IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー エナジー ソリューション リミテッドの特許一覧

特表2024-535782バッテリーセルブロック及びこれを含むバッテリーパック、並びに自動車
<>
  • 特表-バッテリーセルブロック及びこれを含むバッテリーパック、並びに自動車 図1
  • 特表-バッテリーセルブロック及びこれを含むバッテリーパック、並びに自動車 図2
  • 特表-バッテリーセルブロック及びこれを含むバッテリーパック、並びに自動車 図3
  • 特表-バッテリーセルブロック及びこれを含むバッテリーパック、並びに自動車 図4
  • 特表-バッテリーセルブロック及びこれを含むバッテリーパック、並びに自動車 図5
  • 特表-バッテリーセルブロック及びこれを含むバッテリーパック、並びに自動車 図6
  • 特表-バッテリーセルブロック及びこれを含むバッテリーパック、並びに自動車 図7
  • 特表-バッテリーセルブロック及びこれを含むバッテリーパック、並びに自動車 図8
  • 特表-バッテリーセルブロック及びこれを含むバッテリーパック、並びに自動車 図9
  • 特表-バッテリーセルブロック及びこれを含むバッテリーパック、並びに自動車 図10
  • 特表-バッテリーセルブロック及びこれを含むバッテリーパック、並びに自動車 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】バッテリーセルブロック及びこれを含むバッテリーパック、並びに自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/291 20210101AFI20240925BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20240925BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20240925BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20240925BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20240925BHJP
   H01M 50/256 20210101ALI20240925BHJP
【FI】
H01M50/291
H01M50/211
H01M50/249
H01M10/44 P
H01M50/342 201
H01M50/256 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515491
(86)(22)【出願日】2023-07-14
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 KR2023010084
(87)【国際公開番号】W WO2024019430
(87)【国際公開日】2024-01-25
(31)【優先権主張番号】10-2022-0089866
(32)【優先日】2022-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0055789
(32)【優先日】2023-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジン-ヨン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ウ-ヨン・クォン
(72)【発明者】
【氏名】ミョン-ウ・イ
(72)【発明者】
【氏名】スン-ジュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】イン-ス・キム
(72)【発明者】
【氏名】セ-ユン・チュン
(72)【発明者】
【氏名】ホ-ジュネ・チ
【テーマコード(参考)】
5H012
5H030
5H040
【Fターム(参考)】
5H012AA03
5H012AA07
5H012BB08
5H012CC10
5H012DD05
5H030AA06
5H030AS08
5H030DD01
5H040AA33
5H040AA37
5H040AS04
5H040AS07
5H040AT04
5H040AT06
5H040AY04
5H040GG21
5H040NN03
(57)【要約】
バッテリーセルブロック及びこれを含むバッテリーパック、並びに自動車が開示される。本発明の一実施形態によるバッテリーセルブロックは、1つ以上のパウチ型バッテリーセル、及び1つ以上のパウチ型バッテリーセルを包み込むように構成されたセルカバーを備え、少なくとも一方向に積層された複数のセルユニットと、セルユニットの積層体の周りを取り囲むことにより、セルユニットの積層状態を固定するように構成された固定部材と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のパウチ型バッテリーセル、及び前記1つ以上のパウチ型バッテリーセルを包み込むように構成されたセルカバーを備え、少なくとも一方向に積層された複数のセルユニットと、
前記セルユニットの積層体の周りを取り囲むことにより、前記セルユニットの積層状態を固定するように構成された固定部材と、
を含む、バッテリーセルブロック。
【請求項2】
前記セルカバーには、ガスが排出されるベント孔が形成され、前記固定部材は、前記ベント孔を閉止するように構成される、請求項1に記載のバッテリーセルブロック。
【請求項3】
前記ベント孔は、複数形成されており、
1つの固定部材が複数の前記ベント孔を閉止するように構成される、請求項2に記載のバッテリーセルブロック。
【請求項4】
前記固定部材は、前記複数のセルユニットの積層方向に対応するように前記セルユニットの積層体を取り囲む、請求項2に記載のバッテリーセルブロック。
【請求項5】
