(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】対象者固有の血流動態反応関数の決定
(51)【国際特許分類】
A61B 5/055 20060101AFI20240925BHJP
【FI】
A61B5/055 382
A61B5/055 380
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516394
(86)(22)【出願日】2022-09-01
(85)【翻訳文提出日】2024-03-13
(86)【国際出願番号】 EP2022074297
(87)【国際公開番号】W WO2023041339
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ラメリッチ ルドルフ マティアス ヨハネス ニコラース
(72)【発明者】
【氏名】ルーフケンス ティミー ロベルトゥス マリア
(72)【発明者】
【氏名】ウェストリンク ジョアンヌ ヘンリエッテ デジレ モニーク
【テーマコード(参考)】
4C096
【Fターム(参考)】
4C096AA03
4C096AA04
4C096AC01
4C096AD06
4C096AD14
4C096BA06
4C096BA07
4C096BA42
4C096DC05
4C096DC19
4C096DC32
4C096DC33
(57)【要約】
医療システム100、300であって、機械実行可能命令120の実行が、脳ボリューム500についてのR2スターマップの時系列122を受信すること(200)と、感覚刺激の発生を記述する刺激信号124を受信すること(202)と、R2スターマップの時系列中で特定された1つ又は複数のシードボクセル126のセレクションを受信すること(204)と、R2スターマップのノイズ除去された時系列128を計算すること(206)と、シードボクセルとR2スターマップのノイズ除去された時系列との間の相関マップ130を計算すること208と、相関マップ中で特定されたボクセルを使用して脳ボリュームの活性化領域132を決定すること210と、各ボクセルと感覚刺激の各発生とについての血流動態反応134関数をもたらすこと212と、血流動態反応関数を平均化することによって対象者固有の血流動態反応関数136をもたらすこと214とを計算システム104に行わせる、医療システム100、300が本明細書で開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械実行可能命令を記憶するメモリと、
計算システムと
を備える医療システムであって、前記機械実行可能命令の実行が、
対象者の脳ボリュームについてのR2スターマップの時系列を受信することと、
前記対象者に繰り返し与えられる感覚刺激の発生を記述する刺激信号を受信することであって、前記刺激信号が前記R2スターマップの前記時系列に同期する、刺激信号を受信することと、
前記R2スターマップの前記時系列中で特定された1つ又は複数のシードボクセルのセレクションを受信することと、
前記R2スターマップの前記時系列に時間フィルタアルゴリズムを適用することによって前記R2スターマップのノイズ除去された時系列を計算することと、
前記1つ又は複数のシードボクセルの各ボクセルと前記R2スターマップのノイズ除去された前記時系列との間のピクセルごとの相関値を計算することによって、前記1つ又は複数のシードボクセルの各ボクセルについての相関マップを計算することと、
所定のしきい値を上回る前記1つ又は複数のシードボクセルの各ボクセルについての前記相関マップ中で特定されたボクセルを組み合わせることによって前記脳ボリュームの活性化領域を決定することと、
前記R2スターマップの前記時系列を前記刺激信号と整合させることによって、各ボクセルと、前記脳ボリュームの前記活性化領域中の前記感覚刺激の各発生とについての血流動態反応関数をもたらすことと、
各ボクセルと、前記脳ボリュームの前記活性化領域中の前記感覚刺激の各発生とについての前記血流動態反応関数を平均化することによって、対象者固有の血流動態反応関数をもたらすことと
を前記計算システムに行わせる、医療システム。
【請求項2】
前記機械実行可能命令の実行が、さらに、
各ボクセルと、前記脳ボリュームの前記活性化領域中の前記感覚刺激の各発生とについての前記血流動態反応関数の最大値の時間を計算することと、
各ボクセルと、前記脳ボリュームの前記活性化領域中の前記感覚刺激の各発生とについての前記血流動態反応関数の最大値の前記時間の統計特性を計算することと、
いずれかの血流動態反応関数が、前記統計特性を使用して決定された所定の基準を満たすことができなかった場合に、前記対象者固有の血流動態反応関数の計算からその血流動態反応関数を除外することと
を前記計算システムに行わせる、請求項1に記載の医療システム。
【請求項3】
各ボクセルと、前記脳ボリュームの前記活性化領域中の前記感覚刺激の各発生とについての前記血流動態反応関数の最大値の前記時間が、平滑化関数を使用して計算される、請求項2に記載の医療システム。
【請求項4】
前記機械実行可能命令の実行が、さらに、
前記対象者の前記脳ボリュームを記述するEPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの、前記刺激信号に同期する複数の収集を受信することと、
前記対象者の前記脳ボリュームを記述するT1重み付きk空間データを受信することと、
前記T1重み付きk空間データから前記脳ボリュームのT1重み付き画像を再構成することと、
EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの前記複数の収集の各エコーについてのT2スター重み付き画像を再構成することと、
EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの前記複数の収集の各エコーについてのT2スター重み付き画像と、前記脳ボリュームの前記T1重み付き画像とを互いに整合させる前処理を実行することによって、EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの前記複数の収集の各エコーについての整合させられた前記T2スター重み付き画像を計算することと、
EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの前記複数の収集の各エコーについての整合させられた前記T2スター重み付き画像に減衰曲線を適合させることによって、各ボクセルについての前記対象者の前記脳ボリュームについての前記R2スターマップの前記時系列を計算することと
を前記計算システムに行わせる、請求項1から3のいずれか一項に記載の医療システム。
【請求項5】
EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの前記複数の収集の各エコーについての整合させられた前記T2スター重み付き画像の前記計算が、EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの前記複数の収集の各エコーについての前記T2スター重み付き画像と、前記脳ボリュームの前記T1重み付き画像とを互いに整合させる前処理によって実行され、
EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの前記複数の収集のうちの選定された収集の第1のエコーに対応する選定された画像を前記T1重み付き画像と同時位置合わせすることと、
灰白質セグメンテーション、白質セグメンテーション、及び脳脊髄液セグメンテーションを生成するために前記T1重み付き画像をセグメント化することと、
選定された前記画像と前記T1重み付き画像との間の前記同時位置合わせを使用して、選定された前記画像に一致するように、前記T1重み付き画像、前記灰白質セグメンテーション、前記白質セグメンテーション、及び前記脳脊髄液セグメンテーションを再スライスすることと、
前記灰白質セグメンテーション、前記白質セグメンテーション、及び前記脳脊髄液セグメンテーションを使用して脳マスクを構築することと、
EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの前記複数の収集の各エコーについての前記T2スター重み付き画像を、選定された前記画像の対応する画像と再整合させることと
を含む、請求項4に記載の医療システム。
【請求項6】
前記対象者の前記脳ボリュームを記述する前記EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データが、3つのエコーについてのk空間データを有する、請求項4又は5に記載の医療システム。
【請求項7】
前記メモリが、さらに、EPIマルチエコーパルスシーケンスコマンドとT1重み付きパルスシーケンスコマンドとを記憶し、前記医療システムは、さらに、
磁気共鳴撮像システムと、
前記対象者に前記感覚刺激を与えるための刺激システムと
を備え、
前記機械実行可能命令の実行が、さらに、
前記T1重み付きパルスシーケンスコマンドを用いて前記磁気共鳴撮像システムを制御することによって、前記T1重み付きk空間データを収集することと、
前記EPIマルチエコーパルスシーケンスコマンドを用いて前記磁気共鳴撮像システムを制御することによって、EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの前記複数の収集を収集することと、
EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの前記複数の収集の前記収集中に前記刺激信号を用いて前記刺激システムを制御することと
を前記計算システムに行わせる、請求項1に記載の医療システム。
【請求項8】
前記刺激システムが視覚的刺激システムであり、前記脳ボリュームが視覚野を含む、請求項7に記載の医療システム。
【請求項9】
前記EPIマルチエコーパルスシーケンスコマンドがシングルショットEPIパルスシーケンスコマンドであり、前記EPIマルチエコーパルスシーケンスコマンドがマルチバンドパルスシーケンスコマンドである、請求項7又は8に記載の医療システム。
【請求項10】
前記機械実行可能命令の実行が、さらに、前記対象者固有の血流動態反応関数から、以下のパラメータ、すなわち、最大振幅、最大振幅までの時間、前記対象者固有の血流動態反応関数のFWHM、前記対象者固有の血流動態反応関数の歪度、前記対象者固有の血流動態反応関数の積分、初期最大上り勾配、最大下り勾配、及びそれらの組合せのうちのいずれか1つを計算することを前記計算システムに行わせる、請求項1から9のいずれか一項に記載の医療システム。
【請求項11】
前記機械実行可能命令の実行が、さらに、
前記対象者の脳の領域を記述する機能的磁気共鳴撮像k空間データを受信することと、
