(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】マルチレベル積層音響波(AW)フィルタパッケージ及び関連する製造方法
(51)【国際特許分類】
H03H 9/145 20060101AFI20240925BHJP
H01L 23/08 20060101ALI20240925BHJP
H01L 23/06 20060101ALI20240925BHJP
H03H 3/08 20060101ALI20240925BHJP
H03H 9/25 20060101ALI20240925BHJP
H03H 9/72 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
H03H9/145 Z
H01L23/08 B
H01L23/06 Z
H03H3/08
H03H9/25 A
H03H9/72
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515431
(86)(22)【出願日】2022-08-22
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 EP2022073325
(87)【国際公開番号】W WO2023046386
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】323006002
【氏名又は名称】アールエフ360・シンガポール・ピーティーイー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホファー、マヌエル
(72)【発明者】
【氏名】ペロア、ザビエル
(72)【発明者】
【氏名】ビック、ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ビーレン、イェレン
(72)【発明者】
【氏名】ハツル、シュテファン・レオポルト
(72)【発明者】
【氏名】ポルトマン、ユルゲン
【テーマコード(参考)】
5J097
【Fターム(参考)】
5J097AA30
5J097BB15
5J097CC02
5J097HA04
(57)【要約】
第2のAWフィルタ(204)上に積層された第1の音響波AWフィルタ(208)を含むマルチレベル積層AWフィルタパッケージ(200)は、接触面を第2のAWフィルタに結合するための相互接続部を備えるメタライゼーション層を含む、半導体製造方法及び構造を採用する。各AWフィルタは、半導体基板上にAWフィルタ回路を含む。基板上のフレーム(218)上に配置された第2の基板(206)は、AWフィルタ回路を保護する。マルチレベルAWフィルタパッケージでは、第1のAWフィルタの第2の基板は、半導体基板と同様の膨張率を有するガラス基板を備える。第2のAWフィルタと接触面とを接続する相互接続部は、分離のために、第1のAWフィルタの半導体基板の側壁面の絶縁体上に配置される。単一のAWフィルタを備える積層AWフィルタパッケージでは、相互接続部は、接触面をAWフィルタに結合する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層音響波(AW)フィルタパッケージであって、
第1の表面を備える第1の基板と、
前記第1の基板の前記第1の表面上のAWフィルタ回路と、
前記第1の基板の前記第1の表面上に配置されたフレームと、
接触面及び側壁面を備える第2の基板と、前記第2の基盤が、前記AWフィルタ回路と前記第2の基板との間にキャビティを形成するために前記フレーム上に配置され、
前記第2の基板の前記接触面及び前記第1の基板の前記第1の表面に結合された少なくとも1つの金属相互接続部を備えるメタライゼーション層と、前記少なくとも1つの金属相互接続部が、前記第2の基板の前記側壁面上に配置され、
を備える、積層AWフィルタパッケージ。
【請求項2】
前記接触面に結合された接触パッドを更に備え、
前記少なくとも1つの金属相互接続部が、前記接触パッドから前記第1の基板の前記第1の表面に信号を再分配するように構成される、
請求項1に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項3】
前記フレームが、前記第2の基板と前記第1の基板の前記第1の表面との間に配置され、前記第2の基板の前記側壁面の第1の側において、前記第2の基板の前記側壁面から前記第2の基板の前記側壁面に直交する方向に延在し、
前記第1の基板の前記第1の表面が、前記第2の基板の前記側壁面に直交する方向において、前記第2の基板の前記側壁面の第2の側に肩部領域を有する、
請求項1に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの金属相互接続部が、前記第1の基板の前記第1の表面の前記肩部領域上に配置される、請求項3に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項5】
前記接触面上に接触パッドを更に備え、前記接触パッドが外部回路に結合するように構成され、前記少なくとも1つの金属相互接続部が前記接触パッドに電気的に結合される、請求項4に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項6】
前記キャビティの内側から前記肩部領域まで延在する前記第1の基板の前記第1の表面上の表面相互接続部を更に備え、前記表面相互接続部が、前記AWフィルタ回路と、前記肩部領域上の前記メタライゼーション層の前記少なくとも1つの金属相互接続部とに電気的に結合される、請求項4に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項7】
前記メタライゼーション層の前記少なくとも1つの金属相互接続部が、前記第2の基板と前記第1の基板との間の前記フレームの側面に配置される、請求項6に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項8】
前記フレームが、前記第2の基板の前記側壁面の前記第2の側の前記肩部領域内へと、前記第2の基板の前記側壁面と直交する方向に延在し、
前記メタライゼーション層の前記少なくとも1つの金属相互接続部が、前記フレームの上面上に配置される、
請求項7に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項9】
前記フレームが第1の材料を含み、前記第2の基板が前記第1の材料とは異なる第2の材料を含む、請求項1に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項10】
前記フレームが、ポリマー材料を含み、
前記第2の基板が、ガラスを含み、
前記第1の基板が、半導体材料を含む、
請求項9に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項11】
前記フレームが、前記第2の基板の周囲に沿って配置された周囲フレームを更に備え、
前記キャビティが、前記周囲フレームによって囲まれている、
請求項1に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項12】
前記フレームが、前記周囲フレームの少なくとも一部分に直交して前記キャビティ内へと延在するフレーム部材を更に備える、請求項11に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項13】
前記フレーム部材が、前記フレームの複数のフレーム部材のうちの1つを備える、請求項12に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項14】
前記フレーム部材が、前記周囲フレームに結合された第1の端部を備える線形フレーム部材を更に備える、請求項12に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項15】
前記キャビティが、前記線形フレーム部材の第1の側の第1のキャビティ部分から前記線形フレーム部材の第2の端部の周りを通って前記線形フレーム部材の第2の側の第2のキャビティ部分まで延在する連続キャビティを備える、請求項14に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項16】
前記第1の基板の前記第1の表面上の前記AWフィルタ回路が、第1のAWフィルタ回路であり、
前記第1のAWフィルタ回路が、前記線形フレーム部材の前記第1の側の前記第1のキャビティ部分内に配置され、
前記積層AWフィルタパッケージが、前記線形フレーム部材の前記第2の側に別のAWフィルタ回路を更に備える、
請求項15に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項17】
前記キャビティが、前記フレームが除外された、最大400マイクロメートル(μm)の直径を有する連続円形領域を備える、請求項1に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項18】
前記連続円形領域の直径が360μmよりも大きい、請求項17に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項19】
第3の基板の第2の表面上に第2のAWフィルタ回路を備える第3の基板と、
前記第3の基板の前記第2の表面上に配置された第2のフレームと、
を更に備え、
前記第1の基板が、前記第2のAWフィルタ回路と前記第1の基板との間に第2のキャビティを形成するために前記第2のフレーム上に配置される、
請求項5に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項20】
前記第1の基板が、前記第1の基板の前記第1の表面に直交する側壁面を更に備え、
前記第2のフレームが、前記第1の基板と前記第3の基板の前記第2の表面との間に配置され、前記第1の基板の前記側壁面の第1の側において、前記第1の基板の前記側壁面から前記第1の基板の前記側壁面と直交する方向に延在し、
前記第3の基板の前記第2の表面が、前記第1の基板の前記第1の側壁面と直交する方向において、前記第1の基板の前記側壁面の第2の側に下部肩部領域を含む、
請求項19に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項21】
前記少なくとも1つの金属相互接続部が、
前記第1の基板の前記側壁面上及び、
前記第3の基板の前記第2の表面の前記下部肩部領域上
に配置される、請求項20に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項22】
前記第2のキャビティの内側から前記下部肩部領域まで延在する前記第3の基板の前記第2の表面上の表面相互接続部を更に備え、前記表面相互接続部は、前記第2のAWフィルタ回路と、前記下部肩部領域上の前記少なくとも1つの金属相互接続部とに電気的に結合される、請求項21に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項23】
前記少なくとも1つの金属相互接続部が、前記第1の基板と前記第3の基板との間で前記第2のフレームの側面に配置される、請求項21に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項24】
前記第2のフレームが、前記第1の基板の前記側壁面の前記第2の側の前記下部肩部領域上へと、前記第1の基板の前記側壁面と直交する方向に延在し、
前記少なくとも1つの金属相互接続部が、前記第2のフレームの上面上に配置される、
請求項23に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項25】
積層音響波(AW)フィルタパッケージを製造する方法であって、
第1の表面を備える第1の基板を形成することと、
前記第1の基板の前記第1の表面上にAWフィルタ回路を形成することと、
前記第1の基板の前記第1の表面上にフレームを形成することと、
接触面及び側壁面を備える第2の基板を形成することと、
前記AWフィルタ回路と前記第2の基板との間にキャビティを形成するために前記第2の基板を前記フレーム上に配置することと、
前記第2の基板の前記接触面及び前記第1の基板の前記第1の表面に結合された少なくとも1つの金属相互接続部を備えるメタライゼーション層を形成することと、前記少なくとも1つの金属相互接続部が、前記第2の基板の前記側壁面上に配置され、
を備える、方法。
【請求項26】
前記第2の基板と前記第1の基板の前記第1の表面との間に前記フレームを配置し、前記第2の基板の前記側壁面の第1の側において、前記第2の基板の前記側壁面から前記第2の基板の前記側壁面と直交する方向に延在させることと、
前記第2の基板の前記側壁面と直交する方向において、前記第2の基板の前記側壁面の第2の側に前記第1の基板の前記第1の表面の肩部領域を形成することと、
