(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
B62J 25/06 20200101AFI20240925BHJP
B62K 23/08 20060101ALI20240925BHJP
B62M 25/06 20060101ALI20240925BHJP
B62L 3/04 20060101ALI20240925BHJP
B62L 3/00 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
B62J25/06
B62K23/08
B62M25/06 B
B62L3/04 A
B62L3/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515370
(86)(22)【出願日】2022-09-09
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 US2022076191
(87)【国際公開番号】W WO2023039516
(87)【国際公開日】2023-03-16
(32)【優先日】2021-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505125314
【氏名又は名称】インディアン・モーターサイクル・インターナショナル・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ボッタ, マティアス
(72)【発明者】
【氏名】エルズワース, アンディ
(57)【要約】
フットサポートは、構造的に応力が加えられているが、車両フレームの取り外し可能な部分によって直接支持される。特に、フットサポート組立体は、フレーム部材と、フットペグのようなフットサポートとを含む。フレーム部材は、フレーム組立体の耐荷重構造の一部を形成し、フットサポートは、それらの間に介在するブラケットまたは構成部品なしにフレーム部材に装着される。フレーム部材は、各端部でそれぞれのフレーム構成部品に固定され、フレーム組立体によって支持される荷重の一部分を支えるように構成される。
一部の用途において、フレーム構成部品は、クランクケースのような応力を受けるエンジン部材を含むことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の為のフットサポート組立体において、
第1の端部と、第2の端部とを有するフレーム部材であって、前記第1の端部は、第1のフレーム構成部品に固定され、前記第2の端部は、第2のフレーム構成部品に固定される、フレーム部材と、
前記フレーム部材に直接接続されるフットサポートであって、車両操作者の足を支持する大きさである、フットサポートと、
を備える、フットサポート組立体。
【請求項2】
前記フットサポートは、前記フレーム部材に旋回可能に接続されている、請求項1に記載のフットサポート組立体。
【請求項3】
操作者制御装置を更に備え、前記操作者制御装置は、前記フレーム部材に旋回可能に装着され、前記操作者の足が前記フットサポート上に静止している間に前記操作者の足によって作動されるように位置決めされる、請求項1に記載のフットサポート組立体。
【請求項4】
前記操作者制御装置は、ブレーキペダルである、請求項3に記載のフットサポート組立体。
【請求項5】
前記ブレーキペダルに操作可能に接続されたブレーキマスタシリンダを更に備える、請求項4に記載のフットサポート組立体。
【請求項6】
前記操作者制御装置は、足で操作されるシフタである、請求項3に記載のフットサポート組立体。
【請求項7】
前記フレーム部材は、前記第1の端部から前記第2の端部まで延びる縦軸線を画定し、
前記フレーム部材は、支柱を備え、前記支柱は、前記フレーム部材に一体的に固定され、前記縦軸から離れて自由端部分まで横方向および上向きの少なくとも一方に延び、前記支柱は、前記自由端部にフットサポート装着部を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のフットサポート組立体。
【請求項8】
前記車両が自動二輪車である、請求項1に記載のフットサポート組立体。
【請求項9】
エンジンと、フレームと、複数の接地係合部材と、フットサポート組立体とを備える、車両において、
前記フレームは、前記エンジンを支持し、前記フレームは、少なくとも、第1のフレーム構成部品と、隙間を画定するように前記第1のフレーム構成部品から離間された第2のフレーム構成部品を有し、
前記複数の接地係合部材の少なくとも一つは、前記エンジンに操作可能に接続され、