前記機能的磁気共鳴撮像k空間データと前記対象者固有の血流動態反応関数とを使用して機能的磁気共鳴画像を計算することと
を前記計算システムに行わせる、請求項1から10のいずれか一項に記載の医療システム。
【請求項12】
前記機械実行可能命令の実行が、さらに、
前記刺激信号を使用して前記R2スターマップからパーセンテージ変化マッピングを構築することと、
前記パーセンテージ変化マッピング内の所定のしきい値を上回るボクセルを探索することによって前記1つ又は複数のシードボクセルをもたらすことと
を前記計算システムに行わせる、請求項1から11のいずれか一項に記載の医療システム。
【請求項13】
R2スターマップの前記時系列がブロック関係R2スターマップを含み、前記機械実行可能命令の実行が、
休憩ブロックと刺激ブロックとの間の変化を計算することによって前記ブロック関係R2スターマップからパーセンテージ変化マッピングを構築することと、
前記パーセンテージ変化マッピング内の所定のしきい値を上回るボクセルを探索することによって前記1つ又は複数のシードボクセルをもたらすことと
によって、前記1つ又は複数のシードボクセルを特定することを前記計算システムに行わせる、請求項1から11のいずれか一項に記載の医療システム。
【請求項14】
医療撮像の方法であって、前記方法は、
対象者の脳ボリュームについてのR2スターマップの時系列を受信するステップと、
前記対象者に繰り返し与えられる感覚刺激の発生を記述する刺激信号を受信するステップであって、前記刺激信号が前記R2スターマップの前記時系列に同期する、刺激信号を受信するステップと、
前記R2スターマップの前記時系列中で特定された1つ又は複数のシードボクセルのセレクションを受信するステップと、
前記R2スターマップの前記時系列に時間フィルタアルゴリズムを適用することによって前記R2スターマップのノイズ除去された時系列を計算するステップと、
前記1つ又は複数のシードボクセルの各ボクセルと前記R2スターマップのノイズ除去された前記時系列との間のピクセルごとの相関値を計算することによって、前記1つ又は複数のシードボクセルの各ボクセルについての相関マップを計算するステップと、
所定のしきい値を上回る前記1つ又は複数のシードボクセルの各ボクセルについての前記相関マップ中で特定されたボクセルを組み合わせることによって前記脳ボリュームの活性化領域を決定するステップと、
前記R2スターマップの前記時系列を前記刺激信号と整合させることによって、各ボクセルと、前記脳ボリュームの前記活性化領域中の前記感覚刺激の各発生とについての血流動態反応関数をもたらすステップと、
各ボクセルと、前記脳ボリュームの前記活性化領域中の前記感覚刺激の各発生とについての前記血流動態反応関数を平均化することによって、対象者固有の血流動態反応関数をもたらすステップと
を有する、方法。
【請求項15】
計算システムによる実行のための機械実行可能命令を含むコンピュータプログラムであって、前記機械実行可能命令の実行が、
対象者の脳ボリュームについてのR2スターマップの時系列を受信することと、
前記対象者に繰り返し与えられる感覚刺激の発生を記述する刺激信号を受信することとであって、前記刺激信号が前記R2スターマップの前記時系列に同期する、刺激信号を受信することと、
前記R2スターマップの前記時系列中で特定された1つ又は複数のシードボクセルのセレクションを受信することと、
前記R2スターマップの前記時系列に時間フィルタアルゴリズムを適用することによって前記R2スターマップのノイズ除去された時系列を計算することと、
前記1つ又は複数のシードボクセルの各ボクセルと前記R2スターマップのノイズ除去された前記時系列との間のピクセルごとの相関値を計算することによって、前記1つ又は複数のシードボクセルの各ボクセルについての相関マップを計算することと、
所定のしきい値を上回る前記1つ又は複数のシードボクセルの各ボクセルについての前記相関マップ中で特定されたボクセルを組み合わせることによって前記脳ボリュームの活性化領域を決定することと、
前記R2スターマップの前記時系列を前記刺激信号と整合させることによって、各ボクセルと、前記脳ボリュームの前記活性化領域中の前記感覚刺激の各発生とについての血流動態反応関数をもたらすことと、
各ボクセルと、前記脳ボリュームの前記活性化領域中の前記感覚刺激の各発生とについての前記血流動態反応関数を平均化することによって、対象者固有の血流動態反応関数をもたらすことと
を前記計算システムに行わせる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能的磁気共鳴撮像に関し、特に血流動態反応関数(hemodynamic response function)に関する。
【背景技術】
【0002】
対象者の体内の画像を生成するための手順の一部として原子の核スピンを整合させるために、大きい静磁界が磁気共鳴撮像(MRI)スキャナによって使用される。この大きい静磁界はB0フィールド又は主磁界と呼ばれる。MRIを使用して対象者の様々な量又は特性を空間的に測定することができる。磁気共鳴データの収集を制御するために、パルスシーケンスを使用することによって様々な撮像プロトコルを実施することができ、そのような撮像プロトコルを使用して、対象者の様々な特性を測定することができる。
【0003】
例えば、機能的磁気共鳴撮像(fMRI)では、磁気共鳴撮像を使用して脳活動が測定される。一般的なタイプの機能的磁気共鳴撮像は血液酸素レベル依存型(blood-oxygen-level dependent)(BOLD)コントラスト法である。BOLD撮像は酸素化ヘモグロビンの特性と脱酸素化ヘモグロビンの特性とに依拠する。酸素化ヘモグロビンは常磁性であり、脱酸素化ヘモグロビンは反磁性である。したがって、T2スター重み付き(T2-star weighted)パルスシーケンスにより、脳内の血液の酸素化度の変化を検出することができる。BOLD信号は血流動態反応関数によって特徴づけられる。
【0004】
米国特許公報の米国特許出願公開第9,116,219(B1)号は、従来のエコープラナー撮像(EPI)と比較して、幾何学的な画像のひずみ及びぼけを低減し、血液酸素化レベル依存型(blood oxygenation level-dependent)(BOLD)感度を増加させるために、マルチスラブエコーボリューム撮像(EVI)、特に、マルチスラブ励起及びシングルショット3D符号化と並列撮像との組合せを使用する高速機能的磁気共鳴撮像のためのシステム及び方法を開示している。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、独立クレームにおいて医療システム、コンピュータプログラム、及び方法を提供する。実施形態は従属クレームにおいて与えられる。
【0006】
機能的磁気共鳴撮像(fMRI)を実行する際の欠点は、現在の臨床技法が定数の血流動態反応関数を仮定していることである。実施形態は、本明細書で開示する、対象者固有の血流動態反応関数を迅速かつ正確に決定する手段を提供する。対象者固有の血流動態反応関数はいくつかの利益を有する。第1に、対象者固有の血流動態反応関数は、同じ対象者に関する後続のfMRI研究の精度を改善するために使用される。別の利点は、本明細書で示すように、血流動態反応関数が個人によって異なり、診断検査として有用であることである。
【0007】
一態様では、本発明は、機械実行可能命令を記憶するメモリと、計算システムとを備える医療システムを提供する。計算システムは異なる構成中に組み込むことができる。例えば、一例では、計算システムは、例えば、処理又は画像処理サービスを提供するクラウドベースのシステムとして、インターネット又は他のネットワークシステムを介して利用可能である。他の例では、計算システムは、放射線科医又は他の医療専門家によって使用されるワークステーション又は他のコンピュータシステムであり得る。また他の例では、計算システムは、磁気共鳴撮像システムのための制御システムであり得るか、或いは、磁気共鳴撮像システムのための制御システム中に組み込まれるか、又はそのような制御システムのモジュールであり得る。
【0008】
機械実行可能命令の実行は、対象者の脳ボリュームについてのR2スターマップの時系列を計算システムに受信させる。R2スターマップの時系列は対象者の脳ボリューム内のR2スター値のマッピングである。このマップは、時系列として与えられるか、又は、時間的に連続して提示されるこれらのマップの連続として与えられる。機械実行可能命令の実行は、さらに、対象者に繰り返し与えられる感覚刺激の発生を記述する刺激信号を計算システムに受信させる。刺激信号はR2スターマップの時系列に同期する。感覚刺激は、対象者の刺激を活性化する、対象者に与えられる刺激である。感覚刺激は、対象者が精神的に反応する受動的なものであるので、これは、R2スター値を決定するのに有用である。例えば、機能的磁気共鳴撮像研究において、対象者は、精神的なタスクを実行することを課されることがある。しかしながら、感覚刺激は、対象者に与えられ、精神的な労力又は思考を必要としない、聴覚的又は視覚的な信号のようなものである。
【0009】
機械実行可能命令の実行は、さらに、R2スターマップの時系列中で特定された1つ又は複数のシードボクセルのセレクションを計算システムに受信させる。1つ又は複数のシードボクセルは、例えば、感覚刺激によって活性化されるものとして特定された脳ボリュームの部分である。選択は、例えば、自動システムによって、又はオペレータの選択によって行われ得る。機械実行可能命令の実行は、さらに、R2スターマップの時系列に時間フィルタアルゴリズムを適用することによってR2スターマップのノイズ除去された時系列を計算システムに計算させる。例えば、特定のボクセル中のR2スターの値は時間の関数として見ることができる。この時系列は、時間フィルタを使用してノイズ除去することができる。デジタルフィルタ処理アルゴリズム、又は特定のボクセルについてのR2スター値にスプラインを適合させることと同じくらい簡単なものが適用される。
【0010】
機械実行可能命令の実行は、さらに、1つ又は複数のシードボクセルの各ボクセルと、R2スターマップのノイズ除去された時系列との間のピクセルごとの計算値を計算することによって、1つ又は複数のシードボクセルの各ボクセルについての相関マップを計算システムに計算させる。すなわち、1つ又は複数のシードボクセルの各々について、そのボクセルとR2スターマップ中のすべての他のボクセルとの間の相関マップが計算される。これは、例えば、相関係数を計算することによって達成される。特定のボクセルごとに、R2スター値の時系列がある。相関係数は、1つ又は複数のシードボクセルの各ボクセルを用いて、各ボクセルについてのR2スター値の時間信号について計算される。
【0011】
