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特表2024-535810GELMAポリマー組成物及びそれらの使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】GELMAポリマー組成物及びそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   C08F 290/10 20060101AFI20240925BHJP
   A61L 15/32 20060101ALI20240925BHJP
   A61L 15/28 20060101ALI20240925BHJP
   A61L 15/26 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
C08F290/10
A61L15/32 100
A61L15/28 100
A61L15/26 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516360
(86)(22)【出願日】2022-09-15
(85)【翻訳文提出日】2024-05-07
(86)【国際出願番号】 US2022076491
(87)【国際公開番号】W WO2023044385
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】63/244,615
(32)【優先日】2021-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.プルロニック
2.PLURONIC
3.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】523129723
【氏名又は名称】ジェルメディクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Gelmedix, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】ホアン,エリック
(72)【発明者】
【氏名】コトラー,マックス
(72)【発明者】
【氏名】ベラ-ゴンサレス,ノエル
(72)【発明者】
【氏名】ドリスコル,アーサー
【テーマコード(参考)】
4C081
4J127
【Fターム(参考)】
4C081AA12
4C081AA13
4C081BC02
4C081CA182
4C081CD082
4C081CD151
4C081CE02
4C081EA14
4J127BA02
4J127BB033
4J127BB041
4J127BB042
4J127BB081
4J127BB082
4J127BB113
4J127BB221
4J127BB222
4J127BB223
4J127BC023
4J127BC031
4J127BC032
4J127BC151
4J127BC152
4J127BC153
4J127BD011
4J127BD012
4J127BD223
4J127BE341
4J127BE342
4J127BE343
4J127BE34Y
4J127BF062
4J127BF06X
4J127BF081
4J127BF08X
4J127BF183
4J127BF18X
4J127BG142
4J127BG143
4J127BG14X
4J127BG251
4J127BG25X
4J127CA01
4J127EA12
4J127FA43
(57)【要約】
本開示は、GelMAポリマー組成物などの改善されたポリマー組成物を記載する。特定の実施形態では、改善されたポリマー組成物は、対象の軟部組織における損傷、欠損、又は疾患を封止、修復、及び/又は治療する際に使用するための軟部組織接着剤として使用することができる。特定の実施形態では、改善されたポリマー組成物は、ゼラチンメタクリロイル(すなわち、GelMA)又はそのポリマー架橋誘導体を含み得るヒドロゲルである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー組成物であって、
(i)少なくとも一つの化学修飾ゼラチン、任意選択的にアクリル化ゼラチン、任意選択的にゼラチンアクリロイル(GelAC)又はゼラチンメタクリロイル(GelMA)、
(ii)任意選択的に、少なくとも一つの化学修飾ヒアルロン酸(HA)、
(iii)任意選択的に、少なくとも一つの化学修飾ポリエチレングリコール(PEG)、
(iv)任意選択的に、少なくとも一つの架橋剤、
(v)少なくとも一つのポリマー架橋開始剤、及び
(vi)任意選択的に、少なくとも一つの治療剤を含む、ポリマー組成物。
【請求項2】
ポリマー組成物であって、
(i)ゼラチンアクリロイル(GelAC)又はゼラチンメタクリロイル(GelMA)、
(ii)任意選択的に、少なくとも一つの化学修飾ヒアルロン酸、
(iii)任意選択的に、少なくとも一つの化学修飾ポリ(エチレングリコール)(PEG)、及び
(vi)少なくとも一つのポリマー架橋開始剤を含む、ポリマー組成物。
【請求項3】
少なくとも一つの化学修飾ヒアルロン酸(HA)、任意選択的にアクリロイル置換HA、任意選択的にメタクリル化ヒアルロン酸(MeHA)を含む、請求項1又は請求項2に記載のポリマー組成物。
【請求項4】
少なくとも一つの化学修飾PEG、任意選択的にアクリロイル置換PEG、任意選択的にポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項5】
グルタルアルデヒド、エポキシド(例えば、ビス-オキシラン)、酸化デキストラン、p-アジドベンゾイルヒドラジド、N-(a-マレイミドアセトキシ)スクシンイミドエステル、p-アジドフェニルグリオキサール一水和物、ビス-((4-アジドサリチルアミド)エチル)ジスルフィド、スベリン酸ビス(スルホスクシンイミジル)、ジチオビス(プロピオン酸スクシンイミジル)、スベリン酸ジスクシンイミジル、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)、エトキシル化トリメチルプロパントリアクリレート、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、ポリエチレンオキシドジメタクリレート、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビス(2-メチルアクリルアミド)、メチレンジアクリレート、メチレンビス(2-メチルアクリレート)、ジエチレングリコールジアクリレート、ヘキサメチレンジアクリレート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オキシビス(メチレン)ビス(2-メチルアクリレート)、オキシビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、イソシアヌル酸トリス(2-アクリロイルオキシエチル)エステル、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリチルトリアクリレート及びグリセロールトリアクリレート、ホスフィニリジントリス(オキシエチレン)トリアクリレート、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせから選択される少なくとも一つの架橋剤を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項6】
前記ポリマー架橋開始剤が、一つ又は複数の光活性化光開始剤、任意選択的に可視光によって活性化される一つ又は複数の光開始剤を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項7】
前記ポリマー架橋開始剤が、エオシンY、N-ビニルカプロラクタム、トリエタノールアミン、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項6に記載のポリマー組成物。
【請求項8】
ゼラチンアクリロイル(GelAC)を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項9】
約1~10%w/vのGelAC、任意選択的に約1~5%w/vのGelAC、任意選択的に約1%w/vのGelAC、約1.5%w/vのGelAC、約2%w/vのGelAC、約2.5%w/vのGelAC、約3%w/vのGelAC、約3.5%w/vのGelAC、約4%w/vのGelAC、約4.5%w/vのGelAC、又は約5%w/vのGelAC、任意選択的に約2%又は約4%を含む、請求項8に記載のポリマー組成物。
【請求項10】
約2%w/vのGelACを含む、請求項8に記載のポリマー組成物。
【請求項11】
前記GelACが、10~50%、任意選択的に約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、又は約50%、任意選択的に約45%のアクリル化度(DoA)を有する、請求項9~10のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項12】
前記GelACが、55~100%、任意選択的に約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又は約100%、任意選択的に約100%のアクリル化度(DoA)を有する、請求項9~10のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項13】
第一のアクリル化度(DoA)で約2~3%w/vのGelAC、及び第二のアクリル化度(DoA)で約2~3%のGelAC、任意選択的に第一のアクリル化度(DoA)で約2%w/vのGelAC、及び第二のアクリル化度(DoA)で約2.5%のGelACを含む、請求項8に記載のポリマー組成物。
【請求項14】
50~100%のアクリル化度(DoA)を有する約2~3%w/vのGelAC、及び1~50%のアクリル化度(DoA)を有する約2~3%のGelAC、任意選択的に約100%のアクリル化度(DoA)で約2~3%w/vのGelAC、及び約15%のアクリル化度(DoA)で約2~3%のGelAC、任意選択的に約100%のアクリル化度(DoA)で約2%w/vのGelAC、及び約15%のアクリル化度(DoA)で約2.5%のGelACを含む、請求項8に記載のポリマー組成物。
【請求項15】
ゼラチンメタクリロイル(GelMA)を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項16】
約1~10%w/vのGelMA、任意選択的に約1~5%w/vのGelMA、任意選択的に約1%w/vのGelMA、約1.5%w/vのGelMA、約2%w/vのGelMA、約2.5%w/vのGelMA、約3%w/vのGelMA、約3.5%w/vのGelMA、約4%w/vのGelMA、約4.5%w/vのGelMA、又は約5%w/vのGelMA、任意選択的に約2%又は約4%、任意選択的に約2%を含む、請求項15に記載のポリマー組成物。
【請求項17】
前記GelMAが、10~50%、任意選択的に約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、又は約50%、任意選択的に約45%のメタクリル化度(DoM)を有する、請求項15~16のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項18】
前記GelMAが、55~100%、任意選択的に約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又は約100%、任意選択的に約100%のメタクリル化度(DoM)を有する、請求項15~16のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項19】
約0.1~2%(w/v)のアクリロイル置換PEG、任意選択的に約0.1%(w/v)、約0.5%(w/v)、約0.67%(w/v)、約1.0%(w/v)、約1.5%(w/v)、又は約2.0%(w/v)のアクリロイル置換PEG、任意選択的に約1.0%(w/v)のアクリロイル置換PEGを含む、請求項10~18のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項20】
前記アクリロイル置換PEGが、ポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)である、請求項19に記載のポリマー組成物。
【請求項21】
2kDaのPEG又は35kDaのPEGから産生されるアクリロイル置換PEGを含む、請求項19又は請求項20に記載のポリマー組成物。
【請求項22】
約0.1~3%(w/v)のアクリロイル置換HA、任意選択的に約0.1%(w/v)、約0.5%(w/v)、約1.0%(w/v)、約1.5%(w/v)、約2.0%(w/v)、約2.5%(w/v)、又は約3.0%(w/v)のアクリロイル置換HAを含む、請求項10~21のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項23】
前記アクリロイル置換HAがメタクリル化ヒアルロン酸(MeHA)である、請求項22に記載のポリマー組成物。
【請求項24】
678kDaのHA又は1.5MDaのHA、任意選択的に678kDaのHAから産生されるアクリロイル置換HAを含む、請求項22又は請求項21に記載のポリマー組成物。
【請求項25】
少なくとも0.1%(w/v)の親水性非イオン性界面活性剤を更に含み、任意選択的に、前記親水性非イオン性界面活性剤が、少なくとも一つのポロキサマー界面活性剤、例えばポロキサマー407を含み、任意選択的に、前記組成物が、約0.2%(w/v)のポロキサマー界面活性剤、例えばポロキサマー407を含む、請求項10~24のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項26】
約2~3%(w/v)のエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を更に含む、請求項10~24のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項27】
約2%w/vのGelAC(約100%DoA)、約1.5%w/vのメタクリル化ヒアルロン酸(MeHA)、及び約1%w/vのポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)を含む、請求項10~26のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項28】
約4%w/vのGelAC(約45%DoA)、約1.5%w/vのメタクリル化ヒアルロン酸(MeHA)、及び約1%w/vのポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)を含む、請求項10~26のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項29】
約4%w/vのGelAC(約45%DoA)、約2%w/vのメタクリル化ヒアルロン酸(MeHA)、及び約1%w/vのポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)を含む、請求項10~26のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項30】
約4%w/vのGelAC(約45%DoA)及び約1.5%w/vのメタクリル化ヒアルロン酸(MeHA)を含む、請求項10~26のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項31】
約2%w/vのGelMA(約80%DoM)、約1.5%w/vのメタクリル化ヒアルロン酸(MeHA)、及び約1%w/vのポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)を含む、請求項10~26のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項32】
請求項1~31のいずれか一項に記載のポリマー組成物を含む、前駆体ポリマー組成物。
【請求項33】
前記前駆体ポリマー組成物の厚さ0.3mmのディスクが、6インチのLEDマグライトでゲルを固化させるための光曝露が最小時間で10秒未満である、請求項32に記載の前駆体ポリマー組成物。
【請求項34】
請求項1~31のいずれか一項に記載のポリマー組成物を含む、ゲルポリマー組成物。
【請求項35】
ゲルポリマー組成物であって、請求項32又は請求項33に記載の前駆体ポリマー組成物を光架橋することによって形成され、任意選択的に、前記ゲルポリマー組成物がヒドロゲルである、ゲルポリマー組成物。
【請求項36】
前記ゲルポリマー組成物が、約50~110mmHg、任意選択的に約60~110mmHg、任意選択的に約70~110mmHg、任意選択的に約80~110mmHg、任意選択的に約90~110mmHg、任意選択的に約100~110mmHgのASTM F2392による破裂強度を有する、請求項35に記載のゲルポリマー組成物。
【請求項37】
対象の標的軟部組織における欠損、損傷、及び/又は疾患を治療する方法であって、
請求項32又は請求項33に記載の前駆体ポリマー組成物を提供することと、
前記前駆体ポリマー組成物を、前記対象の前記標的軟部組織の表面上に、任意選択的に前記軟部組織の欠損、損傷、及び/又は疾患の位置に、投与することと、
前記ポリマー組成物中の前記ポリマー架橋開始剤を架橋条件に曝露することによって前記前駆体ポリマー組成物を架橋させることであって、前記前駆体ポリマー組成物の前記架橋が、ゲルポリマー組成物を生成する、架橋させることと、を含む、方法。
【請求項38】
前記ゲルポリマー組成物が、約50~110mmHg、任意選択的に約60~110mmHg、任意選択的に約70~110mmHg、任意選択的に約80~110mmHg、任意選択的に約90~110mmHg、任意選択的に約100~110mmHgのASTM F2392による破裂強度を有する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
標的軟部組織が眼組織である、請求項37又は請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記標的軟部組織の前記欠損、損傷、及び/又は疾患が、眼の欠損、損傷、及び/又は疾患、任意選択的に眼の切創又は穿刺を含む、請求項37~39のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、GELMA POLYMER COMPOSITIONS AND USES THEREOFと題する2021年9月15日に出願された米国仮特許出願第63/244,615号の利益を主張し、その内容は各々参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、ゼラチンメタクリロイル(GelMA)ポリマー組成物などの改善されたポリマー組成物を記載する。特定の実施形態では、改善されたポリマー組成物は、対象の軟部組織における損傷、欠損、及び/又は疾患を封止、修復、及び/又は治療する際に使用するための軟部組織接着剤として使用することができる。特定の実施形態では、改善されたポリマー組成物は、ゼラチンメタクリロイル(GelMA)、ゼラチンアクリロイル(GelAC)又はそのポリマー架橋誘導体を含み得るヒドロゲルである。
【背景技術】
【0003】
アクリル化ゼラチンポリマー組成物(例えば、GelMA又はGelAC)は、対象の軟部組織における損傷、欠損、又は疾患を封止、修復、及び/又は治療するのに使用するための有効な材料として浮上してきた。この目的のために改善されたGelMA及びGelACポリマー組成物の設計及び生成は、活発な研究分野である。
【0004】
改善されたGelMA及びGelACポリマー組成物、GelMA及びGelACポリマー組成物を生成するための方法、並びにGelMA及びGelACポリマー組成物に対する治療用途に対するニーズが依然として存在する。
【発明の概要】
【0005】
本開示の様々な実施形態の詳細は、以下の説明に記載される。
【0006】
特定の実施形態では、本開示は、少なくとも一つの化学修飾ゼラチン、任意選択的にアクリル化ゼラチン、任意選択的にゼラチンメタクリロイル(GelMA)又はゼラチンアクリロイル(GelAC)を含むポリマー組成物を記載する。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、少なくとも一つの化学修飾ゼラチン(任意選択的に、GelMA又はGelACなどのアクリル化ゼラチン)と、少なくとも一つのポリマー架橋開始剤(例えば、光開始剤)とを含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、(i)少なくとも一つの化学修飾ゼラチン(任意選択的に、GelMA又はGelACなどのアクリル化ゼラチン)、(ii)任意選択的に、少なくとも一つの化学修飾ヒアルロン酸、(iii)任意選択的に、少なくとも一つの化学修飾ポリ(エチレングリコール)(PEG)、(iv)任意選択的に、少なくとも一つの架橋剤、(v)少なくとも一つのポリマー架橋開始剤、及び(vi)任意選択的に、少なくとも一つの治療剤、を含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、前駆体ポリマー組成物である。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、ゲルポリマー組成物である。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、少なくとも一つの治療剤を更に含む。
【0007】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、ゼラチンメタクリロイル(GelMA)又はゼラチンアクリロイル(GelAC)を含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、ゼラチンメタクリロイル(GelMA)又はゼラチンアクリロイル(GelAC)と、少なくとも一つのポリマー架橋開始剤(例えば、光開始剤)とを含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、(i)GelMA又はGelAC、(ii)任意選択的に、少なくとも一つの化学修飾ヒアルロン酸、(iii)任意選択的に、少なくとも一つの化学修飾ポリ(エチレングリコール)(PEG)、及び(iv)少なくとも一つのポリマー架橋開始剤を含む。
【0008】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、少なくとも一つの化学修飾ヒアルロン酸(HA)、任意選択的にメタクリル化ヒアルロン酸(MeHA)などのアクリロイル置換HAを含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約0.1~3%(w/v)のアクリロイル置換HAを含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約0.1~5%(w/v)のアクリロイル置換HAを含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約0.1~8%(w/v)のアクリロイル置換HAを含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約0.1%(w/v)、約0.5%(w/v)、約1.0%(w/v)、約1.5%(w/v)、約2.0%(w/v)、約2.5%(w/v)、約3.0%(w/v)のアクリロイル置換HA、約3.5%(w/v)、約3.0%(w/v)、約3.5%(w/v)、約4.0%(w/v)のアクリロイル置換HA、約4.5%(w/v)、約5.0%(w/v)、約5.5%(w/v)、約6.0%(w/v)のアクリロイル置換HA、約6.5%(w/v)、約7.0%(w/v)、約7.5%(w/v)、又は約8.0%(w/v)のアクリロイル置換HAを含む。特定の実施形態では、アクリロイル置換HAはメタクリル化ヒアルロン酸(MeHA)である。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約126kDa HA、約678kDa HA、又は約1.5MDa HA、又はそれらの任意の組み合わせから産生されるアクリロイル置換HAを含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約126kDaのHAから産生されるアクリロイル置換HAを含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約678kDaのHAから産生されるアクリロイル置換HAを含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1.5MDa HAから産生されるアクリロイル置換HAを含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約126kDa HAから産生される約0.1~8.0%w/v、任意選択的に約2.0~8.0%w/v、任意選択的に約4.0~8.0%w/v、任意選択的に約6.0~8.0%w/v、任意選択的に約8.0%w/vのアクリロイル置換HAを含む。
【0009】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、少なくとも一つの化学修飾PEG、任意選択的にポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)などのアクリロイル置換PEGを含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約0.1~2%(w/v)のアクリロイル置換PEGを含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約0.1%(w/v)、約0.5%(w/v)、約1.0%(w/v)、約1.5%(w/v)、約2.0%(w/v)、約2.5%(w/v)、又は約3.0%(w/v)のアクリロイル置換PEGを含む。特定の実施形態では、アクリロイル置換PEGは、ポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)である。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、2kDaのPEG又は35kDaのPEGから産生されるアクリロイル置換PEGを含む。
【0010】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、少なくとも一つの架橋剤を含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、グルタルアルデヒド、エポキシド(例えば、ビス-オキシラン)、酸化デキストラン、p-アジドベンゾイルヒドラジド、N-(a-マレイミドアセトキシ)スクシンイミドエステル、p-アジドフェニルグリオキサール一水和物、ビス-((4-アジドサリチルアミド)エチル)ジスルフィド、スベリン酸ビス(スルホスクシンイミジル)、ジチオビス(プロピオン酸スクシンイミジル)、スベリン酸ジスクシンイミジル、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)、エトキシル化トリメチルプロパントリアクリレート、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、ポリエチレンオキシドジメタクリレート、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビス(2-メチルアクリルアミド)、メチレンジアクリレート、メチレンビス(2-メチルアクリレート)、ジエチレングリコールジアクリレート、ヘキサメチレンジアクリレート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オキシビス(メチレン)ビス(2-メチルアクリレート)、オキシビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、トリメチルオールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、イソシアヌル酸トリス(2-アクリロイルオキシエチル)エステル、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリチルトリアクリレート及びグリセロールトリアクリレート、ホスフィニリジントリス(オキシエチレン)トリアクリレート、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせ、から選択される少なくとも一つの架橋剤を含む。
【0011】
特定の実施形態では、ポリマー組成物はゼラチンアクリロイル(GelAC)を含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~10%w/vのGelACを含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~5%w/vのGelACを含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1%w/vのGelAC、約1.5%w/vのGelAC、約2%w/vのGelAC、約2.5%w/vのGelAC、約3%w/vのGelAC、約3.5%w/vのGelAC、約4%w/vのGelAC、約4.5%w/vのGelAC、又は約5%w/vのGelACを含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%又は約4%w/vのGelACを含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%w/vのGelACを含む。特定の実施形態では、GelACは、10~50%のアクリル化度(DoA)を有する。特定の実施形態では、GelACは、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、又は約50%のアクリル化度(DoA)を有する。特定の実施形態では、GelACは、約45%のアクリル化度(DoA)を有する。特定の実施形態では、GelACは、55~100%のアクリル化度(DoA)を有する。特定の実施形態では、GelACは、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又は約100%のアクリル化度(DoA)を有する。特定の実施形態では、GelACは、約100%のアクリル化度(DoA)を有する。
【0012】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、第一のアクリル化度(DoA)で約2~3%w/vのGelAC、及び第二のアクリル化度(DoA)で約2~3%のGelACを含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、第一のアクリル化度(DoA)で約2%w/vのGelAC、第二のアクリル化度(DoA)で約2.5%のGelACを含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、50~100%のアクリル化度(DoA)を有する約2~3%w/vのGelAC、及び1~50%のアクリル化度(DoA)を有する約2~3%のGelACを含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約100%のアクリル化度(DoA)で約2~3%w/vのGelAC、及び約15%のアクリル化度(DoA)で約2~3%のGelACを含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約100%のアクリル化度(DoA)で約2%w/vのGelAC、及び約15%のアクリル化度(DoA)で約2.5%のGelACを含む。
【0013】
特定の実施形態では、ポリマー組成物はゼラチンメタクリロイル(GelMA)を含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~10%w/vのGelMAを含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~5%w/vのGelMAを含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1%w/vのGelMA、約1.5%w/vのGelMA、約2%w/vのGelMA、約2.5%w/vのGelMA、約3%w/vのGelMA、約3.5%w/vのGelMA、約4%w/vのGelMA、約4.5%w/vのGelMA、又は約5%w/vのGelMAを含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%又は約4%w/vのGelMAを含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%w/vのGelMAを含む。特定の実施形態では、GelMAは、20~50%のメタクリル化度(DoM)を有する。特定の実施形態では、GelMAは、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、又は約50%のメタクリル化度(DoM)を有する。特定の実施形態では、GelMAは、約45%のメタクリル化度(DoM)を有する。特定の実施形態では、GelMAは、55~100%のメタクリル化度(DoM)を有する。特定の実施形態では、GelMAは、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又は約100%のメタクリル化度(DoM)を有する。特定の実施形態では、GelMAは、約100%のメタクリル化度(DoM)を有する。
【0014】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、少なくとも0.1%(w/v)の親水性非イオン性界面活性剤を含む。特定の実施形態では、親水性非イオン性界面活性剤は、ポロキサマー407などの少なくとも一つのポロキサマー界面活性剤を含む。特定の実施形態では、組成物は、ポロキサマー407などの約0.2%(w/v)のポロキサマー界面活性剤を含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2~3%(w/v)のエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含む。
【0015】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%w/vのGelAC(約100%DoA)、約1.5%w/vのメタクリル化ヒアルロン酸(MeHA)、及び約1%w/vのポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)を含む。
【0016】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%w/vのGelAC(約45%DoA)、約1.5%w/vのメタクリル化ヒアルロン酸(MeHA)、及び約1%w/vのポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)を含む。
【0017】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%w/vのGelAC(約45%DoA)、約2%w/vのメタクリル化ヒアルロン酸(MeHA)、及び約1%w/vのポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)を含む。
【0018】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%w/vのGelAC(約45%DoA)、及び約1.5%w/vのメタクリル化ヒアルロン酸(MeHA)を含む。
【0019】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%w/vのGelMA(約80%DoA)、約1.5%w/vのメタクリル化ヒアルロン酸(MeHA)、及び約1%w/vのポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)を含む。
【0020】
特定の実施形態では、本開示は、本開示のポリマーを含む前駆体ポリマー組成物を記載する。特定の実施形態では、前駆体ポリマー組成物の厚さ0.3mmのディスクは、6インチのLEDマグライトでゲルを固化させるための光曝露が最小時間で10秒未満である。
【0021】
特定の実施形態では、本開示は、本開示のポリマー組成物を含むゲルポリマー組成物を記載する。特定の実施形態では、本開示は、本開示の前駆体ポリマー組成物を光架橋することによって形成されたゲルポリマー組成物を記載する。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、ヒドロゲルである。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、約50~250mmHg、任意選択的に約75~250mmHg、任意選択的に約100~250mmHg、任意選択的に約125~250mmHg、任意選択的に約150~250mmHg、任意選択的に約175~250mmHg、任意選択的に約200~250mmHg、任意選択的に約225~250mmHgのASTM F2392による破裂強度を有する。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、約250~300mmHg、任意選択的に約250~275mmHgのASTM F2392による破裂強度を有する。
【0022】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、少なくとも一つの架橋開始剤を含む。特定の実施形態では、架橋開始剤は、一つ又は複数の光活性化光開始剤、任意選択的に可視光によって活性化される一つ又は複数の光開始剤を含む。
【0023】
特定の実施形態では、本開示は、対象の標的軟部組織における欠損、損傷、及び/又は疾患を治療及び/又は修復する方法を記載する。特定の実施形態では、本開示は、対象の標的軟部組織における欠損、損傷、及び/又は疾患を治療及び/又は修復する方法を記載し、当該方法は、本開示の前駆体ポリマー組成物を提供することと、前駆体ポリマー組成物を、対象の標的軟部組織の表面上、任意選択的に軟部組織の欠損、損傷、及び/又は疾患の位置に、投与することと、ポリマー組成物中のポリマー架橋開始剤を架橋条件に曝露することによって前駆体ポリマー組成物を架橋させることであって、前駆体ポリマー組成物の架橋が、ゲルポリマー組成物を生成する、架橋させることと、を含む。特定の実施形態では、前駆体ポリマー組成物は、対象の標的軟部組織上で、強力で持続的な接着及び高保持力を有する。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、ヒドロゲルである。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、約50~110mmHg、任意選択的に約60~110mmHg、任意選択的に約70~110mmHg、任意選択的に約80~110mmHg、任意選択的に約90~110mmHg、任意選択的に約100~110mmHgのASTM F2392による破裂強度を有する。
【0024】
特定の実施形態では、標的軟部組織は、眼組織である。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、眼組織の表面に適用される。特定の実施形態では、標的軟部組織の欠損、損傷、及び/又は疾患は、眼の欠損、損傷、及び/又は疾患を含む。特定の実施形態では、標的軟部組織の欠損、損傷、及び/又は疾患は、眼の切創又は穿刺を含む。
【図面の簡単な説明】
【0025】
前述及び他の目的、特徴及び利点は、添付の図面に示されるように、本開示のいくつかの実施形態の以下の説明から明らかとなるであろう。図面は必ずしも正確な縮尺ではなく、包括的なものではなく、代わりに本開示の様々な実施形態の原理を説明することに重点が置かれている。
【0026】
図1A図1Aは、ゼラチンが、メタクリル酸無水物(MA)で修飾されてメタクリロイル置換ゼラチン(GelMA)を形成する反応の例を記載する。図1Bは、ヒアルロン酸がメタクリル酸グリシジルで修飾されてメタクリル化ヒアルロン酸(MeHA)を形成する反応の例を記載する。図1Cは、ポリ(エチレングリコール)(PEG)が、塩化アクリロイルで修飾されて、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート(PEGDA)を形成する反応の例を記載する。図1Dは、トロポエラスチンが、メタクリル酸無水物で修飾されてメタクリル化トロポエラスチン(MeTro)を形成する反応の例を記載する。
図1B】同上。
図1C】同上。
図1D】同上。
【0027】
図2図2は、本開示のゲルポリマー組成物を生成するための方法100を記載する。
【0028】
図3図3は、光開始剤エレメント及び光エネルギーを使用して、ゼラチンメタクリロイルポリマー前駆体からGelMAヒドロゲルポリマー組成物を生成するための一連の反応の例を記載する。
【0029】
図4A図4A及び4Bは、光重合時間の関数として本開示のヒドロゲル内の架橋度の間の相関に関する研究の結果を提示する。図4Aは、HAMAのみのヒドロゲルに対する架橋度(%)を示し、図4Bは、GelMAのみのヒドロゲルに対する架橋メチル基対非架橋リジンCH基]の比を示す。
図4B】同上。
【0030】
図5A図5A図5B図5C、及び図5Dは、様々なGelMA、HAMA、及びPEGDA濃度を有する本開示のヒドロゲルの膨潤率に関する研究の結果を提示する。図5A及び図5Bは、本開示の四つのヒドロゲル製剤の膨潤率測定値を示し、図5Cは、再膨潤条件下での本開示の四つのヒドロゲル製剤の膨潤率測定値を示し、図5Dは、本開示の七つのGelMA、PEGDA、及びGelMA+PEGDAヒドロゲル製剤の膨潤率測定値を示す。
図5B】同上。
図5C】同上。
図5D】同上。
【0031】
図6A図6A及び図6Bは、活性薬剤を用いて調製され、様々なGelMA、HAMA、及びPEGDA濃度を有する本開示のヒドロゲルの膨潤率に関する研究の結果を提示する。図6Aは、活性薬剤を含む場合と含まない場合の、本開示の六つのヒドロゲル製剤の膨潤率測定値を示し、図6Bは、再膨潤条件下での、活性薬剤を含む場合と含まない場合の、本開示の六つのヒドロゲル製剤の膨潤率測定値を示す。
図6B】同上。
【0032】