を更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
積層音響波(AW)フィルタパッケージであって、
第1の表面及び側壁面を備える第1の基板と、
前記第1の基板の前記第1の表面上の第1のAWフィルタ回路と、
前記第1の基板の前記第1の表面上に配置された第1のフレームと、
接触面及び側壁面を備える第2の基板と、前記第2の基板は、前記第1のAWフィルタ回路と前記第2の基板との間に第1のキャビティを形成するために前記第1のフレーム上に配置され、
第3の基板の第2の表面上に第2のAWフィルタ回路を備える第3の基板と、
前記第3の基板の前記第2の表面上に配置された第2のフレームと、
前記第1の基板が、前記第2のAWフィルタ回路と前記第1の基板との間に第2のキャビティを形成するために前記第2のフレーム上に配置され、
前記第2の基板の前記接触面及び前記第3の基板の前記第2の表面に結合された少なくとも1つの金属相互接続部を備えるメタライゼーション層と、前記少なくとも1つの金属相互接続部が、前記第1の基板の前記側壁面上に配置され、
前記第1の基板の前記側壁面と前記少なくとも1つの金属相互接続部との間で前記第1の基板の前記側壁面上に配置された絶縁体と、
を備える、積層AWフィルタパッケージ。
【請求項28】
前記絶縁体が、前記少なくとも1つの金属相互接続部と前記第1のフレームとの間に配置される、請求項27に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項29】
前記絶縁体が、前記少なくとも1つの金属相互接続部と前記第1の基板の前記第1の表面との間に配置される、請求項27に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項30】
前記絶縁体が、前記少なくとも1つの金属相互接続部と前記第2の基板の前記側壁面との間に配置される、請求項27に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項31】
前記接触面から前記第1の基板の前記第1の表面まで前記第2の基板を貫通して延在するビアを更に備える、請求項28に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項32】
前記接触面に接触パッドを更に備え、
前記接触パッドが、電気信号を伝導するように構成され、
前記ビアが、前記第1のAW回路を前記接触パッドに電気的に結合するように構成される、
請求項31に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項33】
第2の表面に直交する第1の方向における前記第3の基板の厚さが、60~130マイクロメートル(μm)の範囲であり、
前記第1の方向における前記第1の基板の厚さが、30~70μmの範囲であり、
前記第1の方向における前記第2の基板の厚さが、30~70μmの範囲である、
請求項28に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項34】
前記第1の基板の厚さが85μm未満であり、
前記第3の基板の厚さが55μm未満であり、
前記第2の基板の厚さが55μm未満である、
請求項33に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【請求項35】
積層音響波フィルタ(AWフィルタ)パッケージを形成する方法であって、
第1の表面及び側壁面を備える第1の基板を形成することと、
前記第1の基板の前記第1の表面上に第1のAWフィルタ回路を形成することと、
前記第1の基板の前記第1の表面上に第1のフレームを形成することと、
接触面及び側壁面を備える第2の基板を形成することと、
前記第1のAWフィルタ回路と前記第2の基板との間に第1のキャビティを形成するために前記第1のフレーム上に第2の基板を配置することと、
第3の基板の第2の表面上に第2のAWフィルタ回路を備える第3の基板を形成することと、
前記第3の基板の前記第2の表面上に第2のフレームを形成することと、
前記第2のAWフィルタ回路と前記第1の基板との間に第2のキャビティを形成するために前記第2のフレーム上に前記第1の基板を配置することと、
前記第1の基板の前記側壁面上に絶縁体を形成することと、
前記第2の基板の前記接触面及び前記第3の基板の前記第2の表面に結合された少なくとも1つの金属相互接続部を備えるメタライゼーション層を形成することと、前記少なくとも1つの金属相互接続部が、前記第1の基板の前記側壁面上の前記絶縁体上に配置され、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
I.開示の分野
[0001] 本開示の分野は、基板上に音響波AW(acoustic wave、AW)フィルタ回路を有するAWフィルタと、AWフィルタ回路を備える積層基板とを含む、AWフィルタパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
II.背景技術
[0002] モバイル無線デバイスの製造業者は、新たな世代ごとにデバイスの機能的能力を増大させることによって、新たなデバイスを購入者にとって魅力的にすることができる。デバイスの能力を増大させることは、典型的に、より多くの回路が追加されることを必要とし、それは、より多くの空間を占めるが、ハンドヘルドデバイスのデバイスサイズは、例えば、同じままである人間の手のサイズに基づく。デバイスサイズを増大させることなく機能の増大を達成するための方法は、より多くの回路がデバイスの内部空間に収まるように、機能的能力を提供する回路の寸法を低減することを含む。トランジスタ及びワイヤの面積の低減は、回路密度を増大させることができ、半導体チップのサイズを低減すること、又は所与のサイズの半導体チップ上により多くの回路を配置することを可能にする。パッケージ内の集積回路(integrated circuit、IC)の数を増加させる別の方法は、3次元(3D)IC積層である。この方法によって、横に並んで配置された2つのICが以前に占めていた領域は、同じ水平領域において1つのICを別のICの上に垂直に積層することによって低減され(例えば、半分に切断され)、パッケージ高さの僅かな増大のみをもたらし得る。積層されたIC内の能動回路は、金属、誘電材料、絶縁体、及び/又は成形コンパウンドの層内に封入され、パッケージ内にICを積層することは、ICの動作に著しく干渉しない場合がある。
【0003】
[0003] ハンドヘルドデバイスはまた、無線周波数(radio frequency、RF)回路を含む無線デバイスを含む。RF回路は、音響波(AW)フィルタ回路を含むAWデバイスとして従来形成されているアナログフィルタを含む。AWフィルタ回路の例として、表面音響波(surface acoustic wave、SAW)フィルタ回路及びバルク音響波(bulk acoustic wave、BAW)フィルタ回路が挙げられる。AWフィルタ回路は、電気入力信号を圧電材料内の音響波へと変換する。一例では、SAWフィルタ回路は、RF信号を受信するように構成された圧電材料の表面上の第1のインターデジタルトランスデューサ(interdigital transducer、IDT)と、フィルタリングされたRF信号を生成するように構成された表面上の第2のIDTとを含む。RF信号は、第1のIDTから第2のIDTへ圧電材料の表面を通って伝播する音響波へと変換される。SAWフィルタ回路内の音響波は、物理的接触から保護される必要があり、これは、波の伝播と干渉する。保護は、基板の表面の上方にキャビティ又は空気空間を提供することによって行われる。このようなキャビティは、AWフィルタ回路を保護するために必要であり、積層されたICは、そのようなキャビティを必要としないため、AWフィルタデバイスは、3D IC積層において使用される従来の方法によって積層されていない。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 詳細な説明において開示される例示的な態様は、積層音響波(AW)フィルタを支持するための構造を含むマルチレベル積層AWフィルタパッケージを含む。関連する製造方法も開示される。マルチレベル積層AWフィルタパッケージをサポートする、本明細書で開示される特定の構造及び製造方法は、単一のAWフィルタのみを含むAWフィルタパッケージにおいても採用され得る。この点に関して、本明細書で開示されるAWフィルタパッケージは、少なくとも1つのAWフィルタ回路がその上に配置された第1の表面(例えば、圧電材料)を備える第1の基板を各々が含む1つ以上のAWフィルタを含む。各AWフィルタ回路は、無線周波数(RF)信号フィルタリングを提供するための第1及び第2のインターデジタルトランスデューサ(IDT)を備える。各AWフィルタはまた、第1の基板に結合され、少なくとも1つのAWフィルタ回路を囲むフレームを含む。フレーム上に配置された第2の基板(例えば、キャップ基板)は、第1の基板と第2の基板との間のフレームの内側にエアキャビティを囲い込む。1つの例示的な態様では、AWフィルタパッケージは、複数の周波数又は周波数帯域をフィルタリングするための複数のフィルタ回路を含むように積層配置で垂直方向に積層された複数のAWフィルタを含むマルチレベルAWフィルタパッケージを含む。マルチレベルAWフィルタパッケージは、第1の基板上に配置された少なくとも第1のAWフィルタ回路を含む第1の上部AWフィルタと、第1の基板上に配置された第1のフレーム上に配置された第2の基板とを含む。第3の基板上に配置された第2のフレーム上に配置された第1の基板は、マルチレベルAWフィルタパッケージを形成するために、少なくとも第2のAWフィルタ回路を含む第2の下部AWフィルタを囲い込む。第1の基板及び第3の基板は、半導体基板として半導体材料から形成され得る。第1の基板及び第3の基板を半導体基板として製造することは、半導体ダイパッケージを製造する際に使用される半導体製造プロセス及び技法を使用して、AWフィルタパッケージを製造することを可能にすることができる。
【0005】
[0005] マルチレベルAWフィルタパッケージの第1の例示的な態様では、第1のAWフィルタに提供された金属相互接続部は、第2の基板の接触面上の接触パッドからそれぞれのAWフィルタ回路においてRF信号を受信し、それぞれのフィルタリングされたRF信号を接触面上の接触パッドに提供するための別個の信号経路を提供するために、第2のAWフィルタに提供された金属相互接続部とは別個である。この点に関して、金属化された垂直相互接続アクセス(ビア)の形態の第1の金属相互接続部は、第1の上部AWフィルタのための相互接続経路を提供するために、第2の基板を貫通して第1の基板の表面まで配置される。更に、第2の金属相互接続部を含むメタライゼーション層が、積層AWフィルタの外周壁上に形成されて、第1の上部AWフィルタの相互接続経路から物理的かつ電気的に分離された第2の下部AWフィルタのAWフィルタ回路のための相互接続経路を提供する。メタライゼーション層の第2の金属相互接続部は、第2の下部AWフィルタ回路と、第1の上部AWフィルタの第2の基板の接触面上の第1の接触パッドとの間の相互接続経路を提供する。例えば、再分配層(redistribution layer、RDL)などのメタライゼーション層内の金属相互接続部としてAWフィルタパッケージ内にAWフィルタの相互接続経路を形成することは、AWフィルタパッケージを製造するためにメタライゼーション層製造プロセス(例えば、RDL製造プロセス)を採用することを可能にする。単一のAWフィルタのみを含み、積層AWフィルタを含まないAWフィルタパッケージにおいても、AWフィルタの相互接続経路のための金属相互接続部を提供するためにメタライゼーション層内の金属相互接続部が採用することができる。また、マルチレベルAWフィルタパッケージの例では、第2の基板、第1の基板、及び第3の基板の側壁面は、積層AWフィルタの外周壁上のメタライゼーション層の形成をサポートして、第2の基板の接触面上の接触パッドから第2の下部AWフィルタ回路への相互接続経路を提供するために、水平方向に互い違いにすることができる。互い違いの側壁面は、第2の基板から外に延在する第1の基板上の肩部領域を形成し、マルチレベルAWフィルタパッケージでは、AWフィルタパッケージの第1の基板から延在する第3の基板上の下部肩部領域を形成する。互い違いの側壁面は、積層AWフィルタの外周壁上に金属相互接続部を形成するためのサポートを提供し、金属相互接続部を形成できないことがある「負の露出」領域を形成する重なりを回避する。
【0006】