機械実行可能命令の実行は、さらに、所定のしきい値を上回る1つ又は複数のシードボクセルのボクセルの各々についての相関マップ中で特定されたボクセルを組み合わせることによって脳ボリュームの活性化領域を計算システムに決定させる。例えば、1つ又は複数のシードボクセルの各々について、そのシードボクセルと脳ボリュームの他のボクセルとの間の相関マップがある。これらの相関マップの各々がしきい値化され、次いで組み合わせられ得る。これにより、感覚刺激によって活性化された脳内の領域が無視されないことが保証される。
【0012】
機械実行可能命令の実行は、さらに、R2スターマップの時系列を刺激信号と整合させることによって、各ボクセルと、脳ボリュームの活性化領域中の感覚刺激の各発生についての血流動態反応関数を計算システムに与えさせる。活性化領域は、1つ又は複数のシードボクセルと相関関係にあることが示された脳ボリュームの部分である。活性化領域中のボクセルは、次いで、血流動態反応関数を計算するために使用される。刺激信号は、対象者に感覚刺激が与えられたときにはいつでもそのことを示す。これは、活性化領域中の各ボクセルについてのR2スターマップの時間信号を取り、これらの個々の反応関数を一緒に整合させるために使用される。
【0013】
機械実行可能命令の実行は、さらに、脳ボリュームの活性化領域中の感覚刺激の各発生時の各ボクセルについての血流動態反応関数を平均化することによって、対象者固有の血流動態反応関数をもたらすことを計算システムに行わせる。各ボクセルについて、感覚刺激が発生するたびに、血流動態反応関数を記述するデータが生じる。対象者固有の血流動態反応関数は、活性化領域中の各ボクセルについての感覚刺激の各発生についてのすべての血流動態反応関数を収集し、次いで、それらの血流動態反応関数を平均化することによって計算される。
【0014】
この実施形態は、対象者を評価するために使用される対象者固有の血流動態反応関数をもたらすという利点を有する。対象者固有の血流動態反応関数は、人によって、並びにその人の健康状態によって異なり得る。対象者固有の血流動態反応関数を有することはまた、他の機能的磁気共鳴撮像研究の実行をより正確にすることを可能にするので、極めて有用である。一般に、機能的磁気共鳴撮像中に、血流動態反応関数は特定の値を有することが仮定される。後で実証するように、これが当てはまらず、個人間に非常に大きいばらつきがあり得る。このばらつきを使用して、医師にとって有用である情報を研究又は提供することができ、並びに、先に述べたように、他の研究においてより正確な機能的磁気共鳴撮像を提供することができる。
【0015】
別の実施形態では、機械実行可能命令の実行は、さらに、各ボクセルについての、及び脳ボリュームの活性化領域中の感覚刺激の各発生についての、各々の血流動態反応関数の最大値の時間を計算することを計算システムに行わせる。機械実行可能命令の実行は、さらに、各ボクセルについての、及び脳ボリュームの活性化領域中の感覚刺激の各発生についての、各々の血流動態反応関数の最大値の時間の統計特性を計算することを計算システムに行わせる。
【0016】
機械実行可能命令の実行は、さらに、いずれかの血流動態反応関数が、統計特性を使用して決定された所定の基準を満たすことができなかった場合に、対象者固有の血流動態反応関数の計算からその血流動態反応関数を除外することを計算システムに行わせる。これは、例えば、異常データを除外するために使用される。例えば、人間が動くことがあり、或いは、データの一部が使用できないか又は関係しないことがある。統計特性は、例えば、平均値、又は一定数の標準偏差、又はヒストグラムからのウィンドウであり得る。これは、対象者固有の血流動態反応関数の推定値の品質を改善するための便利な手段をもたらす。
【0017】
別の実施形態では、脳ボリュームの活性化領域中の感覚刺激の各発生における各ボクセルについての各々の血流動態反応関数の最大値の時間が、平滑化関数を使用して計算される。例えば、デジタルフィルタ又は曲線が平滑化関数として適合させられ、使用される。例えば、最大値のより良い推定値をもたらすために、個々の血流動態反応関数の各々にスプラインが適合させられる。
【0018】
別の実施形態では、機械実行可能命令は、さらに、対象者の脳ボリュームを記述するEPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの複数の収集を受信することを計算システムに行わせる。複数の収集は刺激信号に同期する。機械実行可能命令の実行は、さらに、対象者の脳ボリュームを記述するT1重み付きk空間データを受信することを計算システムに行わせる。機械実行可能命令の実行は、さらに、T1重み付きk空間データから脳ボリュームのT1重み付き画像を再構成することを計算システムに行わせる。機械実行可能命令の実行は、さらに、EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの複数の収集の各エコーについてのT2スター重み付き画像を再構成することを計算システムに行わせる。
【0019】
機械実行可能命令の実行は、さらに、EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの複数の収集の各エコーについてのT2スター重み付き画像と、脳ボリュームのT1重み付き画像とを互いに整合させる前処理を実行することによって、EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの複数の収集の各エコーについての整合させられたT2スター重み付き画像を計算することを計算システムに行わせる。例えば、T2スター重み付きk空間データの収集の過程中に、対象者が動くことがある。脳ボリュームのT1重み付きk空間データ及び得られたT1重み付き画像、又はT2スター重み付き画像のうちの1つが、この動きを補正するための基準として使用される。
【0020】
機械実行可能命令の実行は、さらに、EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの複数の収集の各エコーについての整合させられたT2スター重み付き画像に曲線を適合させることによって、各ボクセルについての対象者の脳ボリュームについてのR2スターマップの時系列を計算することを計算システムに行わせる。複数のエコーについてのデータを使用して、各ボクセルについて減衰率を計算し、それによってR2スター値を計算する。これは、それが特定のボクセルについてのR2スター値の極めて正確な推定値をもたらすので、有利である。
【0021】
別の実施形態では、EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの複数の収集の各エコーについての整合させられたT2スター重み付き画像の計算は、EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの複数の収集の各エコーについてのT2スター重み付き画像と、脳ボリュームのT1重み付き画像とを互いに整合させる前処理によって実行され、以下のステップを有し、第1のステップは、EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの複数の収集のうちの選定された収集の第1のエコーに対応する選定された画像をT1重み付き画像に同時位置合わせすることである。次のステップは、灰白質セグメンテーション、白質セグメンテーション、及び脳脊髄液セグメンテーションを生成するためにT1重み付き画像をセグメント化することである。
【0022】
次のステップにおいて、選定された画像とT1重み付き画像との間の同時位置合わせを使用して、選定された画像に一致するように、T1重み付き画像、並びに灰白質セグメンテーション、白質セグメンテーション、及び脳脊髄液セグメンテーションが再スライスされる。このようにして、データセットはすべて空間的に整合させられる。次のステップにおいて、灰白質セグメンテーション、白質セグメンテーション、及び脳脊髄液セグメンテーションを使用して脳マスクが構築される。最後のステップにおいて、EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの複数の収集の各エコーについてのT2スター重み付き画像が、選定された画像の対応する画像と再整合させられる。脳マスクは、分析において無視される領域を決定するために使用される。
【0023】
別の実施形態では、対象者の脳ボリュームを記述するEPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データは、3つのエコーについてのk空間データを有する。3つのエコーの使用は、それがT2スター又はR2スター値の正確な決定をもたらすので、有益である。2つのエコーのみを使用すると、T2スター値の測定が不正確になることがある。4つのエコーを使用すると、推定値を著しくは改善しないが、かなり長い時間がかかることがある。
【0024】
別の実施形態では、メモリは、さらに、EPIマルチエコーパルスシーケンスコマンドとT1重み付きパルスシーケンスコマンドとを記憶する。医療システムは磁気共鳴撮像システムをさらに備える。医療システムは、対象者に感覚刺激を与えるための刺激システムをさらに備える。これは、例えば、対象者に視覚的刺激を与えるディスプレイ又はプロジェクタであり得る。他の例では、刺激システムは、聴覚又はスピーカー又はヘッドフォンシステムによって与えられる。また他の例では、感覚刺激は触覚的刺激である。
【0025】
機械実行可能命令の実行は、さらに、T1重み付きパルスシーケンスコマンドを用いて磁気共鳴撮像システムを制御することによって、T1重み付きk空間データを収集することを計算システムに行わせる。機械実行可能命令の実行は、さらに、EPIマルチエコーパルスシーケンスコマンドを用いて磁気共鳴撮像システムを制御することによって、EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの複数の収集を収集することを計算システムに行わせる。最後に、機械実行可能命令の実行は、さらに、EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの複数の収集の収集中に刺激信号を用いて刺激システムを制御することを計算システムに行わせる。いくつかの例では、k空間データ又は他の場所に、或いは、刺激信号をT2スター重み付きk空間データの収集と同期させるために使用されるクロック情報に記録されたメタデータがある。
【0026】
別の実施形態では、刺激システムは視覚的刺激システムである。脳ボリュームは視覚野(cortex)を含む。刺激システムによって与えられる刺激信号は例ごとに異なり得る。場合によっては、刺激信号中のイベントのタイミングは、刺激が発生するときを人間が数える又は予想するのを防ぐためにランダムに変動させられる。
【0027】
別の実施形態では、EPIマルチエコーパルスシーケンスコマンドはシングルショットEPIパルスシーケンスコマンドである。EPIマルチエコーパルスシーケンスコマンドはマルチバンドパルスシーケンスコマンドである。これには、T2スター重み付きk空間データがより迅速に収集されるという利点がある。