図7A図7A図7B図7C、及び図7Dは、様々なGelMA、HAMA、及びPEGDA濃度を有する本開示のヒドロゲルの薬物放出プロファイルに関する研究の結果を提示する。図7Aは、最大10~13日間の本開示のG4-H1-P1及びG4-H3-P1ヒドロゲル製剤の薬物放出プロファイルを示し、図7B及び図7Cは、G4-H1-P1について最大35日間(図7B)及び65日間(図7C)まで延長された薬物放出プロファイルを示し、図7Dは、本開示のG4-H1-P1、G4-P1及びG7-P1ヒドロゲル製剤の薬物放出プロファイルを示す。
図7B】同上。
図7C】同上。
図7D】同上。
【0033】
図8A図8A及び図8Bは、活性薬剤を用いて調製され、様々なGelMA、HAMA、及びPEGDA濃度を有する本開示のヒドロゲルの薬物放出プロファイルに対する真空乾燥の影響に関する研究の結果を提示する。図8Aは、「湿潤」形態及び「真空乾燥」形態の両方における、本開示のG4-H1-P1ヒドロゲル製剤の薬物放出プロファイルを示し、図8Bは、「湿潤」形態及び「真空乾燥」形態の両方における、本開示のG7-P1及びG4-P1ヒドロゲル製剤の薬物放出プロファイルを示す。
図8B】同上。
【0034】
図9A図9A及び図9Bは、活性薬剤を用いて調製され、様々なGelMA、HAMA、及びPEGDA濃度を有する本開示のヒドロゲルの薬物放出プロファイルに対するヒドロゲル形状及び水和状態の影響に関する研究の結果を提示する。図9Aは、「ロッド」及び「ディスク」形態(湿潤、真空乾燥、及び凍結乾燥ロッド形態を含む)の両方における、本開示のG4-H1-P1ヒドロゲル製剤の総薬物放出プロファイルを示し、図9Bは、「ロッド」及び「ディスク」形態(湿潤、真空乾燥、及び凍結乾燥ロッド形態を含む)の両方における、本開示のG4-H1-P1ヒドロゲル製剤の薬物放出パーセンテージプロファイルを示す。
図9B】同上。
【0035】
図10図10は、本開示のGelMA+PEGDAヒドロゲルの放出プロファイルとヒドロゲル内のGelMAのメタクリル化度との間の相関に関する研究の結果を記載する。
【0036】
図11A図11A及び図11Bは、本開示のヒドロゲルポリマー組成物の圧縮弾性率に関する研究の結果を提示する。図11C図11D、及び図11Eは、本開示のヒドロゲルポリマー組成物のインビトロ破裂圧力に関する研究の結果を提示する。
図11B】同上。
図11C】同上。
図11D】同上。
図11E】同上。
【0037】
図12図12は、本開示のヒドロゲルポリマーのインビトロ細胞膜接着に関する研究の結果を提示する。
【発明を実施するための形態】
【0038】
I.ポリマー組成物
概要
本開示は、現在の商業的に使用されている、又は当技術分野で公知の組成物をよりも一つ又は複数の利点を有するポリマー組成物(例えば、GelMA又はGelACポリマー組成物)を記載する。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、現在の商業的に使用されている、又は当技術分野で公知の一つ又は複数の組成物に対し、以下の利点のうちの一つ又は複数を有する:(i)より低いコスト、(ii)より容易な生成、(iii)生体適合性の向上、(iv)より速いかつ/若しくはより強力な架橋及び安定化、(v)より容易かつ/若しくはより安定した適用、(vi)標的表面へのより強力な接着及び/若しくは保持力、(vii)設計及び調整可能な分解特性、及び/又は(viii)適用されると滑らかな表面。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、一定期間にわたる一つ又は複数の治療剤の制御された持続放出を可能にする。そのため、本開示のポリマー組成物は、現在の商業的に使用されている、現在当技術分野で公知である組成物よりも明確かつ予想外の改善を提示する。
【0039】
本明細書で使用される場合、「ポリマー組成物」という用語は、本開示の対応する文脈によって提供される、前駆体ポリマー組成物(例えば、架橋重合前のポリマー組成物)及び/又はゲルポリマー組成物(例えば、架橋重合後のポリマー組成物)を指すことができる。
【0040】
一般に、本開示におけるポリマー成分(例えば、GelMA/GelAC、MeHA、PEGDA、又はMeTro)は、本開示内の文脈にしたがって、ポリマー前駆体成分(例えば、モノマー又は前駆体オリゴマー)、オリゴマー中のポリマー成分の架橋形態(例えば、架橋オリゴマー)、及び/又はゲルポリマー組成物中のポリマー成分の重合形態(例えば、ヒドロゲルポリマー)を指すことができる。
【0041】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、接着性ポリマー材料(例えば、ヒドロゲル)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、ゼラチンアクリロイル(すなわち、GelAC)又はゼラチンメタクリロイル(すなわち、GelMA)などの化学修飾ゼラチンを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)及び一つ又は複数の架橋剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、及び光活性化光開始剤エレメントなどの、一つ又は複数のポリマー架橋開始剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、一つ又は複数の架橋剤、及び光活性化光開始剤エレメントなどの、一つ又は複数のポリマー架橋開始剤を含み得る。
【0042】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)及び化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び一つ又は複数の架橋剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び光活性化光開始剤エレメントなどの、一つ又は複数のポリマー架橋開始剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、一つ又は複数の架橋剤、及び光活性化光開始剤エレメントなどの、一つ又は複数のポリマー架橋開始剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、非修飾HAを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、非修飾HA及び化学修飾HA(例えば、MeHA)を含み得る。
【0043】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)及び化学修飾ポリ(エチレングリコール)(PEG)(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾PEG(例えば、PEGDA)、及び一つ又は複数の架橋剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾PEG(例えば、PEGDA)、及び光活性化光開始剤エレメントなどの、一つ又は複数のポリマー架橋開始剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾PEG(例えば、PEGDA)、一つ又は複数の架橋剤、及び光活性化光開始剤エレメントなどの、一つ又は複数のポリマー架橋開始剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、非修飾PEGを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、非修飾PEG及び化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。
【0044】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)及び化学修飾トロポエラスチン(例えば、MeTro)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾トロポエラスチン(例えば、MeTro)、及び一つ又は複数の架橋剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾トロポエラスチン(例えば、MeTro)、及び光活性化光開始剤エレメントなどの、一つ又は複数のポリマー架橋開始剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾トロポエラスチン(例えば、MeTro)、一つ又は複数の架橋剤、及び光活性化光開始剤エレメントなどの、一つ又は複数のポリマー架橋開始剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、非修飾トロポエラスチンを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、非修飾トロポエラスチン及び化学修飾トロポエラスチン(例えば、MeTro)を含み得る。
【0045】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、化学修飾PEG(例えば、PEGDA)、及び一つ又は複数の架橋剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、化学修飾PEG(例えば、PEGDA)、及び光活性化光開始剤エレメントなどの、一つ又は複数のポリマー架橋開始剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、化学修飾PEG(例えば、PEGDA)、一つ又は複数の架橋剤、及び光活性化光開始剤エレメントなどの、一つ又は複数のポリマー架橋開始剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、非修飾HA及び/又は非修飾PEGを含み得る。
【0046】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び化学修飾トロポエラスチン(例えば、MeTro)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、化学修飾トロポエラスチン(例えば、MeTro)、及び一つ又は複数の架橋剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、化学修飾トロポエラスチン(例えば、MeTro)、及び光活性化光開始剤エレメントなどの、一つ又は複数のポリマー架橋開始剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、化学修飾トロポエラスチン(例えば、MeTro)、一つ又は複数の架橋剤、及び光活性化光開始剤エレメントなどの、一つ又は複数のポリマー架橋開始剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、非修飾HA及び/又は非修飾トロポエラスチンを含み得る。
【0047】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾トロポエラスチン(例えば、MeTro)、及び化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾トロポエラスチン(例えば、MeTro)、化学修飾PEG(例えば、PEGDA)、及び一つ又は複数の架橋剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾トロポエラスチン(例えば、MeTro)、化学修飾PEG(例えば、PEGDA)、及び光活性化光開始剤エレメントなどの、一つ又は複数のポリマー架橋開始剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾トロポエラスチン(例えば、MeTro)、化学修飾PEG(例えば、PEGDA)、一つ又は複数の架橋剤、及び光活性化光開始剤エレメントなどの、一つ又は複数のポリマー架橋開始剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、非修飾PEG及び/又は非修飾トロポエラスチンを含み得る。
【0048】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、化学修飾PEG(例えば、PEGDA)、及び化学修飾トロポエラスチン(例えば、MeTro)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、化学修飾PEG(例えば、PEGDA)、化学修飾トロポエラスチン(例えば、MeTro)、及び一つ又は複数の架橋剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、化学修飾PEG(例えば、PEGDA)、化学修飾トロポエラスチン(例えば、MeTro)、及び光活性化光開始剤エレメントなどの、一つ又は複数のポリマー架橋開始剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、化学修飾PEG(例えば、PEGDA)、化学修飾トロポエラスチン(例えば、MeTro)、一つ又は複数の架橋剤、及び光活性化光開始剤エレメントなどの、一つ又は複数のポリマー架橋開始剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、非修飾HA及び/又は非修飾PEG及び/又は非修飾トロポエラスチンを含み得る。
【0049】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は加水分解酵素を含まない。特定の実施形態では、ポリマー組成物はグリコシダーゼ加水分解酵素を含まない。
【0050】
特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、ヒドロゲルである。ヒドロゲルは一般に、水を含む間隙溶媒(例えば、流体)で満たされた細孔のネットワークを包含する架橋ポリマーフレームワークを含む。特定の実施形態では、ヒドロゲルポリマー組成物は、約80%以上の含水率を有する。特定の実施形態では、ヒドロゲルポリマー組成物は、約80%超、約81%超、約82%超、約83%超、約84%超、約85%超、約86%超、約87%超、約88%超、約89%超、約90%超、約91%超、約92%超、約93%超、約94%超、約95%超、約96%超、約97%超、約98%超、又は約99%超の含水率を有する。
【0051】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物(例えば、ヒドロゲル又はヒドロゲル前駆体)は、一つ又は複数のヒドロゲル形成ポリマー成分(すなわち、ポリマー又はその前駆体)を含み得る。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物(例えば、ヒドロゲル又はヒドロゲル前駆体)は、アクリルアミド、アクリル酸、アルギネート、アルギン酸メタクリレート、セルロース、キトサン、キトサンメタクリレート、ジメタクリルアミド、ゼラチン、ゼラチンメタクリレート、グリコールキトサン、グリコールキトサンメタクリレート、メタクリル酸ヘキシル、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸メタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、イソプロピルアクリルアミド、イソプロピルメタクリルアミド、メタクリルアミド、メタクリル酸、ポリアミド、ポリカプロラクトン、ポリエチレン-グリコール(PEG)、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシドジメタクリレート、及びシロキサン、ポリシロキサン、又は任意のオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの組み合わせ、から選択される一つ又は複数のヒドロゲル形成ポリマー成分を含み得る。
【0052】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、一つ又は複数の生体適合性ポリマー成分又は多糖類を含み得る。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、アガロース、アルギネート、アミロペクチン、アミロース、カラギーナン、セルロース、キチン、キトサン、コンドロイチン硫酸、コラーゲン、デルマタン硫酸、デキストラン、エラスチン、エラスチン様ポリペプチド(ELP)、トロポエラスチン、フィブリン、フィブリノゲン、フィブロネクチン、ゼラチン、グリコーゲン、ヘパラン、ヘパランスルフェート、ヘパリン、ヘパリンスルフェート、ヒアルロナン、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸、ラミニン、ペクチン、ポリグリセロールセバケート(PGS)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ乳酸(PLA)、ポリリシン、デンプン、トロンビン、及びそれらの誘導体、又は前述の任意の組み合わせ、から選択される一つ又は複数の生体適合性ポリマー成分又は多糖類を含み得る。
【0053】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、フィブロネクチン、ラミニン、ビトロネクチン、RGD、ビクサパチン(vixapatin)、及びそれらの誘導体、又は前述の任意の組み合わせから選択される一つ又は複数の細胞接着剤を含み得る。
【0054】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、生体適合性合成ポリマー成分などの、一つ又は複数の合成ポリマー成分を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、ポリウレタン、ポリシロキサン、シリコン、ポリエチレン、ポリビニルピロリドン、ポリヒドロキシエチルメタクリレート(ポリ-HEMA)、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレン-コ-ビニルアセテート、ポリエチレングリコール、ポリメタクリル酸、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリラクチド-コ-グリコリド、ナイロン、ポリアミド、ポリ酸無水物、ポリエチレン-コ-ビニルアルコール、ポリカプロラクトン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルヒドロキシド、ポリエチレンオキシド、ポリオルトエステル、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリリジン、ポリアルギニン、及びそれらの誘導体、又は前述の任意の組み合わせ及び/若しくはコポリマーから選択される一つ又は複数の合成ポリマー成分を含み得る。
【0055】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、架橋性基を含む一つ又は複数のポリマー成分(例えば、モノマー、前駆体、ポリマー)を含み得る。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、無水物、酸ハロゲン化物、カルボン酸、ジオール、アクリル酸無水物、メタクリル酸無水物、塩化アクリロイル、臭化アクリロイル、塩化メタクリロイル、臭化メタクリロイル、アクリル酸、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸、ドパミン、及びそれらの誘導体、又は前述の任意の組み合わせから選択される(又はこれらとの反応から形成される)架橋性基を含む、一つ又は複数のポリマー成分を含み得る。
【0056】
特定の実施形態では、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)又はそのポリマーは、約1%~約60%(重量/体積(w/v))の濃度でポリマー組成物中に存在し得る。特定の実施形態では、HEMAは、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、又は約60%の重量/体積濃度(w/v)でポリマー組成物中に存在し得る。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、アクリロイル置換ゼラチン及びHEMAを、約30:1及び約1:30w/wの比で含み得る。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、アクリロイル置換ゼラチン及びポリHEMAを、約30:1、約29:1、約28:1、約27:1、約26:1、約25:1、約24:1、約23:1、約22:1、約21:1、約20:1、約19:1、約18:1、約17:1、約16:1、約15:1、約14:1、約13:1、約12:1、約11:1、約10:1、約9:1、約8:1、約7:1、約6:1、約5:1、約4:1、約3:1、約2:1、約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7、約1:8、約1:9、約1:10、約1:11、約1:12、約1:13、約1:14、約1:15、約1:16、約1:17、約1:18、約1:19、約1:20、約1:21、約1:22、約1:23、約1:24、約1:25、約1:26、約1:27、約1:28、約1:29、又は約1:30の比(w/w)で含み得る。
【0057】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、一つ又は複数の安定剤及び/又はエンハンサーを含み得る。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、極性アミノ酸(例えば、チロシン、システイン、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、及びヒスチジン)、アミノ酸類似体、アミノ酸誘導体、コラーゲン、二価カチオンキレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)若しくはその塩)、又はそれらの任意の組み合わせから選択される一つ又は複数の安定剤及び/又はエンハンサーを含み得る。
【0058】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、透明及び/又は半透明であり得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、部分的に半透明又は部分的に不透明であり得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、不透明であり得る。
【0059】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、US20140377326、US20150274805、US20160175488、US20170232138、US20190022280A1、WO2020051133、及びWO2020081673に開示されているように生成することができるか、分析することができるか、又は使用することができる、ポリマー成分又は治療用成分を含むことができ、これら文献の各々は、GelMA又はGelACヒドロゲルなどのアクリル化ゼラチンポリマー組成物の組成、生成、分析及び使用を各々が記述する限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0060】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、US20180362693に記載されるバイオ-イオン液体を含むことができ、文献は、GelMA又はGelACヒドロゲルなどのポリマー組成物の組成、生成、分析、及び使用におけるバイオ-イオン液体の使用をそれが記述する限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。バイオ-イオン液体は、室温より低い融解温度(例えば、35℃未満の溶解温度)を有し、少なくとも一方が生体分子又は生体適合性有機分子であるカチオン及びアニオンを含む塩を指すことができる。特定の実施形態では、バイオ-イオン液体は、コリンなどの、一つ又は複数の有機四級アミンを含み得る。バイオ-イオン液体の例としては、コリンの有機塩(例えば、コリンのカルボン酸塩、重炭酸コリン、マレイン酸コリン、コハク酸コリン、及びプロピオン酸コリン)が挙げられる。バイオ-イオン液体のイオン成分の例としては、コリン及び他の生体適合性四級有機アミンなどの生体適合性有機カチオン、並びにギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、リンゴ酸、コハク酸、及びクエン酸を含む、カルボン酸などの生体適合性有機アニオンが挙げられる。特定の実施形態では、バイオ-イオン液体は、ジアクリレートリンカー(例えば、ジアクリレート、ジスルフィド、及びエステル)によってポリマー組成物にコンジュゲートさせることができる。特定の実施形態では、バイオ-イオン液体は、ゲルポリマー組成物を、バイオ-イオン液体又はその官能基化誘導体を含む溶液に曝露(例えば、浸漬)することによって、ゲルポリマー組成物にコンジュゲートさせることができる。特定の実施形態では、バイオ-イオン液体を含むポリマー組成物は、治療上有効な電気伝導率を有する。特定の実施形態では、バイオ-イオン液体を含むポリマー組成物は、心臓パッチ又は他の心血管治療で使用するための治療上有効な電気伝導率を有する。
【0061】
製剤
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、化学修飾PEG(例えば、PEGDA)、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)及び化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)及び化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)及び化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。
【0062】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、表1による前駆体ポリマー成分の組み合わせを含み得る(パーセンテージは、全前駆体ポリマー製剤中のw/v濃度である)。特に明記されない限り、表1のGelMA材料は、160P80(すなわち、160kDaの分子量(MW)及び80%のメタクリル化度(DoM)を有する)である。特に明記されない限り、表1のGelAC材料は、45%のアクリル化度(DoA)を有する)。特に明記されない限り、表1のHAMA材料は、500P30(すなわち、500kDaの分子量(MW)及び30%のメタクリル化度(DoM)を有する)である。別段の記載がない限り、表1のPEGDA材料は、35kDaのPEG材料から形成される。ポロキサマー407=Px407。
【表1-1】
【表1-2】
【0063】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4~20%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約0~1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0~5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4~10%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1~1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.1~5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。
【0064】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約160kDaの分子量(MW)を有するGelMAを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約80%のメタクリル化度(DoM)を有するGelMAを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約40%のDoMを有するGelMAを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約20%のDoMを有するGelMAを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約10%のDoMを有するGelMAを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約10~40%のDoMを有するGelMAを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約10~20%のDoMを有するGelMAを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約5%のDoMを有するGelMAを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約5~40%のDoMを有するGelMAを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約5~20%のDoMを有するGelMAを含み得る。
【0065】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、ゼラチンアクリロイル(GelAC)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約100%のアクリル化度(DoA)を有するGelACを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約80%のアクリル化度(DoA)を有するGelACを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約50%のDoAを有するGelACを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約45%のDoAを有するGelACを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約40%のDoAを有するGelACを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約20%のDoAを有するGelACを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約10%のDoAを有するGelACを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約90~100%のDoAを有するGelACを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約80~100%のDoAを有するGelACを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約80~90%のDoAを有するGelACを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約70~80%のDoAを有するGelACを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約60~80%のDoAを有するGelACを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約40~60%のDoAを有するGelACを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約40~50%のDoAを有するGelACを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約10~40%のDoAを有するGelACを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約10~20%のDoAを有するGelACを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約5%のDoAを有するGelACを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約5~40%のDoAを有するGelACを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約5~20%のDoAを有するGelACを含み得る。
【0066】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約500kDaの分子量(MW)を有するMeHAを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約30%のメタクリル化度(DoM)を有するMeHAを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約35kDaのPEG材料から形成されるPEGDAを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2kDaのPEG材料から形成されるPEGDAを含み得る。
【0067】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、ポロキサマー界面活性剤(例えば、ポロキサマー407)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約0.1~0.5%w/v(例えば、約0.2%w/v)のポロキサマー界面活性剤(例えば、ポロキサマー407)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、チロキサポール界面活性剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約0.1~0.5%w/v(例えば、約0.1%w/v)のチロキサポール界面活性剤を含み得る。
【0068】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%w/vのGelMAを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%w/vのGelAC)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1~1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.1~5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.1~5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.1%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.67%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約1.0%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.1~5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.1%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.67%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約1.0%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。
【0069】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%w/vのGelAC(100% DoA)、約1.0~1.5%w/v(例えば、1.25%)の化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約1.0%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2.5%w/vのGelAC(100% DoA)、約1.0~1.5%w/v(例えば、1.25%)の化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約1.0%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約3%w/vのGelAC(100% DoA)、約1.0~1.5%w/v(例えば、1.25%)の化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約1.0%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。
【0070】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%w/vのGelAC(100% DoA)、約1.0~1.5%w/v(例えば、1.25%)の化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約1.0%w/vのGelMA(10% DoM)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%w/vのGelAC(100% DoA)、約1.0~1.5%w/v(例えば、1.25%)の化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約1.0~3.0%w/vのGelMA(10~40% DoM)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2.5%w/vのGelAC(100% DoA)、約1.0~1.5%w/v(例えば、1.25%)の化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約1.0%w/vのGelMA(10% DoM)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2.5%w/vのGelAC(100% DoA)、約1.0~1.5%w/v(例えば、1.25%)の化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約1.0~3.0%w/vのGelMA(10~40% DoM)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約3%w/vのGelAC(100% DoA)、約1.0~1.5%w/v(例えば、1.25%)の化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約1.0%w/vのGelMA(10% DoM)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約3%w/vのGelAC(100% DoA)、約1.0~1.5%w/v(例えば、1.25%)の化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約1.0~3.0%w/vのGelMA(10~40% DoM)を含み得る。
【0071】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1~1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.1~5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.1~5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.1%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.67%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約1.0%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.1~5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.1%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.67%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約1.0%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。
【0072】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約5%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約5%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1~1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.1~5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約5%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.1~5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約5%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.1%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約5%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約5%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.67%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約5%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約1.0%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約5%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.1~5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約5%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.1%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約5%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約5%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.67%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約5%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約1.0%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。