前記固定部材は、前記ベント孔から噴出される物質の噴出圧力や温度により開かれるように構成される、請求項2に記載のバッテリーセルブロック。
【請求項6】
前記固定部材には、前記ベント孔に対応する部分に切り抜き部又は切り欠き部が形成されている、請求項5に記載のバッテリーセルブロック。
【請求項7】
前記固定部材には、治具が嵌入可能な治具嵌入部が形成される、請求項1に記載のバッテリーセルブロック。
【請求項8】
前記治具嵌入部は、前記固定部材の上端の角部分に形成される、請求項7に記載のバッテリーセルブロック。
【請求項9】
前記セルカバーは、
前記1つ以上のパウチ型バッテリーセルのうちの少なくとも1つのパウチ型バッテリーセルの一方の側面を覆う第1のカバー部と、
前記1つ以上のパウチ型バッテリーセルのうちの少なくとも1つのパウチ型バッテリーセルの他方の側面を覆う第2のカバー部と、
前記第1のカバー部と前記第2のカバー部とをつなぎ、前記少なくとも1つのパウチ型バッテリーセルの上端部分を覆う第3のカバー部と、
を含み、
前記ベント孔は、前記第3のカバー部に形成され、
前記固定部材は、前記第3のカバー部に接触して前記ベント孔を閉止するように構成される、請求項2に記載のバッテリーセルブロック。
【請求項10】
前記セルカバーは、前記少なくとも1つのパウチ型バッテリーセルを起立状態で支持するように構成されている、請求項1に記載のバッテリーセルブロック。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のバッテリーセルブロックと、
前記バッテリーセルブロックを内部空間に収容するパックケースと、
を含む、バッテリーパック。
【請求項12】
前記セルカバーは、包み込まれたパウチ型バッテリーセルの少なくとも一側が前記パックケースに向かって露出される開放部を形成するように前記パウチ型バッテリーセルを部分的に包み込む、請求項11に記載のバッテリーパック。
【請求項13】
前記パウチ型バッテリーセルの充放電を制御するように構成された制御モジュールを含む、請求項11に記載のバッテリーパック。
【請求項14】
請求項1から10のいずれか一項に記載のバッテリーセルブロックを含む、自動車。
【請求項15】
請求項11に記載のバッテリーパックを含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年07月20日付け出願の韓国特許出願第10-2022-0089866号及び2023年04月27日付け出願の韓国特許出願第10-2023-0055789号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、バッテリーセルブロック及びこれを含むバッテリーパック、並びに自動車に関し、より詳細には、複数のセルユニットをパックケースの内部に効率よく載置及び固定することのできるバッテリーセルブロック及びこれを含むバッテリーパック、並びに自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
最近の各種のモバイル機器と電気自動車、エネルギー貯蔵システム(Energy Storage System;ESS)などに対する技術の開発と需要の増加には目を見張るものがあり、これに伴い、エネルギー源としての二次電池への関心とニーズが急激に伸びている。従来、二次電池としてニッケルカドミウム電池またはニッケル水素イオン電池が多用されていたが、最近には、ニッケル系のバッテリーに比べてメモリ効果が殆ど起きないため充放電が自在であり、自己放電率が非常に低くエネルギー密度が高いリチウム二次電池が多用されている。
【0004】
この種のリチウム二次電池は、主として、リチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質及び負極活物質として用いる。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレーターを挟んで配置された電極組立体と、電極組立体を電解液と一緒に封入する外装材、例えば、電池ケースと、を備える。
【0005】
一般に、二次電池は、外装材の形状によって、電極組立体が金属缶に内蔵されている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内蔵されているパウチ型二次電池と、に分類され得る。
【0006】
最近には、電気自動車やエネルギー貯蔵システム(Energy Starge System;ESS)などの中大型装置に駆動用やエネルギー貯蔵用としてバッテリーパックが広く用いられている。従来のバッテリーパックは、パックケースの内部に1つ以上のバッテリーモジュールとバッテリーパックの充放電を制御する制御ユニット、いわゆるBMS(Battery Management System)を含む。ここで、バッテリーモジュールは、モジュールケースの内部に複数のバッテリーセルを含む形態に構成される。すなわち、従来のバッテリーパックの場合、複数のバッテリーセル(二次電池)がモジュールケースの内部に収容されてそれぞれのバッテリーモジュールを構成し、このようなバッテリーモジュールが1つ以上パックケースの内部に収容されてバッテリーパックを構成する。
【0007】
特に、パウチ型電池の場合、軽量であり、積層時にデッドスペース(dead space)が小さいといったように、色々な側面からみて長所を有しているものの、外部の衝撃に弱く、組立性にやや劣っているという問題がある。したがって、まず、複数のセルをモジュール化させた後、パックケースの内部に収容される形態にバッテリーパックが製造されるのが一般的である。
【0008】