前記フットサポート組立体は、フレーム部材と、フットサポートとを備え、
前記フレーム部材は、前記隙間に位置決めされ、前記第1のフレーム構成部品および第2のフレーム構成部品に取り外し可能に固定され、前記フレーム部材は、前記第1のフレーム構成部品と前記第2のフレーム構成部品との間に耐荷重力伝達リンクを生じるように構成され、
前記フットサポートは、前記フレーム部材に直接接続され、車両操作者の足を支持する大きさである、車両。
【請求項10】
前記第1のフレーム構成部品は、フレーム構成部品を備え、
前記第2のフレーム構成部品は、前記エンジンの構成部品を備える、請求項9に記載の車両。
【請求項11】
前記第2のフレーム構成部品は、クランクケースを備える、請求項10に記載の車両。
【請求項12】
前記フットサポートの前記フレーム部材は、ボルト接続部によって前記第1のフレーム構成部品および第2のフレーム構成部品に取り外し可能に固定される、請求項10に記載の車両。
【請求項13】
前記フレーム構成部品の端部に嵌合するように寸法決めされた嵌合部を更に備え、前記嵌合部は、前記ボルト接続部を受けるように構成されたネジ付き孔を含む、請求項12に記載の車両。
【請求項14】
前記エンジンの前記構成部品は、前記ボルト接続部を受けるように構成された前記ネジ付き孔を含む、請求項13に記載の車両。
【請求項15】
前記フレーム部材および前記エンジンのうちの1つに旋回可能に装着された操作者制御装置を更に備え、前記操作者制御装置は、前記操作者の足が前記フットサポート上に静止している間に、前記操作者の足によって作動されるように位置決めされる、請求項9~14のいずれか一項に記載のフットサポート組立体。
【請求項16】
前記複数の接地係合部材のうちの少なくとも1つに操作可能に結合されたブレーキを更に備え、前記操作者制御装置は、前記ブレーキに操作可能に結合された足操作式ブレーキレバーである、請求項15に記載の車両。
【請求項17】
複数のギア比を規定する伝達装置を更に備え、前記操作者制御装置は、前記伝達装置に操作可能に結合され、前記複数のギア比の間で前記伝達装置をシフトするように構成された足操作式シフタである、請求項15に記載の車両。
【請求項18】
前記フットサポート組立体が、前記車両の左側および右側にそれぞれ装着された一対のフットサポート組立体を備える、請求項9~14のいずれか一項に記載の車両。
【請求項19】
複数の接地係合部材のうちの少なくとも1つに操作可能に結合され、ブレーキレバーによって作動されるブレーキと、
複数のギア比を規定し、シフタによって作動される伝達装置であって、前記一対のフットサポート組立体の一方が前記ブレーキレバーに隣接して位置決めされ、前記一対のフットサポート組立体の他方が前記シフタに隣接して位置決めされる、伝達装置と、
を更に備える、請求項18に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[関連出願の相互参照]
【0002】
[0001]本出願は、2021年9月13日に出願された「VEHICLE」と題する米国仮特許出願第63/243482号の利益を主張するものであり、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[開示の分野]
【0003】
[0002]本開示は、車両に関し、より詳細には、ストラドル型シートおよび効率的なフレーム構成を有する車両に関する。
[開示の背景]
【0004】
[0003]ストラドル型シートを備えた車両には、たとえば、自動二輪車、全地形型車両(ATV)及びスノーモービルが含まれる。このような車両は、典型的には、フットペグまたはフットボード(フロアボードと呼ばれることもある)のようなフットサポートによってライダーの足を支持する。ブレーキペダルまたはシフタなどのフットコントロールも、フットサポートの近くに配置することができる。
【0005】
[0004]属性設計(predicate designs)において、フットサポートは、車両のフレームにボルト止めされた別個のブラケットによって支持され、フレーム構造およびブラケットは別個の構成部品である。必要とされているのは、前述のものに対する改善である。
【開示の概要】
【0006】
[0005]本開示は、構造的に応力が加えられているが車両フレームの取り外し可能な部分によって直接支持されるフットサポートを提供する。特に、フットサポート組立体は、フレーム部材と、フットペグのようなフットサポートとを含む。フレーム部材は、フレーム組立体の耐荷重構造の一部を形成し、フットサポートは、それらの間に介在するブラケットまたは部品なしにフレーム部材に装着される。フレーム部材は、各端部でそれぞれのフレーム構成部品に固定され、フレーム組立体によって支持される荷重の一部を耐えるように構成される。一部の用途において、フレーム構成部品は、クランクケースのような応力を受けるエンジン部材を含むことができる。