【0073】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約10%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約10%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1~1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.1~5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約10%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.1~5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約10%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.1%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約10%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約10%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.67%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約10%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約1.0%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約10%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.1~5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約10%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.1%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約10%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約10%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.67%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約10%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約1.0%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。
【0074】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約20%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約20%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1~1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.1~5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約20%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.1~5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約20%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.1%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約20%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約20%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.67%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約20%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約1.0%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約20%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.1~5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約20%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.1%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約20%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約20%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約0.67%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約20%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、約1.5%w/vの化学修飾ヒアルロン酸(例えば、MeHA)、及び約1.0%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。
【0075】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4~20%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、及び約0~5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4~10%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、及び約0.1~5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、及び約0.1~5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、及び約0.1%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、及び約0.5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、及び約0.67%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、及び約1.0%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約5%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、及び約0.1%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約5%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、及び約0.5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約5%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、及び約0.67%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約5%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、及び約1.0%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約7%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、及び約0.1%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約7%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、及び約0.5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約7%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、及び約0.67%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約7%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、及び約1.0%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約10%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、及び約0.1%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約10%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、及び約0.5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約10%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、及び約0.67%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約10%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、及び約1.0%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約20%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、及び約0.1%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約20%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、及び約0.5%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約20%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、及び約0.67%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約20%w/vの化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA及び/又はGelAC)、及び約1.0%w/vの化学修飾PEG(例えば、PEGDA)を含み得る。
【0076】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%のGelMA(10~40%のDoM)、及び約1%のPEGDA(35kDa)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%のGelMA(10~40%のDoM)、約2%のゼラチン、及び約1%のPEGDA(35kDa)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%のゼラチンアクリレート(GelAC)(45~100%のDoA)、及び約1%のPEGDA(35kDa)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%のGelAC(45~100%のDoA)、約2%のゼラチン、及び約1%のPEGDA(35kDa)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%のGelMA(10~40%のDoM)、約1%のPEGDA(35kDa)、及び約1~20%のPEGメチルエーテルアクリレート(35kDa)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%のGelMA(10~40%のDoM)、約1%のHAMA(500kDa、5~40%のDoM)、及び約1%のPEGDA(35kDa)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%のGelMA(10~40%のDoM)、約2%のゼラチン、約1%のHAMA(500kDa、5~40%のDoM)、及び約1%のPEGDA(35kDa)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%のGelAC(45%のDoA)、約1%のHAMA(500kDa、5~40%のDoM)、及び約1%のPEGDA(35kDa)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約2%のGelAC(45%のDoA)、約2%のゼラチン、約1%のHAMA(500kDa、5~40%のDoM)、及び約1%のPEGDA(35kDa)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%のGelMA(10~40%のDoM)、約1%のHAMA(500kDa、5~40%のDoM)、約1%のPEGDA(35kDa)、及び約1~20%のPEGメチルエーテルアクリレート(35kDa)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約5~20%のGelMA(10~40%のDoM)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約5~20%のGelMA(10~40%のDoM)、及び約1%のHAMA(500kDa、5~40%のDoM)を含み得る。
【0077】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%のGelMA(80%のDoM)、約1%のPEGDA(2kDa)、及び約0.2%(w/v)のポロキサマー界面活性剤(例えば、ポロキサマー407)、任意選択的に活性薬剤(例えば、コルチコステロイド)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%のGelMA(40%のDoM)、約1%のPEGDA(35kDa)、及び約0.2%(w/v)のポロキサマー界面活性剤(例えば、ポロキサマー407)、任意選択的に活性薬剤(例えば、コルチコステロイド)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約4%のGelMA(10%のDoM)、約1%のPEGDA(35kDa)、及び約0.2%(w/v)のポロキサマー界面活性剤(例えば、ポロキサマー407)、任意選択的に活性薬剤(例えば、コルチコステロイド)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約20%のGelMA(40%のDoM)、及び約0.2%(w/v)のポロキサマー界面活性剤(例えば、ポロキサマー407)、任意選択的に活性薬剤(例えば、コルチコステロイド)を含むことができる。
【0078】
化学修飾ゼラチン
ゼラチンは、動物組織(眼組織、骨、及び皮膚を含む)の主要構造成分であるコラーゲンに由来するペプチド及びタンパク質の天然由来の生体適合性混合物である。本開示のゼラチン材料の生成に使用され得る天然基質ペプチド及びタンパク質(例えば、変性コラーゲン)は、ブタ、ウシ、ウマ、ニワトリ、及び魚を含むがこれに限定されない、動物に由来するゼラチン成分を含み得る。特定の実施形態では、ゼラチン材料は、コラーゲンなどの結合組織タンパク質に由来し得る。特定の実施形態では、ゼラチン材料は、骨、皮膚、又は眼組織に由来し得る。特定の実施形態では、ゼラチン材料は、結合組織タンパク質(例えば、コラーゲン)の酸加水分解及び/又は塩基加水分解によって調製され得る。
【0079】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、化学修飾ゼラチンを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、アクリル化ゼラチンを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、ゼラチンメタクリロイル(すなわち、GelMA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、ゼラチンアクリロイル(すなわち、GelAC)を含み得る。特定の実施形態では、化学修飾ゼラチンは、本開示の前駆体ポリマー組成物に含まれ得る。特定の実施形態では、化学修飾ゼラチンは、ゼラチンの光架橋性誘導体を含み得る。特定の実施形態では、化学修飾ゼラチンは、アクリル酸無水物又は塩化アクリロイル(置換又は非置換)で修飾されて、アクリロイル置換ゼラチンを形成することができる。特定の実施形態では、化学修飾ゼラチンは、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリロイル、カテコール、エチレンオキシド、又はプロピレンオキシドから選択される一つ又は複数の架橋性基で修飾され得る。特定の実施形態では、化学修飾ゼラチンは、メタクリル酸無水物(MA)(メタクリロイル無水物としても知られる)で修飾されて、メタクリロイル置換ゼラチン(一般にゼラチンメタクリロイル、又はGelMAと呼称される)を形成することができる。図1Aは、ゼラチンが、メタクリル酸無水物で修飾されてメタクリロイル置換ゼラチン(GelMA)を形成する反応の例を記載する。
【0080】
特定の実施形態では、ゼラチンのアクリロイル修飾は、アクリレート基を含む官能基化化合物とゼラチンの合成反応によって行うことができる。特定の実施形態では、ゼラチンのメタクリロイル修飾は、ゼラチンと、メタクリル酸無水物、塩化メタクリロイル、メタクリル酸2-イソシアナトエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸ビニル、ビス(2-メタクリロイル)オキシエチルジスルフィド、2-ヒドロキシ-5-N-メタクリルアミド安息香酸、又はそれらの任意の混合物、との合成反応によって実施することができる。
【0081】
本明細書で使用される場合、用語「アクリル化ゼラチン」及び「アクリロイル置換ゼラチン」は、少なくとも一つのアクリロイル基で置換された、遊離アミン(例えば、リジン、アルギニン、アスパラギン、又はグルタミン側鎖)及び/又は遊離ヒドロキシル(例えば、セリン、トレオニン、アスパラギン酸又はグルタミン酸側鎖)を有するゼラチンを記述することができる。概して、アクリロイル基は、式HC=CR’-C(=O)-Rによって表される、a,b-不飽和カルボニル化合物であり、式中、R’は、これらに限定されるものではないが、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cヘテロアルキル、C~Cヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はアミノ基であってもよく、各々は任意選択的にハロゲン、C~Cアルコキシ、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cヘテロアルキル、C~Cヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール若しくはアミノ基、又はそれらの任意の組み合わせで置換されている。本開示のアクリロイル置換ゼラチンについては、R基は、アクリロイル官能基化の対象となるゼラチン上の末端アミン及び/又はヒドロキシル基を表す。
【0082】
特定の実施形態では、アクリロイル部分のR’基はメチルであり、一般にメタクリロイル基と呼ばれる。本明細書で使用される場合、用語「メタクリロイル-置換ゼラチン」、「ゼラチンメタクリロイル」、及び「GelMA」は、メタクリルアミド基(ゼラチン上の遊離アミン由来)及び/又はメタクリレート基(ゼラチン上の遊離ヒドロキシル由来)などの少なくとも一つのメタクリロイル基で置換されている、遊離アミン(例えば、リジン、アルギニン、アスパラギン、又はグルタミン側鎖)及び/又は遊離ヒドロキシル(例えば、セリン、トレオニン、アスパラギン酸、又はグルタミン酸側鎖)を有する、ゼラチンを記述することができる。本明細書で使用される場合、「ゼラチンアクリロイル」及び「GelAC」という用語は、少なくとも一つのメタクリロイル基で置換されていないアクリル化ゼラチンを記述することができる。
【0083】
特定の実施形態では、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA又はGelAC)は、約1%~約60%の重量/体積(w/v)の濃度でポリマー組成物中に存在し得る。特定の実施形態では、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA又はGelAC)は、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%の重量/体積濃度(w/v)でポリマー組成物中に存在し得る。特定の実施形態では、化学修飾ゼラチン(例えば、GelMA又はGelAC)は、約1~3%、約3~6%、約6~10%、約1~5%、約1~10%、約5~10%、約11~13%、約13~16%、約16~20%、約10~20%、約10~15%、約15~20%、約21~23%、約23~26%、約26~30%、約20~30%、約20~25%、約25~30%、約31~33%、約33~36%、約36~40%、約30~40%、約30~35%、約35~40%、約41~43%、約43~46%、約46~50%、約40~50%、約40~45%、約45~50%、約51~53%、約53~56%、約56~60%で、約50~60%、約50~55%、又は約55~60%の重量/体積濃度(w/v)でポリマー組成物中に存在し得る。
【0084】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、アクリロイル置換度(すなわち、メタクリロイル官能基化又はアクリロイル官能基化)を有するアクリル化ゼラチン(すなわち、GelMA又はGelAC)を含み得る。本明細書で使用される場合、用語「アクリロイル置換度」は、アクリロイル基で置換されているゼラチン中の遊離アミン及びヒドロキシルのパーセンテージを記述することができる。本明細書で使用される場合、用語「メタクリロイル置換度」は、メタクリロイル基で置換されているゼラチン中の遊離アミン及びヒドロキシルの割合を記述することができる。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、又は少なくとも約90%のアクリロイル置換度を有するアクリル化ゼラチンを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約10~99%のアクリロイル置換度を有するアクリル化ゼラチンを含み得る。特定の実施形態では、アクリロイル置換度は、約1~5%、約5~10%、約10~15%、約15~20%、約20~25%、約25~30%、約30~35%、約35~40%、約40~45%、約45~50%、約50~55%、約55~60%、約60~65%、約65~70%、約70~75%、約75~80%、約80~85%、約85~90%、約90~95%、又は約95~100%である。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~5%、約5~10%、約10~15%、約15~20%、約20~25%、約25~30%、約30~35%、約35~40%、約40~45%、約45~50%、約50~55%、約55~60%、約60~65%、約65~70%、約70~75%、約75~80%、約80~85%、約85~90%、約90~95%、又は約95%~100%のメタクリロイル置換度を有するGelMAを含み得る。
【0085】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、メタクリルアミド置換度(すなわち、メタクリルアミド官能基化)を有するGelMAを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、少なくとも約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、又は少なくとも約90%のメタクリルアミド置換度を有するGelMAを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約20~90%のメタクリルアミド置換度を有するGelMAを含み得る。特定の実施形態では、メタクリルアミド置換度は、約1~5%、約5~10%、約10~15%、約15~20%、約20~25%、約25~30%、約30~35%、約35~40%、約40~45%、約45~50%、約50~55%、約55~60%、約60~65%、約65~70%、約70~75%、約75~80%、約80~85%、又は約85~90%である。特定の実施形態では、メタクリルアミド置換度は、プロトン核磁気共鳴を使用して測定することができる。特定の実施形態では、メタクリルアミド置換度は、フルオルアルデヒド(fluoraldehyde)アッセイを使用して測定することができる。
【0086】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、メタクリレート置換度(すなわち、メタクリレート官能基化)を有するGelMAを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、少なくとも約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、又は少なくとも約90%のメタクリレート置換度を有するGelMAを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約20~90%のメタクリレート置換度を有するGelMAを含み得る。特定の実施形態では、メタクリレート置換度は、約1~5%、約5~10%、約10~15%、約15~20%、約20~25%、約25~30%、約30~35%、約35~40%、約40~45%、約45~50%、約50~55%、約55~60%、約60~65%、約65~70%、約70~75%、約75~80%、約80~85%、又は約85~90%である。特定の実施形態では、メタクリレート置換度は、プロトン核磁気共鳴を使用して測定することができる。特定の実施形態では、メタクリレート置換度は、Fe(III)-ヒドロキサム酸ベースのアッセイを使用して測定することができる。特定の実施形態では、メタクリレート置換度の測定は、メタクリレート基をN-ヒドロキシメタクリルアミド基に変換する(例えば、ヒドロキシアミン溶液への曝露による)アミノリシス反応を含み得る。
【0087】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、メタクリルアミド置換度及びメタクリレート置換度を有するGelMAを含み得る。特定の実施形態では、GelMAにおけるメタクリルアミド置換対メタクリレート置換の比は約1:1~99:1である。いくつかの実施形態では、メタクリルアミド置換対メタクリレート置換の比は、約1:1~2:1、約2:1~3:1、約3:1~4:1、約4:1~5:1、約1:1~5:1、約5:1~10:1、約10:1~15:1、約15:1~20:1、約20:1~25:1、約25:1~30:1、約30:1~35:1、約35:1~40:1、約40:1~45:1、約45:1~50:1、約50:1~55:1、約55:1~60:1、約60:1~65:1、約65:1~70:1、約70:1~75:1、約75:1~80:1、約80:1~85:1、約85:1~90:1、約90:1~95:1、又は約95:1~99:1である。特定の実施形態では、GelMAにおけるメタクリレート置換対メタクリルアミド置換の比は、約1:1~99:1である。いくつかの実施形態では、メタクリレート置換対メタクリルアミド置換の比は、約1:1~2:1、約2:1~3:1、約3:1~4:1、約4:1~5:1、約1:1~5:1、約5:1~10:1、約10:1~15:1、約15:1~20:1、約20:1~25:1、約25:1~30:1、約30:1~35:1、約35:1~40:1、約40:1~45:1、約45:1~50:1、約50:1~55:1、約55:1~60:1、約60:1~65:1、約65:1~70:1、約70:1~75:1、約75:1~80:1、約80:1~85:1、約85:1~90:1、約90:1~95:1、又は約95:1~99:1である。
【0088】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、ドパミン置換度(すなわち、ドパミン官能基化)を有するGelMAを含み得る。本明細書で使用される場合、用語「ドパミン置換ゼラチン」又は「ドピレーテドゼラチン(dopylated gelatin)」は、少なくとも一つのドパミン基で置換されたカルボン酸及び/又はアミド(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン)由来の一つ又は複数の遊離カルボニルを有するゼラチンを記述できる。特定の実施形態では、化学修飾ゼラチンは、ドパミン塩酸塩(又はその機能的等価物)で修飾されて、ドパミン置換ゼラチンを形成することができる。特定の実施形態では、化学修飾ゼラチンは、ドパミンで修飾されてドパミン置換ゼラチンを形成し、次いでメタクリル酸無水物で更に修飾されて、ドパミン官能基化GelMA組成物などのメタクリロイル置換ゼラチンを形成することができる。特定の実施形態では、化学修飾ゼラチンは、メタクリル酸無水物で修飾されてメタクリロイル置換ゼラチンを形成し、次いで、ドパミンで更に修飾されて、ドパミン官能基化GelMA組成物などのドパミン置換ゼラチンを形成することができる。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、又は少なくとも約20%のドピレーション(dopylation)度を有するGelMAを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約20~90%のドパミン置換度を有するGelMAを含み得る。特定の実施形態では、ドピレーション度は、約1~5%、約5~10%、約10~15%、約15~20%、約20~25%、約25~30%、約30~35%、約35~40%、約40~45%、約45~50%、約50~55%、約55~60%、約60~65%、約65~70%、約70~75%、約75~80%、約80~85%、又は約85~90%である。
【0089】
特定の実施形態では、ゼラチンは、アンカーインテグリン及び/又はタンパク質(例えば、標的表面の表面タンパク質に結合するタンパク質)で官能基化され得る。
【0090】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、マレイル化(maleilated)コラーゲン(ColMA)などの化学修飾コラーゲンを含み得る。特定のマレイル化コラーゲン(ColMA)では、コラーゲン骨格を無水マレイン酸と反応させて、マレイレート化コラーゲンを形成することによって形成することができる。特定の実施形態では、化学修飾コラーゲン(例えば、ColMA)は、約1%~約60%重量/体積(w/v)の濃度でポリマー組成物中に存在し得る。特定の実施形態では、化学修飾コラーゲン(例えば、ColMA)は、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、又は約60%重量/体積(w/v)の濃度でポリマー組成物中に存在し得る。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、アクリロイル置換ゼラチン及び化学修飾コラーゲン(例えば、ColMA)を約30:1~約1:30w/wの比で含み得る。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、アクリロイル置換ゼラチン及び化学修飾コラーゲン(例えば、ColMA)を、約30:1、約29:1、約28:1、約27:1、約26:1、約25:1、約24:1、約23:1、約22:1、約21:1、約20:1、約19:1、約18:1、約17:1、約16:1、約15:1、約14:1、約13:1、約12:1、約11:1、約10:1、約9:1、約8:1、約7:1、約6:1、約5:1、約4:1、約3:1、約2:1、約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7、約1:8、約1:9、約1:10、約1:11、約1:12、約1:13、約1:14、約1:15、約1:16、約1:17、約1:18、約1:19、約1:20、約1:21、約1:22、約1:23、約1:24、約1:25、約1:26、約1:27、約1:28、約1:29、又は約1:30の比(w/w)で含み得る。
【0091】
化学修飾ヒアルロン酸
ヒアルロン酸(HA)は、粘弾性及び生体適合性のグリコサミノグリカンであり、角膜及び他の組織に天然に存在する。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、化学修飾ヒアルロン酸(HA)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、アクリロイル置換ヒアルロン酸を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、メタクリル化ヒアルロン酸(MeHA)を含み得る。特定の実施形態では、化学修飾HAは、本開示の前駆体ポリマー組成物に含まれ得る。特定の実施形態では、化学修飾HAは、HAの光架橋性誘導体を含む。特定の実施形態では、化学修飾HAは、メタクリル化ヒアルロン酸(MeHA)を含む。特定の実施形態では、化学修飾HAは、メタクリル酸無水物-ヒアルロン酸(HAMA)を含むメタクリル化ヒアルロン酸(MeHA)、すなわち、メタクリル酸無水物とヒアルロン酸との反応によって形成されたMeHAを含む。特定の実施形態では、化学修飾HAは、メタクリル酸グリシジル-ヒアルロン酸(HAGM)を含むメタクリル化ヒアルロン酸(MeHA)、すなわち、メタクリル酸グリシジルとヒアルロン酸との反応によって形成されたMeHAを含む。特定の実施形態では、HAのメタクリル化は、HA骨格の開環反応と可逆的なエステル交換反応との組み合わせによって実施することができる。図1Bは、ヒアルロン酸がメタクリル酸グリシジルで修飾されてメタクリル化ヒアルロン酸(MeHA)のHAGM型を形成する反応の例を記載する。
【0092】
特定の実施形態では、化学修飾HA(例えば、MeHA)は、約1%~約60%重量/体積(w/v)の濃度でポリマー組成物中に存在し得る。特定の実施形態では、化学修飾HA(例えば、MeHA)は、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%の重量/体積濃度(w/v)でポリマー組成物中に存在し得る。特定の実施形態では、化学修飾HA(例えば、MeHA)は、約1~3%、約3~6%、約6~10%、約1~5%、約1~10%、約5~10%、約11~13%、約13~16%、約16~20%、約10~20%、約10~15%、約15~20%、約21~23%、約23~26%、約26~30%、約20~30%、約20~25%、約25~30%、約31~33%、約33~36%、約36~40%、約30~40%、約30~35%、約35~40%、約41~43%、約43~46%、約46~50%、約40~50%、約40~45%、約45~50%、約51~53%、約53~56%、約56~60%、約50~60%、約50~55%、又は約55~60%の重量/体積濃度(w/v)でポリマー組成物中に存在し得る。
【0093】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、アクリロイル置換ゼラチン(例えば、GelMA)及びアクリロイル置換ヒアルロン酸(例えば、MeHA)を約30:1~約1:30w/wの比で含み得る。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、アクリロイル置換ゼラチン及びアクリロイル置換ヒアルロン酸を、約30:1、約29:1、約28:1、約27:1、約26:1、約25:1、約24:1、約23:1、約22:1、約21:1、約20:1、約19:1、約18:1、約17:1、約16:1、約15:1、約14:1、約13:1、約12:1、約11:1、約10:1、約9:1、約8:1、約7:1、約6:1、約5:1、約4:1、約3:1、約2:1、約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7、約1:8、約1:9、約1:10、約1:11、約1:12、約1:13、約1:14、約1:15、約1:16、約1:17、約1:18、約1:19、約1:20、約1:21、約1:22、約1:23、約1:24、約1:25、約1:26、約1:27、約1:28、約1:29、又は約1:30の比(w/w)で含み得る。
【0094】
特定の実施形態では、及びアクリロイル置換ヒアルロン酸(例えば、MeHA)は、Bencherif et al.,Biomaterials 29、1739-1749(2008)、又はPrata et al.,Biomacromolecules 11、769-775(2010)で教示されるように合成することができ、これら文献の各々は、MeHAなどのアクリロイル置換ヒアルロン酸ポリマー組成物の組成、生成、分析、及び使用を各々が記述する限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0095】
化学修飾ポリ(エチレングリコール)
ポリ(エチレングリコール)(PEG)は、人体において高い生体適合性及び免疫寛容性を有することが知られている合成線状ポリマーであり、多くの水性及び有機溶媒に可溶性である。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、化学修飾PEGを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、アクリロイル置換PEGを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、以下から選択される一つ又は複数のアクリロイル置換PEGを含み得る:PEGジアクリレート(PEGDA)、PEGモノアクリレート、PEGジメタクリレート、PEGモノメタクリレート、メトキシPEGメタクリレート、メトキシPEGメタクリレート、エトキシPEGアクリレート、エトキシPEGメタクリレート、プロポキシPEGアクリレート、又はプロポキシPEGメタクリレート。
【0096】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート(PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、化学修飾PEGは、本開示の前駆体ポリマー組成物に含まれ得る。特定の実施形態では、化学修飾PEGは、PEGの光架橋性誘導体を含む。特定の実施形態では、化学修飾PEGは、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート(PEGDA)を含む。特定の実施形態では、PEGの化学修飾は、PEGを塩化アクリロイル又は機能的に類似したアクリル化化合物と反応させることによって実施することができる。図1Cは、ポリ(エチレングリコール)(PEG)が、塩化アクリロイルで修飾されて、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート(PEGDA)を形成する反応の例を記載する。
【0097】
特定の実施形態では、化学修飾PEGは、約5kDa~約200kDaの分子量を有する。特定の実施形態では、化学修飾PEGは、約5~10kDa、約10~15kDa、約15~20kDa、約20~25kDa、約25~30kDa、約30~35kDa、約35~40kDa、約40~45kDa、約45~50kDa、約50~55kDa、約55~60kDa、約60~65kDa、約65~70kDa、約70~75kDa、約75~80kDa、約80~85kDa、約85~90kDa、約90~95kDa、約95~100kDa、約100~105kDa、約105~110kDa、約110~115kDa、約115~120kDa、約120~125kDa、約125~130kDa、約130~135kDa、約135~140kDa、約140~145kDa、約145~150kDa、約150~155kDa、約155~160kDa、約160~165kDa、約165~170kDa、約170~175kDa、約175~180kDa、約180~185kDa、約185~190kDa、約190~195kDa、又は約195~200kDaの分子量を有し得る。
【0098】