【0028】
別の実施形態では、機械実行可能命令の実行は、さらに、対象者固有の血流動態反応関数から、以下のパラメータ、すなわち、最大振幅、最大振幅までの時間、対象者固有の血流動態反応関数のFWHM又は半値全幅(full width at half maximum)、対象者固有の血流動態反応関数の歪度(skewedness)、対象者固有の血流動態反応関数の積分、初期最大上り勾配、最大下り勾配、及びそれらの組合せのうちのいずれか1つを計算することを計算システムに行わせる。これらのパラメータのすべてが、場合によっては対象者を記述する診断情報をもたらすのに有用である。
【0029】
別の実施形態では、機械実行可能命令の実行は、さらに、対象者の脳の領域を記述する機能的磁気共鳴撮像k空間データを受信することを計算システムに行わせる。機械実行可能命令の実行は、さらに、機能的磁気共鳴撮像k空間データと対象者固有の血流動態反応関数とを使用して機能的磁気共鳴画像を計算することを計算システムに行わせる。この実施形態では、対象者固有の血流動態反応関数を使用して、従来の機能的磁気共鳴画像を分析又は再構成した。従来は、血流動態反応関数のための特定の値が使用されるので、これは有利である。しかしながら、この関数は人によって異なることがあるので、この場合は当てはまらない。この実施形態はより高品質の及び/又はより正確な機能的磁気共鳴画像を提供する。
【0030】
別の実施形態では、機械実行可能命令の実行は、さらに、刺激信号を使用してR2スターマップからパーセンテージ変化マッピングを構築することを計算システムに行わせる。機械実行可能命令の実行は、さらに、パーセンテージ変化マッピング内の所定のしきい値のボクセルを探索することによって1つ又は複数のシードボクセルをもたらすことを計算システムに行わせる。この実施形態では、イベント固有のデータを使用してシードボクセルを探索する。
【0031】
別の実施形態では、R2スターマップの時系列はブロック関係R2スターマップを含む。ブロック関係機能的磁気共鳴撮像において、休憩周期を間に挟んだ時間期間にわたって、対象者に対して刺激が与えられる。これは、特定の刺激によって活性化される脳の特定の領域を特定する際に有用である。この実施形態では、ブロック関係R2スターマップはそのような時間期間にわたるマップである。機械実行可能命令の実行は、さらに、休憩ブロックと刺激ブロックとの間の変化を計算することによってブロック関係R2スターマップからパーセンテージ変化マッピングを構築することによって、1つ又は複数のシードボクセルを特定することを計算システムに行わせる。機械実行可能命令の実行は、さらに、パーセンテージ変化マッピング内の所定のしきい値を上回るボクセルを探索することによって1つ又は複数のシードボクセルをもたらすことによって、1つ又は複数のシードボクセルを特定することを計算システムに行わせる。これはまた、最も高い値をもつ一定数のボクセルを探索することに相当する。
【0032】
別の態様では、本発明は医療撮像の方法を提供する。本方法は、対象者の脳ボリュームについてのR2スターマップの時系列を受信するステップを有する。本方法は、さらに、対象者に繰り返し与えられる感覚刺激の発生を記述する刺激信号を受信するステップを有する。刺激信号はR2スターマップの時系列に同期する。本方法は、さらに、R2スターマップの時系列中で特定された1つ又は複数のシードボクセルのセレクションを受信するステップを有する。本方法は、さらに、R2スターマップの時系列に時間フィルタアルゴリズムを適用することによってR2スターマップのノイズ除去された時系列を計算するステップを有する。本方法は、さらに、1つ又は複数のシードボクセルの各ボクセルとR2スターマップのノイズ除去された時系列との間のピクセルごとの相関値を計算することによって、1つ又は複数のシードボクセルの各ボクセルについての相関マップを計算するステップを有する。本方法は、さらに、所定のしきい値を上回る1つ又は複数のシードボクセルの各ボクセルについての相関マップ中で特定されたボクセルを組み合わせることによって脳ボリュームの活性化領域を決定するステップを有する。
【0033】
本方法は、さらに、R2スターマップの時系列を刺激信号と整合させることによって、脳ボリュームの活性化領域中の感覚刺激の各発生における各ボクセルについての血流動態反応関数をもたらすステップを有する。本方法は、さらに、各ボクセルについての血流動態反応関数と、脳ボリュームの活性化領域中の感覚刺激の各発生についての血流動態反応関数を平均化することによって、対象者固有の血流動態反応関数をもたらすステップを有する。この実施形態の利点については前に説明した。
【0034】
別の態様では、本発明は、計算システムによる実行のための機械実行可能命令を含むコンピュータプログラムを提供する。コンピュータプログラムは、例えば、非一時的記憶媒体など、メモリ又は記憶デバイスに記憶される。
【0035】
機械実行可能命令の実行は、対象者の脳ボリュームについてのR2スターマップの時系列を受信することを計算システムに行わせる。機械実行可能命令の実行は、さらに、対象者に繰り返し与えられる感覚刺激の発生を記述する刺激信号を受信することを計算システムに行わせる。刺激信号はR2スターマップの時系列に同期する。機械実行可能命令の実行は、さらに、R2スターマップの時系列中で特定された1つ又は複数のシードボクセルのセレクションを受信することを計算システムに行わせる。機械実行可能命令の実行は、さらに、R2スターマップの時系列に時間フィルタアルゴリズムを適用することによってR2スターマップのノイズ除去された時系列を計算することを計算システムに行わせる。
【0036】
機械実行可能命令の実行は、さらに、1つ又は複数のシードボクセルの各ボクセルとR2スターマップのノイズ除去された時系列との間のピクセルごとの相関値を計算することによって、1つ又は複数のシードボクセルの各ボクセルについての相関マップを計算することを計算システムに行わせる。機械実行可能命令の実行は、さらに、所定のしきい値を上回る1つ又は複数のシードボクセルの各ボクセルについての相関マップ中で特定されたボクセルを組み合わせることによって脳ボリュームの活性化領域を決定することを計算システムに行わせる。
【0037】
機械実行可能命令の実行は、さらに、R2スターマップの時系列を刺激信号と整合させることによって、脳ボリュームの活性化領域中の感覚刺激の各発生における各ボクセルについての血流動態反応関数をもたらすことを計算システムに行わせる。機械実行可能命令の実行は、さらに、脳ボリュームの活性化領域中の感覚刺激の各発生における各ボクセルについての血流動態反応関数を平均化することによって、対象者固有の血流動態反応関数をもたらすことを計算システムに行わせる。この実施形態の利点については前に説明した。
【0038】
本発明の上述の実施形態のうちの1つ又は複数は、組み合わせられる実施形態が相互排他的でない限り、組み合わせられ得ることを理解されたい。
【0039】
当業者によって諒解されるように、本発明の態様は、装置、方法又はコンピュータプログラム製品として実施され得る。したがって、本発明の態様は、完全にハードウェアの実施形態、(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)完全にソフトウェアの実施形態、或いは、すべて一般に、本明細書で「回路」、「モジュール」又は「システム」と呼ぶ、ソフトウェア態様とハードウェア態様とを組み合わせた実施形態の形態を取り得る。さらに、本発明の態様は、それの上で実施されるコンピュータ実行可能コードを有する1つ又は複数のコンピュータ可読媒体中で実施されるコンピュータプログラム製品の形態を取り得る。
【0040】
1つ又は複数のコンピュータ可読媒体の任意の組合せが利用され得る。コンピュータ可読媒体はコンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であり得る。本明細書で使用する「コンピュータ可読記憶媒体」は、計算デバイスのプロセッサ又は計算システムによって実行可能である命令を記憶する任意の有形記憶媒体を包含する。コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータ可読非一時的記憶媒体と呼ばれることがある。コンピュータ可読記憶媒体は有形コンピュータ可読媒体と呼ばれることもある。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体はまた、計算デバイスの計算システムがアクセスすることが可能であるデータを記憶することが可能である。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、限定はしないが、フロッピーディスク、磁気ハードディスクドライブ、ソリッドステートハードディスク、フラッシュメモリ、USBサムドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、光ディスク、光磁気ディスク、及び計算システムのレジスタファイルがある。光ディスクの例としては、コンパクトディスク(CD)及びデジタル多用途ディスク(DVD)、例えば、CD-ROMディスク、CD-RWディスク、CD-Rディスク、DVD-ROMディスク、DVD-RWディスク、又はDVD-Rディスクがある。コンピュータ可読記憶媒体という用語は、ネットワーク又は通信リンクを介してコンピュータデバイスがアクセスすることが可能な様々なタイプの記録媒体をも指す。例えば、データは、モデムを介して、インターネットを介して、又はローカルエリアネットワークを介して取り出される。コンピュータ可読媒体上で実施されるコンピュータ実行可能コードは、限定はしないが、ワイヤレス、ワイヤライン、光ファイバケーブル、RFなど、又は上記の任意の好適な組合せを含む、任意の適切な媒体を使用して送信される。
【0041】
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンド内の、又は搬送波の一部としての、それの中で実施されるコンピュータ実行可能コードをもつ伝搬データ信号を含む。そのような伝搬信号は、限定はしないが、電磁信号、光信号、又はそれらの任意の好適な組合せを含む、様々な形式のいずれかを取り得る。コンピュータ可読信号媒体は、命令実行システム、装置、又はデバイスによって、或いはそれらとともに使用するためのプログラムを通信、伝搬、又は移送することができる、コンピュータ可読記憶媒体でない任意のコンピュータ可読媒体であり得る。
【0042】
「コンピュータメモリ」又は「メモリ」はコンピュータ可読記憶媒体の一例である。コンピュータメモリは、計算システムに直接アクセス可能である任意のメモリである。「コンピュータストレージ」又は「ストレージ」はコンピュータ可読記憶媒体のさらなる例である。コンピュータストレージは任意の不揮発性コンピュータ可読記憶媒体である。いくつかの実施形態では、コンピュータストレージはコンピュータメモリでもあり、コンピュータメモリはコンピュータストレージでもあり得る。