[0006] マルチレベルAWフィルタパッケージの別の例示的な態様では、金属相互接続部(例えば、RDL相互接続部)は、第2の基板の接触面から第2の下部AWフィルタへの相互接続経路を提供するために、積層AWフィルタの外周壁上に形成され、この相互接続経路は、第2の下部AWフィルタの第3の基板まで下方に延在する前に、第1の上部AWフィルタの第1の基板の外壁上に必然的に延在する。第1の上部AWフィルタの第1の基板は、第2の下部AWフィルタの第2の基板と第3の基板との間に配置される。したがって、第2の基板上の接触パッドから第2のAWフィルタの第3の基板までの相互接続経路内の第2の金属相互接続部内で搬送される電気信号は、第1の上部AWフィルタの第1の基板と電気的に接触することがあり、第2の金属相互接続部と第1の上部AWフィルタの少なくとも1つのAWフィルタ回路との間に漏れ電流経路を引き起こす。漏れ電流は、第1の基板及び第3の基板上のAWフィルタ回路の性能と干渉することがある。この点に関して、別の例示的な態様では、1つ以上の絶縁層が、第1の基板と第2の金属相互接続部との間の積層AWフィルタの外周壁上に配置される。第2の金属相互接続部は、積層AWフィルタの外周壁上に配置された1つ以上の絶縁層の上に形成される。このようにして、第2の金属相互接続部によって搬送される電気信号は、第1の上部AWフィルタの第1の基板から分離され絶縁される。
【0007】
[0007] AWフィルタパッケージの別の例示的な態様では、第1の上部AWフィルタの第2の基板は、第1のAWフィルタ回路への第1の金属相互接続部のための金属化されたビアを形成するために第2の基板に精密な開口を形成することが可能になるようにレーザ加工され得るガラス材料から作られることができる。ガラスの第2の基板はまた、AWフィルタパッケージに機械的堅牢性及び安定性を有利に提供し得る。ガラスの熱膨張係数(Coefficient of Thermal Expansion、CTE)は、例えば、第2の基板を形成するために従来使用されてきたポリマー材料のCTEよりも高い。特に、複数のAWフィルタキャビティが積層配置で各基板上に形成される積層マルチレベルAWフィルタパッケージでは、フィルタキャビティ内の撓みに起因する第2の基板又は第1の基板の破損を回避するために、AWフィルタパッケージに機械的安定性を提供することが重要である。また、ガラスの第2の基板を採用することは、AWフィルタパッケージの全高を所望の高さバジェット内に維持するために採用される低減された厚さの基板に機械的安定性を提供することができる。
【0008】
[0008] 1つの例示的な態様では、積層AWフィルタパッケージが開示される。積層AWフィルタパッケージは、第1の表面を備える第1の基板と、第1の基板の第1の表面上のAWフィルタ回路と、第1の基板の第1の表面上に配置されたフレームと、接触面及び側壁面を備える第2の基板であって、AWフィルタ回路と第2の基板との間にキャビティを形成するためにフレーム上に配置される、第2の基板と、第2の基板の接触面及び第1の基板の第1の表面に結合された少なくとも1つの金属相互接続部を備えるメタライゼーション層であって、少なくとも1つの金属相互接続部が、第2の基板の側壁面上に配置される、メタライゼーション層と、を備える。
【0009】
[0009] 別の例示的な態様では、積層AWフィルタパッケージを製造する方法が開示される。本方法は、第1の表面を備える第1の基板を形成することと、第1の基板の第1の表面上にAWフィルタ回路を形成することと、第1の基板の第1の表面上にフレームを形成することと、接触面及び側壁面を備える第2の基板を形成することと、AWフィルタ回路と第2の基板との間にキャビティを形成するために第2の基板をフレーム上に配置することと、第2の基板の接触面及び第1の基板の第1の表面に結合された少なくとも1つの金属相互接続部を備えるメタライゼーション層を形成することであって、少なくとも1つの金属相互接続部が、第2の基板の側壁面上に配置される、形成することと、を含む。
【0010】
[0010] 別の例示的な態様では、積層AWフィルタパッケージが開示される。積層AWフィルタパッケージは、第1の表面及び側壁面を備える第1の基板と、第1の基板の第1の表面上の第1のAWフィルタ回路と、第1の基板の第1の表面上に配置された第1のフレームと、接触面及び側壁面を備える第2の基板であって、第1のAWフィルタ回路と第2の基板との間にキャビティを形成するために第1のフレーム上に積層された第2の基板と、第3の基板の第2の表面上に第2のAWフィルタ回路を備える第3の基板と、第3の基板の第2の表面上に配置された第2のフレームであって、第1の基板が、第2のAWフィルタ回路と第1の基板との間に第2のキャビティを形成するために第2のフレーム上に配置される、第2のフレームと、第2の基板の接触面及び第3の基板の第2の表面に結合された少なくとも1つの金属相互接続部を備えるメタライゼーション層であって、少なくとも1つの金属相互接続部が、第1の基板の側壁面上に配置される、メタライゼーション層と、第1の基板の側壁面と少なくとも1つの金属相互接続部との間で第1の基板の側壁面上に配置された絶縁体と、を備える。
【0011】
[0011] 別の例示的な態様では、積層AWフィルタパッケージを製造する方法が開示される。本方法は、第1の表面及び側壁面を備える第1の基板を形成することと、第1の基板の第1の表面上に第1のAWフィルタ回路を形成することと、第1の基板の第1の表面上に第1のフレームを形成することと、接触面及び側壁面を備える第2の基板を形成することと、第1のAWフィルタ回路と第2の基板との間に第1のキャビティを形成するために第1のフレーム上に第2の基板を配置することと、第3の基板の第2の表面上に第2のAWフィルタ回路を備える第3の基板を形成することと、第3の基板の第2の表面上に第2のフレームを形成することと、第2のAWフィルタ回路と第1の基板との間に第2のキャビティを形成するために第2のフレーム上に第1の基板を配置することと、第1の基板の側壁面上に絶縁体を形成することと、第2の基板の接触面及び第3の基板の第2の表面に結合された少なくとも1つの金属相互接続部を備えるメタライゼーション層を形成することであって、少なくとも1つの金属相互接続部が、第1の基板の側壁面上の絶縁体上に配置される、形成することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】[0012] 積層音響波(AW)フィルタパッケージに採用され得る表面音響波(SAW)デバイスの一例の図である。
【
図2A】[0013] 第1の上部AWフィルタの第1の基板と、第1の基板上に積層された第2の基板であって、第1の基板が第2の下部AWフィルタの第3の基板上に積層されている、第2の基板と、第2の下部AWフィルタを第2の基板上の接触パッドに結合する積層AWフィルタの外周壁上のメタライゼーション層内の金属相互接続部とを含む、マルチレベル積層AWフィルタパッケージの側断面図である。
【
図2B】第1の上部AWフィルタの第1の基板と、第1の基板上に積層された第2の基板であって、第1の基板が第2の下部AWフィルタの第3の基板上に積層されている、第2の基板と、第2の下部AWフィルタを第2の基板上の接触パッドに結合する積層AWフィルタの外周壁上のメタライゼーション層内の金属相互接続部とを含む、マルチレベル積層AWフィルタパッケージの側断面図である。
【
図2C】第1の上部AWフィルタの第1の基板と、第1の基板上に積層された第2の基板であって、第1の基板が第2の下部AWフィルタの第3の基板上に積層されている、第2の基板と、第2の下部AWフィルタを第2の基板上の接触パッドに結合する積層AWフィルタの外周壁上のメタライゼーション層内の金属相互接続部とを含む、マルチレベル積層AWフィルタパッケージの側断面図である。
【
図3】[0014] 基板上のAWフィルタ回路の上にキャビティを形成するように基板の第1の表面上のフレーム上に積層された第2の基板を含む積層AWフィルタパッケージ内のAWフィルタの図である。
【
図4】[0015] 第1の基板上のAWフィルタ回路の上にキャビティを形成するために、第1の基板上の第1のフレーム上に第2の基板を積層することを含む、
図3の積層AWフィルタパッケージを製造するプロセスを示すフローチャートである。
【
図5A】[0016] 積層AWフィルタの外周壁と、漏れ電流を回避するために第3の基板と第2の基板上の接触パッドとの間に延在する金属相互接続部との間に絶縁体を形成することを含む、
図2A~
図2Cの積層AWフィルタパッケージを製造するプロセスを示すフローチャートである。
【
図5B】積層AWフィルタの外周壁と、漏れ電流を回避するために第3の基板と第2の基板上の接触パッドとの間に延在する金属相互接続部との間に絶縁体を形成することを含む、
図2A~
図2Cの積層AWフィルタパッケージを製造するプロセスを示すフローチャートである。
【
図6】[0017]
図2A~
図2C及び
図3のAWフィルタパッケージ内の基板の表面上のフレームの上面図である。
【
図7】[0018]
図2A~
図2Cに示すAWフィルタ回路の例の上面斜視図である。
【
図8】[0019]
図2A~
図2C、
図3、及び
図7に示すように、第1の基板上のフレーム上に積層された第2の基板によってキャビティ内で保護された第1の基板上の第1のAWフィルタ回路を含み、かつ、第1の基板と、第2の基板上の接触パッドから第1の基板の裏側に積層された第3の基板まで延在する金属相互接続部との間に絶縁体も含む、AWフィルタパッケージを含む無線周波数(RF)モジュールを含む例示的な無線通信デバイスのブロック図である。
【
図9】[0020] 基板上のフレーム上に積層された第2の基板によってキャビティ内で保護された第1の基板上の第1のAWフィルタ回路を含み、かつ、
図2A~
図2C、
図3、及び
図7に示すように、本明細書に開示された態様のいずれかにしたがって、第1の基板と、第2の基板上の接触パッドから基板の裏側に積層された第3の基板まで延在する金属相互接続部との間に絶縁体も含む、AWフィルタパッケージを含むことができる例示的なプロセッサベースのシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0021] 次に、図面を参照して、本開示のいくつかの例示的な態様について説明する。「例示的(exemplary)」という語は、「例、事例、又は例示として働くこと」を意味するために本明細書で使用される。「例示的」として本明細書で説明したいかなる態様も、必ずしも他の態様よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。
【0014】
[0022]
図2A~
図2Cに示すような、AWフィルタ回路上に保護キャビティを提供するためにフレーム上に配置された第1の基板及び第2の基板(例えば、キャップ基板)上に少なくとも1つのAWフィルタ回路を各々が含む1つ以上のAWフィルタの積層音響波(AW)フィルタパッケージの例示的な態様を説明する前に、
図1について説明する。
図1は、積層AWフィルタパッケージ内のAWフィルタ104に採用され得る第1の基板102上の表面音響波(SAW)フィルタ回路100の図である。ここでは示されていないが、AWフィルタ104は、本明細書で開示されるように、AWフィルタ回路100を音響干渉から保護するためのキャビティを形成するために、第1の基板102上のフレーム上に配置された第2の基板を含む。この点に関して、
図1は、入力無線周波数(RF)信号の他の周波数を遮断しながら特定の周波数範囲を通すように構成されたAWフィルタ104の斜視図である。AWフィルタ104は、RF送受信回路及びアンテナを含む別の集積回路(IC)パッケージに含まれてもよく、SAWフィルタ回路100は、送信及び/又は受信されたRF信号をフィルタリングするために採用される。第1の基板102は、この例では第1の表面108を形成する圧電材料106を含む。第1の基板102の第1の表面108上には、入力回路として第1のインターデジタルトランスデューサ(IDT)110(1)が配置されている。第1の基板102の第1の表面108上には、第1のIDT110(1)に隣接する出力回路として第2のIDT110(2)もまた配置されている。第1のIDT110(1)は、第1の金属接点116A、116Bにそれぞれ結合された第1の金属相互接続部114A、114Bを介して入力RF信号112を受信するように構成される。第1の基板102上の第1の金属接点116A、116B(例えば、はんだバンプ、はんだボール)は、第1のIDT110(1)に接続する。第1のIDT110(1)は、互いに噛み合う金属相互接続部118A、118B(例えば、金属線、金属トレース)を含み、受信した電気入力RF信号112を、第1のIDT110(1)から第2のIDT110(2)まで基板102の第1の表面108上を伝播する音響波へと変換するように構成される。第1のIDT110(1)は、第1の表面108上に音響波を放射するように構成され、第2のIDT110(2)は、フィルタリングされた音響波を受信し、フィルタリングされた音響波をフィルタリングされたRF信号120に変換するように構成される。第2のIDT110(2)は、第2の金属接点124A、124Bにそれぞれ結合された互いに噛み合う金属相互接続部122A、122Bを含み、フィルタリングされたRF信号120を第2の金属相互接続部126A、126Bに提供する。いくつかの例では、第1の基板102に対応するSAW基板は、複数のSAWフィルタ回路100を含んでもよい。同様に、バルク音響波(BAW)基板は、複数のBAWフィルタ回路を含んでもよい。