特定の実施形態では、化学修飾PEG(例えば、PEGDA)は、約1重量%~約60%の重量/体積濃度(w/v)でポリマー組成物中に存在し得る。特定の実施形態では、化学修飾PEG(例えば、PEGDA)は、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%の重量/体積濃度(w/v)でポリマー組成物中に存在し得る。特定の実施形態では、化学修飾PEG(例えば、PEGDA)は、約1~3%、約3~6%、約6~10%、約1~5%、約1~10%、約5~10%、約11~13%、約13~16%、約16~20%、約10~20%、約10~15%、約15~20%、約21~23%、約23~26%、約26~30%、約20~30%、約20~25%、約25~30%、約31~33%、約33~36%、約36~40%、約30~40%、約30~35%、約35~40%、約41~43%、約43~46%、約46~50%、約40~50%、約40~45%、約45~50%、約51~53%、約53~56%、約56~60%、約50~60%、約50~55%、又は約55~60%の重量/体積濃度(w/v)でポリマー組成物中に存在し得る。
【0099】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、アクリロイル置換ゼラチン(例えば、GelMA)及びアクリロイル置換PEG(例えば、PEGDA)を、約30:1~約1:30w/wの比で含み得る。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、アクリロイル置換ゼラチン及びアクリロイル置換PEGを、約30:1、約29:1、約28:1、約27:1、約26:1、約25:1、約24:1、約23:1、約22:1、約21:1、約20:1、約19:1、約18:1、約17:1、約16:1、約15:1、約14:1、約13:1、約12:1、約11:1、約10:1、約9:1、約8:1、約7:1、約6:1、約5:1、約4:1、約3:1、約2:1、約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7、約1:8、約1:9、約1:10、約1:11、約1:12、約1:13、約1:14、約1:15、約1:16、約1:17、約1:18、約1:19、約1:20、約1:21、約1:22、約1:23、約1:24、約1:25、約1:26、約1:27、約1:28、約1:29、又は約1:30の比(w/w)で含み得る。
【0100】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、アクリロイル置換PEG(例えば、PEGDA)及びアクリロイル置換ヒアルロン酸(例えば、MeHA)を、約30:1~約1:30w/wの比で含み得る。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、アクリロイル置換PEG及びアクリロイル置換ヒアルロン酸を、約30:1、約29:1、約28:1、約27:1、約26:1、約25:1、約24:1、約23:1、約22:1、約21:1、約20:1、約19:1、約18:1、約17:1、約16:1、約15:1、約14:1、約13:1、約12:1、約11:1、約10:1、約9:1、約8:1、約7:1、約6:1、約5:1、約4:1、約3:1、約2:1、約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7、約1:8、約1:9、約1:10、約1:11、約1:12、約1:13、約1:14、約1:15、約1:16、約1:17、約1:18、約1:19、約1:20、約1:21、約1:22、約1:23、約1:24、約1:25、約1:26、約1:27、約1:28、約1:29、又は約1:30の比(w/w)で含み得る。
【0101】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、メタクリレート-オリゴラクチド-PEO-オリゴラクチド-メタクリレート、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリグリセロールセバケート(PGS)、ポリ乳酸(PLA)、ポリプロピレングリコール(PPO)、PEG-PPO-PEGコポリマー(例えば、プルロニック)、ポリホスファゼン、ポリメタクリル酸、ポリ(N-ビニルピロリドン)、及びポリエチレンイミンから選択される一つ又は複数の合成ポリマー成分(即ちポリマー又は前駆体)を含み得る。
【0102】
化学修飾トロポエラスチン
トロポエラスチンは、構造タンパク質エラスチン(組織の弾性における重要なエレメント)のモノマー前駆体である。トロポエラスチン及びエラスチンは、生体適合性、免疫寛容性、及び人体における比較的遅い生分解性を有することが知られており、また比較的高い弾性及び剛性を有することも知られている。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、化学修飾トロポエラスチンを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、アクリロイル置換トロポエラスチンを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、アクリロイル置換エラスチン前駆体(例えば、トロポエラスチン、アルファエラスチン、エラスチン様ポリペプチド)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、メタクリル化トロポエラスチン(MeTro)を含み得る。特定の実施形態では、化学修飾トロポエラスチンは、本開示の前駆体ポリマー組成物に含まれ得る。特定の実施形態では、化学修飾トロポエラスチンは、トロポエラスチンの光架橋性誘導体を含む。特定の実施形態では、化学修飾トロポエラスチンは、メタクリル化トロポエラスチン(MeTro)を含む。特定の実施形態では、化学修飾トロポエラスチンは、前駆体ポリマー組成物中に存在し、この場合において化学的に修飾されたトロポエラスチンは、架橋されて、ゲルポリマー組成物内にエラスチンポリマーを形成することができる。
【0103】
特定の実施形態では、トロポエラスチンのアクリロイル修飾(例えば、トロポエラスチン中のリジン及び/又はアルギニン残基)は、トロポエラスチンとアクリレート基を含む官能基化化合物との合成反応によって実施することができる。特定の実施形態では、トロポエラスチンのメタクリロイル修飾は、トロポエラスチンと、メタクリル酸無水物、塩化メタクリロイル、メタクリル酸2-イソシアナトエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸ビニル、ビス(2-メタクリロイル)オキシエチルジスルフィド、2-ヒドロキシ-5-N-メタクリルアミド安息香酸、又はそれらの混合物、との反応によって実施することができる。図1Dは、トロポエラスチンが、メタクリル酸無水物で修飾されてメタクリル化トロポエラスチン(MeTro)を形成する反応の例を記載する。
【0104】
特定の実施形態では、化学修飾トロポエラスチン(例えば、MeTro)は、約1%~約60%重量/体積(w/v)の濃度でポリマー組成物中に存在し得る。特定の実施形態では、化学修飾トロポエラスチン(例えば、MeTro)は、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、又は約60%の重量/体積濃度(w/v)でポリマー組成物中に存在し得る。特定の実施形態では、化学修飾トロポエラスチン(例えば、MeTro)は、約1~3%、約3~6%、約6~10%、約1~5%、約1~10%、約5~10%、約11~13%、約13~16%、約16~20%、約10~20%、約10~15%、約15~20%、約21~23%、約23~26%、約26~30%、約20~30%、約20~25%、約25~30%、約31~33%、約33~36%、約36~40%、約30~40%、約30~35%、約35~40%、約41~43%、約43~46%、約46~50%、約40~50%、約40~45%、約45~50%、約51~53%、約53~56%、約56~60%、約50~60%、約50~55%、又は約55~60%の重量/体積濃度(w/v)でポリマー組成物中に存在し得る。
【0105】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、又は少なくとも約90%のアクリロイル置換度を有するアクリロイル置換トロポエラスチン(例えば、MeTro)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約10~99%のアクリロイル置換度を有するアクリロイル置換トポエラスチンを含み得る。特定の実施形態では、アクリロイル置換度は、約1~5%、約5~10%、約10~15%、約15~20%、約20~25%、約25~30%、約30~35%、約35~40%、約40~45%、約45~50%、約50~55%、約55~60%、約60~65%、約65~70%、約70~75%、約75~80%、約80~85%、約85~90%、約90~95%、又は約95~99%である。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~5%、約5~10%、約10~15%、約15~20%、約20~25%、約25~30%、約30~35%、約35~40%、約40~45%、約45~50%、約50~55%、約55~60%、約60~65%、約65~70%、約70~75%、約75~80%、約80~85%、約85~90%、約90~95%、又は約95~99%のメタクリロイル置換度を有するメタクリロイル置換トロポエラスチン(例えば、MeTro)を含み得る。特定の実施形態では、約30~50%のメタクリロイル置換度である。
【0106】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、アクリロイル置換ゼラチン(例えば、GelMA)及びアクリロイル置換トロポエラスチン(例えば、MeTro)を約30:1~約1:30w/wの比で含み得る。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、アクリロイル置換ゼラチン及びアクリロイル置換トロポエラスチンを、約30:1、約29:1、約28:1、約27:1、約26:1、約25:1、約24:1、約23:1、約22:1、約21:1、約20:1、約19:1、約18:1、約17:1、約16:1、約15:1、約14:1、約13:1、約12:1、約11:1、約10:1、約9:1、約8:1、約7:1、約6:1、約5:1、約4:1、約3:1、約2:1、約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7、約1:8、約1:9、約1:10、約1:11、約1:12、約1:13、約1:14、約1:15、約1:16、約1:17、約1:18、約1:19、約1:20、約1:21、約1:22、約1:23、約1:24、約1:25、約1:26、約1:27、約1:28、約1:29、又は約1:30の比(w/w)で含み得る。
【0107】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、アクリロイル置換トロポエラスチン(例えば、MeTro)及びアクリロイル置換ヒアルロン酸(例えば、MeHA)を、約30:1~約1:30w/wの比で含み得る。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、アクリロイル置換トロポエラスチン及びアクリロイル置換ヒアルロン酸を、約30:1、約29:1、約28:1、約27:1、約26:1、約25:1、約24:1、約23:1、約22:1、約21:1、約20:1、約19:1、約18:1、約17:1、約16:1、約15:1、約14:1、約13:1、約12:1、約11:1、約10:1、約9:1、約8:1、約7:1、約6:1、約5:1、約4:1、約3:1、約2:1、約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7、約1:8、約1:9、約1:10、約1:11、約1:12、約1:13、約1:14、約1:15、約1:16、約1:17、約1:18、約1:19、約1:20、約1:21、約1:22、約1:23、約1:24、約1:25、約1:26、約1:27、約1:28、約1:29、又は約1:30の比(w/w)で含み得る。
【0108】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、アクリロイル置換トロポエラスチン(例えば、MeTro)及びアクリロイル置換PEG(例えば、PEGDA)を、約30:1~約1:30w/wの比で含み得る。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、アクリロイル置換トロポエラスチン及びアクリロイル置換PEGを、約30:1、約29:1、約28:1、約27:1、約26:1、約25:1、約24:1、約23:1、約22:1、約21:1、約20:1、約19:1、約18:1、約17:1、約16:1、約15:1、約14:1、約13:1、約12:1、約11:1、約10:1、約9:1、約8:1、約7:1、約6:1、約5:1、約4:1、約3:1、約2:1、約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7、約1:8、約1:9、約1:10、約1:11、約1:12、約1:13、約1:14、約1:15、約1:16、約1:17、約1:18、約1:19、約1:20、約1:21、約1:22、約1:23、約1:24、約1:25、約1:26、約1:27、約1:28、約1:29、又は約1:30の比(w/w)で含み得る。
【0109】
架橋剤
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、架橋剤を含み得る。本明細書で使用される場合、語句「架橋剤」は、ポリマー単位又は鎖間の分子間結合(共有結合、イオン結合、水素)を形成、促進、又は調節して、ポリマー鎖のネットワークを作成する物質を記述することができる。架橋剤は、典型的には、二つ以上のポリマー鎖間に化学結合を生成できる一つ又は複数、任意選択的に二つ以上の結合官能基を示す。架橋剤には、例えば、二つのビニル結合(四官能基)、又は三つのアミン(三官能基)を含み得る。
【0110】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、前駆体ポリマー組成物からゲルポリマー組成物へのポリマー組成物の重合、ゲル化、及び固化を活性化又は促進するために使用できる架橋剤を含み得る。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物(例えば、前駆体ポリマー組成物)を架橋条件(例えば、光開始剤の存在下での可視光への曝露)に曝露すると、ポリマー組成物(例えば、アクリロイル置換ゼラチン、アクリロイル置換HA、アクリロイル置換PEG、アクリロイル置換トロポエラスチン、及び他のアクリロイル系架橋剤)中の一つ又は複数のアクリロイル基が、他のアクリロイル基と反応して、ポリマー組成物を架橋し、ゲルポリマー組成物(例えば、GelMAヒドロゲル)を形成することができる。
【0111】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物(例えば、前駆体ポリマー組成物)は、約1%~約50%(w/v)の一つ又は複数の架橋剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、又は約40%の濃度(w/v)で一つ又は複数の架橋剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約50%、約45%、約40%、約35%、又は約30%以下の濃度(w/v)で一つ又は複数の架橋剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~3%、約3~6%、約6~10%、約1~5%、約1~10%、約5~10%、約11~13%、約13~16%、約16~20%、約10~20%、約10~15%、約15~20%、約21~23%、約23~26%、約26~30%、約20~30%、約20~25%、約25~30%、約31~33%、約33~36%、約36~40%、約30~40%、約30~35%、約35~40%、約41~43%、約43~46%、約46~50%、約40~50%、約40~45%、又は約45~50%の濃度(w/v)で一つ又は複数の架橋剤を含む。
【0112】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、グルタルアルデヒド、エポキシド(例えば、ビス-オキシラン)、酸化デキストラン、p-アジドベンゾイルヒドラジド、N-(a-マレイミドアセトキシ)スクシンイミドエステル、p-アジドフェニルグリオキサール一水和物、ビス((4-アジドサリチルアミド)エチル)ジスルフィド、スベリン酸ビス(スルホスクシンイミジル)、ジチオビス(プロピオン酸スクシンイミジル)、スベリン酸ジスクシンイミジル、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)、エトキシル化トリメチルプロパントリアクリレート、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、及びその誘導体、又はそれらの任意の組み合わせ、から選択される一つ又は複数の架橋剤を含み得る。
【0113】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、ポリエチレンオキシドジメタクリレート、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビス(2-メチルアクリルアミド)、メチレンジアクリレート、メチレンビス(2-メチルアクリレート)、ジエチレングリコールジアクリレート、ヘキサメチレンジアクリレート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オキシビス(メチレン)ビス(2-メチルアクリレート)、オキシビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、イソシアヌル酸トリス(2-アクリロイルオキシエチル)エステル、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリチルトリアクリレート及びグリセロールトリアクリレート、そのホスフィニリジントリス(オキシエチレン)トリアクリレートそれらの誘導体、又はそれらの任意の組み合わせから選択される一つ又は複数の架橋剤を含み得る。
【0114】
ポリマー架橋開始剤/光開始剤
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、光開始剤エレメントなどの一つ又は複数のポリマー架橋開始剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー架橋開始剤は、特定のポリマー架橋条件(例えば、酸性条件、塩基性条件、高塩条件、低塩条件、高温、撹拌、溶解条件、光曝露)に曝露されるとフリーラジカルを形成し、フリーラジカルは、GelMAポリマー組成物中のメタクリレート基間又はGelACポリマー組成物中のアクリレート基間のビニル結合架橋など、組成物中の反応基間の結合形成をもたらし得る。
【0115】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、一つ又は複数の光開始剤エレメント(すなわち、特定の波長の光を吸収することによって開始又は活性化される架橋開始剤)を含み得る。特定の実施形態では、本開示の前駆体ポリマー組成物は、一つ又は複数の光開始剤エレメントを含み得る。特定の実施形態では、光開始剤エレメントは、光への曝露によって活性化され得る。特定の実施形態では、光曝露は、光開始剤を活性化してフリーラジカルを形成でき、フリーラジカルは、GelMAポリマー組成物中のメタクリレート基間又はGelACポリマー組成物中のアクリレート基間のビニル結合架橋など、組成物中の反応基間の結合形成をもたらし得る。
【0116】
特定の実施形態では、光開始剤エレメントは、可視光源(例えば、白色又は青色光)、紫外線(UV)光源、近赤外(NIR)光源、及び蛍光光源から選択される一つ又は複数の光源への曝露によって活性化され得る。特定の実施形態では、光開始剤エレメントは、約380nm~約740nmの波長を有する光への曝露時に活性化される可視光活性化光開始剤などの可視光活性化光開始剤を含み得る。特定の実施形態では、可視光活性化光開始剤は、約380~435nm(すなわち、すなわち、紫色光)、約435~500nm(すなわち、すなわち、青色光)、約500~565nm(すなわち、すなわち、緑色光)、約565~600nm(すなわち、すなわち、黄色光)、約600~650nm(すなわち、オレンジ色光)、又は約650~740nm(すなわち、赤色光)の波長を有する光への曝露時に活性化され得る。特定の実施形態では、光開始剤エレメントは、紫外線活性化光開始剤を含む。特定の実施形態では、光開始剤エレメントは、近赤外光(NIR)活性化光開始剤を含む。特定の実施形態では、光開始剤エレメントは、白色光活性化光開始剤を含む。特定の実施形態では、光開始剤エレメントは、青色光活性化光開始剤を含む。
【0117】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、トリエタノールアミン;1-ビニル-2-ピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、リボフラビン、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、1-ベンゾイルシクロヘキサノール、ジ-tert-ブチルペルオキシド;エオシンY(例えば、二ナトリウム塩)、(2-(2,4,5,7-テトラブロモ-6-オキシド-3-オキソ-3H-キサンテン-9-イル)ベンゾエート、4,6-トリメチルベンゾイルホスフィナート、トリエタノールアミン、2,3-ジケト-1,7,7-トリメチルノルカンファン、1-フェニル-1,2-プロパジオン(propadione)、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジクロロベンゾイル)-(4-プロピルフェニル)ホスフィンオキシド、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2-クロロチオキサンテン-9-オン、4-(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、フェナントレンキノン、フェロセン、2-ヒドロキシ-4’-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-メチルプロピオフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、ジフェニル(2,4,6トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド/2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン(ブレンド)、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、2,2-ジエトキシアセトフェノン、ジブトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニル-1-フェニルエタノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、ジベンゾスベレノン、(ベンゼン)トリカルボニルクロム、レサズリン、レゾルフィン、ベンゾイルトリメチルゲルマン、リチウムフェニル-2,4,6-トリメチル-ベンゾイルホスフィナート、カンファーキノン、2-メチル-1-(4-(メチルチオ)フェニル)-2-モルホリノプロパン-2-オン、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-4’-モルホリノブチロフェノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタン-1-オン、メチベンゾイルホルメート、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタン、5,7-ジヨード-3-ブトキシ-6-フルオロン、2,4,5,7-テトラヨード-3-ヒドロキシ-6-フルオロン、2,4,5,7-テトラヨード-3-ヒドロキシ-9-シアノ-6-フルオロン、ジメトキシヒドロキシ-アセトフェノン、2-ナフタレン-スルホニルクロリド、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(O-エトキシ-カルボニル)オキシム、2-エチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-tert-ブチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-プロポキシチオキサントン、メチルフェニルグリコキシレート(methylphenylglycoxylate)、フェニル2-ヒドロキシ-2-プロピルケトン、4-イソプロピルフェニル2-ヒドロキシ-2-プロピルケトン、4-n-ドデシルフェニル2-ヒドロキシ-2プロピルケトン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル2-ヒドロキシ-2-プロピルケトン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン)、4-(2-アクリロイルオキシエトキシ)フェニル2-ヒドロキシ-2-プロピルケトン;ビニルアセテート;N,N’-メチレンビスアクリルアミド;低分子PEGDA(500Da未満);及びそれらの誘導体、又は前述の任意の組み合わせから選択される一つ又は複数の光開始剤エレメントを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、エオシンY、トリエタノールアミン、及び/又はビニルカプロラクタムの組み合わせを含み得る。
【0118】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、アセトフェノン、アニソイン、アントラキノン;アントラキノン-2-スルホン酸、ナトリウム塩一水和物;(ベンゼン)トリカルボニルクロム、4-(boc-アミノメチル)フェニルイソチオシアネート、ベンジン、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、安息香酸、ベンゾフェニル-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4-ベンゾイルビフェニル、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-4’-モルホリノブチロフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、カンファーキノン、2-クロロチオキサンテン-9-オン、5-ジベンゾスベレノン、(クメン)シクロペンタジエニル鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート、ジベンゾスベレノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、4,4’-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2-ジメトキシ2-フェニルアセトフェノン、4-(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ジメチルベンジル、2,5-ジメチルベンゾフェノン、3,4-ジメチルベンゾフェノン、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、4’-エトキシアセトフェノン、2-エチルアントラキノン、フェロセン、3’-ヒドロキシアセトフェノン、4’-ヒドロキシアセトフェノン、3-ヒドロキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシベンゾフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、2-メチルベンゾフェノン、3-メチルベンゾフェノン、メチベンゾイルホルメート、2-メチル-4’-(メチルチオ)-2-モルホリノプロピオフェノン、9,10-フェナントレンキノン、4’-フェノキシアセトフェノン、チオキサンテン-9-オン、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリアリルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、3-メルカプト-1-プロパノール、メルカプト-1-ウンデカノール、1-メルカプト-2-プロパノール、3-メルカプト-2-ブタノール、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、4,4’-ジメトキシベンゾイン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、ジベンゾイルジスルフィド、ジフェニルジチオカルボネート、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド、カンファーキノン、エオシン、ジメチルアミノベンゾエート、ジメトキシ-2-フェニル-アセトフェノン;Quanta-cure ITX光増感剤、Irgacure(例えば、907、2959、651)、Darocur 2959、エチル-4-N,N-ジメチルアミノベンゾエート、1-[-(4-ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル]-2-メチル-2-(4-メチルフェニルスルホニル)プロパン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィン、2-エチルヘキシル-4-ジメチルアミノベンゾエート、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-プロパノン、オリゴ[2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(メチルビニル)フェニル]プロパノン]及びプロポキシル化グリセリルトリアクリレート、ベンジイ(benzii)ジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン及びα-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトンのブレンド、Esacure KIP 150及びEsacure TZTのブレンド、Esacure KIP150及びEsacure TZTのブレンド、Esacure KIP150及びTPGDAのブレンド;ホスフィンオキシド、Esacure KIP 150及びEsacure TZTのブレンド;二官能基性α-ヒドロキシケトン、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、イソプロピルチオキサントン、2-ヒドロキシ-2メチル-フェニルプロパノン、2,4,6,-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン及びベンゾフェノンのブレンド、オリゴ(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4(1-メチルビニル)フェニル)プロパノン、オリゴ(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-4(1-メチルビニル)フェニルプロパノン及び2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-プロパノン、4-メチルベンゾフェノン、トリメチルベンゾフェノン及びメチルベンゾフェノン;並びに2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド、アルファヒドロキシケトン、トリメチルベンゾフェノン、及び4-メチルベンゾフェノンの水エマルジョン、又はそれらの任意の組み合わせから選択される一つ又は複数の光開始剤エレメントを含み得る。
【0119】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、四塩化チタン、四塩化バナジウム、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、フェロセン、シクロペンタジエニルマンガントリカルボニル、マンガンデカカルボニル、ジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩(例えば、3,3’-ジニトロジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセナート、ジフェニルヨードニウムフルオロボレート、4-メトキシジフェニルヨードニウムフルオロボレート)及びトリアリールスルホニウム塩、又はそれらの任意の組み合わせから選択される一つ又は複数のカチオン性及び/又はアニオン性光開始剤エレメントを含み得る。
【0120】
光開始重合及び光開始剤については、Rabek,Mechanisms of Photophysical Processes and Photochemical Reactions in Polymers,New York: Wiley & Sons,1987、及びFouassier,Photoinitiation,Photopolymerization,Photocuring,Cincinnati,Ohio: Hanser/Gardner,Fisheretal.,2001,Annu. Rev.Mter. Res.,31:171に詳細に論じられており、これら文献の各々は、GelMA又はGelACヒドロゲルなどのアクリル化ゼラチンを含むポリマー組成物の生成における重合及び光開始剤の使用を各々が記述する限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0121】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、一つ又は複数の金属2+イオン及び/又は金属3+イオンを含む架橋剤又は開始剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、Fe2+、Fe3+、Ni2+、Zn2+、Cu2+、Ag2+、Au3+、Co2+、Co3+、Cr2+、Cr3+、Cd2+、Mn2+、Mg2+、Pd2+、Pt2+、及びAl3+、又はそれらの任意の組み合わせから選択される一つ又は複数の金属2+イオン及び/又は金属3+イオンを含む架橋剤を含み得る。特定の実施形態では、本開示の前駆体ポリマー組成物は、一つ又は複数の光開始剤エレメント及び一つ又は複数の金属2+/3+イオンの両方を含み得る。
【0122】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、ポリマー架橋のためのクリックバイオコンジュゲーションケミストリー(Click bioconjugation chemistry)を使用する架橋剤又は開始剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、金属触媒によるアジド-アルキン付加環化反応、ひずみ促進型アジド-アルキン付加環化、ひずみ促進型アルキン-ニトロン付加環化(例えば、アルケン/アジド[3+2]付加環化、アルケン/テトラジン逆電子要請型ディールス-アルダー反応、アルケン/テトラゾールフォトクリック反応)、又はそれらの任意の組み合わせから選択されるクリックバイオジュゲーションケミストリーを使用する架橋剤又は開始剤を含み得る。
【0123】
II.物理的、機械的、かつ構造的な特徴
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物の物理的、機械的、構造的、化学的及び/又は生物学的特性は、ポリマー内のポリマー成分の濃度及び含量を標的に調節することによって設計することができる。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物の物理的、機械的、構造的、化学的及び/又は生物学的特性は、ポリマー組成物の重合、架橋及び/又はゲル化条件を標的に調節する(例えば、光曝露時間及び波長の制御)ことによって設計することができる。
【0124】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、表面に適用されると滑らかな質感を有する。
【0125】
接着
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、標的組織への治療上有効な接着を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、対象の標的組織上で、ポリマー組成物の強力で持続的な接着及び高保持力を有し得る。特定の実施形態では、本開示のゲルポリマー組成物は、対象の標的組織上で、ポリマー組成物の強力で持続的な接着及び高保持力を有し得る。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、一時間以上、一日以上の、又は一週間以上、標的組織の表面上でその接着及び封止を保持することができる。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、水性環境で標的組織に対して治療上有効な接着を有し得る。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、水性の生理学的環境(例えば、対象の目に)で標的組織に対して治療上有効な接着を有し得る。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、乾燥環境で標的組織に対して治療上有効な接着を有し得る。
【0126】
弾性度、剛性、及び極限強度
弾性率は、応力が印加された時の弾性変形(すなわち、非永久変形)に対する材料の抵抗の測定値であり、多くの場合、応力-ひずみ曲線の傾きによって記述される。応力及びひずみの測定方法(例えば、力の方向、タイプなど)の詳細に基づいて、異なるタイプの弾性率を記述することができる。例えば、ヤング率は、引張弾性(すなわち、軸に沿って対向する力が印加されると、その軸に沿って物体が変形する傾向)を記述することができ、一般に、引張応力対引張ひずみの比として定義される。別の例として、体積弾性率は、体積弾性度(volumetric elasticity)(すなわち、全ての方向に均一に負荷がかかった時に、全ての方向に変形する物体の傾向)を記述することができ、一般に、体積歪みに対する体積応力(圧縮率の逆数)として定義される。したがって、体積弾性率は、ヤング率の三次元への拡張として見ることができる。したがって、弾性率は、(測定値及び状況に基づいて)ヤング率、弾性率、引張係数、体積弾性率、又はポワソン比、ラメの第一のパラメータ、及びP波弾性率などの他の既知の弾性率のうちの一つ又は複数を指すことができる。一般に、弾性率が高いほど、材料の剛性が高いという相関がある。
【0127】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、治療上有効な弾性率を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、対象の標的組織上で、ポリマー組成物の強力な接着及び高保持力を提供する弾性率を有し得る。特定の実施形態では、本開示のゲルポリマー組成物は、対象の標的組織上で、ポリマー組成物の強力な接着及び高保持力を提供する弾性率を有し得る。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、ポリマー組成物が一時間以上、一日以上、又は一週間以上、標的組織の表面上でその形状、接着性、連結性及び/又はコンシステンシーを保持することを可能にする弾性率を有し得る。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、標的組織の弾性と一致するか、又は類似するように設計された弾性を有し得る。
【0128】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~約1500kPaの弾性率を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~約1000kPaの弾性率を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~約500kPaの弾性率を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~約300kPaの弾性率を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~約200kPaの弾性率を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~約100kPaの弾性率を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約95~100kPaの弾性率を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約110~140kPaの弾性率を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約190~260kPaの弾性率を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~5kPa、約5~10kPa、約10~15kPa、約15~20kPa、約20~25kPa、約25~30kPa、約30~35kPa、約35~40kPa、約40~45kPa、約45~50kPa、約50~55kPa、約55~60kPa、約60~65kPa、約65~70kPa、約70~75kPa、約75~80kPa、約80~85kPa、約85~90kPa、約90~95kPa、約95~100kPa、約100~105kPa、約105~110kPa、約110~115kPa、約115~120kPa、約120~125kPa、約125~130kPa、約130~135kPa、約135~140kPa、約140~145kPa、約145~150kPa、約150~155kPa、約155~160kPa、約160~165kPa、約165~170kPa、約170~175kPa、約175~180kPa、約180~185kPa、約185~190kPa、約190~195kPa、約195~200kPa、約200~205kPa、約205~210kPa、約210~215kPa、約215~220kPa、約220~225kPa、約225~230kPa、約230~235kPa、約235~240kPa、約240~245kPa、約245~250kPa、約250~255kPa、約255~260kPa、約260~265kPa、約265~270kPa、約270~275kPa、約275~280kPa、約280~285kPa、約285~290kPa、約290~295kPa、約295~300kPa、約300~325kPa、約325~350kPa、約350~375kPa、約375~400kPa、約400~425kPa、約425~450kPa、約450~475kPa、約475~500kPa、約500~550kPa、約550~600kPa、約600~650kPa、約650~700kPa、約700~750kPa、約750~800kPa、約800~850kPa、約850~900kPa、約900~950kPa、約950~1000kPa、約1000~1050kPa、約1050~1100kPa、約1100~1150kPa、約1150~1200kPa、約1200~1250kPa、約1250~1300kPa、約1300~1350kPa、約1350~1400kPa、約1400~1450kPa、又は約1450~1500kPaの弾性率を有し得る。
