322 (7.26), 3.930 (2.25), 3.955 (3.57), 3.969 (1.82), 3.994 (3.26), 4.030 (6.42), 4.055 (3.59), 4.218 (2.39), 4.235 (7.29), 4.253 (7.25), 4.271 (2.31), 4.298 (2.14), 4.316 (6.73), 4.333 (6.65), 4.352 (2.08), 5.753 (2.98), 7.327 (1.20), 7.339 (1.21), 7.349 (1.21), 7.662 (0.44), 7.670 (0.53), 7.678 (0.62), 7.685 (1.01), 7.698 (0.99), 7.706 (1.01), 7.712 (1.01), 7.718 (0.63), 7.726 (0.56), 7.734 (0.52), 7.752 (1.95), 7.775 (3.46), 7.798 (2.15), 8.159 (1.97), 8.174 (2.09), 8.184 (1.99), 8.199 (1.86), 8.984 (9.08).
【0282】
中間体5
7-フルオロ-4-(チエタン-3-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸
【化39】
【0283】
1,2-ジメトキシエタン(100ml)中の4-[3-(エトキシカルボニル)チエタン-3-イル]-7-フルオロ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)-キノリン-3-カルボン酸エチル(1.60g、3.24mmol)の懸濁液を水酸化ナトリウム(2.6ml、5.0M水溶液、13mmol)で処理し、70℃で8時間、室温で2日間撹拌した。70℃で水(20ml)を加え、加熱を除去し、塩酸(3.9ml、5.0M、19mmol)を撹拌しながら滴下した。RTまで冷却した後、沈殿物が形成された。60℃でさらに水(50ml)を加え、有機溶媒を減圧下で除去し、より多くの沈殿物を形成させた。室温で、沈殿物を濾別し、水で洗浄し、真空下で乾燥させた。
【0284】
収量:1.10g(理論値の86%)
LC-MS (分析方法 A1): Rt = 2.04分; MS (ESIpos): m/z = 394 [M+H]+

1H NMR (DMSO-d6) δ: 9.17 (m, 1H), 8.99 (s, 1H), 7.97 (t, 1H), 7.65-7.73 (m, 1H), 7.30-7.35 (m, 1H), 5.81 (m, 1H), 3.69-3.93 (m, 2H), 3.47-3.64 (m, 2H).
ピークリスト

1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ [ppm]: -0.150 (0.41), 1.169 (0.60), 2.368 (0.64), 2.712 (0.69), 2.999 (0.45), 3.236 (10.41), 3.427 (8.73), 3.507 (1.48), 3.540 (7.44), 3.564 (15.58), 3.588 (8.62), 3.778 (4.29), 3.802 (8.63), 3.828 (8.63), 3.851 (3.66), 5.765 (0.88), 5.789 (3.23), 5.813 (4.68), 5.837 (3.09), 5.860 (0.79), 7.312 (2.60), 7.323 (2.72), 7.334 (2.70), 7.654 (0.95), 7.661 (1.11), 7.681 (2.24), 7.689 (2.19), 7.702 (2.31), 7.718 (1.24), 7.726 (1.13), 7.944 (3.96), 7.967 (7.59), 7.989 (4.06), 8.988 (16.00), 9.147 (3.93), 9.161 (4.18), 9.170 (4.19), 9.185 (3.91).
【0285】
実施例
実施例1
N-[(4S)-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-4-イル]-7-フルオロ-4-(3-オキソシクロブチル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド
【化40】
【0286】
アルゴン下、厚壁マイクロ波容器に、8-ブロモ-N-[(4S)-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-4-イル]-7-フルオロ-4-(3-オキソシクロブチル)キノリン-3-カルボキサミド(1.37g、2.92mmol)、2,3,5-トリフルオロベンゼンボロン酸(1.03g、5.84mmol)、セシウムフルオライド(1.32g、8.76mmol)および(2’-アミノ[ビフェニル]-2-イル)(メタンスルホナート-κO)パラジウム-ジシクロヘキシル(2’,6’-ジメトキシ[ビフェニル]-2-イル)ホスフィン(1:1)、(SPhos Pd G3)、(228mg、292μmol)を入れた。脱気したジオキサン/水(5:1)(11ml)を加え、容器に蓋をし、60°で5時間撹拌した。さらに2,3,5-トリフルオロベンゼンボロン酸(0.51g、2.92mmol)およびSPhos Pd G3(114mg、146μmol)を添加し、3時間撹拌した。混合物を水(80ml)と酢酸エチル(80ml)との間に分配し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣を、シクロヘキサン/酢酸エチル(23~33%)を用いたシリカ(100g)のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。
【0287】
収量:820mg(理論値の54%)
LC-MS (分析方法 A1): Rt= 2.12分; MS (ESIpos): m/z = 521 [M+H]+

1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): δ [ppm] = 9.29 (d, 1H), 8.83 (d, 1H), 8.46 (dd, 1H), 7.81 (t, 1H), 7.65 - 7.73 (m, 1H), 7.25 - 7.37 (m, 2H), 7.17 (t, 1H), 6.91 (t, 1H), 6.79 (d, 1H), 5.22 (br dd, 1H), 4.64 (q, 1H), 4.17 - 4.31 (m, 2H), 3.50 - 3.72 (m, 4H), 2.15 - 2.23 (m, 1H), 1.98 - 2.08 (m, 1H).
【0288】
実施例2
N-[(4S)-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-4-イル]-7-フルオロ-4-(チエタン-3-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド
【化41】
【0289】
THF(4ml)中の7-フルオロ-4-(チエタン-3-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸(950mg、2.42mmol)をDIPEA(1.1ml、6.0mmol)および1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-1-イウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(1-)(1.19g、3.14mmol)で処理し、室温で15分間撹拌した。(4S)-クロマン-4-アミン塩酸塩(1:1)(538mg、2.90mmol)を濁った溶液に添加し、撹拌を室温で一晩続けた。反応混合物を50℃の温水に注ぎ、50℃で30分間撹拌し、室温に冷却した。沈殿物を濾別し、水で洗浄し、真空下で乾燥させた。
収量:1.19g(理論値の94%)
【0290】
この生成物はLC-MSにより100%純粋であり、次の工程で使用した。
LC-MS (分析方法 A1): Rt= 2.33分; MS (ESIpos): m/z = 525 [M+H]+
【0291】
NMRのために、試料を分取HPLC(RP 18、0.1%水性ギ酸およびアセトニトリルでの勾配)によって再精製した。

1H NMR (DMSO-d6) δ: 9.22 (d, 1H), 9.00 (m, 1H), 8.81 (d, 1H), 7.91 (m, 1H), 7.65-7.73 (m, 1H), 7.39 (br d, 1H), 7.30 (br m, 1H), 7.17 (m, 1H), 6.93 (m, 1H), 6.79 (d, 1H), 5.48 (m, 1H), 5.26-5.32 (m, 1H), 4.20-4.32 (m, 2H), 3.87 (m, 2H), 3.36-3.57 (m, 2H), 2.53-2.55 (m, 3H), 2.25 (m, 1H), 2.05-2.13 (m, 1H).
ピークリスト