【0015】
[0023] 本明細書に開示される例示的な態様は、
図2A~
図2Cの断面側面図に示すようなマルチレベル積層AWフィルタパッケージ200をサポートし、マルチレベル積層AWフィルタパッケージ200は、第1の表面210上に配置された少なくとも1つの第1のAWフィルタ回路208を備える第1の基板206と、第2の表面216上に配置された少なくとも1つの第2のAWフィルタ回路214を備える第3の基板212とをそれぞれ含む、第1の上部AWフィルタ202(「第1のAWフィルタ202」)及び第2の下部AWフィルタ204(「第2のAWフィルタ204」)を含む。第1の基板206及び第3の基板212には、それぞれ第1のAWフィルタ回路208及び第2のAWフィルタ回路214が配置されている。マルチレベル積層AWフィルタパッケージ200は、本明細書では「積層AWフィルタパッケージ200」又は「AWフィルタパッケージ200」と呼ばれることもある。
【0016】
[0024] 第1のAWフィルタ回路208及び第2のAWフィルタ回路214は、各々、RF信号フィルタリングを提供する。第1のAWフィルタ202は、第1の基板206に結合され、少なくとも1つの第1のAWフィルタ回路208を囲む第1のフレーム218を含む。第1のフレーム218上に配置された第2の基板220は、第1のAWフィルタ回路208の上方、第1のフレーム218の内側、かつ第1の基板206とキャップ基板220との間に第1のキャビティ222(例えば、エアキャビティ)を囲い込む。第2の基板220は、第1のフレーム218上に配置されることによって、本明細書では「キャップ基板220」と呼ぶこともできるキャップ構造を形成する。第2のAWフィルタ204は、第3の基板212に結合され、少なくとも1つの第2のAWフィルタ回路214を囲む第2のフレーム224を含む。第1のAWフィルタ202の第1の基板206は、第1の基板206と第3の基板212との間の第2のフレーム224内に第2のキャビティ226(例えば、エアキャビティ)を囲い込むキャップ構造を提供するために、第2のフレーム224上に配置される。この点に関して、マルチレベルAWフィルタパッケージ200は、複数の周波数又は周波数帯域をフィルタリングするための複数のフィルタ回路を含むように積層配置で垂直方向に積層された複数のAWフィルタを含む。
【0017】
[0025] 第1の基板206及び第3の基板212は、基板が圧電材料から形成される従来のプロセスよりも安価とすることができる半導体ダイパッケージを製造する際に使用される半導体製造プロセス及び技法を利用するために、半導体基板213として、半導体材料から形成され得る。第1の基板206及び第3の基板212を製造することは、圧電材料228を含む第1の表面210及び第2の表面216を有する、シリコン基板などの半導体基板213を形成することを含む。圧電材料228は、第1の基板206及び第3の基板212上に配置された水晶、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、窒化アルミニウム(AlN)、スカンジウムドープAlN(AlNSc)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、及び亜鉛酸化物(ZnO)を含むがこれらに限定されない任意の適切な圧電材料であってもよい。
【0018】
[0026] マルチレベルAWフィルタパッケージ200において、第1の金属相互接続部230は、第1のAWフィルタ202がRF信号を受信し、フィルタリングされたRF信号をキャップ基板220の接触面234に送信するための相互接続経路(「信号経路」)232を提供する。第1の金属相互接続部230は、少なくとも1つの第2の金属相互接続部236から分離されており、第2のAWフィルタ204のための信号経路238を提供する。この点に関して、第1の金属相互接続部230は、第1のAWフィルタ回路208に信号経路232を提供するために、キャップ基板220を貫通して第1の基板206の第1の表面210まで配置された金属化垂直相互接続アクセス(ビア)240の形態である。更に、メタライゼーション層243内の少なくとも1つの第2の金属相互接続部236(「金属相互接続部236」)は、第1のAWフィルタ202の信号経路232から物理的かつ電気的に分離された、第2のAWフィルタ204の第2のAWフィルタ回路214のための信号経路238を提供するために、積層AWフィルタ202、204の外周壁244上に形成される。金属相互接続部236は、第2のAWフィルタ回路214と、第1のAWフィルタ202のキャップ基板220の接触面234上に配置された接触パッド246との間に信号経路238を提供する。接触パッド246は、パッド又はバンプ内に形成され、かつ、電気信号を伝導するように構成され得る金属又は金属合金(例えば、はんだ)を含む。この例では、メタライゼーション層243内に形成された金属相互接続部236は、接触パッド246から第1の基板206の第1の表面210に信号を分配するように構成される。非限定的な例として、金属相互接続部236は、接触パッド246に結合された1つ以上の再分配層(RDL)層内に形成されたRDL相互接続部であってもよく、RDL相互接続部は、接触パッド246から第1の基板206の第1の表面210に信号を再分配するように構成される。第2のAWフィルタ204の信号経路238をメタライゼーション層243の第2の金属相互接続部236としてAWフィルタパッケージ200内に形成することは、例えば、AWフィルタパッケージ200を製造するために、メタライゼーション層製造プロセスを採用することを可能にすることができる。例えば、メタライゼーション層243がRDLである場合、RDL製造プロセスが採用され得る。
【0019】
[0027] メタライゼーション層製造プロセス(例えば、RDL製造プロセス)において金属相互接続部236が形成され得る表面は、基板の第1の側(例えば、上側)の基板に平行な(例えば、水平な)表面、基板に直交する(例えば、垂直な)表面、又は基板の第1の側の傾斜面を含む。しかしながら、金属相互接続部236は、基板の第2の側(例えば、下向きの側)にあり、基板の第1の側において基板に直交する方向から露出されない傾斜面又は水平な表面上にはうまく形成されないことがある。例えば、メタライゼーション層は、上向き表面及び連続側壁面上に形成されてもよいが、下向き表面又は上部基板によって陰になる側壁面上には形成されなくてもよい。この点に関して、AWフィルタ202、204の外周壁244上に連続金属相互接続部236を成功裏に製造するために、上部構造が下部構造に張り出す(例えば、第1の側から下部構造を陰にする)領域などの「負の露出」領域は、メタライゼーション層243の形成において信頼できない結果をもたらす可能性がある。積層構造に関する例では、基板の側面がZ軸方向に位置合わせされた基板の積層体の外周壁に金属相互接続部が形成され得る。しかしながら、これは、金属相互接続部がその上にある積層体の各外周壁がZ軸方向に位置合わせされることを必要とする。しかしながら、実際には、基板の製造公差により、基板の幅が変動し、基板のオーバーレイが変動する可能性がある。積層体内の下部基板よりも大きな幅を有し、積層体の少なくとも一方側において下部基板から張り出している積層体内の上部基板は、張り出している上部基板の第2の側に(例えば、Z軸方向に)陰領域(例えば、負の露出領域)を形成する。このような陰領域は、上部基板の第1の側に直交する方向(例えば、Z軸方向)に露出されないため、陰領域にはメタライゼーション層が適切に形成されないことがある。
【0020】
[0028] この点に関して、別の例示的な態様では、マルチレベルAWフィルタパッケージ200の例では、第2のAWフィルタ回路214への信号経路238を提供するために、積層AWフィルタ202、204の外周壁244上への金属相互接続部236の形成をサポートするように、キャップ基板220の側壁面250、第1の基板206の側壁面252、及び第3の基板212の側壁面254は、水平方向において互いに対して互い違いにされ得る。ここで、「互い違い(staggered)」とは、第1の基板206がキャップ基板220の側壁面250よりもX軸方向に延在し、第3の基板212が第1の基板206の側壁面252よりもX軸方向に延在し、X軸方向において第1の基板206の側壁面252がキャップ基板220の側壁面250と第3の基板212の側壁面254との間にあることを意味する。互い違いの側壁面250、252は、キャップ基板220の側壁面250に直交する方向(例えば、X軸方向)にキャップ基板220の側壁面250(
図2Bを参照)を超えて延在する第1の基板206の肩部領域256を形成する。互い違いの側壁面252、254はまた、マルチレベルAWフィルタパッケージ200において、AWフィルタパッケージ200の第1の基板206の側壁面252を越えて(例えば、X軸方向に)延在する第3の基板212上の下部肩部領域258を形成する。肩部領域256及び下部肩部領域258は、例えば、RDL製造プロセスを使用して、積層AWフィルタ202、204の外周壁244上に金属相互接続部236を形成するためのサポートを提供し、金属相互接続部236を形成できないことがある負の露出領域を形成する重なりを回避する。
【0021】
[0029]
図2A~
図2Cを更に参照すると、金属相互接続部236は、キャップ基板220の接触面234上に配置され、接触パッド246に電気的に結合される。接触パッド246は、RF信号を受信するために、又はフィルタリングされたRF信号を提供するために、外部回路に結合するように構成される。接触パッド246上で受信又は生成された信号は、金属相互接続部236を介して、第3の基板212上の第2のAWフィルタ回路214のうちの1つに電気的に結合され得る。この点に関して、金属相互接続部236は、接触面234(例えば、AWフィルタパッケージ200の上面)からキャップ基板220の側壁面250上へと続いている。キャップ基板220の側壁面250は、接触面234と直交する垂直方向(例えば、Z軸方向)に延在している。第1のフレーム218は、キャップ基板220と第1の基板206の第1の表面210との間に配置されている。第1のフレーム218の側壁面260は、キャップ基板220の側壁面250に対して直交する方向(例えば、X軸方向)にずれることなく、キャップ基板220の側壁面250と並んで(例えば、Z軸方向に)延在していてもよい。このようにして、キャップ基板220の側壁面250及び第1のフレーム218の側壁面260は、金属相互接続部236が、例えば、RDL製造プロセス又は他のメタライゼーション層製造プロセスによって形成されることを可能にすることができる。金属相互接続部236は、キャップ基板220の側壁面250から、キャップ基板220と第1の基板206との間の第1のフレーム218の側壁面260上へと延在する。第1のフレーム218は、キャップ基板220を支持するために、キャップ基板220の側壁面250の第1の側S
1において(すなわち、第1のキャビティ222内へと)、キャップ基板220の側壁面250からキャップ基板220の側壁面250に直交する方向(X軸方向)に延在して。第1のフレーム218は、キャップ基板220とは異なる材料を含む。いくつかの例では、第1のフレーム218は、キャップ基板220が第1の基板206上に積層される前に、キャップ基板220のうちの1つ及び第1の基板206上に形成されるポリマー材料である。キャップ基板220は、例えば、ガラスから形成され得る。
【0022】
[0030] いくつかの例では、第1のフレーム218は、キャップ基板220の側壁面250の第2の側S2において、キャップ基板220の側壁面250に直交する方向に、第1の基板206の第1の表面210上の肩部領域256上へと延在する。この点に関して、第1のフレーム218の側壁面260がキャップ基板220の側壁面250に対して互い違いになるように、第1のフレーム218の側壁面260は、キャップ基板220の側壁面250と位置合わせされず、これもまた金属相互接続部236の形成を可能にする。そのような例では、金属相互接続部236はまた、第1のフレーム218の上面262上に配置される。したがって、金属相互接続部236は、そのような例では、キャップ基板220の側壁面250から第1のフレーム218の上面262上へと、かつ、第1のフレーム218の側壁面260上へと延在する。
【0023】
[0031] 外周壁244に沿ってZ軸方向において第3の基板212に向かう金属相互接続部236に続いて、金属相互接続部236は、第1の基板206の肩部領域256上に、かつ、第1の基板206の側壁面252上へと配置される。第1の基板206の側壁面252は、第1の基板206の第1の表面210に直交していてもよい。第2のフレーム224は、第1の基板206と第3の基板212との間に配置される。第2のフレーム224の側壁面264は、第1の基板206の側壁面252と位置合わせされてもよく、それにより、第1の基板206の側壁面252から延在する金属相互接続部236を形成し、第2のフレーム224の側壁面264上へと続くことが可能になる。第2のフレーム224は、第1の基板206を支持するために、第1の基板206の側壁面252から第1の基板206の側壁面252に直交する方向(例えば、X軸方向)に第1の側S1まで(すなわち、第2のキャビティ226内へと)延在する。