【0129】
圧縮強度は、軸方向に向かう力に耐える材料の能力の測定値であり、試験方法の条件に対する力対変形のプロットに関連する。圧縮強度は一般に、材料が完全に破損した時に到達する一軸圧縮応力として定義される。材料の圧縮弾性率は、材料に加えられる圧縮応力対結果として生じる圧縮の比を与え、したがって材料がどれだけ容易に圧縮変形され得るかの尺度である。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~約300kPaの圧縮弾性率を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~約200kPaの圧縮弾性率を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~約100kPaの圧縮弾性率を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~5kPa、約5~10kPa、約10~15kPa、約15~20kPa、約20~25kPa、約25~30kPa、約30~35kPa、約35~40kPa、約40~45kPa、約45~50kPa、約50~55kPa、約55~60kPa、約60~65kPa、約65~70kPa、約70~75kPa、約75~80kPa、約80~85kPa、約85~90kPa、約90~95kPa、約95~100kPa、約100~105kPa、約105~110kPa、約110~115kPa、約115~120kPa、約120~125kPa、約125~130kPa、約130~135kPa、約135~140kPa、約140~145kPa、約145~150kPa、約150~155kPa、約155~160kPa、約160~165kPa、約165~170kPa、約170~175kPa、約175~180kPa、約180~185kPa、約185~190kPa、約190~195kPa、約195~200kPa、約200~205kPa、約205~210kPa、約210~215kPa、約215~220kPa、約220~225kPa、約225~230kPa、約230~235kPa、約235~240kPa、約240~245kPa、約245~250kPa、約250~255kPa、約255~260kPa、約260~265kPa、約265~270kPa、約270~275kPa、約275~280kPa、約280~285kPa、約285~290kPa、約290~295kPa、又は約295~300kPaの圧縮弾性率を有し得る。
【0130】
伸展性は、構造破損なしに、材料の元の寸法及び/又は体積を超える材料の弾力的な拡張(すなわち、伸び)を測定するものである。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、治療上有効な伸展性を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、対象の標的組織上で、ポリマー組成物の強力な接着及び高保持力を提供する伸展性を有し得る。特定の実施形態では、本開示のゲルポリマー組成物は、対象の標的組織上で、ポリマー組成物の強力な接着及び高保持力を提供する伸展性を有し得る。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、ポリマー組成物が一時間以上、一日以上、又は一週間以上、標的組織の表面上でその形状、接着性、連結性及び/又はコンシステンシーを保持することを可能にする伸展性を有し得る。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、標的組織の伸展性と一致するか、又は類似するように設計された伸展性を有し得る。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、角膜組織の伸展性と一致するか、又は類似するように設計された伸展性を有し得る。
【0131】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1%~約100%の伸展性を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1%~約75%の伸展性を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約10%~約50%の伸展性を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~3%、約3~6%、約6~10%、約1~5%、約5~10%、約1~10%、約11~13%、約13~16%、約16~20%、約10~15%、約15~20%、約10~20%、約21~23%、約23~26%、約26~30%、約20~25%、約25~30%、約20~30%、約31~33%、約33~36%、約36~40%、約30~35%、約35~40%、約30~40%、約41~43%、約43~46%、約46~50%、約40~45%、約45~50%、約40~50%、約51~53%、約53~56%、約56~60%、約50~55%、約55~60%、約50~60%、約61~63%、約63~66%、約66~70%、約60~65%、約65~70%、約60~70%、約71~73%、約73~76%、約76~80%、約70~75%、約75~80%、約70~80%、約81~83%、約83~86%、約86~90%、約80~85%、約85~90%、約80~90%、約91~93%、約93~96%、約96~100%、約90~95%、約95~100%、約90~100%、約100~103%、約103~106%、約106~110%、約100~105%、約105~110%、約100~110%、約110~113%、約113~116%、約116~120%、約110~115%、約115~120%、約110~120%、約130~133%、約133~136%、約136~140%、約130~135%、約135~140%、約130~140%、約140~143%、約143~146%、約146~150%、約140~145%、約145~150%、又は約140~150%の伸展性を有し得る。
【0132】
特定の実施形態では、ポリマー組成物の物理的、機械的、及び/又は構造的な特性は、Shirzaei,et al.,ACS Biomaterials Science & Engineering,2018,4:2528-2540に記載される試験条件(又はその改変された変形)を使用して測定することができ、文献は、GelMA又はGelACヒドロゲルなどのポリマー組成物の組成、生成、分析及び使用をそれが記載する限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0133】
極限応力強度(ultimate stress strength)は、材料が強度を失い始め、抵抗が低下し、かつ/又は破損したりする前に、材料が引き伸ばされ、引き出される際に抵抗することができる、応力の最大値の強さの尺度である。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、治療上有効な極限応力強度を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、対象の標的組織上で、ポリマー組成物の耐久性のある接着及び高保持力を提供する、極限応力強度を有し得る。特定の実施形態では、本開示のゲルポリマー組成物は、対象の標的組織上で、ポリマー組成物の耐久性のある接着及び高保持力を提供する、極限応力強度を有し得る。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、ポリマー組成物が一時間以上、一日以上、又は一週間以上、標的組織の表面上でその形状、接着性、連結性及び/又はコンシステンシーを保持することを可能にする極限応力強度を有し得る。
【0134】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~約150kPaの極限応力強度を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~約100kPaの極限応力強度を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~約50kPaの極限応力強度を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~3kPa、約3~6kPa、約6~10kPa、約1~5kPa、約5~10kPa、約1~10kPa、約11~13kPa、約13~16kPa、約16~20kPa、約10~15kPa、約15~20kPa、約10~20kPa、約21~23kPa、約23~26kPa、約26~30kPa、約20~25kPa、約25~30kPa、約20~30kPa、約31~33kPa、約33~36kPa、約36~40kPa、約30~35kPa、約35~40kPa、約30~40kPa、約41~43kPa、約43~46kPa、約46~50kPa、約40~45kPa、約45~50kPa、約40~50kPa、約51~53kPa、約53~56kPa、約56~60kPa、約50~55kPa、約55~60kPa、約50~60kPa、約61~63kPa、約63~66kPa、約66~70kPa、約60~65kPa、約65~70kPa、約60~70kPa、約71~73kPa、約73~76kPa、約76~80kPa、約70~75kPa、約75~80kPa、約70~80kPa、約81~83kPa、約83~86kPa、約86~90kPa、約80~85kPa、約85~90kPa、約80~90kPa、約91~93kPa、約93~96kPa、約96~100kPa、約90~95kPa、約95~100kPa、約90~100kPa、約100~105kPa、約105~110kPa、約100~110kPa、約110~115kPa、約115~120kPa、約110~120kPa、約120~125kPa、約125~130kPa、約120~130kPa、約130~135kPa、約135~140kPa、約130~140kPa、約140~145kPa、約145~150kPa、又は約140~150kPaの極限応力強度を有し得る。
【0135】
破裂圧力及び創傷閉鎖強度
ポリマー材料(特にシーラント材料の場合)の表面接着力及び耐久性は、ポリマー組成物の破断点(すなわち、破裂強度)までポリマーシーラント組成物に増加する圧力を加える、破裂圧力試験を使用して測定することができる。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、標的組織に対して治療上有効な破裂強度を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、対象の標的組織上で、ポリマー組成物の強力で持続的な接着及び高保持力を提供する破裂強度を有し得る。特定の実施形態では、本開示のゲルポリマー組成物は、対象の標的組織上で、ポリマー組成物の強力で持続的な接着及び高保持力を提供する破裂強度を有し得る。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、ポリマー組成物が一時間以上、一日以上、又は一週間以上、標的組織の表面上でその接着及び封止を保持することを可能にする、破裂強度を有し得る。
【0136】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~約200mmHgの破裂強度を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約100~約200mmHgの破裂強度を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~5mmHg、約5~10mmHg、約10~15mmHg、約15~20mmHg、約20~25mmHg、約25~30mmHg、約30~35mmHg、約35~40mmHg、約40~45mmHg、約45~50mmHg、約50~55mmHg、約55~60mmHg、約60~65mmHg、約65~70mmHg、約70~75mmHg、約75~80mmHg、約80~85mmHg、約85~90mmHg、約90~95mmHg、約95~100mmHg、約100~105mmHg、約105~110mmHg、約110~115mmHg、約115~120mmHg、約120~125mmHg、約125~130mmHg、約130~135mmHg、約135~140mmHg、約140~145mmHg、約145~150mmHg、約150~155mmHg、約155~160mmHg、約160~165mmHg、約165~170mmHg、約170~175mmHg、約175~180mmHg、約180~185mmHg、約185~190mmHg、約190~195mmHg、又は約195~200mmHgの破裂強度を有し得る。
【0137】
特定の実施形態では、ポリマー組成物の破裂強度は、ASTM F2392-04又はその改変された変形を使用して測定することができる。
【0138】
創傷閉鎖強度は、軟部組織の付着を確保するための組織接着剤として使用される材料の強度の測定値である。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、治療上有効な創傷閉鎖強度を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、対象の標的組織上で、ポリマー組成物の耐久性のある接着及び高保持力を提供する創傷閉鎖強度を有し得る。特定の実施形態では、本開示のゲルポリマー組成物は、対象の標的組織上で、ポリマー組成物の耐久性のある接着及び高保持力を提供する創傷閉鎖強度を有し得る。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、ポリマー組成物が一時間以上、一日以上、又は一週間以上、標的組織の表面上でその形状、接着性、連結性及び/又はコンシステンシーを保持することを可能にする創傷閉鎖強度を有し得る。
【0139】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~約100kPaの創傷閉鎖強度を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~約50kPaの弾性率を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~3kPa、約3~6kPa、約6~10kPa、約1~5kPa、約5~10kPa、約1~10kPa、約11~13kPa、約13~16kPa、約16~20kPa、約10~15kPa、約15~20kPa、約10~20kPa、約21~23kPa、約23~26kPa、約26~30kPa、約20~25kPa、約25~30kPa、約20~30kPa、約31~33kPa、約33~36kPa、約36~40kPa、約30~35kPa、約35~40kPa、約30~40kPa、約41~43kPa、約43~46kPa、約46~50kPa、約40~45kPa、約45~50kPa、約40~50kPa、約51~53kPa、約53~56kPa、約56~60kPa、約50~55kPa、約55~60kPa、約50~60kPa、約61~63kPa、約63~66kPa、約66~70kPa、約60~65kPa、約65~70kPa、約60~70kPa、約71~73kPa、約73~76kPa、約76~80kPa、約70~75kPa、約75~80kPa、約70~80kPa、約81~83kPa、約83~86kPa、約86~90kPa、約80~85kPa、約85~90kPa、約80~90kPa、約91~93kPa、約93~96kPa、約96~100kPa、約90~95kPa、約95~100kPa、又は約90~100kPaの創傷閉鎖強度を有し得る。
【0140】
特定の実施形態では、ポリマー組成物の創傷閉鎖強度は、ASTM F2458-05又はその改変された変形を使用して測定することができる。
【0141】
粘度、せん断強度及びせん断抵抗
材料の粘度は、所与の速度での変形に対する材料の抵抗の測定値である。流体材料の粘度は、多くの場合、その材料の厚さ及び/又は密度と相関する。
【0142】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、治療上有効な粘度を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、対象の標的組織上で、ポリマー組成物の強力な接着及び高保持力を提供する粘度を有し得る。特定の実施形態では、本開示の前駆体ポリマー組成物は、対象の標的組織上で、ポリマー組成物の強力な接着及び高保持力を提供する粘度を有し得る。特定の実施形態では、前駆体ポリマー組成物は、水よりも大きい粘度を有することができる。特定の実施形態では、前駆体ポリマー組成物は、ペーストと同等の粘度を有することができる。特定の実施形態では、本開示のゲルポリマー組成物は、対象の標的組織上で、ポリマー組成物の強力な接着及び高保持力を提供する粘度を有し得る。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、一時間以上、一日以上、又は一週間以上、標的組織の表面上でその形状及び/又はコンシステンシーを保持することができる。
【0143】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、低せん断速度(例えば、約0.001s-1~約1s-1のせん断速度)で、約0.5パスカル秒(Pa・s)~約300Pa・sの粘度を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、低せん断速度で約0.5~100Pa・sの粘度を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、低せん断速度で、約0.5~5Pa・s、約5~10Pa・s、約10~15Pa・s、約15~20Pa・s、約20~25Pa・s、約25~30Pa・s、約30~35Pa・s、約35~40Pa・s、約40~45Pa・s、約45~50Pa・s、約50~55Pa・s、約55~60Pa・s、約60~65Pa・s、約65~70Pa・s、約70~75Pa・s、約75~80Pa・s、約80~85Pa・s、約85~90Pa・s、約90~95Pa・s、約95~100Pa・s、約100~125Pa・s、約125~150Pa・s、約150~175Pa・s、約175~200Pa・s、約200~225Pa・s、約225~250Pa・s、約250~275Pa・s、又は約275~300Pa・sの粘度を有することができる。
【0144】
せん断強度及び/又は抵抗は、材料が破損(すなわち、接着性又は完全性の喪失)なしに外部せん断応力(すなわち、せん断荷重)に抵抗する能力の測定値である。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、治療上有効なせん断強度を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、対象の標的組織上で、ポリマー組成物の耐久性のある接着及び高保持力を提供するせん断強度を有し得る。特定の実施形態では、本開示のゲルポリマー組成物は、対象の標的組織上で、ポリマー組成物の耐久性のある接着及び高保持力を提供するせん断強度を有し得る。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、ポリマー組成物が一時間以上、一日以上、又は一週間以上、標的組織の表面上でその形状、接着性、連結性及び/又はコンシステンシーを保持することを可能にするせん断強度を有し得る。
【0145】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~約360kPaのせん断強度を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約100~360kPaのせん断強度を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約200~360kPaのせん断強度を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~20kPa、約20~40kPa、約40~60kPa、約60~80kPa、約80~100kPa、100~120kPa、約120~140kPa、約140~160kPa、約160~180kPa、約180~200kPa、200~220kPa、約220~240kPa、約240~260kPa、約260~280kPa、約280~300kPa、及び約300~320kPa、約320~340kPa、及び約340~360kPaのせん断強度を有し得る。
【0146】
特定の実施形態では、ポリマー組成物のせん断強度は、ASTM F2255-05、又はその改変された重ねせん断試験の変形を使用して測定することができる。
【0147】
膨潤及び含水率
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、ゲルを含む。ゲルは一般に、間隙溶媒(例えば、流体)で満たされた細孔のネットワークを包含する架橋ポリマーフレームワークを含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物はヒドロゲルを含み、間隙流体は水を含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、アルコゲルを含み、間隙流体はアルコール(例えば、メタノール、エタノール)を含む。
【0148】
ゲル材料がゲルの細孔ネットワーク内に追加の間隙流体を吸収し保持すると、ゲル内に膨潤(すなわち、体積の増加)が発生することがある。同様に、ゲル材料がゲルの細孔ネットワークから間隙流体を排出すると、ゲル内で収縮(すなわち、体積の減少)が発生することがある。特定の溶媒環境においてゲル材料が膨潤及び/又は収縮する能力及び/又は傾向は、ポリマー及び溶媒の化学的性質(例えば、溶解性、疎水性、細孔構造、親和性)及びゲルのポリマーネットワークの弾性に依存する。ゲルの膨潤率は、流体吸収(例えば、水の吸収によるヒドロゲルの重量増加)によるゲルの重量の微かな増加の測定である。
【0149】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、治療上有効な膨潤率及び/又は含水率を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、対象の標的組織上で、ポリマー組成物の強力な接着及び高保持力を提供する膨潤率及び/又は含水率を有し得る。特定の実施形態では、本開示のゲルポリマー組成物は、対象の標的組織上で、ポリマー組成物の強力な接着及び高保持力を提供する膨潤率及び/又は含水率を有し得る。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、一時間以上、一日以上、又は一週間以上、標的組織の表面上でその形状、接着性、連結性及び/又はコンシステンシーを保持することを可能にする膨潤率及び/又は含水率を有し得る。
【0150】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約5%~約50%の膨潤率を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、又は約40%の膨潤率を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約50%、約45%、約40%、約35%、約30%、約25%、約20%、約15%、又は約10%以下の膨潤率を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約25%以下、約20%以下、約15%以下、又は約10%以下の膨潤率を有する。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~3%、約3~6%、約6~10%、約1~5%、約1~10%、約5~10%、約11~13%、約13~16%、約16~20%、約10~20%、約10~15%、約15~20%、約21~23%、約23~26%、約26~30%、約20~30%、約20~25%、約25~30%、約31~33%、約33~36%、約36%~40%、約30~40%、約30%~35%、約35%~40%、約41%~43%、約43%~46%、約46%~50%、約40%~50%、約40%~45%、又は約45%~50%の膨潤率を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~3%、約3~6%、約6~10%、約1~5%、約1~10%、約5~10%、約11~13%、約13~16%、約16~20%、約10~20%、約10~15%、約15~20%、約21~23%、約23~26%、約26~30%、約20~30%、約20~25%、約25~30%、約31~33%、約33~36%、約36%~40%、約30~40%、約30%~35%、約35%~40%、約41%~43%、約43%~46%、約46%~50%、約40%~50%、約40%~45%、又は約45%~50%の短期膨潤率(すなわち、約1~24時間測定された膨潤率)を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~3%、約3~6%、約6~10%、約1~5%、約1~10%、約5~10%、約11~13%、約13~16%、約16~20%、約10~20%、約10~15%、約15~20%、約21~23%、約23~26%、約26~30%、約20~30%、約20~25%、約25~30%、約31~33%、約33~36%、約36~40%、約30~40%、約30~35%、約35~40%、約41~43%、約43~46%、約46~50%、約40~50%、約40~45%、又は約45~50%の中期膨潤率(すなわち、約1~7日間測定された膨潤率)を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~3%、約3~6%、約6~10%、約1~5%、約1~10%、約5~10%、約11~13%、約13~16%、約16~20%、約10~20%、約10~15%、約15~20%、約21~23%、約23~26%、約26~30%、約20~30%、約20~25%、約25~30%、約31~33%、約33~36%、約36~40%、約30~40%、約30~35%、約35~40%、約41~43%、約43~46%、約46~50%、約40~50%、約40~45%、又は約45~50%の長期膨潤率(すなわち、約1~4週間測定された膨潤率)を有し得る。
【0151】
特定の実施形態では、ヒドロゲルポリマー組成物は、約5%~約99%の含水率を有し得る。特定の実施形態では、ヒドロゲルポリマー組成物は、約50%~約99%の含水率を有し得る。特定の実施形態では、ヒドロゲルポリマー組成物は、約65%~約85%の含水率を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、又は約80%の含水率を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約99%以下、約95%以下、約90%以下、約85%以下、約80%以下、約75%以下、約70%以下、約65%以下、約60%以下、約55%以下、約50%以下、約45%以下、約40%以下、約35%以下、又は約30%以下の膨潤率を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~3%、約3~6%、約6~10%、約1~5%、約5~10%、約1~10%、約11~13%、約13~16%、約16~20%、約10~15%、約15~20%、約10~20%、約21~23%、約23~26%、約26~30%、約20~25%、約25~30%、約20~30%、約31~33%、約33~36%、約36~40%、約30~35%、約35~40%、約30~40%、約41~43%、約43~46%、約46~50%、約40~45%、約45~50%、約40~50%、約51~53%、約53~56%、約56~60%、約50~55%、約55~60%、約50~60%、約61~63%、約63~66%、約66~70%、約60~65%、約65~70%、約60~70%、約71~73%、約73~76%、約76~80%、約70~75%、約75~80%、約70~80%、約81~83%、約83~86%、約86~90%、約80~85%、約85~90%、約80~90%、約91~93%、約93~96%、約96~99%、約90~95%、約95~99%、又は約90~99%の含水率を有し得る。
【0152】
特定の実施形態では、本開示のヒドロゲルポリマー組成物は、一定期間にわたる一つ又は複数の治療剤の制御された持続放出を可能にする。特定の実施形態では、ヒドロゲルポリマー組成物は、少なくとも1μg/日、少なくとも2μg/日、少なくとも3μg/日、少なくとも4μg/日、少なくとも5μg/日、少なくとも6μg/日、少なくとも7μg/日、少なくとも8μg/日、少なくとも9μg/日、少なくとも10μg/日、少なくとも11μg/日、少なくとも12μg/日、少なくとも13μg/日、少なくとも14μg/日、少なくとも15μg/日、少なくとも16μg/日、少なくとも17μg/日、少なくとも18μg/日、少なくとも19μg/日、少なくとも20μg/日、少なくとも25μg/日、少なくとも30μg/日、少なくとも35μg/日、少なくとも40μg/日、少なくとも45μg/日、少なくとも50μg/日、少なくとも60μg/日、少なくとも70μg/日、少なくとも80μg/日、少なくとも90μg/日、少なくとも100μg/日、少なくとも150μg/日、少なくとも200μg/日、少なくとも250μg/日、少なくとも300μg/日、少なくとも350μg/日、少なくとも400μg/日、少なくとも450μg/日、少なくとも500μg/日、少なくとも600μg/日、少なくとも700μg/日、少なくとも800μg/日、少なくとも900μg/日、又は少なくとも1000μg/日の治療剤の放出を可能にする。特定の実施形態では、ヒドロゲルポリマー組成物は、少なくとも10μg/日の治療剤の放出を可能にする。
【0153】
耐久性及び分解
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、治療上有効なポリマー分解速度(すなわち、分解速度)を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、対象の標的組織上で、ポリマー組成物の持続的な接着及び高保持力を提供する分解速度を有し得る。特定の実施形態では、本開示のゲルポリマー組成物は、対象の標的組織上で、ポリマー組成物の持続的な接着及び高保持力を提供する分解速度を有し得る。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、一時間以上、一日以上、又は一週間以上、標的組織の表面上でその形状、接着性、連結性及び/又はコンシステンシーを保持することを可能にする分解速度を有し得る。
【0154】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、1~50日の分解速度を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~3日、約3~6日、約6~10日、約1~5日、約1~10日、約5~10日、約11~13日、約13~16日、約16~20日、約10~20日、約10~15日、約15~20日、約21~23日、約23~26日、約26~30日、約20~30日、約20~25日、約25~30日、約31~33日、約33~36日、約36~40日、約30~40日、約30~35日、約35~40日、約41~43日、約43~46日、約46~50日、約40~50日、約40~45日、約45~50日の分解速度を有し得る。
【0155】
生体適合性
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、対象の標的組織との生体適合性を有する。特定の実施形態では、ポリマー組成物の生体力学的特性は、対象の標的組織(例えば、対象の角膜)の生体力学的特性と類似及び/又は生体適合性である。
【0156】
特定の実施形態では、ポリマー組成物の生体適合性は、標的組織又は対象における炎症反応の低さによって証明され得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物の生体適合性は、ポリマー組成物の一部分に移植又は組み込まれる標的組織からの細胞の生存率によって証明され得る。
【0157】
形状
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、成型、型押し、又は成形したゲル組成物として形成することができる。成型、型押し又は成形したヒドロゲルは、例えば、US20050008675又はUS20040258729に記載の方法を使用して調製することができ、これら文献の各々は、GelMA又はGelACヒドロゲルなどのアクリル化ゼラチンポリマー組成物を含むヒドロゲルの組成、生成(成型を含む)、分析及び使用を各々が記述する限り、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0158】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物(例えば、ヒドロゲルポリマー組成物)は、シリンダに形成することができ、各シリンダは、長さ及び直径を有する。
【0159】
特定の実施形態では、ポリマー組成物はシリンダ状ロッドに形成することができる。本明細書で使用される場合、「シリンダ状ロッド」又は「ロッド」は、シリンダ直径の少なくとも3倍(3×)のシリンダ長さを有するシリンダを記述する。限定するものではない例として、シリンダ状ロッドは、約3mmの長さ及び約0.75mmの直径、又は約2.5mmの長さ及び約0.75mmの直径を有し得る。特定の実施形態では、本開示のヒドロゲルロッドは、約3mmの長さ及び約0.75mmの直径であってもよい。特定の実施形態では、本開示のヒドロゲルロッドは、約6mmの長さ及び約0.75mmの直径であってもよい。
【0160】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、シリンダ状ディスクに形成することができる。本明細書で使用される場合、「シリンダ状ディスク」又は「ディスク」は、シリンダ長の少なくとも2倍(2×)のシリンダ直径を有するシリンダを記述する。限定するものではない例として、シリンダ状ディスクは、約2.5mmの長さ及び約6mmの直径、又は約2mmの長さ及び約6mmの直径を有し得る。
【0161】
III.ゲル作製
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物(例えば、GelMA又はGelACポリマー組成物)は、Nichol et al.,Biomaterials,2010 Jul,31(21):5536-44、Assmann et al.,Biomaterials,2017、140:115-127、Noshadi et al.,Biomater.Sci.,2017,5:2093-2105を含む、当技術分野に記載されるように生成することができ、これら文献の各々は、GelMA又はGelACヒドロゲルなどのアクリロイルゼラチンポリマー組成物を含むポリマー組成物の生成について各々が記述する限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0162】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、前駆体ポリマー組成物中の二つ以上の化学修飾ゼラチン成分を架橋して、ゲルポリマー組成物を形成することによって形成することができる。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、湿潤、水性及び/又は生物学的条件下で架橋、重合及び/又はゲル化して、ゲルポリマー組成物を形成することができる。特定の実施形態では、二つ以上の化学修飾ゼラチン成分の架橋は、特定の架橋条件(例えば、酸性条件、塩基性条件、高塩条件、低塩条件、高温、撹拌、溶解条件)に曝露された時に開始され、促進され、又は可能になる。特定の実施形態では、二つ以上の化学修飾ゼラチン成分の架橋は、架橋剤によって開始され、促進され、又は可能になる。特定の実施形態では、二つ以上の化学修飾ゼラチン成分の架橋は、特定の架橋条件下で架橋剤によって開始され、促進され、又は可能になる。
【0163】
特定の実施形態では、本開示は、ヒドロゲルポリマー組成物などのゲルポリマー組成物を生成するための方法を記載する。特定の実施形態では、本開示は、GelMAヒドロゲルポリマー組成物を生成するための方法を記載する。図2は、ゲルポリマー組成物を生成するための方法100を記載する。ステップ110では、架橋性基(例えば、アクリロイル置換ゼラチン及び/又はGelMA)を有する化学修飾されたゼラチンを含む前駆体ポリマー組成物が提供される。任意選択のステップ115では、架橋性基(例えば、MeHA、PEGDA、及び/又はMeTro)を有する一つ又は複数の追加の化学修飾ポリマー前駆体が、前駆体ポリマー組成物に加えられる。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、非修飾HA及び/又は非修飾PEG及び/又は非修飾トロポエラスチンを含み得る。ステップ120では、一つ又は複数の架橋剤及び/又は光照射剤を含む溶液を、前駆体ポリマー組成物に添加する。任意選択のステップ125では、治療剤及び/又は粒子(すなわち、微粒子又はナノ粒子)が前駆体ポリマー組成物に添加される。ステップ130では、前駆体ポリマー組成物を重合/架橋してゲルポリマー組成物を生成する。
【0164】
特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物を生成するための方法は、架橋性基を有する化学修飾ゼラチン(例えば、アクリロイル置換ゼラチン、GelMA)を含む前駆体ポリマー組成物を提供することを含み得る。特定の実施形態では、化学修飾ゼラチンは、アクリル化ゼラチンを含み得る。特定の実施形態では、化学修飾ゼラチンは、ゼラチンメタクリロイル(すなわち、GelMA)を含み得る。
【0165】
特定の実施形態では、前駆体ポリマー組成物は、一つ又は複数の溶媒若しくは液体ビヒクル、希釈剤、分散媒、分散剤、造粒剤、結合剤、崩壊剤、懸濁剤、表面活性薬剤、乳化剤(emulsifler)若しくは乳化剤(emulsifying agent)、等張剤、増粘剤、保存剤、固体結合剤、緩衝剤、潤滑剤、着色剤、コーティング剤、甘味料、香味剤、芳香剤又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0166】
特定の実施形態では、前駆体ポリマー組成物は、一つ又は複数の溶媒を含むことができる。特定の実施形態では、溶媒は、水性溶媒を含む。水性溶媒の例としては、以下に限定されないが、蒸留水、脱イオン水、生理食塩水、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)、及びリンゲル溶液が挙げられる。特定の実施形態では、溶媒は、DPBSを含む。特定の実施形態では、溶媒は、有機溶媒を含む。有機溶媒の例としては、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、アセトン、ジエチルエーテル、クロロホルム、ジクロロメタン、イソプロパノール、メタノール、エタノール、n-プロパノール、及びn-ブタノール、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0167】
特定の実施形態では、前駆体ポリマー組成物は、噴霧可能な形態であってもよい。特定の実施形態では、前駆体ポリマー組成物は、高粘度形態(例えば、ペースト様粘度)であってもよい。特定の実施形態では、前駆体ポリマー組成物は、低粘度形態(例えば、液体様粘度)であってもよい。
【0168】
特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物を生成するための方法は、架橋性基を有する一つ又は複数の追加の化学修飾ポリマー前駆体を前駆体ポリマー組成物に添加するステップを含み得る。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物を生成するための方法は、(i)架橋性基を有する化学修飾されたゼラチン(例えば、アクリロイル置換ゼラチン、GelMA又はGelAC)を含む前駆体ポリマー組成物を提供することと、(ii)架橋性基を有する一つ又は複数の追加の化学修飾ポリマー前駆体を前駆体ポリマー組成物に添加することと、を含み得る。特定の実施形態では、一つ又は複数の追加の化学修飾ポリマー前駆体は、アクリロイル置換ヒアルロン酸などの化学修飾ヒアルロン酸を含み得る。特定の実施形態では、化学修飾ヒアルロン酸は、メタクリル化ヒアルロン酸(MeHA)を含み得る。特定の実施形態では、一つ又は複数の追加の化学修飾ポリマー前駆体は、アクリロイル置換ポリ(エチレングリコール)(PEG)などの化学修飾PEGを含み得る。特定の実施形態では、化学修飾ヒアルロン酸は、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート(PEGDA)を含み得る。特定の実施形態では、一つ又は複数の追加の化学修飾ポリマー前駆体は、アクリロイル置換トロポエラスチンなどの化学修飾トロポエラスチンを含み得る。特定の実施形態では、化学修飾トロポエラスチンは、メタクリル化トロポエラスチン(MeTro)を含み得る。特定の実施形態では、一つ又は複数の追加の化学修飾ポリマー前駆体は、化学修飾ヒアルロン酸(例えば、アクリロイル置換ヒアルロン酸)、化学修飾ポリ(エチレングリコール)(例えば、アクリロイル置換PEG)、及び/又は化学修飾トロポエラスチン(例えば、アクリロイル置換トロポエラスチン)の組み合わせを含み得る。特定の実施形態では、一つ又は複数の追加の化学修飾ポリマー前駆体は、メタクリル化ヒアルロン酸(MeHA)、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート(PEGDA)、及び/又はメタクリル化トロポエラスチン(MeTro)の組み合わせを含み得る。特定の実施形態では、ポリマー前駆体組成物は、非修飾HA及び/又は非修飾PEG及び/又は非修飾トロポエラスチンを含み得る。