しかしながら、従来のバッテリーパックの場合、モジュール化などによってエネルギー密度と組立性、冷却性などの側面からみて不利になる可能性がある。したがって、近頃には、セルトゥーパック(Cell To Pack、CTP)形態のバッテリーパックに対する試みが行われている。しかしながら、軟性のパウチセルそれ自体では、パック自体に積み込む組立過程が決して容易ではなく、安定的な固定を行い難いなどといったような色々な問題がある。さらに、従来のバッテリーパックの場合、ベントに際して安定性を確保し難い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明は、上記のような問題を解決するために案出されたものであって、ブロック化されたセルユニットを効率よく固定し、安定的なベントを実現可能なバッテリーセルブロック及びこれを含むバッテリーパック、並びに自動車を提供することを目的とする。
【0010】
但し、本発明が解決しようとする技術的課題は、上述した課題に何ら制限されるものではなく、言及されていない他の課題は、下記に記載されている発明の説明から当業者にとって明らかに理解できる筈である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、1つ以上のパウチ型バッテリーセル、及び前記1つ以上のパウチ型バッテリーセルを包み込むように構成されたセルカバーを備え、少なくとも一方向に積層された複数のセルユニットと、前記セルユニットの積層体の周りを取り囲むことにより、前記セルユニットの積層状態を固定するように構成された固定部材と、を含むバッテリーセルブロックが提供され得る。
【0012】
一実施形態において、前記セルカバーには、ガスが排出されるベント孔が形成され、前記固定部材は、前記ベント孔を閉止するように構成され得る。
【0013】
一実施形態において、前記ベント孔は、複数形成されており、1つの固定部材が複数の前記ベント孔を閉止するように構成され得る。
【0014】
一実施形態において、前記固定部材は、前記複数のセルユニットの積層方向に対応するように前記セルユニットの積層体を取り囲み得る。
【0015】
一実施形態において、前記固定部材は、前記ベント孔から噴出される物質の噴出圧力や温度により開かれるように構成され得る。
【0016】
一実施形態において、前記固定部材には、前記ベント孔に対応する部分に切り抜き部又は切り欠き部が形成され得る。
【0017】
一実施形態において、前記固定部材には、治具が嵌入可能な治具嵌入部が形成され得る。
【0018】
一実施形態において、前記治具嵌入部は、前記固定部材の上端の角部分に形成され得る。
【0019】
一実施形態において、前記セルカバーは、前記複数のバッテリーセルのうちの少なくとも1つのバッテリーセルの一方の側面を覆う第1のカバー部と、前記複数のバッテリーセルのうちの少なくとも1つのバッテリーセルの他方の側面を覆う第2のカバー部と、前記第1のカバー部と前記第2のカバー部とをつなぎ、前記少なくとも1つのバッテリーセルの上端部分を覆う第3のカバー部と、を含み、前記ベント孔は、前記第3のカバー部に形成され、前記固定部材は、前記第3のカバー部に接触して前記ベント孔を閉止するように構成され得る。
【0020】
一実施形態において、前記セルカバーは、前記少なくとも1つのパウチ型バッテリーセルを起立状態で支持するように構成され得る。
【0021】
一方、本発明の一態様によれば、前述したバッテリーセルブロックと、前記バッテリーセルブロックを内部空間に収容するパックケースと、を含むバッテリーパックが提供され得る。
【0022】
一実施形態において、前記セルカバーは、包み込まれたパウチ型バッテリーセルの少なくとも一側が前記パックケースに向かって露出される開放部を形成するように前記パウチ型バッテリーセルを部分的に包み込み得る。
【0023】
一実施形態において、前記パウチ型バッテリーセルの充放電を制御するように構成された制御モジュールを含み得る。
【0024】
一方、本発明の一態様によれば、前述したバッテリーセルブロックを含む自動車が提供され得る。
【0025】
一方、本発明の一態様によれば、前述したバッテリーパックを含む自動車が提供され得る。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一態様によれば、パウチセルを含むセルユニットがブロック化され、このようなブロック化されたセルユニットが効率よく固定されることが可能になる。
【0027】
また、本発明の一態様によれば、正常の状態では、各セルユニットのベント孔が露出されないように覆うことにより、バッテリーセル側に異物が浸透することを防ぐことができる。さらに、このようなベント孔のカバー構成は、パウチセルユニットブロックを固定する構成により一緒に成し遂げられることが可能になる。
【0028】
また、本発明の一態様によれば、特定のバッテリーセルにおいて熱暴走が生じたとき、熱的事象に有効に対応することができる。特に、本発明の場合、火炎が生じる3要素(燃料、酸素、発火源)のうち、発火源に相当する熱の蓄積や排出を遮断ないし適宜に制御することができる。さらに、本発明の場合、ベントガスの迅速かつ円滑な排出を行うことで、熱の蓄積が遮断され、内圧の増加による爆発などが防がれることが可能になる。
【0029】
また、本発明の一態様によれば、プラスチックカートリッジなどの積層用のフレームや別途のモジュールケースなどの構成要素がなくても、複数のパウチ型バッテリーセルをパックケースの内部に安定的に収容することができる。
【0030】
さらに、本発明の一態様によれば、軟性材質のケースを有するパウチ型バッテリーセルを手軽に強固な形状にして、パックケースの内部において直接的に積層されるという構成がより一層容易に実現されることが可能になる。したがって、バッテリーパックの組立性と機械的な安定性などが向上することができる。
【0031】
さらにまた、本発明の一態様によれば、セルトゥーパック(CTP:Cell To Pack)コンセプトであって、モジュールケースなどが省略されて、冷却性能とエネルギー密度などが向上することができる。
【0032】
これらに加えて、本発明は色々な他の効果を有することができ、これについては各実施形態の欄において説明したり、当業者が容易に類推可能な効果などについては当該説明を省略したりする。