1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ [ppm]: 2.063 (1.06), 2.069 (1.37), 2.075 (2.07), 2.081 (2.25), 2.091 (2.46), 2.103 (3.08), 2.109 (2.67), 2.115 (1.78), 2.121 (1.30), 2.213 (0.74), 2.224 (1.60), 2.231 (2.53), 2.241 (3.06), 2.248 (2.63), 2.251 (2.40), 2.258 (2.65), 2.269 (1.83), 2.276 (1.20), 2.286 (0.56), 3.482 (2.06), 3.496 (2.91), 3.500 (4.87), 3.515 (5.69), 3.519 (6.74), 3.539 (9.53), 3.558 (4.62), 3.844 (3.91), 3.847 (4.08), 3.858 (6.06), 3.863 (8.01), 3.865 (7.93), 3.876 (9.96), 3.881 (4.78), 3.883 (4.29), 3.895 (4.70), 4.209 (1.69), 4.215 (2.00), 4.227 (2.35), 4.232 (5.09), 4.237 (3.41), 4.249 (3.88), 4.254 (3.02), 4.278 (3.12), 4.283 (3.43), 4.290 (3.26), 4.295 (3.03), 4.306 (1.73), 4.312 (1.58), 5.267 (1.22), 5.278 (2.79), 5.284 (3.70), 5.288 (3.05), 5.294 (3.62), 5.299 (2.76), 5.311 (1.15), 5.438 (0.73), 5.446 (0.78), 5.457 (2.68), 5.465 (2.64), 5.476 (3.94), 5.484 (3.73), 5.495 (2.63), 5.503 (2.37), 5.514 (0.70), 5.522 (0.60), 5.756 (0.50), 6.787 (8.30), 6.804 (8.97), 6.910 (2.60), 6.913 (3.40), 6.916 (2.51), 6.925 (5.18), 6.928 (7.08), 6.931 (4.65), 6.940 (3.15), 6.943 (3.96), 6.946 (2.68), 7.157 (4.25), 7.172 (6.38), 7.173 (6.38), 7.188 (3.42), 7.279 (1.66), 7.297 (2.67), 7.302 (2.78), 7.306 (2.19), 7.316 (1.54), 7.320 (1.70), 7.329 (0.83), 7.386 (3.95), 7.391 (3.93), 7.393 (3.92), 7.399 (3.93), 7.407 (3.57), 7.662 (1.21), 7.668 (1.47), 7.675 (1.73), 7.680 (2.69), 7.684 (2.57), 7.690 (2.68), 7.697 (2.64), 7.701 (2.62), 7.707 (1.67), 7.713 (1.47), 7.719 (1.35), 7.891 (5.14), 7.909 (9.32), 7.927 (5.15), 8.808 (15.44), 8.817 (16.00), 8.987 (3.04), 8.994 (3.37), 8.999 (3.61), 9.006 (5.77), 9.013 (3.40), 9.018 (3.29), 9.025 (2.77), 9.217 (5.41), 9.220 (5.54), 9.233 (5.30), 9.236 (5.22).
【0292】
実施例3
N-[(4S)-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-4-イル]-4-(1,1-ジオキシドチエタン-3-イル)-7-フルオロ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド
【化42】
【0293】
N-[(4S)-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-4-イル]-7-フルオロ-4-(チエタン-3-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)-キノリン-3-カルボキサミド(400mg、0.76mmol)をDCM(9ml)中に懸濁した。MCPBA(359mg、純度77%、1.60mmol)を加え、形成された溶液を室温で一晩撹拌した。沈殿反応混合物をDCM(15ml)および炭酸カリウム水溶液(15ml、0.5M)で希釈し、激しく撹拌した。残った沈殿物を濾別した。さらに多くのDCMをろ液に添加し、相を分離した。水層をDCMで2回抽出し、合わせた有機層を乾燥させ、蒸発させた。残渣を第1の沈殿物と合わせ、分取HPLC(RP 18、0.1%ギ酸水溶液およびアセトニトリルでの勾配)により精製した。
【0294】
収量:380mg(理論値の90%)
LC-MS 分析方法 A1): Rt= 2.08分; MS (ESIpos): m/z = 557 [M+H]+

1H NMR (DMSO-d6) δ: 9.38 (m, 1H), 8.86 (d, 1H), 8.65 (m, 1H), 7.85 (m, 1H), 7.65-7.71 (m, 1H), 7.43 (d, 1H), 7.27 (m, 1H), 7.18 (m, 1H), 6.92 (m, 1H), 6.80 (d, 1H), 5.23-5.30 (m, 1H), 4.74-4.87 (m, 3H), 4.64-4.72 (m, 2H), 4.20-4.31 (m, 2H), 2.22-2.29 (m, 1H), 2.10-2.16 (m, 1H).
【0295】
実施例4、実施例5、実施例6
N-[(4S)-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-4-イル]-7-フルオロ-4-(1-オキシドチエタン-3-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド
ジアステレオマーの混合物(実施例4)
【化43】
【0296】
DCM(8ml)中に、N-[(4S)-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-4-イル]-7-フルオロ-4-(チエタン-3-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド(400mg、0.76mmol)を添加した。MCPBA(137mg、純度77%、0.61mmol)を加え、形成された溶液を室温で20分間撹拌した。水を加え、相を分離し、水層をDCMで抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、蒸発させた。残渣(410mg)を分取HPLC(RP 18、0.1%ギ酸水溶液およびアセトニトリルでの勾配)により精製し、217mgの混合画分を得た。この物質を分取LC(方法1)によって再精製して、2つの分離した異性体を得た。
【0297】
異性体1(実施例5):収量:26mg(理論値の6%)
LC-MS (分析方法 A1): Rt= 1.89分; MS (ESIpos): m/z = 541 [M+H]+

1H NMR (DMSO-d6) δ: 9.33 (br d, 1H), 8.82 (d, 1H), 8.45 (m, 1H), 7.65-7.81 (m, 2H), 7.39 (d, 1H), 7.24-7.32 (m, 1H), 7.18 (m, 1H), 6.92 (m, 1H), 6.80 (d, 1H), 5.91 (m, 1H), 5.26 (br m, 1H), 4.20-4.32 (m, 2H), 3.88-3.99 (m, 2H), 3.47-3.58 (m, 2H), 2.23 (m, 1H), 2.04-2.13 (m, 1H)
ピークリスト

1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ [ppm]: -0.149 (1.62), 0.146 (1.64), 1.056 (0.53), 2.072 (3.49), 2.103 (3.61), 2.218 (3.04), 2.229 (3.36), 2.241 (3.59), 2.250 (2.55), 2.263 (2.13), 2.367 (2.09), 2.407 (0.51), 2.712 (2.08), 3.242 (1.87), 3.509 (5.61), 3.516 (4.16), 3.539 (9.78), 3.563 (6.74), 3.568 (5.92), 3.908 (5.06), 3.925 (6.95), 3.942 (5.90), 3.958 (4.82), 4.208 (1.85), 4.235 (4.98), 4.264 (5.56), 4.274 (5.40), 4.289 (4.78), 4.308 (2.10), 5.249 (3.77), 5.267 (4.73), 5.280 (3.97), 5.293 (1.39), 5.752 (13.70), 5.863 (1.33), 5.886 (4.96), 5.909 (7.31), 5.933 (4.73), 5.956 (1.21), 6.788 (9.95), 6.809 (11.07), 6.898 (4.22), 6.917 (8.80), 6.935 (5.07), 7.160 (5.33), 7.177 (8.64), 7.195 (4.13), 7.284 (3.76), 7.383 (8.99), 7.402 (8.33), 7.658 (1.77), 7.673 (3.38), 7.686 (3.36), 7.699 (3.45), 7.714 (1.82), 7.722 (1.58), 7.760 (5.73), 7.783 (10.89), 7.805 (6.10), 8.427 (6.26), 8.442 (6.66), 8.451 (6.62), 8.466 (6.15), 8.816 (15.13), 8.823 (16.00), 9.317 (7.21), 9.336 (6.84).
【0298】
異性体2(実施例6):収量:109mg(理論値の26%)
LC-MS (分析方法 A1): Rt= 1.90分; MS (ESIpos): m/z = 541 [M+H]+