【0043】
本明細書で使用する「計算システム」は、プログラム又は機械実行可能命令又はコンピュータ実行可能コードを実行することが可能である電子的構成要素を包含する。「計算システム」の例を含む計算システムへの言及は、場合によっては2つ以上の計算システム又は処理コアを含んでいるものとして解釈されるべきである。計算システムは、例えばマルチコアプロセッサである。計算システムはまた、単一のコンピュータシステム内にある、又は複数のコンピュータシステムの間で分散された、計算システムの集合を指すことがある。計算システムという用語はまた、場合によっては、各々がプロセッサ又は計算システムを含む計算デバイスの集合又はネットワークを指すように解釈されるべきである。機械実行可能コード又は命令は、同じ計算デバイス内にある、又はさらには複数の計算デバイスにわたって分散された、複数の計算システム又はプロセッサによって実行され得る。
【0044】
機械実行可能命令又はコンピュータ実行可能コードは、プロセッサ又は他の計算システムに本発明の態様を実行させる命令又はプログラムを含む。本発明の態様のための動作を実行するためのコンピュータ実行可能コードは、Java、Smalltalk、C++など、オブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語など、従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組合せで書かれ、コンパイルされて機械実行可能命令になる。いくつかの事例では、コンピュータ実行可能コードは、高水準言語の形態又はプリコンパイルされた形態であり、オンザフライで機械実行可能命令を生成するインタープリタとともに使用される。他の事例では、機械実行可能命令又はコンピュータ実行可能コードはプログラマブル論理ゲートアレイのためのプログラミングの形態である。
【0045】
コンピュータ実行可能コードは、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、ユーザのコンピュータ上で全体的に、又はユーザのコンピュータ上で部分的に実行するか、或いは、一部はユーザのコンピュータ上で、一部はリモートコンピュータ上で実行するか、又はリモートコンピュータ若しくはサーバ上で全体的に実行する。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されるか、或いは、接続は、(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)外部コンピュータに対して行われる。
【0046】
本発明の態様について、本発明の実施形態による方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照しながら説明する。フローチャート、図、及び/又はブロック図の各ブロック又はブロックの一部分は、適用可能なときに、コンピュータ実行可能コードの形態のコンピュータプログラム命令によって実施することができることを理解されたい。さらに、相互排他的でないときに、異なるフローチャート、図、及び/又はブロック図中のブロックの組合せが組み合わせられ得ることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置の計算システムを介して実行する命令が、フローチャート中で指定された機能/行為及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックを実施するための手段を作成するように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は機械を生成するための他のプログラマブルデータ処理装置の計算システムに与えられる。
【0047】
これらの機械実行可能命令又はコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ可読媒体に記憶された命令が、フローチャート中で指定された機能/行為及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックを実施する命令を含む製品を生成するように、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスに、特定の様式で機能するように指示することができるコンピュータ可読媒体に記憶され得る。
【0048】
機械実行可能命令又はコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ又は他のプログラマブル装置上で実行する命令が、フローチャート中で指定された機能/行為及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックを実施するためのプロセスをもたらすように、コンピュータ実装プロセスを生成するようにコンピュータ、他のプログラマブル装置又は他のデバイス上で動作ステップのシリーズを実行させるために、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイス上にロードされ得る。
【0049】
本明細書で使用する「ユーザインターフェース」は、ユーザ又はオペレータがコンピュータ又はコンピュータシステムと対話することを可能にするインターフェースである。「ユーザインターフェース」は「ヒューマンインターフェースデバイス」と呼ばれることもある。ユーザインターフェースは、オペレータに情報若しくはデータをもたらし、及び/又はオペレータから情報若しくはデータを受信する。ユーザインターフェースは、オペレータからの入力をコンピュータが受信することを可能にし、コンピュータからユーザに出力をもたらす。言い換えれば、ユーザインターフェースは、オペレータがコンピュータを制御又は操作することを可能にし、インターフェースは、コンピュータがオペレータの制御又は操作の効果を示すことを可能にする。ディスプレイ又はグラフィカルユーザインターフェース上のデータ又は情報の表示は、オペレータに情報をもたらすことの一例である。キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッド、ポインティングスティック、グラフィックスタブレット、ジョイスティック、ゲームパッド、ウェブカム、ヘッドセット、ペダル、ワイヤードグローブ、リモートコントロール、及び加速度計による、データの受信はすべて、オペレータからの情報又はデータの受信を可能にするユーザインターフェース構成要素の例である。
【0050】
本明細書で使用する「ハードウェアインターフェース」は、コンピュータシステムの計算システムが外部計算デバイス及び/若しくは装置と対話すること、並びに/又は外部計算デバイス及び/若しくは装置を制御することを可能にするインターフェースを包含する。ハードウェアインターフェースは、計算システムが外部計算デバイス及び/又は装置に制御信号又は命令を送ることを可能にする。ハードウェアインターフェースはまた、計算システムが外部計算デバイス及び/又は装置とデータを交換することを可能にする。ハードウェアインターフェースの例としては、限定はしないが、ユニバーサルシリアルバス、IEEE1394ポート、パラレルポート、IEEE1284ポート、シリアルポート、RS-232ポート、IEEE-488ポート、Bluetooth接続、ワイヤレスローカルエリアネットワーク接続、TCP/IP接続、イーサネット接続、制御電圧インターフェース、MIDIインターフェース、アナログ入力インターフェース、及びデジタル入力インターフェースがある。
【0051】
本明細書で使用する「ディスプレイ」又は「ディスプレイデバイス」は、画像又はデータを表示するために適応させられた出力デバイス又はユーザインターフェースを包含する。ディスプレイは視覚データ、聴覚データ、及び/又は触覚データを出力する。ディスプレイの例としては、限定はしないが、コンピュータモニタ、テレビジョンスクリーン、タッチスクリーン、触覚電子ディスプレイ、ブライユ点字スクリーン、陰極線管(CRT)、蓄積管、双安定ディスプレイ、電子ペーパー、ベクトルディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、真空蛍光ディスプレイ(VF)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、エレクトロルミネッセントディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、プロジェクタ、及びヘッドマウントディスプレイがある。
【0052】
k空間データは、本明細書では、磁気共鳴撮像走査中に磁気共鳴装置のアンテナを使用した、原子スピンによって放出された無線周波信号の記録された測定値であるデータとして定義される。
【0053】
磁気共鳴撮像(MRI)画像又はMR画像は、本明細書では、k空間データ内に含まれている解剖学的データの再構成された2次元又は3次元可視化である画像として定義される。この可視化は、コンピュータを使用して実行することができる。
【0054】
以下では、本発明の好ましい実施形態について、単に例として、図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図2】
図1の医療システムを使用する方法を示すフローチャートを示す図である。
【
図4】
図3の医療システムを使用する方法を示すフローチャートを示す図である。
【
図6】タスクブロックについての活性化のパーセント変化を示す3次元R2スター画像の3つのビューを示す図である。
【
図7】
図6において選択されたシードボクセルについてのイベント関係R2スターデータを示す図である。
【
図8】脳ボリュームの1つのスライスについてのピアソン相関係数を示す図である。
【
図10】
図9に示されているすべての活性化領域についてのR2スター値の和を示す図である。
【
図12】血流動態反応関数の最大値のヒストグラム1200を示す図である。
【
図14】複数の個人についての対象者固有の血流動態反応関数を示す図である。
【
図15】R2スター値を決定するために3点式測定を使用することの利点を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
これらの図中の同様の番号を付けられた要素は、等価の要素であるか、又は同じ機能を果たす。前に説明した要素については、機能が等価である場合、必ずしも後の図で説明するとは限らない。
【0057】