【0033】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の内容とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割のためのものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーセルブロックの概略斜視図である。
図2図1の一部の構成に関する分解斜視図である。
図3図1及び図2の固定部材に関する変形の実施形態を示す図である。
図4図1及び図2の固定部材に関する他の変形の実施形態を示す図である。
図5】本発明の一実施形態によるバッテリーセルブロックに含まれる1つのセルユニットの斜視図である。
図6図5の分解斜視図である。
図7図5のA-A’矢視断面図である。
図8図1のバッテリーセルブロックに関する変形の実施形態を示す図である。
図9図1のバッテリーセルブロックに関する他の変形の実施形態を示す図である。
図10】本発明の一実施形態によるバッテリーパックの分解斜視図である。
図11】本発明の一実施形態によるバッテリーパックを含む自動車を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されるものではなく、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されるものである。したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを表すものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解されたい。
【0036】
図中、各構成要素またはその構成要素をなす特定の部分の大きさは、説明のしやすさ及び明確性のためにやや誇張して表現されたり、省略されたり、概略的に示されたりしている。したがって、各構成要素の大きさは、実際の大きさを全的に反映するものではない。関連する公知の機能もしくは構成についての具体的な説明が本発明の要旨を余計に曖昧にする虞があると認められる場合にはその詳細な説明を省略する。
【0037】
本明細書中で使用される「結合」または「接続」という用語は、ある一つの部材と他の部材とが直接的に結合されたり直接的に接続されたりする場合だけではなく、ある一つの部材が継ぎ部材を介して他の部材に間接的に結合されたり間接的に接続されたりする場合も含む。
【0038】
図1は、本発明の一実施形態によるバッテリーセルブロックの概略斜視図であり、図2は、図1の一部構成に関する分解斜視図であり、図3は、図1及び図2の固定部材に関する変形の実施形態を示す図であり、図4は、図1及び図2の固定部材に関する他の変形の実施形態を示す図であり、図5は、本発明の一実施形態によるバッテリーセルブロックに含まれる1つのセルユニットの斜視図であり、図6は、図5の分解斜視図であり、図7は、図5のA-A’矢視断面図である。
【0039】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリーセルブロック10は、複数のセルユニット100と、固定部材200と、を含む。
【0040】
図5図7を参照すると、セルユニット100は、バッテリーセル110とセルカバー120を備え得、図1及び図2でのように、バッテリーセルブロック10に設けられた複数のセルユニット100は、少なくとも一方向に積層される。
【0041】
バッテリーセル110は、パウチ型バッテリーセル110であって、1つ又は2以上設けられ得る。例えば、それぞれのセルユニット100に1つのバッテリーセル110が設けられてもよいし、2つのバッテリーセル110が設けられてもよいし、3つのバッテリーセル110が設けられてもよい。あるいは、それぞれのセルユニット100に4つ以上のバッテリーセル110が設けられてもよい。
【0042】
パウチ型バッテリーセル110は、パウチ型二次電池であって、電極組立体、電解質及びパウチ外装材を含み得る。すなわち、バッテリーセル110は、充電及び放電の基本単位に相当するものであって、軟質の金属ケースの内部に電極組立体と電解質物質を収容し、当該金属ケースをシールする方式により製造され得る。この場合、電極組立体は、正極電極と負極電極との間にセパレーターを挟持する方式により製造され得る。
【0043】
また、バッテリーセル110の前端と後端には、電極組立体と電気的に接続された電極リード111が設けられ得る。このようなバッテリーセル110は、パウチ(pouch)の形状に構成され得る。各セルユニット100に複数のパウチ型バッテリーセル110が含まれている場合、複数のセルユニット100は、セルカバー120の収容部が互いに対面している状態で少なくとも一方向、例えば、左右方向に積層され得る。
【0044】
図5図7を参照すると、セルカバー120は、複数のパウチ型バッテリーセル110のうちの少なくとも一つのパウチ型バッテリーセル110を少なくとも部分的に包み込むように設けられ得る。例えば、図7を参照すると、セルカバー120は、3つのバッテリーセル110を少なくとも部分的に包み込むように構成され得る。但し、3つのバッテリーセル110の数は、1つの実施形態に過ぎず、本発明はこれに何ら限定されるものではない。
【0045】
ここで、セルカバー120は、セルカバー120により包み込まれたパウチ型バッテリーセル110の少なくとも一側が外部に露出されるようにパウチ型バッテリーセル110を部分的に包み込む形状に構成され得る。
【0046】
セルカバー120は、内部に収容されたバッテリーセル110を支持するように構成され得る。特に、セルカバー120は、内部に収容されたバッテリーセル110の立てられた状態を安定的に支持するように構成され得る。
【0047】