1H NMR (DMSO-d6) δ: 9.37 (d, 1H), 8.81 (d, 1H), 8.52 (m, 1H), 7.80 (m, 1H), 7.65-7.72 (m, 1H), 7.42 (d, 1H), 7.25-7.33 (m, 1H), 7.18 (m, 1H), 6.91 (m, 1H), 6.80 (d, 1H), 5.27 (br m, 1H), 4.38-4.48 (m, 1H), 4.17-4.31 (m, 4H), 3.50-3.59 (m, 2H), 2.21-2.30 (m, 1H), 2.13 (m, 1H).
ピークリスト

1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ [ppm]: 1.054 (0.66), 1.231 (0.71), 2.105 (2.73), 2.125 (3.29), 2.140 (4.26), 2.233 (3.52), 2.243 (3.80), 2.255 (3.82), 2.277 (2.24), 2.366 (1.32), 2.430 (0.47), 2.709 (1.24), 3.190 (0.52), 3.272 (2.57), 3.441 (3.26), 3.481 (1.76), 3.506 (5.14), 3.529 (9.30), 3.560 (10.10), 3.584 (5.48), 4.185 (5.09), 4.202 (12.56), 4.220 (13.98), 4.228 (11.12), 4.236 (10.66), 4.255 (9.63), 4.279 (5.41), 4.299 (2.33), 4.379 (2.04), 4.397 (3.40), 4.411 (4.26), 4.429 (6.16), 4.447 (3.37), 4.461 (2.96), 4.480 (1.29), 5.239 (1.34), 5.253 (4.15), 5.269 (6.16), 5.286 (4.28), 5.301 (1.55), 6.784 (10.78), 6.804 (12.11), 6.894 (3.47), 6.913 (7.15), 6.925 (4.04), 6.931 (4.12), 7.155 (5.80), 7.174 (9.65), 7.192 (4.67), 7.286 (3.27), 7.408 (10.27), 7.426 (9.67), 7.673 (3.77), 7.681 (3.76), 7.690 (3.90), 7.710 (2.03), 7.717 (1.77), 7.771 (6.30), 7.794 (12.17), 7.817 (6.79), 8.492 (6.47), 8.507 (7.11), 8.516 (7.14), 8.531 (6.52), 8.801 (14.53), 8.812 (16.00), 9.361 (10.25), 9.381 (10.18).
【0299】
実施例7
N-[(4S)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-イル]-7-フルオロ-4-(オキソラニル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド
【化44】
【0300】
テトラヒドロフラン-3-カルボン酸メチルおよび4-クロロ-7-フルオロ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸エチルから出発する中間体4および5および実施例2について記載した工程による合成。
【0301】
LC-MS (分析方法 A1): Rt= 2.16分; MS (ESIpos): m/z = 523 [M+H]+

1H NMR (クロロホルム-d) δ: 8.79 (m, 1H), 8.57-8.62 (m, 1H), 7.51 (t, 1H), 7.25-7.29 (m, 2H), 7.20 (m, 1H), 6.99-7.07 (m, 1H), 6.89-6.94 (m, 2H), 6.85 (d, 1H), 6.15-6.24 (m, 1H), 5.40 (br m, 1H), 4.50 (m, 1H), 4.28-4.41 (m, 3H), 4.10-4.23 (m, 2H), 3.81-3.89 (m, 1H), 2.46-2.57 (m, 1H), 2.31-2.46 (m, 2H), 2.21 (m, 1H).
ピークリストNMR:

1H-NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ [ppm]: 2.060 (0.68), 2.224 (1.03), 2.424 (0.41), 3.289 (16.00), 3.783 (0.71), 4.054 (0.45), 4.063 (0.50), 4.128 (0.56), 4.224 (1.58), 4.236 (1.44), 4.263 (1.17), 4.339 (1.00), 4.352 (0.99), 5.279 (0.94), 6.778 (1.23), 6.792 (1.38), 6.905 (0.65), 6.918 (1.28), 6.930 (0.79), 7.150 (0.68), 7.162 (1.17), 7.175 (0.68), 7.268 (0.80), 7.353 (1.16), 7.364 (1.02), 7.669 (0.70), 7.785 (0.64), 7.800 (1.24), 7.815 (0.72), 8.579 (0.94), 8.767 (1.45), 8.774 (1.45), 9.139 (0.83), 9.151 (1.09).
【0302】
実施例8および9
N-[(4S)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-イル]-7-フルオロ-4-(オキソラン-(3S)-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド(実施例8)、および、N-[(4S)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-イル]-7-フルオロ-4-(オキソラン-(3R)-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド(実施例9)
【化45】
【0303】
工程1:
4-(2,5-ジヒドロフラン-3-イル)-7-フルオロ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸エチル
【化46】
【0304】
ジオキサン(10mL)およびHO(2mL)中の4-クロロ-7-フルオロ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸エチル(800mg、2.1mmol)の溶液に、2-(2,5-ジヒドロフラン-3-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(450mg、2.3mmol)、Pd(dppf)Cl(153mg、0.2mmol)およびKCO(576mg、4.2mmol)を加えた。反応混合物を窒素雰囲気下、80℃で一晩撹拌した。室温に冷却した後、得られた混合物を水で処理し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=0~20%)により精製して、4-(2,5-ジヒドロフラン-3-イル)-7-フルオロ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸エチル(619mg、1.48mmol)を黄色油状物として得た。
【0305】
LC-MS (分析方法 B2): Rt= 1.283分; MS (ESIpos): m/z = 418 (M+H)+.
【0306】
工程2:
7-フルオロ-4-(オキソラン-3-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸エチル
【化47】
【0307】
EtOH(10mL)中の4-(2,5-ジヒドロフラン-3-イル)-7-フルオロ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸エチル(619mg、1.5mmol)の溶液に、Pd/C(80mg、0.8mmol)を室温で加えた。反応混合物を水素雰囲気(1.5気圧)下、室温で一晩撹拌した。反応の完了後、混合物を濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=0~20%)により精製して、7-フルオロ-4-(オキソラン-3-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸エチル(592mg、1.4mmol)を黄色油状物として得た。
LC-MS (分析方法 B2): Rt= 1.336分; MS (ESIpos): m/z = 420 (M+H)+.
【0308】
工程3:
7-フルオロ-4-(オキソラン-3-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸
【化48】
【0309】
混合溶媒THF/MeOH/HO(V:V:V=1:1:1、6mL)中の7-フルオロ-4-(オキソラン-3-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸エチル(592mg、1.4mmol)の溶液に、LiOH(169mg、7.1mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、次いで水を添加した。溶液をHCl(2N)でpH=4に調整し、次いで酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、7-フルオロ-4-(オキソラン-3-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸(590mg、1.4mmol)を黄色油状物として得た。
LC-MS (分析方法 B2): Rt= 0.715分; MS (ESIpos): m/z = 392 (M+H)+.
【0310】
ステップ4:
N-[(4S)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-イル]-7-フルオロ-4-(オキソラン-(3S)-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド(実施例8)およびN-[(4S)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-イル]-7-フルオロ-4-(オキソラン-(3R)-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド(実施例9)
【化49】
【0311】
DMF(10mL)中の7-フルオロ-4-(オキソラン-3-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸(590mg、1.41mmol)の溶液に、HATU(806.28mg、2.12mmol)、DIEA(365.41mg、2.83mmol)および(4S)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-アミン(608.51mg、1.56mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、水を加え、得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=0~20%)で精製して、N-[(4S)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-イル]-7-フルオロ-4-(オキソラン-3-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド(582mg、1.1mmol)を黄色油状物として得た。
【0312】
2つの異性体をChiral Prep-HPLC(カラム:Lux 5μmセルロース-2、2.12*25cm、5μm;移動相A:ヘキサン(0.5% 2M NH3-MeOH)、移動相B:EtOH;流速:20mL/分;勾配:31分間で10%B~10%B;波長:220/254nm;RT1(分):16.40;RT2(分):26.04;試料溶媒:EtOH)によって分離して、N-[(4S)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-イル]-7-フルオロ-4-(オキソラン-(3S)-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド(実施例8)(69.7mg、133.40mmol、収率13.44%、純度98.7%)を白色個体として得た。
【0313】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 9.19 (d, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.59 (t, 1H), 7.82 (t, 1H), 7.80-7.79 (m, 1H), 7.36 (t, 1H), 7.33-7.26 (m, 1H), 7.16 (t, 1H), 6.92 (t, 1H), 6.79 (d, 1H), 5.29-5.28 (m, 1H), 4.36 (t, 1H), 4.32-4.20 (m, 3H), 4.24-4.07 (m, 1H), 4.04-3.92 (m, 1H), 3.84-3.75 (m, 1H), 2.50-2.49 (m, 1H), 2.26-2.23 (m, 2H), 2.21-2.01 (m, 1H).
LC-MS (分析方法 A2): Rt= 1.408分; MS (ESIpos): m/z = 523 (M+H)+.
および
白色固体としてのN-[(4S)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-イル]-7-フルオロ-4-(オキソラン-(3R)-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド(実施例9)(97.2mg、186.03μmol、収率13.44%、純度99.3%)、その絶対構造は単結晶スペクトルにより確認された。
【0314】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 9.19 (d, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.59 (t, 1H), 7.82 (t, 1H), 7.80-7.79 (m, 1H), 7.36 (t, 1H), 7.33-7.26 (m, 1H), 7.16 (t, 1H), 6.92 (t, 1H), 6.79 (d, 1H), 5.29-5.28 (m, 1H), 4.36 (t, 1H), 4.32-4.20 (m, 3H), 4.24-4.07 (m, 1H), 4.04-3.92 (m, 1H), 3.84-3.75 (m, 1H), 2.50-2.49 (m, 1H), 2.26-2.23 (m, 2H), 2.21-2.01 (m, 1H).
LC-MS (分析方法 A2): Rt= 1.269分; MS (ESIpos): m/z = 523 (M+H)+.
【0315】
実施例8および9の立体配置炭素原子(4S;3S、および3R)の絶対配置を単結晶X線分析により確認した。
【0316】
実施例10
N-[(4S)-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-4-イル]-7-フルオロ-4-(1-イミノ-1-オキシド-1λ-チエタン-3-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド(ジアステレオマーの混合物)
【化50】
【0317】
メタノール(2ml)およびDCM(0.4ml)中のN-[(4S)-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-4-イル]-7-フルオロ-4-(チエタン-3-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)-キノリン-3-カルボキサミド(75mg、0.14mmol)の懸濁液を、ジアセトキシ(フェニル)-λ-ヨウ素(115mg、0.36)およびカルバミン酸アンモニウム(22.3mg、0.29mmol)で処理した。混合物を溶解し、室温で30分間撹拌した。次いで、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させ、残渣をシクロヘキサン/酢酸エチル(12~55%)を用いたシリカ(25g)上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。
【0318】
収量:39mg(理論値の49%)
LC-MS (分析方法 A1): Rt= 1.90分; MS (ESIpos): m/z = 556 [M+H]+
1H NMR (DMSO-d6) δ: 9.33-9.43 (m, 1H), 8.82-8.89 (m, 1H), 8.72-8.80 (m, 1H), 7.79-7.88 (m, 1H), 7.64-7.75 (m, 1H), 7.24-7.34 (m, 1H), 7.13-7.23 (m, 1H), 6.86-6.96 (m, 1H), 6.75-6.84 (m, 1H), 5.22-5.34 (m, 1H), 4.97-5.07 (m, 1H), 4.69-4.85 (m, 1H), 4.42-4.66 (m, 4H), 4.14-4.36 (m, 2H), 2.18-2.31 (m, 1H), 2.05-2.18 (m, 1H).
【0319】
実施例11
4-((1R,5R)-3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イル)-N-((S)-クロマン-4-イル)-7-フルオロ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド
【化51】
【0320】
20mL丸底フラスコに、4-クロロ-N-((S)-クロマン-4-イル)-7-フルオロ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド(200mg、0.41mmol)、(1s,5s)-3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン(80mg、0.62mmol)、DMSO(5.00mL)およびDIEA(159mg、1.23mmol)を入れた。得られた溶液を75℃で4時間撹拌した。室温に冷却した後、得られた混合物を水で処理し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)で精製し、粗生成物を得た。粗生成物(90mg)を分取HPLC[移動相A:水(10mmoL/L NHHCO)、移動相B:ACN;勾配:7分間で50%B~60%B]によりさらに精製して、4-((1R,5R)-3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イル)-N-((S)-クロマン-4-イル)-7-フルオロ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド(19.3mg、収率8.1%)をオフホワイト色の固形物として得た。
【0321】

1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ [ppm] = 9.47 (d, 1H), 8.44 (d, 1H), 8.20-8.10 (m, 1H), 7.72-7.58 (m, 2H), 7.35-7.15 (m, 3H), 6.95-6.90 (m, 1H), 6.79 (d, 1H), 5.20-5.10 (m, 1H), 4.26-4.12 (m, 6H), 4.01-3.92 (m, 6H), 2.20-2.00 (m, 2H).
LC-MS (分析方法 B1, 0.01-2.00分で0-95% B, 2.00-2.70分で100% B): Rt= 1.75分; MS (ESIpos): m/z = 580 (M+H)+.
【0322】
実施例12
4-(2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル)-N-((S)-クロマン-4-イル)-7-フルオロ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド
【化52】
【0323】
工程1:
4-(2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル)-7-フルオロ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸エチルの合成
【化53】
【0324】
パージし、窒素の不活性雰囲気で維持した100mLの丸底フラスコに、4-ブロモ-7-フルオロ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸エチル(100mg、0.234mmoL)、2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン塩化水素(38mg、0.281mmoL)、炭酸カリウム(130mg、0.936mmoL)およびアセトニトリル(10mL)を入れた。得られた溶液を70℃で一晩撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)で精製して、4-(2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル)-7-フルオロ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸エチル(100mg、収率96%)を淡黄色固体として得た。
【0325】
工程2:
4-(2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル)-7-フルオロ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸
【化54】
【0326】
8mLの丸底フラスコに、4-(2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル)-7-フルオロ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸エチル(80mg、0.179mmol)、THF(1mL)、MeOH(1mL)、HO(1mL)および水酸化リチウム一水和物(34mg、0.810mmol)を入れた。得られた溶液を室温で4時間撹拌した。反応が完了したら、THFを真空下で除去し、混合物のpH値を1M HClで5に調整した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、4-(2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル)-7-フルオロ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸(65mg、収率86.7%)を黄色油状物として得た。
【0327】
工程3:
4-(2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル)-N-((S)-クロマン-4-イル)-7-フルオロ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド
【化55】
【0328】
20mLの丸底フラスコに、4-(2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル)-7-フルオロ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸(65mg、0.156mmol)、N,N-ジメチルホルムアミド(3mL)、(S)-クロマン-4-アミン(24mg、0.161mmol)、HATU(60mg、0.157mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(67mg、0.519mmol)を入れた。得られた溶液を室温で2時間撹拌した。反応が完了したら、得られた混合物を水で処理し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLC[移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN;勾配:14分間で70%B~75%B]により精製して、4-(2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル)-N-((S)-クロマン-4-イル)-7-フルオロ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド(5.4mg、収率6.3%)をオフホワイト色の固形物として得た。
【0329】