図1は医療システム100の一例を示している。この例では、医療システム100は、計算システム104を有するコンピュータ102を備える。コンピュータ102は、例えば、分散型コンピューティングシステム、並びに、遠隔に位置する、又はクラウドウェブサービスを介して設置されたコンピュータであり得る。コンピュータ102はまた、放射線科医又は他の医療専門家によって使用されるワークステーション又はコンピュータであり得る。コンピュータ102はまた、磁気共鳴撮像システムのための制御システムであり得る。コンピュータ102は、1つ又は複数のロケーションに位置し得る1つ又は複数の計算システムを表すものである計算システム104を備えるものとして示されている。計算システム104は随意のハードウェアインターフェース106と随意のユーザインターフェース108とに接続される。存在する場合、ハードウェアインターフェース106は、計算システム104が、磁気共鳴撮像システムなど、医療システム100の他の構成要素を制御することを可能にする。ユーザインターフェース108は、オペレータが、医療システム100を制御し、動作させること、及び医療システム100と対話することを可能にする。
【0058】
計算システム104は、さらに、メモリ110と通信しているものとして示されている。メモリ110は、計算システム104と通信することが可能である様々なタイプのメモリを表すものである。メモリ110は、機械実行可能命令120を含んでいるものとして示されている。機械実行可能命令120は、計算システム104が、医療システム100の他の構成要素を制御すること、並びに数値及び画像処理タスクを実行することなど、様々なタスクを実行することを可能にする。メモリ110は、さらに、脳ボリュームについてのR2スターマップの時系列122を含んでいるものとして示されている。
【0059】
メモリ110は、さらに、R2スターマップの時系列122に同期する刺激信号124を含んでいるものとして示されている。メモリ110は、さらに、脳ボリューム中の1つ又は複数のシードボクセル126のセレクションを含んでいるものとして示されている。メモリ110は、さらに、R2スターマップのノイズ除去された時系列128を含んでいるものとして示されている。メモリ110は、さらに、R2スターマップのノイズ除去された時系列中の1つ又は複数のシードボクセル126と残りのボクセルとの間の相関マップ130を含んでいるものとして示されている。メモリ110は、さらに、相関マップ130をしきい値処理し、次いでそれらを互いに組み合わせることによって見つけられた、脳ボリューム中で特定された活性化領域132を含んでいるものとして示されている。
【0060】
メモリ110は、さらに、活性化領域132の各ボクセルについての、及び刺激信号124中に示されているように、刺激が提示された各回についての血流動態反応関数134を含んでいるものとして示されている。例えば、1つの特定のボクセルについて、刺激が提示されたごとにいくつかの血流動態反応関数134がある。メモリ110は、さらに、血流動態反応関数134を平均化することによって見つけられた、対象者固有の血流動態反応関数136を含んでいるものとして示されている。
【0061】
図2は、
図1の医療システム100を動作させる方法を示すフローチャートを示している。最初に、ステップ200において、R2スターマップの時系列122が受信される。次に、ステップ202において、刺激信号124が受信される。前述したように、刺激信号124はR2スターマップの時系列122に同期する。刺激信号124は、聴覚又は視覚ディスプレイなど、刺激生成器を使用して、感覚刺激が対象者に与えられた又は提示されたときを表す。次いで、ステップ204において、1つ又は複数のシードボクセル126のセレクションが受信される。これは、例えば、オペレータによって手動で行われ得るか、又は自動化されたアルゴリズムを介して行われ得る。次に、ステップ206において、R2スターマップの時系列122から、R2スターマップのノイズ除去された時系列128が計算される。
【0062】
R2スターマップの系列がある。マップの各々から特定のボクセルを取り、次いで値を取ると、各ボクセルについての時間ベースのR2スター信号がある。ボクセルの各々についてのこの信号は、次いで、R2スターマップのノイズ除去された時系列をもたらすためにノイズ除去される。これは、例えば、デジタルフィルタを使用して、又はデータにスプラインなどの曲線を適合させることによって達成され得る。次に、ステップ208において、1つ又は複数のシードボクセル126のセレクションの各々についての相関マップが計算される。例えば、ノイズ除去された時系列R2スターマップ中の1つ又は複数のシードボクセルと残りのボクセルとの各々についての時間信号間の相関係数が計算される。ステップ210において、次いで脳ボリュームの活性化領域132が計算される。これは、相関マップ130を取り、それらをしきい値処理することによって計算される。
【0063】
単一の相関マップをしきい値処理することにより、特定のシードボクセルと時間的に相関する領域が特定される。活性化領域は、その場合、しきい値処理された相関マップの組合せである。次いで、ステップ212において、R2スターマップの時系列を刺激信号と整合させることによって、脳ボリュームの活性化領域中の各ボクセルと感覚刺激の各発生とについての血流動態反応関数134がもたらされる。最後に、ステップ214において、血流動態反応関数134を平均化することによって、対象者固有の血流動態反応関数136が、次いで計算される。平滑化又は曲線適合など、追加のことも実行され得るが、これは必須ではない。
【0064】
図3は、医療システム300のさらなる例を示す図を示している。医療システム300は、それが磁気共鳴撮像システム302をさらに備えることを除いて、
図1に示されている医療システム100と同様である。
【0065】
磁気共鳴撮像システム302は磁石304を備える。磁石304は、磁石を貫通するボア306をもつ超伝導円柱タイプ磁石である。異なるタイプの磁石の使用も可能であり、例えば、分割円柱型磁石と、いわゆる開放型磁石の両方を使用することも可能である。分割円柱型磁石は、磁石のアイソプレーン(iso-plane)へのアクセスを可能にするためにクライオスタット(cryostat)が2つのセクションに分割されていることを除いて、標準的な円柱型磁石と同様であり、そのような磁石は、例えば、荷電粒子ビーム治療とともに使用される。開放型磁石は2つの磁石セクションを有し、一方が他方の上にあり、それらの間には、対象者を受け入れるのに十分に大きい空間がある。2つのセクションの配置はヘルムホルツコイルの配置と同様である。開放型磁石は、対象者があまり密閉されないので普及している。円柱型磁石のクライオスタットの内側には、超伝導コイルの集合がある。
【0066】
円柱型磁石304のボア306内には、磁界が、磁気共鳴撮像を実行するのに十分に強く均一である、撮像ゾーン308がある。撮像ゾーン308内には視界309が示されている。磁気共鳴データは一般に視界309について収集される。視界309は、対象者支持台320によって支持されるものとして示されている対象者318の脳ボリュームを撮像するように示されている。
【0067】
撮像ゾーン308内で、対象者318の頭部は頭部用コイル314内にある。これにより視界309の撮像が可能になる。いくつかの場合、脳ボリュームは視界309と同一である。他の場合、脳ボリュームは視界309内にある。T1重み付き画像は、例えば、EPIマルチエコーT2スター重み付き画像よりも大きい視界を有することがある。
【0068】
対象者318の頭部の上には、この例ではディスプレイである刺激システム322がある。磁石304のボア306の外側の投影のビューを反射するミラーなど、様々なタイプのディスプレイが使用され、並びに、対象者318の目の真上に磁気共鳴互換ディスプレイももたらされ得る。音刺激、また触覚刺激など、他のタイプの刺激も使用される。
【0069】
磁石のボア306内には磁界勾配コイル310のセットもあり、磁界勾配コイル310のセットは、磁石304の撮像ゾーン308内の磁気スピンを空間的に符号化するための予備的な磁気共鳴データの収集のために使用される。磁界勾配コイル310は磁界勾配コイル電源312に接続される。磁界勾配コイル310は代表的なものである。一般に、磁界勾配コイル310は、3つの直交する空間方向において空間的に符号化するためのコイルの3つの別個のセットを含んでいる。磁界勾配電源は磁界勾配コイルに電流を供給する。磁界勾配コイル310に供給される電流は、時間の関数として制御され、ランプ化又はパルス化され得る。
【0070】
撮像ゾーン308に隣接して、撮像ゾーン308内の磁気スピンの向きを操作し、同じく撮像ゾーン308内のスピンからの無線送信を受信するための無線周波数コイル314がある。この場合、無線周波数コイル314は頭部用コイルである。無線周波アンテナは複数のコイル要素を含んでいることがある。無線周波アンテナはチャネル又はアンテナと呼ばれることもある。無線周波数コイル314は無線周波数トランシーバ316に接続される。無線周波数コイル314及び無線周波数トランシーバ316は別個の送信コイル及び受信コイル並びに別個の送信機及び受信機と置き換えられ得る。無線周波数コイル314及び無線周波数トランシーバ316は代表的なものであることを理解されたい。無線周波数コイル314は専用送信アンテナ及び専用受信アンテナをも表すものである。同様に、トランシーバ316は別個の送信機及び受信機をも表し得る。無線周波数コイル314はまた、複数の受信/送信要素を有し得、無線周波数トランシーバ316は複数の受信/送信チャネルを有し得る。
【0071】
トランシーバ316及び勾配コントローラ312は、コンピュータシステム102のハードウェアインターフェース106に接続されたものとして示されている。これらの構成要素の両方、並びに、位置データを供給する対象者支持台など、他の構成要素は、センサーデータ126を供給し得る。
【0072】
メモリ110は、さらに、EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データを収集するために構成されたEPIマルチエコーパルスシーケンスコマンドを含んでいるものとして示されている。メモリ110は、さらに、T1重み付きk空間データを収集するように磁気共鳴撮像システムを制御するために構成されたT1重み付きパルスシーケンスコマンド332を含んでいるものとして示されている。パルスシーケンスコマンドは、一般に、特定の磁気共鳴撮像プロトコルに従ってk空間データを収集するように磁気共鳴撮像システム302を制御するために使用されるコマンドである。
【0073】