具体的には、セルカバー120は、パウチ型バッテリーセル110を立てられた状態で支持するように構成され得る。一般に、パウチ型バッテリーセル110は、上下方向に立てられた形状に積層することが決して容易ではない。しかしながら、本発明の一実施形態によるバッテリーパック1におけるセルカバー120は、1つ又はそれ以上のパウチ型バッテリーセル110を包み込みながら、包み込まれたパウチ型バッテリーセル110の立てられた状態、すなわち、起立状態を保持するように支持することができる。
【0048】
図5及び図6を参照すると、セルカバー120は、第1のカバー部121と、第2のカバー部122と、第3のカバー部123と、を含んで構成され得る。
【0049】
第1のカバー部121は、複数のバッテリーセル110のうちの少なくとも1つのバッテリーセル110の一方の側面を覆うように構成され得る。第1のカバー部121は、第3のカバー部123の一方の端から下部の向きに延びる形状に構成され得る。例えば、第1のカバー部121は、第3のカバー部123の左側の端部から下部の向きに長尺状に延びた形状に構成され得る。そして、第1のカバー部121は、内部に収容されたバッテリーセル110の広い面を包み込むように構成され得る。
【0050】
第2のカバー部122は、複数のバッテリーセル110のうちの少なくとも1つのバッテリーセル110の他方の側面を覆うように構成され得る。第2のカバー部122は、第1のカバー部121から水平方向に離れるように位置し得る。そして、第2のカバー部122は、第3のカバー部123の他方の端から下部の向きに延びる形状に構成され得る。例えば、第2のカバー部122は、第3のカバー部123の右側の端部から下部の向きに長尺状に延びた形状に構成され得る。そして、第2のカバー部122は、内部に収容されたバッテリーセル110の広い面を包み込むように構成され得る。
【0051】
第3のカバー部123は、第1のカバー部121と第2のカバー部122とをつなぎ、少なくとも1つのバッテリーセル110の上端部分を覆う。そして、第3のカバー部123には、ガスが排出されるベント孔124が形成され得る。
【0052】
図7を参照すると、セルカバー120が第1のカバー部121と、第2のカバー部122と、第3のカバー部123と、を含んで構成される場合、前方側から眺めたセルカバー120の断面の形状は、概ね「n」字状に類似しているといえる。したがって、この場合、セルカバー120は、「n-フィン(n-fin)」と称され得る。
【0053】
一方、図示はしなかったが、変形の実施形態であって、セルカバー120は、1つ以上のパウチ型バッテリーセル110の両側面と下部側の辺縁部を包み込むように構成され得る。この場合、前方側から眺めたセルカバー120の断面の形状は、概ね「U」字状に類似しているといえる。このとき、セルカバー120は、2つの側面カバー部と下側カバー部を備え得る。ここで、ベント孔124は、下側カバー部に形成され得る。そして、固定部材200は、このような下側カバー部のベント孔124を覆うように構成され得る。
【0054】
複数のパウチ型バッテリーセル110のうちの少なくとも一つのパウチ型バッテリーセル110は、第1のカバー部121と第2のカバー部122の内側面に接着されて固定され得る。接着のための部材は、熱伝導性のものであり得る。このような接着によって、セルカバー120は、バッテリーセル110に強固に結合され、バッテリーセル110から発せられる熱をバッテリーセル110の外部に排出するのに役立つ。
【0055】
図2図5及び図6を参照すると、セルカバー120には、火炎又はガスを排出するための少なくとも1つのベント孔124が形成され得る。ここで、ベント孔124は、セルカバー120の内部空間から外部側へとガスが排出可能なように内外部空間の間を貫通する形状に構成され得る。そして、ベント孔124は、後述する固定部材200により閉止されるように構成され得る。
【0056】
ベント孔124は、予め意図した通りのベント方向に沿ってセルカバー120の多種多様な位置に多種多様な数で形成され得る。例えば、ベント孔124は、第3のカバー部123に形成され得、図2図5及び図6には、3つのベント孔124が第3のカバー部123に形成されているが、ベント孔124の本数がこれに何ら限定されるものではない。
【0057】
このように、ベント孔124が第3のカバー部123に形成される場合、ガスなどを上側の向きに排出することができる。これにより、バッテリーセル110の熱暴走の際に生じるガスや火炎を意図の通りの方向、例えば、他のバッテリーセル110又は他のバッテリーモジュールが配置されていない上側の向きに排出して連鎖的な熱暴走を防ぐことができるという効果がある。
【0058】
そして、セルカバー120は、包み込まれたバッテリーセル110の少なくとも一側がパックケース20に向かって露出される開放部125を形成するようにバッテリーセル110を部分的に包み込んでいる。これについては、下記のバッテリーパック1に関する実施形態の欄において具体的に説明する。
【0059】
セルカバー120は、一体に構成され得る。この場合、セルカバー120は、板状構造の金属プレートを折り曲げる方式により形成され得る。すなわち、セルカバー120は、1枚のプレートが折り曲げられた形状に形成され得る。
【0060】
セルカバー120は、金属材質から作製され得る。例えば、セルカバー120は、スチールから作製され得、特に、加工し易く、しかも、耐食性が高く、機械的な強度ないし剛性に優れているステンレス鋼(SUS)を含む素材から構成され得る。但し、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、セルカバー120は、剛性の確保のために、SUS以外の多種多様な材質から構成され得る。例えば、クロム(Cr)系の金属材質から構成され得る。このような金属材質の場合、バッテリーセル110の積層状態をより一層安定的に保持し、外部の衝撃からバッテリーセル110をより一層安全に保護することができる。また、例として挙げたように、セルカバー120がSUSのようなスチール材質からなる場合、高い溶融点によってバッテリーセル110から火炎が発生したときに全体的な構造が安定的に保持されることが可能になる。特に、スチール材質の場合、アルミニウム材質に比べて融点が高いので、バッテリーセル110から噴出された火炎にも溶融されず、その形状が安定的に保持されることが可能になる。したがって、バッテリーセル110の間の火炎伝播の防止ないし遅延の効果、ベント制御の効果などが良好に確保されることが可能になる。