【0024】
[0032] いくつかの例では、第2のフレーム224は、第1の基板206の側壁面252に対して互い違いになるように、第1の基板206の側壁面252の第2の側S2まで第1の基板206の側壁面252に直交する方向に延在する(すなわち、第2のフレーム224の側壁面264は、第1の基板206の側壁面252の側S2までX軸方向に延在する)。そのような例では、金属相互接続部236は、第2のフレーム224の上面266上に配置され、第2のフレーム224の側壁面264上へと続き、第2のフレーム224の側壁面264の第2の側S2上にもある第3の基板212の下部肩部領域258上にも配置される。
【0025】
[0033] 金属相互接続部236を介して第2の表面216上の第2のAWフィルタ回路214に接触パッド246を電気的に結合するために、接触パッド246に結合された金属相互接続部236は、表面相互接続部268にも結合される。表面相互接続部268は、第3の基板212の第2の表面216上に配置され、第2のキャビティ226の内側から下部肩部領域258(キャビティの外側)まで延在する。表面相互接続部268は、第2のAWフィルタ回路214と金属相互接続部236の両方に結合される。第2のフレーム224は、第2のキャビティ226内の第2のAWフィルタ回路214と下部肩部領域254上の金属相互接続部236との間の表面相互接続部268の一部分上へと配置される。このようにして、金属相互接続部236は、第2のAWフィルタ回路214を接触パッド246に電気的に結合する。
【0026】
[0034] 別の例示的な態様では、金属相互接続部236が第3の基板212上の接触パッド246と第2のAWフィルタ回路(単数又は複数)214との間に信号経路238を提供し、金属相互接続部236が第1のAWフィルタ回路208を含む第1の基板206を横切って延在するマルチレベル積層AWフィルタパッケージ200において、絶縁体270は、第1の基板206の側壁面252と金属相互接続部236との間で第1の基板206の側壁面252上に配置される。第1の基板206は、第1の表面210上に圧電材料228を有する半導体基板213のうちの1つを備える。圧電材料228は、半導体である半導体基板213を金属相互接続部236内の電気信号から保護する。製造の際に、半導体基板213は、ウェハからダイシングされ、第1の基板206の側壁面252が露出される(例えば、電気信号から保護されない)。したがって、少なくとも1つの第1のAWフィルタ回路(単数又は複数)208が形成される第1の基板206の側壁面252上へと金属相互接続部236を直接配置することは、第1のAWフィルタ回路208を金属相互接続部236に、したがって第2のAWフィルタ回路214及び接触パッド246に電気的に結合させる。そのような電気的結合の結果として、第1のAWフィルタ回路208と第2のAWフィルタ回路214との間の半導体基板213を介して電流が漏れることがあり、それは、第1及び第2のAWフィルタ回路208、214の動作との干渉を引き起こす可能性があり、また、AWフィルタパッケージ200における電力損失を引き起こす可能性がある。この点に関して、絶縁体270は、第1のAWフィルタ回路208を第2のAWフィルタ回路214から絶縁及び分離するために、第1の基板206の側壁面252と金属相互接続部236との間で第1の基板206の側壁面252上に配置される。製造の際に、絶縁体270は、金属相互接続部236がその上に配置される前に、キャップ基板220の側壁面250、第1のフレーム218の側壁面260、及び第1の基板206の第1の表面210を含む、積層AWフィルタ202、204の外周壁244上に配置される。したがって、絶縁体270は、キャップ基板220の側壁面250と金属相互接続部236との間、第1のフレーム218の側壁面260と金属相互接続部236との間、及び第1の基板206の第1の表面210と金属相互接続部236との間に配置される。
【0027】
[0035] 別の態様では、第1の金属相互接続部230(すなわち、ビア240)及び第2の金属相互接続部236はまた、第1のAWフィルタ回路208及び第2のAWフィルタ回路214から離してキャップ基板220の接触面234まで熱を分散させてAWフィルタパッケージ200から放散させるための別個の熱経路を提供する。キャップ基板220内にビア240を形成することは、例えば、キャップ基板220内に孔をレーザ穿孔することと、電気伝導と熱伝導の両方を提供するために孔を金属で充填することとを含み得る。ビア240は、銅、アルミニウム、又は電気伝導性及び熱伝導性を提供する他の1つ若しくは複数の金属から形成され得る。
【0028】
[0036] 別の態様では、マルチレベル積層AWフィルタパッケージ200の目的は、電子デバイス内の面積を節約することであるが、結果として生じる高さの増大が電子デバイス内での使用に許容可能でない限り、面積の節約は有益ではない。この点に関して、IC加工方法によって加工され得る半導体基板213の第1の基板206及び第3の基板212を形成することによって、第1の基板206及び第3の基板212が薄くされて、パッケージ高さを低減することができる。更に、キャップ基板220をガラスから形成することは、ポリマーなどのより可撓性のキャッピング材料によって提供されない追加の構造的完全性をAWフィルタパッケージ200に提供する。例として、第3の基板212は、第2の表面216に直交する第1の方向に60ミクロン(μm)~130(130)μmの範囲の厚さT212を有してもよく、第1の基板206は、第1の方向に30μm~70μmの範囲の厚さT206を有してもよく、キャップ基板220は、30μm~70μmの範囲の厚さT220を有してもよい。いくつかの例では、第3の基板212の厚さT212は85μm未満であり、厚さT206は55μm未満であり、キャップ基板220の厚さT220は55μm未満である。
【0029】
[0037]
図2A~
図2Cに示されるようなマルチレベル積層AWフィルタパッケージ200をサポートする本明細書で開示される例示的な態様はまた、第1の基板304と、第1の基板304の第1の表面308上のAWフィルタ回路306と、第1の表面308上に配置されたフレーム310と、フレーム310上に配置された(例えば、積層された)第2の基板312とを含む、単一のAWフィルタ302のみを含む
図3に示されるような積層AWフィルタパッケージ300において採用されることができる。第2の基板312は、フレーム310上に配置されることによって、本明細書では「キャップ基板312」と呼ぶこともできるキャップ構造を形成する。この点に関して、メタライゼーション製造プロセスは、少なくとも1つの金属相互接続部314(「金属相互接続部314」)を備えるメタライゼーション層313を製造するために使用され得る。非限定的な例として、メタライゼーション層312は、その中にRDL相互接続部を有するRDLとすることができ、積層AWフィルタを含まないAWフィルタパッケージ300においてもAWフィルタ302の信号経路316を提供する。金属相互接続部314は、第1の基板304からキャップ基板312の接触面320上の接触パッド318への信号経路316(及び熱経路)を提供する。金属相互接続部314は、接触面320上に配置され、接触パッド318に電気的に結合され、第1の基板304の第1の表面308にも結合される。
【0030】
[0038] 非限定的な例としてRDL製造方法などのメタライゼーション製造プロセスを採用するために、第1の基板304の側壁面322は、上述したマルチレベルAWフィルタパッケージ200のように、キャップ基板312の側壁面324に対して互い違いに配置される。したがって、第1の表面308は、キャップ基板312の側壁面324に直交する方向に延在する肩部領域326を含む。金属相互接続部314は、キャップ基板312の側壁面324上へと延在する。フレーム310の側壁面328がキャップ基板312の側壁面324と(例えば、Y軸方向の軸に沿って)位置合わせされている例では、金属相互接続部314は、キャップ基板312の側壁面324からフレーム310の側壁面328上へと延在する。フレーム310は、キャップ基板312を支持し、キャビティ330を提供するために、キャップ基板312の側壁面324からキャップ基板312と第1の基板304との間の第1の側S1まで延在する。いくつかの例では、フレーム310は、キャップ基板312の側壁面324と位置合わせされない。代わりに、フレーム310は、キャップ基板312の側壁面324を越えて、キャップ基板312の側壁面324に直交する方向に、キャップ基板312の側壁面324の第2の側S2まで、第1の基板304の肩部領域326上へと延在し、それにより、フレーム310の側壁面328は、キャップ基板312の側壁面324に対して互い違いにされる。この例では、金属相互接続部314は、キャップ基板312の側壁面324からフレーム310の上面332上へと、かつ、フレーム310の側壁面328上へと延在する。金属相互接続部314は、第1の基板304の第1の表面308上へと配置される。第1の表面308上に配置された表面相互接続部334は、表面相互接続部334がAWフィルタ回路306に電気的に結合されているキャビティ330内から、フレーム310を越えて肩部領域326内へと延在している。金属相互接続部314は、AWフィルタ回路306を接触パッド318に電気的に結合するために、肩部領域326内の表面相互接続部334に電気的に結合される。
【0031】
[0039]
図4は、積層AWフィルタパッケージ300を製造するプロセス400のフローチャートである。プロセス400は、第1の表面308を備える第1の基板304を形成すること(ブロック402)と、第1の基板304の第1の表面308上にAWフィルタ回路306を形成すること(ブロック404)とを含む。プロセス400は、第1の基板304の第1の表面308上にフレーム310を形成すること(ブロック406)と、接触面320及び側壁面324を備える第2の基板(例えば、キャップ基板)312を形成すること(ブロック408)とを含む。プロセス400は、AWフィルタ回路306とキャップ基板312との間にキャビティ330を形成するためにフレーム310上にキャップ基板312を配置すること(ブロック410)と、キャップ基板312の接触面320及び第1の基板304の第1の表面308に結合された少なくとも1つの金属相互接続部314を備えるメタライゼーション層313を形成することであって、少なくとも1つの金属相互接続部314が、キャップ基板312の側壁面324上に配置される、形成すること(ブロック412)とを含む。
【0032】
[0040]
図5A及び
図5Bは、積層AWフィルタパッケージ200を製造するプロセス500のフローチャートである。プロセス500は、第1の表面210及び側壁面252を備える第1の基板206を形成すること(ブロック502)と、第1の基板206の第1の表面210上に第1のAWフィルタ回路208を形成すること(ブロック504)とを含む。プロセス500は、第1の基板206の第1の表面210上に第1のフレーム218を形成すること(ブロック506)と、接触面234及び側壁面250を備えるキャップ基板220を形成すること(ブロック508)とを含む。プロセス500は、第1のAWフィルタ回路208とキャップ基板220との間に第1のキャビティ222を形成するために第1のフレーム218上にキャップ基板220を配置すること(ブロック510)と、第3の基板212の第2の表面216上に第2のAWフィルタ回路214を備える第3の基板212を形成すること(ブロック512)とを含む。プロセス500は、第3の基板212の第2の表面216上に第2のフレーム224を形成すること(ブロック514)と、第2のAWフィルタ回路214と第1の基板206との間に第2のキャビティ226を形成するために第2のフレーム224上に第1の基板206を配置すること(ブロック516)とを含む。プロセス500は、第1の基板206の側壁面256上に絶縁体268を形成すること(ブロック518)と、キャップ基板220の接触面234及び第3の基板212の第2の表面216に結合された少なくとも1つの金属相互接続部(236)を備えるメタライゼーション層243を形成することであって、少なくとも1つの金属相互接続部(236)が、第1の基板206の側壁面252上の絶縁体270上に配置される、形成すること(ブロック520)とを含む。
【0033】
[0041]
図6は、積層AWフィルタパッケージ200及び300の製造をサポートするフレーム600の例の上面図である。フレーム600は、
図2A~