1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ [ppm] = 9.15-9.13 (m, 1H), 8.66-8.61 (m, 2H), 7.70-7.66 (m, 2H), 7.36-7.25 (m, 2H), 7.18-7.14 (m, 1H), 6.91-6.90 (m, 1H), 6.78 (d, 1H), 5.23-5.22 (m, 1H), 4.27-4.22 (m, 2H), 3.87-3.86 (m, 2H), 3.78-3.76 (m, 1H), 3.01-2.90 (m, 1H), 2.25-2.15 (m, 1H), 2.04-1.99 (m, 1H), 1.24-1.13 (m, 3H), 0.85-0.70 (m, 1H).
LC-MS (分析方法 B1, 0.01-2.00分で5-95% B, 2.00-2.70分で95% B): Rt1= 1.87分;
MS(ESIpos): m/z = 550 (M+H)+.
【0330】
実施例13
4-(2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル)-N-((S)-クロマン-4-イル)-8-(3,5-ジクロロフェニル)-7-フルオロキノリン-3-カルボキサミド
【化56】
【0331】
20mLの丸底フラスコに、(S)-4-クロロ-N-(クロマン-4-イル)-8-(3,5-ジクロロフェニル)-7-フルオロキノリン-3-カルボキサミド(70mg、0.14mmol)、2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン塩化水素(28mg、0.21mmol)、DMSO(2.0mL)およびDIEA(54mg、0.42mmol)を入れた。得られた溶液を70℃で4時間撹拌した。室温に冷却した後、得られた混合物を水で処理し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)で精製し、粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC[移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN;勾配:14分間で80%B~90%B]によりさらに精製して、4-(2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル)-N-((S)-クロマン-4-イル)-8-(3,5-ジクロロフェニル)-7-フルオロキノリン-3-カルボキサミド(17.8mg、収率22.6%)をオフホワイト色の固形物として得た。
【0332】

1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ [ppm] = 9.13-9.12 (m, 1H), 8.64-8.55 (m, 2H), 7.70-7.64 (m, 2H), 7.51-7.50 (m, 2H), 7.35-7.30 (m, 1H), 7.18-7.15 (m, 1H), 6.92-6.90 (m, 1H), 6.80-6.78 (m, 1H), 5.24-5.23 (m, 1H), 4.26-4.25 (m, 2H), 3.87-3.86 (m, 2H), 3.80-3.75 (m, 1H), 3.31-3.30 (m, 2H), 3.00-2.90 (m, 1H), 2.19-2.16 (m, 1H), 2.05-2.03 (m, 1H), 1.18-1.13 (m, 1H), 0.80-0.70 (m, 1H).
LC-MS (分析方法 C1, 0.01-2.00分で5-100% B, 2.00-2.70分で100% B): Rt= 1.54分; MS (ESIpos): m/z = 564 (M+H)+.
【0333】
実施例14
4-((1R,5R)-3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イル)-N-((S)-クロマン-4-イル)-8-(3,5-ジクロロフェニル)-7-フルオロキノリン-3-カルボキサミド
【化57】
【0334】

工程1:
8-(3,5-ジクロロフェニル)-7-フルオロ-4-ヒドロキシキノリン-3-カルボン酸
【化58】
【0335】
パージし、窒素の不活性雰囲気で維持した250mLの3つ口丸底フラスコに、8-ブロモ-7-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸(5.00g、17.54mmol)、(3,5-ジクロロフェニル)ボロン酸(6.67g、35.09mmol)、KCO(4.84g、35.09mmol)、XPhos Pd G2(1.38g、1.75mmol)、1,4-ジオキサン(50mL)およびHO(10mL)を入れた。得られた溶液を80℃で一晩撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を真空下で濃縮した。残渣を10%NaOHで希釈し、濾過し、濾液をMTBEで洗浄し、混合物のpH値を1MHClで5に調整した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、8-(3,5-ジクロロフェニル)-7-フルオロ-4-ヒドロキシキノリン-3-カルボン酸(7.2g、純度80%、93.5%)を白色固体として得た。
【0336】
工程2:
4-クロロ-8-(3,5-ジクロロフェニル)-7-フルオロキノリン-3-カルボニルクロリド
【化59】
【0337】
250-mLに8-(3,5-ジクロロフェニル)-7-フルオロ-4-ヒドロキシキノリン-3-カルボン酸(7.2g、純度80%、16.6mmol)、DCM(100mL)、二塩化オキサリル(20mL)およびDMF(0.02mL)を入れた。得られた溶液を室温で1時間撹拌した。反応が完了したら、得られた溶液を真空中で濃縮し、次の工程に直接使用した4-クロロ-8-(3,5-ジクロロフェニル)-7-フルオロキノリン-3-カルボニルクロリド(粗製)を得た。
【0338】
工程3:
(S)-4-クロロ-N-(クロマン-4-イル)-8-(3,5-ジクロロフェニル)-7-フルオロキノリン-3-カルボキサミド
【化60】
【0339】
パージし、窒素の不活性雰囲気で維持した250mLの3つ口丸底フラスコに、4-クロロ-8-(3,5-ジクロロフェニル)-7-フルオロキノリン-3-カルボニルクロリド(粗製)、DCM(100mL)、(S)-クロマン-4-アミン(2.47g、16.6mmol)およびTEA(3.35g、22.2mmol)を入れた。得られた溶液を室温で2時間撹拌した。反応が完了したら、反応混合物をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)で精製して、(S)-4-クロロ-N-(クロマン-4-イル)-8-(3,5-ジクロロフェニル)-7-フルオロキノリン-3-カルボキサミド(6.1g、収率74%)をオフホワイトの固体として得た。
【0340】
工程4:
4-((1R,5R)-3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イル)-N-((S)-クロマン-4-イル)-8-(3,5-ジクロロフェニル)-7-フルオロキノリン-3-カルボキサミド
【化61】
【0341】
20mLの丸底フラスコに、(S)-4-クロロ-N-(クロマン-4-イル)-8-(3,5-ジクロロフェニル)7-フルオロキノリン-3-カルボキサミド(200mg、0.400mmol)、(1s,5s)-3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン(77mg、0.60mmol)、DMSO(5.00mL)およびDIEA(155mg、1.20mmol)を入れた。得られた溶液を75℃で4時間撹拌した。室温に冷却した後、得られた混合物を水で処理し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)で精製し、粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC[移動相A:水(0.05% FA)、移動相B:ACN;勾配:8分間で50%B~90%B]によりさらに精製して、4-((1R,5R)-3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イル)-N-((S)-クロマン-4-イル)-8-(3,5-ジクロロフェニル)-7-フルオロキノリン-3-カルボキサミド(17.1mg、収率7.2%)をオフホワイトの固体として得た。
【0342】