【0061】
セルカバー120は、内側面に絶縁コーティング層(図示せず)を含み得る。絶縁コーティング層(図示せず)は、シリコン樹脂、ポリアミド(Polyamide)及びゴムのうちのいずれか1つの絶縁性素材をコーティング、塗布又は貼着したものであり得る。このような本実施形態によるセルカバー120の絶縁コーティング層の構成によれば、最小限のコーティング量にて絶縁コーティング効果を極大化させることができる。また、絶縁コーティング層(図示せず)がセルカバー120の内側面に適用されていることから、バッテリーセル110とセルカバー120との絶縁性が強化されることが可能になる。
【0062】
セルカバー120は、多種多様な数のパウチ型バッテリーセル110を一緒に包み込むように構成され得る。例えば、1つのセルカバー120は、1つのパウチ型バッテリーセル110を包み込むように構成され得る。あるいは、1つのセルカバー120が2つのパウチ型バッテリーセル110を一緒に包み込むように構成され得る。あるいは、1つのセルカバー120が3つのパウチ型バッテリーセル110を一緒に包み込むように構成される可能性もある。あるいは、1つのセルカバー120がさらに多いパウチ型バッテリーセル110を一緒に包み込むように構成される可能性もある。
【0063】
セルカバー120は、概ね0.2tの厚さに形成され得る。但し、本発明はこれに何ら限定されるものではない。また、セルカバー120は、部分的に厚さが異なるように形成される可能性もある。そして、セルカバー120には、絶縁のために両側に概ね0.05tの厚さのポリイミド(polyimide;PI)が付着することもある。
【0064】
セルカバー120の内部において1つ以上のパウチ型バッテリーセル110は、上下方向に立てられた形状に構成され得る。
【0065】
このように、1つ以上のパウチ型バッテリーセル110と、1つ以上のパウチ型バッテリーセル110を包み込む1つのセルカバー120とは、1つのセルユニット100を構成し得る。特に、セルカバー120の幅の調整などを行うことで、セルカバー120の内部に収容されるパウチ型バッテリーセル110の数などを調整することができるという側面からみて、このようなセルユニット100は、SPU(Scalable Pouch Unit)と称され得る。
【0066】
そして、セルユニット100は、後述するバッテリーパック1に複数含まれ得る。ここで、複数のセルユニット100は、少なくとも一方向に積層され得る。例えば、図10に示されているように、複数のセルユニット100は、互いに対面し合っている形状に左右方向に並ぶように配置され得る。
【0067】
図1を参照すると、固定部材200は、セルユニット100の積層体の周りを取り囲むことにより、セルユニット100の積層状態を固定するように構成される。
【0068】
固定部材200は、セルユニット100の多種多様な部分に接触し得るが、図1及び図2を参照すると、例えば、セルカバー120の第3のカバー部123に形成されたベント孔124を閉止するように構成され得る。
【0069】
図1を参照すると、固定部材200がセルユニット100の積層体を取り囲む場合、各セルカバー120のベント孔124は、固定部材200により全体的に外部に露出されずに覆われ得る。但し、固定部材200は、セルユニット100の積層体に含まれている複数のベント孔124のうちの一部のベント孔124のみを覆う形状に構成される可能性もある。
【0070】
図2に示されているように、ベント孔124は、複数形成され得、1つの固定部材200が複数のベント孔124を閉止するように構成され得る。そして、固定部材200は、複数のセルユニット100の積層方向に対応するようにセルユニット100の積層体を取り囲むように構成され得る。
【0071】
図1を参照して例にとって説明すれば、複数のセルユニット100が立てられた状態で左右方向(図1のY軸方向)に積層されてセルユニット100の積層体を形成した場合、固定部材200は、バンド状であって、このようなセルユニット100の積層体の積層状態が安定的に保持されるようにすることができる。
【0072】
そして、固定部材200は、四角いリング状、例えば、「口」字状に形成され得るが、本発明はこれに何ら限定されるものではない。この場合、固定部材200は、セルユニット100の積層体の上部、左側、下部及び右側を包み込む形状に構成され得る。
【0073】
図1を参照すると、固定部材200は、1つのセルユニット100の積層体に複数設けられ得る。但し、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、固定部材200の数は、種々に変更可能であり、例えば、固定部材200は、1つのセルユニット100の積層体に1つ以上設けられ得る。
【0074】
固定部材200は、一定のレベル以上の剛性の確保のためにスチールなどの金属材質から構成され得る。あるいは、固定部材200は、ポリマーなどの材質から構成される可能性もある。但し、固定部材200の材質がこれに何ら限定されるものではない。
【0075】
このように、セルユニット100の積層体が固定部材200により固定されれば、セルユニット100と固定部材200を含むバッテリーセルブロック10が後述するパックケース20により一層効率よく固定されることが可能になる。すなわち、本発明の一実施形態によるバッテリーセルブロック10は、図1に示されているように、複数のセルユニット100と、このような複数のセルユニット100を固定する1つ以上の固定部材200と、を含み得る。
【0076】