【0007】
[0006]その1つの形態において、本開示は、車両用フットサポート組立体を提供するが、この車両用フットサポート組立体は、フレーム部材と、フットサポートとを含み、フレーム部材は、第1のフレーム構成部品に固定されるように構成された第1の端部と、第2のフレーム構成部品に固定されるように構成された第2の端部とを有し、フットサポートは、フレーム部材に直接接続され、車両操作者の足を支持するような寸法にされている。
【0008】
[0007]その別の形態において、本開示は、車両を提供し、この車両は、エンジンと、エンジンを支持するフレームであって、少なくとも第1のフレーム構成部品と、隙間を画定するために第1のフレーム構成部品から離間された第2のフレーム構成部品とを有する、フレームと、複数の接地係合部材であって、エンジンに動作可能に接続された複数の接地係合部材の少なくとも1つと、フットサポート組立体とを有する。フットサポート組立体は、隙間内に位置決めされ、第1および第2のフレーム構成部品に取り外し可能に固定されたフレーム構成部品を含み、その結果、フレーム構成部品は、第1のフレーム構成部品と第2のフレーム構成部品との間に耐荷重力伝達リンクを形成し、フットサポートは、フレーム構成部品に直接接続され、車両操作者の足を支持する大きさにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
[0008]本開示の上記およびその他の特徴および利点、ならびにそれらを達成する方法は、添付の図面とともに取られた例示的実施形態の以下の説明を参照することによって、より明らかになり、よりよく理解される。
【
図1】
図1は、本開示に従って作成されたフットサポート組立体を有する第1の例示的な車両の立面図である。
【
図2】
図2は、
図1の車両の一部分を拡大した図であり、フットサポート組立体および周辺構造の詳細を示す。
【
図3】
図3は、
図1の車両のフレームの一部分の立面図であり、フットサポート組立体が取り付けられている。
【
図4】
図4は、
図1のフットサポート組立体の分解斜視図であり、関連する操作者制御装置の構成部品を含む。
【
図5】
図5は、
図3に示すフレームおよびフットサポート組立体の斜視図である。
【
図6】
図6は、
図5のフレームの斜視図であり、第2のフットサポート組立体が取り付けられ、追加の操作者制御装置の構成部品が取り付けられている。
【
図7】
図7は、
図6のフレームの一部分の別の斜視図であり、第2のフットサポート組立体の詳細を示す。
【
図8】
図8は、本開示に従って作成されたフットサポート組立体有する別の例示的な車両である。
【
図9】
図9は、本開示に従って作成されたフットサポート組立体を有する更なる例示的な車両である。
【0010】
[0018]対応する参照符号は、幾つかの図を通して対応する部品を示す。本明細書に記載された例示は、本発明の例示的な実施形態を示しており、かかる例示は、本発明の範囲をいかなる方法においても限定するものと解釈されるべきではない。
【0011】
【図面の詳細な説明】
【0012】
[0019]本開示の原理の理解を促進する目的で、以下に説明される図面に示される実施形態を参照する。以下に開示される実施形態は、網羅的であることを意図するものではなく、また、本開示を以下の詳細な説明に開示される正確な形態に限定するものでもない。むしろ、当業者がその教示を利用することができるように、実施形態が選択され、説明される。従って、本開示の範囲の限定は、それによって意図されない。対応する参照符号は、幾つかの図を通して対応する部品を示す。
【0013】
[0020]本開示は、フットペグ48を支持するためにフレーム組立体30に接続された別個のブラケットを提供するのではなく、フットペグ48のようなフットサポートを応力部材としてフレーム組立体30内に一体化するフットサポート組立体40を車両に提供する。
図2に示され、以下にさらに説明される例示的な実施形態において、フットサポート組立体40は、フレーム部材42を含み、フレーム部材42は、フットペグ48が直接接続され、それ自体がフレーム組立体30の耐荷重構成部品としてフレーム組立体30に直接接続される。
【0014】
[0021]ここで