図2Cのフレーム218及び224並びに
図3のフレーム310に対応し得る。フレーム600は、X軸方向及びY軸方向においてより大きい第1の基板606の周囲604に沿って延在する周囲フレーム602を含み、それにより、第1の基板606は、フレーム600に対して幅方向に互い違いにされた肩部領域608を含む。いくつかの例では、フレーム600の寸法は、金属相互接続部が形成されないことがある「負の露出」領域を回避するために、第2の基板(例えば、キャップ基板)と同じサイズであっても、又は第2の基板よりも面積が僅かに大きくてもよい。この例における周囲フレーム602は長方形であるが、正方形又は支持されるべき第2の基板の周囲に対応する別の形状であってもよい。フレーム600は、追加の支持を提供することによって接触面上の圧力に対して第2の基板を支持するためのフレーム部材610を含み、したがって、キャビティ612のサイズは、第1の基板606上により多くのAWフィルタ回路614を含むように増大され得る。フレーム部材610は、周囲フレーム602からキャビティ612を横切って延在している。フレーム部材610は、線形であってもよく、周囲フレーム602と接触し、そこから延在する第1の端部616を有する。フレーム部材610は、キャビティ内にあり、周囲フレーム602と接触していない第2の端部618を含む。キャビティ612は、フレーム部材610の第1の側面上の第1のキャビティ部分620Aからフレーム部材610の第2の側面上の第2のキャビティ部分620Bまで、第2の端部618の周囲に連続する(すなわち、中断しない)。第1のキャビティ部分620Aには、AWフィルタ回路614が配置されてもよい。いくつかの例では、別のAWフィルタ回路624が第2のキャビティ部分620B内に配置されてもよい。図示のように、フレーム600は、第2の基板を支持するために周囲フレーム602からキャビティ612内へと延在する複数のフレーム部材610を含む。
【0034】
[0042] 周囲フレーム602及びフレーム部材610は、第2の基板(図示せず)及び第1の基板606と接触している。フレーム部材610は、第1の基板の接触面への圧力に対してキャビティ612内により多くの支持を提供することによって、積層AWフィルタパッケージを支持する。ガラス基板であり得る第1の基板に印加される圧力は、積層AWフィルタパッケージ内のガラス及び上部基板の内向きの撓みを引き起こす可能性がある。フレーム部材610が除外された(すなわち、フレーム部材610が存在しない)、キャビティ612の領域では、そのような支持されていない領域が大きすぎる場合、ガラスは圧力下で破壊点まで撓む可能性がある。しかしながら、ガラスの第2の基板の構造的剛性に起因して、AWフィルタパッケージのキャビティ612は、本明細書で開示されるように、周囲フレーム602及びフレーム部材610が除外された、最大400μmの直径を有する円形領域626を含み得る。いくつかの例では、円形領域626は、360μm~400μmの範囲の直径(D1)を有する。
【0035】
[0043]
図7は、積層AWフィルタパッケージ700の上面斜視図である。積層AWフィルタパッケージ700は、第1のAWフィルタ706を形成するために第1の基板704の上方に積層された第2の基板702を含む。第2の基板702は、第1の基板704の上に配置されることによって、本明細書では「キャップ基板702」と呼ぶこともできるキャップ構造を形成する。第1のAWフィルタ706はまた、第2のAWフィルタ710を形成するために第3の基板708上に積層されるようなキャップ構造を提供する。積層AWフィルタパッケージ700は、キャップ基板702上に接触パッド712を含む。接触パッド712は、第1の基板704上の第1のAWフィルタ回路(図示せず)に結合するためにキャップ基板702を貫通して延在するビア716を備える第1の金属相互接続部714に結合する。第2の金属相互接続部718(RDL相互接続部であり得る)は、接触パッド712から外周壁720に沿って第2のAWフィルタ710まで延在する。第2の金属相互接続部718は、第1の基板704の半導体材料に電気的に結合することなく、接触パッド712を第3の基板708上の第2のAWフィルタ回路(図示せず)に結合するために、第1の基板704の側壁面724上の絶縁体722上に配置される。
【0036】
[0044]
図8は、1つ以上のIC802から形成されたRF構成要素を含み、かつ、積層AWフィルタパッケージ803を含むことができる、例示的な無線通信デバイス800を示している。積層AWフィルタパッケージ803は、第1の基板上に配置された第1のAWフィルタ回路と、第1の基板上に配置された第1のフレーム上に配置された第2の基板と、第2の下部AWフィルタ回路を囲い込むように第3の基板上に配置された第2のフレーム上に配置された第1の基板とを含み、かつ、
図2A~
図2C、
図3及び
図7に示すように、本明細書に開示された態様のいずれかにしたがって、第2の基板上の接触パッドは、絶縁体上に配置された金属相互接続部によって第2のAWフィルタ回路に電気的に結合され、第1の基板への漏れ電流から保護する。無線通信デバイス800は、例として、上記のデバイスのうちのいずれかを含み得る、又は上記のデバイスのうちのいずれかの中に提供され得る。
図8に示すように、無線通信デバイス800は、トランシーバ804及びデータプロセッサ806を含む。データプロセッサ806は、データ及びプログラムコードを記憶するためのメモリを含み得る。トランシーバ804は、双方向通信をサポートする送信機808と受信機810とを含む。一般に、無線通信デバイス800は、任意の数の通信システム及び周波数帯域用に、任意の数の送信機808及び/又は受信機810を含んでもよい。トランシーバ804の全部又は一部分は、1つ以上のアナログIC、RFIC、ミックスドシグナルICなどの上に実装され得る。
【0037】
[0045] 送信機808又は受信機810は、スーパーヘテロダインアーキテクチャ又はダイレクトコンバージョンアーキテクチャによって実装され得る。スーパーヘテロダインアーキテクチャでは、信号は、複数の段においてRFとベースバンドとの間で、例えば、1つの段においてRFから中間周波数(intermediate frequency、IF)に、次いで、別の段においてIFからベースバンドに周波数変換される。ダイレクトコンバージョンアーキテクチャでは、信号は、1つの段階において、RFとベースバンドとの間で周波数変換される。スーパーヘテロダインアーキテクチャ及びダイレクトコンバージョンアーキテクチャは、異なる回路ブロックを使用すること、及び/又は異なる要件を有することがある。
図8における無線通信デバイス800では、送信機808及び受信機810は、ダイレクトコンバージョンアーキテクチャによって実装される。
【0038】
[0046] 送信経路では、データプロセッサ806は、送信されるべきデータを処理し、Iアナログ出力信号及びQアナログ出力信号を送信機808に提供する。例示的な無線通信デバイス800では、データプロセッサ806は、データプロセッサ806により生成されるデジタル信号を、更なる処理のために、Iアナログ出力信号及びQアナログ出力信号、例えばI出力電流及びQ出力電流へと変換するためのデジタルアナログ変換器(digital-to-analog converter、DAC)812(1)及び812(2)を含む。
【0039】
[0047] 送信機808内では、ローパスフィルタ814(1)及び814(2)が、それぞれ、Iアナログ出力信号及びQアナログ出力信号をフィルタリングして、前のデジタルアナログ変換によって引き起こされた不要な信号を除去する。ローパスフィルタ814(1)、814(2)は、AWフィルタパッケージ803として実装され得る。増幅器(amplifier、AMP)816(1)、816(2)は、それぞれ、ローパスフィルタ814(1)、814(2)からの信号を増幅し、Iベースバンド信号及びQベースバンド信号を供給する。アップコンバータ818は、送信(TX)局部発振(local oscillator、LO)信号発生器822からミキサ820(1)、820(2)を介してITX LO信号及びQ TX LO信号によって、Iベースバンド信号及びQベースバンド信号をアップコンバートして、アップコンバートされた信号824を提供する。フィルタ826は、アップコンバートされた信号824をフィルタリングして、周波数アップコンバージョンにより引き起こされる不要な信号並びに受信周波数帯域中の雑音を除去する。電力増幅器(power amplifier、PA)828は、所望の出力電力レベルを取得するために、フィルタ826からのアップコンバートされた信号824を増幅して、送信RF信号を提供する。送信RF信号は、デュプレクサ又はスイッチ830を通してルーティングされ、アンテナ832を介して送信される。ローパスフィルタ814(1)及び814(2)のいずれか、又はフィルタ826は、音響波フィルタ(AWフィルタ)パッケージ803であってもよい。
【0040】
[0048] 受信経路では、アンテナ832は、基地局によって送信された信号を受信し、受信したRF信号を提供し、RF信号は、デュプレクサ又はスイッチ830を通してルーティングされ、低雑音増幅器(low noise amplifier、LNA)834に提供される。デュプレクサ又はスイッチ830は、受信(RX)信号がTX信号から分離されるように、特定のRXからTXへのデュプレクサ周波数分離で動作するように設計されている。受信されたRF信号は、LNA834によって増幅され、フィルタ836によってフィルタリングされて、所望のRF入力信号を取得する。ダウンコンバージョンミキサ838(1)、838(2)が、フィルタ836の出力を、RX LO信号発生器840からのI及びQ RX LO信号(すなわち、LO_I及びLO_Q)と混合して、Iベースバンド信号及びQベースバンド信号を生成する。I及びQベースバンド信号は、AMP842(1)、842(2)によって増幅され、更にローパスフィルタ844(1)、844(2)によってフィルタ処理されて、Iアナログ入力信号及びQアナログ入力信号を取得し、これらがデータプロセッサ806に提供される。フィルタ836及びローパスフィルタ844(1)、844(2)のいずれも、AWフィルタパッケージ803であってもよい。この例では、データプロセッサ806は、データプロセッサ806によって更に処理されるようにアナログ入力信号をデジタル信号に変換するためにアナログデジタル変換器(analog-to-digital converter、ADC)846(1)、846(2)を含む。
【0041】
[0049]
図8の無線通信デバイス800では、TX LO信号発生器822が、周波数アップコンバージョンに使用されるI及びQ TX LO信号を生成し、RX LO信号発生器840が、周波数ダウンコンバージョンに使用されるI RX LO信号及びQ RX LO信号を生成する。各LO信号は、特定の基本周波数を有する周期信号である。TX位相ロックループ(phase-locked loop、PLL)回路848は、データプロセッサ806からタイミング情報を受信し、TX LO信号発生器822からのTX LO信号の周波数及び/又は位相を調整するために使用される制御信号を生成する。同様に、RX PLL回路850は、データプロセッサ806からタイミング情報を受信し、RX LO信号発生器840からのRX LO信号の周波数及び/又は位相を調整するために使用される制御信号を生成する。
【0042】
[0050] 第2のAWフィルタ回路を含む第3の基板上に更に積層された第1のAWフィルタ回路を含む第1の基板上に積層された第2の基板を含む積層AWフィルタパッケージ803を各々含むことができる無線通信デバイス800であって、
図2A~
図2C、
図3及び
図7に示すように、本明細書に開示される態様のいずれかにしたがって、第2の基板上の接触パッドは、第1の基板への漏れ電流から保護するために、絶縁体上に配置された金属相互接続部によって第2のAWフィルタ回路に電気的に結合され、任意のプロセッサベースのデバイス内に提供され得る、又はその中に集積され得る。例は、限定されるものではないが、セットトップボックス、エンターテイメントユニット、ナビゲーションデバイス、通信デバイス、固定ロケーションデータユニット、モバイルロケーションデータユニット、全地球測位システム(global positioning system、GPS)デバイス、モバイルフォン、セルラーフォン、スマートフォン、セッション開始プロトコル(session initiation protocol、SIP)フォン、タブレット、ファブレット、サーバ、コンピュータ、ポータブルコンピュータ、モバイルコンピューティングデバイス、ウェアラブルコンピューティングデバイス(例えば、スマートウォッチ、ヘルス又はフィットネストラッカ、アイウェアなど)、デスクトップコンピュータ、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、モニタ、コンピュータモニタ、テレビ、チューナー、ラジオ、衛星ラジオ、音楽プレーヤ、デジタル音楽プレーヤ、ポータブル音楽プレーヤ、デジタルビデオプレーヤ、ビデオプレーヤ、デジタルビデオディスク(digital video disc、DVD)プレーヤ、ポータブルデジタルビデオプレーヤ、自動車、車両部品、アビオニクスシステム、ドローン、及びマルチコプターを含む。