1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ [ppm] = 9.36 (d, 1H), 8.45 (s, 1H), 8.14-8.07 (m, 1H), 7.73-7.71 (m, 1H), 7.67-7.49 (m, 3H), 7.35-7.32 (m, 1H), 7.26-7.16 (m, 1H), 6.96-6.91 (m, 1H), 6.81-6.80 (m, 1H), 5.19-5.15 (m, 1H), 4.28-4.23 (m, 2H), 4.16-4.11 (m, 4H), 4.01-3.94 (m, 6H), 2.18-2.01 (m, 2H).
LC-MS (分析方法 B1, 0.01-2.00分で0-95% B, 2.00-2.70分で95% B): Rt= 1.92分; MS (ESIpos): m/z = 594 (M+H)+.
【0343】
実施例15
N-((S)-クロマン-4-イル)-7-フルオロ-4-((1R,3S)-3-フルオロシクロブチル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド
【化62】
【0344】
工程1:
7-フルオロ-4-ヒドロキシ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸エチル
【化63】
【0345】
トルエン(100mL)および水(25mL)中の8-ブロマニル-7-フルオラニル-4-オキシダニル-キノリン-3-カルボン酸エチル(10.00g、31.84mmol)の溶液に、[2,3,5-トリス(フルオラニル)フェニル]ボロン酸(6.72g、38.20mmol)、XPhos Pd G3(2.70g、3.18mmol)、およびCsF(6.31g、95.51mmol)を加えた。反応混合物を窒素雰囲気下で16時間100℃で撹拌した。室温に冷却した後、得られた混合物を水で処理し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を石油エーテルでスラリーにした。沈殿した固体を濾過により回収し、石油エーテルで洗浄して、7-フルオラニル-4-オキシダニル-8-[2,3,5-トリス(フルオラニル)フェニル]キノリン-3-カルボン酸エチル(4.00g、10.95mmol、収率34.40%)を黒色固体として得た。
【0346】
LC-MS (分析方法 A3,1.20-1.90分で95% B): Rt= 1.012分; MS (ESIpos): m/z = 366 (M+H)+.
【0347】
工程2:
4-ブロモ-7-フルオロ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸エチル
【化64】
【0348】
DCM(40mL)およびDMF(8mL)中の7-フルオラニル-4-オキシダニル-8-[2,3,5-トリス(フルオラニル)フェニル]キノリン-3-カルボン酸エチル(3.93g、10.76mmol)の溶液に、POBr(4.63g、16.14mmol)を0℃で少しずつ加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。得られた混合物を水で処理し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=0~50%)により精製して、4-ブロマニル-7-フルオラニル-8-[2,3,5-トリス(フルオラニル)フェニル]キノリン-3-カルボン酸エチル(3.37g、7.87mmol、収率73.15%)を得た。
【0349】
LC-MS (分析方法 A3,1.20-1.90分で95% B): Rt= 1.262分; MS (ESIpos): m/z = 428 (M+H)+.
【0350】
工程3:
4-(3,3-ジメトキシ-1-(メトキシカルボニル)シクロブチル)-7-フルオロ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸エチル
【化65】
【0351】
THF(20mL)中の3,3-ジ(メトキシ)シクロブタンカルボン酸メチル(2.00g、11.46mmol)の溶液に、LiHMDS(15.3mL、15.27mmol、THF中1M)を窒素雰囲気下、-78℃で滴下した。得られた混合物を-78℃で30分間撹拌した。上記混合物に、-78℃でTHF(20mL)中の4-ブロマニル-7-フルオラニル-8-[2,3,5-トリス(フルオラニル)フェニル]キノリン-3-カルボン酸エチル(3.27g、7.64mmol)を滴下した。得られた混合物を-78℃でさらに1時間撹拌した。飽和NHCl水溶液を用いて0℃で反応をクエンチした。得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=0~30%)により精製して、4-[3,3-ジ(メトキシ)-1-メトキシカルボニル-シクロブチル]-7-フルオラニル-8-[2,3,5トリス(フルオラニル)フェニル]キノリン-3-カルボン酸エチル(2.9g、5.56mmol、収率72.82%)を得た。
【0352】
LC-MS (分析方法 A3, 1.20-1.90分で95% B): Rt= 1.295分; MS (ESIpos): m/z = 522 (M+H)+.
【0353】
工程4:
7-フルオロ-4-(3-オキソシクロブチル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸
【化66】
【0354】
DME(30mL)中の4-[3,3-ジ(メトキシ)-1-メトキシカルボニル-シクロブチル]-7-フルオラニル-8-[2,3,5-トリス(フルオラニル)フェニル]キノリン-3-カルボン酸エチル(2.85g、5.47mmol)の溶液に、水(2.4mL)中のNaOH(874mg、21.86mmol)を加えた。反応混合物を60℃で16時間撹拌した。次いで、上記混合物にHCl水溶液(9N、3.6mL)を60℃で添加した。得られた混合物を60℃でさらに2時間撹拌した。室温に冷却した後、得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮して、7-フルオラニル-4-(3-オキシダニリデンシクロブチル)-8-[2,3,5-トリス(フルオラニル)フェニル]キノリン-3-カルボン酸(2.60g、6.68mmol)を得た。
【0355】
LC-MS (分析方法 B3, 1.40-1.90分で95% B): Rt= 0.929分; MS (ESIpos): m/z = 390 (M+H)+.
【0356】
工程5:
7-フルオロ-4-((1r,3r)-3-ヒドロキシシクロブチル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボン酸
【化67】
【0357】
MeOH(20mL)中の7-フルオラニル-4-(3-オキシダニリデンシクロブチル)-8-[2,3,5-トリス(フルオラニル)フェニル]キノリン-3-カルボン酸(2.50g、6.42mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(364mg、9.63mmol)を0℃で少しずつ加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。得られた混合物を水で処理し、HCl(2N)でpH=5に酸性化した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、7-フルオラニル-8-(3-フルオラニル-2,5-ジフルオロ-フェニル)-4-(3-ヒドロキシシクロブチル)キノリン-3-カルボン酸(1.20g、3.07mmol、収率47.75%)を得た。
【0358】
LC-MS (分析方法 C3, 0.01-1.20分で2-100% B, 1.20-1.75分で100% B): Rt= 1.035分; MS (ESIpos): m/z = 392 (M+H)+.
【0359】
工程6:
N-((S)-クロマン-4-イル)-7-フルオロ-4-((1R,3S)-3-ヒドロキシシクロブチル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド
【化68】
【0360】
DMF(6mL)中の7-フルオラニル-8-(3-フルオラニル-2,5-ジフルオロ-フェニル)-4-(3-ヒドロキシシクロブチル)キノリン-3-カルボン酸(640mg、1.64mmol)の溶液に、(4S)-クロマン-4-アミン(488mg、3.27mmol)、HATU(932.81mg、2.45mmol)およびDIEA(634mg、4.91mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。得られた混合物を水で処理し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=0~50%)により精製して、N-[(4S)-クロマン-4-イル]-7-フルオロ-4-(3-ヒドロキシシクロブチル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド(280mg、535.90μmol、収率32.77%)を白色固体として得た。
【0361】
LC-MS (分析方法 A3, 1.20-1.90分で95% B): Rt= 1.135分; MS (ESIpos): m/z = 523 (M+H)+.
【0362】
工程7:
N-((S)-クロマン-4-イル)-7-フルオロ-4-((1R,3S)-3-フルオロシクロブチル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド
【化69】
【0363】
DCM(3mL)中のN-[(4S)-クロマン-4-イル]-7-フルオロ-4-(3-ヒドロキシシクロブチル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド(272mg、520.58μmol)の撹拌溶液に、BAST(346mg、1.56mmol)を窒素雰囲気下0℃で滴下した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、0℃で0.5時間撹拌し、得られた混合物を水で処理し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を分取TLC(酢酸エチル:石油エーテル=1:2)により精製し、分取HPLC(移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN;勾配:9分間で47%B~72%B)によりさらに精製して、N-[(4S)-クロマン-4-イル]-7-フルオラニル-4-(3-フルオロシクロブチル)-8-[2,3,5-トリス(フルオラニル)フェニル]キノリン-3-カルボキサミド(32.3mg、60.66μmol、収率11.65%、純度98.5%)を白色固形物として得た。
【0364】