メモリ110は、さらに、EPIマルチエコーパルスシーケンスコマンド330を用いて磁気共鳴撮像システム302を制御することによって収集されたEPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データ334を含んでいるものとして示されている。メモリ110は、さらに、T1重み付きパルスシーケンスコマンド332を用いて磁気共鳴撮像システム302を制御することによって収集されたT1重み付きk空間データ336を含んでいるものとして示されている。メモリ110は、さらに、T1重み付きk空間データ336から再構成された脳ボリュームのT1重み付き画像338を含んでいるものとして示されている。メモリ110は、さらに、EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データ334の各エコーについてのT2スター重み付き画像340を含んでいるものとして示されている。メモリ110は、さらに、各エコーについての整合させられたT2スター重み付き画像342を含んでいるものとして示されている。
【0074】
図4は、
図3の医療システム300をどのように動作させるかを示すフローチャートを示している。最初に、ステップ400において、T1重み付きパルスシーケンスコマンド332を用いて磁気共鳴撮像システム302を制御することによってT1重み付きk空間データ336が収集される。次いで、ステップ402において、EPIマルチエコーパルスシーケンスコマンド330を用いて磁気共鳴撮像システムを複数回制御することによってEPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データ334の複数の収集が収集される。EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データ334の複数回の収集中に、ステップ404が実行される。ステップ404において、刺激システム332が、対象者318に感覚刺激を与えるように刺激信号124を用いて制御される。
【0075】
刺激信号124は、その場合、EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データ334の様々な収集と同期する。次いで、ステップ406において、T1重み付きk空間データ336から脳ボリュームのT1重み付き画像338が再構成される。次に、ステップ408において、EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データ334の複数の収集の各々についてのT2スター重み付き画像が再構成される。次いで、ステップ410において、EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの複数の収集の各エコーについてのT2スター重み付き画像を脳ボリュームのT1重み付き画像と整合させる前処理を実行することによって、EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの複数の収集の各エコーについて、各エコーについての整合させられたT2スター重み付き画像342が計算される。次に、ステップ412において、EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの複数の収集の各エコーについての整合させられたT2スター重み付き画像に減衰曲線を適合させることによって、各ボクセルについての対象者の脳ボリュームについてのR2スターマップの時系列122が計算される。ステップ412が実行された後に、本方法は、次いで、
図2に示されているステップ200~214に進む。
【0076】
機能的fMRIは神経科学における重要なツールであり、fMRIを診断目的のために使用することができることの利益及びエビデンスが増加しつつある。特に、精神疾患の分野において、fMRIはゲームチェンジャーになることを実証することができ、例えば、多くの場合に、解剖学的走査はこれらの患者におけるいかなる異常も示さない。しかしながら、機能的MRIは、これらの患者が、異常反応、すなわち、より強い又はより弱い反応、脳の他の領域における反応を有することを示す。fMRIの反応は、血流動態的な変動、血流の増加、また、酸素化ヘモグロビン対脱酸素化ヘモグロビンの比率が、反応を示す領域において異なることの結果である。
【0077】
血流の変動は血流動態反応関数(HRF)によって説明される。たいていの分析ツールでは、すべての対象者のために一定のHRFが使用される。以下で示すように、HRFは対象者によって異なり、HRFは追加の診断値を有することがある。
【0078】
本明細書で開示するように、HRFを決定するために使用される事前知識はない。マルチエコーEPIを利用する高時間分解能測定が行われる。
【0079】
いくつかの例では、本方法は、コントラスト対ノイズ比(CNR)を約30%だけ増加させるマルチエコーEPIを用いて記録されたfMRIデータに依存する。いくつかの例の利益は以下のうちの1つ又は複数を含む。
事前知識なしのHRFの分析
マルチエコーfMRIを使用することによるSNRの増加
高い空間分解能。
【0080】
fMRIタスク:以下の例では、対象者は、視覚タスク、すなわちブロック設計及びイベント関係タスクを実行した。すべての実験において、視覚刺激は、明滅するチェッカーボードであった。ブロック設計の場合、持続時間は30秒であり、明滅周波数は8Hzであった。30秒の休憩ブロックを間に挟んだ合計8つのタスクブロックが記録された。実験は休憩ブロックで終了した。イベント関係実験では、1秒の持続時間と10Hzの周波数とをもつチェッカーボードを使用した。イベントの開始の間の時間は20秒又は30秒とし、ランダムに変動させた。開始時間は、20秒、50秒、80秒、100秒、130秒、150秒、170秒、200秒、230秒、250秒、280秒、310秒、330秒、350秒、380秒、400秒、420秒、450秒、470秒、490秒とした。合計20個のイベントが表示された。両方のイベント関係動作は同一であった。
【0081】
パラダイムは、ビーマー(beamer)又はプロジェクタを使用して視覚的に提示した。すべての刺激の厳密な開始は、スキャナからのTLLパルスによって制御した。
【0082】
すべてのMRI実験は、32チャネルの頭部用コイルを使用して3T MRIシステム上に記録された。すべてのfMRI実験が同じパラメータ設定を有していた。
【0083】
シングルショットEPI:Tr=500ms、エコー時間=12、28、44ms、マルチバンド加速(MB)=3スライス、ボクセルサイズ=2.75×2.75×3、21スライス、1020動態。短いTRが「究極目標(holy grail)」であったので、スライスの数が制限要因であった。結果として、fMRI走査はFH方向、視界(fov)63mmにおいて脳全体をカバーしなかった。
【0084】
図5はT1重み付き(T1w)画像338の一例を示している。T1重み付き画像338内には脳ボリューム500が示されている。この例では、脳ボリューム500は視覚野を含む。図示されている例では、視覚刺激が使用された。したがって、脳ボリューム500を視覚野に限定することによって時間を節約することができる。T1重み付き走査はマルチショットTFE、Tr/TE=8.3/3.8ms、1mm
3のボクセルサイズとした。シングルショットEPIデータが脳ボリューム500中で収集された。
【0085】
fMRIデータの前処理は、T1w画像(fMRIデータ)及びT1w画像に対して実行される以下のステップのうちの1つ又は複数を有する。
1.T1w画像を(3つのうちの)第1のエコーの第1の動態(ブロックMRIデータの第1の収集)に同時位置合わせする(第1の動態を使用するという選択は任意である。)
2.灰白質(GM)、白質(WM)、及び脳脊髄液(CSF)についてのT1重み付き画像をセグメント化する(SPMセグメンテーション)
3.T1w画像及びセグメンテーションをエコー1の第1の動態に一致するように再スライスする(SPM再スライス)
4.GM及び脳全体についてのマスクがあるように、セグメンテーションからマスクを構築する
5.fMRIデータの各エコーを第1の動態に別個に再整合させる(SPM再整合)
6.fMRIデータの線形トレンド除去(detrend)を実行する
7.ガウスカーネル(Gaussian kernel)、FWHM5を使用してfMRIデータを平滑化する(SPM)
8.fMRI:4D-R2スター及びD-S0マップを作成するためにfMRIデータを使用してエコーの対数線形適合を実行する。脳マスク全体の外側のデータは除外される。
10.fMRI:R2スターマップに基づいてPSCとしてのブロックタスクについての機能的活性化マップを構築する
【0086】
図6は、タスクブロックについての活性化のパーセント変化を示す3次元R2スター画像の3つのビュー600、602、604を示している。これらの画像を使用してシードボクセル126を手動で選択した。このシードボクセル126は3つの画像のすべてにおいてマーキングされている。
図6は、R2スターデータからのタスクブロック4の活性化のパーセント信号変化(PSC)を示している。
【0087】
HRF反応は以下のように選択された。
1)活性化領域中の1つの又は2つのシードボクセル(ブロックパラダイム)を手動で選定する(
図6参照)。
2)イベント関係データ中の選定されたボクセルの経時的変化を選択する。
3)これらのシードボクセルに平滑化スプラインを適用する(
図7)。
【0088】
図7は、
図6において選択されたシードボクセル126についてのイベント関係R2スターデータを示している。曲線700は生データを示している。曲線702は曲線700中の同じデータを示しているが、データには移動アルゴリズム又はノイズ除去アルゴリズムが適用されている。曲線704は、曲線700と702との間の差を示し、除去されたノイズを示している。
【0089】
次に、脳ボリューム500の活性化領域132を決定するために、平滑ボクセル702と、fMRIデータの4次元データセット中のすべての平滑ボクセルとの間のピアソンの相関係数が計算される。
4)平滑化されたボクセルと、以下の
図8及び
図9中のイベント関係データの4Dデータセット中のすべての他の平滑化されたボクセルとのピアソンの相関係数を決定する。
【0090】
図8は、脳ボリュームについてのR2スターマップの1つの時間期間における1つのスライスについてのピアソン相関係数800の画像を示している。ピアソン相関係数800は中心に見えており、それを囲む領域802はマスクが掛けられている。ピアソンの相関値800をしきい値処理することによって、活性化領域132が特定されており、
図9中に表示されている。
図9は、
図8をしきい値処理することによって生成された。
5)しきい値(0.75)を適用し、元の平滑化されていないデータからボクセルを選択する。経時的変化をトレンド除去(5次)し、平均化する。
図10は、
図9に示されているすべての活性化領域132についてのR2スター値の和を示している。これは、空間的に平均化された信号1000である。
6)-5~20秒のウィンドウを用いてHRF反応を選択する。刺激の開始は0秒にある。すべての選択されたHRF反応を平均化する(