【0043】
[0051] この点に関して、
図9は、RF回路を含む積層AWフィルタパッケージ901を含むプロセッサベースシステム900の例を示している。積層AWフィルタパッケージ901は、第1の基板上に配置された第1のAWフィルタ回路と、第1の基板上に配置された第1のフレーム上に配置された第2の基板と、第2の下部AWフィルタ回路を囲い込むように第3の基板上に配置された第2のフレーム上に配置された第1の基板とを含み、第2の基板上の接触パッドは、
図2A~
図2C、
図3、及び
図7に示すように、本明細書に開示される任意の態様にしたがって、第1の基板への漏れ電流から保護するために、絶縁体上に配置された金属相互接続部によって第2のAWフィルタ回路に電気的に結合される。この例では、プロセッサベースシステム900は、CPU又はプロセッサコアと呼ばれることもあり、1つ以上のプロセッサ904を各々含む、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)902を含む。CPU(単数又は複数)902は、一時的に記憶されているデータに迅速にアクセスするために、プロセッサ(単数又は複数)904に結合されたキャッシュメモリ906を有してもよい。CPU(単数又は複数)902は、システムバス908に結合され、プロセッサベースシステム900内に含まれるマスタデバイスとスレーブデバイスとを相互結合することができる。よく知られているように、CPU(単数又は複数)902は、システムバス908を介してアドレス情報、制御情報、及びデータ情報を交換することによって、これらの他のデバイスと通信する。例えば、CPU(単数又は複数)902は、スレーブデバイスの一例として、メモリコントローラ910にバストランザクション要求を通信することができる。
図9には示していないが、複数のシステムバス908が提供され得る。ここで、各システムバス908は、異なるファブリックを構成する。
【0044】
[0052] 他のマスタデバイス及びスレーブデバイスがシステムバス908に接続され得る。
図9に示すように、これらのデバイスは、例として、メモリコントローラ910及び1つ以上のメモリアレイ914、1つ以上の入力デバイス916、1つ以上の出力デバイス918、1つ以上のネットワークインターフェースデバイス920、並びに1つ以上のディスプレイコントローラ922を含むメモリシステム912を含むことができる。メモリシステム912、1つ以上の入力デバイス916、1つ以上の出力デバイス918、1つ以上のネットワークインターフェースデバイス920、及び1つ以上のディスプレイコントローラ922の各々は、積層AWフィルタパッケージ901を含むRF回路を含むことができる。積層AWフィルタパッケージ901は、第1の基板上に配置された第1のAWフィルタ回路と、第1の基板上に配置された第1のフレーム上に配置された第2の基板と、第2の下部AWフィルタ回路を囲い込むように第3の基板上に配置された第2のフレーム上に配置された第1の基板とを含み、第2の基板上の接触パッドは、
図2A~
図2C、
図3及び
図7に示すように、本明細書に開示された態様のいずれかにしたがって、絶縁体上に配置された金属相互接続部によって第2のAWフィルタ回路に電気的に結合され、第1の基板への漏れ電流から保護する。入力デバイス(単数又は複数)916は、入力キー、スイッチ、ボイスプロセッサなどを含むが、それらに限定されない、任意のタイプの入力デバイスを含むことができる。出力デバイス(単数又は複数)918は、オーディオ、ビデオ、他の視覚インジケータなどを含むが、それらに限定されない、任意のタイプの出力デバイスを含むことができる。ネットワークインターフェースデバイス(単数又は複数)920は、ネットワーク924への、及びネットワーク924からのデータの交換を可能にするように構成された任意のデバイスとすることができる。ネットワーク924は、有線ネットワーク又は無線ネットワーク、プライベートネットワーク又はパブリックネットワーク、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)、ワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)、BLUETOOTH(登録商標)ネットワーク、及びインターネットを含むが、それらに限定されない、任意のタイプのネットワークとすることができる。ネットワークインターフェースデバイス(単数又は複数)920は、所望の任意のタイプの通信プロトコルをサポートするように構成され得る。
【0045】
[0053] CPU902はまた、1つ以上のディスプレイ926に送られる情報を制御するために、システムバス908を介してディスプレイコントローラ(単数又は複数)922にアクセスするように構成され得る。ディスプレイコントローラ(単数又は複数)922は、1つ以上のビデオプロセッサ928を介して表示されるように情報をディスプレイ(単数又は複数)926へ送り、ビデオプロセッサは、表示されるべき情報を処理してディスプレイ(単数又は複数)926に適したフォーマットにする。ディスプレイ(単数又は複数)926は、限定されるものではないが、陰極線管(cathode ray tube、CRT)、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)、プラズマディスプレイ、発光ダイオード(LED)ディスプレイなどを含む任意のタイプのディスプレイを含むことができる。ディスプレイコントローラ(単数又は複数)922、ディスプレイ(単数又は複数)926、及び/又はビデオプロセッサ(単数又は複数)928は、積層AWフィルタパッケージ901を含むRF回路を含むことができる。積層AWフィルタパッケージ901は、第1の基板上に配置された第1のAWフィルタ回路と、第1の基板上に配置された第1のフレーム上に配置された第2の基板と、第2の下部AWフィルタ回路を囲い込むように第3の基板上に配置された第2のフレーム上に配置された第1の基板とを含み、第2の基板上の接触パッドは、
図2A~
図2C、
図3及び
図7に示すように、本明細書に開示された態様のいずれかにしたがって、絶縁体上に配置された金属相互接続部によって第2のAWフィルタ回路に電気的に結合され、第1の基板への漏れ電流から保護する。
【0046】
[0054] 当業者は、本明細書で開示する態様に関して説明する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズムが、電子ハードウェア、メモリ内若しくは別のコンピュータ可読媒体内に記憶され、プロセッサ若しくは他の処理デバイスによって実行される命令、又は両方の組み合わせとして実装され得ることを更に理解されよう。本明細書で説明するマスタデバイス及びスレーブデバイスは、例として、任意の回路、ハードウェア構成要素、IC、又はICチップにおいて採用され得る。本明細書で開示するメモリは、任意のタイプ及びサイズのメモリであってもよく、所望の任意のタイプの情報を記憶するように構成されてもよい。この互換性について明確に説明するために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、及びステップについて、上記では概してそれらの機能に関して説明してきた。そのような機能がどのように実装されるかは、特定の適用例、設計上の選択、及び/又はシステム全体に課される設計制約によって決まる。当業者は、説明する機能を特定の用途ごとに様々な方法で実装し得るが、そのような実装決定は、本開示の範囲からの逸脱を引き起こすものと解釈されるべきではない。
【0047】
[0055] 本明細書で開示する態様に関連して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)若しくは他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェア構成要素、又は本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせを用いて実装又は実施され得る。プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代替としてプロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ(例えば、DSP及びマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成)として実装されてもよい。
【0048】
[0056] 本明細書で開示する態様は、ハードウェアにおいて具現化されてもよい、及びハードウェア内に記憶され、例えば、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)、電気的プログラマブルROM(Electrically Programmable ROM、EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(Electrically Erasable Programmable ROM、EEPROM(登録商標))、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、又は当該技術分野において知られている任意の他の形態のコンピュータ可読媒体の中に存在し得る命令において具現化されてもよい。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取ること及び記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替として、記憶媒体は、プロセッサと一体であり得る。プロセッサ及び記憶媒体は、ASICの中に存在してもよい。ASICは、リモート局の中に存在してもよい。代替として、プロセッサ及び記憶媒体は、ディスクリート構成要素として、リモート局、基地局、又はサーバの中に存在してもよい。
【0049】
[0057] 本明細書の例示的な態様のいずれかで説明した動作ステップが、例及び説明を提供するために記載されていることにも留意されたい。説明する動作は、図示のシーケンス以外の多数の異なるシーケンスにおいて実施され得る。更に、単一の動作ステップにおいて記載した動作は、実際にはいくつかの異なるステップにおいて実施され得る。加えて、例示的な態様において論じられた1つ以上の動作ステップを組み合わせてもよい。当業者には容易に明らかになるように、フローチャート図に示される動作ステップには多数の異なる変更がなされる場合があることを理解されたい。当業者であれば、様々な異なる技術及び技法のいずれかを使用して情報及び信号が表され得ることも理解するであろう。例えば、上記の説明全体にわたって言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場若しくは磁性粒子、光場若しくは光学粒子、又はそれらの任意の組み合わせによって表され得る。
【0050】
[0058] 本開示の前述の説明は、あらゆる当業者が本開示を作成又は使用することが可能となるように提供される。本開示に対する様々な変更は当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般原理は他の例に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で説明された例及び設計に限定されることを意図したものでなく、本明細書で開示された原理及び新規の特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0051】
[0059] 以下の番号付きの条項において、実装例について説明する。
1.積層音響波(AW)フィルタパッケージであって、
第1の表面を備える第1の基板と、
第1の基板の第1の表面上のAWフィルタ回路と、
第1の基板の第1の表面上に配置されたフレームと、
接触面及び側壁面を備える第2の基板であって、AWフィルタ回路と第2の基板との間にキャビティを形成するためにフレーム上に配置される、第2の基板と、
第2の基板の接触面及び第1の基板の第1の表面に結合された少なくとも1つの金属相互接続部を備えるメタライゼーション層であって、少なくとも1つの金属相互接続部が、第2の基板の側壁面上に配置される、メタライゼーション層と、
を備える、積層AWフィルタパッケージ。
【0052】
2.接触面に結合された接触パッドを更に備え、
少なくとも1つの金属相互接続部が、接触パッドから第1の基板の第1の表面に信号を再分配するように構成される、
条項1に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0053】
3.