【0169】
特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物を生成するための方法は、一つ又は複数の架橋剤及び/又はポリマー架橋開始剤(例えば、光開始剤)を前駆体ポリマー組成物に添加するステップを含み得る。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物を生成するための方法は、(i)架橋性基を有する化学修飾ゼラチン(例えば、アクリロイル置換ゼラチン、GelMA又はGelAC)を含む前駆体ポリマー組成物を提供することと、(ii)一つ又は複数の架橋剤及び/又はポリマー架橋開始剤(例えば、光開始剤)を前駆体ポリマー組成物に添加することと、を含み得る。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物を生成するための方法は、(i)架橋性基を有する化学修飾ゼラチン(例えば、アクリロイル置換ゼラチン、GelMA又はGelAC)を含む前駆体ポリマー組成物を提供することと、(ii)架橋性基を有する一つ又は複数の追加の化学修飾ポリマー前駆体を前駆体ポリマー組成物に添加することと、(iii)一つ又は複数の架橋剤及び/又はポリマー架橋開始剤(例えば、光開始剤)を前駆体ポリマーに添加することと、を含み得る。
【0170】
特定の実施形態では、架橋性基を有する一つ又は複数の追加の化学修飾ポリマー前駆体を前駆体ポリマー組成物に添加する前に、一つ又は複数の架橋剤及び/又はポリマー架橋開始剤(例えば、光開始剤)を前駆体ポリマーに添加することができる。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物を生成するための方法は、(i)架橋性基を有する化学修飾ゼラチン(例えば、アクリロイル置換ゼラチン、GelMA又はGelAC)を含む前駆体ポリマー組成物を提供することと、(ii)一つ又は複数の架橋剤及び/又はポリマー架橋開始剤(例えば、光開始剤)を前駆体ポリマー組成物に添加することと、(iii)架橋性基を有する一つ又は複数の追加の化学修飾ポリマー前駆体を前駆体ポリマー組成物に添加することと、を含み得る。
【0171】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、一つ又は複数のポリマー架橋開始剤(例えば、酸性条件、塩基性条件、高塩条件、低塩条件、高温、撹拌、溶解条件、及び光曝露などの特定のポリマー架橋条件に曝露されたときにフリーラジカルを形成する架橋開始剤)を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、一つ又は複数の光開始剤エレメント(すなわち、特定の波長の光を吸収することによって開始又は活性化される架橋開始剤)を含み得る。特定の実施形態では、本開示の前駆体ポリマー組成物は、一つ又は複数の光開始剤エレメント(すなわち、可視光によって開始又は活性化される架橋開始剤)を含み得る。特定の実施形態では、光開始剤エレメントは、光への曝露によって活性化され得る。特定の実施形態では、光曝露は、光開始剤を活性化してフリーラジカルを形成でき、フリーラジカルは、GelMAポリマー組成物中のメタクリレート基間のビニル結合架橋など、組成物中の反応基間の結合形成をもたらし得る。図3は、GelMAヒドロゲルポリマー組成物を生成するための一連の反応の例を記載しており、(i)光開始剤エレメントは、光エネルギー(hv)によって活性化されてフリーラジカル(R*)を形成し、その後、それが別個のゼラチンメタクリロイルポリマー前駆体上の反応基間の結合形成を開始し、それによって架橋GelMAポリマーネットワークを形成する。ゼラチンメタクリロイル成分上の反応基間の継続的な反応は、より広範なGelMAヒドロゲルポリマー組成物の形成をもたらす。
【0172】
特定の実施形態では、光開始剤エレメントは、可視光源(例えば、白色又は青色光)、紫外線(UV)光源、近赤外(NIR)光源、及び蛍光光源から選択される一つ又は複数の光源への曝露によって活性化され得る。特定の実施形態では、光源はLED光源(例えば、LEDランプ又は懐中電灯)である。特定の実施形態では、光源は、ハロゲン光源(例えば、ハロゲンランプ又は懐中電灯)である。特定の実施形態では、光開始剤エレメントは、約380nm~約740nmの波長を有する光への曝露時に活性化される可視光活性化光開始剤などの可視光活性化光開始剤を含み得る。特定の実施形態では、可視光活性化光開始剤は、約380~435nm(すなわち、紫色光)、約435~500nm(すなわち、青色光)、約500~565nm(すなわち、緑色光)、約565~600nm(すなわち、黄色光)、約600~650nm(すなわち、オレンジ色光)、又は約650~740nm(すなわち、赤色光)の波長を有する光への曝露時に活性化され得る。特定の実施形態では、光開始剤エレメントは、紫外線活性化光開始剤を含む。特定の実施形態では、光開始剤エレメントは、近赤外光(NIR)活性化光開始剤を含む。特定の実施形態では、光開始剤エレメントは、白色光活性化光開始剤を含む。特定の実施形態では、光開始剤エレメントは、青色光活性化光開始剤を含む。
【0173】
特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物を生成するための方法は、一つ又は複数の治療剤及び/又は粒子(すなわち、微粒子又はナノ粒子)を前駆体ポリマー組成物に添加するステップを含み得る。特定の実施形態では、架橋性基を有する一つ又は複数の追加の化学修飾ポリマー前駆体を前駆体ポリマー組成物に添加する前に、一つ又は複数の治療剤及び/又は粒子を前駆体ポリマーに添加することができる。特定の実施形態では、一つ又は複数の架橋剤及び/又はポリマー架橋開始剤(例えば、光開始剤)を前駆体ポリマー組成物に添加する前に、一つ又は複数の治療剤及び/又は粒子を前駆体ポリマーに添加することができる。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物を生成するための方法は、(i)架橋性基を有する化学修飾ゼラチン(例えば、アクリロイル置換ゼラチン、GelMA又はGelAC)を含む前駆体ポリマー組成物を提供することと、(ii)任意選択的に、架橋性基を有する一つ又は複数の追加の化学修飾ポリマー前駆体を前駆体ポリマー組成物に添加することと、(iii)一つ又は複数の架橋剤及び/又はポリマー架橋開始剤(例えば、光開始剤)を前駆体ポリマーに添加することと、(iv)任意選択的に、一つ又は複数の治療剤及び/又は粒子を添加することと、を含み得る。
【0174】
特定の実施形態では、前駆体ポリマー組成物は、任意の重合/架橋工程の前に、品質及び/又は純度のため、清澄化、精製、又は加工され得る。特定の実施形態では、前駆体ポリマー組成物は、濾過され得る。特定の実施形態では、前駆体ポリマー組成物は、凍結乾燥され得る。特定の実施形態では、前駆体ポリマー組成物は、保存のために凍結され得る。
【0175】
特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物を生成するための方法は、前駆体ポリマー組成物を重合/架橋してゲルポリマー組成物を生成するステップを含み得る。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物を作製する方法は、(i)架橋性基を有する化学修飾ゼラチン(例えば、アクリロイル置換ゼラチン、GelMA又はGelAC)を含む前駆体ポリマー組成物を提供することと、(ii)任意選択的に、架橋性基を有する一つ又は複数の追加の化学修飾ポリマー前駆体を前駆体ポリマー組成物に添加することと、(iii)一つ又は複数の架橋剤及び/又はポリマー架橋開始剤(例えば、光開始剤)を前駆体ポリマーに添加することと、(iv)任意選択的に、一つ又は複数の治療剤及び/又は粒子を添加することと、(v)前駆体ポリマー組成物を重合/架橋して、ゲルポリマー組成物を生成することと、を含む。
【0176】
特定の実施形態では、化学修飾されたゼラチン成分及び任意の追加の化学修飾されたポリマー前駆体(例えば、MeHA、PEGDA、及び/又はMeTro)の架橋は、光開始剤成分の存在下でのUV又は可視光への曝露によって開始され、促進され、又は可能になる。特定の実施形態では、光開始剤の存在下でのUV又は可視光への曝露は、一つの化学修飾ゼラチン分子上のアクリロイル基が、他の化学修飾ゼラチン分子上のアクリロイル基と反応して、アクリロイル置換ゼラチン成分を架橋させ、ゲル(例えば、ヒドロゲル)を生成する。特定の実施形態では、光開始剤の存在下での可視光への曝露は、一つのメタクリロイルゼラチン分子上のメタクリロイル基が、他のメタクリロイルゼラチン分子上のメタクリロイル基と反応して、メタクリロイル置換ゼラチン成分を架橋させ、ゼラチンメタクリロイル(GelMA)ヒドロゲルを生成する。
【0177】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、1~60分間光源に曝露される。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、1分以上、5分以上、10分以上、15分以上、20分以上、25分以上、又は30分以上の時間、光源に曝露される。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、1分以内、5分以内、10分以内、15分以内、20分以内、25分以内、又は30分以内、35分以内、又は40分以内の時間、光源に曝露される。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約5秒間、約10秒間、約15秒間、約20秒間、約25秒間、約30秒間、約35秒間、約40秒間、約45秒間、約50秒間、約55秒間、約60秒間、約65秒間、約70秒間、約75秒間、約80秒間、約85秒間、約90秒間、約95秒間、約100秒間、約105秒間、約110秒間、約115秒間、約120秒間、約3分間、約4分間、約5分間、約6分間、約7分間、約8分間約9分間、約10分間、約11分間約12分間、約13分間、約14分間、約15分間、約16分間、約17分間、約18分間約19分間、約20分間、約21分間約22分間、約23分間、約24分間、約25分間、約26分間、約27分間、約28分間約29分間、約30分間、約31分間約32分間、約33分間、約34分間、約35分間、約36分間、約37分間、約38分間約39分間、約40分間、約41分間約42分間、約43分間、約44分間、約45分間、約46分間、約47分間、約48分間約49分間、約50分間、約51分間約52分間、約53分間、約54分間、約55分間、約56分間、約57分間、約58分間約59分間、又は約60分間、光源に曝露される。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~3分間、約3~6分間、約6~10分間、約1~5分間、約1~10分間、約5~10分間、約11~13分間、約13~16分間、約16~20分間、約10~20分間、約10~15分間、約15~20分間、約21~23分間、約23~26分間、約26~30分間、約20~30分間、約20~25分間、約25~30分間、約31~33分間、約33~36分間、約36~40分間、約30~40分間、約30~35分間、約35~40分間、約41~43分間、約43~46分間、約46~50分間、約40~50分間、約40~45分間、約45~50分間、約51~53分間、約53~56分間、約56~60分間、約50~60分間、約50~55分間、約55~60分間、光源に曝露される。
【0178】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1μm~約10000μmの厚さを有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約1~50μm、約50~100μm、約100~150μm、約150~200μm、約200~250μm、約250~300μm、約300~350μm、約350~400μm、約400~450μm、約450~400μm、約400~450μm、約450~500μm、約500~550μm、約550~600μm、約600~650μm、約650~700μm、約700~750μm、約750~800μm、約800~850μm、約850~900μm、約900~950μm、約950~1000μm、約1000~1500μm、約1500~2000μm、約2000~2500μm、約2500~3000μm、約3000~3500μm、約3500~4000μm、約4000~4500μm、約4500~4000μm、約4000~4500μm、約4500~5000μm、約5000~5500μm、約5500~6000μm、約6000~6500μm、約6500~7000μm、約7000~7500μm、約7500~8000μm、約8000~8500μm、約8500~9000μm、約9000~9500μm、又は約9500~10000μmの厚さを有し得る。
【0179】
特定の実施形態では、前駆体ポリマー組成物は、架橋反応前又は架橋反応中に冷却され得る。特定の実施形態では、前駆体ポリマー組成物は、架橋反応前又は架橋反応中に、約0℃~約30℃の温度に冷却され得る。特定の実施形態では、前駆体ポリマー組成物は、約0~5℃、約5~10℃、約0~10℃、約10~15℃、約15~20℃、約10~20℃、約20~25℃、約25~30℃、又は約20~30℃の温度に冷却することができる。特定の実施形態では、前駆体ポリマー組成物は、架橋反応前又は架橋反応中に加熱され得る。特定の実施形態では、前駆体ポリマー組成物は、架橋反応前又は架橋反応中に、約30℃~約150℃の温度に加熱され得る。特定の実施形態では、前駆体ポリマー組成物は、約30~35℃、約35~40℃、約30~40℃、約40~45℃、約45~50℃、約40~50℃、約50~55℃、約55~60℃、約50~60℃、約60~65℃、約65~70℃、約60~70℃、約70~75℃、約75~80℃、約70~80℃、約80~85℃、約85~90℃、約80~90℃、約90~95℃、約95~100℃、約90~100℃、約100~105℃、約105~110℃、約100~110℃、約110~115℃、約115~120℃、約110~120℃、約130~135℃、約135~140℃、約130~140℃、約140~145℃、約145~150℃、又は約140~150℃の温度に加熱され得る。
【0180】
架橋反応が完了又は停止すると、得られるゲルポリマー材料を、品質、純度、及び/又は治療実行可能性のため、清澄化、精製、又は加工され得る。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、ゲル混合物又は構造から任意の未反応化合物を除去するために透析され得る。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、脱イオン水を含む透析緩衝液で透析され得る。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、濾過され得る。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、乾燥され得る。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、凍結乾燥され得る。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、保存のために凍結され得る。
【0181】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、繊維、フィルム、ディスク、織物、管、導管、ロッド、リング、メッシュ、又は当技術分野で公知のポリマー若しくはゲル材料の任意の他の形態若しくは形状に、形成、成型、押出織布、又はその他の方法で製造又は加工され得る。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、単層構造又は多層構造(例えば、二層、三層、四層など)に形成、成型、押出織布、又はその他の方法で製造又は加工され得る。
【0182】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、ポリマー組成物の間隙多孔性ネットワーク内に織り込まれるか、又は絡み合っているが、主要な架橋ポリマーネットワークに化学的に接続されていない高分子ポリマー及び/又は繊維性エレメントを含み得る。このような高分子の非限定的な例としては、ポリカプロラクトン、ゼラチン、ゼラチンメタクリレート、アルギネート、アルギン酸メタクリレート、キトサン、キトサンメタクリレート、グリコールキトサン、グリコールキトサンメタクリレート、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸メタクリレート、及び他の非架橋天然又は合成ポリマー鎖が挙げられる。織り込まれた高分子構造を含むゲル材料は、複合構造又は複合ゲルと呼ばれ得る。ヒドロゲル/繊維複合材の例は、例えば、Moutos et al. Nat. Mater.,2007,6(2),p.162-7に記載されており、文献は、複合ゲル材料の組成物、生成、分析及び使用をそれが記述する限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。特定の実施形態では、前駆体ポリマー組成物は、高粘度形態(例えば、ペースト様粘度)でもよく、高分子ポリマーマトリックス(例えば、繊維性マット又は組織マトリックス)に組み込まれてもよい。特定の実施形態では、前駆体ポリマー組成物は、低粘度形態(例えば、液体様粘度)でもよく、高分子ポリマーマトリックス(例えば、繊維性マット又は組織マトリックス)に組み込まれてもよい。
【0183】
特定の実施形態では、架橋ポリマー組成物は、実質的に共有結合マトリックス形態を有し得る。特定の実施形態では、架橋ポリマー組成物は、非晶質マトリックス形態(すなわち、主にイオン結合及び/又は水素結合を介して形成されるマトリックス)を有し得る。
【0184】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、パターン化ゲル組成物(例えば、マイクロパターン化ヒドロゲル)として形成され得る。マイクロパターン化ヒドロゲルは、例えば、US6,423,252に記載される方法を使用して調製することができ、文献は、GelMA又はGelACヒドロゲルなどのアクリル化ゼラチンポリマー組成物を含む、ヒドロゲルの組成、生成(マイクロパターン形成を含む)、分析、及び使用を記述する限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。例えば、本方法は、(i)前駆体ポリマー組成物を、マイクロパターンの三次元ネガティブ構造(すなわち、テンプレート)を含む型又は表面と接触させることと、(ii)前駆体ポリマー組成物を架橋及び/又は重合させて、ヒドロゲルの少なくとも表面上にマイクロパターンを含む架橋ゲルポリマー組成物(例えば、GelMA又はGelACヒドロゲル)を生成することと、を含み得る。
【0185】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、成型、型押し、又は成形したゲル組成物として形成することができる。成型、型押し又は成形したヒドロゲルは、例えば、US20050008675又はUS20040258729に記載の方法を使用して調製することができ、これら文献の各々は、GelMA又はGelACヒドロゲルなどのアクリル化ゼラチンポリマー組成物を含むヒドロゲルの組成、生成(成型を含む)、分析及び使用を各々が記述する限り、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0186】
IV.投与及び治療
概要
縫合、組織移植、及び組織接着剤の使用は、軟部組織(角膜又は強膜組織など)の欠損及び/又は外傷性損傷に対する一般的な治療である。しかしながら、各治療には、重大なリスクと合併症が伴う、(i)縫合には高度な外科的技能と早期処置が必要とされ、不正な正視(irregular stigmatism)を引き起こし、微生物の補足及び感染につながることが多い、(ii)組織移植及び移植術にはドナー組織(高額なコストが伴う)、高度な外科的技能が必要とされ、移植組織の免疫反応又は完全な拒絶反応の高いリスクが存在する、(iii)組織接着剤(シアノアクリレート接着剤、フィブリン接着剤、又はポリエチレングリコール(PEG)系シーラント)は、(特に水性環境及び生理学的環境において)有効性及び接着性が限られており、耐久性が限られており、適用、テクスチャの制御が困難な場合があり、漏出の可能性が高く、生体適合性の欠如(例えば、炎症)、毒性の可能性があり、半透明/透明性を欠き、感染のリスクが高く(高多孔度に関連するリスクを含む)、一般に角膜欠損の軽減又はかなりの角膜切開、穿孔若しくは外傷の修復に関してFDAの安全性承認を受けていない。
【0187】
対象の軟部組織(すなわち、骨を除く身体の組織)に対する損傷、欠損、及び疾患の治療及び/又は封止するのに有効な、改善されたポリマー組成物に対するニーズが依然として存在する。
【0188】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、対象における軟部組織を治療又は修復するためのシーラント組成物として使用することができる。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、対象における軟部組織を治療又は修復するための治療剤を投与するための送達ビヒクルとして使用することができる。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、対象における軟部組織を治療又は修復するためのシーラント組成物として、及び対象の軟部組織を治療又は修復するための治療剤を投与するための送達ビヒクルとして使用することができる。
【0189】
特定の実施形態では、本開示の方法及び組成物は、対象の標的軟部組織を接着、封止、又は治療するために使用することができる。特定の実施形態では、本開示の方法及び組成物は、脂肪組織、膀胱組織、骨髄、心臓血管組織(例えば、心臓)、硬膜、内分泌腺、胃腸組織、毛包、腎臓(kidney)組織、肝組織、肺組織、リンパ節、筋肉組織、神経性/神経組織(例えば、末梢神経系)、眼組織(例えば、角膜)、口腔組織(例えば、頭蓋顔面、歯、歯周)、膵組織、腎性(renal)組織、皮膚組織(例えば、糖尿病性潰瘍などの局所性潰瘍の治療用)、尿道組織、血管組織から選択される一つ又は複数の標的軟部組織を接着、封止又は治療するために使用することができる。特定の実施形態では、本開示の方法及び組成物は、ストレス環境及び/若しくは生理学的環境において、又は弾性及び/若しくは接着性組成物を必要とする類似の用途において、一つ又は複数の標的軟部組織を接着、封止、又は治療するために使用することができる。
【0190】
本開示のポリマー組成物(例えば、GelMA又はGelACポリマー組成物)は、治療上有効な結果をもたらす任意の経路によって投与され得る。
【0191】
特定の実施形態では、方法は、プレゲル化ポリマー組成物をアプリケータに適用することと、プレゲル化ポリマー組成物を含有するアプリケータを対象の標的組織の表面上に配置することと、プレゲル化ポリマー組成物を架橋条件(例えば、光開始剤を伴う可視光)に曝露することによってポリマー組成物を架橋(例えば、光架橋)させることと、を含む。特定の実施形態では、プレゲル化ポリマー組成物は、アプリケータを使用せずに標的組織の表面に直接適用される。特定の実施形態では、標的組織の表面への適用は、標的組織の外表面への適用(例えば、局所適用)を含む。特定の実施形態では、標的組織の表面への適用は、標的組織の表面直下の空間への適用/注射(例えば、眼組織への結膜下適用)を含む。
【0192】
特定の実施形態では、標的軟部組織は、特定の物理的、機械的、構造的、化学的及び/又は生物学的特性(例えば、弾性、生分解性、多孔度)を有するように設計された本開示の第一のポリマー組成物を含む第一層を適用し、次いで、異なる物理的、機械的、構造的、化学的及び/又は生物学的特性(例えば、弾性、生分解性、多孔度)を有するように設計された本開示の第二のポリマー組成物を含む第二層を適用することによって、治療又は封止することができる。特定の実施形態では、本方法は、特定の物理的、機械的、構造的、化学的及び/又は生物学的特性(例えば、弾性、生分解性、多孔度)を有するように設計された本開示のポリマー組成物をそれぞれ含む、一つ又は複数の追加の層(例えば、第三層、第四層など)を適用することを含んでもよい。
【0193】
特定の実施形態では、標的軟部組織は、(i)本開示のポリマー組成物を重合することによって予め形成されたポリマー組成物を形成することと、(ii)予め形成されたポリマー組成物を、対象の標的組織の表面上又は表面下、例えば、結膜下)に適用することと、によって治療され得る。特定の実施形態では、標的組織の表面への適用は、標的組織の表面直下の空間への適用/注射(例えば、眼組織への結膜下適用)を含む。特定の実施形態では、予め形成されたポリマー組成物は、特定の物理的、機械的、構造的、化学的及び/又は生物学的特性(例えば、弾性、生分解性、多孔度)を有するように設計され得る。
【0194】
特定の実施形態では、標的軟部組織は、(i)本開示のポリマー組成物を重合させることによって、予め形成されたヒドロゲルポリマー組成物を形成することと、(ii)ヒドロゲルから間隙液のかなりの部分(例えば、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の間隙流体)を除去することによりヒドロゲルポリマーを乾燥させることと、(iii)予め形成されたポリマー組成物を対象の標的組織の表面上又は表面下、例えば、結膜下)に適用することと、(iv)任意選択的に、乾燥ヒドロゲルポリマーを実質的に水和した形態(例えば、例えば、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の間隙流体体積)に再水和させることと、によって治療することができる。特定の実施形態では、標的組織の表面への適用は、標的組織の表面直下の空間への適用/注射(例えば、眼組織への結膜下適用)を含む。特定の実施形態では、予め形成されたポリマー組成物は、特定の物理的、機械的、構造的、化学的及び/又は生物学的特性(例えば、弾性、生分解性、多孔度)を有するように設計され得る。
【0195】
治療用組成物
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、治療用組成物として調製されてもよく、又は治療用組成物に含まれてもよい。特定の実施形態では、本開示のヒドロゲルポリマー組成物は、治療用組成物として調製されてもよく、又は治療用組成物に含まれてもよい。特定の実施形態では、本開示のGelMA又はGelACヒドロゲルポリマー組成物は、治療用組成物として調製されてもよく、又は治療用組成物に含まれてもよい。そのような組成物は、本開示の一つ又は複数のポリマー組成物(任意選択的に、一つ又は複数の治療剤又は活性成分を含む)及び一つ又は複数の治療的に許容可能な賦形剤(例えば、担体、溶媒、又は送達ビヒクル)を含み得る。
【0196】
本開示の治療用組成物中のポリマー組成物(例えば、GelMA又はGelACヒドロゲルポリマー組成物)、治療的に許容可能な賦形剤、及び/又は任意の追加の成分の相対量は、治療される対象又は組織の固有性、サイズ、及び/又は状態に応じて、更に組成物が投与又は適用される経路に応じて変化し得る。特定の実施形態では、治療用組成物は、治療用組成物の体積中に0.1%~99%(w/v)の本開示のポリマー組成物を含めることができる。特定の実施形態では、治療用組成物は、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約88%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%の重量/体積濃度(w/v)で本開示のポリマー組成物を含み得る。特定の実施形態では、治療用組成物は、約1~3%、約3~6%、約6~10%、約1~5%、約5~10%、約1~10%、約11~13%、約13~16%、約16~20%、約10~15%、約15~20%、約10~20%、約21~23%、約23~26%、約26~30%、約20~25%、約25~30%、約20~30%、約31~33%、約33~36%、約36~40%、約30~35%、約35~40%、約30~40%、約41-43%、約43~46%、約46~50%、約40~45%、約45~50%、約40~50%、約51~53%、約53~56%、約56~60%、約50~55%、約55~60%、約50~60%、約61~63%、約63~66%、約66~70%、約60~65%、約65~70%、約60~70%、約71~73%、約73~76%、約76~80%、約70~75%、約75~80%、約70~80%、約81~83%、約83~86%、約86~90%、約80~85%、約85~90%、約80~90%、約91~93%、約93~96%、約96~99%、約90~95%、約95~99%、又は約90~99%の重量/体積濃度(w/v)で本開示のポリマー組成物を含み得る。
【0197】
特定の実施形態では、本開示の治療用組成物及び製剤は、生理食塩水、リポソーム(例えば、単層ベシクル、多層ベシクル)、脂質粒子(微粒子及びナノ粒子を含む)、及び/又はポリマー粒子(微粒子及びナノ粒子を含む)を含み得るが、これらに限定されない。特定の実施形態では、本開示の治療用組成物及び製剤は、これらに限定されないが、生理食塩水、リポソーム、脂質粒子(微粒子及びナノ粒子を含む)、ポリマー粒子(微粒子及びナノ粒子を含む)又はそれらの組み合わせを組み込む、本開示のポリマー組成物を含み得る。
【0198】
特定の実施形態では、本開示の治療用組成物及び製剤は、水性製剤(すなわち、水を含む製剤)である。特定の実施形態では、本開示の治療用組成物及び製剤は、水、衛生水、又は注射用水(WFI)を含む。
【0199】
特定の実施形態では、本開示の治療用組成物及び製剤は、以下うちの一つ又は複数を含み得る:pH緩衝溶液(例えば、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、HEPES、TES、MOPS)、等張生理食塩水、リンゲル溶液、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール)、アルギン酸、エチルアルコール、及び治療的に許容可能なそれらの混合物。特定の実施形態では、本開示の治療用組成物及び製剤は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含み得る。
【0200】
本開示の製剤は、本開示のポリマー組成物を製造、処理、調製、貯蔵、拡張、又は投与する任意のステップで使用することができる。
【0201】
特定の実施形態では、本開示の治療用組成物は、一つ又は複数の治療的に許容可能な賦形剤(例えば、ポリマー化合物を懸濁又は溶解することができるビヒクルを含み得る。賦形剤は、例えば、付着防止剤、抗酸化剤、結合剤、コーティング剤、圧縮補助剤(compression aid)、崩壊剤、染料(顔料)、皮膚軟化剤、乳化剤、充填剤(希釈剤)、被膜形成剤又はコーティング剤、風味剤、芳香剤、滑剤(流動促進剤)、潤滑剤、保存剤、印刷インク、吸着剤、懸濁剤若しくは分散剤、甘味料、水和水が含まれ得る。例示的な賦形剤は、限定するものではないが、酢酸、ステアリン酸アルミニウム、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、リン酸カルシウム(二塩基性)、ステアリン酸カルシウム、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロース、架橋ポリビニルピロリドン、クエン酸、クロスポビドン、システイン、エチルセルロース、ゼラチン、グルコース、グルクロン酸、グルコン酸、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシル-ブタン二酸、イノシトール、ラクトース、塩化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、マルチトール、マンニトール、メチオニン、メチルセルロース、メチルパラベン、微結晶性セルロース、リン酸、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポビドン、アルファ化デンプン、プロピルパラベン、パルミチン酸レチニル、サッカロース、シェラック、二酸化ケイ素、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ソルビトール、デンプン(トウモロコシ)、ステアリン酸、スクロース、タルク、二酸化チタン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、キシリトール、ステアリン酸亜鉛、及びそれらの組み合わせ、を含み得る。
【0202】
治療剤
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、治療剤を含み得る。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、送達ペイロードとして治療剤を含み得る。
【0203】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、約0%~約40%の濃度(w/v)で治療剤を含み得る。特定の実施形態では、本開示の前駆体ポリマー組成物は、約0%~約40%の濃度(w/v)で治療剤を含み得る。特定の実施形態では、本開示のゲルポリマー組成物は、約0%~約40%の濃度(w/v)で治療剤を含み得る。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、約1~2%、約2~4%、約4~6%、約6~8%、約8~10%、約1~5%、約5~10%、約1~10%、10~12%、約12~14%、約14~16%、約16~18%、約18~20%、約10~15%、約15~20%、約10~20%、約20~22%、約22~24%、約24~26%、約26~28%、約28~30%、約20~25%、約25~30%、約20~30%、約30~32%、約32~34%、約34~36%、約36~38%、約38~40%、約30~35%、約35~40%、又は約30~40%の濃度(w/v)で治療剤を含み得る。
【0204】
特定の実施形態では、本開示の前駆体ポリマー組成物は、約0.1mg/mL~約500mg/mLの濃度で治療剤を含み得る。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、約0.1~0.5mg/mL、約0.5~1.0mg/mL、約1.0~2.5mg/mL、約2.5~5.0mg/mL、約5.0~10.0mg/mL、約10.0~25.0mg/mL、約25.0~50.0mg/mL、約50.0~100.0mg/mL、約100~150mg/mL、約150~200mg/mL、約200~250mg/mL、約250~300mg/mL、約300~350mg/mL、約350~400mg/mL、約400~450mg/mL、約450~500mg/mL、約500~550mg/mL、約550~600mg/mL、約600~650mg/mL、約650~700mg/mL、約700~750mg/mL、約750~800mg/mL、約800~850mg/mL、約850~900mg/mL、約900~950mg/mL、又は約950~1000mg/mLの濃度で治療剤を含み得る。
【0205】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、1時間未満で治療剤をピーク濃度まで送達することができる。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、1日未満で治療剤をピーク濃度まで送達することができる。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約0~2時間、約2~4時間、約4~6時間、約6~8時間、約8~10時間、約10~12時間、約12~16時間、約16~20時間、約20~24時間、約24~30時間、約30~36時間、約36~42時間、又は約42~48時間で、治療剤をピーク濃度まで送達することができる。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、1週間未満で治療剤をピーク濃度まで送達することができる。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約0~2日、約2~4日、約4~6日、約6~8日、約8~10日、約10~12日、約12~16日、約16~20日、約20~24日、約24~30日、約30~35日、約35~40日、約40~45日、約45~50日、約50~55日、約55~60日で、治療剤をピーク濃度まで送達することができる。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、1か月未満で治療剤をピーク濃度まで送達することができる。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、12ヵ月未満で治療剤をピーク濃度まで送達することができる。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約0~1か月、約1~2か月、約2~3か月、約3~4か月、約4~5か月、約5~6か月、約6~7か月、約7~8か月、約8~9か月、約9~10か月、約10~11か月、又は約11~12か月で、治療剤をピーク濃度まで送達することができる。
【0206】
特定の実施形態では、治療剤は、成長因子、止血剤、鎮痛剤、麻酔剤、抗真菌剤、抗生物質、抗菌剤、抗炎症剤、抗微生物剤、駆虫剤、解毒剤、制吐剤、抗ヒスタミン剤、降圧剤、抗マラリア剤、抗微生物剤、抗精神病剤、解熱剤、防腐剤、抗関節炎剤、抗結核薬、鎮咳剤、抗ウイルス剤、心臓作用薬、下剤、化学療法剤、着色若しくは蛍光造影剤、コルチコイド(ステロイドなど)、抗うつ剤、抑制剤、診断補助薬、利尿剤、酵素、去痰剤、ホルモン、睡眠薬、免疫抑制剤、ミネラル、栄養補助食品、副交感神経刺激薬、カリウム補給剤、放射線増感剤、放射性同位元素、鎮静剤、スルホンアミド、刺激薬、交感神経作用薬、精神安定剤、尿路抗感染剤、血管収縮剤、血管拡張剤、ビタミン、キサンチン誘導体、有機分子、低分子阻害剤、グリコサミノグリカン、有機金属薬、キレート金属又は金属塩、ペプチド系薬剤、ビタミン、栄養補助食品、糖タンパク質(例えば、コラーゲン)、細胞外マトリックスタンパク質又はその断片、フィブロネクチン、ペプチド及び/又はタンパク質、多糖、炭水化物(単純及び/又は複合体の両方)、プロテオグリカン、抗原、オリゴヌクレオチド(センス及び/又はアンチセンスDNA及び/又はRNA)、抗体、核酸配列、遺伝子治療剤、トリアムシノロンアセトニド、及びオボアルブミンのうちの一つ又は複数、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0207】
特定の実施形態では、治療剤は、一つ又は複数の抗アカントアメーバ剤(anti-acanthamoebal)、抗ウイルス剤、及び/又は抗菌剤を含み得る。特定の実施形態では、治療剤は、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ペンシクロビル、トリフルリジン、ビダラビン、ヒドロキシクロロキン、ガチフロキサシン、ダプトマイシン、チゲサイクリン、テラバンシン、クロラムフェニコール、フシジン酸、クロロヘキシジン、ポリヘキサメチレンビグアニド、プロパミジン、ヘキサミジン、バシトラシン、メトロニダゾール、リファンピン、エタンブトール、ストレプトマイシン、イソニアジド、銀ナノ粒子、酸化銅ナノ粒子、グリコペプチド(例えば、テイコプラニン、バンコマイシン)、アミノグリコシド(例えば、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アミカシン、ネチミシン(netimicin))、セファロスポリン(例えば、セファゾリン、セフォキシチン、セフォタキシム、セフロキシム、モキサラクタム)、マクロライド(例えば、エリスロマイシン)、オキサゾリジノン(例えば、リネゾリド)、キノロン、ポリミキシン、スルホンアミド、テトラサイクリン、ペネム、カルバペネム、モノバクタム、リンコシド(lincoside)、スペクチノマイシン、クリンダマイシン、アンサマイシン、ダプトマイシン、ニトロフラン、トリメトプリムスルファメトキサゾール合剤、キトサン、ペニシリン、及びシプロフロキサシン、又はそれらの任意の組み合わせから選択される一つ又は複数の薬剤を含み得る。
【0208】
特定の実施形態では、治療剤は、一つ又は複数の抗真菌剤を含み得る。特定の実施形態では、治療剤は、アムホテリシンB、ナタマイシン、カンジシン(candicin)、フィリピン、ハマイシン、ニスタチン、リモシジン(rimocidin)、ボリコナゾール、イミダゾール、トリアゾール、チアゾール、アリルアミン、エキノキャンディン、安息香酸、シクロピロクス、フルシトシン、グリセオフルビン、アンデキシン、ハロプロジン、トルナフタート、ウンデシレン酸、及びポビドンヨード、又はそれらの任意の組み合わせから選択される一つ又は複数の薬剤を含み得る。
【0209】