図1に目を向けると、第1の例示的な車両は、ストラドル型シート16を含む自動二輪車10として示されている。自動二輪車10は、エンジン12を抱きかかえて支持するフレーム組立体30を含む。図示の実施形態において、エンジン12は、クランクケース36内に位置付けられたクランクシャフトを駆動する2つのシリンダ38を備えたV-ツイン構成を有する。伝達装置は、クランクケース36によって収容されてもよい。ストラドル型シート16および燃料タンク20は、フレーム組立体30の最上部に支持され、フレーム組立体30の後部分には従動後輪14があり、フレーム組立体30の前方には前輪がある。車輪14の各々は、フェンダー22を有してもよい。ストラドル型シート16および燃料タンク20の前方において、操作者制御装置18は、スロットル、クラッチ、フロントブレーキおよび信号機能などの車両機能の手動操作を提供する。ヘッドライトはコントロール18の前方に装着されてもよい。
【0015】
[0022]自動二輪車10はまた、ブレーキペダル62(
図3)を備えたブレーキレバー60およびシフトペダル84(
図7)を備えたシフトレバー82のような足操作式制御装置を含む。各ペダル62、84は、操作者の足がフットペグ48のようなフットサポート組立体40、80のフットサポート上に静止している間に、操作者の足によって作動されるように位置決めされている。これらの足で操作される制御装置の各々は、本開示に従って作成されたフットサポート組立体40、80を介してフレーム組立体30に一体化されてもよく、この場合、フレーム部材42は、フレーム組立体30の全体的な耐荷重構造内に耐荷重力伝達構成部品として一体化される。
【0016】
[0023]
図1に最もよく示されているように、フレーム組立体30は、(ダウンチューブとも呼ばれる)前方管状構成部品32Aと、(トップチューブとも呼ばれる)上方管状構成部品32Bと、後方フレーム構成部品32Cとを含む。管状フレーム構成部品32A、32Bはまた、特定の用途に必要または所望されるように、アルミニウム鋳物のような他の形態をとることができる。これらの構成部品の耐荷重「ループ」は、別個のフレーム部材であってもよい下部フレーム部材によって完成されてもよいし、図示された実施形態においてはクランクケース36のようなエンジン12の構造構成部品であってもよい。
図2を参照すると、フットサポート組立体40は、2つのフレーム構成部品、すなわち前部管状構成部品32Aとクランクケース36との間に画定された隙間を橋渡しするように示されている。フットサポート組立体40がこの隙間に位置決めされて構成部品32Aおよびクランクケース36に固定されると、以下にさらに説明するように、組立体40のフレーム部材42は、構成部品32Aとクランクケース36との間に力伝達リンクを形成し、フレーム組立体30の耐荷重全体構造の一部となる。
【0017】
[0024]フレーム部材42は、
図5で最もよく見られるように、その前端部44で端部嵌合部34を介して管状フレーム構成部品32Aに固定される。端部嵌合部34は、フレーム部材32Aの端部開口端部に嵌合するように寸法決めされた鍛造部品であってよく、フレーム部材42の前端部44を介してボルト接続部を受けるように構成されたネジ付き孔を提供してよい。フレーム部材42の反対側の後端部46も同様にボルトを受けるように構成されているが、ボルトは、代わりに、実例として、その下部に沿ってクランクケース36の構造材料にネジ込まれたネジ付き孔に受けられる。図示された実施形態において、力伝達隙間は、フレーム構成部品32Aの後端部とクランクケース36との間にあるが、もちろん、他のフレーム構造が構成部品間に形成された他の隙間を有してもよい。図示された実施形態において、フレーム組立体30の構成部品およびフットサポート組立体40のフレーム部材42は、スチールまたはアルミニウムで作ることができる。
【0018】
[0025]クランクケース36はまた、前方フレーム構成部品32Aと後方フレーム構成部品32Cとの間に、フットサポート組立体40に依存しない別個の耐荷重力伝達リンクを有してもよい。
図2の例示的な実施形態において、たとえば、フレーム構成部品32Aとフレーム部材42との間の取付け点より上方の位置でクランクケース36に固定される別個のフレーム取付けブラケット33を設けてもよい。これにより、フレームアセンブリ30がエンジン12および他の構成部品を支持する能力を損なうことなく、自動二輪車10が静止している間に、フットサポート組立体40の取外しおよび設置が可能になる。自動二輪車10が使用されているとき、組立体40のフレーム部材42によって形成された追加の耐荷重接続は、動的荷重を吸収し、フレーム組立体30の全体的な剛性および性能に寄与する。
【0019】