1H-NMR (400 MHz, DMSO-D6): δ [ppm] = 9.17 (d, 1H), 8.77 (d, 1H), 8.28-8.25 (m, 1H), 7.76-7.68 (m, 2H), 7.34-7.29 (m, 2H), 7.18-7.15 (m, 1H), 6.92-6.91 (m, 1H), 6.79 (d, 1H), 5.28-5.14 (m, 2H), 4.76-4.72 (m, 1H), 4.28-4.20 (m, 2H), 2.92-2.62 (m, 4H), 2.25-2.15 (m, 1H), 2.05-2.00 (m, 1H).
LC-MS (分析方法 B3, 0.01-1.90分で30-70% B, 1.90-2.00分で70-95% B, 2.00-2.70分で95% B): Rt1= 1.846分; MS (ESIpos): m/z = 525 (M+H)+.
【0365】
実施例16
N-((S)-クロマン-4-イル)-7-フルオロ-4-(3-オキソピペラジン-1-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド
【化70】
【0366】
工程1:
ACN(3mL)中の4-クロロ-N-((S)-クロマン-4-イル)-7-フルオロ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド(100mg、0.205mmol)の溶液に、炭酸カリウム(85mg、0.616mmol)およびピペラジン-2-オン(31mg、0.308mmol)を添加した。反応混合物を70℃で36時間攪拌した。次いで、反応を、5mLの水の添加によりクエンチした。得られた溶液を酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール10:1)で精製し、分取HPLC(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm 5μm;移動相A:水(10 MMOL/L NHHCO)、移動相B:ACN;流速:60mL/分;勾配:8分で40%~55%;254nm;RT1:6.6.)でさらに精製して、35.0mg(30.71%)の生成物を白色固形物として得た。
【0367】
LC-MS (分析方法 A3, 0-3.00分で5-95% B): Rt = 1.598分; MS (ESIpos): m/z = 551 [M+H]+