前述したように、固定部材200は、通常の状況下では、セルカバー120の第3のカバー部123に形成されたベント孔124を閉止するが、熱的事象が生じた場合、ベント孔124から噴出される物質の噴出圧力や温度により開かれるように構成され得る。
【0077】
具体的には、熱暴走など異常状況が生じていない場合、固定部材200がベント孔124を閉止しているため、固定部材200により外部の水気や塵埃などの異物などがセルカバー120のベント孔124を介してセルカバー120の内部に位置するバッテリーセル110側に浸透することが防がれることが可能になる。
【0078】
しかしながら、熱暴走など異常状況が生じると、ベント孔124から噴出される物質の噴出圧力や温度により固定部材200が開かれることが可能になるので、これによりガス又は火炎が排出されることが可能になる。
【0079】
このために、固定部材200は、ベント孔124のガス噴出圧力が一定のレベル以上である場合に開かれる扉型構造を有し得る。他の実施形態として、固定部材200は、ベント孔124のガス噴出圧力や温度が一定のレベル以上である場合に破裂されたり損傷されたりするように構成され得る。このために、図3及び図4をそれぞれ参照すると、固定部材200には、ベント孔124に対応する部分に切り抜き部210又は切り欠き部220が形成され得る。図3を参照すると、切り抜き部210は、点線状の切り取り線状に形成され得る。そして、図4を参照すると、切り欠き部220は、固定部材200を完全に貫通せずに固定部材200の一部にのみ切り欠き溝の形状に形成され得る。
【0080】
この場合、固定部材200の破裂ないし損傷の位置が切り抜き部210又は切り欠き部220により定められることにより、熱暴走などの非常状況下で固定部材200におけるベント位置が正確に定められることが可能になる。したがって、ベント孔124及び固定部材200を通過するガスのベントが円滑に行われる。但し、固定部材200に切り抜き部210又は切り欠き部220が形成されなくても、固定部材200は、ガス又は火炎により破裂又は損傷されるように設けられ得る。
【0081】
図8は、図1のバッテリーセルブロックに関する変形の実施形態を示す図であり、図9は、図1のバッテリーセルブロックに関する他の変形の実施形態を示す図である。
【0082】
図8を参照すると、バッテリーセルブロック10がパックケース20の内部に収容されるとき、バッテリーセルブロック10の収容のために搬送用の治具300が用いられ得る。このとき、搬送用の治具300が固定部材200と結合され得る。例えば、図8に示されているように、ねじなどの締結部材400が搬送用の治具300と固定部材200とを締め合わせるように構成され得る。そして、搬送用の治具300が締結部材400により固定部材200に締め付けられれば、搬送用の治具300を用いてバッテリーセルブロック10を搬送することができる。これにより、バッテリーセルブロック10を搬送するための別途の構成要素がバッテリーセルブロック10に付設されなくても構わない。
【0083】
他の実施形態を挙げると、図9の点線にて示されている部分でのように、治具嵌入部230が固定部材200に形成され得る。治具嵌入部230は、搬送用の治具(図9には図示せず)が嵌入可能なように固定部材200の一方側の形状を変形して、例えば、固定部材200の両側の端部を上部側の向きに凸状にしてその内部に形成された貫通孔として設けられ得る。ここで、治具嵌入部230は、固定部材200の上端の角部分に形成され得る。そして、搬送用の治具(図9には図示せず)が治具嵌入部230に嵌合されれば、搬送用の治具(図9には図示せず)を用いてバッテリーセルブロック10を搬送することができる。
【0084】
図10は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックの分解斜視図である。
【0085】
以下では、本発明の一実施形態によるバッテリーパック1について説明し、但し、前述した本発明の一実施形態によるバッテリーセルブロック10において説明した内容と共通する内容は、前述した説明に取って代わる。また、バッテリーパック1に関する実施形態において説明した内容のうち、前述したバッテリーセルブロック10に関する実施形態に対して適用可能な内容は、前述したバッテリーセルブロック10に対しても適用可能である。
【0086】
以上において説明した通り、通常、バッテリーセルは、ボックス状の金属ケースに収容されてバッテリーモジュールを構成し、このようなバッテリーモジュールが再びバッテリーパックのパックケースに収容されてバッテリーパックを構成する。但し、この場合、全体のバッテリーパックの重さと体積が増加し、バッテリーパックのエネルギー密度が低下するという問題がある。
【0087】
このような問題を解消すべく、本発明の一実施形態によるバッテリーパック1は、バッテリーモジュールのモジュールケースを省略してバッテリーセル110をバッテリーパック1のパックケース20に直接的に収容するように構成される。
【0088】
これによれば、バッテリーパック1内においてバッテリーモジュールのモジュールケースなどが占めていた空間にバッテリーセル110をさらに収容できることから、空間効率性が高められ、バッテリー容量が向上するという効果がある。すなわち、本発明の構成要素にバッテリーモジュールのモジュールケースは含まれない可能性もある。
【0089】
但し、モジュールケースを用いる実施形態を完全に排除するわけではなく、必要に応じて、バッテリーモジュールに設けられたモジュールケースに本発明の各実施形態のパウチ型バッテリーセル110が収容されるように構成されることも想定可能である。
【0090】
すなわち、本発明の各実施形態におけるセルカバー120が結合されたパウチ型バッテリーセル110が設けられたバッテリーモジュールもまた、本発明の権利範囲内に属する。
【0091】
そして、本明細書中において、簡単にバッテリーセル110と記載されている場合であっても、前記バッテリーセル110は、パウチ型バッテリーセル110を意味する。
【0092】