[0026]上述のボルト接続は、フットサポート組立体40の取外しを可能にする。この取外し可能性は、次に、1つのフットサポート組立体40を異なる幾何学的形状を有する別のものとモジュール式に交換することを容易にする。これにより、使用者は、ストラドル型シート16に対して自分の足の位置を変更することができ、その結果、自動二輪車10は、モジュール式でカスタマイズ可能な外観、幾何学的形状および乗員の適合性を有することができる。
【0020】
[0027]次に
図3および
図4を参照すると、フットサポート組立体40およびそのインターフェース構成部品の詳細がより詳細に示されている。フレーム部材42は、後端部46から前端部44までほぼ管状のフレーム部材42に沿って延びる縦軸から離れるように横方向および上方に延びる支柱50を含む。しかしながら、支柱50は、特定の用途に必要又は所望されるように、隣接するフレーム部材から離れて、完全に横方向に、又は完全に上方に延びることができる。支柱50は、フレーム部材42の下側のほぼ縦部分に一体的に固定されて、強固な一体部品を形成する。たとえば、支柱50をフレーム部材42の縦部分に溶接してもよいし、2つの部品を単一の鋳造部品、鍛造部品または機械加工部品として形成してもよい。支柱は、フレーム部材42の縦部分との接合部における広いインターフェースから、フットペグ48に接続するための取付け点または装着部を有する狭い上部/外自由端部分まで、一般的に先細にされてもよい。図示された実施形態において、上接続部52は、フットペグ48がフレーム部材42の支柱50に旋回可能に接続されることを可能にする旋回接続部である。
図1に例示された自動二輪車10に関しては、これにより、フットペグ48を上方に旋回させることができる。フットペグ48はフレーム部材42に直接接続されており、支柱50はフレーム部材42の一部として一体的に強固に形成されているので、フレーム部材42の一部であると考えられる。あるいは、一部の設計において、支柱50を除去し、フットペグ48をフレーム部材42の耐荷重部分に直接接続してもよい。
【0021】
[0028]支柱50は、幅の広いベースから幅の狭い端部上端部/外端部接続52に向かってその上方/外方方向に沿って延びる一連のリブ54を含む。リブ54は、最小限の追加材料、重量およびコストで支柱50を補強する。材料、重量およびコストをさらに低減するために、低応力領域に一つ又は複数の孔56を設けてもよい。
【0022】
[0029]
図3に最もよく見られるように、ブレーキレバー60は、支柱50に対して旋回可能に装着可能であるが、ブレーキレバー60は、自動二輪車10またはエンジン12(
図2)の伝達装置のような別の構成部品に直接結合することも考えられる。ブレーキレバー60は、操作者の足(すなわち、操作者の足のふくらみ(ball)またはつま先)がフットサポート48(すなわち、操作者の足のかかとまたはアーチ)上に静止している間に操作者の足によって作動されるようにブレーキペダル62を位置決めする長さを有する。図示された実施形態において、ブレーキは液圧式ブレーキであり、ブレーキレバー60およびブレーキペダル62の下方への旋回によりブレーキアクチュエータ68を作動させ、このアクチュエータ68は次に液圧流体をリザーバ66からブレーキライン70を介して移送してブレーキマスタシリンダおよびブレーキシューまたはキャリパ(図示せず)を作動させる。ブレーキアームの旋回がケーブルをハウジングを通して移動させるか、またはリンク機構を作動させる機械式ブレーキを使用することもできる。典型的な自動二輪車の用途において、ブレーキペダル62の作動により、後輪14(
図1)に作用するブレーキが作動する。
【0023】
[0030]ブレーキ側(例えば、右側)フットサポート組立体40に加えて、自動二輪車10は、
図6および
図7に示されるシフタ側(例えば、左側)フットサポート組立体80を含むことができる。組立体80は、互いにほぼまたは完全に鏡像であってもよいが、特定の用途に必要または所望されるように変化してもよい。図に示すように、フットサポート組立体80は、上述した組立体40と同じフレーム部材42および支柱50を含むが、シフタレバー82と支柱50との間の旋回接続部を受けるように設計された修正上端部52Aを有する。また、上端部52Aは、組立体40に関して上述したのと同様に、フットペグ48に旋回可能に取り付けられる。上述したように、ブレーキレバー60は、図示されるように、エンジン12に旋回可能に取り付けられてもよいし、
図6および
図7に示すのと同じ方法で支柱50に旋回可能に取り付けられてもよい。同様に、シフタレバー82は、図示のように支柱50に旋回可能に取り付けられてもよいし、伝達装置やエンジン12のような別の構成部品に旋回可能に取り付けられてもよい。