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ (ppm): 9.28-9.26 (m, 1H), 8.72 (d, 1H), 8.37-8.33 (m, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.74-7.66 (m, 2H), 7.39-7.37 (m, 1H), 7.31-7.25 (m, 1H), 7.19-7.15 (m, 1H), 6.80-6.78 (m, 1H), 5.23-5.22 (m, 1H), 4.27-4.22 (m, 2H), 3.84 (s, 2H), 3.53-3.44 (m, 4H), 2.27-2.20 (m, 1H), 2.15-2.02 (m, 1H).
【0368】
実験セクション-生物学的アッセイ
実施例は、選択された生物学的アッセイにおいて1回以上試験された。2回以上試験した場合、データは、平均値または中央値のいずれかとして報告され、ここで、
・ 平均値は、算術平均値とも呼ばれ、試験回数で割った得られた値の合計を表す
・ 中央値は、昇順または降順にランク付けされた場合の値の群の中央値を表す。データセット内の値の数が奇数の場合、中央値は中央値になる。データセット内の値の数が偶数の場合、中央値は2つの中央値の算術平均である。
【0369】
実施例は1回以上合成した。2回以上合成される場合、生物学的アッセイからのデータは、1以上の合成バッチのテストから得られたデータセットを利用して計算された平均値または中央値を表す。
【0370】
本発明の化合物のインビトロ(in vitro)活性は、以下のアッセイで実証された:
インビトロアッセイ1:犬糸状虫(D.immitis) Slo-1-組換えD.immitis細胞株における作用
安定なD.immitis Slo-1 CHO細胞株の生成
CHO細胞株は、ATCC、コードATCC CRL-9096から得た。犬糸状虫(D.immitis)Slo-1(タンパク質配列JQ730003に基づく、ハムスターのために最適化されたコドン)を発現するためのプラスミドDNAでのトランスフェクションのために、CHO細胞を40%コンフルエンスまで継代した後、トランスフェクション溶液を細胞培養物に添加した。トランスフェクション溶液は300μLのOptiMEM(Life Technologies、Nr.:31985)、犬糸状虫Slo 1遺伝子を含有する2μL(=6μg)のプラスミドDNAおよび9μLのFugeneHD(Promega、Nr.:E2311)を含み、37℃、5%COで48時間インキュベートする前に細胞に添加した。トランスフェクション培地を、さらなるG418(2mg/ml、Invitrogen、Nr.:10131)を含有する選択培地と交換し、細胞を384ウェルプレート(300細胞/ウェル)に播種した。数週間後、残りの生存細胞を電位感受性色素(膜電位アッセイキット、Molecular Devices Nr.:R8034)を用いてK+チャンネル発現について試験した。陽性細胞クローンを限界希釈法により精製した。このために、電圧感受性色素アッセイにおいて最も高いおよび最もロバストなシグナルを有するクローンを、クローン純度を得るために、384ウェルプレート(0.7細胞/ウェル)中でさらにサブクローニング(インキュベート)した。これにより、犬糸状虫Slo-1を発現する最終的な安定なCHO細胞株を生成した。
【0371】
細胞培養条件
細胞を、10%(v/v)熱不活化ウシ胎仔血清(Invitrogen、Nr.:10500)、G418(1mg/ml、Invitrogen、Nr.:10131)を補充したGutamax I(Invitrogen、Nr.:32571)を含むMEMalpha中37℃および5%COで培養した。細胞を、Accutase(Sigma、Nr:A6964)を用いて剥離した。
【0372】
膜電位測定
実験室での化合物試験は、384ウェルマイクロタイタープレート(MTPs、Greiner、Nr.:781092)で実施した。8000細胞/ウェルを384-ウェルMTPs上にプレーティングし、37℃および5%COで20~24時間培養した。細胞培養培地を取り除いた後、細胞をタイロード(150mM NaCl、0.3mM KCl、2mM CaCl、1mM MgCl、0.8mM NaHPO、5mMグルコース、28mM Hepes、pH7.4)で1回洗浄し、次いで、タイロードで希釈した膜電位アッセイキットの電位感受性色素を室温で1時間負荷した。
【0373】
FLIPR Tetra (Molecular Devices、Exc。510-545nm、Emm.565-625nm)を用いて蛍光の計測を開始した後、試験化合物を添加し、続いてKClタイロード(最終アッセイ濃度:70mM KCl、2mM CaCl、1mM MgCl、0.8mM NaHPO、5mMグルコース、28mM Hepes、pH7.4、電位感受性色素を含む)を添加した。測定は7分後に完了した。
【0374】
統計
データは、ActivityBase XLfitソフトウエア(IDBS)を使用してカーブフィッティングし、半数効果濃度(EC50)を算出することで評価され、負の常用対数(pE50)として報告した。
【0375】
あるいは、EC50は、Scilligence ELN/Regmol Software Tool,Bioassayによってプロットする4つのパラメータを用いて計算した。
【0376】
以下の実施例:1、7、8、9、10、12、13、15について、>1nM~10nMのEC50が、見出された。
【0377】
以下の実施例:3について、>10nM~100nMのEC50が、見出された。
【0378】
以下の実施例:6について、>100nM~1μMのpE50が、見出された。
【0379】
インビトロアッセイ2:ブラジル鉤虫(Nippostrongylus brasiliensis)(NIPOBR)
成虫のブラジル鉤虫を、100U/mlのペニシリン、0.1mg/mlのストレプトマイシンおよび2.5μg/mlのアムホテリシンBを含有する生理食塩水緩衝液で洗浄し、試験化合物をDMSOに溶解し、線虫を最終濃度10μg/ml(10ppm)、それぞれ1μg/ml(1ppm)の培地中でインキュベートした。培地のアリコートを使用して、ネガティブコントロールと比較してアセチルコリンエステラーゼ活性を決定した。駆虫活性の読み出しとしてアセチルコリンエステラーゼを測定する原理は、Rapsonら(1986)およびRapsonら(1987)に記載されている。
【0380】
以下の実施例:7、8、9、10、15、16について、EC50は、≦0.1ppmであった。
【0381】
インビトロアッセイ3:犬糸状虫(Dirofilaria immitis)ミクロフィラリア(DIROIM L1)
≧250の犬糸状虫ミクロフィラリア(これは、新たに血液から精製した)を、栄養培地およびDMSO中の試験化合物を含有するマイクロタイタープレートのウェルに添加した。化合物を濃度応答アッセイで2回試験した。DMSOおよび試験化合物無しに暴露した幼虫を陰性対照として使用した。幼虫を、化合物との72時間のインキュベーション後に評価した。有効性は、陰性対照と比較した運動性の低下として判定した。広範囲の濃度を測定し、濃度反応曲線とEC50値を計算した。
【0382】
以下の実施例:1、3、6、7、8、9、10、13、15について、EC50は、<0.1ppmであった。
【0383】
インビトロアッセイ4:犬糸状虫(Dirofilaria immitis)(DIROIM L4)
それらのベクター(中間宿主)から新たに単離された10匹の犬糸状虫(Dirofilaria immitis)の第3期幼虫を、栄養培地およびDMSO中の試験化合物を含有するマイクロタイタープレートのウェルに添加した。化合物を濃度反応アッセイで2回試験した。DMSOおよび試験化合物無しに暴露した幼虫を陰性対照として使用した。幼虫を、化合物との72時間のインキュベーション後に評価した。これらのインキュベーション72時間以内に、陰性対照の幼虫の大部分が第4期幼虫に脱皮する。有効性は、陰性対照と比較した運動性の低下として判定した。広い濃度範囲の評価に基づいて、濃度反応曲線ならびにEC50値を計算した。
【0384】
以下の実施例:1、7、8、9、10、15について、EC50は、<0.1ppmであった。
【0385】
インビトロアッセイ5:捻転胃虫(Haemonchus contortus)(HAEMCO)
溶媒:ジメチルスルホキシド
活性化合物の好適な調製物を製造するために、10mgの活性化合物を0.5mlの溶媒に溶解し、濃縮物を「リンゲル液」で所望の濃度に希釈する。
【0386】
約40匹の赤色胃虫(red stomach worm)(Haemonchus contortus)の幼虫を、化合物溶液を含有する試験管に移す。
【0387】
5日後、幼虫の死虫率を記録する。100%の効力は、全ての幼虫が死滅することを意味し、0%の効力は、死んだ幼虫が無いことを意味する。
【0388】
製剤実施例
例示的な製剤は、10%のTranscutol、10%のCremophor ELおよび80%の等張食塩水中の活性物質からなった。最初に、活性物質をTranscutolに溶解した。Transcutolに溶解した後、Cremophorおよび等張食塩水を添加した。これらの製剤を、以下のインビボ(in vivo)アッセイにおいてサービス製剤として使用した。
【0389】
本発明による製剤の例は、以下の製剤例F1である。その中で、活性物質をTranscutolに溶解して、ストック溶液Aを形成した。次に、このストック溶液Aを0.100mL採取し、Cremophor ELを0.100mL、等張食塩水を0.800mL加えた。得られた液体製剤(製剤実施例F1)は、1mLの体積を有する。
【0390】
ストック溶液A:
4.0mg 実施例2の化合物、
0.100mL Transcutol。
【0391】
製剤実施例F1:
0.100mL ストック溶液A、
0.100mL Cremophor EL、および
0.800mL 等張食塩水。
【0392】
インビボ(In vivo)アッセイ
インビボアッセイ1:糸状線虫類(A.viteae)(Acanthocheilonema viteae)のフィラリア線虫
皮下注射により感染性A.viteaeの幼虫に実験的に感染させたスナネズミ(Jirds)(Meriones unguiculatus)を、その後、製剤化された試験化合物で1回、強制経口投与または腹腔内投与により処置した。感染後12週目の剖検において、アボットの式(Abbot’s formula)を用いて、プラセボ処置群と比較した虫数の%減少として有効性を表した。
【0393】
インビボアッセイ2:L.sigmodontis(Litomosoides sigmodontis)のフィラリア線虫
皮下注射により感染性L.sigmodontisno幼虫に実験的に感染させたマウスを、その後、製剤化された試験化合物で1回、強制経口投与または腹腔内投与により処置した。感染後5週目の剖検で、Abbotの式を用いて、発生した幼虫対未処理の動物を計数することによって、有効性を計算した。
【0394】
インビボアッセイ3:捻転胃虫(H.contortus)(Haemonchus contortus)および蛇状毛様線虫(T.colubriformis)(Trichostrongylus colubriformis)の胃腸線虫
ヒドロコルチゾン21-アセテートを含有するげっ歯類飼料の投与により免疫抑制されたスナネズミ(Jirds)(Meriones unguiculatus)を、T.colubriformisおよびH.contortusのそれぞれの第三齢幼虫に強制経口投与により実験的に感染させ、感染後6日目に製剤化された試験化合物で経口または腹腔内に1回処置した。処置の3日後、スナネズミを安楽死させ、解剖して、胃からのH.contortusおよび小腸からのT.colubriformisを回収した。有効性は、アボットの式を用いて、プラセボ処置群と比較した線虫数の%減少として表される。
【0395】
以下の実施例は、インビボ試験1、2、および/または3において試験され、以下の活性を有した:
A.viteaeに対して、経口あたり、≦25.0mg/kgにおいて、100%:1;
L.sigmodontisに対して、経口または腹腔内投与あたり、≦3.0mg/kgにおいて、80%以上:4、15;
H.contortusおよび/またはT.colubriformisに対して、腹腔内投与、≦1.0mg/kgにおいて、100%:1、5、8、9、10、15および16。
【国際調査報告】