特定の実施形態では、治療剤は、一つ又は複数の抗微生物剤を含み得る。特定の実施形態では、治療剤は、ポリミキシンB、バンコマイシン、コレラ毒素、ジフテリア毒素、リゾスタフィン、ヘモリジン、バシトラシン、ボセプレビル、アルババンシン(albavancin)、ダプトマイシン、エンフビルチド、オリタバンシン、テイコプラニン、テラプレビル、テラバンシン、グアバニン2(guavanin 2)、Maximin H5、ダームシジン、セクロピン、アンドロピン(andropin)、モリシン、セラトトキシン(ceratotoxin)、メリチン、マガイニン、デルマセプチン、ブレビニン(brevinin)-1、エスキュレンチン(esculentin)、ブフォリン(buforin)II、CAP18、LL37、ベシン(baecin)、アピデシン、プロフェニン(prophenin)、インドリシジン、抗微生物ペプチド(AMP)(例えば、Tet213)、クロルヘキシジン、クロルヘキサジン塩、トリクロサン、ポリミキシン、テトラサイクリン、アミノグリコシド(例えば、ゲンタマイシン、トブラマイシン)、リファンピシン、エリスロマイシン、ネオマイシン、クロラムフェニコール、ミコナゾール、キノロン、ペニシリン、フシジン酸、セファロスポリン、ムピロシン、メトロニダゾール、セクロピン(secropin)、プロテグリン、バクテリオルシン(bacteriolcin)、デフェンシン、ニトロフラゾン、マフェニド、アラシクロビル(aracyclovir)、クリンダマイシン、リンコマイシン、スルホンアミド、ノルフロキサシン、ペフロキサシン、ナリジジン酸(nalidizic acid)、シンナマイシン(cinnamycin)、抗DEFA5(anti-DEFA5)、デュラマイシン、ナイシン、ペディオシン、アバシン(Abaecin)、Ct-AMP1、アピデシン(Apidaecin)IA、アピデシンIB、バクテンシン(Bactenecin)、バクテンシン5、バクテンシン7、バクテリサイジン(Bactericidin)B-2、オーレイン(Aurein)ファミリー、SMAP-29、テンポリン(Temporin)B、プルロシジン(Pleurocidin)、タキプレシンIII、LL-37、シトロピン1.1、BMAP-27、BMAP-28、アゲライア(Agelaia)-MP、テンポリン1Ola、NA-CATH、ヒスタチン、ラタルシン(Latarcin)、ハロシジン(Halocidin)、ボンビニン、カテリシジン、マラシジン(Malacidin)、MP196、MS100a7a15、ムレパバジン、ミチシン(Myticin)、ミチリン(Mytilin)、パエニバクテリン(Paenibacterin)、パルダキシン、ペプタイボール、SAAP-148、ザルコトキシン、ストモキシン(Stomoxyn)、タキプレシン、チオエステル含有タンパク質1、サイオニン、アラメチシン、アレニシン、デルモルフィン、デルトルフィン、デルマセプチン、シュージン(pseudin)、ボンベシン、マキュラチン(maculatin)、LEAP2、エフラペプチン、アリロマイシン(Arylomycin)、カプレオマイシン、グラミシジンB、アンチアモエビン(Antiamoebin)、バシロマイシン(Bacillomycin)、テイクソバクチン、チロトリシン、ビオマイシン、及びシュウ酸、又はそれらの任意の組み合わせから選択される一つ又は複数の抗微生物剤を含み得る。
【0210】
特定の実施形態では、治療剤は、一つ又は複数の抗炎症剤を含み得る。特定の実施形態では、治療剤は、ステロイド性抗炎症剤(例えば、プレドニゾロン)、コルチコステロイド(例えば、ロテプレドノールエタボネート)、サリチレート、非ステロイド性抗炎症薬(例えば、ブロムフェナク)、mTOR阻害剤、カルシニューリン阻害剤、合成又は天然の抗炎症性タンパク質、デキサメタゾン、5-フルオロウラシル、ダウノマイシン,パクリタキセル、クルクミン、レスベラトロール、マイトマイシン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニゾン、セレコキシブ、ケトロラク、ピロキシカム、ジクロロフェナク、イブプロフェン、及びケトプロフェン、ラパマイシン、シクロスポリン、及びタクロリムス/FK-506、又はそれらの任意の組み合わせから選択される一つ又は複数の抗炎症剤を含み得る。
【0211】
特定の実施形態では、治療剤は、一つ又は複数の成長因子を含み得る。特定の実施形態では、治療剤は、組換え肝細胞成長因子又は組換え神経成長因子を含む成長因子を含み得る。特定の実施形態では、治療剤は、アクチビン(例えば、アクチビンA、アクチビンB、アクチビンAB)、アドレノメデュリン(AM)、アルブミン、アルファ-2マクログロブリン、アネキシン、アンジオポエチン(Ang)、アルテミン、自己分泌型細胞運動刺激因子、骨形成タンパク質(BMP)(例えば、BMP-1、BMP-2、BMP-3、BMP-4、BMP-5、BMP-6、BMP-7、BMP-8、BMP-9)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、毛様体神経栄養因子ファミリー、毛様体神経栄養因子(CNTF)、結合組織活性化ペプチド(CTAP)、上皮成長因子(EGF)、エフリン(例えば、エフリンA1、エフリンA2、エフリンA3、エフリンA4、エフリンA5、エフリンB1、エフリンB2、エフリンB3)、エリスロポエチン(EPO)、線維芽細胞成長因子(FGF)(例えば、FGF1、FGF2、FGF3、FGF4、FGF5、FGF6、FGF7、FGF8、FGF9、FGF10、FGF11、FGF12、FGF13、FGF14、FGF15、FGF16、FGF17、FGF18、FGF19、FGF20、FGF21、FGF22、FGF23)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、酸性線維芽細胞増殖因子(aFGF)、ウシ胎児成長ホルモン(FBS)、グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、成長分化因子(GDF)(例えば、GDF1、GDF9)、ヘパリン結合増殖因子、肝細胞成長因子(HGF)、肝細胞成長因子様タンパク質(HGFLP)、肝細胞腫由来成長因子(HDGF)、インヒビン(例えば、インヒビンA、インヒビンB)、インスリン、インスリン様成長因子(IGF)(例えば、IGF-1、IGF-2)、インターロイキン(IL)(例えば、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-11、及びIL-13)、ケラチノサイト成長因子(KGF)、白血病抑制因子(LIF)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、マクロファージ刺激タンパク質(MSP)、遊走刺激因子(MSF)、ミオスタチン、ニューレグリン(NRG)(例えば、NRG1、NRG2、NRG3、NRG4)、ニューロトロフィン(NT)(例えば、NT-1、NT-2、NT-3、NT-4)、ニュールツリン、神経成長因子(NGF)、骨形成因子、パーセフィン、胎盤増殖因子(PGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、レナラーゼ(RNLS)、間質細胞由来因子-1、T細胞成長因子(TCGF)、トロンボポエチン(TPO)、トランスフォーミング成長因子アルファ(TGF-α)、トランスフォーミング成長因子ベータ(TGF-β)、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)、血管内皮成長因子(VEGF)、抗血管内皮成長因子(抗VEGF)(例えば、ベバシズマブ、ラニビズマブ、アフリベルセプト)、及びこのような成長因子の生物活性類似体、断片、誘導体、又はそれらの任意の組み合わせから選択された一つ又は複数の成長因子を含み得る。
【0212】
特定の実施形態では、治療剤は、一つ又はホルモンを含み得る。特定の実施形態では、治療剤が、抗ミュラー管ホルモン、ミュラー管抑制因子又はホルモン)、アディポネクチン、副腎皮質刺激ホルモン、コルチコトロピン、アンジオテンシノーゲン、アンジオテンシン、抗利尿ホルモン、バソプレシン、アルギニンバソプレシン、心房性ナトリウム利尿ペプチド、アトリオペプチン、カルシトニン、コレシストキニン、コルチコトロピン放出ホルモン、エリスロポエチン、卵胞刺激ホルモン、ガストリン、グレリン、グルカゴン、ゴナドトロピン放出ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン、ヒトの絨毛性ゴナドトロピン、ヒト胎盤ラクトゲン、成長ホルモン、ソマトメジン、レプチン、黄体形成ホルモン、メラニン細胞刺激ホルモン、オレキシン、オキシトシン、副甲状腺ホルモン、プロラクチン、リラキシン、セクレチン、ソマトスタチン、トロンボポエチン、甲状腺刺激ホルモン、チロトロピン、及びチロトロピン放出ホルモン、又はそれらの任意の組み合わせから選択された一つ又は複数のホルモンを含み得る。
【0213】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、約0.001μg/mL~約2g/mLの濃度(w/v)で一つ又は複数の成長因子を含み得る。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、約0.001μg/mL~約1000μg/mLの濃度(w/v)で一つ又は複数の成長因子を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約0.01μg/mL~約500μg/mLの濃度(w/v)で一つ又は複数の成長因子を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約0.1μg/mL~約200μg/mLの濃度(w/v)で一つ又は複数の成長因子を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、約0.1~0.5μg/mL、約0.5~1.0μg/mL、約1~2μg/mL、約2~4μg/mL、約4~6μg/mL、約6~8μg/mL、約8~10μg/mL、約10~12μg/mL、約12~14μg/mL、約14~16μg/mL、約16~18μg/mL、約18~20μg/mL、約20~22μg/mL、約22~24μg/mL、約24~26μg/mL、約26~28μg/mL、約28~30μg/mL、約30~35μg/mL、約35~40μg/mL、約40~45μg/mL、約45~50μg/mL、約50~55μg/mL、約55~60μg/mL、約60~65μg/mL、約65~70μg/mL、約70~75μg/mL、約75~80μg/mL、約80~85μg/mL、約85~90μg/mL、約90~95μg/mL、約95~100μg/mL、約100~125μg/mL、約125~150μg/mL、約150~175μg/mL、約175~200μg/mL、約200~225μg/mL、約225~250μg/mL、約250~275μg/mL、約275~300μg/mL、約300~325μg/mL、約325~350μg/mL、約350~375μg/mL、約375~400μg/mL、約400~425μg/mL、約425~450μg/mL、約450~475μg/mL、約475~500μg/mL、約500~550μg/mL、約550~600μg/mL、約600~650μg/mL、約650~700μg/mL、約700~750μg/mL、約750~800μg/mL、約800~850μg/mL、約850~900μg/mL、約900~950μg/mL、約950~1000μg/mL、約1000~1100μg/mL、約1100~1200μg/mL、約1200~1300μg/mL、約1300~1400μg/mL、約1400~1500μg/mL、約1500~1600μg/mL、約1600~1700μg/mL、約1700~1800μg/mL、約1800~1900μg/mL、又は約1900~2000μg/mL、の濃度(w/v)で一つ又は複数の成長因子を含み得る、
【0214】
特定の実施形態では、治療剤は、一つ又は複数の止血剤(すなわち、止血を促進する材料)及び/又は免疫抑制剤を含み得る。特定の実施形態では、治療剤は、血小板、血小板様ナノ粒子(例えば、シリケートナノ粒子)、血液凝固因子(例えば、トロンビン、プロトロンビン)、アルキル化剤、代謝拮抗薬、ミコフェノール酸、シクロスポリン、タクロリムス、ラパマイシン、又はそれらの組み合わせから選択される一つ又は複数の薬剤を含み得る。特定の実施形態では、治療剤は、抗凝固剤又は血液希釈剤(例えば、ヘパリン)を含み得る。
【0215】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、標的組織の細胞又は細胞前駆体を組み込むか、又はそれらで被覆することができる。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、神経細胞、筋細胞、ミオサイト、心筋細胞、肝細胞、ケラチノサイト、メラノサイト、エナメル芽細胞、線維芽細胞、前骨芽細胞、骨芽細胞、破骨細胞、内皮細胞、上皮細胞、間葉系幹細胞、神経線維鞘細胞(すなわち、シュワン細胞)、胚性幹細胞、成体幹細胞、多能性幹細胞、副能性幹細胞、造血幹細胞、脂肪由来幹細胞、骨髄由来幹細胞、骨細胞、及び神経細胞、又はそれらの任意の組み合わせから選択される標的組織の一つ又は複数の細胞又は細胞前駆体を組み込むか、又はそれらで被覆することができる。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、内皮細胞(例えば、角膜内皮細胞)を組み込むか、又はそれらで被覆することができる。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、上皮細胞、内皮細胞、及び角膜実質細胞、又はそれらの任意の組み合わせを組み込むか、又はそれらで被覆することができる。特定の実施形態では、細胞又は細胞前駆体は、ポリマーゲル組成物を細胞培養混合物中に一定期間配置することによって、ポリマーGelMAトリックス内に、又はポリマーGelMAトリックス上に組み込まれ得る。培養時間は、使用される細胞に応じて異なり得るが、一般的に7~21日であり得る。特定の実施形態では、ポリマーゲル組成物の細胞培養物への曝露は、GelMAトリックス中又はGelMAトリックス上の細胞密度を増加させるために繰り返される。
【0216】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、WO2013040559、又はLoessner et al.,Nature protocols. 2016 Apr;11(4):727. A1に開示される手順に従って、細胞又は細胞前駆体を組み込むことができ、これら文献の各々は、GelMA又はGelACヒドロゲルなどのゲルマトリックス上又はゲルマトリックス内への細胞又は細胞前駆体の組み込みを各々が記述する限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0217】
微粒子及びナノ粒子
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物(例えば、ヒドロゲル)は、一つ又は複数の微粒子及び/又はナノ粒子を含み得る。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物(例えば、ヒドロゲル)は、治療剤を含む(例えば、治療剤を封入する)一つ又は複数の微粒子及び/又はナノ粒子を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、リポソーム(例えば、単層ベシクル、多層ベシクル)、脂質粒子、ポリマー粒子、又はそれらの組み合わせから選択される一つ又は複数の微粒子及び/又はナノ粒子を含み得る。
【0218】
特定の実施形態では、粒子(すなわち、微粒子又はナノ粒子)は、温度応答性ミセルを含むことができる。特定の実施形態では、ミセルは、非イオン性コポリマー界面活性剤(例えば、Pluronic F127)を含み得る。
【0219】
特定の実施形態では、微粒子又はナノ粒子は、一つ又は複数のヒアルロン酸ポリマーを含むヒアルロン酸(HA)ベースの粒子である。特定の実施形態では、粒子(すなわち、微粒子又はナノ粒子)は、一つ又は複数のHAコンジュゲートを含み得る。特定の実施形態では、粒子は、HA-ポリエチレンイミン(HA-PEI)及び/又はHA-ポリエチレングリコール、又はそれらの誘導体を含み得る。
【0220】
特定の実施形態では、粒子(すなわち、微粒子又はナノ粒子)は、一つ又は複数の両親媒性ブロックコポリマー(すなわち、少なくとも一つの親水性ブロック及び少なくとも一つの疎水性ブロックを含むブロックコポリマー)を含み得る。特定の実施形態では、両親媒性ブロックコポリマーは、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリセリル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリセリル、アクリル酸グリシジル、ヒドロキシプロピルメタクリルアミド、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせから選択される少なくとも一つの疎水性ブロックモノマーを含む。特定の実施形態では、両親媒性ブロックコポリマーは、少なくとも一つのポリエチレングリコール(PEG)親水性ブロックモノマー、例えば、mPEG-b-p(BHMPO)を含む。特定の実施形態では、両親媒性ブロックコポリマーは、mPEG-b-p(HPMAm-Bz)を含む。特定の実施形態では、両親媒性ブロックコポリマーは、PEG-b-pHPMAm-Lac(すなわち、メトキシポリ(エチレングリコール)-b-ポリ[N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド-ラクテート])を含む。
【0221】
特定の実施形態では、本開示の粒子(すなわち、微粒子又はナノ粒子)は、WO2016024861、又はLoessner et al.,Nature protocols.2016 Apr;11(4):727.A1に開示されている組成物、製剤、及び手順に従って形成することができ、これら文献の各々は、ポリマー微粒子又はナノ粒子の組成、生成、分析及び使用を各々が記述する限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0222】
治療用途
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、対象における軟部組織を治療及び/又は修復するためのシーラント及び/又は治療用組成物として使用することができる。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、対象における軟部組織を治療及び/又は修復するための治療剤を投与するための送達ビヒクルとして使用することができる。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、対象における軟部組織を治療及び/又は修復するためのシーラント及び/又は治療用組成物として、及び/又は対象の軟部組織を治療及び/又は修復するための治療剤を投与するための送達ビヒクルとして使用することができる。
【0223】
特定の実施形態では、本開示の方法及び組成物は、眼組織(すなわち、目)、肺、心血管系、皮膚、腎臓、膀胱、尿道、硬膜、肝臓、胃腸、又は口腔(すなわち、口)組織から選択される一つ又は複数の標的軟部組織を接着、密封、又は治療するために使用することができる。特定の実施形態では、本開示の方法及び組成物は、ストレス環境及び/若しくは生理学的環境において、又は弾性及び/若しくは接着剤組成物を必要とする類似の用途において、一つ又は複数の標的軟部組織を接着、封止、又は治療するために使用することができる。
【0224】
特定の実施形態では、本開示は、本開示のポリマー組成物を使用して、対象における軟部組織を治療及び/又は修復するための方法を記載する。特定の実施形態では、本開示は、本開示のポリマー組成物を使用して、対象の軟部組織における欠損、損傷、及び/又は疾患を治療及び/又は修復するための方法を記載する。特定の実施形態では、方法は、本開示のプレゲル化ポリマー組成物(例えば、アクリロイル置換ゼラチンを含むポリマー組成物)をアプリケータに適用することと、プレゲル化ポリマー組成物を含有するアプリケータを対象の標的軟部組織(例えば、軟部組織の欠損、損傷、及び/又は疾患の部位)の表面上に配置することと、プレゲル化ポリマー組成物を架橋開始剤(例えば、光開始剤及び可視光)に曝露することによってポリマー組成物を架橋(例えば、光架橋)させることと、を含む。特定の実施形態では、方法は、ポリマー組成物のポリマー架橋及び/又はゲル化が完了した後に、ゲルポリマー組成物及び/又は軟部組織表面からアプリケータを除去することを含む。特定の実施形態では、プレゲル化ポリマー組成物は、アプリケータを使用せずに標的軟部組織の表面に直接適用される。特定の実施形態では、プレゲル化ポリマー組成物は、標的軟部組織上又はその近く(例えば、同じ組織上又は組織下)に適用される。特定の実施形態では、プレゲル化ポリマー組成物は、対象の標的軟部組織上で、強力で持続的な接着及び高保持力を有し得る。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、対象の標的軟部組織上で、強力で持続的な接着及び高保持力を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、標的軟部組織と一致するか、又は類似する、物理的、機械的、構造的、化学的及び/若しくは生物学的特性(弾性、含水率)を提示するように設計される。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、治療剤を標的軟部組織に分布させるように設計される。
【0225】
眼損傷及び疾患
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、対象の目における眼軟部組織を治療及び/又は修復するためのシーラント及び/又は治療用組成物として使用することができる。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、対象の目における眼の欠損、眼表面損傷、又は眼疾患を治療及び/又は修復するためのシーラント及び/又は治療用組成物として使用することができる。特定の実施形態では、眼の欠損、損傷、又は疾患は、角膜又は強膜の欠損、損傷、又は疾患である。特定の実施形態では、角膜又は強膜の損傷は、裂傷(部分又は全層)、穿孔、切開(例えば、外科的切開)、又は類似の表面外傷(例えば、異物又は発射体からの外傷)である。特定の実施形態では、眼の欠損、損傷、又は疾患は、重度の感染症、損傷、穿孔、又は他の欠損からの角膜潰瘍などの眼潰瘍である。特定の実施形態では、標的軟部組織は、眼組織、任意選択的に、結膜下眼組織である。
【0226】
特定の実施形態では、本開示は、本開示のポリマー組成物を用いて、対象における眼の欠損、眼表面損傷、又は眼疾患を治療する方法を記載する。特定の実施形態では、方法は、本開示のプレゲル化ポリマー組成物(例えば、アクリロイル置換ゼラチンを含むポリマー組成物)をアプリケータに適用することと、プレゲル化ポリマー組成物を含有するアプリケータを対象の目の表面上に配置することと、プレゲル化ポリマー組成物を、架橋開始剤(例えば、可視光)に曝露することによって、ポリマー組成物を架橋(例えば、光架橋)させることと、を含む。特定の実施形態では、方法は、ポリマー組成物のポリマー架橋及び/又はゲル化が完了した後に、ゲルポリマー組成物及び/又は眼表面からアプリケータを除去することを含む。特定の実施形態では、プレゲル化ポリマー組成物は、アプリケータを使用せずに標的眼組織の表面に直接適用される。特定の実施形態では、プレゲル化ポリマー組成物は、対象の眼組織上で、強力で持続的な接着及び高保持力を有し得る。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、対象の眼組織上で、強力で持続的な接着及び高保持力を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、標的眼組織(例えば、角膜組織)と一致するか、又は類似する、物理的、機械的、構造的、化学的及び/若しくは生物学的特性(弾性、含水率)を提示するように設計される。
【0227】
特定の実施形態では、アプリケータは、湾曲した凹面である。特定の実施形態では、アプリケータは、湾曲レンズ(例えば、コンタクトレンズ)である。特定の実施形態では、アプリケータの曲率は、標的眼表面の曲率と類似している。
【0228】
特定の実施形態では、標的眼組織における眼の欠損、眼表面損傷、又は眼疾患は、(i)本開示のポリマー組成物を重合することによって予め形成されたポリマー組成物を形成することと、(ii)予め形成されたポリマー組成物を、対象の標的組織の表面上又は表面下(例えば、結膜下)に適用することと、によって治療することができる。特定の実施形態では、標的組織の表面への適用は、標的組織の表面直下の空間への適用/注射(例えば、眼組織への結膜下適用)を含む。特定の実施形態では、予め形成されたポリマー組成物は、特定の物理的、機械的、構造的、化学的及び/又は生物学的特性(例えば、弾性、生分解性、多孔度)を有するように設計され得る。
【0229】
特定の実施形態では、標的眼組織の眼の欠損、眼表面損傷、又は眼疾患は、(i)本開示のポリマー組成物を重合させることによって、予め形成されたヒドロゲルポリマー組成物を形成することと、(ii)ヒドロゲルから間隙液のかなりの部分(例えば、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の間隙流体)を除去することによりヒドロゲルポリマーを乾燥させることと、(iii)予め形成されたポリマー組成物を対象の標的組織の表面上又は表面下(例えば、結膜下)に適用することと、(iv)任意選択的に、乾燥ヒドロゲルポリマーを実質的に水和した形態(例えば、例えば、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の間隙流体体積)に再水和させることと、によって治療することができる。特定の実施形態では、標的組織の表面への適用は、標的組織の表面直下の空間への適用/注射(例えば、眼組織への結膜下適用)を含む。特定の実施形態では、予め形成されたポリマー組成物は、特定の物理的、機械的、構造的、化学的及び/又は生物学的特性(例えば、弾性、生分解性、多孔度)を有するように設計され得る。
【0230】
口腔損傷及び口腔疾患
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、対象の口腔における軟部組織を治療及び/又は修復するためのシーラント及び/又は治療用組成物として使用することができる。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、歯周病、損傷又は病気に関連する口腔組織の治療及び/又は修復に使用することができる。特定の実施形態では、歯周病、損傷又は病気は、インプラント周囲粘膜炎(PIM)及びインプラント周囲炎(PI)などのインプラント周囲疾患(PID)を含む、歯周インプラントに関連するものを含み得る。これらの病気は、多くの場合、歯周インプラント周囲の軟部組織の炎症(細菌の蓄積及びバイオフィルム形成による)と関連し、その結果、口腔組織の出血性の化膿、紅斑、腫れ、及び感染を引き起こすだけでなく、インプラント不全につながり得る進行性の骨喪失の可能性をもたらす。
【0231】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、歯周インプラント周囲の軟部組織の領域を封止するために使用することができる。特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、治療剤(例えば、抗微生物剤又は抗炎症剤)を、歯周インプラント周囲の軟部組織の領域に送達するために使用することができる。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、骨誘導剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、シリケートナノ粒子(SN)、カルシウム塩、バイオガラス、ヒドロキシアパタイト、脱塩骨マトリックス(DBM)、又はそれらの組み合わせから選択される一つ又は複数の骨誘導剤を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、カルシウム、アルミニウム、銀、金、プラチナ、パラジウム、リチウム、マグネシウム、ナトリウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、及びイリジウム、又はそれらの任意の組み合わせなどの一つ又は複数の金属を含むSNを含む、一つ又は複数のシリケートナノ粒子を含み得る。特定の実施形態では、シリケートナノ粒子は、ラポナイトナノ粒子を含む。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、水酸化カルシウム、臭化カルシウム、フッ化カルシウム、ヨウ化カルシウム、及び水素化カルシウム、又はそれらの任意の組み合わせなどの一つ又は複数のカルシウム塩を含み得る。
【0232】
特定の実施形態では、本開示は、本開示のポリマー組成物を用いて、対象の口腔軟部組織における欠損、損傷、又は疾患を治療する方法を記載する。特定の実施形態では、方法は、本開示のプレゲル化ポリマー組成物(例えば、アクリロイル置換ゼラチンを含むポリマー組成物)をアプリケータに適用することと、プレゲル化ポリマー組成物を含有するアプリケータを対象の口腔軟部組織(例えば、歯周インプラント周囲の軟部組織)の表面上に配置することと、プレゲル化ポリマー組成物を架橋開始剤(例えば、可視光)に曝露することによってポリマー組成物を架橋(例えば、光架橋)させることと、を含む。特定の実施形態では、方法は、ポリマー組成物のポリマー架橋及び/又はゲル化が完了した後に、ゲルポリマー組成物及び/又は口腔軟部組織表面からアプリケータを除去することを含む。特定の実施形態では、プレゲル化ポリマー組成物は、アプリケータを使用せずに標的口腔軟部組織の表面に直接適用される。特定の実施形態では、プレゲル化ポリマー組成物は、対象の口腔軟部組織上で、強力で持続的な接着及び高保持力を有し得る。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、対象の口腔軟部組織上で、強力で持続的な接着及び高保持力を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、標的口腔軟部組織(例えば、歯周インプラントを囲む軟部組織)と一致するか、又は類似する、物理的、機械的、構造的、化学的及び/若しくは生物学的特性(弾性、含水率)を提示するように設計される。
【0233】
神経損傷及び疾患
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、対象の神経系(例えば、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS))における軟部組織を治療及び/又は修復するためのシーラント及び/又は治療用組成物として使用することができる。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、末梢神経損傷(PNI)を含む、外傷性損傷又は外科手術損傷に関連する神経組織の治療及び/又は修復に使用することができる。これらの病気に対する典型的な外科的介入(縫合及び/又は市販の接着剤を含む)は、多くの場合、炎症、異物反応(FBR)の亢進、瘢痕化、遅い神経再生、又は神経機能の喪失(部分的又は完全)と関連している。
【0234】
特定の実施形態では、神経組織は、本開示のポリマー組成物を標的神経組織に適用することによって、治療又は封止することができる。特定の実施形態では、神経組織は、本開示のポリマー組成物を神経損傷の位置の神経導管(nerve conduit)の内腔に適用することによって、治療又は封止することができる。特定の実施形態では、神経組織は、再接続又は治療を必要とする神経末端間の空間に本開示のポリマー組成物を適用することによって、治療又は封止することができる。特定の実施形態では、神経組織は、本開示のポリマー組成物を適用して、一つ又は複数の後根神経節(DRG)を封入することによって治療又は封止することができる。
【0235】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、アクリロイル置換ゼラチン(例えば、GelMA又はGelAC)及びアクリロイル置換トロポエラスチン(例えば、MeTro)を、約30:1~約1:30w/wの比で含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、神経の修復及び再成長を助長又は促進する細胞又は細胞前駆体を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、神経細胞、神経線維鞘細胞(すなわち、シュワン細胞)、又は神経の修復及び再成長を助長又は促進する神経成長因子を含み得る。
【0236】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、高濃度のアクリロイル置換ゼラチン(例えば、GelMA又はGelAC)を使用することによって、より生分解性であるように設計することができる。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、高濃度のアクリロイル置換トロポエラスチン(例えば、MeTro)を使用することによって、生分解性が低くなるように設計することができる。特定の実施形態では、神経組織は、高濃度のアクリロイル置換ゼラチン(例えば、GelMA又はGelAC)を使用することによって、より生分解性になるように設計されるポリマー組成物の第一の層を適用し、次いで高濃度のアクリロイル置換トロポエラスチン(例えば、MeTro)を使用することによって、生分解性が低くなるように設計されるポリマー組成物の第二の層を適用することによって、治療又は封止することができる。特定の実施形態では、神経組織は、高濃度のアクリロイル置換トロポエラスチン(例えば、MeTro)を使用することによって、生分解性が低くなるように設計されるポリマー組成物の第一の層を適用し、次いで高濃度のアクリロイル置換ゼラチン(例えば、GelMA又はGelAC)を使用することによって、より生分解性になるように設計されるポリマー組成物の第二の層を適用することによって、治療又は封止することができる。
【0237】
特定の実施形態では、本開示は、本開示のポリマー組成物を用いて、対象の神経又はCNS組織における欠損、損傷、又は疾患を治療する方法を記載する。特定の実施形態では、方法は、本開示のプレゲル化ポリマー組成物(例えば、アクリロイル置換ゼラチンを含むポリマー組成物)をアプリケータに適用することと、プレゲル化ポリマー組成物を含有するアプリケータを対象の神経又はCNS組織(例えば、末梢神経系の神経)の表面上に配置することと、プレゲル化ポリマー組成物を架橋開始剤(例えば、可視光)に曝露することによってポリマー組成物を架橋(例えば、光架橋)させることと、を含む。特定の実施形態では、方法は、ポリマー組成物のポリマー架橋及び/又はゲル化が完了した後に、ゲルポリマー組成物及び/又は神経/CNS組織表面からアプリケータを除去することを含む。特定の実施形態では、プレゲル化ポリマー組成物は、アプリケータを使用せずに標的神経又はCNS組織の表面に直接適用される。特定の実施形態では、プレゲル化ポリマー組成物は、対象の標的神経又はCNS組織上で、強力かつ持続的な接着及び高保持力を有し得る。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、対象の標的神経又はCNS組織上で、強力で持続的な接着及び高保持力を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、標的神経又はCNS組織(例えば、末梢神経系の神経)と一致するか、又は類似する、物理的、機械的、構造的、化学的及び/若しくは生物学的特性(弾性、含水率)を提示するように設計される。
【0238】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、ポリマー又は治療用成分を含むことができ、又はUS20190070338に開示される方法(神経損傷の治療を含む)によって生成、分析、若しくは使用することができ、文献は、GelMA又はGelACヒドロゲルなどのアクリル化ゼラチンポリマー組成物の組成、生成、分析及び使用をそれが記述する限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0239】
心血管系の損傷及び疾患
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、対象の心血管系(例えば、心臓)における軟部組織を治療及び/又は修復するためのシーラント及び/又は治療用組成物として使用することができる。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、心組織を含む外傷性損傷又は外科手術損傷に関連する心血管組織の治療及び/又は修復に使用することができる。これらの疾患に対する典型的な外科的介入(縫合及び/又は市販の接着剤を含む)は、多くの場合、炎症及び感染、瘢痕化、遅い組織再生、又は機能喪失(部分的又は完全な)と関連している。
【0240】
特定の実施形態では、血管/心臓血管組織は、本開示のポリマー組成物を標的血管/心臓血管組織に適用することによって、治療又は封止することができる。特定の実施形態では、血管/心臓血管組織は、本開示の細胞担持(cell-laden)ヒドロゲル組成物を標的血管/心臓血管組織に適用することによって、治療又は封止することができる。特定の実施形態では、細胞担持ヒドロゲル組成物は、血管/心血管組織(例えば、心臓組織)の修復、回復、置換、又は再生を助長又は促進する細胞又は細胞前駆体を含み得る。特定の実施形態では、細胞担持ヒドロゲル組成物は、平滑筋細胞、心筋細胞、線維芽細胞、間葉系幹細胞、骨髄幹細胞、又はそれらの組み合わせから選択される一つ又は複数の細胞又は細胞前駆体を含み得る。特定の実施形態では、細胞担持ヒドロゲル組成物は、マット、織物、メッシュ、又は被覆物若しくは移植物として使用するのに適している他の形状の形態である。
【0241】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、アクリロイル置換ゼラチン(例えば、GelMA又はGelAC)及びアクリロイル置換トロポエラスチン(例えば、MeTro)を、約30:1~約1:30w/wの比で含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、アクリロイル置換ゼラチン(例えば、GelMA又はGelAC)及びコリンベースのバイオ-イオン液体を含み得る。
【0242】
特定の実施形態では、本開示は、本開示のポリマー組成物を用いて、対象の心血管組織における欠損、損傷、又は疾患を治療する方法を記載する。特定の実施形態では、方法は、本開示のプレゲル化ポリマー組成物(例えば、アクリロイル置換ゼラチンを含むポリマー組成物)をアプリケータに適用することと、プレゲル化ポリマー組成物を含有するアプリケータを対象の心血管組織(例えば、心臓組織)の表面上に配置することと、プレゲル化ポリマー組成物を架橋開始剤(例えば、可視光)に曝露することによってポリマー組成物を架橋(例えば、光架橋)させることと、を含む。特定の実施形態では、方法は、ポリマー組成物のポリマー架橋及び/又はゲル化が完了した後に、ゲルポリマー組成物及び/又は心血管組織表面からアプリケータを除去することを含む。特定の実施形態では、プレゲル化ポリマー組成物は、アプリケータを使用せずに標的心血管組織の表面に直接適用される。特定の実施形態では、プレゲル化ポリマー組成物は、対象の心血管組織上で、強力で持続的な接着及び高保持力を有し得る。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、対象の心血管組織上で、強力で持続的な接着及び高保持力を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、標的心血管組織(例えば、心組織)と一致するか、又は類似する、物理的、機械的、構造的、化学的及び/若しくは生物学的特性(弾性、含水率)を提示するように設計される。
【0243】
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、ポリマー又は治療用成分を含むことができ、又はWO2014063194に開示される方法(心血管損傷の治療を含む)によって生成、分析、若しくは使用することができ、文献は、GelMA又はGelACヒドロゲルなどのアクリル化ゼラチンポリマー組成物の組成、生成、分析及び使用をそれが記述する限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0244】
肺損傷及び疾患
特定の実施形態では、本開示のポリマー組成物は、対象の肺における軟部組織を治療及び/又は修復するためのシーラント及び/又は治療用組成物として使用することができる。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、外傷性損傷又は外科的損傷に関連する肺組織の治療及び/又は修復に使用することができる。これらの疾患に対する典型的な外科的介入(縫合及び/又は市販の接着剤を含む)は、多くの場合、炎症及び感染、瘢痕化、遅い組織再生、又は機能喪失(部分的又は完全な)と関連している。
【0245】
特定の実施形態では、肺組織は、本開示のポリマー組成物を標的肺組織に適用することによって、治療又は封止することができる。特定の実施形態では、肺組織は、本開示の細胞担持ヒドロゲル組成物を標的血管/心臓血管組織に適用することによって、治療又は封止することができる。特定の実施形態では、細胞担持ヒドロゲル組成物は、肺組織の修復、回復、置換、又は再生を助長又は促進する細胞又は細胞前駆体を含み得る。特定の実施形態では、細胞担持ヒドロゲル組成物は、マット、織物、メッシュ、又は被覆物若しくは移植物として使用するのに適している他の形状の形態である。
【0246】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、アクリロイル置換ゼラチン(例えば、GelMA又はGelAC)及びアクリロイル置換PEG(例えば、PEGDA)を、約30:1~約1:30w/wの比で含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、アクリロイル置換ゼラチン(例えば、GelMA又はGelAC)及びアクリロイル置換ヒアルロン酸(例えば、MeHA)を、約30:1~約1:30w/wの比で含み得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、アクリロイル置換ゼラチン(例えば、GelMA又はGelAC)、アクリロイル置換PEG(例えば、PEGDA)、及びアクリロイル置換ヒアルロン酸(例えば、MeHA)を含み得る。
【0247】