フレームが、第2の基板と第1の基板の第1の表面との間に配置され、第2の基板の側壁面の第1の側において、第2の基板の側壁面から第2の基板の側壁面に直交する方向に延在し、
第1の基板の第1の表面が、第2の基板の側壁面に直交する方向において、第2の基板の側壁面の第2の側に肩部領域を有する、
条項1又は条項2に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0054】
4.
少なくとも1つの金属相互接続部が、第1の基板の第1の表面の肩部領域上に配置される、条項3に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0055】
5.接触面上に接触パッドを更に備え、接触パッドが外部回路に結合するように構成され、少なくとも1つの金属相互接続部が接触パッドに電気的に結合される、条項1~4のいずれかに記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0056】
6.キャビティの内側から肩部領域まで延在する第1の基板の第1の表面上の表面相互接続部であって、AWフィルタ回路と、肩部領域上のメタライゼーション層の少なくとも1つの金属相互接続部とに電気的に結合される、表面相互接続部、を更に備える、条項2~5のいずれかに記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0057】
7.メタライゼーション層の少なくとも1つの金属相互接続部が、第2の基板と第1の基板との間のフレームの側面に配置される、条項1~6のいずれかに記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0058】
8.
フレームが、第2の基板の側壁面の第2の側の肩部領域内へと、第2の基板の側壁面と直交する方向に延在し、
メタライゼーション層の少なくとも1つの金属相互接続部が、フレームの上面上に配置される、
条項2~7のいずれかに記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0059】
9.フレームが第1の材料を含み、第2の基板が第1の材料とは異なる第2の材料を含む、条項1~8のいずれかに記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0060】
10.
フレームが、ポリマー材料を含み、
第2の基板が、ガラスを含み、
第1の基板が、半導体材料を含む、
条項1~9のいずれかに記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0061】
11.
フレームが、第2の基板の周囲に沿って配置された周囲フレームを更に備え、
キャビティが、周囲フレームによって囲まれている、
条項1~10のいずれかに記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0062】
12.フレームが、周囲フレームの少なくとも一部分に直交してキャビティ内へと延在するフレーム部材を更に備える、条項11に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0063】
13.フレーム部材が、フレームの複数のフレーム部材のうちの1つを備える、条項12に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0064】
14.フレーム部材が、周囲フレームに結合された第1の端部を備える線形フレーム部材を更に備える、条項12又は条項13に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0065】
15.キャビティが、線形フレーム部材の第1の側の第1のキャビティ部分から線形フレーム部材の第2の端部の周りを通って線形フレーム部材の第2の側の第2のキャビティ部分まで延在する連続キャビティを備える、条項14に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0066】
16.
第1の基板の第1の表面上のAWフィルタ回路が、第1のAWフィルタ回路であり、
第1のAWフィルタ回路が、線形フレーム部材の第1の側の第1のキャビティ部分内に配置され、
積層AWフィルタパッケージが、線形フレーム部材の第2の側に別のAWフィルタ回路を更に備える、
条項15に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0067】
17.キャビティが、フレームが除外された、最大400マイクロメートル(μm)の直径を有する連続円形領域を備える、条項1~16のいずれかに記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0068】
18.連続円形領域の直径が360μmよりも大きい、条項1~17のいずれかに記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0069】
19.
第3の基板の第2の表面上に第2のAWフィルタ回路を備える第3の基板と、
第3の基板の第2の表面上に配置された第2のフレームと、
を更に備え、
第1の基板が、第2のAWフィルタ回路と第1の基板との間に第2のキャビティを形成するために第2のフレーム上に配置される、
条項5に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0070】
20.
第1の基板が、第1の基板の第1の表面に直交する側壁面を更に備え、
第2のフレームが、第1の基板と第3の基板の第2の表面との間に配置され、第1の基板の側壁面の第1の側において、第1の基板の側壁面から第1の基板の側壁面と直交する方向に延在し、
第3の基板の第2の表面が、第1の基板の第1の側壁面と直交する方向において、第1の基板の側壁面の第2の側に下部肩部領域を含む、
条項19に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0071】
21.
少なくとも1つの金属相互接続部が、
第1の基板の側壁面上、及び
第3の基板の第2の表面の下部肩部領域上
に配置される、条項20に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0072】
22.第2のキャビティの内側から下部肩部領域まで延在する第3の基板の第2の表面上の表面相互接続部であって、第2のAWフィルタ回路と、下部肩部領域上の少なくとも1つの金属相互接続部とに電気的に結合される、表面相互接続部を更に備える、条項21に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0073】
23.少なくとも1つの金属相互接続部が、第1の基板と第3の基板との間で第2のフレームの側面に配置される、条項19~22のいずれかに記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0074】
24.
第2のフレームが、第1の基板の側壁面の第2の側の下部肩部領域上へと、第1の基板の側壁面と直交する方向に延在し、
少なくとも1つの金属相互接続部が、第2のフレームの上面上に配置される、
条項20~23のいずれかに記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0075】
25.積層音響波(AW)フィルタパッケージを製造する方法であって、
第1の表面を備える第1の基板を形成することと、
第1の基板の第1の表面上にAWフィルタ回路を形成することと、
第1の基板の第1の表面上にフレームを形成することと、
接触面及び側壁面を備える第2の基板を形成することと、
AWフィルタ回路と第2の基板との間にキャビティを形成するために第2の基板をフレーム上に配置することと、
第2の基板の接触面及び第1の基板の第1の表面に結合された少なくとも1つの金属相互接続部を備えるメタライゼーション層を形成することであって、少なくとも1つの金属相互接続部が、第2の基板の側壁面上に配置される、形成することと、
を含む、方法。
【0076】
26.
第2の基板と第1の基板の第1の表面との間にフレームを配置し、第2の基板の側壁面の第1の側において、第2の基板の側壁面から第2の基板の側壁面と直交する方向に延在させることと、
第2の基板の側壁面と直交する方向において、第2の基板の側壁面の第2の側に第1の基板の第1の表面の肩部領域を形成することと、
を更に含む、条項25に記載の方法。
【0077】
27.積層音響波(AW)フィルタパッケージであって、
第1の表面及び側壁面を備える第1の基板と、
第1の基板の第1の表面上の第1のAWフィルタ回路と、
第1の基板の第1の表面上に配置された第1のフレームと、
接触面及び側壁面を備える第2の基板であって、第1のAWフィルタ回路と第2の基板との間に第1のキャビティを形成するために第1のフレーム上に配置される、第2の基板と、
第3の基板の第2の表面上に第2のAWフィルタ回路を備える第3の基板と、
第3の基板の第2の表面上に配置された第2のフレームであって、
第1の基板が、第2のAWフィルタ回路と第1の基板との間に第2のキャビティを形成するために第2のフレーム上に配置される、第2のフレームと、
第2の基板の接触面及び第3の基板の第2の表面に結合された少なくとも1つの金属相互接続部を備えるメタライゼーション層であって、少なくとも1つの金属相互接続部が、第1の基板の側壁面上に配置される、メタライゼーション層と、
第1の基板の側壁面と少なくとも1つの金属相互接続部との間で第1の基板の側壁面上に配置された絶縁体と、
を備える、積層AWフィルタパッケージ。
【0078】
28.絶縁体が、少なくとも1つの金属相互接続部と第1のフレームとの間に配置される、条項27に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0079】
29.絶縁体が、少なくとも1つの金属相互接続部と第1の基板の第1の表面との間に配置される、条項27又は条項28に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0080】
30.絶縁体が、少なくとも1つの金属相互接続部と第2の基板の側壁面との間に配置される、条項27~29のいずれかに記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0081】
31.接触面から第1の基板の第1の表面まで第2の基板を貫通して延在するビアを更に備える、条項27~30のいずれかに記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0082】
32.接触面上に接点を更に備え、
接触パッドが、電気信号を伝導するように構成され、
ビアが、第1のAW回路を接触パッドに電気的に結合するように構成される、
条項31に記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0083】
33.
第2の表面に直交する第1の方向における第3の基板の厚さが、60~130マイクロメートル(μm)の範囲であり、
第1の方向における第1の基板の厚さが、30~70μmの範囲であり、
第1の方向における第2の基板の厚さが、30~70μmの範囲である、
条項27~32のいずれかに記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0084】
34.
第1の基板の厚さが85μm未満であり、
第3の基板の厚さが55μm未満であり、
第2の基板の厚さが55μm未満である、
条項27~33のいずれかに記載の積層AWフィルタパッケージ。
【0085】
35.積層音響波フィルタ(AWフィルタ)パッケージを形成する方法であって、
第1の表面及び側壁面を備える第1の基板を形成することと、
第1の基板の第1の表面上に第1のAWフィルタ回路を形成することと、
第1の基板の第1の表面上に第1のフレームを形成することと、
接触面及び側壁面を備える第2の基板を形成することと、
第1のAWフィルタ回路と第2の基板との間に第1のキャビティを形成するために第1のフレーム上に第2の基板を配置することと、
第3の基板の第2の表面上に第2のAWフィルタ回路を備える第3の基板を形成することと、
第3の基板の第2の表面上に第2のフレームを形成することと、
第2のAWフィルタ回路と第1の基板との間に第2のキャビティを形成するために第2のフレーム上に第1の基板を配置することと、
第1の基板の側壁面上に絶縁体を形成することと、
第2の基板の接触面及び第3の基板の第2の表面に結合された少なくとも1つの金属相互接続部を備えるメタライゼーション層を形成することであって、少なくとも1つの金属相互接続部が、第1の基板の側壁面上の絶縁体上に配置される、形成することと、
を含む、方法。
【国際調査報告】