本発明の一実施形態によるバッテリーパック1は、バッテリーセルブロック10と、パックケース20と、を含む。バッテリーセルブロック10は、前述した内容と共通しているため、前述した説明に取って代わる。
【0093】
パックケース20は、内部に空き空間(空いたスペース)が形成され、このような内部空間に複数のパウチ型バッテリーセル110、例えば、複数のセルユニット100の積層体を収容し得る。
【0094】
特に、本発明の実施形態において、パウチ型バッテリーセル110は、複数のセルユニット100が積層され、固定部材200により固定されたバッテリーセルブロック10の形状に構成されてパックケース20に直接的に載置され得る。
【0095】
図10参照すると、パックケース20は、下フレーム21と、側面フレーム22と、上カバー23と、を含んで構成され得る。パックケース20は、プラスチック又は金属の材質から作製され得る。その他にも、パックケース20は、本発明の出願時点における公知の多種多様なバッテリーパック1の外装材の材質を採用し得る。
【0096】
下フレーム21には、複数のバッテリーセルブロック10が直接的に載置される。ここで、セルカバー120の下端が直接的に下フレーム21に載置され得る。また、セルカバー120の内部に収容されたバッテリーセル110の下端もまたパックケース20の下フレーム21に直接的に載置され得る。
【0097】
そして、側面フレーム22は、下フレーム21の周縁部から上側に向かって延び、側面フレーム22によりバッテリーセルブロック10を収容する内部空間が形成される。
【0098】
そして、上カバー23は、側面フレーム22と結合され、側面フレーム22と下フレーム21を覆う。ここで、上カバー23の内部には、ガスが移動可能なガスチャンネル(図示せず)が形成される可能性もある。但し、ガスチャンネル(図示せず)が必ずしも上カバー23にのみ形成され得るとは限らず、必要に応じて、側面フレーム22と下フレーム21のうちの少なくとも一方にも形成され得る。
【0099】
図10を参照すると、複数のバッテリーセルブロック10に設けられたセルカバー120は、パックケース20の内部空間に直接的に収容され得る。そして、セルカバー120は、包み込まれたバッテリーセル110の少なくとも一側がパックケース20に向かって露出される開放部125を形成するようにバッテリーセル110を部分的に包み込んでいる。このような構成によれば、バッテリーセルブロック10の冷却効率がより一層向上することができる。特に、本発明の一実施形態の場合、各バッテリーセル110の一部が開放部125を介してパックケース20に直接的に露出可能であるので、各バッテリーセル110の熱がパックケース20を介して外部に有効に排出されることが可能になる。
【0100】
このために、図7を参照すると、開放部125は、第1のカバー部121の端部のうちの第3のカバー部123と接続されている端部の反対側の端部と、第2のカバー部122の端部のうちの第3のカバー部123と接続されている端部の反対側の端部との間に形成されるように構成され得るが、本発明はこれに何ら限定されるものではない。
【0101】
一方、本実施形態によるバッテリーパック1は、パウチ型バッテリーセル110の充放電を制御するように構成された制御モジュールを含み得る。図10を参照すると、このような制御モジュールは、バッテリー管理システム30(Battery Management System;BMS)とバッテリー遮断ユニット40を含み得、バッテリーセルブロック10と併せてパックケース20の内部に収容され得る。
【0102】
図11は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックを含む自動車を説明するための図である。
【0103】
図11を参照すると、本発明の一実施形態による自動車2は、前述した各実施形態によるバッテリーパック1を1つ以上含み得る。あるいは、図示はしなかったが、本発明の一実施形態による自動車2は、前述した各実施形態によるバッテリーセルブロック10それ自体をそれぞれ別々に含み得る。
【0104】
ここで、前記自動車2は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車などといったように、電気を使用するように設けられる各種の自動車2を含む。
【0105】
本明細書においては、上、下、左、右などの方向指示語が用いられたが、これらの用語は説明のしやすさのために用いられたものに過ぎず、対象となる物事の位置や観測者の位置などに応じて異なってくる可能性があるということは本発明の当業者にとって自明である。
【0106】
以上、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。よって、以上において開示されている実施形態は、限定的な視点ではなく、説明的な視点から考慮されるべきである。すなわち、本発明の真の技術的な思想の範囲は、特許請求の範囲に示されており、それと均等な範囲内にあるあらゆる相違点は、本発明に含まれるものと解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明は、バッテリーセルブロック及びこれを含むバッテリーパック、並びに自動車に関し、特に、二次電池と関わる産業に利用可能である。
【符号の説明】
【0108】
1 バッテリーパック
2 自動車
10 バッテリーセルブロック
20 パックケース
21 下フレーム
22 側面フレーム
23 上カバー
30 バッテリー管理システム
40 バッテリー遮断ユニット
100 セルユニット
110 パウチ型バッテリーセル
111 電極リード
120 セルカバー
121 第1のカバー部
122 第2のカバー部
123 第3のカバー部
124 ベント孔
125 開放部
200 固定部材
210 切り抜き部
220 切り欠き部
230 治具嵌入部
300 治具
400 締結部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】