特定の実施形態では、本開示は、本開示のポリマー組成物を用いて、対象の肺組織における欠損、損傷、又は疾患を治療する方法を記載する。特定の実施形態では、本方法は、本開示のプレゲル化ポリマー組成物(例えば、アクリロイル置換ゼラチンを含むポリマー組成物)をアプリケータに適用することと、プレゲル化ポリマー組成物を含有するアプリケータを対象の肺組織の表面上に配置することと、プレゲル化ポリマー組成物を、架橋開始剤(例えば、可視光)に曝露することによって、ポリマー組成物を架橋(例えば、光架橋)させることと、を含む。特定の実施形態では、方法は、ポリマー組成物のポリマー架橋及び/又はゲル化が完了した後に、ゲルポリマー組成物及び/又は肺組織表面からアプリケータを除去することを含む。特定の実施形態では、プレゲル化ポリマー組成物は、アプリケータを使用せずに標的肺組織の表面に直接適用される。特定の実施形態では、プレゲル化ポリマー組成物は、対象の肺組織上で、強力で持続的な接着及び高保持力を有し得る。特定の実施形態では、ゲルポリマー組成物は、対象の肺組織上で、強力で持続的な接着及び高保持力を有し得る。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、標的肺組織と一致するか、又は類似する、物理的、機械的、構造的、化学的及び/若しくは生物学的特性(弾性、含水率)を提示するように設計される。
【0248】
V.定義
本開示の様々な場所で、本開示の化合物の置換基、又は特性が、グループ又は範囲内で開示されている。本開示は、こうしたグループ及び範囲のメンバーの全ての個々又はサブコンビネーションを含むことが特に意図される。
【0249】
別段の記載がない限り、以下の用語及び語句は、以下に記載される意味を有する。定義は、本質的に限定することを意図したものではなく、本開示の特定の態様のより明確な理解を提供するのに役立つ。
【0250】
投与する:本明細書で使用される場合、用語「投与する」は、対象に組成物を提供することを指す。
【0251】
改善する:本明細書で使用される場合、用語「改善」又は「改善する」は、状態又は疾患の少なくとも一つの指標の重症度の緩和を指す。
【0252】
動物:本明細書で使用される場合、用語「動物」は、動物界の任意のメンバーを指す。特定の実施形態では、「動物」は、任意の発生段階でのヒトを指す。特定の実施形態では、「動物」は、任意の発達段階での非ヒト動物を指す。特定の実施形態では、非ヒト動物は、哺乳類(例えば、齧歯類、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、霊長類、又はブタ)である。特定の実施形態では、動物は、哺乳類、鳥類、は虫類、両生類、魚類、及び虫を含むが、これらに限定されない。特定の実施形態では、動物は、トランスジェニック動物、遺伝子操作された動物、又はクローンである。
【0253】
およそ:本明細書で使用される場合、用語「およそ」又は「約」は、一つ又は複数の関心値に適用される場合、言及された参照値と類似した値を指す。用語は、列挙された値の+/-10%を指し得る。特定の実施形態では、この用語は、別段の記載がない限り、又は文脈から明らかでない限り、記載される参照値のいずれかの方向(より大きいか又はより小さい)で、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、又はそれ以下の範囲内収まる値の範囲を指す(そのような数値が、可能性のある値の100%を超える場合を除く)。
【0254】
と会合した:本明細書で使用される場合、二つ以上の部分に関して使用される場合、用語「と会合した」、「コンジュゲートした」、「連結した」、「結合した」、及び「係留した」は、当該部分が、例えば、生理学的条件など、構造が使用される条件下で、当該部分が物理的に会合し続けるように、十分に安定な構造を形成するために、直接的に、又は連結剤として機能する一つ又は複数の追加部分を介して、互いに物理的に会合しているか、又は結合していることを意味する。「会合」は、厳密には、直接的な共有結合による化学結合である必要はない。また、「会合した」実体が物理的に関連付けられたままであるように、イオン結合又は水素結合、又はハイブリダイゼーションベースの接続性が十分に安定していることが示唆され得る。
【0255】
生体適合性:本明細書で使用される場合、用語「生体適合性」は、生体組織において毒性、有害性、又は免疫反応が最小限又はゼロになる物質を指す。
【0256】
生分解性:本明細書で使用される場合、用語「生分解性」は、生理学的条件下において、部分的又は完全に分解して生物学的に処理可能な副生成物になることができる材料を指す。例えば、材料の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%が、生理学的条件下で所望の期間(例えば、材料の性質及び生理学的適用に応じて、分、時間、日、週、又は月)内に分解することができる場合、材料は生分解性であるとみなすことができる。用語「生分解性」は、生理学的条件下で分解し、宿主対象に生分解される生成物(例えば、生化学的系の代謝産物として)に分解される物質を記述する、用語「生体吸収性」を包含することができる。
【0257】
生物学的に活性:本明細書で使用される場合、用語「生物学的に活性」は、生体系及び/又は生物体において活性を有する任意の物質又は材料の特徴を指す。例えば、生物に投与されるとき、その生物に生物学的効果を有する材料は、生物学的に活性であるとみなされる。
【0258】
化合物:本開示の化合物は、中間体又は最終化合物において発生する原子の同位体の全てを含む。「同位体」は、同じ原子番号であるが、原子核内の異なる数の中性子により異なる質量数を有する原子を指す。例えば、水素の同位体は、トリチウム及び重水素を含む。本開示の化合物及び塩は、溶媒又は水分子と組み合わせて、日常的な方法によって溶媒和物及び水和物を形成するように調製され得る。
【0259】
架橋:本明細書で使用される場合、用語「架橋」又は「架橋する」は、一つのポリマーユニットを別のポリマーユニットに連結する結合形成(例えば、共有結合形成)を指す。
【0260】
封入:本明細書で使用される場合、用語「封入」は、囲む、取り囲む、又は包むことを意味する。
【0261】
設計された:本明細書で使用される場合、本開示の実施形態は、構造的又は化学的であるかに関わらず、出発点又は天然分子とは異なる特徴又は特性を有するようにデザインされる場合、「設計され」ている。
【0262】
有効量:本明細書で使用される場合、用語、薬剤の「有効量」は、有益又は望ましい結果、例えば、臨床結果をもたらすのに十分な量であり、したがって、有効量は、それが適用されている状況に依存する。例えば、眼外傷又は障害を治療する薬剤を投与する文脈において、薬剤の有効量は、例えば、薬剤の投与せずに得られる応答と比較して、眼外傷又は障害の治療を達成するのに十分な量である。
【0263】
特徴:本明細書で使用される場合、「特徴」は、特性、特質、又は際立った要素を指す。
【0264】
インビトロ:本明細書で使用される場合、用語「インビトロ」は、生物体(例えば、動物、植物、又は微生物)内ではなく、人工環境、例えば、試験管又は反応容器、細胞培養、ペトリ皿などで発生する事象を指す。
【0265】
インビボ:本明細書で使用される場合、用語「インビボ」は、生物体(例えば、動物、植物、若しくは微生物又はその細胞若しくは組織)内で発生する事象を指す。
【0266】
修飾:本明細書で使用される場合、「修飾」とは、本開示の分子の変化した状態又は構造を指す。分子は、化学的、構造的、及び機能的に多くの方法で、修飾され得る。本明細書で使用される場合、本開示の実施形態は、構造的又は化学的であるかに関わらず、出発点又は天然分子とは異なる特徴又は特性を有するか又は保有する場合に、修飾されている。
【0267】
非ヒト動物:本明細書で使用される場合、「非ヒト動物」は、野生種及び家畜種を含む、ホモサピエンスを除く全ての動物(例えば、脊椎動物)を含む。非ヒト脊椎動物の例としては、以下に限定されないが、例えば、アルパカ、バンテン、バイソン、ラクダ、ネコ、ウシ、シカ、イヌ、ロバ、ガヤル、ヤギ、モルモット、ウマ、ラマ、ラバ、ブタ、ウサギ、トナカイ、ヒツジ水牛、及びヤクなどの哺乳類が挙げられる。非ヒト動物には、非ヒト霊長類が含まれる。
【0268】
薬学的に許容可能な:用語「薬学的に許容可能な」又は「治療的に許容可能な」は、妥当な利益/リスク比に見合った、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題又は合併症のない、健全な医学的判断の範囲内にある、ヒト及び動物の組織と接触して使用するのに適した、化合物、材料、組成物、及び/又は剤形を指すように本明細書で使用される。
【0269】
薬学的に許容可能な賦形剤:本明細書で使用される場合、「薬学的に許容可能な賦形剤」又は「治療的に許容可能な賦形剤」という用語は、本明細書に記載のポリマー組成物以外の成分(例えば、ポリマー化合物を懸濁又は溶解することができるビヒクル)を指し、対象において実質的に非毒性及び非炎症性の特性を有する。
【0270】
薬学的に許容可能な塩:本開示はまた、本明細書に記載の化合物の薬学的に許容される塩を含む。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容可能な塩」は、既存の酸又は塩基部分をその塩形態に変換することによって(例えば、遊離塩基基を適切な有機酸と反応させることによって)親化合物が修飾される、開示された化合物の誘導体を指す。薬学的に許容可能な塩の例は、以下に限定されないが、アミンなどの塩基性残基の鉱酸塩又は有機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩又は有機塩などを含む。代表的な酸付加塩には、アセテート、酢酸、アジペート、アルギネート、アスコルベート、アスパルテート、ベンゼンスルホネート、ベンゼンスルホン酸、ベンゾエート、ビスルフェート、ボレート、ブチレート、カンフォレート(camphorate)、カンファースルホネート、シトレート、シクロペンタンプロピオネート、ジグルコネート、ドデシルスルフェート、エタンスルホネート、フマレート、グルコヘプトネート、グリセロホスフェート、ヘミスルフェート、ヘプトネート、ヘキサノエート、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホネート、ラクトビオネート、ラクテート、ラウレート、ラウリルスルフェート、マレート、マレエート、マロネート、メタンスルホネート、2-ナフタレンスルホネート、ニコチネート、ニトレート、オレエート、オキサレート、パルミテート、パモエート、ペクチネート、ペルスルフェート、3-フェニルプロピオネート、ホスフェート、ピクレート、ピバレート、プロピオネート、ステアレート、スクシネート、スルフェート、タルトレート、チオシアネート、トルエンスルホネート、ウンデカノエート、バレレートなどが含まれる。代表的なアルカリ又はアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど、並びにアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどを含むがこれに限定されない非毒性アンモニウム、四級アンモニウム、及びアミンカチオンを含む。本開示の薬学的に許容可能な塩は、例えば、非毒性の無機酸又は有機酸から形成される親化合物の従来的な非毒性塩を含む。本開示の薬学的に許容可能な塩は、塩基性又は酸性部分を含有する親化合物から従来の化学的方法によって合成することができる。一般的に、このような塩は、これらの化合物の遊離酸又は遊離塩基形態を、水若しくは有機溶媒中、又は二つの混合物中で、化学量論量の適切な塩基又は酸と反応させることによって調製することができ、一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、又はアセトニトリルなどの非水性媒体を使用することができる。
【0271】
対象:本明細書で使用される場合、用語「対象」は、例えば、実験的、診断的、予防的、及び/又は治療目的のために本開示による組成物が投与され得る任意の生物体を指す。典型的な対象は、動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、及びヒトなどの哺乳類)及び/又は植物を含む。対象又は患者は、特定の疾患又は状態について、治療を求めている又は必要とすることが可能であり、治療を必要とし、治療を受けている、治療を受けることになる、又は訓練を受けた専門家によって治療を受けている。
【0272】
実質的に:本明細書で使用される場合、用語「実質的に」は、対象の特徴又は特性の全体又はほぼ全体範囲又は程度を呈する定性的状態を指す。当業者であれば、生物学的及び化学的現象が、完了すること、及び/若しくは完全な状態に進むこと、又は絶対的に結果を達成すること又は回避することはまれであることを理解するであろう。したがって、用語「実質的に」は、本明細書では、多くの生物学的及び化学的な現象に固有の完全性の潜在的な欠如を明示的に捉えるために使用される。同様に、用語「実質的に」の除外は、多くの生物学的及び化学的な現象に固有の完全性の同様の潜在的な欠如を排除するものではない。
【0273】
合成:用語「合成」は、人の手によって生成、調製、及び/又は製造されることを意味する。本開示のポリヌクレオチド若しくはポリペプチド、又は他の分子の合成は、化学的又は酵素的であり得る。
【0274】
治療剤:用語「治療剤」は、対象に投与された時、治療、診断、及び/若しくは予防効果を有し、並びに/又は望ましい生物学的及び/若しくは薬理学的効果を誘発する任意の薬剤を指す。
【0275】
治療する:本明細書で使用される場合、用語「治療する」は、特定の感染症、疾患、障害、及び/又は状態のうちの一つ又は複数の症状又は特徴の部分的又は完全な緩和、改善、回復、軽減、予防、発症の遅延、進行の阻害、重症度の低下、及び/若しくは発生率の低下を指す。治療は、疾患、障害、及び/又は状態に関連する病状を発症するリスクを減少させる目的で、疾患、障害、及び/若しくは状態の兆候を呈さない対象に、並びに/又は疾患、障害、及び/若しくは状態の初期兆候のみを呈する対象に投与され得る。
【0276】
当業者は、日常的な実験のみを使用して、本明細書に記述される本開示による特定の実施形態と多くの均等物を認識するか、又は確認するであろう。本開示の範囲は、上記の説明に限定されることを意図していない。
【0277】
特許請求の範囲において、相反する指示がない限り、又は文脈から明白でない限り、「a」、「an」、及び「the」などの冠詞は、一つ又は複数を意味し得る。グループの一つ又は複数のメンバー間に「又は」を含む請求項又は説明は、グループメンバーのうちの一つ、二つ以上、又は全てが、所与の生成物又はプロセスに存在するか、使用されるか、又はそれに関連する場合に、相反する指示がない限り又は文脈から明らかでない限り、満たされているとみなされる。本開示は、正にグループの一つのメンバーが、所与の生成物又はプロセスに存在する、使用される、又はそれに関連する、実施形態を含み得る。本開示は、二つ以上の、又は全グループメンバーが、所与の生成物又はプロセスに存在する、使用される、又はそれに関連する実施形態を含み得る。
【0278】
また、用語「含む」は、オープンであることを意図しており、追加の要素又はステップの包含を許容するが必須ではないことにも留意されたい。したがって、用語「含む」が本明細書で使用される場合、用語「からなる」も包含され、開示される。
【0279】
略語「例えば(e.g.)」は、ラテン語のexempli gratiaに由来し、本明細書では非限定的な例を示すために使用される。したがって、略語「例えば」は、「例えば(for example)」という用語と同義である。
【0280】
略語「すなわち(i.e.)」は、ラテン語のid estに由来し、本明細書では、非限定的な言い換え又は説明を示すために使用される。したがって、略語「すなわち(i.e.)」は、用語「すなわち(that is)」と同義である。
【0281】
範囲が与えられる場合、終点が含まれる。更に、別段の示唆又は本開示の文脈及び当業者の理解から別の方法で明らかでない限り、範囲として表される値は、文脈が明確に別段の示唆を示さない限り、本開示の異なる実施形態で言及される範囲内の任意の特定の値又は部分範囲を、範囲下限の単位の十分の一まで想定することができることが理解される。
【0282】
更に、従来技術に属する本開示の任意の特定の実施形態は、特許請求の範囲の任意の一つ又は複数から明示的に除外され得ることが理解されるべきである。こうした実施形態は、当業者に既知であるとみなされるため、除外が本明細書に明示的に記載されていない場合でも除外され得る。本開示の組成物の任意の特定の実施形態(例えば、任意の抗生物質、治療剤、又は活性成分、任意の製造方法、任意の使用方法など)は、何らかの理由により、先行技術の存在に関連するか否かにかかわらず、任意の一つ又は複数の請求項から除外することができる。
【0283】
使用された言葉は、限定というよりは説明の言葉であり、そのより広い態様における本開示の真の範囲及び精神から逸脱することなく、変更が添付の特許請求の範囲の範囲内で行われてもよいことが理解されるべきである。
【0284】
本開示は、いくつかの記載される実施形態に関して、いくらかの長さ及びいくらかの特殊性を伴って説明されてきたが、このような詳細若しくは実施形態、又は任意の特定の実施形態に限定されることを意図したものではなく、しかしながら、従来技術を考慮してそのような特許請求の範囲の可能な限り広い解釈を提供し、したがって本開示の意図する範囲を効果的に包含するように、添付の特許請求の範囲を参照して解釈されるものである。
【0285】
本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及びその他の参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。矛盾がある場合には、定義を含む本明細書が優先される。更に、セクション見出し、材料、方法、及び実施例は、例示に過ぎず、限定することを意図するものではない。
【実施例
【0286】
実施例1.前駆体ポリマー組成物の調製
(a)ゼラチンメタクリロイル(GelMA)前駆体ポリマー組成物の調製
GelMA前駆体ポリマー組成物は、当技術分野で記載されるように合成することができる。例えば、GelMAは、10%(w/v)のゼラチン(例えばブタゼラチン)をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に溶解し、次いで60℃で20分間加熱することによって合成される。加熱後、8%(v/v)のメタクリル酸無水物を50℃で3時間、(連続撹拌しながら)滴下で加え、続いてPBSで希釈し、40~50℃で約7日間(脱イオン水を使用して)透析する。得られた混合物を濾過し、4日間凍結乾燥させる。得られたGelMA前駆体ポリマー組成物は、更に使用するまで-80℃で保存することができる。
【0287】
一つの代替法では、GelMAは、10グラムの魚皮由来ゼラチンを100mlのダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)に60℃で30分間溶解することによって合成される。次いで、8%(v/v)のメタクリル酸無水物を、60℃で3時間、撹拌しながら溶液に滴下で加える。更に300mlのDPBSを添加して、反応を停止させる。得られた混合物を、脱イオン水浴を使用して50℃で約5日間透析し、未反応のメタクリル酸無水物を除去する。得られた溶液を濾過し、約4日間凍結乾燥させる。
【0288】
(b)メタクリル化ヒアルロン酸(MeHA)前駆体ポリマー組成物の調製
MeHA前駆体ポリマー組成物は、Bencherif et al.,Biomaterials 29、1739-1749(2008)、Prata et al.,Biomacromolecules 11、769-775(2010)に提示されているものなど、当技術分野で記載されるように合成することができる。例えば、MeHAは、約2グラムのヒアルロン酸ナトリウム塩を200mlの脱イオン水に溶解し、続いて、8.0mLのトリエチルアミン、8.0mLのメタクリル酸グリシジル、及び4.0gのテトラブチルアンモニウムブロミドを順次添加する(各順次添加の間に1時間の撹拌とともに)ことによって合成される。得られた混合物を、55℃で1時間インキュベートし、次いで冷却(氷浴)し、アセトン(4L)中で沈殿させて、白色の固体沈殿物を形成する。沈殿物を新鮮なアセトンですすぎ、純水に溶解し、2日間透析し、次いで凍結し、凍結乾燥させて保存する。
【0289】
(c)ポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)前駆体ポリマー組成物の調製
PEGDA前駆体ポリマー組成物は、当技術分野で記載されるように合成することができる。例えば、PEGDAは、ジクロロメタン中10グラム(10%w/v)のPEGを、不活性条件下で、4℃でトリエチルアミン及び塩化アクリロイル(1:4:4モル比)と反応させること(一晩撹拌)によって合成される。得られた混合物を濾過し、次いで氷冷エーテルを使用して沈殿させる。得られた沈殿生成物を濾過し、真空デシケーター中で一晩乾燥させて、残留物質を取り出す。
【0290】
一つの代替法では、PEGDAは、PEGジオールをベンゼン中に溶解し、その後、ディーン-スタークトラップを使用してトルエン中に共沸蒸留して水を除去し、乾燥アクリル化条件を確保することによって合成される。PEGのアクリル化は、PEGをジクロロメタン溶液中に溶解し(アルゴン下)、続いて塩化アクリロイル及びトリエチルアミンを、PEG:塩化アクリロイル:トリエチルアミンのOH基の2:3:3のモル比で添加することによって実施される。得られた混合物を、室温で一晩撹拌した(暗室条件)。次いで、得られた生成物を、ジエチルエーテルを使用して沈殿させ、4℃に冷却し、続いて濾過回収及び真空オーブン乾燥を行う。
【0291】
(d)メタクリル化トロポエラスチン(MeTro)前駆体ポリマー組成物の調製
MeTro前駆体ポリマー組成物は、当技術分野で記載されるように合成することができる。例えば、MeTroは、10gの合成ヒトエラスチンをDPBS(10%w/v)中に溶解し、続いて8%(v/v)のメタクリル酸無水物を滴下で加えることによって合成される。得られた溶液を、約5℃で12~14時間撹拌反応させる。追加のDPBSを(5℃で)加えて、反応を停止させる。得られた混合物を、脱イオン水浴を使用して5℃で約3日間透析し、未反応のメタクリル酸無水物を除去する。得られた溶液を濾過し、凍結し、凍結乾燥させ、次いで保存する。
【0292】
実施例2:ヒドロゲルポリマー組成物の調製
ヒドロゲルポリマー組成物は、当技術分野で記載されるように合成することができる。例えば、実施例1(a)に従って生成された凍結乾燥GelMA前駆体ポリマー組成物は、10~25%(w/v)の濃度でPBS中に溶解される。2-ヒドロキシ-4’-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-メチルプロピオフェノン又はエオシンY二ナトリウム塩のいずれかを光開始剤として添加し、混合物を80℃で溶解する。得られた前駆体ポリマー組成物は、可視光照射(例えば、青色光)で光架橋され、GelMAヒドロゲルポリマー組成物を形成する。一つの代替法では、MeHA前駆体ポリマー組成物〔実施例1(b)]、PEGDA前駆体ポリマー組成物〔実施例1(c)]、及び/又はMeTro前駆体ポリマー組成物〔実施例1(d)]の標的濃度を、前駆体ポリマー溶液に添加することができ、各エレメントの量は、ヒドロゲルポリマー組成物の所望の物理的、機械的、構造的、化学的及び/又は生物学的特性に基づいて添加される。
【0293】
一つの代替法では、GelMAヒドロゲルポリマー組成物は、まず、7~15%w/vの実施例1のゼラチンメタクリロイルを、室温で蒸留水中、トリエタノールアミン(約2%w/v)及びN-ビニルカプロラクタム(約1.25%w/v)の混合物などの少なくとも一つの光開始剤エレメントを含有する溶液に溶解することによって合成される。次いで、エオシンY二ナトリウム塩(0.5mM)の溶液をゼラチンメタクリロイル溶液に加え、得られた前駆体ポリマー組成物を可視光(420~480nm)への曝露下で120秒間光架橋させる。一つの代替法では、MeHA前駆体ポリマー組成物〔実施例1(b)]、PEGDA前駆体ポリマー組成物〔実施例1(c)]、及び/又はMeTro前駆体ポリマー組成物〔実施例1(d)]の標的濃度を、前駆体ポリマー溶液に添加することができ、各エレメントの量は、ヒドロゲルポリマー組成物の所望の物理的、機械的、構造的、化学的及び/又は生物学的特性に基づいて添加される。
【0294】
一つの代替法では、治療剤(例えば、シプロフロキサシンなどの眼用抗生物質)を含有する微粒子(例えばミセル)が、光架橋の前にGelMA前駆体ポリマー組成物に組み込まれる。
【0295】
多孔度は、凍結乾燥された金スパッタコーティングヒドロゲル試料を作製することによって測定及び分析することができ、その後、走査電子顕微鏡(SEM)を使用して画像化することができる。
【0296】
試料はまた、弾性、膨潤、圧縮試験、テクスチャ、及び張力試験を含む、様々な機械的試験に供することができる。
【0297】
一つの代替法では、GelMAヒドロゲルポリマー組成物は、標的組織の表面上に形成される。得られた試料は、接着力、破裂圧力、創傷閉鎖強度、せん断強度、及び耐久性/分解速度を含む、様々な機械的及び治療的試験に供され得る。
【0298】
実施例3:ヒドロゲルポリマー組成物の調製
ヒドロゲルポリマー組成物を、以下のステップに従って調製した。
【0299】
0.35mg/mLのエオシンY(20%v/v)、12.5mg/mLのN-ビニルカプロラクタム、及び18.75mg/mLのトリエタノールアミン(80%v/v)をリン酸緩衝生理食塩水(PBS;pH7)中に含み、必要に応じて濃HClを使用してpH調整した、光重合開始剤混合物を調製した。
【0300】
ポリマー前駆体は、以下の供給元から得られた:(1)GelMA-Rousselot Biosciences(160P80又はGelMA 160P40)、(2)HAMA-HTL Biotechnology(BLo-RD029-008)、(3)HAGM-当技術分野で公知の方法に従って社内で合成された(例えば、実施例1(b)を参照);及び(4)PEGDA-Jen Kem(ACLT-PEG35K-ACLT)。ポリマー前駆体は、ヒドロゲルポリマー前駆体組成物に組み込む前に、室温(RT)に到達させた。
【0301】
PEGDA前駆体材料(標的製剤に該当する場合)を、所望の濃度(例えば、0.1~20%w/v)で光重合開始剤混合物に最初に添加し、37℃で約5分間溶解させた。
【0302】
次いで、GelMA前駆体材料(標的製剤に該当する場合)を、所望の濃度(例えば、4-20%w/v)でヒドロゲル前駆体混合物に添加し、時折ボルテックスしながら60℃で約2時間溶解させた。
【0303】
次に、MeHA(すなわち、HAMA又はHAGM)前駆体材料(標的製剤に該当する場合)を、所望の濃度(例えば、1~3%w/v)でヒドロゲル前駆体混合物に添加し、(任意の相分離を防止するため)撹拌しながら60℃で一晩溶解させた。
【0304】
全ての前駆体材料がヒドロゲル前駆体混合物に完全に溶解されたら、活性薬剤(標的製剤に該当する場合)を所望の濃度(例えば、1~350mg/mL)で添加した。重合準備完了まで、混合物を37℃で撹拌下で維持した。
【0305】
ヒドロゲルディスク試料は、24ウェル未処理プレートのウェル内に配置された個々のポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)シリンダ状の型に、約100μLのヒドロゲル前駆体混合物をピペットで移すことによって調製した。次いで、ポリマー組成物を、デュアルアームグースネック構成(上に一アームと下に一アームがありそれによって上下からの二重光曝露が可能)を備えたDolan-Jenner高強度LED照明装置(MI-LED-US-B1)を使用して光架橋させた。各アームは、15秒から4分まで変化する光曝露時間で、約100mW/cm2(λmax=450、540nm)の平均光強度を出力する。
【0306】
ヒドロゲルロッド試料を、0.75mmの内径ホウケイ酸ガラス毛細管をヒドロゲル前駆体混合物に浸漬し、次いで開口部から約10mmまでが充填されるまで毛細管チューブを振動させることによって調製した。次いで、ポリマー組成物を、デュアルアームグースネック構成(上に一アームと下に一アームがありそれによって上下からの二重光曝露が可能)を備えたDolan-Jenner高強度LED照明装置(MI-LED-US-B1)を使用して光架橋させた。各アームは、約4分の光曝露時間で、約100mW/cm2(λmax=450、540nm)の平均光強度を出力する。ヒドロゲルロッドを、直径0.5mmの石英ロッドを使用して毛細管チューブから押し出し、次いでキャリパーを使用して所定のサイズに切断した。
【0307】
実施例4:ヒドロゲル特性の研究
a)架橋度-光重合時間
光重合時間の関数としてのヒドロゲル内の架橋度の相関関係を分析するための研究が完了した。
【0308】
HAMAのみのヒドロゲルを、実施例3の一般的な手順に従って、15秒、1分、2分、及び4分の光架橋時間で調製した。得られたヒドロゲルを真空下で乾燥させ、重水素化DMSO中に溶解し、次いでプロトンNMR分析(d-DMSO溶媒)を使用して分析した。フーリエ変換赤外線分光法(FTIR)及びラマン分光法などの他の技術も使用することができる。HAMAヒドロゲルについては、メタクリレートメチル基とHAカルボニルメチル基との間のプロトン比の変化を、光曝露時間の関数として定量化し、非架橋HAMAに存在する比に正規化して、架橋度(%)を表した。図4Aの結果は、光曝露時間が増加するにつれて、架橋度が増加することを示す。
【0309】
GelMAのみのヒドロゲルを、実施例3の一般的な手順に従って、30秒、1分、2分、及び4分の光架橋時間で調製した。得られたヒドロゲルを真空下で乾燥させ、重水素化DMSO中に溶解し、次いでプロトンNMR分析(d-DMSO溶媒)を使用して分析した。フーリエ変換赤外線分光法(FTIR)及びラマン分光法などの他の技術も使用することができる。GelMAヒドロゲルについては、架橋メチル基対非架橋リジンCH基の比を分析した。図4Bの結果は、光曝露時間が増加するにつれて架橋メチル基対非架橋リジンCH基]の比が減少することを示す。
【0310】
b)膨潤率
様々なGelMA、HAMA、及びPEGDA濃度を有するヒドロゲルの膨潤率を分析するための研究が完了した。
【0311】
G4-H1-P1、G7-H1、G4-H1、及びH1-P1ヒドロゲル(表1に記載される)を、実施例3の一般的な手順に従って、4分の光架橋時間で調製した。得られたヒドロゲルシリンダは、6mmの直径及び75μLの体積を有していた。
【0312】
膨潤を評価するために、二つの方法を採用した。第一の方法では、架橋直後のヒドロゲル重量を「乾燥」ヒドロゲル重量(Wd-1)として使用し、第二の方法では、乾燥ポリマー重量(真空中で乾燥されたヒドロゲル)を乾燥ヒドロゲル重量(Wd-2)として使用した。どちらの例においても、「湿潤」ヒドロゲル重量(Ws)は、1×PBS中、37℃で48時間インキュベートされたヒドロゲルを指す。膨潤率を以下のように計算した:
膨潤率=(Ws-Wd)/Wd
【0313】
第一の測定方法の結果は、図5Aに示すように、一貫性がない。第二の測定方法の結果は、図5Bに示すように、より一貫しており、GelMA濃度の増加がヒドロゲルの膨潤を低減させる上で重要な役割を果たしていることを示す。
【0314】
G4-H1-P1、G7-H1、G4-H1、及びH1-P1ヒドロゲルは、膨潤/再膨潤効果について研究された。第二の方法を使用して試料を乾燥させ、膨潤させた後、二回目の再乾燥及び再膨潤を行った。図5Cに提示された結果は、ヒドロゲルが複数の乾燥/膨張サイクルに曝露された場合、膨潤率が顕著に減少することを示す。
【0315】
G4-P1、G4-P0.1、G20、G10、G5、P20、及びP5ヒドロゲル(表1に記載される)を、実施例3の一般的な手順に従って、光架橋時間を4分で調製した。膨潤は、「乾燥」ヒドロゲル重量(Wd)として「乾燥」ポリマー重量(真空中で乾燥されたヒドロゲル)を、1×PBS中、37℃で48時間インキュベートされたヒドロゲルを指す「湿潤」ヒドロゲル重量(Ws)と使用して評価した。図5Dに提示された結果は、PEGDAの包含により膨潤質量が顕著に増加し、GelMA濃度の増加によりヒドロゲルの膨潤質量も増加することを示す。
【0316】
c)活性薬剤との膨潤率
活性薬剤を負荷し、様々なGelMA、HAMA、及びPEGDA濃度を有するヒドロゲルの膨潤率を分析するための研究が完了した。
【0317】
G4-H1-P1、G4-H1、G7-H1、H1-P1、G4-P1、及びG7-P1ヒドロゲル(表1に記載される)は、実施例3の一般的手順に従い、4分の光架橋時間であった。各ヒドロゲルの試料はまた、13.2mg/mLのコルチコステロイド活性薬剤で調製した。
【0318】
膨潤は、「乾燥」ヒドロゲル重量(Wd)として「乾燥」ポリマー重量(真空中で乾燥されたヒドロゲル)を、1×PBS中、37℃で48時間インキュベートされたヒドロゲルを指す「湿潤」ヒドロゲル重量(Ws)と使用して評価した。膨潤率を以下のように計算した:
膨潤率=(Ws-Wd)/Wd
【0319】
図6Aに提示された結果は、活性薬剤を負荷されたヒドロゲルは、一般的に高い膨潤率を有し、これは活性薬剤をゲルネットワークに組み込むことに関連して、ゲルネットワーク架橋破壊及び低い架橋密度に起因すると考えられることを示す。
【0320】
G4-H1-P1、G4-H1、G7-H1、H1-P1、G4-P1、及びG7-P1ヒドロゲル(活性薬剤を含む)もまた、膨潤/再膨潤効果について研究された。試料を乾燥させ、膨潤させた後、二回目の再乾燥及び再度膨潤を行った。図6Bに示された結果は、MeHAを含有するヒドロゲルの膨潤率は、ヒドロゲルが二回以上の乾燥/膨潤サイクルに曝露された場合顕著に減少するのに対し、GelMA+PEGDAのみを含有するヒドロゲルは、再膨潤の影響が最小限であることを示している。
【0321】
d)酵素分解
様々なGelMA、MeHA、及びPEGDA濃度を有するヒドロゲルの酵素分解安定性を分析するための研究が完了した。
【0322】
G4-H3-P1、G4-H1-P0.67、G4-H3、G4-H1、G7-H3、G7-H1、H3-P1、及びH1-P0.67ヒドロゲル(表1に記載される)を、実施例3の全般的手順に従って、4分の光架橋時間で調製した。次いで、試料を、ヒアルロニダーゼ(Hy)及びコラゲナーゼI型(C)又はコラゲナーゼII型(CII)のいずれかで、20U/mL又は2U/mLのいずれかで酵素消化した。結果としての分解時間を、表2に示す。
【表2】
【0323】
e)薬物放出
様々なGelMA、MeHA、及びPEGDA濃度を有するヒドロゲルの薬物放出速度を分析するための研究が完了した。
【0324】
G4-H1-P1及びG4-H3-P1ヒドロゲル(表1に記載)を、実施例3の一般的手順に従って、13.2mg/mLのコルチコステロイド活性薬剤を用いて、4分の光架橋時間で調製した。得られたヒドロゲルシリンダは、6mmの直径及び75μLの体積を有していた。
【0325】
放出研究では、涙液をシミュレートするために、ヒドロゲルを、2% Triton X-100で補充された1mLの1×PBS中で37℃で静的に(物理的撹拌なしで)インキュベートした。各時点(10~13日間にわたって)で、インキュベーション溶液を完全に除去し、新鮮な1×PBS+2%Triton X-100で置き換えた。コルチコステロイド放出を定量するために、試料をアセトニトリルで1:2に希釈し、逆相液体クロマトグラフィーを使用して分析した。Agilent Zorbax Eclipse(XDB-C18)4.6×250mm、5μmの分析カラムを、ダイオードアレイ検出器を装備したAgilent 1290 HPLCシステムで使用した。カラムを25℃、70%アセトニトリル、30%水で平衡化した。20μLの試料を注入した後、溶媒勾配は、10分の間で70%から90%のACNに増加した。ACN勾配が約80%に達したとき、コルチコステロイドは5分近くで溶出した。このピークを積分し、曲線下面積を使用して、それをコルチコステロイドの標準曲線と比較することによって濃度を決定した。図7Aに提示された結果は、より高い濃度のMeHAを含有するヒドロゲルが、より加速された放出プロファイルを提供することを示している。これらの結果は、ヒドロゲル中のより高い濃度のMeHAが、ヒドロゲルの膨潤の増加をもたらすことを示す対応する研究結果と相関している。
【0326】
膨潤率研究の結果に基づくと、ヒドロゲル中のMeHAの濃度が高くなると、ヒドロゲルの膨潤が増加し、その結果、活性薬剤のより加速されたバースト放出が生じる可能性が高い。MeHAの濃度が高くなると、前駆体溶液内でGelMAとの相分離が起こる可能性もあり、これによりゲルネットワークの不完全性(すなわち、より高い架橋密度及び低い架橋密度の領域)を引き起こし、その結果より高い初期バースト放出をもたらす可能性がある。
【0327】
G4-H1-P1の放出プロファイルは、35日間(図7B)及び65日間(図7C)まで継続された。G4-H1-P1の放出プロファイルもまた、G4-P1及びG7-P1(図7D)と比較され、やはりヒドロゲル中のMeHAの存在が、ヒドロゲルからの活性薬剤の放出速度を増加することを示した。
【0328】
f)真空乾燥
様々なGelMA、MeHA、及びPEGDA濃度を有するヒドロゲルの薬物放出速度に対する真空乾燥の影響を分析するための研究を完了した。
【0329】
G4-H1-P1、G4-P1、及びG7-P1ヒドロゲル(表1に記載される)を、実施例3の一般的手順に従って、13.2mg/mLのコルチコステロイド活性薬剤を用いて、4分の光架橋時間で調製した。次に、各ヒドロゲルからの試料を真空乾燥した。各ヒドロゲルについて湿潤及び乾燥サンプルを使用して放出試験を行い、その後、実施例3(e)の一般的な試験手順に従って完了した。G4-H1-P1ヒドロゲル(図8A)の結果は、MeHAを含有するヒドロゲルの放出プロファイルが、ヒドロゲルを真空乾燥させることによって低減され得ることを示しており、その結果ヒドロゲル製剤にMeHAを含めることにより、乾燥試料に対する放出プロファイルを低減させる一方で、代わりに乾燥しない試料における膨潤及び対応する放出プロファイルを増加させることができる。G4-P1及びG7-P1ヒドロゲル(図8B)の結果は、MeHAを含有しないGelMA+PEGDAヒドロゲルの放出プロファイルが、一般的にヒドロゲルの真空乾燥によって影響されないことを示す。
【0330】
g)ロッド対ディスク
GelMA、MeHA、及びPEGDAを含むヒドロゲルの薬物放出速度に対するヒドロゲル形状(すなわち、ロッド対ディスク)の影響を分析するための研究を完了した。
【0331】
G4-H1-P1ヒドロゲル(表1に記載される)を、ディスク及びロッドの両方として、13.2mg/mLのコルチコステロイド活性薬剤を用いて、実施例3の一般的な手順に従って、4分の光架橋時間で調製した。
【0332】
G4-H1-P1ヒドロゲルディスクは、直径(D)が6mm、体積(V)は75μL、表面積(SA)は107mmであり、SA:V比は1.4であった。
【0333】
G4-H1-P1ヒドロゲルロッドは、直径(D)は2mm、体積(V)は25μL、表面積(SA)は56mmであり、SA:V比は2.2であった。
【0334】
次いで、ロッドヒドロゲルからの試料を、真空乾燥又は凍結乾燥(すなわち、凍結乾燥)した。得られた湿潤試料及び乾燥試料を使用して放出研究を行い、その後、実施例3(e)の一般的な研究手順に従って完了する。総薬物放出(図9A)の結果は、シリンダディスクが活性薬剤のより大きな総放出を提供し(おそらく高表面積の結果として)、Rod湿潤、Rod凍結乾燥、及びRod乾燥は全て類似の放出総量を有することを示す。薬物放出パーセンテージ(図9B)の結果は、湿潤ヒドロゲル(シリンダディスク及びロッド)が、真空乾燥又は凍結乾燥ロッドヒドロゲルよりも高いパーセンテージの活性薬剤を放出することを示す。したがって、研究結果は、ヒドロゲルの膨潤特性、表面積(すなわち、形状)、及び水和状態が、ヒドロゲル組成物の薬物放出プロファイルにおいて重要な役割を果たすことを示した。
【0335】
h)架橋度-メタクリル化度
GelMA+PEGDAヒドロゲルの放出プロファイルと、ヒドロゲル内のGelMAのメタクリル化度との間の相関を分析するために研究を完了した。
【0336】
G4(160P80)-P1(2K)及びG4(160P40)-P1(35K)ヒドロゲル(表1に記載される)を、実施例3の一般的手順に従って、13.2mg/mLのコルチコステロイド活性薬剤を用いて、4分の光架橋時間で調製した。次いで、実施例3(e)の一般的な研究手順に従い、各試料をコラゲナーゼII 0.5U/mL条件及び非酵素標準条件に曝露して、放出研究を完了した。総薬物放出の結果(図10)は、GelMA中のより低い40%のDoMが、より高い80%のDoM GelMAヒドロゲルよりも速い放出プロファイルを提供することを示している。
【0337】
実施例4:化学修飾ゼラチンの研究
a)GelMA対GelAC-光重合時間
ゼラチン化学修飾と光重合時間(ゲルを固化するための光曝露の最小時間として定義される)との間の相関を分析するために、試験を完了した。試験サンプル及び結果を表3に示す。
【表3】
【0338】
試験結果は、GelAC(ゼラチンアクリロイル)対GelMAの濃度の増加が、最小ゲル化時間の減少(20秒から3~5秒)と相関することが示された。結果はまた、ゲル厚さの10倍の増加が、GelAC製剤のゲル化時間の2~3倍の増加をもたらしたため、架橋時間の変化がヒドロゲル厚さと直線的に関連しないことを示した。
【0339】
b)圧縮弾性率及び破裂圧力試験
いくつかのポリマー製剤のヒドロゲル圧縮弾性率及びインビトロ破裂圧力を分析するための試験を完了した。圧縮弾性率試験は、0.1mm/秒の線形圧縮を使用し、サンプル直径は5.0mm、厚さは2.5mmであった。300mL/時の流体流入を使用した破裂圧力試験
【0340】
圧縮弾性率試験サンプル及び試験結果を図 11A及び11Bに示す。試験結果は、GelMAポリマー濃度の増加が剛性の増加(すなわち、圧縮弾性率の低下)と相関し、ポリマー濃度が高くなると剛性が停滞し始めることを示した。化学修飾の程度の増加はまた、剛性を増加させた。GelACについては、より高いアクリル化率の剛性は、より低いアクリル化率の製剤と同等かそれより低かった。
【0341】
試験サンプル及びインビトロ破裂圧試験結果を図11C図11D、及び図11Eに示す。結果は、GelAC(ゼラチンアクリロイル)対GelMAの濃度の増加が、破裂圧力の増加と相関し、約2%GelAC(100%DOA)で破裂圧力が改善されたことを示した。結果はまた、約8%w/vのMeHA(126kDa)及び/又は約2.5%GelAC(15%DOA)の含有が、250mmHg以上の改善された破裂圧力を提供することを示した(図11E)。
c)インビトロヒドロゲル接着試験
いくつかのポリマー製剤のインビトロヒドロゲル接着を分析するための試験を完了した。インビトロヒドロゲル接着試験は、初代角膜上皮細胞単層の上及び下の両方で8日間にわたってウェル内で完了した。インビトロヒドロゲル接着試験サンプル及び試験結果を図12に示す。試験結果は、100%のアクリル化ゼラチン製剤が、PEGDAの有無にかかわらず、45%のアクリル化ゼラチン製剤と比較して、8日間の試験期間にわたって剥離しなかったことを示した。細胞単層生存率は、試験全体を通して維持された。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図12
【国際調査報告】