【0024】
[0031]シフトレバー82は、ブレーキレバー60およびブレーキペダル62に関して上述したのと同じかまたは実質的に同じ方法で、操作者の足がフットペグ48に静止している間に、操作者の足による作動のためにシフトペダル84を位置決めするように寸法決め及び構成される。シフトレバー82は、上述のようにクランクケース36内に収容可能な複数の伝達比を規定する伝達装置に(例えば、リンケージ接続を介して)作動可能に接続される。操作者は、シフトペダル84を上下に動かして、複数の伝達比の間で伝達装置をシフトさせる。
【0025】
[0032]自動二輪車10などの車両は、フットサポート組立体40、80の一方または両方を右側および左側に使用することができる。さらに、フットサポート組立体40に関する本明細書の全ての議論は、他に明示的に注記されない限り、足組立体80にも適用される。有利には、フットサポート組立体40および/または80の使用は、車両の全体の部品数を減らし、複数の機能(即ち、フレーム構成部品およびフットサポート)を単一の構成部品(即ち、フレーム部材42およびその関連構造および部品)に組み合わせることによって、よりコンパクトな実装を可能にする。
【0026】
[0033]本開示の目的のために、自動二輪車のフットペグ48が、フットサポート組立体40に関連して使用される例示的なフットサポートとして示され、説明されてきた。しかしながら、フロアボード、ハイウェイペグまたは車両操作者の足を支持する大きさの他の運転者のフットペグ代替物または補助物などの他のフットサポート部材もまた、フットサポート組立体40の一部として使用されてもよいことが理解される。
【0027】
[0034]さらに、フットサポート組立体40は、全地形型車両(ATV)10'(
図8)およびスノーモービル10''(
図9)のような、ストラドル型シートを使用する任意の車両に適用することができる。
図8において、ATV10'は、自動二輪車10と同様の構成部品を有し、同様の構成部品には、「'」(アポストロフィ)が付加されている以外は、同様の参照番号が付されている。ATV10'は、フットサポート組立体40(および/またはフットサポート組立体80、図示せず)がATV10'の下にあるフットサポート面に適用されたストラドル型シート16'を有する。このようにして、ATV10'のフットサポートは、自動二輪車の10に関連して上述したのと同様の方法で、ATV10'のフレームに設置することができる。
【0028】
[0035]
図9において、スノーモービル10''は、自動二輪車10と同様の構成部品を有し、同様の構成部品には、「''」(ダブルアポストロフィ)が付加されていることを除き、同様の参照番号が付されている。スノーモービル10''は、フットサポート組立体40(および/またはフットサポート組立体80、図示せず)がスノーモービル10''の下にあるフットサポート面に適用されたストラドル型シート16''を有する。このようにして、スノーモービル10''のフットサポートは、自動二輪車10に関連して上述したのと同様の方法でスノーモービル10''のフレームに設置することができる。
【0029】
[0036]開示された主題の態様の実施例として、次の条項が提供される。
【0030】
[0037][条項1]
車両の為のフットサポート組立体において、
第1の端部と、第2の端部とを有するフレーム部材であって、前記第1の端部は、第1のフレーム構成部品に固定され、前記第2の端部は、第2のフレーム構成部品に固定される、フレーム部材と、
前記フレーム部材に直接接続されるフットサポートであって、車両操作者の足を支持する大きさである、フットサポートと、
を備える、フットサポート組立体。
【0031】
[0038][条項2]
前記フットサポートは、前記フレーム部材に旋回可能に接続されている、条項1に記載のフットサポート組立体。
【0032】
[0039][条項3]
操作者制御装置を更に備え、前記操作者制御装置は、前記フレーム部材に旋回可能に装着され、前記操作者の足が前記フットサポート上に静止している間に前記操作者の足によって作動されるように位置決めされる、条項1に記載のフットサポート組立体。
【0033】
[0040][条項4]
前記操作者制御装置は、ブレーキペダルである、条項3に記載のフットサポート組立体。
【0034】
[0041][条項5]
前記ブレーキペダルに操作可能に接続されたブレーキマスタシリンダを更に備える、条項4に記載のフットサポート組立体。
【0035】
[0042][条項6]