図11)。すべての個々の反応(平滑化されていない)はさらなる分析のために保存される。
【0091】
図11は、直前に説明した選択された基準を使用して、
図10中の曲線1000から取られたHRFを加算することによって計算された血流動態反応関数1100を示している。ボクセルごとに20個のHRF反応をもつ106個のボクセルがある。これは、HRF1100を構築するために加算される4100個の反応をもたらす。
7)ステップ5において保存されたすべての個々の反応に平滑化スプラインを(再び)適合させる。時間最大値を決定し、ヒストグラムを作成する(
図12参照)。
【0092】
図12は、4100個の血流動態反応関数の最大値のヒストグラム1200を個々に示している。この図内には、最大値1202といくつかの外れ値1204とが見られ得る。先に進む前に、1204と標示された領域中の血流動態反応関数が分析から除外され、これにより外れ値が除外される。この例では、ヒストグラムを使用して外れ値を選択したが、最大値1202の一定数の標準偏差内にあるものなど、他の値もうまくいくであろう。
8)ヒストグラム中の最大値周辺のHRF反応を選択する(ウィンドウ:-1.5~+2.0秒)。選択された平滑化されていないHRF反応を合計する。さらなる分析のために和(平均)を保存する(
図13)。
【0093】
図13は、
図12に示されているヒストグラム1200に基づく選択を「生き延びた」2555個の血流動態反応関数の平均から計算された平均血流動態反応関数1300を示している。血流動態反応関数1300は、依然としていくらかのノイズを示しており、比較的粗い。血流動態反応関数(HRF)1300は、例えば、HRF反応の対象者分析に従って、ノイズ除去されるか又はスプライン関数に適合され得る。
【0094】
平滑化スプラインが合計に対してなされる。平滑化されたHRFに対してすべてのさらなる処理及び分析が行われる。
【0095】
各HRFについて、平滑化された曲線から最大R2スター値が決定される。イベントの開始時(t=0)における信号値が基準として取られる。パーセンテージ信号変化(PSC)としてのHRF曲線をもたらすために、PSCが基準に対して計算される。見つけられたHRF曲線の一例が
図14に示されている。
【0096】
図14は、複数の個人についての対象者固有の血流動態反応関数1400を示している。これらの対象者固有の血流動態反応関数は、HRF1002~HRF1108、HRF1110、及びHRF1101~HRF1109と標示されている。
図14に示されているように、対象者固有の血流動態反応関数1400は個人によって大幅に異なること、及び、そのことはまた、他の機能的磁気共鳴撮像プロトコルを実行するときに対象者固有の血流動態反応関数1400を使用することの利点を示すことがわかる。
【0097】
これらのHRF反応のいくつかのパラメータが決定され得る。
最大振幅(PSC最大値)。
最大値までの時間
反応の幅(FWHM)
反応の歪度
反応の積分
初期最大上り勾配(勾配1)
最大下り勾配(勾配2)
【0098】
以下の表に一例が示されている。データは、
図14に示されているHRF反応の分析である。
【0099】
【0100】
以下はマルチエコーfMRIの利点を示している。R2スターデータとエコー2データ(2つのエコーのみを使用したHRFの決定)の両方が分析された。エコー2は、シングルエコーfMRIを使用した研究を代表する28msのTEで記録される。両方のデータセットについて、上記で導出されたものと同じ処理が使用された。両方のデータセットについての最大PSC値が、以下の
図15に示されているように決定された。
【0101】
図15は、R2スター値を決定するために3点式測定を使用することの利点を示している。
図15では、本明細書で説明した3点式R2スター値1500を使用した、また、極めて一般的であるか、又はシングルエコー機能的磁気共鳴撮像を使用する研究を代表する、28msの時間における第2のエコーを使用した、両方のデータセットが、上記で導出されたものと同じデータ処理を有する、分析が使用された。両方のデータセットについての最大パーセント変化値が、
図15に示されているように決定された。各R2スター値1500は第2のエコー1502データを上回っている。シングルエコー機能的磁気共鳴撮像技法を使用する際の系統的誤差があることがわかる。R2スターデータとエコー2との間の平均差は34%である。
【0102】
本発明について、図面及び上記の説明において詳細に例示及び説明したが、そのような例示及び説明は、例示的又は典型的なものと考えられるべきであり、限定的なものと考えられるべきでない。本発明は、開示した実施形態に限定されない。
【0103】
開示した実施形態の他の変形形態は、図面、本開示及び添付の特許請求の範囲の研究から、特許請求される発明を実施する際に当業者によって理解され、実施され得る。特許請求の範囲において、「備える/有する」という単語は他の要素又はステップを除外せず、単数形の要素は複数を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に記載されたいくつかの項目の機能を果たし得る。いくつかの手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せを有利に使用することができないことを示さない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に、又は他のハードウェアの一部として供給される、光記憶媒体又はソリッドステート媒体など、好適な媒体上に記憶/配布されるだけでなく、インターネット又は他のワイヤード若しくはワイヤレス電気通信システムを介してなど、他の形態でも配布され得る。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきでない。
【符号の説明】
【0104】
参照符号リスト
100 医療システム
102 コンピュータ
104 計算システム
106 ハードウェアインターフェース
108 ユーザインターフェース
110 メモリ
120 機械実行可能命令
122 R2スターマップの時系列
124 刺激信号
126 1つ又は複数のシードボクセルのセレクション
128 R2スターマップのノイズ除去された時系列
130 相関マップ
132 脳ボリュームの活性化領域
134 血流動態反応関数
136 対象者固有の血流動態反応関数
200 対象者の脳ボリュームについてのR2スターマップの時系列を受信する
202 対象者に繰り返し与えられる感覚刺激の発生を記述する刺激信号を受信する
204 R2スターマップの時系列中で特定された1つ又は複数のシードボクセルのセレクションを受信する
206 R2スターマップの時系列に時間フィルタアルゴリズムを適用することによってR2スターマップのノイズ除去された時系列を計算する
208 1つ又は複数のシードボクセルの各ボクセルとR2スターマップのノイズ除去された時系列との間のピクセルごとの相関値を計算することによって、1つ又は複数のシードボクセルの各ボクセルについての相関マップを計算する
210 所定のしきい値を上回る1つ又は複数のシードボクセルの各ボクセルについての相関マップ中で特定されたボクセルを組み合わせることによって脳ボリュームの活性化領域を決定する
212 R2スターマップの時系列を刺激信号と整合させることによって、脳ボリュームの活性化領域中の各ボクセルと感覚刺激の各発生とについての血流動態反応関数をもたらす
214 脳ボリュームの活性化領域中の各ボクセルと感覚刺激の各発生とについての血流動態反応関数を平均化することによって、対象者固有の血流動態反応関数をもたらす
300 医療システム
302 磁気共鳴撮像システム
304 磁石
306 磁石のボア
308 撮像ゾーン
309 視界
310 磁界勾配コイル
312 磁界勾配コイル電源
314 頭部用コイル
316 トランシーバ
318 対象者
320 対象者支持台
322 刺激システム(ディスプレイ)
330 EPIマルチエコーパルスシーケンスコマンド
332 T1重み付きパルスシーケンスコマンド
334 EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データ
336 T1重み付きk空間データ
338 脳ボリュームのT1重み付き画像
340 各エコーについてのT2スター重み付き画像
342 各エコーについての整合させられたT2スター重み付き画像
400 T1重み付きパルスシーケンスコマンドを用いて磁気共鳴撮像システムを制御することによってT1重み付きk空間データを収集する
402 EPIマルチエコーパルスシーケンスコマンドを用いて磁気共鳴撮像システムを制御することによってEPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの複数の収集を収集する
404 EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの複数の収集の収集中に刺激信号を用いて刺激システムを制御する
406 T1重み付きk空間データから脳ボリュームのT1重み付き画像を再構成する
408 EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの複数の収集の各エコーについてのT2スター重み付き画像を再構成する
410 EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの複数の収集の各エコーについてのT2スター重み付き画像を脳ボリュームのT1重み付き画像と整合させる前処理を実行することによって、EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの複数の収集の各エコーについての整合させられたT2スター重み付き画像を計算する
412 EPIマルチエコーT2スター重み付きk空間データの複数の収集の各エコーについての整合させられたT2スター重み付き画像に減衰曲線を適合させることによって、各ボクセルについての対象者の脳ボリュームについてのR2スターマップの時系列を計算する
500 脳ボリューム
600 R2スター画像の第1のビュー
602 R2スター画像の第2のビュー
604 R2スター画像の第3のビュー
700 シードボクセルについてのイベント関係R2スター時系列
702 700の平滑化されたバージョン
704 700と702との間の差
800 脳ボリュームの(1スライス)についてのピアソン相関係数
802 マスキングされた領域
1000 空間的に平均化された信号
1100 血流動態反応関数
1200 血流動態反応関数の最大値のヒストグラム
1202 最大値
1204 外れ値
1300 平均化された血流動態反応関数
1400 複数の個人についての対象者固有の血流動態反応関数
【国際調査報告】