前記操作者制御装置は、足で操作されるシフタである、条項3に記載のフットサポート組立体。
【0036】
[0043][条項7]
前記フレーム部材は、前記第1の端部から前記第2の端部まで延びる縦軸線を画定し、前記フレーム部材は、支柱を備え、前記支柱は、前記フレーム部材に一体的に固定され、前記縦軸から離れて自由端部分まで横方向および上向きの少なくとも一方に延び、前記支柱は、前記自由端部にフットサポート装着部を有する、条項1~6のいずれか一項に記載のフットサポート組立体。
【0037】
[0044][条項8]
前記車両が自動二輪車である、条項1に記載のフットサポート組立体。
【0038】
[0045][条項9]
エンジンと、フレームと、複数の接地係合部材と、フットサポート組立体とを備える、車両において、
前記フレームは、少なくとも第1のフレーム構成部品と、隙間を画定するために前記第1のフレーム構成部品から間隔を隔てられた第2のフレーム構成部品とを有し、
複数の接地係合部材の少なくとも1つは、前記エンジンに操作可能に接続され、
前記フットサポート組立体は、フレーム部材と、フットサポートとを備え、前記フレーム部材は、前記隙間に位置決めされ、前記第1のフレーム構成部品および第2のフレーム構成部品に取り外し可能に固定され、前記フレーム部材は、前記第1のフレーム構成部品と前記第2のフレーム構成部品との間に耐荷重力伝達リンクを生じるように構成され、前記フットサポートは、前記フレーム部材に直接接続され、車両操作者の足を支持する大きさである、車両。
【0039】
[0046][条項10]
前記第1のフレーム構成部品は、フレーム構成部品を備え、前記第2のフレーム構成部品は、前記エンジンの構成部品を備える、条項9に記載の車両。
【0040】
[0047][条項11]
前記第2のフレーム構成部品は、クランクケースを備える、条項10に記載の車両。
【0041】
[0048][条項12]
前記フットサポートの前記フレーム部材は、ボルト接続部によって前記第1のフレーム構成部品および第2のフレーム構成部品に取り外し可能に固定される、条項10に記載の車両。
【0042】
[0049][条項13]
前記フレーム構成部品の端部に嵌合するように寸法決めされた嵌合部を更に備え、前記嵌合部は、前記ボルト接続部を受けるように構成されたネジ付き孔を含む、条項12に記載の車両。
【0043】
[0050][条項14]
前記エンジンの前記構成部品は、前記ボルト接続部を受けるように構成された前記ネジ付き孔を含む、条項13に記載の車両。
【0044】
[0051][条項15]
前記フレーム部材および前記エンジンのうちの1つに旋回可能に装着された操作者制御装置を更に備え、前記操作者制御装置は、前記操作者の足が前記フットサポート上に静止している間に、前記操作者の足によって作動されるように位置決めされる、条項9~14のいずれか一項に記載のフットサポート組立体。
【0045】
[0052][条項16]
前記複数の接地係合部材のうちの少なくとも1つに操作可能に結合されたブレーキを更に備え、前記操作者制御装置は、前記ブレーキに操作可能に結合された足操作式ブレーキレバーである、条項15に記載の車両。
【0046】
[0053][条項17]
複数のギア比を規定する伝達装置を更に備え、前記操作者制御装置は、前記伝達装置に操作可能に結合され、前記複数のギア比の間で前記伝達装置をシフトするように構成された足操作式シフタである、条項15に記載の車両。
【0047】
[0054][条項18]
前記フットサポート組立体が、前記車両の左側および右側にそれぞれ装着された一対のフットサポート組立体を備える、条項9~14のいずれか一項に記載の車両。
【0048】
[0055][条項19]
複数の接地係合部材のうちの少なくとも1つに操作可能に結合され、ブレーキレバーによって作動されるブレーキと、
複数のギア比を規定し、シフタによって作動される伝達装置であって、前記一対のフットサポート組立体の一方が前記ブレーキレバーに隣接して位置決めされ、前記一対のフットサポート組立体の他方が前記シフタに隣接して位置決めされる、伝達装置と、
を更に備える、条項18に記載の車両。
【0049】
[0056]本発明は例示的な設計を有するものとして説明したが、本発明は、本開示の精神および範囲内でさらに修正することができる。したがって、本出願は、その一般原理を使用した本発明のあらゆる変形、使用、または適応をカバーすることを意図している。さらに、本出願は、本発明が関係する技術分野における既知の又は慣習的な実施の範囲内にあり、かつ添付の特許請求の範囲の範囲内にあるような本開示からの逸脱をカバーすることを意図している。
【国際調査報告】